(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】非血管用ステント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/848 20130101AFI20221227BHJP
A61F 2/91 20130101ALI20221227BHJP
【FI】
A61F2/848
A61F2/91
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525778
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2020015020
(87)【国際公開番号】W WO2021086104
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0137183
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521268484
【氏名又は名称】サムヤン、ホールディングス、コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】SAMYANG HOLDINGS CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】521189156
【氏名又は名称】ソウル ナショナル ユニバーシティ アール アンド ディービー ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヒェスン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ハンクァン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267AA45
4C267CC20
4C267CC21
4C267CC22
4C267CC23
4C267CC26
4C267GG02
4C267GG43
(57)【要約】
【課題】非血管の狭窄を効果的に予防及び治療することができ、挿入後、除去が不要な生分解性高分子で形成された非血管用ステントを提供する。
【解決手段】本発明の非血管用ステントは、非血管に挿入される管状の本体部;非血管の一側に係止され、前記本体部の一側に位置して前記本体部の直径より大きい直径を有する第1係止部;及び非血管の他側に係止され、前記本体部の他側に位置して前記本体部の直径よりも大きい直径を有する第2係止部;を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非血管に挿入される管状の本体部;
非血管の一側に係止され、前記本体部の一側に位置し、前記本体部の直径よりも大きい直径を有する第1係止部;及び
非血管の他側に係止され、前記本体部の他側に位置し、前記本体部の直径より大きい直径を有する第2係止部;
を含む、生分解性高分子で形成された非血管用ステントであって、
前記非血管用ステントは、非血管に設置後、生分解されることを特徴とする非血管用ステント。
【請求項2】
前記第1係止部は、
前記本体部の一側から長手方向の上側に向かって連続的に増加する直径を有する第1拡張部;及び
前記第1拡張部の一側から長手方向の上側に向かって同じ直径が保持される第1支持部;
を含み、
前記第2係止部は、
前記本体部の他側から長手方向の下側に向かって連続的に増加する直径を有する第2拡張部;及び
前記第2拡張部の一側から長手方向の下側に向かって同じ直径が保持される第2支持部;
を含む請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項3】
前記非血管用ステントの側面に複数個の穴が形成されるように、前記本体部、前記第1係止部及び前記第2係止部は、周方向の複数個の第1フレームと長手方向の複数個の第2フレームとが交差する形態で設けられ、
前記第1フレームの端面は、リング状であり、複数個の前記第1フレームは、互いに平行に設けられる請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項4】
前記穴は、四角形状に形成される請求項3に記載の非血管用ステント。
【請求項5】
前記非血管用ステントの側面に複数個の穴が形成されるように、前記本体部、前記第1係止部及び前記第2係止部は、周方向の複数個の第1フレームと長手方向の複数個の第2フレームとが交差する形態で設けられ、
前記第1拡張部及び前記第2拡張部を形成する第1フレームの幅は、前記本体部、前記第1支持部及び前記第2支持部を形成する第1フレームの幅よりも大きい請求項2に記載の非血管用ステント。
【請求項6】
前記第1拡張部及び前記第2拡張部には、穴がない請求項5に記載の非血管用ステント。
【請求項7】
前記本体部の長さは、2mm~20mmであり、
前記本体部の直径は、2mm~30mmであることである請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項8】
前記第1係止部と前記第2係止部は、前記本体部を中心に対称形状である請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項9】
前記第1係止部と前記第2係止部の長さは、前記本体部の長さと同じである請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項10】
前記第1係止部と前記第2係止部の長さは、2mm~20mmであり、
前記第1係止部と前記第2係止部の直径は、5mm~45mmである請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項11】
前記第2係止部は、自由端部側の直径が小さくなる形態にテーパされた請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項12】
前記第2係止部から延び、前記第2係止部から長手方向の下側に向かって少なくとも一部分が減少する直径を有する挿入補助部を含む請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項13】
前記挿入補助部は、
前記第2係止部から長手方向の下側に向かって連続的に減少する直径を有する第1縮小部;前記第1縮小部の一側から長手方向の下側に向かって同じ直径が保持される第3支持部;
を含む請求項12に記載の非血管用ステント。
【請求項14】
前記第1縮小部を形成する第1フレームの幅は、前記第3支持部を形成する第1フレームの幅よりも大きい請求項13に記載の非血管用ステント。
【請求項15】
前記第1縮小部は、凸プロファイルを有する請求項13に記載の非血管用ステント。
【請求項16】
前記本体部と前記第1係止部と前記第2係止部は、一体的に形成され、生分解性高分子素材で形成される請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項17】
前記生分解性高分子は、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ(p-ジオキサノン)(PPDO)、ポリ(グリコリド-co-ε-カプロラクトン(PGCL)、ポリトリメチレンカーボネート(PTMC)、及びこれらの共重合体からなる群から選ばれた1種以上である請求項1に記載の非血管用ステント。
【請求項18】
前記非血管用ステントは、消化管に使用されるものである請求項1に記載の非血管用ステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非血管用ステント及びその製造方法に関し、より詳細には、生分解性高分子で形成され、非血管に挿入され、離脱を効果的に防止できる生分解性3次元非血管用ステント及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外科手術方法中のステント挿入手術は、血管又は非血管にステントを挿入して、組織の狭窄を予防又は治療する手術である。ステントを内腔に挿入すると、狭窄部位の狭くなった通路を拡張することで、内腔を通過する飲食物などの流れを円滑にすることができる。
【0003】
一般に、このようなステント挿入手術に使用される血管又は非血管ステントは、金属材料で作製されたものが殆どである。例えば、形状記憶合金ワイヤで製造されたステント(特許文献1)、Gianturcoステント(特許文献2)、Wallstenステント(特許文献3)などがある。このようなステントは、概ね円筒状に形成された網構造で金属、シリコーン、ゴム、又は金属と機能性高分子とが結合された材料などで製造され、自己弾性力を有しており、外力によって収縮し、外力が除去されると復元される形で広く使用されている。
【0004】
しかし、このような金属材料で作製されたステントは、金属ワイヤを交差連結して作製され、作製技術の制限により複雑な構造の設計が困難である。また、従来のステントは、病変が発生された内腔の狭窄部位にしっかり固定されないため、消化器官の蠕動運動時に、ステントが同時に収縮と拡張を繰り返しながら初期狭窄部位から他の位置に移動するという問題があった。
【0005】
特に、幽門の上から胃を切断し、残胃との吻合を行う手術である、幽門保存の胃切除手術に使用されるステントの場合、現在の市販されているステントのうち、幽門に最適化された形態のステントがなく、その代わりに、十二指腸用ステントが挿入されている現実である。しかし、十二指腸用ステントは、幽門より長い形状をしており、胃の一部分から幽門を経て十二指腸まで長く延びる形態で臓器に挿入され、基本的に幽門に使用されるのに適した形態ではないため、胃と十二指腸の運動によりステントが幽門から離脱する問題が発生する可能性がある。また、十二指腸の屈曲及び蠕動運動によりステントの形態が一時的に変形し、その後元の形態に復元しようとする力がステントに作用するようになるので、ステントが周辺組織を食い込んで組織が損傷する恐れがあった。さらに、従来のステントは、幽門括約筋の外力に耐えるのに適した形態ではないため、ステントの破損の危険性があった。
【0006】
最近、組織工学分野で3Dプリンティング(印刷)(3D Printing)、押出及び射出成形、又はレーザーカッティング技術を利用して人工構造体を作って体内に移植することで、体内の欠損した組織、器官などの機能を向上又は復元しようとする研究が活発に行なわれている。一般に、3Dプリンティングは、インクジェットプリンティング技法を利用する技術で、薄い高分子粉末をローラーを用いて均一に広げた後、インクジェットプリンタヘッドを移動させながら結合剤(Binder)を振るかけ、高分子粉末粒子を結合させて1層を作製し、一層が作製されると、その上に薄い高分子粉末層を再び積み重ね、結合剤を振りかける過程を繰り返して3次元形状のスキャフォルドを作製する技術である。3Dプロット(3D Plotting)は、生体組織に適した高分子を溶融させて空気圧でノズルを介して押し出しながら3次元形状のスキャフォルドを作製する技術であり、ノズルが取り付けられたシリンダーヘッドがXYZ方向に自由に移動できるように形成され、溶融した高分子は、ノズルを通過して底部又はスキャフォルドの表面に当たる瞬間に硬化させ、自由に3次元形状を作製することができる。最近では、2つの方式が混合されて使用されるか、一方の機器に他方の原理を適用するなどの結合使用などが行われる場合があり、特別な区分がなく混用されて称されこともある(ここでも、以下では3Dプリンティングと一括して称することにする)。
【0007】
特に、3Dプリンティング技術を用いた生分解性高分子ベースの支持体は、押出(extrusion)方式で高分子に熱を加えてノズルを介して吐出させる方法で製造される。現在、生分解性高分子をベースとする3Dプリンティング用の素材は、ポリカプロラクトン及びポリラクチドが主に使用されている。この素材は、3Dプリンティング用フィラメントへの加工が容易であり、プリント時に吐出及び積層が良好な利点を有する。また、これらの素材は、高い機械的物性を有し、患者のカスタマイズされた頭蓋骨及び顔面輪郭成形のための骨の代替品として使用されている。
【0008】
したがって、従来の金属ワイヤで作製されたステントの問題を解決し、ステントが挿入される人体の内部臓器に最適化され、ステント離脱などの問題が発生せず、体内挿入時に安全であり、時間が経つにつれて分解され、ステントを除去する必要がなく、ステントとして適切な物性を有する新しい非血管用ステントの開発が必要な実状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国 特許第10-1785042号
【特許文献2】米国 特許第4,580,568号
【特許文献3】米国 特許第4,655,771号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記のような問題を解決するために提案されたものであり、非血管の狭窄を効果的に予防及び治療することができ、挿入後の除去が不要な生分解性高分子で形成された非血管用ステントを提供しようとする。
具体的には、非血管への挿入後の離脱が防止され、組織損傷を軽減することができ、非血管に加わる外力を耐えるのに適した形態の非血管用ステントを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による非血管用ステントは、生分解性高分子で形成され、非血管に挿入される管状の本体部;非血管の一側に係止され、前記本体部の一側に位置し、前記本体部の直径よりも大きい直径を有する第1係止部;及び非血管の他側に係止され、前記本体部の他側に位置し、前記本体部の直径より大きい直径を有する第2係止部;を含む構成を有し、非血管に設置後生分解され、形状維持機能を喪失することができる。
【0012】
また、本発明の一実施形態による非血管用ステントの前記第1係止部は、前記本体部の一側から長手方向の上側に向かって連続的に増加する直径を有する第1拡張部;及び前記第1拡張部の一側から長手方向の上側に向かって同じ直径が保持される第1支持部;を含み、前記第2係止部は、前記本体部の他側から長手方向の下側に向かって連続的に増加する直径を有する第2拡張部;及び前記第2拡張部の一側から長手方向の下側に向かって同じ直径が保持される第2支持部;を含む。
【0013】
さらに、一実施形態による非血管用ステントの側面に複数個の穴が形成されるように、前記本体部、前記第1係止部及び前記第2係止部は、周方向の複数個の第1フレームと長手方向の複数個の第2フレームとが交差する形態で設けられてもよい。
【0014】
また、一実施形態による非血管用ステントの前記第1フレームの端面は、リング状であり、複数個の前記第1フレームは、互いに平行に設けられる。
一実施形態による非血管用ステントの前記穴は、四角形状に形成されてもよい。
【0015】
一実施形態によると、前記第1拡張部及び前記第2拡張部を形成する第1フレームの幅は、前記本体部、前記第1支持部及び前記第2支持部を形成する第1フレームの幅よりも大きくてもよい。
一実施形態による非血管用ステントの前記第1拡張部及び前記第2拡張部には、穴がなくてもよい。
【0016】
一実施形態による非血管用ステントの前記本体部の長さは、2mm~20mmであり、前記本体部の直径は、2mm~30mmであってもよい。
一実施形態による非血管用ステントの前記第1係止部と前記第2係止部は、前記本体部を中心に対称形状であってもよい。
【0017】
一実施形態による非血管用ステントの前記第1係止部と前記第2係止部の長さは、前記本体部の長さと同じであってもよい。
一実施形態による非血管用ステントの前記第1係止部と前記第2係止部の長さは、2mm~20mmであり、前記第1係止部と前記第2係止部の直径は、5mm~45mmであってもよい。
【0018】
一実施形態による非血管用ステントの前記第2係止部は自由端部側の直径が小さくなる形態にテーパされてもよい。
一実施形態による非血管用ステントの前記第2係止部から延び、前記第2係止部から長手方向の下側に向かって少なくとも一部分が減少する直径を有する挿入補助部を含んでもよい。
【0019】
一実施形態による非血管用ステントの前記挿入補助部は、前記第2係止部から長手方向の下側に向かって連続的に減少する直径を有する第1縮小部;前記第1縮小部の一側から長手方向の下側に向かって同じ直径が保持される第3支持部;を含んでもよい。
一実施形態による非血管用ステントの前記第1縮小部を形成する第1フレームの幅は、前記第3支持部を形成する第1フレームの幅よりも大きくてもよい。
【0020】
一実施形態による非血管用ステントの前記第1縮小部は、凸プロファイルを有してもよい。
別の一実施形態による非血管用ステントの前記本体部と前記第1係止部と前記第2係止部は、一体的に形成され、生分解性高分子素材で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、3Dプリンティング方法、押出及び射出成形、又はレーザーカッティング方法で製造される、生分解性高分子で形成された非血管用ステントを提供する。具体的には、本発明の非血管用ステントは、非血管の狭窄を予防及び治療することができ、非血管への挿入後の離脱を効果的に防止し、組織の損傷を軽減することができる。また、本発明非血管用ステントは、非血管に加わる外力を安定して耐えうる構造を有することにより、組織狭窄をより安全、且つ効果的に予防及び治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態による非血管用ステントが十二指腸と胃と間に設けられたものを概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示された非血管用ステントの斜視図である。
【
図3】
図1に示された非血管用ステントの側面を示す側面図である。
【
図4A】
図2の第1支持部を展開した概略的な様子を示す展開図である。
【
図4B】
図2の第1拡張部を展開した概略的な様子示す展開図である。
【
図4C】
図2の周方向の第1フレームの端面を示す断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による非血管用ステントの側面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による非血管用ステントの側面図である。
【
図7】本発明の第4実施形態による非血管用ステントの側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下では、本発明の具体的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明において、関連する公知の構成又は機能の具体的な説明が本発明の要旨を曇らせると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態による非血管用ステントが十二指腸と胃と間に設けられたものを概略的に示す図、
図2は
図1に図示された非血管用ステントの斜視図、
図3は
図1に図示された非血管用ステントの側面を示す側面図、
図4Aは
図2の第1支持部を展開した概略的な様子を示す展開図、
図4Bは
図2の第1拡張部を展開した概略的な様子を示す展開図、
図4Cは
図2の周方向第1フレームの端面を示す断面図である。
【0025】
以下では、本発明の一実施形態による非血管用ステント1が胃と十二指腸の間の境界である幽門に配置されることを例に説明するが、本発明の非血管用ステント1が使用できる所は、幽門に限定されない。本発明の非血管用ステントは血管でなく内腔を有する人体器官に使用することができ、具体的には胃腸管(膵臓/胆管、消化管)と非胃腸管(器官、尿道)に配置して使用することができる。好ましくは、消化管の一部に使用することができ、例えば、消化器官又は消化器官の間の境界部分に位置する消化管に使用することができる。前記消化器官は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸であってもよく、前記消化器官の間の境界部分は食道と胃との境界部分消化管、胃と十二指腸との境界部分消化管(幽門)、小腸と大腸との境界の部分消化管であってもよい。
図1によれば、幽門9は、胃7と十二指腸8との境界部分であり、胃7の下部の内径と十二指腸8の上部の内径よりも狭い通路として理解することができる。
【0026】
一実施形態によれば、本発明の非血管用ステント1は、消化管の狭窄を予防するため、又は既に狭窄した消化管の内腔を拡張するために使用することができる。一例として、幽門の上から胃を切断し、残胃と吻合する方式の幽門保存胃切除術を受けた患者の胃と十二指腸と間に非血管用ステントを挿入させ、幽門9の狭窄を予防するための用途に使用することができる。ただし、これに限定されるものではなく、消化器官又は異なる消化器官間の境界部分の狭窄を予防するため、又は既に形成された狭窄を治療するための用途に使用することもできる。
【0027】
図1~
図4Cを参照すれば、本発明の一実施形態による非血管用ステント1は、非血管に挿入される管状の本体部110、本体部110の一側から延びる第1係止部120、本体部110の他側から延びる第2係止部130を含むことができる。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、非血管用ステント1が非血管に挿入されたとき、第1係止部は長手方向に上側に位置する消化器官の内腔に向かって配置することができ、第2係止部は下側に位置する消化器官の内腔に向かって配置することができる。例えば、非血管用ステントが幽門9に挿入されたとき、第1係止部120は胃7側に向かって配置され、第2係止部130は十二指腸8側に向かって配置することができる。すなわち、
図2を参照して、長手方向の上側が胃7が位置する方向であり、長手方向の下側が十二指腸9が位置する方向であると理解することができる。
【0029】
本発明の非血管用ステント1の本体部110は、非血管又は非血管の2つの器官を連結する部位(例えば、胃7と十二指腸8を連結する幽門9)に挿入することができ、そのために非血管又は非血管の2つの器官を連結する部位(例えば、幽門9)に対応する形状を有することができる。一例として、本体部110は中空の円筒状であってもよい。さらに、本体部110は、非血管又は非血管の2つの器官を連結する部位(例えば、幽門9)に対応する長さ及び直径を有することができる。
【0030】
本発明の非血管ステントの場合、本体部110の長さL1は、2mm~20mm、4mm~18mm、6mm~16mm、8mm~14mm、9mm~12mm、又は8mm~11mmであってもよく、本体部110の直径D1は、2mm~30mm、6mm~26mm、10mm~22mm、14mm~20mm、16mm~18mm、10~18mm、12mm~18mm、又は14~18mmであってもよい。
【0031】
本発明の一例では、前記非血管用ステントの本体部の長さよりも直径が大きくてもよい。一実施形態によれば、幽門に使用されるステントの本体部100は、ヒトの幽門9の平均の大きさに対応するように作製することができ、本体部の直径D1は、本体部の長さL1よりも長くてもよい。例えば、本体部110の長さL1は、8mm~12mmであり、本体部110の直径D1は、16mm~22mmであってもよく、好ましくは長さは10mmであり、直径は18mmであってもよい。その他、食道、小腸、大腸などの消化器官及びその他消化管の平均の大きさに対応する長さ及び直径で作製可能である。
【0032】
前記第1係止部120は、本体部110の一側に位置し、長手方向に上側に位置する消化器官の下部端部(例えば、胃7の十二指腸の側端部)に係止され、本体部110の直径D1よりも拡張された直径を有することができる。具体的には、第1係止部120は、本体部100の一側から長手方向の上側に向かって連続的に増加する直径を有する第1拡張部122と、第1拡張部122の一側から長手方向の上側に向かって同じ直径が保持される第1支持部124を有することができる。
【0033】
第1係止部120の長さL2は、第1拡張部122の上下方向長さl1と第1支持部124の上下方向長さl2を合わせたものである。このとき、第1係止部120の長さL2は、本体部110の長さL1と同じであってもよい。
【0034】
第1拡張部122は、本体部110の一側から延びて直径が広がる拡管部材であると理解することができる。ここで、本体部110と第1拡張部122との連結部分又は境界部分は滑らかな曲線であってもよい。
【0035】
また、第1拡張部122と本体部110とのなす角度は、90度~170度、90度~160度、90度~150度、90度~140度、90度~130度、又は100度~130度であってもよい。例えば、第1拡張部122と本体部110の間の角度は120度であってもよい。
【0036】
このように、本実施形態の非血管用ステント1は、第1拡張部122を含むことにより、非血管(例えば、幽門9)に配置された非血管用ステント1が非血管の一側(例えば、十二指腸8側)に移動することを防止することができる。
【0037】
第2係止部130は、本体部110の他側に位置し、非血管の一部分(例えば、十二指腸9の上側端部)に係止され、本体部110の直径よりも拡張された直径を有することができる。具体的には、第2係止部130は、本体部110の他側から長手方向の下側に向かって連続的に増加する直径を有する第2拡張部132と第2拡張部132の一側から長手方向の下側に向かって同じ直径が保持される第2支持部134とを含むことができる。
【0038】
第2係止部130の長さL3は、第2拡張部132の上下方向長さl3と第2支持部134の上下方向長さl4を合わせたものである。このとき、第2係止部130の長さL3も本体部110の長さL1と同じであってもよい。一例として、第2係止部130は、本体部110を中心に第1係止部120と対称形状を有してもよい。
【0039】
ただし、第2支持部134の自由端部は、第1支持部124とは異なり、自由端部側の直径が小さくなるようにテーパ状に、又は曲線状に形成されてもよい。この場合、第2支持部134が、非血管用ステント1が手術過程で内径が狭い非血管の部分(例えば、幽門9)に一番先に接触する部分であるため、穿孔などの組織損傷危険を低減することができる。
【0040】
また、前述した第1係止部120と第2係止部130の長さL2、L3は、2mm~20mm、4mm~18mm、6mm~16mm、又は8mm~14mmであってもよい。係止部の直径は、本体部の直径よりも大きい。係止部の直径は、5mm~45mmの範囲で、本体部の直径よりも大きい長さを有し、例えば、第1係止部120と第2係止部130の直径D2、D3は、10~45mm、15mm~40mm、18mm~30mm、20mm~28mm、又は22mm~26mmであってもよい。一例として、幽門に使用される非血管用ステントの場合、第1係止部120と第2係止部130の長さL2、L3は、それぞれ8~11mmであり、第1係止部120と第2係止部130の直径D2、D3は、22mm~26mmであってもよい。
【0041】
非血管用ステント1は、第2拡張部134を含むことにより、非血管用ステント1が移動することを防止することができる。例えば、非血管用ステント1が幽門9に挿入されると、非血管用ステント1が胃7側に移動することが防止することができる。
【0042】
また、非血管用ステント1の側面に複数個の穴101を形成することができる。このような穴101は、周方向の第1フレーム102と長手方向の第2フレーム103により形成される(
図4A、4B参照)。
第1フレーム102と第2フレーム103は、非血管用ステント1の外観を形成し、一体的に形成することができる。
【0043】
非血管用ステント1は、周方向の第1フレーム102と長手方向の第2フレーム103とが交差する形態で形成することができる。第1係止部120の第1支持部124が展開された状態を示す
図4Aと第1係止部120の第1拡張部122が展開された状態を示す
図4Bを例にして説明すると以下の通りである。ここで、第1支持部124と第1拡張部122は一体的に形成されたものであり、説明の便宜上、展開図を
図4A、
図4Bに別々に示しており、
図4Aの下側の第1フレーム102dと
図4Bの上側の第1フレーム102eは重なり合うことができる。
【0044】
第1支持部124は、長手方向の上側から複数個の第1フレーム102a、102b、103b、104bが配置され、これらと交差する複数個の第2フレーム103a、103b、103c、103dが配置される形態で形成することができる。このような形態を有することにより、第1支持部124の間には、複数個の穴101を形成することができる(
図4Bで説明の便宜及び図面の可読性を高めるために4個の第2フレーム番号103a、103b、103c、103dだけを示す)。
【0045】
ここで、穴101の形状は、平行四辺形、長方形又は正方形であってもよく、穴101の角部は曲線状に形成することができる。この場合、穴101の角部が身体組織に当たりながら発生しうる組織の損傷を防止することができる。
第1フレーム102は、長手方向の幅Wを有してもよく、複数個の第1フレーム102a、102b、102c、102dの幅W1、W2、W3、W4は、0.5mm~7mm、1mm~6mm、1.5mm~5mm、又は2mm~5mmであってもよい。
【0046】
本発明の一例によれば、複数個の第1フレーム102a、102b、102c、102dの幅W1、W2、W3、W4は同じであってもよい。ただし、これに限定されるものではなく、荷重が多く加わる部分(例えば、幽門9の括約筋)に対応して、複数個の第1フレーム102のうちの一つ以上に幅Wを異ならせることができる。例えば、第1の第1フレーム102aの幅を4mm~6mmとし、残りの第1フレーム102b、102c、102dの幅を1mm~3mmとすることができる。
【0047】
また、
図4Cのように第1フレーム102を半径方向に切断した端面はリング状であってもよい。このように、第1フレーム102は、リング状を有することにより半径方向に加わる外力Fをより堅固に耐えることができる。また、複数個の第1フレーム102a、102b、102c、102dは、互いに平行に配置することができる。
【0048】
第2フレーム103は、周方向長さdを有することができる。例えば、第2フレームの周方向長さdは、1mm~5mmであってもよい。ここで、複数個の第2フレーム103の周方向長さdは同じであるか、少なくとも1つ以上が異なっていてもよい。
【0049】
本発明のステントの第1フレーム102の幅W及び第2フレーム103の長さdは、従来のステントに使用されるワイヤよりも厚い。これにより、非血管の半径方向に加わる外力(例えば、幽門9の括約筋に加わる外力)をより安定的に支持することができる。これは、金属ワイヤを使用した従来のステントとは違って、本発明の実施形態による非血管用ステント1は、3Dプリンティング、押出及び射出成形、又はレーザーカッティング方法を用いて作製されることによって現れる有利な特徴の一つである。
【0050】
第1拡張部122は、長手方向の上側から複数個の第1フレーム102e、102fが配置され、これら間に複数個の第2フレーム103e、103f、103gが配置される形態に形成することができる(
図4B参照)。このような形態を有することにより、第1拡張部122にも複数個の穴101を形成することができる。
【0051】
第1拡張部122は、本体部100の一側から長手方向の上側に向かって連続的に増加する直径を有し、
図4Bのように第1拡張部122を展開図の形態に広げたときに曲面形態を表すことができる。
第1支持部124と同様に、第1拡張部122の第1フレーム102e、102fは、幅W5、W6を有し、第2フレーム103e、103f、103gも長さdを有する。
【0052】
前述した第1フレーム102により非血管の半径方向(例えば、幽門9の括約筋から加わる方向)に加わる荷重を支持することができる。また、第2フレーム103により非血管の一部(例えば、胃7から十二指腸8)で飲食物が下がる場合、飲食物によって発生する外力を支持することができる。
本体部110及び第2係止部130も、第1係止部110と同様に、周方向第1フレーム102と長手方向第2フレーム103とで形成されてもよく、これについての詳細な説明は前述した通りである。
【0053】
本発明の一例によれば、前記非血管用ステント1を人体内で分解することができ、分解される期間を利用者の状態に応じて設定することができる素材で形成することができる。具体的には、非血管用ステント1は生分解性高分子素材で形成されてもよく、好ましくは、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ(p-ジオキサノン)(PPDO)、ポリ(グリコリド-co-ε-カプロラクトン(PGCL)、ポリトリメチレンカーボネート(PTMC)、及びこれらの共重合体からなる群から選ばれた1種以上を含むことができる。すなわち、前記材料のいずれかを用いて生分解性合成高分子を構成することができ、又は2種以上の材料を混合して使用することができる。
【0054】
本発明の具体的一例によれば、PPDO又はPGCLをそれぞれ単独で使用することができる。非血管用ステント、特に幽門に使用されるステントの場合、生分解性高分子の生体内分解期間が過度に長くかかる場合、摂取した飲食物がすぐに十二指腸に入ってしまうという問題点がある。これを考慮して、生体内で適切な分解期間を有するPPDO又はPGCLを使用することが適切である。
【0055】
前記非血管用ステント1に使用される高分子は、設置後21日以内に生分解され、形状維持機能が喪失される生分解性高分子であることが好ましい。ここで、形状維持機能が喪失されるとは、非血管用ステント1の素材が人体に分解され、非血管の一部(例えば、幽門の括約筋)が自由に動くことができる状態になると理解することができる。一例では、非血管用ステント1の素材は、PPDO及びPGCLの一つ以上から選ぶことができる。このように生分解性高分子が非血管用ステント1の素材として使用されることにより、従来のステントとは違ってステントを除去する過程が省略することができ、本発明の非血管用ステント1は人体内で分解されることにより、ステント除去過程を必要としないため、幽門9狭窄を予防するために使用することができる。
【0056】
以下では、本発明の第1実施形態による非血管用ステント1の作用及び効果をより詳細に説明する。
本発明の非血管用ステント1は、第1係止部120と第2係止部130を有することにより、非血管(例えば、幽門9)に配置された非血管用ステント1が非血管の他の側(例えば、胃7側及び十二指腸8側)に移動することを防止することができる。
【0057】
また、本実施形態の非血管用ステント1は、3Dプリンティング、押出及び射出成形、又はレーザーカッティングを用いて作製されるため、金属ワイヤを用いた従来のステントよりも非血管に最適に装着される形状及び外力をより安定的に支持できる構造(幅、長さ、形状)を有する。具体的には、第1フレーム102の幅W及び第2フレーム103の長さdは、従来のステントに使用されるワイヤより厚く設計され、半径方向に加わる外力Fを効果的に耐えることができる。また、ステントの本体部が非血管の形態と非常に類似した形態を有するため、非血管装着が容易であり、非血管に過剰の負荷を加えない非血管用ステントとして使用することができる。そして、第2支持部134の自由側端部はテーパ状になるか、曲線に形成することができるため、穿孔など身体の損傷危険を低減することができる。特に、本発明の非血管用ステント1は、食道又は幽門専用の幽門用ステントとして利用するのに適している。
【0058】
また、本発明の非血管用ステント1は、生分解性高分子素材が使用されることにより、幽門狭窄の予防のために使用することができ、挿入されたステントの除去過程が省略されるので手術方法が簡単であるという利点がある。
【0059】
以下、本発明の第2実施形態による非血管用ステントについて、
図5を参照して説明する。ただし、第2実施形態は、第1実施形態と比較して、第1係止部120の第1拡張部122と第2係止部130の第2拡張部132に穴101が形成されていない点に違いがあり、この相違点を中心に説明し、同一部分については
図1~
図4の実施形態の説明と図面符号を援用する。
【0060】
本発明の第2実施形態による非血管用ステント2の第1拡張部122には穴101が形成されていなくてもよい。この場合、第1拡張部122を形成する第1フレーム102の幅Wは、第1拡張部122の全長l5と同じであってもよい。すなわち、第1拡張部122を形成する第1フレーム102の幅Wは、第1支持部124を形成する第1フレーム102の幅Wよりも厚くてもよい。
【0061】
同様に、第2拡張部132には穴101が形成されていなくてもよい。この場合、第2拡張部132を形成する第1フレーム102の幅Wは、第2拡張部132の全長l6と同じであってもよい。すなわち、第2拡張部132を形成する第1フレーム102の幅Wは、第2支持部134を形成する第1フレーム102の幅Wよりも厚くてもよい。
【0062】
このように、第1拡張部122と第2拡張部132を形成する第1フレーム102の幅l5、l6を非血管用ステント1を形成する他の第1フレーム102の幅W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、W8よりも大きくすることで、第1拡張部122と第2拡張部132に加わる外力を安定的に支持することができる。
【0063】
以下、本発明の第3実施形態による非血管用ステントについて
図6を参照して説明する。ただし、第3実施形態は第2実施形態と比較して、挿入補助部140をさらに含むという点において違いがあり、この相違点を中心に説明し、同一部分については
図1~
図5の説明と図面符号を援用する。
【0064】
本発明の第3実施形態による非血管用ステント3は、第2係止部130から延びる挿入補助部140をさらに含む。
挿入補助部140は、第2係止部130から長手方向の下側に向かって連続的に減少する直径を有する第1縮小部142と第1縮小部142の一側から長手方向の下側に向かって同じ直径が保持される第3支持部144を含むことができる。
【0065】
第1縮小部142の長さl7は、第1拡張部122の長さl1又は第2拡張部132の長さl3と同じであってもよい。また、第3支持部144の長さl8は、第1支持部124の長さl2又は第2支持部134の長さl4と同じであってもよい。
第3支持部144の直径D4は、第2支持部134の直径D3よりも小さい。また、第3支持部144の直径D4は、本体部110の直径D1と同じでも小さくてもよい。
【0066】
ここで、第3支持部144は、非血管用ステント3の手術過程で幽門9組織に一番先に接触する部分であるので、第3支持部144の直径D4を小さくすることにより、非血管用ステント3の挿入を容易にすることができ、穿孔などの組織損傷の危険を低減することができる。
【0067】
以下、本発明の第4実施形態による非血管用ステントについて
図7を参照して説明する。ただし、第4実施形態は第3実施形態と比較して、挿入補助部140の形状に違いがあり、この相違点を中心に説明し、同じ部分については
図1~
図6の説明と図面符号を援用する。
【0068】
本発明の第4実施形態による非血管用ステント4は、第2係止部130から延びる挿入補助部140’をさらに含む。
第4実施形態の挿入補助部140’は、第2係止部130から長手方向の下側に向かって連続的に減少する直径を有する第1縮小部142’と同じ直径が保持される第3支持部144’を含むことができる。
第4実施形態の第1縮小部142’は、第3実施形態の第1縮小部142がなす曲線よりも緩やかな曲線をなすことができる。
【0069】
図7に示すように、第2支持部134の端部と第3支持部144’端部と間に仮想の直線B-B’を引く場合、第1縮小部142’がなすプロファイルは、直線B-B’右側の外側に位置することができる。このような形態を有するプロファイルを凸プロファイルとして定義する。すなわち、第4実施形態による非血管用ステント4の第1縮小部142’は、凸プロファイルを有することができる。
【0070】
凸プロファイルを有する第1縮小部142’により、非血管用ステント3の挿入を容易にすることができ、穿孔などの組織損傷n危険を低減することができる。
本発明の非血管用ステントは、3Dプリンティング方法、押出及び射出成形、又はレーザーカッティング方法により作成することができ、そのうちの2つ以上の方法を使用して作製することができる。
【0071】
本発明の一例は、3Dプリンティングを用いて非血管用ステントを作製する方法を提供する。具体的には、(a)生分解性高分子チップ又はフィラメントをシリンジに注入するステップ、(b)一定の間隔を置いて生分解性高分子を噴射する噴射ステップ、及び(c)生分解性高分子層を積層するステップを含む。前記方法は、さらに、シリンジに注入された生分解性高分子の温度を制御する温度制御ステップを含むことができる。
【0072】
前記温度は、50℃~300℃、好ましくは100℃~260℃であってもよい。前記温度は、生分解性高分子の物性を変化させることなく、粘度を有する状態に溶融させて使用可能な温度範囲である。前記範囲を超えると、粘度が過度に低くて積層が難しく、高分子が熱分解してしまうことがあり、前記範囲未満であると、シリンジで吐出がよくならない問題があるため、前記範囲が適切である。
【0073】
前記ステップ(b)は、間隔をおいて生分解性高分子ラインを形成することにより、空隙を形成することができる。
以上、本発明の実施形態による非血管用ステントを具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定さるものではなく、本明細書に開示された基礎思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈しなければならない。当業者は、開示された実施形態を組み合わせ、置換し、提示されていない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲を逸脱しないものである。さらに、当業者は、本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更又は変形することができ、このような変更又は変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0074】
1、2、3、4 非血管用ステント
110 本体部
120 第1係止部
122 第1拡張部
124 第1支持部
130 第2係止部
132 第2拡張部
134 第2支持部
140、140’ 挿入補助部
142、142’ 第1縮小部
144、144’ 第3支持部
【国際調査報告】