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特表2023-500694色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイス
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  • 特表-色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20221227BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20221227BHJP
   H05B 45/40 20200101ALI20221227BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20221227BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20221227BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20221227BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B47/155
H05B45/40
H05B45/10
H05B45/325
H05B45/345
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525975
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2020080745
(87)【国際公開番号】W WO2021089503
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】19207573.7
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19210111.1
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヒーレン ヘルマン ヨハンネス ヘルトルーディス
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA09
3K273RA05
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA37
3K273UA22
(57)【要約】
本発明は、色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスを提供する。前記LEDベースの照明デバイスは、複数のLEDを含む第1LEDチャンネルであって、前記色空間における第1色度を有する光を発するよう調整される第1LEDチャンネルと、複数のLEDを含む第2LEDチャンネルであって、前記色空間における第2色度を有する光を発するよう調整される第2LEDチャンネルと、前記LEDベースの照明デバイスが、前記色空間における前記第1色度と前記第2色度との間の色を有する光を発するように、前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルをアクティブにするためのコントローラとを有し、前記LEDベースの照明デバイスは、少なくとも2つの前記LEDチャンネルの間に接続される第3LEDチャンネルを更に有し、前記第3LEDチャンネルは、1つ以上のLEDを含み、前記第3LEDチャンネルは、前記色空間における第3色度を有する光を発するよう調整され、前記第3LEDチャンネルは、前記第1LEDチャンネルが作動されるときに前記第2LEDチャンネルの少なくとも1つのLEDがアクティブにされることをもたらし、それによって、前記放射光が、前記色空間における前記第1色度と前記第2色度との間において前記色空間における前記プランク軌跡に従うことを確実にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成されるLEDベースの照明デバイスであって、前記LEDベースの照明デバイスが、
少なくとも1つのLEDを含む第1LEDチャンネルであって、前記色空間における第1色度を有する光を発するよう調整される第1LEDチャンネルと、
少なくとも1つのLEDを含む第2LEDチャンネルであって、前記色空間における第2色度を有する光を発するよう調整される第2LEDチャンネルと,
前記LEDベースの照明デバイスが、前記色空間における前記第1色度と前記第2色度との間の色を有する光を発するように、前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルをアクティブにするためのコントローラとを有し、
前記LEDベースの照明デバイスが、
前記第1LEDチャンネルの入力と前記第2LEDチャンネルの入力との間に接続される第3LEDチャンネルを更に有し、前記第3LEDチャンネルが、少なくとも1つのLEDを含み、前記第3LEDチャンネルが、前記色空間における第3色度を有する光を発するよう調整され、前記第3LEDチャンネルが、前記第1LEDチャンネルが作動されるときに前記第2LEDチャンネルの前記少なくとも1つのLEDがアクティブにされることをもたらすLEDベースの照明デバイス。
【請求項2】
前記第2LEDチャンネルの順方向電圧と前記第3LEDチャンネルの順方向電圧との和が、前記第1LEDチャンネルの順方向電圧に等しい請求項1に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項3】
前記第1LEDチャンネルが、複数のLEDを有し、前記第2LEDチャンネルが、複数のLEDを有し、前記第3LED回路が、第1端部において、前記第1LEDチャンネルの前記複数のLEDの間に接続され、前記第1端部とは反対側の第2端部において、前記第2LEDチャネルの前記複数のLEDの間に接続される請求項1又は2に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項4】
前記第1LEDチャンネルにおける直列カスケード接続LEDであって、前記直列カスケード接続LEDのアノード側で、前記第3LEDチャンネルの前記第1端部に接続される直列カスケード接続LEDの数が、前記第3LEDチャンネルにおける直列カスケード接続LEDの数に、前記第2LEDチャンネルにおける直列カスケード接続LEDであって、前記直列カスケード接続LEDのアノード側で、前記第3LEDチャンネルの前記第2端部に接続される直列カスケード接続LEDの数を加えたものに等しい請求項3に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項5】
前記第1LEDチャンネルが、後に10個の後続LEDが続く5個の先頭LEDを有し、
前記第2LEDチャンネルが、後に5個の後続LEDが続く5個の先頭LEDを有し、
前記第3LEDチャンネルが、5個のLEDを有し、前記第3LEDチャンネルの前記第1端部が、前記第1LEDチャンネルの前記先頭LEDと前記後続LEDとの間に接続され、前記第3LEDチャンネルの前記第2端部が、前記第2LEDチャンネルの前記先頭LEDと前記後続LEDとの間に接続される請求項4に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項6】
前記第1色度の色温度が、前記第2色度の色温度より低い請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項7】
前記照明デバイスが、2つのLEDチャンネルを有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項8】
前記第1LEDチャンネルが、2700Kの色温度を有する光を発するよう構成され、前記第2LEDチャンネルが、6500Kの色温度を有する光を発するよう構成される請求項1乃至7のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項9】
前記コントローラが、
パルス幅変調ベースのコントローラ、又は
線形動作コントローラのいずれかである請求項1乃至7のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項10】
前記コントローラが、前記第1LEDチャンネルに第1電流を供給し、前記第2LEDチャンネルに第2電流を供給するよう構成される請求項9に記載のLEDベースの照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の色の光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスであって、光色が2つの色設定点(color set point)を用いて設定されることができ、それらの色設定点間の色曲線はプランク軌跡(Planckian locus)に従うLEDベースの照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な照明用途のために、発光ダイオード(LED)を利用する照明デバイスが開発されている。LEDランプは、その長寿命及び高いエネルギ効率のため、今日では、従来の蛍光灯の置き換えのためにも、即ち、レトロフィット用途のためにも設計されている。このような用途の場合は、レトロフィットLEDランプは、一般に、改装(retrofit)されるそれぞれのランプ取付具(lamp fixture)のソケットに合うよう適合される。更に、ランプのメンテナンスは、一般に、ユーザによって行われることから、レトロフィットLEDランプは、理想的には、取付具を再配線する必要なく、任意のタイプの適切な取付具で容易に動作可能であるべきである。
【0003】
本開示は、多チャンネルの、とりわけ、2チャンネルのLEDベースの照明デバイスに関する。各チャンネルは、特定の色において光を発することができる複数のLEDを含み得る。例えば、第1チャンネルは、赤色放射光の発光に向けられてもよい。第2チャンネルは、緑色放射光の発光に向けられてもよく、第3チャンネルは、青色放射光の発光に向けられてもよい。
【0004】
このような照明デバイスにおいては、チャンネルの各々においてLEDに給電するために、固定電圧源が使用され得る。チャンネルの各々を通る電流は、工場において、特定のチャンネルのLEDと直列に配置される抵抗器を調整することによって、設定され得る。このような手法の不利な面のうちの1つは、目標とされた光束及びカラーポイントについて誤差を引き起こし得る、電源の電圧変動、ケーブルの長さ、即ち、インピーダンス、チャンネル間の相互作用などの、幾つかの攪乱要因に関連する。
【0005】
別の選択肢は、チャンネルの各々においてLEDに給電するために、電流源が使用されるものである。特定の放射光が発せられることを確実にするために、コントローラが、LEDチャンネルを特定の比率でアクティブにし得る。
【0006】
より具体的には、一般的には、複数のチャンネルを制御するコントローラがあり、スイッチの各々は、特定のLEDチャンネルを有効にするよう構成される。例えば、第1スイッチは、赤色チャンネルを有効にすることができ、第2スイッチは、緑色チャンネルを有効にすることができ、第3スイッチは、青色チャンネルを有効にすることができる、等々である。スイッチには、特定のデューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)信号が供給されてもよい。PWM信号の周波数は、人間の目のリフレッシュレートを超えるように選ばれるべきである。これは、ユーザが如何なるちらつきも見ることを防止する。デューティサイクルを制御することによって、発せられる光の総量に対するチャンネルの各々の寄与が制御されることができ、従って、LEDベースの照明デバイスによって発せられる光の色も制御されることができる。
【0007】
現在の2チャンネルのLEDベースの照明デバイスにおいては、2つのチャンネル間の電流比率を変更することによってカラーポイント(color point)が調整される。例えば、或るチャンネルは、2700Kの色温度を有する光を発するよう構成されるLEDを有してもよく、別のチャンネルは、6500Kの色温度を有する光を発するよう構成されるLEDを有してもよい。
【0008】
上記の2チャンネルのLEDベースの照明デバイスの不利な点のうちの1つは、LEDベースの照明デバイスの放射光のカラーポイントが色空間における直線に沿って調整され得ることである。これは、色が例えば赤みがかって見えることがあるので、色知覚の問題をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスを達成することは有利であるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1態様においては、色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスが提供される。前記LEDベースの照明デバイスは、
- 少なくとも1つのLEDを含む第1LEDチャンネルであって、前記色空間における第1色度を有する光を発するよう調整される第1LEDチャンネルと、
- 少なくとも1つのLEDを含む第2LEDチャンネルであって、前記色空間における第2色度を有する光を発するよう調整される第2LEDチャンネルと、
- 前記LEDベースの照明デバイスが、前記色空間における前記第1色度と前記第2色度との間の色を有する光を発するように、前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルをアクティブにするためのコントローラとを有し、
前記LEDベースの照明デバイスは、
- 前記第1LEDチャンネルの入力と前記第2LEDチャンネルの入力との間に接続される第3LEDチャンネルを更に有し、前記第3LEDチャンネルは、少なくとも1つのLEDを含み、前記第3LEDチャンネルは、前記色空間における第3色度を有する光を発するよう調整され、前記第3LEDチャンネルは、前記第1LEDチャンネルが作動されるときに前記第2LEDチャンネルの前記少なくとも1つのLEDがアクティブにされることをもたらす(effectuate)。
【0011】
従って、前記光は、前記色空間の色におけるカラーポイント(x1,y1)で特徴付けられ得る。
【0012】
本開示によれば、プランク軌跡、又は黒体軌跡は、白熱黒体の色が、黒体温度が変化するときに特定の色度空間において取るだろう経路又は軌跡である。それは、低い温度における深い赤色から、橙色、黄白色、白色を経て、最終的に、非常に高い温度における青みがかった白色へと変わる。
【0013】
本発明者は、放射光が色空間におけるプランク軌跡に従う場合、ユーザは自然な色遷移を知覚し得ることを見出した。従来技術においては、2つのLEDチャンネルの間の色遷移は、2つのLEDチャンネルの設定点の間の色空間における直線として示される。これは、望ましくないものとして知覚される可能性がある。
【0014】
本開示によれば、色空間は、3次元空間とみなされ得る。即ち、色は、3つの数字のセット、例えば、CIE座標X、Y及びZ、又は特定の均質な視覚刺激の色及び明るさを指定する、色相(hue)、彩度(colorfulness)及び輝度などの他の値によって指定され得る。
【0015】
色度は、明るさを無視する2次元空間に投影された色である。例えば、標準CIE XYZ色空間は、x及びyとして知られている2つの色度座標によって指定される対応する色度空間へ直接投影し、CIE色度図を構成する。
【0016】
本開示によれば、色度は、その輝度に関係なく色の品質を客観的に指定するものである。色度は、例えば色相及び彩度として指定される、2つの独立したパラメータから成ってもよく、彩度は、その代わりに、飽和度(saturation)、クロマ(chroma)、強度、又は刺激純度(excitation purity)と呼ばれる。このパラメータ数は、色彩科学におけるほとんどのモデルで想定されている、ほとんどの人間の視覚の色を見る正常な能力から得られる。
【0017】
以上から、コントローラは、LEDベースの照明装置によって発せられる色が色空間におけるプランク軌跡に従うように、チャンネルを制御することができるべきであるというのが、本発明者の洞察であった。
【0018】
本開示は、非線形性を導入するために、LEDの順方向電圧対電流特性を利用することに留意されたい。この概念について、以下で、より詳細によりよく説明する。
【0019】
更に、最近の開示の概念では、色空間における結果として生じる線は、プランク軌跡にぴったりとは従わないかもしれないが、従来の直線と比較してプランク軌跡によりよく一致させられることができることに留意されたい。
【0020】
例においては、前記第2LEDチャンネルの順方向電圧と前記第3LEDチャンネルの順方向電圧との和が、前記第1LEDチャンネルの順方向電圧に等しい。これは、3つの前記LEDチャンネル間の電流分布の最も適切な制御を提供する。
【0021】
例においては、前記第1LEDチャンネルは、複数のLEDを有し、前記第2LEDチャンネルは、複数のLEDを有し、前記第3LEDチャンネルは、第1端部において、前記第1LEDチャンネルの前記複数のLEDの間に接続され、前記第1端部とは反対側の第2端部において、前記第2LEDチャネルの前記複数のLEDの間に接続される。
【0022】
上記の例の目的のうちの1つは、前記第1LEDチャンネルをアクティブにするときに非線形性が導入されることである。前記第1LEDチャンネルを流れる電流は、前記第3LEDチャンネルを介して、前記第2LEDチャンネルの一部も流れるだろう。従って、前記LED電流は、2つの電流に分けられ得る。第1電流は、前記第1LEDチャンネル内に存在する残りのLEDを流れることによって前記第1LEDチャンネルに流れ続けてもよく、第2の流れは、前記第3LEDチャンネルを介して前記第2LEDチャンネルの方へ流れてもよく、前記第2LEDチャンネル内に存在する1つ以上のLEDを介して流れてもよい。
【0023】
更なる例においては、前記第1LEDチャンネルにおける直列カスケード接続(in series cascaded)LEDであって、前記直列カスケード接続LEDのアノード側で、前記第3LEDチャンネルの前記第1端部に接続される直列カスケード接続LEDの数が、前記第3LEDチャンネルにおける直列カスケード接続LEDの数に、前記第2LEDチャンネルにおける直列カスケード接続LEDであって、前記直列カスケード接続LEDのアノード側で、前記第3LEDチャンネルの前記第2端部に接続される直列カスケード接続LEDの数を加えたものに等しい。
【0024】
前記第1電流が流れるLEDの総数が、前記第2電流が流れるLEDの総数に等しいことを保証することは有益であり得ることが分かった。
【0025】
更なる例においては、
- 前記第1LEDチャンネルは、後に10個の後続LEDが続く5個の先頭LEDを有し、
- 前記第2LEDチャンネルは、後に5個の後続LEDが続く5個の先頭LEDを有し、
- 前記第3LEDチャンネルは、5個のLEDを有し、前記第3LEDチャンネルの前記第1端部は、前記第1LEDチャンネルの前記先頭LEDと前記後続LEDとの間に接続され、前記第3LEDチャンネルの前記第2端部は、前記第2LEDチャンネルの前記先頭LEDと前記後続LEDとの間に接続される。
【0026】
上記の例は、前記LEDベースの照明デバイスの実用的な実施例である。
【0027】
前記コントローラは、例えば、前記第2LEDチャンネルをアクティブにする場合がある。この場合には、前記電流は、前記第2LEDチャンネルの、後に前記5個の後続LEDが続く前記5個の先頭LEDを流れる。
【0028】
前記コントローラはまた、例えば、前記第1LEDチャンネルをアクティブにする場合がある。この場合には、前記電流は、前記第1LEDチャンネルの前記5個の先頭LEDを流れる。前記電流は、次いで、前記第1LEDチャンネルの前記5個の後続LEDを流れる、若しくは前記第3LEDチャンネルの前記LED及び前記第2LEDチャンネルの前記5個の後続LEDを介して流れる、又はそれらの組み合わせを流れる。これは、前記第2LEDチャンネルを流れる電流の量にも依存する。
【0029】
これについては、以下のように説明するのが最も良い。特定のLEDにわたる電圧は、前記LEDを流れる電流にも依存する。従って、本開示は、LEDの順方向電圧は、対応するLEDを流れる電流にも依存するという概念を利用する。
【0030】
前記第2LEDチャンネルを流れる電流が相対的に大きい場合には、電流は前記第3LEDチャンネルを流れない。これは、前記第3LEDチャンネルの前記第2端部における電圧が、前記第2LEDチャンネル内の前記後続LEDチャンネルの順方向電圧の和により持ち上げられることを意味する。その場合、前記第3LEDチャンネル内の前記LEDにわたる電圧は、それらのLEDに電流が流れることを可能にさせるのに十分でない可能性がある。
【0031】
従って、上記は、本開示の誘導される非線形性に関する。換言すれば、前記第1LEDチャンネルと前記第2LEDチャンネルとの間の特定の総電流比が与えられると、電流は、前記第1LEDチャンネルから、前記第3LEDチャンネルを介して、前記第2LEDチャンネルへ流れる。
【0032】
更なる例においては、前記第1色度の色温度は、前記第2色度の色温度より低い。
【0033】
別の例においては、前記照明デバイスは、2つのLEDチャンネルを有する。
【0034】
更に別の例においては、前記第1LEDチャンネルは、2700Kの温度を有する光を発するよう構成され、前記第2LEDチャンネルは、6500Kの温度を有する光を発するよう構成される。
【0035】
前記コントローラは、パルス幅変調(PWM)ベースのコントローラ、又は線形動作コントローラのいずれかであり得ることに留意されたい。PWMベースのコントローラは、前記コントローラが、PWM制御信号を使用して、対応する前記チャンネルをアクティブにするために前記チャンネル内に存在するスイッチを制御し得ることを意味する。これは、特定のLEDチャンネルが、オン又はオフのいずれかであることを意味する。線形動作コントローラは、対応する前記LEDチャンネルを通る線形コントローラ電流を供給することによって、前記LEDチャンネルの各々を制御し得る。そのため、前記LEDチャンネルを通る電流の量は、固定されなくてもよく、前記コントローラの設定に依存して変化し得る。
【0036】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来技術による2つのLEDチャンネルを有する発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスを示す。
図2】本開示による2つのLEDチャンネルを有するLEDベースの照明デバイスを示す。
図3】本開示による2つのLEDチャンネルを有する更なるLEDベースの照明デバイスを示す。
図4】プランク軌跡の概念を図示する色度図を示す。
図5】本開示による光束比率対電流比率を図示するグラフの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、従来技術による2つのLEDチャンネルを有する発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイス1を示している。
【0039】
LEDベースの照明デバイス1は、2つの異なるチャンネル2、3を駆動するために装備されているドライバを有する。第1LEDチャンネルは、温白色(Warm White)としても知られている2700Kの温度を有する色を発するよう構成されてもよい。第2LEDチャンネルは、昼白色(Daylight White)としても知られている6500Kの温度を有する色を発するよう構成されてもよい。両チャンネルを組み合わせることによって、温白色と昼白色との間の色が取得されることができる。
【0040】
LEDベースの照明デバイス1は、参照符号4で示されているような単一の戻り線を有する。この戻り線は、第1LEDチャンネル2及び第2LEDチャンネル3からの任意の電流のために使用される。
【0041】
図2は、本開示による2つのLEDチャンネルを有するLEDベースの照明デバイス11を示している。
【0042】
LEDベースの照明デバイス11は、「チャンネル1」及び「チャンネル2」という表現で示されるような2つのチャンネルを有する。第1チャンネル12は、少なくとも1つのLEDを有することができ、第1色度を有する光を発するために調整される。第2チャンネル13は、少なくとも1つのLEDを有することができ、第2色度を有する光を発するために調整される。発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイス11は、色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される。より具体的には、第1チャンネル12は、2700Kの温度を有する光を発するよう構成されてもよく、第2チャンネル13は、6500Kの温度を有する光を発するよう構成されてもよい。LEDベースの照明デバイス11は、第1LEDチャンネル12の入力と第2LEDチャンネル13の入力との間に接続される第3LEDチャンネル14を有する。第3LEDチャンネル14は、前記色空間における第3色度を有する光を発するよう調整される少なくとも1つのLEDを有する。第3LEDチャンネル14は、第1チャンネルが作動されるときに第2LEDチャンネル13の少なくとも1つのLEDがアクティブにされることをもたらす。第3LEDチャンネル14は、LEDベースの照明デバイス11の総光出力においてより暖かい感じの効果を作り出すために、赤色を備える光を発することができる。
【0043】
本LEDベースの照明デバイス11は、色空間におけるプランク軌跡に従う特定の放射光を発するよう構成される。
【0044】
物理学及び色彩科学において、プランク軌跡又は黒体軌跡は、白熱黒体の色が、黒体温度が変化するときに、特定の色空間、即ち、色度空間において取るだろう経路又は軌跡である。それは、低い温度における深い赤色から、橙色、黄白色、白色を経て、最終的に、非常に高い温度における青みがかった白色へと変わる。
【0045】
本開示によれば、色空間は、3次元空間である。即ち、色は、3つの数字のセット、例えば、CIE座標X、Y及びZ、又は色相、彩度及び輝度などの他の値によって指定され得る。
【0046】
本開示は、3つの数字が構成されるやり方に限定されるものではない。
【0047】
色度は、明るさを無視する2次元空間に投影された色である。例えば、標準CIE XYZ色空間は、x及びyとして知られている2つの色度座標によって指定される対応する色度空間へ直接投影し、図4において示されている、よく知られた色度図を作成する。プランク軌跡、黒体温度が変化するときに黒体の色が取る経路は、多くの場合、この標準色度空間において示される。これについては、図4に関してより詳細に説明する。好ましくは、第2LEDチャンネルの順方向電圧と第3LEDチャンネルの順方向電圧との和が、第1LEDチャンネルの順方向電圧に等しい。
【0048】
図3においては、本発明による2つのLEDチャンネルを有する更なるLEDベースの照明デバイス11が記載されている。第1LEDチャンネル12は、後に複数の後続LEDが続く複数の先頭LEDを有する。この特定の例においては、5個の先頭LEDが、参照符号「#5」で示されるように示されており、10個の後続LEDが、参照符号「#10」で示されるように示されている。
【0049】
先頭LED及び後続LEDは、同じタイプのものであってもよい。即ち、LEDの各々が、2700Kの温度を有する色を発するよう構成されてもよい。
【0050】
第2LEDチャンネル13は、後に複数の後続LEDが続く複数の先頭LEDを有する。この特定の例においては、10個の先頭LEDが、参照符号「#10」で示されるように示されており、5個の後続LEDが、参照符号「#5」で示されるように示されている。
【0051】
LEDベースの照明デバイス11は、少なくとも2つのLEDチャンネルの間に接続される第3LEDチャンネル14を有し、第3LEDチャンネル14は、1つ以上のLEDを有し、第3LEDチャンネル14は、色空間における第3色度を有する光を発するよう調整され、第3LEDチャンネル14は、第1チャンネル12が作動されるときに第2LEDチャンネル13の少なくとも1つのLEDがアクティブにされることをもたらし、それによって、放射光が、色空間における第1色度と第2色度との間において色空間におけるプランク軌跡に従うことを確実にする。
【0052】
この特定の場合においては、第3LEDチャンネル14は、参照符号「#5」で示されているように5個のLEDを有し、第3LEDチャンネル14の第1端部は、第1LEDチャンネル12の先頭LEDと後続LEDとの間に接続され、第3LEDチャンネル14の第2端部は、第2LEDチャンネル13の先頭LEDと後続LEDとの間に接続される。
【0053】
図4は、プランク軌跡の概念を図示する色度図51を示している。
【0054】
ここでは、参照符号51は、色度図における、第2LEDチャンネル13に関連する点を示しており、参照符号52は、色度図における、第1LEDチャンネル12に関連する点を示している。図1に関して記載したような従来技術の状況においては、LEDチャンネルは、LEDベースの照明デバイスによって発せられる色が2つの点51、52の間の直線54に従うように、組み合わされることができる。
【0055】
本開示によるLEDベースの照明デバイスは、参照符号53で示されているような、2つの点51、52の間のプランク軌跡に従うよう構成される。
【0056】
図5は、本開示による光束比率対電流比率を図示するグラフ61の例を示している。
【0057】
参照符号62は、第2LEDチャンネル13から生じる光束の比率を示しており、参照符号63は、第1LEDチャンネル12から生じる光束の比率を示しており、参照符号64は、第3LEDチャンネル14から生じる光束の比率を示している。
【0058】
図において示されているように、第3LEDチャンネル14は、第1LEDチャンネル12と第2LEDチャンネル13との間の電流の或る特定の比率が生じたあとにだけ、作用し始める。即ち、少量の電流が第1LEDチャンネル12を流れる場合には、その量の電流が第3LEDチャンネル14を流れない可能性がある。これについては、以下のように説明される。
【0059】
大量の電流が第2LEDチャンネル13を流れることは、第2LEDチャンネル13の後続LEDの順方向電圧により、第3LEDチャンネル14のカソード側における電位を上昇させる。このことは、第3LEDチャンネル14にわたる電圧が低すぎて、第3LEDチャンネル14内のLEDは導通し始めることができないという作用をもたらす。
【0060】
第1LEDチャンネル12を通る電流と第2LEDチャンネル13を通る電流との間の比率が或る特定の閾値に達すると、第3LEDチャンネル14内のLEDが電流を伝導し始める。これは、横軸における35%のマークの辺りで示されている。この場合、第3LEDチャンネル14の電圧は、第3LEDチャンネル14内のLEDが電流を伝導し始めるような閾値電圧をちょうど超えている。その場合、第1LEDチャンネル12に注入される電流は、第3LEDチャンネル14を通る電流と、第1LEDチャンネル12内に存在する後続LEDを通る電流との間で分けられる。このことは、図においては、第1LEDチャンネル12から生じる光束において、横軸における35%の辺りに存在するノッド(nod)によって、示されている。
【0061】
従って、上記は、第1LEDチャンネル12を通る電流は、すぐには、電流が第3LEDチャンネル14を流れているようにそれ自体を分けないことを示している。第3LEDチャンネル14は、第1LEDチャンネル12と第2LEDチャンネル13との間の電流の或る特定の比率が得られたあとにだけ、作用し始める。即ち、第3LEDチャンネル14は、第1LEDチャンネル12を通る電流と第2LEDチャンネル13を通る電流との間の比率が所定の閾値を超えるときに電流を伝導し始める。これは、色をプランク軌跡により近いように従わせるので、所望の非線形性をもたらす。
【0062】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する他の変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲において挙げられている複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学式記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するような他の形態で分散されてもよい。特許請求の範囲における如何なる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】