(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】迷走神経のオンデマンド刺激のための能動埋め込み型刺激装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540342
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2020050379
(87)【国際公開番号】W WO2021139887
(87)【国際公開日】2021-07-15
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517285068
【氏名又は名称】シナジア メディカル
【氏名又は名称原語表記】Synergia Medical
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ドゲット,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ガルニエ,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】デルベク,ジャン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PC04
4C082PG13
4C082PG15
4C082PG16
4C082PJ11
(57)【要約】
本発明は、(a)患者の迷走神経(Vn)上に直接埋め込まれるのに適した1本又は複数本の電極(40a、40b)を備える組織結合ユニット(40)と、(b)患者の脳波を測定するように構成されたEEG電極(70a~70d)を備えるEEGユニット(70)と、(c)患者の身体において皮下に埋め込まれるように構成され、IPG(51)及び電子ユニット(53)を封入する封入ユニット(50)と、(d)封入ユニットと組織結合ユニットとの間でIPGによって放出された電気エネルギー及び/又は光エネルギーのパルスを伝達するように構成されたエネルギー伝達リード線(30)と、(e)EEGユニットと封入ユニットとの間で信号を伝達するように構成された信号伝達リード線(60)とを備える、能動埋め込み型刺激装置(10)に関する。EEG電極(70a~70d)は、患者の脳の電気活動を連続的又は断続的に監視する。EEG信号は、EEG変換データの形態で電子回路(53)に運ばれる。電子回路は、EEG変換データを解析して、解析結果を提供する。電子回路は、解析結果に基づいて、解析結果が到来する発作又は初期発作を表すか否かに応じて、迷走神経(VN)を刺激するエネルギーパルスをトリガするようにIPG(51)に命令するか否かの決定を行う。
【選択図】
図2b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷走神経(Vn)を電気的又は光学的に刺激するための埋め込み型刺激装置(10)であって、
(a)患者の前記迷走神経(Vn)上に直接埋め込まれるように構成された1本又は複数本の電極(40a、40b)又はオプトロードを備える組織結合ユニット(40)と、
(b)前記患者の脳波(EEG)信号を測定するように構成されたEEGユニット(70)と、
(c)前記患者の身体において皮下に埋め込まれるように構成され、
○電気エネルギー又は光エネルギーのパルスを放出するように構成された埋め込まれたパルス発生器(IPG)(51)と、
○エネルギーパルスをトリガするように前記IPG(51)に命令するトリガ信号を前記IPG(51)に送信するように構成された電子回路(53)と
を封入するハウジング(50h)を備える封入ユニット(50)と、
(d)1本又は複数本の電線及び/又は光ファイバを備え、前記IPGと前記組織結合ユニットとの間で電気エネルギー及び/又は光エネルギーのパルスを伝達するように構成され、
○前記封入ユニットに結合するように構成された近位端と、
○前記組織結合ユニットに結合するように構成された遠位端と
を備えるエネルギー伝達リード線(30)と、
(e)1本又は複数本の電線及び/又は光ファイバを備え、前記EEGユニットと前記電子回路との間で信号を伝達するように構成され、
○前記封入ユニットに結合するように構成された近位端と、
○前記EEGユニットに結合するように構成された遠位端と
を備える信号伝達リード線(60)と、
を備える、埋め込み型刺激装置(10)において、
前記電子回路が、
・前記EEGユニット(70)によって測定された前記EEG信号を表すEEG変換データを前記信号伝達リード線(60)から受信し、
・前記EEG変換データの解析を実行して、解析結果を提供し、
・前記解析結果に基づいて決定を行い、前記決定にしたがって前記IPGを制御し、前記決定が、前記解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを表す場合に、1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するように前記IPGに命令することを含む
ように構成されることを特徴とする埋め込み型刺激装置(10)。
【請求項2】
請求項1又は2に記載の埋め込み型刺激装置において、前記IPGを制御することが、1つ又は複数のパルスを送信するように前記IPGに命令することの後、
・前記解析結果が発作の終了を示すようになるまで、又は
・事前に決定された持続時間だけ
パルスを送信し続けるように前記IPGに命令することを含み、
その後、前記解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを再び表すまでパルスを送信することを停止することを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の埋め込み型刺激装置において、
・前記IPG(51)が1つ又は複数の光源(51L)を備え、
・前記エネルギー伝達リード線(30)が、前記IPGの前記1つ又は複数の光源と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバを備え、
・前記組織結合ユニット(40)が、前記光ファイバのうちの1本又は複数本と光学的に連絡し、前記1本又は複数本の電極(40a、40b)と電気的に連絡する1つ又は複数の光起電力セル(20A)を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の埋め込み型刺激装置において、
・前記IPGが電気パルス発生器(51E)を備え、
・前記エネルギー伝達リード線(30)が、前記電気パルス発生器と電気的に接触し、前記組織結合ユニットの前記1本又は複数本の電極と電気的に接触する1本又は複数本の電線を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、
・前記EEGユニット(70)が、前記EEG信号を変換して前記EEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路(71C)を備え、前記EEG変換回路が、前記EEG電極(70a~70d)によって測定された前記EEG信号を表す光信号を放出するように構成された1つ又は複数の光源(72)を備え、前記EEG変換データを形成し、
・前記信号伝達リード線(60)が、前記EEG変換回路(71C)の前記1つ又は複数の光源(72)と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバを備え、
・前記封入ユニットが、前記信号伝達リード線の前記1本又は複数本の光ファイバと光学的に連絡する1つ又は複数の光検出器を備え、前記光検出器が前記電子回路と通信することを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、
・前記EEGユニットが、前記EEG信号を変換して前記EEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路(71C)を備え、好ましくは、前記EEG変換回路(71C)に導電接触する電気ソケット(73)を備え、
・前記信号伝達リード線(60)が、それぞれが近位端及び遠位端を備える1本又は複数本の導線(36)を備え、
・前記1本又は複数本の導線(36)の前記遠位端が、前記EEG変換回路(71C)に導電接触して、好ましくは前記電気ソケット(73)を通して結合され、
・前記1本又は複数本の導線(36)の前記近位端が、前記封入ユニットの前記電子回路(53)に導電接触することを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の埋め込み型刺激装置において、前記EEG変換回路(71C)が、増幅されたEEG信号を提供する1つ又は複数の増幅器(71A)を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項8】
請求項7に記載の埋め込み型刺激装置において、前記EEG変換回路(71C)が、以下の要素、すなわち、
・前記増幅されたEEG信号をフィルタリングし、フィルタリングされたEEG信号を提供するためのフィルタ(71F)と、
・前記増幅されたEEG信号又は前記フィルタリングされたEEG信号をデジタル化してデジタル化されたEEG信号を提供するためのアナログ-デジタル(A/D)変換器(71D)と、
・送信されるデータのサイズを縮小する符号化及び信号圧縮及び多重化ロジックと、
・前記信号伝達リード線(60)を通して、上記のように処理されたEEG信号を変調及び/又は駆動するためのドライバ(71V)と
のうちの1つ又は複数を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記信号伝達リード線(60)が、前記ハウジング(50h)に封入された光源と光学的に連絡する近位端と、光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成され、前記EEG変換回路に通電するために前記EEG変換回路(71C)と電気的に接触する光起電力セル(71PV)と光学的に連絡する遠位端とを備えた光ファイバを備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項10】
請求項4及び請求項6乃至9の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記エネルギー伝達リード線(30)及び前記信号伝達リード線(60)の両方が電線を備えないことを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記EEGユニットが、脳の領域の電気活動を測定するように構成されたEEG電極(70a~70d)を備え、前記EEG電極が、
・頭蓋骨上に、好ましくは前記頭蓋骨に取り付けられて皮下に埋め込まれるように構成された皮下電極、又は
・硬膜外に、すなわち前記頭蓋骨の下且つ硬膜の上に埋め込まれるように構成された硬膜外電極、又は
・前記硬膜の下且つ直接脳表面の上に埋め込まれるように構成された脳電極、又は
・前記脳内に埋め込まれるように構成された脳内電極
のうちの1つ又は複数から選択されることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記封入体(50)が、バッテリを備えず、外部エネルギー源からの磁場に曝されたときに電流を誘導するためのコイルを備える(=人工内耳タイプのインプラント)ことを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項13】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記封入体が、前記埋め込み型刺激装置に通電するためのバッテリを封入し、好ましくは、前記バッテリが充電式バッテリである(=「通常タイプ」のインプラント)ことを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封入ユニットに封入された埋め込まれたパルス発生器(implanted pulse generator、IPG)と、患者の迷走神経などの標的組織に結合された組織結合ユニットとの間における導線又は光ファイバを通したエネルギーの伝送による、IPGと組織結合ユニットとの間におけるエネルギーパルスの制御伝送を伴う医学的処置に使用するための能動埋め込み型電子医療機器(active implantable medical device、AIMD)の分野に関する。IPGによるエネルギーパルスの放出は、封入体に封入された電子回路によって検出される切迫発作又は初期発作を表す脳波プロファイルの発生を条件とする。
【0002】
本発明は、IPGが一定間隔で連続的にエネルギーパルスを放出しないため、一方では電力が節約されてバッテリの耐用年数や充電式バッテリの2回の充電動作の間のサービス時間が長くなり、他方では患者に刺激パルスに対する馴化や標的組織の脱感作が容易には起きないという利点を有する。
【背景技術】
【0003】
能動埋め込み型医療機器(AIMD)は、何十年にもわたって多くの疾患、特に神経疾患を治療するために使用されてきた。主要なタイプのAIMDに神経刺激装置があり、神経刺激装置は、パーキンソン病、てんかん、慢性疼痛、運動障害、及び他の多くの適用など、多くの疾患の診断や治療のために神経や筋肉などの組織に電気パルスを送達する。治療される組織、使用する電極の種類、及び電極間の距離に応じて、埋め込まれた電極間に必要な電圧は、15V±5Vのオーダーの電圧になり得る。このような電圧を得るためには、埋め込まれたパルス発生器(IPG)及び電力源(バッテリなど)が必要であり、IPG及び電力源の寸法は、電気刺激インプラントが概ね2つの別々のコンポーネントから形成されるような寸法である必要がある。2つのコンポーネントの一方は、治療される組織上に直接埋め込まれる電極であり、他方は、寸法が大きく封入ユニットに封入された埋め込まれたパルス発生器及びバッテリである。埋め込まれたパルス発生器及びバッテリは、用途に応じて身体の様々な場所に埋め込まれ得るが、鎖骨下領域、下腹部領域、又は臀部領域に埋め込まれることが多い。エネルギーパルスは、例えば欧州特許第3113838B1号明細書に記載されているように、光エネルギーを電気エネルギーに変換するための光起電力セルに結合された導線又は光ファイバで形成され得るエネルギー伝達リード線を介して、IPGから組織結合ユニットに伝達される。導線の場合、IPGは電気パルスを放出し、光ファイバの場合、IPGは光パルスを放出する。
【0004】
近年、光エネルギーによる組織の治療は、オプトジェネティクスの分野を支えるため、又は赤外線や他の波長の光の直接的な効果を利用して、障害の治療に有望な可能性を示している。このような光組織治療には、いわゆるオプトロードが使用され得る。オプトロードは、組織の正確な領域上に光ビームを集束させる発光体とすることもできるし、発光体によって放出されて反射、透過、又は散乱した光ビームを検知する光センサとすることもできる。
【0005】
神経刺激装置におけるIPGは、一般に、数年に及ぶこともある全治療期間中、事前に定義された間隔で互いに隔てられた、所与の周波数、持続時間、及び強度のパルス列を連続的に放出するように構成される。このことには2つの欠点がある。第1に、多くのエネルギーが消費され、充電式バッテリが使用される場合でも、バッテリの2回の連続した再充電動作の間のサービス時間がかなり短くなり得るため、そのような再充電動作の頻度が増える。再充電動作の頻度が増えることは患者にとってかなり面倒且つ不快なことである。第2に、神経を繰り返し刺激すると、その刺激に対して患者の身体が馴化し得る。馴化に応じて治療効果は低下する。しかしながら、現在のところ、これが市販の神経刺激装置の現実であり、受け入れざるを得ない。
【0006】
てんかんやパーキンソン病などの病気を患う患者の発作を予測することが、多くの研究の対象となっている。例えば、そのような発作を実際に発作が起こる数分前、又は少なくとも発作のごく初期の段階で予測するために、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging、MRI)や脳波図(electroencephalogram、EEG)の形態での脳波測定が使用されている。脳波記録法は、脳の電気活動を記録する電気生理学的モニタリング法である。EEGは、頭蓋外電極のアレイ又は頭蓋内電極を用いて測定され得る。
図3はEEGの一例を示しており、この例では、正常な脳活動の期間(1)の後に、発作の発生の到来を告げる特徴を表す移行期間(2)によって期間(1)から隔てられた発作の期間(3)がある。
【0007】
Neuropace社は、装置内の標準的なマイクロコントローラ上で実行される発作検出アルゴリズムによってトリガされた皮質電気刺激によって薬剤抵抗性焦点てんかん治療を治療するための応答性神経刺激(RNS)装置を開発した。焦点てんかんは、てんかんの発生源が脳の一領域に限局している場合に診断される特定の種類のてんかんである。
【0008】
上述のRNS装置は、穿頭して脳内に電極を配置する必要があり、侵襲性が高い。更に、EEGの監視及び刺激の両方が脳の正確に限られた領域で行われるため、焦点てんかんの治療にしか有効ではない。
【0009】
したがって、焦点てんかん発作に限らず、到来する発作、初期発作、又は進行中の発作を示す信号に応答し、低侵襲性、到来する発作の予測や初期発作の検出のためのEEGの確実な検知、及び極めて低い消費電力を組み合わせたオンデマンド刺激装置が必要とされている。本発明は、すべての上記の特性及び下記の更なる利点を組み合わせた装置を提案する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、添付の独立請求項において定義される。好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。特に、本発明は、迷走神経を電気的又は光学的に刺激するための埋め込み型刺激装置であって、
(a)患者の迷走神経上に直接埋め込まれるように構成された1本又は複数本の電極又はオプトロードを備える組織結合ユニットと、
(b)患者の脳波(EEG)信号を測定するように構成されたEEGユニットと、
(c)患者の身体において皮下に埋め込まれるように構成され、
○電気エネルギー又は光エネルギーのパルスを放出するように構成された埋め込まれたパルス発生器(IPG)と、
○エネルギーパルスをトリガするようにIPGに命令するトリガ信号をIPGに送信するように構成された電子回路と
を封入するハウジング)を備える封入ユニットと、
(d)1本又は複数本の電線及び/又は光ファイバを備え、IPGと組織結合ユニットとの間で電気エネルギー及び/又は光エネルギーのパルスを伝達するように構成され、
○封入ユニットに結合するように構成された近位端と、
○組織結合ユニットに結合するように構成された遠位端と
を備えるエネルギー伝達リード線と、
(e)1本又は複数本の電線及び/又は光ファイバを備え、EEGユニットと電子回路との間で信号を伝達するように構成され、
○封入ユニットに結合するように構成された近位端と、
○EEGユニットに結合するように構成された遠位端と
を備える信号伝達リード線と
を備える、埋め込み型刺激装置において、
電子回路が、
・EEGユニットによって測定されたEEG信号を表すEEG変換データを信号伝達リード線(60)から受信し、
・EEG変換データの解析を実行して、解析結果を提供し、
・解析結果に基づいて決定を行い、決定にしたがってIPGを制御し、決定が、解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを表す場合に、1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するようにIPGに命令することを含む
ように構成されることを特徴とする埋め込み型刺激装置に関する。
【0011】
IPGを制御する工程が、1つ又は複数のパルスを送信するようにIPGに命令することの後、
・解析結果が発作の終了を示すようになるまで、又は
・事前に決定された持続時間だけ
パルスを送信し続けるようにIPGに命令することを含み、
その後、解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを再び表すまでパルスを送信することを停止する。
【0012】
エネルギーパルスは、光パルス又は電気パルスとすることができる。光パルスの場合、
・IPGが1つ又は複数の光源を備えることができ、
・エネルギー伝達リード線が、IPGの1つ又は複数の光源と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバを備えることができ、
・組織結合ユニットが、光ファイバのうちの1本又は複数本と光学的に連絡し、1本又は複数本の電極と電気的に連絡する1つ又は複数の光起電力セルを備えることができる。
【0013】
電気パルスの場合、
・IPGが電気パルス発生器を備えることができ、
・エネルギー伝達リード線が、電気パルス発生器と電気的に接触し、組織結合ユニットの1本又は複数本の電極と電気的に接触する1本又は複数本の電線を備えることができる。
【0014】
EEG変換データは、光信号又は電気信号の形態でEEGユニットから封入ユニットに伝達され得る。光信号の場合、
・EEGユニットは、EEG信号を変換してEEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路を備えることができ、EEG変換回路が、EEG電極(70a~70d)によって測定されたEEG信号を表す光信号を放出するように構成された1つ又は複数の光源を備え、EEG変換データを形成し、
・信号伝達リード線(60)が、EEG変換回路の1つ又は複数の光源と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバを備えることができ、
・封入ユニットが、信号伝達リード線の1本又は複数本の光ファイバと光学的に連絡する1つ又は複数の光検出器を備えることができ、光検出器が電子回路と通信する。
【0015】
電気信号の場合、
・EEGユニットは、EEG信号を変換してEEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路(71C)を備えることができ、好ましくは、EEG変換回路に導電接触する電気ソケットを備え、
・信号伝達リード線が、それぞれが近位端及び遠位端を備える1本又は複数本の導線を備えることができ、
・1本又は複数本の導線の遠位端が、EEG変換回路に導電接触して、好ましくは電気ソケットを通して結合することができ、
・1本又は複数本の導線の近位端が、封入ユニットの電子回路に導電接触することができる。
【0016】
光信号及び電気信号の両方の場合、EEG変換回路が、以下の要素、すなわち、
・増幅されたEEG信号を提供する1つ又は複数の増幅器と、
・増幅されたEEG信号をフィルタリングし、フィルタリングされたEEG信号を提供するためのフィルタと、
・増幅されたEEG信号又はフィルタリングされたEEG信号をデジタル化してデジタル化されたEEG信号を提供するためのアナログ-デジタル(A/D)変換器と、
・送信されるデータのサイズを縮小する符号化及び信号圧縮及び多重化ロジックと、
・信号伝達リード線を通して、上記のように処理されたEEG信号を変調及び/又は駆動するためのドライバと
のうちの1つ又は複数を備えることができる。
【0017】
EEG回路に通電するためには、好ましくは、信号伝達リード線は、ハウジングに封入された光源と光学的に連絡する近位端と、光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成され、EEG変換回路に通電するためにEEG変換回路と電気的に接触する光起電力セルと光学的に連絡する遠位端とを備えた光ファイバを備える。
【0018】
本発明では、エネルギー伝達リード線及び信号伝達リード線の両方が電線を備えないことが好ましい。
【0019】
EEGユニットは、脳の領域の電気活動を測定するように構成されたEEG電極を備える。EEG電極は、
・頭蓋骨上に、好ましくは頭蓋骨に取り付けられて皮下に埋め込まれるように構成された皮下電極、又は
・硬膜外に、すなわち頭蓋骨の下且つ硬膜の上に埋め込まれるように構成された硬膜外電極、又は
・硬膜の下且つ直接脳表面の上に埋め込まれるように構成された脳電極、又は
・脳内に埋め込まれるように構成された脳内電極
のうちの1つ又は複数から選択することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、封入体は、バッテリを備えず、人工内耳で使用されるのと同様の仕方で、外部エネルギー源からの磁場に曝されたときに電流を誘導するためのコイルを備える。本実施形態によって、ハウジングのサイズを大幅に縮小することができる。
【0021】
或いは、封入体は、埋め込み型刺激装置に通電するためのバッテリを封入することができ、好ましくは、バッテリが充電式バッテリである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の性質をより十分に理解するには、添付の図面と併せて読まれるべき以下の詳細な説明を参照されたい。
【0023】
【
図2】
図2(a)は、本発明によるAIMDの2つの実施形態のうち、封入体が人工内耳で使用されているように耳のレベルに埋め込まれた実施形態を示す。
図2(b)は、本発明によるAIMDの2つの実施形態のうち、封入体が鎖骨下領域に埋め込まれた実施形態を示す。
【
図3】
図3は、(1)正常な脳活動の期間、(2)発作前の移行期間、(3)発作の期間、及び(4)回復期間を示すEEGの一例を示す。
【
図4】
図4(a)は、本発明によるAIMDの全体図を示す。
図4(b)は、本発明によるAIMDの封入ユニットの一例を示す。
図4(c)は、本発明によるAIMDの組織結合ユニットの一例を示す。
図4(d)は、本発明によるAIMDのエネルギー伝達リード線及び信号伝達リード線の例を示す。
図4(e)は、本発明によるAIMDのEEGユニット(70)の一例を示す。
【
図5】
図5(a)は、組織結合ユニット(40)の様々な構成のうち、カフ電極の構成を示す。
図5(b)は、組織結合ユニット(40)の様々な構成のうち、電気検知を伴うカフ電極の構成を示す。
図5(c)は、組織結合ユニット(40)の様々な構成のうち、傾斜端面光ファイバを備えたカフオプトロードの構成を示す。
図5(d)は、組織結合ユニット(40)の様々な構成のうち、光学検知を伴うカフオプトロードの構成を示す。
図5(e)は、組織結合ユニット(40)の様々な構成のうち、電気検知を伴うオプトロードの構成を示す。
【
図6】
図6(a)は、EEG電極の幾何学的形状の一実施形態を示す。
図6(b)は、EEG電極の幾何学的形状の一実施形態を示す。
図6(c)は、EEG変換回路の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示すように、本発明による埋め込み型電気刺激装置(10)は、
(a)患者の迷走神経(Vn)上に直接埋め込まれるのに適した1本又は複数本の電極(40a、40b)を備える組織結合ユニット(40)と、
(b)患者の脳波を測定するように構成されたEEGユニット(70)と、
(c)患者の身体において皮下に埋め込まれるように構成され、埋め込まれたパルス発生器(IPG)(51)及び電子回路(53)を封入する封入ユニット(50)と、
(d)封入ユニットと組織結合ユニットとの間で電気エネルギー及び/又は光エネルギーのパルスを伝達するように構成されたエネルギー伝達リード線(30)と、
(e)EEGユニットと封入ユニットとの間で信号を伝達するように構成された信号伝達リード線(60)と
を備える。
【0025】
封入ユニット(50)
図4(a)及び
図4(b)に示すように、本発明による能動埋め込み型光電子医療機器(AIMD)は、患者の身体において刺激すべき迷走神経から離れた場所で皮下に埋め込まれるように構成された封入ユニット(50)を備える。封入体は、
・電気エネルギー又は光エネルギーのパルスを放出するように構成された埋め込まれたパルス発生器(IPG)(51)と、
・エネルギーパルスをトリガするようにIPG(51)に命令するトリガ信号をIPGに送信するように構成された電子回路(53)と
を封入するハウジング(50h)を備える。
【0026】
図4(b)に部分的に示すように、封入ユニット(50)のハウジング(50h)は、IPG(51)及び電子回路(53)を封入する内部空間を画定する。ハウジング(50h)は、患者の身体内に埋め込まれた後、内部空間と封入体を囲む環境との間の密閉障壁を確保する生体適合性材料で作られなければならない。ハウジングは、チタンなどの金属で作られることが多い。或いは、ハウジングは、セラミック材料で作られてもよく、好ましくは、選択された範囲の波長に対して透明であるセラミック材料で作られ、好ましくは、選択された範囲の波長は380~1800nmに含まれる。例えば、国際出願PCT/EP2019/069087号明細書に記載されているように、ハウジング(50h)を形成するのに溶融シリカが使用されてもよい。透明なハウジング(50h)は、後述のように光IPG(51)を使用する場合に、及び/又は光信号によってハウジングの外部と通信する場合に有利である。1つの重要な課題は、ハウジング、特に、ハウジングの様々なコンポーネントを接合する溶接線又はフィードスルーを囲む位置におけるハウジングの長期的な防湿性である。解決策は当技術分野に存在し、本発明はそれらの解決策の何れにも限定されない。
【0027】
IPGは、例えば米国特許第7720538号明細書に記載されているものなど、神経刺激装置で従来使用されているような電気パルス発生器(51E)を備えることができる。ハウジングに封入された電気IPG(51E)は、フィードスルーによって、ハウジング(50h)の外部にあり、エネルギー伝達リード線(30)の一部を形成する1本又は複数本の導線(36)に導電接触する。フィードスルーは、ハウジングの壁を貫通して延びる電気接点である(図示せず)。
【0028】
或いは、IPG(51)は、1つ又は複数の発光源(51L)、光センサ、マイクロ光学コンポーネント(例えば、レンズ)を含む1つ又は複数の光学コンポーネントを備えることができる。発光源は、少なくとも380~1800nmの波長、好ましくは600~1500nmの波長、より好ましくは700~900nmの波長で光パルスを放出することができる。本発明に適し、光IPG(51)を備える封入ユニットの一例が、国際公開第2018068807号パンフレットに記載されている。ハウジング内部に配置された光IPGの発生した光エネルギーパルスは、光IPGの放出する波長に対して透明な窓を通して、エネルギー伝達リード線(30)の一部分を形成する光ファイバ(31)に伝達される。
【0029】
封入ユニットは、封入ユニットをエネルギー伝達リード線(30)と信号伝達リード線(60)とに接続するための1つ又は複数の接続装置(50x)を備える。エネルギー伝達リード線(30)及び/又は信号伝達リード線(60)が導線(36)を備える場合、1つ又は複数の接続装置(50x)は、上で引用した米国特許第7720538号明細書などの当該技術分野で周知のフィードスルーを備える。エネルギー伝達リード線(30)及び/又は信号伝達リード線(60)が光ファイバ(31)を備える場合、1つ又は複数の接続装置は、エネルギー伝達リード線(30)及び/又は信号伝達リード線(60)によって伝達される光ビームの波長に対して透明な1つ又は複数の窓を備える。光ファイバの場合の接続装置(50x)例は、例えば、国際公開第2018068807号パンフレットに記載されている。
【0030】
次に、電子回路(53)についてより詳しく説明する。電子回路は、アナログ回路及び/又はデジタル回路とすることができ、電気エネルギーパルス及び/又は光エネルギーパルスをトリガするようにIPG(51)に命令するように構成される。電子回路はまた、EEGユニット(70)、又は組織結合ユニット(40)、又は患者の身体の外部に配置された外部処理ユニット(90)から受信した情報を処理するように構成される。
【0031】
多くの用途において、封入ユニットは、バッテリ、好ましくは充電式バッテリを封入する。充電式バッテリの場合、好ましくは、誘導コイルが、ハウジングの内部体積の内側又は外側の何れかに設けられる。或いは、バッテリのないインプラントが、患者の身体の外部に配置された外部エネルギー源によって、誘導コイルを用いて通電されてもよい。このことは、例えば人工内耳で用いられている。封入ユニットはまた、外部処理ユニット(90)との通信手段を含むことができる。
【0032】
組織結合ユニット(40)
図5(a)、
図5(b)、及び
図5(e)に示すように、組織結合ユニット(40)は、絶縁支持体(43)に結合された電極(40a、40b)を備えることができ、電極(40a、40b)は、電極(40a、40b)に接触する迷走神経(VN)などの神経に結合されるように構成される。例えば、組織結合ユニット(40)は、迷走神経の周囲に巻き付けられるカフ電極又はヘリカル電極の形状とすることができるが、これに限定されない(例えば、国際公開第2019042553号パンフレット及び国際出願PCT/EP2018/082703号明細書を参照)。絶縁支持体は、神経刺激作用を生じることなしに治療される迷走神経に接触し得る神経結合面を備える。絶縁支持体は、長期留置のための治療位置に電極を固定するため、又は迷走電流を低減するために使用される。好ましくは、絶縁支持体(43)は、高分子材料で作られる。絶縁材料が、挿入のために、又は自らサイズが定まるカフ電極を用いる場合など、体動に順応するように変形されなければならない場合は、シリコーンやポリウレタンエラストマなどのエラストマポリマーで作ることが好ましく、ポリイミドのシートで作られてもよい。スリットカフ電極などの他の電極の幾何学的形状の場合、絶縁支持体は、硬質であり、例えばポリウレタンやエポキシ樹脂で作ることができる。
【0033】
組織の抵抗は、3~5kΩのオーダーである。0.1~3mAオーダーの電流では、電極間に必要な電圧は10Vのオーダーになり得る。エネルギー伝達リード線(30)は、神経接続ユニット(20)によって組織結合ユニットに結合される。エネルギー伝達リード線(30)が導線(36)を備える場合、神経接続ユニット(20)は、導線(36)と電極(40a、40b)に結合された神経接続線(44)との間に導電接触が存在することを確保する。エネルギー伝達リード線(30)が光ファイバ(31)を備える場合、神経接続ユニット(20)は、エネルギー伝達リード線(30)と神経接続線(44)との間に、神経接続線(44)によって電極(40a、40b)に伝導された光エネルギーを電気エネルギーに変換するための光起電力セル(20P)を備える。
【0034】
図5(c)~
図5(e)に示すように、電極接点(40a、40b)の代わりに、又は電極接点(40a、40b)に加えて、絶縁支持シート(43)は、オプトロード(80)とも呼ばれる1つ又は複数の光接点を設けられてもよい。本明細書で定義される光接点は、発光体若しくは光センサの何れか一方、又は両方とすることができる。いくつかの用途では、発光による組織への刺激は、主に組織の局所的な加熱によるものである。このような用途では、光接点によって導かれる光は、赤外領域、好ましくは750~3000nmの範囲、より好ましくは1200~1800nmの範囲にあることが好ましい。しかしながら、本発明に適したカフオプトロードは、任意の波長の光ビーム(80B)で使用されてもよい。
【0035】
光接点又はオプトロード(80)は、傾斜端面にされている光ファイバの端部とすることもできるし、治療すべき組織の正確な領域に向けて光ビーム(80B)を誘導し、集束させるために、レンズ、ミラー、又は他のマイクロ光学素子に結合される光ファイバの端部とすることもできる。オプトロードは、光エネルギー伝達リード線(30)の光ファイバ(31)と、封入ユニット(50)に収容された光IPG(51)とに光学的に結合されてもよい。或いは、カフの外面に配置された発光装置は、ハウジング内に配置されたIPG(51)によって電気的に駆動されてもよく、オプトロードは、組織に向けて光を導くために前記発光装置に結合されてもよい。
【0036】
オプトロード(80)はまた、カフが周囲に巻かれている組織と直接光学的に接触するなど、絶縁シート上に取り付けられたLED、VCSEL、又は他のレーザダイオードを備えることもできる。絶縁シートがオプトロードによって放出される光の波長に対して透明である場合、光は、絶縁シートの内面から光接点を隔てている絶縁シートの厚さを通して光を透過され得る。絶縁シートが光エネルギーを効率的に透過させるのに十分なほど透明ではない場合、絶縁シートの内面に窓を設けて、光接点を露出させてもよい。
【0037】
図5(d)に示すように、組織結合ユニット(40)は、組織とのビーム(80B)の相互作用の後に散乱、反射、又は透過した光を検知するための光検知ユニット(80S)を更に備えることができる。上記のように検知された光信号は、第2の光ファイバを通して光の形態で、又は光検知ユニットが(例えば、光起電力セルで)光信号を電気信号に変換することが可能であれば導線を通して第2の電気信号の形態で、ハウジング内の電子回路(53)に送信され得る。光信号は、EEG変換回路(71c)に関連して続けて説明するように、信号伝達リード線を通して伝達される前に変換され得る。
【0038】
エネルギー伝達リード線(30)
エネルギー伝達リード線(30)は、封入体(1)から組織結合ユニット(50)に、また組織結合ユニット(50)から封入体(1)にエネルギーを伝達するために使用される。エネルギーは電気エネルギーの形態であってもよい。この場合、エネルギー伝達リード線(30)は、
図4(d)の右半円に示すように、少なくとも1本の導線(36)を備える。エネルギーが光エネルギーである場合、エネルギー伝達リード線(30)は、
図4(d)の左半円に示すように、少なくとも1本の光ファイバ(31)を備える。光ファイバ(31)は、コア(33)と、コアを囲み、光ビームをコア内で伝播させるクラッド(32)とを備える。場合によっては、クラッド上にコーティングが施される(図示せず)。光ファイバはガラスコア(33)を備えることが多いが、AIMDに使用する場合は、安全上の理由からポリマー光ファイバ(POF)を使用することが好ましい。本発明によるAIMDで使用するのに適したPOFの例は、国際出願PCT/EP2019/071803号明細書に記載されている。エネルギー伝達リード線(30)は、異なる形態のエネルギー(例えば、異なる波長の光ビーム)を伝達するため、又は組織結合ユニット(40)と封入ユニット(50)との間で信号を伝達するために、複数本の導線及び/又は光ファイバを備えることができる。例えば、組織結合ユニット(40)は、組織結合ユニット(40)の電極に電気パルスが到達したことを示す電気信号又は光信号を封入体の電子回路(53)に送信することができる。
【0039】
好ましい実施形態では、IPGは、複数の光源及び/又は光センサを備え、エネルギー伝達リード線(30)は、AIMDに機能性を付加するための複数の光ファイバを備える。例えば、組織結合ユニット(50)の神経接続ユニット(20)に含まれる光起電力セル(20P)に光IPGからの光エネルギーパルスを伝達するために光ファイバ(31)が使用されてもよい。第2の光ファイバが、組織結合ユニット(40)に含まれる光源から封入ハウジング内の光検出器にフィードバック信号を送信するために使用されてもよく、このフィードバック信号は、電気パルスが迷走神経に送達されたことを示すことができる。第3の光ファイバが、有害な副作用を防ぐために、組織結合ユニットの回収回路を作動させるために使用されてもよい。第3の光ファイバは、封入ハウジングに留置された回収用発光源から回収用光起電力セルに光エネルギーを伝達して、電極に電気的に給電できるため、電気刺激回路と並行して電荷回収回路を形成できる。回収回路を備える組織結合ユニットは、例えば、国際公開第2016131492号パンフレットに記載されている。
【0040】
エネルギー伝達リード線(30)は、好ましくは、導線及び/又は光ファイバを湿気及び機械的破断から保護する保護チューブ(35)を備える。エネルギー伝達リード線(30)が複数の導線及び/又は光ファイバを備える場合、これらは単一の保護チューブ(35)に封入されると都合がよい。
【0041】
エネルギー伝達リード線(30)は、封入ユニットの接続装置(50x)に結合するように構成された近位端と、組織結合ユニット(40)の神経接続ユニット(20)に結合するように構成された遠位端とを備える。
【0042】
EEGユニット(70)
図6(a)及び
図6(b)に示すように、EEGユニット(70)は、脳の領域の電気活動を測定するように構成されたEEG電極(70a~70d)を備える。電極は、
・頭蓋骨上に、好ましくは頭蓋骨に取り付けられて皮下に埋め込まれるように構成された皮下電極、又は
・硬膜外に、すなわち頭蓋骨の下且つ硬膜の上に埋め込まれるように構成された硬膜外電極、又は
・硬膜の下且つ直接脳表面の上に埋め込まれるように構成された脳電極、又は
脳内に埋め込まれるように構成された脳内電極
のうちの1つ又は複数から選択され得る。
【0043】
電極はまた、患者の頭部の皮膚上(=頭蓋外)に直接貼られてもよいが、好ましくは、信号対雑音比を高めるために皮下に埋め込まれる。装置の侵襲性を最小化するために、好ましくは、電極は、上述のような皮下電極又は硬膜外電極である。極端な例では、頭蓋骨の開口部を通して大脳皮質表面や脳内に電極を埋め込むこともできるが、治療上の理由から必要とされるのではない場合は、そのような侵襲的な構成を避けることが好ましい。患者の快適性のために、そして良好な信号対雑音比のために。
【0044】
EEG電極は、ターゲット電極と基準電極との間の電位差を測定する。好ましい実施形態では、
図6(a)に示すように、少なくとも2つのEEG電極(70a~70d)が、可撓性EEG支持体(75)上に取り付けられる。EEG支持体は薄肉の条片の形態とすることができ、薄肉の条片は、非常に薄く、ポリイミドフィルムなどのポリマー、好ましくはシリコーンなどのエラストマなどの絶縁材料で作られる。EEG支持体は、いくつかのEEG電極(70a~70d)から構成されたアレイを支持することができる。皮下に埋め込むのに適した様々な幾何学的形状及び構成の可撓性EEG支持体に取り付けられたEEG電極が市販されている。
【0045】
代替的な実施形態では、
図6(b)に示すように、少なくとも2つのEEG電極が頭蓋骨の様々な位置に自由に埋め込まれ得る。本実施形態は、EEG電極がEEG支持体(75)に取り付けられることにより、EEG電極の位置決めを制限なく最適化するための自由度を高める。
【0046】
本発明は、あらゆる種類のてんかん及び他の疾患を治療するのに適しており、Neuropace社によって開発された応答性神経刺激(RNS)装置とは異なり、焦点てんかんに限定されていない。頭蓋骨上におけるEEG電極(70a~70d)の最適な数及び位置は、長期間の脳の電気活動の別途の臨床EEG測定によって決定されてもよい。このような臨床測定は、一般に、患者の頭蓋の全領域を覆う電極の一揃いのアレイを支持する「ヘルメット」を、臨床検査の全時間わたって患者が装着した状態で行われる。これらの臨床測定によって、到来する発作を示す最も妥当な又は適切な信号を提供する2つ以上の測定電極間の脳の領域を特定することができる。臨床測定の結果は、皮下に埋め込むべきEEG電極(70a~70d)の最良の位置及び数を決定するために使用される。EEG電極によって測定されたEEG信号は、電子回路(53)が到来する発作又は初期発作の決定的且つ確実な情報を得るために、信号伝達リード線(60)を通して封入ユニットに伝達するには弱すぎ、ノイズも多すぎることがある。電子回路(53)にって実行される解析の信頼度のレベルを高めるために、EEG電極によって測定されたEEG信号は、信号伝達リード線(60)を通してこれを伝達する前に、これをEEG変換回路(71C)によって変換することによって処理されることが好ましい。
【0047】
EEG変換回路(71C)
図6(c)に示すように、好ましくは、EEG変換回路(71C)は、EEG電極(70a~70d)と信号伝達リード線(60)との間に配置される。EEG変換回路(71C)は、EEG信号を変換してEEG変換データを提供するように構成され、好ましくは、EEG接続ユニット(71)に収容される。
【0048】
図6(c)に示すように、EEG変換回路は、高入力インピーダンスを提供する増幅器(71A)による前置増幅の第1の段を備えることができる。実際、EEG信号は、電極界面に起因して比較的高いソースインピーダンスを有し得る。この第1の段は、コモンモード成分を除去しながらEEG信号を増幅し、これにより信号対雑音比を高めた増幅されたEEG信号を提供する。増幅されたEEG信号は、フィルタ(71F)によってフィルタリングされてもよい。フィルタ(71F)は、主に電極の接触電位が等しくないことに起因する、このコモンモードの残りのDC成分を除去するように構成されたハイパスフィルタであってもよい。EEG変換回路は、更なる増幅を提供するために構成された別の増幅器(71A)を備える第2の段を備えることができる。この後にローパスフィルタ(71F)を設けることもできる。
【0049】
いくつかの実施形態では、アナログのEEG変換データを伝達することが好ましい。このような場合、アナログ-デジタル(A/D)変換器(71D)が不要であることは明らかである。例えば、増幅されてフィルタリングされたEEGデータは、信号伝達リード線(60)の電線(36)を通して直接送信されてもよい、又は信号伝達リード線(60)の光ファイバ(31)と直接光学的に接触する光源(72)に供給される電流を変調するために使用されてもよい。別の実施形態では、増幅されてフィルタリングされた信号は、例えば、増幅されてフィルタリングされたEEG信号の電圧を周波数の変調に変換することにより(-vから+vの信号がf1とf2との間で変化する周波数の正弦波曲線に変換される)、周波数変調(AL、FMなど)されてもよい。
【0050】
他の実施形態では、デジタル化されたEEG信号が信号伝達リード線(60)を通して送信される。増幅されてフィルタリングされたEEG信号は、アナログ-デジタル(A/D)変換器(71D)においてデジタル化されて、信号伝達リード線(60)を通して電気又は光エネルギーの形態で伝達されるデジタル化されたEEG信号を提供してもよい。デジタル化されたEEG信号は、当業者には周知のように、周波数、ベースバンドなどで変調されてもよい。
【0051】
EEG変換回路(71C)はまた、上述のように変調するためのドライバ(71V)、及び/又は信号伝達リード線(60)を通して上記のように処理されたEEG信号を駆動するためのドライバ(71V)を備えることができる。ドライバ(71V)は、信号伝達ユニットが光ファイバ(31)を備える場合、光源(72)を作動させるのに十分な電流を供給するように構成されてもよい。ドライバ(71V)はまた、0/1デジタル化されたEEG信号を対応する電圧信号、例えば、0V/5V、又は電流信号、例えば、0mA/4mA)に変換してもよい。
【0052】
続けて説明するように、信号伝達リード線(60)は、上記のようにして取得されたEEG変換データを電気エネルギーの形態又は光エネルギーの形態の何れかで伝達するための1本又は複数本の電線(36)及び/又は1本又は複数本の光ファイバ(31)を備えることができる。EEG変換データを光エネルギーの形態で伝達する場合、EEG変換回路はまた、上述のEEG変換回路の最後に使用されたコンポーネント(すなわち、増幅器(71A)、フィルタ(71F)、A/Dコンバータ(71D)、又はドライバ(71V)の何れか)と電気的に接続された光源(72)を備える。EEG変換データを電気エネルギーの形態で伝達する場合、EEG変換回路は、上述のように、導線の遠位端をEEG変換回路の最後に使用されたコンポーネントと可逆的に結合するように構成された電気ソケット(73)を備えることができる。或いは、信号伝達リード線(60)の導線(36)は、EEG変換回路に永続的に結合させることもできる。
【0053】
信号伝達リード線(60)
信号伝達リード線(60)の主な機能は、EEGユニット(70)のEEG電極(70a~70d)によって測定されたEEG信号を電子回路(53)に伝達することである。EEG信号は、導線(36)を通して電気信号の形態で電子回路に伝達されてもよいし、光ファイバ(31)を通して光信号の形態で電子回路に伝達されてもよい。したがって、上述のエネルギー伝達ユニット(30)の説明は、一方では遠位端が組織結合ユニット(40)の代わりにEEGユニット(70)に結合するように構成され、他方では近位端がIPG(51)の代わりに封入ユニットの電子回路(53)に直接的又は間接的に結合するように構成されることを除いて、信号伝達リード線(60)にも必要な変更を加えて適用される。
【0054】
第1の実施形態では、信号伝達ユニット(60)は1本又は複数本の光ファイバを備え、EEGユニット(70)は、1本又は複数本の光ファイバと光学的に接触し、EEG電極(70a~70d)によって測定されたEEG信号を表す光信号を放出するように構成された1つ又は複数の光源(72)を備えるEEG変換データを形成するEEG変換回路(71C)を備える。封入ユニットは、信号伝達リード線の1本又は複数本の光ファイバと光学的に連絡する1つ又は複数の光検出器を備え、光検出器が電子回路と通信する。
【0055】
代替的な実施形態では、信号伝達ユニット(60)は、それぞれが近位端及び遠位端を備える1本又は複数本の導線(36)を備える。1本又は複数本の導線(36)の遠位端は、EEG電極(70a~70d)に、好ましくはEEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路(71C)を通して導電接触して結合される。EEG変換回路は、1つ又は複数の導線の遠位端を可逆的に結合及び分離するための電気ソケット(73)を備えることができる。1本又は複数本の導線(36)の近位端は、封入ユニットの電子回路(53)に導電接触する。
【0056】
信号伝達リード線(60)は、ハウジング(50h)に封入された光源と光学的に連絡する近位端と、光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成され、EEG変換回路に通電するためにEEG変換回路(71C)と電気的に接触する光起電力セル(71PV)と光学的に連絡する遠位端とを備えた光ファイバを備えることができる。或いは、信号伝達リード線(60)は、ハウジング(50h)に封入された電源と電気的に接触する近位端と、EEG変換回路(71C)と電気的に接触する遠位端とを備えた導線を備えることができる。これらの2つの解決策は、EEG変換回路(71C)を作動させて使用するために必要なエネルギーを供給するために使用されてもよい。
【0057】
電子回路(53)
電子回路(53)は、封入ユニット(50)のハウジング(50h)に封入される。電子回路(53)は、同様にハウジング(50h)に封入されたバッテリ、好ましくは充電式バッテリによって通電される、又は上述のように外部誘導源による誘導によって通電される。電子回路は、エネルギーパルスをトリガするようIPGに命令するトリガ信号をIPGに送ることを含む、AIMDの様々な機能を制御する。最新のAIMDでは、電子回路は、発作の発生の有無とは無関係に、例えば、個々のパルスの持続時間及び強度、並びにパルス列の周波数及び持続時間及び2つの連続するパルス列間の間隔を含む、事前に定義されたパターンにしたがってエネルギーパルスをトリガするようにIPGに命令するようにプログラムされる。冒頭で述べたように、実際の発作の発生とは無関係に事前に定義されたパターンにしたがってIPGを制御することには、多くのエネルギーを必要とし、反復的でしばしば役に立たない迷走神経の刺激に対する患者の脱感作を助長するという欠点がある。
【0058】
事前に定義されたパターンの欠点を克服するために、本発明の電子回路は、
・EEGユニット(70)によって測定されたEEG信号を表すEEG変換データを信号伝達リード線(60)から受信し、
・EEG変換データの解析を実行して、解析結果を提供し、
・任意選択でEEG変換データを記憶する、又はEEG変換データを外部処理ユニット(90)に無線で伝達し、
・解析結果に基づいて決定を行い、決定にしたがってIPGを制御し、決定が、解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを表す場合に、1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するようにIPGに命令することを含む
ように構成される。
【0059】
電子回路は、対応する外部無線通信装置(90c)を設けられた外部処理ユニット(90)にEEG変換データを伝達するための埋め込まれた無線通信装置(50c)を備えることができる。例えば、外部処理ユニットは、患者のスマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスとすることができる。埋め込まれた無線通信装置は、解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを表す場合に、外部処理ユニット(90)に信号を送信してもよい。
図4(a)に示すように、スマートフォンなどの外部処理ユニットは、患者及び/又は患者の治療医療センタに警告メッセージを送信してもよい。警告信号は、振動、音、光信号、及びそれらの組み合わせとすることができる。無線通信は、無線周波数、Wi-Fi、Bluetoothなどとすることができる。外部処理ユニット(90)は、例えば、電子回路によって必要とされるメモリのサイズを縮小するために、EEG変換データを記憶することができる。EEG変換データの全体は、診断を確立するために医療従事者にとって非常に有用であり得るが、IPGのオンデマンドトリガには必要ではない。そのため、このような大量の情報を記憶するために必要な大きなメモリ空間は、必ずしも封入ユニットに必要ではなく、代わりに外部処理ユニット(90)に移動させることも十分に可能である。しかしながら、プロセッサの絶え間ない微細化により、EEG変換データの解析を実行するため、及び解析結果を提供するために必要な計算力を電子回路(53)に封入することが好ましい。
【0060】
EEG変換データは、電子回路(53)によって解析されて、電子回路が行う決定が基づく解析結果を提供する。EEG変換データの解析は、起こり得る差し迫った発作の発生又は発作の始まりを定義する事前に定義された基準と解析結果を比較することによって実行されてもよい。EEG変換データにおいてそのような事前に定義された基準が特定された場合、電子回路は、エネルギーパルスをトリガするようにIPGに命令しなければならない。例えば、
図3に示すEEGを参照すると、期間(1)によるプロファイルを有するEEGは、正常な脳活動に対応するとして、また切迫発作の兆候を表していないとして解釈される。
図3の期間(3)によるプロファイルは、発作として明確に解釈されなければならず、好ましくは、解析は、EEGが(3)によるプロファイルに至る前に信号をトリガすることを可能にするべきである。好ましくは、EEG変換データの解析は、正常な脳活動を表す期間(1)と発作を表す期間(3)との間の過渡期間である
図3の期間(2)によるプロファイルを検出することができる。このような過渡期間(2)が十分な確度で特定できない場合、事前に定義された基準は、発作を表す期間(3)によるプロファイルが検出された後、できるだけ早くエネルギーパルスをトリガできるようにしなければならない。EEG変換データにおいて起こり得る発作を表す事前に定義された基準が特定された場合、電子回路(53)は1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するようにIPG(51)に命令する。
【0061】
或いは、人工知能(artificial intelligence、AI)が電子回路に実装されてもよく、機械学習及びビッグデータ解析を通して、システムは、到来する発作又は初期発作を表すEEG変換データを人間の臨床医よりも高い信頼性で検出するように「学習」してもよい。AIは、患者の死につながる異常な状態を特定することによって、循環器疾患を予測し、ひいては今後5年間の患者の生存率を予測することに広く利用されてきた。患者の翌年生存率の予測精度は容易に80%に達し得るが、臨床医の予測精度は60%であった。
【0062】
スマートフォンやスマートウォッチなどの外部処理ユニット(90)にEEG変換データが伝達された後に、外部処理ユニット(90)によって、EEG変換データの上述の解析を実行することができるアルゴリズムを実行することも可能である。しかしながら、本発明では、解析が常に継続的に行われることを確保するために、解析が電子回路(53)によって実行されることが好ましいが、外部処理ユニット(90)は、スマートフォンやスマートウォッチであっても、必ずしもAIMDから通信可能な距離内にあるとは限らず、そのため、発作が切迫していることを電子回路に伝達することができない。
・解析結果に基づいて、電子回路は決定を行う。決定は、解析結果が正常と見なされる脳電気活動を表す限り、すなわち、正常な脳活動の期間(1)を表す
図3に示すEEGに対応する限り、何もしないということになり得る。これに対して、決定は、解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを表す、すなわち、到来する発作の期間(2)又は初期発作の早期の期間(3)を表す
図3に示すEEGに対応する場合にはすぐに1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するようにIPGに命令することであり得る。好ましくは、1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するようにIPGに命令する決定は、発作の発生を防ぐために、解析結果において到来する発作を表すEEGの期間(2)が検出された時に行われる。
【0063】
電子回路(53)がエネルギーパルスをトリガするようにIPGに命令したとき、EEG変換データが発作の終了を表す事前に定義された基準を満たすまでパルスを送り続けるようIPGに更に命令することが好ましい。本発明の別の実施形態では、電子回路(53)は、事前に定義された時間の間、パルスを送信し、その後、EEGユニット(70)から次のトリガ信号を受信するまでパルスを送信することを停止するようにIPG(51)に命令するように構成される。
【0064】
AIMD
本発明のAIMDは上述の様々なコンポーネント、すなわち、
・組織結合ユニット(40)と、
・EEGユニット(70)と、
・IPG(51)及び電子回路(53)を封入する封入ユニット(50)と、
・エネルギー伝達リード線(30)と、
・信号伝達リード線(60)と
を備える。
【0065】
使用されるエネルギー伝達リード線(30)及び信号伝達リード線(60)の種類に応じて、他のコンポーネントの様々な組み合わせが可能である。
【0066】
チェーン:IPG(51)-エネルギー伝達リード線(30)-組織結合ユニット(40)
1つの実施形態では、IPG(51)は1つ又は複数の光源を備える。エネルギー伝達リード線(30)は、IPG(51)の1つ又は複数の光源と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバ(31)を備える。組織結合ユニット(40)は、光ファイバのうちの1本又は複数本と光学的に連絡し、1本又は複数本の電極(40a、40b)と電気的に連絡する1つ又は複数の光起電力セル(20P)を備える。
【0067】
本実施形態の好ましい変形形態は、以下のように定義される刺激AIMDである。
・封入ハウジングに封入されたIPG(51)は、好ましくは300~1000μmの厚さを有し、室温における波長850nmに対する透過率が少なくとも75%である、接続装置(50x)に面する窓に面する光源(複数可)を備える。窓は、内部空間を接続装置(50倍)から隔て、任意選択で1つ又は複数のマイクロ光学レンズを備えることができる。接続装置(50x)は、ハウジング(50h)のコンポーネントと一体にされてもよい。
・エネルギー伝達リード線(30)は、少なくとも1本の光ファイバ(31)、好ましくは少なくとも2本又は少なくとも3本の光ファイバを備え、電線は備えない。
・光ファイバの近位端は、窓に面し、光源のうちの少なくとも1つとアライメントされる。光ファイバと光源との間のアライメントのレベルが、光源から光ファイバへのエネルギー伝達の有効性を制御する。完璧なアライメントは、国際公開第2018068807号パンフレットに記載されているような良好な接続装置(50x)を用いて得ることができる。
・封入体は、フィードスルーを備えない。
・光ファイバの遠位端は、光ファイバによって搬送された光エネルギーを、神経接続線(44)を介して電極(40a、40b)に伝達される電気エネルギーに変換する光起電力セル(20P)に面して、組織結合ユニット(40)の神経接続ユニット(20)に接続される。ここでも、光起電力セル(20P)と光ファイバの完璧なアライメントによって、エネルギーの効率的な伝達が確保される。
・或いは、光ファイバの遠位端は、迷走神経に向けて光ビーム(80B)を導くためのオプトロード(80)に面して、組織結合ユニット(40)の神経接続ユニット(20)に接続される。
・組織結合ユニットは、カフ電極又はオプトロードの形態である。
【0068】
代替的な実施形態では、IPGは、電気エネルギーのパルスを放出するように構成された電気IPG(51E)を備え、エネルギー伝達リード線(30)は、電気IPG(51)に電気的に接触し、且つ組織結合ユニットの1本又は複数本の電極(40a、40b)に電気的に接触する1本又は複数本の電線(36)を備える。
【0069】
この代替的な実施形態の好ましい変形形態では、刺激AIMDは以下のように定義される。
・封入ハウジングに封入された電気IPG(51E)は、接続装置(50x)を形成するフィードスルーに導電接触する。フィードスルーは、ハウジングの壁を横断し、IPG(51)に導電接触して内部空間内に一方の端部を有し、ハウジングの外部に配置された外側端部を有する。
・エネルギー伝達リード線(30)は、少なくとも1本の導線(36)を備える。
・導線(36)の近位端は、フィードスルーの外側の端部に導電接触する。
・導線の遠位端は、電極(40a、40b)に結合された神経接続線(44)に導電接触して、組織結合ユニット(40)の神経接続ユニット(20)に接続される。
・組織結合ユニットは、カフ電極の形態である。
【0070】
本発明によるAIMDは、当然のことながら、対応する光学IPG及び電気IPG(51)並びに光起電力セル(20P)が光ファイバに面する状態で、単一又は個別の保護チューブ(35)に封入され得る導線(36)及び光ファイバ(31)の両方を備えることができる。
【0071】
チェーン:EEGユニット(70)-信号伝達リード線(60)-封入ユニット(50)
図6(a)及び
図6(b)に示すように、EEGユニット(70)のEEG電極(70a~70d)は、EEG信号を変換してEEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路(71C)を介して、信号伝達リード線(60)の遠位端とエネルギー伝達接触する。信号伝達リード線(60)は、EEG接続ユニット(71)を介してEEG電極に、好ましくは可逆的に結合され得る。好ましくは、EEG接続ユニット(71)は、EEG電極によって測定された電気信号を増幅器(71A)で増幅し、好ましくは、続いて、この増幅された信号をフィルタリング、デジタル化、駆動するなどの他の動作を行った後、信号伝達リード線(60)を介して封入ユニット(50)内の電子回路(53)に前記信号を伝達するように構成されたEEG変換回路(71C)を備える。回路は、封入ユニット(50)から信号伝達リード線(60)を通して電力を供給され得る。
【0072】
1つの実施形態では、信号伝達リード線(60)は、EEG電極(70a~70d)によって測定された電気EEG信号を表すEEG変換データを光学的に伝達するための1本又は複数本の光ファイバ(31)を備える。EEG接続ユニット(71)は、EEG接続線(74)を介して、好ましくはEEG変換回路(71C)を介してEEG電極(70a~70d)に電気的に結合されて、EEG電極によって測定された電気EEG信号を表す光信号を放出する、LEDなどの1つ又は複数のEEG光源(72)を備える。EEG接続ユニット(71)に結合されると、1本又は複数本の光ファイバ(31)は、対応するEEG光源(72)に完璧にアライメントされて面する。1つ又は複数のEEG光源によって放出された光は、信号伝達リード線(60)の1本又は複数本の光ファイバ(31)を通して、封入ユニット(50)の内部体積に配置された対応する光検出器に伝達される。上記のようにして受信したEEG変換データは、検出器から電子回路(53)に伝達され、電子回路(53)において上述のように処理されて、解析結果を決定し、解析結果が到来する発作又は初期発作に結論付けられるか否かに応じて、迷走神経を刺激するようにエネルギーパルスをトリガするようにIPGに促すか否かを決定する。
【0073】
代替的な実施形態では、信号伝達リード線(60)は、EEG電極(70a~70d)によって測定された電気信号を伝導するための1本又は複数本の導線(36)備える。EEG接続ユニット(71)は、EEG電極(70a~70d)に電気的に結合され、且つ1本又は複数本の導線(36)をEEG接続線(74)に、好ましくはEEG変換回路(71C)を介して可逆的に結合して、EEG電極によって測定された電気信号を電子回路(53)に伝導するように構成された電気ソケット(73)を備えることができる。或いは、1本又は複数本の導線(36)は、対応するEEG電極(70a~70d)に直接、又はEEG変換回路を介して、EEG接続ユニット(71)に永続的に接続されてもよい。本実施形態では、信号伝達リード線(60)はEEGユニット(70)から分離できない。
【0074】
封入ユニット(50)から電力を供給される回路を備えるEEGユニットの第1の実施形態では、信号伝達リード線(60)は、
・封入ユニットの1つ又は複数の接続装置(50x)のうちの1つに結合され、ハウジング(50h)に封入された光エネルギー源に窓を介して光学的に連絡して面する近位端と、
・EEG接続ユニット(71)に結合され、光エネルギーをEEGに電力を供給するための電気エネルギーに変換するための光起電力セルに光学的に連絡して面する遠位端と
を備える光ファイバ(31)を備えることができる。
【0075】
第2の実施形態では、信号伝達リード線(60)は、
・封入ユニットの1つ又は複数の接続装置(50x)のうちの1つに結合され、ハウジング(50h)に封入された電気エネルギー源に電気的に接触する近位端と、
・EEGユニットに電力を供給するためにEEG接続ユニット(71)に結合された遠位端と
を備える追加の導線(36)を備えることができる。
【0076】
オンデマンド神経刺激
上述の本発明によるAIMDによって、到来する発作を防止したり初期発作を短時間で止めたりするのに必要な場合にのみ、迷走神経などの神経を刺激することができる。刺激が必要か否かにかかわらず、エネルギーパルスによって迷走神経を一定間隔で刺激するようにプログラムされている従来の神経刺激装置と比較して、迷走神経をオンデマンドで刺激することには膨大な利点がある。エネルギーを節約できるため、2回の連続した充電走査の間により長く利用でき、患者の快適さが増して、またエネルギー刺激に対する迷走神経及び/又は神経系の脱感作につながる馴化の現象が減少する。そのような馴化があると、刺激の強さ及び頻度を上げることが必要になり、それが更なる馴化を次々に生み出し、悪循環が形成される。迷走神経の刺激に基づいて論じてきたが、その刺激によって発作を防いだり短時間で止めたりすることができる神経であれば、どのような神経にも適用できることは明らかである。
【0077】
EEG電極(70a~70d)は、患者の脳の選択された領域の電気活動を連続的又は断続的に監視する。情報は、EEG変換データの形態で、EEG電極(50a~70d)によって測定されたEEG信号をEEG変換回路(71C)によって変換された後、封入ユニット(50)に封入された電子回路(53)に伝達される。電子回路(63)は、EEG変換データを解析して、解析結果を生成する。解析結果が「正常な」大脳の電気活動を表している限り、電子回路は、エネルギーパルスをトリガするようにIPGに命令しない。解析結果が到来する発作又は初期発作を表すとすぐに、電子回路(53)は、迷走神経(VN)を刺激し、来る発作を防ぐか中断させるために、エネルギーパルスを直ちにトリガするようにIPG(51)に命令する。電子回路は、エネルギーパルスを事前に決定された期間だけ送信するようにIPGに命令することもできる。好ましい実施形態では、電子回路は、解析結果が発作の終了を表さない限り、エネルギーパルスを送信するようにIPGに命令し、これにより閉ループ制御系を形成する。「その場」で測定された瞬時のライブデータに基づく電子回路の決定をこのように行うことは、神経刺激の分野では大きなブレークスルーである。EEG電極が第1の測定周波数で断続的にしか脳活動を測定しない場合、電子回路(53)は、発作の進展をより細かく時間解析し、発作の進展とより同期してエネルギーパルス送信を継続又は停止するようにIPGに命令するために、IPGがエネルギーパルスを送信している間に、測定周波数を第1の周波数より高い第2の周波数に上げるようにEEGユニットに命令してもよい。
【0078】
本発明のAIMDは、侵襲性がほとんどない。当然のことながら、本発明のAIMDは、患者の身体に埋め込まれなければならないが、封入ユニット(50)及び組織結合ユニット(40)の埋め込みは比較的容易な手術であり、特にEEGユニットの皮下埋め込みは、侵襲性の高い順に、硬膜の上や中を通る硬膜外埋め込みや脳埋め込みに比べ、かなり容易であり得る。脳電極、特に脳内電極は、治療上必要な場合を除き、回避されることが好ましい。
【符号の説明】
【0079】
1 EEGにおける正常な脳活動の期間
2 EEGにおける正常な活動と発作との間の移行期間
3 EEGにおける発作の期間
4 EEGにおける回復期間
20 エネルギー伝達リード線と組織結合ユニットとの間の神経接続ユニット
20P 光起電力セル
30 エネルギー伝達リード線
31 光ファイバ
32 光ファイバのクラッド
33 光ファイバのコア
35 保護チューブ
36 導線
40 組織結合ユニット
40a、40b 電極
43 絶縁支持シート
44 神経接続線
50 封入体
50c 封入体の無線通信装置
50h ハウジング
50x 封入ユニットへの接続装置
51 IPG
51E 電気パルス発生器
51L IPG光源
53 電子回路
60 信号伝達リード線
64 接続リード線
70 EEGユニット
70a~70d EEG電極
71 エネルギー伝達リード線とEEGユニットとの間のEEG接続ユニット
71A EEG変換回路の増幅器
71C EEG変換回路
71D EEG変換回路のアナログ-デジタル変換器
71F EEG変換回路のフィルタ
71PV EEG変換回路の光起電力セル
71V ドライバ
72 EEG変換回路のEEG光源
73 EEG変換回路の電気ソケット
74 EEG接続線
75 EEG支持体
80 オプトロード
80B 光ビーム
80S 光検知ユニット
90 外部処理ユニット
90c 外部処理ユニットの無線通信装置
t1 正常な活動の期間の終端(1)
t2 移行期間の終端(2)
t3 発作の期間の終端(3)
Vn 迷走神経
【手続補正書】
【提出日】2022-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷走神経(Vn)を電気的又は光学的に刺激するための埋め込み型刺激装置(10)であって、
(a)患者の前記迷走神経(Vn)上に直接埋め込まれるように構成された1本又は複数本の電極(40a、40b)又はオプトロードを備える組織結合ユニット(40)と、
(b)EEG電極(70a~70d)を備え、前記患者の脳波(EEG)信号を測定するように構成されたEEGユニット(70)と、
(c)前記患者の身体において皮下に埋め込まれるように構成され、
○光エネルギーのパルスを放出するように構成された埋め込まれたパルス発生器(IPG)(51)と、
○エネルギーパルスをトリガするように前記IPG(51)に命令するトリガ信号を前記IPG(51)に送信するように構成された電子回路(53)と
を封入するハウジング(50h)を備える封入ユニット(50)と、
(d)前記IPGと前記組織結合ユニットとの間で光エネルギーのパルスを伝達するように構成され、
○前記封入ユニットに結合するように構成された近位端と、
○前記組織結合ユニットに結合するように構成された遠位端と
を備えるエネルギー伝達リード線(30)と、
(e)前記EEGユニットと前記電子回路との間で信号を伝達するように構成され、
○前記封入ユニットに結合するように構成された近位端と、
○前記EEGユニットに結合するように構成された遠位端と
を備える信号伝達リード線(60)と
を備える、埋め込み型刺激装置(10)において、
前記電子回路が、
・前記EEGユニット(70)によって測定された前記EEG信号を表すEEG変換データを前記信号伝達リード線(60)から受信し、
・前記EEG変換データの解析を実行して、解析結果を提供し、
・前記解析結果に基づいて決定を行い、前記決定にしたがって前記IPGを制御し、前記決定が、前記解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを表す場合に、1つ又は複数のエネルギーパルスを送信するように前記IPGに命令することを含む
ように構成され、
・前記エネルギー伝達リード線(30)が1本又は複数本の光ファイバを備えることと、
・前記信号伝達リード線(60)が1本又は複数本の光ファイバを備えることと
を特徴とする埋め込み型刺激装置(10)。
【請求項2】
請求項1又は2に記載の埋め込み型刺激装置において、前記IPGを制御することが、1つ又は複数のパルスを送信するように前記IPGに命令することの後、
・前記解析結果が発作の終了を示すようになるまで、又は
・事前に決定された持続時間だけ
パルスを送信し続けるように前記IPGに命令することを含み、
その後、前記解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを再び表すまでパルスを送信することを停止することを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の埋め込み型刺激装置において、
・前記IPG(51)が1つ又は複数の光源(51L)を備え、
・前記エネルギー伝達リード線(30)が、前記IPGの前記1つ又は複数の光源と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバを備え、
・前記組織結合ユニット(40)が、前記光ファイバのうちの1本又は複数本と光学的に連絡し、前記1本又は複数本の電極(40a、40b)と電気的に連絡する1つ又は複数の光起電力セル(20A)を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、
・前記EEGユニット(70)が、前記EEG信号を変換して前記EEG変換データを提供するように構成されたEEG変換回路(71C)を備え、前記EEG変換回路が、前記EEG電極(70a~70d)によって測定された前記EEG信号を表す光信号を放出するように構成された1つ又は複数の光源(72)を備え、前記EEG変換データを形成し、
・前記信号伝達リード線(60)が、前記EEG変換回路(71C)の前記1つ又は複数の光源(72)と光学的に連絡する1本又は複数本の光ファイバを備え、
・前記封入ユニットが、前記信号伝達リード線の前記1本又は複数本の光ファイバと光学的に連絡する1つ又は複数の光検出器を備え、前記光検出器が前記電子回路と通信することを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の埋め込み型刺激装置において、前記EEG変換回路(71C)が、増幅されたEEG信号を提供する1つ又は複数の増幅器(71A)を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の埋め込み型刺激装置において、前記EEG変換回路(71C)が、以下の要素、すなわち、
・前記増幅されたEEG信号をフィルタリングし、フィルタリングされたEEG信号を提供するためのフィルタ(71F)と、
・前記増幅されたEEG信号又は前記フィルタリングされたEEG信号をデジタル化してデジタル化されたEEG信号を提供するためのアナログ-デジタル(A/D)変換器(71D)と、
・送信されるデータのサイズを縮小する符号化及び信号圧縮及び多重化ロジックと、
・前記信号伝達リード線(60)を通して、上記のように処理されたEEG信号を変調及び/又は駆動するためのドライバ(71V)と
のうちの1つ又は複数を備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項7】
請求項
4乃至
6の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記信号伝達リード線(60)が、前記ハウジング(50h)に封入された光源と光学的に連絡する近位端と、光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成され、前記EEG変換回路に通電するために前記EEG変換回路(71C)と電気的に接触する光起電力セル(71PV)と光学的に連絡する遠位端とを備えた光ファイバを備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項8】
請求項
4乃至
7の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記エネルギー伝達リード線(30)及び前記信号伝達リード線(60)の両方が電線を備えないことを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項9】
請求項1乃至
8の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記EEGユニット
のEEG電極(70a~70d)が、脳の領域の電気活動を測定するように構成され、前記EEG電極が、
・頭蓋骨上に、好ましくは前記頭蓋骨に取り付けられて皮下に埋め込まれるように構成された皮下電極、又は
・硬膜外に、すなわち前記頭蓋骨の下且つ硬膜の上に埋め込まれるように構成された硬膜外電極、又は
・前記硬膜の下且つ直接脳表面の上に埋め込まれるように構成された脳電極、又は
・前記脳内に埋め込まれるように構成された脳内電極
のうちの1つ又は複数から選択されることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項10】
請求項1乃至
9の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記封入体(50)が、バッテリを備えず、外部エネルギー源からの磁場に曝されたときに電流を誘導するためのコイルを備えることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【請求項11】
請求項1乃至
9の何れか1項に記載の埋め込み型刺激装置において、前記封入体が、前記埋め込み型刺激装置に通電するためのバッテリを封入し、好ましくは、前記バッテリが充電式バッテリであることを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
請求項
1に記載の埋め込み型刺激装置において、前記IPGを制御することが、1つ又は複数のパルスを送信するように前記IPGに命令することの後、
・前記解析結果が発作の終了を示すようになるまで、又は
・事前に決定された持続時間だけ
パルスを送信し続けるように前記IPGに命令することを含み、
その後、前記解析結果が到来する発作又は初期発作若しくは進行中の発作の何れかを再び表すまでパルスを送信することを停止することを特徴とする埋め込み型刺激装置。
【国際調査報告】