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特表2023-500745地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法
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  • 特表-地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/04 20060101AFI20221227BHJP
   E21D 11/10 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
E21D9/04 F
E21D11/10 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540937
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2022073505
(87)【国際公開番号】W WO2022122052
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202110490807.8
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522263541
【氏名又は名称】中▲鉄▼九局集▲団▼第七工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲暁▼明
(72)【発明者】
【氏名】李振兵
(72)【発明者】
【氏名】潘国涛
(72)【発明者】
【氏名】葛▲潤▼▲広▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼永▲勲▼
(72)【発明者】
【氏名】何▲栄▼宇
(72)【発明者】
【氏名】杜▲雲▼▲鶴▼
(72)【発明者】
【氏名】李健生
(72)【発明者】
【氏名】唐▲鋭▼
(72)【発明者】
【氏名】白玉峰
【テーマコード(参考)】
2D054
2D155
【Fターム(参考)】
2D054AB07
2D054AC18
2D054AC20
2D054BA22
2D054FA02
2D054FA07
2D054GA10
2D155BA05
2D155BA09
2D155BB02
2D155CA01
2D155CA06
2D155DB00
2D155LA17
(57)【要約】
【課題】 地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法に関し、トンネルの低土被り、周辺岩盤破砕の互層、地表水が豊富な特徴について、トンネルの坑内掘削は、仮インバートのある3段ベンチカット工法を用いて、掘進の安全性が大いに保障され、坑内のパイプルーフ支保工及びプレグラウト掘削補助工法を介して、安全な掘削を実現し、品質と効率を向上させ、トンネルの低土被り区間での施工安全性に関するハザードを解決し、トンネルの落盤事故の発生可能性を減らす。また、トンネルの地表で割り当てられたグラウト注入範囲内にグラウト注入箇所を1メートル間隔で梅の花の形に配置し、直径42mmの鋼花管を用いた注入管で注入し、グラウト注入が完了した後、止水処理を行うことで、地表水の浸透を低下して、施工過程の安全性を確保する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法であって、
トンネルの低土被り区間に地表へのグラウト注入を行い、前記地表へのグラウト注入が完了した後、グラウト注入範囲内にEVA止水板を敷設し、前記止水板の表面にコンクリートを打ち込んで閉塞し、地表水の浸透を遮断するステップS1と、
設計図に従って墨出しを行い、ドリルマシンで墨出し座標に削孔し、削孔が完了した後孔内清掃を行い、パイプルーフを削孔穴に押し込むステップS2と、
前記パイプルーフにグラウトストップバルブを取り付け、固定剤で前記削孔穴及びその周辺の亀裂を閉塞し、グラウト注入機を介して前記パイプルーフにグラウチングするステップS3であって、
前記パイプルーフの長さは、10mに1サイクルで作製し、1サイクルの前記パイプルーフ接合の長さが3m以上で、前記パイプルーフに使用される各セクション鋼管の端部外側に事前に長さ150mmのねじを切り、連結鋼管は長さ300mm、外径95mmのシームレス鋼管を用い、前記連結鋼管全長内にねじを切り、同じ断面内の継手の数は鋼管総数の50%を超えてはならない、ステップS3と、
仮インバートのある3段ベンチカット工法を用いて前記トンネルを掘削し、かつ、前記掘削部に対し一次支保を施工するステップS4と、を含み、
前記仮インバートのある3段ベンチカット工法は、
上段を掘削し、前記上段の掘削が完了した後、まず掘削部の周辺岩盤面にコンクリートを吹き付け、支持としてセンタリングを架設し、支保工が完了してから設計で規定された厚さまで再度吹付け、周辺岩盤のアーチ部は、アンカーボルトで定着され、両側の鉄骨を架設した後、仮インバートとして掘削地に仮設鉄骨を設置し、隣り合う鉄骨間を鉄筋でつながることと、
中段を掘削し、トンネル断面の片側を掘削し、掘削時前記トンネル断面の両側を一定の距離を置いて掘削を進め、いずれかの側の掘削が完了した後、直ちに前記上段のセンタリングの脚部に対し前記センタリングの継ぎ足しを行い、前記脚部の架設が完了した後にアンカーボルトを打設し、掘削部の両側に設計厚さまでコンクリートを再度吹き付け、両側の前記脚部の架設が完了した後、仮インバートとして掘削地に仮設鉄骨を設置し、設置が完了した後、コンクリートを吹き付けて閉塞することと、
下段を掘削し、前記トンネル断面の片側を掘削し、掘削時前記トンネル断面の両側を一定の距離を置いて掘削を進め、どちらかの側の掘削が完了した後、直ちに前記センタリングの脚部に対し前記センタリングの継ぎ足しを行い、前記脚部の架設が完了した後にアンカーボルトを打設し、設計厚さまでコンクリートを再度吹き付けることと、を含む、
ことを特徴とする、地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項2】
前記上段の掘削1サイクル当たり掘進長の支保工の間隔は、1つのセンタリングの間隔を超えず、
前記中段の掘削1サイクル当たり掘進長の支保工の間隔は、2つのセンタリング3の間隔を超えず、
前記下段の掘削1サイクル当たり掘進長の支保工の間隔は、2つのセンタリング3の間隔を超えない、
ことを特徴とする、請求項1に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項3】
各センタリングの間隔は、0.6mであることを特徴とする、請求項2に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項4】
前記脚部にある前記センタリングの継ぎ足しの前記継手部は、2枚の鋼板を突き合わせ、鋼板がボルトナットセットで結合され、前記センタリングを鋼板にフル溶接し、鋼板間に厚さ3mmのゴム製敷板を挟んでいることを特徴とする、請求項3に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項5】
前記センタリングの両側にロッキングアンカーパイプが設けられ、各側に2本以上ずつ前記センタリングに近づけ、前記ロッキングアンカーパイプを打ち込んだ後前記鉄筋を前記センタリングと緊密に溶接し、隣り合う前記センタリング間を縦方向前記鉄筋でつながり、前記鉄筋の円周方向の間隔は1.0mであることを特徴とする、請求項4に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項6】
前記ステップS2において、墨出しを施す時、孔の位置に番号を付け、ここで奇数番号の孔に鋼花管を押し込んで前記パイプルーフとし、偶数番号の孔にシームレス鋼管を押し込んで前記パイプルーフとすることを特徴とする、請求項1に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項7】
施工時、まず鋼花管を打設してグラウト材を注入し、次にシームレス鋼管を対応する削孔穴に打設し、前記シームレス鋼管のグラウト注入孔の穿孔時、穿孔の圧力及びずり出し状況に応じて前記鋼花管のグラウトの品質を検査することを特徴とする、請求項6に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項8】
前記ステップS1において、地表で割り当てられたグラウト注入範囲内にグラウト注入箇所を配置し、注入管で注入し、
前記グラウト注入箇所は、1メートル間隔で梅の花の形に配置される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【請求項9】
前記パイプルーフは、10mに1サイクルで作製し、1サイクルの前記パイプルーフ接合の長さが3m以上であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル工事の施工技術分野に関し、特に、地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国のトンネル工事の施工中において、プロセス・技術・工法の全てが成熟して完璧になっているが、一部トンネル工事の施工過程で安全関連の事故が時々発生し、主な原因はトンネル工事の地層岩相、地質構造、地下水分布などの様々要因の不確実性、予測不可能性により施工過程中に特殊な地質、地貌に遭遇した時参照できる施工経験がないことである。
【0003】
特に、低土被り区間の施工過程中において、現場の実際の最小土被りが浅く、周囲岩盤が強風化凝灰岩で、設計はVグレード周辺岩盤として評価され、表層が3~4mの砕石混じりシルト質粘土覆層で、雨季の地表水が比較的豊富であるため、落盤等の問題が起きやすく、トンネル低土被り区間の施工の安全性を保証できていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記従来技術における上述の問題点の克服を意図しており、地表水が豊富で、周辺岩盤の性質が劣る低土被り区間のトンネル施工に適する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を提示した。
【0006】
地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法であって、トンネルの低土被り区間に地表へのグラウト注入を行い、地表へのグラウト注入が完了した後、グラウト注入範囲内にEVA止水板を敷設し、止水板の表面にコンクリートを打ち込んで閉塞し、地表水の浸透を遮断するステップS1、設計図に従って墨出しを行い、ドリルマシンで墨出し座標に削孔し、削孔が完了した後孔内清掃を行い、パイプルーフを削孔穴に押し込むステップS2、パイプルーフにグラウトストップバルブを取り付け、固定剤で削孔穴及びその周辺の亀裂を閉塞し、グラウト注入機を介してパイプルーフにグラウチングし;パイプルーフ長は、10mに1サイクルで作製し、1サイクルのパイプルーフ接合の長さが3m以上で、パイプルーフに使用される各セクション鋼管の端部外側に事前に長さ50mmのねじを切り、連結鋼管は長さ300mm、外径95mmのシームレス鋼管を用い、連結鋼管全長内にねじを切り、同じ断面内の継手の数は鋼管総数の50%を超えてはならないステップS3、及び、上段を掘削し、上段の掘削が完了した後、まず掘削部の周辺岩盤面にコンクリートを吹き付け、支持としてセンタリングを架設し、支保工が完了してから設計で規定された厚さまで再度吹付け、周辺岩盤のアーチ部は、アンカーボルトで定着され、両側の鉄骨を架設した後、仮インバートとして掘削地に仮設鉄骨を設置し、隣り合う鉄骨間を鉄筋でつながることと、中段を掘削し、トンネル断面の片側を掘削し、掘削時トンネル断面の両側を一定の距離を置いて掘削を進め、いずれかの側の掘削が完了した後、直ちに上段のセンタリングの脚部に対しセンタリングの継ぎ足しを行い、脚部の架設が完了した後にアンカーボルトを打設し、掘削部の両側に設計厚さまでコンクリートを再度吹き付け、両側の脚部の架設が完了した後、仮インバートとして掘削地に仮設鉄骨を設置し、設置が完了した後、コンクリートを吹き付けて閉塞することと、下段を掘削し、トンネル断面の片側を掘削し、掘削時トンネル断面の両側を一定の距離を置いて掘削を進め、どちらかの側の掘削が完了した後、直ちにセンタリングの脚部に対しセンタリングの継ぎ足しを行い、脚部の架設が完了した後にアンカーボルトを打設し、設計厚さまでコンクリートを再度吹き付けることとを含む仮インバートのある3段ベンチカット工法を用いてトンネルを掘削し、また掘削部に対し一次支保を施工するステップS4を含む、地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法。
【発明の効果】
【0007】
トンネルの低土被り、周辺岩盤破砕の互層、地表水が豊富な特徴について、トンネルの坑内掘削は、仮インバートのある3段ベンチカット工法を用いて、掘進の安全性が大いに保障され、坑内のパイプルーフ支保工及びプレグラウト掘削補助工法を介して、安全な掘削を実現し、品質と効率を向上させ、トンネルの低土被り区間での施工安全性に関するハザードを解決し、トンネルの落盤事故の発生可能性を減らす。
【0008】
掘削過程中で仮インバートのある3段ベンチカット工法を用いることで、周辺岩盤のかく乱を大幅に減少し、仮インバート支保工構造を介して支保工システム全体をつながるようにさせることで、より安定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】パイプルーフの前面配置図である。
図2】パイプルーフ打設を示す概略図である。
図3】仮インバートのある3段ベンチカット工法の施工順序の縦断面図である。
図4】仮インバートのある3段ベンチカット工法の施工順序の横断面図である。
図5】センタリング展開図である。
図6】センタリングの継ぎ足しを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、施工過程の安全性を保証するため、地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法を提供することにあり、地表水が豊富で、周辺岩盤の性質が劣る低土被り区間トンネル1の施工に用いられ、施工過程中の周辺岩盤に対するかく乱を大幅に減少する。
【0011】
図1図6を参照すると、本発明により提供される施工方法は、以下のステップを含む。
【0012】
ステップS1:トンネル1の低土被り区間に地表へのグラウト注入を行い、地表グラウト注入工法で地表を補強し、グラウト注入範囲は、トンネル1の最小土被りからトンネル1方向に沿って前後に10mで、両側をトンネル1の断面幅範囲に従い地表を徐々に補強する。
【0013】
ステップS2:設計図に従って墨出しを行い、ドリルマシンで墨出し座標に削孔し、削孔が完了した後孔内清掃を行い、パイプルーフを削孔穴に押し込み;トンネル1内の掘削前、先にパイプルーフ2の施工を行い、測量員は設計図に従って墨出しを行い、各空きスペースに番号を付け、次に削孔作業者がダウンザホールドリルで削孔し、削孔完了後、高圧エアホースで孔内の残留物を清掃する。削孔穴の直径は、鋼管の直径より3~5mm大きく、パイプルーフ2には計46穴を削孔し、円周方向の管間隔が40cmで、削孔傾斜角の外角が12°以下で、具体的には実際の状況に応じて調整することができる。鋼管の施工誤差:半径方向が20cm以下で、隣り合う鋼管間の円周方向が10cm以下である。削孔穴の孔内清掃が完了した後、ハンマー又はダウンザホールドリルで押し込み、押し込みの長さは鋼管の長さの95%以上で、高圧エアホースで鋼管内の砂利を吹き飛ばす。
【0014】
ステップS3:パイプルーフ2にグラウトストップバルブを取り付け、固定剤で削孔穴及びその周辺の亀裂を閉塞し、グラウト注入機を介してパイプルーフ2にグラウチングし、パイプルーフ2を設置した後、固定剤で孔口及び周辺の亀裂を閉塞し、必要に応じてパイプルーフ2近傍及び切羽にコンクリートを吹付けて、切羽崩壊を防止し、グラウトストップバルブを取り付け、グラウトストップバルブのスムーズ性を確保する。
【0015】
ステップS4:仮インバートのある3段ベンチカット工法を用いてトンネル1を掘削し、また掘削部に対し一次支保を施工する。
【0016】
本出願の別の代替的実施例において、ステップS4において、仮インバートのある3段ベンチカット工法は、次のステップを含む。
【0017】
上段1.1を掘削し、上段1.1の掘削が完了した後、まず掘削部の周辺岩盤面にコンクリートを吹き付け、支持としてセンタリング3を架設する。ベンチの掘削が完了した後、直ちに上段1.1に対応する坑体に対して一次支保を施し、まず掘削後の周辺岩盤面にc25コンクリートで一次吹付けコンクリートを吹付けることで、一次吹付けコンクリート層5を形成し、吹付けの厚さは4cmで、支保工が完了した後設計で規定された厚さまで再度吹き付け、吹付け工法は湿式吹付け工法であった。センタリング3を架設し、センタリング3は、支持としてI18形剛鉄骨を用い、センタリング3間の距離が0.6mである。センタリング3の架設配置は、図3図5に示すように、センタリング3の各側の脚部がΦ42mm、L=4.0mのシームレス鋼管をロッキングアンカーパイプとして用い、各側に2本ずつセンタリング3に近づけ、アンカーパイプを打ち込んだ後鉄筋9をセンタリング3と緊密に溶接し、鉄筋の型番がΦ22Uタイプのねじ山で、隣り合う鉄骨間を鉄筋9でつながり、形剛鉄骨は厚さ4cmcの25コンクリートを一次吹付けた後で架設され、架設後設計厚さまでコンクリートを再度吹付けて、二次吹付けコンクリート層4を形成する。周辺岩盤のアーチ部は、アンカーボルト6で定着され、アンカーボルト6が長さ4m、Φ22の中空アンカーボルトを用いた。側壁は、長さ4mのΦ22モルタルアンカーボルトを用い、アンカーボルト6の間隔が外周縦方向1.2m×1.0mで、両側の鉄骨が架設した後、掘削地に間隔0.6mのI16仮設鉄骨を仮インバートとして設置し、設置が完了した後、底部に厚さ10cmのc25コンクリートを吹付けて閉塞する。
【0018】
中段1.2を掘削し、トンネル1断面の片側を掘削し、掘削時トンネル1断面の両側を一定の距離を置いて掘削を進め、いずれかの側の掘削が完了した後、直ちに上段1.1のセンタリングの脚部に対しセンタリング継ぎ足し部3.1によってセンタリングの継ぎ足しを行い、脚部の架設が完了した後にアンカーボルト6を打設し、掘削部の両側に設計厚さまでコンクリートを再度吹き付け、両側の脚部の架設が完了した後、仮インバートとして掘削地に仮設鉄骨を設置し、設置が完了した後、コンクリートを吹き付けて閉塞する。ここで、両側の掘削距離は2~3m離れ、片側の掘削が完了した後、直ちに上段1.1の脚部をセンタリング継ぎ足し部3.1によってセンタリングの継ぎ足しを行い、両側のセンタリング3が完了した後、掘削地に間隔0.6mのI16仮設鉄骨を仮インバートとして設置し、仮設鉄骨がセンタリング3の主体に接続され、図6に示すように、設置が完了した後、底部に厚さ10cmのc25コンクリートを吹付けて閉塞する。
【0019】
下段1.3を掘削し、トンネル1断面の片側を掘削し、掘削時トンネル1断面の両側を一定の距離を置いて掘削を進め、どちらかの側の掘削が完了した後、直ちにセンタリング3の脚部に対しセンタリング継ぎ足し部3.1によってセンタリングの継ぎ足しを行い、脚部の架設が完了した後にアンカーボルトを打設し、設計厚さまでコンクリートを再度吹き付ける。
【0020】
両側の掘削距離は2~3m離れ、片側の掘削が完了した後、直ちに上段1.1の脚部をセンタリング継ぎ足し部3.1によってセンタリングの継ぎ足しを行い、継手部は2枚の厚さ16mmの鋼板を突き合わせ、鋼板間に厚さ3mmのゴム製敷板を挟み、鋼板がM27ボルトナットセットで結合され、形剛鉄骨を鋼板にフル溶接する。鉄骨を架設した後アンカーボルト6を打設し、設計厚さまでc25コンクリートの吹付けコンクリートを再度吹付ける。
【0021】
本実施例において、上段1.1の掘削1サイクル当たり掘進長の支保工の間隔は、1つのセンタリング3の間隔を超えないこと。中段1.2の掘削1サイクル当たり掘進長の支保工の間隔は、2つのセンタリング3の間隔を超えないこと。下段1.3の掘削1サイクル当たり掘進長の支保工の間隔は、2つのセンタリング3の間隔を超えないこと。各センタリング3の間隔は、0.6mである。
【0022】
本出願の別の代替的実施例において、脚部をセンタリング継ぎ足し部3.1によってセンタリングの継ぎ足しを行った継手部は、2枚の厚さ16mmの鋼板を突き合わせ、鋼板がM27ボルトナットセットで結合され、センタリング3を鋼板にフル溶接し、鋼板間に厚さ3mmのゴム製敷板を挟む。鋼板を介してセンタリング3と連結し、同時に緩衝のため、ゴム製敷板を利用し、掘削過程中の周辺岩盤へのかく乱を軽減する。
【0023】
本出願の別の代替的実施例において、センタリング3の両側にロッキングアンカーパイプ7が設けられ、各側に2本以上ずつセンタリング3に近づけ、ロッキングアンカーパイプを打ち込んだ後鉄筋9をセンタリング3と緊密に溶接し、隣り合うセンタリング3間を縦方向鉄筋9でつながり、鉄筋9の円周方向の間隔は1.0mである。
【0024】
本出願の別の代替的実施例において、ステップS2において、墨出しを施す時、孔の位置に番号を付け、ここで奇数番号の孔に鋼花管を押し込んでパイプルーフ2とし、偶数番号の孔にシームレス鋼管を押し込んでパイプルーフ2とする。
【0025】
パイプルーフ2は、外径89mm、肉厚5mmの熱間圧延シームレス鋼管を用いた。パイプルーフ2に使用される各セクション鋼管の端部外側に事前に長さ150mmのねじを切り、連結鋼管は長さ300mm、外径95mmのシームレス鋼管を用い、連結鋼管全長内にねじを切り、同じ断面内の継手の数は鋼管総数の50%を超えてはならない。鋼花管の上に間隔150mm、孔径10~16mm、梅の花の形で配置されるグラウト材注入孔を穿孔し、尾部に長150mmの孔のないグラウトストップセクションを残しておき、パイプルーフ2長は、10mに1サイクルで作製し、1サイクルのパイプルーフ2接合の長さが3m以上で、奇数番号の孔は鋼花管を用い、偶数番号の孔がシームレス鋼管を用いる。
【0026】
施工時、まず鋼花管を打設してグラウト材を注入し、次にシームレス鋼管を対応する削孔穴に打設し、シームレス鋼管のグラウト注入孔の穿孔時、穿孔の圧力及びずり出し状況に応じて鋼花管のグラウトの品質を検査する。
【0027】
以下のステップを通じてパイプルーフ2にグラウト材を注入し、すなわち、
1)パイプルーフ2のグラウト材は、セメントスラリーを用い、水セメント比が1:1(重量比)であり;
2)グラウト圧は、1.0MPaで、実際の状況に応じて調整し;
3)奇数番号の孔は鋼花管を用い、偶数番号の孔がシームレス鋼管を用い、鋼花管のグラウトの品質を検査するため、施工時先に鋼花管を打設して、グラウト材を注入し、次にシームレス鋼管を打設し;
4)グラウト注入の前に水押し試験を行い、機械設備が正常であるかどうか、ホースの接続が正しいかどうかを確認し;
5)セメントスラリーは、攪拌用バケットで配合し、セメントスラリーの配合時、異物混入を防止し、撹拌したスラリーをろ過してから使用でき;
6)配合したスラリーは、規定する時間内に注入を完了させ、配合するとすぐ使用し;
7)グラウト注入順序は下から上へ、グラウト注入量は、先に大量で次に少量で、グラウト圧が小さいものから大きいものへとし;
8)グラウト注入量が設計注入量に達した時、又はグラウト圧が設計最終圧力に達した時にグラウト注入を終了することができ;
9)グラウト注入過程中で、グラウト圧及びグラウトポンプの吐出量の変化を随時観察し、グラウト注入状況を分析し、パイプの詰まり、グラウト逸走、グラウト漏出を防止する。またグラウト効果を分析するために、グラウト記録を作成し;
10)串漿が発生した時、スラリーセパレーターで複数孔の注入又は串漿孔を塞いで1つの注入孔を置き注入するグラウト圧が急激に上昇した場合、機械を停止して原因を究明する。セメントスラリーの注入量が大きく、圧力が変わらない場合、スラリー濃度と配合比を調整して、凝固時間を短縮させ、小流量で低圧のグラウト又は断続グラウトを用いる。
【0028】
本出願の別の代替的実施例では、ステップS1において、地表で割り当てられたグラウト注入範囲内にグラウト注入箇所を配置し、注入管で注入する。地表で割り当てられたグラウト注入範囲内にグラウト注入箇所を1メートル間隔で梅の花の形に配置し、直径42mmの鋼花管を用いた注入管で注入し、グラウト材はセメントスラリー(1:1)を用い、グラウト圧が0.8MPaである。地表へのグラウト注入が完了した後、グラウト注入範囲内にEVA止水板を敷設し、止水板の表面に厚さ10cmのC20コンクリートを打ち込んで閉塞し、地表水の浸透を遮断する。パイプルーフ2は、10mに1サイクルで作製し、1サイクルのパイプルーフ2接合の長さが3m以上である。以上の描写が単なる例示であり、本出願の実施例はこれを限定しないことを理解すべきである。
【0029】
上記をまとめ、本発明は、地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法を提供し、パイプルーフ2を介してトンネル1のグラウト注入を行うことで、トンネル1の周辺岩盤の性質を高める。また、トンネル1の地表で割り当てられたグラウト注入範囲内にグラウト注入箇所を1メートル間隔で梅の花の形に配置し、直径42mmの鋼花管を用いた注入管で注入し、グラウト注入が完了した後、止水処理を行うことで、地表水の浸透を低下し、施工の安全性を向上する。本発明は、地表水が豊富で、周辺岩盤の性質が劣る低土被り区間のトンネル施工について、施工過程中の周辺岩盤へのかく乱を軽減して、施工過程の安全性を確保できることが経験から証明されている。
【符号の説明】
【0030】
1 トンネル
1.1 上段
1.2 中段
1.3 下段
2 パイプルーフ
3 センタリング
3.1 センタリングの継ぎ足し部
4 二次吹付けコンクリート層
5 一次吹付けコンクリート層
6 アンカーボルト
7 ロッキングアンカーパイプ
8 インバート
9 鉄筋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】