(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(54)【発明の名称】ケーブルの送達、配置、及び設置を簡易化するためのシステム
(51)【国際特許分類】
H02G 1/06 20060101AFI20221228BHJP
H02G 9/08 20060101ALI20221228BHJP
H02G 1/08 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
H02G1/06
H02G9/08
H02G1/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564277
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 SG2020050640
(87)【国際公開番号】W WO2021091494
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10201910354S
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521470973
【氏名又は名称】パワー ワークス プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】POWER WORKS PTE LTD
【住所又は居所原語表記】60 Benoi Road,#01-01,Singapore S629906 (SG)
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】タン,ポー ソーン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,コ イン
【テーマコード(参考)】
5G352
5G369
【Fターム(参考)】
5G352CA05
5G352CA06
5G352CA10
5G352CB04
5G352CB08
5G352CB10
5G352CF04
5G352CF06
5G352CG04
5G352CJ01
5G352CJ03
5G352DA02
5G369BA04
5G369BA05
(57)【要約】
ケーブル配置システムは、モジュール式の、典型的には、床面から離れて上昇した水平モノレール軌道と、軌道に沿って摺動可能に変位可能であり、それぞれが、ケーブルの選択部分を支持し、確実に保持するように構成された複数のカートと、ケーブルの端部に連結可能である又は連結される機関車であって、その運動がカートを牽引し、ひいては軌道に沿ってケーブルを牽引する機関車と、を含む。機関車に連結される又は連結可能である傾斜構造体は、傾いた傾斜路を提供する。ケーブルの一部は、機関車が、傾斜路の下端部に近接し傾斜路に沿ってまだ移動していないケーブルの他の部分に向かって移動する際に、傾斜路に沿って上方向又は上方向且つ横方向に漸進的に移動させる及び/又は誘導することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部、第2の端部、及び前記端部間の長さを有する細長ケーブルを変位させるシステムであって、
一緒に連結可能であって又は連結されて組立軌道を形成し、相互に分離可能であって分解軌道を形成する複数の軌道アセンブリを備えるモジュール式軌道であって、前記軌道アセンブリがそれぞれ、
隣接する軌道アセンブリの別の細長レールに連結可能である又は連結される細長レールと、
前記組立軌道が存在する床面から離れて前記軌道アセンブリの前記細長レールを上方に上昇させる又は懸架するように構成されたレール支持構造体セットと、
を備える、モジュール式軌道と、
複数のカートであって、各カートが、前記組立軌道の前記レールに沿った摺動可能な変位によって、前記組立軌道上に摺動可能に搭載可能であり又は搭載され、且つ前記組立軌道に沿って摺動可能に変位可能であり、各カートが、前記軌道に対して前記ケーブルの選択部分を確実に保持し、及び支持又は懸架するように構成されており、各カートが、
前記カートが支持又は懸架する前記ケーブルの前記選択部分を受け入れるように構成された表面、シート、凹部、スロット、又はチャネルを有する本体と、
前記本体に連結され、前記組立軌道の前記レールと係合するように構成されたローラセットと、
前記カートが支持又は懸架する前記ケーブルの前記選択部分と係合可能である又は係合され、前記ケーブルの前記選択部分の前記本体への確実な保持を支援するように構成されたバンド、ベルト、ストラップ、又はラップと、
を備える、カートと、
前記組立軌道の前記長さに沿って少なくとも第1の方向に変位可能であり、前記ケーブルの前記第1の端部に引張力を加えるために前記ケーブルの前記第1の端部に連結可能である又は連結される機関車であって、前記機関車が前記ケーブルの前記第1の端部に連結され、前記第1の方向に変位すると、(a)前記機関車の第1の端部が、前記第1の方向に向けて配向され、(b)前記機関車の反対側の第2の端部が、前記第1の方向の反対の第2の方向に配向され、(c)前記機関車の前記第2の端部が、前記ケーブルの前記第1の端部に対面し、
前記ケーブルの前記第1の端部が前記機関車に連結されており、前記ケーブルの前記第2の端部に向かう方向に前記ケーブルの前記第1の端部を牽引する前記ケーブルの選択部分が、前記組立軌道上の前記複数のカートに支持又は懸架されると、前記ケーブルが、(i)前記第1の方向の前記機関車の変位、及び(ii)前記第1の方向の前記複数のカートの摺動可能な変位の組み合わせに応答して、前記組立軌道に沿って変位可能である又は変位する、機関車と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記ケーブルの不在下では、前記組立軌道に搭載された各カートが、前記組立軌道に搭載された少なくとも1つの他のカートの存在によってのみ、前記軌道に沿った前記第1の方向及び前記第2の方向の摺動可能な変位を阻止又は制約される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記組立軌道に搭載されたカートが、前記ケーブルのいかなる部分も担持しないとき、前記組立軌道に搭載された前記カートが、前記組立軌道によってのみ相互に連結される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記組立軌道に搭載されたカートが、前記ケーブルの選択部分を担持しているとき、前記組立軌道に搭載されたそのようなカートが、前記組立軌道及び前記ケーブルによってのみ相互に連結される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
各軌道アセンブリでは、前記レール支持構造体セットが一対のレール支持構造体であり、第1のレール支持構造体が前記軌道アセンブリの前記レールの第1の端部の下部に連結可能であり又は連結され、第2のレール支持構造体が前記軌道アセンブリの前記レールの反対側の第2の端部の下部に連結可能である又は連結される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記組立軌道がモノレール軌道である、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
各カートの前記ローラセットが、前記組立軌道の左側部と係合するように構成された第1のローラと、前記組立軌道の右側部と係合するように構成された第2のローラと、を含み、前記軌道に沿った前記カートの低摩擦での摺動可能な変位を容易にする又は可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記機関車自体が、前記組立軌道に直接連結されていない、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記機関車が、前記機関車が前記第1の方向に変位したとき、前記組立軌道にまたがるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記機関車に搭載可能である又は搭載され、傾斜路を提供するプラットフォーム、足場、又は傾斜構造体を更に備え、前記傾斜路が、前記床面に平行な水平面に対して上方に傾いており、前記機関車の一端部に対応する前記傾斜路の高位端部が、前記機関車の反対側の端部に対応する前記傾斜路の下端部よりも垂直方向に高位にあり、前記ケーブルの部分を、前記機関車が前記傾斜路の前記下端部に近接し前記傾斜路に沿ってまだ移動していない前記ケーブルの他の部分に向かって移動する際に、前記傾斜路に沿って漸進的に移動させる及び/又は誘導することができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体が、前記機関車に取り外し可能に搭載されており、前記プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体が、前記機関車が前記床面に沿って変位する際に、前記プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体の前記床面に沿った変位を容易にする複数の車輪を更に含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体が、
前記傾斜路の前記下端部と前記傾斜路の前記高位端部との間を上方に延在する一対のレールと、
前記一対のレール間を延在する複数の支持バーであって、各支持バーが別の支持バーよりも垂直方向に高く配設されており、前記ケーブルの部分が、前記機関車が前記傾斜路の前記下端部に近接し前記傾斜路に沿ってまだ移動していない前記ケーブルの他の部分に向かって変位する間に前記傾斜路の前記下端部から前記傾斜路の前記高位端部に向かって移動する際、前記複数の支持バーが、前記ケーブルの前記部分を漸進的に移動させるように構成されている、支持バーと、
を備える、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体に連結されるケーブルガイド構造体セットを更に備え、前記ケーブルガイド構造体セットが、前記プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体によって担持される前記ケーブルの部分を、前記ケーブルの前記部分が、前記機関車が前記傾斜路の前記下端部に近接し前記傾斜路に沿ってまだ移動していない前記ケーブルの他の部分に向かって変位する間に前記傾斜路に沿って移動する際、横方向に誘導し、引き回し、又は方向付けるように構成可能である又は構成される、請求項10~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ケーブルガイド構造体セットが、前記傾斜路に沿って相互に横方向に位置決め可能である複数のケーブルガイド構造体を含み、各ケーブルガイド構造体が、前記ケーブルの部分の横方向変位を、前記ケーブルの前記部分が、前記機関車が前記傾斜路の前記下端部に近接し前記傾斜路に沿ってまだ移動していない前記ケーブルの他の部分に向かって変位する間、制限又は制約されるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブルトラフに並んで、ケーブルトラフの下方で、電力ケーブルなどのケーブルを位置決めし、トンネル、通路、又は廊下などの空間が制約された環境内でケーブルをケーブルトラフ内へ送達するように構成されたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力ケーブル牽引システムは、
図1に示されるように、電力ケーブルを牽引するケーブルウィンチ及びローラから成る。このような従来のアプローチは、機械装置を設定するために、及び複数キロメートル(例えば、15~25キロメートル)に及ぶことがあり、特定の間隔(例えば、2~5キロメートル毎)離間されたトンネルシャフトを伴うトンネル又は通路内で電力ケーブルを牽引及び/又は整理するために、かなりの量の人力及び時間を投入しなければならないことを考えると、電力ケーブルが配備及び設置されるトンネル又は通路において使用するのに最適に有効ではない。従来の電力ケーブル設置アプローチは、電力ケーブルがケーブルトラフ内へ牽引、整理、及び/又は誘導されるルート上の様々な場所に複数のローラ及びケーブル搬送機械を設置する必要がある。牽引プロセスは更に、ケーブルの一端部に1つ又はそれ以上のワイヤロープを装着し、ケーブルの他端部において電力ケーブルの残部をウィンチから漸進的に解放させる必要がある。通常の状況では、500m~1000mの不所望に長いワイヤロープが採用されて、トンネル内及びトンネルを通る電力ケーブル牽引プロセスを達成する。このように長い長さにわたってワイヤロープ及び電力ケーブルを管理し操作することは、典型的には、不所望に多い作業員を必要とし、作業が空間の制限されたトンネル内で実行されるときに非常に骨が折れる可能性がある。更に、ワイヤロープは通常、1~2トンの引張力の張力下にある。ワイヤロープ、ケーブルヘッド、及びウィンチの周囲で作業する要員らが常時そのような状況に晒されることは、重大な安全上のリスクをもたらす。ケーブルトンネル内で電力ケーブルを整理し送達するための従来のアプローチの1つ又はそれ以上の欠点を緩和することのできる改善された、及び/又は代替的なシステムが必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によると、細長ケーブルを変位又は輸送するシステムが開示され、ケーブルは、第1の端部、第2の端部、及び両端部間の長さを有し、システムは、(a)一緒に連結可能であって又は連結されて組立軌道を形成し、相互に分離可能であって分解軌道を形成する複数の軌道アセンブリを備えるモジュール式軌道であって、各軌道アセンブリが、隣接する軌道アセンブリの別の細長レールに連結可能である又は連結される細長レールと、組立軌道が存在する床面から離れて軌道アセンブリの細長レールを上方に上昇させる又は懸架するように構成されたレール支持構造体セットと、を備える、モジュール式軌道と、(b)複数のカートであって、各カートが、組立軌道のレールに沿った摺動可能な変位によって、組立軌道上に摺動可能に搭載可能であり又は搭載され、且つ組立軌道に沿って摺動可能に変位可能であり、各カートが、軌道に対してケーブルの選択部分を確実に保持し、及び支持又は懸架するように構成されており、各カートが、カートが支持又は懸架するケーブルの選択部分を受け入れるように構成された表面、シート、凹部、スロット、又はチャネルを有する本体と、本体に連結され、組立軌道のレールと係合するように構成されたローラセットと、カートが支持又は懸架するケーブルの選択部分と係合可能である又は係合され、ケーブルの選択部分の本体への確実な保持を支援するように構成されたバンド、ベルト、ストラップ、又はラップと、を備える、カートと、及び典型的には又は任意選択的に(c)組立軌道の長さに沿って少なくとも第1の方向に変位可能であり、ケーブルの第1の端部に引張力を加えるためにケーブルの第1の端部に連結可能である又は連結される機関車であって、機関車がケーブルの前記第1の端部に連結され、第1の方向に変位すると、(i)機関車の第1の端部が、第1の方向に向けて配向され、(ii)機関車の反対側の第2の端部が、第1の方向の反対の第2の方向に配向され、及び(iii)機関車の第2の端部が、ケーブルの第1の端部に対面し、ケーブルの第1の端部が機関車に連結されており、ケーブルの第2の端部に向かう方向にケーブルの第1の端部を牽引するケーブルの選択部分が、組立軌道上の複数のカートに支持又は懸架されると、ケーブルが、第1の方向の機関車の変位、及び第1の方向の複数のカート摺動可能な変位の組み合わせに応答して、組立軌道に沿って変位可能である又は変位する、機関車と、を含む。
【0004】
ケーブルの存在下で、組立軌道に搭載された各カートは、典型的には又は好ましくは、組立軌道に搭載された少なくとも1つの他のカートの存在によってのみ、軌道に沿った第1の方向及び第2の方向の摺動可能な変位を阻止又は制約される組立軌道に搭載されたカートがケーブルのいかなる部分も担持していないとき、組立軌道に搭載された上記のカートは、典型的には又は好ましくは、組立軌道によってのみ相互に連結される。
【0005】
組立軌道に搭載されたカートがケーブルの選択部分を担持しているとき、組立軌道に搭載された上記のカートは、典型的には又は好ましくは、組立軌道及びケーブルによってのみ相互に連結される。
【0006】
各軌道アセンブリでは、レール支持構造体セットは一対のレール支持構造体であってもよく、第1のレール支持構造体は、軌道アセンブリのレールの第1の端部の下部に連結可能であり又は連結され、第2のレール支持構造体は、軌道アセンブリのレールの反対側の第2の端部の下部に連結可能である又は連結される。
【0007】
組立軌道は、典型的には又は好ましくは、モノレール軌道である。
【0008】
各カートのローラセットは、組立軌道のレールの左側部と係合するように構成された第1のローラと、組立軌道のレールの右側部と係合するように構成された第2のローラとを含み、軌道に沿ったカートの低摩擦での摺動可能な変位を容易にする又は可能にすることができる(例えば、組立軌道のレールは、第1のローラと第2のローラとの間に配設される)。
【0009】
機関車自体は、典型的には又は好ましくは、組立軌道に直接連結されていない。機関車は、典型的には又は好ましくは、機関車が第1の方向に変位したとき、組立軌道にまたがるように構成されている。
【0010】
本開示の別の態様によると、本システムは、機関車に搭載可能である又は搭載され、傾斜路を提供するプラットフォーム、足場、又は傾斜構造体を備えることができ、傾斜路が、床面に平行な水平面に対して上方に傾いており、機関車の一端部に対応する傾斜路の高位端部が、機関車の反対側の端部に対応する傾斜路の下端部よりも垂直方向に高位にあり、ケーブルの部分を、機関車が傾斜路の下端部に近接し傾斜路に沿ってまだ移動していないケーブルの他の部分に向かって移動する際に、傾斜路に沿って漸進的に移動させる及び/又は誘導することができる。
【0011】
プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体は、機関車に取り外し可能に搭載されており、プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体は、機関車が床面に沿って変位する際に、プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体の変位を容易にする車輪セット(例えば、複数の車輪)を更に含むことができる。
【0012】
プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体が、傾斜路の下端部と傾斜路の高位端部との間を上方に延在する一対のレールと、対のレール間を延在する複数の支持バーとを含むことができ、各支持バーは別の支持バーよりも垂直方向に高く配設されており、ケーブルの部分が、機関車が傾斜路の下端部に近接し傾斜路に沿ってまだ移動していないケーブルの他の部分に向かって変位する間に傾斜路の下端部から傾斜路の高位端部に向かって移動する際、複数の支持バーが、ケーブルの上記部分を漸進的に移動させるように構成されている。
【0013】
ケーブルガイド構造体セットは、プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体に連結又は搭載することができる。ケーブルガイド構造体セットは、プラットフォーム、足場、又は傾斜構造体によって担持されるケーブルの部分を、ケーブルの上記部分が、機関車が傾斜路の下端部に近接し傾斜路に沿ってまだ移動していないケーブルの他の部分に向かって変位する間に傾斜路に沿って移動する際、横方向に誘導し、引き回し、又は方向付けるように構成可能である又は構成される。
【0014】
ケーブルガイド構造体セットは、傾斜路に沿って相互に横方向に位置決め可能である複数のケーブルガイド構造体を含むことができ、各ケーブルガイド構造体は、ケーブルの部分の横方向変位を、ケーブルの上記部分が、機関車が傾斜路の前記下端部に近接し前記傾斜路に沿ってまだ移動していない前記ケーブルの他の部分に向かって変位する間、制限又は制約されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ケーブル牽引のための従来のシステムの概略的配置を示す図である。
【
図2】本開示による軌道アセンブリのユニットの一実施形態を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、
図1に示す軌道アセンブリの2つのユニットを用いて形成される軌道の一部を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、軌道に搭載可能なカートの一実施形態を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態によるシステムが、複数の個々のカート上にケーブルを固定し、カートにわたって又は沿って固定されたケーブルを搬送することができる様子を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態による機関車を示す図である。
【
図7】ケーブルの一端部が、一対のワイヤロープによって機関車に連結されている一実施形態を示す図である。
【
図8】ケーブルを保護及び/又は収容するために、ケーブルの露出部分をトラフ内へ方向付ける及び/又は誘導する傾斜路を有するプラットフォームを組み込んだ機関車の斜視図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、ケーブルをトラフ内へ誘導する及び/又は方向付ける際の、ケーブルと傾斜路に配置される複数のガイド要素との係合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載される本開示による実施形態は、本明細書に記載される構造、方法、又は他の必須の特徴から逸脱せずに、他の具体的な形式で具現化することができる。記載される実施形態は、あらゆる点で、限定的ではなく単に例示的であるとみなされるべきである。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「ほぼ」又は「約」という用語は、構成要素、位置/場所、状況などに関連付けられる表現の文脈において、表示値の±10%、表示値の±5%、又は表示表現の±4%、又は表示表現の±3%、又は表示表現の±2%、又は表示表現の±1%、又は表示表現の±0.5%、又は表示表現の±0%を意味する。
【0018】
本明細書に記載される用語「露出ケーブル」又は「露出ケーブル部分」は、ケーブルトラフなどの容器又は筐体に覆われる前に、外部環境に露出されているケーブルセグメントの1つ又はそれ以上の部分を指す。
【0019】
図2~7は、本開示の一実施形態による、ケーブル300の迅速且つ低摩擦での送達及び/又は配置を容易にする又は可能にする代表的なシステム100の態様を示す。ケーブル300は、電力ケーブル(例えば、高電圧電力ケーブル)、又は別のタイプのケーブル、又はケーブル状構造体、例えば、パイプとすることができる。システム100は、典型的には床面105である(例えば、ケーブルトンネルに沿った人員作業面又は床面又は底面に対応する)支持面又は支持構造体上に配置する、及び/又は装着することのできる典型的には(必須ではないが)モノレール軌道である軌道110と、連続して、直列に、前後に並んで軌道110に搭載可能である又は搭載される複数の個々のカート130であって、軌道110に沿って、相互に対して摺動可能に自由に移動でき、それぞれが表面138に敷設されたケーブル300の選択された又は特定の部分を受け入れるための表面、ホルダ、又はシート/サドル部138を担持するカートと、最前位置のカート130aの前方に位置決めされる少なくとも1つの原動機(例えば、エネルギー源からのエネルギーを動力に変換する装置、機械、又は構成要素セット)又は機関車180(バギーと称することもできる)と、を含み、ケーブル300の一端部303は、所与の機関車180によって担持される、又は所与の機関車180に連結若しくは固定され、ケーブル300の牽引部分は、機関車180に追従する複数のカート130上に配置又はそれらのカートによって支持又は懸架された選択された又は特定の部分を有する(例えば、このようなケーブル300の選択された牽引部分は、それらが配置されたカート表面138によって支持又は懸架される)。
【0020】
各種実施形態では、機関車180は、モータ及びコントローラ/制御ユニットに連結された、又はモータ及びコントローラ/制御ユニットを担持するハウジング、本体、台車、シャシ、及び/又はプラットフォーム構造体のセットを含み、モータは、当業者によって容易に理解されるようにタイヤを含むことができる車輪182のセット(例えば、典型的には、4つ又は6つの車輪)に連結され、車輪182を回転させるように動力を供給することによって(例えば、床面105に沿って)機関車180を推進させるために構成される。よって、床面105に接する車輪182の回転は、床面105に沿って機関車180を移動、駆動、又は推進させることができる。第1のサブセットの車輪182は、機関車180の第1の又は左側に配設され、したがって、軌道110の対応する第1の又は左側に配設可能である又は配設され、第2の反対の又は右側のサブセットの車輪184は、機関車180の第2の反対側又は右側に配設され、したがって、軌道110の対応する第2の反対側又は右側に配設可能である又は配設される。複数の実施形態では、機関車180と、機関車に連結された車輪182とは、軌道110にまたがっている(例えば、軌道110は、機関車180の第1の又は左側と機関車180の第2の又は右側との間のほぼ中間に存在する)。上記の代わりに又は加えて、特定の実施形態では、機関車180は、機関車180を推進させるために、特定の駆動素子(例えば、車輪182)によって駆動されるトレッドセット(例えば、第1の又は左側のトレッド及び第2の又は右側のトレッドなどの一対のトレッド)に連結することができる。
【0021】
機関車180は、ケーブル300の牽引部分が置かれているカート130と共に目標方向に又は目標目的地に向かってケーブル300を牽引する引張力を加えるために、目標の若しくは第1の方向に若しくは少なくともほぼ沿って、又は目標の若しくは第1の目的地に向かって、選択可能な、選択された、又は所定の速度(例えば、最大で所定の最高速度)で、軌道110と(例えば、軌道110の一部の上、上方、及び/又は軌道110の一部に沿って)並んで(例えば、長さ方向又は長手方向に並んで)移動するように、位置決め可能であり、位置決めされ、構成可能であり、又は構成され、それにより、カート130は、軌道110に沿って摺動可能に移動し、ケーブル300は、機関車180が目標目的地に向かって移動するにつれ、軌道110に沿ったカート130の摺動可能な移動により、目標方向に又は目標目的地に向かって変位する。各種実施形態では、機関車180自体は、例えば、機関車が軌道110の上方で又は軌道110と長さ方向に並んでいるとき(例えば、軌道110は、機関車の第1の又は左側のサブセットの車輪182と第2の又は右側のサブセットの車輪182)との中間、実質上中間、又はほぼ中間にある)、軌道110と故意に又は直接接触していない、又は接触する必要がない。
【0022】
図2及び3に示すように、軌道110は一般的に、複数のレール支持体111と、単にレール114と称され得る細長レールセグメント又はセクションとを含む、又はそれらから形成される。各レール114は、バー、ポール、又はシャフト状構造体、部材、又は構造物とすることができる。レール114は、典型的には、重量を低減するために中空である。レール支持体111は、床面105の上若しくは上方に存在する若しくは載る、又は床面105に固定される。レール114のうちの少なくとも1つは、レール支持体111のうちの少なくとも1つに(例えば、図示されるように)固定又は締結することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、軌道110は、軌道アセンブリ120の複数のユニットで構築することができる(例えば、軌道110は、複数の軌道アセンブリ120を直列に連結、連接、又は接合することによって構築することができる)。例えば、軌道アセンブリ120の各ユニットは、一対のレール支持体111などの複数のレール支持体111と、レール支持体間を延在する細長レール114(例えば、モノレール実施形態では単独のレール114)とを含む。所与のレール支持体111は、上部と、上部から下方に延びる2つの横方向側壁又は脚部と、を有する逆U字状フレームなどのバー又はシャフトの形態をとり得る。レール支持体の脚部の遠位端部は、床面105上に載り、レール支持体111の底部又は基部を提供することができる。特定の実施形態では、レール支持体111は、レール支持体の脚部の遠位端部に接合される構造上の底部又は基部部材を含むことができる。
【0024】
突出部121は、レール支持体フレームの上部から上方に離れて突出することができる。軌道アセンブリ120毎に、対のレール支持体111が、床面105上に載る又は存在する。一対のレール支持体111は、レール114の長さを超えない距離をおいて、床面105上で相互に離間して設置されるため、各レール支持体111の突出部121は、細長レール114をレール支持体111に固定し、床面105に対して又は床面105の上方でレール114を支持するために、レール114の端部で又は端部に近接して予め開けられた孔115に挿入可能である。いくつかの実施形態では、突出部121は、2つの異なる部分又は部位、即ち、フレームの上部に直接接合された拡大基部122と、拡大基部122から更に離れて延在する細い又は薄い拡張部123と、を含む。
【0025】
かかる実施形態では、拡大基部122が、予め開けられた孔115よりも大きい直径を有するように形成される一方、薄拡張部123は、予め開けられた孔115以下の直径を有する。薄拡張部123は、ねじ山を担持するように作製することができ、その先端部は、ナットを薄拡張部の先端に連結して、レール114をレール支持体111に固定又は係止できるように、わずかにレール114の上面から突出していてもよい。よって、いくつかの実施形態では、各軌道アセンブリ120のレール114をそれぞれの突出部121に取り付けると、レール支持体111の上部の上方で、拡大基部122上に支持されたレール114が懸架される又は上昇する。複数の実施形態では、レール支持体111は、レール支持体に締結されたレール114を、床面105との直接接触から離して又は隔てて位置決めする又は離間させる。
【0026】
各種実施形態では、各レール114は、第1の端部116及び第2の端部117を有する。所与の前方の又は第1のレール114の第2の端部117は、直に又は直接隣接する後方又は第2のレール114、即ち、第1のレール114のすぐ後ろに配設された第2のレール114の第1の端部116の前方又は前に位置決め可能である又は位置決めされる。いくつかの実施形態では、レール114の端部は、2つの直に又は直接隣接するレール114が、レール連結器160によって前後に並んで、直列に、又は連続して連接され得るように、1つ又はそれ以上の貫通孔119を含む。レール連結器160は、ブロック163と、ブロック163の上部から連続的に又は直列に直立する複数の突出部164と、を含む。複数の突出部164内では、特定の突出部164は、2つの隣接するレール114の端部分又は端部に位置して、軌道110の一部を構築するために隣接レール114を一緒に接合及び接続する対応する貫通孔119と別個に又は個別に連結可能であり得る、連結され得る、係合可能であり得る、又は係合され得る。レール連結器160及びレール支持体111を用いてこのように複数の細長レール114を一緒に連接することによって、モジュール式軌道システム(例えば、モジュール式モノレール軌道システム)は、(例えば、トンネル内のケーブルトラフのルート及び/又は長さに関連して又は応じて)軌道110を延長及び/又は縮小するために、現場で容易且つ迅速に敷設及び/又は分解することができる。このようなシステム100では、軌道110は、ケーブル300が収容されるトラフに沿って又は隣接して、(例えば、ケーブルトンネルのような空間の制約された環境においても、簡単で簡易に、及び典型的には迅速に)設定する又は組み立てることができる。
【0027】
図4は、カート130の一実施形態の前斜視図であり、このカートは、軌道110に摺動可能に連結又は搭載することができ、ケーブル300が軌道110に沿って摺動可能に変位し得るように、ケーブル300の一部を支持することができる。カート130は、軌道110、より具体的には、そこに連接されたレール114の一部を収容するための切抜きセクション132を有する又は作製した本体131を含む。いくつかの実施形態では、カート130の本体131は、部分的に又は実質的に中空のブロックであるため、切抜きセクション132は、切抜きセクション132へアクセスし、カート130をレール114上に搭載するための開口部134を底部に有するブロックの前部分又は前方部分から後部分又は後方部分へと伸長する。
【0028】
複数の実施形態では、カート130は、1セットのローラ要素又はローラ133を含む。例えば、1つ又はそれ以上のローラ133は、カート130の切抜きセクション132内にあり、軌道110と連結可能又は接触可能であり、カート130の軌道110に沿った(例えば、軌道110のレール114に沿った)摩擦が低減された/低摩擦の摺動移動を容易にする又は可能にする。各種実施形態では、各ローラ133は、切抜きセクション132の特定の横方向側、且つブロックの前部と後部との間の特定の位置又は場所に存在することができ、レール114の長さを横切る斜面、又はレール114の長さに垂直な垂直面などの面内の軸を中心に、レール114の横断面(複数も可)に接して回転可能である。各ローラ133は、玉軸受けローラを含んでもよく、又は玉軸受けローラであってもよく、玉軸受けローラは、レール114の横方向面を把持して又はぴったりと締め付けて、低摩擦又は最小摩擦での軌道110に沿ったカート130の摺動移動を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、ローラ133のセットは、軌道110のカート130の第1の又は左側/軌道の第1の若しくは左横方向側又は縁部に対応する第1のセットのローラ133と、軌道110のカート130の反対側の第2の又は右側/軌道の第2の若しくは右横方向側又は縁部に対応する第2のセットのローラ133と、を含む。
【0029】
台部分又は台136は、ケーブル300の選択部分を着座させる又は据えるために、表面138を担持する本体131の上部から立ち上がることができる。いくつかの実施形態では、表面138は、表面138に据えられたケーブル300の部分を受け入れるために、ケーブル300の外径に実質的に対応する又は外径以上である半径を有する凹状構造として形成される。凹状表面138の周囲でわずかに上昇した台136の横方向縁部は、そこに据えられたケーブル300に対する表面138の把持を向上させて、軌道110に沿ったカート130の摺動可能な移動(したがって、ケーブル300の摺動可能な移動)中、着座したケーブル300の不要な又は不所望の横向き又は側方運動を制約することができる。
【0030】
図5を参照して更に示すように、カート130は、少なくとも1つのベルト、バンド、ストラップ、又はラップ構造体139などのケーブル固定装置又は機構と関連付けられる又はそれを含むことができる。例えば、ストラップ139は、表面138の第1の横方向側に連結可能である、連結される、取付可能である、又は取り付けられる第1の末端と、表面138の第2の横方向側に位置する締結機構及び/又はバックル174と調節可能に係合して、表面138に据えられた電力ケーブル300の部分を確実に保持するために、表面138にわたって拡張可能又は伸張可能な第2の末端と、を含むことができる。より具体的には、複数の実施形態では、一対の略C状アーム又はハンドル170を、台136の対向する横方向側に配置することができる。ストラップ139の一端は、ハンドル170の一端に固定する又は取り付けることができ、ストラップ139の他端は、台136の対向する横方向側上の別のハンドル170によって担持される、又は別のハンドル170に連結又は固定される締結機構又はバックル174に固定/挿入することができる。いくつかの実施形態では、締結機構又はバックル174は、ストラップ139が巻き付けられるケーブル300の部分を確実に保持するために、スロット又はループ176内又はその周囲でのストラップ139の保持を簡易化するスロット又はループ176などの1つ又はそれ以上の構造体を含む。締結機構又はバックル174は、レバー又はボタンなどの解放機構によって、ストラップ139の締結機構又はバックル174への迅速な固定/係止及び/又は締結機構又はバックル174からの分離/解放を可能にするラッチ又はラチェット機構178と更に係合することができる。
【0031】
図6は、カート130及びケーブル300を軌道110に沿って牽引するのに十分な力及び/又はトルクを生成するためにシステム100内で使用され得る代表的な機関車180の一実施形態を示す。システム100のユーザが機関車180の速度及び方向を管理できるようにユーザ入力を受信するために、制御パネル185を機関車180上に置くことができる。機関車180は、第1の方向に移動し、それに応じて、機関車に固定されたカート130及びケーブル300を第1の方向に沿って、典型的には、ケーブルトラフと並んで又はケーブルトラフに平行に牽引する。ケーブル300の一部を担持し、軌道110に対してケーブル300を懸架するカート130による第1の方向への機関車180の運動とケーブル300の摺動可能な変位は、システム100の第1の又は主動作モードとみなすことができる。システム100の主動作モードは、ケーブルトンネル内にケーブル300を導入及び位置決めし、トラフに対して又は並んで(例えば、ケーブル300がカート130によって担持されるとき、トラフは一般的にはケーブル300の高度より高いため、典型的にはトラフの下方で)ケーブル300を整理する、位置決めする、及び/又は配置するためのモードであり、ケーブル300を収容するトラフ内へケーブル300を配置する前にケーブル300を置くことを目的とする。
【0032】
いくつかの実施形態では、機関車180は、操舵機構(例えば、単にジョイスティック機構であってもよい)に連結可能である若しくは連結される、又は操舵機構を含むことができ、それにより、システムユーザは、機関車180を操作する、又は(例えば、機関車180が第1の方向に移動するとき)軌道110の長さに沿った機関車の移動を調節することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、機関車180は、軌道110と直接係合しない、又は係合する必要はない。ただし、特定の実施形態では、機関車180自体は、1つ又はそれ以上の構造体又は素子(例えば、軌道110に接触する、又は軌道110と係合することが意図されるローラ)を含むことができ、この構造体又は素子は、軌道110に直接係合することができ、又は直接係合することが意図されて、例えば、軌道110に沿った機関車180の自動誘導又は自動操舵を簡易にする又は可能にする。
【0033】
図7は、システム100が、ケーブル300を機関車180に連結、係合、固定、又は締結することができる代表的な方法を示す。
図7に示す実施形態では、機関車180は、最前位置のカート130aの前方に位置決めされ、一対のワイヤロープ187などのワイヤロープ187のセットを使用して、ケーブル300の一端部を機関車180の後方部、後端、又は後部に接続する。機関車180を第1の方向に前進させると、ワイヤロープ187に力が加わり、ワイヤロープ187に接続されるケーブル300の端部を牽引する。同時に、ケーブル300は複数のカート130に固定又は締結されるため、機関車180によって牽引されるケーブル300の移動は、軌道110に沿ってカート130を引っ張る又は摺動させる。カート130の摺動運動は、低摩擦又は最小摩擦で、ケーブルトンネル内へ及び/又はケーブルトンネルに沿ったケーブル300の送達をより容易に又ははるかに容易にし得る。
【0034】
各種実施形態では、軌道110上のカート130は、ケーブル300の不在下で、カート130を連結若しくは連接することができる、又は連結若しくは連接する1つ又はそれ以上のチェーン、バー、ワイヤロープ、又は類似の構造体(例えば、非軌道構造体)によって、相互に物理的に連接されない又は連接される必要がない。むしろ、(a)軌道110上のカート130がケーブル300の端部を担持又は懸架していないとき、カート130は軌道110に摺動連結され、したがって、軌道110自体のみによって軌道110に連結される、(b)ケーブル300の一部が軌道110上のカート130によって担持又は懸架されているとき、ケーブル300を担持又は懸架するそれらのカート130は、ケーブル300自体によって互いに更に連結、連接、又は接続される。よって、ケーブル300の部分自体は、カート間連結又は接続構造体又は部材として機能し、ケーブル300のこのような部分自体が、カート130にわたる機関車の引張力を伝達/分散する、又は伝達/分散を助けるためのケーブル300以外のカート間連結又は接続構造体を使用せずに又は必要とせずに、カート130にわたって機関車の引張力を伝達/分散する。
【0035】
したがって、ケーブル300の不在下で、軌道110上の所与のカート130は、そのカートに隣接する他のカート(複数も可)130の存在のみによって、軌道110に沿った摺動運動が阻止又は制約される。よって、ケーブル300の不在下で、軌道110に沿ったカート130は、(例えば、カート本体131間の1つ又はそれ以上のチェーン、バー、ワイヤロープ、又は類似の構造体の直接連接によってではなく)軌道110によってのみ相互に連結される。にもかかわらず、特定の実施形態では、特定対の隣接するカート130などの少なくともいくつかのサブセットのカート130は、軌道110の長さ方向セクションに沿ってケーブル300によって連結又は連接されることに加えて、1つ又はそれ以上のチェーン、バー、ワイヤロープ、及び/又は類似の構造体によって相互に物理的に連結又は連接することができる(例えば、少なくとも特定のサブセットのカート130をこのように連結又は接合することができる)。
【0036】
上記に鑑み、システム100は、ケーブルのケーブルトンネルへの搬送及びケーブルトンネル内の配置に対応する第1の/主動作モードで動作させることができる。少なくともいくつかの実施形態では、システム100は、ケーブル300の一部を漸進的に上方に持ち上げて、ケーブル300のこの持ち上げた部分をケーブルトラフに向けて又はケーブルトラフまで誘導し、おそらくは、ケーブル300がケーブルトラフに対して又は並んで(例えば、ケーブルトンネル床上又はその近傍に)うまく最初に位置決めされた/配置された後でケーブルトラフ内にケーブル300を配置するために、追加の第2の/副又は逆動作モードで動作させることができる。第2の動作モードは、ケーブル上昇動作モードとも称することができる。かかる実施形態では、少なくとも1つの機関車180は、ケーブル300の一部を持ち上げる又は上昇させるように構成された傾斜構造体に連結可能である又は連結され、それにより、ケーブル300の連続部分が、機関車180の移動と関連して、ケーブルトラフに向かって漸進的に上方に持ち上げられる。例えば、ケーブルトンネルへのケーブル輸送及び配置について使用された同じ機関車180はまた、副動作モードにおいて、傾斜構造体によってケーブルを上昇、送達、及び/又はトラフ内へ配置するために、第1の方向と反対の又は実質的に反対の第2の又は逆方向に移動するように構成することができる。加えて又は代わりに、別の又は異なる機関車180が、他の機関車180に連結可能である又は連結された傾斜構造体によって、ケーブルの部分をトラフ内へ上昇、送達、及び/又は配置するために使用することができる。
【0037】
トラフまで及びトラフに向かうこのような漸進的なケーブルの上昇及び誘導、並びにトラフ内のケーブルの配置を達成するため、システム100は、(例えば、機関車180に選択的に取り付けることができ、機関車180から取り外すことができる)所与の機関車180に連結可能である若しくは連結される、又は所与の機関車180によって担持されるプラットフォーム、足場、又は傾斜構造体150を更に含むことができ、プラットフォーム150は、傾斜路又は斜路152(例えば、軌道110に平行な水平面に対して上方に傾斜する)を提供し、機関車180が第2の又は逆方向に移動する際、この傾斜路に沿って、ケーブル300は移動することができる及び/又は誘導させることができる。傾斜路152は、(例えば、ケーブルトラフに向けて)選択可能な/調節可能な又は所定の角度で上方に延在して、上部又は端部151及び下部又は端部154を形成し、傾斜路152の上端部151は、例えば、ケーブルトラフの高さに実質的に対応する、又はケーブルトラフの高さよりも少なくともわずかに上方の選択可能な/調節可能な又は所定の高さに位置決め可能である又は位置決めされる。
【0038】
プラットフォーム150は典型的には、ケーブル300の一部が傾斜路152に沿って移動する際に、ケーブル300のその部分を横方向(例えば、左方及び/又は右方)に誘導する、引き回す、又は方向付けるように構成可能である又は構成されるケーブル位置決め及びガイド構造体のセットを更に含む。例えば、複数の実施形態では、プラットフォーム150は、例えば、
図8及び9に示すように、傾斜路152の長さに沿って相互に離間された複数のガイド要素156を含む。
【0039】
ケーブル上昇/第2の動作モードと関連して、機関車180に近接又は隣接するケーブル300(最初はケーブル300の端部とすることができる)のセクション又はセグメント、及びケーブル300の隣接セクション又はセグメントは、傾斜路152上に位置決めし、傾斜路152の下端部154から傾斜路152の上端部151に向けて及び上端部151まで変位させ、傾斜路の上端部151に更に位置決めすることができ、その結果、電力ケーブル300の一部は、移動する機関車180(例えば、第1の方向と反対の第2の方向の機関車の運動)によって、複数のガイド要素156の助けを借りて、ケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へ方向付けられる。
【0040】
ケーブル上昇/第2の動作モード中、ケーブル300の少なくともいくつかの部分は、典型的には、カート130の少なくともいくつか、例えば、機関車180に直接隣接する又は機関車180の後ろの1つ又はそれ以上のカート130に固定されることから解放される。例えば、第1の/主動作モードにおいてケーブル300の周囲に巻かれた特定のストラップ139は、少なくとも、次に傾斜路152上で徐々に上昇させられて、トラフ内に送達又は配置されるケーブル300の部分に関しては、解放する又はほどくことができる(例えば、漸進的に解放する又はほどくことができる)。もうカート130に縛られていないケーブル300の部分は、床面105上に押し付ける、移動させる、又は置かれ、その後、このケーブル300の部分は、(例えば、第2の方向への)機関車の移動によって、傾斜路152に沿って「上方にすくい上げ」、上方に変位させることができる。
【0041】
傾斜路152に加えて、プラットフォーム150は、機関車180に搭載される及び/又は取り付けられる基部又は基部フレーム153を含むことができ、基部フレーム153は、機関車180に対する傾斜路152の確定を助ける又は支援する。1つ又はそれ以上の対の車輪は、プラットフォーム150用の基部フレーム153の下部に連結又は固定されて、第2の方向への機関車180の移動に対応して床面105上を摺動する。特定の実施形態では、システム100は、ケーブル上昇/第2の動作モードの開始前にのみ機関車180上に設置及び/又は配置されるプラットフォーム150を有し、機関車180は、第1の/主動作モードにあるとき、プラットフォーム150を担持することから解放され得る。他の実施形態では、機関車180は、第1の/主動作モードにおいて、プラットフォームを担持することができる。
【0042】
いくつかの実施形態によると、ケーブル配置のためにケーブル300を置いて摺動させる(例えば、上方に摺動させる)ことができる傾斜路152は、はしごと同様の又ははしごに類似する構造体を含む、又はそのような構造体であってもよい。
【0043】
例えば、
図8及び9に示すように、傾斜路152は、長さ方向に平行に、例えば、機関車180の後又は後方端部と機関車180の前又は前方端部との間で、垂直方向斜めに(例えば、傾斜路152に対して上方に向いた角度を形成するように)延びる一対の支持バー/ロッド又はストリンガー199(例えば、外側又は外方支持バー/ロッド又はストリンガー199)を含み、機関車の後又は前端部は軌道110を横断し又は軌道110に垂直であり、機関車180は、機関車の後端部と前端部との間でケーブル300の一部を担持又は支持するように構成されている。ストリンガー199は、一連の徐々に長くなる支持バー197によって、長さに沿って特定位置で垂直方向に上昇及び/又は支持させることができる(例えば、少なくともいくつかの実施形態では、傾斜路152の角度を選択又は調節できるように、選択可能な又は調節可能な長さを有することができる)。複数の横桟198は、ストリンガー199の長さに垂直な方向に、1つのストリンガー199から突出して別のストリンガー199に接合する。横桟198は、調節可能な/選択可能な又は所定の距離だけ引き離されて、ケーブル300を2つの横桟198(例えば、直接隣接する横桟198)間の空間内へ大きく撓ませる又は落下させることなく、傾斜路152に置かれたケーブル300を支持する。
【0044】
少なくともいくつかの横桟198又は各横桟198は、ガイド要素156を担持することができ、少なくともいくつかのガイド要素156又は各ガイド要素156の位置(例えば、横方向位置)は、機関車180、傾斜路152、及び/又はストリンガー199の長手軸に対して選択可能又は調節可能であり得る(例えば、少なくともいくつかのガイド要素156又は各ガイド要素156の位置は、傾斜路152の長手軸に対して横方向に調節可能であり得る)。いくつかの実施形態では、所与のガイド要素156は、ガイド要素156が連結又は接続される横桟198に沿って又は横桟198上で摺動可能に調節可能である。更に、ガイド要素156は、傾斜路152上で立ち上がった又は配置された後に摺動する電力ケーブル300のセクション、セグメント、又は部分の横方向変位を制限するために、間に間隙又は空間を有する、一対の略垂直に立ち上がる突起157を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、所与のガイド要素156は、側部に2つの突起157を含み、中央領域にケーブル300を通過させる間隙又は空間を画定する中空の矩形又は正方形の形態をとることができる。側方突起157は、第2の方向への機関車180の移動に応答して、ケーブル300がトラフ内に置かれる又は押し込まれるとき、傾斜路152上でのケーブル300の側方移動を制限及び制御する。いくつかの実施形態では、ガイド要素156は、1つのガイド要素156が、ケーブルトラフにより近い先行するガイド要素156の位置からオフセットされた位置をとるように編成される。ガイド要素156を段階的なオフセット位置をとるように編成することによって、
図9に示すように、システム100はケーブル300をトラフに向かって次第に屈曲させる。このように、ガイド要素156は共に、傾斜路152に沿った電力ケーブル300の移動のための摺動路(例えば、湾曲又は曲線路)を画定し、電力ケーブル300を、ケーブルトラフに向かって、ケーブルトラフへ、及び/又はケーブルトラフ内へ方向付ける。ケーブル300をトラフに近づけるため、傾斜路152上の最後の数個の横桟198は、ストリンガー199を超えて更に延在することができ、トラフにより近い位置でガイド要素156を保持することを可能にする。
【0046】
更なる実施形態では、少なくともいくつかの横桟198及び/又は少なくともいくつかのガイド要素156(例えば、各ガイド要素156)は、傾斜路152に配置された電力ケーブル300と接触可能な1つ又はそれ以上のローラ(図示せず)を含み、1つ又はそれ以上のローラは、(例えば、低減された摩擦で)電力ケーブル300をケーブルトラフに向けて、及び/又はケーブルトラフ内へ方向付けることを容易にするように回転可能である。このようなローラは、突起157及び/又は横桟198の一部に連結されて、傾斜路152上のケーブル300の摺動移動を円滑にする。
【0047】
本開示の関連する態様によると、上述のプラットフォーム150のような傾斜構造体に連結された又は傾斜構造体を担持する所与の機関車180によって、内部に収容するために露出ケーブル300(例えば、電力ケーブル300)の一部をケーブルトラフ内に配置するプロセス又は方法は、(例えば、上記の第1の動作モードに関連する、第1の方向への同じ又は異なる機関車180の変位、及びそれに対応する軌道110に沿ったケーブル300の摺動可能な変位によって)ケーブル300の露出部分をケーブルトラフの一部に沿って又は平行に長さ方向に設ける又は位置決めすることであって、ケーブル300の露出部分及びケーブルトラフがそれぞれ、第1の高度と、垂直面(例えば、床面105に垂直)で第1の高度よりも高い第2の高度に位置する、ことと、(例えば、ケーブル300のセグメントを保持するストラップを解放し、典型的には、床面105上にケーブルのセグメントを配置した後に、所与の機関車180を第2の方向に移動させることによって)プラットフォーム150の傾斜路152上に露出電力ケーブル300のセグメントを配置することであって、傾斜路152が、上端部151に向かって延在する下端部154を有し、上端部151が、第2の高度に実質的に対応し、ケーブルトラフの上部開口部に近接又は隣接する高さに位置決めされる、ことと、第1の高度に配置された電力ケーブル300の部分に向けてこの機関車180(例えば、第2の方向に)を変位又は移動させることによって、プラットフォーム150を変位又は移動させることであって、傾斜路152の下端部154から上端部151が、傾斜路152上の露出電力ケーブル300を第1の高度からすくい上げ上昇させ、傾斜路152に沿って移動するにつれて露出電力ケーブルを更に上昇及び誘導させ、プラットフォーム150及び機関車180(例えば、第2の方向の)の移動中又は移動に応じて電力ケーブル300をケーブルトラフまで又はケーブルトラフ内へ誘導するように構成されている、こととを含む。
【0048】
トラフが典型的にはケーブルトンネルの壁に搭載される一方、露出ケーブル300は、ケーブル上昇/第2の動作モードにおいて機関車180及びプラットフォーム150を変位させる前に、例えば、いくつかの実施形態ではトラフに並んで又はトラフと実質的に平行に、地上又は床面105上に存在する又は置かれる。プラットフォーム150は、機関車180によって担持される、又は機関車180に連結される、搭載される、若しくは取り付けることができ、機関車は、プラットフォーム150を所定の方向(例えば、第2の方向)に移動させてケーブル300をすくい上げ、トラフに向かう方向にケーブル300を上昇させ、ケーブル300をトラフまで及び/又はトラフ内へ誘導するのに十分なパワーを生成することができる。上述したように、プラットフォーム150は、機関車180に搭載される及び/又は取り付けられる基部又は基部フレーム153を含むことができ、基部フレーム153は、傾斜路152の設定、及び所望の(例えば、選択可能な又は調節可能な)高さ及び/又は角度の達成を支援して、ケーブル300をトラフ内へ誘導し方向付ける。1つ又はそれ以上の対の車輪は、プラットフォーム150用の基部フレーム153の下部に連結又は固定されて、機関車180の移動に対応して床面105に沿って摺動することができる。
【0049】
傾斜路152は、ストリンガー199の長さに垂直な方向に、1つのストリンガー199から突出して別のストリンガー199に接合する複数の横桟198と平行に延びる一対の細長シャフト、バー、ロッド、又はストリンガー199を含むことができる。横桟198は、ケーブル300を十分に支持する調節可能な/選択可能な又は所定の距離をおいて、相互に離間させる又は引き離すことができる。いくつかの実施形態では、プラットフォーム150は、傾斜路152上で長さ方向に相互に離間した複数のガイド要素156を含む。各ガイド要素156は、各ガイド要素156の位置が、傾斜路152の長手軸に対してそれぞれの横桟198上で調節可能であるように、個々の横桟198に連結することができる。いくつかの実施形態では、ガイド要素156は、電力ケーブル300が傾斜路152に沿って誘導されるとき、摺動して移動する電力ケーブル300の部分を収容するための間隙又は空間を包囲する一対の略垂直に立ち上がる突起157を含む、又は突起157として形成することができる。側方突起157は、傾斜路152上のケーブル300の横方向又は側方運動を制限及び/又は制御する。いくつかの実施形態を参照すると、プロセス又は方法は、垂直方向に高い方のガイド要素156が、先行する又は垂直方向に低い方のガイド要素156の位置を横方向にオフセットする位置を採用して、垂直方向に高い方のガイド要素156を、先行する又は垂直方向に低い方のガイド要素156よりもケーブルトラフに近づけるように、傾斜路152上でガイド要素156を編成することを更に含む。一連の漸進的かつ連続的なオフセット位置(例えば、相互に横方向にオフセットされた位置)でガイド要素156を編成することによって、上記のプロセス又は方法は、傾斜路152に沿ってトラフに向けてケーブル300の部分を徐々に又は漸進的に屈曲又は湾曲させることができる。よって、ガイド要素156は共に、ケーブル300をケーブルトラフに向けて及び/又はケーブルトラフ内へ方向付けるために、傾斜路152に沿ったケーブル300の横方向摺動移動を設定又は確定することができる。
【0050】
加えて、いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのガイド要素156は、傾斜路152に沿ったケーブル300の部分と接触可能な1つ又はそれ以上のローラを更に含み、1つ又はそれ以上のローラは、低摩擦でケーブル300を、ケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へ方向付けることを容易にする。
【0051】
上記に鑑み、(a)ケーブル配置/第1の動作モードでは、特定の機関車180が、軌道110及びカート130に関連して又は組み合わせて、ケーブル300がケーブルトンネル内の意図した位置及び/又は目標目的地に存在するまで、ケーブル300をケーブルトンネル内に漸進的に摺動させて変位させることができ、(b)ケーブル上昇/第2の動作モードでは、同じ又は異なる機関車180が、傾斜路152に関連して又は組み合わせて、漸進的にケーブル300の部分を「すくい上げ」、ケーブル300のすくい上げた部分をケーブルトラフに向けて、又はケーブルトラフまで持ち上げ、又は上昇させることができる。各種実施形態では、第1の動作モードでは、機関車180、軌道110、及びカート130の組み合わせが、床面105に対してケーブル300を水平方向に搬送又は変位させるように構成可能である又は構成される第1のタイプのケーブル搬送機械として動作し(例えば、床面105からの略一定の垂直距離などの垂直高度又は距離において、第1の動作モードでは、ケーブル300は、床面105に平行又は実質的に平行なままである、及び/又は垂直距離又はセットの垂直距離において、ケーブルトラフよりも床面105に近いままである)、第2の動作モードでは、傾斜路152と同じ又は異なる機関車180の組み合わせは、傾斜路152に沿ってケーブル300を上方向又は上方向-横方向に搬送及び誘導するように構成可能である又は構成される第2のタイプのケーブル搬送機械として動作する。
【0052】
よって、本開示による少なくともいくつかの実施形態は、少なくとも1つの機関車180が、(i)水平ケーブル搬送又は変位機械(例えば、ケーブル300が、ケーブルトラフに対して、例えば、ケーブルトラフの下方及び略平行に、ケーブルトンネル内で最初に位置決めされ得るように、ケーブル300をケーブルトンネル内へ漸進的に搬送する)、及び(ii)垂直方向又は垂直方向-横方向ケーブル搬送又は変位機械(例えば、ケーブル300がケーブルトラフに対してケーブルトンネル内で最初に位置決めされた後、ケーブルトラフに向けて、及びおそらくはケーブルトラフ内へケーブル300の一部を漸進的にすくい上げ、上昇させる)内の駆動又は原動力構成要素として動作するように(例えば、選択可能又は調節可能に)構成することができるシステム100を提供する。水平方向のケーブル搬送又は変位、及び垂直方向又は垂直方向-横方向のケーブル搬送又は変位は、実施形態及び/又は状況の詳細に応じて、同じ機関車180(例えば、単独の機関車180)、又は異なる機関車180によって行うことができる。
【0053】
所与の機関車180は、開始位置から目標目的地までケーブルトンネルへケーブル300を輸送するために第1の方向に移動することができ、同じ又は異なる機関車180が、次いで、(例えば、開始位置に到達するまで)ケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へケーブル300を上昇させるために反対の第2の方向に目標目的地から離れるように移動することができる。あるいは、選択された機関車180が、開始位置から目標目的地までケーブルトンネル内へケーブル300を輸送するために第1の方向に移動することができ、開始位置に対応する又は位置する同じ又は異なる機関車180が(例えば、次いで)、(例えば、目標目的地に到達するまで)ケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へケーブル300を持ち上げるために開始位置から目標目的地に向かって第1の方向に移動することができる。
【0054】
当業者であれば、ケーブルトンネルは、ケーブルトンネルに連結又は接続される拡張セクションに対応する又はつながるシャフト(例えば、地上面から下方に50~60メートルに延在することができる)によって、地上又は地上面からアクセス可能であることを理解するであろう。
【0055】
拡張セクションは、連結されたケーブルトンネルの異なるセクション、例えば、拡張セクションから離れるように延在するケーブルトンネルの第1のセクションと、拡張セクションから離れるように延在するケーブルトンネルの第2のセクションとを連結又は連接することができる。ケーブルトンネルの第1及び第2のセクションは、拡張セクションから離れて反対方向に延在することができる。シャフト及び拡張セクションによって、1つ又はそれ以上の電力ケーブル300及び様々なタイプの物体及び/又は機器は、ケーブルトンネルに対して及び/又はケーブルトンネル内で移送し、位置決めすることができる。
【0056】
このような状況では、ケーブル300は、上で記載又は指摘したように、所与の機関車180によって、ケーブルトンネルの第1のセクション、拡張セクション、及びケーブルトンネルの第2のセクションのそれぞれ内で、それぞれに沿って、及びそれらにわたってなど、ケーブルトンネル内及びケーブルトンネルに沿って最初に位置決めすることができる。続いて、一対の機関車180(そのうちの1つは、ケーブル300をケーブルトンネル内及びケーブルトンネルに沿って最初に位置決めするのに使用される所与の機関車180であり得るが、その機関車である必要はない)を、ケーブルトンネル10の異なる又は対向する長さ又は端部に向かって反対方向(例えば、互いに離れるように)駆動、変位、又は移動させることができ、対の機関車180はそれぞれ、対応するプラットフォーム又は傾斜構造体150によって、ケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へケーブル300の一部をすくい上げ、持ち上げる/上昇させる。よって、(a)第1の機関車180は、上述したように傾斜路152を設ける第1のプラットフォーム又は傾斜構造体150によって、ケーブルトンネルの第1のセクション(例えば、ケーブルトンネルの第1のセクションの床面105上)に配置されたケーブル300の部分をケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へ漸進的に持ち上げながら、拡張セクションから離れるように延在するケーブルトンネルの第1のセクションに向けて、及び第1のセクション内へ変位又は駆動され得、(b)第2の機関車180は、上述したように傾斜路152を設ける第1のプラットフォーム又は傾斜構造体150によって、ケーブルトンネルの第2のセクション(例えば、ケーブルトンネルの第2のセクションの床面105上)に配置されたケーブル300の他の部分をケーブルトラフに向けて、ケーブルトラフまで、及び/又はケーブルトラフ内へ漸進的に持ち上げながら、拡張セクションから離れるように延在するケーブルトンネルの第2のセクションに向けて、及び第2のセクション内へ変位又は駆動され得る。このような一対の機関車180は、同時に、又は個々に/連続的に(例えば、必要に応じて)動作して、時間効率の良いケーブル300のケーブルトラフへの装填を容易にすることができる。
【0057】
本開示による実施形態は、ケーブル300をケーブルトンネル10内へ送達する、及び/又はケーブルトラフ20などの容器又は長期/最終目的地に向けて、まで、及び/又は内へケーブル300を持ち上げる又は上昇させる、効率的で、低摩擦で、迅速かつ低コストで、人力が最小な(例えば、2人の作業者、又は更には1人の作業者しか必要としない)方法を提供することができる。また、各種実施形態では、各カートのローラ133のセットと組み合わせて、床面105から離して軌道110を上昇させることで、ケーブル輸送及び配置のための低又は超低雑音システム10(例えば、静音動作システム10)を提供することに留意されたい。
【0058】
本開示の態様は、他の具体的な形式で具現化され得ると理解すべきであり、実施形態は、本開示において記載及び図示された実施形態は、理解を助けるために代表的なものである。本開示による実施形態は、本明細書に記載され図示される実施形態のみに限定されない。例えば、1つ又はそれ以上のカート130はそれ自体、原動機又はモータを担持することができ(例えば、このような各電動カート130のローラ133のセットを回転駆動させて、これらの電動カート130を軌道110に沿って推進するように構成される)、それにより、(a)機関車180は、少なくともいくつかの状況では必要とされなくてもよい、又は使用される必要がない、及び/又は(b)ケーブル300がケーブルトンネル10内に閾値決めされた、又はケーブルトラフ20内に装填された後、1つ又はそれ以上の電動カート130(例えば、おそらく、そこに連結された非電動カート130のセットと連携して)が、ケーブルトンネル10内の軌道110に沿って、他の物体及び/又は機器(例えば、ケーブル300以外の物体及び/又は機器)を輸送する又は往復させることができる。当業者が容易に思いつくような、開示された概念、装置、及び構造追加の又は他の修正又は同等物も本開示の範囲に含まれる。
【国際調査報告】