IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォンタナ,ファビオの特許一覧

特表2023-500804痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置
<>
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図1
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図2
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図3
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図4
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図5
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図6
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図7
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図8
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図9
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図10
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図11
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図12
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図13
  • 特表-痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(54)【発明の名称】痛みを伴う炎症性症状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523285
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 IB2020060071
(87)【国際公開番号】W WO2021084424
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102019000020138
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522156748
【氏名又は名称】フォンタナ,ファビオ
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】フォンタナ,ファビオ
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PA03
4C082PC04
4C082PE09
4C082PE10
4C082PG17
4C082PG20
4C082PJ12
(57)【要約】
【解決手段】
本発明の治療装置は、患者の皮膚に配置され、特定のナノクリスタルでできている支持体を含み、適切に活性化されると、炎症、痛みを伴う病状、および患者の神経筋および姿勢の調節に有益な効果をもたらす電磁放射を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
痛みを伴う炎症性の神経筋および姿勢の再調節が支援される腱、筋肉、皮膚分節および神経終末の一次および二次神経終末に対応して皮膚に適用される治療装置であって、前記治療装置は、少なくとも1つの層状支持要素(1)、および、少なくとも2つのタイプの量子ドット(2)の組み合わせによって与えられる混合物を含み、
量子ドットは、
-グラフェン量子ドット、コード900708、またはλex 350nm;λem 445nm、FWHM 65nm、量子収率>65%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-グラフェン量子ドット青色発光、コード900726、またはλex 350nm;λem 445nm±10nm、FWHM75nm、量子収率≧20%にほぼ対応する蛍光を持つ量子ドット、
-グラフェン量子ドットシアン発光、コード900707またはλem 475-495nm、FWHM 70nm、量子収率>17%以下に対応する蛍光を示す量子ドット
-グラフェン量子ドットアクアグリーン発光、コード900712、またはλex 485nm、λem 530nm±10nm、FWHM80nm、量子収率≧17%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-オレイン酸およびオレイルアミンコーティングのペロフスカイト量子ドット、コード900747またはλex 480nmに対応する蛍光を示す量子ドット、
-COOH官能化CdTeコアタイプの量子ドット、コード777978、またはλem 710nm、量子収率≧15%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプ量子ドット 、コード900286またはλmax 385nm、λem 400nm±10nm、量子収率>50%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプの量子ドット、コード900283、またはλmax 405nm、λem 425nm±10nmに対応する蛍光を示す量子ドット、
を含み、
ここで、前記層状支持要素は、基準波長および人体から放出される放射の波長において透過性の材料で作られた層状要素からなり、前記層状支持要素(1)の第1の側面が機能障害または炎症性症状を治療される人の皮膚と直接接触することが可能であり、前記量子ドット(2)のうちの少なくとも2つの混合物が、前記層状支持要素(1)の第1の側の反対側に配置されるか、または層状要素自体に組み込まれるかまたは拡散され、前記混合物は1mg/cm2から100mg/cm2の濃度で、0.1mW/cm2-0.5mW/cm2、好ましくは0.2mW/cm2-0.4mW/cm2の強度で、基準波長の光子を放出することができ、少なくとも1つの赤外線、光または紫外線チック電磁放射によって刺激されたとき、 基準波長は280nmから740nmの間、好ましくは350nmから530nmの間である、
治療装置。
【請求項2】
前記層状支持要素(1)が、前記量子ドット(2)の混合物を励起する、少なくとも1つの赤外線、光、紫外線電磁放射に対して透過性である材料でできていることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項3】
前記層状支持要素(1)が、患者の表皮と接続することができ、皮膚の汗に関して不浸透性で固有であるプラスチック材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項4】
前記層状支持要素(1)は患者の表皮と接続し、分離することなくその動きおよび/または変形に従うことができる可撓性材料から構成され、好ましくは前記層状支持要素(1)は、0.05mmから2mmの間の厚さを有し、さらにより好ましくは0.1mmから1mmの厚さを有し、表皮の変形によりよく適応できることを特徴とする請求項1に記載の治療装置。
【請求項5】
量子ドット(2)の前記混合物が、塗料のように、それが配置される側の表面の大部分を占めて分散されるように前記層状支持要素(1)上に配置され、0.001mmから1mmの厚さで量子ドットの重なりによって妨げられることなく、前記放射の高い伝送効率のために表面全体を利用することを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項6】
量子ドット(2)の前記混合物は、0.005mmから1mmの範囲の厚さで前記層状支持要素(1)を通して受け取られるのに十分な強さを持つために、前記層状支持要素(1)上の別個の領域に配置され、範囲を定めた領域に放射線の流れを集中させることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項7】
前記層状支持要素(1)は、保護および閉じ込めのための第2の層状要素(4、5)に結合され、量子ドット(2)の前記混合物を含み、閉じ込め、それを破壊する外部因子または機械的ストレスから保護することを特徴とする請求項1に記載の治療装置。
【請求項8】
前記第2の層状要素(4、5)は、赤外線放射、可視光または紫外線放射のいずれかに対して透過性の材料でできているため、外部から来て前記第2の層状要素(4、5)を横切る放射は、前記量子ドット(2)の混合物を励起して、関心のある周波数を放射することができる、請求項1に記載の治療装置。
【請求項9】
前記層状支持要素(1)の範囲に等しい範囲を有する前記第2の層状要素(4、5)は、前記層状支持要素(1)に面する側の反対側の表面に関連し、量子ドット(2)の混合物を保持および閉じ込めて空気を通さないように密閉することを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項10】
前記第2の層状要素(4、5)は、透明な保護インクまたはプラスチックフィルムで構成されており、装置の厚さを薄くして着用しやすくすることができることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項11】
量子ドット(2)の前記混合物が、前記層状支持要素(1)または前記第2の層状要素(4、5)上で、互いに向き合う側に直接印刷されように、インク内で希釈されることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項12】
前記インクは透明なインクであるため、前記接着剤と前記インクの特性のみが分散媒体で実行され、すべての光子の出射と入射は最小限の減衰で量子ドットの混合物に到達できることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項13】
前記治療装置の合計の厚さが最小限に抑えられ、高度の弾性を維持しているため、ひび割れ、破損、または裂けることなく、皮膚の表面応力に適応できることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項14】
皮膚と前記支持体および/または前記層状支持要素(1)と前記第2の層状要素(4、5)との間の相互接続が、柔軟な両面接着材料(3)によって得られることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項15】
前記治療装置は大部分が透明で、皮膚への接着効果で接続し一次および二次終末、腱、筋肉、皮膚分節、神経終末の近くに配置して、神経筋および姿勢の再調節を支援し、肌の赤みを確認することができることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項16】
ウェアラブル治療装置は、使用する量子ドットの種類と関心のある治療用放射線の頻度に応じて、5-80%のカーボンナノチューブを含むインク、95-20%の量子ドットの混合物を使用し、量子ドットの混合物のより大きな活性を提供し、患者のニーズと所望の刺激に応じて、前記治療装置から放出される光子の量を調整、再定義、および投与することができることを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【請求項17】
前記混合物は、
-グラフェン量子ドット、コード900708、またはλex 350nm、λem 445nm、FWHM 65nm、量子収率>65%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-グラフェン量子ドット青色発光、コード900726、またはλex 350nm、λem 445nm±10nm、FWHM 75nm、量子収率≧20%にほぼ対応する蛍光を持つ量子ドット、
-グラフェン量子ドットシアン発光、コード900707またはλem 475-495nm、FWHM 70nm、量子収率>17%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-グラフェン量子ドットアクアグリーン発光、コード900712、またはλex 485nm、λem 530nm±10nm、FWHM 80nm、量子収率≧17%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-オレイン酸およびオレイルアミンコーティングのペロフスカイト量子ドット、コード900747またはλex 480nmに対応する蛍光を示す量子ドット、
-COOH官能化CdTeコアタイプの量子ドット、コード777978、またはλem 710nm、量子収率≧15%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプ量子ドット、コード900286またはλmax 385nm、λem 400nm±10nm、量子収率>50%に対応する蛍光を示す量子ドット、
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプの量子ドット、コード900283、またはλmax 405nm、λem 425nm±10nmに対応する蛍光を示す量子ドット、
から少なくとも2種類の量子ドット(2)の組み合わせによって与えられる混合物であって、混合物は、ULLLT(超低レベルレーザー療法)と同じ波長に到達しおよびこれを生成するが、強度は0.1mW/cm2-0.5mW/cm2、好ましくは0.2mW/cm2-0.4mW/cm2の超低強度である
ことを特徴とする、請求項1に記載の治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、痛みを伴う炎症性の病状を治療し、神経筋および姿勢の調節を実行することも可能にする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体は電磁放射に敏感であることが知られている。この敏感さの一例は、特定の分子の合成を通じて日光に反応する、人体の能力によって示される。たとえば、日光の下で人体を刺激するとビタミンDの合成が促進され、骨へのカルシウムの固定という免疫系に対する非常に重要な影響を与える。これは、再石灰化の時間を加速する生体刺激である。
【0003】
これらの生物学的現象の多くはまだ研究されており、十分に調査および理解されていないものもまだいくつかある。
【0004】
しかし、より顕著な効果を得るために、または少なくとも太陽放射で得られる効果と同等の効果を得るために、特定の自然の効果に基づいて、人体を太陽放射にさらすなど治療目的で人体を非常に強いレーザー光にさらす試みがなされてきた。
【0005】
結果はあまり有望なものではなく、そして現在レーザー光を使用する療法ははるかに制限された、そしてより低い強度のものを使用している。
【0006】
それにもかかわらず、治療センターのかさばる機械は多数の患者が利用できる必要があるため、これらのレーザーへの曝露は常にかなり短い期間のものである。
【0007】
さらに、これらのレーザーによって放出される光の周波数は、治療目的に固有のものであることがわかっている。したがって、いくつかの病状を持っている、またはいくつもの治療が失敗した患者の治療は、様々なレーザー放射で、様々な治療方法で治療する必要がある。
【0008】
そういったものは、特定の波長によって刺激されると選択された波長の光子を放出する電子部品の分野にも存在する。これらのコンポーネントは、光起電力パネルの作成、ナノクリスタルビデオディスプレイの作成に使用される。
【0009】
これらのコンポーネントが治療分野で使用できるとは誰も考えていなかった。それらのほとんどは、対象の周波数に非常に近い周波数を持っているが、分野や使用方法がまったく異なるためでもある。
【0010】
長い間、人の皮膚の赤外線照射は、低赤外線、すなわち760-1500nmの発光周波数で、産熱効果を利用し、150-1500Wの赤外線ランプによって生成される非常に高い放射電力で理学療法の用途に使用されてきた。
【0011】
そのような加熱はあまりに強すぎるので一般に許容されないことがわかった。
【0012】
さらに、そのような治療の目的は、たとえそれらが理学療法の応用と呼ばれていても、表皮の表層のみを治癒することである。
【0013】
最近になって患者は、やはり理学療法の用途で、1100-1400nmの放射周波数の低赤外線範囲でレーザーおよび/またはナノクリスタルの使用にはるかに容易に耐え得ることがわかった。ただしこれらの適用では、ナノクリスタルを励起するために、最大50Wに達し得る密接していて継続的にアクティブな電源が必要である。
【0014】
このような強力な励起ランプのこの必要性により、前述のデバイスは固定電源に依存するため、輸送できない。したがって、そのようなナノクリスタルおよび/またはレーザーベースのデバイスによる治療は、前述の機器を備えた医療施設での赤外線照射適用の時間に限定される。
【0015】
皮膚の表層の治療的処置におけるレーザーまたはナノクリスタルのさらなる適用については、実際のところ、613-846nmの波長が皮膚の擦過の治療に有効であり得ることが確認されている。
【0016】
ただしこのようなパッチは、パッチの表面を照射する外部環境の光にさらされた場合にのみ効果的な治療になり得る。しかし、これらのパッチは、有効な治療効果をもたらすために皮膚の温度を上昇させ、実際、ナノクリスタルの放射範囲は低赤外線であり外部環境への長時間の曝露は許容されず、これらのパッチの下にある部分の赤みと、擦過の炎症を引き起こす。このため、ナノクリスタルは互いに離れた場所に分散され、周囲の光がナノクリスタル間の空間を通過できるようにする。パッチが患者の皮膚に適用されているが、それらの表面で周囲の光を受けるのを防ぐ衣類の下に隠されている場合、前述のナノクリスタルは皮膚の擦過を治療するための放射線を放出しない。
【0017】
ナノクリスタルを使用するパッチの前述の適用については、患者の皮膚に適用されるとき、人の曝露された部分および表面の部分を治療するのに効果的である包帯または他の装置もある。上記の包帯または他の装置の外側の部分は、人に載っている部分に関して、外側から来る放射線に当たって、皮膚に向かって治療用の放射線を放出しなければならない。ただし、そのようなデバイスは非常に効果がないようであり、実際、次のものが必要である:
-外部から入射する放射線を収集するための外部領域、
-次のものによって、入射する放射線を、特定の周波数を放出するナノクリスタルに正確に向けるためのガイド装置
-放射領域;
-機能するためには、前述の外部入射領域が放射領域よりも大きいことを必要とし、および
-収集領域の表面が受けた前述のガイド装置に伝達される電磁放射の割合を増加させるために、さらなる装置を必要とする。
【0018】
ただし、これらのデバイスは常に体に取り付けるのには適していないため、たとえば就寝する場合など、定期的に取り外されなければならない。
【0019】
したがって明らかに、放射線の適度な効果と、機能するためには外部からの一定の照射が必要であるという両方のために、そしてそれを常に体と接触させ続けることは不可能であるため、しかし何よりも、治療面よりもはるかに大きな面が必要なため、前述の包帯は、超低電力で人の体の内部の病状を継続的に治療するのには不適切である。
【0020】
さらに異なる適用には、光線療法で使用するためのナノクリスタルの使用が含まれ、ナノクリスタルが特定の波長に変換する特別なLED発光源が必要である。
【0021】
ただし、これらの適用では、LED光源とナノクリスタルの両方の放射電力が指定されていないため、ユーザーは任意の選択をすることになり、これにより、ほとんどの適用では、過度の照射により治療が無効になる。多くのユーザーは、特に1mW/cm2を超える強度の場合、低赤外線波長成分の照射を含む治療に不快感を覚える。この追加の異なる適用でも、人の体の内部の病態の超低電力治療の継続性はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、人体の健康上の利益のために容易に使用することができる治療または治癒装置を利用可能にすることである。
【0023】
本発明の別の目的は、急性の痛みまたは炎症を有するほとんどの人に有効でありうる治療装置を利用可能にすることである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、容易に適合させることができる効果的な治療装置を利用可能にすることである。
【0025】
本発明の別の目的は、安価に構築することができ、メンテナンスをほとんど必要とせず、またエネルギー消費が少ない治療装置を利用可能にすることである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、筋肉の緊張解除に関して特に効果的な治療装置を利用可能にすることである。
【0027】
本発明の別の目的は、姿勢調節に特に効果的な治療装置を利用可能にすることである。
【0028】
本発明の重要な目的は、治療中に感知できるほどの電気の消費なしに長期効果を提供する治療装置を利用可能にすることである。
【0029】
本発明の別の重要な目的は、劣化を招くことなく使用できる治療装置を利用可能にすることである。
【0030】
本発明の別の目的は、外部光源によって直接照射されなくても機能することができる治療装置を利用可能にすることである。
【0031】
本発明のさらに別の目的は、治療処置のための相乗的かつ組み合わされた効果を有する装置を利用可能にすることである。
【0032】
本発明の重要な目的は、特定の放出力が人の体の皮膚を炎症させ得ず、したがって日中および夜間でさえも継続的に皮膚と接触させ続けることができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前述のすべての目的、および以下の説明からより完全に明らかになる他の目的は、以下の説明に従って本発明の装置によって達成される。
【0034】
本発明は、少なくとも1つの支持層状要素(以下、単に支持体ともいう)と、以下の中から少なくとも2つの量子ドットの組み合わせとを含む治療装置からなる。
-グラフェン量子ドット、コード900708、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λex 350nm;λem 445nm、FWHM 65nm、量子収率>65%
-グラフェン量子ドット青色発光、コード900726、またはほぼ以下に対応する蛍光を持つ量子ドット:λex 350nm;λem 445nm±10nm、FWHM75nm、量子収率≧20%
-グラフェン量子ドットシアン発光、コード900707、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λem 475-495nm、FWHM 70nm、量子収率>17%
-グラフェン量子ドットアクアグリーン発光、コード900712、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λex 485nm;λem 530nm±10nm、FWHM 80nm、量子収率≧17%;
-オレイン酸およびオレイルアミンコーティングのペロフスカイト量子ドット、コード900747、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λem 480nm;
-カルボキシ基官能化CdTeコアタイプの量子ドット、コード777978、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λem 710nm、量子収率≧15%;
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプ量子ドット、コード900286、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λmax 385nm、λem 400nm±10nm、量子収率>50%;
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプの量子ドット、コード900283、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λmax 405nm、λem 425nm±10nm;
【0035】
ここで、前記支持体は、基準波長および人体から放出される放射の波長において透過性の材料で作られた層状要素で構成されており、層状支持体の第1面が、障害または炎症性症状を治療される人の皮膚と直接接触するのに適しており、そして、基準波長で光子を放出することができる、1mg/cm2から100mg/cm2の濃度の前記量子ドットの少なくとも2つの混合物が、0.1mW/cm2-0.5mW/cm2、好ましくは0.2mW/cm2-0.4mW/cm2の間の強度で前記支持体の第1面の反対側にあるか、または前記層状要素自体に組み込まれるかまたは拡散され、前記基準波長は、少なくとも赤外線、光または紫外線の電磁放射によって刺激された場合、280-740nmの間、好ましくは350nm-530nmの間である。
【0036】
(本発明の有利な特徴)
有利なことに、前記支持体は、少なくとも赤外線、光、または紫外線の電磁放射に対して透明な材料からなり、放射が前述の量子ドットの混合物を励起できる波長を持っており、患者の体の熱そのもの、赤外線スペクトルの電磁放射として理解されるもの、およびUVを含む人体の他の電磁放射が、量子ドットを励起する。
【0037】
有利なことに前記支持体は、皮膚から放出される汗によって劣化することなく、また、前記支持体を通って移動することを可能にすることなく、患者の表皮と接続することができるプラスチック材料からなる。上記汗は量子ドットまたは量子ドットの混合物を劣化させる可能性があるためである。
【0038】
有利なことに前記支持体は、患者の表皮に接続し、外れることなく皮膚の動きおよび/または変形に従うことができる柔軟な材料で構成されており、ここで前記支持体は、好ましくは0.05mm-2mmの間、さらにより好ましくは0.1mm-1mmの間の厚さを有し、表皮の変形によりよく適応することができる。
【0039】
有利なことに、量子ドットの前記混合物は支持体上に分布しているので、それらは0.001-1mmの厚さの量子ドットの重なりによって妨げられることなく、漆のように、混合物が塗布される側の表面の大部分を占め、前記放射の非常に効率的な伝達のために表面全体を使用する。
【0040】
有利なことに、量子ドットの前記混合物は、0.005mmから1mmの範囲の厚さで、前記支持体を通して吸収されるのに十分な強さを持つために、支持体上の別個の範囲に配置され、定義された領域に放射線の流れを集中させる。
【0041】
有利なことに、前記層状支持要素(以下、単に支持体)は、第2の層状保護および閉じ込め要素(以下、単に保護または保護要素)に結合され、量子ドットの前記混合物を封じ込めて閉じ込め、それを破壊するであろう外部因子または機械的ストレスからそれを保護する。
【0042】
有利なことに、前記第2の層状要素は、可視または紫外線スペクトルにおける赤外線または光放射に対して透過性の材料で構成されているため、外部から来て、前記第2の層状要素を通過する放射は、量子ドットの前記混合物を励起して、それらが必要な周波数を放出することができるようにする。
【0043】
有利なことに、前記支持体の長さに等しい長さを有する前記保護は、その表面が支持体に面することで支持体と結合し、量子ドットの混合物を保持し、気密に密封することでそれに結合される。
【0044】
有利なことに、保護は、装置の厚さを薄くし、着用しやすくすることができる透明な保護インクまたはプラスチックフィルムからなる。
【0045】
有利なことに、量子ドットの前記混合物は、インクで希釈されてそれが支持体または保護上で互いに向き合う側に直接印刷できるようにし、量子ドットの前記混合物を配置および配列することを容易にする。
【0046】
有利なことにインクは透明なインクで、分散媒体には接着剤とインクの特性のみがあり、すべての光子の出射と入射が最小の減衰で量子ドットの混合物に到達できるようにする。
【0047】
有利なことに装置は高度の弾性を維持し、ひび割れ、破損、または裂けることなく皮膚の表面応力に適応できるように、最小の厚さを有する。
【0048】
有利なことに、皮膚と支持体および/または支持体と保護の接続は、柔軟な両面テープを使用して得られ、支持体および/または保護を選択する際に、それらが作られている材料とその厚さの両方に関して、大きな自由を提供する。
【0049】
有利なことに、支持層と保護層との間の、少なくとも装置のすべての周囲の縁に沿った前記両面接着材料は、前記量子ドットの混合物を効果的に封じ込めることができ、装置自体の外側への前記量子ドットの分散を防ぎ、装置に含まれ装置から流出したナノテクノロジー材料がユーザーの皮膚に接触するのを防ぐ。
【0050】
有利なことに、前記装置は、ポリラミネートシートからレーザーカットされているので、前記レーザーカットは、装置の複数の層において縁の周囲長さのシーリングを実行することができ、ハーメチックシールを構成して量子ドットを装置内に保持し、外部への拡散を防ぐ。
【0051】
有利なことに、装置がほとんど透明で、皮膚に付着し、一次および二次終末、腱、筋肉、皮膚分節、神経終末の近くに配置できるため、神経筋および姿勢の調節を支援し、肌の赤みをチェックすることができる。
【0052】
有利なことに、ウェアラブル治療装置は、使用する量子ドットの種類と治療用放射線の頻度に応じて、5-80%のカーボンナノチューブを含むインク、95-20%の量子ドットの混合物を使用し、量子ドットの混合物のより大きな活性を提供し、患者のニーズと取得したい刺激に応じて、装置から放出される光子の量を調整、再定義、および投与することができる。
【0053】
有利なことに、量子ドットの混合物は、以下の量子ドットのうちの2つ以上を含む:
-グラフェン量子ドット、コード900708または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:
λex350nm;λem445nm、FWHM 65nm、量子収率>65%;
-グラフェン量子ドット青色発光、コード900726または以下にほぼ対応する蛍光を示す量子ドット:λex350nm;λem445nm±10nm、FWHM 75nm、量子収率≧20%、
-グラフェン量子ドットシアン発光、コード900707または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λem475-495nm、FWHM 70nm、量子収率>17%
-グラフェン量子ドットアクアグリーン発光、コード900712、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λex 485nm;λem 530nm±10nm、FWHM 80nm、量子収率≧17%;
-オレイン酸およびオレイルアミンコーティングのペロフスカイト量子ドット、コード900747、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λem 480nm;
-カルボキシ基官能化CdTeコアタイプの量子ドット、コード777978、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λem 710nm、量子収率≧15%;
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプ量子ドット、コード900286または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λmax 385nm、λem 400nm±10nm、量子収率>50%;
-オレイン酸官能化CdS/ZnSコアシェルタイプの量子ドット、コード900283、または以下に対応する蛍光を示す量子ドット:λmax 405nm、λem 425nm±10nm;
ここで、ULLLT(超低レベルレーザー療法)と同じ波長を達成および生成できるが、強度は非常に弱く、量子ドット混合物の光子放出フローの過度の強度による飽和効果がなく、従来のレーザーや光療法の副作用がない。
【0054】
したがって、前記量子ドットは、アップコンバートしたナノクリスタルとしても定義される。
【0055】
これらおよび他の目的はすべて、添付の特許請求の範囲に従って、本発明の装置によって達成される。
【0056】
(発明の概要)
本発明の目的は、痛みを伴うおよび/または炎症性の病状、ならびに神経筋および姿勢の調節のための治療装置であって、装置は、適切に刺激された場合、各量子ドットに固有の正確な周波数で光子を放出できるナノメートルサイズの結晶の能力を活用する技術に基づいている。前述の利点の1つの例として、正確な周波数範囲で放出されるこれらの光子は、人体を刺激して神経筋のリバランスを実現する。特許請求された量子ドット混合物の2つ以上の電磁放射の組み合わせのみが、急性炎症状態の減少、および/または神経筋エネルギー状態の調節、および/または姿勢構造の調節において、また単一の量子ドットまたは量子ドット混合物の個々の群の使用では見られないすべての側面において、上記の利点の全部または一部の相乗効果を得る。
【0057】
さらに、時間の経過とともに継続的に適用することのみで効果を発揮できる治療装置が確認されており、これらはたとえば、夜間を含む1日以上、非常に弱い電力、つまり放出強度の0.5mW/cm2未満で継続的に活動し、人の肌に付着されることで、上記の治療処置の効果を達成することができる。
【0058】
治療にギャップがある、および/または上記の放出強度よりも高い強度を有するデバイスは、飽和効果を達成し、時には炎症を起こすが、それは本発明の装置、および電磁放射による細胞刺激の生物学的原理の治療効果に反する。
【0059】
加えて、たとえば760nmを超える周波数の量子ドットを使用するなど、赤外線および低赤外線の長時間の曝露は、必然的に局所的な炎症を引き起こし、さらに、熱い箇所の継続的かつ持続的な感覚のために、人々はそのようなデバイスに容易に耐えることができない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
前述の目的による本発明の技術的特徴は、以下の特許請求の範囲で明確に見ることができ、その利点は、添付の図面を参照して行われる以下の詳細な説明においてより容易に明らかになるであろう。これは、純粋に例示的であり、限定的ではない好ましい実施形態を示しており、以下のとおりである。
【0061】
図1図1に本発明の装置の一例を示す。
【0062】
図2図2は、本発明の装置の修正された実施形態を示す。
【0063】
図3図3は、データ取得中に治療を受けている患者を示す。
【0064】
図4図4は、同じ患者での本発明の装置の使用を示している。
【0065】
図5図5は、本発明の使用前後の、高度な医療診断機器EMGおよびK7キネシオグラフによって得られた値のチャートを比較して示している。
【0066】
図6図6は、炎症を起こした部分のサーモグラフの赤外線および可視スペクトルの写真、ならびに本発明の装置の使用の24時間後の同じ部分のサーモグラフである。
【0067】
図7図7は、炎症を起こした部分のサーモグラフの赤外線および可視スペクトルの写真、ならびに本発明のデバイスの使用の24時間後の同じ部分のサーモグラフである。
【0068】
図8図8は、炎症を起こした部分のサーモグラフの赤外線および可視スペクトルの写真、ならびに本発明のデバイスの使用の24時間後の同じ部分のサーモグラフである。
【0069】
図9図9は、本発明の装置の適用前後の安定性測定の図面的な表示であり、姿勢調節のための本発明の装置の有用性を強調する表である。
【0070】
図10図10は、本発明の装置の適用前後の安定性測定の図面的な表示であり、姿勢調節のための本発明の装置の有用性を強調する表である。
【0071】
図11図11は、本発明の装置の適用前後の安定性測定の図面的な表示であり、姿勢調節のための本発明の装置の有用性を強調する表である。
【0072】
図12図12は、本発明の装置が使用された多発性硬化症の対象に関する結果を示している。
【0073】
図13図13は、本発明の装置が使用された多発性硬化症の対象に関する結果を示している。
【0074】
図14図14は、本発明の装置が使用された多発性硬化症の対象に関する結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0075】
(好ましい実施形態の例の詳細な説明)
図を参照すると本発明の装置は、透明プラスチックの2つの層状層、透明絶縁プラスチック層状要素1および絶縁透明プラスチック層状要素からなり、2つの層は好ましくは可撓性であり、第1の層は支持機能を有し、第2の層は保護および絶縁機能を有し、量子ドット2の混合物を囲み閉じ込める。
【0076】
一般的にこの混合物には、この混合物の量子ドット2の正確なパーセンテージに到達するために、そしてまたそれらの伝導効果のために、一定の割合のカーボンナノチューブも含まれており、これにより、量子ドットを刺激する放射を受けとれるようになり、したがって、前記混合物の光子放出が装置の外部に送られるようになる。
【0077】
量子ドットの混合物の2つの外層の間の壁への印刷を容易にするために、混合物は透明なインクに分散される。
【0078】
装置の柔軟性を確保し、2つの外層1、4が分離するのを防ぐために、両面接着剤3が使用され、好ましくは人の皮膚と接触するのに適しており、これは量子ドット2の混合物を含み互いに結合された2つの層1、4を保持する。
【0079】
前記装置をさらに柔軟にするために、外層は、数十分の一ミリメートルから数ミリメートルの厚さに制限され、大幅な曲げに続く破損または亀裂を防ぐ。
【0080】
この柔軟な両面接着剤3は、時間の経過に渡ってより高い信頼性を提供し、層よりも弾性率が高くなるが、接着剤により、複合の装置の層間をスライドさせることができる。
【0081】
患者の皮膚と接触する支持体1の壁は、直接または取り外し可能な石膏の介在のいずれかで、治療される皮膚に適用される。
【0082】
前記装置が適用される箇所は、皮膚または神経中心に正確に確立されている:それらは、痛みを伴う炎症性の腱、筋肉、皮膚炎、神経終末の、一次および二次神経終末であり、神経および姿勢の調節を促進したい場所である。
【0083】
これらの放出量の非常に控えめなサイズ、ULLLT(超低レベルレーザー療法)の強度に匹敵すること、それらが継続的に適用され(1日24時間でも)、正確に必要な波長を中心とした放出の組み合わせであるという事実により、本発明の効果および結果を得ることができる。
【0084】
実際、緊張をほぐし、痛みを軽減する放出と、神経筋調節を行う放出の組み合わせによってのみ、長期的で効果的な結果を得ることができる。
【0085】
(適用の第一の例(図3-5))
非限定的な例として、緊張した咀嚼筋肉を有する患者における神経筋調節を目的とした適用がある。
【0086】
これらの図は本発明の装置の有無にかかわらず、ナソロジーを専門とする歯科医によって評価された、EMG筋電図検査(K7)が側頭下顎関節機能障害のある患者に対してどのように行われるかを示している。
【0087】
左画面のすべての測定値は適用前に収集され、右画面の測定値は本発明の装置の適用の数分後に収集された。
【0088】
2.4μVを超える値は、過度の筋肉反応/緊張と見なされる。
【0089】
凡例からわかるように、処置されたすべての筋肉、つまりRMM(右咀嚼筋)、LMM(左咀嚼筋)、LTA(左側頭前部)、RTA(右側頭前部)、LSM(左胸鎖乳突筋)、RSM(右胸鎖乳突筋)について、筋電図を用い筋肉の電気的活性化を使用して測定された安静時張力の低下があった。
【0090】
安静時の筋肉の活性化が正常化し、患者の緊張を管理していることがわかる。
【0091】
装置がない場合の左側のグラフでは、実際、多くの筋肉が過剰に刺激されている。つまり、安静時の値が2.3μVを超え、平均で2.6μVである。
【0092】
右のグラフでは、対称プロトコルを使用して装置を適用した後に測定を実行している。ほんの数分後にすでに2.4μVを下回り、平均2.1μVになっている、患者のほとんどの筋肉の実質的な正常化を見ることができる。
【0093】
(適用の第二の例(図6-8))
図6は、イタリアのセリエAサッカー選手の右大腿直筋の腱の部分的な病変によって作成された炎症のサーモグラフを示す。
【0094】
図8図8のサーモグラフィービューおよび図7の対応する可視ビュー)は、図6のサーモグラフと同じ患者の同じ肢を参照しており、炎症部分の近くに適切に配置された本発明のいくつかの装置の適用後、炎症および炎症領域24の減少を見ることができる。
【0095】
(適用の第三の例(図9―11))
実際、体位測定に関する保健省のガイドラインに準拠したスタビロメトリー(Cyber Sabot)の評価によると、リウマチ性多発性筋痛を患う患者への本発明の装置の適用前(図9)および適用後(図10)の姿勢振動は、図11の表に示すように、面積が359平方メートルから98平方メートルに大幅に減少していることがわかる(結果は、わずか数分の塗布直後に測定された)。したがって、本発明の装置の適用は、直立姿勢の管理においてかなりのエネルギー節約に有利に働く。このエネルギーは、体に利用可能なままであり他の代謝機能に使用できる。
【0096】
(適用の第四の例(図12-14))
多発性硬化症に苦しむ人々に適用された本発明の装置によって達成された結果は驚くべきものである。
【0097】
これらの結果は、次に従って評価される。
-腰の回転と腰の屈曲に関する加速度計テストは図12;国際EDSSインデックスの計算(拡張障害ステータススケールExpanded Disability Status Scale-多発性硬化症の患者に使用される障害スケール)は図13
-SF36自己評価テスト(患者の健康に関する質問)は図14
【0098】
図12、13、14を参照して、
-T0は装置のない患者の状態である。
-T1は本発明の装置の適用から30分たった状態である。
-T3は本発明の装置の適用から3ヶ月、前記装置の継続的使用を行った状態である。
-T4は本発明の装置の適用から1年、前記装置の継続的使用を行った状態である。
【0099】
(結果に対するコメント)
加速度計テスト
右股関節屈曲、左股関節屈曲、および腰椎屈曲の図は、屈曲のT0からT4への有意な改善、すなわち右股関節(p<0.05)と左股関節の回転能力(p<0.01)、および腰椎屈曲のさらに有意な増加(屈曲伸展)(p<0.0009)を示している。
【0100】
改善は3か月(T3)で明らかであり、1年の管理期間(T4)でも一定であり、効果が一定であることを示していることに留意されたい。
【0101】
EDSS(Expanded Disability Status Scale)
この指数は、時間T0で平均4.9から時間T4で4.7と、有意な改善を示した。特に、これらの患者ではデータが時間の経過とともに悪化するはずだったことを考えると、このデータは非常に重要である(p<0.002)。
【0102】
SF36
SF36の自己評価によると、患者は3か月で有意な改善を示し、それは1年で一定のままであった。
【0103】
改善は、物理的および感情的および社会的領域で認められたが、感情的-社会的領域ではより大きくなった。特に、身体活動、身体的役割の制限、痛み、一般的な健康、活力、および身体的健康指数(physical health index ,PHI)の身体的領域に関する改善があった。
【0104】
社会活動、感情的役割の制限、精神的健康、および精神的健康指数(mental health index ,MHI)は、感情的・社会的領域に関して改善された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】