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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(54)【発明の名称】べたつきの少ない日焼け止め組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/27 20060101AFI20221228BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20221228BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20221228BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
A61K8/27
A61K8/49
A61Q17/04
A61K8/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523313
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020080744
(87)【国際公開番号】W WO2021089502
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】19207108.2
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン, アン
(72)【発明者】
【氏名】ラドムスキー, カリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ, トーマス
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB362
4C083AC012
4C083AC021
4C083AC071
4C083AC101
4C083AC171
4C083AC181
4C083AC331
4C083AC332
4C083AC341
4C083AC342
4C083AC371
4C083AC421
4C083AC432
4C083AC441
4C083AC471
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD351
4C083BB25
4C083CC19
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
(57)【要約】
本発明は、特定の微細酸化亜鉛と、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)とのUVフィルターの組合せを含む局所用製剤に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所用組成物であって、
a.)微細酸化亜鉛であって、レーザー回折によって決定される、30~200nmの範囲で選択される平均粒子径Dn50と、トリエトキシカプリリルシラン、オクチルトリメトキシシラン及びジメチコンからなる群から選択される表面被覆とを有する微細酸化亜鉛と、
b.)2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、
c.)2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、
d.)2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)と
のUVフィルターの組合せを含む局所用組成物。
【請求項2】
前記微細酸化亜鉛は、レーザー回折によって決定される、50~200nm、好ましくは75~150nmの範囲、最も好ましくは90~130nmの範囲で選択される平均粒子径を有する、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
前記微細酸化亜鉛は、トリエトキシカプリリルシランで表面被覆されている、請求項1又は2に記載の局所用組成物。
【請求項4】
前記微細酸化亜鉛の量は、前記組成物の総重量に基づいて0.1重量%~20重量%の範囲、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲、最も好ましくは5重量%~10重量%の範囲で選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項5】
3-(4-メチルベンジリデン)カンファー、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI:オキシベンゾン)及びエチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(INCI:オクトクリレン)を含有しない、請求項1~4のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項6】
O/Wエマルジョンである、請求項1~5のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項7】
W/Oエマルジョンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項8】
乳化剤としてセテアレス-6及びセテアレス-25の1種又は複数を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項9】
アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル及び安息香酸アルキル(C12-15)の1種又は複数を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項10】
エタノール、p-ヒドロキシアセトフェノン、フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセリンの1種又は複数を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項11】
キサンタンガム、架橋アクリレート/アクリル酸アルキル(C10-30)ポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びスクワラン及びポリソルベート60、並びに/又は(VP/ヘキサデセン)コポリマーの1種又は複数を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項12】
セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール及びステアリン酸グリセリルの1種又は複数を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項13】
少なくとも20のSPFを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項14】
2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)とを含む局所用組成物のべたつきを低減するための微細酸化亜鉛の使用であって、前記微細酸化亜鉛は、レーザー回折によって決定される、30~200nmの範囲で選択される平均粒子径Dn50と、トリエトキシカプリリルシラン、オクチルトリメトキシシラン及びジメチコンからなる群から選択される表面被覆とを有する、使用。
【請求項15】
2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)の少なくとも1種とを含む局所用組成物のべたつき及び/又は皮膚への砂付着性を低減するための方法であって、前記組成物を皮膚に適用する前に、微細酸化亜鉛を前記局所用組成物に組み込む工程を含み、前記微細酸化亜鉛は、レーザー回折によって決定される、30~200nmの範囲で選択される平均粒子径Dn50と、トリエトキシカプリリルシラン、オクチルトリメトキシシラン及びジメチコンからなる群から選択される表面被覆とを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、特定の微細酸化亜鉛と、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)とのUVフィルターの組合せを含む局所用製剤に関する。
【0002】
太陽光の紫外線(UV)が皮膚を損傷する作用を有することは、よく知られている。よく知られている急性の損傷(サンバーン)に加えて、皮膚がんを発症する危険性の増加などの長期的な損傷もある。更に、紫外線への曝露は、人々の顔のしわ及びシミのほとんどに関与している。したがって、紫外線の有害な影響から皮膚を保護するために、局所用日焼け止め製剤に組み込むことができる様々な光防御性UVフィルター物質が開発されてきた。
【0003】
現代の日焼け止めは、皮膚を紫外線の有害な影響から効果的且つ安全に保護することが必要である。したがって、一般に、日焼け止めは、様々なUV-B(波長:280~320nm)及びUV-A(波長:320~400nm)フィルターを含有する。しかしながら、これらのフィルターは、日焼け止めをべたつかせることが多く、これは、特にビーチで使用した場合、クリームが塗布された部分の皮膚に砂が付着することを意味する。製剤のUVフィルター含有量が高いほど、この問題は、大きくなる。べたつきの問題に対処するため、消費者は、サンスクリーン剤の使用量を減らす傾向にあるが、これは、不十分な保護につながる。
【0004】
たとえべたつきが低減された日焼け止め組成物を開発する試みが十分に行われたとしても、この問題は、特に高い紫外線防御指数を特徴とする製剤に関して、依然として最大に満足できる解決に至っていない。
【0005】
したがって、べたつきが低減された新規な日焼け止め配合物を開発することが引き続き必要とされている。
【0006】
したがって、砂付着防止性を有する日焼け止め組成物、より詳細には紫外線防御指数が高く(SPF20以上)、砂付着性が特に低い日焼け止め組成物が利用可能であれば有利であろう。
【0007】
べたつき/砂の付着に加えて、化粧用日焼け止め組成物の更なる問題点は、UVフィルターの量を非常に高くすると、製剤中で特別良好な溶解性を示さなくなることである。特に、紫外線防御指数が高く、UVフィルターの含有量が高い製剤を開発しようとする場合、開発者らは、トリアジン誘導体の溶解性の問題に直面する。これまで、この問題を解決するために、液体UV-BフィルターであるオクトクリレンがUVフィルター及び溶媒として使用されてきた。
【0008】
その場合の先行技術の欠点は、オクトクリレンが、承認当局に承認されているにも関わらず、その使用に関して全く議論の余地がないとは言えない状況にあり、特定の消費者向け雑誌(例えば、独国のエコテスト(Oko-test))の評価による製品の採点で「悪い評点」が付けられることである。この悪い評価の理由は、特定の科学者が、場合によりこのUVフィルターがホルモン様作用を有し得るという疑義を抱いていることである。このUVフィルターを含む日焼け止め組成物が世界中で数十年にわたり使用されているにも関わらず、人体に悪影響がないことが明らかになっていても、消費者の中には、依然としてこの種の成分を含有する製剤を避けたいという要望がある。
【0009】
したがって、先行技術の欠点を克服し、紫外線防御指数が高く、トリアジン誘導体などの有機UVフィルターが安定して溶解する、砂付着防止性を有する日焼け止め組成物を開発することが望ましい。理想的には、オクトクリレンを溶媒及び安定剤として使用することなく、この目的を達成することが可能であるべきである。
【0010】
したがって、本発明は、局所用日焼け止め組成物を提供する。この局所用組成物は、
a.)微細酸化亜鉛であって、好ましくは、レーザー回折によって決定される、30~200nmの範囲で選択される平均粒子径Dn50と、トリエトキシカプリリルシラン、オクチルトリメトキシシラン及びジメチコンからなる群から選択される表面被覆とを有する微細酸化亜鉛と、
b.)2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、
c.)2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、
d.)2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)の少なくとも1種と
のUVフィルターの組合せを含む。
【0011】
微細酸化亜鉛という用語は、UVフィルターとしての使用に適した任意の酸化亜鉛粒子、即ち日焼け止め組成物に組み込むのに基本的に有用な粒子径を有する酸化亜鉛を指す。有利には、微細酸化亜鉛は、約300nm未満、例えば約200nm未満又は約150nm未満の一次粒子径を有する粒子からなる。最も好ましくは、本発明の全ての実施形態では、本発明による微細酸化亜鉛の平均粒子径は、30~200nmの範囲、より好ましくは75~150nmの範囲、最も好ましくは90~130nmの範囲で選択される。更に好適な範囲は、30nm~150nm及び30nm~130nmを含む。
【0012】
本明細書において使用される「平均粒子径」という用語は、例えば、Horiba粒子径分布測定装置LA-960又はMalvern Mastersizer 2000を用いたレーザー回折によって決定される、個数基準の粒子径分布の中位径Dn50(Dn0.5としても知られる)を指す(ISO 13320:2009)。
【0013】
本発明による酸化亜鉛は、更に好ましくは、>20nmのDn1(1%がこの径を下回る)を有する。
【0014】
本発明によれば、酸化亜鉛粒子が表面被覆されていることも有利である。表面被覆は、それ自体公知の方法により、金属酸化物粒子に薄い親水性又は疎水性の無機又は有機層を提供することを含み得る。本発明によれば、様々な表面被覆は、水も含み得る。表面処理を行うことにより、金属酸化物に親水性、両親媒性又は疎水性の特性が付与される。
【0015】
本発明の目的に適した無機表面被覆としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、水酸化アルミニウムAl(OH)、酸化アルミニウム水和物(別名:アルミナ、CAS番号:1333-84-2)、ヘキサメタリン酸ナトリウム(NaPO、メタリン酸ナトリウム(NaPO、二酸化ケイ素(SiO)(別名:シリカ、CAS番号:7631-86-9)及び酸化鉄(Fe)が挙げられる。これらの無機表面被覆は、単独で、組み合わせて且つ/又は有機被覆材料と組み合わせて存在し得る。
【0016】
本発明における使用に適した有機表面被覆の例としては、植物性又は動物性ステアリン酸アルミニウム、植物性又は動物性ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン(別名:ジメチコン)、メチルポリシロキサン(メチコン)、シメチコン(平均鎖長がジメチルシロキサン単位約200~約350個のジメチルポリシロキサン及びシリカゲルの混合物)、トリエトキシカプリリルシラン及びオクチルトリメトキシシランが挙げられる。これらの有機表面被覆は、単独で、組み合わせて且つ/又は無機被覆材料と組み合わせて存在し得る。好ましくは、本発明による酸化亜鉛は、無被覆であるか、又はジメチコン、メチコン若しくはトリエトキシカプリリルシランで被覆されており、最も好ましくは、本発明による酸化亜鉛は、トリエトキシカプリリルシランで表面被覆されている。
【0017】
好ましくは、被覆の量は、無被覆の酸化亜鉛の重量に基づいて0.1~25重量%の範囲、好ましくは0.25~10重量%の範囲、最も好ましくは0.5~7.5重量%の範囲、更により好ましくは1~5重量%の範囲で選択される。
【0018】
更に好ましくは、酸化亜鉛は、ウルツ鉱型結晶構造体として存在する酸化亜鉛からなる白色粉末である。
【0019】
本発明に従って使用するための酸化亜鉛粒子及び酸化亜鉛粒子の予備分散物は、例えば、DSM Nutritional Products LtdからPARSOL(登録商標)ZX(2~3.5%トリエトキシカプリリルシラン被覆)又はKoboからZnO-C-DS4(ジメチコン被覆)として入手可能である。
【0020】
本発明による特に有利な酸化亜鉛は、酸化亜鉛を強酸性条件(例えば、HCl)及び高温下で水に溶解した後、NaOHで中和することによって酸化亜鉛粒子を再結晶させ、こうして得られた粒子にトリエトキシカプリリルシランを被覆し、次いで脱水、乾燥及び粉砕を行うことにより得られるものである。
【0021】
最も好ましくは、本発明による全ての実施形態では、酸化亜鉛は、トリエトキシカプリリルシランで被覆されたウルツ鉱型結晶構造体として存在する酸化亜鉛からなる白色粉末であり、その酸化亜鉛含有量は、96~98%であり、トリエトキシカプリリルシラン含有量は、2~3.5%であり、平均粒子径は、90~130nmであり、これは、PARSOL(登録商標)ZXとして市販されている。
【0022】
本発明の全ての実施形態では、微細酸化亜鉛の量は、局所用組成物の総重量に基づいて好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%~15重量%の範囲、最も好ましくは1重量%~10重量%の範囲、例えば5重量%~10重量%の範囲で選択される。
【0023】
本発明の全ての実施形態では、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)の量は、好ましくは、局所用組成物の総重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%~7.5重量%の範囲、最も好ましくは1重量%~5重量%の範囲で選択される。
【0024】
本発明の全ての実施形態では、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩の量は、好ましくは、局所用組成物の総重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%~7.5重量%の範囲、最も好ましくは1重量%~5重量%の範囲で選択される。
【0025】
本発明の全ての実施形態では、2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)の量は、好ましくは、局所用組成物の総重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%~7.5重量%の範囲、最も好ましくは1重量%~5重量%の範囲で選択される。
【0026】
本明細書において使用される「局所用」という用語は、特に、皮膚、頭皮、まつ毛、眉毛、爪、粘膜及び毛髪であるケラチン物質、好ましくはヒトの皮膚への外用を意味すると理解される。
【0027】
本発明による局所用組成物は、局所に適用することを意図しているため、本発明による局所用組成物は、生理学的に許容される媒体、即ち皮膚、粘膜及びケラチン繊維などのケラチン物質と適合性のある媒体を含むことが十分に理解される。特に、生理学的に許容される媒体は、美容的に許容される担体である。
【0028】
本明細書において使用される「美容的に許容される担体」という用語は、特にスキンケア製剤などの局所用化粧品組成物に従来から使用されている全ての担体、及び/又は賦形剤、及び/又は希釈剤を指す。
【0029】
担体の正確な量は、UVフィルター及び当業者が担体と異なるものとして分類するであろう他の全ての任意選択的な成分(例えば、他の有効成分)の実際の量に依存することになる。
【0030】
有利な実施形態では、本発明による局所用組成物は、局所用組成物の総重量に基づいて50%~99%、好ましくは60%~98%、より好ましくは70%~98%、特に80%~95%などの担体を含む。
【0031】
特定の有利な実施形態において、担体は、少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも55重量%の水、特に55~90重量%などの水から更になる。
【0032】
特に、本発明による局所用組成物は、化粧品又は医薬組成物、好ましくは化粧品(非治療的)組成物である。
【0033】
一実施形態において、本発明による局所用組成物は、特にヒトの皮膚又はヒトの頭皮及び毛髪などの哺乳動物の角質組織に適用される。
【0034】
本出願において使用される「化粧品組成物」という用語は、Roempp Lexikon Chemie、10th edition 1997、Georg Thieme Verlag Stuttgart、New Yorkの「Kosmetika」の見出しの下に定義されている化粧品組成物及びA.Domsch,“Cosmetic Compositions”,Verlag fuer chemische Industrie(ed.H.Ziolkowsky),4th edition,1992に開示されている化粧品組成物を指す。
【0035】
本発明による好ましい局所用組成物は、スキンケア製剤、装飾製剤及び機能性製剤である。
【0036】
スキンケア製剤の例は、特に、光防御製剤、老化防止製剤、光老化を治療するための製剤、ボディオイル、ボディローション、ボディジェル、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、スキンパウダー、保湿ジェル、保湿スプレー、フェイス及び/又はボディ用保湿剤、日焼け製剤(即ちヒトの皮膚を人工的に/太陽光を使わず日焼け及び/又は褐色化させるための組成物)、例えばセルフタンニングクリーム並びに皮膚美白製剤である。
【0037】
装飾製剤の例は、特に、口紅、アイシャドウ、マスカラ、乾いた及び湿潤したメイクアップ配合物、頬紅並びに/又は粉おしろいである。
【0038】
機能性製剤の例は、ホルモン製剤、ビタミン製剤、植物抽出物製剤、老化防止製剤及び/又は抗微生物(抗菌又は抗真菌)製剤などの活性成分を含有する化粧品又は医薬組成物であるが、これらに限定されない。
【0039】
特定の実施形態において、本発明による局所用組成物は、紫外線防御乳液、紫外線防御ローション、紫外線防御クリーム、紫外線防御オイル、サンブロック若しくはトロピカルのもの(tropical’s)又はSPF(紫外線防御指数)を有するデイケアクリームなどの光防御製剤(サンケア製品、日焼け止め)である。特に関心が寄せられているのは、紫外線防御クリーム、紫外線防御ローション、紫外線防御乳液及び紫外線防御製剤である。
【0040】
本発明の組成物(担体を含む)は、防腐剤/酸化防止剤、脂肪性物質/油、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、消泡剤、芳香物質などの美的成分、界面活性剤、充填剤、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性若しくは両性のポリマー又はこれらの混合物、噴射剤、酸性化若しくは塩基性化剤、染料、着色料/着色剤、研磨剤、吸収剤、キレート剤及び/若しくは金属イオン封鎖剤、精油、皮膚清涼化剤、収斂剤、顔料又はこの種の組成物に通常配合される任意の他の成分などの従来の補助剤及び添加剤を含み得る。
【0041】
本発明によれば、本発明による組成物は、皮膚美白、日焼け防止、色素沈着過剰の治療、にきび、しわ、小じわ、萎縮及び/若しくは炎症を防止若しくは軽減するための成分、キレート剤及び/若しくは金属イオン封鎖剤、抗セルライト及び痩身(例えば、フィタン酸)、引き締め、保湿及び賦活、セルフタンニング、鎮静、並びに弾力性及び皮膚バリア性を改善するための薬剤、並びに/又は更なるUVフィルター物質、並びに従来から局所用組成物に使用されている担体及び/又は賦形剤又は希釈剤などの更なる成分を含み得る。
【0042】
他に断りのない限り、以下に述べる賦形剤、添加剤、希釈剤などは、本発明による局所用組成物に適している。化粧品用及び皮膚科学的補助剤及び添加剤の必要量は、所望の製品に基づいて当業者が容易に決定することができる。
【0043】
追加の成分は、適切であると見なされた場合、油性相に、水性相に又は別個に添加することができる。添加様式は、当業者が容易に適合させることができる。
【0044】
本発明の化粧用組成物に使用するのに適している、スキンケア産業において一般に使用される化粧品用賦形剤、希釈剤、補助剤、添加剤及び有効成分の例は、例えば、オンラインINFO BASE(http://online.personalcarecouncil.org/jsp/Home.jsp)によって閲覧可能である、パーソナルケア製品協議会(Personal Care Product Council)(http://www.personalcarecouncil.org/)による国際化粧品成分辞書・ハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary&Handbook)に記載されているが、それに限定されない。
【0045】
本明細書において有用な美容活性成分は、場合により、2つ以上の利益をもたらすか又は2つ以上の作用機序で作用することができる。
【0046】
当然のことながら、当業者は、上述の任意選択的な追加の成分、補助剤、希釈剤及び添加剤並びに/又はそれらの量を、本発明による組合せに本質的に付随する有利な特性が、想定される1つ又は複数の添加によって悪影響を受けないか又は実質的に悪影響を受けないように留意しながら選択するであろう。
【0047】
本発明による局所用組成物は、溶媒又は脂肪性物質中の懸濁物又は分散物の形態或いはエマルジョン若しくはマイクロエマルジョン(特に水中油(O/W)型又は油中水(W/O)型、水中シリコーン(Si/W)型又はシリコーン中水(W/Si)型、PIT-エマルジョン、多重エマルジョン(例えば、油中水中油(O/W/O)型又は水中油中水(W/O/W)型)、ピッカリングエマルジョン、ヒドロゲル、アルコール性ゲル、リポゲル、単相若しくは多相溶液又はベシクル分散物の形態或いはペンにより、美顔用パックとして又はスプレーとして適用することもできる他の通常の形態であり得る。
【0048】
本発明による局所用組成物は、有利には、O/Wエマルジョンの存在下で水性相に分散された油性相を含む水中油型(O/W)エマルジョンの形態である。このようなO/Wエマルジョンの調製は、当業者によく知られており、実施例に例示されている。
【0049】
有利な一実施形態において、O/W乳化剤は、リン酸エステル乳化剤である。好ましいリン酸エステル乳化剤の中でも、C8~10アルキルエチルホスフェート、C9~15アルキルホスフェート、セテアレス-2リン酸、セテアレス-5リン酸、セテス-8リン酸、セテス-10リン酸、リン酸セチル、(C6-10)パレス-4リン酸、(C12-15)パレス-2リン酸、(C12-15)パレス-3リン酸、セテアレス-2リン酸DEA、セチルリン酸DEA、オレス-3リン酸DEA、セチルリン酸カリウム、デセス-4リン酸、デセス-6リン酸及びトリラウレス-4リン酸が挙げられる。本発明による具体的なリン酸エステル乳化剤は、例えば、DSM Nutritional Products Ltd KaiseraugstからAmphisol(登録商標)Kとして市販されているセチルリン酸カリウムである。
【0050】
本発明による更に好適なO/W乳化剤は、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、ラウリン酸PEG-4、ジオレイン酸PEG-8、オレイン酸PEG-40ソルビット、PEG-7グリセリルココエート、PEG-20アーモンド脂肪酸グリセリル、PEG-25水添ヒマシ油、ステアリン酸グリセリル(及び)ステアリン酸PEG-100、オリーブ油脂肪酸PEG-7、オレイン酸PEG-8、ラウリン酸PEG-8、PEG-60アーモンド脂肪酸グリセリル、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ステアレス-2、ステアレス-12、オレス-2、セテス-2、ラウレス-4、オレス-10、オレス10/ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、セテス-10、イソステアレス-20、セテアレス-20、オレス-20、ステアレス-20、ステアレス-21、セテス-20、イソセテス-20、ラウレス-23、ステアレス-100、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(自己乳化型)、ステアリン酸、ステアリン酸の塩、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコースを含む。更に好適な乳化剤は、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ポリステアリン酸スクロース及び水和ポリイソブテンである。更に、1種又は複数の合成ポリマーを乳化剤として使用することができる。例えば、(VP/エイコセン)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(PEG-22/ドデシルグリコール)コポリマー、(PEG-45/ドデシルグリコール)コポリマー及びこれらの混合物である。
【0051】
他の特に好適なO/W乳化剤の種類は、例えば、(INCI名)オリーブ油脂肪酸セテアリル及びOLIVEM 1000の商品名で販売されているオリーブ油脂肪酸ソルビタン(化学組成:オリーブ油脂肪酸のソルビタンエステル及びセテアリルエステル)として知られている、オリーブ油由来の非イオン性自己乳化系である。
【0052】
市販のポリマー乳化剤、例えば、NoveonからPemulen(登録商標)TR-1及びTR-2の商品名で市販されている(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーなどの疎水性修飾ポリアクリル酸が更に好適である。
【0053】
特に好適な他の種類の乳化剤は、ポリグリセリルエステル/ジエステルとも呼ばれる脂肪酸のポリグリセロールエステル又はジエステル(即ち脂肪酸がポリグリセリンとエステル化することによって結合しているポリマー)であり、例えばEvonikから市販されているIsolan GPS[INCI名(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル-4(即ちイソステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸及びセバシン酸の混合物とポリグリセリン-4とのジエステル)]又はCognisから市販されているDehymuls PGPH(INCI ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2)などである。
【0054】
また、例えば、Crodaから入手可能なBrij 72(ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル)又はBrij 721(ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテルなどのポリエチレングリコールエーテルも適している。
【0055】
本発明による特に有利なO/W乳化剤は、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、ラウリルグルコシド(及び)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、グリセリルステラートサイトレート、セテアリル硫酸ナトリウム、セテアリルグルコシド;ステアリン酸ポリグリセリル-6(及び)ベヘン酸ポリグリセリル-6、オリーブ油脂肪酸セテアリル(及び)オリーブ油脂肪酸ソルビタン、アラキルアルコール(及び)ベヘニルアルコール(及び)アラキジルグルコシド、セテアリルアルコール(及び)ヤシ油アルキルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド(及び)ヤシアルコール、ステアリン酸PEG-100(及び)ステアリン酸グリセリル、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアレス-20、ステアレス-21、ステアレス-25、ステアレス-2、セテアレス-25並びにセテアレス-6(全てそのINCI名で記載)の1種又は複数である。
【0056】
本発明による最も好ましいO/W乳化剤は、セテアレス-6(任意選択的にステアリルアルコールとの混合物で)及びセテアレス-25の1種又は複数である。
【0057】
この少なくとも1種のO/W又はSi/W乳化剤は、好ましくは、組成物の総重量に基づいて0.5~10重量%、特に0.5~5重量%の範囲など、最も詳細には0.5~4重量%の範囲などの量で使用される。
【0058】
本発明による好適なW/O又はW/Si乳化剤は、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、セチルジメチコンコポリオール、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル-6、オレイン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリギルセリル-4/ヤシ油脂肪酸PEG-8-PG、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム及びこれらの混合物である。更に好適なW/Si乳化剤は、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及び/又はPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及び/又はセチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、及び/又はPEG-12ジメチコンクロスポリマー、及び/又はPEG/PPG-18/18ジメチコンである。本発明による組成物に使用するのに特に適したW/O乳化剤は、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30である。少なくとも1種のW/O乳化剤は、組成物の総重量に対して好ましくは約0.001~10重量%の量、より好ましくは0.2~7重量%の量で使用される。
【0059】
本発明による局所用組成物は、更に有利には、例えばモノグリセリド及びジグリセリド及び/又は脂肪アルコールの群から選択されるものなど、少なくとも1種の界面活性助剤を含有する。界面活性助剤は、概して、組成物の総重量に基づいて0.1~10重量%の範囲、詳細には0.5~7重量%の範囲など、最も詳細には1~5重量%の範囲などから選択される量で使用される。具体的な好適な界面活性助剤は、セチルアルコール(Lorol C16、Lanette 16)、セテアリルアルコール(Lanette O)、ステアリルアルコール(Lanette 18)、ベヘニルアルコール(Lanette 22)、ステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル(Estol 3650)、水添ココグリセリル(Lipocire Na10)及びこれらの混合物などのアルキルアルコールのリストから選択される。
【0060】
本発明による特定の有利な実施形態において、乳化剤は、セテアレス-6及び/又はセテアレス-25の群から選択され、界面活性助剤は、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール及び/又はステアリルアルコールの群から選択される。
【0061】
本発明によるO/Wエマルジョンの形態の組成物は、例えば、O/Wエマルジョンのあらゆる配合物形態、例えば美容液、乳液又はクリームの形態で提供することができ、これらは、通常の方法に従って調製される。本発明の主題である組成物は、局所適用することを意図しており、特に皮膚科学的又は化粧品組成物を構成することができ、例えば紫外線の悪影響からヒトの皮膚を保護する(しわ防止、老化防止、保湿、日光からの保護など)ことを意図している。
【0062】
本発明の有利な実施形態によれば、組成物は、化粧品組成物を構成し、皮膚への局所適用を意図している。
【0063】
最後に、本発明の主題は、特に皮膚などのケラチン物質を美容的に処置するための方法であり、上記で定義される組成物は、特に皮膚などの前記ケラチン物質に適用される。この方法は、特に日焼け及び/又は光老化などの紫外線の悪影響から皮膚を保護するのに特に適している。
【0064】
本発明の有利な一態様において、本発明による局所用組成物は、3-(4-メチルベンジリデン)-カンファー、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI:オキシベンゾン)及びエチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(INCI:オクトクリレン)を含有しない(即ち含まない)。
【0065】
本発明の他の有利な態様では、本発明による局所用組成物は、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル、安息香酸アルキル(C12-15)、炭酸カプリリル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル及びこれらの混合物の1種又は複数、好ましくは安息香酸アルキル(C12-15)及び/又は炭酸ジカプリリルを更に含む。
【0066】
本発明の更に有利な態様では、本発明の局所用組成物は、好ましくは、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシルグリセリン、カプリル酸グリセリル、カプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、プロパンジオール、プロピレングリコール、p-ヒドロキシアセトフェノン及びこれらの混合物からなる群から選択される、最も好ましくはp-ヒドロキシアセトフェノン、フェノキシエタノール及びヘキシルグリセリン並びにこれらの混合物の群から選択される防腐剤及び/又は防腐助剤を更に含む。防腐剤又は防腐助剤が存在する場合、これらは、組成物の総重量に基づいて好ましくは0.01~2重量%の量、より好ましくは0.05~1.5重量%の量、最も好ましくは0.1~1.0重量%の量で使用される。
【0067】
別の有利な態様では、本発明による局所用組成物は、パラベン、塩化ベンゼトニウム、ピロクトンオラミン、ラウロイラルギナト、メチルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン、ブロノポール、塩化ベンザルコニウム、ホルムアルデヒ放出化合物、サリチル酸、トリクロサン、DMDMヒダントイン、クロルフェネシン及びIPBC(ヨードプロピニルブチルカルバメート)をいずれも含まない。
【0068】
更に有利な態様では、本発明の局所用組成物は、グリセリン又はポリヒドロキシステアリン酸及びこれらの混合物の1種又は複数を更に含む。
【0069】
更に有利な態様では、本発明の局所用組成物は、増粘剤、好ましくはキサンタンガム若しくはカエサルピナ・スピノサ(Caesalpina spinosa)ガムなどのガム又はポリアクリレートクロスポリマー-6などのポリアクリレート及びこれらの混合物を更に含む。
【0070】
本発明による局所用組成物は、概して、3~10の範囲のpH、好ましくは4~8の範囲のpH、最も好ましくは4~7の範囲のpHを有する。pHは、当技術分野における標準方法に従い、適切な酸、例えばクエン酸又は塩基、例えばNaOHを用いて、必要に応じて容易に調整することができる。
【0071】
本発明による局所用組成物は、皮膚を落ち着かせ、柔らかくする1種又は複数のエモリエント剤を更に含有し得る。一例として、エモリエント剤は、炭酸ジカプリリル又は安息香酸アルキル(C12-15)であり得る。更なるエモリエント剤は、シリコーン(ジメチコン、シクロメチコン)、植物油(ブドウ種子、ゴマ種子、ホホバなど)、バター(カカオ脂、シア脂)、アルコール(ステアリルアルコール、セチルアルコール)及びワセリン誘導体(ワセリン、ミネラルオイル)である。
【0072】
更なる他の態様では、本発明の局所用組成物は、乳化剤としてのセチルリン酸カリウム並びに/又はアジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル及び安息香酸アルキル(C12-15)の1種若しくは複数を含み得る。
【0073】
他の態様では、本発明の局所用組成物は、リモネン、シトラール、リナロール、α-イソメチルイオノン、ゲラニオール、シトロネロール、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピラン、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、7-アセチル-1,1,3,4,4,6-ヘキサメチルテトラリン、アジピン酸ジエステル、シンナマール、サリチル酸アミル、α-アミルシンナムアルデヒド、α-メチルイオノン、ブチルフェニルメチルプロパナール、シンナマール、アミルシンナミルアルコール、アニスアルコール、ベンゾイン、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ケイ皮酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、ベルガモット油、ビターオレンジ油、ブチルフェニルメチルプロピオナール、ショウズク種子油、セドロール、シンナマール、シンナミルアルコール、メチルクロトン酸シトロネリル、柑橘油、クマリン、コハク酸ジエチル、エチルリナロール、オイゲノール、エベルニアフルフラセアエキス、ツノマタゴケエキス、ファルネソール、グアイアウッド油、ヘキシルシンナマール、サリチル酸ヘキシル、ヒドロキシシトロネラール、ラベンダー油、レモン油、酢酸リナリル、マンダリン油、PCAメンチル、メチルヘプテノン、ニクズク核油、ローズマリー油、スイートオレンジ油、テルピネオール、トンカ豆油、クエン酸トリエチル、バニリンから選択される1種又は複数の芳香物質を含むことができる。
【0074】
他の態様では、本発明の局所用組成物は、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸の少なくとも1種の塩を含有し得る。
【0075】
他の態様では、組成物は、少なくとも20、好ましくは少なくとも30のSPFを有し得る。
【0076】
本発明の局所用組成物は、UVフィルターを驚くほど少ない総量で済ませられる。
【0077】
本発明の製剤は、特許請求されるUVフィルターの組合せに加えて、1種又は複数の更なるUVフィルターを含むことができる。本発明によれば、これらは、有利には、フェニレン-1,4-ビス(2-ベンズイミダジル)-3,3’,5,5’-テトラスルホン酸塩;1,4-ジ(2-オキソ-10-スルホ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼン及びその塩;4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼンスルホン酸塩;2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)スルホン酸塩;2,2’-メチレン-ビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール);2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-[2-メチル-3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]-フェノール;3-ベンジリデンカンファー;テレフタリデンジカンファースルホン酸;4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシル;4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;4-メトキシベンザルマロン酸ジ(2-エチルヘキシル);4-メトキシケイ皮酸イソアミル;2-(4’-ジエチルアミノ-2’-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、2-ヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシル;ベンザルマロン酸ジメチコジエチル;3-(4-(2,2-ビス-エトキシカルボニルビニル)-フェノキシ)プロペニル)メトキシシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー;4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタン、1,4-ジ(ベンゾオキサゾール-2’-イル)ベンゼン及び2,4,6-トリビフェニル-4-イル-1,3,5-トリアジンから選択することができる。
【0078】
実施形態では、本発明は、1,4-ジ(ベンゾオキサゾール-2’-イル)ベンゼン、特に微粉化された1,4-ジ(ベンゾオキサゾール-2’-イル)ベンゼンを含まない。
【0079】
本発明によれば、有利には、局所用組成物は、エマルジョン又は分散物の形態、好ましくはエマルジョンの形態、より好ましくはO/Wエマルジョンの形態で存在する。
【0080】
本発明の局所用組成物がO/Wエマルジョンの形態である場合、製剤は、有利には、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(自己乳化型)、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ジステアリン酸ポリグリセリル-3-メチルグリコース、セテアリル硫酸ナトリウム、セチルリン酸カリウム、ステアリン酸ポリグリセリル-10及びステアリルグルタミン酸ナトリウムから選択される1種又は複数のO/W乳化剤を含む。
【0081】
本発明によれば、有利には、これらの本発明のO/W乳化剤は、製剤中において、製剤の総重量に基づいて0.001~10重量%の濃度、好ましくは0.1~7重量%の濃度で存在し得る。
【0082】
本発明によれば、好ましくは、製剤は、乳化剤としてセチルリン酸カリウムを含む。
【0083】
本発明によれば、更に有利には、製剤は、セチルアルコール、ステアリルアルコール及び/又はステアリン酸グリセリルを含む。
【0084】
本発明によれば、有利には、本発明の製剤は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールエーテル及びポリエチレングリコールエステル(いわゆるPEG誘導体)を含まない。
【0085】
本発明の製剤は、有利には、保湿剤を含み得る。保湿剤は、化粧製剤を皮膚表面に適用するか又は広げた後、角質層の水分損失(経皮水分蒸散量(TEWL)とも称される)を低下させ、且つ/又は角質層の水和に好ましい影響を与えるような品質を化粧製剤に付与する化合物又は化合物の混合物である。
【0086】
本発明に使用するのに有利な保湿剤の非限定的な例としては、グリセロール、乳酸及び/又は乳酸塩、特に乳酸ナトリウム、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ビオサッカリドガム-1、ツルマメ、エチルヘキシルオキシグリセロール、ピロリドンカルボン酸並びに尿素が挙げられる。特に、水溶性、及び/又は水膨潤性、及び/又は水の力でゲル化可能な多糖類の群からの高分子保湿剤を使用すると更に有利である。特に有利なのは、例えば、ヒアルロン酸、キトサン及び/又はフコースに富む多糖類であり、フコースに富む多糖類は、ケミカルアブストラクトに登録番号178463-23-5で登録されており、例えばSOLABIAS.A.社からFucogel(登録商標)1000の名称で入手可能である。保湿剤は、例えば、皮膚の老化により引き起こされる種類の変化から皮膚を保護するための抗シワ活性成分として有利に使用することもできる。
【0087】
必須ではないが、有利には、本発明の化粧製剤は、例えば、配合物の知覚特性及び美容特性を更に改善し、例えばビロード又は絹の肌触りを想起させるか又は強調する効果を有する充填剤を更に含み得る。本発明の意味において有利な充填剤は、デンプン及びデンプン誘導体(例えば、タピオカデンプン、リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ナトリウムなど)、本質的に紫外線フィルター効果も着色効果も示さない顔料(例えば、窒化ホウ素など)、及び/又はAerosils(登録商標)(CAS No.7631-86-9)、及び/又はタルク、及び/又はポリエチレン、ナイロン、及びジメチルシリル化シリカである。
【0088】
本発明の製剤の有利な実施形態として、製剤が、ジ(カプリル/カプリン酸)ブチレングリコール、安息香酸フェネチル、安息香酸アルキル(C12-15)、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジイソプロピル、炭酸ジカプリリル、酒石酸ジアルキル(C12-13)、サリチル酸ブチルオクチル、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン、水添ヒマシ油ダイマー酸エステル、トリヘプタノイン、乳酸アルキル(C12-13)、安息香酸アルキル(C16-17)、カプリル酸プロピルヘプチル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ナフタリンジカルボン酸ジエチルヘキシル、オクチルドデカノール、ヤシ油脂肪酸エチルヘキシルから選択される1種又は複数の油を含む実施形態も挙げられる。
【0089】
本発明によれば、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル及び/又は安息香酸アルキル(C12-15)を含む製剤が好ましい。
【0090】
本発明の製剤の水性相は、有利には、慣用されている化粧品補助剤、例えば各場合において個別に又は組合せとしての、アルコール、特に炭素数が少ないもの、好ましくはエタノール及び/若しくはイソプロパノール又は炭素数が少ないポリオールに加えてそのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセロール、電解質、セルフタンニング剤並びにこれらに加えて、特に1種又は複数の増粘剤、有利には二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖類及び/又はその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群から選択することができる増粘剤、特に有利にはポリアクリレート、好ましくはカーボポールと称される群のポリアクリレートの群からの増粘剤(その例として980、981、1382、2984及び5984タイプのカーボポールが挙げられる)などを含み得る。本発明による有利な更なる増粘剤は、INCI名(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーを有するもの(例えば、NOVEONからのPemulen TR 1、Pemulen TR 2、Carbopol 1328)に加えて、Aristoflex AVC(INCI:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー)及びSimugel NS(INCI:(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びスクワラン及びポリソルベート60)である。
【0091】
これに関して、本発明によれば、製剤がキサンタンガム、架橋アクリレート/アクリル酸アルキル(C10-30)ポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びスクワラン及びポリソルベート60並びに/又はビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマーを含むことが好ましい。
【0092】
本発明によれば、製剤の総重量に基づいて少なくとも2.5重量%のグリセロールを含むと特に有利である。
【0093】
本発明によれば、製剤が1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオールの群からの1種又は複数のアルカンジオールを含むと有利である。
【0094】
本発明によれば、本発明の製剤がエタノール、フェノキシエタノール及び/又はエチルヘキシルグリセリンを含むと有利である。
【0095】
本発明によれば、本発明の製剤が皮膜形成剤を含むと有利である。本発明の意味における皮膜形成剤は、以下の性質を有することを特徴とする様々な構成を有する物質である:皮膜形成剤を水又は他の適切な溶媒に溶解させ、この溶液を皮膚に適用すると、皮膜形成剤は、溶媒が蒸発した後に皮膜を形成し、この皮膜は、基本的に、皮膚上に光遮蔽物質を固着させ、製品の耐水性を高める役割を果たす。
【0096】
皮膜形成剤を、ポリビニルピロリドン(PVP)をベースとするポリマーの群から選択すると特に有利である。
【0097】
例えば、GAF Chemicals CorporationからAntaron V216及びAntaron V220の商品名で入手可能な(VP/ヘキサデセン)コポリマー及び(VP/エイコセン)コポリマーなどのビニルピロリドンのコポリマーが特に好ましい。
【0098】
同様に、例えば、National Starch and Chemical Corp.からFlexan 130の商品名で入手可能なポリスチレンスルホン酸ナトリウム及び/又はRewoからRewopal PIB1000の商品名で入手可能なポリイソブテンなどの他の高分子皮膜形成剤も有利である。更なる好適なポリマーの例は、ポリアクリルアミド(Seppigel 305)、ポリビニルアルコール、PVP、PVP/VAコポリマー、ポリグリコール、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー(Dermacryl 79)である。高級アルコール工業株式会社(Kokyu Alcohol Kogyo)からRisocast DA-Hの名称で入手可能なダイマージリノール酸水添ヒマシ油(CAS 646054-62-8、INCI ダイマージリノール酸水添ヒマシ油)又はさもなければCroda ChemicalsからCrodamol STSの商品名で入手可能なミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル(CAS 403517-45-3)を使用することも同様に有利である。
【0099】
本発明によれば、本発明の製剤は、皮膚を老化から保護するため(特にUVにより惹起される皮膚の老化を保護するため)に加えて、紫外線防御組成物としても使用される。
【0100】
本発明によれば、本発明のUVフィルターの組合せは、化粧製剤(特に日焼け止め組成物)への砂の付着を低下させるためにも使用される。特にこの場合において、本発明によれば、化粧製剤(特に日焼け止め組成物)への砂の付着を低減するために、微細酸化亜鉛と、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)と、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及び/又はその1種若しくは複数の塩と、2,4,6-トリス[アニリノ(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)とが組み合わせて使用される。これに関連して、特に有利には、酸化亜鉛は、レーザー回折によって決定される、50~200nmの範囲、好ましくは75~150nmの範囲、最も好ましくは90~130nmの範囲で選択される平均粒子径Dn50と、トリエトキシカプリリルシラン、オクチルトリメトキシシラン及びジメチコン、好ましくはトリエトキシカプリリルシラン及びジメチコン、最も好ましくはトリエトキシカプリリルシランからなる群から選択される表面被覆とを有する。
【0101】
以下の実施例は、本発明の組成物及び効果を更に例示するために提供される。これらの例は、例示に過ぎず、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0102】
[実施例]
表1に概要を示す配合物を当技術分野における標準的な方法に従って調製した。次いで、以下に概要を示す方法に従い、砂付着防止性を試験した。
- PMMA板にクリーム2mg/cmを塗布し、均一に広げる
- 40℃で15分間乾燥させる
- PMMA板の重量を測定する
- シャーレに砂(Kultpfoetchen 5kg - テラリウム用砂、ナチュラルベージュ、粒子径0.4~0.8mm)を入れ、板を、クリームの膜を有する面が砂側になるように配置し、錘(500g)を板に載せ、5分間放置する
- PMMA板を外し、板を振らずに180°回転させる
- PMMA板の重量を測定する
- 板に付着している砂の量を求める
- 各試料について4つの板を用いて試験を繰り返す
【0103】
結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
表1から読み取れるように、本発明による組合せを用いることにより、参照品と比較して板への砂の付着が低減される。
【国際調査報告】