(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(54)【発明の名称】薬液プッシュ装置及びこれを含む薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
A61M5/168 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525389
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 KR2020014899
(87)【国際公開番号】W WO2021086046
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0138895
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0033869
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0033875
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0033882
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0033885
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520139848
【氏名又は名称】キム ヨンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンヒョン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD03
4C066DD06
4C066EE11
4C066HH30
(57)【要約】
本開示の一実施例による薬液プッシュ装置は、薬液の流れを案内する薬液流路を有する。前記薬液プッシュ装置は、前記薬液流路上で薬液を貯蔵する内部空間を形成するリザーバー、前記リザーバーを下側に加圧可能に構成されるリザーバープッシュ部材、前記リザーバープッシュ部材の上側に離隔されて配置され、下側に移動可能に構成されるボタン部材、及び前記ボタン部材と前記リザーバープッシュ部材との間に配置され、上端が前記ボタン部材によって下側に押されるとき、上下方向に圧縮弾性変形しつつ、下端が前記リザーバープッシュ部材を下側に押すように構成される加圧部材を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液の流れを案内する薬液流路を有する薬液プッシュ装置であって、
前記薬液流路上で薬液を貯蔵する内部空間を形成するリザーバー、
前記リザーバーを下側に加圧可能に構成されるリザーバープッシュ部材、
前記リザーバープッシュ部材の上側に離隔されて配置され、下側に移動可能に構成されるボタン部材、及び
前記ボタン部材と前記リザーバープッシュ部材との間に配置され、上端が前記ボタン部材によって下側に押されるとき、上下方向に圧縮弾性変形しつつ、下端が前記リザーバープッシュ部材を下側に押すように構成される加圧部材を含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記リザーバープッシュ部材は、前記ボタン部材との接触なしに前記加圧部材により下側に押されて下側に移動するように構成される、
薬液プッシュ装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ボタン部材に配置され、前記ボタン部材とともに上下移動するように構成され、上下方向を横切る係止方向に突出した係止突起を含む支持スライダー、及び
前記係止突起が挿入可能な係止溝を形成するガイドパートをさらに含み、
前記ボタン部材が下側に移動して所定の位置に到達するとき、前記係止突起が前記係止溝に挿入されるように構成される、薬液プッシュ装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記ボタン部材及び前記支持スライダーは、前記係止突起が前記係止溝に挿入された状態で上側に移動しないように係止されるように構成される、薬液プッシュ装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記加圧部材は、前記係止突起が前記係止溝に挿入された状態で、上下方向に伸びながら弾性復元して前記リザーバープッシュ部材を下側に押すように構成される、薬液プッシュ装置。
【請求項6】
請求項3において、
前記リザーバープッシュ部材は、
上側に突出して前記支持スライダーに対して上下方向にスライディング可能に構成されるスライド突起をさらに含み、
前記支持スライダーは、
前記係止方向の反対方向である解除方向に前記スライド突起に接触する接触部、及び
前記係止突起と前記接触部を互いに連結して延びる連結延長部をさらに含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記スライド突起は、
前記スライド突起の下部を構成し、前記接触部に接触可能な接触面を有する第1部分、及び
前記スライド突起の上部を構成し、前記接触部に接触可能な接触面を有する第2部分を含み、
前記第1部分の前記接触面は、前記第2部分の前記接触面を基準として前記係止方向側に位置する、
薬液プッシュ装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記接触部を前記解除方向に加圧するスライダースプリングをさらに含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記連結延長部は、前記係止方向に圧縮弾性変形可能に構成される、
薬液プッシュ装置。
【請求項10】
請求項6において、
前記支持スライダーは、
前記スライド突起を中心にそれぞれの係止方向に延びる複数の係止動作部を含み、
前記複数の係止動作部は、それぞれ前記係止突起、前記接触部及び前記連結延長部を含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記支持スライダーは、
前記複数の係止動作部のうち互いに隣接したある2つを連結して延び、弾性変形可能に構成される弾性連結部をさらに含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項12】
請求項3において、
前記ボタン部材は、
前記加圧部材の上端を加圧するように構成され、前記支持スライダーの下側に配置される下部パートを含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記リザーバープッシュ部材は、
上側に突出して前記支持スライダーに対して上下方向にスライディング可能に構成されるスライド突起をさらに含み、
前記支持スライダーは、
前記係止方向の反対方向である解除方向に前記スライド突起に接触する接触部、及び
前記係止突起と前記接触部を互いに連結して延びる連結延長部をさらに含み、
前記下部パートには、前記スライド突起が挿入されるホールが形成される、
薬液プッシュ装置。
【請求項14】
請求項3において、
前記ガイドパートは、前記ボタン部材の周りに沿って延び、前記ボタン部材の移動方向を案内するように構成される、
薬液プッシュ装置。
【請求項15】
請求項1において、
前記リザーバーの下側面を支持するリザーバー支持パートをさらに含む、
薬液プッシュ装置。
【請求項16】
請求項1において、
前記薬液流路は、流入口から流出口まで薬液が流れるように案内する第1流路と、前記第1流路の分流点で薬液が分流するように案内し、分流した薬液が前記第1流路の前記分流点の下流側に位置する合流点で合流するように案内し、開閉可能な第2流路を含み、前記リザーバーの内部空間は、前記第2流路上に位置する、
薬液プッシュ装置。
【請求項17】
請求項1~請求項16のうちいずれか1つの薬液プッシュ装置、
薬液を加圧するように構成されたポンピングモジュール、及び
前記ポンピングモジュールでの加圧により前記ポンピングモジュールから流出する前記薬液が流れるように構成される延長チューブを含み、
前記薬液プッシュ装置の前記薬液流路は、前記延長チューブに連結される、
薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬液制御装置及びこれを含む薬液注入装置に関するものである。ここで、薬液制御装置は、薬液プッシュ装置、薬液貯蔵ボリューム調節装置、薬液供給調節装置、及び薬液バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に薬品を供給するために、患者に液状の薬液(例えば、注射液)を注入する薬液注入装置が知られている。薬液注入装置を用いて、所定の貯蔵空間内にある薬液が患者と連結される通路(例えば、管及び注射針の内部空間)を通過して、患者の体内に流入する。
【0003】
薬液の中には時間当りの注入量を制限して患者の身体内に注入しなければならない薬液(例えば、抗生剤、鎮痛剤及び抗癌剤)がある。一般に、このような薬液は患者の身体内に時間当り一定の量が注入される。しかし、患者の状態など条件に応じて一時的に薬液の供給量を増やして注入しなければならない必要も発生する。このような一時的に薬液を増量して注入することをボーラス注入(bolus injection)という。
【0004】
このような一定の量の薬液注入とボーラス注入が可能な薬液供給調節装置が知られている。
【0005】
一定の時間が過ぎれば貯蔵される薬液の最大量であるボーラス用量は、製品によって異なって設定されており、もし患者の状態が変化する場合、ボーラス用量が異なる製品に交換される。
【0006】
これと関連し、患者が自ら薬液のボーラス注入を始めるようにボタンを押すことができる装置が知られている。従来の技術において、ボーラス注入をするためには、使用者はボーラス注入完了時までずっと注入ボタンの押圧状態を維持しなければならない煩わしさがある。
【0007】
一方、薬液が流れる流路を開閉する装置が知られている。薬液が流れるフレキシブルなチューブの外部にチューブを押すことができるレバーが備えられた開閉装置が知られている。レバーでチューブを押して圧縮させることによって、チューブの内部の流路が閉じられることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の一実施例は、薬液のボーラス注入開始時点または貯蔵された一定量の薬液の注入開始時点を患者の状態に応じて患者自ら決定できる装置を提供する。
【0009】
従来の技術において、ボーラス注入をするためには、使用者はボーラス注入完了時までずっと注入ボタンの押圧状態を維持しなければならない煩わしさがある。特に、身体状態が良くない患者がこのようなボーラス注入のために注入ボタンを用いるのは更に不便である。本開示の一実施例はこのような問題を解決する。
【0010】
従来の技術において、ボーラス注入のために使用者が注入ボタンを押す途中で注入ボタンの押圧状態を解除する場合、薬品が完全に投入されず、治療効果が低減されることがある。本開示の一実施例はこのような問題を解決する。
【0011】
従来の技術において、ボーラス注入のために使用者が過度な力で注入ボタンを押す場合、薬品の時間当りの流入量が適正値以上に大きくなり得る問題がある。本開示の一実施例はこのような問題を解決する。
【0012】
従来の製品のボーラス用量(薬液の貯蔵容量)は製品別に固定されており、患者の状態による薬液注入用量の個別適用が不可能であるという問題がある。本開示の一実施例はこのような問題を解決する。
【0013】
従来の薬液供給調節装置は、持続的に薬液が流れる連続流路(continuous line)とボーラス注入時のみに薬液が流れるボーラス流路(bolus line)を持っているが、連続流路は処方された薬液が注入完了するまで無条件に開いているので、患者への薬液注入量を減らすことが難しく、連続流路を塞ぐためにはボーラス流路まで塞がなければならない問題がある。本開示の一実施例はこのような問題を解決する。
【0014】
従来の薬液供給調節装置は、外部に装着されたエアフィルターを用いることによって、エアフィルターと薬液供給調節装置内の毛細管との間に存在したり発生したりするエアを排出しにくい問題がある。本開示の一実施例はこのような問題を解決する。
【0015】
本開示の一実施例は、薬液が流れる流路を便利に開閉できる装置を提供する。
【0016】
本開示の一実施例は、薬液が流れる流路を確実かつ安全に開閉できる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示の一側面は、薬液の流れを案内する薬液流路を有する薬液プッシュ装置の実施例を提供する。代表的な実施例による薬液プッシュ装置は、前記薬液流路上で薬液を貯蔵する内部空間を形成するリザーバー;前記リザーバーを下側に加圧可能に構成されるリザーバープッシュ部材;前記リザーバープッシュ部材の上側に離隔されて配置され、下側に移動可能に構成されるボタン部材;及び前記ボタン部材と前記リザーバープッシュ部材との間に配置され、上端が前記ボタン部材によって下側に押されるとき、上下方向に圧縮弾性変形しつつ、下端が前記リザーバープッシュ部材を下側に押すように構成される加圧部材を含む。
【0018】
本開示のもう1つの側面は、薬液注入装置の各実施例を提供する。代表的な実施例による薬液注入装置は、前記薬液プッシュ装置;薬液を加圧するように構成されたポンピングモジュール;及び前記ポンピングモジュールでの加圧により前記ポンピングモジュールから流出する前記薬液が流れるように構成される延長チューブを含む。前記薬液プッシュ装置の前記薬液流路は、前記延長チューブに連結される。
【0019】
本開示の他側面は、薬液貯蔵ボリューム調節装置の各実施例を提供する。代表的な実施例において、前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、薬液の流れを案内する薬液流路を有する。前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、前記薬液流路上で薬液を貯蔵する内部空間を形成し、前記内部空間のボリュームが大きくなるとき、上下方向への長さが大きくなるように構成されるリザーバー;前記リザーバーの前記上下方向への長さが大きくなるとき、前記リザーバーによって上側に押されて移動するように構成されるリザーバープッシュ部材;及び前記リザーバープッシュ部材の上側への最大移動位置を制限するように前記リザーバープッシュ部材と接触可能に構成され、前記上側への最大移動位置が第1限界位置に設定された第1設定状態から前記上側への最大移動位置が前記第1限界位置より低い第2限界位置に設定された第2設定状態に転換可能に構成されるセレクターを含む。
【0020】
一実施例において、前記セレクターは、前記セレクター及び前記リザーバープッシュ部材のうちいずれか1つの第1接触面に接触可能なもう1つの第2接触面が変わることによって、前記第1設定状態から前記第2設定状態に転換されるように構成され得る。
【0021】
一実施例において、前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、前記第1接触面及び前記第2接触面が上下方向に接触可能に構成され得る。
【0022】
一実施例において、前記第2設定状態での前記第2接触面は、前記第1設定状態での前記第2接触面を基準として、前記第1接触面を見る方向側に位置し得る。
【0023】
一実施例において、前記セレクター及び前記リザーバープッシュ部材のうち、前記いずれか1つは、前記セレクター及び前記リザーバープッシュ部材のうち、前記もう1つに向かって突出して前記もう1つに向かった前記第1接触面を形成し得る。
【0024】
一実施例において、前記セレクター及び前記リザーバープッシュ部材のうちいずれか1つはもう1つに向かって突出した少なくとも1つのリミットを含み、前記セレクター及び前記リザーバープッシュ部材のうち、前記もう1つは、前記リミットが接触可能な第1レベル面及び第2レベル面を含み得る。前記第1レベル面及び前記第2レベル面は、上下方向へのレベルが互いに異なってもよい。
【0025】
一実施例において、前記少なくとも1つのリミットは、前記セレクターの周方向に沿って互いに離隔されて配置される複数のリミットを含み得る。
【0026】
一実施例において、前記セレクターは、前記周方向に回転することによって前記第1設定状態から前記第2設定状態に転換されるように構成され得る。
【0027】
一実施例において、前記セレクターは、前記セレクターの周方向に回転することによって前記第1設定状態から前記第2設定状態に転換されるように構成され得る。
【0028】
一実施例において、前記セレクターは、前記周方向に延びるセレクターボディー;及び前記セレクターボディーから下側に突出した少なくとも1つのリミットを含み得る。
【0029】
一実施例において、前記セレクターは、周方向に沿って延びたセレクターボディー;及び前記セレクターボディーから下側に突出した少なくとも1つのリミットを含み得る。
【0030】
一実施例において、前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、ケースをさらに含み得る。前記ケースは、前記リザーバー、前記リザーバープッシュ部材及び前記セレクターを内部に収容し得る。前記セレクターは、前記ケースを内部から外部に貫くセレクター操作部を含み得る。前記ケースには、前記セレクター操作部が通過するセレクターホールが形成され得る。前記セレクター操作部は、前記第1設定状態で前記セレクターホールでの第1設定位置に配置されるように構成され、前記第2設定状態で前記セレクターホールでの前記第1設定位置と異なる第2設定位置に配置されるように構成され得る。
【0031】
一実施例において、前記ケース及び前記セレクターのうちいずれか1つは、もう1つによって弾性変形可能な係止部を含み得る。前記セレクター操作部が前記セレクターホールの前記第1設定位置または前記第2設定位置から前記第1設定位置と前記第2設定位置の中間の位置に移動するとき、前記係止部が弾性変形するように構成され得る。
【0032】
一実施例において、前記セレクター操作部は、前記ケースの外部に露出した部分に溝が形成されたヘッド部を含み得る。前記溝に挿入可能なコッターをさらに含み得る。
【0033】
一実施例において、前記リザーバープッシュ部材は、前記リザーバーを下側に加圧可能に構成され得る。
【0034】
一実施例において、前記セレクターには上下方向に貫く開口部が形成され得る。前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、前記開口部を下側に通過して前記リザーバープッシュ部材を下側に加圧可能に構成される加圧部材をさらに含み得る。
【0035】
一実施例において、前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、前記リザーバーの下側面を支持するリザーバー支持パートをさらに含み得る。
【0036】
一実施例において、前記薬液流路は、流入口から流出口まで薬液が流れるように案内する第1流路と、前記第1流路の分流点で薬液が分流するように案内し、分流した薬液が前記第1流路の前記分流点の下流側に位置する合流点で合流するように案内し、開閉可能な第2流路を含み得る。前記リザーバーの内部空間は、前記第2流路上に位置し得る。
【0037】
一実施例において、前記薬液貯蔵ボリューム調節装置は、前記セレクターの周りを取り囲むケースをさらに含み得る。前記セレクターは、前記ケースの内周面に沿って延び、周方向の一端及び他端が互いに離隔された第1セレクターパート;及び前記第1セレクターパートの内周面に結合され、前記周方向に延びるリング状の第2セレクターパートを含み得る。
【0038】
他の代表的な実施例による薬液注入装置は、前記薬液貯蔵ボリューム調節装置;薬液を加圧するように構成されたポンピングモジュール;及び前記ポンピングモジュールでの加圧により前記ポンピングモジュールから流出する前記薬液が流れるように構成される延長チューブを含む。前記薬液貯蔵ボリューム調節装置の前記薬液流路は、前記延長チューブに連結される。
【0039】
本開示の他側面は、薬液供給調節装置の各実施例を提供する。代表的な実施例において、前記薬液供給調節装置は、薬液の流れを案内する薬液流路を有する。前記薬液流路は、流入口から流出口まで薬液が流れるように案内する第1流路と、前記第1流路の分流点で薬液が分流するように案内し、分流した薬液が前記第1流路の前記分流点の下流側に位置する合流点で合流するように案内する第2流路を含む。前記薬液供給調節装置は、前記第2流路上で薬液を貯蔵する内部空間を形成するリザーバー;前記第1流路での前記分流点及び前記合流点の間の区間を開き状態から閉じ状態に転換可能に構成される第1流路バルブ;及び前記第2流路を開閉可能に構成される第2流路バルブを含む。
【0040】
一実施例において、前記薬液供給調節装置は、前記リザーバーを加圧可能に構成されるリザーバープッシュ部材;及び前記リザーバープッシュ部材が前記リザーバーを加圧すると同時に、前記第2流路バルブが前記第2流路を開くように所定の押圧方向に移動可能に構成され、前記リザーバープッシュ部材が前記リザーバーに対する加圧を解除すると同時に、前記第2流路バルブが前記第2流路を閉じるように前記押圧方向の反対方向に移動可能に構成されるボタン部材をさらに含み得る。
【0041】
一実施例において、前記薬液供給調節装置は、前記リザーバーと前記第1流路バルブと前記第2流路バルブを内部に収容するケース;前記第1流路バルブを作動させるように移動可能に構成されるスイッチング部材;及び前記ボタン部材をロックさせるように前記ケースに挿入可能に構成され、前記スイッチング部材を移動させるように前記ケースに挿入可能に構成されるコッターをさらに含み得る。
【0042】
一実施例において、前記薬液供給調節装置は、前記第1流路の一部を構成する第1延長ホール及び前記第2流路の一部を構成する第2延長ホールを形成する流路形成パートをさらに含み得る。前記第1流路バルブは、前記第1延長ホールの一端に向かって突出し得る。前記第2流路バルブは、前記第2延長ホールの一端に向かって突出し得る。
【0043】
一実施例において、前記薬液供給調節装置は、前記第1流路バルブ及び前記第2流路バルブが形成されるバルブプレートをさらに含み得る。前記バルブプレートは、前記流路形成パートの一部を覆い、前記第1流路バルブ及び前記第2流路バルブが作動するために弾性変形または弾性復元されるように構成され得る。
【0044】
一実施例において、前記バルブプレートは、前記第1流路バルブの突出方向の反対方向への末端に位置し、押圧されたり押圧解除されたりすることによって前記第1流路バルブを作動させるように構成される第1押圧部;及び前記第2流路バルブの突出方向の反対方向への末端に位置し、押圧されたり押圧解除されたりすることによって前記第2流路バルブを作動させるように構成される第2押圧部を含み得る。
【0045】
一実施例において、前記薬液供給調節装置は、前記第2流路バルブから独立的に前記第1流路バルブを作動させるように移動可能に構成されるスイッチング部材をさらに含み得る。
【0046】
一実施例において、前記薬液供給調節装置は、前記第1流路の一部を構成する第1延長ホールを形成する流路形成パート;前記第1流路バルブの下端に位置する押圧部;及び前記押圧部の下端が挿入可能な溝が形成されるスイッチング部材をさらに含み得る。前記第1流路バルブは、前記第1延長ホールの一端に向かって上側に突出し得る。前記押圧部の下端が前記スイッチング部材の前記溝に挿入される解除状態で、前記第1流路バルブが前記第1延長ホールの前記一端を開くように構成され得る。前記押圧部の下端が前記スイッチング部材の上側面によって上側に加圧されたロック状態で、前記第1流路バルブが前記第1延長ホールの前記一端を塞ぐように構成され得る。
【0047】
一実施例において、前記リザーバーは、前記内部空間のボリュームが大きくなるとき、所定の方向への長さが大きくなるように構成され得る。前記薬液供給調節装置は、前記リザーバーの前記所定の方向への長さが大きくなるとき、前記リザーバーによって前記所定の方向に押されて移動するように構成されるリザーバープッシュ部材;及び前記リザーバープッシュ部材の前記所定の方向への最大移動位置を制限するように前記リザーバープッシュ部材と接触可能に構成され、前記所定の方向への最大移動位置を互いに異なって設定する複数の設定状態のうちいずれか1つを選択する動作が可能に構成されるセレクターをさらに含み得る。
【0048】
一実施例において、前記薬液供給調節装置には、前記薬液流路から分岐して外部に連結される空気の通路が形成され得る。前記薬液供給調節装置は、前記空気の通路と前記薬液流路の境界に配置される疎水性の空気通過フィルター;前記空気通過フィルターが配置され、前記空気の通路を形成するフィルターキャップ;及び前記フィルターキャップの前記空気の通路を区画する内側面と前記空気通過フィルターを離隔させるように前記フィルターキャップに挿入されるフィルタースペーサをさらに含み得る。
【0049】
更に他の代表的な実施例による薬液注入装置は、前記薬液供給調節装置;薬液を加圧するように構成されたポンピングモジュール;及び前記ポンピングモジュールでの加圧により前記ポンピングモジュールから流出する前記薬液が流れるように構成される延長チューブを含む。前記薬液供給調節装置の前記薬液流路は、前記延長チューブに連結される。
【0050】
本開示の更に他の側面は、薬液バルブ装置の各実施例を提供する。代表的な実施例において、前記薬液バルブ装置は、薬液の流れを案内する薬液流路を有する。前記薬液バルブ装置は、前記薬液流路の一部を構成する延長ホールを形成し、下側面に前記延長ホールの一端が位置する流路形成パート;及び前記延長ホールの前記一端に向かって上側に突出した流路バルブと前記流路バルブの下端に位置する押圧部を含むバルブプレートを含む。前記バルブプレートは、前記流路形成パートの前記下側面の少なくとも一部を覆う。前記押圧部が上側に加圧されたロック状態で、前記バルブプレートが弾性変形され、前記流路バルブが前記延長ホールの前記一端を塞ぐように構成される。前記押圧部に対する上側への加圧が解除された解除状態で、前記バルブプレートが弾性復元され、前記流路バルブが前記延長ホールの前記一端を開くように構成される。
【0051】
一実施例において、前記流路形成パート及び前記バルブプレートの間には前記流路形成パート及び前記バルブプレートによって区画される案内流路が形成され得る。前記解除状態で、前記延長ホールの前記一端を通じて前記延長ホール及び前記案内流路が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0052】
一実施例において、前記流路形成パート及び前記バルブプレートの間で前記流路バルブの周りに沿って間隙が形成され得る。前記解除状態で、前記延長ホールの前記一端を通じて前記延長ホール及び前記間隙が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0053】
一実施例において、前記押圧部は下側に突出し得る。
【0054】
一実施例において、前記薬液バルブ装置は、前記バルブプレートの下側面を支持するバルブ支持パートをさらに含み得る。前記バルブ支持パートには、前記押圧部が下側に通過する押圧部貫通ホールが形成され得る。前記押圧部の下端部が上側に加圧可能に構成され得る。
【0055】
一実施例において、前記バルブプレートは、前記解除状態で前記押圧部の周りから上向きに傾斜して延びる傾斜部をさらに含み得る。
【0056】
一実施例において、前記バルブプレートの材質は、前記流路形成パートの材質よりさらにフレキシブルな材質であり得る。
【0057】
一実施例において、前記薬液流路は、流入口から流出口まで薬液が流れるように案内する第1流路と、前記第1流路の分流点で薬液が分流するように案内し、分流した薬液が前記第1流路の前記分流点の下流側に位置する合流点で合流するように案内する第2流路を含み得る。前記薬液バルブ装置は、前記第2流路上で薬液を貯蔵する内部空間を形成するリザーバーをさらに含み得る。前記延長ホールは、前記薬液流路での前記分流点及び前記合流点の間の区間で、前記第1流路の一部または前記第2流路の一部を構成し得る。
【0058】
一実施例において、前記薬液バルブ装置は、上下方向に移動可能に構成されるロックバーをさらに含み得る。前記ロックバーは、前記解除状態から前記ロック状態に転換されるとき、上側に移動して前記押圧部を上側に加圧するように構成され得る。
【0059】
一実施例において、前記薬液バルブ装置は、前記ロックバーを支持し、前記ロックバーが下側に移動するとき、弾性変形するように構成されたロック弾性部材をさらに含み得る。
【0060】
一実施例において、前記薬液バルブ装置は、上下方向に移動可能に構成されるボタン部材をさらに含み得る。前記ボタン部材は、前記ロック状態から前記解除状態に転換されるとき、下側に移動して前記ロックバーを下側に加圧するように構成され得る。
【0061】
一実施例において、前記薬液バルブ装置は、前記解除状態で前記押圧部の下端が挿入される溝が形成されるスイッチング部材をさらに含み得る。前記スイッチング部材は、前記ロック状態で前記押圧部の前記下端が上側面によって上側に加圧されるように構成され得る。
【0062】
一実施例において、前記薬液バルブ装置は、前記バルブプレートの下側面を支持するバルブ支持パートをさらに含み得る。前記スイッチング部材は、前記バルブ支持パートに上下方向を横切る方向に移動可能に構成され得る。前記溝は、前記スイッチング部材の上側面に形成され得る。
【0063】
一実施例において、前記バルブ支持パートには、側面に形成され、前記スイッチング部材が挿入されたスイッチング部材配置ホールが形成され得る。前記薬液バルブ装置は、前記上下方向を横切る方向に前記スイッチング部材を加圧可能なコッターをさらに含み得る。
【0064】
一実施例において、前記バルブ支持パート及び前記スイッチング部材のうちいずれか1つは、もう1つに向かって突出した位置設定突起を含み、前記バルブ支持パート及び前記スイッチング部材のうち、前記もう1つには前記位置設定突起が挿入可能な位置設定溝が形成され得る。前記ロック状態で前記位置設定突起が前記位置設定溝に噛合されるように構成され得る。
【0065】
更に他の代表的な実施例による薬液注入装置は、前記薬液バルブ装置;薬液を加圧するように構成されたポンピングモジュール;及び前記ポンピングモジュールでの加圧により前記ポンピングモジュールから流出する前記薬液が流れるように構成される延長チューブを含む。前記薬液バルブ装置の前記薬液流路は、前記延長チューブに連結される。
【発明の効果】
【0066】
本開示の一実施例によると、薬液のボーラス注入開始時点または貯蔵された一定量の薬液の注入開始時点を患者の状態に応じて患者自ら決定できる装置を提供する。
【0067】
本開示の一実施例によると、ボーラス注入のために患者がボタンの押圧状態を維持する必要がないので、便利な使用が可能であり、薬品が完全に投入されるようにして治療効果を高めることができる。
【0068】
本開示の一実施例によると、ボーラス注入の速度が過度に速くならないようにして患者に不要な疼痛誘発の可能性を顕著に低くすることができる。
【0069】
本開示の一実施例によると、患者の状態による薬液注入用量の個別適用が、製品の交換がなくても便利に実行可能である。
【0070】
本開示の一実施例によると、薬液供給調節装置の連続流路とボーラス流路のうち連続流路のみを塞ぐことが可能なので、患者への薬液注入量を調節することが非常に便利になる。
【0071】
本開示の一実施例によると、薬液供給調節装置内に存在したり発生したりするエアを簡単に排出することができる。
【0072】
本開示の各実施例によると、薬液が流れる流路を便利ながらも、確実かつ安全に開閉することができる。
【0073】
本開示の各実施例によると、流路の内部で薬液の流れを遮断可能にしながらも、流路の外部への薬液の漏出を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1は、本開示の一実施例による薬液注入装置全体のシステムを示す概念図である。
【0075】
図2は、本開示の一実施例による薬液制御装置の斜視図であって、コッターを除去した状態で使用者がボタン部材を操作する様子が示されている。
【0076】
図3は、
図2の薬液制御装置の斜視図であって、薬液制御装置にコッターを結合できる方式を示す図である。
【0077】
図4は、
図3の薬液制御装置から第1ケースパート及び第2ケースパートを除去した状態を示す斜視図である。
【0078】
図5は、
図4の薬液制御装置からガイドパートをさらに除去した状態を示す斜視図である。
【0079】
【0080】
図7は、
図6の薬液制御装置の様子を他の角度から見た分解斜視図である。
【0081】
図8は、
図6の各構成のうち、一部のみを示す分解斜視図であって、
図6とは異なり、いくつかの部品は互いに組み立てられた状態を示す図である。
【0082】
図9は、
図8の様子を他の角度から見た分解斜視図であって、一部分の拡大図(E)が示されている。
【0083】
図10は、
図9のラインS1-S1'に沿って薬液制御装置を切った断面を示す斜視図である。
【0084】
図11は、
図9のラインS2-S2'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0085】
図12は、
図9のラインS3-S3'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0086】
図13は、
図9のラインS4-S4'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0087】
図14は、
図6のボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの分解斜視図である。
【0088】
図15は、
図6のボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの分解斜視図である。
【0089】
図16は、ボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの作動メカニズムを示す縦断面図である。
【0090】
図17は、ボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの作動メカニズムを示す縦断面図である。
【0091】
図18は、ボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの作動メカニズムを示す縦断面図である。
【0092】
図19は、ボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの作動メカニズムを示す縦断面図である。
【0093】
図20は、ボタン部材、リザーバープッシュ部材、加圧部材、支持スライダー及びスライダースプリングの作動メカニズムを示す縦断面図である。
【0094】
図21は、
図17のラインS6-S6'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0095】
図22は、
図19のラインS7-S7'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0096】
図23は、他の実施例による支持スライダー(1600')及びスライダースプリング(1700')を有する薬液制御装置の部分縦断面概念図であって、ボタン部材が下降する前の状態の様子を示している。
【0097】
図24は、他の実施例による支持スライダー(1600')及びスライダースプリング(1700')を有する薬液制御装置の部分縦断面概念図であって、ボタン部材が下降した状態の様子を示している。
【0098】
図25は、
図23の様子をラインS8-S8'に沿って切った横断面概念図である。
【0099】
図26は、
図24の様子をラインS9-S9'に沿って切った横断面概念図である。
【0100】
図27は、
図6のリザーバープッシュ部材、セレクター及びコッターの分解斜視図である。
【0101】
図28は、
図6のリザーバープッシュ部材、セレクター及びコッターの分解斜視図である。
【0102】
図29は、
図3の薬液制御装置においてケースを分解した状態を示す斜視図である。
【0103】
図30は、
図3の薬液制御装置においてコッターを用いてセレクターを作動させる様子を示す図である。
【0104】
図31は、
図3の薬液制御装置においてコッターを用いてセレクターを作動させる様子を示す図である。
【0105】
図32は、
図3の薬液制御装置においてコッターを用いてセレクターを作動させる様子を示す図である。
【0106】
図33は、
図30の薬液制御装置においてケースを透明に処理した状態の斜視図である。
【0107】
図34は、
図32の薬液制御装置においてケースを透明に処理した状態の斜視図である。
【0108】
図35は、
図30のラインS10-S10'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0109】
図36は、
図31のラインS11-S11'に沿って薬液制御装置を切った断面図である。
【0110】
図37は、ロックバー、ロック弾性部材、及びスイッチング部材などを含むいくつかの部品の分解された状態を示している。
【0111】
図38は、ロックバー、ロック弾性部材、及びスイッチング部材などを含むいくつかの部品の分解された状態を示している。
【0112】
図39は、
図37のラインS12-S12'に沿って薬液制御装置の一部の部品を切った断面図であって、流路(P2)がバルブ(318)により塞がっている状態を示す図である。
【0113】
図40は、
図39においてボタン部材が一部区間だけ下降してボタン部材とロックバーが接触した状態を示す断面図である。
【0114】
図41は、
図40においてボタン部材がさらに下降してボタン部材がロックバーを移動させ、流路(P2)がバルブ(318)により開いている状態を示す断面図である。
【0115】
図42は、
図3の薬液制御装置においてスイッチング部材が分離された状態を示す斜視図である。
【0116】
図43は、
図42のラインS13-S13'に沿って薬液制御装置を切った一部断面図であって、流路(P1)がバルブ(316)により開いている状態を示している。
【0117】
図44は、
図42のラインS13-S13'に沿って薬液制御装置を切った一部断面図であって、
図43においてスイッチング部材が移動することによって流路(P1)がバルブ(316)により塞がっている状態を示している。
【0118】
図45は、
図6及び
図7のフィルターボディー、フィルターキャップ、第1空気通過フィルター、第2空気通過フィルター、境界フィルター及びフィルタースペーサの分解斜視図である。
【0119】
図46は、
図45のフィルターキャップとフィルタースペーサが互いに分離された状態を示す分解斜視図である。
【0120】
図47は、
図43のラインS12-S12'に沿って
図45の各部品の組立体を切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0121】
本開示の各実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的な説明に限定されるわけではない。
【0122】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、特に定義されない限り、本開示の属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示を更に明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたわけではない。
【0123】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で特に言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0124】
本開示で記述された単数形の表現は、特に言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは特許請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0125】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するわけではない。
【0126】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、「結合されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得るか、結合され得るものと、または、新たな他の構成要素を媒介として連結され得るか、結合され得るものと理解されるべきである。
【0127】
本開示で用いられる「上方」、「上」等の方向指示語は、添付の図で矢印Uの方向を意味し、「下方」、「下」等の方向指示語は、添付の図で矢印Dの方向を意味するが、これはあくまでも本開示が明確に理解できるように説明するための基準であり、基準をどこに置くかによって前記方向指示語はそれに合わせて解釈され得る。
【0128】
本開示で用いられる「上流」及び「下流」は、ポンピングモジュール(10)が薬液を加圧する時に薬液が流れる方向を基準に定義される。具体的には、
図1の矢印F2、F3及び
図5の矢印F4の方向が下流方向と定義され、前記下流方向の反対方向が上流方向と定義される。
【0129】
本開示で用いられる「薬液」は、治療用物質が含まれた液体だけではなく、治療用物質を補助するか、治療用物質とともに用いられる液体、患者に投入することができる液体も含むものと理解されるべきである。後述のプライミング用液体は、このような薬液の中の1つである。
【0130】
以下、添付の図を参照して、本開示の各実施例を説明する。添付の図で、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与され得る。また、以下の各実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されるわけではない。
【0131】
図1は、本開示の一実施例による薬液注入装置(1)全体のシステムを示す概念図である。本開示の各実施例による薬液注入装置(1)を用いて薬液を患者に注入する過程は、順次行われるプライミング(Priming)段階及び薬液注入段階を含み得る。
【0132】
図1を参照すると、前記プライミング段階で、プライミング用液体が延長チューブ(30)に沿って流れるようにする。延長チューブ(30)に沿って流れる前記プライミング用液体は、薬液制御装置(80)内に流入する。薬液注入装置(1)は、薬液制御装置(80)の下流側に分離可能に連結されるエンドキャップ(70)を含み得る。延長チューブ(30)の内部の空気はエンドキャップ(70)を経て外部に排出され得る。
【0133】
これにより、延長チューブ(30)及び薬液制御装置(80)の内部に前記プライミング用液体が満たされる。前記プライミング用液体は、治療用物質が含まれた液体または食塩水などの患者に投入することができる液体であり得る。
【0134】
エンドキャップ(70)は、薬液制御装置(80)を経た空気及び前記プライミング用液体が内部に流入するように構成される。エンドキャップ(70)は、空気を外部に流出させるものの、前記プライミング用液体が外部に流出することを防ぐように構成され得る。
【0135】
エンドキャップ(70)は、前記プライミング用液体の通過を防ぐものの、気体の通過を許容するベントフィルター(71)を含む。ベントフィルター(71)は、疎水性フィルターを含む。エンドキャップ(70)は、ベントフィルター(71)の上流側に配置されるスポンジ(72)を含み得る。エンドキャップ(70)は、ベントフィルター(71)を内部に収容するエンドキャップケーシング(73)を含む。エンドキャップケーシング(73)は、スポンジ(72)を内部に収容する。エンドキャップケーシング(73)は、気体が通過するベントホール(73a)を形成する。エンドキャップ(70)は、薬液注入装置(1)の延長チューブ(30)の下流側の末端を構成する下流連結部(36)と結合可能に構成されるエンドキャップ結合部(74)を含む。
図1の矢印E2は、エンドキャップ結合部(74)の下流連結部(36)に対する結合及び分離方向を示す。
【0136】
エンドキャップ(70)に前記プライミング用液体が満たされれば、エンドキャップ(70)を薬液制御装置(80)から分離させ、薬液制御装置(80)と患者連結ユニット(60、60’)を連結することができる。
【0137】
患者連結ユニット(60、60’)は、注射針(61)やカテーテル(catheter)等を含み得る。患者連結ユニット(60、60’)は、注射針(61)等の患者の体内に入り込む構成要素を含む。
【0138】
患者連結ユニット(60、60’)は、「注射針(61)等の患者の体内に入り込む構成要素を含む入り込み部品」と「残りの部品」を含み得る。前記入り込み部品と前記残りの部品は、互いに分離可能に結合され得る。この場合、前記入り込み部品は、患者と連結されているものの、前記残りの部品と分離された状態で、使用者は、前記残りの部品を薬液制御装置(80)と結合させた後、前記入り込み部品と前記残りの部品を互いに結合させることができる。この場合、薬液制御装置(80)を経た液体は、順次、前記残りの部品と前記入り込み部品を経て、患者の体内に流入することができる。
【0139】
患者連結ユニット(60、60’)は、注射針(61)を支持する注射支持部(62)を含む。患者連結ユニット(60、60’)は、薬液注入装置(1)の下流連結部(36)と結合可能に構成されるユニット結合部(63)を含む。
図1の矢印E3は、ユニット結合部(63)の下流連結部(36)に対する結合及び分離方向を示す。
【0140】
一例として、患者連結ユニット(60)は、注射針(61)、注射支持部(62)及びユニット結合部(63)が順次連結されて構成され得る。
【0141】
他の例として、患者連結ユニット(60')は、ユニット結合部(63)の下流側に連結される患者連結管固定部(65')をさらに含む。患者連結ユニット(60')は、患者連結管固定部(65')と注射支持部(62)を連結する患者連結管(64')をさらに含む。患者連結管(64')は、フレキシブル(flexible)な材質から形成され得る。患者連結ユニット(60')は、注射針(61)、注射支持部(62)、患者連結管(64')、患者連結管固定部(65')及びユニット結合部(63)が順次連結されて構成され得る。
【0142】
前記薬液注入段階で、ポンピングモジュール(10)での加圧により薬液が患者の体内に流入する。薬液注入段階での薬液とは、治療用物質が含まれた液体である。前記プライミング用液体が、治療用物質が含まれた液体ではなく、食塩水などである場合には、前記プライミング用液体をまず患者の体内に流入し、前記プライミング用液体に続いて流れる治療用物質が含まれた液体を患者の体内に流入することができる。
【0143】
ポンピングモジュール(10)は、薬液を加圧するように構成される。ポンピングモジュール(10)は、薬液を収容可能に構成されたチャンバ(11)を含む。チャンバ(11)は、加圧ユニット(12)とともに内部空間を形成する。前記内部空間に薬液が貯蔵されることができる。他の一実施例では、前記内部空間に一時的に食塩水などが貯蔵されることができる。チャンバ(11)には、チャンバ(11)内部の液体が排出される排出ポート部(11a)が形成される。
【0144】
ポンピングモジュール(10)は、加圧ユニット(12)が加圧方向(Ap1)に移動するように動力を提供する加圧動作部(13)を含み得る。一例として、加圧動作部(13)は、ガス活性(gas activation)による体積膨張を用いてチャンバ(11)内の液体を加圧するように構成され得る。他の例として、加圧動作部(13)は、使用者が握ることができる部分を提供して、使用者の力で加圧ユニット(12)を前記加圧方向(Ap1)に移動させることができる。
【0145】
図示されてはいないが、他の例として、加圧ユニット(12)は、バルーン(balloon)等の弾性体の弾性力を用いて液体を加圧するように構成され得る。この場合、加圧ユニット(12)は、前記バルーン内の液体が加圧されるように構成され得る。
【0146】
薬液注入バルブ(20)は、チャンバ(11)内に液体を充填可能に構成される。液体が外部から薬液注入バルブ(20)を介して延長チューブ(30)またはチャンバ(11)に流入することができる。薬液注入バルブ(20)は、延長チューブ(30)に連結されるが、図示されていない他の実施例で薬液注入バルブ(20)はチャンバ(11)に連結されることもできる。
【0147】
薬液注入バルブ(20)は、延長チューブ(30)の第1連結部(31)の下流側の末端に連結される第1延長部(21)と、延長チューブ(30)の第2連結部(32)の上流側の末端に連結される第2延長部(22)を含む。薬液注入バルブ(20)は、外部から液体が流入可能に構成された流入部(23)と、流入部(23)に分離可能に結合されるように構成された流入ポート開閉部(24)を含む。
図1の矢印E1は、流入ポート開閉部(24)の流入部(23)に対する結合及び分離方向を示す。
【0148】
延長チューブ(30)は、前記プライミング用液体の流れを案内するように構成される。延長チューブ(30)は、ポンピングモジュール(10)から薬液制御装置(80)まで薬液の移動を案内することができる。
【0149】
延長チューブ(30)は、ポンピングモジュール(10)での加圧によりポンピングモジュール(10)から流出する薬液が流れるように構成される。延長チューブ(30)の上流側の末端はポンピングモジュール(10)に連結される。延長チューブ(30)は、ポンピングモジュール(10)の排出ポート部(11a)に連結される上流連結部(35)を含む。延長チューブ(30)は、エンドキャップ(70)または患者連結ユニット(60、60’)に連結される下流連結部(36)を含む。延長チューブ(30)中の上流区間(31、32)を経た液体は薬液制御装置(80)の流入連結部(217)を介して薬液制御装置(80)内部に流入し、薬液制御装置(80)の流出連結部(218)を介して延長チューブ(30)中の下流区間(33)に流入する。
【0150】
延長チューブ(30)は、上流連結部(35)と薬液注入バルブ(20)の第1延長部(21)を連結する第1連結部(31)を含む。延長チューブ(30)は、薬液注入バルブ(20)の第2延長部(22)と薬液制御装置(80)の流入連結部(217)を連結する第2連結部(32)を含む。延長チューブ(30)は、薬液制御装置(80)の流出連結部(218)と下流連結部(36)を連結する第3連結部(33)を含む。
【0151】
薬液注入装置(1)は、少なくとも1つの連結管開閉モジュール(40)を含み得る。連結管開閉モジュール(40)は、延長チューブ(30)の外部を押して延長チューブ(30)中の一地点の液体の流れを止めることができる。少なくとも1つの連結管開閉モジュール(40)は、第1連結部(31)の一地点(B1)の開閉如何を変更できる第1連結管開閉モジュール(41)と、第2連結部(32)の一地点(B2)の開閉如何を変更できる第2連結管開閉モジュール(42)を含み得る。例えば、連結管開閉モジュール(40)はクランプ(clamp)形状に構成され得る。
【0152】
図示されていない他の実施例で、薬液注入装置(1)は延長チューブ(30)上に配置される薬液制御装置(80)外部のフィルターモジュール(図示せず)を含むこともできるが、本実施例では、薬液制御装置(80)が後述のフィルターを含む。前記フィルターは、不純物を濾過するパーティクル(particle)フィルター及び/又は空気泡(気泡)を濾過するエアフィルターを含み得る。
【0153】
一実施例によるプライミング段階及び薬液注入段階を説明すると、次のとおりである。一実施例によるプライミング段階では、前記プライミング用液体として、薬液ではなく、食塩水などを用いる。一実施例によるプライミング段階において、流入ポート開閉部(24)を流入部(23)から分離し、第1連結管開閉モジュール(41)で第1連結部(31)を遮断し(B1参照)、第1連結部(31)を除いた延長チューブ(30)の残りの部分は開放する。矢印F1、F3及びF4を参照すると、食塩水などのプライミング用液体は、流入部(23)、第2延長部(22)、第2連結部(32)、薬液制御装置(80)及び第3連結部(33)を順次流れることによって、延長チューブ(30)の内部及び薬液制御装置(80)の内部が前記プライミング用液体で満たされる。
【0154】
一実施例によるプライミング段階の後、一実施例による薬液注入段階が行われる。一実施例による薬液注入段階において、流入ポート開閉部(24)を流入部(23)から分離し、第2連結管開閉モジュール(42)で第2連結部(32)を遮断し(B2参照)、第1連結管開閉モジュール(41)を第1連結部(31)から分離して第1連結部(31)を開放する。矢印F0を参照すると、薬液が薬液注入バルブ(20)及び第1連結部(31)を経てチャンバ(11)内に流入しつつ、加圧ユニット(12)は前記方向(Ap2)に移動する。その後、流入ポート開閉部(24)を流入部(23)に結合させ、第2連結管開閉モジュール(42)を第2連結部(32)から分離して延長チューブ(30)を開放状態にする。矢印F2、F3及びF4を参照すると、その後、加圧ユニット(12)を前記加圧方向(Ap1)に移動させ、薬液が延長チューブの上流区間(31、32)、薬液制御装置(80)及び延長チューブの下流区間(33)を順次通過することができる。
【0155】
他の実施例によるプライミング段階及び薬液注入段階を説明すると、次のとおりである。他の実施例によるプライミング段階では、前記プライミング用液体として薬液を用いる。他の実施例によるプライミング段階において、チャンバ(11)内に薬液を満たし、エンドキャップ(70)を下流連結部(36)と連結し、流入ポート開閉部(24)で流入部(23)を遮断し、連結管開閉モジュール(40)を延長チューブ(30)から分離して延長チューブ(30)を開放状態にする。矢印F2、F3及びF4を参照すると、その後、加圧ユニット(12)を前記加圧方向(Ap1)に移動させ、プライミング用液体である薬液が延長チューブの上流区間(31、32)、薬液制御装置(80)及び延長チューブの下流区間(33)を順次流れることによって、延長チューブ(30)及び薬液制御装置(80)の内部が前記プライミング用液体で満たされる。
【0156】
他の実施例によるプライミング段階の後、他の実施例による薬液注入段階が行われる。他の実施例による薬液注入段階において、矢印F2、F3及びF4を参照すると、加圧ユニット(12)を前記加圧方向(Ap1)にさらに移動させ、薬液が延長チューブの上流区間(31、32)、薬液制御装置(80)及び延長チューブの下流区間(33)を順次通過することができる。
【0157】
図2は、本開示の一実施例による薬液制御装置(80)の斜視図であって、コッター(1100)を除去した状態で使用者がボタン部材(700)を操作する様子が示されている。
【0158】
図1及び
図2を参照すると、薬液注入装置(1)は、延長チューブ(30)に連結される薬液流路を有する薬液制御装置(80)を含む。薬液制御装置(80)は、薬液の流れを案内する薬液流路を有する。薬液制御装置(80)は、上流側の延長チューブの部分(32)と連結される流入連結部(217)と、下流側の延長チューブの部分(33)と連結される流出連結部(218)を含み得る。薬液は流入連結部(217)の流入口(Qi)を介して薬液制御装置(80)内部に流入して流出連結部(218)の流出口(Qo)を介して薬液制御装置(80)外部に流出することができる。
【0159】
前記薬液流路は、流入口(Qi)から流出口(Qo)まで薬液が流れるように案内する第1流路(P1)を含む。連結管開閉モジュール(40)または後述の第1流路バルブ(316)等によって流路が閉じられていない状態で、第1流路(P1)は流入口(Qi)から流出口(Qo)まで薬液が連続的に流れるように案内することができる。
【0160】
前記薬液流路は、第1流路(P1)の後述の分流点(Qd)で薬液が分流するように案内する第2流路(P2)を含み得る。第2流路(P2)は、分流した薬液が第1流路(P1)の分流点(Qd)の下流側に位置する後述の合流点(Qu)で合流するように案内することができる。第2流路(P2)は、開閉可能に構成され得る。
【0161】
実施例によって薬液制御装置(80)は多様に変形されて用いられ得る。例えば、薬液制御装置(80)は、薬液プッシュ装置、薬液貯蔵ボリューム調節装置、薬液供給調節装置、または、薬液バルブ装置であり得る。
【0162】
第1実施例において、薬液制御装置(80)は、患者に貯蔵された薬液を注入するように使用者が貯蔵された薬液を加圧する薬液プッシュ装置(80)であり得る。第1実施例において、薬液プッシュ装置(80)は患者に供給される薬液の量を患者自ら増加させるように操作される薬液供給調節装置であるが、図示されていない他の実施例において、薬液プッシュ装置(80)は患者自ら薬液の注入を始めるように操作される装置であってもよい。第1実施例において、薬液プッシュ装置(80)は第1流路(P1)及び第2流路(P2)を有し、第2流路(P2)上に位置する内部空間(400s)を有するリザーバー(400)を加圧可能に構成され得る。しかし、薬液プッシュ装置(80)の前記薬液流路は、多様な方式で構成され得、本実施例に制限されない。例えば、前記薬液流路は、分岐しない単一の流路(即ち、第2流路なしに第1流路のみで形成された流路)であってもよく、薬液プッシュ装置(80)は、前記単一の流路上に位置する内部空間を有するリザーバーを加圧可能に構成されることもできる。
【0163】
第2実施例において、薬液制御装置(80)は、時間が過ぎるにつれ、薬液が貯蔵されて患者に注入可能にし、薬液の最大貯蔵ボリュームを変更可能に構成された薬液貯蔵ボリューム調節装置(80)であり得る。第2実施例において、薬液貯蔵ボリューム調節装置(80)は、患者に供給される薬液の量を患者自ら増加させるように操作される装置であるが、図示されていない他の実施例において、薬液貯蔵ボリューム調節装置(80)は、患者自ら薬液の注入を始めるように操作される装置であってもよい。第2実施例において、薬液貯蔵ボリューム調節装置(80)は、第1流路(P1)及び第2流路(P2)を有し、第2流路(P2)上に位置する内部空間(400s)を有するリザーバー(400)の薬液最大貯蔵ボリュームを変更可能に構成され得る。しかし、薬液貯蔵ボリューム調節装置(80)の前記薬液流路は、多様な方式で構成され得、本実施例に制限されない。例えば、前記薬液流路は、分岐しない単一の流路(即ち、第2流路なしに第1流路のみで形成された流路)であってもよく、薬液貯蔵ボリューム調節装置(80)は、前記単一の流路上に位置する内部空間を有するリザーバーの薬液最大貯蔵ボリュームを変更可能に構成されることもできる。
【0164】
第3実施例において、薬液制御装置(80)は、患者に供給される薬液の量を患者自ら増加させるように操作される薬液供給調節装置(80)であり得る。第3実施例において、薬液供給調節装置(80)は、第1流路(P1)及び第2流路(P2)を有し、第2流路(P2)上に位置する内部空間(400s)を有するリザーバー(400)に貯蔵された薬液をボーラス注入可能に構成された装置である。
【0165】
第4実施例において、薬液制御装置(80)は、薬液流路の一部の区間を非可逆的に開き状態から閉じ状態に転換させる薬液バルブ装置(80)であるか、薬液流路の一部の区間を可逆的に開閉する薬液バルブ装置(80)であり得る。第4実施例において、薬液バルブ装置(80)は、患者に供給される薬液の量を患者自ら増加させるように操作される装置であるが、図示されていない他の実施例において、薬液バルブ装置(80)は、単に薬液の流路を開いたり閉じたりする機能を行う装置であってもよい。第4実施例において、薬液バルブ装置(80)は、第1流路(P1)及び第2流路(P2)を有し、第1流路(P1)及び/又は第2流路(P2)を開いたり閉じたりする機能を行うように構成され得る。しかし、薬液バルブ装置(80)の前記薬液流路は、多様な方式で構成され得、本実施例に制限されない。例えば、前記薬液流路は、分岐しない単一の流路(即ち、第2流路なしに第1流路のみで形成された流路)であってもよく、薬液バルブ装置(80)は、前記単一の流路上に位置する流路バルブを含むこともできる。
【0166】
以下、薬液制御装置(80)の各構成を更に詳しく説明するが、これはあくまでも薬液制御装置(80)の一実施例による構成である。
【0167】
図2を参照すると、薬液制御装置(80)は、外観を形成するケース(100)を含み得る。薬液制御装置(80)は、使用者が操作可能に備えられたボタン部材(700)を含み得る。薬液制御装置(80)は、コッター(cotter)(1100)を含み得る。ボタン部材(700)の一部分である操作部(710)がケース(100)の外部に露出し得る。使用者(例えば、患者)は操作部(710)を押して薬液の供給量を調節することができる。コッター(1100)は、使用者が操作する前にボタン部材(700)を操作できないようにケース(100)に挿入され得る。コッター(1100)は、操作部(710)を下側に押した状態でケース(100)に挿入される。コッター(1100)がケース(100)から分離されると、後述の加圧部材(1000)または弾性部材(SP)によりボタン部材(700)が上側に移動し、使用者がボタン部材(700)を下側に押すことができる状態となる。
【0168】
図3は、
図2の薬液制御装置(80)の斜視図であって、薬液制御装置(80)にコッター(1100)を結合できる方式を示す図である。
図4は、
図3の薬液制御装置(80)から第1ケースパート(100A)及び第2ケースパート(100B)を除去した状態を示す斜視図である。
図5は、
図4の薬液制御装置(80)からガイドパート(100C)をさらに除去した状態を示す斜視図である。
【0169】
図3~
図5を参照すると、薬液制御装置(80)は、それぞれの用途に合うように備えられた複数のコッター(1100)を含み得るが、医師などの医療スタッフに1つのコッター(1100)が提供され、場合によって3つの位置(1100a、1100b、1100c参照)でコッター(1100)を薬液制御装置(80)に結合させて用いることもできる。コッター(1100a)は、使用者が操作する前にボタン部材(700)を操作できないようにケース(100)に挿入され得る。コッター(1100a)をケース(100)から引出方向(M1)に取り出すことによって、加圧部材(1000)または別途のスプリングなどの弾性部材(図示せず)によりボタン部材(700)が上側に移動し、使用者がボタン部材(700)を下側に押すことができる状態となり得る。
【0170】
ケース(100)にはセレクター(1800)のセレクター操作部(1812)が露出するセレクターホール(110h、123)が形成され得る。本実施例において、第2ケースパート(100B)に形成されたホール(110h)とガイドパート(100C)に形成されたホール(123)が互いに連通し、セレクターホール(100h、123)が形成され得る。セレクターホール(110h、123)は一側に長く形成され得る。セレクターホール(110h、123)はセレクター操作部(1812)の移動経路を案内するように形成され得る。
【0171】
ケース(100)には、スイッチング部材(1900)を押すためにコッター(1100c)を挿入させられるようにスイッチングホール(110g、124)が形成され得る。本実施例において、第1ケースパート(100A)に形成されたホール(110g)とガイドパート(100C)に形成されたホール(124)が互いに連通してスイッチングホール(110g、124)が形成され得る。
【0172】
ケース(100)は、リザーバープッシュ部材(500)の移動方向に案内するプッシュガイド部(125)を含み得る。プッシュガイド部(125)は、ボタン部材(700)の突起部(730)が挿入されるホールまたは溝を形成し得る。プッシュガイド部(125)のホールまたは溝は上下方向に延び、突起部(730)が前記溝またはホールに沿って上下方向に移動するように案内することができる。本実施例において、プッシュガイド部(125)はケース(100)のガイドパート(100C)に形成され、突起部(730)はボタン部材(700)の上部パート(700A)に形成される。
【0173】
図6及び
図7は、
図3の薬液制御装置(80)の分解斜視図である。
図3~
図7を参照すると、薬液制御装置(80)はケース(100)を含み得る。薬液制御装置(80)は、前記薬液流路の少なくとも一部を形成するボディー(200)を含み得る。薬液制御装置(80)は、バルブプレート(310)を含み得る。薬液制御装置(80)は、連結プレート(320)を含み得る。
【0174】
薬液制御装置(80)は、薬液を貯蔵するリザーバー(400)を含み得る。薬液制御装置(80)は、リザーバー(400)を押せるように構成されるリザーバープッシュ部材(500)を含み得る。薬液制御装置(80)は、ロックバー(610)を含み得る。薬液制御装置(80)は、ロック弾性部材(620)を含み得る。薬液制御装置(80)は、ボタン部材(700)を含み得る。薬液制御装置(80)は、薬液の時間当りの流量を制限する少なくとも1つの薬液移送管(800)を含み得る。薬液制御装置(80)は、少なくとも1つのシーラー(900)を含み得る。薬液制御装置(80)は、加圧部材(1000)を含み得る。薬液制御装置(80)は、コッター(1100)を含み得る。
【0175】
薬液制御装置(80)は、前記薬液流路内の空気を濾過する少なくとも1つの空気通過フィルター(1200)を含み得る。薬液制御装置(80)は、前記薬液流路上に配置される親水性(hydrophilic)の境界フィルター(1300)を含み得る。薬液制御装置(80)は、フィルタースペーサ(1400)を含み得る。
【0176】
薬液制御装置(80)は、支持スライダー(1600)を含み得る。薬液制御装置(80)は、スライダースプリング(1700)を含み得る。薬液制御装置(80)は、セレクター(1800)を含み得る。薬液制御装置(80)は、スイッチング部材(1900)を含み得る。
【0177】
ボタン部材(700)は、使用者が操作するように構成され得る。薬液制御装置(80)は、ボタン部材(700)が操作される時に弾性変形されるように構成される後述の弾性部材(SP)を含み得る。
【0178】
図3~
図7を参照すると、ケース(100)は、互いに結合される第1ケースパート(100A)と第2ケースパート(100B)を含み得る。ケース(100)は、ガイドパート(100C)を含み得る。本実施例において、第1ケースパート(100A)、第2ケースパート(100B)及びガイドパート(100C)が互いに結合されてケース(100)を構成するが、図示されていない他の実施例において、ガイドパート(100C)に形成された各種のホールと対応するホールが第1ケースパート(100A)及び/又は第2ケースパート(100B)に代わりに形成され、ガイドパート(100C)なしにケース(100)が具現されることもできる。
【0179】
ケース(100)は、ボディー(200)を内部に収容し得る。ケース(100)は、シーリングプレート(300)を内部に収容し得る。ケース(100)は、第1流路バルブ(316)を内部に収容し得る。ケース(100)は、第2流路バルブ(318)を内部に収容し得る。ケース(100)は、リザーバー(400)を内部に収容し得る。ケース(100)は、リザーバープッシュ部材(500)を内部に収容し得る。ケース(100)は、ロックバー(610)及びロック弾性部材(620)を内部に収容し得る。ケース(100)は、加圧部材(1000)を内部に収容し得る。ケース(100)は、セレクター(1800)を内部に収容し得る。ケース(100)は、ボタン部材(700)の操作部(710)を除いた構成を内部に収容し得る。
【0180】
ケース(100)には使用者の指が挿入され得るホール(100h)を形成できる。操作部(710)は、ホール(100h)内で露出し得る。コッター(1100)は、ホール(100h)の貫通方向に垂直な方向にホール(100h)を横切るようにケース(100)に挿入可能である。ケース(100)にはコッター(1100)が挿入されるホール(100g)が形成される。
【0181】
図8及び
図9は、
図6の構成のうち、一部のみを示す分解斜視図であって、
図6とは異なり、いくつかの部品は互いに組み立てられた状態を示す図である。
図10は、
図9のラインS1-S1'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面を示す斜視図である。
【0182】
図6~
図10を参照すると、ボディー(200)は複数のパート(210、220、230、240)を含み得る。複数のパート(210、220、230、240)は互いに組み立てられることができる。複数のパート(210、220、230、240)は順次配列され、互いに組み立てられることができる。複数のパート(210、220、230、240)は上下方向に配列され、互いに組み立てられることができる。
【0183】
ボディー(200)は、前記薬液流路の一部を構成する少なくとも1つの延長ホール(220h)を形成する流路形成パート(220)を含み得る。少なくとも1つの延長ホール(220h)は、複数の延長ホール(220h1、220h2、220h3、220h4)を含み得る。ボディー(200)は、バルブプレート(310)の下側面を支持するバルブ支持パート(210)を含み得る。バルブ支持パート(210)及び流路形成パート(220)は互いに結合され得る。
【0184】
ボディー(200)は、前記薬液流路の一部を構成する少なくとも1つの延長ホール(230h)を形成する連結パート(230)を含み得る。少なくとも1つの延長ホール(230h)は、複数の延長ホール(230h1、230h2、230h3、230h4)を含み得る。ボディー(200)は、リザーバー(400)の下側面を支持するリザーバー支持パート(240)を含み得る。リザーバー支持パート(240)は、連結プレート(320)の上側面を支持できる。連結パート(230)及びリザーバー支持パート(240)は互いに結合され得る。流路形成パート(220)と連結パート(230)は互いに結合され得る。
【0185】
バルブプレート(310)は、流路形成パート(220)の下側面の少なくとも一部を覆い得る。バルブプレート(310)は、バルブ支持パート(210)の上側面の少なくとも一部を覆い得る。本実施例において、バルブプレート(310)は、バルブ支持パート(210)及び流路形成パート(220)の間に配置され得る。
【0186】
連結プレート(320)は、連結パート(230)の上側面の少なくとも一部を覆い得る。連結プレート(320)は、リザーバー支持パート(240)の下側面の少なくとも一部を覆い得る。連結プレート(320)は、連結パート(230)及びリザーバー支持パート(240)の間に配置され得る。
【0187】
流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)の間には流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)により区画される案内流路(例えば、P1a、P2a、P1e、P2e)が形成され得る。
【0188】
一例として、流路形成パート(220)は、上側方向に陥没してバルブプレート(310)の上側面に沿って延びる少なくとも1つの流路溝(222)を形成し得る。バルブプレート(310)が流路形成パート(220)の流路溝(222)を覆うことによって流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)により区画される前記案内流路が形成され得る。
【0189】
他の例として、バルブプレート(310)は、下側方向に陥没して流路形成パート(220)の下側面に沿って延びる少なくとも1つの流路溝(図示せず)を形成し得る。流路形成パート(220)がバルブプレート(310)の流路溝を覆うことによって流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)により区画される前記案内流路が形成されることもできる。
【0190】
流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)の間には流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)により区画される案内流路(例えば、P1a、P2a、P1e、P2e)が形成され得る。
【0191】
連結パート(230)及び連結プレート(320)の間には連結パート(230)及び連結プレート(320)により区画される流路が形成され得る。本実施例において、連結パート(230)は下側方向に陥没して連結プレート(320)の下側面に沿って延びる少なくとも1つの流路溝(232)を形成し得る。連結プレート(320)が連結パート(230)の流路溝(232)を覆うことによって連結パート(230)及び連結プレート(320)により区画される前記流路が形成され得る。
【0192】
流路溝(222)は、バルブプレート(310)に覆われ、前記薬液流路の一部を構成する。流路溝(232)は、連結プレート(320)に覆われ、前記薬液流路の一部を構成する。
【0193】
流路形成パート(220)は、バルブプレート(310)の上側面に向かって突出し、バルブプレート(310)の前記上側面に沿って延びる流路ガイドリブ(221)を含み得る。流路ガイドリブ(221)は、流路溝(222)を区画する。流路ガイドリブ(221)は、バルブプレート(310)に接触する。流路ガイドリブ(221)がバルブプレート(310)を加圧することによって、流路溝(222)により形成される流路が更に安定的にシーリングされることができる。
【0194】
連結パート(230)は、連結プレート(320)の下側面に向かって突出し、連結プレート(320)の前記下側面に沿って延びる流路ガイドリブ(231)を含み得る。流路ガイドリブ(231)は、流路溝(232)を区画する。流路ガイドリブ(231)は、連結プレート(320)に接触する。流路ガイドリブ(231)が連結プレート(320)を加圧することによって、流路溝(232)により形成される流路が更に安定的にシーリングされることができる。
【0195】
図9の拡大図(E)を参照して、前記薬液流路内に位置する地点(Qd、Qd1、Qd2、Qu、Qu1、Qu2)を説明すると、次のとおりである。前記薬液流路の上流側始点に流入口(Qi)が位置し、前記薬液流路の下流側終点に流出口(Qo)が位置する。分流点(Qd)は、第1流路(P1)に沿って流れる薬液が第2流路(P2)に分流する地点である。合流点(Qu)は、第2流路(P2)に沿って流れる薬液が第1流路(P1)に合流する地点である。第1流路(P1)上には分流点(Qd)と合流点(Qu)との間に第1分流案内点(Qd1)が位置する。第2流路(P2)上には分流点(Qd)と合流点(Qu)との間に第1分流案内点(Qd1)が位置する。第1流路(P1)上には分流点(Qd)と合流点(Qu)との間に第1合流案内点(Qu1)が位置する。第1合流案内点(Qu1)は、第1流路(P1)上で第1分流案内点(Qd1)と合流点(Qu)との間に位置し得る。第2流路(P2)上には分流点(Qd)と合流点(Qu)との間に第2合流案内点(Qu2)が位置する。第2合流案内点(Qu2)は、第2流路(P2)上に第2分流案内点(Qd2)と合流点(Qu)との間に位置し得る。流路溝(222a)に分流点(Qd)、第1分流案内点(Qd1)及び第2分流案内点(Qd2)が位置し得る。流路溝(222b)に合流点(Qu)、第1合流案内点(Qu1)及び第2合流案内点(Qu2)が位置し得る。
【0196】
図6~
図10を参照すると、バルブ支持パート(210)は、第1流路(P1)の後述の流入流路(P1i)の一部及び流出流路(P1o)の一部を形成し得る。バルブ支持パート(210)に流入口(Qi)及び流出口(Qo)が形成され得る。バルブ支持パート(210)は、流入口(Qi)を形成する流入連結部(217)及び流出口(Qo)を形成する流出連結部(218)を含み得る。バルブ支持パート(210)は、互いに結合するフィルターボディー(210A)及びフィルターキャップ(210B)を含み得る。
【0197】
一実施例において、フィルターボディー(210A)に境界フィルター(1300)が配置され得る。境界フィルター(1300)の一表面が見える方向にフィルターキャップ(210B)が配置され得る。
【0198】
一実施例において、バルブ支持パート(210)に少なくとも1つの空気通過フィルター(1200)が配置され得る。フィルターキャップ(210B)に少なくとも1つの空気通過フィルター(1200)が固定され得る。バルブ支持パート(210)は、前記薬液流路から分岐する空気の通路を形成し得る。バルブ支持パート(210)は、前記空気の通路が外部空間と連結される地点に位置する少なくとも1つのベントホール(図示せず)を形成し得る。前記ベントホールは、フィルターキャップ(210B)に形成され得る。
【0199】
フィルターキャップ(210B)は、流入流路(P1i)から分岐する空気が流出するベントホールを形成する流入フィルターキャップ(210B1)を含み得る。フィルターキャップ(210B)は、流出流路(P1o)から分岐する空気が流出するベントホールを形成する流出フィルターキャップ(210B2)を含み得る。
【0200】
バルブ支持パート(210)には前記薬液流路の一部を構成する少なくとも1つの流路ホール(210h)が形成される。少なくとも1つの流路ホール(210h)は、流入流路(P1i)の一部を構成する流入流路ホール(210h1)を含み得る。少なくとも1つの流路ホール(210h)は、流出流路(P1o)の一部を構成する流出流路ホール(210h2)を含み得る。流入流路ホール(210h1)の一端は流入口(Qi)を形成し、流入流路ホール(210h1)の他端はバルブプレート(310)に向かい合う。流出流路ホール(210h2)の一端は流出口(Qo)を形成し、流出流路ホール(210h2)の他端はバルブプレート(310)に向かい合う。
【0201】
バルブ支持パート(210)にはバルブプレート(310)の突出部(314)が挿入される挿入溝(214)が形成される。挿入溝(214)は、バルブプレート(310)を見る方向の反対方向に陥没して形成される。挿入溝(214)は、流入流路ホール(210h1)の前記他端が位置する上流挿入溝(214a)を含み得る。挿入溝(214)は、流出流路ホール(210h2)の前記他端が位置する下流挿入溝(214b)を含み得る。
【0202】
流路形成パート(220)の下側面にバルブプレート(310)が接触し得る。流路形成パート(220)の下側にバルブ支持パート(210)が結合され得る。流路形成パート(220)の上側部に薬液移送管(800)が配置され得る。流路形成パート(220)は薬液移送管(800)の下端を支持できる。流路形成パート(220)は第1薬液移送管(810)の一端を支持できる。流路形成パート(220)は第2薬液移送管(820)の一端を支持できる。
【0203】
流路形成パート(220)には少なくとも1つの流路溝(222)が形成され得る。少なくとも1つの流路溝(222)は、分流流路溝(222a)及び合流流路溝(222b)のうち少なくとも1つを含み得る。分流流路溝(222a)はバルブプレート(310)に覆われて分流案内流路(P1a、P2a)を構成し得る。合流流路溝(222b)はバルブプレート(310)に覆われて合流案内流路(P1e、P2e)を構成し得る。
【0204】
分流流路溝(222a)に分流点(Qd)、第1分流案内点(Qd1)及び第2分流案内点(Qd2)が位置し得る。分流流路溝(222a)はバルブプレート(310)の上流連結ホール(310h1)の貫通方向(上下方向)に垂直な方向に延び得る。上流連結ホール(310h1)の上端は分流点(Qd)に向かい合う。
【0205】
合流流路溝(222b)に合流点(Qu)、第1合流案内点(Qu1)及び第2合流案内点(Qu2)が位置し得る。合流流路溝(222b)はバルブプレート(310)の下流連結ホール(310h2)の貫通方向(上下方向)に垂直な方向に延び得る。下流連結ホール(310h2)の上端は合流点(Qu)に向かい合う。
【0206】
分流流路溝(222a)と合流流路溝(222b)は、互いに水平方向に離隔されて配置され得る。分流流路溝(222a)と合流流路溝(222b)は、互いに平行に配置され得る。
【0207】
流路形成パート(220)は、バルブプレート(310)に接触するように下側に突出した流路ガイドリブ(221)を含み得る。流路ガイドリブ(221)は、分流流路溝(222a)を区画する分流流路ガイド(221a)を含み得る。流路ガイドリブ(221)は、合流流路溝(222b)を区画する合流流路ガイド(221b)を含み得る。
【0208】
流路形成パート(220)には前記薬液流路の一部を構成する少なくとも1つの延長ホール(220h)が形成される。延長ホール(220h)は上下方向に延び得る。延長ホール(220h)の下端は流路溝(222)に位置し得る。
【0209】
少なくとも1つの延長ホール(220h)は、後述の第1上流延長流路(P1b)の一部を構成する延長ホール(220h1)を含み得る。延長ホール(220h1)の下端は、第1分流案内点(Qd1)に向かい合い得る。
【0210】
少なくとも1つの延長ホール(220h)は、後述の第2上流延長流路(P2b)の一部を構成する延長ホール(220h2)を含み得る。延長ホール(220h2)の下端は、第2分流案内点(Qd2)に向かい合い得る。
【0211】
少なくとも1つの延長ホール(220h)は、後述の第1下流延長流路(P1d)の一部を構成する延長ホール(220h3)を含み得る。延長ホール(220h3)の下端は、第1合流案内点(Qu1)に向かい合い得る。
【0212】
少なくとも1つの延長ホール(220h)は、後述の第2下流延長流路(P2d)の一部を構成する延長ホール(220h4)を含み得る。延長ホール(220h4)の下端は、第2合流案内点(Qu2)に向かい合い得る。
【0213】
連結パート(230)の下側部に薬液移送管(800)が配置され得る。連結パート(230)は、薬液移送管(800)の上端を支持できる。連結パート(230)は、第1薬液移送管(810)の他端を支持できる。連結パート(230)は、第2薬液移送管(820)の他端を支持できる。
【0214】
連結パート(230)には少なくとも1つの流路溝(232)が形成され得る。少なくとも1つの流路溝(232)は、流入流路溝(232a)、流出流路溝(232b)及び連結流路溝(232c)のうち少なくとも1つを含み得る。流入流路溝(232a)は、連結プレート(320)に覆われてリザーバー流入流路(P2ci)の一部を構成し得る。流出流路溝(232b)は、連結プレート(320)に覆われてリザーバー流出流路(P2co)の一部を構成し得る。連結流路溝(232c)は、連結プレート(320)に覆われて第1連結案内流路(P1c)を構成し得る。
【0215】
流入流路溝(232a)は、連結プレート(320)の連結ホール(320h1)の貫通方向(上下方向)に垂直な方向に延び得る。連結ホール(320h1)の下端は、流入流路溝(232a)に向かい合う。
【0216】
流出流路溝(232b)は、連結プレート(320)の連結ホール(320h2)の貫通方向(上下方向)に垂直な方向に延び得る。連結ホール(320h2)の下端は、流出流路溝(232b)に向かい合う。
【0217】
連結プレート(320)の下側面は、連結流路溝(232c)を覆い得る。連結プレート(320)は、連結流路溝(232c)の全体を覆って、連結流路溝(232c)は上側に連結された流路がないようにすることができる。
【0218】
流入流路溝(232a)と流出流路溝(232b)は、互いに水平方向に離隔されて配置され得る。流入流路溝(232a)、流出流路溝(232b)及び連結流路溝(232c)は、互いに水平方向に離隔されて配置され得る。
【0219】
連結パート(230)は、連結プレート(320)に接触するように上側に突出した流路ガイドリブ(231)を含み得る。流路ガイドリブ(231)は、流入流路溝(232a)を区画する流入流路ガイド(231a)を含み得る。流路ガイドリブ(231)は、流出流路溝(232b)を区画する流出流路ガイド(231b)を含み得る。流路ガイドリブ(231)は、連結流路溝(232c)を区画する連結流路ガイド(231c)を含み得る。
【0220】
連結パート(230)には前記薬液流路の一部を構成する少なくとも1つの延長ホール(230h)が形成される。延長ホール(230h)は上下方向に延び得る。延長ホール(230h)の上端は流路溝(232)に位置する。
【0221】
少なくとも1つの延長ホール(230h)は、後述の第1上流延長流路(P1b)の一部を構成する延長ホール(230h1)と、後述の第2上流延長流路(P2b)の一部を構成する延長ホール(230h2)を含み得る。延長ホール(230h1)の上端及び延長ホール(230h2)の上端は、連結流路溝(232c)に位置し得る。
【0222】
少なくとも1つの延長ホール(230h)は、後述の第1下流延長流路(P1d)の一部を構成する延長ホール(230h3)と、後述の第2下流延長流路(P2d)の一部を構成する延長ホール(230h4)を含み得る。延長ホール(230h3)の上端は流入流路溝(232a)に位置し得る。延長ホール(230h4)の上端は流出流路溝(232b)に位置し得る。
【0223】
第1上流延長流路(P1b)は、流路形成パート(220)の延長ホール(220h1)、第1薬液移送管(810)の毛細流路(810p)及び連結パート(230)の延長ホール(230h1)が順次連結されて形成され得る。第2上流延長流路(P2b)は、流路形成パート(220)の延長ホール(220h2)、第2薬液移送管(820)の毛細流路(820p)及び連結パート(230)の延長ホール(230h2)が順次連結されて形成され得る。第1下流延長流路(P1d)は、連結パート(230)の延長ホール(230h3)及び流路形成パート(220)の延長ホール(220h3)が順次連結されて形成され得る。第1下流延長流路(P1d)は、連結パート(230)の延長ホール(230h4)及び流路形成パート(220)の延長ホール(220h4)が順次連結されて形成され得る。
【0224】
流路形成パート(220)及び連結パート(230)の少なくとも1つは、薬液移送管(800)が安着する移送管安着部(238a、238b)を含み得る。移送管安着部(238a、238b)は、第1薬液移送管(810)が安着する第1移送管安着部(238a)と、第2薬液移送管(820)が安着する第2移送管安着部(238b)を含み得る。移送管安着部(238a、238b)は、薬液移送管(800)が挿入されるホールを形成し得、薬液移送管(800)が挿入される前記ホールは上述の延長ホールと連通し得る。本実施例において、連結パート(230)に移送管安着部(238a、238b)が形成され、第1移送管安着部(238a)のホールに延長ホール(230h1)が連通し、第2移送管安着部(238b)のホールに延長ホール(230h2)が連通する。
【0225】
流路形成パート(220)及び連結パート(230)の少なくとも1つは、上述の延長ホールを上下方向に延長させる流路形成部(239a、239b)を含み得る。流路形成部(239a、239b)は、移送管安着部(238a)と平行に延び得る。本実施例において、流路形成部(239a、239b)は連結パート(230)に形成され、第1流路形成部(239a)は延長ホール(230h1)を上下方向に延長させ、第2流路形成部(239b)は延長ホール(230h4)を上下方向に延長させる。
【0226】
連結パート(230)には突出部(324)が挿入されるリブ溝(233)が形成され得る。連結パート(230)には突出部(324a)が挿入されるリブ溝(233a)と、突出部(324b)が挿入されるリブ溝(233b)が形成され得る。リブ溝(233)は流路ガイドリブ(231)の周りに沿って延び得る。リブ溝(233)は下側に陥没し得る。
【0227】
流路形成パート(220)と連結パート(230)との間にシーラー(900)が挟まって配置され得る。流路形成パート(220)と連結パート(230)は、内部に薬液移送管(800)が配置されるように互いに結合され得る。
【0228】
リザーバー支持パート(240)は、後述の第2連結案内流路(P2c)の一部を形成し得る。リザーバー支持パート(240)に連結ホール(240h)が形成され得る。連結ホール(240h)はリザーバー支持パート(240)を上下に貫き得る。連結ホール(240h)はリザーバー支持パート(240)の中央部に形成され得る。
【0229】
連結ホール(240h)は、流入連結ホール(240h1)と流出連結ホール(240h2)を含み得る。流入連結ホール(240h1)及び流出連結ホール(240h2)は、第2流路(P2)の一部を構成する。
【0230】
リザーバー支持パート(240)は、板状に形成され得る。リザーバー支持パート(240)は、上側から見るとき、全体的に円形に形成され得る。
【0231】
リザーバー支持パート(240)には上側突出部(326)が挿入される溝(246)が形成され得る。溝(246)は上側に陥没し得る。
【0232】
前記薬液流路はバルブプレート(310)を貫き得る。バルブプレート(310)には、流路溝(222)に連結され、前記薬液流路の一部を構成する連結ホール(310h)が形成され得る。連結ホール(310h)はバルブプレート(310)を上下に貫き得る。
【0233】
前記薬液流路は連結プレート(320)を貫き得る。連結プレート(320)には、流路溝(232)に連結され、前記薬液流路の一部を構成する連結ホール(320h)が形成され得る。連結ホール(320h)は連結プレート(320)を上下に貫き得る。
【0234】
バルブ支持パート(210)の流路ホール(210h)と、バルブプレート(310)の連結ホール(310h)と、流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)により区画される前記案内流路は、順次連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。また、流路形成パート(220)の延長ホール(220h)と、前記案内流路が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0235】
リザーバー支持パート(210)の連結ホール(240h)と、連結プレート(320)の連結ホール(320h)と、連結パート(230)及び連結プレート(320)により区画される前記流路は、順次連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。また、連結パート(230)の延長ホール(230h)と、連結パート(230)及び連結プレート(320)により区画される前記流路が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0236】
バルブプレート(310)は、板状に形成され得る。バルブプレート(310)は、上側から見るとき、円形に形成され得る。バルブプレート(310)の材質は、流路形成パート(220)の材質よりさらにフレキシブル(flexible)な材質であり得る。また、バルブプレート(310)の材質は、バルブ支持パート(210)の材質よりさらにフレキシブルな材質であり得る。本開示において「さらにフレキシブルである」ということの意味は、「弾性係数がさらに小さい」という意味である。本実施例において、流路形成パート(220)及びバルブ支持パート(210)の材質は、合成樹脂を含み、バルブプレート(310)の材質は、ゴムまたはシリコーンを含む。
【0237】
バルブプレート(310)は、流路形成パート(220)に接触するカバー面(311)を含み得る。バルブプレート(310)は、バルブ支持パート(210)に接触する補助カバー面(312)を含み得る。カバー面(311)は上側面を形成し、補助カバー面(312)は下側面を形成し得る。
【0238】
バルブプレート(310)には、分流流路溝(222a)に連結される上流連結ホール(310h1)と、合流流路溝(222b)に連結される下流連結ホール(310h2)が形成され得る。バルブ支持パート(210)の流入流路ホール(210h1)と上流連結ホール(310h1)が順次連結され、流入流路(P1i)が形成され得る(
図10参照)。下流連結ホール(310h2)とバルブ支持パート(210)の流出流路ホール(210h2)が順次連結され、流出流路(P1o)を形成し得る(
図10参照)。
【0239】
バルブプレート(310)は、補助カバー面(312)からバルブ支持パート(210)を見る方向に突出した少なくとも1つの突出部(314)を含み得る。突出部(314)の下端に連結ホール(310h)の下端が位置し得る。少なくとも1つの突出部(314)は、上流連結ホール(310h1)に対応する上流突出部(314a)と、下流連結ホール(310h2)に対応する下流突出部(314b)を含み得る。
【0240】
バルブプレート(310)は、流路ガイドリブ(221)を取り囲むように上側に突出するシーリングリブ(315)を含み得る。シーリングリブ(315)は、合流流路ガイド(221b)を取り囲み得る。バルブプレート(310)は、分流流路ガイド(221a)を取り囲むように上側に突出するシーリングリブ(図示せず)を含み得る。流路形成パート(220)の下側面には上側に陥没してシーリングリブ(315)が挿入されるシーリング溝(224)が形成され得る。
【0241】
連結プレート(320)は、板状に形成され得る。連結プレート(320)は、上側から見るとき、円形に形成され得る。連結プレート(320)の材質は、連結パート(230)の材質よりさらにフレキシブルな材質であり得る。また、連結プレート(320)の材質は、リザーバー支持パート(240)の材質よりさらにフレキシブルな材質であり得る。本実施例において、連結パート(230)及びリザーバー支持パート(240)の材質は、合成樹脂を含み、連結プレート(320)の材質は、ゴムまたはシリコーンを含む。
【0242】
連結プレート(320)は、連結パート(230)に接触するカバー面(321)を含み得る。連結プレート(320)は、リザーバー支持パート(240)に接触する補助カバー面(322)を含み得る。カバー面(321)は下側面を形成し、補助カバー面(312)は上側面を形成し得る。
【0243】
連結プレート(320)には、第2流路(P2)の一部を構成し、リザーバー支持パート(240)の流入連結ホール(240h1)に連結される第1連結ホール(320h1)が形成され得る。連結プレート(320)には、第2流路(P2)の一部を構成し、リザーバー支持パート(240)の流出連結ホール(240h2)に連結される第2連結ホール(320h2)が形成され得る。第1連結ホール(320h1)の下端は連結パート(230)の流入流路溝(232a)に向かい合い、第2連結ホール(320h2)の下端は連結パート(230)の流出流路溝(232b)に向かい合い得る。
【0244】
連結プレート(320)は、流路ガイドリブ(231)を取り囲むように下側に突出した突出部(324)を含み得る。突出部(324)は、流入流路ガイド(231a)及び流出流路ガイド(231b)を取り囲む突出部(324a)と、連結流路ガイド(231c)を取り囲む突出部(324b)を含み得る。連結プレート(320)は、上側に突出し、連結ホール(320h)の周りに沿って延びた上側突出部(326)を含み得る。
【0245】
リザーバーアセンブリー(A400)は、リザーバー(400)とリザーバー支持パート(240)の組立体を含む部品である。薬液制御装置(80)はリザーバーアセンブリー(A400)を含み得る。
【0246】
リザーバー(reservoir)(400)は、薬液を貯蔵する内部空間(400s)を形成する。薬液制御装置(80)においてリザーバー(400)の内部空間(400s)は前記薬液流路上に位置する。薬液制御装置(80)においてリザーバー(400)の内部空間(400s)は第2流路(P2)上に位置し得る。
【0247】
リザーバー(400)は、内部空間(400s)のボリューム(volume)が変更可能に構成される。リザーバー(400)の内部空間(400s)のボリュームが大きくなって薬液を貯蔵し、リザーバー(400)の内部空間(400s)のボリュームが小さくなって貯蔵された薬液を流出させることができる。
【0248】
リザーバー(400)は、互いに結合される上側の第1フィルム(410)と下側の第2フィルム(420)を含み得る。例えば、第1フィルム(410)と第2フィルム(420)は、それぞれPVC(ポリ塩化ビニル)フィルムであり得る。第1フィルム(410)と第2フィルム(420)は、それぞれの縁部の部分が上下に結合し、第1フィルム(410)と第2フィルム(420)との間に内部空間(400s)を形成し得る。
【0249】
リザーバー(400)の外表面の一部分(421)に、内部空間(400s)に連結される少なくとも1つのホール(420h)が形成され得る。少なくとも1つのホール(420h)は、流入ホール(420h1)及び流出ホール(420h2)を含み得る。流入ホール(420h1)は、リザーバー流入流路(P2ci)の一部を構成し、流出ホール(420h2)は、リザーバー流出流路(P2co)の一部を構成し得る。
【0250】
リザーバー(400)の前記一部分(421)はリザーバー支持パート(240)に固定され得る。前記一部分(421)はリザーバー(400)の中央部に位置し得る。前記一部分(421)はリザーバー(400)の下側面の中央に位置し得る。前記一部分(421)は第2フィルム(420)に位置し得る。
【0251】
リザーバー支持パート(240)はリザーバー(400)の下側に配置され得る。リザーバー(400)はリザーバー支持パート(240)の上側面に固定され得る。リザーバー支持パート(240)の上側面は上側に凸の表面を含み得る。
【0252】
リザーバー(400)の前記一部分(421)はリザーバー支持パート(240)の上側面の一部分に固定され得る。リザーバー支持パート(240)の前記一部分はリザーバー支持パート(240)の中央部に位置し得る。リザーバー(400)の前記一部分(421)はリザーバー(400)の下側面の中央に位置し、リザーバー支持パート(240)の前記凸の表面はリザーバー(400)の前記中央に対応する位置で突出して形成され得る。
【0253】
リザーバー支持パート(240)には、前記薬液流路の一部を構成し、リザーバー(400)の流入ホール(420h1)に連結される流入連結ホール(240h1)が形成され得る。リザーバー支持パート(240)には、前記薬液流路の一部を構成し、流出ホール(420h2)に連結される流出連結ホール(240h2)が形成され得る。
【0254】
流入連結ホール(240h1)はリザーバー流入流路(P2ci)の一部を構成し得る。流入連結ホール(240h1)はリザーバー(400)の流入ホール(420h1)に連結され得る。流入ホール(420h1)及び流入連結ホール(240h1)は上下に連結され得る。流入連結ホール(240h1)は連結プレート(320)の第1連結ホール(320h1)に連結され得る。流入連結ホール(240h1)及び第1連結ホール(320h1)は上下に連結され得る。
【0255】
流出連結ホール(240h2)はリザーバー流出流路(P2co)の一部を構成し得る。流出連結ホール(240h2)はリザーバー(400)の流出ホール(420h2)に連結され得る。流出ホール(420h2)及び流出連結ホール(240h2)は上下に連結され得る。流出連結ホール(240h2)は連結プレート(320)の第2連結ホール(320h2)に連結され得る。流出連結ホール(240h2)及び第2連結ホール(320h2)は上下に連結され得る。
【0256】
リザーバープッシュ部材(500)はリザーバー(400)を加圧可能に構成される。リザーバープッシュ部材(500)はリザーバー(400)の上側に配置され得る。リザーバープッシュ部材(500)はリザーバー(400)を下側に加圧可能に構成され得る。リザーバープッシュ部材(500)が下側に移動するとき、リザーバー(400)はリザーバープッシュ部材(500)とリザーバー支持パート(240)との間で押されることによって、リザーバー(400)の内部空間(400s)の薬液がリザーバー(400)の外部に流出することができる。
【0257】
リザーバープッシュ部材(500)はアッパープレート(510)とリザーバー加圧部(520)を含み得る。リザーバープッシュ部材(500)は上側に突出するスライド突起(516)を含み得る。スライド突起(516)はリザーバープッシュ部材(500)の中央で上側に突出し得る。
【0258】
アッパープレート(510)はリザーバー加圧部(520)の上側に結合され得る。アッパープレート(510)は、上側から見るとき、全体的に円形に形成され得る。アッパープレート(510)は、リザーバー加圧部(520)の上側面に結合される結合面(511)と、加圧部材(1000)により加圧される押圧面(512)を含み得る。アッパープレート(510)は、結合面(511)の周りに沿って延び、リザーバー加圧部(520)の縁部に接触する側面ガイド(513)を含み得る。スライド突起(516)はアッパープレート(510)に形成され得る。スライド突起(516)は支持スライダー(1600)に対して上下方向にスライディング(sliding)可能に構成される。
【0259】
リザーバー加圧部(520)はリザーバー(400)を加圧する下側面を含む。リザーバー加圧部(520)はアッパープレート(510)よりさらにフレキシブルな材質から形成され得る。本実施例において、アッパープレート(510)の材質は合成樹脂を含み、リザーバー加圧部(520)の材質はゴムまたはシリコーンを含み得る。
【0260】
ロックバー(610)はケース(100)に対して上下方向に移動可能に構成される。ロック弾性部材(620)はロックバー(610)を上側方向に加圧するように構成される。ロック弾性部材(620)は、ロックバー(610)が下側に移動するとき、弾性変形するように構成され得る。ロック弾性部材(620)はボディー(200)に配置され得る。ロック弾性部材(620)はロックバー(610)を支持できる。
【0261】
ロック弾性部材(620)は、弾性力を発揮すると知られている多様な方式の中の1つを用いることができる。例えば、ロック弾性部材(620)は、圧縮スプリング、エアスプリングなど多様な方式の部材を含むこともでき、ゴムなどの材質で弾性圧縮されるように構成された部材を含むこともできる。
【0262】
ボタン部材(700)は下側に移動可能に構成される。ボタン部材(700)は上下方向に移動可能に構成され得る。
【0263】
本実施例において、ボタン部材(700)はリザーバープッシュ部材(500)の上側に離隔されて配置される。ボタン部材(700)は加圧部材(1000)の上端を下側に加圧可能に構成される。本実施例において、使用者がボタン部材(700)の操作部(710)を下側に押すと、ボタン部材(700)が加圧部材(1000)を下側に押し、加圧部材(1000)がリザーバープッシュ部材(500)を下側に押す。
【0264】
図示されていない他の実施例において、ボタン部材(700)はリザーバープッシュ部材(500)から上側に離隔可能であるものの、リザーバープッシュ部材(500)を下側に加圧可能に構成されることもできる。この実施例において、使用者がボタン部材(700)の操作部(710)を下側に押すと、ボタン部材(700)が直接リザーバープッシュ部材(500)を下側に押すことができる。
【0265】
ボタン部材(700)は支持スライダー(1600)の上側を覆う上面部(720)を含み得る。ボタン部材(700)は上面部(720)から上側に突出した操作部(710)を含み得る。
【0266】
加圧部材(1000)はボタン部材(700)とリザーバープッシュ部材(500)との間に配置される。加圧部材(1000)はリザーバープッシュ部材(500)を下側に加圧するように構成され得る。
【0267】
本実施例において、加圧部材(1000)は、上端がボタン部材(700)により下側に押されるとき、上下方向に圧縮弾性変形しながら下端がリザーバープッシュ部材(500)を下側に押すように構成される。この実施例において、加圧部材(1000)は、ボタン部材(700)が操作されるとき、弾性変形されるように構成される。この実施例において、加圧部材(1000)はリザーバープッシュ部材(500)とボタン部材(700)が互いに近づくとき、弾性変形するように構成される。加圧部材(1000)は、弾性力を発揮すると知られている多様な方式の中の1つを用いることができる。例えば、加圧部材(1000)は、圧縮スプリング、トルクスプリング、エアスプリングなど多様な方式の部材を含むこともでき、ゴムなどの材質で弾性圧縮されるように構成された部材を含むこともできる。
【0268】
図示されていない他の実施例において、前記加圧部材は、スプリングなどではなく、上下方向に延びたバー(bar)のような構成で形成され、ボタン部材とともに下側に移動してリザーバープッシュ部材(500)を下側に押すことができる。この実施例において、前記加圧部材は、前記ボタン部材と一体に形成されるか、結合され得る。
【0269】
薬液制御装置(80)は、前記薬液流路の一部を構成する毛細流路(810p、820p)を有する少なくとも1つの薬液移送管(800)を含み得る。薬液移送管(800)はボディー(200)に結合される。薬液移送管(800)は、薬液の時間当りの流量を制限する機能を有し得る。一例として、薬液移送管(800)は、毛細管を含み得る。他の例として、薬液移送管(800)は、高分子マイクロチューブ(microtube)を含み得る。その他にも、薬液移送管(800)は、毛細流路を有する多様な形状及び材質で構成され得る。例えば、毛細流路(820p)は、約0.04~0.08mmの直径を有することによって、時間当りの薬液の流量を制限する役割をすることができる。
【0270】
少なくとも1つの薬液移送管(800)は、第1流路(P1)の一部を構成する毛細流路(810p)を形成する第1薬液移送管(810)を含み得る。第1薬液移送管(810)は、複数のパート(210、220、230、240)のうち少なくともいずれか1つに配置され得る。本実施例において、毛細流路(810p)は第1上流延長流路(P1b)の一部を構成するが、図示されていない他の実施例において、毛細流路(810p)は第1下流延長流路(P1d)の一部を構成することもできる。
【0271】
少なくとも1つの薬液移送管(800)は、第2流路(P2)の一部を構成する毛細流路(820p)を形成する第2薬液移送管(820)を含み得る。第2薬液移送管(820)は、複数のパート(210、220、230、240)のうち少なくともいずれか1つに配置され得る。本実施例において、毛細流路(820p)は第2上流延長流路(P2b)の一部を構成するが、図示されていない他の実施例において、毛細流路(820p)は第2下流延長流路(P2d)の一部を構成することもできる。
【0272】
薬液移送管(800)の少なくとも一部はボディー(200)の内側面に接触し得る。薬液移送管(800)はシーラー(910)を貫いて配置され得る。
【0273】
シーラー(900)はリング(ring)形状に形成され得る。シーラー(900)はゴムなどの弾性材質から形成され得る。本実施例において、シーラー(900)は流路形成パート(220)と流路形成パート(220)との間に挟まって配置される。
【0274】
少なくとも1つのシーラー(900)は、薬液移送管(800)の外側面とハウジング(81)の内側面との間に挟まって配置される少なくとも1つの移送管シーラー(910)を含み得る。移送管シーラー(910)は、薬液が薬液移送管(800)の外側面及びボディー(200)の内側面の間に流れることを遮断できる。移送管シーラー(910)は、薬液移送管(800)の周りを取り囲み得る。少なくとも1つの移送管シーラー(910)は、第1薬液移送管(810)の外側面とボディー(200)の内側面との間に挟まって配置される第1移送管シーラー(911)を含み得る。少なくとも1つの移送管シーラー(910)は、第2薬液移送管(820)の外側面とボディー(200)の内側面との間に挟まって配置される第2移送管シーラー(912)を含み得る。
【0275】
少なくとも1つのシーラー(900)は、互いに結合する2つのパート(220、230)の間に挟まって、2つのパート(220、230)の間に薬液の流出を防止する少なくとも1つの連結シーラー(930)を含み得る。連結シーラー(930)は、前記薬液流路のうち薬液移送管(800)が配置されていない部分に配置される。少なくとも1つの連結シーラー(930)は、互いに結合する2つのパート(220、230)により形成される第1下流延長流路(P1d)に配置される第1連結シーラー(931)を含み得る。少なくとも1つの連結シーラー(930)は、互いに結合する2つのパート(220、230)により形成される第2下流延長流路(P2d)に配置される第2連結シーラー(932)を含み得る。
【0276】
薬液制御装置(80)は、疎水性(hydrophobic)の少なくとも1つの空気通過フィルター(1200)を含み得る。空気通過フィルター(1200)は、薬液の通過を遮断するものの、空気を通過させる。空気通過フィルター(1200)は、フィルター支持パート(210)に配置され得る。フィルター支持パート(210)は、流入流路(P1i)から分岐する空気の通路(R1)を形成し得る(
図11参照)。フィルター支持パート(210)は、流出流路(P1o)から分岐する空気の通路(R2)を形成し得る(
図12参照)。
図11の矢印A1は通路(R1)に沿って空気が通過する方向を示し、
図12の矢印A2は通路(R2)に沿って空気が通過する方向を示す。
【0277】
少なくとも1つの空気通過フィルター(1200)は、第1流路(P1)上で分流点(Qd)の上流側に位置する上流空気通過フィルター(1200A)を含み得る。上流空気通過フィルター(1200A)は、第1流路(P1)内の空気を外部に排出させるように構成され得る。上流空気通過フィルター(1200A)は、空気の通路(R1)と流入流路(P1i)の境界に配置される第1空気通過フィルター(1210)を含み得る。上流空気通過フィルター(1200A)は、空気通路(R1)上に配置される第2空気通過フィルター(1220)をさらに含み得る。
【0278】
少なくとも1つの空気通過フィルター(1200)は、第1流路(P1)上で合流点(Qu)の下流側に位置する下流空気通過フィルター(1200B)を含み得る。下流空気通過フィルター(1200B)は、第1流路(P1)内の空気を外部に排出させるように構成され得る。下流空気通過フィルター(1200B)は、空気の通路(R2)と流出流路(P1o)の境界に配置される第1空気通過フィルター(1210)を含み得る。上流空気通過フィルター(1200A)は、空気通路(R2)上に配置される第2空気通過フィルター(1220)をさらに含み得る。
【0279】
空気通過フィルター(1200)は、空気の通路(R1、R2)上で順次配置される第1空気通過フィルター(1210)及び第2空気通過フィルター(1220)を含み得る。第2空気通過フィルター(1220)は、第1空気通過フィルター(1210)を通過した空気が通過するように構成される。第2空気通過フィルター(1220)は、第1空気通過フィルター(1210)の気孔や接着部位などが損傷した場合にも内部の薬液が外部に流れ出ないようにする機能を行うことができる。
【0280】
第2空気通過フィルター(1220)は、第1空気通過フィルター(1210)と同一材質であるか、多孔質のプラスチック素材が加工されて形成され得る。一例として、第2空気通過フィルター(1220)は、疎水性の多孔質のプラスチック樹脂材料が空気の通路(R1、R2)の一部の断面積を満たすように形成され得る。例えば、第2空気通過フィルター(1220)の材料は、米国ジョージア州フェアバーン(Fairburn, GA 30213)所在のポレックスコーポレーション(Porex Corporation)(ウェブサイト:www.porex.com)から入手することができる。前記ポレックスコーポレーションのポレックスハイドロフォビックベント(Porex Hydrophobic Vents)というブランドの製品を用いることができるが、本製品はポリエチルポリテトラフルオロエチレン(polyethyle polytetrafluoroethylene)の材料で作ったものである。
【0281】
薬液制御装置(80)は、前記薬液流路上に配置される親水性(hydrophilic)の少なくとも1つの境界フィルター(1300)を含み得る。境界フィルター(1300)は、前記薬液流路を横切って配置され得る。少なくとも1つの境界フィルター(1300)は、流入流路(P1i)上で上流空気通過フィルター(1200A)と分流点(Qd)との間に配置される上流境界フィルター(1300A)を含み得る。少なくとも1つの境界フィルター(1300)は、流出流路(P1o)上で流出口(Qo)と下流空気通過フィルター(1200B)との間に配置される下流境界フィルター(1300B)を含み得る。
【0282】
境界フィルター(1300)は、薬液で濡れた場合、境界フィルター(1300)を基準として上流側の流路の部分と下流側の流路の部分の圧力境界面として作用するように構成される。境界フィルター(1300)により前記上流側の流路の部分と前記下流側の流路の部分が互いに異なる内圧を有し得る。例えば、境界フィルター(1300)は、網構造及びファイバ(fiber)構造のうち少なくとも1つの方式で構成され得る。境界フィルター(1300)は、不純物をフィルタリングする機能をさらに有し得る。
【0283】
フィルタースペーサ(1400)は、フィルターキャップ(210B)の前記空気の通路を区画する内側面と空気通過フィルター(1200)を離隔させることができる。フィルタースペーサ(1400)は、フィルターキャップ(210B)に挿入され得る。
【0284】
図11は、
図9のラインS2-S2'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
図12は、
図9のラインS3-S3'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
図13は、
図9のラインS4-S4'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
【0285】
図10~
図13を参照すると、第1流路(P1)は、流入流路(P1i)、第1分流案内流路(P1a)、第1上流延長流路(P1b)、第1連結案内流路(P1c)、第1下流延長流路(P1d)、第1合流案内流路(P1e)及び流出流路(P1o)が順次連結されて形成され得る。第1毛細流路(810p)は、第1上流延長流路(P1b)の一部を構成し得る。
【0286】
第2流路(P2)は、第2分流案内流路(P2a)、第2上流延長流路(P2b)、リザーバー流入流路(P2ci)、リザーバー(400)の内部空間(400s)、リザーバー流出流路(P2co)、第2下流延長流路(P2d)及び第2合流案内流路(P2e)が順次連結されて形成され得る。第2毛細流路(820p)は、第2上流延長流路(P2b)の一部を構成し得る。
【0287】
図10及び
図11を参照すると、流入流路(P1i)は、流入口(Qi)から分流点(Qd)までの流路区間である。薬液は流入流路(P1i)に沿って流れた後(矢印Hi参照)、分流点(Qd)で分流し、分流案内流路(P1a、P2a)に沿って流れる。第1分流案内流路(P1a)は、分流点(Qd)から第1分流案内点(Qd1)までの流路区間である。薬液は第1分流案内流路(P1a)に沿って流れた後、第1上流延長流路(P1b)に沿って流れる(矢印H11参照)。また、第2分流案内流路(P2a)は、分流点(Qd)から第2分流案内点(Qd2)までの流路区間である。薬液は第2分流案内流路(P2a)に沿って流れた後、第2上流延長流路(P2b)に沿って流れる(矢印H21参照)。
【0288】
図11及び
図12を参照すると、第1連結案内流路(P1c)は、第1上流延長流路(P1b)の下流側の末端と第1下流延長流路(P1d)の上流側の末端を連結することができる。薬液は、順次第1上流延長流路(P1b)及び第1連結案内流路(P1c)に沿って流れた後、第1下流延長流路(P1d)に沿って流れる(矢印H13)。
【0289】
図12及び
図13を参照すると、第2連結案内流路(P2c)は、第2上流延長流路(P2b)の下流側の末端と第2下流延長流路(P2d)の下流側の末端を連結することができる。薬液は、順次第2上流延長流路(P2b)及び第2連結案内流路(P2c)に沿って流れた後、第2下流延長流路(P2d)に沿って流れる(矢印H24)。
【0290】
図13を参照にすると、リザーバー流入流路(P2ci)は、連結パート(230)の流入流路溝(232a)、連結プレート(320)の第1連結ホール(320h1)、リザーバー支持パート(240)の流入連結ホール(240h1)及びリザーバー(400)の流入ホール(420h1)が順次連結されて形成され得る。
【0291】
図12及び
図13を参照すると、リザーバー流出流路(P2co)は、リザーバー(400)の流出ホール(420h2)、リザーバー支持パート(240)の流出連結ホール(240h2)、連結プレート(320)の第2連結ホール(320h2)及び連結パート(230)の流出流路溝(232b)が順次連結されて形成され得る。リザーバー(400)の内部空間(400s)内の薬液は、リザーバー流出流路(P2co)に沿って流れた後(矢印H23参照)、第2下流延長流路(P2d)に沿って流れる(矢印H24参照)。
【0292】
図12を参照すると、分流案内流路(P1a、P2a)により分流した薬液は、合流案内流路(P1e、P2e)を通じて合流し、流出流路(P1o)に沿って流れる(矢印Ho参照)。第1合流案内流路(P1e)は、第1合流案内点(Qu1)から合流点(Qu)までの流路区間である。薬液は、第1下流延長流路(P1d)に沿って流れた後(矢印H13参照)、第1合流案内流路(P1e)に沿って流れる。また、第2合流案内流路(P2e)は、第2合流案内点(Qu2)から合流点(Qu)までの流路区間である。薬液は、第2下流延長流路(P2d)に沿って流れた後(矢印H24参照)、第2合流案内流路(P2e)に沿って流れる。流出流路(P1o)は、合流点(Qu)から流出口(Qo)までの流路区間である。薬液は、合流案内流路(P1e、P2e)に沿って流れた後、流出流路(P1o)に沿って流れる(矢印Ho参照)。
【0293】
図14及び
図15は、
図6のボタン部材(700)、リザーバープッシュ部材(500)、加圧部材(1000)、支持スライダー(1600)及びスライダースプリング(1700)の分解斜視図である。
図16~
図20は、ボタン部材(700)、リザーバープッシュ部材(500)、加圧部材(1000)、支持スライダー(1600)及びスライダースプリング(1700)の作動メカニズムを示す図であって、
図15のラインS5-S5'に沿って薬液制御装置(80)を切った部分縦断面図である。
図21は、
図17のラインS6-S6'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
図22は、
図19のラインS7-S7'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
【0294】
薬液制御装置(80)に関する説明において、上下方向に延びた仮想の中心軸(X)を中心とした周方向を「円周方向」と定義し、中心軸(X)から遠くなる方向を「半径外側方向」と定義し、中心軸(X)に近づく方向を「半径内側方向」と定義し得る。
【0295】
図14~
図22を参照すると、薬液制御装置(80)は、ボタン部材(700)が下降を完了した後も弾性圧縮された加圧部材(1000)がリザーバープッシュ部材(500)を下側に下降させるように押すように構成され得る。使用者がリザーバー(400)内の薬液が全て流出するまでボタン部材(700)を引き続き押さなくても、加圧部材(1000)がリザーバープッシュ部材(500)をリザーバー(400)内の薬液が全て流出するまで押すことになる。コッター(1100a)は、ボタン部材(700)を押している状態でケースと分離可能に結合され得る(
図3参照)。一実施例による薬液制御装置(80)は、リザーバー(400)、ボタン部材(700)、支持スライダー(1600)、スライダースプリング(1700)、加圧部材(1000)、リザーバープッシュ部材(500)を含み得る。
【0296】
ケース(100)には支持スライダー(1600)の係止突起(1610)が挿入可能な係止溝(121)が形成され得る。本実施例において、係止溝(121)はガイドパート(100C)に形成される。係止溝(121)に係止突起(1610)が係止され得る。複数の係止突起(1610)に対応する複数の係止溝(121)がガイドパート(100C)に形成され得る。
【0297】
ガイドパート(100C)はボタン部材(700)の周りに沿って延び得る。ガイドパート(100C)はリザーバープッシュ部材(500)の周りに沿って延び得る。ガイドパート(100C)はボタン部材(700)の移動方向を案内するように構成され得る。ガイドパート(100C)はリザーバープッシュ部材(500)の移動方向を案内するように構成され得る。
【0298】
支持スライダー(1600)はボタン部材(700)に配置され得る。支持スライダー(1600)はボタン部材(700)とともに上下移動するように構成され得る。支持スライダー(1600)は、例えば、プラスチック材質から形成され得る。
【0299】
支持スライダー(1600)は、上下方向を横切る係止方向(G1)に突出した少なくとも1つの係止突起(1610)を含み得る(
図21参照)。本開示において、解除方向(G2)は係止方向(G1)の反対方向と定義され得る(
図22参照)。複数の係止突起(1610)を有する支持スライダー(1600)の場合、それぞれの係止突起(1610)に対応する係止方向(G1)及び解除方向(G2)は互いに異なり得る。本実施例において、係止方向(G1)は半径外側方向であるが、これに制限されるわけではなく、実施例によって前記係止方向は、半径外側方向ではなく、他の方向に設定されることもできる。
【0300】
ボタン部材(700)が下側に移動して所定の位置に到達するとき、係止突起(1610)が係止溝(121)に挿入されるように構成され得る(
図17及び
図21参照)。支持スライダー(1600)は、係止突起(1610)が係止溝(121)に挿入された状態で上側に移動しないように係止されるように構成される。ボタン部材(700)に支持スライダー(1600)が配置されるので、ボタン部材(700)及び支持スライダー(1600)は、係止突起(1610)が係止溝(121)に挿入された状態で上側に移動しないように係止されるように構成され得る。
【0301】
支持スライダー(1600)は、解除方向(G2)にスライド突起(516)に接触する少なくとも1つの接触部(1630)を含み得る。接触部(1630)は、解除方向(G2)にスライド突起(516)の外表面の形状に対応する接触面を有し得る。接触部(1630)の前記接触面は、スライド突起(516)に接触した状態でスライド突起(516)に沿って上下方向に移動することができる。
【0302】
支持スライダー(1600)は、係止突起(1610)と対応する接触部(1630)を互いに連結して延びる連結延長部(1620)を含み得る。一実施例において、連結延長部(1620)は係止方向(G1)に圧縮弾性変形可能に構成され得る。これにより、支持スライダー(1600)が所定の位置に下降せずに係止突起(1610)が係止溝(121)に挿入されていない状態でも、連結延長部(1620)が係止方向(G1)に圧縮弾性変形し、接触部(1630)が支持スライダー(1600)の第1部分(516a)に接触することができる。例えば、連結延長部(1620)は、弾性変形することができるように曲がった形状を有し得る。
【0303】
支持スライダー(1600)は、スライダースプリング(1700)が係止されるように突出したスプリング係止部(1650)を含み得る。スプリング係止部(1650)は、接触部(1630)の半径外側方向に形成され得る。スプリング係止部(1650)にスライダースプリング(1700)が係止される。
【0304】
本実施例において、支持スライダー(1600)は、リザーバープッシュ部材(500)のスライド突起(516)を中心にそれぞれの係止方向(G1)に延びる複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)を含む。図示されていない他の実施例において、1つの係止動作部のみを有することもできる。
【0305】
複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)は、それぞれ係止突起(1610)、接触部(1630)及び連結延長部(1620)を含み得る。複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)は、それぞれスプリング係止部(1650)を含み得る。複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)は、円周方向に配列され得る。
【0306】
支持スライダー(1600)は、複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)のうち互いに隣接したある2つを連結して延びる弾性連結部(1640)を含み得る。弾性連結部(1640)は、互いに隣接した2つの接触部(1630)を連結して延び得る。弾性連結部(1640)は、弾性変形可能に構成され得る。具体的には、複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)の複数の接触部(1630)が半径内側方向に移動するとき、隣接した2つの接触部(1630)が円周方向に近づくように弾性連結部(1640)が円周方向に短くなり得る。また、複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)の複数の接触部(1630)が半径外側方向に移動するとき、隣接した2つの接触部(1630)が円周方向に遠くなるように弾性連結部(1640)が円周方向に長くなり得る。例えば、連結延長部(1620)は、弾性変形することができるように曲がった形状を有し得る。
【0307】
スライダースプリング(1700)は接触部(1630)を解除方向(G2)に加圧することができる。これを通じて、接触部(1630)はスライド突起(516)に接触した状態を維持することができる。スライダースプリング(1700)は支持スライダー(1600)のスプリング係止部(1650)に係止され得る。スライダースプリング(1700)は接触部(1630)の半径外側方向に配置され得る。
【0308】
スライダースプリング(1700)は、例えば、金属材質から形成され得る。スライダースプリング(1700)は半径外側方向に弾性変形し、接触部(1630)に半径内側方向に弾性復元力を加えることができる。本実施例において、スライダースプリング(1700)はC型スプリングであるが、図示されていない他の実施例において、弾性力を発揮すると知られている多様な方式の中の1つを用いることができる。例えば、スライダースプリング(1700)は、圧縮スプリング、引張スプリング、トルクスプリング、エアスプリングなど多様な方式の部材を含むこともでき、ゴムなどの材質で弾性圧縮されるように構成された部材を含むこともできる。
【0309】
ボタン部材(700)の内部に支持スライダー(1600)及びスライダースプリング(1700)が配置され得る。ボタン部材(700)は加圧部材(1000)の上端を加圧するように構成される下部パート(700B)を含み得る。ボタン部材(700)は下部パート(700B)の上側に結合される上部パート(700A)を含み得る。
【0310】
下部パート(700B)は支持スライダーの下側に配置され得る。支持スライダー(1600)はボタン部材(700)の上部パート(700A)の下側に配置され得る。上部パート(700A)及び下部パート(700B)の間に支持スライダー(1600)が配置され得る。
【0311】
下部パート(700B)にはリザーバープッシュ部材(500)のスライド突起(516)が挿入されるホール(700h)が形成され得る。ホール(700h)は下部パート(700B)の中央を上下方向に貫き得る。スライド突起(516)のうちホール(700h)を通じて下面パート(700B)の上側に通過した部分が支持スライダー(1600)の接触部(1630)に接触し得る。
【0312】
加圧部材(1000)は、係止突起(1610)が係止溝(121)に挿入された状態で、上下方向に伸びながら弾性復元してリザーバープッシュ部材(500)を下側に押すように構成され得る。加圧部材(1000)がリザーバープッシュ部材(500)を押す弾性復元力(
図18及び
図19の矢印F参照)を予め設定するように加圧部材(1000)の弾性係数を予め設定することによって、リザーバー(400)内部から薬液が流出する速度を予め設定することができる。
【0313】
一実施例において、リザーバープッシュ部材(500)は、ボタン部材(700)との接触なしに、加圧部材(1000)により下側に押されて下側に移動するように構成され得る。リザーバープッシュ部材(500)の押圧面(512)は、ボタン部材(700)ではなく、加圧部材(1000)により押されることができる。
【0314】
スライド突起(516)は、スライド突起(516)の下部を構成する第1部分(516a)と、スライド突起(516)の上部を構成する第2部分(516b)を含み得る。第1部分(516a)は、接触部(1630)に接触可能な接触面を有する。第2部分(516b)は、接触部(1630)に接触可能な接触面を有する。
【0315】
第1部分(516a)の前記接触面は、第2部分(516b)の前記接触面を基準として係止方向(G1)側に位置する(
図17及び
図21参照)。本実施例において、第1部分(516a)の周面の位置は、第2部分(516b)の周面の位置より半径外側方向に位置する。例えば、第1部分(516a)の円周長さ(
図21参照)は、第2部分(516b)の円周長さ(
図22参照)より大きくなり得る。
【0316】
以下、
図16~
図22を参照して、ボタン部材(700)、支持スライダー(1600)、加圧部材(1000)、リザーバープッシュ部材(500)及びリザーバー(400)等の作動過程を説明すると、次のとおりである。
【0317】
図16を参照すると、リザーバー(400)に薬液が貯蔵されて膨らんだ初期状態で、ボタン部材(700)は上側に移動している状態である。
【0318】
図17及び
図21を参照すると、ボタン部材(700)が下側方向(MB)に移動すると、支持スライダー(1600)とボタン部材(700)は一体に下側に移動する。この時、支持スライダー(1600)はスライド突起(516)に接触した状態で下側方向にスライディングし、加圧部材(1000)は弾性圧縮される。また、支持スライダー(1600)がスライド突起(516)の第2部分(516b)から第1部分(516a)に移動すると、接触部(1630)が係止方向(G1)に移動し、スライダースプリング(1700)が弾性変形する。支持スライダー(1600)が係止溝(121)に挿入されて係止される前の状態で支持スライダー(1600)の接触部(1630)がスライド突起(516)の第1部分(516a)に接触するとき、支持スライダー(1600)の連結延長部(1620)が係止方向(G1)に弾性圧縮し、これにより、係止突起(1610)がガイドパート(100C)の内側面を加圧することになる。また、弾性連結部(1640)も弾性変形し得る。ここで、支持スライダー(1600)がさらに下降して係止溝(121)と同じレベル上に到達するとき、連結延長部(1620)が弾性復元しつつ、係止突起(1610)が係止溝(121)に挿入されて係止される。接触部(1630)が第1部分(516a)に接触している状態では、係止突起(1610)が係止溝(121)に係止された状態が維持され、支持スライダー(1600)及びボタン部材(700)はケース(100)に対して上下方向に固定された状態を維持する。
【0319】
図18を参照すると、加圧部材(1000)は弾性圧縮されているので、弾性復元しつつ、リザーバープッシュ部材(500)を下側に加圧する。これにより、リザーバープッシュ部材(500)は下側に移動してリザーバー(400)を加圧し、リザーバー(400)内部の薬液が流出する。
【0320】
図19及び
図22を参照すると、リザーバープッシュ部材(500)がさらに下側に移動して所定位置に到達すると、支持スライダー(1600)の接触部(1630)がスライド突起(516)の第2部分(516b)に接触することになる。この時、スライダースプリング(1700)が弾性復元しつつ、接触部(1630)を半径内側方向に移動させて第2部分(516b)に接触させる。ここで、弾性連結部(1640)も弾性復元しつつ、接触部(1630)を第2部分(516b)に接触させることができる。前記リザーバープッシュ部材(500)の前記所定位置は、リザーバープッシュ部材(500)がリザーバー(400)を完全に圧縮させた状態の位置に設定され得る。接触部(1630)がスライド突起(516)の第2部分(516b)に接触すると、支持スライダー(1600)の形態は
図16の初期状態に復元されるので、係止突起(1610)が係止溝(121)から抜け出す。
【0321】
図20を参照すると、係止突起(1610)が係止溝(121)から抜け出すと、加圧部材(1000)の弾性復元力によって支持スライダー(1600)とボタン部材(700)が一体に上側(MA)に移動する。この時、リザーバープッシュ部材(500)とリザーバー支持パート(240)は、互いに近づいた状態を維持することができる。その後、薬液がリザーバー(400)内部に流入すると、リザーバー(400)によりリザーバープッシュ部材(500)が上側に移動することになる。
【0322】
他の実施例において、薬液制御装置(80)は、ボタン部材(700)を上側に移動させる復元力を加える追加の弾性部材(SP)をさらに含むこともできる(
図20参照)。弾性部材(SP)は、ボタン部材(700)が上側に移動するように加圧するように構成され得る。弾性部材(SP)は、ボタン部材(700)とリザーバープッシュ部材(500)との間に配置され得る。弾性部材(SP)は、加圧部材(1000)に比べて弾性変形長さはさらに長く、弾性係数はさらに小さく構成され得る。弾性部材(SP)は、弾性力を発揮すると知られている多様な方式の中の1つを用いることができる。例えば、弾性部材(SP)は、圧縮スプリング、トルクスプリング、エアスプリングなど多様な方式の部材を含むこともでき、ゴムなどの材質で弾性圧縮されるように構成された部材を含むこともできる。
【0323】
図23及び
図24は、他の実施例による支持スライダー(1600')及びスライダースプリング(1700')を有する薬液制御装置の部分縦断面概念図であって、
図23は、ボタン部材(700)が下降する前の状態の様子を示し、
図24は、ボタン部材(700)が下降した状態の様子を示す。
図25は、
図23の様子をラインS8-S8'に沿って切った横断面概念図である。
図26は、
図24の様子をラインS9-S9'に沿って切った横断面概念図である。
【0324】
図23~
図26を参照して、薬液制御装置(80)の変形例を説明すると、次のとおりである。変形例による薬液制御装置(80)に関する説明のうち、上述の内容と重複する内容はその説明を省略する代わりに、同一の図面符号を図に表記する。変形例による薬液制御装置(80)は、スライダースプリング(1700')の一端がボタン部材(700)に形成されたスプリング支持部(701)に支持され、スライダースプリング(1700')の他端が支持スライダー(1600')に支持されるように構成され得る。スライダースプリング(1700')は係止方向(G1)に弾性圧縮可能に構成され得、スライダースプリング(1700')が弾性圧縮された状態で、支持スライダー(1600')を解除方向(G2)に加圧し得る。複数の係止動作部(1600a、1600b、1600c)が互いに分離されて形成され得るが、更に他の実施例において、前記弾性連結部(1640)により弾性連結部(1640)が互いに連結されることもできる。
【0325】
図27及び
図28は、
図6のリザーバープッシュ部材(500)、セレクター(1800)及びコッター(1100)の分解斜視図である。
図29は、
図3の薬液制御装置(80)からケース(100)を分解した状態を示す斜視図である。
図30~
図32は、
図3の薬液制御装置(80)においてコッター(1100)を用いてセレクター(1800)を作動させる様子を示す図である。
図33は、
図30の薬液制御装置(80)においてケース(100)を透明に処理した状態の斜視図である。
図34は、
図32の薬液制御装置(80)においてケース(100)を透明に処理した状態の斜視図である。
【0326】
図27~
図34を参照すると、薬液制御装置(80)はリザーバー(400)の内部空間(400s)の最大ボリュームを変更することができるように構成され得る。医師などの使用者はコッター(1100b)をセレクター操作部(1812)に結合させ、セレクター(1800)を位置移動(矢印M2、M3参照)させることによって、内部空間(400s)の前記最大ボリュームを変更することができる。
【0327】
一実施例において、薬液制御装置(80)は、リザーバー(400)、リザーバープッシュ部材(500)及びセレクター(1800)を含み得る。薬液制御装置(80)は、リザーバープッシュ部材(500)を下側に加圧可能に構成される加圧部材(1000)をさらに含み得る。薬液制御装置(80)は、セレクター(1800)に結合可能に構成され、セレクター(1800)を操作することができるように構成されたコッター(1100)をさらに含み得る。薬液制御装置(80)は、セレクター(1800)の周りを取り囲むケース(100)をさらに含み得る。リザーバー(400)は、内部空間(400s)のボリュームが大きくなるとき、上下方向への長さが大きくなるように構成され得る。リザーバープッシュ部材(500)は、リザーバー(400)の上下方向への長さが大きくなるとき、リザーバー(400)により上側に押されて移動するように構成され得る。リザーバープッシュ部材(500)は、リザーバー(400)を下側に加圧可能に構成され得る。セレクター(1800)は、リザーバープッシュ部材(500)の上側への最大移動位置を制限するようにリザーバープッシュ部材(500)と接触可能に構成され得る。リザーバープッシュ部材(500)は、設定された最大移動位置でセレクター(1800)の下側面に接触し得る。
【0328】
セレクター(1800)は、前記上側への最大移動位置が互いに異なるように設定された複数の設定状態のうちいずれか1つからもう1つに転換可能に構成され得る。セレクター(1800)は、前記上側への最大移動位置が第1限界位置に設定された第1設定状態から前記上側への最大移動位置が前記第1限界位置より低い第2限界位置に設定された第2設定状態(
図32及び
図34参照)に転換可能に構成され得る。本実施例では、セレクター(1800)は前記第1設定状態から前記第2設定状態に可逆的に転換可能に構成されるが、図示されていない他の実施例において、前記第1設定状態から前記第2設定状態に非可逆的に転換可能に構成されることもできる。
図30及び
図33を参照した第1設定状態で、セレクター(1800)のリミット(1815)の下端面(1817)は第1レベル面(517)に接触し、この時、リザーバープッシュ部材(500)の上側への最大移動位置は相対的に高く設定される。
図32及び
図34を参照した第2設定状態で、セレクター(1800)のリミット(1815)の下端面は第2レベル面(518)に接触し、この時、リザーバープッシュ部材(500)の上側への最大移動位置は相対的に低く設定される。
【0329】
一実施例において、セレクター(1800)が一側方向(M2)に移動(例えば、回転移動)して第1位置に位置した第1設定状態となり(
図30及び
図33参照)、セレクター(1800)が他側方向(M3)に移動(例えば、回転移動)して第2位置に位置した第2設定状態となる(
図32及び
図34参照)。本実施例において、前記第1位置及び前記第2位置は、セレクター(1800)の中心軸(X)を中心とした回転移動によって互いに異なるようになるが、他の実施例において、前記第1位置及び前記第2位置は、セレクター(1800)の直線移動などによって互いに異なるようになることもある。
【0330】
図27及び
図28を参照すると、本実施例において、セレクター(1800)は互いに結合される第1セレクターパート(1810)と第2セレクターパート(1820)を含むが、図示されていない他の実施例において、セレクター(1800)は一体に形成された部品であってもよい。第1セレクターパート(1810)はケース(100)の内周面に沿って延び得る。第1セレクターパート(1810)は周方向(円周方向)の一端及び他端が互いに離隔され得る。第2セレクターパート(1820)は第1セレクターパートの内周面に結合され得る。第2セレクターパート(1820)は周方向(円周方向)に延びるリング状に形成され得る。これを通じて、製造過程でケース(100)の内部に第1セレクターパート(1810)を弾性変形させて挿入させることが便利になるとともに、第2セレクターパート(1820)を用いてセレクター(1800)の剛性を補強することができる。
【0331】
第1セレクターパート(1810)はセレクターボディー(1811)とセレクター操作部(1812)を含み得る。第1セレクターパート(1810)は係止部(1813)を含み得る。第1セレクターパート(1810)はガイド突起(1814)を含み得る。第1セレクターパート(1810)はリミット(1815)を含み得る。
【0332】
第2セレクターパート(1820)はリング状に形成された補強ボディー(1821)を含み得る。第2セレクターパート(1820)は補強ボディー(1821)から半径外側方向に突出した結合部(1829)を含み得る。複数の結合部(1829)が円周方向に互いに離隔されて配置され得る。第1セレクターパート(1810)の半径内側方向の表面には結合部(1829)が噛合されて結合される結合対応部(1819)を含み得る。
【0333】
セレクター(1800)には上下方向に貫く開口部(1800h)が形成され得る。加圧部材(1000)は、開口部を下側に通過してリザーバープッシュ部材(500)を下側に加圧することができる。上述したとおり、本実施例において、加圧部材(1000)は弾性圧縮変形されるスプリングであるが、他の実施例において、バー(bar)等で構成され得る。
【0334】
図27~
図34を参照すると、セレクター(1800)は、セレクター(1800)の周方向に回転することによって、前記第1設定状態から前記第2設定状態に転換されるように構成され得る。セレクター(1800)は、ガイドパート(100C)に対する上下方向の位置が固定され、ガイドパート(100C)に対して回転可能に構成され得る。セレクター(1800)は中心軸(X)を中心に回転することができる。
【0335】
リザーバープッシュ部材(500)及びセレクター(1800)は上下に接触可能に構成される。セレクター(1800)は、セレクター(1800)及びリザーバープッシュ部材(500)のうちいずれか1つの第1接触面に接触可能なもう1つの第2接触面が変わることによって、前記第1設定状態から前記第2設定状態に転換されるように構成され得る。前記第1接触面及び前記第2接触面は上下方向に接触可能に構成され得る。一例として、前記第1接触面はセレクター(1800)の第2下端面(1817)であり、前記第1設定状態での前記第2接触面は第1レベル面(517)であり、前記第2設定状態での前記第2接触面は第2レベル面(518)である。他の例として、前記第1接触面はリザーバープッシュ部材(500)の第2レベル面(518)であり、前記第1設定状態での前記第2接触面は第1下端面(1816)であり、前記第2設定状態での前記第2接触面は第2下端面(1817)である。
【0336】
前記第2設定状態での前記第2接触面は、前記第1設定状態での前記第2接触面を基準として、前記第1接触面を見る方向側に位置する。一例として、リザーバープッシュ部材(500)において前記第2設定状態での前記第2接触面である第2レベル面(518)は、前記第1設定状態での前記第2接触面である第1レベル面(517)を基準として上側方向に位置する。他の例として、セレクター(1800)において前記第2設定状態での前記第2接触面である第2下端面(1817)は、前記第1設定状態での前記第2接触面である第1下端面(1816)を基準として下側方向に位置する。
【0337】
セレクター(1800)及びリザーバープッシュ部材(500)のうち、前記第1接触面を有するいずれか1つは、セレクター(1800)及びリザーバープッシュ部材(500)のうち、前記第2接触面を有するもう1つに向かって突出して前記もう1つに向かった前記第1接触面を形成し得る。一例として、セレクター(1800)はリザーバープッシュ部材(500)に向かって突出してリザーバープッシュ部材(500)に向かった第2下端面(1817)を形成する。他の例として、リザーバープッシュ部材(500)はセレクター(1800)に向かって突出してセレクター(1800)に向かった第2レベル面(518)を形成する。
【0338】
本実施例において、互いに異なる2つのレベルの前記第2接触面が構成される。しかし、図示されていない他の実施例において、互いに異なる3つ以上のレベルの前記第2接触面が構成されることもでき、この場合、リザーバー(400)の内部空間(400s)の最大ボリュームが3つ以上に変更されることができる。
【0339】
本実施例では、前記第1設定状態で第1下端面(1816)及び第2下端面(1817)がそれぞれリザーバープッシュ部材(500)の上側面(518、517)に接触する。しかし、図示されていない他の実施例では、前記第1設定状態で第1下端面(1816)及び第2下端面(1817)のうちいずれか1つのみがリザーバープッシュ部材(500)の上側面(518、517)に接触することができる。
【0340】
セレクター(1800)及びリザーバープッシュ部材(500)のうちいずれか1つはもう1つに向かって突出した少なくとも1つのリミット(1815)を含み、セレクター(1800)及びリザーバープッシュ部材(500)のうち、前記もう1つはリミット(1815)が接触可能な第1レベル面(517)及び第2レベル面(518)を含み得る。第1レベル面(517)及び第2レベル面(518)は、上下方向へのレベルが互いに異なることがある。本実施例において、セレクター(1800)が下側に突出したリミット(1815)を含み、リザーバープッシュ部材(500)が第1レベル面(517)及び第2レベル面(518)を含む。しかし、他の側面で、リザーバープッシュ部材(500)が上側に突出したリミット(518)を含み、セレクター(1800)が第1レベル面(1816)及び第2レベル面(1817)を含むものと理解することもできる。
【0341】
セレクター(1800)は、下側に突出した少なくとも1つのリミット(1815)を含み得る。少なくとも1つのリミット(1815)は、セレクター(1800)の周方向に沿って互いに離隔されて配置される複数のリミット(1815)を含み得る。これを通じて、より安定的にリザーバープッシュ部材(500)の上側への最大移動位置を制限することができ、セレクター(1800)が安定した回転移動が可能ながらも、リミット(1815)の回転移動軌道上に第1レベル面(1816)及び第2レベル面(1817)が位置するようにして設定状態を簡単に転換することができる。
【0342】
セレクター(1800)は、リミット(1815)の下端を形成する第2下端面(1817)と、第2下端面(1817)よりレベルが高い第1下端面(1816)を含み得る。第1下端面(1816)及び第2下端面(1817)は、セレクター(1800)の回転移動方向に配列され得る。
【0343】
リザーバープッシュ部材(500)は、上端を形成する第2レベル面(518)と、第2レベル面(518)よりレベルが低い第1レベル面(517)を含み得る。第1レベル面(517)及び第2レベル面(518)は、セレクター(1800)の回転移動方向に配列され得る。リザーバープッシュ部材(500)は、複数のリミット(1815)に対応する複数の第1レベル面(517)を含み得る。リザーバープッシュ部材(500)は、複数のリミット(1815)に対応する複数の第2レベル面(518)を含み得る。
【0344】
リザーバープッシュ部材(500)は、第1レベル面(517)と第2レベル面(518)を連結する傾斜面(519)を含み得る。傾斜面(519)は、セレクター(1800)の回転移動方向に沿って傾斜して延び得る。
【0345】
セレクター(1800)は、セレクター(1800)の周方向に延びるセレクターボディー(1811)を含み得る。リミット(1815)は、セレクターボディー(1811)から下側に突出し得る。
【0346】
セレクター(1800)は、セレクターボディー(1811)から半径外側方向に突出するガイド突起(1814)を含み得る。ガイド突起(1814)は、ガイドパート(100C)に形成されたセレクターガイド溝(122)に挿入され得る(
図4参照)。ガイド突起(1814)は、セレクターガイド溝(122)に沿って円周方向に移動することができる。
【0347】
セレクター(1800)は、ケース(100)を内部から外部に貫くセレクター操作部(1812)を含み得る。セレクター操作部(1812)はケース(100)の外側に突出し得る。ケース(100)には、セレクター操作部(1812)が通過するセレクターホール(110h、123)が形成される(
図29参照)。セレクター操作部(1812)は、前記第1設定状態でセレクターホール(110h、123)での第1設定位置に配置されるように構成され(
図30参照)、前記第2設定状態でセレクターホール(110h、123)での前記第1設定位置と異なる第2設定位置に配置されるように構成され得る(
図32参照)。
【0348】
図35は、
図30のラインS10-S10'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
図36は、
図31のラインS11-S11'に沿って薬液制御装置(80)を切った断面図である。
【0349】
図35を参照すると、セレクター操作部(1812)は、ケース(100)の外部に露出した部分に溝が形成されたヘッド部(1812a)を含み得る。前記溝はヘッド部(1812a)から半径内側方向に陥没して形成され得る。ヘッド部(1812a)はコッター(1100)と結合可能に構成され得る。コッター(1100)はヘッド部(1812a)の前記溝に挿入可能に構成され得る。
【0350】
セレクター操作部(1812)は、ヘッド部(1812a)とセレクターボディー(1811)を連結しながら延びた連結部(1812b)を含み得る。連結部(1812b)はセレクターボディー(1811)から半径外側方向に延び得る。連結部(1812b)はセレクターホール(110h、123)を通過することができる。
【0351】
図31、
図35及び
図36を参照すると、ケース(100)及びセレクター(1800)のうちいずれか1つはもう1つによって弾性変形可能な係止部(1813)を含み得る。セレクター操作部(1812)がセレクターホール(110h、123)の「前記第1設定位置または前記第2設定位置」(例えば、
図30または
図32の状態)から「前記第1設定位置と前記第2設定位置の中間の位置」(例えば、
図31の状態)に移動するとき、係止部(1813)が弾性変形するように構成され得る。ケース(100)及びセレクター(1800)のうち、前記もう1つはセレクター操作部(1812)が「前記第1設定位置と前記第2設定位置の中間の位置」にあるとき、係止部(1813)に接触して加圧する突起部(110)を含み得る。突起部(110)の加圧によって係止部(1813)は弾性変形し、係止部(1813)の弾性復元力によってセレクター操作部(1812)が前記第1位置及び前記第2位置の間で移動する経路上から抜け出すようにして、セレクター操作部(1812)が予め設定された設定位置に配置されるように誘導することができる。本実施例において、セレクター(1800)が係止部(1813)を含み、ケース(100)が突起部(110)を含むが、図示されていない実施例において、ケース(100)が前記係止部を含み、セレクター(1800)が前記突起部を含むこともできる。
【0352】
これを通じて、セレクター(1800)が前記第1位置及び前記第2位置の間で移動(例えば、回転移動)する過程で、係止部(1813)がケース(100)の突起部(110)により弾性変形されるようにすることによって、セレクター(1800)が前記第1位置及び前記第2位置の間の位置を維持しにくくすることができる。
【0353】
本実施例において、係止部(1813)はセレクターボディー(1811)から半径上側方向に突出し得る。係止部(1813)は半径外側方向に自由端を形成し得る。しかし、図示されていない他の実施例において、前記係止部はヘッド部(1812a)から半径内側方向に突出することもできる。
【0354】
係止部(1813)は連結部(1812b)と並んで配置され得る。係止部(1813)は連結部(1812b)と上下に離隔されて配置され得る。係止部(1813)はセレクターホール(110h、123)に配置され得る。一対の係止部(1813)が連結部(1812b)を介して備えられ得る。係止部(1813)は、連結部(1812b)が配置された方向に曲がって弾性変形可能に構成され得る。
【0355】
ケース(100)は、セレクターホール(110h、123)の中間地点を薄くするように突出した突起部(110)を含み得る。ケース(100)の突起部(110)は、セレクター操作部(1812)の移動経路を横切る方向に突出し得る。突起部(110)は、セレクターホール(110h、123)の一部を有して突出し得る。一対の係止部(1813)に対応する一対の突起部(110)が備えられ得る。突起部(110)の突出末端が係止部(1813)を加圧して係止部(1813)が弾性反り変形し得る。
【0356】
図37及び
図38は、ロックバー(610)、ロック弾性部材(620)、及びスイッチング部材(1900)等を含むいくつかの部品の分解された状態を示す。
【0357】
図37~
図44を参照すると、一実施例による薬液制御装置(80)は、前記薬液流路のうち一部区間を開き状態から閉じ状態に転換可能に構成される少なくとも1つの流路バルブを含み得る。一実施例において、薬液制御装置(80)は流路形成パート(220)とバルブプレート(310)を含み得る。薬液制御装置(80)はバルブ支持パート(210)をさらに含み得る。
【0358】
本実施例では、前記少なくとも1つの流路バルブは、第1流路バルブ(316)及び第2流路バルブ(318)を含む。これを通じて、薬液制御装置(80)のリザーバー(400)に貯蔵された薬液を必要な時点に患者に注入させることができると同時に、第1流路(P1)を通じて持続的に供給される薬液の注入を中止させ、薬液の注入量の調節を多様な方式で行うことができる。
【0359】
他の実施例において、前記少なくとも1つの流路バルブは、第2流路バルブ(318)を含むものの、第1流路バルブ(316)を含まないことができる。更に他の実施例において、第2流路(P2)なしに第1流路(P1)のみが備えられた薬液制御装置(80)で、前記少なくとも1つの流路バルブは第1流路バルブ(316)を含むものの、第2流路バルブ(318)を含まないことができる。
【0360】
第2流路バルブ(318)は、第2流路(P2)を開閉可能に構成され得る。第1流路バルブ(316)は、第1流路(P1)での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間を開き状態から閉じ状態に転換可能に構成され得る。本実施例において、第1流路バルブ(316)は、第1流路(P1)での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間を閉じ状態から開き状態に転換できないように構成されるが、他の実施例において、第1流路バルブ(316)は、第1流路(P1)での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間を開閉可能に構成されることもできる。即ち、前記薬液流路ロック装置は第1流路(P1)を閉じ状態から再び開き状態に変更可能に構成されることもできる。第1流路バルブ(316)と第2流路バルブ(318)は、互いに独立的に作動するように構成され得る。
【0361】
一実施例において、薬液制御装置(80)は、第1及び第2流路バルブ(316、318)を含むと同時に、セレクター(1800)をさらに含み得る。この実施例において、リザーバー(400)は、内部空間(400s)のボリュームが大きくなるとき、所定の方向への長さが大きくなるように構成され得る。リザーバープッシュ部材(500)は、リザーバー(400)の前記所定の方向への長さが大きくなるとき、リザーバー(400)により前記所定の方向に押されて移動するように構成され得る。セレクター(1800)は、リザーバープッシュ部材(500)の前記所定の方向への最大移動位置を制限するようにリザーバープッシュ部材(500)と接触可能に構成され得る。セレクター(1800)は、前記所定の方向への最大移動位置を互いに異なるように設定する複数の設定状態のうちいずれか1つを選択する動作が可能に構成され得る。これを通じて、第2流路の開閉如何、リザーバー(400)の薬液貯蔵量の変更、及び第1流路(P1)での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間の開閉如何を組み合わせ、薬液の注入量の調節を更に多様な方式で行うことができる。本実施例において、前記所定の方向は上側方向であり得る。
【0362】
図37~
図44を参照すると、以下の流路バルブ(316、318)、延長ホール(220h3、220h4)、押圧部(317、319)及び傾斜部(313a、313b)に関する説明は、第1流路バルブ(316)及び第2流路バルブ(318)のうちいずれか1つを基準とした説明であると理解できる。
【0363】
流路形成パート(220)は延長ホール(220h3、220h4)を形成する。流路形成パート(220)の下側面に延長ホール(220h3、220h4)の一端(下端)が位置し得る。流路形成パート(220)は第1流路(P1)の一部を構成する第1延長ホール(220h3)を形成し得る。流路形成パート(220)は第2流路(P2)の一部を構成する第2延長ホール(220h4)を形成し得る。
【0364】
バルブプレート(310)は、延長ホール(220h3、220h4)の前記一端が位置した部分を含む下側面の少なくとも一部を覆い得る。バルブプレート(310)は、延長ホール(220h3、220h4)の前記一端に向かって上側に突出した流路バルブ(316、318)を含み得る。前記第1流路バルブ(316)は、第1延長ホール(220h3)の前記一端に向かって突出し得る。前記第2流路バルブ(318)は、第2延長ホール(220h4)の前記一端に向かって突出し得る。バルブプレート(310)は、流路バルブ(316、318)の下端に位置する押圧部(317、319)を含み得る。
【0365】
一実施例において、バルブプレート(310)に第1流路バルブ(316)及び第2流路バルブ(318)が形成される。バルブプレート(310)は、流路形成パート(220)の一部を覆う。バルブプレート(310)は、第1流路バルブ(316)が作動するために弾性変形または弾性復元されるように構成され得る。バルブプレート(310)は、第2流路バルブ(318)が作動するために弾性変形または弾性復元されるように構成され得る。
【0366】
流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)の間には流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)により区画される合流案内流路(P1e、P2e)が形成され得る。第1押圧部(317)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、延長ホール(220h3)の前記一端を通じて延長ホール(220h3)及び案内流路(P1e)が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。第2押圧部(319)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、延長ホール(220h4)の前記一端を通じて延長ホール(220h4)及び案内流路(P2e)が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0367】
流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)の間で第2流路バルブ(318)の周りに沿って間隙が形成され得る(
図39~
図41参照)。第2押圧部(319)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、第2延長ホール(220h4)の前記一端を通じて第2延長ホール(220h4)及び前記間隙が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0368】
流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)の間で第1流路バルブ(316)の周りに沿って間隙が形成され得る(
図43及び
図44参照)。第1押圧部(317)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、第1延長ホール(220h3)の前記一端を通じて第1延長ホール(220h3)及び前記間隙が連結され、前記薬液流路の一部を構成し得る。
【0369】
延長ホール(220h3、220h4)は、前記薬液流路での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間で、第1流路(P1)の一部または第2流路(P2)の一部を構成し得る。一例として、第1延長ホール(220h3)は前記薬液流路での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間で第1流路(P1)の一部を構成し得る。他の例として、第2延長ホール(220h4)は前記薬液流路での分流点(Qd)及び合流点(Qu)の間の区間で第2流路(P2)の一部を構成し得る。
【0370】
押圧部(317、319)が上側に加圧されたロック状態で、バルブプレート(310)が弾性変形され、流路バルブ(316、318)が延長ホール(220h3、220h4)の前記一端を塞ぐように構成され得る。押圧部(317、319)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、バルブプレート(310)が弾性復元され、流路バルブ(316、318)が延長ホール(220h3、220h4)の前記一端を開くように構成され得る。
【0371】
一例として、第1押圧部(317)が上側に加圧されたロック状態で、バルブプレート(310)が弾性変形され、第1流路バルブ(316)が第1延長ホール(220h3)の前記一端を塞ぐように構成され得る。第1押圧部(317)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、バルブプレート(310)が弾性復元され、第1流路バルブ(316)が第1延長ホール(220h3)の前記一端を開くように構成され得る。
【0372】
他の例として、第2押圧部(319)が上側に加圧されたロック状態で、バルブプレート(310)が弾性変形され、第2流路バルブ(318)が第2延長ホール(220h4)の前記一端を塞ぐように構成され得る。第2押圧部(319)に対する上側への加圧が解除された解除状態で、バルブプレート(310)が弾性復元され、第2流路バルブ(318)が第2延長ホール(220h4)の前記一端を開くように構成され得る。
【0373】
一実施例において、バルブプレート(310)は、第1流路バルブ(316)の突出方向の反対方向への末端に位置する第1押圧部(317)を含み得る。バルブプレート(310)は、第2流路バルブ(318)の突出方向の反対方向への末端に位置する第2押圧部(319)を含み得る。第1押圧部(317)が押圧されたり押圧解除されたりすることによって、第1流路バルブ(316)を作動させるように構成され得る。第2押圧部(319)が押圧されたり押圧解除されたりすることによって、第2流路バルブ(318)を作動させるように構成され得る。
【0374】
押圧部(317、319)は下側に突出し得る。押圧部(317、319)はバルブプレート(310)の下側面から下側に突出し得る。第1押圧部(317)は第1流路バルブ(316)の下側への延長線上に位置し得る。第2押圧部(319)は第2流路バルブ(318)の下側への延長線上に位置し得る。第2押圧部(319)が第1押圧部(317)より下側に長く突出し得る。
【0375】
バルブ支持パート(210)には、押圧部(317、319)が下側に通過する押圧部貫通ホール(211、212)が形成され得る。バルブ支持パート(210)には、第1押圧部(317)が下側に通過する第1押圧部貫通ホール(211)が形成され得る。バルブ支持パート(210)には第2押圧部(319)が下側に通過する第2押圧部貫通ホール(212)が形成され得る。押圧部貫通ホール(211、212)により、押圧部(317、319)が上側に押されるとき、押圧部(317、319)の座屈なしに予め設定された弾性変形を円滑に誘導することができる。
【0376】
押圧部(317、319)の下端部が上側に加圧可能に構成され得る。一例として、第1押圧部(317)はスイッチング部材(1900)により上側に加圧され得る。他の例として、第2押圧部(319)の下端部はロックバー(610)により上側に加圧され得る。
【0377】
バルブプレート(310)は、前記解除状態で押圧部(317、319)の周りから上向に傾斜して延びる傾斜部(313a、313b)をさらに含み得る。傾斜部(313a、313b)は押圧部(317、319)の周りに沿って延び得る。傾斜部(313a、313b)はバルブプレート(310)の下側面から下側に突出するように傾斜し得る。傾斜部(313a、313b)はバルブプレート(310)の上側面から下側に陥没するように傾斜し得る。第1押圧部(317)の周りに沿って第1傾斜部(313a)が備えられ得る。第2押圧部(319)の周りに沿って第2傾斜部(313b)が備えられ得る。傾斜部(313a、313b)を通じて、弾性変形による流路バルブ(316、318)の上下方向への可動範囲が大きくなることができ、流路バルブ(316、318)の周りに沿ってバルブプレート(310)と流路形成パート(220)との間の間隙を容易に作り出すことができる。
【0378】
図39は、
図37のラインS12-S12'に沿って薬液制御装置(80)の一部の部品を切った断面図であって、流路(P2)がバルブ(318)により塞がっている状態を示す図である。
図40は、
図39においてボタン部材(700)が一部の区間だけ下降してボタン部材(700)とロックバー(610)が接触(contact)した状態を示す断面図である。
図41は、
図40においてボタン部材(700)がさらに下降してボタン部材(700)がロックバー(610)を移動させ、流路(P2)がバルブ(318)により開かれている状態を示す断面図である。
【0379】
図37~
図41を参照して、以下、第2流路バルブ(318)と関連した構成を説明する。薬液制御装置(80)は、使用者がボタン部材(700)を押すことによって第2流路(P2)を閉じ状態から開き状態に変更させるように構成され得る。一実施例において、薬液制御装置(80)はロックバー(610)とロック弾性部材(620)を含む。薬液制御装置(80)はボタン部材をさらに含み得る。薬液制御装置(80)は流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)をさらに含み得る。薬液制御装置(80)はバルブ支持パート(210)をさらに含み得る。
【0380】
ロックバー(610)にロック弾性部材(620)の一端(621)が支持され得る。ボディー(200)はロック弾性部材(620)の他端(622)を支持するスプリング支持部(280)を含み得る。ボディー(200)は、ロック弾性部材(620)が配置されるスプリング配置部(290)を含み得る(
図20参照)。
【0381】
バルブプレート(310)は、ロックバー(610)により押される第2押圧部(319)を含み得る。バルブプレート(310)は、第2押圧部(319)の反対側に配置されて突出した第2流路バルブ(318)を含み得る。
【0382】
ボタン部材(700)は、上下方向に移動可能に構成され得る。ボタン部材(700)は、第2押圧部(319)が上側に加圧された前記ロック状態から前記解除状態に転換されるとき、下側に移動してロックバー(610)を下側に加圧するように構成され得る。上述の支持スライダー(1600)がガイドパート(100C)に係止された状態で、ボタン部材(700)は支持スライダー(1600)とともに一定の位置を維持し、ロックバー(610)を下側に押している状態を維持することができる。また、ボタン部材(700)は、リザーバープッシュ部材(500)がリザーバー(400)を加圧すると同時に、第2流路バルブ(318)が第2流路(P2)を開くように、所定の押圧方向に移動可能に構成され得る。本実施例において、前記所定の押圧方向は下側方向である。
【0383】
ボタン部材(700)は、第2押圧部(319)に対する上側への加圧が解除された解除状態から前記ロック状態に転換されるとき、上側に移動してロックバー(610)に対する加圧を解除することができる。この時、ボタン部材(700)は、ロックバー(610)から上側に離隔され得る。また、ボタン部材(700)は、リザーバープッシュ部材(500)がリザーバー(400)に対する加圧を解除すると同時に、第2流路バルブ(318)が第2流路(P2)を閉じるように、前記押圧方向の反対方向に移動可能に構成され得る。
【0384】
ボタン部材(700)は、ロックバー(610)を加圧するように一側に突出した突起部(730)を含み得る。突起部(730)は、ボタン部材(700)から半径外側方向に突出し得る。突起部(730)は、ロックバー(610)の上端(612)を加圧し得る。
【0385】
ロックバー(610)は、上下方向に移動可能に構成され得る。ロックバー(610)は、ケース(100)に対して上下方向に移動可能に構成され得る。ロックバー(610)は、第2押圧部(319)に対する上側への加圧が解除された前記解除状態から前記ロック状態に転換されるとき、上側に移動して第2押圧部(319)を上側に加圧するように構成され得る。ロックバー(610)は、前記ロック状態から前記解除状態に転換されるとき、下側に移動して第2押圧部(319)に対する上側への加圧を解除するように構成され得る。
【0386】
ロックバー(610)は、ボタン部材(700)により下側に押圧されるように構成されるロック押圧部(612)を含み得る。ロック押圧部(612)は、ロックバー(610)の上端を形成し得る。ロックバー(610)は、ロック押圧部(612)から第2押圧部(319)の下側まで延びるロック延長部(611)を含み得る。ロック延長部(611)は、上下方向に延び得る。ロックバー(610)は、第2押圧部(319)の下端を上側に加圧可能に構成されるロック加圧部(613)を含み得る。ロック加圧部(613)は、ロック延長部(611)の下端から半径内側方向に延び得る。ロック加圧部(613)は、第2押圧部(319)の下端に接触する上側面を含む。ロックバー(610)は、上下方向への運動方向が案内されるようにボディー(200)にガイドされるロックスライダー(615)を含み得る。ロックスライダー(615)は、ロック延長部(611)から半径内側方向に突出して上下方向に延び得る。ロックバー(610)は、ロック弾性部材(620)の一端(621)が支持されるロック弾性部材支持部(617)を含み得る。ロック弾性部材支持部(617)は、ロック弾性部材(620)の一端(621)が挿入される溝を形成し得る。ロック弾性部材支持部(617)の溝は、上側に陥没して形成され得る。ロック弾性部材支持部(617)は、ロック加圧部(613)の下側に配置され得る。
【0387】
以下、
図39~
図41を参照して、ボタン部材(700)、ロックバー(610)、ロック弾性部材(620)及び第2流路バルブ(318)等の作動過程を説明すると、次のとおりである。
【0388】
図39を参照すると、ボタン部材(700)が押されず、上側に移動している初期状態で、ロックバー(610)はロック弾性部材(620)の弾性復元力によって上側に押された状態である。これにより、ロックバー(610)は第2押圧部(319)を上側に押すことになり、第2押圧部(319)が押されることによってバルブプレート(310)は弾性変形し、第2流路バルブ(318)が上側に移動して流路(P2)を閉鎖する。本実施例では、前記初期状態でボタン部材(700)とロックバー(610)は離隔された状態に設定されるが、他の実施例で、前記初期状態でボタン部材(700)とロックバー(610)が互いに接触した状態に設定されることもできる。
【0389】
図40を参照すると、ボタン部材(700)が一部の距離だけ下側に移動してボタン部材(700)とロックバー(610)が接触した状態になり得る。この時、ロックバー(610)のロック押圧部(612)とボタン部材(700)の突起部(730)が互いに接触し得る。前記初期状態から前記接触した状態に変更される間、ロックバー(610)の位置変動はなく、第2流路バルブ(318)は流路(P2)を閉鎖した状態を維持する。
【0390】
図41を参照すると、ボタン部材(700)が下側にさらに移動してボタン部材(700)がロックバー(610)を下側に移動させる。この時、ロックバー(610)はロック弾性部材(620)を弾性変形させながら下側に移動する。これにより、ロックバー(610)は第2押圧部(319)に対する押圧を解除することになる。第2押圧部(319)の押圧が解除されるにつれ、バルブプレート(310)は弾性復元し、第2流路バルブ(318)が下側に移動して流路(P2)を開く。その後、ボタン部材(700)が上側に移動すると、ロックバー(610)はロック弾性部材(620)の弾性復元力によって上側に押され、再び前記初期状態に戻ることができる。
【0391】
図42は、
図3の薬液制御装置(80)からスイッチング部材(1900)が分離された状態を示す斜視図である。
図43及び
図44は、
図42のラインS13-S13'に沿って薬液制御装置(80)を切った一部断面図であって、
図43は、流路(P1)がバルブ(316)により開かれている状態を示し、
図44は、
図43でスイッチング部材(1900)が移動することによって流路(P1)がバルブ(316)により塞がっている状態を示す。
【0392】
図42~
図44を参照して、以下、第1流路バルブ(316)と関連した構成を説明する。薬液制御装置(80)は、第1流路バルブ(316)を備えることによって、第1流路(P1)に沿って持続的に流れる薬液を必要に応じて遮断して患者に第2流路(P2)を通じた薬液のみを注入するようにすることができる。一実施例において、薬液制御装置(80)は、スイッチング部材(1900)とコッター(1100)を含む。薬液制御装置(80)は、流路形成パート(220)及びバルブプレート(310)を含み得る。薬液制御装置(80)は、バルブ支持パート(210)をさらに含み得る。
【0393】
バルブプレート(310)は、スイッチング部材(1900)により押される第1押圧部(317)を含み得る。バルブプレート(310)は、第1押圧部(317)の反対側に配置されて突出した第1流路バルブ(316)を含み得る。第1流路バルブ(316)は、流路形成パート(220)の第1延長ホール(220h3)の前記一端に向かって上側に突出し得る。バルブプレート(310)は、第2流路バルブ(318)をさらに含み得る。
【0394】
スイッチング部材(1900)は、第1流路バルブ(316)を作動させるように移動可能に構成され得る。スイッチング部材(1900)は、第2流路バルブ(318)から独立的に第1流路バルブ(316)を作動させることができる。スイッチング部材(1900)は、バルブ支持パート(210)に上下方向を横切る方向に移動可能に構成され得る。スイッチング部材(1900)は、上下方向を横切る方向に延びて形成され得る。スイッチング部材(1900)は、バルブ支持パート(210)の内部に配置され得る。
【0395】
スイッチング部材(1900)には第1押圧部(317)の下端が挿入可能な溝(1920)が形成される。スイッチング部材(1900)の上側面に溝(1920)が形成される。第1押圧部(317)の下端がスイッチング部材(1900)の溝(1920)に挿入される解除状態で、第1流路バルブ(316)が第1延長ホール(220h3)の前記一端を開く。第1押圧部(317)の下端がスイッチング部材(1900)の上側面によって上側に加圧されたロック状態で、第1流路バルブ(316)が第1延長ホール(220h3)の前記一端を塞ぐ。第1押圧部(317)が溝(1920)から抜け出すとき、溝(1920)を区画する部分に係止されないように、第1押圧部(317)の下側面は、スイッチング部材(1900)が移動する方向の反対方向に上向く傾斜面を含み得る。溝(1920)を区画する部分の上端部は面取りされていてもよい。
【0396】
バルブ支持パート(210)にはスイッチング部材(1900)が挿入されたスイッチング部材配置ホール(213)が形成される。バルブ支持パートの側面にスイッチング部材配置ホール(213)が形成され得る。スイッチング部材配置ホール(213)によりスイッチング部材(1900)の移動経路が案内される。スイッチング部材配置ホール(213)にコッター(1100)の一部が挿入され得る。
【0397】
バルブ支持パート(210)及びスイッチング部材(1900)のうちいずれか1つは、もう1つに向かって突出した位置設定突起を含み、前記もう1つには位置設定突起(1910)が挿入可能な位置設定溝(216)が形成され得る。第1押圧部(317)の下端がスイッチング部材(1900)の上側面によって上側に加圧された前記ロック状態で、位置設定突起(1910)が位置設定溝(216)に噛合され得る。
【0398】
本実施例において、スイッチング部材(1900)は位置設定突起(1910)を含み、バルブ支持パート(210)には位置設定溝(216)が形成される。しかし、他の実施例において、バルブ支持パート(210)は位置設定突起を含み、スイッチング部材(1900)には位置設定溝が形成されることもできる。
【0399】
位置設定突起(1910)は、スイッチング部材(1900)の上側面から上側に突出し得る。スイッチング部材(1900)は、一側方向に固定端を置き、他側方向に延びて自由端を形成する部分を含み、前記自由端の部分の上側に位置設定突起(1910)が形成され得る。
【0400】
ケース(100)には、スイッチング部材(1900)を押すためにコッター(1100c)を挿入させることができるようにスイッチングホール(110g、124)が形成され得る。コッター(1100)は、スイッチング部材(1900)を移動させるようにケース(100)に挿入可能に構成され得る。コッター(1100)は、スイッチングホール(110g、124)を通じて挿入され得る。コッター(1100)は、ボタン部材(700)をロックさせるようにケース(100)に挿入可能に構成され得る。コッター(1100)は、上下方向を横切る方向にスイッチング部材(1900)を加圧することができ、これにより、スイッチング部材が前記上下方向を横切る方向に移動することができる。
【0401】
以下、
図43及び
図44を参照して、スイッチング部材(1900)、コッター(1100)及び第1流路バルブ(316)等の作動過程を説明すると、次のとおりである。
【0402】
図43を参照すると、スイッチング部材(1900)が予め設定された方向(
図3のM4参照)に押されていない初期状態で、スイッチング部材(1900)の溝(1920)に第1押圧部(317)が挿入され、第1流路バルブ(316)が流路(P1)を開く状態である。この時、スイッチング部材(1900)の位置設定突起(1910)は、バルブ支持パート(210)の位置設定溝(216)から離脱した状態である。
【0403】
図44を参照すると、コッター(1100c)をケース(100)のスイッチングホール(110g、124)に挿入させ、スイッチング部材(1900)を予め設定された方向(M4)に押すことによって、スイッチング部材(1900)が予め設定された方向(M4)に移動することができる。これにより、スイッチング部材(1900)の溝(1920)から第1押圧部(317)の下端が離脱する。スイッチング部材(1900)の上側面は第1押圧部(317)を上側に押し、バルブプレート(310)が弾性変形し、第1流路バルブ(316)が上側に移動して第1流路(P1)を塞ぐことができる。この時、スイッチング部材(1900)の位置設定突起(1910)は、バルブ支持パート(210)の位置設定溝(216)に挿入される。
【0404】
図45は、
図6のフィルターボディー(210A)、フィルターキャップ(210B)、第1空気通過フィルター(1210)、第2空気通過フィルター(1220)、境界フィルター(1300)及びフィルタースペーサ(1400)の分解斜視図である。
図46は、
図45のフィルターキャップ(210B)とフィルタースペーサ(1400)が互いに分離された状態を示す分解斜視図である。
図47は、
図43のラインS12-S12'に沿って
図45の部品の組立体を切った断面図である。
【0405】
図45~
図47を参照すると、一実施例において、薬液制御装置(80)は、空気通過フィルター(1210)及びフィルタースペーサ(1400)を含み得る。薬液制御装置(80)は、フィルターキャップ(210B)をさらに含み得る。薬液制御装置(80)は、第2空気通過フィルター(1220)をさらに含み得る。薬液制御装置(80)は、境界フィルター(1300)をさらに含み得る。
【0406】
空気通過フィルター(1210)は、薬液中に含まれた空気を外部に排出させるように構成される。本実施例において、流入流路側と流出流路側にそれぞれ空気通過フィルター(1210)が備えられるが、流入流路側と流出流路側のうちいずれか1つのみに空気通過フィルター(1210)が備えられることもできる。また、単一の薬液流路(即ち、第2流路なしに第1流路のみで構成された流路)を有する空気フィルター装置に空気通過フィルター(1210)が備えられることもできる。空気通過フィルター(1210)に対応するフィルタースペーサ(1400)、フィルターキャップ(210B)、フィルターボディー(210A)、第2空気通過フィルター(1220)及び/又は境界フィルター(1300)が備えられ得る。
【0407】
薬液制御装置(80)には、前記薬液流路から分岐して外部に連結される空気の通路が形成され得る。空気通過フィルター(1210)は、前記空気の通路と前記薬液流路の境界に配置され得る。空気通過フィルターは疎水性のフィルターであり得る。フィルターキャップ(210B)に空気通過フィルター(1210)が配置され得る。フィルターキャップ(210B)は前記空気の通路を形成し得る。
【0408】
フィルタースペーサ(1400)は、フィルターキャップ(210B)の前記空気の通路を区画する内側面と空気通過フィルター(1210)を離隔させる。フィルタースペーサ(1400)はフィルターキャップ(210B)に挿入される。フィルタースペーサ(1400)は空気通過フィルター(1210)の背面側に配置される。フィルタースペーサ(1400)は空気通過フィルター(1210)に接触するように配置され得る。フィルタースペーサ(1400)は、空気通過フィルター(1210)が薬液の圧力によって下流側に曲がる現象を防いだり低減させたりするように構成される。
【0409】
フィルタースペーサ(1400)の空気通過フィルター(1210)を向く面は、突起部(1410)を形成して突起部(1410)の間の隙間に空気が流れるように構成される。例えば、突起部(1410)はエンボシングやシワ形状に突出し得る。フィルタースペーサ(1400)の空気通過フィルター(1210)を向く面の反対側の面は、突起部(1420)を形成して突起部(1420)の間の隙間に空気が流れるように構成され得る。例えば、突起部(1420)はエンボシングやシワ形状に突出し得る。
【0410】
フィルターキャップ(220B)にはフィルタースペーサ(1400)が挿入される配置溝(210s)が形成され得る。フィルターキャップ(220B)は、フィルタースペーサ(1400)の側面をフィルターキャップ(220B)の内側面から離隔させる離隔部(210x)を含み得る。フィルターキャップ(220B)は、フィルタースペーサ(1400)の他側面をフィルターキャップ(220B)の内側面から離隔させる離隔部(210y)を含み得る。フィルターキャップ(220B)は、フィルタースペーサ(1400)の背面をフィルターキャップ(220B)の内側面から離隔させる離隔部(210z)を含み得る。これを通じて、フィルタースペーサ(1400)とフィルターキャップ(220B)の内側面の間に円滑に空気が流れることができる。フィルターキャップ(220B)には空気通路の一部を構成する空気ホール(210r)が形成される。
【0411】
以上、一部の実施例と添付の図に示された例によって本開示の技術的思想が説明されたが、本開示の属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を理解すべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の特許請求の範囲内に属すると考えられるべきである。
【国際調査報告】