(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(54)【発明の名称】遠隔操作の管理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 9/12 20060101AFI20221228BHJP
H04L 9/14 20060101ALI20221228BHJP
H04L 9/08 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
H04L9/12
H04L9/14
H04L9/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526760
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 GB2020052825
(87)【国際公開番号】W WO2021090024
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522181326
【氏名又は名称】アーキット リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】チャイルド バリー
(72)【発明者】
【氏名】ベストウィック デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヨーマンズ アンドリュー ジェイムズ ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】イクバール オマール
(57)【要約】
1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法は、暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成することを含む。衛星のコンステレーションの各衛星について、衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用してユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる地表の領域を決定すること。雲量マップを取得すること。リストされたユーザ地上局の位置と、衛星のコンステレーションのための地表の決定された領域と、雲量マップとを比較して、暗号化鍵配信がスケジューリング期間中に衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を識別すること。衛星のコンステレーションの各衛星がスケジューリング期間内の異なる時間に識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、各ユーザ地上局の未使用の暗号化鍵の量、および各識別されたユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定すること。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法であって、前記方法が、
暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成することと、
前記衛星のコンステレーションの各衛星について、前記衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用してユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる地表の領域を決定することと、
雲量マップを取得することと、
リストされた前記ユーザ地上局の位置と、前記衛星のコンステレーションのための地表の前記決定された領域と、前記雲量マップとを比較して、暗号化鍵配信が前記スケジューリング期間中に前記衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を識別することと、
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、
各識別されたユーザ地上局における未使用の暗号化鍵の量、および
各識別されたユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを前記決定することが、以前のスケジューリング期間内に各識別されたユーザ地上局に配信されることが意図され、かつ配信されなかった暗号化鍵の量にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記暗号化鍵配信セッションが暗号化鍵が衛星に格納されることを必要とする場合、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを前記決定することが、前記衛星のコンステレーションの各衛星に格納されている暗号化鍵の量にさらに基づく、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを前記決定することが、前記ユーザ地上局の光通信コンポーネントによってサポートされ得る暗号化鍵配信率にさらに基づく、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを前記決定することが、前記衛星から前記ユーザ地上局に暗号化鍵を配信するために必要とされる光子数または通信リンク時間量にさらに基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記衛星から前記ユーザ地上局に暗号化鍵を配信するために必要とされる前記光子数または通信リンク時間量が、前記ユーザ地上局と前記衛星との相対位置の幾何学的因子、大気状態、気象状態、光害のうちの1つ以上に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを前記決定することが、前記ユーザ地上局のための予想される計測および大気状態にさらに基づく、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを前記決定することが、前記ユーザ地上局と前記衛星との相対位置の幾何学的因子によって制限される暗号化鍵配信通信セッションの可能な長さにさらに基づく、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーション衛星から2つのユーザ地上局への量子光通信リンクを形成して、エンタングルメントペアのそれぞれの光子を前記ユーザ地上局の各々に送信することと、
前記2つのユーザ地上局において前記それぞれの光子の量子情報を検出することと、
前記検出された量子情報を使用して前記2つのユーザ地上局間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、暗号化鍵を決定することと、を含む手法によって実行される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記衛星から前記2つのユーザ地上局への前記量子光通信リンクが、E91プロトコルを使用する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で第1の乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよび前記第2の暗号化鍵を前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを決定することが、各ユーザ地上局に関連付けられている1つ以上のユーザ地上局に配信された暗号化鍵の数にさらに基づく、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを決定することが、共通の暗号化鍵が関連するユーザ地上局にできるだけ早く配信されることを保証するために実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる乱数の文字列を生成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して前記衛星と前記さらなるユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、さらなる暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1のユーザ地上局が、前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよびユーザ暗号化鍵を前記衛星に送信することと、
前記第1の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記衛星において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、
前記ユーザ暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記第2の暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる乱数の文字列を生成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して前記衛星と前記さらなるユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、さらなる暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記OTP演算がXOR演算であり、前記OTPデータがXORデータである、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記量子光通信リンクが、準備および測定プロトコル、好ましくは、BB 84デコイ方式プロトコルを使用する、請求項11~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記コンステレーションの衛星が、複数の手法を使用して前記暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記衛星がユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる前記地表の領域を前記決定することが、前記衛星が使用することができる各手法に対して別個に実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記衛星がユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる前記地表の領域を前記決定することが、前記衛星が日食にある領域に対してのみ実行される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを前記作成することが、ユーザ地上局を、前記ユーザ地上局において格納された前記暗号化鍵の量が閾値を下回る場合に前記リストに載せることを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
各ユーザ地上局が、それぞれの閾値を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記閾値が、前記ユーザ地上局の暗号化鍵ストアのサイズに基づく、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを前記作成することが、ユーザ地上局を、前記ユーザ地上局と関連するユーザ地上局との間の暗号化ベースのサービスをサポートするために前記ユーザ地上局と共通の暗号化鍵を必要とする前記関連するユーザ地上局が前記リストに載せられる場合に、前記リストに載せることを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
暗号化鍵配信が前記スケジューリング期間中に前記衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を前記識別することが、前記1つ以上の衛星のコンステレーションの前記衛星のエフェメリスデータを比較することをさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記衛星のコンステレーションが1つの衛星または複数の衛星を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、コンピュータ実施方法である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法であって、前記方法が、
前記1つ以上の衛星のコンステレーションの1つの衛星について、前記衛星の軌道経路に関する情報、ならびに前記複数のユーザ地上局の識別情報および位置に関する情報を取得し、前記取得された情報を使用して、前記スケジュールの期間中に前記衛星との通信セッションを実行することができる前記複数のユーザ地上局の視認可能ユーザ地上局の識別情報および位置を決定することと、
各視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる時間を決定し、前記視認可能ユーザ地上局の各々の位置に関する気象情報を取得し、前記取得された気象情報に基づいて、前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが、前記それぞれの決定された時間に前記衛星との通信セッションを実行するために十分に雲がないかを決定することと、
前記十分に雲がないユーザ地上局の各々について、前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵のボリュームに関する情報を取得し、前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵のボリュームに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信の優先度を算出することと、
前記ユーザ地上局に対する前記算出された暗号化鍵配信の優先度、および各ユーザ地上局が前記衛星との通信セッションを実行することができる前記決定された時間を使用して、前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成することと、
前記生成されたリストを使用して、前記衛星と前記異なるユーザ地上局との間で実行される前記通信セッションの前記タイミングを識別する鍵配送スケジュールを作成することと、を含む、方法。
【請求項30】
前記視認可能ユーザ地上局が、前記衛星が日食にあるときにのみ、前記スケジュールの期間中に前記衛星との通信セッションを実行することができると決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記スケジュールの期間を取得することと、前記衛星の軌道経路に関する前記取得された情報、前記複数のユーザ地上局の識別情報および位置に関する前記取得された情報、ならびに前記取得された期間を使用して、前記スケジュールの期間中に前記衛星との通信セッションを実行することができる前記複数のユーザ地上局のうちの視認可能ユーザ地上局の前記識別情報および位置を決定することと、をさらに含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記視認可能ユーザ地上局の各々の前記状態に関する状態情報を取得することと、
前記状態情報から、前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが前記衛星との暗号化鍵配信通信セッションを実行するための好適な状態を有しているかを決定することと、
前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが目標ユーザ地上局であるかを決定するときに、好適な状態を有すると決定された前記視認可能ユーザ地上局のみを使用することと、をさらに含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
各視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる時間が、時間である、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
各視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる前記時間が、前記衛星が前記ユーザ地上局の視点から上昇するときに第1の所定の高度に達する開始時間、および前記衛星が前記ユーザ地上局の視点から下降するときに第2の所定の高度に達する停止時間を算出し、前記開始時間と前記停止時間との間の時間を前記視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる前記時間とすることによって決定される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の所定の高度および前記第2の所定の高度が、同じ高度である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記高度が20°である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記気象情報が、雲量情報を含み、または前記気象情報が、雲量情報を予測するために使用され、前記雲量情報が、前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが目標ユーザ地上局であるかを決定するために使用される、請求項29~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記気象情報が、前記視認可能ユーザ地上局の各々の位置を中心とする区域に関連する、請求項29~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記時間が、一連のより短い時間に分解され、どの前記視認可能ユーザ地上局が、前記衛星との通信セッションを実行するために十分に雲がない目標ユーザ地上局であるかを前記決定することが、前記より短い時間の各々について実行される、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記十分に雲がないユーザ地上局の各々について、前記ユーザ地上局における暗号化鍵の必要とされるボリュームに関する情報を取得し、前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵のボリュームおよび前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵の必要とされるボリュームに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信の優先度を算出することをさらに含む、請求項29~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
通信セッション中に前記衛星と前記十分に雲がないユーザ地上局の各々との間で送信され得る暗号化鍵の予期されるボリュームを算出することと、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信のための前記算出された優先度、各ユーザ地上局が前記衛星との通信セッションを実行することができる前記決定された時間、ならびに通信セッション中に前記衛星と前記ユーザ地上局の各々との間で送信され得る前記暗号化鍵の予期されるボリュームを使用して、前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するためのユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成することと、をさらに含む、請求項29~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記暗号化鍵が、他のユーザ地上局の暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化されていない安全な暗号化鍵と、他のユーザ地上局の暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化されている割り当てられた暗号化鍵と、を含む、請求項29~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを前記生成することが、
前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から前記安全な暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度の第1のリストを生成することと、
前記スケジュールの前記期間中にそれらの目標ユーザ地上局において安全な暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化するために前記衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度の第2のリストを生成することと、を含み、
前記第1の生成されたリストおよび前記第2の生成されたリストの両方が、前記鍵配送スケジュールを作成するために使用される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記十分に雲がないユーザ地上局の各々について、前記ユーザ地上局における安全な暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化するために、前記ユーザ地上局に通信されるために利用可能である前記衛星上に格納されている暗号化鍵のボリュームを決定し、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信について前記算出された優先度、各ユーザ地上局が前記衛星との通信セッションを実行することができる前記決定された時間、ならびにマッチング、ペアリング、またはグループ化のために前記ユーザ地上局に通信されるために利用可能である前記衛星に格納された前記暗号化鍵のボリュームを使用して、前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するためのユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記衛星の軌道経路に関する情報が前記衛星のエフェメリスである、請求項29~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーション衛星から2つのユーザ地上局への量子光通信リンクを形成して、エンタングルメントペアのそれぞれの光子を前記ユーザ地上局の各々に送信することと、
前記2つのユーザ地上局において前記それぞれの光子の量子情報を検出することと、
前記検出された量子情報を使用して前記2つのユーザ地上局間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、暗号化鍵を決定することと、を含む手法によって実行される、請求項29~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記衛星から前記2つのユーザ地上局への前記量子光通信リンクが、E91プロトコルを使用する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で第1の乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよび前記第2の暗号化鍵を前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項29~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる乱数の文字列を生成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して前記衛星と前記さらなるユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、さらなる暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1のユーザ地上局が、前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよびユーザ暗号化鍵を前記衛星に送信することと、
前記第1の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記衛星で前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、
前記ユーザ暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記第2の暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項29~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる乱数の文字列を生成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して前記衛星と前記さらなるユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、さらなる暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記OTP演算がXOR演算であり、前記OTPデータがXORデータである、請求項48~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記量子光通信リンクが、準備および測定プロトコル、好ましくは、BB 84デコイ方式プロトコルを使用する、請求項48~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記コンステレーションの衛星が、複数の手法を使用して前記暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる、請求項29~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記衛星量子鍵配送システムが、少なくとも1つの地上管制局をさらに備え、前記方法が、
前記1つ以上の衛星のコンステレーションの各衛星について、前記衛星が少なくとも1つの地上管制局と通信することができる通信時間を決定することと、
前記衛星の前記通信時間の前にスケジュールの前記生成が完了され得るように、前記衛星のスケジュールの生成を開始するべき時間を決定することと、
前記決定された時間の前に、前記1つ以上の衛星のコンステレーションの各衛星の前記取得を開始することと、をさらに含む、請求項29~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記衛星のコンステレーションが1つの衛星または複数の衛星を含む、請求項29~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記方法が、コンピュータ実施方法である、請求項29~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングするように構成された装置であって、前記装置が、
暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成するように構成された優先度リスト生成モジュールと、
前記衛星のコンステレーションの各衛星について、
前記衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用してユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる地表の領域を決定することと、
雲量マップを取得することと、
リストされた前記ユーザ地上局の位置と、前記衛星のコンステレーションのための前記地表の前記決定された領域と、前記雲量マップとを比較して、暗号化鍵配信が前記スケジューリング期間中に前記衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を識別することと、
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、
各識別されたユーザ地上局における未使用の暗号化鍵の量、および
各識別された各ユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定することと、を行うように構成された交信予測器モジュールと、を備える、装置。
【請求項59】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、以前のスケジューリング期間内に各識別されたユーザ地上局に配信されることが意図され、かつ配信されなかった暗号化鍵の量に基づいて決定するようにさらに構成されている、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記暗号化鍵配信セッションが暗号化鍵が衛星に格納されることを必要とする場合、前記接触予測モジュールが、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、前記衛星のコンステレーションの各衛星に格納されている暗号化鍵の量に基づいて決定するようにさらに構成されている、請求項58又は59に記載の装置。
【請求項61】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、前記ユーザ地上局の光通信コンポーネントによってサポートされ得る暗号化鍵配信率に基づいて決定するようにさらに構成されている、請求項58~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、前記衛星から前記ユーザ地上局に暗号化鍵を配信するために必要とされる光子数または通信リンク時間量に基づいて決定するようにさらに構成されている、請求項58~61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記衛星から前記ユーザ地上局に暗号化鍵を配信するために必要とされる前記光子数または通信リンク時間量が、前記ユーザ地上局と前記衛星との相対位置の幾何学的因子、大気状態、気象状態、光害のうちの1つ以上に基づく、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、前記ユーザ地上局のための予想される計測および大気状態に基づいて決定するようにさらに構成されている、請求項58~63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、前記ユーザ地上局と前記衛星との相対位置の幾何学的因子によって制限される暗号化鍵配信通信セッションの可能な長さに基づいて決定するようにさらに構成されている、請求項58~64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーション衛星から2つのユーザ地上局への量子光通信リンクを形成して、エンタングルメントペアのそれぞれの光子を前記ユーザ地上局の各々に送信することと、
前記2つのユーザ地上局において前記それぞれの光子の量子情報を検出することと、
前記検出された量子情報を使用して前記2つのユーザ地上局間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、暗号化鍵を決定することと、を含む手法によって実行される、請求項58~65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記衛星から前記2つのユーザ地上局への前記量子光通信リンクが、E91プロトコルを使用する、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で第1の乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよび前記第2の暗号化鍵を前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項58~67のいずれか一項に記載の装置。
【請求項69】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを決定することが、各ユーザ地上局に関連付けられている1つ以上のユーザ地上局に配信された暗号化鍵の数にさらに基づく、請求項58~68のいずれか一項に記載の装置。
【請求項70】
前記衛星のコンステレーションの各衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間に前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを決定することが、共通の暗号化鍵が関連するユーザ地上局にできるだけ早く配信されることを保証するために実行される、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる暗号化鍵を生成することと、
前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる暗号化鍵を使用して、前記さらなる量子光通信リンクに照らしてデータを符号化し、前記さらなる暗号化鍵を前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記第1の暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項68に記載の装置。
【請求項72】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1のユーザ地上局が、前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよびユーザ暗号化鍵を前記衛星に送信することと、
前記第1の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記衛星において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、
前記ユーザ暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記第2の暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項58~71のいずれか一項に記載の装置。
【請求項73】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる暗号化鍵を生成することと、
前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる暗号化鍵を使用して、前記さらなる量子光通信リンクに照らしてデータを符号化し、前記さらなる暗号化鍵を前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記OTP演算がXOR演算であり、前記OTPデータがXORデータである、請求項69~73のいずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
前記量子光通信リンクが、準備および測定プロトコル、好ましくは、BB 84デコイ方式プロトコルを使用する、請求項68~74のいずれか一項に記載の装置。
【請求項76】
前記コンステレーションの衛星が、複数の手法を使用して前記暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる、請求項58~75のいずれか一項に記載の装置。
【請求項77】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星が使用することができる各手法に対して別個に、前記衛星がユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる前記地表の領域を決定するように構成されている、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記交信予測器モジュールが、前記衛星が日食にある領域に対してのみ、前記衛星がユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる前記地表の領域を決定するように構成されている、請求項58~77のいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
前記優先度リスト生成モジュールが、ユーザ地上局を前記ユーザ地上局において格納されている前記暗号化鍵の量が閾値を下回る場合に前記リストに載せることによって、暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成するように構成されている、請求項58~78のいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
各ユーザ地上局が、それぞれの閾値を有する、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
前記閾値が、前記ユーザ地上局の暗号化鍵ストアのサイズに基づく、請求項80に記載の装置。
【請求項82】
前記優先度リスト生成モジュールが、ユーザ地上局を、前記ユーザ地上局と関連するユーザ地上局との間の暗号化ベースのサービスをサポートするために前記ユーザ地上局と共通の暗号化鍵を必要とする前記関連するユーザ地上局が前記リストに載せられる場合に、前記リストに載せることによって、暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成するように構成されている、請求項58~81のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記交信予測器モジュールが、前記1つ以上の衛星のコンステレーションの前記衛星のエフェメリスデータを比較することによって、暗号化鍵配信が前記スケジューリング期間中に前記衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を識別するように構成されている、請求項58~82のいずれか一項に記載の装置。
【請求項84】
前記衛星のコンステレーションが1つの衛星または複数の衛星を含む、請求項58~83のいずれか一項に記載の装置。
【請求項85】
前記方法が、コンピュータ実施方法である、請求項58~84のいずれか一項に記載の装置。
【請求項86】
1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングするように構成された装置であって、前記装置が、
前記1つ以上の衛星のコンステレーションの1つの衛星について、前記衛星の軌道経路に関する情報、ならびに前記複数のユーザ地上局の識別情報および位置に関する情報を取得し、前記取得された情報を使用して、前記スケジュールの期間中に前記衛星との通信セッションを実行することができる前記複数のユーザ地上局のうちの視認可能ユーザ地上局の識別情報および位置を決定するように構成された手段と、
各視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる時間を決定し、前記視認可能ユーザ地上局の各々の位置に関する気象情報を取得し、前記取得された気象情報に基づいて、前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが、前記それぞれの決定された時間に前記衛星との通信セッションを実行するために十分に雲がないかを決定するように構成された手段と、
前記十分に雲がないユーザ地上局の各々について、前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵のボリュームに関する情報を取得し、前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵のボリュームに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信の優先度を算出するように構成された手段と、
前記ユーザ地上局に対する前記算出された暗号化鍵配信の優先度、および各ユーザ地上局が前記衛星との通信セッションを実行することができる前記決定された時間を使用して、前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成するように構成された手段と、
前記生成されたリストを使用して、前記衛星と前記異なるユーザ地上局との間で実行される前記通信セッションの前記タイミングを識別する鍵配送スケジュールを作成するように構成された手段と、を備える、装置。
【請求項87】
前記視認可能ユーザ地上局が、前記衛星が日食にあるときにのみ、前記スケジュールの期間中に前記衛星との通信セッションを実行することができると決定される、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記スケジュールの期間を取得することと、前記衛星の軌道経路に関する前記取得された情報、前記複数のユーザ地上局の識別情報および位置に関する前記取得された情報、ならびに前記取得された期間を使用して、前記スケジュールの期間中に前記衛星との通信セッションを実行することができる前記複数のユーザ地上局のうちの視認可能ユーザ地上局の前記識別情報および位置を決定するように構成された手段をさらに備える、請求項86又は87に記載の装置。
【請求項89】
前記視認可能ユーザ地上局の各々の前記状態に関する状態情報を取得することと、
前記状態情報から、前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが前記衛星との暗号化鍵配信通信セッションを実行するための好適な状態を有しているかを決定することと、
前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが目標ユーザ地上局であるかを決定するときに、好適な状態を有すると決定された前記視認可能ユーザ地上局のみを使用することと、を行うように構成された手段をさらに備える、請求項86~88のいずれか一項に記載の装置。
【請求項90】
各視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる時間が、時間である、請求項86~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項91】
各視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる前記時間が、前記衛星が前記ユーザ地上局の視点から上昇するときに第1の所定の高度に達する開始時間、および前記衛星が前記ユーザ地上局の視点から下降するときに第2の所定の高度に達する停止時間を算出し、前記開始時間と前記停止時間との間の時間を前記視認可能ユーザ地上局が前記衛星との前記通信セッションを実行することができる前記時間とすることによって決定される、請求項90に記載の装置。
【請求項92】
前記第1の所定の高度および前記第2の所定の高度が、同じ高度である、請求項91に記載の装置。
【請求項93】
前記高度が20°である、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
前記気象情報が、雲量情報を含み、または前記気象情報が、雲量情報を予測するために使用され、前記雲量情報が、前記視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが目標ユーザ地上局であるかを決定するために使用される、請求項86~93のいずれか一項に記載の装置。
【請求項95】
前記気象情報が、前記視認可能ユーザ地上局の各々の位置を中心とする区域に関連する、請求項85~94のいずれか一項に記載の装置。
【請求項96】
前記時間が、一連のより短い時間に分解され、どの前記視認可能ユーザ地上局が、前記衛星との通信セッションを実行するために十分に雲がない目標ユーザ地上局であるかを前記決定することが、前記より短い時間の各々について実行される、請求項91~95のいずれか一項に記載の装置。
【請求項97】
前記十分に雲がないユーザ地上局の各々について、前記ユーザ地上局における暗号化鍵の必要とされるボリュームに関する情報を取得し、前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵のボリュームおよび前記ユーザ地上局における前記暗号化鍵の必要とされるボリュームに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信の優先度を算出するように適合された手段をさらに備える、請求項86~96のいずれか一項に記載の装置。
【請求項98】
通信セッション中に前記衛星と前記十分に雲がないユーザ地上局の各々との間で送信され得る暗号化鍵の予期されるボリュームを算出し、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信のための前記算出された優先度、各ユーザ地上局が前記衛星との通信セッションを実行することができる前記決定された時間、ならびに通信セッション中に前記衛星と前記ユーザ地上局の各々との間で送信され得る前記暗号化鍵の予期されるボリュームを使用して、前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するためのユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成するように構成された手段をさらに備える、請求項86~97のいずれか一項に記載の装置。
【請求項99】
前記暗号化鍵が、他のユーザ地上局の暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化されていない安全な暗号化鍵と、他のユーザ地上局の暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化されている割り当てられた暗号化鍵と、を含む、請求項86~98のいずれか一項に記載の装置。
【請求項100】
前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを前記生成することが、
前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から前記安全な暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度の第1のリストを生成することと、
前記スケジュールの前記期間中にそれらの目標ユーザ地上局において安全な暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化するために前記衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度の第2のリストを生成することと、を含み、
前記第1の生成されたリストおよび前記第2の生成されたリストの両方が、前記鍵配送スケジュールを作成するために使用される、請求項99に記載の装置。
【請求項101】
前記十分に雲がないユーザ地上局の各々について、前記ユーザ地上局における安全な暗号化鍵とマッチング、ペアリング、またはグループ化するために、前記ユーザ地上局に通信されるために利用可能である前記衛星上に格納されている暗号化鍵のボリュームを決定し、前記ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信について前記算出された優先度、各ユーザ地上局が前記衛星との通信セッションを実行することができる前記決定された時間、ならびにマッチング、ペアリング、またはグループ化のために前記ユーザ地上局に通信されるために利用可能である前記衛星に格納された前記暗号化鍵のボリュームを使用して、前記スケジュールの前記期間中に前記衛星から暗号化鍵を配送するためのユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成するように構成された手段をさらに備える、請求項101に記載の装置。
【請求項102】
前記衛星の軌道経路に関する情報が前記衛星のエフェメリスである、請求項86~101のいずれか一項に記載の装置。
【請求項103】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーション衛星から2つのユーザ地上局への量子光通信リンクを形成して、エンタングルメントペアのそれぞれの光子を前記ユーザ地上局の各々に送信することと、
前記2つのユーザ地上局において前記それぞれの光子の量子情報を検出することと、
前記検出された量子情報を使用して前記2つのユーザ地上局間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、暗号化鍵を決定することと、を含む手法によって実行される、請求項86~102のいずれか一項に記載の装置。
【請求項104】
前記衛星から前記2つのユーザ地上局への前記量子光通信リンクが、E91プロトコルを使用する、請求項103に記載の装置。
【請求項105】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で第1の乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよび前記第2の暗号化鍵を前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項86~104のいずれか一項に記載の装置。
【請求項106】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる乱数の文字列を生成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して前記衛星と前記さらなるユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、さらなる暗号化鍵を決定することと、
前記第1の暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記第1の暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項105に記載の装置。
【請求項107】
前記暗号化鍵配信通信セッションが、
前記コンステレーションの衛星上で乱数の文字列を生成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第1のユーザ地上局への第1の量子光通信リンクを形成することと、
前記第1の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第1のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第1の暗号化鍵を決定することと、
前記第1のユーザ地上局が、前記第1の暗号化鍵のワンタイムパッドOTP演算の「OTP」データおよびユーザ暗号化鍵を前記衛星に送信することと、
前記第1の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記衛星において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、
前記ユーザ暗号化鍵を前記衛星に格納することと、
続いて
前記衛星から前記第1のユーザ地上局に関連付けられている第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記衛星上で第2の乱数の文字列を生成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して、前記衛星から第2のユーザ地上局への第2の量子光通信リンクを形成することと、
前記第2の乱数の文字列を使用して前記衛星と前記第2のユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、第2の暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記第2の暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記第2のユーザ地上局に送信することと、
前記第2の暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記第2の地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、を含む手法によって実行される、請求項86~106のいずれか一項に記載の装置。
【請求項108】
前記手法が、続いて
前記衛星上でさらなる乱数の文字列を生成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して、前記衛星から前記第1のユーザ地上局および前記第2のユーザ地上局に関連付けられているさらなるユーザ地上局へのさらなる量子光通信リンクを形成することと、
前記さらなる乱数の文字列を使用して前記衛星と前記さらなるユーザ地上局との間で暗号化鍵合意プロセスを実施して、さらなる暗号化鍵を決定することと、
前記ユーザ暗号化鍵および前記さらなる暗号化鍵のOTPデータを前記衛星から前記さらなるユーザ地上局に送信することと、
前記さらなる暗号化鍵および前記OTPデータを使用して、前記さらなる地上局において前記ユーザ暗号化鍵を導出することと、をさらに含む、請求項107に記載の装置。
【請求項109】
前記OTP演算がXOR演算であり、前記OTPデータがXORデータである、請求項105~108のいずれか一項に記載の装置。
【請求項110】
前記量子光通信リンクが、準備および測定プロトコル、好ましくは、BB 84デコイ方式プロトコルを使用する、請求項105~109のいずれか一項に記載の装置。
【請求項111】
前記コンステレーションの衛星が、複数の手法を使用して前記暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる、請求項86~110のいずれか一項に記載の装置。
【請求項112】
前記衛星量子鍵配送システムが、少なくとも1つの地上管制局をさらに備え、前記装置が、
前記1つ以上の衛星のコンステレーションの各衛星について、前記衛星が少なくとも1つの地上管制局と通信することができる通信時間を決定するように構成された手段と、
前記衛星の前記通信時間の前にスケジュールの前記生成が完了され得るように、前記衛星のスケジュールの生成を開始するべき時間を決定するように構成された手段と、をさらに備え、
取得するように配置された手段が、前記1つ以上の衛星のコンステレーションの各衛星について、前記決定された時間の前に前記取得を開始するように構成されている、請求項86~111のいずれか一項に記載の装置。
【請求項113】
前記衛星のコンステレーションが1つの衛星または複数の衛星を含む、請求項86~112のいずれか一項に記載の装置。
【請求項114】
プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備え、前記プロセッサユニットが、前記メモリユニットおよび通信ユニットに接続され、前記装置が、請求項1~28のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように構成されている、装置。
【請求項115】
プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える装置であって、前記プロセッサユニットが、前記メモリユニットおよび通信ユニットに接続され、前記装置が、請求項29~57のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように構成されている、装置。
【請求項116】
内部に格納されたコードまたはコンピュータ命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記コードまたは前記コンピュータ命令が、プロセッサユニットによって実行されると、前記プロセッサユニットに、請求項1~28のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項117】
内部に格納されたコードまたはコンピュータ命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記コードまたは前記コンピュータ命令が、プロセッサユニットによって実行されると、前記プロセッサユニットに、請求項29~57のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項118】
1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法であって、前記方法が、
前記衛星のコンステレーションの各衛星について、前記衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用して暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる暗号化鍵を必要とするユーザ地上局を識別することと、
雲量情報を取得することと、
前記識別されたユーザ地上局の位置と前記雲量情報とを比較して、暗号化鍵配信が前記スケジューリング期間中に前記衛星によって実行され得るユーザ地上局を識別することと、
前記衛星が前記スケジューリング期間内の異なる時間において暗号化鍵配信通信セッションが実行され得る前記識別されたユーザ地上局のうちのいずれと前記暗号化鍵配信を行うことができるかを、
各識別されたユーザ地上局における未使用の暗号化鍵の量、および
各識別されたユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、衛星量子鍵配送システムにおける暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法、ならびにその方法を実行するためのシステムおよびソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
暗号化は、限定されるものではないが、例えば、オンラインショッピングおよびバンキング用のトランスポート層セキュリティ(TLS)セキュリティから、非常に安全な政府通信まで、毎日何十億ものトランザクションを保護するために使用される。これらのトランザクションは、少なくとも2つ以上のトランザクション当事者が秘密鍵を共有するための信頼できる安全な手段に依存しており、一方の当事者によるデータの暗号化、および後続の他方の当事者による復号を可能にしている。商業的に使用可能な汎用量子コンピュータが利用可能になると、限定されるものではないが、例えば、デジタルバンキング、ウェブ認証、Know Your own Client(KYC)、デジタル資産移転、および認証を含む、これらの様々なタイプのトランザクション、タスク、およびアプリケーションが脆弱になる。これらのトランザクション、タスク、およびアプリケーションは、現在、従来の暗号化および/または暗号化技術を通常使用するソフトウェアシステム、ならびにそのような量子コンピュータ(QC)からの攻撃に耐えるのに十分な回復力がないプロトコルを使用して提供されている。
【0003】
QCは、多くの従来の暗号化コードをほぼ簡単に解読できる可能性がある。また、商用システムの販売におけるD-Waveの成功の結果として、昨年来、量子コンピューティングに対する関心が高まっている。さらに、限定されるものではないが、例えば、マイクロソフト(RTM)、インテル(RTM)、グーグル(RTM)、および他の企業などのテクノロジー企業によるQC技術の飛躍的な進歩により、近い将来(例えば、5~10年後)、汎用QCが実行可能になることが期待されている。QCは、すでに現在の暗号化および/または暗号化技術に対する脅威になっている。
【0004】
例えば、2者間で暗号化鍵を交換する現在の方法は、QC攻撃に対して脆弱になるであろう。鍵交換プロトコルに含まれる暗号化プリミティブが破られる可能性がある場合、交換された鍵が危険にさらされ、暗号化されたデータが攻撃者に公開される。従来の鍵交換プロトコルは、離散対数問題(例えば、Diffie-Hellman(DH))または楕円曲線離散対数問題(例えば、Elliptic-Curve DH(ECDH))の硬度に基づく。これらの問題のいずれも堅牢さは保証されておらず、どちらの問題もQCによって多項式時間で解くことができる。これは、大規模および小規模の組織、企業、ならびにパブリックネットワークとプライベートネットワーク(例えば、インターネットまたは企業イントラネット)との個々のユーザの両方にとって特に懸念事項である。鍵交換を確実に実行できない場合、現在の全てのトランザクション、タスク、およびアプリケーションはQCによる攻撃に対して脆弱になる。
【0005】
「量子暗号」の分野は、量子安全暗号アルゴリズム(いわゆる量子安全アルゴリズム)と量子鍵配送(QKD)技術との両方を開発することによって、これらのリスクに対処することを目的としている。両方の組み合わせが究極のソリューションを提供するが、スタンドアロン技術としてのQKDはまだ提供できるものが多く、広く採用されるようになるために量子安全アルゴリズムの開発に依存していない。ただし、大企業から小企業および/または個人の幅広いユーザに対して大規模なQKDを確実に実行することでさえ、依然としてコストおよび時間のかかる作業である。
【0006】
QKDを実行するための堅牢、安全、かつ費用効果の高いアプローチが望まれており、提案されている1つのアプローチは、1つ以上の衛星と地上のユーザとの間でQKDを実行することである。
【0007】
以下に説明する実施形態は、上述した既知のアプローチの欠点のいずれかまたは全てを解決する実装形態に限定されるものではない。
【発明の概要】
【0008】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに記載される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供されるものである。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図しておらず、本発明の実施を容易にし、および/または実質的に同様の技術的効果を達成するために機能する変形例および代替的特徴は、本明細書に開示される本発明の範囲内に収まるとみなされるべきである。
【0009】
第1の態様では、本開示は、1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法であって、方法が、暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成することと、衛星のコンステレーションの各衛星について、衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用してユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる地表の領域を決定することと、雲量マップを取得することと、リストされたユーザ地上局の位置と、衛星のコンステレーションのための地表の決定された領域と、雲量マップとを比較して、暗号化鍵配信がスケジューリング期間中に衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を識別することと、衛星のコンステレーションの各衛星がスケジューリング期間内の異なる時間に識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、各識別されたユーザ地上局における未使用の暗号化鍵の量、および各識別されたユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定することと、を含む、方法を提供する。
【0010】
第2の態様では、本開示は、1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法であって、方法が、1つ以上の衛星のコンステレーションの1つの衛星について、衛星の軌道経路に関する情報、ならびに複数のユーザ地上局の識別情報および位置に関する情報を取得し、取得された情報を使用して、スケジュールの期間中に衛星との通信セッションを実行することができる複数のユーザ地上局の視認可能ユーザ地上局の識別情報および位置を決定することと、各視認可能ユーザ地上局が衛星との通信セッションを実行することができる時間を決定し、視認可能ユーザ地上局の各々の位置に関する気象情報を取得し、取得された気象情報に基づいて、視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが、それぞれの決定された時間に衛星との通信セッションを実行するために十分に雲がないかを決定することと、十分に雲がないユーザ地上局の各々について、ユーザ地上局における暗号化鍵のボリュームに関する情報を取得し、ユーザ地上局における暗号化鍵のボリュームに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信の優先度を算出することと、ユーザ地上局に対する算出された暗号化鍵配信の優先度、および各ユーザ地上局が衛星との通信セッションを実行することができる決定された時間を使用して、スケジュールの期間中に衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成することと、生成されたリストを使用して、衛星と異なるユーザ地上局との間で実行されるべき通信セッションのタイミングを識別する鍵配送スケジュールを作成することと、を含む、方法を提供する。
【0011】
第3の態様では、本開示は、1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングするように構成された装置であって、装置が、暗号化鍵を必要とするユーザ地上局のリストを作成するように構成された優先度リスト生成モジュールと、衛星のコンステレーションの各衛星について、衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用してユーザ地上局に対する暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる地表の領域を決定することと、雲量マップを取得することと、リストされたユーザ地上局の位置と、衛星のコンステレーションのための地表の決定された領域と、雲量マップとを比較して、暗号化鍵配信がスケジューリング期間中に衛星のコンステレーションによって実行され得るリストされたユーザ地上局を識別することと、衛星のコンステレーションの各衛星がスケジューリング期間内の異なる時間に識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信通信セッションを実行するかを、各識別されたユーザ地上局における未使用の暗号化鍵の量、および各識別された各ユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定することと、を行うように構成された交信予測器モジュールと、を備える、装置を提供する。
【0012】
第4の態様では、本開示は、1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングするように構成された装置であって、装置が、1つ以上の衛星のコンステレーションの1つの衛星について、衛星の軌道経路に関する情報、ならびに複数のユーザ地上局の識別情報および位置に関する情報を取得し、取得された情報を使用して、スケジュールの期間中に衛星との通信セッションを実行することができる複数のユーザ地上局のうちの視認可能ユーザ地上局の識別情報および位置を決定するように構成された手段と、各視認可能ユーザ地上局が衛星との通信セッションを実行することができる時間を決定し、視認可能ユーザ地上局の各々の位置に関する気象情報を取得し、取得された気象情報に基づいて、視認可能ユーザ地上局のうちのいずれが、それぞれの決定された時間に衛星との通信セッションを実行するために十分に雲がないかを決定するように構成された手段と、十分に雲がないユーザ地上局の各々について、ユーザ地上局における暗号化鍵のボリュームに関する情報を取得し、ユーザ地上局における暗号化鍵のボリュームに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ地上局に対する暗号化鍵配信の優先度を算出するように構成された手段と、ユーザ地上局に対する算出された暗号化鍵配信の優先度、および各ユーザ地上局が衛星との通信セッションを実行することができる決定された時間を使用して、スケジュールの期間中に衛星から暗号化鍵を配送するための目標ユーザ地上局のタイミングおよび優先度のリストを生成するように構成された手段と、生成されたリストを使用して、衛星と異なるユーザ地上局との間で実行されるべき通信セッションのタイミングを識別する鍵配送スケジュールを作成するように構成された手段と、を備える、装置を提供する。
【0013】
第5の態様では、本開示は、プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える装置であって、プロセッサユニットが、メモリユニットおよび通信ユニットに接続され、装置が、第1の態様に記載のコンピュータ実装方法を実装するように構成されている、装置を提供する。
【0014】
第6の態様では、本開示は、プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える装置であって、プロセッサユニットが、メモリユニットおよび通信ユニットに接続され、装置が、第2の態様に記載のコンピュータ実装方法を実装するように構成されている、装置を提供する。
【0015】
第7の態様では、本開示は、内部に格納されたコードまたはコンピュータ命令を含むコンピュータ可読媒体であって、コードまたはコンピュータ命令が、プロセッサユニットによって実行されると、プロセッサユニットに、第1の態様に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0016】
第8の態様では、本開示は、内部に格納されたコードまたはコンピュータ命令を含むコンピュータ可読媒体であって、コードまたはコンピュータ命令が、プロセッサユニットによって実行されると、プロセッサユニットに、第2の態様に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0017】
第9の態様では、本開示は、1つ以上の衛星のコンステレーションおよび複数のユーザ地上局を備える衛星量子鍵配送システムにおいて暗号化鍵配信通信セッションをスケジューリングする方法であって、方法が、衛星のコンステレーションの各衛星について、衛星がスケジューリング期間中に量子光通信リンクを使用して暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる暗号化鍵を必要とするユーザ地上局を識別することと、雲量情報を取得することと、識別されたユーザ地上局の位置と雲量情報とを比較して、暗号化鍵配信がスケジューリング期間中に衛星によって実行され得るユーザ地上局を識別することと、衛星がスケジューリング期間内の異なる時間において暗号化鍵配信通信セッションが実行され得る識別されたユーザ地上局のうちのいずれと暗号化鍵配信を行うことができるかを、各識別されたユーザ地上局における未使用の暗号化鍵の量、および各識別された各ユーザ地上局が暗号化鍵を使い果たすまでの予想される時間のうちの1つ以上に基づいて決定することと、を含む、方法を提供する。
【0018】
本明細書に記載された方法は、例えば、プログラムがコンピュータ上で実行され、コンピュータプログラムがコンピュータ可読媒体上に具現化されている場合に、本明細書に記載された方法のすべてのステップを実行するように適合されたコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムの形態で、有形記憶媒体上の機械可読形態のソフトウェアによって実行され得る。有形(または非一時的)記憶媒体の例には、ディスク、サムドライブ、メモリカードなどが含まれ、伝播信号は含まれない。ソフトウェアは、方法のステップを任意の好適な順序で、または同時に実行され得るように、並列プロセッサまたは直列プロセッサでの実行に好適であり得る。
【0019】
本出願は、ファームウェアおよびソフトウェアが価値を有し、個別に取引可能な商品である可能性があることを認めている。「ダム」または標準ハードウェアで実行または制御するソフトウェアを包含して、目的の機能を実行することを目的としている。また、シリコンチップの設計またはユニバーサルプログラマブルチップの構成に使用されるHDL(ハードウェア記述言語)ソフトウェアなどのハードウェアの構成を「記載」または定義して、目的の機能を実行するソフトウェアも包含することも目的としている。
【0020】
好ましい特徴は、当業者にとって明らかであるように、適切に組み合わせられ得、本発明の任意の態様と組み合わせられ得る。
【0021】
本発明の実施形態は、例として、以下の図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態による衛星量子鍵配送システムを示す概略図である。
【
図2】
図1のシステムで使用され得る第1の量子鍵配送手法を示す概略図である。
【
図3】
図1のシステムで使用され得る第2の量子鍵配送手法を示す概略図である。
【
図4】
図1のシステムで使用され得る第3の量子鍵配送手法を示す概略図である。
【
図5】
図1のシステムで使用可能な地上管制局の概略図である。
【
図6】
図5の地上管制局のスケジューリングモジュールの概略図である。
【
図7】
図1のシステムにおける衛星の概略図である。
【
図8】
図6のスケジューリングモジュールによって使用可能なスケジュール生成方法を示すフロー図である。
【
図10】第2の実施形態による、
図5の地上管制局の代替のスケジューリングモジュールの概略図である。
【
図11】
図10のスケジューリングモジュールによって使用可能なスケジュール生成方法を示すフロー図である。
【0023】
共通の参照符号は、同様の特徴を示すために図面全体を通して使用される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態は、例としてのみ以下に記載される。これらの例は、本発明を達成することができる唯一の方法ではないが、出願人にとって現在既知の本発明を実施する最良の方法を表す。本明細書は、例の機能と、例を構築および操作するための一連のステップを説明する。しかしながら、同じまたは同等の機能および配列は、異なる例によって達成され得る。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態による衛星量子鍵配送システム100の例の概要を示す概略図である。衛星量子鍵配送システム100は、地球軌道上の衛星1のコンステレーションと、いくつかのユーザ地上局2と、少なくとも1つの地上管制局3と、を備える。図示の例では、衛星1は低軌道(LEO)傾斜極軌道にある。ただし、他の例では、コンステレーションは他の軌道、例えば静止軌道(GEO)または中軌道(MEO)の衛星を含み得る。衛星量子鍵配送システム100の動作において、衛星1は、量子鍵配送(QKD)技術を使用して、暗号化鍵をユーザ地上局2に配送する。次に、各ユーザ地上局2は、各ユーザ地上局が受信した暗号化鍵を、暗号化サービスで後で使用するために、ユーザ地上局2に関連付けられている鍵バッファに格納する。暗号化サービスの例としては、暗号化、および機密性、整合性、認証、ソース識別、承認、および否認防止などの他のセキュリティ関連サービスが挙げられる。このリストは単なる例示であり、網羅的であることを意図したものではない。鍵ストレージバッファはデータストアである。好ましくは、鍵バッファは、ハードウェアストレージモジュール(HSM)に組み込まれたデータストアである。HSMは、鍵を抽出しようとするあらゆる試みがブロックまたは検出されるようにする。HSMは、カプセル化されたメモリモジュールを囲むワイヤケージなどの改ざん検出センサ、過電圧または低電圧および温度の検出などを提供する。また、エンドユーザの暗号化システムに制限および認証された通信インターフェースを提供する。暗号化ベースのサービスの例は、暗号化された通信であり、暗号化鍵を使用して、第1のユーザ地上局2aと第2のユーザ地上局2bとの間の従来の通信チャネル(例えば、電話回線、インターネット接続、無線周波数伝送、光ファイバネットワーク、アーキット安全通信手法を使用するネットワークなどのプライベートまたは独自の安全ネットワーク)上の送信を暗号化してもよい。衛星1のコンステレーションは、1つの衛星を含み得るか、または複数の、すなわち2つ以上の衛星を含み得る。
【0026】
図示の実施形態では、少なくとも1つの地上管制局3は、2つの地上管制局3aおよび3bを含む。他の例では、異なる数の地上管制局3が存在し得る。
【0027】
衛星1または各衛星1は、いくつかの光送信機を有し、各ユーザ地上局2は、光受信機を有し、これにより、衛星1からユーザ地上局2への量子光通信リンクを確立することができる。衛星1または各衛星1はまた、光受信機を備え、各ユーザ地上局2は、光送信機を有し、これにより、ユーザ地上局2から衛星1への従来の(すなわち、非量子)光通信リンクを確立することができる。
【0028】
衛星量子鍵配送システム100の動作の概要は、それぞれのスケジュールが、地上管制局3によって衛星1の各々に送信され、選択された地上ユーザ局2に送信され、その後の実行のために衛星1に搭載されて格納されることである。次に、衛星1は、それらのそれぞれのスケジュールに従って、それらの軌道を移動するときに暗号化鍵を配送するために、ユーザ地上局2に交信することを続行する。
【0029】
衛星量子鍵配送システム100の動作に使用され得る第1のQKD手法の例を
図2に示す。
図2の例では、衛星1は、第1のユーザ地上局2aおよび関連する第2のユーザ地上局2bへの暗号化鍵の量子鍵配送を同時に実行するように構成されている。
図2に示される手法では、偏光などのエンタングルメント量子特性を共有するペアの光子が衛星1で生成される。エンタングルメントペアの一部である光子はユーザ地上局に送信され、各ペアからの1つの光子はビームで第1のユーザ地上局2aに送信され、各ペアからの他の光子はビームで第2のユーザ地上局2bに送信される。受信されると、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは量子情報を検出し、鍵合意プロセスを通じて量子情報使用して鍵を決定し、次に、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bが、その鍵をそれぞれの鍵バッファに格納する。格納された暗号化鍵は、次に、暗号化サービスをサポートするために、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bによって使用され得る。第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bによって使用される鍵合意プロセスは、使用する鍵データに合意するために、従来の通信チャネル4を介して第1および第2のユーザ地上局2aおよび2b間で実行される鍵ふるい分けを使用することを含み得る。したがって、関連する第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは、関連する第1および第2のユーザ地上局2aおよび2b間の、またはそれらを含む暗号化サービスをサポートするための共通の暗号化鍵を備えている。第1のQKD手法において衛星1と第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bとの間で使用され得る好適なプロトコルの一例は、E91プロトコルである。通信チャネル4は、例えば、光もしくは無線通信チャネル、電気通信ネットワーク、またはインターネットであり得る。
【0030】
第1のQKD手法を使用するために、衛星は、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bの両方との光リンクを同時に有することが必要であることが理解されるであろう。これにより、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bの位置に地理的制約が課せられ、例えば、衛星1が高度約700kmの軌道上にある場合、地表上の第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bの位置は、最大約2000kmだけ離れている可能性がある。
【0031】
衛星量子鍵配送システム100の動作に使用され得る第2のQKD手法の例を
図3に示す。
図3の例では、衛星1は、第1のユーザ地上局2aおよび第2のユーザ地上局2bへの暗号化鍵の量子鍵配送を異なる時間に実行するように配置されている。
図3に示される手法では、第1の乱数の文字列が衛星1上で生成され、レーザビームにおいて第1のユーザ地上局2aに向けられる、衛星1上の単一の光子源によって放出される光子のストリームにデータを符号化して、衛星1から第1のユーザ地上局2aへの量子光通信リンクを形成するために使用される。次に、衛星1および第1の地上局2aは、従来の通信チャネルを使用して処理を実行し、情報を交換して、光子ストリームから抽出された第1の受信された鍵に合意する。次に、第1の地上ユーザ局2aは、受信された第1の鍵を第1のユーザ地上局2aの鍵バッファに格納する。第1の暗号化鍵は、衛星の鍵データストアにも格納される。続いて、第2の乱数の文字列が衛星1上で生成され、レーザビームにおいて第2のユーザ地上局2bに向けられる、衛星1上の単一の光子源によって放出される光子にデータを符号化して、衛星1から第2のユーザ地上局2bへの量子光通信リンクを形成するために使用される。次に、衛星および第2の地上局2bは、従来の通信チャネルを使用して処理を実行し、情報を交換して、光子ストリームから抽出された第2の受信された暗号化鍵に合意する。次に、第1および第2の暗号化鍵のXORが、従来の(非量子)通信チャネルを使用して、衛星1から第2のユーザ地上局2bに送信される。XORが生成された後、第1の暗号化鍵が削除される。第2の地上ユーザ局2bは、受信された第2の暗号化鍵およびXORデータを使用して第1の暗号化鍵を導出し、次いで、導出された第1の暗号化鍵を第2のユーザ地上局2bの鍵バッファに格納することができる。次に、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは、それらのそれぞれの鍵バッファに格納された第1の暗号化鍵を使用して、暗号化サービスをサポートすることができる。したがって、関連する第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは、関連する第1および第2のユーザ地上局2aおよび2b間の、またはそれらを含む暗号化サービスをサポートするための共通の暗号化鍵を備えている。第2のQKD手法において衛星1から第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bの各々に暗号化鍵を配信するために使用され得る好適なプロトコルの一例は、BB84デコイ方式プロトコルである。他の例では、例えば他のデコイ方式プロトコルを含む、異なる準備および測定プロトコルを、BB84デコイ方式プロトコルの代わりに使用することができる。第2のQKD手法において衛星1によって使用され得る好適な単一の光子源の例は、弱いコヒーレント源または弱いパルス源である。
【0032】
第2のQKD手法のいくつかの例では、衛星1は、XORのコピーを格納し、続いて、従来の(非量子)通信チャネルを使用して、このコピーを第1のユーザ地上局2aに提供し得る。次に、第1の地上ユーザ局2bは、以前に受信された第1の暗号化鍵およびXORデータを使用して第2の暗号化鍵を導出し、次いで、導出された第2の暗号化鍵を第1のユーザ地上局2qの鍵バッファに格納し得る。次に、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは、それらのそれぞれの鍵バッファに格納された第2の暗号化鍵を使用して、暗号化サービスをサポートすることもできる。
【0033】
衛星は異なる時間に第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bと通信することができるので、第2のQKD手法は、任意の位置で第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bに使用され得ることが理解されるであろう。
【0034】
第2のQKD手法の上記の例は、わかりやすくするために、2つのユーザ地上局2aおよび2bへの第1の暗号化鍵の配信に関して説明されている。衛星量子鍵配送システム100の動作において、衛星1は、異なる通信セッションにおいて、暗号化鍵を、多数の、場合によっては多数の異なる地上局2に、それらのそれぞれの鍵バッファへの格納のために配信することができる。これは、例えば、共通の共有鍵に基づくグループ暗号化サービスを必要とする異なる位置または場所にある複数の関連するユーザ地上局2間で、暗号化通信などの暗号化サービスを可能にするために望ましい場合がある。
【0035】
このグループ配信は、XORが生成された後、第1の暗号化鍵を削除するのではなく、保持することによって実行されてもよく、続いて、衛星1上で生成されたさらなる暗号化鍵を使用して、レーザビームにおいてさらなるユーザ地上局2に方向付けられる、衛星1上の単一の光子源によって放出される光にデータを符号化し、衛星1からさらなるユーザ地上局2への量子光通信リンクを形成し、そして第1のおよびさらなる暗号化鍵のXORが、従来の(非量子)通信チャネルを使用して衛星1からさらなるユーザ地上局2へ送信される。さらなる地上ユーザ局2は、受信されたさらなる暗号化鍵およびXORデータを使用して第1の暗号化鍵を導出し、次いで、導出された第1の暗号化鍵を第2のユーザ地上局2の鍵バッファに格納することができる。次に、第1、第2、およびさらなるユーザ地上局は、それらのそれぞれの鍵バッファに格納されている第1の暗号化鍵を使用して、暗号化サービスをサポートすることができる。このプロセスは、必要に応じてさらに多くのユーザ地上局2に対して繰り返され得る。第1の暗号化鍵は、最後のさらなるユーザ地上局に対してXORが生成された後に削除される。したがって、複数の関連するユーザ地上局2は、複数の関連するユーザ地上局2間の、またはそれらを含む暗号化サービスをサポートするための共通の暗号化鍵を備えている。
【0036】
衛星量子鍵配送システム100の動作に使用され得る第3のQKD手法の例を
図4に示す。
図4の例では、衛星1は、第1のユーザ地上局2aから第2のユーザ地上局2bへのユーザ暗号化鍵の量子鍵配送を実行するように構成されている。
図4に示される手法では、レーザビームにおいて第1のユーザ地上局2aに向けられる、衛星1上の単一の光子源によって放出される光にデータを符号化して、衛星1から第1のユーザ地上局2aへの量子光通信リンクを形成するために使用される、第1の乱数のストリームが衛星1上で生成される。次に、衛星および第1の地上局2aは、従来の通信チャネルを使用して処理を実行し、情報を交換して、光子ストリームから抽出された第1の受信された暗号化鍵に合意する。次に、第1のユーザ地上局2aは、受信された第1の暗号化鍵とユーザ暗号化鍵とのXORを作成する。ユーザ暗号化鍵は、例えば、第1のユーザ地上局2aで内部的に生成された暗号化鍵であり得る。次に、XORは、第1のユーザ地上局2aから衛星1への従来の通信リンクを使用して、第1のユーザ地上局2aによって衛星1に送信される。次に、衛星1は、第1の暗号化鍵およびXORデータを使用して、ユーザ暗号化鍵を導出することができる。次に、導出されたユーザ暗号化鍵は、衛星の鍵データストアに格納される。続いて、レーザビームにおいて第2のユーザ地上局2bに向けられる、衛星1上の単一の光子源によって放出される光にデータを符号化して、衛星1から第2のユーザ地上局2bへの量子光通信リンクを形成するために使用される、第2の乱数の文字列が衛星1上で生成される。次に、衛星および第2の地上局2bは、従来の通信チャネルにおいて処理を実行し、情報を交換して、光子ストリームから抽出された第2の受信された暗号化鍵に合意する。次に、ユーザ暗号化鍵および第2の暗号化鍵のXORが、従来の(非量子)通信チャネルを使用して、衛星1から第2のユーザ地上局2bに送信される。XORが生成された後、ユーザ暗号化鍵は衛星から削除される。第2の地上ユーザ局2bは、受信された第2の暗号化鍵およびXORデータを使用してユーザ暗号化鍵を導出し、次いで、導出されたユーザ暗号化鍵を第2のユーザ地上局2bの鍵バッファに格納することができる。次に、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは、それらのそれぞれの鍵バッファに格納されたユーザ暗号化鍵を使用して、暗号化サービスをサポートすることができる。したがって、関連する第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bは、関連する第1および第2のユーザ地上局2aおよび2b間の、またはそれらを含む暗号化サービスをサポートするための共通の暗号化鍵を備えている。第2のQKD手法において衛星1から第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bの各々に暗号化鍵を配信するために使用され得る好適なプロトコルの一例は、BB84デコイ方式プロトコルである。他の例では、例えば他のデコイ方式プロトコルを含む、異なる準備および測定プロトコルを、BB84デコイ方式プロトコルの代わりに使用することができる。第2のQKD手法において衛星1によって使用され得る好適な単一の光子源の例は、弱いコヒーレント源または弱いパルス源である。
【0037】
第3のQKD手法の上記の例は、わかりやすくするために、第1のユーザ地上局2aから第2のユーザ地上局2bへのユーザ暗号化鍵の配信に関して説明されている。衛星量子鍵配送システム100の動作において、衛星1は、異なる通信セッションにおいて、ユーザ暗号化鍵を、多数の、場合によっては多数の複数の異なる地上局2を含むグループに、それらのそれぞれの鍵バッファへの格納のために配信することができる。したがって、複数の関連するユーザ地上局2は、複数の関連するユーザ地上局2間の、またはそれらを含む暗号化サービスをサポートするための共通の暗号化鍵を備えている。これは、例えば、単一の組織の位置または場所などの共通の共有鍵に基づくグループ暗号化サービスを必要とする異なる位置または場所における複数の関連する地上局2間の、暗号化通信などの暗号化サービスを可能にするために望まれることがある。
【0038】
このグループ配信は、衛星によってXORが生成された後、ユーザ暗号化鍵を削除するのではなく、保持することによって実行され得る。続いて、衛星1上で生成されたさらなる暗号化鍵を使用して、レーザビームにおいてさらなるユーザ地上局2に方向付けられる、衛星1上の単一の光子源によって放出される光にデータを符号化し、衛星1からさらなるユーザ地上局2への量子光通信リンクを形成し、ユーザおよびさらなる暗号化鍵のXORが、従来の(非量子)通信チャネルを使用して衛星1からさらなるユーザ地上局2へ送信される。さらなる地上ユーザ局2は、受信されたさらなる暗号化鍵およびXORデータを使用してユーザ暗号化鍵を導出し、次いで、導出されたユーザ暗号化鍵を第2のユーザ地上局2bの鍵バッファに格納することができる。次に、第1、第2、およびさらなるユーザ地上局は、それらのそれぞれの鍵バッファに格納されているユーザ暗号化鍵を使用して、暗号化サービスをサポートすることができる。このプロセスは、必要に応じてさらに多くのユーザ地上局2に対して繰り返され得る。ユーザ暗号化鍵は、最後のさらなるユーザ地上局に対してXORが生成された後に削除される。したがって、関連する第1、第2、およびさらなるユーザ地上局2は、関連する第1、第2、およびさらなるユーザ地上局2間の、またはそれらを含む暗号化サービスをサポートするための共通の暗号化鍵を備えている。
【0039】
上記の第2および第3のQKD手法の例では、XOR演算を使用して、衛星1と地上ユーザ局2との間で暗号化鍵を安全に転送する。他の例では、XOR演算を代替の暗号化方式に置き換えてもよい。好ましくは、そのような代替の暗号化方式は、ワンタイムパッド(OTP)タイプのものである。好適な代替の暗号化方式は、モジュロ算術の使用を含み得る。モジュロ算術暗号化方式の例は、数AおよびBを(A,B)=(A+B)モジュロC、によって暗号化し、(A,B)=(A-B)モジュロCによって復号するタイプであり、いくつかの例ではC=256である。モジュロ算術暗号化方式の別の例は、暗号化(A、B)=復号(A、B)=(-A-B)モジュロCのタイプであり、これはXORと同様に自己逆元である。他の形式のモジュロ算術暗号化方式も使用され得る。
【0040】
いくつかの例では、衛星量子鍵配送システム100は、追加的にまたは代替的に、他のQKD手法を使用し得る。
【0041】
上記の例は、わかりやすくするために、単一の暗号化鍵の配信および使用に関して説明されている。通常、衛星量子鍵配送システム100の動作において、衛星1は、単一の通信セッションにおいて、多数の暗号化鍵を、第1および第2のユーザ地上局2aおよび2bの一方または両方に、それらのそれぞれの鍵バッファへの格納のために配信することになる。
【0042】
一般に、各ユーザ地上局2は、量子鍵配送システム100の単一のユーザまたは通信クライアントに関連付けられることになる。しかしながら、いくつかの例では、単一の地上局2が、多数のユーザまたは通信クライアントに関連付けられ、暗号化鍵を提供することができる。
【0043】
図1を参照して上述したように、衛星量子鍵配送システム100は、LEO傾斜極軌道内の衛星1のコンステレーションを多数のユーザ地上局2と、少なくとも1つの地上管制局3と、を備える。少なくとも1つの地上管制局3は、衛星量子鍵配送システム100のコンステレーション内の衛星1、または各衛星1のためのスケジュールを生成し、各スケジュールは、それぞれの衛星1によって実行されるべき一連の命令を設定し、その衛星1による後続の実行のためにそれぞれのスケジュールを各衛星1に送信する。衛星1によって実行される命令の各々は、ユーザ地上局2のうちの1つ以上と通信し、衛星1からそれらの地上局2に暗号化鍵を配信するか、またはユーザ地上局2からユーザ暗号化鍵を受信することである。少なくとも1つの地上管制局3はまた、衛星1が通信するべき衛星量子鍵配送システム100のユーザ地上局2のためのスケジュールを生成し、各スケジュールは、それぞれの地上ユーザ局2によって実行されるべき一連の命令を設定し、その地上ユーザ局2による後続の実行のためにそれぞれのスケジュールを各地上ユーザ局2へ送信する。地上ユーザ局2によって実行される命令の各々は、衛星1と通信することである。スケジュールを生成するために、少なくとも1つの地上管制局3は、以下でより詳細に説明されるように、衛星1、ユーザ地上局2、および環境状態に関するいくつかの静的および動的パラメータを考慮に入れなければならない。
【0044】
典型的な例では、衛星1のLEO傾斜極軌道は、各衛星が約90分の軌道周期で、1日当たり約16の軌道を作るように選択され得る。
【0045】
図示の第1の実施形態では、少なくとも1つの地上管制局3は、LEO傾斜極軌道の衛星1が各軌道で1回、少なくとも1つの地上管制局3の通信距離内を通過する単数または複数の位置において、地球の極のうちの1つに近い高緯度に位置付けられている。これは、衛星1が必ずしも少なくとも1つの地上管制局3の真上を通過しないことが理解されるであろうが、わかりやすくするために、衛星1が少なくとも1つの地上管制局3の上を通過することと言及されるであろう。コンステレーションの各衛星1が少なくとも1つの地上管制局3を通過すると、地上管制局3は衛星1との通信チャネルを開く。通信チャネルが開いているとき、地上管制局3は通信チャネルを使用してそれぞれのスケジュールを衛星1に送信し、衛星1は通信チャネルを使用して、その前の軌道上で衛星1によって実行された任務に関するレポートを送信する。通信チャネルまたは追加の通信チャネルは、衛星1と地上管制局3との間で必要とされる他の遠隔測定追跡およびコマンド(TT&C)通信にも使用され得る。
【0046】
いくつかの例では、少なくとも1つの地上管制局3が北極の近くに位置付けられ得る。
【0047】
好ましくは、少なくとも1つの地上管制局3と衛星1との間の通信チャネルは、暗号化された通信チャネルである。これらの暗号化された通信チャネルは、例えば、無線チャネルまたは光チャネルであり得る。好ましい例では、通信チャネルは、WO2019/11594A1に開示されているように、量子暗号化によって保護され得、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
図示の実施形態では、少なくとも1つの地上管制局3は、2つの地上管制局3aおよび3bを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの地上管制局3は、単一の地上管制局3であり得る。他の例では、少なくとも1つの地上管制局3は、3つ以上の地上管制局3であり得る。冗長性を提供し、信頼性を向上させ、衛星1の各々が各軌道で複数の地上管制局3のうちの少なくとも1つの上を通過することをまとめて提供しながら、複数の地上管制局3が配置され得る地理的位置の範囲を増加させるために、いくつかの実装において、2つ以上の地上管制局3の使用が望ましいことがある。
【0049】
図5は、衛星量子鍵配送システム100の地上管制局3の概略図を示している。
【0050】
図5に示されるように、少なくとも1つの地上管制局3は、コンステレーションの衛星1との双方向通信リンクを形成および維持することができる少なくとも1つの通信端末301を備える。少なくとも1つの地上管制局3はまた、通信端末1を介した衛星1との間の通信の量子安全暗号化および復号を実行するように構成された暗号化モジュール302を備える。少なくとも1つの地上管制局3はまた、マスメモリ303と、マスメモリ303に格納された記録を更新および維持するように構成された記録維持モジュール304と、を備える。少なくとも1つの地上管制局3はまた、マスメモリ303と、マスメモリ303に格納された記録を更新および維持するように構成された記録維持モジュール304と、も備える。少なくとも1つの通信端末301は、例えば、衛星1との無線または光通信リンクを形成することができる可能性がある。
【0051】
少なくとも1つの地上管制局3はまた、システム100のユーザ地上局2との双方向通信を可能にするように構成された通信モジュール305も備える。通信モジュール305は、インターネットなどの公共の電気通信ネットワークを介してそのような通信を実行し得る。少なくとも1つの地上管制局3とユーザ地上局2との間の通信は、安全のために、それ自体が量子鍵で認証され、好ましくは暗号化される。
【0052】
少なくとも1つの地上管制局3はまた、衛星1または各衛星1のスケジュールを生成するように構成されたスケジューリングモジュール306も備える。スケジューリングモジュール306の動作は、以下でより詳細に説明される。
【0053】
少なくとも1つの地上局3はまた、少なくとも1つの地上管制局3の他の部分の動作を制御および調整するための制御モジュール307も備える。
【0054】
図5の図示の例では、地上管制局3はいくつかのコンポーネントを備える。複数の地上管制局3が存在する例では、これらの地上管制局3の各々は、冗長性を提供するために、これらのコンポーネントの全てを備え得る。複数の地上管制局3が存在する他の例では、地上管制局3の必要とされる機能は、異なる地上管制局3によって配送された方法で提供され得、地上局3のうちのいくつかは、全てのコンポーネントを有しない場合がある。
【0055】
衛星量子鍵配送システム100の動作において、少なくとも1つの地上管制局3の記録維持モジュール304は、システム100の一部である各ユーザ地上局2の記録を維持する。ユーザ地上局2のこれらの記録は、少なくとも1つの地上管制局3のマスメモリ303に格納される。好都合なことに、ユーザ地上局2の記録は、ユーザ地上局記録データベース308としてマスメモリ303に格納される。各ユーザ地上局2の記録は、少なくとも、ユーザ地上局2の位置、ユーザ地上局2の現在の状態を含む。各ユーザ地上局2の記録は、他のユーザ地上局2のうちのいずれがそのユーザ地上局2と関連付けられているかも示し、したがって、関連する地上ユーザ局2間で暗号化通信などの暗号化サービスを可能にするために、そのユーザ地上局2の同じ(一致する)暗号化鍵の配信を必要とすることになる。
【0056】
システム100が複数の異なる手法を使用してQKDを実行することができる例では、各地上ユーザ局2の記録はまた、利用可能な手法のうちのいずれが地上ユーザ局2によって使用され得るかを示し得る。そのような複数の異なる手法は、上述した第1から第3のQKD手法のうちの1つ以上、および/または他の手法を含み得る。
【0057】
各ユーザ地上局の記録はまた、ユーザ地上局2の暗号化鍵バッファの合計サイズも含み得る。異なるユーザ地上局2は、異なるサイズの関連する鍵バッファを有し得る。異なるユーザ地上局2の鍵バッファのサイズは、各ユーザ地上局2が暗号化鍵を使用すると予想される率、例えば、1か月当たりに使用される暗号化鍵の数に基づいて設定されてよく、より高い率で暗号化鍵を使用すると予想されるユーザ地上局2は、より大きな鍵バッファを有している。ユーザ地上局2の鍵バッファのサイズはまた、衛星1からそのユーザ地上局2に暗号化鍵を配信する際の予想される難易度に基づいて設定されてもよく、難易度が高いと予想されるユーザ地上局2は、より大きな鍵バッファを有している。衛星1から特定のユーザ地上局2に暗号化鍵を配信する際に予想される難易度は、ユーザ地上局2の地理的位置に基づいて評価され得る。衛星1から特定のユーザ地上局2に暗号化鍵を配信する際に予想される難易度は、目標地上局2に近接するユーザ地上局2の密度に基づいても評価され得る。衛星1から特定のユーザ地上局2に暗号化鍵を配信する際に予想される難易度は、その位置にある衛星からの暗号化鍵配信を可能にする気象状態の確率を示す気象記録に基づいても評価され得る。暗号化鍵の配信において予想される難易度は、暗号化鍵の配信を妨害する可能性のある、その位置での予想される光害レベルに基づいても評価され得、また、ユーザ地上局2の光受信機の品質に基づいても評価され得る。いくつかのユーザ地上局2は、鍵バッファのサイズを選択してもよく、例えば、ユーザ地上局2は、暗号化鍵を常に利用できるという確信を高めるために、より大きな鍵バッファを有することを選択してもよい。
【0058】
各ユーザ地上局の記録はまた、他の情報、例えば、ユーザ地上局2と合意されたサービスレベル、および/またはシステム100におけるユーザ地上局2のメンバーシップの期間または終了日も含み得る。
【0059】
各ユーザ地上局2の現在の状態は、動作中、較正中、保守中、セキュリティ侵害、またはオフラインであるものとして示され得る。ユーザ地上局は、暗号化鍵の配信が利用可能であると示されている場合、それを受信することができるとみなされてもよい。ユーザ地上局は、保守中、セキュリティ侵害、またはオフラインであるものとして示されている場合、鍵配信を受信できないとみなされてもよい。他の可能な現在の状態表示も使用することができる。
【0060】
いくつかの例では、少なくとも1つの地上管制局3は、システム100に参加することが合意されているが、まだ動作していない新しいユーザ地上局2の記録を維持することもできる。そのような新しいユーザ地上局2の記録は、新しいユーザ地上局が運用されるようになる日付を示してもよい。
【0061】
いくつかの例では、少なくとも1つの地上管制局3はまた、システム100を離れた元のユーザ地上局2の記録を維持してもよい。そのような元のユーザ地上局2の記録は、現在の状態が終了していることを示し得る。そのような元のユーザ地上局2の記録の維持は、元のユーザ地上局2が続いてシステム100に再加入する場合、元ユーザ地上局2の復帰を単純化し得る。
【0062】
少なくとも1つの地上管制局3の記録維持モジュール304はまた、各ユーザ地上局2の暗号化鍵管理記録を維持する。ユーザ地上局2のこれらの暗号化鍵管理記録は、少なくとも1つの地上管制局3のマスメモリ303に格納される。便利なことに、ユーザ地上局2の暗号化鍵管理記録は、鍵管理データベース309としてマスメモリ303に格納される。鍵管理データベース309は、各ユーザ地上局2の暗号化鍵バッファに格納されている未使用暗号化鍵数、および各ユーザ地上局2によって暗号化鍵が使用される鍵消費率に関する情報を格納している。
【0063】
衛星量子鍵配送システム100の動作において、少なくとも1つの地上管制局3によって受信される各衛星1によって実行および/または試行された任務に関するレポートに基づいて、少なくとも1つの地上管制局3の記録維持モジュール304は、ユーザ地上局2の暗号化鍵管理記録を更新する。記録保守モジュール304はまた、実行および/または試行された任務に関するユーザ地上局からのレポートに基づいて、ユーザ地上局2の暗号化鍵管理記録を更新してもよい。
【0064】
衛星量子鍵配送システム100の動作において、ユーザ地上局2の各々は、少なくとも1つの地上管制ユーザ局3の通信モジュール305を通じて、その関連する暗号化鍵バッファに格納された未使用の暗号化鍵の数を少なくとも1つの地上管制ユーザ局3にレポートし得る。少なくとも1つの地上管制局3の記録保守モジュール304は、これらのレポートに基づいてユーザ地上局2の暗号化鍵管理記録を更新し、異なるユーザ地上局2の暗号化鍵バッファに格納されている未使用暗号化鍵の指示数を更新する。さらに、記録保守モジュール304は、これらのレポートを使用して、各ユーザ地上局の鍵消費率を決定し、それに応じてユーザ地上局2の記録を更新し得る。図示の実施形態では、ユーザ地上局2は、これらのレポートを所定のスケジュールで定期的に送信する。いくつかの例では、ユーザ地上局2は、追加的にまたは代替的に、関連する暗号化鍵バッファに格納された未使用暗号化鍵の数が所定のトリガレベルに達したとき、および/または衛星1からの追加の暗号化鍵の配信に続いて、これらのレポートを送信してもよい。
【0065】
いくつかの例では、他のユーザ地上局2のうちのいずれが各ユーザ地上局2に関連付けられているかを示す情報は、地上局記録データベース308の代わりに、鍵管理データベース309に格納されてもよい。
【0066】
実際には、異なるユーザ地上局2の暗号化鍵管理記録は、ユーザ地上局2の他の記録よりもはるかに頻繁に変更され、その結果、別個のユーザ地上局記録データベース308および安全な鍵管理データベース309を有することが便利である。ただし、これは必須ではなく、いくつかの例では、この情報が全て単一のデータベースに格納されている場合がある。
【0067】
図6は、第1の実施形態による衛星量子鍵配送システム100の少なくとも1つの地上管制局3のスケジューリングモジュール306の概略図を示している。
【0068】
スケジューリングモジュール306は、優先度リスト生成モジュール310を備える。定期的に、優先度リスト生成モジュール310は、ユーザ地上局記録データベース308からユーザ地上局2に関するデータを取得し、これらを使用して、衛星量子鍵配送システム100のユーザ地上局2の優先度リストを作成し、これをマスメモリ303に格納する。優先度リストは、暗号化鍵の配信を受信し、暗号化鍵が配信されることを必要とするために利用可能であり、これらの各ユーザ地上局2の各々に配信するべき暗号化鍵の目標数とみなされるユーザ地上局2のリストである。スケジューリングモジュール306は、作成された優先度リストを、少なくとも1つの地上管制局3のマスメモリ303に格納することができる。
【0069】
優先度リストを作成するとき、スケジューリングモジュール306の優先度リスト生成モジュール310は、ユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている暗号化鍵の数をそのユーザ地上局2のための閾値と比較することによって、ユーザ地上局2が暗号化鍵が配信される必要があるという決定を行う。これらの閾値は、例えば、各ユーザ地上局2の記録の一部であり得る。ユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている暗号化鍵の数が閾値よりも小さい場合、優先度リスト生成モジュール310は、ユーザ地上局2が暗号化鍵が配信される必要があるという決定を行い、ユーザ地上局2に配信される必要がある暗号化鍵の目標数を、ユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている未使用暗号化鍵の数を所定の所望の値に上げるために必要とされる数として決定する。所定の所望の値は、例えば、各ユーザ地上局2の記録の一部であり得る。いくつかの例では、閾値は、ユーザ地上局2の鍵バッファの合計サイズに基づいていてもよい。
【0070】
さらに、暗号化鍵が配信される必要があることを決定されたユーザ地上局2の各々について、優先度リスト生成モジュール310は、ユーザ地上局の記録内の指示を使用して、そのユーザ地上局2に関連付けられている他のユーザ地上局2を識別する。これらの関連するユーザ地上局2は、それらの間の暗号化サービスをサポートするために、対象のユーザ地上局と共通の暗号化鍵を有していなければならない。したがって、識別された関連する地上ユーザ局2は、配信される必要がある暗号化鍵の同じ目標数が同じで優先度リストに追加される。
【0071】
代替例では、優先度リストへのユーザ地上局のエントリは、ユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている暗号化鍵の数と、ユーザ地上局2によって暗号化鍵が使用される鍵消費率に基づいて、格納された暗号化鍵が全て使用されるまでの時間の期間を決定し、この時間の期間と閾値とを比較し得る。決定された時間の期間が閾値よりも短い場合、優先度リスト生成モジュール310は、ユーザ地上局2が暗号化鍵が配信される必要があるという決定を行う。配信されるべき鍵の目標数は、決定された期間および鍵消費率に基づいていてもよく、より短い決定された時間の期間を有するユーザ地上局2およびより高い鍵消費率を有するユーザ地上局2には、より高い目標数が割り振られる。
【0072】
別の代替例では、ユーザ地上局2のいくつかまたは全ては、それら自身の鍵バッファに格納されている暗号化鍵の数を監視し、これを閾値と比較するか、またはこれを使用して、格納されている暗号化鍵が全て使用されるまでの時間の期間を決定し、この期間を閾値と比較し、比較値がそれぞれの閾値を下回るとき、地上管制局3から暗号化鍵の配信を必要とし、配信されるべき暗号化鍵の目標数を識別し得る。次に、優先度リスト生成モジュール310は、要求を優先度リストに送信するユーザ地上局2を追加することによって、これらの要求に応答することができる。いくつかのそのような代替例では、ユーザ地上局2からの要求は、必要とするユーザ地上局2が関連している他のユーザ地上局2を識別し、したがって、それらの間で暗号化サービスをサポートするために共通の暗号化鍵を必要とし、これらの関連する地上ユーザ局2もまた、配信される必要がある暗号化鍵の同じ目標数で優先度リストに追加されてもよい。
【0073】
衛星量子鍵配送システム100の動作において、スケジューリングモジュール306は、衛星量子鍵配送システム100全体の鍵配信スケジュールを定期的に生成する。図示の例では、衛星1のコンステレーション内の衛星1のうちの1つが地上管制局3のうちの1つの上を通過するとき、またはその直前に、新しいスケジュールが算出され、したがって、新しいスケジュールを受信することができる。これにより、任意の変更、特に雲量などの大気および/または気象状態の任意の変更を考慮するために、スケジュールを適時に更新することが可能になり得る。他の例では、新しいスケジュールが他の時間に算出されてもよい。
【0074】
図示の例では、鍵配信スケジュールは180分、3時間先まで延長されている。これは、衛星1の各々の90分の2回の軌道に対応する。次に、この鍵配信スケジュールは、衛星1の各々、および暗号化鍵を受信するべきユーザ地上局2の各々に送信される個々の鍵配信スケジュールを生成するために使用される。鍵配信スケジュールは180分間延長されるが、新しいスケジュールを各軌道上の各衛星1が地上管制局3上を通過する際に送信できるように、この時間もより頻繁に新しいスケジュールを生成することが好ましい。より多数の地上管制局3が存在する例では、衛星が地上管制局3上を通過するたびに、各衛星1に新しいスケジュールを送信することが好ましい場合がある。新しいスケジュールをより頻繁に送信することは、変化、例えば雲量などの気象効果の変化を考慮するために、より最適でタイムリーな更新を可能にすることによって、システム100の効率を増加させ得る。衛星1またはユーザ地上局2が新しいスケジュールを受信するとき、これは、既存のスケジュールがまだ完了していない場合でも、任意の重複する既存のスケジュールを置き換えるために使用されることが理解されるであろう。
【0075】
2つの衛星軌道を先に延長するスケジュールの生成は必須ではない。図示の例では、各衛星1は、軌道ごとに1回、地上管制局3上を通過する。衛星が地上管制局3を通過するときに衛星に提供されるスケジュールは、少なくとも、衛星1が地上管制局3上を通過して新しいスケジュールを受信する次の機会まで延長されて、新しいスケジュールを受信するべきであり、これにより、衛星1がアイドル状態になりシステム100の効率が低下することがないようにすることが好ましい場合がある。衛星1が地上管制局3上を通過するときに新しいスケジュールを受信することができない場合の安全マージンを提供するために、2つの衛星軌道を先に延長するスケジュールの使用が好ましい場合がある。一般に、衛星1を更新することが好ましい場合がある。
【0076】
図7は、単一の衛星の概略図を示しており、鍵配信スケジュールおよびその生成のいくつかの概念を示している。
【0077】
鍵配信スケジュールを生成するために、スケジューリングモジュール306は、
図8に示されるスケジュール生成方法400を実行する。
【0078】
スケジューリングモジュール306は、スケジューリングモジュール306の交信予測器312が、最初の、衛星識別ブロック402において、マスメモリ303に格納されている配備リソースレジスタ314からシステム100の利用可能な衛星1を識別する情報を取得ことによってスケジュール生成方法400を開始する。次に、交信予測器312は、マスメモリ303に格納されている衛星エフェメリスデータベース316から、エフェメリス取得ブロック404において、識別された利用可能な衛星1のエフェメリスデータを取得する。
【0079】
図7に示されるように、衛星1は軌道トラック500をたどる。衛星1は、地表上に第1のサービス可能区域501aを有し、その中で衛星1は、上述した第1のQKD手法を使用して、暗号化鍵をユーザ地上局2に潜在的に配信することができる。図示の例では、この第1のサービス可能区域501aは、衛星1の垂直下に位置付けられている中心点502の周りに約1000kmの半径を有する円である。衛星500が軌道トラック500に沿って移動するとき、衛星1の第1のサービス可能区域501aは、対応する方法で移動し、第1のQKD手法を使用して衛星1によってユーザ地上基地が潜在的に暗号化鍵を提供され得る地表上の第1の領域を画定する。この第1の領域は、第1のサービス可能帯503aである。
【0080】
衛星1はまた、地表上に第2のサービス可能区域501bを有し、その中で衛星1は、上述した第2または第3のQKD手法を使用して、暗号化鍵をユーザ地上局2に潜在的に配信することができる。図示の例では、この第2のサービス可能区域501bは、衛星1の垂直下に位置付けられている中心点502の周りに約1700kmの半径を有する円である。衛星500が軌道トラック500に沿って移動するとき、衛星1の第2のサービス可能区域501bは、対応する方法で移動し、第2または第3のQKD手法を使用して衛星1によってユーザ地上基地が潜在的に暗号化鍵を提供され得る地表上の第2の領域を画定する。この第2の領域は、第2のサービス可能帯503bである。
【0081】
衛星100は、異なるそれぞれのサービス可能区域501およびサービス可能帯503を有する追加のQKD手法で動作することができる可能性があることが理解されるであろう。これらは全て、交信予測器312によって決定されることになる。
【0082】
次に、交信予測器312は、取得された衛星エフェメリスデータを使用して、トラック算出ブロック406において、各衛星1についての各可能なQKD手法について、利用可能な衛星1の各々の軌道経路、ならびに結果として生じる、次の24時間の時間にわたるサービス可能区域501およびサービス可能帯503を決定する。衛星軌道は比較的安定しているため、少なくとも24時間先まで予測の信頼性が高いことが理解されるであろう。トラック算出に24時間を使用することは必須ではなく、他の期間が使用されてもよく、軌道算出期間が鍵配信スケジュールと少なくとも同じ長さであることだけが必要である。
【0083】
サービス可能区域502およびサービス可能帯503を経時的に決定するときに、交信予測器312は、エフェメリスデータも使用して、利用可能な衛星1の各々が暗号化鍵供給を実行するために好適な状態をいつ有するかを決定し、地表のうち利用可能な衛星1が好適な状態を有する部分のみをサービス可能区域502およびサービス可能帯503の一部であると識別する。図示の実施形態では、好適な状態は、衛星1が地表から日食にあること、すなわち、衛星1が地球によって投影された太陽の影にあることである。衛星1が日食にあることにより、衛星1によって送信されるレーザビームは、ユーザ地上局2において受信されたときに高度のコントラストを有し、衛星1とユーザ地上局2との間の量子光通信リンクのより効率的な動作が可能になる。
【0084】
次に、スケジューリングモジュール306の計測データ獲得モジュール318は、計測データ取得ブロック408において、外部計測データプロバイダ320から計測データを取得する。図示の実施形態では、取得された計測データは、次の6時間の気象予測を含む。トラック算出に6時間を使用することは必須ではなく、他の期間が使用されてもよく、軌道算出期間が鍵配信スケジュールと少なくとも同じ長さであることだけが必要である。現在、6時間を超える計測予測は、使用するには十分な信頼性はないが、将来変更される可能性がある。
【0085】
次に、スケジューリングモジュール306の雲マッピングモジュール322は、取得された計測データを使用して雲量をマッピングし、雲マッピングブロック410において今後6時間の雲量予測マップを形成する。雲量予測マップは、雲の位置と高さとの両方を識別する情報を含む。雲量予測マップには、雲量の予想される不透明度または「厚さ」も含み得る。
【0086】
次に、交信予測器312は、優先度リスト取得ブロック412において、優先度リスト生成器310またはマスメモリ303から暗号化鍵の配信を必要とするユーザ地上局2を識別する現在格納されている優先度リストを取得する。
【0087】
次に、交信予測器312は、取得された優先度リスト内のユーザ地上局2の位置を、決定されたサービス可能帯503および雲量予測マップと比較し、暗号化鍵の配信を必要としており、決定されたサービス可能帯503に位置付けられており、かつ雲量によって衛星1との量子光通信リンクの確立から遮断されていないユーザ地上局2の識別情報を決定し、したがって、スケジュールの180分または3時間に対応する次の2つの衛星軌道期間において、利用可能な衛星1のうちの少なくとも1つから暗号化鍵の配信を潜在的に受信することができ、したがって、サービス可能地上局識別ブロック414において、利用可能な衛星1によってサービスされ得る。識別されたユーザ地上局2は、以下ではサービス可能なユーザ地上局2と呼ばれる。
【0088】
サービス可能地上局識別ブロック410において、交信予測器312は、特定のQKD手法による暗号化鍵の配信を必要とする取得された優先度リスト内のユーザ地上局2の位置を、それらの手法に対応する適切に決定されたサービス可能帯503と比較しなければならない。さらに、衛星から2つのユーザ地上局への量子光通信リンクを同時に必要とする、上記で識別された第1のQKD手法、または複数のユーザ地上局2への量子光通信リンクを同時に必要とする他の手法を使用して暗号化鍵の配信を必要とする地上局についてのサービス可能地上局識別ブロック410では、交信予測器312は、第1のQKD手法を使用する関連するユーザ地上局2の両方が同じ決定済みサービス可能帯503に位置付けられており、両方が雲によって遮断されないことを確認しなければならない。
【0089】
サービス可能地上局識別ブロック410において、交信予測器312は、エフェメリスデータを、雲量予測マップ、および優先度リストにおけるユーザ地上局2の位置と共に使用して、ユーザ地上局2が衛星1との量子光通信リンクの確立から遮断されるかどうかを決定する。この決定は、ユーザ地上局2、任意の雲、潜在的な障害物、および利用可能な衛星1の軌道トラック500の位置の三次元ジオメトリを考慮して行われる。異なる位置の雲の高さに応じて、衛星1とユーザ地上局2との間の量子光通信リンクを、その衛星1の軌道トラック500上のいくつかの点で確立することが可能であり得るが、他の点では可能でない場合があることが理解されるであろう。いくつかの例では、ユーザ地上局2の位置は、GPSなどの衛星ナビゲーションシステムを使用して決定され得る。いくつかの例では、潜在的な障害物は、三次元モデルを使用して識別され得る。
【0090】
次に、交信予測器312は、算出された新しいスケジュール期間の次の180分/3時間のための衛星1の決定されたサービス可能帯503と、一連のタスキング期間における識別されたサービス可能ユーザ地上局2とを比較し、衛星1の各々が多数の暗号化鍵を配信するためにサービス可能ユーザ地上局2のうちのいずれと通信セッションを実行するかを各タスキング期間について決定する。
【0091】
各タスキング期間は、衛星1によって通信セッションをセットアップし、暗号化鍵のバッチをユーザ地上局2に配信するのに必要とされる時間の長さに対応する。タスキング期間は、衛星1およびユーザ地上局2による多数の異なるアクションにかかる時間の合計である。タスキング期間の第1の部分は、目標獲得時間であり、この時間は、衛星1とユーザ地上局2との間の量子光通信リンクを確立するために、衛星1の望遠鏡、または他の指向性光学系を適切な構成にするために衛星1によってとられる時間である。この目標獲得時間は、望遠鏡、または他の指向性光学系をユーザ地上局2にもたらすために、衛星全体としての向きを変更することと、衛星1の本体に対して望遠鏡、または他の指向性光学系を旋回させることの一方または両方を含み得る。タスキング期間の第2の部分は、衛星の望遠鏡がハンドシェイク、同期などの適切な構成にされた後、衛星1とユーザ地上局2との間に量子光通信リンクを確立するのにかかる時間である。タスキング期間の第3の部分は、暗号化鍵の配信自体にかかる時間であり、この時間の長さは、暗号化鍵の各バッチにおいて配信することが望まれる暗号化鍵の数、および各暗号化鍵の配信にかかる時間によって決まることになる。暗号化鍵の配信にかかる時間はまた、量子光通信リンクを確立するためにユーザ地上局2が使用する光学素子の品質、およびリンクが確立された時点で優勢な大気状態によって変化することもある。
【0092】
タスキング期間の異なる部分の各々にかかる時間は、衛星1とユーザ地上局2との間の各通信セッションについて、ケースごとに異なる可能性があることが理解されるであろう。したがって、タスキング期間を決定するために、平均的な、または最も一般的な大気状態下でシステム100の一部である衛星1およびユーザ地上局2の性能パラメータに基づいて、タスキング期間の各部分に平均的にかかる可能性のある時間についての推定が行われる。タスキング期間の長さは、暗号化鍵の配信に選択した時間の長さ、つまり各通信セッションで配信されるべき暗号化鍵の数によって変化することになる。暗号化鍵配信のために選択された時間の長さは、利用可能な衛星のコンステレーションの特性、およびサービスされるべきユーザ地上局の数および要件に基づいて、各システム100に対して選択され得る。一般に、より長い時間が暗号化鍵配信のために選択される場合、衛星1がその時間のより大きな割合を実際に暗号化鍵を配信することになるので、これは暗号化鍵のより効率的な配信をもたらすであろう。一方、暗号化鍵配信のためにより短い時間が選択される場合、これは、より短いタスキング期間をもたらし、これは、システム100の柔軟性を高め、より多数のユーザ地上局2、特にユーザ地上局2が近くにある場合に、暗号化鍵を配信することを可能にし得る。
【0093】
いくつかの例では、安全マージンを提供するために、タスキング期間を上記で決定された期間より長くすることが好ましい場合がある。
【0094】
図示の例では、タスキング期間は約3分であり、衛星1は各軌道の約3分の1の間、日食にあるので、新しいスケジュールが算出される180分/3時間の間に衛星1が鍵配信を実行することができる約20のタスキング期間、および衛星1の各90分軌道で利用可能な約10のタスキング期間がある。
【0095】
一連のタスキング期間は、サービス可能帯503の各々の長さを一連の隣接するタスキング領域504に分割することに対応するとみなすことができ、各タスキング領域504は、タスキング期間中に衛星1のサービス可能区域501によって移動した距離に対応する長さを有するそれぞれのサービス可能帯503のセクションである。
【0096】
図9は、一連のほぼ円形のタスキング領域504に分割された単一の衛星1の単一のサービス可能帯503の概略図を示している。
【0097】
次に、交信予測器312は、新しい鍵配信スケジュールのタスキング期間の各々について、利用可能な衛星1の各々がサービス可能ユーザ地上局2のうちのいずれと通信セッションを実行し、したがって暗号化鍵を配信するかを、通信セッション割り当てブロック416で決定する。衛星1は、それらが日食にあるときにのみ通信セッションを実行するので、任意の特定のタスキング期間1において、衛星1のいくつかまたは全てが通信セッションを実行しない可能性があることが理解されるであろう。各タスキング期間において各衛星1がユーザ地上局2のうちのいずれと通信するかに関する決定は、任意の順序で実行され得る。いくつかの例では、異なる暗号化鍵の配信の間に生じる衛星1およびユーザ地上局2の状態の変化のトラックを単純化するために、時系列で各タスキング期間について決定が行われるように、この決定を時間順次方式で実行することが好ましい場合がある。例えば、全ての暗号化鍵の配信により、参加しているユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている未使用の暗号化鍵の数が増加し、これは、後述するように、後続の可能な通信セッションでそのユーザ地上局2に与えられる優先度に影響を与える可能性がある。さらに、上述した第2および第3のQKD手法を使用する暗号化鍵配信は、関連する全てのユーザ地上局2への暗号化鍵配信が完了するまで、暗号化鍵を衛星1の鍵データストアに格納する必要があり、その結果、暗号化は各衛星1の鍵データストアの容量を超えないように、鍵配信を計画する必要がある。したがって、衛星1の鍵データストアに格納される暗号化鍵の数を増加または減少する暗号化鍵の配信は、後述するように、後続の可能な通信セッションで異なるユーザ地上局2に与えられる優先度に影響を与える可能性がある。
【0098】
上述したように、1つ以上の地上管制局3は、その衛星1が1つ以上の地上管制局3のうちの1つの上にあるとき、言い換えれば、その通信距離内にあるときにのみ、衛星1の各々と通信することができる。したがって、交信予測器312は、各衛星1が次に1つ以上の地上管制局3のうちの1つの上を通過し、新しいスケジュールを送信することができる時期を識別し、この時間以降のタスキング期間の新しいスケジュールにおけるその衛星1の活動のみを決定する。スケジュールを衛星に送信して実行する前に、スケジュール内の衛星に通信タスクを割り振る目的はない。
【0099】
いくつかの衛星1について、いくつかのタスキング期間において、衛星1が通信セッションを実行し、暗号化鍵を配信することができるサービス可能ユーザ地上局2が1つしかない場合がある。これらの場合、もちろん、衛星がこのユーザ地上局2との通信セッションを実行し、暗号化鍵を配信する必要があるというのは簡単な決定である。
【0100】
しかしながら、ほとんどのタスキング期間のほとんどの衛星では、衛星が通信セッションを確立し、1つ以上のQKD手法を使用して暗号化鍵を配信することができる、サービス可能ユーザ地上局2が複数存在することが予想され、そのため、交信予測器312は、衛星1が複数のサービス可能ユーザ地上局2のうちのいずれと通信セッションを実行し、暗号化鍵を配信するかを決定する必要がある。
【0101】
例えば、
図9において、図示の衛星1がタスキング領域504aにおいて通信セッションを確立することができるタスキング期間中に、衛星1が暗号化鍵を配信するために通信セッションを確立し得るタスキング領域504aに位置付けられている3つの可能なサービス可能ユーザ地上局2a~2cが存在する。
図9は、単一のQKD手法に対応するタスク領域504の単一のセットのみを示している。実際には、一般に、各衛星1に関連付けられている異なるQKD手法に対応する複数のセットのタスキング領域504が存在することになる。
【0102】
この決定を行う際に、交信予測器312は、いくつかの異なる因子を考慮に入れることになる。図示の例では、これらの異なる因子は、各因子に値を割り振り、特定のタスキング期間において衛星1のための特定のユーザ地上局2に適用される値の全てを合計し、得られた合計値を複数のユーザ地上局2の各々について比較し、最も高い合計値を有するユーザ地上局2でそのタスキング期間に通信セッションを実行するように衛星1を割り振ることによって、考慮される。異なる因子に与えられる優先度は、各因子の値に重み値を掛けて、重み値を変更することによって変更することができる。これにより、交信予測器312によってなされた決定を、システム100の変化に応じて調整すること、またはシステム100の動作を微調整することが可能になる。
【0103】
異なる因子に適用される値および重み付けに依存して、代わりに、最も低い合計値を有するユーザ地上局2とのタスキング期間において通信セッションを実行するように衛星1を割り振ることが、いくつかの代替例において適切であり得ることが理解されるであろう。
【0104】
重み付け加算演算を使用することは必須ではない。代替例では、複数の因子に基づいて決定に達するための任意の好適な既知の方法を使用することができる。
【0105】
代替例では、交信予測器312は、衛星1がサービス可能なユーザ地上局2のうちのいずれと通信セッションを実行し、暗号化鍵を配信するべきかの決定を、その衛星1によって、全てのユーザ地上局2であり得る、多数のユーザ地上局2にわたって達成するべき目的を定義し、この目的が達成される値または程度を最大化するためにユーザ地上局2とは異なるタスキング期間に通信セッションを実行するために衛星1を割り振る最適化アルゴリズムを使用することによって行い得る。いくつかの例では、最適化される目的は、衛星1による最大数の暗号化鍵を、ユーザ地上局2の数に配信することであり得る。いくつかの例では、最適化される目的は、ユーザ地上局2にわたって暗号化鍵が空になる任意の鍵バッファの可能性を最小限に抑えることであり得る。いくつかの例では、目的の達成度は、各ユーザ地上局2に相対的な重み付けを割り振り、ユーザ地上局2の各々における目標の重み付けされた達成度の合計を算出することによって評価することができる。いくつかの例では、最適化アルゴリズムは、衛星1を割り振り、ユーザ地上局2との異なるタスキング期間で通信セッションを実行して、この目的がコンステレーションの全ての衛星1によって達成される値または程度を最大化することができる。
【0106】
通信セッション割り当てブロック416において、利用可能な衛星1の各々がサービス可能ユーザ地上局2のうちのいずれと通信セッションを実行し、したがって暗号化鍵を配信するかを新しい鍵配信スケジュールのタスキング期間の各々について決定するために交信予測器312が考慮する因子は、衛星1がそのタスキング期間に通信セッションを実行し得る各可能なサービス可能ユーザ地上局2について以下の因子を含み得る。
ユーザ地上局2の鍵バッファに残っている未使用の暗号化鍵の数。
ユーザ地上局2の鍵バッファが空になり、未使用の暗号化鍵がなくなるまでの予想される時間。
以前の鍵配信スケジュール期間に配信されることが意図されていた未配信の暗号化鍵の数。
ユーザ地上局2の光通信コンポーネントの性能。
衛星1の鍵バッファに格納され、配信を待機している暗号化鍵の数。
ユーザ地上局2との通信セッションを実行する機会が、スケジュール期間内にさらに発生するかどうか。
衛星1からユーザ地上局2に暗号化鍵を配信するために必要な光子数または通信リンク時間量。
ユーザ地上局2に予想される計測および大気の状態。
幾何学的因子。
ユーザ地上局2にサービスを提供するために必要な衛星リソースのコスト。
ユーザ地上局2に関連付けられている他の各ユーザ地上局2への配信を待機している鍵の数は、そのような関連するユーザ地上局2ができるだけ早く共通の暗号化鍵を提供され、関連するユーザ地上局がそれらの間で暗号化サービスをサポートできるようにし、暗号化鍵が長期間にわたって衛星1上に格納されることを避けるために、ユーザ地上局2への配信を待機している鍵とする。
【0107】
任意選択で考慮に入れることができる別の因子は、ユーザ地上局2のための任意の合意されたサービス条件である。
【0108】
考えられる因子をより詳細に見る。
【0109】
最小許容バッファレベルと比較して、鍵バッファ内の未使用の暗号化鍵の数が少ないユーザ地上局2には、より高い優先度が与えられる。これは、鍵バッファ内の未使用の暗号化鍵の絶対数、いくつかの目標または閾値に関連する数、またはユーザ地上局の鍵バッファの合計サイズに基づき得る。システム100の目的は、暗号化鍵をユーザ地上局2に配信することであるため、各ユーザ地上局に格納されている未使用の暗号化鍵の数を多くしておくことが望ましい。
【0110】
ユーザ地上局2の鍵バッファが空になり、未使用の暗号化鍵がなくなるまでの予想される時間が短いユーザ地上局2には、より高い優先度が与えられる。この予想される時間は、ユーザ地上局2の鍵バッファ内の未使用の暗号化鍵の数およびユーザ地上局2の鍵消費率から簡単に算出することができる。未使用の暗号化鍵を使い果たすユーザ地上局がないことが最も重要であることが理解されるであろう。
【0111】
好ましくは、ユーザ地上局2の鍵バッファに残っている未使用の暗号化鍵の数およびユーザ地上局2の鍵バッファが空になるまでの予想される時間の両方は、衛星1が通信セッションを実行してユーザ地上局に暗号化鍵を配信するように割り振られたときに更新され、これにより新しいスケジュール期間の後半にさらなる可能な通信セッションを検討するときにそのユーザ地上局2に割り振られる優先度が、割り当てられた通信セッションが実行された後のそのユーザ地上局2の予想される鍵バッファ状態に基づくようにする。
【0112】
暗号化鍵が前の鍵配信スケジュール期間に配信されるようにスケジューリングされていたが、配信されなかったユーザ地上局2には、より高い優先度が与えられる。スケジューリングされているが配信されていない暗号化鍵の数が多い場合は、より高い優先度が割り振られてもよい。ユーザ地上局へのサービス品質を維持するために、そのような延滞した未配信の暗号化鍵が確実に配信されるようにすることが望ましい。
【0113】
衛星1がユーザ地上局2の能力に合わせて異なる通信速度で動作することができる例では、衛星1との通信セッション中に、より高い鍵配信速度をサポートできる光通信コンポーネントを有するユーザ地上局2により高い優先度を割り振ることによって、ユーザ地上局2の光通信コンポーネントの性能が考慮されてもよい。これにより、全体としてより多くの暗号化鍵を配信できるようになり、システムの効率が向上し得る。
【0114】
衛星1の鍵バッファに格納され、配信を待機している暗号化鍵の数は、上述した第2および第3のQKD手法のように、衛星1の鍵データストアに暗号化鍵を格納することを必要とするQKD手法を使用するユーザ地上局2に対して、多数の方法で考慮され得る。
【0115】
暗号化鍵が、ユーザ地上局2に配信される衛星1の鍵データストアにすでに格納されている場合、衛星1の鍵データストアに格納されているそのような暗号化鍵の数が多い場合、より高い優先度が割り振られ得る。衛星1の動作を著しく制限する衛星1の鍵データストアが満杯になるのを避けるために、任意の特定のユーザ地上局2のために衛星1の鍵データストアにあまりにも多くの鍵が格納されるのを防ぐことが望ましい。
【0116】
ユーザ地上局2との通信セッションが、1つ以上の他のユーザ地上局2への後続の配信のために、衛星1の鍵データストアに格納される暗号化鍵を必要とする場合、衛星1の鍵データストアに格納される暗号化鍵の数が多い場合、低い優先度が割り振られることがある。衛星1の動作を著しく制限する衛星1の鍵データストアが満杯になるのを避けるために、衛星1の鍵データストアに格納される鍵が多すぎないようにすることが望ましい。
【0117】
エフェメリスデータおよび雲量マップが、衛星1が通信セッションを実行し、新しい鍵配信スケジュール期間の後半に暗号化鍵をユーザ地上局2に配信する機会がさらにあることを示している場合、より低い優先度が割り振られてもよい。そのようにする機会がさらにある場合は、暗号化鍵をユーザ地上局2に配信することはそれほど重要ではない。
【0118】
衛星1からユーザ地上局2に暗号化鍵を配信するために必要な光子数または通信リンク時間の量は、衛星1からユーザ地上局2への光通信リンクを使用して暗号化鍵またはいくつかの暗号化鍵を配信するために必要な時間の量を示す。一般に、光学的および幾何学的に不利な通信リンクは、例えば受信の問題およびエラーの結果として、暗号化鍵をより遅い速度で配信する。光子数または通信リンク時間量が高いと予想される場合は、より低い優先度が割り振られる可能性があり、その結果、暗号化鍵の配信速度がより遅くなると予想される。これにより、このようなより遅い配信通信セッションの数を減少させ、システムの効率が向上させることによって全体としてより多くの暗号化鍵を配信できるようにする。
【0119】
衛星1からユーザ地上局2への光子時間または通信リンク時間量は、衛星1とユーザ地上局2との間の光通信リンクを妨害するユーザ地上局2の近くの光害の影響を受ける可能性がある。特定のユーザ地上局2の場合、光害の程度は、光通信リンクの形状が異なる衛星1の軌道位置によって変化し得る。
【0120】
衛星1からユーザ地上局2への光子数または通信リンク時間量は、衛星1とユーザ地上局2との相対位置によって影響を受ける可能性がある。例えば、衛星1のサービス可能区域の端に近いユーザ地上局2は、大気中を通る光通信リンクの経路長が長くなり、ビーム分散が大きくなる結果、衛星1とユーザ地上局2との間の光通信リンクの性能が低くなる可能性がある。
【0121】
ユーザ地上局2の近くで予想される計測および/または大気状態も、衛星1とユーザ地上局2との間の通信に影響を与える可能性がある。異なる計測および大気状態は、衛星1とユーザ地上局2との間の光通信リンクの性能に影響を与える可能性がある。衛星1とユーザ地上局2との間の光通信リンクの性能が低下し、その結果、暗号化鍵の配信速度が遅くなると予想されるような、予想される計測および大気状態である場合、より低い優先度が割り振られ得る。これにより、このようなより遅い配信通信セッションの数を減少させ、システムの効率が向上させることによって全体としてより多くの暗号化鍵を配信できるようにする。
【0122】
いくつかの例では、予想される計測および大気状態は、光子数または衛星1からユーザ地上局2への通信リンク時間量に影響を与える状態の一部として扱われ、全体的な光子数または通信リンクの時間量の算出の一部として考慮され得る。
【0123】
幾何学的因子は、タスキング期間内の通信セッションの長さに影響を与える可能性がある。例えば、ユーザ地上局2が衛星1のサービス可能区域の端に近い場合、タスキング期間の一部の間、衛星とそのユーザ地上局との間の通信セッションをタスキング期間の一部の間維持することのみが可能であり、配信され得る暗号化鍵の数が減少する可能性がある。幾何学的因子が通信セッションの可能な長さを減少させる場合、より低い優先度が割り振られ得る。これにより、このような短い配信通信セッションの数を減少させ、システムの効率が向上させることによって全体としてより多くの暗号化鍵を配信できるようにする。
【0124】
ユーザ地上局2にサービスを提供するために必要な衛星リソースのコストは、ユーザ地上局2に必要な数の暗号化鍵を提供するために必要と予想される衛星リソースの量である。これは、例えば、単位時間当たりの衛星通信セッションの量として表すことができ、このセッションは、変化し得る気象状態などに起因して失敗することが予想される割り振られた衛星通信セッションの割合を考慮して、その単位時間に必要な暗号化鍵の数を提供するためにユーザ地上局に割り振られる必要があるものである。ユーザ地上局の衛星リソースコストは、好適なアルゴリズムによって算出することができる。より低い衛星リソースコストを有するユーザ地上局2により高い優先度を割り振ることができる。
【0125】
任意選択で、システム100のオペレータとの合意されたサービス条件においてより高いサービス優先度が与えられたユーザ地上局2に、より高い優先度が割り振られ得る。
【0126】
交信予測器312が新しい鍵配信スケジュールを生成すると、方法400は終了し、新しい鍵配信スケジュールは、スケジューリングモジュール306のスケジュールフォーマッタ324に送信される。
【0127】
スケジュールフォーマッタ324は、新しい鍵配信スケジュールを解析し、利用可能な各衛星1の各々の衛星交信スケジュール、および新しい鍵配信スケジュール期間中に暗号化鍵配信を受信することになる各地上ユーザ局2の地上交信スケジュールを生成する。
【0128】
各衛星スケジュールは、新しい鍵配信スケジュール期間中に、それぞれの衛星がその割り振られた通信セッションおよび暗号化鍵のダウンロードを実行するために必要なアクションを設定する。各衛星スケジュールは、例えば、衛星1によって実行されるべき衛星指示コマンドおよび光学望遠鏡指示コマンドのタイミングおよび方向、ならびに各通信セッション中に実行されるべき暗号化鍵配信動作の詳細を設定し得る。衛星1がより自律的に動作する他の例では、各衛星スケジュールは、衛星1が新しいスケジュールの各タスキング期間にユーザ地上局2のうちのいずれと通信するかを単に示すだけでよい。
【0129】
衛星スケジュールは、衛星が次に少なくとも1つの地上管制局3上を通過するときにそれぞれの衛星1に送信され得るまで、少なくとも1つの地上管制局3のマスメモリ303に格納される。次に、衛星1は、受信された衛星スケジュールの実行に進む。
【0130】
各地上交信スケジュールは、それぞれのユーザ地上局2との間で鍵配送通信セッションが行われるべき時間、およびこの鍵配送通信セッションを実行するためにユーザ地上局2の光学望遠鏡を向けるべき方向を指示する指示情報を設定する。
【0131】
少なくとも1つの地上管制局3は、地上交信スケジュールをそれぞれのユーザ地上局2に送信する。地上交信スケジュールは、悪意のある攻撃者が鍵配信通信セッション中にユーザ地上局に対して暗号攻撃を試みるのを支援する可能性のある情報の開示を防ぐために、暗号化された通信チャネルを使用して送信される。
【0132】
上述したように、交信予測器312は、衛星1が1つ以上の地上管制局上を通過して新しいスケジュールを受信する次の機会から開始して、各衛星1に通信セッションを割り振る新しいスケジュールを生成する。好ましくは、交信予測器312は、様々なユーザ地上局2および衛星1における格納された鍵の数の予測値を使用して新しいスケジュールを生成し、このスケジュールは、衛星1の各々が、その衛星1が1つ以上の地上管制局を通過し、新しいスケジュールを受信するまでの現在のスケジュールの下で実行することが意図されている全ての通信セッションを正常に完了すると仮定する。
【0133】
任意選択で、新しい鍵配信スケジュールのタスクキング期間の各々について、利用可能な衛星1の各々がサービス可能なユーザ地上局2のうちのいずれと通信セッションを実行し、したがって暗号化鍵を配信するかを決定するために、通信セッション割り当てブロック416において交信予測器312によって考慮され得るさらなる要因は、衛星1とユーザ地上局2との間の量子光通信リンクを確立するために、衛星1の望遠鏡、または他の指向性光学系を、前のタスキング期間における構成から適切な構成にするために衛星1が必要とする目標獲得時間の量である。
【0134】
この選択肢を選択すると、より目標獲得時間を有するユーザ地上局2により高い優先度が与えられる。これにより、衛星1は、実際に暗号化鍵を配信するタスキング期間のより多くを費やすことができ、システム100の全体的な効率が向上する。
【0135】
任意選択で、例えば、ユーザ地上局2の鍵バッファが空になるまでの予想される時間は短いが、ユーザ地上局2の光子数または通信リンク時間量が高いので、ユーザ地上局2に暗号化鍵を配信することが高い優先度である場合、必要な暗号化鍵が効率的に配信されるように、衛星1がそのユーザ地上局2との通信セッションを確立し、動作するタスキング期間よりも長い期間を過ごすように指示され得る。このより長い期間は、例えば、2つの連続したタスキング期間である可能性がある。これは、高い光子数または通信リンク時間量の結果として、各々が少数の暗号化鍵のみを配信するユーザ地上局2との一連の通信セッションを実行する場合と比較して、システム全体の効率を向上させる可能性がある。
【0136】
図10は、第2の実施形態による衛星量子鍵配送システム100の少なくとも1つの地上管制局3の代替のスケジューリングモジュール600の概略図を示している。上述した第1の実施形態のスケジューリングモジュール306の代わりに、第2の実施形態によるスケジューリングモジュール600が使用されてもよい。
【0137】
第2の実施形態によるスケジューリングモジュール600は、スケジュールタイムテーブルモジュール601と、スケジュール生成モジュール602と、を備える。スケジュールタイムテーブルモジュール601は、スケジュール生成プロセスの動作を制御し、スケジュール生成モジュール602によって、異なる衛星1およびユーザ地上局2の個々のスケジュールの作成をトリガする。
【0138】
任務スケジューラ600の動作の概要は、スケジュールタイムテーブルモジュール601が、配備されたリソースレジスタ603から衛星量子鍵配送システム100の利用可能な衛星1に関する情報を定期的に取得することである。次に、タイムテーブルモジュール601は、利用可能な衛星に関する取得された情報を、地上管制局位置記録604からの1つ以上の地上管制局3の位置(複数可)に関する情報、および衛星エフェメリス記録605からの衛星1のエフェメリス情報と共に使用して、地上管制局3のうちの1つから衛星1のうちの1つに新しいスケジュールを伝達することが可能になる時間のリストを生成する。第2の実施形態の配備されたリソースレジスタ603は、第1の実施形態の配備されたリソースレジスタ314に対応し、第2の実施形態の衛星エフェメリス記録605は、第1の実施形態の衛星エフェメリスデータベースに対応し、地上管制局の位置記録604は、第2の実施形態は、第1の実施形態のユーザ地上局記録データベース308の一部に対応する。
【0139】
配備されたリソースレジスタ603は、衛星量子鍵配送システム100の全ての利用可能な衛星1の記録を含み、システム100への新しい衛星1の打ち上げまたは取得、衛星1の使用が一時的に損なわれるかまたは妨げられ得る、システム100の衛星1に関する任意の運用上の問題、および例えば衛星システムの故障または衛星の脱軌道に起因するシステム100からの衛星1の永久除去に基づいて、更新および維持される。配備されたリソースレジスタ603は、第1の実施形態の配備されたリソースレジスタ314に対応する。地上管制局の位置記録604は、衛星量子鍵配送システム100の1つ以上の地上管制局3の位置に関する情報を含む。衛星エフェメリス記録605は、システム100の衛星1のエフェメライドを含む。衛星エフェメリス記録605は、第1の実施形態の衛星エフェメリスデータベース316に対応する。好都合なことに、配備可能なリソースレジスタ603、地上管制局位置記録604、および衛星エフェメリス記録605は、少なくとも1つの地上管制局2の質量データストア303に含まれ得るが、これは必須ではない。
【0140】
スケジュール生成モジュール602は、新しいスケジュールが衛星1に通信され得るときに、スケジュールタイムテーブルモジュール601によって生成された時間のリストによって駆動されるスケジュールを生成する。スケジュールを生成するために、スケジュール生成モジュール602は、雲量予報データストア606から、衛星1の各々の軌道経路に沿った雲量のほぼリアルタイムの予測を生成する。雲量予報データストア606は、任意の好適な源(複数可)から、例えば、米国海洋大気庁(NOAA)が提供するNOAAグローバル予測システム(GFS)から、および/もしくは欧州中距離気象予測センター(ECMWF)から、または他の組織から、気象データを提供され得る。スケジュール生成モジュール602は、雲量予報データストア606からの気象データを、配備されたリソースレジスタ603からの利用可能な衛星1の記録および衛星エフェメリス記録605からのエフェメライドと組み合わせて、将来の期間における利用可能な衛星1との量子通信に対するユーザ地上局2の視認性を予測する。図示の第2の実施形態では、この将来の期間は次の24時間である。ただし、他の例では異なる期間が使用され得る。
【0141】
次に、スケジュール生成モジュール602は、以下のように、いくつかの因子に基づいて、システム100の運用衛星1の各々のスケジュールを生成する。
前のスケジュールから各ユーザ地上局2に配信される残りの暗号化鍵ボリューム。
衛星1の各々によって配信される残りの暗号化鍵ボリューム。
各ユーザ地上局2の位置における気象状態の予報、特に予測雲量。
各ユーザ地上局2の鍵バッファに残っている未使用の暗号化鍵ボリューム。
各ユーザ地上局2の鍵バッファで利用可能な未使用の秘密鍵ボリュームを空にするまでの残りの予測される期間。
衛星1に通信されるスケジュールの予測される機会。
計画された通信セッションを遮断する可能性のある他の鍵配送セッション(つまり、衛星1とユーザ地上局2との間の通信セッション)。
目標ユーザ地上局2の可用性の確認。
軌道サイクルにおける各衛星1の状態(例えば、衛星1が日食にあるかどうか)。
目標ユーザ地上局2の通信性能/能力。
【0142】
任意選択で考慮することができる別の因子は、ユーザ地上局2の任意の合意されたサービス条件またはサービスレベル契約(SLA)である。
【0143】
他の例では、上記で特定された因子のいくつかを省き、かつ/または追加の因子を考慮することができる。
【0144】
暗号化鍵のボリュームは、例えば、任意の特定の実装で便利なように、暗号化鍵の数、または暗号化鍵を含むデータの量に基づいて測定することができる。
【0145】
上記の因子のいくつかは、ユーザ地上局2の識別情報および位置に関する情報を含むユーザ地上局状態データベース607、衛星1上に格納されている各ユーザ地上局2への配信に割り当てられた暗号化鍵のボリュームに関する情報を含む衛星鍵データベース608、および各ユーザ地上局2において利用可能とするために必要な暗号化鍵のボリュームに関する情報を含む運用レベル合意(OLA)データベース609から取得される情報に基づいて決定され得る。第2の実施形態のユーザ地上局状態データベース607は、第1の実施形態のユーザ地上局記録データベース308の一部に対応する。
【0146】
図11は、第2の実施形態によるスケジューリングモジュール600によって実行され得るスケジュール生成方法700のより詳細な例のフローチャートを示している。
【0147】
スケジュール生成方法700は、開始ブロック701から始まる。次に、スケジュールタイムテーブルの作成ブロック702において、スケジュールタイムテーブルモジュール601は、配備されたリソースレジスタ603に問い合わせて、どの衛星1が次の24時間にわたって暗号化鍵配信通信セッションに利用可能であるかを決定する。さらに、タイムテーブルモジュール601は、衛星エフェメリス記録605から衛星1のエフェメライドを取得し、地上管制局の位置記録604から1つ以上の地上管制局3の位置を取得する。
【0148】
次に、スケジュールタイムテーブルモジュール601は、配備されたリソースレジスタ603内で識別された運用衛星1の各々についていくつかのことを決定する。スケジュールタイムテーブルモジュール601は、衛星1が地上管制局3の通信範囲内にある時間を決定する。これらの決定された時間のうちの次の時間は、衛星1に送信され得るように、衛星1の新しいスケジュールを完了する必要がある時間である。スケジュールタイムテーブルモジュール601はさらに、衛星1が日食にある次の24時間の衛星1の日食期間を決定する。スケジュールタイムテーブルモジュール601はさらに、日食期間を使用して、衛星1によるいずれかの潜在的な量子鍵配信通信セッションの開始時間および終了時間を決定する(上述したように、衛星1は、ユーザ地上局2との通信セッション中に日食にあるべきである)。スケジュールタイムテーブルモジュール601はさらに、衛星のエフェメリスによって記述された衛星1の軌道経路から、次の24時間にわたる衛星1のカバレッジを決定し、カバレッジは、ユーザ地上局2および衛星1が、原則として衛星1がユーザ地上局2との通信リンクを設定できるように互いに視認可能である地表の一部である。最後に、スケジュールタイムテーブルモジュール601は、衛星1が地上管制局3の通信範囲内に入る決定された時間の次の時間に衛星1にアップロードまたは通信されるために新しいスケジュールが利用可能になるために、衛星1のために、新しいスケジュール生成活動が開始しなければならない「トリガ時間」を決定する。
【0149】
次に、スケジュールタイムテーブルモジュール603は、運用衛星1の全ての決定を統合して、タイムテーブル703を作成する。スケジュールタイムテーブル703の一連のエントリのうち、各エントリは、スケジューリングされた「トリガ時間」、衛星1の識別情報、その衛星1による各利用可能通信セッションの開始時間、その衛星1による各利用可能通信セッションの終了時間、スケジュールの期間、スケジュールが1つ以上の地上管制局3のうちの1つから衛星1に通信されるべき場合のスケジュールアップリンク時間、を含む。スケジュールタイムテーブルは、衛星1の全てのエントリを含む。便利なことに、次のエントリの検索を簡素化するために、エントリを時系列に並べることができるが、これは必須ではない。
【0150】
図示の第2の実施形態では、スケジュール作成タイムテーブルブロック702は、毎日、すなわち、24時間ごとに実行される。これは必須ではなく、他の例では別のタイミングが使用され得る。
【0151】
新しいスケジュールチェックブロック704において、スケジュール生成モジュール602は、現在のスケジュールタイムテーブル703に定期的に問い合わせて、新しいスケジュールを生成する必要があるかどうかを決定する。これを行うために、スケジュール生成モジュール602は、スケジュールタイムテーブル703内のエントリの次のトリガ時間が次の定期的な問い合わせが行われる前であるかどうか、すなわち、次のトリガ時間が定期的な問い合わせの期間内にあるかどうかをチェックする。図示の第2の実施形態では、定期的な問い合わせは5分ごとに行われ、スケジュール生成モジュール602は、スケジュールタイムテーブル703の次のトリガ時間が次の5分以内であるかどうかをチェックする。次のトリガ時間が次の定期的な問い合わせが行われる前でない場合、アクションは実行されない。あるいは、次のトリガ時間が次の定期的な問い合わせが行われる前である場合、スケジュール生成モジュール602は、スケジュールブロック705の開始に進む。5分の期間の使用は必須ではなく、他の例では、異なる時間が使用され得る。
【0152】
スケジュールブロック705の開始において、スケジュール生成モジュール602は、新しいスケジュールチェックブロック704の定期的な問い合わせの期間内にあると識別されたスケジュールタイムテーブル703のエントリ内にあるものとして識別された衛星1のスケジュールの生成を開始する。
【0153】
次に、スケジュール生成モジュール602は、目標リスト生成ブロック706において、衛星1のユーザ地上局目標リストを生成する。目標リストの生成ブロック706において、スケジュール生成モジュール602は、衛星エフェメリス記録605から衛星1の衛星エフェメリス情報を取得し、ユーザ地上局状態データベース607からユーザ地上局2の識別情報および位置に関する情報を取得する。スケジュール生成モジュール602は、取得された衛星エフェメリス情報およびユーザ地上局2の識別および位置に関する情報を、スケジュールタイムテーブル703のエントリからのスケジュール期間情報と共に使用して、衛星1が日食にあるとき(これは、ユーザ地上局2が衛星から視認可能であると呼ばれ得る)の利用可能通信セッション(複数)中に衛星1との通信セッションを実行することができる任意のユーザ地上局2の識別情報および位置を決定する。いくつかの例では、これは、衛星1の決定されたカバレッジをユーザ地上局の位置と比較することによって実行され得る。次に、スケジュール生成モジュール602は、これらの決定された視認可能ユーザ地上局2のリストを生成する。
【0154】
次に、運用目標確立ブロック707において、スケジュール生成モジュール602は、決定された視認可能ユーザ地上局2のうちのいずれが通信セッションに好適な状態を有するかを決定する。運用目標確立ブロック707において、スケジュール生成モジュール602は、決定された視認可能ユーザ地上局2のリストにリストされた視認可能ユーザ地上局2の各々について、ユーザ地上局状態データベース607からユーザ地上局状態情報を取得し、リストされた視認可能ユーザ地上局2は、衛星1との暗号化鍵配信通信セッションを実行するのに好適な状態を有する。次に、スケジュール生成モジュール602は、通信セッションに好適な状態を有するこれらの決定された視認可能ユーザ地上局2の運用目標リストを生成する。可能なユーザ地上局状態の例は、第1の実施形態に関して上述されている。第2の実施形態のいくつかの例では、ユーザ地上局2は、それが動作可能または較正中の状態を有する場合、通信セッションに好適な状態を有するとみなされ得る。他の可能な状態表示も使用され得る。
【0155】
次に、目標視認性ブロック708において、スケジュール生成モジュール602は、通信セッションに好適な状態を有する決定された視認可能ユーザ地上局2のうちのいずれが、ユーザ地上局1上の衛星1の通過中に通信セッションに十分な程度に雲がない、または部分的に雲がない可能性があるかを決定する。目標視認可能性ブロック708において、運用目標リスト上の各ユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、そのユーザ地上局2上の衛星1の通過の停止および開始時間を計算する。これらの停止および開始時間は、ユーザ地上局の位置および衛星のエフェメリスから幾何学的に決定され得る。一例では、開始時間は、上昇する(ユーザ地上局の視点から)衛星1が、ユーザ地上局2から見て最初に20度の高度に達する時間として決定され得、停止時間は、下降する(ユーザ地上局の観点から)衛星1が、ユーザ地上局2から見て再び20度の高度に達したときに決定され得る。他の例では、異なる基準、例えば、異なる角度を使用して、開始時間および停止時間を決定することができる。
【0156】
スケジュール生成モジュール602は、雲量予報データベース606から気象データを取得する。次に、衛星1による通信セッションの中間点の時間、すなわち、衛星1の衛星日食期間から決定される通信セッションの開始時間と終了時間との中間の時間が、雲量予報データベース606に提供された最新の気象データ分析/予報の時間から15分以上である場合、スケジュール生成モジュール602は、取得した気象データから雲カバレッジデータを外挿して衛星1による通信セッションの中間点の予測雲カバレッジを提供する。あるいは、衛星1による通信セッションの中間点の時間が最新の気象データ分析/予報の時間から15分未満である場合、スケジュール生成モジュール602は、気象データから現在の雲カバレッジデータを抽出する。他の例では、15分とは異なる時間が使用され得る。
【0157】
いずれの場合も、運用目標リスト上の各ユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、衛星1がユーザ地上局2との間で暗号化鍵配信通信セッションを実行することができる区域内で、ユーザ地上局2を中心とする衛星カバレッジ区域の雲カバレッジデータを抽出する。この区域は、第1の実施形態を参照して上述された使用可能領域501、501aまたは501bに対応し得る。15分の期間の使用は必須ではなく、他の例では異なる時間の期間が使用され得る。さらに、雲カバレッジデータの外挿の使用は任意選択であり、いくつかの例では省略される場合がある。次に、スケジュール生成モジュール602は、決定された開始時間および停止時間の間のユーザ地上局2の衛星1の通過の60秒の期間ごとに、衛星1とユーザ地上局2との間の視線内で雲カバレッジが予想されるかどうかを決定する。各ユーザ地上局の通過の60秒ごとに、視線内の雲カバレッジが予想されない場合は雲がない、または視線内の雲カバレッジが予想される場合は曇りとしてフラグが立てられる(または識別される)。
【0158】
次に、スケジュール生成モジュール602は、各ユーザ地上局2のフラグが立てられた期間を使用して、運用目標リスト上の各ユーザ地上局2の各雲のないフラグの時間を提供する目標地上局視認性リストを作成する。
【0159】
次に、交信時間および鍵ボリューム抽出ブロック709において、スケジュール生成モジュール602は、運用目標リスト上の各ユーザ地上局2上の衛星1の各通過の全体的な交信時間を決定し、それらの交信時間の間に配信され得る暗号化鍵ボリュームを推定する。交信時間および鍵ボリューム抽出ブロック709において、目標地上局視認性リスト上の各ユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、雲がないものとしてフラグが立てられた各60秒の期間中に衛星1とユーザ地上局2との間で潜在的に確立することができる通信リンクのパラメータを決定する。潜在的な通信リンクのパラメータは、例えば、通過の形状、衛星1およびユーザ地上局2の技術仕様を考慮して決定され得る。他の関連する因子も考慮に入れることができる。
【0160】
次に、スケジュール生成モジュール602は、決定されたパラメータに基づいて、60秒の雲のない期間ごとに衛星1とユーザ地上局2との間で送信され得る予期される暗号化鍵ボリュームを計算する。さらに、スケジュール生成モジュール602は、予期される暗号化鍵ボリュームの合計として、通過中に衛星1とユーザ地上局2との間で送信され得る予期される暗号化鍵ボリュームの合計を計算する。したがって、通過の60秒(1分)ごとに、および各通過の間にユーザ地上局2に送信することができる推定された暗号化鍵ボリュームが決定される。
【0161】
次に、鍵ボリューム確立ブロック710において、スケジュール生成モジュール602は、目標地上局視認性リストにある各ユーザ地上局2において、安全な暗号化鍵ボリュームおよび割り当てられた安全な暗号化鍵を確立する。安全な暗号化鍵は、他のユーザ地上局2の暗号化鍵とマッチングまたはペアリングされていない、ユーザ地上局2に提供される暗号化鍵である。割り当てられた安全な暗号化鍵は、1つ以上の他のユーザ地上局2において安全な暗号化鍵とマッチング、グループ化、またはペアリングされた安全な暗号化鍵である。
【0162】
いくつかの例では、エラー検出およびエラー訂正が実行された後、安全な暗号化鍵がふるい分けられた鍵から導出される。安全な暗号化鍵は、実際の鍵ビットおよび安全な暗号化鍵を参照するための一意の鍵ハンドルで構成される。安全な暗号化鍵は、様々なメタデータ(例えば、関連するユーザ地上局)と共に鍵バッファに格納され、さらに処理されるかまたは取り消されるまでそこに留まる。特定のユーザ地上局2の安全な暗号化鍵は、「ペアリング」、「グループ化」、または「共有」プロセスを通じて1つ以上のパートナーユーザ地上局2の安全な暗号化鍵とマッチングされると、割り当てられた安全な暗号化鍵になる。このプロセスでは、衛星からの量子チャネルをさらに使用する必要はないが、従来のチャネルを介して(衛星光リンクまたは他のもののいずれかを介して)実行することができることに留意されたい。
【0163】
目標地上局視認性リスト上の各ユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、ユーザ地上局状態データベース607から、そのユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている安全な暗号化鍵の利用可能ボリュームおよび割り当てられた安全な暗号化鍵の利用可能ボリュームを取得し、OLAデータベース609からそのユーザ地上局2において利用可能になるために必要な割り当てられた安全な暗号化鍵のボリュームを取得する。第2の実施形態のOLAデータベース609は、第1の実施形態のユーザ地上局記録データベース308の一部に対応する。
【0164】
ユーザ地上局2において利用可能である必要がある割り当てられた安全な暗号化鍵のボリュームは、システム100のオペレータと、ユーザ地上局2に関連する1人以上のユーザとの間で合意され得る。必要とされる割り当てられた安全な暗号化鍵のボリュームは、第1の実施形態に関連して上述されたように、一連の因子に基づいて決定され得る。
【0165】
次に、目標地上局視認性リストにあるユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、各ユーザ地上局2の鍵バッファに格納されている割り当てられた安全な暗号化鍵の利用可能ボリュームおよびそのユーザ地上局2において利用可能である必要がある割り当てられた安全な暗号化鍵のボリュームとの間の差を算出する。次に、スケジュール生成モジュール602は、目標地上局視認性リストにあるユーザ地上局2の各々について、算出された差分に基づいて、他のユーザ地上局における安全な暗号化鍵とのペアリングまたはグループ化(例えば、第1の実施形態を参照して説明したOTP/XOR処理)によって安全な暗号化鍵を配信して、割り当てられた安全な暗号化鍵に変換するための優先度を算出する。いくつかの例では、利用可能な暗号化鍵のボリュームが必要な暗号化鍵のボリュームよりも少ない場合、2つのボリュームの差(不足とみなされ得る)が大きいほど、より高い優先度が割り振られる。
【0166】
いくつかの例では、安全な暗号化鍵配信およびユーザ地上局2の各々の安全な暗号化鍵の変換のための確立された優先度は、代替的にまたは追加的に、各ユーザ地上局2が割り当てられた暗号化鍵を使い果たす前の予測時間に基づき得る。いくつかの例では、安全な暗号化鍵配信およびユーザ地上局2の各々の安全な暗号化鍵の変換のための確立された優先度は、代替的にまたは追加的に、各ユーザ地上局2とのさらなる衛星通信セッションが可能になるまでの予期される時間の長さに基づき得る。いくつかの例では、第1の実施形態を参照して論じられた他の優先度基準が使用され得る。
【0167】
いくつかの例では、安全な暗号化鍵配信の優先度は、追加的にまたは代替的に、合意された必要な安全な暗号化鍵の量と比較して、ユーザ地上局2において利用可能な安全な暗号化鍵のボリュームに基づき得る。
【0168】
次に、スケジュール生成モジュール602は、安全な暗号化鍵の配信のための優先ユーザ地上局2の安全な優先度リスト、ならびに安全な暗号化鍵の配信および安全な暗号化鍵の変換のためのそれぞれの確立された優先度に基づいて、目標地上局視認性リストにあるユーザ地上局2のための割り当てられた暗号化鍵を変換するユーザ地上局2の割り当てられた優先度リストを作成する。安全な優先度リストおよび割り当てられた優先度リストは、確立された優先度の順にユーザ地上局2をランク付けすることができる。
【0169】
いくつかの例では、いくつかのユーザ地上局は、可能なQKD手法のいくつかを使用しない場合があり、その結果、安全な暗号化鍵または割り当てられた暗号化鍵のうちの1つのためのボリュームまたは必要なボリュームを有しないことがある。そのようなユーザ地上局2は、任意の特定の実装において都合がよいように、安全な優先度リストまたは割り振られた優先度リストのうちの対応する1つでゼロ優先度を割り当てられるか、または安全な優先度リストまたは割り当てられた優先度リストのうちの対応する一方から省かれ得る。
【0170】
次に、確立衛星鍵ボリュームブロック711において、スケジュール生成モジュール602は、衛星1上に格納されている割り当てられた優先度リストにおける各ユーザ地上局2の安全な暗号化鍵とペアリングまたはグループ化(それぞれのユーザ地上局における安全な暗号化鍵を割り当て済み安全な暗号化鍵に変換する)ために利用可能な暗号化鍵のボリュームを決定する。割り当てられた優先度リスト上の各ユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、衛星鍵データベース608に問い合わせて、そのユーザ地上局2における安全な暗号化鍵とペアリングまたはグループ化するために利用可能な暗号化鍵のどのボリュームが衛星1上に格納されているかを決定し、決定されたボリュームの暗号化鍵を割り当てられた優先度リストのそのユーザ地上局2のエントリに追加、または関連付ける。
【0171】
次に、確立された安全な鍵配信優先度リストブロック712において、スケジュール生成モジュール602は、スケジュールの期間中に衛星1からの安全な暗号化鍵の配送を望むユーザ地上局2の時間順のおよび優先度付けされたリストを生成する。スケジュール生成モジュール602は、安全な優先度リストにリストされたユーザ地上局2の優先度、および交信時間および鍵ボリューム抽出ブロック709で決定された各通過中に各ユーザ地上局2に送信され得るそれぞれの推定された暗号化鍵ボリュームを使用して、スケジュールの期間中に安全な暗号化鍵のQKD配信が行われるべき安全な優先度リスト上のユーザ地上局2、ならびにこれらの地上局2とQKD配信を実行する衛星1との通信セッションの各々の最適開始および終了時間を決定する。スケジュール生成モジュール602は、決定されたユーザ地上局2および対応する開始および終了時間を使用して、スケジュールの期間中のユーザ地上局2と衛星1との間の最適なQKD安全な暗号化鍵通信セッションの時系列リストを含む安全な鍵優先度リスト713を作成する。
【0172】
次に、確立された割り当てられた鍵配信優先度リストブロック714において、スケジュール生成モジュール602は、スケジュールの期間中にユーザ地上局2における安全な暗号化鍵とペアリングまたはグループ化するために衛星1からの暗号化鍵の配送を望むユーザ地上局2の時間順のおよび優先度付けされたリストを生成する。スケジュール生成モジュール602は、割り当てられた優先順位リストにリストされたユーザ地上局2の優先度、および確立衛星鍵ボリュームブロック711において決定された、衛星1上に格納されている各ユーザ地上局2について利用可能な暗号化鍵のそれぞれのボリュームを使用して、スケジュールの期間中に暗号化鍵の配信が行われるべき割り当てられた優先度リスト上のユーザ地上局2、ならびにこれらの地上局2および衛星1間の通信セッションの各々の最適な開始および終了時間を決定して配信を実行する。スケジュール生成モジュール602は、決定されたユーザ地上局2および対応する開始および終了時間を使用して、スケジュールの期間中のユーザ地上局2と衛星1との間の最適な割り当てられた暗号化鍵通信セッションの時系列リストを含む割り当てられた鍵優先度リスト715を作成する。
【0173】
次に、割り当てられた鍵指定ブロック716において、スケジュール生成モジュール602は、衛星1に格納された暗号化鍵が、割り当てられた鍵優先度リスト715上のユーザ地上局2の各々に配送されるリストを生成する。割り当てられた鍵優先度リスト715上の各ユーザ地上局2について、スケジュール生成モジュール602は、関連する衛星通過の間にそのユーザ地上局2に配送される必要がある暗号化鍵のリストを生成する。暗号化鍵は、例えば、リスト内で鍵ハンドルによって識別され得る。次に、スケジュール生成モジュール602は、割り当てられた鍵優先度リスト715上の各ユーザ地上局2を、そのユーザ地上局2に配送される必要のある暗号化鍵と共にリストする割り当てられた鍵リスト717を生成する。
【0174】
さらに、スケジュール生成モジュール602は、このスケジュールの間にすべての必要なユーザ地上局2に配送されたであろう衛星上に格納された暗号化鍵のリスト、すなわち、その最終的な鍵ペアリングまたはグループ化を完了する割り当て暗号化鍵を生成し、これらを現在生成されたスケジュールの完了後に衛星1による削除のためにマークすることができる。
【0175】
次に、鍵配送スケジュール生成ブロック718において、スケジュール生成モジュール602は、鍵配送スケジュール719を作成する。スケジュール生成モジュール602は、安全な鍵優先度リスト713および割り当てられた鍵優先度リスト715を組み合わせて合成し、最適化されたスケジュールを生成する。次に、スケジュール生成モジュール602は、最適化されたスケジュールを使用して、衛星1とは異なるユーザ地上局2との間で実行されるべき通信セッションのタイミングを識別する鍵配送スケジュール719を作成する。次に、この鍵配送スケジュール719は、必要に応じてフォーマットされ、実行されるべき鍵配送スケジュール719内で識別される衛星1およびユーザ地上局2に送信され得る。いくつかの例では、このフォーマットは、第1の実施形態のスケジュールフォーマッタ324に対応するスケジュールフォーマッタまたはスケジュールフォーマットモジュールによって実行され得る。
【0176】
次に、現在のスケジュールの生成は、終了ブロック720で終了する。新しいスケジュールチェックブロック704は、新しいスケジュールを生成するために次のトリガ時間を定期的にチェックし続け、必要に応じて新しいスケジュールを生成するためにスケジュール開始ブロック705をトリガすることが理解されるであろう。
【0177】
いくつかの例では、割り当てられた鍵リスト717を鍵配送スケジュール719と組み合わせて、衛星1に格納された割り当てられた暗号化鍵を送信することを衛星1に通知してもよい。他の例では、割り当てられた鍵リスト717は、衛星1に別個に送信され得る。
【0178】
第2の実施形態では、安全な暗号化鍵および割り当てられた暗号化鍵のために別個の優先度リストが作成される。いくつかの例では、システム100によってサポートされるQKD鍵配信手法に応じて、安全な暗号化鍵または割り当てられた暗号化鍵のいずれか1つのタイプの暗号化鍵のみが使用され得る。このような例では、未使用の暗号化鍵タイプに関連するブロックが省略され得る。さらに、そのような例では、サポートされている暗号化鍵タイプの鍵優先度リスト713または715が最適化されたスケジュールとして使用され得る。
【0179】
第2の実施形態では、スケジュール生成モジュール602は、いくつかのサブモジュールを含むことができ、これらのサブモジュールの各々は、
図11の方法の1つ以上のブロックを実行するように構成されたモジュールである。
【0180】
上記の説明から、開示された実施形態は密接に関連していることが明らかであろう。したがって、実施形態を参照して説明された特徴は、一般に、他の実施形態と組み合わせられてもよい。
【0181】
上述した第2の実施形態のいくつかの例では、地上管制局の位置記録604、ユーザ地上局状態データベース607、およびOLAデータベース609を組み合わせて単一のデータベースにしてもよい。この単一のデータベースは、第1の実施形態のユーザ地上局記録データベース308に対応し得る。
【0182】
上述した第1の実施形態では、交信予測器312は、それぞれの衛星1が日食にある時間に対してのみ、衛星1に対するサービス可能帯503を決定し、上述した第2の実施形態では、衛星1が日食にある間に衛星1との通信セッションを実行することができるユーザ地上局2のみを考慮する。衛星1が日食にないときに通信セッションを確立し、暗号化鍵の配信を実行することも可能であるいくつかの例では、衛星1が日食にないときに、サービス可能帯またはユーザ地上局2も決定され得る。いくつかの例では、いくつかの衛星1および/またはいくつかのユーザ地上局2のみがこれを実行することができる場合があり、日食外の通信セッションは、可能な衛星1および地上ユーザ局2のペアリングに対してのみ確立される。第1の実施形態のいくつかの例では、日食および非日食通信の異なる特性を反映するために、日食および非日食通信セッションに異なるタスキング期間が使用され得る。
【0183】
上述した第1の実施形態では、交信予測器312は、新しいスケジュール期間をタスキング期間に分割する。これにより、スケジュールを作成する作業が簡素化されることが予想される。他の例では、これが行われない場合があり、スケジュールはより詳細なタイムスケールで決定される場合がある。
【0184】
上述した実施形態では、地上ユーザ局2の鍵消費率は、地上ユーザ局2からの鍵使用のレポートに基づいて算出される。他の例では、推定鍵消費率が使用され得る。これらの推定鍵消費率は、例えば、地上ユーザ局がセットアップされたときに提供され得る。
【0185】
上述した実施形態では、衛星量子鍵配送システム100は、衛星1のコンステレーションを備える。このコンステレーションは、任意の数の衛星を含み得る。具体的には、コンステレーションは単一の衛星1を含み得る。
【0186】
上述した実施形態では、衛星量子鍵配送システム100は、衛星1のコンステレーションを備える。いくつかの例では、衛星のコンステレーションは、異なる機能、例えば、異なる光通信機能および/または異なるQKD手法をサポートする機能を有する衛星を含み得る。
【0187】
上述した実施形態では、衛星エフェメライドが使用される。他の例では、衛星軌道経路の他の記述子が使用され得る。
【0188】
上述した実施形態では、フラグの使用が言及されている。他の例では、代替のマーカが使用され得る。
【0189】
上述した実施形態では、衛星量子鍵配送システム100は、いくつかのユーザ地上局2を備える。これは、多数のユーザ地上局2、例えば10,000以上であり得る。
【0190】
上述した実施形態のいくつかでは、暗号化鍵の数が言及されている。他の例では、暗号化鍵のデータボリュームを監視し、番号の代わりに応答してもよい。暗号化鍵の数またはボリュームは同じ意味で使用されてもよく、両方とも暗号化鍵の量として言及され得る。
【0191】
上述した実施形態では、少なくとも1つの地上管制局が高緯度に位置付けられている。他の例では、少なくとも1つの地上管制局は他の場所に位置付けられてもよいが、これは一般に、より多くの地上管制局を必要とし、および/または少なくとも1つの地上管制局の上を各衛星が連続して通過する間の時間の長さを増大させることによって、システムの効率を低下させる。
【0192】
上述した実施形態では、衛星量子鍵配送システムは、1つ以上の衛星が低軌道(LEO)に位置付けられていることを含む。いくつかの代替構成では、衛星量子鍵配送システムは、LEO内に配置された1つ以上の衛星を含み得、一方、少なくとも1つの他の衛星は、中軌道(MEO)または高軌道(HEO)内に配置される。
【0193】
上述した実施形態では、衛星量子鍵配送システムは、1つ以上の衛星が傾斜極軌道に位置付けられていることを含む。いくつかの代替構成では、衛星のうちの1つ、いくつか、または全てが異なる軌道に位置付けられ得る。いくつかの代替構成では、衛星の1つ、いくつか、または全てがGEO、MEO、または無極性LEO軌道にあり得る。
【0194】
上述した実施形態では、システムは衛星量子鍵配送システムである。他の例では、暗号化鍵に加えて、または暗号化鍵の代わりに、他の暗号化アイテムが配送/配信され得る。このような他の暗号化アイテムの例としては、暗号化トークン、暗号化コイン、または値の転送が挙げられる。
【0195】
上述した実施形態では、少なくとも1つの地上管制局は、別個の通信端末と、通信モジュールと、を備える。いくつかの代替例では、これらを組み合わせることができる。
【0196】
上述した実施形態では、従来の(非量子)通信チャネルまたはリンクが、衛星とユーザ地上局との間に提供される。上述した実施形態では、この従来の(非量子)通信チャネルまたはリンクは、衛星とユーザ地上局との間の光通信チャネルまたはリンクによって提供され得る。他の例では、従来の(非量子)通信チャネルまたはリンクは、他の形態の通信チャネルまたはリンクによって、例えば、無線通信チャネルまたはリンクによって提供され得る。いくつかの例では、従来の(非量子)通信チャネルまたはリンクが、1つ以上の他のユーザ地上局をリレーとして使用することによって、衛星とユーザ地上局との間に提供され得る。そのような例では、メッセージは、任意の通信リンク、例えば、光ファイバリンク、電気通信ネットワーク、またはインターネットを使用して、ユーザ地上局間で受け渡され得るが、このリストは、網羅的であることを意図していない。
【0197】
上述した実施形態は、完全に自動である。いくつかの例では、システムのユーザまたはオペレータは、実行される方法のいくつかのステップを手作業で指示することができる。
【0198】
本発明の説明されている実施形態では、システムは、任意の形態のコンピューティングデバイスおよび/または電子デバイスとして実装され得る。そのようなデバイスは、ルーティング情報を収集および記録するためにデバイスの動作を制御するコンピュータ実行可能命令を処理するためのマイクロプロセッサ、コントローラまたは他の任意の好適な種類のプロセッサとすることができる1つ以上のプロセッサを含むことができる。いくつかの例では、例えば、システムオンチップアーキテクチャが使用される場合、プロセッサは、方法の一部をハードウェア(ソフトウェアまたはファームウェアではなく)で実装する1つ以上の固定機能ブロック(アクセラレータとも称される)を含んでもよい。オペレーティングシステムまたは任意の他の好適なプラットフォームソフトウェアを含むプラットフォームソフトウェアは、アプリケーションソフトウェアがデバイス上で実行されることを可能にするために、コンピューティングベースのデバイスに提供されてもよい。
【0199】
本明細書で説明される様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードに記憶または送信されることができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装される揮発性または不揮発性、取り外し可能または取り外し不可能媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な記憶媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリデバイス、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用されることができ、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むことができる。本明細書で使用されるディスクおよびディスクは、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスク(BD)を含む。さらに、伝播された信号は、コンピュータ可読記憶媒体の範囲内には含まれない。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体も含む。例えば、接続は、通信媒体とすることができる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブルを使用してウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、ラジオ、マイクロ波などの無線技術が通信媒体の定義に含まれる。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0200】
代替的に、または追加して、本明細書で説明される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実行されることができる。例えば、限定されるものではないが、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム固有集積回路(ASIC)、プログラム固有標準製品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、Complex Programmable Logic Devices(CPLD)などを含み得る。
【0201】
単一のシステムとして示されているが、コンピューティングデバイスは、分散システムとすることができることを理解されたい。したがって、例えば、いくつかのデバイスは、ネットワーク接続を介して通信してもよく、コンピューティングデバイスによって実行されるものとして説明されているタスクを集合的に実行してもよい。ローカルデバイスとして示されているが、コンピューティングデバイスは、リモートに配置され、ネットワークまたは他の通信リンクを介して(例えば、通信インターフェースを使用して)アクセスされることができることが認識されよう。
【0202】
「コンピュータ」という用語は、本明細書では、命令を実行することができるような処理能力を備えた任意のデバイスを指すために使用される。当業者は、そのような処理能力が多くの異なるデバイスに組み込まれ、したがって「コンピュータ」という用語がPC、サーバ、携帯電話、携帯情報端末、および他の多くのデバイスを含むことを理解するであろう。
【0203】
当業者は、プログラム命令を記憶するために利用されるストレージデバイスがネットワークにわたって分散されることができることを認識するであろう。例えば、リモートコンピュータは、ソフトウェアとして説明されたプロセスの例を記憶することができる。ローカルまたはターミナルコンピュータは、リモートコンピュータにアクセスし、プログラムを実行するためにソフトウェアの一部またはすべてをダウンロードすることができる。代替的に、ローカルコンピュータは、必要に応じてソフトウェアの一部をダウンロードするか、ローカル端末でソフトウェア命令を実行するか、リモートコンピュータ(またはコンピュータネットワーク)でソフトウェア命令を実行し得る。当業者はまた、当業者に既知の従来の技術を利用することにより、ソフトウェア命令のすべてまたは一部がDSP、プログラム可能論理アレイなどの専用回路によって実行されてもよいことを認識するであろう。
【0204】
上述の利益および利点は、一実施形態に関係する場合もあれば、いくつかの実施形態に関係する場合もあることが理解されよう。実施形態は、述べられた課題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または述べられた利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されるものではない。変形例は、本発明の範囲に含まれるとみなされるべきである。
【0205】
「an」という項目への任意の言及は、それらの項目の1つ以上を指す。「備える(comprising)」という用語は、本明細書では、識別された方法ステップまたは要素を含むことを意味するために使用されるが、そのようなステップまたは要素は、排他的リストを含まず、方法または装置は、追加のステップまたは要素を含むことができる。
【0206】
本明細書で使用される場合、「コンポーネント」および「システム」という用語は、プロセッサによって実行されたときに特定の機能を実行させるコンピュータ実行可能命令によって構成されるコンピュータ可読データストレージを包含するものとする。コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、関数などを含むことができる。また、コンポーネントまたはシステムは、単一のデバイスにローカライズすることも、いくつかのデバイスに分散させることもできることを理解されたい。
【0207】
さらに、本明細書で使用される場合、「例示的」という用語は、「何らかの例証または例示としての役割を果たす」ことを意味することを意図している。
【0208】
さらに、「含む(includes)」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用されている限り、そのような用語は、「備える(comprising)」が請求項の中で経過語として用いられた場合に解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることが意図されている。
【0209】
図は、例示的な方法を示している。方法は、特定の配列で実行される一連の動作として示されて説明されているが、方法は、配列の順序によって限定されないことを理解および認識されたい。例えば、いくつかの動作は、本明細書に記載されているものとは異なる順序で発生する可能性がある。追加して、ある動作は、別の動作と同時に発生する可能性がある。さらに、いくつかの例では、本明細書で説明される方法を実装するためにすべての動作が必要とされるわけではない場合がある。
【0210】
さらに、本明細書で説明される動作は、1つ以上のプロセッサによって実装され、および/またはコンピュータ可読媒体に記憶されることができるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、サブルーチン、プログラム、実行スレッドなどを含むことができる。さらに、方法の動作の結果は、コンピュータ可読媒体に記憶され、表示デバイスに表示され、および/または同様のものとすることができる。
【0211】
本明細書に記載される方法のステップの順序は例示的なものであるが、ステップは、任意の好適な順序で、または必要に応じて同時に実行されてもよい。さらに、本明細書で説明される主題の範囲から逸脱することなく、ステップを追加または置換することができ、または個々のステップを任意の方法から削除することができる。上記の例のいずれかの態様を、記載された他の例のいずれかの態様と組み合わせて、求められる効果を失うことなく、さらなる例を形成することができる。
【0212】
好ましい実施形態の上記の説明は、例としてのみ与えられており、当業者によって様々な変更が行われることができることが理解されるであろう。上記で説明したものは、1つ以上の実施形態の例を含む。もちろん、前述の態様を説明する目的で、上記のデバイスまたは方法の考えられるすべての変更および代替を説明することは不可能であるが、当業者は、様々な態様の多くのさらなる変更および置換が可能であることを認識することができる。したがって、説明された態様は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるそのようなすべての変更、修正、および変形を包含することが意図されている。
【国際調査報告】