IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘレンクネヒト・アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2023-500987トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法
<>
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図1
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図2
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図3
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図4a
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図4b
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図4c
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図4d
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図4e
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図5a
  • 特表-トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法 図5b
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-17
(54)【発明の名称】トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/40 20060101AFI20230110BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
E21D11/40 B
B25J13/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539356
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2020088085
(87)【国際公開番号】W WO2021136837
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】102019135908.2
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020101081.8
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522025156
【氏名又は名称】ヘレンクネヒト・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ゼング・フレデレリク
(72)【発明者】
【氏名】パープスト・シュテファン
【テーマコード(参考)】
2D155
3C707
【Fターム(参考)】
2D155GB04
3C707AS01
3C707AS21
3C707KS16
3C707KS20
3C707KS36
3C707KT03
3C707LS15
3C707LT11
3C707MS08
(57)【要約】
トンネルライニングセグメントを自動配置する装置及び方法
本発明はトンネル掘進機と結合可能である、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する装置に関するものであって、
・少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップする、保持する、且つ設置するための少なくとも一つのツールを有するマニピュレータを備え、並びに少なくとも一つのツールを移動するための少なくとも一つのアクチュエータを備え、その際、少なくとも一つのアクチュエータを用いて少なくとも一つのツールが、トンネル掘進機の機械軸に関して半径方向に、接線方向及び/又は軸方向に、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間において移動可能であり、
・トンネル部分の空間内におけるツールのそれぞれの実際位置と実際の向きを把握するために、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている少なくとも一つのツール位置センサを備え、
・少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一つの部分の実際位置及び/若しくは実際の向きを把握可能であり、並びに/又は配置されるべきそれぞれのトンネルライニングセグメントの実際位置及び/若しくは実際の向きを把握可能である、マニピュレータ及び/若しくはツールに設けられている少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサを備え、
・トンネルライニングセグメントの設置データにアクセスし、少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、制御装置を備え、且つ
少なくとも一つのアクチュエータと少なくとも一つのツールが設置データと測定データに基づいて制御可能であり、
ツールをピックアップ位置からそれぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置位置に移動するために、トンネルライニングセグメントを実際の設置位置で位置合わせし、トンネルライニングリングの少なくとも1つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置する、装置において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられていて、且つトンネルライニングセグメントがTOFカメラであることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する、トンネル掘進機と連結可能である、装置であって、
・少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップする、保持する、且つ設置するための少なくとも一つのツールを有するマニピュレータを備え、並びに少なくとも一つのツールを移動するための少なくとも一つのアクチュエータを備え、その際、少なくとも一つのアクチュエータを用いて、少なくとも一つのツールが、トンネル掘進機の機械軸に関して半径方向に、接線方向及び/又は軸方向に、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間において移動可能であり、
・トンネル部分の空間において、ツールの実際位置と実際の向きを把握するために、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている少なくとも一つのツール位置センサを備え、
・少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一つの部分の実際位置及び/若しくはと実際の向きを把握可能であり、並びに/又は
配置されるべきそれぞれのトンネルライニングセグメントの実際位置及び/若しくは実際の向きを把握可能である、マニピュレータ及び/若しくはツールが設けられている少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサを備え、
・トンネルライニングセグメントの設置データにアクセスし、少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置を備え、且つ
ツールをピックアップ位置からそれぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置位置に移動するために、トンネルライニングセグメントを実際の設置位置で位置合わせし、トンネルライニングリングの少なくとも1つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置するために、少なくとも一つのアクチュエータと少なくとも一つのツールが設置データと測定データに基づいて制御可能である、当該装置において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが備えられていて、並びにトンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
少なくとも1つのツールは、ピックアップ要素である、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
データは、
設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、
設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さ及び寸法等の物理的特性に関する情報、
であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内またはツールの領域内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御可能である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
TOFカメラのセンサは2D画像を記録する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップし、保持し、設置するための少なくとも一つのツールを装備したマニピュレータが設けられていて、且つトンネル掘進機に設けられている装置、特に請求項1~9のいずれか一項に記載の装置を備えるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするためのトンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する方法であって、
・その際、少なくとも一つのツールが少なくとも一つのアクチュエータを用いて、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間内において、トンネル掘進機の機械軸線に関して半径方向、接線方向及び/又は軸方向に、移動され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのツール位置センサによって、トンネル部分の空間におけるツールの実際位置及び/又は実際の向きが把握され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一部分の実際位置及び/又は実際の向きが把握され、且つ/又はその際、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの実際位置及び/又は実際の向きが把握され、
・その際、トンネルライニングセグメントの設置データ及び少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置が設けられ、
その際、設置データ及び測定データに基づいて少なくとも一つの制御装置が、少なくとも一つのアクチュエータ及び少なくとも一つのツールを制御し、その結果ツールはトンネルライニングセグメントと共に、このトンネルライニングセグメントのそれぞれのピックアップ位置から、このトンネルライニングセグメントのそれぞれの目標設置位置に移動させ、並びに
トンネルライニングセグメントは、トンネルライニングセグメントセンサの測定データに基づいて、実際設置位置に整列され、トンネルライニングリングの少なくとも一つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置される、当該方法において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられ、且つトンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
少なくとも一つのツールは、ピックアップ要素であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
データは、
設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、
設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さ及び寸法等の物理的特性に関する情報、
であることを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられている、ことを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられている、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
TOFカメラのセンサは2D画像を記録することを特徴とする請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
二つのトンネルライニングセグメントセンサのデータは、追加のトンネルライニングセグメントセンサのデータと組み合わされることを特徴とする請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ツールによってピックアップするためのピックアップ場所に、トンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)を、制御装置によって制御され、その結果トンネルライニングセグメントは、制御装置を介して提供可能である、
ことを特徴とする請求項10~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御されることを特徴とする請求項10~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
トンネルライニングセグメントリングの最後のトンネルライニングセグメント(要石)を組み立てた後に、好ましくはトンネルライニングセグメントリングが少なくとも部分的に移動することによって、
少なくとも二つのTOFカメラを用いてマニピュレータが、トンネルライニングセグメントリングのトンネルライニングセグメントとトンネル部分の掘削孔壁の間の間隔を測定する、
ことを特徴とする請求項10~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
トンネルライニングセグメントを目標の位置に設置した後、マニピュレータのツールが設置したトンネルライニングセグメントに接続したまま、トンネルライニングセグメントを押し付ける際にトンネル掘進機の前進プレスの少なくとも1つと共に移動し、ツールの移動が把握されることを特徴とする請求項10~20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘進機と連結可能であるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する方法及び装置に関するものであり、並びにトンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する方法に関するものである。
【0002】
トンネル掘進機でトンネルを掘削する場合には、トンネルのライニングとして、とりわけ、鉄筋コンクリートセグメント(タビング)から成るリングが使用される。これらは、例えば、トンネル掘進機のシールドの下に設置されるか、またはエレクタを用いてトンネル壁に直接設置される。この目的のために、エレクタは、例えば、エレクタの基部に対して軸方向、半径方向及び接線方向に移動可能であるマニピュレータを設ける。
【0003】
このようなマニピュレータは、例えば、ロボット工学から知られている。この場合、それらは、たとえば、ロボットの可動部分を示し、周囲との物理的相互作用、又は周囲のオブジェクトとの物理的相互作用を可能にする。この場合、作業またはタスクは、マニピュレータによって、例えば特殊なツールによって実施される。さらに、ツールは、アクチュエータによって空間に位置決めされる。この場合、さらに、位置決め若しくは処理のいずれか一方を可能にする測定が実施される、且つ/又は評価のためのデータを収集する測定が実施される。この場合、マニピュレータは、アクチュエータによって互いに可動に接続されている支持成要素を有する。
【0004】
ここでは、少なくとも1つのトンネルライニングセグメントを位置決めするために、ピックアップツールがマニピュレータに配置されている。これは、例えば、把持ツール及び/又は吸引ツールであり得る。ツール若しくはマニピュレータ自体は、アクチュエータによって移動される。この場合、把持ツールは、例えば、トンネルライニングセグメントに固定されているピンを把持する。次に、吸引ツールは、例えば、トンネルライニングセグメントを直接吸引する。
【0005】
トンネルライニングセグメントは、供給ユニット(セグメントフィーダ)によって、定義された順序でピックアップ位置に供給される。ピックアップ位置では、トンネルライニングセグメントが、マニピュレータのツールによってピックアップされ、持ち上げられ、且つ各々の設置位置に移動される。この目的のために、ツールの対応する回転運動、直線運動及び/又は傾斜運動を可能にするアクチュエータが、設けられている。
【0006】
従来、マニピュレータ若しくはそのマニピュレータのツールの移動は、エレクタ操縦者(独語:Erektorfahrer)によって制御されてきた。この場合、エレクタ若しくはマニピュレータの個々のアクチュエータは、対応する制御要素によって、好ましくは遠隔制御によって、始動される。この場合、トンネルライニングセグメントを目視できる領域内に配置できるようにするために、エレクタの操縦者がエレクタの領域にいなければならないので、危険な仕事である。複雑なピックアップ、移動、及び設置の手順を安全に実施することができるようにするために、エレクタ/マニピュレータは、その多くの自由度及び異なるアクチュエータ、並びにトンネルライニングセグメントの設置に必要な精度に起因して、抑制した移動速度で、場合によっては、現場の別の人によって補助されて移動する。
【0007】
エレクタは一種の特殊クレーンであり、その特殊クレーンのツールは、トンネル掘進機のマシン軸に対して半径方向、接線方向および軸方向に、例えば軸を介して油圧的に、移動可能である。半径方向軸自体の機構は、例えば、伸縮自在のユニットとして、または平行リンク機構として実施され得る。エレクタヘッドとも称するこのツールは、トンネルライニングセグメントをピックアップするためにマニピュレータに取り付けられている。エレクタヘッドは、それぞれのトンネルライニングセグメントを持ち上げて、移動できるようにするために、ピックアップ機構を有する。微調整のために、エレクタヘッドの位置は、例えば、ロール、ピッチ及びヨーの形態で油圧駆動される回転軸を中心として移動することができる。一般に、アクチュエータは、トンネル掘進機の機械軸に対してツールを移動する。この場合、ツールは、例えば、機械軸に沿って軸方向に、機械軸から始まり半径方向に、且つ機械軸を中心として回転して(ロール)移動される。さらなる回転運動は、例えば、トンネル掘進機の機械軸に対して半径方向の軸(ヨー及びピッチ)を中心として発生し得る。
【0008】
トンネルライニングリングは、複数のトンネルライニングセグメントから成る。リング構造に応じてセグメント数が異なる。リング内の個々のセグメントの接線方向の位置は、それぞれトンネルライニングの構造に応じてあらかじめ設定されている。設計に応じて、リングは長手方向継手がリング継手に対して垂直な直線セグメントから成り得るか、または、例えば台形、半台形、直線トンネルライニングセグメント及び/又は他の形状の組み合わせから成り得る。それぞれのセグメントの軸方向の寸法が少々異なるので、互いにねじれて設置することによってトンネル曲線が実現される。
【0009】
組立補助具、いわゆるダボのための開口部は、セグメントの長手方向継手及び/又はリング継手における接触面に設けられ得る。ダボは、トンネルライニングセグメントに設けられている開口部に適切に組み込まれる。セグメントが対応する設置位置に到着すると、組立補助具は、すでに設置されているセグメントの組立補助具のために設けられている開口部にはめ込まれる。この目的のために、エレクタ操縦者は、組立補助具を対応してはめ込むために、ツール位置合わせの微調整を行う。次いで、それに関連してセグメントが設置される。
【0010】
トンネル掘進機のストローク(例えば1.2m)を掘削した後、ライニングが始まる。この目的のために、エレクタはセグメントフィーダから最初のトンネルライニングセグメントをピックアップする。同時に、設置すべきトンネルライニングセグメントの領域をライニング可能にするために、トンネルライニングセグメントの目標設置領域にあるトンネル掘進機の前進プレス(独語:Vortriebspressen)が戻される。トンネルライニングセグメントを設置した後、前進プレスは、トンネルライニングセグメントを前のライニングリングに対して最終位置で押し付けるために、再び伸長される。この場合、トンネルライニングセグメントの縁部密閉部も必要な範囲で圧縮される。次いで、次のトンネルライニングセグメントをピックアップするために、エレクタのツールが外され、ピックアップ位置に戻される。同時に、対応する前進プレスが戻され、完全なリングが設置されるまでプロセスが繰り返される。トンネルライニングセグメントリングに要石を入れると、長手方向継手の密閉部も圧縮され、リングが閉じられ、必要に応じて前進プレスでトンネルライニングセグメントを最終的に押し付けることによって、トンネルライニングセグメントは最終的にその位置に運ばれる。次に、ライニングの完了後、後日、トンネル壁と完成したライニングリングとの間の環状空間に、例えばモルタルが注入される。
【0011】
すでに述べたように、この作業は危険と隣り合わせのきついものであり、複雑な動作の可能性によって速度を落として行わなければならないので、以前からトンネルライニングリングを作るためにトンネルライニングセグメントを設置するプロセスを自動化する試みがなされてきた。この目的に対する複数のアプローチは、先行技術から既に知られている(特に、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。
【0012】
トンネルライニングセグメントは製造公差に影響され、トンネルライニングセグメントが設置される掘削トンネル壁も寸法公差に影響されるので、実際に既に設置したトンネルライニングセグメント若しくは掘削した空間内の完全なトンネルライニングリングの正確な位置が把握されることが必要である。さらに、実際にすでに設置したセグメントに関して、それぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置を合わせ、位置合わせする必要がある。この目的のために、例えば、CCDカメラ、接触センサ、レーザプロフィロメータ、レーダ及び超音波を使用することが従来技術から知られている。これらは、トンネル掘進機で掘削する際の環境条件(環境内の取付部品、汚れ、誇り、湿気等)によって、一部で非常に不正確である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2745327号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第104747213号明細書
【特許文献3】特開平08-296400
【特許文献4】国際公開第2018/065726号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の課題は、トンネルライニングセグメントを自動設置するための把握の改善を実施することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による装置に関して、この課題は、請求項1の特徴の組み合わせによって解決される。さらに有利な実施形態は、従属請求項によって定義される。さらに、本発明の方法に関する課題は、請求項10の特徴の組み合わせによって解決される。さらに有利な実施形態は、従属請求項によって定義される。
【0016】
トンネル掘進機と連結可能である、トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する本発明に係る装置は、以下の特徴を非網羅的に有するものであって、即ち、
・少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップする、保持する、且つ設置するための少なくとも一つのツールを有するマニピュレータを備え、並びに少なくとも一つのツールを移動するための少なくとも一つのアクチュエータを備え、その際、少なくとも一つのアクチュエータを用いて、少なくとも一つのツールが、トンネル掘進機の機械軸に関して半径方向に、接線方向及び/又は軸方向に、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間において移動可能であり、
・トンネル部分の空間内におけるツールのそれぞれの実際位置と実際の向きを把握するために、マニピュレータ及び/又はツールに設けられている少なくとも一つのツール位置センサを備え、
・少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一つの部分の実際の場所及び/若しくは実際の位置を把握可能であり、並びに/又は配置されるべきそれぞれのトンネルライニングセグメントの実際の場所及び/若しくは実際位置を把握可能である、マニピュレータ及び/若しくはツールに設けられている少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサを備え、
・トンネルライニングセグメントの設置データにアクセスし、少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置を備え、且つ
ツールをピックアップ位置からそれぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置位置に移動するために、トンネルライニングセグメントを実際の設置位置で位置合わせし、トンネルライニングリングの少なくとも1つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置するために、少なくとも一つのアクチュエータと少なくとも一つのツールが設置データと測定データに基づいて制御可能である、当該装置において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられていて、且つトンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする装置である。
【0017】
TOFカメラは、飛行時間法を用いて距離を測定する3Dカメラシステムである。この目的のために、光パルスを用いて場面が照らされ、カメラは各画素に対して光が対象物に到達して再び戻るまでの時間を測定する。所要時間は距離に正比例する。したがって、カメラが、各画素に写った対象物の距離を画素毎に供給する。この場合、場面全体が一度に記録され、走査する必要がないという利点がある。
【0018】
専門家の知識によれば、特に長距離での使用に適している、いわゆるTOFカメラに関するすべての期待にもかかわらず、これらのセンサによって、すでに配置されているセグメント、若しくはライニングリングの正確な位置を決定する、特に簡単な方法が可能であることが示された。さらに、すでに設置されているトンネルライニングセグメントに関連して設置されるトンネルライニングセグメントの位置および間隔または向きは、特に正確に決定することができ、ここでは特に継手間隔が把握される。これによって、制御装置が、対応する補正を行うこと、且つセグメントを適切に正確に配置することが簡単な方法で可能になる。また、レーザプロフィロメータや他のセンサとは対照的に、立体的に把握することが可能である。
【0019】
この場合、少なくとも1つのツールがピックアップ要素であることは有利である。これによって、それぞれのセグメントを容易に把握し、且つ移動することができる。
【0020】
更に、少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることが有利である。また、データは、設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さと寸法等の物理的特性に関する情報、であることが好ましい。これによって、トンネルライニングセグメントをピックアップポイントから実際の設置場所に移動するために、制御装置に、アクチュエータの必要な制御を決定するための全ての関連データが供給されることが簡単な方法で、可能である。
【0021】
更なる教示は、ヒューマン・マシン・インターフェースが、制御装置に接続されていることを企図する。これによって、自動化方式は、簡単な方法で手動制御の指示を拡張することができる。
【0022】
更なる教示は、少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることを企図する。この場合、追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられていることが、有利である。次に、このようにして把握した信号は、好ましくは、例えば、画像処理を用いる制御装置によって評価される。更に、2つのトンネルライニングセグメントセンサのデータを、別のトンネルライニングセグメントセンサのデータと重ね合わせること及び/又は組み合わせることが有利である。これによって、例えば目標位置に向かうときに、簡単な方法で障害物を認識することができる。さらに、それによって、例えば、安全性の冗長化、若しくは処理の高速化を達成することができることによって、トンネルライニングセグメントの縁部把握やトンネルライニングセグメント間およびトンネルライニングセグメントとトンネル孔の壁面との間の間隔測定を補助することができる。
【0023】
更に、トンネルライニングセグメントの外側とトンネル孔の壁面との間の距離である「シールドテールクリアランス」の測定は、領域を横断することによって容易に達成することもできる。
【0024】
本発明のさらなる教示は、制御装置がトンネル掘進機の制御装置と接続されていることを企図する。この場合、トンネル掘進機の制御装置を介して、トンネル掘進機の機能が装置の制御装置で制御可能であることが有利である。これによって、トンネルライニングセグメントを自動設置する為に操作しなければならないトンネル掘進機の要素を、簡単な方法で、1つの制御装置によって自動的に制御することができる。
【0025】
本発明のさらなる教示は、トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御可能である、ことを企図する。これによって、配置後のトンネルライニングセグメントは、制御装置を介して簡単かつ安全な方法で、保持することができる。
【0026】
本発明の更なる教示は、ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、ことを企図する。これによって、簡単な方法で、トンネルライニングセグメントのその配置に応じた供給を達成することができる。
【0027】
本発明のさらなる教示は、TOFカメラのセンサが2D画像を記録することを企図する。
【0028】
少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップし、保持し、設置するための少なくとも一つのツールを装備したマニピュレータが設けられていて、且つトンネル掘進機に設けられている装置、特に先述の装置を備えるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する本発明による方法は、以下の特徴を非網羅的に有するものであって、即ち、
・その際、少なくとも一つのツールが少なくとも一つのアクチュエータによって、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間内において、トンネル掘進機の機械軸線に関して半径方向、接線方向及び/又は軸方向に、移動され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのツール位置センサによって、トンネル部分の空間におけるツールの実際位置と実際の向きが、把握され、
・その際、マニピュレータ及び/若しくはツールが設けられている、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一部分の実際の場所及び/若しくは実際位置が把握され、且つ/又はその際、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントによって、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの実際の場所及び/若しくは実際位置が把握され、
・その際、トンネルライニングセグメントの設置データ及び少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置が設けられ、
・その際、設置データ及び測定データに基づいて少なくとも一つの制御装置が、少なくとも一つのアクチュエータ及び少なくとも一つのツールを制御し、その結果
ツールはトンネルライニングセグメントと共に、このトンネルライニングセグメントのそれぞれのピックアップ位置から、このトンネルライニングセグメントのそれぞれの目標設置位置に移動させ、並びに
トンネルライニングセグメントは、トンネルライニングセグメントセンサの測定データに基づいて、実際設置位置に整列され、トンネルライニングリングの少なくとも一つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置される、という当該方法において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられ、且つトンネルライニングセグメントセンサはTOFカメラである、ことを特徴とする方法である。
【0029】
更なる教示は、少なくとも一つのツールがピックアップ要素であることを企図する。これによって、それぞれのセグメントは、容易に把持することができ且つ移動することができる。
【0030】
この場合、少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることが有利である。さらに、データは、設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さと寸法等の物理的特性に関する情報、である、ことが好ましい。これによって、トンネルライニングセグメントをピックアップポイントから実際の場所に移動するために、制御装置が、アクチュエータの必要な制御を決定するための全ての関連データを保持することが簡単な方法で、可能である。
【0031】
更に、ヒューマン・マシン・インターフェースが制御装置に接続されていることが有利である。これによって、簡単な方法で、自動処理に手動制御の指示を加えることができる。
【0032】
更に、少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることが有利である。次に、これによって把握した信号は、好ましくは、例えば、画像処理を用いる制御装置によって評価される。この場合、追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられていることが、有利である。次に、これによって把握した信号は、好ましくは、例えば、画像処理を用いる制御装置によって評価される。更に、2つのトンネルライニングセグメントセンサのデータは、別のトンネルライニングセグメントセンサのデータと重ね合わせること及び/又は組み合わせることが有利である。これによって、例えば目標位置に向かうときに、簡単な方法で障害物を認識することができる。さらに、それによって、例えば、安全性の冗長化、若しくは処理の高速化を達成することができることによって、トンネルライニングセグメントの縁部把握やトンネルライニングセグメント間およびトンネルライニングセグメントとトンネル孔の壁面との間の間隔測定を補助することができる。
【0033】
本発明のさらなる教示は、TOFカメラのセンサが2D画像を記録することを企図する。
【0034】
本発明のさらなる教示は、制御装置がトンネル掘進機の制御装置と接続されていることを企図する。この場合、装置の制御装置は、トンネル掘進機の制御装置を介して、トンネル掘進機の機能を制御することが有利である。これによって、トンネルライニングセグメントを自動設置する為に起動しなければならないトンネル掘進機の要素を、簡単な方法で、1つの制御装置によって自動的に制御することができる。
【0035】
本発明の更なる教示は、ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、ことを企図する。これによって、簡単な方法で、トンネルライニングセグメントのその配置に応じた供給を達成することができる。
【0036】
本発明のさらなる教示は、トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御される、ことを企図する。これは、配置後のトンネルライニングセグメントは、制御装置を介して簡単かつ安全な方法で、保持することができる。
【0037】
本発明の更なる教示は、トンネルライニングセグメントリングの最後のトンネルライニングセグメント(要石)を組み立てた後に、好ましくはトンネルライニングセグメントリングが少なくとも部分的に進むことによって、少なくとも二つのTOFカメラを用いてマニピュレータが、トンネルライニングセグメントリングのトンネルライニングセグメントとトンネル部分の掘削孔壁の間の間隔を測定する、ことを企図する。これによって、トンネルライニングセグメントの外側とトンネル孔の壁面との間の距離である「シールドテールクリアランス」の測定は、領域を横断することによって容易に達成することもできる。更に、測定装置を用いた、例えば、超音波センサを用いたシールドテールのクリアランスの監視は、場合によっては、省略することができる。
【0038】
本発明の更なる教示は、トンネルライニングセグメントを目標の位置に設置した後、マニピュレータのツールが設置したトンネルライニングセグメントに接続したまま、トンネルライニングセグメントを押し付ける際にトンネル掘進機の前進プレスの少なくとも1つと共に移動し、ツールの移動が把握されることを企図する。これによって、トンネルライニングセグメントの最終位置を簡単な方法で把握することができる。
【0039】
本発明を、図面と共に好ましい実施例に基づいて、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】トンネルライニングセグメントが収容されているエレクタの立体図を示す。
図2】トンネルライニングセグメントの配置の概略図を示す。
図3】本発明による方法を使用し、本発明による装置に関連するトンネルライニングセグメントの発明による配置の概略図を示す。
図4a】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4b】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4c】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4d】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4e】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図5a】トンネルライニングセグメントをピックアップする概略図を示す。
図5b】トンネルライニングセグメントをピックアップする概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、トンネル掘進機(不図示)と接続するための接続要素12が配置されているベース支持体11を備える本発明による装置としてのエレクタ10を示す。ここでは、接続要素12が、フランジとして描画されている。
【0042】
例えば、少なくとも一つの走行支持体13が設けられているマニピュレータ20がベース支持体11に配置され、ここでは、この走行支持体13が、例えば両側にスライドガイド14を有する。スライドガイド14には、例えばガイド要素15が、同様にマニピュレータ20の構成要素として移動可能に配置されている。例えば、回転フレーム16がマニピュレータ20の構成要素として同様に配置されているガイド要素15は、アクチュエータとしてのシリンダ19を介して矢印方向Aに変位可能である。
【0043】
ガイド要素15には、例えば、マニピュレータ20の構成要素としての回転フレーム16が配置されている。回転フレーム16は、アクチュエータとしての回転駆動装置17を有する。回転フレーム16には、例えば、マニピュレータ20の構成要素としての回転リング18が、回転可能に配置されている。回転リング18は、アクチュエータとしての回転駆動装置17を介して回転フレーム16に対して回転移動を実施し得る。回転リング18は矢印方向Bに移動可能である。
【0044】
回転リング18には、マニピュレータ20の構成要素としてのマニピュレータアーム21が配置されている。このマニピュレータアームは、対応する回転リング18と回転することができる。マニピュレータアーム21は、例えば、回転フレーム16に対して旋回可能である。これは、例えば、アクチュエータとしての少なくとも1つのシリンダ22によって生じる。マニピュレータアーム自体には、ツールとしてのエレクタヘッド23が設けられている。このエレクタヘッドは、トンネルライニングセグメント110をピックアップすることに使用される。ここでは、エレクタヘッド23が、例えばアクチュエータとしてのシリンダ22を作動することによって、矢印方向Cに半径方向に移動される。
【0045】
図4a~図4eに描画されているようにトンネルライニングセグメント110の位置を微調整するため、エレクタヘッド23は、例えば、アクチュエータとしてシリンダ24によって矢印方向Dに回転する可能性を有する。さらに、エレクタヘッド23は、例えば、アクチュエータとしての移動要素25を有し、これによってトンネルライニングセグメント110を矢印方向Eに傾けることができ、若しくは矢印方向Fに旋回することができる。
【0046】
トンネルライニングセグメント110は、図1に描画されているエレクタヘッド23の配置のようなピックアップ位置200(図2参照)でピックアップされる。ピックアップ位置200には、トンネルライニングセグメント110が、例えば、いわゆるセグメントフィーダ(不図示)で搬送される。制御装置(不図示)によって回転駆動装置17、及び移動要素25、及びシリンダ19、22、24を起動することによって、トンネルライニングセグメント110を、矢印方向A~Fに移動することによって、トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分に配置することができる。
【0047】
制御装置は、設置すべきトンネルライニングセグメント110の、目標の設置領域内へ移動する。これは、例えば、図2に描画されている。この場合、トンネルライニングセグメント110があるエレクタヘッド23は、制御装置によってアクチュエータ17、19、22、24、25を介して、対応する位置に移動された。図2には、すでに設置されている個々のトンネルライニングセグメント110から成る完成したライニングリング100が描画されている。まだ完成していない別のトンネルライニングリング100‘は、空間的に手前に配置されている。図2には、その短辺に長手方向継手間隔140を有し、且つその長辺にリング継手間隔150を有する、設置すべきトンネルライニングセグメント110が、描画されている。開口部130(図1、4e参照)に組込可能である組立補助具としてのダボ120が設けられている。
【0048】
既に配置されているトンネルライニングセグメント110に関連してトンネルライニングセグメント110の実際の場所の配置を達成するために、設置すべきトンネルライニングセグメント110のコーナー領域160(図3参照)は、トンネルライニングセグメントセンサ(不図示)としてのTOFカメラ(不図示)を用いて、且つ場合によっては、例えば別のトンネルライニングセンサ(不図示)としての2DセンサとしてのCCDカメラでもって、各々走査される。走査領域300は、図3に描画されている。これによって、既に配置されているトンネルライニングセグメント110に対して、設定すべきトンネルライニングセグメント110の起こり得る傾斜誤差、及び長手方向継手間隔140およびリング継手間隔150を把握することができる。次に、この把握したデータに基づいて、一方では、ダボ120をこの目的のために設けた開口部130にはめ込み、他方では、移すべきトンネルライニングセグメント110をその実際の実際場所に設置するために、制御装置は、アクチュエータを適宜制御し得る。場合によっては、より良い認識を可能にするために、トンネルライニングセグメントセンサのデータが組み合わされ、まとめられ、若しくは重ね合わされる。
【0049】
目標位置の制御は、例えば、アクチュエータの個々の移動が測定センサによって把握されることによって行われる。これによって、制御装置は、空間内においてツール若しくはエレクタヘッド23の現在位置を正確に決定し得る。従って、エレクタヘッド23を用いてピックアップする際に、既知の他の寸法及びここでは図示されていない別のガイド補助具に基づいて、設置すべきトンネルライニングセグメント110の場所も間接的に既知である。これによって、制御装置はトンネルセグメント110を目標設置場所の領域に移動し得る。場合によってはこの際、アクティブな障害物把握も、例えば追加のトンネルライニングセグメントセンサを介して行われる。この時点からはじめて、スキャン領域300が監視され、実際の長手方向継手間隔140およびリング継手間隔150、ならびに任意の傾斜誤差が直接決定されることによって、TOFカメラによる3D把握を用いてコーナー領域160を監視することが、賢明である。走査領域300の形状は、ここでは一例としてのみ図示されている。例えば、長方形の形状も可能である。これに基づいて、次にトンネルライニングセグメント110を据付位置として実際の位置に設置される。次いで、不図示の前進プレスによって、トンネルライニングセグメント110が、トンネルライニングリングでの最終位置に押される。この場合、ツール23は、好ましくは、設置したトンネルライニングセグメント上になお留まり、トンネルライニングセグメントが最終位置に移動する際、前進プレスによって連行される。この移動は、最終的な場所が記録可能であるように好ましくは把握される。
【0050】
トンネルライニングセグメント110の実際位置と実際の向きの、必要な目標位置と目標の向きへの微調整、特にすでに取り付けられたトンネルライニングセグメント110の実際位置と実際の向きに対して相対的な微調整が、図4a~4eに示されている。微調整のために、領域160は、対応する補正値に関して監視される。この場合、微調整の為にそれぞれ必要な調整移動を決定するために、各々互いに対する縁部と表面の位置が把握され且つ比較される。
【0051】
この場合、図4aは、均一なリング継手間隔150を得るための、トンネルライニングセグメント110の矢印方向Dへの回転を示す。図示されているのは、右側コーナー領域160内のより大きなリング継手間隔152と比較して、左側コーナー領域160内のより小さなリング継手間隔151であり、これは、トンネルライニングセグメント110のエッジの平行性を達成するために、ツール23を矢印方向Dに回転させることによって、必要なリング継手間隔150に調整される。
【0052】
図4bには、ツール23は、半径方向距離170をゼロにするために矢印Fの方向に回転され、この半径方向距離は、ここでは、半径方向距離171、172として異なる大きさが描画されている。半径方向距離170が好ましくはゼロであるときのみ、トンネルライニングセグメント110を正しく設置することができる。
【0053】
図4Cには、正しい設置のためにゼロであるべきである角度オフセット180が示されている。角度オフセット180は、ツール23を矢印Eの方向に傾けることによってゼロに設定される。
【0054】
さらに、トンネルライニングセグメント110の縁部は、同じ高さを有し、且つ高さオフセット190がないことが必要である。この目的のために、ツール23は、矢印Bに移動される。
【0055】
さらに、図4eのように、配置するためにダボ120が使用される場合、ダボ120とダボ穴130との位置合わせを行うことが必要である。この場合、各々のトンネルライニングセグメントにおけるダボ120及び穴130は、トンネルライニングセグメントセンサを用いて把握される。次いで、トンネルライニングセグメント110を正しく設置することができるように、間隔210もゼロでなければならない。これは、ツール23が矢印B方向に回転することによってもたらされる。
【0056】
トンネルライニングリング100の最後のトンネルライニングセグメント110の最終的な配置の後、シールドテールクリアランスを決定するために、トンネル孔の壁に対するトンネルライニングリング100の距離を測定することができる。この目的のために、マニピュレータ20は、ツール23およびその上に位置するトンネルライニングセグメントセンサと共に、隙間(描画されていない)に沿って移動し、隙間を把握する。この場合、例えば、トンネルライニングセグメント110の損傷を把握することができる。
【0057】
さらに、トンネルライニングリング100の個々のトンネルライニングセグメント110の最終位置を把握するために、最終的に配置されたトンネルライニングリング100をトンネルライニングセグメントセンサが移動することができる。この場合、例えば、トンネルライニングセグメントの縁部、トンネルライニングセグメント110の縁部の互いに対する推移が把握される。この場合、例えば、トンネルライニングセグメント110の損傷を把握することができる。
【0058】
トンネルライニングセグメント110の監視、測定および設置、若しくは空間内でのそのトンネルライニングセグメントの移動は、例えばカメラ(不図示)を用いて、またはTOFカメラのセンサによる2D監視によって、且つその場合に得られた2D画像データが3D画像データを組み合わせたデータの評価によって支援することができる。
【0059】
図5a、5bには、一例として、ツール23によるトンネルライニングセグメント110のピックアップが描画されている。ここでは、例えばトンネルライニングセグメント110の中心に接続されているピン220がピックアップのために使用される。次に、ピン220を把持することができるようにするために、したがって、ツールとトンネルライニングセグメント110の間の接続を提供するために、ツールはピックアップを行うために、矢印方向Aで移動され、したがって、トンネルライニングセグメント110がピックアップ位置200から目標設置位置に移動することができる。
【0060】
ここでは、ピンを把握することができるようにするために、好ましくは別のトンネルライニングセグメントセンサ230が設けられていて、このトンネルライニングセグメントセンサ230が、ツール23に配置されている。これは、最適なタイミングでピン230を識別することができるようにするために、ツールの前にある把握領域240を有する。これが行われると、ツールの位置は、ツールが好ましくは矢印Aの方向にピン220内に進入することができるように17、19、22、24、25の制御によって調整される。
【0061】
別のトンネルライニングセグメントセンサ230は、好ましくはTOFカメラである。これは、好ましくは、3Dカメラも2Dカメラも提供することが可能である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
【誤訳訂正書】
【提出日】2022-10-11
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項14
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項14】
少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられている、ことを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の方法
【手続補正書】
【提出日】2022-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘進機と連結可能であるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する方法及び装置に関するものであり、並びにトンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する方法に関するものである。
【0002】
トンネル掘進機でトンネルを掘削する場合には、トンネルのライニングとして、とりわけ、鉄筋コンクリートセグメント(タビング)から成るリングが使用される。これらは、例えば、トンネル掘進機のシールドの下に設置されるか、またはエレクタを用いてトンネル壁に直接設置される。この目的のために、エレクタは、例えば、エレクタの基部に対して軸方向、半径方向及び接線方向に移動可能であるマニピュレータを設ける。
【0003】
このようなマニピュレータは、例えば、ロボット工学から知られている。この場合、それらは、たとえば、ロボットの可動部分を示し、周囲との物理的相互作用、又は周囲のオブジェクトとの物理的相互作用を可能にする。この場合、作業またはタスクは、マニピュレータによって、例えば特殊なツールによって実施される。さらに、ツールは、アクチュエータによって空間に位置決めされる。この場合、さらに、位置決め若しくは処理のいずれか一方を可能にする測定が実施される、且つ/又は評価のためのデータを収集する測定が実施される。この場合、マニピュレータは、アクチュエータによって互いに可動に接続されている支持成要素を有する。
【0004】
ここでは、少なくとも1つのトンネルライニングセグメントを位置決めするために、ピックアップツールがマニピュレータに配置されている。これは、例えば、把持ツール及び/又は吸引ツールであり得る。ツール若しくはマニピュレータ自体は、アクチュエータによって移動される。この場合、把持ツールは、例えば、トンネルライニングセグメントに固定されているピンを把持する。次に、吸引ツールは、例えば、トンネルライニングセグメントを直接吸引する。
【0005】
トンネルライニングセグメントは、供給ユニット(セグメントフィーダ)によって、定義された順序でピックアップ位置に供給される。ピックアップ位置では、トンネルライニングセグメントが、マニピュレータのツールによってピックアップされ、持ち上げられ、且つ各々の設置位置に移動される。この目的のために、ツールの対応する回転運動、直線運動及び/又は傾斜運動を可能にするアクチュエータが、設けられている。
【0006】
従来、マニピュレータ若しくはそのマニピュレータのツールの移動は、エレクタ操縦者(独語:Erektorfahrer)によって制御されてきた。この場合、エレクタ若しくはマニピュレータの個々のアクチュエータは、対応する制御要素によって、好ましくは遠隔制御によって、始動される。この場合、トンネルライニングセグメントを目視できる領域内に配置できるようにするために、エレクタの操縦者がエレクタの領域にいなければならないので、危険な仕事である。複雑なピックアップ、移動、及び設置の手順を安全に実施することができるようにするために、エレクタ/マニピュレータは、その多くの自由度及び異なるアクチュエータ、並びにトンネルライニングセグメントの設置に必要な精度に起因して、抑制した移動速度で、場合によっては、現場の別の人によって補助されて移動する。
【0007】
エレクタは一種の特殊クレーンであり、その特殊クレーンのツールは、トンネル掘進機のマシン軸に対して半径方向、接線方向および軸方向に、例えば軸を介して油圧的に、移動可能である。半径方向軸自体の機構は、例えば、伸縮自在のユニットとして、または平行リンク機構として実施され得る。エレクタヘッドとも称するこのツールは、トンネルライニングセグメントをピックアップするためにマニピュレータに取り付けられている。エレクタヘッドは、それぞれのトンネルライニングセグメントを持ち上げて、移動できるようにするために、ピックアップ機構を有する。微調整のために、エレクタヘッドの位置は、例えば、ロール、ピッチ及びヨーの形態で油圧駆動される回転軸を中心として移動することができる。一般に、アクチュエータは、トンネル掘進機の機械軸に対してツールを移動する。この場合、ツールは、例えば、機械軸に沿って軸方向に、機械軸から始まり半径方向に、且つ機械軸を中心として回転して(ロール)移動される。さらなる回転運動は、例えば、トンネル掘進機の機械軸に対して半径方向の軸(ヨー及びピッチ)を中心として発生し得る。
【0008】
トンネルライニングリングは、複数のトンネルライニングセグメントから成る。リング構造に応じてセグメント数が異なる。リング内の個々のセグメントの接線方向の位置は、それぞれトンネルライニングの構造に応じてあらかじめ設定されている。設計に応じて、リングは長手方向継手がリング継手に対して垂直な直線セグメントから成り得るか、または、例えば台形、半台形、直線トンネルライニングセグメント及び/又は他の形状の組み合わせから成り得る。それぞれのセグメントの軸方向の寸法が少々異なるので、互いにねじれて設置することによってトンネル曲線が実現される。
【0009】
組立補助具、いわゆるダボのための開口部は、セグメントの長手方向継手及び/又はリング継手における接触面に設けられ得る。ダボは、トンネルライニングセグメントに設けられている開口部に適切に組み込まれる。セグメントが対応する設置位置に到着すると、組立補助具は、すでに設置されているセグメントの組立補助具のために設けられている開口部にはめ込まれる。この目的のために、エレクタ操縦者は、組立補助具を対応してはめ込むために、ツール位置合わせの微調整を行う。次いで、それに関連してセグメントが設置される。
【0010】
トンネル掘進機のストローク(例えば1.2m)を掘削した後、ライニングが始まる。この目的のために、エレクタはセグメントフィーダから最初のトンネルライニングセグメントをピックアップする。同時に、設置すべきトンネルライニングセグメントの領域をライニング可能にするために、トンネルライニングセグメントの目標設置領域にあるトンネル掘進機の前進プレス(独語:Vortriebspressen)が戻される。トンネルライニングセグメントを設置した後、前進プレスは、トンネルライニングセグメントを前のライニングリングに対して最終位置で押し付けるために、再び伸長される。この場合、トンネルライニングセグメントの縁部密閉部も必要な範囲で圧縮される。次いで、次のトンネルライニングセグメントをピックアップするために、エレクタのツールが外され、ピックアップ位置に戻される。同時に、対応する前進プレスが戻され、完全なリングが設置されるまでプロセスが繰り返される。トンネルライニングセグメントリングに要石を入れると、長手方向継手の密閉部も圧縮され、リングが閉じられ、必要に応じて前進プレスでトンネルライニングセグメントを最終的に押し付けることによって、トンネルライニングセグメントは最終的にその位置に運ばれる。次に、ライニングの完了後、後日、トンネル壁と完成したライニングリングとの間の環状空間に、例えばモルタルが注入される。
【0011】
すでに述べたように、この作業は危険と隣り合わせのきついものであり、複雑な動作の可能性によって速度を落として行わなければならないので、以前からトンネルライニングリングを作るためにトンネルライニングセグメントを設置するプロセスを自動化する試みがなされてきた。この目的に対する複数のアプローチは、先行技術から既に知られている(特に、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)。
【0012】
特許文献6は、例えば、トンネル構築方法が開示されている。トンネル構築方法は、以下のステップ、即ち、
前進機械によって空洞を建設するステップと、
エレクタを用いてタビングセグメントをセットすることによってライニングするステップであって、制御装置を用いてエレクタの制御が実施される、ステップと、
新たにセットしたそれぞれのタビングセグメントを、ダボまたはボルトなどの接続要素を介して、すでにセットしたタビングセグメントに接続するステップであって、タビングセグメントを組み込む際には、エレクタのそれぞれの位置が測定技術によって把握され、かつデータ技術によって保存される、ステップとを含む。
ライニングの少なくとも部分的な領域が自動化されることによって効率の向上が達成され、その際、既にセットしたタビングセグメントに対してセットすべきタビングセグメントの位置が、センサによって決定され、並びにエレクタは、センサによって決定した値に基づいて制御されることによって効率の向上が達成され、その際、位置データが追加で記録される。
【0013】
トンネルライニングセグメントは製造公差に影響され、トンネルライニングセグメントが設置される掘削トンネル壁も寸法公差に影響されるので、実際に既に設置したトンネルライニングセグメント若しくは掘削した空間内の完全なトンネルライニングリングの正確な位置が把握されることが必要である。さらに、実際にすでに設置したセグメントに関して、それぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置を合わせ、位置合わせする必要がある。この目的のために、例えば、CCDカメラ、接触センサ、レーザプロフィロメータ、レーダ及び超音波を使用することが従来技術から知られている。これらは、トンネル掘進機で掘削する際の環境条件(環境内の取付部品、汚れ、誇り、湿気等)によって、一部で非常に不正確である。
【0014】
さらに、特許文献7は、トンネル掘削機における距離測定のためのTOFカメラの使用を開示していて、このTOFカメラはトンネル掘削機に取り外せないように取り付けられている。これは、機械とすでに取り付けられているトンネルセグメントとの間のクリアランス領域を測定することに使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2745327号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第104747213号明細書
【特許文献3】特開平08-296400
【特許文献4】国際公開第2018/065726号
【特許文献5】米国特許出願公開第2019/234214号明細書
【特許文献6】オーストリア国特許発明第409161号明細書
【特許文献7】特開2019-085782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の課題は、トンネルライニングセグメントを自動設置するための把握の改善を実施することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明による装置に関して、この課題は、請求項1の特徴の組み合わせによって解決される。さらに有利な実施形態は、従属請求項によって定義される。さらに、本発明の方法に関する課題は、請求項10の特徴の組み合わせによって解決される。さらに有利な実施形態は、従属請求項によって定義される。
【0018】
トンネル掘進機と連結可能である、トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する本発明に係る装置は、以下の特徴を非網羅的に有するものであって、即ち、
・少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップする、保持する、且つ設置するための少なくとも一つのツールを有するマニピュレータを備え、並びに少なくとも一つのツールを移動するための少なくとも一つのアクチュエータを備え、その際、少なくとも一つのアクチュエータを用いて、少なくとも一つのツールが、トンネル掘進機の機械軸に関して半径方向に、接線方向及び/又は軸方向に、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間において移動可能であり、
・トンネル部分の空間内におけるツールのそれぞれの実際位置と実際の向きを把握するために、マニピュレータ及び/又はツールに設けられている少なくとも一つのツール位置センサを備え、
・少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一つの部分の実際の場所及び/若しくは実際の位置を把握可能であり、並びに/又は配置されるべきそれぞれのトンネルライニングセグメントの実際の場所及び/若しくは実際位置を把握可能である、マニピュレータ及び/若しくはツールに設けられている少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサを備え、
・トンネルライニングセグメントの設置データにアクセスし、少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置を備え、且つ
ツールをピックアップ位置からそれぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置位置に移動するために、トンネルライニングセグメントを実際の設置位置で位置合わせし、トンネルライニングリングの少なくとも1つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置するために、少なくとも一つのアクチュエータと少なくとも一つのツールが設置データと測定データに基づいて制御可能である、当該装置において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられていて、且つトンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする装置である。
【0019】
TOFカメラは、飛行時間法を用いて距離を測定する3Dカメラシステムである。この目的のために、光パルスを用いて場面が照らされ、カメラは各画素に対して光が対象物に到達して再び戻るまでの時間を測定する。所要時間は距離に正比例する。したがって、カメラが、各画素に写った対象物の距離を画素毎に供給する。この場合、場面全体が一度に記録され、走査する必要がないという利点がある。
【0020】
専門家の知識によれば、特に長距離での使用に適している、いわゆるTOFカメラに関するすべての期待にもかかわらず、これらのセンサによって、すでに配置されているセグメント、若しくはライニングリングの正確な位置を決定する、特に簡単な方法が可能であることが示された。さらに、すでに設置されているトンネルライニングセグメントに関連して設置されるトンネルライニングセグメントの位置および間隔または向きは、特に正確に決定することができ、ここでは特に継手間隔が把握される。これによって、制御装置が、対応する補正を行うこと、且つセグメントを適切に正確に配置することが簡単な方法で可能になる。また、レーザプロフィロメータや他のセンサとは対照的に、立体的に把握することが可能である。
【0021】
この場合、少なくとも1つのツールがピックアップ要素であることは有利である。これによって、それぞれのセグメントを容易に把握し、且つ移動することができる。
【0022】
更に、少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることが有利である。また、データは、設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さと寸法等の物理的特性に関する情報、であることが好ましい。これによって、トンネルライニングセグメントをピックアップポイントから実際の設置場所に移動するために、制御装置に、アクチュエータの必要な制御を決定するための全ての関連データが供給されることが簡単な方法で、可能である。
【0023】
更なる教示は、ヒューマン・マシン・インターフェースが、制御装置に接続されていることを企図する。これによって、自動化方式は、簡単な方法で手動制御の指示を拡張することができる。
【0024】
更なる教示は、少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることを企図する。この場合、追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられていることが、有利である。次に、このようにして把握した信号は、好ましくは、例えば、画像処理を用いる制御装置によって評価される。更に、2つのトンネルライニングセグメントセンサのデータを、別のトンネルライニングセグメントセンサのデータと重ね合わせること及び/又は組み合わせることが有利である。これによって、例えば目標位置に向かうときに、簡単な方法で障害物を認識することができる。さらに、それによって、例えば、安全性の冗長化、若しくは処理の高速化を達成することができることによって、トンネルライニングセグメントの縁部把握やトンネルライニングセグメント間およびトンネルライニングセグメントとトンネル孔の壁面との間の間隔測定を補助することができる。
【0025】
更に、トンネルライニングセグメントの外側とトンネル孔の壁面との間の距離である「シールドテールクリアランス」の測定は、領域を横断することによって容易に達成することもできる。
【0026】
本発明のさらなる教示は、制御装置がトンネル掘進機の制御装置と接続されていることを企図する。この場合、トンネル掘進機の制御装置を介して、トンネル掘進機の機能が装置の制御装置で制御可能であることが有利である。これによって、トンネルライニングセグメントを自動設置する為に操作しなければならないトンネル掘進機の要素を、簡単な方法で、1つの制御装置によって自動的に制御することができる。
【0027】
本発明のさらなる教示は、トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御可能である、ことを企図する。これによって、配置後のトンネルライニングセグメントは、制御装置を介して簡単かつ安全な方法で、保持することができる。
【0028】
本発明の更なる教示は、ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、ことを企図する。これによって、簡単な方法で、トンネルライニングセグメントのその配置に応じた供給を達成することができる。
【0029】
本発明のさらなる教示は、TOFカメラのセンサが2D画像を記録することを企図する。
【0030】
少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップし、保持し、設置するための少なくとも一つのツールを装備したマニピュレータが設けられていて、且つトンネル掘進機に設けられている先述の装置を備えるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する本発明による方法は、以下の特徴を非網羅的に有するものであって、即ち、
・その際、少なくとも一つのツールが少なくとも一つのアクチュエータによって、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間内において、トンネル掘進機の機械軸線に関して半径方向、接線方向及び/又は軸方向に、移動され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのツール位置センサによって、トンネル部分の空間におけるツールの実際位置と実際の向きが、把握され、
・その際、マニピュレータ及び/若しくはツールが設けられている、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一部分の実際の場所及び/若しくは実際位置が把握され、且つ/又はその際、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントによって、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの実際の場所及び/若しくは実際位置が把握され、
・その際、トンネルライニングセグメントの設置データ及び少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置が設けられ、
・その際、設置データ及び測定データに基づいて少なくとも一つの制御装置が、少なくとも一つのアクチュエータ及び少なくとも一つのツールを制御し、その結果
ツールはトンネルライニングセグメントと共に、このトンネルライニングセグメントのそれぞれのピックアップ位置から、このトンネルライニングセグメントのそれぞれの目標設置位置に移動させ、並びに
トンネルライニングセグメントは、トンネルライニングセグメントセンサの測定データに基づいて、実際設置位置に整列され、トンネルライニングリングの少なくとも一つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置される、という当該方法において、少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられ、且つトンネルライニングセグメントセンサはTOFカメラである、ことを特徴とする方法である。
【0031】
更なる教示は、少なくとも一つのツールがピックアップ要素であることを企図する。これによって、それぞれのセグメントは、容易に把持することができ且つ移動することができる。
【0032】
この場合、少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることが有利である。さらに、データは、設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さと寸法等の物理的特性に関する情報、である、ことが好ましい。これによって、トンネルライニングセグメントをピックアップポイントから実際の場所に移動するために、制御装置が、アクチュエータの必要な制御を決定するための全ての関連データを保持することが簡単な方法で、可能である。
【0033】
更に、ヒューマン・マシン・インターフェースが制御装置に接続されていることが有利である。これによって、簡単な方法で、自動処理に手動制御の指示を加えることができる。
【0034】
更に、少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることが有利である。次に、これによって把握した信号は、好ましくは、例えば、画像処理を用いる制御装置によって評価される。この場合、追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられていることが、有利である。次に、これによって把握した信号は、好ましくは、例えば、画像処理を用いる制御装置によって評価される。更に、2つのトンネルライニングセグメントセンサのデータは、別のトンネルライニングセグメントセンサのデータと重ね合わせること及び/又は組み合わせることが有利である。これによって、例えば目標位置に向かうときに、簡単な方法で障害物を認識することができる。さらに、それによって、例えば、安全性の冗長化、若しくは処理の高速化を達成することができることによって、トンネルライニングセグメントの縁部把握やトンネルライニングセグメント間およびトンネルライニングセグメントとトンネル孔の壁面との間の間隔測定を補助することができる。
【0035】
本発明のさらなる教示は、TOFカメラのセンサが2D画像を記録することを企図する。
【0036】
本発明のさらなる教示は、制御装置がトンネル掘進機の制御装置と接続されていることを企図する。この場合、装置の制御装置は、トンネル掘進機の制御装置を介して、トンネル掘進機の機能を制御することが有利である。これによって、トンネルライニングセグメントを自動設置する為に起動しなければならないトンネル掘進機の要素を、簡単な方法で、1つの制御装置によって自動的に制御することができる。
【0037】
本発明の更なる教示は、ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、ことを企図する。これによって、簡単な方法で、トンネルライニングセグメントのその配置に応じた供給を達成することができる。
【0038】
本発明のさらなる教示は、トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御される、ことを企図する。これは、配置後のトンネルライニングセグメントは、制御装置を介して簡単かつ安全な方法で、保持することができる。
【0039】
本発明の更なる教示は、トンネルライニングセグメントリングの最後のトンネルライニングセグメント(要石)を組み立てた後に、好ましくはトンネルライニングセグメントリングが少なくとも部分的に進むことによって、少なくとも二つのTOFカメラを用いてマニピュレータが、トンネルライニングセグメントリングのトンネルライニングセグメントとトンネル部分の掘削孔壁の間の間隔を測定する、ことを企図する。これによって、トンネルライニングセグメントの外側とトンネル孔の壁面との間の距離である「シールドテールクリアランス」の測定は、領域を横断することによって容易に達成することもできる。更に、測定装置を用いた、例えば、超音波センサを用いたシールドテールのクリアランスの監視は、場合によっては、省略することができる。
【0040】
本発明の更なる教示は、トンネルライニングセグメントを目標の位置に設置した後、マニピュレータのツールが設置したトンネルライニングセグメントに接続したまま、トンネルライニングセグメントを押し付ける際にトンネル掘進機の前進プレスの少なくとも1つと共に移動し、ツールの移動が把握されることを企図する。これによって、トンネルライニングセグメントの最終位置を簡単な方法で把握することができる。
【0041】
本発明を、図面と共に好ましい実施例に基づいて、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】トンネルライニングセグメントが収容されているエレクタの立体図を示す。
図2】トンネルライニングセグメントの配置の概略図を示す。
図3】本発明による方法を使用し、本発明による装置に関連するトンネルライニングセグメントの発明による配置の概略図を示す。
図4a】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4b】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4c】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4d】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図4e】トンネルライニングセグメントを目標位置に配置する前の微調整ステップの概略図を示す。
図5a】トンネルライニングセグメントをピックアップする概略図を示す。
図5b】トンネルライニングセグメントをピックアップする概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、トンネル掘進機(不図示)と接続するための接続要素12が配置されているベース支持体11を備える本発明による装置としてのエレクタ10を示す。ここでは、接続要素12が、フランジとして描画されている。
【0044】
例えば、少なくとも一つの走行支持体13が設けられているマニピュレータ20がベース支持体11に配置され、ここでは、この走行支持体13が、例えば両側にスライドガイド14を有する。スライドガイド14には、例えばガイド要素15が、同様にマニピュレータ20の構成要素として移動可能に配置されている。例えば、回転フレーム16がマニピュレータ20の構成要素として同様に配置されているガイド要素15は、アクチュエータとしてのシリンダ19を介して矢印方向Aに変位可能である。
【0045】
ガイド要素15には、例えば、マニピュレータ20の構成要素としての回転フレーム16が配置されている。回転フレーム16は、アクチュエータとしての回転駆動装置17を有する。回転フレーム16には、例えば、マニピュレータ20の構成要素としての回転リング18が、回転可能に配置されている。回転リング18は、アクチュエータとしての回転駆動装置17を介して回転フレーム16に対して回転移動を実施し得る。回転リング18は矢印方向Bに移動可能である。
【0046】
回転リング18には、マニピュレータ20の構成要素としてのマニピュレータアーム21が配置されている。このマニピュレータアームは、対応する回転リング18と回転することができる。マニピュレータアーム21は、例えば、回転フレーム16に対して旋回可能である。これは、例えば、アクチュエータとしての少なくとも1つのシリンダ22によって生じる。マニピュレータアーム自体には、ツールとしてのエレクタヘッド23が設けられている。このエレクタヘッドは、トンネルライニングセグメント110をピックアップすることに使用される。ここでは、エレクタヘッド23が、例えばアクチュエータとしてのシリンダ22を作動することによって、矢印方向Cに半径方向に移動される。
【0047】
図4a~図4eに描画されているようにトンネルライニングセグメント110の位置を微調整するため、エレクタヘッド23は、例えば、アクチュエータとしてシリンダ24によって矢印方向Dに回転する可能性を有する。さらに、エレクタヘッド23は、例えば、アクチュエータとしての移動要素25を有し、これによってトンネルライニングセグメント110を矢印方向Eに傾けることができ、若しくは矢印方向Fに旋回することができる。
【0048】
トンネルライニングセグメント110は、図1に描画されているエレクタヘッド23の配置のようなピックアップ位置200(図2参照)でピックアップされる。ピックアップ位置200には、トンネルライニングセグメント110が、例えば、いわゆるセグメントフィーダ(不図示)で搬送される。制御装置(不図示)によって回転駆動装置17、及び移動要素25、及びシリンダ19、22、24を起動することによって、トンネルライニングセグメント110を、矢印方向A~Fに移動することによって、トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分に配置することができる。
【0049】
制御装置は、設置すべきトンネルライニングセグメント110の、目標の設置領域内へ移動する。これは、例えば、図2に描画されている。この場合、トンネルライニングセグメント110があるエレクタヘッド23は、制御装置によってアクチュエータ17、19、22、24、25を介して、対応する位置に移動された。図2には、すでに設置されている個々のトンネルライニングセグメント110から成る完成したライニングリング100が描画されている。まだ完成していない別のトンネルライニングリング100‘は、空間的に手前に配置されている。図2には、その短辺に長手方向継手間隔140を有し、且つその長辺にリング継手間隔150を有する、設置すべきトンネルライニングセグメント110が、描画されている。開口部130(図1、4e参照)に組込可能である組立補助具としてのダボ120が設けられている。
【0050】
既に配置されているトンネルライニングセグメント110に関連してトンネルライニングセグメント110の実際の場所の配置を達成するために、設置すべきトンネルライニングセグメント110のコーナー領域160(図3参照)は、トンネルライニングセグメントセンサ(不図示)としてのTOFカメラ(不図示)を用いて、且つ場合によっては、例えば別のトンネルライニングセンサ(不図示)としての2DセンサとしてのCCDカメラでもって、各々走査される。走査領域300は、図3に描画されている。これによって、既に配置されているトンネルライニングセグメント110に対して、設定すべきトンネルライニングセグメント110の起こり得る傾斜誤差、及び長手方向継手間隔140およびリング継手間隔150を把握することができる。次に、この把握したデータに基づいて、一方では、ダボ120をこの目的のために設けた開口部130にはめ込み、他方では、移すべきトンネルライニングセグメント110をその実際の実際場所に設置するために、制御装置は、アクチュエータを適宜制御し得る。場合によっては、より良い認識を可能にするために、トンネルライニングセグメントセンサのデータが組み合わされ、まとめられ、若しくは重ね合わされる。
【0051】
目標位置の制御は、例えば、アクチュエータの個々の移動が測定センサによって把握されることによって行われる。これによって、制御装置は、空間内においてツール若しくはエレクタヘッド23の現在位置を正確に決定し得る。従って、エレクタヘッド23を用いてピックアップする際に、既知の他の寸法及びここでは図示されていない別のガイド補助具に基づいて、設置すべきトンネルライニングセグメント110の場所も間接的に既知である。これによって、制御装置はトンネルセグメント110を目標設置場所の領域に移動し得る。場合によってはこの際、アクティブな障害物把握も、例えば追加のトンネルライニングセグメントセンサを介して行われる。この時点からはじめて、スキャン領域300が監視され、実際の長手方向継手間隔140およびリング継手間隔150、ならびに任意の傾斜誤差が直接決定されることによって、TOFカメラによる3D把握を用いてコーナー領域160を監視することが、賢明である。走査領域300の形状は、ここでは一例としてのみ図示されている。例えば、長方形の形状も可能である。これに基づいて、次にトンネルライニングセグメント110を据付位置として実際の位置に設置される。次いで、不図示の前進プレスによって、トンネルライニングセグメント110が、トンネルライニングリングでの最終位置に押される。この場合、ツール23は、好ましくは、設置したトンネルライニングセグメント上になお留まり、トンネルライニングセグメントが最終位置に移動する際、前進プレスによって連行される。この移動は、最終的な場所が記録可能であるように好ましくは把握される。
【0052】
トンネルライニングセグメント110の実際位置と実際の向きの、必要な目標位置と目標の向きへの微調整、特にすでに取り付けられたトンネルライニングセグメント110の実際位置と実際の向きに対して相対的な微調整が、図4a~4eに示されている。微調整のために、領域160は、対応する補正値に関して監視される。この場合、微調整の為にそれぞれ必要な調整移動を決定するために、各々互いに対する縁部と表面の位置が把握され且つ比較される。
【0053】
この場合、図4aは、均一なリング継手間隔150を得るための、トンネルライニングセグメント110の矢印方向Dへの回転を示す。図示されているのは、右側コーナー領域160内のより大きなリング継手間隔152と比較して、左側コーナー領域160内のより小さなリング継手間隔151であり、これは、トンネルライニングセグメント110のエッジの平行性を達成するために、ツール23を矢印方向Dに回転させることによって、必要なリング継手間隔150に調整される。
【0054】
図4bには、ツール23は、半径方向距離170をゼロにするために矢印Fの方向に回転され、この半径方向距離は、ここでは、半径方向距離171、172として異なる大きさが描画されている。半径方向距離170が好ましくはゼロであるときのみ、トンネルライニングセグメント110を正しく設置することができる。
【0055】
図4Cには、正しい設置のためにゼロであるべきである角度オフセット180が示されている。角度オフセット180は、ツール23を矢印Eの方向に傾けることによってゼロに設定される。
【0056】
さらに、トンネルライニングセグメント110の縁部は、同じ高さを有し、且つ高さオフセット190がないことが必要である。この目的のために、ツール23は、矢印Bに移動される。
【0057】
さらに、図4eのように、配置するためにダボ120が使用される場合、ダボ120とダボ穴130との位置合わせを行うことが必要である。この場合、各々のトンネルライニングセグメントにおけるダボ120及び穴130は、トンネルライニングセグメントセンサを用いて把握される。次いで、トンネルライニングセグメント110を正しく設置することができるように、間隔210もゼロでなければならない。これは、ツール23が矢印B方向に回転することによってもたらされる。
【0058】
トンネルライニングリング100の最後のトンネルライニングセグメント110の最終的な配置の後、シールドテールクリアランスを決定するために、トンネル孔の壁に対するトンネルライニングリング100の距離を測定することができる。この目的のために、マニピュレータ20は、ツール23およびその上に位置するトンネルライニングセグメントセンサと共に、隙間(描画されていない)に沿って移動し、隙間を把握する。この場合、例えば、トンネルライニングセグメント110の損傷を把握することができる。
【0059】
さらに、トンネルライニングリング100の個々のトンネルライニングセグメント110の最終位置を把握するために、最終的に配置されたトンネルライニングリング100をトンネルライニングセグメントセンサが移動することができる。この場合、例えば、トンネルライニングセグメントの縁部、トンネルライニングセグメント110の縁部の互いに対する推移が把握される。この場合、例えば、トンネルライニングセグメント110の損傷を把握することができる。
【0060】
トンネルライニングセグメント110の監視、測定および設置、若しくは空間内でのそのトンネルライニングセグメントの移動は、例えばカメラ(不図示)を用いて、またはTOFカメラのセンサによる2D監視によって、且つその場合に得られた2D画像データが3D画像データを組み合わせたデータの評価によって支援することができる。
【0061】
図5a、5bには、一例として、ツール23によるトンネルライニングセグメント110のピックアップが描画されている。ここでは、例えばトンネルライニングセグメント110の中心に接続されているピン220がピックアップのために使用される。次に、ピン220を把持することができるようにするために、したがって、ツールとトンネルライニングセグメント110の間の接続を提供するために、ツールはピックアップを行うために、矢印方向Aで移動され、したがって、トンネルライニングセグメント110がピックアップ位置200から目標設置位置に移動することができる。
【0062】
ここでは、ピンを把握することができるようにするために、好ましくは別のトンネルライニングセグメントセンサ230が設けられていて、このトンネルライニングセグメントセンサ230が、ツール23に配置されている。これは、最適なタイミングでピン230を識別することができるようにするために、ツールの前にある把握領域240を有する。これが行われると、ツールの位置は、ツールが好ましくは矢印Aの方向にピン220内に進入することができるように17、19、22、24、25の制御によって調整される。
【0063】
別のトンネルライニングセグメントセンサ230は、好ましくはTOFカメラである。これは、好ましくは、3Dカメラも2Dカメラも提供することが可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する、トンネル掘進機と連結可能である、装置であって、
・少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップする、保持する、且つ設置するための少なくとも一つのツールを有するマニピュレータを備え、並びに少なくとも一つのツールを移動するための少なくとも一つのアクチュエータを備え、その際、少なくとも一つのアクチュエータを用いて、少なくとも一つのツールが、トンネル掘進機の機械軸に関して半径方向に、接線方向及び/又は軸方向に、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間において移動可能であり、
・トンネル部分の空間において、ツールの実際位置と実際の向きを把握するために、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている少なくとも一つのツール位置センサを備え、
・少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一つの部分の実際位置及び/若しくはと実際の向きを把握可能であり、並びに/又は
配置されるべきそれぞれのトンネルライニングセグメントの実際位置及び/若しくは実際の向きを把握可能である、マニピュレータ及び/若しくはツールが設けられている少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサを備え、
・トンネルライニングセグメントの設置データにアクセスし、少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置を備え、且つ
ツールをピックアップ位置からそれぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置位置に移動するために、トンネルライニングセグメントを実際の設置位置で位置合わせし、トンネルライニングリングの少なくとも1つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置するために、少なくとも一つのアクチュエータと少なくとも一つのツールが設置データと測定データに基づいて制御可能である、当該装置において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが備えられていて、並びにトンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする装置。
2.少なくとも1つのツールは、ピックアップ要素である、ことを特徴とする上記1に記載の装置。
3.少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器である、ことを特徴とする上記1又は2に記載の装置。
4.データは、
設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、
設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さ及び寸法等の物理的特性に関する情報、
であることを特徴とする上記1~3のいずれか一つに記載の装置。
5.少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることを特徴とする上記1~4のいずれか一つに記載の装置。
6.追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内またはツールの領域内に設けられていることを特徴とする上記5に記載の装置。
7.トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御可能である、ことを特徴とする上記1~6のいずれか一つに記載の装置。
8.ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、
ことを特徴とする上記1~7のいずれか一つに記載の装置。
9.TOFカメラのセンサは2D画像を記録する、ことを特徴とする上記1~8のいずれか一つに記載の装置。
10.少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップし、保持し、設置するための少なくとも一つのツールを装備したマニピュレータが設けられていて、且つトンネル掘進機に設けられている装置、特に上記1~9のいずれか一つに記載の装置を備えるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするためのトンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメントを自動設置する方法であって、・その際、少なくとも一つのツールが少なくとも一つのアクチュエータを用いて、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間内において、トンネル掘進機の機械軸線に関して半径方向、接線方向及び/又は軸方向に、移動され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのツール位置センサによって、トンネル部分の空間におけるツールの実際位置及び/又は実際の向きが把握され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一部分の実際位置及び/又は実際の向きが把握され、且つ/又はその際、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの実際位置及び/又は実際の向きが把握され、
・その際、トンネルライニングセグメントの設置データ及び少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置が設けられ、
その際、設置データ及び測定データに基づいて少なくとも一つの制御装置が、少なくとも一つのアクチュエータ及び少なくとも一つのツールを制御し、その結果ツールはトンネルライニングセグメントと共に、このトンネルライニングセグメントのそれぞれのピックアップ位置から、このトンネルライニングセグメントのそれぞれの目標設置位置に移動させ、並びに
トンネルライニングセグメントは、トンネルライニングセグメントセンサの測定データに基づいて、実際設置位置に整列され、トンネルライニングリングの少なくとも一つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置される、当該方法において、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられ、且つトンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする方法。
11.少なくとも一つのツールは、ピックアップ要素であることを特徴とする上記10に記載の方法。
12.少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることを特徴とする上記10又は11に記載の方法。
13.データは、
設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、
設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さ及び寸法等の物理的特性に関する情報、
であることを特徴とする上記10~12のいずれか一つに記載の方法。
14.少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられている、ことを特徴とする上記10~13のいずれか一つに記載の方法。
15.追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられている、ことを特徴とする上記14に記載の方法。
16.TOFカメラのセンサは2D画像を記録することを特徴とする上記10~15のいずれか一つに記載の方法。
17.二つのトンネルライニングセグメントセンサのデータは、追加のトンネルライニングセグメントセンサのデータと組み合わされることを特徴とする上記14~16のいずれか一つに記載の方法。
18.ツールによってピックアップするためのピックアップ場所に、トンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)を、制御装置によって制御され、その結果トンネルライニングセグメントは、制御装置を介して提供可能である、ことを特徴とする上記10~17のいずれか一つに記載の方法。
19.トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御されることを特徴とする上記10~18のいずれか一つに記載の方法。
20.トンネルライニングセグメントリングの最後のトンネルライニングセグメント(要石)を組み立てた後に、好ましくはトンネルライニングセグメントリングが少なくとも部分的に移動することによって、
少なくとも二つのTOFカメラを用いてマニピュレータが、トンネルライニングセグメントリングのトンネルライニングセグメントとトンネル部分の掘削孔壁の間の間隔を測定する、ことを特徴とする上記10~19のいずれか一つに記載の方法。
21.トンネルライニングセグメントを目標の位置に設置した後、マニピュレータのツールが設置したトンネルライニングセグメントに接続したまま、トンネルライニングセグメントを押し付ける際にトンネル掘進機の前進プレスの少なくとも1つと共に移動し、ツールの移動が把握されることを特徴とする上記10~20のいずれか一つに記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするための、トンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメント(110)を自動設置する、トンネル掘進機と連結可能である、装置(10)であって、
・少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップする、保持する、且つ設置するための少なくとも一つのツール(23)を有するマニピュレータ(20)を備え、並びに少なくとも一つのツールを移動するための少なくとも一つのアクチュエータ(17、22、24)を備え、その際、少なくとも一つのアクチュエータを用いて、少なくとも一つのツールが、トンネル掘進機の機械軸に関して半径方向に、接線方向及び/又は軸方向に、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間において移動可能であり、
・トンネル部分の空間において、ツールの実際位置と実際の向きを把握するために、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている少なくとも一つのツール位置センサを備え、
・少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一つの部分の実際位置及び/若しくはと実際の向きを把握可能であり、並びに/又は
配置されるべきそれぞれのトンネルライニングセグメントの実際位置及び/若しくは実際の向きを把握可能である、マニピュレータ及び/若しくはツールが設けられている少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサ(230)を備え、
・トンネルライニングセグメントの設置データにアクセスし、少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置を備え、且つ
ツールをピックアップ位置からそれぞれのトンネルライニングセグメントの目標設置位置に移動するために、トンネルライニングセグメントを実際の設置位置で位置合わせし、トンネルライニングリングの少なくとも1つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置するために、少なくとも一つのアクチュエータと少なくとも一つのツールが設置データと測定データに基づいて制御可能であ
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが備えられている当該装置において、トンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
少なくとも1つのツールは、ピックアップ要素である、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
データは、
設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、
設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さ及び寸法等の物理的特性に関する情報、
であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内またはツールの領域内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御可能である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
ピックアップ場所にトンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)は、ツールでピックアップするために制御装置によって制御可能であり、その結果トンネルライニングセグメントが、制御装置を介して提供可能である、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
TOFカメラのセンサは2D画像を記録する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも一つのトンネルライニングセグメントをピックアップし、保持し、設置するための少なくとも一つのツール(23)を装備したマニピュレータ(20)が設けられていて、且つトンネル掘進機に設けられている請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(10)を備えるトンネル掘進機によって掘削したトンネル部分をライニングするためのトンネルライニングリングの少なくとも一つのトンネルライニングセグメント(110)を自動設置する方法であって、
・その際、少なくとも一つのツールが少なくとも一つのアクチュエータ(17、22、24)を用いて、トンネル掘進機によって構築されたトンネル部分の空間内において、トンネル掘進機の機械軸線に関して半径方向、接線方向及び/又は軸方向に、移動され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのツール位置センサによって、トンネル部分の空間におけるツールの実際位置及び/又は実際の向きが把握され、
・その際、マニピュレータ及び/又はツールが設けられている、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサ(230)によって、少なくとも一つの既に配置されているトンネルライニングセグメントの少なくとも一部分の実際位置及び/又は実際の向きが把握され、且つ/又はその際、少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサによって、設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの実際位置及び/又は実際の向きが把握され、
・その際、トンネルライニングセグメントの設置データ及び少なくとも一つのツール位置センサと少なくとも一つのトンネルライニングセグメントセンサの測定データにアクセスする、少なくとも一つの制御装置が設けられ、
その際、設置データ及び測定データに基づいて少なくとも一つの制御装置が、少なくとも一つのアクチュエータ及び少なくとも一つのツールを制御し、その結果ツールはトンネルライニングセグメントと共に、このトンネルライニングセグメントのそれぞれのピックアップ位置から、このトンネルライニングセグメントのそれぞれの目標設置位置に移動させ、並びに
トンネルライニングセグメントは、トンネルライニングセグメントセンサの測定データに基づいて、実際設置位置に整列され、トンネルライニングリングの少なくとも一つの既に設置したトンネルライニングセグメントに対して配置され、
少なくとも二つのトンネルライニングセグメントセンサが設けられる、当該方法において、トンネルライニングセグメントセンサがTOFカメラである、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
少なくとも一つのツールは、ピックアップ要素であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのツール位置センサは、変位測定シリンダ、ロータリエンコーダ、位置センサ、傾斜計及び/又は変位変換器であることを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
データは、
設置すべきトンネルライニングセグメントの敷設計画、
設置すべきトンネルライニングセグメントの納入計画、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントをピックアップする為のピックアップ場所の位置、
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの目標設置位置、及び/又は
設置すべき各々のトンネルライニングセグメントの、例えば重さ及び寸法等の物理的特性に関する情報、
であることを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの追加のトンネルライニングセグメントセンサが、好ましくはTOFカメラ又は2Dカメラとして設けられている、ことを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
追加のトンネルライニングセグメントセンサは、トンネルライニングセグメントセンサの領域内又はツールの領域内に設けられている、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
TOFカメラのセンサは2D画像を記録することを特徴とする請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
二つのトンネルライニングセグメントセンサのデータは、追加のトンネルライニングセグメントセンサのデータと組み合わされることを特徴とする請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ツールによってピックアップするためのピックアップ場所に、トンネルライニングセグメントを供給するための供給ユニット(セグメントフィーダ)を、制御装置によって制御され、その結果トンネルライニングセグメントは、制御装置を介して提供可能である、
ことを特徴とする請求項10~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
トンネル掘進機の前進プレスが、設置されているトンネルライニングセグメントに対して押し付けることができるように、制御装置によって引っ込み可能で伸長可能に制御されることを特徴とする請求項10~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
トンネルライニングセグメントリングの最後のトンネルライニングセグメント(要石)を組み立てた後に、好ましくはトンネルライニングセグメントリングが少なくとも部分的に移動することによって、
少なくとも二つのTOFカメラを用いてマニピュレータが、トンネルライニングセグメントリングのトンネルライニングセグメントとトンネル部分の掘削孔壁の間の間隔を測定する、
ことを特徴とする請求項10~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
トンネルライニングセグメントを目標の位置に設置した後、マニピュレータのツールが設置したトンネルライニングセグメントに接続したまま、トンネルライニングセグメントを押し付ける際にトンネル掘進機の前進プレスの少なくとも1つと共に移動し、ツールの移動が把握されることを特徴とする請求項10~20のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】