(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-17
(54)【発明の名称】昆虫防除ナノボディおよびその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230110BHJP
C07K 16/40 20060101ALI20230110BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20230110BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230110BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230110BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230110BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230110BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230110BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20230110BHJP
A01H 5/00 20180101ALI20230110BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20230110BHJP
A01N 63/60 20200101ALI20230110BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/40
C07K16/18
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A01H5/00 A
A01P7/04
A01N63/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553234
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 IL2020051170
(87)【国際公開番号】W WO2021095031
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522184246
【氏名又は名称】アイビーアイ-エージー イノベイティブ バイオ インセクティサイズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IBI-AG INNOVATIVE BIO INSECTICIDES LTD.
【住所又は居所原語表記】The Trendlines Building, Misgav Business Park, 17 Tchelet Street, Doar-Na Misgav, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーレン-ベナロヤ ロニー
(72)【発明者】
【氏名】アヤリ アミル
(72)【発明者】
【氏名】モンセラッテ ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リー イェロン
【テーマコード(参考)】
2B030
4B064
4B065
4H011
4H045
【Fターム(参考)】
2B030AA02
2B030AB04
2B030AD04
2B030CA14
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA12
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA48
4H011AC01
4H011BB21
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045DA76
4H045EA06
4H045FA74
(57)【要約】
昆虫防除ナノボディが提供される。従って、キチン結合ドメイン(CBD)、V-ATPアーゼ・サブユニットc、トレハラーゼ、チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、キチン脱アセチル化酵素、キチンシンターゼおよびNPC1ステロール輸送体から成る群より選ばれる昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディであって、ナノボディの昆虫ポリペプチドへの結合が、ナノボディに昆虫防除活性を付与する、ナノボディが提供される。ナノボディをコードするポリヌクレオチド、ナノボディを発現する宿主細胞、およびその用途も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディであって、前記昆虫ポリペプチドが、下記:
(i)キチンシンターゼ、
(ii)キチン脱アセチル化酵素、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)NPC1ステロール輸送体;
(vi)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、および
(vii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但し前記ナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、または配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む、からなる群より選ばれ、
前記ナノボディの前記昆虫ポリペプチドへの結合が、前記ナノボディに昆虫防除活性を付与する、ナノボディ。
【請求項2】
昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディと、昆虫防除活性を有する毒素部分とを含み、前記昆虫ポリペプチドは、下記:
(i)キチンシンターゼ、
(ii)キチン脱アセチル化酵素、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)NPC1ステロール輸送体、
(vi)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、および
(vii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但し前記ナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、配列番号180~182、配列番号187~189、または配列番号191~193で表される相補性決定領域(CDR)を含む、
からなる群より選ばれる、組成物。
【請求項3】
前記ナノボディの前記昆虫ポリペプチドへの結合が、前記ナノボディに昆虫防除活性を付与する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ナノボディが前記昆虫ポリペプチドの活性を下方制御する、請求項1に記載のナノボディまたは請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
散布、灌水および/または燻蒸による送達用に処方されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のナノボディまたは組成物。
【請求項6】
前記CBDが2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)である、請求項1~5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項7】
前記CBDが、配列番号3~7より選ばれるアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項8】
前記ナノボディが、前記CBDに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、または配列番号15と28~29で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項9】
前記ナノボディが、前記CBDに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、配列番号15と28~29、配列番号31~33、配列番号35~37、配列番号39~41、配列番号43~45、配列番号47~49、配列番号51~53、配列番号55~57、配列番号59~61、配列番号63~65、配列番号67~69、配列番号71~73、配列番号75~77、配列番号79~81、配列番号83~85、配列番号87~89、配列番号91、80と93、配列番号95~97、配列番号99~101、配列番号103~105、配列番号107~109、配列番号111~113、配列番号115~117、配列番号119~121、配列番号123~125、配列番号127~129、配列番号131~133、配列番号135~137、配列番号139~141、配列番号143~145、配列番号147~149、配列番号151~153、配列番号15と156~157、配列番号159~161、または配列番号163~165で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項2および5~7のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項10】
前記ナノボディが前記V-ATPアーゼ・サブユニットcに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、または配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項11】
前記ナノボディが、前記トレハラーゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、配列番号258~260、配列番号588~590、配列番号5889~589と592、または配列番号595、589と592で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項12】
前記ナノボディが、前記トレハラーゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、または配列番号258~260で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項13】
前記ナノボディが、前記トレハラーゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号223~225、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号588~590、または配列番号595、58と592で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項14】
前記ナノボディが、前記チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号262~263と266、配列番号262、270と264、配列番号274~276、配列番号280と275~276、配列番号282と275~276、配列番号282、275と285、配列番号287、220と289、配列番号291、220と289、配列番号239~294と289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、配列番号308~310、配列番号312~314、または配列番号316~318で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項15】
前記ナノボディが、前記チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号287、220と289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、または配列番号312~314で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項16】
前記ナノボディが、前記キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号327、321と328、配列番号320~321と332、配列番号208と336~337、配列番号320、324と339、配列番号343~345、配列番号347~349、配列番号351~353、配列番号351、347と356、配列番号358~360、配列番号358~359と362、配列番号365、359と366、配列番号368~370、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号381~383、配列番号385と382~383、配列番号387~389、配列番号387、391と389、配列番号394~396、配列番号398~400、配列番号402~404、または配列番号406~408で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項17】
前記ナノボディが、前記キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号387~389、または配列番号398~400で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項18】
前記ナノボディが、前記キチンシンターゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号422~424、配列番号426~428、配列番号426~427と430、配列番号432~434、配列番号436、140と437、配列番号439~441、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号356と451~452、配列番号454~456、配列番号458~460、配列番号462~464、配列番号466~468、配列番号470~472、配列番号474~476、配列番号478~480、配列番号482、479と483、配列番号485~487、配列番号489~491、配列番号493~495、配列番号426と497~498、配列番号500~502、配列番号504~506、または配列番号508~510で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項19】
前記ナノボディが、前記キチンシンターゼに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号426~428、配列番号432~434、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号466~468、配列番号482、479と483、配列番号426と497~498、または配列番号504~506で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項20】
前記ナノボディが、前記NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号512~514、配列番号517と513~514、配列番号521~523、配列番号521~522と526、配列番号531~533、配列番号539~541、配列番号485と540~541、配列番号545と540~451、配列番号547~549、配列番号552~554、配列番号556~558、配列番号561~563、配列番号565~567、配列番号569~571、配列番号573~575、配列番号485と577~578、配列番号580~582、または配列番号584~586で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項21】
前記ナノボディが、前記NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号517と513~514、配列番号485と540~541、配列番号545と540~541、配列番号556~558、配列番号565~567、配列番号573~575、配列番号485と577~578、または配列番号580~582で表される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1~3および5のいずれか一項に記載のナノボディ。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載のナノボディまたは組成物をコードするポリヌクレオチド。
【請求項23】
請求項22に記載のポリヌクレオチドと、前記ポリヌクレオチドの発現を管理するためのシス作用調節エレメントとを含む、核酸構築物。
【請求項24】
請求項1~21のいずれか一項に記載のナノボディまたは組成物、あるいはそれをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物を含む、宿主細胞。
【請求項25】
昆虫防除ナノボディの製造方法であって、請求項22に記載のポリヌクレオチドまたは請求項23に記載の核酸構築物を宿主細胞内で発現させることを含む、方法。
【請求項26】
前記ナノボディの単離を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
昆虫に、請求項1~21のいずれか一項に記載のナノボディまたは組成物、それをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物、あるいはそれを発現する宿主細胞を接触させる、昆虫防除の方法。
【請求項28】
前記接触が、前記ナノボディまたは組成物を昆虫に直接付与することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記接触が、前記昆虫が接触し得る生物または表面に前記ナノボディまたは組成物を付与することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ナノボディまたは前記組成物が液状製剤として処方されている、請求項1~29のいずれか一項に記載のナノボディ、組成物または方法。
【請求項31】
前記ナノボディまたは前記組成物が乾燥製剤として処方されている、請求項1~29のいずれか一項に記載のナノボディ、組成物または方法。
【請求項32】
請求項1~21のいずれか一項に記載のナノボディまたは組成物、あるいはそれをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物を含む、植物。
【請求項33】
トランスジェニック植物である、請求項32に記載の植物。
【請求項34】
請求項1~21のいずれか一項に記載のナノボディまたは組成物を含む、産業製品。
【請求項35】
前記産業製品が、請求項32~33のいずれか一項に記載の植物から製造されたものである、請求項34に記載の産業製品。
【請求項36】
ナノボディの製造方法であって、下記:
(i) キチンシンターゼ、
(ii) キチン脱アセチル化酵素、
(iii) トレハラーゼ、
(iv) チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v) NPC1ステロール輸送体、
(vi) キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチド、および
(vii) V-ATPアーゼ・サブユニットc
からなる群より選ばれる組み換えまたは精製昆虫ポリペプチドでラクダ類を免役することを含み、昆虫ポリペプチド調製物中の前記昆虫ポリペプチドの純度が少なくとも80%である、方法。
【請求項37】
免疫に続く抗体の単離を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ラクダ類がラマである、請求項36~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記昆虫が、蛾、カメムシ、バッタ、甲虫、アブラムシ、およびミツバチからなる群より選ばれる、請求項1~38のいずれか一項に記載のナノボディ、組成物、ポリヌクレオチド、核酸構築物、宿主細胞、植物、製品または方法。
【請求項40】
前記昆虫が蛾である、請求項1~38のいずれか一項に記載のナノボディ、組成物、ポリヌクレオチド、核酸構築物、宿主細胞、植物、製品または方法。
【請求項41】
前記蛾が、Helicoverpa armigeraおよびSpodoptera frugiperdaからなる群より選ばれる、請求項39または40に記載のナノボディ、組成物、ポリヌクレオチド、核酸構築物、宿主細胞、植物、製品または方法。
【請求項42】
前記蛾がHelicoverpa armigeraである、請求項39または40に記載のナノボディ、組成物、ポリヌクレオチド、核酸構築物、宿主細胞、植物、製品または方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2019年11月11日に出願した米国特許出願第62/933,533号の優先権を主張するものであり、本参照をもってその内容の全てをここに援用する。
【0002】
配列表に関する陳述
2020年11月9日に作成した、83672_ST25.txtとした387,592ビットのASCIIファイルを本出願と同時に提出し、本参照をもってここに援用する。
【0003】
技術分野
本発明は、そのいくつかの実施形態において、昆虫防除ナノボディおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0004】
過去70年間の害虫の防除は、主として合成殺虫剤の適応により達成されてきた。1939年にポール・ミューラーによりDDTの殺昆虫性能が発見されて以来、数百もの殺昆虫化合物が開発され、それらは殺虫剤使用の比較的安定な増加を伴っていた。近年使用されている化学殺虫剤の大部分が生態系破壊の高い可能性を秘めており、直接または食物連鎖を通じてヒトに対して毒性であり、その使用は遺伝的昆虫耐性の発達によっても妨げられている。現在使用されている最も卓越した生物学的解決手段には、昆虫による被害を減少させる有益生物または天敵、おとりと機能するか生殖に有害なフェロモン、不妊のオスの放出、Bacillus thuringiensis毒素の散布、あるいは昆虫には毒性であるがヒトには無毒のBacillus thuringiensis毒素の遺伝子を保有する遺伝子修飾植物が含まれる。しかし、これらの生物学的解決手段は、低効率、天然の生態系の均衡を乱す危険性、および遺伝的昆虫耐性の発生(例:バチルス毒素の使用の場合)を含む不利な点もある。
【0005】
VHH抗体としても知られるナノボディは、抗体(HCAb)の重鎖を有し、完全に軽鎖を損失した単一ドメイン抗体である。これらは、ラクダの血液から発見され、1989年にブリュッセル自由大学(Vrije Universiteit Brussel)においてレイモンド・ハマーズ(Raymond Hamers)が発見者として認められている。ナノボディは現存する最も小さなインタクトな抗原結合断片であり(Cortez-Retamozo et al., 2004、Revets et al., 2005)、そのサイズは約15kDaである。ナノボディには、広範囲にわたる発現系における高生産収率、これらが最小サイズ故に可能となるそれらのエピトープへの高アクセシビリティ、高い物理的および化学的安定性、可逆的なリフォールディングと水溶液に対する高い溶解性、突発的二量体化の兆候の無い高い均一性、およびサブナノモルレベルの親和性を有する独自のエピトープを特異的に認識する能力を含む有意な利点がある。ナノボディの殺虫剤としての使用は既に示唆されている(例えば、欧州特許出願公開第3415010号および第2609116号明細書、米国特許第9516879号明細書、米国特許第9803003号、国際公開第2014191146号参照)。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディであって、前記昆虫ポリペプチドが、下記:
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但しナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、または配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体
からなる群より選ばれ、ナノボディの昆虫ポリペプチドへの結合が、ナノボディに昆虫防除活性を付与する、ナノボディが提供される。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディと、昆虫防除活性を有する毒素部分とを含み、昆虫ポリペプチドは、下記:
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但し前記ナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、配列番号180~182、配列番号187~189、または配列番号191~193で表される相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体
からなる群より選ばれる、組成物が提供される。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディの昆虫ポリペプチドへの結合は、ナノボディに昆虫防除活性を付与する。本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは昆虫ポリペプチドの活性を下方制御する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディまたは組成物は、散布、灌水および/または燻蒸による送達用に処方されている。本発明のいくつかの実施形態によると、CBDは2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によると、CBDは配列番号3~7より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディはCBDに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、または配列番号15と28~29で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、CBDに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、配列番号15と28~29、配列番号31~33、配列番号35~37、配列番号39~41、配列番号43~45、配列番号47~49、配列番号51~53、配列番号55~57、配列番号59~61、配列番号63~65、配列番号67~69、配列番号71~73、配列番号75~77、配列番号79~81、配列番号83~85、配列番号87~89、配列番号91、80と93、配列番号95~97、配列番号99~101、配列番号103~105、配列番号107~109、配列番号111~113、配列番号115~117、配列番号119~121、配列番号123~125、配列番号127~129、配列番号131~133、配列番号135~137、配列番号139~141、配列番号143~145、配列番号147~149、配列番号151~153、配列番号15と156~157、配列番号159~161、または配列番号163~165で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、V-ATPアーゼ・サブユニットcに特異的に結合し、且つ前記ナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、または配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、配列番号258~260、配列番号588~590、配列番号5889~589と592、または配列番号595、589と592で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、または配列番号258~260で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号223~225、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号588~590、または配列番号595、58と592で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号262~263と266、配列番号262、270と264、配列番号274~276、配列番号280と275~276、配列番号282と275~276、配列番号282、275と285、配列番号287、220と289、配列番号291、220と289、配列番号239~294と289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、配列番号308~310、配列番号312~314、または配列番号316~318で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号287、220と289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、または配列番号312~314で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号327、321と328、配列番号320~321と332、配列番号208と336~337、配列番号320、324と339、配列番号343~345、配列番号347~349、配列番号351~353、配列番号351、347と356、配列番号358~360、配列番号358~359と362、配列番号365、359と366、配列番号368~370、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号381~383、配列番号385と382~383、配列番号387~389、配列番号387、391と389、配列番号394~396、配列番号398~400、配列番号402~404、または配列番号406~408で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号387~389、または配列番号398~400で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号422~424、配列番号426~428、配列番号426~427と430、配列番号432~434、配列番号436、140と437、配列番号439~441、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号356と451~452、配列番号454~456、配列番号458~460、配列番号462~464、配列番号466~468、配列番号470~472、配列番号474~476、配列番号478~480、配列番号482、479と483、配列番号485~487、配列番号489~491、配列番号493~495、配列番号426と497~498、配列番号500~502、配列番号504~506、または配列番号508~510で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号426~428、配列番号432~434、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号466~468、配列番号482、479と483、配列番号426と497~498、または配列番号504~506で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号512~514、配列番号517と513~514、配列番号521~523、配列番号521~522と526、配列番号531~533、配列番号539~541、配列番号485と540~541、配列番号545と540~451、配列番号547~549、配列番号552~554、配列番号556~558、配列番号561~563、配列番号565~567、配列番号569~571、配列番号573~575、配列番号485と577~578、配列番号580~582、または配列番号584~586で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上でNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号517と513~514、配列番号485と540~541、配列番号545と540~541、配列番号556~558、配列番号565~567、配列番号573~575、配列番号485と577~578、または配列番号580~582で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、ナノボディまたは組成物をコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、ポリヌクレオチドと、当該ポリヌクレオチドの発現を管理するためのシス作用調節エレメントとを含む、核酸構築物が提供される。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、ナノボディまたは組成物、あるいはそれをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物を含む、宿主細胞が提供される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、昆虫防除ナノボディの製造方法であって、ポリヌクレオチドまたは核酸構築物を宿主細胞内で発現させることを含む、方法が提供される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によると、方法はナノボディの単離を含む。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、昆虫に、ナノボディまたは組成物、それをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物、あるいはそれを発現する宿主細胞を接触させる、昆虫防除の方法が提供される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によると、接触は、ナノボディまたは組成物を昆虫に直接付与することを含む。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によると、接触は、昆虫が接触し得る生物または表面にナノボディまたは組成物を付与することを含む。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディまたは組成物は液状製剤として処方されている。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によると、ナノボディまたは組成物は、乾燥製剤として処方されている。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、ナノボディまたは組成物、あるいはそれをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物を含む、植物が提供される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によると、植物はトランスジェニック植物である。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、ナノボディまたは組成物を含む、産業製品が提供される。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によると、産業製品は植物から製造されたものである。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によると、ナノボディの製造方法であって、下記:
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチド、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットc、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体
からなる群より選ばれる組み換えまたは精製昆虫ポリペプチドでラクダ類を免役することを含み、昆虫ポリペプチド調製物中の前記昆虫ポリペプチドの純度が少なくとも80%である、方法が提供される。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によると、方法は、免疫に続く抗体の単離を含む。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によると、ラクダ類はラマである。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によると、昆虫は、蛾、カメムシ、バッタ、甲虫、アブラムシ、およびミツバチからなる群より選ばれる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によると、昆虫は蛾である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によると、蛾は、Helicoverpa armigeraおよびSpodoptera frugiperdaからなる群より選ばれる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によると、蛾はHelicoverpa armigeraである。
【0046】
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは等価な方法および材料を、本発明の実施形態の実践または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を下記に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、必ずしも限定を意図するものではない。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態について、その例示のみを目的として添付の図面を参照して本明細書に記載する。
以下、特に図面を詳細に参照して示す細部は、例示を目的とし、また本発明の実施形態の詳細な説明を目的とすることを強調する。同様に、図面と共に説明を見ることで、本発明の実施形態をどのように実践し得るかが当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1は、ELISAで決定した、本明細書においてCB20501、CB20801、CB20901、およびCB201101と称する、作製した抗CBDナノボディの標的CBD抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図2】
図2は、ELISAで決定した、H. armigeraの幼虫から回収した幼虫消化管液と1時間インキュベーションした後の、作製した抗CBDナノボディCB20501、CB20801、CB20901、およびCB201101の安定性を、対照であるPBSと比較したグラフである。各実験を3回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図3】
図3は、ELISAで決定した、野外様の環境下で1~3時間インキュベーションした後の、作製した抗CBDナノボディCB20501、CB20801、CB20901およびCB201101の安定性を、対照である室温(RT)条件と比較したグラフである。各処理は5回の繰り返しを含み、データを平均±SEで示した。
【
図4-1】
図4の(A)~(C)は、示したナノボディの40μgの単一量による給餌後の、H. armigeraの体長(
図4の(A))、体重(
図4の(B))および死亡率(
図4の(C))に対する抗CBDナノボディCB20501、CB20801、CB20901、およびCB20110の効果を示す。測定は7日目に行い、死亡率については7日目と14日目に行った。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3~5回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。ここに示されているのは、PBSを給餌した幼虫対照の体長に対する、指定したナノボディを給餌した幼虫の体長のパーセンテージ(
図4の(A))、PBSを給餌した幼虫対照の体重に対する、指定したナノボディを給餌した幼虫の体重のパーセンテージ(
図4の(B))、ならびに7日および14日後の死滅幼虫のパーセンテージ(
図4の(C))である。統計的有意差はa(P<0.05)およびb(P<0.01)で表されている。
【
図5-1】
図5の(A)~(C)は、蛍光的にCy3標識したCB20901を含有する人工飼料と共にインキュベーションした後の昆虫消化管中の作製した抗CBDナノボディCB20901の存在を示す。
図5の(A)は、幼虫との48時間および6日間のインキュベーション後に、幼虫の飼料から追跡した蛍光標識ナノボディを示す。上のパネルは、明視野の画像を示し、下のパネルは幼虫に給餌した飼料のCy3シグナルを反映した画像を示す。さらに黄色の破線は2つの異なる領域、即ち、破線の右側はインタクトな飼料のシグナルを示し、破線の左側は幼虫の糞のシグナルを示す。飼料と糞との間の蛍光強度の差が、幼虫の消化管による取り込みを表す。
図5の(B)は、表示したCy3標識ナノボディを含む飼料との48時間のインキュベーション、あるいはCy3標識ナノボディを含む飼料との36時間のインキュベーションと、続くナノボディを含まない飼料との12時間のインキュベーションの後の、生きた幼虫の消化管におけるCy5標識CB20901ナノボディの存在を示す。
【
図5-2】
図5の(C)は、ナノボディを含まない飼料を48時間与えたときと比較した、表示したCy3標識ナノボディを含む飼料との36時間のインキュベーションと、続くナノボディを含まない飼料との12時間のインキュベーションの後の、幼虫の消化管、特に囲食膜におけるCy5標識CB20901ナノボディの存在を示す。上のパネルは、明視野の画像を示し、下のパネルは幼虫に給餌した飼料のCy3シグナルを反映した画像を示す。
【
図6】
図6は、ELISAで決定した、本明細書においてVAT0101A、VAT0101B、VAT0101C、VAT0101D、VAT0101E、VAT0101F、およびVAT0101Gと称する、作製した抗ATPアーゼV・サブユニットc(本明細書において「VAT」と称する)ナノボディの標的VAT抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図7】
図7は、ELISAで決定した、H. armigeraの幼虫から回収した幼虫消化管液と1時間インキュベーションした後の、作製した抗VATナノボディVAT0101AおよびVAT0101Gの安定性を、対照であるPBSと比較したグラフである。各実験を3回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図8】
図8は、ELISAで決定した、野外様の環境下で1~3時間インキュベーションした後の、作製した抗VATナノボディVAT0101A、VAT0101B、VAT0101C、VAT0101D、VAT0101E、VAT0101F、およびVAT0101Gの安定性を、対照である室温(RT)条件と比較したグラフである。各処理は3回の繰り返しを含み、データを平均±SEで示した。
【
図9-1】
図9の(A)~(C)は、示したナノボディの40μgの単一量による給餌後の、H. armigeraの体長(
図9の(A))、体重(
図9の(B))および死亡率(
図9の(C))に対する抗VATナノボディVAT0101A、VAT0101B、VAT0101C、VAT0101D、VAT0101E、VAT0101F、VAT0101G、およびVAT0201の効果を示す。測定は表示したように7日目または14日目に行った。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3~5回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。ここに示されているのは、PBSを給餌した幼虫対照の体長に対する、指定したナノボディを給餌した幼虫の体長のパーセンテージ(
図9の(A))、PBSを給餌した幼虫対照の体重に対する、指定したナノボディを給餌した幼虫の体重のパーセンテージ(
図9の(B))、ならびに7日および14日後の死滅幼虫のパーセンテージ(
図9の(C))である。統計的有意差はa(P<0.05)およびb(P<0.01)で表されている。
【
図10】
図10は、ELISAで決定した、本明細書においてTRH1A、TRH12、TRH13、およびTRH14と称する、作製した抗トレハラーゼ(本明細書において「TRH」と称する)ナノボディの標的TRH抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図11-1】
図11の(A)~(B)は、ELISAで決定した、野外様の環境下で6時間または一晩インキュベーションした後(
図11の(A))、および50℃で6時間または一晩インキュベーションした後(
図11の(B))の、本明細書においてTRH1A、TRH1D、TRH3B、TRH5A、およびTRH5Cと称する、作製した抗TRHナノボディの安定性を、対照である室温(RT)条件と比較したグラフである。各処理は3回の繰り返しを含み、データを平均±SEで示した。
【
図12A】
図12Aは、示したナノボディを最終濃度0.4mg/mlで含有する人工飼料を0日目および7日目に給餌した際の、抗TRHナノボディTRH1A、TRH1D、TRH3B、TRH5A、TRH5B、TRH5CおよびTRH8のH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。測定は、7日目および14日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。統計的有意差はa(P<0.05)で表されている。
【
図12B】
図12Bは、0.4または1mg/mlの濃度のナノボディを円盤状の綿葉と共に0日目に給餌した際の、抗TRH3BナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。幼虫は、4日目および7日目に同様の濃度の示したナノボディで処理した新鮮な円盤状の綿葉に移した。死亡率の測定を、4日目、7日目、および10日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、2回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。
【
図13】
図13は、ELISAで決定した、本明細書においてP45001A、P45003A、P45004、P45005、およびP45006と称する、作製した抗チトクロームp450モノオキシゲナーゼ(本明細書において「P450」と称する)ナノボディの標的P450抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図14】
図14は、示したナノボディを最終濃度0.4mg/mlで含有する人工飼料を0日目および7日目に給餌した際の、本明細書においてP45008と称する、作製した抗P450ナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。測定は、7日目および14日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。
【
図15】
図15は、ELISAで決定した、本明細書においてCDA01A、CDA05、CDA07A、およびCDA10と称する、作製した抗キチン脱アセチル化酵素(本明細書において「CDA」と称する)ナノボディの標的CDA抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図16】
図16の(A)~(B)は、ELISAで決定した、野外様の環境下で6時間または一晩インキュベーションした後(
図16の(A))、および50℃で6時間または一晩インキュベーションした後(
図16の(B))の、作製したCDA7Aナノボディの安定性を、対照である室温(RT)条件と比較したグラフである。各処理は3回の繰り返しを含み、データを平均±SEで示した。
【
図17A】
図17Aは、示したナノボディを最終濃度0.4mg/mlで含有する人工飼料を0日目および7日目に給餌した際の、本明細書においてCDA1B、CDA4B、CDA4C、およびCDA7Aと称する、抗CDAナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。測定は、7日目および14日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。統計的有意差はa(P<0.05)で表されている。
【
図17B】
図17Bは、増加する濃度(示したように、0.2、0.4、1、2、または4mg/ml)のナノボディを円盤状の綿葉と共に0日目に給餌した際の、CDA7AナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。幼虫は、4日目および7日目に同様の濃度の示したナノボディで処理した新鮮な円盤状の綿葉に移した。死亡率の測定を、4日目、7日目、および10日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、2回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。
【
図18】
図18は、ELISAで決定した、本明細書においてCHS01A、CHS02A、CHS08、CHS13、CHS18、CHS22、およびCHS24と称する、作製した抗キチンシンターゼ(本明細書において「CHS」と称する)ナノボディの標的CHS抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図19-1】
図19の(A)~(B)は、ELISAで決定した、野外様の環境下で6時間または一晩インキュベーションした後(
図19の(A))、および50℃で6時間または一晩インキュベーションした後(
図19の(B))の、本明細書においてCHS3Aと称する、作製した抗CHSナノボディの安定性を、対照である室温(RT)条件と比較したグラフである。各処理は3回の繰り返しを含み、データを平均±SEで示した。
【
図20A】
図20Aは、示したナノボディを最終濃度0.4mg/mlで含有する人工飼料を0日目および7日目に給餌した際の、本明細書においてCHS3A、CHS4、およびCHS7と称する、抗CHSナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。測定は、7日目および14日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。統計的有意差はa(P<0.05)で表されている。
【
図20B】
図20Bは、増加する濃度(示したように、0.2、0.4、1、2、または4mg/ml)のナノボディを円盤状の綿葉と共に0日目に給餌した際の、CHS3AナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。幼虫は、4日目および7日目に同様の濃度の示したナノボディで処理した新鮮な円盤状の綿葉に移した。死亡率の測定を、4日目、7日目、および10日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。統計的有意差はa(P<0.05)で表されている。
【
図21】
図21は、ELISAで決定した、本明細書においてNPC01C01、NPC04C01、NPC04D01、NPC07A01、NPC0901、NPC01101、およびNPC01201と称する、作製した抗NPC1ステロール輸送体(本明細書において「NPC」と称する)ナノボディの標的NPC抗原に対する特異的結合を示すグラフである。各実験を5回実施し、データを平均±SEで示した。
【
図22】
図22は、示したナノボディを最終濃度0.4mg/mlで含有する人工飼料を0日目および7日目に給餌した際の、本明細書においてNPC4CおよびNPC4Dと称する、抗NPCナノボディのH. armigeraの死亡率に対する効果を示す。測定は、7日目および14日目に示したように実施した。各実験には12匹の幼虫が含まれ、3回繰り返され、エラーバーは標準誤差を示す。
【0049】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、昆虫防除ナノボディおよびその使用に関する。
【0050】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、必ずしもその用途が、以下の記載に示す、および/または図面および/または実施例で例示する、構成の詳細および要素の配置および/または方法に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、また、さまざまな手段で実施または実行することが可能である。
【0051】
過去70年間の害虫の防除は、主として合成殺虫剤の適応により達成されており、その大部分が生態系破壊の高い可能性を秘めており、直接または食物連鎖を通じてヒトに対して毒性であり、その使用は遺伝的昆虫耐性の発達によっても妨げられている。現在使用されている最も卓越した生物学的解決手段にも、低効率、天然の生態系の均衡を乱す危険性、および遺伝的昆虫耐性の発生を含む不利な点もある。
【0052】
本発明を実施するに当たり、本発明者らは、昆虫防除活性を有するいくつかの昆虫ポリペプチドを標的とするナノボディをここで開発した。その結果、本願の教示の特定の実施形態はそれらの殺虫剤としての使用を示唆する。
【0053】
よって、本発明の第一の実施態様によると、昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディであって、前記昆虫ポリペプチドが、下記:
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但し前記ナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、または配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体
からなる群より選ばれ、ナノボディの前記昆虫ポリペプチドへの結合が、ナノボディに昆虫防除活性を付与する、ナノボディが提供される。
【0054】
さらなるまたは代わりの実施態様によると、昆虫ポリペプチドに特異的に結合するナノボディと、昆虫防除活性を有する毒素部分とを含み、昆虫ポリペプチドは、下記:
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但し前記ナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、配列番号180~182、配列番号187~189、または配列番号191~193で表される相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体
からなる群より選ばれる、組成物が提供される。
【0055】
本願において使用する「ナノボディ」という用語は、単一ドメイン抗原結合断片を意味する。
【0056】
特定の実施形態によると、ナノボディは、天然に発生した抗体の重鎖から誘導された単一可変ドメインである。ナノボディは、通常、ラクダ類に見られる、(軽鎖を欠損した)重鎖のみの抗体から誘導され(Hamers-Casterman et al., 1993, Nature 363: 446-448、Desmyter et al., 1996, Nat. Struct. Biol. 803-811)、その結果、多くの場合、VHH抗体またはVHH配列と称される。ラクダ類には旧世界ラクダ類(Camelus bactrianusおよびCamelus dromedarius)並びに新世界ラクダ類(例えば、Lama paccos、Lama glama、Lama guanicoeおよびLama vicugna)がある。ラクダ類の非限定的な例としては、ヒトコブラクダ、フタコブラクダ、野性フタコブラクダ、ラマ、アルパカ、ビキューナ、およびグアナコが挙げられる。特定の実施形態によると、ラクダ類はラマである。
【0057】
NANOBODY(登録商標)およびNANOBODIES(登録商標)はAblynx NV(ベルギー国)の登録商標である。
【0058】
VHHまたはナノボディのさらなる説明については、教科書である“Single Domain Antibodies,” Methods in Molecular Biology, Eds. Saerens and Muyldermans, 2012, Vol. 911、特にVinckeとMuyldermansによる章(2012)や、一般的な背景技術として列挙する非限定的な以下の特許文献:ブリュッセル自由大学の国際公開第94/04678号、第95/04079号、および第96/34103号、ユニリーバ-社の国際公開第94/25591号、第99/37681号、第00/40968号、第00/43507号、第00/65057号、第01/40310号、第01/44301号、欧州特許第1134231号明細書、および国際公開第02/48193号、フラマン・バイオテクノロジー研究所(Vlaams Instituut voor Biotechnologie)(VIB)の国際公開第97/49805号、第01/21817号、第03/035694号、第03/054016号、および第03/055527号、Ablynx NVの国際公開第04/041867号、第04/041862号、第04/041865号、第04/041863号、第04/062551号、第05/044858号、第06/40153号、第06/079372号、第06/122786号、第06/122787号、および第06/122825号や、Ablynx N.V.の公開済みの他の特許出願に参照する。当業者には明らかなように、ナノボディは、特に1以上の(Kabatの番号付による)フレームワーク配列中にラクダ類の「ホールマーク残基」が存在することによって特徴づけられる。これは、例えば、国際公開第08/020079号、75頁、表A-3に記載されており、参照によって本明細書に援用する。
【0059】
特定の実施形態によると、ナノボディは、インタクトな分子(即ち、4つのフレームワーク領域と3つの相補性決定領域を含む)、またはインタクトな分子が結合する抗原のエピトープに結合可能なその機能的断片を意味する。
【0060】
本願において使用する「エピトープ」という用語は、ナノボディのパラトープが結合する抗原の任意の抗原決定基を意味する。エピトープ性決定基は、通常、アミノ酸または炭水化物側鎖などの化学的に活性な表面基からなり、特異的な三次元構造特性と共に特異的な電荷特性を通常は有す。
【0061】
特定の実施形態によると、ナノボディは完全またはインタクトなナノボディである。
【0062】
特定の実施形態によると、ナノボディはナノボディ断片である。
【0063】
特定の実施形態によると、ナノボディのサイズは、5~30kDa、10~30kDaまたは10~20kDaである。
【0064】
特定の実施形態によると、ナノボディのサイズは約15kDaである。
【0065】
「ナノボディ」という用語は、ナノボディの天然または合成の類似体、相似体、変異体およびバリアントも包含する。
【0066】
通常、インタクトなナノボディは、3つの相補性決定領域(CDR)(CDR1、CDR2、およびCDR3)を含む。
【0067】
本願において使用する「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、重鎖ポリペプチドの可変領域内に見いだされる抗原結合領域を表すために代替的に使用される。特定のナノボディ内のCDRを形成するアミノ酸残基の特徴は、当業界で公知の方法によって決定することができ、そのような方法としては、Riechmann and Muyldermans (1999)の論文でラクダ類のVHHドメインに適応した、Kabat et al.(例えば、Kabat et al., 1992, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, NIH, Washington D.C.を参照)によって定義された配列多様性、Chothia et al.(例えば、Chothia et al., Nature 342:877-883, 1989を参照)によって定義された構造ループの位置、Oxford Molecular社のAbM抗体モデリングソフトウエアを用いたKabatとChothiaとの折衷法(現在はAccelrys(登録商標)、Martin et al., 1989, Proc. Natl Acad Sci USA. 86:9268、およびワールドワイド・ウェブ・サイトwww(dot)bioinf-org(dot)uk/absを参照)、接触定義によって定義された入手可能な複合結晶構造(MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262:732-745, 1996を参照)、および「立体配座の定義」(例えば、Makabe et al., Journal of Biological Chemistry, 283:1156-1166, 2008を参照)が挙げられる。
【0068】
本願において使用する「CDR」は、当業界で公知の手段(複数の手段の組み合わせも含む)によって定義されたCDRを意味し得る。
【0069】
特定の実施形態によると、CDRは、Riechmann and Muyldermans (1999)の論文でラクダ類のVHHドメインに適応したKabat et al.の定義と同じである。
【0070】
ナノボディは単一特異性(1種のエピトープまたはタンパク質を認識可能)、二特異性(2種のエピトープまたはタンパク質を結合可能)、または多特異性(複数種のエピトープまたはタンパク質を認識可能)であり得る。
【0071】
特定の実施形態によると、ナノボディは単一特異性ナノボディである。
【0072】
特定の実施形態によると、ナノボディは多特異性(例えば、二特異性、三特異性、四特異性)である。
【0073】
特定の実施形態によると、ナノボディは二特異性ナノボディである。二特異性ナノボディの作製方法は当業界で公知であり、例えば、Deffar K, Shi H, Li L, Wang X, Zhu X (2009) Afr J Biotechnol 8(12):2645-2652、およびZhu, Y. et al. (2017). Scientific reports, 7(1), 2602に開示されており、これらの内容は本参照をもってここに全体を援用する。
【0074】
本願で開示するナノボディは、本願に記載した昆虫ポリペプチドに特異的に結合する。
【0075】
好ましくは、ナノボディは、本願に記載した昆虫ポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する。
【0076】
結合を試験する方法は当業界で公知であり、ELISA、ラジオイムノアッセイ(RIA)、フローサイトメトリー、BiaCore、バイオレイヤ・インターフェロメトリーBlitz(登録商標)アッセイ、HPLCが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
特定の実施形態によると、ナノボディは昆虫ポリペプチドにKdが≦10-6M、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9Mで結合し、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0078】
特定の実施形態によると、ナノボディは、野外または制御された条件、例えば、温室内で、昆虫ポリペプチドに結合することができる。
【0079】
本願で使用する「昆虫」という用語は、広く一般的な意味で使用されており、汎節足動物上門(分類法はSystema Naturae, Brands, S.J. (comp.) 1989-2005. Systema Naturae 2000. オランダ国、アムステルダム、[www(dot)sn2000(dot)taxonomy(dot)nl/])に属する全ての種を含み、節足動物門、緩歩動物門、および有爪動物門を含み、卵、幼虫、若虫、蛹、および成虫に限定されない生活環の種々の段階の全てを含む。特定の実施形態によると、昆虫は節足動物門に属し(古顎目、シミ目、旧翅目、および新翅目、さらにはマダニ、ダニ、および蜘蛛を含むが、これらに限定されない)、六脚上綱に属するものがより好ましく、昆虫綱に属するものが最も好ましい。特定の実施形態によると、昆虫はチョウ目に属する。昆虫の非限定的な例としては、トコジラミ、イエバエ、蛾、甲虫、バッタ、毛虫、アブラムシ、蚊、蚤、ウシアブ、スズメバチ、ゴキブリ、および蟻が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、以下も挙げられる。
【0080】
・チョウ目としては、例えば、Acleris spp.、Adoxophyes spp.、Agrotis spp.、Alabama argillacea、Amyelois spp.、Anticarsia gemmatalis、Archips spp.、Argyrotaenia spp.、Autographa spp.、Busseola fusca、Cadra cautella、Carposina nipponensis、Chilo suppressalis、Chilo spp.、Choristoneura conflictana、Choristoneura fumiferana、Choristoneura occidentalis、Choristoneura rosaceana、Choristoneura spp.、Clysia ambiguella、Cnaphalocrocis spp.、Cnephasia spp.、Cochylis spp.、Coleophora spp.、Crocidolomia binotalis、Cryptophlebia leucotreta、Cydalima perspectalis、Cydia inopinata、Cydia spp.、Diatraea spp.、Diparopsis castanea、Earias spp.、Ephestia spp.、Eucosma spp.、Eupoecilia ambiguella、Euproctis spp.、Euxoa spp.、Grapholita prunivora、Grapholita spp.、Hedya nubiferanal、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Helicoverpa spp.、Heliothis spp.、Hellula undalis、Hyphantria cunea、Keiferia lycopersicella、Leucoptera scitella、Lithocolletis spp.、Lobesia botrana、Lymantria spp.、Lyonetia spp.、Malacosoma spp.、Mamestra brassicae、Manduca sexta、Numonia pyrivorella、Operophtera spp.、Opogona sacchari、Ostrinia nubilalis、Pammene spp.、Pandemis spp.、Panolis flammea、Paysandisia archon、Pectinophora gossypiella、Phthorimaea operculella、Phyllonorycter spp.、Pieris rapae、Pieris spp.、Platynota rostrana、Plutella xylostella、Prays spp.、Scirpophaga spp.、Sesamia spp.、Sesia spp.、Sparganothis spp.、Spodoptera dolichos、Spodoptera eridania、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Spodoptera litura、Spodoptera spp.、Synanthedon spp.、Tecia solanivora、Thaumatotibia leucotreta、Thaumetopoea processionea、Thaumetopoea spp.、Tortrix spp.、Trichoplusia ni、およびYponomeuta spp.が挙げられる。
【0081】
・鞘翅目としては、例えば、Agrilus anxius、Agrilus planipennis、Agriotes spp.、Anomala orientalis、Anoplophora chinensis、Anoplophora glabripennis、Anoplophora spp.、Anthonomus bisignifer、Anthonomus eugenii、Anthonomus grandis、Anthonomus quadrigibbus、Anthonomus signatus、Anthonomus spp.、Apriona spp.、Arrhenodes minutus、Atomaria linearis、Chaetocnema tibialis、Conotrachelus nenuphar、Cosmopolites spp.、Curculio spp.、Dendroctonus micans、Dendrolimus sibiricus、Dermestes spp.、Diabrotica virgifera、Diabrotica virgifera zeae、Diabrotica virgifera、Diabrotica balteata、Diabrotica barberi、Diabrotica undecimpunctata howardi、Diabrotica undecimpunctata tenella、Diabrotica undecimpunctata、Diabrotica undecimpunctata、Diabrotica spp.、Epilachna varivestis、Epilachna spp.、Epitrix cucumeris、Eremnus cerealis、Eremnus spp.、Gonipterus scutellatus、Ips amitinus、Ips cembrae、Ips duplicatus、Ips sexdentatus、Ips typographus、Ips spp.、Leptinotarsa decemlineata、Leptinotarsa juncta、Leptinotarsa texana、Lissorhoptrus spp.、Listronotus bonariensis、Melolontha spp.、Monochamus spp.、Naupactus leucoloma、Oryzaephilus spp.、Otiorhynchus spp.、Phlyctinus spp.、Pissodes nemorensis、Pissodes strobi、Pissodes terminalis、Pissodes spp.、Popilia japonica、Popilia spp.、Premnotrypes spp.、Pseudopityophthorus minutissimus、Pseudopityophthorus pruinosus、Psylliodes spp.、Rhizopertha spp.、Rhynchophorus ferrugineus、Rhynchophorus palmarum、コガネムシ科の種、キクイムシ科の種、Sitophilus spp.、Sitotroga spp.、Sternochetus mangiferae、Tenebrio spp.、Tribolium castaneum、Tribolium spp.、およびTrogoderma spp.が挙げられる。
【0082】
・直翅目としては、例えば、 Gryllotalpa spp.、Locusta spp.、およびSchistocerca spp.が挙げられる。
【0083】
・ゴキブリ目としては、例えば、Blatta spp.、Blattella spp.、Periplaneta spp.、およびLeucophaea maderaeが挙げられる。
【0084】
・等翅目としては、例えば、Coptotermes spp.およびReticulitermes spp.が挙げられる。
【0085】
・チャタテムシ目としては、例えば、Liposcelis spp.が挙げられる。
【0086】
・シラミ目シラミ亜目としては、例えば、Haematopinus spp.、Linognathus spp.、およびPediculus spp.、およびTrichodectes spp.が挙げられる。
【0087】
・シラミ目ホソツノハジラミ亜目としては、例えば、Damalinia spp.が挙げられる。
【0088】
・アザミウマ目としては、例えば、Frankliniella occidentalis、Frankliniella platensis、Frankliniella spp.、Hercinothrips spp.、Taeniothrips spp.、Thrips palmi、Thrips tabaci、Scirtothrips aurantii、Scirtothrips citri、Scirtothrips dorsalis、およびScirtothrips spp.が挙げられる。
【0089】
・半翅目カメムシ亜目としては、例えば、Cimex spp.、Distantiella theobroma、Dysdercus spp.、Euschistus spp.、Eurygaster spp.、Leptocorisa spp.、Nezara spp.、Piesma spp.、Rhodnius spp.、Sahlbergella singularis、Scotinophara spp.、Triatoma spp.、メクラカメムシ科の種(Lygus hesperusおよびLygus lineoloris等)、ナガカメムシ科の種(Blissus leucopterus等)、およびカメムシ科が挙げられる。
【0090】
・半翅目腹吻亜目としては、例えば、Aleurocanthus spiniferus、Aleurocanthus woglumi、Aleurocanthus spp.、Aleurothrixus floccosus、Aleyrodes brassicae、Aonidella citrina、Aonidiella spp.、アブラムシ科の種、 Acyrthosiphon spp.、Aphis fabae、Aphis glycines、Aphis gossypii、Aphis spp.、Aspidiotus spp.、Bemisia tabaci、Ceroplastes spp.、Chrysomphalus aonidium、Chrysomphalus dictyospermi、Coccus hesperidum、Daktulosphaira vitifoliae、Diaphorina citri、Eriosoma larigerum、Gascardia spp.、Lacanium corni、Lepidosaphes spp.、Lopholeucaspis japonica、Macrosiphus spp.、Margarodes prieskaensis、Margarodes vitis、Margarodes vredendalensis、Myzus persicae、Myzus spp.、Parasaissetia nigra、Pemphigus spp.、Phylloxera spp.、Planococcus spp.、Pseudaulacaspis spp.、Pseudococcus spp.、Psylla spp.、Pulvinaria aethiopica、Quadraspidiotus spp.、Rhopalosiphum spp.、Ripersiella hibisci、Saissetia spp.、Schizaphis spp.、Sitobion spp.、Toxoptera citricida、Trialeurodes vaporariorum、Trioza erytreae、およびUnaspis citriが挙げられる。
【0091】
・半翅目頚吻亜目としては、例えば、Circulifer haematoceps、Circulifer tenellus、Draeculacephala minerva、Empoasca spp.、Erythroneura spp.、Graphocephala atropunctata、Hishimonus phycitis、Myndus crudus、Laodelphax spp.、Nephotettix spp.、Nilaparvata spp.、Scaphoideus luteolus、Scaphoideus spp.、およびXyphon fulgidaが挙げられる。
【0092】
・膜翅目としては、例えば、Acromyrmex、Atta spp.、Cephus spp.、マツハバチ科の種(Diprion spp.およびGilpinia polytoma等)、Hoplocampa spp.、Lasius spp.、Monomorium pharaonis、Neodiprion spp.、アリ科の種(Solenopsis spp.およびVespa spp.等)が挙げられる。
【0093】
・双翅目としては、例えば、Aedes albopictus、Aedes cinereus、Aedes polynesiensis、Aedes spp.、Amauromyza maculosa、Anastrepha fraterculus、Anastrepha ludens、Anastrepha obliqua、Anastrepha suspensa、Anastrepha spp.、Anopheles gambiae、Anopheles spp.、Aschistonyx eppoi、Atherigona soccata、Bactrocera spp.、Bibio hortulanus、Calliphora erythrocephala、Cephalcia lariciphila、Ceratitis rosa、Ceratitis spp.、Chrysomyia spp.、Culex spp.、Cuterebra spp.、Dacus spp.、Drosophila melanogaster、Dryocosmus kuriphilus、Euphranta canadensis、Euphranta japonica、Fannia spp.、Gastrophilus spp.、Gilpinia hercyniae、Glossina spp.、Hypoderma spp.、Hippobosca spp.、Liriomyza bryoniae、Liriomyza huidobrensis、Liriomyza sativae、Liriomyza trifolii、Liriomyza spp.、Lucilia spp.、Melanagromyza spp.、Musca spp.、Oestrus spp.、Orseolia spp.、Oscinella frit、Pardalaspis cyanescens、Pardalaspis quinaria、Pegomyia hyoscyami、Phorbia spp.、Rhagoletis pomonella、Rhagoletis spp.、Sciara spp.、Stomoxys spp.、Tabanus spp.、およびTipula spp. が挙げられる。
【0094】
・隠翅目としては、例えば、Ceratophyllus spp.およびXenopsylla cheopisが挙げられる。
【0095】
・シミ下綱シミ目としては、例えば、Lepisma saccharinaが挙げられる。
【0096】
特定の実施形態によると、昆虫は害虫とみなされる。本願において使用する「害虫」という用語は、農業的に有害な生物(アブラムシ、バッタ、芋虫、甲虫、蛾、カメムシ、アザミウマ、コナジラミ等)、家庭有害生物(ゴキブリ、蟻、スズメバチ、ハエ、イエコオロギ、トコジラミ、シバンムシの幼虫、ゴミムシダマシ、ハサミムシ、セイヨウシミ、シロアリ等)、吸血性害虫(蚊、蚤、シラミ等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の実施形態によると、昆虫は農業的に有害な生物である。
【0097】
特定の実施形態によると、昆虫は、蛾、カメムシ、バッタ、甲虫、アブラムシ、およびミツバチからなる群より選ばれる。
【0098】
特定の実施形態によると、昆虫は蛾である。
【0099】
特定の実施形態によると、昆虫は夜蛾である。
【0100】
蛾の非限定的な例には、Helicoverpa armigera、Cydia pomonellaおよびSpodoptera frugiperdaが含まれる。
【0101】
特定の実施形態によると、蛾はHelicoverpa armigeraおよび/またはSpodoptera frugiperdaである。
【0102】
特定の実施形態によると、蛾はHelicoverpa armigeraである。
【0103】
特定の実施形態によると、昆虫は、Helicoverpa armigera、Spodoptera frugiperda、Nezara viridula、Nilaraparvata lugens、Aphis gossypii、Cydia pomonella、食葉性甲虫(例えば、Leptinotarsa decemlineataまたはPhaedon cochleariae)およびミツバチからなる群より選ばれる。
【0104】
特定の実施形態によると、ナノボディは下記からなる群より選ばれる昆虫ポリペプチドに結合する。
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドであって、CBDに前記ナノボディが結合するもの、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットcであって、但し前記ナノボディが、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、配列番号180~182、配列番号187~189、または配列番号191~193で表される相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体。
【0105】
本願において使用する「特異的に結合する」という用語は、ナノボディが標的昆虫ポリペプチドに生理学的環境下、例えば、昆虫の体内の生理学的条件下で、当該環境に存在する他のポリペプチドよりも高い親和性をもって結合することを意味する。
【0106】
特定の実施形態によると、ナノボディは、非昆虫(例えば、植物、ヒト)ポリペプチドとの交差反応なしに、昆虫ポリペプチドに結合する。
【0107】
特定の実施形態によると、ナノボディは、昆虫ポリペプチド(i)~(vii)の1種に特異的に結合し、他の昆虫ポリペプチドとは交差反応しない。
【0108】
特定の実施形態によると、ナノボディは、昆虫ポリペプチド(i)~(vii)の少なくとも2種と、例えば、二特異性等の多特性によって、結合する。
【0109】
特定の実施形態によると、ナノボディは、昆虫ポリペプチド(i)~(vii)からなる群より選ばれる異なる昆虫ポリペプチドのそれぞれが結合する少なくとも2種のナノボディの組み合わせである。
【0110】
特定の実施形態によると、ナノボディまたはナノボディの組み合わせは、(i)+(ii)、(i)+(iii)、(i)+(iv)、(i)+(v)、(i)+(vi)、(i)+(vii)、(ii)+(iii)、(ii)+(iv)、(ii)+(v)、(ii)+(vi)、(ii)+(vii)、(iii)+(iv)、(iii)+(v)、(iii)+(vi)、(iii)+(vii)、(iv)+(v)、(iv)+(vi)、(iv)+(vii)、(v)+(vi)、(v)+(vii)、(vi)+(vii)を結合する。
【0111】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチドを結合し、当該ナノボディは当該CBDに結合する。
【0112】
本明細書において使用する「キチン結合ドメイン(CBD)」という用語は、昆虫キチン(大部分がN-アセチル化されている(1→4)ベータ結合D-グルコサミン残基からな直鎖状多糖)またはその抗原性断片に結合可能であって、当該断片に対する特異的免疫応答を生じさせることが可能な昆虫アミノ酸ドメインを意味する。CBDの非限定的な例には、2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)およびRebers and Riddiformのコンセンサス配列が含まれる。他の特定の実施形態によると、CBDはRebers and Riddiformのコンセンサス配列を含む。
【0113】
本明細書において使用する「Rebers and Riddiformのコンセンサス配列」という用語は、Pfamデータベースの登録番号pfam00379(Rebers and Riddiford, 1988、Anderson, 2010、 Karouzou et al., 2007、Willis, 2010を参照、これらの内容は本参照をもって完全に本願に組み込まれたものとする)に記載のコンセンサス配列を意味する
【0114】
特定の実施形態によると、CBDは2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)である。
【0115】
本願において使用する「2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)」という用語は、ペリトロフィンAドメインとも称され、3つのジスルフィド結合を形成する6個のシステインを有するアミノ酸配列を意味する。このようなCBDは当業界で知られており、Tetreau, Guillaume, et al. Insect biochemistry and molecular biology 62 (2015): 127-141に開示されている。特定の実施形態によると、ChtBD2は、CX11-30CX5-6CX9-24CX12-17CX6-12C(配列番号409)のコンセンサス配列を有する。
【0116】
特定の実施形態によると、ChtBD2は、配列番号3~7からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0117】
特定の実施形態によると、ChtBD2は、GeneBankアクセッション番号XP_021181774(配列番号410)で提供されるアミノ酸配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0118】
配列同一性または相同性は、Blast、ClustalW、およびMUSCLE等の任意のタンパク質または核酸配列アライメントアルゴリズムを用いて決定することができる。
【0119】
特定の実施形態によると、ChtBD2は配列番号3~7からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0120】
ChtBD2を含むポリペプチドの非限定的な例には、TcPMP5-BやHaIIM86等の囲食膜(Peritrophic Matrix)タンパク質(PMP)、ならびにBmCPAP3-A1、BmCPAP3-A2、BmCPAP3-B、BmCPAP3-C、BmCPAP3-D1、およびBmCPAP3-D2等のペリトロフィンに類似したキューティクルタンパク質(CPAP)が挙げられる。
【0121】
特定の実施形態によると、ChtBD2を含むポリペプチドは、PMPタンパク質である。
【0122】
特定の実施形態によると、ChtBD2を含むポリペプチドは、TcPMP5-B(Tribolium castaneumのPMP5-B)である。
【0123】
特定の実施形態によると、ChtBD2を含むポリペプチドは、配列番号1~2からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0124】
特定の実施形態によると、ChtBD2を含むポリペプチドは、配列番号1~2からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0125】
ChtBD2に特異的に結合するナノボディの非限定的な例と、それらの対応するCDRを下記の表2Aと2Bに示した。
【0126】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、配列番号15と28~29、配列番号31~33、配列番号35~37、配列番号39~41、配列番号43~45、配列番号47~49、配列番号51~53、配列番号55~57、配列番号59~61、配列番号63~65、配列番号67~69、配列番号71~73、配列番号75~77、配列番号79~81、配列番号83~85、配列番号87~89、配列番号91、80と93、配列番号95~97、配列番号99~101、配列番号103~105、配列番号107~109、配列番号111~113、配列番号115~117、配列番号119~121、配列番号123~125、配列番号127~129、配列番号131~133、配列番号135~137、配列番号139~141、配列番号143~145、配列番号147~149、配列番号151~153、配列番号15と156~157、配列番号159~161、または配列番号163~165に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0127】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、または配列番号15と28~29に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0128】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、配列番号15と28~29、配列番号31~33、配列番号35~37、配列番号39~41、配列番号43~45、配列番号47~49、配列番号51~53、配列番号55~57、配列番号59~61、配列番号63~65、配列番号67~69、配列番号71~73、配列番号75~77、配列番号79~81、配列番号83~85、配列番号87~89、配列番号91、80および93、配列番号95~97、配列番号99~101、配列番号103~105、配列番号107~109、配列番号111~113、配列番号115~117、配列番号119~121、配列番号123~125、配列番号127~129、配列番号131~133、配列番号135~137、配列番号139~141、配列番号143~145、配列番号147~149、配列番号151~153、配列番号15と156~157、配列番号159~161、または配列番号163~165に示したアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0129】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17、配列番号19~21、配列番号23~25、又は配列番号15と28~29に示したCDRを含む。
【0130】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15~17に示したCDRを含む。
【0131】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号19~21に示したCDRを含む。
【0132】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号23~25に示したCDRを含む。
【0133】
特定の実施形態によると、ナノボディは、ChtBD2に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号15と28~29に示したCDRを含む。
【0134】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158および162からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0135】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号14、18、22、および26からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0136】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158および162からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0137】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号14、18、22および26からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0138】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号14を含む。
【0139】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号18を含む。
【0140】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号22を含む。
【0141】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号を26含む。
【0142】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158および162からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0143】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号14、18、22または26からなる。
【0144】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号14からなる。
【0145】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号18からなる。
【0146】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号22からなる。
【0147】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号26からなる。
【0148】
特定の実施形態によると、ナノボディはV-ATPアーゼ・サブユニットcを結合する。
【0149】
VーATPアーゼ・サブユニットcに特異的に結合するナノボディの非限定的な例と、その対応するCDRを下記の表3A~Bに示した。
【0150】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、配列番号180-182、配列番号187~189、または、配列番号191~193で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0151】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、配列番号171と168~169、配列番号174と168~169、配列番号167、178と169、または配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0152】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169、または配列番号167、178と169で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0153】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167~169で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0154】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号171と168~169で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0155】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号174と168~169で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0156】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号167、178と169で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0157】
特定の実施形態によると、ナノボディはVーATPアーゼ・サブユニットcを結合し、当該ナノボディは、ナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号180~182で表される相補性決定領域(CDR)を含む。
【0158】
本願において使用する「V-ATPアーゼ・サブユニットc」という用語は、プロトンの電子化学ポテンシャルの勾配を触媒する昆虫の酵素であるPfam PF03223、またはその抗原断片であって、当該断片に対する免疫応答を生じさせることのできる断片のアミノ酸配列を意味する。
【0159】
特定の実施形態によると、V-ATPアーゼ・サブユニットcは、GeneBankアクセッション番号XP_021198264等で提供される、Helicoverpa armigeraのV-ATPアーゼ・サブユニットcである。
【0160】
特定の実施形態によると、V-ATPアーゼ・サブユニットcは配列番号8を含む。
【0161】
特定の実施形態によると、V-ATPアーゼ・サブユニットc配列番号8からなる。
【0162】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166、170、172、173、175、176、177、179、183、185、186および190からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0163】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166、170、172、173、175、176、177および179からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0164】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号176および177からなる群より選ばれるアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0165】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166、170、172、173、175、176、177、179、183、185、186および190からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0166】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166、170、172、173、175、176、177および179からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号176および177からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0167】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166を含む。
【0168】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号170を含む。
【0169】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号172を含む。
【0170】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号173を含む。
【0171】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号175を含む。
【0172】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号176を含む。
【0173】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号177を含む。
【0174】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号179を含む。
【0175】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166、170、172、173、175、176、177、179、183、185、186および190からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0176】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号166、170、172、173、175、176、177および179からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0177】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号176および177からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0178】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号166からなる。
【0179】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号170からなる。
【0180】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号172からなる。
【0181】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号173からなる。
【0182】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号175からなる。
【0183】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号176からなる。
【0184】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号177からなる。
【0185】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号179からなる。
【0186】
特定の実施形態によると、ナノボディはトレハラーゼに結合する。
【0187】
本願において使用する「トレハラーゼ」という用語は、トレハロースのグルコースへの変換を触媒する酵素である、昆虫の酵素E.C.3.2.1.2、またはその抗原断片であって、当該断片に対する免疫応答を生じさせることのできる断片のアミノ酸配列を意味する。
【0188】
特定の実施形態によると、トレハラーゼは、GeneBankアクセッション番号AJK29979で提供される、Helicoverpa armigeraのトレハラーゼである。
特定の実施形態によると、トレハラーゼは配列番号10を含む。
特定の実施形態によると、トレハラーゼは配列番号10からなる。
トレハラーゼに特異的に結合するナノボディの非限定的な例と、その対応するCDRを下記の表4に示した。
【0189】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199および196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、配列番号258~260、配列番号588~590、配列番号5889~589と592、または配列番号595、589と592に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0190】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212および209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228および232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、または配列番号2258~260に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0191】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号223~225、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号588~590、または配列番号595、589と592に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0192】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号223~225、配列番号588~590、または配列番号595、589と592に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0193】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号223~225、または配列番号588~590に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0194】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、配列番号258~260、配列番号588~590、配列番号5889~589と592、または配列番号595、589と592に示したCDRを含む。
【0195】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号195~197、配列番号199と196~197、配列番号201~203、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号215~217、配列番号219~221、配列番号223~225、配列番号227~229、配列番号231、228と232、配列番号234~236、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号250~252、配列番号254~256、または配列番号258~260に示したCDRを含む。
【0196】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212および209~210、配列番号223~225、配列番号238~240、配列番号242~244、配列番号246~248、配列番号588~590、または配列番号595、589と592に示したCDRを含む。
【0197】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号212と209~210、配列番号223~225、配列番号588~590、または配列番号595、589と592に示したCDRを含む。
【0198】
特定の実施形態によると、ナノボディは、トレハラーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号201と205~206、配列番号208~210、配列番号223~225、または配列番号588~590に示したCDRを含む。
【0199】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号194、198、200、204、207、211、213、214、218、222、226、230、233、237、241、245、249、253、257、587、591、593、594および596からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性のアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0200】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号194、198、200、204、207、211、213、214、218、222、226、230、233、237、241、245、249、253および257からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0201】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、211、213、222、237、241、245、587および594からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0202】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、211、213、222、587および594からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0203】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、222および587からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0204】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号194、198、200、204、207、211、213、214、218、222、226、230、233、237、241、245、249、253、257、587、591、593、594および596からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号194、198、200、204、207、211、213、214、218、222、226、230、233、237、241、245、249、253および257からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0205】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、211、213、222、237、241、245、587および594からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0206】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、211、213、222、587および594からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0207】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、222および587からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0208】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204を含む。
【0209】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号207を含む。
【0210】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号211を含む。
【0211】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号213を含む。
【0212】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号222を含む。
【0213】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号587を含む。
【0214】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号594を含む。
【0215】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号194、198、200、204、207、211、213、214、218、222、226、230、233、237、241、245、249、253、257、587、591、593、594および596からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0216】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号か194、198、200、204、207、211、213、214、218、222、226、230、233、237、241、245、249、253および257らなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0217】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、211、213、222、237、241、245、587および594からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0218】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、211、213、222、587および594からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0219】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号204、207、222および587からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0220】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号204からなる。
【0221】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号207からなる。
【0222】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号211からなる。
【0223】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号213からなる。
【0224】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号222からなる。
【0225】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号587からなる。
【0226】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号594からなる。
【0227】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに結合する。
【0228】
本願において使用する「チトクロームp450モノオキシゲナーゼ」という用語は、補因子としてヘムを含有し、1つのヒドロキシル基を基質に導入した結果、付随するNAD(P)Hの酸化によって、二原子酸素の2つの原子を1つのヒドロキル基と1つのH2O分子に還元する酵素である、昆虫の酵素EC1.14、またはその抗原断片であって、当該断片に対する免疫応答を生じさせることのできるアミノ酸配列を意味する。
【0229】
特定の実施形態によると、チトクロームp450モノオキシゲナーゼは、GeneBankアクセッション番号AKS48889等で提供される、Helicoverpa armigeraチトクロームp450モノオキシゲナーゼである。
【0230】
特定の実施形態によると、チトクロームp450モノオキシゲナーゼは配列番号11を含む。
【0231】
特定の実施形態によると、チトクロームp450モノオキシゲナーゼは配列番号11からなる。
【0232】
チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合するナノボディの非限定的な例、およびそれらの対応するCDRを下記表5に示した。
【0233】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号262~263および266、配列番号262、270および264、配列番号274~276、配列番号280および275~276、配列番号282および275~276、配列番号282、275および285、配列番号287、220および289、配列番号291、220および289、配列番号239~294および289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、配列番号308~310、配列番号312~314、または配列番号316~318に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0234】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号287、220および289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、または配列番号312~314に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0235】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号300~302、または配列番号312~314に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0236】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号312~314に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0237】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号262~263および266、配列番号262、270および264、配列番号274~276、配列番号280および275~276、配列番号282および275~276、配列番号282、275および285、配列番号287、220および289、配列番号291、220および289、配列番号239~294および289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、配列番号308~310、配列番号312~314、または配列番号316~318に示したCDRを含む。
【0238】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号262~264、配列番号287、220および289、配列番号296~298、配列番号300~302、配列番号304~306、または配列番号312~314に示したCDRを含む。
【0239】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号300~302、または配列番号312~314に示したCDRを含む。
【0240】
特定の実施形態によると、ナノボディは、チトクロームp450モノオキシゲナーゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号312-314に示したCDRを含む。
【0241】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号261、265、267、268、269、271、272、273、277、278、279、281、283、284、286、29、292、295、299、303、307、311および315からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0242】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号261、286、295、299、303および311からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0243】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号299および311からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0244】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号261、265、267、268、269、271、272、273、277、278、279、281、283、284、286、29、292、295、299、303、307、311および315からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0245】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号261、286、295、299、303および311からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0246】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号299および311からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0247】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号311を含む。
【0248】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号299を含む。
【0249】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号261、265、267、268、269、271、272、273、277、278、279、281、283、284、286、29、292、295、299、303、307、311および315からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0250】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号261、286、295、299、303および311からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0251】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号299および311からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0252】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号311からなる。
【0253】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号299からなる。
【0254】
特定の実施形態によると、ナノボディはキチン脱アセチル化酵素に結合する。
【0255】
本願において使用する「キチン脱アセチル化酵素」という用語は、キチンとH2Oをキトサンと酢酸に変換する酵素である、昆虫の酵素EC3.5.1.41、またはその抗原断片であって、当該断片に対する免疫応答を生じさせることのできるアミノ酸配列を意味する。
【0256】
特定の実施形態によると、キチン脱アセチル化酵素は、GeneBankアクセッション番号AJA30435等で提供される、Helicoverpa armigeraのキチン脱アセチル化酵素である。
【0257】
特定の実施形態によると、キチン脱アセチル化酵素は、配列番号9を含む。
【0258】
特定の実施形態によると、キチン脱アセチル化酵素は、配列番号9からなる。
【0259】
キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合するナノボディの非限定的な例と、それらの対応するCDRを下記の表6に示した。
【0260】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号327、321と328、配列番号320~321と332、配列番号208と336~337、配列番号320、324と339、配列番号343~345、配列番号347~349、配列番号351~353、配列番号351、347と356、配列番号358~360、配列番号358~359と362、配列番号365、359と366、配列番号368~370、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号381~383、配列番号385と382~383、配列番号387~389、配列番号387、391と389、配列番号394~396、配列番号398~400、配列番号402~404、または配列番号406~408に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0261】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号387~389、または配列番号398~400に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0262】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320と324~325、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、または配列番号387~389に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0263】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320と324~325、配列番号374、369と375、または配列番号387~389に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0264】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号327、321と328、配列番号320~321と332、配列番号208と336~337、配列番号320、324と339、配列番号343~345、配列番号347~349、配列番号351~353、配列番号351、347と356、配列番号358~360、配列番号358~359と362、配列番号365、359と366、配列番号368~370、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号381~383、配列番号385と382~383、配列番号387~389、配列番号387、391と389、配列番号394~396、配列番号398~400、配列番号402~404、または配列番号406~408に示したCDRを含む。
【0265】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320~322、配列番号320と324~325、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、配列番号377~379、配列番号387~389、または配列番号398~400に示したCDRを含む。
【0266】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320と324~325、配列番号372と369~370、配列番号374、369と375、または配列番号387~389に示したCDRを含む。
【0267】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチン脱アセチル化酵素に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号320と324~325、配列番号374、369と375、または配列番号387~389に示したCDRを含む。
【0268】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号319、323、326、329、331、333、334、338、340、341、342、346、350、354、355、357、361、363、364、367、371、373、376、380、384、386、390、392、393、397、401および405からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0269】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号319、323、371、373、376、386および397からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0270】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号配列番号323、371、373および386からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0271】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号323、373および386からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0272】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号319、323、326、329、331、333、334、338、340、341、342、346、350、354、355、357、361、363、364、367、371、373、376、380、384、386、390、392、393、397、401および405からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0273】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号319、323、371、373、376、386および397からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0274】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号323、371、373および386からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0275】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号323、373および386からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0276】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号323を含む。
【0277】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号371を含む。
【0278】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号373を含む。
【0279】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号386を含む。
【0280】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号319、323、326、329、331、333、334、338、340、341、342、346、350、354、355、357、361、363、364、367、371、373、376、380、384、386、390、392、393、397、401および405からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0281】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号319、323、371、373、376、386および397からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0282】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号323、371、373および386からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0283】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号323からなる。
【0284】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号371からなる。
【0285】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号373からなる。
【0286】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号386からなる。
【0287】
特定の実施形態によると、ナノボディはキチンシンターゼに結合する。
【0288】
本願において使用する「キチンシンターゼ」という用語は、UDP-N-アセチル-D-グルコサミンと[1,4-(N-アセチル-ベータ-D-グルコサミニル)]nをUDP+[1,4-(N--アセチル-ベータ-D-グルコサミニル)]n+1に変換する酵素である、昆虫の酵素番号(EC)がEC2.4.1.16のもの、またはその抗原断片であって、当該断片に対する免疫応答を生じさせることのできるアミノ酸配列を意味する。
【0289】
特定の実施形態によると、キチンシンターゼは、GeneBankアクセッション番号AKZ08594等で提供される、Helicoverpa armigeraのキチン脱アセチル化酵素である。
【0290】
特定の実施形態によると、キチンシンターゼは配列番号12を含む。
【0291】
特定の実施形態によると、キチンシンターゼは、配列番号12からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0292】
キチンシンターゼに特異的に結合するナノボディの非限定的な例、およびそれらの対応するCDRを下記の表7に示した。
【0293】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号422~424、配列番号426~428、配列番号426~427と430、配列番号432~434、配列番号436、140と437、配列番号439~441、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号356と451~452、配列番号454~456、配列番号458~460、配列番号462~464、配列番号466~468、配列番号470~472、配列番号474~476、配列番号478~480、配列番号482、479と483、配列番号485~487、配列番号489~491、配列番号493~495、配列番号426と497~498、配列番号500~502、配列番号504~506、または配列番号508~510に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0294】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号426~428、配列番号432~434、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号466~468、配列番号482、479と483、配列番号426と497~498、または配列番号504~506に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0295】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号426~428、配列番号432~434、または配列番号443~445に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0296】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号426~428、または配列番号443~445に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0297】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号422~424、配列番号426~428、配列番号426~427と430、配列番号432~434、配列番号436、140と437、配列番号439~441、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号356と451~452、配列番号454~456、配列番号458~460、配列番号462~464、配列番号466~468、配列番号470~472、配列番号474~476、配列番号478~480、配列番号482、479と483、配列番号485~487、配列番号489~491、配列番号493~495、配列番号426と497~498、配列番号500~502、配列番号504~506、または配列番号508~510に示したCDRを含む。
【0298】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号412~414、配列番号418~420、配列番号426~428、配列番号432~434、配列番号443~445、配列番号447~449、配列番号466~468、配列番号482、479と483、配列番号426と497~498、または配列番号504~506に示したCDRを含む。
【0299】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号426~428、配列番号432~434、または配列番号443~445に示したCDRを含む。
【0300】
特定の実施形態によると、ナノボディは、キチンシンターゼに特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号426~428、または配列番号443~445に示したCDRを含む。
【0301】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号411、415、416、417、421、425、429、431、435、438、442、446、450、453、457、461、465、469、473、477、481、484、488、492、496、499、503と507からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0302】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号411、417、425、431、442、446、465、481、496、および503からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0303】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425、431、および442からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0304】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425および442からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0305】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号411、415、416、417、421、425、429、431、435、438、442、446、450、453、457、461、465、469、473、477、481、484、488、492、496、499、503および507からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0306】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号411、417、425、431、442、446、465、481、496および503からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0307】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425、431および442からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0308】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425および442からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0309】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425を含む。
【0310】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号431を含む。
【0311】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号442を含む。
【0312】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号411、415、416、417、421、425、429、431、435、438、442、446、450、453、457、461、465、469、473、477、481、484、488、492、496、499、503および507からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0313】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号411、417、425、431、442、446、465、481、496および503からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0314】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425、431および442からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0315】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号425および442からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0316】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号425からなる。
【0317】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号431からなる。
【0318】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号442からなる。
【0319】
特定の実施形態によると、ナノボディはNPC1ステロール輸送体に結合する。
【0320】
本願において使用する「NPC1ステロール輸送体」という用語は、NPC1遺伝子(Gene ID:4864)によってコードされる昆虫タンパク質、またはその抗原断片であって、当該断片に対する免疫応答を生じさせることのできるアミノ酸配列を意味する。
【0321】
特定の実施形態によると、NPC1ステロール輸送体は、GeneBankアクセッション番号XP_02118611等で提供される、Helicoverpa armigeraのNPC1ステロール輸送体である。
【0322】
特定の実施形態によると、NPC1ステロール輸送体は配列番号13を含む。
【0323】
特定の実施形態によると、NPC1ステロール輸送体配列番号13からなる。
【0324】
NPC1ステロール輸送体に特異的に結合するナノボディの非限定的な例、およびそれらの対応するCDRを下記の表8に示した。
【0325】
特定の実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号512~514、配列番号517と513~514、配列番号521~523、配列番号521~522と526、配列番号531~533、配列番号539~541、配列番号485と540~541、配列番号545と540~451、配列番号547~549、配列番号552~554、配列番号556~558、配列番号561~563、配列番号565~567、配列番号569~571、配列番号573~575、配列番号485と577~578、配列番号580~582、または配列番号584~586に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0326】
特定の実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号517と513~514、配列番号485と540~541、配列番号545と540~541、配列番号556~558、配列番号565~567、配列番号573~575、配列番号485と577~578、または配列番号580~582に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0327】
特定の実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号485と540~541、または配列番号545と540~541に示したアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するCDRを含む。
【0328】
特定の実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号512~514、配列番号517と513~514、配列番号521~523、配列番号521~522と526、配列番号531~533、配列番号539~541、配列番号485と540~541、配列番号545と540~451、配列番号547~549、配列番号552~554、配列番号556~558、配列番号561~563、配列番号565~567、配列番号569~571、配列番号573~575、配列番号485と577~578、配列番号580~582、または配列番号584~586に示したCDRを含む。
【0329】
特定の実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号517と513~514、配列番号485と540~541、配列番号545と540~541、配列番号556~558、配列番号565~567、配列番号573~575、配列番号485と577~578、または配列番号580~582に示したCDRを含む。
【0330】
特定の実施形態によると、ナノボディは、NPC1ステロール輸送体に特異的に結合し、且つナノボディ上にNからCへの方向に連続的に配置された、配列番号485と540~541、または配列番号545と540~541に示したCDRを含む。
【0331】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号511、515、516、518、519、520、524、525、527、528、529、530、534、535、536、537、538、542、543、544、546、550、551、555、559、560、564、568、572、576、579、および583からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0332】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号516、543、544、555、564、572、576および579からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0333】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号543および544からなる群より選ばれるアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0334】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号511、515、516、518、519、520、524、525、527、528、529、530、534、535、536、537、538、542、543、544、546、550、551、555、559、560、564、568、572、576、579および583からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0335】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号516、543、544、555、564、572、576および579からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0336】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号543および544からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0337】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号543を含む。
【0338】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号544を含む。
【0339】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号511、515、516、518、519、520、524、525、527、528、529、530、534、535、536、537、538、542、543、544、546、550、551、555、559、560、564、568、572、576、579および583からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0340】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号516、543、544、555、564、572、576および579からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0341】
特定の実施形態によると、ナノボディは、配列番号543および544からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる。
【0342】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号543からなる。
【0343】
特定の実施形態によると、ナノボディは配列番号544からなる。
【0344】
本発明のいくつかの実施形態のナノボディは、そのもっとも広い解釈において、特定の生物学的原料や特定の調製方法に限定されるものではない点に着目されたい。例えば、ナノボディは、次のようにして得られる。(1)天然に発生した重鎖抗体のVHHドメインの単離、(2)天然に発生したVHHドメインをコードするヌクレオチド配列の発現、(3)天然に発生したVHHドメインの「ヒト化」、あるいはこのようなヒト化VHHドメインをコードする核酸の発現、(4)任意の動物種、特に哺乳動物種、例えばヒトに由来する天然に発生したVHドメインの「ラクダ化」、あるいはこのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現、(5)当業界で知られる「ドメイン抗体」または「Dab」の「ラクダ化」、あるいはこのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現、(6)合成または半合成技術を用いたタンパク質、ポリペプチドまたはそれ自体が公知の他のアミノ酸配列の製造、(7)それ自体が公知の核酸合成のための技術を用いたナノボディをコードする核酸の製造と、続く得られた核酸の発現、および/または(8)上記の1以上の任意の組み合わせ。ヒト化および/またはラクダ化ナノボディを含むナノボディに関する説明は、本願に加えて、例えば、国際公開第08/101985号および第08/142164号から得ることができる。最近報告された完全にin vitroのプラットホームに基づくナノボディの酵母表面ディスプレイに関する発見は、McMahon, Conor, et al. "Nature structural & molecular biology" 25.3 (2018): 289に開示されている。
【0345】
特定の実施形態によると、ナノボディは「ラクダ化」されている。例えば、天然に発生したVHドメインをコードするヌクレオチド配列を提供し、新しいヌクレオチド配列がそれぞれ「ラクダ化」ナノボディをコードするように、それ自体公知の手段で、ヌクレオチド配列中の1以上のコドンを変更することで、「ラクダ化」することができる。この核酸を次に、所望のナノボディを提供するように、それ自体公知の手段で発現させる。
【0346】
天然に発生したVH配列、好ましくはVHH配列、から出発して、ナノボディおよび/またはそれをコードする核酸配列を得るための他の適切な方法および技術は当業者には明らかであるが、例えば、天然に発生したVH配列の1以上の部分(1以上のFR配列および/またはCDR配列等)、1以上の天然に発生したVHH配列の1以上の部分(1以上のFR配列またはCDR配列等)、および/または1以上の合成または半合成配列を適切な手順で組み合わせて、ナノボディまたはそれをコードする核酸配列を提供することを含み得る。
【0347】
ナノボディを作製するための特定の方法が本明細書に記載されている。
【0348】
本発明の一態様によると、ナノボディの製造方法であって、下記:
(i)キチン結合ドメイン(CBD)を含むポリペプチド、
(ii)V-ATPアーゼ・サブユニットc、
(iii)トレハラーゼ、
(iv)チトクロームp450モノオキシゲナーゼ、
(v)キチン脱アセチル化酵素、
(vi)キチンシンターゼ、および
(vii)NPC1ステロール輸送体
からなる群より選ばれる組み換えまたは精製昆虫ポリペプチドでラクダ類を免役することを含み、昆虫ポリペプチド調製物中の昆虫ポリペプチドの純度が少なくとも80%である、方法が提供される。
【0349】
本願において使用する「精製昆虫ポリペプチド」という句は、昆虫から精製されたポリペプチドであって、タンパク質調製物中に存在する他のポリペプチドと比べて、その純度が少なくとも80%であるものを意味する。
【0350】
特定の実施形態によると、精製昆虫タンパク質調製物中の昆虫ポリペプチドの純度は、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%であり、各可能性は本発明の別の実施形態を表す。
【0351】
特定の実施形態によると、本方法は、ナノボディの単離をさらに含む。
【0352】
ナノボディの単離方法は当業界で知られており、例えば、本参照をもってその内容は完全に本願に組み込まれたものとするPardon et al. Nat Protoc. 2014 Mar, 9(3): 674-693、および後述する実施例に開示されている。
【0353】
一度ナノボディが得られたら、ナノボディの結合および/または生物活性(例:昆虫防除活性)をin vivoまたはin vitroで解析することができる。このような方法は当業界で公知であり、上記および下記でも開示されている。
【0354】
よって、特定の実施形態によると、方法は、生物アッセイにおいて昆虫防除活性を示すナノボディの選択をさらに含む。このようなアッセイは当業界で公知であり、下記でさらに説明する。
【0355】
特定の実施形態によると、ナノボディはそのまま(naked)のナノボディである。
【0356】
本願において使用する「そのままのナノボディ」という用語は、毒素部分、検出部分等の異種エフェクター部分を含まないナノボディを意味する。
【0357】
特定の実施形態によると、ナノボディは異種エフェクター部分、例えば、毒素部分、検出部分を含む。エフェクター部分は、タンパク質性または非タンパク質性(例:小分子化合物)であり得るが、後者は、通常、ナノボディ上のおよびその結合パートナー上の官能基を用いて作製される。
【0358】
よって、例えば、種々の種類の検出可能な部分またはレポーター部分を本発明のナノボディに結合することができる。これらとしては、放射性同位元素([125]ヨウ素等)、リン光性化合物、化学発光性化合物、蛍光性化合物またはポリペプチド(例:フィコエリトリン(PE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、Cy-クローム、ローダミン、緑蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、テキサスレッド、Cy5、PE-Cy5等)、酵素(例:西洋ワサビパーオキシダーゼ(HPR)、ベータガラクトシダーゼ、およびアルカリホスファターゼ(AP))、親和性タグ[例:対応する抗体によって同定可能な抗原(例:抗DIG抗体によって同定可能なジゴキシゲニン(DIG))、あるいはタグに対して高親和性の分子(例:ストレプトアビジンおよびビオチン)]、および陽電子放射断層撮影(PET)または磁気共鳴画像法(MRI)によって検出可能な分子(造影剤)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0359】
特定の実施形態によると、ナノボディは毒素を含む。
【0360】
本願において使用する「毒素」または「毒素部分」という用語は、(後に定義する)昆虫防除活性を有する化合物を意味し、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、小分子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0361】
毒素部分の非限定的な例としては、δ-エンドトキシン[Cry1A、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1E、Cry1F、Cry1G、Cry1H、Cry1I、Cry1J、Cry1K、Cry2A、Cry7B、Cry8D、Cry9A、Cry9B、Cry9C、Cry9D、Cry9E、Cry15A、Cry22A、Cry32A、Cry51A、Cyt1A(Crickmore et al., 1998、 van Frankenhuyzen, 2009)等]、コリシン(コリシンE1、コリシンla、コリシンA、コリシンN等)、アクチノポリン(エクイナトキシンII、スチコリシンII、フラガセトキシンC等)、ClyAファミリー毒素(サイトリシンA、非溶血性三部分エンテロトキシン、ヘモリシンBL等)、ヘモリシン(α-ヘモリシン、γ-ヘモリシン、ロイコシジン、壊死性全腸炎毒素B、δ-トキシン、Vibrio choleraeサイトリシン、Vibrio vulnificusヘモリシン等)、エロリジンファミリー毒素(エロリジン、α-トキシン、ヒドラリシン、ε-トキシン、エンテロトキシン、溶血性レクチン、キセニン等)、コレステロール依存性サイトリシン(パーフリンゴリシン、スイリシン、インターメディリシン、リステリオリシンO、レクチノリシン、アンスロリシン、ストレプトリシン等)、膜侵襲複合体成分/パーフォリン(Plu-MACPF、Bth-MACPF等)、毒素内の繰り返し配列(repeats-in-toxin)(HlyA、二官能性ヘモリシン-アデニリルシクラーゼ毒素、MARTX等)(Dal Peraro and van der Goot, 2016)、クモ毒素、サソリ毒素、パタチン、Bacillus thuringiensis殺昆虫タンパク質、ゼノラブダス殺昆虫タンパク質、フォトラブダス殺昆虫タンパク質、Bacillus laterosporous殺昆虫タンパク質、Bacillus bombysepticus殺昆虫タンパク質、Bacillus sphaericus殺昆虫タンパク質、および昆虫防除性二本鎖RNAが挙げられる。
【0362】
エフェクター部分、例えば、毒素部分や検出可能な部分は、環境、用途および目的に応じて、本発明のナノボディに種々の方法で付着または結合することができる。
【0363】
エフェクター部分は、ナノボディに直接または間接的(例:単体に含まれる場合)にカップリングすることができる。カップリングは共有結合でも、非共有結合でもよい。
【0364】
エフェクター部分がポリペプチドの場合、組み換え手法によって免疫複合体を製造することができる。例えば、毒素または蛍光タンパク質をコードする核酸配列を、ナノボディをコードする核酸配列のフレーム内に連結し、組み換え複合抗体を産生するために宿主細胞内で発現させることができる。代わりに、エフェクター部分を化学的に合成する、例えば、1以上のアミノ酸残基を決まった順番に段階的に付加する固相ペプチド合成技術によって製造することもできる。
【0365】
エフェクター部分は、当業界で広く実施されている標準的な化学合成技術[例えば、worldwideweb (dot) chemistry (dot) org/portal/Chemistry)参照]を用いてナノボディに取り付けることもでき、例えば、ペプチド結合を介した、直接または間接的な、適切な化学結合(エフェクター部分がポリペプチドの時)、あるいは介入リンカー因子(リンカーペプチド等)または他の化学部分(有機ポリマー等)への共有結合の使用が挙げられる。キメラペプチドは、ペプチドのカルボキシ(C)またはアミノ(N)末端への結合、あるいは直鎖状、分岐状、または環状の側鎖、内部炭素または窒素原子等の内部化学基への結合によって連結することができる。蛍光標識については米国特許番号第3,940,475号、第4,289,747号、および第4,376,110号明細書に詳細が記載されている。
【0366】
ペプチド部分をナノボディに結合するための例示的な方法としては、SPDP結合、グルタルアルデヒド結合、およびカルボジイミド結合が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0367】
ナノボディは、エフェクター部分を含む粒子または単体に取り付けることもできる。ナノボディを封入粒子に共有結合させる方法は当業界で公知であり、例えば、米国特許番号第5,171,578号、第5,204,096号、および第5,258,499号明細書に開示されている。
【0368】
本明細書に記載の任意のポリペプチド(例えば、ナノボディおよびタンパク質性組成物)は、ポリヌクレオチドによってコードされ得る。これらのポリヌクレオチドは、そのままで、あるいは本願で開示するポリペプチドの組み換え製造に使用することができる。
【0369】
よって、本発明の一態様によると、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物をコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0370】
本明細書において使用する場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、単離され、RNA配列、相補的ポリヌクレオチド配列(cDNA)、ゲノムポリヌクレオチド配列、および/または複合ポリヌクレオチド配列(例えば、上記の組み合わせ)の形態で提供される、一本鎖または二本鎖の核酸配列を示す。
【0371】
特定の実施形態によると、本願で開示する任意のポリヌクレオチドおよび核酸配列は、保存性核酸置換を有してもよい。保存的に修飾されたポリヌクレオチドとは、同一または実質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指すか、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は、実質的に同一の、または関連した(例えば、天然に連続した)配列を示す。遺伝コードの縮重のため、多数の機能的に同一な核酸がほとんどのタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG、およびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコードする。よって、アラニンがコドンによって特定されるすべての位置において、このコドンは、コードされるポリペプチドを改変することなく、記載した対応するコドンを別のものに改変することができる。このような核酸変異は「サイレント変異(silent variations)」であり、保存的に修飾されたポリヌクレオチドの一種である。特定の態様において、ポリペプチドをコードする本明細書におけるすべてのポリヌクレオチドおよび核酸配列は、その核酸のサイレント変異のことも表す。ある特定の文脈において、機能的に同一な分子をもたらすように核酸内の各コドン(通常はメチオニンの唯一のコドンであるAUG、および通常はトリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)が修飾され得ることは、当業者には認識されよう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸のサイレント変異は、発現産物に関して記載される配列に黙示されている。
【0372】
特定の実施形態によると、本願で開示する核酸配列は、例えば、哺乳動物または植物による発現のために、コドンが最適化されている。
【0373】
コドン最適化のための方法は当業界で公知であり、例えば、日本国、NIAS(国立研究開発法人農業生物資源研究所)DNAバンクのコドン使用データベース(www(dot)kazusa(dot)or(dot)jp/codon/)、国際公開第93/07278号、およびGrote et al. Nucleic Acid Res. Nucleic Acids Res. (2005) Jul 1, 33(ウエブ版):W526-W531)に開示されている。
【0374】
よって、本発明のいくつかの実施形態は、上述した核酸配列、その断片、それらとハイブリダイズ可能な配列、それらと類似した配列、それらとオルソロガスな配列、異なるコドンを使用して同様のポリペプチドをコードする配列、自然に発生したか人の誘導した、ランダムなまたは標的化した変異(1以上のヌクレオチドの欠失、挿入または置換等)によって特徴づけられる改変配列を包含する。
【0375】
細胞において外因性ポリペプチドを発現させるためには、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を、好ましくは、細胞での発現に好適な核酸構築物中にライゲーションする。そのような核酸構築物は、細胞におけるポリヌクレオチド配列の転写を構成的または誘導性の様式で指示するプロモーター配列を含む。
【0376】
よって、本発明の一態様によると、ポリヌクレオチドと、当該ポリヌクレオチドの発現を指導するシス作用調節エレメントとを含む、核酸構築物が提供される。
【0377】
特定の実施形態によると、調節因子は異種調節因子である。
【0378】
本発明のいくつかの実施形態の核酸構築物(本明細書では「発現ベクター」とも呼ばれる)は、このベクターを、原核生物、真核生物、または好ましくは両方(例えば、シャトルベクター)における複製および組み込みに好適なものにする、さらなる配列を含む。加えて、典型的なクローニングベクターは、転写および翻訳開始配列、転写および翻訳ターミネーター、ならびにポリアデニル化シグナルも含有し得る。例として、そのような構築物は、典型的には、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、第2鎖DNA合成起点、および3’LTRまたはその一部分を含む。
【0379】
本発明のいくつかの実施形態の核酸構築物は、典型的には、構築物が入っている細胞からポリペプチドを分泌させるためのシグナル配列を含む。特定の実施形態によると、シグナル配列は、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチド(例:ナノボディ)の本来のシグナル配列である。
【0380】
真核生物プロモーターは、典型的には、TATAボックスおよび上流プロモーターエレメントという2種類の認識配列を含有する。転写開始部位から25~30塩基対上流に位置するTATAボックスは、RNAポリメラーゼによるRNA合成の開始に関与していると考えられている。他方の上流プロモーターエレメントは、転写開始の頻度を決定する。
【0381】
本発明のいくつかの実施形態の核酸構築物に用いられるプロモーターは、形質転換された特定の細胞集団において活性を示すものが好ましい。細胞型特異的プロモーターおよび/または組織特異的プロモーターの例としては、肝臓特異的であるアルブミンなどのプロモーター[Pinkert et al., (1987) Genes Dev. 1:268-277]、リンパ様特異的プロモーター[Calame et al., (1988) Adv. Immunol. 43:235-275]、特に、T細胞受容体のプロモーター[Winoto et al., (1989) EMBO J. 8:729-733]および免疫グロブリンのプロモーター[Banerji et al. (1983) Cell 33729-740]、膵臓特異的プロモーター[Edlunch et al. (1985) Science 230:912-916]、または乳腺特異的プロモーター、例えば乳清プロモーター(米国特許第4,873,316号および欧州特許出願公開第264,166号)が挙げられる。
【0382】
植物発現ベクターを使用する場合、いくつかのプロモーターによってコード配列の発現を駆動することができる。例えば、CaMVの35S RNAおよび19S RNAプロモーターなどのウイルスプロモーター[Brisson et al. (1984) Nature 310:511-514]、またはTMVのコートタンパク質プロモーター[Takamatsu et al. (1987) EMBO J. 6:307-311]を使用することができる。代替的には、植物プロモーター、例えばRUBISCOの小サブユニット[Coruzzi et al. (1984) EMBO J. 3:1671-1680およびBrogli et al., (1984) Science 224:838-843]、GR融合物であるGVG、およびpOp/LhGR(デキサメタゾン誘導性)、XVE/OlexA(ベータ-エストラジオール誘導性)、または熱ショックプロモーター、例えばダイズhsp17.5-Eまたはhsp17.3-B[Gurley et al. (1986) Mol. Cell. Biol. 6:559-565]を使用してもよい。
【0383】
エンハンサーエレメントは、結合した相同プロモーターまたは異種プロモーターによる転写を最大で1,000倍まで増加させることができる。エンハンサーは、転写開始部位から下流にあっても上流にあっても活性がある。ウイルスに由来する多くのエンハンサーエレメントが、広い宿主範囲を有し、種々の組織において活性を示す。例えば、SV40初期遺伝子エンハンサーは、多くの細胞型に好適である。本発明のいくつかの実施形態に好適な他のエンハンサー/プロモーターの組み合わせとしては、ポリオーマウイルス、ヒトまたはマウスサイトメガロウイルス(CMV)に由来するものや、マウス白血病ウイルス、マウスまたはラウス肉腫ウイルス、およびHIVなどの様々なレトロウイルスに由来す長い末端反復配列が挙げられる。参照により本明細書に援用する、Enhancers and Eukaryotic Expression, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York, 1983を参照されたい。Creドライバー系なしに特異性を得るためにAAV発現ベクターに入れることのできる特定の神経細胞型に特異的なエンハンサーも当業界で報告されており、例えば、本参照をもって本明細書に援用する、Hrvatin et al.(doi:www(dot)doi(dot)org/10.1101/570895)に記載されている。
【0384】
発現ベクターの構築において、プロモーターは、その天然の環境における転写開始部位からの距離とほぼ同じ距離だけ異種の転写開始部位から離れた位置にあるのが好ましい。しかしながら、当技術分野で公知であるように、プロモーター機能を失うことなく、この距離のいくらかの差異が許容され得る。
【0385】
mRNA翻訳効率を増加させるために、ポリアデニル化配列を発現ベクターに付加することもできる。正確かつ効率的なポリアデニル化には、2つの特徴的な配列エレメントが必要であり、それらは、ポリアデニル化部位の下流に位置するGUリッチ配列またはUリッチ配列と、11~30ヌクレオチド上流に位置する、高度に保存された6つのヌクレオチドからなるAAUAAA配列である。本発明のいくつかの実施形態に好適な終結シグナルおよびポリアデニル化シグナルとしては、SV40に由来するものが挙げられる。
【0386】
本発明のいくつかの実施形態の発現ベクターは、既に記載したエレメントに加えて、典型的には、クローニングされた核酸の発現レベルを上昇させること、または組み換えDNAを有する細胞の識別を容易にすることを目的とした、他の特殊化したエレメントを含有し得る。例えば、いくつかの動物ウイルスは、許容細胞型におけるウイルスゲノムの染色体外複製を促進するDNA配列を含有する。こうしたウイルスのレプリコンを有するプラスミドは、プラスミド上または宿主細胞のゲノム上の遺伝子によって適切な因子が提供される限り、エピソームとして複製される。
【0387】
ベクターは、真核生物レプリコンを含む場合もあれば、含まない場合もある。真核生物レプリコンが存在する場合、ベクターは、適切な選択可能マーカーを使用して真核細胞において増幅可能である。ベクターが真核生物レプリコンを含まない場合、エピソームの増幅は不可能である。その代わり、組み換えDNAが、工学的に操作された細胞のゲノムに組み込まれ、ここでプロモーターが所望の核酸を発現せしめる。
【0388】
本発明のいくつかの実施形態の発現ベクターは、例えば、単一のmRNAからいくつかのタンパク質を翻訳することを可能にする、さらなるポリヌクレオチド配列、例えば、内部リボソーム侵入部位(IRES)およびプロモーター・キメラポリペプチドのゲノム組み込みのための配列をさらに含むことができる。
【0389】
発現ベクターに含まれる個々のエレメントが種々の構成で配置され得ることは理解されよう。例えば、エンハンサーエレメント、プロモーターなど、そしてさらにはポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、「ヘッドトゥテール」構成で配置されてもよく、逆相補鎖として、または逆平行鎖中の相補鎖として存在してもよい。このような構成の多様性は、発現ベクターの非コードエレメントで生じる可能性がより高いが、発現ベクターにおけるコード配列の代替的な構成も考えられる。
【0390】
哺乳動物の発現ベクターの例としては、Invitrogen社から入手可能なpcDNA3、pcDNA3.1(+/-)、pGL3、pZeoSV2(+/-)、pSecTag2、pDisplay、pEF/myc/cyto、pCMV/myc/cyto、pCR3.1、pSinRep5、DH26S、DHBB、pNMT1、pNMT41、pNMT81、Promega社から入手可能なpCI、Strategene社から入手可能なpMbac、pPbac、pBK-RSV、およびpBK-CMV、Clontech社から入手可能なpTRES、ならびにこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0391】
レトロウイルスなどの真核生物ウイルスに由来する調節エレメントを含有する発現ベクターを使用することもできる。SV40ベクターには、pSVT7およびpMT2が含まれる。ウシパピローマウイルスに由来するベクターとしては、pBV-1MTHAが挙げられ、エプスタイン・バーウイルスに由来するベクターとしては、pHEBOおよびp2O5が挙げられる。他の例示的なベクターとしては、pMSG、pAV009/A+、pMTO10/A+、pMAMneo-5、バキュロウイルスpDSVE、および、SV-40初期プロモーター、SV-40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核細胞における発現に有効であることが報告されている他のプロモーターの指示の下で、タンパク質の発現を可能にする任意の他のベクターが挙げられる。
【0392】
前述のように、ウイルスは、多くの場合、宿主の防御機構を回避するように進化してきた、非常に特殊化した感染性因子である。典型的には、ウイルスは特定の細胞型に感染し、伝播する。ウイルスベクターの標的化特異性は、所定の細胞型を特異的に標的とする天然の特異性を用いることにより、組み換え遺伝子を感染細胞に導入する。よって、本発明のいくつかの実施形態によって使用するベクターの種類は、形質転換される細胞型によって決まる。形質転換する細胞型によって好適なベクターを選択する能力は十分に当業者の能力の範疇にあり、したがって本明細書では、選択に関する検討事項の概説は提供しない。
【0393】
細胞は、本発明のいくつかの実施形態の核酸構築物によって安定的にまたは一過性に形質転換され得る。安定な形質転換においては、本発明のいくつかの実施形態の核酸分子は細胞ゲノム内に取り込まれるため、それは安定な遺伝性の性質を表す。一過性形質転換においては、核酸分子は形質転換された細胞によって発現されるものの、ゲノム内に取り込まれないため、それは一過性の性質を表す。
【0394】
本発明のいくつかの実施形態の発現ベクターを細胞に導入するためには、様々な方法を使用することができる。そのような方法は、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory, New York (1989, 1992)、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, Md. (1989)、Chang et al., Somatic Gene Therapy, CRC Press, Ann Arbor, Mich. (1995)、Vega et al., Gene Targeting, CRC Press, Ann Arbor Mich. (1995)、Vectors: A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses, Butterworths, Boston Mass. (1988)、およびGilboa et at. [Biotechniques 4 (6): 504-512, 1986]に概説されており、例えば、安定トランスフェクションまたは一過性トランスフェクション、リポフェクション、電気穿孔、および組み換えウイルスベクターによる感染を含む。加えて、陽性-陰性の選択方法に関しては、米国特許第5,464,764号および同第5,487,992号の明細書を参照されたい。植物発現ベクターを使用する場合、構築物は、Tiプラスミド、Riプラスミド、植物ウイルスベクター、直接DNA形質転換、マイクロインジェクション、電気穿孔、および当業者に周知の他の技術を使用して、植物細胞に導入することができる。例えば、Weissbach & Weissbach, 1988, Methods for Plant Molecular Biology, Academic Press, NY, Section VIII, pp 421-463を参照されたい。
【0395】
ウイルス感染による核酸の導入には、リポフェクションおよび電気穿孔などの他の方法と比べていくつかの利点がある。これは、ウイルスの感染性の性質のため、より高いトランスフェクション効率を得ることができるからである。
【0396】
現在好ましいin vivoでの核酸移入技術としては、アデノウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスウイルスI型、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)、および脂質ベースの系といった、ウイルス構築物または非ウイルス構築物のトランスフェクションが挙げられる。脂質を介した遺伝子の移入に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、およびDC-Cholである[Tonkinson et al., Cancer Investigation, 14 (1): 54-65 (1996)]。遺伝子療法において使用するのに最も好ましい構築物はウイルスであり、最も好ましくはアデノウイルス、AAV、レンチウイルス、またはレトロウイルスである。レトロウイルス構築物などのウイルス構築物は、少なくとも1つの転写プロモーター/エンハンサーまたは遺伝子座決定エレメント、またはメッセンジャーの選択的スプライシング、核RNA輸送、もしくは翻訳後修飾といった他の手段によって遺伝子発現を制御する他のエレメントを含む。そのようなベクター構築物は、ウイルス構築物に既に存在する場合を除き、パッケージングシグナル、末端反復配列(LTR)またはその一部分、ならびに使用されるウイルスに適切なプラス鎖およびマイナス鎖のプライマー結合部位も含む。加えて、そのような構築物は、典型的には、構築物が入っている宿主細胞からペプチドを分泌させるためのシグナル配列を含む。好ましくは、この目的のためのシグナル配列は、哺乳動物のシグナル配列か、または本発明のいくつかの実施形態のポリペプチド変異体のシグナル配列である。任意選択で、構築物は、ポリアデニル化をもたらすシグナル、ならびに1つまたは複数の制限部位および翻訳終結配列を含んでもよい。例として、そのような構築物は、典型的には、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、第2鎖DNA合成起点、および3’LTRまたはその一部分を含む。カチオン性脂質、ポリリジン、およびデンドリマーなど、ウイルスではない他のベクターを使用してもよい。
【0397】
本発明のいくつかの実施形態の発現構築物は、挿入されるコード配列の転写および翻訳のために必要なエレメントを含有する他にも、発現されるモノマーまたはヘテロダイマーの安定性、生成、精製、収率、または毒性を増進するように工学的に操作された配列を含むこともできる。例えば、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドと異種タンパク質とを含む融合タンパク質または切断可能な融合タンパク質の発現を工学的に操作することができる。そのような融合タンパク質は、アフィニティークロマトグラフィーにより、例えば、異種タンパク質に対して特異的なカラムに固定化することにより、融合タンパク質が容易に単離され得るように設計することができる。ポリペプチドと異種タンパク質との間に切断部位を工学的操作によって設けた場合、切断部位を破壊する適切な酵素または薬剤を用いて処理することにより、クロマトグラフィーカラムからポリペプチドを遊離させることができる[例えば、Booth et al. (1988) Immunol. Lett. 19:65-70、およびGardella et al., (1990) J. Biol. Chem. 265:15854-15859を参照されたい]。
【0398】
本発明は、本明細書に記載のポリペプチド、ポリヌクレオチド、および核酸構築物を含む細胞も企図する。
【0399】
よって、本発明の一態様によると、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物、あるいはそれをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物を含む、宿主細胞を提供する。
【0400】
本明細書で前述したように、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドを発現させるための宿主発現系として、種々の原核細胞または真核細胞を使用することができる。これらは、コード配列を含有する組み換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌、コード配列を含有する組み換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母などの微生物、コード配列を含有する組み換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスであるCaMV、タバコモザイクウイルスであるTMV)に感染させた、またはTiプラスミドなどの組み換えプラスミド発現ベクターで形質転換した、植物細胞系を含むが、これらに限定されない。哺乳動物の発現系を使用して、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドを発現させることもできる。
【0401】
特定の実施形態によると、細胞は哺乳類細胞である。
【0402】
特定の実施形態によると、細胞はラクダ類細胞である。
【0403】
適切な哺乳類細胞には、一次細胞および不死化細胞系が含まれる。
【0404】
他の特定の実施形態によると、哺乳類細胞は不死化細胞系である。
【0405】
適切な哺乳類細胞系としては、HeLa細胞(例:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)番号CCL-2)、CHO細胞(例:ATCC番号CRL9618、CCL61、CRL9096)、HEK293細胞(例:ATCC番号CRL-1573)、Vero細胞、NIH 3T3細胞(例:ATCC番号CRL-1658)、Huh-7細胞、BHK細胞(例:ATCC番号CCL10)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS-7細胞(ATCC番号CRL1651)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、ヒト胎児性腎臓(HEK)細胞(ATCC番号CRL1573)、HLHepG2細胞、NS0、Sp2/0、BHK、Namalwa等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0406】
特定の実施形態によると、細胞は大腸菌(E. coli)、例えば、SHuffle T7 Express & BL21である。
【0407】
特定の実施形態によると、細胞は植物細胞である。
【0408】
本発明の一態様によると、昆虫防除ナノボディの製造方法であって、本願で開示するポリヌクレオチドまたは核酸構築物を宿主細胞内で発現させることを含む方法が提供される。
【0409】
特定の実施形態によると、方法は、ナノボディの単離をさらに含む。
【0410】
任意の組み換えポリペプチド(例:ナノボディ)の単離または回収は当業界で公知の任意の方法で実行され得る。特定の実施形態によると、組み換えポリペプチドの単離または回収は、適切な時間に亘り培養した後で実施する。「組み換えポリペプチドの回収」または「組み換えポリペプチドの単離」という句は、ポリペプチドを含有する培養培地全体を収集することを指し、必ずしもさらなる分離または精製のステップを必要とするものではない。上記に関わらず、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドは、限定されるものではないが、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、濾過、電気泳動、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、コンカナバリンAクロマトグラフィー、ミックスモードクロマトグラフィー、金属アフィニティークロマトグラフィー、レクチンアフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、およびDS法(differential solubilization)など、種々の標準的なタンパク質精製技術を使用して精製することができる。
【0411】
特定の実施形態によると、合成および精製に続き、ナノボディの結合および/または昆虫防除活性は、in vivoまたはin vitroのいずれかで検出することができる。このような方法は当業界で知られており、上記および下記でさらに開示する。
【0412】
本願で開示する組成物(例:ナノボディ、ナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドおよび核酸構築物、並びにそれを発現する宿主細胞)は、凍結乾燥、フリーズドライ、乾燥といった適切な手段によって、あるいは水性の担体、培地または適切な希釈剤(生理食塩水または他のバッファー)によって、処方され得る。特定の実施形態によると、処方された組成物は、微粉または粒状材料、粉体、ゲル、クリーム、ペースト、ペレット、錠剤、あるいは油(植物油または鉱物油)中または水中の懸濁液、あるいはo/wエマルション、カプセルサスペンジョン、乳剤、あるいは水和剤、水和性顆粒、水分散性顆粒、アエロゾル、フォーム、スラリー、またはフロアブル濃縮剤の形態を取り得る。
【0413】
特定の実施形態によると、組成物は、液状濃縮物、乾燥粉末、錠剤、カプセルサスペンジョン、スラリーまたは「ウエットケーキ」に処方され、これらは、エンドユーザーによる最終仕様の前に適切に希釈、分散、懸濁、乳化または他の方法で適切に再構成される。
【0414】
特定の実施形態によると、組成物は液状製剤として処方されている。
【0415】
特定の実施形態によると、組成物は乾燥製剤として処方されている。
【0416】
特定の実施形態によると、組成物は散布、潅水および/または燻蒸による送達用に処方されている。
【0417】
特定の実施形態によると、本願で開示する組成物(例:ナノボディ、ナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドおよび核酸構築物、並びにそれを発現する宿主細胞)は、保存中および使用中の両方において安定であり、これは、組成物の完全な状態が、温度上昇、凍結融解サイクル、pHまたはイオン強度の変化、UV照射、危険な化学物質の存在等といった、組成物の保存中および/または使用条件下で維持されることを意味する。
【0418】
特定の実施形態によると、組成物の完全な状態および活性が、温度上昇、凍結融解サイクル、pHまたはイオン強度の変化、UV照射、危険な化学物質の存在等といった、組成物の保存中および/または使用条件下で維持される。
【0419】
特定の実施形態によると、組成物の完全な状態および活性が、野外条件または制御条件、例えば温室内、で維持される。
【0420】
本願で開示する組成物は、例えば、送達性、安定性、浸透性等を向上させるように設計された種々の担体と共に処方することができることに着目されたい。
【0421】
本願において使用する「担体」とは化合物(例:ナノボディおよび/または毒素、これらを含む組成物)を適切に導入する、即ち、固定化、吸着、吸収、結合、封入、包埋、付着または含ませることのできる、固体状、半固体状または液状の担体を意味する。
【0422】
このような担体の非限定的な例には、ナノカプセル、マイクロカプセル、ナノスフィア、マイクロスフィア、ナノ粒子、マイクロ粒子、リポソーム、ベシクル、ビーズ、ゲル、弱いイオン性樹脂粒子、リポソーム、コクリエート送達ベヒクル、小顆粒、顆粒、ナノチューブ、フラーレン(bucky-balls)、W/O型乳剤の一部である水滴、O/W型乳剤の一部である油滴、コルク、木材または他の植物由来材料等(例:種子の殻、木材チップ、パルプ、球体、ビーズ、シートまたは他の任意の適切な形状)の有機材料、紙または厚紙、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナ、ケイ酸塩およびゼオライト等の無機材料、あるいは微生物細胞(酵母細胞等)またはその適切な画分または断片でさえ含まれる。
【0423】
特定の実施形態によると、担体は、速放性あるいは徐放性または遅延性の特徴を有するものであり、例えば、数分、数時間、数日または数週間にわたり放出される。さらに担体は、時間(例:数分、数時間、数日、または数週間)の経過と共に(例えば、高温または低温、太陽光、高湿または低湿、あるいは他の環境因子または条件によって)崩壊またはゆっくりと分解される材料(例:ポリマー)で形成され、化合物(例:ナノボディおよび/または毒素、またはそれらを含む組成物)を担体から放出することができる。特定の実施形態によると、担体は化合物とカップリング、結合、連結あるいは付着または関連付けられている(associated)。特定の実施形態によると、担体は化合物と共有結合によってカップリングされている。
【0424】
本願で開示する組成物(例:ナノボディ、ナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドおよび核酸構築物、並びにそれを発現する宿主細胞)は、組成物を適切な生理学的に許容される担体または賦形剤と混合した、農薬または殺昆虫組成物といった組成物に処方され得る。
【0425】
本明細書において、「活性成分」という用語は、生物学的効果の要因となるナノボディ、ナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドおよび核酸構築物、並びにそれを発現する宿主細胞を意味する。
【0426】
本願において使用する「農薬製剤」という用語は、本願に記載の1以上の活性成分と、農業的に許容される担体や賦形剤といった他の化合物とを含む、農業使用のための組成物である。
【0427】
以降、「生理学的に許容される担体」という表現は、生物に著しい刺激作用をもたらさず、また、投与される化合物の生物学的活性および特性を無効にすることのない、担体または希釈剤を意味する。これらの表現には、アジュバントが含まれる。
【0428】
特定の実施形態によると、組成物は、農業的に許容される担体と共に処方される。適切な農業用担体は固体でも液状でもよく、これらは当業界で広く知られている。「農業的に許容される担体」という用語には、全てのアジュバント、例えば、不活性成分、分散剤、表面活性剤、粘着付与剤、結合剤等の、殺虫製剤技術に通常使用され、当業者によく知られたものが含まれる。
【0429】
本明細書において、「賦形剤」という用語は、活性成分の投与をさらに容易にするために組成物に添加される不活性物質を意味する。限定されるものではないが、賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類および各種のデンプン、セルロース誘導体、界面活性剤、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、湿潤剤、展着剤、緩衝剤、酸性化剤等が挙げられる。
【0430】
特定の実施形態によると、本願で開示する組成物(例:ナノボディ、ナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドおよび核酸構築物、並びにそれを発現する宿主細胞)は、組成物中の唯一の活性成分であり得る。
【0431】
他の特定の実施形態によると、組成物は、本願で開示する組成物(例:ナノボディ、ナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドおよび核酸構築物、並びにそれを発現する宿主細胞)に加えて、1種以上の追加の活性剤を含む。このような成分の非限定的な例には、除草剤、殺虫剤、植物成長調節剤、薬害軽減剤等が含まれる。
【0432】
特定の実施形態によると、本願で開示する組成物と追加の活性剤とは共処方されている。
【0433】
特定の実施形態によると、本願で開示する組成物と追加の活性剤とは個別の容器に入れられている。
【0434】
他の特定の実施形態によると、組成物は昆虫誘引剤を含み得る。誘引剤は、例えば、雄または雌のフェロモン等のフェロモンであり得る。一例として、書籍である“Insect Pheromones and their use in Pest Management”(Howse et al, Chapman and Hall, 1998)に記載のフェロモンを本発明で使用してもよい。
【0435】
誘引剤は製剤に含まれているか、あるいは製剤とは別に与えることで、製剤が与えられた部位への昆虫の誘因を確実にすることもできる。
【0436】
本発明のいくつかの実施形態のナノボディ、並びにナノボディおよび毒素を含む組成物は、昆虫防除活性が付与されている。
【0437】
本願において使用する「昆虫防除」という用語は、昆虫の給餌、成長、移動、蔓延、発生、生存および/または繁殖の防止、阻害または減少、および/または例えば、昆虫の殺滅、昆虫の生存率または寿命の減少、昆虫の多産性および/または繁殖力の減少、昆虫の給餌の減少または阻止、昆虫の成長の減少または阻止、昆虫の発生の減少または阻止、昆虫の移動性の減少または阻止、および/または昆虫による横行の防止によって達成され得る、昆虫関連被害の制限を意味する。特定の実施形態によると、昆虫防除活性は昆虫の殺滅によって達成される。
【0438】
昆虫防除活性を決定するための方法は当業者によく知られており、以下の実施例に開示されている。方法としては、ナノボディまたは組成物の存在下で幼虫をin vitroで飼育し、ナノボディまたは組成物が不存在の条件下と比較した、死亡率、体重、体長、蛹化、および成虫になるタイミングを決定する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0439】
本願で開示するナノボディは、それ自体が昆虫防除活性を有してもよいし、昆虫に毒素を送達することで昆虫防除活性を発揮してもよい。
【0440】
従って、特定の実施形態によると、ナノボディの昆虫ポリペプチドへの結合が、ナノボディに昆虫防除活性を付与する。
【0441】
特定の実施形態によると、ナノボディは、それが結合する昆虫ポリペプチドの活性を下方制御する。
【0442】
本願において使用する「活性を下方制御する」という語句は、昆虫ポリペプチドの活性を決定するのに適した方法で決定した昆虫ポリペプチドの生物学的機能が、ナノボディの不存在下と比較して、ナノボディの存在下で少なくとも5%減少することを意味する。よって、例えば、CBDを含むポリペプチドの活性は、ELISA、ウエスタンブロット解析、免疫沈降法、またはフローサイトメトリー等で決定することが可能である。V-ATPアーゼ・サブユニットcの活性は、ATPアーゼ活性解析および/またはATP依存性プロトントランスポーターアッセイ等で決定することが可能である。トレハラーゼの活性は、還元糖の決定のためのフェリシアン化物/フェロシアン化物反応(ferric-ferrocyanide reaction)、またはトレハラーゼとのインキュベーションに続く放出グルコースのグルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼを用いた定量等で決定することが可能である。チトクロームp450モノオキシゲナーゼの活性は、試薬またはサロゲート化合物の酸化の測定、ヘム定量アッセイ、またはP450-Gloルミネッセンスアッセイ等で決定することが可能である。キチン脱アセチル化酵素の活性は、部分的にO-ヒドロキシエチル化されたキチン(グリコールキチン)を基質に用いたN-アセチル基の放射線標識の放射測定アッセイ、または種々のキチン性基質に対するキチン脱アセチル化酵素の作用によって放出された酢酸塩を決定するベルグマイヤー酵素アッセイ等で決定することが可能である。キチンシンターゼの活性は、[14C]UDP-N-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)を基質とした放射性アッセイと、続く酸沈殿後の不溶性14C-標識キチンの定量等で決定することが可能である。NPC1ステロール輸送体の活性は、コレステロール吸収アッセイ、ステロール定量アッセイ等で決定することが可能である。
【0443】
他の特定の実施形態によると、減少とは、例えば上記のいずれかの方法で決定した、ナノボディの不存在下と比べて少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%の減少である。
【0444】
更なるまたは代替の実施形態によると、ナノボディは、例えば、昆虫に対する昆虫防除活性を有する毒素の特異的送達を提供するために機能する、標的化剤である。
【0445】
毒素およびそれをナノボディにカップリングするための方法の非限定的な例についてはさらに後述する。
【0446】
本発明のいくつかの実施形態のナノボディ、およびナノボディと毒素とを含む組成物は昆虫防除活性を付与されていることから、本発明は昆虫防除の方法も包含する。
【0447】
よって、本発明の一態様によると、昆虫防除の方法であって、昆虫を、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物、ポリヌクレオチド、またはそれをコードする核酸構築物、またはそれを発現する宿主細胞と接触させることを含む方法が提供される。
【0448】
特定の実施形態によると、接触は、ナノボディ、またはナノボディと毒素とを含む組成物を昆虫に直接付与することを含む。
【0449】
特定の実施形態によると、接触は、ナノボディ、またはナノボディと毒素とを含む組成物を、前記昆虫と接触し得る生物または表面に付与することを含む。
【0450】
別の実施態様によると、産業製品への昆虫の浸入を防止するための方法であって、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物を製品に添加することを含む方法が提供される。
【0451】
別の実施態様によると、産業製品への昆虫の浸入を防止するための方法であって、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物を含むパッケージング材料に製品を梱包することを含む方法が提供される。
【0452】
上記の接触または添加は、当業界で知られる任意の適切な方法によって実施され得るが、このような方法としては、散布(大容量(HV)、小容量(LV)および微量(ULV)散布を含む)、噴霧、刷毛塗り、被覆、滴下、塗装、浸し塗り、浸漬、水没化、外殻化、塗布、発泡、曇化、射出、培地への添加、灌水、液滴、ミストまたはエアロゾルとしての付与、(既にさらに開示した)生物の細胞内での核酸構築物の組み換え発現が挙げられるが、これらに限定されない。
【0453】
特定の実施形態によると、接触および付与は、散布、灌水および/または燻蒸によって実施する。
【0454】
特定の実施形態によると、接触および付与は、ポリヌクレオチドまたは核酸構築物の生物の細胞への導入によって実施する。
【0455】
特定の実施形態によると、生物は植物である。
【0456】
本願において使用する「表面」という用語は、昆虫と接触し得る任意の物体を意味する。表面の非限定的な例としては、網(例:蚊帳)、光源、色付きの物体、対照的な背景の温室で目立つ形状又は輪郭、野外キャンプ用品、土、等が挙げられる。
【0457】
特定の実施形態によると、産業製品は植物から製造されたものである。
【0458】
本願で使用する「植物」という用語は、植物全体、穂木、植物および植物部分の祖先または子孫を包含し、具体的には、種子、芽、茎、根(根茎を含む)、台木、接ぎ穂、果実、野菜、花、並びに植物の細胞、組織および器官が含まれる。植物は、懸濁培養物、胚、成長領域、カルス組織、葉、配偶体、胞子体、花粉、および小胞子を含む任意の形状であり得る。
【0459】
特定の実施形態によると、植物は作物である。本願において使用する「作物」という用語は、食物、家畜の飼料、燃料用原料、または他の経済的目的で栽培される植物の種または品種を意味する。作物の非限定的な例としては、トウモロコシ、小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦などの穀物、モロコシ、米、テンサイと飼料ビート、ナシ状果(例:リンゴおよびナシ)、柑橘類(例:オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、またはミカン)、核果類(例:桃、ネクタリン、またはプラム)、堅果類(例:アーモンド、またはクルミ)、軟果類(例:サクランボ、イチゴ、ブラックベリー、またはラズベリー)等の果実、オオバコ科またはブドウの蔦、豆類、レンズ豆、エンドウ豆、および大豆等のマメ科作物、ヒマワリ、ベニバナ、ナタネ、キャノーラ、エゴマ、またはオリーブ等の油料植物、キュウリ、メロン、またはカボチャ等のウリ科作物、綿、亜麻、またはヘンプ等の繊維用作物、サトウキビ、ススキ、またはスイッチグラス等の燃料用作物、ジャガイモ、トマト、ピーマン、レタス、ホウレンソウ、タマネギ、ニンジン、ナス、アスパラガス、またはキャベツ等の野菜類、花類(例:ペチュニア、ゼラニウム、バラ、チューリップ、ユリ、またはキク)、低木、広葉樹(例:ポプラまたはヤナギ)、および常緑樹(例:針葉樹)等の観賞用植物、芝生、芝草、またはイネ科牧草等の草類、あるいはコーヒー、茶葉、タバコ、ホップ、コショウ、ゴム、またはラテックス植物等の他の有用な植物が挙げられる。
【0460】
特定の実施形態によると、植物は以下からなる群より選ばれ得る。トウモロコシ、ダイズ、アルアルファ、綿花、ヒマワリ、Brassica napus(例:カノーラ、セイヨウアブラナ)、Brassica rapa、Brassica juncea(例:カラシナ)およびBrassica carinata等のナタネ油用種子、ヤシ属種(例:アブラヤシ、ココナッツ)、コメ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、オーツムギ、オオムギ、キビおよびモロコシ、ライコムギ、アマ、堅果類、ブドウとツタ、並びに種々の植物分類群に属する果物と野菜、例えば、バラ属種(例:リンゴおよびナシといった仁果類のみならず、アンズ、サクランボ、アーモンド、プラム、およびモモといった石果類、イチゴ、ラズベリー、レッドカラントとブラックカラント、およびグーズベリーといったベリー類)、リベシオイダエ属種、クルミ属種、カバノキ属種、ウルシ属種、ブナ属種、クワ属種、モクセイ属種(例:オリーブの木)、マタタビ属種、クスノキ属種(例:アボカド、シナモン、樟脳)、バショウ属種(例:バナナの木およびバナナ園(bananatrees and plantations))、アカネ属種(例:コーヒー)、ツバキ属種(例:チャ)、アオギリ属種、ミカン属種(例:レモン、オレンジ、ミカンおよびグレープフルーツ)、ナス属種((例:トマト、ジャガイモ、コショウ、トウガラシ、ナス、タバコ)、ユリ属種、キク属種(例えば、レタス、チョウセンアザミおよびチコリ(これは根チコリ、エンダイブまたはキクニガナを含む))、セリ属種(例:ニンジン、パセリ、セロリおよび根セロリ)、ウリ属種(例:ガーキンを含むキュウリ、カボチャ、スイカ、ヒョウタンおよびメロン)、ネギ属種(例:リーキおよびタマネギ)、アブラナ属種(例:白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、チンゲンサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、セリ、およびハクサイ)、マメ属種(例:ラッカセイ、エンドウマメ、レンズマメおよびマメ類(例:インゲンマメおよびソラマメ))、アカザ属種(例:スイスチャード、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートの根)、アマ属種(例:ヘンプ)、タイマ属種(例:カンナビス)、アオイ属種(例:オクラ、カカオ)、ケシ科(例:ケシ)、クサスギカズラ科(例:アスパラガス)、庭や森の有用植物および観賞用植物、例えば、芝生、芝地、イネ科草本およびStevia rebaudiana、およびこれらの遺伝子組み換え植物などである。
【0461】
特定の実施形態によると、植物は、果実、花、堅果、野菜、アボカド、バナナ、オオバコ、レモン、グレープフルーツ、メロン、オレンジ、パイナップル、キウイフルーツ、グァバ、ミカン、マンゴ、およびカボチャからなる群より選ばれる植物の収穫可能な部分であり得る。
【0462】
特定の実施形態によると、植物は、例えば、www(dot)fao(dot)org/3/i0640e/i0640e13.pdfに記載されているような、森林植物である。
【0463】
特定の実施形態によると、植物は、観賞用植物である。
【0464】
特定の実施形態によると、植物は観賞用植物の切り花であり得、アリストロメリア、カーネーション、キク、フリージア、ガーベラ、グラジオラス、カスミソウ(Gypsophila spp.)、ヒマワリ、アジサイ、ユリ、トルコキキョウ、バラおよび夏花から選ばれるものが好ましい。
【0465】
特定の実施形態によると、植物は刈り取った草または木である。
【0466】
特定の実施形態によると、植物は綿である。
【0467】
特定の実施形態によると、植物はトランスジェニック植物である。
【0468】
特定の実施形態によると、植物は、ナノボディ、またはナノボディと毒素とを含む組成物を組み換えにより発現するトランスジェニック植物である。
【0469】
トランスジェニック植物の作製方法は当業界で広く知られており、本明細書においても上述した。
【0470】
次に、本発明は、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物、あるいはそれを発現する宿主細胞を含む製品も包含する。
【0471】
特定の実施形態によると、このような製品は、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物、あるいはそれを発現する宿主細胞を含まない製品と比べて、昆虫の蔓延や被害に対してより耐性である。
【0472】
従って、本発明の一態様によると、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物、それをコードするポリヌクレオチドまたは核酸構築物を含む植物が提供される。
【0473】
別の実施態様によると、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物を含む産業製品が提供される。
【0474】
別の実施態様によると、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物で被覆された表面が提供される。
【0475】
別の実施態様によると、梱包材の中に含まれた産業製品を含み、ナノボディまたはナノボディと毒素とを含む組成物を含む、梱包済み製品が提供される。
【0476】
以下の表1~8は、本発明の特定の実施形態に使用可能なポリペプチドおよびナノボディを列挙する。
【0477】
【0478】
【0479】
【0480】
【0481】
【0482】
【0483】
【0484】
【0485】
【0486】
【0487】
【0488】
【0489】
【0490】
【0491】
【0492】
【0493】
【0494】
【0495】
【0496】
【0497】
【0498】
【0499】
【0500】
【0501】
【0502】
【0503】
本明細書で使用する「約」は、±10%を指す。
【0504】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびその活用形は、「限定されるものではないが、含む(including but not limited to)」を意味する。
【0505】
「からなる」という用語は、「含み、限定される」ことを意味する。
【0506】
「から実質的になる」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。但しこれは、追加の成分、工程および/または部分が、請求項に記載の組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られる。
【0507】
本明細書において、単数形を表す「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数をも対象とする。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1種の化合物」には、複数の化合物が含まれ、それらの混合物をも含み得る。
【0508】
本願全体を通して、本発明のさまざまな実施形態は、範囲形式にて示され得る。範囲形式での記載は、単に利便性および簡潔さのためであり、本発明の範囲の柔軟性を欠く制限ではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、可能な下位の範囲の全部、およびその範囲内の個々の数値を特異的に開示していると考えるべきである。例えば、1~6といった範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6も具体的に開示するものとする。これは、範囲の大きさに関わらず適用される。
【0509】
本明細書において数値範囲を示す場合、それは常に示す範囲内の任意の引用数(分数または整数)を含むことを意図する。第1の指示数と第2の指示数「との間の範囲」という表現と、第1の指示数「から」第2の指示数「までの範囲」という表現は、本明細書で代替可能に使用され、第1の指示数および第2の指示数と、それらの間の分数および整数の全部を含むことを意図する。
【0510】
本明細書で使用する「方法」という用語は、所定の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を意味し、化学、薬理学、生物学、生化学および医療の各分野の従事者に既知のもの、または既知の様式、手段、技術および手順から従事者が容易に開発できるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0511】
特定の配列表を参照する場合、そのような参照は、例えば、シーケンシングエラー、クローニングエラー、または塩基置換、塩基欠失、もしくは塩基付加をもたらす他の改変に起因する、わずかな配列変化を含む相補的配列に実質的に対応する配列も包含するものと理解されたい。ただし、そのような変化の頻度は、50ヌクレオチド中1未満、代替的には100ヌクレオチド中1未満、代替的には200ヌクレオチド中1未満、代替的には500ヌクレオチド中1未満、代替的には1000ヌクレオチド中1未満、代替的には5,000ヌクレオチド中1未満、代替的には10,000ヌクレオチド中1未満であることを条件とする。
【0512】
本発明の特徴であって、明確にするために個別の実施形態のとして記載したものは、組み合わせて1つの実施形態としても提供可能であることを理解されたい。逆に、簡潔にするために1つの実施形態として記載した本発明の様々な特徴を、個別に、または任意の適切な部分組合せで、または本発明で記載した他の実施形態との適切な組み合わせとして提供することもできる。様々な実施形態に関連して記載された特徴は、その特徴なしでは実施形態が動作不能でない限り、それらの実施形態の必須要件とは見なさない。
【0513】
上記で列挙し、下記の特許請求の範囲に記載した本発明の種々の実施形態および態様について、次の実施例が実験的根拠を示す。
【実施例】
【0514】
ここで、上記の記載と共に本発明を限定することなく説明する以下の実施例に参照する。
【0515】
本明細書において使用される命名法および本発明に使用する実験手順としては、通常、分子的技術、生化学的技術、微生物学的技術および組み換えDNA技術が挙げられる。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、"Molecular Cloning: A laboratory Manual" Sambrook et al., (1989)、"Current Protocols in Molecular Biology" Volumes I-III Ausubel, R. M., ed. (1994)、Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989)、Perbal, "A Practical Guide to Molecular Cloning", John Wiley & Sons, New York (1988)、Watson et al., "Recombinant DNA", Scientific American Books, New York、Birren et al. (eds) "Genome Analysis: A Laboratory Manual Series", Vols. 1-4, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1998)、米国特許第4,666,828号明細書、第4,683,202号明細書、第4,801,531号明細書、第5,192,659号明細書、および第5,272,057号明細書に記載された方法、"Cell Biology: A Laboratory Handbook", Volumes I-III Cellis, J. E., ed. (1994)、"Culture of Animal Cells - A Manual of Basic Technique" by Freshney, Wiley-Liss, N. Y. (1994), Third Edition、"Current Protocols in Immunology" Volumes I-III Coligan J. E., ed. (1994)、Stites et al. (eds), "Basic and Clinical Immunology" (8th Edition), Appleton & Lange, Norwalk, CT (1994)、Mishell and Shiigi (eds), "Selected Methods in Cellular Immunology", W. H. Freeman and Co., New York (1980)を参照されたい。利用可能なイムノアッセイは、特許および科学文献に広く記載されており、例えば、米国特許第3,791,932号、同第3,839,153号、同第3,850,752号、同第3,850,578号、同第3,853,987号、同第3,867,517号、同第3,879,262号、同第3,901,654号、同第3,935,074号、同第3,984,533号、同第3,996,345号、同第4,034,074号、同第4,098,876号、同第4,879,219号、同第5,011,771号、および同第5,281,521号の明細書、"OligoヌクレオチドSynthesis" Gait, M. J., ed. (1984)、”核酸Hybridization" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1985)、"Transcription and Translation" Hames, B. D., and Higgins S. J., Eds. (1984)、"Animal Cell Culture" Freshney, R. I., ed. (1986)、"Immobilized Cells and Enzymes" IRL Press, (1986)、"A Practical Guide to Molecular Cloning" Perbal, B., (1984)および"Methods in Enzymology" Vol. 1-317, Academic Press、"PCR Protocols: A Guide To Methods And Applications", Academic Press, San Diego, CA (1990)、Marshak et al., "Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual" CSHL Press (1996)を参照されたい。上記文献の全てが、本参照により本明細書に完全に援用されるものとする。その他の一般的な参考文献は、本明細書を通じて提供される。それらに記載の手順は、当技術分野で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供する。それらに含まれるすべての情報が、本参照により本明細書に援用される。
【0516】
材料および方法
免疫のための標的タンパク質の調整-Helicoverpa armigera(上記表1参照)の標的タンパク質のDNA配列を最適化し、合成した。合成した配列をHisタグと共にpET-28aベクターまたはpET-30aベクターにクローニングし、大腸菌BL21 Star(DE3)株で発現させた。単一コロニーをカナマイシン含有LB培地に接種し、培養物を37℃、200rpmでインキュベートし、その後、イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した。タンパク質発現をモニタリングするためにSDS-PAGE解析を使用した。続いて、グリセロール中に保存したBL21 Star (DE3)をカナマイシン含有TB培地に接種し、37℃で培養した。OD600が1.2に達したら、細胞培養物を15℃で16時間、IPTGで誘導した。細胞を遠心分離で回収し、ペレットを溶解バッファー(20mMのNaPi,pH7.4、500mMのNaCl、20mMのイミダゾール、プロテアーゼ阻害剤カクテルであるcOmplete(商標)、EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテルであるRoche社、cat#4693132001)に再懸濁し、続いて超音波処理および遠心分離を実施した。尿素を使って沈殿物を溶解し、変性した上清をさらなる精製のために保持した。続いて、Ni-NTAカラム(GE-Healthcare社、Cat No. 17-5318-02)を用いて上清からタンパク質を精製した。カラムを総容積の10倍の洗浄バッファー(20mMのNaPi,pH7.4、500mMのNaCl、50mMのイミダゾール)で洗浄し、タンパク質を溶出バッファー(20mMのNaPi,pH7.4、500mMのNaCl、500mMのイミダゾール)で溶出した。溶出に続き、メンブランのカットオフ値が3.5kDaであるMEGAチューブ(Tivan Biotech社のMEGA3-50)に画分を入れて、1LのPBS(pH7.4)に対して4℃で一晩透析し、続いて同じ条件で2回目の透析を行った。いくつかの標的タンパク質(例:V-ATPアーゼ・サブユニットc標的タンパク質)はさらにリフォールディングさせ、等量での保存の前に0.22μmのフィルターで滅菌した。濃度はNano-dropを用いて決定した。タンパク質の純度および分子量は標準的なSDS-PAGEで決定した。
【0517】
免疫化-0、7、14、21、28および35日目にラマに皮下注射を行い、各注射は、約125または150μgの標的タンパク質とGerbuアジュバントP(Gerbu Biotech社、#3111-0025)との組み合わせであった。40日目には、リンパ球の調製ために約100mlの抗凝固化血液をラマから採取した。
【0518】
VHHライブラリーの構築-抗原特異的ナノボディの存在をスクリーニングするために、VHHライブラリーをラマのリンパ球から構築した。この目的のために、オリゴ(dT)プライマーによる第1鎖cDNA合成用テンプレートとして、末梢血リンパ球由来の総RNAを使用した。このcDNAを用いて、VHHコード配列をPCRにより増幅し、PstI(Thermofischer社の#ER0611)およびNotI(Sigma社の#11037668001)で消化し、ファージミド・ベクターpMECSのPstIサイトとNotIサイトにクローニングした。VHHライブラリーは約108個の独立した形質転換体を含み、形質転換体の約80~92%は正しいサイズの挿入物を含むベクターを保有していた。
【0519】
特異的標的ナノボディの単離とシーケンシング-標的抗原(100mMのNaHCO3(pH8.2)中に100μg/ml)で被覆した固相上でライブラリーのパニングを3周行った。各周期のパニングにおける抗原特異的ファージの富化は、抗原被覆ウェルから溶出されたファージミドの数を、陰性対照(被覆せずブロッキングした)ウェルから溶出されたファージミドの数と比べることで求めた。これらの実験は、ファージ集団内の抗原特異的ファージが3周で富化されたことを示した。パニングおよびELISAによるスクリーニングに使用した抗原は、免疫に使用したものと同一であり、被覆せずにブロッキングしたウェルを陰性の対照とした。作製したナノボディのアミノ酸配列を上記表2A~表6に示した。
【0520】
ナノボディの発現および精製-ナノボディのDNA配列を最適化し、GenScriptで合成した。合成した配列をHisタグと共に大腸菌内のタンパク質発現用のpET-28b+ベクターにクローニングした。続いて、大腸菌SHuffle T7を組み換えプラスミドで形質転換した。単一コロニーをカナマイシン含有LB培地に接種し、培養物を37℃、220rpmでインキュベートし、そして1MのIPTGで誘導した。SDS-PAGE解析を発現のモニタリングに用いた。続いて、グリセロール中に保存していたSHuffle T7をカナマイシン含有TB培地に接種し、37℃で培養した。OD600が約1.2に達したら、細胞培養物を30℃で20~22時間、1MのIPTGで誘導した。細胞を遠心分離で回収し、ペレットを溶解バッファー(20mMのNaPi,pH7.5、500mMのNaCl、20mMのイミダゾール)に再懸濁し、続いて超音波処理および遠心分離を実施した。尿素を使って沈殿物を溶解し、変性した上清をさらなる精製のために保持した。続いて、Ni-NTAカラムを用いて上清からタンパク質を精製した。カラムを総容積の10倍の洗浄バッファー(20mMのNaPi,pH7.5、500mMのNaCl、50mMのイミダゾール)で洗浄し、タンパク質を溶出バッファー(20mMのNaPi,pH7.5、500mMのNaCl、500mMのイミダゾール)で溶出した。続いて、溶出された画分を透析バッファー(PBS,pH7.4)に対して4℃で一晩透析した。
濃度はNano-dropを用いて決定した。タンパク質の純度および分子量は標準的なSDS-PAGEで決定した。
【0521】
作製したナノボディの標的タンパク質への結合-インキュベーション(4℃で一晩)によって、Maxisorb 96ウェルプレートを10μg/mlの標的タンパク質で被覆した。被覆したプレートをPBSで洗浄し、PBS+0.5%のtween+1%のBSAを含むブロッキングバッファー中、37℃で1時間のブロッキングを行い、続いて2μg/mlの試験ナノボディと室温で1時間インキュベートした。PBSによる洗浄に続き、ブロッキングバッファー中のMonoRab(商標)ウサギ抗ラクダ類VHH抗体-HRP(Genscript社、Cat no.A01860)でプレートをインキュベートした。最後に、プレートをPBSで洗浄し、TMB溶液と共に30分インキュベートし、続いてH2SO4を添加し、450nmの吸光度を測定した。
【0522】
安定性のアッセイ-作製したナノボディを自然な太陽光、自然なUV照射、および夏場の屋外/野外の高温下でインキュベートすることで、それらの安定性を「野外様」の条件下で試験した。加えて、4齢(4th)のH. armigeraの初期幼虫消化管(start larvae guts)から回収した内腔液とインキュベートすることで、酵素的タンパク質分解活性および高pHに対する安定性も評価した[例えば、Purcell, John P., John T. Greenplate, and R. Douglas Sammons. Insect Biochemistry and Molecular Biology22.1 (1992): 41-47、Pang, A. S., & Gringorten, J. L. (1998). FEMS microbiology letters, 167(2), 281-285、およびMa, Gang, et al. Insect biochemistry and molecular biology 35.7 (2005): 729-739参照]。具体的には、4℃で一晩のインキュベーションによって、Maxisorb 96ウェルプレートを2μg/mlの試験ナノボディで被覆した。被覆したプレートをPBSで洗浄し、PBS+0.5%のtween+1%のBSAを含むブロッキングバッファー中、37℃で1時間のブロッキングを行った。被覆したプレートをPBSと共に「野外様条件」で1~3時間、または内腔消化管液の存在下、室温で1時間インキュベートした。インキュベーションに続き、プレートをPBSで洗浄し、ブロッキングバッファー中のMonoRab(商標)ウサギ抗ラクダ類VHH抗体-HRPと共にインキュベートした。最後に、プレートをPBSで洗浄し、TMB溶液と共に30分インキュベートし、続いてH2SO4を添加し、450nmの吸光度を測定した。
【0523】
昆虫の培養-アメリカタバコガの幼虫(Cotton bollworms)をイスラエル国の綿畑から採取し、24℃、相対湿度70%、明:10時間/暗:14時間の条件下、実験室で飼育した。集めた幼虫は、ビタミン混合物(ニコチン酸:40μM、パントテン酸カルシウム:5μM、リボフラビン:5μM、塩酸チアミン:4μM、塩酸ピリドキシン:5μM、葉酸:2.5μM、D-ビオチン:4μM、およびシアノコバラミン:5nM)、ソルビン酸:0.2%、メチルパラベン:0.4%、アスコルビン酸:0.25%、ビール酵母:1%、白酢:4%、および亜麻仁油:0.5%を添加したWard社の飼料粉末、カワゲラ類キンウワバ属用飼料(Ward’s diet powder Stonefly Heliothis Diet)(製品番号38-0600、ニューヨーク州、ロチェスター、Ward’s Natural Science社)である人工飼料で飼育した。
【0524】
飼料のバイオアッセイ-0.5グラムのキンウワバ属用人工飼料を24ウェルプレートの各ウェルに加え、濃度0.4mg/mlの試験ナノボディまたは陰性対照としてのPBSを含む100μlの懸濁液を重ねた。各ウェルに24~48時間齢の幼虫を一匹加えたものを12組用意した。プレートをポリオフィン(polyofin)シーリングホイル(HJ-BIOANALITIC社、Cat No.900371)で被覆し、24℃、相対湿度70%、暗条件下の実験室でインキュベートした。各ナノボディに関する各研究を3~5回繰り返した。7日間のインキュベーションに続き、ナノボディの添加なしの同じ人工飼料の入ったより大きな、直径5cmのペトリ皿に幼虫を移動した。インキュベーションの7日目および14日目に各幼虫の体長および体重を測定し、蛹化および成虫発生時期を観察した。
【0525】
綿の栽培-日/夜が25℃/18℃の制御条件下で綿の栽培品種Akalpi(G. hirsutumとG. barbadenseとの間の種間雑種(ISH)、1432 Intercott Hazera)を栽培した。温度のモニタリングを行い、SASオートメーションシステムで維持した。加えて、Sheffer7-7-7プラスカルシウムを使用し、浸出画分を30%に維持して施肥潅漑を行った。害虫防除は、粘着性で色付きの罠のみを用いて機械的に実施した。栽培サイクルの期間は6~8週の間であった。この期間の経過後、バイオアッセイ実験の植物モデルとして使用するために、植物を実験室に移動した。
【0526】
葉のバイオアッセイ-1mlの滅菌済みアガーを12ウェルプレートの各ウェルに添加し、直径2cmの円盤状の綿植物の葉を各ウェル内のアガーの上に配置した。0.4、1、2または4mg/mlの濃度の試験したナノボディ、あるいは陰性対照としてのPBSを含む50μlの懸濁液を各円盤状の葉に重層した。各ウェルに24~48時間齢の幼虫一匹を加えたものを12組用意した。プレートをポリオフィン(polyofin)シーリングホイル(HJ-BIOANALITIC社、Cat No.900371)で被覆し、24℃、相対湿度70%の条件下、実験室でインキュベートした。4日間のインキュベーションに続き、新鮮な円盤状の綿の葉の入った新しいプレートに幼虫を移動し、同じ濃度のナノボディまたはPBSで処理し、7日目には、アガーと、100μlの同じ濃度の同じナノボディで処理した新鮮な直径2.8cmの円盤状の綿植物の葉とを添加したより大きなウェル(6ウェルプレート)に幼虫を再び移動した。幼虫の死亡率を4、7および10日目に評価した。各ナノボディに関する各研究を2~3回繰り返した。
【0527】
免疫蛍光-1mg/mlの濃度の本明細書で「CB20901」と称する精製抗CBDナノボディを、製造者の説明書に従って、蛍光標識Cy3(ab188287-Cy3 Fast コンジュゲーションキット、英国、ケンブリッジ)に結合させた。飼料のバイオアッセイを上述したように実施した。具体的には、12匹の幼虫に100μlのCy3-蛍光標識ナノボディを給餌し、100μlのPBSを給餌した12匹の幼虫を対照とした。36時間のインキュベーションに続き、擬陽性シグナルを除くために、処理した幼虫を清潔な用意したばかりのキンウワバ属用人工飼料に移動してさらに12時間飼育し、続いて第1の画像化セッションを実施した。次の工程においては、6日齢になるまで幼虫をナノボディ/PBS-飼料に戻し、ナノボディを含まない飼料を次の12時間は給餌し、最後に、生幼虫および抽出した消化管の第2の画像化セッションを実施した。有効な画像比較のために以下の設定を維持した。Nikon社Eclipse 80i顕微鏡、NIS-素子ソフトウエア、カメラDS-Ri2、レンズ1X_ズーム2.0x_露出10ms_ゲイン_7.6x(飼料の画像化用)、レンズ1X_ズーム1.4x_露出200ms_ゲイン_2.0x(48時間齢の幼虫用)およびレンズ1x_ズーム1.4X_露出400ms_ゲイン_6.2x(6日齢の幼虫および抽出した消化管用)。
【0528】
実際例1
抗キチン結合ドメインナノボディ
本明細書ではHa-PMP5B1およびHa-PMP5B2と称するHelicoverpa armigeraのキチン結合ドメイン(CBD)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表2Aと2B参照)。Ha-PMP5B1タンパク質は、Helicoverpa armigera由来の5つの異なるCBDを含む506個のアミノ酸を含み、Ha-PMP5B2タンパク質は、Ha-PMP5B1の部分タンパク質であって、2つのCBDを含む192個のアミノ酸を含む。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイは、作製したナノボディが標的CBD抗原に結合することを立証した(
図1)。特定の実施形態が、Helicoverpa armigeraの幼虫に経口送達によってナノボディを投与すると、幼虫の消化管の囲食膜内の標的部位に到達するまでに、幼虫の消化管の(高いpHを有し、多量のタンパク質分解酵素を含む)内腔でナノボディが吸収されることを開示することから、内腔内の抗CBDナノボディの安定性について研究した。作製した抗CBDナノボディで被覆し、採取した内腔液の存在下で1時間インキュベートしたプレートを用いるELISAアッセイは、1時間のインキュベーション後にも40~70%のナノボディがインタクトであったことを示し(
図2)、作製した抗CBDナノボディが内腔条件下で生存可能であることを示した。加えて、野外の自然太陽光下、30℃の高い外気温度で1~3時間のインキュベーションによって、作製した抗CBDナノボディの野外条件を模倣する条件下における安定性も試験した。結果は、30℃、湿度60~70%、UV指数4~5の野外様条件下で3時間のインキュベーション後に、対照と比べてわずかなナノボディ含有量の低下しか生じなかったことを示した(
図3)。
【0529】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigera幼虫を、抗CBD作製ナノボディの単一用量を添加した人工飼料上で飼育した。昆虫の全生活環に渡り観察を実行し、ここには7日目および14日目の幼虫の体重および体長の測定、並びにその後に蛹から成虫に変態した個体数の観測も含まれていた。結果は、数種の抗CBDナノボディを7日間給餌した幼虫では体長(
図4の(A))および/または体重の減少(
図4の(B))および/または死亡率の上昇 (
図4の(C))が、試験したナノボディに応じて生じることを示した。
【0530】
幼虫の消化管におけるナノボディの軌跡を追うために、蛍光標識Cy3抗CBDナノボディCB12901を添加した人工飼料でHelicoverpa armigera幼虫を飼育した。
図5の(A)が示すように、標識ナノボディは飼料中で少なくとも1週間は安定であった。
加えて、蛍光シグナルの減少が、給餌に続いて飼料と幼虫の糞との間で見られ、幼虫の消化管による標識ナノボディの取り込みが示唆された(
図5の(A))。さらに、標識ナノボディは、ナノボディを含まない飼料に幼虫を移動した12時間後にも幼虫から検出され、標識ナノボディが幼虫の消化管に保持されることを示唆した(
図5B)。
さらに、標識ナノボディが囲食膜に到達する能力が給餌から6日目に確認され、このタイミングで陽性シグナルが消化管の全て、特に囲食膜と内腔消化管との分離に続いて囲食膜から観察された(
図5の(C))。
【0531】
実施例2
抗V-ATPアーゼ・サブユニットc・ナノボディ
Helicoverpa armigeraのV-ATPアーゼ・サブユニットC(本明細書では「VAT」と称する)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表3A~3Bを参照)。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイによって、作製したナノボディが標的VAT抗原に結合することが立証された(
図6)。続いて、内腔条件および野外様条件における抗VATナノボディの安定性について検討した(
図7と
図8)。結果は、内腔液の存在下で1時間のインキュベーション後に40~70%のナノボディがインタクトであることを示し、これは作製した抗VATナノボディの内腔条件下で生き残る性質を示した。加えて、結果は、30℃、湿度60~70%、UV指数が4~5の野外様条件下で3時間のインキュベーションに続き、ナノボディ含量に対照と比べてわずかな減少しか見られないことを示した。
【0532】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、単一用量の作製した抗VATナノボディを添加した人工飼料上で飼育した。7日目よび14日目の幼虫の体重および体長の測定、並びに後に蛹から成虫に変態した個体数の観察を含む、昆虫の生活環の全体にわたる観察を実行した。結果は、試験したナノボディに応じて、作製した抗VATナノボディを7日間給餌した幼虫における体長の減少(
図9の(A))および/または体重の減少および/または死亡率の増加(
図9の(C))を示した。
【0533】
加えて、生き残り、幼虫から蛹、その後、成虫の蛾へと変態する完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージを求めた。下記表9に示したように、抗VATナノボディで7日間処理した幼虫では、成虫の蛾になって完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージは低下した。重要な点は、25~30日という実験期間の内の最初の7日間のみ抗VATナノボディに暴露されたにも関わらず、ナノボディがHelicoverpa armigeraに対して長期の安定な効果を発揮し、蛹化および成虫という後期発生段階に対しても影響を与えたことを結果が示したことにある。
【0534】
【0535】
実施例3
抗トレハラーゼ・ナノボディ
Helicoverpa armigeraのトレハラーゼ(本明細書では「TRH」と称する)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表4を参照)。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイによって、作製したナノボディが標的トレハラーゼ抗原に結合することが立証された(
図10)。続いて、野外様条件および50℃という高温下における抗TRHナノボディの安定性について検討した(
図11の(A)~B)。結果は、30℃、湿度60~70%、UV指数が4~5の野外様条件下で一晩のインキュベーションは、対照と比べて、ナノボディ含量に対して全く影響がないまたはわずかな減少しか誘導しないことを示した。同様の結果が、50℃で一晩のインキュベーション後にも示された。
【0536】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、単一用量の作製した抗TRHナノボディを添加した人工飼料上で飼育し、7日目よび14日目の死亡率を測定した。結果は、作製した抗TRHナノボディによる処理に続く幼虫死亡率の有意な増加を示した(
図12A)。続いて、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗TRHナノボディを0日目、4日目、および7日目に円盤状の綿の葉に添加することで投与して飼育し、4日目、7日目、および10日目に死亡率を測定した。結果は、抗TRHナノボディによる処理に続く、有意に用量依存的な幼虫死亡率の増加を示した(
図12B)。
【0537】
加えて、幼虫の体重および体長の測定、並びに後に蛹から成虫に変態した個体数の観察を含む、昆虫の生活環の全体にわたる観察を実行した。さらに、生き残り、幼虫から蛹、その後、成虫の蛾へと変態する完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージを求めた。
【0538】
実施例4
抗チトクロームP450モノオキシゲナーゼ・ナノボディ
Helicoverpa armigeraのチトクロームp450モノオキシゲナーゼ(本明細書では「P450」と称する)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表5を参照)。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイによって、作製したナノボディが標的P450抗原に結合することが立証された(
図13)。続いて、内腔条件および野外様条件における抗P450ナノボディの安定性について検討した。
【0539】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗P450ナノボディを添加した人工飼料上で飼育し、7日目よび14日目の死亡率を測定した。結果は、作製した抗P450ナノボディによる処理に続く幼虫死亡率の有意な増加を示した(
図14)。
【0540】
加えて、幼虫の体重および体長の測定、並びに後に蛹から成虫に変態した個体数の観察を含む、昆虫の生活環の全体にわたる観察を実行した。さらに、生き残り、幼虫から蛹、その後、成虫の蛾へと変態する完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージを求めた。
【0541】
実施例5
抗キチン脱アセチル化酵素・ナノボディ
Helicoverpa armigeraのキチン脱アセチル化酵素(本明細書では「CDA」と称する)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表6を参照)。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイによって、作製したナノボディが標的CDA抗原に結合することが立証された(
図15)。続いて、野外様条件および50℃という高温下における抗CDAナノボディの安定性について検討した(
図16の(A)~B)。結果は、30℃、湿度60~70%、UV指数が4~5の野外様条件下で一晩のインキュベーションは、対照と比べて、ナノボディ含量に対して影響がないことを示した。同様の結果が、50℃で一晩のインキュベーション後にも示された。
【0542】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗CDAナノボディを添加した人工飼料上で飼育し、7日目よび14日目の死亡率を測定した。結果は、抗CDAナノボディによる処理に続く幼虫死亡率の有意な増加を示した(
図17A)。続いて、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗CDAナノボディを0日目、4日目、および7日目に円盤状の綿の葉に添加することで投与して飼育し、4日目、7日目、および10日目に死亡率を測定した。結果は、抗CDAナノボディによる処理に続く、有意に用量依存的な幼虫死亡率の増加を示した(
図17B)。
【0543】
加えて、幼虫の体重および体長の測定、並びに後に蛹から成虫に変態した個体数の観察を含む、昆虫の生活環の全体にわたる観察を実行した。さらに、生き残り、幼虫から蛹、その後、成虫の蛾へと変態する完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージを求めた。
【0544】
実施例6
抗キチンシンターゼ・ナノボディ
Helicoverpa armigeraのキチンシンターゼ(本明細書では「CHS」と称する)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表7を参照)。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイによって、作製したナノボディが標的CHSに結合することが立証された(
図18)。続いて、野外様条件および50℃という高温下における抗CHSナノボディの安定性について検討した(
図19の(A)~B)。結果は、30℃、湿度60~70%、UV指数が4~5の野外様条件下で一晩のインキュベーションは、対照と比べて、ナノボディ含量に対してわずかな減少しか誘導しないことを示した。同様の結果が、50℃で一晩のインキュベーション後にも示された。
【0545】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗CHSナノボディを添加した人工飼料上で飼育し、7日目よび14日目の死亡率を測定した。結果は、作製した抗CHSナノボディによる処理に続く幼虫死亡率の有意な増加を示した(
図20A)。続いて、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗CHSナノボディを0日目、4日目、および7日目に円盤状の綿の葉に添加することで投与して飼育し、4日目、7日目、および10日目に死亡率を測定した。結果は、抗CHSナノボディによる処理に続く、有意に用量依存的な幼虫死亡率の増加を示した(
図20B)。
【0546】
加えて、幼虫の体重および体長の測定、並びに後に蛹から成虫に変態した個体数の観察を含む、昆虫の生活環の全体にわたる観察を実行した。さらに、生き残り、幼虫から蛹、その後、成虫の蛾へと変態する完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージを求めた。
【0547】
実施例7
抗NPC1ステロール輸送体・ナノボディ
Helicoverpa armigeraのNPC1ステロール輸送体(本明細書では「NPC1」と称する)抗原に対するいくつかのナノボディを作製した(上記表8を参照)。標的抗原を被覆したプレートを用いたELISAアッセイによって、作製したナノボディが標的NPC1抗原に結合することが立証された(
図21)。続いて、内腔条件および野外様条件における抗NPC1ステロール輸送体ナノボディの安定性について検討した。
【0548】
作製したナノボディの殺昆虫活性を求めるために、48時間齢以下の若いHelicoverpa armigeraの幼虫を、作製した抗NPC1ナノボディを添加した人工飼料上で飼育し、7日目よび14日目の死亡率を測定した。結果は、作製した抗NPC1ナノボディによる処理に続く幼虫死亡率の有意な増加を示した(
図22)。
【0549】
加えて、7日目および14日目の幼虫の体重および体長の測定、並びに後に蛹から成虫に変態した個体数の観察を含む、昆虫の生活環の全体にわたる観察を実行した。さらに、生き残り、幼虫から蛹、その後、成虫の蛾へと変態する完全な生活環を全うした幼虫のパーセンテージを求めた。
【0550】
本発明をその特定の実施形態との関連で説明したが、多数の代替、修飾および変種が当業者には明らかであろう。したがって、そのような代替、修飾および変種の全ては、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に含まれることを意図するものである。
【0551】
本明細書で言及した全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許および特許出願のそれぞれについて具体的且つ個別の参照により本明細書に組み込む場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に援用される。加えて、本願におけるいかなる参考文献の引用または特定は、このような参考文献が本発明の先行技術として使用できることの容認として解釈されるべきではない。また、各節の表題が使用される範囲において、必ずしも限定として解釈されるべきではない。さらに本願のいかなる基礎出願も本参照をもってその全体をここに援用する。
【配列表フリーテキスト】
【0552】
配列番号1: キチン結合ドメインCBDを含むポリペプチド-HaPMP5B1
配列番号2: キチン結合ドメインCBDを含むポリペプチド-HaPMP5B1
配列番号3: キチン結合ドメイン(CBD)
配列番号4: キチン結合ドメイン(CBD)
配列番号5: キチン結合ドメイン(CBD)
配列番号6: キチン結合ドメイン(CBD)
配列番号7: キチン結合ドメイン(CBD)
配列番号8: V-ATPアーゼ・サブユニットc
配列番号9: キチン脱アセチル化酵素
配列番号10: トレハラーゼ
配列番号11: チトクロームp450モノオキシゲナーゼ
配列番号12: キチンシンターゼ
配列番号13: NPC1ステロール輸送体
配列番号14: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号15: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号16: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号17: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号18: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号19: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号20: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号21: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号22: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号23: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号24: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号25: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号26: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号28: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号29: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号30: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号31: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号32: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号33: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号34: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号35: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号36: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号37: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号38: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号39: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号40: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号41: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号42: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号43: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号44: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号45: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号46: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号47: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号48: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号49: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号50: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号51: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号52: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号53: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号54: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号55: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号56: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号57: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号58: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号59: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号60: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号61: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号62: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号63: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号66: ナノボディのアミノ酸配列
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配列番号82: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号83: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号84: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号97: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号98: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号99: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号100: 相補性決定領域のアミノ酸配列
【0553】
配列番号101: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号102: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号103: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号104: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号105: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号106: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号107: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号108: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号109: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号110: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号111: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号112: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号113: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号114: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号115: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号116: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号117: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号118: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号119: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号120: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号121: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号122: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号123: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号124: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号125: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号126: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号127: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号128: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号129: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号130: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号131: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号132: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号133: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号134: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号135: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号136: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号137: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号138: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号139: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号140: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号141: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号142: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号143: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号144: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号145: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号146: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号147: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号148: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号149: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号150: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号151: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号152: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号153: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号154: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号156: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号157: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号158: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号159: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号160: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号161: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号162: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号163: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号164: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号165: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号166: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号167: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号168: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号169: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号170: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号171: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号172: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号173: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号174: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号175: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号176: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号177: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号178: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号179: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号180: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号181: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号182: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号183: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号185: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号186: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号187: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号188: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号189: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号190: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号191: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号192: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号193: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号194: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号195: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号196: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号197: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号198: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号199: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号200: ナノボディのアミノ酸配列
【0554】
配列番号201: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号202: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号203: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号204: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号205: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号206: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号207: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号208: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号209: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号210: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号211: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号212: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号213: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号214: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号215: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号216: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号217: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号218: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号219: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号220: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号221: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号222: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号223: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号224: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号225: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号226: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号227: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号228: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号229: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号230: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号231: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号232: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号233: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号234: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号235: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号236: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号237: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号238: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号239: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号240: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号241: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号242: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号243: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号244: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号245: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号246: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号247: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号248: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号249: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号250: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号251: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号252: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号253: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号254: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号255: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号256: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号257: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号258: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号259: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号260: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号261: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号262: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号263: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号264: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号265: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号266: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号267: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号268: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号269: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号270: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号271: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号272: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号273: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号274: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号275: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号276: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号277: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号278: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号279: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号280: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号281: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号282: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号283: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号284: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号285: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号286: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号287: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号289: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号290: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号291: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号292: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号293: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号294: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号295: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号296: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号297: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号298: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号299: ナノボディのアミノ酸配列
39位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
配列番号300: 相補性決定領域のアミノ酸配列
【0555】
配列番号301: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号302: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号303: ナノボディのアミノ酸配列
3位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
配列番号304: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号305: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号306: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号307: ナノボディのアミノ酸配列
39位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
配列番号308: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号309: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号310: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号311: ナノボディのアミノ酸配列
3位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
配列番号312: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号313: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号314: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号315: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号316: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号317: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号318: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号319: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号320: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号321: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号322: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号323: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号324: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号325: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号326: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号327: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号328: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号329: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号331: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号332: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号333: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号334: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号336: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号337: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号338: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号339: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号340: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号341: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号342: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号343: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号344: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号345: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号346: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号347: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号348: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号349: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号350: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号351: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号352: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号353: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号354: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号355: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号356: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号357: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号358: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号359: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号360: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号361: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号362: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号363: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号364: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号365: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号366: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号367: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号368: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号369: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号370: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号371: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号372: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号373: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号374: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号375: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号376: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号377: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号378: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号379: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号380: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号381: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号382: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号383: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号384: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号385: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号386: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号387: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号388: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号389: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号390: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号391: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号392: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号393: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号394: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号395: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号396: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号397: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号398: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号399: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号400: 相補性決定領域のアミノ酸配列
【0556】
配列番号401: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号402: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号403: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号404: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号405: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号406: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号407: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号408: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号409: 2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)
2~12位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
43~47位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
54~62位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
87~98位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
116~121位のXaaは任意の天然アミノ酸であり得る
配列番号410: 2型キチン結合ドメイン(ChtBD2)
配列番号411: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号412: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号413: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号414: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号415: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号416: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号417: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号418: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号419: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号420: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号421: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号422: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号423: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号424: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号425: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号426: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号427: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号428: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号429: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号430: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号431: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号432: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号433: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号434: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号435: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号436: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号437: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号438: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号439: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号440: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号441: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号442: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号443: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号444: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号445: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号446: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号447: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号448: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号449: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号450: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号451: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号452: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号453: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号454: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号455: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号456: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号457: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号458: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号459: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号460: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号461: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号462: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号463: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号464: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号465: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号466: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号467: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号468: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号469: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号470: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号471: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号472: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号473: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号474: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号476: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号478: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号479: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号480: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号481: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号482: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号483: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号484: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号485: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号486: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号487: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号488: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号489: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号490: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号491: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号492: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号493: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号494: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号495: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号496: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号497: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号498: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号499: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号500: 相補性決定領域のアミノ酸配列
【0557】
配列番号501: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号502: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号503: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号504: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号505: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号506: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号507: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号508: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号509: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号510: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号511: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号512: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号513: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号514: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号515: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号516: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号517: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号518: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号519: ナノボディのアミノ酸配列
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配列番号521: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号530: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号531: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号532: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号533: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号534: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号535: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号536: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号537: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号538: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号539: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号540: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号541: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号542: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号543: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号544: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号545: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号546: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号547: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号548: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号549: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号550: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号551: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号552: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号553: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号554: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号556: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号557: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号560: ナノボディのアミノ酸配列
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配列番号571: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号574: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号576: ナノボディのアミノ酸配列
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配列番号580: 相補性決定領域のアミノ酸配列
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配列番号593: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号594: ナノボディのアミノ酸配列
配列番号595: 相補性決定領域のアミノ酸配列
配列番号596: ナノボディのアミノ酸配列
【配列表】
【国際調査報告】