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特表2023-501013検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板及び試験紙
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板及び試験紙
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20230111BHJP
   G01N 33/558 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G01N33/543 521
G01N33/558
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524362
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2020123256
(87)【国際公開番号】W WO2021093555
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】201921977474.6
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921971969.8
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521190347
【氏名又は名称】中国農業科学院農業質量標准与検測技術研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF QUALITY STANDARD AND TESTING TECHNOLOGY FOR AGRO-PRODUCTS, CHINESE ACADAMY OF AGRICULTURAL SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 静
(72)【発明者】
【氏名】曹 振
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲輝▼
(57)【要約】
本願は、検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板及び試験紙を提供する。前記検出装置は、液体サンプルを入れるように配置されている2つ以上のサンプルプールを含む液体サンプル保持装置と、身分情報保持部、発色部及び毛管部を少なくとも含む試験紙と、前記試験紙を、同じ円環エリアにおいて円周方向の放射状で設置するように配置されている試験紙保持板と、前記試験紙保持板に設置されている位置決め補助装置とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプルを入れるように配置されている2つ以上のサンプルプールを含む液体サンプル保持装置と、
身分情報保持部、発色部及び毛管部を少なくとも含む試験紙と、
前記試験紙を、同じ円環エリアにおいて円周方向の放射状で設置するように配置されている試験紙保持板と、
前記試験紙保持板に設置され、前記試験紙の設置エリア以外に位置する信号収集位置決め補助装置と、を備えることを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記信号収集位置決め補助装置は、少なくとも3つのマークを含み、そのうちの少なくとも1つのマークは、他のマークと区別することができることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記円環エリアは、第一の円環エリア、第二の円環エリア及び第三の円環エリアに分けられ、
前記試験紙が円周方向に配置されている場合、前記第二の円環エリアは、前記身分情報保持部と前記発色部の所在する円環エリアであり、前記第三の円環エリアは、前記発色部の所在する円環エリアであり、前記第一の円環エリアは、前記円環エリアにおける前記第二の円環エリア以外の円環エリアであり、
前記少なくとも3つのマークは、第二の円環エリア内に設置されており、又は、
前記マークは、前記試験紙保持板のエッジの近くにあり、又は、
前記少なくとも3つのマークの分布は、円環の円心の周りの円周配列の分布を含むことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記マークは、色、形状又は模様の中の任意の1つ又は少なくとも2つにより区別を行い、及び/又は、
前記マークの辺の長さのサイズは、2mm以上であり、及び/又は、
それぞれの前記マークの面積は、前記試験紙保持板の上表面の面積の0.4~5%を占め、及び/又は、
前記マークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形エリアの中心と前記円環エリアの円心が重なり、及び/又は、
前記マークは、正方形のマークであり、前記正方形のマークの中心を結ぶ線が囲んで正方形エリアになり、前記正方形のマークの少なくとも2つの辺が前記正方形エリアの辺に平行することを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記マークは、色により区別を行い、前記色は、青色、緑色、黄色の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせであり、及び/又は、
前記マークは、1つの青色の正方形のマーク及び3つの緑色の正方形のマークであり、及び/又は、
前記マークは、1つの緑色の正方形のマーク及び3つの青色の正方形のマークであり、及び/又は、
前記マークの形状は、方形、三角形、五芒星形の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含むことを特徴とする請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記試験紙保持板の上表面は、正多角形であり、前記試験紙が円周方向に配置されている場合、前記試験紙又は前記試験紙の長手方向の延長エリアが前記正多角形の端点をカバーし、及び/又は、
前記試験紙が円周方向に配置されている場合、前記試験紙の上表面が前記試験紙保持板の上表面より低く、前記試験紙の上表面と前記試験紙保持板の上表面の距離の値が前記試験紙の幅値の1/3より小さく、又は、前記試験紙の上表面と前記試験紙保持板の上表面が同じ高さにあり、又は、前記試験紙の上表面が前記試験紙保持板の上表面より高いことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記試験紙が円周方向に配置されている場合、前記試験紙保持板は、少なくとも前記試験紙の身分情報保持部及び発色部を保持することができ、及び/又は、
前記試験紙保持板におけるそれぞれのマークは、前記正多角形の中心と最も遠く離れた頂点が前記正多角形の最大の内接円の円周に位置することを特徴とする請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記試験紙保持板の上表面は、拡散反射表面であり、又は、
前記試験紙保持板の上表面は、ニュートラルカラー表面であることを特徴とする請求項6に記載の検出装置。
【請求項9】
前記試験紙保持板は、板本体及び前記板本体に設置されている試験紙位置制限装置を含み、前記試験紙が同じ円環エリアにおいて円周方向に配置されるように前記試験紙に対して位置制限を行い、及び/又は、
前記試験紙保持板は、板本体及び前記板本体に開設されている試験紙保持溝を含み、前記試験紙保持溝は、前記板本体において前記円環エリアの円心の周りに円周状の配列で配置されており、及び/又は、
前記液体サンプル保持装置は、前記試験紙保持板と個別に設置されており、及び/又は、
前記液体サンプル保持装置は、液体サンプルを別々に入れるための少なくとも2つのサンプルプールを含み、それぞれの前記サンプルプールの容積が同じであり、及び/又は、
前記サンプルプールは、対向して配置されている、高低差のある第一の側壁及び第二の側壁を有し、前記第一の側壁は、高さが比較的低い方であり、前記第二の側壁は、高さが比較的高い方であり、それぞれの前記サンプルプールの前記第一の側壁が一体に設計されており、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲み、又は、前記検出装置は、第三の側壁を更に含み、前記第一の側壁と前記第三の側壁が一体に設計されており、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲み、及び/又は、
前記液体サンプル保持装置は、前記試験紙の数と同じ数のサンプルプールを有し、前記サンプルプールは、第一の側壁及び前記第一の側壁より高い第二の側壁を有し、前記サンプルプールは、同じ円周に沿って配置され、前記第一の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記円筒形の底部には、底板が設置されており、残量液体サンプル格納チャンパーに形成され、前記第二の側壁が円筒を形成するように囲み、前記液体サンプル保持装置の外壁として形成され、及び/又は、
前記液体サンプル保持装置と前記試験紙保持板は、着脱可能に接続されており、及び/又は、
前記前記試験紙保持板には、嵌め込み溝が設置されており、前記液体サンプル保持装置の底部には、前記嵌め込み溝とマッチングすることができる突起部が設置されており、及び/又は、
前記試験紙は、吸水部を更に含み、及び/又は、
前記発色部には、Tライン及びCラインが設置されており、前記発色部のTライン及びCラインの距離が5~8mmであり、TラインとCラインのライン幅が0.5~1mmであり、及び/又は、
前記信号収集位置決め補助装置は、信号を収集する際に、それぞれの試験紙の位置に対して位置決めを行うために用いられることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記試験紙位置制限装置は、位置制限ブロック、位置制限溝、位置制限仕切り板、位置制限スロットの中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含み、及び/又は、
前記試験紙保持溝の長さは、前記身分情報保持部と前記発色部の長さの合計以上であり、及び/又は、
前記試験紙保持溝の深さは、前記試験紙の厚さとマッチングし、及び/又は、
前記試験紙保持溝の深さが前記試験紙の厚さより大きく、前記試験紙保持溝の底部には、前記試験紙の下表面と前記試験紙保持溝の底部を分離するために用いられる支持部が設置されており、及び/又は、
前記第二の側壁には、試験紙を固定するように配置されている欠け口が設置されており、及び/又は、前記第一の側壁の少なくとも底部の幅と前記試験紙の幅がマッチングし、及び/又は、
前記試験紙保持溝の幅は、前記試験紙の幅より0.1~0.2mm広く、及び/又は、
前記試験紙保持溝の身分情報保持部の保持エリアの端部は、前記身分情報保持部の端部の形状とマッチングし、及び/又は、
前記サンプルプールの底部は、前記毛管部の幅より小さい液体漏れ通路を有し、前記液体漏れ通路の出口は、前記試験紙を円周方向に配置する時の前記毛管部の上方に設置されており、及び/又は、
着脱式接続は、スナップ接続、凹凸結合接続、ねじ接続、マグネット接続の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含み、及び/又は、
前記身分情報保持部は、前記毛管部及び/又は前記吸水部の上表面を覆い、及び/又は、
前記信号収集位置決め補助装置は、信号を収集する際に、それぞれの試験紙の身分情報保持部の位置エリア及び発色部の位置エリアに対して位置決めを行うために用いられることを特徴とする請求項9に記載の検出装置。
【請求項11】
前記支持部の高さは、前記試験紙の発色部の上表面を、前記試験紙保持板の上表面と同じ高さまで上げることができ、又は、前記試験紙の上表面を、前記試験紙保持板の高さより高い位置まで上げることができ、及び/又は、
2つの前記支持部が少なくとも設置されており、及び/又は、
前記欠け口の幅は、前記試験紙の幅とマッチングすることを特徴とする請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記試験紙の数と同じ数のサンプルプールを有し、前記サンプルプールは、第一の側壁及び前記第一の側壁より高い第二の側壁を有し、前記サンプルプールは、同じ円周に沿って配置され、前記第一の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記円筒形の底部には、底板が設置されており、残量液体サンプル格納チャンパーに形成され、前記第二の側壁が円筒を形成するように囲み、前記液体サンプル保持装置の外壁として形成される液体サンプル保持装置と、
順に設置されている毛管部、発色部及び吸水部を含み、前記身分情報保持部は、前記吸水部の上表面を覆う試験紙と、
上表面が白色の拡散反射面であり、形状が正多角形であり、板本体及び前記板本体に開設されている試験紙保持溝を含み、前記試験紙保持溝が前記試験紙の発色部の上表面と前記試験紙保持板の上表面を同じ高さにさせ、前記試験紙保持溝が前記板本体において前記円環エリアの円心の周りに円周状の配列で配置される試験紙保持板と、
前記試験紙保持板に設置されている1つの青色の正方形のマーク及び3つの緑色の正方形のマークを含み、前記正方形のマークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形エリアの中心と前記円環エリアの円心が重なり、前記正方形のマークの少なくとも2つの辺が前記正方形エリアの辺に平行し、前記正方形のマークにおける前記円心から最も遠く離れた頂点が前記正多角形保持板のエッジに位置する信号収集位置決め補助装置とを備えることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか1項に記載の検出装置に使用される液体サンプル保持装置であって、
液体サンプルを別々に入れるための少なくとも2つのサンプルプールを含み、それぞれの前記サンプルプールの容積が同じであり、
前記サンプルプールは、対向して配置されている、高低差のある第一の側壁及び第二の側壁を有し、前記第一の側壁は、高さが比較的低い方であり、前記第二の側壁は、高さが比較的高い方であり、
それぞれの前記サンプルプールの前記第一の側壁が一体に設計されており、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲み、又は、前記検出装置は、第三の側壁を更に含み、前記第一の側壁と前記第三の側壁が一体に設計され、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲むことを特徴とする液体サンプル保持装置。
【請求項14】
前記第二の側壁には、試験紙を固定するように配置されている欠け口が設置されており、及び/又は、
前記第一の側壁の少なくとも底部の幅と試験紙の幅がマッチングし、及び/又は、
前記液体サンプル保持装置は、試験紙の数と同じ数のサンプルプールを有し、前記サンプルプールは、第一の側壁及び前記第一の側壁より高い第二の側壁を有し、前記サンプルプールは、同じ円周に沿って配置され、前記第一の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記円筒形の底部には、底板が設置されており、残量液体サンプル格納チャンパーに形成され、前記第二の側壁が円筒を形成するように囲み、前記液体サンプル保持装置の外壁として形成され、及び/又は、
前記サンプルプールの底部は、液体漏れ通路が設置されており、及び/又は、
前記液体サンプル保持装置には、着脱可能に接続する接続部材が設置されており、前記接続部材は、スナップ接続のスナップ、凹凸結合接続凹凸結合接続の凹溝、凹凸結合接続の突起、ねじ接続の雌ネジ、ねじ接続の雄ネジ、マグネット接続のS極、マグネット接続のN極の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含むことを特徴とする請求項13に記載の液体サンプル保持装置。
【請求項15】
前記欠け口の幅は、試験紙の幅とマッチングすることを特徴とする請求項14に記載の液体サンプル保持装置。
【請求項16】
請求項1~12の何れか1項に記載の検出装置に使用される試験紙保持板であって、
板本体と、
試験紙の設置エリアを位置制限することができ、前記設置エリアは、同じ円環エリアの内の円周方向において放射状で配置されている試験紙位置限定装置と、
前記板本体の上表面に設置されている信号収集位置決め補助装置と、を備えることを特徴とする試験紙保持板。
【請求項17】
前記板本体の上表面は、正多角形であり、及び/又は、
前記信号収集位置決め補助装置は、少なくとも3つのマークを含み、そのうちの少なくとも1つのマークは、他のマークと区別することができ、及び/又は、
前記試験紙位置制限装置は、試験紙保持溝であり、前記試験紙保持溝の長さは、前記試験紙の長さの1/2~5/4であり、及び/又は、
前記板本体の上表面は、白色の拡散反射面であることを特徴とする請求項16に記載の試験紙保持板。
【請求項18】
前記マークは、前記板本体のエッジの近くにあり、及び/又は、
前記マークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、及び/又は、
前記マークは、正方形のマークであり、前記正方形のマークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形エリアの中心と前記正多角形の中心が重なり、前記正方形のマークの少なくとも2つの辺が前記正方形エリアの辺に平行し、及び/又は、
前記マークは、1つの青色の正方形のマーク及び3つの緑色の正方形のマークであり、又は、1つの緑色の正方形のマーク及び3つの青色の正方形のマークであり、及び/又は、
前記試験紙保持溝の深さは、前記試験紙の厚さより大きく、前記試験紙保持溝の底部には、試験紙に対して位置制限を行う際に、前記試験紙の下表面と前記試験紙保持溝の底部を分離するために用いられる支持部が設置されており、及び/又は、
前記試験紙保持溝のエッジは、位置制限待ちの試験紙のエッジとマッチングし、及び/又は、
前記支持部の数が少なくとも2つであることを特徴とする請求項17に記載の試験紙保持板。
【請求項19】
毛管部、発色部及び身分情報保持部を含み、
前記発色部には、Tライン及びCラインが設置され、前記TラインとCラインの距離が5~8mmであり、TラインとCラインの幅が0.5~1mmであることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の検出装置の試験紙。
【請求項20】
吸水部を更に備え、
前記身分情報保持部は、前記毛管部及び/又は前記吸水部の上表面を覆うことを特徴とする請求項19に記載の試験紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本公開内容は免疫学検出技術分野、特に、検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板及び試験紙に関するものである。
【0002】
<関連出願の相互引用>
本願は、2019年11月15日に中国特許庁へ提出された(出願番号:2019219774746、名称:検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板、試験紙)中国特許出願の優先権、及び、2019年11月15日に中国特許庁へ提出された(出願番号:2019219719698り、名称:検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板、試験紙)中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が引用により本願に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
従来の技術においては、ターゲットスクリーニング分野では、サンプリング、サンプルの準備から分析までの検出プロセスが複雑で、適時性も悪いという問題がある。例えば、クロマトグラフィー分析装置を用いて農薬残留検出を行う場合、サンプリングから検出結果の取得まで、通常2日もしくはそれ以上の時間がかかり、専門知識を持つオペレーター及び設備のサポートも必要である。また、通常農薬残留検出において、検出結果が得られた後、購入された同じバッチのサンプルの多くが既に消費者の食卓に持っていたため、消費リスクを提示する意味がなくなってしまった。
【0004】
ターゲットを迅速にスクリーニングする既存の検出方法の多くは、免疫クロマトグラフィー法を用い、ターゲットの濃度により発色の濃淡も違ってくる。また、こうした結果の判定は、人の主観に左右されやすいため、定性的、定量的な結果の判定の何れも十分正確ではない。
【0005】
従って、適時性が強く、操作が簡単であり、オペレーターの技術に対する要求が比較的に低く、サンプルを収集する現場でターゲットをリアルタイムでスクリーニングし、テスト結果を正確に収集できる検出装置をどのように提供するかは、この分野において早急に解決しなければならない問題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施形態は、一種の検出装置を提供しようとしている。免疫クロマトグラフィー法の適時性を生かし、クロマトグラフィー発色の試験紙を、信号収集位置決め補助装置を有する検出装置に規則的に配置することにより、試験紙が円形の放射状に配置される。よって、試験紙の識別精度の向上、データ処理時に試験紙の発色エリアの識別精度に対する要求の満足、ターゲットをスクリーニングする適時性の向上、操作プロセスの簡素化、オペレーターに対する技術要求の低減、サンプルを収集する現場でターゲットをリアルタイムでスクリーニングすることの実現、採取しテストする結果の正確性の向上を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施形態は、以下の検出装置を提供する。
液体サンプルを入れるように配置されている2つ以上のサンプルプールを含む液体サンプル保持装置
試験紙(少なくとも身分情報保持部、発色部及び毛管部を含んだもの)
上記試験紙を、同じ円環エリアにおいて円周方向の放射状で設置するように配置されている試験紙保持板
上記試験紙保持板に設置され、上記試験紙の設置エリア以外に位置する信号収集位置決め補助装置
【0008】
上述した実現プロセスにおいては、液体サンプルを同時に入れるサンプルプールの数が二つ以上あるため、二つの液体サンプルを同時に保持できる。それぞれのサンプルプール内に異なるターゲットを検出するための試験紙が入れられた場合、複数のターゲットの同時の発色反応を実現できる。発色後の試験紙を試験紙保持板の上に置くと、複数のターゲットの発色結果に対して同時に観察し、そして画像の収集を行うことができる。非円形配列の試験紙の配置方式に比べ、信号収集位置決め補助装置により、同じ円環エリアにおいて円周方向の配列の試験紙に対して位置決めを行うことは、画像を収集する試験紙の画像に対してデータを分析する際に、補正後の試験紙の画像の歪み(特に、発色エリア)がより同じになりがちであることを保証することができる。ひいては、試験紙の発色エリアに対する画像処理プロセスにおいては、分割された発色エリアと実際の発色エリアのマッチング度がより高いことが見られ、マッチングする標準数値と比較された後、より正確な検出結果が得られる。ここから分かるように、本願の検出装置は、試験紙の識別精度の向上、データ処理時に試験紙の発色エリアに対する識別精度の要求の満足、ターゲットをスクリーニングする適時性の向上、操作プロセスの簡略化、オペレーターに対する技術要求の低減、サンプルを収集する現場でターゲットをリアルタイムでスクリーニングすることの実現、収集しテストする結果の正確性の向上が実現できる。
【0009】
また、信号収集位置決め補助装置と円形配列の組み合わせの設計により、画像を収集するプロセスにおいてデータの収集に対する環境光の影響を低減することができ、信号収集位置決め補助装置の相応情報(例えば、形状、境界、頂点等)を識別することができるだけで、試験紙の所在するエリアに対する正確な分割と発色エリアの色度の読み取りを実現できる。
【0010】
一つ実現可能な方式においては、上記の信号収集位置決め補助装置は、3つ以上のマークを含み、そのうちの少なくとも1つのマークは、他のと区別することができる。
【0011】
マークの数は3つ以上あり、データ処理プロセスにおいては、得られた画像に対して平面方向及び位置の補正をより正確に行うことができる。例えば、カメラのオフセット、試験紙保持板の傾斜等。円形配列の試験紙に対して、配置完了後、「そのうちの少なくとも1つマークは、他のと区別することができる」は、試験紙に番号を付けて順序を決めるという役割を果たすことができる。
【0012】
一つ実現可能な方式において、上記の円環エリアは、第一の円環エリア、第二の円環エリア及び第三の円環エリアに分けられている。前記試験紙が円周方向の配列に配置される場合、前記第二の円環エリアは、前記身分情報保持部と前記発色部の所在する円環エリアであり、前記第三の円環エリアは、前記発色部の所在する円環エリアであり、前記第一の円環エリアは、前記円環エリアにおける前記第二の円環エリア以外の円環エリアである。前記の少なくとも3つのマークは、第二の円環エリア内に設置されている。
【0013】
前記試験紙保持板は、前記試験紙を、同じ円環エリアにおいて円周方向の配列で配置し、且つ放射状に置いた際に、試験紙の所在するエリアは、1つの円環になるように囲む。前記円環は、試験紙の異なる機能性エリア(例えば、身分情報保持部、発色部、毛管部又は吸水部等)に従って異なるエリアに分けられている。また、同じ機能性エリアは、同じ円環エリア内に位置する。発色部の所在する円環を、第三の円環エリアと定義し、発色部及び身分情報識別部の所在する円環を、第二の円環エリアと定義し、残った円環エリアを、第一の円環エリアと定義する。
【0014】
データ処理プロセスにおいては、画像識別の主なオブジェクトは、身分情報保持部及び発色部であるため、前記の少なくとも3つのマークは、第二の円環エリア内に設置することは、画像識別の正確性を高めることができる。
【0015】
もう一つの可能な実現方式においては、前記マークは、前記試験紙保持板のエッジの近くに位置する。
【0016】
前記マークは、試験紙保持板の上に設置する。前記マークを前記試験紙保持板のエッジに設置することは、前記マークを可能な限り中心位置から遠くさせることができる。撮影された画像に対して識別する際に、マークにより画像の角度と位置をより正確に補正することができる。
【0017】
一つ実現可能な方式においては、前記の少なくとも3つのマークの分布は、前記円環の円心の周りに円周配列の分布を行うことを含む。
【0018】
前記マークの分布方式は、前記試験紙の分布方式と同じであり、データ処理プロセスにおけるデータ処理フローを簡素化し、画像を補正する正確性を高めることができる。
【0019】
1つの可能な実現方式においては、「少なくとも1つのマークは、他のマークと区別することができる」について、前記マークは、色、形状又は模様の中の任意の1つ又は少なくとも2つにより区別を行う。
【0020】
前記マーク間で区別を行うことができる全ての要素は、前記マークに応用することができる。模様は、位置決めポイントの配置、波模様等であっても良い。
【0021】
前記マークは、色により区別を行い、前記色は、青色、緑色、黄色の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含むことが好ましい。
【0022】
同じ波長の色の光の場合、光の強さが変化すると、目又は撮像デバイスは、通常、その変化を感じて共に変化するが、黄、緑、青の3つの色だけが比較的安定する。青色、緑色、黄色の中の任意の1つ又は少なくとも2つを選択することにより、マークの区別を行うことは、画像データ処理の正確性を高めることができる。
【0023】
前記マークの形状は、方形、三角形、五芒星形の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含むことが好ましい。
【0024】
方形、三角形、五芒星形の境界は、直線であり、明確な頂点を有し、データ処理時、前記マークのエッジに対する識別精度を高めることがより容易になり、発色エリアに対する正確な分けを実現することができる。
【0025】
1つの可能な実現方式においては、前記マークの辺の長さのサイズは、2mm以上である。
【0026】
それぞれの前記マークの面積が前記試験紙保持板の上表面の面積の0.4~5%を占めることが好ましい。
【0027】
既存のカメラ画素(例えば、1200万画素程度)では、2mm以上のマークのサイズは、データ処理時、マークに対する画像の識別精度をより良く満たすことができる。マークのサイズが小さすぎる(2mm未満)と、画像識別のデータ読み取りのエラが生じてしまう。試験紙保持板の上表面の面積の0.4~5%を占めることは、収集された画像の色度に対するマークの色の影響を可能な限り減少することができる。
【0028】
1つの可能な実現方式においては、前記マークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形のエリアの中心と前記円環エリアの円心が重なる。
【0029】
もう1つの可能な実現方式においては、前記マークは、正方形のマークであり、前記正方形のマークの中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形のマークの辺が前記正方形のエリアの辺に平行する。
【0030】
上述した実現方式においては、前記マークに囲まれて形成された正方形のエリアは、辺、角が同じであり、データ処理時、アルゴリズムがより簡単である。特に、前記マークも正方形である場合、マークの境界を識別し、画像のオフセット及び角度を補正する点においては、アルゴリズムがより簡単である。
【0031】
この実現方式においては、前記マークは、1つの青色の正方形のマーク及び3つの緑色の正方形のマークであり、又は、1つの緑色の正方形のマーク及び3つの青色の正方形のマークであることが好ましい。
【0032】
1つの実現方式においては、前記試験紙保持板の上表面は、正多角形であり、前記試験紙が円周方向の配列で配置されている場合、前記試験紙又は前記試験紙の長手方向の延長エリアが前記正多角形の端点を覆う。
【0033】
即ち、前記試験紙保持板は、正多角形であり、試験紙が円心と頂点の接続方向に設置されている。このような設置では、試験紙保持板の上表面を最大限で利用し、試験紙保持板のサイズを小さくすることができる。円形の試験紙保持板に比べ、上表面の面積が減り、より把持しやすくなる。
【0034】
前記試験紙が円周方向の配列で配置されている場合、前記試験紙保持板は、前記試験紙の身分情報保持部及び発色部を少なくとも保持することができることが好ましい。
【0035】
前記試験紙保持板におけるそれぞれのマークと前記正多角形の中心と最も遠く離れた頂点は、前記正多角形の最大の内接円の円周に位置することが好ましい。
【0036】
前記試験紙保持板をより小さくするために、前記試験紙の身分情報保持部及び発色部のみを保持し、画像を収集する要求を満たせば良い。言い換えれば、毛管部等のような、データ処理とあまり関係のない部位に対して画像の収集を行わなくても良い。収集された画像をより良く補正するために、前記マークを試験紙保持板の最大の内接円の円周に設置することは、画像を補正する正確性を高め、アルゴリズムを簡略化することができる。
【0037】
1つの可能な実現方式においては、前記試験紙保持板の上表面は、拡散反射表面である。
【0038】
前記試験紙保持板の上表面は、ニュートラルカラー表面であることが好ましい。
【0039】
拡散反射表面は、光源が保持板の表面を照射して反射することによる光スポットを減らし、画像識別の正確性に対する影響を低減することができる。一方、ニュートラルカラー表面は、識別必要なエリアに対する保持板の背景色の影響を低減し、画像識別の正確性を高めることができる。前記試験紙保持板の上表面に対する制限は、画像を収集する際に背景光源による干渉を減らし、前記ターゲットをスクリーニングする普遍性を高めることができる。
【0040】
1つの可能な実現方式においては、前記試験紙が円周方向の配列で配置されている場合、前記試験紙の上表面が前記試験紙保持板の上表面より低い。また、前記試験紙の上表面と前記試験紙保持板の上表面の距離の値が前記試験紙の幅の値の1/3(例えば、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9、1/10等)より小さく、又は、前記試験紙の発色部の上表面と前記試験紙保持板の上表面が同じ高さにあり、又は、前記試験紙の上表面が前記試験紙保持板の上表面より高い。
【0041】
1つの可能な実現方式においては、前記試験紙が円周方向の配列で配置されている場合、前記試験紙の発色部の上表面と前記試験紙保持板の上表面が同じ高さにあり、又は、前記試験紙の上表面が前記試験紙保持板の上表面より高い。
【0042】
前記試験紙の位置は、前記試験紙保持板の上表面より低すぎる(例えば、前記試験紙の上表面と試験紙保持板の上表面の間の距離は、試験紙の幅の1/3より大きい)と、発色部に多すぎる陰影が生じ、画像識別後、分割して得られた発色部の発色エリアの識別に色の誤差が発生し、ターゲットをスクリーニングする結果判定に影響を与えてしまう。
【0043】
1つの実現方式においては、前記試験紙保持板は、板本体及び前記板本体に設置されている試験紙位置制限装置を含み、前記試験紙が同じ円環エリアにおいて円周方向の配列で配置されている場合、前記試験紙に対して位置制限を行うように設置されている。
【0044】
前記試験紙位置制限装置は、位置制限ブロック、位置制限溝、位置制限仕切り板、位置制限スロットの中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含むことが好ましい。
【0045】
1つの具体的な実現方式においては、前記試験紙保持板は、板本体及び前記板本体に開設されている試験紙保持溝を含み、前記試験紙保持溝は、前記板本体において前記円環エリアの円心の周りに円周方向の配列で配置されている。
【0046】
前記試験紙保持溝の長さは、前記身分情報保持部と前記発色部の長さの合計以上であることが好ましい。
【0047】
一般的には、前記試験紙保持溝の長さは、前記試験紙保持板のサイズと関連があるが、前記試験紙保持溝の長さは、単独で設計しても良く、例えば、試験紙を前記試験紙保持板から出すという方式等である。
【0048】
前記試験紙保持溝の深さは、前記試験紙の厚さとマッチングすることが好ましい。
【0049】
前記マッチングとは、前記試験紙保持溝の深さと前記試験紙の厚さが一致である、又は、加工誤差範囲内に維持されていることを意味する。
【0050】
前記試験紙保持溝の深さが前記試験紙の厚さより大きく、前記試験紙保持溝の底部には、前記試験紙の下表面と前記試験紙保持溝の底部を分離するために用いられる支持部が設置されている。
【0051】
前記試験紙が試験紙保持溝に入れられる前に、液体サンプルのクロマトグラフィーを既に行ったが、試験紙と前記試験紙保持溝の底部が密着することにより、液体サンプルは、前記試験紙保持溝を内側から汚染してしまう。よって、前記試験紙の下表面と前記試験紙保持溝の底部を分離するための支持部を設置することは、試験紙に残留する液体サンプルが前記試験紙保持溝を汚染することを避けることができる。
【0052】
前記支持部の高さは、前記試験紙の発色部の上表面を、前記試験紙保持板の上表面と同じ高さに上げることができ、又は、前記試験紙の上表面を、前記試験紙保持板の上表面より高く上げることができる。
【0053】
上述したように、このような設計は、試験紙の周りの遮りによる画像収集時の陰影を減少することができる。前記の、前記試験紙の発色部の上表面を、前記試験紙保持板の上表面と同じ高さに上げることは、試験紙の少なくとも発色部の上表面を、前記試験紙保持板の上表面と同じ高さに上げることである。
【0054】
前記支持部の数は、少なくとも2つであることが好ましい。
【0055】
少なくとも2つの支持部を設置することは、試験紙の設置時の平坦度を高め、重心問題によるズレを防止することができる。
【0056】
前記試験紙保持溝の幅は、前記試験紙の幅より0.1~0.2mm広いことが好ましい。これにより、試験紙を溝に入れることができ、試験紙と溝のエッジは、比較的小さな隙間が形成し、画像を収集する精度を高め、隙間の陰影による影響を低減することができる。
【0057】
前記試験紙保持溝の身分情報保持部の保持エリアの端部は、前記身分情報保持部の端部の形状とマッチングすることが好ましい。
【0058】
ここでは、前記マッチングは、形状、サイズのマッチングを含む。前記マッチングは、一致である又は加工誤差範囲内に維持することを含む。試験紙保持溝の幅に対する限定であっても、試験紙保持溝の端部に対する限定であっても、何れもデータ処理時、試験紙が試験紙保持溝に入れられる際に生じる隙間が身分情報保持部の情報であると誤って認識する確率を減少するためである。
【0059】
1つの実現方式においては、前記液体サンプル保持装置は、前記試験紙保持板と個別に設置されている。
【0060】
前記個別に設置することとは、前記液体サンプル保持装置と前記試験紙保持板を分解することもでき、互いにマッチングして取り付けることもできることを意味する。
【0061】
1つの実現方式においては、前記液体サンプル保持装置は、液体サンプルを別々に入れるための少なくとも2つのサンプルプールを含み、それぞれの前記サンプルプールは、容積が同じである。
【0062】
前記の、液体サンプルを別々に入れることは、試験紙が液体サンプルの検出を行う際に、試験紙上の固着試薬の溶解後、隣接する試験紙の発色結果に影響を与えることを避けるためである。なお、前記サンプルプールの液体サンプルは、同じであっても良く、異なっても良い。本願の実施形態において行われた、ターゲットをスクリーニングする液体サンプルは、同じであっても良いが、スクリーニングする必要なターゲットは、違いがあり、例えば、お茶の葉に含まれる様々な残留農薬、マイコトキシン、環境汚染物質等をスクリーニングする。本願の実施形態において行われた、ターゲットをスクリーニングする液体サンプルは、異なっても良く、例えば、違う人からの尿、血液等のような、異なるソースからの体外液体サンプルをスクリーニングする。
【0063】
1つの実現方式においては、前記サンプルプールは、対向して配置されている、高低差のある第一の側壁及び第二の側壁を有し、前記第一の側壁は、高さが比較的低い方であり、前記第二の側壁は、高さが比較的高い方である。
【0064】
それぞれの前記サンプルプールの前記第一の側壁が一体に設計されており、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲み、又は、前記検出装置は、第三の側壁を更に含み、前記第一の側壁と前記第三の側壁が一体に設計され、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲む。
【0065】
本願の実施形態では、ドベネックの桶の原則を使用し、前記サンプルプールに対して異なる高さの側壁を設置し、サンプルプールの中の液体サンプルの量を統一し、試験紙のクロマトグラフィープロセスにおける操作の正確度を高めることができる。前記第一の側壁が一体に設計され、又は、他の側壁(第三の側壁)によって一体に設計され、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように共に囲むことは、周囲に対する汚染を低減し、余った液体サンプルが残量液体サンプル格納チャンパーに直接に入るためである。第一の側壁は、サンプルプールのチャンパーの壁の最も低い1つの側壁である。
【0066】
前記第二の側壁には、試験紙を固定するように配置されている欠け口が設置されていることが好ましい。
【0067】
前記欠け口の幅と試験紙の幅がマッチングすることが好ましい。
【0068】
前記第一の側壁の少なくとも底部の幅と試験紙の幅がマッチングすることが好ましい。
【0069】
本願の実施形態においては、欠け口、欠け口のサイズ及び第一の側壁の底部の幅の設計は、何れも試験紙が液体サンプルを検出する際に、試験紙が傾斜又は動的に移動することにより、液体サンプルの検出プロセスが不安定であり、試験紙のクロマトグラフィーの液体サンプルの量が統一ではなく、発色結果が不正確であることを避けるためである。具体的には、試験紙のMAXライン以下のみを液体サンプルに浸す必要があり、比較的長い部分が宙に浮いており、重心が移動しやすい。欠け口は、前記試験紙を固定し、試験紙の傾きを低減することができる。欠け口は、試験紙の幅とマッチングするように設置されることにより、試験紙を更に固定し、揺れを避けることができる。しかしながら、欠け口だけによる固定では、一点固定に属し、固定効果を更に高めるために、前記第一の側壁の底部の幅を前記試験紙の幅とマッチングするように設計することにより、二点固定を実現し、同じ角度で安定して試験紙を固定することができる。
【0070】
1つの好ましい実現方式においては、前記液体サンプル保持装置は、試験紙の数と同じ数のサンプルプールを有する。前記サンプルプールは、第一の側壁及び前記第一の側壁より高い第二の側壁を有する。前記サンプルプールは、同じ円周に沿って配置されている。前記第一の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記円筒形の底部には、底板が設置されており、残量液体サンプル格納チャンパーに形成され、前記第二の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記液体サンプル保持装置の外壁に形成されている。
【0071】
上述した実現方式においては、前記円形配置は、二点固定をより実現しやすく、占める体積がより小さく、持ち運びがより便利である。
【0072】
もう1つの実現方式においては、前記サンプルプールの底部は、前記毛管部の幅より小さい液体漏れ通路を有する。また、前記液体漏れ通路の出口が前記試験紙の円周方向に配置する時の前記毛管部の上方に設置されている。
【0073】
このような実現方式においては、前記試験紙が試験紙保持板に平らに設置されている。前記サンプルプールが前記試験紙の毛管部の上方に設置されている。液体サンプルは、液体漏れ通路を介して毛管部に浸透して試験紙による液体サンプルのクロマトグラフィーを行う。このような実現方式では、サンプルプールに試験紙を挿入するというステップを回避し、試験紙を固定する問題に直面する必要がない。
【0074】
1つの実現方式においては、前記液体サンプル保持装置と前記試験紙保持板は、着脱可能に接続されている。
【0075】
着脱式接続は、スナップ接続、凹凸結合接続、ねじ接続の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含むことが好ましい。
【0076】
本願の実施形態においては、試験紙がサンプルプールに挿入されて液体サンプルのクロマトグラフィーを行う際に、重心が外へ移動し、バランスが崩れやすくなり、サンプルプールが傾いてしまい、液体サンプルの漏れが発生するが、前記着脱式接続は、着脱可能な接続部材を有し、前記接続部材は、接続時に前記液体サンプル保持装置と前記試験紙保持板を接続することができるので、前記液体サンプル保持装置の固定性を高め、サンプルプールの傾きを避けることができる。
【0077】
1つの好ましい実現方式においては、前記試験紙保持板には、嵌め込み溝が設置されている。また前記液体サンプル保持装置の底部には、前記嵌め込み溝と結合することができる突起部が設置されている。
【0078】
このような凹凸結合接続方式は、シンプルであり、操作が便利であり、分解又は接続プロセスの動作の幅による液体サンプルの漏れの確率が比較的小さい。
【0079】
1つの実現方式においては、前記試験紙は、吸水部を更に含む。
【0080】
試験紙の設計では、通常、毛管部、発色部を含むが、液体サンプルの検出クロマトグラフィーの量を増加するために、通常、発色部の、毛管部から遠く離れた一端には、吸水部を設置し、液体サンプルの検出速度を高めるように配置されている。
【0081】
前記身分情報保持部は、前記毛管部及び/又は前記吸水部を覆うことが好ましい。
【0082】
前記身分情報保持部は、試験紙の種類、銘柄、バッチ番号等の情報を含むが、これらに限定されない。前記身分情報保持部は、主にデータ処理時に相応する標準データベースを選択するために用いられる。身分情報保持部は、QRコード(登録商標)、バーコード、番号等のような、識別可能な情報であると理解しても良い。前記身分情報部は、単層フィルムに保持しても良く、前記身分情報が保持された単層フィルムは、試験紙における発色エリア以外の任意の部位に貼り付けても良く、通常、毛管部及び/又は吸水部を含む。
【0083】
前記試験紙は、毛管部、発色部及び身分情報保持部を含む。また、前記発色部のTライン(検出ライン)とCライン(品質制御ライン)の距離は、5~8mmであり、前記発色部のTラインとCラインのライン幅は、0.5~1mmである。
【0084】
適切なTラインとCラインのサイズ及び距離は、データ処理時にTラインとCラインの識別精度を高め、環境光による影響を低減することができる。
【0085】
1つの実現方式においては、前記信号収集位置決め補助装置は、信号を収集する際に、それぞれの試験紙の位置に対して位置決めを行うために用いられることができる。
【0086】
なお、本願の実施形態に記載の信号収集位置決め補助装置の働きは、以下の通りである。信号収集位置決め補助装置は、データ処理センターに内蔵された信号収集位置決め補助装置の標準データ(境界、サイズ、位置等のデータを含む)に基づき、収集された画像を補正することにより、収集された画像の角度、位置に対する補正を実現する。補正の完了後、データ処理センターに内蔵された身分識別エリアの所定エリアに基づき、前記身分識別エリアに対して分割を行い、身分情報を読み取る。データ処理センターに内蔵された発色エリアの所定位置に基づき、前記発色エリアに対して分割を行い、発色エリアの色度値を識別し、TラインとCラインの色度の比を取得し、標準データベースの色度の比をマッチングし、ターゲットの定性的又は定量的なスクリーニング結果を取得する。
【0087】
前記信号収集位置決め補助装置は、信号を収集する際に、それぞれの試験紙の身分情報保持部の位置エリア及び発色部の位置エリアに対して位置決めを行うために用いられることが好ましい。
【0088】
好ましい実現方式としては、前記検出装置は、液体サンプル保持装置、試験紙、試験紙保持板及び信号収集位置決め補助装置を含む。
【0089】
液体サンプル保持装置は、前記試験紙の数と同じ数のサンプルプールを有し、前記サンプルプールは、第一の側壁及び前記第一の側壁より高い第二の側壁を有し、前記サンプルプールは、同じ円周に沿って配置され、前記第一の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記円筒形の底部には、底板が設置されており、残量液体サンプル格納チャンパーに形成され、前記第二の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記液体サンプル保持装置の外壁に形成される。
【0090】
試験紙は、順に設置されている毛管部、発色部及び吸水部を含み、前記身分情報保持部は、前記吸水部の上表面を覆う。
【0091】
試験紙保持板は、上表面が白色の拡散反射面であり、形状が正多角形であり、板本体及び前記板本体に開設されている試験紙保持溝を含む。前記試験紙保持溝は、前記試験紙の発色部の上表面と前記試験紙保持板の上表面を同じ高さにさせ、前記板本体において前記円環エリアの円心の周りに円周状の配列で配置される。
【0092】
信号収集位置決め補助装置は、前記試験紙保持板に設置されている1つの青色の正方形のマーク及び3つの緑色の正方形のマークを含む。また、前記正方形のマークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形エリアの中心と前記円環エリアの円心が重なり、前記正方形のマークの少なくとも2つの辺が前記正方形エリアの辺に平行し、前記正方形のマークにおける前記円心から最も遠く離れた頂点が前記正多角形保持板のエッジに位置する。
【0093】
上述した好ましい実現方式においては、前記試験紙保持溝の深さ又は支持部とマッチングした後の試験紙の設置する深さは、前記試験紙の発色部の上表面と同じ高さにすることができる。即ち、深さが前記試験紙の厚さとマッチングする1つの試験紙保持溝のみを設計しても良く、支持部を有する1つの試験紙保持溝を設計しても良く、試験紙が試験紙保持溝に入れられた時、支持部は、前記試験紙の発色部の上表面を、前記試験紙保持板の上表面と同じ高さに上げることができる。
【0094】
本願の実施形態は、液体サンプル保持装置を更に提供する。同じ容積を有する複数のサンプルプールを設置し、ドベネックの桶の原則を利用することにより、サンプルプールの容量を標準化し、試験紙の液体サンプルのクロマトグラフィーに同じサンプル量を提供し、試験紙の液体サンプルのクロマトグラフィー行為を標準化し、液体サンプルの量の違いによる試験紙の発色の違いを低減する。
【0095】
本願の実施形態は、液体サンプル保持装置を更に提供する。当該液体サンプル保持装置は、液体サンプルを別々に入れるための少なくとも2つのサンプルプールを含み、それぞれの前記サンプルプールは、容積が同じである。
【0096】
前記サンプルプールは、対向して配置されている、高低差のある第一の側壁及び第二の側壁を有し、前記第一の側壁は、高さが比較的低い方であり、前記第二の側壁は、高さが比較的高い方である。
【0097】
それぞれの前記サンプルプールの前記第一の側壁が一体に設計されており、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲み、又は、前記液体サンプル保持装置は、第三の側壁を更に含み、前記第一の側壁と前記第三の側壁が一体に設計され、残量液体サンプル格納チャンパーを形成するように囲む。
【0098】
第一の側壁は、高さが比較的低い側壁であるので、前記第一の側壁は、前記サンプルプールの側壁の中の高さの最も低い側壁だと思われても良い。ドベネックの桶の原則によれば、前記サンプルプールの容積が高さの最も低い側壁である第一の側壁により決められる場合、何れも同じ高さの第一の側壁及び第二の側壁を有するサンプルプールは、容積が同じであり、第一の側壁と第二の側壁の距離も同じであり、試験紙が液体サンプルのクロマトグラフィーを行う際に、傾斜角度も同じである。よって、液体サンプルのクロマトグラフィーの行為が一致であり、液体サンプルの検出クロマトグラフィーの量が同じであり、より正確なテスト結果を取得することができる。
【0099】
前記液体サンプル保持装置は、容積が同じ複数のサンプルプールを提供し、前記試験紙が前記サンプルプールにおいて液体サンプルのクロマトグラフィーを行う際に、液体サンプルの検出量が一致であることを保証することができる。即ち、前記液体サンプル保持装置は、試験紙がサンプルを検出する行為を標準化し、サンプルの検出行為が不一致であることによる発色の誤差により、テスト結果の信頼性が低いことを低減することができる。
【0100】
1つの実現方式においては、前記第二の側壁には、試験紙を固定するように配置されている欠け口が設置されている。
【0101】
前記欠け口の幅は、試験紙の幅とマッチングすることが好ましい。
【0102】
第一の側壁の少なくとも底部の幅と試験紙の幅がマッチングすることが好ましい。
【0103】
液体サンプルを検出する際に、液体サンプルを最大でMAXラインまで浸し、MAXラインを超えると、実験の誤差が生じる。試験紙は、液体サンプルのクロマトグラフィーを行う際に、傾斜角度が比較的大きく、重心が外側へ移動するので、欠け口の設計では、前記試験紙に対しておおよその角度で大体固定を行うことができる。設計後の欠け口のサイズ(欠け口の幅と試験紙の幅がマッチングする)は、前記試験紙をより強く固定することができ、左右への試験紙の揺れを低減することができる。また、第一の側壁の底部の幅は、試験紙の底部の幅とマッチングするように設計することにより、試験紙の二点固定を実現し、同じ角度で試験紙をより強く固定し、試験紙が液体サンプルをクロマトグラフィーする行為の一致性の操作を実現することができる。
【0104】
1つの実現方式においては、前記液体サンプル保持装置は、試験紙の数と同じ数のサンプルプールを有し、前記サンプルプールは、第一の側壁及び前記第一の側壁より高い第二の側壁を有し、前記サンプルプールは、同じ円周に沿って配置され、前記第一の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記円筒形の底部には、底板が設置されており、残量液体サンプル格納チャンパーに形成され、前記第二の側壁が円筒形を形成するように囲み、前記液体サンプル保持装置の外壁に形成される。
【0105】
円筒形の配置では、配置の面積を減らすことができ、持ち運びが便利である。また、前記液体サンプル保持装置を再利用可能な製品又は使い捨て製品として用いる際に、持ち運び及び製造のコストの何れも大幅に低減することができる。
【0106】
もう1つの具体的な実現方式においては、前記サンプルプールの底部には、液体漏れ通路が設置されている。
【0107】
このような実現方式においては、わざわざ試験紙を取り出して前記サンプルプールに入れて液体サンプルの検出を行う必要がなく、試験紙を、円周方向の放射状で直接に配置し、前記液体サンプル保持装置の液体漏れ通路を、前記試験紙の毛管部に位置合わせてサンプルの定量的な漏れをして液体サンプルのクロマトグラフィーを実現することができる。また、前記液体サンプル保持装置の設置は、サンプルプールに試験紙を挿入するというステップも避けることができ、試験紙を固定する問題に直面する必要がない。
【0108】
1つの実現方式においては、前記液体サンプル保持装置には、着脱可能に接続する接続部材が設置されており、前記接続部材は、スナップ接続のスナップ、凹凸結合接続の凹溝、凹凸結合接続の突起、ねじ接続の雌ネジ、ねじ接続の雄ネジ、マグネット接続のS極、マグネット接続のN極の中の任意の1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含む。
【0109】
前記液体サンプル保持装置は、試験紙保持板と着脱可能に接続するように設計されている。前記着脱可能な接続方式の違いにより、前記液体サンプル保持装置の着脱可能な接続部材は、当業者が取得可能な任意の1つの着脱可能な接続ができる部材の中の任意の1つである。
【0110】
本願の実施形態は、試験紙保持板を更に提供する。当該試験紙保持板は、前記試験紙を、円周方向の放射状で配置し、画像を収集する際に、収集された画像を、データ処理センターに内蔵された画像とマッチングするという効果を実現することができる。
【0111】
本願の実施形態は、試験紙保持板を提供する。当該試験紙保持板は、板本体、試験紙位置限定装置及び信号収集位置決め補助装置を含む。
【0112】
試験紙位置限定装置は、試験紙の設置エリアを位置制限することができ、前記設置エリアは、同じ円環エリア内の円周方向において放射状で配置されている。
【0113】
信号収集位置決め補助装置は、前記板本体の上表面に設置されている。
【0114】
試験紙位置限定装置は、前記試験紙を特定の位置に位置制限するように配置されている。信号収集位置決め補助装置は、収集された画像の角度、位置に対して補正を行うように配置されている。例えば、信号収集位置決め補助装置の情報とデータ処理システムに内蔵された相応する情報をマッチングし、補正後の収集された画像に対し、所定の分割エリアに従って試験紙上の相応する情報を分割することにより、試験紙の相応する情報を取得する。このような設計では、画像収集プロセスにおいて環境光による干渉を避けることができ、信号収集位置決め補助装置の相応する情報を識別するだけで、試験紙の所在するエリアの正確な分割を実現し、発色エリアの色度の読み取りを完成することができる。
【0115】
1つの実現方式においては、前記板本体の上表面は、正多角形である。
【0116】
正多角形の板本体は、板本体の材料用量を減らし、前記試験紙保持装置を軽量化させることができ、持ち運びが便利であり、把持しやすく、使用の難しさを低減することができる。
【0117】
1つの実現方式においては、信号収集位置決め補助装置は、少なくとも3つのマークを含み、そのうちの少なくとも1つのマークは、他のマークと区別することができる。
【0118】
前記マークを区別することは、前記試験紙位置制限装置の位置に対してマークすることができ、例えば、ある特定のマークの近くから第一の位置制限装置、第二の位置制限装置、第三の位置制限装置等を時計回りにマークする。
【0119】
前記マークは、前記板本体のエッジの近くに位置することが好ましい。
【0120】
前記マークは、円心から遠ければ遠いほど、前記マークの識別後、収集された画像に対して補正を行う際に、補正の精度が高くなる。
【0121】
前記マークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになることが好ましい。
【0122】
前記マークは、正方形のマークであり、前記正方形のマークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、前記正方形のマークの中心と前記正多角形の中心が重なり、前記正方形のマークの2つの辺が前記正方形エリアの辺に平行することが好ましい。
【0123】
前記マークと所属マークに囲まれてなるエリアは、何れも正方形に設計し、アルゴリズムを簡略化し、データ処理センターの情報格納量及び処理速度を高めることができる。
【0124】
前記マークは、1つの青色の正方形のマーク及び3つの緑色の正方形のマークであり、又は、前記マークは、1つの緑色の正方形のマーク及び3つの青色の正方形のマークである。
【0125】
青色及び緑色は、色度が比較的安定する色であり、環境光の輝度による影響が比較的小さく、境界識別時の精度がより高く、収集された画像に対する補正の正確性を高めることができる。
【0126】
1つの実現方式においては、前記試験紙位置制限装置は、試験紙保持溝であり、前記試験紙保持溝の長さは、前記試験紙の長さの1/2~5/4である。
【0127】
試験紙保持溝の主な役割は、前記試験紙を所定位置に位置制限し、画像処理時、発色エリアと身分情報保持エリアに対して分割を行うことに寄与する。長さが試験紙の長さの1/2~5/4である試験紙保持溝は、前記試験紙を比較的平坦な状態で所定位置に位置制限することができる。
【0128】
前記試験紙保持溝の深さが前記試験紙の厚さより大きく、前記試験紙保持溝の底部には、試験紙を位置制限する際に、前記試験紙の下表面と前記試験紙保持溝の底部を分離するために用いられる支持部が設置されていることが好ましい。
【0129】
前記試験紙が前記試験紙保持溝に置かれた際に、試験紙が前記試験紙保持溝の底部に密着するので、液体サンプルが毛細作用により前記試験紙保持溝の底部を汚染してしまい、異なる液体サンプルを検出する煩雑さが増える、又は、異なる液体サンプルの相互汚染が生じてしまう。
【0130】
なお、前記試験紙保持溝の深さは、前記試験紙の厚さと同じであっても良く、前記試験紙保持溝の深さは、前記試験紙の厚さより大きくても良い。この時、支持部を設置する必要があり、当該支持部は、前記試験紙の発色部の上表面を、前記板本体の上表面と同じ高さに上げる、又は、前記板本体の上表面より高く上げる。前記試験紙保持溝の深さは、前記試験紙の厚さより小さくても良く、この時、試験紙の上表面が前記板本体の上表面より高い。
【0131】
少なくとも2つの前記支持部を設置することが好ましい。
【0132】
少なくとも2つの支持部は、前記試験紙の発色部を板本体の上表面と同じ高さにより良く上げることができる。
【0133】
前記試験紙保持溝のエッジは、位置制限待ちの試験紙のエッジとマッチングすることが好ましい。
【0134】
位置制限待ちの試験紙のエッジとマッチングすることは、試験紙をより良く位置制限することができ、隙間が身分情報保持部の情報識別を干渉することがない。
【0135】
前記板本体の上表面は、白色の拡散反射面であることが好ましい。
【0136】
光源に対する白色の拡散反射面の鏡面反射がとても小さく、画像収集結果に対する識別の難しさを低減することができる。白色の板本体は、画像を収集する際に環境光による干渉を減少することができる。
【0137】
本願の実施形態は、前記検出装置として設置する試験紙を更に提供する。発色部のTラインとCラインの距離、幅を限定することにより、データ処理時、発色データを効果的に読み取り、発色データに対する環境光の影響を低減することを実現する。
【0138】
本願の実施形態は、毛管部、発色部及び身分情報保持部を含む試験紙を提供する。前記発色部には、Tライン及びCラインが設置されている。前記発色部のTライン及びCラインの距離は、5~8mmであり、TラインとCラインのライン幅は、0.5~1mmである。
【0139】
前記試験紙は、発色情報が収集される際に、発色エリアに対してデータが収集された後、画素ユニットの色が徐々に変化し、適切なTラインとCラインの距離により、両者の発色エリアを効果的に分離することができ、TラインとCラインの発色の色度値と背景色を効果的に区別することもできる。適切なTラインとCラインの幅は、処理されるための十分な画素ユニットを有し、有効な色度値を取得することができる。
【0140】
1つの実現方式においては、前記試験紙は、吸水部を更に含む。
【0141】
前記身分情報保持部は、前記毛管部及び/又は前記吸水部の上表面を覆う。
【0142】
前記身分情報保持部は、薄膜のような層状構造であっても良く、前記層状構造には、二次元コード、バーコード、デジタルコードのような、身分情報を保持する具体的な画像を印刷することができる。本願の実施形態に記載の試験紙においては、データ収集の主なオブジェクトは、発色エリア及び身分類情報保持エリアである。よって、試験紙の発色エリア以外の任意の部位の全ては、前記層状構造を覆うことができ、より大きな身分情報保持部は、より多くの身分情報を保持することができる。
【発明の効果】
【0143】
従来技術に比べ、本願の実施形態は、以下の有益な効果を有する。
【0144】
(1)円周方向の放射状で配置する試験紙と信号収集位置決め補助装置を組み合わせる検出装置は、画像が収集された後、収集された画像に対して補正を行い、正確な試験紙の相応するエリアを分割し、データの収集情報を高め、ターゲットのスクリーニングの信頼性及び精度を高めることができる。
【0145】
(2)同じ設計を有するサンプルプールから構成される液体サンプル保持装置は、試験紙の検出条件(特に、液体サンプルの量)の一致性を高め、液体サンプルのクロマトグラフィーステップの操作の違いによる検出結果の違いを減少することができる。
【0146】
(3)円周方向の放射状で配置する試験紙位置制限装置と信号収集位置決め補助装置を組み合わせる試験紙保持装置は、前記試験紙を、円心の周りに円周方向の放射状で配置することができ、画像が収集された後、収集された画像を補正し、正確な試験紙の相応するエリアを分割し、データ収集の精度を高め、ターゲットのスクリーニングの信頼性及び精度を高めることができる。
【0147】
(4)特定の検出装置として配置される試験紙であり、特定のサイズ及び距離のTライン及びCラインを有する試験紙は、データ処理時、両者の発色エリアを効果的に分離することに適用ができ、発色の色度値及び背景色を効果的に区別することを保証し、適切なTライン及びCラインの幅は、処理されるための十分な画素ユニットを有することができ、有効な色度値を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
本願の実施形態の技術案をより分かりやすく説明するために、以下、実施形態に使用する必要のある図面を簡単に紹介する。図面は、本願の幾つかの実施形態しか示されておらず、範囲を限定すると見なされるべきではなく、当業者が創造性のある労働をせず、これらの図面から他の関連する図面を取得することができることが理解されたい。
図1】本願の実施形態の1つの具体的な実施形態による試験紙の構造模式図である。
図2】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による試験紙の構造模式図である。
図3】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による試験紙の構造模式図である。
図4】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による試験紙の構造模式図である。
図5】本願の実施形態の1つの具体的な実施形態による試験紙保持板の構造模式図である。
図6】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による試験紙保持板の構造模式図である。
図7】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による試験紙保持板の構造模式図である。
図8】本願の実施形態の1つの具体的な実施形態による液体サンプル保持装置の構造模式図である。
図9】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による液体サンプル保持装置の構造模式図である。
図10】本願の実施形態のもう1つの具体的な実施形態による液体サンプル保持装置の構造模式図である。
図11】本願の実施形態の1つの具体的な実施形態による検出装置の構造模式図である。
図12】本願の実施形態による、撮影後にデータ処理センターにアップロードした後に分割することで取得した試験紙の発色部の画像である。
図13】本願の実施形態による、既存の迅速検出試験紙を携帯電話で撮影した画像である。
【発明を実施するための形態】
【0149】
本願の実施形態の目的、技術案及びメリットをより明らかにするために、以下、本願の実施形態の中の図面を参照しながら、本願の実施形態の中の技術案をより明確に且つ完全に説明する。明らかに、説明されている実施形態は、本願の一部の実施形態に過ぎず、全ての実施形態ではない。通常、ここの図面において説明され、示された本願の実施形態の部材は、様々な異なる構成で設置及び設計することができる。
【0150】
以下、図面による本願の実施形態の詳しい説明は、本願の特許保護の範囲を制限せず、本願の好ましい実施形態を示すものに過ぎない。本願の実施形態を元に、当業者は、創造性のある労働をせずに得た全ての他の実施形態が何れも本願の特許保護の範囲に属する。
【0151】
類似する参照符号とアルファベットは、以下の図面において類似する項を示しているので、ある項が1つの図面において定義され場合、以降の図面においてそれを更に定義及び解釈する必要がないことが留意されたい。
【0152】
なお、本願の記載においては、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、又は、当該出願製品が使用される際に通常置かれる方位又は位置関係であり、本願を説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、対象とされる装置又は素子が特定の方位、特定の方位の構造及び操作を有しなければならないことを示す又は暗示するものではない。よって、本願に対する制限であると理解すべきではない。
【0153】
なお、本願の説明においては、他の明確な規定及び限定がある限り、用語「設置」、「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」は、広く理解すべきであり、例えば、固定接続であっても良く、着脱可能な接続であっても良く、一体に接続しても良く、機械的に接続しても良く、電気的に接続しても良く、直接に接続しても良く、仲介媒体を介して間接に接続しても良く、2つの素子の内部の連通であっても良い。当業者にとっては、具体的な状況により、本願における上述した用語の具体的な意味を理解することができる。
【0154】
試験紙:
図1に示すように、1つの具体的な実施形態においては、PVC底板(図示せず)と、液体サンプルのクロマトグラフィー方向に沿って順に貼り付けられる、サンプルパッド(図示せず)(材料がガラス繊維膜である)及び金コロイドボンディングパッド211からなる毛管部210(長さが20mmである)と、長さが20mmである発色部220(材料がニトロセルロース膜である)と、長さが20mmである吸水部230(材料が吸水紙である)と、を含む試験紙200aを提供する。金コロイド層の開始端は、MAXライン212である。発色部220には、幅が0.8mmであるCライン221及び幅が0.8mmであるTライン222が設置されており、Cライン221とTライン222の中心線の距離が7mmである。吸水部230の上表面は、長さが20mmである層状の身分情報保持部250に覆われている。身分情報保持部250は、ベース層251及びバーコード252を含み、当該バーコード252は、ベース層251の上表面に印刷され、身分情報を保持している。
【0155】
他の具体的な実施形態においては、Cライン221の幅が更に0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.9mm、1.0mmの中の任意の1つであっても良く、Tライン222の幅が更に0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.9mm、1.0mmの中の任意の1つであっても良く、Cライン221とTライン222の距離が更に5mm、6mm、8mmの中の任意の1つであっても良い。
【0156】
もう1つの具体的な実施形態においては、層状の身分情報保持部250は、毛管部210の上表面(図2に示すように)を覆う、又は、層状の身分情報保持部250は、毛管部210の上表面と吸水部230の上表面(図3に示すように)を同時に覆う。
【0157】
なお、吸水部230は、試験紙200の必須な構造ではない。当業者は、通常、液体サンプルの状況及び操作の要求により、吸水部230を保留するかどうかを選択することができる。
【0158】
図4に示すように、もう1つの具体的な実施形態においては、PVC底板と、液体サンプルのクロマトグラフィー方向に沿って順に貼り付けられる、サンプルパッド(図示せず)(材料がガラス繊維膜である)及び金コロイドボンディングパッド211からなる毛管部210(長さが20mmである)と、長さが20mmである発色部220(材料がニトロセルロース膜である)と、を含む試験紙200bを提供する。即ち、試験紙200には、吸水部230を設けていない。同時に、身分情報保持部250は、毛管部210の表面を覆う。
【0159】
他の具体的な実施形態においては、身分情報保持部250は、ベース層251及びベース層251の上表面に印刷されている身分情報を保持する二次元コード、デジタルコード、形状コード等を含んでもよい。
【0160】
他の具体的な実施形態においては、毛管部210、発色部220及び吸水部230のサイズは、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm等の中の任意の1つを個別で選択しても良い。
【0161】
試験紙保持板100:
図5に示すように、1つの具体的な実施形態においては、板本体110及び位置限定装置120を含む試験紙保持板100aを提供する。
板本体110は、上表面が正六角形で且つ拡散反射の白色表面である。
位置限定装置120は、次のように構成される。すなわち、板本体110には、6つの試験紙保持溝121が開設されており、6つの試験紙保持溝121は、正六角形の中心(以下、中心と略称される)の円周方向の配列で配置されており、正六角形の6つの端点をカバーし、且つ互いに独立している。試験紙保持溝121の長さは、試験紙200aとマッチングする。
【0162】
試験紙保持溝121の底部には、2つの支持部130が設置されている。それぞれの試験紙保持溝121の深さからその中に分布した支持部130の高さを引いた後の数値は、試験紙200aの厚さとマッチングし、試験紙200aの発色部220の上表面を、板本体110の上表面と同じ高さに上げるために用いられる。それぞれの試験紙保持溝121の幅は、試験紙200aの幅より0.1~0.2mm広い。それぞれの試験紙保持溝121の、中心に近い端部の形状は、試験紙200aの形状とマッチングする。
【0163】
板本体110の上表面には、3つの緑色の正方形の第一のマーク141、142、143及び1つの青色の正方形の第二のマーク144が設置されている。4つのマーク141、142、143、144は、中心の周りの円周方向に配置されている。それぞれのマークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、正方形のエリアの対角線の交差点と上述した正六角形の中心が重なり、マークの中心から最も離れた点が板本体110のエッジに位置する。4つのマーク141、142、143、144の辺の長さは、10mmである。それぞれのマークの面積は、試験紙保持板の面積の1%を占める。
【0164】
板本体110の中心には、溝150が設置されており、液体サンプル保持装置300(図8に示すように)と着脱可能に接続するように配置されている。
【0165】
図6に示すように、もう1つの具体的な実施形態においては、試験紙保持板100bの試験紙保持溝121の長さは、試験紙200aの吸水部230と発色部220の長さの合計とマッチングし、または、試験紙200aの吸水部210と発色部220の長さの合計よりやや長い。
【0166】
この具体的な実施形態においては、試験紙200aが試験紙保持板100bの上に置かれた際に、身分情報保持部250に覆われた吸水部230が中心の近くに位置し、外側に向かって順に発色部220及び毛管部210であるが、毛管部210の大部分は、試験紙保持板100bの外部において宙に浮いている。
【0167】
試験紙保持板100bにおいては、3つの青色の正方形の第一のマーク141、142、143と1つの緑色の正方形の第二のマーク144は、中心の周りの円周方向に配置されている。それぞれのマークの幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになり、正方形のエリアの対角線の交差点と上述した正六角形の中心が重なり、マークの中心から離れた頂点は、板本体110のエッジに位置し、正方形のエリアの辺は、マークの辺に平行する。
【0168】
他の具体的な実施形態においては、試験紙保持溝121の内部には、支持部131、132を設置しなくても良い。支持部131、132を設置しないとき、試験紙200aは、試験紙保持溝121の底部に直接に置き、液体サンプルを吸入した試験紙200aは、試験紙保持溝121を汚染しやすく、次の液体サンプルの発色を干渉するが、当業者は、洗浄ステップを追加することにより、この問題を解決することができる。
【0169】
図5及び図7に示すように、もう1つの具体的な実施形態においては、試験紙保持板100cの位置制限装置120は、若干の位置制限円柱122であり、試験紙を位置制限するように配置されている。位置制限円柱122は、試験紙200aのそれぞれのエリアに形成するように囲む。
【0170】
当然ながら、試験紙保持板100cにおいては、テスト用の液体サンプル間の相互汚染を低減するために、位置制限円柱122に囲まれてなる試験紙200aのエリアの内部には、支持部130を設置しても良く、試験紙200aと位置制限エリアの地面を分離するように配置する。
【0171】
他の具体的な実施形態においては、マークの形状は、任意の長さの円弧セグメント及び/又は直線セグメントに囲まれてなっても良く、例示するように、円形、長方形、三角形、五芒星形、正方形等の任意の取得可能な形状に設計しても良い。
【0172】
他の具体的な実施形態においては、マークの色は、黄色と緑色の組み合わせ、黄色と青色の組み合わせ、黄色、青色と緑色の組み合わせの中の任意の1つであっても良い。当然ながら、赤色、紫色、黒色等の色を選択しても良いが、黄色、緑色及び青色は、環境光による影響が比較的小さく、色相が安定し、マークとして用いられるのがより適切である。
【0173】
他の具体的な実施形態においては、板本体110の上表面は、正三角形、正方形、正五角形、正七角形、正八角形、正九角形、正十角形等であっても良い。
【0174】
他の具体的な実施形態においては、マークの辺の長さのサイズは、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm等であっても良い。
【0175】
他の具体的な実施形態においては、それぞれのマークの面積は、試験紙保持板の上表面の面積の0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.2%、1.4%、1.6%、1.8%、2.0%、2.2%、2.5%、2.7%、3.2%、3.5%、3.7%、4.2%、4.5%、4.7%等を占めても良い。
【0176】
他の具体的な実施形態においては、板本体110の上表面は、拡散反射の灰色表面、拡散反射の黒色表面であっても良い。拡散反射の白色表面は、より正確な色度の読み取り値を取得することができる。ニュートラルカラーは、黒色、白色及び灰色を含む。
【0177】
他の具体的な実施形態においては、板本体110の中心に設置されている着脱可能な接続部材は、突起、ねじ、スナップ、マグネット等であっても良い。具体的には、板本体110の中心が突起である場合、液体サンプル保持装置の底部には、溝が設置され、板本体110の中心が溝である場合、液体サンプル保持装置の底部には、突起が設置され、板本体110の中心が雌ネジである場合、液体サンプル保持装置の底部には、雄ネジが設置され、板本体110の中心が雄ネジである場合、液体サンプル保持装置の底部には、雌ネジが設置され、板本体110の中心がスナップ(係合部)である場合、液体サンプル保持装置の底部には、マッチングするスナップ(係合部)が設置されている。
【0178】
液体サンプル保持装置300:
図8に示すように、1つの具体的な実施形態においては、底板310及び6つのサンプルプール320を含む液体サンプル保持装置300aを提供する。
【0179】
底板310は、下表面に、試験紙保持板100と着脱可能に接続するように配置されている突起部(示されておらず)が設置されている。
【0180】
6つのサンプルプール320は、底板310の上表面に設置されている。サンプルプール320は、対向して設置している第一の側壁321と第二の側壁322、及び第一の側壁321と第二の側壁322を接続する2つの第四の側壁323を有する。第四の側壁323の高さは、第一の側壁321の高さ以上である。サンプルプール320は、輪郭が扇形である。6つのサンプルプール320は、全部で円周形状にそぎ継ぎしている。隣接する2つのサンプルプール320は、第四の側壁323を共有する。第一の側壁321は、円周の中心から離れた方向を向いている側壁である。第二の側壁322は、円周の中心から遠く離れた側壁である。第一の側壁321は、第二の側壁322より低い。第二の側壁322には、試験紙200aの幅とマッチングする欠け口324が開設されている。第一の側壁321の底板310に近い部分の幅は、試験紙200aの幅とマッチングする。欠け口324と第一の側壁321の底板310に近い部分が対向して設置されていることで、試験紙200aが捩れないことを保証する。第一の側壁321と底板310は、共に桶形の残量液体サンプル格納チャンパー330を形成するように囲む。
【0181】
図9に示すように、もう1つの具体的な実施形態においては、液体サンプル保持装置300bのサンプルプール320は、方形であり、横に並んで長方形に配置されている。隣接するサンプルプール320は、第四の側壁323を共用する。第一の側壁321及び第三の側壁326は、底板310と共に方形の残量液体サンプル格納チャンパー330を形成するように囲む。第一の側壁321の底板310に近い場所には、係止スロット325が設置されている。係止スロット325は、試験紙を挟めるように配置されている。
【0182】
上述した具体的な実施形態においては、複数のサンプルプール320は、密着するように配置されており、1つの側壁を共有する。サンプルプール320の配置は、試験紙保持板100の外周に近いサーズに拡大し、複数のサンプルプール320を六角形に配置し、サンプルプール320を六角形の板本体110の端点に設置するようにしても良い。
【0183】
図10に示すように、もう1つの具体的な実施形態においては、液体サンプル保持装置300cの底板の、サンプルプール320に対応する部分には、液体漏れ通路340が開設されている。液体漏れ通路340の幅は、試験紙200aの幅以下である。液体サンプル保持装置300cと試験紙保持板100が着脱可能に接続されるとき、液体漏れ通路340は、試験紙200aの毛管部210と位置合わせ、液体サンプルのクロマトグラフィーを直接に行うように配置されている。
【0184】
以上、試験紙200a、200b、試験紙保持装置100a、100b、100c、液体サンプル保持装置300a、300b及び図示していない具体的な実施形態に関する詳細記載により、本願の技術案を比較的詳しく説明した。しかしながら、これらの具体的な実施形態は、技術案の例に過ぎず、本願の特許請求の範囲を制限せず、同じ役割による具体的な実施形態の部材の任意の置換は、何れも本願の特許保護の範囲に属する。
【0185】
次に、検出装置を全体から説明する。
【0186】
図11に示すように、1つの具体的な実施形態においては、液体サンプル保持装置300、試験紙、試験紙保持板100及び信号収集位置決め補助装置を含む検出装置を提供する。
【0187】
液体サンプル保持装置300は、液体サンプルを入れるように配置されている2つ以上のサンプルプール320を含む。
【0188】
試験紙は、身分情報保持部250(下部が吸水部230を覆っている)、発色部220及び毛管部210を少なくとも含む。
【0189】
試験紙保持板100は、複数の試験紙を、同じ円環エリアにおいて円周方向に配置し、且つ放射状で配置するように構成されている。
【0190】
信号収集位置決め補助装置は、試験紙保持板100に設置されている。
【0191】
上述した詳しく説明した液体サンプル保持装置、試験紙、試験紙保持板の具体的な実現形式については、当業者は、実際のニーズに応じて選択することができる。以下、操作ステップ及び原理を簡単に紹介する。
【0192】
本願の実施形態によるターゲットスクリーニング検出装置を用いてターゲットのスクリーニングを行う際に、具体的な操作ステップの例示的なものは、以下の通りであっても良い。
【0193】
(1)液体サンプル保持装置300のサンプルプール320に過量の液体サンプルを加えることで、サンプルプール320の中の液体サンプルの容量が同じであるようにさせる。サンプルプール320に試験紙の毛管部210を挿入し、試験紙をサンプルプール320のチャンパー壁に斜めに固定し、試験紙が液体サンプルを一定時間でクロマトグラフィーした後、試験紙を取り出す。この時、試験紙が既に一定量の液体サンプルをクロマトグラフィーし、サンプルプール320の液体サンプルの量が同じであり、試験紙の傾斜角度が同じであり、入れる時間が同じであるので、液体サンプルのクロマトグラフィー量もほぼ同じである。
【0194】
(2)液体サンプルをクロマトグラフィーした後の試験紙を取り出した後、円周配列の方式で試験紙を試験紙保持板に放射状に配置する。毛管部を内側に向けても良く、毛管部を外側に向けても良い。試験紙保持板のサイズは、試験紙を十分に保持しても良く、試験紙の一部を宙に浮かせても良い。試験紙保持板には、信号収集位置決め補助装置が設置されている。当該信号収集位置決め補助装置は、データ処理システムに識別され、画像収集の画像角度及び位置等を補正することができる。
【0195】
(3)画像が収集された後、データ処理センターには、標準の画像分割エリアが内蔵されており、標準の分割エリアに基づき、収集された画像が身分情報識別エリア及び発色エリアに正確に分割される。身分情報識別エリアの身分情報及び発色エリアの発色結果に基づき、ターゲットのスクリーニング結果を読み取る。
【0196】
上述したプロセス及び原理から分かるように、本願の実施形態による検出装置は、発色部位に対する、データを収集する際の識別プロセスを省略することができるため、環境光による干渉を低減することができる。また、信号収集位置決め補助装置の位置決めの役割を用いるだけで、正確な発色エリアの発色情報を取得することができる。
【0197】
免疫クロマトグラフィー検出法の場合、発色エリアの発色は、時々発色ムラが発生し、エッジ付近の発色が濃く、真ん中の発色が浅く、発色エリアの色識別を直接に行うと、発色エリアの識別に比較的な大きな誤差が生じてしまい、検出結果の不正確を招いてしまう。位置決めマークにより、それぞれの試験紙の位置に対して内蔵プログラムによる分割を行うことで、発色エリアを直接に識別することによる精度低下の問題を解決することができる。しかし、非円周配列の試験紙の組み合わせの場合、収集された画像が補正された後、それぞれの試験紙の幅、長さは試験紙の所在する位置と関係が比較的大きく、例えば、長方形配列の試験紙の場合、シミュレーションカメラの近くにある試験紙とシミュレーションカメラから遠く離れた(シミュレーションカメラとは、補正後の画像にシミュレーションしたカメラの位置を指す)試験紙のサイズは、近ければ大きく、遠ければ小さいことにより、明らかな違いが生じる。よって、非円周配列の試験紙の組み合わせの場合、上述した、内蔵プログラムによりターゲットエリアを分割する検出プロセスにおいては、誤差が生じてしまう。
【0198】
簡単に言えば、本願の実施形態の試験紙の円形配列は、データ収集の画像が補正された後に、それぞれの試験紙の歪みが同じであることを保証することができる。よって、内蔵プログラムにより、発色エリアに対して正確に分割する時に位置精度に対する要求を満たし、発色エリアの正確な分割を実現することができる。
【0199】
当然ながら、前記原理は、本願の実施形態による検出装置のプロセス原理に対する1つの説明に過ぎず、本願の検出装置の構造に対する限定ではない。即ち、本願の検出装置は、上述したプロセス原理に適するように配置しても良く、任意の実行可能な他のプロセス原理に適するように配置しても良い。
【0200】
具体的には、本願の実施形態による検出装置の液体サンプル保持装置は、液体サンプル保持装置300a、300b又は図示していない具体的な実施形態である。試験紙は、試験紙200a、200b又は図示していない具体的な実施形態である。試験紙保持板は、試験紙保持板100a、100b、100c又は図示していない具体的な実施形態である。当業者は、ニーズに応じて液体サンプル保持装置、試験紙、試験紙保持板の具体的な実施形態を選択することができる。例えば、試験紙が吸水部230を含むかどうかにより、位置制限装置120の長さ及び支持部130の取り付け位置を選択することができる。サンプルプール320の数に基づき、位置制限装置120の数等を設定することができる。
【0201】
図11に示すように、1つの具体的な実施形態としては、本願の実施形態は、液体サンプル保持装置300、試験紙200、試験紙保持板100及び信号収集位置決め補助装置を含む検出装置を提供する。
【0202】
液体サンプル保持装置300は、試験紙200の数と同じ数のサンプルプール320を有する。サンプルプール320は、第一の側壁321及び第一の側壁321より高い第二の側壁322を有する。サンプルプール320は、同じ円周に沿って配置されている。第一の側壁321は、円筒形になるように囲み、底板310を追加設置すると、残量液体サンプル格納チャンパー330を得る。第二の側壁322は、円筒形になるように囲むことで、液体サンプル保持装置の外壁を形成する。
【0203】
試験紙200は、順に設置する毛管部210、発色部220及び吸水部230を含み、身分情報保持部250は、吸水部230の表面を覆う。
【0204】
試験紙保持板100は、上表面が白色の拡散反射面であり、形状が正多角形である。試験紙保持板100は、板本体110及び板本体110に開設されている試験紙保持溝121を含み、試験紙保持溝121は、板本体において円環エリアの円心の周りに円周方向で配置されている。
【0205】
信号収集位置決め補助装置は、試験紙保持板に設置されている1つの青色の正方形のマーク144及び3つの緑色の正方形のマーク141、142、143を含む。マーク141、142、143、144の幾何学的中心を結ぶ線が囲んで正方形のエリアになる。正方形エリアの対角線の交差点と正多角形の中心が重なる。それぞれのマーク141、142、143、144は、何れも方形エリアのうちの1つの辺に平行する2つの辺を有する。
【0206】
効果検証:
(1)異なる濃度の液体サンプルをサンプルプール320に入れ、農薬イミダクロプリド試験紙6枚を取り、サンプルプール320に斜めに挿入し、クロマトグラフィーの発色検出を行う。
【0207】
(2)ステップ(1)における発色後の試験紙を、試験紙保持板100の試験紙保持溝121に置き、携帯電話で撮影し、撮影後にデータ処理センターにアップロードし、T/C値-携帯電話を取得する。
【0208】
(3)ステップ(1)における発色後の試験紙を、携帯型食品安全分析装置GT-710(北京勤邦生物技術有限公司)に置き、T/C値-装置を取得する。
【0209】
表1は、テスト結果を示している。
【表1】
【0210】
T/C値-携帯電話とT/C値-装置に対して線形フィットを行い、R2=0.9912を得た。即ち、両者のトレンド変化には高い相関関係がある。
【0211】
上述したテスト結果から分かるように、陽性の液体サンプルを検出する際に、モバイル端末(携帯電話)を用いて本願の実施形態の検出装置を撮影することにより取得されたT/C値は、装置により取得されたT/C値より高い。これは、2つの検出シナリオの光源環境が違うからである。装置には、独立した光源が配置されており、取得された画像の対比度が比較的高く、携帯電話で撮影された環境光が比較的暗く、対比度が比較的低い。しかしながら、両者の線形フィットを行った結果から分かるように、両者のトレンド変化が非常に一致しており、即ち、各自の独立した標準曲線(又は、標準データベース)を選択すると、ターゲットに対するスクリーニング結果の判定が一致している。
【0212】
図12は、撮影後にデータ処理センターにアップロードした後に分割することで取得した試験紙の発色部の画像である。図13は、既存の迅速検出試験紙を携帯電話で撮影した画像である。図12及び図13から分かるように、既存の迅速検出試験紙を携帯電話で撮影した際の発色部の陰影が明らかであるが、本願の実施形態の検出装置を用い、携帯電話での撮影後に分割した画像は、ほぼ陰影がない。陰影がない場合、画像識別結果を判定する正確度及び精度を大幅に高めることができる。
【0213】
上述した内容は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願を制限しない。当業者にとっては、本願は、様々な変更及び変化があっても良い。本願の精神及び原則から逸脱しなければ、行われた任意の補正、等価置換、改良等は、何れも本願の特許請求の範囲に属する。
【0214】
(産業上の実用性)
総括すれば、本願は、検出装置、液体サンプル保持装置、試験紙保持板及び試験紙を提供する。データを収集する精度を高め、ターゲットのスクリーニングの信頼性及び精度を高めることができる。
図1
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【国際調査報告】