(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】表示基板及びその表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230111BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230111BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230111BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230111BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230111BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 365
G09F9/00 366A
G09F9/30 338
G06F3/041 430
G06F3/041 470
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564585
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 CN2020119145
(87)【国際公開番号】W WO2021088576
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】201911088232.6
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ 俊
(72)【発明者】
【氏名】董 向丹
(72)【発明者】
【氏名】何 帆
(72)【発明者】
【氏名】程 博
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD17
3K107EE04
3K107EE66
5C094AA21
5C094BA03
5C094BA14
5C094BA27
5C094DA06
5C094DA15
5C094DB01
5C094DB02
5C094EA04
5C094EA07
5C094EA10
5C094FA01
5G435AA16
5G435BB05
5G435EE40
(57)【要約】
当該表示基板は、表示領域と周辺領域とを含むベース基板と、表示領域に配置され、第1電極と、発光層と、第2電極とを有する発光素子を含む複数の副画素と、表示領域に配置された複数の第1電源線と、周辺領域に配置され、複数の第1電源線に電気的に接続された第1電源バスと、周辺領域に配置され且つ第2電極に電気的に接続され、表示領域の第2境界、第3境界、及び第4境界を囲む第1部分と第1電源バスの表示領域から離れた側に配置された第2部分とを含む第2電源線と、を含む。第1電源バスと第2電源線の第2部分との間には隙間がある。当該隙間のベース基板上への正射影は、第2電極のベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1境界、第2境界、第3境界、及び第4境界を含む表示領域と前記表示領域を囲む周辺領域とを含むベース基板と、
前記表示領域に配置され、且つ少なくとも1つが、前記ベース基板に配置された第1電極と、前記第1電極の前記ベース基板から離れた側に配置された発光層と、前記発光層の前記ベース基板から離れた側に配置された第2電極とを有する発光素子を含む複数の副画素と、
前記表示領域に配置され、前記複数の副画素の前記第1電極に電気的に接続された複数の第1電源線と、
前記第1境界の前記表示領域から離れた側の周辺領域に配置され、前記複数の第1電源線に電気的に接続された第1電源バスと、
前記周辺領域に配置され且つ前記第2電極に電気的に接続され、前記表示領域の前記第2境界、前記第3境界、及び前記第4境界を囲む第1部分と前記第1電源バスの前記表示領域から離れた側に配置された第2部分とを含む第2電源線と、
を含み、
ここで、前記第1電源バスと前記第2電源線の前記第2部分との間には隙間があり、前記隙間の前記ベース基板上への正射影は、前記第2電極の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている、表示基板。
【請求項2】
前記第2部分は、第1サブ部分と第2サブ部分とを含み、前記第1サブ部分と前記第2サブ部分とは、間隔をあけて対向して設けられ、
前記第1サブ部分と前記第1電源バスとの間には第1隙間があり、前記第2サブ部分と前記第1電源バスとの間には第2隙間があり、前記第1隙間と前記第2隙間のうちの少なくとも1つの前記ベース基板上への正射影は、前記第2電極の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1サブ部分は、前記第2境界に近く、前記第2サブ部分は、前記第4境界に近い、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1隙間および前記第2隙間の前記ベース基板上への正射影は、前記第2電極の前記ベース基板上への正射影の内部に位置する、請求項2に記載の表示基板。
【請求項5】
前記周辺領域に配置された複数のタッチ電極線をさらに含み、前記複数のタッチ電極線の前記ベース基板上への正射影は、前記隙間の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記複数のタッチ電極線は、複数の第1タッチ電極線と複数の第2タッチ電極線とを含み、前記第1タッチ電極線は、前記表示領域の前記第1境界の一部、前記第2境界、及び前記第3境界を囲み、
前記第2タッチ電極線は、前記表示領域の前記第1境界の他の部分と前記第4境界を囲む、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記第1タッチ電極線は、送信信号線であり、前記第2タッチ電極線は、受信信号線である、請求項6に記載の表示基板。
【請求項8】
前記複数のタッチ電極線、前記第1電源バス、および前記第2電源線に電気的に接続されたフレキシブル回路板をさらに含み、前記フレキシブル回路板は、前記複数のタッチ電極線、前記第1電源バス、および前記第2電源線に電気信号を提供するように構成される、
請求項5に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第1電源バスは、第1電圧信号を受信するために使用され、
前記第2電源線は、第2電圧信号を受信するために使用され、
ここで、前記第1電圧信号は、前記第2電圧信号より高い、請求項1から8のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項10】
前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、薄膜トランジスタと接続電極とをさらに含み、
前記薄膜トランジスタは、前記ベース基板に配置されたアクティブ層と、前記アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置されたゲートと、前記ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置されたソースおよびドレインと、を含み、
前記接続電極は、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板から離れた側に配置され、
ここで、前記ソース又は前記ドレインは、前記接続電極に電気的に接続され、前記接続電極は、前記第1電極に電気的に接続される、請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第1電源バスは、第1サブ電極と第2サブ電極とを含み、前記第1サブ電極および前記第2サブ電極の前記ベース基板上への正射影は、少なくとも部分的に重なり、
前記第1サブ電極と前記ソースまたは前記ドレインは、同一層に配置され、
前記第2サブ電極と前記接続電極は、同一層に配置される、請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第1部分は、第1導電部分、第2導電部分、および第3導電部分を含み、
前記第2導電部分は、前記第1導電部分の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第3導電部分は、前記第2導電部分の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第1導電部分、前記第2導電部分および前記第3導電部分は、電気的に接続され、
前記第1導電部分と前記ソースまたは前記ドレインは、同一層に配置され、
前記第2導電部分と前記接続電極は、同一層に配置され、
前記第3導電部分と前記第1電極は、同一層に配置される、請求項10に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第2部分は、第4導電部分を含み、前記第4導電部分は、前記ソースまたは前記ドレインと同一層に配置され、且つ前記第1導電部分と一体的に形成された構造層である、請求項12に記載の表示基板。
【請求項14】
前記第2電源線を覆う無機保護層をさらに含み、
ここで、前記無機保護層の少なくとも一部は、前記第2電源線と前記第2電極との間にある、請求項1に記載の表示基板。
【請求項15】
前記ベース基板に配置されたバッファ層と、
前記バッファ層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された複数の第1信号線及び複数の第2信号線と、
をさらに含み、
ここで、前記複数の第1信号線の前記ベース基板上への正射影と前記複数の第2信号線の前記ベース基板上への正射影は、交互に並べ、且つ前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線は、異なる層に配置され、前記複数の第1信号線の一部及び前記複数の第2信号線の一部のベース基板上への正射影は、前記隙間の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている、請求項10に記載の表示基板。
【請求項16】
前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線との間に配置された第2絶縁層と、
前記複数の第2信号線を覆う層間誘電体層と、
をさらに含み、
ここで、前記第2絶縁層と前記層間誘電体層は、前記ゲートと前記ソース又は前記ドレインとの間に配置される、請求項15に記載の表示基板。
【請求項17】
前記層間誘電体層と前記ベース基板との間に配置されたコンデンサをさらに含み、前記コンデンサは、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1コンデンサ電極と、前記第2絶縁層の前記第1コンデンサ電極から離れた側に配置された第2コンデンサ電極と、を含み、前記第1コンデンサ電極は、前記ゲートと同一層に配置され、且つ前記ゲートから分離され、前記第2コンデンサ電極と前記第2信号線は、同一層に配置される、請求項16に記載の表示基板。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の表示基板を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願の援用]
本出願は、中国出願番号が201911088232.6で、2019年11月08日に提出された中国特許出願に基づくものであり、その優先権を主張し、その全ての内容は参照により本出願に援用する。
【0002】
本開示は、表示技術の分野に関し、特に表示基板及びその表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
AMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode、アクティブマトリックス有機発光ダイオード)の急速な発展に伴い、携帯電話などのスマート端末の発展は、フルスクリーンと狭額縁の時代に入った。ユーザーにより優れた使用体験を提供するために、フルスクリーン、狭額縁、高解像度、カール着用および/または折り畳みなどの特徴は、今後のAMOLEDの重要な発展方向となるだろう。
【0004】
関連技術において、今後の折り畳みやカール製品に適応するように表示パネルをより軽く、より薄くするために、タッチセンサー技術が開発された。例えば、当該タッチセンサー技術は、FMLOC(Flexible Multi On Cell)技術であってもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の一態様によると、第1境界、第2境界、第3境界、及び第4境界を含む表示領域と前記表示領域を囲む周辺領域とを含むベース基板と、前記表示領域に配置され、且つ少なくとも1つが、前記ベース基板に配置された第1電極と、前記第1電極の前記ベース基板から離れた側に配置された発光層と、前記発光層の前記ベース基板から離れた側に配置された第2電極とを有する発光素子を含む複数の副画素と、前記表示領域に配置され、前記複数の副画素の前記第1電極に電気的に接続された複数の第1電源線と、前記第1境界の前記表示領域から離れた側の周辺領域に配置され、前記複数の第1電源線に電気的に接続された第1電源バスと、前記周辺領域に配置され且つ前記第2電極に電気的に接続され、前記表示領域の前記第2境界、前記第3境界、及び前記第4境界を囲む第1部分と前記第1電源バスの前記表示領域から離れた側に配置された第2部分とを含む第2電源線と、を含み、ここで、前記第1電源バスと前記第2電源線の前記第2部分との間には隙間があり、前記隙間の前記ベース基板上への正射影は、前記第2電極の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている表示基板に関する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記第2部分は、第1サブ部分と第2サブ部分とを含み、前記第1サブ部分と前記第2サブ部分とは、間隔をあけて対向して設けられ、前記第1サブ部分と前記第1電源バスとの間には第1隙間があり、前記第2サブ部分と前記第1電源バスとの間には第2隙間があり、前記第1隙間と前記第2隙間のうちの少なくとも1つの前記ベース基板上への正射影は、前記第2電極の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1サブ部分は、前記第2境界に近く、前記第2サブ部分は、前記第4境界に近い。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1隙間および前記第2隙間の前記ベース基板上への正射影は、前記第2電極の前記ベース基板上への正射影の内部に位置する。
【0009】
いくつかの実施例において、前記表示基板は、前記周辺領域に配置された複数のタッチ電極線をさらに含み、前記複数のタッチ電極線の前記ベース基板上への正射影は、前記隙間の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。
【0010】
いくつかの実施例において、前記複数のタッチ電極線は、複数の第1タッチ電極線と複数の第2タッチ電極線とを含み、前記第1タッチ電極線は、前記表示領域の前記第1境界の一部、前記第2境界、及び前記第3境界を囲み、前記第2タッチ電極線は、前記表示領域の前記第1境界の他の部分と前記第4境界を囲む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1タッチ電極線は、送信信号線であり、前記第2タッチ電極線は、受信信号線である。
【0012】
いくつかの実施例において、前記表示基板は、前記複数のタッチ電極線、前記第1電源バス、および前記第2電源線に電気的に接続されたフレキシブル回路板をさらに含み、前記フレキシブル回路板は、前記複数のタッチ電極線、前記第1電源バス、および前記第2電源線に電気信号を提供するように構成される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第1電源バスは、第1電圧信号を受信するために使用され、前記第2電源線は、第2電圧信号を受信するために使用され、ここで、前記第1電圧信号は、前記第2電圧信号より高い。
【0014】
いくつかの実施例において、前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、薄膜トランジスタと接続電極とをさらに含み、前記薄膜トランジスタは、前記ベース基板に配置されたアクティブ層と、前記アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置されたゲートと、前記ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置されたソースおよびドレインと、を含み、前記接続電極は、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板から離れた側に配置され、ここで、前記ソース又は前記ドレインは、前記接続電極に電気的に接続され、前記接続電極は、前記第1電極に電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第1電源バスは、第1サブ電極と第2サブ電極とを含み、前記第1サブ電極および前記第2サブ電極の前記ベース基板上への正射影は、少なくとも部分的に重なり、前記第1サブ電極と前記ソースまたは前記ドレインは、同一層に配置され、前記第2サブ電極と前記接続電極は、同一層に配置される。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第1部分は、第1導電部分、第2導電部分、および第3導電部分を含み、前記第2導電部分は、前記第1導電部分の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第3導電部分は、前記第2導電部分の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第1導電部分、前記第2導電部分および前記第3導電部分は、電気的に接続され、前記第1導電部分と前記ソースまたは前記ドレインは、同一層に配置され、前記第2導電部分と前記接続電極は、同一層に配置され、前記第3導電部分と前記第1電極は、同一層に配置される。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第2部分は、第4導電部分を含み、前記第4導電部分は、前記ソースまたは前記ドレインと同一層に配置され、且つ前記第1導電部分と一体的に形成された構造層である。
【0018】
いくつかの実施例において、前記表示基板は、前記第2電源線を覆う無機保護層をさらに含み、ここで、前記無機保護層の少なくとも一部は、前記第2電源線と前記第2電極との間にある。
【0019】
いくつかの実施例において、前記表示基板は、前記ベース基板に配置されたバッファ層と、前記バッファ層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された複数の第1信号線及び複数の第2信号線と、をさらに含み、ここで、前記複数の第1信号線の前記ベース基板上への正射影と前記複数の第2信号線の前記ベース基板上への正射影は、交互に並べ、且つ前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線は、異なる層に配置され、前記複数の第1信号線の一部及び前記複数の第2信号線の一部のベース基板上への正射影は、前記隙間の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。
【0020】
いくつかの実施例において、前記表示基板は、前記複数の第1信号線と前記複数の第2信号線との間に配置された第2絶縁層と、前記複数の第2信号線を覆う層間誘電体層と、をさらに含み、ここで、前記第2絶縁層と前記層間誘電体層は、前記ゲートと前記ソース又は前記ドレインとの間に配置される。
【0021】
いくつかの実施例において、前記表示基板は、前記層間誘電体層と前記ベース基板との間に配置されたコンデンサをさらに含み、前記コンデンサは、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1コンデンサ電極と、前記第2絶縁層の前記第1コンデンサ電極から離れた側に配置された第2コンデンサ電極と、を含み、前記第1コンデンサ電極は、前記ゲートと同一層に配置され、且つ前記ゲートから分離され、前記第2コンデンサ電極と前記第2信号線は、同一層に配置される。
本開示の実施例の別の態様によると、前述のような表示基板を含む表示装置に関する。
以下、図面を参照して本開示の例示的な実施例をより詳細に説明することにより、本開示の他の特徴および利点をより明確にする。
【0022】
明細書の一部を構成する図面は、本開示の実施例を説明し、明細書とともに本開示の原理を説明するためのものである。
【0023】
図面を参照して、以下の詳細な説明により、本開示をより明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の一実施例による表示基板を示す上面図である。
【
図2】
図1の第1破線フレーム141内の部分構造を示す拡大概略図である。
【
図3】
図1の第2破線フレーム142内の部分構造を示す拡大概略図である。
【
図4】タッチ電極線410および第2電極122を省略した
図3の構造を示す平面図である。
【
図5】第2電極122を追加した
図4の構造を示す上面図である。
【
図6】
図3の線C-C’に沿った構造を示す概略断面図である。
【
図7】
図2の線B-B’に沿った構造を示す概略断面図である。
【
図8】
図1の線A-A’に沿った構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面に示した各部の寸法は、実際の比例関係に基づいて描かれていないことを理解すべきである。また、同一又は類似の符号は、同一又は類似の構成要素を示す。
【0026】
図面を参照して、本開示の様々な例示的な実施例を詳細に説明する。例示的な実施例に対する説明は、単に例示的なものであり、本開示およびその適用または使用を限定するものではない。本開示は、本明細書に記載の実施例に限定されず、多くの異なる形態で実施することができる。これらの実施例は、本開示を徹底的かつ完全にし、本開示の範囲を当業者に十分に表現するために提供される。特に明記しない限り、これらの実施例に記載された部品およびステップの相対的な配置、材料成分、数式、および数値は、限定的なものではなく、単なる例示的なものとして解釈されるべきであることに留意されたい。
【0027】
本開示で使用される「第1」、「第2」および類似語は、順序、数、または重要度を表すものではなく、単に異なる部分を区別するために使用される。「含む」または「含有する」などの類似語は、この用語の前の要素がこの用語の後に列挙された要素をカバーすることを意味し、他の要素もカバーする可能性を排除するものではない。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係のみを表すものであり、説明されたオブジェクトの絶対位置が変更されると、相対的な位置関係もそれに応じて変更される可能性がある。
【0028】
本開示において、特定のデバイスが第1デバイスと第2デバイスとの間に配置されることが記載された場合、当該特定のデバイスと第1デバイスまたは第2デバイスとの間には、中間デバイスが存在してもよいし、存在しなくてもよい。特定のデバイスが他のデバイスに接続されることが記載された場合、当該特定のデバイスは、中間デバイスなしで前記他のデバイスに直接接続されてもよいし、中間デバイスありで前記他のデバイスに直接接続されなくてもよい。
【0029】
本開示で使用されるすべての用語(技術用語または科学用語を含む)は、特に定義されない限り、本開示の属する分野の当業者が理解するものと同じ意味である。汎用辞書で定義された用語は、本明細書で明示的に定義されない限り、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化または極端に形式化された意味で解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0030】
関連分野の当業者に知られた技術、方法、および装置については詳細に説明しない場合があるが、適切な場合には、前記技術、方法、および装置が明細書の一部と見なされるべきである。
【0031】
FMLOC(Flexible Multi On Cell)技術は、タッチセンサー技術である。FMLOC技術では、タッチ電極は、封止層上に作製された。FMLOC技術では、タッチ電極線とバックプレートの他の配線との間の信号クロストークを防止するために、タッチ電極線が共通の接地線を介して信号遮断を行うことができる。しかしながら、本開示の発明者は、関連技術では、表示基板のコーナー領域において、電源電圧線と共通の接地線との間に隙間が存在することを発見した。タッチ電極線の一部は、当該隙間の上にあり、当該隙間の下には、他の信号線(例えば、データ回線および/またはGOA回路(Gate Driver on Array、アレイ基板行駆動信号回路、すなわちゲート駆動回路)など)が存在する。タッチ電極線、データ回線、及びGOA信号線の信号は、いずれも交流信号であってもよい。タッチ電極線とデータ回線またはGOA信号線との間に寄生容量が存在する。これらの信号線のうちの一方で信号が変動すると、他方の信号線の信号に影響を与える。したがって、タッチ電極線とデータ回線またはGOA信号線との間で信号干渉が発生する可能性があり、表示不良またはタッチ(Touch)不良のおそれがある。
【0032】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、本開示の実施例は、信号干渉を低減するための表示基板を提供する。以下、図面を参照して本開示の一実施例による表示基板の構造を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本開示の一実施例による表示基板を示す上面図である。
図2は、
図1の第1破線フレーム141内の部分構造を示す拡大概略図である。
図7は、
図2の線B-B’に沿った構造を示す概略断面図である。以下、
図1、
図2及び
図7を参照して当該表示基板を詳細に説明する。
【0034】
図1、
図2及び
図7に示されたように、当該表示基板は、ベース基板100、複数の副画素200、複数の第1電源線311、第1電源バス310、及び第2電源線320を含む。
【0035】
ベース基板100は、表示領域110と当該表示領域110を囲む周辺領域120とを含むことができる。表示領域110は、第1境界111、第2境界112、第3境界113、及び第4境界114を含む。ここで、第1境界111は、第3境界113に対向し、第2境界112は、第4境界114に対向する。
【0036】
前記複数の副画素200は、表示領域110に配置される。
図7に示されたように、前記複数の副画素200のうちの少なくとも1つは、発光素子220を含む。当該発光素子220は、ベース基板100に配置された第1電極221と、第1電極221の当該ベース基板100から離れた側に配置された発光層223と、当該発光層223の当該ベース基板100から離れた側に配置された第2電極222とを有することができる。例えば、当該第1電極221は、アノードであり、当該第2電極222は、カソードである。例えば、当該第2電極222は、共通接地端電圧信号Vssを受信することができる。
【0037】
なお、本開示の実施例において、一方の構造が他方の構造上にあることが記載された場合、当該一方の構造は、当該他方の構造に直接接触してもよいし、当該他方の構造に直接接触しなくてもよい。例えば、第1電極221がベース基板100に配置されたことが記載された場合、当該第1電極221は、当該ベース基板に直接接触することなく、ベース基板100の上方に配置されることができる。
【0038】
図1に示されたように、複数の第1電源線311は、表示領域110に配置される。複数の第1電源線311は、複数の副画素の第1電極221に電気的に接続される。なお、特定のデバイスが他のデバイスに電気的に接続されたことが記載された場合、当該特定のデバイス中間デバイスなしで前記他のデバイスに直接に電気的に接続されてもよいし、中間デバイスありで前記他のデバイスに直接に電気的に接続されなくてもよい。例えば、第1電源線311は、いくつかの薄膜トランジスタを介して副画素の第1電極221に電気的に接続されてもよい。
【0039】
図1に示されたように、第1電源バス310は、第1境界111の表示領域110から離れた側の周辺領域120に配置される。当該第1電源バス310は、他の表示領域の境界よりも当該第1境界111に近い。第1電源バス310は、前記複数の第1電源線311に電気的に接続される。
【0040】
第2電源線320は、周辺領域120に配置され且つ第2電極222に電気的に接続される。当該第2電源線320は、第1部分321と第2部分322とを含んでもよい。当該第1部分321は、表示領域110の第2境界112、第3境界113、及び第4境界114を囲む。当該第2部分322は、第1電源バス310の表示領域110から離れた側に配置される。
【0041】
いくつかの実施例において、第1電源バス310は、第1電圧信号を受信するために使用され、第2電源線320は、第2電圧信号を受信するために使用される。第1電圧信号は、第2電圧信号より高い。例えば、第1電源バスは、電源電圧信号Vddを受信するために使用され、第2電源線は、共通接地端電圧信号Vssを受信するために使用される。
【0042】
第1電源バス310と第2電源線320の第2部分322との間には隙間331または隙間332がある。当該隙間331または隙間332のベース基板100上へ的正射影は、第2電極222のベース基板100上へ的正射影と少なくとも部分的に重なっている。
【0043】
ここで、本開示のいくつかの実施例による表示基板を提供する。当該表示基板において、ベース基板は、表示領域と表示領域を囲む周辺領域とを含む。複数の副画素は、表示領域に配置される。前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、発光素子を含む。当該発光素子は、ベース基板に配置された第1電極と、第1電極のベース基板から離れた側に配置された発光層と、発光層のベース基板から離れた側に配置された第2電極とを有する。複数の第1電源線は、表示領域に配置され、前記複数の副画素の第1電極に電気的に接続される。第1電源バスは、第1境界の表示領域から離れた側の周辺領域に配置される。第1電源バスは、前記複数の第1電源線に電気的に接続される。第2電源線は、周辺領域に配置され且つ第2電極に電気的に接続される。第2電源線は、第1部分第1部分と第2部分とを含む。第1部分は、表示領域の第2境界、第3境界、及び第4境界を囲む。第2部分は、第1電源バスの表示領域から離れた側に配置される。第1電源バスと第2電源線の第2部分との間には隙間がある。当該隙間のベース基板上への正射影は、発光素子の第2電極のベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。即ち、発光素子の第2電極は、隙間の上方に覆う。このようにすると、当該発光素子の第2電極は、信号遮蔽の役割を果たすことができ、この結果、隙間の上方にある信号線と隙間の下方にある信号線との間の信号干渉を低減することができ、さらに表示基板の表示効果を向上させることができる。
【0044】
いくつかの実施例において、
図1に示されたように、第2電源線320の第2部分322は、第1サブ部分3221と第2サブ部分3222とを含んでもよい。当該第1サブ部分3221と当該第2サブ部分3222とは、間隔をあけて対向して設けられる。例えば、当該第1サブ部分3221は、第2境界112に近く、当該第2サブ部分3222は、第4境界114に近い。当該第1サブ部分3221と第1電源バス310との間には第1隙間331がある。当該第2サブ部分3222と第1電源バス310との間には第2隙間332がある。当該第1隙間331と当該第2隙間332のうちの少なくとも1つのベース基板100上へ的正射影は、第2電極222のベース基板100上へ的正射影と少なくとも部分的に重なっている。
【0045】
いくつかの実施例において、第1隙間331および第2隙間332のベース基板100上へ的正射影は、第2電極222のベース基板100上へ的正射影の内部に位置する。このようにすると、第2電極は、この2つの隙間を完全に覆って、この結果、異なる信号線間の信号干渉をさらに低減し、表示基板の表示効果を向上させる。
【0046】
いくつかの実施例において、
図1に示されたように、表示基板は、周辺領域120に配置された複数のタッチ電極線410をさらに含んでもよい。当該複数のタッチ電極線410のベース基板100上への正射影は、隙間331または隙間332のベース基板100上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。したがって、発光素子の第2電極222が隙間331または隙間332を覆わない場合、当該タッチ電極線410は、他の信号線と干渉する可能性がある。このことから分かるように、上記の第2電極が良好な信号遮蔽の役割を果たすことができる。
【0047】
いくつかの実施例において、
図1に示されたように、複数のタッチ電極線410は、複数の第1タッチ電極線411と複数の第2タッチ電極線412とを含んでもよい。当該第1タッチ電極線411は、表示領域110の第1境界111の一部、第2境界112、及び第3境界113を囲む。当該第2タッチ電極線412は、表示領域110の第1境界111の他の部分と第4境界114を囲む。例えば、第1タッチ電極線411は、送信信号線であってもよく、第2タッチ電極線412は、受信信号線であってもよく、または、第1タッチ電極線411は、受信信号線であってもよく、第2タッチ電極線412は、送信信号線であってもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、
図1に示されたように、表示基板は、複数のタッチ電極線410、第1電源バス310、及び第2電源線320に電気的に接続されたフレキシブル回路板421をさらに含んでもよい。当該フレキシブル回路板421は、複数のタッチ電極線410、第1電源バス310、及び第2電源線320に電気信号を提供するように構成される。
【0049】
いくつかの実施例において、
図1に示されたように、表示基板は、信号接続領域422と集積回路領域423とをさらに含んでもよい。集積回路領域423は、信号接続領域422を介して表示領域110に電気的に接続される。複数のデータ回線リードは、信号接続領域422に配置される。
【0050】
いくつかの実施例において、
図1と
図2に示されたように、表示基板は、表示領域に配置された第1タッチ電極341と第2タッチ電極342を含んでもよい。第1タッチ電極341は、第1タッチ電極線411に電気的に接続され、第2タッチ電極342は、第2タッチ電極線412に電気的に接続される。
図2に示されたように、当該第1タッチ電極341と当該第2タッチ電極342との間のタッチ信号は、異なっている。なお、
図2には副画素の開口211も示されている。
【0051】
図3は、
図1の第2破線フレーム142内の部分構造を示す拡大概略図である。
図4は、タッチ電極線410および第2電極122を省略した
図3の構造を示す平面図である。
図4の構造は、隙間331をより明確に示すために、タッチ電極線410および第2電極222を省略している(
図4の破線フレームで示されたようになる)。
図5は、第2電極122を追加した
図4の構造を示す上面図である。
【0052】
図3、
図4及び
図5に示されたように、第1電源バス310と第2電源線320の第2部分322との間には隙間(例えば第1隙間)331がある。当該第1隙間331のベース基板100上への正射影は、第2電極222のベース基板100上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。このようにすると、タッチ電極線410と他の信号線(
図3~
図5には図示せず)との間の信号干渉を低減することができる。
【0053】
いくつかの実施例において、第2電極の位置合わせ精度及びシャドウ効果を考慮した場合には、第2電極が隙間の上方にあることを保証することができる。例えば、位置合わせ精度及びシャドウ構造の寸法範囲が-80μm~-60μm、または60μm~80μmであることを考慮すると、第2電極は、隙間を覆った後、隙間を60μm~80μm超えることができる。もちろん、当業者は、ここでの第2電極の設計寸法範囲が単に例示的なものであり、本開示の実施例の範囲がこれに限定されないことを理解すべきである。
【0054】
いくつかの実施例において、上記第2電極は、全層構造であってもよい。別のいくつかの実施例において、上記第2電極は、ブロック分割して設けられた層構造であってもよい。例えば、カソード信号を第2電極のこれらのブロックにそれぞれ供給することができる。
【0055】
図6は、
図3の線C-C’に沿った構造を示す概略断面図である。ここで、断面図の観点から表示基板の部分構造を説明する。
【0056】
図6に示されたように、当該表示基板は、ベース基板100と、ベース基板100に配置されたバッファ層151と、当該バッファ層151のベース基板100から離れた側に配置された第1絶縁層231とを含んでもよい。例えば、当該第1絶縁層231の材料としては、二酸化ケイ素や窒化ケイ素などが挙げられる。
【0057】
図6に示されたように、当該表示基板は、第1絶縁層231のベース基板100から離れた側に配置された第1信号線501及び複数の第2信号線502をさらに含んでもよい。例えば、当該第1信号線501及び当該第2信号線502は、データ信号線であってもよい。複数の第1信号線501のベース基板100上への正射影と複数の第2信号線502のベース基板100上への正射影は、交互に並べ、複数の第1信号線501と複数の第2信号線502は、異なる層に配置される。このように信号線501、502を配置すると、スペースを節約することができる。
【0058】
前記複数の第1信号線501の一部及び前記複数の第2信号線502の一部のベース基板上への正射影は、隙間331または隙間332のベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっているので、上記第2電極222は、信号線501または信号線502とタッチ電極線410との間の信号干渉を低減させることができる。
【0059】
図6に示されたように、当該表示基板は、複数の第1信号線501と複数の第2信号線502との間に配置された第2絶縁層242をさらに含んでもよい。例えば、当該第2絶縁層242の材料としては、二酸化ケイ素や窒化ケイ素などが挙げられる。
【0060】
図6に示されたように、当該表示基板は、複数の第2信号線502を覆う層間誘電体層243をさらに含んでもよい。第1電源バス310と第2電源線320は、当該層間誘電体層243のベース基板100から離れた側に配置される。
【0061】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、第1電源バス310は、第1サブ電極3101と第2サブ電極3102とを含んでもよい。当該第1サブ電極3101のベース基板100上への正射影は、当該第2サブ電極3102のベース基板100上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。例えば、第1サブ電極3101と副画素の薄膜トランジスタのソース又はドレイン(後述する)は、同一層に配置され、第2サブ電極3102と接続電極(後述する)は、同一層に配置される。
【0062】
なお、「同一層」とは、同一成膜プロセスで特定のパターンを形成するためのフィルム層を形成し、次に同一マスクテンプレートを使用して一次パターニングプロセスによって当該フィルム層をパターニングすることにより形成された層構造を指す。特定のパターンによっては、一次パターニングプロセスは、複数回の露光、現像、またはエッチングプロセスを含むことができ、形成された層構造における特定のパターンは、連続であっても不連続であってもよい。これらの特定のパターンは、異なる高さにあるか、あるいは異なる厚さを持つかもしれない。
【0063】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、第2電源線320の第2部分322は、第4導電部分を含む。当該第4導電部分は、薄膜トランジスタのソース又はドレインと同一層に配置される。当該第4導電部分は、第1部分の第1導電部分(後述する)と一体的に形成された構造層である。即ち、
図6に示された第2電源線320の当該第2部分322は、第4導電部分として機能することができ、当該第4導電部分と薄膜トランジスタのソース又はドレインは、同一層に配置される。
図6に示されたように、第2電源線320と第1電源バス310との間には隙間331(又は隙間332)がある。
【0064】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、表示基板は、第2電源線320を覆う無機保護層511をさらに含んでもよい。当該無機保護層511の少なくとも一部は、第2電源線320と第2電極222との間にある。例えば、当該無機保護層511の材料は、絶縁材料(例えば窒化ケイ素など)を含む。
【0065】
第2電源線320と第2電極222との間に当該無機保護層を設けることにより、第2電源線320は、周辺領域の位置で第2電極222に直接接触しない。無機保護層の親水性が第2電源線の親水性より小さいので、第2電極(例えばカソード)のシャドウ構造(ここで、第2電極は蒸着時にマスクによって遮蔽されたエッジ領域にシャドウ構造が生じる)の割れにより水蒸気が第2電源線に侵入するのを防ぐことができ、さらに、水蒸気が第2電源線の側面に形成された水チャネルを通って表示領域に侵入するのを防ぐことができる。この結果、表示領域における水蒸気による有機材料の劣化を防止することができ、さらに表示基板の故障を防止することができる。
【0066】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、表示基板は、無機保護層511を覆う第1平坦化層521と、第1電源バス310及び第1平坦化層521を覆う第2平坦化層522とを、さらに含んでもよい。例えば、第1平坦化層521と第2平坦化層522の材料は、それぞれ、絶縁材料(例えば、ポリイミドなどの有機絶縁材料)を含み得る。当該表示基板は、第2平坦化層522のベース基板100から離れた側に配置された画素定義層523をさらに含んでもよい。
図6に示されたように、上記第2電極222は、画素定義層523、第2平坦化層522、第1平坦化層521、及び無機保護層511を覆う。
【0067】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、表示基板は、第2電極222のベース基板100から離れた側に配置された封止層530をさらに含んでもよい。例えば、当該封止層530は、第2電極222のベース基板100から離れた側に配置された第1無機封止層531と、第1無機封止層531のベース基板100から離れた側に配置された有機封止層532と、有機封止層532のベース基板100から離れた側に配置された第2無機封止層533と、を含んでもよい。例えば、第1無機封止層531の材料としては、窒化ケイ素などが挙げられ、有機封止層532の材料としては、PMMA(poly(methyl methacrylate)、メタクリル酸メチル、アクリルとも呼ばれ)などが挙げられ、第2無機封止層533の材料としては、窒化ケイ素などが挙げられる。
【0068】
例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学蒸着)プロセスによって第2電極222上に第1無機封止層531を形成し、この後インクジェット印刷プロセスによって当該第1無機封止層531上に有機封止層532を形成し、この後CVDプロセスによって当該有機封止層532上に第2無機封止層533を形成することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、表示基板は、封止層530のベース基板100から離れた側に配置されたバリア層535をさらに含んでもよい。例えば、当該バリア層535の材料としては、無機絶縁材料が挙げられる。
【0070】
図6に示されたように、複数のタッチ電極線410は、バリア層535のベース基板100から離れた側に配置される。いくつかの実施例において、
図6に示されたように、各タッチ電極線410は、バリア層535に配置された第1ワイヤ541と第1ワイヤ541のバリア層535から離れた側に配置された第2ワイヤ542とを含んでもよい。例えば、第1ワイヤ541は、Ti / Al / Ti(チタン/アルミニウム/チタン)3層構造を含んでもよく、第2ワイヤ542は、Ti / Al / Ti(チタン/アルミニウム/チタン)3層構造を含んでもよい。
【0071】
図6に示されたように、当該表示基板は、第1ワイヤ541と第2ワイヤ542との間に配置された第3絶縁層536をさらに含んでもよい。例えば、当該第3絶縁層536の材料としては、窒化ケイ素、酸化ケイ素または酸窒化ケイ素などが挙げられる。各タッチ電極線410において、第1ワイヤ541は、第1導電性ビア(
図6には図示せず、
図8に示す)を介して第2ワイヤ542に電気的に接続され、複数のタッチ電極線410の抵抗を低減することができる。
【0072】
いくつかの実施例において、
図6に示されたように、表示基板は、前記複数のタッチ電極線410を覆う被覆層550をさらに含んでもよい。例えば、当該被覆層550の材料としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料が挙げられる。
【0073】
図7は、
図2の線B-B’に沿った構造を示す概略断面図である。
【0074】
図7に示されたように、前記複数の副画素200のうちの少なくとも1つは、発光素子220に加えて、薄膜トランジスタ230と接続電極260とを含むことができる。
【0075】
薄膜トランジスタ230は、ベース基板100に配置されたアクティブ層232と、アクティブ層232のベース基板100から離れた側に配置されたゲート233と、ゲート233のベース基板100から離れた側に配置されたソース234及びドレイン235と、を含むことができる。例えば、アクティブ層232は、バッファ層151に配置されてもよい。第1絶縁層231は、アクティブ層232とゲート233との間に配置される。第2絶縁層242と層間誘電体層243は、ゲートとソース234/ドレイン235との間に配置される。当該ソース234は、第2導電性ビアを介してアクティブ層232に電気的に接続される。当該第2導電性ビアは、層間誘電体層243、第2絶縁層242及び第1絶縁層231を通過する。当該ドレイン235は、第3導電性ビアを介してアクティブ層232に電気的に接続される。当該第3導電性ビアは、層間誘電体層243、第2絶縁層242及び第1絶縁層231を通過する。
【0076】
図7に示されたように、接続電極260は、薄膜トランジスタ230のベース基板100から離れた側に配置される。ソース234又はドレイン235は、接続電極260に電気的に接続される。当該接続電極260は、第1電極221に電気的に接続される。例えば、当該接続電極は、第4導電性ビアを介してドレイン235に電気的に接続される。当該第4導電性ビアは、第1平坦化層521及び無機保護層511を通過する。第1電極221は、第五導電性ビアを介して接続電極260に電気的に接続される。当該第五導電性ビアは、第2平坦化層522を通過する。
【0077】
いくつかの実施例において、
図7に示されたように、当該表示基板は、層間誘電体層243とベース基板100との間に配置されたコンデンサをさらに含んでもよい。当該コンデンサは、第1絶縁層231のベース基板100から離れた側に配置された第1コンデンサ電極611と、第2絶縁層242の第1コンデンサ電極611から離れた側に配置された第2コンデンサ電極612と、を含む。当該第1コンデンサ電極611は、ゲート233と同一層に配置され、且つ当該ゲート233とから分離される。当該第2コンデンサ電極612は、第2信号線502と同一層に配置され、当該第2信号線とともに同一パターニングプロセスによって作製することができる。第2絶縁層242は、第1コンデンサ電極611を覆って、層間誘電体層243は、第2コンデンサ電極612を覆う。
【0078】
ここで、同一パターニングプロセスとは、同一成膜プロセスで特定のパターンを形成するためのフィルム層を形成し、次に同一マスクテンプレートを使用して一次パターニングプロセスによって層構造を形成することを意味する。なお、特定のパターンによっては、一次パターニングプロセスは、複数回の露光、現像、またはエッチングプロセスを含むことができ、形成された層構造における特定のパターンは、連続であっても不連続であってもよい、これらの特定のパターンは、異なる高さにあるか、あるいは異なる厚さを持つかもしれない。
【0079】
いくつかの実施例において、
図7に示されたように、表示基板は、画素定義層523のベース基板100から離れた側に配置されたスペーサー層630をさらに含んでもよい。第2電極222は、当該スペーサー層630を覆う。例えば、当該スペーサー層630の材料としては、無機絶縁材料又は有機絶縁材料などが挙げられる。
【0080】
いくつかの実施例において、
図7に示されたように、第1タッチ電極341及び第2タッチ電極342は、第3絶縁層536のベース基板100から離れた側に配置される。被覆層550は、当該第1タッチ電極341及び当該第2タッチ電極342を覆う。
【0081】
図8は、
図1の線A-A’に沿った構造を示す概略断面図である。
【0082】
いくつかの実施例において、
図8に示されたように、第2電源線320の第1部分321は、第1導電部分711、第2導電部分712、及び第3導電部分713を含む。第2導電部分712は、第1導電部分711のベース基板100から離れた側に配置される。第3導電部分713は、第2導電部分712のベース基板100から離れた側に配置される。第1導電部分711、第2導電部分712、及び第3導電部分713は、電気的に接続される。第1導電部分711とソース234又はドレイン235は、同一層に配置される。第2導電部分712と接続電極260は、同一層に配置される。第3導電部分713と第1電極221は、同一層に配置される。当該第1部分321の第1導電部分711は、第2電源線320の第2部分322の第4導電部分と一体的に形成された構造層である。第1導電部分711の材料は、ソース234又はドレイン235の材料と同じであり、且つソース及びドレインと同一パターニングプロセスによって形成される。第2導電部分712の材料は、接続電極260の材料と同じであり、且つ当該接続電極と同一パターニングプロセスによって形成される。第3導電部分713の材料は、第1電極221の材料と同じであり、且つ当該第1電極221と同一パターニングプロセスによって形成される。
図8に示されたように、当該第3導電部分713は、第2電極222に電気的に接続される。
【0083】
いくつかの実施例において、
図8に示されたように、当該表示基板は、第1ダム(dam)810をさらに含んでもよい。当該第1ダム810は、第2平坦化層522と同一層に配置された部分811と、画素定義層523と同一層に配置された部分812と、をさらに含んでもよい。当該表示基板は、第2ダム820をさらに含んでもよい。当該第2ダム820は、第2平坦化層522と同一層に配置された部分821と、画素定義層523と同一層に配置された部分822と、スペーサー層630と同一層に配置された部分823と、をさらに含んでもよい。
【0084】
なお、
図8に示されたように、第1ワイヤ541は、第1導電性ビアを介して第2ワイヤ542に電気的に接続される。
【0085】
これまで、本開示のいくつかの実施例による表示基板を詳細に説明した。
【0086】
本開示のいくつかの実施例において、表示装置をさらに提供する。当該表示装置は、前述のような表示基板(例えば
図1に示された表示基板)を含むことができる。例えば、当該表示装置は、表示パネル、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなど、表示機能を備えたあらゆる製品または部品であってもよい。
【0087】
これまで、本開示の各実施例を詳細に説明した。本開示の構想を隠すことを避けるために、当技術分野で知られているいくつかの詳細を記載しない。本明細書で開示される技術案がどのように実現されるかは、上記の説明から当業者には十分に理解できる。
【0088】
本開示のいくつかの特定の実施例は、例によって詳細に説明されたが、上記の例が単に説明のためのものであり、本開示の範囲を限定するためのものではないことを当業者は理解すべきである。上記の実施形態が本開示の範囲および精神から逸脱することなく修正され、または技術的特徴の一部が等効に置換され得ることを当業者は理解すべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0089】
100 ベース基板
110 表示領域
111 第1境界
112 第2境界
113 第3境界
114 第4境界
120 周辺領域
122 第2電極
141 第1破線フレーム
142 第2破線フレーム
151 バッファ層
200 副画素
211 開口
220 発光素子
221 第1電極
222 第2電極
223 発光層
230 薄膜トランジスタ
231 第1絶縁層
232 アクティブ層
233 ゲート
234 ソース
235 ドレイン
242 第2絶縁層
243 層間誘電体層
260 接続電極
310 第1電源バス
311 第1電源線
320 第2電源線
321 第1部分
322 第2部分
331 第1隙間
332 第2隙間
341 第1タッチ電極
342 第2タッチ電極
410 タッチ電極線
411 第1タッチ電極線
412 第2タッチ電極線
421 フレキシブル回路板
422 信号接続領域
423 集積回路領域
501 第1信号線
502 第2信号線
511 無機保護層
521 第1平坦化層
522 第2平坦化層
523 画素定義層
530 封止層
531 第1無機封止層
532 有機封止層
533 第2無機封止層
535 バリア層
536 第3絶縁層
541 第1ワイヤ
542 第2ワイヤ
550 被覆層
611 第1コンデンサ電極
612 第2コンデンサ電極
630 スペーサー層
711 第1導電部分
712 第2導電部分
713 第3導電部分
810 第1ダム
820 第2ダム
【国際調査報告】