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特表2023-501134ベンズオキサジン及びフタロニトリル樹脂の硬化性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ベンズオキサジン及びフタロニトリル樹脂の硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/06 20060101AFI20230111BHJP
   C07D 265/14 20060101ALI20230111BHJP
   C07D 307/42 20060101ALI20230111BHJP
   C08L 79/04 20060101ALI20230111BHJP
   C08L 61/14 20060101ALI20230111BHJP
   C08L 61/34 20060101ALI20230111BHJP
   C08K 5/3432 20060101ALI20230111BHJP
   C08J 5/24 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C08G73/06
C07D265/14
C07D307/42
C08L79/04
C08L61/14
C08L61/34
C08K5/3432
C08J5/24 CEZ
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524121
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020058107
(87)【国際公開番号】W WO2021087197
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】62/928,466
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509282365
【氏名又は名称】ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ・アメリカズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タオ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】ガアオ,クアンチアン
(72)【発明者】
【氏名】ボルジギン,ナラソ
【テーマコード(参考)】
4F072
4J002
4J043
【Fターム(参考)】
4F072AA07
4F072AD19
4F072AD45
4F072AF14
4F072AF23
4F072AF25
4F072AG02
4F072AH04
4F072AK03
4F072AK15
4F072AL01
4F072AL02
4F072AL16
4F072AL17
4J002CM021
4J002EU236
4J002FA047
4J002FD017
4J043PA15
4J043QC22
4J043RA33
4J043SA14
4J043SB01
4J043SB03
4J043UA151
4J043UB011
4J043UB021
4J043UB041
4J043UB121
4J043VA011
4J043XA03
4J043ZA12
4J043ZB59
(57)【要約】
本開示はアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及びフタロニトリルモノマーを含む重合可能な熱硬化性組成物を提供する。前記組成物はRTM用途のための低粘度を与えることができ、フタロニトリルモノマーよりずっと低い温度で完全に硬化することができる。高い熱安定性、耐熱性、高いチャーイールド及び増強された構造的剛性のような優れた熱的及び機械的性質を有する硬化した熱硬化ポリマー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1種以上のアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及び(ii)フタロニトリルモノマーを含む重合可能な熱硬化性組成物。
【請求項2】
1種以上のアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物が以下の構造:
【化1】
[式中、
1、R2、R3、R4及びR5のそれぞれは独立して水素原子、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、置換又は非置換C4-C20炭素環式基、置換又は非置換C2-C20複素環式基あるいはC3-C8シクロアルキル基から選ばれ;
bは1から4までの範囲の整数であり、ここで:
bが1である場合、Zは水素原子、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、置換又は非置換C4-C20炭素環式基、置換又は非置換C2-C20複素環式基あるいはC3-C8シクロアルキル基であり;各R1はアルキニル置換C1-C20アルキル基、アルキニル置換C8-C20アリール基、アルキニル置換C2-C20ヘテロアリール基、アルキニル置換C4-C20炭素環式基、アルキニル置換C2-C20複素環式基あるいはアルキニル置換C3-C8シクロアルキル基であり;
bが2である場合、Zは直接結合あるいは置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、O、S、S=O、O=S=O、C=O又はC=CCl2であり;そして
bが3又は4である場合、Zは置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基であり;そして
各R6はアルキニル置換C1-C20アルキル基、アルキニル置換C8-C20アリール基、アルキニル置換C2-C20ヘテロアリール基、アルキニル置換C4-C20炭素環式基、アルキニル置換C2-C20複素環式基あるいはアルキニル置換C3-C8シクロアルキル基である]
により示される、請求項1に記載の重合可能な熱硬化性組成物。
【請求項3】
フタロニトリルモノマーが以下の式
【化2】
[式中、R1ないしR14のそれぞれは独立して水素原子、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基から選ばれ;そしてZは直接結合、置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、O、S、S=O、O=S=O、C=O、C(=O)O又はC=CCl2あるいはポリマー鎖の各繰り返し単位中に酸素を含むポリマー鎖から選ばれる]
を有する1種以上の化合物である、請求項1に記載の重合可能な熱硬化性組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の一官能基性ベンズオキサジン、多官能基性ベンズオキサジン又はそれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の重合可能な熱硬化性組成物。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか記載の熱硬化性組成物の硬化により得られる熱硬化ポリマー。
【請求項6】
強化繊維の層を請求項1ないし4のいずれか1つに記載の重合可能な熱硬化性組成物と接触させ、強化繊維にコーティング及び/又は含侵させ;そしてコーティングされた及び/又は含侵した強化繊維を硬化させて複合製品を製造することを含む、複合製品の製造方法。
【請求項7】
a)強化繊維を含む繊維プリフォームを型中に導入し;b)請求項1ないし4のいずれか1つに記載の重合可能な熱硬化性組成物を型中に注入し、c)熱硬化性組成物を繊維プリフォームに含侵させ;d)樹脂を含侵させたプリフォームを少なくとも部分的に硬化した固体製品を与える時間に及んで加熱し;そして任意にe)部分的に硬化した固体製品を追加の加熱に供する段階を含む、RTMシステムおける複合製品の製造方法。
【請求項8】
a)強化繊維を含む繊維プリフォームを型中に導入し;b)請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱硬化性組成物を型中に注入し;c)型内の圧力を下げ;d)大体下げられた圧力に型を保持し;e)熱硬化性組成物を繊維プリフォームに含侵させ;f)樹脂を含侵させたプリフォームを加熱して少なくとも部分的に硬化した固体製品を与え;そして任意にg)少なくとも部分的に硬化した固体製品を追加の加熱に供する段階を含む、VaRTMシステムおける複合製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は2019年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/928,466号明細書の出願日遡及の特典を主張し、その記載事項全体は引用することにより明らかに本明細書の内容となる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
該当なし。
【0003】
分野
本開示は一般的にフタロニトリルモノマー及びアセチレンを担持する(acetylene-bearing)ベンズオキサジン化合物を含む重合可能な熱硬化性組成物ならびにこれらに限られないが建築及び建設、電子機器包装、エネルギー発生や発電、航空宇宙、運輸及び医療機器産業のような種々の産業における用途のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
フタロニトリルモノマーは、プレプレグ、ラミネート及び構造用複合部品の製造におけるような高温用途のために開発された新規な種類の高性能モノマーである。例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5はフェノール、ジフェニルアセチレンと反応した芳香族ジオール、再生可能資源からのポリフェノール及びビスフェノールに由来する種々のフタロニトリルモノマーを開示している。これらのフタロニトリルモノマーは硬化後に450℃より高い初期分解温度を有する優れた熱的及び熱酸化的安定性ならびに増強された耐炎性、熱分解の前のガラス転移温度の不在、高温における優れた機械的性質、低い吸水、優れた耐腐食性及び進んだUV遮蔽行動のような無数の他の非常に魅力的な性能特性(performance properties)を有することが見いだされた。
【0005】
しかしながら最高水準のフタロニトリルモノマーはモノマー前駆体の剛性及び最終的な硬化した生成物における高度の架橋の故に脆性に苦しむことが知られている。さらに、これらのフタロニトリルモノマーは一般に室温で固体であり、従って使用前に溶融させねばならない。さらに、それらは望まれるより高い硬化温度(例えば250℃より高い)及び完全な硬化のためのより長い時間を必要とし得る。
【0006】
これらの欠点を克服するために、フタロニトリルモノマー単位の間の部分の鎖長を調整してそれらの融点を下げ、硬化した生成物の柔軟性を向上させる試みがなされてきた。これらのフタロニトリルモノマーの硬化行動を向上させるために種々の型の触媒も用いられてきた。最後に、加工性、硬化行動及び硬化したフタロニトリル生成物の最終的な性質を向上させるために、特許文献6及び特許文献7はエポキシ又はベンズオキサジン樹脂と共重合した特定のフタロニトリルモノマーを開示している;しかしながらそのような組成物はまだ望まれるより高い硬化温度(例えば250℃より優に高い)及び完全な硬化のためのより長い時間を必要とし得、且つ炭素-炭素複合用途(carbon-carbon composite applications)のための不十分なチャーイールドを有する。
【0007】
さらにもっと優れた加工性及び硬化行動を示し、向上した熱的及び機械的性質を有する
生成物を生ずる熱硬化性組成物の共重合における硬化サイクルをさらに向上させることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,420,464号明細書
【特許文献2】米国特許第8,039,576号明細書
【特許文献3】米国特許第8,853,343号明細書
【特許文献4】米国特許第9,920,165号明細書
【特許文献5】米国特許第2019/0047946号明細書
【特許文献6】米国特許第5,939,508号明細書
【特許文献7】国際公開第2017105890号パンフレット
【発明の概要】
【0009】
概略
本開示は一般的に(i)アセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及び(ii)フタロニトリルモノマーを含む重合可能な熱硬化性組成物を提供する。
【0010】
本開示の重合可能な熱硬化性組成物(thermosetting composition)は硬化し、向上した熱的及び機械的性質を有する熱硬化ポリマー(thermoset polymer)を形成することができる。従って重合可能な熱硬化性組成物はこれらに限られないが建築及び建設、電子機器包装、軍事、エネルギー発生や発電、航空宇宙、運輸及び医療機器産業のような多様な用途において用途を見出すことができる。
【0011】
詳細な説明
本開示は一般的に(i)アセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及び(ii)フタロニトリルモノマーを含む重合可能な熱硬化性組成物を提供する。驚くべきことに、本開示の組成物は同等の条件において他の最高水準のベンズオキサジン/フタロニトリル組成物より速い硬化を有することが見いだされた。例えば本開示の組成物は最高で200℃ないし220℃の温度における段階的な硬化(staged cure)及び続く250℃から260℃までの範囲の温度における後硬化を必要とし得る。比較して単独のフタロニトリルモノマーは、触媒なしの単独重合のために一般に少なくとも350℃(実施例3-8を参照されたい)の硬化温度を必要とする。フタロニトリルモノマーはアセチレンを担持するベンズオキサジン中のアセチレン官能基で架橋され、向上した熱安定性、耐熱性、チャーイールド(char yield)及び増強された構造的剛性のような向上した熱的及び機械的性質を生ずることができる。特定の理論に制限されるわけではないが、アセチレンを担持するベンズオキサジン化合物の高いエンタルピー(例えば800J/gを超える)がフタロニトリルモノマーの重合を促進するのに十分な熱を与えると思われる。同時にアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物はフタロニトリルモノマーの融点より約20-40℃低い温度で、ある量のフタロニトリルモノマーを溶解することもでき、他の用途の中でも注入用途により容易に加工され得る低粘度を有する混合物を生ずる。
【0012】
以下の用語は以下の意味を有するものとする:
【0013】
「含む」という用語及びその派生語は、追加の成分、段階又は方法が本明細書に開示されていてもいなくても、それらの存在を排除することを意図していない。いずれの疑問をも避けるために、「含む」という用語の使用を介して本明細書で特許請求されるすべての組成物は、そうではないと記載されなければ、いずれかの追加の添加物又は化合物を含むことができる。対照的に「本質的に~からなる」という用語は、本明細書に現れる場合、操作性に必須でないものを除いていずれの他の成分、段階又は方法も後続の言及の範囲から排除し、「~からなる」という用語は、用いられる場合、特定的に述べられない又は挙げられないいずれの成分、段階又は方法も排除する。「又は」という用語は、他のように記載されなければ、挙げられるメンバーを個別にならびにいずれかの組み合わせにおいて指す。
【0014】
冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的目的語の1つ又は1つより多く(すなわち少なくとも1つ)を指すために本明細書で用いられる。例えば「官能基化フタロニトリルモノマー(a functionalized phthalonitrile monomer)」は1種の官能基化フタロニトリルモノマー又は1種より多い官能基化フタロニトリルモノマーを意味する。
【0015】
「1つの側面において」、「1つの側面に従うと」などの句は一般に、句に続く特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの側面に含まれ、且つ本開示の1つより多い側面に含まれ得ることを意味する。重要なことに、そのような句は必ずしも同じ側面を指していない。
【0016】
明細書に成分又は特徴が含まれる又はある特性を有する「ことができる(may)」、「ことができる(can)」、「ことができた(could)」又は「ことができた(might)」と記載される場合、その特定の成分又は特徴が含まれる又はその特性を有する必要はない。
【0017】
1つの側面に従うと、本開示はアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及びフタロニトリルモノマーを含む重合可能な熱硬化性組成物を提供する。
【0018】
そのようなアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物は国際公開第1999/18092号パンフレットに記載されており、その記載事項は引用することにより本明細書の内容となる。特にモノフェノール性化合物、アルデヒド及び第一級アミンの反応からアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物を製造することができる。
【0019】
モノフェノール性化合物はフェノール、クレゾール、2-ブロモ-4-メチルフェノール、2-アリルフェノール、1,4-アミノフェノールなどのようなものであるがこれらに限られない。1つの態様において、フェノール型化合物はフェノール又はアリルフェノールである。
【0020】
アルデヒド化合物はホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン又は式RaCHOを有し、式中、RaはC1-C12脂肪族基である化合物であることができるが、これらに限られない。1つの態様において、アルデヒド化合物はホルムアルデヒドである。
【0021】
第一級アミンは1個以上の炭素から炭素への三重結合基を有する2-40個の炭素及び任意にO、N、S又はハロゲンヘテロ原子を有するアミンであることができる。第一級アミンの窒素と炭素から炭素への三重結合基の間は任意に、6-12個の炭素を有する芳香族基で任意に置換されたC1-C6アルキル基又は任意にC1-C6アルキル基で置換された
6-12個の炭素を有する芳香族基であることができる。炭素から炭素への三重結合基は式-C≡CRd、-CH2-C≡CRd
【化1】
[式中、Rdは水素、任意に6-12個の炭素を有する芳香族基で置換されたC1-C5アルキル基又は任意にC1-C6アルキル基で置換された6-12個の炭素を有する芳香族基である]を有するものを含む。1つの特定の態様において、1個以上の炭素から炭素への三重結合を有する第一級アミンは3-アミノフェニルアセチレン及びプロパルギルアミンである。
【0022】
1つの態様において、1種以上のアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物は以下の構造:
【化2】
により示され、式中:R1、R2、R3、R4及びR5のそれぞれは独立して水素原子、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、置換又は非置換C4-C20炭素環式基、置換又は非置換C2-C20複素環式基あるいはC3-C8シクロアルキル基から選ばれ;bは1から4までの範囲の整数であり、ここで:bが1である場合、Zは水素原子、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、置換又は非置換C4-C20炭素環式基、置換又は非置換C2-C20複素環式基あるいはC3-C8シクロアルキル基であり;各R1はアルキニル置換C1-C20アルキル基、アルキニル置換C8-C20アリール基、アルキニル置換C2-C20ヘテロアリール基、アルキニル置換C4-C20炭素環式基、アルキニル置換C2-C20複素環式基あるいはアルキニル置換C3-C8シクロアルキル基であり;bが2である場合、Zは直接結合あるいは置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、O、S、S=O、O=S=O、C=O又はC=CCl2であり;そしてbが3又は4である場合、Zは置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基であり;そしてbが3又は4である場合、Zは置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は
非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基であり;そして各R6はアルキニル置換C1-C20アルキル基、アルキニル置換C8-C20アリール基、アルキニル置換C2-C20ヘテロアリール基、アルキニル置換C4-C20炭素環式基、アルキニル置換C2-C20複素環式基あるいはアルキニル置換C3-C8シクロアルキル基である。
【0023】
1つの特定の態様において、アセチレンを担持するベンズオキサジン化合物はフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン又は2-アリルフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジンである。
【0024】
フタロニトリルモノマーは(i)多官能基性フェノール性化合物と(ii)4-ニトロフタロニトリルの反応から得られる。
【0025】
多官能基性フェノール性化合物はレゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールS、2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールF、1,2,2,2―テトラフェノールエタン、チオジフェノール、フェノールフタレイン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、1,8-ヒドロキシアンスラキノン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2-2’-ジヒドロキシアゾベンゼン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン及び少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物であることができるが、これらに限られない。
【0026】
1つの特定の態様において、多官能基性フェノール性化合物はビスフェノールM、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールP、2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールF又はフラニル-置換2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールFから選ばれる。
【0027】
少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物にはフェノール化合物及び式(1)
【化3】
の化合物に由来する化合物が含まれ、式中、Xは酸素又は硫黄であり、Qは水素又はC1-C5アルキル基であり、jは1ないし3の整数である。そのような式(1)の化合物にはフルフラール、3-フルアルデヒド、3-メチルフルフラール、5-メチルフルフラール、5-エチルフルフラール、2-チオフェン-カルボキシアルデヒド、3-チオフェン-カルボキシアルデヒド、3-メチル-2-チオフェン-カルボキシアルデヒドなどが含まれるがこれらに限られない。
【0028】
フェノール化合物にはフェノール、クレゾール、2,6-キシレノールのようなキシレノール(ジメチルフェノール)、トリメチルフェノール、2-tert-ブチル-5-メチル-フェノールのような2,5-アルキルフェノール又は2-tert-ブチル-4-メチルフェノール、アリルフェノール、アルキニルフェノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ジフェニルフェノール、グアイアコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、メチルナフトール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールFなどが含まれ得るがこれらに限られない。
【0029】
少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物を、一般的に当業者に既知の方法により製造することができる。例えば塩基及び任意にアルコール又はモノ置換ベンゼンの存在下に約30℃ないし約150℃の間又は約60℃ないし約90℃の間の温度でフェノール化合物を式(1)の化合物と縮合させることができる。一般に縮合の間に存在するフェノール化合物と式(1)の化合物の量は1モルの式(1)の化合物当たりに約1.5モルから約20モルまでのフェノール化合物の範囲であることができる。いくつかの態様において、縮合の間に存在する式(1)の化合物に対するフェノール化合物の量は1モルの式(1)の化合物当たりに約1.8モルから約10モルまでのフェノール化合物の範囲であることができる。
【0030】
用いられ得る塩基の例には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのようなアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム-tert-ブトキシドなどのようなアルカリ金属アルコキシド;ならびにマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドのようなアルカリ土類金属アルコキシドが含まれるがこれらに限られない。これらの塩基を単独で又は2種以上の組み合わせにおいて用いることができる。塩基を1モルのフェノール化合物当たりに約0.005モルないし約2.0モルの間又は1モルのフェノール化合物当たりに約0.01ないし約1.1モルの間の量で用いることができる。
【0031】
用いられ得るアルコール又はモノ置換ベンゼン溶媒にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、キシレンなどが含まれるがこれらに限られず、それらを単独で又は混合物として用いることができる。必要ならそれらの溶媒を100重量部のフェノール化合物当たりに約5重量部ないし約500重量部の間、あるいは100重量部のフェノール化合物当たりに約10重量部ないし約300重量部の間の量で用いることができる。
【0032】
フェノール化合物及び式(1)の化合物(及び任意にアルコール又はモノ置換ベンゼン溶媒)の混合物に塩基を加え、得られる混合物を加熱することにより反応を行うことができる。あるいはまた、加熱下でフェノール化合物及び塩基(及び任意にアルコール又はモノ置換ベンゼン溶媒)の混合物に式(1)の化合物を加えることができる。反応時間は約5時間から約100時間までの間の範囲であることができる。反応が完了した後、反応混合物を中和することができる。続いてろ過によるか又は真空中における加熱により未反応材料を除去することができる。
【0033】
1つの態様に従うと、少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物は式(2)ないし(10)から選ばれる化合物であり、
【化4】
式中、nは約3から約3.2までの整数である。
【0034】
さらに別の態様において、少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物はビスフェノールA又はビスフェノールF及びXが酸素であり、Q及びjが上記で定義した通りである式(1)の化合物に由来する。
【0035】
1つの態様に従うと、フタロニトリルモノマーは触媒及び任意に溶媒の存在下で多官能基性フェノール化合物を4-ニトロフタロニトリルと反応させることにより生成する。
【0036】
触媒の例には上記の塩基ならびに炭酸セシウム、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属塩、メチルもしくはn-ブチルリチウムのような有機リチウム試薬、グリニヤル試薬又はそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限られない。
【0037】
用いられ得る溶媒の例にはアセトン、アセトニトリル、アルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、n-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド又はそれらの組み合わせのようないずれかの極性又は非極性溶媒が含まれるが、これらに限られない。
【0038】
別の態様において、溶媒はトルエン又はキシレンのように水と共沸混合物を形成できる溶媒であることができる。驚くべきことに、そのような溶媒を用いて、反応混合物を形成する化合物(すなわち少なくとも1個のフラン又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物、4-ニトロフタロニトリル及び塩基)中に見いだされる水ならびに少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物と4-ニトロフタロニトリルの反応の間に生成する水の両方の除去を助け得ることが見いだされた。溶媒及び水の混合物からの再結晶によりフタロニトリルモノマーを精製し、得られる生成物のモノマー含有率
を高くする(enrich)ことができる。
【0039】
別の態様に従うと、少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノール化合物及び官能基化フタロニトリルモノマーを同じ反応容器中で形成し、全体的な処理時間及び効率を向上させることができる。そのような態様において、第一段階に少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノールを上記のような反応容器中で形成する。第二段階に、反応容器中の少なくとも1個のフラン基又はチオフェン基を含む多価フェノールに4-ニトロフタロニトリルを加えて官能基化フタロニトリルモノマーを形成する。第一段階及び第二段階における反応中に用いられる塩基、触媒及び溶媒は同じか又は異なることができる。いくつかの態様において、溶媒はトルエン又はキシレンである。
【0040】
フタロニトリルモノマーが式
【化5】
を有する化合物である請求項1に記載の熱硬化性組成物。式中、R1ないしR14のそれぞれは独立して水素原子、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基から選ばれ;そしてZは直接結合、置換又は非置換C1-C20アルキル基、アリール又はヘテロアリール架橋を有する置換又は非置換C2-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C2-C20アルキニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、O、S、S=O、O=S=O、C=O、C(=O)O又はC=CCl2あるいはポリエーテル、ポリエーテルスルホン又はポリエーテルケトンを含むがこれらに限られないポリマー鎖の各繰り返し単位中に酸素を含むポリマー鎖から選ばれる。
【0041】
1つの態様に従うと、重合可能な熱硬化性組成物は1種以上のアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及びフタロニトリルモノマーを約1:1ないし約10:1又は約1.5:1から約10:1まで又は約2:1から約10:1までの間の1種以上のアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物対フタロニトリルモノマーの重量比で含む。
【0042】
重合可能な熱硬化性組成物中に存在するフタロニトリルモノマーの量は、重合可能な熱硬化性組成物の合計重量に基づいて少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%又は少なくとも約10重量%又は少なくとも約20重量%又は少なくとも約30重量%又は少なくとも約40重量%又は少なくとも約50重量%又は少なくとも約60重量%又は少なくとも約70重量%又は少なくとも約80重量%又は少なくとも約90重量%又は少なくとも約99重量%の量内であることができる。他の態様において、重合可能な熱硬化性組成物中に存在するフタロニトリルモノマーの量は、重合可能な熱硬化性組成物の合計重量に基づいて約1重量%ないし約99重量%の間又は約5重量%ないし約90重量%の間又は約10重量%ないし約80重量%の間又は約20重量%ないし約70重量%の間又は約30重量%ないし約60重量%の間の量内であることができる。
【0043】
熱硬化ポリマーの生成に十分な重合可能な熱硬化性組成物の加熱により本開示の重合可能な熱硬化性組成物を硬化させることができる。熱硬化ポリマーの熱硬化生成を加速するために硬化剤を用いることができる。かくして別の態様に従うと、重合可能な熱硬化性組成物はさらに硬化剤を含む。
【0044】
用いられ得る硬化剤には芳香族アミン、第一級アミン、第二級アミン、ジアミン、ポリアミン、アミン置換ホスファゼン、フェノール、強酸、有機酸、強有機酸、無機酸、金属、金属塩、金属塩水和物、金属化合物、ハロゲン含有芳香族アミン、粘土及び化学的に修飾された粘土が含まれるがこれらに限られない。粘土又は化学的に修飾された粘土の使用は熱硬化樹脂の機械的性質及び燃焼性を向上させることができる。典型的に、粘土の化学的修飾はナトリウムイオンをアンモニウムで置き換えて第四級アンモニウム塩を形成することを含む。
【0045】
特定の硬化剤にはビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルホン(p-BAPS)、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルホン(m-BAPS)、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(p-APB)、1,12-ジアミノドデカン、ジフェニルアミン、エポキシアミン硬化剤、1,6-ヘキサンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、p-トルエンスルホン酸、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(m-APB)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジエトキシ-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジスルホ-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジスルホ-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’-ジアミノジフェニルフェニルホスフィンオキシド、ビス(3-アミノフェノキシ-4’-フェニル)フェニルホスフィンオキシド、メチレンジアニリン、ヘキサキス(4-アミノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]2,2’-ヘキサフルオロプロパン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)-1-フェニル-2,2,2-トリフルオロエタン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジブロモ-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、アニリン-2-スルホン酸、8-アニリン-1-ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ブチルスルホン酸、10-カンファ―スルホン酸、2,5-ジアミノベンゼンスルホン酸、6-ジメチルアミノ-4-ヒドロキシ-2-ナフタレンスルホン酸、5-ジメチルアミノ-1-ナフタレンスルホン酸、4-ヒドロキシ-3-ニトロソ-1-ナフタレンスルホン酸四水和物、8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸、メチルスルホン酸、フェニルホウ酸、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、2,6-ナフタレンジスルホン酸、2.7-ナフタレンジスルホン酸、ピクリルスルホン酸水和物、2-ピリジンエタンスルホン酸、4-ピリジンエタンスルホン酸、3-ピリジンスルホン酸、2-ピリジニルヒドロキシメタンスルホン酸、スルファニル酸、2-スルホ安息香酸水和物、5-スルホサリチル酸水和物、2,4-キシレンスルホン酸、スルホン酸含有染料、有機リン含有酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、プロピルホスホン酸、1-アミノエチルホスホン酸、4-アミノフェニルホスホン酸、ブチルホスホン酸、t-ブチルホスホン酸、2-カルボキシエチルホスホン酸、2-クロロエチルホスホン酸、ジメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、メチルホスホン酸、ホスホノ酢酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスホン酸、クロロメチルホスホン酸、ジ-n-ブチルホスホン酸、ジクロロメチルホスホン酸、ジフェニルジチオホスホン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、n-ヒスタデリルホスホン酸(n-hystaderylphosphonic acid)、ヒドロキシメチルホスホン
酸、n-オクタデシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、プロピレンジホスホン酸、n-テトラデシルホスホン酸、濃硫酸、フェニルホスホン酸、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、クロム、モリブデン、バナジウム、ベリリウム、銀、水銀、錫、鉛、アンチモン、カルシウム、バリウム、マンガン、マグネシウム、コバルト、パラジウム、白金、臭化第一銅、シアン化第一銅、フェリシアン化第一銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、シアン化亜鉛、フェリシアン化亜鉛、酢酸亜鉛、硫化亜鉛、塩化銀、塩化第一鉄、塩化第二鉄、フェリシアン化第一鉄、クロロ白金酸第一鉄、フッ化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第一コバルト(cobaltous chloride)、硫酸第二コバルト、シアン化第一コバルト、塩化ニッケル、シアン化ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化第二錫、塩化第一錫水和物、塩化第一錫二水和物、硝酸アルミニウム水和物、硝酸アルミニウム九水和物、トリフェニルホスフィンオキシド錯体、モントモリロナイト、化学的に修飾されたモントモリロナイト、4,4’-(1,3-フェニレンジオキシ)ジアニリン、4,4’-(1,4-フェニレンジオキシ)ジアニリン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’-(4,4’-イソプピリデンジフェニル-1,1’-ジイルジオキシ)ジアニリン、4,4’-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’-(1,1’-ビフェニル-4,4’-ジイルジオキシ)ジアニリン、4,4’-メチレンジアニリン、4,4’-スルホニルジアニリン、4,4’-メチレン-ビス(2-メチルアニリン)、3,3’-メチレンジアニリン、3,4’-メチレンジアニリン、4,4’-オキシジアニリン、4,4’-(イソプロピリデン)ジアニリン、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(p-フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、化合物
【化6】
及びそれらの混合物が含まれるがこれらに限られない。
【0046】
硬化剤は重合可能な熱硬化性組成物の合計重量に基づいて少なくとも約0.5重量%又は少なくとも約1重量%又は少なくとも約2重量%又は少なくとも約5重量%又は少なくとも約10重量%又は少なくとも約15重量%又はさらに少なくとも約20重量%の量で重合可能な熱硬化性組成物中に存在することができる。
【0047】
他の態様において、硬化剤は重合可能な熱硬化性組成物の合計重量に基づいて約40重量%未満又は約35重量%未満又は約30重量%未満又は約25重量%未満の量で存在することができる。さらに別の態様において、硬化剤は重合可能な熱硬化性組成物の合計重
量に基づいて約0.25重量%ないし約45重量%の間又は約1重量%ないし約40重量%の間の量で存在することができる。
【0048】
アセチレンを担持するベンズオキサジン化合物をフタロニトリルモノマーと、融点未満の温度で(例えば制限ではないが成分の融点より35ないし40℃かもっと低い温度で)撹拌容器、撹拌棒、ボールミル、試料ミキサー、スタティックミキサー又はリボンブレンデッドのような通常の装置の使用により混合し、熱硬化性組成物を形成することにより、重合可能な熱硬化性組成物を調製することができる。
【0049】
次いで重合可能な熱硬化性組成物を硬化させ、熱硬化ポリマーを形成することができる。本明細書で用いられる場合、「硬化」という表現は、上記の熱硬化性組成物が不溶解性(insoluble)且つ不溶融性(infusible)の架橋生成物に転換し、同時に成形され、成型品(molding)、プレス品(pressing)又はラミネートのような成形製品を与えるかあるいはコーティング、エナメル又は接着結合のような二次元構造を与えることを示す。典型的な硬化法は熱、放射線又はいずれかの組み合わせのエネルギー源を用いる室温硬化ないし高められた温度の硬化を含む。典型的な硬化温度は、例えば3ないし20時間又は約5から15時間まで又は約6から約15時間まで又は約7から約12時間まで又は約8から約10時間までのような組成物を少なくとも部分的に又は実質的に又は完全に硬化させるのに十分な時間に及ぶ約75℃ないし約375℃の間又は約80℃ないし約300℃の間のような約50℃から約500℃までの間の範囲であることができる。
【0050】
さらに硬化を1つ以上の硬化段階において行うことができる。例えば重合可能な熱硬化性組成物を約75℃ないし約375℃の間又は約80℃ないし約300℃の間のような約50℃から約500℃までの間の範囲の温度で例えば3ないし10時間の範囲の時間のような組成物を少なくとも部分的に硬化させるのに十分な時間に及んで初期硬化に供し、次いで300℃未満又は280℃以下そしてさらに260℃以下の温度で例えば2から4時間までの範囲の時間のような組成物を実質的に又は完全に硬化させるのに十分な時間に及んで後硬化させることができる。重合可能な熱硬化性組成物は硬化する前に75℃において3000センチポアズ未満又は1000センチポアズ未満又は500センチポアズ未満又は175センチポアズ未満の粘度を有することができる。
【0051】
1つの態様に従うと、本開示の重合可能な熱硬化性組成物はさらに追加の一官能基性ベンズオキサジン又は多官能基性ベンズオキサジン又はそれらの組み合わせならびに1種以上の硬化剤又は任意な添加物あるいは第二のフタロニトリルモノマーを含んで別の熱硬化性組成物を形成することができる。添加物には充填剤、例えば炭素ナノチューブ、粘土、炭素ナノファイバー、金属酸化物、酸化亜鉛、珪藻土、硫酸バリウム、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム及びそれらの組み合わせ、着色剤、酸化防止安定剤、熱分解安定剤、光安定剤、流動剤(flow agents)、増ちょう剤、艶消し剤、結合剤、発泡剤、殺菌・殺カビ剤(fungicides)、殺バクテリア剤(bactericides)、界面活性剤、可塑剤、ゴム強化剤ならびに当業者に既知の他の添加物が含まれ得るがこれらに限られない。これらの添加物は、存在する場合、それらの意図される目的に有効な量で加えられる。
【0052】
上記の通り、少なくとも1種のアセチレンを担持するベンズオキサジン化合物及び1種のフタロニトリルモノマー、他の一官能基性又は多官能基性ベンズオキサジンあるいは第二のフタロニトリルモノマーならびに任意な硬化剤及び添加物を撹拌容器、撹拌棒、ボールミル、試料ミキサー、スタティックミキサー又はリボンブレンデッドのような通常の装置を用いていずれかの順序で混合し、熱硬化性組成物を形成することにより、重合可能な熱硬化性組成物を調製することができる。次いで上記の通りに熱硬化性組成物を硬化させ
、熱硬化ポリマーを形成することができる。
【0053】
1つの態様に従うと、追加のベンズオキサジンは一官能基性ベンズオキサジンであることができる。一官能基性ベンズオキサジン化合物はモノフェノール性化合物、ホルムアルデヒドのようなアルデヒド及び第一級アミンの反応から得られる化合物である。
【0054】
モノフェノール性化合物はフェノール、クレゾール、2-ブロモ-4-メチルフェノール、2-アリルフェノール、1,4-アミノフェノールなどであることができるがこれらに限られない。1つの特定の態様において、フェノール型はフェノールである。
【0055】
アルデヒド化合物はホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン又は式RaCHOを有し、式中、RaはC1-C12脂肪族基である化合物であることができるが、これらに限られない。1つの特定の態様において、アルデヒド化合物はパラホルムアルデヒドである。
【0056】
第一級アミンは上記の少なくとも1個の炭素から炭素の三重結合基を有する第一級アミンならびにアニリン、o-、m-及びp-フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、シクロヘキシルアミン、1,4-ジアミノシクロヒデキシル、ブチルアミン、メチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、フルフリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホンであることができるがこれらに限られない。1つの特定の態様において、第一級アミンはフルフリルアミンである。
【0057】
別の態様に従うと、追加のベンズオキサジンは多官能基性ベンズオキサジンであることができる。多官能基性ベンズオキサジンは式
【化7】
を有する化合物であり、式中、bは2から4までの範囲の整数であり;各Rは独立して水素、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C2-C20アルケニル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、置換又は非置換C4-C20炭素環式基、置換又は非置換C2-C20複素環式基あるいはC3-C8シクロアルキル基であり;各R1は独立して水素、C1-C20アルキル基、C2-C20アルケニル基又はC6-C20アリール基であり;そしてbが2である場合、Zは直接結合、置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基、O、S、S=O、O=S=O又はC=Oであり、そしてbが3又は4である場合、Zは置換又は非置換C1-C20アルキル基、置換又は非置換C6-C20アリール基、置換又は非置換C2-C20ヘテロアリール基である。
【0058】
置換基にはヒドロキシ、C1-C20アルキル、C2-C10アルコキシ、メルカプト、C3-C8シクロアルキル、C6-C14複素環式、C6-C14アリール、C6-C14ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ニトロン、アミノ、アミド、アシル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド及びスルフリルが含まれるがこ
れらに限られない。
【0059】
1つの態様に従うと、上記の多官能基性ベンズオキサジン化合物は、多官能基性フェノール性化合物、ホルムアルデヒドのようなアルデヒド及び第一級アミンの反応から得られる化合物である。
【0060】
多官能基性フェノール性化合物はレゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールS、1,2,2,2―テトラフェノールエタン、チオジフェノール、フェノールフタレイン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、1,8-ヒドロキシアンスラキノン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2-2’-ジヒドロキシアゾベンゼン及び1,3,5-トリヒドロキシベンゼンであることができるがこれらに限られない。1つの特定の態様において、多官能基性フェノール性化合物は4’4-ジフェノール又は4,4-チオジフェノールである。
【0061】
第一級アミンは上記の少なくとも1個の炭素から炭素の三重結合基を有する第一級アミンならびにアニリン、o-、m-及びp-フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、シクロヘキシルアミン、1,4-ジアミノシクロヘキシル、ブチルアミン、メチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、フルフリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホンであることができるがこれらに限られない。1つの特定の態様において、第一級アミンはアニリン及びフルフリルアミンである。
【0062】
さらに別の態様において、いずれかの適した支持体を上記の重合可能な熱硬化性組成物のいずれか1つと接触させ、支持体/重合可能な熱硬化性組成物を熱、放射線又は組み合わせのエネルギー源に供して支持体/重合可能な熱硬化性組成物を硬化させることにより得られる熱硬化ポリマーを提供する。1つの態様において、本開示の重合可能な熱硬化性組成物を用い、接着されるべき類似の又は類似でない支持体の1つ以上の表面を重合可能な熱硬化性組成物と、重合可能な熱硬化性組成物を硬化させるのに十分な条件下で接触させることにより、1つ以上の支持体を接着することができる。
【0063】
別の態様において、本開示の重合可能な熱硬化性組成物を硬化させることにより、工業において周知の方法、例えば引き抜き成形、注入、成型、カプセル封入又はコーティングにより複合製品を得ることができる。かくして本開示の重合可能な熱硬化性組成物を注型(casting)、プレプレグ、接着シート、ラミネート及び金属箔被覆ラミネートのような複合製品の製造方法において用いることができる。
【0064】
強化繊維の添加により複合製品の性質をある用途に適合させることができる。強化繊維の例にはガラス、石英、炭素、アルミナ、セラミック、金属、アラミド、天然繊維(例えば亜麻、ジュート、サイザル麻、ヘンプ)、紙、アクリル及びポリエチレン繊維ならびにそれらの混合物が含まれる。強化繊維は種々の状態のいずれかに、例えば連続繊維又は不連続繊維(短繊維)を1つの方向に並列させることにより形成されるストランド又はロービング、編織布又はマットのような布、組物(braids)、単方向的、二方向的、無作為、擬等方的又は三次元的に分散されたマット様材料、不均一格子又はメッシュ材料ならびに三軸編織布のような三次元材料としてあることができる。
【0065】
かくして別の態様において、強化繊維の層を重合可能な熱硬化性組成物と接触させて強化繊維にコーティング及び/又は含侵させ;そしてコーティングされた及び/又は含侵した強化繊維を硬化させて複合製品を製造する段階を含む複合製品の製造方法を提供する。
【0066】
コーティング及び/又は含侵を湿式法又はホットメルト法のいずれかにより行うことが
できる。湿式法において、熱硬化性組成物を最初に溶媒に溶解して粘度を下げ、その後に強化繊維のコーティング及び/又は含侵を行い、オーブンなどを用いて溶媒を蒸発させる。
【0067】
ホットメルト法において、強化繊維に重合可能な熱硬化性組成物を直接コーティング及び/又は含侵させることによりコーティング及び/又は含侵を行うことができ、重合可能な熱硬化性組成物はその粘度を下げるために加熱されていることができるか、あるいはまた最初に剥離紙などの上に重合可能な熱硬化性組成物がコーティングされたフィルムを作り、フィルムを強化繊維の片面又は両面上に置き、熱又は圧力を適用してコーティング及び/又は含侵を行うことができる。
【0068】
別の側面に従うと、RTMシステムおける複合製品の製造方法を提供する。前記方法は:a)強化繊維を含む繊維プリフォーム(preform)を型中に導入し;b)重合可能な熱硬化性組成物を型中に注入し、c)重合可能な熱硬化性組成物を繊維プリフォームに含侵させ;そしてd)樹脂を含侵させたプリフォームを少なくとも部分的に硬化した固体製品を与える時間に及んで加熱し;そして任意にe)部分的に硬化した固体製品を追加の加熱に供する段階を含む。
【0069】
さらに別の態様において、VaRTMシステムおける複合製品の製造方法を提供する。前記方法は:a)強化繊維を含む繊維プリフォームを型(mold)中に導入し;b)重合可能な熱硬化性組成物を型中に注入し;c)型内の圧力を下げ;d)大体下げられた圧力に型を保持し;e)重合可能な熱硬化性組成物を繊維プリフォームに含侵させ;f)樹脂を含侵させたプリフォームを加熱して少なくとも部分的に硬化した固体製品を与え;そして任意にg)少なくとも部分的に硬化した固体製品を追加の加熱に供する段階を含む。
【0070】
RTM及びVaRTMシステムの他に、プレプレグのホットプレス、シートモールディングコンパウンド、成型、注型、引き抜き及びフィラメントワインディングを含む複合製品の製造のための他の方法及びシステムにおいて重合可能な熱硬化性組成物を用いることができる。
【0071】
別の態様において、重合可能な熱硬化性組成物は硬化すると釣り合いの良い優れた物理的、機械的及び熱的性質を有する熱硬化ポリマーを与える。本開示に従う釣り合いの良い重合可能な熱硬化ポリマーの性質は、約250℃より高い又は約270℃より高い又は約290℃より高いガラス転移温度(Tg);3500MPaより高い又は3750MPaより高い又は4000MPaより高い貯蔵弾性率;ならびに800℃において窒素下で少なくとも60%又は少なくとも65%又は少なくとも70%のチャーイールドの少なくとも2つを含むことができる。
【0072】
本開示の重合可能な熱硬化性組成物及び複合製品を種々の用途において、例えばそれらが航空機一次構造材料(主翼、尾翼、床げたなど)、二次構造材料(フラップ、補助翼、カウル、フェアリング、内装トリムなど)、ロケットモーターケース、人工衛星用の構造材料として用いられ得る航空宇宙用途においてあるいは自動車、ボート及び鉄道車両のような他の運動体、ドライブシャフト、燃料電池、板バネ、風力タービン翼、圧力容器、フライホイール、製紙ローラーならびに土木工学及び建築材料(屋根材、ケーブル、鉄筋、補強材)において用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0073】
実施例:
NMR、FTIR、LC-MS、GPC及びHPLCのような化学分析法はHuntsman Corporation内の分析サービスグループによって行われた;DSC、
DMA及びTGAはDSCQ2000、DSC 2500、DMA 800、TGA 5000、SDT650のようなTA機器上で行われ、粘度はBrookfield CAP+ 2000上で実行された。
【0074】
実施例1:フェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA)の合成及び単独重合
【化8】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた3000mLの4つ口丸底フラスコにフェノール(376g,4.0モル)、パラホルムアルデヒド(263.8g,8.8モル)及びトルエン(1200ml)を加えた。混合物を60℃に加熱し、次いで撹拌混合物に3-アミノフェニルアセチレン(468.1g,4.0モル)を加えた。得られる混合物を次いで80℃に1時間加熱し、次いでさらに100℃に加熱して共沸法により水のほとんどを除去した。反応混合物を反応が完了するまでさらに110℃に加熱し、生成物を生成させた。ろ過の後、生成物を3N水酸化ナトリウム及び次いで水で洗浄し、乾燥した。次いで残るトルエンを真空下で除去し、生成物を真空中で110℃において3時間さらに乾燥し、冷却すると835g(89%)の生成物を褐色の固体として与えた。10℃/分におけるDSC走査により材料を測定し、それは53-55℃の間の溶融範囲(melting range)を有した。GPC分析により、主成分モノマーは約73%、二量体は約20%及び三量体は約7%であり、モノマーは以下の通りのスペクトルを有する:1H NMR(400MHz;ppm,CDCl3中):7.20(dd,1H),7.15(d,1H),7.00-7.10(m,3H),6.95(d,1H),6.86(dd,1H),6.81(d,1H),5.29(s,2H),4.56(s,2H),3.02(s,1H);13C NMR(400MHz;ppm,CDCl3中):154.2,148.2,129.2,127.9,126.7,125.0,122.9,121.4,120.9,120.56,118.6,117.0,83.8,78.8,77.1,50.2。LCMS:236.1074(M+H+,計算値 236.1075)
【0075】
アルミニウム皿に14グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA)を装入した。次いでアルミニウム皿を80℃の真空オーブン中に入れ、1時間溶融及び脱ガスした。脱ガス後、材料を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0076】
実施例2:2-アリルフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(AllylPh-APA)の合成及び単独重合
【化9】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラ
スコに2-アリルフェノール(134g,1.0モル)、パラホルムアルデヒド(62.9g,2.1モル)ならびにトルエン(2050ml)及びブタノール(34ml)を加えた。混合物を70℃に加熱し、次いで撹拌混合物に3-アミノフェニルアセチレン(117g,1.0モル)を加えた。得られる混合物を次いで100℃に加熱して共沸法により水のほとんどを除去した。完了させるために反応混合物をさらに110℃に加熱した。ろ過の後、生成物を3N水酸化ナトリウム及び次いで水で洗浄し、乾燥した。真空中における溶媒の除去の後、生成物を真空中で100℃において3時間さらに乾燥し、250g(90%)の生成物を褐色がかった液体として与えた。GPC分析により、主成分モノマーは約76%、二量体は約12%、三量体は約5%であった。主成分は1H NMR(ppm,CDCl3):7.10-7.30(m,4H),6.90-7.00(m,2H),6.81(dd,1H),5.88-5.96(m,1H),5.43(s,2H),4.95-5.05(m,2H),4.62(s,2H),4.08(s,1H),3.24(d,2H);13C NMR(ppm,CDCl3):151.7,147.9,136.5,129.6,128.1,127.9,127.1,125.3,123.8,122.4,120.7,120.1,120.0,118.1,115.6,83.8,80.1,78.2,49.4,31.3;LC-MS:276.1388(M+H+;計算値 276.1388)を有する。
【0077】
アルミニウム皿に14グラムの2-アリルフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(AllPh-APA)を装入した。次いでアルミニウム皿を80℃の真空オーブン中に入れ、1時間溶融及び脱ガスした。脱ガス後、材料を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0078】
実施例3:2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールFフタロニトリル(TMBF-PN)の合成及び単独重合
【化10】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラスコに2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールF(100g,0.39モル)、4-ニトロフタロニトリル(135.1g,0.78モル)及びDMF(350ml)を加えた。次いでK2CO3(148.6g,1.05モル)を加えた。得られる混合物を80-90℃に2-3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、希HCl中に注ぎ、沈殿させた。沈殿をろ過により集め、中性になるまで水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した。固体を真空乾燥し、194g(98%)の粗生成物を254nmにおけるHPLC分析により95%より高い純度を有する淡褐色の固体として与えた。アセトニトリルからのさらなる再結晶は97%より高い純度を有するオフホワイト色の粉末として生成物を与える。10℃/分における400℃までのDSC走査による融点 191-193℃。1H NMR(ppm,CDCl3):7.73(d, 2H),7.14-7.17(m,4H),7.01(s,4H),3.91 (s,2H),2.21 (s,2H),1.99(s,12H);13C NMR(ppm,CDCl3):161.164(2C),147.872(2C),139.112(2C),135.652(2C),130.582(4C),130.010(4C),119.823(2C),119.660(
2C),117.744(2C),115.498(2C),115.130(2C),108.246(2C),40.690(1C),16.192(4C);FTIR (cm-1)3105.88,3077.27,3042.23,2949.33,2916.23,2860.75,2231.82,1592.23,1567.61,1479.62,1444.10,1420.06,1411.25,1382.71,1372.87,1329.94,1307.01,1277.14,1244.61,1191.46,1162.48,1134.01,1085.95,1020.57,980.57,972.99,961.75,949.15,904.55,895.84,885.14,868.92,848.79,840.06,808.47,765.01,757.67,727.54,720.58,688.45,662.06;LC-MS:C33H24N4O2(MW:508,98.16%).
【0079】
アルミニウム皿に14グラムのフタロニトリルモノマーを装入した。次いでアルミニウム皿を200℃のオーブン中に入れ、材料を溶融させた。その後、材料を260℃で6時間、300℃で3時間及び350℃で4時間段階的に硬化させた。この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0080】
実施例4:フラニル-2,2’-6,6’-テトラメチルビスフェノールFフタロニトリル(FTMBF-PN)の合成及び単独重合
【化11】
段階1:機械的撹拌機及び還流コンデンサーが備えられた500mlの4つ口丸底フラスコに61.08グラムの2,6-キシレノール及び32.4グラムのメタノールを装入した。次いで2グラムの水酸化ナトリウムを加え、撹拌して溶解した。得られる混合物を加熱還流し、24.0グラムのフルフラールを還流下で2時間かけて滴下した。ついで混合物をさらに15時間還流させ、完全な転換に関してHPLCにより監視し、その後35グラムの20%リン酸二水素ナトリウム水溶液を用いて混合物を中和した。沈殿する結晶をろ過により集め、1:1メタノール/水溶液で洗浄し、真空乾燥オーブン中で乾燥し、72.6グラムのテトラメチルビスフェノールフラン(90.8%)が製造された。生成物は非常に純粋であることがHPLC上で見いだされた(99.7%)。
【化12】
【0081】
段階2:温度計、コンデンサーを有するDean-Starkトラップ及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラスコに段階1からのフラニル-テトラメチルビスフェノール(32.2グラム、0.1モル)、粉末K2CO3(33.2グラム、0.24モル)、トルエン(100mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(146.1グラム)を加えた。得られる混合物を窒素で脱ガスし、混合物を140℃で1
0-12時間加熱還流した。次いで蒸留によりトルエンを除去し、反応混合物を30℃に冷ました。次いで4-ニトロフタロニトリル(35.3グラム、0.204モル)を一度に加え、反応混合物を80℃に加熱し、完全な転換に関してHPLCにより監視した。次いで混合物を室温に冷まし、冷脱イオン水中に注ぎ、固体を生成させた。沈殿する結晶をろ過により集め、中性にまるまで冷脱イオン水で洗浄し、次いで1:1メタノール/水溶液で洗浄した。得られる暗黄色の固体を真空乾燥して54.5グラム(95%)の表題生成物を与えた。生成物の融点は10℃/分におけるDSC走査により219.6℃であることが見いだされた。1H NMR(ppm,CDCl3):7.733(d,2H),7.437(dd,1H),7.13-7.17(m,4H),7.00-7.03(s,4H),6.374(dd,1H),6.036(d,1H),5.39(s,1H),2.09(s,12H);13C NMR(ppm,CDCl3):160.981(2C),155.809(1C),148.253(2C),142.181(1C),139.815(2C),135.694(2C),130.663(4C),129.794(4C),119.817(2C),119.714(2C),117.689(2C),115.499(2C),115.123(2C),110.266(1C),108.500(1C),108.280(2C),49.745(1C),16.296(4C);FTIR(cm-1)3111.2,3075.5,3043.7,2963.5,2921.2,2862.4,2231.2,1673.8,1582.7,1564.0,1478.0,1421.8,1310.4,1276.7,1244.7,1182.0,1163.2,1133.4,1087.2.80,1011.5,950.0,880.4,835.6,781.3,734.8.
【0082】
アルミニウム皿に14グラムのフタロニトリルモノマーを装入した。次いでアルミニウム皿を220℃のオーブン中に入れ、材料を溶融させた。その後、材料を260℃で6時間、300℃で3時間及び350℃で4時間段階的に硬化させた。この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0083】
実施例5:ビスフェノールAフタロニトリル(BisA-PN)の合成及び単独重合
【化13】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラスコにビスフェノールA(80g,0.35モル)、4-ニトロフタロニトリル(121.3g,0.7モル)及びDMF(300ml)を加えた。次いで粉砕K2CO3(133.5g,1.05モル)を加えた。得られる混合物を80-90℃に2-3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、希HCl中に注ぎ、固体を生成させた。沈殿をろ過により集め、中性になるまで水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した。固体を真空乾燥し、166g(99%)の粗生成物を280nmにおけるHPLC分析により約93%の純度を有する緑色の粉末として与えた。アセトニトリルからのさらなる再結晶は97%より高い純度を有する緑色の結晶(82.5%収率)として生成物を与える。10℃/分におけるDSC走査による融点 198℃。1H NMR(ppm,CDCl3):7.733(d,2H),7.33-7.36(m,4H),7.27-7.29(m,4H),7.00-7.03(m,4H),3.91(s,2H),2.21(s,2H),1.759 (s,6H);13C NMR(ppm,CDCl3):161.818(2C),151.584(2C),148.304(2C),135.419(2C),128.979(4C),121.619(2C),121.364(2C),120.223(4C),
117.597(2C),115.401(2C),115.043(2C),108.796(2C),42.707(1C),30.938(2C);FTIR(cm-1)3074.13,3050.53,2973.19,2935.48,1876.84,2233.15,1915.12,1669.92,1589.05,1560.79,1502.11,1485.78,1422.65,1407.54,1388.51,1366.70,1305.39,1288.35,1251.36,1209.84,1176.79,1163.28,1112.99,1103.00,1081.80,1016.02,952.72,922.78,903.99,887.50,854.97,854.07,825.63,777.60,745.25,717.42,697.67,671.03;LC-MS C31H20N4O2 (正確な質量 480,97.79%).
【0084】
アルミニウム皿に14グラムのフタロニトリルモノマーを装入した。次いでアルミニウム皿を220℃のオーブン中に入れ、材料を溶融させた。その後、材料を260℃で6時間、300℃で3時間及び350℃で4時間段階的に硬化させた。この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0085】
実施例6:ビスフェノールCフタロニトリル(BisC-PN)の合成及び単独重合
【化14】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラスコにビスフェノールC(76.9g,0.27モル)、4-ニトロフタロニトリル(94.7g,0.55モル)及びDMF(250ml)を加えた。次いで粉砕K2CO3(104.2g,0.82モル)を加えた。得られる混合物を80-90℃に2-3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、希HCl中に注ぎ、固体を生成させた。沈殿をろ過により集め、中性になるまで水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した。固体を真空乾燥し、142g(99%)の粗生成物を280nmにおけるHPLC分析により約97%より高い純度を有する黄色の固体として与えた。アセトニトリルからのさらなる再結晶は99%より高い純度を有する明淡褐色の粉末(87.5%収率)として生成物を与える。10℃/分におけるDSC走査による融点 198℃。1H NMR(DMSO中におけるppm)8.126(d,2H),7.860(d,2H),7.43-7.50(m,6H),7.21-7.25(m,4H);13C NMR(DMSO中におけるppm)160.191(2C),153.850(2C),139.172(1C),136 299(2C),135.697(2C),131.119(4C),123.343(2C),122.636(2C),119.849(4C),119.039(1C),116.734(2C),115.740(2C),115.254(2C),108.726(2C),41.246(2C),29.284(4C);FTIR(cm-1)3066.78,3041.52,2228.20,1606.69,1590.35,1560.94,1499.85,1483.70,1416.10,1306.05,1295.19,1279.97,1246.74,1210.05,1169.39,1161.41,1154.56,1102.68,1089.03,1016.18,978.14,967.00,952.81,941.27,916.08,878.81,869.26,857.37,844.35,829.40,819.90,781.88,744.44,721.67,703.65,692.30,681.79;LC-MS:C32H14Cl2N4O2,(正確な質量 532,99.31%);
【0086】
アルミニウム皿に14グラムのフタロニトリルモノマーを装入した。次いでアルミニウム皿を220℃のオーブン中に入れ、材料を溶融させた。その後、材料を260℃で6時間、300℃で3時間及び350℃で4時間段階的に硬化させた。この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0087】
実施例7:ビスフェノールMフタロニトリル(BisM-PN)の合成及び単独重合
【化15】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラスコにビスフェノールM(120g,0.35モル)、4-ニトロフタロニトリル(119.9g,0.69モル)及びDMF(420ml)を加えた。次いで粉砕K2CO3(105.6g,0.83モル)を加えた。得られる混合物を80-90℃に2-3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、希HCl中に注ぎ、固体を生成させた。沈殿をろ過により集め、中性になるまで水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した。固体を真空乾燥し、205g(98%)の粗生成物を280nmにおけるHPLC分析により約96%より高い純度を有する暗淡褐色の固体として与えた。アセトニトリルからのさらなる再結晶は98%より高い純度を有する明淡褐色の粉末(収率78%)として生成物を与える。10℃/分におけるDSC走査による融点 135.12℃。1H NMR(DMSO中におけるppm)8.066(d,2H),7.67(d,2H),7.20-7.35(m,7H),7.05-7.11(m,7H),1.638(s,12H);13C NMR(DMSO中におけるppm)159.988(2C),150.192(2C),148.376(2C),146.734(2C),135.092(2C),127.485(4C),126.664(1C),122.913(1C),122.631(2C),121.147(2C),120.525(2C),118.561(4C),115.516(2C),114.665(2C),114.170(2C),106.860(2C),41.246(2C),29.284(4C);FTIR(cm-1)3108.42,3074.20,3040.59,2967.77,2932.21,2870.46,2234.51,1799.58,1591.81,1563.28,1503.29,1488.99,1460.22,1449.76,1417.43,1404.26,1386.74,1364.16,1310.41,1285.60,1257.00,1248.90,1212.76,1174.34,1164.33,1122.44,1102.23,1085.13,1075.58,967.63,954.21,931.93,900.74,889.01,853.17,833.42,799.02,767.81,755.62,709.86,669.62;LC-MS:C40H30N4O2(正確な質量 598,98.69%).
【0088】
アルミニウム皿に14グラムのフタロニトリルモノマーを装入した。次いでアルミニウム皿を160℃のオーブン中に入れ、材料を溶融させた。その後、材料を260℃で6時間、300℃で3時間及び350℃で4時間段階的に硬化させた。この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0089】
実施例8:ビスフェノールPフタロニトリル(BisP-PN)の合成及び単独重合
【化16】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた1000mLの4つ口丸底フラスコにビスフェノールP(120g,0.35モル)、4-ニトロフタロニトリル(119.9g,0.69モル)及びDMF(420ml)を加えた。次いで粉砕K2CO3(105.6g,0.83モル)を加えた。得られる混合物を80-90℃に2-3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、希HCl中に注ぎ、固体を生成させた。沈殿をろ過により集め、中性になるまで水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した。固体を真空乾燥し、203g(97%)の粗生成物を280nmにおけるHPLC分析により約90%より高い純度を有する緑色の固体として与えた。アセトニトリルからのさらなる再結晶は約96%の純度を有する淡褐色の粉末(77%収率)として生成物を与える。10℃/分におけるDSC走査による融点 202℃。1H NMR(CDCl3中におけるppm)7.72(dd,2H),7.25-7.35(m,8H),7.18(s,4H),6.97(d,4H),1.711(s,12H);13C NMR(CDCl3中におけるppm)161.887(2C),151.282(2C),148.938(2C),147.390(2C),135.388(2C),129.002(4C),126.422(4C),121.528(1C),121.355(1C),119.960(4C),117.495(2C),115,437(2C),115.054(2C),108.607(2C),42.424(2C),30.837(4C);FTIR(cm-1)3084.57,3066.92,3042.90,2963.99,2373.24,2233.54,1915.82,1670.85,1590.88,1565.28,1502.28,1483.15,1425.21,1405.91,1393.05,1362.04,1303.82,1290.16,1280.14,1247.91,1211.87,1175.44,1156.94,1122.50,1087.47,1082.14,1014.40,954.30,890.11,879.46,855.92,831.87,767.27,719.31,699.82;LC-MS:C40H30N4O2(正確な質量:598,96.34%);.
【0090】
アルミニウム皿に14グラムのフタロニトリルモノマーを装入した。次いでアルミニウム皿を200℃のオーブン中に入れ、材料を溶融させた。その後、材料を260℃で6時間、300℃で3時間及び350℃で4時間段階的に硬化させた。この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0091】
実施例9:フェノールフルフリルアミンベンズオキサジン(Phenol-FA)の合成及び単独重合
【化17】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた2000mLの4つ口丸底フラスコにフェノール(300g,3.19モル)、パラホルムアルデヒド(200.9g,6.69モル)及びトルエン(880ml)を加えた。混合物を60℃に加熱し、次いで撹拌混合物にフルフリルアミン(309.4.1g,3.19モル)を加えた。得られる
混合物を次いで80℃に1時間加熱し、次いで100℃に加熱して共沸法により水のほとんどを除去した。完了させるために反応混合物をさらに110℃に加熱した。ろ過の後、3N水酸化ナトリウム及び次いで水で洗浄し、乾燥した。真空下におけるトルエンの除去の後、生成物を真空中で100℃において3時間さらに乾燥し、冷却すると646g(94.5%)の生成物を褐色の固体として与えた。材料は10℃/分におけるDSC走査により54-56℃の間の溶融範囲を有し、さらなる精製なしで組成物中で直接用いられた。GPC分析により主成分モノマーは約73%、二量体は約11%であり、モノマーは以下の通りのスペクトルを有する:1H NMR(ppm,CDCl3):7.40(d,1H),7.11(dd,1H),6.93(d,1H),6.87(dd,1H),6.80(d,1H),6.32(d,1H),6.23(d,1H),4.87(s,2H),4.00(s,2H),3.91(s,2H);13C NMR(ppm,CDCl3):154.0,151.7,142.6,127.8,127.6,120.8,119.7,116.5,110.2,108.9,81.8,49.6,48.2.LC-MS:236.1074(M+H+,計算値 236.1075).
【0092】
アルミニウム皿に14グラムのフェノールフルフリルアミンベンズオキサジンを装入した。次いでアルミニウム皿を80℃の真空オーブン中に入れ、1時間溶融及び脱ガスした。脱ガス後、材料を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0093】
実施例10:4,4’-チオジフェノールアニリンベンズオキサジン(TDP-AN)の合成及び単独重合
【化18】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた2000mLの4つ口丸底フラスコに4,4’-チオジフェノール(66g,0.3モル)、パラホルムアルデヒド(38.1g,1.27モル)及びトルエン(300ml)を加えた。次いでアニリン(56.3g,0.6モル)を滴下した。反応混合物を次いで80℃に1時間加熱し、さらに100℃に加熱して共沸蒸留により水を集めた。14時間で実施した後、反応混合物を冷まし、回転蒸発によりトルエンを除去し、残留物を80℃の真空オーブン中でさらに終夜乾燥し、420g(94.5%)の生成物を粘着性の固体として与えた。材料は10℃/分におけるDSC走査により融点℃を有し、さらなる精製なしで組成物中で直接用いられた。GPC分析によりモノマーは約52%、二量体は約18%、三量体は約11%、四量体は約6%であり、モノマーは以下の通りのスペクトルを有する:1H NMR(ppm,CDCl3):7.0-7.3(m,12H),6.856(dd,2H),6.72(d,2H),5.432(s,4H),4.610(s,4H);13C NMR(ppm,CDCl3):153.552(2C),147.518(2C),130.746(1C),129.996(1C),129.046(6C),128.823(1C),128.116(1C),126.097(1C),122.408(1C),120.562(2C),117.304(6C),78.818(2C),43.629(2C).LCMS:453.1694(M+H+,計算値 453.1637).
【0094】
アルミニウム皿に14グラムのベンズオキサジンを装入した。次いでアルミニウム皿を
80℃の真空オーブン中に入れ、1時間溶融及び脱ガスした。脱ガス後、材料を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0095】
実施例11:4,4’-ビフェノールフルフリルアミンベンズオキサジン(BP-FA)の合成及び単独重合
【化19】
温度計、コンデンサー及び窒素流入口が取り付けられた2000mLの4つ口丸底フラスコにジフェノール(200g,1.07モル)、パラホルムアルデヒド(135.4g,4.51モル)、フルフリルアミン(208.5g,2.15モル)及び(720ml)を加えた。混合物を完了まで100℃に加熱した。冷ました後、白色の沈殿をろ過により集め、追加のジオキサン及びエタノールで洗浄した。生成物を80℃の真空オーブン中でさらに終夜乾燥し、420g(94.5%)の生成物をオフホワイト色の固体として与えた。材料は10℃/分におけるDSC走査により融点約℃を有し、さらなる精製なしで組成物中で直接用いられた。GPC分析により主成分は約88%であり、以下の通りのスペクトルを有する:1H NMR(ppm,CDCl3):7.21(d,2H),7.30(dd,2H),7.09(dd,2H),6,83(d,2H),6.34(m,2H),6.23(m,2H),4.90(s,2H),4.04(s,2H),3.96(s, 2H);13C NMR(ppm,CDCl3):153.2(2C),151.6(2C),142.6(2C),133.9(2C),126.0(2C),125.7(2C),119.8(2C),116.6(2C),110.3(2C),108.9(2C),82.0(2C),49.7(2C),48.3(2C).LCMS:
【0096】
アルミニウム皿に14グラムのを装入した。次いでアルミニウム皿を150℃の真空オーブン中に入れ、1時間溶融及び脱ガスした。脱ガス後、材料を150℃で2時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0097】
実施例12-17:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/TMBF-PN;Phenol-APA/FTMBF-PN;Phenol-APA/BisA-PN;Phenol-APA/BisC-PN;Phenol-APA/BisM-PN;Phenol-APA/BisP-PN)の共重合
6個の4オンスのガラスビンのそれぞれに20グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)を装入した。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら6グラムの実施例3及び7に記載した化合物をそれぞれガラスビンに加えた。得られる混合物を、加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまでそれぞれ95℃(実施例16、Phenol-APA/BisM-PN、BisM-PN;実施例7を用いる)、120℃(Phenol-APA/TMBF-PN、実施例12、TMBF-PN 実施例3を用いる)、140℃(Phenol-APA/FTMBF-PN;実施例13、FTMBF-PN、実施例4を用いる)の温度において、短時間150℃(Phenol
-APA/BisP-PN、実施例17、BisP-PN、実施例8を用いる)ならびに160℃(Phenol-APA/BisA-PN及びPhenol-APA/BisC-PN、実施例14、15、BisA-PN及びBisC-PN、実施例5及び6を用いる)において時々撹拌した。次いで約13グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。85℃における脱ガスの後、混合物を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間あるいは160℃で2時間、170℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃又は260℃で3-4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAを決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0098】
実施例18:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/FTMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに12グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)を装入した。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら2.4グラムのフラニル-2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールFから製造されるフタロニトリル(FTBMF-PN;実施例5)をガラスビンに加えた。得られる混合物を徐々に150℃に加熱し、加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。65℃における脱ガスの後、混合物を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0099】
実施例19:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/FTMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに10.8グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)を装入した。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら5.38グラムのフタロニトリル(FTMBF-PN;実施例5)をガラスビンに加えた。得られる混合物を徐々に150℃に加熱し、加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。65℃における脱ガスの後、混合物を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0100】
実施例20:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/BisM-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに20グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)を装入した。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら10グラムのビスフェノールM-フタロニトリル(BisM-PN;実施例7)をすべてが溶解するまで(最高で130℃)ガラスビンに加えた。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。混合物を140℃で2時間、180℃で2時間及び220℃で3時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに260℃で4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0101】
実施例21:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/TMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに21グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)を装入した。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら9グラムの2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールF由来フタロニトリル(TMBF-PN;実施例3)をガラスビンに加えた。得られる混合物を徐々に150℃に加熱し、加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。混合物を140℃で1時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに260℃で4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0102】
実施例22:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(AllylPh-APA/BisM-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに20グラムの2-アリルフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(AllylPh-APA;実施例2)及び6グラムのビスフェノールM-フタロニトリル(BisM-PN、実施例7)を装入した。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に入れた。オーブンを徐々に130℃に加熱し、得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。85℃における脱ガスの後、混合物を140℃で1時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び220℃で3時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに260℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0103】
実施例23:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(AllylPh-APA/TMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに20グラムの2-アリルフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(AllylPh-APA;実施例2)を装入し、そして次に撹拌しながら6グラムのTMBF-フタロニトリル(TMBF-PN、実施例3)をガラスビンに加えた。次いでガラスビンを80℃のオーブン中に入れた。オーブンを徐々に130℃に加熱し、得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。85℃における脱ガスの後、混合物を140℃で1時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び220℃で3時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに260℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0104】
実施例24:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/Phenol-FA/BisM-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに10グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)及び10gのフェノールフルフリルアミンベンズオキサジン(Phenol-FA、実施例9)を装入した。次いでガラスビンを90℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら6.0グラムのビスフェノールMに由来するフタロニトリル(BisM-PN、実施例7)をガラスビンに加えた。次いで温度を130℃に上げた。得られる混合物を加えられた材料が溶融した
ベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。100℃における脱ガスの後、混合物を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0105】
実施例25:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/TDP-AN/BisM-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに20グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)及び10gの4,4’-チオジフェノールアニリンベンズオキサジン(TDP-AN;実施例10)を装入した。次いでガラスビンを90℃のオーブン中に材料が溶融するまで入れ、そして次に撹拌しながら10グラムのビスフェノールMフタロニトリル(BisM-PN、実施例7)をガラスビンに加えた。得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。100℃における脱ガスの後、混合物を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0106】
実施例26:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/MT35700/TMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに16グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA、実施例1)を装入した。次いでガラスビンを110℃のオープン中に入れて溶融させ、そして次に撹拌しながら4.0グラムの2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールFに由来するフタロニトリル(TMBF-PN、実施例3)をガラスビンに加えた。得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。次いで7gの商業的に入手可能なAraldite MT35700(MT35700、ビスフェノールF/フェノールアニリンベンズオキサジン樹脂;社内的に入手可能)をすべてが一緒に溶融するまで加え、約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。混合物を140℃で2時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0107】
実施例27:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/Phenol-FA/BP-FA/BisM-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに5グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA、実施例1)及び5gのフェノールフルフリルアミンベンズオキサジン(Phenol-FA、実施例9)を装入した。次いでガラスビンを材料が溶融するまで90℃のオーブン中に入れ、そして次に撹拌しながら3.0グラムのビスフェノールMに由来するフタロニトリル(BisM-PN、実施例7)をガラスビンに加えた。次いで撹拌しながら13グラムの4,4’-ジフェノールフルフリルアミンベンズオキサジン(BP-FA、実施例11)をガラスビンに加えた。得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。100℃における脱ガスの後、混合物を120℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定
した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で3時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0108】
実施例28:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/TDP-AN/FTMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに20グラムのベンズオキサジンとフタロニトリルの混合物(Phenol-APA/FTMBF-PN;実施例13)を装入した。次いでガラスビンを材料が溶融するまで110℃のオーブン中に入れ、そして次に撹拌しながら7グラムの4,4’-チオジフェノールアニリンアミンベンズオキサジン(TDP-AN、実施例10)をガラスビンに加えた。得られる混合物を加えられた材料が溶融するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。混合物を140℃で2時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0109】
実施例29:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA//FTMBF-PN/TMBF-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに前に製造された実施例の混合物(Phenol-APA/FTMBF-PN、実施例13)の20グラムを装入した。次いでガラスビンを90℃のオーブ中に入れて溶融させ、そして次に撹拌しながら4.0グラムの2,2’,6,6’-テトラメチルビスフェノールFに由来するフタロニトリル(TMBF-PN、実施例3)をガラスビンに加えた。オーブンの温度を徐々に150℃に上げ、得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。混合物を150℃で1時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに260℃で4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【0110】
実施例30:フタロニトリルモノマー/ベンズオキサジン(Phenol-APA/BisM-PN/BisA-PN)の共重合
4オンスのガラスビンに12グラムのフェノール3-アミノフェニルアセチレンベンズオキサジン(Phenol-APA;実施例1)を装入した。次いでガラスビンを130℃のオーブン中に入れて溶融させ、そして次に撹拌しながら8.0グラムのビスフェノールMに由来するフタロニトリル(BisM-PN;実施例7)をガラスビンに加えた。得られる混合物を加えられた材料が溶融したベンズオキサジン中で溶解するまで時々撹拌した。次いで2グラムのビスフェノールA由来フタロニトリル(BisA-PN、実施例5)を溶解するまで撹拌装入した。約12.5グラムの混合物をアルミニウム皿中に移した。混合物を140℃で2時間、160℃で2時間、180℃で2時間及び200℃で2時間段階的に硬化させた。製造されたばかりの試料のDSC及び硬化生成物の2分の1のDMA、TGAを決定した。硬化生成物の他の半分をさらに250℃で4時間後硬化させ、この硬化生成物のDMA及びTGAも決定した。結果を表1及び2において下記に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0111】
本発明の種々の態様の製造及び使用を上記で詳細に記載してきたが、本発明は多様な特定の状況において具体化され得る多くの応用可能な本発明の概念を与えることが認識されるべきである。本明細書で議論される特定の態様は単に本発明の製造及び使用のための特定の方法の例であり、本発明の範囲を制限しない。
【国際調査報告】