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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】燃焼室及びガス装置
(51)【国際特許分類】
   F23M 5/08 20060101AFI20230111BHJP
   F24H 9/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F23M5/08 B
F24H9/02 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525274
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2020123267
(87)【国際公開番号】W WO2021083047
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】201921868388.1
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911054566.1
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911056269.0
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921868350.4
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921868386.2
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921868387.7
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911056280.7
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519010101
【氏名又は名称】蕪湖美的厨衛電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHU MIDEA KITCHEN AND BATH APPLIANCES MFG.CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】East Road Wanchun,Wuhu Committee of Economic-Technological Development Zone,East Area,Wuhu,Anhui Province 241009,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】薛 超雄
(72)【発明者】
【氏名】勾 健
(72)【発明者】
【氏名】徐 国平
(72)【発明者】
【氏名】尹 忠
(72)【発明者】
【氏名】梁 国▲榮▼
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AA02
3L037AB01
(57)【要約】
本発明は燃焼室(100)とガス装置(1000)を開示し、燃焼室(100)は、外側に位置する第1の囲い板(10)と内側に位置する第2の囲い板(20)を備え、前記第2の囲い板(20)は燃焼チャンバー(21)を構成し、前記第1の囲い板(10)と前記第2の囲い板(20)は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバー(21)に連通される少なくとも1つの空気ダクト(30)を構成し、前記空気ダクト(30)の空気入口穴(11)は前記第1の囲い板(10)に形成され、前記空気ダクト(30)の空気出口穴(22)は前記第2の囲い板(20)に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室であって、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成されることを特徴とする燃焼室。
【請求項2】
前記空気ダクトの底端と頂端の少なくとも1つは密閉されたものであることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項3】
高さ方向では、前記空気入口穴と前記空気出口穴はずれて設けられることを特徴とする請求項2に記載の燃焼室。
【請求項4】
高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項5】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板はともに水平方向に沿って延びるパイプ溝を構成することを特徴とする請求項2に記載の燃焼室。
【請求項6】
前記第1の囲い板は、第1の後側板と、前記第1の後側板の左側縁に接続される第1の左側板と、前記第1の後側板の右側縁に接続される第1の右側板と、それぞれ前記第1の左側板と前記第1の右側板の前側縁を接続する第1の前側板と、を備え、前記第1の後側板、前記第1の左側板及び第1の右側板は一体に形成されることを特徴とする請求項1-5のいずれか1項に記載の燃焼室。
【請求項7】
前記第2の囲い板は、第2の後側板と、前記第2の後側板の左側縁に接続される第2の左側板と、前記第2の後側板の右側縁に接続される第2の右側板と、それぞれ前記第2の左側板と前記第2の右側板の前側縁を接続する第2の前側板と、を備え、前記第2の後側板、前記第2の左側板及び第2の右側板は一体に形成されることを特徴とする請求項6に記載の燃焼室。
【請求項8】
前記第2の前側板の上端に折り曲げ板を形成し、前記折り曲げ板は少なくとも一部が前記第1の前側板の内側壁に貼り合われることにより、前記空気ダクトの上側を密閉することを特徴とする請求項7に記載の燃焼室。
【請求項9】
前記折り曲げ板の上側と前記第1の前側板は断熱空気室を構成し、前記断熱空気室は前記燃焼チャンバーに連通しないことを特徴とする請求項8に記載の燃焼室。
【請求項10】
前記空気入口穴の一部は前記折り曲げ板に隣接して設けられることを特徴とする請求項8に記載の燃焼室。
【請求項11】
前記空気入口穴は長いストリップ状であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項12】
前記第2の囲い板の空気出口穴の穴壁は前記第1の囲い板の内壁に延びるウィンドデフレクターを形成することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項13】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板の少なくとも1つは鋼板であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項14】
外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも第1層の空気ダクトと第2層の空気ダクトを構成し、前記第1層の空気ダクトと前記第2層の空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記第1層の空気ダクトと前記第2層の空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成され、高さ方向では、前記第1層の空気ダクトの空気入口穴は空気出口穴の上方に位置し、前記第2層の空気ダクトの空気入口穴は空気出口穴の下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項15】
外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成され、高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に設けられることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項16】
外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板はともに水平方向に沿って延びるパイプ溝を構成することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項17】
燃焼室であって、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通され且つ前記燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる空気ダクトを構成し、前記空気ダクトは周方向には複数の独立した空気チャンバーに仕切られ、各前記空気チャンバーは独立した空気入口穴と空気出口穴を有し、前記燃焼チャンバーが負圧になる場合、前記空気ダクト内の空気は前記燃焼チャンバー内に送られることを特徴とする燃焼室。
【請求項18】
前記空気チャンバーは前記燃焼チャンバーの周方向に均一に分布されることを特徴とする請求項17に記載の燃焼室。
【請求項19】
高さ方向では、前記空気入口穴と前記空気出口穴はずれて設けられることを特徴とする請求項17に記載の燃焼室。
【請求項20】
高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に位置することを特徴とする請求項19に記載の燃焼室。
【請求項21】
前記空気チャンバーの上下側にいずれも前記空気入口穴が設けられ、前記空気出口穴は上下側の前記空気入口穴の間に位置することを特徴とする請求項19に記載の燃焼室。
【請求項22】
前記空気チャンバー内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出すことを特徴とする請求項19に記載の燃焼室。
【請求項23】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は、高さ方向に分布された多層の空気ダクトを構成することを特徴とする請求項17に記載の燃焼室。
【請求項24】
各層の前記空気ダクトの高さと気流の流動方向は同じであることを特徴とする請求項23に記載の燃焼室。
【請求項25】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板の少なくとも1つは鋼板であることを特徴とする請求項17に記載の燃焼室。
【請求項26】
燃焼室であって、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通されて且つ前記燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる単室空気ダクトを構成し、前記単室空気ダクトは空気入口穴と空気出口穴を有し、前記燃焼チャンバーが負圧になる場合、前記単室空気ダクト内の空気は前記燃焼チャンバー内に送られることを特徴とする燃焼室。
【請求項27】
前記空気入口穴と前記空気出口穴は高さ方向でずれて設けられることを特徴とする請求項26に記載の燃焼室。
【請求項28】
前記単室空気ダクト内の気流は上から下へ流れることを特徴とする請求項27に記載の燃焼室。
【請求項29】
前記単室空気ダクトの上下側にいずれも前記空気入口穴が設けられ、前記空気出口穴は上下側の前記空気入口穴の間に位置することを特徴とする請求項27に記載の燃焼室。
【請求項30】
前記単室空気ダクト内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出すことを特徴とする請求項27に記載の燃焼室。
【請求項31】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は、高さ方向に分布された多層の前記単室空気ダクトを構成することを特徴とする請求項27に記載の燃焼室。
【請求項32】
各層の前記単室空気ダクトの高さと気流の流動方向は同じであることを特徴とする請求項31に記載の燃焼室。
【請求項33】
前記第1の囲い板は取り囲まれた複数の第1の板材で構成され、前記第2の囲い板は取り囲まれた複数の第2の板材で構成され、各前記第2の板材は内側から外側に凹んだ複数のシール部を備え、前記シール部は上翼板、下翼板及び前記上翼板と前記下翼板を接続するフック部を備え、前記フック部は前記第1の囲い板の外壁に当接されることを特徴とする請求項31に記載の燃焼室。
【請求項34】
前記上翼板は前記空気出口穴を画定しており、前記下翼板は前記第1の囲い板の内壁面に貼り合われることを特徴とする請求項33に記載の燃焼室。
【請求項35】
前記上翼板にウィンドデフレクターがさらに設けられ、前記ウィンドデフレクターの一端は前記空気出口穴の穴壁に接続され、他端は前記第1の囲い板の方向に向かって延びることを特徴とする請求項33に記載の燃焼室。
【請求項36】
前記第2の囲い板に内側から外側に凹んだ複数の補強リブが形成されることを特徴とする請求項31に記載の燃焼室。
【請求項37】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板の少なくとも1つは鋼板であることを特徴とする請求項26-36のいずれか1項に記載の燃焼室。
【請求項38】
燃焼装置であって、請求項1または請求項17または請求項26に記載の燃焼室を備えることを特徴とする燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯器分野に関し、より具体的に、燃焼室及びガス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高温の熱エネルギーが外部に伝達して、ガス装置の他の部品の寿命を損なうことを防ぐために、従来の燃焼室には通常、次の2種があり、1つは、無酸素銅を使用して燃焼室を取り囲み、無酸素銅の外壁面に水管を巻いて冷却し、部品の耐用年数を延長する。その欠点は、コイル溶接のプロセス要件が高くて、製造が難しく、無酸素銅材料を大量に使用するため、製造コストが高くなることである。それと同時に、冬季の気温が低いとコイル付きの燃焼室の壁面に凝縮水が発生しやすくなり、熱交換器の寿命に影響を及ぼす。もう1つは、燃焼室の内壁に断熱材を設置することであり、断熱材のコストが高く、断熱材の厚みやシール性が不十分な場合、断熱効果が悪い。
【0003】
以上のことに基づいて、燃焼室の構造を最適化して、低コストでプロセスが簡単で且つ断熱効果に優れた構造を設計する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記の技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0005】
このため、本発明は、製造プロセスが簡単で、製造コストが低く、熱効率が高い燃焼室を提供する。
【0006】
本発明は構造が簡単で、生産コストが低く、耐用年数が長く、熱効率が高いガス装置をさらに提供する。
【0007】
本発明の第1の態様のいくつかの実施例による燃焼室は、外側に位置する第1の囲い板と、内側に位置する第2の囲い板と、を備え、前記第2の囲い板は、燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は、間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成される。
【0008】
これにより、本発明の上記の実施例の燃焼室によれば、第1の囲い板と第2の囲い板は燃焼チャンバーに連通される空気ダクトを構成し、空気ダクト内の空気は噴霧により燃焼チャンバー内に入ることにより、第1の囲い板の冷却を実現し、外部への熱伝達を回避するだけでなく、バーナーに二次空気を補給することができ、熱効率を向上させる。
【0009】
選択可能な実施例において、前記空気ダクトの底端と頂端の少なくとも1つが密閉した。
【0010】
選択可能な実施例において、高さ方向では、前記空気入口穴と前記空気出口穴はずれて設けられる。
【0011】
さらに、選択可能な例では、高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に位置する。
【0012】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板はと共に水平方向に沿って延びるパイプ溝を構成する。
【0013】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板は、第1の後側板と、前記第1の後側板の左側縁に接続される第1の左側板と、前記第1の後側板の右側縁に接続される第1の右側板と、それぞれ前記第1の左側板と前記第1の右側板の前側縁を接続する第1の前側板と、を備え、前記第1の後側板、前記第1の左側板及び第1の右側板は一体に形成される。
【0014】
さらに、選択可能な例では、前記第2の囲い板は、第2の後側板と、前記第2の後側板の左側縁に接続される第2の左側板と、前記第2の後側板の右側縁に接続される第2の右側板と、それぞれ前記第2の左側板と前記第2の右側板の前側縁を接続する第2の前側板と、を備え、前記第2の後側板、前記第2の左側板及び第2の右側板は一体に形成される。
【0015】
さらに、選択可能な例では、前記第2の前側板の上端に折り曲げ板を形成し、前記折り曲げ板は少なくとも一部が前記第1の前側板の内側壁に貼り合われることにより、前記空気ダクトの上側を密閉する。
【0016】
さらに、選択可能な例では、前記折り曲げ板の上側と前記第1の前側板は断熱空気室を構成し、前記断熱空気室は前記燃焼チャンバーに連通しない。
【0017】
さらに、選択可能な例では、前記空気入口穴の一部は前記折り曲げ板に隣接して設けられる。
【0018】
選択可能な実施例において、前記空気入口穴は長いストリップ状である。
【0019】
選択可能な実施例において、前記第2の囲い板の空気出口穴の穴壁は前記第1の囲い板の内壁に延びるウィンドデフレクターを形成する。
【0020】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板の少なくとも1つは鋼板である。
【0021】
選択可能な実施例において、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも第1層の空気ダクトと第2層の空気ダクトを構成し、前記第1層の空気ダクトと前記第2層の空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記第1層の空気ダクトと前記第2層の空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成され、高さ方向では、前記第1層の空気ダクトの空気入口穴は空気出口穴の上方に位置し、前記第2層の空気ダクトの空気入口穴は空気出口穴の下方に位置する。
【0022】
選択可能な実施例において、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成され、高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に設けられる。
【0023】
選択可能な実施例において、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板はともに水平方向に沿って延びるパイプ溝を構成する。
【0024】
本発明の第1の態様の他のいくつかの実施例による燃焼室は、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通され且つ前記燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる空気ダクトを構成し、前記空気ダクトは周方向には複数の独立した空気チャンバーに仕切られ、各前記空気チャンバーは独立した空気入口穴と空気出口穴を有し、前記燃焼チャンバーは負圧になると、前記空気ダクト内の空気が前記燃焼チャンバー内に送られる。
【0025】
本発明の上記実施例の燃焼室によれば、周方向の空気ダクトを複数の独立した空気チャンバーに仕切り、複数の空気チャンバー構造により冷空気の分布状況を改善することにより、第1の囲い板の全体は均一に冷却され、ガス装置の部品の耐用年数を延長させ、複数の方向から同時に燃焼チャンバーに空気を送り、十分な二次空気を補給することもでき、燃焼効率を向上させる。
【0026】
選択可能な実施例において、前記空気チャンバーは前記燃焼チャンバーの周方向に均一に分布される。
【0027】
選択可能な実施例において、高さ方向では、前記空気入口穴と前記空気出口穴はずれて設けられる。
【0028】
さらに、選択可能な例では、高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に位置する。
【0029】
選択可能な実施例において、前記空気チャンバーの上下側にいずれも前記空気入口穴が設けられ、前記空気出口穴は上下側の前記空気入口穴の間に位置する。
【0030】
選択可能な実施例において、前記空気チャンバー内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出す。
【0031】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は、高さ方向に分布された多層の空気ダクトを構成する。
【0032】
さらに、選択可能な例では、各層の前記空気ダクトの高さと気流の流動方向は同じである。
【0033】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板の少なくとも1つは鋼板である。
【0034】
本発明の第1の様態の他のいくつかの実施例による燃焼室は、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通されて且つ前記燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる単室空気ダクトを構成し、前記単室空気ダクトは空気入口穴と空気出口穴を有し、前記燃焼チャンバーが負圧になる場合、前記単室空気ダクト内の空気は前記燃焼チャンバー内に送られる。
【0035】
本発明の上記実施例による燃焼室によれば、燃焼チャンバーの周方向に単室空気ダクトを構成し、第1の囲い板の周方向はほぼ同じ温度の空気によって冷却されることができ、これによりガス装置の部品の耐用年数を延長させ、周方向から同時に燃焼チャンバーに空気を送り、十分な二次空気を補給することもでき、燃焼効率を向上させる。
【0036】
選択可能な実施例において、前記空気入口穴と前記空気出口穴は高さ方向にずれて設けられる。
【0037】
選択可能な実施例において、前記単室空気ダクト内の気流は上から下へ流れる。
【0038】
選択可能な実施例において、前記単室空気ダクトの上下側にいずれも前記空気入口穴が設けられ、前記空気出口穴は上下側の前記空気入口穴の間に位置する。
【0039】
選択可能な実施例において、前記単室空気ダクト内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出す。
【0040】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は、高さ方向に分布された多層の前記単室空気ダクトを構成する。
【0041】
さらに、選択可能な例では、各層の前記単室空気ダクトの高さと気流の流動方向は同じである。
【0042】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板は複数の第1の板材で囲まれ、前記第2の囲い板は複数の第2の板材で囲まれ、各前記第2の板材は内側から外側に凹んだ複数のシール部を備え、前記シール部は上翼板、下翼板及び前記上翼板と前記下翼板を接続するフック部を備え、前記フック部は前記第1の囲い板の外壁に当接される。
【0043】
本発明の一具体的な実施例において、前記上翼板は前記空気出口穴を画定しており、前記下翼板は前記第1の囲い板の内壁面に貼り合われる。
【0044】
本発明の一具体的な実施例において、前記上翼板にウィンドデフレクターも設けられ、前記ウィンドデフレクターの一端は前記空気出口穴の穴壁に接続され、他端は前記第1の囲い板の方向に向かって延びる。
【0045】
好ましくは、前記第2の囲い板に複数の内側から外側に凹んだ補強リブが形成される。
【0046】
選択可能な実施例において、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板はいずれも鋼板である。
【0047】
本発明の第2の態様の実施例によるガス装置は、上記実施例の燃焼室を備え、本発明の実施例による燃焼室は構造が簡単で、生産や製造が容易であり、且つ外部への熱の伝達を効果的に回避し、部品の耐用年数を延長させ、且つ燃焼効率を向上させるため、本発明の実施例によるガス装置の構造が簡単で、生産コストが低く、耐用年数が長く、及び熱効率が高い。
【0048】
本発明の付加の態様及び利点は、以下の説明から部分的に示され、部分的に以下の説明から明らかになるか、本発明の実践によって了解される。
【0049】
本発明の上記及び/又は付加の態様及び利点は、以下の図面と組み合わせた実施例の説明から明らかになり、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明のいくつかの実施例による燃焼室の分解図である。
図2】本発明のいくつかの実施例による燃焼室の断面図である。
図3】本発明のいくつかの実施例による燃焼室の断面図である。
図4】本発明のいくつかの実施例による燃焼室の断面図である。
図5】本発明のいくつかの実施例による燃焼室の斜視図である。
図6】本発明のいくつかの実施例によるガス装置の構造模式図である。
図7】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室のある角度からの断面図である。
図8】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の他の角度からの断面図である。
図9】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の他の角度からの断面図である。
図10】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の他の角度からの断面図である。
図11】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の斜視図である。
図12】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の断面図である。
図13】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の横方向の構造模式図である。
図14】本発明の他の実施例による燃焼室の縦方向の構造模式図である。
図15】本発明の他の実施例による燃焼室の縦方向の構造模式図である。
図16】本発明の他の実施例による燃焼室の縦方向の構造模式図である。
図17】本発明の他の実施例による燃焼室の縦方向の構造模式図である。
図18】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の分解図である。
図19】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の斜視図である。
図20】本発明の他のいくつかの実施例による燃焼室の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は図面において示される。なお、一貫して同一又は類似する符号で、同一もしくは類似する部品又は同一もしくは類似の機能を有する部品を表す。以下の図面を参照して説明される実施例は例示的なもので、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を制限するためのものとして理解されるべきではない。
【0052】
以下に記載される内容は、本願の異なる構造を実現するための様々な実施例又は例を提供する。本願の説明の簡素化のため、以下、特定の例に係る部品及びその設定を説明する。当然ながら、これらは例示的なものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。また、本願において、いくつかの例にわたって同一の数字及び/又は符号が繰り返し参照される。このような繰り返しは説明の簡素化を図り、明瞭にするためことが目的であり、それは様々な実施例及び/又は設定の間の関係性を示してそれを検討するためのものではない。また、本願において様々な特定のプロセス及び材料の例が提供されるが、当業者であれば、その他のプロセスの適用及び/又はその他の材料の使用も可能であることは理解できる
【0053】
図1図20を参照しながら、本発明の実施例による燃焼室100を説明し、当該燃焼室100はそれぞれ熱交換器200とバーナー300に接続され、熱交換器200とバーナー300の一部は燃焼室100内に埋め込まれるか、両方とも燃焼室100の外部に位置するか、その一方は燃焼室100内に位置し、他方は燃焼室100の外に位置することができる。
【0054】
具体的に、当該燃焼室100は外側に位置する第1の囲い板10と内側に位置する第2の囲い板20を備える。第2の囲い板20は燃焼チャンバー21を構成し、即ちバーナー300の燃焼炎と発生した高温煙道ガスが燃焼チャンバー21内に囲まれる。
【0055】
第1の囲い板10の外側に第2の囲い板20が設けられ、第2の囲い板20は少なくとも一部が第1の囲い板10の外側に囲まれることができる。例えば、第2の囲い板20は第1の囲い板10の左側、右側、前側及び後側の少なくとも一側に囲まれ、好ましくは、第2の囲い板20は第1の囲い板10の左右側と前後側に囲まれ、より好ましくは、第2の囲い板20と第1の囲い板10が垂直方向(例えば図中の上下方向)における延び高さはほぼ同じであり、このように、第2の囲い板20の外側にいずれも外部への熱の伝達を遮断する第1の囲い板10を設けることができ、燃焼室100から外部への熱の出力を減少し、高温がガス装置1000の部品を損傷するのを防ぐ。
【0056】
以下、図1図6及び図12を参照し、本発明の第1の態様のいくつかの実施例による燃焼室100を説明し、図1図2に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は間隔をあけて設けられることで燃焼チャンバー21に連通される空気ダクト30を構成し、空気ダクト30の冷空気は少なくとも第1の囲い板10の一部の熱を連れ去る。即ち空気ダクト30内の空気が流動状態にあり、外部からの冷空気は連続的に空気ダクト30内に入ることができるため、第1の囲い板10の熱を持続的に連れ去って、燃焼チャンバー21内に流入し、バーナー300への空気の二次供給を実現する。本発明の実施例による燃焼室100は空気ダクト30に流動空気を送り、第1の囲い板10の冷却を実現し、外部への熱の拡散を減少し、ガス装置1000の部品を損害するのを避ける一方で、熱効率を向上させる。
【0057】
空気ダクト30内の空気と燃焼チャンバー21内の高温ガスの混合率を向上させ、燃焼反応がより十分になり、且つ熱交換器200に流れる煙道ガスの温度がより均一になるために、本発明の実施例による燃焼室100の空気ダクト30内の気流が噴霧により燃焼チャンバー21に入り、具体的に、空気ダクト30の空気入口穴11は第1の囲い板10に形成され、空気ダクト30の空気出口穴22は第2の囲い板20に形成される。このように、冷空気は第1の囲い板10を通過して空気ダクト30内に入り、空気ダクト30内を通過した後、空気出口穴22から噴き出し、燃焼チャンバー21内に入る。
【0058】
本発明の燃焼室100は強制排気式ガス装置に適用でき、図6に示すように、強制排気式ガス装置は下から上に順次にバーナー300、燃焼室100、熱交換器200及びファン400が設けられ、ファン400の吸引により、燃焼チャンバー21内が負圧になり、その結果、外部空気は空気ダクト30内に吸い込まれ、第1の囲い板10の冷却を実現する。
【0059】
説明すべきこととして、第1の囲い板10と第2の囲い板20により構成される空気ダクト30は、周方向に沿って分布している1つ又は複数、及び/又は燃焼室の高さ方向に沿って分布している1つ又は複数である。各空気ダクト30は独立した空気入口穴11と空気出口穴22を備えることができるか、複数の空気ダクト30は1つの空気入口穴11を共有して、それぞれの空気出口穴22を介して流れ出す。複数の空気ダクト30は互いに連通してもよいし、互いに連通しなくてもよい。
【0060】
要するに、本発明の実施例による燃焼室100は、第1の囲い板10と第2の囲い板20により燃焼チャンバー21に連通される空気ダクト30を構成し、空気ダクト30内の空気は噴霧により燃焼チャンバー21内に入り、第1の囲い板10の冷却を実現し、外部への熱の拡散を減少することができるだけでなく、バーナー300に二次空気を補給して、熱効率を向上させることができる。
【0061】
選択可能な実施例において、図2に示すように、前記空気ダクト30の底端と頂端の少なくとも1つは密閉される。即ち空気ダクトの底端と頂端のうちの1つは密閉されるか、空気ダクトの底端と頂端はいずれも密閉される。つまり、気流が空気ダクト30内に入った後、空気ダクト30の頂端または底端に繋がる空気経路が密閉され、これにより、気流は第2の囲い板20内の空気出口穴22を通して強制的に噴出させることができる。
【0062】
選択可能な実施例において、本発明の燃焼室100の第1の囲い板10と第2の囲い板20の少なくとも1つは鋼板であり、無酸素銅または断熱材による従来の燃焼室と比べて、鋼板の可塑性が強く、このように、第1の囲い板10と第2の囲い板20との間の接続プロセスは比較的簡単であり、例えば、第1の囲い板10と第2の囲い板20は両方とも鋼板である場合、局所溶接を使用して一体に形成され、空気ダクト30の構造は第1の囲い板10または第2の囲い板20の折り曲げによって構成され、成形が容易である。
【0063】
選択可能な実施例において、図1及び図5に示すように、空気ダクト30は水平方向に沿って延びる空気入口穴11と空気出口穴22を備え、空気入口穴11と空気出口穴22は高さ方向でずれて設けられる。即ち空気は第1の囲い板10の1つの水平方向に沿って空気ダクト30内に入り、第2の囲い板20の他の水平方向に沿って空気ダクト30から流出する。このように、空気は同一の水平方向に空気ダクト30を直接通過することなく、空気流は高さ方向において流動でき、第1の囲い板10の異なる高さ領域の冷却を実現する。各空気ダクト30の空気入口穴11の数は1つ又は複数であってもよく、好ましくは、空気入口穴11は水平方向において第1の囲い板10の全周方向に分布され、このようにして、第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保することができる。
【0064】
選択可能な実施例において、図1及び図5に示すように、空気入口穴11は長いストリップ状である。これにより、できるだけ空気入口穴11の分布長さを延ばすことができ、これにより、さらに第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保する。
【0065】
選択可能な実施例において、図2に示すように、高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に位置し、このように、空気ダクト30内の空気流は上から下へ流れる。このように、空気ダクト30内の気流は燃焼チャンバー21の下側に送られる。これにより、ガス装置1000のバーナー300に十分な二次空気を補給して、燃焼効率を向上させることができる。
【0066】
選択可能な実施例において、図2に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は共に左右方向に沿って延びるパイプ溝40を構成する。熱交換器200の水管の一部は当該パイプ溝40を通過することができ、即ち一部の水管が燃焼チャンバー21内に内蔵され、燃焼チャンバー21内に直接加熱されることにより、煙道ガスと水管との間の熱交換効率を向上させる。
【0067】
選択可能な実施例において、図1及び図5に示すように、第1の囲い板10は、第1の後側板12と、第1の後側板12の左側縁に接続される第1の左側板13と、第1の後側板12の右側縁に接続される第1の右側板14と、それぞれ第1の左側板13と第1の右側板14の前側縁を接続する第1の前側板15と、を備え、第1の後側板12、第1の左側板13及び第1の右側板14は一体に形成され、対応的に、第2の囲い板20は、第2の後側板23と、第2の後側板23の左側縁に接続される第2の左側板24と、第2の後側板23の右側縁に接続される第2の右側板と、それぞれ第2の左側板24と第2の右側板の前側縁を接続する第2の前側板25と、を備え、第2の後側板23、第2の左側板24及び第2の右側板は一体に形成される。
【0068】
具体的に、第1の左側板13は第1の後側板12の左側縁に接続され、第1の右側板14は第1の後側板12の右側縁に接続され、第1の前側板15はそれぞれ第1の左側板13と第1の右側板14の前側縁を接続する。対応的に、第2の左側板24は第2の後側板23の左側縁に接続され、第2の右側板は第2の後側板23の右側縁に接続され、第2の前側板25はそれぞれ第2の左側板24と第2の右側板の前側縁を接続する。
【0069】
つまり、第1の後側板12、第1の左側板13及び第1の右側板14は一体にU型構造を形成し、第1の前側板15はU型の開口を密閉するために使用され、第2の後側板23、第2の左側板24及び第2の右側板は一体にU型構造を形成し、第2の前側板25はU型開口を密閉するために使用される。当該燃焼室の全体構造は簡単であり、生産や製造が容易である。
【0070】
さらに、選択可能な例では、図1及び図2に示すように、第2の前側板25の上端に折り曲げ板27が形成され、折り曲げ板27は少なくとも一部が第1の前側板15の内側壁に貼り合われることにより、空気ダクト30の上側を密閉する。即ち折り曲げ板27によって空気流が上に流動することを制限し、このように、空気は折り返して下へ燃焼チャンバー21内に流れて、バーナー300に二次空気を補給することができる。
【0071】
さらに、選択可能な例では、図5に示すように、折り曲げ板27の上側と第1の前側板15は断熱空気室50を構成し、断熱空気室50は燃焼チャンバー21に連通されない。理解できることとして、折り曲げ板27の一部は第1の前側板15の内壁に貼り合せるため、折り曲げ板27と第1の前側板15との貼り合い箇所に、第1の前側板15の温度が高く、断熱空気室50は第1の前側板15への熱の伝達を遮断することができ、且つある程度で当該貼り合い箇所の温度を下げることができる。
【0072】
さらに選択可能な例では、一部の空気入口穴11は折り曲げ板27に隣接して設けられる。即ち冷空気は折り曲げ板27に近い一側から空気ダクト30に入り、このように、冷空気が折り曲げ板27と第1の前側板15との貼り合い箇所での温度を持続的に連れ去って、貼り合い箇所の温度が高く過ぎることを回避する。
【0073】
選択可能な実施例において、第2の囲い板20の空気出口穴22の穴壁は第1の囲い板10の内壁に向かって延びるウィンドデフレクター26を形成する。当該ウィンドデフレクター26は風向をできるだけ第1の囲い板10の内壁にガイドすることができ、その結果、空気流は第1の囲い板10の内壁とぴったりと流れることができ、これにより、空気は第1の囲い板10の熱を十分に吸収することができる。
【0074】
選択可能な実施例において、図1図6及び図12に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は間隔をあけて設けられることで燃焼チャンバー21に連通される少なくとも第1の空気ダクト30と第2層の空気ダクト30を構成し、第1層の空気ダクト30と第2層の空気ダクト30の空気入口穴11は第1の囲い板10に形成され、第1層の空気ダクト30と第2層の空気ダクト30の空気出口穴22は第2の囲い板20に形成される。即ち風圧の駆動により、気流は外側から内側に吸い込まれ、燃焼チャンバー21内の熱が外部に拡散するのを阻止する一方で、第1の囲い板10の熱を連れ去って、温度が高くなりすぎないようにする。
【0075】
言い換えると、空気ダクト30内の空気は流動状態にあり、外部の冷空気は連続的に第1の空気ダクト30の第2層の空気ダクト内に入ることができるため、第1の囲い板10の熱を持続的に連れ去って、燃焼チャンバー21内に流れ、バーナー300の二次空気の供給を実現する。本発明の実施例による燃焼室100は空気ダクト30に流動空気を送り、第1の囲い板10の冷却を実現し、外部への熱の拡散を減少し、ガス装置1000の部品を損害するのを避ける一方で、熱効率も向上する。
【0076】
説明すべきこととして、「第1層」と「第2層」は燃焼室100の高さ方向に対するものであり、即ち燃焼室100の高さ方向に少なくとも2層の空気ダクト30が分布される。各層の空気ダクト30は周方向に沿って独立して分布される1つのチャンバー、または独立した複数のチャンバーであってもよく、隣接するチャンバーは連通してもよいし、連通しなくてもよい。隣接する層の空気ダクト20のチャンバーの構造及び数は同じであってもよいし、異なってもよい。
【0077】
優れた冷却効果を達成するために、燃焼チャンバー21に十分な二次空気を補給することができ、図13に示すように、本発明の実施例による第1層の空気ダクト30と第2層の空気ダクト内の気流の流動方向は対流方式であり、具体的に、高さ方向では、第1層の空気ダクト30の空気入口穴11は空気出口穴22の上方に位置し、第2層の空気ダクト30の空気入口穴11は空気出口穴22の下方に位置する。
【0078】
要するに、本発明の実施例による燃焼室100は、第1の囲い板10と第2の囲い板20により燃焼チャンバー21に連通される少なくとも2層の空気ダクト30を構成し、第1の囲い板10の冷却を実現し、外部への熱の拡散を減少することができるだけでなく、バーナー300に二次空気を補給して、熱効率を向上させることができる。
【0079】
選択可能な実施例において、図2図4に示すように、空気ダクト30の空気入口穴11は第1の囲い板10に形成され、空気ダクト30の空気出口穴22は第2の囲い板20に形成される。即ち冷空気は第1の囲い板10を通過して空気ダクト30内に入り、空気ダクト30内を通過した後、空気出口穴22から流出し、燃焼チャンバー21内に入る。このような場合で、本発明の燃焼室100は強制排気式ガス装置に適用し、強制排気式ガス装置には下から上に順次にバーナー300、燃焼室100、熱交換器200及びファン400が設けられ、ファン400の吸引により、燃焼チャンバー21内が負圧になることにより、外部の空気が空気ダクト30内に吸い込まれ、第1の囲い板10の冷却を実現する。
【0080】
空気とガスの混合ガスの燃焼過程で十分な二次空気を取得することができるために、高さ方向では、前記空気入口穴11は前記空気出口穴22の上方に設けられ、これにより、空気ダクト30内の冷空気はバーナー300の方向に向かって流れることができ、バーナー300内のガスの燃焼に十分な二次空気を提供し、燃焼効率を向上させる。
【0081】
説明すべきこととして、第1の囲い板10と第2の囲い板20により構成される空気ダクト30は周方向に沿って分布される1つ又は複数、及び/又は燃焼室100の高さ方向に沿って分布される1つ又は複数であってもよい。各空気ダクト30は独立した空気入口穴11と空気出口穴22を備えることができるか、または複数の空気ダクト30は1つの空気入口穴11を共有し、それぞれの空気出口穴22から流出する。複数の空気ダクト30は連通してもよいし、連通しなくてもよい。
【0082】
要するに、本発明の実施例による燃焼室100は、第1の囲い板10と第2の囲い板20により燃焼チャンバー21に連通される空気ダクト30を構成し、第1の囲い板10の冷却を実現し、外部への熱の拡散を減少することができるだけでなく、バーナー300に二次空気を補給して、熱効率を向上させることができる。
【0083】
選択可能な実施例において、第1の囲い板10と第2の囲い板20は共に水平方向(例えば図1における左右方向)に沿って延びるパイプ溝40を構成する。熱交換器200の水管の一部は当該パイプ溝40を通過することができ、即ち一部の水管が燃焼チャンバー21内に内蔵され、燃焼チャンバー21内に直接加熱されることにより、煙道ガスと水管との間の熱交換効率を向上させる。水平方向に沿って延びるパイプ溝40を構成することにより、煙道ガスと熱交換器200の水管との間の熱交換効率を向上させ、空気ダクト30によって第1の囲い板10を冷却し、熱の外部への伝達を避けるとともに、バーナー300に二次空気を補給して、熱効率を向上させることができる。
【0084】
選択可能な実施例において、図1及び図5に示すように、高さ方向では、空気入口穴11と空気出口穴22はずれて設けられる。例えば、空気は第1の囲い板10の1つの方向から空気ダクト30内に入り、第2の囲い板20の他の方向に沿って空気ダクト30から流出する。このように、空気は同一の方向に沿って空気ダクト30を直接通過することなく、空気流は高さ方向において流動でき、第1の囲い板10の異なる高さ領域の冷却を実現する。各空気ダクト30の空気入口穴11の数は1つ又は複数であってもよく、好ましくは、空気入口穴11は水平方向において第1の囲い板10の全周方向に分布され、このようにして、第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保することができる。
【0085】
選択的に、空気ダクト30の空気入口穴11は第1の囲い板10に形成され、空気ダクト30の空気出口穴22は第2の囲い板20に形成され、高さ方向では、空気入口穴11は空気出口穴22の上方に設けられる。これにより空気ダクト30内の気流は上から下に燃焼チャンバー21内に送られ、バーナー200の方向に二次空気を補給し、十分な燃焼を確保する。
【0086】
本発明のいくるかの実施例において、空気ダクト30は少なくとも第1層の空気ダクト30と第2層の空気ダクト30を備える。即ち燃焼室100の高さ方向では2層の以上の空気ダクト30を備え、多層の空気ダクト30を設けることで、段階的に第1の囲い板10を冷却し、冷却効果を向上させる。
【0087】
選択的に、前記第1層の空気ダクト30と前記第2層の空気ダクト30の空気入口穴11はいずれも空気出口穴22の上方に位置する。即ち2層の空気ダクト30内の気流は同じ方向に流動し、これにより、気流を迅速にバーナー200の方向に向かって流動させ、燃焼反応に十分な空気があることを確保する。
【0088】
優れた冷却効果を達成するために、燃焼チャンバー21に十分な二次空気を補給してもよく、図2に示すように、本発明の実施例による第1層の空気ダクト30と第2層の空気ダクト内の気流の流動方向は対流方式であり、具体的に、高さ方向では、第1層の空気ダクト30の空気入口穴11は空気出口穴22の上方に位置し、第2層の空気ダクト30の空気入口穴11は空気出口穴22の下方に位置する。
【0089】
図7図12を参照し、本発明の第1の態様の他のいくつかの実施例による燃焼室100を示し、図7に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は間隔をあけて設けられることで燃焼チャンバー21に連通されて且つ燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる空気ダクト30を構成し、空気ダクト30は周方向に複数の独立した空気チャンバー31に仕切られ、各空気チャンバー31は独立した空気入口穴11と空気出口穴22を有し、燃焼チャンバー21が負圧になる場合で、空気ダクト30内の空気は燃焼チャンバー21内に送られる。
【0090】
言い換えると、各空気チャンバー31内で独立した空気流になることができ、燃焼チャンバー21の周方向にそれぞれ複数の空気チャンバー31を仕切ることにより、前側、後側、左側及び右側から同時に第1の囲い板10を冷却して燃焼チャンバー21に空気流を送ることを実現する。「前」、「後」、「左」、「右」等で示す方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係であり、本発明を説明しやすいか、又は説明を簡単にするだけに用いられ、示している装置又はユニットは必ず特定の方向を有し、特定の方位構造と操作を有することを表すか又は暗示することではないことを理解されるべきであり、そのため、本発明に対する限定とみなされるべきではない。
【0091】
各空気チャンバー31は互いに独立したため、各空気チャンバー31内の空気流量は、同じであってもよいし、異なってもよい。理解できることとして、ファン400の空気入口に近い一側の空気チャンバー31は、気流の流速が大きいため、その空気入口穴11を小さく設定することができ、このようにして、当該空気チャンバー31内の空気流量を適切に小さくすることもできる。
【0092】
なお、各方向に設定される空気チャンバー31の数は空気の流れ場に応じて設定することができ、空気の流れ場は主に気流の流速、流路の幅及び気流のストローク中に干渉物があるかどうかに関係し、例えば、流れ場が遮られていない場合、1つの空気チャンバー31のみを設置することができ、流れ場が遮られる場合、複数の空気チャンバー31を設置することができ、障害物による影響を避ける。
【0093】
要するに、本発明の実施例による燃焼室100は、周方向における空気ダクト30を複数の独立した空気チャンバー31に仕切り、複数の空気チャンバー31の構造により冷空気の分布状況を改善することにより、第1の囲い板10全体は均一に冷却され、これにより、ガス装置1000の部品の耐用年数を延長させ、複数の方向から同時に燃焼チャンバー21に空気を送ることもでき、十分な二次空気を補給し、燃焼効率を向上させる。
【0094】
選択可能な実施例において、図7に示すように、空気チャンバー31は燃焼チャンバー21の周方向に均一に分布される。例えば、燃焼チャンバー21の各側方向にいずれも1つの空気チャンバー31が設けられ、これにより、燃焼チャンバー21の前側に前空気チャンバー31を形成し、後側に後空気チャンバー31を形成し、左側に左空気チャンバー31を形成し、右側に右空気チャンバー31を形成する。燃焼チャンバー21内が負圧になる場合、外部の気流は空気入口穴11から空気チャンバー31内に流れ、空気出口穴22からそれぞれ燃焼チャンバー21内に流れることにより、第1の囲い板10の熱を連れ去って、熱の外部への拡散を回避する。
【0095】
選択可能な実施例において、図8及び図7に示すように、空気入口穴11は第1の囲い板10に形成され、空気出口穴22は第2の囲い板20に形成され、このように、冷空気は外側から内側方向に流れることができ、周方向における複数路の冷気流は熱気流を遮断及び吹き飛ばして広がり得、これは第1の囲い板10の温度を下げるのにより寄与する。
【0096】
選択可能な実施例において、図8に示すように、空気入口穴11と空気出口穴22は高さ方向でずれて設けられる。即ち空気は第1の囲い板10の1つの方向に沿って空気チャンバー31内に入り、第2の囲い板20の他の方向に沿って空気チャンバー31から流出する。このように、空気は同一の高さ方向に空気チャンバー31を直接通過することなく、空気流は高さ方向において流動でき、第1の囲い板10の異なる高さ領域の冷却を実現する。各空気チャンバー31の空気入口穴11の数は1つ又は複数であってもよく、好ましくは、空気入口穴11は水平方向において第1の囲い板10の全周方向に分布され、このようにして、第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保することができる。
【0097】
選択可能な実施例において、図11及び図12に示すように、空気入口穴11は長いストリップ状である。これにより、空気入口穴11の周方向の分布長さを延ばすことができ、これにより、さらに第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保する。
【0098】
選択可能な実施例において、図8に示すように、高さ方向では、空気入口穴は空気出口穴の上方に位置する。空気チャンバー31内の気流は上から下へ流れる。このように、空気チャンバー31内の気流は燃焼チャンバー21の下側に送られる。これにより、ガス装置1000のバーナー300に十分な二次空気を補給して、燃焼効率を向上させることができる。
【0099】
選択可能な実施例において、図9に示すように、空気チャンバー31の上下側にいずれも空気入口穴11が設けられ、空気出口穴22は上下側の空気入口穴11の間に位置する。即ち1つの空気チャンバー31は上下の2つの方向から同時に空気チャンバー31内に空気を送り、1つの方向の空気出口穴22によって空気を送る。この例では、空気チャンバー31の上下側に同時に冷空気が送られることができる。このような穴の配布方式は、気流が空気チャンバー31の一側(上側または下側)から吸入され、気流が空気チャンバー31の他側に流れるときに気流温度が高すぎたため、他側の第1の囲い板10を冷却することができない問題を解決する。
【0100】
選択可能な実施例において、図10に示すように、空気チャンバー31内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出す。この例では、1つの水平方向から給気して、他の2つの水平方向(1つは空気入口穴11の上側に位置し、もう1つは空気入口穴11の下側に位置する)から排気することにより、第1の囲い板10の上下側の両方を冷却することができる。このような穴の配布手段は燃焼チャンバー21の高さが小さい場合に適用する。
【0101】
選択可能な実施例において、図8に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は高さ方向に分布される多層の空気ダクト30を構成する。即ち燃焼チャンバー21が高さ方向に複数の空気ダクト30で取り囲まれ、複数の空気ダクト30によって第1の囲い板10の異なる高さを冷却し、異なる高さ方向に沿って燃焼チャンバー21に給気する。当該実施例において、各層の空気ダクト30の構造形態は同じであってもよいし、異なってもよいため、燃焼チャンバー21の周方向において複数の形態の空気ダクト30の構造を有することができ、最適な冷却と給気効果を果たす。
【0102】
さらに、選択可能な例では、各層の空気ダクト30の高さと気流の流動方向はいずれも同じである。即ち各層の空気ダクト30の給気方式と給気量はほぼ同じであり、第1の囲い板10から連れ去ることができる熱はほぼ同じである。
【0103】
図13乃至図20及び図6を参照し、本発明の第1の態様の他のいくつかの実施例による燃焼室100は、図13に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は間隔をあけて設けられることで燃焼チャンバー21に連通されて且つ燃焼チャンバー21の周方向に取り囲まれる単室空気ダクト30を構成し、単室空気ダクト30は空気入口穴11と空気出口穴22を有し、燃焼チャンバー21が負圧になる場合で、単室空気ダクト30内の空気は燃焼チャンバー21内に送られる。「単室空気ダクト」とは、燃焼チャンバー21の同じ周方向に1つのチャンバーを構成する。なお、第1の囲い板10の各側にいずれも空気入口穴11と空気出口穴22を設置することができ、これにより、各方向から空気を単室空気ダクト30内に迅速にガイドすることができる。
【0104】
言い換えると、単室空気ダクト30内の空気の流路は周方向と上下方向を含み、このように、ファン200の吸引により、燃焼チャンバー21が負圧になり、空気は空気入口穴11から単室空気ダクト30内に入り、空気出口穴22から流出する過程で、単室空気ダクト30全体の空気温度は比較的均一にすることができ、第1の囲い板10の各方向を同時に冷却することができる。ファン200は直流ファンまたは交流ファンであってもよい。
【0105】
要するに、本発明の実施例による燃焼室100は、燃焼チャンバー21の周方向に単室空気ダクト30を構成することにより、第1の囲い板10の周方向はほぼ同じ温度の空気によって冷却されることができ、ガス装置の部品の耐用年数を延長させ、周方向から同時に燃焼チャンバー21に空気を送り、十分な二次空気を補給し、燃焼効率を向上させることができる。
【0106】
いくつかの選択可能な実施例において、燃焼室100の第1の囲い板10と第2の囲い板20はいずれも鋼板材料から製造され、無酸素銅または断熱材による従来の燃焼室と比べて、鋼板の可塑性が強いため、第1の囲い板10と第2の囲い板20との間の接続プロセスは比較的簡単であり、例えば、溶接を使用して接続することができ、単室空気ダクト30の構造は第1の囲い板10または第2の囲い板20の折り曲げによって構成され、成形が容易である。
【0107】
選択可能な実施例において、図13乃至図20及び図6に示すように、空気入口穴11は第1の囲い板10に形成され、空気出口穴22は第2の囲い板20に形成され、このように、冷空気は外側から内側に吹き出すことができ、冷気流は熱気流が外側に拡散するのを防ぐことができ、第1の囲い板10の温度を下げるのにより役に立つ。
【0108】
選択可能な実施例において、図13乃至図20及び図6に示すように、空気入口穴11と空気出口穴22は高さ方向でずれて設けられる。即ち空気は第1の囲い板10の1つの方向に沿って単室空気ダクト30内に入り、第2の囲い板20の他の方向に沿って単室空気ダクト30から流出する。このように、空気は同一の高さ方向に単室空気ダクト30を直接通過することなく、空気流は高さ方向において流動でき、第1の囲い板10の異なる高さ領域の冷却を実現する。単室空気ダクト30の空気入口穴11の数は1つ又は複数であってもよく、好ましくは、空気入口穴11は水平方向において第1の囲い板10の全周方向に分布され、このようにして、第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保することができる。
【0109】
選択可能な実施例において、図20及び図6に示すように、空気入口穴11は長いストリップ状である。これにより、空気入口穴11の分布長さをできるだけ延長させることができ、これにより、さらに第1の囲い板10の周方向の空気入口面を増大し、第1の囲い板10が十分に冷却されるのを確保する。
【0110】
選択可能な実施例において、図14に示すように、単室空気ダクト30内の気流は上から下へ流れる。このように、単室空気ダクト30内の気流は燃焼チャンバー21の下側に送られる。これにより、ガス装置のバーナー300に十分な二次空気を補給し、燃焼効率を向上させることができる。
【0111】
選択可能な実施例において、図15に示すように、単室空気ダクト30の上下側にいずれも空気入口穴11が設けられ、空気出口穴22は上下側の空気入口穴11の間に位置する。即ち上下の2つの方向から同時に単室空気ダクト30内に給気し、他の方向の空気出口穴22により給気する。この例では、単室空気ダクト30の上下側に同時に冷空気が送られることができる。このような穴の配布方式は、気流が単室空気ダクト30の一側(上側または下側)から吸入され、気流が単室空気ダクト30の他側に流れるときに気流温度が高すぎたため、他側の第1の囲い板10を冷却することができない問題を解決する。
【0112】
選択可能な実施例において、図16に示すように、単室空気ダクト30内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出す。この例の穴の配布方式は、燃焼チャンバー22の高さが小さい場合に適用し、1つの方向に給気し、両側に冷空気を送り、これにより第1の囲い板10の上下側の両方を冷却することができる。
【0113】
選択可能な実施例において、図17に示すように、第1の囲い板10と第2の囲い板20は高さ方向に分布される多層の単室空気ダクト30を構成する。即ち燃焼チャンバー22が高さ方向に複数の単室空気ダクト30で取り囲まれ、複数の単室空気ダクト30によって第1の囲い板10の異なる高さを冷却し、異なる高さ方向で燃焼チャンバー21にも空気を送る。当該実施例において、各層の単室空気ダクト30の構造形態は同じであってもよいし、異なってもよく、燃焼チャンバー21の周方向において複数の形態の単室空気ダクト30の構造を有することができ、これにより、最適な冷却と給気効果を取得する。
【0114】
選択可能な例では、各層の空気ダクト30の高さと気流の流動方向はいずれも同じである。即ち各層の空気ダクト30の給気方式と給気量はほぼ同じであり、第1の囲い板10から連れ去ることができる熱はほぼ同じである。
【0115】
本発明のいくつかの選択可能な実施例において、図20及び図18に示すように、第1の囲い板10は取り囲まれた複数の第1の板材16で構成され、第2の囲い板20は取り囲まれた複数の第2の板材29で構成される。即ち第1の囲い板10と第2の囲い板20はいずれも互いに接続された複数の板材で構成され、内外側の板材は間隔をあけて設けられることで単室空気ダクト30を構成する。
【0116】
図18及び図19に示すように、各第2の板材29は内側から外側に凹んだ複数のシール部60を備え、シール部60は上翼板61、下翼板62及び上翼板61と下翼板62を接続するフック部63を含み、フック部63は第1の囲い板10の外壁に当接される。言い換えると、第2の板材29は折り曲げられてシール部60を形成し、異なる高さのシール部60と第1の囲い板10の内壁面との合わせにより、多層の単室空気ダクト30を構成する。
【0117】
選択可能な実施例において、図17及び図19に示すように、上翼板61は空気出口穴22を構成し、下翼板62は第1の囲い板10の内壁面に貼り合われる。
【0118】
選択可能な実施例において、図17に示すように、上翼板61にさらにウィンドデフレクター611が設けられ、ウィンドデフレクター611の一端は空気出口穴22の穴壁に接続され、他端は第1の囲い板10の方向に延びる。該ウィンドデフレクター611は風向をできるだけ第1の囲い板10の内壁にガイドすることができ、その結果、空気流は第1の囲い板10の内壁とぴったりと流れることができ、これにより、空気は第1の囲い板10の熱を十分に吸収することができる。
【0119】
選択可能な例では、第2の囲い板20に内側から外側に凹んだ複数の補強リブ28が形成される。複数の補強リブ28により第2の囲い板20の構造強度を高め、第2の囲い板20の変形を防止する。
【0120】
本発明の実施例によるガス装置1000は上記実施例の燃焼室100を備え、本発明の実施例による燃焼室100は、外部への熱の伝達を効果的に回避し、部品の耐用年数を延長させ、且つ燃焼効率を向上させるため、本発明の実施例によるガス装置1000の耐用年数が長く、熱効率が高い。
【0121】
本発明の説明において、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で示す方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係であり、本発明を説明しやすいか、又は説明を簡単にするだけに用いられ、示している装置又はユニットは必ず特定の方向を有し、特定の方位構造と操作を有することを表すか又は暗示することではないことを理解されるべきであり、そのため、本発明に対する限定とみなされるべきではない。なお、用語「第1」、「第2」は説明目的のものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆するもの、あるいはそれによって指示される技術的特徴の数量を暗黙的に指示するものとして理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は1つの又は複数の当該特徴を明確に又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、別に明確な具体的限定がある場合を除き、「複数」は2つ以上を意味する。
【0122】
本願の説明において、別に明確な規定及び限定がある場合を除き、「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」等の用語は広い意味で理解されるものである。例えば、固定的に接続されてもよいし、また着脱可能に接続されてもよく、又は一体的に接続される。また、直接的な接続であってもよければ、中間の媒介を介する間接的な接続であってもよく、なお2つの部品が内部に連通するか、2つの部品が相互に作用し合う関係にあることとすることもできる。当業者であれば、具体的な状況によって上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。本願において、別に明確な規定及び限定がある場合を除き、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」に配置されるというのは、第1と第2の特徴が直接的に接触することであってもよければ、又は第1と第2の特徴が中間の媒介を介して間接的に接触することであってもよい。
【0123】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」等の用語が含まれた説明は、当該実施例又は例を用いて説明される具体的な特徴、構造、材料又は利点は本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることが意図されるものである。本明細書において、上記用語に関する例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に関するものとは限らない。なお、説明される具体的な特徴、構造、材料又は利点はいずれか1つ又は複数の実施例もしくは例で、適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾が生じない限り、当業者が本明細書で説明される同一の実施例又は例、もしくは異なる実施例又は例の特徴を組み合わせることができる。。
【0124】
本願の実施例を示す上にそれを説明しているが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び趣旨を逸脱しないことを前提として、これらの実施例に対して様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びそれと同等なものによって限定される。
【0125】
本願は、出願番号が201921868388.1、201911054566.1、201911056269.0、201921868350.4、201921868386.2、201921868387.7及び201911056280.7であり、出願日が2019年10月31日である中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張し、上記中国特許出願の内容の全てを参照として援用することにより本願に取り入れる。
【符号の説明】
【0126】
1000 ガス装置
100 燃焼室
10 第1の囲い板
11 空気入口穴
12 第1の後側板
13 第1の左側板
14 第1の右側板
15 第1の前側板
16 第1の板材
20 第2の囲い板
21 燃焼チャンバー
22 空気出口穴
23 第2の後側板
24 第2の左側板
25 第2の前側板
26 ウィンドデフレクター
27 折り曲げ板
28 補強リブ
29 第2の板材
30 空気ダクト
31 空気チャンバー
40 パイプ溝
50 断熱空気室
60 シール部
61 上翼板
611 ウィンドデフレクター
62 下翼板
63 フック部
200 熱交換器
300 バーナー
400 ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室であって、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも1つの空気ダクトを構成し、前記空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成され
負圧が前記燃焼チャンバー内に形成される際、前記空気ダクト内の空気が前記燃焼チャンバー内に送達されることを特徴とする燃焼室。
【請求項2】
前記空気ダクトの底端と頂端の少なくとも1つは密閉されたものであり、前記空気入口穴と前記空気出口穴は高さ方向においてずれて設けられることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項3】
高さ方向では、前記空気入口穴は前記空気出口穴の上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項4】
前記第1の囲い板は、第1の後側板と、前記第1の後側板の左側縁に接続される第1の左側板と、前記第1の後側板の右側縁に接続される第1の右側板と、それぞれ前記第1の左側板と前記第1の右側板の前側縁を接続する第1の前側板と、を備え、前記第1の後側板、前記第1の左側板及び第1の右側板は一体に形成されることを特徴とする請求項に記載の燃焼室。
【請求項5】
前記第2の囲い板は、第2の後側板と、前記第2の後側板の左側縁に接続される第2の左側板と、前記第2の後側板の右側縁に接続される第2の右側板と、それぞれ前記第2の左側板と前記第2の右側板の前側縁を接続する第2の前側板と、を備え、前記第2の後側板、前記第2の左側板及び第2の右側板は一体に形成されることを特徴とする請求項に記載の燃焼室。
【請求項6】
前記第2の前側板の上端に折り曲げ板を形成し、前記折り曲げ板は少なくとも一部が前記第1の前側板の内側壁に貼り合われることにより、前記空気ダクトの上側を密閉すし、断熱空気室が前記折り曲げ板の上側と前記第1の前側板とによって画定され、前記燃焼チャンバーとは連通しておらず、前記空気入口穴の一部は前記の折り曲げ板に隣接して設けられることを特徴とする請求項に記載の燃焼室。
【請求項7】
前記空気入口穴は長いストリップ状であり、前記第1の囲い板及び第2の囲い板の少なくとも一方は鋼板であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項8】
前記第2の囲い板の空気出口穴の穴壁は前記第1の囲い板の内壁に延びるウィンドデフレクターを形成することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項9】
記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通される少なくとも第1層の空気ダクトと第2層の空気ダクトを構成し、前記第1層の空気ダクトと前記第2層の空気ダクトの空気入口穴は前記第1の囲い板に形成され、前記第1層の空気ダクトと前記第2層の空気ダクトの空気出口穴は前記第2の囲い板に形成され、高さ方向では、前記第1層の空気ダクトの空気入口穴は空気出口穴の上方に位置し、前記第2層の空気ダクトの空気入口穴は空気出口穴の下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項10】
燃焼室であって、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通され且つ前記燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる空気ダクトを構成し、前記空気ダクトは周方向には複数の独立した空気チャンバーに仕切られ、各空気チャンバーは独立した空気入口穴と空気出口穴を有し、前記燃焼チャンバーが負圧になる場合、前記空気ダクト内の空気は前記燃焼チャンバー内に送られることを特徴とする燃焼室。
【請求項11】
前記複数の独立した空気チャンバーは前記燃焼チャンバーの周方向に均一に分布されることを特徴とする請求項10に記載の燃焼室。
【請求項12】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は、高さ方向に分布された多層の空気ダクトを構成することを特徴とする請求項に記載の燃焼室。
【請求項13】
各層の前記空気ダクトの高さと気流の流動方向は同じであることを特徴とする請求項12に記載の燃焼室。
【請求項14】
燃焼室であって、外側に位置する第1の囲い板と内側に位置する第2の囲い板を備え、前記第2の囲い板は燃焼チャンバーを構成し、前記第1の囲い板と前記第2の囲い板は間隔をあけて設けられることで前記燃焼チャンバーに連通されて且つ前記燃焼チャンバーの周方向に取り囲まれる単室空気ダクトを構成し、前記単室空気ダクトは空気入口穴と空気出口穴を有し、前記燃焼チャンバーが負圧になる場合、前記単室空気ダクト内の空気は前記燃焼チャンバー内に送られることを特徴とする燃焼室。
【請求項15】
前記単室空気ダクトの上下側にいずれも前記空気入口穴が設けられ、前記空気出口穴は上下側の前記空気入口穴の間に位置することを特徴とする請求項14に記載の燃焼室。
【請求項16】
前記単室空気ダクト内の気流は中央から入り、上下の両側から流れ出すことを特徴とする請求項14に記載の燃焼室。
【請求項17】
前記第2の囲い板に内側から外側に凹んだ複数の補強リブが前記第2の囲い板に形成され、前記第1の囲い板は取り囲まれた複数の第1の板材で構成され、前記第2の囲い板は取り囲まれた複数の第2の板材で構成され、各前記第2の板材は内側から外側に凹んだ複数のシール部を備え、前記シール部は上翼板、下翼板及び前記上翼板と前記下翼板を接続するフック部を備え、前記フック部は前記第1の囲い板の外壁に当接されることを特徴とする請求項14に記載の燃焼室。
【請求項18】
前記上翼板は前記空気出口穴を画定しており、前記下翼板は前記第1の囲い板の内壁面に貼り合われ、前記上翼板にウィンドデフレクターがさらに設けられ、前記ウィンドデフレクターの一端は前記空気出口穴の穴壁に接続され、他端は前記第1の囲い板の方向に向かって延びることを特徴とする請求項17に記載の燃焼室。
【請求項19】
燃焼装置であって、請求項に記載の燃焼室を備えることを特徴とする燃焼装置。
【請求項20】
前記第1の囲い板と前記第2の囲い板はともに水平方向に沿って延びるパイプ溝を画定し、熱交換器の水管の一部が前記パイプ溝を通過可能であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【国際調査報告】