(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】Btk阻害剤としての縮合ピリダジンまたはピリミジン
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20230111BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20230111BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230111BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230111BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230111BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
A61K31/53
A61P43/00 111
A61P37/02
A61P25/00
A61P19/02
A61P37/08
A61P17/00
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525429
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 US2020057919
(87)【国際公開番号】W WO2021087086
(87)【国際公開日】2021-05-06
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】398050098
【氏名又は名称】バイオジェン・エムエイ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Biogen MA Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188374
【氏名又は名称】一宮 維幸
(72)【発明者】
【氏名】マルクス,アイザック
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,ブライアン・ティー
(72)【発明者】
【氏名】マー,ビン
(72)【発明者】
【氏名】プリンス,ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ネバライネン,マルタ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC07
4C050EE03
4C050FF05
4C050GG01
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
提供されるのは、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、環A、R
3、R
4、R
5、R
6、A
1、B
1、B
2、Q
1、及びQ
2が、本明細書に定義される通りである、化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびにそれらの使用及び製造方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
A
1が、CR
7及びNから選択され、
B
1及びB
2が、それぞれ独立して、CR
8、N、及びNR
8から選択され、
Q
1及びQ
2のうちの一方がNであり、他方がCであり、
環Aが、3~7員単環式ヘテロシクリル及び7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、環Aが、任意選択的に、1つ以上のR
100で置換され、
R
100が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、-C(O)R
100a、-C(O)
2R
100a、-C(O)N(R
100a)
2、-N(R
100a)
2、-N(R
100a)C(O)R
100a、-N(R
100a)C(O)
2R
100a、-N(R
100a)C(O)N(R
100a)
2、-N(R
100a)S(O)
2R
100a、-OR
100a、-OC(O)R
100a、-OC(O)N(R
100a)
2、-SR
100a、-S(O)R
100a、-S(O)
2R
100a、-S(O)N(R
100a)
2、-S(O)
2N(R
100a)
2から選択され、R
100で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換されるか、あるいは2つのR
100が、それらの介在原子と一緒になって、4~6員単環式ヘテロシクリルまたは3~7員単環式カルボシクリルを形成し、それらの各々が、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換され、
R
100aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
100aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換され、
R
150が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
150aから選択され、
R
150aが、HまたはC
1-6アルキルであり、
R
3が、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C(O)N(R
3a)
2、-C(O)OR
3a、及び-C(O)R
3aから選択され、R
3で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
30で置換され、
R
3aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニルから選択され、R
3aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
30で置換され、
R
30が、各出現について、独立して、ハロゲン、-OR
30a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、
R
30aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、
R
4が、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-NO2、-CN、-OR
4a、-SR
4a、-N(R
4a)
2、-C(O)R
4a、-C(O)OR
4a、-S(O)R
4a、-S(O)
2R
4a、-C(O)N(R
4a)
2、-SO
2N(R
4a)
2、-OC(O)R
4a、-N(R)C(O)R
4a、-N(R)C(O)OR
4a、-N(R)SO
2R
4a、及び-OC(O)N(R
4a)
2から選択され、R
4で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
40で置換され、
R
4aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
4aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
40で置換され、
R
40が、各出現について、独立して、ハロゲン、-OR
40a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
30で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
45で置換され、
R
40aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
45で置換され、
R
45が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
45aから選択され、
R
45aが、HまたはC
1-6アルキルであり、
あるいは代替的に、R
3及びR
4が、それらの介在原子と一緒になって、O、N及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する5~7員単環式カルボシクリルならびに5~7員環単環式ヘテロシクリルから選択される環Bを形成し、環Bが、任意選択的に、1つ以上のR
300で置換され、
R
300が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-C(O)R
300a、-OR
300a、及び-S(O)
2R
300aから選択され、R
300で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
350で置換され、
R
300aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
300aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
350で置換され、
R
350が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-C(O)R
350a、-C(O)N(R
350a)
2、-C(R
350a)
2N(R
350a)
2、及び-OR
350aから選択され、
R
350aが、各出現について、独立して、H、または1~3のハロゲンで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルであり、
R
5が、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、ハロゲン、及び-OR
5aから選択され、R
5で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルが、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
5aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
5aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
6が、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、ハロゲン、-OR
6aから選択され、R
6で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
6aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
6aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
7が、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-CN、-OR
7a、-C(O)N(R
7a)
2、-C(O)OR
7a、及び-C(O)R
7aから選択され、R
7で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
70で置換され、
R
7aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
7aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
70で置換され、
R
70が、各出現について、独立して、ハロゲン、-OR
70a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
70で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、任意選択的に、1つ以上のR
75で置換され、
R
70aが、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
70aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
75で置換され、
R
75が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
75aから選択され、
R
75aが、HまたはC
1-6アルキルであり、
R
8が、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-CN、-C(O)R
8a、-C(O)
2R
8a、-C(O)N(R
8a)
2、-N(R
8a)
2、-N(R
8a)C(O)R
8a、-N(R
8a)C(O)
2R
8a、-N(R
8a)C(O)N(R
8a)
2、-N(R
8a)S(O)
2R
8a、-OR
8a、-OC(O)R
8a、-OC(O)N(R
8a)
2、-SR
8a、-S(O)R
8a、-S(O)
2R
8a、-S(O)N(R
8a)
2、-S(O)
2N(R
8a)
2、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、R
8で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員環単環式カルボシクリル、4~6員環単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
80で置換され、
R
8aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
8aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
80で置換されるか、あるいは、2つのR
8aが、それらの介在原子と一緒になって、1つ以上のR
80で任意選択的に置換された4~6員単環式ヘテロシクリルを形成し、
R
80が、各出現について、独立して、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-CN、-C(O)R
80a、-C(O)
2R
80a、-C(O)N(R
80a)
2、-N(R
80a)
2、-N(R
80a)C(O)R
80a、-N(R
80a)C(O)
2R
80a、-N(R
80a)C(O)N(R
80a)
2、-N(R
80a)S(O)
2R
80a、-OR
80a、-OC(O)R
80a、-OC(O)N(R
80a)
2、-SR
80a、-S(O)R
80a、-S(O)
2R
80a、-S(O)N(R
80a)
2、-S(O)
2N(R
30a)
2、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
85で置換されるか、あるいは、2つのR
80が、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ基(-C=O)-)を形成し、
R
80aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
85で置換され、
R
85が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
85aであり、
R
85aが、HまたはC
1-6アルキルである、前記化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
A
1がNであり、Q
1がCであり、Q
2がNである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
A
1がCHであり、Q
1がNであり、Q
2がCである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
A
1がCHであり、Q
1がCであり、Q
2がNである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記化合物が、式(II)または式(III):
【化2】
で表される、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、A
1が、NまたはCHである、前記化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
環Aが、5または6員単環式ヘテロシクリル、及び9または10員二環式ヘテロシクリルから選択され、環Aが、任意選択的に、1つまたは2つのR
100で置換され、
R
100が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、-C(O)R
100a、-C(O)
2R
100a、-C(O)N(R
100a)
2、-N(R
100a)
2、-N(R
100a)C(O)R
100a、-N(R
100a)C(O)
2R
100a、-N(R
100a)C(O)N(R
100a)
2、-N(R
100a)S(O)
2R
100a、-OR
100a、-OC(O)R
100a、-OC(O)N(R
100a)
2、-SR
100a、-S(O)R
100a、-S(O)
2R
100a、-S(O)N(R
100a)
2、及び-S(O)
2N(R
100a)
2から選択され、R
100で表される前記C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
150で置換されるか、あるいは2つのR
100が、それらの介在原子と一緒になって、4~6員単環式ヘテロシクリルまたは3~7員単環式カルボシクリルを形成し、それらの各々が、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換され、
R
100aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、
R
150が、R
150であり、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
150aから選択され、
R
150aが、HまたはC
1-6アルキルである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
環Aが、下記式:
【化3】
のうちの1つで表され、そのうちのいずれも、任意選択的に、1つまたは2つのR
100で置換される、請求項6に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
環Aが、下記式:
【化4】
のうちの1つで表され、
そのうちのいずれも、任意選択的に、1つまたは2つのR
100で置換される、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R
100が、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン、-CN、及び-OR
100aから選択され、前記C
1-6アルキル及びC
3-6シクロアルキルが、それぞれ、任意選択的に、ハロゲン及びC
1-3アルキルから独立して選択される1~3の置換基で置換され、
R
100aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択される、請求項7または8に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
R
100が、各出現について、独立して、C
1-6アルキルまたはC
3-6シクロアルキルであり、前記C
1-6アルキル及びC
3-6シクロアルキルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロで置換される、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R
100が、-C(CH
3)
3、-CH
2C(CH
3)
3、または3,3-ジフルオロシクロブチルである、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
R
3が、Hである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
R
4が、ハロゲン、-CN、-OR
4a、C
1-6アルキル、及びC
3-6シクロアルキルから選択され、R
4で表される前記C
1-6アルキル及びC
3-6シクロアルキルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロゲンで置換され、
R
4aが、1~3のハロゲンで任意選択的に置換されたC
1-4アルキルである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
R
4が、-CH
3、-CF
3、-CHF
2、-CH
2CHF
2、及びシクロプロピルから選択される、請求項13に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
R
4が、-CH
3である、請求項13に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
R
5が、Hまたはハロゲンである、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
R
5が、HまたはFである、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
R
5が、Hである、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
R
6が、Hまたはハロゲンである、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
R
6が、HまたはFである、請求項19に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
R
6が、Hである、請求項19に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
R
8が、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C
2-6アルキニル、-C(O)R
8a、-C(O)N(R
8a)
2、-N(R
8a)
2、-OR
8a、-CN、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、フェニル、C
3-6シクロアルキル、O、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~4のヘテロ原子を有する7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、R
8で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、フェニル、C
3-6シクロアルキル、4~6員単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換され、
R
8aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
8aで表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換されるか、あるいは、2つのR
8aが、それらの介在原子と一緒になって、1~3のR
80で任意選択的に置換された4~6員単環式ヘテロシクリルを形成し、
R
80が、各出現について、独立して、ハロゲン、-CN、-C(O)R
80a、-OR
80a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1つまたは3つのR
85で置換されるか、あるいは2つのR
80が、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ基(-C=O)-)を形成し、
R
80aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、
R
85が、各出現について、独立して、ハロゲン及び-OR
85aから選択され、
R
85aが、HまたはC
1-6アルキルである、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
R
8が、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
2-6アルキニル、-C(O)R
8a、-C(O)N(R
8a)
2、-N(R
8a)
2、-OR
8a、-CN、フェニル、O、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~3のヘテロ原子を有する7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、R
8で表される前記C
1-6アルキル、C
2-6アルキニル、フェニル、4~6員単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換され、
R
8aが、各出現について、独立して、C
1-6アルキル及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
8aで表される前記C
1-6アルキル及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換され、
R
80が、各出現について、独立して、ハロゲン、-CN、-C(O)R
80a、-OR
80a、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80で表される前記C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
85で置換されるか、あるいは2つのR
80が、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ基(-C=O)-)を形成し、
R
80aが、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル及びC
2-6アルケニルから選択され、
R
85が、各出現について、独立して、ハロゲン及び-OR
85aから選択され、
R
85aが、HまたはC
1-3アルキルである、請求項22に記載化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
R
8が、H、F、Br、-CN、-OC
2H
5OCH
3、-N(CH
3)(CH
2CH
2OCH
3)、-C(O)N(CH
3)
2、
【化5】
から選択される、請求項23に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
R
80が、ハロゲン、-CN、-C(O)R
80a、-OR
80a、C
1-3アルキル、C
3-6シクロアルキル、ならびにO及びNから選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80で表される前記C
1-3アルキル、C
3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
85で置換されるか、あるいは2つのR
80が、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ(-C(=O))基を形成し、
R
80aが、各出現について、独立して、C
1-4アルキル及びC
2-4アルケニルから選択され、
R
85が、各出現について、独立して、F、-OH、またはC
1-3アルコキシから選択される、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
R
80が、各出現について、独立して、-F、-CH
3、-CHF
2、-CH
2OH、-C
2H
5、-CH
2CHF
2、-CN、-OCH
3、-C(O)(CH
2C=CH)、-C(O)(CH=CCH
3)、-CH
2CH
2OCH
3、
【化6】
から選択される、請求項25に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
R
8が、H、-OCH
2CH
2OCH
3、-C(O)N(CH
3)
2、及び
【化7】
から選択される、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
前記化合物が、下記式:
【化8】
のうちの1つで表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
環Aが、5または6員単環式ヘテロシクリル、及び9または10員二環式ヘテロシクリルから選択され、環Aが、任意選択的に、1つまたは2つのR
100で置換され、
R
100が、C
1-6アルキルまたはC
4-6シクロアルキルであり、C
1-6アルキル及びC
4-6シクロアルキルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロで置換され、
R
4が、1~3のハロで任意選択的に置換されたC
1-4アルキルであり、
R
8が、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C
1-6アルキル、-C(O)N(R
8a)
2、-OR
8a、O、N及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する5または6員単環式ヘテロアリールから選択され、R
8で表される前記C
1-6アルキル及び5または6員単環式ヘテロアリールが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換され、
R
8aが、各出現について、1~3のR
80で任意選択的に置換されたC
1-6アルキルであり、
R
80が、各出現について、独立して、C
1-4アルキル、ハロゲン、及び-OR
80aから選択され、
R
80aが、各出現について、独立して、HまたはC
1-3アルキルから選択される、前記化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
環Aが、下記式:
【化9】
のうちの1つで表され、
そのうちのいずれも、任意選択的に、1つまたは2つの独立して選択されたR
100で置換され、
R
100が、各出現について、独立して、C
1-6アルキルまたはC
4-6シクロアルキルであり、前記C
1-6アルキル及びC
4-6シクロアルキルが、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロで置換される、請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
R
8が、各出現について、独立して、H、-C(O)N(R
8a)
2、-OR
8a、ならびにO、N及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する5員単環式ヘテロアリールから選択され、R
8で表される前記C
1-6アルキル及び5または6員単環式ヘテロアリールが、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換され、
R
8aが、各出現について、独立して、1~3のR
80で任意選択的に置換されたC
1-6アルキルであり、
R
80が、各出現について、独立して、C
1-4アルキル、ハロゲン、及び-OR
80aから選択され、
R
80aが、各出現について、独立して、HまたはC
1-3アルキルから選択される、請求項29に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
R
4が、-CH
3である、請求項29もしくは30に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
R
8が、H、-OCH
2CH
2OCH
3、-C(O)N(CH
3)
2、及び
【化10】
である、請求項29~31のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
請求項1~32のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項34】
対象におけるブルトン型チロシンキナーゼの阻害に応答する障害を治療する方法であって、前記対象に、有効量の請求項1~32のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項33に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項35】
前記障害が、自己免疫障害である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記自己免疫障害が、多発性硬化症である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記障害が、関節リウマチである、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記障害が、全身性エリテマトーデスである、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記障害が、アトピー性皮膚炎である、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記障害が、白血病またはリンパ腫である、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/928,062号の米国特許法第119条(e)に基づく出願日の利益を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)を阻害するある特定の薬剤、ならびにそのような薬剤の作製方法及び使用方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
タンパク質キナーゼは、腫瘍学、神経学、及び免疫学における多数のヒト疾患の開発及び治療において重要な役割を果たす500を超えるタンパク質からなる大規模な多遺伝子ファミリーである。Tecキナーゼは、5つのメンバー(Tec(肝細胞癌で発現されるチロシンキナーゼ)、Btk(ブルトン型チロシンキナーゼ)、Itk(インターロイキン-2(IL-2)誘導性T細胞キナーゼ;EmtまたはTskとしても知られる)、Rlk(静止リンパ球キナーゼ;Txkとしても知られる)及びBmx(染色体X上の骨髄チロシンキナーゼ遺伝子;Etkとしても知られる))からなる非受容体チロシンキナーゼであり、主に造血細胞で発現するが、Bmx及びTecの発現は、内皮細胞及び肝細胞で検出されている。Tecキナーゼ(Itk、Rlk、及びTec)は、T細胞内に発現し、T細胞受容体(TCR)の下流で全て活性化される。Btkは、B細胞活性化、増殖、及び分化の調節に関与するB細胞受容体(BCR)シグナル伝達の下流メディエーターである。より具体的には、Btkは、ホスファチジルイノシトール(3,4,5)-トリスリン酸(PIP3)と結合するPHドメインを含有する。PIP3結合は、BtkがホスホリパーゼC(PLCy)をリン酸化することを誘導し、次いでPIP2が加水分解されて、プロテインキナーゼPKCを活性化させる2つの二次メッセンジャーであるイノシトール三リン酸(IP3)及びジアシルグリセロール(DAG)が生成され、次いで、さらなるB細胞シグナル伝達が誘導される。Btk酵素活性を無効にする変異は、原発性免疫不全症候群であるXLA症候群(X連鎖無ガンマグロブリン血症)を引き起こす。TecキナーゼがB細胞及びT細胞シグナル伝達の両方において果たす重要な役割を考慮すると、Tecキナーゼは、自己免疫障害のための目的の標的である。
【0004】
したがって、当該技術分野では、Btkの効果的な阻害剤が非常に必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の実施形態は、式(I):
【化1】
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
A
1は、CR
7及びNから選択され、
B
1及びB
2は、それぞれ独立して、CR
8、N、及びNR
8から選択され、
Q
1及びQ
2のうちの一方はNであり、他方はCであり、
環Aは、3~7員単環式ヘテロシクリル及び7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、環Aは、任意選択的に、1つ以上のR
100で置換され、
R
100は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、-C(O)R
100a、-C(O)
2R
100a、-C(O)N(R
100a)
2、-N(R
100a)
2、-N(R
100a)C(O)R
100a、-N(R
100a)C(O)
2R
100a、-N(R
100a)C(O)N(R
100a)
2、-N(R
100a)S(O)
2R
100a、-OR
100a、-OC(O)R
100a、-OC(O)N(R
100a)
2、-SR
100a、-S(O)R
100a、-S(O)
2R
100a、-S(O)N(R
100a)
2、-S(O)
2N(R
100a)
2から選択され、R
100で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換されるか、あるいは2つのR
100が、それらの介在原子と一緒になって、4~6員単環式ヘテロシクリルまたは3~7員単環式カルボシクリルを形成し、それらの各々は、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換され、
R
100aは、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
100aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
150で置換され、
R
150は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
150aから選択され、
R
150aは、HまたはC
1-6アルキルであり、
R
3は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C(O)N(R
3a)
2、-C(O)OR
3a、及び-C(O)R
3aから選択され、R
3で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
30で置換され、
R
3aは、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニルから選択され、R
3aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
30で置換され、
R
30は、各出現について、独立して、ハロゲン、-OR
30a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、
R
30aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、
R
4は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-NO2、-CN、-OR
4a、-SR
4a、-N(R
4a)
2、-C(O)R
4a、-C(O)OR
4a、-S(O)R
4a、-S(O)
2R
4a、-C(O)N(R
4a)
2、-SO
2N(R
4a)
2、-OC(O)R
4a、-N(R)C(O)R
4a、-N(R)C(O)OR
4a、-N(R)SO
2R
4a、及び-OC(O)N(R
4a)
2から選択され、R
4で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
40で置換され、
R
4aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
4aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
40で置換され、
R
40は、各出現について、独立して、ハロゲン、-OR
40a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
30で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
45で置換され、
R
40aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
45で置換され、
R
45は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
45aから選択され、
R
45aは、HまたはC
1-6アルキルであり、
あるいは代替的に、R
3及びR
4は、それらの介在原子と一緒になって、O、N及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する5~7員単環式カルボシクリルならびに5~7員環単環式ヘテロシクリルから選択される環Bを形成し、環Bは、任意選択的に、1つ以上のR
300で置換され、
R
300は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-C(O)R
300a、-OR
300a、及び-S(O)
2R
300aから選択され、R
300で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
350で置換され、
R
300aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
300aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
350で置換され、
R
350は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-C(O)R
350a、-C(O)N(R
350a)
2、-C(R
350a)
2N(R
350a)
2、及び-OR
350aから選択され、
R
350aは、各出現について、独立して、H、または1~3のハロゲンで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルであり、
R
5は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、ハロゲン、及び-OR
5aから選択され、R
5で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルは、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
5aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
5aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
6は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、ハロゲン、-OR
6aから選択され、R
6で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
6aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
6aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のハロゲンで置換され、
R
7は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-CN、-OR
7a、-C(O)N(R
7a)
2、-C(O)OR
7a、及び-C(O)R
7aから選択され、R
7で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、及びC
2-6アルキニルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
70で置換され、
R
7aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
7aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
70で置換され、
R
70は、各出現について、独立して、ハロゲン、-OR
70a、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
70で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、任意選択的に、1つ以上のR
75で置換され、
R
70aは、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルであり、R
70aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
75で置換され、
R
75は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
75aから選択され、
R
75aは、HまたはC
1-6アルキルであり、
R
8は、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-CN、-C(O)R
8a、-C(O)
2R
8a、-C(O)N(R
8a)
2、-N(R
8a)
2、-N(R
8a)C(O)R
8a、-N(R
8a)C(O)
2R
8a、-N(R
8a)C(O)N(R
8a)
2、-N(R
8a)S(O)
2R
8a、-OR
8a、-OC(O)R
8a、-OC(O)N(R
8a)
2、-SR
8a、-S(O)R
8a、-S(O)
2R
8a、-S(O)N(R
8a)
2、-S(O)
2N(R
8a)
2、3~7員単環式カルボシクリル、4~6員単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、R
8で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員環単環式カルボシクリル、4~6員環単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
80で置換され、
R
8aは、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
8aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
80で置換されるか、あるいは、2つのR
8aが、それらの介在原子と一緒になって、1つ以上のR
80で任意選択的に置換された4~6員単環式ヘテロシクリルを形成し、
R
80は、各出現について、独立して、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-CN、-C(O)R
80a、-C(O)
2R
80a、-C(O)N(R
80a)
2、-N(R
80a)
2、-N(R
80a)C(O)R
80a、-N(R
80a)C(O)
2R
80a、-N(R
80a)C(O)N(R
80a)
2、-N(R
80a)S(O)
2R
80a、-OR
80a、-OC(O)R
80a、-OC(O)N(R
80a)
2、-SR
80a、-S(O)R
80a、-S(O)
2R
80a、-S(O)N(R
80a)
2、-S(O)
2N(R
30a)
2、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80で表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~7員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
85で置換されるか、あるいは、2つのR
80は、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ基(-C=O)-)を形成し、
R
80aは、各出現について、独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R
80aで表されるC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、3~6員単環式カルボシクリル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つ以上のR
85で置換され、
R
85は、各出現について、独立して、C
1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR
85aであり、
R
85aは、HまたはC
1-6アルキルである。
【0006】
本発明はまた、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物を提供する。
【0007】
一実施形態において、本発明は、対象におけるBtkの阻害に応答する障害を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法である。
【0008】
本発明はまた、Btkの阻害に応答する障害の治療のための医薬の製造のための、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用も含む。Btkの阻害に応答する障害の治療に使用するための、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩も提供される。
【0009】
他の特徴または利点は、いくつかの実施形態の以下の詳細な説明、及び添付の特許請求の範囲から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、Btk調節剤としての活性を有し得る。特に、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、Btk阻害剤であり得る。
【0011】
第2の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、A1はNであり、Q1はCであり、Q2はNであり、他の可変要素の定義は、第1の実施形態で定義される通りである。
【0012】
第3の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、A1はCHであり、Q1はNであり、Q2はCであり、他の可変要素の定義は、第1の実施形態で定義される通りである。
【0013】
第4の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、A1はCHであり、Q1はCであり、Q2はNであり、他の可変要素の定義は、第1の実施形態で定義される通りである。
【0014】
第5の実施形態において、本発明の化合物は、下記式:
【化2】
のうちのいずれか1つで表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、A
1は、NまたはCHであり、可変要素の定義は、第1の実施形態で定義される通りである。
【0015】
第6の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、環Aは、5員または6員単環式ヘテロシクリル、及び9員または10員二環式ヘテロシクリルから選択され、式中、環Aは、任意選択的に、1つまたは2つのR100で置換され、
R100は、各出現について、独立して、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、4~6員単環式ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、-C(O)R100a、-C(O)2R100a、-C(O)N(R100a)2、-N(R100a)2、-N(R100a)C(O)R100a、-N(R100a)C(O)2R100a、-N(R100a)C(O)N(R100a)2、-N(R100a)S(O)2R100a、-OR100a、-OC(O)R100a、-OC(O)N(R100a)2、-SR100a、-S(O)R100a、-S(O)2R100a、-S(O)N(R100a)2、及び-S(O)2N(R100a)2から選択され、R100で表されるC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR150で置換されるか、あるいは2つのR100が、それらの介在原子と一緒になって、4~6員単環式ヘテロシクリルまたは3~7員単環式カルボシクリルを形成し、それらの各々は、任意選択的に、1つ以上のR150で置換され、
R100aは、各出現について、独立して、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、
R150は、150であり、各出現について、独立して、C1-6アルキル、ハロゲン、及び-OR150aから選択され、
R150aは、HまたはC1-6アルキル0であり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、または第5の実施形態で定義されている通りである。
【0016】
第7の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、環Aは、下記式:
【化3】
のうちの1つで表され、そのうちのいずれか1つは、1つまたは2つのR
100で任意選択で置換され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、または第6の実施形態で定義される通りである。
【0017】
第8の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、環Aは、下記式:
【化4】
のうちの1つで表され、
そのうちのいずれか1つは、1つまたは2つのR
100で任意選択で置換され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、または第7の実施形態で定義される通りである。
【0018】
第9の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R100は、各出現について、独立して、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン、-CN、及び-OR100aから選択され、C1-6アルキル及びC3-6シクロアルキルは、それぞれ、任意選択的に、ハロゲン及びC1-3アルキルから独立して選択される1~3の置換基で置換され、
R100aは、各出現について、独立して、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、または第8の実施形態で定義される通りである。
【0019】
第10の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R100は、各出現について、独立して、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキルであり、C1-6アルキル及びC3-6シクロアルキルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロで置換され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9の実施形態で定義されている通りである。
【0020】
第11の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R100は、-C(CH3)3、-CH2C(CH3)3または3,3-ジフルオロシクロブチルであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9の実施形態で定義される通りである。
【0021】
第12の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R3は、Hであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、または第11の実施形態で定義される通りである。
【0022】
第13の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、ハロゲン、-CN、-OR4a、C1-6アルキル、及びC3-6シクロアルキルから選択され、R4で表されるC1-6アルキル及びC3-6シクロアルキルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロゲンで置換され、
R4aは、1~3のハロゲンで任意選択的に置換されたC1-4アルキルであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第9、第10、第11、または第12の実施形態で定義されている通りである。
【0023】
第14の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R4は、-CH3、-CF3、-CHF2、-CH2CHF2、及びシクロプロピルから選択され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、または第13の実施形態で定義される通りである。
【0024】
第15の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R4は、-CH3であり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、または第13の実施形態で定義される通りである。
【0025】
第16の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R5は、Hまたはハロゲンであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、または第15の実施形態で定義される通りである。
【0026】
第17の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R5は、HまたはFであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、または第16の実施形態で定義される通りである。
【0027】
本発明の第18の実施形態では、化合物は、式(I)、(II)、(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R5は、Hであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、または第16の実施形態で定義される通りである。
【0028】
第19の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R6は、Hまたはハロゲンであり、可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、または第18の実施形態で定義される通りである。
【0029】
第20の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R6は、HまたはFであり、可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、または第18の実施形態で定義される通りである。
【0030】
第21の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R6は、HまたはFであり、可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、または第18の実施形態で定義される通りである。
【0031】
第22の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R8は、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C2-6アルキニル、-C(O)R8a、-C(O)N(R8a)2、-N(R8a)2、-OR8a、-CN、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、フェニル、C3-6シクロアルキル、O、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~4のヘテロ原子を有する7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、R8で表されるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、フェニル、C3-6シクロアルキル、4~6員単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR80で置換され、
R8aは、各出現について、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R8aで表されるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR80で置換されるか、あるいは、2つのR8aは、それらの介在原子と一緒になって、1~3のR80で任意選択的に置換された4~6員単環式ヘテロシクリルを形成し、
R80は、各出現について、独立して、ハロゲン、-CN、-C(O)R80a、-OR80a、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R80で表されるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1つまたは3つのR85で置換されるか、あるいは2つのR80は、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ基(-C=O)-)を形成し、
R80aは、各出現について、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、
R85は、各出現について、独立して、ハロゲン及び-OR85aから選択され、
R85aは、HまたはC1-6アルキルであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第17、第18、第19、第20、または第21の実施形態で定義されている通りである。
【0032】
第23の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R8は、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルキニル、-C(O)R8a、-C(O)N(R8a)2、-N(R8a)2、-OR8a、-CN、フェニル、O、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリル、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~3のヘテロ原子を有する7~10員二環式ヘテロシクリルから選択され、R8で表されるC1-6アルキル、C2-6アルキニル、フェニル、4~6員単環式ヘテロシクリル、及び7~10員二環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR80で置換され、
R8aは、各出現について、独立して、C1-6アルキル及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R8aで表されるC1-6アルキル及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR80で置換され、
R80は、各出現について、独立して、ハロゲン、-CN、-C(O)R80a、-OR80a、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R80で表されるC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR85で置換されるか、あるいは2つのR80は、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ基(-C=O)-)を形成し、
R80aは、各出現について、独立して、H、C1-6アルキル及びC2-6アルケニルから選択され、
R85は、各出現について、独立して、ハロゲン及び-OR85aから選択され、
R85aは、HまたはC1-3アルキルであり、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第17、第18、第19、第20、または第21の実施形態で定義されている通りである。
【0033】
第24の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R
8は、H、F、Br、-CN、-OC
2H
5OCH
3、-N(CH
3)(CH
2CH
2OCH
3)、-C(O)N(CH
3)
2、
【化5】
から選択され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第17、第18、第19、第20、第21、第22、または第23の実施形態に定義されている通りである。
【0034】
第25の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R80は、ハロゲン、-CN、-C(O)R80a、-OR80a、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、ならびにO及びNから選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリルから選択され、R80で表されるC1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員単環式ヘテロシクリルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR85で置換されるか、あるいは2つのR80は、それらが結合する炭素原子と共に、オキソ(-C(=O))基を形成し、
R80aは、各出現について、独立して、C1-4アルキル及びC2-4アルケニルから選択され、
R85は、各出現について、F、-OH、またはC1-3アルコキシから独立して選択され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、または第24の実施形態で定義される通りである。
【0035】
第26の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R
80は、各出現について、独立して、-F、-CH
3、-CHF
2、-CH
2OH、-C
2H
5、-CH
2CHF
2、-CN、-OCH
3、-C(O)(CH
2C=CH)、-C(O)(CH=CCH
3)、-CH
2CH
2OCH
3、
【化6】
から選択され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第111、第12、第13、第14、第15、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24、または第25の実施形態で定義される。
【0036】
第27の実施形態では、本発明の化合物は、式(I)、(II)、もしくは(III)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R
8は、H、-OCH
2CH
2OCH
3、-C(O)N(CH
3)
2、及び
【化7】
から選択され、他の可変要素の定義は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第17、第18、第19、第20、または第21の実施形態で定義される通りである。
【0037】
第28の実施形態では、本発明の化合物は、下記式:
【化8】
のうちのいずれか1つで表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
環Aは、5または6員単環式ヘテロシクリル、及び9または10員二環式ヘテロシクリルから選択され、環Aは、任意選択的に、1つまたは2つのR
100で置換され、
R
100は、C
1-6アルキルまたはC
4-6シクロアルキルであり、C
1-6アルキル及びC
4-6シクロアルキルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロで置換され、
R
4は、1~3のハロで任意選択的に置換されたC
1-4アルキルであり、
R
8は、各出現について、独立して、H、ハロゲン、C
1-6アルキル、-C(O)N(R
8a)
2、-OR
8a、O、N及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する5または6員単環式ヘテロアリールから選択され、R
8で表されるC
1-6アルキル及び5または6員単環式ヘテロアリールは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR
80で置換され、
R
8aは、各出現について、独立して、1~3のR
80で任意選択的に置換されたC
1-6アルキルであり、
R
80は、各出現について、独立して、C
1-4アルキル、ハロゲン、及び-OR
80aから選択され、
R
80aは、各出現について、独立して、HまたはC
1-3アルキルから選択され、他の可変要素の定義は、第1の実施形態で定義される通りである。
【0038】
第29の実施形態では、本発明の化合物は、式(IIA)、(IIB)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、もしくは(IIID)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、環Aは、下記式:
【化9】
のうちの1つで表され、
式中、そのうちのいずれか1つは、任意選択的に、1つまたは2つの独立して選択されたR
100で置換され、
R
100は、各出現について、独立して、C
1-6アルキルまたはC
4-6シクロアルキルであり、C
1-6アルキル及びC
4-6シクロアルキルは、それぞれ、任意選択的に、1~3のハロで置換され、他の可変要素の定義は、第1または第28の実施形態で定義される通りである。
【0039】
第30の実施形態では、本発明の化合物は、式(IIA)、(IIB)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、もしくは(IIID)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R8は、各出現について、独立して、H、-C(O)N(R8a)2、-OR8a、ならびにO、N、及びSから独立して選択される1~2のヘテロ原子を有する5員単環ヘテロアリールから選択され、R8で表されるC1ー6アルキル及び5員または6員単環ヘテロアリールは、それぞれ、任意選択的に、1~3のR80で置換され、
R8aは、1~3のR80で任意選択的に置換されたC1-6アルキルであり、
R80は、各出現について、独立して、C1-4アルキル、ハロゲン、及び-OR80aから選択され、
R80aは、各出現について、独立して、HまたはC1-3アルキルから選択され、他の可変要素の定義は、第1、第28、または第29の実施形態で定義される通りである。
【0040】
第31の実施形態では、本発明の化合物は、式(IIA)、(IIB)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、もしくは(IIID)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R4は、-CH3であり、他の可変要素の定義は、第1、第28、第29、または第30の実施形態で定義される通りである。
【0041】
第32の実施形態では、本発明の化合物は、式(IIA)、(IIB)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、もしくは(IIID)で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R
8は、H、-OCH
2CH
2OCH
3、-C(O)N(CH
3)
2、及び
【化10】
であり、他の可変要素の定義は、第1、第28、第29、または第31の実施形態で定義される通りである。
【0042】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、完全に飽和した分岐状または非分岐状の炭化水素部分を指す。好ましくは、アルキルは、1~6の炭素原子、または1~4の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキルは、6~20の炭素原子を含む。アルキルの代表的な例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、またはn-ヘキシルが挙げられる。
【0043】
「アルケニル」は、不飽和炭化水素基を指し、直鎖状または分岐状であってもよく、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する。2~6の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい場合がある。アルケニル基は、1、2、または3つの炭素-炭素二重結合、またはそれより多くを含有してもよい。アルケニル基の例としては、エテニル、n-プロペニル、イソ-プロペニル、n-ブタ-2-エニル、n-ヘキサ-3-エニルなどが挙げられる。
【0044】
「アルキニル」は、不飽和炭化水素基を指し、これは、直鎖状または分岐状であってもよく、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する。2~6の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい場合がある。アルキニル基は、1、2、または3つの炭素-炭素三重結合、またはそれより多くを含有してもよい。アルキニル基の例としては、エチニル、n-プロピニル、n-ブチル-2-イニル、n-ヘキサ-3-イニルなどが挙げられる。
【0045】
基中の炭素原子の数は、本明細書において接頭辞「Cx-xx」によって指定され、式中、x及びxxは整数である。例えば、「C1-4アルキル」は、1~4の炭素原子を有するアルキル基である。
【0046】
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり得る。
【0047】
本明細書で使用する場合、「ヘテロシクリル」という用語は、3~10の環員、または特に3~8の環員、3~7の環員、3~6の環員もしくは5~7の環員、4~7の環員もしくは4~6の環員を有し、そのうちの少なくとも1つがヘテロ原子であり、かつそのうちの最大4つ(例えば、1、2、3、または4つ)がヘテロ原子であり得る飽和または不飽和、単環式または二環式(例えば、縮合、架橋、もしくはスピロ環系)環系を指し、ヘテロ原子は、独立して、O、S、及びNから選択され、Cは酸化され得(例えば、C(O))、Nは酸化され得る(例えば、N(O))か、もしくは四級化され得、Sは、任意選択的に、スルホキシド及びスルホンに酸化され得る。不飽和複素環は、ヘテロアリール環を含む。
【0048】
一実施形態では、ヘテロシクリルは、O、S、及びNから選択される1~2のヘテロ原子を有する3~7員単環式ヘテロシクリル(飽和または部分的に不飽和(すなわち、非芳香族))である。3~7員単環式ヘテロシクリルの例としては、限定されないが、アジリジニル、オキシラニル、トリラニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、トリオキサニル、トリチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、ジヒドロフラニル、イミダゾリニル、及びジヒドロピラニルが挙げられる。一実施形態では、ヘテロシクリルは、5~7員単環式ヘテロシクリル(飽和または部分的に不飽和)である。
【0049】
一実施形態では、ヘテロシクリルは、O、S、及びNから選択される1~2のヘテロ原子を有する4~6員単環式ヘテロシクリル(飽和または部分的に不飽和)である。4~6員単環式ヘテロシクリルの例としては、限定されないが、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、ジヒドロフラニル、イミダゾリニル、ジヒドロピラニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル(またはチエニル)、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラニル、チオピラニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジニル、チアジニル、ジオキシニル、ジチイニル、オキサチアニル、トリアジニル、及びテトラジニルが挙げられる。
【0050】
別の実施形態では、ヘテロシクリルは、O、S、及びNから選択される1~2のヘテロ原子を有する、飽和4~6員単環式ヘテロシクリルである。飽和4~6員単環式複素環系の例としては、限定されないが、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、及びジチニルが挙げられる。一実施形態では、飽和4~6員単環式ヘテロシクリルは、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはジオキシニルである。別の実施形態では、飽和4~6員単環式ヘテロシクリルは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、またはテトラヒドロピラニルである。
【0051】
一実施形態では、4~6員単環式ヘテロシクリルは、
【化11】
から選択される。
【0052】
別の実施形態では、4~6員単環式ヘテロシクリルは、
【化12】
から選択される。
【0053】
一実施形態では、ヘテロシクリルは、7員単環式ヘテロシクリル(飽和または部分的に不飽和)、例えば、O及びNから選択される1つのヘテロ原子を有する7員単環式ヘテロシクリルである。7員単環式ヘテロシクリルの例としては、限定されないが、アゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、オキセピニル、チエパニル、チエピニル、ジアゼパニル、ジアゼピニル、及びチアゼピニルが挙げられる。
【0054】
別の実施形態では、ヘテロシクリルは、7~10員二環式ヘテロシクリルである。さらに別の実施形態では、ヘテロシクリルは、9~10員非芳香族二環式ヘテロシクリルである。別の実施形態では、ヘテロシクリルは、9~10員縮合非芳香族二環式ヘテロシクリルである。ヘテロシクリル基は、ヘテロ原子または炭素原子で本発明の化合物の残りの部分に結合することができる。一実施形態では、9~10員縮合非芳香族二環式ヘテロシクリルは、
【化13】
から選択される。
【0055】
別の実施形態では、ヘテロシクリルは、
【化14】
などの7~8員架橋非芳香族二環式ヘテロシクリルである。
【0056】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、O、N及びSから独立して選択される1~4つのヘテロ原子を有する芳香族5~6員単環式環系を指し、Nは酸化され得る(例えば、N(O))か、または四級化され得、Sは、任意選択的に、スルホキシド及びスルホンに酸化され得る。5~6員単環式ヘテロアリールの例としては、限定されないが、ピロリル、フラニル、チオフェニル(またはチエニル)、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラニル、チオピラニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジニル、チアジニル、ジオキシニル、ジチニル、オキサチアニル、トリアジニル、テトラジニルなどが挙げられる。一実施形態では、ヘテロアリールは、5員ヘテロアリールである。5員ヘテロアリールの例としては、限定されないが、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、及びテトラゾリルが挙げられる。一実施形態において、5員ヘテロアリールは
【化15】
から選択される。
【0057】
本明細書で使用される場合、「縮合環系」という用語は、2つの環を有する環系であり、各環は、独立して、カルボシクリルまたはヘテロシクリルから選択され、2つの環構造は、2つの隣接する環原子を共有する。一実施形態において、縮合環系は、9~12の環員を有する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「架橋環系」という用語は、環の2つの非隣接原子が、C、N、O、及びSから選択される1つ以上(好ましくは1~3)の原子によって接続される(架橋される)、カルボシクリルまたはヘテロシクリル環を有する環系である。一実施形態では、架橋環系は、6~8の環員を有する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「スピロ環系」という用語は、それぞれが独立して、カルボシクリルまたはヘテロシクリルから選択される2つの環を有する環系であり、2つの環構造は、1つの環原子を共通に有する。一実施形態において、スピロ環系は、5~8の環員を有する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」という用語は、3~7の炭素原子、3~5、3~6、4~6、もしくは5~7の炭素原子の飽和または不飽和単環式または二環式炭化水素基を指す。「カルボシクリル」という用語は、シクロアルキル基及び芳香族基(すなわち、アリール)を包含する。「シクロアルキル」という用語は、3~7の炭素原子、3~6の炭素原子、または5~7の炭素原子の完全に飽和した単環式または二環式またはスピロ炭化水素基を指す。例示的な二環式カルボシクリル基としては、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、または2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、スピロ[2.2]ペンタニル、及びスピロ[3.3]ヘプタニルが挙げられる。
【0061】
一実施形態において、カルボシクリルは、3~7員単環式カルボシクリルである。例示的な3~7員単環式カルボシクリルとしては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペネンチル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、フェニル、及びシクロヘプタトリエニルが挙げられる。一実施形態において、カルボシクリルは、5~7員単環式カルボシクリルである。別の実施形態では、カルボシクリルは、限定されないが、シクロヘプチルなどの4~6員単環式カルボシクリルである。別の実施形態では、カルボシクリルは、4~6員単環式カルボシクリルである。別の実施形態では、カルボシクリルは、3~6員カルボシクリルである。別の実施形態では、カルボシクリルは、3~6員シクロアルキルである。さらに別の実施形態では、カルボシクリルは、フェニルである。さらに別の実施形態では、カルボシクリルは、シクロプロピルである。
【0062】
本発明で提供する化合物が安定した非毒性酸または塩基塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、薬学的に許容される塩としての化合物の調製及び投与は適切であり得る。薬学的に許容される塩の例は、生理学的に許容可能なアニオンを形成する酸で形成される有機酸付加塩、例えば、トシレート、メタンスルホネート、アセテート、シトレート、マロネート、タータレート、スクシネート、ベンゾエート、アスコルベート、α-ケトグルタレート、またはα-グリセロホスフェートである。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、及び炭酸塩を含む無機塩も形成され得る。
【0063】
薬学的に許容される塩は、例えば、アミンなどの十分に塩基性の化合物を生理学的に許容されるアニオンを得る好適な酸と反応させることによる、当該技術分野で周知の標準的な手順を使用して得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、もしくはリチウム)、またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩も作製することができる。
【0064】
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機及び有機塩基から調製することができる。無機塩基からの塩としては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、またはマグネシウム塩が挙げることができる。有機塩基に由来する塩としては、限定されないが、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、ヘテロシクロアルキルアミン、ジヘテロシクロアルキルアミン、トリヘテロシクロアルキルアミン、またはアミン上の置換基の少なくとも2つが異なることができ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルなどであることができるジアミン及びトリアミン混合物を挙げることができる。また、2つまたは3つの置換基が、アミノ窒素と共に、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基を形成するアミンも含まれる。アミンの非限定的な例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、トリメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N-アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、またはN-エチルピペリジンなどが挙げられる。他のカルボン酸誘導体、例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、またはジアルキルカルボキサミドなどを含むカルボン酸アミドが有用であり得る。
【0065】
本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、分子内に1つ以上の不斉中心を含有することができる。本開示によれば、立体化学を指定しない任意の構造は、純粋または実質的に純粋な形態の様々な立体異性体(例えば、ジアステレオマー及びエナンチオマー)、ならびにそれらの混合物(ラセミ混合物またはエナンチオマー濃縮混合物など)を全て包含するものとして理解されるべきである。そのような光学的に活性な形態をどのように調製するかは周知である(例えば、再結晶化技法によるラセミ形態の分割、光学的に活性な出発材料からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフィーによる分離)。
【0066】
化合物の特定の立体異性体を名称または構造で示す場合、化合物の立体化学的純度は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、99%、99.5%、または99.9%である。「立体化学的純度」とは、全ての立体異性体の合計重量に対する、所望の立体異性体の重量パーセントを意味する。
【0067】
化合物の特定のエナンチオマーを名称または構造で示す場合、化合物の立体化学的純度は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、99%、99.5%、または99.9%である。「立体化学的純度」とは、全ての立体異性体の合計重量に対する、所望のエナンチオマーの重量パーセントを意味する。
【0068】
開示される化合物の立体化学が構造によって命名または描写され、命名または描写される構造が(例えば、ジアステレオマー対のように)2つ以上の立体異性体を包含する場合、包含される立体異性体のうちの1つまたは包含される立体異性体の任意の混合物が含まれることを理解されたい。命名または描写される立体異性体の立体異性体純度が少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、99%、99.5%、または99.9%であることをさらに理解されたい。立体異性体の純度は、全ての立体異性体の合計重量に対する、名称または構造によって包含される所望の立体異性体の重量パーセントである。
【0069】
開示される化合物が立体化学を示すことなく構造によって命名または描写され、化合物が1つのキラル中心を有する場合、その名称または構造が、純粋または実質的に純粋な形態の化合物の1つのエナンチオマー、ならびにそれらの混合物(例えば、化合物のラセミ混合物及びその対応する光学異性体と比較して1つのエナンチオマーに富化された混合物)を包含することを理解されたい。
【0070】
開示される化合物が、立体化学を示すことなく構造によって命名または描写され、例えば、化合物が少なくとも2つのキラル中心を有する場合、その名称または構造が、純粋または実質的に純粋な形態の1つの立体異性体、ならびにそれらの混合物(例えば、立体異性体の混合物及び1つ以上の立体異性体が他の立体異性体(複数可)と比較して富化される立体異性体の混合物)を包含することを理解されたい。
【0071】
開示される化合物は互変異性形態で存在し得、混合物及び別個の個々の互変異性体が企図される。さらに、いくつかの化合物は多型を呈し得る。
【0072】
一実施形態において、本発明は、本明細書に開示される重水素化化合物を提供し、水素によって占有される任意のまたは複数の位置は、重水素の天然存在量を上回る重水素による富化を含むことができる。例えば、1つ以上の水素原子は、重水素の天然存在量(0.015%)よりも少なくとも3340倍多い量(すなわち、少なくとも50.1%の重水素の組み込み)、少なくとも3500倍(各指定重水素原子における52.5%の重水素の組み込み)、少なくとも4000倍(60%の重水素の組み込み)、少なくとも4500倍(67.5%の重水素の組み込み)、少なくとも5000倍(75%の重水素の組み込み)、少なくとも5500倍(82.5%の重水素の組み込み)、少なくとも6000倍(90%の重水素の組み込み)、少なくとも6333.3倍(95%の重水素の組み込み)、少なくとも6466.7倍(97%の重水素の組み込み)、少なくとも6600倍(99%の重水素の組み込み)、または少なくとも6633.3倍(99.5%の重水素の組み込み)の重水素で置換される。一実施形態において、水素が、その天然存在量で全ての位置に存在する。本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、互変異性体形態で存在し得、混合物及び別個の個々の互変異性体が企図される。
【0073】
別の実施形態は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物である。
【0074】
本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩は、Btkの活性を減少させるために、またはそうでなければ、Btkの特性及び/もしくは挙動、例えば、安定性、リン酸化、キナーゼ活性、他のタンパク質との相互作用などに影響を及ぼすために使用してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、本発明は、Btk酵素活性を低下させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、そのような方法は、Btkを有効量のBtk阻害剤と接触させることを含む。したがって、本発明はさらに、Btkを本発明のBtk阻害剤と接触させることにより、Btkの酵素活性を阻害する方法を提供する。
【0076】
本発明の一実施形態は、対象におけるBtkの阻害に応答する障害を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を含む。
【0077】
一実施形態において、本発明は、自己免疫障害、炎症性傷害、及びがんの治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0078】
「自己免疫障害」という用語には、急性散在性脳脊髄膜炎(ADEM)、アディソン病、円形脱毛症、抗リン脂質抗体症候群(APS)、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、水疱性類天疱瘡(BP)、セリアック病、皮膚筋炎、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーヴス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、紅斑性狼瘡、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、及びウェゲナー肉芽腫症などの、天然抗原に対する不適切な免疫応答を伴う疾患または障害が含まれる。「炎症性障害」という用語には、アレルギー、喘息、前立腺炎、糸球体腎炎、骨盤内炎症性疾患(PID)、炎症性腸疾患(IBD、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)、再潅流障害、関節リウマチ、移植拒絶、及び血管炎などの急性もしくは慢性の炎症を伴う疾患または障害が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明は、関節リウマチまたは狼瘡を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、多発性硬化症を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、全身性エリテマトーデスまたはアトピー性皮膚炎を治療する方法を提供する。
【0079】
「がん」という用語には、異常な細胞成長及び/または増殖を伴う疾患または障害、例えば、神経膠腫、甲状腺癌、乳癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌)、胃癌、胃腸間質腫瘍、膵臓癌、胆管癌、卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌、腎細胞癌、リンパ腫(例えば、未分化大細胞リンパ腫)、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、T細胞白血病、慢性リンパ性白血病)、多発性骨髄腫、悪性中皮腫、悪性黒色腫、及び結腸癌(例えば、マイクロサテライト不安定性-高結腸直腸癌)が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明は、白血病またはリンパ腫を治療する方法を提供する。
【0080】
本明細書で使用する場合、「対象」及び「患者」という用語は、互換的に使用されてもよく、治療を必要とする哺乳動物、例えば、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコなど)、農場動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)、及び実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。典型的には、対象は治療を必要とするヒトである。
【0081】
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療」という用語は、所望の薬理学的及び/または生理学的効果を得ることを指す。効果は、治療的であってもよく、これは、部分的に、または実質的に、疾患、障害、もしくは症候群の範囲を部分的に、または完全に低下させること、障害に関連する臨床症状または指標を改良もしくは改善すること、または疾患、障害、もしくは症候群の進行の可能性を遅延、阻害、もしくは低下させることのうちの1つ以上の結果を達成することを含む。
【0082】
対象に投与される、本発明で提供する化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効用量は、10μg~500mgであり得る。
【0083】
本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与することは、任意の好適な送達方法を含む。本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与することは、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、局所的に、経腸的に、非経口的に、経皮的に、経粘膜的に、吸入を介して、大槽内に、硬膜外に、膣内に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、皮内に、もしくは硝子体内に哺乳動物に投与することを含む。本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与することは、哺乳動物に、局所的に、経腸的に、非経口的に、経皮的に、経粘膜的に、吸入を介して、大槽内に、硬膜外に、膣内に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、皮内に、または硝子体内に、哺乳動物の身体の表面内または表面上で本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩に代謝する化合物を投与することも含む。
【0084】
したがって、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、不活性希釈剤または同化可能な食用担体などの薬学的に許容されるビヒクルと組み合わせて、全身的に、例えば経口的に投与されてもよい。それらは、硬質または軟質のシェルゼラチンカプセルに封入されてもよく、錠剤に圧縮されてもよく、または患者の食事の食物と直接組み込まれてもよい。経口治療的投与のため、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、1つ以上の賦形剤と組み合わされ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、またはウエハなどの形態で使用され得る。かかる組成物及び調製物は、少なくとも約0.1%の活性化合物を含有しなければならない。組成物及び調製物のパーセンテージは、当然のことながら変動し得、所与の単位剤形の重量の約2~約60%であることが好都合であり得る。そのような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な投薬量レベルが得られるようにすることができる。
【0085】
錠剤、トローチ、丸剤、カプセルなどは、トラガカントゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプンもしくはゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、またはスクロース、フルクトース、ラクトースもしくはアスパルテームなどの甘味剤、あるいは風味剤を含むことができる。
【0086】
活性化合物は、点滴もしくは注射によって静脈内または腹腔内投与されてもよい。活性化合物またはその塩の溶液は、任意選択的に、無毒の界面活性剤と混合して、水中で調製することができる。
【0087】
注射または注入のための例示的な薬学的剤形は、滅菌注射可能もしくは注入可能な溶液または分散液の即時調製に適合される活性成分を含む滅菌水溶液もしくは分散液、または滅菌粉末を含むことができる。全ての場合において、最終的な投薬形態は、製造及び保管の条件下で無菌であり、流動性があり、安定している必要がある。
【0088】
滅菌注射可能な溶液は、必要に応じて、活性化合物を、必要な量で、適切な溶媒中に、上記に列挙された他の成分の様々なものと共に組み込み、続いてフィルター滅菌することによって調製することができる。滅菌注射可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥技法であることができ、これにより、活性成分の粉末に加えて、予め滅菌濾過された溶液中に存在する任意の追加の所望の成分を得ることができる。
【0089】
例示的な固体担体は、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなどのような細かく分割された固体を含むことができる。有用な液体担体としては、水、アルコールもしくはグリコール、または水-アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、任意選択的に、非毒性界面活性剤を用いて、有効なレベルで溶解または分散されることができる。
【0090】
本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩の有用な投薬量は、それらのインビトロ活性、及び動物モデルにおけるインビボ活性を比較することによって決定することができる。マウス及び他の動物における有効投薬量をヒトに外挿するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第4,938,949号を参照されたい。
【0091】
治療に使用するために必要な、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩の量は、選択される特定の塩だけでなく、投与経路、治療される状態の性質、ならびに患者の年齢及び状態によっても変化し得、最終的には、随伴医師または臨床医の裁量であり得る。しかしながら、一般に、用量は、1日当たり約0.1~約10mg/kg体重の範囲であり得る。
【0092】
本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、単位剤形で好都合に投与することができ、例えば、単位剤形当たり0.01~10mg、または0.05~1mgの活性成分を含有する。いくつかの実施形態では、5mg/kg以下の用量が好適であり得る。
【0093】
所望の用量は、好都合には、単回用量で、または適切な間隔で投与される分割用量として提示されてもよい。
【0094】
開示される方法は、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩と、本明細書に記載される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または本明細書に記載される化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む組成物を、細胞または対象に投与することを説明することができる説明資料と、を含む、キットを含むことができる。これは、本明細書に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または組成物を、細胞もしくは対象に投与する前に、本明細書に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または組成物を溶解または懸濁するための(例えば、無菌の)溶媒を含むキットなどの、当業者に既知のキットの他の実施形態を含むと解釈されるべきである。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトであることができる。
【実施例】
【0095】
本明細書で使用される略語及び頭字語は、以下を含む:
AcOHは、酢酸を意味する。
(BPin)2は、ビス(ピナコラート)ジボロンを意味する。
CH3CNは、アセトニトリルを意味する。
CD3ODは、重水素-メタノールを意味する。
δは、化学シフトを意味する。
dは、二重線を意味する。
ddは、ダブル二重線を意味する。
DCMは、ジクロロメタンを意味する。
EtOAcは、酢酸エチルを意味する。
HClは、塩酸を意味する。
1H NMRは、プロトン核磁気共鳴を意味する。
H2Oは、水を意味する。
HPLCは、高圧液体クロマトグラフィーを意味する。
K2CO3は、炭酸カリウムを意味する。
KOAcは、酢酸カリウムを意味する。
mは、マルチプレットを意味する。
Meは、メチルを意味する。
MeOHは、メタノールを意味する。
mgは、ミリグラムを意味する。
MHzは、メガヘルツを意味する。
minは、分を意味する。
mLは、ミリリットルを意味する。
mmolは、ミリモルを意味する。
MS m/zは、質量スペクトルピークを意味する。
N2は、窒素を意味する。
NaBH(OAc)3は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを意味する。
NaBH4は、水素化ホウ素ナトリウムを意味する。
NatBuOは、tert-ブトキシドナトリウムを意味する。
Na2CO3は、炭酸ナトリウムを意味する。
NaHは、水素化ナトリウムを意味する。
NaHCO3は、炭酸水素ナトリウムを意味する。
NaIは、ヨウ化ナトリウムを意味する。
NaOHは、水酸化ナトリウムを意味する。
Na2SO3は、チオ硫酸ナトリウムを意味する。
Na2SO4は、硫酸ナトリウムを意味する。
Pd(dppf)Cl2は、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を意味する。
Pd(dppf)Cl2.DCMは、ジクロロメタンとの[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)複合体を意味する。
Pdは、パラジウムを意味する。
Pd(PPh3)2Cl2は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を意味する。
qは、四重線を意味する。
RTは、室温を意味する。
sは、一重線を意味する。
tは、三重線を意味する。
t-BuONaは、ナトリウムtert-ブトキシドを意味する。
TFAは、トリフルオロ酢酸を意味する。
XPhosは、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニルを意味する。
XPhos Pd G3は、第3世代(G3)Buchwald前触媒を意味する。
【0096】
実施例1:3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(化合物1)
【化16】
1.tert-ブチル4-(4-ブロモ-2-メチルベンジル)-2-メチル-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【化17】
ジオキサン(5mL)中の4-ブロモ-1-(クロロメチル)-2-メチル-ベンゼン(1.0g、4.7mmol)、tert-ブチル2-メチル-3-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート(1.0g、4.7mmol)及びtert-ブトキシドナトリウム(1.4g、14mmol)の溶液を、一晩加熱して還流させた。冷却した反応混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、水(20mL)及びブライン(20mL)で順次洗浄した。洗浄した有機相を、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~100% EtOAc/ヘプタン)により精製して、tert-ブチル4-(4-ブロモ-2-メチルベンジル)-2-メチル-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートを得た(1.1g、収率:58%)。ESI-MS(M+H)
+:397.1.
【0097】
2.tert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【化18】
ジオキサン(6mL)中のtert-ブチル4-(4-ブロモ-2-メチルベンジル)-2-メチル-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレート(1.1g、2.7mmol)、(ビスピナコラート)ジボロン(690mg、2.7mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(191mg、0.27mmol)及び酢酸カリウム(803mg、8.2mmol)の溶液を、一晩加熱して還流させた。冷却した反応混合物を、EtOAc(15mL)で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~100% EtOAc/ヘプタン)により精製し、tert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートを得た(1.1g、収率:86%)。ESI-MS(M+H-t-Bu-ピナコール)
+:307.0.
【0098】
3.tert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【化19】
ジオキサン(2mL)及び水(0.2mL)中のtert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレート(444mg、1.0mmol)、4-クロロピロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(154mg、1.0mmol)、炭酸カリウム(415mg、3.0mmol)、及びPd(dppf)Cl
2・DCM(93mg、0.1mmol)の溶液を、95℃まで16時間加熱した。冷却した反応混合物を、EtOAc(10mL)で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~20% MeOH/DCM)により精製し、tert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートを得た(393mg、収率:90%)。ESI-MS(M+H)
+:436.2.
【0099】
4.3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(実施例BM-1)の合成
【化20】
MeOH(2mL)中のtert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレート(393mg、0.90mmol)の溶液に、HCl溶液(0.9mL、ジオキサン中4M)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。粗物質を真空下で濃縮し、次に進めた。少量を分取HPLC(移動相として0.05% TFA/H
2Oを有するCH
3CN/H
2O)によって精製して、3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(14mg)のTFA塩を得た。ESI-MS(M+H)
+:336.1.
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.78-8.65(m,1H),8.63-8.45(m,1H),8.06-7.86(m,2H),7.83-7.72(m,1H),7.68-7.56(m,1H),7.51-7.32(m,1H),4.81-4.46(m,2H),4.37-4.06(m,1H),3.92-3.41(m,4H),2.51(br s,3H),1.80-1.50(m,3H).
【0100】
実施例2:4-イソブチル-3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(化合物2)の合成
【化21】
DCM(2mL)中の3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(262mg、0.78mmol)、2,2-ジメチルプロパナール(135mg、1.56mmol)、及び酢酸(47mg、0.78mmol)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(331mg、1.56mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をMeOHでクエンチし、粗溶液を分取HPLC(移動相として0.05% TFA/H
2Oを有するCH
3CN/H
2O)によって直接精製して、4-イソブチル-3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オンのTFA塩を得た(45mg、収率:11%)。ESI-MS(M+H)
+:392.2.
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.48(s,1H),8.13-8.03(m,1H),7.98-7.87(m,2H),7.45(d,J=7.8Hz,1H),7.25-7.17(m,1H),7.12(dd,J=4.6Hz,2.6Hz,1H),4.97-4.90(m,1H),4.73(d,J=15.6Hz,1H),4.28-4.13(m,1H),3.93-3.78(m,1H),3.72-3.52(m,3H),3.30-3.19(m,1H),3.12(dd,J=13.1Hz,6.0Hz,1H),2.46(s,3H),2.27-2.09(m,1H),1.75(d,J=7.3Hz,3H),1.10(t,J=6.9Hz,6H).
【0101】
実施例3:4-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(化合物3)の合成
【化22】
DCM(2mL)中の3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(655mg、1.95mmol)、3,3-ジフルオロシクロブタノン(414mg、3.90mmol)、及び酢酸(117mg、1.95mmol)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(827mg、3.90mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をMeOHでクエンチし、粗溶液を分取HPLC(移動相として0.05% TFA/H
2Oを有するCH
3CN/H
2O)によって直接精製して、4-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-3-メチル-1-(2-メチル-4-(ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オンを得た(4mg、収率:1%)。ESI-MS(M+H)
+:426.2.
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.49(s,1H),8.10(s,1H),7.97-7.90(m,2H),7.42(t,J=7.0Hz,1H),7.26(t,J=4.6Hz,1H),7.14(dd,J=4.6Hz,2.6Hz,1H),5.01-4.89(m,2H),4.79-4.61(m,2H),4.47(br d,J=7.5Hz,1H),3.90-3.80(m,1H),3.70-3.59(m,1H),3.45-3.34(m,2H),3.18-3.06(m,1H),3.01-2.85(m,1H),2.83-2.66(m,1H),2.46(s,3H),1.69-1.49(m,3H).
【0102】
実施例4:4-イソブチル-3-メチル-1-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(化合物4)
【化23】
1.tert-ブチル4-(4-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-2-メチルベンジル)-2-メチル-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【化24】
ジオキサン(2mL)及び水(0.2mL)中のtert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレート(191mg、0.43mmol)、6-ブロモ-4-クロロ-ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(200mg、0.86mmol)、Pd(dppf)Cl
2(31mg、0.043mmol)及び炭酸カリウム(178mg、1.29mmol)の溶液を、N
2で脱気し、95℃まで16時間加熱した。冷却した反応混合物を、EtOAc(10mL)で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~100% EtOAc/へプタン)により精製し、tert-ブチル4-(4-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-2-メチルベンジル)-2-メチル-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートを得た(96mg、収率:43%)。ESI-MS(M+H)
+:514.0.
【0103】
2.tert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【化25】
ジオキサン(2mL)及び水(0.2mL)中のtert-ブチル4-(4-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-2-メチルベンジル)-2-メチル-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレート(52mg、0.11mmol)、(1-メチルピラゾール-4-イル)ボロン酸(38mg、0.31mmol)、炭酸カリウム(42mg、0.31mmol)及びXPhos Pd G3(9mg、0.01mmol)の溶液を、N
2で脱気し、95℃まで一晩加熱した。冷却した反応混合物を、EtOAc(10mL)で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~100% EtOAc/ヘプタン)により精製し、tert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレートを得た(12mg、収率:23%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ:85.1-8.47(m,1H),8.05-8.00(m,1H),7.96-7.90(m,2H),7.79-7.76(m,1H),7.68-7.65(m,1H),7.33-7.28(m,1H),7.13-7.08(m,1H),5.00-4.88(m,1H),4.78-4.65(m,1H),4.62-4.50(m,1H),4.10-4.03(m,1H),3.99-3.92(m,3H),3.46-3.34(m,1H),3.31-3.18(m,1H),3.16-3.06(m,1H),2.47-2.41(m,3H),1.55-1.51(m,3H),1.49(s,9H).
【0104】
3.3-メチル-1-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オンの合成
【化26】
MeOH(2mL)中のtert-ブチル2-メチル-4-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)-3-オキソピペラジン-1-カルボキシレート(12mg、0.02mmol)の溶液に、HCl溶液(23μL、ジオキサン中4M)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗製3-メチル-1-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(11mg、粗製物)をさらに精製することなく次に進めた。ESI-MS(M+H)
+:416.3.
【0105】
4.4-イソブチル-3-メチル-1-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(実施例BM-4)の合成
【化27】
DCM(2mL)中の3-メチル-1-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オン(11mg、0.027mmol)の溶液に、2,2-ジメチルプロパナール(4.6mg、0.054mmol)、及び酢酸(1.6mg、0.027mmol)を添加し、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素化ナトリウム(11mg、0.054mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をMeOHでクエンチし、粗溶液を分取HPLC(移動相として0.05% TFA/H
2Oを有するCH
3CN/H
2O)によって直接精製して、4-イソブチル-3-メチル-1-(2-メチル-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)ベンジル)ピペラジン-2-オンを得た(5mg、収率:35%)。ESI-MS(M+H)
+:472.3.
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ:8.59(s,1H),8.27(br s,1H),7.96-7.88(m,3H),7.80(s,1H),7.48(d,J=7.6Hz,1H),7.40(br s,1H),4.87(br d,J=15.3Hz,1H),4.74(d,J=15.3Hz,1H),4.07-4.04(m,1H),4.02(s,3H),3.63(br d,J=11.0Hz,2H),3.44(br s,2H),3.12(br d,J=7.3Hz,1H),2.94(dd,J=12.8Hz,5.5Hz,1H),2.45(s,3H),2.22(br d,J=5.5Hz,1H),1.85(br s,3H),1.19(d,J=6.7Hz,3H),1.13(d,J=6.7Hz,3H).
【0106】
実施例1~4に記載されるのと同様の方法及び手順を使用して、以下の化合物を調製することができる。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0107】
インビトロBTKキナーゼアッセイ:Btk-PolyGAT-LSアッセイ
BTKインビトロアッセイの目的は、IC50の測定を通じてBTKに対する化合物の効力を決定することである。化合物阻害は、活性BTK酵素(Upstate 14-552)、ATP、及び阻害剤の存在下でのフルオレセイン標識ポリGATペプチド(Invitrogen PV3611)のリン酸化量を監視した後に測定される。BTKキナーゼ反応は、黒色96ウェルプレート(costar 3694)で行った。典型的なアッセイのために、キナーゼ緩衝液(10mMのTris-HCl pH7.5、10mMのMgCl2、200μMのNa3PO4、5mMのDTT、0.01%のTriton X-100、及び0.2mg/mlのカゼイン)中のATP/ペプチドマスターミックス(最終濃度、ATP 10μM、ポリGAT 100nM)の24pLのアリコートを各ウェルに添加する。次に、100% DMSO溶媒中の4倍、40倍化合物滴定のI pLを添加し、続いて1倍キナーゼ緩衝液中の15μLのBTK酵素混合物(最終濃度は0.25nM)を添加する。アッセイを30分間インキュベートし、その後、28pLの50mM EDTA溶液で停止させる。キナーゼ反応のアリコート(5uL)を低体積の白色384ウェルプレート(Coming 3674)に移し、5pLの2倍検出緩衝液(4nMのTb-PY20抗体を有するInvitrogen PV3574、Invitrogen PV3552)を添加する。プレートを覆い、室温で45分間インキュベートする。分子デバイスM5上の時間分解蛍光(TRF)(332nm励起、488nm放出、518nmフルオレセイン放出)を測定する。IC50値は、DMSO対照から決定される100%の酵素活性と、EDTA対照からの0%の活性との4つのパラメーターフィットを使用して計算される。
【0108】
表2は、インビトロBtkキナーゼアッセイにおける本発明の選択された例示的な化合物の活性を示し、各化合物番号は、本明細書の実施例1~4に示される化合物番号付けに対応する。「†」は、1μM超かつ10μM以下のIC
50を表す。「††」は、10nM超かつ1μM以下のIC
50(10nM<IC
50≦1μM)を表す。「†††」は、1nM超かつ10nM以下のIC
50(1nM<IC
50≦10nM)を表す。
【表2】
【0109】
インビトロ全血CD69アッセイ
健康ドナーからのヒトヘパリン化静脈血を96ウェルプレートに分取し、DMSO中の式I化合物の連続希釈物で、または薬物なしのDMSOで「スパイク」した。全てのウェルにおけるDMSOの最終濃度は0.1%であった。プレートを37℃で30分間インキュベートした。薬物含有試料を、0.1μg/mLのマウス抗ヒトIgD-デキストラン(1A62)または20μg/mLのポリクローナルウサギF(ab’)2抗ヒトIgDで刺激した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を、陰性対照非刺激試料に添加し、プレートを、37℃で一晩(18~22時間)インキュベートした。細胞を、蛍光色素コンジュゲート抗CD19及び抗CD69抗体で染色した。溶解/固定溶液を使用して、低張溶解によって赤血球を除去し、残りの細胞を固定し、次いでフローサイトメトリーによって分析した。CD19+B細胞をゲート化し、CD69発現について分析した。CD69を発現するB細胞のパーセンテージを、薬物の濃度のlog10に対してプロットし、最良適合曲線(可変Hill傾斜)を生成して、IC50値を得た。
【0110】
化合物1、2、及び4を試験し、全て、IC50≧10μMを有する。
【国際調査報告】