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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】転写調節エレメント
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20230111BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20230111BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20230111BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230111BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20230111BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230111BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230111BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20230111BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12N15/864 100Z
C12N7/01
A61P43/00 111
A61P7/04
A61K35/76
A61K48/00
C12N15/12 ZNA
C12N15/113 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525553
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 GB2020052762
(87)【国際公開番号】W WO2021084277
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】1915953.2
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1915955.7
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1915956.5
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1917925.8
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1917926.6
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1917927.4
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2006250.1
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345464
【氏名又は名称】フリーライン セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】キア、アザデ
(72)【発明者】
【氏名】コルバウ、ロムアルド
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90Y
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA13
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA531
4C084ZA532
4C084ZC021
4C084ZC022
4C087AA01
4C087AA02
4C087CA12
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA53
4C087ZC02
(57)【要約】
本発明は、哺乳類細胞等の細胞内で導入遺伝子を発現させるために使用することができる、プロモーター等の転写調節エレメント(TRE)に関する。更に、本発明は、導入遺伝子と作動可能に連結され得る、このような転写調節エレメントを含むポリヌクレオチド及びベクター、並びにこのようなベクターの使用に基づく遺伝子治療の方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含むか又はからなるコアヌクレオチド配列を含む、転写調節エレメントであって、
a.80~280ヌクレオチド長であり、かつ:
i)配列番号5に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号5の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない;及び/又は
ii)配列番号4に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない;
あるいは
b.80~280ヌクレオチド長であり、かつ前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置し、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を更に含む、転写調節エレメント。
【請求項2】
配列番号29に係るヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性、任意で少なくとも95%の同一性、又は任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる、請求項1に記載の転写調節エレメント。
【請求項3】
請求項1に記載の転写調節エレメントであって、コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を更に含み、任意で、
a.前記コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、1つ以上の転写開始点(TSS)を含み;任意で、前記1つ以上のTTSが、
i.配列番号6、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
ii.配列番号7、若しくは配列番号7と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び/又は
iii.配列番号8、若しくは配列番号8と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
に係るヌクレオチド配列を含むか又はからなる;
並びに/あるいは
b.前記コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
i.配列番号6に係るヌクレオチド配列、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
ii.配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号9と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
iii.配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
を含む;
並びに/あるいは
c.前記コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号11によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号11と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を更に含む;
並びに/あるいは
d.前記コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、50ヌクレオチドよりも短い;任意で40ヌクレオチドよりも短い;任意で30ヌクレオチドよりも短い;
並びに/あるいは
e.前記コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
i.配列番号10に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
ii.配列番号12に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号12と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
iii.配列番号13に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号13と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むか又はからなる、転写調節エレメント。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の転写調節エレメントであって、コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列を更に含み、任意で、
a.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
i.配列番号14の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
ii.配列番号14に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号14と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
iii.配列番号15の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
iv.配列番号15に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号15と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
v.配列番号16の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、又は少なくとも90個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
vi.配列番号16に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号16と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び/あるいは
vii.配列番号17によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号17と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
を含む;
並びに/あるいは
b.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有し;任意で、前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して50%未満の同一性を有し;任意で45%未満の同一性を有し;任意で40%未満の同一性を有し;任意で30%未満の同一性を有する;
並びに/あるいは
c.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、110ヌクレオチドよりも短い;任意で100ヌクレオチドよりも短い;任意で50ヌクレオチドよりも短く;任意で10ヌクレオチドよりも短い;
並びに/あるいは
d.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、5~110ヌクレオチド長である;
並びに/あるいは
e.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、少なくとも7ヌクレオチド長である;
並びに/あるいは
f.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、102ヌクレオチド長以下である;
並びに/あるいは
g.前記コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
i.配列番号18に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号18と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
ii.配列番号19に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号19と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
iii.配列番号20に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号20と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
iv.配列番号21に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号21と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
v.配列番号22に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号22と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
vi.配列番号23に係るヌクレオチド配列、又は配列番号23と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、転写調節エレメント。
【請求項5】
200ヌクレオチドよりも短く;任意で150ヌクレオチドよりも短く;任意で125ヌクレオチドよりも短い、請求項1、3、又は4に記載の転写調節エレメント。
【請求項6】
少なくとも85ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも100ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも110ヌクレオチド長である、請求項1又は3~5のいずれか一項に記載の転写調節エレメント。
【請求項7】
a. acagtgaatc;又は
b. ctcctcagct
から選択される10ヌクレオチド配列で終結する、請求項1又は3~6のいずれか一項に記載の転写調節エレメント。
【請求項8】
a.コアヌクレオチド配列が、73~80ヌクレオチド長である;
及び/又は
b.コアヌクレオチド配列が、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる;
及び/又は
c.コアヌクレオチド配列が、配列番号2と同一である;
及び/又は
b.コアヌクレオチド配列が、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる;
及び/又は
e.コアヌクレオチド配列が、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる;
及び/又は
f.コアヌクレオチド配列が、配列番号3と同一である、請求項1又は3~7のいずれか一項に記載の転写調節エレメント。
【請求項9】
a.配列番号24;
b.配列番号25;
c.配列番号26;
d.配列番号27;
e.配列番号28;及び
f.配列番号29
からなる群から選択されるヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%の同一性、任意で少なくとも95%の同一性、又は任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる、請求項1又は3~7のいずれか一項に記載の転写調節エレメント。
【請求項10】
プロモーターを含み;任意で、エンハンサーを更に含み;任意で、前記プロモーターが肝臓特異的である、請求項1~9のいずれか一項に記載の転写調節エレメント。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の転写調節エレメントを含むポリヌクレオチドであって、前記転写調節エレメントが、導入遺伝子に作動可能に連結されており、任意で、前記導入遺伝子がヒトタンパク質をコードしている、ポリヌクレオチド。
【請求項12】
導入遺伝子を含むベクターの一部であり、任意で、前記導入遺伝子がヒトタンパク質をコードしており、任意で、前記ベクターがAAVベクター等のウイルス粒子である、請求項1~10のいずれか一項に記載の転写調節エレメント。
【請求項13】
請求項11に記載のポリヌクレオチド又は請求項12に記載の転写調節エレメントであって、
a.前記転写調節エレメントが、配列番号1若しくは配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して50%以上多く導入遺伝子を発現させる;
b.前記転写調節エレメントが、配列番号1若しくは配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して80%以上多く導入遺伝子を発現させる;又は
c.前記転写調節エレメントが、配列番号1若しくは配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して100%以上多く導入遺伝子を発現させる;又は
d.転写調節エレメントが、配列番号1若しくは配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して150%以上で導入遺伝子を発現させ;
任意で、前記導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される、ポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【請求項14】
請求項11~13のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド又は転写調節エレメントであって、
a.導入遺伝子が、タンパク質、又は任意でsiRNA、若しくはmiRNA、若しくはsnRNA、若しくはアンチセンスRNAである非翻訳RNAをコードしている;
及び/あるいは
b.導入遺伝子が4kヌクレオチドよりも長く;任意で、前記導入遺伝子が4.2ヌクレオチドよりも長い;
及び/あるいは
c.導入遺伝子が4.5kヌクレオチドよりも短く、任意で、前記導入遺伝子が4.4kヌクレオチドよりも短い;
及び/あるいは
d.導入遺伝子が、FVIIIをコードしており;任意で、前記導入遺伝子が、短縮型又は改変型のFVIIIをコードしており;任意で、前記導入遺伝子が、Bドメイン欠失型FVIIIをコードしている、ポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【請求項15】
(i)請求項1~10のいずれか一項に記載の転写調節エレメントと;(ii)導入遺伝子とを含むヌクレオチド配列を含むベクターであって;任意で、
a.前記ベクターのヌクレオチド配列が、シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列を更に含み;任意で、前記シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列が、50~100ヌクレオチド長であり;任意で、前記シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列が、80ヌクレオチドよりも短い;
及び/あるいは
b.前記ベクターが、AAVベクター等のウイルス粒子である;
及び/あるいは
c.前記転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して50以上多く導入遺伝子を発現させ;任意で、前記導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される;
及び/あるいは
d.前記転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して80以上多く導入遺伝子を発現させ;任意で、前記導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される;
及び/あるいは
e.前記転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して100以上多く導入遺伝子を発現させ;任意で、前記導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される;
及び/あるいは
f.前記転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して150以上多く導入遺伝子を発現させ;任意で、前記導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される;
及び/あるいは
g.前記導入遺伝子が、タンパク質、又は任意でsiRNA、若しくはmiRNA、若しくはsnRNA、若しくはアンチセンスRNAである非翻訳RNAをコードしている;
及び/あるいは
h.前記導入遺伝子が4kヌクレオチドよりも長く;任意で、前記導入遺伝子が4.2ヌクレオチドよりも長い;
及び/あるいは
i.前記導入遺伝子が4.5kヌクレオチドよりも短く、任意で、前記導入遺伝子が4.4kヌクレオチドよりも短い;
及び/あるいは
j.前記導入遺伝子が、FVIIIをコードしており;任意で、前記導入遺伝子が、短縮型又は改変型FVIIIをコードしており;任意で、前記導入遺伝子が、Bドメイン欠失型FVIIIをコードしている;
及び/あるいは
k.前記ベクターのゲノムが4.9kヌクレオチドよりも短く;任意で、前記ベクターのゲノムが4.5kヌクレオチドよりも短い;
及び/あるいは
l.前記ベクターのゲノムが、約4.7kヌクレオチド長である、ベクター。
【請求項16】
治療方法において使用するための請求項15に記載のベクターであって、任意で、前記治療方法が、遺伝子治療の方法及び/又は血友病Aの治療方法であるベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類細胞等の細胞内で導入遺伝子を発現させるために使用することができるプロモーター等の転写調節エレメント(TRE)に関する。更に、本発明は、導入遺伝子と作動可能に連結され得る、このような転写調節エレメントを含むポリヌクレオチド及びベクター、並びにこのようなベクターの使用に基づく遺伝子治療の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターは、その有望な安全性プロファイル及びインビボにおいて多くの組織に形質導入する能力から、遺伝子治療のための大きな潜在力を有している。このようなベクターを用いた初期臨床試験では、毒性がほとんどないし全く持続せず、望ましくない免疫応答が最小限であると共に、治療された患者で長期間発現することを含む、大きな見込みが示されている。
【0003】
しかし、当技術分野で以前から認識されているように(例えば、Chao et al.(2000)Blood,Vol.95(5))、rAAVベクターの特に不利な点は、そのパッケージング能力が限定的であることである。具体的には、野生型(wt)AAVは、約4.6~4.7キロベース(kb)のゲノムを有し、rAAVゲノムがこの長さを大幅に超えると、最適以下の能力及び品質属性を伴う不均一な粒子集団になるというエビデンスがある。このため、より大きな生体分子のための導入遺伝子を含めようとすると、問題が生じることがある:一例として、完全長第VIII因子(FVIII)のcDNAは7kb超であり、これは、大きすぎてrAAVに効率的にパッケージングすることができない。例えば血友病Aの治療において使用するための、中央のBドメインが欠損しているが、その凝固効力を保持している短縮型の第VIII因子(FVIII-SQとして知られている)が以前から知られている(Lind et al.1995.Eur J Biochem 232,19-27)。しかし、この短縮されたBドメイン欠失型の第VIII因子のcDNAでさえ約4.4kbある。
【0004】
短縮型第VIII因子(FVIII)の導入遺伝子をrAAVに組み込もうとする以前の試みの結果、野生型よりも長いAAVゲノムが得られた(Chaoらは、2つのコンストラクトを報告しているが、いずれも野生型よりも長い4.6~4.7kbである)。この問題の一部は、機能的rAAVベクターには、単に導入遺伝子だけでなく、転写調節エレメント(プロモーター/エンハンサー)、逆位末端反復配列(ITR)、及びポリアデニル化配列(polyA)等の多くの他の特徴も必要であるという点にある。これら必要な特徴を全て含めると、ほぼ例外なく、野生型(wt)ゲノムよりも長いrAAVベクタープラスミドが得られた。
【0005】
rAAVベクターと共に使用するための多くの転写調節エレメント(プロモーター/エンハンサー)が知られている。幾つかの公知の転写調節エレメントについては、以下の参照文献においてより詳細に説明されている:WO16/181122(HLP2);Nathwani et al.,Blood.2006 April 1,107(7):2653-2661(LP1);Miao et al.,Mol Ther.2000;1:522-532(HCR-hAAT);Okuyama et al.,Human Gene Therapy,7,637-645(1996)(ApoE-hAAT);及びWang et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.1999 March,96(7):3906-3910(LSP)。このような転写調節エレメントは、一般に、プロモーター、エンハンサー、及び任意で他のヌクレオチドを含む。
【0006】
従って、rAAVベクターゲノムのサイズ(すなわち、長さ)は、少なくとも部分的には、転写調節エレメント、導入遺伝子等のサイズによって決定され、上述のように、これら特徴の性質は、rAAVが使用される用途によって部分的又は完全に決定される。
【0007】
長い導入遺伝子を含む発現カセットの場合を含む、野生型AAVのゲノム長により近いrAAVベクターを作製できることが望ましく、より小さな転写調節エレメントを組み込むことがこの目的の一助となる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、HLP2転写調節エレメント(TRE)に存在するヌクレオチド配列の少なくとも一部が、以下でより詳細に説明する通り欠失、変更、又は短縮されている、公知のHLP2 TREの短かくしたバージョンに関する。本発明の短い転写調節エレメントは、少なくともある程度の機能性を保持しながら、より短いサイズを有しており、更に、以下に詳細に示すような他の驚くべき利点を潜在的に伴っているので、公知のHLP2 TREよりも優れている。
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、公知のHLP2 TRE内の相当数の領域を、TREの効力に著しい悪影響を与えることなく欠失、短縮、又は改変することができると判断した。幾つかの例では、以下に例示する通り、本発明者らは、驚くべきことに、かなり短い長さであるにもかかわらず、HLP2 TREと同等の効力(すなわち、比較により約50%以上の活性)を有するHLP2 TREの短縮バージョン(すなわち、より少ないヌクレオチドを有するより短いバージョン)を作製できることを見出した。幾つかの例では、本発明の短い転写調節エレメントは、HLP2又はHCR-hAAT等の他の公知の転写調節エレメントよりも大きな効力を有する場合もある。
【0010】
具体的には、本発明者らは、HLP2 TREに存在し、本発明の全ての転写調節エレメントに共通する「コア」領域(「コア配列」又は「コアヌクレオチド配列」又は「コンセンサス領域」又は「コンセンサスヌクレオチド配列」として記述することもでき、これら用語は全て同義であるとみなされるべきである)を同定した。以下に詳述する通り、「コア」領域は、単独でもTREとしてある程度の最小限の効力を有し得るが、更なるヌクレオチドを含めることによって(例えば、本明細書で「拡大コア」領域と定義されるものを作製することによって)わずかに延長したとき、効力が驚くほど大幅に増大する。「拡大コア領域」又は「拡大コア配列」又は「拡大コアヌクレオチド配列」又は「拡大コンセンサス領域」又は「拡大コンセンサスヌクレオチド配列」という用語は、同義であるとみなされるべきである。
【0011】
従って、本発明者らは、HLP2 TREと比較して小さなサイズを有する(すなわち、短い)転写調節エレメントを得ることに成功した。転写調節エレメントが短いと、rAAVゲノムの全体的なサイズ(長さ)を小さくすることができるため、有利である。これにより、次に、野生型のゲノム長により近いゲノムを有するので、より効率的にパッケージングされるrAAVベクターを作製することができるようになる。
【0012】
はるかに短い転写調節エレメントを使用することが望ましい場合があり得ること、及び該転写調節エレメントに関する活性レベルがより低いことは、他の方法で、例えば野生型タンパク質に関してより高い活性レベルを有するタンパク質をコードしている導入遺伝子を使用すること等によって補償し得ることは、疑いなく理解されるであろう。このような一例は、例えば国際公開第99/03496号(Staffordら)に開示されている通りの、338位にアルギニンの代わりにロイシンを有する(R338L)公知の「Padua」第IX因子変異体である。
【0013】
従って、HLP2と比較して少なくともある程度の活性を保持していれば、HLP2と比較して短い長さを有する転写調節エレメントが有利であることが理解されるであろう。また、HLP2と比較してより短い長さ及びより高い活性レベルの両方を有する転写調節エレメントは、予想外でありかつ非常に有利であることも理解されるであろう。
【0014】
従って、本発明は、配列番号2に対して少なくとも95%若しくは少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む若しくはからなるか、又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるコアヌクレオチド配列を含む転写調節エレメントであって、80~280ヌクレオチド長であり;任意で80~225ヌクレオチド長である転写調節エレメントを提供する。任意で、ポリヌクレオチド及び/又は転写調節エレメントが、本発明の転写調節エレメント等の転写調節エレメントの全部又は一部を複数コピー含む場合、そのコピーは全て、その長さを求める目的のために転写調節エレメントの一部であるとみなされるべきである。例えば、2コピーの配列番号2のコア領域からなるTREを含むポリヌクレオチドでは、TREは、コアヌクレオチド配列の2倍の長さ(すなわち、2×73又は146ヌクレオチド)を有するとみなされる。
【0015】
更に、本発明者らは、転写調節エレメントのサイズ、ひいてはrAAVゲノムの全体サイズを最小化するために、欠失、短縮、又は改変して本発明の転写調節エレメントを作製することができるHLP2 TREの特定の領域を同定した。
【0016】
従って、本発明は、配列番号2に対して少なくとも95%又は少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む若しくはからなるか、又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるコアヌクレオチド配列を含む転写調節エレメントであって、
a.配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
及び/又は
b.配列番号5に係るヌクレオチド配列を含まず;
80~280ヌクレオチド長であり;任意で80~225ヌクレオチド長である、転写調節エレメントを提供する。
【0017】
あるいは、本発明は、
a.配列番号2に対して少なくとも95%若しくは少なくとも98%の同一性を有するか、又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含む若しくはからなるコアヌクレオチド配列;及び
b.該コアヌクレオチド配列の5’に位置し、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列;
を含み、
80~280ヌクレオチド長であり;任意で80~225ヌクレオチド長である、転写調節エレメントを提供すると定義することもできる。
【0018】
以下に示す通り、80ヌクレオチド前後の転写調節エレメントでさえも、HLP2 TREと比較して驚くべきレベルの効力を示す。しかし、本発明者らは、追加のヌクレオチド配列(複数可)を含めることにより、本発明の転写調節エレメントの効力を高めることができることを見出した。このような転写調節エレメントは、コアヌクレオチド配列に対して5’又は3’のいずれかに、HLP2 TRE又は公知のF2プロモーター/エンハンサー等の他のTREからのヌクレオチド配列を含めることを特徴とし得る。
【0019】
従って、本発明の転写調節エレメントは、コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を更に含んでいてもよい。
【0020】
コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列は、
a.配列番号6、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号7、若しくは配列番号7と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び/又は
a.配列番号8、若しくは配列番号8と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
に係るヌクレオチド配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい、1つ以上の転写開始点(TSS)を含んでいてよい。
【0021】
コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列は、
a.配列番号6に係るヌクレオチド配列、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
b.配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号9と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
c.配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含んでいてよい。
【0022】
コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列は、配列番号11によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号11と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含んでいてもよく、又は更に含んでいてもよい。
【0023】
コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列は、50ヌクレオチドよりも短いヌクレオチド配列を含んでいてよい。該ヌクレオチド配列は、40ヌクレオチドより短くてもよい。該ヌクレオチド配列は、30ヌクレオチドより短くてもよい。
【0024】
コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列は、
a.配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号12に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号12と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
c.配列番号13に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号13と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0025】
本発明の転写調節エレメントは、コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列を更に含んでいてもよい。
【0026】
コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列は、
a.配列番号14の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
b.配列番号14に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号14と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号15の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
d.配列番号15に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号15と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号16の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、又は少なくとも90個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
f.配列番号16に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号16と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
及び/あるいは
g.配列番号17によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号17と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含んでいてよい。
【0027】
コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列は、配列番号30によって規定され得るエンハンサー配列、又は配列番号30と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含んでいてもよい。エンハンサー配列は、反復モチーフとして1回超存在していてもよい。2回、又は3回、又はそれ以上存在していてもよい。エンハンサー配列は、別のエンハンサー配列に直接隣接していてもよい。
【0028】
コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列は、別の転写調節エレメントに由来するヌクレオチド配列を含んでいてもよい。ヌクレオチド配列は、別の転写調節エレメントから少なくとも10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、又は少なくとも80個の連続するヌクレオチドを含んでいてよい。別の転写調節エレメントは、ヒト転写調節エレメントであってよい。別の転写調節エレメントは、F2(プロトロンビン)、α-1-アンチトリプシン、トランスフェリン、AMBP、ハプトグロビン、及びトランスサイレチン(TTR)からなる群から選択され得る。
【0029】
コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列は、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有していてよい。該ヌクレオチド配列は、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して50%未満の同一性を有していてもよい。45%未満の同一性を有していてもよい。40%未満の同一性を有していてもよい。30%未満の同一性を有していてもよい。
【0030】
コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列は、110ヌクレオチドよりも短いヌクレオチド配列を含んでいてもよい。該ヌクレオチド配列は、100ヌクレオチドより短くてもよい。50ヌクレオチドより短くてもよい。10ヌクレオチドより短くてもよい。5~110ヌクレオチド長であってもよい。少なくとも7ヌクレオチド長であってもよい。102ヌクレオチド長以下であってもよい。
【0031】
コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列は、
a.配列番号18に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号18と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号19に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号19と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号20に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号20と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
d.配列番号21に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号21と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号22に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号22と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
f.配列番号23に係る、又は配列番号23と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでいてもよい。
【0032】
本発明の転写調節エレメントは、
a.配列番号4に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない;
及び/又は
a.配列番号5に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号5の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まないことが好ましい。
【0033】
本発明の転写調節エレメントは、具体的には、
a)配列番号4に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列;
及び/又は
b)配列番号5に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列
を含んでいなくてもよい。
【0034】
本発明の転写調節エレメントは、200ヌクレオチドより短くてもよい。150ヌクレオチドより短くてもよい。125ヌクレオチドより短くてもよい。
【0035】
本発明の転写調節エレメントは、少なくとも85ヌクレオチド長又は少なくとも100ヌクレオチド長であってよい。少なくとも110ヌクレオチド長であってもよい。
【0036】
本発明の転写調節エレメントは、
a. acagtgaatc;又は
b. ctcctcagct
から選択される10ヌクレオチド配列で終結し得る。
【0037】
本発明者らが同定した「コア塩基配列」は、73~80ヌクレオチド長であってよい。「コアヌクレオチド配列」は、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有していてよい。「コアヌクレオチド配列」は、配列番号2と同一であってもよい。
【0038】
本発明者らは、「コアヌクレオチド配列」がわずかに長い(「拡大コアヌクレオチド配列」と称する)本発明の転写調節エレメントのサブセットを同定した。「拡大コアヌクレオチド配列」は、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有していてよい。「拡大コアヌクレオチド配列」は、配列番号3と同一であってもよい。
【0039】
本発明者らは、本発明の特に好ましい転写調節エレメントを同定した。以下にこれらを例示し、詳細に論じる。
【0040】
本発明の特に好ましい転写調節エレメントは、
a.配列番号24
b.配列番号25
c.配列番号26
d.配列番号27
e.配列番号28;及び
f.配列番号29
からなる群から選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性、任意で少なくとも95%の同一性、又は任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有していてよい。
【0041】
配列番号24は、以下の実施例で詳述する特性を有する本発明の転写調節エレメント(内部呼称「FRE43」が割り当てられる)を定義する。それは、HLP2のヌクレオチド170~242(配列番号1を参照して本明細書で定義する)の「コアヌクレオチド配列」を含むが、一方、5’セクションは、HLP2のヌクレオチド99~169が欠損しており(従ってHLP2のヌクレオチド118~162が完全に欠損しており)、HLP2のヌクレオチド1~98を含む。3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~335を含む。FRE43の全長は、264ヌクレオチドである。
【0042】
従って、FRE43は、(とりわけ)
・配列番号2によって定義されるコアヌクレオチド配列を含み;
・配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
・コアヌクレオチド配列の5’に位置し、配列番号4に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を含み;
・配列番号9又は配列番号10によって定義され得、配列番号6、7、及び8によって定義される3つのTSSを含むコアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を含み;かつ
・配列番号11を更に含むコアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を含む、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0043】
FRE43の3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~335を含むので、配列番号9を含むと定義することもでき、配列番号10を含むと定義することもできることが理解されるであろう。
【0044】
FRE43はまた、配列番号2によって定義されるコアヌクレオチド配列;配列番号18によって定義される5’領域;及び配列番号12によって定義される3’領域を提供すると定義することもできる。
【0045】
配列番号25は、以下の実施例で詳述する特性を有する本発明の転写調節エレメント(内部呼称「FRE49」が割り当てられる)を定義する。それは、HLP2のヌクレオチド163~242の「拡大コアヌクレオチド配列」を含むが、一方、5’セクションは、HLP2のヌクレオチド1~11及びヌクレオチド42~162が欠損しており(従ってHLP2のヌクレオチド118~162が完全に欠損しており)、HLP2のヌクレオチド12~41を含む。3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~296が欠損しており(従って、HLP2のヌクレオチド243~283が完全に欠損しており)、HLP2のヌクレオチド297~335を含む。FRE49の全長は、149ヌクレオチドである。
【0046】
従って、FRE49は、(とりわけ)
・配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列を含み;
・配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
・配列番号5に係るヌクレオチド配列を含まず;
・コアヌクレオチド配列に対して5’に位置し、配列番号4に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を含み;かつ
・配列番号10によって定義されるコアヌクレオチド配列に対して3’に位置し、配列番号6、7、及び8によって定義される3つのTSSを含むヌクレオチド配列を含む、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0047】
FRE49はまた、配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列;配列番号19によって定義される5’領域;及び配列番号10によって定義される3’領域を提供すると定義することもできる。
【0048】
配列番号26は、以下の実施例で詳述する特性を有する本発明の転写調節エレメント(内部呼称「FRE56」が割り当てられる)を定義する。それは、HLP2のヌクレオチド170~242の「コアヌクレオチド配列」を含むが、一方、5’セクションは、F2 TREに由来するヌクレオチド配列を含む。3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~264、ヌクレオチド273~283、及びヌクレオチド303~335が欠損しており(従って、HLP2のヌクレオチド243~283によって定義されるヌクレオチド配列を含まず)、HLP2のヌクレオチド265~272及び284~302を含む。FRE56の全長は、181ヌクレオチドである。
【0049】
従って、FRE56は、(とりわけ)
・配列番号2によって定義されるコアヌクレオチド配列を含み;
・配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
・配列番号5に係るヌクレオチド配列を含まず;
・コアヌクレオチド配列に対して5’に位置し、配列番号4に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を含み;
・配列番号9によって定義されるコアヌクレオチド配列に対して3’に位置し、配列番号6によって定義されるTSSを含むヌクレオチド配列を含み;かつ
・配列番号11を更に含むコアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を含む、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0050】
FRE56はまた、配列番号2によって定義されるコアヌクレオチド配列;配列番号20によって定義される5’領域;及び配列番号13によって定義される3’領域を提供すると定義することもできる。
【0051】
配列番号27は、以下の実施例で詳述する特性を有する本発明の転写調節エレメント(内部呼称「FRE59」が割り当てられる)を定義する。それは、HLP2のヌクレオチド163~242の「拡大コアヌクレオチド配列」を含むが、一方、5’セクションは、HLP2のヌクレオチド1~11、ヌクレオチド71~92、ヌクレオチド101~105、及びヌクレオチド113~133が欠損しており(従ってHLP2のヌクレオチド118~162によって定義されるヌクレオチド配列を含まず)、HLP2のヌクレオチド12~33を含む。FRE59の5’セクションはまた、HLP2のヌクレオチド170~242に少なくとも部分的に対応するヌクレオチド配列(すなわち、「コア領域」に対応するヌクレオチド配列)を含む:FRE59配列(配列番号27)のヌクレオチド23~95は、コア領域(配列番号2)のヌクレオチド1~73と同一である。3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~264、ヌクレオチド273~283、及びヌクレオチド303~335が欠損しており(従って、HLP2のヌクレオチド243~283によって定義されるヌクレオチド配列を含まず)、HLP2のヌクレオチド265~272及び284~302を含む。FRE59の全長は、202ヌクレオチドである。
【0052】
従って、FRE59は、(とりわけ)
・配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列を含み;
・配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
・配列番号5に係るヌクレオチド配列を含まず;
・コアヌクレオチド配列に対して5’に位置し、配列番号4に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を含み;
・配列番号9によって定義されるコアヌクレオチド配列に対して3’に位置し、配列番号6によって定義されるTSSを含むヌクレオチド配列を含み;かつ
・配列番号11を更に含むコアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を含む、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0053】
FRE59はまた、配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列;配列番号21によって定義される5’領域;及び配列番号13によって定義される3’領域を提供すると定義することもできる。5’領域は、コア領域(すなわち配列番号2)に係るヌクレオチド配列を含むものとして更に定義することもできる。
【0054】
配列番号28は、以下の実施例で詳述する特性を有する本発明の転写調節エレメント(内部呼称「FRE63」が割り当てられる)を定義する。それは、HLP2のヌクレオチド163~242の「拡大コアヌクレオチド配列」を含むが、一方、5’セクションは、HLP2のヌクレオチド1~11、ヌクレオチド36~72、ヌクレオチド99~104、及びヌクレオチド121~125が欠損しており(従ってHLP2のヌクレオチド118~162によって定義されるヌクレオチド配列を含まず)、HLP2のヌクレオチド12~33を含む。FRE63の5’セクションはまた、HLP2のヌクレオチド170~242に少なくとも部分的に対応するヌクレオチド配列(すなわち、「コア領域」に対応するヌクレオチド配列)を含む:配列比較(示さない)によって、FRE63配列(配列番号28)のヌクレオチド29~100は、コア領域(配列番号2)のヌクレオチド2~73と同一であることが立証される。3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~264、ヌクレオチド273~283、及びヌクレオチド303~335が欠損しており(従って、HLP2のヌクレオチド243~283によって定義されるヌクレオチド配列を含まず)、HLP2のヌクレオチド265~272及び284~302を含む。FRE63の全長は、207ヌクレオチドである。
【0055】
従って、FRE63は、(とりわけ)
・配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列を含み;
・配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
・配列番号5に係るヌクレオチド配列を含まず;
・コアヌクレオチド配列に対して5’に位置し、配列番号4に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を含み;
・配列番号9によって定義されるコアヌクレオチド配列に対して3’に位置し、配列番号6によって定義されるTSSを含むヌクレオチド配列を含み;かつ
・配列番号11を更に含むコアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を含む、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0056】
FRE63はまた、配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列;配列番号22によって定義される5’領域;及び配列番号13によって定義される3’領域を提供すると定義することもできる。5’領域は、コア領域(すなわち配列番号2)の部分配列(ヌクレオチド2~73)を含むものとして更に定義することもできる。
【0057】
配列番号29は、以下の実施例で詳述する特性を有する本発明の転写調節エレメント(内部呼称「FRE72」が割り当てられる)を定義する。それは、HLP2のヌクレオチド163~242の「拡大コアヌクレオチド配列」を含むが、一方、5’セクションは、HLP2のヌクレオチド1~162が欠損している(従って、HLP2のヌクレオチド118~162が完全に欠損している)。従って、FRE72は、5’セクションを有しないものとして(すなわち、「拡大コアヌクレオチド配列」に対して5’にあるヌクレオチド配列を有しないものとして)定義することができる。あるいは、FRE72が代わりにHLP2のヌクレオチド170~242のコアヌクレオチド配列を有すると考えられる場合、HLP2のヌクレオチド163~169からなる5’セクションを有すると考えることもできる。3’セクションは、HLP2のヌクレオチド243~296が欠損しており(従って、HLP2のヌクレオチド243~283が完全に欠損しており)、HLP2のヌクレオチド297~335を含む。FRE72の全長は、119ヌクレオチドである。
【0058】
従って、FRE72は、(とりわけ)
・配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列を含み;
・配列番号4に係るヌクレオチド配列を含まず;
・配列番号5に係るヌクレオチド配列を含まず;
・コアヌクレオチド配列に対して5’に位置し、配列番号4に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列を含む;かつ
・配列番号10によって定義されるコアヌクレオチド配列に対して3’に位置し、配列番号6、7、及び8によって定義される3つのTSSを含むヌクレオチド配列を含む、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0059】
FRE72はまた、配列番号2によって定義されるコアヌクレオチド配列;配列番号23によって定義される5’領域;及び配列番号10によって定義される3’領域を提供すると定義することもできる。
【0060】
あるいは、FRE72は、配列番号3によって定義される拡大コアヌクレオチド配列;及び配列番号10によって定義される3’領域を提供するものと定義することもできる。
【0061】
上記に照らして、本発明の転写調節エレメントが配列番号3によって定義される「拡大コア」配列を含む場合、5’領域(1つ存在する場合)は、配列番号2によって定義される「コアヌクレオチド配列」の少なくとも60個、少なくとも70個、又は少なくとも71個、又は72個のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列を含み得ることが理解されるであろう。
【0062】
従って、本発明は、
(a)配列番号3に対して少なくとも95%又は少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる「拡大コア」配列;及び
(b)配列番号2に対して少なくとも95%又は少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、拡大コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列;
を含み、80~280ヌクレオチド長である、本発明の転写調節エレメントを提供する。
【0063】
5’領域は、上記の他のエレメント(例えば、配列番号14の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列等)を含んでいてもよい。
【0064】
転写調節エレメントは、上記で定義した通りの3’領域を更に含んでいてもよい。
【0065】
本願の教示全体に基づいて、当業者であれば、本発明の1つ以上の更なる転写調節エレメントを得るために、様々な上記で定義した転写調節エレメントのうちのいずれか1つ以上からの個々のエレメントを組み合わせてもよいことを理解することが十分に想定される。
【0066】
従って、本発明は、配列番号1によって定義されるヌクレオチド配列に係る又は由来する転写調節エレメント(HLP2 TRE)であって、
(a)
(i)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド170~242;
又は
(ii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド163~242;
に対して少なくとも95%又は少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなるコアヌクレオチド配列、
(b)コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列に対する1つ以上の欠失であって、
(i)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド1~11;及び/又は
(ii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド36~72;及び/又は
(iii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド71~92;及び/又は
(iv)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド99~104;及び/又は
(v)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド101~105;及び/又は
(vi)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド121~125;及び/又は
(vii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド42~162;及び/又は
(viii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド113~133;及び/又は
(ix)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド1~162;
から選択される欠失、
(c)任意で、コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列に対する1つ以上の欠失であって、
(i)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド243~296;及び/又は
(ii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド243~264;及び/又は
(iii)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド273~283;及び/又は
(iv)配列番号1に従って付番されたヌクレオチド303~335;
から選択される欠失
を含み、80~280ヌクレオチド長である転写調節エレメントを提供する。
【0067】
別の実施形態では、本発明は、配列番号1によって定義されるヌクレオチド配列に係る又は由来する転写調節エレメント(HLP2 TRE)であって、配列番号1に従って付番されたヌクレオチド170~242又はヌクレオチド163~242に対して少なくとも95%又は少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなるコアヌクレオチド配列を含み、配列番号1のヌクレオチド1~162によって定義されるヌクレオチド配列からの1つ以上の欠失を有する転写調節エレメントを提供する。
【0068】
1つ以上の欠失は、配列番号1のヌクレオチド1~162によって定義されるヌクレオチド配列の5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、105個、110個、115個、120個、125個、130個、135個、140個、145個、150個、155個、160個、又は162個の連続するヌクレオチドからであってよい。
【0069】
転写調節エレメントは、配列番号1に従って付番されたヌクレオチド243~335によって定義されるヌクレオチド配列からの1つ以上の欠失を更に含んでいてもよい。
【0070】
1つ以上の欠失は、配列番号1のヌクレオチド243~335によって定義されるヌクレオチド配列の5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、又は90個の連続するヌクレオチドからであってよい。
【0071】
1つ以上の欠失は、配列番号1のヌクレオチド243~283によって定義されるヌクレオチド配列の5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、又は90個の連続するヌクレオチドからであってよい。
【0072】
1つ以上の欠失は、配列番号1のヌクレオチド243~296によって定義されるヌクレオチド配列の5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、又は90個の連続するヌクレオチドからであってよい。
【0073】
1つ以上の欠失は、配列番号1のヌクレオチド303~335によって定義されるヌクレオチド配列の5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、又は90個の連続するヌクレオチドからであってよい。
【0074】
配列番号1によって定義されるヌクレオチド配列に係る又は由来する転写調節エレメント(HLP2 TRE)は、上記で定義した通り5’及び/又は3’領域を含み得る。
【0075】
本発明の転写調節エレメントは、プロモーターを含んでいてもよく、プロモーターであってもよい。プロモーターは、肝臓特異的プロモーターであってもよく、及び/又はエンハンサーを更に含んでいてもよい。任意で、転写調節エレメントは、肝臓特異的である。幾つかの実施形態では、転写調節エレメント又はプロモーターは、少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞と比べて肝臓細胞においてより高レベルでタンパク質発現を促進する場合、肝臓特異的である。
【0076】
任意で、転写調節エレメント又はプロモーターは、少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞と比べて肝臓細胞においてより高いレベルでタンパク質発現を促進し、かつ少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞では、転写調節エレメント又はプロモーターが肝臓細胞においてタンパク質発現を促進するレベルの40%未満、30%未満、25%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満のレベルで転写調節エレメント又はプロモーターがタンパク質発現を促進する場合、肝臓特異的である。
【0077】
任意で、少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞は、腎臓細胞、膵臓細胞、乳腺細胞、神経芽腫細胞、肺細胞、及び初期B細胞のうちの少なくとも1つである。任意で、少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞は、腎臓細胞、膵臓細胞、乳腺細胞、神経芽腫細胞、肺細胞、及び初期B細胞である。任意で、少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞は、HEK293T細胞、PANC1細胞、BxPC-3細胞、MCF7細胞、1643細胞、MRC-9細胞、及び697細胞のうちの少なくとも1つである。任意で、少なくとも1つの他の器官又は組織からの細胞は、HEK293T細胞、PANC1細胞、BxPC-3細胞、MCF7細胞、1643細胞、MRC-9細胞、及び697細胞である。
【0078】
任意で、転写調節エレメント又はプロモーターが肝臓特異的であるか否かは、導入遺伝子に作動可能に連結された転写調節エレメント又はプロモーターを含むベクターをHuh7細胞及び比較対象細胞に形質導入し、導入遺伝子を発現するHuh7細胞の数を導入遺伝子を発現する比較対象細胞の数と比較することによって判定することができる。比較対象細胞は、非肝臓細胞であってよい。例えば、転写調節エレメント又はプロモーターが、乳腺細胞と比べて肝臓細胞においてより高レベルで発現を促進するかどうかをユーザが判定したい場合、ユーザは、Huh7細胞及びMCF7細胞等の乳腺細胞である比較対象細胞に形質導入してよい。導入遺伝子を発現するHuh7細胞の数が、導入遺伝子を発現する比較対象細胞の数よりも有意に多い場合、そのプロモーター又は転写調節エレメントは肝臓特異的である。
【0079】
導入遺伝子はGFPであってもよく、その場合、ユーザは、蛍光顕微鏡を用いて導入遺伝子を発現する細胞の数(例えば、Huh7細胞の数又は比較対象細胞の数)を求め、緑色の蛍光を発する細胞の数をカウントしてよい。
【0080】
本発明は更に、本発明の転写調節エレメント又はプロモーターを含むポリヌクレオチド配列であって、該転写調節エレメント又はプロモーターが導入遺伝子に作動可能に連結されており、任意で、該導入遺伝子がヒトタンパク質をコードしているポリヌクレオチド配列を提供する。
【0081】
本発明の転写調節エレメント又はプロモーターは、導入遺伝子を含むベクターの一部であってもよい。ベクターは、AAVベクター又は組換えAAV(rAAV)ベクター等のウイルス粒子であってもよい。
【0082】
導入遺伝子は、タンパク質又は例えば、siRNA、若しくはmiRNA、若しくはsnRNA、若しくはアンチセンスRNA等であってよい非翻訳RNAをコードしていてよい。導入遺伝子は、4,000(4k)ヌクレオチド又は4,000塩基対(4kbp)より長くてもよい。導入遺伝子は、4.2kヌクレオチドより長くてもよい。導入遺伝子は、4.4kヌクレオチドより短くてもよい。
【0083】
一実施形態では、導入遺伝子は、凝固因子、例えば、第VIII因子(本明細書の他の箇所で論じた通り短縮型FVIIIであってもよい)又は第IX因子をコードしている。あるいは、導入遺伝子は、酵素をコードしていてもよく、それは、α-ガラクトシダーゼA又はβ-グルコセレブロシダーゼ(GBA)等のリソソーム酵素であってよい。
【0084】
本発明の転写調節エレメント又はプロモーター、並びにこのようなエレメント又はプロモーターを含むポリヌクレオチド及びそれらを含むベクターは、HLP2 TRE(配列番号1によって定義)又はHCR-hAAT TRE(配列番号33によって定義)と比較して50%以上多く、それが作動可能に連結されている導入遺伝子を発現し得る。
【0085】
HLP2 TRE(配列番号1によって定義)又はHCR-hAAT TRE(配列番号33によって定義)と比較して80%以上多く、それが作動可能に連結されている導入遺伝子を発現し得る。
【0086】
本発明者らは、驚くべきことに、HLP2 TREの機能を保持している短縮された(多くの場合著しく短縮された)バージョンを作製することができるだけでなく、本発明の短縮型転写調節エレメントが、実際、HLP2 TRE又はHCR-hAAT TREと比較してより優れた効果を有し得ることを見出した。
【0087】
従って、本発明の転写調節エレメント又はプロモーター、並びにこのような因子又はプロモーターを含むポリヌクレオチド及びそれらを含むベクターは、HLP2 TRE(配列番号1によって定義)又はHCR-hAAT TRE(配列番号33によって定義)と比較して100%以上、110%以上、120%以上、140%以上、又は150%以上多く、それが作動可能に連結されている導入遺伝子を発現し得る。
【0088】
当業者であれば、本発明の転写調節エレメントの制御下で発現した導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルを、インビトロ又はインビボ系においてHLP2 TRE又はHCR-hAAT TREの制御下で発現した導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルと比較することにより、本発明の転写調節エレメントを用いた導入遺伝子の発現をHLP2 TRE(配列番号1)又はHCR-hAAT TRE(配列番号33)と比較することができる。
【0089】
例えば、発現した導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルを比較するためのインビトロ試験(実施例2に記載するもの等)において、当業者は、導入遺伝子に作動可能に連結している本発明のTREを含むベクターを宿主細胞(試験細胞)に、そして、導入遺伝子に作動可能に連結しているHLP2又はHCR-hAATを含むベクターを幾つかの細胞(参照細胞)に形質導入することができる。導入遺伝子を発現させるのに好適な条件下で細胞を培養してよく、試験細胞及び参照細胞で発現した導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルを比較することができる。好適な宿主細胞としては、培養ヒト肝臓細胞、例えばHuh7細胞等が挙げられる。ポリペプチドのレベルは、ルシフェラーゼアッセイを使用してトランスフェクトされた細胞数を反映するように正規化しなければならない。ルシフェラーゼアッセイでは、ルシフェラーゼ導入遺伝子を含む等価なベクター(プロモーター及び導入遺伝子以外は同一)を用いて試験細胞及び参照細胞をトランスフェクトすると、該ベクターによってトランスフェクトされた細胞の割合は、ルシフェラーゼ導入遺伝子を含むベクターから発現したルシフェラーゼによって生じた蛍光シグナルと比例する。
【0090】
同様に、インビボ系で発現した導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルを比較するために、当業者は、導入遺伝子に作動可能に連結している本発明のTREを含むウイルス粒子を数頭のマウス(C57BL/6マウス等)(試験マウス)に、そして、導入遺伝子に作動可能に連結しているHLP2又はHCR-hAATを含むウイルス粒子を数頭の等価なマウス(参照マウス)に注射することができる。マウスを選別し、試験マウスの血液中の導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルを、参照マウスの血液中の導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルと比較してよい。導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルは、肝臓細胞あたりのベクターゲノムの数に対して正規化してよい。
【0091】
導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルは、ELISAを用いて評価することができる。ELISAアッセイの一例では、導入遺伝子によってコードされているポリペプチドに結合する抗体をプレートに結合させてよい。導入遺伝子によってコードされているポリペプチドを未知の濃度で含むサンプルを、プレート上を通過させてよい。導入遺伝子によってコードされているポリペプチドに結合する第2の検出抗体をプレートに適用し、任意の過剰の検出抗体を洗い落としてよい。残った(すなわち、洗い落とされなかった)検出抗体は、導入遺伝子によってコードされているポリペプチドと結合する。検出抗体は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素に連結させていてもよい。検出抗体の量を測定することによって、プレート上の導入遺伝子によってコードされているポリペプチドに結合する検出抗体のレベルを測定することができる。例えば、検出抗体をセイヨウワサビペルオキシダーゼに連結させた場合、セイヨウワサビペルオキシダーゼは、TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)等の基質からの青色の反応生成物の生成を触媒することができ、該青色の生成物のレベルは、450nmにおける吸光度によって検出することができる。青色生成物のレベルは、洗浄工程後に残った検出抗体の量に比例し、これは、サンプル中の導入遺伝子によってコードされているポリペプチドの量に比例する。あるいは、例えば精製タンパク質を用いる場合、導入遺伝子によってコードされているポリペプチドの量又は濃度を分光光度的に測定してもよい。
【0092】
例えば、好適なELISAアッセイキットは、実施例で用いるHYPHEN BioMed製のBIOPHEN FVIII:Cアッセイ(Ref:221406)である。導入遺伝子が第VIII因子活性を有するポリペプチドをコードしている場合、BIOPHEN FVIII:Cアッセイを用いて第VIII因子活性を有するポリペプチドのレベルを測定することができる。
【0093】
あるいは、当業者は、導入遺伝子によってコードされている発現したポリペプチドの活性を求めることによって、導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルを評価することもできる。
【0094】
例えば、導入遺伝子が第VIII因子活性を有するポリペプチドをコードしている場合、導入遺伝子によってコードされているポリペプチドのレベルは、補因子活性を測定する発色アッセイ等の発色アッセイを用いて求めることができる。例えば、好適な発色アッセイは、以下の通りである。導入遺伝子によってコードされているポリペプチドを、ヒト第X因子ポリペプチド及び第IXa因子ポリペプチド、トロンビン、リン脂質、並びにカルシウムと混合する。トロンビンは、導入遺伝子によってコードされているポリペプチド(第VIII因子ポリペプチド等、第VIII因子活性を有する)を活性化して、第VIIIa因子ポリペプチドを形成する。トロンビンによって活性化された第VIII因子活性を有するポリペプチドは、第IXa因子ポリペプチド、リン脂質、及びカルシウムと酵素複合体を形成し、この酵素複合体は、第X因子ポリペプチドから第Xa因子ポリペプチドへの変換を触媒することができる。第Xa因子ポリペプチドの活性は、発色基質(例えば、SXa-11)の切断を触媒して、pNAを生成させることができる。生成されたpNAのレベルは、405nmにおける発色(例えば、吸光度により測定)を求めることによって測定することができる。第X因子ポリペプチド、従って第Xa因子ポリペプチドは、過剰に提供される。従って、律速因子は、第VIIIa因子ポリペプチドとなる。従って、生成されるpNAのレベルは、サンプル中の第VIII因子活性を有するポリペプチドによって生成される第Xa因子ポリペプチドの量に比例し、これは、サンプル中の第VIII因子活性を有するポリペプチドの活性に比例する。サンプル中の第VIII因子活性を有するポリペプチドの活性は、サンプル中の第VIII因子活性を有するポリペプチドの補因子活性の指標である。
【0095】
例えば、好適な発色アッセイは、実施例で用いるHYPHEN BioMed製のBIOPHEN FVIII:Cアッセイ(Ref:221406)である。第VIII因子活性を有するポリペプチドの活性は、BIOPHEN FVIII:Cアッセイを用いて測定することができる。
【0096】
比較に用いられる導入遺伝子は、第VIII因子をコードしていてよく、具体的には、当技術分野で周知のBドメインが欠失している短くした第VIII因子(「SO」)等の短縮型又は改変型第VIII因子をコードしていてよい。
【0097】
また、本発明は、(i)本発明の転写調節エレメントと;(ii)本明細書で定義する導入遺伝子とを含むヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。
【0098】
ベクターのヌクレオチド配列は、シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列を更に含んでいてもよい。シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列は、50~100ヌクレオチド長であってよい。シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列は、80ヌクレオチドより短くてもよい。
【0099】
ベクターは、AAVベクター又は組換えAAV(rAAV)ベクター等のウイルス粒子であってもよい。
【0100】
本発明はまた、治療方法において使用するためのAAV又はrAAVベクターであって、任意で、該治療方法が遺伝子治療方法であるベクターを提供する。治療方法又は遺伝子治療方法は、血友病Aの治療であってよい。
【0101】
本発明はまた、有効量のAAV又はrAAVを投与することを含む治療方法であって、任意で、該治療方法が、遺伝子治療方法及び/又は血友病Aの治療方法である方法を提供する。
【0102】
本発明はまた、治療方法におけるAAV又はrAAVの使用であって、任意で、該治療方法が、遺伝子治療の方法及び/又は血友病Aの治療方法である使用を提供する。
【0103】
「遺伝子治療」は、導入遺伝子(第IX因子ヌクレオチド配列等)を発現することができる本発明のベクターを、それが投与される宿主に投与することを含む。
【0104】
任意で、治療方法は、血友病(例えば、血友病A又はB)又はフォン・ヴィルブランド病等の凝固障害を治療する方法である。好ましくは、凝固障害は、出血の増加及び/又は凝固の減少を特徴とする。任意で、治療方法は、血友病、例えば血友病Aの治療方法である。幾つかの実施形態では、治療方法は、本発明のベクターを患者に投与することを含む。任意で、患者は、血友病Aに罹患している患者である。任意で、患者は、第IX因子に対する抗体又は阻害因子を有している。任意で、ベクターは静脈内に投与される。任意で、ベクターは、患者に1回だけ投与(すなわち、単回投与)するためのものである。
【0105】
上記方法において血友病Aを「治療」する場合、これは、血友病の1つ以上の症状が寛解することを意味する。血友病の症状が完全に改善され、その結果、患者においてもはや症状が存在しなくなることを意味するものではないが、幾つかの方法では、そのような場合もある。治療方法により、血友病Aの症状のうちの1つ以上の重症度が治療前よりも低くなり得る。任意で、投与前の状況に対して、治療方法は、患者の血液中の循環第VIII因子の量/濃度、及び/又は患者の所与の体積の血液内で検出可能な第VIII因子活性の全体レベル、及び/又は患者の血液中の第VIII因子の比活性(第IX因子タンパク質の量あたりの活性)を増加させる。
【0106】
「治療上有効な量」とは、例えば、(血友病Bの症状を寛解させるのに十分なレベルの機能的第VIII因子が生成されるように)被験体における機能的第IX因子のレベルを上昇させる等の所望の治療結果を達成するために必要な投与量及び期間において有効な量を指す。
【0107】
任意で、患者の体重1kgあたりベクターゲノム1×1011個未満、1×1012個未満、5×1012未満、2×1012個未満、1.5×1012個未満、3×1012個未満、1×1013個未満、2×1013個未満、又は3×1013個未満の用量のベクターが投与される。任意で、投与されるベクター/ウイルス粒子の用量は、被験体が、血友病ではない健常被験体の第VIIII因子活性の10%~90%、20%~80%、30%~70%、25%~50%、20~150%、30~140%、40%~130%、50~120%、60%~110%、又は70~100%の活性で第VIII因子を発現するように選択される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
次に、以下の図面を参照して本発明を非限定的な例によって説明する。
図1】本発明の幾つかの転写調節エレメント(内部呼称FRE43、FRE49、FRE56、FRE59、FRE63、及びFRE72が割り当てられる)の模式図を示し、保持されるHLP2 TREのヌクレオチド領域を示す(陰影領域)。矢印は、コア領域の断片の5’領域への挿入(*)及びヌクレオチド243~283の欠失に続くHLP2のヌクレオチド265~272の挿入(**)を示す。
図2】比較の目的でHLP2 TREに由来する様々な転写調節エレメントのグローバル配列アラインメントを示す。コンセンサス領域又はコア領域の一部を形成するヌクレオチド(すなわち、HLP2のヌクレオチド170~242)を示す(*)。
図3】以下に記載する実験において使用するための全体的な第VIII因子発現カセットの一部としての本発明の転写調節エレメント(TRE)を示す。ループ状逆位末端反復配列(ITR)が、本発明の転写調節エレメント(P)、シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列(SP)、短縮型第VIII因子をコードしているヌクレオチド配列(hFVIII-SQ)、及び合成ポリA配列(SPA)を含むカセットを挟んでいる。発現カセットの全長(L)は、明らかに、様々なエレメントの長さに依存する。
図4】第VIII因子発現カセットにおける本発明の例示された転写調節エレメントを用いて実施した2つの(4A-C i及びii)インビトロ試験の結果を示す。HuH7細胞に、関心対象のTREを含むFVIII-SQコンストラクトをトランスフェクトした。トランスフェクション後3日目に、培養上清中のFVIII活性のレベルを分析した。4A)i)及び4A)ii)は、FVIIIレベル(%FVIII:C、後述のFVIII発色活性アッセイを用いて決定)を示し;4B)i)及び4B)ii)は、対応するトランスフェクトされたウェルからのルシフェラーゼ活性レベルを示し;4C)i)及び4C)ii)は、ルシフェラーゼ発現レベルに対して正規化した4A)i)及び4A)ii)からのFVIIIレベルを示し;それにより、転写調節エレメントの相対効力を示す。比較の目的でHLP2を提供する。棒グラフは、トリプリケートの実験からの平均値を表す。RLU=相対発光単位。
図5】第VIII因子発現カセットにおける本発明の例示された転写調節エレメントを用いて実施したインビボ試験の結果を示す。6~8週齢の雄C57BL/6マウスに2×1012vg/kgのウイルスベクターを静脈内注射した。コンストラクトあたり6頭のマウスに注射した。注射後28日目にマウスを選別し、クエン酸抗凝固剤中に血液を収集した。血液及びマウス肝臓を分析のために提供した。血液は、FVIII分析を実行するために使用した、一方、肝生検は、ベクターゲノムを算出するために使用した。5A)i)、5A)ii)、5A)iii)、及び5A)iv)は、第VIII因子の抗原レベル(後述のFVIIIサンドイッチELISA抗原アッセイを用いて決定)を示し;5B)i)、5B)ii)、5B)iii)、及び5B)iv)は、肝臓細胞当たりの推定ベクターゲノム数を示し;5C)i)、5C)ii)、5C)iii)、及び5C)iv)は、細胞あたりのベクターゲノムに対して正規化したFVIII抗原レベルを示し;それにより、転写調節エレメントの相対効力を示す。棒グラフは、平均値(n=6)を表す。
図6】FRE72のプロモーター忠実度に関するインビトロ試験の結果を示す。FRE72のプロモーター忠実度を、様々な異なる組織からの細胞株で評価した;Huh7:肝臓。HEK293T:腎臓。PANC1:膵臓。BxPC-3:膵臓。MCF7:乳腺。1643:神経芽腫。MRC-9:肺。697:初期B細胞。1×10のMOIで対照ベクターAAVS3.CAG.GFP若しくはAAVS3.FRE72.GFPを細胞に形質導入した、又は未処理とした。図6は、各細胞型につき3つの列を示す;各細胞型の左側の列(灰色)は、AAVS3.FRE72.GFPを形質導入した細胞に関し;各細胞型の中央の列(黒色)は、対照ベクターを形質導入した細胞に関し;各細胞型の右側の列(白色)は、未処理の細胞に関する。HEK293T及びMCF-7細胞では、左側(「灰色」)の列が小さすぎて、図6では見えず;同様に、HEK293T、1643、及び697細胞では、右側(「白」)の列が小さすぎて、図6では見えない。
図7】FRE72プロモーターの寿命延長を確認するために実施したインビボ試験の結果を示す。FRE72プロモーターの転写制御下にあるFVIII-SQ導入遺伝子を含むAAV8コンストラクトを調製し、野生型マウスに投与した。尾部採血により(注射後31日目、56日目、104日目)、そして、最後は心臓穿刺を介して(注射後230日目)血液サンプルを採取した。各サンプル中のFVIII抗原量を測定し、データ点をグラフに示す。棒グラフは中央値を表す。
図8】Huh7細胞にプラスミドをトランスフェクションした後のヒトタンパク質の発現を比較したインビトロ試験の結果を示す。プラスミドは、FRE72プロモーター、又は公知のHCR-hAAT若しくはHLP2プロモーターのいずれかを使用した。トランスフェクション後3日目に培養上清中のタンパク質のレベルを、ELISAを用いて測定した。トランスフェクション効率を正規化するために、CMV-ルシフェラーゼ対照プラスミドをコトランスフェクションベクターとして使用した。図8Aは、ルシフェラーゼ補正前の結果を示し、図8Bは、ルシフェラーゼ補正後の結果を示す。棒グラフは中央値を表す。
【発明を実施するための形態】
【0109】
一般的定義
特に定義しない限り、本明細書で使用されるの技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0110】
一般に、「含む」という用語は、含むがそれには限定されないことを意味することを意図する。例えば、「コアヌクレオチド配列を含む転写調節エレメント」という語句は、転写調節エレメントが少なくともコアヌクレオチド配列を有するが、追加のヌクレオチド配列等の更なる構成要素を含んでいてもよいことを意味すると解釈されるべきである。
【0111】
本発明の幾つかの実施形態では、単語「含む」は、語句「からなる」又は語句「から本質的になる」に置き換えられる。「からなる」という用語は、限定的であることを意図する。例えば、「配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列からなるコアヌクレオチド配列」という語句は、コアヌクレオチド配列が配列番号2を参照して定義され、それ以上何も含まないことを意味すると理解されるべきである。同様に、「配列番号2から本質的になるコアヌクレオチド配列」という語句は、コアヌクレオチド配列が、転写調節エレメントの機能に実質的に影響を与える追加のヌクレオチド配列を含まないことを意味すると理解されるべきである。
【0112】
本発明の目的で、2つの配列(2つのポリヌクレオチド配列等)の同一性パーセントを求めるために、最適な比較目的のための配列のアラインメントをとる(例えば、第2の配列と最適なアラインメントをとるために第1の配列にギャップを導入してもよい)。次いで、各位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列におけるある位置が第2の配列における対応する位置と同じヌクレオチドで占められている場合、その位置のヌクレオチドは同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、配列によって共有されている同一位置の数の関数である(すなわち、同一性パーセント=同一位置の数/参照配列における位置の総数×100)。
【0113】
通常、配列比較は、参照配列の全長に対して行われる。例えば、所与の(「試験」)配列が配列番号1に対して95%同一であるかどうかをユーザが判定したい場合、その例では配列番号1が参照配列となる。ヌクレオチド配列が配列番号1(参照配列の一例)に対して少なくとも80%同一であるかどうかを評価するために、当業者は配列番号1の全長に対してアライメントを実施し、試験配列中の何箇所が配列番号1と同一であるかを特定する。位置の少なくとも80%が同一である場合、試験配列は配列番号1に対して少なくとも80%同一である。配列が配列番号1よりも短い場合、ギャップ又は欠損位置は非同一位置であるとみなされるべきである。
【0114】
誤解を避けるため、「少なくとも80%の同一性」、「少なくとも90%の同一性」、「少なくとも95%の同一性」、及び/又は「少なくとも98%の同一性」に対する言及は全て、暗に100%の同一性を含むと読み取られるべきであることが理解されるであろう。
【0115】
当業者は、2つの配列間の相同性又は同一性を求めるために利用可能な様々なコンピュータプログラムを認識している。例えば、配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを用いて行うことができる。実施形態では、2つのアミノ酸又は核酸の配列間の同一性パーセントは、Blosum 62マトリクス又はPAM250マトリクスのいずれか、及び16、14、12、10、8、6、又は4のギャップ重み、及び1、2、3、4、5、又は6の長さ重みを用いて、Accelrys GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラム(http://www.accelrys.com/products/gcg/で入手可能)に組み込まれているNeedleman and Wunsch(1970)アルゴリズムを用いて求められる。
【0116】
「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、及び「ポリヌクレオチド配列」という用語は、互いに同義であることを意図しており、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)を含む核酸、オリゴヌクレオチドの全ての形態を指す。核酸には、天然の、合成の、及び改変又は変更されたポリヌクレオチドが含まれる。「ヌクレオチド配列」という用語は、任意の長さのヌクレオチドの重合形態を指す。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、又はこれらのアナログであってもよい。
【0117】
「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、又は「ポリヌクレオチド配列」がある長さを有すると称される場合、これは一般に、例えば4,000(又は4k)ヌクレオチド等の所与の数のヌクレオチドを指す。あるいは、ヌクレオチド配列の長さは、所与の数の塩基対(bp)(例えば、118bp)として定義することもできる。「塩基対」という用語は、一般に、二本鎖のヌクレオチドを指すことが理解される。しかし、当技術分野では、例えばその相補鎖と並べたときにそれが有する塩基対の数によって一本鎖(ss)核酸に言及することも珍しくはない。従って、塩基対による長さへの単なる言及は、ヌクレオチドをその二本鎖形態に限定するものと解釈されるべきではなく、本出願の目的のために、「4k bp」及び「4kヌクレオチド」という用語は同義であるとみなされるべきである。
【0118】
ある範囲の可能な配列の長さに言及するとき、「~」という用語は、その範囲の端点を含むと理解されるべきである。従って、「80~280ヌクレオチド」に対する言及は、80ヌクレオチド長であるヌクレオチド配列を含み、280ヌクレオチド長であるヌクレオチド配列も含む。同様に、ヌクレオチドの配列、例えば「配列番号1のヌクレオチド303~335によって定義される配列」への言及は、その配列内の列挙されたヌクレオチド303及び335を含むと理解されるべきである。
【0119】
ポリヌクレオチド等の核酸分子は、直鎖状である場合「5’末端」及び「3’プライム末端」を有する。「5’末端」は、その5’リン酸がペントース環の3’酸素に連結されていないことによって定義される。「3’末端」は、その3’酸素がペントース環の5’リン酸に連結されていないことによって定義される。しかし、「5’」及び「3’」という用語は、当技術分野では、核酸分子内の相対的な位置を指すものとしても理解される。従って、例えば、特定の核酸又は核酸の配列は、該特定の核酸又は核酸の配列が所与の配列よりも5’末端に近い場合、該所与の配列に対して5’に又は該所与の配列の5’に位置していると言うことができる。同様に、特定の核酸又は核酸の配列は、該特定の核酸又は核酸の配列が所与の配列よりも3’末端に近い場合、該所与の配列に対して3’に又は該所与の配列の3’に位置していると言うことができる。「上流」又は「下流」等の用語も、このような相対的な位置を説明するために用いられ;本願内では、「に対して5’」、「に対して5’に位置する」、「の5’」、「の5’に位置する」、及び「上流」という用語は全て同義であるとみなされるものとする。同様に、「に対して3’」、「に対して3’に位置する」、「の3’」、「の3’に位置する」、及び「下流」という用語は全て同義であるとみなされる。別の配列の3’又は5’であると記載されたヌクレオチド配列は、直接隣接していなくてもよい;すなわち、それらの間に1つ以上の追加の配列が介在していてもよいことが理解されるであろう。
【0120】
「転写調節エレメント」とは、該転写調節エレメントが作動可能に連結された核酸(通常、遺伝子)の発現に影響を及ぼす、制御する、又は効果をもたらす核酸配列(複数可)を指す。転写調節エレメントとしては、プロモーター及びエンハンサーが挙げられる。任意で、本発明の転写調節エレメントは、プロモーター及びエンハンサーを含む。AAV又はrAAVベクター配列等のベクター配列は、一般に、導入遺伝子等の異種ポリヌクレオチドの転写を促進するために1つ以上の「転写調節エレメント」を含む。
【0121】
用語「作動可能に連結された」とは、本発明の転写調節エレメントが、別の核酸配列(導入遺伝子等)を発現させるように、該別の核酸配列に対して適切な位置に存在することを意味する。
【0122】
本発明の転写調節エレメントは、組織特異的であってもよい、すなわち、特定の細胞型において、他の組織型よりも大きく転写を誘導/開始させることができる。例えば、本発明の転写調節エレメントは、肝臓特異的であってよい。
【0123】
本発明の転写調節エレメントは、遺伝子治療において使用するためのAAVベクター内に含まれていてよい。「遺伝子治療」は、導入遺伝子(第VIII因子をコードしているヌクレオチド配列等)を発現させることができるAAV/ウイルス粒子を、それが投与される宿主に投与することを含む。このような場合、ベクタープラスミドは、一般に、発現カセットを含む。
【0124】
本明細書において記載するとき、「発現カセット」とは、導入遺伝子と、該導入遺伝子に作動可能に連結された本発明の転写調節エレメントとを含む核酸のヌクレオチド配列を指す。任意で、カセットは、エンハンサー、イントロン、非翻訳領域、転写ターミネーター等の追加の転写調節エレメントを更に含む。
【0125】
発現カセットは、少なくとも1つのITRを含んでいてもよい。発現カセットは、より典型的には、2つのITR(一般に、発現カセットのいずれの末端にも1つ、すなわち、5’末端に1つ、3’末端に1つ)を含む。発現カセットとITRのうちの1つ以上との間に介在する配列が存在していてもよい。発現カセットは、2つの通常のITR間に位置するか、又は2つのD領域で遺伝子操作されたITRの両側に位置するウイルス粒子に組み込まれてもよい。任意で、発現カセットは、AAV1、AAV2、AAV4、及び/又はAAV6に由来するITR配列を含む。好ましくは、ITR配列は、AAV2 ITR配列である。
【0126】
「導入遺伝子」は、本明細書では、細胞に導入されることを意図する(又は、例えばベクターを介して導入された)核酸(通常、異種)を指す。導入遺伝子は、特定の関心対象のポリペプチド若しくはタンパク質をコードしている遺伝子であってもよく、又は例えば、任意でsiRNA若しくはmiRNA若しくはsnRNA若しくはアンチセンスRNA若しくは他の阻害性核酸である非翻訳RNAをコードしていてもよい。導入遺伝子が肝臓で発現することを意図している場合、転写調節エレメントは肝臓特異的であってもよい、すなわち、肝臓細胞において他の組織型よりも実質的に多くのタンパク質発現を促進する。任意で、TREは、肝臓特異的プロモーターであってよく、これは、ヒト肝臓特異的プロモーターであってよい。導入遺伝子は、任意の好適な遺伝子であってよい。ベクタープラスミドが遺伝子治療において使用するためのものである場合、導入遺伝子は、疾患を治療するために用いることができるタンパク質又はヌクレオチドの配列を含むか又はコードしている任意の遺伝子であってよい。例えば、導入遺伝子は、酵素、代謝タンパク質、シグナル伝達タンパク質、抗体、抗体断片、抗体様タンパク質、抗原、又はmiRNA、siRNA、snRNA、若しくはアンチセンスRNA等の非翻訳RNAをコードしていてよい。
【実施例
【0127】
材料及び方法
FVIIIコンストラクト
ヒトFVIII-SQ(上述のようにBドメインの代わりに14アミノ酸のリンカー領域を含有するFVIIIをコードしている)のcDNAを、肝臓特異的プロモーター駆動型アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターにクローニングした。
【0128】
2つの異なるコドン最適化FVIIIバリアント(「co02」及び「co19」と称する)を使用した。AAV組換え体のゲノムサイズを小さくするために、以下に記載する通りの多数の小さな肝臓特異的プロモーターを設計した。
【0129】
AAVベクターの作製
AAV Rep及びCap機能、アデノウイルスヘルパー機能、並びにAAV2 ITRに隣接するFVIII発現カセットを含有する組み換え体ゲノムをコードしているプラスミドをHEK293T細胞にトリプルプラスミドトランスフェクトすることによってAAV粒子を作製した。トランスフェクションの72時間後に細胞ペレット及び上清を収集し、POROS Capture Select及びAVB Sepharose等の樹脂を用いたアフィニティークロマトグラフィーによってAAV粒子を精製した。次いで、AAVをPBSに一晩透析し、4℃で保存し、qPCRによって滴定した。
【0130】
アッセイ
FVIII発色活性アッセイ
Biophen FVIII:C発色アッセイ(Hyphen BioMed,ref 221406)は、FVIII FVIII:Cの補因子活性を測定する。
【0131】
トロンビン活性化を通して、FVIII:Cポリペプチドはヒト第IXa因子、リン脂質、及びカルシウムと複合体を形成する。これら条件下では、このアッセイにおいて特定の濃度で過剰に提供された第X因子が第Xa因子に変換される(活性化される)。この生成される第Xa因子は、律速因子であるFVIII:Cに正比例する。第Xa因子は、発色基質であるSxa-11によって直接測定される。第Xa因子は、発色基質を切断し、pNAを放出させる。pNAの生成は第Xa因子活性に比例し、これは、FVIII:C活性に直接関連する。放出されたpNAのレベルは、405nmで発色を測定することによって求めることができ、これは、サンプル中の第VIII:C因子によって生成される第Xa因子ポリペプチドの量に相対し、これは、サンプル中のFVIII:Cの活性に比例する。
【0132】
製造業者の指示書に従ってアッセイを実施する。簡潔に述べると、37℃でプレインキュベートしたマイクロプレートウェルに、50μLの較正物質である血漿、(試薬R4で)希釈した試験血漿、又は細胞上清/溶解物、又は対照を添加し、続いて、試薬R1及びR2をそれぞれ50μLずつ添加し、これを6mLの蒸留水で再構成し、37℃に予熱する。混合後、これら成分は150μLの反応液を形成し、これを37℃で5分間インキュベートする。その後、反応に試薬R3を補給し、それ自体を6mLの蒸留水に再懸濁させ、37℃に予熱し、200μLの混合液を37℃で更に5分間インキュベートする。50μLの20%酢酸又はクエン酸(20g/L)を添加することによって反応を停止させた後、得られた250μLの混合液の吸光度を405nmで測定する。
【0133】
試薬:
R1-フィブリン重合阻害剤の存在下で凍結乾燥させたヒト第X因子。
R2-活性化試薬-第IXa因子(ヒト)、一定かつ最適化された濃度、ヒトトロンビン、カルシウム、及び合成リン脂質を含有、凍結乾燥。
R3-SXa-11-発色基質、第Xa因子に特異的、凍結乾燥、トロンビン阻害剤入り。
R4-Tris-BSAバッファ。1%BSA、PEG、FVIII:C安定剤、及びアジ化ナトリウム(0.9g/L)を含有。
【0134】
発色活性アッセイからの読み出しに関連して、「%FVIII活性」(「%FVIII:C」とも称される)は「%正常」であり、これは、例えば、HuH-7細胞におけるFVIII発現カセットの発現の文脈において、100%FVIII活性を有するヒト血漿サンプルに関連して、HuH-7細胞におけるFVIII発現カセットの発現後の上清中で検出されたFVIII活性が、100%FVIII活性を有する該ヒト血漿サンプル中で検出されたFVIII活性の指定の%であることを意味する。
【0135】
FVIIIサンドイッチELISA抗原アッセイ
Asserachrom VIII:Agキット(Stago Diagnostica,ref 00280)は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により血漿中のFVIIIを定量するための抗原性アッセイである。アッセイしたサンプル中のFVIIIは、プラスチック製マイクロプレートウェルの壁にプレコーティングされたマウスモノクローナル抗ヒトVIII:Ag抗体によって捕捉される。十分なインキュベーション及び洗浄により非特異的結合を減少させた後、ペルオキシダーゼと結合したマウス抗ヒトFVIII抗体が、捕捉されたFVIIIの残りの遊離抗原決定基に結合する。次いで、結合したペルオキシダーゼがTMB基質によって明らかになる。強酸を添加することによって、TMBによって誘導される発色を停止させる。発色の強度は、450nmで吸光度を測定することにより求められる、アッセイしたサンプル中のFVIII濃度に正比例する。
【0136】
このアッセイからの読み出しは、「%正常」として表してよく、これは、例えば、マウスにおけるFVIIIコンストラクトの発現の文脈において、100%FVIII活性を有するヒト血漿サンプルに関連して、マウス血漿サンプル中で検出されたFVIII分子(厳密には、エピトープ)の数が、100%FVIII活性を有する該ヒト血漿サンプル中で検出されたFVIII分子/エピトープの数の指定の%であることを意味する。
【0137】
上記の活性及び抗原の両アッセイにおいて、FVIII(活性又は抗原レベル)は、WHO国際標準(NIBSCコード07/316)に対して較正された、製造業者によって推奨又は同梱された既知のFVIII活性又は抗原(必要に応じて)の凍結乾燥ヒト血漿サンプルを用いて、マウス又はヒト細胞上清のサンプルで定量される。
【0138】
実施例1-小さな肝臓特異的転写調節エレメントの設計及び選択
HLP2 TREに基づく多数の異なるTREを設計し、全長に基づいて選択した。様々な脊椎動物の関連するα-1-アンチトリプシンのTREにおける保存領域からの判断に基づいて、TREへの欠失を適用した。驚くべきことに、HLP2 TREよりも著しく短いが、ある程度の機能を保持しているTREを作製できることが見出された。場合によっては、以下の例に示す通り、活性レベルは少なくともHLP2 TREと同程度である。
【0139】
図1は、HLP2 TRE及び本発明の多数の転写調節エレメントの模式図を示す。陰影領域は、HLP2が由来するα-1-アンチトリプシンTREに高度に保存されていることを本発明者らが見出したヌクレオチド配列を表す。欠失させる領域を同定したら、欠失自体は公知の技術を用いて行った。公知のDNA合成技術を用いることによって、本明細書に開示された配列に従って転写調節エレメントを作製することができる。従って、本発明の転写調節エレメントは、欠失を用いてHLP2配列の必要な部分を除去することによってHLP2 TREから誘導することもでき;あるいは、本発明のTREは、部位特異的変異誘発を介して合成することもできる。
【0140】
以下の転写調節エレメントを設計し、試験した(比較対象としてHLP2を使用した):
・FRE43(配列番号24)
・FRE49(配列番号25)
・FRE56(配列番号26)
・FRE59(配列番号27)
・FRE63(配列番号28)
・FRE72(配列番号29)
【0141】
少なくとも基本的なレベルの機能を有する転写調節エレメントを得るために必要な最小限の長さを求めるために、更に3つの転写調節エレメントを設計し、試験した:
・FRE46は、配列番号2によって定義される「コアヌクレオチド配列」からなる。従って、FRE46は、配列番号1のヌクレオチド170~242に対応し、73ヌクレオチド長である。
・FRE47は、配列番号2によって定義される「コアヌクレオチド配列」と共に、「コアヌクレオチド配列」に対して3’に位置する配列番号6によって定義されるTSS配列からなる。従って、FRE47は、配列番号1のヌクレオチド170~242+ヌクレオチド297~302に対応し、79ヌクレオチド長である。
・FRE48は、配列番号3によって定義される「拡大コアヌクレオチド配列」と共に、「拡大コアヌクレオチド配列」に対して3’に位置する配列番号6によって定義されるTSS配列からなる。従って、FRE48は、配列番号1のヌクレオチド163~242+ヌクレオチド297~302に対応し、86ヌクレオチド長である。
【0142】
図2は、上記の方法を用いて得られた上記転写調節エレメントのヌクレオチド配列を示す。比較目的のために、HLP2のヌクレオチド配列を提供する。
【0143】
実施例2-インビトロにおける評価
設計した転写調節エレメントの活性をインビトロで評価するために、ヒト凝固因子VIIIバリアント(FVIII-SQ;すなわち、例えばLind et al.1995前喝に記載の通り、Bドメインの代わりに14bpのリンカー領域を含有するFVIII)の「co02」と命名されたコドン最適化導入遺伝子の上流に位置するそれぞれのTRE(HLP2(比較目的のため)又は上記実施例1で定義したもののうちの1つ)を含む候補プラスミドで、肝臓細胞由来の細胞癌細胞株HuH7を一過的にトランスフェクトした。「co02」配列を配列番号31として提供する。導入遺伝子及び転写調節エレメントは、AAV2からのITRに隣接していた。DMEM低グルコース+10% FBS+glutamax(D10培地)において、12ウェルプレートの1ウェルあたり合計2.5×10個のHuh7細胞を播種した。実験をトリプリケートで実施した。
【0144】
プラスミドの一過性トランスフェクションについては、FuGENE(登録商標)HDトランスフェクションプロトコルに従って、細胞播種の24時間後に1.8μgのプラスミド(上記の通り設計)及び0.2μgのCMV-ルシフェラーゼプラスミドを混合し、FuGENE HD Reagent(8μL)に添加した。トランスフェクション効率をモニタリングするために、CMV-ルシフェラーゼプラスミド(全プラスミドの10%)を各トランスフェクションに含めた。
【0145】
トランスフェクション後(約18時間後)、培地を500μLの新鮮DMEM低グルコース+10% FBS+glutamax(D10培地)に交換した。24時間後、培地を新鮮DMEM低グルコース+glutamax(D0培地)に交換した。翌日、すなわちトランスフェクション後3日目に、細胞及び培地を収集した。
【0146】
BIOPHEN FVIII:C(6)(ref.221406)キットを用いてFVIII活性を評価した。SpectraMax i3において吸光度を測定した。並行して、細胞を溶解させ(Promega E397A溶解バッファ)、ルシフェラーゼアッセイ(Promega E1501)に供してルシフェラーゼ発現を測定した。FVIII活性を正規化するための内部対照として、ルシフェラーゼ発現を使用した。ソフトウェアGraphpad Prism v7を使用して解析を行った。
【0147】
インビトロ実験の結果を図4に示す。最も関連性の高いパネルは、4(C i)及び4(C ii)であり、これらは、トランスフェクションのレベルに対して正規化したときの、様々なTREによって達成された相対平均FVIII発現を示す。
【0148】
実施例3-インビボにおける評価
AAV8キャプシドによってキャプシド形成されたヒトFVIII-SQをコードしているコドン最適化ヌクレオチド配列(「co19」と命名)を含むゲノムを有するAAV粒子を上記の通り作製した。「co19」配列を配列番号32として提供する。上記の通り、AAV粒子を作製した。
【0149】
図3は、上記の方法を用いて得られたカセットを示す模式図を提供する。エレメントPは、HLP2に由来するか又はHLP2である、プロモーター/エンハンサー等の転写調節エレメントを表す(これらに由来するTREの有用性を評価するために比較目的で使用した)。ネイティブのFVIIIシグナルペプチドを、72bp長の異種シグナルペプチド(「SP8」と称する)の野生型コード配列に置き換えた。
【0150】
6~8週齢の雄C57BL/6マウスに2×1012vg/kgのウイルスベクターを静脈内注射した。コンストラクトあたり6頭のマウスに注射した。注射後28日目にマウスを選別し、クエン酸抗凝固剤中に血液を収集した。血液及びマウス肝臓を分析のために提供した。
【0151】
血液は、FVIII分析を実行するために使用し、一方、肝生検は、ベクターゲノムを算出するために使用した。
【0152】
AAV注射後の肝臓細胞あたりのベクターゲノム数を求めるために、製造業者の指示書に従ってQIAGEN DNeasy Blood and Tissue Kit(QIAGEN)を用いて約40mgの凍結肝臓サンプルからDNAを単離した。製造業者の指示書に従ってPowerUp SYBR Green Master mix(Applied Biosystems)を用いて、定量的リアルタイムPCR(q-PCR)増幅を行った。QuantStudio(商標)機器(Applied Biosystems)においてq-PCRを行った。AAVのコピー数を推定することができるようにするために、導入遺伝子を定量するためのプライマーセットを設計した。標準曲線からゲノムコピー数を算出し、その後、qPCRによって定量したマウスGAPDHに対して正規化した。
【0153】
AAV注射後のFVIIIタンパク質のレベルを求めるために、製造業者の指示書に従ってAserachrom VIII:Ag ELISAキット(Diagnostica Stago)によって、クエン酸処理した血漿からのFVIII抗原レベルを測定した。必要であると思われる場合、更に希釈を行った。
【0154】
結果を図5に示す。最も関連性の高いパネルは、図5(C)(i)~5(C)(iv)であり、これらは、細胞あたりのウイルスゲノムレベルに対して正規化した相対FVIIIレベルを示す。
【0155】
実施例4-FRE72の組織特異性の評価
図6は、FRE72のプロモーター忠実度に関するインビトロ試験の結果を示す。FRE72のプロモーター忠実度を、様々な異なる組織からの細胞株で評価した;Huh7:肝臓。HEK293T:腎臓。PANC1:膵臓。BxPC-3:膵臓。MCF7:乳腺。1643:神経芽腫。MRC-9:肺。697:初期B細胞。1×10のMOIで対照ベクターAAVS3.CAG.GFP若しくはAAVS3.FRE72.GFPを細胞に形質導入した、又は未処理とした。図6は、各細胞型につき3つの列を示す;各細胞型の左側の列(灰色)は、AAVS3.FRE72.GFPを形質導入した細胞に関し;各細胞型の中央の列(黒色)は、対照ベクターを形質導入した細胞に関し;各細胞型の右側の列(白色)は、未処理の細胞に関する。HEK293T及びMCF-7細胞では、左側(「灰色」)の列が小さすぎて、図6では見えず;同様に、HEK293T、1643、及び697細胞では、右側(「白」)の列が小さすぎて、図6では見えない。
【0156】
実施例5-FRE72プロモーターはインビボで長期発現を提供する
FRE72プロモーターの転写制御下にあるFVIII-SQ導入遺伝子(FVIIIco19-SQと命名)を含むAAVベクターをAAV8キャプシドでシュードタイプ化した。ITR、プロモーター、及び導入遺伝子を含むベクターゲノムの全長は4845bpであった(配列番号34)。
【0157】
得られたAAV8ベクターを6~8週齢のC57BL6野生型マウスの尾静脈に投与した。ベクターは注射前4℃で保存していた。2×1012vg/kgの用量を得るのに適切な接種材料を得るために、オリジナルのウイルス懸濁液を滅菌X-vivo 10(Lonza、BE04-380Q)で希釈した。
【0158】
注射後31日目、56日目、及び104日目に、各マウスの側尾静脈から100μLの血液サンプルを採取した。注射後230日目に最後の採血を行い、血液サンプルに従って選別された重度に麻酔された動物から心臓穿刺を介して最大体積(約1mL)の血液サンプルを採取した。回収した血液をクエン酸系抗凝固剤で希釈(1:10希釈)し、5000rpmで5分間遠心分離を行った。
【0159】
「材料と方法」に上記した通りFVIIIサンドイッチELISA抗原アッセイを使用して、血漿サンプルをFVIII抗原レベルについて分析した。結果を図7に示す。棒は中央値を表す。
【0160】
実施例6-公知のHLP2及びHCR-hAATプロモーターに対するFRE72の比較
FRE72プロモーター又は公知のHLP2若しくはHCR-hAATプロモーターのいずれかの制御下でヒトタンパク質をコードしているコドン最適化導入遺伝子配列を組み込んだ3つの別々の試験プラスミドDNAコンストラクトを調製した。
【0161】
各プロモーターの発現レベルを比較するために、Huh7細胞(JCRB cell bank番号JCRB0403)を96ウェルプレートのDMEM低グルコース、10% FBS+Glutamax(D10培地)に播種し(1ウェルあたり30,000細胞)37℃及び5%COで培養した(1日目)。翌日(細胞播種の約24時間後;2日目)、プラスミドDNA-トランスフェクション試薬混合物を調製し、Huh7細胞にトランスフェクトした。0.225μgの試験プラスミドDNA及び0.025μgのCMV-ルシフェラーゼ対照プラスミド(FLJ-PL282)を、DNA1μgあたり4μLのFuGENE(又はプラスミドDNA0.25μgあたり1μLのFuGENE)の比でFuGeneと混合した。96ウェルトランスフェクション実験では、1ウェルあたり1μLのFuGENE混合物を添加した。プラスミドDNA-トランスフェクション試薬混合物を、37℃及び5%COで一晩細胞においてでインキュベートした。
【0162】
翌朝(3日目)、トランスフェクションの約18時間後に、培地を新鮮D10培地に交換し、細胞を37℃及び5%COで一晩インキュベートした。翌朝(24時間後;4日目)、培地を新鮮DMEM低グルコース+Glutamax+インスリン-トランスフェリン-セレンサプリメント(D0/ITS培地)に交換した。翌日(5日目)、細胞及び培地を収集した。
【0163】
培養培地におけるタンパク質発現を、ELISAキットを用いて評価した。ELISAと並行して、Huh7細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、Luciferaseアッセイキット(Promegaカタログ番号E1501/E4530)のルシフェラーゼ溶解バッファ100μLで細胞を処理した。細胞溶解物を-80℃で保存した。ルシフェラーゼアッセイの当日、細胞溶解物を解凍し、サンプル20μLを用いて、Molecular Devices製SpectraMax i3xプレートリーダーにおいて発光によってルシフェラーゼ発現を測定した。詳細なプロトコルは、Promega Technical Bullitin #TB281に掲載されている。タンパク質レベルを正規化するための内部対照として、ルシフェラーゼ発現を使用した。ソフトウェアGraphpad Prism v7を使用して解析を行った。
【0164】
結果を図8A(ルシフェラーゼ補正前)及び図8B(ルシフェラーゼ補正後)に示す。
【0165】
【表1-1】
【0166】
【表1-2】
【0167】
配列
>配列番号1-HLP2 TRE
ccctaaaatgggcaaacattgcaagcagcaaacagcaaacacacagccctccctgcctgctgaccttggagctggggcagaggtcagacacctctctgggcccatgccacctccaactggacacaggacgctgtggtttctgagccagggggcgactcagatcccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctcccccgttgcccctctggatccactgcttaaatacggacgaggacagggccctgtctcctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc

>配列番号2-コアヌクレオチド配列
agtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccc

>配列番号3-拡大コアヌクレオチド配列
cccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccc

>配列番号4-HLP2の5’セクション(配列番号1の118~162)
tggacacaggacgctgtggtttctgagccagggggcgactcagat

> >配列番号5-HLP2の3’セクション(配列番号1の243~283)
gttgcccctctggatccactgcttaaatacggacgaggaca

> >配列番号6-TSS
tcagct

> >配列番号7-TSS
tcaggc

>配列番号8-TSS
cactga

>配列番号9-3’セクション(配列番号1の284~302)
gggccctgtc tcctcagct

>配列番号10-FRE49、FRE72、及びFRE75の3’セクション(配列番号1の297~335)
tcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc

>配列番号11-3’セクション、配列番号1の265~272
ttaaatac

>配列番号12-FRE43の3’セクション
gttgcccctctggatccactgcttaaatacggacgaggacagggccctgtctcctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc

>配列番号13-FRE56、FRE59、及びFRE63の3’セクション
ttaaatacgg gccctgtctc ctcagct

>配列番号14-HLP2の5’セクション(配列番号1の12~33)
gcaaacattg caagcagcaa ac

>配列番号15-HLP2の5’セクション(配列番号1の12~41)
gcaaacattg caagcagcaa acagcaaaca

>配列番号16-HLP2の5’セクション(配列番号1の1~98)
ccctaaaatgggcaaacattgcaagcagcaaacagcaaacacacagccctccctgcctgctgaccttggagctggggcagaggtcagacacctctctg

>配列番号17-HLP2の5’セクション(配列番号1の163~169)
cccagcc

>配列番号18-FRE43の5’セクション
ccctaaaatgggcaaacattgcaagcagcaaacagcaaacacacagccctccctgcctgctgaccttggagctggggcagaggtcagacacctctctg

>配列番号19-FRE49の5’セクション
gcaaacattgcaagcagcaaacagcaaaca

>配列番号20-FRE56の5’セクション
cgtgttcctgctctttgtccctctgtcctacttagactaatatttgccttgggtactgcaaacaggaaatgggggagggac

>配列番号21-FRE59の5’セクション
gcaaacattgcaagcagcaaacagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccc

>配列番号22-FRE63の5’セクション
gcaaacattgcaagcagcaaacagtggcgtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccc

>配列番号23-FRE72の5’セクション
cccagcc

>配列番号24-FRE43 TRE
ccctaaaatgggcaaacattgcaagcagcaaacagcaaacacacagccctccctgcctgctgaccttggagctggggcagaggtcagacacctctctgagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctcccccgttgcccctctggatccactgcttaaatacggacgaggacagggccctgtctcctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc

>配列番号25-FRE49 TRE
gcaaacattgcaagcagcaaacagcaaacacccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc

>配列番号26-FRE56 TRE
cgtgttcctgctctttgtccctctgtcctacttagactaatatttgccttgggtactgcaaacaggaaatgggggagggacagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctcccccttaaatacgggccctgtctcctcagct

>配列番号27-FRE59 TRE
gcaaacattgcaagcagcaaacagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccccccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctcccccttaaatacgggccctgtctcctcagct

>配列番号28-FRE63 TRE
gcaaacattgcaagcagcaaacagtggcgtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccccccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctcccccttaaatacgggccctgtctcctcagct

>配列番号29-FRE72 TRE
cccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc

>配列番号30-apoEエンハンサー、HNF5
gcaaaca

>配列番号31-co02 codop FVIII-SQ
atgcagattgagctgtctacctgcttctttctgtgcctgctgagattctgctttagtgctacaaggcgttactatctgggagctgtggagctgtcttgggattacatgcagtcagacctgggagagctgccagtggatgccagatttccccctcgagtgcccaagagcttcccttttaatacctctgtggtgtataagaaaaccctgtttgtggagtttaccgatcacctgttcaacattgctaagccaaggccaccctggatgggcctgctgggaccaacaatccaggctgaggtgtatgatacagtggtcatcaccctgaagaacatggcttcccaccctgtgtcactgcatgctgtgggagtgagctactggaaggccagtgagggagctgagtatgatgatcagaccagccagagagagaaggaggatgacaaggtgtttcctggaggctctcatacctatgtgtggcaggtgctgaaggagaatggcccaatggctagtgatcccctgtgcctgacctacagctatctgtctcatgtggacctggtgaaggatctgaacagtggcctgattggagccctgcttgtgtgtcgtgaaggctctctggccaaggaaaagacccagacactgcataagttcatcctgctttttgctgtgtttgatgagggcaagtcctggcacagtgagacaaagaactccctgatgcaggacagggatgctgccagtgccagggcctggcccaagatgcatacagtgaatggctatgtgaataggtccctgcctggcctgattggatgtcacagaaagagtgtgtattggcatgtgattggcatgggcaccacacctgaggttcactccatcttcctggagggccatacctttcttgtgagaaaccacaggcaggccagtctggagatcagtcctatcaccttcctgacagcccagaccctgcttatggatctgggccagttcctgcttttttgccacatctccagtcaccagcatgatggcatggaggcttatgtgaaggtggactcctgtcctgaggaacctcagctgagaatgaagaacaatgaggaagctgaggactatgatgatgacctgacagactctgagatggatgtggttagatttgatgatgacaactctccttcctttattcaaatccgatcagtggccaagaaacacccaaagacatgggtgcattacattgctgcagaggaggaggactgggattatgctcctctggtgctggcccctgatgacaggtcctacaagtcccagtatctgaacaatggccctcagaggattggcagaaagtacaagaaagtgaggttcatggcttatacagatgagacattcaagacaagggaggccatccagcatgagagtggcatcctgggaccactgctttatggagaagtgggagacaccctgcttatcatttttaaaaaccaggcttccaggccctacaatatctatcctcatggcatcacggatgtgagacccctgtacagtaggagactgcctaagggagtgaagcacctgaaggacttcccaatcctgcctggagagattttcaagtataagtggacagtgacagtggaggatggcccaaccaagagtgaccccaggtgcctgacaagatactattcttcctttgtgaatatggagagggacctggcctctggcctgattggacctctgcttatctgttacaaggagtctgtggatcagagaggcaaccagatcatgagtgacaagaggaatgtgatcctgttcagtgtgtttgatgagaacaggtcttggtatctgacagagaacatccagagattcctgcccaatcctgctggagtgcaactggaggaccctgagtttcaggcctccaacatcatgcatagcatcaatggctatgtgtttgactccctccaactgagtgtgtgcctgcatgaggtggcttattggtacattctgagcattggagcccagacagatttcctgagtgtgttctttagtggctacaccttcaagcataagatggtgtatgaggacaccctgacactgttccccttttctggagagacagtgttcatgtccatggagaatcctggcctgtggattctgggctgccacaactctgatttccgtaatcgtggcatgacagcccttctgaaggtgtcttcctgtgacaagaacacaggagactactatgaggattcttatgaggacatcagtgcttatctgcttagcaagaacaatgccattgagccaaggagcttttctcagaatcctccagtgctgaagagacaccagagagagatcacgcgtaccacactccagagtgatcaggaggaaattgactatgatgacacaatcagtgtggagatgaaaaaggaggactttgacatctatgatgaggatgagaaccagagccccaggtctttccagaagaaaaccagacattactttattgctgcagtggagagactgtgggattatggcatgtccagctctccacatgtgctgagaaatagagcccagagtggcagtgtgccccagttcaagaaagtggttttccaggagtttacagatggatcatttacacagcctctgtacagaggagagctgaatgagcatctgggcctgcttggcccatatatcagagctgaggtggaggataacatcatggtgaccttccgtaatcaggccagcaggccctactccttttattcatccctgatctcctatgaggaagaccagagacagggagctgagccaagaaagaactttgtgaagcccaatgagacaaagacctacttttggaaggtgcagcaccatatggcccctaccaaggatgagtttgattgcaaggcttgggcttacttcagtgatgtggatctggagaaggatgtgcattctggcctgattggaccactgcttgtgtgccataccaacacactgaatcctgctcatggcagacaagtgacagtgcaggagtttgccctgttctttaccatctttgatgagacaaagagctggtacttcacagagaacatggagaggaattgcagggctccttgtaacatccagatggaggacccaaccttcaaggagaactacagatttcatgctatcaatggctatatcatggatacactgcctggcctggtcatggctcaggaccagaggatcaggtggtatctgcttagcatgggctccaatgagaatatccacagcatccatttctctggccatgtgtttaccgtgagaaaaaaggaggaatataagatggccctgtacaacctgtatcctggagtgtttgagacagtggagatgctgccatctaaggctggcatctggagggtggagtgcctgattggagagcacctgcatgctggcatgtctaccctgtttctggtgtactccaataagtgtcagacaccactgggcatggccagtggccatatcagagatttccagatcacagcctctggacagtatggacagtgggctccaaagctggctagactgcactattctggctccatcaatgcctggtccaccaaggagcccttctcctggatcaaggtggacctgcttgctcccatgatcattcatggcatcaagacacagggagccaggcagaagttctcttccctgtacatcagccagtttatcatcatgtattctctggatggcaagaaatggcagacctacagaggcaattctacaggcacactgatggtgttctttggcaatgtggacagctctggcatcaagcacaacatcttcaatccccctatcattgctagatacatcagactgcaccctacccattattctatccgatccacactgagaatggagctgatgggctgtgatctgaacagctgttctatgccactgggcatggagtccaaggccatcagtgatgctcagatcacagcctccagctacttcaccaatatgtttgctacatggtcccctagcaaggccaggctgcacctccagggcagatccaatgcttggagacctcaagttaacaatccaaaggagtggctccaggtggattttcagaaaaccatgaaggtgacaggagtgaccacccagggagtgaagtctctgcttaccagcatgtatgtgaaggagttcctgatctcttcgagtcaagatggacaccagtggacactgttctttcagaatggcaaggtgaaggtgttccagggcaatcaggattcctttaccccagtggtgaacagcctggacccaccactgcttacaagatacctgagaatccaccctcagtcctgggtgcatcagattgctctgaggatggaggtgctgggatgtgaggctcaggacctgtattga

>配列番号32-co19 codop FVIII-SQ
atgcagattgagctctccacctgcttcttcctctgcctcttgagattctgtttctctgctactagaagatattatcttggggcagtggagctgagctgggactacatgcagtctgacctgggagaactgcctgtggatgccagatttccccctcgagtgcccaagagcttcccctttaacacctcagtggtgtacaagaagaccctgtttgtggagtttacagaccatctcttcaacattgctaagcccagacctccctggatgggcctgctgggccctaccatccaagctgaagtgtatgacactgttgtgatcacactcaagaacatggcctcccatcctgtgtccctgcatgcagtgggagtctcctactggaaggcctcagaaggagcagagtatgatgaccagaccagccagagagagaaggaggatgacaaggtgtttcctggagggagccacacctatgtgtggcaggtgctgaaggagaatggacctatggccagtgaccctctgtgtcttacctattcctacctgtcacatgtggatctggtgaaggacctgaacagtggcctgattggggctctgctggtttgcagagaaggcagcttggccaaggagaagacccaaaccctgcacaagttcatcctgctgtttgctgtgtttgatgaggggaaatcatggcactcagagaccaagaacagcctcatgcaggatagggatgctgccagtgccagggcttggcccaagatgcacactgtgaatggctatgtgaatagaagcctgcctgggctgataggctgtcacagaaaatctgtgtactggcatgtgattggcatgggcaccacacctgaggtgcactccattttcctggagggccacaccttccttgtgagaaaccacagacaagcttccctggagatcagcccaatcacctttctgactgctcaaaccctcctgatggatctgggccagttcctgctgttctgtcatatctcctcacaccagcatgatggaatggaagcttatgtcaaggtggactcctgcccagaggaaccacagctcagaatgaagaacaatgaggaggctgaggactatgatgatgacctgacagactctgaaatggatgtggtcagatttgatgatgacaacagcccttcattcatccaaatcagatctgtggccaagaagcatcccaagacctgggtgcactacatagctgctgaggaggaggactgggactatgcccctctggtcctggcccctgatgacagaagctataaaagccagtacctgaataatggcccccagagaattggcagaaagtacaagaaagtcagattcatggcttacactgatgagaccttcaaaaccagggaagccatccagcatgagtcaggcatcctgggccccctgctgtatggggaggttggagataccctgctgattatcttcaaaaaccaggcaagcaggccctacaatatctaccctcatggcatcactgatgtcaggccactgtattccagaagactgcctaagggggtgaagcacctgaaggacttcccaatcctgccaggggagattttcaaatacaagtggacagtgactgtggaggatggaccaaccaagtcagatcctagatgtctgaccagatactactccagctttgtgaacatggagagagacctggcctctggcctgattggccctctgctgatctgctataaagagtcagtggaccagagaggcaaccagatcatgagtgacaaaagaaatgtgatcttgttctcagtgtttgatgagaatagatcttggtacctcacagaaaacatccagaggttcctgcccaatccagctggggtgcagctggaagatccagaattccaggccagcaacatcatgcatagcatcaatggttatgtctttgacagcctgcagctgtcagtgtgtctgcatgaagttgcttactggtatattctgtccattggagcccagacagacttcctgtctgtcttcttctctggctacacctttaaacacaagatggtgtatgaggacaccctgaccctgttccctttctctggggaaacagtgttcatgtccatggaaaaccctggactgtggatcctgggctgccataacagtgacttcagaaacagaggcatgacagccctgctcaaggtgtccagctgtgataagaacacaggagactactatgaggatagctatgaggacatcagtgcttacctgctgagcaagaataatgccattgaacccaggtcattttcccaaaatccccctgtgctgaaaaggcaccagagggagatcacgcgtaccaccctgcagagtgaccaggaggaaattgattatgatgacaccatctctgtggaaatgaaaaaggaggattttgacatctatgatgaggatgagaaccagagccctagaagcttccagaaaaagactagacactacttcattgctgcagtggagagactctgggattatggcatgagctccagcccccatgtgctgagaaatagagctcagagtggcagtgtgccacagttcaagaaggtggtgtttcaggagttcactgatggctccttcacacaaccactttacagaggagaactgaatgagcacctgggcctcctgggcccctacatcagggctgaagtggaggataacattatggtcacatttaggaatcaggcttccagaccctactccttttattcctcactcatttcctatgaggaggaccagaggcagggagctgagcccagaaaaaattttgtgaaacccaatgaaaccaagacctacttctggaaggtgcagcaccatatggcccctaccaaggatgaatttgactgcaaggcttgggcttacttttctgatgtggaccttgagaaagatgtgcattcaggcctcattgggccactgctggtgtgccacaccaatacactgaaccctgctcatgggagacaggtcacagtgcaggagtttgcactcttctttaccatctttgatgagaccaagtcctggtatttcactgagaacatggagaggaactgcagggccccttgtaacatccagatggaggatcccaccttcaaggaaaactacagattccatgccatcaatggctacatcatggacaccctgccaggcctggtgatggcccaggaccagaggatcaggtggtacctcctgtctatgggcagcaatgaaaatatccacagcattcacttctctggacatgtgtttactgtgaggaagaaggaggaatacaagatggctctgtacaacctctaccctggggtgtttgaaacagtggagatgctgccctccaaggctggcatctggagagtggaatgtctgattggggagcatctgcatgctggcatgagcacactgttcctggtgtattccaacaagtgccagaccccactgggcatggcctcaggacatatcagggacttccagatcactgctagtggacaatatggacagtgggcacccaagctggccagactgcactactcaggctccatcaatgcctggagtaccaaggagcccttcagctggatcaaggtggacctgctggcccccatgattatacatggcatcaagacccagggagctagacagaagttcagctccctgtacatctcccaattcatcatcatgtactctctggatggcaagaaatggcagacctacagaggcaatagcactggcaccctgatggtgttttttggaaatgttgactcttctggcatcaagcacaacatcttcaacccccccatcattgccagatatatcaggctccaccccacccactactccataaggagcaccctgagaatggagctgatgggctgtgacctgaattcctgctccatgcccctgggcatggaatccaaggcaatctctgatgcacagatcacagcctcctcctacttcaccaacatgtttgcaacctggagcccctccaaggccagactgcacctgcagggcaggtccaatgcttggagaccacaagtgaacaacccaaaggagtggctgcaggtggacttccagaagaccatgaaagtgactggagtgaccacccagggagtgaaatccctgctcactagcatgtatgtgaaggaattcctgatcagtagctctcaagatggccaccagtggaccctgttcttccagaatggcaaggtgaaggtgtttcagggcaaccaggattccttcacccctgtggtgaatagcctggatcccccactgctgaccagatacctgagaatccacccccagtcctgggttcaccagattgccctgagaatggaggtgctgggctgtgaggcccaggacctgtactga

>配列番号33-公知のhAAT TRE
aggctcagaggcacacaggagtttctgggctcaccctgcccccttccaacccctcagttcccatcctccagcagctgtttgtgtgctgcctctgaagtccacactgaacaaacttcagcctactcatgtccctaaaatgggcaaacattgcaagcagcaaacagcaaacacacagccctccctgcctgctgaccttggagctggggcagaggtcagagacctctctgggcccatgccacctccaacatccactcgaccccttggaatttcggtggagaggagcagaggttgtcctggcgtggtttaggtagtgtgagaggggtacccggggatcttgctaccagtggaacagccactaaggattctgcagtgagagcagagggccagctaagtggtactctcccagagactgtctgactcacgccaccccctccaccttggacacaggacgctgtggtttctgagccaggtacaatgactcctttcggtaagtgcagtggaagctgtacactgcccaggcaaagcgtccgggcagcgtaggcgggcgactcagatcccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctcccccgttgcccctctggatccactgcttaaatacggacgaggacagggccctgtctcctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatgatccccctgatctgcggcc

>配列番号34-FVIIIco19SQ AAVコンストラクト配列
TTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTTTAATtaacccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatcgcgccaccatgaagctgctcgcagcaactgtgctactcctcaccatctgcagccttgaaggagctactagaagatattatcttggggcagtggagctgagctgggactacatgcagtctgacctgggagaactgcctgtggatgccagatttccccctcgagtgcccaagagcttcccctttaacacctcagtggtgtacaagaagaccctgtttgtggagtttacagaccatctcttcaacattgctaagcccagacctccctggatgggcctgctgggccctaccatccaagctgaagtgtatgacactgttgtgatcacactcaagaacatggcctcccatcctgtgtccctgcatgcagtgggagtctcctactggaaggcctcagaaggagcagagtatgatgaccagaccagccagagagagaaggaggatgacaaggtgtttcctggagggagccacacctatgtgtggcaggtgctgaaggagaatggacctatggccagtgaccctctgtgtcttacctattcctacctgtcacatgtggatctggtgaaggacctgaacagtggcctgattggggctctgctggtttgcagagaaggcagcttggccaaggagaagacccaaaccctgcacaagttcatcctgctgtttgctgtgtttgatgaggggaaatcatggcactcagagaccaagaacagcctcatgcaggatagggatgctgccagtgccagggcttggcccaagatgcacactgtgaatggctatgtgaatagaagcctgcctgggctgataggctgtcacagaaaatctgtgtactggcatgtgattggcatgggcaccacacctgaggtgcactccattttcctggagggccacaccttccttgtgagaaaccacagacaagcttccctggagatcagcccaatcacctttctgactgctcaaaccctcctgatggatctgggccagttcctgctgttctgtcatatctcctcacaccagcatgatggaatggaagcttatgtcaaggtggactcctgcccagaggaaccacagctcagaatgaagaacaatgaggaggctgaggactatgatgatgacctgacagactctgaaatggatgtggtcagatttgatgatgacaacagcccttcattcatccaaatcagatctgtggccaagaagcatcccaagacctgggtgcactacatagctgctgaggaggaggactgggactatgcccctctggtcctggcccctgatgacagaagctataaaagccagtacctgaataatggcccccagagaattggcagaaagtacaagaaagtcagattcatggcttacactgatgagaccttcaaaaccagggaagccatccagcatgagtcaggcatcctgggccccctgctgtatggggaggttggagataccctgctgattatcttcaaaaaccaggcaagcaggccctacaatatctaccctcatggcatcactgatgtcaggccactgtattccagaagactgcctaagggggtgaagcacctgaaggacttcccaatcctgccaggggagattttcaaatacaagtggacagtgactgtggaggatggaccaaccaagtcagatcctagatgtctgaccagatactactccagctttgtgaacatggagagagacctggcctctggcctgattggccctctgctgatctgctataaagagtcagtggaccagagaggcaaccagatcatgagtgacaaaagaaatgtgatcttgttctcagtgtttgatgagaatagatcttggtacctcacagaaaacatccagaggttcctgcccaatccagctggggtgcagctggaagatccagaattccaggccagcaacatcatgcatagcatcaatggttatgtctttgacagcctgcagctgtcagtgtgtctgcatgaagttgcttactggtatattctgtccattggagcccagacagacttcctgtctgtcttcttctctggctacacctttaaacacaagatggtgtatgaggacaccctgaccctgttccctttctctggggaaacagtgttcatgtccatggaaaaccctggactgtggatcctgggctgccataacagtgacttcagaaacagaggcatgacagccctgctcaaggtgtccagctgtgataagaacacaggagactactatgaggatagctatgaggacatcagtgcttacctgctgagcaagaataatgccattgaacccaggtcattttcccaaaatccccctgtgctgaaaaggcaccagagggagatcacgcgtaccaccctgcagagtgaccaggaggaaattgattatgatgacaccatctctgtggaaatgaaaaaggaggattttgacatctatgatgaggatgagaaccagagccctagaagcttccagaaaaagactagacactacttcattgctgcagtggagagactctgggattatggcatgagctccagcccccatgtgctgagaaatagagctcagagtggcagtgtgccacagttcaagaaggtggtgtttcaggagttcactgatggctccttcacacaaccactttacagaggagaactgaatgagcacctgggcctcctgggcccctacatcagggctgaagtggaggataacattatggtcacatttaggaatcaggcttccagaccctactccttttattcctcactcatttcctatgaggaggaccagaggcagggagctgagcccagaaaaaattttgtgaaacccaatgaaaccaagacctacttctggaaggtgcagcaccatatggcccctaccaaggatgaatttgactgcaaggcttgggcttacttttctgatgtggaccttgagaaagatgtgcattcaggcctcattgggccactgctggtgtgccacaccaatacactgaaccctgctcatgggagacaggtcacagtgcaggagtttgcactcttctttaccatctttgatgagaccaagtcctggtatttcactgagaacatggagaggaactgcagggccccttgtaacatccagatggaggatcccaccttcaaggaaaactacagattccatgccatcaatggctacatcatggacaccctgccaggcctggtgatggcccaggaccagaggatcaggtggtacctcctgtctatgggcagcaatgaaaatatccacagcattcacttctctggacatgtgtttactgtgaggaagaaggaggaatacaagatggctctgtacaacctctaccctggggtgtttgaaacagtggagatgctgccctccaaggctggcatctggagagtggaatgtctgattggggagcatctgcatgctggcatgagcacactgttcctggtgtattccaacaagtgccagaccccactgggcatggcctcaggacatatcagggacttccagatcactgctagtggacaatatggacagtgggcacccaagctggccagactgcactactcaggctccatcaatgcctggagtaccaaggagcccttcagctggatcaaggtggacctgctggcccccatgattatacatggcatcaagacccagggagctagacagaagttcagctccctgtacatctcccaattcatcatcatgtactctctggatggcaagaaatggcagacctacagaggcaatagcactggcaccctgatggtgttttttggaaatgttgactcttctggcatcaagcacaacatcttcaacccccccatcattgccagatatatcaggctccaccccacccactactccataaggagcaccctgagaatggagctgatgggctgtgacctgaattcctgctccatgcccctgggcatggaatccaaggcaatctctgatgcacagatcacagcctcctcctacttcaccaacatgtttgcaacctggagcccctccaaggccagactgcacctgcaGGGCAGGTCCAATGCTTGGAGACCACAAGTGAACAACCCAAAGGAGTGGCTGCAGGTGGACTTCCAGAAGACCATGAAAGTGACTGGAGTGACCACCCAGGGAGTGAAATCCCTGCTCACTAGCATGTATGTGAAGGAATTCCTGATCAGTAGCTCTCAAGATGGCCACCAGTGGACCCTGTTCTTCCAGAATGGCAAGGTGAAGGTGTTTCAGGGCAACCAGGATTCCTTCACCCCTGTGGTGAATAGCCTGGATCCCCCACTGCTGACCAGATACCTGAGAATCCACCCCCAGTCCTGGGTTCACCAGATTGCCCTGAGAATGGAGGTGCTGGGCTGTGAGGCCCAGGACCTGTACTGAAATAAAAGATCTTTATTTTCATTAGATCTGTGTGTTGGTTTTTTGTGTGAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAA
>配列番号35 FRE75 TRE
gcaaacattgcaagcagcaaacagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccccccagccagtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccctcagcttcaggcaccaccactgacctgggacagtgaatc
>配列番号36 FRE46 TRE
agtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccc
>配列番号37 FRE47 TRE
agtggacttagcccctgtttgctcctccgataactggggtgaccttggttaatattcaccagcagcctccccctcagct
【0168】
本発明の付番された態様
1. 配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含むか又はからなるコアヌクレオチド配列を含む転写調節エレメントであって、80~280ヌクレオチド長であり;任意で、80~225ヌクレオチド長である転写調節エレメント。
【0169】
2. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を更に含む、態様1に記載の転写調節エレメント。
【0170】
3. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、1つ以上の転写開始点(TSS)を含む、態様2に記載の転写調節エレメント。
【0171】
4. 1つ以上のTSSが、
a.配列番号6、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号7、若しくは配列番号7と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び/又は
a.配列番号8、若しくは配列番号8と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
に係るヌクレオチド配列を含むか又はからなる、態様3に記載の転写調節エレメント。
【0172】
5. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号6に係るヌクレオチド配列、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
b.配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号9と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
c.配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含む、態様2~4のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0173】
6. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号11によって定義されるヌクレオチド配列又は配列番号11と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を更に含む、態様2~5のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0174】
7. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、50ヌクレオチドよりも短く;任意で40ヌクレオチドよりも短く;任意で30ヌクレオチドよりも短い、態様2~6のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0175】
8. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号10に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号12に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号12と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
c.配列番号13に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号13と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むか又はからなる、態様2~7のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0176】
9. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列を更に含む、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0177】
10. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号14の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
b.配列番号14に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号14と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号15の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
d.配列番号15に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号15と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号16の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、又は少なくとも90個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
f.配列番号16に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号16と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
及び/あるいは
g.配列番号17によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号17と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含む、態様9に記載の転写調節エレメント。
【0178】
11. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有する、態様9又は態様10に記載の転写調節エレメント。
【0179】
12. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して50%未満の同一性を有し;任意で45%未満の同一性を有し;任意で40%未満の同一性を有し;任意で30%未満の同一性を有する、態様11に記載の転写調節エレメント。
【0180】
13. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、110ヌクレオチドよりも短く;任意で100ヌクレオチドよりも短く;任意で50ヌクレオチドよりも短く;任意で10ヌクレオチドよりも短い、態様9~12のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0181】
14. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、5~110ヌクレオチド長である、態様9~13のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0182】
15. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、少なくとも7ヌクレオチド長である、態様9~14のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0183】
16. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、102ヌクレオチド長以下である、態様9~15のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0184】
17. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号18に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号18と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号19に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号19と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号20に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号20と90%若しくは1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
d.配列番号21に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号21と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号22に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号22と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
f.配列番号23に係る又は配列番号23と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、態様9~16のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0185】
18.
a.配列番号4に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない;
及び/又は
a.配列番号5に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号5の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない;
上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0186】
19.
a.配列番号4に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含まない;
及び/又は
b.配列番号5に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含まない、態様18に記載の転写調節エレメント。
【0187】
20. 200ヌクレオチドよりも短く;任意で150ヌクレオチドよりも短く;任意で125ヌクレオチドよりも短い、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0188】
21. 少なくとも85ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも100ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも110ヌクレオチド長である、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0189】
22. 配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含むか又はからなるコアヌクレオチド配列を含む転写調節エレメントであって、
a.配列番号4の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドを含まず;
及び/又は
b.配列番号5の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドを含まず;
80~280ヌクレオチド長である、転写調節エレメント。
【0190】
23.
a.配列番号4に対して少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含まない;
及び/又は
b.配列番号5に対して少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含まない、態様22に記載の転写調節エレメント。
【0191】
24. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を更に含む、態様22又は態様23に記載の転写調節エレメント。
【0192】
25. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、1つ以上の転写停止点(TSS)を含む、態様24に記載の転写調節エレメント。
【0193】
26. 1つ以上のTSSが、
a.配列番号6、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号7、若しくは配列番号7と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び/又は
a.配列番号8、若しくは配列番号8と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
に係るヌクレオチド配列を含む、態様25に記載の転写調節エレメント。
【0194】
27. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号6に係るヌクレオチド配列、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
b.配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号9と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
c.配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含む、態様24、態様25、又は態様26に記載の転写調節エレメント。
【0195】
28. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号11によって定義されるヌクレオチド配列又は配列番号11と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を更に含む、態様24~27のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0196】
29. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、50ヌクレオチドよりも短く;任意で40ヌクレオチドよりも短く;任意で30ヌクレオチドよりも短い、態様24~28のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0197】
30. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号10に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号12に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号12と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
c.配列番号13に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号13と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むか又はからなる、態様24~29のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0198】
31. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列を更に含む、態様22~30のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0199】
32. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号14の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
b.配列番号14に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号14と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号15の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
d.配列番号15に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号15と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号16の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、又は少なくとも90個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
f.配列番号16に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号16と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
及び/あるいは
g.配列番号17によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号17と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含む、態様31に記載の転写調節エレメント。
【0200】
33. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有する、態様31又は32に記載の転写調節エレメント。
【0201】
34. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して50%未満の同一性を有し;任意で45%未満の同一性を有し;任意で40%未満の同一性を有し;任意で30%未満の同一性を有する、態様33に記載の転写調節エレメント。
【0202】
35. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、110ヌクレオチドよりも短く;任意で100ヌクレオチドよりも短く;任意で、50ヌクレオチドよりも短く;任意で10ヌクレオチドよりも短い、態様31~34のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0203】
36. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、5~110ヌクレオチド長である、態様31~35のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0204】
37. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、少なくとも7ヌクレオチド長である、態様31~36のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0205】
38. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、102ヌクレオチド長以下である、態様31~37のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0206】
39. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号18に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号18と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号19に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号19と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号20に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号20と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
d.配列番号21に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号21と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号22に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号22と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
f.配列番号23に係る、又は配列番号23と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、態様31~38のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0207】
40. 200ヌクレオチドよりも短く;任意で150ヌクレオチドよりも短く;任意で125ヌクレオチドよりも短い、態様22~39のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0208】
41. 少なくとも85ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも100ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも110ヌクレオチド長である、態様22~40のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0209】
42.
a.配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列又は配列番号2と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含むか又はからなるコアヌクレオチド配列;及び
b.該コアヌクレオチド配列の5’に位置し、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して60%未満の同一性を有するヌクレオチド配列;
を含み、
80~280ヌクレオチド長である、転写調節エレメント。
【0210】
43. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号14の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
b.配列番号14に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号14と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号15の少なくとも10個、少なくとも15個、又は少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
d.配列番号15に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号15と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号16の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、又は少なくとも90個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列;
f.配列番号16に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号16と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
及び/あるいは
g.配列番号17によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号17と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含む、態様42に記載の転写調節エレメント。
【0211】
44. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、又は45個の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチド配列に対して50%未満の同一性を有し;任意で45%未満の同一性を有し;任意で40%未満の同一性を有し;任意で30%未満の同一性を有する、態様42又は態様43に記載の転写調節エレメント。
【0212】
45. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、110ヌクレオチドよりも短く;任意で100ヌクレオチドよりも短く;任意で50ヌクレオチドよりも短く;任意で10ヌクレオチドよりも短い、態様42~44のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0213】
46. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、5~110ヌクレオチド長である、態様42~45のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0214】
47. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、少なくとも7ヌクレオチド長である、態様42~46のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0215】
48. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、102ヌクレオチド長以下である、態様42~47のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0216】
49. コアヌクレオチド配列に対して5’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号18に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号18と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号19に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号19と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
c.配列番号20に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号20と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
d.配列番号21に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号21と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
e.配列番号22に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号22と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
f.配列番号23に係る、又は配列番号23と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、態様42~48のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0217】
50. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列を更に含む、態様42~49のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0218】
51. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号6に係るヌクレオチド配列又は配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を含む、態様50に記載の転写調節エレメント。
【0219】
52. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号6に係るヌクレオチド配列、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
b.配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号9と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;又は
c.配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、若しくは配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
を含む、態様51に記載の転写調節エレメント。
【0220】
53. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、配列番号11によって定義されるヌクレオチド配列、又は配列番号11と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列を更に含む、態様50~52のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0221】
54. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、50ヌクレオチドよりも短く;任意で40ヌクレオチドよりも短く;任意で30ヌクレオチドよりも短い、態様50~53のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0222】
55. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、1つ以上の転写開始点(TSS)を含む、態様50~54のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0223】
56. 1つ以上のTSSが、
a.配列番号6、若しくは配列番号6と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号7、若しくは配列番号7と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び/又は
c.配列番号8、若しくは配列番号8と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
に係るヌクレオチド配列を含む、態様55に記載の転写調節エレメント。
【0224】
57. コアヌクレオチド配列に対して3’に位置するヌクレオチド配列が、
a.配列番号10に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号10と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;
b.配列番号12に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号12と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列;及び
c.配列番号13に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列、又は配列番号13と1ヌクレオチドだけ異なるヌクレオチド配列
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むか又はからなる、態様50~56のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0225】
58.
a.配列番号4に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号4の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない;
及び/又は
a.配列番号5に係るヌクレオチド配列も含まず、配列番号5の少なくとも20個、少なくとも30個、若しくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドも含まない、態様42~57のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0226】
59.
a.配列番号4に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含まない;
及び/又は
b.配列番号5に対して少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含まない、態様58に記載の転写調節エレメント。
【0227】
60. 200ヌクレオチドよりも短く;任意で150ヌクレオチドよりも短く;任意で125ヌクレオチドよりも短い、態様42~59のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0228】
61. 少なくとも85ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも100ヌクレオチド長であり、任意で少なくとも110ヌクレオチド長である、態様42~60のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0229】
62.
a. acagtgaatc;又は
b. ctcctcagct
から選択される10ヌクレオチド配列で終結する、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0230】
63. コアヌクレオチド配列が73~80ヌクレオチド長である、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0231】
64. コアヌクレオチド配列が、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0232】
65. コアヌクレオチド配列が配列番号2と同一である、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0233】
66. コアヌクレオチド配列が、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はからなる、態様1~65のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0234】
67. コアヌクレオチド配列が、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性、任意で少なくとも98%の同一性を有する、態様66に記載の転写調節エレメント。
【0235】
68. コアヌクレオチド配列が配列番号3と同一である、態様67に記載の転写調節エレメント。
【0236】
69.
a.配列番号24;
b.配列番号25;
c.配列番号26;
d.配列番号27;
e.配列番号28;及び
f.配列番号29
からなる群から選択されるヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%の同一性、任意で少なくとも95%の同一性、又は任意で少なくとも98%の同一性を有する、態様1~68のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0237】
70.
a.配列番号24;
b.配列番号25;
c.配列番号26;
d.配列番号27;
e.配列番号28;及び
f.配列番号29
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する、態様1~63のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0238】
71. プロモーターを含み;任意で、エンハンサーを更に含む、上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0239】
72. プロモーターが肝臓特異的である、態様71に記載の転写調節エレメント。
【0240】
73. 上記態様のいずれか1つに記載の転写調節エレメントを含むポリヌクレオチドであって、該転写調節エレメントが、任意で導入遺伝子に作動可能に連結されており、該導入遺伝子が、ヒトタンパク質をコードしている、ポリヌクレオチド。
【0241】
74. 導入遺伝子を含むベクターの一部であり、任意で、該ベクターが、AAVベクター等のウイルス粒子である、態様1~72のいずれか1つに記載の転写調節エレメント。
【0242】
75. 転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して50%以上多く導入遺伝子を発現させる、態様73に記載のポリヌクレオチド又は態様74に記載の転写調節エレメント。
【0243】
76. 転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して80%以上多く導入遺伝子を発現させる、態様73に記載のポリヌクレオチド又は態様74に記載の転写調節エレメント。
【0244】
77. 転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して100%以上多く導入遺伝子を発現させ;任意で、該転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して110%以上、120%以上、140%以上、又は150%以上多く導入遺伝子を発現させる、態様73のポリヌクレオチド又は態様74の転写調節エレメント。
【0245】
78. 導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される、態様75~77のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【0246】
79. 導入遺伝子が、タンパク質、又は任意でsiRNA、若しくはmiRNA、若しくはsnRNA、若しくはアンチセンスRNAである非翻訳RNAをコードしている、態様73~78のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【0247】
80. 導入遺伝子が4kヌクレオチドよりも長く;任意で、該導入遺伝子が4.2kヌクレオチドよりも長い、態様73~79のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【0248】
81. 導入遺伝子が4.5kヌクレオチドよりも短く、任意で、該導入遺伝子が4.4kヌクレオチドよりも短い、態様80に記載のポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【0249】
82. 導入遺伝子が、FVIIIをコードしており;任意で、該導入遺伝子が、短縮型又は改変型のFVIIIをコードしており;任意で、該導入遺伝子が、Bドメイン欠失型FVIIIをコードしている、態様73~81のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド又は転写調節エレメント。
【0250】
83. (i)態様1~72のいずれか1つに記載の転写調節エレメントと;(ii)導入遺伝子とを含むヌクレオチド配列を含むベクター。
【0251】
84. ベクターのヌクレオチド配列が、シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列を更に含む、態様83に記載のベクター。
【0252】
85. シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列が、50~100ヌクレオチド長である、態様84に記載のベクター。
【0253】
86. シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド配列が、80ヌクレオチド長よりも短い、態様85に記載のベクター。
【0254】
87. AAVベクター等のウイルス粒子である、態様83~86のいずれか1つに記載のベクター。
【0255】
88. 転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して50%以上多く導入遺伝子を発現させる、態様83~87のいずれか1つに記載のベクター。
【0256】
89. 転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して80%以上多く導入遺伝子を発現させる、態様83~87のいずれか1つに記載のベクター。
【0257】
90. 転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して100%以上多く導入遺伝子を発現させ;任意で、該転写調節エレメントが、配列番号1又は配列番号33によって定義される転写調節エレメントと比較して110%以上、120%以上、140%以上、又は150%以上多く導入遺伝子を発現させる、態様83~87のいずれか1つに記載のベクター。
【0258】
91. 導入遺伝子の発現が、Huh7細胞においてインビトロで決定される、態様89~90のいずれか1つに記載のベクター。
【0259】
92. 導入遺伝子が、タンパク質、又は任意でsiRNA、若しくはmiRNA、若しくはsnRNA、若しくはアンチセンスRNAである非翻訳RNAをコードしている、態様83~91のいずれか1つに記載のベクター。
【0260】
93. 導入遺伝子が4kヌクレオチドよりも長く;任意で、該導入遺伝子が4.2ヌクレオチドよりも長い、態様83~92のいずれか1つに記載のベクター。
【0261】
94. 導入遺伝子が4.5kヌクレオチドよりも短く、任意で、該導入遺伝子が4.4kヌクレオチドよりも短い、態様93に記載のベクター。
【0262】
95. 導入遺伝子が、FVIIIをコードしており;任意で、該導入遺伝子が、短縮型又は改変型のFVIIIをコードしており;任意で、該導入遺伝子が、Bドメイン欠失型FVIIIをコードしている、態様83~94のいずれか1つに記載のベクター。
【0263】
96. ベクターのゲノムが4.9kヌクレオチドよりも短く;任意で、ベクターのゲノムが4.5kヌクレオチドよりも短い、態様83~95のいずれか1つに記載のベクター。
【0264】
97. ベクターのゲノムが、約4.7kヌクレオチド長である、態様96に記載のベクター。
【0265】
98. 治療方法において使用するための態様83~97のいずれか1つに記載のベクターであって、任意で、該治療方法が、遺伝子治療の方法及び/又は血友病Aの治療方法であるベクター。
【0266】
99. 有効量の態様83~97のいずれか1つに記載のベクターを患者に投与することを含む治療方法であって、任意で、遺伝子治療の方法及び/又は血友病Aの治療方法である、治療方法。
【0267】
100. 治療方法における態様83~97のいずれか1つに記載のベクターの使用であって、任意で、該治療方法が、遺伝子治療の方法及び/又は血友病Aの治療方法である使用。
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図6
図7
図8
【配列表】
2023501262000001.app
【国際調査報告】