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特表2023-501268改善された封止のための2つの格納筐体間の封止接続用デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】改善された封止のための2つの格納筐体間の封止接続用デバイス
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/06 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
F16J15/06 H
F16J15/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525582
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 FR2020052008
(87)【国際公開番号】W WO2021089950
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】1912409
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522052381
【氏名又は名称】エービーシー トランスファー
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ジャン‐リュック
(72)【発明者】
【氏名】ジラール,ティエリー
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040AA11
3J040AA18
3J040BA03
3J040EA01
3J040EA16
3J040EA22
3J040FA05
3J040HA22
(57)【要約】
本発明は、各々同軸相補フランジ(3、7)を備える2つのドア(2、5)間の封止接続用デバイスに関し、ドアのうちの一方(5)および他方のドア(2)のフランジ(3)が、少なくとも1つの周辺封止部(1、4)を備えており、周辺封止部(1、4)の各々が、環状ビード(11、41)によってその外周部分において延在した環状封止部本体を備え、封止部を有するドアおよびフランジが、一方で封止部本体の外周面(11、44)に相補的な管状軸受表面(34、54)および他方でビードとの係合のための円形溝を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々同軸相補フランジ(3、7)を備える2つのドア(2、5)間の封止接続用デバイスであって、前記ドアのうちの一方(5)および他方のドア(2)の前記フランジ(3)が、少なくとも1つの周辺封止部(1、4、100、400)を備えており、前記周辺封止部(1、4)の各々が、環状ビード(11、41)によってその外周部分において延在した環状封止部本体(10、40)を備え、前記封止部を支持する前記ドアおよび前記フランジが、一方で前記封止部本体(10、40)の外周面(14、44)に相補的な管状軸受表面(34、54)および他方で前記ビード(11、41)との係合のための円形溝を備え、前記封止部本体が、前記フランジのうちの1つおよび/または前記ドアのうちの1つと接触する少なくとも1つの非平滑面を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記封止部(1、4、100、400)が、「L」断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の封止接続用デバイス。
【請求項3】
前記ドアおよび前記フランジが互いに接続されているときに、前記封止部(1、4、100、400)が、横断面に関して対称的に反転することを特徴とする、請求項1または2に記載の封止接続用デバイス。
【請求項4】
前記封止部本体(10、40)の前記外周面(14、44)が平滑であることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の封止接続用デバイス。
【請求項5】
前記封止部本体(10、40)が、非平滑管状内周接触面(12、42)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の封止接続用デバイス。
【請求項6】
前記封止部本体が、非平滑環状前接触面(13、43)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の封止接続用デバイス。
【請求項7】
前記封止部本体(10、40)が、前記ビード(11、41)の厚さよりも大きい厚さを有することを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の封止接続用デバイス。
【請求項8】
前記封止部(1、4、100、400)が、荷電残留磁気の影響を最小限に抑えるか、もしくは耐摩擦表面処理を有するシリコーン材料または他の材料で完全にまたは部分的に作製されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の封止接続用デバイス。
【請求項9】
前記封止部(100、400)が、補強インサート(100B、400B)を備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の封止接続用デバイス。
【請求項10】
先行請求項のいずれか一項に記載の接続デバイスを形成することを意図したフランジまたはドア用の封止部(1、4)であって、環状ビード(11、41)によってその外周部分において延在している環状封止部本体(10、40)を備え、前記封止部本体(10、40)が、非平滑管状内周面(12、42)および/または非平滑環状前面(13、43)を有する、封止部(1、4)。
【請求項11】
格納筐体上に提供され、請求項10に記載の封止部を備える、ドア。
【請求項12】
格納筐体上に提供され、請求項10に記載の封止部を備える、フランジ。
【請求項13】
前記筐体の内部へのアクセス開放部を画定するフランジと、前記アクセス開放部を封止的に閉鎖するドアと、前記フランジまたは前記ドアによって支持されている請求項10に記載の封止部と、を備える、絶縁体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が格納体積を画定する2つの筐体間の封止接続用デバイスに関し、各筐体は、同軸相補フランジを備えたドアを備え、筐体のうちの一方のドアおよび他方の筐体のドアのフランジは、少なくとも1つの周縁封止部を備えている。
【0002】
本出願では、筐体とは、体積を画定する任意の製品、アセンブリ、または装置を意味すると理解される。それゆえ、それは、絶縁体、収容部、容器、またはバッグであり得る。
【0003】
格納体積は、外部環境から隔離された密封された体積を意味すると理解される。これは、特に、限定的ではないが、外部またはユーザと接触してはならない製品を調製、貯蔵、および/または取り扱うための体積であり得る。
【0004】
本発明による接続デバイスは、特に、限定的ではないが、格納部を破損することなく製品を一方の筐体から他方の筐体に移送するために、2つの筐体を接続することを意図している。これは、例えば、特定の生物学的、化学的、もしくは放射性製品などの有害製品の移送、ストッパ、バイアル、プランジャ、シリンジなどの構成要素の移送、培地プレート、粒子計数器などの環境制御デバイスの移送、洗浄システムの移送、液体、粉末、ツールの移送、廃棄物の筐体の外側への移送、および/または生産ラインの生産もしくはメンテナンスに必要な任意の要素の移送を含み得る。
【0005】
先行技術
これらの体積の格納部を破損することなく、ある体積から別の体積への製品の移送は、解決するのが困難な問題である。この問題に対応するため、二重ドア封止接続デバイスが開発された。これは、例えば、仏国特許出願第2777822号および同第3036054号、ならびに米国特許第6591662号に記載されるものを含む。
【0006】
これらの文書内に記載される二重ドア接続デバイスは、第1および第2のドア/フランジアセンブリによって形成され、ドア/フランジアセンブリのうちの一方は、製品が中に移送される必要がある筐体のものであり、他方のドア/フランジアセンブリは、製品がそこから移送される筐体のものである。接続される筐体のうちの一方は、例えば、容器タイプの廃棄物回収収容部であり得、他方の筐体は、処理筐体である可能性がある。各アセンブリのフランジは、関連するドアによって閉鎖される通路開放部を画定し、各筐体のフランジおよびドアは、概してエラストマーで作製された封止部によってともに封止されている。
【0007】
仏国特許出願第2777822号および同第3036054号では、筐体は、バヨネットシステムとして称されるものによって互いに接続され、容器のフランジおよびドアの雄ラグは、それぞれ、他の筐体のフランジおよびドアの雌ラグと係合し、容器のフランジが処理筐体のフランジに係止されることを可能にするとともに、容器のドアのフランジが筐体のドアに係止されることを可能にする容器の回転が続き、それぞれのフランジからドアを係止解除することによって互いに接続されたドアが係止解除される。
【0008】
このタイプの接続デバイスにおいて従来使用されてきた封止部は、モミの木(または銛)の形状のリップ封止部である。図1a~図1cは、かかる封止部を有する二重ドア配置の一例を示す。これらの接続デバイスは、全体的に満足のいくものである。しかしながら、連通する筐体の体積を設置するために、フランジおよびドアをともに係止し、それぞれのフランジからドアを係止解除する、またはその逆のための回転運動は、封止部上の繰り返しの移送動作の結果として反復応力を及ぼす。これは、その配置を考慮すると、筐体が互いに接続されているときの、封止部の変形、ねじれ、および移動のリスク、したがって、筐体の格納部の破損につながる封止部問題の発生をもたらす。
【0009】
米国特許第6591662号では、筐体は、各々の筐体のドアによって支持される磁気手段によって、またはドアの間に作用する空気圧手段によって接続される。ドア間の回転運動はない。したがって、これは静的環境として知られている。このタイプの接続デバイスにおいて使用される封止部は、より良い設置を提供し、良好な封止を確実とする固体封止部である。しかしながら、この種の封止は、回転運動によって作動され得る接続デバイスなどの動的環境において依然として不適切なままである。
【0010】
本発明は、2つの格納筐体間の封止接続用デバイスを提供することによって、これらの困難を克服することを目的としており、このデバイスは、該筐体間に、補強され、安定し、かつ耐久性のある封止部を提供する。
【0011】
本発明の主題
この目的のために、および第1の態様によれば、本発明は、有利には円筒形の連結インターフェースを有する同軸相補フランジを各々備えた2つのドア間の封止接続用デバイスを提供し、ドアのうちの一方および他方のドアのフランジは、少なくとも1つの周縁封止部を備えており、該デバイスは、該周縁封止部の各々が、環状ビードによってその外周部分において延在した環状封止部本体を備え、封止部を支持するドアおよびフランジは、一方で封止部本体の外周面に相補的な管状軸受表面および他方でビードとの係合のための円形溝を備え、封止部本体は、好ましくは、フランジのうちの1つおよび/またはドアのうちの1つと接触し、平滑でない少なくとも1つの面を備えることを特徴とする。
【0012】
それゆえ、封止部およびそれらを支持する部分を有するアセンブリの配置に起因して、接続デバイス上に提供される封止部は、1つの筐体が別の筐体に接続されるとき、ならびに構成要素が1つの筐体から別の筐体に移送されるとき、およびその逆の開放中、互いに関する要素の回転運動中に起こる摩擦に対してより大きな抵抗を有する。
【0013】
有利には、封止部は、「L」断面を有する。この構成は、機械に対して単純であるという利点を提供する。この構成は、それゆえ、封止部の困難のリスク、したがって加工不良による格納部を破損するリスクを低減することを可能とする。
【0014】
有利には、ドアおよびフランジが互いに接続されるとき、封止部は、横断面に関して対称的に反転する。
【0015】
有利には、封止部本体の外周面は、平滑である。
【0016】
有利には、封止部本体は、非平滑管状内周接触面および/または非平滑環状前接触面を有する。これにより、容器が処理筐体に接続されるときに摩擦を促進し、それゆえ封止部を補強することが可能となる。
【0017】
有利には、封止部本体は、環状ビードの厚さよりも大きい厚さを有する。
【0018】
有利には、封止部は、荷電残留磁気の影響を最小限に抑えるか、もしくは耐摩擦表面処理を有するシリコーン材料または他の材料から完全にまたは部分的に作製される。
【0019】
有利には、封止部は、補強インサートを備える。
【0020】
この種の接続デバイスの利点は、静的封止部と同様に補強され、安定し、かつ耐久性のある封止部を提供しながら、ドアおよびフランジを係止ならびに係止解除するための回転機構とともに実装することができることである。
【0021】
本発明はまた、環状ビードによってその外周部分で延在した環状封止部本体を備え、該封止部本体が、有利には、非平滑管状内周面および/または非平滑環状前面を有する、上に記載されるような接続デバイスを形成することを意図した、フランジまたはドア用の封止部に関する。管状内周面および環状前面は、接続デバイスのフランジのうちの1つおよび/またはドアのうちの1つと接触することが意図される面を画定する。
【0022】
本発明はまた、格納筐体上に提供され、上で説明されるような封止部を備えるドアに関する。
【0023】
本発明はまた、上で説明されるような封止部を備える格納筐体に関する。
【0024】
本発明はまた、筐体の内部へのアクセス開放部を画定するフランジと、アクセス開放部を封止的に閉鎖するドアと、フランジまたはドアによって支持される、上で説明されるような封止部と、を含む、絶縁体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1a】2つの筐体間の封止接続用の先行技術のデバイスの断面図である。
図1b図1aからの接続デバイスの構成要素部品のうちの1つの断面図である。
図1c図1aからの接続デバイスの他の構成要素部品の断面図である。
図2】本発明による、2つの筐体間の封止接続用デバイスの断面図である。
図3図2からの接続デバイスの構成要素部品のうちの1つの断面図である。
図4図3からの接続デバイスの構成要素部品の封止部を示す。
図4bis図3からの接続デバイスの構成要素部品の封止部の代替的な実施形態を示す。
図5図2からの接続デバイスの他の構成要素部品の断面図である。
図6図5からの接続デバイスの構成要素部品の封止部を示す。
図6bis図5からの接続デバイスの構成要素部品の封止部の代替的な実施形態を示す。
図7】筐体が格納部を破損することなく互いに向かって開放されている、図2からの接続デバイスを示す。
図8図3からの構成要素部品の代替的な実施形態を示す。
図8bis図8からの構成要素部品を構成するドアの分解斜視図を示す。
図9図5からの構成要素部品の代替的な実施形態を示す。
図9bis図9からの構成要素部品を構成するフランジの分解斜視図である。
【0026】
より明確にするために、様々な実施形態の同一または類似の要素は、すべての図面において同一の参照符号によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図2図7に関連して、外部環境から隔離された2つの筐体間の封止接続用デバイスが、説明される。各筐体は、関連するフランジによって画定される開放部を封止的に閉鎖する、フランジ3、7およびドア2、5を備える。
【0028】
特定の実施形態によれば、筐体のうちの一方は固定され、他方の筐体は、可搬型筐体である。固定された筐体は、処理筐体であり得、一方で可搬型筐体は、容器またはバッグであり得る。それゆえ、処理筐体は、フランジ7と、好ましくは円形であり、フランジ7によって画定される開放部を封止的に閉鎖するドア5と、を備える。ドア5は、フランジ7に関して、該フランジに正接する軸の周りにヒンジされるように取り付けられる。同様に、容器は、フランジ3と、フランジ3によって画定される開放部を封止的に閉鎖するドア2と、を備える。円形でもあるドア2は、該ドアが開放部を通過することを可能にするように、処理筐体のドア5のフランジ7によって画定される開放部に嵌合するようにサイズ決定される。
【0029】
接続デバイスは、各々が有利には円筒形または円錐形の連結インターフェースを有する同軸相補フランジを備えた2つの部分を備える。各部分は、筐体のうちの一方のドアによって形成され、相補フランジは、それぞれの筐体のアクセス開放部を画定するフランジである。
【0030】
接続デバイスは、2つの周縁封止部1、4をさらに備える。示される実施形態では、封止部4のうち1つは、処理筐体のドア5によって支持され、一方で他方の封止部1は、容器のフランジ3によって支持される。もちろん、封止部の反転配置は、本発明の範囲から逸脱することなく提供され得ることは明らかである。
【0031】
各封止部1、4は、有利には、平行六面体の断面を有する環状封止部本体10、40を有し、該本体は、環状ビード11、41によってその外周部内に延在する。好ましい実施形態によれば、各封止部1、4は、実質的にL字形の断面を有する(図4および図6)。
【0032】
各封止部1、4は、該封止部を支持する部品(ドアまたはフランジ)において、この目的のために提供された一致する形状のハウジング内に収容される。それゆえ、各封止部は、ハウジングを完全に満たすように配置され、それが関連付けられているドアおよびフランジとの間に空隙または間隙を残さない。図2に示されるように、容器が処理筐体に接続されるとき、処理筐体のドア5の封止部4は、容器のドア2の円形支持表面22と接触しており、一方で容器のフランジ3の封止部1は、処理筐体のフランジ7の円形支持表面72と接触している(図2)。
【0033】
それゆえ、より具体的には、処理筐体のドア5は、環状ビードが力によって係合される円形溝50を備える(図3)。溝は、ドア5の外周面51上に開放され、処理筐体のドアが閉鎖されたとき、関連するフランジ7の面が当接する。ドアの溝50は、封止部本体40(図3および図4)の外周面44に相補的な管状軸受表面54によって画定される。
【0034】
同様に、処理筐体のフランジ3は、環状ビード11が力によって係合される円形溝20を備える。溝20は、フランジ3の内側上に開放される。フランジ3の溝20は、封止部本体10(図5および図6)の外周面14に相補的な管状軸受表面34によって画定される。
【0035】
例解された実施形態では、溝20および50は、平坦な底部および単一の縁部を有するように配置される。それゆえ、封止部1および4のそれぞれの溝20、50における位置決めを容易にし、かつ封止部が挿入されたときに封止部の一般的な幾何学形状を維持することが可能である。
【0036】
各封止部1、4の封止部本体は、それを支持する部品に設置するとき、一方では、同じ部分の他の部品に関して封止部を支持する部品を封止する2つの面を有し、他方では、2つの筐体が接続されているときに、同じ機能を有する部品(ドア/ドアまたはフランジ/フランジ封止部)を有する。
【0037】
それゆえ、より具体的には、封止部本体40の内周面42および環状(外側)前面43は、それぞれ、ドア5に関してフランジ7を封止する第1の封止面42と、容器のドア2に関してそれを支持するドア5を封止する第2の封止面43と、を画定する。「前面」は、個別に(すなわち、別の筐体に接続されることなく)筐体の外側に向かって配向された面を意味すると理解される。
【0038】
ドアの封止部4は、フランジ7と接触する封止面42がドア5の外周面51と同じ平面内に延在するように配置され、それゆえ、処理筐体のドア5が閉鎖されているときだけでなく、容器が処理筐体に接続されているときにも、円錐形の封止部インターフェースを画定し、ドアが閉鎖される。
【0039】
同様に、封止部本体10の内周面12および前方(または外側)面13は、それぞれ、フランジ3およびドア2を封止する第1の封止面12と、処理筐体のドア5に関してそれを支持するドア2を封止する第2の封止面13と、を画定する。
【0040】
フランジの封止部1は、ドア2と接触する封止面12がドア2の内周面21と同じ平面内に延在するように配置され、それゆえ、容器のドア2が閉鎖されているときだけでなく、該容器が処理筐体に接続されているときにも、円錐形の封止部インターフェースを画定し、ドアが閉鎖される。
【0041】
容器のドア2の支持表面22に当接する封止部本体40の封止面43は、ドアがそのそれぞれのフランジ上に係止されているか、または係止解除されているかにかかわらず、収容部が処理筐体に接続されているときに環状封止部インターフェースを画定する。ドアがそのそれぞれのフランジから係止解除されて、2つの筐体間の連通を可能にするとき、2つのドア2、5は、封止面43を介して封止部4によって封止され、一方で2つのフランジ3、7は、封止面13を介して封止部1によって封止される。
【0042】
図2に例解されるように、筐体が互いに接続されるとき、封止部は、横断面に対して対称的に反転するように位置する。
【0043】
記載される実施形態では、図4および図6に示されるように、封止面12、13、42、43は、容器を処理筐体に接続するときに摩擦を促進するように平滑ではなく、それにより、接続力を改善する。これにより、封止部の表面とフランジまたはドアの接触表面との摩擦を適切に制限することも可能にする。それゆえ、封止面は、刻み目、セレーション、歯、ピンを備えることができるか、または摩擦を促進する表面状態を有することができる。
【0044】
図2図7においてちょうど説明され、かつ示される実施形態では、溝20、50は、封止部を支持する部品、すなわち、処理筐体のドアおよび容器のフランジ3内に直接配置され、封止部1、4、100、400は、次いで、これらの溝内に強制的に嵌合される。封止部の設置および取り外しを容易にするために、封止部を支持する部品が2つの別々の部分において形成される代替的な実施形態が提供される。図8図8bis、図9および図9bisは、この種の配置を例解する。
【0045】
それゆえ、およびこれらの図面に示されるように、ドア5は、封止部4、400がその間に挿入される上側部分5Aおよび下側部分5Bからなる。部分5A、5Bは、組み立てられたときに、封止部4、400のビード41を受容する溝50を画定するように配置される。
【0046】
同様に、フランジ3は、封止部1、100がその間に挿入される上側部分3Aおよび下側部分3Bからなる。部分3A、3Bは、組み立てられたときに、封止部1、100のビード11を受容する溝20を画定するように配置される。
【0047】
封止部1、100、4、400の設置を容易にすることに加えて、封止部を2つの別個の部分に支持する部品のこの構成は、ドア5およびフランジ3の上側部分と下側部分との間のビード11、41のクランプに起因して、封止部の補強された支持を可能にするという利点を有し、これは、2つの組み立てられたドアが開放されたときにより良い強度の封止部を提供する。
【0048】
封止部の環状封止部本体は、環状ビードの厚さよりも大きい厚さを有する。例解された実施形態では、比は、3である。これはもちろん一実施形態であり、異なる厚さ比が、本発明の範囲から逸脱することなく提供され得る。それゆえ、接続デバイスの使用中(筐体同士の接続およびドアの開放)に周辺封止部の応力を受ける部分をより「堅固」にすることにより、封止部の変形、ねじれおよび移動のリスクが低減される。
【0049】
有利には、封止部1、4は、残留磁気の影響を最小限に抑えるシリコーン材料または他の材料で作製される。また、細菌の増殖を防止するために、封止部を静菌性材料で作製するように規定することもできる。静菌性材料の例は、欧州出願第316052号に記載される。
【0050】
上で説明された実施形態では、封止部1、4は、単一の材料で作製される。しかしながら、規定は、封止部が、該封止部を堅固化し、それゆえその強度を改善させるために、インサートを含むようにされてもよい。このタイプの封止部の一例が、図4bisおよび図6bisに示される。この例では、各封止部100、400は、2つの部分から形成され、部分のうちの一方は、封止部の可撓性部分100A、400Aを形成し(有利には、シリコーン材料または残留磁気の影響を最小限に抑える任意の他の材料で作製される)、他方の部分は、好ましくは金属で作製されるインサート100B、400Bである。例解された実施形態では、各インサート100B、400Bは、L字形の断面を有し、その最長のアームは、関係する封止部の環状ビードを画定するように配置され、他のアームは、可撓性部分100A、400A内に提供された一致する溝110、410内に収容されている。
【0051】
本発明による封止部1、4、100、400の形状、および接続デバイスのドアおよびフランジとのそれらの配置は、液体および細菌の保持を促進するこの種の領域を有する、先行技術の封止部とは異なり、「固体」封止部領域、すなわち、空洞または空隙(隠れ領域と称される)のない領域を作成することを可能にする。
【0052】
封止部1の形状、本発明ならびに接続デバイスのドアおよびフランジとの配置はまた、汚染の環状領域(外部環境と接触する領域)を最小限に抑えることを可能にする。
【0053】
本発明による封止部の形状、および接続デバイスのドアおよびフランジとのそれらの配置はまた、問題の筐体のドアおよびフランジ内の封止部の容易な設置および取り外しも可能にし、より良い洗浄性を提供する。
【0054】
本発明を、容器の処理筐体への接続に関して説明した。他のタイプの筐体は互いに接続することができるので、本発明がこの種の使用に限定されないことはもちろん明らかである。
【0055】
本発明は、例として上で説明される。当業者は、しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の様々な代替的実施形態を生成する立場にあることが理解される。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図4bis
図5
図6
図6bis
図7
図8
図8bis
図9
図9bis
【国際調査報告】