(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】抗腫瘍および抗菌治療におけるホウ素ジピロメテン誘導体の適用
(51)【国際特許分類】
C07F 5/02 20060101AFI20230111BHJP
A61K 31/69 20060101ALI20230111BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230111BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230111BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230111BHJP
A61P 27/16 20060101ALI20230111BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20230111BHJP
A61P 11/04 20060101ALI20230111BHJP
A61P 13/00 20060101ALI20230111BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20230111BHJP
A61K 41/00 20200101ALI20230111BHJP
A61K 49/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230111BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230111BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C07F5/02 D CSP
A61K31/69
A61P35/00
A61P31/12
A61P31/04
A61P27/02
A61P27/16
A61P11/02
A61P11/04
A61P13/00
A61K47/64
A61K41/00
A61K49/00
A61P19/02
A61P29/00
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525941
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2020081184
(87)【国際公開番号】W WO2021089730
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517002306
【氏名又は名称】バイオリテック ウンテルネーメンスベタイリグングス ツヴァイ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ホールフェルド、ベンジャミン フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーエ、アルノ
(72)【発明者】
【氏名】ギッター、ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】スティーン、ドリカ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーランド、ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】アルブレヒト、フォルカー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H048
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA11
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085HH11
4C085KA09
4C085KA27
4C085KB15
4C085KB56
4C085LL18
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA43
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZA34
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZB35
4H048AA01
4H048AB22
4H048AB28
4H048AB29
4H048VA11
4H048VA13
4H048VA20
4H048VA22
4H048VA30
4H048VA32
4H048VA40
4H048VA77
4H048VB10
(57)【要約】
診断および治療用途、特に、癌、感染症、および他の過剰増殖疾患のPDT、関節炎、炎症性疾患、ウイルスもしくは細菌の感染、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、もしくは泌尿器科障害等の非腫瘍症状の蛍光診断およびPDT治療のための光増感剤として使用され得る生体活性化合物、およびそれらの調製方法が提供される。化合物が光なしで標的(腫瘍細胞、細菌、炎症関連細胞)に対する毒性も示すため、これらの生体活性化合物は、そのような症状の光非依存的な治療にも使用され得る。また、実施形態は、置換された2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピロメテン(2,3,5,6-テトラフルオロフェニルジピリン)ユニット、または置換された3-ニトロフェニル-ジピロメテン(3-ニトロフェニル-ジピリン)ユニットと合体したホウ素ジピロメテン錯体構造を合成する方法も含む。抗腫瘍および抗細菌効果を増大させた両親媒性の化合物も提供される。特に、これは臭素原子および糖基での置換により達成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1、2、3、または4
【化1】
に基づくホウ素ジピロメテン化合物であって、
式中、
Xは、O、NH、またはSの少なくとも1つであり、
R
1は、炭水化物部分、3~6個の炭素原子を有する短鎖アルキル、プロパルギル、HO-CH
2-CH
2-、CH(CH
2OH)
2、CH
2-CH(OH)-CH
2OH、またはCH(OH)-CH(OH)-CH
3の少なくとも1つであり、
R
2は、水素または臭素置換基(原子)の少なくとも1つである、
ホウ素ジピロメテン化合物。
【請求項2】
腫瘍の治療における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項3】
光線力学的治療における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項4】
腫瘍、皮膚科障害、ウイルス感染症、細菌感染症、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の少なくとも1つの治療における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項5】
腫瘍、皮膚科障害、ウイルス感染症、細菌感染症、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の少なくとも1つの光線力学的治療における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項6】
腫瘍治療または光線力学的治療のための医薬組成物の調製のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項7】
関節炎および類似の炎症性疾患の、治療または光線力学的治療における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項8】
関節炎および類似の炎症性疾患の診断、または腫瘍の診断における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項9】
医療装置の表面に載せられる場合の、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を活性成分として含む、医薬組成物。
【請求項11】
前記化合物は標的化剤と複合体化している、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記標的化剤はペプチドである、請求項12に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張出願の相互参照)
本出願は、2019年11月5日に出願した、「ホウ素ジピロメテン誘導体の抗腫瘍および抗菌治療への適用」という発明の名称の米国特許出願第62/930,933号に基づき優先権を主張し、その全体が参照により本開示の一部として明示的に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、生物活性化合物の化学に関する。より具体的には、腫瘍疾患疾患、ならびに細菌感染症および他の疾患の治療に使用することができる特定のホウ素ジピロメテン錯体に関する。腫瘍細胞および細菌に対するこれらのホウ素ジピロメテン錯体の作用は、光によって強めることができ、したがってそれらは癌、感染、および他の疾患の光線力学的治療等の広範な光照射治療の光増感剤としても使用することができる。
【背景技術】
【0003】
癌は世界の主要な死因の1つである。多くの治療アプローチが知られているが、従来の化学療法薬によりうまく治療することができない腫瘍に適用することができる新規の活性物質および治療法が依然として必要とされている。それらの新しい治療アプローチの1つは光線力学的治療(PDT)である。
【0004】
PDTは現在、様々な医学的応用が検討されており(非特許文献1)、腫瘍を破壊する治療法としてよく知られている(非特許文献2)。光線力学的治療は、所望の医学的効果を得るために、光および光増感剤(色素)を使用する。多くの天然に存在する色素、および合成色素が、PDTのための潜在的な光増感剤として評価されてきた。おそらく、最も広範に研究されているクラスの光増感剤は、テトラピロール大環状化合物である。それらのうち、特にポルフィリンおよびクロリンは、それらのPDT有効性が試験されている。しかし、たとえば金属錯体だけでなく、やホウ素ジピロメテン(BODIPY)のような他の色素等の新しい光増感剤の構造に常に関心が集まっている。これらのBODIPYは、もともと蛍光色素および標識として発明され使用されているため、それ自体ではPDTの可能性は限られており、光増感剤として採用するためには化学的な修飾が不可欠である。
【0005】
光力学的効果は、光増感剤、光、酸素(細胞内に存在する)の3つの必要な要素が同時に存在する場合にのみ確認される(非特許文献1)。これにより、PDT自体が、化学療法薬の全身作用とは対照的な局所治療になる。PDTによるこの局所治療は、その有効性を主に局所腫瘍に限定するが、最近の報告では、PDTの全身的な免疫調節効果も示唆されている(非特許文献3)。
【0006】
PDTの他の応用分野は、光増感剤および光を局所的な細菌感染に適用する抗細菌PDTである。細菌は、一般的に異なる特性および外膜の構造に基づいて、2つの主要なグループ、すなわちグラム陽性細菌およびグラム陰性細菌に分類される。抗細菌PDTには、腫瘍治療とは別の色素が使用されている。抗腫瘍PDTでは両親媒性の光増感剤が最も効果的であることが証明されているが、抗細菌PDTでは、大抵、より親水性かつ水溶性の色素が用いられている(非特許文献4)。特に、グラム陰性細菌では、水溶性で正電荷の光増感剤が使用されている(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】B. W. Henderson, T. J. Dougherty, Photodynamic therapy, basic principles and clinical applications, New York: Marcel Dekker, 1992.
【非特許文献2】J. G. Moser, Photodynamic tumor therapy. 2nd and 3rd generation photosensitizers, Amsterdam: Harwood Academic Publishers, 1998.
【非特許文献3】J. W. Kleinovink, P. B. van Driel, T. J. Snoeks, N. Prokopi, M. F. Fransen, L. J. Cruz, L. Mezzanotte, A. Chan, C. W. Lowik, F. Ossendorp, <<Combination of Photodynamic Therapy and Specific Immunotherapy Efficiently Eradicates Established Tumors>>, Clin. Cancer Res., no 22, pp. 1459-1468, 2016.
【非特許文献4】T. Maisch, <<Strategies to optimize photosensitizers for photodynamic inactivation of bacteria>> J. Photochem. Photobiol. B, 150, pp. 2-10, 2015.
【非特許文献5】A. Treibs, F. H. Kreuzer, <<Difluorboryl-Komplexe von Di- und Tripyrrylmethenen>>, Justus Liebigs Ann. Chem., 718, pp. 208-223, 1968.
【非特許文献6】C.-H. Lee, J. S. Lindsey, <<One-Flask Synthesis of Meso-Substituted Dipyrromethanes and Their Application in the Synthesis of Trans-Substituted Porphyrin Building Blocks>>, Tetrahedron, vol. 50, p. 11427-11440, 1994.
【非特許文献7】H. R. A. Golf, H.-U. Reissig, A. Wiehe, <<Nucleophilic Substitution on (Pentafluorophenyl)dipyrromethane: A New Route to Building Blocks for Functionalized BODIPYs and Tetrapyrroles>>, Org. Lett., 17, pp. 982-985, 2015.
【非特許文献8】G. Vives, C. Giansante, R. Bofinger, G. Raffy, A. Del Guerzo, B. Kauffmann, P. Batat, G. Jonusauskasc, N. D. McClenaghan, <<Facile functionalization of a fully fluorescent perfluorophenyl BODIPY: photostable thiol and amine conjugates>>, Chem. Commun., 47, pp. 10425-10427, 2011.
【非特許文献9】D. Prasannan, D. Raghav, S. Sujatha, H. Hareendrakrishna, K. Rathinasamy, C Arunkumar, <<Synthesis, structure, photophysical, electrochemical properties and antibacterial activity of brominated BODIPYs>>, RSC Adv., 6, pp. 80808-80824, 2016.
【非特許文献10】L. Bonardi, G. Ulrich, R. Ziessel, <<Tailoring the Properties of Boron-Dipyrromethene Dyes with Acetylenic Functions at the 2,6,8 and 4-B Substitution Positions>>, Org. Lett., , 11, pp. 2183-2186, 2008.
【非特許文献11】L. Wang, J.-W. Wang, A-j. Cui, X.-X. Cai, Y. Wan, Q. Chen, M.-Y. Hea W. Zhang, <<Regioselective 2,6-dihalogenation of BODIPYs in 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-propanol and preparation of novel meso-alkyl polymeric BODIPY dyes>>, RSC Adv., 3, pp. 9219-9222, 2013.
【非特許文献12】R. Klingenburg, C. B. W. Stark, A. Wiehe, <<Nucleophilic Thioglycosylation of Pentafluorophenyl-Substituted Porphyrinoids: Synthesis of Glycosylated Calix[n]phyrin and [28]Hexaphyrin Systems, Org. Lett., 21, pp. 5417-5420, 2019.
【非特許文献13】C. S. Gutsche, M. Ortwerth, S. Grafe, K. J. Flanagan, M. O. Senge, H.-U. Reissig, N. Kulak, A. Wiehe, <<Nucleophilic Aromatic Substitution on Penta-fluoro-phenyl-Substituted Dipyrranes and Tetrapyrroles as a Route to Multifunctionalized Chromophores for Potential Application in Photodynamic Therapy>>, Chem. Eur. J. 22, pp. 13953-13964, 2016.
【非特許文献14】B. F. Hohlfeld, K. J. Flanagan, N. Kulak, M. O. Senge, M. Christmann, A. Wiehe, <<Synthesis of Porphyrinoids, BODIPYs, and (Dipyrrinato)-ruthenium(II) Complexes from Prefunctionalized Dipyrromethanes>>, Eur. J. Org. Chem., pp. 4020-4033, 2019.
【非特許文献15】C. S. Gutsche, B. F. Hohlfeld, K. J. Flanagan, M. O. Senge, N. Kulak, A. Wiehe, <<Sequential Nucleophilic Substitution of the α-Pyrrole and p-ArylPositions of meso-Pentafluorophenyl-Substituted BODIPYs>>, Eur. J. Org. Chem., pp. 3187-3196, 2017.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態は、癌、感染症および他の疾患のPDT等の光照射治療を含む広範な用途のために光増感剤として使用することができる生体活性化合物を含む。現在のPDTの限界の1つは、治療部位に光を届ける必要があるため、治療の効果が局所的であることである。これは、光増感剤として作用するが、たとえば腫瘍細胞または細菌に対して光依存的な毒性をさらに示す化合物により克服することができるであろう。したがって、本明細書に記載される構造は、光増感剤として作用するが、たとえば腫瘍細胞または細菌に対する光依存的な毒性のために、全身治療のために使用することもできる。さらに、それらの光吸収および光放出特性のために、それらの化合物は、たとえばそれらの蛍光を検出することによる診断目的のためにも使用され得る。
【0009】
実施形態は、光線力学的治療等の様々な医学的用途に有用な、化学的に安定なホウ素ジピロメテン錯体を含む。しかし、これらの化合物は、光を投射する必要なしに腫瘍および他の疾患の治療のためにも使用することができ、それにより全身的な治療も可能になる。
【0010】
実施形態は、置換された2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピロメテン(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピリン)ユニット、または置換された3-ニトロフェニル-ジピロメテン(3-ニトロフェニル-ジピリン)ユニットと合体した、腫瘍および他の過剰増殖疾患、皮膚科障害、ウイルスもしくは細菌の感染、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の光線力学的治療において使用することができるホウ素ジピロメテン錯体構造を含む。また、これらの化合物は、光を投射する必要なしに、腫瘍および他の過剰増殖疾患、皮膚科障害、ウイルスもしくは細菌の感染、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の治療において使用し得る。さらに、これらの化合物は、腫瘍、過剰増殖疾患、皮膚科障害、細菌の感染、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の光ベースの診断においても使用し得る。また、これらの化合物は、関節炎および類似の炎症性疾患等の非腫瘍性症状の蛍光診断およびPDT治療のために使用し得る。
【0011】
実施形態は、腫瘍、皮膚科障害、ウイルスもしくは細菌の感染、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害のPDT治療において使用することができ、また、光を投射する必要なしに、腫瘍、皮膚科障害、ウイルスもしくは細菌の感染、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の治療においても使用することができる、両親媒性の化合物を含む。
【0012】
実施形態は、注入部位での沈殿または化合物の薬物動態遅延等の望ましくない効果を避けて注入するためのリポソーム製剤等の、本明細書に記載される生体活性化合物のための薬学的に許容される製剤を含む。
【0013】
概説すると、実施形態は、診断および治療用途、特に、癌、感染症、および他の過剰増殖疾患のPDT、並びに関節炎、炎症性疾患、ウイルスもしくは細菌の感染、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、もしくは泌尿器科障害等の非腫瘍症状の蛍光診断およびPDT治療のための光増感剤として使用され得る生体活性化合物、および生体活性化合物を得る方法を含む。化合物が光なしで標的(腫瘍細胞、細菌、炎症関連細胞)に対する毒性も示すため、これらの生体活性化合物は、そのような症状の光非依存的な治療にも使用され得る。また、実施形態は、置換された2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピロメテン(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピリン)ユニット、または置換された3-ニトロフェニル-ジピロメテン(3-ニトロフェニル-ジピリン)ユニットと合体したホウ素ジピロメテン構造を合成する方法も含む。これらのジピロメテン(ジピリン)は、4位に異なる様々な置換基を有することができ、それらの生物学的特性または両親媒性/親水性特性の微調整が可能になる。また、実施形態は抗腫瘍および抗細菌効果を増大させた化合物も含む。特に、これは臭素原子および糖基での置換により達成される。
【0014】
本発明の上記および他の主題、特徴、および利点は、添付の図面と併せて読まれる以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-N-ブチルアミノ-3-ニトロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図2】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-N-ブチルアミノ-2,3,5,6-テトラ-フルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図3】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図4】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-N-プロパルギルアミノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図5】2-ブロモ-8-(4-N-プロパルギルアミノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図6】2-ブロモ-8-(4-N-プロパルギルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図7】2-ブロモ-8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図8】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-グルコシルチオ)-3-ニトロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図9】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-グルコシルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図10】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-ガラクトシルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図11】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-(1-ヒドロキシメチル)-ヒドロキシ-エチルアミノ-3-ニトロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図12】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-プロパルギルアミノ-3-ニトロ-フェニル)-ホウ素ジピロメテンの細胞試験の結果を示す。
【
図13】2-ブロモ-8-(4-N-プロパルギルアミノ-3-ニトロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する抗細菌効果を示す。
【
図14】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-N-ヒドロキシ-エチルアミノ-3-ニトロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図15】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-N-ブチルアミノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図16】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-N-プロパルギルアミノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図17】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-プロパルギルアミノ-3-ニトロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図18】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-(1-ヒドロキシ-メチル)ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図19A】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に対する抗細菌効果を示す。
【
図19B】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-(4-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図20A】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-グルコシルチオ)-3-ニトロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図20B】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-グルコシルチオ)-3-ニトロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図21A】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-グルコシルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図21B】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-グルコシルチオ)-2,3,5,6--テトラフルオロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図22A】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-ガラクトシルチオ)-2,3,5,6--テトラフルオロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図22B】1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ジブロモ-8-[4-(β-D-ガラクトシルチオ)-2,3,5,6--テトラフルオロフェニル]-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図23A】2-ブロモ-8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【
図23B】2-ブロモ-8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-ホウ素ジピロメテンの黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態は、癌、過剰増殖疾患、皮膚科障害、ウイルスもしくは細菌の感染症、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、および/または泌尿器科障害のPDT等の広範な光照射治療のための光増感剤として使用し得る生体活性化合物を含む。それらの光非依存的な毒性のために、それらは、光の投与を必要としないそのような疾患の治療のためにも使用し得る。本明細書で開示される化合物は、容易に製造し特徴づけることができ、活性、安定性を高め、または新たな用途を可能にするために、さらなる官能基化を行うことができるという利点を有する。また、実施形態は、所望の用途のために化合物を適合させ、標的組織の選択性およびそれによる治療効果を上昇させる方法も含む。本明細書に記載される化合物は、PDTおよび伝統的な化学療法薬または抗細菌治療と組み合わせることにより、および、特定の用途に応じて適合させた分子構造およびカスタムメイドの薬力学的挙動のために、健康な周辺組織よりも標的組織の選択性を増大させることにより、先行技術の化合物と比較して生体活性化合物の有効性を増大させる。
【0017】
実施形態は、種々の医学的症状および治療、それらの中でPDTに使用することができる、置換された2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピロメテン(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピリン)ユニット、または置換された3-ニトロフェニル-ジピロメテン(3-ニトロフェニル-ジピリン)ユニットと合体したホウ素ジピロメテン錯体構造である、生体活性化合物を含む。さらに、これらの化合物は、関節炎および類似の炎症性疾患等の非腫瘍症状の蛍光診断および治療のために使用することができ、それらの用途を広げている。
【0018】
新規の化合物を得るために、実施形態は、置換されたジピロメタン(ジピラン)を使用し、これは対応するホウ素ジピロメテン(ジピリン)に変換される。対応するジピロメタン(ジピラン)を適切な酸化剤で処理し、続いて塩基および三フッ化ホウ素エーテラートで処理することにより、変換が行われる(非特許文献5)。ある実施形態では、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル-ジピロメタンまたは4-フルオロ-3-ニトロフェニル-ジピロメタンを適切な求核剤で処理して、4-置換された2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ジピロメタンまたは4-置換された-3-ニトロフェニル-ジピロメタンをもたらし、これらはその後ホウ素ジピロメテンに変換される。
【0019】
あるいは、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル-ジピロメタンまたは4-フルオロ-3-ニトロフェニル-ジピロメタンは、最初にホウ素ジピロメテンに変換される。この錯体は、適切な求核剤、具体的には、糖基を有する酸素、窒素、硫黄の求核剤での、フェニル環の4位における求核芳香族置換により修飾される。
【0020】
本発明の特に好ましい実施形態では、求核剤は糖チオール化合物、たとえばガラクトシルチオールまたはグルコシルチオールである。
【0021】
別のステップでは、ホウ素ジピロメテンは、2位および6位においてそれぞれ1または2個の臭素原子で修飾される。そのような置換は、一重項酸素の量子収率を上げる等、化合物の光物理特性に有利に影響し得る。この方法で修飾された化合物は、より高い抗腫瘍および抗細菌効果を示す(以下の実施例を参照)。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態では、ホウ素ジピロメテンは、ただ1つの臭素原子で置換される。このような化合物は、高い抗細菌活性を示す。
【0023】
本明細書に記載されるホウ素ジピロメテン錯体の合成のための好ましい出発物質は、ピロールとアルデヒドの縮合反応から容易に得られるジピロメタン(ジピラン)であり得る(非特許文献6)。この縮合の適切な方法は、当該分野で長く知られている(非特許文献6)。ジピロメタン(ジピラン)は、その後、文献(非特許文献7)にしたがって求核剤で修飾され得る。ジピロメタン(ジピラン)は、求核剤で修飾されてもされなくても、その後対応するホウ素ジピロメテンに変換され得る(非特許文献5、7、8)。ジピロメタンへの縮合のために使用されるピロールは、メチル基で置換されていなくても、または置換されていてもよく、好ましい実施形態では、ピロールは2,4-ジメチルピロールである。ホウ素ジピロメテンの臭素、たとえばNBSでの置換は、DCM中では、よりゆっくりと、より低い当量のNBSで、一置換を達成し(非特許文献9、10)、またはヘキサフルオロイソプロパノール中では、より迅速に、より多くの当量のNBSで、二置換を達成する(非特許文献11)。糖基でのホウ素ジピロメテンの修飾は、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニルまたは4-フルオロ-3-ニトロフェニル-置換基のパラフッ素原子を、他のペンタフルオロフェニル-置換化合物のために文献に記載されている、たとえばガラクトシルチオールまたはグルコシルチオール等の適切な糖求核剤で置換することにより達成され得る(非特許文献12)。
【0024】
本明細書に記載される化合物の合成は、以下の実施例で説明する。
【0025】
実施例1は、アミノ-およびグリコ-置換されたホウ素ジピロメテンを含む、置換されたホウ素ジピロメテン錯体の合成を示す。後者の例は、これらがパラフッ素原子の糖チオールでの置換によりどのようにそれらを合成することができるのかを示した。さらに、特定の求核剤での置換が、1,3,5,7-テトラメチル、および非アルキル化ホウ素ジピロメテン上でなされ得ることを例示した。
【0026】
実施例2は、臭素置換されたホウ素ジピロメテンの合成を示す。これは、反応パラメータ(溶媒、NBSのモル当量)を慎重に選択することで、一置換および二置換が達成可能であることを例証している。
【0027】
本明細書に記載されるような特異的に置換されたホウ素ジピロメテン錯体は、癌および他の(過度の)過剰増殖疾患、およびに感染の化学的治療のため、ならびにそれらの疾患、感染、および症状の光線力学的治療のための使用に適している。
【0028】
いくつかの実施形態では、治療は、まず、特定の治療部位に誘導体を送達するために、ホウ素ジピロメテンを薬学的に許容される適用ビヒクル(たとえば、エタノール溶液、リポソーム製剤、または他の医薬製剤)に組み込むことにより達成される。ビヒクル中の誘導体を治療領域に投与した後、この錯体が疾患組織に優先的に蓄積され、効果を発揮するように十分な時間が必要である。PDT治療の場合、治療領域に適切な波長および十分な出力の光を照射してホウ素ジピロメテン錯体を活性化させ、前記疾患組織の細胞のネクローシスまたはアポトーシスを誘導する。両親媒性であるため、化学的に安定的な本発明のホウ素ジピロメテン錯体は、種々の投与方法、たとえば注入のための、薬学的に許容され、かつ活性のある様々な製剤に調製され得る。ある実施形態では、そのような両親媒性の化合物はリポソームに製剤化される。このリポソーム製剤は、注入部位での沈殿または薬物動態の遅延等の望ましくない影響を避けて注入することができる。
【0029】
HT29腫瘍細胞株および他の細胞株での細胞培養試験における本開示に記載されるようなホウ素ジピロメテンの闇毒性(DT)および光毒性(実施例3)の決定は、PDTでの使用のための化合物の優れた特性を示す(実施例3.1~3.11)。
【0030】
実施例3.1~3.11のデータは、特に関節炎に関連するモデル細胞株(J774A.1、マクロファージ細胞株)における、本開示に記載される化合物での光線力学的治療の結果を示し、関節炎および類似の炎症性疾患の診断および治療における、開示されたホウ素ジピロメテン錯体の有用性を示している。
【0031】
実施例4(4.1~4.11)の図は、本明細書に記載されるホウ素ジピロメテンの細菌、グラム陽性細菌である黄色ブドウ球菌およびグラム陰性細菌である緑膿菌に対する影響を示し、これらの化合物が細菌感染の治療にも使用し得ることを示している。実施例にみられるように、選択された化合物(4.1、4.2、4.4~4.10)は、光がない場合でさえ(試験した最大濃度の100μmolで)、黄色ブドウ球菌に対して高い抗細菌活性を示し、特に、化合物は他方で光のないところでは細胞に対して無毒であることから、全身治療でのこれらの主要な適正を例証している(実施例3を参照)。また、いくつかの化合物は、細菌に対して特異的に活性であり得、細胞においてはほんの低い毒性を示す(実施例3.12と比較して実施例4.5を参照)。
【0032】
以下の実施例は、当業者に本発明のホウ素ジピロメテン錯体の製造方法についての完全かつ例示的な開示および説明を提供し、それらの化学治療活性および光線力学活性を示すために提示され、本発明者が本発明とみなすものの範囲を限定することを意図していない。使用する数値(たとえば、量、温度等)に関して正確を期すよう努力したが、多少の実験誤差や偏差が考慮されるべきである。また、体系的なIUPAC名で化合物に名前を付けるために最善の策が講じられているが、基本的な参照は、実験分光データに基づいて与えられた構造式である。
【0033】
すべての反応は標準の丸底フラスコで行われた。空気感応反応は、アルゴンガス保護雰囲気下で行われた。DCM、n-ペンタンおよびメタノールを、購入し、そのまま使用した。他の溶媒を購入し、減圧で蒸留した。購入した化学物質は、さらに精製せず、そのまま使用した。液体試薬は、シリンジを介して添加した。薄層クロマトグラフィーにより反応をモニタリングし((Merck,TLCシリカゲルl60 F254)、UV光下(254nmおよび366nm)で可視化した。シリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを行った(Flukaシリカゲル60M、40~63μm)。JEOL ECX400、JEOL ECP500、Bruker Avance500、JEOL ECZ600、およびBruker Avance700で、NMRスペクトルを記録した。多数のシグナルは以下のように割り当てた:s=シングレット、br s=ブロードシングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、dd=ダブレットオブダブレット、dt=ダブレットオブトリプレット、dq=ダブレットオブカルテット、tt=トリプレットオブトリプレット、ddd=ダブレットオブダブレットオブダブレット、ddt=ダブレットオブダブレットオブトリプレット、sept=セプテット、m=マルチプレット、mc=センターマルチプレット。化学シフトは、CDCl3(1H:δ=7.26ppm,13C:δ=77.2ppm)、CD2Cl2(1H:δ=5.32ppm,13C:δ=53.8ppm)、THF-d8(1H:δ=3.58ppm,13C:δ=67.6ppm)、およびDMSO-d6(1H:δ=2.50ppm,13C:δ=39.5ppm)との相対値で報告される。すべての13C NMRスペクトルはプロトンデカップリングされており、カップリング定数はヘルツ(Hz)で与えられる。詳細なピークの割り当てのために、2次元スペクトルを測定した(COSY、HMBC、およびHMQC)。Agilent Technologies 6210 ESI-TOF(エレクトロスプレーイオン化、飛行時間)装置でHRMS解析を行った。UV/Visスペクトルは、石英キュベット(長さ1cm)中で、SPECORD S300UV/Visスペクトロメーター(Analytic Jena)で記録した。指定融点は、Reichert社のThermovar装置で記録し、補正していない。
【0034】
パラ-アミノ置換された1,3,5,7-テトラメチルBODIPY、8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチルBODPY(非特許文献8)、パラ-アルコキシ置換されたBODIPY、8-ペンタフルオロフェニルBODIPY(非特許文献7)、パラ-アミノ置換されたBODIPYs(非特許文献13)、パラ-4-アミノ-3-ニトロフェニル置換されたBODIPY、4-フルオロ-3-ニトロフェニルBODIPY(非特許文献14)、およびパラ-アミノ置換されたBODIPY(非特許文献15)は、文献に従って調製された。
【0035】
(実施例1)
(置換されたホウ素ジピロメテンの調製)
(1.1 8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化1】
【0036】
4-フルオロ-3-ニトロベンズアルデヒド(500mg、2.96mmol)を35mLのジクロロメタン(DCM)に溶解した。2,4-ジメチルピロール(900μL、8.87mmol)およびトリフルオロ酢酸(37μL、0.48mmol)を加え、混合物を室温で2.5時間撹拌した。表示時間後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(671mg、2.96mmol)を加え、室温でさらに1時間撹拌した。その後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.8mL、34.10mmol)およびBF3・OEt2(5.8mL、45.70mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。水を加え、混合物をDCMで数回抽出した。合わせた有機相を再度水で洗浄し、濃縮し(容積の約半分に)、シリカゲルを充填したガラスフリットで濾過した(DCM)。濾液をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc=9/1、v/v)により粗生成物を精製し、橙緑色の固体として生成物を得た(536mg、47%)。
【0037】
Mp:171~175℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.43(s,6H,Me)、2.56(s,6H,Me)、6.03(s,2H,Hpyrrole)、7.47(dd,J=10.3,8.5Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.60(ddd,J=8.5,4.1,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.05(dd,J=6.9,2.3Hz,1H,Ar-Hortho)
【0038】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=14.8(Me)、15.2(Me)、119.7(d,JC-F=21.1Hz,Ar-Cmeta)、122.2(CHpyrrole)、126.5(d,JC-F=2.4Hz,Ar-Cortho)、131.1(Cpyrrole)、132.1*、135.7(d,JC-F=8.5Hz,Ar-Cortho)、136.7(Cmeso)、138.1(d,JC-F=8.0Hz)*、142.4(Cpyrrole)、155.79(d,JC,F=268.0Hz,Ar-Cpara)、157.1(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0039】
19F NMR(376 Hz,CDCl3):δ(ppm)=-111.85(s,1F,CF)、-145.85~-146.23(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C19H18BF3N3O2
+[M+H]+:388.1439,found:388.1438.
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=507[4.77]
【0040】
アミンでの置換のための一般手順:BODIPYをDCM、DMF、またはDMSOに溶解し、対応するアミンを加えた。混合物を室温で指示時間撹拌した。その後、混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて乾燥させた。カラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製した。
【0041】
(1.2 8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化2】
【0042】
一般合成手順に従って、8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)(116mg、0.30mmol)およびn-ブチルアミン(0.6mL、5.99mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を90分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/2、v/v)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(116mg、88%)。
【0043】
Mp:133~139℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.02(t,J=7.4Hz,3H,Mebutyl)、1.49~1.58(m,8H,CH2+Me)、1.75~1.81(m,2H,CH2)、2.55(s,3H,Me)、3.36(td,J=7.2,4.7Hz,2H,CH2)、6.00(s,2H,Hpyrrole)、7.00(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.31(dd,J=8.8,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.13(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho),8.14~8.16(m,1H,NH)
【0044】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=13.9(Mebutyl)、14.8(Me)、15.4(Me)、20.4(CH2)、31.1(CH2)、43.1(CH2)、114.9(Ar-Cmeta)、120.1(Cmeso)、121.4*、121.6(CHpyrrole)、126.9(Ar-Cortho)、131.9(Cpyrrole)、136.1(Ar-Cortho)、139.4*、142.8(Cpyrrole)、145.6(Ar-Cpara)、156.1(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0045】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.60~-146.69(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C23H27BF2N4O2Na+[M+Na]+:463.2087、found:463.2120、m/z calcd. for C23H27BF2N4O2K+[M+K]+:479.1827、found:479.1856、m/z calcd. for C46H54B2F4N8O4Na+[2M+Na]+:903.4282、found:903.4319
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=505[4.75]
【0046】
(1.3 8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化3】
【0047】
一般合成手順に従って、8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.26mmol)およびエタノールアミン(0.3mL、5.17mmol)を、10mLのDCMに溶解した。混合物を24時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(96mg、87%)。
【0048】
Mp:170~175℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.57(s,6H,Me)、2.49(s,6H,Me)、3.48~3.51(m,2H,CH2)、3.80~3.83(m,2H,CH2)、4.23(t,J=4.9Hz,1H,OH)、6.04(s,2H,Hpyrrole)、7.24(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.42(dd,J=8.7,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.15(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.41(t,J=5.3Hz,1H,NH)
【0049】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.9(Me)、43.8(CH2)、112.3(Cmeso)、116.5(Ar-Cmeta)、121.2(CHpyrrole)、127.9(Ar-Cortho)、132.0(Cpyrrole)、133.2*、136.6(Ar-Cortho)、141.1*、142.1(Cpyrrole)、146.9(Ar-Cpara)、154.9(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0050】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-145.98~-146.84(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H23BF2N4O3Na+[M+Na]+:451.1723、found:451.1789,m/z calcd. for C42H46B2F4N8O6Na+[2M+Na]+:879.3555、found:879.3647
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=505[4.54]
【0051】
(1.4 8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化4】
【0052】
一般合成手順に従って、8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(132mg、0.34mmol)およびアリルアミン(0.3mL、3.40mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を24時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc=9/1、v/v)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(124mg、86%)。
【0053】
Mp:176~179℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.53(s,6H,Me)、2.54(s,6H,Me)、4.05(t,J=5.0Hz,2H,CH2)、5.29~5.36(m,2H,H2C=CH-)、5.95~6.02(m,3H,Hpyrrole+H2C=CH-)、6.98(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.30(dd,J=8.8,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.14(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.28(t,J=5.8Hz,1H,NH)
【0054】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=14.7(Me)、15.3(Me)、45.6(CH2)、115.2(Ar-Cmeta)、117.7(H2C=CH-)、121.6(CHpyrrole)、121.8*、126.8(Ar-Cortho)、131.9(Cpyrrole)、132.1(Cmeso)、132.7(H2C=CH-)、136.0(Ar-Cortho)、139.2*,142.7(Cpyrrole)、145.3(Ar-Cpara)、156.1(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0055】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.57~-146.59(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H23BF2N4O2Na+[M+Na]+:447.1774、found:447.1796、m/z calcd. for C22H23BF2N4O2K+[M+K]+:463.1514、found:463.1543、m/z calcd. for C44H46B2F4N8O4Na+[2M+Na]+:871.3656、found:871.3699、m/z calcd. for C44H46B2F4N8O4K+[2M+K]+:887.3396、found:887.3442
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=504[4.83]
【0056】
(1.5 8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-インイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化5】
【0057】
一般合成手順に従って、8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-インイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(116mg、0.30mmol)およびプロパルギルアミン(0.4mL、5.99mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を24時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc=9/1、v/v)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(56mg、44%)。
【0058】
Mp:130~135℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.51(s,6H,Me)、2.34(t,J=2.5Hz,1H,CH)、2.55(s,6H,Me)、4.20(dd,J=5.7,2.5Hz,2H,CH2)、6.00(s,2H,Hpyrrole)、7.12(d,J=8.7Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.40(dd,J=8.7,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.17(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.23(t,J=5.6Hz,1H,NH)
【0059】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=14.8(Me)、15.3(Me)、32.97(CH2)、72.99(CH)、78.4(C)、115.1(Ar-Cmeta)、121.7*、122.9(CHpyrrole)、126.9(Ar-Cortho)、131.8(Cmeso)、132.9(Cpyrrole)、136.1(Ar-Cortho)、138.9*、142.8(Cpyrrole)、144.3(Ar-Cpara)、156.3(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0060】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.56~-146.60(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H21BF2N4O2Na+[M+Na]+:445.1618、found:445.1634、m/z calcd. for C22H21BF2N4O2Na+[M+K]+:461.1357、found:461.1492、m/z calcd. for C44H42B2F4N8O4Na+[2M+Na]+:867.3343、found:867.3348
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=505[4.47]
【0061】
(1.6 8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化6】
【0062】
一般合成手順に従って、8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(200mg、0.52mmol)、メチル-6-アミノヘキサノエート塩酸塩(939mg、5.17mmol)、およびN,N-ジイソプロピルアミン(1.8mL、10.33mmol)を20mLのDCMに溶解した。混合物を72時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc=9/1、v/v、その後n-ヘキサン/EtOAc=4/1、v/v)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(80mg、30%)。
【0063】
Mp:123~125℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.49~1.57(m,8H,Me+CH2)、1.70~1.76(m,2H,CH2)、1.77~1.83(m,2H,CH2)、2.36(t,J=7.4Hz,2H,CH2)、2.54(s,6H,Me)、3.36(td,J=7.1,5.0Hz,2H,CH2)、3.67(s,3H,MeOMe)、5.99(s,2H,Hpyrrole)、6.98(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.31(dd,J=8.7,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.11~8.14(m,2H,Ar-Hortho+NH)
【0064】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=14.7(Me)、15.3(Me)、24.6(CH2)、26.7(CH2)、28.7(CH2)、33.9(CH2)、43.1(CH2)、51.7(MeOMe)、114.8(Ar-Cmeta)、121.5*、121.6(CHpyrrole)、126.9(Ar-Cortho)、131.9(Cpyrrole)、131.9(Cmeso)、136.1(Ar-Cortho)、139.3*、142.7(Cpyrrole)、145.5(Ar-Cpara)、156.1(Cpyrrole)、173.95(CO) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0065】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.57~-146.63(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C26H31BFN4O4
+[M-F]+:493.2417、found:493.2410、m/z calcd. for C26H31BF2N4O4Na+[M+Na]+:535.2299、found:535.2298
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=504[4.66]
【0066】
(1.7 8-[4-(N,N-ジブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化7】
【0067】
一般合成手順に従って、8-[4-(N,N-ジブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(200mg、0.52mmol)およびN,N-ジブチルアミン(1.60mL、9.66mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を24時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc=9/1、v/v)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(90mg、35%)。
【0068】
Mp:95~99℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=0.87(t,J=7.4Hz,6H,Mebutyl)、1.25~1.32(m,4H,CH2)、1.50~1.56(m,10H,CH2+Me)、2.55(s,6H,Me)、3.20(t,J=7.3Hz,4H,CH2)、6.00(s,2H,Hpyrrole)、7.28(br s,2H,Ar-Hmeta+Ar-Hortho)、7.65(t,J=1.2Hz,1H,Ar-Hortho)
【0069】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=13.9(Mebutyl)、14.8(Me)、14.99(Me)、20.2(CH2)、29.5(CH2)、52.2(CH2)、121.7(CHpyrrole)、122.6(Ar-Cmeta)、126.3(Ar-Cortho)、131.7(Cpyrrole)、132.7(Ar-Cortho)、138.96*、142.1*、142.8(Cpyrrole)、144.9(Ar-Cpara)、156.2(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0070】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.61~-146.64(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C27H35BF2N4O2Na+[M+Na]+:519.2713、found:519.2713
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=505[4.62]
【0071】
(1.8 8-[4-(N-1-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化8】
【0072】
一般合成手順に従って、8-[4-(N-1-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(200mg、0.52mmol)および2-アミノ-1,3-ジヒドロキシプロパン(706mg、7.75mmol)を、20mLのDMSOに溶解した。混合物を24時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)により粗生成物を精製し、橙緑色の固体として生成物を得た(40mg、23%)。
【0073】
Mp:110~116℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.58(s,6H,Me)、2.48(s,6H,Me)、3.72~3.76(m,2H,CH2)、3.80~3.82(m,3H,CH2+CH)、4.25(br s,2H,OH)、6.04(s,2H,Hpyrrole)、7.33(d,J=8.9Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.39(dd,J=8.8,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.14(d,J=2.0Hz,1H,Ar-Hortho)、8.59(d,J=7.3Hz,1H,NH)
【0074】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=14.7(Me)、15.5(Me)、56.9(CH)、61.5(CH2)、116.9(Ar-Cmeta)、122.0(CHpyrrole)、122.1*、127.8(Ar-Cortho)、132.9(Cpyrrole)、133.2*、136.7(Ar-Cortho)、141.2(Cmeso)、143.5(Cpyrrole)、146.5(Ar-Cpara)、156.5(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0075】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.71~-147.02(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H25BFN4O4
+[M-F]+:439.1947、found:439.1957、m/z calcd. for C22H26BF2N4O4
+[M+H]+:459.2010、found:459.2016、m/z calcd. for C22H25BF2N4O4Na+[M+Na]+:481.1829、found:481.1837、m/z calcd. for C22H25BF2N4O4K+[M+K]+:497.1569、found:497.1575
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=501[4.80]
【0076】
(1.9 8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化9】
【0077】
一般合成手順に従って、8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献8)に従って調製)(200mg、0.48mmol)およびプロパルギルアミン(0.31mL、4.83mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を24時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(53mg、23%)。
【0078】
Mp:215~221℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.66(s,6H,Me)、2.27~2.28(m,1H,CH)、2.56(s,6H,Me)、4.22(br s,2H,CH2)、6.02(s,2H,Hpyrrole)
【0079】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=13.6(Me)、14.9(Me)、35.8(CH2)、72.9(C)、121.95(CHpyrrole)、131.8(Cpyrrole)、133.8(Ar-Cpara)、142.1(Cpyrrole)、157.1(Cpyrrole).
【0080】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-142.41(d,J=18.8Hz,2F,CFmeta)、-145.89~-146.15(mc,2F,BF2)、-157.16(d,J=18.0Hz,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H18BF6N3Na+[M+Na]+:472.1390、found:472.1407、m/z calcd. for C22H18BF6N3K+[M+K]+:488.1130、found:488.1130、m/z calcd. for C44H36B2F12N6Na+[2M+Na]+:921.2888、found:921.2910
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=515[4.72]
【0081】
(1.10 8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化10】
【0082】
一般合成手順に従って、8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献8)に従って調製)(200mg、0.48mmol)およびエタノールアミン(0.50mL、8.93mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を4時間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/1、v/v)により粗生成物を精製し、橙緑色の固体として生成物を得た(81mg、41%)。
【0083】
Mp:154~157℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.70(s,6H,Me)、2.49(s,6H,Me)、3.52-3.56(m,2H,CH2)、3.69(t,J=5.5Hz,2H,CH2)、4.06(br s,1H,OH)、5.57(s,1H,NH)、6.09(s,2H,Hpyrrole)
【0084】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.8(Me)、14.8(Me)、48.7(CH2)、62.2(CH2)、100.03(t,JC-F=19.8Hz,Ar-Cipso)、122.5(CHpyrrole)、126.5(Cmeso)、131.4~131.6(m,Ar-Cpara)、132.95(Cpyrrole)、139.03(dd,JC-F=242.1,25.0Hz,Ar-Cmeta)、142.9(Cpyrrole)、145.27(ddt,JC-F=242.3,8.6,4.1Hz,Ar-Cortho)、157.8(Cpyrrole)
【0085】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-145.87(d,J=17.7Hz,2F,CFmeta)、-146.58~-146.84(mC,2F,BF2)、-161.12(d,J=18.3Hz,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H20BF6N3ONa+[M+Na]+:478.1496、found:478.1524、m/z calcd. for C21H20BF6N3OK+[M+K]+:494.1235、found:494.1267、m/z calcd. for C42H40B2F12N6O2Na+[2M+Na]+:933.3099、found:933.3149
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=515[4.89]
【0086】
チオ炭水化物での置換のための一般手順:BODIPYをDMFに溶解し、対応するチオ炭水化物を加えた。混合物を室温で指示時間撹拌した。その後、5mLの水を加え、蒸発させて乾燥させた。カラムクロマトグラフィーおよび再結晶により粗生成物を精製した。
【0087】
(1.11 8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化11】
【0088】
一般合成手順に従って、8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.26mmol)および1’-チオ-β-D-グルコースナトリウム塩(67mg、0.31mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を15分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=6/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(67mg、46%)。
【0089】
Mp:158~163℃
1H NMR(600MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.48(d,J=6.6Hz,6H,Me)、2.50(s,6H,Me)、3.31~3.37(m,3H,2’-H+3’-H+4’-H)、3.42(ddd,J=8.9,5.9,2.5Hz,1H,5’-H)、3.57~3.60(m,4H,6’-H+THF)、3.81(dd,J=12.0,2.5Hz,1H,6’-H)、3.88(br s,1H,OH)、4.61(br s,1H,OH)、4.84br s,1H,OH)、4.88~4.89(m,1H,1’-H)、5.07(br s,1H,OH)、6.07(d,J=3.6Hz,2H,Hpyrrole)、7.65(dd,J=8.3,2.0Hz,1H,Ar-Hortho)、8.12(d,J=8.3Hz,1H,Ar-Hmeta)、8.23(d,J=1.9Hz,1H,Ar-Hortho)
【0090】
13C NMR(151MHz,THF-d8):δ(ppm)=14.4(Me)、15.1(Me)、62.7(6’-C)、70.9(4’-C)、73.6(2’-C)、79.9(3’-C)、81.9(5’-C)、86.4(1’-C)、121.99(CHpyrrole)、126.3(Ar-Cortho)、130.7(Ar-Cmeta)、131.9(Cpyrrole)、132.9(Ar-Cpara)、134.3(Ar-Cort-ho)、138.1*、139.3*、143.2(Cpyrrole)、148.0(Cmeso)、156.7(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0091】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.71~-146.89(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H30N3O7S+[M-BF2+H]+:516.1799、found:516.1802、m/z calcd. for C25H28BF2N3O7SNa+[M+Na]+:586.1601、found:586.1614
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=382[3.58]、503[4.52]
【0092】
(1.12 8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化12】
【0093】
一般合成手順に従って、8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.26mmol)および1’-チオ-β-D-ガラクトースナトリウム塩(68mg、0.31mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を15分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=9/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙赤色の固体として生成物を得た(116mg、80%)。
【0094】
Mp:151~158℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.48(d,J=5.3Hz,6H,Me)、2.50(s,6H,Me)、3.46(d,J=8.4Hz,1H,3’-H)、3.64~3.67(m,2H,5’-H+6’-H)、3.70~3.74(m,2H,2’-H+6’-H)、3.89(br s,1H,4’-H)、4.00(br s,1H,OH)、4.53(br s,1H,OH)、4.79(d,J=9.7Hz,1H,1’-H)、4.89(br s,1H,OH)、6.06(s,2H,Hpyrrole)、7.62(dd,J=8.3,1.9Hz,1H,Ar-Hortho)、8.19(d,J=8.4Hz,1H,Ar-Hmeta)、8.21(d,J=1.9Hz,1H,Ar-Hortho)
【0095】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=14.8(Me)、15.4(Me)、62.7(6’-C)、70.1(4’-C)、70.9(2’-C)、79.6(3’-C)、80.95(5’-C)、87.3(1’-C)、122.6(CHpyrrole)、126.3(Ar-Cortho)、131.5(Ar-Cmeta)、133.2(Cpyrrole)、134.4(Ar-Cortho)、138.5*、139.7(Ar-Cpara)、143.5*、143.6(Cpyrrole)、148.5(Cmeso)、157.1(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0096】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.68~-146.94(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H30N3O7S+[M-BF2+H]+:516.1799、found:516.1836、m/z calcd. for C25H28BF2N3O7SNa+[M+Na]+:586.1601、found:586.1642、m/z calcd. for C25H28BF2N3O7SK+[M+K]+:602.1341、found:602.1380
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=359[3.89]、502[4.77]
【0097】
(1.13 8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化13】
【0098】
一般合成手順に従って、8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献8)に従って調製)(100mg、0.24mmol)および1’-チオ-β-D-グルコースナトリウム塩(63mg、0.29mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を30分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=6/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙色の固体として生成物を得た(98mg、69%)。
【0099】
Mp:180~183℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.66(s,6H,Me)、2.51(s,6H,Me)、3.16~3.20(m,1H,3’-H)、3.25~3.29(m,2H,2’-H+5’-H)、3.43(dd,J=7.2,4.9Hz,1H,4’-H)、3.50(ddd,J=11.7,7.1,5.1Hz,1H,6’-H)、3.63(ddd,J=11.5,4.8,2.7Hz,1H,6’-H)、4.50(s,1H,OH)、4.77(s,1H,OH)、4.88(d,J=8.6Hz,1H,1’-H)、4.97(s,1H,OH)、6.12(s,2H,Hpyrrole).
【0100】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.8(Me)、62.9(6’-C)、71.5(2’-C)、76.2(4’-C)、79.98(3’-C)、82.7(5’-C)、85.8(1’-C)、119.4(Ar-Cipso)、122.9(CHpyrrole)、125.0(Ar-Cpara)、131.8(Cpyrrole)、142.95(Cpyrrole)、158.5(Cpyrrole)
【0101】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-132.29~-132.39(m,2F,CFortho)、-142.89(dd,J=24.8,11.1Hz,2F,CFmeta)、-146.50~-146.75(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H26BF6N2O5S+[M+H]+:591.1554、found:591.1565、m/z calcd. for C25H25BF6N2O5SNa+[M+Na]+:613.1374、found:613.1390、m/z calcd. for C25H25BF6N2O5SK+[M+K]+:629.1113、found:629.1137、m/z calcd. for C50H50B2F12N6O10S2Na+[2M+Na]+:1203.2855、found:1203.2887
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=513[4.72]
【0102】
(1.14 8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化14】
【0103】
一般合成手順に従って、8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献8)に従って調製)(200mg、0.48mmol)および1’-チオ-β-D-ガラクトースナトリウム塩(126mg、0.58mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を20分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=9/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、赤色の固体として生成物を得た(130mg、46%)。
【0104】
Mp:213~216℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.66(s,6H,Me)、2.51(s,6H,Me)、3.37(ddd,J=9.2,6.3,3.3Hz,1H,3’-H)、3.43(dd,J=6.6,6.0Hz,1H,5’-H)、3.47(dd,J=10.6,5.6Hz,1H,6’-H)、3.56~3.61(m,2H,4’-H+6’-H)、3.66(t,J=5.5Hz,1H,OH)、3.82(t,J=3.3Hz,1H,2’-H)、3.95(d,J=4.1Hz,1H,OH)、4.39(d,J=6.3Hz,1H,OH)、4.76~4.77(m,1H,1’-H)、4.79(d,1H,OH)、6.12(s,2H,Hpyrrole)
【0105】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.8(Me)、62.0(6’-C)、70.0(2’-C)、73.3(4’-C)、76.5(3’-C)、81.3(5’-C)、86.3(1’-C)、115.0(Ar-Cipso)、122.9(CHpyrrole)、125.1(Cmeso)、131.8(Cpyrrole)、131.9(Ar-Cpara)、142.97(Cpyrrole)、158.5(Cpyrrole)
【0106】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-131.26(dd,J=25.4,11.7Hz,2F,CFortho)、-142.24(dd,J=25.5,11.7Hz2F,CFmeta)、-145.71~-145.96(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H25BF6N2O5SNa+[M+Na]+:613.1374,found:613.1402
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=513[4.54]
【0107】
(1.15 8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化15】
【0108】
一般合成手順に従って、8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(100mg、0.36mmol)および1’-チオ-β-D-グルコースナトリウム塩(79mg、0.36mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を15分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=6/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙赤色の固体として生成物を得た(140mg、91%)。
【0109】
Mp:>250℃
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=3.19~3.21(m,1H,4’-H)、3.27~3.33(m,2H,2’-H+3’-H)、3.42~3.48(m,2H,5’-H+6’-H)、3.73(d,J=10.4Hz,1H,6’-H)、4.63(br s,1H,OH)、4.98(d,J=9.3Hz,1H,1’-H)、5.13(br s,1H,OH)、5.26(br s,1H,OH)、5.67(br s,1H,OH)、6.72(dd,J=4.3,1.9Hz,2H,Hpyrrole)、7.18(d,J=4.2Hz,2H,Hpyrrole)、7.92(dd,J=8.5,2.0Hz,1H,Ar-Hortho)、8.01(d,J=8.5Hz,1H,Ar-Hmeta)、8.19(s,2H,Hpyrrole)、8.39(d,J=2.0Hz,1H,Ar-Hortho)
【0110】
13C-NMR(126MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=60.9(6’-C)、69.7(4’-C)、72.4(2’-C)、78.2(3’-C)、81.1(5’-C)、84.4(1’-C)、119.7(Cpyrrole)、127.5(Ar-Cortho)、129.8(Ar-Cpara)、128.95(Ar-Cmeta)、131.8(Cpyrrole)、134.1(Cpyrrole)、135.3(Ar-Cortho)、138.8*、143.6*、145.0(Cpyrrole)、145.7(Cmeso) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=-141.06~-141.29(mc,2F,BF2)
【0111】
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H20BF2N3O7SNa+[M+Na]+:530.0975、found:530.0988
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=373[4.24]、504[4.68]
【0112】
(1.16 8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化16】
【0113】
一般合成手順に従って、8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(100mg、0.30mmol)および1’-チオ-β-D-ガラクトースナトリウム塩(79mg、0.36mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を15分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=6/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙赤色の固体として生成物を得た(125mg、82%)。
【0114】
Mp:221~225℃
1H-NMR(600MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=3.44~3.46(m,1H,3’-H)、3.54(d,J=5.9Hz,2H,6’-H)、3.63(t,J=9.1Hz,1H,2’-H)、3.68(t,J=6.0Hz,1H,5’-H)、3.78~3.79(m,1H,4’-H)、4.64(br s,1H,OH)、4.73(br s,1H,OH)、4.92(d,J=9.7Hz,1’-H)、5.04(br s,1H,OH)、5.50(br s,1H,OH)、6.71~6.72(m,2H,Hpyrrole)、7.17(d,J=4.2Hz,2H,Hpyrrole)、7.92(dd,J=8.4,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.05(d,J=8.5Hz,1H,Ar-Hmeta)、8.17(s,2H,Hpyrrole)、8.38(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho)
【0115】
13C-NMR(151MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=60.6(6’-C)、68.4(4’-C)、69.0(2’-C)、74.7(3’-C)、79.4(5’-C)、85.0(1’-C)、119.8(Cpyrrole)、127.5(Ar-Cortho)、128.8(Ar-Cpara)、128.99(Ar-Cmeta)、131.8(Cpyrrole)、134.1(Cpyrrole)、135.2(Ar-Cortho)、139.1*、143.6*、145.5(Cpyrrole)、145.8(Cmeso) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0116】
19F-NMR(376MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=-141.12~-141.35(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H20BF2N3O7SNa+[M+Na]+:530.0975、found:530.0985、m/z calcd. for C21H20BF2N3O7SK+[M+K]+:546.0715、found:546.0712
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=371[4.14]、503[4.57]
【0117】
(1.17 8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化17】
【0118】
一般合成手順に従って、8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献7)に従って調製)(100mg、0.28mmol)および1’-チオ-β-D-グルコースナトリウム塩(73mg、0.34mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を15分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=8/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙赤色の固体として生成物を得た(130mg、88%)。
【0119】
Mp:100~109℃
1H NMR(500MHz,THF-d6):δ(ppm)=3.21~3.26(m,2H,2’-H+5’-H)、3.27~3.30(m,2H,3’-H+4’-H)、3.46~3.51(m,1H,6’-H)、3.72~3.75(m,1H,6’-H)、4.43(s,1H,OH)、4.82(s,1H,OH)、4.93(d,J=9.0Hz,1H,1’-H)、6.60~6.61(m,2H,Hpyrrole)、7.05(s,2H,Hpyrrole)、8.04(s,2H,Hpyrrole)
【0120】
13C NMR(126MHz,THF-d6):δ(ppm)=63.2(6’-C)、71.8(2’-C)、76.1(4’-C)、80.1(3’-C)、82.8(5’-C)、85.8(1’-C)、120.5(Cpyrrole)、131.8(Cpyrrole)、136.0(Cpyrrole)、147.8(Cpyrrole)
【0121】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-133.29(dd,J=23.5,10.6Hz,2F,CFortho)、-140.54~-140.63(m,2F,CFmeta)、-145.33~-145.56(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H17BF5N2O5S+[M-F]+:515.0866、found:515.0844、m/z calcd. for C21H17BF6N2O5SNa+[M+Na]+:557.0748、found:557.0729
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=356[3.84]、513[4.58]
【0122】
(1.18 8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化18】
【0123】
一般合成手順に従って、8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献7)に従って調製)(100mg、0.28mmol)および1’-チオ-β-D-ガラクトースナトリウム塩(73mg、0.34mmol)を5mLのDMFに溶解した。混合物を15分間撹拌した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=8/1、v/v)および再結晶(DCM+数滴のMeOH/n-ヘキサン)により粗生成物を精製し、橙赤色の固体として生成物を得た(91mg、61%)。
【0124】
Mp:110~115℃
1H NMR(600MHz,THF-d6):δ(ppm)=3.39(dd,J=8.7,4.1Hz,1H,3’-H)、3.45(dd,J=5.9,5.6Hz,1H,5’-H)、3.60~3.63(m,3H,4’-H+6’-H)、3.73(br s,1H,OH)、3.82(br s,1H,2’-H)、3.99(br s,1H,OH)、4.43(br s,1H,OH)、4.86(dd,J=9.5,4.8Hz,2H,1’-H+OH)、6.60(s,2H,Hpyrrole)、7.04(s,2H,Hpyrrole)、8.04(s,2H,Hpyrrole)
【0125】
13C NMR(151MHz,THF-d6):δ(ppm)=62.0(6’-C)、69.9(2’-C)、72.9(4’-C)、76.2(3’-C)、81.1(5’-C)、86.1(1’-C)、112.86(t,JC-F=18.7Hz,Ar-Cipso)、116.61(t,JC-F=20.3Hz,Ar-Cpara)、120.2(Cpyrrole)、131.0(Cmeso)、131.4(Cpyrrole)、135.6(Cpyrrole)、144.73(ddt,JC-F=250.2,15.8,4.5Hz,Ar-Cmeta)、147.4(Cpyrrole)、147.95(ddt,JC-F=245.5,13.1,4.5Hz,Ar-Cortho)
【0126】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-133.09(dd,J=24.7,10.6Hz,2F,CFortho)、-140.54~-140.74(m,2F,CFmeta)、-145.40~-145.62(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H17BF5N2O5S+[M-F]+:515.0866、found:515.0856、m/z calcd. for C21H17BF6N2O5SNa+[M+Na]+:557.0748、found:557.0749、m/z calcd.forC42H34B2F12N4O10S2Na+[2M+Na]+:1091.1603、found:1091.1615
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=352[3.69]、513[4.45]
【0127】
(1.19 8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化19】
【0128】
5-(ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ジピロメタン(文献(非特許文献7)に従って調製)((843mg、2.33mmol)を、40mLのDCMに溶解した。2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(534mg、2.33mmol、5mLのDCMに懸濁)を加え、反応混合物を室温で5分間撹拌した。表示時間後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.60ml、21.17mmol)を加え、15分間撹拌した。その後、BF3・OEt2(2.80ml、21.17mmol)を加え、反応混合物をさらに20分間~1時間室温で撹拌した。混合物に水を加え、DCMで数回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、濃い赤色がかった緑色の固体として生成物を得た(203mg、11%)。
【0129】
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.01(t,J=7.4Hz,3H,Me)、1.52~1.58(m,2H,CH2)、1.80~1.86(m,2H,CH2)、4.38(t,J=6.5Hz,2H,CH2)、6.55(d,J=4.0Hz,2H,Hpyrrole)、6.85(d,J=4.0Hz,2H,Hpyrrole)、7.95(s,2H,Hpyrrole)
【0130】
13C NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=13.8(Me)、18.9(CH2)、32.1(CH2)、75.4(CH2)、105.64(t,JC-F=18.1Hz,Ar-Cipso)、119.6(Cpyrrole)、130.8(Cpyrrole)、131.1(Ar-Cpara)、135.3(Cpyrrole)、141.14(dd,JC-F=249.4,19.1Hz,Ar-Cmeta)、144.73(dd,JC-F=251.2,19.4Hz,Ar-Cortho)、146.2(Cpyrrole)
【0131】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-138.19(d,J=16.4Hz,2F,Ar-CFmeta)、-144.66~-144.89(mc,2F,BF2)-153.63(d,J=23.4Hz,2F,Ar-CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C19H15BF6N2ONa+[M+Na]+:435.1074、found:435.1107、m/z calcd. for C38H30BF12N4O2Na+[2M+Na]+:847.2255、found:847.2309
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=348[4.03]、517[4.73]
【0132】
(実施例2)
(ブロモ置換ホウ素ジピロメテンの調製)
1,3,5,7-テトラメチルBODIPYのハロゲン化のための一般手順:BODIPYを1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、N-ブロモスクシンイミド(NBS)を加えた。混合物を室温で表示時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0133】
(2.1 2,6-ジブロモ-8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化20】
【0134】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(60mg、0.16mmol)およびNBS(66mg、0.37mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/4、v/v)により精製し、赤色がかった緑色の固体として生成物を得た(48mg、57%)。
【0135】
Mp:>250℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.48(s,6H,Me)、2.58(s,6H,Me)、7.71(dd,J=10.8,8.5Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.81(ddd,J=8.5,4.2,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.30(dd,J=7.0,2.3Hz,1H,Ar-Hortho)
【0136】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.96(Me)、14.7(Me)、112.6~122.7(m,CBr)、120.99(d,JC-F=20.9Hz,Ar-Cmeta)、127.9(d,JC-F=2.1Hz,Ar-Cortho)、131.4(Cpyrrole)、132.2*、136.9(d,JC-F=9.3Hz,Ar-Cortho)、139.9*、141.2(Cpyrrole)、155.7(Cpyrrole)、157.10(d,JC-F=266.0Hz,Ar-Cpara). *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0137】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-117.54(s,1F,CF)、-146.26~-146.51(mc,2F,BF2)
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=538[4.66]
【0138】
(2.2 2,6-ジブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化21】
【0139】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-ペンタフルオロフェニル-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献8)に従って調製)(100mg、0.24mmol)およびNBS(107mg、0.60mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、橙赤色の固体として生成物を得た(85mg、62%)。
【0140】
Mp:>250℃
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.62(s,6H,Me)、2.63(s,6H,Me)
【0141】
13C NMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=13.1(Me)、14.1(Me)、113.2(CBr)、114.0(Ar-Cipso)、121.2(Cmeso)、130.2(Cpyrrole)、139.1(Cpyrrole)、156.6(Cpyrrole)
【0142】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-138.79~-138.87(m,2F,CFmeta)、-145.62~-145.87(mc,2F,BF2)、-148.83(t,J=20.8Hz,1F,CFpara)、-158.36~-158.49(m,2F,CFmeta)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C19H11BF7N2
-[M-H]-:570.9255、found:570.9248
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=551[4.79]
【0143】
(2.3 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化22】
【0144】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(95mg、0.22mmol)およびNBS(96mg、0.54mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(81mg、63%)。
【0145】
Mp:191~194℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.02(t,J=7.4Hz,3H,Mebutyl)、1.49~1.55(m,2H,CH2)、1.59(s,6H,Me)、1.75~1.79(m,2H,CH2)、2.56(s,6H,Me)、3.45(td,J=7.3,5.4Hz,1H,CH2)、7.27(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.43(dd,J=8.7,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.18(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.26(t,J=5.5Hz,1H,NH)
【0146】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.3(Me)、14.9(Mebutyl)、21.3(CH2)、32.1(CH2)、43.8(CH2)、112.3(CBr)、116.5(Ar-Cmeta)、121.1(Cmeso)、127.9(Ar-Cortho)、132.0(Cpyrrole)、133.2*、136.6(Ar-Cortho)、141.1(Cpyrrole)、146.9(Ar-Cpara)、154.9(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0147】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-145.98~-146.84(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C23H25BBr2F2N4O2Na+[M+Na]+:621.0277、found:621.0314、m/z calcd. for C46H50B2Br4F4N8O4Na+[2M+Na]+:1219.0662、found:1219.0712
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=397[4.19]、533[4.87]
【0148】
(2.4 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化23】
【0149】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(90mg、0.21mmol)およびNBS(94mg、0.53mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=4/1、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(39mg、32%)。
【0150】
Mp:>250℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.59(s,6H,Me)、2.56(s,6H,Me)、3.52(t,J=5.4Hz,2H,CH2)、3.82(t,J=5.4Hz,2H,CH2)、7.30(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.42(dd,J=8.8,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.17(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho)
【0151】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.9(Me)、46.2(CH2)、60.7(CH2)、112.2(CBr)、116.7(Ar-Cmeta)、121.2*、127.8(Ar-Cortho)、132.0(Cpyrrole)、133.3*、136.5(Ar-Cortho)、141.1(Cpyrrole)、142.1(Ar-Cpara)、154.8(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0152】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.26~-146.57(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H21BBr2F2N4O3Na+[M+Na]+:608.9913、found:608.9924、m/z calcd. for C21H21BBr2F2N4O3K+[M+K]+:624.9653、found:624.9670、m/z calcd. for C42H42B2Br4F4N8O6K+[2M+K]+:1210.9674、found:1210.9682
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=401[3.76]、528[4.36]
【0153】
(2.5 2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化24】
【0154】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(87mg、0.21mmol)およびNBS(91mg、0.51mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(53mg、44%)。
【0155】
Mp:209~214℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.58(m,6H,Me)、2.56(s,6H,Me)、4.12~4.15(m,2H,CH2)、5.23(ddd,J=10.4,1.5Hz,1H,H2C=CH-)、5.31(ddd,J=17.2,1.6Hz,1H,H2C=CH-)、6.01(ddt,J=17.2,10.1,4.9Hz,1H,H2C=CH-)、7.20(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.41(dd,J=8.8,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.19(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.45(t,J=5.9Hz,1H,NH)
【0156】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.8(Me)、46.1(CH2)、112.3(CBr)、116.9(H2C=CH-)、117.0(Ar-Cmeta)、121.5*、127.7(Ar-Cortho)、131.99(Cpyrrole)、133.5*、134.9(H2C=CH-)、136.4(Ar-Cortho)、141.1(Cpyrrole)、142.1(Cmeso)、146.8(Ar-Cpara)、154.9(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0157】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.27~-146.56(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H21BBr2FN4O2
+[M-F]+:563.0082、found:563.0083、m/z calcd. for C22H21BBr2F2N4O2Na+[M+Na]+:604.9964、found:604.9968、m/z calcd. for C22H21BBr2F2N4O2K+[M+K]+:620.9703、found:620.9707、m/z calcd. for C44H42B2Br4F4N8O4Na+[2M+Na]+:1187.0036、found:1187.0044
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=399[4.17]、528[4.85]
【0158】
(2.6 2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-インイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化25】
【0159】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-インイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[3-ニトロ-4-(N-2-プロプ-2-インイルアミノ)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(90mg、0.21mmol)およびNBS(95mg、0.53mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(35mg、28%)。
【0160】
Mp:229~235℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.57(m,6H,Me)、2.56(s,6H,Me)、2.76(t,J=2.4Hz,1H,CH)、4.30(dd,J=5.9,2.5Hz,2H,CH2)、7.36(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.50(dd,J=8.8,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.21(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.43(t,J=5.9Hz,1H,NH)
【0161】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.99(Me)、14.8(Me)、33.2(CH2)、73.5(CH)、80.2(C)、112.4(CBr)、117.1(Ar-Cmeta)、122.5*、127.7(Ar-Cortho)、131.98(Cpyrrole)、134.1*、136.4(Ar-Cortho)、141.2(Cpyrrole)、141.9(Cmeso)、145.9(Ar-Cpara)、154.95(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0162】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.27~-146.56(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H19BBr2FN4O2
+[M-F]+:560.9926、found:560.9975、m/z calcd. for C22H19BBr2F2N4O2Na+[M+Na]+:602.9808、found:602.9862、m/z calcd. for C22H19BBr2F2N4O2K+[M+K]+:618.9547、found:618.9608、m/z calcd. for C44H38B2Br4F4N8O4Na+[2M+Na]+:1182.9723、found:1182.9824
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=397[4.25]、533[4.87]
【0163】
(2.7 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化26】
【0164】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(95mg、0.19mmol)およびNBS(83mg、0.46mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(67mg、54%)。
【0165】
Mp:152~155℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.48~1.54(m,2H,CH2)、1.59(s,6H,Me)、1.67~1.71(m,2H,CH2)、1.76~1.82(m,2H,CH2)、2.33(t,J=7.3Hz,2H,CH2)、2.56(s,6H,Me)、3.46(td,J=7.3,5.6Hz,2H,CH2)、3.60(s,3H,MeOMe)、7.27(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.43(dd,J=8.8,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.18(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.27(t,J=5.5Hz,1H,NH)
【0166】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.9(Me)、25.98(CH2)、27.6(CH2)、29.4(CH2)、34.3(CH2)、43.9(CH2)、51.5(MeOMe)、112.6(CBr)、116.5(Ar-Cmeta)、121.2*、127.9(Ar-Cortho)、132.0(Cpyrrole)、133.2*、136.6(Ar-Cortho)、141.1(Cpyrrole)、142.1(Cmeso)、146.9(Ar-Cpara)、154.9(Cpyrrole)、173.8(CO) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0167】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.25~-146.56(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C26H29BBr2F2N4O4Na+[M+Na]+:693.0488、found:693.0503、m/z calcd. for C26H29BBr2F2N4O4K+[M+K]+:709.0228、found:709.0235、m/z calcd. for C52H58B2Br4F4N8O8Na+[2M+Na]+:1363.1085、found:1363.1112
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=404[4.19]、532[4.87]
【0168】
(2.8 2,6-ジブロモ-8-[4-(N,N-ジブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化27】
【0169】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N,N-ジブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N,N-ジブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(90mg、0.18mmol)およびNBS(80mg、0.45mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(68mg、57%)。
【0170】
Mp:157~159℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=0.89(t,J=7.3Hz,6H,Mebutyl)、1.28~1.35(m,4H,CH2)、1.53~1.59(m,10H,Me+CH2)、2.56(s,6H,Me)、3.25(t,J=7.1Hz,4H,CH2)、7.39(dd,J=8.7,2.0Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.46(dd,J=8.7,1.4Hz,1H,Ar-Hortho)、7.77(d,J=2.0Hz,1H,Ar-Hortho)
【0171】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.99(Mebutyl)、14.3(Me)、14.6(Me)、21.0(CH2)、30.6(CH2)、52.8(CH2)、112.3~112.4(m,CBr)、123.7(Ar-Cmeta)、125.4*、127.2(Ar-Cortho)、131.8(Cpyrrole)、133.2(Ar-Cortho)、141.1(Cpyrrole)、141.7(Cmeso)、143.9*、146.4(Ar-Cpara)、154.97(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0172】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.31~-146.52(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C27H34BBr2F2N4O2
+[M+H]+:655.1084、found:655.1087、m/z calcd. for C27H33BBr2F2N4O2Na+[M+Na]+:677.0903、found:677.0899、m/z calcd. for C54H66B2Br4F4N8O4Na+[2M+Na]+:1331.1914、found:1331.1930
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=389[4.03]、533[4.86]
【0173】
(2.9 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-1-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化28】
【0174】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-1-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-1-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(94mg、0.21mmol)およびNBS(91mg、0.51mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=9/1、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(61mg、48%)。
【0175】
Mp:>250℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.61(s,6H,Me)、2.56(s,6H,Me)、3.73~3.78(m,2H,CH2)、3.81~3.84(m,3H,CH2+CH)、4.28(t,J=5.1Hz,2H,OH)、7.39~7.40(m,2H,Ar-Hmeta+Ar-Hortho)、8.17(dd,J=1.5,1.0Hz,1H,Ar-Hortho)、8.65(d,J=7.8Hz,1H,NH)
【0176】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.9(Me)、56.96(CH)、61.6(CH2)、112.2~112.3(mc,CBr)、117.3(Ar-Cmeta)、121.0*、127.9(Ar-Cortho)、132.0(Cpyrrole)、133.2*、136.3(Ar-Cortho)、141.1(Cpyrrole)、142.2(Cmeso)、146.8(Ar-Cpara)、154.8(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0177】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.12~-146.72(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H23BBr2FN4O4
+[M-F]+:597.0137、found:597.0165、m/z calcd. for C22H23BBr2F2N4O4Na+[M+Na]+:639.0019、found:639.0050
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=402[4.03]、528[4.72]
【0178】
(2.10 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化29】
【0179】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-ブチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献8)に従って調製)(95mg、0.20mmol)およびNBS(91mg、0.51mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(68mg、54%)。
【0180】
Mp:133~135℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=0.96(t,J=7.4Hz,3H,Mebutyl)、1.39~1.46(m,2H,CH2)、1.61~1.67(m,2H,CH2)、1.73(s,6H,Me)、2.57(s,6H,Me)、3.45~3.50(m,2H,CH2)、5.83(s,1H,NH)
【0181】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.1(Me)、14.0(Me),14.3(Mebutyl)、20.9(CH2)、33.9(CH2)、45.96(CH2)、98.61(t,JC-F=19.9Hz,Ar-Cipso)、112.9~112.99(m,CBr)、127.5(Cmeso)、131.9(Ar-Cpara)、132.0(Cpyrrole)、138.82(dd,JC-F=241.3,26.0Hz,Ar-Cmeta)、140.5(Cpyrrole)、145.26(dd,JC-F=242.0,11.9Hz,Ar-Cortho)、156.2(Cpyrrole)
【0182】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.65(d,J=17.6Hz,2F,CFmeta)、-146.17~-146.42(mc,2F,BF2)、-161.13(d,J=17.6Hz,2F,CFmeta)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C23H22BBr2F6N3Na+[M+Na]+:648.0049、found:648.0058、m/z calcd. for C46H44B2Br4F12N6Na+[2M+Na]+:1237.0207、found:1237.0221
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=391[4.12]、545[4.93]
【0183】
(2.11 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化30】
【0184】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(87mg、0.19mmol)およびNBS(86mg、0.48mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、緑色の固体として生成物を得た(54mg、44%)。
【0185】
Mp:184~188℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.72(s,6H,Me)、2.58(s,6H,Me)、2.72(t,J=2.4Hz,1H,CH)、4.19~4.21(m,2H,CH2)、6.20~6.23(s,1H,NH)
【0186】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.1(Me)、14.1(Me)、35.6(CH2)、73.5(C)、81.0(CH)、101.20(t,JC-F=18.7Hz,Ar-Cipso)、113.0~113.1(m,CBr)、127.1(Cmeso)、130.8~131.0(m,Ar-Cpara)、131.8(Cpyrrole)、139.85(ddd,JC-F=242.5,15.8,10.5Hz,Ar-Cmeta)、140.5(Cpyrrole)、145.03(dd,JC-F=244.1,16.7Hz,Ar-Cortho)、156.4(Cpyrrole)
【0187】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.33(d,J=14.5Hz,2F,CFmeta)、-146.14~-146.29(mc,2F,BF2)、-158.57(d,J=15.4Hz,2F,CFmeta)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H15BBr2F6N3
-[M-H]-:605.9615、found:605.9587
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=391[3.97]、546[4.76]
【0188】
(2.12 2,6-ジブロモ-8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化31】
【0189】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(94mg、0.21mmol)およびNBS(92mg、0.52mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン=1/9、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(56mg、44%)。
【0190】
Mp:103~108℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.73(s,6H,Me)、2.57(s,6H,Me)、3.54~3.58(m,2H,CH2)、3.69~3.72(m,2H,CH2)、4.05(t,J=5.2Hz,1H,OH)、5.71~5.74(NH)
【0191】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.2(Me)、14.0(Me)、48.7(CH2)、62.3(CH2)、112.9~113.0(m,CBr)、124.7(Cmeso)、132.0(Ar-Cpara)、132.0(Cpyrrole)、140.5(Cpyrrole)、156.2(Cpyrrole)
【0192】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-145.76(d,J=15.7Hz,2F,CFmeta)、-146.21~-146.38(mc,2F,BF2)、-160.61(d,J=15.4Hz,2F,CFmeta)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C24H18BBr2F6N3ONa+[M+Na]+:635.9686、found:635.9687、m/z calcd. for C24H18BBr2F6N3OK+[M+K]+:651.9425、found:651.9436、m/z calcd. for C48H36B2Br4F12N6O2Na+[2M+Na]+:1248.9479、found:1248.9480
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=391[4.03]、546[4.83]
【0193】
(2.13 2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化32】
【0194】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.18mmol)およびNBS(79mg、0.44mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=9/1、v/v)により精製し、赤褐色の固体として生成物を得た(44mg、35%)。
【0195】
Mp:>250℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.50(d,J=6.1Hz,6H,Me)、2.57(s,6H,Me)、3.34~3.38(m,3H,2’-H+3’-H+4’-H)、3.43(ddd,J=8.6,5.7,2.1Hz,1H,5’-H)、3.56(d,J=7.1Hz,1H,6’-H)、3.81(dd,J=11.9,2.5Hz,1H,6’-H)、4.57(br s,1H,OH)、4.81(br s,1H,OH)、4.90~4.92(m,1H,1’-H)、5.06(br s,1H,OH)、7.66(dd,J=8.3,2.0Hz,1H,Ar-Hmeta)、8.16(d,J=8.3Hz,1H,Ar-Hortho)、8.26(d,J=2.0Hz,1H,Ar-Hortho)
【0196】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.9(Me)、14.8(Me)、63.1(6’-C)、71.3(4’-C)、73.96(2’-C)、80.3(3’-C)、83.3(5’-C)、86.6(1’-C)、112.6(CBr)、126.6(Ar-Cortho)、131.5(Ar-Cmeta)、132.4(Cpyrrole)、134.3(Ar-Cortho)、139.3(Ar-Cpara)、140.5*、141.2(Cpyrrole)、141.3*、148.5(Cmeso)、155.4(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0197】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.22~-146.46(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H26BBr2F2N3O7SNa+[M+Na]+:743.9791、found:743.9789
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=372[4.04]、530[4.72]
【0198】
(2.14 2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化33】
【0199】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[3-ニトロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.18mmol)およびNBS(79mg、0.44mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=9/1、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(58mg、45%)。
【0200】
Mp:>250℃
1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=1.40(s,6H,Me)、2.47(s,6H,Me)、3.39~3.46(m,3H,3’-H+6’-H)、3.54~3.62(m,3H,2’-H+5’-H)、3.72(br s,1H,4’-H)、4.90(d,J=9.4Hz,1H,1’-H)、7.73(d,J=7.0Hz,1H,Ar-Hortho)、8.03(d,J=8.0Hz,1H,Ar-Hmeta)、8.27(br s,1H,Ar-Hortho)
【0201】
13C NMR(126MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=13.5(Me)、14.1(Me)、60.3(6’-C)、68.2(4’-C)、69.1(2’-C)、74.6(3’-C)、79.2(5’-C)、84.9(1’-C)、111.5~111.6(m,CBr)、125.4(Ar-Cortho)、129.9*、130.1(Ar-Cmeta)、130.3(Cpyrrole)、133.3(Ar-Cortho)、136.99*、139.4(Ar-Cpara)、140.2(Cpyrrole)、146.8(Cmeso)、153.7(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0202】
19F NMR(376MHz,DMSO-d6):δ(ppm)=-143.15~-143.36(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H26BBr2F2N3O7SNa+[M+Na]+:743.9791、found:743.9849
UV/Vis(MeOH):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=371[4.08]、530[4.80]
【0203】
(2.15 2,6-ジブロモ-8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化34】
【0204】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-グルコシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.17mmol)およびNBS(75mg、0.42mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=9/1、v/v)により精製し、暗黄色の固体として生成物を得た(79mg、62%)。
【0205】
Mp:162~169℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.69(s,6H,Me)、2.58(s,6H,Me)、3.21(dd,J=5.4,2.6Hz,1H,5’-H)、3.26~3.29(m,2H,2’-H+3’-H+4’-H)、3.50(dd,J=11.7,5.3Hz,1H,6’-H)、3.67(dd,J=11.7,2.6Hz,1H,6’-H)、4.89~4.90(m,1H,1’-H)、4.91(s,1H,OH)
【0206】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.3(Me)、14.1(Me)、62.9(6’-C)、71.5(2’-C)、76.3(4’-C)、79.97(3’-C)、82.9(5’-C)、85.7(1’-C)、113.4(CBr)、117.1(Ar-Cipso)、130.9(Cpyrrole)、140.6(Cpyrrole)、157.0(Cpyrrole)
【0207】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-131.51(dd,J=24.2,10.3Hz,2F,CFortho)、-142.80(dd,J=24.1,10.7Hz,2F,CFmeta)、-146.07~-146.32(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H23BBr2F6N2O5SNa+[M+Na]+:770.9563、found:770.9560、m/z calcd. for C50H46B2Br4F12N4O10S2Na+[2M+Na]+:1518.9235、found:1518.9218
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=544[4.63]
【0208】
(2.16 2,6-ジブロモ-8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化35】
【0209】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1’-チオ-β-D-ガラクトシル)フェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.17mmol)およびNBS(75mg、0.42mmol)を2mLのHFIPに溶解した。混合物を1分間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=9/1、v/v)により精製し、暗黄色の固体として生成物を得た(73mg、58%)。
【0210】
Mp:173~180℃
1H NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.68(s,6H,Me)、2.58(s,6H,Me)、3.38(dd,J=8.5,3.7Hz,1H,3’-H)、3.45(t,J=6.0Hz,1H,5’-H)、3.47(dd,J=10.6,5.6Hz,1H,6’-H)、3.50(dd,J=10.6,6.0Hz,1H,6’-H)、3.59~3.61(m,2H,4’-H,6’-H)、3.83(d,J=2.7Hz,1H,2’-H)、4.79(d,J=9.3Hz,1H,1’-H)
【0211】
13C NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.3(Me)、14.1(Me)、62.1(6’-C)、70.0(2’-C)、73.4(4’-C)、76.5(3’-C)、81.4(5’-C)、86.2(1’-C)、113.3~113.4(m,CBr)、114.00(t,JC-F=18.3Hz,Ar-Cipso)、116.90(t,JC-F=20.6Hz,Ar-Cpara)、125.9(Cmeso)、130.9(Cpyrrole)、140.6(Cpyrrole)、144.33(dd,JC-F=247.6,18.1Hz,Ar-Cmeta)、149.27(dd,JC-F=246.0,14.9Hz,Ar-Cortho)、157.0(Cpyrrole)
【0212】
19F NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-131.09(dd,J=25.2,11.9Hz,2F,CFortho)、-142.89(dd,J=24.3,10.8Hz,2F,CFmeta)、-146.07~-146.32(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C25H23BBr2F6N2O5SNa+[M+Na]+:770.9563、found:770.9550、m/z calcd. for C50H46B2Br4F12N4O10S2Na+[2M+Na]+:1518.9235、found:1518.9208
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=393[3.96]、544[4.83]
【0213】
(2.17 2-ブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン
【化36】
および、2,6-ジブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化37】
【0214】
8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献7)に従って調製)(257mg、0.72mmol)を6mLのDCMに溶解した。NBS(286mg、1.61mmol)を加え、混合物を室温で2.5時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=2/1、v/v)により精製して、緑色がかった赤色の固体として2,6-ジブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(31mg、8%)、および赤色の固体として2-ブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(148mg、47%)を得た。
【0215】
2,6-ジブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン:
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ(ppm)=6.54(s,2H,Hpyrrole)、7.89(s,2H,Hpyrrole)
【0216】
13CNMR(126MHz,CDCl3):δ(ppm)=107.1(t,JC-F=17.6Hz,Ar-Cipso)、108.95~109.0(m,CBr)、128.9(Ar-Cpara)、130.6(Cpyrrole)、134.9(Cpyrrole)、138.1(dd,JC-F=254.9,6.2Hz,Ar-Cmeta)、144.5(dd,JC-F=253.2,8.4Hz,Ar-Cortho)147.0(Cpyrrole)
【0217】
19FNMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-136.30(d,J=19.3Hz,2F,CFmeta)、-144.63~-144.85(mc,2F,BF2)、-148.23(t,J=20.8Hz,CFpara)、-158.58(t,J=19.0Hz(m,2F,CFortho)
【0218】
2-ブロモ-8-ペンタフルオロフェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン:
M.P.(℃):141~146
1H NMR(700MHz,CDCl3):δ(ppm)=6.63~6.64(m,1H,Hpyrrole)、6.77(s,1H,Hpyrrole)、6.88(d,J=4.5Hz,1H,Hpyrrole)、7.82(s,1H,Hpyrrole)、8.05(s,1H,Hpyrrole)
【0219】
13C NMR(176MHz,CDCl3):δ(ppm)=107.5~107.7(m,Ar-Cipso+CBr)、121.1(Cpyrrole)、129.2(Cpyrrole)、129.2(Ar-Cpara)、132.1(Cpyrrole)、134.2(Cpyrrole)、135.7(Cpyrrole)、138.0(ddd,JC-F=255.2,28.7,5.2Hz,Ar-Cmeta)、144.6(dd,JC-F=253.0,10.9Hz,Ar-Cortho)144.8(Cpyrrole)、149.1(Cpyrrole)
【0220】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-140.15(dt,J=21.0,5.5Hz,2F,CFmeta)、-144.51~-144.73(mc,2F,BF2)、-153.67(tt,J=20.7,2.9Hz,1F,CFpara)、-162.35~-162.50(m,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C15H5BBrF6N2
+[M-F]+:416.9628、found:416.9636、m/z calcd. for C15H5BBrF7N2Na+[M+Na]+:458.9510、found:458.9516
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=536[4.75]
【0221】
BODIPYのハロゲン化のための一般手順:BODIPYをDCMに溶解し、NBSを加えた。混合物を室温で表示時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0222】
(2.18 2-ブロモ-8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化38】
【0223】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(100mg、0.30mmol)およびNBS(129mg、0.75mmol)を5mLのDCMに溶解した。混合物を3時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、赤色がかった緑色の固体として生成物を得た(79mg、64%)。
【0224】
M.P.(℃):165~167
1H-NMR(700MHz,CDCl3):δ(ppm)=6.66~6.67(m,1H,Hpyrrole)、6.81(s,1H,Hpyrrole)、6.93(d,J=4.4Hz,1H,Hpyrrole)、7.53(dd,J=10.1,8.5Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.83~7.85(m,2H,Hpyrrole,Ar-Hortho)、8.06(s,1H,Hpyrrole)、8.27(dd,J=6.8,2.3Hz,1H,Ar-Hortho)
【0225】
13C-NMR(176MHz,CDCl3):δ(ppm)=107.2(CBr)、119.5(d,JC-F=21.4Hz,Ar-Cmeta)、120.8(Cpyrrole)、127.8(Ar-Cortho)、129.8(Cpyrrole)、130.1*、132.6(Cpyrrole)、134.0(Cpyrrole)、135.3(Cpyrrole)、136.9(d,JC-F=9.1Hz,Ar-Cortho)、137.7(d,JC-F=8.2Hz)*、142.0(Cmeso)、143.96(Cpyrrole)、147.98(Cpyrrole)、156.89(d,JC,F=271.0Hz,Ar-Cpara) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0226】
19F-NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-116.83(s,1F,CF)、-144.18~-144.63(m,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C15H8BBrF3N3O2Na+[M+Na]+:431.9737、found431.9743
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=527[4.69]
【0227】
(2.19 2,6-ジブロモ-8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化39】
【0228】
一般合成手順に従って、2,6-ジブロモ-8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(50mg、0.15mmol)およびNBS(67mg、0.38mmol)を5mLのDCMに溶解した。混合物を4日間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、暗黄色の固体として生成物を得た(15mg、20%)。
【0229】
M.P.(℃):170~179
1H-NMR(700MHz,CDCl3):δ(ppm)=6.88(s,2H,Hpyrrole)、7.54(dd,J=10.0,8.6Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.82(ddd,J=8.6,4.1,2.3Hz,1H,Ar-Hortho)、7.91(s,2H,Hpyrrole)、8.26(dd,J=6.8,2.3Hz,1H,Ar-Hortho)
【0230】
13C-NMR(176MHz,CDCl3):δ(ppm)=108.5~108.6(m,CBr)、119.7(d,JC-F=21.2Hz,Ar-Cmeta)、127.8(Ar-Cortho)、130.7(Cpyrrole)、131.1*、134.5(Cpyrrole)、136.8(d,JC-F=9.3Hz,Ar-Cortho)、137.8(d,JC-F=6.6Hz)*、141.7(Cmeso)、146.1(Cpyrrole)、157.06(d,J=271.7Hz,Ar-Cpara) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0231】
19F-NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-111.98(s,1F,CF)、-144.36~-144.98(m,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C15H7BBr2F3N3O2
-[M]-:488.8935、found:488.8920
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=554[4.78]
【0232】
(2.20 2-ブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化40】
【0233】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(100mg、0.26mmol)およびNBS(116mg、0.65mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を3時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=4/1、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(58mg、48%)。
【0234】
Mp:129~132℃
1H-NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.02(t,J=7.4Hz,3H,Me)、1.48~1.55(m,2H,CH2)、1.75~1.80(m,2H,CH2)、3.48~3.52(m,2H,CH2)、6.68(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、7.07(s,1H,Hpyrrole)、7.18(d,J=4.1Hz,1H,Hpyrrole)、7.23(d,J=9.0Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.80(dd,J=8.9,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、7.89(s,1H,Hpyrrole)、8.06(s,1H,Hpyrrole)、8.46~8.48(m,1H,NH)、8.49(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)
【0235】
13C-NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=14.3(Me)、21.2(CH2)、32.0(CH2)、43.8(CH2)、106.3(CBr)、115.7(Ar-Cmeta)、120.5*、121.1(Cpyrrole)、130.1(Cpyrrole)、131.1(Ar-Cortho)、133.1(Cpyrrole)、133.2*、135.0(Cpyrrole)、136.2(Cpyrrole)、138.7(Ar-Cortho)、142.5(Cpyrrole)、146.5(Ar-Cpara)、147.0(Cpyrrole)、148.0(Cmeso)) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0236】
19F-NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-145.44~-145.66(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C19H18BBrF2N4O2Na+[M+Na]+:485.0566、found:485.0548
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=518[4.73]
【0237】
(2.21 2-ブロモ-8-[4-(N-シクロヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化41】
【0238】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[4-(N-シクロヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-シクロヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(60mg、0.15mmol)およびNBS(65mg、0.37mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を3時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=4/1、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(44mg、62%)。
【0239】
Mp:207~213℃
1H-NMR(500MHz,CD2Cl2):δ(ppm)=1.32~1.40(m,1H,CHaxial),1.43~1.52(m,4H,CHequat.),1.67~1.72(m,1H,CHequat.),1.81~1.87(m,2H,CHaxial),2.10-2.13(m,2H,CHaxial),3.62~3.69(m,1H,CH),6.66(d,J=4.6Hz,1H,Hpyrrole),6.99(s,1H,Hpyrrole),7.08(d,J=9.0Hz,1H,Ar-Hmeta),7.12(d,J=4.4Hz,1H,Hpyrrole),7.67(dd,J=9.0,2.2Hz,1H,Ar-Hortho),7.75(s,1H,Hpyrrole),7.98(s,1H,Hpyrrole),8.42~8.43(m,1H,NH),8.46(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)
【0240】
13C-NMR(126MHz,CD2Cl2):δ(ppm)=24.9(CH2)、25.9(CH2)、32.96(CH2)、52.0(CH)、106.0(CBr)、115.4(Ar-Cmeta)、119.98(Cpyrrole)、120.2*、129.7(Cpyrrole)、130.7(Ar-Cortho)、132.0(Cpyrrole)、132.7*、134.2(Cpyrrole)、135.4(Cpyrrole)、137.96(Ar-Cortho)、141.6(Cpyrrole)、145.8(Ar-Cpara)、145.9(Cpyrrole)、146.6(Cmeso) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0241】
19F-NMR(376MHz,CD2Cl2):δ(ppm)=-145.01~-145.23(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C21H19BBrF2N4O2
-[M-H]-:487.0758、found:487.0747
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=518[4.55]
【0242】
(2.22 2-ブロモ-8-[3-ニトロ-4-(N-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化42】
【0243】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[3-ニトロ-4-(N-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[3-ニトロ-4-(N-プロプ-2-エンイルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献15)に従って調製)(95mg、0.26mmol)およびNBS(115mg、0.65mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を3時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=4/1、v/v)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(35mg、30%)。
【0244】
Mp:160~162℃
1H-NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=4.16~4.18(m,2H,CH2)、5.23~5.26(m,1H,H2C=CH-)、5.32~5.37(m,1H,H2C=CH-)、6.01(ddt,J=17.2,10.1,4.9Hz,1H,H2C=CH-)、6.67(d,J=4.5Hz,1H,Hpyrrole)、7.06(s,1H,Hpyrrole)、7.16~7.18(m,2H,Hpyrrole+Ar-Hmeta)、7.79(dd,J=9.0,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、7.89(s,1H,Hpyrrole)、8.06(s,1H,Hpyrrole)、8.50(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.66(t,J=6.2Hz,1H,NH)
【0245】
13C-NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=46.7(CH2)、106.4(CBr)、116.1(Ar-Cmeta)、117.1(H2C=CH-)、120.5(Cpyrrole)、121.4*、130.1(Cpyrrole)、130.97(Ar-Cortho)、133.25(Cpyrrole)、133.33*、134.8(H2C=CH-)、135.0(Cpyrrole)、136.2(Cpyrrole)、138.5(Ar-Cortho)、142.6(Cpyrrole)、146.4(Ar-Cpara)、147.1(Cpyrrole)、147.9(Cmeso) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0246】
19F-NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-145.43~-145.66(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C18H14BBrF2N4O2Na+[M+Na]+:469.0253、found:469.0262
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=519[4.64]
【0247】
(2.23 2-ブロモ-8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化43】
【0248】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-6-メトキシ-6-オキソヘキシルアミノ)-3-ニトロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献14)に従って調製)(90mg、0.20mmol)およびNBS(87mg、0.49mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を3時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM)により精製し、赤色の固体として生成物を得た(35mg、30%)。
【0249】
M.P.(℃):77~80
1H-NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.48~1.54(m,2H,CH2)、1.67~1.71(m,2H,CH2)、1.77~1.83(m,2H,CH2)、2.33(t,J=7.4Hz,2H,CH2)、3.50~3.53(m,2H,CH2)、3.60(s,3H,Me)、6.68(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、7.07(s,1H,Hpyrrole)、7.18(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、7.23(d,J=9.0Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.80(dd,J=8.9,2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、7.89(s,1H,Hpyrrole)、8.06(s,1H,Hpyrrole)、8.49(d,J=2.2Hz,1H,Ar-Hortho)、8.49~8.52(m,1H,NH)
【0250】
13C-NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=25.6(CH2)、27.5(CH2)、29.6(CH2)、34.4(CH2)、43.9(CH2)、51.5(Me)、106.3(CBr)、115.7(Ar-Cmeta)、120.5(Cpyrrole)、121.1*、130.1(Cpyrrole)、131.1(Ar-Cortho)、133.1(Cpyrrole)、133.2*、134.99(Cpyrrole)、136.2(Cpyrrole)、138.7(Ar-Cortho)、142.5(Cpyrrole)、146.5(Ar-Cpara)、147.0(Cpyrrole)、147.99(Cmeso)、173.8(CO) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0251】
19F-NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-145.42~-145.64(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C22H22BBrFN4O4
+[M-F]+:517.0888、found:517.0894、m/z calcd. for C22H22BBrF2N4O4Na+[M+Na]+:557.0778、found:557.0809、m/z calcd. for C22H22BBrF2N4O4K+[M+K]+:573.0517、found:573.0542、m/z calcd. for C44H44B2Br2F4N8O8Na+[2M+Na]+:1093.1668、found:1093.1669
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=517[4.74]
【0252】
(2.24 2-ブロモ-8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化44】
【0253】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(N-プロプ-2-インイルアミノ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献13)に従って調製)(100mg、0.25mmol)およびNBS(113mg、0.64mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を1.5時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、緑色の固体として生成物を得た(75mg、63%)。
【0254】
Mp:80~82℃
1H NMR(500MHz,THF-d6):δ(ppm)=2.74(t,J=2.4Hz,1H,CH)、4.22~4.24(m,2H,CH2)、6.36(s,1H,NH)、6.67(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、7.07(s,1H,Hpyrrole)、7.15(d,J=4.2Hz,1H,Hpyrrole)、7.94(s,1H,Hpyrrole)、8.13(s,1H,Hpyrrole)
【0255】
13C NMR(126MHz,THF-d6):δ(ppm)=35.3(CH2)、73.3(CH)、81.6(C)、99.97(t,JC-F=18.3Hz,Ar-Cipso)、107.1~107.2(m,CBr)、121.5(Cpyrrole)、130.4(Cpyrrole)、130.9~131.1(m,Ar-Cpara)、132.7(Cmeso)、133.6(Cpyrrole)、135.6(Cpyrrole)、137.4(Cpyrrole)、138.63(dd,JC-F=235.0,22.2Hz,Ar-Cmeta)、144.5(Cpyrrole)、138.63(dd,JC-F=235.0,22.2Hz)、145.91(dd,JC-F=246.2,12.2Hz,Ar-Cortho)、149.6(Cpyrrole)
【0256】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-142.07(d,J=17.7Hz,2F,CFmeta)、-145.46~-145.68(mc,2F,BF2)、-159.92(d,J=17.9Hz,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. forC18H9BBrF6N3Na+[M+Na]+:493.9869、found:493.9886
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=389[4.05]、536[4.63]
【0257】
(2.25 2-ブロモ-8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化45】
【0258】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-(4-ブチルオキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(100mg、0.24mmol)およびNBS(108mg、0.61mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を1時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/2、v/v)により精製し、赤色がかった緑色の固体として生成物を得た(63mg、53%)。
【0259】
Mp:114~116℃
1H NMR(500MHz,THF-d6):δ(ppm)=1.01(t,J=7.4Hz,1H,Me)、1.52~1.59(m,2H,CH2)、1.80~1.85(m,2H,CH2)、4.40(t,J=6.4Hz,2H,CH2)、6.69(d,J=4.4Hz,1H,Hpyrrole)、7.07(s,1H,Hpyrrole)、7.15(d,J=4.4Hz,1H,Hpyrrole)、8.01(s,1H,Hpyrrole)、8.19(s,1H,Hpyrrole)
【0260】
13C NMR(126MHz,THF-d6):δ(ppm)=14.2(Me)、19.9(CH2)、33.0(CH2)、76.4(CH2)、106.2~106.5(m,Ar-Cipso)、107.6~107.7(m,CBr)、121.9(Cpyrrole)、128.9(Ar-Cpara)、130.3(Cpyrrole)、131.3(Cmeso)、133.6(Cpyrrole)、135.4(Cpyrrole)、137.2(Cpyrrole)、141.26(dd,JC-F=70.4,13.8Hz,Ar-Cmeta)、144.3(Cpyrrole)、138.63(dd,JC-F=235.0,22.2Hz)、145.91(dd,JC-F=253.0,10.5Hz,Ar-Cortho)、150.5(Cpyrrole)
【0261】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-141.26(d,J=19.1Hz,2F,CFmeta)、-145.42~-145.64(mc,2F,BF2)、-157.18(d,J=17.3Hz,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C19H14BBrF6N2ONa+[M+Na]+:513.0179、found:513.0196、m/z calcd. for C19H14BBrF6N2OK+[M+K]+:530.9898、found:530.9988
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=368[4.11]、536[4.71]
【0262】
(2.25 2-ブロモ-8-[4-(プロプ-2-エンイルオキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化46】
【0263】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[4-(プロプ-2-エンイルオキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(プロプ-2-エンイルオキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献7)に従って調製)(100mg、0.25mmol)およびNBS(112mg、0.63mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を1時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、赤色がかった緑色の固体として生成物を得た(37mg、31%)。
【0264】
Mp:101~103℃
1H NMR(500MHz,THF-d6):δ(ppm)=4.89(d,J=5.9Hz,2H,CH2)、5.34(dd,J=10.4,1.1Hz,1H,-HC=CH2)、5.48(dd,J=17.1,1.5Hz,1H,-HC=CH2)、6.11(ddt,J=16.6,10.9,5.9Hz,1H,-HC=CH2)、6.70(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、7.06(s,1H,Hpyrrole)、7.13(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、8.01(s,1H,Hpyrrole)、8.19(s,1H,Hpyrrole)
【0265】
13C NMR(126MHz,THF-d6):δ(ppm)=76.7(CH2)、106.74(t,JC-F=18.5Hz,Ar-Cipso)、107.6~107.7(m,CBr)、119.98(-HC=CH2)、121.9(Cpyrrole)、130.3(Cpyrrole)、131.2(Cmeso)、133.5(Cpyrrole)、133.7(-HC=CH2)、135.4(Cpyrrole)、137.2(Cpyrrole)、140.36(dd,JC-F=8.1,3.4Hz,Ar-Cpara)、142.60(dd,JC-F=242.4,13.7Hz,Ar-Cmeta)、145.4(Cpyrrole)、145.82(dd,JC-F=248.9,19.3Hz,Ar-Cortho)、150.6(Cpyrrole)
【0266】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-141.18(d,J=18.1Hz,2F,CFmeta)、-145.45~-145.67(mc,2F,BF2)、-156.46(d,J=18.3Hz,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C18H10BBrF6N2ONa+[M+Na]+:498.9845、found:498.9851
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=366[4.05]、537[4.66]
【0267】
(2.26 2-ブロモ-8-[4-(プロプ-2-インイルオキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロ-フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化47】
【0268】
一般合成手順に従って、2-ブロモ-8-[4-(プロプ-2-インイルオキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロ-フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを調製した。8-[4-(プロプ-2-インイルオキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロ-フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(文献(非特許文献7)に従って調製)(100mg、0.25mmol)およびNBS(113mg、0.64mmol)を10mLのDCMに溶解した。混合物を1時間撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/n-ヘキサン=1/1、v/v)により精製し、赤色がかった緑色の固体として生成物を得た(41mg、34%)。
【0269】
Mp:139~141℃
1H NMR(500MHz,THF-d6):δ(ppm)=3.25(t,J=2.4Hz,1H,CH)、5.06(d,J=2.4Hz,2H,CH2)、6.70(d,J=4.3Hz,1H,Hpyrrole)、7.07(s,1H,Hpyrrole)、7.14(d,J=4.2Hz,1H,Hpyrrole)、8.02(s,1H,Hpyrrole)、8.20(s,1H,Hpyrrole)
【0270】
13C NMR(126MHz,THF-d6):δ(ppm)=63.1(CH2)、78.2(CH)、79.4(C)、107.5~107.8(m,CBr+Ar-Cipso)、121.97(Cpyrrole)、130.3(Cpyrrole)、131.0(Cmeso)、133.5(Cpyrrole)、135.3(Cpyrrole)、137.1(Cpyrrole)、139.1~139.3(m,Ar-Cpara)、142.92(dd,JC-F=248.7,10.8Hz,Ar-Cmeta)、145.5(Cpyrrole)、145.76(dd,JC-F=248.0,13.2Hz,Ar-Cortho)、150.7(Cpyrrole)
【0271】
19F NMR(376MHz,CDCl3):δ(ppm)=-140.98(d,J=19.7Hz,2F,CFmeta)、-145.43~-145.65(mc,2F,BF2)、-155.64(d,J=17.3Hz,2F,CFortho)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C18H8BBrF6N2ONa+[M+Na]+:496.9689、found:496.9686、m/z calcd. for C18H8BBrF6N2OK+[M+K]+:512.9428、found:512.9428、m/z calcd. for C36H16B2Br2F12N4O2Na+[2M+Na]+:968.9506、found:968.9496
UV/Vis(DCM):λmax(nm)[log(ε/Lmol-1cm-1)]=367[4.09]、537[4.73]
【0272】
(2.27 2-ブロモ-8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)
【化48】
【0273】
8-[4-(N-ブチルアミノ)-3-ニトロフェニル]-1,3,5,7-テトラメチル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(118mg、0.27mmol)を5mLのDCMに溶解した。5mLのDCM中のNBS(47mg、0.27mmol)の溶液を滴下して加え、混合物を室温で2時間撹拌した。その後、混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc=9/1、v/v)により精製し、淡橙色の固体として生成物(41mg、29%)を得た。
【0274】
1H-NMR(500MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.01(t,J=7.4Hz,3H,Mebutyl)、1.47~1.55(m,2H,CH2)、1.57(s,3H,Me)、1.59(s,3H,Me)、1.74~1.79(m,2H,CH2)、2.52(s,3H,Me)、2.53(s,3H,Me)、3.42~3.46(m,2H,CH2)、6.14(s,1H,Hpyrrole)、7.24(d,J=8.8Hz,1H,Ar-Hmeta)、7.43(dd,J=8.8,2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.16(d,J=2.1Hz,1H,Ar-Hortho)、8.22(t,J=4.7Hz,1H,NH)
【0275】
13C-NMR(126MHz,THF-d8):δ(ppm)=13.6(Me)、14.3(Mebutyl)、14.5(Me)、14.9(Me)、15.7(Me)、21.3(CH2)、32.1(CH2)、43.8(CH2)、110.8~110.9(m,CBr)、116.3(Ar-Cmeta)、121.7*、123.3(CHpyrrole)、127.8(Ar-Cortho)、131.2(Cpyrrole)、133.1*、133.8(Cpyrrole)、136.8(Ar-Cortho)、138.7(Cpyrrole)、141.5(Cpyrrole)、145.9(Cmeso)、146.8(Ar-Cpara)、151.9(Cpyrrole)、154.7(Cpyrrole) *これらのシグナルは、対応する炭素原子に正確に割り当てることができなかった。これらは、アリール部分のAr-CipsoおよびAr-Cnitroに属している。
【0276】
19F-NMR(376MHz,THF-d8):δ(ppm)=-146.53~-146.77(mc,2F,BF2)
HRMS(ESI-TOF):m/z calcd. for C23H26BBrF2N4O2Na+[M+Na]+:541.1192、found:541.1222、m/z calcd. for C23H26BBrF2N4O2K+[M+K]+:559.0911、found:559.0948 m/z calcd. forC46H52B2Br2F4N8O4Na+[2M+Na]+:1061.2472、found:1061.2518
【0277】
(実施例3)
(選択された化合物のHT29および他の細胞株での細胞試験)
以下の細胞株において光増感活性を決定した。
-HT29(ヒト結腸腺癌細胞株)
-L929(マウス線維芽細胞株)
-A431(ヒト表皮癌細胞株)
-A253(顎下腺唾液腺、表皮細胞株)
-CAL-27(ヒト舌扁平上皮癌細胞株)
-J774A.1(マウスBALB/c単球マクロファージ)
【0278】
細胞株は、10%熱不活性化ウシ胎児血清(FCS、c.c.pro GmbH)、1%ペニシリン(1000IU)、およびストレプトマイシン(10000μg/ml、c.c.pro GmbH)を添加したDMEM中で増殖させた。加湿インキュベーター(37℃空気中5%CO2)で単層培養として細胞を保った。
【0279】
光増感剤ストック液(2mM)をDMSOで調製し、4℃の暗所で保管した。さらなる希釈は、10%FCSを添加した、フェノールレッドを含まないDMEM培地で行い、最終光増感剤濃度をそれぞれ2または10μMとした。
【0280】
マイクロプレートに細胞を播種した後、光を暴露する前に、細胞を、10%FCS、および2または10μMの光増感剤を含む新鮮な培地(フェノールレッドを含まないDMEM)で24時間インキュベートした。光増感の前に、細胞を洗浄し、細胞培養培地を、フェノールレッドを含まないDMEMおよび10%FCSで交換し、その後、室温、白色光源で、約100mW/cm2(50J/cm2)の固定フルエンス率で照射した。照射に続いて、細胞を加湿インキュベーター(37℃空気中5%CO2)で細胞生存率アッセイまで24時間インキュベートした。
【0281】
細胞生存率はXTTアッセイにより評価した。500mgのXTT(3’-[フェニル-アミノ-カルボニル]-3,4-テトラゾリウム]-ビス(4-メトキシ-6-ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、Applichem GmbH)を500mlのPBSバッファー(Ca2+およびMg2+を含まない)に溶解し、フィルター滅菌した。溶液を使用まで-20℃で暗所に保存した。XTTの活性化試薬として、PMS(N-メチルジベンゾピラジンメチル硫酸塩、Applichem GmbH)を含む滅菌溶液が必要であった。0.383mgのPMSを1mlのPBSバッファーに溶解した。溶液は冷凍保存するべきであり、かつ光に暴露してはならない。37℃の水槽でXTT試薬溶液を解かし、使用前に活性化溶液(PMS)を速やかに加えた。マイクロプレート(96穴)1枚に十分な反応溶液を調製するために、0.1mlの活性化溶液(PMS)を5mlのXTT試薬に加えた。マイクロプレート中の培地を、1ウェルあたり50μlのXTT反応溶液を添加する前に、フェノールレッドを含まないRPMI、および10%FCS(100μl)と交換した。マイクロプレートを37℃、5%CO2で、橙色の色素が形成されるまで2~3時間インキュベートした。マイクロプレートを穏やかに振って、ウェル中に色素を均一に分布させた。
【0282】
マイクロプレートリーダー(Infinite 200, Tecan Group Ltd.)で、サンプルの490nmの波長での吸光度を測定した。
【0283】
実施例3.1~3.12(それぞれ
図1~12に示す)は、本発明の主題である選択された化合物の光線力学活性を示す(「with litht」は光毒性を意味する)。化合物が、マクロファージ細胞株J774A.1に対しても活性があったことに注意すべきである。マクロファージは炎症プロセスに関係があるため、本発明の化合物は、炎症性疾患、たとえば関節炎または中耳炎の診断および治療にも適用され得る。
【0284】
(実施例4)
(抗細菌試験)
研究された微生物は、グラム陽性の黄色ブドウ球菌DSM11729とグラム陰性の緑膿菌DSM1117であった。
【0285】
培養細胞を滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または10%滅菌ウマ血清を添加した滅菌PBSに懸濁した。細菌懸濁液(bacterial suspension)を、滅菌した底が透明の黒ウェルプレートに移した。本試験で使用する光増感剤の濃度は以下のとおりである:100μM、10μM、および1μM。
【0286】
30分のインキュベーション時間の後、サンプルを白色光に、約100J/cm2のエネルギーフルーエンシーが得られる出力密度および照射時間で暴露した。光増感剤を含まない対照プレートにはレーザー光を暴露しない。暗黒毒性の対照サンプルは、いかなる照射もなしに光増感剤にのみ暴露される。
【0287】
照射後、サンプルを除去し、培養培地中に再懸濁する。十分なインキュベーション時間の後、コロニー形成単位(CFU/ml)を数えた。
【0288】
実施例4.1~4.11の
図13~24は、細菌、グラム陽性細菌である黄色ブドウ球菌およびグラム陰性細菌である緑膿菌に対する本発明に係るホウ素ジピロメテンの影響を示している。実施例にみられるように、選択された化合物(4.1、4.2、4.4~4.10)は、光がない場合でさえ(試験した最大濃度の100μmolで)、黄色ブドウ球菌に対して高い抗細菌活性を示し、特に、化合物は他方で光のないところでは細胞に対して無毒であることから、全身治療でのこれらの主要な適正を例証している(実施例3を参照)。また、いくつかの化合物は、細菌に対して特異的に活性であり得、細胞においては低い毒性のみを示す(実施例3.12と比較して実施例4.5を参照)。実施例4.1、4.2、および4.5~4.11では、複合培地(血清添加)存在下でも抗菌活性が確認されている。実施例4.7~4.11は、本発明に係る化合物のグラム陰性細菌である緑膿菌に対する抗細菌効果を示す。また、実施例4.1および4.11は、1つだけの臭素原子を有する本発明に係る化合物の強力な抗細菌活性を示す。
【0289】
添付の実施例を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は正確な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更および修正がなされ得ることが理解されるであろう。
【0290】
(付記)
(付記1)
式1、2、3、または4
【化49】
に基づくホウ素ジピロメテン化合物であって、
式中、
Xは、O、NH、またはSの少なくとも1つであり、
R
1は、炭水化物部分、3~6個の炭素原子を有する短鎖アルキル、プロパルギル、HO-CH
2-CH
2-、CH(CH
2OH)
2、CH
2-CH(OH)-CH
2OH、またはCH(OH)-CH(OH)-CH
3の少なくとも1つであり、
R
2は、水素または臭素置換基(原子)の少なくとも1つである、
ホウ素ジピロメテン化合物。
【0291】
(付記2)
腫瘍の治療における使用のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0292】
(付記3)
光線力学的治療における使用のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0293】
(付記4)
腫瘍、皮膚科障害、ウイルス感染症、細菌感染症、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の少なくとも1つの治療における使用のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0294】
(付記5)
腫瘍、皮膚科障害、ウイルス感染症、細菌感染症、耳鼻咽喉科障害、眼科障害、または泌尿器科障害の少なくとも1つの光線力学的治療における使用のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0295】
(付記6)
腫瘍治療または光線力学的治療のための医薬組成物の調製のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【0296】
(付記7)
関節炎および類似の炎症性疾患の、治療または光線力学的治療における使用のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0297】
(付記8)
関節炎および類似の炎症性疾患の診断、または腫瘍の診断における使用のための、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0298】
(付記9)
医療装置の表面に載せられる場合の、付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【0299】
(付記10)
付記1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を活性成分として含む、医薬組成物。
【0300】
(付記11)
前記化合物は標的化剤と複合体化している、付記10に記載の医薬組成物。
【0301】
(付記12)
前記標的化剤はペプチドである、付記12に記載の医薬組成物。
【国際調査報告】