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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】高融点液体中の成分の同定及び定量
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/73 20060101AFI20230111BHJP
   H01J 49/10 20060101ALI20230111BHJP
   H01J 49/04 20060101ALI20230111BHJP
   G01N 21/31 20060101ALI20230111BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20230111BHJP
【FI】
G01N21/73
H01J49/10 500
H01J49/04 500
G01N21/31 610A
G01N27/62 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526089
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 US2020059436
(87)【国際公開番号】W WO2021092401
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/932,887
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013448
【氏名又は名称】アビリーン クリスチャン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パンプリン,キム
(72)【発明者】
【氏名】セピカ,タイラー
【テーマコード(参考)】
2G041
2G043
2G059
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041DA14
2G041EA03
2G041FA02
2G041GA03
2G041GA17
2G041GA19
2G041GA20
2G041GA23
2G043AA01
2G043BA03
2G043BA09
2G043BA10
2G043CA03
2G043DA05
2G043EA08
2G059AA01
2G059BB04
2G059CC03
2G059CC07
2G059CC09
2G059EE01
(57)【要約】
高融点液体中の化学成分を同定及び定量するための装置、システム、及び方法。そのような方法の1つは、噴霧器アセンブリ内に、溶融液体導管から高融点液体を受け取ること、噴霧器アセンブリを使用して、受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化すること、エアロゾル化された高融点液体を噴霧器から1つ又は複数の機器に送達すること、1つ又は複数の機器を使用して、エアロゾル化された高融点液体を化学的に分析することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、溶融液体導管と、
前記溶融液体導管に動作可能に結合され、前記溶融液体導管から高融点液体を受け取るように構成された噴霧器アセンブリであって、前記噴霧器アセンブリが、前記溶融液体導管から受け取った前記高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように更に構成された、噴霧器アセンブリと、
前記噴霧器アセンブリに動作可能に結合され、前記噴霧器から前記エアロゾル化された高融点液体を受け取るように構成された1つ又は複数の機器であって、
前記1つ又は複数の機器が、前記エアロゾル化された高融点液体を化学的に分析するように更に構成されている、機器、とを含む、システム。
【請求項2】
前記噴霧器アセンブリが、
第1の流体容器を含む噴霧器であって、前記噴霧器が、前記溶融液体導管から受け取った前記高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成されている、噴霧器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記噴霧器アセンブリが、
前記溶融液体導管から前記高融点液体を受け取るように構成された第2の流体容器を含む吸引器であって、前記第2の流体容器が前記噴霧器の第1の流体容器に動作可能に結合されている、吸引器を更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記噴霧器アセンブリが、
前記溶融液体導管と前記吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記噴霧器アセンブリが、ガスを前記吸引器内に連通させ、それによって前記吸引器の第2の流体容器から前記噴霧器の第1の流体容器内に前記受け取った高融点液体を送達するように構成されたガス源を更に含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記噴霧器アセンブリが、前記噴霧器の第1の流体容器と前記吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記噴霧器アセンブリが、真空源から前記吸引器に減圧又は負のガス圧を印加し、それによって前記高融点液体のエアロゾル化されていない部分を前記噴霧器の第1の流体容器から引き出し、前記吸引器の第2の流体容器に戻すように構成された真空源を更に含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記噴霧器アセンブリが、前記噴霧器の第1の流体容器と前記吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ガス源が、前記吸引器内にガスを連通させ、それによって前記高融点液体の前記引き出されたエアロゾル化されていない部分を前記吸引器から前記溶融液体導管内に戻すように更に構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記噴霧器アセンブリが、前記吸引器の第2の流体容器と前記溶融液体導管との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記噴霧器アセンブリが、
前記受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成された噴霧器であって、振動源に取り付けられた振動メッシュを含む噴霧器と、
前記振動源に動作可能に結合され、前記振動源に通電し、それによって前記振動源を振動させるように構成された電源と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記噴霧器アセンブリが、ガスを前記エアロゾル化された高融点液体に連通させ、前記エアロゾル化された高融点液体を前記噴霧器から前記1つ又は複数の機器に送達するように構成されたガス源を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
方法であって、
噴霧器アセンブリ内に、溶融液体導管から高融点液体を受け取ることと、
前記噴霧器アセンブリを使用して、前記受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化することと、
前記エアロゾル化された高融点液体を前記噴霧器から1つ又は複数の機器に送達することと、
前記1つ又は複数の機器を使用して、前記エアロゾル化された高融点液体を化学的に分析することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記噴霧器アセンブリが、前記受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成された噴霧器を含み、前記噴霧器が、第1の流体容器を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記噴霧器アセンブリが、前記溶融液体導管から前記高融点液体を受け取るように構成された吸引器を更に含み、前記吸引器が、前記噴霧器の第1の流体容器に動作可能に結合された第2の流体容器を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記噴霧器アセンブリが、前記溶融液体導管と前記吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含み、
前記溶融液体導管から前記高融点液体を前記吸引器に受け入れることが、前記バルブを開くことを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記吸引器の第2の流体容器から前記噴霧器の第1の流体容器内に、前記受け取った高融点液体を送達することを更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記噴霧器アセンブリが、ガス源を更に含み、
前記吸引器の第2の流体容器から前記噴霧器の第1の流体容器内に前記受け取った高融点液体を送達することが、前記ガス源から前記吸引器内にガスを連通させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記噴霧器アセンブリが、前記噴霧器の第1の流体容器と前記吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通しているバルブを更に含み、前記吸引器の第2の流体容器から前記噴霧器の第1の流体容器内に前記受け取った高融点液体を送達することが、前記バルブを開くことを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記噴霧器の第1の流体容器から前記高融点液体のエアロゾル化されていない部分を引き出して、前記吸引器の第2の流体容器に戻すことを更に含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記噴霧器アセンブリが、真空源を更に含み、
前記高融点液体のエアロゾル化されていない部分を前記噴霧器の第1の流体容器から引き出し、前記吸引器の第2の流体容器に戻すことが、前記吸引器に、前記真空源からの減圧又は負のガス圧を印加することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記噴霧器アセンブリが、前記噴霧器の第1の流体容器と前記吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通しているバルブを更に含み、前記高融点液体のエアロゾル化されていない部分を前記噴霧器の第1の流体容器から引き出し、前記吸引器の第2の流体容器に戻すことが、前記バルブを開くことを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記引き出された高融点液体のエアロゾル化されていない部分を前記吸引器から送達し、前記溶融液体導管に戻すことを更に含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記噴霧器アセンブリが、ガス源を更に含み、
前記引き出された高融点液体のエアロゾル化されていない部分を前記吸引器から送達し、前記溶融液体導管に戻すことが、前記ガス源から前記吸引器内にガスを連通させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記噴霧器アセンブリが、前記吸引器の第2の流体容器と前記溶融液体導管との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含み、
前記引き出された高融点液体のエアロゾル化されていない部分を前記吸引器から送達し、前記溶融液体導管に戻すことが、前記バルブを開くことを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記噴霧器アセンブリが、
前記受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成された噴霧器であって、振動源に取り付けられた振動メッシュを含む噴霧器と、
前記振動源に動作可能に結合され、前記振動源に通電するように構成された電源と、を含み、
前記受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化することが、前記電源を使用して前記振動源に通電し、それによって前記振動源を振動させることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記噴霧器アセンブリが、ガス源を更に含み、
前記エアロゾル化された高融点液体を前記噴霧器から前記1つ又は複数の機器に送達することが、前記ガス源から前記噴霧器内にガスを連通させることを含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月8日に出願された米国特許出願第62/932,887号の出願日及び優先権の利益を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、高融点液体を処理するシステムに関し、より詳細には、高融点液体中の化学成分を同定及び定量するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
溶融塩流を含む溶融塩導管内の金属部品の腐食は、溶融塩中の水(HO)、酸素(0)、及び/又は他の不純物によって引き起こされる可能性がある。腐食速度は、溶融塩中の不純物のレベルに依存する。したがって、高融点液体(例えば、溶融塩)を利用する稼働中の原子炉への進展は、高融点液体中の潜在的に腐食性の成分(例えば、化学成分)を同定及び定量する能力によって支援されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】本開示の1つ又は複数の実施形態による、高融点液体中の成分(例えば、化学成分)を同定及び定量するためのシステムの概略図であり、システムは、溶融液体導管、噴霧器アセンブリ、及び機器を含む。
図1B】一実施形態による図1Aのシステムの概略図である。
図2】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図1Bのシステムの噴霧器アセンブリの上面図である。
図3】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図2の噴霧器アセンブリの吸引器の部分断面立面図である。
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図2の噴霧器アセンブリの噴霧器の部分断面立面図である。
図5】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図1Bのシステムのフレーム原子吸光分光計(「FAAS」)の部分断面斜視図である。
図6】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図1Bのシステムの誘導結合プラズマ(「ICP」)トーチの断面立面図である。
図7】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図1Bのシステムの誘導結合プラズマ質量分析計(「ICP-MS」)の概略図である。
図8】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図1Bのシステムの誘導結合プラズマ発光分光計(「ICP-OES」)の概略図である。
図9】本開示の別の実施形態による図1Aのシステムの概略図である。
図10】本開示の1つ又は複数の実施形態を実施するための方法のフロー図である。
図11】本開示の更に別の実施形態による図1Aのシステムの概略図である。
図12】本開示の1つ又は複数の実施形態による、図11のシステムのより詳細な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
高融点液体の元素分析のための装置、システム、及び方法が本明細書に記載されている。そのような高融点液体は、溶融塩、溶融ナトリウム、溶融鉛など、又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、又はそれらを含むことができる。具体的には、本開示は、高融点液体(例えば、溶融塩)を利用した原子炉の規制上の承認を得る上で重要な工程である、高融点液体中の成分のリアルタイム同定及び定量を容易にする。溶融塩流と接触している金属部品の腐食は、溶融塩中の水(HO)、酸素(0)、及び/又は他の不純物によって引き起こされる可能性がある。本開示によれば、高融点液体(例えば、溶融塩)中の成分、溶融塩中の水(HO)及び酸素(0)の濃度、及び/又は高融点液体中の他の不純物レベルを測定することができる。この情報を備えることにより、とりわけ、オペレータは、高融点液体と接触したときに特定の金属(例えば、合金)が(不純物の有無にかかわらず)どのように挙動するかを決定し、高融点液体中の不純物及び/又は他の成分の濃度が安全な動作レベルから逸脱する任意の状況について監視し、警報を設定することによって腐食を防止するか、又は少なくとも低減することができる。
【0006】
図1Aは、1つ又は複数の実施形態による、高融点液体中の成分を同定及び定量するためのシステム100の概略図である。図1Aを参照すると、システム100は、溶融液体導管105、噴霧器アセンブリ136、及び機器137を含む。溶融液体導管105は、図1Aのように高融点液体165を含むように構成され、いくつかの実施形態では、原子炉に関連する溶融塩ループの一部を形成する。噴霧器アセンブリ136は、ある体積の高融点液体165を溶融液体導管105から受け取るように構成される。次いで、高融点液体165の受け取った体積は、以下で更に詳細に説明するように、噴霧器アセンブリ136によってエアロゾル化される。機器137は、噴霧器アセンブリ136から高融点液体165のエアロゾル化部分を受け取るように構成される。機器137は、以下で更に詳細に説明するように、噴霧器アセンブリ136から高融点液体165のエアロゾル化された体積を受け取り、エアロゾル化された高融点液体の化学物質含有量を決定するように構成された様々な分析機器であってもよく、又はそれらを含むことができる。
【0007】
図1Aを引き続き参照しながら図1Bを参照すると、一実施形態では、噴霧器アセンブリ136は、ポンプ110(例えば、往復動ポンプ)及び吸引器115を含む。上述のように、溶融液体導管105は、図1Bのように高融点液体165を含むように構成され、いくつかの実施形態では、原子炉に関連する溶融塩ループの一部を形成する。ポンプ110は、高融点液体を溶融液体導管105から吸引器115に連通させるように構成される。吸引器115は、ポンプ110から高融点液体を受け取るように構成される。いくつかの実施形態では、ポンプ110は省略され、吸引器115は、高融点液体を溶融液体導管105から直接受け取るように構成される。他の実施形態では、ポンプ110は、溶融液体導管105から吸引器115への高融点液体の流れを制御するように作動可能なバルブ(図示せず)に置き換えることができる。噴霧器アセンブリ136はまた、例えば、炉、オーブンなど、又はそれらの組み合わせなどのヒータ120を含む。吸引器115は、ヒータ120内に収容される。噴霧器アセンブリ136はまた、ガス源125を含む。吸引器115は、ガス源125からガス(例えば、アルゴン)を受け取るように更に構成される。吸引器115がある体積の高融点液体を溶融液体導管105から受け取り、ガス源125からのガス(例えば、アルゴン)を受け取るのに応答して、吸引器115は、受け取った体積の高融点液体165を、正のガス圧を用いて噴霧器130内に送達するように更に構成される。
【0008】
噴霧器アセンブリ136はまた、噴霧器130を含む。噴霧器130は、ヒータ120内に収容される。吸引器115は、溶融液体導管105と噴霧器130との間の接続を提供する。噴霧器130は、吸引器115から送達された高融点液体165の体積を受け取るように構成される。噴霧器アセンブリ136はまた、熱交換器135を含む。熱交換器135は、ヒータ120内に収容される。ヒータ120は、高融点液体の凍結を防止するために、吸引器115、噴霧器130及び熱交換器135を加熱するように構成される。図1Bに示すように、吸引器115、ヒータ120、噴霧器130及び熱交換器135は、組み合わされて、噴霧器アセンブリ136の一部である。噴霧器130は、熱交換器135を介してガス源125(又は別のガス源)からガス(例えば、アルゴン)を受け取るように更に構成される。噴霧器130が、吸引器115からの高融点液体165の体積、及びガス源125からのガス(例えば、アルゴン)を受け取るのに応答して、噴霧器130は、高融点液体165の体積をエアロゾル化するように構成される。正のガス圧を使用して、高融点液体165の体積を噴霧器130内に送達することに加えて、吸引器115は、減圧又は負のガス圧を使用して、高融点液体165の体積の残りの任意の部分を噴霧器130から引き出すことができる。これに関して、噴霧器アセンブリ136はまた、この減圧又は負のガス圧を吸引器115に印加するように構成された真空源138を含む。いくつかの実施形態では、真空源138は、ガス源125であるか、ガス源を含むか、ガス源の一部であるか、又はガス源と組み合わされるか若しくは連通している。真空源138によって吸引器115に印加される減圧又は負のガス圧に応答して、吸引器115は、高融点液体165の体積の残りの部分を噴霧器130から引き出して吸引器115に戻すように更に構成される。ポンプ110が省略されている実施形態では、真空源138は、高融点液体165の体積を溶融液体導管105から吸引器115に引き込むように構成することができる。
【0009】
更に図1Bを参照すると、一実施形態では、機器137は、インターフェース装置140及びフレーム原子吸光分光計(「FAAS」)145を含む。インターフェース装置140は、噴霧器130とFAAS145との間に延在し、エアロゾル化された高融点液体を噴霧器130からFAAS145に伝達するように構成される。いくつかの実施形態では、インターフェース装置140は、例えば、噴霧器アセンブリ136から延びる金属チューブ、及びFAAS145から延びるタイゴンチューブなどの、1つ又は複数の導管を含む。FAAS145は、エアロゾル化された高融点液体中の元素を同定及び定量するように構成される。加えて、又は代わりに、機器137はまた、誘導結合プラズマ(「ICP」)トーチ150を含む。インターフェース装置140(又は別のインターフェース装置)は、噴霧器アセンブリ136とICPトーチ150との間に延在し、エアロゾル化された高融点液体を噴霧器アセンブリ136からICPトーチ150に伝達するように構成される。ICPトーチ150は、プラズマ中のエアロゾル化された高融点液体を加熱して、ICPトーチ150に電磁放射(例えば、電磁スペクトルの可視域、紫外域、及び近赤外域)及び気相原子/イオンを放出させるように構成される。1つ又は複数の実施形態では、図1Bのように、機器137はまた、誘導結合プラズマ質量分析計(「ICP-MS」)155を含む。ICP-MS155は、ICPトーチ150によって生成されたプラズマから放出された気相原子/イオンを受け取るように構成される。いくつかの実施形態では、ICP-MS155は、ICPトーチ150であるか、それを含むか、又はその一部である。ICP-MS155は、エアロゾル化された高融点液体中の元素を同定及び定量するように更に構成される。加えて、又は代わりに、機器137はまた、誘導結合プラズマ発光分光計(「ICP-OES」)160を含むことができる。ICP-OES160は、ICPトーチ150によって生成されたプラズマから放出された電磁放射を受け取るように構成される。いくつかの実施形態では、ICP-OES160は、ICPトーチ150であるか、それを含むか、又はその一部である。ICP-OES160は、エアロゾル化された高融点液体中の特定の元素を同定及び定量するように更に構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、インターフェース装置140、FAAS145、ICPトーチ150、ICP-MS155、及びICP-OES160に加えて、又はその代わりに、機器137は、例えば、噴霧器アセンブリ136から高融点液体165のエアロゾル化された体積を受け取り、エアロゾル化された高融点液体の化学物質含有量を決定するように構成された他の分析機器などの、1つ又は複数の他の構成要素であってもよく、又はそれらを含むことができる。
【0011】
動作中、溶融液体導管105は、高融点液体165を含む。ある体積の高融点液体165の体積は、矢印170a~bによって示すように、溶融液体導管105から噴霧器アセンブリ136、より具体的には吸引器115に連通する。矢印170bによって示すように、溶融液体導管105から高融点液体165の体積を受け取ることに加えて、吸引器115はまた、矢印175によって示すように、ガス源125からガス(例えば、アルゴン)を受け取る。吸引器115が溶融液体導管105から高融点液体165の体積を受け取り、ガス源125からガス(例えば、アルゴン)を受け取るのに応答して、吸引器115は、矢印180によって示すように、受け取った高融点液体165の体積を噴霧器130内に排出する。ヒータ120は、吸引器115、噴霧器130及び熱交換器135を加熱して、受け取った高融点液体165の体積が凍結しないようにする。噴霧器130はまた、矢印185a~bによって示すように、熱交換器135を介してガス源125(又は別のガス源)からガス(例えば、アルゴン)を受け取る。噴霧器130が、吸引器115からの高融点液体165の体積、及びガス源125からのガス(例えば、アルゴン)を受け取るのに応答して、噴霧器130は、矢印190によって示すように、受け取った高融点液体165の体積をエアロゾル化し、エアロゾル化された高融点液体をインターフェース装置140に伝達する。噴霧器130が受け取った高融点液体165の体積をエアロゾル化する前、最中、又は後に、真空源138は、矢印195によって示すように、減圧又は負のガス圧を吸引器115に印加する。吸引器115に印加された減圧又は負のガス圧は、矢印200によって示すように、高融点液体のエアロゾル化されていない残りの部分を噴霧器130から引き出し、吸引器115に戻す。いくつかの実施形態では、高融点液体のエアロゾル化されていない残りの部分を噴霧器130から吸引器115に戻すことは、そうでなければ除去が困難である噴霧器130内の高融点液体のエアロゾル化されていない残りの部分の冷却及び/又は凍結を防止するか、又は少なくとも低減する。
【0012】
インターフェース装置140は、矢印205によって示すように、エアロゾル化された高融点液体をFAAS145内に掃引する。FAAS145は、エアロゾル化された高融点液体中の元素を同定及び定量する。加えて、又は代わりに、インターフェース装置140は、矢印210によって示すように、エアロゾル化された高融点液体をICPトーチ150(又は別のインターフェース装置)に掃引する。ICPトーチ150は、エアロゾル化された高融点液体をプラズマ中で加熱する。その結果、ICPトーチは電磁放射(例えば、電磁スペクトルの可視域、紫外域、及び近赤外域)及び気相原子/イオンを放出する。いくつかの実施形態では、図1Bのように、ICPトーチ150は、ICP-MS155の一部を形成し、したがって、ICP-MS155の質量分析計は、矢印215によって示すように、ICPトーチ150によって生成されたプラズマから放出された気相原子/イオンを受け取り、エアロゾル化された高融点液体中の元素を同定及び定量する。具体的には、1つ又は複数の実施形態では、ICP-MS155の質量分析計に入る気相原子/イオンは、高速電子に衝突して、気相原子/イオンを正に帯電したイオンに変換する。次いで、正に帯電したイオンは、ICP-MS155の質量分析計を通過し、それらの質量電荷比に基づいて同定される。しかし、他の実施形態では、気相原子/イオン(正又は負であってもよい)は別の方法で生成される。いくつかの実施形態では、図1Bのように、加えて、又は代わりに、ICPトーチ150は、ICP-OES160の一部を形成し、したがって、ICP-OES160の発光分光計は、矢印220によって示すように、ICPトーチ150によって生成されたプラズマから放出された電磁放射を受け取り、エアロゾル化された高融点液体中の元素を同定及び定量する。他の実施形態では、ICP-MS155及びICP-OES160の両方の一部を形成するのではなく、ICPトーチ150は代わりにICP-MS155及びICP-OES160の一方のみの一部を形成してもよく、ICPトーチ150と同一の別のICPトーチはICP-MS155及びICP-OES160の他方の一部を形成する。
【0013】
システム100の動作は、オペレータが高融点液体165中の水(HO)、酸素(0)、及び/又は他の不純物などの潜在的に腐食性の成分を同定及び定量することを可能にする。このような潜在的に腐食性の成分が同定され、定量されると、オペレータは、特定の金属(例えば、合金)が高融点液体と接触したときに(不純物の有無にかかわらず)どのように挙動するかを決定することができる。この情報に基づいて、オペレータは、高融点液体165中のそのような潜在的に腐食性の成分の濃度を監視し、高融点液体165中のそのような潜在的に腐食性の成分の濃度が安全動作レベル外に逸脱する任意の状況に対して警報を設定することができる。そのような警報は、高融点液体165中のそのような潜在的に腐食性の成分の濃度を低減するための工程をとる必要がある際にオペレータに通知する。加えて、高融点液体165中のこのような潜在的に腐食性の成分の濃度の経時的な監視に基づいて、オペレータは、溶融液体導管105の重要な構成要素(又は高融点液体165と接触している他の構成要素)の保守、修理、修復、及び/又は交換を、そのような重要な構成要素の故障が生じる前に計画することができる。
【0014】
上述したように、溶融液体導管105は、原子炉に関連する溶融塩ループの一部とすることができ、その場合、システム100は原子炉の信頼性を支援する。例えば、システム100は、原子炉のオペレータが燃料濃度(例えば、ウラニウム-235又は他の燃料同位体)を監視することを可能にすることができ、これは原子炉が適切に機能するために特定のレベルのままでなければならない。別の例では、システム100は、原子炉のオペレータが核分裂生成物(例えば、トリウム-231)を監視することを可能にすることができる。更に別の例では、システム100は、原子炉のオペレータが医学的に有用な同位体(例えば、モリブデン-99)を監視することを可能にすることができ、その後除去することができる。更に、FAAS145、ICP-MS155、及びICP-OES160を含むものとして説明したが、加えて、又は代わりに、システム100は、噴霧器130からエアロゾル化された高融点液体を受け取り、エアロゾル化された高融点液体の化学物質含有量を決定するように構成された他の分析機器を含むことができる。
【0015】
図1Bを引き続き参照しながら図2を参照すると、一実施形態では、吸引器115、噴霧器130、及び熱交換器135は、支持装置216によってヒータ120内に収容される。支持装置216は、炭素鋼から製造することができる。いくつかの実施形態では、ヒータ120は、Olympic Doll E/Test E Kilnである。システム100の動作中、溶融液体導管225aは、高融点液体を溶融液体導管105から吸引器115に連通させ、ガス導管225bは、ガス源125から吸引器115にガスを連通させ、溶融液体導管225cは、吸引器115から噴霧器130に高融点液体を連通させ、ガス導管225dは、ガス源125(又は別のガス源)から熱交換器135にガスを連通させ、ガス導管225eは、熱交換器135から噴霧器130にガスを連通させ、エアロゾル導管225fは、噴霧器130からインターフェース装置140にエアロゾル化された高融点液体を連通させる。更に、真空源138がガス源125であるか、それを含むか、又はその一部である実施形態では、流体導管225bはまた、真空源138から吸引器115に減圧又は負のガス圧力を印加する。
【0016】
図1及び図2を引き続き参照しながら図3を参照すると、一実施形態では、吸引器115は、内部空洞235を画定する流体容器230を含む。流体容器230は、中央部分240並びに対向する端部分245a及び245bを含む。いくつかの実施形態では、中央部分240は、長さ3.5インチ×内径1.5インチのSS316NPTパイプである。いくつかの実施形態では、対向する端部分245a及び245bは、それぞれ内径1.5インチの高圧SS316パイプキャップである。吸引器115はまた、溶融液体入口250(図3では見えず、図2に示す)を含む。いくつかの実施形態では、溶融液体入口250は、流体容器230の内部空洞235と連通するように、吸引器115に結合された取付具255を含む。例えば、取付具255は、流体容器230の端部分245aに接続することができる。或いは、吸引器115は、取付具255が接続されるチューブ(図示せず)を更に含むことができ、このチューブは、流体容器230の端部分245aを通って延びる。
【0017】
吸引器115はまた、ガス導管260を含む。いくつかの実施形態では、ガス導管260は、チューブ265及び取付具270を含む。チューブ265は、対向する端部分275a及び275bを画定し、長さがL1である。いくつかの実施形態では、チューブ265は、流体容器230の端部分245aを通って延びる。例えば、チューブ265の端部分275aは、流体容器230の端部分245aに近接して延びることができる。いくつかの実施形態では、チューブ265は、外径0.25インチのSS316チューブである。取付具270は、端部分275aにおいてチューブ265に接続される。いくつかの実施形態では、取付具270は、外径0.25インチのチューブ用のYor-Lok90°エルボ取付具である。或いは、チューブ265は、吸引器115から省略することができ、代わりに、取付具270は、流体容器230の内部空洞235と連通するように流体容器230の端部分245aに直接接続することができる。
【0018】
吸引器115はまた、溶融液体導管280を含む。いくつかの実施形態では、溶融液体導管280は、チューブ285及び取付具290を含む。チューブ285は、対向する端部分295a及び295bを画定し、長さがL2である。チューブ285は、流体容器230の端部分245aを通って内部空洞235内に延びる。長さL2は、長さL1よりも長い。その結果、チューブ285の端部分295bは、チューブ265の端部分275bよりも、流体容器230の端部分245bに近く、流体容器230の端部分245aから遠くに延びる。例えば、チューブ285の端部分295bは、流体容器230の端部分245bに近接して内部空洞235内に延びることができる。対照的に、チューブ285の端部分295aは、流体容器230の外側に延びる。いくつかの実施形態では、チューブ285は、外径0.25インチのSS316チューブである。取付具290は、端部分295aにおいてチューブ285に接続される。いくつかの実施形態では、取付具290は、外径0.25インチのチューブ用のYor-Lok90°エルボ取付具である。
【0019】
システム100の動作中、高融点液体296は、溶融液体導管105から溶融液体導管225a(図2に示す)を介して吸引器115に連通する。次いで、ガス298(例えば、アルゴン)は、ガス源125から、ガス導管225b(図2に示す)及びガス導管260(図3に示す)を介して吸引器115に連通され、高融点液体296の表面299に正のガス圧を印加する。溶融液体導管280のチューブ285の端部分295bは、高融点液体296の表面299の下に延びる。したがって、高融点液体296の表面299に印加された正のガス圧に応答して、高融点液体296は、吸引器115から、溶融液体導管280(図3に示す)及び溶融液体導管225c(図2に示す)を介して噴霧器130に連通する。次いで、吸引器115内のガス298は、ガス導管260(図3に示す)及びガス導管225b(図2に示す)を介して真空源138に連通され、高融点液体296の表面299に減圧又は負のガス圧を印加する。高融点液体296の表面299に印加された減圧又は負のガス圧に応答して、噴霧器内に残っている高融点液体296のいずれかは、溶融液体導管225c(図2に示す)及び溶融液体導管280(図3に示す)を介して吸引器115内に戻される。いくつかの実施形態では、高融点液体296を噴霧器130から吸引器115内に戻すことは、そうでなければ除去が困難である噴霧器130内の高融点液体296の冷却及び/又は凍結を防止又は少なくとも低減する。
【0020】
図1及び図2を引き続き参照しながら図4を参照すると、一実施形態では、噴霧器130は、内部空洞305を画定する流体容器300を含む。流体容器300は、ジャー310及び蓋315を含む。ジャー310は、対向する端部分320a及び320bを画定する。ジャー310は、端部分320aで開いており、端部分320bで閉じている。蓋315は、端部分320aにおいてジャー310に接続される。例えば、蓋315は、ジャー310にねじ式に接続することができる。いくつかの実施形態では、噴霧器130は、CH Technologies製の8オンスSS316ジャーを備えた3ジェットMRE型コリソン噴霧器である。噴霧器130はまた、溶融液体導管325を含む。いくつかの実施形態では、溶融液体導管325は、流体容器300の内部空洞305と連通するように噴霧器130に結合された取付具330を含む。例えば、取付具330は、噴霧器130の蓋315に接続することができる。或いは、噴霧器130は、取付具330が接続されるチューブ326を更に含むことができ、このチューブ326は、噴霧器130の蓋315を通って延びる。
【0021】
噴霧器130はまた、ガス導管335を含む。いくつかの実施形態では、ガス導管335は、チューブ340及び取付具345を含む。チューブ340は、対向する端部分350a及び350bを画定し、外径がD1である。チューブ340は、蓋315を通って流体容器300の内部空洞305内に延びる。例えば、チューブ340の端部分350bは、ジャー310の端部分320bに近接して流体容器300の内部空洞305内に延びることができる。対照的に、チューブ340の端部分350aは、流体容器300の外側に延びる。取付具345は、端部分350aにおいてチューブ340に接続される。噴霧器130はまた、ジェット355を含む。ジェット355は、端部分350bにおいてチューブ340に接続される。ジェット355は、外径がD2である。外径D2は、外径D1よりも大きい。ジェット355は、周囲に(例えば、均等に)分散された噴霧孔360を含む。
【0022】
噴霧器130はまた、エアロゾル出口365を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル出口365は、流体容器300の内部空洞305と連通するように、噴霧器130に結合された湾曲チューブ370を含む。例えば、エアロゾル出口365の湾曲チューブ370は、噴霧器130の蓋315に接続することができる。エアロゾル出口365は、エアロゾル化された高融点液体を押し流すように構成される。エアロゾル出口365の湾曲チューブ370は、ガス導管335のチューブ340と比較して拡大された流路を画定する。エアロゾル出口365の拡大された流路は、エアロゾル化された後の増加した体積の高融点液体を収容するように構成される。
【0023】
システム100の動作中、高融点液体296は、吸引器115から、溶融液体導管225c(図2に示す)及び溶融液体導管325(図4に示す)を介して噴霧器130に連通する。いくつかの実施形態では、溶融液体導管325のチューブ326の遠位端372は、ジャー310の端部分320bに近接した高融点液体296の表面374の下に延びる。次いで、ガス375(例えば、アルゴン)は、ガス源125から、ガス導管225d及び225e(図2に示す)並びにガス導管335(図4に示す)を介して噴霧器130に連通され、高融点液体296をエアロゾル化された高融点液体380に噴霧する。いくつかの実施形態では、ガス導管335のチューブ340の噴霧孔360は、高融点液体296の表面374の上に延びる。次いで、エアロゾル化された高融点液体380は、エアロゾル出口365(図4に示す)及びエアロゾル導管225f(図2に示す)を介してインターフェース装置140に連通する。いくつかの実施形態では、エアロゾル出口365を介して噴霧器130から出るエアロゾル化された高融点液体380は、直径が20~30μmの液滴を含む。最後に、噴霧器130内に残っている高融点液体296のいずれかは、溶融液体導管325(図4に示す)及び溶融液体導管225c(図2に示す)を介して吸引器115内に戻される。
【0024】
いくつかの実施形態では、噴霧器130は省略され、ポンプ110がノズルを通して高融点液体296を押し出してエアロゾル化された高融点液体を生成するのに必要な圧力を生成する別の噴霧器と置き換えることができる。他の実施形態では、噴霧器130は省略され、例えば、空気圧噴霧、超音波噴霧など、又はそれらの組み合わせなどの異なる噴霧プロセスを利用する更に別の噴霧器と置き換えることができる。いくつかの実施形態では、加えて、又は代わりに、吸引器115を噴霧器アセンブリ136から省略することができる。
【0025】
図1Bを引き続き参照しながら図5を参照すると、一実施形態では、FAAS145は、本体385及びバーナヘッド390を含む。本体385は、フロースポイラ400が延びる噴霧チャンバ395を画定する。フロースポイラ400は、フロースポイラ保持ねじ405を介して噴霧チャンバ395内に保持される。本体385は、エアロゾルポート410、燃料ポート415、並びに酸化剤ポート420a及び/又は420bを含む。システム100の動作中、エアロゾル化された高融点液体380は、噴霧器130から、インターフェース装置140(図1Bに示す)及びエアロゾルポート410を介して噴霧チャンバ395に連通する。更に、燃料(例えば、アセチレン)及び酸化剤(例えば、圧縮空気)は、燃料ポート415並びに酸化剤ポート420a及び/又は420bを介して本体385の噴霧チャンバ395に連通する。エアロゾル化された高融点液体380は、燃料及び酸化剤と混合され、フロースポイラ400を介してバーナヘッド390に流れる。次いで、バーナヘッド390は、混合物に点火し、火炎は、エアロゾル化された高融点液体380中の元素を同定及び/又は定量するために評価される。例えば、エアロゾル化された高融点液体380中のナトリウムの存在は、炎から放出される589ナノメートルの波長を有する強い黄橙色光によって示される。別の例として、エアロゾル化された高融点液体380中のニッケル及びマグネシウムの吸光度は、FAAS145によって測定することができ、すなわち、FAAS145は、エアロゾル化された高融点液体380中のニッケル及びマグネシウムの両方の存在を独立して検証する。この情報に基づいて、内部標準としてニッケルを使用して、高融点液体296中のマグネシウムの検量線及び検出限界を確立することができる。FAAS145はまた、エアロゾル化された高融点液体380中の他の金属を百万分率の範囲で検出することができる。
【0026】
図1Bを引き続き参照しながら図6を参照すると、一実施形態では、ICPトーチ150は、毛細管425、毛細管425の周りに延びる内側チューブ430、内側チューブ430の周りに延びる外側チューブ435、及び外側チューブ435の遠位端445に外接する負荷コイル440を含む。毛細管425は、エアロゾルポート450を含む。内側チューブ430は、補助ポート455を含む。外側チューブ435は、冷却剤ポート460を含む。システム100の動作中、エアロゾル化された高融点液体380は、噴霧器130から、インターフェース装置140(図1Bに示す)及びエアロゾルポート450を介して毛細管425に連通する。更に、補助ガス(例えば、アルゴンガス)は、補助ポート455を介して毛細管425の周囲の内側チューブ430に連通する。補助ガスは、毛細管425の遠位端465に近接するプラズマ470となる。冷却剤(例えば、アルゴンガス)は、冷却剤ポート460を介して内側チューブ430を取り囲む外側チューブ435に連通する。エアロゾル化された高融点液体380は、毛細管425の遠位端465でプラズマ470に入り、プラズマ470によって加熱され、ICPトーチ150に電磁放射線(例えば、電磁スペクトルの可視域、紫外域、及び近赤外域)及び気相原子/イオンを放出させる。負荷コイル440は、ICPトーチ150の内部に強い磁界を形成し、プラズマ470を制御する。ICPトーチ150が噴霧器130に動作可能に結合されていると、ICPトーチは、図1図7、及び図8に示すように、追加の分析技術に使用することができる。
【0027】
図1及び図6を引き続き参照しながら図7を参照すると、ICP-MS155は、ICPトーチ150によって生成されたプラズマ470から放出された気相原子/イオンを受け取るように構成される。いくつかの実施形態では、ICP-MS155は、ICPトーチ150であるか、それを含むか、又はその一部である。いくつかの実施形態では、ICP-MS155は、Agilent7500ICP-MSである。ICP-MS155は、サンプラーコーン475、スキマー480、レンズ485、及び四重極(「Q極」)質量分析計490を含む。システム100の動作中、プラズマ470から放出された気相原子/イオンは、サンプラーコーン475、スキマー480、及びレンズ485を通過する。レンズ485は、プラズマ470から放出された気相原子/イオンをQ極質量分析計490に集束させ、Q極質量分析計は、エアロゾル化された高融点液体380中の元素を同定及び/又は定量する。ICP-MS155はまた、システム100の動作中に適切な真空を維持するように動作可能な回転ポンプ495並びにターボポンプ500a及び500bを含む。
【0028】
図1及び図6を引き続き参照しながら図8を参照すると、一実施形態では、ICP-OES160は、ICPトーチ150によって生成されたプラズマ火炎470から放出された電磁放射を受け取るように構成される。いくつかの実施形態では、ICP-OES160は、ICPトーチ150であるか、それを含むか、又はその一部である。いくつかの実施形態では、ICP-OES160は、Echelleモノクロメータである。ICP-OES160は、ハウジング505、回折格子510、プリズム515、及び電荷結合素子(「CCD」)検出器520を含む。ハウジング505は、入口窓525を画定する。システム100の動作中、プラズマ火炎470から放出された電磁放射は、ハウジング505内の入口窓525を通過し、回折格子510で反射し、プリズム515を通過する。プリズム515は、プラズマ470から放出された電磁放射をCCD検出器520上に投射し、CCD検出器は、エアロゾル化された高融点液体380中の元素を同定及び/又は定量する。
【0029】
図1Aを引き続き参照しながら図9を参照すると、一実施形態では、噴霧器アセンブリ136はシステム100から省略され、噴霧器アセンブリ136´に置き換えられている。噴霧器アセンブリ136´は、噴霧器アセンブリ136の対応する特徴/構成要素と実質的に同一であるいくつかの特徴/構成要素を含み、実質的に同一の特徴/構成要素は、同じ参照番号で参照される。噴霧器アセンブリ136´は、ある体積の高融点液体165を溶融液体導管105の出口528aから受け取るように構成された吸引器115´を含む。吸引器115´は、吸引器115´が、エアロゾル化される噴霧器130内への送達に望ましい高融点液体の体積のみを収容するように特別に寸法決めされた内部体積を画定することを除いて、上述の吸引器115と同様である。したがって、吸引器115´の内部体積は、計量チャンバと呼ぶことができる。
【0030】
バルブ530aは、溶融液体導管105の出口528aと吸引器115´との間に動作可能に結合されており、このバルブ530aは、開位置と閉位置との間で作動可能であり、溶融液体導管105の出口528aから吸引器115´への高融点液体165の流れを許容又は遮断する。バルブ530aは、二方バルブである。同様に、バルブ530bは、吸引器115´と噴霧器130との間に動作可能に結合されており、このバルブ530bは、開位置と閉位置との間で作動可能であり、吸引器115´から噴霧器130への高融点液体165の流れを許容又は遮断し、逆もまた同様である。バルブ530bは、二方バルブである。
【0031】
噴霧器アセンブリ136´はまた、ガス源125´を含み、このガス源125´はガス源125と同様であるが、図1Bのように吸引器115にガスを直接供給するのではなく、ガス源125´は、図9に示すように、熱交換器135及び熱交換器135と吸引器115´との間に動作可能に結合されたバルブ530cを介して吸引器115´にガスを供給するように構成されている点が異なる。噴霧器アセンブリ136´はまた、真空源138´を含み、この真空源138´は真空源138と同様であるが、図1Bのように減圧又は負のガス圧を吸引器115に直接印加するのではなく、真空源138´は、図9に示すように、真空源138´と吸引器115´との間に動作可能に結合されたバルブ530cを介して減圧又は負のガス圧を吸引器115´に印加するように構成されている点が異なる。
【0032】
バルブ530cは、バルブ530cがガス源125´(熱交換器135を介して)と吸引器115´との間の流体連通を可能にし、一方で真空源138´と吸引器115´との間の流体連通を遮断する第1の開位置、バルブ530cが真空源138´と吸引器115´との間の流体連通を可能にし、一方でガス源125´と吸引器115´との間の流体連通を遮断する第2の開位置、及びバルブ530cがガス源125´と吸引器115´との間の流体連通を遮断し、一方で真空源138´と吸引器115´との間の流体連通も遮断する閉位置との間で作動可能な三方バルブである。或いは、バルブ530cは省略され、一対の二方バルブ(図示せず)に置き換えることができ、その一方は、ガス源125´と吸引器115´との間の流体連通を許可又は遮断するために開位置と閉位置との間で作動可能であり、もう一方は、真空源138´と吸引器115´との間の流体連通を許可又は遮断するために開位置と閉位置との間で作動可能である。
【0033】
バルブ530dは、吸引器115´と溶融液体導管105の入口528bとの間に動作可能に結合され、このバルブ530dは、高融点液体165が吸引器115´から入口528bを介して溶融液体導管105に戻る流れを許可又は遮断するように、開位置と閉位置との間で作動可能である。バルブ530dは、二方バルブである。或いは、バルブ530a及び530dを省略し、バルブ530cと同様の構造及び動作の三方バルブに置き換えることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、図9のように、溶融液体導管105の入口528bは、溶融液体導管105の出口528aの下流にある。しかし、他の実施形態では、溶融液体導管105の入口528は、溶融液体導管105の出口528aの上流にあってもよい。流量制御装置531は、出口528aと入口528bとの間で、溶融液体導管105内に配置され、それに動作可能に結合され、及び/又はそれ以外の方法で組み込むことができる。流量制御装置531は、溶融液体導管105内の高融点液体の流れを部分的に(すなわち、絞りを介して)及び/又は完全に遮断するように作動可能である。いくつかの実施形態では、流量制御装置531は省略される。
【0035】
表1は、以下で更に詳細に説明するように、バルブ530a~dの様々な動作構成を示す。

【表1】



【0036】
図9を引き続き参照しながら図10を参照すると、一実施形態では、方法は概して参照番号532で参照される。方法532は、工程533aにおいて、ある体積の高融点液体165を溶融液体導管105から噴霧器アセンブリ136´、具体的には吸引器115´に流すことを可能にすることを含む。工程533aは、バルブ530a~dを構成Aに作動させることによって実行することができ、表1に示すように、バルブ530a及び530dは開いており、バルブ530b及び530cは閉じている。バルブ530a~dを構成Aに作動させることにより、溶融液体導管105の出口528aからの高融点液体635は、バルブ530aを介して吸引器115´に流入して充填され、バルブ530dを介して溶融液体導管105に戻ることができる。更に、高融点液体635のこのような流れを促進して吸引器115´を充填するために、工程533aの実行は、溶融液体導管105内の高融点液体の流れを部分的に(すなわち、絞りを介して)及び/又は完全に遮断するように流量制御装置531を作動させることを更に含むことができる。
【0037】
工程533bでは、吸引器115´に充填された高融点液体の体積を、吸引器115´から噴霧器130へ流す。工程533bは、バルブ530a~dを構成Bに作動させることによって実行することができ、表1に示すように、バルブ530a及び530dは閉じており、バルブ530b及び530cは開いている。より具体的には、構成Bでは、三方バルブ530cは、上述した第1の開位置に作動され、バルブ530cは、ガス源125´(熱交換器135を介して)と吸引器115´との間の流体連通を可能にする一方で、真空源138´と吸引器115´との間の流体連通を遮断する。バルブ530a~dを構成Bに作動させることにより、ガス源125´からの加圧ガスが、高融点液体の体積を吸引器115´から噴霧器130内に移動させることが可能になる。
【0038】
工程533cでは、噴霧器130を使用して、噴霧器130内の高融点液体の体積の少なくとも一部をエアロゾル化する。噴霧器130の構造及び動作は、上で詳細に説明されている。次に、工程533dでは、エアロゾル化された高融点液体は、化学分析のために機器137に流れることができる。機器137の構造及び動作は、1つ又は複数の実施形態に従って、上で詳細に説明されている。
【0039】
工程533eでは、残りのエアロゾル化されていない高融点液体は、吸引器115´を使用して噴霧器130から排出される。工程533eは、バルブ530a~dを構成Cに作動させることによって実行することができ、表1に示すように、バルブ530a及び530dは閉じており、バルブ530b及び530cは開いている。より具体的には、構成Cでは、三方バルブ530cは、上述した第2の開位置に作動され、バルブ530cは、真空源138´と吸引器115´との間の流体連通を可能にする一方で、ガス源125´と吸引器115´との間の流体連通を遮断する。バルブ530a~dを構成Cに作動させることにより、真空源138´からのガス圧を減圧又は負のガス圧にして、噴霧器130内の高融点液体の任意の残りの体積を吸引器115´内に戻すことができる。
【0040】
最後に、工程533fでは、排出されたエアロゾル化されていない高融点液体は、吸引器115´から溶融液体導管105に戻るように流れることができる。工程533fは、バルブ530a~dを構成Dに作動させることによって実行することができ、表1に示すように、バルブ530a及び530bは閉じており、バルブ530c及び530dは開いている。より具体的には、構成Dでは、三方バルブ530cは、上述した第1の開位置に作動され、バルブ530cは、ガス源125´(熱交換器135を介して)と吸引器115´との間の流体連通を可能にする一方で、真空源138´と吸引器115´との間の流体連通を遮断する。バルブ530a~dを構成Dに作動させることにより、ガス源125´からの加圧ガスが、吸引器115´からの高融点液体の体積を、バルブ530dを介して溶融液体導管105に戻すことを可能にする。
【0041】
図1Aを引き続き参照しながら図11を参照すると、一実施形態では、噴霧器アセンブリ136はシステム100から省略され、噴霧器アセンブリ136´´に置き換えられている。噴霧器アセンブリ136´´は噴霧器130´を含み、この噴霧器130´は振動源545に動作可能に結合された(例えば、取り付けられた)振動メッシュ540を含む。電源535は、振動源545に電力を供給し、振動源545が振動メッシュ540に振動を与えることを可能にする。1つ又は複数の実施形態では、電源535は、電極(図示せず)を用いて振動源545に動作可能に結合され、電極は、通電されると振動源545の急速な変形を引き起こし、それにより振動源545を振動させる。振動メッシュ540は、振動源545から振動が与えられると、溶融液体導管105から受け取った高融点液体165をエアロゾル化する。噴霧器アセンブリ136´´はまた、ガス源125´´を含む。ガス源125´´は、振動メッシュ540の下流にガスを送達して、エアロゾル化された高融点液体を機器137に掃引するように構成されている。機器137の構造及び動作は、1つ又は複数の実施形態に従って、上で詳細に説明されている。図11には示されていないが、いくつかの実施形態では、ガス源125´´は、本明細書に記載の熱交換器135と実質的に同一の熱交換器を通してガスを送達し、この熱交換器は、本明細書に記載のヒータ120と実質的に同様のヒータに含まれる。
【0042】
図11を引き続き参照しながら図12を参照すると、一実施形態では、振動メッシュ540は円盤状メッシュスクリーンであり、振動源545はリング状圧電材料である。このような実施形態では、噴霧器130´は、高融点液体165が溶融液体導管105から連通するパイプ550(例えば、T字形)内に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、振動メッシュは、貫通して形成された孔を有する平坦な金属片であるか、又はそれを含み、孔は、各孔が一方の側でより大きい直径を有し、他方の側でより小さい直径を有するようにテーパ状又は湾曲している。1つ又は複数の実施形態では、振動メッシュ540は、直径が1/2インチ以下であるディスク形状のメッシュスクリーンである。同様に、1つ又は複数の実施形態では、振動源545は、直径が1/2インチ以下であるリング状圧電材料である。リング状振動源545は、円盤状振動メッシュ540に係合して振動を与える。振動メッシュ540が振動することにより、振動メッシュ540に連通した高融点液体165は、リング状振動源545の中心と円盤状振動メッシュ540の両方を通過し、高融点液体を小滴化してエアロゾルを形成する。エアロゾルは、振動メッシュ540の下流のガス源125´´からパイプ内に送達される不活性ガスによって機器137に運ばれる。いくつかの実施形態では、振動メッシュ540の孔は、振動源545によって振動メッシュ540に振動が与えられない場合に、振動メッシュ540が高融点液体を通過させないようなサイズ及び/又は形状であり、すなわち、振動メッシュ540は、振動源545によって振動が与えられる高融点液体の通過のみを可能にする。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器130´を含む噴霧器アセンブリ136´´は、供給源により近い高融点液体165のエアロゾル化を促進し、その結果、より少量の高融点液体が溶融液体導管105から引き出される必要がある。
【0043】
システムが本明細書に記載されている。システムは、一般に、溶融液体導管、溶融液体導管に動作可能に結合され、溶融液体導管から高融点液体を受け取るように構成された噴霧器アセンブリであって、噴霧器アセンブリが、溶融液体導管から受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように更に構成された噴霧器アセンブリ、噴霧器アセンブリに動作可能に結合され、噴霧器からエアロゾル化高融点液体を受け取るように構成された1つ又は複数の機器であって、1つ又は複数の機器が、エアロゾル化された高融点液体を化学的に分析するように更に構成されている機器を含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、第1の流体容器を含む噴霧器であって、噴霧器が、溶融液体導管から受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成されている、噴霧器を含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、溶融液体導管から高融点液体を受け取るように構成された第2の流体容器を含む吸引器であって、第2の流体容器が噴霧器の第1の流体容器に動作可能に結合されている、吸引器を更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、溶融液体導管と吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、ガスを吸引器内に連通させ、それによって吸引器の第2の流体容器から噴霧器の第1の流体容器内に受け取った高融点液体を送達するように構成されたガス源を更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、噴霧器の第1の流体容器と吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、真空源から吸引器に減圧又は負のガス圧を印加し、それによって高融点液体のエアロゾル化されていない部分を噴霧器の第1の流体容器から引き出し、吸引器の第2の流体容器に戻すように構成された真空源を更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、噴霧器の第1の流体容器と吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、ガス源は、吸引器内にガスを連通させ、それによって高融点液体の引き出されたエアロゾル化されていない部分を吸引器から溶融液体導管内に戻すように更に構成されている。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、吸引器の第2の流体容器と溶融液体導管との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成された噴霧器であって、振動源に取り付けられた振動メッシュを含む噴霧器、及び振動源に動作可能に結合され、振動源に通電し、それによって振動源を振動させるように構成された電源を含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、ガスをエアロゾル化された高融点液体に連通させ、エアロゾル化された高融点液体を噴霧器から1つ又は複数の機器に送達するように構成されたガス源を更に含む。
【0044】
方法も本明細書に記載されている。方法は、一般に、噴霧器アセンブリ内に、溶融液体導管から高融点液体を受け取ること、噴霧器アセンブリを使用して、受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化すること、エアロゾル化された高融点液体を噴霧器から1つ又は複数の機器に送達すること、1つ又は複数の機器を使用して、エアロゾル化された高融点液体を化学的に分析することを含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成された噴霧器を含み、噴霧器は、第1の流体容器を含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、溶融液体導管から高融点液体を受け取るように構成された吸引器を更に含み、吸引器は、噴霧器の第1の流体容器に動作可能に結合された第2の流体容器を含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、溶融液体導管と吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含み、溶融液体導管から高融点液体を吸引器に受け入れることは、バルブを開くことを含む。1つ又は複数の実施形態では、方法は、吸引器の第2の流体容器から噴霧器の第1の流体容器内に、受け取った高融点液体を送達することを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、ガス源を更に含み、吸引器の第2の流体容器から噴霧器の第1の流体容器内に受け取った高融点液体を送達することは、ガス源から吸引器内にガスを連通させることを含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、噴霧器の第1の流体容器と吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通しているバルブを更に含み、吸引器の第2の流体容器から噴霧器の第1の流体容器内に受け取った高融点液体を送達することは、バルブを開くことを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、方法は、噴霧器の第1の流体容器から高融点液体のエアロゾル化されていない部分を引き出して、吸引器の第2の流体容器に戻すことを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、真空源を更に含み、高融点液体のエアロゾル化されていない部分を噴霧器の第1の流体容器から引き出し、吸引器の第2の流体容器に戻すことは、吸引器に、真空源からの減圧又は負のガス圧を印加することを含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、噴霧器の第1の流体容器と吸引器の第2の流体容器との間に動作可能に結合され、それらと流体連通しているバルブを更に含み、高融点液体のエアロゾル化されていない部分を噴霧器の第1の流体容器から引き出し、吸引器の第2の流体容器に戻すことは、バルブを開くことを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、方法は、引き出された高融点液体のエアロゾル化されていない部分を吸引器から送達し、溶融液体導管に戻すことを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、ガス源を更に含み、引き出された高融点液体のエアロゾル化されていない部分を吸引器から送達し、溶融液体導管に戻すことは、ガス源から吸引器内にガスを連通させることを含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、吸引器の第2の流体容器と溶融液体導管との間に動作可能に結合され、それらと流体連通するバルブを更に含み、引き出された高融点液体のエアロゾル化されていない部分を吸引器から送達し、溶融液体導管に戻すことは、バルブを開くことを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化するように構成された噴霧器であって、振動源に取り付けられた振動メッシュを含む噴霧器、及び振動源に動作可能に結合され、振動源に通電するように構成された電源を含み、受け取った高融点液体の少なくとも一部をエアロゾル化することは、電源を使用して振動源に通電し、それによって振動源を振動させることを含む。1つ又は複数の実施形態では、噴霧器アセンブリは、ガス源を更に含み、エアロゾル化された高融点液体を噴霧器から1つ又は複数の機器に送達することは、ガス源から噴霧器内にガスを連通させることを含む。
【0045】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記に変更を加えることができることを理解されたい。
【0046】
いくつかの実施形態では、様々な実施形態の要素及び教示は、実施形態の一部又は全部において全体的又は部分的に組み合わせることができる。加えて、様々な実施形態の1つ又は複数の要素及び教示は、少なくとも部分的に省略することができ、及び/又は様々な実施形態の1つ又は複数の他の要素及び教示と少なくとも部分的に組み合わせることができる。
【0047】
例えば、「上部」、「下部」、「上」、「下」、「間に、」、「底部」、「垂直」、「水平」、「角度の」、「上方に」、「下方に」、「左右交互に」、「左から右へ」、「右から左へ」、「上から下へ」、「下から上へ」、「頂部」、「底部」、「ボトムアップ」、「トップダウン」などの任意の空間的参照は、例示のみを目的としており、上述の構造の特定の方向又は位置を限定するものではない。
【0048】
いくつかの実施形態では、異なる工程、プロセス、及び手順が別個の動作として現れるものとして説明されているが、工程のうちの1つ若しくは複数、プロセスのうちの1つ若しくは複数、及び/又は手順のうちの1つ若しくは複数は、同時に及び/又は順次に、異なる順序で実行することができる。いくつかの実施形態では、工程、プロセス、及び/又は手順は、1つ又は複数の工程、プロセス、及び/又は手順に統合することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、各実施形態の動作工程のうちの1つ又は複数を省略することができる。更に、場合によっては、本開示のいくつかの特徴は、他の特徴を対応して使用せずに採用することができる。更に、上述の実施形態及び/又は変形例のうちの1つ又は複数は、他の上述の実施形態及び/又は変形例のうちの任意の1つ又は複数と全体的又は部分的に組み合わせることができる。
【0050】
いくつかの実施形態を上記で詳細に説明したが、説明した実施形態は例示にすぎず、限定するものではなく、当業者であれば、本開示の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、実施形態において多くの他の修正、変更及び/又は置換が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、全てのそのような修正、変更、及び/又は置換は、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲内に含まれることが意図されている。特許請求の範囲において、任意のミーンズ・プラス・ファンクション節は、列挙された機能を実行するものとして本明細書に記載された構造だけでなく等価構造も網羅することを意図している。更に、特許請求の範囲が関連する機能と共に「手段」という単語を明示的に使用するものを除いて、本明細書の特許請求の範囲のいずれかの制限について米国特許法第112条(f)を発動しないことは、本出願人の明確な意図である。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】