(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】クレンジング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20230111BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20230111BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230111BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230111BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230111BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230111BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20230111BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20230111BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q1/14
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K8/44
A61K8/73
A61K8/19
A61K8/20
A61K8/23
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022526368
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020081680
(87)【国際公開番号】W WO2021094334
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】201921045863
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】スタルク,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトヘッド,ポール・ステファン
(72)【発明者】
【氏名】タオカー,シュブハラクシュミー・マドゥカル
(72)【発明者】
【氏名】オリウ,ジュールズ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB331
4C083AB332
4C083AB351
4C083AB352
4C083AC302
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD131
4C083AD132
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB34
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD05
4C083DD23
4C083EE07
(57)【要約】
水性連続相中に、(i)100%活性での組成物全体の重量で3重量%~13重量%の一般式(I):R1-CH=CH2-SO3-M+ (I)[式中、R1は11~13個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基及びそれらの混合物から選択され;Mは可溶化カチオンである。]のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤;(ii)1~8重量%のコカミドプロピルベタインである両性界面活性剤からなる、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の総量;(iii)0.05重量%~0.5重量%のカチオン性ポリマー;(iv)0.3~2.8重量%の無機電解質;及び(v)水を含み、ここで、(i)対(ii)の重量比が2:1~1:4の範囲であり、組成物のpHが3~6.5であり;組成物が、30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター;パラレル40mmサンドブラストプレート、4s-1でのピークホールドプロトコールを使用して測定した場合に、2,500~25,000mPa・sの粘度を有する、硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性連続相中に、
(i)100%活性での組成物全体の重量で3重量%~13重量%の一般式(I):
【化1】
[式中、R
1は11~13個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基及びそれらの混合物から選択され;Mは可溶化カチオンである。]のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤;
(ii)1~8重量%のコカミドプロピルベタインである両性界面活性剤
からなる、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の総量;
(iii)0.05重量%~0.5重量%のカチオン性ポリマー;
(iv)0.3~2.8重量%の無機電解質;及び
(v)水
を含む硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物であって、
ここで、(i)対(ii)の重量比が2:1~1:4の範囲であり、前記組成物のpHが3~6.5であり;
前記組成物が、30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター;パラレル40mmサンドブラストプレート、4s
-1でのピークホールドプロトコールを使用して測定した場合に、2,500~25,000mPa・sの粘度を有する、硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物。
【請求項2】
一般式(I)のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤の量が、100%活性で組成物の総重量に基づき2.5~12.85重量%、好ましくは3.5~12重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(i)及び(ii)の合わせた量が、組成物の総重量で7重量%~15重量%の範囲である、請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記αオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤(i)対前記コカミドプロピルベタイン(ii)の重量比が2:1~1:3である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム10、80万~250万g/molの範囲のM
w及び0.5~1.8meq/gの範囲の電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記無機電解質が、金属塩化物、金属硫酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター;パラレル40mmサンドブラストプレート、4s
-1でのピークホールドプロトコールを用いて測定した場合に、3,500~20,000mPa・sの粘度を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
透明である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
増粘ポリマー及び粘性界面活性剤から選択される追加の増粘剤を含まない、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
アイソトロピック界面活性剤相を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物の総重量に基づき0.5~2.3重量%の無機電解質の量を含み、そして、(i)対(ii)の重量比が2:1~1:1である、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物を毛髪、頭皮又は皮膚に適用する工程を含む、毛髪、頭皮又は皮膚を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に頭皮を含む毛髪及び皮膚用のマイルドな硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微細構造及びレオロジーは、消費者受容性並びに製品性能に影響することから、パーソナルケア製剤において重要な因子である。界面活性剤の選択、量及び相対量が、パーソナルクレンジング組成物の微細構造に寄与する。ひいては、微細構造は、組成物の粘度及び粘度構築特性などのレオロジー特性に影響を与え得るものであり、組成物安定性にも寄与し得る。
【0003】
界面活性剤分子が集合してミセルとなることができ、そのミセルが凝集して構造を構築するためには、通常、十分なレベルの界面活性剤が必要である。市販の水性クレンジング組成物は非常に多くの場合、12重量%以上の界面活性剤を含む。そのような組成物の主要な界面活性剤成分は、一般にアルキル及び/又はアルキルエーテル硫酸塩界面活性剤であり、ラウリル及びラウレス硫酸塩が良好な洗浄力を与えることが知られている界面活性剤であって、一般に使用される硫酸塩界面活性剤である。硫酸塩界面活性剤は、アニオン性界面活性剤として知られる種類の材料に属する。硫酸塩界面活性剤は非常に多くの場合、両性共界面活性剤と併用され、コカミドプロピルベタインなどのベタイン界面活性剤が、一般に使用される両性界面活性剤である。ベタイン界面活性剤は、泡立ちを高める(boast)のに役立ち、硫酸塩界面活性剤の洗浄力はないものの、一般に硫酸塩界面活性剤よりマイルドである。有利なことに、硫酸塩界面活性剤をベースとするパーソナルクレンジング組成物は、通常、単純塩を加えることで増粘することができる。
【0004】
硫酸塩界面活性剤がパーソナルクレンジング組成物に広く使用されているにもかかわらず、アニオン性界面活性剤が硫酸塩非含有界面活性剤である組成物を含む、よりマイルドな代替物に大きな関心が集まっている。
【0005】
許容可能な組成物粘度を達成することは、制御されて適用され、使用時に容易に広がることができるマイルドなパーソナルクレンジング組成物を提供する上で重要な要素である。組成物の粘度は、泡立ちのような属性とともに、そのような製品に対する消費者の感覚に影響を与えることもあり得る。硫酸塩界面活性剤を入れない場合、望ましいレオロジー特性をもたらす微細構造を開発することは、特に低界面活性剤濃度のマイルドな組成物の場合には困難である可能性があり、さらに、単純塩の添加によってそのような組成物の粘度を構築することは問題となり得る。硫酸塩界面活性剤を入れないことは、酸性pHで安定なマイルドなクレンジング組成物の配合を立てることに関しても問題となり得る。
【0006】
硫酸塩界面活性剤を含まない増粘系の問題に対する一つのアプローチは、硫酸塩非含有界面活性剤を高分子増粘剤と共に使用することであった。高分子系増粘剤は、例えば投与、塗布及び使用時の広がりの際に経験するような低剪断条件下で、通常のニュートニアンレオロジーを持つ製品を非ニュートニアンレオロジーに変化させるゲル化効果を有し得る。このような増粘剤の使用は、製品の基準からの望ましくない逸脱として消費者に検出されることに加えて、単純塩の使用によって組成物の粘度をその後調整する能力をさらに制限し得るものである。
【0007】
比較的高レベルの非硫酸塩界面活性剤を用いることも、硫酸塩界面活性剤を含まない系の粘度を構築する上で役立ち得る。しかしながら、必要とされる非硫酸塩界面活性剤のレベルは、従来の基準よりも高くなる可能性があり、また、比較的不活性な液晶構造又はドメインを有する非アイソトロピック界面活性剤系をもたらす可能性がある。発泡効率を高める傾向があるアイソトロピック界面活性剤系とは対照的に、液晶性微細構造の比較的不活性な微細構造は、界面活性剤を「捕捉」して発泡性を損なわせる傾向がある。さらに、液晶構造又はドメインは、光透過を妨げ、組成物に濁った又は曇った外観を付与することがあり、これは透光性が望まれる場合に問題となることがある。
【0008】
硫酸塩非含有界面活性剤を使用し、毛髪、皮膚及び頭皮に適しており、望ましいレオロジー特性を有しており、比較的低い界面活性剤濃度の組成物が含まれる、マイルドなクレンジング組成物が必要とされている。特に興味深いものは、硫酸塩界面活性剤を含まない低界面活性剤含有組成物であり、その組成物の粘度は、単純塩などの電解質の添加により高めることができる。
【0009】
WO18002557A1は、ラメラ相領域にアクセスしてレオロジーを制御する硫酸塩非含有のアニオン性、両性及びノニオン性のものが含まれる高濃度(35~60%)の界面活性剤混合物を使用している。これらの配合には塩を添加していない。ラメラ相における高い界面活性剤濃度はレオロジー構築の問題を解決するものであるが、それらはマイルドな利点を与えず、又は透明な外観及びフラッシュフォームなどのアイソトロピックシャンプーの使用時適用及び官能特性を持たない場合がある。
【0010】
US2017319453Aは、αオレフィンスルホン酸塩(AOS)+グリセリン脂肪酸エステル及び両性界面活性剤(ベタイン)の組み合わせが、刺激がないか低減されており、優れた発泡品質を与え、安定な、特に経時的に及び/又は高温下で安定であることができることを教示している。酸性pH下では、エステル結合は攻撃を受けやすく、不安定になる可能性があり、アイソトロピック配合を経時的に薄くする傾向がある。熱は、これらの不安定化反応を加速させる。
【0011】
US2016095804Aは、硫酸塩非含有界面活性剤の複雑な組み合わせ(例えば、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤に任意にノニオン性界面活性剤を加えたもの)を使用しているが、疎水性に修飾された高分子量ポリマーでそれを構築している。それはまた、カチオン性コンディショニング剤(ポリマー及びシリコーン又は機能性シリコーンの混合物)も用いている。しかしながら、クレンジング配合に構造化ポリマーを加えることで、乏しいクリーンな感触、コーティング及び粘性の形で、官能性能が悪くなることが分かっている。
【0012】
US2017079899A及びUS2017095410Aは、高濃度及び特定の比率での異なる鎖長(C16+C18)のαオレフィンスルホネートのブレンドには、配合を増粘するために高分子材料の形態の懸濁剤が必要になることを明らかにしている。ベタインなどの両性又は双性イオン性材料の使用、並びに脂肪材料などの少なくとも一つの起泡力促進剤の含有も想定される。
【0013】
US2012157365Aは、ポリグリセリルノニオン性、両性及び硫酸塩非含有アニオン性界面活性剤の混合物をpH5.4未満で使用して、保存料として安息香酸ナトリウムなどの有機酸を用いている。ポリグリセリル対両性の比率は、0.05:1~3:1であり、硫酸塩非含有アニオン性対両性の比率は0.3:1~4:1の範囲である。
【0014】
US5811087には、
a)少なくとも一つの所定の式のアルキルアミドエーテルカルボン酸1重量%~25%重量;b)少なくとも一つのアニオン性硫酸塩又はスルホン酸塩界面活性剤1重量%~25%重量;c)C8-C18-アシルモノ-及びジアルカノールアミド、表面活性ベタイン類及びスルホベタイン類、及び(又は)表面活性アミン酸化物から選択される少なくとも一つの化合物0.1重量%~10重量、並びに
d)少なくとも2.50meq/gの電荷密度を有する少なくとも一つのカチオン性ポリマー0.05%~5重量%
の組み合わせを含む水性ヘアシャンプーを開示している。例としては、αオレフィンスルホネート及びラウリルヒドロキシスルタインなどがある。
【0015】
US2017/0340540には、ケラチン質基質のクレンジング及びケアのための化粧品組成物であって、(i)1以上の直鎖α-オレフィンスルホン酸塩、(ii)1重量%~20重量%で存在する、化合物(i)以外の1以上の非オキシアルキレン化アニオン性界面活性剤;(iii)両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤から選ばれる1以上の追加の界面活性剤を含む組成物が開示されている。例としては、0.5重量%のポリクオタニウム-10と組み合わせたαオレフィンスルホネート及びココベタインが挙げられる。
【0016】
US2017/0360688は、少なくとも一つの界面活性剤も含む化粧品組成物におけるアニオン性及びカチオン性高分子電解質の組み合わせの使用を明らかにしている。安定な粘度及び降伏応力が達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】WO18002557A1
【特許文献2】US2017319453A
【特許文献3】US2016095804A
【特許文献4】US2017079899A
【特許文献5】US2017095410A
【特許文献6】US2012157365A
【特許文献7】US5811087
【特許文献8】US2017/0340540
【特許文献9】US2017/0360688
【発明の概要】
【0018】
本発明者らは、αオレフィンスルホン酸塩(AOS)が硫酸塩非含有の第一の界面活性剤であることを確認している。硫酸塩に基づくシャシ(chassis)と同様に、塩を用いて粘度を構築し、泡を制御し、より低いCMCによるマイルドさの利点の提供を助けるために、第二の界面活性剤が求められる。
【0019】
配合物に使用される界面活性剤のレベルを下げることが望ましい(マイルドさ及び環境上の利点のため)。しかしながら、界面活性剤の量を減らすと、配合物の粘度が望ましくないほど低下することが分かっている。
【0020】
過去の研究で、αオレフィンスルホン酸塩(AOS)を主界面活性剤とした低い界面活性剤総濃度では、二次界面活性剤であるコカミドプロピルベタイン(CAPB)により、粘度を構築できないことがわかっている。
【0021】
しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、特定の定義された比率でAOSとコカミドプロピルベタインとの組み合わせが、低い界面活性剤総濃度で塩を添加することで粘度を構築できることを見出した。これは、他の増粘剤、例えばポリマー及び他の二次界面活性剤の必要性をなくすものである。
【0022】
本発明による組成物は、コカミドプロピルベタインが豊富な比率でのアニオン性及びコカミドプロピルベタインの組み合わせを有し;界面活性剤濃度が低く;特定のレベルの主硫酸塩非含有界面活性剤であり、カチオン性ポリマーを有するものであり、皮膚及び毛髪タンパク質に対するマイルドさを維持しながら、良好な泡立ち、優れた洗浄、ウェットデタングリング及び望ましいレオロジー特性を与える。
【0023】
発明の定義
第1の態様において、本発明は、水性連続相中に、
(i)100%活性での組成物全体の重量で3重量%~13重量%の一般式(I):
【化1】
[式中、R
1は11~13個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基及びそれらの混合物から選択され;Mは可溶化カチオンである。]のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤;
(ii)1~8重量%のコカミドプロピルベタインである両性界面活性剤
からなる、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の総量;
(iii)0.05重量%~0.5重量%のカチオン性ポリマー;
(iv)0.3~2.8重量%の無機電解質;及び
(v)水
を含む硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物であって、
ここで、(i)対(ii)の重量比が2:1~1:4の範囲であり、前記組成物のpHが3~6.5であり;
前記組成物が、30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター(TA Instruments Discovery Hybrid Rheometer)(パラレル40mmサンドブラストプレート、4s
-1でのピークホールドプロトコール)を使用して測定した場合に、2,500~25,000mPa・sの粘度を有する、硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物を提供する。
【0024】
第2の態様において、本発明は、第1の態様によって定義された組成物を毛髪及び/又は頭皮及び/又は皮膚に適用する工程を含む、毛髪及び/又は頭皮及び/又は皮膚の処理方法を提供する。
【0025】
好ましくは、本方法は、第1の発明の組成物を毛髪及び/又は頭皮及び/又は皮膚の中にマッサージする追加の工程を含む。
【0026】
好ましくは、本方法は、毛髪及び/又は頭皮及び/又は皮膚のすすぎ洗いをする追加の工程を含む。
【0027】
発明の詳細な説明
ここに使用される全ての分子量は、別断の断りがない限り、重量平均分子量である。
【0028】
水性連続相
「水性連続相」とは、基礎として水を有する連続相を意味する。
【0029】
適切には、本発明の組成物は、(組成物の総重量に基づき重量で)約75~約95%、好ましくは85~95%、より好ましくは87~95%の水を含む。
【0030】
好ましくは、当該組成物は、アイソトロピック界面活性剤相を含み、希釈下では、アイソトロピックミセルが空気/水界面へのモノマーのより高い利用性を提供し、一方、異方性によって、より遅い速度で拡散することで、結果としてフラッシュフォーム特性がより低くなる可能性がある。したがって、アイソトロピック相は、製品の外観、透明性、及び良好なフラッシュフォーム特性について有利である。
【0031】
ここで言及するすべての量は、別断の断りがない限り、100%活性(activity)(又は「活性(active)」)に基づくものである。100%活性(activity)(又は「活性な(active)」)とは、材料が希釈されておらず、100%v/v又はwt/wtであることを意味する。パーソナルケア配合物で使用される多くの材料は、異なる活性濃度で、例えば70%活性又は60%活性で市販されている。例えば、70%活性の界面活性剤100mLは、100%活性の界面活性剤70mLと同じ量の活性材料を提供する。したがって、材料の活性を変動させるには、すべての量を100%活性材料に基づくものとする。
【0032】
水性連続相は、以下の(i)及び(ii)からなるアニオン性、両性及び双性イオン性界面活性剤の総量を含む。すなわち、本発明の組成物には、さらなるアニオン性、両性及び双性イオン性界面活性剤は存在しない。好ましくは、他の界面活性剤、例えば、ノニオン性界面活性剤は、本発明の組成物中に存在しない。
【0033】
(i)αオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤
本発明の組成物は、(i)一般式(I)の1つ以上のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤を含む。
【化2】
式中、R
1は、11~13個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基及びそれらの混合物から選択され、Mは可溶化カチオンである。
【0034】
好ましくは一般式(I)中のR1は、C14又はC16直鎖アルキル基である。
【0035】
好ましくは、一般式(I)中のMは、アルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム又はカリウム)、アンモニウムカチオン及び置換アンモニウムカチオン(例えば、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム又はグルカモニウム〔glucammonium〕)から選択される。
【0036】
商業的に製造されている一般式(I)のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤は、天然ガス由来のC14-16オレフィンを硫酸処理することにより作ることができる。このプロセスにより、同族体の混合物や低レベルの未反応オレフィンが得られる場合もある。
【0037】
特に好ましいのは、平均炭素数14~16のαオレフィンスルホン酸塩である。そのような材料の適切な例は、Bioterge AS40(例えばStepan)である。
【0038】
100%活性での一般式(I)のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤の量は、(組成物の総重量に基づく重量で)3~13%、例えば3~12.85%、好ましくは3.5~12%、より好ましくは3~10%、さらにより好ましくは3~9%、最も好ましくは3.25~8%の範囲である。
【0039】
(ii)両性界面活性剤-コカミドプロピルベタイン
本発明の組成物は、コカミドプロピルベタインを含む。
【0040】
適切な例は、TegoベタインCK KB5(例えばEvonik)の商品名で入手可能である。
【0041】
コカミドプロピルベタインは、1~8重量%の量で存在する。
【0042】
(i)及び(ii)の合わせた量は、(組成物の総重量及び100%活性に基づいて)5~19重量%、好ましくは7~15重量%、最も好ましくは8~14重量%の範囲である。
【0043】
αオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤(i)対両性界面活性剤(ii)の重量比は、2:1~1:4、好ましくは2:1~1:3、最も好ましくは2:1~1:1の範囲である。
【0044】
本発明の組成物のpHは、3~6.5、好ましくは3.5~5.1、より好ましくは4~5の範囲である。
【0045】
低pHを達成するために、プロトン化剤を使用してもよい。適切なプロトン化剤は酸である。ここで有用である適切な酸には、塩酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、及びこれらの混合物などがある。好ましくは、酸は、クエン酸、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0046】
(iii)カチオン性ポリマー
本発明の組成物は、(iii)1以上のカチオン性ポリマーを含む。そのようなポリマーは、組成物中の濡れ感の利点の提供を強化し得る。
【0047】
本発明で使用するためのカチオン性ポリマーは、適切には、約0.3~約4meq/g、好ましくは約0.4~約3.5meq/gの範囲のカチオン電荷密度を有する。本発明の文脈における「カチオン電荷密度」という用語は、ポリマーを構成しているモノマーユニット上の正電荷の数の、モノマーユニットの分子量に対する比を指す。電荷密度にポリマー分子量を乗じることで、あるポリマー鎖上の正に帯電した部位の数が求められる。カチオン電荷密度は、ケルダール法に従って求めることができる。当業者であれば、アミノ含有ポリマーの電荷密度が、pH及びアミノ基の等電点に応じて変動し得ることを認識している。電荷密度は、所期の使用のpHで上記の範囲内であるべきである。
【0048】
本発明での使用に適したカチオン性ポリマーには、カチオン性多糖誘導体、例えばカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、及びカチオン性グアーガム誘導体などがある。
【0049】
本発明での使用に好適なカチオン性多糖誘導体には、カチオン性グアーガム誘導体及びカチオン性セルロース誘導体などがある。
【0050】
本発明での使用に好適なカチオン性グアーガム誘導体の例には、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどがある。本発明での使用のためのグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドは、一般に、エーテルで連結した2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド基で官能化されたノニオン性グアーガム骨格から構成され、代表的には、グアーガムとN-(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドの反応によって調製される。
【0051】
本発明で使用するためのグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドは、一般に、50万~300万g/mol、より好ましくは80万~250万g/molの範囲の平均分子量(サイズ排除クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量(Mw))を有する。
【0052】
本発明で使用するためのグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(好ましくはグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)は、一般に0.5~1.8meq/gの範囲の電荷密度を有する。
【0053】
本発明での使用に好適なカチオン性セルロース誘導体の例には、ポリ(1,2-オキシエタンジイル)-2-ヒドロキシ-3-トリメチルアンモニウムプロピルクロライドセルロースエーテル(INCI:ポリクオタニウム-10)などがある。
【0054】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム10、80万~250万g/molの範囲のMw及び0.5~1.8meq/gの範囲の電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から選択される。
【0055】
上述したカチオン性ポリマーのいずれかの混合物を使用することもできる。
【0056】
本発明による代表的な組成物において、カチオン性ポリマーの量は、一般に、組成物の総重量に基づいて0.05重量%~0.5重量%の範囲、好ましくは0.15重量%~0.5重量%の範囲である。
【0057】
本発明による好ましい組成物において、1以上のカチオン性ポリマーは、(組成物の総重量に基づき重量で)0.15~0.3%の範囲の量で、80万~250万g/molの範囲のMw及び0.5~1.8meq/gの範囲の電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドから選択される。
【0058】
別の種類の適切なカチオン性コンディショニングポリマーは、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、例えばDowからPolyoxとして入手できるPEG 45Mである。
【0059】
上述したポリマーのいずれかの混合物を使用することができる。
【0060】
無機電解質
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物は非常によく粘度を構築することが可能であることを見出した。したがって、界面活性剤が豊富な割合でより低い濃度で粘度を構築することが可能である。これは、本発明のさらなる利点である。
【0061】
本発明の組成物は、少なくとも一つの無機電解質を含む。無機電解質は、組成物に粘性を与える。
【0062】
組成物の粘度は、適切には、2,500~25,000mPa・s、好ましくは3,000~20,000mPa・s、より好ましくは3,500~20,000mPa・s、さらにより好ましくは3,500~15,000mPa・s、最も好ましくは4,000~12,000mPa・sの範囲にある。粘度の適切な測定方法は、30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター(パラレル40mmサンドブラストプレート、4s-1でのピークホールドプロトコール)を用いるものである。
【0063】
この範囲では、我々の生成物は注入可能であるが、粘度の高い組成物への消費者欲求を満たすのに十分な粘度がある。
【0064】
適切な無機電解質には、金属塩化物(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄及び塩化アルミニウム)、及び金属硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウム)などがある。
【0065】
無機電解質は、本発明の原料中に存在し得るいずれの無機電解質とも別れていることが意図されている。
【0066】
本発明での使用のための好ましい無機電解質の例には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム及びそれらの混合物などがある。
【0067】
また、上述した材料のいずれかの混合物も適切であり得る。
【0068】
本発明の組成物中の無機電解質の量は、(組成物の総重量に基づき重量で)好ましくは0.3~2.8%、より好ましくは0.5~2.5%、最も好ましくは0.5~2.3%の範囲である。
【0069】
本発明の好ましい組成物は、(i)一般式(I)のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤対(ii)コカミドプロピルベタインの重量比が2:1~1:1であり、組成物の総重量に基づいて0.5~23重量%の無機電解質量を含む。
【0070】
好ましくは、本発明の組成物は、シリコーンを含まない。本発明の文脈では、「を含まない」とは、組成物全体の重量で0.4重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、さらにより好ましくは0.05重量%未満、さらにより好ましくは0.001重量%未満、さらに好ましくは0.0001重量%未満、最も好ましくは0重量%のシリコーンを有することを意味している。
【0071】
好ましくは、本発明の組成物は、増粘ポリマー(好ましくはヒドロキシエチルセルロース、及び会合性増粘ポリマーから選択される)及び粘性界面活性剤(好ましくはココアミドモノエタノールアミド(CMEA))から選択される追加の増粘剤を含まない。本発明の文脈では、「を含まない」とは、組成物全体の重量で0.4重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、さらにより好ましくは0.05重量%未満、さらにより好ましくは0.001重量%未満、さらに好ましくは0.0001重量%未満、最も好ましくは0重量%の増粘剤を有することを意味している。明瞭を期するため、本発明のカチオン性ポリマー(iii)は、増粘ポリマーであることを意図していない。
【0072】
最も好ましくは、本発明の組成物は、シリコーンを含まず、かつ上記で定義された増粘剤を含まない。
【0073】
好ましくは、当該組成物は透明である。組成物が透明である場合、それは、シリコーン、構造化剤(例えばカルボマー)及び粘性界面活性剤(例えばココアミドモノエタノールアミド(CMEA))等の、曇りを引き起こす材料を含まない。本発明の文脈において、「曇りを引き起こす材料を含まない」とは、透明な組成物が得られるように、組成物全体の重量で、0.4重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、さらにより好ましくは0.05重量%未満、さらにより好ましくは0.001重量%未満、さらに好ましくは0.0001重量%未満、最も好ましくは0重量%の曇りを引き起こす材料を有することを意味している。
【0074】
保存料
本発明の組成物は、好ましくは、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、1,2-アルカンジオール、ヨードプロピルブチルカーバメート(IPBC)、5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン又はそれらの混合物から選択される1以上の保存料を含む。好ましくは、保存料は有機酸であり、最も好ましくは、保存料は安息香酸ナトリウムである。
【0075】
好ましい組成物は、3~5、好ましくは4~5のpHを有し、安息香酸ナトリウムである保存料を含む。
【0076】
任意成分
好ましくは、本発明の組成物は、さらに、分散された有益剤の懸濁を助け、相安定性を提供するために、1以上の構造化剤を含む。適切な構造化剤には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、メタクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーのコポリマー、メタクリル酸と疎水性モノマーのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとメタクリル酸エステルのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルの架橋コポリマー、メタクリル酸とアクリレートエステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガム及び結晶性長鎖アシル誘導体などがある。
【0077】
好ましい構造化剤は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、メタクリル酸の架橋ポリマー、及びこれらの混合物から選択される。
【0078】
上記の構造化剤のいずれかの混合物を用いてもよい。
【0079】
含まれる場合、構造化剤の総量は、(組成物の総重量に基づく重量で)一般に0.1~10%、好ましくは0.1~3%、より好ましくは0.2~2%、最も好ましくは0.3~0.9%である。
【0080】
好ましい組成物は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、メタクリル酸の架橋ポリマー及びそれらの混合物から選択される構造化剤を(組成物の総重量に基づく重量で)0.1~10%、好ましくは0.1~3%、より好ましくは0.2~2%、最も好ましくは0.3~0.9%の量で含む。
【0081】
本発明の組成物は、性能及び/又は消費者受容性を高めるために、さらなる任意成分を含有してもよい。そのような成分の例としては、香料、染料及び顔料などがある。これらの成分のそれぞれは、その目的を達成するのに有効な量で存在することになる。一般に、これらの任意成分は、(組成物の総重量に基づく重量で)最大5%の量で個々に含まれる。
【0082】
本発明の組成物は、主として、毛髪、頭皮又は皮膚への局所適用を意図したものである。
【0083】
最も好ましくは、本発明の組成物は、毛髪、頭皮又は皮膚に局所適用され、その後、毛髪、頭皮又は皮膚の中にマッサージされる。次いで、組成物を、水で毛髪、頭皮又は皮膚から洗い流してから、毛髪、頭皮又は皮膚を乾燥させる。
【0084】
ここでの全ての量は、別断の断りがない限り、組成物の総重量による重量パーセントとして与えられる。
【0085】
以下の非限定的な例によって、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0086】
例1:本発明による組成物1~9及び比較組成物Aの調製
以下の表1に示す成分を有する、リンスオフ水性ヘアクレンジングシャンプー配合物を調製した。
【0087】
全てのシャンプーは、以下の方法を用いて調製された。
1.容器に水を入れた。界面活性剤及び構造化剤を攪拌しながら加えた。
2.混合物を30℃に加熱し、完全に均質になるまで混合した。
3.カチオン性ポリマーを加え、よく混合した。
4.保存料を加えた。
5.クエン酸を用いてpHを4.5に調節した。
6.その後、塩を加えて粘度を調節した。
【0088】
【0089】
例2:本発明による組成物1~9及び比較組成物Aの粘度特性
表1に示した組成物の粘度を、TA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター(パラレル40mmサンドブラストプレート、4s-1でのピークホールドプロトコール)を用いて30℃で測定した。その粘度を表2に示す。
【0090】
【0091】
重量比3:1でAOS-CAPBの組み合わせを含有する比較組成物Aは薄すぎて、最小限の塩増粘応答しか示さないことが分かる。対照的に、本発明による組成物は、界面活性剤比の範囲に亘って有益な塩増粘を示す。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性連続相中に、
(i)100%活性での組成物全体の重量で3重量%~13重量%の一般式(I):
【化1】
[式中、R
1は11~13個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基及びそれらの混合物から選択され;Mは可溶化カチオンである。]のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤;
(ii)1~8重量%のコカミドプロピルベタインである両性界面活性剤
からなる、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の総量;
(iii)0.05重量%~0.5重量%のカチオン性ポリマー;
(iv)0.3~2.8重量%の無機電解質;及び
(v)水
を含む硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物であって、
ここで、(i)対(ii)の重量比が2:1~1:4の範囲であり、前記組成物のpHが3~6.5であり;
前記組成物が、30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター;パラレル40mmサンドブラストプレート、4s
-1でのピークホールドプロトコールを使用して測定した場合に、
3,500~
20,000mPa・sの粘度を有
し、
前記組成物は、ノニオン性界面活性剤を含まない、硫酸塩非含有界面活性剤クレンジング組成物。
【請求項2】
一般式(I)のαオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤の量が、100%活性で組成物の総重量に基づき2.5~12.85重量%、好ましくは3.5~12重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(i)及び(ii)の合わせた量が、組成物の総重量で7重量%~15重量%の範囲である、請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記αオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤(i)対前記コカミドプロピルベタイン(ii)の重量比が2:1~1:3である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム10、80万~250万g/molの範囲のM
w及び0.5~1.8meq/gの範囲の電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記無機電解質が、金属塩化物、金属硫酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
30℃でTA インストルメンツ ディスカバリー ハイブリッド レオメーター;パラレル40mmサンドブラストプレート、4s
-1でのピークホールドプロトコールを用いて測定した場合に、
4,000~20,000mPa・sの粘度を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
透明である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
増粘ポリマー及び粘性界面活性剤から選択される追加の増粘剤を含まない、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
アイソトロピック界面活性剤相を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物の総重量に基づき0.5~2.3重量%の無機電解質の量を含み、そして、(i)対(ii)の重量比が2:1~1:1である、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物を毛髪、頭皮又は皮膚に適用する工程を含む、毛髪、頭皮又は皮膚を処理する方法。
【国際調査報告】