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特表2023-501437非対称性難聴を有する人々のための補聴器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】非対称性難聴を有する人々のための補聴器
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
H04R25/00 H
H04R25/00 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526424
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2020067609
(87)【国際公開番号】W WO2021092602
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】16/740,414
(32)【優先日】2020-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522178876
【氏名又は名称】イヤー・テック・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フリッチュ・マイケル・エイチ
(57)【要約】
補聴器が、第1および第2の身体側に配された第1および第2の耳を有するユーザで使用されるように提供される。補聴器装置は、ユーザが複数の方向から発生する音を聞くことができるように構成され、ユーザの第1の身体側に配置可能な第1の補聴器部材を含む。第1の補聴器部材は、ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む。第2の補聴器部材が、ユーザの第2の身体側に配置可能であり、好ましくは、ユーザの蝸牛内に位置付け可能な電極アレイを含む人工内耳デバイスである。人工内耳デバイスは、ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、その音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器を含み;また、第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、第2の電気信号および第1の送信可能な電気信号を、ユーザの第1および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするためにユーザの第2の耳の蝸牛によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の耳および前記第1の耳が配された第1の身体側と、第2の耳および前記第2の耳が配された第2の身体側とを有するユーザに使用される補聴器装置であって、前記補聴器装置は、前記ユーザが複数の方向から発生する音を聞くのを可能にするように構成され、
ユーザの身体上で、前記ユーザの身体の、前記第1の耳と同じ側に配置可能な第1の補聴器部材であって、前記第1の補聴器部材は、前記ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む、第1の補聴器部材と、
前記ユーザの第2の身体側に配置可能な第2の補聴器部材であって、前記第2の補聴器部材は、ユーザの蝸牛内に位置付け可能な電極アレイを含む人工内耳デバイスであって、前記人工内耳デバイスは、前記ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、前記受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器を含む、人工内耳デバイスと、前記第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、前記第2の電気信号および前記第1の送信可能な電気信号を、前記ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするために前記ユーザの第2の耳の蝸牛によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含み、前記ユーザの耳によって受信される機能的に聴取可能な唯一の音信号は、前記第2の補聴器部材を通じて生成される、第2の補聴器部材と、
を含む、補聴器装置。
【請求項2】
前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの1つを変更するための信号変更プロセッサをさらに含み、前記ユーザは、前記第1の補聴器部材によって受信された音と前記第2の補聴器部材によって受信された音との間の差を聞いて、前記ユーザが、前記第1の補聴器部材によって受信された音と前記第2の補聴器部材によって受信された音とを区別するのを可能にし、前記ユーザが前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を得るのを助けることができる、請求項1に記載の補聴器装置。
【請求項3】
第2の信号プロセッサをさらに含み、前記第2の信号プロセッサは、前記信号変更プロセッサを含み、前記第2の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つを、電気信号から音信号に変換されたときに区別可能に異なる音特性を有するように処理するように構成されている、請求項2に記載の補聴器装置。
【請求項4】
前記信号変更プロセッサは、前記第1の補聴器部材および前記第2の補聴器部材のうちの少なくとも1つに含まれ、前記第2の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの前記少なくとも1つを処理して、そのピッチを変化させること、エコーを誘発すること、前記信号を遅延させること、前記信号をフィルタリングすること、コーラス効果を加えること、異なる周波数帯域を減衰させること、前記信号を共振させること、前記信号にアーチファクトを加えること、前記信号の強度を変化させてその音量を変更すること、ハミング音を誘発すること、振動を誘発すること、トーンを追加すること、および前記信号を変調すること、のうちの少なくとも1つによって、前記信号を変更する、請求項2に記載の補聴器装置。
【請求項5】
前記信号変更プロセッサは、前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を達成する際に前記ユーザを支援するために触覚信号または視覚信号のうちの1つを前記ユーザに提供するように構成された前記信号プロセッサと通信する非音生成指標部材を生成するように前記処理された信号を変更することによって、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの前記1つを処理する、請求項2に記載の補聴器装置。
【請求項6】
前記補聴器装置は、増幅調整された補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を有する第1の耳を有するユーザに音の起点の方向性を提供するように構成された補聴器装置を含む、請求項1に記載の補聴器装置。
【請求項7】
第1の耳および前記第1の耳が配された第1の身体側と、第2の耳および前記第2の耳が配された第2の身体側と、を有するユーザに使用される補聴器装置であって、前記補聴器装置は、複数の方向から発生する音を前記ユーザが聞くことを可能にするように構成され、
ユーザの身体上で、ユーザの第1の身体側に配置可能な第1の補聴器部材であって、前記第1の補聴器部材は、前記ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む、第1の補聴器部材と、
ユーザの第2の身体側に配置可能な第2の補聴器部材であって、前記第2の補聴器部材は、前記ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、前記受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器と、前記第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号を、前記ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするために前記ユーザの第2の耳によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含み、前記第1の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの1つを処理するための信号プロセッサと、前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を前記ユーザが得るのを支援するように、前記ユーザに非音声信号を提供するように構成された、前記信号プロセッサと通信する非音声生成インジケータ部材と、を含む、第2の補聴器部材と、
を含む、補聴器装置。
【請求項8】
前記インジケータ部材は、前記ユーザの前記第1の身体側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された、第1の振動部材と、前記ユーザの前記第2の身体側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された、第2の振動部材と、を含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項9】
前記ユーザの第1の側で受信された音の相対音量を、前記ユーザの第2の側で受信された音の音量と比較し、前記第1の振動部材および前記第2の振動部材のそれぞれに信号を生成して、前記第1の振動部材および前記第2の振動部材に、前記ユーザの第1の側および第2の側で受信された音のそれぞれの音量に強度が相関する振動信号を発生させるための、音強度コントローラをさらに含む、請求項8に記載の補聴器装置。
【請求項10】
前記インジケータ部材は、前記ユーザの前記第1の耳と同じ側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが見ることができる可変強度の第1の光信号を発するように構成された、第1の光発生部材と、前記ユーザの前記第2の耳と同じ側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが見ることができる可変強度の第2の光信号を発するように構成された、第2の光発生部材と、を含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項11】
前記補聴器装置は、増幅調整された補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を第1の耳に有するユーザに聴覚を提供するように構成され、前記第2の耳は、音信号を聞くことができる、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項12】
前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータおよび触感覚発生インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項13】
前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータおよび触感覚発生インジケータの両方を含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項14】
前記非音声生成インジケータは、ブレスレット、眼鏡、補聴器、ネックレス、腕時計、指輪、アンクレット、ベルト、帽子、および皮下に位置付け可能なインプラントの少なくとも1つに連結された非音声生成インジケータを含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項15】
前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータおよび触感覚発生インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の補聴器。
【請求項16】
前記非音声生成インジケータは、前記ユーザの第1の側から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの第1の側に位置付けられるように構成された第1の指標発生器と、前記ユーザの第2の側から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの第2の側に配された第2の指標発生器と、を含む、請求項7に記載の補聴器。
【請求項17】
前記非音声生成インジケータは、前記ユーザの前方から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの前側に位置付けられるように構成された第3の指標発生器と、前記ユーザの背後から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの後側に位置付けられるように構成された第4の指標発生器と、をさらに含む、請求項16に記載の補聴器。
【請求項18】
前記非音声生成インジケータは、前記ユーザが着用可能であり、かつ前記ユーザのすべての側から発生される複数の非音声指標を発生させるための4つ超の独立して作動する指標発生器を含む、環状部材を含む、請求項17に記載の補聴器。
【請求項19】
前記環状部材は、カラー、ベルト、アンクレット、胸部装着部材、および帽子のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の補聴器。
【請求項20】
前記非音声インジケータ部材は、触感覚インジケータおよび視覚発生インジケータのうちの1つを有する眼鏡を含む、請求項7に記載の補聴器。
【請求項21】
前記非音声インジケータは、触感覚インジケータおよび視覚インジケータの両方を含む眼鏡を含む、請求項20に記載の補聴器。
【請求項22】
前記眼鏡は、第1および第2の鼻係合部材と、第1および第2のテンプルと、を含み、前記触感覚インジケータは、それぞれの前記第1および第2の鼻係合部材;ならびに、それぞれの前記第1および第2のテンプルのうちの少なくとも1つに配置された第1の側および第2の側の触覚指標発生器を含む、請求項21に記載の補聴器。
【請求項23】
前記眼鏡は、第1のレンズおよび第2のレンズを含み、前記光感覚インジケータは、前記第1のレンズ上に配された第1の光指標発生器および前記第2のレンズ上に配された第2の光指標発生器を含む、請求項22に記載の補聴器。
【請求項24】
前記第1および第2の触覚指標発生器は、可変強度触覚指標発生器を含み、前記第1および第2の光指標発生器は、可変強度光指標発生器を含む、請求項23に記載の補聴器。
【請求項25】
前記眼鏡は、第1のレンズおよび第2のレンズを含み、前記光感覚インジケータは、前記第1のレンズ上に配された第1の光指標発生器および前記第2のレンズ上に配された第2の光指標発生器を含む、請求項20に記載の補聴器。
【請求項26】
前記第1の光指標発生器および前記第2の光指標発生器は、複数の第1および第2の光源と、作動される光源の数を変化させることによって生成される光の強度を変化させるコントローラと、を含む、請求項25に記載の補聴器。
【請求項27】
前記第1の光指標発生器および前記第2の光指標発生器の各々は、音の起点の方向に関する光表示を発生するための光指標発生器と、音の強度に関する光表示を発生するための光指標発生器と、を含む、請求項25に記載の補聴器。
【請求項28】
前記非音声生成インジケータ部材は、電気刺激指標発生器を含む、請求項7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項29】
空間内の複数の場所に位置付けられて前記複数の場所から音を受信する複数の変換器をさらに含み、前記変換器は、前記変換器によって受信された前記音を表す電気信号を送信するための送信機と、前記送信された電気信号を受信し、前記信号を処理するための信号プロセッサと、を含み、前記非音声生成インジケータは、少なくとも、前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器を含み、前記信号プロセッサは、前記前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器のうちの1つ以上に送信された前記信号を、前記信号が発生した前記複数の変換器のうちの1つ以上の位置と相関させるように、前記処理された信号を前記前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器に送信する、請求項7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項30】
前記非音声生成インジケータ部材は、非音声指標を発生するための指標発生器部分を有する本体と、前記本体を身体部分、衣類部分、または衣服のうちの少なくとも1つに取り付けるための取り付け部分と、を含む、請求項7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項31】
前記非音声生成部材は、ユーザに皮下で埋め込まれるように構成されている、請求項7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項32】
前記第2の補聴器部材は、人工内耳デバイスを含み、前記非音声生成部材は、前記人工内耳デバイスに結合されている、請求項31に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項33】
前記非音声生成部材は、スクリーンディスプレイを含む、請求項7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項34】
前記非音声生成部材のスクリーンディスプレイは、携帯電話、ラップトップ、メモ帳、およびコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つのスクリーンディスプレイを含み、前記スクリーンディスプレイは、前記少なくとも2つの変換器によって受信された少なくとも1つの音の出どころを表す指標を含む方向フィールドを表示するように構成されている、請求項33に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【請求項35】
スクリーンディスプレイは、前記少なくとも2つの変換器によって受信された少なくとも1つの音の強度を表す指標を表示するように構成されている、請求項34に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔優先権の利益〕
本出願は、2011年1月11日に出願されたMichael H.Fritschの米国特許出願第16/740,414号の一部継続出願であり、これは、2019年11月4日に出願されたMichael H.Fritschの米国特許出願第16/673,788号の一部継続出願であり、これ自体は、HEARING AID FOR PEOPLE HAVING ASYMMETRIC HEARING LOSSについて2016年9月17日に出願され、その後、2019年11月19日に米国特許第10,484,802号として完成されている、Michael H.Fritschの米国特許出願第15-268,555号の一部継続出願であり;これ自体は、HEARING AID FOR PEOPLE HAVING ASYMMETRIC HEARING LOSSについて2015年9月17日に出願されたMichael H.Fritschの米国仮特許出願第62/220,285号の優先権の利益を主張しており、これらのすべての特許および特許出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
I.発明の技術分野
本発明は、外部補聴器、BAHAデバイス、人工内耳デバイス、および他の聴取関連デバイスを含む、聴取を補助するためのデバイスに関し、さらに具体的には、非対称性難聴を有する人々に特に有用である、聴取を補助するためのデバイスに関する。デバイスは、独立型補聴器を含むことができ、または外部補聴器もしくは人工内耳と共に使用可能なデバイスを含むことができる。外部補聴器に特に言及して使用されない限り、この文書で使用されている補聴器という用語は、ユーザがよりよく聞くことを可能にするあらゆる形態のデバイスを包含するように十分に広く解釈されるべきである。
【0003】
II.発明の背景
難聴は珍しいことではなく、生まれつき難聴がある人、または後年になって難聴を発症する人がいる。難聴を発症した場合、難聴は必ずしも両側で同等ではない。特に、一方の耳が、他方の耳よりも難聴が少なく、したがって相対的に聴覚障害のある他方の耳よりも聴力が良好であることは珍しいことではない。例えば、左耳には70%の難聴があり、右耳には30%の難聴しかない人もいる。
【0004】
また、腫瘍によって一方の耳が破壊されたり損傷を受けたりしているが、反対側の耳は損傷を受けておらず正常であるため、左右の耳で聴力が非対称になるという、まれなケースもある。特定の例では、一方の耳の難聴が非常に深刻である場合があり、そのため、その人は、例えば、悪い耳の聴力が「正常な耳」の聴力の10%~20%しかない。
【0005】
一貫性を保つために、本出願では、ユーザの第1の耳または左の耳が「悪い」耳であり、その人の第2の右の耳が「良い」耳であると想定する。悪い耳に「第1および左」を選択し、良い耳に「右および第2」を選択することは、純粋に任意の慣習であり、いかなる種類の制限とも受け取られないことが理解されるであろう。また、本明細書で使用される場合、「良い」耳は「悪い」耳よりも高い聴力を有する耳であり、「良い」および「悪い」は、相対的な比較上の用語であり、絶対的なものではないことに留意されたい。良い耳と悪い耳の聴力の差は、2つの耳の間の聴力の差がユーザに気づかれない状態と、良い耳が正常または正常以上の聴力を有し、悪い耳が聴力を持たない、正反対の状態と、の間で大きく変動することがさらに理解されるであろう。通常、非対称性難聴は、補聴器を入手する際に治療を受け、非対称性難聴は、開業医により診断される。
【0006】
非対称性難聴を治療する通常の方法は、補聴器を耳のそれぞれに配置することである。しばしば、「悪い」耳に配置された補聴器は、「良い」耳に配置された補聴器よりも大きく音を増幅するように調整され得る。残念なことに、一部の難聴は非常に深刻であるため、増幅を調節した補聴器を用いても、正常またはほぼ対称的な聴取状態を回復することができない。例えば、補聴器を使用していても、ユーザの悪い耳の有効な聴力はわずか30パーセント(30%)であり得るが、良い耳は正常範囲内までの矯正聴能を有する。本出願では、「大いに非対称な難聴」という用語は、補聴器などの音増幅デバイスがその耳に使用可能な聴力を回復しないほど、耳の難聴が十分に大きい状態を識別するために、使用される。大いに非対称な難聴はまた、人工内耳のような侵襲的に配置された音増幅デバイスに頼ることなく、悪い耳の聴覚を回復することができない状態を含む。
【0007】
対称的な聴覚を提供するように耳を均等に矯正することができない場合、ユーザは聴取困難を経験する。特に、ユーザは、しばしば、良い耳からは正確で明瞭な音情報を聞くが、悪い耳からは不明瞭な情報が聞こえる。この不明瞭な音情報と明瞭な音情報の組み合わせは、ユーザにとって非常に気が散るものとなる。多くの場合、ユーザは、悪い耳から補聴器を取り外すことによって、気が散ることに対処し、聴覚のすべてを提供するのに良い耳だけに頼る。なぜなら、これは、美的にも好ましく、不明瞭な音情報を提供する補聴器を悪い耳に入れているよりも、気が散ることが少ないからである。
【0008】
しかし、補聴器を1つしか使わないことには欠点がある。特に、ユーザは、両側の聴覚によって得られる方向性の感覚を失う。例えば、ユーザがすべてを右耳から聞き、この左耳からは何も聞こえない場合、ユーザは特定の音が発生する方向を容易に判断することはできない。
【0009】
非対称性難聴を有するユーザが経験するさらなる問題は、しばしば、ユーザの、悪い耳が位置する側から発生する音を聞くことができないことである。そのため、テーブルに着いているユーザは、自分の良い耳の側に座っている人が話す会話を非常に容易に理解できる場合があるが、悪い耳の側に座っている人からは何も聞こえない場合がある。一方の側でよく聞くことができないと、ユーザの良い耳が悪い耳の側から発生する音をピックアップするためにより良い位置に来るように、ユーザは頻繁に頭を回転させなければならない。この頻繁な頭の回転は、自動車を運転しているときには危険であり、または、メモを取ろうとして、メモの元となる聴覚情報が聞こえたかどうかを確かめるため頻繁に頭を回転させる際にはきまりが悪くなり得る。
【0010】
非対称性難聴がある人はしばしば、片側がよく聞こえないことを補う方法を見つけようとする。例えば、片耳しか聞こえない人は、テーブルに着くその他の人全員が自分の「良い耳の側」に座っている場所を選ぼうとすることが多い。他の補償技術は、ユーザがテーブルの端でその他の全ての人と向かい合って座ることであり、これにより、「悪い耳の側」は、悪い耳の側には直接座っている人がいないような位置になる。
【0011】
これらの問題を克服するのに役立つ既知の技術的修正が存在する。これらの方法には、「CROS」補聴器、「BICROS」補聴器、および骨固定型補聴器(「BAHA」補聴器)の使用が含まれる。
【0012】
CROS補聴器は片側性難聴の治療に用いられる補聴器の一種である。CROS補聴器は、しばしば、ユーザの悪い耳の側に配置されたマイクロホンを含み、このマイクロホンは、ユーザの悪い耳の側から音を受信し、その音をより良い聴覚を有する良い耳に送信する。多くのシステムでは、無線送信機を使用して、悪い耳に位置付けられた補聴器から良い耳に位置付けられた補聴器に電気信号を送信する。
【0013】
BAHAおよび経頭蓋CROSシステムは、音を伝えるために頭蓋骨の導電性を利用する。例えば、Wikipedia, CROS Hearing Aid, https:/en.wikipedia.org/wiki/CROS_hearing-aidを参照;また、Myrthe K.S. Hol; Sylvia J.W. Kunst et al, “Pilot Study on the Effectiveness of the Conventional CROS, the Transcranial CROSS and the BAHA Transcranial CROS in Adults with Unilateral Inner Ear Deafness”, European Archives of Oto-Rhino-Laryngology, 2010, June 267(6), 889-896 (2009, Nov. 11)も参照のこと。
【0014】
BICROS補聴器システムは、片側の聴覚がほとんどまたはまったくなく、良い耳に多少の難聴があるユーザに主に使用される。BICROSシステムはCROSシステムと同様に機能するが、ただし、良い側のデバイスは通常、良い耳の側の音を受信し増幅するための十分な能力のある補聴器(fully capable hearing aid)であり、悪い側のCROS補聴器から送信された音を受信することもできる。
【0015】
BAHA(骨固定型補聴器)は、悪い耳の側に配置され、骨伝導により音を伝え、良い耳の蝸牛を刺激する、補聴器である。このシステムは、悪い側から良く聞こえる側へ音を伝え、聴覚障害のある耳からの聴取の感覚をもたらすように設計されている。www.umm.edu/PROGRAMS/HEARING/SERVICES/BONE-ANCHORED-DEVICE#UNILATERAL, University of Maryland Medical Centerを参照のこと。
【0016】
BAHA補聴器は典型的には、悪い耳の後ろで頭蓋骨内に取り付けられる生体適合性ねじを使用する。ねじ蓋は、振動する骨伝導体補聴器用のカップリングである。補聴器の振動はねじを通じて頭蓋骨に伝わり、頭蓋骨を通じて反対側の良い耳に伝わる。これは骨上に配置される音叉に似ており、音叉からの振動は、音叉が接触する表面を振動させ、それによって音の振動を、頭蓋骨を通じて耳に伝える。
【0017】
CROS、BICROS補聴器、および骨固定型補聴器は、ユーザが頭の両側から情報を聞くことを可能にするので、ユーザに大きな利点を提供する。しかし、既知のCROS、BICROS、BAHA補聴器は、聴取情報をユーザに提供するが、方向性の感覚をユーザに提供するにはあまり効果的ではない。本質的には、ユーザは「モノラル(monoraul)」で情報を聞いており、正常に機能する2つの耳を持つ人が享受するステレオ音を享受していない。このモノラル聴覚のため、ユーザは情報を聞くことができるが、聞こえている音が聴覚の悪い側から発生しているのか、聴覚の良い側から発生しているのかを判断することはできない。
【0018】
したがって、本発明の1つの目的は、ユーザが、音および話者の声の源に関して、より良い方向性を有することを可能にする、デバイスを提供することである。
【0019】
III.発明の概要
本発明によれば、第1の耳および第1の耳が配された第1の身体側と、第2の耳および第2の耳が配された第2の身体側と、を有するユーザに使用される、聴取デバイス装置が提供される。補聴器装置は、ユーザが複数の方向から発生する音を聞くのを可能にするように構成されている。補聴器装置は、ユーザの身体上で、ユーザの身体の、第1の耳と同じ側に配置可能な第1の補聴器部材を含む。第1の補聴器部材は、ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、それらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む。
【0020】
第2の補聴器部材が、ユーザの第2の身体側に配置可能である。第2の補聴器部材は、ユーザの蝸牛内に位置付け可能な電極アレイを含む人工内耳デバイスを含む。人工内耳デバイスは、ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器を含む。人工内耳デバイスはまた、第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、第2の電気信号および第1の送信可能な電気信号を、ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするためにユーザの第2の耳の蝸牛によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含む。ユーザの耳によって受信される機能的に聴取可能な唯一の音信号は、第2の補聴器部材を通じて生成される。
【0021】
好ましい実施形態では、補聴器は、第1の送信可能な電気信号および第2の電気信号のうちの1つを変更するための信号変更プロセッサも含み、ユーザは、第1の補聴器部材によって受信された音と第2の補聴器部材によって受信された音との間の差を聞くことができる。これにより、ユーザは、第1の補聴器部材によって受信された音と第2の補聴器部材によって受信された音とを区別することができ、それにより、ユーザが第2の耳に出力されている音の出どころの方向の感覚を得るのを助ける。
【0022】
最も好ましくは、変更信号は、第1および第2の電気信号のうちの少なくとも1つの信号を処理して、そのピッチを変化させること、エコーを誘発すること、信号を遅延させること、信号をフィルタリングすること、コーラス効果を加えること、異なる周波数帯域を減衰させること、信号を共振させること、アーチファクト信号を加えること、信号にアーチファクトを加えること、信号の強度を変化させてその音量を変更すること、および信号を変調すること、のうちの少なくとも1つによって、その信号を変更する。
【0023】
本発明の特徴の1つは、第1および第2の信号のうちの1つを変更することができる信号プロセッサが提供され、第1および第2の信号のうちの変更された1つが、第1および第2の信号のうちの変更されていない1つとは聴覚的に区別可能な音を発生させることである。この特徴は、信号の方向性を判断するための何らかの手段をユーザに提供するという利点を有する。例えば、ユーザの「悪い耳」がユーザの第1の耳であり、ユーザの「良い耳」(または少なくとも相対的に良い耳)がユーザの第2の耳である場合、デバイスは、ユーザの第1の側から音を受信し、その後、その音が第2の信号の音とは異なる音質を有するように音を変更するように設計される。
【0024】
うまくいけば、ユーザはこの音質の差を認識することを学習し、ユーザは、音がユーザの第1の耳の側から発生しているのか、ユーザの第2の耳の側から発生しているのかに関し、この音質の差に基づいて、判断を行うのを助けることができる。このようにすることによって、良い耳が一方のみのユーザ、またはより具体的には、比較的高忠実度の音を受信することができるのが一方の耳のみであり、したがって、ある程度の「モノラル」聴覚を有することとなった、ユーザは、「ステレオ」聴覚に近いものを有することができ、これは、ユーザにいくらかの音の方向性を与えることを助ける。
【0025】
別の実施形態では、音情報は、骨固定型補聴器を使用することによって、ユーザの「悪い側の耳」とユーザの「良い側の耳」との間で伝えられ得る。このような骨固定型補聴器は、振動するか、または振動をユーザの頭部の骨構造内に誘発するので、振動はユーザの悪い側からユーザの良い側に伝達され、次いで音エネルギーに変換され得、ユーザは、ステレオの双方向聴覚の錯覚を得ることもできる。
【0026】
本発明のこれらの特徴および他の特徴は、以下に記載される詳細な説明、特許請求の範囲および図面を検討することによって、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
IV.図面の簡単な説明
図1】先行技術または本発明のいずれかを介した、矯正なしの、片側性難聴を有するユーザの概略図である。
図2】片側性難聴を治療するために使用される先行技術のCROS補聴器システムを有するユーザの概略図である。
図3】片側性難聴の治療を助けるための本発明のCROS型補聴器システムを有するユーザの概略図である。
図4】片側性難聴の治療を助けるための本発明のBICROS補聴器システムを使用するユーザの概略図である。
図5】片側性難聴を治療するための本発明のBAHA型補聴器システムを有するユーザの概略図である。
図6】本発明の代替的な実施形態の補聴器システムであり、これは、本発明の補聴器システムのいずれも組み込むことができるが、ユーザが音の方向を識別するのを助けるために視覚的方向インジケータおよび振動性方向インジケータの両方が付加されている。
図7】先行技術の補聴器の概略図であり、本発明の補聴器システムが配置され得るパッケージのタイプを示す。
図8】人工内耳型補聴器システムの外部構成要素の側面図である。
図8A】人工内耳システムの内部構成要素の上面図である。
図8B図8の外部構成要素および図8Aの内部構成要素を含むように、人の内部に設置される人工内耳システムの部分的概略断面図である。
図8C図8図8Bの人工内耳システムを組み込む、本発明の非対称補聴器装置の代替的な実施形態の概略版である。
図9】可聴指標の代わりに、またはそれに加えて、非可聴指標を使用する人工内耳システムの別の代替的な実施形態の概略図である。
図10】触覚インジケータ部材を含む例示的な補聴器構成要素の正面図である。
図11】補聴器構成要素および触覚または光ベースインジケータ部材の両方を含む、本発明の非対称補聴器デバイスの概略図である。
図12】ネックレス型デバイスとして示される触覚インジケータ部材を含む、代替的な実施形態の非対称補聴器デバイスである。
図13】触覚インジケータ部材を取り付けた眼鏡の斜視概略図である。
図14】触覚インジケータ部材および光ベースインジケータ部材の両方が取り付けられた代替的な実施形態の眼鏡である。
図15】光ベースおよび触覚ベースインジケータ部材の両方を含む、本発明の非対称補聴器と共に使用するための代替的な実施形態の眼鏡である。
図16】光ベース指標部材を含む、本発明の非対称補聴器と共に使用可能な眼鏡の別の代替的な実施形態である。
図17】光ベースインジケータ部材として機能する一対の列のライトを含む、本発明の非対称補聴器の一部として使用可能な眼鏡の別の代替的な実施形態である。
図18】本発明の代替的な実施形態の光ベースインジケータを組み込んだ、本発明の非対称補聴器と共に使用可能な眼鏡の別の代替的な実施形態である。
図19】投影または内部生成画像型の光ベースインジケータを使用し、本発明の非対称補聴器の一部として使用可能な眼鏡の別の代替的な実施形態である。
図19A】他の非可聴指標発生器に加えて、またはその代わりに、視覚型インジケータとして機能することができるスクリーンを有する携帯電話を使用する、別の代替的な実施形態である。
図19B】第2の補聴器と通信して、ユーザが、第2の補聴器の出力を変更する、これに出力の特定の部分を追加するかまたは強調するなどして、第2の補聴器の出力を変化させることを可能にする、コントローラを含む、別の代替的な実施形態の携帯電話を使用する実施形態である。
図19C】第2の補聴器と通信して、ユーザが第2の補聴器の出力を変化させることを可能にし、また、ユーザが左側で発生する音と右側で発生する音とを往復して切り替えることを可能にし、また、音の音量または音の周波数のいずれかに関連して強調されている音のグラフィック表示を提供する、図19Bに類似したコントローラを含む、別の代替的な実施形態の携帯電話を使用する実施形態である。
図20】光ベースインジケータ部材として機能するようにレンズ上の複数の光点(light points)を使用する眼鏡の別の代替的な実施形態である。
図21】本発明の非対称補聴器と共に使用可能な触覚インジケータ部材の代替的な実施形態であり、複数の触覚部材が、ここではカラー型ネックレスとして示されている、身体装着可能部材に連結されている。
図22】本発明の非対称補聴器デバイスと共に使用可能な代替的な実施形態の触覚インジケータ型部材であり、触覚部材は、第2のブレスレット(図示せず)と共に使用され得るブレスレット型部材上に組み込まれている。
図23】ここではアンクレット上に装着されるものとして示されている、代替的な実施形態の触覚インジケータ型部材である。
図24】振動子などの触覚インジケータが腕時計部材のバンドまたは本体のいずれかに組み込まれている、別の代替的な実施形態の触覚インジケータ部材である。
図25】本発明の非対称補聴器と共に使用可能であり、ここではベルトとして示されている装着可能部材上に組み込まれた複数の触覚インジケータ部材、例えば振動子を含む、別の代替的な実施形態の触覚インジケータ部材である。
図26】本発明の非対称補聴器と共に使用可能であり、ここでは帽子として示されている装着可能部材上に組み込まれた複数の触覚インジケータ部材、例えば振動子を含む、別の代替的な実施形態の触覚インジケータ部材である。
図27】本発明の非対称補聴器と共に使用可能であり、ここでは帽子として示されている装着可能部材上に組み込まれた、マイクロホンなどの複数の変換器と、振動子などの触覚インジケータ部材と、を含む、別の代替的な実施形態の触覚インジケータ部材である。
図28】本発明の非対称補聴器と共に使用可能であり、複数の触覚インジケータ部材、例えば、振動子、または皮下で埋め込まれる電気信号発生器を含む、別の代替的な実施形態の触覚インジケータ部材である。
図29】ユーザに皮下で埋め込まれる電気刺激インジケータ部材の代替的な実施形態の概略図である。
図30】音の出どころの表示をユーザに提供するのを助けるための複数のマイクロホンを含む会議室のような特別に適合された空間の概略図である。
図31】触覚、電気的、および視覚的指標のうちの1つ以上を提供することができる汎用型指標発生器の概略図である。
図32図31の汎用指標発生器を組み込んだ眼鏡の斜視図である。
図33】指標発生器が位置付けられる点で刺激を提供するために、ユーザ上の複数の潜在的な場所で使用されている汎用指標発生器の概略図である。
【0028】
V.発明の詳細な説明
以下の説明は、本発明の1つ以上の特定の実施形態をその原理に従って、説明し、例示し、例証する。この説明は、本発明を本明細書に記載される1つまたは複数の実施形態に限定するために提供されるのではなく、むしろ、当業者がこれらの原理を理解することができ、その理解によって、それらを適用して、本明細書に記載される1つまたは複数の実施形態だけでなく、これらの原理に従って思いつくことができる他の実施形態も実施することができるような方法で、本発明の原理を説明および教示するために提供される。
【0029】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に含まれ得るすべてのそのような実施形態を、文字どおりに、または均等論に基づいてカバーすることを意図している。
【0030】
なお、説明および図面において、類似または実質的に類似する要素は、同一の参照符号で標識され得る。しかしながら、これらの要素は異なる参照符号で標識される場合があり、例えば、そのような標識付けがより明確な説明を容易にする場合などである。さらに、本明細書に記載された図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、いくつかの例では、特定の特徴をより明確に描写するために、比率を誇張されている場合がある。このような標識付けおよび描画の実施は、必ずしも基礎となる本質的な目的に影響を与えるものではない。
【0031】
さらに、特定の図は、媒介物(vehicle)の一方の側(またはマルチセットアレイの構成要素のうち1組の構成要素)のみを示す側面図であるが、反対側および他の構成要素のセットが好ましくはそれと同一であることが理解されよう。本明細書は、全体として理解され、本明細書で教示され当業者によって理解されるような本発明の原理に従って解釈されることが意図される。
【0032】
本出願に固有の言語に関する特定の慣習もある。例えば、用語「片側性難聴」は、一方の耳が被る難聴が、もう一方の耳が被る難聴とは異なり、通常はそれより大きい、難聴に関する。したがって、本出願において使用される「片側性難聴」という用語に該当する、両耳の難聴が存在する可能性がある。しかしながら、上述したように、この時点での本発明の主な認識された使用は、「片側性難聴」を有するユーザのためのものであり、一方の耳と他方の耳との間の難聴の差は、より典型的な従来の補聴器よりも、本発明の補聴器デバイスの使用を特に考慮する正当な根拠となるのに十分に重要である。
【0033】
大いに非対称な難聴という用語は、補聴器などの音増幅デバイスがその耳に使用可能な聴力を回復しないほど、片方の耳の難聴が十分に大きい状態を識別するために、使用される。大いに非対称とは、例えば、人工内耳のような侵襲的に配置された音増幅デバイスに頼ることなしに、悪い耳の聴覚を回復することができない、他の状態も含む。
【0034】
本出願で使用されるさらなる慣習は、「悪い耳」および「良い耳」という用語が使用されることである。「悪い耳」および「良い耳」という用語は相対的な用語であり、「悪い耳」という用語は、2つの耳のうちの特定の一方がもう一方の耳よりも深刻な難聴を被ることを示すために使用されることが理解されるであろう。
【0035】
本出願における一貫性を維持するのを助けるために、ユーザPの左耳12は通常「悪い耳」として指定され、ユーザの右耳16は通常「良い耳」として指定される。当業者であれば、この左耳と右耳を良い耳と悪い耳として選択することは全く任意であり、特定のユーザの右耳が彼の悪い耳となり、左耳が良い耳となる可能性も同じようにあることを理解するであろう。
【0036】
次に、本発明を例示する図面、特に図1に注目する。図1は、左耳12を含む左側10と、右耳16を含む右側14と、を有するユーザを示す。ユーザPは片側性難聴である。図面に示されるように、左耳12に隣接して示される音波Sは、その遠位端に「X」を含み、音波が耳に到達するが、ユーザの脳内の聴覚受容器には浸透せず、したがって音が「聞こえない」ことを示す。
【0037】
参照によりすべてが本明細書に組み込まれる、本発明者の他の耳関連の特許出願で論じられているように、このような難聴の典型的な理由は、鼓膜、中耳の骨、またはしばしば蝸牛およびその種々の構成部分のような、耳の器官のうちの1つの中の機能不良から生じる。耳の疾患についてのさらなる考察、および難聴の理由は、様々な情報源、特に耳の疾患に関する教科書から入手できる。
【0038】
これに対して、右耳または良い耳16に隣接して示される音波矢印Sは、端部に矢印を有する。矢印の使用は、右耳がいくらかの聴力を有する、または、特に、悪い耳もしくは左耳12よりも高い聴力および聴能を有することを示すために、本出願において採用される慣習である。以下でさらに詳細に説明するように、悪い耳12には深刻または全体的な難聴を有するが、良い耳16には完全な聴覚を有する、ユーザが存在する。良い耳12および悪い耳16の両方に難聴を有する他のユーザが存在するが、悪い耳12における難聴は、良い耳からの難聴よりも深刻であり、それによって深刻な非対称性難聴をもたらす。
【0039】
片側性難聴の治療に用いられる先行技術のデバイスを図2に示す。
【0040】
図2では、左側10および右側14、左耳12および右耳16を有するユーザが示されている。ユーザPはまた、補聴器装置を有し、これは、第1の補聴器部材20を含むものとして概略的に示されており、これは、ユーザの悪い耳の側10に配置され、好ましくは左耳または悪い耳12に隣接するかまたはその中に配置されるように設計されている。補聴器装置はまた、第2の補聴器部材22を含み、これは、良い耳16に隣接して、良く聞こえる側14に配置され、ユーザが聴覚感覚を有し得るように音波Sをユーザの耳の中に放送するために提供される。
【0041】
本発明の動作を理解するのを助けるために、図2に示される補聴器20、22は、本出願の残りの部分に示される補聴器と共に、概略的に示され、図面をより読みやすく保つのを助けるように、ユーザの頭部から離間した関係で位置付けられる。しかしながら、実際には、図7に示される先行技術の補聴器と同様の外観および外部構造を有すると思われる補聴器が使用される。図7に示すように、以前の補聴器26は、イヤーグローブ部分(ear globe portion)28と、ケース部分30と、ケース30をイヤーグローブ28と接続するためのコネクタ32と、を含む。ケース30は、デバイス26に電力を供給するバッテリと共に、デバイス26のための回路を収容するための内部空間を含む。さらに、ケース30は、ユーザの耳の周りの周囲音をピックアップするためのマイクロホン型変換器と共に、音を処理するための様々な回路を含んでもよい。
【0042】
聴取グローブ28は、好ましくは、ユーザの耳の中にぴったりと確実に適合するようにカスタムモデル化されるように設計される。聴取グローブ28は、ケーシングではなくグローブ28内に配置することが好ましい場合には、処理回路と、マイクロホンなどの第1の変換器と、を含むことができる。しかしながら、グローブ28内に収容される主要な構成要素は、第2の変換器、例えば、ユーザの耳に、より具体的にはユーザの耳の外耳道に音を放送または送出するために提供される拡声器型変換器であり、そこに送出される音は、ユーザの鼓膜に影響を与えることができ、これにより、中耳の骨を活性化させ、それが蝸牛とその中の様々な構成要素を活性化させる。
【0043】
図7に示された補聴器に加えて、読者の注意は、本発明のための適切なケーシングとしても役立つであろう他の補聴器のケースおよび種類の議論に向けられる。例えば、より大きなタバコパックサイズの本体ケースは、追加の回路のためのより大きな空間を有し、より長いバッテリ寿命を提供するためにバッテリを保持するためのより大きな空間を有するため、一部の補聴器と共に使用される。本体ケースはまた、通常、製造コストおよび回路コストが安価であるが、これは、ケースの容積が大きいことにより、追加のバッテリのための空間が提供され、図7に示される耳の後ろのケース30のような小型ケース内にすべての適切な構成要素およびバッテリを嵌めるために生じるであろう、構成要素の超小型化に関連するコストの増加を低減するという事実によるものである。
【0044】
先行技術の補聴器10の概略図が、ユーザの悪い耳12に隣接して配置される第1の補聴器部材20と、ユーザの良い耳16に隣接して配置される第2の補聴器部材22と、を含むものとして、図2に示されている。第1の補聴器20は、補聴器内の電気回路に電力を供給するためにバッテリ21などの電源を含む。バッテリ23も、第2の補聴器22に設けられて、補聴器22内の電気回路に電力を供給する。
【0045】
十分に機能するバッテリ部材は、先行技術において既知である。バッテリ部材21、23は、先行技術の補聴器20、22に示されているが、本発明の残りの補聴器には示されていない。しかしながら、本発明のこれらの補聴器内に電源を示さないことは、デバイス内に電源がないことを示すものではないことが理解されよう。むしろ、従来の電源バッテリが、通常、本発明の補聴器部材の各々に含まれる必要がありそうなことは十分に理解されるので、電源は、図面を単純化するために示されなかった。
【0046】
変換器34は、マイクロホン型変換器であり、これは、別の状況ではユーザの耳によってピックアップされるであろう、周囲音をピックアップするように割り当てられている。変換器に入る音波Sは、音波信号から電気信号に「変換」され、電気信号はプロセッサ36に送達される。プロセッサ36は、送信機38に信号を送達する前に、信号に何らかの処理を行う。送信機38は、第2の補聴器部材22内に収容された受信機42に無線信号40を送信するために設けられている。
【0047】
例示目的で、変換器34、プロセッサ36および送信機38は、別個の構成要素として示されている。しかし、これらの構成要素は、単一のユニットであるように設計されてもよく、または意図された目的を果たし、全ての性能、サイズおよびコスト要件を満たす製品を提供する他の任意の方法で設計されてもよいことが理解されるであろう。
【0048】
補聴器20上に示されている外部アンテナも、例示目的で示されており、実際のモデルでは内部アンテナが使用されることが想定されている。
【0049】
良い耳16に隣接して配置される補聴器部材は、好ましくは、図7に示す補聴器と同様の外観を有するように設計される。補聴器は、第1の補聴器部材20の送信機38から無線信号を受信するための受信機42を含む。無線送信機は、利便性および美しさの理由から、有線送信機よりもはるかに好ましいことが分かっている。受信機42によって受信された電気信号は、プロセッサに送信され、プロセッサは、ほとんどもしくは全く処理を実行しなくてもよく、または、単に変換器46に信号を送る前に信号を増幅する増幅器のようなプロセッサであってもよい。第2の変換器47は、電気エネルギーを音エネルギーSに変換するための、拡声器のような変換器を含む。音波Sは、ユーザの外耳道内に放送されて、外耳道の内側部分に配された鼓膜を含む耳構造に送達される。
【0050】
本発明のCROS型補聴器システム48を図3に示す。CROSシステムは、通常、悪い耳に重大または深刻な難聴があるが、良い耳は正常範囲内の聴覚を有し、したがって、典型的な補聴器によって提供される増幅を必要としない場合に使用される。
【0051】
本発明の補聴器システム48は、第1の補聴器部材50を含み、これは、ユーザの身体上に配置可能であり、通常はユーザの第1の耳12によって受信されるであろう音を受信するために、ユーザの身体の悪い耳12と同じ側10に通常位置付けられる。第2の補聴器部材52も設けられ、これは、ユーザの身体上で、ユーザの第2の耳または良い耳16に隣接して配置可能である。第2の補聴器部材が、ユーザの良い耳16に音情報を放送するために設けられているので、第2の補聴器部材52をユーザの耳上に位置付けることが好ましく、その結果、第2の補聴器部材の変換器78によって生成された音を、ユーザの外耳道および鼓膜のようなユーザの耳構造に直接かつ近接して送出することができる。
【0052】
第1の補聴器部材50は、音エネルギーSを受け取るために設けられた第1の変換器54を含む。音エネルギーSは、好ましくは、ユーザの悪い耳12が正常な聴覚を有していた場合にユーザの悪い耳12が通常ピックアップするであろう音エネルギーの種類および性質のものである。変換器54は、好ましくはマイクロホン変換器である。
【0053】
マイクロホン技術に精通している者には理解されるように、様々な種類のマイクロホン変換器が利用可能であるが、異なる「ピックアップパターン」を有する。特定のマイクロホンのピックアップパターンは、ピックアップすることが望まれる音の性質に応じて選択される。例えば、補聴器以外の用途で使用されているマイクロホン変換器の中には、マイクロホンに近接して送達される音信号と、マイクロホンから比較的離れている音信号と、を含む全方向性ピックアップパターンの音信号をピックアップするように設計された、会議型マイクロホンを含むものがある。一方、他のマイクロホンは、単方向であってもよく、そのようなマイクロホンによってピックアップされるバックグラウンドノイズを低減するために、マイクロホンに非常に近接して送達される音のみをピックアップするように設計されてもよい。好ましい変換器の選択は、ユーザおよび医師によって決定され、マイクロホン変換器54に意図される目的に最もよく役立つように選択される。
【0054】
変換器54は、音エネルギーを、第1の信号プロセッサ56に送信される第1の送信可能な電気信号に変換するために設けられる。第1の信号プロセッサ56は、信号を増幅したり、調整したりするなどして、信号を処理する。
【0055】
次に、第1のプロセッサ56は、送信された信号を信号変更プロセッサ58に転送する。信号変更プロセッサ58の目的は、ユーザの耳に送出される音信号Sとは異なる、変更された音ASが生成されるように、信号を変更することである。
【0056】
図面はプロセッサ56、58を別個のユニットとして示しているが、これは説明および明確化の目的で行われることに留意することが重要である。実際には、変更機能と共に信号の増幅などの従来の機能に携わる単一のプロセッサが使用される可能性が高い。
【0057】
変更された信号プロセッサ58から出た変更された信号は、次に送信機60に送信され、送信機は、無線信号を第2の補聴器部材52の受信機64に送信する。受信機64は、先行技術の補聴器の受信機と概ね同様である。受信機64によって受信された信号は、信号プロセッサ66に転送され、信号プロセッサは、次に信号を信号変更プロセッサ68に転送する。
【0058】
信号、およびデバイスの機能性に応じて、1つの信号変更プロセッサのみが必要である可能性が高い。したがって、実際には、信号変更プロセッサ58または信号変更プロセッサ60のいずれかを排除することができる。一対の信号変化プロセッサ58、60を示す目的は、ユニットの設計者の選択により、信号変更処理機能が、ここでは第1の補聴器部材50または第2の補聴器部材52内に含まれ得ることを示すことである。さらに、第1の補聴器部材50および第2の補聴器部材52を通過する電気音信号は、単一のプロセッサによる処理のみを必要とすることが可能であり、それにより、ユーザおよび/または設計者が従来の信号プロセッサ56、66の一方または両方を除去することを可能にする。
【0059】
第2の補聴器部材52の出力は、ユーザの耳に送られる、変更された信号ASを含む。さらに、ユーザは良い耳16に難聴がないので、ユーザは周囲音Sも耳に受け取ることになる。したがって、音Sおよび変更された音ASを含む、2つの音情報の流れが単一の耳16に供給されている。ユーザは、単一の耳16で2つのチャネルの情報を得ており、これは、両耳に聴力を有する人が享受するステレオまたはバイノーラル聴覚ではなく、モノラル聴覚をもたらす。
【0060】
変更された信号に組み込まれた変更は、一次信号Sから区別可能な音を有する、変更された信号を生成することによって、この問題を解決するのを助けることを意図しており、これにより、ユーザは、学習間隔の後、変更された信号ASと通常の信号Sとを区別することができる。変更された信号ASをこのように認識することによって、ユーザは、方向性を認識することを学習することができ、それは、ユーザが、変更された信号ASを認識し、かつ、変更された信号がユーザの良い耳16の側14からではなく、ユーザの悪い耳12の側10から来ていると認識することを学習すべきであるためである。
【0061】
ユーザの悪い耳の側12からの信号は、変更された信号として示されているが、当然のことながら、通常の信号Sおよび変更された信号ASの両方を処理する、図4のBICROSデバイスのように、役割を逆転させることができ、それにより、変更された信号がユーザの耳の良い側14から発せられ、通常の変更されていない信号がユーザの悪い耳12の側10から発せられる。
【0062】
信号変更プロセッサを使用する目的は、ユーザの悪い耳の側またはユーザの良い耳の側のいずれかからの音を変更することであり、その結果、第1の音信号および第2の音信号のうちの変更された一方と、第1の音信号および第2の音信号のうちの変更されていない他方とが、電気信号に変換されて音信号に変換されたときに、区別可能に異なる音特性を有することになる。音を変更することができる様々な媒介物が存在する。例えば、音は、ピッチを変化させることにより変更され得、変更された音は、変更されていない音よりも高いかまたは低いピッチを有する。さらに、変更された音にエコーを誘発して、異なるように聞こえるようにすることができる。さらに、信号を遅延させることができ、それにより、第1および第2の信号を時間的にオフセットすることができる。音を時間的に遅延させると、区別可能となり得る差を提供するのに役立つ。
【0063】
さらに、信号をハイパスフィルタまたはローパスフィルタに通すなどしてフィルタリングし、信号の特性を変化させることができる。これにより、例えば信号のピッチを下げたり上げたりすることができる。さらに、コーラス効果を信号に加えることができ、それにより、1つの信号が第2の信号に対して倍音で再生されるか、または少なくとも、第1の音信号とは異なる第2の信号であるかのように聞こえる。
【0064】
また、異なる周波数帯域を減衰させて信号を変更することもできる。信号を変更する別の方法は、信号を共振させることである。さらに、信号にアーチファクトを加えることができる。ハム音またはクリック音またはトーンなどのアーチファクトを1つの信号に加えることができ、ユーザがアーチファクト付加信号と「クリーン信号」とを区別できるようにすることができる。さらに、信号の強度を変化させて音量を交互にすることができる。信号を処理して変更する別の方法は、信号を変調することである。
【0065】
アーチファクトを加えることができる方法はいくつかある。これらのアーチファクトは、音に加えられた振動、ハミング音、または変更された信号に加えられたトーンを含み得る。音アーチファクトまたは音変換は、好ましくは、音が、ユーザの他方の耳から受信されている音との差を有するように、変更された信号に組み込まれる。上述したように、ユーザの好みに応じて、悪い耳の信号または良い耳の信号のいずれかを変更することができる。好ましくは、信号変更プロセッサ58または68は、ユーザが、第1の変更された信号と、他方の耳からの第2の変更されていない信号との間の差を区別できるように、ある種の音アーチファクトまたは音変換を加える。
【0066】
一実施形態では、挿入されるアーチファクトは、信号に付加される明瞭な音の差である。例えば、トーンは、マルチタイプのトーン、パチパチというタイプのトーン、クリック音タイプのトーン、ハム音タイプのトーン、または他のタイプのトーンであり得る。任意の数の追加の付加された音を使用して、第1の変更された音信号を、第2の変更されていない音信号から区別することができ、これにより、ユーザは、ユーザの「良い耳」によってピックアップされた音と、ユーザの「悪い耳」によってピックアップされた音とを区別することができる。
【0067】
図3の音信号Sのようなユーザの良い耳に受信される信号、または、図4のBICROSの実施形態において変換器108によってピックアップされた音信号ではなく、ユーザの悪い耳12に隣接する音をピックアップする第1の聴覚部材50のような1つの聴覚部材の信号にアーチファクトを加えることによって、ユーザは、アーチファクトを有する信号とアーチファクトを有さない信号の2つの情報信号を効果的に聞くことができる。時間の経過と共に、ユーザは、2つの信号を区別して、ユーザがアーチファクトを含む信号とアーチファクトを含まない信号とを区別するのを助けることができる。
【0068】
最終的に、ユーザは、アーチファクトを含む信号が自分の悪い耳の側(悪い耳の側の信号が変更された場合)から発せられ、非アーチファクト信号がユーザの良い耳16の側14から発せられていたことを認識することになる。このプロセスを通して、ユーザは音の位置特定においてある種の擬似ステレオ聴覚を得ることができる。
【0069】
組み込むことができる別のアーチファクトは、声転位タイプのアーチファクトである。声転位タイプのアーチファクトでは、良い耳の側14から来るトーンと比較して、第1の補聴器部材50から来る信号のトーンを変更することができる。例えば、トーンを1オクターブ上げたり、1オクターブ下げたりすることができる。さらに、音は、より「金属的」に聞こえるように、より「低音」に聞こえるように、などと変更することができる。
【0070】
好ましくは、補聴器デバイス48は、ユーザが選択した異なるアーチファクトを提供するようにユーザによってプログラムされ得るように設計される。例えば、一部のユーザは、有名な俳優、声優など、または漫画のキャラクターの声をシミュレートするために音を変化させるアーチファクトを含むために、悪い側(聴覚部材)から、変更された音が来ることを望むかもしれない。動作中、ユーザは、適切なアーチファクトがプログラムされる第1の補聴器部材50および第2の補聴器部材52を与えられる。
【0071】
図4は、BICROS型システムを含む補聴器システム72を示す。上述したように、BICROSシステムは、ユーザが自分の悪い耳12および良い耳16の両方に難聴を有する場合に使用され、その結果、悪い側10および良い側14からの信号は双方、補聴器によって処理される必要がある。
【0072】
BICROSシステムは、第1の補聴器部材74および第2の補聴器部材76を含む。第1の補聴器部材74は、概して、CROS設計の3つに示されている第1の補聴器部材50に類似している。特に、第1の補聴器部材74は、音Sを受信するためのマイクロホンを含む変換器80を含む。好ましくは、第1の補聴器部材74は、ユーザの悪い耳12の近くに位置付けられ、第1の変換器によってピックアップされた音Sは、ユーザの悪い耳12によってピックアップされる音を、その耳が適切に機能している場合に、位置的に複製することができる。
【0073】
第1の変換器80は、音エネルギーを、第1の信号プロセッサ82に送られる送信可能な電気信号に変換するために設けられる。第1の信号プロセッサ82は、信号を処理し、第1の信号変更プロセッサ84にそれを転送し、第1の信号変更プロセッサは、アーチファクトを加えるか、または別様に音を変更するために設けられ、そのため、第2の補聴器部材76の第2の変換器106によって送出される変更された音ASは、変更されていない音Sから十分に区別可能となり、そのため、ユーザは、その違いを聞き取り、変更されていない音Sと、耳に送出される、変更された音ASとの差を区別し得る。
【0074】
信号変更プロセッサ84から発せられた電気信号は次に送信機86に送達され、送信機は無線信号40を第2の補聴器部材76の受信機100に送信する。受信機100は、信号を信号プロセッサ102および信号変更プロセッサ104に送達する。変更された信号は次に第2の変換器106に転送され、第2の変換器は、変換された音信号ASと変更されていない音信号Sの両方をユーザの良い耳16に放送する。
【0075】
この点に関して、第2の補聴器部材76は、CROS部材の第2の補聴器部材52と同様である。しかし、第2の補聴器部材76との差は、第2の補聴器部材76が、第1の補聴器部材74の第1の変換器80と同様の、好ましくはマイクロホン型変換器を含む第1の変換器108も含むことである。第1の変換器108は、ユーザの良い耳16が増強を必要としない場合に、その108位置に起因して、ユーザの良い耳16によってピックアップされるであろう音信号と類似する音信号をピックアップするために提供される。
【0076】
第1の変換器108によってピックアップされた音はまた、信号プロセッサ102を通じて送出され得、信号プロセッサは、変更された信号とは別に信号を処理し、プロセッサ102から変換器106へと発せられる信号を送達する。好ましくは、第1の変換器108から来る信号は、信号変更プロセッサ104をバイパスするので、第1の変換器108から発生する信号は変更されない。
【0077】
それにもかかわらず、第2の変換器106によってユーザの耳に送達される音信号が適切な音量になるように、信号を増幅したり、信号の音量を変化させたりするなどして、信号プロセッサ102を通じて信号に対して何らかの処理を行うことは価値があるかもしれない。
【0078】
BAHA(骨固定型補聴器)システム114を図5に示す。上述したように、BAHA型システム114と、本明細書で説明したようなその他のシステムとの主な違いは、BAHAシステムが、音および振動を伝達する媒体としてユーザの頭蓋骨を使用することによって、悪い耳の側12の第1の補聴器部材116から良い耳の側14の第2の補聴器部材118に信号を送信することである。
【0079】
音が骨を通じて伝達されているので、補聴器内で使用される信号プロセッサは、増幅器型プロセッサである傾向がある。第1の補聴器部材116と第2の補聴器部材118との間で無線信号が送信されていないので、無線送受信機は不要である。
【0080】
BAHA補聴器システム114は、音を受信するためにユーザの悪い耳12の側付近のどこかでユーザ上に位置付けられた第1の補聴器部材116を含む。第2の補聴器部材118は、ユーザの良い耳16の側に配置可能であり、音波Sをユーザの耳16に送達するために設けられる。本明細書で従来使用されているように、「AS」波は変更された音波のためのものであり、「S」は変更されていない音波のためのものである。
【0081】
第1の補聴器部材116は、ユーザの悪い耳12が正常であれば、ユーザPの耳によって通常ピックアップされるであろう周囲音を受信するための、マイクロホン型の第1の変換器122を含む。第1の変換器は、第1の信号プロセッサ24に信号を供給し、第1の信号プロセッサは、第1の信号変更プロセッサ126に信号を供給する。
【0082】
変更信号プロセッサ126は、トーンの変化またはアーチファクトの付加などの変更を信号に挿入し、信号は、変更されていない信号と区別可能に異なり、ユーザPが第1の補聴器部材116を通じて左側から受信した信号と、第2の補聴器部材118によってユーザの右側から受信した信号とを区別するのを助ける。やはり上述したように、本発明は、信号が変更されることを企図している。しかし、これは、第1の補聴器116内の信号を変更することに限定されるものではなく、それは、第2の補聴器部材の信号変更プロセッサ138によって信号を変更することもできるためである。第2の補聴器部材118は、第1の補聴器部材116から受信した信号を処理するための第1の信号プロセッサ126を含む。
【0083】
骨ネジ130が、第1の補聴器部材116をユーザの頭蓋骨に連結し、その結果、骨ネジ130内に誘発された振動が、頭蓋骨内に誘発され、骨信号を第2の補聴器部材118の第1の信号プロセッサ136に送信する適切な受信機またはワイヤにユーザの頭蓋骨を通じて伝達され得る。この第1の信号プロセッサ136からの信号は、信号変更プロセッサ138に運ばれるが、これは、信号変更が第1の補聴器の信号変更プロセッサ126によって処理されるかどうかに応じて、存在する場合も存在しない場合もある。次いで、変更された信号ASは、拡声器型の変換器140に送信され、この変換器は、次に電気信号エネルギーを音声エネルギーに変換する。
【0084】
本発明のBAHA補聴器システム114は、第2の補聴器部材118の一部であるマイクロホン型の第1の変換器142を含むBICROSシステムとして示されている。変換器142は、周囲音波Sをピックアップし、次にそれを電気信号に変換し、次いで、第1の信号プロセッサ136に、最終的には変換器140に送達され、そこで、音は、音型信号Sに再変換される。
【0085】
本明細書で議論される慣例は、通常、第1の補聴器部材116によってピックアップされた音が、変更された信号ASを生成するように変更されることを企図しているが、第1の補聴器部材116によってピックアップされた音が変更されず、ユーザの良い耳16の側から第2の補聴器部材118の第1の変換器142によってピックアップされた音Sが、信号変更プロセッサ138を通じて処理されて、変更された信号を生成することも、企図されている。したがって、2つの信号が異なって聞こえるように2つの信号のうちの1つが変更される限り、2つの信号(良い側または悪い側)のどちらが変更されるかは必ずしも重要ではない。
【0086】
考えられるところでは、ユーザが頭部の異なる側から来る2つの音を区別するのに役立つならば、悪い耳の側12から受信する音と良い耳16の側から受信する音の両方を変更することができる。
【0087】
別の実施形態が図6に示されており、これは、ユーザが方向性をより良く判断することも助ける指標インジケータを含む。図6に示される2つの特定のタイプの指標は、光指標および振動指標を含む。光および振動指標の両方が同じユーザで使用され得るが、2つの指標の使用は多少過剰なものとなり得るので、通常は2つのうちの1つが選択されることが企図されている。
【0088】
指標を含む補聴器システム146は、ユーザの悪い耳12の側に配された第1の補聴器部材150と、ユーザの良い耳16の側に配された第2の補聴器部材152と、を含む。ユーザPは、眼鏡154をかけているものとして示され、眼鏡の上に第1の光ベース指標156が装着され、第2の光ベース指標158が装着されている。方向性を補助するために、第1の光ベース指標156は、ユーザの左目の近くに装着され、ユーザの悪い耳の12の側から音をピックアップする第1の補聴器部材150の第1の変換器166によってピックアップされている音と相関する何らかの方法で、オンになり、光を発するように設計されている。
【0089】
第2の光指標部材158は、ユーザの右目に隣接して位置付けられ、ユーザの良い耳の16の側に位置付けられた第2の補聴器部材152の第1の変換器188によってピックアップされている音Sに相関する光を出すように設計されている。
【0090】
ユーザが、それぞれの第1のライト156および第2のライト158によって放射される光を、第2の補助部材152の変換器186によって生成された、ユーザが聞いている音S、ASと関連付けることができるので、光指標156、158は、ユーザが方向性を判断するのを助けるように設計される。音と触覚および光の識別指標の両方のこの使用は、ユーザが音を区別するのを助けるのに有用であり、したがって、音からシミュレートされた方向性を得ることができると考えられる。
【0091】
振動(第2の)指標部材は、ユーザの悪い耳12の側に位置付けられた第1の振動指標部材158と、ユーザの良い耳16の側に位置付けられた第2の振動指標部材160と、を含む。第1の振動部材158および第2の振動部材160によってユーザに誘発される振動は、ユーザの悪い耳12の側およびユーザの良い耳16の側でそれぞれ受信されている音と相関しなければならない。振動部材158、160は、ユーザの首の上に配置されているものとして示されているが、振動部材は、聴覚デバイス(例えば、補聴器、人工内耳、BAHAデバイスなど)の中を含め、便利でユーザが区別可能などこかに配置することができる。
【0092】
振動部材158、160および光指標部材154、158は全て、それぞれの第1の補聴器部材150および第2の補聴器部材152から無線信号を受信するための無線受信機を含み、これらの無線信号に応答してそれぞれオンおよびオフになることができる。
【0093】
指標を含む補聴器システム146は、ユーザの悪い耳12の側からピックアップされ得る音を受信するための第1の変換器を含む第1の補聴器部材150を含む。変換器166は、音エネルギーを送信可能な電気信号に変換するマイクロホン変換器であり、この電気信号は、第1の信号プロセッサ168に運ばれ、第1の信号プロセッサは、次に信号を信号変更プロセッサ170まで運ぶ。上述したように、信号変更プロセッサ170は、トーン、音量、ピッチを変化させるか、または、アーチファクトを加えることなどにより、信号を変更することができ、その結果、音は、変更されていない信号から聴覚的に区別可能な音を有する。
【0094】
次いで、音は無線送信機174に運ばれ、これは、無線信号177を第2の補聴器部材152の無線受信機180に送信する。第2の補聴器部材152は無線受信機を含み、これは、第1の補聴器部材150から信号177を受信し、信号を信号プロセッサ182に運び、次いでオプションとして、変更信号プロセッサ184に運ぶ。変更信号プロセッサ184を出た信号は、次に、電気信号を音エネルギー信号に変換する拡声器型の第2の変換器186に送達される。信号が変更されているので、第2の変換器186によって生成される音信号は、ユーザの耳に送達される、変更された信号ASである。
【0095】
回路は、その他の実施形態において回路が示される方法とはわずかに異なる方法で、第2の補聴器部材152において概略的に示されることに留意されたい。特に、第2の補聴器部材152の回路は、2つの別個の重複しない回路経路を有するものとして示されており、第1の補聴器部材150から受信された信号177は、第2の補聴器部材の変換器188によって受信された信号とは全く異なる経路をたどり、全く異なる構成要素によって処理される。その他の実施形態に示された複合回路とは対照的に、このような別個の回路設計には利点と欠点が存在することが理解されよう。
【0096】
第2の補聴器部材152は第1の変換器188を含み、これは、ユーザの良い耳16の側の周囲音をピックアップし、それらの音を電気信号に変換し、電気信号は、次いで信号プロセッサ190に向けられる。信号プロセッサ190は、信号変更プロセッサ182に送られる第1の情報ストリームを含む、2つの情報ストリームを送出し、信号変更プロセッサは次に、音を第2の変換器186に運び、ここで、音は、電気信号から音信号Sに変換される。第2の情報ストリームは、指標信号プロセッサ194に供給され、これは、光指標158および振動指標160の一方または両方に指標信号を送信するための無線送信機を含む。
【0097】
使用時に、本発明の補聴器システム146は、悪い耳の側12および良い耳の側16のそれぞれから音情報を受信する。ユーザが自分の悪い耳12の側と良い耳の側で受信した音を区別するのを助けることを可能にするため、変更されていない音信号から区別可能な変更された音信号ASを有するように、音が処理されることに加えて、光指標または振動指標のような指標も、音と相関するように提供され、特定の音が発せられる方向に関する別の情報源をユーザに提供し、2つの機能している耳の使用を通じて正常な聴覚の人に提供されるステレオ聴覚がない場合でも、ユーザが音から方向性の感覚を得るのをより良く助ける。
【0098】
部材の1つとして人工内耳型デバイスを使用する本発明の代替的な実施形態の補聴器が、図8図8A図8B、および図8Cに示されている。
【0099】
これらの図に示される非対称補聴器システム200は、第1の耳12および第2の耳16を有するユーザに使用するために提供される。補聴器装置200は、ユーザが複数の方向から発生する音を聞くことができるように構成されている。補聴器装置200は、ユーザの身体の、第1の耳12と同じ側に配置可能な第1の補聴器部材203を含む。第1の補聴器部材203は、ユーザの第1の耳12によって通常受信されるであろう音を受信し、これらの受信した音を第1の送信可能な電気信号205に変換するための、第1の変換器204を含む。
【0100】
本発明の補聴器200の1つの使用は、極度の難聴の問題を有するユーザに対するものである。典型的には、非対称補聴器はほとんどの場合、増幅調整補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を有し、したがって本発明の非対称補聴器を必要とする、ユーザに、最大の潜在的利益を提供する。
【0101】
その好ましい実施形態では、補聴器200は、第1の身体側と第2の身体側の両方から受信されるであろう音をシミュレートする一対の信号を使用し、ユーザが第1の身体側から発せられる第1の音信号と、ユーザの第2の身体側から発せられる第2の信号とを区別するのを可能にする方法で、これらの信号を単一の耳に供給する。以下でさらに詳細に説明するように、この信号の区別は、異なる音声トーン、信号の1つに配置されているアーチファクト、または、振動によって引き起こされる触覚指標もしくは信号に付随する光指標のような、音声信号に付随する他のインジケータの使用を含む、様々な手段によって達成することができる。
【0102】
第2の聴覚部材208は、ユーザの第2の身体側に配置可能であり、好ましくは、人工内耳デバイス201を含む。人工内耳を含む第2の補聴器部材208は、電極アレイ252で終端する、ユーザの蝸牛内に配置可能な人工内耳型部材250を含み、電極アレイは、ユーザにおいて聴覚をシミュレートするために蝸牛受容体神経に電気信号を提供するために設けられる。電極アレイ252は、ユーザの蝸牛の内部の中に位置付け可能である。
【0103】
人工内耳を含む第2の補聴器208は、ユーザの第2の耳16によって受信されるであろう音を受信し、受信した音を第2の電気信号に変換するための、第2の変換器/マイクロホン232を含む。人工内耳を含む第2の補聴器208は、受信した音を第2の電気信号に変換する。
【0104】
さらに、外部に配された構成要素212のハウジング部材218は、第2の機能的部材235および第3の機能的部材237も含むことができる。第1の部材235、237は、より良い方向性を提供するために異なるピックアップパターンを有する第2および第3のマイクロホン/変換器を含むことができる。例えば、変換器232は、主としてユーザの側方から、変換器235はユーザの前方から、変換器237はユーザの後方から、音をピックアップするように設計され得る。
【0105】
代替的に、要素235、237は、変換器232によってピックアップされている音に応答して振動する触覚指標発生器であってもよい。
【0106】
受信機プロセッサ234が、第1の送信された電気信号205を受信するために設けられており、第2の電気信号および第1の送信可能な電気信号205を、ユーザの第2の耳の蝸牛によって受信されるように構成された信号に処理するための処理構成要素を含み、ユーザの第1の耳12および第2の耳16の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にし、ユーザの耳16によって受信される機能的に聴取可能な音のみが、良い耳16に放送するために第2の聴覚部材208を通じて生成される。
【0107】
図8図8A図8Bに最もよく示されているように。第2の補聴器208は、外部に配される構成要素212と、内部に配される構成要素214と、を含む。実際には、外部に配される構成要素212は、ユーザの頭部の外側で着用され、内部に配される構成要素214は、ユーザの皮膚の下、最終的には蝸牛の内部に埋め込まれる。
【0108】
外部に配される構成要素212はハウジング部材218を含み、これは、第1の変換器232、第1の信号プロセッサ234、および信号変更プロセッサ236を含み、これは、触覚信号または光信号などの非可聴信号を作動させるために信号を送信するための指標信号プロセッサをその一部として含むこともできる。ハウジング部材218は、ハウジング218をユーザの耳16のような身体部分に連結するのを助けるためのカプラ220を有する。カプラ220およびハウジング部材218は、着用するタイプの市販のスピーチプロセッサと同様の構成になるように設計および構成され、ハウジング部材218は耳介の後ろに配される。
【0109】
ワイヤ導体222が、ハウジング部材218と皮下に位置付けられた頭皮取り付け部材224との間で信号を伝導するために設けられる。頭皮下取り付け部材224は、内部に配される受信アンテナ244によって受信され得る信号を経皮的に送信するための送信機226を含む。頭皮下取り付け部材224はまた、外部磁石228を含む。外部に配される構成要素212は、好ましくは、それ自体の磁石を含む皮下に配される内部部材224に外部構成要素212を磁気的に結合するための第1の磁石を含む。外部構成要素212はまた、内部部材224の対応するコイルに電力および情報信号を電気的に伝達するコイルを含む。
【0110】
第1の変換器232は、好ましくは、マイクロホン型デバイスを含み、ユーザの耳16によって受信されるであろう音を受信し、受信した音を第2の電気信号に変換するために設けられる。
【0111】
第1の信号プロセッサ234を含む受信機が、変換器232によって受信された第2の電気信号および第1の送信可能な信号205を受信し、ユーザの耳16の蝸牛によって受信されるように構成されるようにこれらの信号を処理するために、設けられる。第2の変更プロセッサ236が、第1の信号プロセッサ234の一部を含むことができるか、または図8Cに概略的に示されるように独立ユニットであってよい。信号変更プロセッサは、指標信号プロセッサを含むことができ、または、別様に、信号をライトもしくは振動子などのインジケータデバイスに運ぶための信号プロセッサを含むことができる。
【0112】
信号変更プロセッサ236は、第1の送信可能な電気信号および第2の電気信号の一方を変更するために設けられ、ユーザは、第1の補聴器部材206によって受信された音と第2の補聴器部材208によって受信された音との違いを聞くことができ、第1の補聴器部材206によって受信された音と第2の補聴器部材208によって受信された音とをユーザが区別することを可能にし、第2の耳16に入力されている音の出どころの方向の感覚をユーザが達成することを支援する。
【0113】
この変更は多くの形態の1つをとることができる。例えば、「変更された信号」は、電気信号が変更アーチファクトを含むように処理されたときに、変更された信号が区別可能に異なる音特性を有するように、変更および処理され得る。これらの異なる音特性は、電極252から伝達されると、電極252によって誘発されている「音」が、変更されていない信号の結果として、電極によって生成されている音とは異なり、変化していることを、蝸牛の毛に知覚させる。
【0114】
音が変更され得る多くの方法がある。例えば、変更信号は、ピッチの変化を有するように、変更された音への変化を含むことができ、それにより、エコーが誘発され、信号が遅延されて、信号がフィルタリングされるか、またはコーラス効果が加えられる。さらに、異なる周波数帯域を減衰させるか、信号を共振させるか、または信号にアーチファクトを加えることによって、信号を変更することができる。さらに、変更された信号は、その強度を変更してその音量を変更することができる。振動型ハミング音を含めてハミング音が誘発され得るか、または、信号としてトーンが付加され得る。さらに、信号を変調することができる。
【0115】
第2の信号変更プロセッサ236によって実行される上述の信号変更はすべて、人工内耳を通じて蝸牛の毛に伝達される音の変更に関連する。代替として、変更プロセッサ236は、非生成音生成指標部材を生成することができ、これは、第2の耳16に入力されている音の出どころの方向の感覚をユーザが達成するのを助けるために、触覚または視覚インジケータの一方をユーザに提供するように構成される。考えられるところでは、この代替的な信号は、鼓索神経を通じた嗅覚および/または味覚ベースインジケータを含むこともできる。
【0116】
後述するように、インジケータを生成するためのこのデバイスは、ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された振動部材であってもよい。生成された信号は、より弱くまたはより強くすることができる可変信号であり得、強度は、変換器によって受信された特定の音信号の音量と相関される。
【0117】
代替として、変更変換器236によって生成された信号は、ユーザが見ることができ、第1の耳12および第2の耳16によってそれぞれ受信された第1および第2の音信号のうちの1つと相関する可変強度の通常の信号を提供するために、第1のライトに有線または無線で送信され得る。
【0118】
第2の光提供部材も同様に用いることができる。このような場合には、左右の手首などの第1および第2の身体側にそれぞれ位置付けられる第1および第2の光指標を有し、第1および第2のライトはそれぞれ、ユーザが見ることができる光可変強度を有することができ、光の強度は特定の第1および第2の信号の相対的な音強度に相関する。例えば、ユーザが第1のライトを左手首に、第2のライトを右手首に有する場合、および、ユーザの左側で生成されている音が、ユーザの右側で受信される音の強度の2倍である場合、ユーザの左手首のライトは、ユーザの右手首のライトの強度の2倍の明るさになる強度を有するように構成される。
【0119】
可聴および非可聴の両方の変更媒体を含む種々の変更媒体の全ては、本発明では、非対称性難聴を有する人、さらに具体的には、増幅調整型補聴器によって「悪い耳」の聴覚を実質的に回復することができないほど「悪い耳」の聴力が十分に深刻であることを特徴とする非対称性難聴を有する人において、非常に有用であると考えられる。
【0120】
図8A図8B、および図8Cに最もよく示されるように、補聴器の内部部分214は、外部補聴器部材212の送信アンテナ226によって送信された信号を受信することができる受信アンテナ244を含む。内部磁石246が、外部磁石228と整列可能であり、外部磁石は、磁気充電によって内部磁石およびバッテリに電力を伝達し、内部補聴器部材214を動作させるためのバッテリなどの電源に再充電を提供することができる。
【0121】
内部部分はまた、受信アンテナ244によって受信された信号を処理する信号プロセッサ244と、身体の内部を通って蝸牛まで延びる信号導体250と、を有する。信号導体250の遠位端部分は、蝸牛内に挿入され、遠位末端部は、蝸牛の内部から電気信号を受信し、それらの信号を脳の聴覚中枢に送信することができる受信繊毛を含む蝸牛の毛に、電気信号を送信するための電極アレイ252を含む。
【0122】
図8Cに最もよく示されるように、第1の補聴器部材203は、ユーザの身体の第1の側に沿って受信される音をピックアップするためのマイクロホンとして機能する第1の変換器204を含む。好ましくは、第1の補聴器部材203は、第1の耳212に隣接して配置され、変換器204によって受信される音は、耳が機能している場合に耳12によって受信されるであろう音を近似する。
【0123】
第1の補聴器203はまた、変換器204によって受信された信号を処理するように構成された第1の信号プロセッサ211および第2の信号プロセッサ213を含んでもよい。第1の信号プロセッサ211または第2の信号プロセッサ213は、第2の補聴器部材208の一部である信号プロセッサ236を使用する代わりに、第1の変換器によって受信された信号を変更するために変更プロセッサを含むことができる。次いで、処理された信号205は、第1の補聴器部材203から第2の補聴器部材208に送信される。
【0124】
本発明は、特定の詳細な実施形態を参照して説明されてきたが、本明細書に添付された特許請求の範囲の趣旨および範囲内で、変更および修正が存在することが理解されるであろう。
【0125】
図9は、上述のトーン付加のような可聴指標に加えて、またはその代わりに使用することができる非可聴指標を含む、代替的な実施形態の非対称補聴器システム268を示す。
【0126】
図9に示される非対称補聴器システム268は、図8Cに示される非対称補聴器システム200に示されるものと同じ構成要素の多くを含む。しかしながら、図8Cの非対称補聴器システム200に示された構成要素に加えて、非対称補聴器システム268は、ユーザの「悪い耳」12と同じ側に配置された第1の振動子270と、頭部の、16におけるユーザの「良い耳」と同じ側に配置された第2の振動子272と、を含む、一対の振動子部材を含む。
【0127】
有線または無線であってよい通信システムが、第1の補聴器203および第2の補聴器234の変換器213、236間に延びて、第1の補聴器部材203および第2の補聴器部材208からの信号を振動部材270、272にそれぞれ通信する。振動部材は、それらが振動を誘発するように動作して、聞こえている特定の音の出どころの方向が発生しているのを示すのを助け、それによってユーザが信号の出どころに関する方向性の何らかの感覚を得ることを可能にする。
【0128】
振動子270、272は、好ましくは、ユーザの頭部の異なる側に皮下に配置されるか、または代わりに、皮下でユーザの耳12、16に隣接して位置付けられ得る。代替的な実施形態として、補聴器振動部材270、272は、ユーザの耳上に担持された第1の外部補聴器ハウジング203および第2の外部補聴器ハウジング208に連結され、その一部を形成することができるので、ユーザの皮下に挿入する必要がない。振動子270、272を外側ケーシング部材のこの部分に配置することによって、バッテリ交換をはるかに容易かつ迅速にすることができると考えられる。
【0129】
動作中、ユーザの頭部の「悪い耳」12の側から発生する音は、信号を発生させて第1の振動子部材270を振動させる可能性があり、その結果、ユーザは、その音が自分の頭部の「悪い耳」12の側から発生したものであることが分かるであろう。同様に、音がユーザの頭部の「良い耳」16の側から発せられた場合、第2の振動子272が振動し、ユーザはその音が右側から来ていることが分かるであろう。
【0130】
例として、ユーザが路上に立っていて、車が衝突してユーザの右側で大きなノイズが発生しているとする。従来の非対称聴覚デバイスでは、ユーザは衝突音が聞こえるが、モノラル信号のみがユーザに供給されたので、ユーザは、「良い耳」16を通して聞いている衝突音が、実際には良い耳16の側から発生しているのか「悪い耳」12の側から発生しているのかを判定することができなかった。
【0131】
本発明では、ユーザの「良い耳」16の側から来る音の強度は、「良い耳」16の側の振動子272を振動させるか、または、少なくとも「悪い耳」12の振動子270よりも強い強度で振動させる。この振動の差によって、ユーザは、音が「良い耳」の側16から来ていることを認識することができ、これにより、ユーザは、右(「良い耳」16の側)を向いて衝突を観察し、必要であれば、衝突またはその余波によって負傷しないように回避行動を取ることができる。
【0132】
ユーザに役立つ本発明の非対称補聴器の別の例は、人がある種の会議または集会に出席している状況を含む。多くの聴覚障害者にとって、周囲の会話に対する理解はしばしば唇を読む能力によって補足される。一般的な会議では、会議用テーブルの周りに着席している可能性のあるさまざまな人から音が聞こえることがある。
【0133】
本発明の非対称補聴器では、話者の音が発生する方向によって、振動子270、272の一方または両方が異なる強度で振動する可能性がある。相対的に異なる強度の振動により、ユーザは、話している話者に面するために頭をどの方向に向けるべきかについての手がかりを得る。例えば、より強い強度の振動が第1または「悪い側」の振動子270から発せられている場合、ユーザは、話者を見るために頭を左に向けるように指示され、これにより、自分自身で話者の唇を読むことができる。同様に、話者がユーザの右側に座っている場合、振動子272の比較的強い振動が、ユーザに右を見るように指示する。2つの振動子270、272の振動がほぼ等しい場合、2つの振動子270、272の間の等しい振動は話者がユーザのまさに正面または背後にいることを合図するので、ユーザは彼の正面をまっすぐ見るか、または彼の背後をまっすぐ見るかのいずれかを指示される。
【0134】
振動子270、272は異なる強度で振動することができ、特定の振動子270、272の振動の強度は、好ましくはユーザの「悪い耳」12または「良い耳」16にそれぞれ隣接して位置付けられる、変換器204、232が位置付けられたところに隣接した位置で音が受信されることを可能にするように、比例すべきであることを理解されたい。
【0135】
振動子270、272は、第1の振動子270の振動が位置だけでなく強度によっても第2の振動子272の振動から識別され得るように、互いに独立して振動する必要がある。
【0136】
別の状況では、2人の異なる話者がいて、一方の話者は、ユーザの「悪い耳」12の側に位置する、より大声の話者であり、より穏やかな話し方の話者が、ユーザの「良い耳」16の側に位置することを想像することができる。話者の音量レベルの強度の差により、第1の振動子270に与えられる振動はより強い可能性があり、それは、「悪い耳」12の側の話者がより大きな音量で話していたためであり、一方、第2の振動子272に与えられる振動はより弱い可能性があり、それは、「良い耳」16の側の話者がより低い音量レベルで話していたためである。
【0137】
本発明の非対称聴覚デバイスと共に使用可能な代替的な実施形態の補聴器部材を図10に示す。補聴器構成要素278は、典型的な外部補聴器デバイスとして示されており、これは、上述の補聴器デバイスのいずれかと同様に構成することができる。デバイス278は、部材がユーザの耳の上に着用され得るように構成された、カプラ282を有する本体280を含む、外部で着用される構成要素を含む。
【0138】
デバイス278の内部回路は、本明細書に含まれる教示に従って、必要に応じて構成することができる。
【0139】
外部聴覚部材278は、ここでは振動インジケータ284として示される触覚感覚インジケータを含む。振動インジケータは、ユーザに触覚感覚を誘発するために振動子を含む。デバイス272がユーザの頭部に接して着用されると、触覚インジケータは、ユーザの耳に近いユーザの頭部の側方に触感覚を誘発する。図10に示す外部デバイス278は、対になって使用されるべきであり、一方のそのようなデバイスはユーザの悪い耳の上に配置され、他方のデバイスはユーザの良い耳16の上に配置される。悪い耳の上に配置される補聴器デバイス278の内部構成要素および機能は、良い耳16の上に配置されるデバイスの構成要素および機能とは異なり、その違いは、本明細書に含まれる非対称補聴器デバイスの教示に従うように設計されることが理解されよう。
【0140】
図11は、触覚および光ベースインジケータの一方または両方を含むことができる代替的な実施形態の補聴器デバイス290を含む。最終的な非対称補聴器290は、ユーザの悪い耳12に隣接して配された第1の補聴器部材292と、ユーザの良い耳16に隣接して配された第2の補聴器部材294と、を含む。第1の補聴器部材292から第2の補聴器部材294に信号295が送信される。補聴器部材292、294は、信号プロセッサを含み、これは、例えば図9に開示された補聴器システム268、図3および以下の項目に開示された補聴器10など、上述の補聴器と同様の方法で変更信号プロセスを含むことができる。
【0141】
眼鏡262は、非対称補聴器デバイス290の構成要素を含む。眼鏡は、第1および第2の二次インジケータ部材298、299を含み、これらは、眼鏡部材の左側および右側にそれぞれ配され、ユーザの左側および右側の近くに指標を誘導する。指標は、眼鏡に付与される光または触覚であり、ユーザが第1のインジケータ298によって誘発される感覚と第2のインジケータ299によって誘発される感覚とを容易に区別できるように、十分に離れて配置されるべきである。眼鏡262はまた、図13および図14に関連して以下でさらに詳細に説明するように、眼鏡の鼻係合部分の第1および第2の側に配された第1の触覚インジケータ356および第2の触覚インジケータ358を含むことができる。
【0142】
第1のインジケータ298および第2のインジケータ299は、ユーザに光ベースインジケータを誘導するためのライトを含む。あるいは、第1および第2のインジケータは、ユーザに触感覚を誘発する振動子部材を含むことができる。
【0143】
第1および第2のインジケータによって誘発される触感覚は、信号が発生する音の方向を示すべきである。したがって、音がユーザの左側から発生した場合、インジケータ298が、ユーザに感覚を誘発する。逆に、音がユーザの右側から発生した場合、第2のインジケータ299が、光ベースの感覚または触覚ベースの感覚である感覚をユーザに誘発する。多くの状況で、音はユーザの左側と右側の両方から来るが、ユーザの左側からの音の強度はユーザの右側からのものとは異なることが理解されよう。
【0144】
仮説として、線路の横に立っていて、ユーザの右側から列車が線路に到着している状況を想像することができる。音の大部分はユーザの右側から発生しているが、列車の音がユーザの左側によって受信されるように、音が十分に強くなる可能性もある。
【0145】
図11に示されるデバイス290は、このような状況において、ユーザの右側に配置される第2の感覚付与デバイスがユーザの左側に配される第1の感覚誘発部材298よりも強い光または振動信号をユーザに送るように構成されるように、構成されており、補聴器292の左側の変換器によってピックアップされる音は、右側の補聴器294の変換器によってピックアップされる音よりも弱い。
【0146】
図12は、バンド314を有するネックレス312として構成される触覚インジケータを含む別の代替的な実施形態の補聴器デバイス304を含む。
【0147】
図12の非対称補聴器システム304は、第1の補聴器部材306および第2の補聴器部材308を含む。第1の補聴器部材306は、第1の補聴器部材306から第2の補聴器部材308に信号310を送信することができる。第1の補聴器部材306および第2の補聴器部材308は、好ましくは、図8の補聴器デバイス200および図3および以下の項目に示す補聴器デバイス10などのデバイスに関連して上述した第1および第2の補聴器部材の教示に従って構成される。
【0148】
図12の補聴器システム304は、触覚インジケータ部材312を含み、これは、ネックレス312として示され、ユーザの首および肩に載せることができるバンド314を含む。バンド314は、それに送信される信号を受信することができる受信機部材316を含む。信号315は、第1の補聴器から送信されて、第1の補聴器306の変換器によってピックアップされた音を表すことができ;第2の信号317は、第2の補聴器308から送信されて、第2の補聴器308の変換器/ピックアップによってピックアップまたは受信される音を表すことができる。
【0149】
あるいは、第1の補聴器部材306および第2の補聴器部材308の一方から単一の信号を送信することができる。補聴器から触覚部材に送信される信号は、受信機316によって受信される信号が、ユーザに感覚を誘発する第1の触覚インジケータ部材318、第2の触覚インジケータ部材320、第3の触覚インジケータ部材322、および第4の触覚インジケータ部材324のうちの1つに送信され得るように、方向性成分を有するべきである。
【0150】
第1の触覚インジケータ318はユーザの左側に配置され、第2の触覚インジケータ320はユーザの右側に配置され、第3の触覚インジケータ322はユーザの前側に配置され、第4の触覚インジケータ324はユーザの読み取り側に配置されることに留意されたい。触覚インジケータの各々は、可変の強度の感覚を与えることができるように、本質的に可変であるべきである。
【0151】
動作中、第1の補聴器306および第2の補聴器308によって受信された音は、信号が強度に相関するものに変換されるように処理される。最も好ましい実施形態では、第1の変換器306および第2の変換器308の各々は、一対の変換器を含み、一方の変換器は、ユーザの前方の音をピックアップするように位置し、他方の変換器は、ユーザの背後の音をピックアップするように位置する。したがって、第1の聴覚部材306に連結され得る2つの変換器を、補聴器の前面に配置して、ユーザの前側および左側からより多く発生する音をピックアップすることができ、第2の変換器を、補聴器デバイス306の後部に配置して、ユーザの左側および後方でピックアップされる音をピックアップすることができる。
【0152】
これらの4つの変換器を使用することによって、受信機316に送られる信号の強度が、ユーザの左側および右側だけでなく、ユーザの前方および後方に関する方向性を与える能力を有する、信号を生成することができる。次いで、受信機316に伝送された関連する強度は、それぞれの触覚インジケータ318、320、322および324に送信され、左右および前後の成分の両方を含む方向性をユーザに提供する。
【0153】
仮説の状況において、ユーザが路上に立っていて、ユーザの12.19m(40フィート)前に交差道路があるとする。この交差道路では、消防車がユーザの左から右に向かう方向に走っている。
【0154】
このような場合、本発明の触覚インジケータにより、前方触覚インジケータ322および左側触覚インジケータ318は、後方触覚インジケータ324および右側触覚インジケータ320によって誘発される感覚よりも相対的に大きい感覚をユーザに誘発する。この強度の差により、補聴器306、308を通じてユーザが聞いているノイズ発生デバイス(ここでは消防車)がユーザの前方および左側から発生していることをユーザに示すような感覚がユーザに与えられる。
【0155】
(ユーザがそれ以上歩き続けないと仮定して)消防車が通過するにつれて、左側触覚インジケータ318によって与えられる強度レベルは、前方触覚インジケータ322によって与えられる触感覚が増加するにつれて減少し続け、この触感覚は消防車がユーザの真正面にある時点でその最大値に達する。消防車が交差点を横断して右に進み続けると、左側インジケータ318によって与えられる強度は、前方インジケータ322によって与えられる感覚と同様に減少し続ける。同時に、右側触覚インジケータ320によって示される触感覚は、消防車が右に移動し続けるにつれて強度が増加し続け、消防車から発生されている主な音は、ユーザのさらに右側に位置し、ユーザの正面からは離れた。
【0156】
次に図13を参照すると、非音声発生インジケータが示され、これは、図13では眼鏡330を含む。眼鏡330は、ユーザの第1の(左)眼の上に配置される第1のレンズ334と、ユーザの第2の(右)眼の上に配置される第2のレンズ336と、を含むフロントピース332を有する。鼻係合部材338は、ユーザの鼻の左側に係合するための第1の鼻係合部分340と、ユーザの鼻の右側に係合するための第2の鼻係合部分342と、を含む。
【0157】
眼鏡330は、フロントピース332にヒンジ式に装着された第1のテンプル346および第2のテンプル350も含む。第1のテンプル346は、第1のテンプル346の遠位端部に配された第1の耳係合部分348を含む。第2のテンプル350も、第2のテンプルの遠位端部に配された第2の耳係合部分352を含む。
【0158】
眼鏡330は、触感覚発生インジケータを含む。触感覚発生インジケータは、ユーザの鼻の左側に触感覚を提供するために第1の鼻係合部材340上に位置付けられた第1の触覚指標発生器356を含み;ユーザの鼻の右側に触感覚を提供するために第2の鼻係合部分342上に配された第2の触感覚指標発生器358を含む。好ましくは、2つの発生器356、358によって誘発される触感覚は、不快な方法で鼻をくすぐることなく、ユーザに存在を警告する一種の振動感覚を含む。
【0159】
第3の触感覚指標発生器360および第4の触感覚指標発生器362は、第1のテンプル346および第2のテンプル350の遠位端部に配され、触感覚指標発生器360、362がユーザの頭部側方で耳介に係合する場所に振動を与えるように位置付けられる。
【0160】
眼鏡364の別の代替的な実施形態が図14に示されており、これは触覚および光非音声発生インジケータの両方を含む。触覚非音声発生インジケータ356、358、360、362は、概して、図13に示されるものと同様である。光非音声発生インジケータは、図13には示されておらず、概して第1または左のレンズ374上またはその上方に配された複数のライトを含む第1の光指標発生器370と、第2のレンズ336上またはその上方に配された同様の複数のライトを含む第2の光指標発生器372と、を含む。
【0161】
(触覚指標と同様である)光指標は、上述した補聴器部材と通信している。ユーザの左側(悪い耳の側12)で発生する音が生成されると、第1のレンズのライト370が照明され、その音がユーザの左側から来ていることがユーザに示される。これとは対照的に、音がユーザの右側から発生している場合、第2の光指標発生器のライト372が照明されて、音がユーザの身体の右側から発生していることがユーザに示される。
【0162】
より正確な情報を提供するためにライトが調整され得る、多くの方法がある。例えば、注目されるように、第1および第2の光指標発生器の各々には複数のライトが存在する。最も外側のライト376は、フロントピース332とテンプル346との交点に隣接して位置付けられる。最も内側のライト378は、第1のレンズ34の最も近くに位置付けられるが、眼鏡364のフロントピース332の中央部分においてノーズピース338の上方に概ね位置付けられている。同様に、第2の光発生指標372の最も外側のライト382とその最も内側のライト384との間にも複数のライトが存在する。
【0163】
音がどこから来ているのかをよりよく定義するのを助けるために、ライトは、個別に作動可能になるよう設計され得る。例えば、音がユーザの極端に左側から来ている場合には、最も外側のライト376のみ、および場合によっては次の1つまたは2つの隣接するライトのみを点灯することが可能である。一方、ユーザの前方から光が来ている場合には、ライト378、384およびそれに隣接するライトを点灯させることができる。
【0164】
より正確な情報を提供するための別の手段は、ユーザが音の相対的な強度の表示を得ることができるように、可変数のライトを照明するか、または、光の強度を変化させることである。
【0165】
上述したように、ユーザが線路に隣接して立っており、進行中の列車が左側から接近している場合、音声信号は、ユーザの悪い耳の側12および良い耳の側14上の補聴器の変換器の両方によってピックアップされる。それにもかかわらず、列車がユーザの左側から来ている場合には、より大きな強度の音がユーザの左側から来て、ユーザの悪い耳の側12の変換器によってピックアップされる。このような状況では、ノイズの大部分がユーザの左側に来ていることをユーザに知らせるために、第2の光指標発生器372よりも、第1の光指標発生器370で多くのライトを点灯させることができる。
【0166】
代替的に、第1の光指標発生器370上のライトの強度は、第2の指標発生器372のライトよりもはるかに明るくすることができ、近づいてくる列車によって生成された「大きな音」がユーザの左側から来ているという代替的な表示をユーザに提供する。図16に示される代替的な実施形態では、眼鏡388のライトは、ここでは第1のグループ390、第2のグループ392、第3のグループ394、第4のグループ396、および第5のグループ398として示される、3つのグループに概略的にグループ分けされる。各グループは、1つ以上の赤色ライト、緑色ライト、および青色ライトを含む。この「RGB」配列を使用することにより、異なる色を形成することができる。したがって、図16に示される実施形態388では、ライトは、強度および方向に応じて色を変えることができる。
【0167】
例えば、ユーザの左側から比較的静かな音が発生した場合、第1のグループ390のライトが照明されて青色信号を生成することができ、この青色信号は、その青色によって示されるように、(グループ390の照明により)音がユーザの左側から発生していること、および音が低音量であることをユーザに示すことになる。あるいは、非常に大きな音がユーザの右側から発生していた場合、ライトグループ398が照明されて赤色光を示すことができる。この場合、グループ398が点灯しているという事実は、音がユーザの右側から来ていることを示し、グループ398が赤色で照明されているという事実は、音が大きいことを示唆している。
【0168】
このテーマの別の変形は、仮想の大きな音がユーザの真正面で発生している状況で発生する。このような場合、中央のRGB表示グループ394は赤色で照明されて、最も強い音声信号がユーザの前に来ていることを示し、比較的外側のグループ392、396は、緑色または黄色などの色で照明されて、例えばユーザの頭部に対して45度の角度で、中間のノイズレベルが生成されていることを示し、青色光が、最も遠い外側のディスプレイ390、398から生成されて、音の強度のごく一部のみがユーザの左側または右側のいずれかから発生していることを示す。
【0169】
補聴器のイヤピース内に含まれるプロセッサは、第1および第2の補聴器から聴取されている相対的な音を処理および測定して、それによって音の発生方向に関する決定を行うために使用される可能性が高い。
【0170】
図15は、代替的な実施形態の眼鏡400を示しており、第1の光指標発生器402および第2の光指標発生器404は、ユーザが聞いている音の起点に応じて照明または消灯される信号光源として示されている。光発生指標402、404によって放射される光の強度は、音の強度とよりよく相関するように変化され得ることが理解されよう。
【0171】
図17は、代替的な実施形態の眼鏡407を示す。図17および以下の項目の眼鏡407は、一組の触覚指標発生器を示さないが、先の図で説明した触覚指標インジケータは、これらの実施形態に関連して使用され得ることが理解されよう。図17の実施形態は、第1の列405および第2の列406の光指標発生器を有する。この実施形態は、列の一方(例えば、第1の列405)が音の方向を示す表示を与えるために使用され得、他方の列(例えば、第2の列406)が音の強度を示すために使用されることを示すように設計される。
【0172】
別の実施形態の光指標発生眼鏡が図18に示されており、光指標発生器は、フレームのフロントピースの周囲に光を発生する。このようなアレイは、「360のような」インジケータ音の起点をユーザに示すのを助けるために使用される。このような場合、上の列のライト409は、左右の方向を示すために使用することができ、下の列のライトは、眼鏡408の下方縁部の周りに延在し、レンズの底部およびノーズピースは、音が主にユーザの前方から来ているのかユーザの背後から来ているのかを示すために使用される。
【0173】
図19は、スクリーン表面413、414を含む眼鏡の実施形態412を示しており、表示情報が、ユーザによって見られるようにレンズに投影され得る。例えば、「コンパス」型アイコンのような何かを眼鏡412のレンズ413、414内に投影または生成して、音の強度がユーザの前から来ているのか、ユーザの横に来ているのか、またはユーザの背後に来ているのかをユーザが知ることを可能にすることができよう。さらに、様々な色を使用して、音の起点の様々な方向を示すことができる。これらの色は、異なる嵐の強度および異なる気象条件を示すためにテレビのニュース放送で使用される色と同じように、強度および方向を示す異なる色であってよい。
【0174】
図19A図19B、および図19Cは、非音声指標を生成するために携帯スマートフォン437を使用する、代替的な実施形態の非音声指標発生器に関する。以下に説明する指標は事実上、主に視覚的なものであるが、振動指標などの触覚指標を使用することも可能となり得ることが理解されよう。しかしながら、携帯電話は、振動的なものに比較して、方向性を示す形で物を視覚的に表示する能力が著しく高いため、現在のところ、視覚的インジケータには利点があると考えられている。
【0175】
図19Aに示される携帯電話437は、携帯電話とプロセッサ445との間で通信することができる、適切なアプリケーションによって操作される典型的なスマートフォン型携帯電話を含む。携帯電話は、確実にそれ自体の処理能力を必要とするが、プロセッサ445は、補聴器システムの一部であってもよい。図30に示されるデバイスと同様に、プロセッサ445は、複数のマイクロホン(例えば、マイクロホンM1~M8)、または第1および第2の変換器から、または様々なユーザ着用型変換器、例えば、ユーザの前側、後側、左側、および右側のそれぞれに配置され得る4つの変換器、から受信された信号を処理するように設計され得る。プロセッサ445の目的は、これらの複数の変換器から受信した音を、音の方向または出どころを示す出力を生成するように処理することである。
【0176】
音をピックアップするさまざまな変換器の相対的な位置により、さまざまな変換器によってピックアップされた音は全て異なる音強度寄与を有し、これは、携帯電話を介して音の起点の方向および強度の一般的な指示をユーザに提供するように処理することができる。
【0177】
図19Aに示すように、指向性フィールド画像443が電話スクリーン441に表示される。フィールド画像443は、ユーザを中心とする十字線を含む。さらに、相対的な右側R、左側L、前方F、および後方Bをユーザに知らせるための表示が提供される。
【0178】
スクリーン上には、第1の表示指標451、第2の表示指標453、および第3の表示指標455を含む3つの例示的な指標が表示される。指標451、453、455は、音の起点を表すように位置付けられる。例えば、第1の表示指標451を生成した音は、その音がユーザの前側および右側に比較的近いところで生成されていることを示している。
【0179】
同様に、第2の表示指標位置453は、第2の表示指標453によって生成されている音が、ユーザからさらに離れた、ユーザの左側で生成されていることを示している。第3の表示指標455は、音がユーザの背後のどこかから生成されていることを示す。
【0180】
最も好ましい実施形態では、プロセッサ445は、音を区別でき、次いで区別された音に類似する音を処理できることに基づいて、位置に関連する方法で、表示指標を生成することができ、その結果、表示指標451は、大きな(騒々しい)音だけでなく、大きな特定の音にも関連することになる。例えば、プロセッサ445が、第1の男性の話者、第2の女性の話者、および第3のドアベルによって発せられる音を区別することができる場合、変換器によってピックアップされ、プロセッサによって処理される音は、第1の表示指標451が第1の男性の話者の位置を示し、第2の表示指標453が第2の女性の話者の位置を示し、第3の指標455の位置がドアベルの位置を示すことを、示すことができる。
【0181】
位置に加えて、音の強度を表す色を有するようにディスプレイを設計することもできる。例えば、指標451は、音が中程度の強度であることを示すために黄色に着色され、他方、第2の指標453は、音がより大きな強度を有することを示すために赤色に着色され得る。これにより、ユーザが聞いた音(例えば、大声で話す女性)は、表示指標453の位置によって示されるように、ユーザの左側の人物に位置が対応しており、指標453の赤色によって、位置455としてユーザが聞いていた大声の話者の位置に対応するであろうことを、ユーザは判断することができる。
【0182】
図19Bは、図19Aに示されるデバイスの新規な改変を含む代替的な実施形態を表す。図19Aのデバイスは、図19Aの携帯電話437に関連して説明したものと概ね類似したスクリーン441およびプロセッサ445を有する第2の携帯電話459を含む。さらに、電話459のスクリーン441は、第1の指標467、第2の指標469、および第3の指標471を表示したものとして示されている。ほとんどの携帯電話はタッチスクリーンを有するので、第1の表示指標469をオーバーレイするひし形の指標473は、指標ではなく、むしろコントローラボタン473を含み、ユーザは、コントローラボタン473を操作して、ユーザが選択した表示指標467、469、および471のうちの1つをオーバーレイし、特定の表示指標469、471、または473に関連する、生成されている特定の音をユーザが分離するのを助けることができる。
【0183】
例えば、ユーザが位置467および469に位置する2人の男性の2つの声を聞いていた場合、ユーザは、指標467の上に制御ボタン473を配置して、男性467によって生成されている音を分離するのを助けることを望む場合がある。音を分離することができることによって、ユーザは、次に、自分の声を認識し、それを第2のユーザ469から区別することができ、その結果、2人の男性によって話されるさらなる言葉は、各特定の話者の特定の音を識別する能力に基づいて、ユーザによって区別され得る。
【0184】
第3の携帯電話の実施形態477は、別の代替的な実施形態である。電話437および457と同様に、電話477は、第1の表示指標483、第2の表示指標485、および第3の表示指標487を有する指向性フィールド481を含む。
【0185】
さらに、携帯電話477は、ユーザが例えば左と右を素早く切り替えることを可能にする方向制御部489を含む。このような場合、ユーザは、例えば、近づいてくる車と、近づいてくる列車とを同時に聞くことができる。列車および車の位置をよりよく理解するために、ユーザは方向制御部489のトグルスイッチ493を右に切り替えることができる。そうする際に、主に表示指標487からである、右側から生成される音の強度が増す。
【0186】
強度が増した、ユーザが聞いた音が、(近づいてくる車の音ではなく)列車の音であったならば、ユーザは、列車の位置が第3の表示指標487の位置に概ね対応しており、それによってユーザの右側から発生していることを認識することができる。同様に、スイッチ493を左端に切り替えることによって、列車の音の強度は減少し、車の音の強度は増大して、第2の表示指標485によって示されるように、車の音、したがって車がユーザの左側から発生したものであることをユーザに示す。
【0187】
これを助けるために、強度ゲージ485が、強度の方向に関連する視覚的手がかりをユーザに提供することができる。図19Cに示すように、トグルスイッチ493を右側にした状態で、音の強度は、3つの隆起したバーに示すように、主にユーザの右側から発生し、隆起したバーがないことで示されるように、ユーザの左側から発生する強度は比較的少ないか、または全くない。
【0188】
図20は、別の代替的な実施形態の眼鏡416を示しており、レンズ334、336は、複数のライト417を含み、これにより、方向インジケータは、方向情報および場合によっては強度情報をユーザに伝達するように設計された、いくつかのアレイにおいて、第1のレンズ334および第2のレンズ336の大部分にわたって使用することができる。
【0189】
図21図26は、様々な環状の非音声インジケータを示し、これらはそれぞれ、その上に複数の非音声指標発生器を含む。図示のデバイスでは、一次指標発生器は触感覚指標発生器である。ユーザまたはユーザの身体部分の周りにおける環状アレイ内で離間された複数のこのような発生器の使用は、左右の起点、および前後の起点の両方に関して、音の起点の方向のより良好な触覚表示をユーザに与えるのに役立つ。
【0190】
図21は、ユーザの首の周りに装着することができるカラー420が、カラー420の長さに沿ってユーザの首の周りに環状アレイで配された複数のそのような触覚指標発生器421を含むことを示す。このような場合、主にユーザの後方から発生する音は、カラーのバックル419から約180度でユーザの首の後ろに配された触覚指標発生器421Aに、触覚振動感覚を誘発させて、音がユーザの背後から発生していることをユーザに示す。図22は、触覚指標発生器423の同様の環状アレイを有するブレスレット部材422を示す。ブレスレット422は、単独で使用することも、別のブレスレット(図示せず)と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用すると、ユーザの左手首のブレスレット422は、音がユーザの左側から発生していた場合に、触感覚を発生し、そしてユーザの右手首のブレスレットは、音がユーザの右側から発生していた場合に、触感覚を発生する。単独で使用される場合、触覚発生器423は、カラー420内のものと同様に構成され、その結果、触覚発生器の特定の位置は、音の起点の方向と何らかの関係を有することになる。
【0191】
図23は、複数の触感覚指標発生器427を含むアンクレット426の環状部材を示し、これは、実際には、ブレスレット422の機能と同様の機能を有する。
【0192】
図24は、腕時計および腕時計バンド432上に配された触覚指標発生器431の環状アレイを含む、本発明の腕時計の実施形態430を示し、図25は、ベルト上に配され、ベルトの長さの周りに配された複数の触覚指標発生器を含む、環状指標発生器を示す。
【0193】
概して、図26は、帽子438へと具現化された本発明を示しており、帽子438の内部バンド439は、カラー422および上述した他の実施形態と同様の方法で動作する複数の触感覚指標発生器440を含む環状アレイを含む。
【0194】
次に図27を参照すると、別の実施形態が示されている。図27の実施形態は、バンド部分454を有する帽子450を示す。複数のマイクロホン452は、バンド454の周りに配列され、好ましくは、互いに等間隔に配置される。マイクロホン454の各々は、耳がその位置にある場合に聞こえるであろう音に概ね対応する音をピックアップするように設計されている。
【0195】
さまざまなマイクロホンからの音は、電気信号として処理ユニットに送られ、そこで統合されて処理されて、方向付けされる(directionalized)。次いで、音発生信号は、図26の帽子438に示すようなインジケータ発生器440によって、触覚型、光型または電気型の刺激を含む出力信号に変換される。
【0196】
マイクロホン/変換器452の環状アレイにより、触覚、視覚、もしくは電気刺激および/または指標440の環状アレイを提供することができ、これにより、ユーザは、音の出どころをよりよく判断することができ、それは、視覚的、触覚的、または電気刺激によって与えられる表示が、同様に位置付けられたマイクロホン452によってピックアップされる音の相対的強度と相関するように強度が変化するはずであるためである。したがって、図27に示される実施形態の変形は、図26および図27に示されるデバイスの組み合わせであり、複数のマイクロホン変換器が帽子のバンド454の外側表面に配置され、インジケータ発生器440の対応するアレイが、帽子のバンド454の内側表面に配置される。
【0197】
別の実施形態のインジケータシステムが、図28に示され、これは、本発明の補聴器システムの一部として使用され得るインジケータ発生器システムを示す。図28は、音の出どころの方向を判断する際にユーザを支援するために、患者に電気刺激を提供するように設計されている。図28のインジケータ発生デバイス460は、皮下に埋め込まれた第1の刺激器462および第2の刺激器464を使用し、これらは、ユーザの頭部のそれぞれの第1の側466および第2の側468に埋め込まれる。
【0198】
第1の磁気送信機/充電器470および第2の磁気送信機/充電器472は、それぞれの第1のインジケータ発生器462および第2のインジケータ発生器464に磁気的に結合される。第1の磁気送信機/充電器470および第2の磁気送信機/充電器472は、磁気的に埋め込まれた第1の刺激器470および第2の刺激器472に隣接して、ユーザの頭部の外側に位置付けられることに留意されたい。磁気刺激器470、472は、ユーザに触覚振動を提供することができるが、それらは、顕著ではあるが煩わしくないタイプの電気刺激を提供することもできる。外側に配された磁気送信機/充電器470、472は、好ましくは、内部に配された刺激器に送信するために補聴器システムから信号を受信するために、補聴器システムの変換器またはプロセッサに有線または無線で結合される。
【0199】
図29は、人工内耳に基づく電気インパルス指標発生システム480を示す。電気指標発生システム480は、第1の外部部材484と、第2の皮下埋め込み部材486と、を含む。
【0200】
先の実施形態で上述したように、外部部材484は、いくつかの動作回路と、第2の皮下埋め込み部材486に磁気的に結合するための磁石と、を含むことができる。第1の外部に配された部材484は、第2の皮下埋め込み部材486のバッテリを再充電するか、またはこれに経皮的に電力供給することができると共に、第2の部材486に信号を供給することができる。
【0201】
第2の皮下埋め込み部材486は、電気インパルス指標発生器488を含む。指標発生器488の目的は、ユーザが音の起点の方向を判断するのを助けるために、感じることはできるが不快ではない電気信号を発生することである。
【0202】
皮下埋め込み部材486が、上述した補聴器デバイスの1つと共に使用される場合、ユーザの悪い耳の側の補聴器部材からの変換器からの信号により、電気刺激が、第2の埋め込み部材486によって生成され、指標発生器488に送信されて、ユーザの頭部の悪い耳の側12に電気刺激を提供し、特定の変換器によってピックアップされる音の方向の出どころがユーザの「悪い耳の側」12からであることを示す。
【0203】
人工内耳491は、ユーザの「良い耳の側」16上に配され、外部部材492と、第2の皮下埋め込み部材496と、を含む。外部部材492および埋め込み部材496は、図8bに示される外部部材212および埋め込み部材214とほぼ同様であり得、これらのデバイス212、214と同様に、人工内耳電極498を含む。しかしながら、インプラント491は、第2の電極500を含み、これは、音がユーザの良い耳の側から発生していることをユーザに合図するために、ユーザの良い耳の側16に電気刺激を与えるので、電気インパルス発生指標発生器488に類似している。指標発生器488、500によって提供される電気刺激は、強度が変化するように可変であってもよく、強度は、変換器によってピックアップされる音の強度と共に変化する。あるいは、皮下に位置付けられた振動刺激器を電気刺激器の代わりに使用してもよい。
【0204】
図29のデバイスは、人工内耳と共に示されているが、外部部材および皮下部材が、外部部材484および皮下埋め込み部材486と同様、ユーザの良い耳の側に人工内耳を必要としない場合のように、人工内耳の代わりにユーザの良い耳の側で使用され得ることが理解されよう。このようなデバイスは、補聴器型聴覚システム、または、BAHA(骨固定型補聴器)システム、または人工内耳のいずれかと共に使用することができる。
【0205】
汎用指標発生器502を図31に示す。汎用指標発生器は、大量生産可能で低コストの指標発生器であるという利点を有しており、この指標発生器は、ユーザの身体上の種々の位置、衣類上、または腕時計もしくはカラーのようなアクセサリーアイテム上、または眼鏡のような医療器具上、のうちの1つに、発生器を配置する自由をユーザに提供することができる。汎用発生器502は、触覚指標、電気刺激指標、または光ベース指標であってよい指標を発生するように設計され得る。汎用発生器の刺激パターンは、音の起点方向に従ってかつそれに関連して、聴覚デバイスによって支配される。あるいは、発生器の刺激パターンは、汎用発生器自体のセンサによって独立に制御されてもよい。
【0206】
汎用発生器502の特定の利点は、それが「後付け」アプリケーションに役立つことである。例えば、汎用指標発生器502を既存の眼鏡528に連結することができ、それによって、既に指標発生器を組み込んでいる「特別に設計された」眼鏡をユーザが購入する必要性をなくすことができる。したがって、単に汎用指標発生器502を購入し、それ(それら)を患者が既に所有している眼鏡に連結することができる。
【0207】
汎用指標発生器502は、デバイスを動作させるための複数の構成要素を内部に含む本体504を有するものとして示されている。これらの構成要素は、補聴器システムから信号を受信するための受信機506と;そのように受信された信号を処理するための信号プロセッサ508と;構成要素を動作させるための電力を発生させるための電源510と;信号発生器512と、を含むものとして、図31に概略的に示されている。
【0208】
信号発生器512は、指標を発生するために出力発生器514に信号を供給する。出力発生器514は、触覚指標発生器、視覚指標発生器、または電気刺激発生指標、または場合によっては嗅覚型発生器を含むことができる。本体504は、タブ、テープ、フックおよびアイファスナーなどの何かを含むことができる、取り付け部材518を含むことができる取り付け表面516を含む。取り付け表面516に対向した関係で配された外側表面520も設けられている。
【0209】
指標は、取り付け表面516および外側表面520の一方または両方に生成することができる。例えば、取り付け表面516がユーザの身体部分などに連結されている可能性が高いので、光指標が外側表面520上に生成および表示される可能性が高い。一方、触覚または電気刺激発生器が取り付け表面516上に配されている可能性が高く、その結果、振動または電気刺激をユーザに対して直接行うことができる。
【0210】
図33は、汎用発生器502が、音の起点をユーザがより良く判断するのを助ける指標を生成するために、種々の方法でユーザによって着用され得ることを示す。例えば、ユーザの首の側面に結合された汎用指標発生器524が提供され;発生器526は、ユーザの肩に結合され;発生器528は、ユーザの大腿部に結合され;発生器530は、ユーザの足に結合される。さらに、発生器532は、ユーザの手に結合されているものとして示されている。明らかに、1人の特定のユーザは、上述した様々な発生器524~532の全てを使用しない可能性が高い。むしろ、ほとんどのユーザは、1つまたは2つのペアの発生器のみを使用し、ユーザ/患者にとって最も快適で便利な場所にそれらを位置付ける。
【0211】
上述の発生器に加えて、ユーザの皮膚に直接結合するのではなく、ユーザの衣類に結合され得る他の発生器も存在する。例えば、発生器534はユーザのシャツに結合することができ、発生器536はユーザの腕時計バンドに結合することができる。発生器538は、図21図23中の様々なバンドおよびベルトに関連して説明したように、ユーザのベルトに結合することができ、発生器550は、ユーザに「360度」の刺激を与えるために環状に配列された複数の発生器を含むことができる。発生器524は、図23のアンクレット426と同様に、アンクレットに結合することができる。
【0212】
上述したように、汎用発生器の利点の1つは、既に存在するベルト、シャツ、アンクレット、または腕時計バンドまたは手首ブレスレットのような、既に存在する衣類に結合され得ることである。図示されていないが、汎用発生器は、ネックレスまたはカラーに結合することもできる。
【0213】
図30は、音の指示方向に関する情報をユーザに提供するのを助けることができる指標発生器を備えた患者Pを支援するように設計された、会議室または居間または台所のような特別に装備された部屋548または空間に関する。部屋548は、好ましくは、患者Pが部屋を特別に適合させるための費用を正当化するのを助けるために多くの時間を費やすタイプの部屋である。
【0214】
部屋には、部屋548の様々な場所から音をピックアップするために部屋548の周りに戦略的に配置された複数のマイクロホンM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8が設けられている。
【0215】
複数のマイクロホンの使用に関連して上述したように、マイクロホンM1~M8は、音をピックアップし、その音をプロセッサに送信するように設計され、プロセッサは、次に、音の出どころの方向を示すようにして、マイクロホンによって受信された音を処理する。本発明の補聴器システムを通じて、マイクロホンM1~M8によってピックアップされた処理された音は、種々のマイクロホンM1~M8によって受信された音を取得する方法で患者にインジケータを提供し、ユーザが音の出どころをより良く判断することを可能にする信号をユーザに提供する。
【0216】
例えば、480に示す部屋には、3人の話者S1、S2、およびS3がおり、これらは3人の異なる人々を表すことができる。話者S1~S3とマイクロホンM1~M8の相対的な位置のために、種々のマイクロホンによってピックアップされる音は全て、話者S1、S2、およびS3からの異なる音強度寄与を有する。音を適切に処理することによって、ユーザは、例えば、触覚、光、電気、または場合によっては嗅覚的性質のいずれかの生成されたインジケータを受信することができ、このインジケータは、話者S3から発せられている音の出どころの方向をユーザに示す。同様に、話者S1の異なる位置により、生成され患者Pに送達されるインジケータ信号は、話者S3から発せられる音の結果として提供される信号とは別様に患者P上で位置付けられる。
【0217】
特定の好ましい実施形態に関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明の範囲および趣旨内で変形および修正が存在することが理解されよう。
【0218】
〔実施の態様〕
(1) 第1の耳および前記第1の耳が配された第1の身体側と、第2の耳および前記第2の耳が配された第2の身体側とを有するユーザに使用される補聴器装置であって、前記補聴器装置は、前記ユーザが複数の方向から発生する音を聞くのを可能にするように構成され、
ユーザの身体上で、前記ユーザの身体の、前記第1の耳と同じ側に配置可能な第1の補聴器部材であって、前記第1の補聴器部材は、前記ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む、第1の補聴器部材と、
前記ユーザの第2の身体側に配置可能な第2の補聴器部材であって、前記第2の補聴器部材は、ユーザの蝸牛内に位置付け可能な電極アレイを含む人工内耳デバイスであって、前記人工内耳デバイスは、前記ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、前記受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器を含む、人工内耳デバイスと、前記第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、前記第2の電気信号および前記第1の送信可能な電気信号を、前記ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするために前記ユーザの第2の耳の蝸牛によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含み、前記ユーザの耳によって受信される機能的に聴取可能な唯一の音信号は、前記第2の補聴器部材を通じて生成される、第2の補聴器部材と、
を含む、補聴器装置。
(2) 前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの1つを変更するための信号変更プロセッサをさらに含み、前記ユーザは、前記第1の補聴器部材によって受信された音と前記第2の補聴器部材によって受信された音との間の差を聞いて、前記ユーザが、前記第1の補聴器部材によって受信された音と前記第2の補聴器部材によって受信された音とを区別するのを可能にし、前記ユーザが前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を得るのを助けることができる、実施態様1に記載の補聴器装置。
(3) 第2の信号プロセッサをさらに含み、前記第2の信号プロセッサは、前記信号変更プロセッサを含み、前記第2の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つを、電気信号から音信号に変換されたときに区別可能に異なる音特性を有するように処理するように構成されている、実施態様2に記載の補聴器装置。
(4) 前記信号変更プロセッサは、前記第1の補聴器部材および前記第2の補聴器部材のうちの少なくとも1つに含まれ、前記第2の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの前記少なくとも1つを処理して、そのピッチを変化させること、エコーを誘発すること、前記信号を遅延させること、前記信号をフィルタリングすること、コーラス効果を加えること、異なる周波数帯域を減衰させること、前記信号を共振させること、前記信号にアーチファクトを加えること、前記信号の強度を変化させてその音量を変更すること、ハミング音を誘発すること、振動を誘発すること、トーンを追加すること、および前記信号を変調すること、のうちの少なくとも1つによって、前記信号を変更する、実施態様2に記載の補聴器装置。
(5) 前記信号変更プロセッサは、前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を達成する際に前記ユーザを支援するために触覚信号または視覚信号のうちの1つを前記ユーザに提供するように構成された前記信号プロセッサと通信する非音生成指標部材を生成するように前記処理された信号を変更することによって、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの前記1つを処理する、実施態様2に記載の補聴器装置。
【0219】
(6) 前記補聴器装置は、増幅調整された補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を有する第1の耳を有するユーザに音の起点の方向性を提供するように構成された補聴器装置を含む、実施態様1に記載の補聴器装置。
(7) 第1の耳および前記第1の耳が配された第1の身体側と、第2の耳および前記第2の耳が配された第2の身体側と、を有するユーザに使用される補聴器装置であって、前記補聴器装置は、複数の方向から発生する音を前記ユーザが聞くことを可能にするように構成され、
ユーザの身体上で、ユーザの第1の身体側に配置可能な第1の補聴器部材であって、前記第1の補聴器部材は、前記ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む、第1の補聴器部材と、
ユーザの第2の身体側に配置可能な第2の補聴器部材であって、前記第2の補聴器部材は、前記ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、前記受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器と、前記第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号を、前記ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするために前記ユーザの第2の耳によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含み、前記第1の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの1つを処理するための信号プロセッサと、前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を前記ユーザが得るのを支援するように、前記ユーザに非音声信号を提供するように構成された、前記信号プロセッサと通信する非音声生成インジケータ部材と、を含む、第2の補聴器部材と、
を含む、補聴器装置。
(8) 前記インジケータ部材は、前記ユーザの前記第1の身体側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された、第1の振動部材と、前記ユーザの前記第2の身体側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された、第2の振動部材と、を含む、実施態様7に記載の補聴器装置。
(9) 前記ユーザの第1の側で受信された音の相対音量を、前記ユーザの第2の側で受信された音の音量と比較し、前記第1の振動部材および前記第2の振動部材のそれぞれに信号を生成して、前記第1の振動部材および前記第2の振動部材に、前記ユーザの第1の側および第2の側で受信された音のそれぞれの音量に強度が相関する振動信号を発生させるための、音強度コントローラをさらに含む、実施態様8に記載の補聴器装置。
(10) 前記インジケータ部材は、前記ユーザの前記第1の耳と同じ側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが見ることができる可変強度の第1の光信号を発するように構成された、第1の光発生部材と、前記ユーザの前記第2の耳と同じ側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが見ることができる可変強度の第2の光信号を発するように構成された、第2の光発生部材と、を含む、実施態様7に記載の補聴器装置。
【0220】
(11) 前記補聴器装置は、増幅調整された補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を第1の耳に有するユーザに聴覚を提供するように構成され、前記第2の耳は、音信号を聞くことができる、実施態様7に記載の補聴器装置。
(12) 前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータおよび触感覚発生インジケータのうちの少なくとも1つを含む、実施態様7に記載の補聴器装置。
(13) 前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータおよび触感覚発生インジケータの両方を含む、実施態様7に記載の補聴器装置。
(14) 前記非音声生成インジケータは、ブレスレット、眼鏡、補聴器、ネックレス、腕時計、指輪、アンクレット、ベルト、帽子、および皮下に位置付け可能なインプラントの少なくとも1つに連結された非音声生成インジケータを含む、実施態様7に記載の補聴器装置。
(15) 前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータおよび触感覚発生インジケータのうちの少なくとも1つを含む、実施態様14に記載の補聴器。
【0221】
(16) 前記非音声生成インジケータは、前記ユーザの第1の側から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの第1の側に位置付けられるように構成された第1の指標発生器と、前記ユーザの第2の側から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの第2の側に配された第2の指標発生器と、を含む、実施態様7に記載の補聴器。
(17) 前記非音声生成インジケータは、前記ユーザの前方から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの前側に位置付けられるように構成された第3の指標発生器と、前記ユーザの背後から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの後側に位置付けられるように構成された第4の指標発生器と、をさらに含む、実施態様16に記載の補聴器。
(18) 前記非音声生成インジケータは、前記ユーザが着用可能であり、かつ前記ユーザのすべての側から発生される複数の非音声指標を発生させるための4つ超の独立して作動する指標発生器を含む、環状部材を含む、実施態様17に記載の補聴器。
(19) 前記環状部材は、カラー、ベルト、アンクレット、胸部装着部材、および帽子のうちの少なくとも1つを含む、実施態様18に記載の補聴器。
(20) 前記非音声インジケータ部材は、触感覚インジケータおよび視覚発生インジケータのうちの1つを有する眼鏡を含む、実施態様7に記載の補聴器。
【0222】
(21) 前記非音声インジケータは、触感覚インジケータおよび視覚インジケータの両方を含む眼鏡を含む、実施態様20に記載の補聴器。
(22) 前記眼鏡は、第1および第2の鼻係合部材と、第1および第2のテンプルと、を含み、前記触感覚インジケータは、それぞれの前記第1および第2の鼻係合部材;ならびに、それぞれの前記第1および第2のテンプルのうちの少なくとも1つに配置された第1の側および第2の側の触覚指標発生器を含む、実施態様21に記載の補聴器。
(23) 前記眼鏡は、第1のレンズおよび第2のレンズを含み、前記光感覚インジケータは、前記第1のレンズ上に配された第1の光指標発生器および前記第2のレンズ上に配された第2の光指標発生器を含む、実施態様22に記載の補聴器。
(24) 前記第1および第2の触覚指標発生器は、可変強度触覚指標発生器を含み、前記第1および第2の光指標発生器は、可変強度光指標発生器を含む、実施態様23に記載の補聴器。
(25) 前記眼鏡は、第1のレンズおよび第2のレンズを含み、前記光感覚インジケータは、前記第1のレンズ上に配された第1の光指標発生器および前記第2のレンズ上に配された第2の光指標発生器を含む、実施態様20に記載の補聴器。
【0223】
(26) 前記第1の光指標発生器および前記第2の光指標発生器は、複数の第1および第2の光源と、作動される光源の数を変化させることによって生成される光の強度を変化させるコントローラと、を含む、実施態様25に記載の補聴器。
(27) 前記第1の光指標発生器および前記第2の光指標発生器の各々は、音の起点の方向に関する光表示を発生するための光指標発生器と、音の強度に関する光表示を発生するための光指標発生器と、を含む、実施態様25に記載の補聴器。
(28) 前記非音声生成インジケータ部材は、電気刺激指標発生器を含む、実施態様7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
(29) 空間内の複数の場所に位置付けられて前記複数の場所から音を受信する複数の変換器をさらに含み、前記変換器は、前記変換器によって受信された前記音を表す電気信号を送信するための送信機と、前記送信された電気信号を受信し、前記信号を処理するための信号プロセッサと、を含み、前記非音声生成インジケータは、少なくとも、前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器を含み、前記信号プロセッサは、前記前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器のうちの1つ以上に送信された前記信号を、前記信号が発生した前記複数の変換器のうちの1つ以上の位置と相関させるように、前記処理された信号を前記前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器に送信する、実施態様7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
(30) 前記非音声生成インジケータ部材は、非音声指標を発生するための指標発生器部分を有する本体と、前記本体を身体部分、衣類部分、または衣服のうちの少なくとも1つに取り付けるための取り付け部分と、を含む、実施態様7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
【0224】
(31) 前記非音声生成部材は、ユーザに皮下で埋め込まれるように構成されている、実施態様7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
(32) 前記第2の補聴器部材は、人工内耳デバイスを含み、前記非音声生成部材は、前記人工内耳デバイスに結合されている、実施態様31に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
(33) 前記非音声生成部材は、スクリーンディスプレイを含む、実施態様7に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
(34) 前記非音声生成部材のスクリーンディスプレイは、携帯電話、ラップトップ、メモ帳、およびコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つのスクリーンディスプレイを含み、前記スクリーンディスプレイは、前記少なくとも2つの変換器によって受信された少なくとも1つの音の出どころを表す指標を含む方向フィールドを表示するように構成されている、実施態様33に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
(35) スクリーンディスプレイは、前記少なくとも2つの変換器によって受信された少なくとも1つの音の強度を表す指標を表示するように構成されている、実施態様34に記載の聴覚を補助するためのデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の耳(12)および前記第1の耳(12)が配された第1の身体側(10)と、第2の耳(16)および前記第2の耳(16)が配された第2の身体側(14)とを有するユーザに使用される補聴器装置(200)であって、前記補聴器装置(200)は、前記ユーザが複数の方向から発生する音を聞くのを可能にするように構成され、
ユーザの身体上で、前記ユーザの身体の、前記第1の耳と同じ側に配置可能な第1の補聴器部材(203)であって、前記第1の補聴器部材(203)は、前記ユーザの第1の耳によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む、第1の補聴器部材と、
前記ユーザの第2の身体側に配置可能な第2の補聴器部材(208)であって、前記第2の補聴器部材(208)は、ユーザの蝸牛内に位置付け可能な電極アレイ(252)を含む人工内耳デバイス(201)であって、前記人工内耳デバイス(201)は、前記ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、前記受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器(232)を含む、人工内耳デバイスと、前記第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、前記第2の電気信号および前記第1の送信可能な電気信号を、前記ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするために前記ユーザの第2の耳の蝸牛によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサ(234)と、を含み、前記ユーザの耳によって受信される機能的に聴取可能な唯一の音信号は、前記第2の補聴器部材(208)を通じて生成される、第2の補聴器部材と、
を含む、補聴器装置。
【請求項2】
前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの1つを変更するための信号変更プロセッサ(58)をさらに含み、前記ユーザは、前記第1の補聴器部材によって受信された音と前記第2の補聴器部材によって受信された音との間の差を聞いて、前記ユーザが、前記第1の補聴器部材によって受信された音と前記第2の補聴器部材によって受信された音とを区別するのを可能にし、前記ユーザが前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を得るのを助けることができる、請求項1に記載の補聴器装置。
【請求項3】
第2の信号プロセッサをさらに含み、前記第2の信号プロセッサは、前記信号変更プロセッサを含み、前記第2の信号プロセッサ(58)は、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つを、電気信号から音信号に変換されたときに区別可能に異なる音特性を有するように処理するように構成されている、請求項2に記載の補聴器装置。
【請求項4】
前記信号変更プロセッサ(58)は、前記第1の補聴器部材(203)および前記第2の補聴器部材(208)のうちの少なくとも1つに含まれ、前記第2の信号プロセッサ(58)は、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの前記少なくとも1つを処理して、そのピッチを変化させること、エコーを誘発すること、前記信号を遅延させること、前記信号をフィルタリングすること、コーラス効果を加えること、異なる周波数帯域を減衰させること、前記信号を共振させること、前記信号にアーチファクトを加えること、前記信号の強度を変化させてその音量を変更すること、ハミング音を誘発すること、振動を誘発すること、トーンを追加すること、および前記信号を変調すること、のうちの少なくとも1つによって、前記信号を変更する、請求項2に記載の補聴器装置。
【請求項5】
前記信号変更プロセッサ(58)は、前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を達成する際に前記ユーザを支援するために触覚信号または視覚信号のうちの1つを前記ユーザに提供するように構成された前記信号プロセッサと通信する非音生成指標部材(156)を生成するように前記処理された信号を変更することによって、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの前記1つを処理する、請求項2に記載の補聴器装置。
【請求項6】
前記補聴器装置は、増幅調整された補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を有する第1の耳を有するユーザに音の起点の方向性を提供するように構成された補聴器装置(290)を含む、請求項1に記載の補聴器装置。
【請求項7】
第1の耳(12)および前記第1の耳(12)が配された第1の身体側(10)と、第2の耳(16)および前記第2の耳(16)が配された第2の身体側(14)と、を有するユーザに使用される補聴器装置(290)であって、前記補聴器装置(290)は、複数の方向から発生する音を前記ユーザが聞くことを可能にするように構成され、
ユーザの身体上で、ユーザの第1の身体側(10)に配置可能な第1の補聴器部材(292)であって、前記第1の補聴器部材(292)は、前記ユーザの第1の耳(12)によって受信されるであろう音を受信し、これらの受信された音を第1の送信可能な電気信号に変換するための第1の変換器を含む、第1の補聴器部材と、
ユーザの第2の身体側(14)に配置可能な第2の補聴器部材(294)であって、前記第2の補聴器部材(294)は、前記ユーザの第2の耳によって受信されるであろう音を受信し、前記受信された音を第2の電気信号に変換するための第2の変換器と、前記第1の送信可能な電気信号を受信するための受信機と、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号を、前記ユーザの第1の耳および第2の耳の両方によって受信されるであろう音の聴取を容易にするために前記ユーザの第2の耳によって受信されるように構成された信号に処理するための第1の信号プロセッサと、を含み、前記第1の信号プロセッサは、前記第1の送信可能な電気信号および前記第2の電気信号のうちの1つを処理するための信号プロセッサと、前記第2の耳に出力されている前記音の出どころの方向の感覚を前記ユーザが得るのを支援するように、前記ユーザに非音声信号を提供するように構成された、前記信号プロセッサと通信する非音声生成インジケータ部材(298、299)と、を含む、第2の補聴器部材と、
を含む、補聴器装置。
【請求項8】
前記インジケータ部材は、前記ユーザの前記第1の身体側(12)に位置付けられ、かつ、前記ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された、第1の振動部材(158)と、前記ユーザの前記第2の身体側(14)に位置付けられ、かつ、前記ユーザが感じることができる可変強度の振動信号を発するように構成された、第2の振動部材(160)と、を含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項9】
前記ユーザの第1の側で受信された音の相対音量を、前記ユーザの第2の側で受信された音の音量と比較し、前記第1の振動部材および前記第2の振動部材のそれぞれに信号を生成して、前記第1の振動部材および前記第2の振動部材に、前記ユーザの第1の側および第2の側で受信された音のそれぞれの音量に強度が相関する振動信号を発生させるための、音強度コントローラをさらに含む、請求項8に記載の補聴器装置。
【請求項10】
前記インジケータ部材は、前記ユーザの前記第1の耳と同じ側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが見ることができる可変強度の第1の光信号を発するように構成された、第1の光発生部材(298)と、前記ユーザの前記第2の耳と同じ側に位置付けられ、かつ、前記ユーザが見ることができる可変強度の第2の光信号を発するように構成された、第2の光発生部材(299)と、を含む、請求項7に記載の補聴器装置(290)
【請求項11】
前記補聴器装置は、増幅調整された補聴器では正常なほぼ対称的な聴覚状態を実質的に回復することができないほど十分に深刻な難聴を第1の耳に有するユーザに聴覚を提供するように構成され、前記第2の耳は、音信号を聞くことができる、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項12】
前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータ(298)および触感覚発生インジケータ(158)のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項13】
前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータ(298)および触感覚発生インジケータ(158)の両方を含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項14】
前記非音声生成インジケータは、ブレスレット(422)、眼鏡(330)、補聴器(268)、ネックレス(312)、腕時計(430)、指輪、アンクレット(426)、ベルト(434)、帽子(450)、および皮下に位置付け可能なインプラント(486)の少なくとも1つに連結された非音声生成インジケータを含む、請求項7に記載の補聴器装置。
【請求項15】
前記非音声生成インジケータは、光発生インジケータ(298)および触感覚発生インジケータ(158)のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の補聴器装置
【請求項16】
前記非音声生成インジケータは、前記ユーザの第1の側から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの第1の側に位置付けられるように構成された第1の指標発生器(298)と、前記ユーザの第2の側から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの第2の側に配された第2の指標発生器(299)と、を含む、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項17】
前記非音声生成インジケータは、前記ユーザの前方から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの前側に位置付けられるように構成された第3の指標発生器(322)と、前記ユーザの背後から発生する音に応答して非音声指標を発生するために前記ユーザの後側に位置付けられるように構成された第4の指標発生器(324)と、をさらに含む、請求項16に記載の補聴器装置
【請求項18】
前記非音声生成インジケータは、前記ユーザが着用可能であり、かつ前記ユーザのすべての側から発生される複数の非音声指標を発生させるための4つ超の独立して作動する指標発生器(421)を含む、環状部材(420)を含む、請求項17に記載の補聴器装置
【請求項19】
前記環状部材は、カラー(420)、ベルト(434)、アンクレット(426)、胸部装着部材、および帽子(450)のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の補聴器装置
【請求項20】
前記非音声インジケータ部材は、触感覚インジケータ(350)および視覚発生インジケータ(370)のうちの1つを有する眼鏡(364)を含む、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項21】
前記非音声インジケータは、触感覚インジケータ(350)および視覚インジケータ(370)の両方を含む眼鏡(364)を含む、請求項20に記載の補聴器装置
【請求項22】
前記眼鏡(330)は、第1および第2の鼻係合部材(340、342)と、第1および第2のテンプル(346、350)と、を含み、前記触感覚インジケータは、それぞれの前記第1および第2の鼻係合部材(340、342);ならびに、それぞれの前記第1および第2のテンプル(346、350)のうちの少なくとも1つに配置された第1の側および第2の側の触覚指標発生器(356、358)を含む、請求項21に記載の補聴器装置
【請求項23】
前記眼鏡(364)は、第1のレンズ(374)および第2のレンズ(376)を含み、前記光感覚インジケータは、前記第1のレンズ上に配された第1の光指標発生器(370)および前記第2のレンズ(376)上に配された第2の光指標発生器(372)を含む、請求項22に記載の補聴器装置
【請求項24】
前記第1および第2の触覚指標発生器(356、358)は、可変強度触覚指標発生器を含み、前記第1および第2の光指標発生器(370、372)は、可変強度光指標発生器を含む、請求項23に記載の補聴器装置
【請求項25】
前記眼鏡は、第1のレンズ(374)および第2のレンズ(376)を含み、前記光感覚インジケータは、前記第1のレンズ上に配された第1の光指標発生器(390)および前記第2のレンズ上に配された第2の光指標発生器(372)を含む、請求項20に記載の補聴器装置
【請求項26】
前記第1の光指標発生器および前記第2の光指標発生器は、複数の第1および第2の光源と、作動される光源の数を変化させることによって生成される光の強度を変化させるコントローラと、を含む、請求項25に記載の補聴器装置
【請求項27】
前記第1の光指標発生器(370)および前記第2の光指標発生器(372)の各々は、音の起点の方向に関する光表示を発生するための光指標発生器と、音の強度に関する光表示を発生するための光指標発生器と、を含む、請求項25に記載の補聴器装置
【請求項28】
前記非音声生成インジケータ部材は、電気刺激指標発生器(460)を含む、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項29】
空間(454)内の複数の場所に位置付けられて前記複数の場所から音を受信する複数の変換器(452)をさらに含み、前記変換器は、前記変換器によって受信された前記音を表す電気信号を送信するための送信機と、前記送信された電気信号を受信し、前記信号を処理するための信号プロセッサと、を含み、前記非音声生成インジケータは、少なくとも、前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器(440)を含み、前記信号プロセッサは、前記前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器のうちの1つ以上に送信された前記信号を、前記信号が発生した前記複数の変換器のうちの1つ以上の位置と相関させるように、前記処理された信号を前記前方、第1の側、第2の側、および後方に位置付けられた指標発生器(440)に送信する、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項30】
前記非音声生成インジケータ部材は、非音声指標を発生するための指標発生器部分(514)を有する本体(504)と、前記本体を身体部分、衣類部分、または衣服のうちの少なくとも1つに取り付けるための取り付け部分(518)と、を含む、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項31】
前記非音声生成部材(486)は、ユーザに皮下で埋め込まれるように構成されている、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項32】
前記第2の補聴器部材は、人工内耳デバイス(491)を含み、前記非音声生成部材(496)は、前記人工内耳デバイス(491)に結合されている、請求項31に記載の補聴器装置
【請求項33】
前記非音声生成部材は、スクリーンディスプレイ(413、414)を含む、請求項7に記載の補聴器装置
【請求項34】
前記非音声生成部材のスクリーンディスプレイは、携帯電話(437)、ラップトップ、メモ帳、およびコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つのスクリーンディスプレイ(413、414)を含み、前記スクリーンディスプレイは、前記少なくとも2つの変換器によって受信された少なくとも1つの音の出どころを表す指標を含む方向フィールドを表示するように構成されている、請求項33に記載の補聴器装置
【請求項35】
スクリーンディスプレイは、前記少なくとも2つの変換器によって受信された少なくとも1つの音の強度を表す指標を表示するように構成されている、請求項34に記載の補聴器装置
【国際調査報告】