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特表2023-501461自動車安全デバイスのためのアクチュエータデバイス及びアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】自動車安全デバイスのためのアクチュエータデバイス及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/264 20060101AFI20230111BHJP
   B60R 21/2338 20110101ALI20230111BHJP
   F42B 3/12 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B60R21/264
B60R21/2338
F42B3/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526513
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 US2020061075
(87)【国際公開番号】W WO2021113077
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】16/705,026
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ペレマルティ、フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】カイダ、ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】パークス、ブレント アラン
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン、アラン ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】スターク、ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン、スヴェン
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA02
3D054AA13
3D054BB01
3D054CC11
3D054FF18
(57)【要約】

アクチュエータアセンブリ(150)は、アクチュエータデバイス(200)を備える。アクチュエータデバイス(200)は、第1の端部(204)及び第2の端部(206)を備える管状ハウジング(202)であって、ガスを生成するための火工材料(230)を収容する貯蔵チャンバ(220)を画定する管状ハウジング(202)と、第1の端部(204)に結合された少なくとも1つの電気接続部(207)であって、反応して火工材料(230)との連通を開始する電気接続部(207)と、管状ハウジング(202)の貯蔵チャンバ(220)内に配置された冷却剤(240)とを備える。管状ハウジング(202)の第2の端部(206)は、火工材料(230)の作動前、凹面(212)を備える。火工材料(230)の作動中、第2の端部(206)は、凹面(212)から凸面(214)へ遷移し、管状ハウジング(202)は、作動中、その完全性を維持する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部(204)及び第2の端部(206)を備える管状ハウジング(202)であって、ガスを生成するための火工材料(230)を収容する貯蔵チャンバ(220)を画定する管状ハウジング(202)と、
前記第1の端部(204)に結合された少なくとも1つの電気接続部(207)であって、反応して前記火工材料(230)との連通を開始する電気接続部(207)と
を備えるアクチュエータデバイス(200)デバイス、
前記管状ハウジング(202)の前記貯蔵チャンバ(220)内に配置された冷却剤(240)
を備えるアクチュエータアセンブリ(150)であって、
前記管状ハウジング(202)の前記第2の端部(206)が、前記火工材料(230)の作動前、凹面(212)を備え、前記火工材料(230)の前記作動中、前記第2の端部(206)が、前記凹面(212)から凸面(214)へ遷移し、前記管状ハウジング(202)が、前記作動中、その完全性を維持することを特徴とするアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項2】
前記冷却剤(240)が、水酸化アルミニウムである、請求項1に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項3】
前記冷却剤(240)が、前記凹面(212)の湾曲点(213)において配置されている、請求項1又は2に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項4】
前記ガスが、前記火工材料の作動後、前記貯蔵チャンバ内に収容されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項5】
前記凹面から前記凸面の間の前記遷移が、0.4ミリ秒未満内で起こる、請求項1~4のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項6】
前記凹面から前記凸面の間の前記遷移が、少なくとも1000ニュートンの力を生じさせる、請求項1~5のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項7】
前記アクチュエータアセンブリ(150)が、前記アクチュエータ(200)を収納するように構成されたアセンブリハウジング(300)を更に備え、前記アセンブリハウジング(300)が、反作用面(340)を備え、前記管状ハウジング(202)の前記第2の端部(206)が、前記火工材料(230)の作動中、前記反作用面(340)に衝突する、請求項1~6のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項8】
前記凹面(212)から前記凸面(214)の間の前記遷移中、前記第2の端部(206)が、前記アセンブリハウジング(300)の前記反作用面(340)に衝突して、前記アクチュエータ(200)を前記アセンブリハウジング(300)内で前記反作用面(340)から離れるように変位させる、請求項1~7のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項9】
前記アクチュエータ(200)を部分的に包囲するアクチュエータハウジング(250)を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項10】
前記アクチュエータハウジング(250)が、前記アセンブリハウジング(300)の内面(320)に対応する外側六角形形状部分(256)を備える、請求項9に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項11】
前記外側六角形形状部分(256)が、前記六角形形状部分(256)に沿って長手方向に離間する複数のリブ(258)を備え、前記リブ(258)のそれぞれが、前記アクチュエータハウジング(250)の周囲を包囲して、前記アセンブリハウジング(300)の前記内面(320)と係合して、前記アセンブリハウジング(300)に対する前記アクチュエータハウジング(250)の長手方向の移動を制限する、請求項10に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項12】
前記管状ハウジング(202)に巻き付けられており、前記火工材料(230)の作動後、前記管状ハウジング(202)から解放されるテザー(120)を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項13】
前記アクチュエータ(200)が、前記反作用面(340)から離れるように変位したとき、前記テザー(120)が、前記管状ハウジング(202)から解放される、請求項12に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項14】
前記アセンブリハウジング(300)が、開口部(360)を備え、前記開口部(360)が、前記テザー(120)が前記開口部(360)を通って前記アセンブリハウジング(300)内に入り、前記管状ハウジング(202)に巻き付き、前記開口部(360)を通って前記アセンブリハウジング(300)から出ることを可能にする、請求項12又は13に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【請求項15】
前記テザー(120)が、前記火工材料(230)の作動前、張力下にある、請求項12~14のいずれか一項に記載のアクチュエータアセンブリ(150)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、自動車保護システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、衝突事象に応答して展開するように構成された自動車安全システムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本実施形態は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになる。添付の図面は、典型的な実施形態のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定すると考えられるべきでないことを考慮して、実施形態について、添付の図面を参照して、具体的かつ詳細に記載及び説明する。
【0003】
図1】エアバッグアセンブリが第1の構成へ展開されている、乗客を伴う車両の内部の斜視図である。
【0004】
図2図1のエアバッグアセンブリが第2の構成へ展開されている、乗客を伴う車両の内部の斜視図である。
【0005】
図3A】一実施形態によるアクチュエータアセンブリの等角図である。
【0006】
図3B】一実施形態による、電気絶縁層を有するアクチュエータアセンブリの等角図である。
【0007】
図4A】作動前構成における図3Aのアクチュエータアセンブリの断面図である。
【0008】
図4B】作動後構成における図4Aのアクチュエータアセンブリの断面図である。
【0009】
図5】一実施形態による、オーバーモールド(over-mold)内に包囲されたアクチュエータアセンブリの等角図である。
【0010】
図6図5のアクチュエータアセンブリ及びオーバーモールドの断面図である。
【0011】
図7】オーバーモールド内に包囲されたアクチュエータアセンブリを備えるテザー解放アセンブリの等角図である。
【0012】
図8A】一実施形態による、アクチュエータアセンブリの作動前構成におけるテザー解放アセンブリの図である。
【0013】
図8B】アクチュエータアセンブリの作動後構成における図8Aのテザー解放アセンブリの図である。
【0014】
図8C】テザーが解放されているテザー解放アセンブリの図である。
【0015】
図9】一実施形態によるテザー解放アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に概して記載及び図示されている実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成において配置及び設計され得ることが容易に理解されよう。よって、図示されている様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求されている本開示の範囲を限定することは意図されておらず、単に様々な実施形態を示す。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、図面は、具体的に示されていない限り、必ずしも縮尺とおりに示されていない。
【0017】
車両衝突事象中、1つ以上のセンサは、エンジン制御ユニット(Engine Control Unit、ECU)及び/又はエアバッグ制御ユニット(Airbag Control Unit、ACU)にデータを提供し、ECU/ACUは、エアバッグ(又は、複数のエアバッグ)などの自動車安全デバイスの展開のための閾値条件が満たされたかどうかを判定する。ECU/ACUは、電気パルスを自動車安全デバイスのイニシエータに送信させ得る。
【0018】
従来のイニシエータは、点火され熱する又は燃焼する火工(pyrotechnic)リレー負荷を含み得る。イニシエータの作動により、自動車安全デバイスの動作を開始する効果がもたらされ得る、又はそうでなければ、自動車安全デバイスの動作を開始する事象が始められ得る。エアバッグアセンブリの場合、イニシエータは、エアバッグアセンブリのインフレータ内の化学化合物を点火し得る。化学化合物は、急速に燃焼し、ある量の不活性ガスを生成し、当該ある量の不活性ガスは、エアバッグ自体を充填するように向けられる。他のエアバッグアセンブリの実施形態では、イニシエータは、圧縮空気チャンバ内の圧力を増加させるある量のガスを生成し得、これによって、チャンバを破裂させ、より多い量の膨張ガスを放出してエアバッグを充填する。更に他の実施形態では、イニシエータは、テザーを切断又は解放する効果、構成要素を変位させる効果、及びシートベルトに予め張力をかける効果などの別の効果を開始し得る又はそうでなければもたらし得る。
【0019】
自動車安全デバイスの機構を作動させるために、又はそうでなければ自動車安全デバイスを展開する若しくは作動させるために従来のイニシエータを使用する試みがなされてきた。しかしながら、イニシエータは、典型的には、ある作動シナリオにおいて有害であると判明され得るガス及び/又は火炎を生成する。本開示は、イニシエータとして同様の動作原理を含むが火炎がないアクチュエータアセンブリの実施形態を説明し、アクチュエータのハウジングは、その完全性を維持する。換言すれば、アクチュエータは、作動中破裂して開くことがないことによって、その完全性を維持する。本開示のアクチュエータアセンブリは、エアバッグアセンブリとの動作において説明されている。理解され得るように、開示のアクチュエータアセンブリは、例えば、フロントエアバッグ、膨張可能なカーテン、乗客席エアバッグ、サイドエアバッグなどを含む様々なタイプのエアバッグアセンブリと共に使用され得る。開示のアクチュエータアセンブリの実施形態はまた、ニーボルスター、シートベルトプリテンショナ、テザーカッター、又は任意の他の自動車安全デバイスを含むがこれらに限定されない、膨張可能なエアバッグモジュールに加えて、様々な自動車安全デバイスのいずれかと共に使用され得る。
【0020】
「に接続された」、「に結合された」、及び「と連通する」という語句は、機械的な、電気的な、磁気的な、電磁的な、流体的な、及び熱的な相互作用を含む、2つ以上のエンティティ間の相互作用のいずれかの形態を指す。2つの構成要素は、2つの構成要素が互いに直接接触していなくても、互いに結合され得る。「当接する」という用語は、互いに直接物理的に接触しているが、必ずしも一緒に取り付けられていなくてもよい物品を指す。
【0021】
図1図2は、乗員20が座席18に着座している車両10の内部の斜視図を示す。膨張可能なエアバッグアセンブリ100は、展開された構成において図示されている。エアバッグアセンブリ100は、膨張可能なエアバッグ110と、1つ以上のテザー120と、ハウジング130と、テザー解放アセンブリ150とを備え得る。エアバッグアセンブリ100は、装着ブラケット137を介して、計器盤12内に装着されているとして図示されている。
【0022】
エアバッグアセンブリ100は、衝突シナリオにおいて乗員の損傷を最小にするために使用され得る。エアバッグアセンブリ100は、車両内の様々な場所において設置されてもよく、これらの場所は、ステアリングホイール、計器盤、サイドドア内又はサイドシート内、車両のルーフレールに隣接して、頭上位置において、又は膝若しくは脚位置を含むが、これらに限定されない。以下の開示では、「エアバッグ」とは、膨張可能なカーテンエアバッグ、オーバーヘッドエアバッグ、フロントエアバッグ、又は任意の他のエアバッグタイプを指し得る。
図1では、エアバッグアセンブリ100は、フロントエアバッグ110を提供する。フロントエアバッグは、典型的には、車両のステアリングホイール内及び/又は計器盤内に設置されている。設置中、エアバッグ110は、巻かれてもよく、折り畳まれてもよく、又は両方でもよく、カバーの後ろで巻かれた/折り畳まれた状態に保持されてもよい。衝突事象中、車両センサはインフレータの作動をトリガし、インフレータはエアバッグを膨張ガスで急速に充填する。よって、エアバッグは、巻かれた/折り畳まれた構成から拡張された構成へ構成を急速に変化させる。エアバッグ110の展開された構成は、テザー120などの1つ以上の内部テザー又は外部テザーによって部分的に決定され得る。テザー120は、エアバッグ110の幅、深さ、及び/又は高さを制限又は限定し得る。更に、テザー120は、エアバッグ110が2つ以上の展開された構成を採用することができるように解放可能であるように構成され得る。説明するように、本開示によるアクチュエータは、テザー120の解放を開始するために使用され得る。他の実施形態では、本開示によるアクチュエータは、テザー120の切り離し(例えば切断)を開始するために使用され得る。
【0023】
図1では、エアバッグアセンブリ100は、膨張した状態にあり、ハウジング130から車後方方向の所定の深さまで延びる。テザー120は、膨張可能なエアバッグ110の前面113が所定の深さへ展開され得るように、膨張可能なエアバッグ110の膨張可能な空隙118内に位置し得る。テザー120は、テザー120をテザー解放アセンブリ150に接続する接続部分125を備える。
【0024】
テザー解放アセンブリ150は、図2に示すように、膨張可能なエアバッグ110が、制約された構成又は制約されていない完全に展開された構成のいずれかを採用することができるように、接続部分125を保持してもよく、又は接続部分125を解放してもよい。膨張可能なエアバッグ110の展開前又は展開中、1つ以上の車両センサは、テザー120を解放し、これによって、膨張可能なエアバッグ110がテザー120によって課される制約なしに展開することを可能にするために、テザー解放アセンブリ150に電子的に信号を送ることができる。図示の実施形態では、テザー120の接続部分125は、テザー解放アセンブリ150によって保持又は解放され得るループ124を備える。
【0025】
当業者には理解されるように、様々なタイプ及び構成の1つ以上の車両センサは、テザー解放アセンブリ150がテザー120を解放するかどうかを決定する所定の条件のセットを構成するために使用され得る。例えば、一実施形態では、シートレールセンサは、乗員の座席がエアバッグ展開表面からどれだけ近くに又は遠くに位置するかを検出するために使用される。別の実施形態では、シートスケールは、乗員が座席を占有しているかどうかを判定するために使用され得、そうである場合、乗員のおおよその重量を確認するために使用され得る。更に別の実施形態では、光学又は赤外線センサは、乗員のおおよその表面積及び/又はエアバッグ展開表面からの距離を判定するために使用され得る。別の実施形態では、加速度計は、事故が起こったかどうかを示し得る及び事故の重大度を示し得る、車両によって経験される負の加速度の大きさを測定するために採用される。加えて、これらのセンサタイプ及び他の好適なセンサタイプの組み合わせが使用され得る。
【0026】
本開示は、テザー解放アセンブリ150(具体的には、テザー解放アセンブリ150のアクチュエータ)、及びテザー120をテザー解放アセンブリ150から取り外す方法に関する。テザー解放アセンブリ150が作動されたとき、テザー120は、テザー解放アセンブリ150から解放される又は取り外される。テザー解放アセンブリ150は、アセンブリハウジング(例えば、図7のアセンブリハウジング300)、アクチュエータアセンブリ(例えば、図3Aのアクチュエータアセンブリ200)、及びテザー120などの複数の構成要素を備え得る。機能するアクチュエータの部分が実際にアクチュエータカップ自体であること、及び別個のピストン又は押圧構成要素がアクチュエータアセンブリ200において不要であり、これによって全体の包み(envelope)を低減することに起因して、開示のアクチュエータアセンブリ200は、他の安全デバイスアクチュエータと比較してより小さいことがある。換言すれば、デバイスがより少ない部品を含むため、デバイスの全体的なサイズは、他の同様のデバイスよりも小さいことがある。
【0027】
図3A及び図3Bは、一実施形態によるアクチュエータアセンブリ200の等角図を示す。アクチュエータアセンブリ200は、中空管状ハウジング202(例えば、アクチュエータカップ)を備える。管状ハウジング202は、対向する第1の長手方向端部204及び第2の長手方向端部206を含む。第1の長手方向端部204はまた、アクチュエータアセンブリ200の近位端部と称され得、第2の長手方向端部206は、アクチュエータアセンブリ200の遠位端部と称され得る。いくつかの実施形態では、電気絶縁層208は、図3Bに示すように、管状ハウジング202の部分(例えば、大部分)と第2の長手方向端部206とを包囲する。電気絶縁層208は、静電気の蓄積により起こり得る意図しない電荷などによるアクチュエータアセンブリ200の意図しない展開を防止することを助長するために、高誘電性プラスチック層であってもよい。いくつかの実施形態では、管状ハウジング202は、図3Aに示すように、電気絶縁層208を含まない。
【0028】
図3Aに示すように、管状ハウジング202の第2の長手方向端部206は、所定の形状を有する表面210を備え得る。例えば、一実施形態では、作動前構成における管状ハウジング202の第2の端部206は、凹面212を備え、作動後構成における管状ハウジング202の第2の端部206は、凸面(例えば、図4Bの凸面214を参照されたい)を備える。以下でより詳細に説明するように、アクチュエータアセンブリ200の作動中、管状ハウジング202の第2の端部206は、凹面212から凸面214へ遷移し得る。
【0029】
図4A及び図4Bは、一実施形態によるアクチュエータアセンブリ200の断面図を示す。図4Aは、作動前構成におけるアクチュエータアセンブリ200を示し、図4Bは、作動後構成におけるアクチュエータアセンブリ200を示す。作動中(例えば、作動の全過程の間)、アクチュエータアセンブリ200は、その完全性を維持する。換言すれば、アクチュエータアセンブリ200は、作動中破裂して開くことがないことによって、その完全性を維持する。よって、アクチュエータアセンブリ200は、火炎がない(例えば、作動中、火炎を生成しない)。アクチュエータアセンブリ200は、火工材料230を収納するための貯蔵チャンバ220を画定する。例えば、一実施形態では、火工材料230は、ジルコニウム過塩素酸カリウム(Zirconium Potassium Perchlorate、ZPP)、ジルコニウムタングステン過塩素酸カリウム(Zirconium Tungsten Potassium Perchlorate、ZWPP)、又は任意の他の好適な組成物であり得る。
【0030】
アクチュエータアセンブリ200は、導電体207(例えば、ピン)を更に備えてもよく、導電体207は、電気信号が受信されて衝突事象に至るとき、アクチュエータアセンブリ200を作動させ、火工材料230を点火するように構成されている。換言すれば、導電体207は、火工材料230との連通(communication)を開始する電気接続を生じさせる。換言すれば、導電体207は、火工材料230との連通を開始する反応にある。電気信号は、火工材料230を点火するために、導電体207の遠位端部にまたがるブリッジワイヤを通過し得る。火工材料230の点火は、ガスと、管状ハウジング202の第2の端部206を凹面212から凸面214へ遷移させるのに十分な圧力波とを生成する。管状ハウジング202の第2の端部206の変形は、長手方向又は軸方向に起こる。換言すれば、作動前(図4A)、管状ハウジング202の第2の端部206は凹面212を備え、作動後(図4B)、管状ハウジング202の第2の端部206は凸面214を備える。アクチュエータアセンブリ200の作動は、アクチュエータアセンブリ200内に抑えられており、外部弾道事象(external ballistic event)は、アクチュエータアセンブリ200の作動前、作動中、又は作動後起こらない。更に、全ての放たれた部品は、アクチュエータアセンブリ200内に含まれているため、アクチュエータアセンブリ200の作動後車両内で飛び回り得る、放たれた又は取り付けられていない部品がない。
【0031】
作動前構成において、管状ハウジング202の第2の端部206の表面210は、凹面212を備える。凹面212は、管状ハウジング202の第2の端部206から所定の距離D1に配置された湾曲点213を含む。いくつかの実施形態では、距離D1は、少なくとも0.3mmである。いくつかの実施形態では、距離D1は、少なくとも0.5mmである。いくつかの実施形態では、距離D1は、3mm以下である。
【0032】
作動後構成において、管状ハウジング202の第2の端部206の表面210は、凸面214を備える。凸面214は、管状ハウジング202の第2の端部206から所定の距離D2に配置された湾曲点215を含む。いくつかの実施形態では、距離D2は、少なくとも0.3mmである。いくつかの実施形態では、距離D2は、少なくとも0.5mmである。いくつかの実施形態では、距離D2は、3mm以下である。
【0033】
いくつかの実施形態では、作動前の凹面212の湾曲点213は、作動後の凸面214の湾曲点215へ長手方向に(すなわち、軸方向に)1mm~6mm遷移する。いくつかの実施形態では、作動前の凹面212の湾曲点213は、作動後の凸面214の湾曲点215へ長手方向に(すなわち、軸方向に)1mm~3mm遷移する。
【0034】
アクチュエータアセンブリ200の作動は、迅速に起こり得る。例えば、凹面212から凸面214への遷移は、0.4ミリ秒よりも速い速度で起こり得る。いくつかの実施形態では、凹面212から凸面214への遷移の速度は、0.3ミリ秒未満であり得る。いくつかの実施形態では、凹面212から凸面214への遷移の速度は、0.2ミリ秒未満であり得る。いくつかの実施形態では、凹面212から凸面214への遷移の速度は、0.1ミリ秒未満であり得る。アクチュエータアセンブリ200の作動は、アクチュエータアセンブリ200内に抑えられているため(例えば、ガス、弾道事象)、作動時間は、1.6ミリ秒などのより多くの時間を必要とするアクチュエータ外のアクチュエータの弾道ガス(actuator’s ballistic gases)の物理的効果と共に機能する既存のシステムと比較して、著しく低減される。
【0035】
いくつかの実施形態では、作動前構成において、凹面212は、円形形状を有し得る。凹面212の直径d1は、管状ハウジング202の直径d2と同じであり得る。いくつかの実施形態では、凹面212の直径d1は、管状ハウジング202の直径d2未満であってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、作動後構成において、凸面214は、円形形状を有し得る。凸面214の直径は、管状ハウジング202の直径と同じであり得る。いくつかの実施形態では、凸面214の直径は、管状ハウジング202の直径未満であってもよい。
【0037】
アクチュエータアセンブリ200は、チャンバ220内に配置された冷却剤240を更に備え得る。冷却剤240は、火工材料230の爆燃温度を軽減することができ、管状ハウジング202の第2の端部206の溶落ち弾道破断(burn-through ballistic rupture)を防止することができる。第2の端部206の溶落ち弾道破断の防止により、アクチュエータアセンブリ200は、火炎がない。アクチュエータアセンブリ200内の冷却剤240の一利点は、通常の機能中又はボンファイア(bonfire)においてもカップ破断の危険がないことである。
【0038】
冷却剤240は、管状ハウジング202のチャンバ220内に火工材料230と管状ハウジング202の第2の端部206との間に配置され得る。冷却剤240は、火工材料230から離間し得る。いくつかの実施形態では、冷却剤240は、管状ハウジング202の第2の端部206の内面全体に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、冷却剤240は、第2の端部206の湾曲点213において配置され得る。冷却剤240は、冷却剤が、管状ハウジング202内に配置された後、所望の位置に留まるようにスラリーであってもよい。
【0039】
ある態様では、冷却剤240は、約180℃以上~約450℃以下の範囲内の分解温度を有し、これは、化合物が、例えば水又は二酸化炭素を放出することによって、この温度範囲内で吸熱的に分解することを意味する。冷却剤240は、冷却剤240の冷却効率ごとに選択され得る。ある好ましい変形形態では、冷却剤240は、水酸化アルミニウム(Al(OH))を含む。しかしながら、代替的な変形形態では、以下の化合物、水酸化アルミニウム、ハイドロマグネサイト、ドーソナイト、ホウ酸亜鉛水和物、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム亜水和物(magnesium carbonate subhydrate)、ベーマイト、水酸化カルシウム、ドロマイト、ハンタイト、モンモリロナイト、及びこれらの組み合わせが、冷却剤成分として採用され得る。これらの化合物のそれぞれは、以下の表1に示すように、180℃以上~450℃以下の所望の温度範囲内で吸熱的に分解する。
【0040】
【表1】
【0041】
チャンバ220内に配置された冷却剤240の量は、チャンバ220の容積、火工材料230の量などの様々な要因に依存して変化し得る。したがって、いくつかの実施形態では、チャンバ220内に配置された冷却剤240の量は、50mg~150mgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、冷却剤240の量は、100mgである。
【0042】
図5及び図6は、オーバーモールド250内に配置されたアクチュエータアセンブリ200を示す。図5は、オーバーモールド250及びアクチュエータアセンブリ200の等角図を示し、図6は、オーバーモールド250及びアクチュエータアセンブリ200の断面図を示す。オーバーモールド250は、アクチュエータアセンブリ200の上に成形され得る。
【0043】
オーバーモールド250は、第1の端部252及び第2の端部254を備え得る。図5及び図6のオーバーモールド250の第2の端部254は、開放端部を備える。オーバーモールド250の開放端部は、アクチュエータアセンブリ200の第2の端部206がオーバーモールド250の第2の端部254と整列することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリ200の第2の端部206は、オーバーモールド250の第2の端部254の開放端部から外へ延びる。
【0044】
オーバーモールド250の第1の端部252はまた、開放端部を備え得る。アクチュエータアセンブリ200の導電体207は、オーバーモールド250の第1の端部252上の開放端部を通ってアクセス可能であり得る。
【0045】
オーバーモールド250の外面は、複数のセクション又は部分、第1の端部部分255、六角形形状部分256、及び第2の端部部分257を備え得る。六角形形状部分256の形状は、組み立て、具体的には、オーバーモールド250のハウジングアセンブリ内への挿入を容易にし得る。本開示は、六角形形状部分256の六角形形状に限定されない。いくつかの実施形態では、六角形形状部分256は、非円形であってもよく、三角形、正方形、長方形、多角形、及び八角形などの様々な異なる断面形状が使用されてもよい。第1の端部部分255は、第1の端部252から六角形形状部分256までオーバーモールド250の長手方向に延びる。第1の端部部分255は、複数の異なるセクションを備え得、複数の異なるセクションのそれぞれは、図7に示すように、第1の端部部分255がアセンブリハウジング300と相互作用することを可能にするように、異なる直径を有する。
【0046】
六角形形状部分256は、オーバーモールド250の第1の端部252と第2の端部254との間に長手方向に延びる。六角形形状部分256は、オーバーモールド250の周囲を包囲及び画定する6つの等しい側面を備える。六角形形状部分256は、テクスチャ表面(textured surface)を備え得る。六角形形状部分256のテクスチャ表面は、オーバーモールド250に沿って長手方向に離間する複数のリブ258を備え得、リブ258のそれぞれは、オーバーモールド250の周囲を包囲する。図示の実施形態では、六角形形状部分256は、3つのリブ258を備える。しかしながら、オーバーモールド250は、3つよりも多い又は3つよりも少ないリブ258を有し得る。谷259は、隣接するリブ258の間に配置され得、六角形形状部分256に沿って長手方向に離間する。谷259は、六角形形状部分256を取り囲む環状溝であってもよい。谷259は、隣接するリブ258によって画定され得る。リブ258は、オーバーモールド250の外面から半径方向外向きに延び得る。谷259は、オーバーモールド250の外面から半径方向内側に延び得る。
【0047】
第2の端部部分257は、六角形形状部分256から第2の端部254まで延びる。第2の端部部分257は、図7に示し以下でより詳細に説明するように、第2の端部部分257がアセンブリハウジング300の一部分内に固定されていることを可能にする一定の直径を有してもよい。
【0048】
オーバーモールド250は、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルポリメチルメタクリレート(アクリルPMMA)、アセタールコポリマー、アセタールポリオキシメチレンコポリマー、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリブチレンテレフタレート(PBTR)、及び(HTN)、ポリフタルアミド(PPA)を含むポリアミド(PA)などのいくつかの異なる材料から製造され得る。
【0049】
図7は、テザー解放アセンブリ150のアセンブリハウジング300を示す。アセンブリハウジング300は、オーバーモールド250内に配置されたアクチュエータアセンブリ200を収納するように構成されている。アセンブリハウジング300は、オーバーモールド250内に配置されたアクチュエータアセンブリ200を少なくとも部分的に包囲することができる。オーバーモールド250は、アセンブリハウジング300内の内面又は摺動経路に沿って摺動することができるように構成されている。例えば、アセンブリハウジング300は、摺動面310と、係合面320と、保持アーム330と、反作用面(reactive surface)340と、保持端部350と、テザースロット360とを備え得る。内面は、摺動面310と、係合面320とを含み得る。
【0050】
摺動面310は、アセンブリハウジング300の第1の端部上に配置されており、オーバーモールド250がアクチュエータアセンブリ200の作動中摺動面310に沿って摺動することを可能にする。
【0051】
係合面320は、オーバーモールド250の六角形形状部分256に対応する表面を備える。係合面は、オーバーモールド250の六角形形状部分256のテクスチャ表面に対応するテクスチャ表面を備え得る。係合面320のテクスチャ表面は、長手方向に互いに離間する複数のリブ322及び谷324を備え得る。リブ322は、アセンブリハウジング300の内面から半径方向内側に延び得る。谷は、アセンブリハウジング300の内面から半径方向外向きに延び得る。係合面320のリブ322は、オーバーモールド250の谷259内に嵌合する又は入れ子になるように構成されており、オーバーモールド250のリブ258は、係合面320の谷324内に嵌合する又はそうでなければ入れ子になるように構成されている。したがって、オーバーモールド250が係合面320と係合されているとき、所定の量の力は、オーバーモールド250を係合面320から移動させるために、及びオーバーモールド250がアセンブリハウジング300に対して摺動することを可能にするために必要とされる。
【0052】
保持アーム330は、作動前、オーバーモールド250をアセンブリハウジング300内に保持するように構成されている。保持330アームは、オーバーモールド250を部分的に取り囲んで、オーバーモールド250をアセンブリハウジング300内に保持することができる。保持アーム330の内面は、オーバーモールドの谷259内に又は単にオーバーモールド250の2つの隣接するリブ258間に嵌合する又は入れ子になる少なくとも1つのリブ322を備え得る。
【0053】
アセンブリハウジング300の反作用面340は、管状ハウジング202の表面210と相互作用するように構成されている。管状ハウジング202の第2の端部206は、作動前の反作用面340に当接する。作動中、作動前の凹面212は、作動後の凸面214へ遷移し、湾曲点215は、所定の量の力で反作用面340に衝突する(impact)。生成される力の量は、オーバーモールド250のリブ258を係合面320の谷から移動させるために必要とされる所定の力の量を超え、アクチュエータアセンブリは、アセンブリハウジング300に対して変位する。いくつかの実施形態では、凹面212から凸面214の間の遷移は、表面210が反作用面340に衝突したとき、少なくとも1000ニュートン(N)の力を生じさせ得る。いくつかの実施形態では、保持アーム230は可撓性であり、火工材料230の作動によって生成された力により、オーバーモールド250のリブ258は、保持アーム330を半径方向外向きに押し、これによって、オーバーモールド250がアセンブリハウジング300に対して摺動することを容易にする。
【0054】
保持端部350は、オーバーモールド250が作動前構成にあるとき、オーバーモールド250の第2の端部254を固定及び保持するように構成されている。
【0055】
テザースロット360は、保持アーム330と保持端部350との間に配置されている。テザースロット360は、テザー120がオーバーモールド250に巻き付くことを可能にし、よって、テザー120をテザー解放アセンブリ150に固定する。テザー120は、テザー120がアクチュエータアセンブリ200の作動及びテザー解放アセンブリ150の作動によりテザー解放アセンブリ150から解放されるまで、教示の構成において留まる。
【0056】
図8A図8Cは、作動前構成から作動後構成及びテザー120の解放へのテザー解放アセンブリ150の作動を示す。図8Aは、作動前構成におけるテザー解放アセンブリ150を示す。オーバーモールド250及びアクチュエータアセンブリ200は、アセンブリハウジング300内に収納されている。衝突事象などの所定の事象に応答して、電気信号は、火工材料230を点火するために、導電体207を介してアクチュエータアセンブリ200に送信され得る。火工材料230の点火は、ガスと、管状ハウジング202の第2の端部206の表面210を凹面212から凸面214へ遷移させるのに十分な圧力波とを生成する。凸面214の湾曲点215は、反作用面340に衝突し、リブ258を係合面320の谷から移動させるのに十分な量の力を生成し、オーバーモールド250は、摺動面310に沿って摺動し始める。テザー120は、オーバーモールド250の周りに巻かれている又はオーバーモールド250に巻き付けられている。テザー120の負荷は、負荷なし又は張力なしからスナップ負荷(snap load)又は著しく高い張力(すなわち、1100N)へ変化し得る。
【0057】
図8Bは、作動後構成におけるテザー解放アセンブリ150を示す。オーバーモールド250は、摺動面310に沿って摺動しているが、テザー120は、オーバーモールド250の周りに依然として巻かれている。テザースロット360は、テザー120を所定の位置に保ち、よって、オーバーモールド250は、テザー120に対して摺動するように構成されている。
【0058】
図8Cは、テザー120を解放するテザー解放アセンブリ150を示す。オーバーモールド250が所定の距離に移動しテザースロット360を離れた後、テザー120は取り外される又は解放される。
【0059】
図9は、上述のテザー解放アセンブリ150にある点において類似するテザー解放アセンブリ150’の実施形態を示す。したがって、同様の特徴は、アポストロフィを伴う同様の参照符号で示されている。例えば、図9に示す実施形態は、図7のアセンブリハウジング300にいくつかの点において類似し得るアセンブリハウジング300’を含む。よって、同様に識別される特徴に関する上述の関連する開示は、以下に繰り返されないことがある。また、図7に示すアセンブリハウジング300及び関連する構成要素の具体的な特徴は、図面において参照符号によって示されていない若しくは識別されていないことがある、又は以下の説明において具体的に説明されていないことがある。しかしながら、このような特徴は、他の実施形態で図示されている及び/又はこのような実施形態に関して説明されている特徴と明らかに同じであってもよく、又は実質的に同じであってもよい。したがって、このような特徴に関連する説明は、図9に示すテザーアセンブリ150’及び関連する構成要素に関する特徴に同等に当てはまる。図7に示すテザーアセンブリ150及び関連する構成要素に関して説明された特徴の任意の好適な組み合わせ及び当該特徴の変形形態は、図9のテザーアセンブリ150’及び関連する構成要素と共に採用されてもよく、逆も同様である。開示のこのパターンは、先頭の桁が更に増分され得る、後続の図に示し以下に説明する更なる実施形態に同等に当てはまる。
【0060】
テザーアセンブリ150’は、オーバーモールド250’内に配置されたアクチュエータアセンブリ200’を含む。オーバーモールド250’は、アセンブリハウジング300’内に収納されている。アセンブリハウジング300’は、アクチュエータアセンブリ200’の管状ハウジング202’の表面210’と相互作用するように構成された反作用面340’を含む。管状ハウジング202’の第2の端部206’は、作動前の反作用面340’に当接する。反作用面340’は、突起(bump)又は凸状特徴を含み得る。突起又は凸特徴は、湾曲点を含み得、突起又は凸状特徴の湾曲点は、管状ハウジング202の第2の端部206の凹面212の湾曲点213と整列し得る。
【0061】
突起又は凸状特徴は、表面210’の凹面212’に対応し得る。いくつかの実施形態では、突起又は凸状特徴は、凹面212’の曲率半径に等しい曲率半径を有し得る。いくつかの実施形態では、突起又は凸状特徴は、凹面212’の曲率半径を超える曲率半径を有し得る。いくつかの実施形態では、突起又は凸状特徴は、凹面212’の曲率半径未満の曲率半径を有し得る。
【0062】
作動中、作動前の凹面212’は、作動後の凸面へ遷移し、反作用面340’の突起又は凸状特徴に所定の量の力で衝突する。生成される力の量は、オーバーモールド250’のリブ258’を係合表面320’のリブ322’及び谷324’から移動させるために必要とされる所定の力の量を超え、アクチュエータアセンブリは、アセンブリハウジング300’に対して変位する。いくつかの実施形態では、凹面212’から凸面の間の遷移は、表面210’が反作用面340’に衝突するとき、少なくとも1000Nの力を生じさせる。
【0063】
いくつかの実施形態では、アセンブリハウジング300’は、火工材料の作動後、アセンブリハウジング300’に対するオーバーモールド250’の相対的な移動を停止するように構成された停止壁370’を更に備え得る。停止壁370’は、作動後、オーバーモールドと係合しオーバーモールドを減速させるように構成されている。
【0064】
例1.第1の端部及び第2の端部を備えるアクチュエータカップであって、ガスを生成するための火工材料を収容する貯蔵チャンバを画定するアクチュエータカップと、第1の端部に結合された少なくとも1つの電気接続部であって、反応して火工材料との連通を開始する電気接続部とを備えるアクチュエータデバイスであって、アクチュエータカップの第2の端部が、火工材料の作動前、凹面を備え、火工材料の作動中、第2の端部が、凹面から凸面へ遷移する、アクチュエータデバイス。
【0065】
例2.アクチュエータカップの貯蔵チャンバ内に配置された冷却剤を更に備える、例1に記載のアクチュエータデバイス。
【0066】
例3.冷却剤が、水酸化アルミニウムである、例2に記載のアクチュエータデバイス。
【0067】
例4.冷却剤が、凹面の湾曲点において配置されている、例2に記載のアクチュエータデバイス。
【0068】
例5.ガスが、火工材料の作動後、貯蔵チャンバ内に収容されている、例1に記載のアクチュエータデバイス。
【0069】
例6.凹面から凸面の間の遷移が、0.4ミリ秒未満内で起こる、例1に記載のアクチュエータデバイス。
【0070】
例7.凹面から凸面の間の遷移が、少なくとも1000ニュートンの力を生じさせる、例1に記載のアクチュエータデバイス。
【0071】
例8.第1の端部及び第2の端部を有する管状ハウジングであって、ガスを生成するための火工材料を収容する貯蔵チャンバを画定する管状ハウジングと、第1の端部に結合された少なくとも1つの電気接続部であって、反応して火工材料との連通を開始する電気接続部とを備えるアクチュエータであって、管状ハウジングの第2の端部が、火工材料の作動前、凹面として形成されており、火工材料の作動中、第2の端部が、凹面から凸面へ遷移する、アクチュエータと、アクチュエータを収納するように構成されたアセンブリハウジングとを備えるアクチュエータアセンブリであって、アセンブリハウジングが、反作用面を備え、管状ハウジングの第2の端部が、火工材料の作動中、反作用面に衝突する、アクチュエータアセンブリ。
【0072】
例9.凹面から凸面の間の遷移中、第2の端部が、アセンブリハウジングの反作用面に衝突して、アクチュエータをアセンブリハウジング内で反作用面から離れるように変位させる、例8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0073】
例10.アクチュエータを部分的に包囲するアクチュエータハウジングを更に備える、例8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0074】
例11.アクチュエータハウジングが、アセンブリハウジングの内面に対応する外側六角形形状を有する、例10に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0075】
例12.管状ハウジングの貯蔵チャンバ内に配置された冷却剤を更に備える、例8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0076】
例13.冷却剤が、水酸化アルミニウムである、例12に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0077】
例14.ガスが、火工材料の作動後、前記貯蔵チャンバ内に収容されている、例8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0078】
例15.凹面から凸面の間の遷移が、0.4ミリ秒未満内で起こる、例8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0079】
例16.管状ハウジングに巻き付けられており、火工材料の作動後、管状ハウジングから解放されるテザーを更に備える、例8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0080】
例17.アクチュエータが、反作用面から離れるように変位したとき、テザーが、前記管状ハウジングから解放される、例16に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0081】
例18.アセンブリハウジングが、開口部を備え、開口部が、テザーが開口部を通ってアセンブリハウジング内に入り、管状ハウジングに巻き付き、開口部を通ってアセンブリハウジングから出ることを可能にする、例16に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0082】
例19.テザーが、火工材料の作動前、張力下にある、例16に記載のアクチュエータアセンブリ。
【0083】
例20.第1の端部及び第2の端部を備えるアクチュエータカップであって、ガスを生成するための火工材料を収容する貯蔵チャンバを画定するアクチュエータカップと、第1の端部に結合された少なくとも1つの電気接続部であって、反応して火工材料との連通を開始する電気接続部とを備えるアクチュエータデバイスであって、アクチュエータカップの第2の端部が、湾曲点を含み、火工材料の作動が、第2の端部の前記湾曲点を、アクチュエータカップの第1の端部から離れるように軸方向距離に変位させる、アクチュエータデバイス。
【0084】
「a」及び「an」という用語は、1つとして記載され得るが、1つに限定されない。例えば、本開示は、「一ラインの縫い目(a line of stitches)」を有するタブを記載し得るが、本開示はまた、タブが、2つ以上のラインの縫い目を有し得ることを企図する。
【0085】
別途記載しない限り、全ての範囲は、端点と、端点間の全ての数値との両方を含む。
【0086】
本明細書全体における「一実施形態(an embodiment)」又は「実施形態(the embodiment)」への言及は、当該実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体において記載されている語句、又は語句の変形は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及してはいない。
【0087】
同様に、実施形態の上記の説明において、本開示を合理化するために、様々な特徴は、これらの特徴の単一の実施形態、図、又は説明に一緒にグループ化されていることがあることを理解されたい。しかしながら、開示のこの方法は、任意の請求項が当該請求項に明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、いずれの単一の前述の開示の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。よって、この発明を実施するための形態に続く特許請求の範囲は、この発明を実施するための形態に明示的に組み込まれており、請求項のそれぞれは、別個の実施形態としてそれ自体で成立する。本開示は、独立請求項と独立請求項の従属請求項との全ての並べ替えを含む。
【0088】
特徴又は要素に関する「第1の」という用語の特許請求の範囲における記載は、第2の又は追加のこのような特徴又は要素の存在を必ずしも示唆しない。変更が、本発明の根本的な原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細になされてもよいことが、当業者には明らかである。排他的な所有権又は特権が請求される本発明の実施形態は、以下のとおりである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
【国際調査報告】