(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】一体型のガラス製反応器、製造方法及び分析方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/03 20060101AFI20230111BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20230111BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G01N21/03 Z
C12Q1/02
C12M1/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527214
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2020081585
(87)【国際公開番号】W WO2021094286
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】102019217466.3
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505469573
【氏名又は名称】エルペーカーエフ レーザー ウント エレクトロニクス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロビン・クリューガー
(72)【発明者】
【氏名】マルテ・シュルツ-ルーテンベルク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ファン・アールスト
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ・ヴォラー
【テーマコード(参考)】
2G057
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G057AA04
2G057AC01
2G057BA03
2G057BB01
2G057BD01
2G057BD02
2G057BD04
2G057CB10
2G057DA03
2G057DA11
4B029AA08
4B029BB01
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA15
4B029GA03
4B029GB09
4B063QA13
4B063QA20
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR72
4B063QR77
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX01
(57)【要約】
本発明は、ガラス製の反応器を製造するための方法と、当該方法によって得られるガラス製の反応器とに関する。当該方法は、1.第1のガラス板を透過する波長のレーザービームを、第1のガラス板の表面に照射するステップ、2.第1のガラス板をエッチングするステップ、を有しており、3.凹部が、第1のガラス板の厚さの分にのみわたって延在しており、従って、凹部が、第1のガラス板と一体的に形成された底部を有している場合に、第1のガラス板のエッチングが終了する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体構造の第1のガラス板(1)に凹部(2)として形成されている、多数のガラス製の反応器を製造するための方法であって、
1.前記ガラス板(1)を透過する波長のレーザーパルスを、離間した位置(12)において、それぞれ前記凹部(2)が反応器として形成されるべき前記ガラス板(1)のそれぞれの場所に照射するステップであって、前記レーザーパルスの焦点位置は、前記レーザーパルスの焦点が、第1のガラス板(1)の厚さ全体にわたっては延在しないように設定されているステップと、
2.前記凹部(2)を形成するために前記ガラス板(1)をエッチングするステップであって、前記場所に沿った深さを有する前記凹部(2)を形成するために十分な時間的長さにわたって前記ガラス板(1)をエッチングするステップと、を有しており、
3.前記凹部(2)の深さが、前記第1のガラス板(2)の厚さの分のみとなり、従って、前記凹部(2)が、前記第1のガラス板(1)と一体的に形成された底部(3)を有している場合に、前記ガラス板(1)のエッチングが終了し、場所の前記位置(12)のいずれにおいても、凹形のくぼみが前記底部に形成される方法。
【請求項2】
前記凹部(2)の深さが、少なくとも30μmであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凹部(2)が、第1の表面(4)の平面で測定された、深さの直径に対する少なくとも2のアスペクト比を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のガラス板(1)に、前記凹部(2)が形成されるべき場所で、複数の同じ間隔で離間した前記位置(12)において、レーザーパルスが照射されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザーパルスの焦点位置を、前記レーザーパルスの焦点が第1の厚さ部分(20)内にまでのみ延在するように設定することによって、前記位置(12)の一部において、前記レーザーパルスが、前記第1のガラス板(1)の前記第1の厚さ部分(20)に、より小さい深さで放射されること、及び、前記レーザーパルスの焦点位置を、前記レーザーパルスの焦点が第2の厚さ部分(21)内にまでのみ延在するように設定することによって、前記位置(12)の一部において、前記レーザーパルスが、前記第1のガラス板(1)の隣接する前記第2の厚さ部分(21)内に、より深く放射され、エッチングの際に、前記第1の厚さ部分(20)にわたって延在する前記凹部(2)が形成され、部分壁(22)から離間した、前記第2の厚さ部分(21)にわたって延在する部分凹部(2’)が形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記位置(12)が、最大10μmの間隔を置いて配置されており、少なくとも3つの前記位置が、互いに少なくとも20μm離間していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザーパルスが、強度を有して前記ガラス板に照射され、前記レーザーパルスが、前記ガラス板(1)を前記焦点位置にまで修正することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記凹部(2)が形成されるべき前記第1のガラス板(1)の場所に、レーザービームが、周方向がとじられた経路上で照射されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
周方向が閉じられた前記経路上に照射される前記レーザービームが、隣り合って照射されるレーザービームパルスによって形成されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のガラス板(1)の少なくとも1つの面が、ステップ2の前にエッチングレジスト(10)でコーティングされることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記エッチングレジスト(10)でコーティングされた表面に隣接して、前記凹部の周りを取り巻く斜角面(9)が形成されるまでエッチングが行われることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
導体経路が、前記ガラス板(1)に塗布され、前記凹部(2)の内壁の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
特に請求項1から12のいずれか一項に記載の方法に従って得られる、ガラス製の凹部として形成されている反応器であって、前記反応器は、ガラス板(1)において少なくとも30μmである前記凹部の深さと、前記ガラス板(1)の第1の表面(4)の平面において測定された、深さの直径に対する少なくとも2のアスペクト比とを有しており、前記凹部(2)は、壁によって囲まれており、前記壁の端面は、共通の平面に配置されていると共に、前記第1のガラス板(1)の前記第1の表面(4)を形成しており、前記第1の表面(4)からは、前記凹部(2)は除かれている、反応器において、
前記凹部は、前記ガラス板(1)の厚さ全体にわたっては延在しておらず、前記凹部の底部(3)は、前記ガラス板(1)の材料によって形成されており、少なくとも1つの前記凹部の前記底部には、少なくともそれぞれ3つの凹形のくぼみが形成されていることを特徴とする反応器。
【請求項14】
前記反応器の前記底部(3)が、隣り合う前記凹部(2)によって形成されており、前記第1の表面(4)に対して平行、かつ、前記第1の表面の反対側の第2の表面(5)の平面に対して平行に位置する平面内に隣り合って配置されていることを特徴とする、請求項13に記載の反応器。
【請求項15】
前記凹部(2)の前記底部(3)には、少なくとも1つのさらなる凹部(14)が形成されており、前記凹部は、前記第1のガラス板(1)内に、より大きな深さで延在していることを特徴とする、請求項13又は14に記載の反応器。
【請求項16】
前記底部(3)が、前記第1のガラス板(1)から一体的に形成された少なくとも1つのガラス先端を、前記凹部(2)の近接場照明のための光導波路として用いるために有しており、前記ガラス先端は、前記第1のガラス板(1)の前記第1の表面(4)に対して垂直に、前記凹部(2)内に延在していることを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項17】
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法に従って製造された、又は、請求項13から16のいずれか一項に記載の反応器である反応器を供給するステップ、無細胞又は有細胞の試料を前記反応器内に設置するステップ、少なくとも1つの試薬を前記反応器に添加するステップ、及び、前記反応器の光学測定を行うステップを有する、試料を分析するための方法。
【請求項18】
前記試料が有細胞であり、細胞が個別に、凹形のくぼみ内に配置されていることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスに凹部の形状で成形されている、ガラスから成る反応器の製造方法に関する。ガラスに反応器が配列を成して成形されているところのガラスは、一体構造を有しているので、反応器は、一体型のガラス、特にガラス板に形成されている。当該方法は、多数の反応器の配列を形成し、当該配列は、一体構造のガラスに成形されており、例えば、それぞれ8×12の反応器の25×25のマス目の配列が成形されている。当該反応器は、第1のガラス板から成る一体構造のガラス板に、多数が形成されている。
【背景技術】
【0002】
当該方法は、塊状のガラスに機械的な作用を加えずに、反応器を形成する凹部を成形するので、反応器は例えば微小クラック等の機械的損傷を有さない、という利点を有している。当該反応器は、深さの直径に対する大きなアスペクト比を有している。さらなる利点は、反応器を製造するための方法が、少なくとも、反応器の横断面開口部が形成されているガラス表面の選択的なコーティングを行わずに、任意で、反応器が形成されるガラス表面のあらゆるコーティングを行わずに、進行し得ることにある。
【0003】
非特許文献1は、クロムから成るマスクと、その上にフォトレジストとを塗布した後のエッチングによる、ガラス板における直径20μmで深さ8μmの反応器の製造について記載している。
【0004】
特許文献1は、超音波が照射されるツール、及び、ツールとガラスとの間の研磨材を用いた、ガラス内での反応器の製造について記載している。
【0005】
特許文献2は、ガラス製の底部から成る、96個のウェルを有するマイクロタイタープレートについて記載しており、底部は紫外線を透過させ、フリットガラスによってガラス板と接続されており、ガラス板では、連続する凹部がウェルの側壁を形成している。
【0006】
特許文献3は、マイクロタイタープレートの底部における、フォトリソグラフィ―方法を用いた表面構造の形成について記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0211014号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1867612号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2011857号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Deutsch et al., Lab Chip, 2006, 69, 995-1000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、特に大きなアスペクト比を有する反応器を、総じて小さな容積でガラスに製造し、ガラス内の多数の当該反応器の配列を供給するために適した、代替的な製造方法を提供することにある。好ましくは、当該方法は、ガラスが光を照射された場合に、反応器内の細胞に対して高い光学コントラストを形成するような当該反応器の配列を供給するために適しているべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、本課題を請求項に記載の特徴で、特にガラス製の反応器を製造するための方法と、当該方法で得られるガラス製の反応器とで解決する。当該方法は、
1.ガラス板を透過する波長のレーザービームを、ガラス板の表面の、それぞれ凹部が反応器として形成されるべき場所に照射する、好ましくは点状に、さらに好ましくは垂直に照射するステップであって、レーザービームは、好ましくは例えば最大100μsのパルス長を有するレーザーパルスから成り、レーザーパルスの焦点位置は、その焦点が特にレーザービームの伝搬方向において、ガラス板の厚さ全体にわたっては延在せず、凹部が形成されるべき場所の第1のガラス板に、複数の互いに離間した位置において、レーザーパルスが照射されるように設定されるステップと、
2.凹部を形成するためにガラス板をエッチングするステップであって、好ましくは、深さが好ましくは少なくとも40μm又は少なくとも30μmであり、好ましくは第1の表面の平面で測定された少なくとも2、少なくとも4、少なくとも5又は少なくとも6の深さの直径に対するアスペクト比を有する凹部を、場所に沿って形成するために十分な時間的長さにわたってガラス板をエッチングするステップと、
を有しており、凹部が第1のガラス板の厚さの分にのみわたって延在し、従って、凹部が第1のガラス板に一体的に形成された底部を有している場合にガラス板のエッチングが終了するので、好ましくは、反応器を形成する凹部の底部は、レーザーパルスが照射されたいずれの位置においても凹部を有しているか、又は、レーザーパルスが照射されたいずれの位置においても凹部によって形成されているか、又は、凹部によって構成されている。
【0011】
レーザーパルスの焦点位置を、その焦点が特にレーザービームの伝搬方向において、ガラス板の厚さ全体にわたっては延在しないように設定することは、レーザーパルスの焦点位置を、その焦点が特にレーザービームの伝搬方向において、ガラス板の厚さの分にのみわたって、例えばガラス板の第1の厚さ部分にわたって延在するように設定することによって得られる。
【0012】
この際、いずれのガラスプレートも、厚さよりも大きい横方向の広がりを有するガラスから成る物体であってよい。つまり、ガラス板は、その反対側の表面を限定する、長方形、円形又は他の形状の外周を有し得る。
【0013】
反応器は、ガラス板内の凹部によって形成され、凹部は、ガラス板の第1の表面の平面に位置するまさに1つの開口部を有している。反応器の使用は、化学反応には限定されておらず、生化学的、生物学的及び物理学的プロセスも含んでいる。これは、動物細胞又は植物細胞又は酵母細胞であり得る各細胞、細菌、ウィルス、タンパク質等、又は、これらのクラスタを用いたプロセスであってよい。
【0014】
点状の照射は、レーザービームを、数マイクロメートル、例えば1μmから10μm、又は、5μmまでの大きさを有する点に集めることによって得られる。この際、レーザービームの焦点が、レーザービームの伝搬方向に沿った、ガウス分布を有する対応するレーザービームのレイリー長よりもはるかに大きい長さにわたって延在していると有利である。これは、例えば回折光学素子等の適した光学装置によって得られる。当該照射は、ガラス板を通過せず、第1のガラス板の第1の表面に接する第1の厚さ部分まで、あまり深くは行われない照射であってよく、例えばレーザービームの焦点が、レーザービームの伝搬方向においてガラス板の厚さ全体にわたっては延在せず、レーザービームは、ガラス板の第1の表面から、第1の表面に接する第1の厚さ部分内にまで延在するに過ぎず、第1の厚さ部分内で終端し、従って、レーザービームは、ガラス板の第1の厚さ部分に続く第2の厚さ部分内にまでは延在しないということによって行われる。レーザービームとガラス板の材料との相互作用は、焦点においてのみ生じるので、ガラス板の第1の厚さ部分の内側で相互作用領域を終わらせることが可能である。好ましくは、レーザービームは、レーザーパルスから構成されている。
【0015】
第1のガラス板の第1の表面と、エッチングレジストから成るコーティングが存在しない場合には、第1の表面の反対側の第2の表面とは、エッチングの際に、レーザーがガラス板に照射された場所と、レーザービームが向かい側に離れた場所とにおいて、隣接する領域よりも明らかに速く腐食する。従って、ガラス板の第1の表面の領域は、例えばエッチングレジストから成るコーティングが存在しないので、点状のレーザー照射の場所から間隔を置いて、比較的ゆっくりと、同形に腐食する。従って、第1の表面は、凹部を除いて、凹部がガラス板のガラス容積内に延在する際に始点となる平面に配置された表面部分によって形成される。凹部を除外した、共通の平面に配置され、第1の表面を形成する表面部分は、凹部の間に位置する壁の端面によって形成される。
【0016】
総じて任意で、当該ステップを有する、又は、当該ステップから成る方法では、ガラス板の第2の表面全体にエッチングレジストをコーティングしてよく、これによって、第2の表面からガラス板内への凹部の形成、又は、当該表面からの一様な腐食が防止される。本発明によると、パルス状レーザービームは、照射の際に、強度が第1のガラス板の厚さの第1の部分を横断するために、ガラス板を光路に沿って修正するためにのみ十分であるように、例えばガラス板の第1の表面に対する焦点位置の距離を設定することによって制御されている。このために、例えばレーザーパルスの焦点位置は、レーザーパルスが、厚さ部分内までのみで、第1のガラス板に進入するように設定されている。
【0017】
任意で、ステップ1で点状に照射されたレーザービームは、当該レーザービームでステップ2において反応器を形成すべき凹部がエッチングされるが、ガラス板の第1の表面の平面において、反応器間の壁の厚さを含めて、反応器の内の1つの少なくとも又はまさに直径の距離を置いて配置されている。反応器の直径は、反応条件及びエッチングの継続時間によって設定可能である。なぜなら、エッチングは、照射されたレーザービームがガラス板を通る際の直線路の周りに同心に行われるからである。反応器の間に配置された壁は、共通の平面で終端している。これらの壁の端面は、共通の平面に位置し、第1の表面を形成しているか、又は、共通の平面において第1の表面を形成しており、第1の表面は凹部によって中断されている。第1の表面は、好ましくは、凹部の横断面によってのみ中断される。
【0018】
レーザービームは、好ましくは、ガラス板上のレーザービームが照射される場所のいずれにおいても、例えば1064nmから515nmの波長を有し、好ましくは最大100ps又は最大50ps、好ましくは最大10psのパルス長を有するパルス状である。総じてレーザーは、レーザービームが当該場所の間でガラス板に衝突しないように調整されている。好ましくは、レーザービームは、ガラス板の表面上で点状に、かつ、垂直に照射される。好ましくは、第1のレーザービームが照射された当該表面は、第1のガラス板の第1の表面を形成する。
【0019】
総じてガラス板は、第1のガラス板とも呼ばれる。
【0020】
エッチングは、例えば1重量%から48重量%のフッ化水素酸、及び/又は、硫酸、及び/又は、塩酸、及び/又は、リン酸、及び/又は、硝酸、又は、水酸化カリウムを用いて、例えば140℃までの温度で行われる。
【0021】
ガラス板は、例えばエッチングの前には、1000μmまで、好ましくは100μmから1000μmまで、例えば800μmまで、例えば300μmから500μmまでの厚さを有し、エッチングの後では、50μmから700μm小さい厚さ、例えば200μmまで小さい厚さを有し得る。
【0022】
ステップ3では、凹部がガラス板の厚さの分にのみわたって延在し、これによって、第1のガラス板内の凹部の深さが、ガラス板の厚さの分のみとなり、従って、凹部が、ガラス板内に一体的に構成された底部を有する場合に、ガラス板のエッチングが終了する。
【0023】
凹部は、好ましくは例えば0°から15°の角度において、円錐形又は円錐台形になるように延在し、ガラス板の第1の表面を始点として、その容積内に延在している。
【0024】
任意で、総じてガラス板はコーティングせずに、例えばマスク及び/又はエッチングレジストを用いずにエッチングされ得るので、当該方法は、ガラス板にエッチングレジストを塗布せず、かつ、ガラス板からエッチングレジストを除去せずに実施されるという利点を有している。総じて少なくともガラス板の第1の表面は、エッチングレジスト及びマスクを有さないままであり、エッチングレジストを用いずにエッチングされる。
【0025】
総じて任意で、特にステップ1~3を有する方法、又は、ステップ1~3から成る方法では、ガラス板の第2の表面が完全に、エッチングレジストでコーティングされるので、エッチングは、第1の表面からのみ行われるか、又は、レーザービームを照射するレーザーは、レーザービームがガラス板の厚さの分のみを横断するか、又は、レーザービームがガラス板の厚さ内で終端するように設定されている。当該実施形態では、ガラス板の凹部が形成されるべきあらゆる場所に、複数の互いに離間した位置において、例えば少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも10又は少なくとも30の位置において、レーザービームが点状に照射され、レーザービームは、連続して又は同時に、好ましくは互いに対して平行に、かつ、ガラス板に対して垂直に照射される。これらの位置は、エッチングがガラス板を、当該位置から離れた表面領域におけるよりも速く腐食させる場所を形成する。レーザーが照射された位置は、エッチングの際に、一定の速さでのガラスの腐食をもたらし、共に凹部を形成する。場所の領域に照射され、場所を形成する位置は、例えば1μmから10μmの間隔において配置されている。好ましくは、当該位置は、各場所の周りの、それぞれ凹部が形成されるべき領域内に配置されている。好ましくは、レーザービームが場所の周りに照射される位置、又は、場所を形成するために照射される位置は、1μmから10μm、例えば2μmから5μm、又は、3μmまでの間隔を有しており、当該間隔は、特に第1のガラス板の第1の表面の平面内で決定されている。
【0026】
総じて凹部は、個々のレーザーパルス又は複数のレーザーパルスによって形成され得る。個々のレーザーパルスの場合、凹部の直径は、特にエッチングの継続時間によって決定される。複数のレーザーパルスを用いた凹部の形成の場合、凹部の直径は、レーザービームが1つの場所のために照射され、第1のガラス板に進入する位置の数及び間隔によって決定される。第1のガラス板の容積内での凹部の深さは、エッチングの継続時間によって決定され得ると共に、レーザービームが厚さの分のみ、ガラス板に進入し、ガラス板を完全には通過しないことによって決定される。
【0027】
任意で、凹部が形成されるべき各場所の周りで、好ましくは環状、長方形又は六角形の周方向が閉じられた経路に、例えば連続して照射されるレーザービームパルスによって形成されるレーザービームが照射される。この際、レーザービームパルスは、周方向が閉じられた経路上で第1のガラス表面に、例えば第1のガラス板の第1の表面上で決定された、3μmのレーザービームパルス間の間隔を置いて、照射され得る。従って、任意で、ガラス板に、各場所で、複数の互いに離間した位置において、レーザービームがそれぞれ点状に照射可能であり、当該位置の周りで、連続して照射されるレーザービームパルスによって形成されるレーザービームが、周方向が閉じられた経路に沿って照射され得る。周方向が閉じられた経路に沿ったレーザービームの照射は、引き続き行われるエッチングの際に、第1の表面から延在し、周方向が閉じられた経路を取り囲む横断面を有する壁を備えた凹部が形成されるという利点を有している。
【0028】
従って、ガラス板は、反応器を凹部として一体的に有し得る。当該実施形態では、反応器の底部は、ガラス板の材料によって形成される。この際、好ましくは反応器の底部は、多数の互いに隣接する凹部によって形成されており、当該凹部は、隣り合って、例えばガラス板の第1の表面に対して平行かつ第2の表面の平面に対して平行な平面内に配置されている。
【0029】
当該実施形態では、凹部の底部は、凹部の容積に近接場照明を行うように設定された微細構造を有し得る。このような微細構造は、例えば細く高いガラス先端の形状を有してよく、照明のための光導波路として機能し得るか、又は、各細胞若しくは細胞の集合に、その場所又は位置において影響を与え得る。このような構造は、例えば凹部が、レーザーパルスが密集して照射された多数の位置のエッチングを通じて形成されることによって形成され得る。凹部の中央に各レーザーパルスが放出される場合、エッチングプロセスの後、ガラス先端は凹部内に残存している。総じて、当該方法では、凹部が、隣り合った位置でのレーザーパルスの照射と、引き続き行われるエッチングとによって形成可能であり、当該位置は、互いにそれぞれ同じ最大10μmの間隔を置いて、例えば1μmから5μm、又は、3μmまでの間隔を置いて配置されており、共に場所を形成し、少なくとも2つ又は少なくとも3つの位置は、より大きな間隔で、例えば10μmから30μm、例えば15μmから20μmの間隔で配置されている。比較的大きな間隔を置いて配置されているレーザーパルスの少なくとも2つ又は3つの位置は、自身の間に、例えばレーザーパルスが同じ間隔で放出されている領域を有しているか、又は、エッチングの際にガラス先端が残存したままである領域を包囲している。
【0030】
総じて、レーザーパルスは、エッチングによって凹部が形成される場所を形成する位置において、様々な深さでガラス板に照射され得る。例えば、レーザーパルスが、位置においてガラス板の厚さ内により深く照射され、より深く進入することが可能であり、他のレーザーパルスは、位置においてガラス板の厚さ内により小さい深さで照射され得る。後続のエッチングの際に、レーザーパルスがより深くガラス板内に照射された位置において、より深い、又は、より広い凹部が形成され、レーザーパルスがガラス板内により小さい深さで照射された位置では、より深さの小さい凹部の底部が形成される。総じて、位置の間隔に依存して、各位置において、凹形のくぼみが底部に形成され得る。底部と、底部内にさらなるより深い凹部を有する凹部は、底部を形成すべき位置の部分におけるレーザーパルスのガラス板内へのより小さい深さでの照射によって、及び、底部を始点としてより深くガラス板内に延在すべきさらなる凹部を形成すべき位置の部分におけるレーザーパルスのガラス板内へのより深い照射によって、及び、引き続き行われるエッチングによって、形成され得る。凹部の底部を始点としてガラス板内により深く延在するさらなる凹部のより大きな直径のために、ガラス板内により深く照射されるレーザーパルスは、隣り合う位置において、例えば1μmから10μm、例えば2μmから5μm、又は、3μmまでの間隔で配置されていてよく、これによって、これらの位置では、エッチングがガラス板により深く進入する。位置の一部においてレーザーパルスがガラス板内により小さい深さで照射され、位置の一部においてレーザーパルスがガラス板内により深く照射され得る場合、エッチングの際に、レーザーパルスがより小さい深さで照射された位置において、凹形のくぼみを有する底部が、より小さい深さで形成され、レーザーパルスがより深く照射された位置では、より深くガラス板内に延在するさらなる凹部が形成される。
【0031】
一体構造のガラス板に形成される、又は、ガラス板によってのみ構成される反応器を形成するための当該実施形態では、エッチングが、第2の表面と間隔を置いて位置しているガラス板のガラス容積内に凹部の所望の深さを得るために十分な時間的長さにわたって、又は、ガラス板が依然として閉じられた第2の表面を有することができる時間的長さにのみわたって実施される。この際、任意で、反応器の底部は、放物線状又は円錐形の横断面を有する凹形のくぼみを有し得る。このような凹形のくぼみは、レーザービームが点状に照射された各位置に形成され得る。好ましくは、このような凹形のくぼみは、数マイクロメートルの、例えば1μmから5μmの横断面開口部と深さとを有している。好ましくは、各凹部又は各反応器の底部は、少なくとも3つの凹形のくぼみを有している。
【0032】
第1のガラス板の第2の表面の全面が、エッチングレジストでコーティングされている実施形態では、エッチングは、第1の表面からのみ作用する。第2の表面のコーティングは、第1の表面から第2の表面に向かう方向において円筒形又は円錐形を形成する凹部の形成をもたらし、第2の表面のエッチング腐食を防止するので、当該凹部は、ガラス板の厚さの分のみに延在する。当該実施形態では総じて、凹部がガラス板の第2の表面の平面内に延在するまで、エッチングは専らガラス板の第1の表面に作用し得る。第2の表面にエッチングレジストをコーティングする場合、エッチングは、ガラス板の厚さの分において凹部を形成し、当該凹部の壁は、第2の表面に対して垂直、又は、円錐形若しくは円錐台形の角度で立っていることが明らかになっている。
【0033】
総じて、当該凹部は、第1の表面に対して垂直に、ガラス板内に延在し、ガラス板は、凹部のそれぞれに関して、第1の表面に対して、一体構造の底部として厚さ部分を構成している。
【0034】
反応器は、例えば少なくとも40μm、少なくとも50μm又は少なくとも100μm又は少なくとも150μm、例えば250μmまで、又は、200μmまでの深さを有している。反応器は、例えば少なくとも10μm又は少なくとも30μm、例えば200μmまで、又は、1mmまでの直径を有し、総じて好ましくは、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも5又は少なくとも6の、深さの直径に対するアスペクト比を有している。第1のガラス板の凹部は、例えば第1のガラス板内部に1pLから1μLの容積を有している。
【0035】
ガラス板に形成される凹部は、第1の表面に隣接する上側厚さ部分20において、上側厚さ部分20に隣接し、少なくとも2つの部分凹部に分割されている下側厚さ部分21におけるよりも大きな横断面を有し得る。下側厚さ部分21にわたって延在する部分凹部の間には、任意で、ガラス板から下側厚さ部分21にわたって一体的に形成された部分壁22が配置されている。これらの部分壁22は、部分凹部の周りで互いに離間している。これらの部分壁22は、部分壁22の領域において最大でガラス板の上側厚さ部分20内にのみ進入するレーザーパルスの照射によって、及び、より深くガラス板に進入する部分凹部の領域におけるレーザーパルスの照射によって、及び、引き続き行われるガラス板のエッチングによって形成される。エッチングの際、ガラス板の第1の表面4に隣接する上側厚さ部分20には、凹部2が形成され、凹部2は、少なくとも2つの部分凹部2’の領域にわたって延在している。部分凹部2’の長手方向中心軸7は、例えば10μmから100μmの間隔で配置されていてよい。部分壁22は、部分凹部2’の間の下側厚さ部分にわたって延在しており、部分凹部2’は、ガラス板1の第2の表面の平面で、例えば1から50の直径を有し得る。ここでは、上側厚さ部分20は、第1の厚さ部分とも称され、下側厚さ部分21は、第2の厚さ部分とも称される。上側厚さ部分20と下側厚さ部分21とは、ガラス板1の第1の表面4を始点として、互いから独立して、例えば当初のガラス板1の厚さの少なくとも20%又は少なくとも30%又は少なくとも40%又は少なくとも50%、例えば80%まで又は70%まで又は60%まで延在している。この際、下側厚さ部分21は、上側厚さ部分20よりも小さい、又は、大きい程度で、ガラス板1の厚さ内に延在している。総じて、厚さ部分20、21は、ガラス板1の厚さ全体にわたっては延在していない。例えば、第1の厚さ部分20及び特に第2の厚さ部分21は、エッチングの後で凹部の領域に、ガラス板1の厚さが、又は、凹部2と第2の表面5との間に、少なくとも5%、少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%存在し続けるように予め決定されていてよい。
【0036】
さらに、本発明は、ガラス内の反応器に光が照射され、反応器を始点とする光が検出される分析方法と、当該分析方法におけるガラス製反応器の使用とに関する。
【0037】
この際、分析のための光が、好ましくはガラス板に略垂直に、ガラス板の第1の表面、及び/又は、ガラス板の開かれた凹部、又は、ガラス板の第1の表面とは反対側のガラス板の第2の表面に照射され得る。
【0038】
凹部、特に第1の表面からガラス板の容積内に円錐形に延在する凹部は、例えば可視光線の照射に際して、その壁と共に、凹部の底部に対して明らかなコントラストを形成することが明らかになっている。従って、光検出に際して、凹部の外周が記録され、凹部の底部に対するコントラストにおいて、特に暗色の環として描出され得る。
【0039】
本発明はさらに、本発明に係る製造方法に従って製造された、又は、本発明に係る反応器である反応器を供給するステップ、例えば血漿等の無細胞の試料、又は、完全血若しくは完全血から分離された細胞等の有細胞の試料、又は、組織材料であり得る、患者の試料等の試料を、事前に、同時に又は後で、反応器内に設置するステップ、少なくとも1つの試薬を反応器に添加するステップ、及び、分析するステップを有する分析方法に関する。当該方法で製造された反応器及び本発明に係る反応器は、反応器の底部が凹形のくぼみを有し、細胞が凹形のくぼみ内に個別に配置され得るという利点を有している。
【0040】
任意で、少なくとも1つの試薬が、1回又は連続して複数回、異なる量で複数の反応器に添加され得る。当該試薬は、例えば薬剤作用物質であってよく、分析は、作用物質の試料への作用の測定を含み得る。任意で、当該方法は、例えば細胞培養条件下(37℃、5%CO2雰囲気、静止状態又は運動状態)での、1つ又は複数の培養ステップを含み得る。
【0041】
分析は、例えば、シークエンシングのための試薬を添加した後、任意で細胞の溶解の後での反応器内でのDNA及び/若しくはRNA及び/若しくはタンパク質のシークエンシングの間若しくは後における、反応器の光学的測定、又は、例えば試薬として添加された、好ましくは色素でマーキングされた抗体等の結合分子との反応後における、タンパク質の決定であってよい。好ましくは、分析は、例えば有細胞の試料の場合、転写されたRNA及び/又は翻訳されたタンパク質の、作用物質が添加された試料と比較した、特に作用物質が添加されていない試料に関する決定を含んでいる。任意で、当該分析方法は、反応器からの試料の一部の除去を含むことが可能であり、さらに任意で、除去された分の試料を、さらなる本発明に係る反応器又は本発明に従って製造された反応器に注入することを含み得る。反応器への試料及び/又は試薬の添加は、例えば試料の液滴の運動によって、及び/又は、試薬の液滴の運動によって行われ得るものであり、液滴は、例えば流体ジェットの一部として形成され、移動する。これは、例えば、電磁放射の作用によって、音波又は超音波の照射によって、電界の印加によって、又は、加圧によって行われる。液滴の形成は、インクジェット印刷法又はピペッティングとして知られている。代替的に、例えばレーザー転写印刷等のレーザーに基づく印刷方法を用いることも可能である。好ましくは、試料及び/又は試薬の添加は、計量装置と反応器とを接触させずに行われる。
【0042】
導体経路が凹部に配置されている実施形態では、分析方法において、凹部の容積に電圧が加えられ、導体経路の間で、容積内に存在する電気パラメータが測定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】第1のガラス板の表面に対して垂直な横断面で、一体構造のガラス板における反応器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図2】ガラス板の第1の表面の上面図において、本発明に従って製造された反応器の光学的分析を概略的に示す図である。
【
図3a】第1のガラス板の表面に対して垂直な横断面において、さらなる実施形態を概略的に示す図である。
【
図3b】第1のガラス板の表面に対して垂直な横断面において、さらなる実施形態を概略的に示す図である。
【
図3c】第1のガラス板の表面に対して垂直な横断面において、さらなる実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、第1のガラス板1内の凹部2を示しており、凹部2は、パルス状のレーザービームの照射の後における第1のガラス板1のエッチングによって形成され得る。この際、底部3は、略放物線状の横断面を有する、凹形のくぼみを示している。このような凹形のくぼみは、レーザービームが点状に照射されたあらゆる位置12において形成される。この場合、底部3は、凹形のくぼみと共に、レーザービームを、くぼみの中心点の間隔に対応する間隔を有する位置において点状に照射することによって生じる。照射に続いて行われるエッチングによって、第1のガラス板1の領域は、当該位置の間で取り除かれる。この一体型の実施形態に関して、第1の表面4に照射されるレーザービームは、第1のガラス板1の容積の一部にまで進入するように設定されてよく、及び/又は、第1の表面4とは反対側の第2の表面5の全面が、エッチングレジストでコーティングされていてよい。
【0045】
図2は、ガラス板1の上面図において凹部2を示しており、凹部2の壁は、底部3に対して強い光学コントラストを形成しているので、壁は、底部3の周方向の境界として明確に描出される。例えば生体細胞Z等の粒子を、底部3を通るように向けられた照明によって、特に細胞Zを蛍光染料等の色素でマーキングした場合には、底部3に対して良好なコントラストで見ることができる。
【0046】
図3は、ガラス板1に一体的に形成された各凹部2の実施形態を示している。これは、例えば1μmから10μmの間隔を置いて配置された、従って、エッチングによってまさに1つの凹部2が形成される場所を形成する複数の位置における、レーザーパルスのガラス板1の第1の表面4への照射を示している。この際、凹部2の底部3の各位置12におけるエッチングによって、それぞれ部分凹部2’として凹形のくぼみが形成されていてよい。
【0047】
図3a)に示されているように、第1の表面4に対して垂直に、底部3から凹部2内に突出したガラス先端11は、レーザーパルスが照射される少なくとも3つの位置12が、比較的大きな間隔を置いて、例えば20μmの間隔を置いて配置されている場合、エッチングの際に形成される。この際、レーザーパルスが照射された各位置12は、エッチングの際に、底部3における凹形のくぼみ又は部分凹部2’を生じさせる。
【0048】
図3b)は、各位置13に照射され、より深くガラス板1の厚さに進入するレーザーパルスが、当該厚さにおいて、エッチングの際にさらなる凹部14を形成することを示しており、当該凹部14は、レーザーパルスがより小さい深さでガラス板1内に照射された他の位置12におけるくぼみよりも深く、ガラス板1内に延在する。レーザーパルスのガラス板1への進入深さは、焦点位置の設定及び/又はレーザーパルスのパルスエネルギーの強度によって、予め決定され得る。
【0049】
図3c)は、より深くガラス板1に進入するレーザーパルスの、隣り合って配置された位置13における照射が、当該位置においてエッチングの際に、さらなる凹部14を形成することを示しており、凹部14は、その底部3がエッチングの際に、レーザーパルスがガラス板1内により小さい深さで照射されている他の位置12によって形成される凹部よりも深く、ガラス板1の厚さ内に延在している。
【符号の説明】
【0050】
1 ガラス板
2 凹部
2’ 部分凹部
3 底部
4 第1の表面
5 第2の表面
7 長手方向中心軸
8 エッチングレジスト
11 ガラス先端
12 照射されたレーザーパルスの位置
13 より深く照射されたレーザーパルスの位置
14 さらなる凹部
20 上側の第1の厚さ部分
21 下側の第2の厚さ部分
Z 細胞
【国際調査報告】