(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ステレオリソグラフィ装置およびレセプタクル
(51)【国際特許分類】
B29C 64/259 20170101AFI20230111BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20230111BHJP
【FI】
B29C64/259
B29C64/124
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527753
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 FI2020050761
(87)【国際公開番号】W WO2021094659
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036309
【氏名又は名称】プランメカ オイ
【氏名又は名称原語表記】Planmeca Oy
【住所又は居所原語表記】Asentajankatu 6, 00880 Helsinki, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒヴァリネン ペンッティ
(72)【発明者】
【氏名】ニホルム クスタ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213AR12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL06
4F213WL12
4F213WL72
4F213WL96
(57)【要約】
ボトムアップステレオリソグラフィ装置(SLA)(150)は、支持面(152)およびバットアセンブリ(100)を備え、バットアセンブリ(100)は、第1の上面(112)を有する第1のフレーム部分(110)と、第1のフレーム部分内に凹部(114)を画定する周囲方向の第1の内側側面(113)とを備える。装置は、第1の内側側面(113)を通って凹部(114)に開口する空気流路(115)を備える。ボウルを含むレセプタクル(130)は、凹部内にボウルを有するバットアセンブリ内に配置可能であり、その結果、それによって形成されたバット(101)が支持面(152)上に配置された状態で、空気が空気流路(115)を介して凹部(114)から排出されて、ボウル(131)を支持面および第1の内側側面(113)に対して引き伸ばすことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バット(101)を形成するための支持面(152)およびバットアセンブリ(100)を備えるボトムアップのステレオリソグラフィ装置(SLA)(150)であって、前記バットは透明なボトムフィルム(103)を有し、前記バットは、その透明なボトムフィルムを通して前記バットに伝達される電磁放射線によって硬化可能な樹脂を受けて保持するように前記支持面(152)上に配置されるように構成され、前記バットアセンブリは、前記バットアセンブリの底部レベル(111’)を画定する第1の下面(111)と、前記第1の下面から、周囲方向の第1のフレーム部分の厚さ方向で前記底部レベル(111’)から上昇する上部レベル(112’)まで延在する周囲方向の第1の内側側面(113)と、を有する周囲方向の第1のフレーム部分(110)を備え、前記周囲方向の第1のフレーム部分内に凹部(114)を画定し、
前記装置(150)は、空気流路を介して前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)の前記凹部(114)から空気を吸引するように構成された空気流路(115)および排気装置(154)を備え、それによって、少なくとも部分的に透明なフィルム材料で形成され、ボウル(131)を備えるレセプタクル(130)が前記凹部内にボウルを有するバットアセンブリ内に配置され、それによって形成されたバット(101)が支持面に対して前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)の前記第1の下面(111)を有する支持面(152)上に配置され、空気が、前記空気流路(115)を介して前記凹部(114)から排気されて、前記支持面および前記周囲方向の第1の内側側面(113)に対してボウル(131)を引き伸ばすことができ、次いで、前記支持面に当接するレセプタクル130の部分は、前記バット(101)の透明なボトムフィルム(103)を形成する、ことを特徴とする、ステレオリソグラフィ装置(SLA)(150)。
【請求項2】
前記周囲方向の第1の内側側面(113)は、前記凹部(114)が厚さ方向に上方に延在するように、周囲方向の円錐形部分(117)を備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項3】
前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)は、前記第1の下面(111)および前記底部レベル(111’)から上昇し、それによって、前記上部レベル(112’)を画定するように、厚さ方向で画定された、第1の上面(112)を有し、前記周囲方向の第1の内側側面(113)は、前記第1の下面と前記第1の上面とを連結し、それによって、周囲方向の上部リム(132)と、前記周囲方向の上部リムから横方向に延びる周囲方向のフランジ(133)とをさらに有する前記レセプタクル(130)は、前記周囲方向の第1のフレーム部分の前記第1の上面(112)に横たわる前記周囲方向のフランジを有する前記バットアセンブリ内に配置される、請求項1または2に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項4】
前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)上に取り外し可能に取り付けられるように構成された周囲方向の第2のフレーム部分(120)をさらに備え、それによって、前記バットアセンブリ(100)内に配置されたレセプタクル(130)の周囲方向の取り付け部分(133)は、前記周囲方向の第1のフレーム部分と第2のフレーム部分との間に存在してもよい、請求項1から3のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項5】
前記周囲方向の第2のフレーム部分(120)は、前記周囲方向の第2のフレーム部分が前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)上に取り外し可能に取り付けられた状態で、前記第1の上面(112)の方を向いた第2の下面(121)を有し、それによって、前記レセプタクルの前記周囲方向のフランジ(133)は、前記第2の下面と前記第1の上面との間に存在してもよい、請求項3または4に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項6】
前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)と前記バットアセンブリ(100)内に配置されたレセプタクル(130)との間に気密シールを形成するための上部シール手段(141、142)をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項7】
前記上部シール手段(141、142)は、前記バットアセンブリ(100)内に配置されたレセプタクル(130)の前記第1の上面(112)と前記周囲方向のフランジ(133)との間に気密シールを形成するためのシール手段である、請求項3または6に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項8】
前記上部シール手段は、前記第1の上面(112)に形成され、上部周囲方向の溝内に上部ガスケット(142)を配置するための周囲方向の上部シール溝(141)を備える、請求項7に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項9】
使用時に前記バットアセンブリが配置されるボトムアップのステレオリソグラフィ装置(150)の前記第1の下面(111)と前記支持面(152)との間に気密シールを形成するための下部シール手段(143、144)をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項10】
前記下部シール手段は、前記第1の下面(111)上に形成され、下部周囲の方向の溝内に下部ガスケット(144)を配置するための周囲方向の下部シール溝(143)を備える、請求項9に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項11】
前記バット(101)が前記支持面(152)上に配置された状態で、空気排気装置(154)が前記空気流路(115)に接続されている、請求項10に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項12】
前記空気流路(115)は前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)内に位置し、前記第1の内側側面(113)を介して前記凹部(114)に開口している、請求項1から11のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項13】
前記支持面(452)を画定するテーブル(451)を備え、前記空気流路(415)は、テーブル内に位置し、前記バット(401)が前記支持面(452)上に配置された状態で、前記支持面を通って前記凹部(414)に開く、請求項1から11のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置(450)。
【請求項14】
少なくとも部分的に透明なフィルム材料から形成され、ボウル(131)を備えるレセプタクル(130)であって、前記レセプタクルは、請求項1~13のいずれかに記載のバットアセンブリ(100)内に配置されるように構成され、前記ボウルは、前記バットアセンブリの前記凹部(114)内にあり、前記バット(101)を形成する、レセプタクル(130)。
【請求項15】
周囲方向の上部リム(132)を有するボウルと、前記周囲方向の上部リムから横方向に延びる周囲方向のフランジ(133)とをさらに有するレセプタクルであって、前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)の第1の上面(112)に前記周囲方向のフランジが横たわるように前記バットアセンブリ内に配置されるように構成される、請求項14に記載のレセプタクル(130)。
【請求項16】
前記バットアセンブリ(100)の前記凹部(114)は、凹部形状および凹部容積を有し、前記ボウル(131)は、非伸張休止位置において、前記凹部形状に実質的にしたがうボウル休止形状と、前記凹部容積の95%以下を覆うボウル休止容積とを有する、請求項15に記載のレセプタクル(130)。
【請求項17】
前記透明なフィルム材料がフッ素化エチレンプロピレンFEPを含む、請求項14から16のいずれか一項に記載のレセプタクル(130)。
【請求項18】
前記レセプタクルが、0.3mm以下、例えば0.1mm以下の平均壁厚を有する、請求項14から17のいずれか一項に記載のレセプタクル(130)。
【請求項19】
前記レセプタクルは使い捨てである、請求項14から18のいずれか一項に記載のレセプタクル(130)。
【請求項20】
樹脂で予め充填され、前記レセプタクルを閉じる取り外し可能な蓋(534)をさらに含む、請求項14から19のいずれか一項に記載のレセプタクル(530)。
【請求項21】
前記レセプタクルと前記バットアセンブリとの間にシールを形成するための上部ガスケット(642)をさらに備える、請求項14から20のいずれか一項に記載のレセプタクル(630)。
【請求項22】
前記上部ガスケット(642)は、前記レセプタクルの周囲方向のフランジ(633)の下面に存在する、請求項15または21に記載のレセプタクル(630)。
【請求項23】
前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)の前記周囲方向の第1の内側側面(113)によって形成される前記凹部(114)内に前記レセプタクルの前記ボウル(131)が形成された状態で前記バットアセンブリ(100)内に配置される請求項14から22のいずれか一項に記載のレセプタクル(130)を有し、前記ボウル(131)は、前記空気流路(115)を介して前記凹部(114)から空気を排気することによって形成される真空手段によって、前記支持面(152)および前記周囲方向の第1の内側側面(113)に対して引き伸ばされ、前記レセプタクルの部分は前記支持面に対して横たわり、それによって形成されるバット(101)の前記透明なボトムフィルム(103)を形成する、請求項1から13のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置(150)。
【請求項24】
バット(101)を形成する方法であって、
請求項14から22のいずれか一項に記載のレセプタクル(130)を、請求項1~13のいずれかに記載のステレオリソグラフィ装置(150)のバットアセンブリ(100)内に配置することであって、前記凹部(114)内の前記レセプタクルの前記ボウル(131)は、前記周囲方向の第1のフレーム部分(110)の前記周囲方向の第1の内側側面(113)によって形成される、配置することと、
空気を前記凹部(114)から前記空気流路(115)を介して排気して、前記支持面(152)および前記周囲方向の第1の内側側面(113)に対して前記ボウル(131)を引き伸ばし、次いで、前記レセプタクルの部分が前記支持面に接し、前記バット(101)の透明なボトムフィルム(103)を形成することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ボトムアップステレオリソグラフィ3D印刷に関するものである。特に、本明細書は、透明なボトムフィルムを通ってバットに伝達される電磁放射線によって硬化される樹脂を受け入れて保持するための、ボトムアップステレオリソグラフィ装置およびそのような装置のバットに関する。
【背景技術】
【0002】
ボトムアップステレオリソグラフィ印刷において、印刷されるべきオブジェクトが形成される硬化性樹脂を保持するバットは、特定の要件を満たさなければならない。
【0003】
例えば、バットの透明なボトムフィルム(これを通って硬化放射線がバットに受け入れられ、その中の樹脂を硬化させる)はステレオリソグラフィ装置の支持面に密接して位置し、この支持面を通って硬化される層の露光パターンが透過される。例えば、バットの支持面とボトムフィルムとの間に気泡が存在してはならない。ボトムフィルムは剛性であり、十分に真っ直でなければならず、バットの周囲側壁を形成する金属フレームを典型的に含むバットアセンブリに十分にしっかりと取り付けることができるものでなければならない。
【0004】
他方、ボトムフィルムは、異なる製造バッチ間でのその繰り返し洗浄を可能にするのに十分な耐久性を有するべきである。しかしながら、クリーニングのために、ボトムフィルムは不可避的に徐々に摩耗し、また、透明性が低下する。そのため、時々ボトムフィルムを交換しなければならない。これは、結果として、ボトムフィルムのバットアセンブリへの取り付けが取り外し可能であることを必要とする。
【0005】
上記の要件は、従来のバットアセンブリの有用性に制限を設ける。したがって、改良されたバットアセンブリ構成が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この概要は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明される概念の選択を紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を明確に識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。
【0007】
一態様では、ボトムアップステレオリソグラフィ装置(SLA)が開示される。SLAは、支持面と、透明なボトムフィルムを有するバットを形成するためのバットアセンブリとを備え、バットは、その透明なボトムフィルムを通ってバットに伝達される電磁放射線によって硬化可能な樹脂を受容し、保持するために、支持面上に配置されるように構成される。
【0008】
バットアセンブリは、バットアセンブリの底部レベルを画定する第1の下面と、第1の下面から、周囲方向の第1のフレーム部分の厚さ方向で底部レベル(111’)から上昇する上部レベル(112’)まで延在する周囲方向の第1の内側側面(113)と、を有する周囲方向の第1のフレーム部分を備え、周囲方向の第1のフレーム部分内に凹部を画定する。
【0009】
装置は、空気流路と、該空気流路を介して周囲方向の第1のフレーム部分の凹部から空気を吸い込むように構成された排気装置と、を備える。
【0010】
それによって、少なくとも部分的に透明なフィルム材料から形成され、ボウルを含むレセプタクルが、凹部内にボウルを有するバットアセンブリ内に配置されてもよい。そして、これにより形成されたバットが、周囲方向の第1のフレーム部分の第1の下面を支持面に抗して、支持面上に載置されるとともに、空気流路を介して凹部から空気を排気してボウルを支持面および第1の内側側面に抗して伸縮させることができる。
【0011】
次に、支持面に対して横たわるレセプタクルの部分は、バットの透明なボトムフィルムを形成する。
【0012】
第2の態様では、透明フィルム材料で少なくとも部分的に形成され、ボウルを備えるレセプタクルが開示される。
【0013】
レセプタクルは、第1の態様によるバットアセンブリ内に配置されるように構成され、バットアセンブリの凹部内のボウルがバットを形成する。
【0014】
第3の態様では、第1の態様のバットアセンブリにおいて、凹部内にレセプタクルのボウルを有する第2の態様のレセプタクルを配置し、空気流路を介して凹部から空気を排気して、ボウルを支持面および周囲方向の第1の内側側面に抗して伸張させることによって、バットを形成する方法が開示されている。
【0015】
次に、支持面に対して横たわるレセプタクルの部分は、バットの透明なボトムフィルムを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
様々な実施形態を示す添付の図面は説明と共に、実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【
図1】バットアセンブリおよび該バットアセンブリ内に配置可能なレセプタクルの断面分解図を示す。
【
図2】ボトムアップステレオリソグラフィ装置の一部の断面図を示す。
【
図3】バットアセンブリおよび該バットアセンブリ内に配置可能なレセプタクルの斜視断面図を示す。
【
図4】ボトムアップステレオリソグラフィ装置の一部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、いくつかの実施形態の説明として意図される。実施形態が構築され、実装され、または利用され得る唯一の形態を表すことは意図されていない。
【0018】
以下で論じる実施形態および例のうちの1つまたは複数は、有利には例えば、バットの透明なボトムフィルムを形成する低コストの使い捨てレセプタクルを利用するボトムアップステレオリソグラフィ装置およびプロセスのためのバットを形成することを可能にすることができる。
【0019】
図1のバットアセンブリ100は、透明なボトムフィルムを有するバットを形成するために使用され得る。このようなバットは、その底面を通ってバットに伝達される電磁放射線によって硬化される樹脂を受容し、保持するために、ボトムアップステレオリソグラフィ装置において使用され得る。
【0020】
「ステレオリソグラフィ」は、材料層の実際の「印刷」が可視光または紫外線などの電磁放射線による硬化性樹脂の層の硬化に基づく3D印刷技術を指す。このような印刷は、様々な3Dオブジェクトの正確な製造を可能にする。ステレオリソグラフィ装置は、ステレオリソグラフィ3Dプリンタ、またはステレオリソグラフィ添加剤製造装置とも呼ばれる。
【0021】
ステレオリソグラフィ装置は、例えば、歯科用副木、模型、外科用ガイド、一時的充填物、および歯列矯正模型などの歯科用オブジェクトを高い精度および効率で製作するように構成されてもよく、または製作するために使用されてもよい。
【0022】
追加的または代替的に、ステレオリソグラフィ装置は、例えば、宝石、または様々な機械的構成要素、またはプロトタイプ、またはそのようなものの予備部品など、任意の他のタイプの3D印刷可能オブジェクトを製造するように構成され、またはそれを製造するために使用されてもよい。
【0023】
ボトムアップステレオリソグラフィ装置およびプロセスでは、印刷されるオブジェクトは、透明ボトムフィルムを有するバットに受け入れられ、保持される硬化性樹脂から形成される。電磁放射線のパターンは、ボトムフィルムを通してバットに伝送されて、バットの底面にある樹脂の層を硬化させる。印刷されるオブジェクトは、各層の硬化後に上方に持ち上げられる構築プラットフォームの構築面上に層ごとに形成される。
【0024】
硬化電磁放射線の実際の露光パターンは、例えば、放射素子と、該放射素子によって放射される放射線を部分的にマスキングするマスキング素子とによって生成されてもよい。このような放射素子およびマスキング素子は、SLAのテーブルの支持面の透明部分の下に配置することができる。放射素子は、発光ダイオード(LED)素子のアレイなど、任意の適切なタイプの1つまたは複数の放射線源を備えることができる。マスキング要素は、例えば、液晶パネルまたは液晶要素を含むことができる。
【0025】
図1のバットアセンブリ100は、周囲方向の第1のフレーム部分110を備える。
【0026】
本体または表面などのオブジェクトの「周囲の」性質は、開放中心または内側領域または容積を取り囲む周囲に沿って閉ループを形成するオブジェクトの構成を指す。基本的に、このような周囲は、円形、楕円形、楕円形、または長方形など、任意の形状を有することができる。
図1の例では、第1のフレーム部分110の形状およびその周囲が例えば、丸みを帯びた角を有する実質的に長方形であってもよい。このような実質的に長方形の周囲形状を有するバットアセンブリの一例が
図3に示されている。
【0027】
周囲方向の第1のフレーム部分は、バットアセンブリの底部レベル111’を規定する第1の下面111と、第1の底面および底部レベルから第1のフレーム部分の厚さ方向に上昇する上部レベル112’を画定する第1の上面112とを有する。第1のフレーム部分の全体的な周囲方向の構成は、第1の下面および第1の上面も周囲方向である結果となる。
【0028】
図1の例では、第1の上面および第1の下面のそれぞれは略平面であり、それらの面は互いに略平行に延びている。したがって、周囲方向の第1の下面および第1の上面は平面開口118、119を取り囲み、かつ画定する。
【0029】
第1のフレーム部分の厚さ方向における第1の下面からの第1の上面の「立面」とは、厚さを有する第1のフレーム部分をいう。第1の下面から「上昇」される第1の「上」面は、第1の下面111から第1の上面112に向かって、バットアセンブリに固定された仮想座標系で方向付けられるバットアセンブリの「上向き」方向Uを規定する。前記上方向Uは、
図1において矢印で示されている。当然、地球に固定された標準座標系では、前記「上向き」方向は、バットアセンブリの位置決めに応じて、実上向き方向から逸脱することがある。
【0030】
第1の下面111および第1の上面112は、周囲方向の第1の内側側面113を介してまたはそれによって接続されている。
【0031】
「内側」とは、第1のフレーム部分110の周囲の内側における前記面の側を指し、しよって、第1の内側側面113は、周囲方向の第1のフレーム部分で囲まれた内部容積の方を向く。周囲方向の第1の内側側面113によって横方向に画定される前記内部容積は、第1のフレーム部分110内に凹部114を形成する。
【0032】
有利には、第1のフレーム部分が、周囲方向の第1の内側側面113を通って凹部114に開口する空気流路115を備える。
【0033】
周囲方向の第1の内側側面を通って凹部114に「開口」する空気流路115は、周囲方向の第1の内側側面113に開口116の形態の開口端を有する空気流路を指す。空気または任意の他の気体は、開口116を通って凹部と空気流路との間を流れることができる。
【0034】
図1の例では、空気流路115は、他端が第1のフレーム部分の外側に開口している。凹部から空気を吸引または排出するために、任意の適切な空気排気装置を他端に接続することができる。そして、空気流路は、第1の周囲方向の第1のフレーム部分の排気装置と凹部とを接続してもよい。
【0035】
図1のバットアセンブリ100は、周囲方向の第2のフレーム部分120をさらに備える。周囲方向の第2のフレーム部分は第2の下面121を有し、これは、第2のフレーム部分の周方の構成に起因して、周囲方向である。第2のフレーム部分120は、周囲方向の第2の下面121が周囲方向の第1の上面112の方を向くようにして、第1のフレーム部分110上に解放可能に取り付けられ得るように寸法決めされ、成形される。
【0036】
前記解放可能な取り付けは、1つまたは複数のネジアタッチメント、クランプ等のような、任意の他の適切な手段によって実施されてもよい。
【0037】
他の実施形態は、第2のフレーム部分なしで実施されてもよい。
【0038】
第1のフレーム部分110および第2のフレーム部分120は、任意の適切な材料で形成することができる。例えば、このような材料は、アルミニウムまたは鋼のような金属、またはプラスチック材料を含むことができる。
【0039】
図1はまた、周囲方向の上部リム132と、上部リムから横方向に延びる周囲方向のフランジ133とを有するボウル131を備える、例示的なレセプタクル130を図示している。
【0040】
図1のレセプタクル130は、そのボウル131が第1のフレーム部分110の凹部114にあり、そのフランジ133が第1のフレーム部分110の第1の上面112にある状態で、バットアセンブリ100内に配置されるように、形状および寸法が決められている。そして、第2のフレーム部分120および第1のフレーム部分110が上述したように一緒に取り付けられるとともに、レセプタクル130は、そのフランジ133が第1のフレーム部分110の第1の上面112と第2のフレーム部分120の第2の下面121との間に横たわり、かつ押圧されるようにしてもよい。
【0041】
それによって形成されたバットおよびステレオリソグラフィ装置(SLA)におけるその使用を
図2に示す。
【0042】
図2のステレオリソグラフィ装置150は、ボトムアップ型である。ボトムアップSLAでは、バットによって保持された樹脂がバットの透明なボトムフィルムを通ってバットに伝達される電磁放射線を硬化させることによってバットの底面で層ごとに硬化される。印刷される対象物は、
図2の図面において矢印でマークされたように、垂直に移動可能なビルドプラットフォーム155のビルド表面156上に形成される。
【0043】
SLAは、支持面152を形成するテーブル151を有する。テーブルは、外部放射線源からの放射線が透過されることを可能にする透明板を備えることができる放射線透過部153を備える。代替的に、透過部153が硬化電磁放射を生成する露光装置を備えてもよい。
【0044】
露光装置は、例えば、放射線源としてアレイ状に配置可能な1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備えることができる。露光装置は、放射線源によって放出された放射線を部分的にマスクするために、液晶パネルなどのマスキング要素をさらに含むことができる。これにより、マスクが、硬化される各層の実際の露光パターンを形成することができる。
【0045】
図2の図面に示すように、バットアセンブリ100を用いて
図1を参照して上述したように、形成されたバット101は、放射線透過部153の位置でSLA150の支持面152上に配置される。そして、
図2の図面Aに示すように、バットアセンブリ100とSLAのテーブル151との間の凹部114に閉鎖容積102が形成される。閉鎖容積は、支持面152、第1のフレーム部分110の周囲方向の第1の内側側面113およびレセプタクル130のボウル131によって画定される。
【0046】
第1のフレーム部分110の凹部114は、周囲方向の第1の内側側面113によって画定され、特定の凹部形状を有している。これに対応して、凹部は、特定の凹部容積を有する。
図1および
図2の例では、このような凹部容積は、第1のフレーム部分110の第1の上面112および下面111によって囲まれた第1の内側側面113および平面開口118、119によって画定されているとみなすことができる。
【0047】
レセプタクル130のボウル131は、それに対応して、その伸張されていない休止位置において、実質的に凹部形状にしたがったボウル休止形状と、第1のフレーム部分110の凹部容積よりも僅かに小さいボウル休止容積とを有する。ボウルはさらに、1つまたは複数の伸張位置を有してもよい。
【0048】
ボウル休止容積は、例えば、凹部容積の95%以下、例えば、80%以下を覆ってもよい。ボウルのわずかに小さいサイズは後述するように、第1のフレーム部分110および支持面152に対するボウルの伸張を可能にし得る。
【0049】
SLA150は、空気パイプ154を有する排気装置を備える。
図2の図面では、空気パイプは空気流路115に接続され、空気流路を介して凹部114から空気を吸引または排気することができ、
図2の図面A)に破線矢印で示すように、排気装置と凹部とを接続する。それによって、閉鎖容積102内に形成される真空は、
図2の図面A)に4つの矢印で示すように、レセプタクル130のボウル131を第1のフレーム部分110の周囲方向の内側側面113および支持面152に向かって有利に伸ばすことができる。その結果、
図2の
図B)に図示するように、次に、レセプタクルは、第1のフレーム部分110の周囲方向の内側側面113および支持面152に押し付けられるようになる。SLAのテーブル151の支持面152に当接するレセプタクル130の部分は、バット101の少なくとも部分的に透明なボトムフィルム103を形成する。
【0050】
レセプタクル130は、例えば、フッ素化エチレンプロピレンFEPを含むことができる透明なフィルム材料から形成される。FEPは、バットのボトムフィルム103を透過した放射線に曝露することによって、印刷されるオブジェクトの層を適切かつ正確に硬化させるのに十分な光学的透明性を提供することができる。FEPは、また、ボトムフィルムの十分な剛性を提供し得、そして例えば、熱成形によって容易にレセプタクルの製造を可能にし得る。フィルムは、例えば、約0.3mm以下の壁厚を有することができる。0.1mm以下の薄い厚さであっても使用することができる。
【0051】
他の実施形態では、レセプタクルが透明なフィルム材料で部分的にのみ形成されることが可能である。
【0052】
したがって、レセプタクルの一部、すなわち、最終バットアセンブリにおいて透明なボトムフィルムを形成する部分のみが、透明なフィルム材料から形成されることが可能である。次に、レセプタクルの残りの部分は、不透明または透明性の低い材料で形成されてもよい。
【0053】
空気の吸引または排気を行うために、排気装置は、空気パイプ154に接続された、空気ポンプなどの任意の適切な真空手段を備えることができる。エアポンプの代わりに、真空手段は、例えば、閉鎖容積を拡大することによって凹部から空気を吸引または排出するために、空気流路に接続された機械的に調節可能な閉鎖容積を有する任意の適切な装置を備えてもよい。このような排気装置は、SLAまたはバットアセンブリ自体に一体化されてもよい。
【0054】
図1および
図2を参照して上述したバットアセンブリ、レセプタクル、バット、およびSLAによって、いくつかの利点を達成することができる。
【0055】
例えば、完全なバット101を容易に形成するために別個のレセプタクル130を配置することができるバットアセンブリ100は、使い捨てレセプタクルを使用することを可能にする。そして、各生産バッチは、使い捨てレセプタクルを使用して、印刷されてもよく、または各印刷操作が実行されてもよい。その場合、残留樹脂からバットを洗浄する必要はない。
【0056】
使い捨てレセプタクルは、使用時に樹脂で充填されてもよい。代替的な実施形態では、使い捨てレセプタクルがあらかじめ樹脂で充填された状態であってもよい。このような予め充填されたレセプタクルは、使用前に除去されるフィルムによって任意に閉鎖されてもよい。
【0057】
また、第2のフレーム部分120を有するバットアセンブリ100の実施形態は、バット101を形成し、そのレセプタクル130を交換することを簡単にする。
【0058】
第1のフレーム部分110の空気流路115は凹部114から空気を排気し、バットアセンブリ内に配置されたレセプタクル130のボウル131を引き伸ばすことを可能にし、バットアセンブリ100の実現可能性をさらに大幅に改善する。第一に、それは、ボウルがその休止位置にあるときに、ボウルの底面部分自体が完全に真っ直でない場合であっても、バットの底面フィルムが、バットが配置されるSLAの支持面に対して共形に位置することを確実にすることを可能にする。これにより、レセプタクルを非常に薄いフィルムで形成することができ、材料コストの節約を提供することができる。さらに、空気流路を介して空気を排出することによって支持面に対して伸張されるフィルムは、バットのボトムフィルムから硬化層を制御して剥がすことを可能にし得る。
【0059】
図1および
図2の例示的なバットアセンブリ100では、周囲方向の第1の内側側面113は周囲方向の円錐形部分117を備える。円錐形部分は、例えば、第1のフレーム部分の上方厚さ方向Uに対して10~45度の角度だけ傾斜させることができる。凹部114を横方向に規定する第1の内側側面113の周囲方向の円錐形部分117は、凹部を厚さ方向に上方に延在させ、ひいては上方の厚さ方向Uに延在させる。
【0060】
他の実施形態では、円錐形部分を有さない実質的に垂直な周囲方向の第1の側面を使用することができる。さらに他の実施態様において、円錐形部分は周囲方向の第1の内側側面の一部のみを覆ってもよく、それによって、そのような円錐形部分はそれ自体周囲方向ではない。
【0061】
バットアセンブリの第1のフレーム部分の凹部形状に実質的にしたがうボウル休止形状を有するレセプタクルは、例えば、熱成形または成形によって製造されてもよい。第1のフレーム部分の周囲方向の第1の内側側面の円錐形部分は、成形ツールの熱成形が適切なドラフトを有することを可能にすることによって、そのような製造を容易にし得る。ドラフトは、完成したレセプタクルを、製造過程でボウルの形状が画定される手段によって、金型などの工具から解放することを容易にすることができる。
【0062】
真空を作り出すことに加えて、空気流路115を使用して、真空と、レセプタクルが第1のフレーム部分110の内側側面113およびSLA150の支持面152に押し付けられる力とを調整することもできる。例えば、樹脂の層の硬化が完了した後に構築プラットフォーム154を上昇させるために、真空をわずかに緩和することができる。これにより、バット101のボトムフィルム103を上方に曲げて、ボトムフィルムからの硬化層の滑らかで制御された剥離を容易にすることができる。
【0063】
図1および
図2の例では、第1のフレーム部分110が第1の上面112に形成された周囲方向の上部シール溝141を備え、この上部シール溝内に上部ガスケット142が配置されている。上部シール溝およびそのような上部ガスケットは、第1のフレーム部分の第1の上面112と、バットアセンブリ内に配置されたレセプタクル130のフランジ133との間に気密シールを形成することができる上部シール手段としての役割を果たすことができる。
【0064】
他の実施形態では、任意の他の適切なタイプの上部シール手段を使用することができる。例えば、レセプタクルのフランジの下面は、その上に接着剤またはシーリング剤の層、またはガスケットを有することができる。そのような層またはガスケットは、バットアセンブリの第1のフレーム部分の第1の上面と第2のフレーム部分の第2の下面との間でレセプタクルのフランジを押圧するための第2のフレーム部分のないバットアセンブリの実施を可能にし得る。レセプタクルのフランジに一体化されたガスケットの例を、
図6を参照して以下に論じる。
【0065】
さらに他の実施形態では、いかなる上部シール手段も用いずに、バットアセンブリおよびSLA構成を実施することが可能であり得る。
【0066】
図1および
図2の例の第1のフレーム部分はさらに、第1のフレーム部分110の第1の下面111に形成された周囲方向の下部シール溝143を備え、下部シール溝には下部ガスケット144が配置されている。下部シール溝およびそのような下部ガスケットは、SLA150の第1の下面と支持面152との間に気密シールを形成することができる下部シール手段として機能することができる。
【0067】
他の実施形態では、任意の他の適切なタイプの下部シール手段を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、SLAの支持面とバットアセンブリの第1のフレーム部分との間のシーリングは、第1のフレーム部分の第1の下面の中または上ではなく、支持面の中または上に形成または配置されたシール手段によって達成されてもよい。このようなシール手段は、
図1および
図2の例示のシール手段に対応して、支持面に形成されたシール溝と、その溝内に配置されたガスケットとを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1のフレーム部分の第1の下面およびSLAの支持面の一方にシール溝を形成し、それらの面の他方の一方にガスケットを装着して、バットアセンブリが支持面上に配置されたときに溝内に配置されるようにしてもよい。このような配置は、バットアセンブリと支持面とを互いに対して適切に整列させるためにさらに役立ち得る。
【0068】
また、下部シール手段なしでバットアセンブリおよびSLA構成を実施することも可能である。
【0069】
図2を参照して上述した実施形態では、バットアセンブリ100がSLAに属していてもよい。バットアセンブリ100は、SLA150の支持面152上に取り外し可能に配置されてもよいし、取り付けることなくその上に置かれてもよい。バットアセンブリがSLAに属する場合、バットアセンブリは、バットアセンブリの第1のフレーム部分の空気流路に接続された空気排気装置を用いてバットの支持面上に取り付けることができる。
【0070】
上記の実施形態および例は、本明細書の範囲内のすべての可能なバットアセンブリ、レセプタクル、バット、および/またはステレオリソグラフィ装置の限定的または排他的な例ではないことに留意されたい。その代わりに、任意のさらなる実施形態およびその変形形態を、特許請求の範囲内で実施することができる。
【0071】
例えば、バットアセンブリの形状および/または寸法は、
図1および
図2のものとは異なっていてもよい。一例を
図3に示す。
【0072】
図3のバットアセンブリ300およびレセプタクル330は、基本的に
図1および
図2のものと一致する。しかしながら、形状および相対的な寸法に差がある。例えば、第1のフレーム部分310の第1の下面および上面311、312、および第2のフレーム部分320の第2の下面321は、
図1および
図2の例のものよりも広くなっている。また、周囲方向の第1の内側側面313の形状は、
図1および
図2の例のものと若干異なる。レセプタクル330の形状および寸法にも対応する相違がある。さらに、上部シール溝341および下部シール溝343にはガスケットは図示されていない。
【0073】
他の実施形態では、バットアセンブリの形状および/または寸法のさらなる変形が可能である。例えば、バットアセンブリは、特定の第1の上面を有さない第1のフレーム部分を有するように実装されてもよい。次いで、周囲方向の第1の内側側面は第1の下面から、厚さ方向に底部レベルから上昇した上部レベルまで延在してもよい。そのような実施形態では、そのボウルが凹部内にある状態でレセプタクルアセンブリ内に配置可能なレセプタクルは、ボウルの上部リムから横方向に延びる任意の特定のフランジを欠くことができる。
【0074】
そのような実施形態において、バットアセンブリが、フランジの代わりに、バットアセンブリ内に配置されたレセプタクルのいくつかの他の周囲方向の取り付け部分が第1のフレーム部分と第2のフレーム部分との間に存在し得るように、成形および寸法決めされ得る、周囲方向の第2のフレーム部分を備える。「取り付け」とは、レセプタクルを第1および第2のフレーム部分の間に押し付けることによってレセプタクルをバットアセンブリに取り外し可能に取り付けることができる部分として働く周囲方向の部分を指す。
【0075】
他方、そのような実施形態では、任意の適切な位置で第1のフレーム部分とレセプタクルとの間に気密シールを形成することができる上部シール手段を使用することができる。例えば、周囲方向の第1の内側側面にガスケットを配置してもよい。
【0076】
例えば、空気流路の位置においてもバリエーションが可能である。一例を
図4に示す。
【0077】
図4のSLA450は、基本的に、
図1~
図3を参照して上述したものいずれかにしたがうことができる。
図4のSLA450は、バット401が支持面452上にあるとき、支持面を通ってテーブル451内にあり、凹部414に開口するように配置された空気流路415がある点で、それらと区別される。
【0078】
また、
図4の図面は、支持面452および周囲方向の第1の内側側面413に対するレセプタクル430の伸張を図示している。
図A)では、伸張されていないレセプタクル430のボウルが凹部414の容積よりも少し小さく、レセプタクルのレセプタクルを形成するフィルムは多少波打ってもよい。
図B)は、空気流路415を介して凹部414から空気を排気することによって、伸張された位置に伸張されるようにレセプタクル430を図示する。
【0079】
使い捨てであり得る
図5のレセプタクル530は、基本的に、
図1~
図4を参照して上述したものいずれかにしたがってもよい。これは、
図Aに示すように、レセプタクルを閉じる蓋534を有する点で、これらと区別される。
【0080】
図5の例では、蓋534は透明であるように示されている。他の実施形態では、蓋は不透明であってもよい。
【0081】
蓋534は、例えば、何らかの適切なプラスチック材料で形成することができる薄いフィルムとして形成される。不透明な蓋は、例えば、アルミニウムまたは他の金属の薄い箔で形成されてもよい。
【0082】
図5の例では、蓋はレセプタクルのフランジ533に取り付けられている。他の実施形態では蓋はレセプタクルの何らかの他の部分に取り付けられてもよい。
【0083】
取り付けは、例えば、蓋534をレセプタクル530に接着することによって実施することができる。他の実施形態では、蓋およびレセプタクルの特定の相補的形状に基づく機械的取付けを使用することができる。
【0084】
蓋534は取り外し可能である。
図5の例では、蓋534は、レセプタクルのフランジ533から部分的に取り外された蓋を示す
図Bに示すように、レセプタクル530から蓋を剥がすか、または引き裂くことによって取り外すことができる。蓋を取り外すために蓋を把持するのを容易にするために、タブ535が蓋に取り付けられている。他の実施形態では、タブの代わりに、蓋自体が蓋を剥がすかまたは引き裂くために蓋を把持することを可能にする特定の部分または凸部を有する可能性がある。
【0085】
取り外し可能な蓋534は、樹脂で予め充填されたレセプタクルを提供することを可能にする。次いで、SLAの使用者はすぐに使用できるレセプタクルを取り、それをバットアセンブリに入れ、そのカバーを剥がすか、または引き裂くことができる。使用後、残った樹脂を硬化させ、硬化した樹脂と共にレセプタクルを通常の廃棄物として処分することができる。
【0086】
図6のレセプタクル630は斜視断面図および側面断面図で示されており、基本的には、
図1~
図5を参照して上述したものいずれかにしたがうことができる。例えば、
図5を参照して上述したような蓋を有してもよい。
【0087】
レセプタクル630は、レセプタクルのフランジ633の下面に取り付けられた上部ガスケット642を有するという点で、他のレセプタクルとは区別される。
【0088】
フランジ633内に一体化された上部ガスケット642は、レセプタクルと、レセプタクル630を上述したものいずれかに基本的に従うことができるバットアセンブリ内に配置することによって形成される完全なバット内のバットアセンブリとの間にシーリングを形成する役割を果たすことができる。このようなバットアセンブリの第1のフレーム部分は、その第1の上面に形成された周囲方向の上部シール溝を備えることができ、その上部シール溝には、フランジ633の上部ガスケット642が配置可能である。したがって、
図1および
図2とは異なり、バットアセンブリの上部シール手段自身は、上部ガスケットを含む必要はない。
【0089】
他の実施形態では、上部ガスケットが、例えば、ボウルの外面上のレセプタクルの他の場所に存在してもよい。
【0090】
上記の利点および利点は、1つの実施形態または例に関連し得るか、またはいくつかの実施形態または例に関連し得ることが理解されるのであろう。実施形態および実施例は、記載された問題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または記載された利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されない。さらに、アイテムへの言及は、それらのアイテムのうちの1つまたは複数を指すことを理解されたい。
【0091】
「含む」という用語は、本明細書では1つまたは複数の追加の特徴の存在を排除することなく、その後に続く特徴を含むことを意味するために使用される。
【符号の説明】
【0092】
100/300 バットアセンブリ
100/401 バット
102 バットアセンブリ内に形成された閉鎖容積
103 バットの透明なボトムフィルム
110/310 第1のフレーム部分
111/311 第1の下面
112/312 第1の上面
113/313 第1の内側側面
114/314/414 凹部
115/315/415 空気流路
116/316 第1の内側側面の開口
117/317 第1の内側側面の円錐形部分
118/318 第1の下面によって画定される開口
119/319 第1の上面によって画定される開口
120/320 第2のフレーム部分
121/321 第2の下面
130/330/430/530/630 レセプタクル
131/331 ボウル
132/332 ボウルの上部リム
133/333/533/633 レセプタクルのフランジ
534 蓋
535 タブ
141/341 上部シール溝
142/642 上部ガスケット
143/343 下部シール溝
144 下部ガスケット
150/450 ステレオリソグラフィ装置(SLA)
151/451 テーブル
152/452 支持面
153 放射線透過部
154 空気パイプ
155 ビルドプラットフォーム
156 ビルド表面
【国際調査報告】