(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】目標を打撃する方法
(51)【国際特許分類】
F41G 7/30 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
F41G7/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527781
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 SE2020051026
(87)【国際公開番号】W WO2021096406
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518357852
【氏名又は名称】ベーアーエー・システムズ・ボフォース・アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS BOFORS AB
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】イリエフ,ボイコ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッタースコーグ,ペータル
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション,トーマス
(57)【要約】
本発明は、最初の発射物の後に目標に発射された少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法である。後続の発射物は、前の発射物の自爆時の情報に基づいて、その進路を変更し、目標を検出する能力を向上することができる。本発明は発射物および信管も含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初の発射物の後に目標に発射された少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法であって、前に発射された発射物が目標を検出することと、前記目標の位置情報を前記後続の発射物に送信することとによって、前記後続の発射物は、前の発射物の自爆時の情報に基づいて、その進路を変更し、前記目標を検出する能力を向上する、
少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項2】
前記後続の発射物は、前記受信した位置データにおける前記目標へのその進路を設定して、前記目標の推定軌道に基づいて、外部指令によって爆発する、または推定の着弾点で爆発する、
請求項1に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項3】
前記目標の位置データを利用して前記目標軌道を推定する、
請求項2に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項4】
前記推定された前記目標軌道を利用して、爆発のための最適な着弾点を計算する、
請求項2または3に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項5】
発射制御システムから送信される信号を外部指令として利用する、
請求項2に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項6】
前記目標の位置データは、前記発射物に対する方向である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項7】
前記目標の位置データは、三次元測位システムにおける特定の位置である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項8】
前記位置データは、前記発射物内のセンサの感度を指示することに利用される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【請求項9】
前記センサの前記感度を、全方向の360°から、90°未満の部分における感度に変更する、
請求項8に記載の少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、誘導爆弾を有する砲弾を利用して目標を打撃する方法に関する。また、本開示は発射物および信管にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミサイル、航空機またはヘリコプタなどの目標を打撃するとき、砲弾は、時限信管または近接信管を有する発射物を利用する。時限信管を有する発射物は特定の時間で爆裂/爆発するように設定され、当該特定の時間は、発射速度や、目標までの距離などのパラメータによって決定される。あるいは、発射物は、発射物内のセンサによって目標が検出されたら、目標に近接する場所で発射物に爆裂/爆発させる近接信管を利用する。このような種類のセンサは、目標追跡器(target seeker)とも呼ばれる。
【0003】
目標追跡器が搭載された誘導式の発射物(guided projectile)を利用して目標を打撃するための方法および装置の例示は、欧州特許第0048068号明細書において見られる。当該文献は、誘導されて爆裂可能な発射物、または、目標追跡器(target trackers/seekers)が搭載されたミサイルを利用する打撃方法を開示しており、当該目標追跡器は発射物またはミサイルを目標へ自動的に誘導する。正確さを向上するために、爆発によって発射される発射物またはミサイルは、発射物/ミサイルが目標を検出するときに動作する送信器を搭載する。動作し始めると、送信器は、発射物および後続の発射物に対する目標の位置を指す信号を送信する。最初の発射物から送信されて位置を指す信号によって誘導される後続の発射物は、目標軌道と一致するようにその軌道を変更する。よって、後続の発射物は、比較的に正確な、目標への軌道を取得する。欧州特許第0048068号明細書に記載の発明は、後続の発射物を含む打撃が目標追跡器からのデータのみに基づく点で、本出願に記載の発明と異なる。
【0004】
本発明が解決しようとする追加的な問題は、様々な実施例の詳細説明によって明らかになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、いくつかの発射物が順に目標へ発射されるときに目標を打撃する能力を向上することにある。
【0006】
本発明は、最初の発射物の後に目標に発射された少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法に関する。後続の発射物は、前の発射物の自爆時の情報を利用することによって、その軌道を変更して、目標方向を改善することができる。
【0007】
目標へ発射される少なくとも1つの後続の発射物の着弾点を改善する方法には、以下の概念が適用される。すなわち、前に目標へ発射される発射物は、目標を検出して当該目標の位置データを後続の発射物に送信する。
【0008】
後続の発射物は、受信した目標の位置データを利用して、目標へのその進路(course)を設定して、推定された目標軌道に基づいて、外部指令によって爆発する、または推定の着弾点で爆発する。
【0009】
予測された目標軌道は目標の位置データに基づいて計算される。
【0010】
爆発時は、予測された目標軌道に基づく最適な着弾点で発生する。
【0011】
外部指令は、発射制御システムから送信される信号である。
【0012】
目標の位置データは、発射物に対する方向である。
【0013】
目標の位置情報は、三次元測位システムにおける特定の位置である。
【0014】
位置データは、発射物内のセンサの感度を指示することに利用される。
【0015】
センサの感度は、全方向の360°から、90°未満の部分における感度に変更可能である。
【0016】
さらに、本発明は、前述した着弾点を改善する方法を利用する発射物に関する。
【0017】
本発明は、発射物に利用される信管にも関し、当該発射物は前述した着弾点を改善する方法を利用する。
【0018】
本発明の利点は、発射される発射物による動作は、目標に対してより効率的に利用可能である。自爆する1つ目の発射物は、通信を利用して直接的にまたは間接的に送信し、目標をまだ検出していない後続の発射物に時限データを提供する。さらに、目標は発射時に検出され得て、目標の位置は、後続の発射物に送信可能であり、後続の発射物が目標を打撃する能力を向上することができる。後続の発射物は、目標へのその進路を設定して、内部のセンサによって目標を検出したときに、または、代替的に、推定された時間に、もしくは、外部の信号が発射物に送信されるときに、爆発する。
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施例に基づく、誘導式の発射物を利用して目標を打撃する方法のためのフローチャート
【
図2】本発明の一実施例に基づく、目標を打撃するための装置のブロック図
【
図3】本発明の一実施例に基づく目標の移動を示す図
【
図6】本発明の一実施例に基づく発射物の軌道を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
筒式武器(barrel weapon)から発射される、かつ誘導式でない発射物を利用して空中目標(air target)などの移動目標を打撃するとき、発射物は、当該発射物が目標に届くポイントを狙う。この種類のポイントは、一般的には狙点(point of aim)と呼ばれ、測定データおよび推定に基づいて予測される。同じ推定によって、目標へ発射される発射物の軌道も予測可能である。当該推定または予測は、発射物の以前の位置、および、当該発射物が未来でどのように動作するかについての仮定に基づくものである。
【0022】
砲弾および発射物を利用して目標を打撃するように設計されたシステムは、発射制御(fire control)と、武器と、発射物という3つの部分を含むことができる。このようなシステムは、防弾ベースの対空防御とも呼ばれる。発射物は、様々な形式の発射物として理解され得て、例えば、目標を打撃するための手榴弾、ミサイル、および/またはロケットであってもよい。防弾ベースの対空防御に利用される発射制御システムは、1つまたは複数のセンサと、検出データを管理および評価するいくつかの方法とを含む。発射制御システムに含まれて利用される当該1つまたは複数のセンサは、照準器とも呼ばれる。照準器から抽出される情報は、照準器と武器との方向の制御に利用される。
【0023】
第1実施例において、発射物は、発射装置が水平的にも垂直的にも移動されない状態で順に発射され、一列になって、またはほぼ一列になって目標へ進む。発射される発射物はタイムスロット(time slot)でプログラミングされ、すなわち、発射物内のセンサは特定の時間間隔にわたって目標を検出することができる。この場合、最初の発射物のタイムスロットは後続の発射物と通信するように用いられる。設定されたタイムスロット内に最初の発射物によって目標が検出されていない場合、当該発射物が爆発する。このことは、目標追跡器/センサの探索領域内において目標が検出されていない後続の発射物は順に通知される。前方の発射物との通信ができないときでも、後続の発射物は、目標が前方の発射物によってまだ検出されていないときになにも受信していないと気づくことによって、依然としてこの情報を取得することができる。代替的に、後続の発射物は、前方の発射物の爆発の情報を取得するためにセンサを有してもよく、当該センサは、例えば、光学センサであってもよく、前方の発射物の爆発を検出することができる。前の発射物がすでに目標を検出することができない場合、後続の発射物は、目標の検出により適切な位置に着くために、その軌道を変更してもよい。代替的に、発射物は、自爆までに目標を検出していなかったという情報を受信する。いくつかの後続の発射物が発射される場合において、後続の発射物により広い範囲をカバーさせるために、異なる軌道が選択可能である。
【0024】
第2実施例において、発射物は、発射装置が水平的にも垂直的にも移動されない状態で順に発射され、一列になって、またはほぼ一列になって目標へ進む。最初の発射物が目標を検出するとき、1つ目の後続の発射物との通信は、方向のみを送信することによって簡略化され得る。1つ目の後続の発射物は、最初の発射物から情報を受信し、通信で得た方向へのその進路を設定する。1つ目の後続の発射物が目標を検出するとき、当該発射物は方向をそれに続く発射物等に送信する。
【0025】
第3実施例において、発射物は任意の方法で目標へ発射される。この実施例において、発射された発射物との相対位置が不明である。それぞれの発射物は、その現在位置を測定する装置を有し、当該現在位置は、慣性航法(inertial navigation)もしくは衛星航法(satellite navigation)、または、慣性航法と衛星航法との組み合わせによって測定可能である。最初の発射物が目標を検出するとき、最初の発射物は、最初の発射物の現在位置、および、後続の発射物の現在位置に対する目標の位置を送信する。最初の発射物は目標の情報を1つ目の後続の発射物に送信し、当該目標の情報は、最初の発射物の位置、および、最初の発射物の位置に対する目標の位置を含む。2つ目の発射物は、その現在位置に基づいて、最初の発射物の位置、および1つ目の発射物に対する目標の位置、ならびに、2つ目の発射物を目標へ進むのに必要な操作を計算する。
【0026】
図1は、誘導式の発射物を利用して目標を打撃する方法のためのフローチャートを示す、ステップ1。打撃が開始すると、
図1におけるステップ2のように、照準器が目標へ誘導される。一般的に、これは外部装置によって可能となり、外部装置は、例えば、時間の関数として目標の位置に関する情報を継続的に伝達する偵察用レーダ(reconnaissance radar)である。この外部装置は割当装置(assigning device)と呼ばれる。目標へ照準される照準器と並行して、筒は予め計算された狙点に照準され得て、狙点の位置は割当装置からのデータに基づくものである。筒が配置につけられると、打撃は、目標へ発射物を発射することによって始まることができる。目標へ移動する発射物は、目標が検出可能な目標追跡器、センサ、または近接信管を有する。ステップ3、すなわち、目標を検出することから見られることに、1つ目の発射された発射物が目標を検出するとき、または、発射された発射物の1つ目が目標を検出するとき、当該発射物は、当該発射物に対する目標の位置を記録する。
図1のステップ4において、目標の情報は通信で、最初の発射物が信号を後続の発射物に送信することによって、後続の発射物に送信される。この通信は、専用の通信設備を用いて送信され得て、例えば、無線通信もしくは光学通信等の様々な形式で、または他の手段で送信され得る。各実施例において、それぞれの発射物はその一意的なアドレスを有し、目標の情報は後続の発射物のすべてに送信される。次のステップはステップ5であり、最初の発射物が情報を後続の発射物に送信した後、発射物が爆発する。代替的な実施例において、爆発は、最初の発射物が後続の発射物から確認を受信してから行ってもよい。発射物がタイムスロットで発射される実施例において、発射物はそのタイムリミットの終了時に自爆する。この場合において、通信は爆発の前に後続の発射物に送信され得て、および/または、後続の発射物は、最初の発射物のタイムスロットを知って、ひいては最初の発射物のタイムリミットの終了時を知るようにプログラミングもしくは設定され得る。
【0027】
ステップ6において、後続の発射物は、情報を受信し、当該情報を用いて目標の所在地について更新する。後続の発射物は、その現在位置および推定進路に基づいて、目標に対してより適切な位置に着くために、その軌道を改善するように操縦され得る。発射物が目標に対してより適切な位置に着くように発射物を操縦するプロセスは、ステップ7、すなわち進路修正、において見られることである。第1実施例のように発射物がタイムスロットを用いて発射される、後続の発射物が前方の発射物から情報を受信していない、かつ、前方の発射物がタイムスロットの終了時に爆発した場合、後続の発射物は、目標がまだ検出されていないことを知る。後続の発射物は、最初の発射物のタイムスロット、ひいては自爆/自動爆発の時間を知るとき、タイムリミットに達したのに目標の情報をまだ受信していない場合、最初の発射物がすでに目標を検出することができないと判断できる。その後、後続の発射物は、目標を検出する可能性を高めるために、その進路を修正してもよい。
【0028】
1つまたは複数の後続の発射物は、目標追跡器、センサ、または近接信管を用いて目標が検出できる位置に進む。目標が検出できない場合、発射物は、外部指令を用いることによって、爆発するように設定され得て、当該外部指令は、例えば、割当装置から通信される信号である。割当装置に含まれたレーザは、発射物と目標との両方を検出することができる。よって、割当装置は、適切な時間に発射物に爆発させて目標に衝突させるように、発射物に通信を送信することができる。仮に追跡器が目標を検出できなく発射物が外部信号を受信して爆発する場合においても、後続の発射物は目標の位置をすでに受信した。よって、後続の発射物は、その進路を目標により近い位置にすでに変更した可能性があるため、完全に情報を受信していない場合と比べて、目標にダメージを与えるのにより適切な位置に着く可能性が高い。発射物との通信は、環境に基づいて適用され得て、爆発のための信号のみ含むように最も簡略な形式であり得る。追加的な代替案として、目標追跡器が目標を検出できなく、(例えば、無線通信が禁止されることを起因にして)発射物とも通信不可であるイベントにおいて、発射物は、以前の発射物からすでに受信した目標の位置に関する情報に基づいて目標軌道を計算することによって爆発するように、設定され得る。以前の発射物は、目標の相対位置のデータを通信してもよく、発射物が測位システムを有する場合には絶対位置のデータを通信してもよい。また、発射物は位置情報に基づいて目標の速度を評価することができる。後続の発射物は、目標の位置および速度に対する推定に基づいて、目標の軌道に関して推測することができる。よって、爆発に最適な着弾点は当該目標の軌道の推定に基づいて計算可能である。仮に追跡器が目標を検出できなく発射物が最適な着弾点に基づいて爆発する場合においても、後続の発射物は目標の位置をすでに受信した。よって、後続の発射物は、その進路を目標により近い位置にすでに変更した可能性があるため、完全に情報を受信していない場合と比べて、目標にダメージを与えるのにより適切な位置に着く可能性が高い。
【0029】
3つの異なるモードのうち、爆発する発射物のための信号を生成するモードは、ステップ8、すなわち、目標/外部指令/計算された軌道を検出することにおいて決定される。発射物に爆発させる決定が行われると、ステップ9、すなわち、後続の発射物と通信することのように、後続の発射物は、測定または計算によって更新された位置を送信してもよく、送信のやり方はステップ4と同じである。そして、ステップ10、すなわち、発射物が爆発することは、ステップ5と同じやり方で行われる。第1実施例において、タイムスロットで発射物が発射される場合、目標が検出されていないとき、後続の発射物もタイムリミットの終了時に自動的に爆発する。任意の追加的な後続の発射物は、ステップ6からのプロセスを繰り返す。
【0030】
図2に示されたように、防弾ベースの対空防御システム20は、発射制御21と、1つまたは複数の武器と、目標へ発射される1つまたは複数の発射物とを含む。システム20は外部の偵察用センサ22から割り当て(assignment)を受信し、当該外部の偵察用センサ22は、精度および測定頻度に替えて、深い深度への大量のスキャンをすることができる。防弾ベースの対空防御システム20は発射制御センサ23を含み、当該発射制御センサ23は、割り当てられると、限られた深度を有する小さい区域に対して高精度かつ高測定頻度で、個別の目標の位置と発射された発射物の位置とを測定することができる。処理ユニット25は、武器26が照準すべき狙点を推定するために用いられる。発射物との通信のための装備は含まれ得るが、図に示されていない。
【0031】
図3は、第2実施例および第3実施例において、保護オブジェクト104へ移動する目標に対する目標領域100を示している。目標は、保護オブジェクト104へのルート上のいくつかの位置またはポイントを通過する。保護オブジェクト104から遠いポイント101では、目標は早期に発射された1つ目の発射物によって打撃され得る。1つ目の発射物は、目標からまだ相当に距離があるものの、その目標追跡器、センサまたは近接信管を用いてポイント101で目標を検出することができる。1つ目の発射物105は目標の位置に関する情報を、
図3において発射物106および発射物107で示された後続の発射物と通信する。その後、発射物105は爆発し、目標の保護オブジェクトへのルートにおいて破片または他の爆発材が目標を命中する。よって、目標が消されるか、あるいは、目標が保護オブジェクトへ向かい続けるかという可能性がある。目標が保護オブジェクトへ向かい続ける場合、目標は遅かれポイント102に到達する。発射物106は、より適切な位置に移動するために、進路修正を開始し、目標がポイント102で検出されると爆発すると発射物106は当該適切な位置で爆発する。2つ目の発射物106が爆発する前に、2つ目の発射物106は目標の情報を後続の発射物107と通信し、発射物107は、続いて進路修正を行い、目標がポイント103で検出されるときの爆発に対してさらに適切な位置に着く。
【0032】
図4は、第2実施例および第3実施例において、保護オブジェクト1001への目標軌道1000を示している。目標は保護オブジェクト1001へ飛んでいる。目標は、ポイント1002を通過するときに偵察用センサによって検出される。偵察用センサは発射制御センサを割り当てる。発射制御センサは、ポイント1002とポイント1003との間に目標の位置を突き止め、目標の位置および速度の追跡および測定を開始する。ポイント003では、目標は、例えば、保護オブジェクト1001を確かめるために、その進路を変更し始める。ポイント1004では、目標はその進路の変更を終了する。ポイント1005では、目標は、航空機を操縦して保護オブジェクトに命中しようとするように進路を設定し始める。発射制御は、目標がポイント1006を通過すると、狙点1007を予測し始めてもよい。当該予測は、発射制御センサからのデータに基づくもの、選択的に、目標に適用された誘導法則(guidance law)に関する仮定にさらに基づくものである。目標への打撃は早期に開始してもよく、目標へ発射される1つ目の発射物は目標の位置を後続の発射物と通信してもよい。1つ目の後続の発射物は目標へのその進路を設定し、目標が検出されたとき、1つ目の後続の発射物は目標の位置を2つ目の後続の発射物と通信する。1つ目の後続の発射物が目標を検出できない場合、1つ目の後続の発射物は推定された目標軌道によって爆発してもよく、当該目標軌道は、以前受信した目標に関する位置情報に基づいて推定される。あるいは、1つ目の後続の発射物が目標を検出できない場合、1つ目の後続の発射物は外部指令によって爆発してもよく、当該外部指令はレーダなどのセンサから通信されたものであり、当該センサは発射物と目標との位置を測定する。同様に、後続の発射物は、目標追跡器を用いた検出および計算された目標軌道を介して、または、外部指令を介して、爆発可能である。追跡器が目標を検出できない場合、発射物は、計算された軌道によって、または計算された軌道の代わりに外部指令によって、爆発可能である。しかしながら、外部指令を取得不可にする干渉が存在する場合、発射物は、目標追跡器または計算された目標軌道によって爆発可能である。発射物が爆発のための情報を目標追跡器または外部信号から受信されていない場合、計算された目標軌道は発射物の爆発に利用可能である。1つ目の後続の発射物が爆発すると、2つ目の後続の発射物は、目標へのその進路を設定し、プロセスを進む。
【0033】
図5は、センサ52を有する発射物50の概略図を示しており、センサ52は、例えば、光学的もしくは電磁的な追跡器、近接信管、または異なるセンサである。発射物は、翼54または他の制御手段である制御装置と、当該翼もしくは他の制御手段を制御するサーボ56または異なるアクチュエータとも有する。マイコンなどの処理ユニット58は、センサ52から情報を受信し、可能な誘導法則を推定する。処理部はサーボ56と通信し、そして、サーボ56は発射物50を移動させるように翼54を制御する。処理部58は、信号を後続の発射物と通信するために、通信ユニット60とも通信する。
【0034】
通信ユニット60は外部の送信器から情報を受信することもでき、当該情報は、特定の時間に発射物に爆発させるための情報、または、前方の発射物から送信された、目標の位置に関する情報である。また、発射物50は弾頭62を含む。センサ52は、センサの方向性感度などの感度を制御する装置を含んでもよく、当該装置は、例えば、アンテナのローブを制御することによってセンサの感度を制御する。これにより、特定の領域、例えば、目標が通過すると評価される領域に対する感度を向上することができる。
【0035】
図6は第1実施例における打撃手順200を示しており、発射物201、202、203、204は、タイムスロットを有し、発射物軌道で目標へ順に発射されるように設定される。時間ゲート(time gate)とも知られるタイムスロットは、特定の時間期間にわたって発射物の近接信管がアクティブ状態になることを指し、当該特定の時間期間は、時間の第1ポイントから時間の第2ポイント(タイムリミットの終了時)までである。設定されたタイムスロットにわたって近接信管が目標を検出できない場合、発射物は自爆/自動爆発/自動爆破をする。
【0036】
1つ目の発射物201はタイムリミットの終了時に爆発する。後続の発射物202、203、204は、プログラミングされ、または、最初の発射物のタイムスロットが通知される。最初の発射物201がタイムリミットの終了時に自動的に爆発するとき、現在の軌道が目標の検出に十分に近接していない場合、後続の発射物はその進路を変更する。最初の発射物201の爆発後しばらく、後続の発射物202、203、204はその新しい軌道までに移動する。好ましくは、後続の発射物は、そのうちの1つが目標を検出する可能性を高めるように展開する。異なるアルゴリズムは、推定された目標に関する現状、目標までの距離、発射物の種類などに基づいて、検出の可能性を高めるために利用され得る。
【0037】
<代替的実施例>
本発明は、説明した具体的な実施例に制限されることなく、特許請求の範囲において異なる方式で変化され得る。
【0038】
センサ、発射装置、または要件のシステムの数と、目標に対する発射制御方法に含まれる詳細とは、武器システム、プラットフォーム、および現に取得可能な他の設定特徴に適用されることが理解される。
【0039】
上述したような目標に対する発射制御方法は、航空機、無人航空機ミサイルを含む、事実上任意の誘導式のうつわ(vessel)またはシステムに適用可能であることも理解される。
【0040】
本発明は、特定の形式の目標に制限されなく、むしろ、地上目標(surface target)や空中目標などの様々な目標種類に利用され得る。
【0041】
また、手榴弾、爆発性手榴弾、ミサイル、およびロケットを含む、すべての形式の発射体が利用可能である。
【0042】
本発明は、特定の数の発射物または目標に制限されなく、むしろ、現に取得可能な数の目標オブジェクトまたは発射物に適用され得る。
【国際調査報告】