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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】飲料を含むコンテナを冷却する方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20230111BHJP
   B67D 3/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B67D1/08 A
B67D3/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527792
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 NL2020050716
(87)【国際公開番号】W WO2021096360
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】2024230
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591211799
【氏名又は名称】ハイネケン サプライ チェーン ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】Tweede Weteringplantsoen21 1017 ZD Amsterdam The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミヒル・アドリアヌス・ヘンリキュス・ファン・デル・アーアー
(72)【発明者】
【氏名】アントニウス・ヘンリキュス・アンドレアス・ドンケルス
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082BB01
3E082DD20
3E082EE02
3E082FF09
(57)【要約】
コンテナ内の飲料を冷却するための方法が提供され、コンテナは、冷却要素に熱伝導的に結合された冷却接触体と接触して提供される。この方法は、冷却要素を動作させることと、コンテナおよび冷却接触体の外側の環境の周囲温度を取得することとを含む。周囲温度に基づいて、カットオン温度が定義され、飲料の温度を示す温度値が取得される。温度がカットオン温度より大きければ終了基準が満たされるまで冷却要素が動作する。周囲温度が高いと、飲料の温度が許容可能な境界間に維持されることを保証するために飲料をより多く冷却することが要求され得る。環境温度が高いと、より多くの冷却が要求され、オンまたはオフの切り替えが速くなることを意味する。周囲温度に基づくスイッチオン温度を使用することによって、より効率的な冷却を確立することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を含むコンテナを冷却する方法であって、前記コンテナは、冷却要素に熱伝導的に結合された冷却接触体と接触して提供され、前記方法は、
前記冷却要素を動作させるステップと、
前記コンテナおよび前記冷却接触体の外側の環境の周囲温度を取得するステップと、
前記周囲温度に基づいて、カットオン温度を定義するステップと、
前記飲料の温度を示す媒体温度を取得するステップと、
前記媒体温度が前記カットオン温度より大きければ所定の終了基準が満たされるまで前記冷却要素を動作させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記周囲温度が上昇すれば前記カットオン温度は低下する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カットオン温度と前記周囲温度との間の関係は実質的に線形である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンテナに貯蔵されている飲料体積を取得するステップと、
前記飲料体積にも基づいて前記カットオン温度を定義するステップと
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記飲料体積が減少すれば前記カットオン温度は上昇する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カットオン温度と前記飲料体積との間の関係は実質的に線形である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンテナに貯蔵されている前記飲料体積の判定は、
前記コンテナに貯蔵されている初期体積飲料の初期値を受け取るステップと、
前記コンテナから除去された飲料の引き出し体積を追跡するステップと、
前記初期体積から前記引き出し体積を差し引くステップと
を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記コンテナに貯蔵されている飲料体積を取得するステップは、
分注された飲料の量を判定するステップ、
中に貯蔵されている前記飲料体積を含む前記コンテナの重量を判定するステップ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の終了基準は、
前記媒体温度の媒体温度終了値、および
前記冷却要素の前記動作の開始の瞬間から経過した冷却期間
のうちの少なくとも1つである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記媒体温度値および前記冷却期間のうちの少なくとも1つは、
前記媒体温度、
前記周囲温度、
前記飲料体積、
のうちの少なくとも1つに基づいている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の終了基準は、前記冷却要素の前記動作の開始の瞬間から経過した前記冷却期間であり、
前記冷却期間が経過し場合、前記媒体温度を取得するステップと、
前記媒体温度が前記カットオン温度以上であれば、前記冷却期間が再び経過するまで、前記冷却要素の動作を継続するステップと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
所定の除霜期間が経過した場合、前記媒体温度が前記カットオン温度より大きければ所定の除霜基準が満たされるまで前記冷却要素を動作させないステップをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記所定の除霜基準は、
前記媒体温度の媒体温度除霜値、および
前記冷却要素の前記動作の開始の瞬間から経過した冷却期間
のうちの少なくとも1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記媒体温度は、次のもの、すなわち、
前記コンテナのコンテナ温度、
前記飲料の飲料温度、
前記冷却接触体の冷却接触体温度
のうちの少なくとも1つである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
飲料コンテナの接触冷却のための冷却システムであって、
冷却要素と、
前記冷却要素に熱伝導的に接続されて前記コンテナと熱伝導接触するように構成された冷却接触体と、
前記冷却接触体、前記コンテナおよび前記飲料のうちの少なくとも1つの温度を感知するように構成された温度感知モジュールと、
前記コンテナおよび前記冷却接触体の外側の環境の周囲温度を取得し、
前記周囲温度に基づいて、カットオン温度を定義し、
前記飲料の温度を示す媒体温度を取得し、かつ
前記媒体温度が前記カットオン温度より大きければ所定の終了基準が満たされるまで前記冷却要素を動作させる
ように構成された処理ユニットと
を含む、冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
さまざまな態様およびその実施形態は、液体分注アセンブリに実装するための冷却システムに関する。本発明は、液体用のコンテナを接触冷却するため、特にコンテナおよび分注されるべきその中に含まれる液体を接触冷却するための冷却システムに関する。一態様が、このような冷却システムを含む飲料分注システムに関する。他の一態様が、液体コンテナ、特に飲料コンテナを接触冷却するための方法に関する。さらなる一態様が、プラスチックコンテナから炭酸飲料を分注するための飲料分注アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、分注されるべき流体を含むコンテナと、コンテナを少なくとも部分的に挿入することができる装置とを含む流体分注システムが開示されている。この装置は、接触冷却によってコンテナおよびその中に含まれる流体を冷却するための接触表面を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/009065号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知のアセンブリに対する代替物である飲料分注アセンブリを提供することが好ましい。より具体的には、使用が比較的容易な飲料分注アセンブリを提供することが好ましい。したがって、製造および保守が比較的容易な飲料分注アセンブリを提供することができる。そして特許請求されるような分注アセンブリに適したコンテナを提供することが好ましい。一態様およびその実施形態は、コンテナを使用することができる分注アセンブリを提供することを目的とし、このアセンブリは使用中、たとえば飲料を購入する大衆および従業員のようなユーザに心地よい外観を提供し、使用が容易であり、および/または特に冷却および分注においてエネルギーに優しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様は、飲料を含むコンテナを冷却する方法を提供し、コンテナは、冷却要素に熱伝導的に結合された冷却接触体と接触して提供される。この方法は、冷却要素を動作させることと、コンテナおよび冷却接触体の外側の環境の周囲温度を取得することとを含む。周囲温度に基づいて、カットオン温度が定義され、媒体としての飲料の温度を示す媒体温度が取得される。媒体温度がカットオン温度より大きければ所定の終了基準が満たされるまで冷却要素が動作する。
【0006】
周囲温度が高いと、飲料の温度が許容可能な境界間に維持されることを保証するために飲料をより多く冷却することが要求され得る。従来の冷却アルゴリズムでは、感知された温度が特定の閾値を上回れば冷却し、感知された温度が特定の他の閾値を下回れば冷却をオフに切り替える。環境温度が高いと、より多くの冷却が要求され、オンまたはオフの切り替えが速くなることを意味する。周囲温度に基づくスイッチオン温度を使用することによって、飲料または他の媒体の温度の適切な制御を維持しながら、より効率的な冷却を確立することができるということが理解される。
【0007】
第1の態様の一実施形態において、周囲温度が上昇すればカットオン温度は低下する。この実施形態において、周囲温度が高いほど、飲料の感知温度の上限が低く保たれる。
【0008】
第1の態様の他の一実施形態において、カットオン温度と周囲温度との間の関係は実質的に線形である。これにより、冷却要素の、およびしたがって温度の比較的簡単な制御が可能になる。
【0009】
第1の態様のさらなる一実施形態は、コンテナに貯蔵されている飲料体積を取得することと、飲料体積にも基づいてカットオン温度を定義することとをさらに含む。コンテナ内の体積が減少すると、飲料から冷却要素への熱エネルギーの伝達に影響を与えるさらなる影響が作用する。これらの影響は、基本的なアルゴリズムによって実行される適切な冷却に悪影響を与える可能性がある。たとえば、面積/体積比が増加すると、体積が小さいほど熱エネルギーをより速く吸収し得る。したがって、カットオン温度を定義するときにコンテナ内の飲料の量を考慮に入れることが有利であり得る。
【0010】
さらに別の一実施形態において、飲料体積が減少すればカットオン温度は上昇する。上で議論したように、面積/体積比が増加すると、体積が小さいほど熱エネルギーをより速く吸収し得る。この実施形態により、より小さな体積で、温度制御が維持されることが保証される。
【0011】
再び他の一実施形態において、所定の終了基準は、媒体温度の媒体温度終了値、および冷却要素の動作の開始の瞬間から経過した冷却期間のうちの少なくとも1つである。基準のいずれか一方または両方が満たされれば動作された冷却を終了することができる。
【0012】
再びさらなる一実施形態において、所定の終了基準は、冷却要素の動作の開始の瞬間から経過した冷却期間である。この実施形態はさらに、冷却期間が経過した場合、媒体温度を取得することと、媒体温度がカットオン温度以上であれば、冷却期間が再び経過するまで、冷却要素の動作を継続することとを含む。この実施形態により、温度がカットオン温度を下回る場合にのみ冷却動作が終了することが保証される。これは、比較的高温で新たに受け取った飲料で満杯のコンテナを冷却する初期動作で特に有利である。
【0013】
さらに他の一実施形態は、所定の除霜期間が経過した場合、媒体温度がカットオン温度より大きければ所定の除霜基準が満たされるまで冷却要素を動作させないことをさらに含む。この実施形態により、装置に固定されたコンテナの凍結が防止される。
【0014】
第2の態様は、飲料コンテナの接触冷却のための冷却システムを提供する。このシステムは、冷却要素と、冷却要素に熱伝導的に接続されてコンテナと熱伝導接触するように構成された冷却接触体と、冷却接触体、コンテナおよび飲料のうちの少なくとも1つの温度を感知するように構成された温度感知モジュールとを含む。このシステムは、コンテナおよび冷却接触体の外側の環境の周囲温度を取得し、周囲温度に基づいて、カットオン温度を定義し、飲料の温度を示す媒体温度を取得し、かつ媒体温度がカットオン温度より大きければ所定の終了基準が満たされるまで冷却要素を動作させるように構成された処理ユニットをさらに含む。第1の態様のさまざまな実施形態は、第2の態様でも実装することができる。
【0015】
本発明をさらに解明するため、図面を参照して、その実施形態を以降に開示および議論する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】飲料分注アセンブリの背面図で、分注アセンブリを動作させる側からのものであり、ブランドのコンテナが蓋を通して見えている図である。
図1A図1のアセンブリの側面の図である。
図2A図1のアセンブリの背面斜視図である。
図2B図1のアセンブリの前面斜視図である。
図3A】本開示による分注アセンブリの背面図である。
図3B】本開示による分注アセンブリの断面側面図である。
図4】飲料を分注するためのアセンブリの分注ユニットの分解図である。
図5】第1の態様の一実施形態を示すフローチャートである。
図6】カットオン温度、周囲温度とコンテナに残っている飲料体積との間の可能な関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この説明において本発明の実施形態を、例としてのみ図示および開示する。これらは決して本発明の範囲を限定するものとして解釈または理解されるべきではない。この説明において同じまたは類似の要素は、同じまたは類似の参照記号によって示す。この説明において本発明の実施形態を、炭酸飲料、特にビールを参照して議論する。しかしながら、他の飲料も本発明で使用することができる。
【0018】
この説明において、上方および下方、頂部および底部などへの言及は、具体的に他の規定がない限り、分注ユニットの通常の配向とみなすものとする。分注ユニットの背面は、システムを動作させるため、特にユニット内および/または上に提供されたコンテナに含まれる飲料を分注するために動作させるためにタップハンドルなどが提供されている側として言及するものとする。コンテナは、底部と、充填および/または分注のためのオリフィスを含むネック領域とを有することができる。ネック領域は、コンテナの一体部分とすることも、コンテナへと組み立てることもできる。実施形態において使用中、アセンブリ内のオリフィスは、実質的に下向き、上向きまたは横向きにすることができる。下向きはたとえば図面、特に図1Aに示され、頂部、底部、上および下が、例示のみを目的として、矢印および適切な表現によって示されている。これは、本開示のタッピング装置またはその一部が使用されなければならない配向を必ずしも反映するものではない。コンテナについて通常位置は、底部が下を向き、ネック部分が上を向くものとすることができる。本開示のタッピングアセンブリにおいてコンテナの底部は、上、下および/または横向きとすることができる。
【0019】
本開示において例としてバッグインコンテナ(BIC)を説明するが、これは、2つのプラスチックプリフォームを含むプリフォームセットから一体的にブロー成形され、重ね合わせられ、これは、プリフォームの一方が他方に挿入されることを意味すると理解されるべきであるが、その後これらは既知の方法で一緒にBICへとブロー成形される。実施形態において上記ブロー成形の前に閉鎖リングがプリフォーム上に嵌められ、これらを一緒に接続して、プリフォーム間の、界面または中間空間とも呼ぶことができる空間を閉鎖し、少なくともブロー成形後、外側プリフォームおよび/またはコンテナのネック領域の壁を通って延在する、コンテナのネック領域に設けられた1つまたは複数の開口、特に外向きの開口を通してのみ上記空間が環境と連通する、または連通することができるようにする。上記少なくとも1つの開口は、プリフォームの製造中、特にその射出成形中に設けることができるが、後で、ブロー成形中または後に、コンテナへたとえば打ち抜き、穴あけまたはその他の方法で機械加工することによって設けることもできる。
【0020】
この説明においてタッピングアセンブリは、冷却装置を保持するハウジングと、空気のような加圧ガスをコンテナに供給するための圧力装置とを含むことができる。コンテナは、プラスチック飲料コンテナ、好ましくはBICタイプのコンテナとすることができる。このシステムは、ハウジングに適切に配置されたときにコンテナに適合する蓋、好ましくは少なくとも部分的に透明な蓋をさらに含む。蓋は、ハウジングおよび蓋を含む分注装置内のコンテナの可視性を提供し、たとえば充填レベルを確認することができ、コンテナのブランド名が外側から見えるようになっている。
【0021】
この説明において、タッピングアセンブリと呼ぶこともできる分注アセンブリは、分注ユニットのハウジング上および/または内へコンテナを「逆さま」位置に配置することができるように設計することができ、コンテナの少なくとも一部、特にコンテナのショルダー部分の少なくとも一部が、ハウジング上のレセプタクル、下向きの流出開口を含むネック部分に導入されるようになっている。好ましくは上記レセプタクル内へ延在するコンテナの一部が、レセプタクルの壁に近く、または少なくとも部分的に接触し、レセプタクルの壁は冷却され、特に能動的に冷却される。上記「逆さま」位置において、これはたとえばコンテナのショルダー部分の一部であり得る。「直立位置」においてショルダー部分はたとえば上向きにすることができ、これによって特に冷却のため、底部をレセプタクルに受け入れることができる。横臥位置または傾斜位置においてコンテナの側部分を冷却のためにレセプタクルに受け入れることができる。
【0022】
この説明においてレセプタクルの壁と関連するコンテナ部分との間に関する比較的近い距離は、コンテナの上記部分およびその内容物の効率的な冷却が可能になるのに十分小さい距離として理解されるべきである。好ましくは、飲料は、冷却された壁の上記部分に隣接するコンテナの領域から分注される。好ましくは冷却用のレセプタクルにおける壁の一部は、これらの実施形態においてコンテナの下部である。このような実施形態において、コンテナが部分的に空であっても、コンテナの内容物が少なくともレセプタクルの壁によって冷却される領域にあることになり、その冷却された内容物は、流出開口に近く、特に直接隣接する、または少なくともそこから飲料が分注される部分にあるという利点が得られる。したがってレセプタクルの外側に延在するコンテナの一部が冷却されていない、またはあまり冷却されていなくても、分注される飲料の温度の制御が非常に良好に可能である。
【0023】
コンテナをレセプタクルに配置する際、好ましくは、接触冷却のため、コンテナとレセプタクルの壁との間に少なくとも1つの線接触が得られる。このような線接触は、たとえばコンテナおよびレセプタクルの形状ならびにコンテナの配向に応じて、たとえば円または楕円の線または任意の線によって形成することができる。好ましくは、たとえばショルダー部分のような、コンテナの比較的大きな部分の上に、レセプタクルの接点の内側に延在するコンテナの底部もしくは壁部が確立されるか、またはレセプタクルの壁に対してコンテナの壁に少なくとも近接している。コンテナの関連する部分とレセプタクルとの間の距離は、隣接する表面間の最小距離として測定して、好ましくは0と1mmとの間、上記レセプタクルにおいて延在するコンテナの部分の高さまたは直径のたとえば少なくとも約1/4とすることができるレセプタクルの垂直軸に沿った高さの測定値を有するレセプタクルの円周方向表面積の少なくとも一部にわたって平均して、より好ましくは0と0.5mmとの間、さらにより好ましくは0と0.25mmとの間である。たとえば逆さま配向において、ネック部分に直接隣接して測定して、コンテナのショルダー部分の軸方向高さの少なくとも約4分の1、たとえばショルダー部分の4分の1とショルダー部分の上記高さ全体との間が上記レセプタクル内へ延在することができる。
【0024】
図1および図1Aは、ディスペンサ2および飲料コンテナ3を含む、本開示の飲料分注アセンブリ1の例示的な一実施形態を示す。ディスペンサ2は、たとえばユニット、分注ユニット、タッピング装置または同様の表現と呼ぶこともできる。ディスペンサ2はハウジング4を含む。ハウジング4には、コンテナ3の少なくとも一部6を受け入れるためのレセプタクル5が設けられている。飲料コンテナ3は、ネック部分7およびネック部分7に隣接するショルダー部分8を有する。ネック部分7には、少なくとも流出開口8Aおよび少なくとも1つのガス入口開口9が設けられている(たとえば図3B参照)。開示された実施形態においてコンテナは、ブロー成形されたプラスチックコンテナ3、好ましくはバッグインコンテナ(BIC)タイプのコンテナとすることができる。コンテナ3は、ネック部分7およびショルダー部分8が下向きにディスペンサ2に配置され、ネック部分7およびショルダー部分8の少なくとも一部がレセプタクル5に受け入れられるようになっている。これは逆さま配向と呼ばれる。ショルダー部分8の一部10が、レセプタクル5の壁11の近くに延在し、および/またはこれと接触している。
【0025】
分注装置におけるコンテナ3の配向は、少なくともコンテナの長手方向軸X-Xの配向に基づいて定義することができ、逆さま位置および直立位置において上記軸は実質的に垂直に、横臥位置において実質的に水平に、角度を含む傾斜位置において水平および垂直方向の両方に延在する。直立位置においてコンテナの底部を下向きにすることができ、逆さま位置においてコンテナの底部を上向きにすることができ、横臥位置においてこれを横向きにすることができる。
【0026】
コンテナの異なる配向において、レセプタクルの形状は異なり得る。コンテナが横になっていると、すぐ上で特定したように、レセプタクルは槽として提供することができる。コンテナが横臥位置を有する他の一実施形態において、レセプタクルはシリンダとして提供することができ、コンテナを取り囲む。コンテナの可視性が好まれる場合において、レセプタクルは、レセプタクルに配置されるとコンテナを取り囲むように構成された1つまたは複数のリングによって実装され、したがってリングによって支持することができる。コンテナの一部がリング間に見えるようになり得る。レセプタクルがどのような形状を有しても、レセプタクルとコンテナとの間に十分な熱伝導性接触があることが好ましい。
【0027】
分注アセンブリ1は例として、バー74の頂部75上に配置され、ハウジング4の上方に延在するコンテナ3の部分13および、存在すれば、蓋12が、図1Aにおいて目76によって象徴的に示されている平均的な成人にとってのおよその目の高さにくるようになっている。バーの頂部75はたとえば、客が利用可能な前面において約100から130cmにあり得るが、決してこれに限定されない。少なくともバーに立っているまたは座っている客および好ましくはバーに立っているまたは座っている客およびバーの後ろに立っている従業員から見えるように、タッピングアセンブリ1をバー74上に配置することによって、システムのおよび特にコンテナの関連する部分13の可視性が増加する。特にブランド名22がコンテナ3の上記部分13上に提供されているとき、これは、システム1のおよび特に上記コンテナ3内に封入された飲料の魅力を高める。この魅力は飲料の売り上げを高めることになり、さらにバーの魅力を高めることができるということがわかっている。好ましくは蓋がコンテナの部分13上に設けられ、これは、少なくともバー74の前および後ろから、すなわち客およびバーの従業員のためにコンテナ部分13の視界を提供するのに十分に透明であり、好ましくは約360度にわたるコンテナ部分13の視界を提供する。蓋12の頂部は、透明性が低くても、たとえば不透明であってもよい。
【0028】
コンテナ3は好ましくは実質的に樽または瓶型であり、上記ネック部分7およびショルダー部分8を有し、本体部分23および底部24をさらに有する。底部は任意の適切な形状を有することができ、図示の実施形態において実質的に球形、より具体的には実質的に半球である。あるいはこれはたとえば、コンテナが上記底部24上に立つことができるような形状、たとえば、花弁形状とすることができる。
【0029】
図示の実施形態において蓋12がコンテナ3の上に設けられ、レセプタクル5の外側に延在するコンテナ3の部分13を囲む。しかしながら、このアセンブリは実施形態において蓋12なしで動作することもできる。蓋12は、少なくとも、好ましくは実質的に規則的な、等しい距離で、ハウジング4の外側に延在するコンテナ3の部分13の外表面に沿って延在する内表面14を有する程度に、実質的にドーム形状とすることができる。これにより、蓋12の上記内表面14とコンテナの外表面部分との間に空間15を提供することができる。実施形態において蓋は、実質的に球形である頂部16と、好ましくは実質的に円筒形である本体部分17と、を有することができる。蓋12の少なくとも一部を通してコンテナ3を観察することができるように、蓋12は、プラスチック、好ましくは透明なプラスチックで作製することができる。実施形態において蓋12は二重壁とすることができ、内壁18Aおよび外壁18B、およびその間に囲まれた、アセンブリが配置されている領域20および空間15のような、好ましくはその周囲から隔離された空間19を有する。実施形態において空間19は、領域20および/または空間15の内側の圧力より低い圧力にすることができ、たとえば、蓋12の熱伝達性を低下させるため、真空吸引することができる。実施形態において蓋12は、ハウジング4のシール21上に置くことができ、ならびに/あるいは蓋12がハウジング上におよび/または内におよび/またはこれを覆って適切に配置されると、空間15が領域20から隔離されるよう、ハウジング4上に置くためのシール21を設けることができる。実施形態においてこれは上記空間15に実質的に停滞した空気の層を提供することができる。他の実施形態において、コンテナおよびその中に含まれる飲料を冷却するため、上記空間15を通る好ましくは冷却された空気の気流を提供するためのファンまたは同様の手段を設けることができる。蓋は部分的または全体的にガラスで作製することもできる。
【0030】
好ましい実施形態においてコンテナ3には、少なくともハウジング4の外側に延在するコンテナ3の部分13上にブランド名22が提供されている。上記ブランド名22は好ましくは、コンテナ3がその底部24上に配置されるときその少なくとも一部が逆さま配向で提供されるように提供されている。したがってコンテナ3がディスペンサ2において逆さま位置に配置されるとき、ネック部分7は下向きであり、ブランド名は読みやすさおよび見やすさのために適切な配向にある。コンテナ3を直立配向、すなわち分注装置1において底部が下を向く配向で使用することが意図されているとき、明らかにブランド名は読みやすさおよび見やすさのために通常位置にすることができる。同様にこのようなブランド名は、他の配向、たとえば横で使用するためにコンテナ上で調整することもできる。
【0031】
たとえば図1および図1A図3Aおよび図3Bに示す実施形態において、ハウジング4は、レセプタクル5の壁11の少なくとも一部27を冷却するための冷却装置26を含む。同様に他の実施形態にも同じまたは類似の冷却装置を設けることができる。レセプタクル5および冷却装置26は好ましくは、コンテナ3の部分6、たとえば逆さま配向にあるコンテナ3の少なくともショルダー部分8、またはたとえば直立配向にある底部を接触冷却するように設計されている。
【0032】
例示的な実施形態から明らかなように、これは、少なくともレセプタクルに近い、たとえば、そこから飲料が分注されるネック部分7の近くのような領域における飲料の冷却につながり、この飲料はしたがって所望の温度で冷却される。好ましくはこの部分は、使用中、コンテナの下端にあり、最も冷たい飲料が自然にその領域に向かって流れるようになっている。レセプタクルの冷却は、圧縮機ベースの冷却装置、圧電ベースの冷却装置、アイスキューブ冷却、液体冷却または当該技術において知られている同様のシステムのような、任意の適切な手段によって提供することができる。例として、有利な一実施形態として、圧縮機ベースの冷却装置26を説明する。
【0033】
図示のような実施形態におけるコンテナ3に、飲料を分注するための少なくとも分注ライン35を含む分注ユニット34が設けられている。ハウジング4は、分注ライン35を開放および/または閉鎖するため、分注ライン35に接続および/またはこれと協働するためのタップ29を含む。分注ラインは好ましくは使い捨てラインであり、これは、たとえば1つのみのコンテナ3または限られた数のコンテナでの限られた使用のために設計および意図されていることを意味すると理解されるべきである。好ましくは、分注ユニット34は、コンテナ3の口をこれで開けることができるように設計され、その後、分注ユニット34および/または分注ライン35は、ユニット34および/またはコンテナ3に損傷を与えることなく、再び除去することができない。
【0034】
好ましい実施形態においてタップ29は、分注ユニット34に設けられた弁31、特に分注ライン35内またはその一端に設けられた弁を開放および/または閉鎖するための動作機構30を含む。分注ライン35はプラスチックで作製することができ、図示のように曲げることができるよう、可撓性とすることができる。弁31はタッピングライン35に固定的に接続され、分注ライン35と一緒に配置および除去、すなわち交換されるようになっている。弁31は、ハウジング4の外側に延在するスパウト32を有することができ、スパウト32は、分注されるべき飲料にとって最後の接触点になっている。使い捨てであるこのような弁31を提供することによって、飲料とさらなる分注アセンブリ1との間の接触を防止することができる。したがって分注アセンブリのクリーニングはそれほど頻繁にクリーニングしなくてもよい。
【0035】
あるいは、タッピングラインを絞って閉じるための手段のような、分注ライン35を開放および/または閉鎖するための他の手段を提供することができるが、これに限定されない。タッピング装置2の一部として永久弁を使用することができ、コンテナを配置するときこれにタッピングライン35を接続することができる。あるいは、または加えて、タッピングラインは永久的または半永久的とすることができ、コンテナ、特に議論するようなアダプタ38を上記タッピングラインに接続することができる。
【0036】
たとえば図3Aおよび図3Bからわかるようにレセプタクル5はたとえば実質的にボウル形状、たとえば半球形とすることができ、コンテナ3を、逆さま位置においてショルダー部分8の少なくとも一部、または直立位置において、底部によって上記レセプタクル5の壁11によって、好ましくは接触冷却のために密接に接触して支持することができるようになっている。レセプタクル5の下端に、コンテナのネック部分7を受け入れるためのくぼみ36を設けることができ、逆さま位置でコンテナを使用するとき、分注ユニット34またはその少なくとも一部がネック7上に設けられ、またはたとえばこのようなユニット34は底部24、特にガス線を接続するため直立位置にあるコンテナ3の入口開口9に接続される、または接続されることになる。実施形態においてくぼみ36は、ネック7および/または分注ユニット34がくぼみ36の底部37上に載らないようにすることができる。直立位置を使用する実施形態において、たとえばガス線コネクタをこのようなくぼみに配置することができる。
【0037】
議論したように、圧縮機および蒸発器ベースの冷却システムとしてここでは示されている冷却システム26が、ハウジング4に提供され、これは、壁11または少なくともその関連する部分を冷却するため、レセプタクル5の壁11および場合によってはくぼみ36に近接して、またはその内側に延在する冷却線95などを有する。冷却装置26は好ましくは、壁11を所定の温度に保つように、または少なくとも出口開口に近い、すなわちネック7および場合によってはショルダー部分8にある飲料が所望の温度にまたはそれにできるだけ近くなるように壁を少なくとも冷却するように設計されている。飲料およびユーザの好みに応じてこの温度は好ましくは、たとえば約摂氏4と9度との間、たとえばおよそ摂氏6度に設定することができるが、これらに限定されない。他の温度または温度範囲を設定することができ、他の好ましい範囲は摂氏0と2度との間である。摂氏0、1、2、3または4度の任意の値またはこれらの値間の任意の値で開始して摂氏2、3、4、5、6、7、8、9または10度またはこれらの値間の任意の値まで、好ましくは制御期間の低い方と高い方との値間に少なくとも1度ある、他の範囲を定義することが可能である。
【0038】
たとえば図3Bに見られるように、コンテナのショルダー部分8がレセプタクルの壁11に密接に適合することができる一方、ショルダー部分における内側コンテナ3Bは外側コンテナの内表面に沿ってぴったりと適合することができる。したがって壁11とコンテナ3のショルダー部分との間の接触冷却は驚くべきことに非常に効果的であることが証明された。
【0039】
レセプタクル5は異なる形状で、図3Bによって示されているもの以外のタイプのコンテナに適合することができるということに留意されたい。
【0040】
温度センサ42がコンテナ3の温度を感知するように構成されていれば、温度センサ42は好ましくは壁11から隔離され、壁11から突出してコンテナ3の壁との接触を確実にする。任意選択で、温度センサ42は、コンテナ3の壁を遮らずできるだけ良好にレセプタクル5に適合させて壁11との良好な接触を保証するように弾性的に懸下することができる。
【0041】
温度センサ42が壁11の温度を感知するように構成されていれば、温度センサ42は、コンテナ3がレセプタクル5に設けられている場合コンテナ3に接触することができないように設けられている。他の一実装形態において、追加の温度センサが設けられ、温度センサ42が壁11およびコンテナ3の第1の温度を感知し、追加の温度センサが壁11およびコンテナ3の第2の温度を感知するようになっている。
【0042】
さらに他の一実施形態において、コンテナ3内の飲料の温度は、コンテナ内の特定の場所で、すなわちコンテナの頂部、コンテナの底部、コンテナの中央、他、またはこれらの組合せにおいて取得される。したがって、温度センサをコンテナ3にコントローラと有線または無線通信で設けることができる。
【0043】
飲料が冷えるにつれて、コンテナ温度を感知する温度センサ42は、時間の経過とともに温度上昇速度の低下を感知する。温度上昇速度は、冷却の切り替えまたは動作レベルの低下と温度センサ42によって感知される最大許容温度に到達することとの間の時間期間として定義することができる。あるいは、または加えて、温度上昇速度は、時間あたりの感知された温度の上昇量として定義することができる。このような場合、温度上昇速度は瞬間的に定義され、非常に少量、任意選択でほぼ無限小の時間にわたって、または秒、分もしくは時間のオーダーのより長い期間にわたって計算することができる。他の一実施形態において、温度対時間の関数の導関数が、分析的、数値的またはこれらの組合せのいずれかで計算された温度上昇速度として定義される。
【0044】
この実装形態においてコンテナ温度を感知する温度センサ42は、冷却システム26によって冷却されているレセプタクル5の壁11の近くの、コンテナ3の壁に配置されている。したがって、レセプタクル5の壁の近くに配置された飲料の感知された温度は、コンテナ3内の、より高い場所での飲料の温度より低くなる。冷却システム26がオフに切り替えられると、それ以上の熱エネルギーが壁11から引き出されず、コンテナ3内の飲料から引き出される熱エネルギーが少なく、またはなくなり、飲料内の温度分布が平衡に移動する。結果として、温度センサ42に近い飲料の温度が上昇する。
【0045】
熱力学の基本原則により、冷却システム26がオフに切り替えられた後に温度が上昇する速度は飲料内の温度勾配に依存する。コンテナ3内の飲料の瞬間平均温度が比較的低ければ、温度センサ42によって感知されるような温度の上昇は、コンテナ3内の飲料の瞬間平均温度が比較的高い場合より低い速度になる。理由は、飲料の瞬間平均温度が比較的高ければ、熱エネルギーの拡散誘起流を支配するよく知られている拡散則によって熱エネルギーが冷却壁11に速く流れるということである。
【0046】
第1の態様の一実装形態を示すフローチャート500と併せて冷却システムの動作をさらに解明する。この手順は、飲料分注アセンブリ1によって含まれる処理ユニットによって制御することができる。このような処理ユニットは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、PLD、FPGAまたはこのタスクを履行するように構成された他の電子もしくは電気コンピューティングモジュールとすることができる。フローチャート500のさまざまな部分は次のように要約することができる。
502 手順を開始する
504 コンテナを受け取る
506 コンテナ内の飲料体積を判定する
508 周囲温度を判定する
510 カットオン温度を定義する
512 冷却要素を動作させる
514 動作時間が経過したか?
516 カットオフ温度未満の温度か?
518 冷却要素の動作を縮小または停止する
522 カットオン温度以上の温度か?
524 除霜制限時間が経過したか?
526 除霜温度に達したか?
528 冷却要素の動作を縮小または停止する
【0047】
手順は始端符号において開始し502、ステップ504に続き、ここでコンテナ3がレセプタクルの壁11と接触するようにレセプタクル5に受け入れられる。このような接触は実質的に壁11の表面全体にわたることがあり、あるいは、これは壁の1つまたは複数の部分にわたることもある。
【0048】
ステップ506において、コンテナ3内の飲料体積が判定される。飲料体積は好ましくは、コンテナ3が保持するように構成された初期飲料体積、すなわち2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、8リットル、10リットルなどに基づく。コンテナ3から飲料が引き出されなければ、飲料の量は初期量に等しいと判定される。
【0049】
飲料がコンテナ3から引き出されていたら、いくらの量の飲料がコンテナ3を出たかを判定することができる。その目的のため、どれだけの飲料がコンテナ3から分注されたかを判定することができる。これは、分注ライン35またはコンテナ3とスパウト32との間の分注流路内の他の導管に流量計を適用することによって判定することができる。流量計は、流量計を通過した飲料の流量および/または体積を判定するように構成することができる。このデータおよびコンテナ3内の飲料の初期量に基づいて、コンテナ内の飲料の現在の量を判定することができる。
【0050】
他の一実施形態において、コンテナ3の間の流路を通る飲料の流量は一定であるか、または一定であると想定される。このような実施形態において、弁31が開いている時間が判定され、その時間を流量で乗算してコンテナ3を出た飲料の体積を取得する。その情報および初期体積で、コンテナ3に残っている飲料の量を判定することができる。
【0051】
さらに他の追加または代替の一実施形態において、コンテナ3の重量が飲料分注アセンブリ1によって含まれる重量モジュールによって測定される。コンテナ3およびその中に貯蔵されている飲料の重量を取得して、(空の)コンテナの、および任意選択で、任意の他の非飲料要素の重量を差し引くことによって、コンテナ3内の飲料の量を判定することができる。
【0052】
次に、ステップ508において、飲料分注アセンブリ1の周囲温度を判定することができる。これは、飲料分注アセンブリ1のすぐ近傍における、飲料分注アセンブリ1の外側の温度である。
【0053】
ステップ510において、コンテナ3内の飲料の温度、またはコンテナ3の温度または壁11の温度で冷却装置26がオンに切り替わるまたは動作を増加させるカットオン温度が判定される。カットオン温度は好ましくは、コンテナ3に残っている飲料の量および飲料分注アセンブリ1の周囲温度のうちの少なくとも一方および好ましくは両方に基づいて判定される。コンテナ3に残っている飲料の量と飲料分注アセンブリ1の周囲温度との間の可能な関係を図6に示す。
【0054】
図6は、一方のカットオン温度と他方の周囲温度およびコンテナ内の飲料量との間の線形関係を示す。あるいは、これらの関係のうちの少なくとも一方または両方が非線形であり得るか、または非線形部分を含み得る。一方のカットオン温度と他方の周囲温度およびコンテナ内の飲料量との間の関係は、上で議論したような処理ユニットに結合されたメモリに格納することができる。図6によって示すような値および関係の曲線は単に一実施形態として提供され、他の関係も同様に実装することができる。
【0055】
ステップ512において、冷却装置26は、レセプタクル5の壁11を冷却するように動作する。冷却装置26は、動作期間および飲料、コンテナ3および壁11のうちの少なくとも1つの感知温度のうちの少なくとも1つを監視しながら動作する。ステップ514において、冷却装置26の動作期間が、冷却装置26を動作するための所定の期間と比較される。ステップ516において、飲料、コンテナ3の壁および壁11のうちの少なくとも1つの監視された温度が、所定のカットオフ温度と比較される。ステップ516およびステップ514は並列または直列で実行することができる。あるいは、ステップ516およびステップ514のみが実行される。
【0056】
図5の実施形態において、テストされた基準の少なくとも1つが満たされれば、手順はステップ518に続く。ステップ518において、冷却装置26の動作が縮小され、好ましくは停止される。ステップ518は、次のステップに進む前に待機ループを含むことができる。
【0057】
ステップ522において、感知された温度が、上で議論したように定義されたカットオン温度と比較される。感知された温度がカットオン温度を下回れば、手順はステップ518に戻る。感知された温度がカットオン温度を上回れば、手順はステップ524へ続き、このステップで前の除霜動作からの除霜期間が除霜制限時間までテストされる。これが除霜制限時間より長く、たとえば2、3、4、5時間以上である場合、冷却装置26の動作は除霜温度に達するまで依然として停止される。後者はステップ526でチェックされる。
【0058】
除霜制限時間にまだ達していなければ、カットオン温度に達したまたはこれを超えた場合、手順はステップ524からステップ506へ分岐する。あるいは、手順はステップ512に戻ることができる。
【0059】
除霜時間制限が経過していたら、感知された温度がテストされる。除霜温度にまだ達していなければ、手順はステップ528へ続き、ここで冷却装置26の動作がさらに停止する。ステップ528は待機ループを含むことができる。ステップ528の後、感知された温度が除霜温度と再び比較される。除霜温度に達していれば、手順はステップ506に戻る。あるいは、手順はステップ512に戻ることができる。除霜サブルーチンは、分注ライン35内のいかなる飲料も凍結または他の方法で固化するのを防止することができる。さらに、これは、コンテナ3が壁11に固定され、したがって人が除去するのが非常に困難になり得るようにコンテナ3が壁11に凍結するのを防止することができる。
【0060】
フローチャート500によって示した方法のさまざまなステップは、フローチャート500によって示したような順序で実行することができる。加えて、または代替えとして、数字506、508および510のステップを含むがこれらに限定されない少なくともいくつかのステップは、特定の瞬間に実行されるフローチャート500のステップに関係なく、いくつかの時点で継続的または周期的に実行することができる。
【0061】
本発明は、ここで上に具体的に開示および議論された実施形態に決して限定されない。図示および説明された実施形態の部分の組合せを含むがこれらに限定されない、これらの多くの変形が可能である。たとえば少なくとも1つの開口9は、たとえば閉鎖リング47を通って、好ましくは実質的に径方向外向きに、たとえばリングの内表面または壁を通って、コンテナ間の空間内へと延在する異なる位置に設けることができ、アダプタ38は、上記少なくとも1つの開口9と適切に連通するためにリング内へ延在することができる。コンテナにはネックに1つのみの開口またはいくつかのこのような開口を設けることができる。実施形態においてコンテナは単一壁コンテナとすることができ、ガス、たとえばCO2または窒素ガスを飲料内へ直接挿入することができる。実施形態においてコンテナは、蓋内の空間を加圧することによって圧縮可能とすることができる。実施形態において閉鎖リング47およびアダプタ38を統合することができる。これらは次いで栓としてコンテナ3上へ直接接続することができ、アダプタとして適切である。実施形態において分注アダプタおよびアダプタは、互いにおよび/または閉鎖リングと統合することができる。コンテナ内の弁の代わりに異なる栓、たとえば、アダプタおよび/または分注アダプタによって貫通可能な、貫通可能栓、またはタッピング装置との協働のためにアダプタおよび/または分注アダプタと次いで交換することができる除去可能栓を使用することができる。
【0062】
提示されたような本発明の範囲内の、開示されたような本発明の要素のすべての組合せを含むがこれらに限定されない、これらおよび他の多くの修正も本明細書に開示されているとみなされる。
【0063】
要約すると、コンテナ内の飲料を冷却するための方法が提供され、コンテナは、冷却要素に熱伝導的に結合された冷却接触体と接触して提供される。この方法は、冷却要素を動作させることと、コンテナおよび冷却接触体の外側の環境の周囲温度を取得することとを含む。周囲温度に基づいて、カットオン温度が定義され、飲料の温度を示す温度値が取得される。温度がカットオン温度より大きければ終了基準が満たされるまで冷却要素が動作する。周囲温度が高いと、飲料の温度が許容可能な境界間に維持されることを保証するために飲料をより多く冷却することが要求され得る。環境温度が高いと、より多くの冷却が要求され、オンまたはオフの切り替えが速くなることを意味する。周囲温度に基づくスイッチオン温度を使用することによって、より効率的な冷却を確立することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 飲料分注アセンブリ、タッピングアセンブリ
2 ディスペンサ、タッピング装置
3 飲料コンテナ
4 ハウジング
5 レセプタクル
6 コンテナの一部
7 ネック部分
8 ショルダー部分
10 ショルダー部分の一部
11 壁
12 蓋
13 コンテナ部分
14 内表面
15 空間
16 頂部
17 本体部分
18A 内壁
18B 外壁
19 空間
20 領域
21 シール
22 ブランド名
23 本体部分
24 底部
26 冷却装置、冷却システム
27 壁の一部
29 タップ
30 動作機構
31 弁
32 スパウト
34 分注ユニット
35 分注ライン、タッピングライン
36 くぼみ
37 底部
38 アダプタ
42 温度センサ
74 バー
75 頂部
76 目
図1
図1A
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
【国際調査報告】