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特表2023-501618患者位置決めのためのシステム及びこのようなシステムを使用する外科的方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】患者位置決めのためのシステム及びこのようなシステムを使用する外科的方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 13/12 20060101AFI20230111BHJP
   A61G 13/10 20060101ALI20230111BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20230111BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
A61G13/12 B
A61G13/10
A61B6/04 331Z
A61B6/00 370
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527818
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 IB2020060629
(87)【国際公開番号】W WO2021094955
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/934,947
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】522185265
【氏名又は名称】クック,キャメロン・ジェー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】クック,キャメロン・ジェー
【テーマコード(参考)】
4C093
4C341
【Fターム(参考)】
4C093AA25
4C093CA17
4C093DA10
4C093ED11
4C093ED30
4C341MM04
4C341MN16
4C341MP02
4C341MQ02
4C341MS04
(57)【要約】
外科位置決めシステムは、プラットフォームアセンブリと、プラットフォームアセンブリに連結された位置合わせポストを含む。プラットフォームアセンブリは、第1の部材と、第2の部材と、上昇アセンブリとを有する。第1の部材は、外科手術台上に支持される。第2の部材は、第1の部材の上方に配置され、手術を受ける患者の第1の部分を該第2の部材の上に支持する。上昇アセンブリは、患者の第1の部分の上昇を変化させるために、第1の部材に対して第2の部材を移動させる。いくつかの実施形態では、位置決め部材は位置合わせポストに連結される。位置決め部材は、垂直に、かつ横方向に、該位置決め部材の上の前記患者の部分を変位させるように収縮状態と膨張状態との間で膨張可能である。いくつかの実施形態では、外科位置決めシステムは、股関節置換手術において、患者の骨格(anatomy)を位置決めするために使用される。
【選択図】図12E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術中に患者を位置決めするためのシステムであって、
外科手術台上に支持されるように構成された第1の部材と、
前記第1の部材の上方に配置された第2部材であって、外科手術を受ける患者の少なくとも第1の部分を該第2部材の上に支持するように構成された第2の部材と、
前記患者の第2の部分に対する前記患者の前記第1の部分の上昇を変化させるために、前記第1の部材に対して前記第2の部材を移動させるように構成された上昇アセンブリと
を備える、プラットフォームアセンブリと、
前記プラットフォームアセンブリに連結された位置合わせポストと
を備える、システム。
【請求項2】
前記位置合わせポストは、前記第1の部材と前記第2の部材との間の収納位置と、前記第1の部材から離れる方向に前記第2の部材の上方に延在する展開位置との間で回転するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記位置合わせポストは、前記第1の部材に回転可能に結合される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記収納位置において、前記位置合わせポストは、断面視において、前記第1の部材と前記第2の部材との間に実質的に水平に配向され、かつ
前記展開位置において、前記位置合わせポストは、断面視において、実質的に垂直に配向され、前記位置合わせポストの少なくとも端部が前記第2の部材の上方に延在する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記展開位置における前記位置合わせポストは、前記患者の鼠径部が前記位置合わせポストの長手方向側面に隣接するように配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の部材は前記患者の両脚部の間に配置された半島部分を有し、前記半島部分はポストマウントを有し、前記位置合わせポストは、前記ポストマウント内に支持された端部を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記位置合わせポストは、前記患者の鼠径部が前記位置合わせポストの長手方向側面に隣接するように配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記位置合わせポストに連結され、前記第2の部材に支持され、収縮状態と膨張状態との間で膨張可能な位置決め部材をさらに備え、
前記膨張状態において、前記位置決め部材は、前記収縮状態における前記位置決め部材と比較して、前記第2の部材に対して垂直に、かつ前記位置合わせポストに対して横方向に、該位置決め部材の上の前記患者の部分を変位させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記位置決め部材は、前記患者の股関節に近位の前記患者の脚部の一部を受け止めるように配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記膨張状態の前記位置決め部材は、前記患者の大腿骨を同時に上昇および横方向に移動するように構成および位置決めされる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記位置決め部材は側面視においてL字形状を有し、前記L字形状の1つの足は、前記位置合わせポストの側壁に沿って該側壁に連結され、前記L字形状の別の足は、前記第2の部材の上面に沿って該上面に支持される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記位置決め部材は、機械的取付け手段および/または磁気的取付け手段を介して前記位置合わせポストに連結される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記機械的取付け手段が、面ファスナー、永久接着剤、再使用可能接着剤、ラッチ、ロッククリップ、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プラットフォームアセンブリおよび前記位置決め部材に動作可能に連結された制御モジュールをさらに備え、前記制御モジュールは、前記上昇アセンブリの動作を制御するための第1の入力を受け取り、前記位置決め部材の膨張および/または収縮を制御するための第2の入力を受け取る、ように構成された入力インターフェースを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記入力インターフェースは、ユーザによって手動で作動可能な1つまたは複数のフットペダルを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御モジュールは、
前記位置決め部材に空気を供給し、または前記位置決め部材から空気を引き出すように構成された空気圧源と、
前記患者の前記第1の部分の上昇を変化させるために、前記上昇アセンブリのアクチュエータに電力を供給するように構成された電源と、
前記入力インターフェースを介して受け取った入力信号を、前記空気圧源または前記電源の対応する動作に変換する機械的または電気的コンポーネントと
を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記上昇アセンブリの前記アクチュエータは、リニアアクチュエータまたは油圧シリンダを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記位置合わせポストは、前記上昇アセンブリの作動による前記第2の部材と前記第1の部材との間の垂直距離の変化にもかかわらず、前記位置合わせポストの端部が前記第2の部材の上方で一定の高さに維持されるように、前記プラットフォームアセンブリに結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記上昇アセンブリは、1つまたは複数のはさみアセンブリを備え、それぞれのはさみアセンブリは、第2のアームに交差し回転可能に取り付けられた第1のアームを有し、前記第1のアームは、前記第1の部材に固定された第1の端部と、前記第2の部材に結合された第2の端部とを有し、前記第2のアームは、前記第2の部材に固定された第1の端部と、前記第1の部材に結合された第2の端部とを有し、各第2の端部は長手方向に沿って移動可能であり、前記はさみアセンブリは、前記第2の端部の長手方向の運動が前記第1の部材に対する前記第2の部材の垂直運動に変換されるように、構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の部材は前記患者の両脚部の間に配置された半島部分を有し、前記上昇アセンブリは、第1の油圧シリンダと、第2の油圧シリンダと、少なくとも1つのはさみアセンブリとを備え、前記第1の油圧シリンダは垂直方向に沿って前記第1の部材と前記第2の部材の前記半島部分との間に配置され、前記第2の油圧シリンダは長手方向に沿って前記第1の部材と前記少なくとも1つのはさみアセンブリとの間に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記位置合わせポストは、該位置合わせポストの端部を覆うパッドを備え、および/または前記第2の部材は、前記患者の前記第1の部分に面する表面を覆うパッドを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2の部材は、撮像アライメントマーカーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記撮像アライメントマーカーが放射線不透過性グリッドパターンを有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記外科手術台上に支持された1つまたは複数の支持パッドであって、前記第1の部分の他に前記患者の他の部分を該支持パッドの上に支持するように構成された1つまたは複数の支持パッドをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記第2の部材は、天板を含み、該天板は、前記患者の前記第1の部分に接触するように該天板の上に配置されたパッドを有し、前記第1の部材は、ベース板を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
外科手術中に患者を位置決めするためのシステムであって、
外科手術台上で支持される患者の骨盤の少なくとも一部を上昇するための第1の手段、および前記患者の大腿骨を上昇および横方向に移動するための第2の手段を備えるシステム。
【請求項27】
外科医または他のユーザからの入力に基づいて前記第1の手段および/または前記第2の手段を制御するための第3の手段をさらに備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1の手段は電気アクチュエータまたは油圧アクチュエータを備え、前記第2の手段は、膨張可能な部材を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記システムは、異なる複数の外科手術台の間の運搬のための、および/または、該異なる複数の外科手術台を用いた使用のための、モジュール式またはポータブルシステムとして構築される、請求項1~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記システムは、前記外科手術台の一体構成要素として構成される、請求項1~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
請求項1~28のいずれか一項に記載の前記システムを備える、外科手術台。
【請求項32】
請求項1~28のいずれか一項に記載の前記外科位置決めシステムを使用して外科手術を実施するための方法。
【請求項33】
外科手術台に、外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリを提供することであって、前記プラットフォームアセンブリは、第1の部材と、第2の部材と、上昇アセンブリとを備え、前記第1の部材は前記外科手術台上に支持され、前記第2の部材は前記第1の部材の上方に配置され、前記上昇アセンブリは前記第1の部材に対して前記第2の部材を垂直に移動させるように構成されることと、
前記外科手術台上に患者を前記患者の骨盤の少なくとも一部が前記第2の部材上で支えられて配置することと、
前記患者の鼠径部に対して外科位置決めの位置合わせポストを配置することと、
膨張可能な位置決め部材を、前記膨張可能な位置決め部材の少なくとも一部が前記第2の部材と前記患者の脚部または臀部との間にあるように、前記位置合わせポスト上に設置することと、
前記患者に外科手術を施すこととを含む方法であって、
前記患者に外科手術を施すことは、
前記プラットフォームアセンブリの前記上昇アセンブリを作動させることによって、前記患者の前記骨盤の支持部分を上昇させること、及び、前記膨張可能な位置決め部材の膨張を変化させることによって、前記患者の大腿骨を上昇および/または横方向に移動させること、のうち少なくとも一方を含む、方法。
【請求項34】
前記位置合わせポストを配置することは、前記位置合わせポストを、前記第1の部材と前記第2の部材との間の初期収納位置から、前記第2の部材の上方で前記第1の部材から離れるように延在する、展開位置に回転させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記位置合わせポストを配置することは、前記位置合わせポストの端部を前記第2の部材の半島部分のポストマウントに挿入することを含み、前記半島部分は前記患者の両脚部の間にあり、挿入された前記位置合わせポストは前記第2の部材の上方で前記第1の部材から離れるように延在する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記位置決め部材は収縮状態と膨張状態との間で膨張可能であり、前記膨張可能な位置決め部材は、前記収縮状態で前記位置合わせポスト上に設置される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記膨張可能な位置決め部材を設置する前または後に、空気圧源が前記位置決め部材に接続される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記上昇アセンブリは、電気リニアアクチュエータまたは油圧アクチュエータを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記外科手術を施すことは、前記患者の大腿骨にアクセスするための前方アプローチを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記外科手術を施すことは、直接前方アプローチを介した前記患者の股関節の置換を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記第2の部材は天板を含み、該天板は、前記患者の骨盤の少なくとも一部と接触するように該天板の上に配置されたパッドを有し、前記第1の部材は、ベース板を含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、令和1年11月13日に出願された「Systems for Patient Positioning, and Surgical Methoads Employing Systems」という名称の米国仮出願第62/934,947号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、外科手術中に患者を位置決めするための外科手術およびシステムに関し、より詳細には、患者の骨盤、股関節、および/または脚領域の位置決めに関する。
【背景技術】
【0003】
人工インプラントによる股関節の外科的置換は、後方、側方、前方-側方、または前方アプローチ(anterior approach)を用いて達成できる。これらのアプローチの中で、直接前方アプローチ(Direct Anterior Approach)(DAA)は、比較的新しいものであり、脱臼のリスクを低減しながら、より速い回復およびより少ない疼痛を提供する。DAAはまた、インプラントの位置決めを改善するために手術中X線の使用を可能にし、それによって、脚の長さの不一致および/またはインプラントの位置異常のリスクを低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くのDAA股関節置換手術は外科手術中に患者の脚部を位置決めすることができる専用の牽引台(例えば、HANA(登録商標)テーブル)を使用して行われる。しかし、このような特殊な牽引台は、外科手術に多大な費用を加える可能性がある。各台自体は、比較的高価であり(例えば、$100,000)、外科手術中に操作するために経験豊富な人員を別途必要とする。さらに、台上の患者の初期設定および構成は、各外科手術に時間を追加し得る。牽引台はまた、足把持器に患者の脚部を固定し、これは、足を把持器から取り外す別の方法をとらずに、屈曲および内旋の不安定性を外科医がチェックする能力を妨げる可能性がある。
【0005】
DAA股関節置換手術はまた、専用化されていない手術台または標準的な手術台を使用して実施され得、それによって、専用の牽引台に関連する余分な費用を回避する。例えば、手術台は、脚部支持部および/または胴部支持部を下方に傾斜させることによって「破壊」され得、それによって、股関節の伸展および/または大腿骨の露出を可能にするために骨盤を上昇させる。しかしながら、標準的な手術台は、限定された角度しか提供せず、さもなければ、外科手術中に患者の脚部を最適に位置決めする能力を欠き、これは、外科医への骨の適切な露出を妨げ得る。さらに、そのような角度付けを提供するために必要な手術台の支持部の配置は、骨盤の下の手術台支持柱の位置に起因して、手術中のX線画像化を阻止し得る。
【0006】
開示される主題の実施形態は、とりわけ、上記の問題または欠点のうちの1つまたは複数に対処することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示される主題の実施形態は例えば、股関節置換手術中に患者の骨盤および脚部の位置の制御を提供するために、外科手術中に患者の部分を位置決めするためのシステムを使用する。開示されたシステムの構成要素は患者の他の部分(例えば、脚部)に対して骨盤を持ち上げることができる。開示されたシステムの構成要素はまた、骨盤に対して患者の1つの部分(例えば、近位大腿骨)を同時に上昇させ、横方向に移動させることができる。開示されたシステムは標準的な外科手術台と共に使用するように適合されたモジュール式ユニットとして構成することができ、または新しいタイプの外科手術台の一体部品を形成することができる。
【0008】
1つまたは複数の代表的な実施形態では、外科手術中に患者を位置決めするためのシステムがプラットフォームアセンブリおよび位置合わせポストを備えることができる。プラットフォームアセンブリは、第1の部材、第2の部材、および上昇アセンブリを備えることができる。第1の部材は、外科手術台上に支持されるように構成することができる。第2の部材は第1の部材の上方に配置することができ、該第2の部材の上に外科手術を受ける患者の少なくとも第1の部分を支持するように構成することができる。上昇アセンブリは患者の第2の部分に対する患者の第1の部分の上昇を変化させるように、第1の部材に対して第2の部材を移動させるように構成することができる。位置合わせポストは、プラットフォームアセンブリに連結されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムが、位置合わせポストに結合され、第2の部材上に支持された位置決め部材をさらに備える。位置決め部材は、収縮状態と膨張状態との間で膨張可能であり得る。膨張状態において、位置決め部材は収縮状態における位置決め部材と比較して、第2の部材に対して垂直に、かつ位置合わせポストに対して横方向に、患者の部分を該位置決め部材の上に変位させることができる。
【0010】
1つまたは複数の代表的な実施形態では、外科手術中に患者を位置決めするためのシステムが外科手術台上に支持された患者の骨盤の少なくとも一部を持ち上げるための第1の手段と、患者の大腿骨を持ち上げて横方向に移動させるための第2の手段とを含むことができる。
【0011】
1つまたは複数の代表的な実施形態では、方法が外科手術台に外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリを提供することを含むことができる。プラットフォームアセンブリは、第1の部材、第2の部材、および上昇アセンブリを備えることができる。第1の部材は、外科手術台上に支持することができる。第2の部材は、第1の部材の上方に配置することができる。上昇アセンブリは、第2の部材を第1の部材に対して垂直方向に移動させるように構成することができる。この方法は、患者の骨盤の少なくとも一部が第2の板部材上に支持された状態で患者を外科手術台上に配置することと、患者の鼠径部領域に対する外科位置決めの位置合わせポストを配置することとをさらに含むことができる。この方法はまた、膨張可能な位置決め部材の少なくとも一部が第2の板部材と患者の脚または臀部との間にあるように、膨張可能な位置決め部材を位置合わせポスト上に設置することと、患者に外科手術を実施することとを含むことができる。外科手術を実施することは、プラットフォームアセンブリの上昇アセンブリを作動させることによって患者の骨盤の支持部分を上昇させること、及び、膨張可能な位置決め部材の膨張を変化させることによって患者の大腿骨を上昇させるおよび/または横方向に移動させること、のうち少なくとも一方を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、実施される外科手術が直接前方アプローチを採用する股関節置換手術である。
【0013】
本開示の様々な革新のいずれも、組み合わせて、または別々に使用することができる。この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して進行する以下の詳細な説明からより明らかになるのであろう。
【0014】
以下、必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付図面を参照して実施形態を説明する。適用可能な場合、いくつかの要素は、基礎となる特徴の例示および説明を助けるために、単純化されるか、またはさもなければ図示されないことがある。図面全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの態様を示す一般化された概略図である。
【0016】
図2】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの第1の例を採用する外科手術台の斜視図である。
【0017】
図3A】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的な制御ユニットの斜視図である。
図3B】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的な制御ユニットの内部図である。
図3C】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的な制御ユニットの背面図である。
図3D】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的な制御ユニットの分解図である。
【0018】
図4A】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的なプラットフォームアセンブリの上面図である。
図4B】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的なプラットフォームアセンブリの側面図である。
図4C】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの例示的なプラットフォームアセンブリの分解図である。
【0019】
図4D図4Cのプラットフォームアセンブリの一部の拡大図である。
【0020】
図4E図4Cのプラットフォームアセンブリの撮像グリッドの上面図である。
【0021】
図5A】初期の閉塞位置にある位置合わせポストを有する外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリの斜視図である。
図5B】初期の閉塞位置にある位置合わせポストを有する外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリの側面断面図である。
【0022】
図6】位置合わせポストの回転に備えてロック板を取り外すことを示すプラットフォームアセンブリの斜視図である。
【0023】
図7A】プラットフォームアセンブリの位置合わせポストの部分的回転を図示する、斜視図である。
図7B】プラットフォームアセンブリの位置合わせポストの部分的回転を図示する、側面断面図である。
【0024】
図8A】プラットフォームアセンブリの位置合わせポストの最終的な展開位置への完全な回転を図示する、斜視図である。
図8B】プラットフォームアセンブリの位置合わせポストの最終的な展開位置への完全な回転を図示する、側面断面図である。
図8C】プラットフォームアセンブリの位置合わせポストの最終的な展開位置への完全な回転を図示する、側面図である。
【0025】
図9A】外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリの上昇を示す、側面断面図である。
図9B】外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリの上昇を示す、側面図である。
【0026】
図10A】展開された位置合わせポスト上にポストパッドを取り付ける前の、図4A~4Cのプラットフォームアセンブリの斜視図である。
図10B】展開された位置合わせポスト上にポストパッドを取り付けた後の、図4A~4Cのプラットフォームアセンブリの斜視図である。
【0027】
図11A】展開された位置合わせポスト上の膨張可能な位置決め部材を取り付ける前の、図10A~10Bのプラットフォームアセンブリの斜視図である。
図11B】展開された位置合わせポスト上の膨張可能な位置決め部材を取り付けた後の、図10A~10Bのプラットフォームアセンブリの斜視図である。
【0028】
図11C】空気圧導管への膨張可能な位置決め部材の接続前の、図10A~10Bのプラットフォームアセンブリの逆斜視図である。
図11D】空気圧導管への膨張可能な位置決め部材の接続後の、図10A~10Bのプラットフォームアセンブリの逆斜視図である。
【0029】
図12A】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図2の外科手術台の斜視図である。
図12B】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図2の外科手術台の斜視図である。
図12C】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図2の外科手術台の斜視図である。
図12D】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図2の外科手術台の斜視図である。
【0030】
図12E】外科位置決めシステムの動作の骨盤上昇段階中の図2の外科手術台の斜視図である。
【0031】
図13】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの第2の例を使用する外科手術台の斜視図である。
【0032】
図14】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科手術位置決めシステムの第2の例の例示的なプラットフォームアセンブリの上面図である。
【0033】
図15A】展開された位置合わせポスト上にポストパッドを取り付ける前の図14のプラットフォームアセンブリの斜視図である。
図15B】展開された位置合わせポスト上にポストパッドを取り付けた後の図14のプラットフォームアセンブリの斜視図である。
【0034】
図16A】空気圧導管への膨張可能な位置決め部材の接続前の、図15A~15Bのプラットフォームアセンブリの逆斜視図である。
図16B】空気圧導管への膨張可能な位置決め部材の接続後の、図15A~15Bのプラットフォームアセンブリの逆斜視図である。
【0035】
図16C図16Aのプラットフォームアセンブリの上面図である。
【0036】
図17A図16Bのプラットフォームアセンブリを、上昇前で示す側面図である。
図17B図16Bのプラットフォームアセンブリを、上昇後で示す側面図である。
【0037】
図17C図17Bの上昇したプラットフォームアセンブリの斜視図である。
【0038】
図18A】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図13の外科手術台の斜視図である。
図18B】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図13の外科手術台の斜視図である。
図18C】外科位置決めシステムの様々な動作段階中に患者を支持する図13の外科手術台の斜視図である。
【0039】
図19】開示された主題の1つまたは複数の実施形態による、外科位置決めシステムの使用のための例示的な方法のプロセスフロー図である。
【0040】
図20】説明した革新を実施することができる適切なコンピューティング環境の一般化された例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
実施形態において、外科位置決めシステムは、患者の複数の部分を位置決めして、例えば複数の部分を患者の他の複数の部分に対して持ち上げて、外科手術中の特定の骨格特徴へのアクセスを改善するために、使用される。いくつかの実施形態では、外科位置決めシステムが、股関節置換手術において、外科手術のいくつかの段階中に骨盤を持ち上げ、外科手術の他の段階中に大腿骨を持ち上げ、横方向に移動するために、使用することができる。外科位置決めシステムは、患者の脚部を位置決めするための固定具または牽引要素なしで、標準的な外科手術台に追加することができる。
【0042】
図1は、股関節置換手術のための例示的な外科位置決めシステム100の一般化された特徴を示す。外科位置決めシステム100は、プラットフォームアセンブリ102および制御モジュール110を含み得る。プラットフォームアセンブリ102は、外科手術台の上に位置し、該プラットフォームアセンブリ102の上に患者の骨盤領域の少なくとも一部を支持する。プラットフォームアセンブリ102は、外科手術台上の患者の骨盤領域の横方向の位置合わせ(例えば、左右)を提供する第1の機構104と、外科手術台に対する患者の骨盤領域の上昇または高さを調節する第2の機構106とを含むことができる。例えば、骨盤領域の上昇は患者の股関節の延長を可能にすることができ、これは、該股関節の置換中に股関節のより良好な露出を提供することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、プラットフォームアセンブリ102はまた、患者の上肢または臀部領域の位置を調節する第3の機構108を含むことができる。他の実施形態では、第3の機構108が外科手術中にプラットフォームアセンブリ102の一部に結合される別個の構成要素である。任意の実施形態では、第3の機構108が例えば、患者の他の部分(例えば、骨盤領域)に対する患者の近位大腿骨の上昇および側方位置を制御することができ、これにより、大腿骨のブローチングがより容易になり得る。
【0044】
制御モジュール110は、プラットフォームアセンブリ102の1つまたは複数の構成要素に動作可能に連結されて、該プラットフォームアセンブリ102の作動を提供することができる。いくつかの実施形態では、第1の機構104が固定位置にあることができる。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、第1の機構104が、外科手術のために、最初の収納位置から展開位置まで手動で作動可能であり得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、第1の機構104がプラットフォームアセンブリから取り外し可能であり得る。そのような構成では、第1の機構104は、患者が外科手術のためにプラットフォームアセンブリ上に配置された後、所定の位置に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、第2の機構106が電力を使用して作動させることができる。例えば、制御モジュール110と第2の機構106との間の接続116を使用して、電気制御信号および/または電力を第2の機構106のアクチュエータに供給し、所望の量の上昇を提供することができる。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、第2の機構106が油圧または空気圧電力を使用して作動され得る。例えば、接続116は、圧力流体を第2の機構106に提供するか、または、第2の機構106から流体を引き出して、所望の量の上昇を提供する油圧系となり得る。いくつかの実施形態では、第3の機構108が油圧又は空気圧電力を使用して作動させることができる。例えば、制御モジュール110と第3の機構108との間の接続部118は、第3の機構に加圧空気を提供するか、または第3の機構から空気を引き出して、所望の量の上昇および/または横移動を提供することができる。いくつかの実施形態では、第1の機構104、第2の機構106、および第3の機構108のいずれかは、手動作動、電気作動、空気圧作動、またはこれらの組み合わせのうちの任意の1つを採用することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、制御モジュール110が、手術室の床上、例えば、外科手術台の下方または近くに配置される。他の実施形態では、制御モジュール110が、手術台の一部、手術台の近位の手術用カート、手術室の壁、または任意の他の静止または可動構造上に配置することができる。さらに他の実施形態では、制御モジュール110が例えば、外科手術台のテーブル基部、支持柱、または患者支持パネルの一部として、外科手術台自体と一体化することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、制御モジュール110が、患者の外科手術中にプラットフォームアセンブリ102の構成要素の制御のためのコマンドを受信するために、(例えば、有線または無線接続114を介して)入力ユニット112に動作可能に結合される。したがって、制御モジュール110は、入力ユニット112からの入力コマンドを電気信号(または油圧若しくは空気圧作動のための油圧流体または空気の移動)に変換して、プラットフォームアセンブリ102の構成要素の動作を駆動する。例えば、入力ユニット112は、第2の機構106および/または第3の機構108の動作を指示するために、外科医または別の操作者によって手動で作動される1つまたは複数のアクチュエータまたはスイッチを含むことができる。代替的に又は追加的に、入力ユニット112は、外科医又は別のオペレータが第2の機構106及び/又は第3の機構108によって所望の位置決めを規定することができる電子ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。代替的又は追加的に、入力ユニット112は、第2の機構106及び/又は第3の機構108の動作を指示するために、音声作動のようなハンズフリー入力を採用することができる。入力ユニット112が、1つまたは複数の企図される実施形態による他の技法または機構を使用することも可能である。
【0047】
したがって、外科位置決めシステム100は、股関節伸長、上昇、および横移動を含む、複数の股関節位置決めオプションを可能にすることができる。これらの複数の股関節位置決めオプションは、大腿骨の優れた露出および送達を可能にする。その結果、迅速な一次股関節置換手術を達成することができる。さらに、外科位置決めシステム100によって提供される複数の股関節位置決めオプションは、肥満患者、重大な筋肉量を有する患者、及び基礎に変形を有する患者などのより複雑な股関節置換シナリオをさらに補助することができる。
【0048】
ここで図2図12Eを参照すると、例示的な外科位置決めシステム200が示されている。外科位置決めシステム200は、プラットフォームアセンブリ202(骨盤上昇プラットフォームとしても知られる)、制御ユニットまたはモジュール204(制御ボックスとしても知られる)、および入力ユニット206(例えば、フットペダルシステムとしても知られる左フットペダル206aおよび右フットペダル206b)を含む。図示を明確にするためにこれらの図には示されていないが、制御モジュール204は、電源導管(例えば、電気、油圧、および/または空気圧)によってプラットフォームアセンブリ202に、およびそれぞれの信号線(例えば、電気、油圧、および/または空気圧)によって入力ユニット206に動作可能に接続される。したがって、外科手術台210上に配置された患者320を手術する外科医は、入力ユニット206と相互に作用して、プラットフォームアセンブリ202による患者の位置決めを直接制御することができる。
【0049】
図2に示す例では、プラットフォームアセンブリ202が、外科手術台210、特に手術台210の胴部支持パネル214上に配置されている。外科手術台210は、長手(Y)方向に沿って胴部支持パネル214の対向する両側に、頭部支持パネル212および脚部支持パネル216を有する。支持パネル212~216の各々は、別個に関節運動させることができ(例えば、互いに対して角度をつけることができ)、および/または、長手方向に沿って変位させることができる。例えば、パネル212~216は、頭部支持パネル212から脚部支持パネル216に向かう方向に平行移動されて、患者320の胴部または骨盤を撮像するための撮像システムの検出器または線源(例えば、X線)の位置決めを可能にすることができる。外科手術台210は、手術室の床と一体化されてもよくまたは可動式(例えば、キャスタまたは車輪)であってもよい、ベース230をさらに含むことができる。ベース230上のパネル212~216を支持するのは、調節可能な高さ(例えば、Z方向に沿って延びる伸縮自在)を有するか、または静的な高さを有する支持柱232である。
【0050】
外科手術台210の支持パネル212、214、216の各々は該支持パネルの上にそれぞれの支持パッド220、222、224(例えば、クッション)を有することができる。いくつかの実施形態では、支持パッド220~224が、外科位置決めシステムの一部であり、プラットフォームアセンブリ202と一緒に設置される。他の実施形態では、支持パッド220~224は手術台210の一部である。プラットフォームアセンブリ202は、患者320の骨盤領域を該プラットフォームアセンブリ202の上に支持するように、長手方向に沿って胴部支持パッド222と脚部支持パッド224との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、初期の非伸長位置におけるプラットフォームアセンブリ202の高さ(例えば、Z方向に沿った)は胴部支持パッド222および脚部支持パッド224の隣接部分の高さと実質的に等しくてもよい。
【0051】
図2に示すように、制御モジュール204は、手術台210の一部の下方の床上に配置することができ、入力ユニット206および/またはプラットフォームアセンブリ202のそれぞれのコネクタへの配線および導管の便利な経路指定を可能にするように方向付けされることができる。特に、制御モジュール204は、入力ユニット206が配置されている、および/またはプラットフォームアセンブリ202のコネクタ274、276が配置されている手術台210の側面に向いている入力/出力(I/O)コネクタパネル234を有することができる。I/Oコネクタパネル234は、足制御ペダル206a、206bにそれぞれ接続される電気コネクタ238、240(図3C)を有することができる。I/Oコネクタパネル234はさらに、プラットフォームアセンブリ202の空気圧コネクタ274に接続される空気圧コネクタ236(図3C)と、プラットフォームアセンブリ202の電気コネクタ276に接続される別の電気コネクタ242(図3C)とを有することができる。
【0052】
図3A図3Dに示すように、制御モジュール204は、種々の構成要素を取り囲むハウジングを有する。ハウジングは、上部カバー248と底部支持板244とによって形成することができる。シール256(例えば、Oリング)が、上部カバー248の周囲と底板244との間に設けられる。底板244は底面上に1つまたは複数の脚部258(例えば、ゴム引きされた脚部)を有し得、この脚部は、手術室内の床または他の表面上に載る。空気圧制御を提供するために、制御モジュール204は、空気圧源250(例えば、回転ベーンポンプ)、第1の弁(例えば、電磁弁)、および第2の弁(例えば、圧力解放弁または安全弁)を含むことができる。電力/電気制御を提供するために、制御モジュール204は電源255(例えば、電力変換器または変圧器、バッテリなど)を含むことができる。ここでも、下層の構成要素をより明確に示すために、電気配線及び空気圧配線は図3B~3Dには示されていない。
【0053】
図4A~4Dを参照すると、プラットフォームアセンブリ202は、底板266(ベース板としても知られている)、天板264、1つまたは複数の上昇アセンブリ268、および位置合わせポスト260(動的腹膜ポストとしても知られている)を有することができる。あるいは、いくつかの実施形態では位置合わせポスト260がプラットフォームアセンブリ202に結合された別個の構成要素であると考えることができる。底板266は、外科手術台の支持パネル上に支持され、1つまたは複数の取り付けレール272によって該支持パネルに取り付けられる。底板266はまた、空気圧コネクタ274および電気コネクタ276のような制御モジュール204への接続部を含むことができる。ハンドル296(図4C)は、プラットフォームアセンブリ202の手による運搬および/または位置決めを可能にするために、底板266内に形成することができる。底板266は底面上に1つまたは複数の脚部284(例えば、ゴム引きされた脚部)を有し得、この脚部は、手術台210の表面上に載る。カバー282は、底板266の底面の他の露出された構成要素上に設けられてもよい。
【0054】
天板264は該天板264の上面の上方に支持パッド226を有することができ、このパッド226は、患者320の骨盤領域を該パッド226の上に支持する。天板264および支持パッド226は、中央に配置された(横方向X方向に関して)スロット208を有することができ、位置合わせポスト260は、このスロット208を通って垂直に延びることができる。位置合わせポスト260は、位置合わせポスト260が実質的に水平であり天板264と底板266との間に配置される初期収納位置(図5A図5B参照)から、位置合わせポスト260が実質的に垂直でありスロット208を通って延びる展開位置(図4B図8A図8C参照)まで、Y-Z平面内で回転可能である。
【0055】
例えば、図4C-4Dに示されるように、位置合わせポスト260は、ピボット288で底板266に回転可能に結合される。支持ブラケット286は、ポスト260の対向する両側面に配置され、ピボット軸294はブラケット286およびポスト260を貫通して延在し、アセンブリをまとめる。ピボットヘッド292もまた、位置合わせポスト260に取り付けられ、ブラケット286の上面によって画定される輪郭経路をたどり、この経路は、位置合わせポスト260のための付勢位置またはロック位置を受動的に画定する。例えば、位置合わせポスト260が収納位置にあるとき、ピボットヘッド292は、凹部286a内に位置し、図5Bに示すように、ポスト260を前記位置に維持するのに役立つ。図7Bに示すように、ピボットヘッド292が凹部286aを離れるように、十分な力を位置合わせポスト260に加えることができ、その後、ブラケット経路がピボットヘッド292を凹部286bに付勢する。ピボットヘッド292が凹部286b内に静止すると、図8A図8Cに示すように、位置合わせポスト260は完全に展開された位置にある。位置合わせポスト260は、図8Bに示すように、天板264の一部に当接することによって回転をさらに制限するように作用する長手方向に延びる部分290を含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、ロック板270が、図5A~5Bに示されるように、収納位置において位置合わせポスト260の上方に配置され、天板264と底板266とを一緒に結合することができる。ロック板270は、位置合わせポストおよび天板/底板を不用意な動きから制限するので、プラットフォームアセンブリを輸送する際に特に有用であり得る。ロック板270は、例えば図6に示すように、プラットフォームアセンブリ202の上昇および/または位置合わせポスト260の作動を可能にするために取り外すことができる。
【0057】
位置合わせポスト260は、患者320の隣接部分との接触を緩衝するためのパッド262をさらに含むことができる。パッド262は、X方向に沿った該パッド262の中心軸に関して対称であるが、Y方向に沿った該パッド262の中心軸に関して非対称(横方向に非対称)であってもよい。パッド262は手術されていない患者の脚部に接触するための丸い表面を提供することができ、反対側の面278は、膨張可能な位置決め部材310のための取り付け表面として作用する。いくつかの実施形態では、パッド262が、取り外し可能であり、例えば、ポスト260が該ポスト260の完全に展開された位置にあった後にのみ、位置合わせポスト260上に配置される。例えば、パッド262は、図10A~10Bに示されるように、位置合わせポスト260の自由端を受容するような大きさおよび形状の中央空洞279を有し得る。他の実施形態では、パッド262はポスト260が収納位置にあるときに位置合わせポスト260上に取り付けることができてもよく、またはさもなければパッド262は位置合わせポスト260の一体部分であってもよい。
【0058】
図9A図9Bに最良に示されるように、1つまたは複数の上昇アセンブリ268は、天板264および底板266の両方に結合され、板264、266の間の垂直距離(例えば、Z方向に沿った患者の支持部分の上昇)を変化させるように作動させることができる。例えば、上昇アセンブリ268は、上部分268aと、下部分268bと、一対のアーム300とを有するはさみアセンブリであり得る。各部分268a、268bは、それぞれのプラットフォーム板264、266に堅固に接続されている。部分268a、268bはまた、プラットフォームアセンブリ202の最小高さを画定するように、上昇アセンブリ268が非拡張状態にあるときに互いに当接する垂直に突出する部分298を含む。一対のアーム300は、交差構成で配置され、中央ピボット302で互いに接続される。アーム300の第1の端部306は固定ピボットによってそれぞれの部分268a、268bに結合され、反対側の第2の端部304は部分268a、268bのスロット308に沿って長手方向に移動することができる。リニアアクチュエータのようなアクチュエータは第2の端部304を長手軸(Y方向)に沿ってスロット308内で移動させ、一方、アーム300の交差構成は第2の端部304の直線運動を板264、266の間の垂直運動(Z方向)に変換する。例えば、上昇アセンブリ268は、15cmまでの高さおよび150kg(331ポンド)までの持ち上げ能力を提供し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、図8A図9Bに示すように、位置合わせポスト260は、底板266に対して天板264が上昇しているにもかかわらず、天板264に関する高さを維持することができる。例えば、位置合わせポスト260は、天板264が底板266に対して持ち上げられるにつれて、ポスト260の上端が垂直に平行移動することを可能にする伸縮機構を含むことができる。したがって、位置合わせポスト260を使用する患者の一定の位置決めは、骨盤高さのいかなる変化にかかわらず達成することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、プラットフォームアセンブリ202が1つまたは複数の撮像アライメントマーカー280(グリッドガイダンステンプレートとしても知られている)を含むことができる。例えば、図4Eに示すように、撮像アライメントマーカーは、放射線不透過性グリッドパターンを有することができる。いくつかの実施形態では、マーカー280が天板264の上面においてパッド226の下方に搭載されたデカールとして形成されてもよい。他の実施形態では、マーカー280が天板264またはパッド226の一体部分として形成されてもよい。プラットフォームアセンブリ上の他の位置および/またはマーカー280の構成も、1つまたは複数の企図される実施形態に従って可能である。マーカー280は、例えば、患者の骨格(anatomy)および下にあるマーカー280のX線画像化を使用することによって、外科手術中に脚部の長さおよび関節のオフセットをチェックするために使用され得る。X線撮像におけるイメージインテンシファイアの使用は、マーカー280に基づく検査が実質的にリアルタイムで行われることを可能にすることができる。
【0061】
外科位置決めシステム200は、完全に収縮した状態から完全に膨張した状態まで、およびその間のどこでも膨張可能である位置決め部材310(大腿骨送達ブラダーとしても知られる)をさらに含むことができる。位置決め部材310は該位置決め部材310の上に患者320の脚部または臀部を受け入れることができ、部材310の膨張は、前方アプローチ手術中に大腿骨の上昇および横移動を引き起こす。例えば、位置決め部材310は、図11A~11Dに最も良く示されるように、実質的にL字形の袋であり得る。位置決め部材310は、患者の脚部/臀部の側面に接触し、位置決め部材310が膨張したときに大腿骨を横方向に動かすように作用する、垂直に延びる内面310aを有することができる。水平に延在する内面310bは、患者の脚部/臀部の下側に接触し、位置決め部材310が膨張したときに大腿骨を持ち上げるように作用する。面310aの反対側には垂直に延在する面310cがあり、この面310cは位置合わせポストパッド262の対向面278に結合される。例えば、位置決め部材の面310cおよび位置合わせポストパッドの面278は、フックアンドループファスナー(面ファスナー)(hook-and-loop fastener)、永久接着剤、再使用可能な接着剤、ラッチ、および/またはロッククリップなどの、これらに限定されない任意の機械的取り付け手段によって、互いに解放可能に連結され得る。代替的に又は追加的に、位置決め部材及び位置合わせポストは、磁気的取付け手段によって、例えば、対向する面278、310c内又は対向する面278、310c上の磁石の対向する極間における磁気引力を介して、又は、対向する面278、310cのうちの一方の面内若しくは該一方の面上の磁石と、対向する面278、310cのうちの他方の面内若しくは該他方の面上の金属との間における磁気引力を介して、互いに解放可能に結合することができる。面310bの反対側には水平方向に延在する面310dがあり、この面310dはプラットフォームパッド226の上面に位置する。いくつかの実施形態では、面310bはまた、例えば、任意の機械的または磁気的取付け手段によって、プラットフォームパッド226に連結されてもよい。
【0062】
位置決め部材310は、プラットフォームアセンブリ202内の導管312に接続することができる。導管312は、位置決め部材310の対応する雄型空気圧コネクタ316とインターフェースする雌型空気圧コネクタ314を一端に有することができる。導管312の反対側の端部は、プラットフォームアセンブリ202の底板266上のコネクタ274に結合される。したがって、位置決め部材310は、プラットフォームアセンブリ202を介して制御ユニット204の空気圧源に接続することができる。あるいは、制御モジュール204からの空気圧接続部が、プラットフォームアセンブリ202のコネクタ274に接続することなく、位置決め部材の空気圧コネクタ316に直接接続することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、位置決め部材310がプラットフォームアセンブリ202の一部であると考えることができる。例えば、位置決め部材310は、位置合わせポスト260または位置合わせポストパッド262と一体化され、分離不能であってもよい。別の例では、位置決め部材310が(例えば、解放可能な取り付け機構を介して)位置合わせポスト260および/または位置合わせポストパッド262から分離可能であってもよいが、それにもかかわらず、プラットフォームアセンブリ202全体の一部であると考えられてもよい。他の実施形態では、位置決め部材310がプラットフォームアセンブリ202とは独立した別個の部品であると考えられてもよい。
【0064】
図12A図12Eおよび図19を参照して、患者320に対する外科手術中に外科位置決めシステムを使用するための例示的な方法600を説明する。この方法はプロセスブロック602で開始することができ、ここで、外科手術台210には、外科位置決めシステム200のプラットフォームアセンブリ202が提供される。例えば、胴部支持パッド222と脚部支持パッド224との間の外科手術台210の既存の骨盤支持パッド(例えば、クッション)を、取り外し、プラットフォームアセンブリ202と交換することができる。代替的または追加的に、支持パッド220~224は外科位置決めシステムの一部であり、プロセスブロック602は、手術台のそれぞれの支持パネル212~216上に支持パッド220~224を提供すること、及び、プラットフォームアセンブリ202を胴部支持パッド222と脚部支持パッド224との間に配置することを含む。
【0065】
図19において、方法600はプロセスブロック604に進むことができ、ここで、患者は外科手術台上に配置され、骨盤の少なくとも一部は外科手術位置決めシステムのプラットフォームアセンブリ上に支持される。例えば、図12Aに示されるように、患者320は、患者の骨盤領域の少なくとも一部がプラットフォームアセンブリ202の天板264の支持パッド226上にある状態で、手術台210上に上向きに配置され得る。鼠径部領域320aは、プラットフォームアセンブリ202のスロット208に隣接して配置することができる。
【0066】
図19において、方法600は、位置合わせポストが患者の鼠径部に対して配置されるプロセスブロック606に進むことができる。例えば、図12Bに示すように、位置合わせポスト260を(Y-Z平面内で)完全展開位置に回転させることができ、パッド262が鼠径部領域320aに当接するように、パッド262を位置合わせポスト260の上方に取り付けることができる。例えば、パッド262は、位置決め部材の取り付け面278が股関節置換手術の一部として外科手術が行われる股関節320bに面するように、配置することができる。
【0067】
図19では、方法600はプロセスブロック608に進むことができ、ここで位置決め部材はプラットフォームアセンブリ上で患者の脚部または臀部の下方に設置される。例えば、図12Cに示されるように、位置決め部材310は、患者320の脚部を一時的に持ち上げることによって設置され得る。位置決め部材310は、面310cをパッド262に装着し(例えば、図11A~11Bに示されるように)、プラットフォームアセンブリ202の空気圧コネクタを位置決め部材310に取り付けることによって(例えば、図11C~11Dに示されるように)、設置することができる。位置決め部材310が設置されると、図12Dに示されるように、患者の脚部または臀部は、位置決め部材の面310a~310bによって形成される受け台内に載置される。図11A図11D及び図12C図12Dには完全に膨張した状態で示されているが、位置決め部材は一般に、最初は完全に収縮した状態で設置される。膨張は、完全であろうと部分的であろうと、外科医によって要求されるように、外科手術の特定の段階の間に起こり得る。したがって、少なくとも最初は、位置決め部材310によって提供される受け台または最小限の受け台がなくてもよい。
【0068】
図19において、方法600は次いで、プロセスブロック610に進むことができ、ここで、外科医は患者に対して外科手術、例えば、股関節置換手術を実施することに進む。外科手術610の間、外科医または他のユーザは、外科手術の位置決めを制御して、患者の股関節領域において所望の位置変化をもたらすことができる。例えば、外科手術610は、プラットフォームアセンブリを作動させることによって患者の骨盤の支持された部分の上昇が変更されるプロセスブロック612と、位置決め部材の膨張を変更することによって患者の大腿骨が上昇および/または横方向に移動されるプロセスブロック614とを含むことができる。プロセスブロック612~614は、外科手術610中に、複数回、任意の順序で実行されてもよい。例えば、プラットフォームアセンブリ202は、図12Eに示されるように、患者320の支持された骨盤を上昇させるように作動され得る。特に、プラットフォームアセンブリ202によって提供される骨盤上昇は股関節320bの伸張を可能にし、それによって、関節および骨のより良好な露出を提供することができる。外科手術610の別の段階では、プラットフォームアセンブリ202による上昇の有無にかかわらず、位置決め部材310を膨張させることができる。例えば、位置決め部材310は大腿骨ステムの準備および挿入のために膨張させることができ、この膨張は、ブローチングを容易にするために近位大腿骨を上昇させ、横方向に移動させることができる。さもなければ、位置決め部材310は、寛骨臼の準備および挿入段階中に収縮させることができる。
【0069】
ここで図13~18Cを参照すると、別の例示的な外科位置決めシステム400が示されている。外科位置決めシステム400は、プラットフォームアセンブリ402(骨盤上昇プラットフォームとしても知られる)、制御ユニットまたはモジュール404(制御ボックスとしても知られる)、および入力ユニット206(例えば、フットペダルシステムとしても知られる左フットペダル206aおよび右フットペダル206b)を含む。図示を明確にするために図には示されていないが、制御モジュール404は、電源導管(例えば、電気、油圧、および/または空気圧)によってプラットフォームアセンブリ402に、それぞれの信号線(例えば、電気、油圧、および/または空気圧)によって入力ユニット206に、動作可能に接続される。したがって、外科手術台210上に配置された患者320を手術する外科医は、入力ユニット206と相互に作用して、プラットフォームアセンブリ402による患者の位置決めを直接制御することができる。
【0070】
図13の図示された例では、プラットフォームアセンブリ402が外科手術台210上に配置され、これは上記図2に関して記載された外科手術台と同様の構成を有し得る。外科手術台210の支持パネル212、214、216の各々は該支持パネルの上にそれぞれの支持パッド220、222、224(例えば、クッション)を有することができる。いくつかの実施形態では、支持パッド220~224が、外科位置決めシステム400の一部であり、プラットフォームアセンブリ402と一緒に設置される。他の実施形態では、支持パッド220~224は手術台210の一部である。したがって、プラットフォームアセンブリ402は、患者320の骨盤領域を該プラットフォームアセンブリ402の上に支持するように、長手方向に沿って(例えば、Y方向に沿って)胴部支持パッド222と脚部支持パッド224との間で、手術台210の胴部支持パネル214上に配置することができる。いくつかの実施形態では初期の非伸長位置におけるプラットフォームアセンブリ402の高さ(例えば、Z方向に沿った)は胴部支持パッド222および脚部支持パッド224の隣接部分の高さと実質的に等しくてもよい。
【0071】
図13に示されるように、制御モジュール404は、手術台210の一部の下方の床上に配置することができ、入力ユニット206および/またはプラットフォームアセンブリ402のそれぞれのコネクタへの配線および導管の便利な経路指定を可能にするように方向付けされることができる。特に、制御モジュール404は、入力ユニット206が配置される、および/またはプラットフォームアセンブリ402のコネクタ474、476(図17A~17C参照)が配置される、手術台210の側面の方を向く入力/出力(I/O)コネクタパネル434を有することができる。上述の制御モジュール204と同様に、制御モジュール404のI/Oコネクタパネル434は、足制御ペダル206a、206bにそれぞれ接続する電気コネクタ、プラットフォームアセンブリ402の空気圧コネクタ474に接続する空圧コネクタ、およびプラットフォームアセンブリ402の電気コネクタ476に接続する別の電気コネクタを有することができる。したがって、制御モジュール404は、図3A図3Dに示し、制御モジュール204に関して上述したものと同様の構成要素の構成および配置を有することができる。
【0072】
図14、15A~15B、および17A~17Cを参照すると、プラットフォームアセンブリ402は、底板466(ベース板としても知られている)、天板464、1つまたは複数の上昇アセンブリ、および位置合わせポスト460(動的腹膜ポストとしても知られている)を有することができる。あるいは、いくつかの実施形態では位置合わせポスト460がプラットフォームアセンブリ402に結合された別個の構成要素であると考えることができる。底板466は、外科手術台の支持パネル上に支持され、1つまたは複数の取り付けレール272によって、該支持パネルに取り付けられる。底板466はまた、空気圧コネクタ474および電気接続部476のような制御モジュール404への接続部を含むことができる。ハンドルが、底板466内に、例えば、底板466の底面または側面上の凹部として形成され、それにより、プラットフォームアセンブリ402の手による運搬および/または位置決めを可能にすることができる。上述の底板266と同様に、底板466は手術台210の表面上に載る1つまたは複数の足(例えば、ゴム引きされた足)を有し得る。
【0073】
天板464は該天板464の上面の上方に支持パッド426(例えば、クッション)を有することができ、このパッド426は、患者320の骨盤領域を該パッド426の上に支持する。図2図13に関して上述した構成とは対照的に、プラットフォームアセンブリ402の天板464は長手方向(例えば、Y方向)に沿って患者320の足に向かって突出する(横方向X方向に関して)中央に位置する半島部分406を含む。半島部分406は、患者の両脚部および/または臀部の部分がパッド426上に支持されているときに、患者の両脚部の間に配置することができる。半島部分406は、半島部分406の(横方向X方向に関して)対向する両側の開口領域408a、408bによって画定することができる。例えば、長手方向に沿って、半島部分406の長さ(H2)は、約587.25mmのプラットフォームアセンブリの全長(H1)と比較して、約248.5mmとすることができる。例えば、横方向に沿って、各開口領域408a、408bの長さ(L2)は、約500mmのプラットフォームアセンブリの全長(L1)と比較して約172.2mmであってもよい。
【0074】
患者320の足に最も近い半島部分406の端部は、支持パッド426から露出されてもよく、ポストブラケットまたはマウント409を有することができる。位置合わせポスト460の端部460aは、外科手術中に使用するために、ポストマウント409の対応する開口部409aに挿入することができ、位置合わせポスト460はそうでなければ必要でない場合(例えば、外科手術台上での患者の初期位置決めのために、外科手術台からの患者の除去のために、ならびに/または、複数の手術室の間でのおよび/もしくは複数の異なる手術台の間での外科位置決めシステムの輸送のために)、ポストマウント409から除去することができる。ポストマウント409に挿入されると、位置合わせポスト460は、天板464の上方において底板466から離れる方向に延在する。また、位置合わせポスト460は、ポストマウント409に挿入されることによって、天板464と共に移動することができ、それによって、底板466に対する天板464の上昇にもかかわらず、天板464のまわりの位置合わせポスト460の高さを維持する。
【0075】
位置合わせポスト460は、患者320の隣接部分との接触を緩衝するためのパッド462をさらに含むことができる。パッド462は手術されていない患者の脚部に接触するための丸い表面を提供することができ、反対側の面462a(図14)は、膨張可能な位置決め部材310のための取り付け表面として作用する。いくつかの実施形態では、パッド462が、取り外し可能であり、例えば、端部460aをポストマウント409に挿入する前、挿入中、または挿入後に、位置合わせポスト460上に配置される。例えば、パッド462は、図15A~15Bに示されるように、位置合わせポスト460の自由端460bを受容するような大きさおよび形状の中央空洞を有し得る。他の実施形態では、パッド462が位置合わせポスト460の一体部分であってもよい。
【0076】
外科位置決めシステム400はさらに、位置決め部材310(大腿骨送達ブラダーとしても知られる)を含むことができ、この位置決め部材は、図11A~11Dに関して記載される位置決め部材と同様の構成を有することができる。したがって、垂直に延在する面310cは、位置合わせポストパッド462の対向面462aに結合することができる。例えば、位置決め部材面310cおよび位置合わせポストパッド面462aは例えば、図11A~11Dに関して上述したように、任意の機械的取付け手段または磁気的取付け手段によって、取り外し可能に一緒に結合することができる。
【0077】
図16A~16Cを参照すると、位置決め部材310は、プラットフォームアセンブリ402内の導管512に接続され得る。導管512は、位置決め部材310の対応する雄型空気圧コネクタ316とインターフェースする雌型空気圧コネクタ414を一端に有することができる。導管512の反対側の端部は、プラットフォームアセンブリ402の底板466上のコネクタ474に結合される。したがって、位置決め部材310は、プラットフォームアセンブリ402を介して制御ユニット404の空気圧源に接続することができる。あるいは、制御モジュール404からの空気圧接続部が、プラットフォームアセンブリ402のコネクタ474に接続することなく、位置決め部材の空気圧コネクタ316に直接接続することができる。接続に先立って、雌型空気圧コネクタ414は、図16A及び図16Cに例示されているように、天板464の半島部分406の凹部に格納することができる。コネクタ414は、図16Bに示されるように、半島部分406の凹部から引っ張られ、位置決め部材の対応するコネクタ316に結合され得る。導管512は、半島部分の凹部から位置決め部材310へのコネクタ414の移動に適応するために、コネクタ474とコネクタ414との間に十分なたるみを有することができる。代替的に又は追加的に、導管512は、半島部分の凹部から位置決め部材310へのコネクタ414の移動に適応するために、伸張するのに十分な可撓性を有することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、位置決め部材310がプラットフォームアセンブリ402の一部であると考えることができる。例えば、位置決め部材は、位置合わせポスト460または位置合わせポストパッド462と一体化され、位置合わせポスト460または位置合わせポストパッド462から分離不能であってもよい。別の例では位置決め部材310が(例えば、解放可能な取り付け機構を介して)位置合わせポスト460および/または位置合わせポストパッド462から分離可能であってもよいが、それにもかかわらず、プラットフォームアセンブリ402全体の一部であると考えられてもよい。他の実施形態では、位置決め部材310がプラットフォームアセンブリ402から独立した別個の部品であると考えられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、位置決め部材310および/または位置合わせポストパッド462が各患者または外科手術のために交換される消耗部品または使い捨て部品と考えられてもよく、一方、外科位置決めシステムの他の部品は、そうでなければ、再使用のために滅菌されてもよい。
【0079】
図17A~17Cに最もよく示されるように、プラットフォームアセンブリ402は、はさみアセンブリ468と、第1の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ502と、第2の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ504と、シリンダアクチュエータ502、504に動力を供給する駆動機構506(例えば、電子サーボ駆動)とを含むことができる。はさみアセンブリ468、シリンダアクチュエータ502、504、および/または駆動機構506は一緒に、単一の上昇アセンブリとして、またはプラットフォームアセンブリ402の別個の上昇アセンブリとして考えることができる。第2の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ504は、天板464の半島領域406と底板466との間のZ方向に沿って配置することができる。プラットフォームアセンブリ402の、長手方向Y方向に沿った半島領域406とは反対側の端部において、はさみアセンブリ468は、天板464と底板466との間に配置され得る。第1の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ502は、はさみアセンブリ468と第2の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ504との間の長手方向Y方向に沿って、また、天板464と底板466との間のZ方向に沿って配置され得る。第1および第2の油圧シリンダ502、504はプラットフォームアセンブリ402の平面図において天板464の長手方向中心線上に配置されるので、はさみアセンブリ468は、天板464の横方向X方向端部を支持することによって、ある程度の中心線の周りの回転安定性を提供することができる。
【0080】
油圧シリンダアクチュエータ502、504は板464、466間の垂直距離(例えば、Z方向に沿った患者の支持部分の上昇)を変更するように作動され得る。例えば、油圧シリンダアクチュエータ502、504は150mmまでの上昇(例えば、図17B~17Cに示される100mmの上昇)および150kg(331 lbs.)以上の持ち上げ能力を提供してもよい。第1および第2の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ502、504は、第1の留め金またはブラケット510を介して一端で、および該第1および第2の伸縮式油圧シリンダアクチュエータ502、504の中間部分で、第2の留め金またはブラケット508を介して一緒に結合することができる。第2のブラケット508はまた、該第2のブラケット508の上に駆動機構506を支持することができる。いくつかの実施形態では、第2のブラケット508が代わりに、駆動機構506が油圧シリンダアクチュエータ502、504に動力を供給して該油圧シリンダアクチュエータ502、504の延長または引き込みを生じさせることを可能にする歯車列、連結器、または他の動力伝達要素を収容することができる。駆動機構506に電力および/または制御信号を供給するために、電気導管またはケーブル514を駆動機構506に接続することができる。例えば、ケーブル514は、別のケーブルまたは電気導管によって制御ユニット404のI/Oコネクタパネル434内の適切な電気コネクタに結合され得る電気コネクタ476から延長してもよい。
【0081】
図18A図19を参照して、患者320に対する外科手術中に外科位置決めシステムを使用するための例示的な方法600を説明する。この方法はプロセスブロック602で開始することができ、ここで、外科手術台210には、外科位置決めシステム400のプラットフォームアセンブリ402が提供される。例えば、胴部支持パッド222と脚部支持パッド224との間の外科手術台210の既存の骨盤支持パッド(例えば、クッション)を取り外し、プラットフォームアセンブリ402と交換することができる。代替的にまたは追加的に、支持パッド220~224は外科位置決めシステムの一部であり、プロセスブロック602は、手術台のそれぞれの支持パネル212~216上に支持パッド220~224を提供すること、および、胴部支持パッド222と脚部支持パッド224との間にプラットフォームアセンブリ402を配置することを含む。
【0082】
図19において、方法600はプロセスブロック604に進むことができ、ここで、患者は外科手術台上に配置され、骨盤の少なくとも一部は外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリ上に支持される。例えば、図18Aに示されるように、患者320は、患者の骨盤領域の少なくとも一部がプラットフォームアセンブリ402の天板464の支持パッド426上にある状態で、手術台210上に上向きに配置され得る。鼠径部領域320aは、プラットフォームアセンブリ402の半島領域406に隣接して配置されてもよい。
【0083】
図19において、方法600は、位置合わせポストが患者の鼠径部に対して配置されるプロセスブロック606に進むことができる。例えば、図15A~15Bに示されるように、位置合わせポスト460は半島領域406のポストマウント409に挿入され得、そしてパッド462は、図18Bに示されるように、パッド462が鼠径部領域320aに当接するように、位置合わせポスト460の上方に設置され得る。例えば、パッド462は、位置決め部材取り付け面462aが股関節置換手術の一部として外科手術が行われる股関節320bに面するように配置することができる。
【0084】
図19では、方法600はプロセスブロック608に進むことができ、ここで位置決め部材はプラットフォームアセンブリ上で患者の脚部または臀部の下方に設置される。例えば、位置決め部材310は、患者320の脚部を一時的に持ち上げることによって取り付けることができる。位置決め部材310は、面310cをパッド462に装着し(例えば、図16A~17Cに示されるように)、プラットフォームアセンブリ402の空気圧コネクタを位置決め部材310に取り付けることによって(例えば、図16A~16Bに示されるように)、設置することができる。位置決め部材310が設置されると、図18Cに示されるように、患者の脚部または臀部は、位置決め部材の面310a~310bによって形成される受け台内に載置される。完全に膨張した状態で図16A図17C及び図18Cに示されているが、位置決め部材は一般に、最初は完全に収縮した状態で設置される。膨張は完全であろうと部分的であろうと、外科医によって要求されるように、外科手術の特定の段階の間に起こり得る。したがって、少なくとも最初は、位置決め部材310によって提供される受け台または最小限の受け台がなくてもよい。
【0085】
図19において、方法600は次いで、プロセスブロック610に進むことができ、ここで、外科医は、患者に対して外科手術、例えば、股関節置換手術を実施することに進む。外科手術610の間、外科医または他のユーザは、外科手術の位置決めを制御して、患者の股関節領域において所望の位置変化をもたらすことができる。例えば、外科手術610は、プラットフォームアセンブリを作動させることによって患者の骨盤の支持された部分の上昇が変更されるプロセスブロック612と、位置決め部材の膨張を変更することによって患者の大腿骨が上昇および/または横方向に移動されるプロセスブロック614とを含むことができる。プロセスブロック612~614は、外科手術610中に複数回、任意の順序で実行されてもよい。例えば、プラットフォームアセンブリ402は、図17Bに示されるように、患者320の支持された骨盤を上昇させるように作動され得る。特に、プラットフォームアセンブリ402によって提供される骨盤上昇は股関節320bの延長を可能にし、それによって、関節および骨のより良好な露出を提供することができる。外科手術610の別の段階では、プラットフォームアセンブリ402による上昇の有無にかかわらず、位置決め部材310を膨張させることができる。例えば、位置決め部材310は大腿骨ステムの準備および挿入のために膨張させることができ、この膨張は、ブローチングを容易にするために近位大腿骨を上昇させ、横方向に移動させることができる。さもなければ、位置決め部材310は、寛骨臼の準備および挿入段階中に収縮させることができる。
【0086】
上述の例は上昇アセンブリおよび位置決め部材のための特定の作動機構を採用しているが、1つまたは複数の意図された実施形態に従って、他の作動機構も可能である。例えば、プラットフォームアセンブリでは、天板が適切な電気モータと対になったねじ機構またはギアアセンブリ、天板を直接的または間接的に(例えば、はさみ機構または他の並進機構を介して)移動させる1つまたは複数のリニアアクチュエータ、天板を直接的または間接的に(例えば、はさみ機構または他の並進機構を介して)移動させる1つまたは複数の油圧アクチュエータ、直接的または間接的に(例えば、はさみ機構または他の並進機構を介して)移動させる1つまたは複数の空気圧アクチュエータ、または任意の他のコンパクトな作動アセンブリを使用して、底板に対して移動させることができる。例えば、位置決め部材は空気圧機構(例えば、ポンプからの加圧空気)又は油圧機構(例えば、ポンプからの加圧流体)を使用して、収縮状態と膨張状態との間で遷移することができる。
【0087】
上述の例は直接前方アプローチを使用する股関節置換のための外科位置決めシステムの使用に焦点を当てているが、開示される主題の実施形態はそれに限定されない。むしろ、外科位置決めシステムは、他の外科手術およびシナリオにも同様に適用することができる。例えば、外科位置決めシステムは、外科医が大腿骨頭および/または首の骨折に対処するために該大腿骨頭および/または首へのアクセスを必要とする外傷シナリオにおいて使用され得る。一般に、外科位置決めシステムは、前方アプローチが大腿骨にアクセスするために使用される任意の外科的用途において特に有用であり得る。しかしながら、当業者は、開示されたシステムおよび技法が他のアプリケーションおよびシナリオにも同様に適用され得ることを理解するのであろう。
【0088】
開示された主題の実施形態は、とりわけ、以下の特徴または利点のうちの1つまたは複数を提供することができる:
・モジュラリティおよび携帯性-外科位置決めシステムの様々な構成要素は、単一の人によって運搬され、個人用自動車の中において手術場所の間で運搬され得る、単一の輸送ケース内に配置され得る。
・費用効果-既存の外科手術台と共に使用するように設計されているので、外科位置決めシステムは、専用の牽引台を調達し維持することに関連する費用を回避することができる。さらに、システムは単一のオペレータ(例えば、外科医)によって簡単に制御することができるので、システムは、専用の牽引台を操作するために必要な余分なスタッフのコストを回避することができる。
・簡単な設定と患者準備-外科位置決めシステムは、特殊な牽引台で必要とされる脚部の牽引を避ける。患者の部分は実質的に拘束されないままであるので、患者は、手術室において、より容易に移送され、ドレープで覆い、準備されることができる。さらに、システムは既存の手術台セットアップのフットプリント内にほとんど適合するので、システムは専用の牽引テーブルよりも手術室内の占有空間がはるかに少ない。
・効率の改善-患者の脚が自由なままであるので、外科医は、前方および後方危険位置の両方について、術中の安定性をチェックすることができる。さらに、外科医は患者の足を手で触診して、等しい脚部の長さをチェックすることができ、そうでなければ、患者を牽引台から取り外すことなく、特殊な牽引台では利用できない。また、システムの撮像アライメントマーカーは、外科医が外科手術中にリアルタイムで脚部の長さおよびオフセットについて再建骨格(reconstructive anatomy)をチェックすることを可能にする。
【0089】
いくつかの実施形態では、制御モジュールまたはユニットが図20に示すコンピューティング環境700などのコンピューティング環境内で実施することができる。コンピューティング環境700は、様々な汎用または専用コンピューティングシステムで革新を実施することができるので、使用または機能の範囲に関していかなる限定も示唆するようには意図されていない。例えば、コンピューティング環境700は様々なコンピューティングデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ等)のいずれでもよい。
【0090】
コンピューティング環境700は、1つまたは複数の処理ユニット710、715、およびメモリ720、725を含む。図20において、この基本構成730は、破線内に含まれる。処理ユニット710、715は、コンピュータ実行可能命令を実行する。各処理ユニットは、汎用中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)内のプロセッサ、または任意の他のタイプのプロセッサとすることができる。多重処理システムでは、複数の処理ユニットがコンピュータ実行可能命令を実行して処理能力を増大させる。例えば、図7は、中央処理ユニット710と、グラフィックス処理ユニットまたは共処理ユニット715とを示す。有形メモリ720、725は処理ユニットによってアクセス可能な揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリなど)、または2つの何らかの組み合わせであってもよい。メモリ720、725は、処理ユニットによる実行に適したコンピュータ実行可能命令の形態で、本明細書で説明する1つまたは複数の革新を実施するソフトウェア780を記憶する。
【0091】
コンピューティングシステムには、追加機能がある場合がある。例えば、コンピューティング環境700は、記憶装置740、1つまたは複数の入力デバイス750、1つまたは複数の出力デバイス760、および1つまたは複数の通信接続770を含む。バス、コントローラ、またはネットワークなどの相互接続機構(図示せず)が、コンピューティング環境700の構成要素を相互接続する。典型的には、オペレーティング・システム・ソフトウェア(図示せず)がコンピューティング環境700で実行される他のソフトウェアのためのオペレーティング環境を提供し、コンピューティング環境700の構成要素の活動を調整する。
【0092】
有形記憶装置740は、取り外し可能または非取り外し可能であってもよく、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD-ROM、DVD、または一時的でない方法で情報を記憶するために使用することができ、コンピューティング環境700内でアクセスすることができる他の任意の媒体を含む。記憶装置740は、本明細書で説明する1つまたは複数の革新を実施するソフトウェア780のための命令を格納する。
【0093】
入力デバイス750は、キーボード、マウス、ペン、またはトラックボールなどのタッチ入力デバイス、音声入力デバイス、スキャンデバイス、または入力ユニット206のフットペダル206a、206bなど、コンピューティング環境700に入力を提供する別のデバイスとすることができる。出力デバイス760は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、CDライタ、またはコンピューティング環境700からの出力を提供する別のデバイスとすることができる。
【0094】
通信接続770は、通信媒体を介して別のコンピューティングエンティティへの通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータにより実行可能な命令、オーディオもしくはビデオ入力、オーディオもしくはビデオ出力、または変調データ信号中の他のデータなどの情報を伝達する。変調データ信号は、信号内の情報を符号化するようにその特性の1つまたは複数が設定または変更された信号である。限定ではなく例として、通信媒体は、電気、光、高周波、または他の搬送波を使用することができる。
【0095】
開示される方法のいくつかの実施形態は、コンピューティングクラウド790において開示される技術のすべてまたは一部を実装するコンピュータにより実行可能な命令を使用して実行され得る。例えば、開示された方法は、コンピューティング環境700内に配置された処理ユニット710、715、および/またはコンピューティングクラウド790内に配置されたサーバ上で実行することができる。
【0096】
開示された制御モジュール動作のいずれも、1つまたは複数のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体(例えば、1つまたは複数の光学媒体ディスク、揮発性メモリ構成要素(DRAMまたはSRAMなど)または不揮発性メモリ構成要素(フラッシュメモリまたはハードドライブなど))上に記憶され、コンピュータ(例えば、スマートフォンまたはコンピューティングハードウェアを含む他のモバイルデバイスを含む任意の市販のコンピュータ)上で実行される、コンピュータにより実行可能な命令として実現することができる。本明細書で使用されるように、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体という用語は、信号、搬送波、または他の一時的な信号などの通信接続を含まない。開示された技法を実施するためのコンピュータにより実行可能な命令のいずれか、および、開示された実施形態の実施中に作成され使用される任意のデータは、1つまたは複数のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体上に格納することができる。コンピュータにより実行可能な命令は、例えば、専用のソフトウェアアプリケーション、またはウェブブラウザまたは他のソフトウェアアプリケーション(リモートコンピューティングアプリケーションなど)を介してアクセスまたはダウンロードされるソフトウェアアプリケーションの一部とすることができる。このようなソフトウェアは、例えば、単一のローカルコンピュータ(例えば、任意の適切な市販のコンピュータ)において、または、1つもしくは複数のネットワークコンピュータを使用するネットワーク環境(例えば、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク(クラウドコンピューティングネットワークなど)、もしくは他のそのようなネットワークを介して)において、実行することができる。
【0097】
わかりやすくするために、ソフトウェアベースの実装の特定の選択された様々な態様のみが説明されている。当技術分野で周知の他の詳細は省略されている。例えば、開示された技術は、いかなる特定のコンピュータ言語またはプログラムにも限定されないことを理解されたい。例えば、開示された技術の様々な態様は、C++、Java、Perl、他の任意の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアによって実現することができる。同様に、開示された技術は、いかなる特定のコンピュータまたはハードウェアのタイプにも限定されない。適切なコンピュータおよびハードウェアの特定の詳細は、あ周知であり、本開示で詳細に説明する必要はない。
【0098】
本明細書で説明されるいずれの機能も、ソフトウェアの代わりに、1つまたは複数のハードウェア論理構成要素によって、少なくとも部分的に実行され得ることも十分に理解されるべきである。例えば、限定はしないが、使用することができる例示的なタイプのハードウェア論理構成要素には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プログラム固有集積回路(ASICs)、プログラム固有標準製品(ASSPs)、システムオンチップシステム(SOCs)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLDs)などが含まれる。
【0099】
さらに、ソフトウェアベースの実施形態のいずれもが(例えば、開示された方法のいずれかをコンピュータに実行させるためのコンピュータにより実行可能な命令を含む)、適切な通信手段を介して、アップロード、ダウンロード、または遠隔アクセスすることができる。このような適当な通信手段には、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバーケーブルを含む)、磁気通信、電磁気通信(高周波、マイクロ波、及び赤外線通信を含む)、電子通信、又は他のこのような通信装置が含まれる。
【0100】
関心のある実施形態の追加の説明
条項1。
外科手術中に患者を位置決めするためのシステムであって、
外科手術台上に支持されるように構成された第1の部材と、
前記第1の部材の上方に配置された第2部材であって、外科手術を受ける患者の少なくとも第1の部分を該第2の部材の上に支持するように構成された第2の部材と、
前記患者の第2の部分に対する前記患者の前記第1の部分の上昇を変化させるために、前記第1の部材に対して前記第2の部材を移動させるように構成された上昇アセンブリと
を備える、プラットフォームアセンブリと、
前記プラットフォームアセンブリに連結された位置合わせポストと
を備える、システム。
【0101】
条項2。
前記位置合わせポストは、前記第1の部材と前記第2の部材との間の収納位置と、前記第1の部材から離れる方向に前記第2の部材の上方に延在する展開位置との間で回転するように構成される、条項1に記載のシステム。
【0102】
条項3。
前記位置合わせポストは、前記第1の部材に回転可能に結合される、条項1~2のいずれか一項に記載のシステム。
【0103】
条項4。
前記収納位置において、前記位置合わせポストは、断面視において、前記第1の部材と前記第2の部材との間に実質的に水平に配向され、かつ
前記展開位置において、前記位置合わせポストは、断面視において、実質的に垂直に配向され、前記位置合わせポストの少なくとも端部が前記第2の部材の上方に延在する、条項2から条項3のいずれか一項に記載のシステム。
【0104】
条項5。
前記展開位置における前記位置合わせポストは、前記患者の鼠径部が前記位置合わせポストの長手方向側面に隣接するように配置される、条項2~4のいずれか一項に記載のシステム。
【0105】
条項6。
前記第2の部材は前記患者の両脚部の間に配置された半島部分を有し、前記半島部分はポストマウントを有し、前記位置合わせポストは、前記ポストマウント内に支持された端部を有する、条項1に記載のシステム。
【0106】
条項7。
前記位置合わせポストは、前記患者の鼠径部が前記位置合わせポストの長手方向側面に隣接するように配置される、条項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【0107】
条項8。
前記位置合わせポストに連結され、前記第2の部材に支持され、収縮状態と膨張状態との間で膨張可能な位置決め部材をさらに備え、
前記膨張状態において、前記位置決め部材は前記収縮状態における前記位置決め部材と比較して、前記第2の部材に対して垂直に、かつ前記位置合わせポストに対して横方向に、該位置決め部材の上の前記患者の部分を変位させる、条項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【0108】
条項9。
前記位置決め部材は、前記患者の股関節に近位の前記患者の脚部の一部を受け止めるように配置される、条項8に記載のシステム。
【0109】
条項10。
前記膨張状態の前記位置決め部材は、前記患者の大腿骨を同時に上昇および横方向に移動するように構成および位置決めされる、条項8~9のいずれか一項に記載のシステム。
【0110】
条項11。
前記位置決め部材は側面視においてL字形状を有し、前記L字形状の1つの足は、前記位置合わせポストの側壁に沿って該側壁に連結され、前記L字形状の別の足は前記第2の部材の上面に沿って該上面に支持される、条項8~10のいずれか一項に記載のシステム。
【0111】
条項12。
前記位置決め部材は、機械的取付け手段および/または磁気的取付け手段を介して前記位置合わせポストに連結される、条項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【0112】
条項13。
前記機械的取付け手段が、面ファスナー、永久接着剤、再使用可能接着剤、ラッチ、ロッククリップ、またはこれらの任意の組合せを含む、条項12に記載の装置。
【0113】
条項14。
前記プラットフォームアセンブリおよび/または前記位置決め部材に動作可能に連結された制御モジュールをさらに備え、前記制御モジュールは、前記上昇アセンブリの動作を制御するための第1の入力を受け取り、前記位置決め部材の膨張および/または収縮を制御するための第2の入力を受け取る、ように構成された入力インターフェースを有する、条項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0114】
条項15。
前記入力インターフェースは、ユーザによって手動で作動可能な1つまたは複数のフットペダルを備える、条項14に記載のシステム。
【0115】
条項16。
前記制御モジュールは、
前記位置決め部材に空気を供給し、または前記位置決め部材から空気を引き出すように構成された空気圧源と、
前記患者の前記第1の部分の上昇を変化させるために、前記上昇アセンブリのアクチュエータに電力を供給するように構成された電源と、
前記入力インターフェースを介して受け取った入力信号を、前記空気圧源または前記電源の対応する動作に変換する機械的または電気的コンポーネントと
を備える、条項14~条項15のいずれか一項に記載のシステム。
【0116】
条項17。
前記上昇アセンブリの前記アクチュエータは、リニアアクチュエータまたは油圧シリンダを含む、条項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【0117】
条項18。
前記位置合わせポストは、前記上昇アセンブリの作動による前記第2の部材と前記第1の部材との間の垂直距離の変化にもかかわらず、前記位置合わせポストの端部が前記第2の部材の上方で一定の高さに維持されるように、前記プラットフォームアセンブリに結合される、条項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【0118】
条項19。
前記上昇アセンブリは、1つまたは複数のはさみアセンブリを備え、それぞれのはさみアセンブリは、第2のアームに交差し回転可能に取り付けられた第1のアームを有し、前記第1のアームは、第1の板部材に固定された第1の端部と第2の板部材に結合された第2の端部とを有し、前記第2のアームは、前記第2の板部材に固定された第1の端部と前記第1の板部材に結合された第2の端部とを有し、各第2の端部は長手方向に沿って移動可能であり、前記はさみアセンブリは、前記第2の端部の長手方向の運動が前記第1の板部材に対して前記第2の板部材の垂直運動に変換されるように、構築されている、条項1~18のいずれか一項のシステム。
【0119】
条項20。
前記第2の板部材は前記患者の両脚部の間に配置された半島部分を有し、前記上昇アセンブリは第1の油圧シリンダと、第2の油圧シリンダと、少なくとも1つのはさみアセンブリとを備え、前記第1の油圧シリンダは垂直方向に沿って前記第1の板部材と前記第2の板部材の前記半島部分との間に配置され、前記第2の油圧シリンダは長手方向に沿って前記第1の板部材と前記少なくとも1つのはさみアセンブリとの間に配置される、条項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【0120】
条項21。
前記位置合わせポストは、該位置合わせポストの端部を覆うパッドを備え、および/または前記第2の板部材は、前記患者の前記第1の部分に面する表面を覆うパッドを備える、条項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【0121】
条項22。
前記第2の板部材は、撮像アライメントマーカーを備える、条項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
【0122】
条項23。
前記撮像アライメントマーカーが放射線不透過性グリッドパターンを有する、条項22に記載のシステム。
【0123】
条項24。
前記外科手術台上に支持された1つまたは複数の支持パッドであって、前記第1の部分の他に前記患者の他の部分を該支持パッドの上に支持するように構成された1つまたは複数の支持パッドをさらに備える、条項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【0124】
条項25。
少なくとも前記第2の部材は、天板を含み、該天板は、前記患者の前記第1の部分に接触するように該天板の上に配置されたパッドを有し、および/または、前記第1の部材は、ベース板を含む、条項1~24のいずれか一項に記載のシステム。
【0125】
条項26。
外科手術中に患者を位置決めするためのシステムであって、外科手術台上で支持される患者の骨盤の少なくとも一部を上昇するための第1の手段、および前記患者の大腿骨を上昇および横方向に移動するための第2の手段を備えるシステム。
【0126】
条項27。
外科医などの前記システムのユーザからの入力に基づいて、前記第1の手段および/または前記第2の手段を制御するための第3の手段をさらに備える、条項26に記載のシステム。
【0127】
条項28。
前記第1の手段は電気アクチュエータまたは油圧アクチュエータを備え、および/または前記第2の手段は、膨張可能な部材を備える、条項26~27のいずれか一項に記載のシステム。
【0128】
条項29。
前記システムは、異なる複数の外科手術台の間の運搬のための、および/または、該異なる複数の外科手術台を用いた使用のための、モジュール式またはポータブルシステムとして構築される、条項1~28のいずれか一項に記載のシステム。
【0129】
条項30。
前記システムは、前記外科手術台と一体化されるか、または前記外科手術台の一体部分または構成要素として構築される、条項1~28のいずれか一項に記載のシステム。
【0130】
条項31。
条項1~30のいずれか一項に記載の前記システムを備える、外科手術台。
【0131】
条項32。
条項1~30のいずれか一項に記載の前記外科位置決めシステムを使用して外科手術を実施するための方法。
【0132】
条項33。
外科手術台に、外科位置決めシステムのプラットフォームアセンブリを提供することであって、前記プラットフォームアセンブリは、第1の部材と、第2の部材と、上昇アセンブリとを備え、前記第1の部材は前記外科手術台上に支持され、前記第2の部材は前記第1の部材の上方に配置され、前記上昇アセンブリは前記第1の部材に対して前記第2の部材を垂直に移動させるように構成されることと、
前記外科手術台上に患者を前記患者の骨盤の少なくとも一部が前記第2の部材上で支えられて配置することと、
前記患者の鼠径部に対して外科位置決めの位置合わせポストを配置することと、
膨張可能な位置決め部材を、前記膨張可能な位置決め部材の少なくとも一部が前記第2の部材と前記患者の脚部または臀部との間にあるように、前記位置合わせポスト上に設置することと、
前記患者に外科手術を施すこととを含む方法であって、
前記患者に外科手術を施すことは、
前記プラットフォームアセンブリの前記上昇アセンブリを作動させることによって、前記患者の前記骨盤の支持部分を上昇させること、及び、前記膨張可能な位置決め部材の膨張を変化させることによって、前記患者の大腿骨を上昇および/または横方向に移動させること、のうち少なくとも一方を含む、方法。
【0133】
条項34。
前記位置合わせポストを配置することは、前記位置合わせポストを、前記第1の部材と前記第2の部材との間の初期収納位置から、前記第2の部材の上方で前記第1の部材から離れるように延在する、展開位置に回転させることを含む、条項33に記載の方法。
【0134】
条項35。
前記位置合わせポストを配置することは、前記位置合わせポストの端部を前記第2の板部材の半島部分のポストマウントに挿入することを含み、前記半島部分は前記患者の両脚部の間にあり、挿入された前記位置合わせポストは前記第2の板部材の上方で、前記第1の板部材から離れるように延在する、条項33に記載の方法。
【0135】
条項36。
前記位置決め部材は収縮状態と膨張状態との間で膨張可能であり、および/または前記膨張可能な位置決め部材は、前記収縮状態で前記位置合わせポスト上に設置される、条項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【0136】
条項37。
前記膨張可能な位置決め部材を設置する前または後に、空気圧源が前記位置決め部材に接続される、条項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
条項38。
前記上昇アセンブリは、電気リニアアクチュエータおよび/または油圧アクチュエータを備える、条項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
条項39。
前記外科手術を施すことは、前記患者の大腿骨にアクセスするための前方アプローチを含む、条項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【0139】
条項40。
前記外科手術を施すことは、直接前方アプローチを介した前記患者の股関節の置換を含む、条項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【0140】
条項41。
前記第2の部材は天板を含み、該天板は、前記患者の前記第1の部分と接触するように該天板の上に配置されたパッドを有し、および/または前記第1の部材は、ベース板を含む、条項33~40のいずれか一項に記載の方法。
【0141】
一般的考慮事項
本明細書に記載される全ての特徴は互いに独立しており、構造的に不可能な場合を除いて、本明細書に記載される全ての特徴は、本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わせて使用され得る。例えば、図4Eに関して説明したアライメントマーカー280は、図13図18のプラットフォームアセンブリ402と共に使用することができる。別の例では、図2図12のプラットフォームアセンブリ202に使用される電気駆動上昇機構、またはその構成要素を、図13図18のプラットフォームアセンブリ402に使用することができる。さらに別の例では図13図18のプラットフォームアセンブリ402に使用される油圧駆動上昇機構、またはその構成要素は図2図12のプラットフォームアセンブリ202に採用することができる。
【0142】
本明細書の目的のために、本開示の実施形態の特定の態様、利点、および新規な特徴が、本明細書に記載される。開示された方法、アセンブリ、モジュール、およびシステムは、決して限定的であると解釈されるべきではない。その代わりに、本開示は、単独で、ならびに互いに様々な組合せおよび副次的組合せで、様々な開示された実施形態のすべての新規かつ非自明な特徴および態様を対象とする。方法、アセンブリ、モジュール、およびシステムは任意の特定の態様または特徴またはそれらの組み合わせに限定されず、開示された実施形態は任意の1つまたは複数の特定の利点が存在すること、または問題が解決されることを必要としない。任意の例からの技術は、他の例のうちの任意の1つまたは複数に記載された技術と組み合わせることができる。
【0143】
開示された実施形態のいくつかの動作は便利な提示のために特定の順序で説明されているが、この説明のやり方は以下に記載される特定の言語によって特定の順序付けが要求されない限り、再配置を包含することを理解されたい。例えば、連続的に説明される動作は、場合によっては並べ替えられるか、または同時に実行されてもよい。さらに、簡潔にするために、添付の図面は、開示された方法が他の方法と併せて使用され得る様々な方法を示さないことがある。さらに、説明は開示された方法を説明するために、「提供する」、「供給する」、または「達成する」などの用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベル抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は特定の実装形態に応じて変化することができ、当業者には容易に識別可能である。
【0144】
本明細書で使用されるように、用語「一体部品」、「一体的に形成された」、および「一体構造」は別々に形成された素材片を互いに固定するための溶接、締結具、または他の手段を含まない、またはそうでなければ互いに永久的に取り付けられると見なされる構造を指す。
【0145】
本明細書で使用されるように、「同時に」または「共に」発生する動作は一般に、互いに同時に発生するが、例えば、構成要素間の間隔に起因して、動作の発生が他方に対して遅延することは明確に、特定の逆の言語がない限り、上記の用語の範囲内である。
【0146】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は文脈が明らかにそうでない場合を指示しない限り、複数形を含む。さらに、「含む」または「有する」という用語、ならびに「含む」、「含まれる」、「有する」、または「有される」などの他の形態の使用は、「備える」と同じ効果を有することが意図され、したがって、限定するものとして理解されるべきではない。加えて、用語「結合された」は一般に、物理的、機械的、化学的、磁気的、および/または電気的に結合または連結されていることを手段し、具体的な逆の言葉がない限り、結合された項目または関連する項目の間の中間要素の存在を除外しない。本明細書で使用されるように、「および/または」は、「および」および「または」と同様に、「および」または「または」である。
【0147】
方向および他の相対的な参照(例えば、内側、外側、上、下、左、右、上、下など)は本明細書の図面および原理の議論を容易にするために使用され得るが、限定することを意図しない。例えば、「内側」、「外側」、「上面」、「下面」、「前面」、「背面」、「側面」、「左側」、「右側」などの特定の用語を使用することができる。このような用語は適用可能な場合には特に図示の実施形態に関して相対的な関係を扱うときに説明をある程度明確にするために使用される。しかし、このような用語は絶対的な関係、位置、および/または向きを暗示することを意図するものではない。例えば、物体に関して、「上側」部分は単に物体をひっくり返すことによって「下側」部分になることができる。それにもかかわらず、それは依然として同じ部分であり、物体は同じままである。
【0148】
開示された技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮して、図示された例は、好ましい例に過ぎず、開示された技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、本発明は、これらの特許請求の範囲および精神の範囲内に入るすべてを、本発明として請求する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19
図20
【国際調査報告】