IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラリアント・インターナシヨナル・リミテツドの特許一覧

特表2023-501721アブシジン酸の溶媒和物およびアブシジン酸を含有する液体組成物
<>
  • 特表-アブシジン酸の溶媒和物およびアブシジン酸を含有する液体組成物 図1
  • 特表-アブシジン酸の溶媒和物およびアブシジン酸を含有する液体組成物 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】アブシジン酸の溶媒和物およびアブシジン酸を含有する液体組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 59/90 20060101AFI20230111BHJP
   A01N 37/42 20060101ALI20230111BHJP
   A01N 43/36 20060101ALI20230111BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20230111BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C07C59/90
A01N37/42
A01N43/36 C
A01N25/02
A01P21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528260
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2020080264
(87)【国際公開番号】W WO2021099079
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】19210021.2
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ギースラー-ガイス・シュテファニー
(72)【発明者】
【氏名】バウアー・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】アルノルト・ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ネッカーマン・ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】シュタイガー・ジークフリート
(72)【発明者】
【氏名】ダリオ・ルリ・ステファノ・ネグリシオロ
【テーマコード(参考)】
4H006
4H011
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB06
4H006BJ20
4H006BN20
4H006BR70
4H006BS10
4H011AB03
4H011BA06
4H011BB06
4H011BB09
4H011BC03
4H011BC06
4H011DA13
4H011DC05
4H011DD03
4H011DG11
(57)【要約】
本発明は、アブシジン酸の新規改変、アブシジン酸の液体組成物、および農業用化学物質用途におけるそれらの使用に関する。本発明の改変および組成物は、少なくとも1種のN-アルキルピロリドン(N-アルキル基は3~6個の炭素原子を有する)との溶媒和物の形態にあるアブシジン酸を含む。これらの溶媒和物は、高濃度のアブシジン酸を有する製剤を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブシジン酸の式(I)のN-置換ピロリドンとの溶媒和物
【化1】
[式中、Rは、3~6個の炭素原子、より好ましくは4~5個、特に4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基である]
であって、式(I)のN-置換ピロリドンは、好ましくはN-n-ブチルピロリドン(NBP)である、前記溶媒和物。
【請求項2】
非晶質状態にある、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項3】
前記アブシジン酸が、天然に存在する形態(S)-(+)-アブシジン酸である、請求項1または2に記載の溶媒和物。
【請求項4】
以下を含む農業用化学物質組成物:
a)前記組成物の全重量を基準として10~50重量%のアブシジン酸;および
b)前記組成物の全重量を基準として0.1~90重量%の、式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドン(NBP)
【化2】
[式中、Rは、3~6個の炭素原子、より好ましくは4~5個、特に4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基である];
c)前記組成物の全重量を基準として0~50重量%の、1種または複数の共溶媒;および
d)前記組成物の全重量を基準として0~50重量%の、1種または複数の製剤助剤、および
e)前記組成物の全重量を基準として、0~50重量%の、アブシジン酸の誘導体(好ましくはグルコースエステル類および/またはo-グルコシド)も含めて1種または複数の追加活性成分。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物を含む、請求項4に記載の農業用化学物質組成物。
【請求項6】
前記アブシジン酸が(S)-(+)-アブシジン酸である、請求項4または5に記載の農業用化学物質組成物。
【請求項7】
式(I)のN-置換ピロリドンが、N-n-ブチルピロリドンである、請求項4~6のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物。
【請求項8】
以下を含む、請求項4~7のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物:
a)前記組成物の全重量を基準として10~50重量%のアブシジン酸;および
b)前記組成物の全重量を基準として0.1~90重量%の、式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドン
【化3】
[式中、Rは、3~6個の炭素原子、より好ましくは4~5個、特に4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基である]、ただし、前記式(I)のN-置換ピロリドンは好ましくはN-n-ブチルピロリドン(NBP)である;
c)前記組成物の全重量を基準として0~50重量%の、1種または複数の共溶媒;および
d)前記組成物の全重量を基準として0.1~50重量%の、1種または複数の製剤助剤;および
e)前記組成物の全重量を基準として、0~50重量%の、アブシジン酸の他の誘導体(好ましくはグルコースエステル類および/またはo-グルコシド)も含めて1種または複数の追加活性成分。
【請求項9】
成分d)の1種または複数の製剤助剤が、酸性化剤、アジュバント、分散剤、乳化剤、光分解安定剤、自発性促進剤および湿潤剤からなる群から選択される、請求項4~8のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物。
【請求項10】
請求項4~9のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物であって、
a)アブシジン酸が、前記組成物の全重量を基準として10~40重量%の量で存在し;
b)前記の1種または複数のN-置換ピロリドンが、前記組成物の全重量を基準として、10~90重量%の量で存在し;
c)前記の1種または複数の共溶媒が、前記組成物の全重量を基準として、0または0.1~30重量%の量で存在し;
d)前記のさらに別の製剤助剤が、前記組成物の全重量を基準として、0.1~35重量%の量で存在し;および
e)前記のアブシジン酸の他の誘導体を含むさらに別の追加活性成分が、前記組成物の全重量を基準として、0または0.1~30重量%の量で存在する、
前記農業用化学物質組成物。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物と、1種または複数の溶媒とを含む、散布液製剤。
【請求項12】
前記溶媒が、水、グリセリンまたは植物油をベースとする任意の液体キャリアである、請求項11に記載の散布液製剤。
【請求項13】
植物の処理のための、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液の使用。
【請求項14】
植物成長および/または植物発育を調節する方法であって、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液を前記植物に施用するステップを含む、前記方法。
【請求項15】
植物のストレス耐性を改善するか、または植物のストレスを管理する生理学的プロセスを開始するもしくは当該プロセスに影響を及ぼす方法であって、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液を前記植物に施用するステップを含む、前記方法。
【請求項16】
植物の開花期を調節する方法であって、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液を前記植物に施用するステップを含む、 前記方法。
【請求項17】
作物の収量および質を改善する方法であって、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液を前記作物に施用するステップを含む、前記方法。
【請求項18】
赤ブドウの着色を増強する方法であって、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液を当該植物に施用するステップを含む、前記方法。
【請求項19】
収穫前の発芽ならびに穀粒の貯蔵中の発芽を回避するための穀類の収穫前処理のための、請求項1~3のいずれか1つに記載の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項12または13に記載の散布液の使用。
【請求項20】
液体アブシジン酸組成物の安定性を改善するための、請求項1に定義される式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドンの使用。
【請求項21】
アブシジン酸と植物との相互作用を促進するための、請求項1に定義される式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドンの使用。
【請求項22】
(i)式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンに、アブシジン酸の前駆体分子、好ましくはアブシジン酸エステル類、特にアブシジン酸メチルエステルを溶解するステップ;および(ii)前記前駆体分子からin situでアブシジン酸を生成するステップを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載のアブシジン酸の溶媒和物または請求項4~10のいずれか1つに記載の農業用化学物質組成物または請求項11または12に記載の散布液を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アブシジン酸の新規改変に関する。本発明はさらに、アブシジン酸の高負荷液体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アブシジン酸(「ABA」)は天然に存在する植物ホルモンであり、これは高等植物成長の全ての段階に影響を及ぼす(Taiz et al. (2015) Plant Physiology and Development. Sinauer Associates(非特許文献1); Bruzzone et al. (2012)(非特許文献2)。コケ類、真菌類および後生動物にも存在し、ヒトにおけるABAの役割が議論されている。影響を受け得る必須の植物成長過程には、種子の発達、成熟および発芽の制御、芽の休眠維持、果実成熟の加速、病原体抵抗性応答防御の活性化、すでに損傷を受けた細胞およびそれらの近傍における誘導老化、ストレスの多い条件、特に十分な水分の欠乏における植物の支持が含まれる(Taiz et al. (2015) Plant Physiology and Development. Sinauer Associates;Arteca, R. (1996), Plant Growth Substances: Principles and Applications. New York: Chapman & Hall(非特許文献3); Mauseth, J. D. (1991), Botany: An Introduction to Plant Biology. Philadelphia: Saunders. pp.348-415(非特許文献4); Raven, P. H., Evert, R. F., and Eichhorn, S. E. (1992), Biology of Plants. New York: Worth, pp.545-572)(非特許文献5)。
【0003】
アブシジン酸というその名前は、この植物生長調節因子が、秋に落葉樹からの葉の離脱を直接的に引き起こすと信じられていたためである(これは後に、少数の植物種においてのみ確かであることが見出された)。アブシジンとドルミンが、以前はこの植物ホルモンに用いられていた名称である。アブシジン酸およびその類似体の化学的性質および生理機能は、例えば、Milborrow, Ann. Rev. Plant Physiol. 1974, 25, 259-307(非特許文献6)によって説明されている。アブシジン酸は、気孔開口部の制御におけるように、またはジベレリン酸もしくはエチレンのような他の植物ホルモンのバランスまたは誘導を介して、単一の植物ホルモンとして直接作用し得る(Taiz et al. (2015))。
【0004】
アブシジン酸の天然に存在するエナンチオマー形態は、(S)-(+)-アブシジン酸である。いくつかの文献報告において、(R)-(-)-アブシジン酸エナンチオマーは、生物学的に不活性であると見られている。しかしながら、他の研究は、(R)-(-)-アブシジン酸もまたいくらかの生物学的活性を有し、さらに(S)-(+)エナンチオマーの活性とはしばしば異なることを示唆している(Zeevart J.A.D. and Creelman, R.A. (1988) Metabolism and Physiology of Abscisic Acid, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant MoI. Biol. 39, 439-473(非特許文献7))。
【0005】
アブシジン酸はカルボン酸であり、従って酸性pHを有する媒体中では、それはプロトン化され、それの中性の非解離形態にある。この荷電していない非解離形態は、アブシジン酸の塩よりも親油性であり、非荷電酸形態の植物クチクラへの浸透は、より高いpHで存在する荷電した解離形態のアブシジン酸と比較して有利である(Blumenfeld and Bukovac 1972, Planta 107: 261-268(非特許文献8); Schoenherr and Baur (1994)(非特許文献9), Baur (1998)(非特許文献10))。非荷電の非解離形態のアブシジン酸はまた、アポプラストから細胞質ゾルへと細胞膜を塩形態よりも容易に横断し、取り込みの増強および優れた生物学的活性をもたらす。いったん細胞内に入ると、アブシジン酸は解離し、このイオントラップ機構はまた、師部におけるアブシジン酸の長距離輸送を可能にする(Hartung and Slovik 1991(非特許文献11))。
【0006】
アブシジン酸は最初、1960年代初頭に、休眠状態になるために光周期的に誘導された、落果時のワタの実におよびサイカモアカエデの木の葉に蓄積される成長阻害剤として定義された(Finkelstein RR. Rock CD (2002), Abscisic Acid Biosynthesis and Response, The Arabidopsis Book: Vol. 45, No. 1 pp. 1-48(非特許文献12))。それ以来、アブシジン酸は、胚の成熟、種子の休眠、発芽、細胞分裂および伸長などを含む植物の成長および発達の多くの側面を調節することが示されてきた。アブシジン酸は歴史的には成長阻害剤と考えられてきたが、若い組織はアブシジン酸レベルが高く、アブシジン酸欠失突然変異体植物は、蒸散を減少させ膨圧を確立するためのそれらの能力が損なわれているため、発育が著しく阻害されている。突然変異体の外因性アブシジン酸処理は、正常な細胞の増殖と成長を回復させる。
【0007】
アブシジン酸は受容体タンパク質への結合を介して細胞へのその作用を開始させると考えられているが、それらの正体と位置はまだほとんどわかっていない。推定受容体(複数可)の活性化は、イオンチャネルの急速な変化と遺伝子転写のパターンのよりゆっくりとした変化をもたらす一連の事象を引き起こす。この一連の事象の多くの個々の成分は同定されているが、完全な全体像はまだ得られていない。
【0008】
種々の目的、例えば植物のストレス耐性の改善、それらの成長速度の減速、開花期の調節および他の目的のために農業において使用される、市販のアブシジン酸を含む商業的製剤はごくわずかしかない。アブシジン酸はまた、昆虫阻害特性を有することが報告されている(Visscherの米国特許第4,434,180号(特許文献1)および第4,209,530号(特許文献2))。粉末形態のアブシジン酸は、現在、Jiang XiにおけるNew Reyphon Biochemical Co., LTDおよびLomon Biotechnology Company, Ltd.(中国企業)のような種々の中国供給業者から市販されている。他の用途の中でも、当該物質の典型的な主張は、特定の作物の収量および品質を改善することである。Sumitomo and Valent Biosciencesも、アブシジン酸を含有する市販製品を提供している。
【0009】
先行技術のアブシジン酸製剤に関連する1つの制限は、アブシジン酸の非緩衝水における溶解性が比較的低いことである:約3グラム/リットル(約0.3重量%)以下が常温で溶解する。約3000部/百万(ppm)の濃度が、室温で水中において達成できる最高濃度である。硬水中のアブシジン酸溶解度はさらに低い。
【0010】
アブシジン酸を塩として配合することによってアブシジン酸の溶解性が高められた従来技術が存在する。例えば、US8,278,480B2(特許文献3)には、S-(+)-アブシジン酸の塩、およびアブシジン酸の溶解度を改善するための農業的使用のためのS-(+)-アブシジン酸の塩を含有する組成物が記載されている。最大で10重量%の溶解したアブシジン酸の負荷を有する水性製剤が報告された。しかしながら、塩形態は、塩よりも容易にクチクラを横切るアブシジン酸の非荷電の非解離形態よりも活性が低いと考えられる。
【0011】
従来技術において公知のより高負荷の液体製剤を達成するための別の方法は、フロアブル製剤(suspension concentrate)としてのアブシシン酸の製剤である。一例は、Valent Biosciencesからの市販製剤BioNikであり、これはS-(+)-アブシジン酸の濃度が250g/L(25重量%)であるフロアブル製剤であり、種子発芽を遅らせるための種子処理として使用される。しかし、フロアブル製剤としての製剤は、ノズルの目詰まりを引き起こし得る、散布液におけるアブシジン酸のゆっくりとした溶解、および結晶成長などの欠点を有し得る。さらに、貯蔵安定性が、製剤中の沈降または結晶成長のために限定され得る。全般的に、固体形態のアブシジン酸の活性は劣っている。
【0012】
アブシジン酸はいくつかの有機溶媒中でより良好な溶解性を有するが、多くの有機溶媒におけるアブシジン酸の液体製剤は、それらの物理化学的特性、例えば、可燃性または揮発性のために、許容できない。さらに、溶解のために必要な有機溶媒は、施用される活性成分の量を大幅に超えるので、適切な溶媒の量は、溶媒の潜在的な植物毒性または食品を汚染する可能性のために、さらに制限される。
【0013】
他の可能性のある溶媒はアセトン、エタノール、DMSO、グリコールまたはNMP(N-メチル-2-ピロリドン)のような極性特性のものであるが、溶解力、引火点、生態毒性または胚毒性のために限定される。
【0014】
さらに、アブシジン酸製剤の産業的使用に関連する問題の1つは、溶媒ベースのアブシジン酸液体製剤の貯蔵安定性が比較的低いこと、植物における8’および9’メチル基のヒドロキシル化不活性化(米国特許第6,004,905号(特許文献4))、ならびに日光誘発性の分解および活性な2-cis,4-trans-S-(+)アブシジン酸の不活性な2-trans,4-trans-S-(+)-アブシジン酸異性体への異性化である(Kamuro Y. 1994. Plant and Chemical Regulation 29: 155-165(非特許文献13))。
【0015】
アブシジン酸の粉末製剤は、溶解度が限られているために最も一般的であり、従って、上記のような安定性の問題が少ない。WO2008/094558A2(特許文献5)には、改善された貯蔵安定性および光化学的安定性を有するS-(+)-アブシジン酸の固体製剤が記載されている。市販の製剤の一例は、ProToneであり、これはSumitomoからの20重量%顆粒水和剤(wettable granule)製剤である。しかしながら、ハンドリングの問題、塵の形成、および散布液におけるゆっくりとした溶解のために、しばしば、粉末の代わりに濃厚液体溶液を使用することがより便利である。水のpHおよび質または温度のような変動する実用上の要因への依存性もまた、より顕著である。従って、上述の問題を克服することができ、酸自体よりも水により良好に溶解する、高い負荷を有する液体アブシジン酸製剤が必要とされている。
【0016】
経済的観点から、最大限の活性物質負荷レベルが、作物保護製剤のためには望ましい。しかしながら、アブシジン酸の低い溶解度および他の記載された制限のために、現在の市販の製剤は、20重量%の最大負荷を有する固体であるか、または非溶解アブシジン酸が25重量%の最大負荷で水中に分散される固体であるフロアブル製剤であるかのいずれかである。溶解したアブシジン酸の液体市販製剤は、最大10重量%以下の負荷でしか知られていない。
【0017】
非晶質形態および結晶質溶媒和物を含む商業的に重要な分子の異なる改変はしばしば、異なる特性を有し、これは、異なる状況において有用であり得る。従って、例えば、結晶質形態は一般的に、非晶質形態よりも安定であり、そのことによって固体材料の長期保存に有用である一方で、非晶質形態はしばしば、結晶質形態よりも容易に溶解し、従って、特定の目的のためには、結晶質形態よりも良好なバイオアベイラビリティのためにより有用であり得る。
【0018】
化合物の結晶形は、その物理化学的特性、例えば融点、溶解度または溶出速度に影響を及ぼす。従って、例えば、処理(例えば、農業的(例えば、植物処理)、獣医学的または医学的処理)の有効性の最適化を可能にするように、ある範囲の格子エネルギー、従ってある範囲の物理化学的特性を有する結晶形が利用可能であることが有利である。従って、例えば、より安定であるが、より溶解性の低い形態はいくつかの用途において有利であり得るが、一方で、より高いエネルギーの、より溶解性の形態は他の用途において異なるセットの利点を提供し得る。
【0019】
アブシジン酸は生物学的に活性な剤であるため、改善された溶解度および/または溶出速度を有する新しい改変を得ることが非常に望ましい。
【0020】
アブシジン酸のそのような新しい形態は、結晶質でかつ生物活性がより低い形態と比較して、より低い用量、減少された散布施用速度および施用回数を必要とし得る。また、活性成分(「ai」)以外のさらなる化学物質としての溶媒または界面活性剤のような製剤助剤の割合は、高度に活性であり、同時により高い負荷の液体製剤では低減される。希釈された水性製剤に対して、環境的に有利であることは、殺生物剤を必要とせず、より低い容量が移動するために物流コストがより低いことによっても与えられる。
【0021】
新しい改変、例えば農業的、獣医学的または医薬的に有用な化合物の溶媒和物等の発見は、製品の性能特性を改善するための機会を提供し得る。それは、製剤科学者が、例えば、標的化放出プロファイルまたは他の所望の特性を有する化合物の剤形を設計するために利用可能である材料のレパートリーを拡大する。このレパートリーが、有用な化合物の新しい溶媒和結晶質形態または非晶質形態の発見によって拡大されると、明らかに有利である。結晶の固体化学は、ある有機溶媒が結晶中に組み込まれ得るかどうかを予測することはできない。結晶の溶媒和が起こり得る様式もまた、予測不可能である。化合物が有機溶媒の溶媒和形態として存在するかどうかの予測を可能にする法則は存在しない。従って、アブシジン酸の新しい溶媒和結晶質形態または非晶質形態、およびそれらの調製のための効率的な方法を有することは有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許第4,434,180号
【特許文献2】第4,209,530号
【特許文献3】US8,278,480B2
【特許文献4】米国特許第6,004,905号
【特許文献5】WO2008/094558A2
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Taiz et al. (2015) Plant Physiology and Development. Sinauer Associates
【非特許文献2】Bruzzone et al. (2012)
【非特許文献3】Arteca, R. (1996), Plant Growth Substances: Principles and Applications. New York: Chapman & Hall
【非特許文献4】Mauseth, J. D. (1991), Botany: An Introduction to Plant Biology. Philadelphia: Saunders. pp.348-415
【非特許文献5】Raven, P. H., Evert, R. F., and Eichhorn, S. E. (1992), Biology of Plants. New York: Worth, pp.545-572)
【非特許文献6】Milborrow, Ann. Rev. Plant Physiol. 1974, 25, 259-307
【非特許文献7】Zeevart J.A.D. and Creelman, R.A. (1988) Metabolism and Physiology of Abscisic Acid, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant MoI. Biol. 39, 439-473
【非特許文献8】Blumenfeld and Bukovac 1972, Planta 107: 261-268
【非特許文献9】Schoenherr and Baur (1994)
【非特許文献10】Baur (1998)
【非特許文献11】Hartung and Slovik 1991
【非特許文献12】Finkelstein RR. Rock CD (2002), Abscisic Acid Biosynthesis and Response, The Arabidopsis Book: Vol. 45, No. 1 pp. 1-48
【非特許文献13】Kamuro Y. 1994. Plant and Chemical Regulation 29: 155-165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上記の理由のために、アブシジン酸が完全に可溶化され、その高い生物学的活性を保持する、アブシジン酸を含む高負荷液体製剤の製造を可能にする選択肢が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0025】
予想外にも、上記の需要は、アブシシン酸と特定のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドン(NBP)とのこれまでに知られていない溶媒和物、およびアブシシン酸を特定のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドン(NBP)と組み合わせて含む組成物によって満たされる。
【0026】
従って、本発明は、アブシジン酸の式(I)のN-置換ピロリドンとの溶媒和物を提供し
【0027】
【化1】
[式中、Rは、3~6個の炭素原子、より好ましくは4~5個、特に4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基である]、
式(I)のN-置換ピロリドンは、好ましくはN-n-ブチルピロリドン(「NBP」)である。
【0028】
さらに、本発明は、以下を含む、好ましくは以下からなる、液体の、最大で過飽和まで高度に負荷された農業用化学物質組成物を提供する:
a)前記組成物の全重量を基準として10~50重量%のアブシジン酸;および
b)前記組成物の全重量を基準として0.1~90重量%の、好ましくはN-n-ブチルピロリドンである、式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドン
【0029】
【化2】
[式中、Rは、3~6個の炭素原子、より好ましくは4~5個、特に4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基である];
c)任意選択的に、前記組成物の全重量を基準として最大で50重量%の、1種または複数の共溶媒;および
d)任意選択的に、前記組成物の全重量を基準として最大で50重量%の、1種または複数の製剤助剤;および
e)任意選択的に、前記組成物の全重量を基準として最大で50重量%の、1種または複数の追加的活性成分。
【0030】
本発明はさらに、本発明による農業用化学物質組成物および1種または複数の溶媒を含む散布液を提供する。
【0031】
本発明の別の目的は、植物の処理のための、本発明による溶媒和物および/または農業用化学物質組成物または散布液の使用である。
【0032】
本発明による溶媒和物および/または農業用化学物質組成物または散布液を植物に施用するステップを含む、植物成長および/または植物発育を調節する方法もまた、本発明によって提供される。
【0033】
本発明はさらに、本発明による溶媒和物および/または農業用化学物質組成物または散布液を植物に施用するステップを含む、植物のストレス耐性を改善するか、または植物のストレスを管理する生理学的プロセスを開始もしくは当該プロセスに影響を及ぼす方法を開示する。
【0034】
さらに、本発明による溶媒和物および/または農業用化学物質組成物または散布液を植物に施用するステップを含む、植物の開花期を調節する方法もまた、本発明によってカバーされる。
【0035】
本発明はさらに、本発明の溶媒和物および/または農業用化学物質組成物または散布液を作物に施用するステップを含む、作物の収量および質を改善する方法を提供する。
【0036】
本発明の別の対象は、高負荷液体アブシジン酸組成物の安定性を改善するための、上記で定義した溶媒和物の使用である。
【0037】
さらに、アブシジン酸と植物との相互作用を促進するための、上記で定義された本発明の溶媒和物の使用もまた、本明細書中に開示される。
【0038】
本発明はさらに、本発明の溶媒和物、農業用化学物質組成物または散布液を植物に施用するステップを含む、赤ブドウの着色を増強する方法を提供する。
【0039】
さらに、収穫前の発芽ならびに穀粒の貯蔵中の発芽を回避するための、穀類の収穫前処理のための、本発明の溶媒和物の、農業用化学物質組成物のまたは散布液の使用が提供される。
【0040】
WO2017/211572は、農業用化学物質活性剤の浸透を促進するためのN-置換ピロリドンの使用を開示しており、農業用化学物質活性剤の長いリスト中にアブシジン酸が挙げられている。しかしながら、この文献には、アブシジン酸を含む溶媒和物、およびアブシジン酸と溶媒としてのN-置換ピロリドンとの高負荷液体組成物の示唆、ならびに溶媒和物としての擬似多形状態における活性成分を安定化させることの示唆もない。
【0041】
本発明の溶媒和物は、有利には、アブシジン酸が完全に可溶化され、その高い生物学的活性を保持する、アブシジン酸の過飽和液体農業用化学物質組成物の製造を可能にする。本発明の溶媒和物および組成物はさらに、活性成分の取り込みの増加をもたらす。さらに、本発明の溶媒和物および組成物は、植物毒性を示さない。それらは安定であり、散布液中で良好な溶解特性をもたらす。本発明の組成物は、特に式(I)におけるRが4個の炭素原子を有するアルキル基、例えばn-ブチルである場合に、有利な環境プロファイルをさらに示す。
【0042】
これらの組成物は、以下の驚くべき特徴を提供する:
- NBPを含む製剤は、NMPを含むがその他の点では同一の製剤よりも大幅に安定である、
- 溶媒/水混合物におけるアブシジン酸の溶解度を超えるまで脱イオン水を添加することにより、溶媒NMPまたはNBPにおける溶液からアブシジン酸を析出させると、NMPでは結晶質の固体析出物が得られる一方で、NBPでの相当の溶液は、液体の非晶質相析出物を示す。
- NMPまたはNBPにおけるアブシジン酸の単一溶液の溶媒蒸発後、堆積物は常に、NMPでは結晶質であり、NBPでは最も頻繁には非晶質である。
【0043】
本明細書で使用される場合に、用語「本発明の溶媒和物」、「溶媒和物」、「アブシジン酸溶媒和物」および類似の用語は、溶媒分子がアブシジン酸に配位していることを意味する。この場合、前記溶媒は、式(I)のN-置換ピロリドン、特にN-n-ブチルピロリドン(NBP)を指す。これらの用語および類似の用語は、本発明において互換的に使用され得る。
【0044】
本発明の溶媒和物は、好ましくは、天然に存在する形態である(S)-(+)-アブシジン酸を含む。天然アブシジン酸は、以下の式を有する:
【0045】
【化3】
そのIUPAC名は、(2Z,4E)-5-[(1S)-1-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-イル]-3-メチルペンタ-2,4-ジエン酸である。これは、例えば、New Reyphon Biochemical Co. Technology Co., Ltd.(Jiang Xi)から、ならびにSichuan Lomon Bio Technology Co., Ltdから市販されている。
【0046】
アブシジン酸の天然形態に加えて、本発明は、全ての異性体、例えば(R)-(-)-アブシジン酸エナンチオマー、ならびに異性体の混合物、例えば(S)-(+)-および(R)-(-)-アブシジン酸のラセミ混合物を包含する。さらに、本発明の様々な実施態様におけるアブシジン酸は、適切な前駆体、例えばアブシジン酸エステル、例えばアブシジン酸メチルエステルからin situで生成することができる。
【0047】
従って、前記溶媒和物は、アブシジン酸の、(S)-(+)-エナンチオマーの溶媒和物、(R)-(-)-エナンチオマーの溶媒和物、前記エナンチオマーのラセミ化合物の溶媒和物、あるいは、前記エナンチオマーの任意の混合物の溶媒和物、特にアブシジン酸の前述の形態のいずれかの擬似多形状態(pseudopolymorphous state)(非晶質溶媒和物)であってもよい。擬似多形状態の形態としての溶媒和物の分類は、例えば、Hilfiker and von Raumer (eds, Polymorphism in the Pharmaceutical Industry, Wiley VCH, 2019 (page 2)およびPolymorphism in pharmaceutical solids/edited by Harry G. Brittain. 2nd ed. (Drugs and the pharmaceutical sciences; v. 192 (Page1-2)に見出すことができる。
【0048】
一実施態様では、本発明の溶媒和物は、非晶質溶媒和物である。
【0049】
一部の実施態様では、溶媒和物は化学量論的1:1溶媒和物であるが、界面活性剤などの1種または複数の製剤助剤も含む液体製剤(下記参照)においては、非化学量論的チャンネル型も存在し得ることを除外することはできない(Hilfiker and von Raumer (eds, Polymorphism in the Pharmaceutical Industry, Wiley VCH, 2019)。
【0050】
本明細書において使用される場合、用語「1:1溶媒和物」または類似の用語「モノ溶媒和物」は、アブシジン酸との溶媒和物がアブシジン酸の各分子に対して約1個の溶媒分子を含むことを示す。
【0051】
以下の記載において、示差走査熱量測定(DSC)パラメーター(例えば、脱溶媒和ピーク、脱溶媒和オンセット)は、本発明の溶媒和物に関して提供される。別段の示唆がない限り、温度値の精度は+/-0.1℃であることを理解されたい。
【0052】
一部の実施態様では、前記溶媒和物は、平均で約125℃(標準偏差9℃)での脱溶媒和ピークによって特徴付けられる。
【0053】
前記溶媒和物はまた、温度の関数としてサンプルの質量変化を測定する熱重量分析(TGA)によっても特徴付けることができる。TGAは、加熱時に溶媒和物構造から溶媒が除去された場合に観察される重量減少を特定するために使用することができる。全重量減少、脱溶媒和のオンセット温度および重量減少曲線の形状は、溶媒和物の構造に関する情報を提供する。(Polymorphism: in the Pharmaceutical Industry, Hilfiker, R., Wiley-VHC Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, 2006 pp 77)。
【0054】
一部の実施態様では、前記溶媒和物は、約180℃(標準偏差18℃)および262℃(標準偏差2℃)の平均転換点におけるDTG曲線(示差サーモグラフィー分析(Differential Thermographic Analyses))での2つのピークによって特徴付けられる。
【0055】
本発明の溶媒和物は、(i)式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンにアブシジン酸を溶解するステップ;および(ii)式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンを蒸発させるステップ、を含む方法によって製造および単離することができる。
【0056】
この方法において、蒸発のための条件は、例えば実施例に示されるように、本発明の溶媒和物の分解を回避するように選択されなければならない。一実施態様では、過剰の溶媒を、室温で一定重量になるまで蒸発させる。
【0057】
式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンとのアブシジン酸の溶媒和物を製造および単離するためのさらなる方法は、(i)式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンにアブシジン酸を溶解するステップ;(ii)アブシジン酸溶媒和物を析出させるために適した条件を提供するステップ;および(iii)析出した溶媒和物を単離するステップ、を含む。
【0058】
式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンとのアブシジン酸の溶媒和物、(以下に記載されるような)本発明の農業用化学物質組成物または(以下に記載されるような)本発明の散布液を製造するためのさらなる方法は、(i)式(I)のN-置換ピロリドン、好ましくはN-n-ブチルピロリドンに、アブシジン酸の前駆体分子、例えばアブシジン酸エステル、例えばアブシジン酸メチルエステルを溶解するステップ;および(ii)前駆体分子からin situでアブシジン酸を生成するステップ、を含む。
【0059】
本発明の溶媒和物は、アブシジン酸の高負荷組成物を製造するのに適している。
【0060】
本発明による農業用化学物質組成物は以下を含む:
a)前記組成物の全重量を基準として、10~50重量%、好ましくは15~40重量%、より好ましくは25~35重量%のアブシジン酸;および
b)前記組成物の全重量を基準として、0.1~90重量%、好ましくは10~85重量%、より好ましくは25~75重量%の、式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドン
【0061】
【化4】
[式中、Rは3~6個、より好ましくは4~5個、特に4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基である]、特に好ましい実施態様において、N-置換ピロリドンは、N-n-ブチルピロリドンである、
c)任意選択的に、前記組成物の全重量を基準として、最大で50重量%、好ましくは0または0.1~30重量%、より好ましくは0または1~20重量%の、1種または複数の共溶媒;および
d)任意選択的に、前記組成物の全重量を基準として、最大で50重量%、好ましくは0.1~40重量%、より好ましくは1%~35重量%の、1種または複数の製剤助剤、および
e)任意選択的に、前記組成物の全重量を基準として、最大で50重量%、好ましくは0または0.1~40重量%、より好ましくは0または1~30重量%の、1種または複数の追加活性成分(グルコースエステル類またはo-グルコシドなどのアブシジン酸の他の誘導体も含めて)。
【0062】
本発明の組成物は、好ましくは、天然に存在する形態である(S)-(+)-アブシジン酸を含む。商業的な農業的製品における使用のためには、アブシジン酸の天然に存在する形態が、実質的に増強された生物活性のために好ましい。
【0063】
アブシジン酸の天然形態に加えて、本発明の組成物は、全ての異性体、例えば(R)-(-)-アブシジン酸エナンチオマー、および異性体の混合物、例えば(S)-(+)-および(R)-(-)-アブシジン酸のラセミ混合物、ならびに式(I)のN-置換ピロリドン、特にN-ブチルピロリドンとのアブシジン酸の多形状態、非晶質状態および擬似多形状態(溶媒和物)を含み得る。
【0064】
好ましくは、本発明の組成物において、アブシジン酸(上記の異性体形態のいずれかの)は、本発明の溶媒和物として存在する。これはまた、本発明の組成物の全ての好ましい実施態様、および施用形態、例えば散布液にも当てはまる。
【0065】
1つの好ましい実施態様において、本発明の組成物は、共溶媒(c)を含まない(0%)。
【0066】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の共溶媒(c)を含む。
【0067】
前記共溶媒 -存在する場合- は、好ましくは、脂肪族もしくは芳香族炭化水素、例えば鉱油、トルエン、キシレン類またはナフタレン誘導体;ハロゲン化脂肪族もしくは芳香族炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロベンゼン、油類、植物系油類、例えばトウモロコシ胚芽油またはナタネ油;油誘導体、例えば、ナタネ油メチルエステル;二価または三価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロール;ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類および/または混合ポリアルキレングリコール類(PAG);極性エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン;アルキレングリコールモノアルキルおよびジアルキルエーテル類、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルもしくはモノエチルエーテル;ジグリムまたはテトラグリム;アミド、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリルアミド、ジメチルカプラミド((登録商標)Hallcomide);ケトン、例えばアセトン;グリセロール及びカルボン酸をベースとするエステル、例えばグリセロールモノ-、ジ-もしくはトリアセテート;ラクタム類;エステル部分に1~10個の炭素原子の鎖長を有するラクテートエステル;炭酸ジエステル(carbonic diesters);ニトリル、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルまたはベンゾニトリル;スルホキシド類およびスルホン類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)およびスルホランからなる群から選択される。より好ましくは、前記共溶媒は、アミド類、好ましくはN,N-ジアルキルアミド類、より好ましくは5~20個、好ましくは6~15個、より好ましくは8~12個の炭素原子を有するカルボン酸のN,N-ジメチルアミド類から選択される。最も好ましくは、前記共溶媒は、ノナノイルジメチルアミドである。
【0068】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の製剤助剤(d)を含む。
【0069】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物は、製剤助剤(d)を含まない(0%)。
【0070】
前記製剤助剤(d)は、本発明の組成物に、またはこれらの組成物から調製される使用形態(例えば、ready-to-use作物保護剤、例えば散布液または種子粉衣製品)に、特定の特性、例えば特定の物理的、技術的および/または生物学的特性を付与するのに適した物質であることができる。一般に、本発明の組成物またはそれぞれの散布液は、製剤化目的に一般的に使用される任意の固体または液体製剤助剤を含有することができる。
【0071】
製剤助剤(d)は、好ましくは、酸性化剤、アジュバント、分散剤、乳化剤、光分解安定剤、自発性促進剤(spontaneity agents)および湿潤剤からなる群から選択される。より好ましくは、前記製剤助剤は、少なくとも1種の分散剤および/または湿潤剤および/または酸性化剤からなる群から選択される。最も好ましくは、前記農業用化学物質組成物は、少なくとも1つの分散剤、少なくとも1種の湿潤剤および少なくとも1種の酸性化剤を含み、ここで分散剤、湿潤剤および酸性化剤は同一の化合物であってよくまたは異なる化合物であってもよい。
【0072】
分散剤は、農業用化学物質組成物全体にわたって液体および固体成分の一様な分布をもたらす化学添加剤として定義される。一様な分布は、語句乳化剤を含む液体または固体成分を分散および乳化することによって達成することができる。
【0073】
分散剤および湿潤剤の例は、ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸またはナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールもしくは脂肪酸もしくは脂肪アミン、置換フェノール(好ましくはアルキルフェノールまたはアリールフェノール)との重縮合物、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(好ましくはアルキルタウレート)、ポリエトキシル化アルコールもしくはフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、ならびにスルフェート、スルホネートおよびホスフェートを含有する化合物の誘導体、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルスルフェート、アリールスルホネート、タンパク質加水分解物、リグノスルファイト廃液およびメチルセルロースである。
【0074】
酸性化剤の例は、アブシジン酸よりも低いpH値を有する無機および有機酸である。好ましくは、酸性化剤は、1~15個の炭素原子、より好ましくは1~8個の炭素原子、最も好ましくは2~6個の炭素原子を有するカルボン酸である。プロピオン酸および乳酸が特に好ましい酸性化剤である。
【0075】
アジュバントの好ましい例は、例えばスプレッダー、例えばアルキルシロキサン類、および/または塩、例えば有機または無機アンモニウムまたはホスホニウム塩、例えば硫酸アンモニウムまたはリン酸水素二アンモニウム、および/または保持促進剤および/または湿潤剤、例えばグリセロールおよび/または浸透剤および/または付着剤(stickers)(植物表面への付着を促進する剤)、例えばカルボキシメチルセルロース、および粉末、顆粒またはラテックスの形態の天然および合成ポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニル、あるいは天然リン脂質、例えばセファリンおよびレシチン、および合成リン脂質、および/または機能性ポリマーである。
【0076】
本明細書との関連において、有用な浸透剤は、植物中への農業用化学物質活性物質の浸透を改善するために典型的に使用される全ての物質である。
【0077】
この関連において、浸透剤は、(一般的に水性の)施用液から、および/または散布堆積物から、植物のクチクラ中に浸透し、従ってクチクラ中の活性成分の移動度を増加させるそれらの能力によって定義される。文献(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131-152)に記載されている方法を使用して、この特性を決定することができる。例には、アルコールアルコキシレート、例えば、ヤシ脂肪エトキシレート(coconut fat ethoxylate)(10)またはイソトリデシルエトキシレート(12)、脂肪酸アルキルエステル、例えば、ナタネ油メチルエステルまたはダイズ油メチルエステル、脂肪アミンアルコキシレート、例えば、獣脂アミンエトキシレート(15)またはアンモニウム塩、ホスホニウム塩、例えば、硫酸アンモニウムまたはリン酸水素二アンモニウム、植物油、例えば、ナタネ油、ヒマワリ油、または鉱油、例えば、パラフィン油が含まれる。
【0078】
有用な保持促進剤には、動的表面張力を低下させる全ての物質、例えばジオクチルスルホスクシネート、または粘弾性を増加させる全ての物質、例えばヒドロキシプロピルグアーポリマーが含まれる。
【0079】
本発明による組成物中に存在し得る有用な機能性ポリマーは、10000を超えるモル質量を有する合成または天然起源の高分子量化合物である。機能性ポリマーは、例えば、抗ドリフト剤として作用することができ、または耐雨性を増加させることができる。
【0080】
さらなる可能な製剤助剤には、自発性促進剤(spontaneity promoters)が含まれる。分岐状アルコールエトキシレートまたはブチルアルコキシレートまたは関連の界面活性剤などの自発性促進剤の存在は、活性成分および/またはさらなる製剤助剤が水に不溶性である場合、および施用が水中で実施される場合に有利である。
【0081】
追加の成分は、安定剤、例えば冷安定剤(cold stabilizers)(不凍液)、防腐剤、酸化防止剤、光安定剤、または化学的および/または物理的安定性を改善する他の剤であってもよい。さらに、泡発生剤または消泡剤が存在してもよい。
【0082】
使用される防腐剤は、有機酸およびそれらのエステル、例えばアスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ソルベート、安息香酸、メチルおよびプロピル-4-ヒドロキシベンゾエート、プロピオネート類、フェノール、例えば2-フェニルフェネート、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、ホルムアルデヒド、亜硫酸およびその塩であってもよい。
【0083】
適切な消泡剤は、脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート類、オルガノポリシロキサン類、例えばポリジメチルシロキサン類、およびそれらと極微細の、任意選択的にシラン化されたシリカとの混合物;ペルフルオロアルキルホスホネート類、ペルフルオロアルキルホスフィネート類、パラフィン、ワックスおよびマイクロクリスタリンワックス、およびそれらとシラン化されたシリカとの混合物である。種々の泡阻害剤の混合物、例えばシリコーン油、パラフィン油および/またはワックスの混合物も有利である。
【0084】
さらに、前記組成物およびそれに由来する使用形態は任意選択的に、製剤助剤として、芳香剤、保護コロイド、バインダー、接着剤、増粘剤、チキソトロープ剤、金属イオン封鎖剤および/または錯化剤を含む。さらなる可能な製剤助剤は、鉱油および植物油である。
【0085】
1つの好ましい実施態様において、本発明の組成物は、追加の活性成分(e)を含まない(0%)。
【0086】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の追加の活性成分(e)を含む。
【0087】
追加の活性成分(e) -存在する場合- は、アブシジン酸とは異なり、好ましくは、アブシジン酸の他の誘導体、好ましくはグルコースエステルまたはo-グルコシドを含む農業用化学物質活性成分である。
【0088】
それらは、好ましくは、ペスチサイド(pesticides)、植物成長調整剤、植物栄養素、忌避剤、安全剤、およびこれらの活性成分の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
【0089】
除草剤および植物成長調整剤の例には、以下が含まれる:
アセトクロール(acetochlor)、アシベンゾラル(acibenzolar)、アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アシフルオルフェンナトリウム(acifluorfen-sodium)、アクロニフェン(aclonifen)、アラクロール(alachlor)、アリドクロール(allidochlor)、アロキシジム(alloxydim)、アロキシジムナトリウム(alloxydim-sodium)、アメトリン(ametryne)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドクロール(amidochlor)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミノシクロピラクロル(aminocyclopyrachlor)、アミノシクロピラクロル-カリウム(aminocyclopyrachlor-potassium)、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド(aminopyralid)、アミトロール(amitrole)、スルファミン酸アンモニウム(ammonium sulfamat)、アンシミドール(ancymidol)、アニロホス(anilofos)、アシュラム(asulam)、アトラジン(atrazine)、アビグリシン(aviglycine)、アザフェニジン(azafenidin)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アジプロトリン(aziprotryne)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベナゾリンエチル(benazolin-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ベンフルラリン(benfluralin)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンスリド(bensulide)、ベンスルフロン(bensulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、ベンタゾン(bentazone)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンゾフルオル(benzofluor)、ベンゾイルプロップ(benzoylprop)、ベンジルアデニン(benzyladenine)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、ビフェノックス(bifenox)、ビラナホス(bilanafos)、ビラナホスナトリウム(bilanafos-sodium)、ビスピリバック(bispyribac)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)、ブロマシル(bromacil)、ブロモブチド(bromobutide)、ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロムロン(bromuron)、ブミナホス(buminafos)、ブソキシノン(busoxinone)、ブタクロール(butachlor)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、ブテナクロール(butenachlor)、ブトラリン(butralin)、ブトロキシジム(butroxydim)、ブチレート(butylate)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルバリル(carbaryl)、カルベタミド(carbetamide)、カルフェントラゾン(carfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、カルボン(carvone)、クロロコリンクロリド(chlorocholine chloride)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロランベン(chloramben)、クロラジホップ(chlorazifop)、クロラジホップブチル(chlorazifop-butyl)、クロルブロムロン(chlorbromuron)、クロルブファム(chlorbufam)、クロルフェナック(chlorfenac)、クロルフェナックナトリウム(chlorfenac-sodium)、クロルフェンプロップ(chlorfenprop)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、クロルフルレノールメチル(chlorflurenol-methyl)、クロリダゾン(chloridazon)、クロリムロン(chlorimuron)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルメクワットクロリド(chlormequat-chloride)、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、4-クロロフェノキシ酢酸(4-chlorophenoxyacetic acid)、クロロフタリム(chlorophthalim)、クロルプロファム(chlorpropham)、クロルタルジメチル(chlorthal-dimethyl)、クロロトルロン(chlortoluron)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シニドン(cinidon)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、シンメチリン(cinmethylin)、シノスルフロン(cinosulfuron)、クレトジム(clethodim)、クロジナホップ(clodinafop)、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、クロフェンセット(clofencet)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロップ(clomeprop)、クロプロップ(cloprop)、クロピラリド(clopyralid)、クロランスラム(cloransulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、クロキシホナック(cloxyfonac)、クミルロン(cumyluron)、シアナミド(cyanamide)、シアナジン(cyanazine)、シクラニリド(cyclanilide)、シクロエート(cycloate)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シクロキシジム(cycloxydim)、シクルロン(cycluron)、シハロホップ(cyhalofop)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、シペルコート(cyperquat)、シプラジン(cyprazine)、シプラゾール(cyprazole)、サイトキニン(cytokinine)、2,4-D、2,4-DB、ダイムロン(daimuron/dymron)、ダラポン(dalapon)、ダミノジッド(daminozide)、ダゾメット(dazomet)、n-デカノール(n-decanol)、デスメディファム(desmedipham)、デスメトリン(desmetryn)、デトシルピラゾレート(detosyl-pyrazolate)(DTP)、ジアレート(diallate)、ジアミノジド(diaminozide)、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップP(dichlorprop-P)、ジクロホップ(diclofop)、ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、ジクロホップPメチル(diclofop-P-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、ジエタチル(diethatyl)、ジエタチルエチル(diethatyl-ethyl)、ジフェノキスロン(difenoxuron)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ジフルフェンゾピルナトリウム(diflufenzopyr-sodium)、ジケグラックナトリウム(dikegulac-sodium)、ジメフロン(dimefuron)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミドP(dimethenamid-P)、ジメチピン(dimethipin)、ジメトラスルフロン(dimetrasulfuron)、ジニトラミン(dinitramine)、ジノセブ(dinoseb)、ジノテルブ(dinoterb)、ジフェナミド(diphenamid)、ジイソプロピルナフタレン(diisopropylnaphthalene)、ジプロペトリン(dipropetryn)、ジクワット(diquat)、ジクワットジブロミド(diquat-dibromide)、ジチオピル(dithiopyr)、ジウロン(diuron)、DNOC、エグリナジンエチル(eglinazine-ethyl)、エンドタール(endothal)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、エチルナフチルアセテート(ethyl naphthylacetate)、エテホン(ethephon)、エチジムロン(ethidimuron)、エチオジン(ethiozin)、エトフメセート(ethofumesate)、エトキシフェン(ethoxyfen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エトベンザニド(etobenzanid)、F-5331,すなわちN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3フルオロプロピル)-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-lH-テトラゾール-l-イル]フェニル]-エタンスルホンアミド、F-7967、すなわち3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)、フェノプロップ(fenoprop)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フェノキサプロップP(fenoxaprop-P)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップPエチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェントラザミド(fentrazamide)、フェニュロン(fenuron)、フラムプロップ(flamprop)、フラムプロップ-M-イソプロピル(flamprop-M-isopropyl)、フラムプロップ-M-メチル(flamprop-M-methyl)、
フラザスルフロン(flazasulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルアジホップ(fluazifop)、フルアジホップP(fluazifop-P)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、フルアジホップPブチル(fluazifop-P-butyl)、フルアゾレート(fluazolate)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルカルバゾンナトリウム(flucarbazone-sodium)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルクロラリン(fluchloralin)、フルフェナセット(flufenacet(チアフルアミド(thiafluamide))、フルフェンピル(flufenpyr)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、フルメトラリン(flumetralin)、フルメツラム(flumetsulam)、フルミクロラック(flumiclorac)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミプロピン(flumipropyn)、フルオメツロン(fluometuron)、フルオロジフェン(fluorodifen)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、フルオログリコフェンエチル(fluoroglycofen-ethyl)、フルポキサム(flupoxam)、フルプロパシル(flupropacil)、フルプロパネート(flupropanate)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フルピルスルフロンメチルナトウム(flupyrsulfuron-methyl-sodium)、フルレノール(flurenol)、フルレノールブチル(flurenol-butyl)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロキシピルメプチル(fluroxypyr-meptyl)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルルタモン(flurtamone)、フルチアセット(fluthiacet)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)、フルチアミド(fluthiamide)、フォメサフェン(fomesafen)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、フォサミン(fosamine)、フリロキシフェン(furyloxyfen)、ジベレリン酸(gibberellic acid)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム(glufosinate-ammonium)、グルホシネートP(glufosinate-P)、グルホシネートPアンモニウム(glufosinate-P-ammonium)、グルホシネートPナトリウム(glufosinate-P-sodium)、グリホサート(glyphosate)、グリホサートイソプロピルアンモニウム(glyphosate-isopropylammonium)、H-9201、すなわちO-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル) O-エチルイソプロピルホスホルアミドチオエート、ハロサフェン(halosafen)、ハロスルフロン(halosulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップP(haloxyfop-P)、ハロキシホップエトキシエチル(haloxyfop-ethoxyethyl)、ハロキシホップPエトキシエチル(haloxyfop-P-ethoxyethyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップPメチル(haloxyfop-P-methyl)、ヘキサジノン(hexazinone)、HW-02、すなわち1-(ジメトキシホスホリル)エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザメタベンズメチル(imazamethabenz-methyl)、イマザモックス(imazamox)、イマザモックスアンモニウム(imazamox-ammonium)、イマザピク(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザピルイソプロピルアンモニウム(imazapyr-isopropylammonium)、イマザキン(imazaquin)、イマザキンアンモニウム(imazaquin-ammonium)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゼタピルアンモニウム(imazethapyr-ammonium)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、イナベンフィド(inabenfide)、インダノファン(indanofan)、インダジフラム(indaziflam)、インドール酢酸(indoleacetic acid (IAA))、4-インドール-3-イル-酪酸(4-indol-3-ylbutyric acid (IBA))、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、ヨードスルフロンメチルナトリウム(iodosulfuron-methyl-sodium)、イオフェンスルフロン(iofensulfuron)、イオフェンスルフロンナトリウム(iofensulfuron-sodium)、アイオキシニル(ioxynil)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、イソカルバミド(isocarbamid)、イソプロパリン(isopropalin)、イソプロチュロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、KUH-043、すなわち3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、カルブチレート(karbutilate)、ケトスピラドックス(ketospiradox)、ラクトフェン(lactofen)、レナシル(lenacil)、リニュロン(linuron)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、MCPA、MCPB、MCPB-メチル、-エチルおよび-ナトリウム、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップナトリウム(mecoprop-sodium)、メコプロップブトチル(mecoprop-butotyl)、メコプロップPブトチル(mecoprop-P-butotyl)、メコプロップPジメチルアンモニウム(mecoprop-P-dimethylammonium)、メコプロップ-P-2-エチルヘキシル(mecoprop-P-2-ethylhexyl)、メコプロップPカリウム(mecoprop-P-potassium)、メフェナセット(mefenacet)、メフルイジド(mefluidide)、メピコートクロリド(mepiquat-chloride)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メソトリオン(mesotrione)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メタム(metam)、メタミホップ(metamifop)、メタミトロン(metamitron)、メタザクロール(metazachlor)、メタザスルフロン(metazasulfuron)、メタゾール(methazole)、メチオピリスルフロン(methiopyrsulfuron)、メチオゾリン(methiozolin)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、メチルダイムロン(methyldymron)、1-メチル-シクロプロペン(1-methylcyclopropene)、メチルイソチオシアネート(methyl isothiocyanate)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトラクロール(metolachlor)、S-メトラクロール(S-metolachlor)、
メトスラム(metosulam)、メトクスロン(metoxuron)、メトリブジン(metribuzin)、メトスルフロン(metsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、モリネート(molinate)、モナリッド(monalide)、モノカルバミド(monocarbamide)、硫酸二水素モノカルバミド(monocarbamide dihydrogensulfate)、モノリニュロン(monolinuron)、モノスルフロン(monosulfuron)、モノスルフロンエステル、モニュロン(monuron)、MT-128、すなわち6-クロロ-N-[(2E)-3-クロロプロパ-2-エン-1-イル]-5-メチル-N-フェニルピリダジン-3-アミン、MT-5950、すなわちN-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、1-ナフチル酢酸(NAA)、ナフチルアセトアミド(NAAm)、2-ナフトキシ酢酸、ナプロアニリド(naproanilide)、ナプロパミド(napropamide)、ナプタラム(naptalam)、NC-310、すなわち4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール、ネブロン(neburon)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ニピラクロフェン(nipyraclofen)、ニトラリン(nitralin)、ニトロフェン(nitrofen)、ニトログアイアコレート(nitroguaiacolate)、ニトロフェノラートナトリウム(nitrophenolate-sodium)(異性体の混合物)、ニトロフルオルフェン(nitrofluorfen)、ノナン酸(nonanoic acid)、ノルフルラゾン(norflurazon)、オルベンカルブ(orbencarb)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、オリザリン(oryzalin)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、パクロブトラゾール(paclobutrazole)、パラコート(paraquat)、パラコートジクロリド(paraquat dichloride)、ペラルゴン酸(pelargonic acid)(ノナン酸(nonanoic acid))、ペンディメタリン(pendimethalin)、ペンドラリン(pendralin)、ペノキススラム(penoxsulam)、ペンタノクロール(pentanochlor)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ペルフルイドン(perfluidone)、ペトキサミド(pethoxamid)、フェニソファム(phenisopham)、フェンメディファム(phenmedipham)、フェンメディファムエチル(phenmedipham-ethyl)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピペロホス(piperophos)、ピリフェノップ(pirifenop)、ピリフェノップブチル(pirifenop-butyl)、プレチラクロール(pretilachlor)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プロベナゾール(probenazole)、プロフルアゾール(profluazole)、プロシアジン(procyazine)、プロジアミン(prodiamine)、プリフルラリン(prifluraline)、プロフォキシジム(profoxydim)、プロヘキサジオン(prohexadione)、プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione-calcium)、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmone)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロパクロール(propachlor)、プロパニル(propanil)、プロパキザホップ(propaquizafop)、プロパジン(propazine)、プロファム(propham)、プロピソクロール(propisochlor)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、プロポキシカルバゾンナトリウム(propoxycarbazone-sodium)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、プロピザミド(propyzamide)、プロスルファリン(prosulfalin)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロスルフロン(prosulfuron)、プリナクロール(prynachlor)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラフルフェン(pyraflufen)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾリネート(pyrazolynate)(ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピリバンベンズ(pyribambenz)、ピリバンベンズイソプロピル(pyribambenz-isopropyl)、ピリバンベンズプロピル(pyribambenz-propyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリダフォル(pyridafol)、ピリデート(pyridate)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバック(pyriminobac)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピリチオバックナトリウム(pyrithiobac-sodium)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、キノクラミン(quinoclamine)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、キザロホップP(quizalofop-P)、キザロホップPエチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップPテフリル(quizalofop-P-tefuryl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、サフルフェナシル(saflufenacil)、セクブメトン(secbumeton)、セトキシジム(sethoxydim)、シデュロン(siduron)、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryn)、SN-106279、すなわちメチル(2R)-2-({7-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ナフチル}オキシ)プロパノエート)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルファレート(sulfallate)(CDEC)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルフォメツロン(sulfometuron)、スルフォメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホサート(sulfosate)(グリホサート-トリメシウム(glyphosate-trimesium))、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、SW-065、SYN-523、SYP-249、すなわち1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブタ-3-エン-2-イル5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート、SYP-300、すなわち1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロパ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、テブタム(tebutam)、テブチウロン(tebuthiuron)、テクナゼン(tecnazene)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、ターバシル(terbacil)、テルブカルブ(terbucarb)、テルブクロール(terbuchlor)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryne)、テニルクロール(thenylchlor)、チアフルアミド(thiafluamide)、チアザフルロン(thiazafluron)、チアゾピル(thiazopyr)、チジアジミン(thidiazimin)、チジアズロン(thidiazuron)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チオカルバジル(tiocarbazil)、トプラメゾン(topramezone)、トラルコキシジム (tralkoxydim)、トリアファモン(triafamone)、トリアレート(triallate)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリアジフラム(triaziflam)、トリアゾフェナミド(triazofenamide)、トリベニュロン(tribenuron)、トリベニュロンメチル(tribenuron-methyl)、トリブホス(tribufos)、トリクロロ酢酸(trichloroacetic acid (TCA))、トリクロピル(triclopyr)、トリディファン(tridiphane)、トリエタジン(trietazine)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフロキシスルフロンナトリウム(trifloxysulfuron-sodium)、トリフルラリン(trifluralin)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリメツロン(trimeturon)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、トシトデフ(tsitodef)、バーノレート(vernolate)、ZJ-0862、すなわち3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリン、および以下の化合物:
植物成長調整剤は、好ましくは、生理学的反応、例えば成長、開花リズム、細胞分裂および種子の成熟を制御する植物ホルモンである。植物成長調整剤の例には、天然および合成植物ホルモン、例えば、ベンジルアデニン、カプリル酸、デカノール、インドール酢酸、ジャスモン酸およびそれらのエステル、サリチル酸およびそれらのエステル、トリネキサパックおよびそのエステル、例えばトリネキサパック-エチル、ウニコナゾール、ウニコナゾールP、ジベレリン酸、トリアコンタノール、キネチンおよびブラシノステロイド類が含まれる。さらに好ましいのは、アブシジン酸の誘導体、特にグルコースエステル類、ならびにアブシジン酸のo-グルコシドである。
【0090】
殺真菌剤の例には、以下が含まれる:
【0091】
(1)エルゴステロール生合成の阻害剤、例えばアルジモルフ、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、エポキシコナゾール、エタコナゾール(etaconazole)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルプリミドール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール-シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン(naftifin)、ヌアリモール、オキスポコナゾール、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ピペラリン(piperalin)、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、キンコナゾール、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テルビナフィン(terbinafine)、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ビニコナゾール(viniconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)、1-(4-クロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘプタノール、メチル1-(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシレート、N’-{5-(ジフルオロメチル)-2-メチル-4-[3-(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、N-エチル-N-メチル-N’-{2-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミドおよびO-[1-(4-メトキシフェノキシ)-3,3-ジメチルブタン-2-イル]-1H-イミダゾール-1-カルボチオエート。
【0092】
(2)呼吸の阻害剤(呼吸鎖阻害剤)、例えば、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、ジフルメトリム、フェンフラム、フルオピラム、フルトラニル、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル、フルメシクロックス、イソピラザム(シンエピマー(synepimeric)ラセミ体1RS,4SR,9RSとアンチエピマー(antiepimeric)ラセミ体1RS,4SR,9SRとの混合物)、イソピラザム(アンチエピマーラセミ体)、イソピラザム(アンチエピマーエナンチオマー1R,4S,9S)、イソピラザム(アンチエピマーエナンチオマー1S,4R,9R)、イソピラザム(シンエピマーラセミ体1RS,4SR,9RS)、イソピラザム(シンエピマーエナンチオマー1R,4S,9R)、イソピラザム(シンエピマーエナンチオマー1S,4R,9S)、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、チフルザミド、1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4-フルオロ-2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[1-(2,4-ジクロロフェニル)-1-メトキシプロパン-2-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5,8-ジフルオロ-N-[2-(2-フルオロ-4-{[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}フェニル)エチル]キナゾリン-4-アミン、N-[9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[(1S,4R)-9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドおよびN-[(1R,4S)-9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド。
【0093】
(3)呼吸鎖の複合体IIIに作用する呼吸阻害剤(呼吸鎖阻害剤)、例えば、アメトクラジン(ametoctradin)、アミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、クメトキシストロビン(coumethoxystrobin)、クモキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン(enestroburin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フェノキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリベンカルブ、トリクロピリカルブ、トリフロキシストロビン、(2E)-2-(2-{[6-(3-クロロ-2-メチルフェノキシ)-5-フルオロピリミジン-4-イル]オキシ}フェニル)-2-(メトキシイミノ)-N-メチルエタンアミド、(2E)-2-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-(2-{[({(1E)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)エタンアミド、(2E)-2-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-{2-[(E)-({1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}イミノ)メチル]フェニル}エタンアミド、(2E)-2-{2-[({[(1E)-1-(3-{[(E)-1-フルオロ-2-フェニルエテニル]オキシ}フェニル)エチリデン]-アミノ}オキシ)メチル]フェニル}-2-(メトキシイミノ)-N-メチルエタンアミド、(2E)-2-{2-[({[(2E,3E)-4-(2,6-ジクロロフェニル)ブタ-3-エン-2-イリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}-2-(メトキシイミノ)-N-メチルエタンアミド、2-クロロ-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)ピリジン-3-カルボキサミド、5-メトキシ-2-メチル-4-(2-{[({(1E)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン、メチル (2E)-2-{2-[({シクロプロピル[(4-メトキシフェニル)イミノ]メチル}スルファニル)メチル]フェニル}-3-メトキシプロパ-2-エノエート、N-(3-エチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)-3-(ホルミルアミノ)-2-ヒドロキシベンズアミド、2-{2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル}-2-メトキシ-N-メチルアセトアミドおよび(2R)-2-{2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル}-2-メトキシ-N-メチルアセトアミド。
【0094】
(4)有糸分裂および細胞分裂阻害剤、例えばベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フルオピコリド、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネートメチル、チオファネート、ゾキサミド、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび3-クロロ-5-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-ピリダジン。
【0095】
(5)多部位活性を有する化合物、例えば、ボルドー混合物(Bordeaux mixture)、キャプタホール、キャプタン、クロロタロニル、銅調製物、例えば水酸化銅、ナフテン酸銅、酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、フルオロホルペット、ホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシレート、イミノクタジントリアセテート、マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンネブ、メチラム(metiram)、メチラム亜鉛(metiram zinc)、オキシン-銅、プロパミジン(propamidine)、プロピネブ、硫黄および硫黄調製物、例えばポリ硫化カルシウム、チラム(thiram)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、ジネブおよびジラム。
【0096】
(6)耐性誘導体、例えば、アシベンゾラルS-メチル、イソチアニル、プロベナゾールおよびチアジニル。
【0097】
(7)アミノ酸およびタンパク質生合成阻害剤、例えば、アンドプリム(andoprim)、ブラストサイジン(blasticidin)-S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシンヒドロクロリド水和物、メパニピリム、ピリメタニルおよび3-(5-フルオロ-3,3,4,4-テトラメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1-イル)キノリン。
【0098】
(8)ATP産生の阻害剤、例えば、酢酸フェンチン(fentin acetate)、塩化フェンチン(fentin chloride)、水酸化フェンチン(fentin hydroxide)およびシルチオファム。
【0099】
(9)細胞壁合成阻害剤、例えば、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、ポリオキシンス(polyoxins)、ポリオキソリム、バリダマイシン(validamycin)Aおよびバリフェナレート。
【0100】
(10)脂質および膜合成阻害剤、例えば、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン(dicloran)、エジフェンホス、エトリジアゾール、ヨードカルブ(iodocarb)、イプロベンホス、イソプロチオラン、プロパモカルブ、プロパモカルブヒドロクロリド、プロチオカルブ、ピラゾホス、キントゼン、テクナゼンおよびトルクロホスメチル。
【0101】
(11)メラニン生合成阻害剤、例えば、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド(fthalide)、ピロキロン、トリシクラゾールおよび2,2,2-トリフルオロエチル{3-メチル-1-[(4-メチルベンゾイル)アミノ]ブタン-2-イル}カーバメート。
【0102】
(12)核酸合成阻害剤、例えば、ベナラキシル、ベナラキシルM(キララキシル)、ブピリメート、クロジルアコン(clozylacon)、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル、メタラキシルM(メフェノキサム)、オフラセ、オキサジキシルおよびオキソリン酸。
【0103】
(13)シグナル伝達阻害剤、例えば、クロゾリネート(chlozolinate)、フェンピクロニル、フルジオキソニル、イプロジオン、プロシミドン、キノキシフェンおよびビンクロゾリン。
【0104】
(14)脱共役剤、例えば、ビナパクリル、ジノカップ、フェリムゾン、フルアジナムおよびメプチルジノカップ。
【0105】
(15)さらに別の化合物、例えば、ベンチアゾール(benthiazolel)、ベトキサジン(bethoxazin)、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオナート、ピリオフェノン(クラザフェノン(chlazafenone))、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロスルファミド、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジクロメジン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチルスルフェート、ジフェニルアミン、エコメート(ecomat)、フェンピラザミン、フルメトベル、フルオロミド(fluoromide)、フルスルファミド、フルチアニル、ホセチル-アルミニウム、ホセチル-カルシウム、ホセチル-ナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、イルママイシン(irumamycin)、メタスルホカルブ、メチルイソチオシアネート、メトラフェノン、ミルジオマイシン(mildiomycin)、ナタマイシン(natamycin)、ニッケルジメチルジチオカーバメート、ニトロタール-イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノールおよびそれらの塩、フェノトリン、リン酸およびそれらの塩、プロパモカルブ-ホセチレート、プロパノシン-ナトリウム(propanosine-sodium)、プロキナジド、ピリモルフ(pyrimorph)、(2E)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(2-クロロピリジン-4-イル)-1-(モルホリン-4-イル)プロパ-2-エン-1-オン、(2Z)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(2-クロロピリジン-4-イル)-1-(モルホリン-4-イル)プロパ-2-エン-1-オン、ピロールニトリン(pyrrolnitrin)、テブフロキン、テクロフタラム、トルニファニド(tolnifanid)、トリアゾキシド、トリクラミド、ザリラミド、(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[({3-[(イソブチリルオキシ)メトキシ)-4-メトキシピリジン-2-イル]カルボニル}アミノ)-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート、1-(4-{4-[(5R)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、1-(4-{4-[(5S)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、1-(4-{4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、1-(4-メトキシフェノキシ)-3,3-ジメチルブタン-2-イル 1H-イミダゾール-1-カルボキシレート、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジン、2,3-ジブチル-6-クロロチエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトロン、2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-(4-{4-[(5R)-5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)エタノン、2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-(4-{4-[(5S)-5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)エタノン、2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-{4-[4-(5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エタノン、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピル-4H-クロメン-4-オン、2-クロロ-5-[2-クロロ-1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-4-メチル-1H-イミダゾール-5-イル]ピリジン、2-フェニルフェノールおよびそれらの塩、3-(4,4,5-トリフルオロ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1-イル)キノリン、3,4,5-トリクロロピリジン-2,6-ジカルボニトリル、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン、3-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチルピリダジン、4-(4-クロロフェニル)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-3,6-ジメチルピリダジン、5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール、5-クロロ-N’-フェニル-N’-(プロパ-2-イン-1-イル)チオフェン-2-スルホノヒドラジド、5-フルオロ-2-[(4-フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン-4-アミン、5-フルオロ-2-[(4-メチルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-アミン、5-メチル-6-オクチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン、エチル-(2Z)-3-アミノ-2-シアノ-3-フェニルプロパ-2-エノエート、N’-(4-{[3-(4-クロロベンジル)-1,2,4-チアジアゾール-5-イル]オキシ}-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、N-(4-クロロベンジル)-3-[3-メトキシ-4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N-[(4-クロロフェニル)(シアノ)メチル]-3-[3-メトキシ-4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N-[(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2,4-ジクロロピリジン-3-カルボキサミド、N-[1-(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)エチル]-2,4-ジクロロピリジン-3-カルボキサミド、N-[1-(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)エチル]-2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-カルボキサミド、N-{(E)-[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチル}-2-フェニルアセトアミド、N-{(Z)-[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチル}-2-フェニルアセトアミド、N’-{4-[(3-tert-ブチル-4-シアノ-1,2-チアゾール-5-イル)オキシ]-2-クロロ-5-メチルフェニル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、N-メチル-2-(1-{[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-N-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)-1,3-チアゾール-4-カルボキサミド、N-メチル-2-(1-{[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-N-[(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル]-1,3-チアゾール-4-カルボキサミド、N-メチル-2-(1-{[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-N-[(1S)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル]-1,3-チアゾール-4-カルボキサミド、ペンチル-{6-[({[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチリデン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル}カーバメート、フェナジン-1-カルボン酸、キノリン-8-オール、キノリン-8-オールスルフェート(2:1)およびtert-ブチル{6-[({[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル]カーバメート。
【0106】
(16)さらに別の化合物、例えば、1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-N-[2’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-2-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(4’-クロロビフェニル-2-イル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2’,4’-ジクロロビフェニル-2-イル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-2-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2’,5’-ジフルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[4’-(プロパ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5-フルオロ-1,3-ジメチル-N-[4’-(プロパ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-クロロ-N-[4’-(プロパ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]ピリジン-3-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4’-(3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[4’-(3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(4’-エチニルビフェニル-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(4’-エチニルビフェニル-2-イル)-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-クロロ-N-(4’-エチニルビフェニル-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド、2-クロロ-N-[4’-(3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]ピリジン-3-カルボキサミド、4-(ジフルオロメチル)-2-メチル-N-[4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-2-イル]-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド、5-フルオロ-N-[4’-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-クロロ-N-[4’-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]ピリジン-3-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4’-(3-メトキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5-フルオロ-N-[4’-(3-メトキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-クロロ-N-[4’-(3-メトキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]ピリジン-3-カルボキサミド、(5-ブロモ-2-メトキシ-4-メチルピリジン-3-イル)(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルフェニル)メタノン、N-[2-(4-{[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イン-1-イル]オキシ}-3-メトキシフェニル)エチル]-N2-(メチルスルホニル)バリンアミド、4-オキソ-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]ブタン酸およびブタ-3-イン-1-イル{6-[({[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル}カーバメート。
【0107】
殺細菌剤の例には以下が含まれる:
ブロノポール(bronopol)、ジクロロフェン、ニトラピリン、ニッケルジメチルジチオカーバメート、カスガマイシン(kasugamycin)、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール(probenazole)、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅および他の銅調製物。
【0108】
殺虫剤、殺ダニ剤および殺線虫剤の例には以下が含まれる:
【0109】
(1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤、例えば、カーバメート類(carbamates)、例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMCおよびキシリルカルブ;または有機ホスフェート、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホスエチル、アジンホスメチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール(famphur)、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、イソプロピルO-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチレート、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレッド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホンおよびバミドチオン。
【0110】
(2)GABA作動性クロライドチャネルアンタゴニスト、例えば、環状ジエン有機塩素、例えばクロルダン(chlordane)およびエンドスルファン;またはフェニルピラゾール(fiproles(フィプロール))、例えばエチプロールおよびフィプロニル。
【0111】
(3)ナトリウムチャネルモジュレータ/電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー、例えば、ピレスロイド類(pyrethroids)、例えば、アクリナトリン、アレスリン、d-シス-トランスアレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレトリン(bioallethrin)、ビオアレトリンs-シクロペンテニル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン(flumethrin)、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデスリン(kadethrin)、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレトリン(pyrethrins)(除虫菊(pyrethrum))、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)異性体)]、トラロメトリンおよびトランスフルトリン;またはDDT;またはメトキシクロル。
【0112】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト、例えば、ネオニコチノイド類(neonicotinoids)、例えばアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリドおよびチアメトキサム;またはニコチン。
【0113】
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のアロステリックアクチベーター、例えば、スピノシン類(spinosyns)、例えばスピネトラムおよびスピノサド。
【0114】
(6)クロライドチャネルアクチベーター、例えば、アベルメクチン類(avermectins)/ミルベマイシン類(milbemycins)、例えばアバメクチン、エマメクチンベンゾエート、レピメクチンおよびミルベメクチン。
【0115】
(7)幼若ホルモン模倣体、例えば、幼若ホルモン類似体、例えばヒドロプレン、キノプレンおよびメトプレン;またはフェノキシカルブ;またはピリプロキシフェン。
【0116】
(8)未知のまたは非特異的な作用メカニズムを有する活性成分、例えば、ハロゲン化アルキル、例えば臭化メチルおよびその他のハロゲン化アルキル;またはクロロピクリン;またはフッ化スルフリル;またはホウ砂;または吐酒石。
【0117】
(9)選択的摂食阻害剤、例えば、ピメトロジン;またはフロニカミド。
【0118】
(10)ダニ類成長阻害剤、例えば、クロフェンテジン(clofentezine)、ヘキシチアゾクスおよびジフロビダジン;またはエトキサゾール。
【0119】
(11)昆虫中腸内膜の微生物撹乱剤(Microbial disruptors of the insect gut membrane)、例えば、バチルス・チューリンゲンシス・亜種・イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subspecies israelensis)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バチルス・チューリンゲンシス・亜種・アイザワイ(Bacillus thuringiensis subspecies aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス・亜種・クルスタキ(Bacillus thuringiensis subspecies kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス・亜種・テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subspecies tenebrionis)およびBT植物性タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry2Ab、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34/35Ab1。
【0120】
(12)酸化的リン酸化阻害剤、ATP分裂剤(ATP disruptors)、例えばジアフェンチウロン;または有機スズ化合物、例えば、アゾシクロチン、シヘキサチンおよび酸化フェンブタチン;またはプロパルギット;またはテトラジホン。
【0121】
(13)Hプロトン勾配を遮断する酸化的リン酸化の脱共役剤、例えばクロルフェナピル、DNOCおよびスルフルラミド。
【0122】
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト、例えばベンスルタップ、カルタップヒドロクロリド、チオシクラムおよびチオスルタップナトリウム。
【0123】
(15)キチン生合成阻害剤、タイプ0、例えばビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロン。
【0124】
(16)キチン生合成阻害剤、タイプ1、例えばブプロフェジン。
【0125】
(17)脱皮妨害剤(Molting disruptors)、双翅目、例えばシロマジン。
【0126】
(18)エクジソン受容体アゴニスト、例えばクロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジド。
【0127】
(19)オクトパミン作動性(Octopaminergic)アゴニスト、例えばアミトラズ。
【0128】
(20)複合体III電子伝達阻害剤、例えば、ヒドラメチルノン;またはアセキノシル;またはフルアクリピリム。
【0129】
(21)複合体I電子伝達阻害剤、例えば、METI殺ダニ剤、例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラドおよびトルフェンピラド;またはロテノン(rotenone)(Derris(デリス))。
【0130】
(22)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー、例えば、インドキサカルブ;またはメタフルミゾン。
【0131】
(23)アセチル-CoA-カルボキシラーゼの阻害剤、例えばテトロン酸誘導体およびテトラミン酸誘導体、例えばスピロジクロフェン、スピロメシフェンおよびスピロテトラマト。
【0132】
(24)複合体IV電子伝達阻害剤、例えばホスフィン類、例えばリン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィンおよびリン化亜鉛;またはシアン化物。
【0133】
(25)複合体II電子伝達阻害剤、例えば、シエノピラフェン。
【0134】
(26)リアノジン受容体エフェクター、例えばジアミド、例えばクロラントラニリプロールおよびフルベンジアミド。
【0135】
未知の作用メカニズムを有するさらに別の活性成分、例えばアミドフルメト、アザジラクチン(azadirachtin)、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、キノメチオネート、クリオライト(cryolite)、シアントラニリプロール(シアジピル(Cyazypyr))、シフルメトフェン、ジコフォル(dicofol)、ジフロビダジン、フルエンスルホン、フルフェネリム、フルフィプロール、フルオピラム、フフェノジド(fufenozide)、イミダクロチズ(imidaclothiz)、イプロジオン、ピリダリル、ピリフルキナゾンおよびヨードメタン;およびさらに、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)(I-1582、BioNeem、Votivo)に基づく調製物。
【0136】
生物的防除剤は当業者に公知であり、例えば、「The Manual of Biocontrol Agents, 5th edition, editor: Dr. Roma Gwynn, BCPC 2014」に記載されている。
【0137】
忌避剤の例には、ジエチルトリルアミド、エチルヘキサンジオールおよびブトピロノキシルが含まれる。
【0138】
植物栄養素の例には、植物に多量-および/または微量養素を供給するための通例の無機または有機肥料、例えばアンモニウム-、カリウム-またはリン含有肥料が含まれる。
【0139】
一実施態様では、本発明の組成物は、さらに別の製剤助剤(d)も、追加の活性成分(e)も含まない(0%)。
【0140】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の製剤助剤(d)および/または1種または複数の追加の活性成分(e)を含む。
【0141】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の製剤助剤(d)を含み、追加の活性成分(e)を含まない。
【0142】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の製剤助剤(d)および1種または複数の追加の活性成分(e)を含む。
【0143】
さらなる実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも0.1重量%の1種または複数の追加の活性成分(e)を含み、製剤助剤(d)を含まない。
【0144】
本発明の組成物は、当業者に公知の通例の方法によって、例えば成分a)、b)、任意選択的にc)、d)、および任意選択的にe)の混合によって、製造することができる。
【0145】
本発明による散布液は、上記の農業用化学物質組成物、および1種または複数の溶媒、好ましくは水を含む。それは、好ましくは本発明の組成物から、好ましくは本発明の組成物を1種または複数の溶媒で希釈することにより、製造される。
【0146】
好ましくは、前記散布液は、散布液の重量を基準として、0.001~20重量%、より好ましくは0.002~1重量%、最も好ましくは0.005~0.2重量%の前記農業用化学物質組成物を含む。
【0147】
好ましい実施態様において、前記散布液は以下を含む:
a)0.0001~10重量%、好ましくは0.0002~0.5重量%、最も好ましくは0.0005~0.1重量%の、アブシジン酸、好ましくは(S)-(+)-アブシジン酸;最も好ましくは(S)-(+)-アブシジン酸とN-ブチルピロリドンとの溶媒和物、
b)0.0001~10重量%、好ましくは0.0002~1.1重量%、最も好ましくは0.0005~0.2重量%の上記で定義される式(I)の1種または複数のN-置換ピロリドン;
c)任意選択的に、最大で10重量%、好ましくは0.0001~1重量%、より好ましくは0.001~0.1重量%の1種または複数の共溶媒;および
d)任意選択的に、最大で10重量%、好ましくは0.0001~1重量%、より好ましくは0.001~0.1重量%の1種または複数の製剤助剤;および
e)任意選択的に、最大で10重量%、好ましくは0.0001~1重量%、より好ましくは0.001~0.1重量%の1種または複数の追加の活性成分。
【0148】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の散布液は、a)~e)および溶媒からなり、すなわち成分a)~e)および溶媒のパーセント値は合計100%となる。
【0149】
本発明の農業用化学物質組成物および本発明の散布液は、植物の発育の任意の段階におけるそれらの処理のために使用され得る。本発明の農業用化学物質組成物または散布液によって有利に処理され得る例示的な植物は、小麦および米を含む穀類、C4植物トウモロコシ、サトウキビおよびモロコシ、タバコ、コーヒー、ワタ、ブドウ、柑橘類果実、リンゴ、トマト、ピーナッツであり得る。リンゴおよび他のナシ状果などの全てのクリマクテリック型果実、モモおよび他の核果、アボカド、バナナ、イチジク、マンゴー、パパイヤ、トマト、およびキャベツなどの野菜、アリウム種、トウガラシ、ナス、キュウリおよび他のウリ科、アスパラガス、ダイズ等。別の用途は、熟成を促進するために、例えばストロビルリン群またはカルボキサミド類の殺真菌剤の緑化効果を補正することである。
【0150】
さらに、本発明の農業用化学物質組成物または散布液は、例えば、植物の成長および/または植物の発育を調節するために、植物のストレス耐性を改善するか、または植物のストレスを管理する生理学的プロセスを開始もしくは当該プロセスに影響を及ぼすために、植物の開花期を調節するために、および作物の収量および品質特性(作物の同化産物含有量または色など)を改善するために、使用され得る。
【0151】
本発明の農業用化学物質組成物および本発明の散布液はまた、種子発芽を遅らせるため、およびトウモロコシ、ダイズ、モロコシ、サトウキビ、キャノーラ、ならびにオオムギ、コムギおよびライムギなどの春穀物の不都合な発芽を回避するための種子処理のために使用され得る。
【0152】
さらに、本発明の溶媒和物は、アブシジン酸と植物との相互作用を促進するために使用することができる。
【0153】
本発明を以下の例によってさらに説明するが、これに限定されるものではない。
【実施例
【0154】
例:
以下に述べるパーセントは特に明記しない限り、重量パーセント(重量%)である。
【0155】
使用した原材料は以下の通りである:
【0156】
アブシジン酸
(S)-(+)-アブシジン酸(純度90重量%), JiangXi New Reyphon Biochemical Co., LTD
【0157】
Genagen NBP
N-ブチルピロリドン 溶媒, Clariant
【0158】
Genagen PA
ノナノイルジメチルアミド 溶媒, Clariant
【0159】
Emulsogen EL 360
ヒマシ油エトキシレート 分散剤/乳化剤, Clariant
【0160】
Tivogen DR3401
20%NBPを含むポリグリセリンエステル 分散剤/乳化剤, Clariant
【0161】
Synergen 848
n-ブチルEO/POコポリマー 乳化剤/湿潤剤, Clariant
【0162】
mPEG ester
脂肪酸mPEGエステル/湿潤剤, Clariant
【0163】
プロピオン酸
プロピオン酸 酸性化剤, Sigma Aldrich
【0164】
Emulsogen MTP030
植物性脂肪アルコールアルコキシレート, 乳化剤/分散剤/アジュバント, Clariant
【0165】
Synergen KN
アジュバントブレンド, アジュバント, Clariant
【0166】
LMF 1002
NongBao S-ABA 0.1% SL 市販製剤 Sichuan Lomon Bio Technology CO.LTD
【0167】
LMF 1009
FuShiGuang S-ABA 10% 市販製剤 Sichuan Lomon Bio Technology CO.LTD
【0168】
例1:溶媒との相関におけるアブシジン酸の物理的状態
この試験では、溶媒との相関におけるアブシジン酸の物理的状態の改変を、偏光有りおよび無しで顕微鏡で観察した(POLAM)。
【0169】
以下の溶液1)~6)を調製する:
溶液1:N-ブチルピロリドンにおける5%アブシジン酸
溶液2:N-メチルピロリドンにおける5%アブシジン酸
溶液3:N-ブチルピロリドン/脱イオン水(9:1)における5%アブシジン酸
溶液4:N-メチルピロリドン/脱イオン水(9:1)における5%アブシジン酸
溶液5:N-ブチルピロリドン/水道水(9:1)における5%アブシジン酸
溶液6:N-メチルピロリドン/水道水(9:1)における5%アブシジン酸
【0170】
それぞれの場合において、上記1)~6)に記載の溶液1μlをシラン化ガラス上に施与した。溶液をスライド上に約25℃の室温および20~50%相対湿度で24時間静置させ、乾燥を行った。スライドを調べ、偏光フィルタ有りおよび無しで、倍率400xで液滴の元々の端A)と中心B)の写真を撮影した。結果を図1(NMP)および図2(NBP)に示す。
【0171】
N-ブチルピロリドンを含有する溶液(溶液1)3)5))では、活性化合物アブシジン酸はなおも溶媒和形態で存在する(図2参照)のとは対照的に、N-メチルピロリドンを含有する溶液(溶液2)4)6))からの活性化合物アブシジン酸は結晶化し(図1参照)、散布堆積物からの取り込みのために利用可能な形態ではもはや存在しなかったことが見出された。活性化合物アブシジン酸のこの溶媒和物は、植物への取り込みのための散布堆積物中のこれらの活性成分の可溶化およびアベイラビリティーを改善するのに役立つ。
【0172】
例2:高負荷アブシジン酸製剤の調製
表1に示すアブシジン酸製剤A1~A7を、種々の成分を混合することによって製造した。次いで、貯蔵安定性および相挙動を決定するために、調製物を-10℃、40℃、25℃(室温)で8週間、および54℃で2週間貯蔵する。
【0173】
【表1】
【0174】
製剤A3対A4およびA5対A6の比較は、NBPを含む製剤がNMPを含む他の点では同一の製剤よりも顕著に安定であることを示す。
【0175】
例3:浸透増強
この試験では、セイヨウナシの木の葉の酵素的に単離されたクチクラを通るアブシジン酸の浸透を測定した。方法の原理は例えば、WO-A-2005/194844またはWO2017211572 A1に公開され、詳細に記載されている。
【0176】
浸透を決定するために、例に記載の組成物の散布液体10μlを、クチクラの外側に施用した。散布液体において、各場合に水道水を使用した。
【0177】
散布液体の施用後、それぞれの場合において水を蒸発させ、次いでそれぞれの場合において、チャンバーを反転させ、恒温槽に入れ、空気を規定の温度および湿度でクチクラの外側に吹き付けた。従って、初期の浸透は、56%の相対湿度および10℃および25℃の設定温度で行われた。活性成分の浸透は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定した。
【0178】
表は、本発明のアブシジン酸製剤からの活性成分の取り込みが、活性成分単独と比較して強く増加し、試験した市販のベンチマーク製剤と比較して増加することを示す。
【0179】
クチクラ浸透を通した取り込みは生物学的活性にとって重要であるため、当該分野における本発明の組成物の優れた性能が予期される。
【0180】
【表2】
【0181】
例4:植物毒性
アブシジン酸の植物適合性を、インジケーター植物、例えばポインセチア植物、例えばメルロー種を用いてチェックした。いずれの場合でも壊死または他の植物毒性症状(例えば、葉のカールアップまたは変形)が観察されなかった場合、当該物質は植物適合性であり、植物毒性ではないと考えられる。
【0182】
本発明の組成物は、0.1g/L活性成分という適切な使用濃度で植物毒性症状を示さなかった。試験した参照物質(1g/Lのエトキシル化ラウリルアルコール)は、1日以内に強い明確な壊死を引き起こした。
【0183】
例5:示差走査型熱量測定分析(DSC)
アブシジン酸の結晶学的形態の差異を決定するために、DSCを、A)N-ブチルピロリドン溶液における40%アブシジン酸;B)N-メチルピロリドン溶液における40%アブシジン酸、C)アブシジン酸の活性成分(90%純度)の堆積物によって行った。
【0184】
堆積のために、40%アブシジン酸溶液を重量が一定になるまで乾燥させた。その後、サンプルを試験収着等温線において使用した。3~30%rhからの重量変化がなかったので、これらのサンプルを、アブシジン酸活性物質(New Reyphon 90%/収着等温線実験からも採取)と比較してDSC測定に使用した。
【0185】
【表3】
【0186】
さらに、同一のサンプルを用いてTGAを行った。
【0187】
例6:熱重量分析(TGA)
NMPおよびNBPにおけるアブシジン酸の堆積物の長期乾燥および蒸発後、TGAにおいて顕著な分析上の差異が観察された。
【0188】
NBPにおけるアブシジン酸の堆積物は、DTG曲線において2つの別個のピークを示すが、アブシジン酸の堆積物は約268℃に1つのピークだけを示す。NMPにおけるアブシジン酸の堆積物は、時折、約262℃~268℃におけるピークの前に小さな第2のピークを示し、これは3回の測定全てにおいて見られる。
【0189】
【表4】
【0190】
例7:水溶液における析出
水溶液中で溶媒和物を析出させるために、A)40%アブシジン酸のN-ブチルピロリドン溶液、およびB)N-メチルピロリドンにおける40%アブシジン酸を、脱イオン水に、1:1および1:2の比で混合することによって、サンプルを調製した。析出物を分離するために、サンプルを短時間(分)、遠心分離した。
【0191】
顕著な相違がサンプル間で観察された。N-メチルピロリドン溶液中の40%アブシジン酸において調製したサンプルは激しく結晶化したが、N-ブチルピロリドン溶液中の40%アブシジン酸を用いたサンプルは2つの液相を形成した。これらの液相は、水溶液を5℃に冷却し、結晶化を引き起こすために接種を試みても、安定なままである。
【図面の簡単な説明】
【0192】
図1
図2
【国際調査報告】