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特表2023-501756心外膜アブレーション用の可撓性シャフトを備えた器具ポート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(54)【発明の名称】心外膜アブレーション用の可撓性シャフトを備えた器具ポート
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/092 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A61M25/092 500
A61M25/092 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528982
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020061078
(87)【国際公開番号】W WO2021102014
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/936,736
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/076,075
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522194360
【氏名又は名称】サーカ サイエンティフィック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CIRCA SCIENTIFIC,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】マーチャンド、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】オキーフ、ジョナサン ビー.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267BB02
4C267BB07
4C267CC19
(57)【要約】
器具ポートは、長尺シャフト、可撓性シャフト、操縦可能な先端、ハンドル、および作業チューブを含む。長尺シャフトは、シャフト軸に沿って延在する。可撓性シャフトは、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられており、可撓性シャフトは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する枢動軸によって画定された枢動平面内でのみ曲がるように構成されている。操縦可能な先端は、シャフトの遠位端部に取り付けられており、操縦可能な先端は、先端軸に沿って延在する。ハンドルは、長尺シャフトの近位端部に取り付けられており、ハンドルは、可撓性シャフトと機械的に連通して、シャフト軸と先端軸との間で測定される操縦可能な先端のカスタマイズ可能な角度を調整するレバーを含む。作業チューブは、長尺シャフトおよび可撓性シャフトに配設されている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具ポートであって、
近位端部および遠位端部を有し、シャフト軸に沿って延在する長尺シャフトと、
前記長尺シャフトの前記遠位端部に取り付けられた可撓性シャフトであって、前記可撓性シャフトが、前記シャフト軸および前記シャフト軸に直交する枢動軸によって画定された枢動平面内でのみ曲がるように構成されている、可撓性シャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、前記操縦可能な先端が、先端軸に沿って延在する、操縦可能な先端と、
前記長尺シャフトの前記近位端部に取り付けられたハンドルであって、前記ハンドルが、前記可撓性シャフトと機械的に連通して前記操縦可能な先端のカスタマイズ可能な角度を調整するレバーを含み、前記カスタマイズ可能な角度が、前記シャフト軸と前記先端軸との間で測定される、ハンドルと、
前記長尺シャフトおよび可撓性シャフトに配設された作業チューブであって、前記作業チューブが、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える、器具ポート。
【請求項2】
曲げられていない状態で、
前記可撓性シャフトが、前記シャフト軸に沿って延在し、
前記可撓性シャフトが、
前記シャフト軸に沿って同心円状に配設された複数の機械的リングであって、前記複数の機械的リングが、隣接する機械的リング対を含み、
各隣接する機械的リング対が、機械的リンクの対によって機械的に結合されており、それぞれの第3の軸が、機械的リンクの各対を通過し、前記それぞれの第3の軸が、前記シャフトおよび枢動軸に直交する、請求項1に記載の器具ポート。
【請求項3】
前記機械的リンクの対が、前記可撓性シャフトの曲げ方向を前記枢動平面に制限する、請求項2に記載の器具ポート。
【請求項4】
前記レバーが、前記可撓性シャフトの遠位端部まで延在するワイヤに機械的に結合されており、前記ワイヤが、前記可撓性シャフトの内表面に取り付けられており、前記枢動軸が、前記内表面を通過する、請求項1に記載の器具ポート。
【請求項5】
前記レバーが、前記可撓性シャフトの前記遠位端部まで延在するワイヤロープに機械的に結合されており、前記ワイヤロープが、前記ワイヤを備える、請求項4に記載の器具ポート。
【請求項6】
前記レバーが、前記ハンドルに配設された主軸に機械的に結合されている、請求項4に記載の器具ポート。
【請求項7】
前記ワイヤが、前記主軸に取り付けられており、
前記レバーを引くことが、前記主軸を回転させて、前記ワイヤを前記長尺シャフトの前記近位端部に向けて引っ張り、それによって、前記可撓性シャフトを第1の方向に曲がらせる、請求項6に記載の器具ポート。
【請求項8】
前記ハンドルが、前記主軸に抗して力を加えて、前記可撓性シャフトの前記カスタマイズ可能な角度を設定する機械的ロックを含む、請求項7に記載の器具ポート。
【請求項9】
前記カスタマイズ可能な角度が、0°~90°の範囲内にあり、
前記可撓性シャフトが曲げられていない状態にある場合、
前記可撓性シャフトが、前記シャフト軸に沿って延在し、
前記カスタマイズ可能な角度が、0°である、請求項1に記載の器具ポート。
【請求項10】
前記長尺シャフトの前記遠位端部に取り付けられたオフセットバルーンをさらに備える、請求項1に記載の器具ポート。
【請求項11】
前記長尺シャフトが、可撓性であり、
前記長尺シャフトが、屈曲状態および非屈曲状態を有し、
前記非屈曲状態において、前記長尺シャフトが、前記シャフト軸に沿って延在する、請求項1に記載の器具ポート。
【請求項12】
前記カスタマイズ可能な角度が調整されると、前記長尺シャフトが、前記非屈曲状態に留まる、請求項11に記載の器具ポート。
【請求項13】
前記カスタマイズ可能な角度が調整されると、前記長尺シャフトが、前記屈曲状態に留まり、前記長尺シャフトが、前記カスタマイズ可能な角度が調整される間、同じ屈曲位置を有する、請求項11に記載の器具ポート。
【請求項14】
器具ポートであって、
近位端部および遠位端部を有し、シャフト軸に沿って延在する長尺シャフトと、
前記長尺シャフトの前記遠位端部に取り付けられた可撓性シャフトであって、前記可撓性シャフトが、前記シャフト軸および前記シャフト軸に直交する枢動軸によって画定された枢動平面内でのみ曲がるように構成されている、可撓性シャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、前記操縦可能な先端が、先端軸に沿って延在する、操縦可能な先端と、
前記長尺シャフトの前記近位端部に取り付けられたハンドルであって、前記ハンドルが、
前記可撓性シャフトの第1の側に取り付けられた端部を有する第1のワイヤに機械的に結合された第1のレバーであって、前記第1のレバーが、前記第1のワイヤを引っ張って、前記可撓性シャフトを前記枢動平面内の第1の方向に偏向させるように構成されている、第1のレバーと、
前記可撓性シャフトの第2の側に取り付けられた端部を有する第2のワイヤに機械的に結合された第2のレバーであって、前記第2のレバーが、前記第2のワイヤを引っ張って、前記可撓性シャフトを、前記第1の方向と反対である第2の方向に偏向させるように構成されており、前記第2の方向が、前記枢動平面内にある、第2のレバーと、を有するハンドルと、
前記長尺シャフトおよび可撓性シャフトに配設された作業チューブであって、前記作業チューブが、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える、器具ポート。
【請求項15】
曲げられていない状態で、
前記可撓性シャフトが、前記シャフト軸に沿って延在し、
前記可撓性シャフトが、
前記シャフト軸に沿って同心円状に配設された複数の機械的リングであって、前記複数の機械的リングが、隣接する機械的リング対を含み、
各隣接する機械的リング対が、機械的リンクの対によって機械的に結合されており、それぞれの第3の軸が、機械的リンクの各対を通過し、前記それぞれの第3の軸が、前記シャフトおよび枢動軸に直交する、請求項14に記載の器具ポート。
【請求項16】
前記機械的リンクの対が、前記可撓性シャフトの曲げ方向を前記枢動平面に制限する、請求項15に記載の器具ポート。
【請求項17】
前記可撓性シャフトの前記第1および第2の側が、前記可撓性シャフトの遠位端部に配設された内表面を含み、
前記枢動軸が、前記第1および第2の側の前記内表面を通過する、請求項14に記載の器具ポート。
【請求項18】
前記第1および第2のレバーが、それぞれ、第1および第2のワイヤロープに機械的に結合されており、
前記第1および第2のワイヤロープが、それぞれ、前記第1および第2のワイヤを備える、請求項17に記載の器具ポート。
【請求項19】
前記第1および第2のレバーが、前記ハンドルに配設された主軸に機械的に結合されている、請求項17に記載の器具ポート。
【請求項20】
前記第1および第2のワイヤが、前記主軸に取り付けられており、
前記主軸が、前記第1のレバーが引っ張られると、第1の方向に回転して、前記第1のワイヤの前記端部を前記長尺シャフトの前記近位端部に向けて引っ張り、それによって、前記可撓性シャフトを前記第1の方向に曲がらせるように構成されており、
前記主軸が、前記第2のレバーが引っ張られると、第2の方向に回転して、前記第2のワイヤの前記端部を前記長尺シャフトの前記近位端部に向けて引っ張り、それによって、前記可撓性シャフトを前記第2の方向に曲がらせるように構成されている、請求項19に記載の器具ポート。
【請求項21】
前記主軸が、前記主軸が前記第2の方向に回転されると、前記第1のワイヤに対する第1の力を解放するように構成されており、
前記主軸が、前記主軸が前記第1の方向に回転されると、前記第2のワイヤに対する第2の力を解放するように構成されている、請求項20に記載の器具ポート。
【請求項22】
前記ハンドルが、前記主軸に抗して力を加えて、前記可撓性シャフトの前記カスタマイズ可能な角度を設定する機械的ロックを含む、請求項20に記載の器具ポート。
【請求項23】
前記カスタマイズ可能な角度が、-90°~90°の範囲内にあり、
前記可撓性シャフトが曲げられていない状態にある場合、
前記可撓性シャフトが、前記シャフト軸に沿って延在し、
前記カスタマイズ可能な角度が、0°である、請求項14に記載の器具ポート。
【請求項24】
前記長尺シャフトの屈曲位置および屈曲配向が維持される間、前記カスタマイズ可能な角度が、調整可能である、請求項14に記載の器具ポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府の資金提供を受けた研究に関する記載
本発明は、国立衛生研究所の国立心肺血液研究所によって付与された助成番号R41HL147694の下で政府の支援を受けて行われた。米国政府は、本発明に特定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月18日に出願された「Instrument Port for Epicardial Ablation」と題された米国仮特許出願第62/936,736号、および2020年9月9日に出願された「Instrument Port for Epicardial Ablation with Unidirectional Offset Balloon」と題された米国仮特許出願第63/076,075号の優先権を主張し、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、一般に、心室頻拍などの心臓疾患を治療するための医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
心内膜および/または心外膜アブレーションは、現在、生命を脅かす心拍障害である心室頻拍を治療するために使用されている。心内膜アブレーションを実施するために、医師が、静脈または動脈を通してアブレーションカテーテルを患者の心臓に挿入し、不整脈を引き起こす心臓の領域を焼灼する。対照的に、心外膜アブレーションは、心臓の外側から実施される。
【0005】
心外膜アブレーション処置中に、医師は、蛍光透視法および3D電気解剖学的電圧マッピングを使用して、アブレーションカテーテルおよび心臓組織を可視化することができる。しかしながら、これらの視覚化方法には限界がある。例えば、これらの視覚化方法を使用して冠状血管、瘢痕組織、脂肪体、および横隔神経を識別することは困難または不可能であり、望ましくない合併症を引き起こす可能性がある。
【0006】
加えて、図1に例示されるように、既存のアブレーションカテーテルは、心臓の表面に衝接して横たわるように、心膜を通って接線方向に挿入される。この配向では、アブレーションカテーテル100は、心臓組織110内にエネルギーを放出して、心臓組織110および心膜120に病変130を生じさせる。心膜120を焼灼することは、心膜の外表面上に位置する横隔神経140を損傷する可能性があるため、望ましくない。加えて、この配向は、アブレーションカテーテル100によって加えられる力に対する制御を医師にほとんど提供せず、不安定な心臓組織接触につながる可能性がある。
【0007】
これらおよび/または当該技術分野における他の欠陥を克服することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、革新的な特徴を有し、それらのうちのいずれも、それらの望ましい特質にとって、欠かすことができず、また単独で原因とならない。以下の説明および図面は、本開示の様々な原理が実施され得るいくつかの例示的な方法を示す本開示の特定の例示的な実施態様を詳細に示している。ただし、例示的な実施例は、本開示の多くの可能な実施形態を網羅するものではない。特許請求の範囲の範囲を限定することなく、有利な特徴のうちのいくつかを、ここに要約する。本開示の他の目的、利点、および新規な特徴については、本発明を限定せずに例示することを意図するものであり、図面と併せて考慮される、本開示の以下の詳細な説明に記載する。
【0009】
本発明の態様は、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトであって、長尺シャフトは、長尺シャフトの遠位端部における外表面に画定された流体ポートを有する、長尺シャフトと、シャフト軸に沿って長尺シャフトの遠位端部に取り付けられた近位端部を有する曲げ可能なシャフトであって、曲げ可能なシャフトは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する枢動軸によって画定された枢動平面内でのみ曲がるように構成されている、曲げ可能なシャフトと、曲げ可能なシャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、操縦可能な先端は、操縦可能な先端の遠位端部に配設されたカメラと、操縦可能な先端の遠位端部に配設された光エミッタと、を含む撮像システムを含む、操縦可能な先端と、を備える器具ポートに対して直接である。器具ポートはまた、長尺シャフトの外表面に取り付けられたオフセットバルーンであって、オフセットバルーンは、流体ポートと流体連通している内部容積を有し、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有する、オフセットバルーンと、長尺シャフトの近位端部に取り付けられたハンドルであって、ハンドルは、曲げ可能なシャフトと機械的に連通して、操縦可能な先端のカスタマイズ可能な角度を調整するレバーを含み、カスタマイズ可能な角度は、シャフト軸と先端軸との間で測定される、ハンドルと、長尺シャフトに配設された流体チューブであって、流体チューブは、流体ポートに流体結合されている、流体チューブと、長尺シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、作業チャネルを形成する、作業チューブと、作業チャネルに配設されたアブレーションカテーテルであって、アブレーションカテーテルは、外科部位に病変を形成するように構成されている、アブレーションカテーテルと、撮像システムと電気通信するマイクロプロセッサベースのコントローラであって、コントローラは、カメラから外科部位の画像データを取得することと、外科部位に形成された病変をリアルタイムで自動的に検出することと、病変が所定の特性を有する場合にアブレーションカテーテルを自動的に停止させることと、を行うように構成されている、コントローラと、を備える。
【0010】
1つ以上の実施形態では、所定の特性は、所定のサイズを含む。1つ以上の実施形態では、所定の特性は、所定の色を含む。1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度は、0°~90°の範囲内にあり、曲げ可能なシャフトが曲げられていない状態にあるとき、曲げ可能なシャフトは、シャフト軸に沿って延在し、カスタマイズ可能な角度は、0°である。
【0011】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有し、膨張状態において、オフセットバルーンは、カスタマイズ可能な角度が90°である場合に、操縦可能な先端の遠位端部から長尺シャフトの遠位端部の外表面まで測定された曲げ距離よりも大きい、シャフト軸に直交する垂直方向に対して測定される高さを有する。1つ以上の実施形態では、膨張状態において、オフセットバルーンは、半径方向に非対称的に膨張している。1つ以上の実施形態では、壁の第1の部分は、壁の第1の部分と比較して相対的に厚い壁厚を有する壁の第2の部分と比較して相対的に薄い壁厚を有し、壁の第1の部分は、長尺シャフトの第1の側にある。
【0012】
1つ以上の実施形態では、作業チャネルの内径は、アブレーションカテーテルの外径よりも大きく、流体チャネルは、作業チャネルの内径とアブレーションカテーテルの外径との間に画定される。1つ以上の実施形態では、流体チャネルは、フラッシュ液体源に、かつ/または真空源に流体結合されている。1つ以上の実施形態では、アブレーションカテーテルは、RFアブレーションカテーテルを含む。
【0013】
1つ以上の実施形態では、作業チューブは、可撓性シリンダを備える。1つ以上の実施形態では、可撓性シリンダは、ワイヤ補強ライナを備える。1つ以上の実施形態では、ワイヤ補強ライナは、フッ素化エチレンプロピレンおよび螺旋ワイヤを備えるチューブ本体を備える。1つ以上の実施形態では、可撓性シリンダの内表面は、医療器具を受容するための滑らかな表面を形成するために、チューブ本体のみを備える。1つ以上の実施形態では、シャフトは、内表面および外表面を有する金属チューブを備え、シャフト可撓性を増加させるために、シャフトにスリットのパターンが画定される。
【0014】
1つ以上の実施形態では、金属チューブは、ステンレス鋼を含む。1つ以上の実施形態では、溝は、レーザ切断されている。1つ以上の実施形態では、パターンは、中断された螺旋を含む。1つ以上の実施形態では、パターンは、金属チューブの第1および第2の側に円周方向に延在する複数のフィンを含み、第1の側のフィンおよび第2の側のフィンは、第1および第2のギャップによって分離されており、第1および第2のギャップは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する軸によって画定された平面に沿って延在する。
【0015】
本発明の別の態様は、心外膜アブレーション処置を制御するための方法であって、アブレーションツール、光学カメラ、および光学光エミッタを備える器具ポートを標的領域の近位の心外膜腔に挿入することと、当該光学光エミッタを介して当該心外膜腔に光学光を提供して、当該標的領域を照明することと、当該光学カメラを使用して当該標的領域の第1の画像を取得することと、当該アブレーションツールの先端を当該標的領域に向けて操縦することと、当該標的領域中または当該標的領域上に病変を形成するようにアブレーションツールを使用して当該標的領域にアブレーションエネルギーを適用することと、当該光学カメラを使用して当該標的領域の第2の画像を取得することと、当該病変の特性を判定するように画像プロセッサで当該第1および第2の画像のうちの少なくとも1つを処理することと、を含む、方法を対象とする。
【0016】
1つ以上の実施形態では、方法は、第2の画像を取得するステップの後に、当該標的領域の第3の画像を取得することと、当該第1、第2、および第3の画像のうちの少なくとも2つを使用して、当該病変の特性を判定することと、をさらに含む。1つ以上の実施形態では、当該特性は、当該病変のサイズを含む。1つ以上の実施形態では、特性は、当該病変の成長速度を含む。1つ以上の実施形態では、方法は、当該病変において所望の転帰が達成されたと判定することに基づいて、当該標的領域へのアブレーション適用を制御することをさらに含む。
【0017】
1つ以上の実施形態では、病変の特性は、リアルタイムで判定される。1つ以上の実施形態では、方法は、当該標的領域の解剖学的特徴を自動的に検出するように、当該第1および第2の画像のうちの少なくとも1つを画像プロセッサで処理することをさらに含む。
【0018】
本発明の別の態様は、器具ポートであって、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトであって、長尺シャフトは、長尺シャフトの遠位端部における外表面に画定された流体ポートを有する、長尺シャフトと、シャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端と、長尺シャフトの外表面に取り付けられたオフセットバルーンであって、オフセットバルーンは、流体ポートと流体連通している内部容積を有し、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有し、膨張状態において、オフセットバルーンは、シャフト軸に対して半径方向に非対称的に膨張している、オフセットバルーンと、長尺シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える、器具ポートを対象とする。
【0019】
1つ以上の実施形態では、器具ポートは、長尺シャフトに配設された流体チューブをさらに備え、流体チューブは、流体ポートに流体結合されている。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンの近位側は、流体ポートの近位側で長尺シャフトの外表面に取り付けられており、オフセットバルーンの遠位側は、流体ポートの遠位側で長尺シャフトの外表面に取り付けられている。
【0020】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、可変壁厚を有する壁から形成されている。1つ以上の実施形態では、壁の第1の部分は、壁の第1の部分と比較して相対的に厚い壁厚を有する壁の第2の部分と比較して相対的に薄い壁厚を有し、壁の第1の部分が長尺シャフトの第1の側にあることによって、膨張状態において、オフセットバルーンは、半径方向に非対称的に膨張している。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンの近位側および遠位側は、タイダウン、ボンド、および/またはヒートシールによって外表面に取り付けられている。
【0021】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、長尺シャフトの第1の側でのみ外表面に取り付けられており、オフセットバルーンのオフセットバルーン開口部は、流体ポートに流体結合されている。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、長尺シャフトの第2の側で、バルーン制限チューブセクションと外表面との間に配設されており、バルーン制限チューブセクションは、オフセットバルーンが膨張状態にあるときに、オフセットバルーンの膨張容積を、長尺シャフトの第1の側のみに制限する。1つ以上の実施形態では、バルーン制限チューブセクションは、水平な円筒形セグメントを備える。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、膨張平面に対して半径方向に非対称的に膨張し、シャフト軸は、膨張平面内にある。
【0022】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、オフセットバルーンの部分膨張容積がオフセットバルーンの完全膨張容積の約10%~約90%の範囲にある部分膨張状態を有し、オフセットバルーンが膨張状態にあるときに、オフセットバルーンは、完全膨張容積を有する。
【0023】
本発明の別の態様は、器具ポートであって、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトであって、長尺シャフトは、長尺シャフトの遠位端部における外表面に画定された流体ポートを有する、長尺シャフトと、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられた曲げ可能なシャフトと、シャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、操縦可能な先端は、先端軸に沿って延在する、操縦可能な先端と、長尺シャフトの外表面に取り付けられたオフセットバルーンであって、オフセットバルーンは、流体ポートと流体連通している内部容積を有し、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有し、膨張状態において、オフセットバルーンは、長尺シャフトの第1の側でのみ膨張している、オフセットバルーンと、長尺シャフトに配設された流体チューブであって、流体チューブは、流体ポートに流体結合している、流体チューブと、長尺シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える、器具ポートを対象とする。
【0024】
1つ以上の実施形態では、器具ポートは、長尺シャフトの近位端部に取り付けられたハンドルをさらに備え、ハンドルは、流体を導入または受容するために流体チューブに流体結合されているハンドル流体ポートを含む。1つ以上の実施形態では、流体チューブの遠位端部は、流体ポートと流体ポートとの間の閉鎖流体経路を画定するようにキャップされている。1つ以上の実施形態では、流体チューブは、流体チューブ開口部を含み、流体チューブは、長尺シャフトの遠位端部における内表面に取り付けられて、流体チューブ開口部と流体ポートとを流体結合している。
【0025】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンの近位側は、流体ポートの近位側で長尺シャフトの外表面に取り付けられており、オフセットバルーンの遠位側は、流体ポートの遠位側で長尺シャフトの外表面に取り付けられている。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、可変壁厚を有する壁から形成されている。1つ以上の実施形態では、壁の第1の部分は、壁の第1の部分と比較して相対的に厚い壁厚を有する壁の第2の部分と比較して相対的に薄い壁厚を有し、壁の第1の部分が長尺シャフトの第1の側にあることによって、オフセットバルーンは、シャフト軸に対して、膨張状態において半径方向に非対称的に膨張している。
【0026】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンの近位側および遠位側は、タイダウン、ボンド、および/またはヒートシールによって外表面に取り付けられている。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンの近位側および遠位側は、長尺シャフトの第1の側で外表面に取り付けられており、オフセットバルーンのオフセットバルーン開口部は、流体ポートに流体結合されている。
【0027】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、長尺シャフトの第2の側で、バルーン制限チューブセクションと外表面との間に配設されており、バルーン制限チューブセクションは、オフセットバルーンが膨張状態にあるときに、オフセットバルーンの膨張容積を、長尺シャフトの第1の側のみに制限する。1つ以上の実施形態では、バルーン制限チューブセクションは、水平な円筒形セグメントを備える。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、膨張平面に対して半径方向に非対称的に膨張し、シャフト軸は、膨張平面内にある。
【0028】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、オフセットバルーンの部分膨張容積がオフセットバルーンの完全膨張容積の約10%~約90%の範囲にある部分膨張状態を有し、オフセットバルーンが膨張状態にあるときに、オフセットバルーンは、完全膨張容積を有する。
【0029】
本発明のまた別の態様は、器具ポートであって、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトであって、長尺シャフトは、長尺シャフトの遠位端部における外表面に画定された流体ポートを有する、長尺シャフトと、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられた曲げ可能なシャフトと、シャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、操縦可能な先端は、先端軸に沿って延在する、操縦可能な先端と、長尺シャフトの外表面に取り付けられたオフセットバルーンであって、オフセットバルーンは、流体ポートと流体連通している内部容積を有し、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有する、オフセットバルーンと、長尺シャフトに配設された流体チューブであって、流体チューブは、流体ポートに流体結合されている、流体チューブと、長尺シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える、器具ポートを対象とする。
【0030】
1つ以上の実施形態では、器具ポートは、長尺シャフトの近位端部に取り付けられたハンドルをさらに備え、ハンドルは、流体を導入または受容するために流体チューブに流体結合されているハンドル流体ポートを含む。1つ以上の実施形態では、流体チューブの遠位端部は、流体ポートと流体ポートとの間の閉鎖流体経路を画定するようにキャップされている。1つ以上の実施形態では、流体チューブは、流体チューブ開口部を含み、流体チューブは、長尺シャフトの遠位端部における内表面に取り付けられて、流体チューブ開口部と流体ポートとを流体結合している。
【0031】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンの近位側は、流体ポートの近位側で長尺シャフトの外表面に取り付けられており、オフセットバルーンの遠位側は、流体ポートの遠位側で長尺シャフトの外表面に取り付けられている。1つ以上の実施形態では、膨張状態において、オフセットバルーンは、シャフト軸に対して半径方向に対称的に膨張している。
【0032】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、オフセットバルーンの部分膨張容積がオフセットバルーンの完全膨張容積の約10%~約90%の範囲にある部分膨張状態を有し、オフセットバルーンが膨張状態にあるときに、オフセットバルーンは、完全膨張容積を有する。
【0033】
本発明の別の態様は、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトと、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられた可撓性シャフトであって、可撓性シャフトは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する枢動軸によって画定される枢動平面内でのみ曲がるように構成されている、可撓性シャフトと、シャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、操縦可能な先端は、先端軸に沿って延在する、操縦可能な先端と、長尺シャフトの近位端部に取り付けられたハンドルであって、ハンドルは、可撓性シャフトと機械的に連通して、操縦可能な先端のカスタマイズ可能な角度を調整するレバーを含み、カスタマイズ可能な角度は、シャフト軸と先端軸との間で測定される、ハンドルと、長尺シャフトおよび可撓性シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える器具ポートを対象とする。
【0034】
1つ以上の実施形態では、曲げられていない状態において、可撓性シャフトは、シャフト軸に沿って延在し、可撓性シャフトは、シャフト軸に沿って同心円状に配設された複数の機械的リングを含み、複数の機械的リングは、隣接する機械的リング対を含み、各隣接する機械的リング対は、機械的リンクの対によって機械的に結合されており、それぞれの第3の軸が、機械的リンクの各対を通過し、それぞれの第3の軸は、シャフト軸および枢動軸に直交する。1つ以上の実施形態では、機械的リンクの対は、枢動平面に対する可撓性シャフトの曲げ方向を機械的に制限する。
【0035】
1つ以上の実施形態では、レバーは、可撓性シャフトの遠位端部まで延在するワイヤに機械的に結合されており、ワイヤは、可撓性シャフトの内表面に取り付けられており、枢動軸は、内表面を通過する。1つ以上の実施形態では、レバーは、可撓性シャフトの遠位端部まで延在するワイヤロープに機械的に結合されており、ワイヤロープは、ワイヤを備える。
【0036】
1つ以上の実施形態では、レバーは、ハンドルに配設された主軸に機械的に結合されている。1つ以上の実施形態では、ワイヤは、主軸に取り付けられており、レバーを引くことが、主軸を回転させて、ワイヤを長尺シャフトの近位端部に向けて引っ張り、それによって、可撓性シャフトを第1の方向に曲がらせる。1つ以上の実施形態では、ハンドルは、主軸に抗して力を加えて、可撓性シャフトのカスタマイズ可能な角度を設定する機械的ロックを含む。
【0037】
1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度は、0°~90°の範囲内にあり、可撓性シャフトが曲げられていない状態にあるとき、可撓性シャフトは、シャフト軸に沿って延在し、カスタマイズ可能な角度は、0°である。1つ以上の実施形態では、器具ポートは、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられたオフセットバルーンをさらに備える。
【0038】
1つ以上の実施形態では、長尺シャフトは、可撓性であり、長尺シャフトは、屈曲状態および非屈曲状態を有し、非屈曲状態において、長尺シャフトは、シャフト軸に沿って延在する。1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度が調整されると、長尺シャフトは、非屈曲状態に留まる。1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度が調整されると、長尺シャフトは、屈曲状態に留まり、長尺シャフトは、カスタマイズ可能な角度が調整される間、同じ屈曲位置を有する。
【0039】
本発明の別の態様は、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトと、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられた可撓性シャフトであって、可撓性シャフトは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する枢動軸によって画定される枢動平面内でのみ曲がるように構成されている、可撓性シャフトと、シャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、操縦可能な先端は、先端軸に沿って延在する、操縦可能な先端と、長尺シャフトの近位端部に取り付けられたハンドルであって、ハンドルは、可撓性シャフトの第1の側に取り付けられた端部を有する第1のワイヤに機械的に結合された第1のレバーであって、第1のレバーは、第1のワイヤを引っ張って、可撓性シャフトを枢動平面内の第1の方向に偏向させるように構成されている、第1のレバーと、可撓性シャフトの第2の側に取り付けられた端部を有する第2のワイヤに機械的に結合された第2のレバーであって、第2のレバーは、第2のワイヤを引っ張って、可撓性シャフトを、第1の方向と反対である第2の方向に偏向させるように構成されており、第2の方向は、枢動平面内にある、第2のレバーと、を含む、ハンドルと、長尺シャフトおよび可撓性シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、を備える器具ポートを対象とする。
【0040】
1つ以上の実施形態では、曲げられていない状態において、可撓性シャフトは、シャフト軸に沿って延在し、可撓性シャフトは、シャフト軸に沿って同心円状に配設された複数の機械的リングを含み、複数の機械的リングは、隣接する機械的リング対を含み、各隣接する機械的リング対は、機械的リンクの対によって機械的に結合されており、それぞれの第3の軸が、機械的リンクの各対を通過し、それぞれの第3の軸は、シャフト軸および枢動軸に直交する。1つ以上の実施形態では、機械的リンクの対は、枢動平面に対する可撓性シャフトの曲げ方向を機械的に制限する。
【0041】
1つ以上の実施形態では、可撓性シャフトの第1および第2の側は、可撓性シャフトの遠位端部に配設された内表面を含み、枢動軸は、第1および第2の側の内表面を通過する。1つ以上の実施形態では、第1および第2のレバーは、それぞれ第1および第2のワイヤロープに機械的に結合されており、第1および第2のワイヤロープは、それぞれ第1および第2のワイヤを備える。
【0042】
1つ以上の実施形態では、第1および第2のレバーは、ハンドルに配設された主軸に機械的に結合されている。1つ以上の実施形態では、第1および第2のワイヤは、主軸に取り付けられており、主軸は、第1のレバーが引っ張られると、第1の方向に回転して、第1のワイヤの端部を長尺シャフトの近位端部に向けて引っ張り、それによって、可撓性シャフトを第1の方向に曲がらせるように構成されており、主軸は、第2のレバーが引っ張られると、第2の方向に回転して、第2のワイヤの端部を長尺シャフトの近位端部に向けて引っ張り、それによって、可撓性シャフトを第2の方向に曲がらせるように構成されている。1つ以上の実施形態では、主軸は、主軸が第2の方向に回転されると、第1のワイヤに対する第1の力を解放するように構成されており、主軸は、主軸が第1の方向に回転されると、第2のワイヤに対する第2の力を解放するように構成されている。
【0043】
1つ以上の実施形態では、ハンドルは、主軸に抗して力を加えて、可撓性シャフトのカスタマイズ可能な角度を設定する機械的ロックを含む。1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度は、-90°~90°の範囲内にあり、可撓性シャフトが曲げられていない状態にあるとき、可撓性シャフトは、シャフト軸に沿って延在し、カスタマイズ可能な角度は、0°である。1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度は、長尺シャフトの屈曲位置および屈曲配向が維持される間に調整可能である。
【0044】
本発明の別の態様は、近位端部および遠位端部を有し、かつシャフト軸に沿って延在する長尺シャフトであって、長尺シャフトは、長尺シャフトの遠位端部における外表面に画定された流体ポートを有する、長尺シャフトと、シャフト軸に沿って長尺シャフトの遠位端部に取り付けられた近位端部を有する曲げ可能なシャフトであって、曲げ可能なシャフトは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する枢動軸によって画定された枢動平面内でのみ曲がるように構成されている、曲げ可能なシャフトと、曲げ可能なシャフトの遠位端部に取り付けられた操縦可能な先端であって、操縦可能な先端は、操縦可能な先端の遠位端部に配設されたカメラと、操縦可能な先端の遠位端部に配設された光エミッタと、を含む、操縦可能な先端と、を備える器具ポートを対象とする。器具ポートは、長尺シャフトの外表面に取り付けられたオフセットバルーンであって、オフセットバルーンは、流体ポートと流体連通している内部容積を有し、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有する、オフセットバルーンと、長尺シャフトの近位端部に取り付けられたハンドルであって、ハンドルは、曲げ可能なシャフトと機械的に連通して、操縦可能な先端のカスタマイズ可能な角度を調整する少なくとも1つのレバーを含み、カスタマイズ可能な角度は、シャフト軸と先端軸との間で測定される、ハンドルと、長尺シャフトに配設された流体チューブであって、流体チューブは、流体ポートに流体結合されている、流体チューブと、長尺シャフトに配設された作業チューブであって、作業チューブは、医療器具を受容するための作業チャネルを形成する、作業チューブと、をさらに備える。
【0045】
1つ以上の実施形態では、カスタマイズ可能な角度は、-90°~90°の範囲内にあり、曲げ可能なシャフトが曲げられていない状態にあるとき、曲げ可能なシャフトは、シャフト軸に沿って延在し、カスタマイズ可能な角度は、0°である。1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、膨張状態および収縮状態を有し、膨張状態において、オフセットバルーンは、カスタマイズ可能な角度が90°である場合に、操縦可能な先端の遠位端部から長尺シャフトの遠位端部の外表面まで測定された曲げ距離よりも大きい、シャフト軸に直交する垂直軸に対して測定される高さを有する。1つ以上の実施形態では、膨張状態において、オフセットバルーンは、半径方向に非対称的に膨張している。1つ以上の実施形態では、壁の第1の部分は、壁の第1の部分と比較して相対的に厚い壁厚を有する壁の第2の部分と比較して相対的に薄い壁厚を有し、壁の第1の部分は、長尺シャフトの第1の側にある。
【0046】
1つ以上の実施形態では、器具ポートは、RFアブレーションカテーテルをさらに備え、作業チャネルの内径は、RFアブレーションカテーテルの外径よりも大きく、作業チャネルの内径の間に画定されている流体チャネルは、RFアブレーションカテーテルの外径よりも大きい。1つ以上の実施形態では、流体チャネルは、フラッシュ液体源に、かつ/または真空源に流体結合されている。
【0047】
1つ以上の実施形態では、作業チューブは、可撓性シリンダを備える。1つ以上の実施形態では、可撓性シリンダは、ワイヤ補強ライナを備える。1つ以上の実施形態では、ワイヤ補強ライナは、フッ素化エチレンプロピレンおよび螺旋ワイヤを備えるチューブ本体を備える。1つ以上の実施形態では、可撓性シリンダの内表面は、医療器具を受容するための滑らかな表面を形成するために、チューブ本体のみを備える。
【0048】
1つ以上の実施形態では、長尺シャフトは、金属チューブを備え、シャフト可撓性を増加させるために、シャフトにスリットのパターンが画定される。1つ以上の実施形態では、金属チューブは、ステンレス鋼を含む。1つ以上の実施形態では、溝は、レーザ切断されている。1つ以上の実施形態では、パターンは、中断された螺旋を含む。1つ以上の実施形態では、パターンは、金属チューブの第1および第2の側に円周方向に延在する複数のフィンを含み、第1の側のフィンおよび第2の側のフィンは、第1および第2のギャップによって分離されており、第1および第2のギャップは、シャフト軸およびシャフト軸に直交する軸によって画定された平面に沿って延在する。
【0049】
1つ以上の実施形態では、オフセットバルーンは、オフセットバルーンの部分膨張容積がオフセットバルーンの完全膨張容積の約10%~約90%の範囲にある部分膨張状態を有し、オフセットバルーンが完全膨張状態にあるときに、オフセットバルーンは、完全膨張容積を有する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本概念の性質および利点のより完全な理解のために、好ましい実施形態の詳細な説明および添付の図面を参照する。
【0051】
図1】従来技術による、アブレーションカテーテルを使用した医療処置のブロック図である。
図2】一実施形態による、器具ポートの斜視図である。
図3】一実施形態による、器具ポートの遠位部分の斜視図である。
図4】一実施形態による、オフセットバルーンが半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポートの遠位部分の斜視図である。
図5】一実施形態による、オフセットバルーンが半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポートの遠位部分の断面図である。
図6】代替実施形態による、オフセットバルーンが半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポートの遠位部分の断面図である。
図7】一実施形態による、医療処置中に、オフセットバルーンが半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポートの側面図を例示している。
図8】一実施形態による、医療処置中に、オフセットバルーンが半径方向に非対称的に膨張し、かつ曲げ可能なシャフトが曲げられた状態にあるときの、器具ポートの側面図を例示している。
図9】別の実施形態による、オフセットバルーンが半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポートの遠位部分の断面図である。
図10】一実施形態による、オフセットバルーンが半径方向に対称的に膨張したときの器具ポートの遠位部分の斜視図である。
図11】一実施形態による、医療処置中に、オフセットバルーンが半径方向に対称的に膨張したときの器具ポートの側面図を例示している。
図12】曲げられていない状態の曲げ可能なシャフトの実施形態を例示するための、オフセットバルーンを備えていない器具ポートの遠位部分の斜視図である。
図13】曲げられた状態の曲げ可能なシャフトの実施形態を例示するための、オフセットバルーンを備えた器具ポートの遠位部分の斜視図である。
図14】一実施形態による、曲げられていない状態の曲げ可能なシャフトおよび操縦可能な先端の斜視図である。
図15】一実施形態による、ワイヤ張力調整器の斜視図である。
図16】一実施形態による、器具ポートの遠位部分の斜視図である。
図17】一実施形態による、作業チューブの孤立斜視図である。
図18】一実施形態による、長尺シャフトの孤立斜視図である。
図19】別の実施形態による、長尺シャフトの孤立斜視図である。
図20】長尺シャフトの断面図である。
図21】一実施形態による、器具ポートシステムの上面図である。
図22】一実施形態による、器具ポートのハンドルの近位部分の斜視図である。
図23】ハンドルの近位部分の断面図である。
図24】ハウジングが取り外されたハンドルの一部分の上面図である。
図25図24に例示される先端操縦装置の孤立斜視図である。
図26】機械的ロックをさらに例示するための、ハンドルの一部分の断面図である。
図27】コントローラに含めることができるサブシステムのブロック図である。
図28A】第1の時間に第1のサイズおよび/または第1の光学属性を有する病変を例示している。
図28B】第2の時間に第2のサイズおよび/または第2の光学属性を有する病変を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0052】
器具ポートは、ハンドル、長尺シャフト、曲げ可能なシャフト、および操縦可能な先端を含む。ハンドル上の1つ以上のレバーを使用して、曲げ可能なシャフトを1つの平面内で制御可能に曲げることができる。曲げ可能なシャフトの近位端部は、長尺シャフトに機械的に結合されており、曲げ可能なシャフトの遠位端部は、操縦可能な先端に機械的に結合されている。曲げ可能なシャフトが曲げられていない状態にあるとき、曲げ可能なシャフトは、長尺シャフトが沿って延在するシャフト軸に沿って延在する。曲げ可能なシャフトが曲げられた状態にあるとき、曲げ可能なシャフトは、シャフト軸に対して曲がるか、または屈曲して、操縦可能な先端をシャフト軸に対してカスタマイズ可能な角度または配向に誘導する。曲げ可能なシャフトは、長尺シャフトの位置、形状、配向、および/または挙動に影響を与えることなく曲がることができる。例えば、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、長尺シャフトは、屈曲状態のままであることができる。代替的に、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、長尺シャフトは、非屈曲状態のままであることができる。
【0053】
カスタマイズ可能な角度は、操縦可能な先端上に配設された撮像システムを使用して、医療処置中の解剖学的領域の視野を改善することができる。加えて、カスタマイズ可能な角度は、アブレーションカテーテルなどの医療器具が、操縦可能な先端から出る有利である角度を設定することができる。
【0054】
オフセットバルーンは、長尺シャフトの遠位端部に取り付けられている。オフセットバルーンを、医療処置中に収縮状態から膨張状態に移行させることができる。膨張状態において、オフセットバルーンを解剖学的特徴(例えば、心臓組織)に衝接させて配設して、長尺シャフトと解剖学的特徴との間に空間を提供することができる。この空間を使用して、曲げ可能なシャフトを曲げられていない状態から曲げられた状態に移行させることができる。オフセットバルーンを、対称的に、または非対称的に膨張させることができる。加えて、オフセットバルーンを部分膨張させて、例えば、長尺シャフトと解剖学的特徴との間の空間をカスタマイズすることができる。
【0055】
作業チャネルは、器具ポートを通って作業チャネルの近位端部から遠位端部まで延在する。作業チャネルを、医療器具の外部半径よりも大きい内部半径を有するように構成して、作業チャネルと医療器具との間にフラッシュ/真空チャネルを形成することができる。フラッシュ/真空チャネルを、フラッシュ液体および/または真空源に流体結合することができ、それを使用して、医療処置の前に医療器具の外表面をフラッシュし、装置の面を洗浄して、カメラを通して鮮明な画像を提供し、医療処置の間に外科部位をフラッシュし、かつ/または必要に応じて真空を適用して、液体、および/または血液などの体液を除去することができる。
【0056】
器具ポートは、添付の図に記載される様々な特徴を有することができる。これらの特徴を、様々な実施形態で組み合わせ、かつ/または除去することができる。
【0057】
図2は、一実施形態による器具ポート20の斜視図である。器具ポート20は、ハンドル200、長尺シャフト210、曲げ可能なシャフト220、および操縦可能な先端230を含む。ハンドル200は、器具ポート20の近位端部202にある。操縦可能な先端230は、器具ポート20の遠位端部204にある。
【0058】
曲げ可能なシャフト220を、ハンドル200上の1つ以上のレバー240の位置に応じて曲げることができる。曲げ可能なシャフト220を、1つの平面内でのみ(例えば、上下に)曲がるように、かつ直交する平面内で(例えば、左右に)は曲がらないように構成することができる。ハンドル200上のレバー240を作動させることによって、操縦可能な先端230の位置および/または配向を制御することができ、レバー240は、曲げ可能なシャフト220を曲げることによって、長尺シャフト210に対して操縦可能な先端230のカスタマイズ可能な角度を設定することができる。いくつかの実施形態では、曲げ可能なシャフト220は、任意選択である。曲げ可能なシャフト220は、長尺シャフト210の位置、形状、配向、および/または挙動に影響を与えることなく曲がることができる。
【0059】
図3は、一実施形態による、器具ポート20の遠位部分300の斜視図である。曲げ可能なシャフト220および操縦可能な先端230に加えて、遠位部分300はまた、図3では収縮状態にある、オフセットバルーン310を含む。オフセットバルーンは、長尺シャフト210の遠位端部または遠位部分215に位置する。医療処置の間、オフセットバルーン310を膨張させて、解剖学的特徴と器具ポート20との間の空間を作成することができる。例えば、医療器具(例えば、アブレーションカテーテル100などのアブレーションカテーテル)が器具ポート20の遠位端部204で作業チャネル320を通過する角度をカスタマイズするために、医療処置中に、膨張状態のオフセットバルーン310によって作成された空間を使用して、曲げ可能なシャフト220を曲げて、操縦可能な先端230のカスタマイズ可能な角度を作成することができる。膨張したオフセットバルーン310が解剖学的特徴に衝接して配設されると、オフセットバルーン310は、医療処置中に器具ポート20に安定性を提供することができる。
【0060】
オフセットバルーン310を、流体(例えば、気体および/または液体)で膨張させることができる。一例では、オフセットバルーン310を、空気で膨張させる。別の実施形態では、オフセットバルーン310を、生理食塩水または半生理食塩水で膨張させる。液体は、医用イメージング(例えば、超音波、MRI、または別の医用イメージング技術)などで医療処置中にオフセットバルーン310を観視するために使用され得る造影剤を含むことができる。オフセットバルーン310の内部容積は、長尺シャフトの遠位端部215またはその近くに画定された流体ポート340に流体結合されている。流体ポート340を使用して、オフセットバルーン310に/から流体を導入および除去して、それぞれ、オフセットバルーン310を膨張および収縮させることができる。
【0061】
膨張状態において、オフセットバルーン310を、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態にあるときに(例えば、図1~3に例示されるように)、長尺シャフト210、曲げ可能なシャフト220、および操縦可能な先端230の中心を通過するシャフト軸330に対して半径方向に対称的または非対称的であるように構成することができる。シャフト軸330は、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態にあるときに、長尺シャフト210、曲げ可能なシャフト220、および操縦可能な先端230の対称軸であり得る。
【0062】
オフセットバルーン310は、長尺シャフト210の遠位端部215に取り付けられて、流体ポート340の周りに流体密シールを作成する。オフセットバルーン310の近位端部および遠位端部312、314は、図3のタイダウン350を使用して、流体ポート340のそれぞれの近位側および遠位側に取り付けられている。別の実施形態では、オフセットバルーン310を、例えば接着剤を使用して、オフセットバルーン310の端部312を長尺シャフト210に結合することによって取り付けることができる。別の実施形態では、オフセットバルーン310を、オフセットバルーン310の壁を長尺シャフト210にヒートシールすることによって取り付けることができる。これらおよび/または他の取り付け手段を、他の実施形態で使用することができる。
【0063】
少なくとも曲げ可能なシャフト220および操縦可能な先端230上に、スリーブ250が配設されている。スリーブ250は、医療処置中に患者に挿入するための滑らかな表面を提供して、組織損傷の可能性を低減することができる。スリーブ250は、可撓性であって、曲げ可能なシャフト220および操縦可能な先端230に対して、医療処置中にそれらの相対的な配向および/または角度が調整される際に形状追従することができる。スリーブ250は、ポリオレフィン、フルオロポリマー、ポリエーテルブロックアミド(例えば、Arkemaから入手可能なPEBAX(登録商標))、および/または別の材料を含むことができ、かつ/またはそれらからなることができる。
【0064】
図4は、一実施形態による、オフセットバルーン310が半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポート20の遠位部分300の斜視図である。この実施形態では、オフセットバルーン310は、シャフト軸330の第2の側334よりもシャフト軸330の第1の側332で大きく膨張している。一実施形態では、オフセットバルーン310は、可変壁厚を有することができる。別の実施形態では、半剛性チューブの一部分を、オフセットバルーン310を、オフセットバルーン310がシャフト軸330の第1の側332で膨張し、かつシャフト軸の第2の側334で膨張しないように、シャフト軸330の第2の側334に配設することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、オフセットバルーン310を部分膨張させることができる。例えば、オフセットバルーン310は、完全膨張容積のあるパーセンテージである部分膨張容積を有することができる。特定の例では、オフセットバルーン310は、オフセットバルーン310の部分膨張容積が、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、および約80%、または任意のパーセンテージもしくは前述のパーセンテージのうちの任意の2つの間のパーセンテージを含む、完全膨張容積の約10%~約90%の範囲にある部分膨張状態を有することができる。オフセットバルーン310が膨張状態(例えば、完全膨張状態)にあるとき、オフセットバルーン310は、完全膨張容積を有する。
【0066】
図5は、一実施形態による、オフセットバルーン310が半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポート20の遠位部分300の断面図である。断面図は、図4の平面5-5を通して取られている。この実施形態は、オフセットバルーン310が、可変断面厚を有する壁500から形成されていることを例示している。シャフト軸330の第1の側332の壁500は、シャフト軸330の第2の側334の壁500の断面厚と比較して、より薄い断面厚を有する。同様に、シャフト軸330の第2の側334の壁500は、シャフト軸330の第1の側332の壁500の断面厚と比較して、より厚い断面厚を有する。シャフト軸330の第2の側334の壁500の相対的に厚い断面厚が、膨張するためにより多くの力を必要とし、シャフト軸330の第1の側332の壁500の相対的に薄い断面厚が、膨張するためにより少ない力を必要とすることから、オフセットバルーン310は、シャフト軸330の第2の側332よりも、シャフト軸330の第1の側332でより大きく膨張する。例えば、オフセットバルーン310が膨張すると、オフセットバルーン310の膨張容積の約60%~約90%は、シャフト軸330の第1の側332にあり得る一方、膨張容積オフセットバルーン310の約10%~約40%のみが、シャフト軸330の第2の側332にあり得る。
【0067】
また、壁500の可変断面厚を、膨張平面510に対して測定することができる。膨張平面510は、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態にあるときに、シャフト軸330に沿って、長尺シャフト210、曲げ可能なシャフト220、および操縦可能な先端230の中央を通過する。したがって、シャフト軸330は、膨張平面510内にある。一実施形態では、膨張平面510は、器具ポート20の長さに沿って延びるシャフト軸330と、器具ポートの幅に沿って延びる幅軸360(図4)と、によって記述または画定され得る。幅軸360は、シャフト軸330に直交する。膨張平面510の(例えば、第1の側の)下方512で、オフセットバルーン壁500は、膨張平面510の(例えば、第2の側の)上方514の壁500の断面厚と比較してより薄い断面厚を有する。同様に、膨張平面510の(例えば、第2の側の)上方514で、オフセットバルーン壁500は、膨張平面510の(例えば、第1の側の)下方512の壁500の断面厚と比較してより厚い断面厚を有する。オフセットバルーン310が膨張すると、オフセットバルーン310の膨張容積の約60%~約90%は、膨張平面510の(例えば、第1の側の)下方512にあり得る一方、膨張容積オフセットバルーン310の約10%~約40%のみが、膨張平面510の(例えば、第2の側の)上方514にあり得る。
【0068】
図6は、代替実施形態による、オフセットバルーン310が半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポート20の遠位部分300の断面図である。断面は、図4の平面5-5を通る線を通して取られている。この実施形態では、オフセットバルーン310の壁500は、均一な断面厚を有する。バルーン制限チューブ610の一部分(例えば、水平な円筒形セグメントなどのチューブの長さに沿って切断されたチューブ)が、オフセットバルーン310の一部分を覆って、または一部分上で長尺シャフト210に取り付けられている。バルーン制限チューブ610は、剛性であり、オフセットバルーン310の膨張を制約または制限し、これにより、オフセットバルーン310は、バルーン制限チューブ610が位置しない場所でのみ膨張する。オフセットバルーン310が膨張平面510の(例えば、第1の側の)下方512でのみ膨張するように、バルーン制限チューブ610を、膨張平面510の(例えば、第2の側の)上方514でオフセットバルーン310を覆って、またはオフセットバルーン310上に配設することができる。バルーン制限チューブ610は、プラスチック、金属、および/または別の材料を含むことができる。オフセットバルーン310は、シャフト軸330の第2の側334よりも、シャフト軸330の第1の側332上で大きく膨張している。
【0069】
図7は、一実施形態による、医療処置中に、オフセットバルーン310が半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポート20の側面図を例示している。オフセットバルーン310を膨張させることは、熱組織110と器具ポート20(例えば、長尺シャフト210、曲げ可能なシャフト220、および操縦可能な先端230)との間の距離を増加させる。1つの技術的利点は、オフセットバルーン310が膨張すると、熱組織110と器具ポート20との間の距離が増加し、例えば図8に例示されるように、長尺シャフト210に対する操縦可能な先端230の位置および角度をカスタマイズするために、曲げ可能なシャフト220を心臓組織110に向けて曲げるために必要な空間を提供することである。例えば、オフセットバルーン310は、曲げ可能なシャフト220が曲げられた状態にあるときに(例えば、操縦可能な先端230と長尺シャフト210との間のカスタマイズされた角度が90°であるときに)、操縦可能な先端230の遠位端部204と長尺シャフト210の遠位端部の外表面812との間の曲げ距離820以上である半径または高さ810を有することができる。半径/高さ810および曲げ距離820を、シャフト軸330に直交する垂直軸830に対して測定することができる。これにより、曲げ可能な先端220が曲がって、操縦可能な先端210のカスタマイズ可能な位置および角度を調整するのに十分な間の空間が提供される。
【0070】
操縦可能な先端230のカスタマイズ可能な位置および角度は、操縦可能な先端230の遠位端部234に位置する撮像システム800を使用して、心臓組織110の撮像を改善することを容易にすることができる。加えて、操縦可能な先端230のカスタマイズ可能な位置および角度は、器具ポート20を通して挿入されたアブレーションカテーテルが、いかなる損傷からも横隔神経140を保護しながら、心臓組織110に(例えば、カテーテル100と比較して)より深い病変を生じさせることを可能にすることができる。さらに、オフセットバルーン310は、操縦可能な先端230の遠位端部234と心臓組織110との間のより正確な、かつ/または安定した接触を提供することができ、このことが、器具ポート20に挿通されたアブレーションカテーテルを用いてアブレーションを実施するために必要な接触力を可能にすることができる。アブレーションカテーテルは、高周波(RF)、凍結アブレーション、針アブレーション、レーザアブレーション、および/またはエレクトロポレーションを含む任意のアブレーション技術を使用して動作することができる。
【0071】
図7および8はまた、曲げ可能なシャフト220が、長尺シャフト210の位置、形状、配向、および/または挙動に影響を与えることなく曲がることができることを例示している。例えば、図7および8は、長尺シャフト210が、曲げ可能なシャフト220が曲がるにつれて、シャフト軸330に沿った長尺シャフト210の位置を維持することができることを例示している。加えて、シャフト軸330は、曲げ可能なシャフト220が曲がるにつれて、同じ相対的な位置および角度(例えば、シャフト軸330が移動しない)を維持する。したがって、シャフト軸330は、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、静止したままであり得る。代替的に、長尺シャフト210を、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、屈曲状態に、ならびに同じ屈曲位置、屈曲構成、および/または屈曲配向に保つことができる。したがって、曲げ可能なシャフト220は、曲がることができ、カスタマイズ可能な角度を、長尺シャフト210とは独立に調整または設定することができる。
【0072】
図9は、別の代替実施形態による、オフセットバルーン310が半径方向に非対称的に膨張したときの器具ポート20の遠位部分300の断面図である。断面は、図4の平面5-5を通して取られている。この実施形態では、オフセットバルーン310は、膨張平面510の(例えば、第1の側の)下方512でのみ取り付けられている。オフセットバルーン310は、膨張平面510の(例えば、第2の側の)上方514では取り付けられていないことから、バルーン310は、膨張平面510の下方512でのみ膨張する。オフセットバルーン310は、シャフト軸330の第1の側332でのみ膨張し、シャフト軸330の第2の側334では膨張しない。この代替実施形態の側面図は、図8に例示されるものと同じに見えるであろう。
【0073】
図10は、一実施形態による、オフセットバルーン310が半径方向に対称的に膨張したときの器具ポート20の遠位部分300の斜視図である。この実施形態では、オフセットバルーン310は、シャフト軸330の第1および第2の側332、334で等しく(または実質的に等しく)膨張している。図11は、一実施形態による、医療処置中にオフセットバルーン310が半径方向に対称的に膨張したときの器具ポート20の側面図を例示している。半径方向に対称なバルーンは、半径方向に非対称なバルーンと同じまたは実質的に同じ技術的利点を提供する。ただし、半径方向に非対称なバルーンに対する利点は、半径方向に対称なバルーンと比較して、心臓の血行動態を損なうことなく、より大きなバルーンを使用することができることである。例えば、図11では、半径方向に対称なバルーン310の上側部分1110は、心臓組織110に対する力または圧力を生成することができる心膜120に衝接して配設されている。この力または圧力は、心臓の血流に影響を与える可能性があるため、望ましくない。
【0074】
上記で考察したように、オフセットバルーン310を、部分膨張させることができる。例えば、オフセットバルーン310は、完全膨張容積のあるパーセンテージである部分膨張容積を有することができる。特定の例では、オフセットバルーン310は、オフセットバルーン310の部分膨張容積が、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、および約80%、または任意のパーセンテージもしくは前述のパーセンテージのうちの任意の2つの間のパーセンテージを含む、完全膨張容積の約10%~約90%の範囲にある部分膨張状態を有することができる。オフセットバルーン310が膨張状態(例えば、完全膨張状態)にあるとき、オフセットバルーン310は、完全膨張容積を有する。
【0075】
図12は、曲げられていない状態の曲げ可能なシャフト220の一実施形態を例示するための、オフセットバルーン310を備えていない器具ポート20の遠位部分300の斜視図である。曲げ可能なシャフト220は、シャフト軸330に沿って同心円状に配設されている複数の機械的リング1200を含む。機械的リング1200は、関節リンクを備えることができる。機械的リング1200の各隣接する対1210は、機械的リンク1220の対によって機械的に結合されている。それぞれの第3の軸1230は、機械的リンク1220の各対を通過する。第3の軸1230は、幅軸360と同じであるか、または平行であり得る。機械的リンク1220は、シャフト軸330および第3の軸1230によって画定された剛性平面1240内の曲げ可能なシャフト220の可撓性を制限する構造を提供する。剛性平面1240は、膨張平面510と同じであり得る。
【0076】
機械的リング1200は、シャフト軸330に沿って離間して、シャフト軸330および第3の軸1330に直交する枢動軸1250に対して上方または下方に可撓性または屈曲性を提供する。枢動軸1250およびシャフト軸330は、屈曲可能なシャフト220が上方または下方に曲がることができる枢動平面1260を画定する。剛性平面1240および枢動平面1260は、互いに直交している。
【0077】
機械的リング1200および機械的リンク1220を、金属(例えば、ステンレス鋼またはチタン)またはプラスチック(例えば、ポリアミド、ポリエーテルイミド、および/または別のプラスチック)で形成することができる。一実施形態では、曲げ可能なシャフト220の近位端部は、長尺シャフト210の遠位端部に溶接されている。加えて、曲げ可能なシャフト220の遠位端部を、操縦可能な先端230の近位端部に結合することができる。
【0078】
図13は、曲げられた状態の曲げ可能なシャフト220の一実施形態を例示するための、オフセットバルーン310を備えた器具ポート20の遠位部分300の斜視図である。曲げられた状態において、機械的リング1200は、曲げの方向から離れた曲げ可能なシャフト220の側でさらに離間しており、機械的リング1200は、曲げの方向寄りの曲げ可能なシャフト220の側で互いにより近く離間している。曲げ可能なシャフト220を、曲げ可能な状態において調整して、長尺シャフト210に対して操縦可能な先端230のカスタマイズ可能な角度1300を形成することができる。カスタマイズ可能な角度1300を、シャフト軸330と、操縦可能な先端230の作業チャネル320を通って延在する先端軸1310と、の間で測定することができる。曲げられていない状態において、先端軸1310およびシャフト軸330は同一直線上にある。
【0079】
図12および13はまた、曲げ可能なシャフト220が、長尺シャフト210の位置、形状、配向、および/または挙動に影響を与えることなく曲がることができることを例示している。例えば、長尺シャフト210は、曲げ可能なシャフト220が曲がるにつれて、シャフト軸330に沿った長尺シャフト210の位置を維持する。加えて、シャフト軸330は、曲げ可能なシャフト220が曲がるにつれて、同じ相対的な位置および角度(例えば、シャフト軸330が移動しない)を維持する。したがって、シャフト軸330は、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、静止したままであり得る。代替的に、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、長尺シャフト210を屈曲状態に保つことができる。
【0080】
また、長尺シャフト210は、いくつかの実施形態では、(本明細書に、例えば図18および19に記載されるように)可撓性であることに留意されたい。非屈曲状態において、長尺シャフト210は、シャフト軸330に沿って延在する。屈曲状態において、長尺シャフト210のうちのいくつかまたはすべては、シャフト軸330に沿って延在しない。例えば、長尺シャフト210は、解剖学的特徴(例えば、心臓)の周りに位置決めされるような屈曲状態に曲げられたり湾曲したりすることができる。いずれの場合(屈曲または非屈曲状態)でも、曲げ可能なシャフト220は、曲げ可能なシャフト220が曲げられていない状態から曲げられた状態に移行する間、静止したままであることができる(例えば、同じ屈曲または非屈曲構成、屈曲または非屈曲位置、屈曲または非屈曲状態、屈曲または非屈曲配向など)。したがって、曲げ可能なシャフト220は、曲がることができ、カスタマイズ可能な角度を、長尺シャフト210とは独立に調整または設定することができる。
【0081】
図14は、一実施形態による、曲げられていない状態の曲げ可能なシャフト220および操縦可能な先端230の斜視図である。この図では、機械的リング1200および機械的リンク1220は、曲げ可能なシャフト220の第1および第2のワイヤ1401、1402を例示するために部分的に透明である。第1のワイヤ1401の第1の端部1411は、曲げ可能なシャフト220の遠位端部の第1の側1421に(例えば、内表面に)取り付けられている。第2のワイヤ1402の第2の端部1412は、曲げ可能なシャフト220の遠位端部の第2の側1422に(例えば、内表面に)取り付けられている。第1および第2の端部1411、1412を、曲げ可能なシャフト220の遠位端部に圧着かつ/または溶接することができる。曲げられていない状態において、第1および第2の端部1411、1412は、枢動軸1250に沿って曲げ可能なシャフト220の対向する側1421、1422に取り付けられている。
【0082】
第1および第2のワイヤ1401、1402は、ハンドル200まで延在し、そこで第1および第2のワイヤ1401、1402を、(例えば、1つ以上のレバーによって)引っ張って、曲げ可能なシャフト220を膨張平面1260内の対応する方向に曲げることができる。例えば、第1のワイヤ1401を、曲げ可能なシャフト220を上方に(例えば、第1の側1421に対応する第1の方向に)曲げるように引っ張ることができる。同様に、第2のワイヤ1402を、曲げ可能なシャフト220を下方に(例えば、第2の側1422に対応する第2の方向に)曲げるように引っ張ることができる。各ワイヤ1401、1402は、1つ以上のガイドスリーブ1430を通過することができる。一実施形態では、第1および第2のワイヤ1401、1402は、第1および第2のワイヤロープを備えることができる。
【0083】
各ワイヤ1401、1402は、任意選択で、図15に例示されるように、ワイヤ張力調整器1500の一部である稠密巻きコイル1440を通過することができ、かつ/またはこれに取り付けることができる。稠密巻きコイル1440の遠位端部1442は、機械的リング1200(例えば、器具ポート20の近位端部202寄りの機械的リング1200)に固定的に取り付けられ(例えば、溶接され)ている。ワイヤ張力調整器1500は、稠密巻きコイル1440および張力調整器1510を含む。張力調整器1510は、ハンドル200の調整器プレート2440(図24)に取り付けられている。張力調整器1510は、稠密巻きコイル上の外部ねじに係合する内部ねじを含むカウンタボア1520を含む。張力調整器1510は、ワイヤ1402の張力を増加させるための第1の方向に、およびワイヤ1402の張力を減少させるための第2の方向に回転させることができる。ワイヤ1402に関してワイヤ張力調整器1500が例示されているが、同一のワイヤ張力調整器1500をワイヤ1401とともに使用することができる。
【0084】
図16は、一実施形態による、器具ポート20の遠位部分300の斜視図である。この図では、操縦可能な先端230は、部分的に透明であり、曲げ可能なシャフト220は、器具ポート20の遠位端部204(および遠位先端230の遠位端部)に配設された撮像システム1600を例示するために取り外されている。撮像システム1600は、カメラ1620の周りに配設された第1および第2の光エミッタ1610を含む。各光エミッタ1610は、光ファイバケーブルまたは光ファイバケーブルの束を含むことができる。光ファイバは、光ファイバの近位端部でライト(例えば、LEDライト、白熱ライト、レーザ、または別のライト)に光学的に結合されており、光ファイバを通して光を伝送し、光は、器具ポート20の遠位端部204で出力される。代替実施形態では、光エミッタ1610は、操縦可能な先端230に配設されて器具ポート20の遠位端部204で光を出力する1つ以上のライト(例えば、LED)を含むことができる。追加の、またはより少ない光エミッタ1610を、他の実施形態に含めることができる。
【0085】
カメラ1620は、光エミッタ1610から放出される1つ以上の周波数の光に対して感度がある光センサを含む。カメラ1620は、器具ポート20の近位端部202まで延在するケーブル1630に電気的に結合されており、器具ポート20で、ケーブル1630をコントローラに接続することができる。コントローラは、光エミッタ1610のためのライトを含むことができる。光エミッタ1610によって放出される光を、コントローラによって、コントローラに対するアナログ制御またはディスプレイソフトウェアでのデジタル制御を使用して光の強度を変更することによって、ならびに偏光および/またはバンドパスフィルタリングなどの周知の手段によって発光スペクトルを変更することによって、修正することができる。カメラ1620を使用して、器具ポート20の遠位端部204の前(例えば、遠位)の領域の静止画像データまたは動(例えば、ビデオ)画像データを取得することができる。例えば、カメラ1620を使用して、心臓組織110、心膜120、および病変130の静止画像データまたは動画像データを、それが形成される際に取得することができる。これらの画像を使用して、機械学習技術などの高度な画像特徴検出アルゴリズムを訓練することができる。いくつかの実施形態では、画像データを使用して、病変130の特性(例えば、サイズ、色など)を自動的に検出して、病変130が所定の特性(例えば、サイズ、色など)を有する場合にアブレーションを自動的に停止することができる。カメラ1620は、2Dまたは3D画像データを取得することができる(例えば、3D画像データは、立体静止画像および/または立体ビデオ画像を含むことができる)。撮像システム1600は、撮像システム800と同じであっても、異なっていてもよい。
【0086】
作業チューブ1640は、曲げ可能なシャフト220と、操縦可能な先端230の少なくとも近位部分1650と、に配設されている。作業チューブ1640と、操縦可能な先端230の遠位部分1670に画定された先端チャネル1660と、は、作業チャネル320を形成している。作業チューブ1640は、器具ポート20のハンドル200および/または近位端部202に延在することができる。作業チューブ1640はまた、操縦可能な先端230の遠位部分1670まで延在して、先端チャネル1660の一部またはすべてを置き換えることができる。
【0087】
図17は、一実施形態による、作業チューブ1640の孤立斜視図である。作業チューブ1640は、作業チューブ本体1710を柔軟に構造的に支持するヘリカルまたは螺旋ワイヤ1700を含む。作業チューブ本体1710は、ポリエーテルブロックアミド(例えば、PEBAX(登録商標))および/またはエチレンプロピレン(FEP)ライナおよび/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ライナを備えた別の材料を含むことができる。FEPおよび/またはPTFEは、医療デバイス(例えば、アブレーションカテーテル100などのアブレーションカテーテル)を挿通するための比較的滑らかな表面を提供することができる。弛緩した状態において、作業チューブ1640は、シャフト軸330に沿ってかつ/または平行に延在する。作業チューブ1640は、軸1720(例えば、作業チューブ1640の高さに平行)および/または1730(例えば、作業チューブ1640の幅に平行)などの、シャフト軸330に直交する1つ以上の軸に対して屈曲し、かつ/または曲がることができる。
【0088】
図18は、一実施形態による、長尺シャフト210の孤立斜視図である。長尺シャフト210は、弛緩した状態においてシャフト軸330に沿って、かつ/または平行に延在する長尺チューブ1800を備える。長尺チューブ1800を、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン、および/または別の金属)、プラスチック、および/または別の材料から形成することができる。可撓性チューブ1800に複数のスリットまたは開口部1810が画定されて、長尺チューブ1800に可撓性を生じさせる。スリット1810を、機械加工、レーザエッチング、または別の技術によって形成することができる。スリット1810を、シャフト軸330およびシャフト軸330に直交する幅軸1830によって画定された第1の平面1820に対する可撓性(例えば、受動的可撓性)を提供するように構成することができる。長尺チューブ1800の幅または直径を、幅軸1830に対して測定することができる。スリット1810はまた、シャフト軸330とシャフト軸330および幅軸1830に直交する高さ軸1850とによって画定された第2の平面1840およびに対する可撓性(例えば、受動的可撓性)を提供することができる。長尺チューブ1800の高さまたは直径を、高さ軸1850に対して測定することができる。(図18に例示されるような)非屈曲状態において、長尺チューブ1800は、シャフト軸330に沿って延在する。
【0089】
スリット1810は、平面1820、1840内に可撓性を提供することができる中断された螺旋パターンなどのパターンを形成している。別の実施形態では、スリット1810は、図19に例示されるように、長尺チューブ1800の第1および第2の側1802、1804に円周方向に延在する複数のフィンとして配置されている。長尺チューブ1800の第1の側1802のスリット1810と第2の側1804のスリット1810との間の長尺チューブ1800の第3の側1806に、ギャップ1900が配設されている。長尺チューブ1800の第1の側1802のスリット1810と第2の側1804のスリット1810との間の長尺チューブ1800の第4の側1808に、第2のギャップ1900が配設されている。第3および第4の側1806、1808のギャップ1900は、幅軸1830に対して整列している。ギャップ1900は、スリット1810を含む長尺チューブ1800の領域と比較して可撓性ではない(例えば、堅い)、(例えば、スリット1810を含まない)中実の長尺チューブ1800の領域に対応する。したがって、図19の長尺チューブ1800は、平面1840に対して可撓性であるが、平面1820に対して可撓性ではない。
【0090】
図20は、本明細書に記載される特定の構成要素の相対的な配置を例示するための、図3の線20-20を通した長尺シャフト210の断面図である。断面図は、第1および第2のワイヤ1401、1402、任意選択の稠密巻きコイル1440、流体チューブ2000、作業チューブ1640、第1および第2の光ファイバケーブル2011、2012、ならびに撮像ケーブル2020の例示的な配置を例示している。流体チューブ2000は、流体ポート340に流体結合されて、オフセットバルーン310に/から流体を提供および/または受容する。一例では、流体チューブ2000は、流体ポート340に衝接して配設された穴を含み、流体チューブ2000の遠位端部が、流体ポート340内に、または流体ポート340からオフセットバルーン310に/から流体流を押しやるために(例えば、それらの間の閉鎖流体経路を画定するように)キャップまたはシールされている。第1および第2の光ファイバケーブル2011、2012は、第1および第2の光エミッタ1610に電気的に結合されている。一実施形態では、第1および第2の光エミッタ1610は、第1および第2の光ファイバケーブル2011、2012を備える。撮像ケーブル2020は、カメラ1620から外部コントローラ(または他のデバイス)に画像データを送信するために、外部コントローラからカメラ1620にコマンドを送信するために(例えば、カメラの焦点を調整するために)、かつ/またはカメラ1620に電力を供給するために、カメラ1620に電気的に結合されている。代替実施形態では、カメラ1620は、バッテリ駆動であることができ、かつ/または外部コントローラ(または他のデバイス)と無線通信することができる。
【0091】
任意選択の医療デバイス2030(例えば、アブレーションカテーテル100などのアブレーションカテーテル)が、作業チューブ1640の内部の作業チャネル320に挿入されている。作業チューブ1640は、医療デバイス2030の半径2050よりも大きい半径2040(例えば、作業チューブ半径)を有するように構成されている。医療デバイス2030の外表面2034と作業チューブ1640の内表面1642との間に、流体チャネル2060が形成されている。流体チャネル2060を使用して、医療処置中および/または医療処置の前に、医療デバイス2030の外表面2034および/または外科部位を(例えば、生理食塩水または半生理食塩水などの液体で)フラッシュすることができる。加えて、または代替で、流体チャネル2060を、真空源に流体結合して、医療デバイス2030の外表面2034および/または外科部位に真空を適用して、デブリおよび/もしくは液体(例えば、生理食塩水または半生理食塩水、血液など)をそこから除去するなどすることができる。
【0092】
図21は、一実施形態による、器具ポートシステム2100の上面図である。器具ポートシステム2100は、器具ポート20、流体源2110、マイクロプロセッサベースのコントローラ2120、および真空/液体フラッシュ源2130を含む。器具ポート20の長尺シャフト210は、この図において、ページ内の器具ポート20に適合するように破断とされている。ハンドル200は、第1および第2のワイヤ1401、1402にそれぞれ機械的に結合されている第1および第2のレバー2101、2102を含む。第1のレバー2101を器具ポート20の近位端部202に向けて押圧することにより、第1のワイヤ1401に張力が生じ、曲げ可能なシャフト220が第1の方向に曲がる。第1のレバー2101を器具ポート20の近位端部202に向けて押圧することにより、第2のワイヤ1402の張力を解放することもできる。第2のレバー2102を器具ポート20の近位端部202に向けて押圧することにより、第2のワイヤ1402に張力が生じ、曲げ可能なシャフト220が第2の方向に曲がる。第2のレバー2102を器具ポート20の近位端部202に向けて押圧することにより、第1のワイヤ1401の張力を解放することもできる。第1および第2のレバー2101、2102は、レバー240と同じであり得る。機械的ロック2105は、第1および第2のレバー2101、2102の相対位置をロックすることができ、第1および第2のレバー2101、2102は、それぞれのワイヤ1401、1402の張力を調整し、それによって、曲げ可能なシャフト220および操縦可能な先端210の配向(例えば、角度1300)をロックすることができる。機械的ロック2105は、図21において(例えば、遠位端部204寄りに)ロック状態で配置されている。機械的ロック2105を、ロック解除状態に移行させるために近位端部202寄りに移動させることもできる。
【0093】
ハンドル200に(例えば、ハンドル200の近位端部に)、ハンドル流体ポート2140が形成されている。ハンドル流体ポート2140は、流体源2110に、かつ流体チューブ2000に流体結合されており、流体チューブ2000は、流体ポート340に、かつオフセットバルーン310に流体結合されている。流体源2110は、オフセットバルーン310を膨張させるための所定の体積の液体または気体を解放可能に保持することができる。流体源2110は、流体を解放可能に保持することができるシリンジ、タンク、または他の装置を備えることができる。流体源2110はまた、オフセットバルーン310から所定の体積の液体または気体を受容して、オフセットバルーン310を収縮させることができる。
【0094】
ハンドル200に(例えば、ハンドル200の近位端部に)、光学システムポート2150も形成されている。1つ以上のケーブルを、光学システムポート2150に挿通することができ、この1つ以上のケーブルは、撮像システム1600まで延在することができる。例えば、光ファイバケーブル2011、2012および/または撮像ケーブル2020を、光学システムポート2150に挿通することができる。ケーブルの近位端部を、コントローラ2120に光学的かつ/または電気的に結合することができる。コントローラ2120は、光ファイバケーブル2011、2012に光学的に結合されているライト(例えば、LED、レーザなど)を含むことができる。コントローラ2120はまた、カメラ1620のための電源、および/またはカメラ1620と信号通信して、カメラ1620にコマンドを送信し、かつカメラ1620から画像データを受信するためのマイクロプロセッサベースのコンピュータを含むことができる。コントローラ2120は、任意選択で、撮像システム1600によって取得された画像データに対応する画像を表示することができるコンピュータディスプレイ2170と電子通信することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、コントローラ2120は、撮像システム1600によって取得された画像データを改善かつ/または分析するように構成されている。画像自体に加えて、各静止画像または動画像の取得時間などの、追加の有用な情報を記録することができる。画像データ改善の一例として、コントローラ2120は、1つ以上の周知の画像分析アルゴリズムを適用して、ノイズをフィルタリングし、かつ/または各静止画像もしくは動画像シリーズからのグレアを低減し、静止画像、もしくは動画像のセクションを集約して特定の特徴を強化し、平滑化、シャープ化、エッジ検出などのカーネルを静止画像もしくは動画像に適用し、かつ/または特徴検出のために最適化された様々な色もしくは波長に画像を分解することができる。
【0096】
コントローラ2120を、計画された医療処置に関連し得る特定の解剖学的特徴を自動的に(例えば、リアルタイムで)検出するように構成することができる。光エミッタからの照明、カメラを使用した取得、および/またはコントローラ2120における処理の最適な組み合わせを選択して、関連する特徴の検出を強化することができる。心外膜アブレーション処置において、コントローラ2120を、心臓組織110、心膜120、冠動脈、脂肪体、および/または横隔神経140を自動的に(例えば、リアルタイムで)検出するように構成することができる。コントローラ2120は、人工知能、画像認識、機械学習推論、および/または他の方法を使用して、解剖学的特徴を自動的に検出することができる。対応する場合、そのような検出された特徴を、カメラからキャプチャされ、またはリアルタイムで取得された静止画像または動画像上に重畳されたものとして、ディスプレイシステム上でデジタルに識別することができる。追加的または代替的に、コントローラ2120を、心外膜アブレーション中に任意のアブレーション技術(例えば、RF、凍結アブレーション、針アブレーション、レーザアブレーション、および/またはエレクトロポレーション)で生じさせた病変をリアルタイムで自動的に検出かつ/または追跡するように構成することができる。一実施形態では、コントローラ2120を、心外膜アブレーション中にリアルタイムで、病変130のサイズ、色、および/または他の特性もしくは属性を自動的に検出するように構成することができる。コントローラ2120は、医療デバイス2030(例えば、アブレーションカテーテル)と電気通信し、人工知能、画像認識、および/または他の方法を使用することなどによって、病変130が所定のサイズ、色、および/または特性もしくは属性に達すると、心外膜アブレーションをリアルタイムで停止するように構成できる。
【0097】
コントローラ2120は、図27に例示されるように、1つ以上のサブシステム、コントローラ、および/または特徴を含むことができ、かつ/または含むようにプログラムできる。例えば、コントローラ2120は、照明サブシステム2701、取得サブシステム2702、フィルタリングサブシステム2703、注釈サブシステム2704、特徴検出サブシステム2705、ディスプレイサブシステム2706、記憶および検索サブシステム2707、病変推定器サブシステム2708、瘢痕組織トラッカサブシステム2709、脂肪体トラッカサブシステム2710、冠状血管トラッカサブシステム2711、アブレーション制御サブシステム2712、ならびに/またはユーザインターフェースおよび制御サブシステム2713を含むことができ、かつ/または含むようにプログラムできる。
【0098】
コントローラ2120は、照明サブシステム2701を使用して光エミッタ1610のライトを制御することができるか、またはコントローラ2120は、照明サブシステム2701を使用して、光ファイバを介して光エミッタ1610に伝送され得る光(例えば、光源)を生成することができる。加えて、コントローラは、カメラ1620を制御し、画像取得サブシステム2702を使用して画像データを受信することができる。受信された画像データは、フィルタリングサブシステム2703、注釈サブシステム2704、特徴検出サブシステム2705、およびディスプレイサブシステム2706を通過することができる。例えば、フィルタリングサブシステム2703は、ノイズをフィルタリングし、かつ/または画像データからのグレアを低減することができる。注釈サブシステム2704を使用して、画像データに自動的に注釈を付けて、自動的に検出される任意の解剖学的特徴を示すことができる。注釈サブシステム2704はまた、日付、時間、患者名もしくはID、および/または他の情報を画像データに自動的に追加することができる。注釈サブシステム2704はまた、ユーザインターフェースおよび制御サブシステム2713からのユーザ入力に基づいて情報を手動で追加することができる。
【0099】
特徴検出サブシステム2705は、人工知能、画像認識、機械学習推論、および/または解剖学的特徴および/または他の情報を(例えば、リアルタイムで)自動的に検出するための他の方法を含むことができる。画像データに、注釈サブシステム2704を使用して、検出された特徴を示すように自動的に注釈付けすることができる。特徴検出サブシステム2705は、解剖学的特徴および/または他の情報を、解剖学的特徴のサイズ、色、形状、および/または他の特性に基づいて検出することができる。いくつかの実施形態では、特徴検出サブシステム2705を、検出速度を向上させることができる医療処置のための標的領域を用いてプログラムすることができる(したがって、特徴検出サブシステム2705は、医療処置のための標的領域の近くにない解剖学的特徴を検出しようとしない)。
【0100】
ディスプレイサブシステム2706を使用して、受信された画像データがフィルタリングサブシステム2703、注釈サブシステム2704、および/または特徴検出サブシステム2705を通過した後に画像を生成することができる。記憶および検索サブシステム2707を使用して、コントローラ2120にとってアクセス可能なメモリ(例えば、ネットワークアクセス可能なメモリを含むことができる内部および/または外部メモリ)に画像データを記憶し、かつ/またはそれからデータを検索するなど、画像データを記憶かつ/または検索することができる。
【0101】
病変推定器サブシステム2708は、医療処置中に病変130の1つ以上の特性を推定または判定することができる。病変の特性は、病変130のサイズ、色、および/または他の特性もしくは属性を含むことができる。病変推定器サブシステム2708を、人工知能、画像認識、および/または他の方法などを使用することによって、病変130が所定のサイズ、色、および/または特性もしくは属性に達すると、アブレーションカテーテルに心外膜アブレーションを停止させる停止信号を自動的に生成するように構成することもできる。例えば、病変推定器2708は、それぞれ図28Aおよび28Bに例示されるように、病変2830が第1の時間に第1のサイズおよび/または第1の光学属性を有し、病変2830が第2の時間に第2のサイズおよび/または第2の光学属性を有すると判定することができる。別の実施形態では、病変推定器2708は、それぞれ図28Aおよび28Bにおける第1の時間と第2の時間との間の変化率などの、サイズ、光学属性、および/または他の特性の変化率を判定することができる。
【0102】
瘢痕組織トラッカサブシステム2709は、以前の心筋感染症などに起因する心筋の既存の瘢痕組織を(例えば、リアルタイムで)定位かつ/または追跡することができる。瘢痕組織トラッカサブシステム2709の出力を、アブレーション制御サブシステム2712によって使用して、アブレーションエネルギーを調整することなどによって、アブレーションを自動制御することができる。加えて、瘢痕組織トラッカサブシステム2709の出力を注釈サブシステム2703に送信して、表示された画像において検出された瘢痕組織に注釈付けすることができる。これらの注釈は、操作者(例えば、医師)が、アブレーションカテーテルまたは他の医療器具を健康な組織に誘導し、かつ検出された瘢痕組織から離すのに有用である。加えて、操作者は、瘢痕組織注釈を使用して、アブレーションエネルギーを手動で調整することができる。瘢痕組織注釈は、グラフィカルオーバーレイ(例えば、赤線などの有色線)および/または透明な有色フィルタを含むことができる。瘢痕組織トラッカサブシステム2709は、人工知能、画像認識、および/または他の方法を使用することができる。
【0103】
脂肪体トラッカサブシステム2710は、標的部位の近くにあり得る心外膜脂肪体を(例えば、リアルタイムで)定位かつ/または追跡することができる。脂肪体トラッカサブシステム2710の出力を、アブレーション制御サブシステム2712によって使用して、アブレーションエネルギーを調整することなどによって、アブレーションを自動的に制御することができる。例えば、脂肪体は、絶縁体であり、焼灼するための追加のエネルギーを必要とし得る。加えて、脂肪体トラッカサブシステム2710の出力を注釈サブシステム2703に送信して、表示された画像において検出された脂肪体に注釈付けすることができる。これらの注釈は、操作者(例えば、医師)が、任意選択で、アブレーションカテーテルまたは他の医療器具を、検出された脂肪体から離すのに有用である。加えて、操作者は、脂肪体注釈を使用して、アブレーションエネルギーを手動で調整することができる。例えば、脂肪体に対してアブレーションを実施することは、一般に、他の組織に対してアブレーションを実施することよりも多くのアブレーションエネルギーを必要とする。脂肪体注釈を使用して、アブレーション効率を向上させることもできる。脂肪体注釈は、グラフィカルオーバーレイ(例えば、赤線などの有色線)および/または透明な有色フィルタを含むことができる。脂肪体トラッカサブシステム2710は、人工知能、画像認識、および/または他の方法を使用することができる。例えば、脂肪体トラッカサブシステム2710は、色(例えば、黄色)および/または形状に基づいて脂肪体を認識することができる。
【0104】
冠状血管トラッカサブシステム2711は、標的部位の近くにあり得る冠状血管を(例えば、リアルタイムで)定位かつ/または追跡することができる。冠状血管トラッカサブシステム2711の出力をアブレーション制御サブシステム2712によって使用して、冠状血管に近いアブレーションを自動的に停止することなどによって、アブレーションを自動制御することができる。冠状血管のアブレーションは、一般的に望ましくなく、医療処置中に患者を傷害し、かつ/または不所望の合併症を引き起こす可能性がある。加えて、冠状血管トラッカサブシステム2711の出力を注釈サブシステム2703に送信して、表示された画像において、検出された脂肪体に注釈付けすることができる。これらの注釈は、操作者(例えば、医師)がアブレーションカテーテルまたは他の医療器具を任意の冠状血管から離して冠状血管を焼灼することを回避するのに有用であり得る。冠状血管注釈は、グラフィカルオーバーレイ(例えば、赤線などの有色線)および/または透明な有色フィルタを含むことができる。冠状血管トラッカサブシステム2711は、人工知能、画像認識、および/または他の方法を使用することができる。例えば、冠状血管トラッカサブシステム2711は、色(例えば、青または赤)および/または形状に基づいて冠状血管を認識することができる。
【0105】
アブレーション制御サブシステム2712は、アブレーションカテーテルの強度、周波数、および/または他の設定を制御することができ、これらは、手動制御または自動制御され得る。アブレーション制御サブシステム2712は、制御信号に応答してアブレーションを開始および停止することができる。例えば、アブレーション制御サブシステム2712は、ユーザインターフェースおよび制御サブシステム2713を介してユーザ入力に応答してアブレーションを開始または停止することができる。追加的または代替的に、アブレーションカテーテルは、アブレーション制御サブシステム2712にアブレーションを開始させる第1の信号を押下時に生成するボタンを含むことができる。ボタンが解放されると、第2の信号は、アブレーション制御サブシステム2712にアブレーションを停止させることができる。アブレーション制御サブシステム2712はまた、病変推定器サブシステム2708から送信された停止信号に応答してアブレーションを停止することができる。
【0106】
図21に戻ると、ハンドル200の近位端部に取り付けられたアダプタ2180に、フラッシングおよび/または真空ポート2160が形成されている。代替的に、フラッシングおよび/または真空ポート2160を、(例えば、ポート2140、2150と同様に、ハンドル200の近位端部に形成することができる。フラッシングおよび/または真空ポート2160は、真空を適用するために、かつ/または流体チャネル2060に液体を導入するために、流体チャネル2060に、かつ真空/液体フラッシュ源2130に流体結合されている。アダプタ2180は、好ましくは、例えば、図22に例示されるように、医療デバイス2030(例えば、アブレーションカテーテル)が作業チャネル320に挿入され得るのに通される作業ポート2200を含むことができるTuohy-Borstアダプタを含む。必要に応じて、液体および/または真空を作業チャネル320に誘導するために、フラッシングおよび/または真空ポート2160と作業ポート2200との間にバルブ2210を配設することができる。バルブ2210は、アダプタ2180を回転させることによって、作動させることができる。
【0107】
図23は、図22の線23-23を通したハンドル200の近位部分の断面図である。断面は、医療器具2030を含まない。この図は、ハンドル200のそれぞれのポート2200、2140、2150に、作動チューブ1640、流体チューブ2000、および撮像ケーブル2300がどのように結合されているかの例を例示している。撮像ケーブル2300は、光ファイバケーブル2011、2012、および/または撮像ケーブル2020を含むことができる。
【0108】
図24は、一実施形態による、レバー2101、2102の構造および動作を例示するためにハウジングが取り外されたハンドル200の一部分の上面図である。レバー2101、2102は、主軸2400に取り付けられており、主軸2400上に、第1および第2のワイヤ1401、1402の第1および第2の端部2411、2412が取り付けられて、先端操縦装置2430を形成している。図において、第1のレバー2101は、近位端部202に向けて押圧され、このことが、主軸2400を時計回りに(例えば、第1の方向に)回転させて、第1のワイヤ1401の張力を(例えば、その有効長を減少させることによって)増加させる。主軸2400を時計回りに回転させることはまた、第2のワイヤ1402の張力を(例えば、その有効長を増加させることによって)減少させ、第2のレバー2102を遠位端部204に向けて移動させる。
【0109】
逆に、第2のレバー2102を近位端部202に向けて押圧することは、主軸2400を反時計回りに(例えば、第2の方向に)回転させて、第2のワイヤ1402の張力を(例えば、その有効長を減少させることによって)増加させる。主軸2400を反時計回りに回転させることはまた、第1のワイヤ1401の張力を(例えば、その有効長を増加させることによって)減少させ、第1のレバー2101を遠位端部204に向けて移動させる。見て取れるように、第1および第2のレバー2101、2102は、主軸2400を介して機械的に結合されており、位相がずれている。例えば、第1のレバー1401が一方の方向に(例えば、遠位端部204に向けて)押されると、第2のレバー1402は、反対方向に(例えば、近位端部202に向けて)押され、このことが、第1または第2のワイヤ1401、1402の張力の対応する増加と、第2または第1のワイヤ1402、1401の張力の対応する減少と、をそれぞれ引き起こす。
【0110】
この図はまた、ハンドル200の調整器プレート2440を例示している。調整器プレート2440は、張力調整器1510の外部ねじ山と係合するねじ穴を含む。調整器プレート2440は、ハンドル200に取り付けられ、かつ/または固定されている。張力調整器1510を、第1の方向に回転させて、器具ポート20の近位端部202に向けて(例えば、主軸2400に向かって)移動させ、また、第2の方向に回転させて、器具ポート20の遠位端部204に向けて移動させることができる。稠密巻きコイル1440が機械的リング1200および張力調整器1510に(例えば、カウンタボア1520に)取り付けられていることから、張力調整器1510を第1の方向に移動させることは、対応するワイヤ1401、1402の張力を増加させる。逆に、張力調整器1510を第2の方向に移動させることは、対応するワイヤ1401、1402の張力を減少させる。
【0111】
図25は、図24に例示される先端操縦装置2430の孤立斜視図である。先端操縦装置2430は、レバー2101、2102、機械的ロック2105、および主軸2400を含む。ワイヤ1401、1402は、図25に例示されていない。機械的ロック2105は、ロックハウジング2420のロックチャネル2510に滑動可能に結合されているシャフト2500に機械的に結合されている。ロックハウジング2520の外表面2525は、シャフト軸2530に対して測定されると、ロックチャネル2510のロック解除された側2514よりも、ロックチャネル2510のロックされた側2512で相対的に高い。シャフト2500の縁部2405は、ロックハウジング2420の外表面2525に機械的に係合している。シャフト2500がロックチャネル2510のロックされた側2512に滑動すると、上昇した外表面2525は、シャフト2500に対する上向きの力を生じて、(例えば、フレアシャフトブレーキ2540に係合することによって)主軸2400の回転をロックする。主軸2400は、先端操縦装置2430をさらに例示するために、図25において部分的に透明である。他の実施形態では、機械的ロック2105は、プッシュボタン、レバー、ダイヤル、または他の機構を含むことができる。
【0112】
図26は、機械的ロック2105をさらに例示するための、図25の線26-26を通したハンドル200の一部分の断面図である。機械的ロック2105は、図26のロック解除状態にある。ロック解除状態において、主軸2400の1つ以上の上縁部2602は、ハンドル200の1つ以上の内縁部2604から係合解除されて、主軸2400が自由に回転することを可能にする。ロック状態において、上昇した外表面2525は、シャフト2500を上方に(例えば、シャフト軸2530に沿って主軸2400から離れるように)移動させる。シャフト2500は、フレアシャフトブレーキ2540に機械的に(例えば、ねじによって)結合されており、かつ/またはこれを含み、フレアシャフトブレーキ2540は、シャフト2500とともに(例えば、シャフト軸2530に対して)上下に移動する。シャフト2500およびフレアシャフトブレーキ2540が上方に移動して、機械的ロック2105をロック状態に移行させると、フレアシャフトブレーキ2510は、主軸2500に機械的に係合して、主軸2500を上方に追いやり、このことが、主軸2400の上縁部2602をハンドルハウジング2610の内縁部2604に機械的に係合させる。上縁部2602と内縁部2604との機械的係合は、それらの間の摩擦を増加させて、主軸2400の回転を機械的にロックする。主軸2400の回転をロックすることにより、ワイヤ1401、1402の張力(または張力の欠如)が設定またはロックされて、曲げ可能なシャフト220の曲げと、長尺シャフト210に対する操縦可能な先端230のカスタマイズ可能な角度1300と、が設定またはロックされる。
【0113】
本発明は、上述した特定の実施形態に限定されると解釈されるものではない。本発明が適用可能であり得る様々な修正、同等のプロセス、ならびに多数の構造が、本開示の見直しにより、本発明が対象とする当業者には容易に明らかになるであろう。上述の実施形態は、多数の方法で実装され得る。プロセスまたは方法の実行を伴う1つ以上の態様および実施形態は、プロセスまたは方法を実行するか、またはそれらの性能を制御するためのデバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサ、または他のデバイス)によって実行可能なプログラム命令を利用してもよい。
【0114】
この点で、1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサで実行されたときに、上述した様々な実施形態のうちの1つ以上を実装する方法を実行する、1つ以上のプログラムで符号化された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(または複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、一時的または非一時的なデジタル記憶ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイスの回路構成、または他の有形のコンピュータ記憶媒体を含む、任意の好適なタイプのコンピュータメモリ)として、様々な発明概念が具現化され得る。ソフトウェアで(例えば、アプリとして)実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータに提供されるか、または複数のコンピュータに分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサまたは一群のプロセッサで実行され得る。
【0115】
さらに、コンピュータは、非限定的な例として、ラックマウントコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータなどのいくつかの形態のいずれかで具現化され得ることを理解されたい。追加的に、コンピュータは、一般的にコンピュータとは見なされないが、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、または任意の他の好適な可搬型または固定型電子デバイスを含む好適な処理能力を有するデバイスに組み込まれ得る。
【0116】
また、コンピュータは、1つ以上の通信デバイスを有してもよく、これを使用して、例えば、エンタープライズネットワーク、およびインテリジェントネットワーク(IN)もしくはインターネットなどの、ローカルエリアネットワークもしくはワイドエリアネットワークを含む、任意の好適な形態の1つ以上のネットワークなどの、1つ以上の他のデバイスおよび/またはシステムにコンピュータを相互接続してもよい。そのようなネットワークは、任意の好適な技術に基づいていてもよく、任意の好適なプロトコルに従って動作してもよく、無線ネットワークまたは有線ネットワークを含んでもよい。
【0117】
また、コンピュータは、1つ以上の入力デバイスおよび/または1つ以上の出力デバイスを有してもよい。これらのデバイスを使用して、とりわけ、ユーザインターフェースを提示することができる。ユーザインターフェースを提供するために使用され得る出力デバイスの例としては、出力の視覚的提示のためのプリンタまたはディスプレイ画面と、出力の可聴提示のためのスピーカまたは他の音生成デバイスと、が挙げられる。ユーザインターフェースに使用され得る入力デバイスの例としては、キーボードと、マウス、タッチパッド、およびデジタル化タブレットなどのポインティングデバイスと、が挙げられる。別の例として、コンピュータは、発話認識を介して、または他の可聴フォーマットで入力情報を受信してもよい。
【0118】
1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、搬送可能であってもよく、それらに記憶された1つ以上のプログラムが、1つ以上の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードされて、上述した態様のうちの様々な1つ以上を実装し得るようになっている。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、非一時的媒体であってもよい。
【0119】
「プログラム」、「アプリ」、および「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、包括的な意味で、コンピュータまたは他のプロセッサをプログラムして上述したような様々な態様を実装するために使用され得る、任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令セットを指すために使用される。追加的に、一態様によれば、実行されたときに本出願の方法を実行する1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサに存在する必要はなく、いくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサ間でモジュール式に分散されて、本出願の様々な態様を実装してもよいことを理解されたい。
【0120】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールなどの多くの形態であってもよい。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わされるか、または分散されてもよい。
【0121】
また、データ構造が、任意の好適な形態でコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。例示を簡単にするために、データ構造は、データ構造中のロケーションを通じて関連するフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達するコンピュータ可読媒体におけるロケーションを用いてフィールドのためのストレージを割り当てることによって達成されてもよい。しかしながら、任意の好適なメカニズムを使用して、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他のメカニズムの使用を介することを含む、データ構造のフィールドにおける情報間の関係を確立してもよい。
【0122】
したがって、本開示および特許請求の範囲は、上述した有用な結果を達成するために以前に知られておらず、実施されてもいなかった既存の方法および技術に対する新しい、かつ新規な改善を含む。本方法およびシステムのユーザは、システムおよびそのユーザへのその出力に効果をもたらす、本明細書に記載される特定の修正により可能になった機能から有形の利益を得るであろう。本明細書に列挙される技術的構成要素を使用して、特許請求される発明の実施時に、大幅に改善された動作を達成することができることが予想される。
【0123】
また、記載されるように、いくつかの態様は、1つ以上の方法として具現化されてもよい。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。よって、例示的な実施形態では順次の行為として示されているにもかかわらず、いくつかの行為を同時に実施することを含み得る、例示されるものとは異なる順序で行為が実施される実施形態を構築してもよい。
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【国際調査報告】