IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ディジオル・リミテッドの特許一覧

特表2023-501802拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法
<>
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図1
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図2
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図3
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図4
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図5
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図6
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図7
  • 特表-拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-19
(54)【発明の名称】拡張された2次元画像データを提供する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230112BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20230112BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A61B6/03 360G
A61B6/03 360J
A61B6/03 360Q
A61B8/14
A61B5/055 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528329
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 FI2020050762
(87)【国際公開番号】W WO2021094660
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】20195977
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522190166
【氏名又は名称】ディジオル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Disior Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】タンピオ,ユハ
(72)【発明者】
【氏名】フオティライネン,エーロ
(72)【発明者】
【氏名】サロ,ヤリ
【テーマコード(参考)】
4C093
4C096
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA26
4C093CA18
4C093CA21
4C093DA10
4C093FD03
4C093FF09
4C093FF16
4C093FF19
4C093FF20
4C093FF35
4C093FF43
4C096AB36
4C096AD14
4C096DC19
4C096DC33
4C096DC36
4C096DC40
4C601BB03
4C601DD10
4C601EE11
4C601JC06
4C601JC26
4C601JC33
(57)【要約】
拡張された2次元デジタル画像データを提供する装置(100)であって、少なくとも1つのプロセッサ(102)を含み、少なくとも1つの身体的特徴(202、204、206、208)を示す3次元デジタル画像データを取得し、前記3次元デジタル画像データに基づいて、3次元デジタル画像データから分割された少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータを決定し、要素は、身体的特徴の少なくとも1つを含み、1以上の要素を不要な要素として選択し、少なくとも1つの要素と選択された不要な要素の3次元モデルを表すデータに少なくとも基づいて、2次元画像データから1以上の不要な要素が本質的に除去された、少なくとも1つの身体的特徴を示す拡張された2次元デジタル画像データを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張された2次元デジタル画像データを提供する装置(100)であって、
少なくとも1つのプロセッサ(102)を含み、
前記プロセッサは、
少なくとも1つの身体的特徴(202、204、206、208)を示す3次元デジタル画像データを取得し、
前記3次元デジタル画像データに基づいて、前記3次元デジタル画像データから分割された少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータを決定し、前記要素は、前記身体的特徴の少なくとも1つを含み、
1以上の要素を不要な要素として選択し、
前記不要な要素に関連する前記3次元画像データのデータ構成要素を決定し、
前記不要な要素に関連する前記データ構成要素が本質的に除去される少なくとも前記3次元画像データの残りの部分に基づいて、2次元画像データから前記1以上の不要な要素が本質的に除去された、少なくとも1つの身体的特徴を示す拡張された2次元デジタル画像データを提供する
装置。
【請求項2】
画像セグメンテーション方法を利用することによって、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表す前記データを決定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記画像セグメンテーション方法は、閾値化、クラスタリング、ヒストグラムベースの方法、エッジ検出、領域成長、モデルベースの方法、半自動セグメンテーション、および訓練可能なセグメンテーションのグループから選択される方法を含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記3次元デジタル画像データの前記残りの部分を利用して、デジタル再構成された投影画像データを取得することによって、前記拡張された2次元デジタル画像データを提供する
請求項1乃至3のいずれか1に記載の装置。
【請求項5】
前記デジタル再構成された投影画像データは、前記3次元デジタル画像データの前記残りの部分に基づいて残りの要素を通る電磁放射のビームの減衰をシミュレートすることによって得られ、
前記ビームの減衰は、前記3次元デジタル画像データの局所強度データである、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
最大強度投影、最小強度投影、シェーディングされた表面表示、ボリュームレンダリング、及び、仮想内視鏡検査のグループから任意選択で選択される3次元投影法の前記3次元デジタル画像データの前記残りの部分を利用して前記拡張された2次元デジタル画像データを提供する
請求項1乃至5のいずれか1に記載の装置。
【請求項7】
前記拡張された2次元デジタル画像データは、選択された視野角を示すデータを含み、
任意選択で、選択された視野角は、関心領域に関する
請求項1乃至6のいずれか1に記載の装置。
【請求項8】
3次元モデルを表すデータに基づく前記3次元画像データのマスキングを通じて、前記3次元デジタル画像データの前記残りの部分を提供する
請求項1乃至7のいずれか1に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの身体的特徴が、骨、靭帯、軟骨、及び、軟組織のグループから選択される組織を含む、
請求項1乃至8のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの要素は、組織またはノイズデータを含む、
請求項1乃至9のいずれか1に記載の装置。
【請求項11】
所定の基準に基づいて、不要な要素として1以上の要素を選択し、
前記所定の基準は、関心のない1以上の要素を示し、
前記所定の基準は、任意選択で、ユーザインターフェースを介して取得される
請求項1乃至10のいずれか1に記載の装置。
【請求項12】
3次元デジタル画像データは、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、及び、超音波走査のグループから選択された走査方法によって取得される、
請求項1乃至11のいずれか1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置のユーザに出力を提供し、
前記出力は、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表す決定されたデータの視覚化、および/または、拡張された2次元デジタル画像グデータの視覚化を含む
請求項1乃至12のいずれか1に記載の装置。
【請求項14】
拡張された2次元デジタル画像データを提供するコンピュータ実装の方法であって、
少なくとも1つの身体的特徴を示す3次元デジタル画像データを取得し(802)、
前記3次元画像データに基づいて、前記3次元デジタル画像化データから分割された少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータを決定し(804)、前記要素は、前記身体的特徴の少なくとも1つを含み、
1以上の要素を不要な要素として選択し(808)、
前記不要な要素に関連する前記3次元画像データのデータ構成要素を決定し(812)、
前記不要な要素に関連する前記データ構成要素が本質的に除去される少なくとも前記3次元画像データの残りの部分に基づいて、2次元画像データから前記1以上の不要な要素が本質的に除去された、少なくとも1つの身体的特徴を示す拡張された2次元デジタル画像データを提供する
方法。
【請求項15】
請求項15に記載の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に画像データに関する。より具体的には、本発明は、選択された特徴の除去を通じて拡張された2次元画像データを提供する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線医学などの医療用途で使用する画像は、さまざまな種類の障害を診断および治療できるようにするために非常に重要である。医療関係者が画像を効率的に解釈できるようにするためには、それぞれの場合に関連情報を提供する高画質の画像を取得することが重要である。
【0003】
ネイティブX線画像のような従来の2次元医療画像は、特に関心のある組織に関する限られた情報しか提供できない。それは、組織を通過するときに、例えば、X線ビームがどのように強度が減衰するかに関する情報を利用して得られた投影画像として、X線ビーム等が当たったすべての身体的特徴に関しては情報が提供されるが、結果として得られる投影画像では、関心のある組織が、他の不要(redundant)な身体的特徴に関する情報によって失われるか、埋もれるか、または遮られる可能性があり、その結果、関心のある身体的特徴の有意義な分析が困難または不可能になり得る。生成された画像は、不要な組織または投影画像形成を混乱させる不要な他の身体的特徴に関連する情報のために、関心のある組織を明確に示さない場合がある。これらの場合、診断または治療が妨げられる可能性がある。
【0004】
3次元デジタル医用画像データは、2次元画像の生成に容易に利用し得る。このような3次元画像データを2次元投影画像に変換するための様々な技術が存在するが、これらは依然として、関心のある組織が他の組織に関連するデータによって全体的または部分的に有害な方法で影響を受けるという前述の問題があり、2次元画像をレンダリングすると、関心のある組織に関する十分な情報が得られない可能性がある。
【0005】
3次元画像データは、3次元の側面を組み込んだ視覚化の取得に使用し得るが、特定の状況では、関心のある組織に関連するデータを提供するため、2次元画像が要求され得る(例えば、保険会社での使用)。3次元画像技術を使用して2次元画像(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スライス画像)を提供し得るが、これらの2次元画像は、例えば、患者の組織等の、3次元の側面に関連する情報を欠く可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、既知の先行技術に関連する問題の少なくともいくつかを軽減することである。本発明の一態様によれば、拡張された2次元デジタル画像データを提供する装置が提供され、この装置は、少なくとも1つのプロセッサを含み、プロセッサは、少なくとも1つの身体的特徴を示す3次元デジタル画像データを取得し、3次元デジタル画像データに基づいて、3次元デジタル画像データから分割された少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータを決定し、前記要素は、前記身体的特徴の少なくとも1つを含む。装置はさらに、1以上の要素を不要な要素として選択し、不要な要素に関連する3次元画像データのデータ構成要素を決定し、不要な要素に関連するデータ構成要素が本質的に除去される少なくとも3次元画像データの残りの部分に基づいて、2次元画像データから1以上の不要な要素が本質的に除去された、少なくとも1つの身体的特徴を示す拡張された2次元デジタル画像データを提供する。
【0007】
他の一態様によれば、方法は、独立請求項14に従って提供され、コンピュータプログラムプロダクトは、独立請求項15に従って提供される。
【0008】
本発明の有利な実施形態では、重要でない身体的特徴などの要素を本質的に除去できるので、重要な身体的特徴をより明確に視覚化できる、拡張された2次元画像データを取得する装置および方法を提供し得る。従来技術では、同様の状況で取得可能な2次元画像データは、不要な/興味のない身体的特徴に関するデータを含み、興味のある身体的特徴に関連するデータを妨害する可能性がある。
【0009】
拡張された2次元画像データは、例えば、単純X線撮影で有利に使用され得る投影画像を生成するために使用され得るデータである。拡張された2次元画像データは、しかしながら、例えば、X線に限定されない。拡張された2次元画像データは、投影画像データと見なすことができ、様々な画像化方法を介して取得することができる様々なタイプの3次元画像データに関連付けることができる。
【0010】
拡張された2次元画像データは、デジタル再構成された放射線写真(DRR)画像を提供するために対応/関連するか、または使用され得る。拡張された2次元画像データは、合成放射線画像を提供するために利用され得る。
【0011】
デジタル再構成された放射線画像データは、不要な要素に関連する元のデータの一部が本質的に除去された3次元画像データを利用し、2次元投影画像データを取得するため、3次元投影方法のデジタル3次元画像データの残りの部分を使用する。
【0012】
本発明の実施形態は、医療専門家が、拡張された2次元画像データに基づいて知識を獲得する新たなおよび/または拡張された可能性を提供し得る。
【0013】
今でも、3次元モデルまたは3次元画像化技術によって取得され得る典型的な画像の代わりに、特定の目的のために2次元画像を利用することが望ましい場合がある。特に、整形外科等の場合、2次元画像投影は、通常、平坦なX線投影スクリーン上で見られ、それによって、拡張された投影データおよびそれによって生成可能な画像の提供が、本発明によって促進され得、整形外科使用における改善の可能性を提示する。
【0014】
本発明の実施形態を通じて提供され得る拡張された2次元画像またはデータは、また、保険会社および/または医療システム等に、従来のX線投影データに対応する画像または画像データを提供するために有利であり得る。
【0015】
一実施形態では、拡張された2次元デジタル画像データは、選択された視野角、任意選択で関心領域に関して選択された視野角を示すデータを含み得る。選択された視野角は、最適化された視野角であり得る。したがって、本発明を使用して、例えば、デジタル的に再構成された放射線画像データを取得することができ、選択された視野角で拡張された2次元画像が得られ、視野角が正確であり、不要な要素が除去されている。このような画像は、X線画像は患者から撮影される従来の方法では取得できない場合がある。このような場合、患者を正確な位置に配置できない可能性があるため、目的の視野角から正確にX線画像を取得できない場合がある。投影画像の視野角を理論的に選択することができる他の従来技術の方法では、存在し得る不要な要素は、依然として関心のある要素/関心のある領域の視界を妨げる可能性がある。
【0016】
本発明の実施形態では、関心領域の最大の可視性が保証され得る。したがって、有利な実施形態では、最適化されたデジタル的に再構成された放射線写真画像が得られ得、ここで、DRR画像の視野角が最適化される。
【0017】
一実施形態では、デジタル的に再構成された投影画像データは、3次元デジタル画像データの残りの部分に基づいて、残りの要素(不要な要素を含まない要素)を通る電磁放射のビームの減衰をシミュレートすることによって生成され得、ビームの減衰は、3次元デジタル画像データの局所強度データによって決定される。
【0018】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの要素の3次元モデルが、3次元デジタル画像データに基づいて生成または決定され、画像セグメンテーションを利用することによって実行され得る。
【0019】
要素とは、ここでは3次元デジタル画像データから分割できるエンティティを示す。要素は、3次元デジタル画像データが示す少なくとも1つの身体的特徴を含む。いくつかの実施形態では、要素は、身体的特徴のみに対応するか、または同等であるが、場合によっては、要素はまた、ノイズデータ等を含み得る。場合によっては、「身体的特徴」と「要素」という用語は、本質的に同等である可能性があるため、同じ意味で使用される場合がある。
【0020】
いくつかの実施形態では、画像セグメンテーション方法は、閾値化、クラスタリング、ヒストグラムベースの方法、エッジ検出、領域成長、モデルベースの方法、半自動セグメンテーション、および訓練可能なセグメンテーションのグループから選択される方法を含み得る。当然、画像セグメンテーションのための他のさまざまな方法も実行可能であり得る。
【0021】
本発明を介して、それは、身体的特徴が除去される可能性のあるのは、例えば、画像またはその他の2次元データのみではない。決定された3次元モデルを表すデータを使用して、要素、たとえば身体的特徴は、互いに効果的に区別することができ、1以上の要素を不要な要素として選択することができ、3次元モデルを表すデータから削除することができ、および/またはその後、データまたは他の身体的特徴に関連付けられた画像に本質的に影響を与えることなく、拡張された2次元画像データを提供することができる。
【0022】
3次元画像データの残りの部分は、いくつかの実施形態では、3次元モデルを表すデータに基づく3次元画像データのマスキングを通じて取得し得る。マスキングは、3次元画像データのデータ構成要素を3次元モデルを表すデータのデータポイントと相関させることによって実行することができる。マスキングは、3次元画像データのどのデータ構成要素が不要な要素に関連するかを決定する際に使用され得、これらのデータ構成要素は、3次元デジタル画像データの残りの部分において除去され得る。
【0023】
3次元画像データから識別され得る要素の3次元モデルを表すデータを決定せずに、選択された不要な要素の除去が試みられた場合、冗長要素の効果は、本発明で達成され得るものと同程度に考慮または制限され得ない可能性があるため、含まれるべき残りの身体的特徴に関連するデータの品質が拡張された画像データの品質が低下し得る。本発明では、構成要素(例えば、ボクセル)は、例えば、要素の3次元モデルを表すデータによるマスキング等で決定できるため、3次元画像データのどの構成要素が不要な要素に関連するか、または対応するかをより正確に決定することが可能であり得る。要素の3次元モデルを表すデータがないと、選択した(3次元)投影法でデータを利用する前に、3次元画像データからどのボクセル等を除去/無視するかを正確に特定できない場合があり得る。
【0024】
本発明の実施形態では、拡張された2次元デジタル画像データの提供は、3次元デジタル画像データの提供は、3次元デジタル画像データの構成要素を決定するため、要素の3次元モデルを表すデータに基づいて、1以上の不要な要素に関連する3次元デジタル画像データの少なくとも一部を除去し、不要な要素に関連し、そのようなデータ構成要素を本質的に除去/無視し、デジタル3次元画像データの残りの部分を3次元投影法で利用する。
【0025】
いくつかの実施形態では、3次元投影法は、最大強度投影、最小強度投影、陰影付き表面表示、ボリュームレンダリング、および仮想内視鏡検査のグループから選択し得る。したがって、ここに提示される例は、3次元画像データを2次元画像(または2次元画像データ)に変換するために使用できる方法であり、また、当業者に知られている他の方法も実行可能である可能性がある。
【0026】
身体的特徴は、本明細書において、組織、例えば、組織を含み得る。骨、靭帯、軟骨、軟部組織のグループから選択される。得られた3次元デジタル画像データは、他の身体的特徴も示し得る。例えば、インプラントおよび/または他の物体もまた、3次元画像データから識別され得る。
【0027】
要素(不要な要素として選択できる)は、さまざまなユースケースで、3次元画像データが示す身体的特徴であるか対応し得、または、要素は、身体的特徴に関連するデータからノイズデータとして派生可能な要素であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、装置を使用して、2次元画像データの画質を向上させることができ、その結果、2次元画像データから分割された要素は、組織などの身体的特徴を含み得、さらに、1以上の要素は、ノイズデータ、または3次元画像データから分割される可能性のある画像/特性評価システムから生じる外乱であるその他のデータを含む。次に、ノイズデータを構成する1以上の要素を不要な要素として選択することができる。次に、ノイズデータは、その後に生成される拡張された2次元画像データから除去され得る。その場合、拡張された2次元画像データは、ノイズデータが存在する従来技術の画像データと比較してより高品質であり得る。
【0029】
一実施形態では、不要な要素としての1以上の要素の選択は、所定の基準に基づき得る。所定の基準は、関心のない1以上の要素を示すことができ、所定の基準は、装置に含まれるユーザインターフェースを介して取得し得る。
【0030】
あるユースケースのシナリオでは、医療専門家に拡張された2次元画像データが提供され得る。選択された不要な骨は、従来技術の方法/装置を介して取得可能な画像内の不要な骨に関連するデータによって重要な骨が遮られている可能性がある場合に、重要な骨がより明確に見えるように、拡張された2次元画像から本質的に除去される。
【0031】
本発明の実施形態では、拡張された2次元画像データが提供され得、これは、他の利用可能な方法で得られ得るものよりも有用であり得る。関心のある身体的特徴に関連する情報は、拡張された2次元データからより効率的に推定することができる。例えば、診断はより迅速に行われ得、そして本発明は、利用可能な方法ではそれが不可能である場合に、診断または治療の可能性さえ提供し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置は、出力を生成するように構成され得る。出力は、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表す決定されたデータの視覚化、および/または拡張された2次元デジタル画像データの視覚化を含み得る。出力は、いくつかの実施形態では、追加的または代替的に、拡張された2次元デジタル画像データを含むコンピュータ可読出力を含み得、その後、拡張された2次元画像を生成するための他の装置等で使用され得る。拡張された2次元画像を生成するための他の装置。いくつかの実施形態では、装置は、印刷装置を含むか、または印刷装置と通信することができ、その結果、出力を利用して、印刷された強調された2次元画像を得ることができる。
【0033】
本発明の実施形態を通じて達成され得る利益はまた、画像データを取得するために画像取得される患者への放射線被曝の減少等を含み得る。診断の目的で、2次元投影画像を解釈できるようにするためには、画像は適切な品質であり、関連する機能を示している必要がある。多くの場合、例えば、特定の目的のために間違った角度から撮影されたX線画像の理由により、追加の画像データを取得する必要があると判断される。本発明により、拡張された2次元画像データおよびそこから得られる拡張された2次元画像を生成し得、その結果、データは本質的に常に正しい画像角度から示され、任意の選択された投影を取得し得る。したがって、追加の画像化データを、その後の複数の画像化状況を介して取得する必要とし得ないため、最小数の実際の画像化状況を使用し得、患者への放射線被曝を減らし得る。
【0034】
本明細書で提示された例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲の適用可能性に制限をもたらすと解釈されるべきではない。この明細書では、「構成する」という動詞は、規定されていない特徴の存在を排除しないオープンエンドな限定として使用する。従属請求項に記載されている機能は、特に明記されていない限り、相互に自由に組み合わせることができる。
【0035】
本発明の特徴と見なされる新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明自体は、その構造およびその操作方法の両方に関して、追加の目的およびその利点とともに、添付の図面と併せて読むとき、特定の例示的な実施形態の以下の説明から最もよく理解されるであろう。
【0036】
装置の様々な実施形態に関する提示された考察は、当業者によって理解されるように、必要な変更を加えて方法の実施形態に柔軟に適用することができ、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本発明の実施形態に係る例示的な装置を示す。
図2図2は、本発明の実施形態の1つのユースケースシナリオで利用され得る3次元画像データのスライスの例示的な視覚化を示す。
図3図3は、3Aおよび3Bで、本発明の実施形態の1つのユースケースシナリオで利用され得る3次元モデルを表すデータの例示的な視覚化を示し、3Bは、不要な身体的特徴が除去された3次元モデルの視覚化を示す。
図4図4は、4Aで、不要な身体的特徴が除去され、それに基づく3次元モデルの視覚化を示し、4Bで、本発明の実施形態の1つの例示的なユースケースシナリオで提供され得る拡張された2次元画像データの視覚化を示す。
図5図5は、本発明の実施形態の1つの他のユースケースシナリオで利用され得る3次元画像データのスライスの例示的な視覚化を示す。
図6図6は、本発明の実施形態の他の1つのユースケースシナリオで利用され得る3次元モデルを表すデータの例示的な視覚化を6Aおよび6Bで示し、6Bは、不要な身体的特徴が除去された3次元モデルの視覚化を示す。
図7図7は、従来の2次元画像データの視覚化を7A及び図7Bで示し、実施形態の装置を介してユースケースシナリオで取得できる拡張2次元画像データの視覚化を7Bおよび7Dで示す。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明を、添付の図面による例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
【0039】
図1は、本発明による装置100の一実施形態を示す。装置100は、3次元デジタル画像データを取得するように構成る少なくとも1つのプロセッサ102を含む。
【0040】
プロセッサ102は、メモリに格納されたコンピュータソフトウェアの形態で具体化された命令を実行するように構成され得、例えば、プロセッサ102と別個にまたは統合された1以上のメモリチップを参照し得る。メモリは、まあた、プログラム命令に加え、さらに他のデータを記憶し得る。ソフトウェアは、本明細書に記載の活動を実行する1以上のアプリケーションを定義することができ、方法に含まれる操作を実行する1以上の計算アルゴリズムを実装することができる。
【0041】
プロセッサ102は、情報の記憶または検索に使用し得る1以上のデータベース104を含み得、またはそれらと通信し得る。データベース104は、プロセッサ102に関連付けられたメモリに格納され得る。
【0042】
プロセッサ102は、パーソナルコンピュータタイプのコンピューティング装置に含まれるローカルプロセッサであり得るか、またはプロセッサ102は、例えば、無線方式を介して接続し得る1以上のリモートプロセッサであり得る。
【0043】
ユーザインターフェース(UI)106は、例えば、装置100のユーザに、例えば、装置を制御し、プロセッサ102の入力データを提供する、制御および情報アクセスツールを提供し得る。
【0044】
3次元デジタル画像データは、例えば、DICOMデータの形で入力データとしてプロセッサ102に提供され得る。例えば、DICOMデータは、有線または無線接続(WLAN等)を介してイメージング装置を介してプロセッサ102に直接提供され得るか、またはDICOMデータは、他の何らかの方法、例えば、キャリア媒体を介してインポートされるか、送信要素から受信要素に有線または無線で信号または信号の組み合わせとして転送され、プロセッサ102に提供され得る。
【0045】
3次元画像データは、コンピュータ断層撮影法、磁気共鳴画像法、または超音波走査法等の走査法によって得られた3次元画像データであり得る。
【0046】
3次元デジタル画像データは、選択されたイメージング方法が施された、人間の患者等の標的実体の少なくとも1つの身体的特徴を示す。身体的特徴は、骨、靭帯、軟骨、または軟組織などの組織である可能性があり得る。3次元デジタル画像データは、様々な実施形態において、例えば、1以上の組織または組織部分の複数の身体的特徴を示し得る。
【0047】
プロセッサ102は、3次元画像データに基づいて、3次元画像データから分割され得る少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータを決定するように構成される。少なくとも1つの要素は、3次元画像データが示す身体的特徴を少なくとも1つを含む。以下に示すユースケースシナリオでは、要素は基本的に、3次元画像データが示す身体的特徴に完全に対応する。したがって、要素は、本明細書では身体的特徴とも呼ばれ得る。少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータは、3次元画像データから識別され得る骨または他の身体的特徴などの少なくとも1つの要素を表すために3次元空間内の点を含み得る。
【0048】
場合によっては、得られた3次元画像データが完全に利用されない場合があり、換言すると、3次元画像データは、要素のモデルを表すデータに一部が含まれない複数の身体的特徴を示す場合がある。これは、たとえば、3次元画像データが、患者等のエンティティが、ケースで関心のある領域よりも広い領域にまたがる場合に当てはまる。
【0049】
いくつかの実施形態では、3次元モデルを表すデータは、視覚的画像または視覚化として、装置100のユーザに提示され得る。装置100は、作成および視覚化を表示する1以上の表示要素108を含むか、またはそれと通信し得る。
【0050】
少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータは、熟練者に知られるように、3次元画像データから識別可能な身体的特徴として、3次元画像データをそのような要素の3次元モデルを表すデータに変換するために利用可能な任意のタイプの方法を利用して、3次元デジタル画像データから取得し得る。画像セグメンテーション方法は、デジタル画像を複数のセグメントまたは画像オブジェクトに分割するために使用し得る。画像のピクセルまたはボクセルは、ピクセルまたはボクセルをグループ化するために、またはどのピクセルまたはボクセルが同様の特性を有するかを決定するために、分類または特徴付けられ得る。したがって、画像セグメンテーション法を介して3次元画像データから得られた結果は、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータであり、要素は画像データから分割され、したがって3次元モデルを表すデータは、分割された要素の3次元の側面に関する情報を提供する。
【0051】
いくつかの実施形態では、1以上の追加のモデリング方法を利用して、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータから3D再構モデルまたは3次元表現を取得することができる。 たとえば、一部のユースケースシナリオでは、画像ベースのメッシュを使用して、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータをさらに処理することができる。このさらに処理されたデータは、例えば、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータの視覚化または他の視覚化を作成する際に使用され得る。
【0052】
画像セグメンテーションなどの利用されたモデリング方法を通じて、1以上の要素、例えば身体的特徴は、要素が個別化され、1以上の要素の3次元モデルを表すデータ内のエンティティとして提示されるように、3次元デジタル画像データから識別/区別され得る。
【0053】
例えば、本明細書に開示される視覚化は、画像ベースのメッシュ作成などの追加のモデリング方法を使用することによって取得することができるが、そのような方法は、本発明を実行するために使用する必要はない。したがって、本発明の実施形態では、3次元モデルまたは3D再構成モデルの視覚化は必ずしも必要ではないが、理解を容易にするためにここに提示されている。
【0054】
次に、1以上の要素を不要な要素として選択し得る。選択された不要な要素は、特定のユースケースシナリオでは、関心のない要素または機能、換言すると、関心がない/重要でない/関連性がない、要素または機能であり得る。選択された不要な要素は、例えば、より興味深い要素または身体的特徴の表示を妨げ得る骨または他の組織であり得る。したがって、選択された不要な要素は、特定のユースケースシナリオでは、2次元画像で検査される他の身体的特徴である場合に有害または妨害となる身体的特徴でもあり得る。
【0055】
不要な要素の選択は、所定の基準に基づくことができる。そのような所定の基準は、装置100のユーザによって提供され得るか、または所定の基準は、例えば、ユーザ等によって提供されるその他の情報に基づいて、自動化された方法で、装置100によって提供または推定され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、装置100のユーザは、表示要素108を介して提供される3次元モデルの視覚化の視覚的検査を通じて、不要な要素を選択し得るこれは、例えば、3次元モデルにおいて、ユーザが視覚化された要素、例えば、身体的特徴をクリックすることによって、UI106を介して行い得る。また、ユーザが、不要な要素を明示的に選択する代わりに、関心のある要素を選択し、残りの要素の1つ以上が不要な要素と見なされ得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、そのような要素に名前を付けるか、または、UI106を介して装置100によって提供されるリストから選択し、(または、代わりに、関心のある要素/身体的特徴に名前を付け、プロセッサ102は、3次元モデルで識別された残りの要素を不要な要素とみなす)、不要な要素を選択し得る。
【0058】
所定の基準に基づく要素の自動認識を利用することができ、不要であると認識された要素の自動選択は、例えば、データベースで利用可能な情報を介して実行し得る。例えば、装置100は、3次元画像データ(強度データ等)および/または要素の3次元モデルを表すデータから導出可能な特性から、例えば、要素を特定の骨として識別する要素タイプ、又は、組織を骨組織または脂肪組織として識別することのできる組織タイプ、として認識し得る。
【0059】
代替の実施形態では、ユーザは、ユースケースシナリオに関する情報を装置100に提供することによって不要な要素を選択し得る(または選択を容易にする)。例えば、ユーザは、検査される病状を示す情報を提供することができる。次に、例えば、データベース104を介して装置100に利用可能な情報は、ユーザによって提供された情報を不要と見なされ得る1以上の特定の組織等に関連付ける利用可能な情報に基づいて不要な要素/機能を選択するために利用することができる。(または、もちろん、代わりに重要な身体的特徴も識別できる。その場合、識別された残りの要素は、たとえば不要と見なされ得る)。一例として、装置100のユーザは、提供された拡張された2次元画像データを介して、特定のタイプの骨折が検査されるべきであることを示すことができる。次に、装置100は、この情報に基づいて、不要な要素を選択し、例えば、拡張された2次元画像データの特定の骨に関する情報を、提供し得る。
【0060】
一実施形態では、選択された不要な要素は、身体的特徴の一部であり得る。例えば、場合によっては、骨等は、3次元画像データから要素として識別され得るが、選択された不要な要素は、前記骨の一部であり得る。
【0061】
次に、装置100は、少なくとも1つの身体的特徴の3次元モデルを表す少なくとも1つのデータ、および、不要な要素に関連するデータ構成要素が除去された3次元画像データの残りの部分の処理による少なくとも1つの不要な要素の選択に基づいて、2次元データから1以上の不要な要素が省略された、少なくとも1つの身体的特徴を示す拡張された2次元画像データを提供し得る。
【0062】
不要な要素に関連する3次元画像データのデータ構成要素は、3次元モデルを表すデータに基づいて3次元画像データをマスキングすることによって決定され得る。これにより、3次元画像データの残りの部分を決定され得、残りの部分は、拡張された2次元画像データの生成に利用される。
【0063】
次に、拡張された2次元画像データを利用して、1以上の身体的特徴が視覚化され、選択された不要な要素、例えば、身体的特徴が除去される2次元画像を作成できる。したがって、除去された不要な要素は、本質的に画像(データ)から削除され、または、差し引かれる。
【0064】
拡張された2次元画像データから除去される1以上の不要な要素は、不要な要素に関連するデータが、少なくとも不要な要素がない程度まで、2次元画像データから本質的に除去され得ることを意味し得、不要な要素は、拡張された2次元画像データを使用して生成され得る2次元画像ではっきりと見ることができない。したがって、拡張された2次元画像データは、いくつかの実施形態またはユースケースシナリオでは、不要な要素に関連する残りのデータを含み得るが、この残りのデータは、最小であるか、または少なくともある閾値を下回る可能性がある。
【0065】
拡張された2次元画像データは、少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータ、少なくとも1つの不要な要素の選択、および3次元画像データに基づいて提供され得、1以上の不要な身体的特徴に関連する3次元画像データの一部は、3次元画像データから除去され、デジタル3次元画像データの残りの部分は、3次元投影法に関連して使用される。
【0066】
1以上の不要な要素に関連する3次元画像データの少なくとも一部の除去は、3次元画像データを、少なくとも1の3次元モデルを表すデータと比較またはマスキングすることによって実行し得、3次元デジタル画像データの残りの部分を取得するために、不要な要素に対応する1つの要素および3次元画像データのデータ構成要素を認識/識別し、そのようなデータ構成要素を除去/無視する。
【0067】
3次元投影法は、3次元画像データを2次元画像データに変換するために使用できる任意の投影方法であり得る。したがって、3次元空間内の点に基づいて2次元平面内の点を取得する方法を使用し得る。したがって、3次元投影法は、3次元データを2次元データにマッピングまたは投影するために使用される方法であり得る。
【0068】
医用画像データに関連して、DICOMデータ等の3次元画像データは、エネルギービームが組織などの身体的特徴を通過するときにエネルギービームの強度に関する情報を提供し、身体的特徴に直面するとビームの強度が減衰する場合がある。
【0069】
したがって、使用される異なる3次元投影方法は、強度データが3次元画像データと同等であるか、または3次元画像データに含まれる場合に、強度データをマッピングまたは投影する異なる方法を使用できる。
【0070】
典型的には、2次元投影画像は、3次元画像データから取得され得、その結果、DICOMデータ等に含まれ、または、そこから導出可能なすべてのボクセルが利用される。結果として得られる2次元画像は、不要な身体的特徴に関連する干渉データのために十分な品質で視覚化されていない関心のある身体的特徴を有する可能性がある。
【0071】
組織等を通過したときのエネルギービームの強度に関連するデータは、データが2次元画像データにおいて少なくとも1つの視角で合計されるように、3次元画像データとして使用され得る。
【0072】
本発明の有利な実施形態では、拡張された2次元画像データは、不要な身体的特徴を示す3次元画像データに含まれるか、またはそこから導出可能なボクセルが除去または無視され得るように、デジタル的に拡張された投影画像データであり得る、3次元画像データを2次元画像データに変換する。
【0073】
例えば、身体的特徴などの不要な要素に関連する3次元画像データの一部は、拡張された2次元画像データを取得するために使用され得る合計において除去され得る。
【0074】
3次元デジタル画像データは、一実施形態では、例えばマスキングに基づいて、残りの部分のみを含むように修正され得(不要な要素に関連するデータは除去される)、次いで、修正された3次元画像データは、拡張された2次元デジタル画像データを取得する投影法等、において利用され得る。
【0075】
他の1つの実施形態では、3次元画像データ自体を変更し得ないが、マスキング等を介して、残りの部分のみを利用して、拡張された2次元デジタル画像データを取得する。
【0076】
放射線画像の提供に関連して、ネイティブX線スキャンでは、光子の流れがエミッターから到着して患者に浸透し、そこで一部の光子が組織内で吸収され(吸収率は通過した組織の種類と相関し、少なくともある程度既知の速度)、残りの光子の流れは患者の反対側にある検出器に到達する。これらの通過した光子の2次元分布により、臨床2次元X線画像が生成される(従来型)。光子の吸収は、X線/電磁放射が組織を通過する際の減衰に対応する。
【0077】
次に、例えばCT画像における3次元デジタル画像データに関連して、各3Dピクセル(ボクセル)が強度値を運ぶ3次元画像データを取得でき、これは同様に手元の組織タイプと相関する。デジタル放射線写真の再構成では、(例えば、レイキャスティング法により)特定の場所で3次元デジタル画像データを通過するX線に対応するいくつかの“シミュレート”された光子/光子流を計算/決定し得る。電磁放射のこのシミュレートされた光線に沿った各線形増分で、3次元デジタル画像データは、3次元デジタル画像データ(組織放射線不透性、換言すると、吸収率)の局所(ピクセル/ボクセル)強度に対応する速度で光線を減衰させると見なし得る。したがって、光線全体が計算されると、最終結果は、計算された(レイキャストされた)線に対応する線に沿って、X線等の実際の物理的な光子束がどのように減衰したかに似ている可能性がある。したがって、3次元デジタル画像データは、局所強度データを介して、使用される(3次元)投影法において、シミュレートされた(X)線の減衰などの要素タイプ(例えば、骨または他の組織)を示し得、最終結果(DRR)が、組織/要素等から得られた従来のX線画像に本質的に対応するように、光線をシミュレート/計算し得る。
【0078】
3次元デジタル画像データの各点での局所強度データまたは相対密度データは、ハウンズフィールド値に較正され得る。ハウンズフィールドスケールでは、値“1000”は、空気に対応し、値“0”は、水に対応する。強度値とハウンズフィールドスケールを使用して、3次元デジタル画像データから、組織のタイプを決定し得る(例えば、高密度の骨は+300、脂肪は、-100~-50)。組織タイプとハウンズフィールド値との間の相関は、既知であるか、または装置100に入力され得るか、またはデータベース等を介して装置100に利用可能であり得る。
【0079】
不要な要素が(正確に)3次元デジタル画像データに配置されている、という、3D用語に関する知識を有することは、例えば、レイキャスティングステップ、最終結果(DRR又は拡張された2次元デジタル画像データ)に各線形位置の寄与を追加するときに、または、光線減衰の計算で対応するボクセルを除去または無視するときに、考慮し得る。あるいは、不要な要素に関連するデータ構成要素を3次元デジタル画像データから本質的に除去し得、その後、投影を実行する(例えば、残りの3次元デジタル画像データを通過するX線等のシミュレートされた減衰の計算)。実装の詳細に応じて、最終結果は基本的に同じになる。
【0080】
線形減衰が最も臨床的に有用な射影表現ではない場合は、他の射影方法を選択し得る(例えば、最大強度の射影は、各レイキャストに沿って、ピクセル強度の最大値を下回るものが最終結果に寄与しないような最大値を収集する)。
【0081】
DRRデータの計算において、シミュレートされた光線がそれに応じて向けられるように、選択された視角も考慮され得る。
【0082】
特に、本発明の有利な実施形態の1つの態様は、要素の3次元モデルを表す生成されたデータを使用して、どのデータ構成要素、どの身体的特徴または要素に関連する3次元画像データに含まれるかまたはそこから導出可能なボクセル等を効果的に決定し得る。次に、選択された不要な要素または身体的特徴に関連するデータは、関心のある残りの身体的特徴に関連するデータを除去せずに、本質的に除去され得る。
【0083】
拡張された2次元画像データおよび/または他のデータ(3次元モデル等)の視覚化は、表示要素108を介して装置のユーザに提供され得る。
【0084】
図2~4は、本発明の例示的な実施形態の1つのユースケースシナリオに関する。図2は、本発明の一実施形態における装置100によって受信または利用され得る3次元画像データの例示的な視覚化を示す。図2の画像データの示されたスライスは、複数の身体的特徴を示す。図2では、身体的特徴は、画像化された患者の足のいくつかの骨202、204、206、208であり得る。ここでは、図の身体的特徴の一部のみに番号が付される。もちろん、様々な追加の画像スライスも提供され得、より多くの身体的特徴が識別され得、および/または、身体的特徴が様々な深さおよび/または視野角で認定され得る。
【0085】
図2から容易に理解できるように、視覚化、換言すると、3次元画像データから得られ得る2次元画像は、それ自体、特に別個に、身体的特徴または任意の3次元面に関して非常に有益ではない可能性がある。
【0086】
図3は、3Aで、少なくとも図2のデータを利用して識別され得る身体的特徴202、204、206、208および210の3次元モデルを表すデータの例示的な視覚化を示す。もちろん、図2で視覚化されたスライスは例としてのみ示され、図3で視覚化された3次元モデルに関連するデータを取得するには不十分である(骨210は図2に表示されておらず、この身体的特徴に関連するデータは実行可能に表示されず、したがって、特徴は、ここでは完全に示すことができない補足的な画像データを使用して得られた)。3次元モデルを表すデータは、画像セグメンテーションを利用することによって取得し得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、3次元モデルを表すデータを視覚化して、装置のユーザに提供し得る。一実施形態では、ユーザは、このように描かれた3次元モデル(例えば、図3Aのモデルに対応するもの)を回転させることができ、身体的特徴を検査できる。
【0088】
3次元モデルから識別可能な1以上の身体的特徴を、不要な身体的特徴として選択し得る。不要な身体的特徴の選択は、本明細書において、不要な身体的特徴のグループに含まれるべきではない重要な身体的特徴の選択による不要な身体的特徴の暗黙の選択を指すこともある。
【0089】
一実施形態では、装置100のユーザによる検査のために3次元モデルを視覚化し得、次に、ユーザは、UI106を介して、1以上の視覚化された身体的特徴をクリック等することによって、不要な身体的特徴を選択し得る。
【0090】
図3Aの場合、骨202、204、および210以外の身体的特徴を不要として選択し得る。したがって、例えば、骨206および208は、他のまたは好ましくは他のすべての描写された身体的特徴とともに、不要な身体的特徴として選択され得る。この選択は、例えば、不要として骨206、208等の選択を示す装置のユーザによって、または骨202、204、および210に関心があることを示し、したがって骨20、206等を不要として暗黙的に選択する。
【0091】
次に、不要な身体的特徴が除去される、少なくとも1つの身体的特徴の3次元モデルを表すデータが提供され得る。図3Bは、そのようなデータの視覚化を示す。ここでは、骨202と202のみが含まれる。したがって、画像データを介して識別された身体的特徴が含まれ、不要な身体的特徴が除去され得るような3次元モデルが提供され得る。そのようなモデルまたは視覚化(すなわち、図3Bに対応する)は、拡張された2次元画像データは、元の3次元モデル(図3Aに対応)、及び、選択した不要な身体的特徴に関する情報を通して得られ得るため、必ずしも作成または描写される必要はない。
【0092】
いくつかの実施形態では、3次元モデルの視覚化が装置のユーザに提供され得、ユーザは、拡張された2次元画像データが提供/生成されることに基づく視角を示すことができる。例えば、ユーザは、ディスプレイ108画面上で3次元モデル(おそらく、選択された不要な特徴が除去されている)を回転し得、所望の視野角に到達し、その角度から見た画像に、拡張された2次元画像データが対応しなければならないことを示し得る。
【0093】
拡張された2次元デジタル画像データ(または、拡張された2次元デジタル画像)のための選択された視角は、装置のユーザによって選択され得、または、選択された視角は、例えば、そのような使用事例シナリオに基づいて、関心のある領域を特徴付ける情報として(たとえば、特定の関節に関するデータ)、装置によって決定され得る。選択された視野角は、関心領域に関して最適化された、最適化された視野角であり得る。
【0094】
例示的なユースケースシナリオの視覚化を図4Aおよび図4Bに示す。4Aは、不要な身体的特徴が除去された(他の骨が除去された骨202、204、および210のみを示す)少なくとも1つの身体的特徴の3次元モデルを表すデータの視覚化を示す。4Bは、本質的に骨202、204、および210のみが含まれる、拡張された2次元画像データ(拡張された投影画像)の視覚化を示す。
【0095】
上記のユースケースシナリオに関連して、足首AP距腿関節撮影は、遠位脛骨、遠位腓骨、距骨、および近位中足骨の3つのビューシリーズの一部である。これは、脛骨プラフォンと、足首のほぞ接ぎ関節としても知られる距骨ドームを備えた2つのくるぶしの関節を評価する最も適切な予測である。
【0096】
図4のシナリオでは、4Bの強調された2次元画像は、選択された/最適化された視角からの足首のほぞ接ぎ関節を示す。選択された視角により、関節の最適な視点が可能になるが、強調された2次元画像では不要な要素が除去されているため、視界が遮られることもない。
【0097】
図5~7は、本発明の一実施形態の1つの他の可能な/例示的なユースケースシナリオに関する。図5は、複数の骨を示す装置100によって取得され得る3次元画像データのスライスの例を示す。図6は、身体的特徴の3次元モデルを表すデータの1つの例示的な視覚化、換言すると、図5で視覚化されたデータ(および、同じターゲットの3次元画像データに関連する他のスライスデータ)から識別され得る骨を示す。
【0098】
図6Aは、少なくとも図5で視覚化されたデータから識別され得る身体的特徴の3次元モデルを表すデータの例示的な視覚化を示す。図6Bは、選択された不要な身体的特徴が除去された身体的特徴の視覚化を示す。前述のように、不要な身体的特徴の選択は、明示的または暗黙的に行われ得、それは、装置のユーザによって行われ得るか、例えば、装置100のユーザから受信したまたは利用可能な情報に基づいて自動的または少なくとも半自動的に行われ得る。
【0099】
例示的なユースケースシナリオに関連して本明細書に提示される例示的な視覚化などの視覚化の提供は、装置100の操作には必要ではないが、場合によっては、識別された身体的情報に関連する情報を装置のユーザに提供するのに有利であり得る、不要な身体的特徴としてどの身体的特徴を選択するかをユーザがより効果的に決定し得る。
【0100】
図7は、図7Aおよび図7Bで、従来技術の方法で取得され得る従来の2次元画像化データの視覚化を示す。図7Aは、前の図5~6に対応する同一または同様のケースでターゲットから取得し得る従来のネイティブX線画像を示す。図7Bは、身体的特徴の3次元モデルを表すデータが使用されておらず、不要な身体的特徴が除去されていない3次元画像データから得られ得る2次元投影画像を示す。
【0101】
図7Aおよび図7Bから、異なる身体的特徴を区別すること、特定の身体的特徴を画像から見る/区別すること、および/または他の身体的特徴が干渉する場合に特定の身体的特徴に関連するいくつかの関連データを決定する、または解釈を妨害することさえ難しい場合がある。
【0102】
図7Cおよび図7Dは、装置の実施形態を通じて取得され得る、拡張された2次元画像データ(拡張された投影画像)の例示的な視覚化を示す。図7C及び図7Dは、図5~6に示すユースケースシナリオに対応し、3次元画像データ、および、3次元モデルを表す決定されたデータおよび選択された不要な身体的特徴を使用して取得し得る(図6Aおよび図6Bの3次元モデルを表すデータの視覚化、図6Bの不要な身体的特徴が除去されている)。図7Cおよび図7Dは、強度データが異なる方法でマッピングまたは投影される3次元画像データから2次元画像データを取得する異なる方法で取得され得る拡張された投影画像を示す。
【0103】
不要な身体的特徴は、図7Cおよび図7Dでは本質的に除去される。図7Cおよび図7Dは、視覚化される残りの身体的特徴が、図7Cおよび図7Dよりもはっきりと見え得る。視覚化に対応するものなど、拡張された2次元画像データを使用する。図7Cおよび図7Dの視覚化に対応する等の拡張された2次元画像データ(換言すると、得られた3次元データが示すそれらの身体的特徴は、選択された不要な身体的特徴の中にない)を使用して、医療専門家は、身体的特徴に関連する病状に関連する診断または好ましい治療計画により効果的に到達することができ、これは、医療専門家が図7Aまたは図7Bに示されるような従来の2次元画像データしか考慮できなかった場合と比べて、拡張された2次元画像データで考慮される。
【0104】
図8は、本発明の一実施形態による方法のフローチャートを示す。802で、少なくとも1つの身体的特徴を示す3次元画像データが得られる。804で、3次元画像データから識別または分割され得る少なくとも1つの要素の3次元モデルを表すデータが決定され、少なくとも1つの要素は、少なくとも1つの身体的特徴を含み、808で、1以上の不要な要素が選択される。
【0105】
不要な要素に関連する3次元画像データのデータ構成要素を決定し得、一方、不要な要素に関連するデータは、810の3次元画像データから除去できる。
【0106】
最後に、812で、少なくとも1つの身体的特徴を示す拡張された2次元画像データが提供され、3次元投影法で3次元画像データの残りの部分を利用することによって、選択された不要な要素が本質的に除去される。
【0107】
いくつかの実施形態では、不要な要素に関連する3次元画像データ内のデータ構成要素の決定、および/または、3次元デジタル画像データの残りの部分の決定は、3次元モデルを表すデータに基づく3次元画像データのマスキングを通じて実行される。
【0108】
本発明は、前述の実施形態を参照して上述され、本発明のいくつかの利点が実証される。本発明がこれらの実施形態に限定されるだけでなく、発明思想および以下の請求項の精神および範囲内の全ての可能な実施形態を含むことは明らかである。
従属請求項に記載される特徴は、特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】