(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20230112BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230112BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230112BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230112BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20230112BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20230112BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
H05K9/00 Q
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/04
B32B7/025
B32B27/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528338
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2020015980
(87)【国際公開番号】W WO2021096283
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2019-0147076
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0147077
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0035640
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0073589
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522190409
【氏名又は名称】ルミグローバル.カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LUMMIGLOBAL. CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】903-25,Jangyoungsil-ro,Dunpo-myeon,Asan-si,Chungcheongnam-do,31401 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドゥウォン
【テーマコード(参考)】
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【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人の着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造に関し、前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面及び後面にそれぞれ配置される絶縁体と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体の外側に、前記EL部材の前面部に配置される前面電極部材と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体の外側に、前記EL部材の後面部に配置される後面電極部材と、前記前面電極部材を支持するベース部材とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人が着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、
前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ塗布されるホットメルトと、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、ホットメルトによってEL部材の後面に付着される後面シールドと、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、ホットメルトによってEL部材の前面に付着される前面シールドとを含み、前記EL部材と前記後面シールドと前面シールドとは、フレキシブルなポリウレタンフィルム上に形成されて、前記後面シールドと前記前面シールドとは、それぞれ透明電極からなって、前記EL部材と後面シールドと前面シールドとの間に電気的に導通するようにして、前記発光部における電磁波発生を遮蔽するように構成された、ウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項2】
前記EL部材の表面には多数の回路が形成され、これらの回路のいずれか一つに、バッテリーの陰極(-)と連結して接地させるための接地端子が形成されて、前記後面シールド及び前面シールドの表面には、前記EL部材の接地端子に接続するためのそれぞれ一つ以上の接続端子が形成され、前記EL部材と前記ホットメルトとは、前記後面シールド及び前記前面シールドの表面に形成された接続端子間に電気的な導通のために、前記接続端子に対応する地点にそれぞれ通孔が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項3】
前記電線部材は、フレキシブルな材質のベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に所定の伝導性ペーストを塗布して形成された電線部と、前記電線部の形成された前記ベースフィルムの一面に結合されるホットメルトが塗布されたカバーレイフィルムと、前記電線部から出る電磁波を遮蔽するよう、前記ベースフィルムとカバーレイフィルムとの結合体の上部及び下部にそれぞれ塗布された上部シールド及び下部シールドとを含み、バッテリーの陰極(-)に連結された前記電線部の(-)線と、前記上部シールド及び下部シールドとの間に電気的に導通するようにして、前記電線部における電磁波発生を遮蔽するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項4】
前記電線部材における電磁波遮蔽のために、前記カバーレイフィルムは、前記ベースフィルム上の電線と前記上部シールドの間に、前記カバーレイフィルムとホットメルトとにかけてそれぞれ一つ以上の通孔が形成されて、前記下部シールドから電線にかけては、前記カバーレイフィルム及びホットメルト上の通孔に対応する一つ以上の通孔を形成するか、あるいは前記電線部材の断線を防止または最小化するように、通孔の代わりに一つ以上の金属ピンを打ち込み、前記電線部の(-)線と前記下部シールドとの間に電気導通がなされるように構成したことを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項5】
前記電線部は、前記伝導性ペーストを、前記ベースフィルムの表面に1列または2列以上のラインをスクリーン印刷して形成されて、前記伝導性ペーストは、シルバー(Ag)、ゴールド(Au)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、及びアルミニウム(Al)からなる物質群から少なくとも一つ以上が選ばれることを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項6】
前記前面シールドと前記後面シールド、または前記上部シールドと前記下部シールドは、透明電極、またはシルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などを含む多様な物質群から選ばれる少なくとも一つ以上から構成されて、前記ベースフィルムとカバーレイフィルムとは、着用に不便がなく、洗濯も容易にできるように、フレキシブルな材質のポリウレタンを使用するが、前記カバーレイフィルムは、少なくともTPUまたはPUフィルムであることを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項7】
発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人の着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、
前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ配置される絶縁体と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体の外側に、前記EL部材の前面部に配置される前面電極部材と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体の外側に、前記EL部材の後面部に配置される後面電極部材と、前記前面電極部材を支持するベース部材とを含むことを特徴とする、ウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項8】
前記前面電極部材と前記後面電極部材とは、それぞれ透明電極から構成されて、前記EL部材は、一定の厚さの基板上に少なくとも透明電極層、蛍光層、誘電層、及び導電層が順次塗布されて積層されたものであって、それぞれの電極部材には、前記導電層の回路の各部と電気的に接続するための一つ以上の接続端子がそれぞれ形成されて、前記発光部は、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するための構成であって、前記前面電極部材と前記後面電極部材との間に電気的に導通させた状態で、前記導電層表面の多数の回路のいずれか一つと接続し、前記電線部材を介して前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地させるように構成したことを特徴とする、請求項7に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項9】
前記導電層は、導電性粉末とバインダーとの混合物や導電性有機ポリマー、または導電性粉末と導電性有機ポリマーとの混合物からなり、表面に多数の回路が形成され、前記前面電極部材及び後面電極部材とそれぞれ電気接続されて、前記誘電層は、誘電体粉末とバインダーとの混合物からなり、前記蛍光層は、蛍光体粉末とバインダーからなって、前記透明電極層は、ITO粉末とバインダーから構成されるか、スパッタリング方法を利用してITO薄膜層を形成するか、または導電性有機ポリマーから構成されるか、前記導電性有機ポリマーとITO粉末とを混合した物質から構成されたことを特徴とする、請求項8に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項10】
前記EL部材は、前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地される前記電線部材の少なくとも一つのラインと連結される接地端子を備え、前記接地端子は、前記後面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子、及び前記いずれか一つの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子と電気接続されて、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体とは、前記後面電極部材の接続端子及び前記前面電極部材の接続端子に対応する地点にそれぞれ通孔が形成され、また前記後面電極部材の接続端子とこの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子との間に電気的に導通するようにするために、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体、及び前記EL部材上にそれぞれ通孔が形成されたことを特徴とする、請求項8に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項11】
前記電線部材は、伝導性ペーストを塗布して形成した電線と、前記電線の上下の両面にそれぞれ配置される上部絶縁体及び下部絶縁体と、前記電線から出る電磁波を遮蔽するために、上部絶縁体の外側に、前記電線の上面部に配置される上部電極部材と、前記電線から出る電磁波を遮蔽するために、前記下部絶縁体の外側に、前記電線の下面部に配置される下部電極部材と、前記電線を保護するために、前記下部電極部材の外側に、前記電線の下面部に配置されるベース部材とを含み、前記上部電極部材の外側に、前記電線の上面部に配置可能な上部カバー部材を選択的にさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項12】
前記電線から出る電磁波を遮蔽するために、前記上部電極部材と下部電極部材とは相互電気的に導通して、これらの導通された上部電極部材と下部電極部材とは、前記電線上の少なくとも一つのラインと連結して、前記インバータ内のバッテリーの陰極(-)に接地させた構造を有するものであって、前記電線と前記上部電極部材及び下部電極部材との間に電気導通がなされるように、前記上部絶縁体と下部絶縁体上にそれぞれ相互対応する一つ以上の通孔を形成したことを特徴とする、請求項11に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項13】
前記上部電極部材と下部電極部材とは、それぞれ透明電極で構成し、前記伝導性ペーストは、シルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)からなる物質群から少なくとも一つ以上が選択されることを特徴とする、請求項11に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項14】
前記ベース部材は、一定の厚さのポリウレタン(PU)またはPET素材の透明なフィルムから構成されて、前記絶縁体は、少なくとも液体状態で提供され、前記EL部材の前面と後面、または前記電線の上面と下面にそれぞれ一定の厚さで塗布されたことを特徴とする、請求項11に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項15】
前記インバーターは、ケースの内部に前記EL製品の作動を制御するためのPCB基板及び前記PCB基板に電源を供給するためのバッテリーを内蔵し、少なくとも前記ケースの上下内壁には、所定の導通物質が塗布されて、前記導通物質を、前記PCB基板を締結するためのスクリューを介して前記バッテリーの陰極(-)に接地させることにより、前記インバーターから発生する電磁波を遮蔽するよう構成されたことを特徴とする、請求項1または7に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人の着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品に関する。より詳細には、本発明は、このようなウェアラブルEL製品から出る電磁波を遮蔽するための電磁波遮蔽構造に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートウェア(smart wear)は、日常生活に必要な各種デジタル装置を衣服や靴、帽子、各種アクセサリー類などに統合させた次世代衣類製品を指すものであって、最近、ウェアラブル機器の発展とともにEL(Electro Luminescence;有機電気発光)技術が有望な未来技術として浮上している。
【0003】
ELは、伝導率に優れた二つの電極の間に均等に分布している蛍光クリスタルの電気刺激によって光を発光させるものであって、交流電圧が加えられたとき、電場は、蛍光体に素早く充電と放電をさせる。このような循環過程で電子の動きが光に見えるようになる現象をELという。
【0004】
一般に、磁場(単位:nT)は、ELに連結された導線に流れる電流に比例して発生し、電場(単位:V/m)は、電圧の変化に比例して発生する。
【0005】
したがって人体に近接して着用するウェアラブル製品の場合、ELは、必ず電磁波(電磁場)遮蔽が求められる。
【0006】
一方、韓国公開特許公報第10-2005-0051504号によると、有機電界発光表示装置の電磁波遮蔽構造が開示されている。この特許によると、有機電界発光表示装置は、基板上に形成されるトランジスタと、前記トランジスタの上面に蒸着形成され、上部電極とEL層と下部電極とが形成されたEL素子を備えた多数の画素を含むものであって、EL素子の上部に電磁波遮蔽膜が形成され、電磁波遮蔽膜は、透明性導電物質からなり、前記透明性導電物質は、ITOであることを特徴とする。
【0007】
しかし、上記特許は、各種平板表示装置の外部から加えられるEMI(Electro Magnetic Interference/Emission:電磁波妨害)及びノイズによる画面揺れ現象を防止するための電磁波遮蔽構造に関し、本発明のEMF(Electro-magnetic fields:電磁場であって、交流電気とこれを使用する電気機器が作り出すフィールド)遮蔽のための構造とは概念が明確に相異なる。即ち、電磁場を遮蔽するための構成ではないということである。さらに、上記特許は、有機ELを用いた発光表示装置に限定したものであるため、例えば、無機ELを使用する発光表示装置に適用するには限界がある。特に、上記のような平板表示装置ではなく、一般的に人体に近接して着用するウェアラブルEL製品の場合、EL製品の各構成から発生する電磁波の遮蔽が必須的であるが、上述の特許やこれを応用した技術だけでは、通常のウェアラブルEL製品の各構成から発生する電磁波を完璧に遮蔽することに限界がある。
【0008】
また、通常のウェアラブル機器、例えばウェアラブルEL製品は、野外環境に露出するだけ、湿気にさらされたり、外部から衝撃を受けることがよくあって、電線の場合、このような衝撃によって損傷しやすい。
【0009】
特に、登山服やランニングウェアなどに適用する場合、アウトドアウェアの特性上、折れや摩擦がよく発生し、それによって内部の電線が損傷するか、洗濯に困難が生じることがあって、特に衣類の場合は、電線によって着用感が低下する問題が発生する。
【0010】
したがって、ウェアラブル機器に備えられた電線が切れるか、コネクション部分に断線が発生することを防止し、また、電線によって着用感が不便になるようなことのないウェアラブルデバイスの開発が切実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題点を解決するために開発されたものであって、ウェアラブルEL製品の各構成別の電磁波遮蔽構造を備え、電磁波漏れのない安全なウェアラブルEL製品を提供することにその目的がある。
【0012】
本発明のまた他の目的は、ウェアラブル機器に適用時、着用感と洗濯性に優れ、コネクション部分における断線危険のない安全なウェアラブルEL製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するための本発明の一様態によると、発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人が着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ塗布されるホットメルトと、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、ホットメルトによってEL部材の後面に付着される後面シールドと、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、ホットメルトによってEL部材の前面に付着される前面シールドとを含み、前記EL部材と前記後面シールドと前面シールドとは、フレキシブルなポリウレタンフィルム上に形成されて、前記後面シールドと前記前面シールドとは、それぞれ透明電極からなって、前記EL部材と後面シールド及び前面シールドとの間に電気的に導通するようにして、前記発光部における電磁波発生を遮蔽するように構成されたウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造が提供される。
【0014】
本発明のまた他の様態によると、発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人の着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ配置される絶縁体と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体の外側に、前記EL部材の前面部に配置される前面電極部材と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体の外側に、前記EL部材の後面部に配置される後面電極部材と、前記前面電極部材を支持するベース部材とを含み、前記前面電極部材と前記後面電極部材とは、それぞれ透明電極から構成されて、前記EL部材は、一定厚さの基板上に少なくとも透明電極層、蛍光層、誘電層、及び導電層が順次塗布されて積層されたものであって、それぞれの電極部材には、前記導電層の回路の各部と電気的に接続するための一つ以上の接続端子がそれぞれ形成されて、前記発光部は、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するための構成であって、前記前面電極部材と前記後面電極部材との間に互いに電気的に導通させた状態で、前記導電層表面の多数の回路のいずれか一つと接続し、前記電線部材を介して前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地させるように構成して、また、前記EL部材は、前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地される前記電線部材の少なくとも一つのラインと連結される接地端子を備え、前記接地端子は、前記後面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子、及び前記いずれか一つの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子と電気接続されて、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体とは、前記後面電極部材の接続端子及び前記前面電極部材の接続端子に対応する地点にそれぞれ通孔が形成され、また前記後面電極部材の接続端子とこの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子との間に電気的に導通するようにするために、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体、及び前記EL部材上にそれぞれ通孔が形成されたウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造が提供される。
【発明の効果】
【0015】
上述の特徴から本発明は、人体に近接して着用するウェアラブルEL製品の各構成、即ち、発光部、電線部及びインバーターからの電磁波発生を完璧に遮蔽する構造を提供することにより、電磁波漏れがなく、安全に使用できるウェアラブルEL製品を供給することができるようになる。
【0016】
また、本発明は、人体に近接して着用するウェアラブル機器、特に電磁波遮蔽機能を備えたウェアラブルEL製品において、使用者が感じる異物感を非常に低減するとともに、長期間使用しても、コネクタ端子を結束したコネクション部分における断線の危険をなくし、より安全に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るウェアラブルEL製品の構成を示す図。
【
図2】
図1のウェアラブルEL製品構成の第1の実施形態に関し、
図1の構成の発光部の電磁波遮蔽構造を示す断面図であって、
図2aは、発光部の分解図、
図2bは、発光部の組立図。
【
図3】
図1のウェアラブルEL製品構成の第1の実施形態に関し、
図1の構成の電線部材の電磁波遮蔽構造を示す断面図。
【
図4】
図1のウェアラブルEL製品構成の第1の実施形態に関し、
図1の構成のインバーターの電磁波遮蔽構造を示す断面図。
【
図5】
図1のウェアラブルEL製品構成の第1の実施形態に関し、ベースフィルムに伝導性ペーストを塗布し、
図1の電線部材のためのフレキシブル電線を形成する工程を示す平面図。
【
図6】
図1のウェアラブルEL製品構成の第1の実施形態に関し、
図5によるフレキシブル電線の一部の組立状態を示す断面図。
【
図7】
図1のウェアラブルEL製品構成の第1の実施形態に関し、
図6によるフレキシブル電線の一部の組立状態を示した平面図。
【
図8】
図1のウェアラブルEL製品構成の第2の実施形態に関し、
図1の構成の発光部の作動構造を説明するための発光部の第1部分の断面図であって、
図8aは、発光部の分解図、
図8bは、発光部の組立図。
【
図9】
図1のウェアラブルEL製品構成の第2の実施形態に関し、
図8による発光部の電磁波遮蔽構造を説明するための発光部の第2部分の断面図であって、
図9aは、発光部の分解図、
図9bは、発光部の組立図。
【
図10】
図1のウェアラブルEL製品構成の第2の実施形態に関し、
図1の構成の電線部材の電磁波遮蔽構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面と実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。
【0019】
下記実施例では、発明を説明するに必然的な部分を除いてはその図示と説明を省き、明細書全体にわたって同一・類似した要素については、同一符号を付与して、それに対する詳細な説明は省略する。
【0020】
実施例1
図1は、本発明によるフレキシブル電線が適用されるウェアラブルEL製品の構成を示したものであって、各種衣服や帽子類、手袋類、靴類、アクセサリー類など、人の着用できるあらゆる製品に対して適用可能なウェアラブルEL製品は、図示したように、発光体の発光部100と、発光部から延設された電線部材200と、発光部への電源認可及び作動を制御するためのインバーター300とからなり、ウェアラブル製品の特性上、少なくとも発光部100と電線部材200は、着用に不便がなく、洗濯も可能とするために、薄くてフレキシブルな材質から構成されることが好ましい。
【0021】
図2は、
図1の構成の発光部の電磁波遮蔽構造を示す断面図であって、
図2aは、発光部の分解図、
図2bは、発光部の組立図である。電磁波遮蔽のための発光部100の基本要素として、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材110と、EL部材の後面と前面にそれぞれ塗布されるホットメルト121、122、EL部材110から出る電磁波を遮蔽するように、ホットメルト121によってEL部材110の後面に付着さらる後面シールド130、そしてEL部材110から出る電磁波を遮蔽するように、ホットメルト122によってEL部材110の前面に付着される前面シールド140が提供される。
【0022】
EL部材110と、後面シールド130及び前面シールド140は、基本的にフレキシブルな素材であるポリウレタン(PU)フィルム上に形成されて、EL部材110の表面には多数の回路が形成できて、これらの回路のいずれか一つは、バッテリー340(
図4参照)の陰極(-)に電気的に連結して接地(earth)させるための接地端子112が形成される。
【0023】
後面シールド130と前面シールド140とは、それぞれ透明電極から構成され、各シールド130、140の表面には、EL部材110の接地端子112に接続するための一つ以上の接続端子131、132、141、142が形成される。また、前記後面シールド130と前面シールド140は、透明電極だけではなく、シルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などからなる多様な物質群から少なくとも一つ以上を選択して構成できる。また、図のように、後面シールド130と前面シールド140との表面に形成された接続端子131、141、132、142が電気的に導通して接地端子112と接続されるようにするために、EL部材110とホットメルト121、122には、前記接続端子131、141、132、142に対応する通孔111、121a、121b、122a、122bがそれぞれ形成される。
【0024】
図3は、
図1の構成の電線部材の電磁波遮蔽構造を示す図であって、電線部材200は、基本的にフレキシブルなベースフィルム210の一面に伝導性ペーストを塗布して電線部220を形成し、前記電線部220が形成されたベースフィルム210の表面には、電線部を保護するために、ホットメルト231の塗布されたカバーレイフィルム230が熱圧着によって付着され、前記ベースフィルム210と前記カバーレイフィルム230との結合体の上部及び下部には、電線部220から出る電磁波を遮蔽するために、上部シールド250及び下部シールド240がそれぞれ塗布される。
【0025】
また、電線部材200は、電磁波遮断のために、バッテリー340(
図4参照)の陰極(-)と連結された電線部220の(-)線を上部シールド250及び下部シールド240とそれぞれ導通するようにするために、前記カバーレイフィルム230は、ベースフィルム210上の電線部220と透明電極の上部シールド250との間に、前記カバーレイフィルム230とホットメルト231とにかけて一つ以上の通孔230a、230b、231a、231bが形成され、下部シールド240から電線部220にかけては、前記通孔230a、230b、231a、231bに対応する一つ以上の通孔(図示せず)を形成するか、あるいは、電線部220の断線を防止または最小化するための方案として、前記通孔(図示せず)の代わりに一つ以上の金属ピン260を打ち込み、電線部220の(-)線と透明電極の下部シールド240とが電気的に導通するように構成する。
【0026】
このような構成により、電線部材200は、上部シールド250及び下部シールド240を、バッテリー340(
図4)の陰極(-)端子と連結された電線部220の(-)線と導通するようにして接地させることにより、電線部220から出る電磁波を完璧に遮蔽することができる。
【0027】
一方、前記伝導性ペーストは、一般に電気伝導性に優れた素材、例えばシルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などからなる多様な物質群から少なくとも一つ以上を選択することができる。
【0028】
また、上部シールド250と下部シールド240は、透明電極だけではなく、シルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などからなる多様な物質群から少なくとも一つ以上を選択して構成でき、この場合、ベースフィルム210とカバーレイフィルム230との結合体の上部及び下部に、プリント方式によって塗布する方法で形成することができて、前記通孔を通じて自然に染み込むようにすることによって、電線部220の(-)線と電気的に導通できる。
【0029】
また、ベースフィルム210とカバーレイフィルム230とは、ウェアラブル製品の特性上、少なくとも着用の面で不便ではなく、洗濯もできるよう、一般にフレキシブルな素材であるポリウレタン(PU)を使用することが好ましい。特に、前記カバーレイフィルム230の場合、ポリウレタン(TPUまたはPU)フィルムが好ましい。
【0030】
図4は、
図1の構成のインバーターの電磁波遮蔽構造を示したものであって、インバーター300は、基本的にケース310の内部に、本発明によるEL製品の作動を制御するためのPCB基板330と、このPCB基板に電源を供給するためのバッテリー340が内蔵されている。インバーター300から発生する電磁波を遮蔽するために、少なくともケース310の上下内壁には、所定の導通物質321、322を塗布することができ、このような導通物質321、322が、前記PBC基板330を締結するためのスクリュー350を介してバッテリー340の陰極(-)と電気的に連結されるように接地させることによって、インバーター300から発生する電磁波を完璧に遮蔽することができるようになる。本実施例において導通物質は、一般に電気伝導性に優れた素材、例えば銅(Cu)、シルバー(Ag)、ゴールド(Au)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などからなる多様な物質群から少なくとも一つ以上を選択することができる。
【0031】
図5は、ベースフィルムに伝導性ペーストを塗布し、
図1の電線部材のためのフレキシブル電線を形成する工程を示す平面図であり、
図6は、
図5のフレキシブル電線の一部の組立状態を示す断面図であって、
図7は、
図6によるフレキシブル電線の一部の組立状態を示す平面図である。
【0032】
本発明によるウェアラブルEL製品用のフレキシブル電線は、
図1に示したように、ベースフィルム210’の表面に一定の間隔で伝導性ペーストを塗布することによって電線部220’を形成する。
【0033】
ベースフィルム210’は、透明または半透明のフレキシブルな材質のポリウレタン(PU)フィルムを使用することが好ましく、伝導性ペーストとしては、電気伝導性に優れた物質、例えばシルバー(Ag:銀)のような物質を用いて、ベースフィルムのPUフィルム表面に少なくとも1列以上、好ましくは、2列以上のラインをスクリーン印刷することによって電線部220’を形成する。このように、ベースフィルム210’(以下‘PUフィルム’という)上にスクリーン印刷による電線部の形成方式は、本発明のフレキシブル電線を所望の形で使いやすく、多様な形態に作製できるという長所があるが、さらにこのような方式は、伝導性繊維を細く切って、ベースフィルムに導線数だけいちいち貼り付けて製作していた基本方式に比べ、製作工程が遥かに簡単で、費用効率面においても非常に有益な長所がある。一方、伝導性ペーストは、上述のシルバー(Ag)の他にも、電気伝導性に優れたゴールド(Au)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などからなる多様な物質群から少なくとも一つ以上を選択することができる。
【0034】
電線部220’を形成した後は、前記電線部220’の形成されたPUフィルム210’上に、前記電線部の保護のために、ホットメルト(Hot melt)231の塗布されたTPU(熱可塑性ポリウレタン、またはPU)断面シート230’を熱圧着して付着する。
図6において、未設明符号240’及び250’は、‘電線被覆’であって、
図3の上部シールド250及び下部シールド240とそれぞれ対応する。次いで、上記のように構成されたフレキシブル電線の端部に、
図6及び
図7のようにコネクタ端子260’を設ける。コネクタ端子260’は、下方に延設された複数のコネクタピン261を有して、このコネクタピン261を電線の表面に打ち込み、その下端を電線後面に固定する。
【0035】
一方、従来の伝導性繊維からなる電線は、数回繰り返して使用する間、上述のコネクタピンが結束されたコネクション部分において、繊維材質の特性上、ピンの通る穴がだんだん広がって緩くなる。結局、伝導性繊維からなる電線は、長期間使用するにつれて、結束部分での断線が発生する反面、本発明によるウェアラブルEL製品用のフレキシブル電線は、PUフィルム210’に伝導性ペーストを印刷塗布して電線部220’を構成するため、電線端部でコネクタ端子260’を結束するためにPUフィルム210’にコネクタピン261を打ち込んでも、PUフィルム210’表面に形成されたピン穴は広がることなく、むしろ時間が経つほど元の状態に縮まるようになる。したがって、本発明のウェアラブル用電線は、長期間使用してもコネクタ端子260’を結束したコネクタピン261がPUフィルム210’とさらに密着し、ピン結束部分における断線の危険がなくなるという長所がある。
【0036】
本発明において、PUフィルム210’の表面に、前記電線部220’を形成するために、伝導性ペーストを印刷する場合、前記伝導性ペーストの厚さは、少なくとも20μm以上になるように塗布することが好ましい。これは、ウェアラブルEL製品用電線の特性上、非常にフレキシブルな性質が求められるため、例えば伝導性ペーストの厚さが20μm未満の場合は、日常生活中にしわの発生や洗濯時に切れやすくなって、電線部から断線が発生する可能性があるからである。したがって、本発明では、PUフィルム210’上に塗布される伝導性ペーストの厚さを少なくとも20μm以上に、好ましくは、20μm乃至60μmの範囲を維持するようにする。
【0037】
これによると、本発明のフレキシブル電線は、フレキシブルなPUフィルムをベース部材として構成することにより、既存の電線に比べ柔らかくて、身体に近接するウェアラブル機器に適用時、使用者の感じる異物感が非常に低減する長所があり、長期間使用しても、コネクタ端子を結束したコネクション部分での断線危険がなく、長期間安全に使用できる。
【0038】
実施例2
図8は、
図1の構成の発光部の作動構造を説明するための発光部の第1部分の断面図であって、
図8aは、発光部の分解図、
図8bは、発光部の組立図である。
【0039】
本発明のウェアラブルEL製品は、発光部100を構成する基本要素として、 一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材110と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ配置される絶縁体121、122と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体121の外側に、前記EL部材の前面部に配置される前面電極部材130と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体122の外側に、前記EL部材110の後面部に配置される後面電極部材140と、前記前面電極部材130を支持するベース部材150とを含む。
【0040】
ベース部材150は、一定の厚さの透明なフィルム、例えばポリウレタンPUやPET素材のフィルム生地から構成できる。また、前面電極部材130及び後面電極部材140も同様にフレキシブルな素材のポリウレタン(PU)フィルムのような構成で提供してもよいが、本実施例では、前面電極部材130と後面電極部材140とをインクのような液体形態で構成し、絶縁体121、122の外側に、EL部材の前面部と後面部とにそれぞれ一定の厚さで塗布することが好ましい。
【0041】
また、絶縁体121、122は、EL部材110の前面及び後面上に配置されるものであって、絶縁フィルムのような形態で提供してもよいが、本実施例では、インクのような液体形態で提供し、EL部材110の前面と後面に一定の厚さで塗布することが好ましい。
【0042】
EL部材110は、一定の厚さの基板上に、少なくとも透明電極層114、蛍光層113、誘電層112と導電層111が順次塗布された形態を有するものであって、本実施例の場合、前記基板は、前面電極部材130と、前面側絶縁体121の塗布されたベース部材150である(
図8b参照)。導電層111は、表面に多数の回路が形成されて、基本的に導電性粉末とバインダーとの混合物や導電性有機ポリマー、または導電性粉末と導電性有機ポリマーとの混合物からなる。
【0043】
導電性粉末としては、例えばカーボン粉末、シルバー(Ag:銀)または銅粉末、またはシルバー(Ag)のコーティングされた銅粉末などが使用されて、導電性有機ポリマーとしては、例えば3,4-ethylenedioxythiophene(PEDOT:PSS)、polyethylenedioxythiophene(PEDOT:PSS)のような物質が使用できる。
【0044】
誘電層112は、誘電体粉末とバインダとーの混合物から構成されるが、誘電体粉末としては、BaTiO3のような高誘電常数を有する誘電体粉末を使用し、その大きさは、1~10μm程度である。誘電層112に使用されるバインダーとしては、シアノエチルプルラン(Cyanoethylpullulan)またはフルオロレジン(Fluororesin)のように、誘電常数の大きいポリマーを使用する。蛍光層113は、蛍光体粉末とバインダーとからなる。蛍光体粉末は、ZnSのようなII~IV族化合物を使用する。蛍光層113に使用されるバインダーは、蛍光体粉末より高い誘電常数を有することが好ましい。このような高誘電常数のバインダーとしては、シアノエチルプルラン(Cyanoethyl pullulan)またはフルオロレジン(Fluororesin)などが使用できる。素子の発光色相を変化させるために、ロダミンのような蛍光染料や蛍光顔料を前記蛍光層のバインダーに混合することができる。透明電極層114は、ITO粉末とバインダーとから構成されるか、スパッタリング方法を利用してITO薄膜層を形成するか、あるいは、上述のような導電性有機ポリマーから構成されるか、導電性有機ポリマーとITO粉末とを混合した物質から構成される。
【0045】
EL部材110は、発光部100の前面方向から透明電極層114、蛍光層113、誘電層112、及び導電層111が順次塗布され積層した形態を有するものであって、導電層111は、前面電極部材130及び後面電極部材140とそれぞれ電気接続される結合構造を有する。本実施例において、前面電極部材130と後面電極部材140とは、それぞれ透明電極から構成され、それぞれの電極部材130、140には、導電層111の回路の各部と電気的に接続するための一つ以上の接続端子131、132、141、142が形成される。
【0046】
このように構成された発光部100は、
図8bのように、転写イメージ400が熱圧着によって転写された状態で、導電層111を通じて外部のインバーター300(
図1参照)から電源が印加されると、蛍光層113の各部が選択的に発光しながら転写イメージ400を発光させるようになる。
【0047】
図9は、
図8による発光部の電磁波遮蔽構造を説明するための発光部の第2部分の断面図であって、
図9aは、発光部の分解図、
図9bは、発光部の組立図である。
【0048】
上述のように、EL部材110は、前面方向から透明電極層114、蛍光層113、誘電層112、及び導電層111が順次塗布されて積層した構造を有するものであって、導電性粉末とバインダーとの混合物や導電性有機ポリマー、または導電性粉末と導電性有機ポリマーとの混合物からなる導電層111の表面には、多数の回路が形成され、これらの回路のいずれか一つには、発光部100からの電磁波発生を遮蔽するための構造として、前記電線部材200の少なくとも一つの電線ライン(
図10参照)を介してインバーター300内のバッテリー340(
図4参照)の陰極(-)に電気的に接地されるようにするための接地端子115が形成される。
【0049】
接地端子115は、前面電極部材130の接続端子131及びこの接続端子に対応する後面電極部材140の接続端子141と電気接続されて、それのためにEL部材110の前面側絶縁体121と後面側絶縁体122とは、前記前面電極部材130の接続端子131及び前記後面電極部材140の接続端子141に対応する地点にそれぞれ通孔121a、122aが形成される。
【0050】
また、前面電極部材130の接続端子132と、この接続端子に対応する後面電極部材140の接続端子142との間に電気的に導通するようにするために、EL部材110の前面側絶縁体121と後面側絶縁体122にはそれぞれ通孔121b、122bが形成されて、EL部材110上にも、前記通孔121b、122bに対応する通孔116が形成される。
【0051】
本実施例において、前面電極部材130と後面電極部材140とは、透明電極を利用するものであって、このような透明電極は、フレキシブルな素材のポリウレタン(PU)フィルム上に形成してもよいが、EL部材110の前面側絶縁体121と後面側絶縁体122との表面にそれぞれプリント方式によって塗布する方法で形成することもできて、前記通孔121a、121b、122a、122bを通じて染み込み、互いに電気的に導通する。
【0052】
このような構成から、発光部100は、前面電極部材130と後面電極部材140とが互いに電気的に導通するようにして、これを電線部材200を介してインバーター300内のバッテリー340(
図4参照)の陰極(-)に電気的に接地させることにより、EL部材110から出る電磁波を完璧に遮蔽することができるようになる。
【0053】
図10は、
図1に示されたウェアラブルEL製品の構成の電線部材の電磁波遮蔽構造を示したものであって、電線部材200は、複数のラインで伝導性ペーストを塗布して形成した電線210と、この電線の上、下両面にそれぞれ配置される上部絶縁体221及び下部絶縁体222と、前記電線210から出る電磁波を遮蔽するために、上部絶縁体221の外側に、前記電線210の上面部に配置される上部電極部材230と、前記電線210から出る電磁波を遮蔽するために、前記下部絶縁体222の外側に、前記電線210の下面部に配置される下部電極部材240と、前記下部電極部材240の外側に、前記電線210の下面部に配置されるベース部材260とを基本構成として含む。
【0054】
ベース部材260は、一定厚さの透明なフィルム、例えばポリウレタン(PU)やPET素材のフィルム生地で構成される。また、上部電極部材230と下部電極部材240も同様にフレキシブルな素材のポリウレタン(PU)フィルムのような構成で提供してもよいが、本実施例では、上部電極部材230と下部電極部材240とをインクのような液体形態で構成し、前記絶縁体221、222の外側に、電線210の上面部と下面部にそれぞれ一定の厚さで塗布することが好ましい。
【0055】
選択的に、上部電極部材230の外側に、前記電線210の上面部に上部カバー部材250が付着される。このような上部カバー部材250は、ベース部材26と共に電線210を保護するためのものであって、それぞれの電極部材への付着が容易になるように、ホットメルト251が塗布された一定の厚さの透明なフィルム、例えばポリウレタン(PU)やPET素材のフィルム生地から構成されて、熱圧着により付着される。
【0056】
上部及び下部絶縁体221、222は、絶縁フィルムのような構成で提供してもよいが、本実施例では、インクのような液体形態で提供し、電線210の上面と下面に一定の厚さで塗布されるようにすることが特に好ましい。
【0057】
このような構成から、本実施例の電線部材200は、ベース部材260上に下部電極部材240、下部絶縁体222、電線210、上部絶縁体221、及び上部電極部材230を順次塗布し、これに選択的にホットメルトの塗布された上部カバー部材250を付着して構成する。
【0058】
一方、本実施例において、電線部材200は、より完全な電磁波遮蔽のために、上部電極部材230と下部電極部材240とが相互電気的に導通するようにして、これをインバーター300内のバッテリー340(
図4参照)の陰極(-)に電気的に接地させる構成を提供する。それのために、電線210と電線の上面部に位置する上部電極部材230との間に電気導通がなされるよう、上部絶縁体221上に一つ以上の通孔221a、221bを形成して、また電線210と電線の下面部に位置する下部電極部材240との間に電気導通がなされるよう、前記通孔221a、221bに対応して、下部絶縁体222上に一以上の通孔222a、222bを形成する。
【0059】
これらの通孔221a、221b、222a、222bを通じて導通した上部電極部材230と下部電極部材240とは、電線210上の少なくとも一つのラインと連結され、インバーター300内のバッテリー340(
図4参照)の陰極(-)に電気的に接地される。
【0060】
このような構成により、前記電線部材200は、上部電極部材230と下部電極部材240との間に電気的に導通するようにすることにより、電線210から出る電磁波を完璧に遮蔽することができる。
【0061】
また、上部電極部材230と下部電極部材240は、透明電極が利用でき、このような透明電極は、フレキシブルな素材のポリウレタン(PU)フィルム上に形成してもよいが、上部絶縁体221の上面と下部絶縁体222の下面にそれぞれプリント方式によって塗布する方法で形成することもできて、前記通孔221a、221b、222a、222bを通じて染み込み、互いに電気的に導通する。
【0062】
上記において、伝導性ペーストは、一般に電気伝導性に優れた素材、例えばシルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などからなる多様な物質群から少なくとも一つ以上を選択することができる。
【0063】
特に、上部カバー部材250とベース部材260は、ウェアラブル製品の特性上、少なくとも着用の面で不便がなく、洗濯も可能となるように、一般にフレキシブルな素材のポリウレタン(TPUまたはPU)フィルムを使用することが好ましい。
【0064】
以上、本発明を詳細にまたは特定の実施例を参照して説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではない。したがって、本発明の請求の範囲に記載された範囲内で発明の技術的思想と要旨を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人が着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、
前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ塗布されるホットメルトと、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、ホットメルトによってEL部材の後面に付着される後面シールドと、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、ホットメルトによってEL部材の前面に付着される前面シールドとを含み、前記EL部材と前記後面シールドと前面シールドとは、フレキシブルなポリウレタンフィルム上に形成されて、前記後面シールドと前記前面シールドとは、それぞれ透明電極からなって、前記EL部材と後面シールドと前面シールドとの間に電気的に導通するようにして、前記発光部における電磁波発生を遮蔽するように構成された、ウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項2】
前記EL部材の表面には多数の回路が形成され、これらの回路のいずれか一つに、バッテリーの陰極(-)と連結して接地させるための接地端子が形成されて、前記後面シールド及び前面シールドの表面には、前記EL部材の接地端子に接続するためのそれぞれ一つ以上の接続端子が形成され、前記EL部材と前記ホットメルトとは、前記後面シールド及び前記前面シールドの表面に形成された接続端子間に電気的な導通のために、前記接続端子に対応する地点にそれぞれ通孔が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項3】
前記電線部材は、フレキシブルな材質のベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に所定の伝導性ペーストを塗布して形成された電線部と、前記電線部の形成された前記ベースフィルムの一面に結合されるホットメルトが塗布されたカバーレイフィルムと、前記電線部から出る電磁波を遮蔽するよう、前記ベースフィルムとカバーレイフィルムとの結合体の上部及び下部にそれぞれ塗布された上部シールド及び下部シールドとを含み、バッテリーの陰極(-)に連結された前記電線部の(-)線と、前記上部シールド及び下部シールドとの間に電気的に導通するようにして、前記電線部における電磁波発生を遮蔽するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項4】
前記電線部材における電磁波遮蔽のために、前記カバーレイフィルムは、前記ベースフィルム上の電線と前記上部シールドの間に、前記カバーレイフィルムとホットメルトとにかけてそれぞれ一つ以上の通孔が形成されて、前記下部シールドから電線にかけては、前記カバーレイフィルム及びホットメルト上の通孔に対応する一つ以上の通孔を形成するか、あるいは前記電線部材の断線を防止または最小化するように、通孔の代わりに一つ以上の金属ピンを打ち込み、前記電線部の(-)線と前記下部シールドとの間に電気導通がなされるように構成したことを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項5】
前記電線部は、前記伝導性ペーストを、前記ベースフィルムの表面に1列または2列以上のラインをスクリーン印刷して形成されて、前記伝導性ペーストは、シルバー(Ag)、ゴールド(Au)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、及びアルミニウム(Al)からなる物質群から少なくとも一つ以上が選ばれることを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項6】
前記前面シールドと前記後面シールド、または前記上部シールドと前記下部シールドは、透明電極、またはシルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)などを含む多様な物質群から選ばれる少なくとも一つ以上から構成されて、前記ベースフィルムとカバーレイフィルムとは、着用に不便がなく、洗濯も容易にできるように、フレキシブルな材質のポリウレタンを使用するが、前記カバーレイフィルムは、少なくともTPUまたはPUフィルムであることを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項7】
発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人の着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、
前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ配置される絶縁体と、
前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体の前記EL部材とは反対側表面に配置される前面電極部材と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体の前記EL部材とは反対側表面に配置される後面電極部材と、前記前面電極部材を支持するベース部材とを含むことを特徴とする、ウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項8】
前記前面電極部材と前記後面電極部材とは、それぞれ透明電極から構成されて、前記EL部材は、一定の厚さの基板上に少なくとも透明電極層、蛍光層、誘電層、及び導電層が順次塗布されて積層されたものであって、それぞれの電極部材には、前記導電層の回路の各部と電気的に接続するための一つ以上の接続端子がそれぞれ形成されて、前記発光部は、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するための構成であって、前記前面電極部材と前記後面電極部材との間に電気的に導通させた状態で、前記導電層表面の多数の回路のいずれか一つと接続し、前記電線部材を介して前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地させるように構成したことを特徴とする、請求項7に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項9】
前記導電層は、導電性粉末とバインダーとの混合物や導電性有機ポリマー、または導電性粉末と導電性有機ポリマーとの混合物からなり、表面に多数の回路が形成され、前記前面電極部材及び後面電極部材とそれぞれ電気接続されて、前記誘電層は、誘電体粉末とバインダーとの混合物からなり、前記蛍光層は、蛍光体粉末とバインダーからなって、前記透明電極層は、ITO粉末とバインダーから構成されるか、スパッタリング方法を利用してITO薄膜層を形成するか、または導電性有機ポリマーから構成されるか、前記導電性有機ポリマーとITO粉末とを混合した物質から構成されたことを特徴とする、請求項8に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項10】
前記EL部材は、前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地される前記電線部材の少なくとも一つのラインと連結される接地端子を備え、前記接地端子は、前記後面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子、及び前記いずれか一つの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子と電気接続されて、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体とは、前記後面電極部材の接続端子及び前記前面電極部材の接続端子に対応する地点にそれぞれ通孔が形成され、また前記後面電極部材の接続端子とこの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子との間に電気的に導通するようにするために、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体、及び前記EL部材上にそれぞれ通孔が形成されたことを特徴とする、請求項8に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項11】
前記電線部材は、伝導性ペーストを塗布して形成した電線と、前記電線の上下の両面にそれぞれ配置される上部絶縁体及び下部絶縁体と、
前記電線から出る電磁波を遮蔽するために、前記上部絶縁体の前記電線とは反対側表面に配置される上部電極部材と、前記電線から出る電磁波を遮蔽するために、前記下部絶縁体の前記電線とは反対側表面に配置される下部電極部材と、前記電線を保護するために、前記下部電極部材の前記電線とは反対側表面に配置されるベース部材とを含み、前記上部電極部材の前記電線とは反対側表面に配置可能な上部カバー部材を選択的にさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項12】
前記電線から出る電磁波を遮蔽するために、前記上部電極部材と下部電極部材とは相互電気的に導通して、これらの導通された上部電極部材と下部電極部材とは、前記電線上の少なくとも一つのラインと連結して、前記インバータ内のバッテリーの陰極(-)に接地させた構造を有するものであって、前記電線と前記上部電極部材及び下部電極部材との間に電気導通がなされるように、前記上部絶縁体と下部絶縁体上にそれぞれ相互対応する一つ以上の通孔を形成したことを特徴とする、請求項11に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項13】
前記上部電極部材と下部電極部材とは、それぞれ透明電極で構成し、前記伝導性ペーストは、シルバー(Ag:銀)、ゴールド(Au:金)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル、アルミニウム(Al)からなる物質群から少なくとも一つ以上が選択されることを特徴とする、請求項11に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項14】
前記ベース部材は、一定の厚さのポリウレタン(PU)またはPET素材の透明なフィルムから構成されて、前記絶縁体は、少なくとも液体状態で提供され、前記EL部材の前面と後面、または前記電線の上面と下面にそれぞれ一定の厚さで塗布されたことを特徴とする、請求項11に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【請求項15】
前記インバーターは、ケースの内部に前記EL製品の作動を制御するためのPCB基板及び前記PCB基板に電源を供給するためのバッテリーを内蔵し、少なくとも前記ケースの上下内壁には、所定の導通物質が塗布されて、前記導通物質を、前記PCB基板を締結するためのスクリューを介して前記バッテリーの陰極(-)に接地させることにより、前記インバーターから発生する電磁波を遮蔽するよう構成されたことを特徴とする、請求項1または7に記載のウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明のまた他の様態によると、発光体の発光部と、前記発光部から延設された電線部材と、前記発光部への電源印加及び作動を制御するためのインバーターとからなり、衣類、帽子類、靴類、手袋類、アクセサリー類などを含む、人の着用できるあらゆる物品に適用できるように、フレキシブルで洗濯も可能なウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造であって、前記発光部は、一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ配置される絶縁体と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体の前記EL部材とは反対側表面に配置される前面電極部材と、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体の前記EL部材とは反対側表面に配置される後面電極部材と、前記前面電極部材を支持するベース部材とを含み、前記前面電極部材と前記後面電極部材とは、それぞれ透明電極から構成されて、前記EL部材は、一定厚さの基板上に少なくとも透明電極層、蛍光層、誘電層、及び導電層が順次塗布されて積層されたものであって、それぞれの電極部材には、前記導電層の回路の各部と電気的に接続するための一つ以上の接続端子がそれぞれ形成されて、前記発光部は、前記EL部材から出る電磁波を遮蔽するための構成であって、前記前面電極部材と前記後面電極部材との間に互いに電気的に導通させた状態で、前記導電層表面の多数の回路のいずれか一つと接続し、前記電線部材を介して前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地させるように構成して、また、前記EL部材は、前記インバーター内のバッテリーの陰極(-)に接地される前記電線部材の少なくとも一つのラインと連結される接地端子を備え、前記接地端子は、前記後面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子、及び前記いずれか一つの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子のいずれか一つの接続端子と電気接続されて、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体とは、前記後面電極部材の接続端子及び前記前面電極部材の接続端子に対応する地点にそれぞれ通孔が形成され、また前記後面電極部材の接続端子とこの接続端子に対応する前記前面電極部材の接続端子との間に電気的に導通するようにするために、前記EL部材の後面側絶縁体と前面側絶縁体、及び前記EL部材上にそれぞれ通孔が形成されたウェアラブルEL製品の電磁波遮蔽構造が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
本発明のウェアラブルEL製品は、発光部100を構成する基本要素として、 一定の形状または形態に沿って蛍光物質が塗布された発光素子のEL部材110と、前記EL部材の前面と後面とにそれぞれ配置される絶縁体121、122と、前記EL部材110から出る電磁波を遮蔽するよう、前面側絶縁体121の前記EL部材110とは反対側表面に配置される前面電極部材130と、前記EL部材110から出る電磁波を遮蔽するよう、後面側絶縁体122の前記EL部材110とは反対側表面に配置される後面電極部材140と、前記前面電極部材130を支持するベース部材150とを含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
ベース部材150は、一定の厚さの透明なフィルム、例えばポリウレタンPUやPET素材のフィルム生地から構成できる。また、前面電極部材130及び後面電極部材140も同様にフレキシブルな素材のポリウレタン(PU)フィルムのような構成で提供してもよいが、本実施例では、前面電極部材130と後面電極部材140とをインクのような液体形態で構成し、絶縁体121、122の前記EL部材110とは反対側表面にそれぞれ一定の厚さで塗布することが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図10は、
図1に示されたウェアラブルEL製品の構成の電線部材の電磁波遮蔽構造を示したものであって、電線部材200は、複数のラインで伝導性ペーストを塗布して形成した電線210と、この電線の上、下両面にそれぞれ配置される上部絶縁体221及び下部絶縁体222と、
前記電線210から出る電磁波を遮蔽するために、前記上部絶縁体221の前記電線210とは反対側表面に配置される上部電極部材230と、前記電線210から出る電磁波を遮蔽するために、前記下部絶縁体222の前記電線210とは反対側表面に配置される下部電極部材240と、前記下部電極部材240の前記電線210とは反対側表面に配置されるベース部材260とを基本構成として含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
ベース部材260は、一定厚さの透明なフィルム、例えばポリウレタン(PU)やPET素材のフィルム生地で構成される。また、上部電極部材230と下部電極部材240も同様にフレキシブルな素材のポリウレタン(PU)フィルムのような構成で提供してもよいが、本実施例では、上部電極部材230と下部電極部材240とをインクのような液体形態で構成し、前記絶縁体221、222の前記電線210とは反対側表面にそれぞれ一定の厚さで塗布することが好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
選択的に、上部電極部材230の前記電線210とは反対側に上部カバー部材250が付着される。このような上部カバー部材250は、ベース部材26と共に電線210を保護するためのものであって、それぞれの電極部材への付着が容易になるように、ホットメルト251が塗布された一定の厚さの透明なフィルム、例えばポリウレタン(PU)やPET素材のフィルム生地から構成されて、熱圧着により付着される。
【国際調査報告】