(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ノードの位置に基づくワイヤレスパラメータの調整
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20230113BHJP
H04W 4/33 20180101ALI20230113BHJP
G01S 13/87 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
H04W28/18
H04W4/33
G01S13/87
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506314
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2020069868
(87)【国際公開番号】W WO2021018564
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(74)【代理人】
【識別番号】100216390
【氏名又は名称】竹尾 もえ
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ ヒューゴ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】アリアクセイエウ ディミトリ ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】メールベーク ベレント ヴィレム
【テーマコード(参考)】
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J070AC20
5J070AE09
5J070AF01
5J070AK40
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD20
5K067DD42
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE16
(57)【要約】
本発明は、1つ以上のノード(12、14、16)の相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノード(12、14、16)の1つ以上のワイヤレスパラメータを調整することに関する。ノード(12、14、16)は、ワイヤレス接続システム(100)においてワイヤレス接続され、無線周波数(RF)信号(18)を送信する、RF信号(18)を受信する、又はその両方を行うように構成される。1つ以上のワイヤレスパラメータは、1つ以上のノード(12、14、16)のワイヤレス性能がワイヤレス接続システム(100)のアプリケーションに最適化されるように調整される。送信パワーが、1つ以上のノード(12、14、16)によってカバーされるべきではないボリューム(212、222)でイベントを検出するプロバビリティが低減されるように調整されることができ、カバーされないボリューム(212、222)からのフォールスポジティブの低減を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数信号を送信する、無線周波数信号を受信する、又はその両方を行うためのワイヤレス接続されたノードを含むワイヤレス接続システムのためのワイヤレスパラメータ調整デバイスであって、
当該ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上の前記ノードのワイヤレス性能が前記ワイヤレス接続システムの無線周波数ベースのセンシング及び/又はアセットトラッキングアプリケーションに最適化されるように、前記1つ以上のノード又は無線周波数信号に影響を与える1つ以上のオブジェクトに対するノードの位置を含む相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて前記1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成され、
前記1つ以上のノードは、無線周波数ベースのセンシング及び/又はアセットトラッキングを実行するように構成され、当該ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、前記1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティが低減されるように、前記1つ以上のノードの前記1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成される、ワイヤレスパラメータ調整デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上のワイヤレスパラメータは、
送信パワー、
無線周波数信号を生成するために使用されるアンテナの数、
無線周波数信号を生成するために使用されるアンテナのタイプ、
周波数チャネル、
帯域幅、
受信感度、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス。
【請求項3】
前記1つ以上のノードパラメータは、
前記1つ以上のノードの向き、
前記1つ以上のノードのアンテナデザイン、
前記1つ以上のノードによって生成される無線周波数信号の指向性、
前記1つ以上のノードによって生成される無線周波数信号の偏波、
前記1つ以上のノードの多入力多出力特性、
前記1つ以上のノードの1つ以上の材料、
前記1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性、
前記1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティ、
前記1つ以上のノードによって検出されるイベントの信頼レベル、
前記1つ以上のノードのコンテキストパラメータ、
異なる相対位置にあるノードの量、
現在の送信パワー、
周波数チャネル、
帯域幅、
現在の受信感度、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス。
【請求項4】
当該ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、前記1つ以上のノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側の無線周波数信号の信号パラメータが閾値を下回る値を有するように、前記1つ以上のノードの前記1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成される、請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス。
【請求項5】
当該ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、前記1つ以上のノードの前記相対位置を含む前記1つ以上のノードパラメータに基づいて前記1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティを決定するように構成される、請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス。
【請求項6】
当該ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、トリガイベントが検出される場合、前記1つ以上のノードの前記1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成される、請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス。
【請求項7】
無線周波数信号を送信する、無線周波数信号を受信する、又はその両方を行うように構成される2つ以上のノードと、
請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイスと、
を含む、ワイヤレス接続システム。
【請求項8】
前記ノードの各々は、最初に最大の送信パワーで無線周波数信号を送信するように構成され、
前記ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上の前記ノード又は無線周波数信号に影響を与える1つ以上のオブジェクトに対するノードの位置を含む相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて前記1つ以上のノードの送信パワーを減少させるように構成され、
当該ワイヤレス接続システムは、無線周波数ベースのセンシング、アセットトラッキング、又はその両方を実行するように構成される、請求項7に記載のワイヤレス接続システム。
【請求項9】
当該ワイヤレス接続システムは、
前記ノードの配置、前記ノード、又はその両方を撮像するためのカメラと、
1つ以上の前記ノードの相対位置、1つ以上の前記ノードの材料、1つ以上の前記ノードの向き、異なる相対位置にあるノードの量のうちの1つ以上を決定するための画像解析ユニットと、
を含む、請求項7に記載のワイヤレス接続システム。
【請求項10】
ノードが無線周波数信号を送信する、無線周波数信号を受信する、又はその両方を行うように構成されるワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整する方法であって、当該方法は、
前記1つ以上のノード又は無線周波数信号に影響を与える1つ以上のオブジェクトに対するノードの位置を含む相対位置を含む1つ以上のノードパラメータを決定するステップと、
前記1つ以上のノードのワイヤレス性能が前記ワイヤレス接続システムの無線周波数ベースのセンシング及び/又はアセットトラッキングアプリケーションに最適化されるように、前記相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて前記1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するステップと、
を含み、
前記1つ以上のノードは、無線周波数ベースのセンシング及び/又はアセットトラッキングを実行するように構成され、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、前記1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティが低減されるように、前記1つ以上のノードの前記1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成される、方法。
【請求項11】
ノードが無線周波数信号を送信する、無線周波数信号を受信する、又はその両方を行うように構成される、ワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムがプロセッサで実行された場合、前記プロセッサに、請求項10に記載の方法を実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレスパラメータ調整デバイス(wireless parameter adjustment device)、ワイヤレス接続システム(wirelessly connected system)、ワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータ(wireless parameter)を調整する方法、及びワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するためのコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス接続システムは、とりわけ、ホームオートメーションに用いられている。ワイヤレス接続システムのノードは、ユーザがワイヤレス接続システムをリモートコントロールできるようにルータ若しくはゲートウェイに又はスマートフォン等、リモートコントロールデバイスにワイヤレス接続されることができる。ワイヤレス接続システムのノードは、例えば、無線周波数(RF:radio frequency)ベースのセンシング又はアセットトラッキングに用いられることができる。
【0003】
US 2012/0146788 A1は、関心領域内のデバイスフリーの動き検出及び存在検出のためのシステム及び方法を示している。関心領域の周囲に配置されるように構成される、複数のノードが、ワイヤレスネットワークを形成する。複数のノードは、ワイヤレス信号を無線波(radio wave)として送信し、送信されたワイヤレス信号を受信する。複数のノードの間で送信されたワイヤレス信号の受信信号強度(RSS:received signal strength)が測定され、値が報告される。コンピューティングデバイスは、測定されたRSSの報告値を受け、経時的に報告値を追跡する。コンピューティングデバイスは、関心領域内の動き及び存在を検出するためにアグリゲートディスターバンス計算(aggregate disturbance calculation)を使用して報告値を処理する。
【0004】
US 2019/166562は、例えば、センサのセットの各々における電力レベルの変化及び干渉レベルの変化に基づいて、ワイヤレス送信機の送信電力を動的に制御する方法を開示している。ワイヤレス送信機の送信電力の変化は、所要の変化に基づいて動的にもたらされてもよい。
【0005】
ワイヤレス接続システムのワイヤレス性能(wireless performance)は、ユーザがワイヤレス接続システムを信頼性高く制御できるかどうか、並びに、動き検出及び存在検出等、RFベースのセンシングが信頼性高く実行されることができるかどうかに影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、改善されたワイヤレス送信性能、改善されたワイヤレス受信性能、又はその両方を提供することを可能にするワイヤレスパラメータ調整デバイス、ワイヤレス接続システム、方法、コンピュータプログラムプロダクト、及びコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様では、ワイヤレス接続されたノードを含むワイヤレス接続システムのためのワイヤレスパラメータ調整デバイスが提示される。ワイヤレス接続されたノードは、RF信号を送信する、RF信号を受信する、又はその両方を行うように構成される。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードのワイヤレス性能がワイヤレス接続システムのアプリケーションに最適化されるように、1つ以上のノードの相対位置(relative location)を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成される。
【0008】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されるので、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、ワイヤレス接続システムのワイヤレス性能に影響を与えることができる。1つ以上のノードのワイヤレスパラメータを調整することにより、異なる相対位置にあるノードにわたり対称的な、又は少なくとも均質なワイヤレス性能を可能にすることができる。さらに、各ノードのワイヤレス性能は、対称的なワイヤレス性能が必要又は所望とされ得るアプリケーションに最適化されることができる。ワイヤレス性能は、ワイヤレス送信性能及びワイヤレス受信性能を含むことができる。ワイヤレス性能は、とりわけ、オフィスにおけるワイヤレス接続システムと比較して、通常、ワイヤレス接続システムのノードに使用される材料、相対位置、及びデザインの多様性が大きい、住宅用のワイヤレス接続システムに対して向上されることができる。さらに、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整することにより、健全なメッシュルーティングネットワークを維持する、並びに、RFベースのセンシング及びアセットトラッキングの検出及び信頼性を最適化することを可能にすることができる。
【0009】
相対位置は、それぞれのノードがその環境に対してどこに配置されているかを表す。相対位置は、ノードの環境に関する情報を含む。環境は、1つ以上の他のノード、又はRF信号に影響を与える1つ以上のオブジェクト、例えば、壁、窓、天井、金属梁、電気器具、家具、若しくはノードによって送信及び受信されるRF信号に影響を与える他のオブジェクトを含むことができる。相対位置は、1つ以上の他のノード又はRF信号に影響を与える1つ以上のオブジェクトに対するノードの位置を含むことができる。1つ以上のノードの相対位置は、例えば、壁、床、及び天井を有する部屋におけるノードの位置であることができる。相対位置は、壁、天井、床、テーブル、又は任意の他の位置におけるそれぞれのノードの配置を含むことができる。例えば、ノードが照明器具である場合、照明器具は、壁取付け照明器具、天井取付け照明器具、ペンダント、テーブル照明器具、サイド照明器具、ボリュームのあちこちに動的に移動され、斯くしてその相対位置を動的に変化させるポータブル照明器具、又はその他の照明器具であり得るように、異なる位置に配置されることができる。1つ以上の他のノードに対するノードの相対位置は、例えば、ノードのグルーピング又はクラスタリング、例えば、シャンデリア内の照明器具のグルーピング等に基づいて決定されることができる。
【0010】
ワイヤレス接続システムのアプリケーションは、RFベースのセンシング、アセットトラッキング、ノード間のワイヤレス通信、又はその他のアプリケーションを含むことができる。
【0011】
1つ以上のワイヤレスパラメータは、送信(Tx)パワー、RF信号を生成するために使用されるアンテナの数、RF信号を生成するために使用されるアンテナのタイプ、(複数の)周波数チャネル、帯域幅、受信(Rx)感度のうちの1つ以上を含むことができる。
【0012】
ワイヤレス調整デバイスは、例えば、それぞれのノードの相対位置に基づいて1つ以上のノードのTxパワーを調整するように構成されることができる。例えば、デバイスは、壁に取り付けられたノードのTxパワーを、天井に取り付けられたノードのTxパワーと比較して低減することができる。これは、壁に取り付けられたノードは、より横方向の影響を与え、天井に取り付けられたノードは、その下のオブジェクトを比較的小さなターゲットとして見るからである。これにより、ワイヤレス接続システムのRFベースのセンシング性能を向上させることができる。
【0013】
1つ以上のノードパラメータは、1つ以上のノードの向き(orientation)、1つ以上のノードのアンテナデザイン、1つ以上のノードによって生成されるRF信号の指向性(directionality)、1つ以上のノードによって生成されるRF信号の偏波(polarization)、1つ以上のノードの多入力多出力(MIMO)特性、1つ以上のノードの1つ以上の材料、1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性(connectivity)、1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム(volume)でイベントを検出するプロバビリティ(probability)、1つ以上のノードによって検出されるイベントの信頼レベル(confidence level)、1つ以上のノードのコンテキストパラメータ(contextual parameter)、異なる相対位置にあるノードの量、現在のTxパワー、現在のRx感度、(複数の)周波数チャネル、帯域幅のうちの1つ以上を含むことができる。
【0014】
パラメータの現在値の代わりに、ノードパラメータは、ある期間にわたるパターン等、それぞれのノードパラメータの傾向(trend)を含むこともできる。これにより、ノードパラメータの変化がより長い時間考慮されることができ、ワイヤレスパラメータの調整がより少ない頻度で実行され得るため、あまりにも頻繁にワイヤレスパラメータを調整することを回避することができる。
【0015】
1つ以上のノードの向きは、特定のボリュームに対する、1つ以上の他のノードに対する、1つ以上のオブジェクトに対する、又はそれらの組み合わせに対する1つ以上のノードの向きを含むことができる。1つ以上のノードによって生成されるRF信号の指向性は、ノードデザインに依存するそれぞれのノードの固有の指向性であることができる。例えば、ノードが照明器具である場合、バルブデザイン(bulb design)は、照明器具によって生成されるRF信号の指向性に影響を与えることができる。ノードの材料は、ある方向のRF信号を妨害することにより指向性に追加的又は代替的に影響を与えることができる。ノードの材料は、例えば、ノードのハウジングの1つ以上の材料を含むことができる。1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性は、ノード間のデータ転送速度、例えば、ノード間でリアルタイムにワイヤレス通信するために必要なデータ転送速度を含むことができる。例えば、ノード間のデータ転送速度が、リアルタイムで通信するために必要なものを下回っている場合、ワイヤレスパラメータは、データ転送速度を上げるために調整されてもよい。また、1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性は、例えば、データを送信するためのリトライの回数を含むことができる。例えば、データを送信するためにより多くのリトライの回数が必要とされる場合、ノードは、より悪い接続性を有する可能性がある。
【0016】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性に基づいて1つ以上のノードのTxパワーを減少させるように構成されることができる。これにより、Txパワーが低減され過ぎることを回避することにより、起こりうる接続性の問題を低減することができる。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性に基づいて1つ以上のノードのTxパワーを閾値Txパワーまでのみ減少させるように構成されることができる。閾値Txパワーは、1つ以上のノードの接続性を著しく低下させることなく、Txパワーの全体的な割合(overall proportion)が可能な限り高くなるように選択されることができる。
【0017】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、ワイヤレス接続システムにおける異なる相対位置にあるノードの量、又はワイヤレス接続システムにおけるノードのグループの異なる相対位置にあるノードの量に基づいて1つ以上のノードのTxパワーを調整するように構成されることができる。ワイヤレス接続システムにおけるノードのグループは、例えば、部屋、床、家等に配置されるノードのグループ又はすべてのノードを含むことができる。例えば、ノードのグループは、天井に取り付けられたノード及び4つのテーブルノードを含むことができる。天井に取り付けられたノードが部屋の中央に配置され、4つのテーブルノードが部屋に分散される場合、天井に取り付けられたノードのTxパワーの全体的な相対的増加は、3つの天井に取り付けられたノードがある場合よりも高くなる。これにより、ボリューム全体のRFベースのセンシングの空間的なワイヤレス性能が可能な限り均質に保たれことができる。これにより、例えば、天井に設置されたノードの相対的ワイヤレス送信性能が比較的低いことに起因して中央にブラインドスポットができるのではなく、部屋全体で均等な信頼レベルを有して人を検出することができる。
【0018】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードによって検出されるイベント、例えば、存在検出等のセンシングイベントの信頼レベルに基づいてTxパワーを調整するように構成されることができる。イベントの信頼レベルは、1つ以上のノードからワイヤレスパラメータ調整デバイスに提供されることができる。代替的又は追加的に、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードによって検出されるイベントの信頼レベルを決定するように構成されることができる。例えば、信頼レベルが低い場合、1つ以上の部屋に隣接する部屋の壁に配置されたノードのTxパワーが減少されることができ、信頼性が高い場合、Txパワーは調整されなくてもよい。これにより、イベントが正しく検出されるべきである部屋に隣接する部屋内のフォールスポジティブイベント(false positive event)を検出することを回避することができる。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、信頼レベルを検証するためのソースを含む、又は信頼レベルを検証するためのソースに接続されることができる。信頼レベル、例えば、高い又は低い信頼性を検証するためのソースは、例えば、同じボリュームをカバーする他のセンシングモダリティ等、グランドトゥルースメカニズム(ground truth mechanism)であることができ、又は手動のユーザ入力に基づくことができる。
【0019】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、コンテキストパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることができる。コンテキストパラメータは、現在利用可能な帯域幅、時間帯(time of day)、気象条件、温度、又は他のコンテキストデータを含むことができる。これにより、例えば、温度がノードのワイヤレス性能に影響を与える可能性があるため、コンテキストを考慮し、それに応じてワイヤレスパラメータを調整することによりワイヤレス性能を向上させることができる。
【0020】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側のRF信号の信号パラメータが閾値を下回る値を有するように、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることができる。RF信号の信号パラメータは、例えば、信号強度であることができる。また、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側のRF信号の信号パラメータがそれぞれの信号パラメータのそれぞれの閾値を下回る値を有するように、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることができる。また、信号パラメータは、信号対ノイズ比(SNR)、キャリア周波数帯域幅、キャリア周波数シフト、又は任意の他の信号パラメータを含むことができる。これにより、RF信号が、該RF信号が対象としているボリュームから漏れるリスクを低減することができる。これは、データスニッフィング(data sniffing)のリスクが低減されるため、データセキュリティを向上させ得る。追加的に、隣接するボリュームをカバーするノードのRF信号の妨害が低減されることができる。さらに、これは、ノードがイベント検出に用いられる場合、隣接するボリュームからのフォールスポジティブイベントを検出することを低減することができる。閾値信号強度は、予め定められることができる。閾値信号強度は、例えば、カバーされるべきであるボリュームの外側の受信信号強度インジケータ(RSSI)の値がノイズのオーダーとなり、カバーされるべきではない隣接するボリュームから情報が得られないように選択されることができる。
【0021】
RF信号の信号パラメータは、例えば、1つ以上のノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側にあるワイヤレス接続システムのノードによって決定されることができる。
【0022】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティが低減されるように、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることができる。ノードは、例えば、RFベースのセンシングを実行する、例えば、人の存在を検出する等、イベントを検出するように構成されることができる。ノードは、ボリューム内でRFベースのセンシングを実行し、これによってボリュームをカバーするようにボリュームの周りに配置されることができる。隣接するボリュームは、RFベースのセンシングによってカバーされてはならない。しかしながら、ノードがフォールスポジティブイベント、すなわち、1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出する可能性がある。1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティが低減されるように、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整することにより、ノードによってカバーされるボリュームに隣接するボリューム、例えば、部屋において検出されるフォールスポジティブイベントの数を低減することができる。例えば、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードによってカバーされるボリュームの中心までの距離に基づいて、1つ以上のノードによって送信されるRF信号の相対Txパワーが減少するように、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることができる。この場合、1つ以上のノードによってカバーされるボリュームの中心までのそれぞれのノードの距離と、その環境に対するそれぞれのノードの相対位置との両方が、それぞれのノードによって送信されるRF信号のTxパワーを調整することに対して決定的(decisive)である。ノードが、カバーされるボリュームが部屋のボリュームに対応するように配置される場合、隣接する他の部屋のボリュームはカバーされてはならない。中心から遠く、隣接する部屋に近いノードによって生成されるRF信号のTxパワーが高い場合、当該ノードが隣接する部屋内のフォールスポジティブイベントを検出するプロバビリティがより高くなる。1つ以上のノードによってカバーされるボリュームの中心までの距離に基づいてノードのTxパワーを減少させることにより、検出されるフォールスポジティブイベントの数を低減することができる。
【0023】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの相対位置を決定するように構成されることができる。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの相対位置を決定するように構成されることができるので、1つ以上のノードの相対位置は、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整する際にワイヤレスパラメータ調整デバイスによって考慮されることができる。ノードの相対位置は、手動又は自動で決定されることができる。ノードの相対位置は、例えば、タッチスクリーン又はディスプレイ及びキーボードを備えたユーザ入力デバイス等、ユーザインターフェースを介して、ユーザによって手動で入れられることができる。また、相対位置は、例えば、カメラ及び画像解析ユニットを介して、ノードの位置及び環境を追跡する(track)ことに基づいて、又は当業者に知られている他のやり方で、自動的に決定されることができる。代替的又は追加的に、相対位置は、例えば、ノードの製造、ノードの配置、又はその両方の間に、各ノードに対してノード上に記憶されたノードパラメータであることができる。代替的又は追加的に、ノードは、自身の相対位置を決定するように構成されることができる。例えば、ノードは、別のノードまでの距離を決定するためのマイクロフォンを含むことができる。例えば、テレビの形態のノードは、マイクロフォンを含む別のノードに現在の音量設定をワイヤレス送信することができ、該マイクロフォンは、受けた音量を決定することができる。音量設定と受けた音量の差は、ノードとテレビの間の距離を決定するために使用されることができる。ノードは、自身の相対位置をワイヤレスパラメータ調整デバイスに提供するように構成されることができる。
【0024】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティを決定するように構成されることができる。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、例えば、1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティに基づいてTxパワーを調整するように構成されることができる。これにより、イベントが正しく検出されるべきである部屋に隣接する部屋内のフォールスポジティブイベントを検出することを回避することができる。
【0025】
ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、トリガイベントが検出される場合、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることができる。トリガイベントは、ワイヤレスパラメータ調整デバイスに提供されることができる。トリガイベントは、例えば、ユーザが1つ以上のワイヤレスパラメータの調整を手動でトリガすること、又はノードが交換される、除去される、機能不全である(malfunction)、アクティブにされる(activated)、又は非アクティブにされる(deactivated)ことを含むことができる。これにより、ワイヤレスパラメータを最新の状態で維持することができる。
【0026】
本発明のさらなる態様では、ワイヤレス接続システムが提示される。ワイヤレス接続システムは、2つ以上のノードと、請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス又はワイヤレスパラメータ調整デバイスの任意の実施形態とを含む。2つ以上のノードは、RF信号を送信する、RF信号を受信する、又はその両方を行うように構成される。ワイヤレス接続システムは、改善されたワイヤレス送信性能、改善されたワイヤレス受信性能、又はその両方を可能にする。
【0027】
ワイヤレス接続システムの一実施形態では、ノードの各々は、最初に最大のTxパワーでRF信号を送信するように構成されることができる。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードのTxパワーを減少させるように構成されることができる。
【0028】
さらに、ワイヤレス接続システムは、カメラ及び画像解析ユニットを含むことができる。カメラは、ノードの配置、ノード、又はその両方を撮像するように構成されることができる。画像解析ユニットは、1つ以上のノードの相対位置、1つ以上のノードの材料、1つ以上のノードの向き、異なる相対位置にあるノードの量のうちの1つ以上を決定するように構成されることができる。これにより、1つ以上のノードの相対位置、材料及び/若しくは向き、並びに/又は、異なる相対位置にあるノードの量を自動的に決定することができる。
【0029】
ワイヤレス接続システムは、RFベースのセンシング、アセットトラッキング、又はその両方を実行するように構成される。RFベースのセンシングは、例えば、近接検出、動き検出、存在検出、オブジェクトカウンティング、又はその他のRFベースのセンシング等のアプリケーションを含むことができる。
【0030】
本発明のさらなる態様では、ワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整する方法が提示される。ノードは、RF信号を送信する、RF信号を受信する、又はその両方を行うように構成される。方法は、1つ以上のノードのワイヤレス性能がワイヤレス接続システムのアプリケーションに最適化されるように、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するステップを含む。
【0031】
本方法は、ノードの異なるワイヤレス性能を補償する、異なるノードの性能の差を緩和する、及びワイヤレス接続システムの全体的なワイヤレス性能を向上させるために、利用可能なワイヤレスパラメータを調整することを可能にする。例えば、RF信号のTxパワーは、ワイヤレス接続システムの全体的なワイヤレス性能を向上させるためにボリュームをカバーする各ノードに対して最適化されることができる。
【0032】
方法は、アルゴリズムとして又はアルゴリズムの一部として実行されることができる。アルゴリズムは、例えば、汎用コンピュータのプロセッサ、システムオンチップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)で実行されることができる。
【0033】
方法は、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータを決定するステップを含むことができる。
【0034】
1つ以上のノードの相対位置を決定することは、手動又は自動で実行されることができる。決定されることができる他のノードパラメータは、1つ以上のノードの向き、1つ以上のノードのアンテナデザイン、1つ以上のノードによって生成されるRF信号の指向性、1つ以上のノードによって生成されるRF信号の偏波、1つ以上のノードのMIMO特性、1つ以上のノードの1つ以上の材料、1つ以上のノードの1つ以上の他のノードへの接続性、1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティ、1つ以上のノードによって検出されるイベントの信頼レベル、1つ以上のノードのコンテキストパラメータ、異なる相対位置にあるノードの量、現在のTxパワー、現在のRx感度、(複数の)周波数チャネル、帯域幅のうちの1つ以上を含むことができる。
【0035】
本発明のさらなる態様では、ワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するためのコンピュータプログラムプロダクトが提示される。ノードは、RF信号を送信する、RF信号を受信する、又はその両方を行うように構成される。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラムプロダクトがプロセッサで実行された場合、プロセッサに、請求項10に記載の方法又は方法の任意の実施形態を実行させるためのプログラムコード手段を含む。
【0036】
さらなる態様では、請求項11に記載のコンピュータプログラムプロダクトを記憶しているコンピュータ可読媒体が提示される。代替的又は追加的に、コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムプロダクトの任意の実施形態によるコンピュータプログラムプロダクトを記憶していることができる。
【0037】
請求項1に記載のワイヤレスパラメータ調整デバイス、請求項7に記載のワイヤレス接続システム、請求項10に記載の方法、請求項11に記載のコンピュータプログラムプロダクト、及び請求項12に記載のコンピュータ可読媒体は、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0038】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0039】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】
図1Aは、複数の部屋を有する建物内に配置されたワイヤレス接続システムのノードに含まれるワイヤレスパラメータ調整デバイスを含み、人が第1の部屋にいる、ワイヤレス接続システムの一実施形態を概略的且つ例示的に示す。
【
図2】
図2は、
図1A及び
図1Bのワイヤレス接続システムのワイヤレスパラメータ調整デバイスの実施形態の詳細を概略的且つ例示的に示す。
【
図3】
図3は、ワイヤレス接続システムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整する方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1A及び
図1Bは、ワイヤレスパラメータ調整デバイス10を含むコネクテッドライティング(CL:connected lighting)システム100の形態のワイヤレス接続システムの一実施形態を概略的且つ例示的に示している。
【0042】
CLシステム100は、Hueブリッジ12並びにRF信号18を送信及び受信するための2つの壁に取り付けられた照明器具14及び16の形態の3つのワイヤレス接続されたノードを含む。他の実施形態では、ワイヤレス接続システムは、より多くのノードを含むこともできる。ワイヤレスパラメータ調整デバイス10は、この実施形態ではHueブリッジ12に含まれ、Hueブリッジ12の機能を追加的に実行する。他の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、スタンドアロンデバイスであってもよく、又は異なるノードの中に組み込まれ、分散されることもできる。この実施形態では、Hueブリッジ12は、サーバ40に接続されている。サーバ40は、CLシステム100がインターネットと接続することを可能にする。他の実施形態では、Hueブリッジ12は、任意の他のやり方でインターネットに接続されることもできる。
【0043】
Hueブリッジ12及び照明器具14、16は、第1の部屋200に配置され、部屋200の壁、床、及び天井によって制限されるそれぞれのボリューム202をカバーする。第1の部屋200は、それぞれの隣接するボリューム212及び222を画定する、廊下210及び第2の部屋220に隣接している。部屋200及び220は、壁230を介して互いに分離され、ドア240を介して廊下210に接続されている。他の実施形態では、ワイヤレス接続システムのさらなるノードが、廊下及び床等の他の部屋に配置されることができる。この場合、ワイヤレス接続システムのノードのサブセット、すなわち、各部屋のノードは、好ましくは、それぞれのボリュームをカバーするためのノードのグループを形成する。
【0044】
この実施形態では、CLシステム100は、RFベースのセンシング、とりわけ、存在検出に用いられる。したがって、RF信号18は、照明器具14及び16とHueブリッジ12との間で送信される。第1の部屋200における人20の存在を検出するために、人20によって引き起こされるRF信号18の妨害(disturbance)が分析される。他の実施形態では、存在検出は、他のボリュームをカバーするノードのグループによって実行されることができ、どのグループの(複数の)ノードが存在を検出したかに依存して、人が検出されたボリュームの1つが決定されることができる。
【0045】
他の実施形態では、ワイヤレス接続システムは、アセットトラッキング、又はワイヤレス接続システムに配置されたノードのRF信号を使用する任意の他のアプリケーションを実行するように構成されることもできる。また、ワイヤレス接続システムは、RFベースのセンシング及びアセットトラッキングを実行するように構成されることもできる。
【0046】
この実施形態では、ノードの各々、すなわち、照明器具14、16及びHueブリッジ12は、最初は最大のTxパワーでRF信号を送信する。他の実施形態では、ノードは、ノードの各々に対して異なってもよい所定の値のTxパワーで送信することができる。
【0047】
追加的に、ワイヤレス接続システムは、カメラ50及び画像解析ユニット60を含む。この実施形態では、カメラ50は、画像解析ユニット60に含まれる。カメラ50及び画像解析ユニット60は任意である。カメラ50は、照明器具14、16及びHueブリッジ12の及び環境に対するそれらの配置の画像を生成するために照明器具14、16及びHueブリッジ12の配置を撮像する。画像は画像解析ユニット60に提供され、画像解析ユニット60は、照明器具14、16及びHueブリッジ12の相対位置、並びにそれらの材料、向き、及び異なる相対位置にあるノードの量を含むノードパラメータを決定する。画像解析ユニット60は、ノードパラメータをワイヤレスパラメータ調整デバイス10に提供することができる。この実施形態では、画像解析ユニット60は、ノードパラメータをワイヤレスパラメータ調整デバイス10にワイヤレス送信するためのワイヤレストランシーバ(図示せず)を含む。他の実施形態では、画像解析ユニットは、ワイヤレスパラメータ調整デバイスに含まれることもでき、ワイヤレスパラメータ調整デバイスが、ノードの相対位置を決定するように構成されることができる。さらに他の実施形態では、ノードの相対位置及び他のノードパラメータを含むノードパラメータは、例えば、タッチディスプレイ等のユーザインタフェース(図示せず)を介して、ユーザによって手動で入れられることができる。
【0048】
図2は、ワイヤレスパラメータ調整デバイス10の実施形態の詳細を概略的且つ例示的に示している。ワイヤレスパラメータ調整デバイス10は、照明器具14、16及びHueブリッジ12によってカバーされるべきであるボリューム202の外側のRF信号18の信号強度が閾値信号強度を下回るように、それらの相対位置に基づいて照明器具14、16及びHueブリッジ12のTxパワーを調整するために使用される。相対位置は、それぞれのノードがその環境に対してどこに配置されているかを表す。閾値信号強度は、ノードによってカバーされるべきではないボリューム212及び222へのRF信号の漏れを回避するために選択される。RF信号18の信号強度は、そのそれぞれのソース、すなわち、照明器具14若しくは16又はHueブリッジ12への距離とともに減少し、壁230(
図1A及び
図1B参照)等の物体での吸収、回折及び反射によってさらに減少される。
【0049】
他の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、CLシステムの特定のアプリケーションのために(複数の)ノードのワイヤレス性能を最適化するために、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するように構成されることもできる。他のワイヤレスパラメータとしては、例えば、RF信号を生成するために使用されるアンテナの数、RF信号を生成するために使用されるアンテナのタイプ、(複数の)周波数チャネル、帯域幅、及びRx感度が挙げられる。1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータの調整は、追加の要件の下で、すなわち、1つ以上のノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側のRF信号の信号パラメータが閾値を下回る値を有するように実行されることができる。信号パラメータは、例えば、信号強度、SNR、キャリア周波数シフト、キャリア周波数帯域幅、又は任意の他の信号パラメータである、又はそれらを含むことができる。
【0050】
ワイヤレスパラメータ調整デバイス10は、制御ユニット22と、トランシーバユニット24とを含む。処理ユニット24は任意である。他の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイス10は、ワイヤレスパラメータ調整デバイスが含まれるノードのトランシーバユニットを使用することができる。
【0051】
制御ユニット22は、プロセッサ26と、メモリ28の形態のコンピュータ可読媒体とを含む。
【0052】
トランシーバユニット24は、WiFiトランシーバ30の形態のトランシーバを含む。WiFiトランシーバ30は、異なる周波数で動作されることができる。この実施形態では、WiFiトランシーバ30は、2.4GHz帯、5GHz帯、及び60GHz帯で動作されることができる。それゆえ、WiFiトランシーバ30は、それぞれのWiFi帯域用のアンテナ32、34及び36を有する。WiFiトランシーバは、各周波数帯用の複数のアンテナを含むアンテナアレイを含むこともできる。トランシーバユニット24は、照明器具14、16とワイヤレス通信するために、照明器具14、16にRF信号18を送信及び照明器具14、16からRF信号18を受信する。
【0053】
他の実施形態では、トランシーバユニットは、2つ以上のトランシーバ、例えば、ナローバンドトランシーバ及びワイドバンドトランシーバを含んでもよい。追加的又は代替的に、トランシーバユニットは、ZigBee、Thread、Bluetooth Low Energy(BLE)、又は他の通信プロトコルを使用する1つ以上のトランシーバを含むことができる。
【0054】
以下では、ワイヤレスパラメータ調整デバイス10が、照明器具14、16及びHueブリッジ12の相対位置に基づいてTxパワーをどのように調整するかがより詳細に開示される。
【0055】
メモリ28は、CLシステムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するためのコンピュータプログラムプロダクトを記憶する。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラムプロダクトがプロセッサ26で実行された場合、プロセッサ26に、CLシステムの1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整するための方法、例えば、
図3で提示される方法を実行させるためのプログラムコード手段を含む。さらに、メモリ28は、照明を提供するためにCLシステムの照明器具14、16を制御することと、RFベースのセンシング、及びアセットトラッキングを実行するためにCLシステム100のノードを制御することとを含む、CLシステム100を動作させるためのコンピュータプログラムプロダクトを含む。
【0056】
さらに、メモリ28は、ノードの相対位置を記憶する。他の実施形態では、メモリ28は、ノードの向き、ノードのアンテナデザイン、ノードによって生成されるRF信号の指向性、ノードによって生成されるRF信号の偏波、ノードのMIMO特性、ノードの材料、ノードの他のノードへの接続性、ノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティ、ノードによって検出されるイベントの信頼レベル、ノードのコンテキストパラメータ、異なる相対位置にあるノードの量、現在のTxパワー、(複数の)周波数チャネル、帯域幅、Rx感度のうちの1つ以上を含む追加のノードパラメータを記憶することもできる。
【0057】
この実施形態では、プロセッサ26は、照明器具14、16及びHueブリッジ12の相対位置をメモリ28から受ける。プロセッサ26は、それらの相対位置に基づいて照明器具14、16及びHueブリッジ12のTxパワーを調整する。照明器具14、16及びHueブリッジ12によってカバーされるべきではないボリューム212及び222へのRF信号18の漏れを回避するために、照明器具14、16及びHueブリッジ12のTxパワーは減少される。とりわけ、この実施形態の照明器具14、16及びHueブリッジ12は最大のTxパワーでRF信号18を送信するため、Txパワーは、照明器具14、16及びHueブリッジ12によってカバーされるべきであるボリューム202の外側のRF信号18の信号強度が閾値信号強度を下回るように、各ノードに対して個別に減少される。これにより、照明器具14、16及びHueブリッジ12によってカバーされてはならない隣接するボリューム212及び222内の存在検出の形態のイベントを検出するプロバビリティを低減することもできる。
【0058】
図1Bは、人20が第2の部屋220に存在する状況を示している。照明器具14及び16のRF信号18の信号強度が隣接するボリューム222で高くなる場合、部屋200、すなわち、照明器具14、16及びHueブリッジ12によってカバーされるべきであるボリューム202内の人20の存在の形態のイベントを誤って検出するプロバビリティが高くなる。Txパワーを低減することにより、ボリューム202の外側のRF信号18の信号強度も低減され、フォールスポジティブイベントを検出するリスクが緩和される。
【0059】
他の実施形態では、プロセッサ26は、メモリ28から追加のノードパラメータを提供され、相対位置及び追加のノードパラメータに基づいて1つ以上のワイヤレスパラメータを調整することもできる。
【0060】
他の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイスはさらに、ノードの相対位置を含むノードパラメータに基づいて、ノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出する、例えば、人の存在を検出するプロバビリティを決定するように構成されることができる。
【0061】
この実施形態では、プロセッサ26は、トリガイベントが検出されると、CLシステム100内のノードのTxパワーを調整する。トリガイベントは、ユーザが1つ以上のワイヤレスパラメータを調整することを要求すること、1つのノード、すなわち、照明器具14、16及びHueブリッジ12のうちの1つをオン又はオフにすること、ノードを除去すること、又はノードを追加することを含む。
【0062】
以下では、ワイヤレス接続システム及びワイヤレスパラメータ調整デバイスの他の様々な実施形態が述べられる。
【0063】
一実施形態では、ワイヤレス接続システムは、リビングルームに設置された照明器具を使用してユーザの存在を検出するためのRFベースのセンシングを実行するために使用される。存在は、照明器具間で送信されるメッセージのRSSIの動的な変化を決定することによって検出される。ワイヤレス接続システムは、関与する各照明器具の相対位置を決定する。これらは、例えば、壁取付け、天井取付け、ペンダント、テーブルライト、コーブライト、ポータブル、又はその他の位置であることができる。相対位置は、照明器具が他のノード及び/又は他のオブジェクトに対してどこに配置されているかに関する。相対位置は、生産施設での照明器具の後期構成(late-stage configuration)中に記憶されることができ、又は使用中に、Hueブリッジ、ゲートウェイ、又はスマートフォン等のリモートコントロールユニット等、ライト制御システムによって取得されることができる。また、ユーザが相対位置を提供する、例えばスマートフォンのアプリを使用して、ユーザがそれぞれの照明器具の相対位置がどこかを示すことも可能である。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、ワイヤレス接続システムのワイヤレス性能を最適化するために各照明器具のTxパワーがどのように調整される必要があるかを判断し、それに応じてTxパワーを調整することができる。例えば、天井に取り付けられたライトのTxパワーは、より横方向に影響を与えることができる壁に取り付けられたライト又はテーブルライト等と比較して、上から見下ろすため、全体的に人体をより小さなターゲットとして見ることになるため、増加されることができる。これにより、ワイヤレス接続システムは、天井ライトが他のライトと同じくらいの割合で貢献できるようになり、これは、RFセンシングメカニズムが以前よりも全体的にリッチなデータを得ることができることを意味する。
【0064】
別の実施形態では、すべての照明器具が、例えば、ハードウェア(HW)定義される又は地域の規制によって制限される、それらの最大Txパワーで送信するように構成される可能性がある。この場合、任意の照明器具、とりわけ、天井に取り付けられた照明器具のTxパワーをさらに増加させることは不可能である。この追加のノードパラメータが、ワイヤレスパラメータ、とりわけ、Txパワーを調整する際に考慮されることができる。一部の照明器具のTxパワーが増加されることができない場合、すべての照明器具のTxパワーの同じ比率を維持するために、他の一部の照明器具、例えば、テーブルライトのTxパワーが減少される必要がある。これにより、同様の全体的なRFベースのセンシング効果を得ることができる。
【0065】
Txパワーを低減することは、一部の照明器具がHueブリッジ若しくはゲートウェイに接続できなくなる、又はメッシュネットワークの健全性が低下する等、接続性の問題を生じる可能性がある。追加的に、これらのノードパラメータが、ワイヤレスパラメータを調整する際にワイヤレスパラメータ調整デバイスによって考慮されることができる。例えば、ワイヤレス送信性能の全体的な割合が所望に近い状態を維持しつつ、ワイヤレス接続システムのノードの接続性への影響を最小限に抑えるように、Txパワーの上限又は最大減少率が提供されることができる。
【0066】
別の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、異なる相対位置にある照明器具等、ノードの量に基づいて、ワイヤレスパラメータを調整する。例えば、天井に取り付けられた照明器具が1つであるが、部屋に4つのテーブルライトが配される状況では、天井に取り付けられた照明器具のTxパワーの全体的な相対的増加は、天井に取り付けられた照明器具が3つある場合よりも高いとみなされる。これにより、これらの照明器具によってカバーされるボリューム全体のRFベースのセンシングの空間的なワイヤレス性能が可能な限り均質になることができる。実際には、これにより、天井に取り付けられた照明器具の相対的ワイヤレス送信性能が比較的低いことに起因して中央にブラインドスポットができるのではなく、部屋全体で均等な信頼レベルを有して人を検出することができる。
【0067】
別の実施形態では、ワイヤレス接続システムは、フォールスポジティブイベントの検出を減らすために最適化される。例えば、ユーザが自身の寝室に入る場合、隣接する子供の部屋の照明器具が存在を検出し、アクティブになることは望ましくない。ワイヤレス接続システムは、照明器具の相対位置に基づいて、一部の照明器具が他の照明器具よりもフォールスポジティブイベントを検出する可能性が高いことを推測することができる。例えば、壁に取り付けられた照明器具は、天井に取り付けられた照明器具よりもフォールスポジティブイベントを検出する可能性が高い。これは、壁に取り付けられた照明器具からのRF信号の漏れが、天井に取り付けられた照明器具よりも高いからである。なぜなら、ほとんどの建物では、床の建材が壁の建材よりもRF信号を吸収する傾向があるため、壁に取り付けられた照明器具からのRF信号が、天井に取り付けられた照明器具よりも、カバーされるべきではない隣接するボリュームにおいてより高い信号強度を有するからである。ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、この漏れのプロバビリティ又はノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティを考慮してワイヤレスパラメータを調整することができる。
【0068】
追加的に、壁に取り付けられた照明器具のTxパワーは、検出された存在の信頼レベルに基づいてリアルタイムに調整されることができる。例えば、ある照明器具が、ある部屋の壁に、隣接する部屋の近くで配置され、存在が2つの部屋で低い信頼性で検出される場合、壁に配置された照明器具のTxパワーは、隣接する部屋へのRF信号の漏れに起因して存在が検出されなかったことを確認するために減少されてもよい。一方、高い信頼性で存在が検出される場合、Txは調整される必要がなくてもよい。
【0069】
別の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、追加的に、それぞれのノードに含まれる異なる材料に基づいてワイヤレスパラメータを調整することができる。異なる材料は、照明器具のワイヤレス性能に影響を与える可能性がある。例えば、GU10スポットの埋め込み型照明器具は、通常、照明器具からの熱の放散を助けるために金属製である。そのため、当該照明器具はRF信号を閉じ込める(confine)傾向があり、その結果、指向性RF信号送信につながる。ガラス製の照明器具に同じスポットが使用される場合、RF信号送信はより均一になる。ワイヤレス調整デバイスは、例えば光源デザインに基づいて、ノードの固有の指向性を追加的に考慮してワイヤレスパラメータを調整することができる。例えば、スポットは、A19バルブよりも設計上常にRF信号送信がより指向性になり得る。追加的に、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、照明器具の位置を含む、照明器具の相対位置、及びその環境にある材料等、その環境を考慮してワイヤレスパラメータを調整する。相対位置及び材料は、ユーザによって入れられることができ、又は、例えば、ワイヤレス接続システムの画像解析ユニット及びカメラを使用して、自動的に決定されることができる。ユーザは、例えば、材料、モデル、ブランド等を含む選択肢のリストからこれらを選択することによって、相対位置及び材料を入力することができる。画像解析ユニットは、カメラから受ける画像を解析することによって相対位置及び材料を決定することができる。画像は、(複数の)照明器具及び/又は部屋を含む。指向性は、ブラインドスポットを減らすためにワイヤレスパラメータを調整することによって補償されてもよい。
【0070】
別の実施形態では、ノードは、例えば2.4GHz帯のWiFi及び5GHz帯のWiFiのための、複数のアンテナを含み、及び/又は、異なる周波数チャネル等、周波数スペクトルの異なる部分を使用することができ、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、ワイヤレス性能を最適化するためにこれらのワイヤレスパラメータを調整することができる。例えば、部屋が、2.4GHz帯のWiFiを使用する金属材料を含む大量の照明器具を含む場合、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、2.4GHz帯から5GHz帯に変更することによってワイヤレスパラメータを調整してもよい。これにより、RF信号のペネトレーション(penetration)を向上させることができ、RF信号の指向性を低減することができる。
【0071】
別の実施形態では、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、トリガイベントが発生するたびに繰り返しワイヤレスパラメータを調整する。トリガイベントは、ユーザがワイヤレスパラメータ調整を選択すること、照明器具がアクティブにされる、非アクティブにされる、交換される、除去される、機能不全であること等を含むことができる。例えば、ワイヤレス接続システムは、リビングルームでRFベースのセンシングを実行する。昼間は、ワイヤレス接続システムは、存在に基づいて自動的に照明器具をアクティブにするが、夜間は、ワイヤレス接続システムは、侵入者を検出し、警告又は抑止力として閃光灯をアクティブにする。代替的に、ワイヤレスパラメータの調整は静的に行われてもよい。この実施形態の使用例では、ユーザは、リビングルームのドアの横にある壁スイッチを介して天井照明器具をオフにする可能性がある。その結果、RFベースのセンシングを行うために送信されるRF信号が少なくなるため、ワイヤレス接続システムの信頼性が低下する。ワイヤレス接続システムは、ノードが、例えば非アクティブにされているために、RFベースのセンシングに貢献していないかどうかを検出することができる。そのため、ワイヤレス接続システムは、例えば、数分等、所定の期間において、到達性(reachability)を測定する、メッセージの欠落を検出する、又は非肯定応答(ACK)メッセージを検出する。ノード(この場合は天井照明器具)がRFベースのセンシングに寄与していないことが検出される場合、ワイヤレスパラメータ調整デバイスは、それに応じて他の照明器具のワイヤレスパラメータを調整する、例えば、以前と同じ又は少なくとも同様のワイヤレス性能を維持するように、他の照明器具のワイヤレスパラメータを調整することができる。例えば、天井照明器具がRFベースのセンシングに寄与していた場合に他の照明器具のTxパワーが低減されていた場合、該他の照明器具のTxパワーが、ワイヤレス接続システムの解像度(resolution)を増加させるために回復されてもよい。
【0072】
図3は、ワイヤレス接続システム、例えば、
図1A及び
図1Bで提示されるCLシステム100の1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整する方法300の一実施形態を示している。ノードは、RF信号を送信する、RF信号を受信する、又はその両方を行う。
【0073】
ステップ310において、ノードの相対位置が決定される。代替的に、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータが決定されることができる。ステップ310は任意である。
【0074】
ステップ320において、ノードによってカバーされるべきではないボリューム内の人の存在を検出するプロバビリティが、ノードの相対位置を含むノードパラメータに基づいて決定される。ステップ320は任意である。
【0075】
ステップ330において、ノードのTxパワーは、ノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側のRF信号の信号強度が閾値信号強度を下回るように、ノードの相対位置及びノードによってカバーされるべきではないボリューム内の人の存在を検出するそれらのプロバビリティに基づいて低減される。これは、ノードによってカバーされるべきではないボリューム内の人の存在を検出するプロバビリティを低減する。代替的に、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータは、1つ以上のノードのワイヤレス性能がワイヤレス接続システムのアプリケーションに最適化されるように、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて調整されることができる。例えば、ワイヤレスパラメータは、ワイヤレス接続システム内のノードのグループのノード間のワイヤレス通信を最適化するために調整されることもできる。とりわけ、ノードのグループによってカバーされるボリュームの外側へのRF信号の漏れが、データセキュリティを高めるため及び信号妨害(signal disturbance)を低減するために低減されることができる。
【0076】
他の実施形態では、1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータの調整は、追加の要件の下で、すなわち、1つ以上のノードによってカバーされるべきであるボリュームの外側のRF信号の信号パラメータが閾値を下回る値を有するように実行されることができる。信号パラメータは、例えば、信号強度、SNR、キャリア周波数シフト、キャリア周波数帯域幅、又は任意の他の信号パラメータである、又はそれらを含むことができる。
【0077】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例示及び説明されてきたが、そのような例示及び説明は、図的又は例示的であって、限定的なものではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。例えば、RFベースのセンシングシステムが、暖房換気空調(HVAC)システム又は任意の他のタイプのホームオートメーションシステムである実施形態において本発明を動作させることが可能である。また、本発明は、例えば、セキュリティカメラ、スピーカ、音声アシスタント、ドアロック、スマートフォン、タブレット、又は任意の他のワイヤレスデバイスを含む、任意の他のワイヤレス接続システムで動作されてもよい。
【0078】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0079】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0080】
単一のユニット、プロセッサ、又はデバイスが、請求項において列挙されるいくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0081】
1つ又はいくつかのユニット又はデバイスによって実行される、1つ以上のノードのワイヤレス性能がワイヤレス接続システムのアプリケーションに最適化されるように、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整すること、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータを決定すること、ノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティを決定すること等のオペレーションは、任意の他の数のユニット又はデバイスによって実行されることができる。これらのオペレーション及び/又は方法は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として及び/又は専用ハードウェアとして実装されることができる。
【0082】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、Ethernet、又は他の有線若しくは無線の電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0083】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0084】
本発明は、1つ以上のノードの相対位置を含む1つ以上のノードパラメータに基づいて1つ以上のノードの1つ以上のワイヤレスパラメータを調整することに関する。ノードは、ワイヤレス接続システムにおいてワイヤレス接続され、RF信号を送信する、RF信号を受信する、又はその両方を行うように構成される。1つ以上のワイヤレスパラメータは、1つ以上のノードのワイヤレス性能がワイヤレス接続システムのアプリケーションに最適化されるように調整される。Txパワーが、1つ以上のノードによってカバーされるべきではないボリューム内のイベントを検出するプロバビリティが低減されるように調整されることができ、隣接するボリュームからのフォールスポジティブの低減を可能にする。
【国際調査報告】