(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】バッファリング時間の管理のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/14 20090101AFI20230113BHJP
H04W 68/00 20090101ALI20230113BHJP
【FI】
H04W28/14
H04W68/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513563
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 IB2020057958
(87)【国際公開番号】W WO2021038457
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】201921034302
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520433964
【氏名又は名称】ジオ プラットフォームズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アブヒシェク ドゥーン
(72)【発明者】
【氏名】ジテンドラ ソニ
(72)【発明者】
【氏名】ガウラブ ジャイン
(72)【発明者】
【氏名】ムケシュ シン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD13
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH23
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理するためのシステム及び方法に関する。方法は、モビリティ管理ユニット[104]において、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に対する一つ以上のデータ要求をアプリケーションサーバ[108]から継続的に受信することを備える。モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信し、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答を動的に監視する。モビリティ管理ユニット[104]は、動的監視に基づいて一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングし、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバ[108]の間の通信を管理するために、ページング要求の終了及び動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理するための方法であって、
モビリティ管理ユニット[104]において、前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に対する一つ以上のデータ要求を前記アプリケーションサーバ[108]から継続的に受信することと、
前記モビリティ管理ユニット[104]によって、ページング要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信することと、
前記モビリティ管理ユニット[104]によって、前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からの前記ページング要求に対する応答を動的に監視することと、
前記モビリティ管理ユニット[104]において、前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からの前記ページング要求に対する前記応答の動的監視に基づいて前記一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングすることと、
前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]と前記アプリケーションサーバ[108]の間の通信を管理するために、前記モビリティ管理ユニット[104]によって、前記ページング要求の終了及び前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からの前記ページング要求に対する前記応答の動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求を送信することと、
を備える方法。
【請求項2】
サービス能力公開マネージャ[106]で、一つ以上のダウンリンクデータを前記アプリケーションサーバ[108]から受信することと、
前記一つ以上のデータ要求を生成するために、前記サービス能力公開マネージャ[106]によって、前記一つ以上のダウンリンクデータを処理することと、
前記サービス能力公開マネージャ[106]によって、前記一つ以上のデータ要求を前記モビリティ管理ユニット[104]に送信することであって、前記一つ以上のデータ要求は、前記NB-IoTデバイス[102]に更に送信されることと、
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モビリティ管理ユニット[104]は、最初のデータ要求を受信する際に前記ページング要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信し、
前記モビリティ管理ユニット[104]は、前記ページング要求の終了と前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から前記応答を受信するまで及び前記ページング要求の終了の一方に基づいて、前記一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モビリティ管理ユニット[104]は、前記ページング要求の有効期限が切れた場合、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求を前記アプリケーションサーバ[108]に送信し、
前記モビリティ管理ユニット[104]は、前記ページング要求に対する前記応答を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から受信した場合、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ページング要求の有効期限が切れた場合、
前記モビリティ管理ユニット[104]によって、一つ以上のデータ応答を生成するために、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求にエラーレポートを添付することであって、前記エラーレポートは、少なくともエラーコードを含むことと、
前記モビリティ管理ユニット[104]によって、前記一つ以上のデータ応答を前記サービス能力公開マネージャ[106]に送信することと、
を更に備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理するためのシステムであって、
前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に一つ以上のデータ要求を送信するように構成された少なくとも一つのアプリケーションサーバ[108]と、
前記アプリケーションサーバ[108]に接続されたモビリティ管理ユニット[104]であって、
前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に対する前記一つ以上のデータ要求を前記アプリケーションサーバ[108]から継続的に受信し、
ページング要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信し、
前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からの前記ページング要求に対する応答を動的に監視し、
前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からの前記ページング要求に対する前記応答の動的監視に基づいて前記一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングし、
前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]及び前記アプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理するために、前記ページング要求の終了及び前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からの前記ページング要求に対する前記応答の動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求を送信するように構成された、モビリティ管理ユニット[104]と、
を備えるシステム。
【請求項7】
前記モビリティ管理ユニット[104]及び前記アプリケーションサーバ[108]に接続されたサービス能力公開マネージャ[106]であって、
一つ以上のダウンリンクデータを前記アプリケーションサーバ[108]から受信し、
前記一つ以上のデータ要求を生成するために、前記一つ以上のダウンリンクデータを処理し、
前記一つ以上のデータ要求を前記モビリティ管理ユニット[104]に送信し、前記一つ以上のデータ要求は、前記NB-IoTデバイス[102]に更に送信されるように構成された、サービス能力公開マネージャ[106]を更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記モビリティ管理ユニット[104]は、
最初のデータ要求を受信する際に前記ページング要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信し、
前記ページング要求の終了と前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から前記応答を受信するまで及び前記ページング要求の終了の一方に基づいて、前記一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングするように更に構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記モビリティ管理ユニット[104]は、
前記ページング要求の有効期限が切れた場合、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求を前記アプリケーションサーバ[108]に送信し、
前記ページング要求に対する前記応答を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から受信した場合、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信するように更に構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記ページング要求の有効期限が切れた場合、前記モビリティ管理ユニット[104]は、
一つ以上のデータ応答を生成するために、バッファリングされた前記一つ以上のデータ要求にエラーレポートを添付し、前記エラーレポートは、少なくともエラーコードを含み、
前記一つ以上のデータ応答を前記サービス能力公開マネージャ[106]に送信するように更に構成された、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的には、無線通信ネットワークに関し、更に具体的には、少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の関連技術の説明は、本開示の分野に関する背景情報を提供することを意図する。このセクションは、本開示の様々な特徴に関連する当技術分野の特定の態様を含む。しかしながら、このセクションは、先行技術の承認としてではなく、本開示に関する読者の理解を高めるためにのみ使用されることを理解されたい。
【0003】
従来のセルラー展開では、十分に広い領域をカバーするために適切な電力のマクロセルが展開されている。しかしながら、マクロセルのみの展開では、マクロセルのカバレッジエリアで動作するユーザ機器の数が増えるために容量が急速に低下する。したがって、通信事業者は、一つ以上のマクロカバレッジエリア内の複数の戦略的な場所に配置された一つ以上の(一般的にフェムトセル/ピコセル/マクロセルと称する)低電力スモールセルラーセルによってマクロセルの展開を強化している。強化されたセルラーネットワークは、異種ネットワーク(HetNet)と呼ばれている。一般的なHetNetの場合、スモールセルの戦略的な場所は、一般的には、ショッピングモール、空港、鉄道/バスの駅、大学等のようなユーザが密集しているエリアを含む。また、場所は、デッドスポットのあるエリア又はマクロカバレッジエリアの屋内施設若しくは周辺の場所のようなマクロ信号強度の低いエリアを含むことがある。上記のように複数の戦略的な場所に配置されたスモールセルで強化されたHetNetは、モバイルデータ容量の増加をモバイルカバレッジの向上とともに実現し、それによって、ユーザのモバイルブロードバンドエクスペリエンス全体を強化する。
【0004】
移動体通信ネットワークでは、特にユーザ密度が高いエリア又は建物の侵入損失が大きいエリアにおいて、オペレータが高いユーザスループットに対応するとともにマクロ基地局のみの均一な展開全体で許容可能な信号品質を維持することが困難である場合がある。小型基地局(又はスモールセル)は、マクロ基地局と一緒に使用するときに容量及びカバレッジの向上並びに設備投資及び運用コストの削減という二つの目的を果たす。サービス事業者は、ユーザ密度の高いローカライズされたエリア、例えば、オフィス、複合商業施設等に対応するために小型基地局をますます展開している。
【0005】
最近、3GPPは、ローパワーワイドエリア技術(LPWA)よりも優れた性能を備えたローエンドIoTアプリケーション向けのリリース13の新技術NB-IoTを導入した。NB-IoT技術は、LTEの認可された帯域に実装された。この技術は、180kHzの最小システム帯域幅すなわち一つのPRB(物理リソースブロック)を利用する。NB-IoTを、後に
図2に示すように、「インバンド」、「ガードバンド」及び「スタンドアロン」の三つのモードで展開することができる。「インバンド」動作では、LTEキャリア内に存在するリソースブロックが使用される。内部リソースブロックは、LTE信号の同期に割り当てられるので使用されない。「ガードバンド」動作では、どの事業者も利用していないLTEキャリア間のリソースブロックが使用される。「スタンドアロン」動作では、GSM(登録商標)周波数が使用される又は未使用のLTEバンドが使用される。3GPPのリリース13は、不連続受信(eDRX)及び省電力モードのような重要な改良点を含む。PSM(省電力モード)は、リリース12でバッテリーの寿命を保証するとともに更に頻繁にデータを受信する必要があるデバイス用にeDRXによって完成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
NB-IoT技術は、いくつかの主要なIoT要件、例えば、デバイスのバッテリー寿命の延長、ネットワークカバレッジの改善、デバイスのコストの削減、容量要件を満たすデバイスの多重化及び膨大な数のデバイスのサポートに対応する。NB-IoT技術は、低消費電力及び低コストデバイスの使用をサポートするとともに優れたカバレッジを提供する。例えば、NB-IoT展開では、NB-IoTセルは、CAT4/3/1セルのような他のカテゴリよりも20dB高い利得を有する。したがって、NB-IoTキャリアは、CAT4/3/1基地局又はチャネルと比べて著しく広いエリアをサポートすることができる。通常、NB-IOT状況では、同一の基地局がデバイスにNB-IoTチャネルを提供する。同一の又は異なる基地局は、NB-IoTと他のカテゴリとのセルカバレッジエリアの違いによりCAT-1又はCAT3/4動作用のチャネルを提供することができる。
【0007】
NB-IoTデバイスの他の重要な利点は、スリープモード中及びNB-IoTデバイスがネットワーク経由で送信しているときに低消費電力でNB-IoTデバイスを操作するためのエネルギー最適化機能を含む。LTE-Mのような他のセルラー技術は、スリープするとともに送信時間及び周波数を制限することによって電力を節約することに重点を置いているが、NB-IoTは、主にデータ送信方法の簡素化及び低いデータレートのために、(拡張不連続受信(eDRX)をサポートして)スリープするとともにデータ送信中の電力消費を最小限に抑える機能に重点を置いており、それによって、電力を大量に消費する信号処理の必要性が減るとともにシステムの全体的な効率が向上する。第二に、NB-IoTは、単一のアンテナを備えた複雑でない無線設計を有しており、それによって、他のセルラー技術よりも廉価であり、低電力セルラー技術をソリューションに統合する際の障壁を軽減する。そして、第三に、NB-IoTは、射程距離及び障害物の貫通力も向上させる。NB-IoTは、データレートの低減及び無線設計の簡素化に加えて、他のセルラー技術よりも強力なリンクバジェットを備えており、それによって、到達が困難な場所にデバイスが配置されているアプリケーションに最適である。
【0008】
また、5G通信システムをIoTネットワーク、例えば、センサーネットワーク、マシンタイプ通信(MTC)、マシンツーマシン(M2M)通信のような技術に適用するためのさまざまな試みが行われている。例えば、クラウド無線アクセスネットワーク(RAN)及びビッグデータ処理技術の適用も、5G技術とIoT技術との間の収束の例と見なすことができる。一方、LTEシステムは、アプリケーション固有のアクセス禁止を実行するか否かを判断するとともにアプリケーションごとにアクセスを制御することができる。しかしながら、複雑なアプリケーション固有のアクセス禁止メカニズムでは、一貫性のあるアクセス制御メカニズムが必要になる。
【0009】
このセクションは、以下の詳細な説明で更に説明する簡略化された形態で本発明の特定の目的及び態様を導入するために提供される。この要約は、主張された主題の主要な特徴又は範囲を特定することを意図したものではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前のセクションで提供したような既知の解決に関連する少なくともいくつかの問題を解消するために、本発明の目的は、少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理する方法及びシステムを提供することである。本発明の別の目的は、少なくとも一つのNB-IoTデバイスがページング要求に応答しないときに少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理するための方法及びシステムを提供することである。本発明の更に別の目的は、送信中にデータパケットが消失しないように少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を改善するシステム及び方法を提供することである。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理するための方法及びシステムを提供する。方法は、モビリティ管理ユニットにおいて、少なくとも一つのNB-IoTデバイスに対する一つ以上のデータ要求を前記アプリケーションサーバから継続的に受信することを備える。次に、モビリティ管理ユニットは、ページング要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイスに送信する。さらに、モビリティ管理ユニットは、少なくとも一つのNB-IoTデバイスからのページング要求に対する応答を動的に監視する。方法は、モビリティ管理ユニットにおいて、少なくとも一つのNB-IoTデバイスからのページング要求に対する応答の動的監視に基づいて一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングすることを更に有する。最後に、モビリティ管理ユニットは、少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバの間の通信を管理するために、ページング要求の終了及び少なくとも一つのNB-IoTデバイスからの前記ページング要求に対する前記応答の動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を送信する。
【0012】
本発明の別の態様は、少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理するためのシステムに関し、システムは、少なくとも一つのNB-IoTデバイスに一つ以上のデータ要求を送信するように構成された少なくとも一つのアプリケーションサーバを備える。システムは、アプリケーションサーバに接続されたモビリティ管理ユニットであって、少なくとも一つのNB-IoTデバイスに対する一つ以上のデータ要求をアプリケーションサーバから継続的に受信するように構成された、モビリティ管理ユニットを更に備える。モビリティ管理ユニットは、ページング要求を前記少なくとも一つのNB-IoTデバイスに送信し、少なくとも一つのNB-IoTデバイスからのページング要求に対する応答を動的に監視するように更に構成される。モビリティ管理ユニットは、少なくとも一つのNB-IoTデバイスからのページング要求に対する応答の動的監視に基づいて一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングするように更に構成される。モビリティ管理ユニットは、少なくとも一つのNB-IoTデバイス及びアプリケーションサーバとの間の通信を管理するために、ページング要求の終了及び少なくとも一つのNB-IoTデバイスからのページング要求に対する応答の動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を送信するように更に構成される。
【0013】
本明細書に組み込まれるとともに本発明の一部を構成する添付の図面は、同様の参照番号が異なる図面全体に亘って同一の部分を指す開示された方法及びシステムの例示的な実施形態を示す。図面中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺である必要はなく、代わりに、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。一部の図面は、ブロック図を使用して構成要素を示す場合があり、各構成要素の内部回路を表していない場合がある。そのような図面の発明がそのような構成要素を実施するために一般的に使用される電気部品、電子部品又は回路の発明を含むことが当業者によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理するためのシステムの例示的な図を示す。
【
図2】本発明の例示的な実施形態によるNB-IoTデバイスの例示的なブロック図を示す。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理するための方法を示す例示的な実装流れ図を示す。
【
図4】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理する方法を示す例示的な実装流れ図を示す。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイス、モビリティ管理ユニット、サービス能力公開マネージャ及びアプリケーションサーバ間の例示的な信号交換を示す。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイス、モビリティ管理ユニット、サービス能力公開マネージャ及びアプリケーションサーバ間の例示的な信号交換を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記は、本発明の以下のより詳細な説明からより明らかになる。
【0016】
以下の説明では、説明の目的で、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために様々な特定の詳細を示す。しかしながら、本開示の実施形態をこれらの特定の詳細なしで実施できることは明らかである。以下で説明するいくつかの機能を、それぞれ互いに独立して又は他の機能の任意の組合せで使用することができる。個々の機能が上記の問題の全てに対処しなくてもよい又は上記の問題の一部のみに対処してもよい。上記の問題のいくつかは、ここで説明する機能のいずれによっても完全に対処されなくてもよい。
【0017】
以下の説明は、例示的な実施形態のみを提供するものであり、本開示の範囲、適用可能性又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ、例示的な実施形態の後の説明は、例示的な実施形態を実施するための有効な説明を当業者に提供する。記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。
【0018】
実施形態の完全な理解を提供するために、特定の詳細を以下の説明に与える。しかしながら、これらの特定の詳細なしで実施形態を実施できることが当業者によって理解される。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス及び他の構成要素を、実施形態を不必要に詳細に曖昧にしないためにブロック図の形で構成要素トとして示してもよい。他の例では、実施形態を曖昧にすることを回避するために、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造及び技術を不必要な詳細なしで示すことができる。
【0019】
また、個々の実施形態をフローチャート、フロー図、データフロー図、構造図又はブロック図として示すプロセスとして説明できることに留意されたい。フローチャートが動作を順次プロセスとして説明する場合があるが、動作の多くを並行して又は同時に実行することができる。さらに、動作の順序を再配置してもよい。プロセスは、動作が完了すると終了するが、図に含まれていない追加のステップが含まれる場合がある。プロセスは、メソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム等に対応する場合がある。プロセスが関数に対応するとき、その終了は、呼び出す関数又はメイン関数への関数の戻りに対応することができる。
【0020】
「例示的」及び/又は「実証的」という用語を、ここでは、例、実例又は例示として機能することを意味するために使用する。誤解を避けるために、ここに開示される主題は、そのような例によって限定されない。さらに、ここで「例示的」及び/又は「実証的」として説明される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではなく、当業者に知られている同等の例示的な構造及び技術を排除することを意味しない。さらに、「含む」、「有する」、「包含する」という用語及び他の同様の単語が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は、追加の要素又は他の要素を排除することなく、空白で区切られた転換語(open transition word)としての「備える」という用語と同様の手法で包括的であることを意図する。
【0021】
本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」又は「例」又は「一例」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」又は「実施形態において」という句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造又は特性を、一つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0022】
ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り複数形も含むことを意図している。さらに、「備え」及び/又は「備える」という用語は、本明細書で使用されるときには、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、一つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことが理解される。ここで使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムの一つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0023】
ここで使用される場合、「推論する」又は「推論」という用語は、一般的には、イベント及び/又はデータを介してキャプチャされた一連の観測からシステム、環境、ユーザ及び/又は意図の状態について論じる又は推論するプロセスを指す。キャプチャされたデータ及びイベントは、ユーザデータ、デバイスデータ、環境データ、センサーからのデータ、センサーデータ、アプリケーションデータ、暗黙的なデータ、明示的なデータ等を含む。特定のコンテキスト又はアクションを識別するために推論を使用することができる、又は、推論は、例えば、データ及びイベントの考察に基づいて関心状態全体の確率分布を生成することができる。推論は、一連のイベント及び/又はデータから高レベルのイベントを構成するために使用される手法を指すこともある。そのような推論は、観察されたイベント及び/又は保存されたイベントデータのセットからの新しいイベント又はアクションの構築、イベントが時間的に近接して相関しているか否か並びにイベント及びデータが一つ以上のイベント及びデータソースからのものであるか否かをもたらす。様々な分類スキーム及び/又はシステム(例えば、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、エキスパートシステム、ベイジアン信念ネットワーク、ファジー論理及びデータ融合エンジン)を、開示された主題に関連して自動的な及び/又は推論されたアクションを実行することに関連して使用することができる。
【0024】
ここで使用される場合、「プロセッサ」又は「処理ユニット」は、一つ以上のプロセッサを含み、プロセッサは、命令を処理するための任意の論理回路を指す。プロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する一つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、低性能マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ回路、他のタイプの集積回路等であってもよい。プロセッサは、信号符号化データ処理、入出力処理及び/又は本開示によるシステムの動作を可能にする他の任意の機能を実行することができる。更に具体的には、プロセッサ又は処理ユニットは、ハードウェアプロセッサである。
【0025】
ここで使用される場合、「通信ユニット」又は「トランシーバユニット」は、一つ以上の宛先に少なくとも一つのデータ及び/又は信号を送信するように構成された「送信ユニット」と一つ以上の送信元から少なくとも一つのデータ及び/又は信号を受信するように構成された「受信ユニット」のうちの少なくとも一方を有してもよい。「通信ユニット」又は「トランシーバユニット」は、「通信ユニット」又は「トランシーバユニット」で受信又は送信を行った少なくとも一つのデータ及び/又は信号を処理するように構成されてもよい。また、「通信ユニット」又は「トランシーバユニット」は、本発明の特徴を実施するために必要とされる当業者に明らかな他の任意の同様のユニットを更に有してもよい。
【0026】
ここで使用される場合、「メモリユニット」、「ストレージユニット」及び/又は「メモリ」は、コンピュータ又は同様のマシンによって読取り可能な形式で情報を格納するための任意のメカニズムを含むマシン又はコンピュータ読取り可能な媒体を指す。例えば、コンピュータ可読媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュ記憶装置又は他のタイプの機械アクセス可能記憶媒体を含む。
【0027】
ここで使用される場合、「コントローラ」又は「制御ユニット」は、少なくとも一つのコントローラを含み、コントローラは、命令を処理するための任意の論理回路を指す。コントローラは、汎用コントローラ、専用コントローラ、従来型コントローラ、デジタル信号コントローラ、複数のマイクロコントローラ、DSPコアに関連する少なくとも一つのマイクロコントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ回路、他のタイプの集積回路等であってもよい。コントローラは、信号符号化、データ処理、入出力処理及び/又は本開示によるシステムの動作を可能にする他の任意の機能を実行することができる。更に具体的には、コントローラ又は制御ユニットは、メモリ及びプロセッサを備えるハードウェアプロセッサである。メモリは、モジュールを格納するように構成され、プロセッサは、後に更に説明する一つ以上のプロセスを前記モジュールに実行させるように特別に構成される。
【0028】
以下、当業者が本開示を容易に実施できるように、本開示の例示的な実施形態を、添付図面を参照して詳しく説明する。
【0029】
現在、アプリケーションサーバ(AS)の複数のダウンリンクデータの送信が原因で複数のモバイル端末ダウンリンクデータ(MTデータ)がサービス能力公開機能(SCEF)に略同時に存在する場合、SCEFは、複数のモバイル端末データ要求(TDR)の全てのMTデータを、NB-IoTデバイスへの配信を待機しているモビリティ管理エンティティ(MME)に向けて送信する。最初のTDRがMMEに到達するとすぐに、MMEはNB-IoTデバイスのページングを開始する。一方、2番目、3番目等のTDRをMMEで受信した場合、MMEは、最新のTDRを以前のTDRに置き換える。したがって、ページングが失敗した場合、MMEは、最後に受信したTDRに対してモバイル端末データの凹号(ユーザが到達できないというエラーコードを含むTDA(例えば、DIAMETER_ERROR_UNREACHABLE_USER)を送信し、SCEFは、以前のTDRもNB-IoTデバイスに配信されなかったことを認識しない。したがって、現在のシステムでは、主な欠点は、配信されていないTDRが失われるとともにSCEFが失われたTDRを認識しないことである。
【0030】
本発明は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバとの間の通信を管理するための新しい方法及びシステムを提供することによって現在のシステムの上記の問題に対する解決を提供する。本発明は、ページング応答が生じるまでMMEが最初のTDRの後に受信した全てのTDRをバッファリングするとともにページング失敗の場合に関連するエラーコードをSCEFに提供することを提案する。従来の手法は、失われたTDRを管理するための効率的な方法を提供しない。そのような手法と比較して、ここで説明する様々な方法及び装置は、以前に失われていたTDRをバッファリングすることによってNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理することを容易にする。
【0031】
本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理するためのシステムの例示的な図を示す
図1を参照する。
図1に示すように、システム[100]は、本発明の目的を達成するために相互接続されるとともに連携して動作するアプリケーションサーバ[108]、モビリティ管理ユニット[104]及びサービス能力公開マネージャ[106]を備える。システム[100]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102A,102B,102C,・・・102N](以下、総称して[102]と称する)に接続されている。
【0032】
アプリケーションサーバ[108]は、一つ以上のデータ要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信するように構成される。例えば、アプリケーションサーバ[108]は、一つ以上のダウンリンクデータを少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信するように構成される。アプリケーションサーバ[108]は、(サービス能力公開機能(SCEF)とも称する)サービス能力公開マネージャ[106]に更に接続される。アプリケーションサーバ[108]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に更に送信される一つ以上のデータ要求をサービス能力公開マネージャ[106]に送信する。サービス能力公開マネージャ[106]は、一つ以上のデータ要求を生成するために一つ以上のダウンリンクデータを処理するように構成される。サービス能力公開マネージャ[106]は、(モビリティ管理エンティティ(MME)とも称する)モビリティ管理ユニット[104]に接続され、したがって、サービス能力公開マネージャ[106]は、一つ以上のデータ要求をモビリティ管理ユニット[104]に送信するように構成され、一つ以上のデータ要求は、NB-IoTデバイス[102]に更に送信される。
【0033】
モビリティ管理ユニット[104]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に対する一つ以上のデータ要求をアプリケーションサーバ[108]から継続的に受信するように構成される。モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信するようにさらに構成される。本発明の例では、モビリティ管理ユニット[104]は、最初のデータ要求を受信するとページング要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信する。さらに、モビリティ管理ユニット[104]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答を動的に監視するように更に構成される。
【0034】
モビリティ管理ユニット[104]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答の動的監視に基づいて一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングするように構成される。本発明の例では、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求の終了と少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から応答を受信するまで及びページング要求の終了の一方に基づいて、一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングする。
【0035】
モビリティ管理ユニット[104]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]及びアプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理するために、ページング要求の終了及び少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答の動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を送信するように構成される。一例では、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求が終了の場合に、バッファリングされた一つ以上のデータ要求をアプリケーションサーバ[108]に送信するように更に構成される。本発明は、ページング要求が終了の場合にモビリティ管理ユニット[104]が一つ以上のデータ応答を生成するために少なくともエラーコードで構成されたエラーレポートをバッファリングされた一つ以上のデータ要求に添付するとともに一つ以上のデータ応答をサービス能力公開マネージャ[106]に送信するように更に構成されることを更に包含する。本発明の別の例では、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求に対する応答を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から受信した場合に、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信するように更に構成される。
【0036】
本発明の例示的な実施形態によるNB-IoTデバイスの例示的なブロック図を示す
図2を参照する。NB-IoTデバイス[200]は、ネットワークインターフェースモジュール[206]、ベースバンドモジュール[204]、RFモジュール[208]、アンテナ[216]、制御モジュール[210]、複数のハードウェア周辺機器[214]、パワーモジュール[212]及びプロセッサ[202]を備える。RFモジュール[208]は、無線アンテナ[216]と共に既知のNB-IoTプロトコルに従ってNB-IoTクライアントデバイスへのワイヤレスアクセスを提供する。制御モジュール[210]は、NB-IoTワイヤレスアクセスポイントを管理及びプロビジョニングするように構成される。ハードウェア周辺機器[214]は、エンコーダ及びデコーダを含むが、それに限定されない。
【0037】
本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバとの間の通信を管理するための方法を示す例示的な方法フロー図を示す
図3を参照する。方法は、ステップ[302]から開始する。方法のステップ[304]は、モビリティ管理ユニット[104]において、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に対する一つ以上のデータ要求をアプリケーションサーバ[108]から継続的に受信することを備える。次に、ステップ[306]において、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信する。本発明の例では、モビリティ管理ユニット[104]は、最初のデータ要求を受信するとページング要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信する。ステップ[308]において、方法は、モビリティ管理ユニット[104]によって、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答を動的に監視することを備える。
【0038】
次に、ステップ[310]において、モビリティ管理ユニット[104]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答の動的監視に基づいて、一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングする。本発明の例では、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求の終了と少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から応答を受信するまで及びページング要求の終了の一方に基づいて、一つ以上のデータ要求を継続的にバッファリングする。
【0039】
最後に、ステップ[312]において、モビリティ管理ユニット[104]は、少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]及びアプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理するために、ページング要求の終了及び少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]からのページング要求に対する応答の動的監視のうちの一方に基づいて、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を送信する。一例では、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求が終了の場合に、バッファリングされた一つ以上のデータ要求をアプリケーションサーバ[108]に送信する。本発明の別の例では、モビリティ管理ユニット[104]は、ページング要求への応答を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]から受信した場合に、バッファリングされた一つ以上のデータ要求を少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]に送信するように更に構成される。方法は、ステップ[314]で完了する。
【0040】
本発明の方法は、ページング要求が終了の場合にモビリティ管理ユニット[104]が一つ以上のデータ回答を生成するために少なくともエラーコードから構成されたエラーレポートをバッファリングされた一つ以上のデータ要求に添付するとともに一つ以上のデータ応答をサービス能力公開マネージャ[106]に送信することを更に包含する。
【0041】
本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイス[102]とアプリケーションサーバ[108]との間の通信を管理する方法を示す例示的な実装フロー図を示す
図4を参照する。方法は、ステップ[402]で開始する。ステップ[404]において、方法は、SCEF[106]でアプリケーションサーバ[108]からダウンリンクデータを受信することを備える。さらに、ステップ[406]において、SCEF[106]は、ダウンリンクデータを処理するとともに少なくとも一つのTDR(移動端末データ要求)をMME[104]に向けて送信する。次に、ステップ[408]において、MME[104]は、少なくとも一つのTDRを受信するとともにNB-IoTデバイス[102]がMMEに接続されているか否かを判断する。MME[104]がNB-IoTデバイス[102]に接続されている場合、MME[106]は、ステップ[410]において、NASメッセージのダウンリンクデータをNB-IoTデバイス[102]に送信し、ステップ[412]において、NASメッセージが配信され、方法が完了する。MME[104]がNB-IoTデバイス[102]に接続されていない場合、ステップ[414]において、MME[106]は、最初のTDRをバッファリングするとともにNB-IoTデバイス[102]のページングを開始する。同時に、ステップ[416]において、MME[104]は、NB-IoTデバイス[102]の2番目のTDR及び3番目のTDRを受信する。
【0042】
ステップ[418]において、MME[104]は、進行中のページング要求がアクティブであるか否かを判断する。MME[104]がページング要求に対する応答を受信するとともに進行中のページング要求が完了した場合、ステップ[410]において、MME[106]は、NASメッセージのダウンリンクデータをNB-IoTデバイス[102]に送信し、ステップ[412]において、NASメッセージが配信され、方法が完了する。それに対し、MME[104]は、進行中のページング要求が完了していないとともにNB-IoTデバイス[102]からの応答を保留していると判断する場合、ステップ[420]において、MME[104]は、2番目のTDR及び3番目のTDRをバッファリングする。また、ステップ[422]において、MME[104]は、ページング応答が成功したか否かも判断する。MME[104]がページング要求に対する応答を受信した場合、ステップ[410]において、MME[106]は、NASメッセージのダウンリンクデータをNB-IoTデバイス[102]に送信し、ステップ[412]において、NASメッセージが配信され、方法が完了する。ページング要求の終了時にMME[104]がページング要求への応答を受信しない場合、ステップ[424]において、MME[104]は、バッファリングされた全てのTDRのモバイル端末データ応答(TDA)をSCEF[106]に送信する。方法は、MME[104]がページング失敗のエラーコードをTDAに添付することを包含し、例えば、エラーコードは、DIAMETER_ERROR_USER_TEMPORARILY_UN REACHABLE(5653)である。ステップ[426]において、SCEF[106]は、受信TDAに対応する全てのデータパケットをバッファリングする。方法は、ステップ[428]で完了する。
【0043】
本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイス、モビリティ管理ユニット、サービス能力公開マネージャ及びアプリケーションサーバ間の例示的な信号交換を示す
図5を参照する。アプリケーションサーバ[108]は、ダウンリンクデータ[502,510,516,522]のSCEF[106]への送信を開始する。SCEF[106]は、アプリケーションサーバ[108]からダウンリンクデータ[502,510,516,522]を受信し、ダウンロードデータ[504,512,518,524]のパケットの各々に対応するTDR[504,512,518,524]を送信する。MME[104]では、最初のTDR[504]を受信すると、MME[104]が最初のTDR[504]をバッファリングし[506]、ページング要求[508]をNB-IoTデバイス[102]に送信する。したがって、MME[104]がページング応答[528]を正常に受信するまで、MME[104]は、2番目のTDR、3番目のTDR及び4番目のTDRをバッファリングする[514,520,526]。NB-IoTデバイスからのページング応答を正常に受信する[528]と、MME[104]は、TDR[530,532,534,536]の各々のダウンリンクNASメッセージを送信する。
【0044】
本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのNB-IoTデバイス、モビリティ管理ユニット、サービス能力公開マネージャ及びアプリケーションサーバ間の例示的な信号交換を示す
図6を参照する。アプリケーションサーバ[108]は、ダウンリンクデータ[602,610,616,622]のSCEF[106]への送信を開始する。SCEF[106]は、アプリケーションサーバ[108]からダウンリンクデータ[602,610,616,622]を受信し、ダウンロードデータ[602,610,616,622]のパケットの各々に対応するTDR[604,612,618,624]を送信する。MME[104]において、最初のTDR[604]を受信すると、MME[104]は、最初のTDR[604]をバッファリングし[606]、ページング要求[608]をNB-IoTデバイス[102]に送信する。したがって、MME[104]は、ページング応答が終了するまで、成功したページング応答[628]を受信したか否かを検出する。一方、MME[104]は、2番目のTDR、3番目のTDR及び4番目のTDRをバッファリングする[614,620,626]。ページング要求が終了する(又はページング要求が失敗する)[628]と、MME[104]は、バッファリングされたTDRの各々にTDA[630,634,638,642]を送信する。したがって、SCEF[106]は、受信したTDAの各々のダウンリンクデータをバッファリングする[632,636,640,644]。
【0045】
したがって、本発明は、アプリケーションサーバから少なくとも一つのNB-IoTデバイスへのそのようなデータパケット(例えば、ダウンリンクデータ)の送信中に失われたデータパケットの技術的問題について、少なくとも一つのNB-IoTデバイスとアプリケーションサーバとの間の通信を管理する新規の解決を提供する。特に、本発明の解決は、ページング応答をNB-IoTデバイスから受信するまでMMEによってTDRを追跡するとともに対応するTDAをSCEFに送信することを提供し、それによって、送信中にデータパケットが失われないという技術的効果を提供する。ページング応答が生じるまで受信した各TDRをバッファリングすることによって、本発明は、ページング失敗の場合に、バッファリングされたTDRの各々について正しいエラーコードを識別することを提供し、したがって、本発明の技術的進歩は、SCEFが未配信のデータパケットをそのような未配信のデータパケットの正しいエラーの原因と共に認識することである。本発明をNB-IoTエコシステムに関連して説明したが、本発明は、本発明のシステム及び方法がロングタームエボリューションマシンタイプ通信カテゴリM1(LTE-Mとも称するLTE MTC Cat M1)及び5G-Evolved Machine Type Communications(eMTC)並びに全てが本出願に包含される当業者に知られている他のそのような通信にも適用できることを包含する。
【0046】
ここでは好適な実施形態にかなりの重点を置いているが、本発明の原理から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるとともに好適な実施形態に多くの変更を加えることができることが理解される。本発明の好適な実施形態におけるこれらの変更及び他の変更は、ここでの開示から当業者には明らかであり、それにより、上記の説明事項が限定としてではなく単に本発明の例示として実施されることが明確に理解されるべきである。
【国際調査報告】