(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】重合性組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 236/20 20060101AFI20230113BHJP
A61K 6/78 20200101ALI20230113BHJP
A61K 6/79 20200101ALI20230113BHJP
A61K 6/76 20200101ALI20230113BHJP
A61K 6/887 20200101ALI20230113BHJP
C08L 75/04 20060101ALI20230113BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20230113BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20230113BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20230113BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230113BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20230113BHJP
【FI】
C08F236/20
A61K6/78
A61K6/79
A61K6/76
A61K6/887
C08L75/04
C08K3/013
C08K3/22
C08F2/44 A
B33Y10/00
B33Y70/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525463
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2020080376
(87)【国際公開番号】W WO2021083995
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102019129551.3
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517275117
【氏名又は名称】クルツァー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Kulzer GmbH
【住所又は居所原語表記】Leipziger Strasse 2, D-63450 Hanau, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ウテロト
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ マイアー
(72)【発明者】
【氏名】ネリ シェーンホーフ
(72)【発明者】
【氏名】ユタ シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】クアト ライシュル
(72)【発明者】
【氏名】ライフ ココグル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル エック
【テーマコード(参考)】
4C089
4J002
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4C089AA20
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4J100AL08Q
4J100AN01P
4J100AS13Q
4J100AS17P
4J100BC12P
4J100CA03
4J100CA04
4J100FA03
(57)【要約】
本発明は、重合性組成物であって、
(i)少なくとも1種の無機フィラー成分0~90質量%、
(ii)理想化された式Iの少なくとも1種のウレタン(アルキル)アクリレート5~99.98質量%、
(iii)ウレタン(アルキル)アクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー0.01~25質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料0.01~10質量%
を含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である重合性組成物、ならびに改善された破壊靭性を有する重合した組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性組成物であって、
(i)少なくとも1種の無機フィラー成分を0~90質量%、
(ii)少なくとも1種のウレタンアクリレートであって、理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化1】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hまたは1~8個のC原子を有するアルキルから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む、ウレタンアクリレートを5~99.98質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~25質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記重合性組成物の組成の合計が100質量%である、重合性組成物。
【請求項2】
(i)0.2μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、および/または前記成分の少なくとも2種の混合物、ならびに任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分を5~90質量%、ならびに
(ii)少なくとも1種のウレタンアクリレートまたはウレタンアクリレートの混合物を10~85質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~25質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である、請求項1記載の重合性組成物。
【請求項3】
(i)0.4μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛と、任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物とを含む無機フィラー成分を40~90質量%、ならびに
(ii)理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化2】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hまたは1~8個のC原子を有するアルキルから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレートを10~60質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~15質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
(i)0.4μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、ならびに任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分を70~85質量%、
(ii)理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化3】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hまたは1~8個のC原子を有するアルキルから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレートを10~30質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~5質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムを含む前記少なくとも1種の無機フィラー成分が、0.5~10μmの平均粒子サイズd
50を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
a)前記少なくとも1種の無機フィラー成分が、1.8μmのd
50、好ましくは20μm以下のd
99の平均粒子サイズを有する、少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、もしくは前記成分の少なくとも2種を含む混合物を含む、または
b)少なくとも1種のガラス、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、または前記成分の少なくとも2種を含む混合物を含む少なくとも1種の無機フィラー成分が、i)2~8μmのd
50、ii)1.0~2.0μmのd
50、およびiii)0.5~2μmのd
50の平均粒子サイズを有する異なる画分の混合物として存在し、i)対ii)対iii)の前記画分が1~4:1:4~8、特には2~3:1:6~7の比率で存在する、
ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記アモルファスが2~150nmの一次粒子サイズを有する少なくとも1種の非凝集アモルファス金属酸化物を含み、前記アモルファス金属酸化物が、任意選択的に、沈降二酸化ケイ素、焼成シリカ、酸化ジルコニウム、または混合酸化物を含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、(i)無機フィラー成分として、前記組成物の100質量%の組成の合計を基準として、
(i.1)少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、または前記フィラー成分のうちの少なくとも2種を含む混合物を70~84質量%と、任意選択的に、
(i.2)アモルファス金属酸化物、特に焼成シリカおよび/または沈降二酸化ケイ素を0.05~5質量%、
含有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
(ii)が、少なくとも3種の異なるウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレートの混合物を含み、前記混合物が、式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンおよび/またはその異性体、ならびに二価アルキレン基を有する二官能性ウレタンアクリレートおよび/またはウレタン(アルキル)アクリレート、ならびに任意選択的に少なくとも1種の少なくとも四官能性の樹状ウレタンアクリレートおよび/または対応するウレタンアルキルアクリレート、好ましくは少なくとも1種の六官能性の樹状ウレタンアクリレートまたは対応するウレタンアルキルアクリレートを含むことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
(iii)が、ポリエーテルのジメタクリル酸エステル、三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、および2,2-ビス-[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシ-プロポキシ)フェニル]プロパン、ビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびその異性体、ならびに任意選択的にペンタエリスリトールテトラプロポキシアクリレートから選択されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の安定化剤が、水、少なくとも1種のベンゾフェノン誘導体、および/または少なくとも1種のフェノール誘導体を含むことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、(v)高分子粒子状フィラーを0.01~15質量%含み、前記組成物の組成の合計が100質量%であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
i)UVおよび/またはVIS放射源を使用して、好ましくは、380nm~530nmのスペクトル範囲に放射極大を有する、好ましくは400~500nmのスペクトル範囲に少なくとも1つの極大を有するVIS放射源を使用して、ならびに/またはii)50~300Mpaの圧力および/もしくは高温で、好ましくは90~150℃で、請求項1から12までのいずれか1項記載の組成物を重合することによって得られる、重合した組成物。
【請求項14】
付加製造、放射に基づく生成型製造、ステレオリソグラフィプロセス、SLAプロセス(レーザーに基づくステレオリソグラフィプロセス)、DLPプロセス(デジタルライトプロセッシング)における、またはSLAおよびDLPプロセス、LEDビーマに基づく生成型製造、放射および熱に基づく生成型製造、熱生成型製造、3D印刷プロセス、マルチジェット製造プロセス(MJM)、およびポリジェット製造プロセスにおける、請求項1から13までのいずれか1項記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性組成物であって、
(i)0~90質量%の、少なくとも1種の無機フィラー成分、
(ii)5~99.98質量%の、理想化された式Iの少なくとも1種のウレタン(アルキル)アクリレート、
(iii)ウレタン(アルキル)アクリレートではない、0.01~25質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料、
を含有し、組成物の組成の合計が100質量%である重合性組成物、ならびにそれぞれ改善された破壊靭性と好ましくは高い曲げ強さとを有し、かつ任意選択的には3つの寸法のうちの少なくとも1つで5cmを超える大きな三次元の物品または物体を製造するときに収縮が少ない、重合した組成物に関する。
【0002】
本発明の目的は、特にステレオリソグラフィ、DLP法またはマルチジェット法(MJM)またはポリジェット法で使用するための、生成プロセスで得られる三次元の物品の製造に適した重合性組成物を提供することであった。さらに、組成物は、材料の大きなブロック、特にミリングブロックなどの幾何学的成形体の製造にも適している必要がある。さらに、重合性組成物は、材料における亀裂伝播にかけられる力の尺度を表す破壊靭性の良好な値を有している必要がある。加えて、重合の前後に均一な単色の着色を有する組成物を提供することが目的であった。この関係においては、小さい物品を製造する場合だけでなく、均一な単色の着色も、より大きな物品で実現可能である必要がある。さらに、多色、すなわち規定された着色を有する材料のマルチカラーブロックがキャスティングプロセスまたは生成プロセスで製造可能である必要がある。加えて、重合していない状態では易流動性であり、なおかつUV放射またはVIS放射により重合された状態では優れた機械的特性を有する組成物を提供する必要がある。より大きな材料ブロックを製造する場合であっても、重合された状態での収縮が少ない組成物を提供する必要もある。
【0003】
先行技術に基づいて、縮合三環を有する新規のウレタン誘導体を含む新規な組成物が開発された。本発明は、請求項1に記載の組成物、請求項13に記載の重合した組成物、ならびに請求項14に記載の使用にも関する。好ましい実施形態は、各従属請求項および発明の詳細な説明において詳しく説明する。
【0004】
粒度分布は、所望のフィラー含有量に応じて、高い充填材充填密度と優れた機械的特性のためにはかなり広くてもよく、あるいは特定の用途のためにはかなり狭くてもよい。
【0005】
低減された収縮性と良好な曲げ強さとを備えたTCDエステルの組成物は公知である。驚くべきことに、破壊靭性の非常に良好な値(ISO 13586:2000に従って測定)は、理想化された式I、特に理想化された式Iaのウレタンの重合生成物を含み、放射により硬化した組成物において、好ましくは放射による硬化後に示される可能性がある。
【0006】
本発明の主題は、
(i)0~90質量%の少なくとも1種の無機フィラー成分、
(ii)5~99.98質量%の、理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化1】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレート、
(iii)ウレタンアクリレートではない、またはウレタン(アルキル)アクリレートではない、0.01~25質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料、
を含有し、複合材料の組成の合計が100質量%である、重合性組成物である。
【0007】
その際に、(ii)は、好ましくは、少なくとも2種、好ましくは3種の異なるウレタンアクリレートを含む。特に好ましくは、(iii)と組み合わされる(ii)は、二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、好ましくはジメタクリレートトリエチレングリコール、ジメタクリレートテトラエチレングリコール、ならびに/またはビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン)およびその異性体から選択される。
【0008】
好ましい組成物は、
(i)5~90質量%の、0.2μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、1種の結晶性ケイ酸塩、例えば石英、長石、金属酸化物、例えば結晶性および/もしくはアモルファスの金属酸化物、混合酸化物、例えば結晶性および/もしくはアモルファスの混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ならびに/または前記成分の少なくとも2種の混合物、ならびに任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する、特には2nm~100nm、特に好ましくは2~45nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物とを含む無機フィラー成分、ならびに
(ii)5~85質量%、特には10~85質量%の、少なくとも1種のウレタンアクリレートまたはウレタンアクリレートの混合物、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、0.01~25質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料、
を含有し、組成物の組成の合計は100質量%である。
【0009】
さらに好ましい組成物は、
(i)40~90質量%の、0.4μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、ならびに任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分、ならびに
(ii)5~60質量%、特には5~30質量%、あるいは好ましくは10~60質量%の、理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化2】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレート、
(iii)ウレタンアクリレートではない、またはウレタンアルキルアクリレートではない、0.01~15質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料、
を含有し、複合材料の組成の合計は100質量%である。
【0010】
さらに、本発明の主題は、
(i)65~85質量%、特には70~85質量%の、0.4μm~10μm、好ましくは0.4~7.5μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、またはこれらの成分のうちの少なくとも2種の混合物、ならびに任意選択的に、10nm~115nm、特には2~100nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分、ならびに
(ii)10~35質量%、特には10~30質量%の、理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化3】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレート、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタン(アルキル)アクリレートではない、0.01~5質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料、
を含有し、複合材料の組成の合計は100質量%である。
【0011】
本発明の主題は、
(i)0~90質量%、特には0~35質量%、好ましくは0.5~35質量%の、0.5μm~5μm、好ましくは0.7~3.5μm、特には0.7μm~3.0μm、好ましくは0.8~2.5μmの平均粒子サイズd50の少なくとも1種の無機フィラー成分、ならびに任意選択的に2nm~150nmの一次粒子サイズの少なくとも1種のアモルファス金属酸化物、
(ii)10~85質量%、特には10~65質量%、好ましくは12~65質量%の、理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレートを含む、好ましくは少なくとも2種の異なるウレタンアクリレートの混合物を含む、少なくとも1種のウレタンアクリレート、特には理想化された式Iのウレタンを含む二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび二官能性ウレタンアルキルアクリレートの混合物、ならびに/または式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に式I(式Iaも参照のこと)のウレタンの異性体の混合物、特には前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物[R1およびR2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]、好ましくは、特に二官能性から十官能性のウレタンアクリレートを含む少なくとも3種の異なるウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレートの混合物、
(iii)ウレタンアクリレートでない、またはウレタン(アルキル)アクリレートではない、特にウレタン(メタ)アクリレートではない、好ましくは二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、好ましくはジメタクリレートトリエチレングリコール、ジメタクリレートテトラエチレングリコール、2,2-ビス-[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシ-プロポキシ)フェニル]プロパンおよび/またはビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびその異性体から選択される、0.01~25質量%、特には0.01~10質量%、好ましくは0.1~5質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に安定化剤および任意選択的に少なくとも1種の顔料、特に蛍光顔料および着色顔料を含む少なくとも1種の顔料、
を含有する重合性組成物、特には光重合可能であるか光化学的に重合可能である組成物であり、組成物の組成の合計は100質量%である。
【0012】
理想化された式Iのウレタンは、cas番号94 5656-78-0(2-プロペン酸,1,1’-[(オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-5,?-ジイル)ビス(メチレンオキシカルボニルアミノ-2,1-エタンジイル)]エステル)として扱われている。あるいは、この式は以下の通りに図示することができる。
【化4】
【0013】
二官能性ウレタンアクリレートは、好ましくは、アルキル1~10C原子とアルキレン3~20C原子とを含む二価アルキレン基を有する二官能性ウレタンアルキルアクリレートを好ましくは含む二価アルキレン基を有する二官能性ウレタンアクリレートから選択される。
【0014】
特に好ましい組成物は、
(i)組成物の総質量を基準として70~85質量%の、0.4μm~10μm、特には0.4~7.5μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、任意選択的にガラス、またはこの成分のうちの少なくとも2種の混合物、ならびに任意選択的に少なくとも1種のアモルファス金属酸化物、特に0.05質量%以上10質量%未満、好ましくは4質量%未満、特に好ましくは0.05~2質量%、さらに好ましくは1質量%未満のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分、
(ii)10~30質量%の、少なくとも2種の異なるウレタンアクリレートの混合物であって、理想化された式I[式中で、R1およびR2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]のウレタンを含む、二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレート、ならびに/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む混合物、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、0.01~5質量%の、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)0.01~10質量%の、少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤および任意選択的に少なくとも1種の顔料、
を含有し、組成物の組成の合計が100質量%である。
【0015】
さらに特に好ましい組成物は、
(i)無機フィラー成分として、特に0.5μm~10μm、好ましくは0.7~7.5μm、特には0.7~5.5μm、好ましくは0.8~5.5μmの平均粒子サイズd50の、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、任意選択的にガラス、またはこれらの混合物から選択される、メタクリレート基で官能化されたフィラー成分、ならびに任意選択的に、組成の合計を基準として少なくとも0.05~4質量%、特には0.05~2質量%、好ましくは0.05~1質量%の、好ましくは2~150nm、特には2~100nm、好ましくは2~45nmの一次粒子サイズの、二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、焼成シリカ、酸化ジルコニウム、混合酸化物、またはそれらの混合物を含むアモルファス金属酸化物、特にはシラン処理されている金属酸化物を含む非凝集アモルファス金属酸化物、
(ii)少なくとも2種の異なるウレタンアクリレートの混合物、特には理想化された式Iのウレタンを含む二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートまたは二官能性ウレタンアルキルアクリレートの混合物、ならびに/または式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に式I(式Iaも参照のこと)のウレタンの異性体の混合物、特には前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物[R1およびR2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]、好ましくは、特に二官能性から十官能性のウレタンアクリレートを含む少なくとも3種の異なるウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレートの混合物、
(iii)多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、好ましくはジメタクリレートトリエチレングリコール、ジメタクリレートテトラエチレングリコール、2,2-ビス-[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシ-プロポキシ)フェニル]プロパンおよび/またはビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンならびにその異性体、ならびにペンタエリスリトールテトラプロポキシアクリレートから選択される、ウレタンアクリレートまたはウレタン(アルキル)アクリレートではない、特にウレタン(メチル)アクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料、特には二酸化チタンを含む少なくとも1種の顔料、
を含む。
【0016】
前記の成分の量は、100質量%の組成の合計の中で、前記のおよび後述する含有量を割り当てることができる。
【0017】
一実施形態の変形例では、重合性組成物は、それぞれ光化学的に重合可能であることが好ましい。あるいは、重合性組成物は熱重合性であることが好ましい。特に好ましくは、組成物は、光化学的および熱的に重合可能であり、特にデュアル重合性である。光化学的に重合可能な組成物は、360nm~530nmのスペクトル領域で発光極大を有する、好ましくは400~500nmのスペクトル領域に極大を有するUVおよび/またはVis放射源によって重合可能な組成物を意味すると理解される。特に好ましくは、組成物の照射は、パルス化されたUVおよび/またはVis放射源によって、特に放射源の投影面ごとに、特に50ミリ秒以上、好ましくは10秒以上行われる。放射源の投影面ごとに15秒以上5分まで、好ましくは10~30秒の照射がさらに好ましい。適切な放射源は、通常、400~480nmのスペクトル範囲に発光波長、好ましくは発光極大を有し、かつ500mW/cm2を超える強度を有するあらゆる通常の放射源を含む。非常に薄い層が利用される場合には、パルス照射は、放射パルスあたり1秒未満の量であってよい。LEDランプを備える放射源が特に好ましい。
【0018】
熱重合性組成物は、本明細書では、60℃以上150℃まで、好ましくは70℃以上150℃まで、特に好ましくは90~150℃で重合され得る組成物を意味すると理解される。これに関連して、本発明によれば、体積収縮率が小さいことがさらに好ましい。
【0019】
また、本発明の主題は、i)UV/Vis放射源を使用して、好ましくは380nm~530nmのスペクトル領域に発光極大を有する、好ましくは400nm~500nmのスペクトル領域に少なくとも1つの発光極大を有するVis放射源を使用して、および任意選択的にはii)50~300MPaの圧力および/または高温、好ましくは90~150℃で、またはi)UV/Vis放射源を使用して、好ましくは380nm~530nmのスペクトル領域に発光極大を有する、好ましくは400nm~500nmのスペクトル領域に少なくとも1つの極大を有するVis放射源を使用して、ならびに/またはii)50~300MPaの圧力および/もしくは高温、好ましくは90~150℃で、重合することによって得られる歯科用複合材料でもある。
【0020】
以下のガラスが好ましくは考慮される:ケイ酸アルミニウムガラスもしくはフルオロケイ酸アルミニウムガラス、ホウ素成分を含むフルオロケイ酸アルミニウムガラス、ケイ酸バリウムアルミニウム、ケイ酸ストロンチウム、ホウケイ酸ストロンチウム、ケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウムガラス、ケイ酸カリウムガラス、ケイ酸リチウムおよび/またはケイ酸リチウムアルミニウム、ならびに前記のガラスのうちの少なくとも2種の混合物。アモルファスSiO2、ZrO2、またはSiO2とZrO2との混合酸化物などの酸化物または混合酸化物に基づくアモルファス球状フィラーを、金属酸化物として、またはアモルファス金属酸化物の混合物として使用することができる。あるいは、二酸化ジルコニウムと二酸化ケイ素との混合酸化物、二酸化ジルコニウムまたは酸化亜鉛、ならびに結晶性ケイ酸塩も、組成物中のフィラー成分として使用することができる。
【0021】
本発明の主題は、
a)1.8μm、プラス/マイナス0.25μmの平均粒子サイズd50、好ましくは20μm以下のd99のもの、または
b)i)2~8μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.5μm、特には4~6μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.25μmのd50、ii)1.0~2.0μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.25μm、特には1.2~2.0μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.5μm、好ましくは1.5μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.15μmのd50、およびiii)0.5~1.2μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.15μm、0.7~0.9μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.5μmのd50である平均粒子サイズを有する、異なる画分の前記の成分の混合物であって、i)対ii)対iii)の画分が1~4:1:4~8、特には2~3:1:6~7の比率で存在する混合物、
の、メタクリレート基で官能化されたフィラー成分から選択されるフィラー成分、特にはケイ酸塩、例えば石英および/または長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、任意選択的にはガラス、または成分の混合物を含有する組成物でもある。i)5μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.5μmのd50、ii)1.8μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.25μmのd50、およびiii)0.85μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.15μmのd50が特に好ましく、i)対ii)対iii)の画分は、1~4:1:4~8、特には2~3:1:6~7の比率で存在する。
【0022】
好ましい実施形態によれば、フィラー成分は、0.7~2.0μm、特には1.2~2.0μmの平均粒子サイズd50、好ましくは1.35~1.95μmの平均粒子サイズ、特には1.8μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.15μmのd50、好ましくは10μm以下のd99の平均粒子サイズの、メタクリレート基で官能化されたフィラー成分から、特にはケイ酸塩、例えば石英および/または長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、任意選択的にはガラス、またはこれらの成分の混合物から選択される。特に好ましくは、少なくとも1種のフィラー成分は、約0.85μm、任意選択的にはプラス/マイナス0.1μm、特にはプラス/マイナス0.05μm、好ましくはプラス/マイナス0.03μmのd50、および好ましくは10μm以下のd99の平均粒子サイズの、メタクリレート基で官能化されたフィラー成分から、特にはケイ酸塩、例えば石英および/または長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、任意選択的にはガラス、または成分の混合物から選択される。特に好ましい粒度分布は、0.2μm以上のd10から20μm以下、好ましくは7.5μm以下のd99、好ましくは0.4μm以上のd10から7.5μm以下のd99、および0.7~7.5μmの平均径d50の範囲であってよい。
【0023】
好ましい実施形態によれば、組成物は、(i)0.7~2.0μmの平均粒子サイズd50を有する、メタクリレート基で官能化されたフィラー成分から、特にはケイ酸塩、例えば石英および/または長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、任意選択的にはガラス、または成分の混合物から選択される少なくとも1種の無機フィラー成分を70~85質量%または5~35質量%含有し、組成全体が100質量%である組成物を基準として50~80質量%、特には100質量%の組成全体の中で55~76質量%、好ましくは60~75質量%、特に好ましくは60~71質量%存在する。
【0024】
それぞれさらに好ましくは、組成全体の中で4~7.5質量%のアモルファス二酸化ケイ素と組み合わされる。好ましくは、アモルファス金属酸化物は、2~150nm、特には2~100nm、好ましくは2~45nmの一次粒子サイズの非凝集アモルファス金属酸化物であり、アモルファス金属酸化物は、二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、焼成シリカ、酸化ジルコニウム、混合酸化物、またはそれらの混合物を含み、特に金属酸化物はシラン処理されたものである。
【0025】
好ましい代替形態では、組成物は、無機フィラー成分に加えて、ある量の高分子粒子状フィラーを含み得る。そのような高分子粒子状フィラーの合計量は、100質量%の組成物の組成全体中で、0.01~15質量%、好ましくは0.5~10質量%の量とすることができる。高分子フィラーの粒子サイズは、好ましくは10~200マイクロメートルの範囲、特には30~90マイクロメートル、特に好ましくは20~50マイクロメートルの範囲である。
【0026】
特に好ましい実施形態の変形例によれば、組成物は、成分(ii)として、少なくとも3種の異なるウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレートの混合物、特には二官能性から十官能性のウレタンアクリレートおよび/または対応するウレタンアルキルアクリレートの混合物、好ましくは15~19質量%の、理想化された式Iのウレタン
【化5】
を含む少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/もしくはウレタンアルキルアクリレート、ならびに/または前記式Iのウレタンおよび異性体の混合物、特に式Ia
【化6】
の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/または前記の化合物のシス-およびトランス-異性体の混合物[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hと1~8個のC原子を有するアルキルとから選択される]、ならびにアルキル1~10C原子とアルキレン3~20C原子とを含む二価脂環式基を有する5~6質量%の二官能性ウレタンアクリレート、ならびに任意選択的に、それぞれ0.1~2質量%の少なくとも1種の六官能性ウレタンアクリレートおよび/または六官能性ウレタンメタクリレートまたは樹状ウレタンメタクリレート、ならびに
(iii)ウレタンアクリレートでもウレタンアルキルアクリレートでもない少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマー、特には少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、好ましくはジメタクリレートトリエチレングリコール、ジメタクリレートテトラエチレングリコール、2,2-ビス-[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシ-プロポキシ)フェニル]プロパン、ペンタエリスリトールテトラプロポキシアクリレートおよび/またはビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロ-ジシクロペンタジエンおよびその異性体、ならびに
(iv)少なくとも1種の開始剤または開始剤系、好ましくはa)UVおよび/もしくはVisスペクトル領域のための少なくとも1種の光開始剤、またはUVおよび/もしくはVisスペクトル領域のための光開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、ならびに/またはb)少なくとも1種の熱開始剤もしくは熱開始剤系、ならびにc)任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、およびiv)任意選択的に少なくとも1種の顔料を含む。好ましくは、組成全体における上記の含有量次第である。
【0027】
二官能性から十官能性のウレタンアクリレートまたは二官能性から十官能性のウレタンアルキルアクリレートがモノマーとして使用され、ペルオキシ基を含まない。
【0028】
特に好ましい実施形態の変形例によれば、組成物は、(ii)少なくとも3種の異なるウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレートの混合物、好ましくは少なくとも3種の異なるウレタンの混合物を5~99.98質量%、特には5~85質量%含み、混合物は、理想化された式I(式Iaも参照のこと)のウレタンを含む少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/もしくはウレタンアルキルアクリレート組成物、ならびに/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物[R1およびR2は、それぞれ独立して、Hおよび1~8個のC原子を有するアルキルから選択され、好ましくはHまたはメチルである]、ならびに1~10個のC原子のアルキル、好ましくはメチルに等しいアルキルおよび3~20個のC原子を有するアルキレンを有する二価アルキレン基を有する二官能性ウレタンアクリレートおよび/または二価アルキレン基を有するウレタンアルキルアクリレート、好ましくは3種の異なるウレタン(アルキル)アクリレート、ならびに任意選択的に少なくとも1種の少なくとも四官能性の樹状ウレタン(アルキル)アクリレート、好ましくは少なくとも1種の六官能性の樹状ウレタン(アルキル)アクリレート、特にウレタン(メタ)アクリレートを含む。
【0029】
特に好ましい実施形態の変形例によれば、組成物は、(ii)理想化された式Iのウレタンを含む少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/もしくはウレタンアルキルアクリレートを含む混合物、ならびに/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物[R1およびR2は、それぞれHと1~8個のC原子を有するアルキルとから独立して選択される]、例えばビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-9’-メチル-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ならびに任意選択的に、ビス-(4’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-2’-アザ-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス-(4’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-2’-アザ-9’-メチル-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、および/またはこれらの混合物から選択される二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/または二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタン(メタ)アクリレート、ならびに任意選択的に前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物、ならびに少なくとも1種の追加の二官能性ウレタン(メタ)アクリレート、特に二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/または二価脂環式基を有するウレタンメタクリレート、ならびに任意選択的に少なくとも1種の少なくとも五官能性の樹状ウレタンアクリレートおよび/または対応するウレタンメタクリレート、好ましくは少なくとも1種の六官能性樹状ウレタンアクリレートおよび/またはウレタンメタクリレートから選択される少なくとも2種の異なるウレタンアクリレートの混合物を5~99.98質量%含む。特に好ましいものは、ウレタンアクリレートおよびウレタンメタクリレートから選択される少なくとも3種の異なるウレタン(メタ)アクリレートである(100質量%の組成全体に基づく)。
【0030】
括弧内に(アルキル)を含む(アルキル)アクリレートもしくは(メタ)アクリレートもしくはウレタン(アルキル)アクリレートという用語、または括弧内に(メタ)を含むウレタン(メタ)アクリレートという用語は、アルキル基またはメチル基を含むか、または含まないアクリレートまたはウレタンアクリレートを含み得ることを意味する。前記ウレタンアルキルアクリレート中で、アルキル基は、好ましくは、1~10個のC原子、好ましくは1~2個のC原子を含む。前記(アルキル)アクリレート中で、アルキル基は、好ましくは1~10個のC原子、好ましくは1~2個のC原子を含む。
【0031】
特に好ましい実施形態の変形例によれば、組成物は、ii)一般式Iの少なくとも二官能性ウレタンアクリレートおよび/または二官能性ウレタンメタクリレート、ならびに二価アルキレン基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンアクリレートおよび/または二官能性ウレタンメタクリレート、ならびに任意選択的に、少なくとも1種の少なくとも四官能性の樹状ウレタンアクリレートおよび/または四官能性の樹状ウレタンメタクリレート、好ましくは少なくとも1種の六官能性樹状アクリレートおよび/またはウレタンメタクリレートを含む、それぞれ少なくとも2種の異なるウレタンアクリレートの混合物、好ましくは少なくとも3種の異なるウレタン(メタ)アクリレートの混合物を5~99.98質量%、特には61~99.98質量%、あるいは5質量%以上10質量%未満含み、成分(i)は、0質量%~38.98質量%、あるいは94.98質量%~89.98質量%、(iii)は0.01~10質量%、および(iv)は0.01~10質量%であり、本開示に従って適合化され、組成の合計は100質量%である。
【0032】
本発明によれば、二価脂環式基を有するウレタンアクリレートは、理想化された式Iのウレタン、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物[R1およびR2は、それぞれHと1~8個のC原子を有するアルキルとから独立して選択される]、例えば、好ましくは、ビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-9’-メチル-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、特に好ましくはビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンから選択される。式Iのウレタンは、ヒドロキシメチレン基で2回置換された対応するテトラヒドロジシクロペンタジエンと、2-イソシアナトエチルメタクリレートなどのアクリル誘導体の対応するイソシアネートとの反応によって得られる。
【0033】
二官能性ウレタン(アルキル)アクリレート、二価のアルキレン基を有するウレタン(アルキル)アクリレート、または二価脂環式基を有するウレタン(メタ)アクリレートは、好ましくは、二価のアルキレン基で官能化されている直鎖または分岐鎖のウレタンジメタクリレート、アルキレン基を有するウレタンジメタクリレート官能化ポリエーテル、例えばビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)アルキレン、ビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)-置換ポリアルキレンエーテル、好ましくは1,6-ビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)-2,4,4-トリメチルヘキサン、UDMA(別名HEMA-TDMI)から選択される。アルキレンが直鎖または分岐鎖のC3~C20、好ましくはC3~C6を含むビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)アルキレンが好ましく、例えば、特に好ましくはHEMA-TMDIなどのメチル基で置換されたアルキレンである。二価のアルキレンは、好ましくは、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンおよび/または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンを含む。
【0034】
少なくとも四官能性の樹状ウレタンメタクリレートは、四官能性から十官能性の樹状ウレタンメタクリレートを含む。
【0035】
好ましくは、組成物は、成分(i)として、組成の合計を基準として、5~65質量%、特には40~70質量%、あるいは5質量%から10質量%未満のビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-デシル-9’エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザ-9’-メチル-デシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエン、および/またはそれらの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の3,8-/3,9-/4,8-/3,10-/4,10-異性体および/またはシス-およびトランス-異性体の混合物と、1~15質量%、特には5~6質量%の、UDMA(1,6-ビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)-2,4,4-トリメチルヘキサン)、またはHEMA-TMDI、および任意選択的に、0.1~5質量%、好ましくは0.2~2質量%、特に好ましくは0.1~1質量%の少なくとも1種の四官能性から十官能性の樹状ウレタンメタクリレートを含む。
【0036】
さらに好ましい実施形態によれば、組成物は、成分(iii)として、ウレタン(アルキル)アクリレートではなく、かつポリエーテルのジメタクリル酸エステル、ビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびその異性体、ならびに三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステルから選択される、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~5質量%含有する。
【0037】
好ましくは、成分(iii)の含有量は、0.15~15質量%、特には0.15~5質量%、特に好ましくは1.0~2質量%であり、成分(iii)は、ポリエーテルのジメタクリル酸エステル、例えば、好ましくはジメタクリレートポリエチレングリコール、ジメタクリレートポリプロピレングリコールから選択される。ジメタクリレートトリエチレングリコール(TEGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGMA)、およびジメタクリレートテトラエチレングリコール(TEDMA)が特に好ましい。
【0038】
プロセスエンジニアリングの加工性のための稠度および流動特性を改善するために、組成物に安定化剤としての水を添加することができる。安定化剤は、好ましくは、早すぎる重合を防止し、材料に一定の貯蔵寿命を与えるために、組成物に添加される。組成物は、成分(iv)における好ましい安定化剤として、水、少なくとも1種のベンゾフェノン誘導体、好ましくはアルコキシ置換ベンゾフェノンおよび/またはフェノール誘導体、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,6-ビス(1,1-ジメチル)-4-メチルフェノール、または3種の安定化剤の混合物から選択される少なくとも1種の安定化剤を含む。安定化剤は、好ましくは、組成全体の中で0.01~10質量%、特に好ましくは0.7~10質量%、特には0.5~2質量%で存在する。さらに、組成物は、0.01~2質量%の安定化剤としての水、好ましくは0.1~1.0質量%の水を含むことが好ましい。
【0039】
重合した組成物の色および自然な審美的外観の最適な調整のために、少なくとも1種の蛍光顔料ならびに任意選択的に少なくとも1種の有機着色顔料および/または少なくとも1種の無機着色顔料、例えば二酸化チタン、特に非蛍光着色顔料を含む少なくとも1種の顔料を添加することができる。少なくとも1種の蛍光顔料は、好ましくは有機蛍光顔料、特に適切な場合にはアリールカルボン酸エステル、アリールカルボン酸、クマリン、ローダミン、ナフタレンイミド、またはそれぞれの物質の誘導体を含む非重合性有機蛍光顔料である。無機蛍光顔料は、CaAl4O7:Mn2+、(Ba0.98Eu0.02)MgAl10O17、BaMgF4:Eu2+、Y(1.995)Ce(0.005)SiO5を含み得る。
【0040】
組成物は、顔料として、特に着色顔料、有機顔料、および無機顔料を含み、特に、ジエチル2,5-ジヒドロキシテレフタレート、N,N’-ビス(3,5-キシリル)ペリレン3,4:9,10-ビス(ジカルビミド)、銅フタロシアニン、チタン酸顔料、特にチタン酸アンチモンクロム(ルチル構造)、スピネルブラック、特に鉄(Fe)が部分的にクロムおよび銅またはニッケルおよびクロムまたはマンガンで置換されている酸化鉄ブラック(Fe3O4)に基づく顔料、亜鉛鉄クロムスピネル、ブラウンスピネル、((Zn,Fe)(Fe,Cr)2O4)、コバルト亜鉛アルミネートブルースピネル、および/または酸化チタンを含み得る。蛍光顔料および着色顔料を含む顔料は、好ましくは、組成全体の中に0.01~10質量%、特に好ましくは0.01~5質量%、好ましくは0.01~1質量%存在する。
【0041】
さらに好ましい実施形態によれば、組成物は、
(iv)0.01~2質量%の、UVおよび/もしくはVisスペクトル領域のための光開始剤またはUVおよび/もしくはVisスペクトル領域のための光開始剤系、ならびに0.01~2質量%の安定化剤を含み得る。
【0042】
本発明の別の主題は、本発明による組成物の重合によって、特にUVおよび/またはVis放射による、好ましくはVis放射による、特に好ましくは、400nm~530nmのスペクトル範囲に放射極大を有する放射源による重合によって得られる、重合した組成物である。
【0043】
特に好ましい実施形態によれば、本発明の主題は、0.2~10μm、好ましくは0.5~3.5μmの範囲の平均粒子サイズd50、好ましくは20μm以下、好ましくは7.5μm未満のd99の少なくとも1種の無機フィラーと、任意選択的に少なくとも1種のシラン処理されたアモルファス金属酸化物、特に一次粒子サイズが2~150nm、好ましくは2~100nm、特に好ましくは2~45nmの沈降二酸化ケイ素および/または焼成シリカとを含有する少なくとも1種の無機フィラー成分を0~90質量%、式Iの少なくとも1種のビスウレタンを含む重合した混合物と、二価のアルキレン基を有する少なくとも1種のジウレタン(メタ)アクリレートと、少なくとも1種の四官能性から十官能性の樹状ウレタンメタクリレートと、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、好ましくはジメタクリレートトリエチレングリコールに基づく少なくとも1種のポリマー、特にコポリマーを5.01~99.98質量%、ならびに少なくとも1種の顔料、特には少なくとも1種の蛍光顔料、ならびに少なくとも1種の有機着色顔料および/または少なくとも1種の無機着色顔料を0.01~25質量%含有する、重合した組成物であり、着色顔料は、好ましくは蛍光性ではなく、組成物の組成の合計は100質量%である。
【0044】
さらに、重合した組成物は、特にプラスチック製鋳型、釘、ねじなどの大きい機械的負荷にさらされる技術的構成部品、ならびに当業者によく知られている別の構成部品などを製造するために使用することができる。
【0045】
以下のものも、好ましい本発明によるウレタン(メタ)アクリレートであるとみなされる:(ii)少なくとも1種のウレタン(メタ)アクリレート、特にウレタンジメタクリレート、好ましくはビス(メタクリロキシ-2-エトキシカボニルアミノ)アルキレン、ジウレタンアクリレートオリゴマー、アルキル官能性ウレタンジメタクリレートオリゴマー、芳香族官能化ウレタンジメタクリレートオリゴマー、脂肪族不飽和ウレタンアクリレート、ビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)置換ポリエーテル、芳香族ウレタンジアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンジアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンジアクリレート、六官能性脂肪族ウレタン樹脂、脂肪族ウレタントリアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、不飽和脂肪族ウレタンアクリレート。特に、ウレタンジ(メタ)アクリレートなどの二官能性および多官能性のウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、少なくとも1種の(iii)ウレタンジメタクリレートは、特に好ましくは、直鎖または分岐鎖のアルキル官能化ウレタンジメタクリレート、ウレタンジメタクリレート官能化ポリエーテル、特にビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)アルキレン、ビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)-置換ポリエーテル、好ましくは1,6-ビス(メタクリロキシ-2-エトキシカルボニルアミノ)-2,4,4-トリメチルヘキサンから選択される。適切なウレタン(メタ)アクリレートは、次の商品名で入手可能である:Ebecryl 230(脂肪族ウレタンジアクリレート)、Actilane 9290、Craynor 9200(ジウレタンアクリレートオリゴマー)、Ebecryl 210(芳香族ウレタンジアクリレートオリゴマー)、Ebecryl 270(脂肪族ウレタンジアクリレートオリゴマー)、Actilane 165、Actilane 250、Genomer 1122(一官能性ウレタンアクリレート)、Photomer 6210(cas番号52404-33-8、脂肪族ウレタンジアクリレート)、Photomer 6623(六官能性脂肪族ウレタン樹脂)、Photomer 6891(脂肪族ウレタントリアクリレート)、UDMA、Roskydal LS 2258(脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー)、Roskydal XP 2513(不飽和脂肪族ウレタンアクリレート)。ウレタン(メタ)アクリレートは、好ましくは、前記のウレタン(メタ)アクリレートから、または少なくとも2種の異なる、好ましくは少なくとも3種の異なる前記のウレタン(メタ)アクリレートの混合物から選択することができる。
【0046】
ウレタン(アルキル)アクリレートではない、特にウレタン(メタ)アクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーは、好ましくは、以下のモノマー、特にはビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびその異性体、1,4-ブタンジオールジメタクリレート(1,4-BDMA)またはペンタエリスリトールテトラアクリレート、ビス-GMAモノマー(ビスフェノールAグリシジルメタクリレート)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)およびジエチレングリコールジメタクリレート(DEGMA)、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキシルデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ならびにブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化/プロポキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、これらの(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種を含む混合物、ならびに/または前記のモノマーのうちの1種または少なくとも2種を含むコポリマー、を含有するモノマー混合物のうちの少なくとも1つから選択される。
【0047】
架橋剤および/またはマルチ架橋剤とも呼ばれる典型的な二官能性モノマーとしては、トリ-またはテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、BDMA、1,4-ブタンジオールジメタクリレート(1,4-BDMA)、ビス-GMAモノマー(ビスフェノールAグリシジルメタクリレート、メタクリル酸とビスフェノールAジグリシジルエーテルとの付加生成物)、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキシルデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ならびにブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化/プロポキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。以下の二官能性モノマーも希釈剤(低粘度アクリレート)として添加することができる。三官能性および四官能性モノマーならびに/またはマルチ架橋剤には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートが含まれる。
【0048】
少なくとも1種のモノマーを含む、二官能性、三官能性、または多官能性のモノマーに加えて、以下のモノマー、特にメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、テトラヒドロフリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジル-、フルフリル-、もしくはフェニル(メタ)アクリレートのモノマーの混合物、これらの(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種を含む混合物、および/または前記のモノマーのうちの1種または少なくとも2種を含むコポリマーのうちの少なくとも1種が組成物中に存在し得る。
【0049】
さらに、本発明の主題は、フィラー、顔料、安定化剤、調整剤、抗菌添加剤、UV吸収剤、チクソトロープ剤、触媒、および架橋剤からなる群からの少なくとも1種以上の物質を、好ましくは追加的に含む組成物である。かなり少量の、例えば組成物の組成の合計を基準として合計で0.01~3.0質量%、特には0.01~1.0質量%の、前記添加剤(顔料、安定化剤、および調整剤も同様)が使用される。適切な安定化剤としては、例えばヒドロキノンモノメチルエーテルまたは2,6-ジ-tert-ブチル4-メチルフェノール(BHT)が挙げられる。
【0050】
好ましくは、組成物は、成分(iv)として、0.01~10質量%、特には0.5~5質量%、好ましくは0.5~2質量%の、少なくとも1種の開始剤または開始剤系、好ましくはi)UVおよび/もしくはVisスペクトル領域用の少なくとも1種の光開始剤、またはUVおよび/もしくはVisスペクトル領域用の光開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、ならびに任意選択的に追加の通常の添加剤、任意選択的に顔料または染料を含有する。
【0051】
特に好ましい光開始剤は、アルファ-ヒドロキシフェニルケトン、ベンジルジメチルケタールまたは2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、および少なくとも2種の光開始剤の混合物、ビスアシルホスフィンオキシド(BAPO)を含む。あるいは、N,N-ジメチルp-トルイジン、N-N-ジヒドロキシエチルp-トルイジン、およびp-ジメチルアミノ安息香酸ジエチルエステルから選択されるアミンを含むカンファーキノンも含まれる。
【0052】
典型的な安定化剤には、2,6-ジ-tert-ブチル4-メチルフェノール(BHT)またはヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、HALS(ヒンダードアミン光安定化剤)、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(UVA)、およびヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)が含まれる。特に適切な安定化剤は、例えばヒドロキノンモノメチルエーテルまたは2,6-ジ-tert-ブチル4-メチルフェノール(BHT)である。
【0053】
ペルオキシド、ヒドロキシルペルオキシド、任意選択的にアゾ化合物、またはそれらを含む混合物は、開始剤、特に熱開始剤または開始剤系として適切である。適切な熱開始剤は、70~150℃、好ましくは90~150℃の温度範囲でラジカル開始剤として使用することができる。好ましい熱開始剤は、ジラウロイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジクミルヒドロペルオキシド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ベンジルバルビツール酸誘導体、特に好ましくは、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジクミルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジルバルビツール酸誘導体、例えばフェニルベンジルバルビツール酸、シクロヘキシルベンジルバルビツール酸から選択される少なくとも1種の開始剤を含む。
【0054】
以下の自家重合または低温重合用の開始剤および/または開始剤系は、a)少なくとも1種の開始剤、特に少なくとも1種のペルオキシドおよび/またはアゾ化合物、特にLPO:ジラウロイルペルオキシド、BPO:ジベンゾイルペルオキシド、t-BPEH:tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、AIBN:2,2’-アゾビス-(イソブチロニトリル)、DTBP:ジ-tert-ブチルペルオキシド、および任意選択的にb)少なくとも1種の活性化剤、特に少なくとも1種の芳香族アミン、例えばN,N-ジメチルp-トルイジン、N,N-ジヒドロキシエチルp-トルイジン、および/またはp-ジメチルアミノ安息香酸ジエチルエステル、またはc)レドックス系から選択される少なくとも1種の開始剤系、特にN,N-ジメチルp-トルイジン、N,N-ジヒドロキシエチルp-トルイジン、およびp-ジメチルアミノ安息香酸ジエチルエステルから選択されるアミンを含む、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、およびカンファーキノンから選択される組み合わせを含む。あるいは、開始剤は、過酸化物と、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、バルビツール酸またはバルビツール酸誘導体、スルフィン酸、スルフィン酸誘導体から選択される還元剤とを含むレドックス系であってよく、特に好ましいものは、(i)バルビツール酸またはチオバルビツール酸またはバルビツール酸誘導体またはチオバルビツール酸誘導体と、(ii)少なくとも1種の銅塩または銅錯体と、(iii)イオン性ハロゲン原子を有する少なくとも1種の化合物とを含むレドックス系であり、特に好ましいものは、1-ベンジル5-フェニルバルビツール酸と、銅アセチルアセトナートと、ベンジルジブチルアンモニウムクロリドとを含むレドックス系である。特に好ましくは、2成分補綴ベース材料における重合は、バルビツール酸誘導体によって開始される。
【0055】
一般に、低温重合または自家重合の出発混合物の重合反応の開始剤は、ラジカル重合反応を開始できるものであるとみなされる。好ましい開始剤は、ペルオキシドおよびアゾ化合物であり、例えば以下のものである:LPO:ジラウロイルペルオキシド、BPO:ジベンゾイルペルオキシド、t-BPEH:tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、AIBN:2,2’-アゾビス-(イソブチロニトリル)、DTBP:ジ-tert-ブチルペルオキシド。
【0056】
ペルオキシドによるラジカル重合の開始を加速するために、適切な活性化剤、例えば芳香族アミンを添加することができる。適切なアミンの例は、N,N-ジメチルp-トルイジン、N,N-ジヒドロキシエチルp-トルイジン、およびp-ジベンジルアミノ安息香酸ジエチルエステルである。これとの関係において、アミンは通常は共開始剤として機能し、通常、最大0.5質量%の量で存在する。
【0057】
以下の例示的な実施形態は、本発明をこれらの実施例に限定せずに、本発明を説明することを意図している。
【0058】
実施例
例示的な実施形態:
ISO-13586:2000に準拠した破壊靭性を決定するための試験方法
ASTM E1820-13およびISO13586:2000に準拠した試験片(CT試験片)。W/B2≦W/B≦4の代替比を使用。
【0059】
測定する組成物の破壊靭性は、規格ASTM E1820-13およびISO 13586に準拠した試験片の寸法の比率または割合を使用して、W(ASTM 1820-13に準拠)およびw(ISO 13586に準拠)=10mm、B(ASTM 1820-13に準拠)、およびh(ISO 13586:2000に準拠)=5mmの寸法を有する試験片(CT試験片)で決定する。
【0060】
まず、厚さ5mm、ベース面積/デッキ面積12.0×12.5mmの試験片(直方体)を製造する。光硬化または光重合は、それぞれ、青色光の照射によって行い、合計5個のスポット(投射面)をそれぞれ20秒間照射した(Translux 2 Wave, KULZER GmbH)。
【0061】
1mmの回転切削工具を使用して、長手方向端部に対して中央にかつ垂直に位置合わせされたノッチ(約0.55W)を形成する。ベース/デッキ領域に垂直に開けられる穴は、(ASTM 1820-13およびISO 13583:2000)の試験片に付与されるものと同じ位置に配置された直径2mmの切削工具によって、ピンが入れられるように開けられる。
【0062】
中央に配置されたノッチの上部に、かみそりの刃で切り込みを入れ、直径8μm以下の亀裂を形成する。亀裂の長さ(ai)は、測定を行う前に光学顕微鏡によって測定する。変化する亀裂の長さaiは、規定された機械的な力の影響の下で測定する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1a】参照番号およびラベル付けの凡例、ならびに測定のセットアップの説明を含む、試験片の断面図である。
【
図1b】参照番号およびラベル付けの凡例、ならびに測定のセットアップの説明を含む、試験片の上面図である。
【0064】
記号の説明
w=2つの穴の中心点と反対側の試験片の端との間の距離;B=試験片全体の幅;l1=長さ;l2=亀裂面に対称的に配置された2つの穴の中心点間の距離+/-0.005w;R=半径;h=厚さ;a=亀裂の長さ;P=力
B=1.25w+/-0.01w;l1=1.2w+/-0.01w、l2=0.55w+/-0.0005w、R=0.125w+/-0.005w、0.4w<h<0.6w;0.45w≦a≦0.55w
ピンおよび穴は、摩擦を避けるために滑らかな表面およびゆるいはまり具合を有することが意図されている。
【0065】
【0066】
その後、穴を通してガイドされる金属ピンを使用して、試験片を万能試験機(Zwick/Roell)に固定する。続いて、規定された引張力(P)が、1mm/minの速度で破壊されるまでピンを介して試験片に加えられる。引張力(P)、厚さ(B)、幅(W)、および亀裂長さai、破壊靭性KIcは、以下の式に従って計算される。
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
表3のサンプルそれぞれ1×20秒で、試験片の表面の5つの投射面で青色光(発光極大約440~460nm)により試験片の表面を照射する方法。表3の熱により硬化したサンプルは、予め表面にUV/Vis光を片面あたり1×60秒照射し、続いて熱硬化する(95℃で約3時間)。
【0074】
【0075】
ポリマーマトリックス中の成分としてビス-GMAを含む比較例の放射重合のみの試験片での破壊靭性測定の結果は、非常に低い破壊靭性についての値を示す(VG3a、VG3b)。
【0076】
ポリマーマトリックス中のビス-(2’,7’-ジオキサ-3’,8’-ジオキソ-4’-アザデシル-9’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびその異性体に基づく本発明による複合材料を用いると、破壊靭性について、1.3MPa・m1/2~1.7MPa・m1/2~2.2MPa・m1/2までという大幅に優れた値が得られる。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性組成物であって、
(i)少なくとも1種の無機フィラー成分を0~90質量%、
(ii)少なくとも1種のウレタンアクリレートであって、理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化1】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hまたは1~8個のC原子を有するアルキルから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む、ウレタンアクリレートを5~99.98質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~
5質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、ならびに任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記重合性組成物の組成の合計が100質量%である、重合性組成物。
【請求項2】
(i)0.2μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、および/または前記成分の少なくとも2種の混合物、ならびに任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分を5~90質量%、ならびに
(ii)少なくとも1種のウレタンアクリレートまたはウレタンアクリレートの混合物を10~85質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~
5質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である、請求項1記載の重合性組成物。
【請求項3】
(i)0.4μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛と、任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物とを含む無機フィラー成分を40~90質量%、ならびに
(ii)理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化2】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hまたは1~8個のC原子を有するアルキルから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレートを10~60質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~
5質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
(i)0.4μm~10μmの平均粒子サイズを有する少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、および/または酸化亜鉛、ならびに任意選択的に10nm~115nmの平均一次粒子サイズを有する少なくとも1種のアモルファス金属酸化物を含む無機フィラー成分を70~85質量%、
(ii)理想化された式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種のウレタンアクリレート
【化3】
[R
1およびR
2は、それぞれ独立して、Hまたは1~8個のC原子を有するアルキルから選択される]、および/または前記式Iのウレタンの混合物、ならびに任意選択的に前記の化合物の異性体の混合物を含む少なくとも1種のウレタンアクリレートを10~30質量%、
(iii)ウレタンアクリレートではない、および/またはウレタンアルキルアクリレートではない、少なくとも1種の二官能性、三官能性、四官能性、または多官能性のモノマーを0.01~5質量%、
(iv)少なくとも1種の開始剤、開始剤系、および任意選択的に少なくとも1種の安定化剤、および任意選択的に少なくとも1種の顔料を0.01~10質量%、
含有し、前記組成物の組成の合計が100質量%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムを含む前記少なくとも1種の無機フィラー成分が、0.5~10μmの平均粒子サイズd
50を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
a)前記少なくとも1種の無機フィラー成分が、1.8μmのd
50、好ましくは20μm以下のd
99の平均粒子サイズを有する、少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、もしくは前記成分の少なくとも2種を含む混合物を含む、または
b)少なくとも1種のガラス、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、または前記成分の少なくとも2種を含む混合物を含む少なくとも1種の無機フィラー成分が、i)2~8μmのd
50、ii)1.0~2.0μmのd
50、およびiii)0.5~2μmのd
50の平均粒子サイズを有する異なる画分の混合物として存在し、i)対ii)対iii)の前記画分が1~4:1:4~8、特には2~3:1:6~7の比率で存在する、
ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記アモルファスが2~150nmの一次粒子サイズを有する少なくとも1種の非凝集アモルファス金属酸化物を含み、前記アモルファス金属酸化物が、任意選択的に、沈降二酸化ケイ素、焼成シリカ、酸化ジルコニウム、または混合酸化物を含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、(i)無機フィラー成分として、前記組成物の100質量%の組成の合計を基準として、
(i.1)少なくとも1種のガラス、ケイ酸塩、石英、長石、金属酸化物、混合酸化物、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、または前記フィラー成分のうちの少なくとも2種を含む混合物を70~84質量%と、任意選択的に、
(i.2)アモルファス金属酸化物、特に焼成シリカおよび/または沈降二酸化ケイ素を0.05~5質量%、
含有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
(ii)が、少なくとも3種の異なるウレタンアクリレートおよび/またはウレタンアルキルアクリレートの混合物を含み、前記混合物が、式Iの二価脂環式基を有する少なくとも1種の二官能性ウレタンおよび/またはその異性体、ならびに二価アルキレン基を有する二官能性ウレタンアクリレートおよび/またはウレタン(アルキル)アクリレート、ならびに任意選択的に少なくとも1種の少なくとも四官能性の樹状ウレタンアクリレートおよび/または対応するウレタンアルキルアクリレート、好ましくは少なくとも1種の六官能性の樹状ウレタンアクリレートまたは対応するウレタンアルキルアクリレートを含むことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
(iii)が、ポリエーテルのジメタクリル酸エステル、三官能性、四官能性、または多官能性のポリエーテルのメタクリル酸エステル、および2,2-ビス-[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシ-プロポキシ)フェニル]プロパン、ビス-(2’-オキサ-3’-オキソ-ペンチル-4’-エン)テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびその異性体、ならびに任意選択的にペンタエリスリトールテトラプロポキシアクリレートから選択されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の安定化剤が、水、少なくとも1種のベンゾフェノン誘導体、および/または少なくとも1種のフェノール誘導体を含むことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、(v)高分子粒子状フィラーを0.01~15質量%含み、前記組成物の組成の合計が100質量%であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
i)UVおよび/またはVIS放射源を使用して、好ましくは、380nm~530nmのスペクトル範囲に放射極大を有する、好ましくは400~500nmのスペクトル範囲に少なくとも1つの極大を有するVIS放射源を使用して、ならびに/またはii)50~300Mpaの圧力および/もしくは高温で、好ましくは90~150℃で、請求項1から12までのいずれか1項記載の組成物を重合することによって得られる、重合した組成物。
【請求項14】
付加製造、放射に基づく生成型製造、ステレオリソグラフィプロセス、SLAプロセス(レーザーに基づくステレオリソグラフィプロセス)、DLPプロセス(デジタルライトプロセッシング)における、またはSLAおよびDLPプロセス、LEDビーマに基づく生成型製造、放射および熱に基づく生成型製造、熱生成型製造、3D印刷プロセス、マルチジェット製造プロセス(MJM)、およびポリジェット製造プロセスにおける、請求項1から13までのいずれか1項記載の組成物の使用。
【国際調査報告】