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特表2023-501979改変カプシドタンパク質を備えるウイルス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】改変カプシドタンパク質を備えるウイルス
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/861 20060101AFI20230113BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230113BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20230113BHJP
   C12N 15/34 20060101ALI20230113BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20230113BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20230113BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
C12N15/861 Z ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/11 Z
C12N15/34
C12N7/01
A61K35/761
A61P33/00
A61P31/12
A61P31/04
A61P35/00
A61P37/02
A61P37/04
A61P31/14
A61K47/64
A61K39/02
A61K39/00 H
A61K39/00 Z
A61K48/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525775
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 GB2020052774
(87)【国際公開番号】W WO2021084282
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】1915905.2
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520429679
【氏名又は名称】スパイバイオテック・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】ディックス,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ハワース,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ビスワス,スミ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA45
4C076CC07
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59Q
4C076FF65
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZB07
4C084ZB09
4C084ZB26
4C084ZB33
4C084ZB35
4C084ZB37
4C085AA03
4C085BA01
4C085BB01
4C085EE03
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB07
4C087ZB09
4C087ZB26
4C087ZB33
4C087ZB35
4C087ZB37
(57)【要約】
本発明は、改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターを含む調製物に関する。これらの改変カプシドタンパク質は、アデノウイルスベクターのカスタマイズ化可能な装飾が実施されることを可能にし、その結果、個別化されたがんワクチンから標的化遺伝子治療ベクターまでの多様な適用物、およびそれらの混合物を可能にする。具体的には、改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターは、ヘキソンカプシドタンパク質および/またはpIXカプシドタンパク質において改変され得る。本発明はペプチドペアを使用して、装飾の準備ができている「プライムされた」アデノウイルスを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプシドタンパク質中に少なくとも1つの改変を含む、予防的または治療的組成物の調製のためのアデノウイルスベクターであって、
前記改変はカプシドタンパク質中に第1のペプチドパートナーの包含を含み、前記第1のペプチドは、第2のペプチドパートナーと共有結合を形成することができる、
アデノウイルスベクター。
【請求項2】
前記第2のペプチドパートナーは、実体に、必要に応じて(optionally)抗原、ターゲティング部分または遮蔽実体に付着されている、請求項1に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項3】
カプシドタンパク質中の少なくとも1つの改変はメジャーカプシドタンパク質中にまたはマイナーカプシドタンパク質中にある、請求項1または請求項2に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項4】
メジャーカプシドタンパク質中の少なくとも1つの改変は、ヘキソンタンパク質中に、必要に応じてHVRループ中にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項5】
マイナーカプシドタンパク質中の少なくとも1つの改変はpIXタンパク質中にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項6】
カプシドタンパク質への少なくとも1つの改変は、カプシドタンパク質への前記第1のペプチドパートナーの挿入または融合である、請求項1から5のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項7】
前記共有結合はイソペプチドである、請求項1から6のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項8】
第1のペプチドパートナーはDogTagであり、第2のペプチドパートナーはDogCatcherまたはSnoopTagJrもしくはSnoopTagである、請求項4に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項9】
a)第1のペプチドパートナーはSpyCatcherであり、必要に応じて第2のペプチドパートナーはSpyTagである;
b)第1のペプチドパートナーはSnoopCatcherであり、必要に応じて第2のペプチドパートナーはSnoopTagJrまたはSnoopTagである;
c)第1のペプチドパートナーはDogCatcherであり、必要に応じて第2のペプチドパートナーはDogTagである;
c)第1のペプチドパートナーはSnoopTagJrであり、必要に応じて第2のペプチドパートナーはSnoopCatcherである;または
d)第1のペプチドパートナーはSpyTagであり、必要に応じて第2のペプチドパートナーはSpyCatcherである、
請求項5に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項10】
第2のペプチドは、遺伝子融合を介して抗原に付着されているか、または抗原に化学的に付着されている、請求項2から9のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項11】
前記抗原は、ネオエピトープまたはネオアンチゲンなどの腫瘍関連抗原、自己抗原、またはウイルス、細菌、寄生虫もしくは真菌などの病原体由来の抗原であり、
必要に応じて、ウイルスはSARS-CoV-2である、
請求項10に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項12】
実体に付着された前記第2のペプチドパートナーのサイズが、15kDa、20kDa、30kDa、40kDa、50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDaまたは100kDaを超えるサイズである、先行請求項のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項13】
実体に付着された前記第2のペプチドパートナーは、カプシドに結合する抗体からアデノウイルスを遮蔽する、請求項12に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項14】
抗原に付着された第2のペプチドパートナーの前記アデノウイルスベクターへの付加を含む、ワクチンの製造に使用するための先行請求項のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項15】
抗原が第2のペプチドパートナーを介してアデノウイルスベクターに付着されている、先行請求項のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクターを含むワクチン。
【請求項16】
前記抗原は、腫瘍もしくはがん細胞、またはウイルス、必要に応じてSARS-Cov-2上で特異的に発現される少なくとも1つの抗原を含む、請求項15に記載のワクチン。
【請求項17】
請求項1から14のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクターを生成する方法であって、
- 第1のペプチドパートナーをコードする核酸を、カプシドタンパク質をコードする核酸へと導入するステップと;
- 改変カプシド遺伝子を適当なアデノウイルスのゲノムへと挿入するステップと;
- 細胞に前記アデノウイルスを感染させるステップおよび放出された子孫ウイルスを収集するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
疾患の処置または予防に使用するための、請求項15または16に記載のアデノウイルスベクターおよび付着された抗原を含むワクチン。
【請求項19】
請求項1から14のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクターを含むキット。
【請求項20】
請求項1に記載のアデノウイルスベクターを含むワクチンであって、
a.前記第1のペプチドパートナーは、pIXカプシドタンパク質に融合されているSpyCatcherであり、前記第2のペプチドパートナーは、抗原に付着されているSpyTagであり、ここで、SpyCatcherとSpyTagはイソペプチド結合を通して共有結合されている;
b.前記第1のペプチドパートナーは、pIXカプシドタンパク質に融合されているSnoopCatcherであり、前記第2のペプチドパートナーは、抗原に付着されているSnoopTagJrまたはSnoopTagであり、ここで、SnoopCatcherとSnoopTagJrまたはSnoopTagは、イソペプチド結合を通して共有結合されている;または
c.前記第1のペプチドパートナーは、pIXカプシドタンパク質に融合されているDogCatcherであり、前記第2のペプチドパートナーは、抗原に付着されているDogTagであり、ここで、DogCatcherとDogTagはイソペプチド結合を通して共有結合されている;または
d.前記第1のペプチドパートナーは、pIXカプシドタンパク質に融合されているSnoopTagJrであり、前記第2のペプチドパートナーは、抗原に付着されているSnoopCatcherであり、ここでSnoopTagJrとSnoopCacterはイソペプチド結合を通して共有結合されている;
e.前記第1のペプチドパートナーは、pIXカプシドタンパク質に融合されているSpyTagであり、前記第2のペプチドパートナーは、抗原に付着されているSpyCatcherであり、ここで、SpyTagとSpyCacterはイソペプチド結合を通して共有結合されている、
ワクチン。
【請求項21】
前記第1のペプチドパートナーは、ヘキソンタンパク質のHVRループへと挿入されているDogTagであり、前記第2のペプチドパートナーは、DogCatcherまたはSnoopTagJrであり、前記第2のペプチドパートナーは抗原に付着されており、ここで、DogTagとDogCatcher/SnoopTagJrはイソペプチド結合を通して共有結合されている、
請求項1に記載のアデノウイルスベクターを含むワクチン。
【請求項22】
前記第2のペプチドパートナーは遮蔽実体またはターゲティング部分に付着されている、請求項1に記載のアデノウイルスベクターを含む腫瘍溶解性ウイルス調製物。
【請求項23】
前記アデノウイルスは、任意の血清型または種、必要に応じてヒトアデノウイルスである、請求項1から14のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項24】
前記アデノウイルスは複製可能であり、必要に応じて選択的細胞においてのみ複製するように改変されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項25】
前記アデノウイルスは複製不全である、請求項1から14のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項26】
前記アデノウイルスは、導入遺伝子をコードするように遺伝子修飾されており、必要に応じてイソペプチドリンケージを介して表面装飾されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
【請求項27】
改変カプシドタンパク質を介するイソペプチドリンケージを介する表面装飾が可能なアデノウイルスベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターを含む調製物に関する。本発明の改変カプシドタンパク質は、アデノウイルスベクターのカスタマイズ化可能な装飾が実施されることを可能にし、その結果、個別化されたがんワクチンから標的化遺伝子治療ベクターまでの多様な適用物、およびそれらの混合物を可能にする。
【0002】
具体的には、改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターは、ヘキソンカプシドタンパク質および/またはpIXカプシドタンパク質において改変され得る。
さらに、本発明のアデノウイルスベクターは、先行技術のベクターよりも、中和抗体によるクリアランスの影響を受けにくい。したがって、有利には、本発明の改変アデノウイルスベクターは、宿主の免疫応答を逃れることができる。
【0003】
本発明の好ましい態様は、ワクチンの調製において改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターを使用することである。こういったワクチンは予防的であっても治療的であってもよい。本発明のこの態様では、改変カプシドタンパク質は、抗原のモジュール式共有結合提示を可能にし、それにより前記抗原への免疫応答を誘導するとともに、それらを含む組成物を可能にする。具体的には、上記態様は、疾患と闘うために、個別化されたワクチン療法の迅速なアセンブリを可能にする改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターに関する。本発明者らは、アデノウイルスベクターを使用する抗原の提示が、抗原への免疫応答を向上させることを示した。
【0004】
本発明の他の態様は、腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子治療ベクターおよび/またはアデノウイルス向性のリターゲティング(retargeting)の調製における、改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターの使用を含む。
【0005】
本発明のさらに別の態様は、がん抗原を発現する腫瘍溶解性ウイルスなどのいくつかの治療用途を同時に可能にするために、様々なタイプの改変の組み合わせを可能にする。
【背景技術】
【0006】
アデノウイルス(Ad)は、線状二重鎖ゲノムを取り囲む正二十面体タンパク質カプシドを有する。脂質エンベロープは存在しない。カプシドは、構造タンパク質であるヘキソン、ファイバー、ペントン、IIIa、VIIIおよびIXを含む。ファイバーカプシドタンパク質は、ノブドメインを介して宿主細胞への付着を助けると考えられる。Adは、宿主細胞の複製機構を使用して複製することができるようになるために、宿主感染に依存する。7つの「種」A~Gに分類され得る、ヒトアデノウイルスの少なくとも57の血清型、Ad1~57がある。同様に、イヌやウマのAdなどの、動物のAdも存在し、また種々の血清型および「種」へと分類可能である。血清型は一般に、in vitroで細胞の感染を中和する抗血清の能力によって定義される。これらのウイルスは、よく研究および理解されており、高力価で増殖させることができ、分裂細胞と非分裂細胞の両方に感染することができ、エピソームとして宿主細胞に維持することができる。こういった特徴はAdを良好な治療上の選択肢とするが、なぜなら、ほぼすべての試験がAdは安全で忍容性が高いことを示したからである。
【0007】
正二十面体カプシドはいくつかのタンパク質から構成される。ヘキソンは、ウイルスカプシドの20の三角形状面を形成する主たるタンパク質である。ヘキソンタンパク質は三量体を形成し、各三量体は他の6つの三量体と相互作用する。12の頂点は、ペントンカプソメアによって形成されており、3つのファイバータンパク質と5つのペントンタンパク質の複合体である。長いファイバーは、各頂点から伸長し、末端でノブを形成する同一の3つの鎖から構成される。カプシドはまた、マイナータンパク質も含み、そのなかでもとりわけpIIIa、pVI、pVIIIおよびpIXを含む。これらマイナーカプシドタンパク質は、カプシドの内面または外面に位置することができるとともに、構造的な機能を超えてさらなる機能を有することができる。例として、pVIはヘキソンタンパク質の核内移行を容易にする可能性があり、pIXはカプシドへのDNAパッケージングおよび転写活性化に関与する可能性がある。
【0008】
Adは、さらなる遺伝子配列の包含に関するその能力に起因して、遺伝子治療向けに、特に遺伝子送達ベクターとしてよく使用される。2,000を超える遺伝子治療試験がAdを使用して実行されてきた。アデノウイルスベクターは、これらが運搬する導入遺伝子の宿主核への伝達を可能にするが、ウイルスDNAを宿主染色体へと組み込まない。遺伝子治療ベクターとして使用する場合のAdのインサートサイズは大きく、この場合、8~36kbの容量が可能である。
【0009】
腫瘍溶解性アデノウイルスが、がんでの、とりわけ頭頸部がんの処置に使用するために調べられている。腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞に優先的に感染しかつこれを殺滅するが、腫瘍溶解のプロセスは、新しい感染性アデノウイルスビリオンを放出するとともに宿主の免疫系を動員して抗がん応答を高める。腫瘍溶解性アデノウイルスのがん細胞へのターゲティングを確保するために種々の手段が使用されてきたが、これには、カプシドタンパク質への抗体を始めとした融合タンパク質などのアダプター分子の使用、ウイルスカプシドタンパク質を直接改変すること、または転写ターゲティング(transcriptional targeting)を使用することが含まれる。
【0010】
加えて、Adは、強力な抗原特異的B細胞免疫応答およびT細胞免疫応答を誘導する能力を有し、自然免疫応答と適応免疫応答の両方を誘導する能力があるので、有望なワクチン送達媒体として浮上してきた。アデノウイルスベクターは免疫原性が高く、抗原を送達する上で効率的である。しかし、この可能性はまだ完全には実現されていない。アデノウイルスベクターベースのいくつかのワクチン候補が開発され、治験でさらに追求されたが、これらは成功しなかった。メルクによってHIV-1に対して開発された、ヒト血清型5(AdHu5)ベースのワクチンのアデノウイルスは、CD8 T細胞応答を誘導したが、HIV感染を防止することに失敗した。
【0011】
ヒトおよび動物の治療におけるアデノウイルスベースのベクターの成功に対する主たる障害とは、ウイルス特異的抗体による中和である。アデノウイルスによる自然感染は、ヒトおよび動物の集団において高く、したがって、適応免疫系は、中和抗体(NAB)の分泌によって、アデノウイルスベクターの存在を認識しかつこれに応答することができる。同様に、自然免疫系もアデノウイルスベクターへの応答の補助の一因であり得る。例えば、成人人口の50%~90%がAdHu5に対する既存の免疫を有すると推定される。かかる応答は、所望の効果が見られる前に、治療用アデノウイルスベクターを排除することができる。この問題を解決することは、アデノウイルス治療用ベクターがより日常的に使用されることを可能にすると思われる。
【0012】
アデノウイルスベクターの使用において宿主の免疫応答を逃れるために種々のアプローチが取られてきた。一アプローチは、「キメラ」を生成するように、AdHu5の超可変領域(HVR)を別のアデノウイルス血清型由来の超可変領域と交換することであった。このことは、キメラがAdHu5中和抗体を回避することを可能にすることができるが、別の血清型に対する中和抗体の非存在下のみで有効になる。免疫応答を逃れるための改善された手段が望ましい。
【0013】
Adは、アデノウイルスゲノム内に宿主細胞内で発現される抗原の遺伝子配列を含めることにより、ワクチンとして、主にDNAワクチンの送達ベクターとして使用されてきた。ワクチン組成物としてAdを使用することに関する別の方法として、抗原を提示するアデノウイルス粒子自体の使用が挙げられる。このアプローチは、遺伝子融合の使用、カプシドタンパク質に結合する改変抗体の使用、クリックケミストリーなどの装飾の性質に応じて、様々な度合いで成功してきた。免疫原性ペプチドをカプシドに組み込むことは、天然のカプシドタンパク質によって生成される応答と同様な、強力な液性応答を誘導する能力などの潜在的利点を提供する。
【0014】
一アプローチは、ウイルス表面での提示のための免疫原性ペプチドを含むようにアデノウイルスカプシドタンパク質を改変することである。「抗原カプシド組込み(antigen capsid-incorporation)」戦略に対する主たる障害とは、抗原カプシド組込み戦略は、カプシドタンパク質の自然な折り畳みを妨害することも、カプシドタンパク質を一緒に保持する相互作用に影響を及ぼすこともあってはならないので、抗原カプシド組込み戦略が挿入のサイズに課す制限である。さらに、カプシドタンパク質内で抗原を直接コードすることの一欠点とは、個々の抗原それぞれごとにワクチンを最適化するのに必要とされる時間と作業の量である。カプシドタンパク質内への挿入の最適化が不要である、所望の任意の抗原の付着の準備ができた改変カプシドタンパク質を備えるアデノウイルスベクターを製剤化することが望ましいと思われる。かかる「プライムされた(primed)」アデノウイルスワクチン組成物は、個別化されたワクチンの調製に関して言えば、特に有用であると思われ、この場合、ワクチンは、まさに一個体のためにオーダーメードの様式で調製される。後者は、個別化されたがんワクチンに当てはまる場合もあり、または特定の薬剤耐性微生物感染等への免疫応答を高めるのに当てはまる場合もある。
【0015】
実際、ウイルスの中和による、治療用送達媒体としてアデノウイルスを開発することに関する目下の難題、および最も豊富なカプシドタンパク質であるヘキソンを含むカプシドタンパク質の一部へと100個よりも長いアミノ酸の配列を含めることができないことを考慮すると、アデノウイルスベクターの明らかな効果の活用を可能にし、治療薬の個別化を可能にするとともにまたベクターの免疫クリアランスを減少させることにもなるアプローチを開発する差し迫った必要性が依然としてある。抗原、免疫原性ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、抗体、ターゲティング分子、細胞表面マーカー、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質、リポタンパク質等などの実体(entity)による装飾を受け入れる準備ができている改変カプシドタンパク質を有する「プライムされた」アデノウイルスベクターを調製することが望ましいと思われる。「プライムされた」アデノウイルスの生成は、カプシドタンパク質の改変がすでに完了されており、この改変は達成される可能性のあるウイルスカプシドの装飾への制限を減少させることから、労力を要する試行錯誤なしに個別化された治療薬の調製を可能にすることができる。
【0016】
アデノウイルスカプシドタンパク質はこれまで改変されてきた;最も通例には、その作業は、ウイルスベースのベクターの中和に打ち勝つことではなく、ウイルスベクターの自然な向性を変更することである。向性を変更すること、すなわち、ウイルスの増殖をサポートする宿主の特定の細胞および/または組織を変更することが、ウイルスベクターが特定の適応症向けに標的である特定の細胞タイプに送り込まれ得るように行われる。例えば、遺伝子治療アデノウイルスベクターは、網膜細胞のみに方向付けられることを望むなら、適宜に向性は変更され得る。特にワクチンの用途の場合、ウイルスの自然な向性はあまり重要ではない可能性がある、なぜなら、特定の任意の細胞タイプに感染することではなくウイルスが提示している抗原への免疫応答を誘導することが、ウイルスワクチンベクターの目的であるからである。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、装飾の付加の準備ができたベクターを調製するために、ペプチド挿入などの改変をアデノウイルスカプシドタンパク質へと組み込むことに関する。こういった挿入は、サイズが制限されていないモジュール式アセンブリおよびアデノウイルスの表面での外来性実体の提示を可能にする。本発明はまた、調製物の最少量をもって、ワクチン、例えば、個別化されたがんワクチンまたは腫瘍溶解性ウイルスなどのオーダーメードの治療法の調製を可能にする。本明細書に記載のウイルスベクターは柔軟なプラットフォームであり、その結果、同じベクターを使用して多数の様々な治療薬の調製を可能にする。このことは、ウイルスの表面に複数のペプチドパートナーおよびタンパク質パートナーのモジュール式共有結合提示を使用して、初めて実証された新規の技術である。アデノウイルスベクターは、本発明者らによって提案された技術をこれまで使用して首尾よく改変されることはなかった。
【0018】
本発明は、当技術分野にわたって著しい改善を提供する。本発明者らが示すところは、本発明の技術は、中和抗体の影響からアデノウイルスを効果的に遮蔽するタンパク質パートナーペアを通して、カプシドタンパク質への実体の付着を可能にすることである。このような改善は、抗原の付着をもって本明細書で実証されるが、実際には、この遮蔽する効果または遮断する効果を得るように、任意の実体が付着されることがあり得る。とりわけ、本発明者らは、本技術を使用して付加された実体の一部のサイズが大きいにもかかわらず、アデノウイルスの感染力が保持されることに、特に満足する。したがって、本技術は、単にカプシドタンパク質を改変することおよび遮蔽実体(shielding entity)を付加することによって、目下の遺伝子治療ベクターまたは腫瘍溶解性アデノウイルスベクターを改善するために、使用されることがあり得る。
【0019】
ワクチン調製物に関連して、本発明は、提示された抗原に対して免疫応答が生成されることを可能にする。有利には、初めて、本発明者らが実証するところは、強力な中和モノクローナル抗体によるウイルスの中和を遮断するという有利な効果を有するより大きな抗原性タンパク質を用いて、ウイルスの表面が装飾され得るということである。したがって、ウイルスワクチンベクターは、様々な抗原タイプに使用され得るだけではなく、抗原が十分に大きい場合、提示される抗原は、ウイルスワクチンベクターを宿主抗体による中和から保護することもできる。このことは、ウイルスワクチンベクターがより長く持続して免疫応答を誘導することができることを確保することになるとともに、このことは、ベクターの中和に伴う有効性の減少無しで、同じベクターが多重免疫に使用されることを可能にすることもできるであろう。
【0020】
細菌由来の付着タンパク質に基づいた、SpyCatcherおよびSpyTag(WO2011/098772)などのペプチド結合ペアの使用が、組換えタンパク質等を不可逆的にコンジュゲートする技術として確立されてきた。タンパク質間の遺伝子融合を通して達成するのは不可能であると思われる実体間のバイオコンジュゲーションが、ペプチド結合ペアを使用して機能することができる。種々のCatcherとTagのペアが現在利用可能であり、SpyCatcherとSpyTagの改変に基づいているものもあれば、代替細菌タンパク質からの同様の物質に基づいているものもある。
【0021】
アデノウイルスに関連して、本発明者らは、特に抗原のための付着手段の手立てに関連して、アデノウイルスカプシドタンパク質内へのペプチドペアの包含が、想定されるようにルーチンではないことまたは簡単ではないことを見いだした。実際、本発明者らによる研究が示したところは、最もよく利用されるペプチドペア、この場合、ヘキソンカプシドタンパク質へのSpyTagの挿入は、機能性アデノウイルスベクター(SpyCatcherの効果的なカップリングを可能にし、細胞に感染することができるベクター)の形成を可能にしなかったことである。実際、SpyTagが挿入後に反応性不良であったことを示すデータが、改変アデノウイルスの感染力の欠落に関するデータと一緒に、実施例に含まれる。したがって、ペプチドペアリングと、カプシドタンパク質へと挿入されたペプチドパートナーを介する改変カプシドタンパク質への実体の付着とを受け入れる準備ができている改変アデノウイルスベクターに関連して機能するシステムを開発する上で、多大な研究が費やされてきた。
【0022】
発明の概要
本発明の第1の態様によれば、カプシドタンパク質中に少なくとも1つの改変を含む、予防的または治療的アデノウイルス組成物の調製のためのアデノウイルスベクターであって、前記改変はカプシドタンパク質中に第1のペプチドパートナーの包含を含み、前記第1のペプチドは、実体に付着され得る第2のペプチドパートナーと共有結合を形成することができる、アデノウイルスベクターが提供される。
【0023】
改変は、第1のペプチドパートナーとの融合であっても、第1のペプチドパートナーのカプシドタンパク質への挿入であってもよい。
カプシドタンパク質は、いずれのカプシドタンパク質であってもよいが、ヘキソンタンパク質またはpIXタンパク質であることが好ましい。
【0024】
第1のペプチドパートナーおよび第2のペプチドパートナーは、ペプチドパートナーペアを形成し、これは、イソペプチド結合またはエステル結合、好ましくはイソペプチド結合によって共有結合で連結され得る。
【0025】
一態様では、第1のペプチドパートナーは「タグ」パートナーであり、これは、「キャッチャー」である第2のペプチドパートナーにイソペプチド結合またはエステル結合によって共有結合で連結され得る。この態様では、カプシドタンパク質は、ヘキソンタンパク質であることが好ましい。したがって、ヘキソンを改変する第1のペプチドパートナーまたは「タグ」は、DogTag、Isopeptag、Isopeptag-N、SdyTag、PsCsTagまたはJoであることが好ましい。第1のペプチドパートナーまたはタグはSpyTagではないことが好ましい。この実施形態では、SpyTagは、ヘキソンタンパク質へのその挿入過程では未改変である。
【0026】
代替の態様では、第1のペプチドパートナーは「キャッチャー」パートナーであり、これは、「タグ」である第2のペプチドパートナーにイソペプチド結合またはエステル結合によって共有結合で連結され得る。この態様では、カプシドタンパク質はヘキソンタンパク質であることが好ましい。したがって、ヘキソンを改変する第1のペプチドパートナーまたは「キャッチャー」は、DogCatcher、SpyCatcher、SnoopCatcher、Pilin-C、Pilin-N、SdyCatcher、PsCsCatcherまたはInとすることができる。
【0027】
一態様では、第1のペプチドパートナーは「キャッチャー」パートナーであり、これは、「タグ」である第2のペプチドパートナーにイソペプチド結合またはエステル結合によって共有結合で連結され得る。この態様では、カプシドタンパク質はpIXタンパク質であることが好ましい。したがって、pIXを改変する第1のペプチドパートナーまたは「キャッチャー」は、SpyCatcher、DogCatcher、SnoopCatcher、Pilin-C、Pilin-N、SdyCatcher、PsCsCatcherまたはInであることが好ましい。
【0028】
代替の態様では、第1のペプチドパートナーは「タグ」パートナーであり、これは、「キャッチャー」である第2のペプチドパートナーにイソペプチド結合またはエステル結合によって共有結合で連結され得る。この態様では、カプシドタンパク質はpIXタンパク質であることが好ましい。したがって、pIXタンパク質を改変する第1のペプチドパートナーまたは「タグ」は、SpyTag、SnoopTagJr、DogTag、Isopeptag、Isopeptag-N、SdyTag、PsCsTagまたはJoであることが好ましい。
【0029】
一態様では、第1のペプチドパートナーは、ヘキソンタンパク質へと挿入され得、必要に応じて(optionally)、ヘキソンタンパク質への挿入は、最大200個、最大150個または最大100個のアミノ酸の長さとすることができる。ヘキソンタンパク質への挿入は、適当な任意のポイントに、必要に応じて超可変HVRループのうちの任意の1つまたは複数中におけるものであってよい。ヘキソンタンパク質へと挿入された第1のペプチドパートナーは、DogTagとすることができる。DogTagは、DogCatcherとの自発性の共有結合、または触媒であるSnoopLigaseを必要とする反応中にSnoopTagJrもしくはSnoopTagとの共有結合を形成することができる。したがって、DogCatcherまたはSnoopTagJrもしくはSnoopTagは、第2のペプチドパートナーとすることができる。したがって、DogTagまたはSnoopTagJrは第2のペプチドパートナーとすることができる。第2のペプチドパートナーは、抗原などの実体に連結されるかまたは付着されている。本発明者らにとって驚くべきことは、上記のように、SpyTagの挿入が失敗であった後、DogTagをヘキソンカプシドタンパク質へと挿入して、タンパク質パートナーのカプシド提示のための機能性アデノウイルスベクターを形成することができたことである。実施例が示すように、ヘキソンへのDogTagの挿入およびSnoopTagJrまたはDogCatcherとのペアリングは、カップリング後に、試験された細胞においてその感染能力を改変アデノウイルスが保持することを可能にする。広範囲のSnoopTagJrおよびDogCatcherの融合タンパク質は、一部は50kDaを超えるサイズ、効率的にカップリングされ、ウイルス感染力を減少させることなくアデノウイルス上で提示された。アデノウイルスベクターの治療用途が、例えば遺伝子治療のためにまたは腫瘍溶解性ウイルスとして、細胞移入を必要とする場合、感染力の保持は重要である。
【0030】
100個未満のアミノ酸の長さである、ヘキソンタンパク質内に含まれ得る他の第1のペプチドパートナーとしては:
Pilin-CとペアになるIsopeptag
Pilin-NとペアになるIsopeptag-N
SdyCatcherとペアになるSdyTag
PsCsCatcherとペアになるPsCsTag
InとペアになるJo、または
RrgACatcher(本明細書では「DogCatcher」とも表示される)とペアになるRrgATag/RrgATag2/DogTag
が挙げられる。
【0031】
ヘキソンタンパク質内に含まれる、あり得るペプチドパートナーのうち、包含はSpyTagの挿入ではないことが好ましい。この実施形態では、SpyTagは、ヘキソンの種々のHVR内に挿入されたが、SpyCatcherとペアを組むと、感染力を不満足なレベルまでに減少させることが見いだされた。したがって、ウイルスの適合性が損なわれた。
【0032】
別の態様では、第1のペプチドパートナーは、必要に応じてN末端またはC末端で、好ましくはC末端で、pIXカプシドタンパク質に融合され得る。pIXカプシドタンパク質に融合された第1のペプチドパートナーは、SpyCatcher、SnoopCatcherまたはDogCatcherとすることができる。SpyCatcherは、第2のペプチドパートナーをここでは形成するSpyTagと共有結合を形成することができるので、その結果、抗原に付着され得る。SnoopCatcherは、SnoopTagまたはSnoopTagJrのいずれかと共有結合を形成することができ、DogCatcherはDogTagと共有結合を形成することができ、第1のまたは第2のペプチドパートナーとしていずれかの方向性で結合ペアとして使用され得る。第1のペプチドパートナーはまた、DogTag、SpyTag、SnoopTagJrまたはSnoopTagとすることができ、ここで、マッチングする第2のペプチドパートナーは、DogCatcher、SnoopTagJr、SnoopTag、SpyCatcher、DogTag、またはSnoopCatcherである。いずれかの方向性でpIXとの融合に適することができる他のペプチドパートナーペアは:RrgATag/RrgATag2/DogTagおよびRrgACatcher、Isopeptag/Pilin-C、Isopeptag-N/Pilin-N、SdyTag/SdyCatcher、PsCsTag/PsCsCatcherならびにJo/Inである。
【0033】
SpyCatcherのpIXへの挿入は、感染力を保持しながら、HCMV五量体を含めて、SpyTagコンジュゲート実体のカップリングを可能にすることが実証されてきた。
【0034】
SnoopCatcherまたはDogCatcherのpIXへの挿入が特に好ましい可能性があるが、なぜなら、これらは両方とも、良好なアデノウイルス生存可能性を有すると、本明細書において実証されたからである。これらの挿入はさらに、3継代培養を超えて遺伝的に安定である。
【0035】
本発明のいずれかの態様について本明細書で使用される場合、第1のペプチドパートナーとは、適当な条件下でイソペプチド結合またはエステル結合などの共有結合を形成することができるペプチドのペアの一部である。こういったペプチドは、タンパク質タグとキャッチャーのペア、またはタンパク質タグと結合パートナーのペアとしても知られる。第1のペプチドパートナーは、第1のペプチドタグであってもよく、または第1のペプチドキャッチャーであってもよい。各パートナーペアは、タグとキャッチャーを含むことができる。形成される共有結合は、自発的に反応することができる場合があり、またはリガーゼなどの第3の実体の補助を必要とする場合がある。適切なペプチドペアに関する詳細情報は、下に含まれる。
【0036】
前記アデノウイルスベクターは、ワクチンの調製に使用され得る。ワクチンは予防的であっても治療的であってもよい。したがって、本発明は、ワクチンを調製する方法までおよび、かつ本明細書に記載のアデノウイルスベクターの使用を含む。本発明の方法は、第2のペプチドパートナーを介するアデノウイルスベクターへの抗原の付着を含む。前記第2のペプチドパートナーは、抗原に付着されるとともに、好ましくは前記抗原に融合されるとともに、免疫原性アデノウイルスベクター上に存在する第1のペプチドパートナーと共有結合を形成することができる。共有結合、したがって付着は、自発的に起こる場合もあれば、リガーゼなどの結合を容易にするために第3の実体の使用を必要とする場合もある。したがって、抗原はペプチドパートナーペアの手段によってアデノウイルスに付着されており、このペアの第1のパートナーは改変カプシドタンパク質内に含まれる。
【0037】
本発明の別の態様では、カプシドタンパク質中に少なくとも1つの改変を含むアデノウイルスベクターを含むワクチン組成物が提供され、ここで、前記改変は第1のペプチドパートナーの包含を含み、前記第1のペプチドパートナーは、抗原に付着された第2のペプチドパートナーに共有結合されている。前記アデノウイルスベクターは、本明細書に広範に記載される通りである。
【0038】
本発明の別の態様では、ヘキソンカプシドタンパク質中の少なくとも1つの改変から構成される免疫原性アデノウイルスベクターが提供され、ここで、前記改変は:
a. 第1のペプチドパートナー;および
b. 抗原に付着された第2のペプチドパートナー
を含み、ここで、
第1のペプチドパートナーと第2のペプチドパートナーが共有結合を介してカップリングされる。
【0039】
本発明のこの態様の一実施形態では、ヘキソンカプシドタンパク質へと挿入された第1のペプチドパートナーは、200個未満のアミノ酸の長さ、150個未満のアミノ酸の長さ、100個未満のアミノ酸の長さであり、必要に応じて、前記第1のペプチドパートナーはDogTagである。DogTagが第1のペプチドパートナーである場合、第2のペプチドパートナーはDogCatcherまたはSnoopTagJrもしくはSnoopTagとすることができる。DogTagとSnoopTagJrまたはSnoopTagとの間の共有結合の形成を補助するために、リガーゼが活用され得る。
【0040】
ヘキソンへと挿入された第1のペプチドパートナーはまた、SnoopTag、SnoopTagJr、SnoopCatcher、DogCatcher、Isopeptag、Pilin-C、Isopeptag-N、Pilin-N、SdyTag、SdyCatcher、PsCsTag、PsCsCatcher、RrgATag/RrgATag2、RrgACatcher、Jo、またはInのいずれか1つとすることができる。
【0041】
SpyTagは、第2のペプチドパートナーとしてのSpyCatcherとともに、ヘキソンタンパク質中の第1のペプチドパートナーとして使用されないことが好ましい。
本発明の別の態様では、pIXカプシドタンパク質中の少なくとも1つの改変から構成される免疫原性アデノウイルスベクターが提供され、ここで、前記改変は:
a. 第1のペプチドパートナー;および
b. 抗原に付着された第2のペプチドパートナー
を含み、ここで、
第1のペプチドパートナーと第2のペプチドパートナーが共有結合を介してカップリングされる。
【0042】
一態様によれば、第1のペプチドパートナーはSpyCatcherタンパク質とすることができる。このような場合、第2のペプチドパートナーはSpyTagとすることができる。これらのパートナーペア間に形成する共有結合は自発性であり、補助を必要としない。SnoopCatcherまたはDogCatcherは、第1のペプチドパートナーとして同等に活用される可能性があり、この場合、それらのパートナーペアはそれぞれSnoopTag/SnoopTagJrまたはDogTagである。SnoopTagJr/SnoopTagまたはSpyTagは、第1のペプチドパートナーとして同等に活用される可能性があり、それらのパートナーペアはそれぞれSnoopCatcherまたはSpyCatcherである。
【0043】
同等に、以下のペアのいずれか1つが活用される可能性がある:Pilin-CとペアになるIsopeptag
Pilin-NとペアになるIsopeptag-N
SdyCatcherとペアになるSdyTag
PsCsCatcherとペアになるPsCsTag
InとペアになるJo、または
RrgACatcher(DogCatcher)とペアになるRrgATag/RrgATag2/DogTag。
【0044】
本明細書に記載の第1のペプチドパートナーを備えるアデノウイルスカプシドタンパク質への改変のいずれもが、アデノウイルスベクターの構築物を可能にするが、これは効果的に、予防的または治療的組成物を製造するための実体の付加に関して、例えばワクチンを製造するための抗原の付加に関して、「プライムされた」アデノウイルスベクターである。あるいは、アデノウイルスベクターは、アデノウイルスへの宿主抗体の認識および結合を遮断することが唯一の目的である遮蔽実体の付着を受け入れるように、プライムされる。
【0045】
実体は次いで、当該実体に付着された第2のペプチドパートナーとアデノウイルスベクターを接触させることによって、付加され得るが、これは、アデノウイルスベクター上の第1のペプチドパートナーと自発性のまたは補助された共有結合を形成することができる。この技術を使用して、任意の実体も付加され得る。したがって、抗体もしくはその断片、細胞表面マーカー結合剤またはパートナーペアなどの、ターゲティング実体または部分が使用され得る。あるいは、実体は遮蔽実体とすることができる。これらは、無害な、非反応性のまたは無害なタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、糖ペプチド、リポペプチド、多糖または脂質とすることができ、これらの唯一の機能とは、アデノウイルスカプシドを宿主免疫細胞の結合から遮蔽することである。これに関連して、無害な、とは、ワクチン用の抗原またはターゲティング部分などのさらなる機能を有さない実体を意味する。遮蔽実体が行うのは、宿主抗体の結合を可能にしない物理的な遮蔽をカプシドに提供することだけである。それにもかかわらず、本発明者らは、かかる付着とともに感染力を保持することが可能であることを示してきたが、これは驚きである。この効果は、ウイルスカプシドの主成分であるヘキソンへの改変によって特に見られた。
【0046】
アデノウイルスベクターは、複数の実体を付着することによって装飾され得る。アデノウイルスベクターは、多重の実体を付着している可能性がある。各実体は、個別の機能を、例えば、抗原およびターゲティング部分を有することができる。複数の実体が、それぞれ1つずつ別の第2のペプチドパートナーに、付着され得る。このことは単一のアデノウイルスベクターへの、複数の実体の付着を可能にする。様々な実体は、同じ適応症(例えば、同じ疾患向けの様々な抗原)向けであっても、様々な適応症(例えば、単一のアデノウイルスベクター上のはしか、おたふく風邪および風疹などの様々な疾患向けの複合ワクチン組成物)向けであってもよい。
【0047】
全体として、アデノウイルスの自然の向性を変更していることは、ワクチンに関連する本発明の目的ではない。なぜなら、本発明は、特定の細胞タイプにベクターをリターゲットさせることよりもむしろ、提示された抗原に対して抗体またはT細胞を産生させることを意図しているからである。ファイバー成分は、向性の主たる決定因子であると考えられる。本発明者らがヘキソンタンパク質におけるDogTag改変を使用していくつかの実施例に関して見てきたところは、カプシドタンパク質への改変は特定の標的細胞に形質導入する能力にほとんどまたは全く影響を及ぼさないことである。実際、実施例では、DogTagがヘキソンへと挿入され、抗原上のDogCatcherとペアを組んだ場合、HEK293細胞において感染力の低下はなかった。しかし、場合によっては、本発明者らは、改変がHEK293細胞に感染するウイルスの能力に影響を及ぼし得ることを示したが、本明細書では、このことは、ヘキソンへと挿入され、抗原上のSpyCatcherとペアを組んだ場合、SpyTagをもってして実証された。SpyTag-挿入アデノウイルスについては、感染力の、100分の1への低下が見られた。これは望ましくないことであり意外なことである。実際、SpyTagは最もよく使用されるペプチドタグであり、ほとんどの用途にあたり頻繁に好まれることを考慮すると、本発明者らの見解は、パートナーペアを使用するカプシドタンパク質の改変に対して、アデノウイルスが頑固であり得るというものであった。多大な研究を通して初めて、上記のことはすべてのパートナーペアについては成り立たないこと、および特にDogTagがヘキソンタンパク質の実行可能な改変であることが理解された。
【0048】
本明細書に記載の改変アデノウイルスベクターは、野生型カプシドタンパク質、例えば野生型ヘキソンまたは野生型pIXのカプシドタンパク質を備えるベクターに匹敵する生産量をもって容易に生成されるように、注意深く設計されてきた。in vitroでアデノウイルスを作り出す方法は、組換え遺伝子をアデノウイルスへと導入する方法とともに、当業者によく知られる。
【0049】
ウイルスカプシドタンパク質への改変および/または挿入を実施することは困難であり、多くの場合ウイルスの機能および複製にとって破壊的であることが当分野で広く理解される。改変は、アセンブリ過程で、カプシドタンパク質の正しい折り畳みまたはビリオンのカプシド構造内でのその組込みを阻害することがあってはならない。特に抗原提示の場合、提示された抗原の立体構造および位置は免疫系による認識を可能にするとともに、感染性ウイルス粒子の場合、ウイルスベクターが細胞に感染する能力を妨げないように、改変が実施される必要がある。以前の研究は、これらの要件の複雑性を実証してきた。ヘキソンHVRループに関連して、Matthewsらは、ベクターの生存可能性が挿入のサイズに左右されることおよびどのHVRループが標的とされるかを示した。[Matthews QL、ら Optimization of capsid-incorporated antigens for a novel adenovirus vaccine approach.Virol J.2008年8月21日;5:98.doi:10.1186]。同研究はまた、提示されたエピトープによる免疫認識も、挿入された抗原の性質および位置に左右されることを実証した。Guらにおけるなどの他の研究は、効率的なエピトープ提示を容易にするためのリンカー配列の性質および長さの重要性について明らかにした。[Linlin Gu、ら、A recombinant adenovirus-based vector elicits a specific humoral immune response against the V3 loop of HIV-1 gp120 in mice through the 「Antigen Capsid-Incorporation」 strategy、Virol J.2014年6月16日;11:112.doi:10.1186]。本願では、本発明者らは、SpyCatcherのAd5-HVR-SpyTagベクターへのカップリングが効率的ではなく、ベクターの感染力を実質的に妨げ(図2)、一方で、Ad5-HVR-DogTagのDogCatcherへのカップリングは高度に効率的であり、ベクターの感染力を妨げない(図3)ことを示すことによって、この現象を再び実証する。アデノウイルスヘキソン挿入に関連してSpyTag:SpyCatcherカップリングと比較したDogTag:DogCatcherカップリングの優れた効率と有用性は意外であったが、なぜなら、SpyTag:SpyCatcherカップリングは、多種多様な他の状況で高度に効率的であることが示されてきたからである。実際、SpyCatcher:SpyTag技術を使用する500を超える文書化された構築物がある。
【0050】
pIX改変に関連して、研究により、pIXタンパク質はC末端への様々な異なる伸長に耐えることができることを実証されている。しかし、生存可能性、カプシドの安定性、および抗原提示の効率は、融合体の性質と長さに高度に左右される[Igor P.Dmitriev、ら、Engineering of Adenovirus Vectors Containing Heterologous Peptide Sequences in the C Terminus of Capsid Protein IX.J Virol.2002年7月;76(14):6893~9][Nadine C.Salisch、ら、Antigen capsid-display on human adenovirus 35 via pIX fusion is a potent vaccine platform.PLoS One.2017;12(3):e0174728]。
【0051】
本発明のいずれかの態様の一部の実施形態では、ウイルスのカプシドタンパク質における少なくとも1つの改変は、メジャーカプシドタンパク質内またはマイナーカプシドタンパク質内にある。ビリオンの外表面にあるすべてのアデノウイルスタンパク質(ヘキソン、ファイバー、プロテインIXおよびペントン)が改変され得る。
【0052】
一実施形態では、メジャーカプシドタンパク質中の改変はヘキソンタンパク質中にある。
他の実施形態では、マイナーカプシドタンパク質中の改変はpIXタンパク質中にある。
【0053】
本発明のいずれかの態様の場合、少なくとも1つの改変は、カプシドタンパク質への第1のペプチドパートナーの挿入または融合である。好ましくは、少なくとも1つの改変は、アデノウイルスゲノムの遺伝子修飾を介するカプシドタンパク質への第1のペプチドパートナーの挿入または融合である。適切には、改変は、好ましくはヘキソンタンパク質のHVRループのうちの1つまたは複数への、ヘキソンタンパク質における第1のペプチドパートナーの挿入である。したがって、挿入は、第1のペプチドパートナーをN末端またはC末端に融合させることよりはむしろ、ヘキソンタンパク質の配列へと行われ得る。適切には、改変は、pIXタンパク質における第1のペプチドパートナーの融合である。pIX融合の場合、第1のペプチドパートナーは、適切な任意の位置、必要に応じてC末端またはN末端、好ましくはC末端で融合され得る。アデノウイルスを改変する当業者であれば、本明細書で論議のようにウイルスコートタンパク質を改変するために遺伝子修飾を導入する方法を知っていると思われる。
【0054】
本発明のいずれかの態様の一部の実施形態では、共有結合はイソペプチドである。これは、第1のペプチドパートナーの第2のペプチドパートナーへの不可逆的なコンジュゲーションを可能にし、その結果、共有結合で安定化された多タンパク質複合体を形成する。このイソペプチド結合は、自発性であっても、すなわち補助なしであってもよく、補助を、すなわちリガーゼから、必要としてもよい。特定のペプチドパートナーペアは当技術分野でよく知られており、これには、網羅的ではないリスト:SpyTag/SpyCatcherおよびその派生物および改変物、SnoopTag/SnoopCatcher、DogTag/DogCatcher、SnoopTagJr/SnoopCatcher、SnoopTagJr/Dog Tag、Isopeptag/Pilin-C、Isopeptag-N/Pilin-N、SdyTag/SdyCatcher、PsCsTag/PsCsCatcher、RrgATagor RrgATag2/RrgACatcherおよび/またはJo/Inならびにこれらのパートナーペアのいずれかの改変物およびバリアントが含まれる。
【0055】
一実施形態では、第1のペプチドパートナーは、DogTagまたはSpyCatcherとすることができる。あるいは、第1のペプチドパートナーはSpyTagとすることができる。DogTagを挿入されたアデノウイルスカプシドタンパク質は、「Ad-DogTag」という用語が割り当てられる。SpyTagを挿入されたアデノウイルスカプシドタンパク質は、「Ad-SpyTag」という用語が割り当てられる。SpyCatcherと融合されたアデノウイルスカプシドタンパク質は、「Ad-SpyCatcher」という用語が割り当てられる。
【0056】
他の実施形態では、第2のペプチドパートナーは、DogCatcher、SnoopTagJr、またはSpyTagとすることができる。一例では、第1のペプチドパートナーが第2のペプチドパートナーにカップリングし、その結果イソペプチド結合を形成してペプチド:ペプチド結合ペアを作製する。
【0057】
本明細書に提示のデータに関連して、ヘキソンカプシドタンパク質へのDogTagの挿入は、良好に機能するとともに良好な生産量が可能であることが示される(図12)。
本明細書に提示のデータに関連して、pIXへの以下の第1のペプチドパートナーの挿入は実行可能であると実証された:SpyCatcher、SnoopCatcher、DogCatcher、SpyTagおよびSnoopTagJr。図12では、pIXへのSpyCatcherの融合はある特定の状況下では遺伝的に不安定であり得、一方、同じカプシドタンパク質へと挿入されたSnoopCatcherおよびDogCatcherは、ある特定の状況下ではより遺伝的に安定であり、したがって好ましい可能性があることが実証される。しかし、SpyCatcher融合は作動可能であり、図11を参照されたいが、この場合、種々の実体が付着されており、一方でウイルスは感染力を保持している。図14では、pIXへのSnoopTagJrおよびSpyTagの挿入は、抗原などの実体が第2のペプチドパートナーを使用してこれら第1のペプチドパートナーに付着される場合でも、感染生産量に悪影響を及ぼさないことが実証される。Sars-CoV2由来のスパイクタンパク質全体は、500KDaを超えているので、その結果、首尾よく付着された大きな付着物であることに留意されたい。したがって、SpyCatcher、SnoopCatcher、DogCatcher、SpyTagおよびSnoopTagJrが、第1のペプチドパートナーとしてpIXへと挿入され得、最も好ましくは、SnoopCatcher、DogCatcher、SpyTagおよびSnoopTagJrが第1のペプチドパートナーとしてpIXへと挿入され得る。
【0058】
本明細書に記載のペプチド:ペプチド結合ペアの例には、それらに限定されないが、SpyTagおよびSpyCatcher、DogTagおよびDogCatcher、SnoopTag/SnoopTagJrおよびSnoopCatcher;RrgATag/RrgATag2/DogTagおよびRrgACatcher、IsopepTag/IsopepTag-NおよびPilin-CまたはPilin-N、PsCsTagおよびPsCsCatcher;SnoopTagJr/SnoopTagおよびDogTag(SnoopLigaseにより媒介される)ならびにこれらの全システムのバリアント、派生物および改変物が含まれる。適切なペプチドタグ/結合パートナーのペアは、参照により本明細書に組み込まれる、WO2011/09877、WO2016/193746、WO2018/18951およびWO2018/197854に詳細に記載される。
【0059】
したがって、第2のペプチドパートナーは、実体に連結されていても、融合されていてもよい。この実体は、アデノウイルスベクターに付着されることが望まれ、第2のペプチドパートナーへの融合体として生成され得るものであれば何でもよい。実体のタイプは、アデノウイルスベクターが使用される予防的または治療的用途に依存することになる。実体は、リガンド結合ペアの一部、抗体もしくはその断片などのターゲティング部分であっても、細胞表面受容体によって特異的に認識されるその他の任意の実体であってもよい。かかるターゲティング部分は、腫瘍溶解性ウイルスおよび遺伝子治療の用途に有用であり得る。しかし、実体はまた、治療薬が投与される宿主に存在する抗体の結合からアデノウイルスを遮断または遮蔽する機能を単に有することもできる。かかる遮蔽実体は、それがクリアランスを逃れることを可能にする、アデノウイルスカプシドコアへの遮蔽の手立て以外にさらなる機能を有していなくてもよい。この遮蔽実体はアデノウイルスの向性(自然感染力)を変更しないことが好ましい。本発明者らは、付着された遮蔽実体を備える第2のペプチドパートナーのサイズが約15kDaを超える場合、その組み合わせは、改変アデノウイルスが免疫応答をエスケープするのを補助するように見えることを観察した。この観察は図8Aに記録されており、図では、部分的な遮蔽効果がSnoopTagJr-AffiHER2について記される。ゲルの移動から、SnoopTagJr-AffiHER2は約15kDaであると考えられる。この部分的な遮蔽効果は有利であり得る。しかし、付着された遮蔽実体とともに組み合わされた第2のペプチドパートナーのサイズが約25kDaよりも大きい場合、図8Bおよび8Cに示されるように、DogCatcher-NANP9(概25~30kDa)の結果に見られるように、より完全な遮蔽が観察される。ワクチンの場合、本発明者らは、抗原が、宿主における免疫応答を起こすこと、しかしまたアデノウイルス自体への宿主の免疫応答を逃れること、という二重の機能を有する可能性があることを示した。検討中のサイズの実体を共有結合で付着することは以前には不可能であったため、そういった効果は以前には観察されていなかった。
【0060】
したがって、第2のペプチドパートナーは、抗原に連結または融合されるか、または抗原を含むように合成される。抗原は、将来の疾患を予防するように(予防的)、または目下の疾患と闘う上で免疫応答を補助するように(治療的)付着され得る。抗原は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、糖類、多糖等を含めて、適切な任意の組成物とすることができる。この抗原は、自己抗原、がん抗原、アレルゲンである抗原、細菌抗原、真菌抗原、ウイルス抗原、または任意の病原性生物由来の抗原を含めて、適切な任意の抗原とすることができる。抗原は、全(whole)抗原であっても完全な(entire)抗原であってもよく、または抗原は、エピトープなどのそれらの断片であってもよい。抗原は完全に天然であってもよく、改変されたものであってもよい。抗原は、ウイルス抗原であってもネオエピトープであってもネオアンチゲンであってもよい。抗原は、例えば、共有ネオエピトープなどの特定のタイプのがんに共通するものであってもよい。ネオエピトープまたはネオアンチゲンは患者特異的であってもよい。患者特異的抗原は、抗原中の突然変異、例えば、コード配列の変化、フレームシフト突然変異または変更された翻訳後修飾から生じ得る。例えば、野生型SnoopTagJr配列は、ネオエピトープ配列を含むように融合ペプチドとして合成されてきた。別の例では、DogCatcherは抗原に連結されてDogCatcher融合体を形成する。
【0061】
一実施形態では、第1のペプチドパートナーはDogTagであり、第2のペプチドパートナーはDogCatcherである。第1のペプチドパートナーの付着は、例えば、ヘキソンカプシドタンパク質に付着されたDogTagは、ベクターAd-DogTagを形成する。抗原に連結された第2のペプチドパートナーであるDogCatcherにカップリングすると、形成されたワクチンベクターはAd-DogTag:DogCatcher-Antigenと呼ばれる。別の実施形態では、第1のペプチドパートナーはDogTagであり、第2のペプチドパートナーはSnoopTagJrまたはSnoopTagである。ネオエピトープなどの抗原を備えるSnoopTagJrの合成は、SnoopTagJr融合体をもたらす。ネオエピトープなどの抗原を備えるSnoopTagの合成は、SnoopTag融合体をもたらす。SnoopTagJr融合体またはSnoopTag融合体のいずれかのベクターAd-DogTagへのカップリングは、それぞれ、Ad-DogTag:SnoopTagJr-融合体またはAd-DogTag:SnoopTag-融合体と呼ばれるベクターをもたらす。この反応は、DogTagとSnoopTagJr融合体またはSnoopTag融合体との間のカップリングを容易にするためにSnoopLigaseを必要とする。DogTagは、ヘキソンカプシドタンパク質に、必要に応じてHVRループに付着されることが好ましいとし得る。一部の実施形態では、DogTagは、同じヘキソンタンパク質内の複数のHVRループを改変するように、使用され得る。このことは、ウイルスカプシドへの付着の機会を向上させることができる。
【0062】
別の実施形態では、第1のペプチドパートナーはSpyCatcherであり、第2のペプチドパートナーはSpyTagである。SpyTagは抗原に連結されて、Ad-SpyCatcher:SpyTag-Antigenを形成する。したがって、第1のペプチドパートナーは、当技術分野で「タグ」または「キャッチャー」と称されるもののいずれかとし得るが、この場合、第2のペプチドパートナー成分はこのペアのパートナー、それぞれ「キャッチャー」または「タグ」である、ことがわかり得る。本明細書では、両方とも、カプシドタンパク質を改変するか、または抗原に付着されたかのいずれかの方向性で提供され得るので、タンパク質パートナーに指定される。第1のペプチドパートナーの第2のペプチドパートナーへのカップリングは、免疫原性アデノウイルスウイルスタンパク質の表面での抗原の提示を可能にする。この実施形態では、カプシドタンパク質はpIXであることが好ましい。pIXに関連して使用され得る他の「第1のペプチドパートナー」と「第2のペプチドパートナー」の組み合わせは、一次パートナーSnoopTagJrと二次パートナーSnoopCatcher、一次パートナーSpyTagと二次パートナーSpyCatcher、一次パートナーSnoopCatcherと二次パートナーSnoopTagJrまたは一次パートナーDogCatcherと二次パートナーのDogTagである。
【0063】
別の実施形態では、pIXへと挿入された第1のペプチドパートナーは、SnoopCatcher、DogCatcher、SpyTagおよびSnoopTagJrのいずれか1つとすることができる。これらはすべて、良好な生産量の生存可能性を伴う効果的な挿入であることが実証されており、所望の実体でアデノウイルスの装飾を可能とするように、それらそれぞれの第2の結合ペアにとって利用可能である。本明細書全体を通して、それぞれの第2のペプチドパートナーが論議される。結果としてのアデノウイルスは、「Ad-SnoopCatcher」、「Ad-DogCatcher」、「Ad-SpyTag」および「Ad-SnoopTagJr」と称され得る。あるいは、これらは、「Ad pIX-SnoopCatcher」、「Ad pIX-DogCatcher」、「Ad pIX-SpyTag」および「Ad-pIX SnoopTagJr」と命名され得る。
【0064】
一部の実施形態では、第2のペプチドパートナーと、抗原などの付着/装飾用の付着された実体との組み合わせは、著しいサイズであり、例えば、それは、20kDa、25kDa、30kDa、40kDa、50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDa、110kDa、120kDa、130kDa、140kDa、150kDa、または160kDa、170kDa、180kDa、190kDaを超えまたはそれよりも多く、例えば、200kDaを超える、300kDaを超えるまたは400kDaを超えるサイズである。改変アデノウイルスのかかる装飾は重要であり、なぜなら、カプシドタンパク質自体によって課せられるサイズ制限のせいで、このタイプの付加は、遺伝子融合を使用しては不可能であるからである。本発明者らが示したところは、少なくともおよそ25~30kDaの第2のペプチドパートナー実体の付加が、中和抗体からアデノウイルスを遮蔽するという有益な効果を有することである。したがって、遮蔽効果を提供するために、第2のペプチドパートナーに付着された実体の組み合わせサイズは、15kDaよりも大きい、好ましくは20kDaよりも大きい、必要に応じて25kDaのサイズよりも大きい、必要に応じて少なくとも30kDaのサイズであることが好ましい。
【0065】
本発明者らが実証したところは、本発明の方法を使用するアデノウイルス粒子に付着されたより大きな実体(約30kDaを超える)を用いて、本発明の装飾されたアデノウイルスが、アデノウイルスへの通常の宿主免疫応答を逃れることができることである。なぜなら実体が宿主免疫系による抗体中和からアデノウイルスを遮蔽するからであると仮定される。アデノウイルス粒子自体に対する宿主免疫の逃避は、親アデノウイルス株に以前に曝露された個体においてさえアデノウイルスベクターが有効であることを可能にするので、有用であり得る。ヒト集団の大きな割合がアデノウイルスによって以前に感染されたと予想されることを考慮すると、逃避は従来技術を越えて有用な改善となると思われる。予防的または治療的アデノウイルスベクターの宿主免疫クリアランスは、現在の治療法が診療所まで届くことに対する主たる障害である。したがって、本発明は主に、任意のアデノウイルスベクターを宿主免疫系から遮蔽する方法として使用され得る。有利には、本発明の技術を使用して付着された実体はそれ自体、治療効果を、例えば、ワクチン用の抗原、または遺伝子治療もしくは腫瘍溶解性ウイルスにおける細胞ターゲティング用のターゲティング部分を有することができる。
【0066】
他の実施形態では、DogTagは、ヘキソンカプシドタンパク質の表面ループへと挿入される。ヘキソンは、ビリオンあたり概720コピーを備えるアデノウイルスカプシドタンパク質の主成分である。このことは、100%のヘキソンタンパク質がペプチドタグとカップリングされると仮定すると、ビリオンあたり最大720個のリガンドの提示を可能にする。したがって、DogTagは一部の実施形態において第1のペプチドパートナーである。一実施形態では、DogTagはヘキソンの少なくとも1つのHVRループへと挿入される。
【0067】
他の実施形態では、SpyCatcherは、アデノウイルスマイナーカプシドタンパク質pIXのC末端に融合される。pIXカプシドタンパク質に融合された第1のペプチドパートナー、例えば、SpyCatcherの付着は、ベクターAd-SpyCatcherを形成する。抗原に連結された第2のペプチドパートナーSpyTagにカップリングすると、形成されるワクチンベクターはAd-SpyCatcher:SpyTag-Antigenと呼ばれる。
【0068】
別の実施形態では、pIXへと挿入された第1のペプチドパートナーは、SnoopCatcher、DogCatcher、SpyTagおよびSnoopTagJrのいずれか1つとすることができる。結果としてのアデノウイルスは、「Ad-SnoopCatcher」、「Ad-DogCatcher」、「Ad-SpyTag」および「Ad-SnoopTagJr」と称され得る。あるいは、これらは、「Ad pIX-SnoopCatcher」、「Ad pIX-DogCatcher」、「Ad pIX-SpyTag」および「Ad-pIX SnoopTagJr」と命名され得る。それぞれのペプチドペアにカップリングすると、これらは:「Ad-SnoopCatcher:Snooptag」、「Ad-DogCatcher:DogTag」、「Ad-SpyTag:Spycatcher」および「Ad-SnoopTagJr:SnoopTag」を形成することができる。任意の実体が、第2のペプチドパートナーに付着され得る、例えば、ワクチン組成物用の抗原である。
【0069】
本明細書で使用される場合、コロン「:」とは、ペプチドペア間の共有結合の存在を指す。
したがって、本発明の別の態様では、本発明によるアデノウイルスベクターを含む組成物が提供される。組成物は、好ましくは免疫原性である。前記アデノウイルスベクターは、改変カプシドタンパク質を含み、ここで、前記改変は、実体の付着を受け入れるようにベクターをプライムする。改変カプシドタンパク質は、第1のペプチドパートナーの融合または挿入を伴う。次いで、治療用または予防用ウイルスが、抗原などの実体に付着されている不可欠な第2のペプチドパートナーを付加することによって調製され得る。一緒に第1のペプチドパートナーと第2のペプチドパートナーは、自発的にまたはリガーゼなどの第3の実体により補助されるかのいずれかで、共有結合を形成する。したがって、治療的または予防的組成物では、カプシドタンパク質は、抗原などの実体に付着された第2のペプチドパートナーに共有結合で連結された第1のペプチドパートナーの包含によって改変される。付着された実体が抗原である場合、組成物はワクチン組成物である。これは、本発明の技術の好ましい使用であり、なぜなら、アデノウイルス自体の免疫原性が高いという性質を活用するからである。実際、図10では、抗原をベクター(この場合はペプチド抗原)に付着することは、ペプチドとアデノウイルスが別々の実体として一緒に提供される場合の結果と比較して、有利であることがわかる。
【0070】
本発明の別の態様では、本発明によるアデノウイルスベクターを生成する方法が提供される。
別の態様では、本発明によるアデノウイルスベクターを抗原に付着された第2のペプチドパートナーと混合することを含むワクチンを生成する方法が提供される。前記方法は、リガーゼなどの第3の実体またはヘルパー実体の使用を必要とする場合がある。
【0071】
さらなる態様では、本発明によるアデノウイルスベクターを、ターゲティング部分などの実体または遮蔽実体に付着された第2のペプチドパートナーと混合することを含む腫瘍溶解性ウイルスを生成する方法が提供される。前記方法は、リガーゼなどの第3の実体またはヘルパー実体の使用を必要とする場合がある。ターゲティング部分は、ウイルスが標的の細胞または組織タイプへと送り込まれることを可能にする適切な任意の実体とすることができる。有利には、前記部分はまた、改変アデノウイルスへの宿主抗体の結合を遮断する。あるいは、遮蔽実体は単に、すでに標的化された腫瘍溶解性ウイルスが免疫応答をエスケープする助けとなるだけである。
【0072】
さらなる態様では、本発明によるアデノウイルスベクターをターゲティング部分に付着された第2のペプチドパートナーと混合することを含む遺伝子治療ベクターを生成する方法が提供される。前記方法は、リガーゼなどの第3の実体またはヘルパー実体の使用を必要とする場合がある。ターゲティング部分は、ウイルスが標的の細胞または組織タイプへと送り込まれることを可能にする適切な任意の実体とすることができる。有利には、前記部分はまた、改変アデノウイルスへの宿主抗体の結合を遮断する。当業者であれば、アデノウイルスの多数の遺伝子治療の使用を知っている。本発明は、免疫系からベクターを遮蔽するために、および/またはベクターのターゲティングを補助するために使用され得る。
【0073】
本発明の別の態様では、疾患の予防および/または処置で使用するための、本発明による免疫原性アデノウイルスベクターを含むワクチンが提供される。適切には、前記ワクチンは、本発明のいずれかの態様または実施形態による免疫原性アデノウイルスベクターを含む。適切には、ワクチンは、ヒトおよび動物を含めて哺乳動物で使用するためのものである。適切には、ワクチンは、ヒト、例えば、小児、成人、生殖年齢にある女性または妊婦で使用するためのものである。別の態様では、本発明は、免疫原性応答を、例えば、防御免疫応答を誘導する方法を提供し、ここで、方法は、本発明のいずれかの態様または実施形態による組成物を投与することを含む。さらなる態様では、本発明は、1つまたは複数の腫瘍特異的突然変異を標的とするがんワクチンを提供し、したがって、がん細胞への免疫応答の特異的ターゲティングを可能にする。個別化されたがんワクチンも企図される。かかるワクチンは、その患者のがん細胞上に特異的に存在する1つまたは複数の抗原を含む。これは、ワクチンが、患者が有する特定のがんに合わせて個別化されることを意味する。これらの腫瘍関連またはがん関連抗原は、がん細胞によって新たに発現される抗原であるネオアンチゲンとすることができる。
【0074】
本発明の別の態様では、本発明によるアデノウイルスベクターを含むキットが提供される。キットはまた、抗原に連結された第2のペプチドパートナー、抗原へのタンパク質融合の準備ができた第2のペプチドパートナー、または抗原用の遺伝子への第2のペプチドパートナーの遺伝子融合を可能にするための第2のペプチドパートナー用の遺伝子配列を含むことができる。
【0075】
本発明はまた、ワクチンの調製のためのキットにまでおよび、前記キットは本明細書に記載のアデノウイルスベクターを含む。また、前記キットには、抗原と融合する準備ができた、第2のペプチドパートナー用の遺伝子配列が存在し得る。さらなる構成要素は、使用のための取扱説明書とすることができる。また、ペプチドパートナーペア間の共有結合を容易にするのに必要な第3の実体も含まれ得る。
【0076】
本発明の別の態様では、本発明によるアデノウイルスベクターを含むキットが提供される。キットはまた、ターゲティング部分に連結された第2のペプチドパートナー、ターゲティング部分へのタンパク質融合の準備ができた第2のペプチドパートナー、またはターゲティング部分用の遺伝子への第2のペプチドパートナーの遺伝子融合を可能にする第2のペプチドパートナー用の遺伝子配列を含むことができる。
【0077】
本発明はまた、腫瘍溶解性ウイルスの調製のためのキットにまでおよび、前記キットは本明細書に記載のアデノウイルスベクターを含む。また、前記キットには、ターゲティング部分と融合する準備ができた、第2のペプチドパートナー用の遺伝子配列が存在し得る。さらなる構成要素は、使用のための取扱説明書とすることができる。また、ペプチドパートナーペア間の共有結合を容易にするのに必要な第3の実体も含まれ得る。この場合のアデノウイルスベクターは、複製可能となるはずであり、感染したがん細胞の破壊を確保する遺伝子を含むように改変され得る。
【0078】
本発明者らは、ペプチド結合パートナーが、特にウイルス様粒子での使用のために、ワクチン調製においてこれまで使用されてきたことを知っている。しかし、この技術は、ウイルスベクター自体が生み出す免疫応答に起因してワクチン調製において違った有用性を持つ可能性があるウイルスベクターの使用とはまったく別である。ウイルスベクターは、細胞質および多くの場合核への侵入を獲得する点でも効率的であり、このことは、ウイルス様粒子と比較して、ウイルスベクターへの細胞傷害性T細胞応答の増強をもたらす。多くの感染症の場合およびがんの場合、細胞傷害性T細胞応答は防御免疫の主たる成分である。ウイルス様粒子(VLP)は、そのサイズ(約20~200nm)、その形状およびその反復タンパク質配列においてウイルスに似ているが、病原体由来の任意の遺伝物質を欠く。したがって、その合成方法およびVLPからワクチンを調製する上で直面する課題は、調製の方法およびウイルスベクターからワクチンを調製することで直面する課題とは極めて異なる。これらのペプチドパートナーペアは、免疫原性ウイルスベクター中のカプシドタンパク質を改変するためにこれまでには使用されておらずまたはそのための使用について提案されていなかった。
【0079】
さらに、本発明者らは、他の例は、他のウイルスの表面を改変するために、ペプチド結合パートナー、とりわけSpyTagを使用してきたことを知っている。他のグループによって改変向けに選択されたその他のウイルスは、アデノウイルスに伴う手元の課題とは異なる課題を提示する。第1に、以前に改変されたウイルスの大多数はエンベロープ型である。したがって、脂質エンベロープの一部であるタンパク質上で改変が行われている。アデノウイルスでは、本発明者らが見いだしたことは、非エンベロープ型ウイルスにおいてカプシドタンパク質を改変することは、予想されるほど簡単ではないこと、ならびに、構造上の制約とは、場合によっては、改変を含みかつ感染力を満足のいくレベルに保持することが不可能であることを意味することである。さらに、共有結合を形成するペプチドパートナーペアを用いてウイルスを改変するように実行された以前の研究は、ウイルスをリターゲティングすることまたは向性を変更することに焦点を合わせていた。このようなことは、免疫応答を起こすためにカプシド表面で抗原を正確に提示することであるという、本願の主たる焦点とは異にするものである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1-1】図1A-Dは、ヘキソンHVRループへのSpyTagまたはDogTagの挿入を介するアデノウイルスカプシドのモジュール式共有結合装飾の図である。図1は、本発明の実施形態の4つの表現を示す図である。図1A)イソペプチド結合を介するSpyCatcherのSpyTagとの反応の図である。図1B)イソペプチド結合を介するDogCatcherのDogTagとの反応の図である。図1C)SnoopLigaseによって触媒されるSnoopTagJrとDogTag間のカップリング反応の図である。
図1-2】図1D)モジュール式ヘキソン装飾であり、ウイルスカプシド上のDogTagの表面提示およびそれに続くSnoopTagJrまたはDogCatcherを介するペプチドまたはタンパク質抗原のカップリングを示す図である。
図1-3】図1E)超可変領域(HVR)ループ1、2および5の位置を指示するアデノウイルスヘキソンタンパク質の多重配列アラインメントならびに各遺伝子座にてのSpyTagまたはDogTagの挿入に先立つ挿入部位で生成された欠失の図である。影付きの残基は、Ad5とは違う残基の同一性を示す。以下のヒトアデノウイルス血清型からのヘキソン配列が示される;Ad5とAd2(種C)、Ad12とAd18(種A)、Ad3とAd35(種B)、Ad4(種E)、Ad40とAd41(種F)。指示された挿入部位は、試験された3つのHVRのそれぞれにてのSpyTagとDogTagの組換え体の間で同一であることに留意されたい。各遺伝子座で、SpyTag配列またはDogTag配列はGSGGSG配列によって隣接される。SG配列によって隣接される。
図2A図2A-Dは、Ad5 HVRループへの挿入の後のSpyTagの反応性の図である。図2A:SpyCatcherとともに4℃で16時間インキュベートしたループHVR1、HVR2またはHVR5(1E+10ウイルス粒子)においてSpyTagを提示するAd5のSDS-PAGEおよびクマシー染色解析の図である。
図2B図2B図2Aに示される試料のベクター感染力アッセイの図である。データは、2回重複のウェルについて感染単位(ifu)毎mlの平均+範囲を示す。
図2C図2(C-D):HVR1でSpyTagを提示するAd5(GFP)ベクター(Ad5(GFP)HVR1-SpyTag)(1E+10ウイルス粒子)を、示すように様々な条件下で15μMまたは40μMにてのビオチン化SpyCatcherとともにインキュベートした。図2C:SpyCatcherとともに20℃もしくは37℃で3時間、または20℃もしくは4℃で16時間インキュベートしたSpyTagを提示するAd5のSDS-PAGEクマシー染色解析の図である。
図2D図2D図2Cに示される同じ試料で実施されたベクター感染力アッセイの図である。データは、2回重複のウェルについて平均+範囲を示す。
図3A図3A-Dは、Ad5 HVRループへの挿入の後のDogTagの反応性の図である。図3A:ヘキソン表面(HVR1、2、または5において)でDogTagを提示するAd5ベクターと、未改変のヘキソン(WT)を備えるAd5ベクターとの生産量比較の図である。各ベクターバッチのP:I比(UV分光光度法により算出された総ウイルス粒子のGFPフォーカスアッセイにより算出された感染単位に対する比)は、各バーの上に指示される。
図3B図3B:DogCatcher(5μM)とともに4℃で16時間インキュベートした、HVR1、HVR2またはHVR5(1E+10ウイルス粒子)でDogTagを提示するAd5のSDS-PAGEおよびクマシー染色解析の図である。
図3C図3C図3Bに示される試料で実施したベクター感染力アッセイの図である。データは、3回重複ウェルの平均+SDを示す。
図3D図3D:4℃で0.1、1または16時間、DogCatcherとともにインキュベートした、DogTagを提示するAd5のSDS-PAGEおよびクマシー染色の図である。
図4A図4A-Cは、SnoopLigaseによって方向付けられたSnoopTagJrとのAd5 HVR-DogTagの反応性の図である。図4A:SDS-PAGEおよびクマシー染色によって評価された、SnoopLigaseによって触媒される、異なるHVRループへと挿入されたDogTagとの、HER2(SnJr-AffiHER2)へのアフィボディに融合されたSnoopTagJrの反応性の図である。
図4B図4B-C:Ad5(GFP)HVR5-DogTagとのSnJr-AffiHER2の反応性の温度依存性の図である。図4B:SnoopLigaseによって4℃または20℃で触媒される、SnJr-AffiHER2とAd5(GFP)HVR5-DogTagの間の反応のSDS-PAGEおよびクマシー染色解析の図である。
図4C図4C図4Bに記載の同じ試料で実施されたベクター感染力アッセイの図である。データは、2回重複のウェルの平均+範囲を示す。
図4D図4D:SnoopLigase媒介性反応性に及ぼすグリセロール(15%w/v)および塩添加の影響に関するSDS-PAGEおよびクマシー染色解析の図である。
図5A図5A-Bは、非蛍光組換えベクターの抗ヘキソン免疫染色アッセイを使用するベクター感染力の評価の図である。図5A:WTヘキソンタンパク質を備えるAd5ベクターまたはHVR5でDogTagを提示するAd5ベクターを感染させたHEK293A細胞の抗ヘキソン免疫染色の図である。4×対物レンズを使用する明視野顕微鏡画像、ヘキソン陽性細胞は黒で示される。スケールバー=1000μm。
図5B図5B:GFP蛍光とヘキソン免疫染色アッセイの両方を使用するAd5(GFP)ヘキソンWTとAd5(GFP)HVR5 DogTagとの感染力価の比較の図である。両アッセイは、同じプレート上の同じウェルを使用して実施した、n=4。両側t検定を実施したが、群間で統計学的に有意な差は観察されなかった。バーは平均±SDを示す;ドットは、個々のウェルからのスポットカウントを表す。
図6A図6A-Fは、SnoopTagJrタグペプチドとのヘキソンループへと挿入されたDogTagの反応性の図である。図6A:SnoopLigase(SnL)によって触媒される、ヘキソン-DogTag(ヘキソン-DT)へのSnoopTagJr-ペプチド(SnJr-ペプチド)カップリングの効率を評価するためのDogCatcher(DC)を使用する競合アッセイの例示の図である。
図6B図6B:DogCatcher競合アッセイを使用するSnoopTagJr-hTERTペプチドのヘキソン-DTへのカップリング効率のSDS-PAGEおよびクマシー解析の図である。
図6C図6C:DogCatcher競合アッセイを使用するSnoopTagJr-SIINFEKLペプチド(PEP1;SnJr-GGS-SIINFEKL.PEP2;SnJr-AAY-SIINFEKL)のヘキソン-DTへのカップリング効率のSDS-PAGEおよびクマシー解析の図である。
図6D図6D:抗ヘキソン抗体を使用するウエスタンブロッティングによる一価ストレプトアビジン(mSA)直接ゲルシフトアッセイを使用するヘキソン-DTへのSnJr-ペプチドカップリングの評価の例示の図である。煮沸後に添加した場合、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用はSDS-PAGE上で安定である。
図6E図6E:mSAを用いた直接ゲルシフトアッセイを使用するAd5-DTへのSnJr-ビオチンカップリングのSDS-PAGEおよびクマシー解析の図である。
図6F図6F図6Cに示される同じ試料で実施されたベクター感染力アッセイの図である。バーは、2回重複のウェルの平均と範囲を示す。
図7A図7A-Cは、Ad5 HVR DogTagのDogCatcher融合タンパク質へのカップリングの図である。図7A:3つのDogCatcher融合構築物;熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のスポロゾイト周囲タンパク質(PfCSP)、アイソレート3D7、に由来するNANP9、NANP18、およびNANPDの例示の図である。NDVPおよびNANPのテトラペプチド反復が例示される。
図7B図7B:ヘキソンHVR5ループへと挿入されたDogTagとのDogCatcher-NANPnの反応性のSDS-PAGEおよびクマシー解析の図である。
図7C図7C図7Bに示される同じ試料で実施されたベクター感染力アッセイの図である。バーは、2回重複のウェルの平均と範囲を示す。表面装飾のサイズ:DogCatcher-NANP9(およそ25~30kDa)、DogCatcher-NANP18(およそ35~40kDa)およびDogCatcher-NANPドメイン(およそ60kDa)。
図8A図8A-Cは、ウイルス中和抗体の効力を減少させる、ヘキソンを介するAd5の表面へのイソペプチド結合を介するカップリングの図である。図8A:ウイルス中和抗体の効力を減少させる、ヘキソンを介するAd5の表面へのSnoopLigaseを介するカップリングの図である。アデノウイルスヘキソン(mAb 9C12)を標的とする、様々な濃度のモノクローナル抗体の存在下で、アデノウイルスを細胞に添加した。細胞内で発現したアデノウイルスコード化GFPの蛍光から、増殖性アデノウイルス感染が検出された。Ad5-DT単独、Ad5-DT+SnJr-AffiHER2およびAd5-DT+SnL+SnJr-AffiHER2の蛍光の強度。図8B図8Aにおけるように解析された、ウイルス中和抗体の効力を減少させる、ヘキソンを介するAd5の表面へのDogCatcher-NANPnのカップリングの図である。Ad5-DT単独、またはAd5 DogTagにカップリングされたDogCatcher-NANPnからの蛍光の強度。図8C:アデノウイルス中和血清の様々な希釈液の存在下で、アデノウイルスを細胞に添加した。細胞内で発現したアデノウイルスコード化GFPの蛍光から、増殖性アデノウイルス感染が検出された。Ad5-DT単独、またはAd5 DogTagにカップリングされたDogCatcher-NANPnの蛍光の強度。A~Cでは、バーは2回重複の値の平均と範囲を指示する。
図8B図8Aの説明と同じ。
図8C図8Aの説明と同じ。
図9図9:SKOV3細胞のヒト凝固第X因子依存性ベクターの形質導入の図である。Ad5(GFP)-DogTag(Ad5)またはAd5(GFP)-DogTag:DogCatcher-NANP18(Ad5-NANP18)ベクター(2E+9ウイルス粒子)を、無血清培地で37℃で2時間SKOV3細胞上で、ヒト凝固第X因子(8μg/mL)の存在下または非存在下でインキュベートした。次いで、培地を新鮮な完全培地に交換し、プレートをさらに48時間インキュベートした。次いで、蛍光顕微鏡によるGFP陽性フォーカスの計数によって感染力価を算出した。試料は2回重複でプレーティングし、バーはデータ値の平均と範囲を示す。
図10-1】図10A-Cは、カプシド提示ペプチドと内部コード化GFP抗原の両方に対してCD8 T細胞応答を生み出す、カプシド表面でSIINFEKLペプチドを提示するAd5(GFP)ベクターの図である。図10A:Ad5表面提示のペプチド抗原へのCD8 T細胞応答を評価するためのマウス免疫原性実験向けの設計および免疫スケジュールの図である。カプシド表面へのペプチドエピトープの物理的付着の重要性を確認するために、付着されたSIINFEKLを備えるAd5(GFP)HVR5 DogTag(Ad5-DT:SIINFEKL)の投与後の、SIINFEKL特異的T細胞応答を、遊離SIINFEKLペプチドとのAd5(GFP)HVR5 DogTag(Ad5-DT)の共投与(群1および2、vs群3)と、ならびに、ポリI:Cアジュバントを伴うSIINFEKLペプチド(群4)と、比較した。
図10-2】図10B:SIINFEKLへの脾臓のエクスビボIFNγ-ELISPOT応答(100万個の脾臓細胞あたりのスポット形成細胞)の図である。図10C:エピトープDTLVNRIEL(EGFP118~126)への脾臓のエクスビボIFNγ-ELISPOT応答の図である。図10Bおよび図10Cでは、スポットは個々の動物における応答を表し、一方、バーは範囲とともに中央値を表す。
図11A図11A-Dは、pIXのC末端にてのSpyCatcherの融合を介するアデノウイルスカプシドのモジュール式共有結合装飾の図である。図11A:モジュール式アデノウイルスカプシド装飾の図であり、pIXへの融合を介するウイルスカプシド上のSpyCatcherの表面提示およびそれに続くSpyTagを介するペプチドまたはタンパク質抗原のカップリングを示す図である。
図11B図11B:SpyTag-マルトース結合タンパク質(SpyTag-MBP、5μM)またはSpyTag-ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)五量体(SpyTag-五量体、2.5μM)と4℃で16時間カップリングされたAd5(GFP)pIX-SpyCatcherのSDS-PAGE解析の図である。gHは、SpyTagを含有する五量体サブユニットである。抗SpyCatcherポリクローナルマウス血清を使用してウエスタンブロッティングによって、タンパク質を検出した。
図11C図11C:SpyTag-ペプチドにカップリングされたAd5(GFP)pIX-SpyCatcherのSDS-PAGE解析の図である。一価のストレプトアビジン(mSA)を添加して、クリアなゲルシフトを誘導し、抗SpyCatcherポリクローナルマウス血清を使用してウエスタンブロッティングによってタンパク質を検出した。
図11D図11D図11Bおよび図11Cに示される同じ試料で実施されたベクター感染力アッセイの図である。バーは、3回重複のウェルの平均とSDを示す。
図12A図12A-Bは、pIXのC末端に融合されたSpyCatcher、SnoopCatcherまたはDogCatcherを備える、様々な組換えアデノウイルスベクターの生存可能性、遺伝的安定性、および生産量の図である。図12A:HEK293A細胞におけるベクターの生存可能性および遺伝的安定性(>3継代培養後)に関する対応情報を伴う、pIXのC末端に融合されたSpyCatcher、SnoopCatcherまたはDogCatcherのバージョンを備える様々なAd5(GFP)ベクターのpIXアミノ酸配列の概略図である。SpyCatcher dN1(デルタ N1)とは、本文書からのその他の図で使用されるSpyCatcherの同じN末端短縮化バージョンを指す。SpyCatcher dN1dC2(デルタ N1、デルタ C2)とは、さらなるC末端短縮化を有するSpyCatcherのより短いバージョンを指す。
図12B図12B:pIXのC末端にてSpyCatcher、SnoopCatcherまたはDogCatcherを提示する生存可能なAd5ベクター(図12Aに指示される)の生産量比較の図である。pIX-Catcher融合体を備えるベクターの生産量が、等量の培養細胞および同じベクター回収/精製プロトコルを使用して、Ad5(GFP)HVR5 DogTagと比較される。SnoopCatcherとDogCatcherの融合体の場合、バーはn=2バッチの平均と範囲を指示する。
図13A図13A-Cは、pIXのC末端に融合されたSnoopCatcherおよびDogCatcherの反応性の図である。図13A:SARS CoV2(Spike)からの全長スパイクタンパク質に融合されたSnoopTagJrまたはSARS CoV2 spikeの受容体結合ドメイン(RBD)に融合されたSnoopTagJrとの、Ad5(GFP)pIX-SnoopCatcherベクターの反応性の図である。Ad5(GFP)pIX-SnoopCatcher(3E+9ウイルス粒子)を4℃で16時間、単独でインキュベートするか、またはSpike-SnoopTagJr(0.75μM)もしくはRBD-SnoopTagJr(5μM)とともに共インキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、SnoopCatcherに対して反応性を有するポリクローナルマウス血清を使用してウエスタンブロッティングを実施した。pIX-SnoopCatcher(pIX-SnC)、pIX-SnoopCatcher:SnoopTagJr-RBD(pIX-SnC:SnJr-RBD)およびpIX-SnoopCatcher:SnoopTagJr-Spike(pIX-SnC:SnJr-Spike)を表す種が指示される。
図13B図13B図13Aに示される同じ試料を使用して実施されたベクター感染力アッセイの図である。バーは、3回重複の試料の平均とSDを示す。
図13C図13C:低分子ユビキチン修飾因子(SUMO)に融合されたDogTagとのAd5(GFP)pIX-DogCatcherベクターの反応性の図である。Ad5(GFP)pIX-DogCatcher(1E+9ウイルス粒子)を4℃で16時間、単独でインキュベートするか、またはSUMO-DogTag(17μM)とともに共インキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、DogCatcherに対して反応性を有するポリクローナルマウス血清を使用してウエスタンブロッティングを実施した。pIX-DogCatcher(pIX-DC)およびpIX-DogCatcher:DogTag-SUMO(pIX-DC:DT-SUMO)を表す種が指示される。
図14A図14A-Cは、pIXのC末端に融合されたSnoopTagJrおよびSpyTagの反応性の図である。図14A:pIXのC末端に融合されたSnoopTagJrまたはSpyTagを提示するAd5ベクターの生産量比較の図である。両ベクターは、pIXとTagの間にGGS(EAAAK)3 GSリンカー配列を有する。pIX-Catcher融合体を備える、HEK293A細胞におけるベクターの生産量が、等量の培養細胞および同じベクター回収/精製プロトコルを使用して、Ad5(GFP)HVR5 DogTagと比較される。
図14B図14B:SARS CoV2 RBDに融合されたSnoopCatcherとのAd5(GFP)pIX-SnoopTagJrの反応性、およびSARS CoV2 RBDに融合されたSpyCatcherとのAd5(GFP)pIX-SpyTagの反応性の図である。ベクター(1E+10ウイルス粒子)を4℃で16時間、単独でインキュベートするか、またはRBD-SnoopCatcher、SnoopCatcher-RBDもしくはRBD-SpyCatcher(すべて3.5μM)とともに共インキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、ポリクローナル抗RBD抗体を使用してウエスタンブロッティングを実施した。pIX-SnoopTagJr:SnoopCatcher-RBD(pIX-SnJr:SnC-RBD)、pIX-SpyTag:SpyCatcher-RBD(pIX-ST:SC-RBD)および非カップリングSnoopCatcher-RBD/SpyCatcher-RBD(SnC/SC-RBD)を表す種が指示され、ラベルが付される()。
図14C図14C図14Bに示される同じ試料を使用して実施されたベクター感染力アッセイの図である。バーは、2回重複の試料の平均と範囲を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
アデノウイルス
アデノウイルス(Ad)は、概36キロベース(kb)のゲノムを持つ非エンベロープ型二本鎖DNAウイルスである。A~G種に分類される60を超えるヒトアデノウイルス血清型がある。各グループは、いくつかのアデノウイルス血清型から構成され、例えば、サブグループ種のCはAd5およびAd2を含む。Ad5は、最も広く研究された血清型であり、腫瘍溶解性ウイルスの開発に最も広く使用されるプラットフォームである。腫瘍溶解性ウイルスの開発では、特定の組織を標的にすることができることが望ましく、したがって、向性が変更され得る。医療現場でAd5を含めて一部のアデノウイルス血清型を使用することに伴う主たる問題とは、ヒトにおいて既存する免疫である。アデノウイルスは通常、70~90nmのサイズで、正二十面体のカプシド形状を有する。「カプシドタンパク質」としても知られる外部カプシド構造は、主たる3つのタイプのタンパク質(ヘキソン、ファイバーおよびペントンベース)を含む。外側のカプシドには、VI、VIII、IX、IIIaおよびIVa2を始めとするさらなるマイナータンパク質が存在する。ヘキソンは、カプシドタンパク質の83%超を占める、アデノウイルスカプシドの主成分である。ヘキソン改変は、異なる血清型からのHVRの交換を含めて、一部の状況で既存の中和抗体の回避を可能にすることが示されてきた。
【0082】
改変するためのアデノウイルス
アデノウイルスは複製欠損であり得る:アデノウイルスは治療薬として使用される場合にもはや複製できないということを確保するために、ある特定の遺伝子がゲノムから欠失される。これは、ゲノムからの一セットの遺伝子の欠失の結果生じ得るとともにアデノウイルスを扱う当業者の技能範囲内である。そのようなことは、ワクチンでの使用に有利であり得るが、この場合、アデノウイルスベクターの目的は、細胞傷害性を制限しつつ、抗原を高度に免疫原性なものとする形式で免疫系に抗原を提示することである。しかし、腫瘍溶解性ウイルスなどの他の用途の場合、複製可能であることがキーである。複製可能であるアデノウイルスは、例えばキー遺伝子の欠失によって、正常細胞での複製を防止するためにいくつかの改変をなおも含有することができる。腫瘍溶解性Adベクターは、そのライフサイクルの終わりにがん細胞を溶解するが、子孫が正常組織に感染しないことが重要である。がん細胞は一般にアデノウイルス複製に対してより寛容であるが、一方、正常細胞は複製を補助するためにアデノウイルスが遺伝子の完全な相補を有することを必要とする。
【0083】
アデノウイルスは、アデノウイルスの任意の血清型由来であっても株由来であってもよい。したがって、改変に適したアデノウイルスは、以前の曝露の影響を最小にするために、ヒト以外の哺乳動物に感染するものに由来することができる。カプシド構造は強く保存され、したがって、アデノウイルスの血清型と種は互換性であり得る。
【0084】
アデノウイルスは任意の改変アデノウイルスとすることができる。したがって、改変アデノウイルスは、例えば抗原を付加的にコードすることができる。次いで、これらのコードされた抗原は感染後に発現すると思われる。このことは、ある抗原がウイルスの表面に提示され得るが、別の抗原は宿主細胞機構を使用するベクター形質導入の際に発現され得るように、多面性で予防的または治療的可能性を提供する。したがって、アデノウイルスは、例えば導入遺伝子を含むように、遺伝子修飾され得る。この導入遺伝子は、宿主細胞への送達向けに設計されており、例えば、抗原をコードする遺伝子とすることができる。
【0085】
アデノウイルス媒介性感染力
コクサッキーウイルスおよびアデノウイルス受容体(CAR)を発現する細胞におけるアデノウイルス感染力は、ファイバータンパク質を介して媒介される。CAR受容体を発現する細胞株の例はHEK293細胞である。ファイバーは細胞表面のCAR受容体に結合し、これはウイルスの最初の付着を媒介する。しかし、最近実証されたところは、アデノウイルスのファイバー媒介性侵入の代わりに、第X因子(FX)-ヒト血清に存在する凝固因子が、一部のアデノウイルス血清型のヘキソンタンパク質に結合して、一部の細胞タイプにおいてウイルスの侵入を容易にすることができることである。ヘキソンタンパク質を介する感染を媒介する細胞株の例はSKOV3である。アデノウイルスヘキソンを介するFX媒介性感染は、in vivoでのアデノウイルスベクターの肝臓向性を増強することができると考えられる。実施例で実証されるように、DogTagの挿入および抗原へのカップリングなどのヘキソンタンパク質の改変は、細胞のヘキソン媒介性感染力を減少させる。これは望ましい効果であり、なぜなら、静脈内注射された場合のアデノウイルスの自然な向性は、非常に高い用量にて患者において肝臓毒性を引き起こすおそれがあるからである。肝臓毒性を減少させるようなヘキソン媒介性感染力の減少は、本発明にとって有利であると思われる。
【0086】
ヘキソンカプシドタンパク質
ヘキソンカプシドタンパク質は概100kDaのサイズであり、ビリオンあたり720個のモノマーを有する。ヘキソンモノマーは、20のファセットのそれぞれ上に12個が存在するように三量体へと組織化され、その結果、ビリオンあたり240の三量体がもたらされる。ヘキソン配列は、ウイルス上の外表面のループに相当する超可変領域(HVR)を含有しており、したがってウイルスの表面のほぼ全体を覆う。各モノマーは、血清型特異的であるHVR1~HVR7として特定される7つのHVRを有する。ループはウイルスの外面にあるので、ヘキソンループは主たる抗原認識部位であり、宿主の免疫応答の標的である。ヘキソンタンパク質は長さが様々であり、例えば、Ad2は、968個のアミノ酸の長さを持つ最長の既知のヘキソンタンパク質である(UniProt ID:P03277)。遺伝子治療に最もよく使用されるアデノウイルスであるAd5は、952個のアミノ酸の長さを有する(UniProt ID:P04133)。血清型特異的エピトープを含有するヘキソンHVRを改変することは、宿主中和応答に打ち勝つための有望なアプローチであると思われる。HVRのいずれか1つが改変され得た。本明細書に例示のように、驚くべきことにDogTagを使用して、HVR1、HVR2およびHVR5に改変が首尾よく加えられた。ヘキソンタンパク質が本発明に従って改変され、抗原がペプチドパートナーペアを介して付着された場合、抗アデノウイルス中和抗体による中和が減少した。
【0087】
pIXカプシドタンパク質
pIXタンパク質は、概14.3kDaのサイズであるマイナーカプシドタンパク質である。ビリオンあたり概240のpIXモノマーがある。pIXタンパク質は、ウイルス表面のヘキソンを安定化するように機能する。pIXタンパク質のC末端はウイルスの表面で露出しており、したがって、大小のペプチドの融合にとって望ましい部位である。Ad5 pIXは、柔軟なリンカーによってつながれた2つのドメインを有する。Ad5 pIXタンパク質は196個のアミノ酸の長さを有する(UniProt ID:Q2KS03)。
【0088】
カプシドタンパク質への改変
カプシドタンパク質への改変は、遺伝子的であっても、化学物質を含めて非遺伝子的であってもよい。カプシドタンパク質は、カプシドへの抗原の組込みを通して遺伝子修飾され得る。あるいは、ウイルス粒子表面が直接改変され得る。3つのメジャーカプシドタンパク質すべての改変がこれまでに実証されてきた。しかし、これらの改変からの結果は雑多であり、特にヘキソンの改変に関して、最も有望なアプローチが提供するインサートのサイズにおいて大きな障害がある。
【0089】
本明細書で使用される「少なくとも1つの改変」とは、適当な任意の手段を使用するウイルスカプシドタンパク質への第1のペプチドパートナー挿入の包含を指す。例えば、アデノウイルスヘキソンループへの第1のペプチドパートナーの挿入、またはアデノウイルスpIXマイナーカプシドタンパク質への第1のペプチドパートナーの融合。この改変は、例えば、遺伝子融合を通して遺伝的に、または化学的に行われ得る。
【0090】
挿入
第1のペプチドパートナーは、関連するカプシドタンパク質へと直接に挿入され得る。本明細書で論議のように、かかる挿入は遺伝子操作によって行われる。あるいは、第1のペプチドパートナーは、第1のペプチドパートナーをカプシドタンパク質から隔てる適切な任意の長さのペプチド配列とともに挿入され得る。このペプチド配列は、リンカー配列、スペーサー配列、ヘリックスなどの構造配列、またはさらにはヒンジ配列とすることができる。リンカー配列またはスペーサー配列は、カプシドタンパク質と第1のペプチドパートナーを単に隔てることができ、2つの実体間の「リンク」として機能することができる。構造配列が、カプシドタンパク質からの第1のペプチドパートナーの物理的な分かれ目を提供することができる。ヒンジ配列は、カプシドタンパク質と第1のペプチドパートナーとの間のリンカーとして機能することができるが、第1のペプチドパートナーがカプシドタンパク質に対して動くことができるように、ある程度の動きが生じることを可能にすることができる。種々のリンカー、スペーサーおよびヒンジの各配列が本明細書で例示されており、とりわけ注目すべきものは図12に図示される。
【0091】
挿入が配列のループへとする場合、第1のペプチドパートナーは、片側または両側上のカプシドタンパク質から隔てられ得る、すなわち、リンカー、スペーサー、構造物またはヒンジである配列によって隣接され得る。各隣接側は同じでも異なっていてもよい。
【0092】
ペプチドパートナーペア
自発性のイソペプチド結合形成ができるタンパク質(いわゆる「イソペプチドタンパク質」)は、互いに共有結合するとともに不可逆的な相互作用を提供するペプチドパートナーペア(すなわち、2パートのリンカー)を開発するのに効果的に使用されてきた(例えば、両方が参照により本明細書に組み込まれるWO2011/098772およびWO2016/193746を、両方が参照により本明細書に組み込まれるWO2018/189517およびWO2018/197854と一緒に、参照されたい)。この点で、自発性のイソペプチド結合形成を可能とするタンパク質は、個別の断片として発現されて、第1のペプチドパートナーと第1のペプチドパートナー向けのペプチド結合パートナーである第2のペプチドパートナーとを与え得ることができ、ここで、この2つの断片は、イソペプチド結合形成によって共有結合で再構成することができる。この共有結合による再構成は、第2のペプチドパートナーに融合された分子または成分と不可欠な第1のペプチドパートナーとを連結する。ペプチドパートナーペアによって形成されるイソペプチド結合は、非共有結合の相互作用が急速に解離することになる条件下で、例えば、長期間(例えば数週間)にわたり、高温にて(少なくとも95℃まで)、高力にて、または過酷な化学処理で(例えばpH2~11、有機溶媒、洗剤または変性剤)安定である。
【0093】
イソペプチド結合とは、カルボキシル/カルボキサミドとアミノ基の間に形成されるアミド結合であり、この場合、当該カルボキシル基またはアミノ基の少なくとも1つがタンパク質の主鎖(タンパク質の骨格)の外側にある。かかる結合は、通常の生物学的条件下では化学的に不可逆的であり、ほとんどのプロテアーゼに耐性である。イソペプチド結合は本質的に共有結合であるので、測定された最も強力なタンパク質間相互作用の一部をもたらす。
【0094】
手短に述べると、2パートのリンカー、すなわちペプチドパートナーペア(いわゆるペプチドタグ/結合パートナーまたはキャッチャーペア)は、イソペプチド結合を自発的に形成することができるタンパク質(イソペプチドタンパク質)に由来することができ、この場合、当該タンパク質のドメインが別々に発現されて、イソペプチド結合に関与する残基のうちの一方(例えば、アスパラギン酸もしくはアスパラギン、またはリジン)を含むペプチド「タグ」と、イソペプチド結合に関与する他方の残基(例えば、リジン、またはアスパラギン酸もしくはアスパラギン)、およびイソペプチド結合を形成するのに必要な少なくとも1つの他の残基(例えばグルタミン酸)を含むペプチドまたはペプチド結合パートナー(または「キャッチャー」)とを生成する。ペプチドタグと結合/キャッチャーパートナーを混合すると、タグと結合パートナーの間にイソペプチド結合の自発性の形成がもたらされる。したがって、ペプチドタグと結合パートナーを別の分子または成分、例えばタンパク質へと別々に組み込むことによって、ペプチドタグと結合パートナーとの間に形成されるイソペプチド結合を介して一緒に前記分子または成分を共有結合で連結させること、すなわち、ペプチドタグを組込み分子または成分と結合パートナーとの間にリンカーを形成することができる。
【0095】
イソペプチド結合の自発性の形成は単独であってもよく、他の任意の実体の添加を必要としない場合がある。一部のペプチドタグと結合/キャッチャーパートナーのペアの場合、イソペプチド結合を生じるために、リガーゼなどの第3の実体またはヘルパー実体の存在が必要とされる場合がある。
【0096】
SpyTag/SpyCatcherと称されるペプチドタグ/結合パートナーペア(2パートのリンカー)は、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)FbaBタンパク質のCnaB2ドメインに由来し(Zakeriら、2012、Proc Natl Acad Sci USA 109、E690~697)、ワクチン開発を始めとする多様な用途で使用されてきた(Bruneら、2016、Scientific reports 6、19234;Thraneら、2016、Journal of Nanobiotechnology 14、30)。
【0097】
結合ペアのバリアント、派生物および改変物は、適切な任意の手段によって作製され得る。バリアント、派生物、および機能的に作動可能な改変物は、関連する結合パートナーとのイソペプチド結合を形成する能力に関して、同じ機能を保持するアミノ酸の付加、置換、変更または欠失を伴うことができる。
【0098】
一部の結合ペアの場合、酵素などの第3の実体による媒介が必要とされる。例えば、SnoopTagJr/SnoopTagとDogTagの間の結合形成を媒介するために、SnoopLigaseが使用され得る。したがって、ペアリングは、リガーゼなどの酵素の補助を必要とする場合がある。
【0099】
本明細書で使用される場合、第1のペプチドパートナーまたは第2のペプチドパートナーのいずれかがペプチド「タグ」とすることができ、他方が「結合パートナー/キャッチャー」であることが理解されよう。
【0100】
適切には、第1のペプチドパートナーと第2のペプチドパートナーは、SpyTag/SpyCatcherと称されるペプチドパートナーペアを形成する。適切には、SpyCatcher成分はDeltaN1(ΔN1)SpyCatcherであり(Li、L.、Fierer、J.O.、Rapoport、T.A.&Howarth、M.Structural analysis and optimization of the covalent association between SpyCatcher and a peptide Tag.J.Mol.Biol.426、309~317(2014)に記載の)、これは、「SpyCatcher」と比較して、N末端に23個のアミノ酸短縮化を有する。
【0101】
他の実施形態では、第1のペプチドパートナーと第2のペプチドパートナーは、例えば、同時係属出願、GB1706430.4に記載のものなどのイソペプチド結合形成にあたり反応の速度上昇を提示するSpyTag/SpyCatcherの突然変異バージョンであるペプチドパートナーペアを形成する。一部の実施形態では、これら突然変異型形態は、大タンパク質(例えば、本明細書で例示される>160kDaのHCMV五量体タンパク質などの、>50kDaまたは>100kDa)の付着にとって、および/またはこの場合、緩徐な反応または立体障害が問題となり得るが、有用であり得る。
【0102】
他の実施形態では、ペプチドパートナーペアを形成するイソペプチドタンパク質には、例えば、WO2016/193746に記載の、SnoopTag/SnoopCatcherが含まれ得る。
【0103】
一部の実施形態では、ペプチドパートナーペアを形成するイソペプチドタンパク質の一方または両方は、N末端短縮化またはC末端短縮化を有することができ、一方、イソペプチド結合の反応性をなおも保持する。
【0104】
例示的な第1のペプチドパートナーと第2のペプチドパートナーのペア(ペプチドタグ/結合パートナーペア;反応性ペア)を以下の表に記載する:
【0105】
【表1】
【0106】
結合ペアのバリアント、派生物および改変物は、適切な任意の手段によって作製され得る。バリアント、派生物、および機能的に作動可能な改変物は、関連する結合パートナーとのイソペプチド結合を形成する能力に関して、同じ機能を保持するアミノ酸の付加、置換、変更または欠失を伴うことができる。
【0107】
一部の結合ペアの場合、酵素などの第3の実体による媒介が必要とされる。例えば、SnoopTagJrとDogTagの間の結合形成を媒介するために、SnoopLigaseが使用され得る。したがって、ペアリングは、リガーゼなどの酵素の補助を必要とする場合がある。
【0108】
抗原
本明細書で使用される抗原とは、免疫応答を誘導することができる任意の分子を指す。抗原は、自己抗原、がん抗原、アレルギー性抗原、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、寄生虫抗原または真菌抗原とすることができる。腫瘍抗原には、腫瘍特異的抗原、腫瘍関連抗原およびがん性細胞によって新たに形成された抗原であるネオアンチゲンが含まれる。「腫瘍特異的抗原」とは、腫瘍細胞上でのみ見いだされる抗原を指す。「腫瘍関連抗原」とは、腫瘍細胞と正常細胞の両方によって提示される抗原を指す。「ネオアンチゲン」とは、腫瘍細胞によって新たに形成された抗原を指す。本明細書で使用される「抗原」には、ペプチドおよびエピトープ、それらのバリアントおよび派生物が含まれる。
【0109】
腫瘍関連抗原には、それらに限定されないが、以下が含まれる:アジポフィリン、AIM-2、ALDH1A1、アルファ-アクチニン-4、アルファ-フェトプロテイン(「AFP」)、ARTC1、B-RAF、BAGE-1、BCLX(L)、BCR-ABL融合タンパク質b3a2、ベータ-カテニン、BING-4、CA-125、CALCA、癌胚性抗原(CEA)、CAGE1~8、CASP-5、CASP-8、CD274、CD45、Cdc27、CDK12、CDK4、CDKN2A、CEA、CLPP、COA-1、CPSF、CSNK1A1、CTAG1、CTAG2、サイクリンDl、サイクリン-Al、dek-can融合タンパク質、DKK1、EFTUD2、伸長因子2、ENAH(hMena)、Ep-CAM、EpCAM、EphA3、上皮腫瘍抗原(ETA)、ETV6-AML1融合タンパク質、EZH2、ErbB受容体、E6、E7、FGF5、FLT3-ITD、FN1、G250/MN/CAIX、GAGE-1、2、8、GAGE-3、4、5、6、7、GAS7、グリピカン-3、GnTV、gp100/Pmel17、GPNMB、HAUS3、へプシン、HER-2/neu、HERV-K-MEL、HLA-A11、HLA-A2、HLA-DOB、hsp70-2、HPV E2、HPV E6、HPV E7抗原、IDO1、IGF2B3、IL13Rアルファ2、腸のカルボキシルエステラーゼ、K-ras、カリクレイン4、KIF20A、KK-LC-1、KKLC1、KM-HN-1、CCDC110としても知られるKMHN1、LAGE-1、LDLR-フコシルトランスフェラーゼ融合タンパク質、Lengsin、M-CSF、MAGE-A1、MAGE-A10、MAGE-A12、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A6、MAGE-A9、MAGE-C1、MAGE-C2、リンゴ酸酵素、マンマグロビン-A、MART2、MATN、MC1R、MCSP、mdm-2、ME1、Melan-A/MART-1、メロエ(Meloe)、ミッドカイン、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、ムチン、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシン、ミオシンクラスI、N-raw、NA88-A、neo-PAP、NFYC、NY-BR-1、NY-ESO-l/LAGE-2、OA1、OGT、OS-9、Pポリペプチド、p53、PAP、PAX5、PBF、pml-RARアルファ融合タンパク質、多形性上皮ムチン(PEM)、PPP1R3B、PRAME、PRDX5、PSA、PSMA、PTPRK、RAB38/N Y-MEL-1、RAGE-1、RBAF600、RGS5、RhoC、R F43、RU2AS、SAGE、セセルニン1、SIRT2、SNRPD1、SOX10、Spl7、SPA17、SSX-2、SSX-4、STEAP1、サバイビン、SYT-SSX1または-SSX2融合タンパク質、TAG-1、TAG-2、テロメラーゼ、TGF-ベータRII、TPBG、TRAG-3、トリオースリン酸イソメラーゼ、TRP-l/gp75、TRP-2、TRP2-INT2、チロシナーゼ(TYR)、VEGF、WT1、XAGE-lb/GAGED2a。
【0110】
腫瘍関連抗原を特定する当業者であれば、ネオアンチゲンを含めて、新しい抗原が継続的に特定されること、したがってこのリストが網羅的ではないことを理解するであろう。
ウイルス抗原には、それらに限定されないが、以下のウイルスまたはウイルスのクラスの抗原が含まれる;ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス(HSV2/HSV1)、インフルエンザウイルス(タイプA、BおよびC)、ポリオウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルス、ロータウイルス、A型肝炎ウイルス、ノーウォークウイルス群、エンテロウイルス、アストロウイルス、麻疹ウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、バリセラ-ゾスターウイルス、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、エプスタイン-バーウイルス、アデノウイルス、ルベラウイルス、ヒトT細胞リンパ腫I型ウイルス(HTLV-I)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス、ポックスウイルス、マールブルグウイルスおよびエボラウイルス、SARS-CoV-2。
【0111】
細菌抗原には、それらに限定されないが、以下の細菌の抗原が含まれる:結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、クラミジア属(Chlamydia)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、赤痢菌属(Shigella)、サルモネラ属(Salmonella)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、トレポネマ・パリズム(Treponema pallidum)、シュードモナス属(Pseudomonas)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ブルセラ属(Brucella)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)、レンサ球菌属(Streptococcus)(タイプAおよびB)、肺炎球菌属(Pneumococcus)、メニンゴコッカス属(Meningococcus)、ヘモフィラス・インフルエンザ(b型)(Haemophilus influenzae(type b))、トキソプラズマ・ゴンジイ(Toxoplasma gondii)、カンピロバクター属(Campylobacter)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、クレブシエラ・グラニュロマティス(Klebsiella granulomatis)およびアクチノマイセス属(Actinomyces)。
【0112】
真菌抗原にはそれらに限定されないが、以下の真菌病原体の抗原が含まれる:カンジダ属(Candida)およびアスペルギルス属(Aspergillus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)およびニューモシスティス属(Pneumocystis)。
【0113】
寄生虫抗原には、それらに限定されないが、以下の寄生虫病原体の抗原が含まれる:テニア属(Taenia)、吸虫、回虫、プラスモジウム属(Plasmodium)、アメーバ属(Amoeba)、ジャルディア属(Giardia)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、住血吸虫属(Schistosoma)、トリコモナス属(Trichomonas)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)および旋毛虫属(Trichinella)。
【0114】
カップリングに先立ち抗原-第2ペプチドパートナーの発現を増強するために、リーダー配列が使用され得る。当業者であれば、発現を増強するための適当なリーダー配列を知っている。かかるものが本明細書に例示される。
【0115】
医薬組成物および用途
本発明の組成物は、ワクチンまたは治療用組成物に組み込まれ得る。適切には、ワクチンまたは免疫原性組成物は、免疫原性用量で本発明の粒子を含むことになる。
【0116】
医薬組成物は、薬学的に許容される担体とともに供給される、本発明による粒子または組成物を含むことができる。適切な担体は当業者によく知られる。一実施形態では、医薬組成物は、緩衝剤、賦形剤または担体を含む。適切には、医薬組成物は、組成物の安定性を維持するために適切な賦形剤および製剤を含むことができる。適切には、製剤はアジュバントを含むことができる。一実施形態では、製剤は、AddaVax(商標)またはMF59(登録商標)と類似の製剤を有する類似のスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンを含むことができる。他の適切なアジュバントには、Matrix MおよびAS01などのリポソームベースのアジュバントが含まれる。他の適切なアジュバントには、Alhydrogel(登録商標)などのアルミニウムベースの製剤が含まれる。一実施形態では、製剤は、例えば5mMの濃度でEDTAを含むことができる。適切な賦形剤または製剤は、粒子または免疫原性組成物の特性によって異なってもよい;例えば、発現系の選択は、組成物のタンパク質の安定性、グリコシル化または折り畳みに影響を及ぼす場合があり、それらは次いで、組成物の最適な製剤化に影響を及ぼす可能性がある。適切な賦形剤、製剤またはアジュバントを決定する方法は、当業者であれば知っているであろう。
ワクチン
ワクチンとはある断片または完全な実体を含む調製物であり、上記断片または完全な実体に対する免疫応答を起こすことができる。ワクチンとは、タンパク質、ペプチド、リポタンパク質、糖タンパク質などの実体または免疫応答を誘導することができるそれらの断片である。例えば、ワクチンは、微生物または前記微生物に対する免疫応答を誘導することができるそれらの一部を含むことができる。本発明による免疫原性アデノウイルスベクターを含むワクチンは、免疫応答の誘導のために、提示された抗原が極めて重要である任意の病原体に対して使用され得る。さらに、ワクチンは、腫瘍関連抗原を提示する、本発明による免疫原性アデノウイルスベクターを含むことができる。これら腫瘍関連抗原は、改変された自己タンパク質等とすることができる。したがって、ワクチンは腫瘍細胞への免疫応答を起こすことができる。
【0117】
かかるワクチン組成物(または他の免疫原性)は、適切な送達媒体に製剤化される。一般に、免疫原性組成物の用量は、治療用組成物に対して定められた範囲内である。必要に応じて、本発明のワクチン組成物は、例えば、アジュバント、安定剤、pH調整剤、保存剤等を含めて、他の成分を含有するように製剤化され得る。かかる成分は、ワクチンの分野の当業者であればよく知られる。適切なアジュバントの例には、限定されないが、リポソーム、ミョウバン、モノホスホリルリピドA、およびサイトカイン、インターロイキン、ケモカインおよびそれらの最適な組み合わせなどの生物学的に活性な任意の因子が含まれる。
【0118】
本発明は、静脈内に、皮内に、動脈内に、腹腔内に、病変内に、頭蓋内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、気管内に、鼻腔内に、硝子体内に、膣内に、直腸に、局部に、腫瘍内に、筋肉内に、腹腔内に、皮下に、膀胱内に、粘膜に、心膜内に、経口的に、局所に、ならびに/または、エアゾール、注射、輸注、持続輸注、標的細胞を直接にもしくはカテーテルを介して浸す局所かん流および/または洗浄を使用して、投与され得る。
【0119】
本明細書で使用される疾患の処置または予防のためのワクチンには、それらに限定されないが、以下が含まれる:泌尿生殖器がん(前立腺がん、腎細胞がん、膀胱がん等)、婦人科がん(卵巣がん、子宮頸部がん、子宮内膜がん等)、肺がん、胃腸がん(非転移性または転移性結腸直腸がん、膵がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、胆管細胞がん等)、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮がん)、悪性神経膠芽腫、悪性中皮腫、非転移性または転移性乳がん(例えば、ホルモン不応性転移性乳がん)、悪性メラノーマ、メルケル細胞癌または骨軟部肉腫、ならびに多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および急性リンパ芽球性白血病等の血液学的新生物が含まれる。好ましい実施形態では、疾患は、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん(例えば、ホルモン不応性転移性乳がん)、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮がん)、ホルモン感受性もしくはホルモン不応性前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、軟部組織肉腫または小細胞肺がんである。
【0120】
ワクチンは、上文に記載の疾患を引き起こす病原体のいずれか1つによる感染を処置または予防するために使用され得る。
Ad-DogTag
「Ad-DogTag」ウイルスベクターは、最大およそ720のリガンド/ビリオンの提示を可能にする、ヘキソンカプシドタンパク質の表面ループへのDogTagの挿入を含む。ヘキソン-DogTagへの抗原のカップリングは、SnoopTagJr-タグ抗原を使用して(触媒としてSnoopLigaseを使用して)、またはDogCatcher連結抗原を介して直接に、本発明者らによって達成された。以前の技術は、<100個のアミノ酸の長さを有する、免疫原性T細胞またはB細胞の小エピトープをアデノウイルスのヘキソンループへと挿入することしかできなかった。本発明が実証するところは、従来、達成することができなかった、ヘキソンへの10~60kDaのペプチドのカップリングである。このことは、特にアデノウイルスをベースとするワクチンの開発における大きな前進を表す。
【0121】
Ad-SpyCatcher
「Ad-SpyCatcher」ウイルスベクターは、アデノウイルスマイナーカプシドタンパク質pIXのC末端上へのSpyCatcherの融合を含む。最近の発明は、ウイルス感染力を喪失することなく、pIXマイナーカプシドタンパク質を改変することに成功した。
【0122】
Ad-SnoopCatcher
「Ad-SnoopCatcher」ウイルスベクターは、アデノウイルスマイナーカプシドタンパク質pIXのC末端上へのSnoopCatcherの融合を含む。本明細書の研究は、ウイルス感染力を喪失することなく、pIXマイナーカプシドタンパク質を改変する上での成功を示す。
【0123】
Ad-DogCatcher
「Ad-DogCatcher」ウイルスベクターは、アデノウイルスマイナーカプシドタンパク質pIXのC末端上へのDogCatcherの融合を含む。本明細書の研究は、ウイルス感染力を喪失することなく、pIXマイナーカプシドタンパク質を改変する上での成功を示す。
【0124】
Ad-SnoopTagJr
「Ad-SnoopTagJr」ウイルスベクターは、アデノウイルスマイナーカプシドタンパク質pIXのC末端上へのSnoopTagJrの融合を含む。本明細書の研究は、ウイルス感染力を喪失することなく、pIXマイナーカプシドタンパク質を改変する上での成功を示す。
【0125】
Ad-SpyTag
「Ad-SpyTag」ウイルスベクターは、アデノウイルスマイナーカプシドタンパク質pIXのC末端上へのSpyTagの融合を含む。本明細書の研究は、ウイルス感染力を喪失することなく、pIXマイナーカプシドタンパク質を改変する上での成功を示す。
【0126】
本明細書で記述されるすべての参考文献は、認められる場合、参照により組み込まれる。
【実施例
【0127】
次に、本発明のある特定の態様および実施形態を、一例として、上記の図を参照して例示する。
実施例-材料および方法:
GFPを発現する、Ad5の細菌人工染色体(BAC)由来の複製欠損分子クローンの生成
プラスミドpAd-PL-DEST、すなわちAd5のE1/E3欠失(したがって複製欠損)分子クローンは、Invitrogenから入手した。高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)の発現を駆動する前初期サイトメガロウイルスプロモーター(CMVp)から構成される発現構築物を、シャトルベクターpENTR4(Invitrogen)へとクローニングした。次いで、CMVp EGFP発現構築物を、Invitrogen Gateway部位特異的組換え(LRクロナーゼ)技術を使用してAd5 E1遺伝子座へと挿入した。pBELOBAC11(NEB)からのBAC配列を、フォワード(5’-TTAATTAAcgtcgaccaattctcatg)およびリバース(5’-TTAATTAAgtcgacagcgacacacttg)のプライマーを使用して増幅して、BACカセットのいずれかの末端でPacI部位を導入した。続いて、Ad5(GFP)ゲノム配列全体をPacIを含むBACへとクローニングして、pBAC-Ad5(GFP)を生成した。
【0128】
BAC GalK組換え技術を使用して、プロテインスーパーグルー(protein superglue)技術をウイルスカプシドタンパク質へと挿入するためのpBAC-Ad5(GFP)の遺伝子修飾
GalK組換え技術に必要な大腸菌(E.coli)株であるSW102を、米国のアメリカ国立衛生研究所の国立がん研究所から入手した。DH10Bから改変したが、SW102細胞は、ガラクトキナーゼ(GalK)遺伝子(これは、ガラクトースを唯一の炭素源として使用する細菌の増殖に必要である)が欠損された状態で温度感受性リプレッサーの制御下にあるλ-Redコード化組換え遺伝子(exo、bet、gam)を含有する。GalK組換え技術システムは、GalK遺伝子がポジティブセレクションとネガティブセレクションの両方に使用されることを可能にするが、GalK組換え技術を、Warmingら、2005[Warming S、Costantino N、Court DL、Jenkins NA、Copeland NG.Simple and highly efficient BAC recombineering using galK selection.Nucleic Acids Res.2005;33(4):e36]に記載の通り、正確に実施した。組換え技術によるこれら特定の遺伝子座にてのGalK遺伝子の挿入によって、これに続くGalKの存在についてのポジティブセレクションによって、ヘキソンHVRループ(図1Eに記載のように)中にまたはpIXのC末端に、挿入部位を創製した。SpyTag/DogTag/SnoopTagJr/SpyCatcher/SnoopCatcher/DogCatcherの各配列の挿入を、GalKを置き換える組換え技術、2-デオキシガラクトースを使用するGalK遺伝子の存在に対して続いて行う選択によって、実施した。
【0129】
プロテインスーパーグルー技術を組み込む組換えアデノウイルスのレスキュー
組換えアデノウイルス分子クローン由来のBAC DNAを、左右のウイルス逆位末端反復配列(ITR)を放出するように、PacIを用いて線状化した。線状化DNAを、Lipofectamine 2000試薬(Invitrogen)を使用して、25cmフラスコ(T25)中でE1-相補的Human Embryonic Kidney(HEK)293A細胞(Invitrogen)へとトランスフェクトした。細胞変性効果(CPE)を観察した後、細胞を回収し、3サイクルの凍結融解に供し、ウイルスをHEK293A細胞でさらに増幅させた。10×150cmフラスコ(T150)に感染させて、ウイルスを48時間後に感染細胞から回収し、標準プロトコルに従ってCsCl勾配超遠心分離によって精製した。精製ウイルスをショ糖保存緩衝剤(10mM Tris-HCl、7.5%w/vショ糖、pH7.8)に対して透析し、-80℃で保存した。
【0130】
精製ウイルスベクター調製物のウイルス粒子カウントの推定
精製調製物中のアデノウイルス粒子の数を、Maizelら、1968.[J.Maizel、D.White、M.Scharff、The polypeptides of adenovirus:I.Evidence for multiple protein components in the virion and a comparison of types 2、7A、and 12.Virology、36巻、1号、1968年9月、115~125頁]によって記載のように、260nmにての分光光度吸収によりウイルスDNA含有量を測定することによって推定することができる。手短に述べると、試料を1%w/vドデシル硫酸ナトリウム(SDS)含有ウイルス保存緩衝剤で1:10に希釈して、カプシドからウイルスDNAを放出させ、分光光度計を使用して260nmにての吸光度を測定した。260nmにての1.00(AU、1cmパス長)の吸光度は、1.1×1012ウイルス粒子/mLに相当する。
【0131】
HEK293A細胞における組換えアデノウイルスの感染タイトレーション
ベクター調製物の感染力価を、HEK293A細胞での単一細胞感染力アッセイによって評価した。EGFPを発現するベクターの場合、感染HEK293細胞を可視化し、蛍光顕微鏡により直接計数した。蛍光マーカーのないベクター用の代替アッセイについても、ヘキソンカプシドタンパク質の発現を免疫染色することによって、試験した(図5)。完全培地(ダルベッコの改変イーグルス培地、プラス1×GlutaMAXおよび10%v/vウシ胎児血清)でのウイルスの10倍連続希釈を、滅菌96ウェルディープウェルプレートで実施した。2または3の連続希釈をウイルスごとに行い、各希釈液50μL(10~1010希釈)を、80~90%コンフルエンシーにて付着性HEK293細胞を含有する96ウェルプレートのウェルごとに添加した。ヘキソン免疫染色の場合、ポリ-L-リジンでプレコーティングした96ウェルプレートを使用して、プレート表面への細胞接着を改善した。プレートを37℃、5%COで48時間インキュベートした。EGFP発現ベクターのタイトレーションの場合、感染の48時間後に、単一のGFP陽性細胞を蛍光顕微鏡により計数し、感染力価を1mLあたりの感染単位(ifu)で算出した。ヘキソン免疫染色の場合、培地を細胞単層から吸引し、細胞を氷冷メタノールで固定した。次いで、プレートをダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(PBS 1×、Gibco)で3回洗浄した後、3%w/v低脂肪ミルク(Marvel)で1時間ブロックした。検出マウスモノクローナル抗ヘキソン抗体(B025/AD51、Thermo-Fisher)を、PBS中の1%w/vミルクで1:1000希釈にて添加し、25℃で1時間インキュベートした。一次抗体のインキュベーション後、細胞をPBS中の1%w/vミルクでさらに3回洗浄し、これに続いて、PBS中の1%w/vミルクで1:1000希釈にて二次ヤギ抗マウスアルカリホスファターゼ(ALP)コンジュゲート抗体(STAR117A、BioRad)を添加した。さらに1時間インキュベートした後、発色に先立ちプレートをPBS中で5回洗浄した。発色させるために、新たに調製したSIGMAfast BCIP/NBT溶液(Sigma)100μLを各ウェルに添加し、単一の感染細胞を表す暗く染色されたフォーカスの出現までプレートを25℃でインキュベートした。CsCl精製ベクター調製物のP:I比は、1mLあたりのウイルス粒子の推定数を1mLあたりの感染単位(ifu)の数で割ることによって算出した。
【0132】
SKOV3細胞の凝固第X因子媒介性ベクター形質導入の評価
SKOV3細胞(ヒト卵巣腺癌)は英国公衆衛生庁から入手し、2mMグルタミンおよび15%v/vウシ胎児血清を含むマッコイ5a培地(完全マッコイ培地)で培養した。アッセイの場合、GFP発現ベクターを無血清培地で連続的に希釈した(1:10~1:10)。ヒト凝固第X因子(FX)を、最終濃度8μg/mLで希釈ベクターに添加した(FX無添加の対照試料を含めた)。ベクター-FX混合物を96ウェルプレートのSKOV3細胞の単層に(80~90%コンフルエント)添加し、細胞とともに37℃および5%COで2時間インキュベートした。2時間後、ベクター-FX混合物の完全マッコイ培地を補充し、プレートを37℃、5%COでさらに48時間インキュベートした。感染力を、上記のようにGFP陽性フォーカスの計数によって48時間後に評価した。
【0133】
タンパク質リガンドおよびペプチドリガンドの生成
SpyTag-融合ペプチドリガンドおよびSnoopTagJr-融合ペプチドリガンドを、Insight Biotechnologyによる固相合成技法を使用して>95%の純度で生成した。ペプチドについて、HPLCおよび質量分析によって品質管理の試験を行った。
【0134】
ポリヒスチジン-タグ組換えDogCatcher-NANP融合タンパク質の発現用のDNA構築物を、BL21(DE3)大腸菌(NEB)におけるタンパク質産生に向けて発現プラスミドpET45(+)(EMD Millipore)へとクローニングした。DogCatcherおよびマラリアの3D7株由来の熱帯熱マラリア原虫のスポロゾイト周囲タンパク質(PfCSP)の各DNA配列を、別々に合成し(GeneArt、Thermo Fisher)、個々の構築物に必要なDNA断片をPCRによって増幅し、制限クローニングによってpET45(+)においてアセンブリした。組換えタンパク質を、以前に公開されたプロトコル[SnoopLigase Catalyzes Peptide-Peptide Locking and Enables Solid-Phase Conjugate Isolation.Buldun CM、Jean JX、Bedford MR、Howarth M.J Am Chem Soc.2018年2月28日;140(8):3008~3018.doi:10.1021/jacs.7b13237]に従って、アフィニティーNi-NTAレジン(Qiagen)を使用して精製し、PBSへと透析し、-80℃で保存した。
【0135】
SpyCatcher(GenBank:AFD50637.1)およびSpyTag-MBP(Addgene Plasmid #35050)を、大腸菌で発現させ、記載される通りに正確にNi-NTAによって精製した(Peptide tag forming a rapid covalent bond to a protein,through engineering a bacterial adhesin.Zakeri B、Fierer JO、Celik E、Chittock EC、Schwarz-Linek U、Moy VT、Howarth M.Proc Natl Acad Sci USA.2012年3月20日;109(12):E690~7.doi:10.1073/pnas.1115485109)。
【0136】
一価ストレプトアビジン(mSA)を、大腸菌で発現させ、封入体から再フォールディングし、記載される通りに正確にイオン交換クロマトグラフィーによって精製した(Plug-and-play pairing via defined divalent streptavidins.Fairhead M、Krndija D、Lowe ED、Howarth M.J Mol Biol.2014年1月9日;426(1):199~214.doi:10.1016/j.jmb.2013.09.016.)。
【0137】
SnoopLigase(GenBank:AVD97783.1)、SnoopTagJr-AffiHER2、およびSUMO-DogTag(GenBank:MG867376)を大腸菌で発現させ、記載される通りに正確にNi-NTAによって精製した(SnoopLigase Catalyzes Peptide-Peptide Locking and Enables Solid-Phase Conjugate Isolation.Buldun CM、Jean JX、Bedford MR、Howarth M.J Am Chem Soc.2018年2月28日;140(8):3008~3018.doi:10.1021/jacs.7b13237)。
【0138】
DogCatcher(以前は、特許「Methods and products for fusion protein synthesis(融合タンパク質を合成するための方法および製品)」Howarth M、Veggiani G、Gayet R.2015、英国特許出願WO2016193746号A1ではRrgACatcherと称されていた)を大腸菌で発現させ、標準プロトコルに従ってNi-NTAによって精製した(Peptide tag forming a rapid covalent bond to a protein,through engineering a bacterial adhesin.Zakeri B、Fierer JO、Celik E、Chittock EC、Schwarz-Linek U、Moy VT、Howarth M.Proc Natl Acad Sci USA.2012年3月20日;109(12):E690~7.doi:10.1073/pnas.1115485109)。
【0139】
HCMV五量体(SpyTag-gHを含む)は、特許出願PCT/GB2019/051245に記載される。タンパク質を、5つの別々のプラスミド(配列が提供される)を使用する一過性トランスフェクションによって懸濁液293F細胞で発現させた。タンパク質を回収し、タンジェンシャルフローろ過によって濃縮し、C-タグアフィニティーレジン(Thermo Fisher)でアフィニティー精製し、AKTAクロマトグラフィーシステム(GE)を使用するSuperdex 200カラム(GE)でのサイズ排除クロマトグラフィーによってさらに精製した。
【0140】
SARS CoV2 SpikeとRBDの融合タンパク質の発現用のDNA構築物を、哺乳動物タンパク質発現プラスミドpcDNA3.4へとクローニングした。SARS CoV2 SpikeおよびRBDの各DNA配列を別々に合成し(GeneArt、Thermo Fisher)、PCR増幅および制限クローニングによってSnoopTagJr、SpyCatcher、またはSnoopCatcherとともにフレーム中でアセンブリした。RBD融合構築物の分泌を容易にするために、リーダー配列をN末端で導入した(RBD-SnoopTagJr、RBD-SpyCatcher、およびRBD-SnoopCatcherの場合、SARS CoV2 spike MFVFLVLLPLVSSQCからのリーダー配列を使用し、SnoopCatcher-RBDの場合、IgKリーダー配列METDTLLLWVLLLWVPGSTGDを使用した)。Spike-SnoopTagJrおよびRBD-SnoopTagJrのタンパク質を懸濁液Expi293F細胞で発現させ、SnoopCatcher-RBD、RBD-SnoopCatcherおよびRBD-SpyCatcherのタンパク質は懸濁液ExpiCHO-S細胞で発現させた。培養上清からタンパク質を回収し、AKTAクロマトグラフィーシステム(GE)を使用するC-タグアフィニティーレジン(Thermo Fisher)を使用してアフィニティー精製し、トリス緩衝生理食塩水(TBS)pH7.4へと透析した。
【0141】
カップリング反応
in vitroアッセイの場合、SpyCatcherとSpyTag、DogCatcherとDogTag、SnoopCatcherとSnoopTagJr、およびSnoopTagJrとDogTag(SnoopLigaseによって触媒される)の各パートナー間のカップリング反応を、図の説明文に記載の濃度にての個々の成分を用いて、20~25μLの総体積での自発的に反応する成分の共インキュベーションによって実施した。Ad5-HVR-DogTagとDogCatcher(DogCatcher融合体を含む)の間、Ad5-HVR-SpyTagまたはAd5-pIX-SpyTagとSpyCatcher(SpyCatcher融合体を含む)の間、Ad5-pIX-SpyCatcherとSpyTag(SpyTag融合体を含む)の間、Ad5-pIX-SnoopCatcherとSnoopTagJr(SnoopTagJr融合体を含む)の間、Ad5-pIX-DogCatcherとDogTag(DogTag融合体を含む)の間、およびAd5-pIX-SnoopTagJrとSnoopCatcher(SnoopCatcher融合体を含む)の間、の各反応を4℃で16時間インキュベートした。SnoopLigaseによって触媒されるAd5-HVR-DogTagとSnoopTagJr(SnoopTagJr融合体を含む)の間の反応を4℃で48時間インキュベートした。SnoopLigase触媒の反応を、カップリングの効率を向上させるために、最終濃度が15%v/vグリセロールおよび最小限の塩を含有する緩衝剤で実施した。
【0142】
総体積400μL中で、35μM SnoopTagJr-GGSSIINFEKL、30μM SnoopLigase、および15%v/vグリセロールとともにAd5(GFP)-HVR5-DogTagの5E+11ウイルス粒子を4℃で48時間、共インキュベートすることによって、免疫研究用のペプチド装飾のベクターバッチを調製した。過剰なペプチドおよびSnoopLigase(図10A、群1)を除去するために、SpectraPor透析カセット(100kDa MWCO)を使用して、カップリングしたベクターをショ糖保存緩衝剤へと透析した。クマシー染色のSDS-PAGEゲル上で、過剰なペプチドは透析後に検出されなかった。ペプチド装飾のベクターを-80℃で保存し、エンドトキシン試験を行い、免疫に先立ち保存バッチの感染タイトレーションを繰り返した。
【0143】
SDS-PAGEによるカップリング効率の評価
カップリング反応を上記のように実施し、SDSローディング緩衝剤(BioRad、31.5mM Tris-HCl、pH6.8、10%グリセロール、1%SDS、0.005%ブロモフェノールブルー、300mM DTT)の添加によって停止させた。試料を95℃で5分間煮沸し、SDS-PAGE(NuPAGE 4~12%Bis-Tris、Invitrogen)ゲル上にロードした。Ad5-HVR-DogTagまたはAd5-HVR-SpyTagへのリガンドのカップリングを評価する直接ゲルシフトアッセイの場合、タンパク質をSDS-PAGE(200V、40~55分)により分離し、クマシー染色により視覚化した[Quick Coomassie(Generon)での16時間染色、水で脱染]。カップリング効率を、ImageJを使用して非カップリングのヘキソン-DogTag/ヘキソン-SpyTagのバンド強度をヘキソン-DogTag:DogCatcher/ヘキソン-SpyTag:SpyCatcherと比較することによって評価した(ヘキソン-SpyTag:SpyCatcherカップリング効率の場合、カップリングしたヘキソンの%=ヘキソン-SpyTag:SpyCatcherと非カップリングのヘキソン-SpyTagのバンド強度の合計で割ったヘキソン-SpyTag:SpyCatcherのバンド強度、これに100を乗じる)。
【0144】
Ad5-HVR-DogTagのSnoopTagJr融合ペプチドへのカップリングの評価の場合、直接ゲルシフトアッセイを使用して低分子量ペプチドのカップリングを正確に評価することができなかったという事実により、DogCatcher(DC)タンパク質を使用する競合アッセイを実施した。カップリング後、過剰のDogCatcherタンパク質(30μM)を反応に添加し、試料を4℃でさらに24時間インキュベートした。DCは、Ad5の表面の遊離(非カップリング)ヘキソン-DogTag分子のおよそ100%と結合するので(図3Bを参照されたい)、SnoopTagJr-ペプチドにカップリングされたヘキソン-DogTagの割合を、DogCatcherとのインキュベーション後のクマシー染色SDS-PAGEでのおよそ20kDa(DogCatcherの分子量)のゲルシフトを生じない、ヘキソンの割合であると推定され得る。
【0145】
直接ゲルシフトによるヘキソン-DogTagへのSnoopTagJr-ペプチドカップリングの評価を可能にする、DogCatcher競合アッセイの代替アッセイにより、高アフィニティービオチン:ストレプトアビジン相互作用(室温のSDSローディング緩衝剤中で安定)を開発した。ビオチン化SnoopTagJr-ペプチドを、前記のようにSnoopLigaseおよびAd5-HVR-DogTagとともにインキュベートした。48時間後、SDSローディング緩衝剤中で煮沸することによりカップリング反応を停止させて、すべてのタンパク質およびビリオン構造を変性させた。試料を氷上で短時間冷却した後、過剰の一価ストレプトアビジン(mSA、ビオチンペプチドの2倍超過)とともに25℃で30分間インキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、ニトロセルロースに転写し、抗ヘキソン一次マウスモノクローナル抗体(クローン65H6、ThermoFisher)を使用してウエスタンブロッティングを実施した。ヤギ抗マウスアルカリホスファターゼ二次(1:1000希釈)、これに続いて発色用のBCIP/NBT基質(Sigma)を使用して、ヘキソンタンパク質の移動を視覚化した。mSAとビオチン間の相互作用により、SnoopTagJr-ビオチンにカップリングされたヘキソン-DogTagタンパク質について、ゲルシフト(およそ50kDa)が観察された。
【0146】
タンパク質リガンドのAd5-pIX-SpyCatcher、Ad5-pIX-SnoopCatcher、Ad5-pIX-DogCatcher、Ad5-pIX-SpyTagまたはAd5-pIX-SnoopTagJrへのカップリングの評価の場合、試料をSDS-PAGEでランさせ、次いでウエスタンブロッティング用にニトロセルロースに転写した。pIX融合体に共有結合でカップリングされたタンパク質種を、図の説明文に記載のように、一次抗体またはマウス抗血清およびアルカリホスファターゼコンジュゲート二次抗体を使用して検出した。上記のようにウエスタンブロットを発色させた。
【0147】
抗体中和アッセイ
強力な中和マウスモノクローナル抗体(mAb)9C12(Developmental Studies Hybridoma Bank、University of Iowa)によるベクター中和の評価の場合、Ad5(GFP)ベクターを完全培地中1:1の比で連続的に希釈したmAb 9C12抗体とともに37℃で1時間インキュベートした。次いで、ベクター-抗体混合物を、96ウェルプレートフォーマットのHEK293A細胞の80%コンフルエントな単層に添加した(細胞に200ifu/細胞の感染多重度で感染させた)。細胞をベクター-抗体混合物とともに37℃ 5%COで2時間インキュベートした後、混合物に新鮮な培地を補充し、プレートを37℃ 5%COにさらに24時間戻した。24時間後、HEK293A細胞内のGFP発現をベクター感染力のリードアウトとして使用した;バルク蛍光を、395nmの励起波長と509nmの発光波長を使用して蛍光光度計(Tecan)で測定した。
【0148】
Ad5陽性血清によるベクター中和の評価の場合、血清試料を、オバルブミンを発現するAd5ベクターの1E+8ifuでマウスを免疫することによって得た(ベクターは未改変のヘキソンを有した)。免疫の2週間後に血清を採取し、-80℃で保存し、次いで、中和アッセイ向けに連続的に希釈した(2倍希釈液を完全培地中1:8から1:1024までで調製して、細胞単層上に最終範囲1:16~1:2048を与えた)。希釈血清をAd5(GFP)ベクターとともにインキュベートし、混合物をHEK293細胞上でインキュベートし、上記の通りに正確に24時間後にバルクGFP蛍光を読み取った。
【0149】
マウスの免疫
すべてのマウスの手順は、イギリスにおける動物実験の法規制(UK Animals(Scientific Procedures)Act)プロジェクトライセンス(PA7D20B85)の条項に従って実施されたものであり、オックスフォード大学の倫理審査機関(Oxford University Ethical Review Body)によって承認されたものである。特定病原体除去環境に収容された雌性C57BL/6マウス(6週齢、チャールズリバー)を、エンドトキシンフリーPBS(Gibco)で製剤化されたワクチン50μLを各動物の両後肢へと注射(合計100μL)することにより筋肉内免疫した。アデノウイルスベクターは5E+9ウイルス粒子の用量で投与し、ペプチドは5μgの用量で投与し、ポリI:C(InvivoGen)は10μgの用量で投与した。エンドトキシン用量はマウス1匹あたり<1EUとした。実験はオックスフォード大学のBiomedical Servicesで実施し、免疫の2週間後に完了した。
【0150】
エクスビボIFN-ガンマELISPOT
脾臓エクスビボインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)ELISpotを、以前に記載のように標準プロトコルに従って実施した[Larsen KC、Spencer AJ、Goodman AL、Gilchrist A、Furze J、Rollier CS、Kiss-Toth E、Gilbert SC、Bregu M、Soilleux EJ、Hill AV、Wyllie DH、Expression of tak1 and tram induces synergistic pro-inflammatory signalling and adjuvants DNA vaccines.Vaccine.2009年9月18日;27(41):5589~98]。抗原特異的応答を測定するために、細胞を最終濃度5μg/mLにてのペプチドで18~20時間再刺激した。SIINFEKL特異的応答を測定するために、SIINFEKLペプチド(Cambridge Bioscience)を使用した。GFP特異的応答の場合、EGFPペプチドDTLVNRIEL(EGFP118~126)(Insight Biotechnologyによって合成)を使用した。スポット形成細胞(SFC)を、自動ELISpotリーダーシステム(AID)を使用して測定した。
【0151】
改変アデノウイルス配列:
Ad5-HVR-SpyTag配列
Ad5-HVR1-SpyTagヘキソン配列
アミノ酸(配列番号1):
MATPSMMPQWSYMHISGQDASEYLSPGLVQFARATETYFSLNNKFRNPTVAPTHDVTTDRSQRLTLRFIPVDREDTAYSYKARFTLAVGDNRVLDMASTYFDIRGVLDRGPTFKPYSGTAYNALAPKGAPNPCEWDEAGSGGSGAHIVMVDAYKPTKGSGGSGTHVFGQAPYSGINITKEGIQIGVEGQTPKYADKTFQPEPQIGESQWYETEINHAAGRVLKKTTPMKPCYGSYAKPTNENGGQGILVKQQNGKLESQVEMQFFSTTEATAGNGDNLTPKVVLYSEDVDIETPDTHISYMPTIKEGNSRELMGQQSMPNRPNYIAFRDNFIGLMYYNSTGNMGVLAGQASQLNAVVDLQDRNTELSYQLLLDSIGDRTRYFSMWNQAVDSYDPDVRIIENHGTEDELPNYCFPLGGVINTETLTKVKPKTGQENGWEKDATEFSDKNEIRVGNNFAMEINLNANLWRNFLYSNIALYLPDKLKYSPSNVKISDNPNTYDYMNKRVVAPGLVDCYINLGARWSLDYMDNVNPFNHHRNAGLRYRSMLLGNGRYVPFHIQVPQKFFAIKNLLLLPGSYTYEWNFRKDVNMVLQSSLGNDLRVDGASIKFDSICLYATFFPMAHNTASTLEAMLRNDTNDQSFNDYLSAANMLYPIPANATNVPISIPSRNWAAFRGWAFTRLKTKETPSLGSGYDPYYTYSGSIPYLDGTFYLNHTFKKVAITFDSSVSWPGNDRLLTPNEFEIKRSVDGEGYNVAQCNMTKDWFLVQMLANYNIGYQGFYIPESYKDRMYSFFRNFQPMSRQVVDDTKYKDYQQVGILHQHNNSGFVGYLAPTMREGQAYPANFPYPLIGKTAVDSITQKKFLCDRTLWRIPFSSNFMSMGALTDLGQNLLYANSAHALDMTFEVDPMDEPTLLYVLFEVFDVVRVHRPHRGVIETVYLRTPFSAGNATT
DNA(incl.STOP)(配列番号2):
ATGGCTACCCCTTCGATGATGCCGCAGTGGTCTTACATGCACATCTCGGGCCAGGACGCCTCGGAGTACCTGAGCCCCGGGCTGGTGCAGTTTGCCCGCGCCACCGAGACGTACTTCAGCCTGAATAACAAGTTTAGAAACCCCACGGTGGCGCCTACGCACGACGTGACCACAGACCGGTCCCAGCGTTTGACGCTGCGGTTCATCCCTGTGGACCGTGAGGATACTGCGTACTCGTACAAGGCGCGGTTCACCCTAGCTGTGGGTGATAACCGTGTGCTGGACATGGCTTCCACGTACTTTGACATCCGCGGCGTGCTGGACAGGGGCCCTACTTTTAAGCCCTACTCTGGCACTGCCTACAACGCCCTGGCTCCCAAGGGTGCCCCAAATCCTTGCGAATGGGATGAAGCTGGCAGCGGAGGATCCGGCGCCCATATCGTGATGGTGGACGCCTACAAGCCTACCAAAGGCTCTGGCGGAAGCGGCACTCACGTATTTGGGCAGGCGCCTTATTCTGGTATAAATATTACAAAGGAGGGTATTCAAATAGGTGTCGAAGGTCAAACACCTAAATATGCCGATAAAACATTTCAACCTGAACCTCAAATAGGAGAATCTCAGTGGTACGAAACTGAAATTAATCATGCAGCTGGGAGAGTCCTTAAAAAGACTACCCCAATGAAACCATGTTACGGTTCATATGCAAAACCCACAAATGAAAATGGAGGGCAAGGCATTCTTGTAAAGCAACAAAATGGAAAGCTAGAAAGTCAAGTGGAAATGCAATTTTTCTCAACTACTGAGGCGACCGCAGGCAATGGTGATAACTTGACTCCTAAAGTGGTATTGTACAGTGAAGATGTAGATATAGAAACCCCAGACACTCATATTTCTTACATGCCCACTATTAAGGAAGGTAACTCACGAGAACTAATGGGCCAACAATCTATGCCCAACAGGCCTAATTACATTGCTTTTAGGGACAATTTTATTGGTCTAATGTATTACAACAGCACGGGTAATATGGGTGTTCTGGCGGGCCAAGCATCGCAGTTGAATGCTGTTGTAGATTTGCAAGACAGAAACACAGAGCTTTCATACCAGCTTTTGCTTGATTCCATTGGTGATAGAACCAGGTACTTTTCTATGTGGAATCAGGCTGTTGACAGCTATGATCCAGATGTTAGAATTATTGAAAATCATGGAACTGAAGATGAACTTCCAAATTACTGCTTTCCACTGGGAGGTGTGATTAATACAGAGACTCTTACCAAGGTAAAACCTAAAACAGGTCAGGAAAATGGATGGGAAAAAGATGCTACAGAATTTTCAGATAAAAATGAAATAAGAGTTGGAAATAATTTTGCCATGGAAATCAATCTAAATGCCAACCTGTGGAGAAATTTCCTGTACTCCAACATAGCGCTGTATTTGCCCGACAAGCTAAAGTACAGTCCTTCCAACGTAAAAATTTCTGATAACCCAAACACCTACGACTACATGAACAAGCGAGTGGTGGCTCCCGGGTTAGTGGACTGCTACATTAACCTTGGAGCACGCTGGTCCCTTGACTATATGGACAACGTCAACCCATTTAACCACCACCGCAATGCTGGCCTGCGCTACCGCTCAATGTTGCTGGGCAATGGTCGCTATGTGCCCTTCCACATCCAGGTGCCTCAGAAGTTCTTTGCCATTAAAAACCTCCTTCTCCTGCCGGGCTCATACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGATGTTAACATGGTTCTGCAGAGCTCCCTAGGAAATGACCTAAGGGTTGACGGAGCCAGCATTAAGTTTGATAGCATTTGCCTTTACGCCACCTTCTTCCCCATGGCCCACAACACCGCCTCCACGCTTGAGGCCATGCTTAGAAACGACACCAACGACCAGTCCTTTAACGACTATCTCTCCGCCGCCAACATGCTCTACCCTATACCCGCCAACGCTACCAACGTGCCCATATCCATCCCCTCCCGCAACTGGGCGGCTTTCCGCGGCTGGGCCTTCACGCGCCTTAAGACTAAGGAAACCCCATCACTGGGCTCGGGCTACGACCCTTATTACACCTACTCTGGCTCTATACCCTACCTAGATGGAACCTTTTACCTCAACCACACCTTTAAGAAGGTGGCCATTACCTTTGACTCTTCTGTCAGCTGGCCTGGCAATGACCGCCTGCTTACCCCCAACGAGTTTGAAATTAAGCGCTCAGTTGACGGGGAGGGTTACAACGTTGCCCAGTGTAACATGACCAAAGACTGGTTCCTGGTACAAATGCTAGCTAACTACAACATTGGCTACCAGGGCTTCTATATCCCAGAGAGCTACAAGGACCGCATGTACTCCTTCTTTAGAAACTTCCAGCCCATGAGCCGTCAGGTGGTGGATGATACTAAATACAAGGACTACCAACAGGTGGGCATCCTACACCAACACAACAACTCTGGATTTGTTGGCTACCTTGCCCCCACCATGCGCGAAGGACAGGCCTACCCTGCTAACTTCCCCTATCCGCTTATAGGCAAGACCGCAGTTGACAGCATTACCCAGAAAAAGTTTCTTTGCGATCGCACCCTTTGGCGCATCCCATTCTCCAGTAACTTTATGTCCATGGGCGCACTCACAGACCTGGGCCAAAACCTTCTCTACGCCAACTCCGCCCACGCGCTAGACATGACTTTTGAGGTGGATCCCATGGACGAGCCCACCCTTCTTTATGTTTTGTTTGAAGTCTTTGACGTGGTCCGTGTGCACCGGCCGCACCGCGGCGTCATCGAAACCGTGTACCTGCGCACGCCCTTCTCGGCCGGCAACGCCACAACATAA
Ad5-HVR2-SpyTagヘキソン配列
アミノ酸(配列番号3):
MATPSMMPQWSYMHISGQDASEYLSPGLVQFARATETYFSLNNKFRNPTVAPTHDVTTDRSQRLTLRFIPVDREDTAYSYKARFTLAVGDNRVLDMASTYFDIRGVLDRGPTFKPYSGTAYNALAPKGAPNPCEWDEAATALEINLEEEDDDNEDEVDEQAEQQKTHVFGQAPYSGINITKEGIQIGVGSGGSGAHIVMVDAYKPTKGSGGSGPKYADKTFQPEPQIGESQWYETEINHAAGRVLKKTTPMKPCYGSYAKPTNENGGQGILVKQQNGKLESQVEMQFFSTTEATAGNGDNLTPKVVLYSEDVDIETPDTHISYMPTIKEGNSRELMGQQSMPNRPNYIAFRDNFIGLMYYNSTGNMGVLAGQASQLNAVVDLQDRNTELSYQLLLDSIGDRTRYFSMWNQAVDSYDPDVRIIENHGTEDELPNYCFPLGGVINTETLTKVKPKTGQENGWEKDATEFSDKNEIRVGNNFAMEINLNANLWRNFLYSNIALYLPDKLKYSPSNVKISDNPNTYDYMNKRVVAPGLVDCYINLGARWSLDYMDNVNPFNHHRNAGLRYRSMLLGNGRYVPFHIQVPQKFFAIKNLLLLPGSYTYEWNFRKDVNMVLQSSLGNDLRVDGASIKFDSICLYATFFPMAHNTASTLEAMLRNDTNDQSFNDYLSAANMLYPIPANATNVPISIPSRNWAAFRGWAFTRLKTKETPSLGSGYDPYYTYSGSIPYLDGTFYLNHTFKKVAITFDSSVSWPGNDRLLTPNEFEIKRSVDGEGYNVAQCNMTKDWFLVQMLANYNIGYQGFYIPESYKDRMYSFFRNFQPMSRQVVDDTKYKDYQQVGILHQHNNSGFVGYLAPTMREGQAYPANFPYPLIGKTAVDSITQKKFLCDRTLWRIPFSSNFMSMGALTDLGQNLLYANSAHALDMTFEVDPMDEPTLLYVLFEVFDVVRVHRPHRGVIETVYLRTPFSAGNATT
DNA(incl.STOP)(配列番号4):
ATGGCTACCCCTTCGATGATGCCGCAGTGGTCTTACATGCACATCTCGGGCCAGGACGCCTCGGAGTACCTGAGCCCCGGGCTGGTGCAGTTTGCCCGCGCCACCGAGACGTACTTCAGCCTGAATAACAAGTTTAGAAACCCCACGGTGGCGCCTACGCACGACGTGACCACAGACCGGTCCCAGCGTTTGACGCTGCGGTTCATCCCTGTGGACCGTGAGGATACTGCGTACTCGTACAAGGCGCGGTTCACCCTAGCTGTGGGTGATAACCGTGTGCTGGACATGGCTTCCACGTACTTTGACATCCGCGGCGTGCTGGACAGGGGCCCTACTTTTAAGCCCTACTCTGGCACTGCCTACAACGCCCTGGCTCCCAAGGGTGCCCCAAATCCTTGCGAATGGGATGAAGCTGCTACTGCTCTTGAAATAAACCTAGAAGAAGAGGACGATGACAACGAAGACGAAGTAGACGAGCAAGCTGAGCAGCAAAAAACTCACGTATTTGGGCAGGCGCCTTATTCTGGTATAAATATTACAAAGGAGGGTATTCAAATAGGTGTCGGCAGCGGAGGATCCGGCGCCCATATCGTGATGGTGGACGCCTACAAGCCTACCAAAGGCTCTGGCGGAAGCGGCCCTAAATATGCCGATAAAACATTTCAACCTGAACCTCAAATAGGAGAATCTCAGTGGTACGAAACTGAAATTAATCATGCAGCTGGGAGAGTCCTTAAAAAGACTACCCCAATGAAACCATGTTACGGTTCATATGCAAAACCCACAAATGAAAATGGAGGGCAAGGCATTCTTGTAAAGCAACAAAATGGAAAGCTAGAAAGTCAAGTGGAAATGCAATTTTTCTCAACTACTGAGGCGACCGCAGGCAATGGTGATAACTTGACTCCTAAAGTGGTATTGTACAGTGAAGATGTAGATATAGAAACCCCAGACACTCATATTTCTTACATGCCCACTATTAAGGAAGGTAACTCACGAGAACTAATGGGCCAACAATCTATGCCCAACAGGCCTAATTACATTGCTTTTAGGGACAATTTTATTGGTCTAATGTATTACAACAGCACGGGTAATATGGGTGTTCTGGCGGGCCAAGCATCGCAGTTGAATGCTGTTGTAGATTTGCAAGACAGAAACACAGAGCTTTCATACCAGCTTTTGCTTGATTCCATTGGTGATAGAACCAGGTACTTTTCTATGTGGAATCAGGCTGTTGACAGCTATGATCCAGATGTTAGAATTATTGAAAATCATGGAACTGAAGATGAACTTCCAAATTACTGCTTTCCACTGGGAGGTGTGATTAATACAGAGACTCTTACCAAGGTAAAACCTAAAACAGGTCAGGAAAATGGATGGGAAAAAGATGCTACAGAATTTTCAGATAAAAATGAAATAAGAGTTGGAAATAATTTTGCCATGGAAATCAATCTAAATGCCAACCTGTGGAGAAATTTCCTGTACTCCAACATAGCGCTGTATTTGCCCGACAAGCTAAAGTACAGTCCTTCCAACGTAAAAATTTCTGATAACCCAAACACCTACGACTACATGAACAAGCGAGTGGTGGCTCCCGGGTTAGTGGACTGCTACATTAACCTTGGAGCACGCTGGTCCCTTGACTATATGGACAACGTCAACCCATTTAACCACCACCGCAATGCTGGCCTGCGCTACCGCTCAATGTTGCTGGGCAATGGTCGCTATGTGCCCTTCCACATCCAGGTGCCTCAGAAGTTCTTTGCCATTAAAAACCTCCTTCTCCTGCCGGGCTCATACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGATGTTAACATGGTTCTGCAGAGCTCCCTAGGAAATGACCTAAGGGTTGACGGAGCCAGCATTAAGTTTGATAGCATTTGCCTTTACGCCACCTTCTTCCCCATGGCCCACAACACCGCCTCCACGCTTGAGGCCATGCTTAGAAACGACACCAACGACCAGTCCTTTAACGACTATCTCTCCGCCGCCAACATGCTCTACCCTATACCCGCCAACGCTACCAACGTGCCCATATCCATCCCCTCCCGCAACTGGGCGGCTTTCCGCGGCTGGGCCTTCACGCGCCTTAAGACTAAGGAAACCCCATCACTGGGCTCGGGCTACGACCCTTATTACACCTACTCTGGCTCTATACCCTACCTAGATGGAACCTTTTACCTCAACCACACCTTTAAGAAGGTGGCCATTACCTTTGACTCTTCTGTCAGCTGGCCTGGCAATGACCGCCTGCTTACCCCCAACGAGTTTGAAATTAAGCGCTCAGTTGACGGGGAGGGTTACAACGTTGCCCAGTGTAACATGACCAAAGACTGGTTCCTGGTACAAATGCTAGCTAACTACAACATTGGCTACCAGGGCTTCTATATCCCAGAGAGCTACAAGGACCGCATGTACTCCTTCTTTAGAAACTTCCAGCCCATGAGCCGTCAGGTGGTGGATGATACTAAATACAAGGACTACCAACAGGTGGGCATCCTACACCAACACAACAACTCTGGATTTGTTGGCTACCTTGCCCCCACCATGCGCGAAGGACAGGCCTACCCTGCTAACTTCCCCTATCCGCTTATAGGCAAGACCGCAGTTGACAGCATTACCCAGAAAAAGTTTCTTTGCGATCGCACCCTTTGGCGCATCCCATTCTCCAGTAACTTTATGTCCATGGGCGCACTCACAGACCTGGGCCAAAACCTTCTCTACGCCAACTCCGCCCACGCGCTAGACATGACTTTTGAGGTGGATCCCATGGACGAGCCCACCCTTCTTTATGTTTTGTTTGAAGTCTTTGACGTGGTCCGTGTGCACCGGCCGCACCGCGGCGTCATCGAAACCGTGTACCTGCGCACGCCCTTCTCGGCCGGCAACGCCACAACATAA
Ad5-HVR5-SpyTagヘキソン配列
アミノ酸(配列番号5):
MATPSMMPQWSYMHISGQDASEYLSPGLVQFARATETYFSLNNKFRNPTVAPTHDVTTDRSQRLTLRFIPVDREDTAYSYKARFTLAVGDNRVLDMASTYFDIRGVLDRGPTFKPYSGTAYNALAPKGAPNPCEWDEAATALEINLEEEDDDNEDEVDEQAEQQKTHVFGQAPYSGINITKEGIQIGVEGQTPKYADKTFQPEPQIGESQWYETEINHAAGRVLKKTTPMKPCYGSYAKPTNENGGQGILVKQQNGKLESQVEMQFFSGSGGSGAHIVMVDAYKPTKGSGGSGPKVVLYSEDVDIETPDTHISYMPTIKEGNSRELMGQQSMPNRPNYIAFRDNFIGLMYYNSTGNMGVLAGQASQLNAVVDLQDRNTELSYQLLLDSIGDRTRYFSMWNQAVDSYDPDVRIIENHGTEDELPNYCFPLGGVINTETLTKVKPKTGQENGWEKDATEFSDKNEIRVGNNFAMEINLNANLWRNFLYSNIALYLPDKLKYSPSNVKISDNPNTYDYMNKRVVAPGLVDCYINLGARWSLDYMDNVNPFNHHRNAGLRYRSMLLGNGRYVPFHIQVPQKFFAIKNLLLLPGSYTYEWNFRKDVNMVLQSSLGNDLRVDGASIKFDSICLYATFFPMAHNTASTLEAMLRNDTNDQSFNDYLSAANMLYPIPANATNVPISIPSRNWAAFRGWAFTRLKTKETPSLGSGYDPYYTYSGSIPYLDGTFYLNHTFKKVAITFDSSVSWPGNDRLLTPNEFEIKRSVDGEGYNVAQCNMTKDWFLVQMLANYNIGYQGFYIPESYKDRMYSFFRNFQPMSRQVVDDTKYKDYQQVGILHQHNNSGFVGYLAPTMREGQAYPANFPYPLIGKTAVDSITQKKFLCDRTLWRIPFSSNFMSMGALTDLGQNLLYANSAHALDMTFEVDPMDEPTLLYVLFEVFDVVRVHRPHRGVIETVYLRTPFSAGNATT
DNA(incl.STOP)(配列番号6):
ATGGCTACCCCTTCGATGATGCCGCAGTGGTCTTACATGCACATCTCGGGCCAGGACGCCTCGGAGTACCTGAGCCCCGGGCTGGTGCAGTTTGCCCGCGCCACCGAGACGTACTTCAGCCTGAATAACAAGTTTAGAAACCCCACGGTGGCGCCTACGCACGACGTGACCACAGACCGGTCCCAGCGTTTGACGCTGCGGTTCATCCCTGTGGACCGTGAGGATACTGCGTACTCGTACAAGGCGCGGTTCACCCTAGCTGTGGGTGATAACCGTGTGCTGGACATGGCTTCCACGTACTTTGACATCCGCGGCGTGCTGGACAGGGGCCCTACTTTTAAGCCCTACTCTGGCACTGCCTACAACGCCCTGGCTCCCAAGGGTGCCCCAAATCCTTGCGAATGGGATGAAGCTGCTACTGCTCTTGAAATAAACCTAGAAGAAGAGGACGATGACAACGAAGACGAAGTAGACGAGCAAGCTGAGCAGCAAAAAACTCACGTATTTGGGCAGGCGCCTTATTCTGGTATAAATATTACAAAGGAGGGTATTCAAATAGGTGTCGAAGGTCAAACACCTAAATATGCCGATAAAACATTTCAACCTGAACCTCAAATAGGAGAATCTCAGTGGTACGAAACTGAAATTAATCATGCAGCTGGGAGAGTCCTTAAAAAGACTACCCCAATGAAACCATGTTACGGTTCATATGCAAAACCCACAAATGAAAATGGAGGGCAAGGCATTCTTGTAAAGCAACAAAATGGAAAGCTAGAAAGTCAAGTGGAAATGCAATTTTTCTCAGGCAGCGGAGGATCCGGCGCCCATATCGTGATGGTGGACGCCTACAAGCCTACCAAAGGCTCTGGCGGAAGCGGCCCTAAAGTGGTATTGTACAGTGAAGATGTAGATATAGAAACCCCAGACACTCATATTTCTTACATGCCCACTATTAAGGAAGGTAACTCACGAGAACTAATGGGCCAACAATCTATGCCCAACAGGCCTAATTACATTGCTTTTAGGGACAATTTTATTGGTCTAATGTATTACAACAGCACGGGTAATATGGGTGTTCTGGCGGGCCAAGCATCGCAGTTGAATGCTGTTGTAGATTTGCAAGACAGAAACACAGAGCTTTCATACCAGCTTTTGCTTGATTCCATTGGTGATAGAACCAGGTACTTTTCTATGTGGAATCAGGCTGTTGACAGCTATGATCCAGATGTTAGAATTATTGAAAATCATGGAACTGAAGATGAACTTCCAAATTACTGCTTTCCACTGGGAGGTGTGATTAATACAGAGACTCTTACCAAGGTAAAACCTAAAACAGGTCAGGAAAATGGATGGGAAAAAGATGCTACAGAATTTTCAGATAAAAATGAAATAAGAGTTGGAAATAATTTTGCCATGGAAATCAATCTAAATGCCAACCTGTGGAGAAATTTCCTGTACTCCAACATAGCGCTGTATTTGCCCGACAAGCTAAAGTACAGTCCTTCCAACGTAAAAATTTCTGATAACCCAAACACCTACGACTACATGAACAAGCGAGTGGTGGCTCCCGGGTTAGTGGACTGCTACATTAACCTTGGAGCACGCTGGTCCCTTGACTATATGGACAACGTCAACCCATTTAACCACCACCGCAATGCTGGCCTGCGCTACCGCTCAATGTTGCTGGGCAATGGTCGCTATGTGCCCTTCCACATCCAGGTGCCTCAGAAGTTCTTTGCCATTAAAAACCTCCTTCTCCTGCCGGGCTCATACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGATGTTAACATGGTTCTGCAGAGCTCCCTAGGAAATGACCTAAGGGTTGACGGAGCCAGCATTAAGTTTGATAGCATTTGCCTTTACGCCACCTTCTTCCCCATGGCCCACAACACCGCCTCCACGCTTGAGGCCATGCTTAGAAACGACACCAACGACCAGTCCTTTAACGACTATCTCTCCGCCGCCAACATGCTCTACCCTATACCCGCCAACGCTACCAACGTGCCCATATCCATCCCCTCCCGCAACTGGGCGGCTTTCCGCGGCTGGGCCTTCACGCGCCTTAAGACTAAGGAAACCCCATCACTGGGCTCGGGCTACGACCCTTATTACACCTACTCTGGCTCTATACCCTACCTAGATGGAACCTTTTACCTCAACCACACCTTTAAGAAGGTGGCCATTACCTTTGACTCTTCTGTCAGCTGGCCTGGCAATGACCGCCTGCTTACCCCCAACGAGTTTGAAATTAAGCGCTCAGTTGACGGGGAGGGTTACAACGTTGCCCAGTGTAACATGACCAAAGACTGGTTCCTGGTACAAATGCTAGCTAACTACAACATTGGCTACCAGGGCTTCTATATCCCAGAGAGCTACAAGGACCGCATGTACTCCTTCTTTAGAAACTTCCAGCCCATGAGCCGTCAGGTGGTGGATGATACTAAATACAAGGACTACCAACAGGTGGGCATCCTACACCAACACAACAACTCTGGATTTGTTGGCTACCTTGCCCCCACCATGCGCGAAGGACAGGCCTACCCTGCTAACTTCCCCTATCCGCTTATAGGCAAGACCGCAGTTGACAGCATTACCCAGAAAAAGTTTCTTTGCGATCGCACCCTTTGGCGCATCCCATTCTCCAGTAACTTTATGTCCATGGGCGCACTCACAGACCTGGGCCAAAACCTTCTCTACGCCAACTCCGCCCACGCGCTAGACATGACTTTTGAGGTGGATCCCATGGACGAGCCCACCCTTCTTTATGTTTTGTTTGAAGTCTTTGACGTGGTCCGTGTGCACCGGCCGCACCGCGGCGTCATCGAAACCGTGTACCTGCGCACGCCCTTCTCGGCCGGCAACGCCACAACATAA
Ad5-HVR-DogTag配列
Ad5-HVR1-DogTagヘキソン配列
アミノ酸(配列番号7):
MATPSMMPQWSYMHISGQDASEYLSPGLVQFARATETYFSLNNKFRNPTVAPTHDVTTDRSQRLTLRFIPVDREDTAYSYKARFTLAVGDNRVLDMASTYFDIRGVLDRGPTFKPYSGTAYNALAPKGAPNPCEWDEAGSGGSGDIPATYEFTDGKHYITNEPIPPKGSGGSGTHVFGQAPYSGINITKEGIQIGVEGQTPKYADKTFQPEPQIGESQWYETEINHAAGRVLKKTTPMKPCYGSYAKPTNENGGQGILVKQQNGKLESQVEMQFFSTTEATAGNGDNLTPKVVLYSEDVDIETPDTHISYMPTIKEGNSRELMGQQSMPNRPNYIAFRDNFIGLMYYNSTGNMGVLAGQASQLNAVVDLQDRNTELSYQLLLDSIGDRTRYFSMWNQAVDSYDPDVRIIENHGTEDELPNYCFPLGGVINTETLTKVKPKTGQENGWEKDATEFSDKNEIRVGNNFAMEINLNANLWRNFLYSNIALYLPDKLKYSPSNVKISDNPNTYDYMNKRVVAPGLVDCYINLGARWSLDYMDNVNPFNHHRNAGLRYRSMLLGNGRYVPFHIQVPQKFFAIKNLLLLPGSYTYEWNFRKDVNMVLQSSLGNDLRVDGASIKFDSICLYATFFPMAHNTASTLEAMLRNDTNDQSFNDYLSAANMLYPIPANATNVPISIPSRNWAAFRGWAFTRLKTKETPSLGSGYDPYYTYSGSIPYLDGTFYLNHTFKKVAITFDSSVSWPGNDRLLTPNEFEIKRSVDGEGYNVAQCNMTKDWFLVQMLANYNIGYQGFYIPESYKDRMYSFFRNFQPMSRQVVDDTKYKDYQQVGILHQHNNSGFVGYLAPTMREGQAYPANFPYPLIGKTAVDSITQKKFLCDRTLWRIPFSSNFMSMGALTDLGQNLLYANSAHALDMTFEVDPMDEPTLLYVLFEVFDVVRVHRPHRGVIETVYLRTPFSAGNATT
DNA(incl.STOP)(配列番号8):
ATGGCTACCCCTTCGATGATGCCGCAGTGGTCTTACATGCACATCTCGGGCCAGGACGCCTCGGAGTACCTGAGCCCCGGGCTGGTGCAGTTTGCCCGCGCCACCGAGACGTACTTCAGCCTGAATAACAAGTTTAGAAACCCCACGGTGGCGCCTACGCACGACGTGACCACAGACCGGTCCCAGCGTTTGACGCTGCGGTTCATCCCTGTGGACCGTGAGGATACTGCGTACTCGTACAAGGCGCGGTTCACCCTAGCTGTGGGTGATAACCGTGTGCTGGACATGGCTTCCACGTACTTTGACATCCGCGGCGTGCTGGACAGGGGCCCTACTTTTAAGCCCTACTCTGGCACTGCCTACAACGCCCTGGCTCCCAAGGGTGCCCCAAATCCTTGCGAATGGGATGAAGCTGGCAGCGGAGGATCCGGCgatattccggctacatatgaatttaccgatggtaaacattatatcaccaatgaaccgataccgccgaaaGGCTCTGGCGGAAGCGGCACTCACGTATTTGGGCAGGCGCCTTATTCTGGTATAAATATTACAAAGGAGGGTATTCAAATAGGTGTCGAAGGTCAAACACCTAAATATGCCGATAAAACATTTCAACCTGAACCTCAAATAGGAGAATCTCAGTGGTACGAAACTGAAATTAATCATGCAGCTGGGAGAGTCCTTAAAAAGACTACCCCAATGAAACCATGTTACGGTTCATATGCAAAACCCACAAATGAAAATGGAGGGCAAGGCATTCTTGTAAAGCAACAAAATGGAAAGCTAGAAAGTCAAGTGGAAATGCAATTTTTCTCAACTACTGAGGCGACCGCAGGCAATGGTGATAACTTGACTCCTAAAGTGGTATTGTACAGTGAAGATGTAGATATAGAAACCCCAGACACTCATATTTCTTACATGCCCACTATTAAGGAAGGTAACTCACGAGAACTAATGGGCCAACAATCTATGCCCAACAGGCCTAATTACATTGCTTTTAGGGACAATTTTATTGGTCTAATGTATTACAACAGCACGGGTAATATGGGTGTTCTGGCGGGCCAAGCATCGCAGTTGAATGCTGTTGTAGATTTGCAAGACAGAAACACAGAGCTTTCATACCAGCTTTTGCTTGATTCCATTGGTGATAGAACCAGGTACTTTTCTATGTGGAATCAGGCTGTTGACAGCTATGATCCAGATGTTAGAATTATTGAAAATCATGGAACTGAAGATGAACTTCCAAATTACTGCTTTCCACTGGGAGGTGTGATTAATACAGAGACTCTTACCAAGGTAAAACCTAAAACAGGTCAGGAAAATGGATGGGAAAAAGATGCTACAGAATTTTCAGATAAAAATGAAATAAGAGTTGGAAATAATTTTGCCATGGAAATCAATCTAAATGCCAACCTGTGGAGAAATTTCCTGTACTCCAACATAGCGCTGTATTTGCCCGACAAGCTAAAGTACAGTCCTTCCAACGTAAAAATTTCTGATAACCCAAACACCTACGACTACATGAACAAGCGAGTGGTGGCTCCCGGGTTAGTGGACTGCTACATTAACCTTGGAGCACGCTGGTCCCTTGACTATATGGACAACGTCAACCCATTTAACCACCACCGCAATGCTGGCCTGCGCTACCGCTCAATGTTGCTGGGCAATGGTCGCTATGTGCCCTTCCACATCCAGGTGCCTCAGAAGTTCTTTGCCATTAAAAACCTCCTTCTCCTGCCGGGCTCATACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGATGTTAACATGGTTCTGCAGAGCTCCCTAGGAAATGACCTAAGGGTTGACGGAGCCAGCATTAAGTTTGATAGCATTTGCCTTTACGCCACCTTCTTCCCCATGGCCCACAACACCGCCTCCACGCTTGAGGCCATGCTTAGAAACGACACCAACGACCAGTCCTTTAACGACTATCTCTCCGCCGCCAACATGCTCTACCCTATACCCGCCAACGCTACCAACGTGCCCATATCCATCCCCTCCCGCAACTGGGCGGCTTTCCGCGGCTGGGCCTTCACGCGCCTTAAGACTAAGGAAACCCCATCACTGGGCTCGGGCTACGACCCTTATTACACCTACTCTGGCTCTATACCCTACCTAGATGGAACCTTTTACCTCAACCACACCTTTAAGAAGGTGGCCATTACCTTTGACTCTTCTGTCAGCTGGCCTGGCAATGACCGCCTGCTTACCCCCAACGAGTTTGAAATTAAGCGCTCAGTTGACGGGGAGGGTTACAACGTTGCCCAGTGTAACATGACCAAAGACTGGTTCCTGGTACAAATGCTAGCTAACTACAACATTGGCTACCAGGGCTTCTATATCCCAGAGAGCTACAAGGACCGCATGTACTCCTTCTTTAGAAACTTCCAGCCCATGAGCCGTCAGGTGGTGGATGATACTAAATACAAGGACTACCAACAGGTGGGCATCCTACACCAACACAACAACTCTGGATTTGTTGGCTACCTTGCCCCCACCATGCGCGAAGGACAGGCCTACCCTGCTAACTTCCCCTATCCGCTTATAGGCAAGACCGCAGTTGACAGCATTACCCAGAAAAAGTTTCTTTGCGATCGCACCCTTTGGCGCATCCCATTCTCCAGTAACTTTATGTCCATGGGCGCACTCACAGACCTGGGCCAAAACCTTCTCTACGCCAACTCCGCCCACGCGCTAGACATGACTTTTGAGGTGGATCCCATGGACGAGCCCACCCTTCTTTATGTTTTGTTTGAAGTCTTTGACGTGGTCCGTGTGCACCGGCCGCACCGCGGCGTCATCGAAACCGTGTACCTGCGCACGCCCTTCTCGGCCGGCAACGCCACAACATAA
Ad5-HVR2-DogTagヘキソン配列
アミノ酸(配列番号9):
MATPSMMPQWSYMHISGQDASEYLSPGLVQFARATETYFSLNNKFRNPTVAPTHDVTTDRSQRLTLRFIPVDREDTAYSYKARFTLAVGDNRVLDMASTYFDIRGVLDRGPTFKPYSGTAYNALAPKGAPNPCEWDEAATALEINLEEEDDDNEDEVDEQAEQQKTHVFGQAPYSGINITKEGIQIGVGSGGSGDIPATYEFTDGKHYITNEPIPPKGSGGSGPKYADKTFQPEPQIGESQWYETEINHAAGRVLKKTTPMKPCYGSYAKPTNENGGQGILVKQQNGKLESQVEMQFFSTTEATAGNGDNLTPKVVLYSEDVDIETPDTHISYMPTIKEGNSRELMGQQSMPNRPNYIAFRDNFIGLMYYNSTGNMGVLAGQASQLNAVVDLQDRNTELSYQLLLDSIGDRTRYFSMWNQAVDSYDPDVRIIENHGTEDELPNYCFPLGGVINTETLTKVKPKTGQENGWEKDATEFSDKNEIRVGNNFAMEINLNANLWRNFLYSNIALYLPDKLKYSPSNVKISDNPNTYDYMNKRVVAPGLVDCYINLGARWSLDYMDNVNPFNHHRNAGLRYRSMLLGNGRYVPFHIQVPQKFFAIKNLLLLPGSYTYEWNFRKDVNMVLQSSLGNDLRVDGASIKFDSICLYATFFPMAHNTASTLEAMLRNDTNDQSFNDYLSAANMLYPIPANATNVPISIPSRNWAAFRGWAFTRLKTKETPSLGSGYDPYYTYSGSIPYLDGTFYLNHTFKKVAITFDSSVSWPGNDRLLTPNEFEIKRSVDGEGYNVAQCNMTKDWFLVQMLANYNIGYQGFYIPESYKDRMYSFFRNFQPMSRQVVDDTKYKDYQQVGILHQHNNSGFVGYLAPTMREGQAYPANFPYPLIGKTAVDSITQKKFLCDRTLWRIPFSSNFMSMGALTDLGQNLLYANSAHALDMTFEVDPMDEPTLLYVLFEVFDVVRVHRPHRGVIETVYLRTPFSAGNATT
DNA(incl.STOP)(配列番号10):
ATGGCTACCCCTTCGATGATGCCGCAGTGGTCTTACATGCACATCTCGGGCCAGGACGCCTCGGAGTACCTGAGCCCCGGGCTGGTGCAGTTTGCCCGCGCCACCGAGACGTACTTCAGCCTGAATAACAAGTTTAGAAACCCCACGGTGGCGCCTACGCACGACGTGACCACAGACCGGTCCCAGCGTTTGACGCTGCGGTTCATCCCTGTGGACCGTGAGGATACTGCGTACTCGTACAAGGCGCGGTTCACCCTAGCTGTGGGTGATAACCGTGTGCTGGACATGGCTTCCACGTACTTTGACATCCGCGGCGTGCTGGACAGGGGCCCTACTTTTAAGCCCTACTCTGGCACTGCCTACAACGCCCTGGCTCCCAAGGGTGCCCCAAATCCTTGCGAATGGGATGAAGCTGCTACTGCTCTTGAAATAAACCTAGAAGAAGAGGACGATGACAACGAAGACGAAGTAGACGAGCAAGCTGAGCAGCAAAAAACTCACGTATTTGGGCAGGCGCCTTATTCTGGTATAAATATTACAAAGGAGGGTATTCAAATAGGTGTCGGCAGCGGAGGATCCGGCgatattccggctacatatgaatttaccgatggtaaacattatatcaccaatgaaccgataccgccgaaaGGCTCTGGCGGAAGCGGCCCTAAATATGCCGATAAAACATTTCAACCTGAACCTCAAATAGGAGAATCTCAGTGGTACGAAACTGAAATTAATCATGCAGCTGGGAGAGTCCTTAAAAAGACTACCCCAATGAAACCATGTTACGGTTCATATGCAAAACCCACAAATGAAAATGGAGGGCAAGGCATTCTTGTAAAGCAACAAAATGGAAAGCTAGAAAGTCAAGTGGAAATGCAATTTTTCTCAACTACTGAGGCGACCGCAGGCAATGGTGATAACTTGACTCCTAAAGTGGTATTGTACAGTGAAGATGTAGATATAGAAACCCCAGACACTCATATTTCTTACATGCCCACTATTAAGGAAGGTAACTCACGAGAACTAATGGGCCAACAATCTATGCCCAACAGGCCTAATTACATTGCTTTTAGGGACAATTTTATTGGTCTAATGTATTACAACAGCACGGGTAATATGGGTGTTCTGGCGGGCCAAGCATCGCAGTTGAATGCTGTTGTAGATTTGCAAGACAGAAACACAGAGCTTTCATACCAGCTTTTGCTTGATTCCATTGGTGATAGAACCAGGTACTTTTCTATGTGGAATCAGGCTGTTGACAGCTATGATCCAGATGTTAGAATTATTGAAAATCATGGAACTGAAGATGAACTTCCAAATTACTGCTTTCCACTGGGAGGTGTGATTAATACAGAGACTCTTACCAAGGTAAAACCTAAAACAGGTCAGGAAAATGGATGGGAAAAAGATGCTACAGAATTTTCAGATAAAAATGAAATAAGAGTTGGAAATAATTTTGCCATGGAAATCAATCTAAATGCCAACCTGTGGAGAAATTTCCTGTACTCCAACATAGCGCTGTATTTGCCCGACAAGCTAAAGTACAGTCCTTCCAACGTAAAAATTTCTGATAACCCAAACACCTACGACTACATGAACAAGCGAGTGGTGGCTCCCGGGTTAGTGGACTGCTACATTAACCTTGGAGCACGCTGGTCCCTTGACTATATGGACAACGTCAACCCATTTAACCACCACCGCAATGCTGGCCTGCGCTACCGCTCAATGTTGCTGGGCAATGGTCGCTATGTGCCCTTCCACATCCAGGTGCCTCAGAAGTTCTTTGCCATTAAAAACCTCCTTCTCCTGCCGGGCTCATACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGATGTTAACATGGTTCTGCAGAGCTCCCTAGGAAATGACCTAAGGGTTGACGGAGCCAGCATTAAGTTTGATAGCATTTGCCTTTACGCCACCTTCTTCCCCATGGCCCACAACACCGCCTCCACGCTTGAGGCCATGCTTAGAAACGACACCAACGACCAGTCCTTTAACGACTATCTCTCCGCCGCCAACATGCTCTACCCTATACCCGCCAACGCTACCAACGTGCCCATATCCATCCCCTCCCGCAACTGGGCGGCTTTCCGCGGCTGGGCCTTCACGCGCCTTAAGACTAAGGAAACCCCATCACTGGGCTCGGGCTACGACCCTTATTACACCTACTCTGGCTCTATACCCTACCTAGATGGAACCTTTTACCTCAACCACACCTTTAAGAAGGTGGCCATTACCTTTGACTCTTCTGTCAGCTGGCCTGGCAATGACCGCCTGCTTACCCCCAACGAGTTTGAAATTAAGCGCTCAGTTGACGGGGAGGGTTACAACGTTGCCCAGTGTAACATGACCAAAGACTGGTTCCTGGTACAAATGCTAGCTAACTACAACATTGGCTACCAGGGCTTCTATATCCCAGAGAGCTACAAGGACCGCATGTACTCCTTCTTTAGAAACTTCCAGCCCATGAGCCGTCAGGTGGTGGATGATACTAAATACAAGGACTACCAACAGGTGGGCATCCTACACCAACACAACAACTCTGGATTTGTTGGCTACCTTGCCCCCACCATGCGCGAAGGACAGGCCTACCCTGCTAACTTCCCCTATCCGCTTATAGGCAAGACCGCAGTTGACAGCATTACCCAGAAAAAGTTTCTTTGCGATCGCACCCTTTGGCGCATCCCATTCTCCAGTAACTTTATGTCCATGGGCGCACTCACAGACCTGGGCCAAAACCTTCTCTACGCCAACTCCGCCCACGCGCTAGACATGACTTTTGAGGTGGATCCCATGGACGAGCCCACCCTTCTTTATGTTTTGTTTGAAGTCTTTGACGTGGTCCGTGTGCACCGGCCGCACCGCGGCGTCATCGAAACCGTGTACCTGCGCACGCCCTTCTCGGCCGGCAACGCCACAACATAA
Ad5-HVR5-DogTagヘキソン配列
アミノ酸(配列番号11):
MATPSMMPQWSYMHISGQDASEYLSPGLVQFARATETYFSLNNKFRNPTVAPTHDVTTDRSQRLTLRFIPVDREDTAYSYKARFTLAVGDNRVLDMASTYFDIRGVLDRGPTFKPYSGTAYNALAPKGAPNPCEWDEAATALEINLEEEDDDNEDEVDEQAEQQKTHVFGQAPYSGINITKEGIQIGVEGQTPKYADKTFQPEPQIGESQWYETEINHAAGRVLKKTTPMKPCYGSYAKPTNENGGQGILVKQQNGKLESQVEMQFFSGSGGSGDIPATYEFTDGKHYITNEPIPPKGSGGSGPKVVLYSEDVDIETPDTHISYMPTIKEGNSRELMGQQSMPNRPNYIAFRDNFIGLMYYNSTGNMGVLAGQASQLNAVVDLQDRNTELSYQLLLDSIGDRTRYFSMWNQAVDSYDPDVRIIENHGTEDELPNYCFPLGGVINTETLTKVKPKTGQENGWEKDATEFSDKNEIRVGNNFAMEINLNANLWRNFLYSNIALYLPDKLKYSPSNVKISDNPNTYDYMNKRVVAPGLVDCYINLGARWSLDYMDNVNPFNHHRNAGLRYRSMLLGNGRYVPFHIQVPQKFFAIKNLLLLPGSYTYEWNFRKDVNMVLQSSLGNDLRVDGASIKFDSICLYATFFPMAHNTASTLEAMLRNDTNDQSFNDYLSAANMLYPIPANATNVPISIPSRNWAAFRGWAFTRLKTKETPSLGSGYDPYYTYSGSIPYLDGTFYLNHTFKKVAITFDSSVSWPGNDRLLTPNEFEIKRSVDGEGYNVAQCNMTKDWFLVQMLANYNIGYQGFYIPESYKDRMYSFFRNFQPMSRQVVDDTKYKDYQQVGILHQHNNSGFVGYLAPTMREGQAYPANFPYPLIGKTAVDSITQKKFLCDRTLWRIPFSSNFMSMGALTDLGQNLLYANSAHALDMTFEVDPMDEPTLLYVLFEVFDVVRVHRPHRGVIETVYLRTPFSAGNATT
DNA(incl.STOP)(配列番号12):
ATGGCTACCCCTTCGATGATGCCGCAGTGGTCTTACATGCACATCTCGGGCCAGGACGCCTCGGAGTACCTGAGCCCCGGGCTGGTGCAGTTTGCCCGCGCCACCGAGACGTACTTCAGCCTGAATAACAAGTTTAGAAACCCCACGGTGGCGCCTACGCACGACGTGACCACAGACCGGTCCCAGCGTTTGACGCTGCGGTTCATCCCTGTGGACCGTGAGGATACTGCGTACTCGTACAAGGCGCGGTTCACCCTAGCTGTGGGTGATAACCGTGTGCTGGACATGGCTTCCACGTACTTTGACATCCGCGGCGTGCTGGACAGGGGCCCTACTTTTAAGCCCTACTCTGGCACTGCCTACAACGCCCTGGCTCCCAAGGGTGCCCCAAATCCTTGCGAATGGGATGAAGCTGCTACTGCTCTTGAAATAAACCTAGAAGAAGAGGACGATGACAACGAAGACGAAGTAGACGAGCAAGCTGAGCAGCAAAAAACTCACGTATTTGGGCAGGCGCCTTATTCTGGTATAAATATTACAAAGGAGGGTATTCAAATAGGTGTCGAAGGTCAAACACCTAAATATGCCGATAAAACATTTCAACCTGAACCTCAAATAGGAGAATCTCAGTGGTACGAAACTGAAATTAATCATGCAGCTGGGAGAGTCCTTAAAAAGACTACCCCAATGAAACCATGTTACGGTTCATATGCAAAACCCACAAATGAAAATGGAGGGCAAGGCATTCTTGTAAAGCAACAAAATGGAAAGCTAGAAAGTCAAGTGGAAATGCAATTTTTCTCAGGCAGCGGAGGATCCGGCgatattccggctacatatgaatttaccgatggtaaacattatatcaccaatgaaccgataccgccgaaaGGCTCTGGCGGAAGCGGCCCTAAAGTGGTATTGTACAGTGAAGATGTAGATATAGAAACCCCAGACACTCATATTTCTTACATGCCCACTATTAAGGAAGGTAACTCACGAGAACTAATGGGCCAACAATCTATGCCCAACAGGCCTAATTACATTGCTTTTAGGGACAATTTTATTGGTCTAATGTATTACAACAGCACGGGTAATATGGGTGTTCTGGCGGGCCAAGCATCGCAGTTGAATGCTGTTGTAGATTTGCAAGACAGAAACACAGAGCTTTCATACCAGCTTTTGCTTGATTCCATTGGTGATAGAACCAGGTACTTTTCTATGTGGAATCAGGCTGTTGACAGCTATGATCCAGATGTTAGAATTATTGAAAATCATGGAACTGAAGATGAACTTCCAAATTACTGCTTTCCACTGGGAGGTGTGATTAATACAGAGACTCTTACCAAGGTAAAACCTAAAACAGGTCAGGAAAATGGATGGGAAAAAGATGCTACAGAATTTTCAGATAAAAATGAAATAAGAGTTGGAAATAATTTTGCCATGGAAATCAATCTAAATGCCAACCTGTGGAGAAATTTCCTGTACTCCAACATAGCGCTGTATTTGCCCGACAAGCTAAAGTACAGTCCTTCCAACGTAAAAATTTCTGATAACCCAAACACCTACGACTACATGAACAAGCGAGTGGTGGCTCCCGGGTTAGTGGACTGCTACATTAACCTTGGAGCACGCTGGTCCCTTGACTATATGGACAACGTCAACCCATTTAACCACCACCGCAATGCTGGCCTGCGCTACCGCTCAATGTTGCTGGGCAATGGTCGCTATGTGCCCTTCCACATCCAGGTGCCTCAGAAGTTCTTTGCCATTAAAAACCTCCTTCTCCTGCCGGGCTCATACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGATGTTAACATGGTTCTGCAGAGCTCCCTAGGAAATGACCTAAGGGTTGACGGAGCCAGCATTAAGTTTGATAGCATTTGCCTTTACGCCACCTTCTTCCCCATGGCCCACAACACCGCCTCCACGCTTGAGGCCATGCTTAGAAACGACACCAACGACCAGTCCTTTAACGACTATCTCTCCGCCGCCAACATGCTCTACCCTATACCCGCCAACGCTACCAACGTGCCCATATCCATCCCCTCCCGCAACTGGGCGGCTTTCCGCGGCTGGGCCTTCACGCGCCTTAAGACTAAGGAAACCCCATCACTGGGCTCGGGCTACGACCCTTATTACACCTACTCTGGCTCTATACCCTACCTAGATGGAACCTTTTACCTCAACCACACCTTTAAGAAGGTGGCCATTACCTTTGACTCTTCTGTCAGCTGGCCTGGCAATGACCGCCTGCTTACCCCCAACGAGTTTGAAATTAAGCGCTCAGTTGACGGGGAGGGTTACAACGTTGCCCAGTGTAACATGACCAAAGACTGGTTCCTGGTACAAATGCTAGCTAACTACAACATTGGCTACCAGGGCTTCTATATCCCAGAGAGCTACAAGGACCGCATGTACTCCTTCTTTAGAAACTTCCAGCCCATGAGCCGTCAGGTGGTGGATGATACTAAATACAAGGACTACCAACAGGTGGGCATCCTACACCAACACAACAACTCTGGATTTGTTGGCTACCTTGCCCCCACCATGCGCGAAGGACAGGCCTACCCTGCTAACTTCCCCTATCCGCTTATAGGCAAGACCGCAGTTGACAGCATTACCCAGAAAAAGTTTCTTTGCGATCGCACCCTTTGGCGCATCCCATTCTCCAGTAACTTTATGTCCATGGGCGCACTCACAGACCTGGGCCAAAACCTTCTCTACGCCAACTCCGCCCACGCGCTAGACATGACTTTTGAGGTGGATCCCATGGACGAGCCCACCCTTCTTTATGTTTTGTTTGAAGTCTTTGACGTGGTCCGTGTGCACCGGCCGCACCGCGGCGTCATCGAAACCGTGTACCTGCGCACGCCCTTCTCGGCCGGCAACGCCACAACATAA
Ad5-pIX-SpyCatcher配列
pIX-(EAAAK3)-SpyCatcher配列:
アミノ酸(配列番号13):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKGSDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号14):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAggctccGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGggatccGACAGCGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGAGAGATGAGGACGGCAAAGAGCTGGCTGGCGCAACAATGGAACTGAGAGATAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTTAA
本特許に記載のカプシド装飾用のリガンド:
組換えタンパク質:
DogCatcher
アミノ酸(配列番号15):
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSHMKLGDIEFIKVNKNDKKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQ
DNA(incl.STOP)(配列番号16):
ATGGGCAGCAGCCATCATCATCATCATCACAGCAGCGGCCTGGTGCCGCGCGGCAGCCATATGAAACTGGGCGATATTGAATTTATTAAAGTGAACAAAAACGATAAAAAGCCGCTGCGTGGTGCCGTGTTTAGCCTGCAGAAACAGCATCCCGACTATCCCGATATCTATGGCGCGATTGATCAGAATGGGACCTATCAAAATGTGCGTACCGGCGAAGATGGTAAACTGACCTTTAAGAATCTGAGCGATGGCAAATATCGCCTGTTTGAAAATAGCGAACCCGCTGGCTATAAACCGGTGCAGAATAAGCCGATTGTGGCGTTTCAGATTGTGAATGGCGAAGTGCGTGATGTGACCAGCATTGTGCCGCAGTAA
DogCatcher-NANP9
アミノ酸(配列番号17):
MAHHHHHHVGTGKLGDIEFIKVNKNDKKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQGSGGSGGSNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANP
DNA(incl.STOP)(配列番号18):
ATGGCACATCACCACCACCATCACGTGGGTACCGGTAAACTGGGCGATATTGAATTTATTAAAGTGAACAAAAACGATAAAAAGCCGCTGCGTGGTGCCGTGTTTAGCCTGCAGAAACAGCATCCCGACTATCCCGATATCTATGGCGCGATTGATCAGAATGGGACCTATCAAAATGTGCGTACCGGCGAAGATGGTAAACTGACCTTTAAGAATCTGAGCGATGGCAAATATCGCCTGTTTGAAAATAGCGAACCCGCTGGCTATAAACCGGTGCAGAATAAGCCGATTGTGGCGTTTCAGATTGTGAATGGCGAAGTGCGTGATGTGACCAGCATTGTGCCGCAGGGCTCTGGCGGAAGCGGCggatccAATGCGAACCCTAATGCGAATCCCAATGCAAATCCCAATGCGAACCCTAACGCAAATCCGAACGCAAACCCTAACGCGAACCCTAATGCTAATCCTAACGCCAATCCTtaa
DogCatcher-NANP18
アミノ酸(配列番号19):
MAHHHHHHVGTGKLGDIEFIKVNKNDKKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQGSGGSGGSNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANP
DNA(incl.STOP)(配列番号20):
ATGGCACATCACCACCACCATCACGTGGGTACCGGTAAACTGGGCGATATTGAATTTATTAAAGTGAACAAAAACGATAAAAAGCCGCTGCGTGGTGCCGTGTTTAGCCTGCAGAAACAGCATCCCGACTATCCCGATATCTATGGCGCGATTGATCAGAATGGGACCTATCAAAATGTGCGTACCGGCGAAGATGGTAAACTGACCTTTAAGAATCTGAGCGATGGCAAATATCGCCTGTTTGAAAATAGCGAACCCGCTGGCTATAAACCGGTGCAGAATAAGCCGATTGTGGCGTTTCAGATTGTGAATGGCGAAGTGCGTGATGTGACCAGCATTGTGCCGCAGGGCTCTGGCGGAAGCGGCggatccAATGCTAACCCTAACGCTAACCCCAACGCCAATCCGAATGCGAATCCTAACGCCAATCCAAATGCCAATCCGAACGCGAACCCAAACGCTAATCCAAACGCGAATCCAAATGCGAACCCTAATGCGAATCCCAATGCAAATCCCAATGCGAACCCTAACGCAAATCCGAACGCAAACCCTAACGCGAACCCTAATGCTAATCCTAACGCCAATCCTtaa
DogCatcher-NANPドメイン
アミノ酸(配列番号21):
MAHHHHHHVGTGKLGDIEFIKVNKNDKKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQGSGGSGGSNANPNVDPNANPNVDPNANPNVDPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNVDPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANPNANP
DNA(incl.STOP)(配列番号22):
ATGGCACATCACCACCACCATCACGTGGGTACCGGTAAACTGGGCGATATTGAATTTATTAAAGTGAACAAAAACGATAAAAAGCCGCTGCGTGGTGCCGTGTTTAGCCTGCAGAAACAGCATCCCGACTATCCCGATATCTATGGCGCGATTGATCAGAATGGGACCTATCAAAATGTGCGTACCGGCGAAGATGGTAAACTGACCTTTAAGAATCTGAGCGATGGCAAATATCGCCTGTTTGAAAATAGCGAACCCGCTGGCTATAAACCGGTGCAGAATAAGCCGATTGTGGCGTTTCAGATTGTGAATGGCGAAGTGCGTGATGTGACCAGCATTGTGCCGCAGGGCTCTGGCGGAAGCGGCGGATCCAATGCAAATCCGAATGTTGATCCGAACGCGAACCCGAACGTGGACCCTAACGCCAATCCTAATGTGGACCCAAATGCGAATCCAAATGCTAACCCAAACGCAAACCCGAATGCGAACCCCAATGCCAATCCGAACGCTAATCCCAATGCTAATCCTAATGCAAATCCAAACGCGAATCCGAACGCCAATCCTAACGCAAACCCGAACGCAAATCCAAATGCAAACCCAAATGCTAATCCTAATGCGAACCCGAATGCTAACCCGAATGCAAACCCTAACGTTGACCCTAATGCTAACCCTAACGCTAACCCCAACGCCAATCCGAATGCGAATCCTAACGCCAATCCAAATGCCAATCCGAACGCGAACCCAAACGCTAATCCAAACGCGAATCCAAATGCGAACCCTAATGCGAATCCCAATGCAAATCCCAATGCGAACCCTAACGCAAATCCGAACGCAAACCCTAACGCGAACCCTAATGCTAATCCTAACGCCAATCCTTAA
SpyTag-MBP
アミノ酸(配列番号23):
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSHMGAHIVMVDAYKPTKGSGESGKIEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELAKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSS
DNA(incl.STOP)(配列番号24):
ATGGGCAGCAGCCATCATCATCATCATCACAGCAGCGGCCTGGTGCCGCGCGGCAGCCATATGGGAGCCCACATCGTGATGGTGGACGCCTACAAGCCGACGAAGggtagtggtgaaagtggtAAAATCGAAGAAGGTAAACTGGTAATCTGGATTAACGGCGATAAAGGCTATAACGGTCTCGCTGAAGTCGGTAAGAAATTCGAGAAAGATACCGGAATTAAAGTCACCGTTGAGCATCCGGATAAACTGGAAGAGAAATTCCCACAGGTTGCGGCAACTGGCGATGGCCCTGACATTATCTTCTGGGCACACGACCGCTTTGGTGGCTACGCTCAATCTGGCCTGTTGGCTGAAATCACCCCGGACAAAGCGTTCCAGGACAAGCTGTATCCGTTTACCTGGGATGCCGTACGTTACAACGGCAAGCTGATTGCTTACCCGATCGCTGTTGAAGCGTTATCGCTGATTTATAACAAAGATCTGCTGCCGAACCCGCCAAAAACCTGGGAAGAGATCCCGGCGCTGGATAAAGAACTGAAAGCGAAAGGTAAGAGCGCGCTGATGTTCAACCTGCAAGAACCGTACTTCACCTGGCCGCTGATTGCTGCTGACGGGGGTTATGCGTTCAAGTATGAAAACGGCAAGTACGACATTAAAGACGTGGGCGTGGATAACGCTGGCGCGAAAGCGGGTCTGACCTTCCTGGTTGACCTGATTAAAAACAAACACATGAATGCAGACACCGATTACTCCATCGCAGAAGCTGCCTTTAATAAAGGCGAAACAGCGATGACCATCAACGGCCCGTGGGCATGGTCCAACATCGACACCAGCAAAGTGAATTATGGTGTAACGGTACTGCCGACCTTCAAGGGTCAACCATCCAAACCGTTCGTTGGCGTGCTGAGCGCAGGTATTAACGCCGCCAGTCCGAACAAAGAGCTGGCAAAAGAGTTCCTCGAAAACTATCTGCTGACTGATGAAGGTCTGGAAGCGGTTAATAAAGACAAACCGCTGGGTGCCGTAGCGCTGAAGTCTTACGAGGAAGAGTTGGCGAAAGATCCACGTATTGCCGCCACTATGGAAAACGCCCAGAAAGGTGAAATCATGCCGAACATCCCGCAGATGTCCGCTTTCTGGTATGCCGTGCGTACTGCGGTGATCAACGCCGCCAGCGGTCGTCAGACTGTCGATGAAGCCCTGAAAGACGCGCAGACTAATTCGAGCTCGTAA
SnoopLigase
アミノ酸(配列番号25):
MGSWSHHHHHHSSGGSGVNKNDKKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPPGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPPGVPATYEFT
DNA(incl.STOP)(配列番号26):
atgggcagctggagccatcatcatcatcatcacagctctggtggtagtggtgtgaataagaacgataaaaagccgctgcgtggtgccgtgtttagcctgcagaaacagcatcccgactatcccgatatctatggcgcgattgatcagaatgggacctatcaaaatgtgcgtaccggcgaagatggtaaactgacctttaagaatctgagcgatggcaaatatcgcctgtttgaaaatagcgaacccccgggctataaaccggtgcagaataagccgattgtggcgtttcagattgtgaatggcgaagtgcgtgatgtgaccagcattgtgccgccgggtgtgccggctacatatgaatttacctaa
SnoopTagJr-AffiHER2
アミノ酸(配列番号27):
MGSSHHHHHHSSGGKLGSIEFIKVNKGSGESGSGASMTGGQQMGRDPGVDNKFNKEMRNAYWEIALLPNLNNQQKRAFIRSLYDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKGLE
DNA(incl.STOP)(配列番号28):
atgggcagcagccatcatcatcatcatcacagcagcggcgggaaactgggctctattgaatttattaaagtgaacaaaggcagtggtgagtcgggatccggagctagcatgactggtggacagcaaatgggtcgggatccgggcgtggacaacaaattcaacaaagaaatgaggaacgcttactgggagatagctcttttacccaacttaaacaatcaacagaaaagggctttcataaggtcgttatacgatgacccaagccaaagcgctaaccttttagcagaagctaaaaagctaaatgatgctcaggcgccgaaaggcctcgagtaa
SpyCatcher
アミノ酸(配列番号29):
MSYYHHHHHHDYDIPTTENLYFQGAMVDTLSGLSSEQGQSGDMTIEEDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号30):
ATGTCGTACTACCATCACCATCACCATCACGATTACGACATCCCAACGACCGAAAACCTGTATTTTCAGGGCGCCATGGTTGATACCTTATCAGGTTTATCAAGTGAGCAAGGTCAGTCCGGTGATATGACAATTGAAGAAGATAGTGCTACCCATATTAAATTCTCAAAACGTGATGAGGACGGCAAAGAGTTAGCTGGTGCAACTATGGAGTTGCGTGATTCATCTGGTAAAACTATTAGTACATGGATTTCAGATGGACAAGTGAAAGATTTCTACCTGTATCCAGGAAAATATACATTTGTCGAAACCGCAGCACCAGACGGTTATGAGGTAGCAACTGCTATTACCTTTACAGTTAATGAGCAAGGTCAGGTTACTGTAAATGGCAAAGCAACTAAAGGTGACGCTCATATTTAA
HCMV五量体
HCMV gH-SpyTag
アミノ酸(配列番号31):
MRPGLPSYLIILAVCLFSHLLSSRYGAEAVSEPLDKAFHLLLNTYGRPIRFLRENTTQCTYNSSLRNSTVVRENAISFNFFQSYNQYYVFHMPRCLFAGPLAEQFLNQVDLTETLERYQQRLNTYALVSKDLASYRSFSQQLKAQDSLGEQPTTVPPPIDLSIPHVWMPPQTTPHGWTESHTTSGLHRPHFNQTCILFDGHDLLFSTVTPCLHQGFYLIDELRYVKITLTEDFFVVTVSIDDDTPMLLIFGHLPRVLFKAPYQRDNFILRQTEKHELLVLVKKDQLNRHSYLKDPDFLDAALDFNYLDLSALLRNSFHRYAVDVLKSGRCQMLDRRTVEMAFAYALALFAAARQEEAGAQVSVPRALDRQAALLQIQEFMITCLSQTPPRTTLLLYPTAVDLAKRALWTPNQITDITSLVRLVYILSKQNQQHLIPQWALRQIADFALKLHKTHLASFLSAFARQELYLMGSLVHSMLVHTTERREIFIVETGLCSLAELSHFTQLLAHPHHEYLSDLYTPCSSSGRRDHSLERLTRLFPDATVPATVPAALSILSTMQPSTLETFPDLFCLPLGESFSALTVSEHVSYIVTNQYLIKGISYPVSTTVVGQSLIITQTDSQTKCELTRNMHTTHSITVALNISLENCAFCQSALLEYDDTQGVINIMYMHDSDDVLFALDPYNEVVVSSPRTHYLMLLKNGTVLEVTDVVVDATDSRLLGSGGSGAHIVMVDAYKPTKHHHHHH
DNA(incl.STOP)(配列番号32):
ATGCGGCCAGGCCTCCCCTCCTACCTCATCATCCTCGCCGTCTGTCTCTTCAGCCACCTACTTTCGTCACGATATGGCGCAGAAGCCGTATCCGAACCGCTGGACAAAGCGTTTCACCTACTGCTCAACACCTACGGGAGACCCATCCGCTTCCTGCGTGAAAATACCACCCAGTGTACCTACAACAGCAGCCTCCGTAACAGCACGGTCGTCAGGGAAAACGCCATCAGTTTCAACTTTTTCCAAAGCTATAATCAATACTATGTATTCCATATGCCTCGATGTCTTTTTGCGGGTCCTCTGGCGGAGCAGTTTCTGAACCAGGTAGATCTGACCGAAACCCTGGAAAGATACCAACAGAGACTTAACACTTACGCGCTGGTATCCAAAGACCTGGCCAGCTACCGATCTTTTTCGCAGCAGCTAAAGGCACAAGACAGCCTAGGTGAACAGCCCACCACTGTGCCACCGCCCATTGACCTGTCAATACCTCACGTTTGGATGCCACCGCAAACCACTCCACACGGCTGGACAGAATCACATACCACCTCAGGACTACACCGACCACACTTTAACCAGACCTGTATCCTCTTTGATGGACACGATCTACTATTCAGCACCGTCACACCTTGTTTGCACCAAGGCTTTTACCTCATCGACGAACTACGTTACGTTAAAATAACACTGACCGAGGACTTCTTCGTAGTTACGGTGTCCATAGACGACGACACACCCATGCTGCTTATCTTCGGCCATCTTCCACGCGTACTTTTCAAAGCGCCCTATCAACGCGACAACTTTATACTACGACAAACTGAAAAACACGAGCTCCTGGTGCTAGTTAAGAAAGATCAACTGAACCGTCACTCTTATCTCAAAGACCCGGACTTTCTTGACGCCGCACTTGACTTCAACTACCTAGACCTCAGCGCACTACTACGTAACAGCTTTCACCGTTACGCCGTGGATGTACTCAAGAGCGGTCGATGTCAGATGCTGGACCGCCGCACGGTAGAAATGGCCTTCGCCTACGCATTAGCACTGTTCGCAGCAGCCCGACAAGAAGAGGCCGGCGCCCAAGTCTCCGTCCCACGGGCCCTAGACCGCCAGGCCGCACTCTTACAAATACAAGAATTTATGATCACATGCCTCTCACAAACACCACCACGCACCACGTTGCTGCTGTATCCCACGGCCGTGGACCTGGCCAAACGAGCCCTTTGGACACCGAATCAGATCACCGACATCACCAGCCTCGTACGCCTGGTCTACATACTCTCTAAACAGAATCAGCAACATCTCATCCCCCAATGGGCACTACGACAGATCGCCGACTTTGCCCTAAAACTACACAAAACGCACCTGGCCTCTTTTCTTTCAGCCTTCGCACGCCAAGAACTCTACCTCATGGGCAGCCTCGTCCACTCCATGCTGGTACATACGACGGAGAGACGCGAAATCTTCATCGTAGAAACGGGCCTCTGTTCATTGGCCGAGCTATCACACTTTACGCAGTTGTTAGCTCATCCACACCACGAATACCTCAGCGACCTGTACACACCCTGTTCCAGTAGCGGGCGACGCGATCACTCGCTCGAACGCCTCACGCGTCTCTTCCCCGATGCCACCGTCCCCGCTACCGTTCCCGCCGCCCTCTCCATCCTATCTACCATGCAACCAAGCACGCTGGAAACCTTCCCCGACCTGTTTTGCTTGCCGCTCGGCGAATCCTTCTCCGCGCTGACCGTCTCCGAACACGTCAGTTATATCGTAACAAACCAGTACCTGATCAAAGGTATCTCCTACCCTGTCTCCACCACCGTCGTAGGCCAGAGCCTCATCATCACCCAGACGGACAGTCAAACTAAATGCGAACTGACGCGCAACATGCATACCACACACAGCATCACAGTGGCGCTCAACATTTCGCTAGAAAACTGCGCCTTTTGCCAAAGCGCCCTGCTAGAATACGACGACACGCAAGGCGTCATCAACATCATGTACATGCACGACTCGGACGACGTCCTTTTCGCCCTGGATCCCTACAACGAAGTGGTGGTCTCATCTCCGCGAACTCACTACCTCATGCTTTTGAAAAACGGTACGGTACTAGAAGTAACTGACGTCGTCGTGGACGCCACCGACAGTCGTCTCCTCGGAAGCGGAGGCTCTGGTGCCCATATCGTGATGGTGgacgCCTACAAGCCTACCAAACATCATCACCATCACCACTAA
HCMV gL
アミノ酸(配列番号33):
MCRRPDCGFSFSPGPVILLWCCLLLPIVSSAAVSVAPTAAEKVPAECPELTRRCLLGEVFEGDKYESWLRPLVNVTGRDGPLSQLIRYRPVTPEAANSVLLDEAFLDTLALLYNNPDQLRALLTLLSSDTAPRWMTVMRGYSECGDGSPAVYTCVDDLCRGYDLTRLSYGRSIFTEHVLGFELVPPSLFNVVVAIRNEATRTNRAVRLPVSTAAAPEGITLFYGLYNAVKEFCLRHQLDPPLLRHLDKYYAGLPPELKQTRVNLPAHSRYGPQAVDAR
DNA(incl.STOP)(配列番号34):
ATGTGCCGCCGCCCGGATTGCGGCTTCTCTTTCTCACCTGGACCGGTGATACTGCTGTGGTGTTGCCTTCTGCTGCCCATTGTTTCCTCAGCCGCCGTCAGCGTCGCTCCTACCGCCGCCGAGAAAGTCCCCGCGGAGTGCCCCGAACTAACGCGCCGATGCTTGTTGGGTGAGGTGTTTGAGGGTGACAAGTATGAAAGTTGGCTGCGCCCGTTGGTGAATGTTACCGGGCGCGATGGCCCGCTATCGCAACTTATCCGTTACCGTCCCGTTACGCCGGAGGCCGCCAACTCCGTGCTGTTGGACGAGGCTTTCCTGGACACTCTGGCCCTGCTGTACAACAATCCGGATCAATTGCGGGCCCTGCTGACGCTGTTGAGCTCGGACACAGCGCCGCGCTGGATGACGGTGATGCGCGGCTACAGCGAGTGCGGCGATGGCTCGCCGGCCGTGTACACGTGCGTGGACGACCTGTGCCGCGGCTACGACCTCACGCGACTGTCATACGGGCGCAGCATCTTCACGGAACACGTGTTAGGCTTCGAGCTGGTGCCACCGTCTCTCTTTAACGTGGTGGTGGCCATACGCAACGAAGCCACGCGTACCAACCGCGCCGTGCGTCTGCCCGTGAGCACCGCTGCCGCGCCCGAGGGCATCACGCTCTTTTACGGCCTGTACAACGCAGTGAAGGAATTCTGCCTGCGTCACCAGCTGGACCCGCCGCTGCTACGCCACCTAGATAAATACTACGCCGGACTGCCGCCCGAGCTGAAGCAGACGCGCGTCAACCTGCCGGCTCACTCGCGCTATGGCCCTCAAGCAGTGGATGCTCGCTAA
HCMV UL131A
アミノ酸(配列番号35):
MRLCRVWLSVCLCAVVLGQCQRETAEKNDYYRVPHYWDACSRALPDQTRYKYVEQLVDLTLNYHYDASHGLDNFDVLKRINVTEVSLLISDFRRQNRRGGTNKRTTFNAAGSLAPHARSLEFSVRLFAN
DNA(incl.STOP) - イントロンを含有する(ボールド体)(配列番号36):
【0152】
【化1】
【0153】
HCMV UL128
アミノ酸(配列番号37):
MSPKDLTPFLTALWLLLGHSRVPRVRAEECCEFINVNHPPERCYDFKMCNRFTVALRCPDGEVCYSPEKTAEIRGIVTTMTHSLTRQVVHNKLTSCNYNPLYLEADGRIRCGKVNDKAQYLLGAAGSVPYRWINLEYDKITRIVGLDQYLESVKKHKRLDVCRAKMGYMLQ
DNA(incl.STOP) - イントロンを含有する(ボールド体)(配列番号38):
【0154】
【化2】
【0155】
HCMV UL130
アミノ酸(配列番号39):
MLRLLLRHHFHCLLLCAVWATPCLASPWSTLTANQNPSPPWSKLTYSKPHDAATFYCPFLYPSPPRSPLQFSGFQRVSTGPECRNETLYLLYNREGQTLVERSSTWVKKVIWYLSGRNQTILQRMPRTASKPSDGNVQISVEDAKIFGAHMVPKQTKLLRFVVNDGTRYQMCVMKLESWAHVFRDYSVSFQVRLTFTEANNQTYTFCTHPNLIVGGGGSGGGGSGGGGSEPEA
DNA(incl.STOP)(配列番号40):
ATGCTGCGGCTTCTGCTTCGTCACCACTTTCACTGCCTGCTTCTGTGCGCGGTTTGGGCAACGCCCTGTCTGGCGTCTCCGTGGTCGACGCTAACAGCAAACCAGAATCCGTCCCCGCCATGGTCTAAACTGACGTATTCCAAACCGCATGACGCGGCGACGTTTTACTGTCCTTTTCTCTATCCCTCGCCCCCACGATCCCCCTTGCAATTCTCGGGGTTCCAGCGGGTATCAACGGGTCCCGAGTGTCGCAACGAGACCCTGTATCTGCTGTACAACCGGGAAGGCCAGACCTTGGTGGAGAGAAGCTCCACCTGGGTGAAAAAGGTGATCTGGTACCTGAGCGGTCGGAACCAAACCATCCTCCAACGGATGCCCCGAACGGCTTCGAAACCGAGCGACGGAAACGTGCAGATCAGCGTGGAAGACGCCAAGATTTTTGGAGCGCACATGGTGCCCAAGCAGACCAAGCTGCTACGCTTCGTCGTCAACGATGGCACACGTTATCAGATGTGTGTGATGAAGCTGGAGAGCTGGGCTCACGTCTTCCGGGACTACAGCGTGTCTTTTCAGGTGCGATTGACGTTCACCGAGGCCAATAACCAGACTTACACCTTCTGCACCCATCCCAATCTCATCGTTGGAGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGTGGCGGAGGCGGATCTGAGCCCGAGGCCTAA
ペプチド(固相合成された - アミノ酸配列のみ):
SnoopTagJr-hTERT(配列番号41):GKLGSIEFIKVNKGEARPALLTSRLRFIPK
SnoopTagJr-GGS-SIINFEKL(PEP1)(配列番号42):GKLGSIEFIKVNKGGGSSIINFEKL
SnoopTagJr-AAY-SIINFEKL(PEP2)(配列番号43):GKLGSIEFIKVNKGAAYSIINFEKL
ビオチン-SnoopTagJr(配列番号44):ビオチン-GKLGSIEFIKVNK(N末端ビオチン)
ビオチン-SpyTag003(配列番号45):ビオチン-GSRGVPHIVMVDAYKRYK(N末端ビオチン)
改変アデノウイルス配列:
Ad5-pIX-SpyCatcher配列
Ad5-pIX-SpyCatcher(リンカー無し)pIX配列
アミノ酸(配列番号46):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号47):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGACAGCGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGAGAGATGAGGACGGCAAAGAGCTGGCTGGCGCAACAATGGAACTGAGAGATAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTTAA
Ad5-pIX-SpyCatcher(EAAAK3-GSリンカー)pIX配列
アミノ酸(配列番号48):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVEAAAKEAAAKEAAAKGSDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号49):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGggatccGACAGCGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGAGAGATGAGGACGGCAAAGAGCTGGCTGGCGCAACAATGGAACTGAGAGATAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTTAA
Ad5-pIX-SpyCatcher(GGS-EAAAK3リンカー)pIX配列
アミノ酸(配列番号50):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号51):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAggctccGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGGACAGCGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGAGAGATGAGGACGGCAAAGAGCTGGCTGGCGCAACAATGGAACTGAGAGATAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTTAA
Ad5-pIX-SpyCatcher(EAAAK3リンカー、GGSまたはGSヒンジ無し)pIX配列
アミノ酸(配列番号52):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVEAAAKEAAAKEAAAKDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号53):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGGACAGCGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGAGAGATGAGGACGGCAAAGAGCTGGCTGGCGCAACAATGGAACTGAGAGATAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTTAA
Ad5-pIX-SpyCatcher(GGS-EAAAK5-GSリンカー)pIX配列
アミノ酸(配列番号54):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKGSDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHI
DNA(incl.STOP)(配列番号55):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAGGCTCCGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGGAGGCCGCAGCTAAGGAAGCCGCCGCTAAGGGATCCGACAGCGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGAGAGATGAGGACGGCAAAGAGCTGGCTGGCGCAACAATGGAACTGAGAGATAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTTAA
Ad5-pIX-SpyCatcher(デルタN1デルタC2)pIX配列
アミノ酸(配列番号56):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKGSDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNG
DNA(incl.STOP)(配列番号57):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAggctccGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGggatccGACAGCGCCACCCACATCAAGTTCAGCAAGAGGGACGAGGACGGCAAGGAGCTGGCCGGCGCAACAATGGAGCTGAGGGACAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCAGCGACGGCCAGGTGAAGGACTTCTACCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAGACCGCCGCCCCCGACGGCTACGAGGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAACGAGCAGGGCCAGGTGACCGTGAACGGCTAA
Ad5-pIX-SnoopCatcher配列
Ad5-pIX-SnoopCatcher pIX配列
アミノ酸(配列番号58):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKGSHMKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQDIPATYEFTNGKHYITNEPIPPK
DNA(incl.STOP)(配列番号59):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAggctccGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGggatccCACATGAAGCCCCTGAGGGGCGCCGTGTTCAGCCTGCAGAAGCAGCACCCCGACTACCCCGACATCTACGGCGCCATCGACCAGAACGGCACCTACCAGAACGTGAGGACCGGCGAGGACGGCAAGCTGACCTTCAAGAACCTGAGCGACGGCAAGTACAGGCTGTTCGAGAACAGCGAGCCCGCCGGCTACAAGCCCGTGCAGAACAAGCCCATCGTGGCCTTCCAGATCGTGAACGGCGAGGTGAGGGACGTGACCAGCATCGTGCCCCAGGACATCCCCGCCACCTACGAGTTCACCAACGGCAAGCACTACATCACCAACGAGCCCATCCCCCCCAAGTAA
Ad5-pIX-DogCatcher配列
Ad5-pIX-DogCatcher pIX配列
アミノ酸(配列番号60):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKGSKLGDIEFIKVNKNDKKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQ
DNA(incl.STOP)(配列番号61):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAggctccGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGggatccAAACTGGGCGATATTGAATTTATTAAAGTGAACAAAAACGATAAAAAGCCGCTGCGTGGTGCCGTGTTTAGCCTGCAGAAACAGCATCCCGACTATCCCGATATCTATGGCGCGATTGATCAGAATGGGACCTATCAAAATGTGCGTACCGGCGAAGATGGTAAACTGACCTTTAAGAATCTGAGCGATGGCAAATATCGCCTGTTTGAAAATAGCGAACCCGCTGGCTATAAACCGGTGCAGAATAAGCCGATTGTGGCGTTTCAGATTGTGAATGGCGAAGTGCGTGATGTGACCAGCATTGTGCCGCAGTAA
Ad5-pIX-SpyTag配列
Ad5-pIX-SpyTag pIX配列
アミノ酸(配列番号62):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKGSAHIVMVDAYKPTK
DNA(incl.STOP)(配列番号63):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAGGCTCCGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGGGATCCGCCCACATCGTTATGGTGGATGCCTACAAGCCCACCAAATAA
Ad5-pIX-SnoopTagJr配列
Ad5-pIX-SnoopTagJr pIX配列
アミノ酸(配列番号64):
MSTNSFDGSIVSSYLTTRMPPWAGVRQNVMGSSIDGRPVLPANSTTLTYETVSGTPLETAASAAASAAAATARGIVTDFAFLSPLASSAASRSSARDDKLTALLAQLDSLTRELNVVSQQLLDLRQQVSALKASSPPNAVGGSEAAAKEAAAKEAAAKGSKLGSIEFIKVNK
DNA(incl.STOP)(配列番号65):
ATGAGCACCAACTCGTTTGATGGAAGCATTGTGAGCTCATATTTGACAACGCGCATGCCCCCATGGGCCGGGGTGCGTCAGAATGTGATGGGCTCCAGCATTGATGGTCGCCCCGTCCTGCCCGCAAACTCTACTACCTTGACCTACGAGACCGTGTCTGGAACGCCGTTGGAGACTGCAGCCTCCGCCGCCGCTTCAGCCGCTGCAGCCACCGCCCGCGGGATTGTGACTGACTTTGCTTTCCTGAGCCCGCTTGCAAGCAGTGCAGCTTCCCGTTCATCCGCCCGCGATGACAAGTTGACGGCTCTTTTGGCACAATTGGATTCTTTGACCCGGGAACTTAATGTCGTTTCTCAGCAGCTGTTGGATCTGCGCCAGCAGGTTTCTGCCCTGAAGGCTTCCTCCCCTCCCAATGCGGTTGGAGGCTCCGAAGCCGCCGCTAAAGAAGCTGCTGCCAAAGAGGCCGCTGCAAAGGGATCCaaactgggctctattgaatttattaaagtgaacaaaTAA
本願に記載のカプシド装飾用のリガンド:
組換えタンパク質:
SARS CoV2 Spike-SnoopTagJr
アミノ酸(配列番号66):
MFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSNVTWFHAIHVSGTNGTKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGWIFGTTLDSKTQSLLIVNNATNVVIKVCEFQFCNDPFLGVYYHKNNKSWMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGFSALEPLVDLPIGINITRFQTLLALHRSYLTPGDSSSGWTAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGTITDAVDCALDPLSETKCTLKSFTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNFNGLTGTGVLTESNKKFLPFQQFGRDIADTTDAVRDPQTLEILDITPCSFGGVSVITPGTNTSNQVAVLYQDVNCTEVPVAIHADQLTPTWRVYSTGSNVFQTRAGCLIGAEHVNNSYECDIPIGAGICASYQTQTNSPGSASSVASQSIIAYTMSLGAENSVAYSNNSIAIPTNFTISVTTEILPVSMTKTSVDCTMYICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFNGLTVLPPLLTDEMIAQYTSALLAGTITSGWTFGAGAALQIPFAMQMAYRFNGIGVTQNVLYENQKLIANQFNSAIGKIQDSLSSTASALGKLQDVVNQNAQALNTLVKQLSSNFGAISSVLNDILSRLDPPEAEVQIDRLITGRLQSLQTYVTQQLIRAAEIRASANLAATKMSECVLGQSKRVDFCGKGYHLMSFPQSAPHGVVFLHVTYVPAQEKNFTTAPAICHDGKAHFPREGVFVSNGTHWFVTQRNFYEPQIITTDNTFVSGNCDVVIGIVNNTVYDPLQPELDSFKEELDKYFKNHTSPDVDLGDISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQGSGIVQQQNNLLRAIEAQQHLLQLTVWGIKQLQARILAGGSGGHTTWMEWDREINNYTSLIHSLIEESQNQQEKNEQELLEGSGGSGKLGSIEFIKVNKEPEA
DNA(incl.STOP)(配列番号67):
ATGTTCGTGTTTCTGGTGCTGCTGCCTCTGGTGTCCAGCCAGTGTGTGAACCTGACCACCAGAACACAGCTGCCTCCAGCCTACACCAACAGCTTTACCAGAGGCGTGTACTACCCCGACAAGGTGTTCAGATCCAGCGTGCTGCACTCTACCCAGGACCTGTTCCTGCCTTTCTTCAGCAACGTGACCTGGTTCCACGCCATCCACGTGTCCGGCACCAATGGCACCAAGAGATTCGACAACCCCGTGCTGCCCTTCAACGACGGGGTGTACTTTGCCAGCACCGAGAAGTCCAACATCATCAGAGGCTGGATCTTCGGCACCACACTGGACAGCAAGACCCAGAGCCTGCTGATCGTGAACAACGCCACCAACGTGGTCATCAAAGTGTGCGAGTTCCAGTTCTGCAACGACCCCTTCCTGGGCGTCTACTACCACAAGAACAACAAGAGCTGGATGGAAAGCGAGTTCCGGGTGTACAGCAGCGCCAACAACTGCACCTTCGAGTACGTGTCCCAGCCTTTCCTGATGGACCTGGAAGGCAAGCAGGGCAACTTCAAGAACCTGCGCGAGTTCGTGTTCAAGAACATCGACGGCTACTTCAAGATCTACAGCAAGCACACCCCTATCAACCTCGTGCGGGATCTGCCTCAGGGCTTCTCTGCTCTGGAACCCCTGGTGGATCTGCCCATCGGCATCAACATCACCCGGTTTCAGACACTGCTGGCCCTGCACAGAAGCTACCTGACACCTGGCGATAGCAGCAGCGGATGGACAGCTGGTGCCGCCGCTTACTATGTGGGCTACCTGCAGCCTAGAACCTTCCTGCTGAAGTACAACGAGAACGGCACCATCACCGACGCCGTGGATTGTGCTCTGGATCCTCTGAGCGAGACAAAGTGCACCCTGAAGTCCTTCACCGTGGAAAAGGGCATCTACCAGACCAGCAACTTCCGGGTGCAGCCCACCGAATCCATCGTGCGGTTCCCCAATATCACCAATCTGTGCCCCTTCGGCGAGGTGTTCAATGCCACCAGATTCGCCTCTGTGTACGCCTGGAACCGGAAGCGGATCAGCAATTGCGTGGCCGACTACTCCGTGCTGTACAACTCCGCCAGCTTCAGCACCTTCAAGTGCTACGGCGTGTCCCCTACCAAGCTGAACGACCTGTGCTTCACAAACGTGTACGCCGACAGCTTCGTGATCCGGGGAGATGAAGTGCGGCAGATTGCCCCTGGACAGACAGGCAAGATCGCCGACTACAACTACAAGCTGCCCGACGACTTCACCGGCTGTGTGATTGCCTGGAACAGCAACAACCTGGACTCCAAAGTCGGCGGCAACTACAATTACCTGTACCGGCTGTTCCGGAAGTCCAATCTGAAGCCCTTCGAGCGGGACATCTCCACCGAGATCTATCAGGCCGGCAGCACCCCTTGTAACGGCGTGGAAGGCTTCAACTGCTACTTCCCACTGCAGTCCTACGGCTTTCAGCCCACAAATGGCGTGGGCTATCAGCCCTACAGAGTGGTGGTGCTGAGCTTCGAACTGCTGCATGCCCCTGCCACAGTGTGCGGCCCTAAGAAAAGCACCAATCTCGTGAAGAACAAATGCGTGAACTTCAACTTCAACGGCCTGACCGGCACCGGCGTGCTGACAGAGAGCAACAAGAAGTTCCTGCCATTCCAGCAGTTTGGCCGGGATATCGCCGATACCACAGACGCCGTTAGAGATCCCCAGACACTGGAAATCCTGGACATCACCCCTTGCAGCTTCGGCGGAGTGTCTGTGATCACCCCTGGCACCAACACCAGCAATCAGGTGGCAGTGCTGTACCAGGACGTGAACTGTACCGAAGTGCCCGTGGCCATTCACGCCGATCAGCTGACACCTACATGGCGGGTGTACTCCACCGGCAGCAATGTGTTTCAGACCAGAGCCGGCTGTCTGATCGGAGCCGAGCACGTGAACAATAGCTACGAGTGCGACATCCCCATCGGCGCTGGCATCTGTGCCAGCTACCAGACACAGACAAACAGCCCTGGCAGCGCCTCTTCTGTGGCCAGCCAGAGCATCATTGCCTACACAATGTCTCTGGGCGCCGAGAACAGCGTGGCCTACTCCAACAACTCTATCGCTATCCCCACCAACTTCACCATCAGCGTGACCACAGAGATCCTGCCTGTGTCCATGACCAAGACCAGCGTGGACTGCACCATGTACATCTGCGGCGATTCCACCGAGTGCTCCAACCTGCTGCTGCAGTACGGCAGCTTCTGCACCCAGCTGAATAGAGCCCTGACAGGGATCGCCGTGGAACAGGACAAGAACACCCAAGAGGTGTTCGCCCAAGTGAAGCAGATCTACAAGACCCCTCCTATCAAGGACTTCGGCGGCTTCAATTTCAGCCAGATTCTGCCCGATCCTAGCAAGCCCAGCAAGCGGAGCTTCATCGAGGACCTGCTGTTCAACAAAGTGACACTGGCCGACGCCGGCTTCATCAAGCAGTATGGCGATTGTCTGGGCGACATTGCCGCCAGGGATCTGATTTGCGCCCAGAAGTTTAACGGACTGACAGTGCTGCCTCCTCTGCTGACCGATGAGATGATCGCCCAGTACACATCTGCCCTGCTGGCCGGCACAATCACAAGCGGCTGGACATTTGGAGCTGGCGCCGCTCTGCAGATCCCCTTTGCTATGCAGATGGCCTACAGGTTCAACGGCATCGGAGTGACCCAGAATGTGCTGTACGAGAACCAGAAGCTGATCGCCAACCAGTTCAACAGCGCCATCGGCAAGATCCAGGACAGCCTGAGCAGCACAGCAAGCGCCCTGGGAAAGCTGCAGGACGTGGTCAACCAGAATGCCCAGGCACTGAACACCCTGGTCAAGCAGCTGTCCTCCAACTTCGGCGCCATCAGCTCTGTGCTGAACGATATCCTGAGCAGACTGGACCCTCCTGAGGCCGAGGTGCAGATCGACAGACTGATCACAGGCAGACTGCAGAGCCTCCAGACATACGTGACCCAGCAGCTGATCAGAGCCGCCGAGATTAGAGCCTCTGCCAATCTGGCCGCCACCAAGATGTCTGAGTGTGTGCTGGGCCAGAGCAAGAGAGTGGACTTTTGCGGCAAGGGCTACCACCTGATGAGCTTCCCTCAGTCTGCCCCTCACGGCGTGGTGTTTCTGCACGTGACATATGTGCCCGCTCAAGAGAAGAATTTCACCACCGCTCCAGCCATCTGCCACGACGGCAAAGCCCACTTTCCTAGAGAAGGCGTGTTCGTGTCCAACGGCACCCATTGGTTCGTGACACAGCGGAACTTCTACGAGCCCCAGATCATCACCACCGACAACACCTTCGTGTCTGGCAACTGCGACGTCGTGATCGGCATTGTGAACAATACCGTGTACGACCCTCTGCAGCCCGAGCTGGACAGCTTCAAAGAGGAACTGGACAAGTACTTTAAGAACCACACAAGCCCCGACGTGGACCTGGGCGATATCAGCGGAATCAATGCCAGCGTCGTGAACATCCAGAAAGAGATCGACCGGCTGAACGAGGTGGCCAAGAATCTGAACGAGAGCCTGATCGACCTGCAAGAACTGGGGAAGTACGAGCAAGGCTCTGGAATTGTGCAGCAGCAAAACAATCTGCTGCGGGCCATCGAGGCTCAGCAGCATCTGCTGCAGCTGACCGTGTGGGGAATCAAGCAGCTCCAGGCCAGAATCCTGGCTGGTGGATCTGGCGGCCATACCACCTGGATGGAATGGGACAGAGAGATCAACAACTACACCAGCCTGATCCACAGCCTGATTGAGGAATCCCAGAATCAGCAAGAGAAGAACGAGCAAGAACTGCTGGAAGGAAGCGGAGGCTCTGGTaaactgggctctattgaatttattaaagtgaacaaaGAGCCCGAAGCCTAA
SARS CoV2 Spike RBD-SnoopTagJr
アミノ酸(配列番号68):
MFVFLVLLPLVSSQCRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNGSGGSGKLGSIEFIKVNKEPEA
DNA(incl.STOP)(配列番号69):
ATGTTCGTGTTTCTGGTGCTGCTGCCTCTGGTGTCCAGCCAGTGTCGGGTGCAGCCCACCGAATCCATCGTGCGGTTCCCCAATATCACCAATCTGTGCCCCTTCGGCGAGGTGTTCAATGCCACCAGATTCGCCTCTGTGTACGCCTGGAACCGGAAGCGGATCAGCAATTGCGTGGCCGACTACTCCGTGCTGTACAACTCCGCCAGCTTCAGCACCTTCAAGTGCTACGGCGTGTCCCCTACCAAGCTGAACGACCTGTGCTTCACAAACGTGTACGCCGACAGCTTCGTGATCCGGGGAGATGAAGTGCGGCAGATTGCCCCTGGACAGACAGGCAAGATCGCCGACTACAACTACAAGCTGCCCGACGACTTCACCGGCTGTGTGATTGCCTGGAACAGCAACAACCTGGACTCCAAAGTCGGCGGCAACTACAATTACCTGTACCGGCTGTTCCGGAAGTCCAATCTGAAGCCCTTCGAGCGGGACATCTCCACCGAGATCTATCAGGCCGGCAGCACCCCTTGTAACGGCGTGGAAGGCTTCAACTGCTACTTCCCACTGCAGTCCTACGGCTTTCAGCCCACAAATGGCGTGGGCTATCAGCCCTACAGAGTGGTGGTGCTGAGCTTCGAACTGCTGCATGCCCCTGCCACAGTGTGCGGCCCTAAGAAAAGCACCAATGGAAGCGGAGGCTCTGGTaaactgggctctattgaatttattaaagtgaacaaaGAGCCCGAAGCCTAA
SARS CoV2 Spike RBD-SnoopCatcher
アミノ酸(配列番号70):
MFVFLVLLPLVSSQCRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNGSGGSGGSGGSGHMKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQDIPATYEFTNGKHYITNEPIPPKEPEA
DNA(incl.STOP)(配列番号71):
ATGTTCGTGTTTCTGGTGCTGCTGCCTCTGGTGTCCAGCCAGTGTCGGGTGCAGCCCACCGAATCCATCGTGCGGTTCCCCAATATCACCAATCTGTGCCCCTTCGGCGAGGTGTTCAATGCCACCAGATTCGCCTCTGTGTACGCCTGGAACCGGAAGCGGATCAGCAATTGCGTGGCCGACTACTCCGTGCTGTACAACTCCGCCAGCTTCAGCACCTTCAAGTGCTACGGCGTGTCCCCTACCAAGCTGAACGACCTGTGCTTCACAAACGTGTACGCCGACAGCTTCGTGATCCGGGGAGATGAAGTGCGGCAGATTGCCCCTGGACAGACAGGCAAGATCGCCGACTACAACTACAAGCTGCCCGACGACTTCACCGGCTGTGTGATTGCCTGGAACAGCAACAACCTGGACTCCAAAGTCGGCGGCAACTACAATTACCTGTACCGGCTGTTCCGGAAGTCCAATCTGAAGCCCTTCGAGCGGGACATCTCCACCGAGATCTATCAGGCCGGCAGCACCCCTTGTAACGGCGTGGAAGGCTTCAACTGCTACTTCCCACTGCAGTCCTACGGCTTTCAGCCCACAAATGGCGTGGGCTATCAGCCCTACAGAGTGGTGGTGCTGAGCTTCGAACTGCTGCATGCCCCTGCCACAGTGTGCGGCCCTAAGAAAAGCACCAATGGAAGCGGAGGCTCTGGTGGATCCGGTGGATCTGGACACATGAAGCCTCTGAGAGGCGCCGTGTTCAGCCTGCAGAAACAGCACCCTGACTACCCCGATATCTACGGCGCCATCGACCAGAACGGCACCTACCAGAATGTTCGGACAGGCGAGGATGGCAAGCTGACCTTCAAGAACCTGAGCGACGGCAAGTACCGGCTGTTCGAGAATTCTGAGCCTGCCGGCTACAAGCCCGTGCAGAACAAACCTATCGTGGCCTTCCAGATCGTGAACGGCGAAGTGCGGGATGTGACCAGCATCGTGCCTCAGGATATCCCCGCCACCTACGAGTTCACCAACGGCAAGCACTACATCACCAACGAGCCCATTCCTCCAAAAGAGCCCGAAGCCTAA
SnoopCatcher-SARS CoV2 Spike RBD
アミノ酸(配列番号72):
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDGHMKPLRGAVFSLQKQHPDYPDIYGAIDQNGTYQNVRTGEDGKLTFKNLSDGKYRLFENSEPAGYKPVQNKPIVAFQIVNGEVRDVTSIVPQDIPATYEFTNGKHYITNEPIPPKGSGGSGGSRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNEPEA
DNA(incl.STOP)(配列番号73):
atggagacagacacactcctgctatgggtactgctgctctgggttccaggttccactggtgacGGTCACATGAAGCCCCTGAGGGGCGCCGTGTTCAGCCTGCAGAAGCAGCACCCCGACTACCCCGACATCTACGGCGCCATCGACCAGAACGGCACCTACCAGAACGTGAGGACCGGCGAGGACGGCAAGCTGACCTTCAAGAACCTGAGCGACGGCAAGTACAGGCTGTTCGAGAACAGCGAGCCCGCCGGCTACAAGCCCGTGCAGAACAAGCCCATCGTGGCCTTCCAGATCGTGAACGGCGAGGTGAGGGACGTGACCAGCATCGTGCCCCAGGACATCCCCGCCACCTACGAGTTCACCAACGGCAAGCACTACATCACCAACGAGCCCATCCCCCCCAAGGGCTCTGGCGGAAGCGGCggatccCGGGTGCAGCCCACCGAATCCATCGTGCGGTTCCCCAATATCACCAATCTGTGCCCCTTCGGCGAGGTGTTCAATGCCACCAGATTCGCCTCTGTGTACGCCTGGAACCGGAAGCGGATCAGCAATTGCGTGGCCGACTACTCCGTGCTGTACAACTCCGCCAGCTTCAGCACCTTCAAGTGCTACGGCGTGTCCCCTACCAAGCTGAACGACCTGTGCTTCACAAACGTGTACGCCGACAGCTTCGTGATCCGGGGAGATGAAGTGCGGCAGATTGCCCCTGGACAGACAGGCAAGATCGCCGACTACAACTACAAGCTGCCCGACGACTTCACCGGCTGTGTGATTGCCTGGAACAGCAACAACCTGGACTCCAAAGTCGGCGGCAACTACAATTACCTGTACCGGCTGTTCCGGAAGTCCAATCTGAAGCCCTTCGAGCGGGACATCTCCACCGAGATCTATCAGGCCGGCAGCACCCCTTGTAACGGCGTGGAAGGCTTCAACTGCTACTTCCCACTGCAGTCCTACGGCTTTCAGCCCACAAATGGCGTGGGCTATCAGCCCTACAGAGTGGTGGTGCTGAGCTTCGAACTGCTGCATGCCCCTGCCACAGTGTGCGGCCCTAAGAAAAGCACCAATGAGCCCGAGGCCTAA
SARS CoV2 Spike RBD-SpyCatcher
アミノ酸(配列番号74):
MFVFLVLLPLVSSQCRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNGSGGSGGSGGSGDSATHIKFSKRDEDGKELAGATMELRDSSGKTISTWISDGQVKDFYLYPGKYTFVETAAPDGYEVATAITFTVNEQGQVTVNGKATKGDAHIEPEA
DNA(incl.STOP)(配列番号75):
ATGTTCGTGTTTCTGGTGCTGCTGCCTCTGGTGTCCAGCCAGTGTCGGGTGCAGCCCACCGAATCCATCGTGCGGTTCCCCAATATCACCAATCTGTGCCCCTTCGGCGAGGTGTTCAATGCCACCAGATTCGCCTCTGTGTACGCCTGGAACCGGAAGCGGATCAGCAATTGCGTGGCCGACTACTCCGTGCTGTACAACTCCGCCAGCTTCAGCACCTTCAAGTGCTACGGCGTGTCCCCTACCAAGCTGAACGACCTGTGCTTCACAAACGTGTACGCCGACAGCTTCGTGATCCGGGGAGATGAAGTGCGGCAGATTGCCCCTGGACAGACAGGCAAGATCGCCGACTACAACTACAAGCTGCCCGACGACTTCACCGGCTGTGTGATTGCCTGGAACAGCAACAACCTGGACTCCAAAGTCGGCGGCAACTACAATTACCTGTACCGGCTGTTCCGGAAGTCCAATCTGAAGCCCTTCGAGCGGGACATCTCCACCGAGATCTATCAGGCCGGCAGCACCCCTTGTAACGGCGTGGAAGGCTTCAACTGCTACTTCCCACTGCAGTCCTACGGCTTTCAGCCCACAAATGGCGTGGGCTATCAGCCCTACAGAGTGGTGGTGCTGAGCTTCGAACTGCTGCATGCCCCTGCCACAGTGTGCGGCCCTAAGAAAAGCACCAATGGAAGCGGAGGCTCTGGTGGATCCGGTGGATCTGGCGATTCTGCCACACACATCAAGTTCAGCAAGCGCGACGAGGACGGCAAAGAACTGGCTGGCGCTACCATGGAACTGAGAGACAGCAGCGGCAAGACCATCAGCACCTGGATCTCCGACGGCCAAGTGAAGGACTTCTATCTGTACCCCGGCAAGTACACCTTCGTGGAAACCGCCGCTCCTGACGGATATGAAGTGGCCACCGCCATCACCTTCACCGTGAATGAGCAGGGACAAGTGACCGTGAACGGCAAGGCCACAAAAGGCGACGCCCACATTGAGCCCGAAGCCTAA
【実施例1】
【0156】
実施例1-SpyTagまたはDogTagのヘキソンHVRループへの挿入を介するアデノウイルスカプシドのモジュール式共有結合装飾。
アデノウイルスカプシドのヘキソンタンパク質を改変するために、配列アラインメントを行って、図1Eの超可変領域(HVR)のループ1、2および5の位置を特定した[次のアデノウイルスの配列比較;Ad5とAd2(種C)、Ad12とAd18(種A)、Ad3とAd35(種B)、Ad4(種E)、Ad40とAd41(種F)]。図1Eに指示されるHVRループの挿入部位に欠失を生成した。SpyTagおよびDogTagを各遺伝子座で挿入した。指示された挿入部位は、試験された3つのHVRのそれぞれで、SpyTag組換え体とDogTag組換え体の間で同一である。各遺伝子座で、SpyTag配列またはDogTag配列は各側でGSGGSG配列によって隣接される。
【実施例2】
【0157】
実施例2-HVRループへと挿入されたSpyTagとのSpyCatcherのカップリング
SpyTagとSpyCatcherの間のカップリング反応を評価するために、HVR1、HVR2またはHVR5でSpyTagを提示するAd5ベクターを、15μMまたは40μMにてのビオチン化SpyCatcherとともにインキュベートした。図2Aに示されるように、試料をSDS-PAGEでランさせ、タンパク質をクマシー染色によって可視化した。カップリング効率を、ImageJソフトウェアを使用して、非カップリングのヘキソン-SpyTagのバンド強度をヘキソン-SpyTag:SpyCatcherと比較することによって評価した(カップリングしたヘキソンの%=ヘキソン-SpyTag:SpyCatcherと非カップリングのヘキソン-SpyTagのバンド強度の合計で割ったヘキソン-SpyTag:SpyCatcherのバンド強度、これに100を乗じる)。
【0158】
図2Aに記載のカップリング反応の直後に、同じ試料を用いてベクター感染力アッセイを行った(図2B)。試料を連続的に希釈し、96ウェルプレートのHEK293A細胞の単層に適用し、5%COと37℃で48時間インキュベートした。感染力価を、蛍光顕微鏡によるGFP蛍光フォーカスの計数によって算出した。感染力価は1mLあたりの感染単位(ifu)の数として算出した。
【0159】
HVR1でSpyTagを提示するAd5(GFP)ベクター(Ad5(GFP)HVR1 SpyTag)(1E+10ウイルス粒子)を、様々な条件下で15μMまたは40μMにてのビオチン化SpyCatcherとともにインキュベートした(図2C)。試料をSDS-PAGEでランさせ、タンパク質をクマシー染色によって可視化した。ベクター感染力アッセイを図2Cに示される同じ試料で実施した(図2D)。
【0160】
結果が実証するところは、SpyTagがAd5 HVRループへの挿入後に反応性不良であること、およびSpyCatcherがウイルスカプシド上のヘキソンタンパク質の>50%にカップリングすると、ベクターの感染力が大幅に減少する(100分の1を下回る)ことである。
【実施例3】
【0161】
実施例3-HVRループへと挿入されたDogTagとのDogCatcherのカップリング
HEK293A細胞に、野生型Ad5(GFP)(天然のヘキソンタンパク質)またはHVR1(HVR1DT)、HVR2(HVR2DT)もしくはHVR5(HVR5DT)へと挿入されたDogTagのいずれかを感染させた。ヘキソン表面でDogTagを提示するAd5を感染させた付着性HEK293A細胞の1500cmからのベクター生産量は、未改変のヘキソンAd5によるベクター生産量と同等である(図3A)。
【0162】
HVR1、HVR2またはHVR5のいずれかでDogTagを提示するAd5(GFP)ベクター(1E+10ウイルス粒子)を、5μM DogCatcherとともにインキュベートした。図3Bに示されるように、反応を4℃で16時間実施した。カップリング効率を、実施例2に記載のように、ImageJを使用して非カップリングのヘキソン-DogTagのバンド強度をヘキソン-DogTag:DogCatcherと比較することによって評価した。図3Cに、図3Bと同じ試料で実施された感染力アッセイを示す。
【0163】
図3Dに示されるように、HVR1、HVR2またはHVR5のいずれかでDogTagを提示するAd5(GFP)ベクター(1E+10ウイルス粒子)を、20μMまたは80μMにてのDogCatcherとともに4℃で0.1、1または16時間インキュベートした。カップリング効率を上記のように評価した。
【0164】
データが示すところは、DogTagがAd5 HVRループへの挿入後に高反応性であること、および>90%のカプシドヘキソンのカバレッジにもかかわらず、ベクターの感染力がDogCatcherへのカップリングによって阻害されないことである。
【実施例4】
【0165】
実施例4-HVRループへと挿入されたDogTagとのSnoopTagJrの反応性。
HVR1、HVR2またはHVR5のいずれかでDogTagを提示するAd5(GFP)ベクター(1E+10ウイルス粒子)を、SnoopTagJr-AffiHER2(80μM)およびSnoopLigase(70μM)とともにインキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、タンパク質をクマシー染色によって可視化した。カップリング効率を、ImageJを使用して非カップリングのヘキソン-DogTagのバンド強度をヘキソン-DogTag:SnJr-AffiHER2と比較することによって定量化した(図4A)。
【0166】
SnoopTagJr-AffiHER2へのヘキソン-DogTagカップリングの温度依存性を評価するために、HVR5でDogTagを提示するAd5(GFP)ベクター(1E+10ウイルス粒子)を、SnoopTagJr-AffiHER2(80μM)およびSnoopLigase(70μM)とともに20℃または4℃のいずれかで16時間でインキュベートした(図4B)。図4Bに使用された試料に関して、実施例3に記載のように、ベクター感染力アッセイを実施した(図4C)。
【0167】
HVR5でDogTagを提示するAd5(GFP)ベクター(1E+10ウイルス粒子)を、SnoopTagJr-AffiHER2(80μM)およびSnoopLigase(70μM)とともに4℃で16時間、インキュベートした(図4D)。異なる濃度のNaClを150mMまたは75mMのいずれかで添加し、グリセロールを15%(v/v)で指示されるように添加した。試料をSDS-PAGEおよびクマシー染色によって解析した。
【実施例5】
【0168】
実施例5-非蛍光組換えベクターのベクター感染力の評価。
ベクター感染力を評価するためにヘキソン免疫染色アッセイを、Ad5(GFP)(WTヘキソンを用いて)およびAd5(GFP)HVR5 DogTagを用いて実施した。両ベクターを連続的に希釈し、各希釈液50μlをポリ-L-リジンコーティング96ウェルプレートのHEK293A細胞の単層に移した。5%COとの37℃での48時間インキュベーション後、GFP陽性細胞を蛍光顕微鏡によってカウントした。免疫染色の場合、同じプレート上の細胞を氷冷メタノールで固定し、抗ヘキソンマウスモノクローナル抗体(クローン65H6、ThermoFisher)を使用して感染細胞内のヘキソンタンパク質を検出した。続いて、アルカリホスファターゼコンジュゲート二次抗体およびBCIP/NBT基質溶液を使用してヘキソン陽性細胞を染色した。結果が実証したところは、WTヘキソンタンパク質を伴うAd5ベクターを感染させたHEK293A細胞とHVR5でDogTagを提示するAd5ベクターを感染させたHEK293A細胞とは、同等の強度のヘキソン免疫染色を示したことである。
【0169】
Ad5(GFP)(ヘキソンWT)およびAd5(GFP)HVR5 DogTagの感染力価を、GFP蛍光とヘキソン免疫染色アッセイの両方を使用して比較した。両アッセイを、同じプレート上の同じウェルを使用して実施した、n=4。バーは平均+SDを示し、ドットは個々のウェルからのスポットカウントを表す。両側t検定によって計算して、結果は有意には異なっていなかった(ns)。
【実施例6】
【0170】
実施例6-SnoopTagJrタグペプチドとの、ヘキソンループへと挿入されたDogTagの反応性
T細胞エピトープに融合されたSnoopTagJr配列から構成されるペプチドを合成した。これらのSnoopTagJrタグペプチドを、SnoopLigaseを使用してAd5(GFP)HVR5 DogTagにカップリングした。クマシー染色を用いるゲルシフトアッセイは、これらの短いペプチドの分子量が低いことに起因して(およそ3kDa)、カップリング効率を評価するには適切ではなかった。代わりに、DogCatcherを用いる競合アッセイを使用して、ペプチドカップリングの効率を評価した(図6Aに記載)。SnoopTagJr-ペプチド(SnJr-ペプチド)とヘキソン-DogTag(ヘキソン-DT)を、SnoopLigase(SnL)を使用してカップリングする。カップリング後、過剰のDogCatcher(DC)タンパク質を反応に添加する。DCは、Ad5の表面の遊離(非カップリング)ヘキソン-DT分子の>90%と結合し(図3Bを参照されたい)、したがって、SnJr-ペプチドにカップリングしたヘキソン-DTの割合は、DCとのインキュベーション後にSDS-PAGEでおよそ20kDaのゲルシフトを生じないヘキソンの割合であると推定することができる。
【0171】
SnoopTagJr-hTERTペプチド(ヒトテロメラーゼ逆転写酵素EARPALLTSRLRFIPKからのT細胞エピトープに融合されたSnoopTagJr)のヘキソン-DTへのカップリング効率を、上記のDogCatcher競合アッセイを使用して評価した。Ad5(GFP)HVR5 DogTag(Ad5-DT、1E+10ウイルス粒子)を、SnL(70μM)とSnJr-hTERT(80μM)との様々な組み合わせとともにインキュベートし、一部の試料ではDogCatcher(20μM、過剰)をペプチド-ペプチドカップリング反応後に添加して、カップリング効率を評価した(図6B)。すべての反応を4℃で実施した。試料をSDS-PAGEでランさせ、続いてクマシー染色を行った(図6B)。ヘキソン-DT:DC(最初のSnL触媒反応後の遊離ヘキソン-DTを表す)と比較したカップリングヘキソン-DT:SnJr-hTERTの比率を、指示されるようにバンド強度を比較することによって評価した。ヘキソン-DT:SnJr-hTERT反応向けの最適時間間隔は48時間であると決定した。
【0172】
図6Cに、上記のDogCatcher競合アッセイを使用する、SnoopTagJr-SIINFEKLペプチド(SIINFEKLはオバルブミンに由来するマウスCD8 T細胞エピトープである)のヘキソン-DTへのカップリング効率の評価を示す。PEP1はペプチド配列SnJr-GGSSIINFEKLに相当し、PEP2はペプチド配列SnJr-AAYSIINFEKLに相当する。Ad5-DT(1E+10ウイルス粒子)をSnJr-SIINFEKLペプチド(PEP1またはPEP2、80μM)およびSnL(70μM)とともに4℃で48時間インキュベートした。その後、DC(20μM)を添加した。次いで、試料を4℃でさらに24時間インキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、ペプチドカップリング効率を上記のように評価した。
【0173】
あるいは、図6Dに記載のように、一価ストレプトアビジン(mSA)を使用する直接ゲルシフトアッセイを使用して、短いペプチドのカップリング効率を評価することもできる。ビオチン化SnJr-ペプチドを、先に記載のようにSnLおよびAd5-DTとともにインキュベートした。48時間後、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とジチオスレイトール(DTT)を含む試料緩衝剤中で煮沸によりカップリング反応を停止させて、すべてのタンパク質およびビリオン構造を変性させた。試料を氷上で短時間冷却した後、過剰の一価ストレプトアビジン(mSA)とともに20℃で30分間インキュベートした。試料をSDS-PAGEでランさせ、ニトロセルロースに転写し、抗ヘキソン一次マウスモノクローナル抗体(クローン65H6、ThermoFisher)を使用してウエスタンブロッティングを実施した。mSAとビオチン間の強力な相互作用により、SnJr-ビオチンにカップリングされたヘキソン-DTタンパク質(ヘキソン-DT:SnJr-ビオチン/mSA)について、ゲルシフト(およそ50kDa)が観察される。図6Eに、さらなる対照とともに上記のmSA直接ゲルシフトアッセイのSDS-PAGEを示す。ヘキソン-DT:SnJr-ビオチン/mSA種およびヘキソン-DT種に相当するバンドが指示される。図6Fに、図6Cに示される同じ試料で実施されたベクター感染力アッセイ(実施例5で記載のようにGFPフォーカス計数による)を示す。結果が実証するところは、Ad5-DTの感染力がSnJr-ペプチドの表面提示によって影響を受けないことである。
【実施例7】
【0174】
実施例7-Ad5 HVR DogTagのDogCatcher融合タンパク質へのカップリング。
熱帯熱マラリア原虫(Pf)のスポロゾイト周囲タンパク質(CSP)は、マラリアワクチン候補抗原として広く研究されてきた。上記タンパク質は、主に配列NANPの反復から構成される、免疫原性の高い反復領域を含有する。この領域からの様々な長さの反復配列をDogCatcherのC末端に融合させ、生成する融合タンパク質をAd5(GFP)HVR5 DogTagにカップリングさせた。3つのDogCatcher融合構築物;NANP9、NANP18、およびNANPD(3D7株由来のPfCSPのNANP反復ドメイン全体から構成される)を図7Aに示す。
【0175】
ヘキソンHVR5ループへと挿入されたDogTagとのDogCatcher-NANPnの反応性を評価した。HVR5でDogTagを提示するAd5(GFP)ベクター(1E+9ウイルス粒子)を、15μMにての異なるDogCatcher-NANPn融合体(指示される)とともにインキュベートした。反応を4℃で16時間実施した。試料をSDS-PAGEでランさせ、タンパク質をクマシー染色によって可視化した(図7B)。カップリング効率を上記のように評価した。図7Bに示される同じ試料で、ベクター感染力アッセイ(上記のようにGFPフォーカス計数による)を実施した(図7C)。
【実施例8】
【0176】
実施例8-ヘキソンを介するAd5の表面へのDogCatcher-NANPnのカップリングは、ウイルス中和抗体の効力を減少させる。
Ad5(GFP)HVR5 DogTagベクター(Ad5-DT、1E+10ウイルス粒子)をSnoopLigase(SnL)およびSnJr-AffiHER2(またはSnJr-AffiHER2単独)とともに4℃で48時間インキュベートした。48時間後、ヘキソンの概60~65%がSnJr-AffiHER2にカップリングした(図4Bに示される実験と同等のカップリング効率)。カップリングしたベクターを、連続的に希釈したウイルス中和マウスモノクローナル抗ヘキソン抗体mAb 9C12(Developmental Studies Hybridoma Bank、University of Iowa)とともに37℃で1時間インキュベートした後、ベクター-抗体混合物を、96ウェルプレートフォーマットのHEK293A細胞の80%コンフルエントな単層に添加した(細胞を200ifu/細胞の感染多重度で感染させた)。細胞をベクター-抗体混合物とともに5%COと37℃で2時間インキュベートした後、混合物に新鮮な培地を補充し、プレートを5%COと37℃でさらに24時間戻した。24時間後、HEK293A細胞内のGFP発現を感染力のリードアウトとして用いた - バルク蛍光を、395nmの励起と509nmの発光を使用して蛍光光度計で測定した。図8Aに示されるデータが実証するところは、SnoopTagJr-AffiHER2がAd5 DogTagにカップリングする場合の、強力な中和抗ヘキソンモノクローナル抗体のIC50の上昇である。mAb 9C12中和のIC50が、2.5ng/ml(Ad5-DT単独、およびAd5-DT+SnJr-AffiHER2のみ)からカップリングされたベクター(Ad5-DT+SnL+SnJr-AffiHER2)による7ng/mlまでに上昇した。
【0177】
図8Bでは、図7Aに記載のDogCatcher-NANPn融合体を使用して、上記のものと同様の実験を実施した。Ad5(GFP)HVR5 DogTagベクター(Ad5-DT、1E+9ウイルス粒子)を、図7に記載の通り正確に、DogCatcher-NANPn構築物とともに4℃で16時間インキュベートした。構築物それぞれのAd5-DTへのカップリング効率は図7Bに示されるものと同様であった。上記のように、ベクターをmAb 9C12とともに1時間インキュベートし、混合物を200ifu/細胞の感染多重度で2時間細胞に添加し、ベクターに新鮮な培地を補充し、その後、さらなる24時間後にGFP蛍光を読み取った。mAb 9C12についてIC50の大幅な上昇が、Ad5-DT単独と比較してDogCatcher-NANPnカップリングベクターを用いて観察されたが、これは、中和モノクローナル抗体からのヘキソンの遮蔽を暗示する(図8B)。Ad5-DT:DC-NANP18は、IC50の最高の上昇を呈し、Ad5-DT単独と比較して>10倍であった。
【0178】
図8Cでは、Ad5陽性マウス血清(mAb 9C12の代わりに)を用いた中和アッセイを、カップリングしたAd5-DT:DC-NANPnベクターで実施した。Ad5陽性マウス血清を生成するために、マウスを1E+8ifu Ad5(オバルブミン)(WTヘキソン)ベクター(E1遺伝子座でコードされる構成的CMVプロモーターの制御下でGFPの代わりにオバルブミンを発現する未改変ヘキソンを備えるAd5のE1欠失のおよびE3欠失のベクター)で筋肉内に免疫し、免疫の2週間後に血清を採取した。中和アッセイの結果が実証したところは、中和抗血清のIC50は、Ad5-DT単独と比較してAd5-DT:NANP9およびAd5-DT:NANP18を用いると上昇することである(図8C)。
【実施例9】
【0179】
実施例9-SKOV3細胞のヒト凝固第X因子依存性ベクター形質導入
特に静脈内投与後、Ad5を始めとする一部の血清型のアデノウイルスは、ヒト凝固第X因子(FX)とウイルスのヘキソンタンパク質との相互作用を介して肝細胞に形質導入することができることが実証されてきた[Simon N.Waddington、John H.McVey、David Bhella、Menzo J.E.Havenga、Stuart A.Nicklin、Andrew H.Baker、Adenovirus Serotype 5 Hexon Mediates Liver Gene Transfer.Cell、2008、132巻、3号、P397~409]。in vitroでの、FX媒介性感染は、FXの存在下または非存在下で、ヒト卵巣がん細胞株であるSKOV3細胞のベクター形質導入を測定することによって評価され得る。
【0180】
Ad5(GFP)-DogTag(Ad5)またはAd5(GFP)-DogTag:DogCatcher-NANP18(Ad5-NANP18)ベクター(2E+9ウイルス粒子)を、ヒト凝固第X因子(8μg/mL)の存在下または非存在下で、無血清培地で37℃で2時間SKOV3細胞上でインキュベートした。次いで、培地を新鮮な完全培地と交換し、プレートをさらに48時間インキュベートした。次いで、蛍光顕微鏡によるGFP陽性フォーカスの計数によって感染力価を算出した。
【0181】
データが指示するところは、DogCatcher-NANP18のAd5ヘキソンへのカップリングは、おそらくウイルスカプシドをFXとの相互作用から遮蔽することによって、SKOV3細胞のFX依存性感染を減少させることである。
【実施例10】
【0182】
実施例10-Ad5表面提示ペプチド抗原へのCD8 T細胞応答を評価するためのマウス免疫原性実験。
C57BL/6マウス(4匹/群)を、以下のいずれかで筋肉内免疫した(図10A):表面提示ベクターAd5(GFP)HVR5-DT:SnJr-GGSSIINFEKL(5E+9ウイルス粒子、過剰なペプチドおよびSnoopLigaseを除去するために透析した)(群1)、群1におけるのと同じSIINFEKL表面提示ベクターであるが、過剰なペプチドおよびSnoopLigaseを除去するための透析無し(5E+9ウイルス粒子、過剰なSIINFEKLペプチド0.7μg)(群2)、SnJr-GGSSIINFEKLペプチド(0.7μg、ベクターにカップリングされていない)とともに共投与されたAd5(GFP)ベクター(5E+9 ウイルス粒子)(群3)、または、SnJr-GGSSIINFEKLペプチド(5μg、ポリI:C 10μgとともに共投与された)(群4)。SnJr-GGSSIINFEKLの分子量、80%のヘキソンカバレッジのカップリング効率(図6Cを参照されたい、PEP1)、ビリオンあたり720コピーのヘキソン、およびワクチン1用量あたり5E+9ビリオンを考慮した場合、群1からのカップリングベクター上で提示されたSIINFEKLペプチドの有効用量を概10ngであると算出した。群4のペプチドの用量は群1におけるよりも500倍である。免疫後14日後、マウスを犠牲にし、脾臓のCD8 T細胞応答を、一晩、エクスビボIFNγ-ELISPOTによって測定した。
【0183】
マウスCD8 T細胞エピトープであるSIINFEKLへの脾臓エクスビボIFNγ-ELISPOT応答を図10Bに示す。群1および群2のSIINFEKL応答は、群3における応答よりも高かったが、これが実証するところは、強力なSIINFEKL T細胞応答を達成するには、SnJr-GGSSIINFEKLのベクターカプシドへの付着が必要とされることである。細胞形質導入の際にベクターによって発現されるコードされたGFP導入遺伝子に存在するマウスCD8 T細胞エピトープ、すなわちDTLVNRIEL(EGFP118~126)への脾臓エクスビボIFNγ-ELISPOT応答を、図10Cに示す。群1~3の間のEGFP118~126応答に有意差はなかったが、これが実証するところは、ベクターカプシドの表面装飾は、コードされたGFP導入遺伝子抗原へのT細胞応答を損なうことはなかったことである。
【実施例11】
【0184】
実施例11-pIXのC末端にてのSpyCatcherの融合を介するアデノウイルスカプシドのモジュール式共有結合装飾。
図11Aに示されるように、ウイルスの首尾よいレスキューおよび効率的なカプシドの提示を容易にするために、ウイルスpIXのC末端とSpyCatcherΔN1のN末端の間に(EAAAK)リンカーを挿入した。
【0185】
Ad5(GFP)pIX-SpyCatcherベクター(3E+9ウイルス粒子)を、SpyTag-マルトース結合タンパク質(SpyTag-MBP、5μM)またはSpyTag-ヒトサイトメガロウイルス五量体(SpyTag-五量体、2.5μM)とともに4℃で16時間インキュベートした(図11B)。SpyTag-MBPまたはSpyTag-五量体単独を含有する試料を対照として含めた。コンジュゲーション後、試料をSDS-PAGEでランさせ、ウエスタンブロッティング用にニトロセルロースに転写した。pIX-SpyCatcher、pIX-SpyCatcher:SpyTag-MBP、およびpIX-SpyCatcher:SpyTag-gH(HCMV五量体から)の各種を、SpyCatcherタンパク質で免疫されたマウス由来の抗血清を使用して検出した(図11B)。
【0186】
Ad5(GFP)pIX-SpyCatcherベクター(3E+9ウイルス粒子)をビオチン化SpyTagペプチド(5μM)とともに4℃で16時間インキュベートした(図11C)。ゲルシフトアッセイによりpIX-SpyCatcherへのペプチドカップリング効率を評価するために、図6Dに記載のように、ベクター材料を、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とDTTを含む試料緩衝剤中で変性させ、煮沸した後、冷却し、一価ストレプトアビジン(mSA)とともにインキュベートした。pIX-SpyCatcher種およびpIX-SpyCatcher:SpyTag-ビオチン/mSA種を、Bに記載のようにSDS-PAGEおよび抗SpyCatcher抗血清を用いたウエスタンブロッティングによって検出した。
【0187】
図11Bおよび11Cに示される同じ試料で、ベクター感染力アッセイ(先に記載のようにGFPフォーカス計数による)を実施した(図11D)。結果が実証したところは、Ad5(GFP)pIX-SpyCatcherの感染力が、SpyTag-タンパク質融合体またはペプチドの表面提示によって影響を受けないことである。
【実施例12】
【0188】
実施例12-pIXのC末端に融合されたSpyCatcher、SnoopCatcherまたはDogCatcherを備える様々な組換えアデノウイルスベクターの生存可能性、遺伝的安定性、および生産量
さらなる研究が実証したところは、実施例11に記載のベクター構築物(EAAAK3リンカーを介してpIXのC末端に融合されたSpyCatcher)は反応性ではあったが、一方、遺伝的に安定していなかったことである。代替リンカー配列(GSGGSGGSG(GSG3)、GGSEAAAKEAAAKEAAAKGS(EAAAK3)、もしくはGGSPANLKALEAQKQKEQRQAAEELANAKKLKEQLEKGS(リボソームタンパク質L9由来のらせん配列、Veggianiら、Proc Natl Acad Sci USA.2016年2月2日;113(5):1202~7.doi:10.1073/pnas.1519214113)(HELIX))、リンカーのいずれかの側のGSヒンジ配列、または代替Catcher(SpyCatcher dN1、SpyCatcher dN1dC2、SnoopCatcher、DogCatcher)を備える、様々な代替構築物を構築した(図12A)。各ベクターDNA構築物を、HEK293A細胞へのトランスフェクションに先立ち、PacI制限消化によって線状化してウイルス逆位末端反復配列(ITR)を放出させた。各構築物での生存可能性を、組換えウイルスの首尾よいレスキューを指示するはずである細胞変性効果(CPE)の発生に関して細胞単層を検査することによって評価した。生存可能なウイルスベクター調製物を継代培養してウイルス力価を向上させたが、この場合、CsCl勾配超遠心分離による精製に十分な材料を得るのに典型的には3回の継代培養が必要であった(最初のトランスフェクションから)。各生存可能ベクターの第2のバッチを得るには第4の継代培養が必要であり、第3の継代培養と第4の継代培養後にpIX遺伝子座の配列決定によって遺伝子の安定性について評価した。ベクター生産量を評価するために、生存可能なベクターを合計10×T150フラスコ(総表面積1500cm HEK293A細胞)から増幅し、CsCl超遠心分離によって精製し、感染力価を先に記載のようにGFP感染力アッセイによって算出した(図12B)。
【実施例13】
【0189】
実施例13-pIXのC末端に融合されたSnoopCatcherおよびDogCatcherの反応性
Ad5(GFP)pIX-SnoopCatcherのSnoopTagJr融合リガンドとの反応性を評価するために、Ad5(GFP)pIX-SnoopCatcherベクターを、タグ完全長SARS CoV2 Spike(Spike)またはSARS CoV2 Spike受容体結合ドメイン(RBD)タンパク質とともにインキュベートした。両方の組換えタンパク質を、哺乳動物の懸濁液293F細胞で産生させたが、この場合、SnoopTagJrをC末端で融合させた。4℃で16時間のカップリング反応後、試料をSDS-PAGEでランさせ、SnoopCatcherに対して反応性を有するマウス血清(IMX313-DogTag:SnoopTag-CIDR:SnoopLigaseで免疫したマウス由来の血清、Andersson、 A.C.、Buldun、 C.M.、Pattinson、D.J.らSnoopLigase peptide-peptide conjugation enables modular vaccine assembly.Sci Rep 9、4625(2019))を使用してウエスタンブロットを実施した(図13A)。対照は、ベクター単独(Vector)、Spike単独(Spike)およびRBD単独(RBD)を含んだ。pIX-SnoopCatcher(pIX-SnC)、ならびに共有結合カップリングのpIX-SnoopCatcher:SnoopTagJr-Spike(pIX-SnC:SnJr-Spike)およびpIX-SnoopCatcher:SnoopTagJr-RBD(pIX-SnC:SnJr-RBD)を始めとする種が指示される。図13Aに記載のカップリング反応の直後に、同じ試料を用いてベクター感染力アッセイ(GFPフォーカス)を行った(図13B)。データが指示するところは、SnoopCatcherは、pIXのC末端に融合される場合には反応性があること、およびリガンドのpIXへのカップリングはin vitroでのベクター感染力を損なうことはないこと(SARS CoV2 Spike三量体のサイズが500kDaを超えるにもかかわらず)である。
【0190】
Ad5(GFP)pIX-DogCatcherのDogTag融合リガンドとの反応性を評価するために、Ad5(GFP)pIX-DogCatcherベクターを、C末端で融合されたDogTagを備える大腸菌発現性の低分子ユビキチン修飾因子(SUMO)タンパク質とともにインキュベートした。4℃で16時間のカップリング反応後、試料をSDS-PAGEでランさせ、DogCatcherに対して反応性を有するマウス血清を使用してウエスタンブロットを実施した(図13C)。DogCatcherはSnoopCatcherとかなりの程度の配列同一性を共有するので、図13Aに記載のウエスタンブロットに使用したのと同じマウス血清を図13Cでも使用した。対照は、ベクター単独(Vector)およびSUMO単独(SUMO)を含んだ。pIX-DogCatcher(pIX-DC)種およびpIX-DogCatcher:DogTag-SUMO(pIX-DC:DT-SUMO)種が指示される。
【実施例14】
【0191】
実施例14-pIXのC末端に融合されたSnoopTagJrおよびSpyTagの反応性
図12Aに示されるSnoopCatcherおよびDogCatcherの融合構築物と同様に、pIXとGGSヒンジおよびGSヒンジが隣接するタグとの間にEAAAK3リンカーを用いて、pIXのC末端に融合されたSnoopTagJrまたはSpyTagとともに、Ad5(GFP)ベクターを構築した。Ad5 pIX-SnoopTagJrベクターとAd5 pIX-SpyTagベクターの両方をHEK293A細胞へとトランスフェクトし、継代培養し、10×T150cmフラスコへと増幅した。両方のベクターの感染生産量は高く、Ad5(GFP)HVR5-DogTagに匹敵した(図14A)。
【0192】
pIX融合体として提示されたSnoopTagJrおよびSpyTagの反応性を評価するために、SnoopCatcher(RBD-SnCもしくはSnC-RBD、それぞれRBDへのC-もしくはN末端融合体)またはSpyCatcher(RBD-SC、C末端融合体)のいずれかに融合されたSARS CoV2 RBDタンパク質を発現した組換え哺乳動物(Chinese Hamster Ovary、CHO)細胞とともに、Ad5 pIX-SnoopTagJr(Ad5 pIX-SnJr)ベクターまたはAd5 pIX-SpyTag(Ad5 pIX-ST)ベクターを、共インキュベートした。4℃で16時間のカップリング反応後、試料をSDS-PAGEでランさせ、抗SARS CoV2 RBDポリクローナル抗体(Sino Biological)を使用してウエスタンブロットを実施した(図14B)。TagモジュールとCatcherモジュール間のカップリングを表すタンパク質種が指示される()。図14Bに記載のカップリング反応の直後に、同じ試料を用いてベクター感染力アッセイ(GFPフォーカス)を行った(図14C)。リガンドのカップリングはAd5 pIX-SnoopTagJrまたはAd5 pIX-SpyTagの感染力どちらも損ねることはなかった。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10-1】
図10-2】
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
【配列表】
2023501979000001.app
【国際調査報告】