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特表2023-501982メタロセン化合物及びその製造方法並びに適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】メタロセン化合物及びその製造方法並びに適用
(51)【国際特許分類】
   C07F 19/00 20060101AFI20230113BHJP
   C08F 4/6592 20060101ALI20230113BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20230113BHJP
   C07F 7/10 20060101ALN20230113BHJP
   C07F 17/00 20060101ALN20230113BHJP
【FI】
C07F19/00
C08F4/6592
C08F10/00 510
C07F7/10 F CSP
C07F17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526097
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2020125121
(87)【国際公開番号】W WO2021083309
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】201911047955.1
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911046672.5
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522176517
【氏名又は名称】上海化工研究院有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】504458976
【氏名又は名称】厦▲門▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】尹兆林
(72)【発明者】
【氏名】毛遠洪
(72)【発明者】
【氏名】曹育才
(72)【発明者】
【氏名】梁勝彪
(72)【発明者】
【氏名】朱紅平
(72)【発明者】
【氏名】葉暁峯
(72)【発明者】
【氏名】倪晨
(72)【発明者】
【氏名】陳誌康
(72)【発明者】
【氏名】鍾東文
(72)【発明者】
【氏名】宋莎
(72)【発明者】
【氏名】蒋文軍
(72)【発明者】
【氏名】劉振宇
【テーマコード(参考)】
4H049
4H050
4J128
【Fターム(参考)】
4H049VN01
4H049VP01
4H049VQ02
4H049VQ08
4H049VQ35
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4J128BB01B
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4J128FA09
4J128GA01
4J128GA06
4J128GA14
4J128GA19
4J128GB01
(57)【要約】
本発明はメタロセン化合物に関し、その構造は式(I)に示すとおりである。該メタロセン化合物の架橋原子に連結された基はアミン基で置換された基、及び/又は、メタロセン基で置換された基、及び/又は、置換されたメタロセン基であり、該特殊な構造により該メタロセン化合物を含有するメタロセン触媒は高い触媒活性を有し、かつアイソタクティシティーの高いメタロセンポリプロピレンを合成することができる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタロセン化合物であって、その構造は式(I)に示すとおりであり、
【化1】

式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基で置換されたメタロセン基から選択され、
Zは炭素、珪素、ゲルマニウム及びスズから選択され、
CpIIIは式(II)に示される、置換基を含有するか又は含有しないシクロぺンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、R、Rii、Riiiはそのうちの対応する環上の置換基であり、
【化2】

、Rii及びRiiiは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C20炭化水素から選択され、
EはNRiv又はPRivであり、
ivは水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C20炭化水素基から選択され、
MはIVB族金属から選択され、
IV及びLは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C20炭化水素から選択され、
nは1又は2である。
【請求項2】
前記アミン基は式(III)に示すとおりであり、
【化3】

式(III)において、R及びRは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素、C~Cアルキル基、C~C18アリール基、C~C20アリールアルキル基及びC~C20アルキルアリール基から選択され、好ましくはC~Cアルキル基、C~C12アリール基及びC~C10アリールアルキル基であり、より好ましくはC~Cアルキル基、フェニル基及びC~Cアリールアルキル基であり、及び/又は、
前記メタロセン基中の金属はFeであり、好ましくは、前記メタロセン基はフェロセン基であることを特徴とする請求項1に記載のメタロセン化合物。
【請求項3】
式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基で置換されたメタロセン基から選択され、及び/又は、
式(II)において、R、Rii及びRiiiは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素、C~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化アルキル基、C~C20アリール基、C~C20ハロゲン化アリール基、C~C40アリールアルキル基、C~C40アルキルアリール基、C~C20シクロアルキル基、C~C20ヘテロシクロアルキル基、C~C20アルケニル基、C~C20アルキニル基、C~C20アルコキシ基、C~C20フェノール基、C~C20アミン基、及び13族から17族へテロ原子を含む基から選択され、及び/又は、
ivは水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C10炭化水素基から選択され、及び/又は、
式(I)において、MはTi、Zr及びHfから選択され、及び/又は、
式(I)において、LIV及びLは同じであり、水素、塩素、メチル基、フェニル基、ベンジル基及びジメチルアミン基から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタロセン化合物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のメタロセン化合物の製造方法であって、
n=2である場合、前記製造方法は、
S1.H(CpIII)をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]アルカリ金属塩を生成すること、
S2.[H(CpIII)]アルカリ金属塩をRIIZXと反応させてRIIZ[H(CpIII)]を生成すること、
S3.RIIZ[H(CpIII)]をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応するRIIZ(CpIII 2-アルカリ金属塩を生成すること、
S4.RIIZ(CpIII 2-アルカリ金属塩をXMLIVと塩除去反応を発生させ、RIIZ(CpIIIMLIVを得ること、を含み、
n=1である場合、前記製造方法は、
S1.H(CpIII)及びH(E)をそれぞれアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]アルカリ金属塩及び[H(E)]アルカリ金属塩を生成すること、
S2.[H(CpIII)]アルカリ金属塩及び[H(E)]アルカリ金属塩をRIIZXと反応させてRIIZ[H(CpIII)][H(E)]を生成すること、
S3.RIIZ[H(CpIII)][H(E)]をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応するRIIZ(CpIII)(E)2-アルカリ金属塩を生成すること、
S4.RIIZ(CpIII)(E)2-アルカリ金属塩をXMLIVと塩除去反応を発生させ、RIIZ(CpIII)(E)MLIVを得る、を含み、
ここで、XはCl、Br及びIから選択され、
好ましくは、S4において、RIIZ(CpIII 2-アルカリ金属塩又はRIIZ(CpIII)(E)2-アルカリ金属塩を分離する必要がなく、XMLIVと塩除去反応を直接的に発生させる。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載のメタロセン化合物の製造方法であって、
前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVとRIIの前駆体によりZ水素化反応を行って製造することを含み、
ここで、前記RIIの前駆体は多重結合含有分子であり、好ましくは、前記多重結合含有分子は有機多重結合分子、CO及びCOから選択され、ここで多重結合は同種原子又は異種原子の13乃至16族の元素から選択され、好ましくはC=C、C≡C、C=N、C≡N、C=O、C≡P、N=N、C=S、C=C=C、C=C=N、C=C=O及びN=C=N結合から選択される1種又は複数種である。
【請求項6】
触媒の存在下で前記Z水素化反応を行い、前記触媒は遷移金属触媒及びLewis酸触媒から選択される1種又は複数種であり、好ましくは遷移金属中の白金触媒及びLewis酸中のB(C触媒から選択される1種又は複数種であり、
及び/又は、前記Z水素化反応における触媒の使用量は反応物の総量の質量の0.00001~50%であり、好ましい比率は0.01~20%であり、
及び/又は、前記Z水素化反応の温度は-30~140℃であり、好ましくは0~90℃であり、
及び/又は、前記Z水素化反応の反応時間は0.1hより大きく、好ましくは2~50hであり、
及び/又は、得られた前記前駆体は再結晶により分離又は精製され、前記再結晶の溶媒は非プロトン性の溶媒であり、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のアルカン化合物、シクロアルカン化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル系化合物及び環状エーテル系化合物から選択される1種又は複数種であり、さらに好ましくは、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンから選択される1種又は複数種であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVは化学反応のワンポット法により製造され、好ましくは、
n=2である場合、前記前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVの製造方法は、
ステップ(1)、H(CpIII)をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]アルカリ金属塩を生成すること、
ステップ(2)、[H(CpIII)]アルカリ金属塩をRHZXと反応させてRHZ[H(CpIII)]を生成すること、
ステップ(3)、RHZ[H(CpIII)]を分離する必要がなく、直接的にLviiivivMLIVと反応させ、安定小分子であるLviii又はLvivを脱着させ、前記前駆体RHZ(CpIIIMLIVを得ること、
及び/又は、RHZ[H(CpIII)]を分離する必要がなく、アルカリ金属有機化合物と直接反応させアルカリ金属塩を生成し、得られたアルカリ金属塩をさらにXMLIVと塩除去反応をして、前記前駆体RHZ(CpIIIMLIVを得ること、を含み、
n=1である場合、前記前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVの製造方法は、
ステップ(1)、H(CpIII)及びH(E)をそれぞれアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]及び[[H(E)]アルカリ金属塩を生成すること、
ステップ(2)、[H(CpIII)]及び[H(E)]アルカリ金属塩をRHZXと反応させてRHZ[H(CpIII)][H(E)]を生成すること、
ステップ(3)、RHZ[H(CpIII)][H(E)]を分離する必要がなく、LviiivivMLIVと直接反応させ、安定小分子であるLviii又はLvivを脱着させ、前記前駆体RHZCpIIIEMLIVを得ること、
及び/又は、RHZ[H(CpIII)][H(E)]を分離する必要がなく、アルカリ金属有機化合物と直接反応させてアルカリ金属塩を生成し、得られたアルカリ金属塩はさらにXMLIVと塩除去反応をして、前記前駆体RHZCpIIIEMLIVを得ること、を含み、
ここで、XはCl、Br及びIから選択される、ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
各ステップにおいて、前記反応の反応温度は-100℃~140℃であり、好ましくは-85℃~110℃であり、及び/又は、反応時間は0.016hより大きく、好ましくは2~100hであり、
好ましくは、各ステップにおいて、-100℃~-20℃、好ましくは-85℃~-10℃の条件で反応材料を混合し、かつ10℃~50℃、好ましくは20℃~35℃で、混合された反応材料を1h~100h、好ましくは5h~50h反応させることを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
各ステップにおいて、前記反応は非プロトン性の溶媒中で行われ、前記非プロトン性の溶媒は直鎖又は分岐鎖のアルカン化合物、シクロアルカン化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル系化合物及び環状エーテル系化合物から選択される1種又は複数種であり、好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル及びジオキサンから選択される1種又は複数種であり、
及び/又は、前記アルカリ金属有機化合物は水素化金属、アルキル金属、アルケニル金属、芳香族金属及びアミン金属から選択され、好ましくはアルキル金属であり、より好ましくはC~Cアルキル金属であり、
及び/又は、前記アルカリ金属はLi、Na及びKから選択され、好ましくはLiであることを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載のメタロセン化合物又は請求項4~9のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたメタロセン化合物、助触媒及び担体を含むα-オレフィン重合反応用触媒。
【請求項11】
前記助触媒はルイス酸と、非配位性アニオン及びルイス酸又はブレンステッド酸カチオンを含有するイオン性化合物とから選択される1種又は複数種であり、好ましくは、前記ルイス酸はアルキルアルミニウム、アルキルアルミノキサン及び有機ホウ化物のうちの1種又は複数種を含み、及び/又は、前記非配位性アニオン及びルイス酸又はブレンステッド酸カチオンを含有するイオン性化合物は1~4個のパーフルオロアリール基で置換されたホウ酸アニオンを含有する化合物から選択されることを特徴とする請求項10に記載の触媒。
【請求項12】
前記アルキルアルミニウムはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム、トリ-n-ペンチルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリイソヘプチルアルミニウム、トリ-n-ヘプチルアルミニウム、トリイソオクチルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリイソノニルアルミニウム、トリ-n-ノニルアルミニウム、トリイソデシルアルミニウム及びトリ-n-デシルアルミニウムを含み、及び/又は、前記アルキルアルミノキサンはメチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン及びブチル変性アルミノキサンを含み、及び/又は、前記有機ホウ化物はトリフルオロボラン、トリフェニルボラン、トリス(4-フルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボラン及びトリス(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボランを含み、及び/又は、
前記パーフルオロアリール基はパーフルオロフェニル、パーフルオロナフチル、パーフルオロビフェニル、パーフルオロアルキルフェニルから選択され、かつカチオンはN,N-ジメチルフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルカルボニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン及びトリアリールアンモニウムイオンから選択されることを特徴とする請求項11に記載の触媒。
【請求項13】
前記触媒において、メタロセン化合物の含有量はM元素で0.001質量%~10質量%であり、好ましくは0.01質量%~1質量%であり、及び/又は、前記助触媒におけるAl元素と前記メタロセン化合物におけるM元素とのモル比は(1~500):1であり、好ましくは(50~300):1であることを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか一項に記載の触媒の製造方法であって、
前記メタロセン化合物、前記助触媒及び前記担体を溶媒の作用下で結合して前記触媒を形成することを含み、
前記結合の条件は、結合の温度は-40℃~200℃であり、好ましくは40℃~120℃であり、結合の時間は0.016hより大きく、好ましくは2h~100hであることを含む
【請求項15】
前記溶媒は直鎖炭化水素化合物、分岐鎖炭化水素化合物、環状飽和炭化水素化合物及び芳香族炭化水素化合物から選択される1種又は複数種であり、好ましくはトルエン、キシレン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、イソヘプタン及びネオヘプタンの1種又は複数種であることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
請求項1~3のいずれか一項に記載のメタロセン化合物又は請求項4~9のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたメタロセン化合物又は請求項10~13のいずれか一項に記載の触媒又は請求項14又は15に記載の製造方法で製造された触媒のα-オレフィン重合の分野における適用。
【請求項17】
請求項1~3のいずれか一項に記載のメタロセン化合物又は請求項4~9のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたメタロセン化合物又は請求項10~13のいずれか一項に記載の触媒又は請求項14又は15に記載の製造方法で製造された触媒の存在下で、α-オレフィンに重合反応を行い、ポリα-オレフィンを得て、好ましくは、前記重合反応は溶媒なしの条件下で行われることを特徴とする請求項16に記載の適用。
【請求項18】
前記重合反応の条件は、反応温度が-50℃~200℃であり、好ましくは30℃~100℃であり、反応時間が0.01h~60hであり、好ましくは0.1h~10hであることを含む、ことを特徴とする請求項16又は17に記載の適用。
【請求項19】
1グラム当たりのα-オレフィンに対して、前記メタロセン触媒又はメタロセン触媒系の使用量は0.001mg~1000mgであり、好ましくは0.01mg~200mgであり、より好ましくは0.1mg~20mgであることを特徴とする請求項16~18のいずれか一項に記載の適用。
【請求項20】
前記α-オレフィンは、C~C20のα-オレフィンを含み、好ましくはC~C14のα-オレフィンであり、より好ましくはエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン及び1-エイコセンであり、好ましくは1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン及び1-テトラデセンであることを特徴とする請求項16~19のいずれか一項に記載の適用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は2019年10月30日に提出された以下の特許出願の優先権を享受することを請求要求する。
【0002】
1、発明の名称が「非対称架橋型ジインデニル基メタロセン遷移金属触媒、製造方法及び適用」であり、出願番号がCN201911047955.1である中国特許出願。
【0003】
2、発明の名称が「珪素基架橋型メタロセン化合物及びその製造方法、適用」であり、出願番号がCN201911046672.5である中国特許出願。
【0004】
それらの全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
〔技術分野〕
本発明は、メタロセン化合物及びその製造方法並びに適用に関し、特に該メタロセン化合物を含むメタロセン触媒及び該触媒の製造方法並びに適用に関し、具体的にはメタロセン触媒の技術分野に属する。
【0006】
〔背景技術〕
メタロセンポリプロピレン(mPP)は繊維、射出成形及びフィルム製品の面で優れた適用性を示し、近年、市場の需要が年々増加している。これらの樹脂製品はポリプロピレンの立体規則性に対して高い要求を有し、ポリプロピレンの構造は触媒の構造により調整制御される。
【0007】
アイソタクティシティーの高いメタロセンポリプロピレンはそのうちの重要な樹脂品種であり、それは触媒立体鏡像サイトによりプロピレンの鎖延長を制御する方式で合成される。鏡像サイトにより鎖延長を制御するような反応を行うことができる触媒は、C2軸又はそれ以下のC1軸対称性を有する必要があり(Chem.Rev.2000,100,1223)、ラセミ構造の架橋ビスインデン環型及びその誘導体系の第四族金属チタン、ジルコニウム、ハフニウム化合物はこのような特徴を有する。前世紀80年代、Brintzingerはラセミ構造のエチルジインデン配位子及び後続のエチルジ(テトラヒドロインデン)配位子(J.Organomet.Chem.1982,232,233。1985,288,63)を合成し、そのチタン及びジルコニウム化合物はメチルアルミノキサン(MAO)助剤の作用でプロピレンを触媒してアイソタクティシティーの高いポリプロピレンを生成するが、メソ構造の触媒はアイソタクティシティーの高いポリプロピレンを生成することができない。これらのラセミ構造触媒の反応活性及び生成物の分子量及びアイソタクティシティーは温度に大きく影響され、-20~60℃の範囲内において、最高(84.43kgPP/gZr・h)と最低(0.88kgPP/gZr・h)活性の差は二桁近く、最高(30.0万ダルトン)と最低(1.2万ダルトン)の平均分子量も25倍異なるが、ポリマーの分子量分布の変化は大きくなく、1.9~2.6で変化し、アイソタクティシティーは[mmmm]86.0~91.0内にある(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1985,24,507)。1989年、Herrmann等はラセミ体の珪素基架橋型インデンジルコニウム化合物を合成し、その後、Spaleck及びHerrmann等はインデン環に対して置換基修飾を行い、高い温度及びMAOの作用下で触媒生成されたポリプロピレンは反応活性、分子量、分子量分布及びアイソタクティシティー(最高が98%に達することができ、m.p.152℃)の面で工業適用レベルに接近及び達することができる(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1989,28,1511。1992,31,1348)。これにより、一連の架橋型ビスインデン環型及びその誘導体系の第四族メタロセン触媒は相次いで開発され、プロピレンのアイソタクチック重合触媒作用に用いられる(Chem.Rev.2000,100,1253)。
【0008】
反応条件は、例えば、温度、圧力、時間及び使用された触媒濃度、溶媒、助剤、不純物除去剤、水素分子調節剤等の要因がアイソタクティシティーの高いポリプロピレンを生成する触媒反応に大きな影響を与えるが、ラセミ構造の立体鏡像サイトの調節制御作用は本質的な決定的な影響を果たす。これらの構造的特徴は主にインデン環、インデン環置換基、架橋基、中心金属及び中心金属と結合して鎖延長を引き起こすことができる基の5つの態様に具現化される。本分野の研究者は、この5つの態様の特徴のいずれかの革新であっても、それなりの特許を受けることができることが明らかである。
【0009】
本願特許は主に架橋基の重要な役割に関するものである。従来の米国特許US5017714及びUS5120867における架橋基Sの定義により、珪素基架橋を含む1~4個の原子のシリレン基、シリル基、オキシシリレン基、オキシシリル基を意味する。その後、特許US5145819は、架橋-(CR-R-(CR-構造基に対して広範な定義及び特許保護を行い、Rは-M(R11)(R12)-、-M(R11)(R12)-M(R11)(R12)-、-M(R11)(R12)-(CR 13)-、-O-M(R11)(R12)-O-、-C(R11)(R12)-、-O-M(R11)(R12)-、=BR11、=AlR11、-Ge-、-Sn-、-O-、-S-、=SO、=SO、=NR11、=CO、=PR11又は=P(O)R11と指定され、ここで、R11、R12、R13は同じであってもよく、異なってもよく、これらの基はH、ハロゲン原子、C~C10アルキル基、C~C10フルオロアルキル基、C~C10アリール基、C~C10フルオロアリール基、C~C10アルコキシ基、C~C10アルケニル基、C~C40アリール基置換アルキル基であり、又はR11とR12及びR11とR13は原子により環として結合され、MはSi、Ge、Snであり、RとRは同じであってもよく、異なってもよく、具体的な基の定義はR11と同じであり、mとnは同じであってもよく、異なってもよく、それらは0、1又は2であり、又はm+nは0、1又は2である。これらの定義において、Rは-C(R11)(R12)-、-Si(R11)(R12)-、-Ge(R11)(R12)-、-O-、-S-、=SO、=PR11又は=P(O)R11に優先指定される。US5239022は上記の上に、さらに、アルキル基とは直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味し、ハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味すると定義し、そしてR11、R12、R13基を具体的に優先的に指定し、詳細は当初の文書を参照することができる。特許US5243011、US5276208、US5350817、US5374752、US5483002、US5672668、US5714427、US5741868、US6087291、US6114479、US6124230、US6228795B1、US2003/0088022A1において、架橋基の定義はそれと類似する。US5770753において架橋基をR13として直接定義し、具体的なタイプは-M(R14)(R15)-、-M(R14)(R15)-M(R14)(R15)-、-C(R14)(R15)-C(R14)(R15)-、-O-M(R14)(R15)-O-、-C(R14)(R15)-、-O-M(R14)(R15)-、-C(R14)(R15)-M(R1415)-、-C(R14)(R15)-C(R1415)-C(R14)(R15)-、=BR14、=AlR14、-Ge-、-O-、-S-、=SO、=SO、=NR14、=CO、=PR14又は=P(O)R14を包括し、ここで、R14とR15は同じであってもよく、異なってもよく、これらの基はH、ハロゲン原子、C~C10アルキル基、C~C10フルオロアルキル基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリール基、C~C10フルオロアリール基、C~C10フェノール基、C~C10アルケニル基、C~C40アリール基置換アルキル基、C~C40アルキル基置換アリール基~C40アリール基置換アルケニル基、又はR14及びR15は原子により一つ又は複数の環として結合され、MはSi、Ge、Snである。その後の特許US5786432、US5380821、US5840644、US5840948、US5852142、US5929264、US5932669、US6051522、US60517272、US6057408、US6242544B1、US6255506B1、US6376407B1、US63764408B1、US63764409B1、US63764410B1、US63764411B1、US63764412B1、US2001/0021755A1、US2006/0116490A1、US2006/0252637A1において、いずれも類似又は実質的に同じ架橋基構造が言及されている。US63764413B1において、架橋基がビフェニリル-M(C17181920-C21222324)-と定義され、R17乃至R24全体の定義として、RとRと指定され、又は二つ又はそれ以上の隣接ラジカルR17~R24であり、R20とR21を含み、及び原子で連結して一つ又は複数の環を形成し、R17~R24は好ましくはHである。RとRは同じであってもよく、異なってもよく、これらはそのうちの一つのH、C~C10アルキル基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリール基、C~C10フェノール基、C~C10アルケニル基~C40アリール基置換アルキル基、C~C40アルキル基置換アリール基、C~C40アリール基置換アルケニル基、OH、ハロゲン原子、又は共役ジエン(任意に一つ又は複数の炭化水素基で置換)、トリ炭化水素珪素基又はトリ炭化水素基、トリ炭化水素珪素基置換炭化水素基(ここで非水素原子数が30個に達する)である。このような特許はUS5616747、US6376627B1、US6380120B1、US6380121B1、US6380122B1、US6380123B1、US6380124B1、US6380130B1、US6380130B1、US6380134B1等を含む。特許US5391790及びUS5616747は直接に-R-で架橋基を示し、-[M(R)(R)]-と定義される。ここで、MはC、Si、Ge、Snであり、RとRは同じであってもよく、異なってもよく、これらの基は、H、C~C20アルキル基、C~C14アリール基、C~C10アルコキシ基、C~C10アルケニル基、C~C20アリール基置換アルキル基、C~C20アルキル基置換アリール基、C~C10フェノール基、C~C10フルオロアルキル基、C~C10ハロゲン化アリール基、C~C10アルキニル基、-SiR 、ハロゲン、又は、五員又は六員のヘテロ芳香族ラジカル(一つ又は複数のヘテロ原子を含む)、及び原子によりそれらを結合して形成された一つ又は複数の環と指定され、pは1、2又は3である。US5739366で定義された架橋基Yは、二価のC~C20炭化水素基、二価のC~C20ハロゲン化炭化水素基、二価の珪素含有基、二価のゲルマニウム含有基、二価のスズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-NR-、-P(R)-、-P(O)(R)-、-BR-又は-AlR-(RはH、ハロゲン原子、C~C20炭化水素基、二価のC~C20ハロゲン化炭化水素基である)と指定される。日本ポリケム株式会社により出願されたUS6218558、US6252097B1及びUS6255515B1において、インデニル環中のベンゼン環が七員環に拡張され、対応する架橋基Qは二価のC~C20炭化水素基、二価のC~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20炭化水素基又はC~C20ハロゲン化炭化水素基を含有するシリセン基、オリゴシリレン基、ゲルミレン基として定義され、基は二つの五員環を連結する。US6444606B1、US7342078B2及びUS2003/0149199A1で定義された架橋基Rは、-O-M(R10)(R11)-O-、-C(R10)(R11)-、-O-M(R10)(R11)-、-C(R10)(R11)-M(R1011)-、-M(R10)(R11)-、-M(R10)(R11)-M(R10)(R11)-、-C(R10)(R11)-C(R10)(R11)-、-M(R10)(R11)-[C(R1011)]-M(R10)(R11)-、-C(R10)(R11)-C(R1011)-C(R10)(R11)-、>BR10、>AlR10、-Ga-、-O-、-S-、>SO、>SO、>NR10、>CO、>PR10、>P(O)R10又は>R(O)R10であり、
【0010】
ここで、R10とR11は同じであってもよく、異なってもよく、これらの基は、H、ハロゲン原子、又はC~C40基であり、例えばC~C20アルキル基、C~C10フルオロアルキル基、C~C10アルコキシ基、C~C14アリール基、C~C10フルオロアリール基、C~C10フェノール基、C~C10アルケニル基、C~C40アリール基置換アルキル基、C~C40アルキル基置換アリール基、C~C40アリール基置換アルケニル基、又はR10とR11は原子により一つ又は複数の環として結合され、MはSi、Ge、Snである。
【0011】
架橋基は二つのシクロぺンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基を結合し、すなわち、この二つの基については、立体的空間が限定された。このような架橋により、配位子構造の剛性が強化され、ラセミ構造の特徴を有する触媒を形成するには重要性を示している。ラセミ構造の触媒は、プロピレンの立体鏡像サイトによる鎖延長を良好に調整し、アイソタクティシティーの高いメタロセンポリプロピレンを生成することができる。
【0012】
既に多くの架橋メタロセン触媒が報告されたが、工業化適用又は適用の将来性を有するメタロセン触媒は依然として多くない。工業化適用はメタロセンポリプロピレンのアイソタクティシティーに対して非常に高い要求があるためである。例えば、いくつかの会社で製造されたメタロセンポリプロピレンは、そのアイソタクティシティー[mmmm]が97%より大きくなければ樹脂製品に用いることができない。中国のポリプロピレン製品は基本的に従来のNatta型触媒を使用して製造され、一部の触媒は簡単なメタロセン化合物成分を添加したが、メタロセン化合物を触媒として完全に使用することは基本的に報告されず、この点に関しては依然として理論的及び技術的難点が存在するためである。
【0013】
中国のポリプロピレン製品は基本的に従来の負荷型Ziegler-Natta触媒を使用して製造され、架橋二官能基メタロセン触媒を使用して調整制御してアイソタクティシティーの高いポリプロピレンを製造するような報告が非常に少なく、この点に関しては依然として技術的要因の難点が存在するためである。
【0014】
〔発明の概要〕
本発明が解決しようとする第一の技術的課題は、従来技術におけるメタロセン触媒に活性が十分に高くないという技術的課題が存在することを踏まえて、新たなメタロセン化合物を提供することであり、該メタロセン化合物の架橋原子に接続された基は、アミン基で置換された基、及び/又は、メタロセン基で置換された基、及び/又は置換されたメタロセン基であり、該特殊な構造により該メタロセン化合物を含有するメタロセン触媒は高い触媒活性を有し、かつ、アイソタクティシティーの高いメタロセンポリプロピレンを合成することができる。
【0015】
本発明が解決しようとする第二の技術的課題は、第一の技術的課題を解決するメタロセン化合物に適応する製造方法を提供することである。
【0016】
本発明が解決しようとする第三の技術的課題は、上記第一の技術的課題に係るメタロセン化合物を採用する触媒を提供することである。
【0017】
本発明が解決しようとする第四の技術的問題は、上記第三の技術的問題を解決する触媒に適応する製造方法を提供することである。
【0018】
本発明が解決しようとする第五の技術的課題は、上記第一の技術的課題を解決するメタロセン化合物又は上記第三の技術的課題を解決する触媒の適用を提供することである。
【0019】
上記第一の技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0020】
メタロセン化合物であって、その構造は式(I)に示すとおりであり、
【0021】
【化1】
【0022】
式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基で置換されたメタロセン基から選択され、
Zは炭素、珪素、ゲルマニウム及びスズから選択され、
CpIIIは式(II)に示される、置換基を含有するか又は含有しないシクロぺンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、R、Rii、Riiiはそのうちの対応する環上の置換基であり、
【0023】
【化2】
【0024】
、Rii及びRiiiは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C20炭化水素から選択され、
EはNRiv又はPRivであり、
ivは水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C20炭化水素基から選択され、
MはIVB族金属から選択され、
IV及びLは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C20炭化水素から選択され、
nは1又は2である。
【0025】
本発明によれば、nが1に等しい場合、CpIIIは上記シクロぺンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基のうちの任意の一つを意味する。nが2に等しい場合、CpIIIは上記シクロぺンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基のうちのそれぞれの二つ、又はシクロぺンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基のうちの任意の二つを意味する。nが2である場合、二つのCpIII基は同じであってもよく異なってもよい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記アミン基は式(III)に示すとおりであり、
【0027】
【化3】
【0028】
式(III)において、R及びRは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素、C~Cアルキル基、C~C18アリール基、C~C20アリールアルキル基及びC~C20アルキルアリール基から選択され、好ましくはC~Cアルキル基、C~C12アリール基及びC~C10アリールアルキル基であり、より好ましくはC~Cアルキル基、フェニル基及びC~Cアリールアルキル基である。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記メタロセン基中の金属はFeであり、好ましくは、前記メタロセン基はフェロセン基である。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基で置換されたメタロセン基から選択される。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C炭化水素基、C~Cハロゲン化炭化水素基、C~Cアルコキシ基及びC~Cフェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C炭化水素基、C~Cハロゲン化炭化水素基、C~Cアルコキシ基及びC~Cフェノール基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C炭化水素基、C~Cハロゲン化炭化水素基、C~Cアルコキシ基及びC~Cフェノール基で置換されたメタロセン基から選択される。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C炭化水素基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C炭化水素基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C炭化水素基で置換されたメタロセン基から選択される。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C直鎖アルキル基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C直鎖アルキル基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C直鎖アルキル基で置換されたメタロセン基から選択される。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、R及びRIIは同じであるか又は異なり、かつR及びRIIのうちの少なくとも一つはアミン基で置換されたC~C直鎖アルキル基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはメタロセン基で置換されたC~C直鎖アルキル基から選択され、及び/又は、R及びRIIのうちの少なくとも一つはC~C直鎖アルキル基で置換されたメタロセン基から選択される。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、R及びRIIにおいて一方の基のみが上記定義された基から選択された場合、他方の基はC~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化炭化水素基、C~C20アルコキシ基及びC~C20フェノール基から選択されてもよく、好ましくはC~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化炭化水素基、C~C10アルコキシ基及びC~C10フェノール基であり、より好ましくはC~C炭化水素基、C~Cハロゲン化炭化水素基、C~Cアルコキシ基及びC~Cフェノール基であり、さらに好ましくはC~C炭化水素基である。
【0036】
本発明によれば、R、Rii、Riiiは上記分子式における対応する環上の置換基を意味する。CpIIIがシクロぺンタジエニル基である場合、Rはそのうちの四つの位置のうちの任意の一つ、二つ、三つ又は選択せずに全ての四つの位置で互いに独立して一つ又は四つまで置換接続することができる。CpIIIがインデニル基である場合、Rは五員環のうちの二つの位置のうちの任意の一つ又は選択せずに全ての二つの位置で互いに独立して一つ又は二つを置換接続することができ、Riiは六員環のうちの四つの位置のうちの任意の一つ、二つ、三つ又は選択せずに全ての四つの位置で互いに独立して一つ又は四つまで置換接続することができ、Riiiが位置するベンゼン環がインデニル環の一部である場合、その定義はRiiと同様である。CpIIIがフルオレニル基である場合、Rii、Riiiは独立してそれぞれ二つの六員環のうちのそれぞれの四つの位置のうちの任意の一つ、二つ、三つ又は選択せずに全ての四つの位置で互いに独立して一つ又は四つまで置換接続することができる。R、Rii、Riiiはそれぞれ独立して水素、直鎖又は分岐鎖のC~C20アルキル基、C~C20シクロアルキル基、C~C20アリール基、C~C20アルキルアリール基又はC~C20アリールアルキル基を意味し、これらの基は任意選択的に一つ又は複数のヘテロ原子を含み、飽和又は不飽和であってもよい。R、Rii、Riii間は飽和又は不飽和の環基を形成することができ、これらの基は任意選択的に一つ又は複数のヘテロ原子を含む。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(II)において、R、Rii及びRiiiは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素、C~C20炭化水素基、C~C20ハロゲン化アルキル基、C~C20アリール基、C~C20ハロゲン化アリール基、C~C40アリールアルキル基、C~C40アルキルアリール基、C~C20シクロアルキル基、C~C20ヘテロシクロアルキル基、C~C20アルケニル基、C~C20アルキニル基、C~C20アルコキシ基、C~C20フェノール基、C~C20アミン基、及び13族から17族へテロ原子を含む基から選択される。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(II)において、R、Rii及びRiiiは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素、C~C10炭化水素基、C~C10ハロゲン化アルキル基、C~C10アリール基、C~C10ハロゲン化アリール基、C~C20アリールアルキル基、C~C20アルキルアリール基、C~C10シクロアルキル基、C~C10ヘテロシクロアルキル基、C~C10アルケニル基、C~C10アルキニル基、C~C10アルコキシ基、C~C10フェノール基、C~C10アミン基、及び13族から17族へテロ原子を含む基から選択される。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(II)において、R、Rii及びRiiiは同じであるか又は異なり、それぞれ独立して水素、C~C炭化水素基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cアリール基、C~Cハロゲン化アリール基、C~C10アリールアルキル基、C~C10アルキルアリール基、C~Cシクロアルキル基、C~Cヘテロシクロアルキル基、C~Cアルケニル基、C~Cアルキニル基、C~Cアルコキシ基、C~Cフェノール基、C~Cアミン基、及び13族から17族へテロ原子を含む基から選択される。
【0040】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、Rivは水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C10炭化水素基から選択される。
【0041】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、Rivは水素及び直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、ヘテロ原子を含有するか又はヘテロ原子を含有しないC~C炭化水素基から選択される。
【0042】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、MはTi、Zr及びHfから選択される。
【0043】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)において、MはZrである。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、LIV及びLは同じであり、水素、塩素、メチル基、フェニル基、ベンジル基及びジメチルアミン基から選択される。
【0045】
上記第二の技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0046】
解決手段1:
上記メタロセン化合物の製造方法であって、
n=2である場合、前記製造方法は、
S1.H(CpIII)をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]アルカリ金属塩を生成すること、
S2.[H(CpIII)]アルカリ金属塩をRIIZXと反応させてRIIZ[H(CpIII)]を生成すること、
S3.RIIZ[H(CpIII)]をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応するRIIZ(CpIII 2-アルカリ金属塩を生成すること、
S4.RIIZ(CpIII 2-アルカリ金属塩をXMLIVと塩除去反応を発生させ、RIIZ(CpIIIMLIVを得ること、を含み、
n=1である場合、前記製造方法は、
S1.H(CpIII)及びH(E)をそれぞれアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]アルカリ金属塩及び[H(E)]アルカリ金属塩を生成すること、
S2.[H(CpIII)]アルカリ金属塩及び[H(E)]アルカリ金属塩をRIIZXと反応させてRIIZ[H(CpIII)][H(E)]を生成すること、
S3.RIIZ[H(CpIII)][H(E)]をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応するRIIZ(CpIII)(E)2-アルカリ金属塩を生成すること、
S4.RIIZ(CpIII)(E)2-アルカリ金属塩をXMLIVと塩除去反応を発生させ、RIIZ(CpIII)(E)MLIVを得る、を含み、
ここで、XはCl、Br及びIから選択され、
好ましくは、S4において、RIIZ(CpIII 2-アルカリ金属塩又はRIIZ(CpIII)(E)2-アルカリ金属塩を分離する必要がなく、XMLIVと塩除去反応を直接的に発生させる。
【0047】
解決手段2:
上記メタロセン化合物の製造方法であって、
前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVとRIIの前駆体によりZ水素化反応を行って製造することを含み、
ここで、前記RIIの前駆体は多重結合含有分子であり、好ましくは、前記多重結合含有分子は有機多重結合分子、CO及びCOから選択され、ここで多重結合は同種原子又は異種原子の13乃至16族の元素から選択され、好ましくはC=C、C≡C、C=N、C≡N、C=O、C≡P、N=N、C=S、C=C=C、C=C=N、C=C=O及びN=C=N結合である。
【0048】
本発明によれば、解決手段1及び解決手段2はいずれも上記メタロセン化合物を製造することができる。
【0049】
本発明の好ましい実施形態によれば、解決手段2により上記メタロセン化合物を製造する。すなわち、前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIV、RIIHZ(CpIII(E)2-nMLIV又はHZ(CpIII(E)2-nMLIVが多重結合含有分子とZ-H付加反応を行うことにより製造される。CollinsはMeHZ(Cp)Zr(NMe及びMeHZ(Ind)Zr(NMeの段階的合成法(Macromolecules2001,34,3120)を報告した。すなわち、それぞれジメタロセン配位子MeHZ(CpH)及びMeHZ(IndH)を製造し、さらにZr(NMeと反応させてMeHZ(Cp)Zr(NMe及びMeHZ(Ind)Zr(NMeを生成する。該方法は、背景技術に説明された脱メタロセン環又は非メタロセン化合物プロトンの合成法と類似する。この二つの化合物は、それぞれ過剰のMeZClと反応して、化合物MeHZ(Cp)ZrCl及びMeHZ(Ind)ZrClを得る。
【0050】
前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIV、RIIHZ(CpIII(E)2-nMLIV又はHZ(CpIII(E)2-nMLIVの製造に関して、本発明が採用する技術的解決手段はこのような方法を使用してもよく、背景技術に言及された塩除去法を採用してもよいが、好ましくはワンポット法の製造方式を採用して実施する。本発明はワンポット法の具体的な実施形態を提供し、選択された原料が変更する場合、ワンポット法の実施過程は変更しない。
【0051】
n=2である場合、RHZXを選択して2モル量のH(CpIII)アルカリ金属塩と反応させ(H(CpIII)が二つの異なるメタロセン基である場合、それぞれ1モル量である)、H(CpIII)アルカリ金属塩はメタロセン配位子H(CpIII)と等量のアルカリ金属有機化合物とを反応させて得られ、アルカリ金属有機化合物は水素化金属、アルキル金属、アルケニル金属、芳香族金属、アミン金属から選択され、好ましくはアルキル金属である。アルカリ金属はLi、Na、Kから選択され、好ましくはLiである。XはCl、Br、Iから選択され、好ましくはClである。生成されたRHZ[H(CpIII)]は分離する必要がなく、次の反応に直接用いられ、以下の二種類の解決手段がある。
【0052】
a)LviiivivMLIVと反応して、安定小分子であるHLviii又はHLvivを脱着させて、RHZ(CpIIIMLIVが得られ、Lviii及びLvivは脱離する基であり、同じであってもよく、異なってもよく、水素、アルキル基、アリール基、アミン基から選択され、好ましくは二つの同じメチル基、フェニル基、ジメチルアミン基から選択される。
【0053】
b)2モル量のアルカリ金属有機化合物と反応してアルカリ金属塩を生成し、アルカリ金属有機化合物の定義は上記と同じである。さらにXMLIVと塩除去反応をしてRHZ(CpIIIMLIVが得られ、Xの定義は上記と同じである。
【0054】
n=1である場合、RHZXを選択して1モル量のH(CpIII)アルカリ金属塩及び1モルのH(E)のアルカリ金属塩と反応させ、H(CpIII)アルカリ金属塩の製造は上記と同じであり、H(E)のアルカリ金属塩はH(E)と等量のアルカリ金属有機化合物を反応させて製造され、アルカリ金属有機化合物の定義は上記と同じである。生成されたRHZ[H(CpIII)][H(E)]は分離する必要がなく、次の反応に直接用いられ、以下の二種類の解決手段がある。
【0055】
a)LviiivivMLIVと反応して、安定小分子であるHLviii又はHLvivを脱着させて、RHZ(CpIII)(E)MLIVが得られ、Lviii及びLvivの定義は上記と同じである。
【0056】
b)2モル量のアルカリ金属有機化合物と反応してアルカリ金属塩を生成し、アルカリ金属有機化合物の定義は上記と同じである。さらにXMLIVと塩除去反応をしてRHZ(CpIII)(E)MLIVが得られ、Xの定義は上記と同じである。
【0057】
IIHZXを選択してRIIHZ(CpIII(E)2-nMLIVを製造するか又はHZXを選択してHZ(CpIII(E)2-nMLIVを製造することは上記解決手段と類似する。
【0058】
HZ(CpIII(E)2-nMLIV、RIIHZ(CpIII(E)2-nMLIV又はHZ(CpIII(E)2-nMLIVの製造過程において、反応は非プロトン性の溶媒中で行われ、これらの溶媒は直鎖又は分岐鎖のアルカン化合物、シクロアルカン化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル系化合物及び環状エーテル系化合物から選択され、好ましくはトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジオキサンである。ここで、H(CpIII)、H(E)、RHZ[H(CpIII)]、RIIHZ[H(CpIII)]、HZ[H(CpIII)]、RHZ[H(CpIII)][H(E)]、RIIHZ[H(CpIII)][H(E)]又はHZ[H(CpIII)][H(E)]とアルカリ金属有機化合物との反応は-60~140℃の温度で実施され、好ましい温度範囲は-20~110℃である。反応時間は0.016hより大きく、好ましい反応時間範囲は2~100hである。RHZX、RIIHZX、HZXのそれぞれとH(CpIII)又はH(E)アルカリ金属塩との反応、及びXMLIVとRHZ[(CpIII)]、RIIHZ[(CpIII)]、HZ[(CpIII)]、RHZ[(CpIII)][(E)]、RIIHZ[(CpIII)][(E)]又はHZ[(CpIII)]アルカリ金属塩との反応は-75~100℃の温度で実施され、好ましい温度範囲は-75~60℃である。反応時間は0.1hより大きく、好ましい反応時間範囲は6~100hである。RHZ[H(CpIII)]、RIIHZ[H(CpIII)]、HZ[H(CpIII)]、RHZ[H(CpIII)][H(E)]、RIIHZ[H(CpIII)][H(E)]、HZ[H(CpIII)][H(E)]のそれぞれがLviiivivMLIVと反応して安定小分子を脱着させる反応は0~160℃温度で実施され、好ましい温度範囲は20~140℃である。反応時間は0.1hより大きく、好ましい反応時間範囲は2~100hである。
【0059】
本発明がさらに提供する技術的解決手段としては、前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIV、RIIHZ(CpIII(E)2-nMLIV又はHZ(CpIII(E)2-nMLIVが多重結合含有分子とZ-H付加反応を行って製造される(I)。これらの多重結合の分子において、多重結合は13乃至16族の元素で構成された多重結合から選択され、同種原子であってもよく、異種原子であってもよく、好ましくはC=C、C≡C、C=N、C≡N、C=O、C≡P、N=N、C=S、C=C=C、C=C=N、C=C=O、N=C=Nである。Z-H付加反応は触媒の参加を必要とし、触媒は遷移金属触媒及びLewis酸触媒から選択され、好ましくは遷移金属中の白金触媒及びLewis酸中のB(C触媒である。本発明の目的をよりよく達成するために、同時に好ましくは上記前駆体中のLIV及びLと作用しないか又はこのような作用がZ-Hと多重結合との反応に影響を与えない触媒を必要とする。それは、触媒と上記前駆体中のLIV及びLが作用してZ-Hと多重結合との付加反応に影響を与える場合、このようなLIV及びL基は製造された関連化合物により基変換反応を行って、Z-Hと多重結合との反応に影響を与えない基に変換する必要があることを意味する。例を挙げて説明すると、LIV及びLがメチル基である場合、B(C触媒は該メチル基と錯体化して[MeB(Cを形成し、触媒作用を失ってしまう。そうすると、LIV及びLはNMe又は他の反応しない基に変換する必要がある。
【0060】
前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIV、RIIHZ(CpIII(E)2-nMLIV又はHZ(CpIII(E)2-nMLIV中のZ-Hと多重結合分子との反応は非プロトン性の溶媒中で行われ、溶媒は直鎖又は分岐鎖のアルカン化合物、シクロアルカン化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル系化合物及び環状エーテル系化合物から選択され、好ましくはトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジオキサンである。反応中の触媒の使用量は反応物総量の質量百分率の0.00001~50%であり、好ましい比率は0.01~20%である。反応は-30~140℃の温度で実施され、好ましい温度範囲は0~90℃である。反応時間は0.1hより大きく、好ましい反応時間範囲は2~50hである。目的生成物(I)は再結晶により分離又は精製される。
【0061】
本発明によれば、「Z」は好ましくは珪素である。
【0062】
本発明の好ましい実施形態によれば、触媒の存在下で前記Z水素化反応を行い、前記触媒は遷移金属触媒及びLewis酸触媒から選択され、好ましくは遷移金属中の白金触媒及びLewis酸中のB(C触媒である。
【0063】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記Z水素化反応における触媒の使用量は反応物の総量の質量の0.00001~50%であり、好ましい比率は0.01~20%である。
【0064】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記Z水素化反応の温度は-30~140℃であり、好ましくは0~90℃である。
【0065】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記Z水素化反応の反応時間は0.1hより大きく、好ましくは2~50hである。
【0066】
本発明の好ましい実施形態によれば、得られた前記前駆体は再結晶により分離又は精製され、前記再結晶の溶媒は非プロトン性の溶媒であり、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のアルカン化合物、シクロアルカン化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル系化合物及び環状エーテル系化合物から選択され、さらに好ましくは、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンから選択される。
【0067】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVは化学反応のワンポット法により製造される。
【0068】
本発明の好ましい実施形態によれば、n=2である場合、前記前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVの製造方法は、
ステップ(1)、H(CpIII)をアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]アルカリ金属塩を生成すること、
ステップ(2)、[H(CpIII)]アルカリ金属塩をRHZXと反応させてRHZ[H(CpIII)]を生成すること、
ステップ(3)、RHZ[H(CpIII)]を分離する必要がなく、直接的にLviiivivMLIVと反応させ、安定小分子であるLviii又はLvivを脱着させ、前記前駆体RHZ(CpIIIMLIVを得ること、
及び/又は、RHZ[H(CpIII)]を分離する必要がなく、アルカリ金属有機化合物と直接反応させアルカリ金属塩を生成し、得られたアルカリ金属塩をさらにXMLIVと塩除去反応をして、前記前駆体RHZ(CpIIIMLIVを得ること、を含み、
n=1である場合、前記前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIVの製造方法は、
ステップ(1)、H(CpIII)及びH(E)をそれぞれアルカリ金属有機化合物と反応させて対応する[H(CpIII)]及び[[H(E)]アルカリ金属塩を生成すること、
ステップ(2)、[H(CpIII)]及び[H(E)]アルカリ金属塩をRHZXと反応させてRHZ[H(CpIII)][H(E)]を生成すること、
ステップ(3)、RHZ[H(CpIII)][H(E)]を分離する必要がなく、LviiivivMLIVと直接反応させ、安定小分子であるLviii又はLvivを脱着させ、前記前駆体RHZCpIIIEMLIVを得ること、
及び/又は、RHZ[H(CpIII)][H(E)]を分離する必要がなく、アルカリ金属有機化合物と直接反応させてアルカリ金属塩を生成し、得られたアルカリ金属塩はさらにXMLIVと塩除去反応をして、前記前駆体RHZCpIIIEMLIVを得ること、を含み、
ここで、XはCl、Br及びIから選択される。
【0069】
本発明によれば、ワンポット法を採用する場合、Rは前駆体RIIHZ(CpIII(E)2-nMLIV中のZ-H結合と多重結合含有分子中の多重結合との付加反応により形成され、RIIは前駆体RHZ(CpIII(E)2-nMLIV中のZ-H結合と多重結合含有分子中の多重結合との付加反応により形成され、又はR及びRIIはいずれも前駆体HZ(CpIII(E)2-nMLIV中のZ-H結合と多重結合含有分子中の多重結合との付加反応により形成され、多重結合分子は有機多重結合分子、CO又はCOであり、好ましくは有機多重結合分子である。これにより、RとRIIは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0070】
本発明の好ましい実施形態によれば、各ステップにおいて、前記反応の反応温度は-100℃~140℃であり、好ましくは-85℃~110℃であり、及び/又は、反応時間は0.016hより大きく、好ましくは2~100hである。
【0071】
本発明の好ましい実施形態によれば、各ステップにおいて、-100℃~-20℃、好ましくは-85℃~-10℃の条件で反応材料を混合し、かつ10℃~50℃、好ましくは20℃~35℃で、混合された反応材料を1h~100h、好ましくは5h~50h反応させる。
【0072】
本発明の好ましい実施形態によれば、各ステップにおいて、前記反応は非プロトン性の溶媒中で行われ、前記非プロトン性の溶媒は直鎖又は分岐鎖のアルカン化合物、シクロアルカン化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル系化合物及び環状エーテル系化合物から選択され、好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル及びジオキサンから選択される。
【0073】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記アルカリ金属有機化合物は水素化金属、アルキル金属、アルケニル金属、芳香族金属及びアミン金属から選択され、好ましくはアルキル金属であり、より好ましくはC~Cアルキル金属である。
【0074】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記アルカリ金属はLi、Na及びKから選択され、好ましくはLiである。
【0075】
上記第三の技術的問題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0076】
上記メタロセン化合物又は上記製造方法で製造されたメタロセン化合物、助触媒及び担体を含むα-オレフィン重合反応用触媒。
【0077】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記助触媒はルイス酸と、非配位性アニオン及びルイス酸又はブレンステッド酸カチオンを含有するイオン性化合物とから選択され、好ましくは、前記ルイス酸はアルキルアルミニウム、アルキルアルミノキサン及び有機ホウ化物を含み、及び/又は、前記非配位性アニオン及びルイス酸又はブレンステッド酸カチオンを含有するイオン性化合物は1~4個のパーフルオロアリール基で置換されたホウ酸アニオンを含有する化合物から選択される。
【0078】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記アルキルアルミニウムはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム、トリ-n-ペンチルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリイソヘプチルアルミニウム、トリ-n-ヘプチルアルミニウム、トリイソオクチルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリイソノニルアルミニウム、トリ-n-ノニルアルミニウム、トリイソデシルアルミニウム及びトリ-n-デシルアルミニウムを含み、及び/又は、前記アルキルアルミノキサンはメチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン及びブチル変性アルミノキサンを含み、及び/又は、前記有機ホウ化物はトリフルオロボラン、トリフェニルボラン、トリス(4-フルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボラン及びトリス(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボランを含む。
【0079】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記アルキルアルミニウムはトリメチルアルミニウム及びトリエチルアルミニウムを含む。
【0080】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記パーフルオロアリール基はパーフルオロフェニル、パーフルオロナフチル、パーフルオロビフェニル、パーフルオロアルキルフェニルから選択され、かつカチオンはN,N-ジメチルフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルカルボニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン及びトリアリールアンモニウムイオンから選択される。
【0081】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記触媒において、メタロセン化合物の含有量はM元素で0.001質量%~10質量%であり、好ましくは0.01質量%~1質量%であり、及び/又は、前記助触媒におけるAl元素と前記メタロセン化合物におけるM元素とのモル比は(1~500):1であり、好ましくは(50~300):1である。
【0082】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記触媒は非対称構造を有する。前記非対称構造は複数の局面でいう非対称構造であってもよく、それはメタロセン化合物におけるRとRIIが非対称であることを意味してもよく、メタロセン化合物と助剤が作用して非対称構造を形成することを意味してもよく、メタロセン化合物と助剤が作用した後に担体に担持され、さらに非対称性を強化することを意味してもよい。
【0083】
上記第四の技術的問題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0084】
前記メタロセン化合物、前記助触媒及び前記担体を溶媒の作用下で結合して前記触媒を形成することを含む上記触媒の製造方法。
【0085】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記結合の条件は、結合の温度は-40℃~200℃であり、好ましくは40℃~120℃であり、結合の時間は0.016hより大きく、好ましくは2h~100hであることを含む。
【0086】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記溶媒は直鎖炭化水素化合物、分岐鎖炭化水素化合物、環状飽和炭化水素化合物及び芳香族炭化水素化合物から選択され、好ましくはトルエン、キシレン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、イソヘプタン及びネオヘプタンである。
【0087】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記触媒の製造方法は、
i)前記助触媒、前記担体及び溶媒を混合し、混合物Aを得ること、
ii)前記混合物Aと前記メタロセン化合物を混合し、混合物Bが得られ、好ましくは、まず前記メタロセン化合物を溶媒と混合し、次に前記混合物Aと混合すること、
iii)前記混合物Bから固体を分離し、前記固体に対して乾燥処理を行い、前記触媒を得ることを含む。
【0088】
本発明の好ましい実施形態によれば、ステップ(i)において、前記担体を焼成処理し、好ましくは、前記焼成処理の条件は、焼成温度が50℃~700℃であり、焼成時間が0.5h~240hであることを含む。
【0089】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記混合物Aを加熱処理し、好ましくは、前記加熱処理の条件は、加熱温度が30℃~110℃であり、加熱時間が0.1h~100hであることを含む。
【0090】
本発明の好ましい実施形態によれば、ステップ(iii)において、前記乾燥処理の条件は、乾燥温度が30℃~110℃であり、乾燥時間が0.1h~100hであることを含む。
【0091】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記乾燥処理を行う前に前記固体を洗浄し、好ましくは前記溶媒を用いて前記固体を洗浄し、より好ましくは、洗浄後の溶媒に金属イオンが含まれないまで洗浄する。
【0092】
上記第五の技術的問題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0093】
上記メタロセン化合物又は上記製造方法で製造されたメタロセン化合物又は上記触媒又は上記製造方法で製造された触媒のα-オレフィン重合の分野における適用。
【0094】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記メタロセン化合物又は上記製造方法で製造されたメタロセン化合物又は上記触媒又は上記製造方法で製造された触媒の存在下で、α-オレフィンに重合反応を行い、ポリα-オレフィンを得る。
【0095】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記重合反応は溶媒なしの条件下で行われる。
【0096】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記重合反応の条件は、反応温度が-50℃~200℃であり、好ましくは30℃~100℃であり、反応時間が0.01h~60hであり、好ましくは0.1h~10hであることを含む。
【0097】
本発明の好ましい実施形態によれば、1グラム当たりのα-オレフィンに対して、前記メタロセン触媒又はメタロセン触媒系の使用量は0.001mg~1000mgであり、好ましくは0.01mg~200mgであり、より好ましくは0.1mg~20mgである。
【0098】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記α-オレフィンは、C~C20のα-オレフィンを含み、好ましくはC~C14のα-オレフィンであり、より好ましくはエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン及び1-エイコセンであり、好ましくは1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン及び1-テトラデセンである。
【0099】
本発明のいくつかの具体的な実施形態において、前記α-オレフィンはプロピレンである。α-オレフィンがプロピレンである場合、プロピレン及び水素ガスを原料として塊状重合反応を行うことができ(このような塊状重合反応は釜式反応器で行うことができ、管式反応器で行うことにも適する。断続的に行ってもよく、連続的に行ってもよい。)、水素ガスの使用量は0~0.10g/gのプロピレンであってもよく、好ましくは0.00001~0.10g/gのプロピレンである。また、プロピレンの重合を行う時に、不純物除去剤を採用することができる。不純物除去剤は本分野で一般的に用いられる物質であり、その具体的な使用量は0~100mmol/gのプロピレンであってもよく、好ましくは0.001~10mmol/gのプロピレンである。
【0100】
本発明のいくつかの具体的な実施形態において、前記α-オレフィンはエチレンである。α-オレフィンがエチレンである場合、気相重合反応を行い、反応温度が0~200℃であり、好ましくは20~140℃であり、及び/又は、反応時間が0.016~60hであり、好ましくは0.1~20hであり、及び/又は、エチレン圧力が0.1~15MPaであり、好ましくは0.2~10MPaであり、及び/又は、触媒の使用量が0.00001~100mg/gのエチレンであり、及び/又は、不純物除去剤の使用量が0~100mmol/gのエチレンであり、及び/又は、水素ガスの使用量が0~0.01g/gのエチレンである。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記不純物除去剤は、アルキルアルミニウム化合物、芳香族アルミニウム化合物、アルミノキサン化合物、水素化ホウ素化合物、アルキルマグネシウム化合物、芳香族マグネシウム化合物、アルキル亜鉛化合物、芳香族亜鉛化合物、アルキルリチウム化合物、芳香族リチウム化合物、アルキルナトリウム化合物、芳香族ナトリウム化合物、アルキルカリウム化合物及び芳香族カリウム化合物から選択され、好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン及び変性アルミノキサン、アルキルアルミニウムハライド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ-n-ブチルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ-n-ブチル亜鉛、メチルリチウム、n-ブチルリチウム及びt-ブチルリチウムから選択される。
【0102】
本発明において、用語「炭化水素基」は、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキニル基、アルケニル基などであってもよい。
【0103】
本発明において、用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素及びリンなどのヘテロ原子を意味することができる。
【0104】
本発明において、用語「置換」は、置換基で置換されることを意味することができる。前記置換基はハロゲン、非炭素のオキソ酸基及びその誘導体並びに任意に置換されたアルキル基、アラルキル基及びアリール基から選択されてもよく、例えばアルキル基、アリール基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、オキサ、カルボキシル基、チオ、チオオキソ酸及びハロゲノ基並びにそれらの組み合わせから選択されたもので置換された基である。
【0105】
本発明において、用語「ワンポット法」は、同一の反応器で行われた連続的な多段階合成反応を意味することができる。
【0106】
本発明において、「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「iPr」はイソプロピル基、「tBu」はt-ブチル基、「iBu」はイソブチル基、「iPr」はイソプロピル基、「Ph」はフェニル基、「Fc」はCpFe(C)、「Flu」はフルオレニル基を意味する。
【0107】
本発明において、「Tol」はトルエンを意味する。
【0108】
本発明の有益な効果は少なくとも以下の点にある。
【0109】
1)本発明が採用するメタロセン化合物の架橋原子上の異なる二つの基のうちの少なくとも一つはアミン基で置換された基及び/又はメタロセンで置換された基及び/又は置換されたメタロセン基であり、これにより、ラセミ構造のメタロセン触媒を生成するように促進することができ、助触媒及び担体と組み合わせると、オレフィン、例えばプロピレン及びエチレンの立体鏡像サイト制御による鎖延長を実現することができ、アイソタクティシティーの高いメタロセンポリプロピレン又はメタロセンポリエチレンを製造する。
【0110】
2)本発明が提供するメタロセン化合物の製造方法は、架橋原子の基変換を効果的に行い、構造及び組成が多様な架橋メタロセン化合物を製造することができる。架橋原子の水素化反応後に得られた架橋メタロセン化合物は助触媒及び担体と組み合わせてメタロセン触媒を形成し、該触媒は良好な熱安定性及び触媒活性を有し、エチレン又はプロピレン等のalpha-オレフィンの重合反応を行うことができる。
【0111】
〔発明を実施するための形態〕
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
【0112】
下記実施形態において、特に断りのない限り、アルミニウム/ジルコニウム比はアルミニウムとジルコニウムとのモル比である。
【0113】
本発明において、特に断りのない限り、Al/Zr比はAl元素とZr元素とのモル比を意味する。
【0114】
本発明において、特に断りのない限り、「%」は質量百分率を意味する。
【0115】
本発明において、重合活性の計算式は以下のとおりである。
【0116】
重合活性=重合生成物の質量/(重合時間×触媒使用量×ジルコニウム含有量)
【0117】
(A メタロセン化合物の製造)
〔合成例1〕
式1に示されるメタロセン化合物の製造
40mmolの4-フェニル-2-メチルインデンを秤取し、200mLのEtOに溶解し、-78℃に冷却し、その中に40mmolの濃度2.4Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液をゆっくりと滴下し、15minを超えて滴下を完了する。撹拌しながら室温に自然に戻し、室温でさらに12h撹拌し、インデニルリチウム化合物の溶液が得られる。
【0118】
20mmolのMe(PhMeNHCHCHC)SiClを秤取し、100mLのノルマルヘキサンに溶解し、-78℃に冷却し、その中に上記製造されたインデニルリチウム化合物の溶液をゆっくりと滴下し、30minで滴下を完了する。撹拌しながら室温に自然に戻し、室温でさらに12h撹拌する。濾過して不溶物を除去し、濾液をシリカゲルカラムに通し、黄色の溶液が得られ、溶媒を吸引乾燥させて黄色の化合物であるMe(PhMeNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCが得られ、秤量が8.2mmol、収率が41%である。
【0119】
5mmolのMe(PhMeNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCを秤取し、100mLのTHFに溶解し、-78℃に冷却し、その中に10mmolの濃度2.4Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液をゆっくりと滴下し、15minを超えて滴下を完了する。撹拌しながら室温に自然に戻し、室温でさらに12h撹拌し、珪素基架橋インデニルリチウム化合物の溶液が得られる。
【0120】
5mmolのZrClを秤取し、100mLのTHFを添加し、-78℃に冷却し、撹拌しながらその中に上記珪素基架橋インデニルリチウム化合物の溶液をゆっくりと滴下し、15minを超えて滴下を完了する。撹拌しながら室温に自然に戻し、室温でさらに12h撹拌する。濾過して不溶物を除去し、濾液を収集し、濾液中のTHF溶媒を抽出し、残りの固体を100mLのトルエンで抽出する。抽出液を-20℃で結晶化し、式1に示されるオレンジレッドのメタロセンジルコニウム化合物である[Me(PhMeNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeC]ZrClが得られ、秤量が1.2mmol、収率が24%である。
【0121】
式2~式11のメタロセン化合物の製造方法はこれと類似し、ただし第2のステップにおけるMe(PhMeNHCHCHC)SiClの代わりに、Me(PhMeNHCHCHCHC)SiCl、Me(MeNHCHCHCHC)SiCl、Me(MeNHCHC)SiCl、Me(MeNHCHCHC)SiCl、Me(NHPrNHCHCHC)SiCl、Me(iPrNHCHCHC)SiCl、Me(iBuMeNHCHCHC)SiCl、Me(iBuEtNHCHCHC)SiCl、Me(iPrEtNHCHCHC)SiCl、(MeNHCHC)(iBuMeNHCHCHC)SiClを使用して、最後にそれぞれメタロセンジルコニウム化合物であるMe(PhMeNHCHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式2、秤量1.0mmol、収率20%)、Me(MeNHCHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式3、秤量1.4mmol、収率28%)、Me(MeNHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式4、秤量1.2mmol、収率24%)、Me(MeNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式5、秤量1.0mmol、収率20%)、Me(NHPrNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式6、秤量1.3mmol、収率26%)、Me(iPrNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式7、秤量1.0mmol、収率20%)、Me(iBuMeNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式8、秤量0.9mmol、収率18%)、Me(iBuEtNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式9、秤量0.8mmol、収率16%)、Me(iPrEtNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式10、秤量0.9mmol、収率18%)、(MeNHCHC)(iBuMeNHCHCHC)Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式11、秤量0.6mmol、収率12%)が得られる。
【0122】
式12~式14のメタロセン化合物の製造方法もこれと類似し、ただし第2のステップにおけるMe(PhMeNCHCHCH)SiClの代わりに、Me[CpFe(C)CHCH]SiCl、Me[CpFe(C)CHCHCH]SiCl、Me[CpFe(C)CH]SiClを使用して、最後にそれぞれメタロセンジルコニウム化合物であるMe[CpFe(C)CHCH]Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式12、秤量1.0mmol、収率20%)、Me[CpFe(C)CHCHCH]Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式13、秤量1.3mmol、収率26%)、Me[CpFe(C)CH]Si(4-Ph-2-MeCZrCl(式14、秤量0.8mmol、収率16%)が得られる。
【0123】
式15のメタロセン化合物の製造方法は同様にこれと類似し、ただし第1のステップにおける4-フェニル-2-メチルインデンの代わりに、4-(4-t-ブチル)フェニル-2-メチルインデンを使用して、同時に第2のステップにおけるMe(PhMeNCHCHCH)SiClの代わりに、Me[CpFe(C)CHCH]SiClを使用して、最後にメタロセンジルコニウム化合物であるMe[CpFe(C)CHCH]Si(4-(4-tBuC)-2-MeCZrCl(式15、秤量1.0mmol、収率20%)が得られる。
【0124】
〔合成例2-12の前駆体の製造〕
(水素基珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMeHSi(2-Me-7-p-tBuCZrCl(MS-1)の製造)
2-メチル-7-p-tert-ブチルフェニルインデン(5.24g、20mmol)を秤取し、Tol(80mL)溶媒に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して一晩反応させ、ワインレッドの溶液が得られる。-78℃でメチルジクロロシラン(1.04mL、10mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して8時間以上撹拌し、黄色の懸濁液が得られる。黄色の懸濁液を-78℃に置き、n-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、室温に戻した後に2h撹拌し続け、オレンジの混濁液が得られる。グローブボックスで四塩化ジルコニウム(2.33g、10mmol)を取り、バイアル瓶に入れ、40mLのトルエンを添加し、窒素保護を取り出し、室温で上記黄色の懸濁液に添加し、すぐに色がオレンジからブラウンブラックまで徐々に深くなり、1日間反応させる。窒素ガスの保護下で反応液を濾過し、得られた濾液について溶媒を吸引乾燥させ、ノルマルヘキサンを加えて洗浄し濾過して吸引乾燥させ、黄色の固体が得られる。黄色の固体をトルエンで-20℃で多段階再結晶させ、それぞれラセミ構造の化合物であるrac-MS-11.76g(24.2%)及びメソ構造の化合物であるmeso-MS-13.42g(47.0%)が得られる。
【0125】
この2種類の化合物は異性体であり、同じ元素組成を有する。そのうちの1種を選択し、元素分析を行ってその組成を確認する。組成はC4148ClSiZr(Mr=731.04):理論値:C、67.36。H、6.62。実測値:C、67.54。H、6.56である。
【0126】
〔合成例2〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(MeNCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1a)の製造)
rac-MS-1(1.45g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、MeNCH=CH(0.156g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、黄色の固体であるrac-MS-1a1.36g(85.2%)が得られる。
【0127】
組成はC4557ClNSiZr(Mr=802.16):理論値:C、67.38。H、7.16。N、1.75。実測値:C、67.42。H、7.19。N、1.78である。
【0128】
〔合成例3〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(MeNCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(meso-MS-1a)の製造)
実施ステップは合成例2と同じであり、ただしrac-MS-1の代わりに、meso-MS-1(1.45g、2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるmeso-MS-1a1.4g(87.7%)が得られる。
【0129】
化合物meso-MS-1と上記rac-MS-1は異性体であり、組成もC4557ClNSiZr(Mr=802.16):理論値:C、67.38。H、7.16。N、1.75。実測値:C、67.44。H、7.18。N、1.77である。
【0130】
〔合成例4〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(PhMeNCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1b)の製造)
実施ステップは合成例2と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、PhMeNCH=CH(0.293g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1b1.65g(95.9%)が得られる。
【0131】
組成はC5059ClNSiZr(Mr=864.23):理論値:C、69.49。H、6.88。N、1.62。実測値:C、69.45。H、6.89。N、1.65である。
【0132】
〔合成例5〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(MeNCHCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1c)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、MeNCHCH=CH(0.187g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1c1.35g(83.2%)が得られる。
【0133】
組成はC4659ClNSiZr(Mr=816.18):理論値:C、67.69。H、7.29。N、1.72。実測値:C、67.65。H、7.30。N、1.70である。
【0134】
〔合成例6〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(PhMeNCHCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1d)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、PhMeNCHCH=CH(0.324g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1d1.61g(92.3%)が得られる。
【0135】
組成はC5161ClNSiZr(Mr=878.25):理論値:C、69.75。H、7.00。N、1.59。実測値:C、69.78。H、7.02。N、1.60である。
【0136】
〔合成例7〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(iPrNCHCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1e)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、iPrNCHCH=CH(0.310g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1e1.54g(88.8%)が得られる。
【0137】
組成はC5067ClNSiZr(Mr=872.29):理論値:C、68.85。H、7.74。N、1.61。実測値:C、68.83。H、7.71。N、1.63である。
【0138】
〔合成例8〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(iBuMeNCHCHCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1f)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、iBuMeNCHCHCH=CH(0.310g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1f1.57g(90.62%)が得られる。
【0139】
組成はC5067ClNSiZr(Mr=872.29):理論値:C、68.85。H、7.74。N、1.61。実測値:C、68.82。H、7.72。N、1.63である。
【0140】
〔合成例9〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(PhMeNCHCHCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1g)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、PhMeNCHCHCH=CH(0.354g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1g1.64g(92.52%)が得られる。
【0141】
組成はC5263ClNSiZr(Mr=892.28):理論値:C、70.00。H、7.12。N、1.57。実測値:C、70.04。H、7.11。N、1.59である。
【0142】
〔合成例10〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(iPrEtNCHCHCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1h)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、iPrEtNCHCHCH=CH(0.310g、2.2mmol)を使用して、最後に黄色の固体であるrac-MS-1h1.57g(90.61%)が得られる。
【0143】
組成はC5071ClNSiZr(Mr=876.32):理論値:C、68.53。H、8.17。N、1.60。実測値:C、68.51。H、8.18。N、1.62である。
【0144】
〔合成例11〕
(フェロセニル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(FcCH=CH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1i)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、FcC≡CH(0.420g、2mmol)を使用して、最後にオレンジレッドの固体であるrac-MS-1i1.72g(91.98%)が得られる。FcC≡CHのうち、Fc=CpFe(C)である。
【0145】
組成はC5358ClFeSiZr(Mr=941.09):理論値:C、67.64。H、6.21。実測値:C、67.71。H、6.25である。
【0146】
〔合成例12〕
(フェロセンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(FcCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZrCl(rac-MS-1j)の製造)
実施ステップは実施例一と同じであり、ただしMeNCH=CHの代わりに、FcCH=CH(0.424g、2mmol)を使用して、最後にオレンジレッドの固体であるrac-MS-1j1.63g(87.17%)が得られる。FcCH=CHのうち、Fc=CpFe(C)である。
【0147】
組成はC5360ClFeSiZr(Mr=943.10):理論値:C、67.50。H、6.41。実測値:C、67.53。H、6.43である。
【0148】
〔合成例13及び14の前駆体の製造〕
(水素基珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMeHSi(2-Me-7-p-tBuCZr(NMe(rac-MS-2)の製造)
2-メチル-7-p-tert-ブチルフェニルインデン(5.24g、20mmol)を秤取し、Tol(160mL)溶媒に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して一晩反応させ、ワインレッドの溶液が得られる。-78℃でメチルジクロロシラン(1.04mL、10mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して8時間以上撹拌し、黄色の懸濁液が得られる。濾過してLiCl沈殿を除去して黄色の溶液が得られ、撹拌しながらテトラメチルアミンジルコニウム(2.68g、10mmol)を添加する。70~100℃に12h加熱する。室温まで冷却した時、揮発性成分を除去し、残りの固体をトルエンとヘキサンで再結晶させ、オレンジの結晶状固体であるrac-MS-2 4.83g(64.9%)が得られる。
【0149】
組成はC4560SiZr(Mr=748.28):理論値:C、72.23。H、8.08。N、3.74。実測値:C、72.21。H、8.05。N、3.76である。
【0150】
〔合成例13〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(PhMeNCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZr(NMe(rac-MS-2a)の製造)
rac-MS-2(1.49g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeNCH=CH(0.293g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジの固体であるrac-MS-2a1.62g(92.2%)が得られる。
【0151】
組成はC5471SiZr(Mr=881.47):理論値:C、73.58。H、8.12。N、4.77。実測値:C、73.60。H、8.14。N、4.75である。
【0152】
〔合成例14〕
(フェロセンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(FcCHCH)Si(2-Me-7-p-tBuCZr(NMe(rac-MS-2b)の製造)
実施ステップは合成例13と同じであり、ただしPhMeNCH=CHの代わりに、FcCH=CH(0.424g、2mmol)を使用して、最後にオレンジレッドの固体であるmeso-MS-1a1.4g(87.7%)が得られる。FcCH=CHのうち、Fc=CpFe(C)である。
【0153】
組成はC5772FeSiZr(Mr=960.35):理論値:C、71.29。H、7.56。N、2.93。実測値:C、71.27。H、7.56。N、2.91である。
【0154】
〔合成例15及び16の前駆体の製造〕
(水素基珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMeHSi(2-Me-7-PhCZrCl(MS-3)の製造)
2-メチル-7-フェニルインデン(4.13g、20mmol)を秤取し、Tol(160mL)溶媒に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して一晩反応させ、ワインレッドの溶液が得られる。-78℃でメチルジクロロシラン(1.04mL、10mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して8時間以上撹拌し、黄色の懸濁液が得られる。黄色の懸濁液を-78℃に置き、n-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、室温に戻した後に2h撹拌し続け、オレンジの混濁液が得られる。グローブボックスで四塩化ジルコニウム(2.33g、10mmol)を取り、バイアル瓶に入れ、40mLのトルエンを添加し、窒素保護を取り出し、室温で上記黄色の懸濁液に添加し、すぐに色がオレンジからブラウンブラックまで徐々に深くなり、1日間反応させる。窒素ガスの保護下で反応液を濾過し、得られた濾液について溶媒を吸引乾燥させ、ノルマルヘキサンを加えて洗浄し濾過して吸引乾燥させ、黄色の固体が得られる。黄色の固体をトルエンで-20℃で多段階再結晶させ、それぞれラセミ構造の化合物であるrac-MS-31.25g(18.7%)及びメソ構造の化合物であるmeso-MS-32.75g(41.2%)が得られる。
【0155】
組成はC3328ClSiZr(Mr=614.79):理論値:C、64.47。H、4.59。実測値:C、64.48。H、4.61である。
【0156】
〔合成例15〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(PhMeNCHCH)Si(2-Me-7-PhCZrCl(rac-MS-3a)の製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeNCH=CH(0.293g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3a1.41g(87.4%)が得られる。
【0157】
組成はC4239ClNSiZr(Mr=747.98):理論値:C、67.44。H、5.26。N、1.87。実測値:C、67.42。H、5.27。N、1.86である。
【0158】
〔合成例16〕
(フェロセンアルキル含有珪素架橋ビスインデニルジルコノセン化合物であるMe(FcCHCH)Si(2-Me-7-PhCZrCl(rac-MS-3b)の製造)
実施ステップは合成例13と同じであり、ただしPhMeNCH=CHの代わりに、FcCH=CH(0.424g、2mmol)を使用して、最後にオレンジレッドの固体であるrac-MS-3b1.53g(86.7%)が得られる。FcCH=CHのうち、Fc=CpFe(C)である。
【0159】
組成はC4540ClFeSiZr(Mr=826.86):理論値:C、65.37。H、4.88。実測値:C、65.36。H、4.89である。
【0160】
〔合成例16及び17の前駆体の製造〕
(水素基珪素架橋ビスフルオレニルジルコノセン化合物であるMeHSiFluZrCl(MS-4)の製造)
フルオレン(3.32g、20mmol)を秤取し、Tol(160mL)溶媒に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して一晩反応させ、ワインレッドの溶液が得られる。-78℃でメチルジクロロシラン(1.04mL、10mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して8時間以上撹拌し、黄色の懸濁液が得られる。黄色の懸濁液を-78℃に置き、n-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、室温に戻した後に2h撹拌し続け、オレンジの混濁液が得られる。グローブボックスで四塩化ジルコニウム(2.33g、10mmol)を取り、バイアル瓶に入れ、40mLのトルエンを添加し、窒素保護を取り出し、室温で上記黄色の懸濁液に添加し、すぐに色がオレンジからブラウンまで徐々に深くなり、1日間反応させる。窒素ガスの保護下で反応液を濾過し、得られた濾液について溶媒を吸引乾燥させ、ノルマルヘキサンを加えて洗浄し濾過して吸引乾燥させ、黄色の固体が得られる。黄色の固体をトルエンで-20℃で再結晶させ、化合物MS-4 3.89g(72.8%)が得られる。
【0161】
組成はC2720ClSiZr(Mr=534.66):理論値:C、60.66。H、3.77。実測値:C、60.64。H、3.74である。
【0162】
〔合成例17〕
(アミンアルキル含有珪素架橋ビスフルオレニルジルコノセン化合物であるMe(PhMeNCHCH)SiFluZrCl(MS-4a)の製造)
MS-4(1.07g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeNCH=CH(0.293g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジの固体であるMS-4a1.21g(90.6%)が得られる。
【0163】
組成はC3631ClNSiZr(Mr=667.85):理論値:C、64.74。H、4.68。N、2.10。実測値:C、64.73。H、4.71。N、2.11である。
【0164】
〔合成例18〕
(フェロセンアルキル含有珪素架橋ビスフルオレニルジルコノセン化合物であるMe(FcCHCH)SiFluZrCl(MS-4b)の製造)
実施ステップは合成例17と同じであり、ただしPhMeNCH=CHの代わりに、FcCH=CH(0.424g、2mmol)を使用して、最後にオレンジレッドの固体であるMS-4b1.32g(88.4%)が得られる。FcCH=CHのうち、Fc=CpFe(C)である。
【0165】
組成はC3932ClFeSiZr(Mr=746.73):理論値:C、62.73。H、4.32。実測値:C、62.72。H、4.31である。
【0166】
〔合成例19〕
(Me[(PhMeN(CH)]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeN(CHCH=CH(0.388g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3c1.49g(86.2%)が得られる。
【0167】
組成はC4545ClNSiZr(Mr=790.97):理論値:C、68.41。H、5.74。N、1.77。実測値:C、68.44。H、5.75。N、1.76である。
【0168】
〔合成例20〕
(Me[PhMeN(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeN(CHCH=CH(0.480g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3d1.57g(86.3%)が得られる。
【0169】
組成はC4851ClNSiZr(Mr=832.15):理論値:C、69.28。H、6.18。N、1.68。実測値:C、69.25。H、6.16。N、1.70である。
【0170】
〔合成例21〕
(Me[PhMeN(CH12]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeN(CHCH=CH(0.573g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3e1.72g(89.9%)が得られる。
【0171】
組成はC5157ClNSiZr(Mr=874.23):理論値:C、70.07。H、6.57。N、1.60。実測値:C、70.04。H、6.55。N、1.60である。
【0172】
〔合成例22〕
(Me[PhMeN(CH15]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、PhMeN(CH12CH=CH(0.666g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3f1.83g(91.2%)が得られる。
【0173】
組成はC5463ClNSiZr(Mr=916.31):理論値:C、70.78。H、6.93。N、1.53。実測値:C、70.76。H、6.95。N、1.52である。
【0174】
〔合成例23〕
(Me[p-ClCMeN(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、p-ClCMeN(CHCH=CH(0.461g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3g1.62g(90.0%)が得られる。
【0175】
組成はC4544ClNSiZr(Mr=824.51):理論値:C、65.55。H、5.38。N、1.70。実測値:C、65.56。H、5.36。N、1.72である。
【0176】
〔合成例24〕
(Me[p-MeOCMeN(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、p-MeOCMeN(CHCH=CH(0.454g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3h1.60g(89.2%)が得られる。
【0177】
組成はC4646ClNOSiZr(Mr=819.09):理論値:C、67.45。H、5.66。N、1.71。実測値:C、67.47。H、5.63。N、1.72である。
【0178】
〔合成例25〕
(Me[Fc(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、Fc(CHCH=CH(0.559g、2.2mmol)(備考:Fc=CpFe(C))及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3i1.67g(87.9%)が得られる。
【0179】
組成はC4846ClFeSiZr(Mr=868.95):理論値:C、66.35。H、5.34。実測値:C、66.36。H、5.33である。
【0180】
〔合成例26〕
(Me(Fc(CH)Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、Fc(CHCH=CH(0.652g、2.2mmol)(備考:Fc=CpFe(C))及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3j1.72g(86.3%)が得られる。
【0181】
組成はC5152ClFeSiZr(Mr=911.03):理論値:C、65.55。H、5.38。実測値:C、65.56。H、5.37である。
【0182】
〔合成例27〕
(Me[Fc(CH12]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、Fc(CH10CH=CH(0.775g、2.2mmol)(備考:Fc=CpFe(C))及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3k1.98g(93.6%)が得られる。
【0183】
組成はC5560ClFeSiZr(Mr=967.14):理論値:C、68.31。H、6.25。実測値:C、68.34。H、6.27である。
【0184】
〔合成例28〕
(Me[Fc(CH15]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、Fc(CH13CH=CH(0.868g、2.2mmol)(備考:Fc=CpFe(C))及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3l 2.02g(91.5%)が得られる。
【0185】
組成はC5866ClFeSiZr(Mr=1009.22):理論値:C、69.03。H、6.59。実測値:C、69.04。H、6.57である。
【0186】
〔合成例29〕
架橋SiH基付加法法を参照して、Rがメチル基、RIIがアルキル基であるメタロセン化合物を合成することができ、例を以下に示す。
【0187】
(MenBuSi(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、CHCHCH=CH(0.123g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3m1.12g(76.6%)が得られる。
【0188】
組成はC3736ClSiZr(Mr=670.90):理論値:C、66.24。H、5.41。実測値:C、66.23。H、5.40である。
【0189】
〔合成例30〕
(Me[n-CH(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClの製造)
rac-MS-3(1.34g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、CH(CHCH=CH(0.247g、2.2mmol)及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、オレンジレッドの固体であるrac-MS-3n1.23g(77.5%)が得られる。
【0190】
組成はC4144ClSiZr(Mr=727.01):理論値:C、67.74。H、6.10。実測値:C、67.72。H、6.11である。
【0191】
〔合成例31〕
MeHSi(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrClの製造
4-フェニル-2-メチルインデン(2.06g、10mmol)を秤取し、Tol(80ml)溶媒に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウム(2.4M、4.25mL、10mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して一晩反応させ、ワインレッドの溶液が得られる。-78℃でメチルジクロロシラン(1.04mL、10mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に室温に戻して8時間以上撹拌し、黄色の懸濁液が得られる。黄色の懸濁液を-78℃に置き、t-ブチルアミンリチウム(0.79g、10mmol)をゆっくりと滴下し、室温に戻した後に2h撹拌し続け、オレンジの混濁液が得られる。オレンジの懸濁液を-78℃に置き、n-ブチルリチウム(2.4M、8.5mL、20mmol)をゆっくりと滴下し、室温に戻した後に2h撹拌し続け、オレンジの混濁液が得られる。グローブボックスで四塩化ジルコニウム(2.33g、10mmol)を取り、バイアル瓶に入れ、40mLのトルエンを添加し、窒素保護を取り出し、室温で上記オレンジの懸濁液に添加し、すぐに色がオレンジから暗赤色まで徐々に深くなり、1日間反応させる。窒素ガスの保護下で反応液を濾過し、得られた濾液について溶媒を吸引乾燥させ、ノルマルヘキサンを加えて洗浄し濾過して吸引乾燥させ、赤色の固体が得られる。赤色の固体をトルエンで-20℃で多段階再結晶させ、化合物MeHSi(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrCl2.88g(60.0%)が得られる。
【0192】
組成はC2125ClNSiZr(Mr=481.65):理論値:C、52.37。H、5.23。N、2.91。実測値:C、52.40。H、5.21。N、2.90である。
【0193】
〔合成例32〕
(Me[Fc(CH]Si(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrClの製造)
MeHSi(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrCl(0.96g、2mmol)を秤取し、Tol(100mL)溶媒に溶解し、Fc(CHCH=CH(0.559g、2.2mmol)(備考:Fc=CpFe(C))及びB(C(0.051g、0.1mmol、5%の使用量)を添加し、50℃に加熱して24h反応させる。全ての揮発しやすい成分を室温で真空引きして除去し、残りの固体を少量(毎回使用量が約1.5mLである)のノルマルヘキサンで2~4回洗浄する。6h真空乾燥し、暗赤色の固体であるMe[Fc(CH]Si(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrCl1.21g(82.1%)が得られる。
【0194】
組成はC3644ClFeNSiZr(Mr=736.81):理論値:C、58.68。H、6.02。N、1.90。実測値:C、58.66。H、6.03。N、1.92である。
【0195】
(Bメタロセン触媒の製造)
〔製造例1〕
600℃で焼成処理されたシリカゲル2gを秤取し、10%のMAOトルエン溶液(重量百分率)10mLを加え、80℃に加熱する。均一に撹拌しながら式1に示されるメタロセン化合物のトルエン溶液を添加し、Al/Zr比を200:1に制御し、一晩反応させる。固体を濾過して収集し、洗い出した溶媒が無色になるまでトルエン溶媒で洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末が得られ、グローブボックスに保存して使用に備える(以下に特に説明しない限り、いずれもこの反応操作方法を使用する)。仕込み量及び洗出液の金属含有量の測定計算により、金属含有量が特定された触媒SC-1を得ることができ、ここで、ジルコニウム含有量は0.268%(29.4μmol/g)である。
【0196】
【化4】
【0197】
〔製造例2〕
600℃で焼成処理されたシリカゲル2gを秤取し、10%のMAOトルエン溶液(重量百分率)10mL及び純粋なトルエン溶媒を加え、80℃に加熱し、24h撹拌した後、濾過し、固体を収集し、トルエン溶媒で3回洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末状のMAO-シリカゲルが得られる。
【0198】
一定量のMAO-シリカゲルを秤取し、トルエン溶媒を加えて懸濁液を形成し、均一に撹拌しながらメタロセンジルコニウム化合物のトルエン溶液を加え、一晩反応させる。固体を濾過して収集し、洗い出した溶媒が無色になるまでトルエン溶媒で洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末が得られ、グローブボックスに保存して使用に備える。仕込み量及び洗出液のジルコニウム含有量の測定計算により、ジルコニウム含有量が特定された触媒を得ることができる。
【0199】
式1のメタロセンジルコニウム化合物を選択し、Al/Zr比を50:1、100:1、150:1に制御し、それぞれ触媒SC-2A(ジルコニウム含有量が0.846%、100.2μmol/gである)、SC-2B(ジルコニウム含有量が0.430%、47.2μmol/gである)、SC-2C(ジルコニウム含有量が0.282%、32.2μmol/gである)を製造する。
【0200】
〔製造例3〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式2に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を193:1、227:1、340:1に制御し、それぞれ触媒SC-3A(ジルコニウム含有量が0.40%、28.4μmol/gである)、SC-3B(ジルコニウム含有量が0.30%、25.0μmol/gである)、SC-3C(ジルコニウム含有量が0.20%、16.7μmol/gである)を製造する。
【0201】
【化5】
【0202】
〔製造例4〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式1に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を193:1、194:1、195:1に制御し、それぞれ触媒SC-4A(ジルコニウム含有量が0.40%、28.4μmol/gである)、SC-4B(ジルコニウム含有量が0.40%、28.5μmol/gである)、SC-4C(ジルコニウム含有量が0.40%、28.7μmol/gである)を製造する。
【0203】
〔製造例5〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式3に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を50:1、100:1、200:1に制御し、それぞれ触媒SC-5A(ジルコニウム含有量が0.854%、106.3μmol/gである)、SC-5B(ジルコニウム含有量が0.441%、49.2μmol/gである)、SC-5C(ジルコニウム含有量が0.277%、30.8μmol/gである)を製造する。
【0204】
【化6】
【0205】
〔製造例6〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式4に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-6(ジルコニウム含有量0.453%、51.2μmol/g)を製造する。
【0206】
【化7】
【0207】
〔製造例7〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式5に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-7(ジルコニウム含有量0.441%、48.7μmol/g)を製造する。
【0208】
【化8】
【0209】
〔製造例8〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式6に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-8(ジルコニウム含有量0.437%、50.7μmol/g)を製造する。
【0210】
【化9】
【0211】
〔製造例9〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式7に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-9(ジルコニウム含有量0.463%、52.4μmol/g)を製造する。
【0212】
【化10】
【0213】
〔製造例10〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式8に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-10(ジルコニウム含有量0.425%、47.1μmol/g)を製造する。
【0214】
【化11】
【0215】
〔製造例11〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式9に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-11(ジルコニウム含有量0.439%、48.3μmol/g)を製造する。
【0216】
【化12】
【0217】
〔製造例12〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式10に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-12(ジルコニウム含有量0.482%、52.1μmol/g)を製造する。
【0218】
【化13】
【0219】
〔製造例13〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式11に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-13(ジルコニウム含有量0.501%、54.3μmol/g)を製造する。
【0220】
【化14】
【0221】
〔製造例14〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式12に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-14(ジルコニウム含有量0.410%、44.6μmol/g)を製造する。
【0222】
【化15】
【0223】
〔製造例15〕
600℃で焼成処理されたシリカゲル2.0gを秤取し、10%のMAOトルエン溶液(重量百分率)10mLを加え、その後、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジオクタデシルメチルアンモニウム塩0.30gを加え、その後、トルエン10mLを追加し、80℃に加熱し、24h撹拌した後、濾過し、固体を収集し、トルエン溶媒で3回洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末状の担体シリカゲル3.1gが得られる。
【0224】
2gの処理された担体シリカゲルを秤取し、トルエン溶媒20mLを加えて懸濁液を形成し、均一に撹拌しながら式12に示されるメタロセンジルコニウム化合物100mgで調製されたトルエン溶液5mLを加え、室温で一晩撹拌反応させる。固体を濾過して収集し、洗い出した溶媒が無色になるまで、トルエン溶媒で洗浄し、固体を24h真空乾燥し、Zr含有量が0.390質量%(42.39μmol/g)の固体触媒粉末(SC-15)が得られ、グローブボックスに保存して使用に備える。
【0225】
〔製造例16〕
製造例15との相違点は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジオクタデシルメチルアンモニウム塩の代わりに、同じ質量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを使用することだけであり、他の条件を変更せず、固体触媒3.2gが得られ、測定された触媒のジルコニウム含有量が0.45質量%である。
【0226】
〔製造例17〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式13に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-16(ジルコニウム含有量0.406%、43.7μmol/g)を製造する。
【0227】
【化16】
【0228】
〔製造例18〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式14に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-17(ジルコニウム含有量0.415%、45.9μmol/g)を製造する。
【0229】
【化17】
【0230】
〔製造例19〕
製造ステップは製造例2と同じであり、式15に示されるメタロセン化合物を選択し、Al/Zr比を100:1に制御し、触媒SC-18(ジルコニウム含有量0.371%、40.2μmol/g)を製造する。
【0231】
【化18】
【0232】
〔製造例20〕
合成例2~18のうちの一部のメタロセン化合物を選択し、オレフィン重合反応触媒の製造に用いられ、製造過程は以下のとおりである。
【0233】
600℃で焼成処理されたシリカゲル2gを秤取し、10%のMAOトルエン溶液(重量百分率)10mL及び純粋なトルエン溶媒40~100mLを加え、80℃に加熱し、24h撹拌した後、濾過し、固体を収集し、トルエン溶媒で3回洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末状のMAO-シリカゲルが得られる。
【0234】
一定量のMAO-シリカゲルを秤取し、トルエン溶媒を加えて懸濁液を形成し、均一に撹拌しながら一部の実施例のジルコノセン化合物のトルエン溶液を加え、一晩反応させる。固体を濾過して収集し、洗い出した溶媒が無色になるまでトルエン溶媒で洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末が得られ、グローブボックスに保存して使用に備える。仕込み量及び洗出液のジルコニウム含有量の測定計算により、ジルコニウム含有量が特定された触媒を得ることができる。
【0235】
ここで、
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物rac-MS-1bを選択し、触媒rac-MS-1b-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0236】
Al/Zr比を50:1に制御し、ジルコノセン化合物rac-MS-1jを選択し、触媒rac-MS-1j-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.846%(100.2μmol/g)である。
【0237】
Al/Zr比を100:1に制御し、ジルコノセン化合物rac-MS-3aを選択し、触媒rac-MS-3a-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.430%(47.2μmol/g)である。
【0238】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物rac-MS-3bを選択し、触媒rac-MS-3b-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0239】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物rac-MS-4aを選択し、触媒rac-MS-4a-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0240】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物rac-MS-4bを選択し、触媒rac-MS-4b-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0241】
〔製造例21〕
合成例19~32で製造されたメタロセン化合物を選択し、オレフィン重合反応触媒の製造に用いられ、製造過程は以下のとおりである。
【0242】
600℃で焼成処理されたシリカゲル2gを秤取し、10%のMAOトルエン溶液(重量百分率)10mL及び純粋なトルエン溶媒40~100mLを加え、80℃に加熱し、24h撹拌した後、濾過し、固体を収集し、トルエン溶媒で3回洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末状のMAO-シリカゲルが得られる。
【0243】
一定量のMAO-シリカゲルを秤取し、トルエン溶媒を加えて懸濁液を形成し、均一に撹拌しながら一部の実施例のジルコノセン化合物のトルエン溶液を加え、一晩反応させる。固体を濾過して収集し、洗い出した溶媒が無色になるまでトルエン溶媒で洗浄し、固体を24h真空乾燥し、固体粉末が得られ、グローブボックスに保存して使用に備える。仕込み量及び洗出液のジルコニウム含有量の測定計算により、ジルコニウム含有量が特定された触媒を得ることができる。
【0244】
ここで、
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[(PhMeN(CH)]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3c-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0245】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[PhMeN(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3d-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0246】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[PhMeN(CH12]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3e-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0247】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[PhMeN(CH15]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3f-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0248】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[p-ClCMeN(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3g-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0249】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[p-MeOCMeN(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3h-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0250】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[Fc(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3iを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0251】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me(Fc(CH)Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3jを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0252】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[Fc(CH12]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3k-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0253】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[Fc(CH15]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3lを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0254】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物MenBuSi(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3m-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0255】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[n-CH(CH]Si(2-Me-7-PhCZrClを選択し、触媒rac-MS-3n-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0256】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物MeHSi(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrClを選択し、触媒rac-MS-3o-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0257】
Al/Zr比を200:1に制御し、ジルコノセン化合物Me[Fc(CH]Si(4-Ph-2-MeC)(NtBu)ZrClを選択し、触媒rac-MS-3p-Cを製造し、ここでジルコニウム含有量が0.268%(29.4μmol/g)である。
【0258】
C触媒反応
〔実施例1〕
300mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0259】
ベルト加圧触媒装置を乾燥させてグローブボックスに移し、所定量の触媒を添加するとともに、少量の溶媒を添加して均一に混合する。グローブボックスから取り出して高圧反応釜装置に取り付けると重合実験を行うことができる。
【0260】
重合実験条件は以下のとおりである。一定の温度、圧力及び反応時間を設定する。工業化製造への適用を考慮して、現在すでに完了した重合実験は助触媒の選択を優先的に考慮し、即ち高価なMAOを使用しないか又はできるだけ少なく使用し、安価なアルキルアルミニウム試薬を使用することに転換する。(以下に特に説明しない限り、いずれもこの反応操作方法を使用する)。
【0261】
200mgのSC-1触媒を選択し、溶媒を使用せず、反応時間が30分間であり、反応温度が80℃であり、50gのプロピレンを圧入する。
【0262】
最後に23.5gのポリマーが得られ、計算した活性は2.35×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0263】
〔実施例2〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0264】
105mgのSC-2A触媒、8mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約500:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0265】
最後に92gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.00×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは131324であり、Mwは325745であり、PDI値は2.48である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.4%である。融点試験値は151.33℃である。(備考:PPの分析には選択性がある。)
〔実施例3〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0266】
105mgのSC-2B触媒、3.2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0267】
最後に64gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.78×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0268】
〔実施例4〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0269】
106mgのSC-2C触媒、3.2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0270】
最後に57gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.45×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0271】
〔実施例5〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0272】
105mgのSC-3A触媒、8mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約500:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0273】
最後に80gのポリマーが得られ、計算された重合活性は3.48×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは133064であり、Mwは313745であり、PDI値は2.36である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.3%である。融点試験値は149.43℃である。
【0274】
〔実施例6〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0275】
105mgのSC-3B触媒、3.2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0276】
最後に52gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.26×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0277】
〔実施例7〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0278】
106mgのSC-3C触媒、3.2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0279】
最後に43gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.85×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0280】
〔実施例8〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0281】
98mgのSC-4A触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を選択し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が528.7gである。
【0282】
最後に450gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.098×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは162913であり、Mwは377577であり、PDI値は2.317である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.6%である。融点試験値は151.4℃である。
【0283】
〔実施例9〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0284】
60mgのSC-4A触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約896:1の量である)を選択し、反応時間が330分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が518gである。
【0285】
最後に860gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.772×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは104205であり、Mwは226218であり、PDI値は2.17である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]98.4%である。融点試験値は152.2/161.4℃である。
【0286】
〔実施例10〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0287】
60mgのSC-4A触媒、3mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が538gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0288】
最後に80gのポリマーが得られ、計算された重合活性は3.186×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0289】
〔実施例11〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0290】
35mgのSC-4A触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1707:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0291】
最後に35gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.389×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0292】
〔実施例12〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0293】
65mgのSC-4A触媒、20mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1792:1の量である)を選択し、反応時間が270分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が659gであり、水素ガス量が0.026gである。
【0294】
最後に600gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.206×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは80551であり、Mwは188015であり、PDI値は2.33である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.7%である。融点試験値は151.83/152.2℃である。
【0295】
〔実施例13〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0296】
40mgのSC-4A触媒、20mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1707:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が628.6gであり、水素ガス量が1.365gである。
【0297】
最後に270gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.613×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0298】
〔実施例14〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0299】
30mgのSC-4A触媒、20mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約2389:1の量である)を選択し、反応時間が360分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が658.8gであり、水素ガス量が0.052gである。
【0300】
最後に390gのポリマーが得られ、計算された重合活性は3.106×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは47736であり、Mwは146937であり、PDI値は3.08である。
【0301】
〔実施例15〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0302】
30mgのSC-4A触媒、20mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約2389:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が357.2gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0303】
最後に205gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.633×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。融点試験値は154.03℃である。
【0304】
〔実施例16〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0305】
30mgのSC-4A触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が420分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が682gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0306】
最後に540gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.301×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0307】
〔実施例17〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0308】
20mgのSC-4A触媒、3.5mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約627:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が657gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0309】
最後に10gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.195×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0310】
〔実施例18〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0311】
20mgのSC-4A触媒、7mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1254:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が651gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0312】
最後に45gのポリマーが得られ、計算された重合活性は5.376×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0313】
〔実施例19〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0314】
20mgのSC-4A触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1792:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が654gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0315】
最後に82gのポリマーが得られ、計算された重合活性は9.797×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0316】
〔実施例20〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0317】
20mgのSC-4A触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1792:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が652gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0318】
最後に92gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.099×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0319】
〔実施例21〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0320】
30mgのSC-4A触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が420分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が670gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0321】
最後に530gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.221×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0322】
〔実施例22〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0323】
30mgのSC-4B触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が480分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が684gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0324】
最後に610gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.859×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0325】
〔実施例23〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える
30mgのSC-4B触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が687.5gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0326】
最後に533gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.245×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。融点試験値は155.46℃である。
【0327】
〔実施例24〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0328】
30mgのSC-4B触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が688.6gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0329】
最後に405gのポリマーが得られ、計算された重合活性は3.226×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0330】
〔実施例25〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0331】
30mgのSC-4C触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が680gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0332】
最後に530gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.221×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0333】
〔実施例26〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0334】
20mgのSC-4C触媒、10mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1792:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が681gであり、水素ガス量が0.06gである。
【0335】
最後に145gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.732×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0336】
〔実施例27〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0337】
98mgのSC-5A触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を選択し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が523gである。
【0338】
最後に461gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.106×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは174912であり、Mwは366583であり、PDI値は2.09である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]98.4%である。融点試験値は153.1℃である。
【0339】
〔実施例28〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0340】
60mgのSC-5B触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約896:1の量である)を選択し、反応時間が330分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が521gである。
【0341】
最後に451gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.788×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは115708であり、Mwは236654であり、PDI値は2.045である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.1%である。融点試験値は154.9℃である。
【0342】
〔実施例29〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0343】
60mgのSC-5C触媒、3mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1195:1の量である)を選択し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が534gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0344】
最後に91gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.641×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0345】
〔実施例30〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0346】
98mgのSC-6触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が541gである。
【0347】
最後に424gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.112×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは168742であり、Mwは368213であり、PDI値は2.18である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]98.9%である。融点試験値は155.4℃である。
【0348】
〔実施例31〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0349】
100mgのSC-7触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が539gである。
【0350】
最後に447gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.294×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは198563であり、Mwは398423であり、PDI値は2.01である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.2%である。融点試験値は157.1℃である。
【0351】
〔実施例32〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0352】
100mgのSC-8触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が534gである。
【0353】
最後に451gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.223×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは215821であり、Mwは439429であり、PDI値は2.036である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.4%である。融点試験値は159.1℃である。
【0354】
〔実施例33〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0355】
100mgのSC-9触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が544gである。
【0356】
最後に472gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.252×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは175941であり、Mwは419745であり、PDI値は2.386である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.5%である。融点試験値は161.4℃である。
【0357】
〔実施例34〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0358】
100mgのSC-10触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が521gである。
【0359】
最後に469gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.489×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは155967であり、Mwは430741であり、PDI値は2.762である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]97.2%である。融点試験値は147.9℃である。
【0360】
〔実施例35〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0361】
100mgのSC-11触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が521gである。
【0362】
最後に471gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.437×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは152134であり、Mwは416572であり、PDI値は2.738である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]97.5%である。融点試験値は148.1℃である。
【0363】
〔実施例36〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0364】
100mgのSC-12触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が529gである。
【0365】
最後に487gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.336×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは142879であり、Mwは396654であり、PDI値は2.776である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]96.6%である。融点試験値は144.7℃である。
【0366】
〔実施例37〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0367】
100mgのSC-13触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が542gである。
【0368】
最後に469gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.159×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは162678であり、Mwは396789であり、PDI値は2.439である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]97.6%である。融点試験値は152.9℃である。
【0369】
〔実施例38〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0370】
100mgのSC-14触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLである)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が582gである。
【0371】
最後に459gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.573×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは182668であり、Mwは406769であり、PDI値は2.226である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]95.6%である。融点試験値は147.9℃である。
【0372】
〔実施例39〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0373】
100mgのSC-15触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLである)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が552gである。
【0374】
最後に485gのポリマーが得られる。高温GPCで測定されたPDI値は2.028である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]96.3%である。融点試験値は148.5℃である。
【0375】
〔実施例40〕
実施例39の評価条件と同じであり、製造例16で製造された触媒を採用する。560gのプロピレンを使用し、300gのポリプロピレン粉末が得られる。GPC試験でPDIは2.678であり、高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]92.6%である。融点試験値は145.1℃である。
【0376】
〔実施例41〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0377】
100mgのSC-16触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLである)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が582gである。
【0378】
最後に418gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.434×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは172761であり、Mwは435432であり、PDI値は2.520である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]96.7%である。融点試験値は148.8℃である。
【0379】
〔実施例42〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0380】
100mgのSC-17触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLである)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が582gである。
【0381】
最後に401gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.248×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは123758であり、Mwは467327であり、PDI値は3.776である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]92.4%である。融点試験値は140.2℃である。
【0382】
〔実施例43〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0383】
100mgのSC-18触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLである)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が582gである。
【0384】
最後に491gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.752×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは186469であり、Mwは404219であり、PDI値は2.168である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]97.2%である。融点試験値は148.7℃である。
【0385】
〔実施例44〕
重合反応は300mLの高圧反応釜(以下特に説明しない限り、いずれも300mLの反応釜を使用する)を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0386】
ベルト加圧触媒装置を乾燥させてグローブボックスに移し、所定量の触媒を添加するとともに、少量の溶媒を添加して均一に混合する。グローブボックスから取り出して高圧反応釜装置に取り付けると重合実験を行うことができる。
【0387】
重合実験条件は以下のとおりである。一定の温度、圧力及び反応時間を設定する。工業化製造への適用を考慮して、現在すでに完了した重合実験は助触媒の選択を優先的に考慮し、即ち高価なMAOを使用しないか又はできるだけ少なく使用し、安価なアルキルアルミニウム試薬を使用することに転換する。
【0388】
50mgのrac-MS-1b-C触媒、2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、ここでのアルミニウム/ジルコニウム比が約200である)を秤取し、反応時間を60分間に設定し、反応温度を50℃に設定し、釜内のエチレン圧力を1MPaに設定する。
【0389】
最後に10gのポリマーが得られ、計算された重合活性は6.8×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0390】
〔実施例45〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。50mgのrac-MS-1b-C触媒、2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、ここでのアルミニウム/ジルコニウム比が約200である)を秤取し、反応時間を60分間に設定し、反応温度を50℃に設定し、エチレン圧力を2MPaに設定する。
【0391】
最後に16gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.08×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0392】
〔実施例46〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。150mgのrac-MS-1b-C触媒、0.2mLのMAO(仕様10%質量in Tol、アルミニウム/ジルコニウム比が約200:1)を秤取し、反応時間を60分間に設定し、反応温度を50℃に設定し、エチレン圧力を1MPaに設定する。
【0393】
最後に35gのポリマーが得られ、計算された重合活性は6.99×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0394】
〔実施例47〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。113mgのrac-MS-1j-C触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム溶液(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウム/ジルコニウム比が約200:1の量である)を秤取し、反応時間を60分間に設定し、反応温度を50℃に設定し、エチレン圧力を1MPaに設定する。
【0395】
最後に10gのポリマーが得られ、計算された重合活性は0.88×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0396】
〔実施例48〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。150mgのrac-MS-3a-C触媒、6.3mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウム/ジルコニウム比が約200:1の量である)を秤取し、反応時間が60分間であり、反応温度が50℃であり、エチレン圧力が1MPaである。
【0397】
最後に21gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.45×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0398】
〔実施例49〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。150mgのrac-MS-3b-C触媒、1.75mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を秤取し、反応時間が60分間であり、反応温度が50℃であり、エチレン圧力が1MPaである。
【0399】
最後に36gのポリマーが得られ、計算された重合活性は2.74×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0400】
〔実施例50〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。150mgのrac-MS-4a-C触媒、6.3mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウム/ジルコニウム比が約200:1の量である)を秤取し、反応時間が60分間であり、反応温度が50℃であり、エチレン圧力が1MPaである。
【0401】
最後に54gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.22×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0402】
〔実施例51〕
重合条件は実施例44と基本的に同じであり、相違点は以下のとおりである。150mgのrac-MS-4b-C触媒、3.75mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を秤取し、反応時間が60分間であり、反応温度が50℃であり、エチレン圧力が2MPaである。
【0403】
最後に62gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.41×10g(PE)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0404】
〔実施例52〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0405】
112mgのrac-MS-1b-C触媒、8mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約500:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0406】
最後に91gのポリマーが得られ、計算された重合活性は9.20×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは133945であり、Mwは342375であり、PDI値は2.57である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.3%である。融点試験値は157.63℃である。
【0407】
〔実施例53〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0408】
101mgのrac-MS-1j-C触媒、3.2mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン圧力>3.9MPaである。
【0409】
最後に132gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.33×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは127361であり、Mwは36.431であり、PDI値は2.83である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]98.6%である。融点試験値は152.3℃である。
【0410】
〔実施例54〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0411】
104mgのrac-MS-1b-C触媒、15mLのトリイソブチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が528.7gである。
【0412】
最後に412gのポリマーが得られ、計算された重合活性は3.37×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは173453であり、Mwは394257であり、PDI値は2.273である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]99.1%である。融点試験値は154.4℃である。
【0413】
〔実施例55〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0414】
104mgのrac-MS-1b-C触媒、15mLのトリエチルアルミニウム(濃度が150μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約549:1の量である)を秤取し、反応時間が240分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が538gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0415】
最後に478gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.54×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは135427であり、Mwは397892であり、PDI値は2.938である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]98.4%である。融点試験値は153.2℃である。
【0416】
〔実施例56〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0417】
35mgのrac-MS-1j-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1707:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0418】
最後に135gのポリマーが得られ、計算された重合活性は4.37×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。高温GPCで測定されたMnは82451であり、Mwは213509であり、PDI値は2.59である。高温13C NMRスペクトルで測定されたアイソタクティシティーは[mmmm]96.7%である。融点試験値は147.83/150.2℃である。
【0419】
〔実施例57〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0420】
35mgのrac-MS-3c-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0421】
最後に469gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.52×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0422】
〔実施例58〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0423】
35mgのrac-MS-3d-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0424】
最後に455gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.47×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0425】
〔実施例59〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0426】
35mgのrac-MS-3e-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0427】
最後に492gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.59×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0428】
〔実施例60〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0429】
35mgのrac-MS-3f-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0430】
最後に421gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.36×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0431】
〔実施例61〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0432】
35mgのrac-MS-3g-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0433】
最後に387gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.25×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0434】
〔実施例62〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0435】
35mgのrac-MS-3h-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0436】
最後に418gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.35×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0437】
〔実施例63〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0438】
35mgのrac-MS-3i-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0439】
最後に441gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.43×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0440】
〔実施例64〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0441】
35mgのrac-MS-3j-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0442】
最後に427gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.38×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0443】
〔実施例65〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0444】
35mgのrac-MS-3k-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0445】
最後に434gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.41×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0446】
〔実施例66〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0447】
35mgのrac-MS-3l-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0448】
最後に395gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.27×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0449】
〔実施例67〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0450】
35mgのrac-MS-3p-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0451】
最後に352gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.14×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0452】
〔比較例1〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0453】
35mgのrac-MS-3m-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0454】
最後に425gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.38×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0455】
〔比較例2〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0456】
35mgのrac-MS-3n-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0457】
最後に420gのポリマーが得られ、計算された重合活性は1.36×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0458】
〔比較例3〕
2000mLの高圧反応釜を選択し、100℃の油浴で真空排気し、窒素ガスで3回置換した後に使用に備える。
【0459】
35mgのrac-MS-3o-C触媒、2.5mLのトリエチルアルミニウム(濃度が100μmol/mLであり、アルミニウムジルコニウム比が約1200:1の量である)を秤取し、反応時間が180分間であり、反応温度が75℃であり、プロピレン量が512gであり、水素ガス量が0.02gである。
【0460】
最後に268gのポリマーが得られ、計算された重合活性は8.68×10g(PP)・mol-1(Zr)・h-1である。
【0461】
比較と分析を容易にするために、上記実験データを下表にまとめる。
【0462】
【表1】
【0463】
【表2】
【0464】
【表3】
【0465】
表1~3のデータから以下のことが分かる。
【0466】
1)タロセン化合物中の架橋原子上の置換基がアミン基で置換されたC~C基又はメタロセン基で置換されたC~C基を含む場合、製造された触媒はプロピレンの重合に対して高い触媒活性を有し、適切な分子量、PDI値、アイソタクティシティー及び融点を有する重合生成物を得ることができる。
【0467】
2)メタロセン化合物中の架橋原子上の置換基のタイプを調整することにより、異なる分子量、異なる融点の重合生成物を得ることができる。
【0468】
3)触媒のAl/Zr比及び/又は重合系のAl/Zr比等の試験条件を調整することにより、触媒の重合活性をさらに最適化することができ、例えば実施例1~4、実施例8~21はいずれもこの点が説明された。
【0469】
【表4】
【0470】
表4のデータから以下のことが分かる。
【0471】
1)メタロセン化合物中の架橋原子上の置換基がアミンで置換されたC基又はメタロセン基で置換されたC基を含む場合、製造された触媒はエチレンの重合に対して高い触媒活性を有する。
【0472】
2)触媒のAl/Zr比及び/又は重合系のAl/Zr比等の試験条件を調整することにより、触媒の重合活性をさらに最適化することができ、例えば実施例44~45はこの点が説明された。
【0473】
【表5】
【0474】
表5のデータから以下のことが分かる。
【0475】
1)メタロセン化合物中の架橋原子上の置換基がアミン基で置換されたC基又はメタロセン基で置換されたC基を含む場合、製造された触媒はプロピレンの重合に対して高い触媒活性を有する。
【0476】
2)触媒のAl/Zr比及び/又は重合系のAl/Zr比等の試験条件を調整することにより、触媒の重合活性をさらに最適化することができ、例えば実施例52、54及び55はこの点が説明された。
【0477】
【表6】
【0478】
表6のデータから以下のことが分かる。
【0479】
メタロセン化合物中の架橋原子上の置換基がアミン基で置換されたC~C15基又はメタロセン基で置換されたC~C15基である場合、製造された触媒はプロピレンの重合に対して高い触媒活性を有する。
【0480】
表1~6のデータから以下のことが分かる。
【0481】
メタロセン化合物中の架橋原子上の置換基がアミンで置換された基又はメタロセン基で置換された基を含まないことに比べて、メタロセン化合物中の架橋原子上の置換基がアミン基で置換された基又はメタロセン基で置換された基である場合、製造された触媒はプロピレンの重合に対して高い触媒活性を有する。
【国際調査報告】