(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】表面パターンを含むセルロース系フィルムにより受け取られた光の分割屈折又は分割反射
(51)【国際特許分類】
G01N 21/77 20060101AFI20230113BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20230113BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20230113BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20230113BHJP
G01N 21/81 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
G01N21/77 C
G02B1/04
G02B3/00 A
G02B5/00 C
G01N21/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526125
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 FI2020050731
(87)【国際公開番号】W WO2021089921
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512068592
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
【氏名又は名称原語表記】TEKNOLOGIAN TUTKIMUSKESKUS VTT OY
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】マケラ タピオ
(72)【発明者】
【氏名】ホッカネン アリ
【テーマコード(参考)】
2G054
2H042
【Fターム(参考)】
2G054AA04
2G054CA12
2G054CE01
2G054EA01
2G054GA01
2H042AA04
2H042AA05
2H042AA16
2H042AA17
2H042AA21
2H042AA29
(57)【要約】
【課題】光学活性セルロース系フィルムの修飾を検出することが提供されている。
【解決手段】方法は、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンにより受け取られた光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するステップを含み、1つの出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、複数の出力光パターンから決定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをキャプチャする光学式位置センサデバイスと、プロセッサとを含む装置であって、前記プロセッサは、
前記光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャするように前記光学式位置センサデバイスを制御するステップであって、前記光学活性セルロース系フィルムは、
受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定されるステップと、
前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾を決定するステップと
を実行するように構成される、装置。
【請求項2】
ユーザインタフェースを含み、前記プロセッサは、決定された前記修飾に応答して、少なくとも1つのユーザインタフェース動作を実行するように前記ユーザインタフェースを制御するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光学活性セルロース系フィルムが、高分子セルロース系、フィブリル化セルロース系又は繊維セルロース系のフィルム、セルロースナノファイバー、CNF、好ましくはTEMPO酸化セルロースナノファイバー、TEMPO-CNFのフィルムである、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャするステップであって、前記光学活性セルロース系フィルムは、
受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定されるステップと、
前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項5】
決定された前記修飾に応答して、少なくとも1つのユーザインタフェース動作を実行するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記出力光パターンは、異なる湿度レベルに対応する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
光学活性セルロース系フィルムであって、受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定される、光学活性セルロース系フィルム。
【請求項8】
前記表面パターンにより受け取られた1つ以上の色の光のコリメーション、分散及び/又はフィルタリングのための1つ以上のマイクロレンズを含む、請求項7に記載の光学活性セルロース系フィルム。
【請求項9】
光学活性セルロース系フィルムの表面パターンにより受け取られた光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するステップを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定される、方法。
【請求項10】
前記出力光パターンは、異なる湿度レベルに対応する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記表面パターンにより受け取られた1つ以上の色の光は、前記光学活性セルロース系フィルムの少なくとも一方側に配置された1つ以上のマイクロレンズによって、コリメート、分散及び/又はフィルタリングされる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記出力光パターンの色選択と、
光散乱の制御と、
偏光ベースのレーザ光フィルタリングと、
波長同調によるレーザビームステアリングと、
表面パターンの色フィルタリングによるマイクロレンズ光のコリメーション及び/又は分散とのうちの1つ以上を引き起こすために、前記光学活性セルロース系フィルムを修飾するステップを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記光学活性セルロース系フィルムが、高分子セルロース系、フィブリル化セルロース系又は繊維セルロース系のフィルム、セルロースナノファイバー、CNF、好ましくはTEMPO酸化セルロースナノファイバー、TEMPO-CNFのフィルムである、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムから少なくとも1つの画像又は動画をキャプチャするステップであって、前記光学活性セルロース系フィルムは、
受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定されるステップと、
前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾を決定するステップと
を少なくとも実行するように適合するコンピュータ可読プログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面パターンを含むセルロース系フィルムにより受け取られた光の分割屈折又は分割反射に関する。
【背景技術】
【0002】
本章は、特許請求の範囲に記載されている本発明の背景又は状況を提供することを意図している。本明細書の記載は、権利付与が求められているものの、必ずしも従前に着想され、又は権利付与が求められたものでもない概念を含み得る。したがって、特別に明記しない限り、本章に記載される事項は、本願の明細書及び特許請求の範囲に対して先行技術とはならず、本章に含まれることによって先行技術であると認めるものではない。
【0003】
セルロース系フィルムは、生分解性で透明である。多くの用途において、セルロース系フィルムは、セルロース系フィルム又はセルロース系フィルムに近い製品に悪影響を与える可能性がある様々な条件に暴露される。この様々な条件が検出されず、見過ごされたままになる可能性があり、そのような場合、それらの悪影響も見過ごされたままになる可能性がある。この条件の検出は、少なくとも信頼できる製品品質が求められる用途では重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の様々な実施形態の求めている保護の範囲は、独立請求項によって示される。独立請求項の範囲に該当しない、本明細書に記載されている実施形態、例及び特徴(もしあれば)は、本発明の様々な実施形態を理解するのに有用な実施例として解釈されるべきである。
【0005】
第1の態様に係る装置は、光学式位置センサデバイスと、プロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャするように前記光学式位置センサデバイスを制御するステップであって、前記光学活性セルロース系フィルムは、受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定されるステップと、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾を決定するステップとを実行するように構成される。
【0006】
第2の態様に係る方法は、光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャするステップであって、前記光学活性セルロース系フィルムは、受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定されるステップと、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾を決定するステップとを含む。
【0007】
第3の態様に係る光学活性セルロース系フィルムは、
受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定される。
【0008】
第4の態様に係る方法は、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンにより受け取られた光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するステップを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定される。
【0009】
第5の態様に係るコンピュータプログラムは、光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャするステップであって、前記光学活性セルロース系フィルムは、受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、前記複数の出力光パターンから決定されるステップと、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、前記光学活性セルロース系フィルムに適用された前記修飾を決定するステップとを少なくとも実行するように適合するコンピュータ可読プログラムコード手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【0011】
【
図1a】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る、表面パターンを含むセルロース系フィルムを示す。
【
図1b】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る、表面パターンを含むセルロース系フィルムを示す。
【
図2a】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る、表面パターンを含むセルロース系フィルムを示す。
【
図2b】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る、表面パターンを含むセルロース系フィルムを示す。
【
図3】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法を示す。
【
図4】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法を示す。
【
図5】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法を示す。
【
図6】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る表面パターンの変化を示す。
【
図7】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施形態は、例示的なものである。本明細書は、いくつかの箇所における「一」、「1つの」及び「いくつかの」実施形態を参照する場合があるが、これは、必ずしもそのような各参照が同じ実施形態に対するものであること、或いは特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて、他の実施形態を提供してもよい。
【0013】
光学活性セルロース系フィルムの表面パターンにより受け取られた光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射することが提供され、1つの出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、複数の出力光パターンから決定される。このように、光学活性セルロース系フィルムは、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾を検出する機能を発揮してもよい。光学活性セルロース系フィルムは、湿度センサなどのセンサ、温室フィルムの色選択、温室フィルムの光散乱の増加、生分解性回折要素、偏光ベースの光フィルタリング、偏光ベースのセンサ、レーザビームの角度が温度又は波長に依存する加熱又は波長同調によるレーザビームステアリング、回折格子の色フィルタリングによるマイクロレンズ光のコリメーション及び/又は分散などを含むが、これに限定されない様々な用途で利用することができる。
【0014】
セルロース系フィルムは、高分子セルロース系、フィブリル化セルロース系又は繊維セルロース系のフィルムであってもよい。ナノフィブリル化セルロース系フィルムは、直径がナノスケールで繊維のサイズ分布が狭いセルロース繊維を含むフィブリル化セルロース系フィルムを指してもよい。同様に、ナノ繊維セルロース系フィルムは、直径がナノスケールで繊維のサイズ分布が狭いセルロース繊維を含む繊維セルロース系フィルムを指してもよい。セルロース系フィルムの例としては、セルロースナノファイバー(CNF)フィルム、ナノフィブリル化セルロースフィルム及びTEMPO酸化CNF(TEMPO-CNF)フィルムが挙げられる。セルロース系フィルムは、包装産業、電子機器及び診断に応用される。CNFは、市販されている漂白済みの広葉樹クラフトパルプの機械的分解から製造されてもよい。TEMPO酸化セルロースナノファイバー(TEMPO-CNF)は、乾燥、漂白済みの針葉樹クラフトパルプから製造されてもよい。針葉樹クラフトパルプは、酸化が2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)ラジカルによって媒介されるTEMPO酸化されたものであってもよい。TEMPO酸化は、Biomacromolecules、2006,7(6)、1687-1691頁 DOI:10.102 l/bm060154s 発行日(ウェブ):2006年5月3日におけるSaitoらの「Homogeneous Suspensions of Individualized Microfibrils from TEMPO-Catalyzed Oxidation of Native Cellulose(天然セルロースのTEMPO触媒酸化による個別化ミクロフィブリルの均質懸濁液)」によって記載されているプロトコルに従ってもよい。CNF及びTEMPO-CNFフィルムの製造についてのさらなる詳細は、以下で参照されるMakelaらのセクション2.1を参照してもよい。
【0015】
光学活性セルロース系フィルムは、光を受け取り、受け取った光を分割屈折又は分割反射して出力光パターンを出力するように構成されてもよい。光は、発光ダイオード(LED)、電球、レーザ、又は例えば、特定の環境においてユーザとの相互作用を容易にする色を有してもよい他の形態の光源から受け取られてもよい。光学活性セルロース系フィルムは、受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成されてもよい。受け取った光を分割屈折することは、光学活性セルロース系フィルムにより受け取られた光が、少なくとも部分的に光学活性セルロース系フィルムを通して伝わることを含む。次に、光学活性セルロース系フィルムにより出力された光は、2つ以上の色成分に屈折及び分割される。受け取った光を分割反射することは、光学活性セルロース系フィルムにより受け取られた光が、少なくとも部分的に光学活性セルロース系フィルムで反射されることを含む。次に、光学活性セルロース系フィルムにより出力された光は、2つ以上の色成分に反射及び分割される。複数の出力光パターンのうちの1つの出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムの特性の変化を引き起こす修飾を光学活性セルロース系フィルムに施すことに基づいて決定されてもよい。光学活性セルロース系フィルムの特性の変化により、分割屈折又は分割反射が制御されるため、光学活性セルロース系フィルムの出力光パターンは、修飾に基づいて決定されてもよい。
【0016】
光学活性セルロース系フィルムの修飾は、1つ以上の出力光パターンの比較又は1つ以上の出力光パターンを示すデータの比較に基づいて決定されてもよい。したがって、出力光パターンの代わりに、出力光パターンを示すデータも、本明細書に記載される様々な例及び実施形態において、修飾を決定するために十分である場合があることを理解されたい。一例において、1つ以上の先行の出力光パターンは、1つ以上の後続の出力光パターンと比較されてもよい。1つ以上の先行の出力光パターンの形状及び/又は位置と1つ以上の後続の出力光パターンの形状及び/又は位置との比較が、出力光パターンの1つ以上の変化を決定するために用いられてもよいため、少なくとも後続の出力光パターンと先行の出力光パターンとの形状及び/又は位置の違いに基づいて、光学活性セルロース系フィルムの少なくとも1つの修飾が決定さられてもよい。一例において、光学活性セルロース系フィルムの修飾は、光学活性セルロース系フィルムの特性の変化を引き起こす。光学活性セルロース系フィルムの特性の例としては、少なくとも、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンの三次元(3D)構造の寸法の変化と、光学活性セルロース系フィルムの屈折率の変化とが挙げられる。寸法及び/又は屈折率の変化は、1つ以上の先行の出力光パターンの変化を引き起こしてもよく、先行の出力光パターンと後続の出力光パターンとの比較は、光学活性セルロース系フィルムの修飾を決定するために用いられてもよい。光学活性セルロース系フィルムの修飾の例としては、少なくとも、光学活性セルロース系フィルムが、水、紫外線(UV)光、放射線、温度、ひずみ、及び光学活性セルロース系フィルムの表面パターンに配置された他の材料又は分子のうちの1つ以上にさらされることが挙げられる。
【0017】
出力光パターンの例として、幾何学的パターンが挙げられる。光は、出力光パターンを形成する色成分に分割されてもよい。光は、単色光、例えばレーザであってもよく、又は、1つ以上の色、例えば白色光を含んでもよい。
【0018】
光学活性セルロース系フィルムの表面パターンは、マイクロ/ナノスケールの三次元(3D)構造、例えばピラー又は格子を含んでもよい。したがって、高さ、幅、深さ及び直径などの構造の寸法は、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまで変化してもよい。
【0019】
光学活性セルロース系フィルムのセルロース繊維が同じ方向に整列されてもよく、この整列により、光学活性セルロース系フィルムが偏光感度及び複屈折性を有するため、屈折率は、方向によって異なることを理解されたい。
【0020】
マイクロレンズは、光のコリメーション、分散及び/又はフィルタリングを強化するように構成される光学活性セルロース系材料を指してもよい。
【0021】
図1a、
図1b、
図2a及び
図2bは、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンを示す。表面パターンにより、光学活性セルロース系フィルムは、光を分割屈折又は分割反射し、出力光パターンを生成する可能性があるということを提供する。
図1a及び
図1bに示すように、光学活性セルロース系フィルム100の表面パターンは、マイクロ/ナノピラー102を含む。
図2a及び
図2bに示すように、光学活性セルロース系フィルム200の表面パターンは、マイクロ/ナノ格子202、すなわち、回折格子を含む。
図1b及び
図2bに示すように、光学活性セルロース系フィルムは、1つ以上のマイクロレンズ104、204を含む。マイクロレンズは、光のコリメーション、分散及び/又はフィルタリングを強化するために光学活性セルロース系フィルムに統合されてもよい。
【0022】
一例において、マイクロレンズ104、204は、光学活性セルロース系フィルムの一方側又は両側に配置されてもよい。光学活性セルロース系フィルムの一方側に配置される場合、光学活性セルロース系フィルムに出入りする光は、マイクロレンズによってコリメート又は分散される。一方、光学活性セルロース系フィルムの両側に配置される場合、光学活性セルロース系フィルムに出入りする光は、マイクロレンズによってコリメート及び/又は分散されてもよい。
【0023】
一例において、マイクロレンズ104、204は、光学活性セルロース系フィルムと同じフィルムに配置されてもよく、かつ/又は別個のフィルムに配置されてもよい。マイクロレンズが別個のフィルムに配置される場合、マイクロレンズは、光学活性セルロース系フィルムの一方側又は両側に積層されてもよい。
【0024】
少なくともいくつかの実施形態による一例において、光学活性セルロース系フィルム100、200への水の吸収は、表面パターンのサイズの変化を引き起こす。一例において、ピラー102又は回折格子202の寸法が変化してもよい。
【0025】
一例において、マイクロ/ナノピラーを含む光学活性セルロース系フィルム100、200は、ホットエンボス加工とも呼ばれるナノインプリントリソグラフィー(NIL)を使用して製造される。NILは、マイクロスケール及びナノスケールのパターンを複製するプロセスである。NILは、様々な物質、典型的に熱可塑性プラスチックに大面積のナノパターン及びマイクロパターンを製作するための効率的な方法である。ナノインプリントリソグラフィーの詳細については、S.Y.Chou、P.R.Krauss、P.J.Renstrom、Nanoimprint lithography(ナノインプリントリソグラフィー) J.Vac.Sci.Technol.B、14(6)(1996)、4129-4133頁を参照してもよい。ホットエンボス加工は、例えば、Micro hot embossing of thermoplastic polymers: a review(熱可塑性ポリマーのマイクロホットエンボス加工:レビュー)、Linfa Pengら、2014、J.Micromech.Microeng.24 013001に記載されている。
【0026】
ロールツーロール(R2R)ナノインプリントリソグラフィーを使用して光学活性セルロース系フィルム100、200を製造することにより、多くの工業規模の用途に高生産性をもたらす。「Fabrication of micropillars on nanocellulose films using a roll-to-roll nanoimprinting method(ロールツーロールナノインプリンティング方法によるナノセルロースフィルムでのマイクロピラーの製作)」(Tapio Makelaら、Microelectronic Engineering、第163巻、2016年9月1日、1-6頁)には、バイオベースのセルロース系フィルムを熱ロールツーロールナノインプリントリソグラフィー(R2RNIL)で修飾して微細構造フィルムを製造する方法が開示されている。NILにおいて、パターン化ロール及び弾性バッキングロールが高温で互いに押し付けられ、パターンがフィルム構造に複製される。複製されたパターンの高さは、R2RNILに適用される温度、印刷速度(フィルムへの接触時間)及び圧力によって制御される。
【0027】
一実施形態において、光学活性セルロース系フィルム100、200は、高分子セルロース系、フィブリル化セルロース系又は繊維セルロース系のフィルム、セルロースナノファイバー、CNF、好ましくはTEMPO酸化セルロースナノファイバー(TEMPO-CNF)のフィルムである。
【0028】
図3に示すように、可動部品を使用しない光学活性セルロース系フィルムの修飾の検出をサポートするための方法が提供されている。一例において、当該方法は、光学式位置センサデバイスを含む装置により実行されてもよい。段階302は、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンにより受け取られた光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射することを含み、1つの出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、複数の出力光パターンから決定される。光学活性セルロース系フィルムの修飾により、分割屈折又は分割反射が制御されるため、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾は、出力光パターン又は出力光パターンを示すデータの変化に基づいて決定されてもよい。
【0029】
一例において、段階302は、光学活性セルロース系フィルムを水にさらすことにより光学活性セルロース系フィルムを修飾することを含む。光学活性セルロース系フィルムは、例えば、光学活性セルロース系フィルムの周囲湿度を上昇させることにより、水にさらされてもよい。周囲湿度は、例えば、水蒸気により上昇してもよい。光学活性セルロース系フィルムが水にさらされる場合、水は、光学活性セルロース系フィルムに吸収されるため、光学活性セルロース系フィルムの湿度レベルを上げる。一例において、光学活性セルロース系フィルムの上昇した湿度により、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンの寸法が変化し、例えば、光学活性セルロース系フィルムが膨潤するため、光学活性セルロース系フィルムにより実行された分割屈折及び分割反射が改変(修飾)されて、出力光パターンが変化する。
【0030】
一実施形態において、段階302では、光学活性セルロース系フィルムは、表面パターンにより受け取られた1つ以上の色の光のコリメーション、分散及び/又はフィルタリングのための1つ以上のマイクロレンズを含む。マイクロレンズは、受け取られた1つ以上の色の光のコリメーション、分散及び/又はフィルタリングのために、光学活性セルロース系フィルムの一方側又は両側に配置されてもよい。
【0031】
一例において、段階302は、出力光パターンが湿度レベルに対応することを含む。一例において、出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムの湿度に応じて変化してもよい。吸収された水が光学活性セルロース系フィルムの表面パターンの寸法を変化させる場合、出力光パターンは、湿度に応じて変化してもよい。
【0032】
一例において、段階302は、出力光パターンの変化が出力光パターンの動き及び/又は色スペクトルの広がりを含むことを含む。
【0033】
図4に示すように、光学式位置センサデバイスを含む装置による方法が提供されている。段階402は、光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャすることを含む。光学活性セルロース系フィルムは、受け取った光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、複数の出力光パターンから決定される。段階404は、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾を決定することを含む。修飾の一例において、光学活性セルロース系フィルムへの水の吸収は、光学活性セルロース系フィルムの表面パターンの寸法の変化を引き起こす。表面パターンの変化により、出力光パターンが変化するため、修飾は、光学活性セルロース系フィルムの湿度レベル又は変化した湿度レベルであると決定されてもよい。したがって、光学活性セルロース系フィルムは、湿度センサとして機能する装置によって使用されてもよい。
【0034】
一実施形態において、段階404は、出力光パターンが異なる湿度レベルに対応することを含む。一例において、出力光パターンは、湿度に応じて変化してもよい。異なる湿度レベルの例としては、出力光パターンの線形変化を観察するために、少なくとも0%から100%まで、好ましくは、0%から実質的に70%まで、又は少なくともほぼ70%が挙げられる。一方、出力光パターンの比較的高い変化が好ましいアプリケーション、例えば、出力光パターンの任意又は少なくとも大部分の修飾を検出するためのON/OFFセンサのための異なる湿度レベルの例としては、70%~99%が挙げられる。一例において、吸収された水が光学活性セルロース系フィルムの表面パターンの寸法を変化させる場合、出力光パターンは、湿度に応じて変化してもよい。
【0035】
一例において、段階404は、修飾に応答して、出力光パターンの動き及び/又は色スペクトルの広がりに基づいて、出力光パターンの変化を決定することを含む。
【0036】
一例において、段階402は、光学式位置センサデバイスが、カメラアプリケーションを実行し、カメラの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムの静止画像を生成するデジタルカメラであることを含む。カメラアプリケーションは、連続的に実行され、静止画像を生成してもよい。一方、カメラアプリケーションは、例えば、タイマー又は他の条件などによるアプリケーションのトリガーに基づいて、不連続的に実行されてもよい。少なくともカメラが出力光パターンの変化をキャプチャするのに十分長い露光時間を持っている場合、単一画像で修飾を決定することに十分である可能性がある。
【0037】
一例において、段階402は、光学式位置センサデバイスが、カメラアプリケーションを実行し、カメラの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムのビデオ(動画)クリップを生成するデジタルカメラであることを含む。動画は、修飾の時刻が正確に決定されるように、修飾の連続的な監視を提供する。
【0038】
図5に示すように、光学式位置センサデバイスを含む装置による方法が提供されている。当該方法は、
図4の方法に関連して、例えば段階404の後に実行されてもよい。段階502は、決定された修飾に応答して、少なくとも1つのユーザインタフェース動作を実行することを含む。ユーザインタフェース動作は、ユーザインタフェースを介してユーザとの相互作用(対話)を提供することにより、光学活性セルロース系フィルムの決定された修飾をユーザに通知してもよい。このように、ユーザは、必ずしも出力光パターンの変化を観察する必要がないが、ユーザインタフェース動作により、依然として修飾について知ることができる。ユーザインタフェースは、特に、ユーザが出力光パターンを解釈する方法についての知識を持たない場合、及び/又は出力光パターン又はそれらの変化が人間の目に見えない場合に、修飾をユーザに通知するということを提供することを理解されたい。一例において、ユーザインタフェース動作の期間は、時間的に限定されたユーザインタフェース動作、半永久的ユーザインタフェース動作又は永久的なユーザインタフェース動作であってもよい。一例において、時間に限定されたユーザインタフェース動作は、光学活性セルロース系フィルムが修飾された後、比較的短時間再生される音声であってもよい。一例において、半永久的なユーザインタフェース動作は、ユーザがユーザインタフェースに音声の確認を入力した後に停止する音声であってもよい。一例において、永久的なユーザインタフェース動作は、連続的に再生される音声であってもよい。上記の例は音を例として使用しているが、他のユーザインタフェース動作も代替的又は追加的に使用されてもよい。ユーザインタフェース動作の更なる例としては、情報の表示及び/又はライトの点灯が挙げられる。表示情報の例としては、グラフィックス又はテキスト、又はそれらの組み合わせを含んでもよいユーザインタフェース要素が挙げられる。ライトは、発光ダイオード(LED)、電球、レーザ、又は例えば、装置の特定の環境においてユーザとの相互作用を容易にする色を有してもよい他の形態の光源であってもよい。
【0039】
図6は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る表面パターンの変化を示す。段階602は、表面パターン606を含む光学活性セルロース系フィルム604を、光学活性セルロース系フィルムを通して伝わる白色光608に暴露することを含む。表面パターンは、白色光を検出器610上の出力光パターン611に分割屈折させる。段階612は、光学活性セルロース系フィルムを、水、紫外線(UV)光、放射線、温度、ひずみ、及び光学活性セルロース系フィルムの表面パターンに配置された他の材料又は分子にさらすことにより、1つ以上の修飾を光学活性セルロース系フィルムに適用することを含む。このように、表面パターン606を変化させてもよく、新しい表面パターン616が生成されてもよい。段階614は、新しい表面パターン616を含む光学活性セルロース系フィルム604を、光学活性セルロース系フィルムを通して伝わる白色光608に暴露することを含む。新しい表面パターンは、白色光を検出器610上の新しい出力光パターン618に分割屈折させる。したがって、1つ以上の修飾を光学活性セルロース系フィルムに適用することにより、出力光パターン611の変化が引き起こされる。
【0040】
一例において、出力光パターン611、618は、検出器上で異なる色の別個の領域を含む。色は、赤色光、緑色光及び青色光を含んでもよい。光学活性セルロース系フィルムが修飾された後、出力光パターン611が変化する。検出器610の隣の矢印に従って、光学活性セルロース系フィルムの修飾により、出力光パターン611が下向きに移動することにより、新しい出力光パターン618が生成されてもよい。検出器は、平面を含んでもよいが、非平面も可能であることを理解されたい。したがって、出力光パターンは、少なくとも、検出器の表面が延在する方向に、検出器の表面において移動してもよい。デジタルカメラによってキャプチャされた画像又は動画が検出器として機能してもよいことを理解されたい。
【0041】
表面パターンの変化は、分割屈折の説明と組み合わせて
図7に示されているが、少なくともいくつかの実施形態によれば、1つ以上の出力光パターンが、光を分割反射する光学活性セルロース系フィルムにより引き起こされてもよいことを理解されたい。
【0042】
図7は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る装置のブロック図を示す。この装置は、データをキャプチャする光学式位置センサデバイス702と、プロセッサ704と、メモリ706と、ユーザインタフェース708とを含み、これらが本明細書に記載の1つ以上の機能を引き起こすように動作可能に接続されてもよい。光学式位置センサデバイスと、プロセッサと、メモリとユーザインタフェースとの間の接続は、例えば回路基板上の導電体によって実現されてもよい。
【0043】
光学式位置センサデバイスによってキャプチャされたデータは、少なくとも、光パターンの位置又は一部の光パターンの位置を示す情報を含んでもよい。このデータにより、光学活性セルロース系フィルムの出力光パターンの変化を検出することができる。一例において、データは、1つ以上の画像又は動画を含んでもよい。画像又は動画は、例えば、デジタルカメラである光学式位置センサデバイスによって生成されてもよいデジタル画像及び動画であってもよい。
【0044】
実施形態において、プロセッサ704は、光学式位置センサデバイスの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムからデータをキャプチャするように光学式位置センサデバイス702を制御するステップであって、この光学活性セルロース系フィルムは、光を複数の出力光パターンに分割屈折又は分割反射するように構成される表面パターンを含み、1つの出力光パターンは、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に基づいて、複数の出力光パターンから決定されるステップと、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされたデータに基づいて、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾を決定するステップとを実行するように構成される。
【0045】
一実施形態において、上記装置は、ユーザインタフェース708を含む。プロセッサは、表面パターンの決定された変化に応答して、少なくとも1つのユーザインタフェース動作を実行するようにユーザインタフェースを制御するように構成される。
【0046】
メモリ706は、別個のメモリであってもよい。一方、メモリは、プロセッサ及び/又は光学式位置センサデバイスに含まれてもよい。更に、上記装置は、別個のメモリと、プロセッサ及び/又は光学式位置センサデバイスに含まれるメモリとを含んでもよい。
【0047】
光学式位置センサデバイス702の例としては、少なくともデジタルカメラ、フォトセル及び光強度センサを含む、光信号の位置を検出するデータを生成できるデバイスが挙げられる。光学式位置センサデバイスは、二次元アレイ/マトリックス又は一次元線/列に検出器素子を有するマトリックス検出器又は列検出器とも呼ばれてもよい。光学式位置センサデバイスの視野は、光学式位置センサデバイスの感度領域であってもよく、ここで、光学式位置センサデバイスは、データをキャプチャしてもよい。
【0048】
少なくともいくつかの実施形態による例において、プロセッサは、カメラの視野内に位置する光学活性セルロース系フィルムから少なくとも1つの画像及び/又は動画をキャプチャするようにデジタルカメラを制御するように構成され、また、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾に応答して、1つ以上の出力光パターンの変化を示すキャプチャされた少なくとも1つの画像又は動画に基づいて、光学活性セルロース系フィルムに適用された修飾を決定するように構成される。
【0049】
メモリは、非一時的であってもよいコンピュータ可読媒体を指してもよい。メモリは、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものであってもよく、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装されてもよい。データプロセッサは、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0050】
実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションロジック、又はソフトウェア、ハードウェア及びアプリケーションロジックの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェア、アプリケーションロジック及び/又はハードウェアは、メモリ又は任意のコンピュータ媒体に存在してもよい。例示的な実施形態において、アプリケーションロジック、ソフトウェア又は命令セットは、様々な従来のコンピュータ可読媒体のいずれかで維持されている。本明細書の文脈において、「メモリ」又は「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータなどの命令実行システム、装置又はデバイスによって、又はそれらに関連して、使用のための命令を含有、保存、通信、伝播又は伝送することができる任意の媒体又は手段であってもよい。
【0051】
関連がある場合、「コンピュータ可読記憶媒体」、「コンピュータプログラム製品」、「有形に具現化されたコンピュータプログラム」など、或いは「プロセッサ」又は「処理回路」などの参照は、シングル/マルチプロセッサアーキテクチャ及び直列/並列アーキテクチャなどの異なるアーキテクチャを有するコンピュータばかりでなく、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGA、特定用途向け回路ASIC、信号処理デバイス及び他のデバイスなどの専門の回路も包含することを理解されたい。コンピュータ可読プログラムコード手段、コンピュータプログラム、コンピュータ命令、コンピュータコードなどの参照は、プロセッサのための命令、又は固定機能デバイス、ゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイスなどのための構成済み若しくは構成設定としてのプログラマブルプロセッサファームウェアのためのソフトウェア、例えば、ハードウェアデバイスのプログラマブルコンテンツを表現することを理解されたい。
【0052】
一般的に、本発明の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、若しくはそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。本発明の様々な態様は、ブロック図として、又は他のいくつかの図的記述を使用して図示及び説明されてもよいが、本明細書に記載されているこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法が、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ、若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらのいくつかの組み合わせで実施されてもよいことが充分に理解される。
【0053】
以上の記載は、例示的かつ非限定的な例により、本発明の例示的な実施形態の完全かつ有益な説明を提供した。しかし、添付の図面及び添付の特許請求の範囲と併せて読む場合、以上の記載を考慮すると、様々な修正及び変形が当業者にとって明らかになる可能性がある。しかし、本発明の教示のそのような及び同様の全ての改変は、依然として本発明の範囲内にある。
【国際調査報告】