(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩を含む固形組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/16 20060101AFI20230113BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230113BHJP
A61K 31/7028 20060101ALI20230113BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20230113BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20230113BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20230113BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20230113BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230113BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20230113BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230113BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230113BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230113BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230113BHJP
C07K 14/00 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A61K38/16 ZNA
A61K45/00
A61K31/7028
A61K31/7048
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61P3/10
A61P3/04
A61P43/00 111
A61K9/20
A61P43/00 121
C07K14/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526447
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2020081231
(87)【国際公開番号】W WO2021089752
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カイサ・ナエラパー
(72)【発明者】
【氏名】シモン・ビュルレガード
(72)【発明者】
【氏名】ウルリク・リット・ラーベク
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ヨナス・サッセーネ
(72)【発明者】
【氏名】ヨリット・イェルン・ヴァーター
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヴェッゲ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC21
4C076CC29
4C076DD37N
4C076DD41C
4C076DD46C
4C076DD52N
4C076FF04
4C076FF09
4C076FF34
4C076GG01
4C076GG03
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA19
4C084BA23
4C084MA02
4C084MA05
4C084MA35
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA11
4C084ZA70
4C084ZC02
4C084ZC35
4C084ZC41
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA01
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA11
4C086ZA70
4C086ZC02
4C086ZC35
4C086ZC41
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045EA20
(57)【要約】
本発明は、GLP-1作動薬、SLGT2阻害剤、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、およびヒドロトロープを含む、固形医薬組成物に関する。本発明は、そのような組成物の調製のためのプロセス、およびそれらの医薬品における使用にさらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
i)セマグルチド、
ii)1~50mgのSLGT2阻害剤(例えば、ダパグリフロジンまたはエンパグリフロジン)、
iii)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、および
iv)ヒドロトロープを含み、
前記ヒドロトロープが、SNACの溶解度を少なくとも5倍、または例えば、少なくとも10倍高めることができる、組成物。
【請求項2】
前記ヒドロトロープが、ニコチンアミドまたはレゾルシノールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
i)セマグルチド、
ii)1~50mgのSLGT2阻害剤(例えば、ダパグリフロジンまたはエンパグリフロジン)、
iii)NACの塩、
iv)ニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)滑沢剤からなる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
単位投与量が、
i)0.1~50mgのセマグルチド、
ii)1~50mgのSLGT2阻害剤(例えば、ダパグリフロジンまたはエンパグリフロジン)、
iii)50~600mgのNACの塩、
iv)20~400mgのニコチンアミド、および
v)0~20mgの滑沢剤、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物または単位投与量が、0.1~50mgまたは0.1~25mgのセマグルチドを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記単位投与量が、5mgのダパグリフロジン、10mgのダパグリフロジン、または25mgのエンパグリフロジンを含む、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)が、0.5~10、例えば、0.5~8、または例えば、0.5~5である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはジベヘン酸グリセリルから選択される滑沢剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記NACの塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム塩(SNAC)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、固形組成物である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、経口投与用の医薬組成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
糖尿病および/または肥満を治療する方法に使用するための組成物であって、前記組成物が、請求項1~11のいずれか一項に定義されたものである、組成物。
【請求項13】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)を共処理するステップと、
ii)i)の生成物を使用して、前記固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
前記固形医薬組成物が、GLP-1作動薬セマグルチド、およびSGLT2阻害剤、および/または滑沢剤を含む、方法。
【請求項14】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)をホットメルト押出するステップと、
ii)任意選択で、i)の押出物をミル粉砕するステップと、
iii)ii)の生成物を使用して、前記固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
前記固形医薬組成物が、GLP-1作動薬セマグルチド、およびSGLT2阻害剤、および/または滑沢剤を含む、方法。
【請求項15】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)をホットメルト押出するステップと、
ii)i)の押出物を、1つ以上の活性医薬成分、および任意選択で任意のさらなる賦形剤と混合するステップと、
iii)ii)の混合物を使用して、前記固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
前記固形医薬組成物が、GLP-1作動薬セマグルチド、およびSGLT2阻害剤、および/または滑沢剤を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩を含む固形組成物、それらの調製方法、ならびにそれらの医薬品における使用に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
「SEQUENCE LISTING」と題された配列表は、2KBであり、2020年11月4日に作成され、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ヒトGLP-1およびその類似体は、低い経口バイオアベイラビリティを有する。経口投与後のヒトGLP-1およびその類似体の曝露量およびバイオアベイラビリティは、非常に低い。ヒトGLP-1およびその類似体は、ある特定の吸収促進剤と特定の量で製剤化された場合、経口投与後にのみ治療的に適切な血漿濃度に達することができる。
【0004】
Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92:810-817)は、GLP-1(7-36)アミドおよび150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレート(SNAC)を含む錠剤の経口投与を開示している。
【0005】
国際公開第2010/020978号は、タンパク質およびN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレート(NAC)を含む経口医薬組成物を開示している。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの塩を含有するGLP-1類似体の経口剤形を開示する特許出願には、国際公開第2012/080471号、同第2013/189988号、同第2013/139694号、同第2013/139695号、および同第2014/177683号が含まれる。
【0006】
これらの知見にもかかわらず、セマグルチドなどのGLP-1作動薬の経口投与のための医薬組成物に対するさらなる改善の余地が依然として存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、吸収促進剤または送達剤、およびヒドロトロープ(hydrotrope)を含む、組成物に関する。本発明による組成物は、バランスの取れた量の送達剤およびヒドロトロープを含む。提供される組成物は、加速された吸収を示し、活性医薬成分の迅速かつ効率的な取り込みを可能にする。
【0008】
治療用ペプチドの経口投与は、胃腸系におけるそのようなペプチドの急速な分解のために困難である。
【0009】
本明細書では、投与後15~30分以内にGLP-1作動薬の吸収を加速させ、それにより経口投与によるGLP-1作動薬の曝露量を改善する医薬組成物が記載されている。驚くべきことに、本発明者らは、組成物がヒドロトロープを用いて調製される場合、GLP-1作動薬の曝露量の増加が観察されることを発見した。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、1~50mgのSGLT2阻害剤、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、およびヒドロトロープを含む組成物に関し、ヒドロトロープは、SNACの溶解度を少なくとも2倍、例えば、5倍、または例えば、少なくとも10倍高めることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.1~50mgのGLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、1~50mgのSGLT2阻害剤、50~600mgのNACの塩(例えば、NACのナトリウム塩(SNAC))、20~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および0~20mgの滑沢剤を含む。
【0012】
本発明はまた、固形医薬組成物を製造する方法に関し、この方法は、i)NACの塩およびヒドロトロープを(任意選択でSGLT2阻害剤とともに)共処理するステップと、ii)i)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、当該固形医薬組成物は、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明は、経口投与のため、ならびに/または糖尿病および/もしくは肥満の治療に使用するためなどの、本明細書に記載の組成物の医学的使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、pH6でのSNAC溶解度に対するニコチンアミド(A)およびレゾルシノール(B)の用量依存的効果を示す。
【
図2】
図2は、参照組成物および試験組成物の溶解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に記載の本発明の態様は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、吸収促進剤または送達剤、およびヒドロトロープを含む、組成物に関する。組成物は、錠剤、小袋、またはカプセルによって例示される固形形態などの、経口投与に好適な形態であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、経口組成物、または医薬組成物、例えば、経口医薬組成物である。提供される組成物は、加速された吸収を示し、活性医薬成分の迅速かつ効率的な取り込みを可能にする。
【0016】
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、NACの塩、およびヒドロトロープを含む組成物に関し、ヒドロトロープは、SNACの溶解度を少なくとも2倍、例えば、5倍、または例えば、少なくとも10倍高めることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.1~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、50~600mgのNACの塩(例えば、NACのナトリウム塩(SNAC))、20~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および0~20mgの滑沢剤を含む。
【0018】
本発明はまた、固形医薬組成物を製造する方法に関し、この方法は、i)NACの塩およびヒドロトロープを(任意選択でSGLT2阻害剤とともに)共処理するステップと、ii)i)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、当該固形医薬組成物は、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤を含む。
【0019】
本発明はまた、固形医薬組成物を製造する方法に関し、この方法は、i)NACの塩およびヒドロトロープを(任意選択でSGLT2阻害剤とともに)含むブレンドを得るステップと、ii)i)のブレンドを共処理するステップと、iii)ii)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、当該固形医薬組成物はまた、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明は、経口投与のため、ならびに/または糖尿病および/もしくは肥満の治療に使用するためなどの、本明細書に記載の組成物の医学的使用に関する。
【0021】
GLP-1
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、GLP-1作動薬を含む。本明細書で使用される場合、「GLP-1作動薬」という用語は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化する化合物を指す。いくつかの実施形態では、本発明に使用するためのGLP-1作動薬は、アシル化GLP-1作動薬である。GLP-1作動薬に関連して使用される場合、「アシル化」という用語は、脂肪酸または脂肪二酸などの親油性部分を含む少なくとも1つの置換基を共有結合されたGLP-1作動薬を指す。いくつかの実施形態では、置換基は、脂肪酸または脂肪二酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬という用語、ならびに本明細書に記載の特定のGLP-1作動薬はまた、その塩形態も包含する。
【0022】
したがって、GLP-1作動薬は、「GLP-1活性」を示すべきであるということになり、GLP-1活性は、化合物、すなわち、GLP-1作動薬の、GLP-1受容体に結合し、かつシグナル伝達経路を開始し、その結果インスリン分泌促進作用または当該技術分野で公知であるような他の生理学的効果をもたらす能力を指す。いくつかの実施形態では、「GLP-1作動薬」は、例えば、親和性定数(KD)でGLP-1受容体に結合するか、または当該技術分野で公知の方法(例えば、国際公開第98/08871号を参照)によって測定される場合、1μM未満、例えば、100nM未満のその効力(EC50)で受容体を活性化し、かつインスリン分泌促進活性を示し、インスリン分泌促進活性は、当業者に公知のインビボまたはインビトロアッセイで測定され得る。例えば、GLP-1作動薬は、増加した血糖を有する(例えば、静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を使用して得られる)動物に投与され得る。当業者であれば、例えば、IVGTTに関する動物種に応じて、好適なグルコース投与量および好適な血液試料採取方法を決定し、経時的な血漿インスリン濃度を測定することができる。好適なアッセイは、国際公開第2015/155151号などに記載されている。
【0023】
半数効果濃度(EC50)という用語は、概して、用量応答曲線を参照することにより、ベースラインと最大との中間の応答を誘発する濃度を指す。EC50は、化合物の効力の尺度として使用され、その最大効果の50%が観察される濃度を表す。本明細書に記載されるような置換基を含むGLP-1作動薬のアルブミン結合効果のために、アッセイがヒト血清アルブミンを含むかどうかに注意を払うことが重要である。
【0024】
GLP-1作動薬のインビトロ効力は、国際公開第2015/155151号、実施例29に記載されるようにヒト血清アルブミン(HSA)を含まずに決定され得、かつEC50が決定され得る。EC50値がより低いほど、効力がより良好である。いくつかの実施形態では、(HSAなしで)決定される効力(EC50)は、5~1000pM、例えば、10~750pM、10~500pM、または10~200pMである。いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大500pM、例えば、最大300pM、例えば、最大200pMである。いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、ヒトGLP-1(7-37)と同等である。いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大50pMである。さらなるそのような実施形態では、EC50は、最大40pM、例えば、最大30pM、例えば、最大20pM、例えば、最大10pMである。いくつかの実施形態では、EC50は、約10pMである。
【0025】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、1つ以上の置換、欠失、付加、および/または修飾を含む。いくつかの実施形態では、修飾は、共有結合した置換基である。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、ヒトGLP-1(GLP-1(7-37))またはそのバリアントであるペプチドを含む。本明細書ではGLP-1(7-37)とも呼ばれる、ヒトGLP-1は、HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号1)を有する。いくつかの実施形態では、「バリアント」という用語は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加、および/または修飾を含む化合物を指す。アミノ酸残基のそのような付加または欠失は、ペプチドのN末端および/またはペプチドのC末端で発生し得る。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬を記載するために単純な用語体系が使用され、例えば、[Aib8]GLP-1(7-37)は、GLP-1(7-37)受容体作動薬を示し、8位の自然発生のAlaは、Aibで置換されている。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大12個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大10個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大9個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大8個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大7個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大6個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大5個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大4個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大3個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大2個のアミノ酸を含む。別段の定めのない限り、GLP-1は、L-アミノ酸のみを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)の全長にわたって、GLP-1(7-37)に対して少なくとも60%、65%、70%、80%、または90%の配列同一性を示す。2つの化合物間の配列同一性を決定するための方法の一例として、2つのペプチド[Aib8]GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)を整列させる。GLP-1(7-37)に対する[Aib8]GLP-1(7-37)の配列同一性は、整列された同一の残基の数から異なる残基の数を減算し、GLP-1(7-37)中の残基の総数で除算することによって得られる。したがって、当該実施例では、配列同一性は、(31-1)/31である。
【0027】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬のC末端は、アミドである。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)またはGLP-1(7-36)アミドである。
【0028】
GLP-1作動薬の効果を延長するために、GLP-1作動薬が、延長された半減期を有することが好ましい。半減期は、国際公開第2012/140117号に記載されるように、雄のSprague Dawleyラットまたはミニブタなどの適切なモデルにおいて、当該技術分野で公知の方法によって決定され得る。ラットにおける半減期は、その中の実施例39のように決定され得、ミニブタにおける半減期は、実施例37のように決定され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ラットにおいて2時間超の半減期を有する。いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ラットにおいて、4時間超、例えば、6時間超、例えば、8時間超、例えば、10時間超、例えば、12時間超、または例えば、15時間超の半減期を有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて24時間超の半減期を有する。いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて、30時間超、例えば、36時間超、例えば、42時間超、例えば、48時間超、例えば、54時間超、または例えば、60時間超の半減期を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、ペプチドに共有結合した1つまたは2つの置換基を含み、当該置換基は、親油性部分を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、脂肪酸または脂肪二酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂肪二酸を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、置換基は、当該置換基において、当該置換基とGLP-1作動薬中のペプチドとの間の付着点の近位に位置するリンカー(スペーサーとも呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、当該置換基において、当該置換基と当該GLP-1作動薬中のペプチドとの間の付着点の近位に位置するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、置換基は、1つ以上の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(OEG)、例えば、2つのOEGを含む。1つ以上のOEGは、リンカーであり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、セマグルチド、化合物A、および化合物Bから成る群から選択される。
【0034】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-エプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)、(配列番号4)としても公知である、セマグルチドであり、これは、以下の構造を有して国際公開第2006/097537号の実施例4に記載されるように調製され得る。
【化1】
【0035】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、化合物Aであり、これは、国際公開第2011/080103号の実施例2に示され、かつNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}、Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]-アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-ペプチドと名付けられている、ジアシル化[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)である。
【0036】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、化合物Bであり、これは、国際公開第2012/140117号の実施例31に示され、かつNε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Glyと名付けられている、ジアシル化[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Glyである。
【0037】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、その薬学的に許容可能な塩、アミド、またはエステルの形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬またはその薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬および1つ以上の薬学的に許容可能な対イオンを含む。
【0038】
SGLT2阻害剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤はまた、SGLT1阻害剤でもある。SGLT2およびSGLT1阻害剤は、ナトリウムグルコース結合輸送体を阻害する能力を有する化合物である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、グルコピラノシル置換ベンゼン誘導体である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグリフロジンから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ダパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、エンパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、エルツグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ソタグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、イプラグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、トホグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ルセオグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ベキサグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、レモグリフロジンである。SGLT2阻害剤は、例えば、国際特許公開公報第2006/120208号、同第2007/031548号、または同第2008/002824号に示されるように、当該技術分野で公知の方法に従って調製され得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、「SGLT2阻害剤」という用語は、ナトリウム-グルコース輸送体2(SGLT2)、例えば、ヒトSGLT2に対する阻害効果を提供する、化合物を指す。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤のIC50として測定されるヒトSGLT2に対する阻害効果は、1000nM未満、例えば、100nM未満、または50nM未満である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤のIC50値は、少なくとも0.01nM、例えば、少なくとも0.1nMである。ヒトSGLT2に対する阻害効果を決定するための方法は、当該技術分野において公知である(例えば、国際公開第2007/093610号の23~24ページ)。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、非晶質形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、その薬学的に許容可能な塩、無水物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、結晶形態、例えば、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、「共結晶」という用語は、2つ以上の異なる分子化合物またはイオン化合物から構成される結晶質単相材料である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~300mg、例えば、5~200mg、または10~100mgの量でSGLT2阻害剤を含む。
【0040】
ダパグリフロジン
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンの構造は、式(XII)に示されるとおりであるか、またはその立体異性体である。
【0041】
【化2】
いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。エステルは、ダパグリフロジンのプロドラッグエステル、例えば、インビボ切断可能なエステルであり得る。薬学的に許容可能なエステルは、ヒトまたは動物の体内で切断されて、親酸(例えば、当該エステルがメトキシメチルである場合)、またはヒドロキシ基(例えば、当該エステルがアセチルエステルである場合)を産生し得る。溶媒和物は、ダパグリフロジンのプロピレングリコール溶媒和物、例えば、ダパグリフロジンプロピレングリコール(1:1)を含み得るか、またはそれからなり得る。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、そのプロピレングリコール溶媒和物水和物(1:1:1)の形態である。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、(S)形態、(R)形態、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、(S)形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジン、ならびにグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、セリン、システイン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、およびリシンから成る群から選択されるアミノ酸を含み、ダパグリフロジンおよびアミノ酸は、共結晶の形態であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジン、ならびにグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、およびトリプトファンから成る群から選択されるアミノ酸を含む。アミノ酸は、そのLまたはD-立体異性体の形態であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンおよびL-プロリンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンおよびD-プロリンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジン、および1,2-アルカンジオール、またはそれらの水和物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジン、ならびに1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、および1,2-ヘプタンジオールから成る群から選択される化合物、またはそれらの水和物もしくは混合物を含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、1,2ブタンジオールまたはその水和物を含む溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジン、ならびに(S)-1,2-ブタンジオール、(R)-1,2-ブタンジオール、(S)-1,2-ペンタンジオール、(R)-1,2-ペンタンジオール、(S)-1,2-ヘキサンジオール、(R)-1,2-ヘキサンジオール、(S)-1,2-ヘプタンジオール、(R)-1,2-ヘプタンジオールから成る群から選択される化合物、またはそれらの水和物もしくは混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジン、ならびに(S)-1,2-ブタンジオールおよび(R)-1,2-ブタンジオールから成る群から選択される化合物、またはそれらの水和物もしくは混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンおよびシトレートを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、シトレートを含む共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される化合物は、別段の記載がない限り、無水物である。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~200mg、例えば、5~50mgの量でダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5mgまたは10mgの量でダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、0.5~200mg/日、例えば、3~20mg/日、5mg/日、または10mg/日の用量で投与される。
【0042】
エンパグリフロジン
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤エンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンの構造は、式(XIII)に示されるとおりであるか、またはその立体異性体である。
【0043】
【化3】
いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。エステルは、エンパグリフロジンのプロドラッグエステル、例えば、インビボ切断可能なエステルであり得る。薬学的に許容可能なエステルは、ヒトまたは動物の体内で切断されて、親酸(例えば、当該エステルがメトキシメチルである場合)、またはヒドロキシ基(例えば、当該エステルがアセチルエステルである場合)を産生し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~200mg、例えば、5~50mgの量でエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10mgまたは25mgの量でエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、0.5~200mg/日、例えば、5~50mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、10mg/日または25mg/日の用量で投与される。
【0044】
送達剤
送達剤または吸収促進剤は、本発明に関しては、治療用活性成分、例えば、GLP-1作動薬の経口曝露量を増加させることができる、賦形剤である。
【0045】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩
本発明に使用される送達剤は、陰イオンN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートを含有する、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩(本明細書ではNACの塩とも呼ばれる)である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの構造式を、式(I)に示す。
【化4】
【0046】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、1つの一価陽イオン、2つの一価陽イオン、または1つの二価陽イオンを含む。いくつかの実施形態では、NACの塩は、NACのナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩から成る群から選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、NACの塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの塩は、例えば、国際公開第96/030036号、同第00/046182号、同第01/092206号、または同第2008/028859号に記載されるような方法を使用して調製され得る。
【0048】
NACの塩は、結晶質および/または非晶質であり得る。いくつかの実施形態では、送達剤は、NACの塩の無水物、一水和物、二水和物、三水和物、溶媒和物、または3分の1の水和物、ならびにそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、送達剤は、国際公開第2007/121318号に記載されるようなNACの塩である。
【0049】
いくつかの実施形態では、送達剤は、8-(サリチロイルアミノ)オクタン酸ナトリウムとしても公知である、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(本明細書では「SNAC」と呼ばれる)である。
【0050】
組成物
本発明の組成物または医薬組成物は、本明細書で以下にさらに記載されるように、経口経路による投与に適した固形または乾燥組成物である。
【0051】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性治療用成分または活性医薬成分(API)以外の任意の構成要素を広く指す。賦形剤は、不活性物質、非活性物質、および/または治療的もしくは医薬的に活性でない物質であり得る。
【0052】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、充填剤、結合剤、滑沢剤、滑剤、崩壊剤、流量制御剤、結晶化阻害剤可溶化剤、安定剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、乳化剤、送達剤、ヒドロトロープ、もしくはそれらの組み合わせとして、ならびに/または治療活性物質もしくは活性医薬成分の投与および/もしくは吸収を改善するために、様々な目的を果たし得る。使用される各賦形剤の量は、当該技術分野の従来の範囲内で変動し得る。経口剤形を製剤化するために使用され得る技法および賦形剤については、Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th edition,Sheskey et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press,publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain(2017)、およびRemington:the Science and Practice of Pharmacy,22nd edition,Remington and Allen,Eds.,Pharmaceutical Press(2013)に記載されている。
【0053】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン)など;充填剤、例えば、セルロース粉末、微結晶性セルロース、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプンなど;滑沢剤および/または滑剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、トリベヘン酸グリセロールなど;流量制御剤、例えば、コロイダルシリカ、タルクなど;結晶化抑制剤、例えば、ポビドンなど;可溶化剤、例えば、プルロニック、ポビドンなど;染料および色素を含む、着色剤、例えば、赤色または黄色酸化鉄、二酸化チタン、タルクなど;pH調整剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウムなど;界面活性剤および乳化剤、例えば、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシ化および水素化ヒマシ油など;ならびにこれらの賦形剤および/またはアジュバントのうちの2つ以上の混合物から選択され得る。
【0054】
組成物は、結合剤、例えば、ポビドン;デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、微結晶性セルロース、例えば、FMC(Philadelphia,PA)製のAvicel PH、Dow Chemical Corp.(Midland,MI)製のヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースMETHOCEL;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;ポリサッカライド;ならびにゼラチンを含み得る。結合剤は、乾燥結合剤および/または湿式造粒結合剤から成る群から選択され得る。好適な乾燥結合剤は、例えば、セルロース粉末および微結晶性セルロース、例えば、Avicel PH 102およびAvicel PH 200である。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel、例えば、Aavicel PH 102を含む。湿式造粒または乾式造粒に好適な結合剤は、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、ならびにセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、組成物は、ポビドンを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、マンニトール、エリスリトール、スクロース、ソルビトール、リン酸カルシウム、例えば、カルシウム水素リン酸、微結晶性セルロース、粉末セルロース、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、およびデキストロースから選択され得る充填剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、微結晶性セルロース、例えば、Avicel PH 102またはAvicel PH 200を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、組成物は、滑沢剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、滑沢剤および/または滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、デベヘン酸グリセリル、ベヘノイルポリオキシル-8グリセリド、ポリエチレンオキシドポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、水素化植物油、二酸化ケイ素、および/またはポリエチレングリコールなどを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたはデベヘン酸グリセリル(例えば、製品Compritol(登録商標)888 ATO)を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、組成物は、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または乾燥コーンスターチを含む。組成物は、1つ以上の界面活性剤、例えば、界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、または2つの異なる界面活性剤を含み得る。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分、および脂溶性(親油性)部分から成る、任意の分子またはイオンを指す。界面活性剤は、例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、および/または両性イオン性界面活性剤から成る群から選択され得る。
【0058】
ヒドロトロープ
本発明の組成物は、1つ以上のヒドロトロープを含む。界面活性剤のように、ヒドロトロープは、親水性部分および疎水性の両方を含み、かつミセルを形成し、自己凝集することができるが、これらは、ミセル可溶化することなく溶質を可溶化する。本発明者らは、GLP-1作動薬の吸収、ひいては血漿曝露量が、組成物中にヒドロトロープを含むことによって増加し得ることを見出した。理論に束縛されるものではないが、ヒドロトロープは、本明細書のSNACによって例示されるように、送達剤、例えば、NACの塩の溶解度を高めることが企図されている。本明細書のアッセイIによって示されるように、ヒドロトロープは、水中のSNACの溶解度を高めることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、SNACの溶解度を高めることができる。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、NACの塩、例えば、SNACの溶解度を、室温でpH6で、200mg/mlの濃度において、少なくとも2倍高めることができる。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、本明細書のアッセイIに記載されるように測定される場合、NACの塩、例えば、SNACの溶解度を、少なくとも3倍、4倍、または5倍高める。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、アッセイIに記載されるように測定される場合、SNACの溶解度を、少なくとも5倍、例えば、8倍、または例えば、10倍高める。
【0060】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープの分子量は、最大400g/mol、または例えば、最大250g/molである。
【0061】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープの分子量は、少なくとも80g/mol、または例えば、少なくとも100g/molである。
【0062】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、芳香環構造を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、ニコチンアミドおよびレゾルシノールと類似した分子構造を有し、これらは両方とも、芳香環構造を含む。
本明細書にはまた、その生理学的に許容される塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、塩化物塩、または硫酸塩も含まれる。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem Iの構造であって、
【化5】
式中、Xが、CHまたはNであり、
R
1、R
2、およびR
3が、独立して、-H、-OH、-CO
2H、-CON(R
4)
2、-SO
3H、および-CH
3(式中、R
4が、-H、-CH
3、または-CH
2-CH
3である)から選択される、Chem Iの構造、
またはその生理学的に許容される塩を有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、構造は、Chem Iであって、
Xが、CHまたはNであり、
R1が、-OH、-SO3H、およびCON(R4)2(式中、R4は、-H、-CH3、または-CH2-CH3である)から選択され、
R2が、-OHおよび-Hから選択され、
R3が、-H、-OH、および-CH3から選択される、Chem I、またはその生理学的に許容される塩である。
【0066】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、Chem Iの構造であって、式中、
Xが、CHであり、
R1が、-OHおよび-SO3Hから選択され、
R2およびR3が、独立して、-H、-OH、および-CH3から選択される、Chem Iの構造、またはその生理学的に許容される塩を有する。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem IIの構造であって、
【化6】
式中、Xが、CHまたはNであり、
R
2およびR
3が、独立して、-H、-OH、および-CH
3から選択され、
R
5が、-OHおよびN(R
4)
2(式中、R4は、-H、-CH
3、または-CH
2-CH
3である)から選択される、Chem IIの構造、
またはその生理学的に許容される塩を有する。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem IIの構造であって、式中、
Xが、CHであり、
R5が、-OHであり、
R2およびR3が、独立して、-OHおよび-Hから選択される、Chem IIの構造、またはその生理学的に許容される塩を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、上記に定義されるようなChem IIの構造を有するが、ただし、ヒドロトロープが、安息香酸ナトリウムではないことを条件とする。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem IIの構造であって、式中、
Xが、Nであり、
R5が、-OHおよびN(R4)2(式中、R4が、-H、-CH3、または-CH2-CH3である)から選択され、
R2およびR3が、独立して、-H、-OH、および-CH3から選択される、Chem IIの構造、または
その生理学的に許容される塩を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem IIの構造であって、式中、
Xが、Nであり、
R5が、NH2であり、
R2およびR3が、独立して、-H、-OH、および-CH3から選択される、Chem IIの構造、または
その生理学的に許容される塩を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem IIIの構造を有し、
【化7】
式中、R
2およびR
3が、独立して、-Hおよび-CH
3から選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒドロトロープは、Chem IVの構造を有し、
【化8】
式中、R2およびR3が、独立して、-Hおよび-OHから選択される。
【0074】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、N,Nジメチルベンズアミド、ピロガロール、ニコチンアミド、タンニン酸、没食子酸エピガロカテキン、N,Nジエチルニコチンアミド、ゲンチシン酸ナトリウム塩水和物、N,Nジメチル尿素、1-メチルニコチンアミド、キシレンスルホン酸ナトリウム、およびp-トルエンスルホン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、ニペコタミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、および安息香酸ナトリウムの群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、N,Nジメチルベンズアミド、ピロガロール、ニコチンアミド、タンニン酸、没食子酸エピガロカテキン、N,Nジエチルニコチンアミド、ゲンチシン酸ナトリウム塩水和物、N,Nジメチル尿素、1-メチルニコチンアミド、キシレンスルホン酸ナトリウム、およびp-トルエンスルホン酸ナトリウムから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、N,Nジメチルベンズアミド、ピロガロール、ニコチンアミド、タンニン酸、没食子酸エピガロカテキン、およびN,Nジエチルニコチンアミドから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、N,Nジメチルベンズアミド、ピロガロール、およびニコチンアミドから成る群から選択される。
【0075】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ニペコタミド、ニコチンアミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、N,Nジメチル尿素、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、サリチル酸ナトリウム、レゾルシノール、安息香酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、没食子酸エピガロカテキン、タンニン酸、およびゲンチシン酸ナトリウム塩水和物から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ニペコタミド、ニコチンアミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、N,Nジメチル尿素、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、サリチル酸ナトリウム、レゾルシノール、安息香酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、没食子酸エピガロカテキン、タンニン酸、およびゲンチシン酸ナトリウム塩水和物から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ニコチンアミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、N,Nジメチル尿素、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、サリチル酸ナトリウム、レゾルシノール、安息香酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、没食子酸エピガロカテキン、およびゲンチシン酸ナトリウム塩水和物から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ニコチンアミド、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、レゾルシノール、安息香酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、およびゲンチシン酸ナトリウム塩水和物から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、ピロガロール、ゲンチシン酸、キシレンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ニコチンアミド、ジメチルベンズアミド、ジエチルベンズアミド、1-メチルニコチンアミド、サリチル酸、P-ヒドロキシ安息香酸、およびベンゾエートから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、ピロガロール、ゲンチシン酸、キシレンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ニコチンアミド、ジメチルベンズアミド、ジエチルベンズアミド、1-メチルニコチンアミド、サリチル酸、およびP-ヒドロキシ安息香酸から成る群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、レゾルシノール、ピロカテコール、およびピロガロールから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、キシレンスルホネートおよびp-トルエンスルホネートから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ニコチンアミド、ジメチルベンズアミド、ジエチルベンズアミド、および1-メチルニコチンアミドから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ゲンチシン酸、サリチル酸、P-ヒドロキシ安息香酸、およびベンゾエートから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ゲンチシン酸、サリチル酸、およびP-ヒドロキシ安息香酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ(複数可)は、ニコチンアミドおよび/またはレゾルシノールである。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、ニコチンアミドである。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、安息香酸ナトリウムではない。
【0077】
本明細書の実施例に示されるように、本発明の組成物は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、およびヒドロトロープを含む。
【0078】
本明細書の以下の説明はまた、特定の成分、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、およびヒドロトロープ、ならびに任意選択で滑沢剤からなる組成物も指し、この「からなる」という用語は、それでもなお、組成物の機能に影響を及ぼさない微量の任意の物質を包含すると理解されるべきである。そのような物質は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤の調製物中に、NACの塩の製造、ヒドロトロープ調製物、または製剤の品質もしくは吸収に影響を与えない最小限の量の任意の薬学的に許容可能な賦形剤から残っている不純物であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、送達剤の量に対してバランスの取れた量のヒドロトロープを含む。ヒドロトロープの影響は、ある範囲の濃度にわたって観察されている。
【0080】
いくつかの実施形態では、NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)は、少なくとも0.5、例えば、少なくとも0.75、または例えば、少なくとも1である。いくつかの実施形態では、NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)は、0.5~10.0、または例えば、0.5~8、または例えば、0.5~5である。いくつかの実施形態では、NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)は、0.5~10.0、または例えば、0.75~10.0、0.5~8.0、もしくは1~2.0である。いくつかの実施形態では、NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)は、1.3~1.7である。
【0081】
いくつかの実施形態では、SNAC/ニコチンアミドの比(w/w)は、少なくとも0.5、例えば、少なくとも0.75、例えば、少なくとも1である。いくつかの実施形態では、SNACの塩/ニコチンアミドの比(w/w)は、0.5~10.0、または例えば、0.5~8、または例えば、0.5~5である。いくつかの実施形態では、SNACの塩/ニコチンアミドの比(w/w)は、0.5~10.0、または例えば、0.75~10.0、0.5~8.0、もしくは1~2.0である。
【0082】
いくつかの実施形態では、SNAC/レゾルシノールの比(w/w)は、少なくとも0.5、例えば、少なくとも0.75、例えば、少なくとも1である。いくつかの実施形態では、SNACの塩/レゾルシノールの比(w/w)は、0.5~10.0、または例えば、0.75~10.0、0.5~8.0、または例えば、1~2.0である。
【0083】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ/NACの塩の比(w/w)は、少なくとも0.1、例えば、少なくとも0.2、または例えば、少なくとも0.3である。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープ/NACの塩の比(w/w)は、0.1~5.0、または例えば、0.1~4.0、0.2~3.0、もしくは0.25~2.0である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ニコチンアミド/SNACの比(w/w)は、少なくとも0.1~5.0、または例えば、0.1~4.0、0.2~3.0、もしくは0.25~2.0である。いくつかの実施形態では、ニコチンアミド/SNACの比(w/w)は、0.1~5.0、または例えば、0.1~4.0、0.2~3.0、もしくは0.25~2.0である。
【0085】
いくつかの実施形態では、レゾルシノール/SNACの比(w/w)は、少なくとも0.1~5.0、または例えば、0.1~4.0、0.2~3.0、もしくは0.25~2.0である。いくつかの実施形態では、レゾルシノール/SNACの比(w/w)は、0.1~5.0、または例えば、0.1~4.0、0.2~3.0、もしくは0.25~2.0である。
【0086】
滑沢剤の量は、活性医薬成分(すなわち、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤)を含まない、他の賦形剤、例えば、ヒドロトロープおよび送達剤の量に対して与えられ得る。通常、比較的少量の滑沢剤、例えば、他の賦形剤の総重量の5%未満が含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態では、組成物は、送達剤およびヒドロトロープの総量の5w/w%未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、送達剤およびヒドロトロープの総量の0.15~5w/w%、例えば、0.25~4w/w%の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩(例えば、SNAC)およびニコチンアミドまたはレゾルシノールの量の0.15~5w/w%、例えば、0.25~4w/w%の滑沢剤を含む。
【0088】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、本明細書で以下に記載されるように、経口投与に好適な剤形で製造される。以下では、本発明の組成物の成分の絶対量は、投与量単位の、すなわち、錠剤、カプセル、または小袋当たりの含量を参照して提供される。
【0089】
本発明の医薬組成物は、いくつかの実施形態では、用量単位当たり、最大1000mgの当該NACの塩を含み得る。いくつかの実施形態では、本発明は、用量単位が最大600mgの当該NACの塩を含む、組成物に関する。
【0090】
いくつかの実施形態では、用量単位当たりのNACの塩の量は、少なくとも0.15mmol、例えば、少なくとも0.20mmol、少なくとも0.25mmol、少なくとも0.30mmol、少なくとも0.35mmol、少なくとも0.40mmol、少なくとも0.45mmol、少なくとも0.50mmol、少なくとも0.55mmol、および少なくとも0.60mmolから成る群から選択される。
【0091】
いくつかの実施形態では、投与量単位の組成物当たりのNACの塩の量は、最大2mmol、例えば、最大1.5mmol、最大1mmol、最大0.75mmol、最大0.6mmol、最大0.5mmol、最大0.4mmol、最大0.3mmol、および最大0.2mmolから成る群から選択される。
【0092】
いくつかの実施形態では、用量単位の組成物当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、0.20~0.5mmol、0.25~1.0mmol、0.30~0.75mmol、または例えば、0.45~0.65mmolの範囲である。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、少なくとも50mg、例えば、少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、および少なくとも300mgから成る群から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、最大600mg、例えば、最大550mg、最大525mg、最大500mg、最大475mg、最大450mg、最大425mg、最大400mg、最大375mg、最大350mg、最大325mg、および最大300mgから成る群から選択される。
【0095】
いくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、75~600mgの範囲である。いくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、75~400mg、例えば、80~350mg、例えば、約100~約300mgの範囲である。
【0096】
いくつかの実施形態では、用量単位の本発明の医薬組成物は、0.1~100mgのGLP-1作動薬を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、用量単位の組成物は、0.1~50mg、0.2~50mg、0.5~50mg、または1~40mgの範囲のGLP-1作動薬の量を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、用量単位の組成物は、0.1~50mg、0.1~40mg、0.1~30mg、または0.1~20mgの範囲のGLP-1作動薬の量を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~5mgのGLP-1作動薬、例えば、0.75~4.5mg、例えば、1、1.5、2、2.5、もしくは3mg、または3.5、4、4.5mg、例えば、1~3もしくは3~5mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、1~20mgのGLP-1作動薬、例えば、2~15mg、または3~12mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、1~10mgのGLP-1作動薬、例えば、2~8mg、または3~6mgのGLP-1作動薬を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~20mgのGLP-1作動薬、例えば、2~15mg、例えば、2、3、4、もしくは5mg、または例えば、8、10、12、もしくは14mg、例えば、15mg、または例えば、20mgのGLP-1作動薬を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5~50mgのGLP-1作動薬、例えば、10~45mg、例えば、20、30、もしくは40mg、または例えば、25、35、もしくは45mg、または例えば、30~50mg、または例えば、20~40mgのGLP-1作動薬を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、1~50mg、例えば、3~30mg、または5~25mgのSGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5または10mgのSGLT2阻害剤ダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、10または25mgのSGLT2阻害剤エンパグリフロジンを含む。
【0103】
上記のように、ヒドロトロープの量は、送達剤、例えば、SNACの量とバランスが取られるが、概して、用量単位の本発明の組成物は、10~600mgのヒドロトロープを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、20~400mg、例えば、40~300mg、または50~200mgのヒドロトロープを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、100~600mg、例えば、100~500mg、例えば、150~400mgのヒドロトロープを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、150~300mg、例えば、150~250mg、または約200mgのヒドロトロープを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、20~150mg、例えば、40~100mg、または50~90mgのヒドロトロープを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、単位用量の本発明による組成物は、50~600mgのニコチンアミドおよび/またはレゾルシノールを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、50~400mg、例えば、100~300mg、または150~250mgのニコチンアミドおよび/またはレゾルシノールを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、50~400mg、例えば、50~300mg、例えば、50~200mg、例えば50~175mgのニコチンアミドおよび/またはレゾルシノールを含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、単位用量の本発明による組成物は、50~600mgのニコチンアミドを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、50~400mg、例えば、100~300mg、または150~250mgのニコチンアミドを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、50~400mg、例えば、50~300mg、例えば、50~200mg、例えば、50~175mgのニコチンアミドを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、単位用量の本発明による組成物は、0.1~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、25~600mgのNACの塩(例えば、NACのナトリウム塩(SNAC))、20~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および0~20mgの滑沢剤を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、単位用量の本発明による組成物は、
i)0.1~50mgのセマグルチド、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)25~600mgのNACの塩、(例えば、NACのナトリウム塩(SNAC))、
iv)20~400mg、例えば、50~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)0~20mgの滑沢剤を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、単位用量の本発明による組成物は、
i)0.1~50mgのセマグルチド、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)150~600mgのNACの塩、(例えば、NACのナトリウム塩(SNAC))、
iv)100~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)0~20mgの滑沢剤を含む。
【0109】
GLP-1作動薬の量は、GLP-1作動薬の同一性および所望の効果に応じて変動し得る。すなわち、より高い含有量は、糖尿病と比較して肥満の治療に適している可能性がある。
【0110】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、200~400mgのSNAC、0.5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、100~400mgのヒドロトロープ、および1~16mgの滑沢剤を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、200~400mgのSNAC、1.5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、100~400mgのヒドロトロープ、および1~16mgの滑沢剤を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、200~400mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、100~400mgのヒドロトロープ、および1~16mgの滑沢剤を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、200~400mgのSNAC、0.5~10mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、100~400mgのニコチンアミド、および1~16mgの滑沢剤を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、200~400mgのSNAC、1.5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、100~400mgのニコチンアミド、および1~16mgの滑沢剤を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、200~400mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、100~400mgのニコチンアミド、および1~16mgの滑沢剤を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、単位用量の本発明による組成物は、
i)0.1~50mgのセマグルチド、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)25~400mgのNACの塩、(例えば、NACのナトリウム塩(SNAC))、
iv)20~300mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)0~14mgの滑沢剤を含む。
【0117】
GLP-1作動薬の量は、GLP-1作動薬の同一性および所望の効果に応じて変動し得る。すなわち、より高い含有量は、糖尿病と比較して肥満の治療に適している可能性がある。
【0118】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、80~120mgのSNAC、0.5~5mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、20~200mgのヒドロトロープ、および0.25~8mgの滑沢剤を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、80~120mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、20~200mgのヒドロトロープ、および0.25~8mgの滑沢剤を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、80~120mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、20~200mgのヒドロトロープ、および0.25~8mgの滑沢剤を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、80~120mgのSNAC、0.5~5mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、20~200mgのニコチンアミド、および0.25~8mgの滑沢剤を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、80~120mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、20~200mgのニコチンアミド、および0.25~8mgの滑沢剤を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、単位用量の組成物は、80~120mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、20~200mgのニコチンアミド、および0.25~8mgの滑沢剤を含む。
【0124】
剤形
組成物は、例えば、錠剤、コーティングされた錠剤、小袋、または硬質もしくは軟質ゼラチンカプセルなどのカプセルとして、いくつかの剤形で投与され得、そのようなすべての組成物は、固形経口剤形と見なされる。
【0125】
組成物は、例えば、安定性および/または溶解度を改善するために、または曝露量をさらに改善するために、薬物担体または薬剤送達系にさらに配合され得る。組成物は、凍結乾燥または噴霧乾燥組成物であり得る。
【0126】
組成物は、錠剤などの用量単位の形態であり得る。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、50mg~1000mgの範囲、例えば、50~750mg、または例えば、約100~500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、75mg~350mgの範囲、例えば、50~300mg、または100~400mgの範囲である。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、300mg~800mgの範囲、例えば、400~700mg、または500~600mgの範囲である。
【0127】
いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤へと圧縮される前に造粒され得る。組成物は、顆粒部分および/または顆粒外部分を含み得、顆粒部分は造粒されており、顆粒外部分は造粒後に添加されている。
【0128】
顆粒部分は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、および/またはヒドロトロープを含み得る。いくつかの実施形態では、顆粒部分は、さらなる賦形剤、例えば、滑沢剤および/または滑剤を含み得る。いくつかの実施形態では、顆粒部分は、SGLT2阻害剤、送達剤、およびヒドロトロープを含む。いくつかの実施形態では、顆粒部分は、送達剤およびヒドロトロープを含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、顆粒部分、顆粒外部分、または両方に含まれる。
【0130】
いくつかの実施形態では、顆粒部分は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリルを含む。
【0131】
GLP-1作動薬は、顆粒部分または顆粒外部分に含まれ得る。いくつかの実施形態では、顆粒外部分は、GLP-1作動薬を含む。SGLT2阻害剤は、顆粒部分または顆粒外部分に含まれ得る。いくつかの実施形態では、顆粒外部分は、SGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、顆粒外部分は、滑沢剤および/または滑剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、顆粒部分は、滑沢剤および/または滑剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、顆粒部分および顆粒外部分は、滑沢剤および/または滑剤を含み得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、滑沢剤および/または滑剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベへン酸グリセリルである。
【0133】
組成物の調製
本発明による組成物の調製は、当該技術分野で公知の方法に従って実施され得る。
【0134】
錠剤成形材料の乾燥ブレンドを調製するために、様々な構成要素を計量し、任意選択で砕塊またはふるい分けし、次いで組み合わせる。構成要素の混合は、均質なブレンドが得られるまで行われ得る。
【0135】
「顆粒」という用語は、固形用量製剤の調製に使用される粒子、顆粒、および凝集体の形態の医薬成分を広く指す。概して、顆粒は、粉末またはブレンドを処理して固形を得て、続いて固形を分解して所望のサイズの顆粒を得ることによって得られる。
【0136】
顆粒が錠剤成形材料に使用される場合、顆粒は、当業者に公知の様式で、例えば、「蓄積(built-up)」顆粒または「分解(broken-down)」顆粒の製造について公知の湿式造粒法を使用して、製造され得る。蓄積顆粒の形成のための方法は、連続的に操作し、かつ例えば、同時に、顆粒塊に造粒溶液を噴霧することと、例えばドラム型造粒機中で、パン造粒機中で、ディスク型造粒機上で、流動床中で、噴霧乾燥または噴霧凝固によって乾燥させることとを含み得るか、あるいは例えば、流動床中で、回転式流動床中で、高剪断ミキサもしくは低剪断ミキサなどのバッチミキサ中で、または噴霧乾燥ドラム中で、不連続的に操作し得る。分解顆粒の製造のための方法は、連続的または不連続的に行われ得、顆粒塊が最初に造粒溶液と湿潤凝集体を形成し、これが続いて粉砕されるか、または他の手段によって所望のサイズの顆粒に形成され、次いで、顆粒が乾燥され得る。造粒ステップに好適な装置は、遊星型ミキサ、低剪断ミキサ、高剪断ミキサ、押出機、およびスフェロナイザ、例えば、Loedige社、Glatt社、Diosna社、Fielder社、Collette社、Aeschbach社、Alexanderwerk社、Ytron社、Wyss&Probst社、Werner&Pfleiderer社、HKD社、Loser社、Fuji社、Nica社、Caleva社、およびGabler社製の装置であるが、これらに限定されない。顆粒はまた、賦形剤および/または活性医薬成分のうちの1つ以上が、圧縮されて比較的大きい成形物、例えば、スラグまたはリボンを形成し、これらが、すりつぶすことによって粉砕され、すりつぶされた材料が、後に圧縮される錠剤成形材料の役割を果たす、乾式造粒技法によっても形成され得る。乾式造粒に好適な装置は、Gerteis MICRO-PACTOR、MINI-PACTOR、およびMARCO-PACTORなどのGerteis製のローラ圧縮装置であるが、これらに限定されない。
【0137】
顆粒を得るさらなる方法としては、ホットメルト押出、噴霧乾燥、噴霧造粒、および/またはボールミル粉砕が挙げられ得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、本発明は、
i)セマグルチド、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)NACの塩、および
iv)ヒドロトロープを含む、組成物に関し、
組成物は、iii)およびiv)の、またはii)およびiii)およびiv)の、またはi)およびii)およびiii)およびiv)の、顆粒を含む。
【0139】
顆粒部分が送達剤およびヒドロトロープの両方を含む、いくつかの実施形態では、これらの賦形剤は、顆粒の調製前または調製中に共処理され得る。顆粒部分が送達剤およびヒドロトロープならびにSGLT2阻害剤を含む、いくつかの実施形態では、これらの成分は、顆粒の調製前または調製中に共処理され得る。
【0140】
造粒は、上記のような様々な方法によって得られ得、iii)およびiv)は、任意選択で、粉末として、または任意選択で両方の成分を含む1つ以上の溶液の調製によってのいずれかで最初に混合される。
【0141】
次いで、iii)およびiv)の、またはii)およびiii)およびiv)の、またはi)およびii)およびiii)およびiv)の顆粒が、ブレンドの乾式造粒によって、例えば、ローラ圧縮によって得られ得る。いくつかの実施形態では、成分は、押出物を得るためにホットメルト押出され得、押出物は、任意選択で、顆粒を得るために続いてミル粉砕される。次いで、この材料は、最終顆粒を得るために、直接、または乾式造粒/ローラ圧縮プロセスに使用され得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、個々の成分の、またはiii)およびiv)の、もしくはii)およびiii)およびiv)の、もしくはi)およびii)およびiii)およびiv)の溶液が調製され、噴霧造粒に供され、それによって顆粒が直接得られる。代替的に、1つ以上の溶液は、流動床噴霧造粒プロセスに使用され得る。いくつかの実施形態では、顆粒を得るために、噴霧乾燥、続いて乾式造粒/ローラ圧縮が使用され得る。
【0143】
均質な生成物を得るために、1つ以上のふるい分けステップが、最終乾式造粒ステップ/ローラ圧縮または錠剤圧縮の前に含まれ得る。
【0144】
錠剤成形材料を固形経口剤形、例えば、錠剤へと圧縮するために、錠剤プレスが使用され得る。錠剤プレスでは、錠剤成形材料は、ダイキャビティに充填(例えば、強制供給または重力供給)される。次いで、錠剤成形材料は、圧力を印加する一組のパンチによって圧縮される。続いて、得られた錠剤は、錠剤プレスから排出される。上述の錠剤成形プロセスは、本明細書ではこれ以降、「圧縮プロセス」と呼ばれる。好適な錠剤プレスとしては、回転式錠剤プレスおよび偏心錠剤プレスが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤プレスの例としては、Fette 102i(Fette GmbH)、Korsch XL100、Korsch PH 106回転式錠剤プレス(Korsch AG、Germany)、Korsch EK-O偏心錠剤成形プレス(Korsch AG、Germany)、およびManesty F-Press(Manesty Machines Ltd.、United Kingdom)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明による組成物を調製する方法に関する。いくつかの実施形態では、錠剤を調製する方法は、a)送達剤およびヒドロトロープ、ならびに任意選択でSGLT2阻害剤を造粒することと、b)a)の顆粒をGLP-1作動薬、および任意選択でSGLT2阻害剤とブレンドすることと、次いでc)ブレンドを錠剤に圧縮することと、を含む。造粒は、湿式造粒または乾式造粒であり得る。上記のように、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはベヘン酸グリセリルが、ステップa)、b)、および/またはc)に含まれ得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、本発明は、固形医薬組成物を製造するための方法に関し、この方法は、
i)NACの塩およびヒドロトロープを含むブレンドを得るか、またはNACの塩とヒドロトロープとの正しい比を保証する別個の供給装置を使用するステップと、
ii)i)のNACの塩およびヒドロトロープを共処理するステップと、
iii)ii)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、当該固形医薬組成物は、GLP-1作動薬セマグルチドおよびSGLT2阻害剤を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、方法は、固形医薬組成物を製造するためのものであり、この方法は、
i)NACの塩およびヒドロトロープを含むブレンドを得るか、またはNACの塩とヒドロトロープとの正しい比を保証する別個の供給装置を使用するステップと、
ii)i)の当該NACの塩およびヒドロトロープをホットメルト押出するステップと、
iii)ii)の押出物を使用して、当該固形医薬組成物、例えば、錠剤を調製するステップと、を含み、当該固形医薬組成物は、GLP-1作動薬セマグルチドおよびSGLT2阻害剤を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、噴流床または流体床噴霧造粒によって、当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)の溶液を処理することによって調製される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)の溶液の調製によって調製され、当該溶液は、次いで、(a)噴流床または流体床噴霧造粒によって処理され、(b)当該溶液は、任意選択で、別個の溶液として(a)のプロセスに供給される。
【0149】
方法は、本明細書に記載されるように、さらなるステップ、例えば、ii)の押出物を活性医薬成分および任意選択で任意のさらなる賦形剤と混合し、混合物を使用して当該固形医薬組成物を調製するステップを含み得る。方法は、本明細書に記載されるように、さらなるステップ、例えば、NACの塩およびヒドロトロープを共処理するときにSGLT2阻害剤を添加し、続いて、ii)の押出物を1つ以上の活性医薬成分および任意選択で任意のさらなる賦形剤と混合し、混合物を使用して当該固形医薬組成物を調製するステップを含み得る。
【0150】
医薬品の適応症
本発明はまた、医薬として使用するための本発明の組成物に関する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下の医学的処置に使用され得、すべては、好ましくは何らかの方法で糖尿病に関する。
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病などのすべての形態の糖尿病の予防および/または治療、および/またはHbA1Cの低減、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、
(iii)β細胞アポトーシスの減少、β細胞機能および/もしくはβ細胞質量の増加、ならびに/またはβ細胞へのグルコース感受性の回復などのβ細胞機能の改善、
(iv)認知障害の予防および/または治療、
(v)肥満などの摂食障害の予防および/または治療(例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による)、抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された過食性障害、神経性大食症、および/または肥満の治療もしくは予防、胃の運動の減少、および/または胃内容排出の遅延、
(vi)末梢神経障害を含む神経障害、腎症、または網膜症などの糖尿病合併症の予防および/または治療、
(vii)脂質パラメータの改善(脂質異常症の予防および/もしくは治療、総血清脂質の低下、HDLの低下、小型高密度LDLの低下、VLDLの低下、トリグリセリドの低下、コレステロールの低下、HDLの増加、ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下、またはインビトロおよび/もしくはインビトロでのアポリポタンパク質a(apo(a))の生成の阻害など)、
(iix)心血管疾患(X症候群、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈性心疾患、脳卒中、脳虚血、早期心臓または早期心血管疾患(左室肥大など)、虚血性心疾患、本態性高血圧、急性高血圧性発作、心筋症、心機能不全、運動耐性、慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、アテローム性動脈硬化、軽度の慢性心不全、狭心症、心臓バイパス再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、および/または収縮機能障害の予防および/または治療、
(ix)炎症性腸症候群、小腸症候群、クローン病、消化不良、および/または胃潰瘍などの胃腸疾患の予防および/または治療、
(x)重症疾患の予防および/または治療(重症患者、重症疾患の多発性神経障害(CIPNP)患者、および/もしくは潜在的なCIPNP患者の治療、重症疾患もしくはCIPNPの発症の予防、患者における全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防、治療、および/もしくは治癒、ならびに/または患者が入院中に菌血症、敗血症、および/もしくは敗血症性ショックを患うことの予防またはその可能性の低減など)、ならびに/または
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防および/または治療。
【0151】
いくつかの実施形態では、適応症は、(i)~(iii)および(v)~(iix)、例えば、適応症(i)、(ii)、および/もしくは(iii);または適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、および/もしくは適応症(iix)から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、適応症は、(i)である。いくつかの実施形態では、適応症は、(v)である。いくつかの実施形態では、適応症は、(iix)である。いくつかの実施形態では、適応症は、2型糖尿病および/または肥満である。
【0152】
いくつかの実施形態では、適応症は、2型糖尿病を有する成人における血糖管理を改善するための食事および運動の補助としてのものである。いくつかの実施形態では、適応症は、CV死のリスクを低減させるか、または駆出率(HFrEF)の低下もしくは駆出率(HFpEF)の保持を伴う心不全を有する成人における心不全の悪化を低減させる。
【0153】
本発明は、治療を必要とする個人の治療方法にさらに関し、この方法は、当該個人に治療活性量の本発明による組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、1回以上の用量単位が、それを必要とする当該個人に投与され得る。
【0154】
治療方法
本発明は、治療を必要とする対象を治療する方法であって、当該対象に治療有効量の本発明による組成物を投与することを含む、方法にさらに関する。いくつかの実施形態では、治療方法は、糖尿病もしくは肥満および/または本明細書で特定されるさらなる適応症の治療のためのものである。
【0155】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法が記載され、この方法は、その治療を必要とする対象に、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、NACの塩、ヒドロトロープ、および任意選択で滑沢剤を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法が記載され、この方法は、その治療を必要とする対象に、
i)0.1~50mgのセマグルチド、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)25~600mgのNACの塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、および
iv)20~600mg、例えば、50~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)0~20mgの滑沢剤を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-エプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブトリルアミノ)エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)の式を有するセマグルチドであり、NACの塩は、N(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である。
【0158】
ステアリン酸マグネシウムを含む、滑沢剤の様々な例が記載されている。組成物は、経口投与され、かつ錠剤、カプセル、または小袋の形態である。
【0159】
いくつかの実施形態では、1回以上の用量単位が、それを必要とする当該対象に投与され得る。
【0160】
併用療法
本発明による組成物を用いた治療はまた、抗糖尿病剤、抗肥満剤、食欲調整剤、抗高血圧剤、糖尿病に起因するかまたは糖尿病に関連する合併症の治療および/または予防のための薬剤、ならびに肥満に起因するかまたは肥満に関連する合併症および障害の治療および/または予防のための薬剤から選択される、1つ以上のさらなる活性医薬成分と組み合わされ得る。これらの薬理活性物質の例は、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取り込み調節剤、HMG CoA阻害剤としての抗高脂血症薬(スタチン)などの脂質代謝を修正する化合物、胃抑制ポリペプチド(GIP類似体)、食物摂取量を低下させる化合物、RXR作動薬、およびβ細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロチロキシン、ネテグリニド、レパグリニド;β遮断薬、例えば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロール、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル、およびラミプリル、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミル、およびα遮断薬、例えば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシン;CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)作動薬、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、PYY作動薬、Y2受容体作動薬、Y4受容体作動薬、混合Y2/Y4受容体作動薬、MC4(メラノコルチン4)作動薬、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)作動薬、CRF(コルチコトロピン放出因子)作動薬、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチン作動薬、β3作動薬、オキシントモジュリンおよび類似体、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動薬、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)作動薬、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)作動薬、ボンベシン作動薬、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)作動薬、UCP 2または3(非カップリングタンパク質2または3)調節剤、レプチン作動薬、DA作動薬(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)調節剤、TR β作動薬;ヒスタミンH3アンタゴニスト、胃抑制ポリペプチド作動薬またはアンタゴニスト(GIP類似体)、ガストリンおよびガストリン類似体である。
【0161】
別段の定めのない限り、範囲は、それらの終点を含む。いくつかの実施形態では、「1つ(a)」という用語は、「1つ以上」を意味する。いくつかの実施形態では、かつ本明細書に別段示されない限り、単数形で提示される用語はまた、複数の状況も含む。本明細書では、「約」という用語は、言及される値の±10%を意味し、その値を含む。
【0162】
本明細書に記載の本発明は、これに限定されないが、本明細書で以下に記載される実施形態および本文書の特許請求の範囲によってさらに定義される。
【0163】
実施形態
実施形態1.組成物であって、
i)GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)NACの塩、および
iv)ヒドロトロープを含む、組成物。
実施形態2.ヒドロトロープが、ニペコタミド、ニコチンアミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、N,Nジメチル尿素、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、サリチル酸ナトリウム、レゾルシノール、安息香酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、没食子酸エピガロカテキン、タンニン酸、およびゲンチシン酸ナトリウム塩水和物から成る群から選択される、実施形態1に記載の組成物。
実施形態3.ヒドロトロープが、ニペコタミド、ニコチンアミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、N,Nジメチル尿素、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、サリチル酸ナトリウム、レゾルシノール、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、没食子酸エピガロカテキン、タンニン酸、およびゲンチシン酸ナトリウム塩水和物から成る群から選択される、実施形態1に記載の組成物。
実施形態4.ヒドロトロープが、芳香環構造を含む、実施形態1~3のいずれかに記載の組成物。
実施形態5.ヒドロトロープが、安息香酸ナトリウムではない、実施形態1~4のいずれかに記載の組成物。
実施形態6.ヒドロトロープが、400g/mol未満の分子量を有する、実施形態1~5のいずれかに記載の組成物。
実施形態7.ヒドロトロープが、少なくとも80g/molの分子量を有する、実施形態1~6のいずれかに記載の組成物。
実施形態8.ヒドロトロープが、SNACの溶解度を少なくとも2倍高める、実施形態1~7のいずれかに記載の組成物。
実施形態9.ヒドロトロープが、SNACの溶解度を少なくとも5倍高める、実施形態1~8のいずれかに記載の組成物。
実施形態10.ヒドロトロープが、SNACの溶解度を少なくとも10倍高める、実施形態1~9のいずれかに記載の組成物。
実施形態11.溶解度が、pH6で200mg/mLのヒドロトロープの濃度で測定される、実施形態8~10のいずれかに記載の組成物。
実施形態12.溶解度が、室温として測定される、実施形態8~11のいずれかに記載の組成物。
実施形態13.溶解度が、本明細書のアッセイIに記載されるように測定される、実施形態8~11のいずれかに記載の組成物。
実施形態14.ヒドロトロープが、ニコチンアミドまたはレゾルシノールである、実施形態1に記載の組成物。
実施形態15.ヒドロトロープが、ニコチンアミドである、実施形態1に記載の組成物。
実施形態16.NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)が、少なくとも0.5である、実施形態1~15のいずれかに記載の組成物。
実施形態17.NACの塩/ヒドロトロープの比(w/w)が、0.5~10.0、または例えば、0.75~10.0、0.5~8.0、もしくは1~2.0である、実施形態1~16のいずれかに記載の組成物。
実施形態18.ヒドロトロープ/NACの塩の比(w/w)が、少なくとも0.1である、実施形態1~17のいずれかに記載の組成物。
実施形態19.ヒドロトロープ/NACの塩の比(w/w)が、0.1~5.0、または例えば、0.1~4.0、0.2~3.0、もしくは0.25~2.0である、実施形態1~18のいずれかに記載の組成物。
実施形態20.組成物が、滑沢剤を含む、実施形態1~19のいずれかに記載の組成物。
実施形態21.組成物が、他の賦形剤の総量の0.25~5w/w%の滑沢剤を含む、実施形態1~20のいずれかに記載の組成物。
実施形態22.組成物が、ステアリン酸マグネシウムおよびジベヘン酸グリセリルから選択される滑沢剤を含む、実施形態1~21のいずれかに記載の組成物。
実施形態23.組成物が、SNACおよびニコチンアミドの総量の0.25~5w/w%のステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1~22のいずれかに記載の組成物。
実施形態24.用量単位が、0.1~50mgのGLP-1作動薬を含む、実施形態1~23のいずれかに記載の組成物。
実施形態25.SLGT2阻害剤が、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグリフロジンから成る群から選択される、実施形態1~24のいずれかに記載の組成物。
実施形態26.SLGT2阻害剤が、ダパグリフロジンおよびエンパグリフロジンから成る群から選択される、実施形態1~25のいずれかに記載の組成物。
実施形態27.SLGT2阻害剤が、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である、実施形態1~26のいずれかに記載の組成物。
実施形態28.単位用量が、3~20mgのダパグリフロジン、例えば、5mgまたは10mgのダパグリフロジンを含む、実施形態1~27のいずれかに記載の組成物。
実施形態29.単位用量が、3~20mgのダパグリフロジン、例えば10mgのダパグリフロジンを含む、実施形態1~28のいずれかに記載の組成物。
実施形態30.単位用量が、5~50mgのエンパグリフロジン、例えば、25mgのエンパグリフロジンを含む、実施形態1~29のいずれかに記載の組成物。
実施形態31.NACの塩が、NACのナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩から成る群から選択される、実施形態1~30のいずれかに記載の組成物。
実施形態32.
i)GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)NACの塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iv)ニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)滑沢剤を含むか、またはそれらからなる、実施形態1~31のいずれかに記載の組成物。
実施形態33.
vi)セマグルチド、
vii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
viii)NACのナトリウム塩(SNAC)、
ix)ニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
x)滑沢剤を含むか、またはそれらからなる、実施形態1~32のいずれかに記載の組成物。
実施形態34.用量単位が、最大1000mgの当該NACの塩を含む、実施形態1~33のいずれかに記載の組成物。
実施形態35.単位投与量が、
i)0.1~50mgのGLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)50~600mgのNACの塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iv)50~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)0~20mgの滑沢剤、を含む、実施形態1~34のいずれかに記載の組成物。
実施形態36.単位投与量が、
i)0.1~50mg、例えば、0.1~25mgのGLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)50~600mgのNACの塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iv)50~400mgのニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)0~20mgの滑沢剤、を含む、実施形態1~35のいずれかに記載の組成物。
実施形態37.組成物が、固形組成物、例えば、固形経口剤形である、実施形態1~36のいずれかに記載の組成物。
実施形態38.組成物が、当該NACの塩を含む顆粒を含む、実施形態1~37のいずれかに記載の組成物。
実施形態39.組成物が、当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)および当該滑沢剤を含む顆粒を含む、実施形態1~38のいずれかに記載の組成物。
実施形態40.組成物が、当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)を含む顆粒を含む、実施形態1~39のいずれかに記載の組成物。
実施形態41.当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)および当該送達剤が、任意選択で、造粒前に共処理される、実施形態1~40のいずれかに記載の組成物。
実施形態42.顆粒が、ホットメルト押出、および任意選択でミル粉砕、噴霧造粒、湿式造粒、または乾式造粒によって得られる、実施形態1~41のいずれかに記載の組成物。
実施形態43.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)が、プロセス流に別個に供給される、実施形態1~42のいずれかに記載の組成物。
実施形態44.当該NACの塩、当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)、および任意選択で当該SGLT2阻害剤が、造粒前にブレンドされる、実施形態1~43のいずれかに記載の組成物。
実施形態45.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)、当該滑沢剤、ならびに任意選択で当該SGLT2阻害剤が、造粒前にブレンドされる、実施形態1~44のいずれかに記載の組成物。
実施形態46.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)ならびに当該滑沢剤が、プロセスに別個に供給される、実施形態1~45のいずれかに記載の組成物。
実施形態47.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)の溶液が、造粒前に調製される、実施形態1~46のいずれかに記載の組成物。
実施形態48.当該NACの塩、当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)、および任意選択で当該SGLT2阻害剤の溶液が、別個の溶液として調製され、かつプロセスに供給される、実施形態1~47のいずれかに記載の組成物。
実施形態49.顆粒が、噴霧造粒または湿式造粒によって得られる、実施形態1~48のいずれかに記載の組成物。
実施形態50.溶液が、乾式造粒の前に噴霧乾燥される、実施形態1~49のいずれかに記載の組成物。
実施形態51.顆粒が、ホットメルト押出、および任意選択でその後のミル粉砕によって得られる、実施形態1~50のいずれかに記載の組成物。
実施形態52.当該NACの塩、当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)、および任意選択で当該SGLT2阻害剤のブレンドが、ホットメルト押出される、実施形態1~51のいずれかに記載の組成物。
実施形態53.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)が、ホットメルト押出の前に押出機に別個に供給される、実施形態1~52のいずれかに記載の組成物。
実施形態54.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)、ならびに当該滑沢剤のブレンドが、ホットメルト押出される、実施形態1~53のいずれかに記載の組成物。
実施形態55.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)、ならびに当該滑沢剤が、ホットメルト押出の前に押出機に別個に供給される、実施形態1~54のいずれかに記載の組成物。
実施形態56.押出物が、ミル粉砕される、実施形態1~55のいずれかに記載の組成物。
実施形態57.顆粒が、ローラ圧縮によって得られる、実施形態1~56のいずれかに記載の組成物。
実施形態58.共処理されたNACの塩およびヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)の顆粒が、ふるい分けられる、実施形態1~57のいずれかに記載の組成物。
実施形態59.ミル粉砕されたホットメルト押出物が、50~500μmのスクリーンを通してふるい分けされる、実施形態1~58のいずれかに記載の組成物。
実施形態60.噴霧乾燥されたか、またはローラ圧縮された生成物が、50~500μmのスクリーンを通してふるい分けされる、実施形態1~59のいずれかに記載の組成物。
実施形態61.顆粒が、噴霧造粒によって得られる、実施形態1~60のいずれかに記載の組成物。
実施形態62.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)の溶液が、噴流床または流体床噴霧造粒によって処理される、実施形態1~61のいずれかに記載の組成物。
実施形態63.当該NACの塩および当該ヒドロトロープ(例えば、ニコチンアミドまたはレゾルシノール)の溶液が、別個の溶液として調製され、プロセスに供給され、かつ噴流床または流体床噴霧造粒によって処理されている、実施形態1~62のいずれかに記載の組成物。
実施形態64.造粒生成物が、100~500μmのスクリーンを通してふるい分けされる、実施形態1~63のいずれかに記載の組成物。
実施形態65.組成物が、顆粒外部分を含む、実施形態1~64のいずれかに記載の組成物。
実施形態66.顆粒が、圧縮前に任意のさらなる賦形剤および/または医薬活性成分とブレンドされる、実施形態1~65のいずれかに記載の組成物。
実施形態67.ヒドロトロープが、顆粒内部分に含まれる、実施形態1~66のいずれかに記載の組成物。
実施形態68.GLP-1作動薬が、顆粒外部分に含まれる、実施形態1~67のいずれかに記載の組成物。
実施形態69.GLP-1作動薬およびSLGT2阻害剤が、顆粒外部分に含まれる、実施形態1~68のいずれかに記載の組成物。
実施形態70.SLGT2阻害剤が、顆粒内部分に含まれる、実施形態1~69のいずれかに記載の組成物。
SLGT2阻害剤が、顆粒内および/または顆粒外部分に含まれる、実施形態1~69のいずれかに記載の組成物。
実施形態71.組成物が、
a)送達剤およびヒドロトロープ、ならびに任意選択でSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒するステップと、
b)a)の顆粒を、GLP-1作動薬、および任意選択でSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤と混合するステップと、
c)b)のブレンドを圧縮するステップと、を含む方法によって製造される、実施形態1~70のいずれかに記載の組成物。
実施形態72.組成物が、
a)送達剤およびヒドロトロープ、ならびに任意選択でSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤を造粒するステップと、
b)a)の顆粒を、GLP-1作動薬、および任意選択でSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤と混合するステップと、
c)b)のブレンドを圧縮するステップと、を含む方法によって製造される、実施形態1~71のいずれかに記載の組成物。
実施形態73.
i)GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)、
ii)1~50mgのSGLT2阻害剤、
iii)NACの塩、
iv)ニコチンアミドまたはレゾルシノール、および
v)任意選択で滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムからなる、組成物。
実施形態74.当該SLGT2阻害剤が、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグリフロジン(例えば、ダパグリフロジンおよびエンパグリフロジン)から成る群から選択される、実施形態1~73のいずれかに記載の組成物。
実施形態75.NACの塩が、NACのナトリウム塩(SNAC)である、実施形態1~74のいずれかに記載の組成物。
実施形態76.ヒドロトロープが、ニコチンアミドである、実施形態1~75に記載の組成物。
実施形態77.組成物が、医薬組成物である、実施形態1~76のいずれかに記載の組成物。
実施形態78.組成物が、経口投与用である、実施形態1~77のいずれかに記載の組成物。
実施形態79.組成物が、固形組成物、例えば、経口投与用の錠剤、カプセル、または小袋である、実施形態1~78のいずれかに記載の組成物。
実施形態80.当該GLP-1作動薬が、1つ以上の置換、欠失、付加、および/または修飾を任意選択で含む、GLP-1(7-37)(配列番号1)を含む、実施形態1~79のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態81.当該GLP-1作動薬が、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大12個のアミノ酸を含む、実施形態1~80のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態82.当該GLP-1作動薬が、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大10個のアミノ酸を含む、実施形態1~81のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態83.当該GLP-1作動薬が、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大8個のアミノ酸を含む、実施形態1~82のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態84.当該GLP-1作動薬が、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって改変されている、最大6個のアミノ酸を含む、実施形態1~83のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態85.当該GLP-1作動薬が、1つ以上の置換基を含む、実施形態1~84のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態86.当該置換基が、リンカー、例えば、1つ以上のOEGを含む、実施形態1~85のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態87.当該リンカーが、当該置換基において、当該置換基と当該GLP-1作動薬中のペプチドとの間の付着点の近位に位置する、実施形態1~86のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態88.当該GLP-1作動薬が、最大500pMのEC50(HSAなし)を有する、実施形態1~87のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態89.当該GLP-1作動薬が、セマグルチド、化合物A、および化合物Bから成る群から選択される、実施形態1~88のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態90.当該GLP-1作動薬が、セマグルチドである、実施形態1~89のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態91.当該GLP-1作動薬が、化合物Aである、実施形態1~90のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態92.当該GLP-1作動薬が、化合物Bである、実施形態1~91のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態93.組成物が、糖尿病および/または肥満を治療する方法に使用するための医薬組成物である、実施形態1~92のいずれかに記載の組成物。
実施形態94.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)を共処理するステップと、
ii)i)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
当該固形医薬組成物が、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)およびSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤を含む、方法。
実施形態95.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)を含むブレンドを得るか、または成分を別個に供給するステップと、
ii)i)のブレンドまたは成分を共処理するステップと、
iii)ii)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
当該固形医薬組成物がまた、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)およびSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤を含む、方法。
実施形態96.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに/または任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)をプロセスに供給するステップと、
ii)i)の成分を共処理するステップと、
iii)ii)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
当該固形医薬組成物がまた、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)およびSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤を含む、方法。
実施形態97.実施形態1~96のいずれかに記載の固形医薬組成物を製造するための方法であって、当該共処理ステップが、
a)ホットメルト押出、
b)噴霧造粒、
c)乾式造粒、または
d)噴霧乾燥によって実施される、方法。
実施形態98.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープ(ならびに任意選択でSGLT2阻害剤および/または滑沢剤)を含むブレンドを得るか、または成分を別個に供給するステップと、
ii)i)のブレンドまたは成分をホットメルト押出するステップと、
iii)任意選択で、ii)の押出物をミル粉砕するステップと、
iv)iii)の生成物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
当該固形医薬組成物が、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)およびSGLT2阻害剤、ならびに/または滑沢剤を含む、方法。
実施形態99.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープを含むブレンドを得るか、または成分を別個に供給するステップと、
ii)i)のブレンドまたは成分を共処理するステップと、
iii)ii)の生成物を、活性医薬成分、および任意選択で任意のさらなる賦形剤と混合するステップと、
iv)iii)の混合物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
当該固形医薬組成物が、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)およびSGLT2阻害剤を含む、方法。
実施形態100.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩およびヒドロトロープを含むブレンドを得るか、または成分を別個に供給するステップと、
ii)i)のブレンドまたは成分をホットメルト押出するステップと、
iii)ii)の押出物をミル粉砕するステップと、
iv)iii)の生成物を、活性医薬成分、および任意選択で任意のさらなる賦形剤と混合するステップと、
v)iv)の混合物を使用して、当該固形医薬組成物を調製するステップと、を含み、
当該固形医薬組成物が、GLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)およびSGLT2阻害剤を含む、方法。
実施形態101.医薬組成物が、実施形態1~92のいずれかのように定義される、実施形態93~99のいずれかに記載の組成物を製造するための方法。
実施形態102.糖尿病または肥満の治療のための方法であって、その治療を必要としている対象に、治療有効量の、実施形態1~92のいずれか1つに定義されるとおりの組成物、または実施形態93~100のいずれか1つに定義されるような方法によって製造される組成物を投与することを含む、方法。
実施形態103.当該組成物が、1日1回またはそれ以下の頻度で投与される、実施形態100に記載の方法。
【実施例】
【0164】
材料および方法
アッセイI:選択したヒドロトロープと組み合わせたSNAC溶解度
ヒドロトロープを計量し、5mLの超純水(200mg/mL)有に溶解し、pHを、2MのHClの添加によってpH6に滴定した。続いて、SNAC(200mg)を試料に添加し、磁気撹拌器(400rpm)に置く。pHを、2MのHClの添加によって実験全体を通してpH6に維持する。
【0165】
室温で4時間インキュベーションした後、試料を、0.45μmのシリンジフィルタを通して濾過し、溶液中のSNACの濃度を、SNACの検出のためのRP-HPLC法を使用して決定する。試料含有量を、SNAC参照のピーク面積に対するクロマトグラムにおけるSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。
【0166】
アッセイII:様々な濃度のニコチンアミドおよびレゾルシノール中のSNAC溶解度
ニコチンアミドまたはレゾルシノールを計量し、5mLの超純水中に溶解して、
図1Aおよび1Bに示される最終濃度にし、pHを、2MのHClの添加によってpH6に滴定した。続いて、SNAC(200mg)を、磁気撹拌器(400rpm)上に置いた試料に添加し、pHを、2MのHClの添加によって実験全体を通してpH6に維持する。
【0167】
4時間インキュベーションした後、試料を、0.45μmのシリンジフィルタを通して濾過し、溶液中のSNACの濃度を、SNACの検出のためのRP-HPLC法を使用して決定する。試料含有量を、SNAC参照のピーク面積に対するクロマトグラムにおけるSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。結果を、
図1に示し、両方のヒドロトロープのSNAC溶解度に対する濃度依存的効果を実証する。
【0168】
アッセイIII:溶解試験
溶解試験を、適切な溶解装置、例えば、USP溶解装置2で実施し、欧州薬局方(Ph Eur 2.9.3)に従う標準溶解試験を実施して、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACのインビトロでの放出を測定し得る。
【0169】
本明細書に記載のデータは、50rpmのパドル回転速度を使用して、米国薬局方35に従い、装置2を使用して取得する(参照Dおよび組成物D1~D3)か、または75rpmのバスケット回転を使用して、米国薬局方35に従い、装置1を使用して取得する(組成物D4およびD5)。pH6.8で試験するために、0.05Mのリン酸緩衝液の500mLの溶解媒体を、37±0.5℃の温度で使用する。溶解媒体は、0.1%のBrij35の含有量を有する。試料採取を、適切な間隔で行った。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの三重検出のためのRP-UHPLC方法を使用して決定する。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNAC参照のピーク面積のそれぞれに対するクロマトグラムにおけるGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの放出量を、錠剤中の実際の含有量、すなわち、100/300mg/錠剤のSNACおよび3/14mg/錠剤のGLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)および10mg/錠剤のSGLT2阻害剤のパーセンテージとして計算する。錠剤中の実際の含有量を、アッセイIVを使用して決定する。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の累積放出量を、3錠の平均として報告し得、本明細書に提示したデータは、最高値に正規化されている。
【0170】
アッセイIV:GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの量の分析
GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACを、錠剤から抽出する。錠剤を、20%のアセトニトリルを用いて、適切な量の0.05Mのリン酸緩衝液(pH7.4)中に溶解する。2時間の抽出時間を使用し、試料を、分析前に遠心分離する。適切なGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの標準を、試料と同じ希釈剤を使用することによって調製する。UV検出器または蛍光検出器を有するUHPLCを、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNAC含有量を決定するために使用する。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNAC参照のピーク面積のそれぞれに対するクロマトグラムにおけるGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。
【0171】
錠剤調製のための一般的方法
方法1:ホットメルト押出
ホットメルト押出を、Thermo Scientific Process 11二軸押出機上で行う。SNACおよびニコチンアミドまたはレゾルシノールを、Turbulaミキサ上でブレンドした後、押出機に供給する(7分25rpm)。装置を、メルト押出を容易にするために、バレルに沿って200~105℃で変動する処理温度で操作する。スクリュー速度は、50~1000rpmで変動し、材料を、様々な供給速度で重量測定供給機を使用して押出機に供給し、2mm径の円形ダイを通して押出する。得られた押出物を、355~150μmの最終メッシュスクリーンを使用して手動で顆粒にふるい分ける。
【0172】
方法2:錠剤圧縮のためのブレンド
ブレンドを、中間顆粒とGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤との手動での幾何混合によって、続いてTurbulaミキサ上でのブレンド(7分、25rpm)によって行う。ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリルを含む組成物において、これを、125μmまたは355μmのメッシュを通してふるい分け、手動での幾何混合によって、続いてTurbulaミキサ上でブレンドすること(2分、25rpm)によって、二次ブレンドステップに加えた。
【0173】
方法3:錠剤調製
錠剤を、Kilian Style One(Kilian Styl’Oneと呼ばれ得る)または1組のパンチを取り付けられたFette 102I上で製造し、スコアを有しない5.75mm×10mm、7.5mm×13mm、または8.5mm×16mmの楕円形の化合物カップ錠剤を得る。パンチサイズを、錠剤総重量に従って選択する。Kilian Style Oneについては、プレス速度を10%または20rpmに設定し、Fette 102iについては、プレス速度を20rpmに設定する。充填体積を調整して、組成に基づいて目標重量を有する錠剤を得る。約3~25kNの圧縮力を印加して、錠剤サイズに対してそれぞれ約20~120Nの破砕強度を有する錠剤を得る。
【0174】
実施例1-選択したヒドロトロープと組み合わせたSNAC溶解度
一連の18個の異なるヒドロトロープを、アッセイIに従う試験のために選択した。得られた結果を、表1に提示し、ヒドロトロープの大部分が、SNACの溶解度を有意に高めることを実証する。
【表1】
【0175】
実施例2-セマグルチドおよびSGLT2阻害剤を含む固形組成物
異なる量のGLP-1作動薬セマグルチド、SGLT2阻害剤、SNAC、およびさらなる賦形剤を有する錠剤を調製した。調製した組成物の含有量を、表2に提供する。SGLT2阻害剤Aは、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物である。組成物D1~D3およびD4~D5を、概して、上記の方法1および方法2および方法3に記載されるように調製した。参照組成物Dを、概して、国際公開第2013/139694号に記載されるように調製した。SGLT2阻害剤を、顆粒外に添加した。
【表2】
【0176】
実施例3-溶解試験
本研究の目的は、実施例2に記載の組成物の溶解を評価することであった。
【0177】
溶解をアッセイIIIに従って測定し、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤およびSNACの量を、アッセイIVに従って測定した。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤およびSNACの放出量を、試験組成物中の実際の含有量の割合として計算した(すなわち、100/300mg/錠剤のSNACおよび10mg/錠剤のSGLT2阻害剤および3/14mg/錠剤のGLP-1作動薬)。放出されたGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の量を、3錠の平均として報告する。
【0178】
表3および表4は、上記の実施例1に従って調製した試験化合物の結果を示し、ここで、放出を、実験開始時の錠剤中のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の総量に対する15、30、および60分後の溶液中のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の量を記載する「溶液中のGLP-1作動薬(%)」および「溶液中のSGLT2阻害剤(%)」として提示する。提示したデータは、最高値に正規化されている。錠剤中のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤およびSNACの総含有量を、アッセイIVに従って決定した。
【表3】
【表4】
【0179】
参照DについてのアッセイIIIに従う溶解試験の70分以内の最高値に対して正規化した表3および表4に得られたデータを、表5に示し、一方、組成物D1~D5については、すべての時点についてのすべての結果は、表3および表4から変化しないまま、すなわち「完全放出」であった。
【表5】
【0180】
得られた結果は、試験組成物D1~D3およびD4~D5が、参照Dについて観察されたものと比較して、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤のより迅速な放出を示すことを示す。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の有意により迅速な放出を、早期の時点、すなわち、15および30分で観察した。放出の差は、60分後には有意ではなかった。試験組成物中のSNACの量は、15分後のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出に影響を与えなかった。すなわち、100mgのSNACを含む試験組成物は、300mgのSNACを含む試験組成物と同じ速さで溶解する。試験組成物D1~D3について5、10、15、20、30、45、および60分後に得られたさらなるデータを、
図2に示し、試験組成物D1~D3が、50分の時点まで参照Dよりも優れていることを実証する。
【0181】
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、ここで、多くの修正、置換、変更、および等価物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にあるそのようなすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。
【配列表】
【国際調査報告】