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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】梁と柱との接続
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20230113BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
E04B1/58 508R
E04B1/24 H
E04B1/58 508F
E04B1/58 508H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527863
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 US2020060488
(87)【国際公開番号】W WO2021097266
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/934,967
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516277440
【氏名又は名称】マイテック・ホールディングズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MiTek Holdings, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】アダムズ,ジャレッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ラフェジー,ベーザッド
(72)【発明者】
【氏名】フイン,クアン ミン
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA03
2E125AA13
2E125AB01
2E125AB16
2E125AC15
2E125AC16
2E125AG12
2E125AG45
2E125BB02
2E125BB13
2E125BC02
2E125BD01
2E125BE02
2E125BF08
2E125CA05
(57)【要約】
建築物の躯体の継手接続構造は、柱と、柱の対向する側部に接続され且つ柱から横方向外側に延在する一対のガセットプレートと、を備える柱アセンブリを備える。梁アセンブリは、上部フランジと、下部フランジと、一対のガセットプレートの間に受け入れられる端部とを有する梁を備える。梁アセンブリは、柱アセンブリにボルト止めされる。梁アセンブリの柱アセンブリへの接続を容易にするために、チャンネルが柱及び梁の一方に取り付けられる。チャンネルには、チャンネルを柱及び梁の一方に取り付けるための細長いスロットが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と、前記柱の対向する側部に接続され且つ前記柱から横方向外側に延在する一対のガセットプレートとを備える柱アセンブリと、
上面、下面、及び前記一対のガセットプレートの間に受け入れられる端部を有する梁を備え、前記柱アセンブリにボルト止めされている梁アセンブリと、
前記梁アセンブリの前記柱アセンブリへの接続を容易にするために前記柱及び梁の一方に取り付けられたチャンネルであって、当該チャンネルを前記柱及び梁の一方に取り付けるための細長いスロットが形成されたチャンネルと、
を備える、建築物の躯体の継手接続構造。
【請求項2】
前記チャンネルを前記柱及び梁の一方にボルト止めするために前記細長いスロットを通じて延在するボルト、又は前記チャンネルを前記柱及び梁の一方に溶接するために前記スロット内にある溶接部の一方を更に備える、請求項1に記載の継手接続構造。
【請求項3】
ボルトを更に備え、前記柱及び梁の一方には、一対のボルト穴が形成され、前記細長いスロットは、前記一対のボルト穴と整列し、前記チャンネルを前記柱及び梁の少なくとも一方に取り付けるためにボルトを受け入れる、請求項2に記載の継手接続構造。
【請求項4】
前記チャンネルには、前記チャンネルが前記柱及び梁の一方にボルト止めされたときに、前記柱及び梁の一方のボルト穴と整列しない第2の細長いスロットが形成されている、請求項3に記載の継手接続構造。
【請求項5】
前記柱は、前記梁に向いた側面を有し、前記チャンネルは、前記側面に取り付けられている、請求項1に記載の継手接続構造。
【請求項6】
前記チャンネルは、ベース部と、前記ベース部の側部から外側に突出する一対のアーム部とを有し、前記ベース部は、前記柱の前記側面の縁部を越えて横方向に延在している、請求項5に記載の継手接続構造。
【請求項7】
前記ガセットプレートは、前記チャンネルのアーム部にボルト止めされている、請求項6に記載の継手接続構造。
【請求項8】
前記チャンネルは、前記梁の上面及び下面の一方に取り付けられている、請求項1に記載の継手接続構造。
【請求項9】
前記チャンネルは、ベース部と、前記ベース部の側部から外側に突出する一対のアーム部とを有し、前記ベース部は、前記梁の上面及び下面の一方の縁部を越えて横方向に延在している、請求項1に記載の継手接続構造。
【請求項10】
前記ガセットプレートは、前記チャンネルのアーム部にボルト止めされている、請求項9に記載の継手接続構造。
【請求項11】
前記チャンネルは、(i)板を曲げる、別々に形成されたアーム部をベース部に接続する、又は単一部材として鋳造する、のうちの1つで形成されている、請求項1に記載の継手接続構造。
【請求項12】
柱の長手方向に延在する横向きの側面であって側縁部を有する側面を有する柱と、
前記側面に直接的に取り付けられたチャンネルであって、ベース部と、前記ベース部の側部から外側に突出する一対のアーム部とを有し、前記ベース部が前記柱の側面の側縁部を越えて横方向に延在している、チャンネルと、
前記柱の対向する側部で前記チャンネルに直接的に取り付けられ、前記柱から横方向外側に延在する一対のガセットプレートと、
を備える、組立式柱アセンブリ。
【請求項13】
前記ガセットプレートを前記柱に接続するために、前記ガセットプレート及びチャンネルに設けられたボルト及びボルト穴を更に備える、請求項12に記載の柱アセンブリ。
【請求項14】
前記チャンネルのベース部は、前記柱のフランジの幅よりも大きい幅を有する、請求項12に記載の柱アセンブリ。
【請求項15】
前記チャンネルは、(i)板を曲げる、別々に形成されたアーム部をベース部に接続する、又は単一部材として鋳造する、のうちの1つで形成されている、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項16】
上面及び下面を有する梁であって、前記上面及び下面の各々が前記梁の長手方向に延在する側縁部を有する、梁と、
前記梁の上面及び下面の一方に直接的に取り付けられたチャンネルであって、ベース部と、前記ベース部の側部から外側に突出する一対のアーム部とを有し、前記ベース部が前記梁の上面及び下面の一方の側縁部を越えて横方向に延在している、チャンネルと、
を備える、組立式梁アセンブリ。
【請求項17】
梁アセンブリを柱アセンブリに接続するために、前記チャンネルのアーム部内にボルトを受け入れるためのボルト穴を更に備える、請求項16に記載の梁アセンブリ。
【請求項18】
前記チャンネルのベース部は、前記梁の上面及び下面の一方の幅よりも大きい幅を有する、請求項16に記載の梁アセンブリ。
【請求項19】
前記チャンネルは、(i)板を曲げる、別々に形成されたアーム部をベース部に接続する、又は単一部材として鋳造する、のうちの1つで形成されている、請求項16に記載の梁アセンブリ。
【請求項20】
フランジを有する柱と、
前記フランジの外面にボルト止めされた第1接続部材と、
前記フランジの内面にボルト止めされた第2接続部材と、
前記柱から横方向外側に延在する一対のガセットプレートと、
前記柱の対向する側部で前記ガセットプレートを前記第1接続部材と前記第2接続部材とに取り付けるボルトと、
を備える、組立式柱アセンブリ。
【請求項21】
前記第1接続部材は、一対の第1接続部材で構成され、前記第2接続部材は、一対の第2接続部材で構成される、請求項20に記載の柱アセンブリ。
【請求項22】
前記第1接続部材及び前記第2接続部材は、アングル材で構成される、請求項20に記載の柱アセンブリ。
【請求項23】
各アングル材は、前記柱にボルト止めされた第1アーム部と、ガセットプレートにボルト止めされた第2アーム部とを有する、請求項22に記載の柱アセンブリ。
【請求項24】
前記第1接続部材及び前記第2接続部材のそれぞれは、板を曲げる、別々に形成された部品を接続する、又は単一部材として鋳造する、のうちの1つで形成されている、請求項20に記載の柱アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梁と柱との接続を容易にするために梁及び柱の少なくとも一方に取り付けられた少なくとも1つのチャンネルを有する梁と柱との接続に向けられたものである。当該チャンネルは、建築物の躯体の組立中に梁と柱との間の適切な適合を保証するために、寸法が比較的厳しい公差内に維持されることがより容易な構造を提供する。
【背景技術】
【0002】
構造用鋼製躯体を有するモーメント抵抗建築物において、地震又は他の極端な荷重条件のエネルギの大部分が、建築物の梁と柱との継手部又はその付近で、吸収され消散されることが見出されている。
【0003】
モーメント抵抗建築物、タワー、及び類似の構造物の構造用鋼材建設において、梁のフランジは、最も一般的には、完全溶込み溶接、レ形溶接、溝溶接によって柱の面に溶接されている。従って、梁と柱との接続部は、拘束力の強い溶接で構成されている。垂直荷重、すなわち、床の重量や床にかかる荷重は、梁のウェブにボルト止め又は溶接されるとともに柱の面にボルト止め又は溶接された垂直剪断タブ又は背中合わせに配置された一対の垂直構造アングル材によって伝達されると、多くの人が考えていたし、今もそう考えられている。
【0004】
梁にかかる垂直荷重の大部分は、梁のウェブにボルト止め又は溶接されるとともに梁の両端部で柱のフランジ面にボルト止め又は溶接された剪断タブによって伝達されると考えるのが一般的である。柱に溶接された対面するガセットプレートの使用を通じて、垂直荷重の大部分は、ガセットプレートによって伝達される。
【0005】
経験上、梁のフランジを柱に直接的に溶接する慣行は、地震、爆発、竜巻、及び他の惨事に対する耐性に不確実及び/又は不適当であることが分かっている。このような接続手段や溶接慣行は、突然の溶接部の破壊、柱フランジ面からのディボットの引き抜き、柱フランジや柱ウェブの亀裂、その他の様々な不具合を引き起こしてきた。このような高度に拘束された溶接部は、地震エネルギ、又は他の大きな力の消散のための信頼できる機構を提供せず、溶接部及び柱、特に梁-柱継手部の局所における柱のフランジ及び柱のウェブ(「パネルゾーン」として知られている)の脆性破壊につながる可能性がある。
【0006】
惨事に対して建築物の脆弱性をより抑えるために、梁-柱接続部において、より大きな強度、延性、及び継手回転能力を達成することが望ましい。より大きな接続強度、延性、及び継手回転能力は、横方向及び縦方向の両平面における大きなモーメントに抵抗する際に特に望ましい。すなわち、鉄骨造の建築物の梁-柱モーメント抵抗接続部は、層間横揺れにより、垂直面で大きな回転要求を受ける可能性がある。工学的分析、設計、及び実大試験により、梁と柱とにかかる大きな梁-柱接続部の回転に抵抗し耐える方法で梁-柱接続部を強化することによって、以前の鉄骨接続技術を大幅に改良できることが判明した。すなわち、梁-柱接続部は、強靭で延性のあるモーメント抵抗接続部でなければならない。
【0007】
共同出願された米国特許明細書第5,660,017号、第6,138,427号、第6,516,583号、第8,205,408号(ホートンら)には、従来の慣行とガセットプレートの使用による梁と柱との間の構造的接続の改善について更なる考察がなされている。これらの特許は、ホートンらによる側板技術の建設業における商業的に顕在化された改良を示すものである。当初、側板構造は、梁-柱接続部の品質を大幅に向上させるために導入された。更に、より高い経済性を達成するとともに、より一般的な組立技術を促進するために、全長梁を使用した側板技術を提供するなどの改良が加えられた。
【発明の概要】
【0008】
一態様において、建築物の躯体の継手接続構造は、一般に、柱と、柱の対向する側部に接続され且つ柱から横方向外側に延在する一対のガセットプレートとを備える柱アセンブリを備える。梁アセンブリは、上部フランジと、下部フランジと、一対のガセットプレート間に受け入れられる端部とを有する梁を備える。梁アセンブリは、柱アセンブリにボルト止めされる。柱及び梁の一方に取り付けられたチャンネルは、梁アセンブリの柱アセンブリへの接続を容易にする。チャンネルには、チャンネルを柱及び梁の一方に取り付けるための細長いスロットが形成されている。
【0009】
別の態様において、組立式柱アセンブリは、一般に、側縁部を有するフランジを有する柱を備える。フランジに直接的に取り付けられるチャンネルは、ベース部と、ベース部の側部から外側に突出する一対のアーム部とを有する。ベース部は、フランジの側縁部を越えて横方向に延在している。柱の対向する側部でチャンネルに直接的に取り付けられた一対のガセットプレートは、柱から横方向外側に延在している。
【0010】
更に別の態様において、組立式梁アセンブリは、一般に、側縁部を有するフランジを有する梁を備える。フランジに直接的に取り付けられたチャンネルは、ベース部と、ベース部の側部から外側に突出する一対のアーム部とを有する。ベース部は、フランジの側縁部を越えて横方向に延在している。
【0011】
本発明の更なる態様において、組立式柱アセンブリは、一般に、フランジを有する柱を備える。第1接続部材は、フランジの外面にボルト止めされ、第2接続部材は、フランジの内面にボルト止めされる。一対のガセットプレートは、柱から横方向外側に延在する。ボルトは、柱の対向する側部でガセットプレートを第1接続部材及び第2接続部材に取り付ける。
【0012】
以下、本発明の他の特徴は、以下に部分的に明らかにされ且つ部分的に指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】梁-柱継手接続構造で使用するための柱アセンブリの断片的な斜視図である。
図2図1の柱アセンブリの正面図である。
図3A図1の柱アセンブリの上面図である。
図3B】代替構成における柱アセンブリのチャンネルを示す柱アセンブリの上面図である。
図4図1の柱アセンブリの側面図である。
図5図1の柱アセンブリと共に使用するための全長梁アセンブリの断片的な斜視図である。
図6図5の梁アセンブリの正面図である。
図7A図5の梁アセンブリの側面図である。
図7B】代替構成における梁アセンブリのチャンネルを示す梁アセンブリの側面図である。
図8図5の梁アセンブリの上面図である。
図9】梁-柱継手接続構造で使用するための別の実施形態の柱アセンブリの断片的な斜視図である。
図10図9の柱アセンブリの側面図である。
図11図9の柱アセンブリと共に使用するための別の実施形態の全長梁アセンブリの断片的な斜視図である。
図12図11の梁アセンブリの上面図である。
図13】別の実施形態の梁-柱継手接続構造の断片的な斜視図である。
図14図13の梁-柱継手接続構造の正面図である。
図15図13の梁-柱継手接続構造の上面図である。
図16図13の梁-柱継手接続構造の側面図である。
図17図13の梁-柱継手接続構造の柱アセンブリの断片的な斜視図である。
図18図17の柱アセンブリの正面図である。
図19図17の柱アセンブリの上面図である。
図20図17の柱アセンブリの側面図である。
図21図13の梁-柱継手接続構造の全長梁アセンブリの断片的な斜視図である。
図22図21の梁アセンブリの正面図である。
図23図21の梁アセンブリの上面図である。
図24図21の梁アセンブリの側面図である。
図25】他の実施形態の梁-柱継手接続構造の断片的な斜視図である。
図26図25の梁-柱継手接続構造の正面図である。
図27図25の梁-柱継手接続構造の上面図である。
図28図25の梁-柱継手接続構造の側面図である。
図29A】他の実施形態の梁-柱継手接続構造の前方の断片的な斜視図である。
図29B図29Aの梁-柱継手接続構造の後方の断片的な斜視図である。
図30図29Aの梁-柱継手接続構造の正面図である。
図31図29Aの梁-柱継手接続構造の上面図である。
図32図29Aの梁-柱継手接続構造の右側面図である。
図33図29Aの梁-柱継手接続構造の左側面図である。
図34A図29A及び図29Bにおける梁-柱継手接続構造の柱アセンブリの前方の断片的な斜視図である。
図34B図34Aの柱アセンブリの後方の断片的な斜視図である。
図35図34Aにおける柱アセンブリの正面図である。
図36図34Aの柱アセンブリの上面図である。
図37図34Aの柱アセンブリの右側面図である。
図38図34Aの柱アセンブリの左側面図である。
図39図29A及び図29Bの梁-柱継手接続構造の全長梁アセンブリの断片的な斜視図である。
図40図39の梁アセンブリの正面図である。
図41図39の梁アセンブリの上面図である。
図42図39の梁アセンブリの側面図である。
図43】梁-柱継手接続構造で使用するための別の実施形態の柱アセンブリの断片的な斜視図である。
図44図43の柱アセンブリの正面図である。
図45図43の柱アセンブリの上面図である。
図46図43の柱アセンブリの右側面図である。
図47】柱アセンブリのアングル材が取り外された図43の柱アセンブリの左側面図である。
図48図43の柱アセンブリと共に使用するための全長梁アセンブリの断片的な斜視図である。
図49図48の梁アセンブリの正面図である。
図50図48の梁アセンブリの上面図である。
図51図48の梁アセンブリの側面図である。
【0014】
対応する参照符号は、図面全体を通して対応する部品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図12を参照すると、本開示の梁-柱モーメント抵抗継手接続構造が示されている。継手接続構造は、建築物の躯体の建設に使用され得る。図示された実施形態において、継手接続部は、柱15を備える柱アセンブリ13(図1)を、全長梁19を備える全長梁アセンブリ17(図5)に接続する。図示された実施形態において、柱15は、I形梁又はH形柱である。従って、柱15は、フランジ16と、フランジ間に延在するウェブ18とを有する。しかしながら、柱15は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の適切な断面形状の中空管(例えば、HSS柱)など、他の構成を有してもよい。同様に、全長梁19は、フランジと、フランジ間に延在するウェブとを有するI形梁又はH形梁である。しかしながら、梁は、任意の適切な断面形状の中空管(例えば、HSS梁)など、他の構成を有してもよい。本明細書で使用される「全長」は、建築物の躯体において隣接する柱15の間に全長にわたって延在するのに十分な長さを有する一体的なピースである梁を指す。しかしながら、本発明の範囲に入るために、梁は「全長」である必要はない。
【0016】
図1図4を参照すると、間隔をおいて平行に垂直方向及び水平方向に延在する一対のガセットプレート21が、梁アセンブリ17(図5に示す)が柱アセンブリ13に取り付けられるとき、柱15及び梁19を挟む。柱15の各フランジ16の梁向き面28(図4)には、チャンネル25C(広義には「接続部材」)が配置されている。従って、柱アセンブリ13は、フランジ16のそれぞれの梁向き面28(広義には「柱の側面」)に取り付けられた一対のチャンネル25Cを備える。各チャンネル25Cは、柱15の長さに沿って延在する長さと、柱の長さに概ね垂直で且つ柱の幅に概ね平行に延在する幅とを有する。柱15の幅は、フランジ16の長手方向に延在する側縁部の間に延在している。チャンネル25Cの幅は、当該チャンネルが柱の対向する側部においてフランジ16の長手方向に延在する縁部を越えて横方向外側に延在するように、柱15の幅よりも大きい。
【0017】
図1及び図3Aを参照すると、チャンネル25Cは、ガセットプレート21を柱15の対向する側部に接続する。図示された実施形態において、チャンネル25Cは、柱15の梁向き面28の1つに取り付けられた垂直方向に延在するベース部22と、ベース部から離れる方向に曲がった一対のアーム部24とによって画定されるU字形断面を有している。アーム部24は、柱の長さに対して概ね垂直に延在する方向にベース部22から外側に突出している。チャンネル25Cのベース部22は、任意の適切な方法で柱15に取り付けられる。一実施形態において、各チャンネル25Cのベース部22は、チャンネル25Cの細長いスロット27Cと整列した柱のボルト穴26Aを通じて延在するボルト(図示せず)によって、柱15の各梁向き面28にボルト止めされている(図4)。図示の実施形態において、水平方向に延在し且つ垂直方向に間隔を空けて配置されたスロット27Cは、チャンネル25Cのベース部22に形成され、柱フランジ16の梁向き面28の円形ボルト穴26Aと整列するように位置決め可能である。一実施形態において、スロット27Cは、柱フランジ16の水平方向に間隔をあけた一対のボルト穴26Aと整列するように構成される。従って、柱フランジ16は、垂直方向に間隔を空けて配置された複数対のボルト穴26Aを有する。スロット27Cの水平方向の延長部は、水平方向の対の2つのボルト穴26Aの間の横方向の間隔の変動を考慮する。従って、スロット27Cは、チャンネルを柱15に取り付けるために、ボルトを受け入れるためのチャンネル25Cの開口部内でボルト穴26Aが整列することを保証する。それにより、スロット27Cは、柱15のフランジ16の円形ボルト穴26Aとの不整合を許さない円形ボルト穴と比較して利点を提供する。
【0018】
更に、チャンネル25Cのスロット27Cの少なくとも1つは、柱15の関連するフランジ16のボルト穴26Aの水平方向の対と意図的に整列していなくてもよい(図4)。不整列スロット27Cは、極端な負荷の下で、継手接続部がチャンネル25Cで、より詳細にはチャンネルの不整列スロット27Cの1以上で、柱15又は梁19の前に破損するように、継手接続部の降伏点として機能するように構成されてもよい。図示された実施形態において、整列スロット27C及び不整列スロット27Cは、チャンネル25Cの長さに沿って交互に配置される。従って、フランジ16のボルト穴26Aの垂直方向の間隔は、一般に、チャンネル25Cの1つおきのスロット27Cの間の垂直方向の間隔に対応する。他の配置及びスロット構成が、本発明の範囲内で使用されてもよい。
【0019】
図から分かるように、柱15自体ではなく、チャンネル25Cが、ガセットプレート21を柱15に取り付けるための構造を提供する。特に、チャンネル25Cのアーム部24の外面は、チャンネルのアーム部及び各ガセットプレートの整列したボルト穴26Aを通じて延在する垂直方向に間隔を空けたボルト(図示せず)によって、各ガセットプレート21の内面にボルト止めされている。図示の実施形態において、ガセットプレート21は、柱の対向する側部において梁を挟むように、梁19と平行な方向に柱15の両フランジを越えて延在している。従って、チャンネル25Cは、柱15の両方のフランジ16上に配置される。しかしながら、柱アセンブリ13がフランジ16の一方のみにチャンネル25Cを備えてもよいことは理解されるであろう。チャンネル25Cの1つの利点は、梁アセンブリ17の柱アセンブリ13への接続を可能にするため、ガセットプレート21が互いから適切に間隔を置かれることを保証するように、非常に近い公差(すなわち、柱15よりも近い公差)で製造できることである。これにより、建設現場において梁アセンブリを柱アセンブリ13に取り付けるために、適切なクリアランスでガセットプレート間に梁アセンブリ17を受け入れることがより確実になる。チャンネル25Cは、単一部材で形成されてもよいし、制御された間隔で互いに剛的に固定された多数の部品で形成されてもよい。
【0020】
また、垂直方向に間隔を空けた複数のスロット27Cの代わりに、別の実施形態の柱アセンブリ13’は、チャンネル25C’のベース部22’の長さに沿って延在する単一の閉じた長円形のアールの開口部27C’を有するチャンネル25C’を備えてもよい(図9及び図10)。この実施形態において、チャンネル25C’は、溶接部29’で柱15’に溶接されてもよい。溶接部は、ベース部22’の横方向に延在する(上下の)長手方向端部及び柱フランジ16’の梁向き面28’に沿って延在してもよい。また、溶接部29’は、閉じた長円形のアールの開口部27C’に配置されてもよい。ガセットプレート21’は、柱15’にボルト止めされてもよい。
【0021】
図5図8を参照すると、チャンネル25A(広義には「接続部材」)は、梁の端部で一般に梁19の上部フランジ31(広義には「上面」)上に配置されてもよい。チャンネル25Aは、梁19の長さに沿って延在する長さと、梁19の長さに対して概ね垂直で且つ梁の幅に対して概ね平行に延在する幅とを有する。梁19の幅は、梁19のフランジ(例えば、上部フランジ31又は下部フランジ33)の対向する側部において長手方向に延在する縁部の間に延在している。チャンネル25Aの幅は、チャンネルが梁の対向面で梁19の上部フランジ31の長手方向に延在する縁部を越えて横方向に延在するように、梁19の幅よりも大きい。チャンネル25Aは、梁19の上部フランジ31に取り付けられた水平ベース部34と、ベース部から上方に曲げられた一対の垂直アーム部36とによって画定される断面U字形である。アーム部36は、梁の長さに対して概ね垂直に延在する方向にベース部34から突出している。チャンネル25Aのベース部34は、任意の適切な方法で梁19に取り付けられてもよい。一実施形態において、チャンネル25Aのベース部34は、チャンネル25A内の細長いスロット27Aと整列した梁内のボルト穴26Aを通じて延在するボルト(図示せず)によって梁19の上部フランジにボルト止めされる。図示の実施形態において、水平方向に延在し且つ水平方向に間隔を空けて配置されたスロット27Aが、チャンネル25Aのベース部34に形成され、上部フランジ31の円形ボルト穴26Aと整列するように位置決め可能である。ボルト穴26Aは、梁19の長さに沿って間隔を空けて配置される複数の対で配置されている。各スロット27Aは、梁19の長さに概ね垂直な方向に沿って延在し、スロットは、梁の長さに概ね平行な方向に沿って隣接するスロットから間隔を空けて配置される。一実施形態において、スロット27Aは、上部フランジ31の水平方向に間隔を空けたボルト穴26Aの複数の対のうちの1つと整列するように構成される。
【0022】
チャンネル25Aは、梁がガセットプレート間に受け入れられたときに、ガセットプレート21を梁19の上部フランジ31に接続する。スロット27Aの水平方向の延長部は、水平方向の対の2つのボルト穴26A間の横方向の間隔のばらつきを考慮する。従って、スロット27Aは、チャンネルを梁19に取り付けるために、ボルトを受け入れるためのチャンネル25Aの開口部内でボルト穴26Aが整列することを保証する。それにより、スロット27Aは、梁19の上部フランジ31の円形ボルト穴26Aとの不整列を許さない円形ボルト穴を超える利点を提供する。
【0023】
更に、チャンネル25A内のスロット27Aの少なくとも1つは、梁19の上部フランジ31内のボルト穴26Aの水平方向の対と意図的に整列していなくてもよい。不整列のスロット27Aは、極端な負荷の下で、梁19又は柱15の前にチャンネル25Aで継手接続部が破損するように、継手接続部の降伏点として機能するように構成されてもよい。図示された実施形態において、整列スロット27A及び不整列スロット27Aは、チャンネル25Aの長さに沿って交互に配置される。従って、上部フランジ31のボルト穴26Aの水平方向の間隔は、一般に、チャンネル25A内の1つおきのスロット27A間の水平方向の間隔に対応する。他の配置及びスロット構成が、本発明の範囲内で使用されてもよい。
【0024】
図から分かるように、梁19自体ではなく、チャンネル25Aが、ガセットプレート21を梁に取り付けるための構造を提供する。具体的には、チャンネル25Aのアーム部36の外面は、チャンネルのアーム部及びそれぞれのガセットプレートの整列したボルト穴26Aを通じて延在する水平方向に間隔を空けたボルト(図示せず)によって、それぞれのガセットプレート21の内面にボルト止めされる。従って、チャンネル25Aは、ガセットプレート21を梁19に取り付けるための構造を提供する。チャンネル25Aの1つの利点は、梁アセンブリ17の柱アセンブリ13への接続を可能にするために、ガセットプレート21に取り付けるための接続点が互いから適切に間隔を空けられていることを保証するために、非常に近い公差(すなわち、梁19よりも近い公差)で製造することができることである。これにより、建設現場で梁アセンブリを柱アセンブリ13に取り付けるために、適切なクリアランスでガセットプレート間に梁アセンブリ17を受け入れることができることがより確実になる。チャンネル25A~25Cは、単一部材で形成されてよいし、制御された間隔で互いに固定的に接続された多数の部品で形成されてもよい。
【0025】
また、水平方向に間隔を空けた複数のスロット27Aの代わりに、別の実施形態の梁アセンブリ17’は、チャンネル25A’のベース部34’の長さに沿って延在する単一の閉じた長円形のアールの開口部37A’を有するチャンネル25Aを備えてもよい(図11及び図12)。この実施形態において、チャンネル25A’は、溶接部29’で梁19’に溶接されてもよい。溶接部29’は、ベース部34’の横方向に延在する縁部と、梁19’の上部フランジ31’の上面との間に配置されてもよい。また、溶接部29’は、チャンネル25A’のベース部34’の下面と上部フランジ31’の長手方向に延在する側縁部との間に配置されてもよい。溶接部29’は、閉じた長円形のアールの開口部37A’に配置されてもよい。
【0026】
図5図7Bを参照すると、チャンネル25B(広義には「接続部材」)は、梁の端部で一般に梁19の下部フランジ33(広義には「下面」)上に配置されてもよい。チャンネル25Bは、梁19の長さに沿って延在する長さと、梁19の長さに対して概ね垂直で且つ梁の幅に対して概ね平行に延在する幅とを有する。チャンネル25Bの幅は、チャンネルが梁の対向面で梁19の下部フランジ33の長手方向に延在する縁部を越えて横方向に延在するように、梁19の幅よりも大きい。チャンネル25Bは、梁19の下部フランジ33に取り付けられた水平ベース部38と、梁の長さに対して概ね垂直に延在する方向にベース部から下方に曲げられた一対の垂直アーム部40とによって画定される断面U字形を有している。チャンネル25Bのベース部38は、任意の適切な方法で梁19に取り付けられてもよい。一実施形態において、チャンネル25Bのベース部38は、チャンネル25Bの細長いスロット27Bと整列した梁のボルト穴26Aを通じて延在するボルト(図示せず)によって梁19の下部フランジにボルト止めされる。図示の実施形態において、水平方向に延在し且つ水平方向に間隔を空けて配置されたスロット27Bが、チャンネル25Bのベース部38に形成され、下部フランジ33の円形ボルト穴26Aと整列するように位置決め可能である。ボルト穴26Aは、梁19の長さに沿って間隔を空けて配置される複数の対で配置されている。各スロット27Bは、梁19の長さに概ね垂直な方向に沿って延在し、スロットは、梁の長さに概ね平行な方向に沿って隣接するスロットから間隔を空けて配置されている。一実施形態において、スロット27Bは、下部フランジ33の水平方向に間隔を空けたボルト穴26Aの複数の対のうちの1つと整列するように構成される。
【0027】
チャンネル25Bは、梁がガセットプレート間に受け入れられたときに、ガセットプレート21を梁19の下部フランジ33に接続する。スロット27Bの水平方向の延長部は、水平方向の対の2つのボルト穴26A間の横方向の間隔のばらつきを考慮する。従って、スロット27Bは、チャンネルを梁19に取り付けるために、ボルトを受け入れるためのチャンネル25Bの開口部内でボルト穴26Aが整列することを保証する。それにより、スロット27Bは、梁19の下部フランジ33の円形ボルト穴26Aとの不整列を許さない円形ボルト穴を超える利点を提供する。
【0028】
更に、チャンネル25B内のスロット27Bの少なくとも1つは、梁19の下部フランジ33内のボルト穴26Aの水平方向の対と意図的に整列していなくてもよい。不整列スロット27Bは、極端な負荷の下で、梁19又は柱15の前にチャンネル25Bで継手接続部が破損するように、継手接続部の降伏点として機能するように構成されてもよい。図示された実施形態において、整列スロット27B及び不整列スロット27Bは、チャンネル25Bの長さに沿って交互に配置される。従って、下部フランジ33のボルト穴26Aの水平方向の間隔は、一般に、チャンネル25Bの1つおきのスロット27Bの間の水平方向の間隔に対応する。
【0029】
図から分かるように、梁19自体ではなく、チャンネル25Bが、ガセットプレート21を梁に取り付けるための構造を提供する。具体的には、チャンネル25Bのアーム部40の外面は、チャンネルのアーム部及び各ガセットプレートの整列したボルト穴26Aを通じて延在する水平方向に間隔を空けたボルト(図示せず)によって、各ガセットプレート21の内面にボルト止めされる。従って、チャンネル25Bは、ガセットプレート21を梁19に取り付けるための構造を提供する。チャンネル25Bの1つの利点は、梁アセンブリ17の柱アセンブリ13への接続を可能にするために、ガセットプレート21に取り付けるための接続点が互いから適切に間隔を空けられていることを保証するために、非常に近い公差(すなわち、梁19よりも近い公差)で製造できることである。これにより、建設現場で梁アセンブリを柱アセンブリ13に取り付けるために、梁アセンブリ17を適切なクリアランスでガセットプレート間に受け入れることがより確実になる。
【0030】
また、水平方向に間隔を空けた複数のスロット27Bの代わりに、別の実施形態の梁アセンブリ17’は、チャンネル25B’のベース部38’の長さに沿って延在する単一の閉じた長円形のアールの開口部(図示せず)を有するチャンネル25B’を備えてもよい(図11)。この実施形態において、チャンネル25B’は、溶接部29’で梁19’に溶接されてもよい。溶接部(図示せず)は、チャンネル25B’のベース部38’の横方向に延在する縁部と、梁19’の下部フランジ33’の下面との間に配置されてもよい。また、溶接部29’は、チャンネル25B’のベース部38’の上面と下部フランジ33'の長手方向に延在する側縁部との間に配置されてもよい。また、溶接部(図示せず)は、閉じた長円形のアールの開口部(図示せず)内に配置されてもよい。
【0031】
チャンネル25A,25B,25Cが柱15、梁19、及びガセットプレート21よりも優先的に降伏するように構成されている全ての場合において、柱、梁、及びガセットプレートが無傷のままであるので、破壊事象が生じた後に継手接続部を修理することができる。より具体的には、地震などの大災害の後に、チャンネル25A,25B,25Cを交換し、建築物を構造的に健全な状態に回復することができる。
【0032】
図13図24を参照すると、別の実施形態の梁-柱モーメント抵抗継手接続構造が、111で示されている。この継手接続構造は、建築物の躯体の建設に使用され得る。図示された実施形態において、継手接続部は、柱115を備える柱アセンブリ113を、全長梁119を備える全長梁アセンブリ117に接続する。図示された実施形態において、柱115は、中空の矩形柱(「HSS柱」)である。しかしながら、柱は、本開示の範囲から逸脱することなく、I形梁、H形梁、又は円形状などの他の構成を有してもよい。
【0033】
継手接続構造111は、第1の実施形態で梁19に取り付けられたチャンネル25A,25Bのスロット27が取り除かれ、代わりにボルト126がチャンネル125A,125Bの整列したボルト穴126A及び梁119の各フランジ131,133に受け入れられてチャンネルを梁に取り付けている以外は、第1の実施形態と実質的に同様である。更に、ボルト126は、ガセットプレート121を柱115に(例えば、柱の側面に)直接的に取り付ける。従って、第1の実施形態において、柱15に取り付けられたチャンネル25Cは、省略される。しかしながら、特徴の組み合わせが想定されるため、ガセットプレート121は、柱115の面に取り付けられたチャンネル(図示せず)によって接続されてもよい。
【0034】
図25図28を参照すると、別の実施形態の梁-柱モーメント抵抗接合構造が、211で示されている。継手接続構造211は、建築物の躯体の建設に使用され得る。図示された実施形態において、継手接続部211は、柱215を備える柱アセンブリ213を、全長梁219を備える全長梁アセンブリ217に接続する。継手接続部は、柱215の梁向きフランジ216(広義には「側面」)にボルト止めされた第1チャンネル225A及び第2チャンネル225Bを備える。梁219は、チャンネル225A,225Bの間に受け入れられ、チャンネルにボルト止めされて、梁が柱215に取り付けられる。各チャンネル225A,225Bの一端部は、チャンネルを柱215にボルト止めするための表面を提供するために、チャンネルと一体に形成されたチャンネルタブによって閉じられている。チャンネル225Cは、柱215のフランジ216の内面にボルト止めされ、継手接続部において柱を補強する。ボルトは、フランジ216及びチャンネル225A,225Bのチャンネルタブを貫通して延在する。この実施形態において、チャンネル225Cのベース部239は、柱215のウェブ218に接触し且つそれを横切って延在する。また、チャンネル225Cは、チャンネルのアーム部241が柱フランジ216の外向きの表面に係合するように、柱215に取り付けられてもよい(例えば、ボルト止めされてもよい)。この実施形態において、梁219上のチャンネル225A,225Bは、チャンネル225Cのアーム部に直接的にボルト止めされ、それによってチャンネル225A,225Bが柱215に取り付けられる。
【0035】
図29A図42を参照すると、別の実施形態の梁-柱モーメント抵抗継手接続構造が、311で示されている。継手接続構造311は、建築物の躯体の建設に使用され得る。図示された実施形態において、継手接続部311は、柱315を備える柱アセンブリ313を、全長梁319を備える全長梁アセンブリ317に接続する。ボルト326は、柱アセンブリ313を梁アセンブリ317に取り付ける。また、ボルト326は、ガセットプレート321を柱315に取り付け、カバープレート325Aを梁319の上部フランジに取り付け、アングル材325Bを梁の下部フランジに取り付ける。
【0036】
本明細書に記載された実施形態のいずれかに使用されるアングル材は、適切な方法で形成することができる。例えば、限定するものではないが、アングル材は、平板を曲げることによって、部品を別々に形成してボルト溶接又は他の適切な接続でそれらを一緒に接続することによって、及び、アーム部及びベース部を有する単一部材としてアングル材を鋳造することによって形成されてもよい。鋳造は、アングル材のベース部の寸法及び相対位置を正確に制御して、継手接続を行う際の精度を更に高めることができるという利点がある。また、アングル材は、加工された板状部分として形成されてもよい。
【0037】
図43図51を参照すると、別の実施形態の梁-柱モーメント抵抗継手接続構造が示されている。この継手接続構造は、建築物の躯体の建設に使用され得る。図示された実施形態において、継手接続部は、柱415を備える柱アセンブリ413を、全長梁419を備える全長梁アセンブリ417に接続する。ボルト(図示せず)は、柱アセンブリ413を梁アセンブリ417に取り付ける。ボルト426は、ガセットプレート421を柱415に取り付ける。アングル材425Cは、アングル材の第1アーム部において、柱415のフランジ416の内面及び外面にボルト止めされている。アングル材425Cの第2アーム部は、ガセットプレート421を柱415に取り付けるために、ガセットプレート421にボルト止めされている。図示された実施形態において、各アングル材425Cの第2アーム部は、第1アーム部から直交して延在している。カバープレート425Aは、梁419の上部フランジ431に429で溶接され、アングル材425Bは、梁の下部フランジ433に溶接される。カバープレート425Aは、カバープレートの長さに沿って延在する長円形のアールのスロット開口部430を有する。
【0038】
本明細書に記載された実施形態のいずれかに使用されるチャンネルは、適切な方法で形成することができる。例えば、限定するものではないが、チャンネルは、平板からアーム部を曲げ上げることによって、アーム部とベース部を別々に形成してボルト溶接又は他の適切な接続でアーム部をベース部に取り付けることによって、及び、アーム部及びベース部を有する単一部材としてチャンネルを鋳造することによって形成されてもよい。鋳造は、ベース部及びアーム部の寸法及び相対位置を正確に制御して、継手接続を行う際の精度を更に高めることができる点で一定の利点がある。また、チャンネル及び接続部材は、加工された板状部分として形成されてもよい。
【0039】
他の継手接続構造は、共同出願された米国特許第9,091,065号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(本発明の他の記載)
【0040】
AA.ウェブと当該ウェブの対向する側部にあるフランジとを有する柱を備える柱アセンブリと、
前記柱に取り付けられ、前記フランジの間に位置する柱チャンネルと、
梁を備える梁アセンブリと、
第1及び第2梁チャンネルであって、第1及び第2梁チャンネルの各々が、ベース部と、ベース部の両縁部から外側に突出するアーム部と、前記ベース部の端部で前記ベース部から突出するチャンネルタブとを有し、前記梁に直接的に接続されている、第1及び第2梁チャンネルと、
を備え、
前記チャンネルタブ及び前記柱チャンネルは、前記柱のフランジに直接的に取り付けられる、建築物の躯体の継手接続構造。
【0041】
AB.前記柱チャンネル、前記柱フランジ、及び、前記第1及び第2梁チャンネルの一方のチャンネルタブを貫通して延在するボルトを更に備える、AAの継手接続構造。
【0042】
BA.管状の柱と、
前記柱の対向する側部にボルト止めされたガセットプレートと、
前記ガセットプレートにボルト止めされたガセットプレート接続部材と、
梁と、
前記梁にボルト止めされるとともに前記ガセットプレート接続部材にボルト止めされて、前記梁を前記ガセットプレートに取り付ける梁接続部材と、
を備える、建築物の躯体の継手接続構造。
【0043】
本発明の構成要素又はその1以上の実施形態を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、その構成要素が1以上存在することを意味することを意図している。用語「comprising」、「including」、及び「having」は、包括的であることを意図しており、記載された構成要素以外の付加的な構成要素が存在する可能性があることを意味する。
【0044】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記装置、システム、及び方法において様々な変更がなされ得るので、上記説明に含まれ、添付の図面に示された全ての事柄は、例示的なものとして解釈され、限定的な意味ではないことを意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
【国際調査報告】