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特表2023-502067癌治療のためのBTK阻害剤及びMDM2阻害剤の組合せ
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  • 特表-癌治療のためのBTK阻害剤及びMDM2阻害剤の組合せ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】癌治療のためのBTK阻害剤及びMDM2阻害剤の組合せ
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20230113BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 31/45 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P35/02
A61P43/00 105
A61P7/00
A61K31/45
A61K31/519
A61K31/4985
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528065
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 US2020060422
(87)【国際公開番号】W WO2021097213
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/935,178
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/012,723
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522188118
【氏名又は名称】クオーグ アイピー ホールディングス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】QUOGUE IP HOLDINGS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロスバウム, ウェイン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA51
4C084ZB21
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086CB05
4C086CB06
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択されるB細胞性血液悪性腫瘍を含めた、癌を治療するための治療法及び医薬組成物。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を、治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法。
【請求項2】
前記MDM2阻害剤が、前記BTK阻害剤の投与の前に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MDM2阻害剤が、前記BTK阻害剤の投与と同時に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MDM2阻害剤が、前記BTK阻害剤の投与の後に前記対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記MDM2阻害剤が、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記MDM2阻害剤の治療有効量が、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記BTK阻害剤が、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記BTK阻害剤の治療有効量が、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記癌がB細胞性血液悪性腫瘍である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記B細胞性血液悪性腫瘍が、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記癌が、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む、医薬組成物。
【請求項13】
前記MDM2阻害剤が、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩のうちのいずれか1つである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記MDM2阻害剤の治療有効量が、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記BTK阻害剤が、表2から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩のうちのいずれか1つである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記BTK阻害剤の治療有効量が、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記癌がB細胞性血液悪性腫瘍である、請求項12~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記B細胞性血液悪性腫瘍が、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記癌が、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む、組合せ物。
【請求項21】
医薬組成物の形態にある、請求項20に記載の組合せ物。
【請求項22】
2種以上の医薬組成物、及び任意選択で、前記医薬組成物を同時に、別個に、又は逐次的に投与するための指示を提供する添付文書又はラベルを含むキットであって、前記2種以上の医薬組成物が、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を一緒に含む、キットの形態にある、請求項20に記載の組合せ物。
【請求項23】
前記MDM2阻害剤が、表1における化合物又はその薬学的に許容できる塩のうちのいずれかから選択される化合物である、請求項20~22のいずれか一項に記載の組合せ物。
【請求項24】
前記MDM2阻害剤の治療有効量が、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される、請求項23に記載の組合せ物。
【請求項25】
前記BTK阻害剤が、表2における化合物又はその薬学的に許容できる塩のうちのいずれかから選択される化合物である、請求項20~22のいずれか一項に記載の組合せ物。
【請求項26】
前記BTK阻害剤の治療有効量が、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される、請求項25に記載の組合せ物。
【請求項27】
癌の治療における使用のための、請求項20~26のいずれか一項に記載の組合せ物。
【請求項28】
前記癌がB細胞性血液悪性腫瘍である、請求項27に記載の組合せ物。
【請求項29】
前記B細胞性血液悪性腫瘍が、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される、請求項27に記載の組合せ物。
【請求項30】
前記癌が、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]マウスダブルミニッツ(mouse double minute)2ホモログ(MDM2)阻害剤及びBTK阻害剤の組合せを使用して、癌を治療する方法。
【背景技術】
【0002】
[0002]p53は、細胞周期停止、アポトーシス、老化、及びDNA修復に関わる数多くの遺伝子の転写を活性化することによって細胞ストレスに応答する、腫瘍抑制因子及び転写因子である。p53活性化の原因となることが滅多にない正常細胞とは異なり、腫瘍細胞は、低酸素及びアポトーシス促進性癌遺伝子活性化を含めた、様々な傷害からの絶え間ない細胞ストレスの下にある。ゆえに、腫瘍においてp53経路の不活性化の強力な選択的利点があり、p53機能を排除することが腫瘍生存の必要条件であり得ると提唱されている。この考えを支持して、3つのグループの研究者らは、マウスモデルを使用して、p53機能の欠如が、確立された腫瘍の維持の連続的要件であることを実証している。研究者らが、不活性化p53を有する腫瘍にp53機能を回復させた場合、腫瘍は退縮した。
【0003】
[0003]p53は、固形腫瘍の50%及び液性腫瘍の10%において、変異及び/又は喪失によって不活化される。p53経路の他の主要なメンバーも、癌において遺伝子的に又はエピジェネティック的に変更される。癌タンパク質であるMDM2は、p53機能を阻害し、MDM2は、10%もの高さであることが報告されている発生率の遺伝子増幅によって活性化され、MDM2は、今度は、別の腫瘍抑制因子p14ARFによって阻害される。p53の下流の変更は、p53 WT腫瘍(p53野生型)におけるp53経路を少なくとも部分的に不活性化することの原因となることがあると示唆されている。この概念を支持して、一部のp53WT腫瘍は、アポトーシス能の低下を呈するようであるが、但し、細胞周期停止を受けるそれらp53WT腫瘍の能力は無傷のままである。1つの癌治療ストラテジーは、MDM2に結合し、p53とのMDM2の相互作用を中和する小分子の使用を伴う。MDM2は、3つのメカニズム:1)E3ユビキチンリガーゼとして作用して、p53分解を促進する;2)p53転写活性化ドメインに結合し且つ遮断する;及び3)p53を核から細胞質にエクスポートする、によってp53活性を阻害する。これらのメカニズムの3つすべては、MDM2-p53相互作用を中和することによって遮断されるであろう。特に、この治療的ストラテジーは、p53 WTである腫瘍に適用され得、小分子MDM2阻害剤を用いた研究は、インビトロ及びインビボの両方で、腫瘍成長の有望な低下を生じさせている。さらに、p53不活性化腫瘍を有する患者において、MDM2阻害による正常組織における野生型p53の安定化は、細胞分裂毒からの正常組織の選択的保護を可能にすることができる。本明細書において使用するとき、MDM2とはヒトMDM2タンパク質を意味し、p53とはヒトp53タンパク質を意味する。ヒトMDM2は、HDM2又はhMDM2とも称され得ることに留意する。いくつかのMDM2阻害剤は、様々な癌の治療についてヒト治験中である。
【0004】
[0004]ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞及び骨髄細胞において発現される、Tecファミリー非受容体型タンパク質キナーゼである。肥満細胞にあるB細胞受容体(BCR)及びFcεR1の関与によって活性化されるシグナル伝達経路におけるBTKの機能は十分に立証されている。加えて、Toll様受容体シグナル伝達における下流標的としてのBTKに対する機能が示唆された。ヒトにおけるBTKの機能的変異は、プロB細胞段階とプレB細胞との間の遮断によるB細胞発達の欠損によって特徴付けられるXLAと呼ばれる原発性免疫不全疾患をもたらす。この疾患は、ヒトにおけるBリンパ球のほぼ完全な欠如をもたらし、すべてのクラスの血清免疫グロブリンの顕著な低下を引き起こす。これらの知見は、自己免疫疾患における自己抗体の産生の調節におけるBTKの主要な役割を裏付けている。加えて、BTKの調節は、B細胞による炎症促進性サイトカイン及びケモカインのBCR誘導性産生に影響を及ぼすことがあり、自己免疫疾患の治療におけるBTKの幅広い潜在性を示す。
【0005】
[0005]FcεR媒介性肥満細胞活性化におけるBTKに対して報告された調節的役割に関して、BTK阻害剤は、アレルギー応答の治療における潜在性も示すことができる(Gilfillan、Immunological Reviews、2009、288、149~169ページ)。
【0006】
[0006]さらに、BTKは、RANKL誘導性破骨細胞分化に関わることも報告されており(Shinohara、Cell、2008、132、794~806ページ)、それゆえ、骨吸収障害の治療に対する関心対象でもあることがある。
【0007】
[0007]機能不全B細胞に対する重要な役割に関する他の疾患は、B細胞性悪性腫瘍である。実際のところ、抗CD20療法は、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、及び慢性リンパ性白血病の治療に対して臨床で有効に使用されている(Lim、Haematologica、2010、95、135~143ページ)。B細胞の増殖及びアポトーシスの調節におけるBTKの報告された役割は、B細胞リンパ腫の治療においてもBTK阻害剤の潜在性があることを示す。BTKの阻害は、慢性活動性BCRシグナル伝達に起因して、特にB細胞リンパ腫に関連があるように思われる(Davis、Nature、2010、463、88~92ページ)。
【0008】
[0008]本発明は、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤を用いる、ヒト対象における癌を治療する方法に関する。
【発明の概要】
【0009】
[0009]本発明は、治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法に関する。
【0010】
[0010]一実施形態において、MDM2阻害剤は、BTK阻害剤の投与の前に投与される。
【0011】
[0011]一実施形態において、MDM2阻害剤は、BTK阻害剤の投与と同時に投与される。
【0012】
[0012]一実施形態において、MDM2阻害剤は、BTK阻害剤の投与の後に対象に投与される。
【0013】
[0013]一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0014】
[0014]一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)の化合物又は式(II)の化合物である:
【化1】
【0015】
[0015]一実施形態において、MDM2阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0016】
[0016]一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0017】
[0017]一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)の化合物(イブルチニブ)又は式(IV)の化合物(アカラブルチニブ)である:
【化2】
【0018】
[0018]一実施形態において、BTK阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0019】
[0019]一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。
【0020】
[0020]一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。
【0021】
[0021]一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0022】
[0022]別の態様において、本発明は、癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む医薬組成物に関する。
【0023】
[0023]一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0024】
[0024]一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)の化合物又は式(II)の化合物である:
【化3】
【0025】
[0025]一実施形態において、MDM2阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0026】
[0026]一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0027】
[0027]一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)の化合物(イブルチニブ)又は式(IV)の化合物(アカラブルチニブ)である:
【化4】
【0028】
[0028]一実施形態において、BTK阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0029】
[0029]一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。
【0030】
[0030]一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。
【0031】
[0031]一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0032】
[0032]別の態様において、本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む組合せに関する。
【0033】
[0033]一実施形態において、組合せは、医薬組成物の形態にある。
【0034】
[0034]一実施形態において、組合せは、2種以上の医薬組成物、及び任意選択で、医薬組成物を同時に、別個に、又は逐次的に投与するための指示を提供する添付文書又はラベルを含むキットであって、2種以上の医薬組成物は、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を一緒に含む、キットの形態にある。
【0035】
[0035]一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0036】
[0036]一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)の化合物又は式(II)の化合物である:
【化5】
【0037】
[0037]一実施形態において、MDM2阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0038】
[0038]一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0039】
[0039]一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)の化合物(イブルチニブ)又は式(IV)の化合物(アカラブルチニブ)である:
【化6】
【0040】
[0040]一実施形態において、BTK阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0041】
[0041]一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。
【0042】
[0042]一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。
【0043】
[0043]一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0044】
[0044]前述の概要、並びに以下の発明の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれた場合によりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】MDM2阻害剤である式(I)の化合物を用いてAML患者(N=16人評価可能)を治療した後の、末梢血における芽球(blast)の変化を図解した図である。
図2】MDM2阻害剤である式(I)の化合物を用いてAML患者(N=19人評価可能)を治療した後の、骨髄における芽球の変化を図解した図である。
図3】BTK阻害後の、末梢循環へのリンパ球の動員を図解した図である。Ibr=イブルチニブ;Veh=ビヒクル。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[0048]本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され且つ記載されているものの、そのような実施形態は、単なる例として提供されるものであり、本発明の範囲を別様に限定することを意図されるわけではない。本発明の記載される実施形態の様々な代替物を、本発明を実践する際に採用してもよい。
【0047】
[0049]別様に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0048】
[0050]本明細書において使用される「との組合せで投与される」及び「共投与」という用語は、両作用物質及び/又は両作用物質の代謝産物が同じ時に対象に存在するような、対象への2種以上の医薬品有効成分の投与を包含する。共投与は、別個の組成物での同時投与、別個の組成物での異なる時間における投与、又は2種以上の作用物質が存在する一組成物での投与を含む。
【0049】
[0051]「組合せ」又は「医薬組合せ」という用語は、組合せパートナーが協調的な、例えば相乗的な効果を示すことを好ましくは可能にする、一投薬単位形態での固定された組合せ、固定されていない組合せ、又は治療剤が、同じ時に独立して若しくは時間間隔以内に別個に、一緒に投与されてもよい組合せ投与のためのパーツキット、のいずれかを指すと本明細書において定義される。ゆえに、本開示の医薬組合せの単一化合物は、同時に又は逐次的に投与され得る。
【0050】
[0052]さらに、本開示の医薬組合せは、固定された組合せの形態に又は固定されていない組合せの形態にあってもよい。
【0051】
[0053]「有効量」又は「治療有効量」という用語は、疾患治療を含むがそれに限定されない意図される適用を達成するのに十分である、本明細書に記載される医薬品有効成分又は医薬品有効成分の組合せのその量を指す。治療有効量は、意図される適用(インビトロ又はインビボ)、又は治療されている対象及び疾患状態(例えば、対象の重量、年齢、及び性別)、疾患状態の重症度、投与の様式、並びに当業者によって容易に判定され得る他の因子に応じて変動してもよい。該用語は、標的細胞において特定の応答(例えば、血小板接着及び/又は細胞遊走の低下)を誘導するであろう用量にも適用される。具体的用量は、選定された特定の化合物、従われるべき投薬レジメン、化合物が他の化合物との組合せで投与されるかどうか、投与のタイミング、化合物が投与される組織、及び化合物が運ばれる物理的送達システムに応じて変動するであろう。
【0052】
[0054]本明細書において使用される「鏡像異性的に濃縮された」、「鏡像異性的に純粋な」、及び「非ラセミ体の」という用語は、一方の鏡像異性体の重量パーセントが、ラセミ組成物の対照混合物におけるその一方の鏡像異性体の量よりも大きい(例えば、重量で1:1よりも大きい)組成物を指す。例えば、(S)-鏡像異性体の鏡像異性的に濃縮された調製物とは、(R)-鏡像異性体に対して、50重量%よりも大きい、例えば少なくとも75重量%、例えば少なくとも80重量%の(S)-鏡像異性体を有する化合物の調製物を意味する。一部の実施形態において、濃縮は、80重量%よりもかなり大きくあり得、「実質的に鏡像異性的に濃縮された」、「実質的に鏡像異性的に純粋な」、又は「実質的に非ラセミ体の」調製物を提供し、該用語は、他方の鏡像異性体に対して、少なくとも85重量%、例えば少なくとも90重量%、及び例えば少なくとも95重量%の一方の鏡像異性体を有する組成物の調製物を指す。本明細書において使用される「ジアステレオマー的に濃縮された」及び「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は、一方のジアステレオマーの重量パーセントが、ジアステレオマーの対照混合物におけるその一方のジアステレオマーの量よりも大きい組成物を指す。一部の実施形態において、濃縮は、80重量%よりもかなり大きくあり得、「実質的にジアステレオマー的に濃縮された」又は「実質的にジアステレオマー的に純粋な」調製物を提供し、該用語は、他のジアステレオマーに対して、少なくとも85重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%の一方のジアステレオマーを有する組成物の調製物を指す。
【0053】
[0055]一部の実施形態において、鏡像異性的に濃縮された組成物は、その組成物のラセミ混合物が有するよりも、単位質量あたりの治療的有用性に関して高い効能を有する。鏡像異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)並びにキラル塩の形成及び結晶化を含めた、当業者に公知の方法によって混合物から単離され得る;又は一部の鏡像異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques、Enantiomers,Racemates and Resolutions、Wiley Interscience、New York(1981);E.L.Eliel及びS.H.Wilen、Stereochemistry of Organic Compounds、Wiley-Interscience、New York(1994)を参照されたい。
【0054】
[0056]本明細書において使用される「鏡像異性的に純粋な」とは、他方の鏡像異性体に対して、特異的鏡像異性体の存在のパーセンテージとして表現される相対量を指す。例えば、(R)-又は(S)-異性体配置を潜在的に有し得る化合物がラセミ混合物として存在する場合、鏡像異性体純度は、(R)-又は(S)-異性体のいずれに関しても約50%である。その化合物が、他方よりも支配的な一方の異性体形態、例えば80%(S)-及び20%(R)-を有する場合、(S)-異性体形態に関する化合物の鏡像異性体純度は80%である。化合物の鏡像異性体純度は、キラル支持体を使用したクロマトグラフィー、偏光の回転についての偏光測定、キラル錯体を含有するランタニド若しくはPirkleアルコールを含むがそれらに限定されないキラルシフト試薬を使用した核磁気共鳴分光法、又はクロマトグラフィー若しくは核磁気共鳴分光法が後に続く、モッシャー酸等のキラル化合物を使用した化合物の誘導体化を含むがそれらに限定されない、当技術分野において公知のいくつかの手段において判定され得る。
【0055】
[0057]「固定された組合せ」という用語は、治療剤、例えば組合せの単一化合物が、単一の実体又は剤形の形態にあることを意味する。
【0056】
[0058]「IC50」という用語は、最大半量阻害濃度、すなわち所望の活性の50%の阻害を指す。「EC50」という用語は、最大応答の半分が実現される薬物濃度を指す。
【0057】
[0059]「異性体」とは、同じ分子式を有する異なる化合物である。「立体異性体」とは、原子が空間に並べられる手段のみが異なる、すなわち異なる立体化学的配置を有する異性体である。「鏡像異性体」とは、互いに重ね合わせることができない鏡像である、立体異性体のペアである。鏡像異性体のペアの1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。「(±)」という用語は、適当な場合にはラセミ混合物を指定するために使用される。「ジアステレオマー」とは、少なくとも2つの不斉原子を有するが互いの鏡像ではない、立体異性体である。絶対立体化学は、カーンインゴルドプレローグR-Sシステムに従って特定される。化合物が純粋な鏡像異性体である場合、各キラル炭素における立体化学は、R又はSのいずれかによって特定され得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、それら化合物がナトリウムD線の波長において平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)に応じて(+)又は(-)と指定され得る。本明細書に記載されるある特定の化合物は、1つ又は複数の不斉中心を含有し、ゆえに、絶対立体化学の観点から(R)-又は(S)-と規定され得る鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性体形態を生じ得る。本化学的実体、医薬組成物、及び方法は、ラセミ混合物、任意選択で純粋な形態、及び中間体混合物を含めた、すべてのそのような考え得る異性体を含むことを意図される。光学活性(R)-及び(S)-異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製され得るか、又は従来の技法を使用して分割され得る。本明細書に記載される化合物が、オレフィン二重結合又は幾何学的非対称の他の中心を含有する場合且つ別様に定められない限り、化合物は、E及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0058】
[0060]一実施形態において、本明細書に記載される化合物は、その異性体、立体異性体、及び鏡像異性体を含む。
【0059】
[0061]「固定されていない組合せ」という用語は、治療剤、例えば組合せの単一化合物が、同時に又は具体的な期限を有しないで逐次的に、別個の実体又は剤形として患者に投与されることを意味し、好ましくはそのような投与は、それを必要とする対象、例えば哺乳類又はヒトの身体において2種の治療剤の治療有効レベルを提供する。
【0060】
[0062]「薬学的に許容できるキャリア」又は「薬学的に許容できる賦形剤」とは、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤を含むことを意図される。医薬品有効成分に対するそのような媒体及び作用物質の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒体又は作用物質が医薬品有効成分と不適合である限りを除いて、本発明の治療用組成物における任意の従来の媒体又は作用物質の使用が企図される。補足的有効成分も、記載される組成物に組み入れられ得る。別様に定められない又は文章によってはっきりと示されない限り、本開示の医薬組合せにおいて有用な治療剤への言及は、化合物の遊離塩基、及び化合物のすべての薬学的に許容できる塩の両方を含む。
【0061】
[0063]「薬学的に許容できる塩」という用語は、当技術分野において公知の多様な有機及び無機対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容できる酸付加塩は、無機酸及び有機酸を用いて形成され得る。塩が由来し得る無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸を含む。塩が由来し得る有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸を含む。薬学的に許容できる塩基付加塩は、無機及び有機塩基を用いて形成され得る。塩が由来し得る無機塩基は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウムを含む。塩が由来し得る有機塩基は、例えば1級、2級、及び3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂を含む。具体的な例は、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。選択された実施形態において、薬学的に許容できる塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩から選定される。「共結晶」という用語は、当技術分野において公知のいくつかの共結晶形成体に由来する分子錯体を指す。塩とは異なり、共結晶は、典型的に、共結晶と薬物との間にプロトン移動を伴わず、その代わりに、結晶構造における共結晶形成体と薬物との間に水素結合、芳香環スタッキング、又は分散力等の分子間相互作用を伴う。
【0062】
[0064]「QD」、「qd」、又は「q.d.」という用語は、毎日、1日1回、又は1日に1回を意味する。「BID」、「bid」、又は「b.i.d.」という用語は、1日につき2回、1日2回、又は1日に2回を意味する。「TID」、「tid」、又は「t.i.d.」という用語は、1日につき3回、1日3回、又は1日に3回を意味する。「QID」、「qid」、又は「q.i.d.」という用語は、1日につき4回、1日4回、又は1日に4回を意味する。
【0063】
[0065]「溶媒和物」とは、薬学的に許容できる溶媒の1つ又は複数の分子と物理的に結び付いた化合物を指す。
【0064】
[0066]「治療効果」とは、その用語が本明細書において使用されるとき、上で記載される治療的有益性及び/又は予防的有益性を包含する。予防効果は、疾患若しくは病状の出現を遅延させること若しくは排除すること、疾患若しくは病状の症状の発症を遅延させること若しくは排除すること、疾患若しくは病状の進行を遅らせること、食い止めること、若しくは逆転させること、又はその任意の組合せを含む。
【0065】
[0067]例えば分子量又は化学式等の物理的又は化学的特性を記載するために本明細書において値域が使用される場合、値域のすべての組合せ及び部分的組合せ並びに値域の中の具体的な実施形態が含まれることが意図される。数又は数値域に言及する場合の「約」という用語の使用は、言及される数又は数値域が、実験的変動内(又は統計的実験誤差内)の近似値であり、ゆえに、数又は数値域は、記述された数又は数値域の例えば1%~15%で変動することがあることを意味する。「含む(comprising)」という用語(及び、「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「有する」又は「含む(including)」等の関連用語)は、例えば、記載される特質「からなる」又は「から本質的になる」実施形態、例えば任意の物質の組成、方法、又はプロセス等を含む。
【0066】
[0068]本発明の化合物は、例えば化合物の多形、偽多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、及び非晶質形態、並びにその組合せを含めた、結晶形態及び非晶質形態も含む。「結晶形態」及び「多形」は、特定の結晶形態又は非晶質形態が言及されない限り、例えば多形、偽多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、及び非晶質形態、並びにその組合せを含めた、化合物のすべての結晶形態及び非晶質形態を含むことを意図している。
【0067】
化合物の共投与
[0069]ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞増殖、遊走、及び接着の調節に関わる。細胞輸送におけるBTKの重要性は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含めたB細胞性悪性腫瘍における、BTK阻害剤である酵素阻害剤イブルチニブに典型的なリンパ球増加症によって進むクローン収縮(clonal contraction)によって強調される。イブルチニブによってBTKを阻害することは、CXCR5、CD49d、及び他の接着/ホーミング受容体ではなくCXCR4の表面膜(sm)レベルを低下させた。smCXCR4レベルの減少は、脾臓及びリンパ節から循環へのCLL細胞の急速な再分布をもたらした。BTK阻害による損なわれたsmCXCR4を有するCLL細胞は、脾臓に帰巣することができなかった。これらの機能的変化は、BTK酵素活性を阻害することによって直接的に、並びに下流標的PLCγ2及びPKCμの機能、並びに最終的にはPIM-1及びBTKそれ自体の合成に影響を及ぼすことによって間接的に媒介される、Ser339におけるCXCR4リン酸化の阻害により主に生じた。Chen、Leukemia 2016、30、833~843ページ。
【0068】
[0070]CXCR4の発現は、骨髄化生とともに骨髄線維症を有する患者のCD34+細胞で下方調節されることも見出された。Rosti、Blood Cells,Molecules and Diseases、2007、38、280~286ページ。CXCR4受容体を遮断することは、末梢血幹細胞として造血幹細胞を血流に「動員」し得るようである。
【0069】
[0071]AMLの治療に対してMDM2阻害剤を使用した治験の試験結果を図解した図1~2に示されるように、骨髄におけるはるかに低いパーセントと比較して、末梢血における芽球の100%が一掃された。それゆえ、理論によって拘束されることを望まないが、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の組合せは、B細胞性悪性腫瘍及び骨髄疾患を治療することに対して相乗効果を示すであろう。
【0070】
[0072]それゆえ、本発明は、医薬として特に有用である医薬組合せ又は医薬組成物に関する。具体的には、本開示の組合せ又は組成物は、癌の治療において適用され得る。一実施形態において、癌は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択されるB細胞性血液悪性腫瘍である。一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(systemic mastocystosis)(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。本発明は、癌の治療のための医薬の調製のための、本開示の医薬組合せ又は医薬組成物の使用に、及び本開示に従った治療有効量の医薬組合せ又は本開示に従った医薬組成物を対象に投与するステップを含む、治療を必要とする対象における癌を治療するための方法にも関する。
【0071】
[0073]本発明は、治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法に関する。
【0072】
[0074]一実施形態において、MDM2阻害剤は、BTK阻害剤の投与の前に投与される。
【0073】
[0075]一実施形態において、MDM2阻害剤は、BTK阻害剤の投与と同時に投与される。
【0074】
[0076]一実施形態において、MDM2阻害剤は、BTK阻害剤の投与の後に対象に投与される。
【0075】
[0077]一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【表1】


[0078]一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)の化合物又は式(II)の化合物である:
【化7】
【0076】
[0079]一実施形態において、MDM2阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0077】
[0080]一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【表2】







【0078】
[0081]一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)の化合物(イブルチニブ)又は式(IV)の化合物(アカラブルチニブ)である:
【化8】
【0079】
[0082]一実施形態において、BTK阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0080】
[0083]一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。
【0081】
[0084]一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。
【0082】
[0085]一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0083】
[0086]一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。
【0084】
[0087]一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-polycythemia vera myelofibrosis)(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-essential thrombocythemia myelofibrosis)(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。
【0085】
[0088]一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性(prefibrotic)/早期PMF及び線維化期(overt fibrotic stage)PMFからなる群から選択される。
【0086】
[0089]一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0087】
[0090]一実施形態において、本発明は、治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法であって、MDM2阻害剤は式(I)の化合物であり、BTK阻害剤はイブルチニブである、方法に関する。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、イブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0088】
[0091]一実施形態において、本発明は、治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法であって、MDM2阻害剤は式(I)の化合物であり、BTK阻害剤はアカラブルチニブである、方法に関する。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、アカラブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、50mg、100mg、150mg、及び200mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0089】
[0092]一実施形態において、本発明は、治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法であって、MDM2阻害剤は式(II)の化合物であり、BTK阻害剤はイブルチニブである、方法に関する。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、イブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0090】
[0093]一実施形態において、本発明は、治療有効量の(1)MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む1種又は複数の組成物を治療を必要とするヒト対象に共投与するステップを含む、癌を治療する方法であって、MDM2阻害剤は式(II)の化合物であり、BTK阻害剤はアカラブルチニブである、方法に関する。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、アカラブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、50mg、100mg、150mg、及び200mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0091】
[0094]別の態様において、本発明は、癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む医薬組成物に関する。
【0092】
[0095]一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0093】
[0096]一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)の化合物又は式(II)の化合物である:
【化9】
【0094】
[0097]一実施形態において、MDM2阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0095】
[0098]一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0096】
[0099]一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)の化合物(イブルチニブ)又は式(IV)の化合物(アカラブルチニブ)である。
【0097】
[0100]一実施形態において、BTK阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0098】
[0101]一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。
【0099】
[0102]一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。
【0100】
[0103]一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0101】
[0104]一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。
【0102】
[0105]一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。
【0103】
[0106]一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
【0104】
[0107]一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0105】
[0108]一実施形態において、本発明は、癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤は式(I)の化合物であり、BTK阻害剤はイブルチニブである、医薬組成物に関する。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、イブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。
【0106】
[0109]一実施形態において、本発明は、癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤は式(I)の化合物であり、BTK阻害剤はアカラブルチニブである、医薬組成物に関する。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、アカラブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、50mg、100mg、150mg、及び200mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。
【0107】
[0110]一実施形態において、本発明は、癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤は式(II)の化合物であり、BTK阻害剤はイブルチニブである、医薬組成物に関する。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、イブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。
【0108】
[0111]一実施形態において、本発明は、癌の治療における使用のための、治療有効量のMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、及び(2)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む医薬組成物であって、MDM2阻害剤は式(II)の化合物であり、BTK阻害剤はアカラブルチニブである、医薬組成物に関する。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、アカラブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、50mg、100mg、150mg、及び200mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。
【0109】
[0112]別の態様において、本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む組合せに関する。
【0110】
[0113]一実施形態において、組合せは、医薬組成物の形態にある。
【0111】
[0114]一実施形態において、組合せは、2種以上の医薬組成物、及び任意選択で、医薬組成物を同時に、別個に、又は逐次的に投与するための指示を提供する添付文書又はラベルを含むキットであって、2種以上の医薬組成物は、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を一緒に含む、キットの形態にある。
【0112】
[0115]一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0113】
[0116]一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)の化合物又は式(II)の化合物である。
【0114】
[0117]一実施形態において、MDM2阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0115】
[0118]一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物又はその薬学的に許容できる塩からなる群から選択される。
【0116】
[0119]一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)の化合物(イブルチニブ)又は式(IV)の化合物(アカラブルチニブ)である。
【0117】
[0120]一実施形態において、BTK阻害剤の治療有効量は、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、525mg、540mg、550mg、560mg、600mg、630mg、及び700mgからなる群から選択される。
【0118】
[0121]一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。
【0119】
[0122]一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。
【0120】
[0123]一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0121】
[0124]一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。
【0122】
[0125]一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。
【0123】
[0126]一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
【0124】
[0127]一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。
【0125】
[0128]一実施形態において、本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む組合せであって、MDM2阻害剤は式(I)の化合物であり、BTK阻害剤はイブルチニブである、組合せに関する。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、イブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。
【0126】
[0129]一実施形態において、本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む組合せであって、MDM2阻害剤は式(I)の化合物であり、BTK阻害剤はアカラブルチニブである、組合せに関する。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、アカラブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、50mg、100mg、150mg、及び200mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。
【0127】
[0130]一実施形態において、本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む組合せであって、MDM2阻害剤は式(II)の化合物であり、BTK阻害剤はイブルチニブである、組合せに関する。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、イブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。
【0128】
[0131]一実施形態において、本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩、を含む組合せであって、MDM2阻害剤は式(II)の化合物であり、BTK阻害剤はアカラブルチニブである、組合せに関する。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、60mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、及び480mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。一実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、28日間の投与サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、アカラブルチニブ又はその薬学的に許容できる塩は、50mg、100mg、150mg、及び200mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。
【0129】
経口投与のための医薬組成物
[0132]選択された実施形態において、本発明は、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤を含む組合せの経口投与のための医薬組成物を提供する。
【0130】
[0133]選択された実施形態において、本発明は、(ii)経口投与に好適な医薬賦形剤との組合せでの、(i)有効量のMDM2阻害剤及びBTK阻害剤を含む組合せ、を含有する、経口投与のための固形医薬組成物を提供する。選択された実施形態において、組成物は、(iii)有効量の少なくとも1種の付加的な有効成分をさらに含有する。
【0131】
[0134]選択された実施形態において、医薬組成物は、経口消費に好適な液体医薬組成物であってもよい。経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、カプセル、カシェー、若しくは錠剤等の個別の剤形として、或いはそれぞれが、水性若しくは非水性液体、水中油型乳濁液、又は油中水型液体乳濁液に、粉末として又は顆粒、溶液、若しくは懸濁液の状態で所定の量の有効成分を含有する液体又はエアロゾルスプレーとして提示され得る。そのような剤形は、方法のいずれかによって調製され得るが、すべての方法は、有効成分(複数可)を、1種又は複数の必要な成分を構成するキャリアと結び付けるステップを含む。一般的に、組成物は、有効成分(複数可)と液体キャリア若しくは微粉固形キャリア又はその両方とを均一に且つ密接に混和し、次いで必要な場合には、産物を所望の見栄えに形作ることによって調製される。例えば、錠剤は、任意選択で1種又は複数の補助的成分とともに、圧縮又は成形によって調製され得る。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、及び/又は表面活性剤若しくは分散剤等であるがそれらに限定されない賦形剤と任意選択で混合された、粉末又は顆粒等の自由流動形態の有効成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らした粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製され得る。
【0132】
[0135]水は一部の化合物の分解を促し得ることから、本発明は、無水医薬組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、製薬技術分野において、長期保管を模倣する手段として水を添加して(例えば、5%)、貯蔵寿命又は経時的な製剤の安定性等の特徴を判定することができる。本発明の無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分、及び低水分又は低湿度条件を使用して調製され得る。ラクトースを含有する本発明の医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は保管の間に水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合、無水とされ得る。無水医薬組成物は、無水医薬組成物の無水性質が維持されるように調製されることができ且つ保管されることができる。したがって、無水組成物は、水への曝露を阻止することが知られている材料を使用して包装されてもよく、それにより無水組成物は、適切な処方キットに含まれ得る。適切な包装の例は、密閉ホイル、プラスチック等、単位用量容器、ブリスターパック、及びストリップパックを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0133】
[0136]MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の組合せは、従来の薬学的配合技法に従って、薬学的キャリアとの密接な混和物の状態でさらに組み合わせられ得る。キャリアは、投与に望まれる調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとり得る。経口剤形のための組成物を調製する際、経口液体調製物(懸濁液、溶液、及びエリキシル剤等)若しくはエアロゾルの場合には、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤等、通常の薬学的媒体のいずれかがキャリアとして採用され得る;又は、経口固形調製物の場合には、一部の実施形態ではラクトースの使用を採用せずに、デンプン、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤等のキャリアが使用され得る。例えば、固形経口調製物に関して、適切なキャリアは、粉末、カプセル、及び錠剤を含む。所望の場合、錠剤は、標準的な水性又は非水性の技法によってコートされ得る。
【0134】
[0137]医薬組成物及び剤形における使用に適切な結合剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシア等の天然及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガカント末、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、並びにその組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0135】
[0138]本明細書に開示される医薬組成物及び剤形における使用のための適切な充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びその組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0136】
[0139]崩壊剤を本発明の組成物において使用して、水性環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を提供することができる。過剰の崩壊剤は、ボトルにおいて崩壊する錠剤をもたらすことがある。過少は、崩壊が生じるのに不十分であることがあり、ゆえに剤形からの有効成分の放出の速度及び程度を変更する。ゆえに、有効成分(複数可)の放出を有害に変更する過少でも過剰でもない十分量の崩壊剤を使用して、本明細書に開示される化合物の剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプ及び投与の様態に基づいて変動してもよく、当業者によって容易に認められ得る。約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1~約5重量パーセントの崩壊剤を、医薬組成物において使用してもよい。本発明の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、又はその組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0137】
[0140]本発明の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽質鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水添植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethylaureate)、寒天、又はその組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。付加的な滑沢剤は、例えばsyloidシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、又はその組合せを含む。滑沢剤は、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で任意選択で添加され得る。
【0138】
[0141]水性懸濁液及び/又はエリキシル剤が経口投与に望まれる場合、水性懸濁液及び/又はエリキシル剤の中の必須の有効成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びその様々な組合せ等の希釈剤と一緒に、様々な甘味剤若しくは香味剤、着色物質、又は色素、並びに所望の場合には、乳化剤及び/又は懸濁化剤と組み合わせられてもよい。
【0139】
[0142]錠剤をコートしないで又は公知の技法によってコートして、消化管における崩壊及び吸収を遅延させ得、それによって、より長い期間にわたる持続的作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料が採用され得る。経口使用のための製剤は、有効成分が、不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルとしても、又は有効成分が、水若しくは油媒体、例えば落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとしても提示され得る。
【0140】
[0143]本発明の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る界面活性剤は、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、及びその組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。つまり、親水性界面活性剤の混合物を採用してもよいし、親油性界面活性剤の混合物を採用してもよいし、又は少なくとも1種の親水性界面活性剤及び少なくとも1種の親油性界面活性剤の混合物を採用してもよい。
【0141】
[0144]適切な親水性界面活性剤は、一般的に、少なくとも10のHLB値を有してもよく、一方で適切な親油性界面活性剤は、一般的に、約10の又は約10未満のHLB値を有してもよい。非イオン性両親媒性化合物の相対的親水性及び疎水性を特徴付けするために使用される経験的パラメーターが、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。より低いHLB値を有する界面活性剤は、より親油性であるか又は疎水性であり、油におけるより大きな溶解度を有し、一方でより高いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、水溶液におけるより大きな溶解度を有する。親水性界面活性剤は、約10よりも大きなHLB値を有するそうした化合物、並びにHLB尺度が一般的に適用可能でないアニオン性、カチオン性、又は双性イオン性化合物であると一般的に考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10又は約10未満のHLB値を有する化合物である。しかしながら、界面活性剤のHLB値は、産業用の、薬学的な、及び美容用の乳濁液の製剤化を可能にするために一般的に使用される単なる大まかな指針にすぎない。
【0142】
[0145]親水性界面活性剤は、イオン性又は非イオン性のいずれかであってもよい。適切なイオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチン及び水添レシチン;リゾレシチン及び水添リゾレシチン;リン脂質及びその誘導体;リゾリン脂質及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクセートナトリウム;アシルラクチレート(acylactylates);モノ-及びジ-グリセリドのモノ-及びジ-アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ-及びジ-グリセリド;モノ-及びジ-グリセリドのクエン酸エステル;並びにその組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0143】
[0146]前述の群のうち、イオン性界面活性剤は、例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質、及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ-及びジ-グリセリドのモノ-及びジ-アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ-及びジ-グリセリド;モノ-及びジ-グリセリドのクエン酸エステル;並びにその組合せを含む。
【0144】
[0147]イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic ester)、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン(cholylsarcosine)、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレネート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テラセシル(teracecyl)サルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、並びにその塩及び組合せ、のイオン化形態であってもよい。
【0145】
[0148]親水性非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノール等のポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル等のポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応産物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体、及び類似体;ポリオキシエチル化ビタミン及びその誘導体;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体;並びにその組合せ;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにトリグリセリド、植物油、及び水添植物油からなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応産物を含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、又はサッカライドであってもよい。
【0146】
[0149]他の親水性非イオン性界面活性剤は、限定されることなく、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油、PEG-6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG-8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル-10、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30ダイズステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、コハク酸トコフェリルPEG-100、PEG-24コレステロール、オレイン酸ポリグリセリル-10、Tween 40、Tween 60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG 10~100ノニルフェノールシリーズ、PEG 15~100オクチルフェノールシリーズ、及びポロキサマーを含む。
【0147】
[0150]適切な親油性界面活性剤は、単なる例として、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロール及びステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ-及びジ-グリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応産物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;並びにその組合せを含む。この群のうち、好ましい親油性界面活性剤は、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びその組合せを含むか、又は植物油、水添植物油、及びトリグリセリドからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応産物である。
【0148】
[0151]一実施形態において、本発明の化合物の良好な可溶化及び/又は溶解を確実にするために、並びに本発明の化合物の沈殿を最小限に抑えるために、組成物は可溶化剤を含んでもよい。可溶化剤を含むことは、注射用の組成物等、非経口使用のための組成物にとりわけ重要であり得る。可溶化剤を添加して、親水性薬物、及び/若しくは界面活性剤等の他の構成要素の溶解度を増加させることも、又は組成物を安定な若しくは均質な溶液若しくは分散体として維持することもできる。
【0149】
[0152]適切な可溶化剤の例は、以下のもの:エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロース誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体等のアルコール及びポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)又はメトキシPEG等、約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、及びポリビニルピロリドン等のアミド及び他の窒素含有化合物;プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エプシロン-カプロラクトン及びその異性体、δ-バレロラクトン及びその異性体、β-ブチロラクトン及びその異性体等のエステル;並びに、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及び水等、当技術分野において公知の他の可溶化剤を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0150】
[0153]可溶化剤の混合物も使用してもよい。例は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200~100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビドを含むが、それらに限定されるわけではない。特に好ましい可溶化剤は、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、及びプロピレングリコールを含む。
【0151】
[0154]含まれ得る可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、当業者によって容易に判定されることができる生体許容(bioacceptable)量に限定されることがある。ある状況では、例えば薬物の濃度を最大限に高めるために、生体許容量をはるかに超える可溶化剤の量を含み、過度の可溶化剤を、蒸留又は蒸発等の従来の技法を使用して、患者に組成物を提供する前に除去することが有利であることがある。ゆえに、存在する場合、可溶化剤は、薬物及び他の賦形剤の組合せ重量に基づいて、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、又は最高約200重量%の重量比であり得る。所望の場合、5%、2%、1%、又はさらにそれ未満等、非常に少量の可溶化剤も使用してもよい。典型的に、可溶化剤は、約1重量%~約100重量%、より典型的には約5重量%~約25重量%の量で存在してもよい。
【0152】
[0155]組成物は、1種又は複数の薬学的に許容できる添加物及び賦形剤をさらに含み得る。そのような添加物及び賦形剤は、限定されることなく、脱粘着剤(detackifier)、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化物質、防腐剤、キレート剤、粘性モジュレーター(viscomodulator)、張度剤(tonicifier)、香味料(flavorant)、着色料、付臭剤、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤、及びその組合せを含む。
【0153】
[0156]加えて、加工を容易にするために、安定性を増強するために、又は他の理由のために、酸又は塩基を組成物に組み入れてもよい。薬学的に許容できる塩基の例は、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト(hydrocalcite)、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)等を含む。酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸等、薬学的に許容できる酸の塩である塩基も適切である。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、及びリン酸二水素ナトリウム等、多塩基酸の塩も使用され得る。塩基が塩である場合、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属等、任意の好都合で且つ薬学的に許容できるカチオンであり得る。例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、及びアンモニウムを含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。
【0154】
[0157]適切な酸は、薬学的に許容できる有機又は無機酸である。適切な無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸等を含む。適切な有機酸の例は、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、及び尿酸を含む。
【0155】
注射用医薬組成物
[0158]選択された実施形態において、本発明は、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤を含む組合せと、注射に適切な医薬賦形剤とを含む、注射用医薬組成物を提供する。
【0156】
[0159]注射による投与のために本発明の組成物を組み入れることができる形態は、水性若しくは油性懸濁液、又はゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、若しくは落花生油との乳濁液、並びにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、又は滅菌水溶液、及び同様の医薬ビヒクルを含む。
【0157】
[0160]生理食塩水中の水溶液も、従来どおりに注射に使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール(及び、その適切な組合せ)、シクロデキストリン誘導体、並びに植物油も採用されてもよい。適正な流動性は、例えば、分散体の場合には要求される粒子サイズの維持のためのレシチン等のコーティングの使用によって、及び界面活性剤の使用によって、維持され得る。微生物の作用の阻止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、及びチメロサールによってもたらされ得る。
【0158】
[0161]滅菌注射液は、要求に応じて上で挙げられる様々な他の成分とともに、適当な溶媒において要求される量のMDM2阻害剤及びBTK阻害剤を組み入れ、その後に濾過滅菌が続くことによって調製される。一般的に、分散体は、塩基性分散媒、及び上で挙げられるものからの要求される他の成分を含有する滅菌ビヒクルに、様々な滅菌有効成分を組み入れることによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製のある特定の望ましい方法は、有効成分+任意の付加的な所望の成分の事前に滅菌濾過した溶液からの、有効成分+任意の付加的な所望の成分の粉末を生じさせる真空乾燥及び凍結乾燥技法である。
【0159】
[0162]MDM2阻害剤及びBTK阻害剤を含む組合せの投与は、作用の部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって達成され得る。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、又は注入を含む)、局部的(例えば、経皮適用)、カテーテル又はステントによる局所送達によるものを含む。
【0160】
[0163]例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば水性プロピレングリコール又はデキストロース溶液における、活性化合物の溶液又は懸濁液を含む。そのような剤形は、所望の場合には適切に緩衝され得る。
【0161】
[0164]本発明は、キットも提供する。キットは、単独での又は適切な包装における組合せでの、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤、並びに使用のための使用説明書、臨床研究の考察、及び副作用の列挙を含み得る書面材料を含む。そのようなキットは、科学的文献参照、添付文書材料、治験結果、及び/又はこれらの情報の要約等の情報も含んでもよく、その情報は、組成物の活性及び/若しくは利点を示し若しくは定め、及び/又は投薬、投与、副作用、薬物相互作用、若しくは医療ケア提供者に有用な他の情報を記載する。そのような情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを含む実験動物を使用した研究、及びヒト治験に基づく研究の結果に基づいてもよい。キットは、別の医薬品有効成分をさらに含有してもよい。使用のための適切な包装及び付加的な品目(例えば、液体調製物のための測定カップ、空気への曝露を最小限に抑えるためのホイルラッピング等)は、当技術分野において公知であり、キットに含まれてもよい。本明細書に記載されるキットは、医師、看護師、薬剤師、処方薬局職員等を含めた医療提供者に提供され得、販売され得、及び/又は宣伝され得る。キットは、選択された実施形態において、消費者に直接販売されてもよい。一実施形態において、本発明は、癌の治療における使用のための、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤を含む組合せを含むキットを提供する。一実施形態において、癌はB細胞性血液悪性腫瘍である。一実施形態において、B細胞性血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、真性赤血球増加症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症、全身性肥満細胞症(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される骨髄増殖性新生物(MPN)である。一実施形態において、癌は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post-PV MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post-ET MF)からなる群から選択される骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症(PMF)は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、癌は、骨髄線維症、多発性骨髄腫、及び急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0162】
投薬量及び投薬レジメン
[0165]投与されるMDM2阻害剤及びBTK阻害剤の量は、治療されているヒト、障害又は病状の重症度、投与速度、化合物の体内動態、及び処方医師の裁量に独立して依存するであろう。しかしながら、有効投薬量は、単回又は分割用量で、1日あたり体重kgあたり約0.001~約100mgの値域、例えば約1~約35mg/kg/日である。70kgのヒトに関して、有効投薬量は、約0.05~7g/日、例えば約0.05~約2.5g/日になるであろう。ある状況では、前述の値域の下限を下回る投薬量レベルが充分過ぎることがあり、一方で他の場合には、さらにより大きな用量が、例えばそのようなより大きな用量を、1日を通した投与のためにいくつかの小さな用量に分割することによって、いかなる有毒な副作用も引き起こすことなく採用されることができる。
【0163】
[0166]一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤は、単回用量で独立して投与される。典型的に、そのような投与は、作用物質を迅速に導入するために、経口的であるか、又は注射、例えば静脈内注射によるものであろう。しかしながら、他の経路を、必要に応じて使用してもよい。MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の単回用量を、急性病状の治療にも使用してもよい。
【0164】
[0167]一実施形態において、投薬は、1日あたり1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は6回を超える回数であってもよい。一実施形態において、投薬は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回、1日おき、週1回、週2回、週3回、週4回、隔週、及び月1回からなる群から選択されてもよい。一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤は、毎週月曜日、水曜日、及び金曜日を含めた、1週間に3回独立して投与される。
【0165】
[0168]MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の投与は、独立して、必要な限り続けてもよい。一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日、又はそれよりも多い日数を超える間独立して投与される。一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤は、28、14、7、6、5、4、3、2、又は1日未満の間独立して投与される。一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤は、約14日、約21日、約28日、約35日、約42日、約49日、又は約56日の間独立して投与される。一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤は、例えば慢性影響の治療のために、継続的に慢性的に独立して投与される。別の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の投与は、約7日未満の間独立して続く。さらに別の実施形態において、投与は、約6、10、14、28日、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、又は1年を超える間続く。一部の実施形態において、投与は、約1年、2年、3年、4年、又は5年を超える間続く。一部の実施形態において、連続的投薬は、必要な限り実現され且つ維持される。
【0166】
[0169]一部の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の有効投薬量は、独立して、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約10mg~約200mg、約20mg~約150mg、約30mg~約120mg、約10mg~約90mg、約20mg~約80mg、約30mg~約70mg、約40mg~約60mg、約45mg~約55mg、約48mg~約52mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg、約95mg~約105mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg、又は約198~約202mgの値域にある。一部の実施形態において、MDM2阻害剤又はBTK阻害剤の有効投薬量は、独立して、約25mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約100mg、約120mg、約125mg、約140mg、約150mg、約175mg、約180mg、約200mg、約210mg、約225mg、約240mg、約250mg、約275mg、約280mg、約300mg、約325mg、約350mg、約360mg、約375mg、約400mg、約420mg、約425mg、約450mg、約475mg、約480mg、約490mg、約500mg、約540mg、約560mg、約600mg、約630mg、又は約700mgである。
【0167】
[0170]一部の実施形態において、MDM2阻害剤又はBTK阻害剤の有効投薬量は、独立して、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kg mg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg、又は約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの値域にある。
【0168】
[0171]一部の実施形態において、MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、540mg、560mg、600mg、630mg、又は700mg BIDの投薬量を含めた、10~700mg BIDの投薬量で投与される。
【0169】
[0172]一部の実施形態において、MDM2阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、540mg、560mg、600mg、630mg、又は700mg QDの投薬量を含めた、10~700mg QDの投薬量で投与される。
【0170】
[0173]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、540mg、560mg、600mg、630mg、又は700mg BIDの投薬量を含めた、10~700mg BIDの投薬量で投与される。
【0171】
[0174]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、25mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、120mg、125mg、140mg、150mg、175mg、180mg、200mg、210mg、225mg、240mg、250mg、275mg、280mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、400mg、420mg、425mg、450mg、475mg、480mg、490mg、500mg、540mg、560mg、600mg、630mg、又は700mg QDの投薬量を含めた、10~700mg QDの投薬量で投与される。
【0172】
[0175]MDM2阻害剤又はBTK阻害剤の有効量は、口腔、舌下、及び経皮経路、動脈内注射による、静脈内に、非経口的に、筋肉内に、皮下に、又は経口的を含めた、同様の有用性を有する、作用物質の投与の許容される様態のいずれかによって、単回又は複数回用量のいずれかで投与されてもよい。
【0173】
[0176]一部の実施形態において、MDM2阻害剤又はBTK阻害剤は、間欠投与として公知の、間欠的に対象に独立して投与される。「間欠投与」によって、この用語は、治療有効用量のMDM2阻害剤及び/又はBTK阻害剤のある期間の投与、それに続くある時期の中断、次いでその後に別の投与期間が続く等を意味する。各投与期間において、投薬頻度は、1日に3回、1日に2回、日毎、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回から独立的に選択され得る。一実施形態において、MDM2阻害剤は、式(I)又は式(II)の化合物である。一実施形態において、MDM2阻害剤は、表1に列挙される化合物から選択される。一実施形態において、BTK阻害剤は、式(III)又は式(IV)の化合物である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表2に列挙される化合物から選択される。
【0174】
[0177]「中断の期間」又は「中断期間」又は「休止期間」によって、この用語は、MDM2阻害剤及び/又はBTK阻害剤の投与を中断する時間の長さを意味する。中断の時期は、投与期間よりも長くても若しくは短くてもよいか、又は投与期間と同じであってもよい。例えば、投与期間が、1日に3回、1日に2回、日毎、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回の投薬を含む場合、中断期間は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、又はそれよりも多い日数であってもよい。中断期間中、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤以外の他の治療剤が投与されてもよい。
【0175】
[0178]一実施形態において、MDM2阻害剤は、ヒトに間欠的に投与され;一方で、BTK阻害剤は、ヒトに非間欠的に投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、ヒトに間欠的に投与され;一方で、MDM2阻害剤は、ヒトに非間欠的に投与される。一実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の両方とも、ヒトに間欠的に投与される。一実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の両方とも、ヒトに非間欠的に投与される。
【実施例
【0176】
[0179]本明細書に包含される実施形態は、ここで、以下の実施例を参照して記載される。これらの実施例は、単なる例示の目的のために提供されるものであり、本明細書に包含される開示は、これらの実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書において提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
【0177】
実施例1:式(I)の化合物及びイブルチニブの組合せ使用
[0180]ABC型DLBCL細胞株TMD-8細胞を、リン酸緩衝生理食塩水を使用して1×10個細胞/mLに懸濁する。0.1mLの調製された細胞懸濁液を、各NOD-SCIDマウス(雌、6週齢)に皮下移植する。腫瘍接種後6日目に、平均腫瘍容積が100mmを超えたことを確認後、マウスをそれらマウスの腫瘍容積値に基づいてグループ分けする(群あたり6匹のマウス)。25mg/kg若しくは50mg/kgの式(I)の化合物、又は100mg/kg若しくは200mg/kgのイブルチニブを、マウスに強制投与によって経口投与する。組合せ使用群に関しては、25mg/kg又は50mg/kgの式(I)の化合物、及び100mg/kg又は200mg/kgのイブルチニブを、強制投与によって逐次的に経口投与する。投与を、グループ分けの日(腫瘍接種の18日後)から連続5日間(腫瘍接種の18~22日後)1日1回実施し、2日間の休薬後に、連続4日間(腫瘍接種の25~28日後)1日1回実施する。腫瘍の長軸(mm)及び短軸(mm)を、電子デジタルキャリパーを使用して経時的に測定する。査定の日(腫瘍接種の29日後)における腫瘍成長阻害%(TGI%)は、評価に関して下で示される計算方程式に従って計算されるであろう。また、体重を、小動物用の自動天秤を使用して経時的に測定し、体重変化%を、体重に対する薬物投与の影響を調べるために下で示される計算方程式に従って計算する。加えて、最後の体重測定の結果を、用量計算において使用する。
【0178】
[0181]TGI(%)=(1-A/B)×100
[0182]A:査定の日における化合物投与群の平均腫瘍容積(*)
[0183]B:査定の日における未処理対照群の平均腫瘍容積(*)
[0184]*:腫瘍容積は、1/2×[腫瘍の長軸]×[腫瘍の短軸]×[腫瘍の短軸]に従って計算される。
【0179】
[0185]体重変化(%)=個体(5)の平均体重変化%
[0186]各個体の体重変化%=(1-BWn/BWs)×100
[0187]BWn:n日目の体重
[0188]BWs:投与の開始日の体重
図1
図2
図3
【国際調査報告】