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特表2023-502092静電スプレー乾燥乳製品およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】静電スプレー乾燥乳製品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23C 1/04 20060101AFI20230113BHJP
   A23C 9/16 20060101ALI20230113BHJP
   A23C 9/18 20060101ALI20230113BHJP
   A23C 13/08 20060101ALI20230113BHJP
   A23C 21/00 20060101ALI20230113BHJP
   A23J 3/08 20060101ALI20230113BHJP
   A23L 2/39 20060101ALI20230113BHJP
   A23C 13/14 20060101ALI20230113BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20230113BHJP
   A23C 17/00 20060101ALI20230113BHJP
   A23L 33/00 20160101ALI20230113BHJP
   A23C 9/20 20060101ALI20230113BHJP
   A23C 9/12 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A23C1/04
A23C9/16
A23C9/18
A23C13/08
A23C21/00
A23J3/08
A23L2/39
A23C13/14
A23L2/00 Q
A23L2/00 R
A23L2/38 P
A23C17/00
A23L33/00
A23C9/20
A23C9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528559
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 US2020061460
(87)【国際公開番号】W WO2021102231
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/938,802
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522191358
【氏名又は名称】スプレーイング システムス カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ジス、ボグダン
(72)【発明者】
【氏名】マスム、アクム
(72)【発明者】
【氏名】サクセナ、ジューヒー
(72)【発明者】
【氏名】テニン、ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】モーデュイ、オドレ
【テーマコード(参考)】
4B001
4B018
4B117
【Fターム(参考)】
4B001AC05
4B001AC15
4B001AC31
4B001AC99
4B001BC04
4B001BC05
4B001BC08
4B001CC01
4B001DC01
4B001EC01
4B001EC09
4B001EC99
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD20
4B018MD71
4B018ME14
4B018MF06
4B117LC01
4B117LC15
4B117LE01
4B117LK10
4B117LK12
4B117LK15
4B117LK18
4B117LP03
4B117LP16
4B117LT05
(57)【要約】
同じ乳製品のスプレー乾燥粉末と比較して少なくとも8%少ない脂肪を含む表面組成を有する、静電スプレー乾燥粉末乳製品が提供される。さらに、150℃未満の入口温度で乳製品を静電スプレー乾燥することを含む粉末乳製品を提供する方法が提供される。静電スプレー乾燥乳製品粉末は、高熱スプレー乾燥によって調製された同じ乳製品粉末と比較して、低下した脂肪含有量および増加した炭水化物含有量を有する表面組成を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ乳製品のスプレー乾燥粉末と比較して少なくとも8%少ない脂肪を含む表面組成を有する、静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項2】
表面組成の約10%以上が炭水化物を含む、請求項1の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項3】
粉乳製品が凝集している、請求項1または2の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項4】
凝集体のサイズが100μm以上である、請求項3の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項5】
乳製品が、乳、バター、メーカーのクリーム、ヘビーホイップクリーム、ホイップクリーム、ミディアムクリーム、ライトクリーム、ハーフアンドハーフ、バターミルク、ヨーグルト、栄養製剤、初乳、ホエイプロテイン、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1~4のいずれか一項の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項6】
乳製品が初乳を含む、請求項1~5のいずれか一項の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項7】
乳製品が約3~6%の脂肪含有量を有する、請求項1~6のいずれか一項の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項8】
粉末乳製品が、150℃未満の入口温度で静電スプレー乾燥されている、請求項1~7のいずれか一項の粉末乳製品。
【請求項9】
印加電圧が約0.1kV以上である、請求項8の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【請求項10】
150℃未満の入口温度で乳製品を静電スプレー乾燥することを含む、粉末乳製品を提供する方法。
【請求項11】
霧化温度が約80℃以下である、請求項10の方法。
【請求項12】
印加電圧が約0.1kV以上である、請求項10または11の方法。
【請求項13】
印加電圧が連続的である、請求項10~12のいずれか一項の方法。
【請求項14】
印加電圧が2つ以上の異なる電圧間で変調される、請求項10~13のいずれか一項の方法。
【請求項15】
印加電圧が荷電を交互に行う、請求項10~14のいずれか一項の方法。
【請求項16】
粉末乳製品が、同じ乳製品のスプレー乾燥粉末と比較して少なくとも8%少ない脂肪を含む表面組成を有する、請求項10~15のいずれか一項の方法。
【請求項17】
粉末乳製品が約10%以上の炭水化物を含む表面組成を有する、請求項10~16のいずれか一項の方法。
【請求項18】
粉末乳製品が静電スプレー工程中に凝集する、請求項10~17のいずれか一項の方法。
【請求項19】
凝集体のサイズが100μm以上である、請求項18の方法。
【請求項20】
乳製品が、クリーム、ヘビーホイップクリーム、ホイップクリーム、ミディアムクリーム、ライトクリーム、ハーフアンドハーフ、バターミルク、ヨーグルト、栄養製剤、初乳、ホエイプロテイン、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項10~19のいずれか一項の方法。
【請求項21】
乳製品が初乳を含む、請求項10~20のいずれか一項の方法。
【請求項22】
乳製品が約3~6%の脂肪含有量を有する、請求項10~21のいずれか一項の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2019年11月21日付で出願された米国仮特許出願第62,938,802号の優先権を主張し、これは参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
粉末乳は、乳を蒸発乾固させることによって作製される。粉末乳は次いで、焼き菓子などの、さまざまな食品用に粉末形態で使用するか、または乳児用調製粉乳を含む飲用に再構成することができる。そのようなものとして、粉乳は世界的に使用される重要な商品である。
【0003】
乳製品の乾燥は典型的には、スプレー乾燥システムを使用して達成される。しかしながら、そのようなシステムは、高い入口および出口温度を必要とし、これは、粉乳製品を劣化させるリスクがある。すなわち、常温保存可能であり、容易に再構成ができ、望ましい外観(例えば、低下した着色)および/または味を保持する粉末乳製品を効果的に提供する必要性が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、同じ乳製品のスプレー乾燥粉末と比較して少なくとも8%少ない脂肪を含む表面組成を有する、静電スプレー乾燥粉末乳製品を提供する。
【0005】
本発明はさらに、150℃未満の入口温度で乳製品を静電スプレー乾燥することを含む、粉末乳製品を提供する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面のいくつかのビューの簡単な説明
図1図1は、本発明の一実施態様による、乳製品を粉末形態に加工するための例示されたスプレー乾燥システムの垂直断面図である。
図2図2は、例示されたスプレー乾燥システムの静電スプレーノズルアセンブリの拡大された垂直断面図である。
図3図3は、マクロ形態(図3A)およびミクロ形態(図3B)における静電的に凝集した全脂粉乳を示す。
図4A】~
図4D図4A図4Dは、全脂粉乳の走査型電子顕微鏡画像である。図4Aおよび図4Cは、500倍の倍率(図4A)および5000倍の倍率(図4C)での、180℃の入口温度および90℃の出口温度でのスプレー乾燥粉末である。図4Bおよび図4Dは、500倍の倍率(図4B)および5000倍の倍率(図4D)での、90℃の入口温度、35℃の霧化温度、および5kVの静電荷電での静電スプレー乾燥粉末である。
図5A】~
図5F図5A図5Fは、初乳粉末の走査型電子顕微鏡画像である。図5A図5C、および図5Eは、500倍の倍率(図5A)、2000倍の倍率(図5C)、および5000倍の倍率(図5E)での、90℃の入口温度および30℃の霧化温度での静電スプレー乾燥粉末である。図5B図5D、および図5Fは、500倍の倍率(図5B)、2000倍の倍率(図5D)、および5000倍の倍率(図5F)での、150℃の入口温度および80℃の霧化温度での静電スプレー乾燥粉末である。
図6図6は、90℃の入口/30℃の排気口および150℃の入口/60℃の排気口で乾燥した静電スプレー乾燥初乳粉末中のラクトフェリン含有量(mg/g)の棒グラフである。
図7図7は、90℃の入口/30℃の排気口および150℃の入口/60℃の排気口で乾燥した静電スプレー乾燥初乳粉末中のIgG含有量(mg/g)の棒グラフである。
図8A】~
図8L図8A図8Lは、ラクトフェリン粉末の走査型電子顕微鏡画像である。図8A図8B、および図8Cは、500倍の倍率(図8A)、5000倍の倍率(図8B)、および10,000倍の倍率(図8C)での負荷電での静電スプレー乾燥粉末である。図8D図8E、および図8Fは、500倍の倍率(図8D)、5000倍の倍率(図8E)、および10,000倍の倍率(図8F)での正荷電での静電スプレー乾燥粉末である。図8G図8H、および図8Iは、500倍の倍率(図8G)、5000倍の倍率(図8H)、および10,000倍の倍率(図8I)での静電荷電なしでのスプレー乾燥粉末である。図8J図8K、および図8Lは、500倍の倍率(図8J)、2000倍の倍率(図8K)、および5000倍の倍率(図8L)での凍結乾燥粉末である。
図9図9は、静電荷電ありなしでの、150℃の入口で乾燥したラクトフェリン粉末中の活性ラクトフェリン含有量(mg/mL)の棒グラフである。
図10A】~
図10D図10A図10Dは、ホエイプロテイン濃縮物(WPC)粉末の走査型電子顕微鏡画像である。図10Aは、500倍の倍率でのものである。図10Bは、2000倍の倍率でのものである。図10Cは、5000倍の倍率でのものである。図10Dは、10,000倍の倍率でのものである。
図11A】~
図11B図11A図11Bは、10,000倍の倍率での、5kV、95℃の入口温度、および40℃の出口温度での静電スプレー乾燥後の20%(w/w)ヨーグルト粉末の走査型電子顕微鏡画像である。
図12A】~
図12B図12A図12Bは、pH4.5またはpH5.0に発酵させた20%(w/w)ヨーグルト中のラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス(図12A)およびストレプトコッカス・サーモフィラス(図12B)についての細胞数(cfu/mL)を示す棒グラフである。
図13A】~
図13B図13A図13Bは、製造直後および4℃での8週間の保管後のヨーグルト粉末(ヨーグルトを、pH4.5またはpH5.0に発酵させた20%(w/w)ヨーグルトから乾燥した)中のラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス(図13A)およびストレプトコッカス・サーモフィラス(図13B)についての細胞数(cfu/mL)を示す棒グラフである。
図14A】~
図14E図14A図14Eは、静電スプレー乾燥(ESD)および従来のスプレー乾燥後の乳児用調製粉乳の2000倍の倍率での走査型電子顕微鏡画像である。画像は、90℃の入口温度および35℃の霧化温度で負荷電(図14A)または正荷電(図14B)のいずれかで乾燥したESD粉末、150℃の入口温度および80℃の霧化温度で負荷電(図14C)または正荷電(図14D)のいずれかで乾燥したESD粉末、およびスプレー乾燥粉末(図14E)を示す。
図15A】~
図15E図15A図15Eは、静電スプレー乾燥および従来のスプレー乾燥後のスキムミルク粉末の2000倍の倍率での走査型電子顕微鏡画像である。画像は、90℃の入口温度および35℃の霧化温度で負荷電(図15A)または正荷電(図15B)のいずれかで乾燥したESD粉末、150℃の入口温度および80℃の霧化温度で負荷電(図15C)または正荷電(図15D)のいずれかで乾燥したESD粉末、およびスプレー乾燥粉末(図15E)を示す。
【0007】
本発明はさまざまな修正および代替の影響を受けやすいが、特定の例示的な実施態様を、以下に詳細に説明する。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定する意図はないが、それどころか、意図は、本発明の精神および範囲内にある全ての修正、代替構造、および同等物をカバーすることであることが、理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は、少なくともある程度、低熱静電スプレーシステムと比較した従来の高熱スプレー乾燥システムを使用してスプレー乾燥される乳製品粉末が、ほぼ同一のバルク組成を有するが全く異なる表面組成を有するという驚くべき発見に基づいている。この発見に従って、本発明は、同じ乳製品のスプレー乾燥粉末の表面組成と比較して、少なくとも8%(例えば、少なくとも9%の脂肪、少なくとも10%の脂肪、少なくとも11%の脂肪、少なくとも12%の脂肪)少ない脂肪を含む表面組成を有する静電スプレー乾燥粉末乳製品を提供する。例えば、約70%の脂肪を含む表面組成を有する静電スプレー乾燥粉末乳製品は、従来の高熱スプレー乾燥を使用して乾燥した同じ乳製品と比較して、ほぼ10%少ない表面脂肪を有する。
【0009】
いくつかの実施態様においては、静電スプレー乾燥粉末乳製品の表面組成はさらに、典型的な熱スプレー乾燥を使用して乾燥した同じ乳製品と比較して、少なくとも10%(例えば、11%以上、12%以上)の、ラクトース、グルコース、および/またはガラクトースを含む炭水化物を含む。典型的には、炭水化物は、ラクトースである。脂肪および炭水化物に加えて、乾燥粉乳の表面組成の残りは、1つ以上のタンパク質である。
【0010】
粉末乳製品は、低い水分活性(例えば、0.2以下、約0.15以下、約0.1以下を含む、約0.3以下)と組み合わせて、典型的には約5%以下(例えば、約4.5%以下、約4%以下、約3.5%以下、約3%以下、約2.5%以下、約2%以下)の低い水分含有量を有する。
【0011】
本明細書における実施態様のいずれかにおいては、粉末乳製品は、好ましくは粉末乳製品を形成するための乾燥工程中に凝集する。凝集した粒子は、任意のサイズであるが、典型的には約100μm以上(例えば、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、または500μm以上)の直径を有する。一般的に、粉末が凝集すればするほど、湿潤性は良好である。本発明の粉末乳製品を形成する方法は、さまざまなサイズの複数の凝集体をもたらし得る(すなわち、全ての凝集体が同じサイズであるとは限らない)。各凝集体は、1つ以上の一次粒子の集合体である。一次粒子はサイズが異なり、典型的には約10μm以上(例えば、約12μm以上、約15μm以上、約18μm以上、約20μm以上、約25μm以上)の直径を有する。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、凝集は静電荷電によって誘導されるので、高度に凝集した顆粒状の粉末は静電スプレー乾燥工程中に生成すると考えられる。比較すると、スプレー乾燥粉末は、乾燥工程中に凝集しない。
【0012】
用語「乳製品」は、任意の形態の乳の少なくともいくらかの部分を含む製品を指す。乳製品は、乳、バター、メーカーのクリーム、ヘビーホイップクリーム、ホイップクリーム、ミディアムクリーム、ライトクリーム、ハーフアンドハーフ、バターミルク、ヨーグルト、栄養製剤、初乳、ホエイプロテイン、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、またはそれらの任意の組合せを含み得る。乳は、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、ラクダ、ヘラジカ、スイギュウ、ヤク、またはトナカイを含む、任意の適切な雌の哺乳動物源からのものであり得る。さまざまな供給源からの乳を、必要に応じて、組み合わせることができる。いくつかの好ましい実施態様においては、乳製品は、ウシ(cattle)(例えば、ウシ(cow))からの乳を含む。いくつかの実施態様においては、栄養製剤は、乳児用調製粉乳、非乳児(例えば、幼児、子供、成人、高齢者)用栄養製剤(例えば、イリノイ州シカゴのAbbott Nutrition製のPEDIASURE(商標)およびENSURE(商標))、またはスポーツ(例えば、アスリート)栄養製剤を含む。いくつかの好ましい実施態様においては、乳製品は、乳児用調製粉乳を含む。
【0013】
乳製品は、新鮮な状態(例えば、液体の形態)または再構成した形態のいずれかで使用することができる。例えば、粉乳を、本明細書において記載されるように、液体形態に再構成し、次いで静電スプレー乾燥して、本発明の粉末乳製品を提供することができる。必要に応じて、再構成した乳製品は、乳製品を静電スプレー乾燥する前にさらに乾燥することができる。再構成した形態の乳製品は、例えば、スプレー乾燥粉乳、乳児用調製粉乳、非乳児用栄養粉末、およびスポーツ栄養粉末を含む。
【0014】
乳製品の組成は、乳の供給源に依存してて異なるであろう。典型的には、乳は、塩、ミネラル(例えば、カルシウム、ナトリウム、ヨウ素、カリウム、マグネシウム)、および/またはビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンK、パントテン酸、リボフラビン、およびビオチン)とともに、さまざまな量の脂肪、タンパク質、および糖(例えば、ラクトース、グルコース、ガラクトース)を含有するであろう。
【0015】
乳製品は、0~85%(例えば、0~80%、0~40%、3~38%、3~35%、3.25%~35%、3~20%、3.25~20%、3~12%、3.25~12%、3~8%、3.25~8%、3~6%、または3.25~6%)の脂肪を含む、任意の脂肪含有量を有し得る。いくつかの実施態様においては、乳製品は、約10~85%(例えば、12~84%、20~84%、12~40%、20~40%、12~35%、または20~35%)の脂肪の比較的高い脂肪含有量を有する。一般的に、乳製品は、全乳(例えば、約5%の脂肪、約3.6%の脂肪、約3.25%の脂肪を含む約3~6%の脂肪)、低下したまたは低い脂肪乳(例えば、0.5%の脂肪、1%の脂肪、1.5%の脂肪、2%の脂肪を含む、0.5~2.8%の脂肪、0.5~2.5%の脂肪、0.5~2%の脂肪、0.5~1.8%の脂肪)、またはスキムミルク(例えば、0.5%以下の脂肪、0.3%以下の脂肪、0.15%以下の脂肪、または0%の脂肪(無脂肪))として指定される乳を含む。好ましくは、静電スプレー乾燥される乳は、元の供給源と比較して脂肪含有量における低下のない全(全脂肪)乳である。
【0016】
従来のスプレー乾燥乳製品は、、望ましくないことに、乾燥および/または保管後、それらの元の外観から、例えば、黄色および/または茶色に色を変え得る。本発明の一態様においては、粉末乳製品は、低下した着色などの、望ましい外観を保持する。特に、本発明の粉末乳製品は、静電スプレー乾燥前の乳製品の色に非常に似ている、白色またはオフホワイト色などの、色を保持する。低下した着色は、CIELAB(国際照明委員会L)系および5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)含有量を測定することなどの、任意の適切な技術によって測定することができる。
【0017】
CIELAB系においては、Lは明度を定義し、aは赤/緑の値を示し、bは黄/青の値である。+b方向の増加は、黄色へのシフトを示す。すなわち、本発明の静電スプレー乾燥乳製品におけるb値は、約12以下(例えば、11以下、10以下、9以下、または8以下)である。
【0018】
HMFは、食品加工または保管中のメイラード反応(非酵素的褐変反応)を通じて糖分解によって生成する環状アルデヒドである。例えば、本発明の静電スプレー乾燥乳製品中のHMF含有量は、乾燥前の乳製品のHMF含有量とほぼ同じ(例えば、20%以内若しくはそれ以下、15%以内若しくはそれ以下、10%以内若しくはそれ以下、5%以内若しくはそれ以下、2%以内若しくはそれ以下、または1%以内若しくはそれ以下)である。あるいは、本発明の静電スプレー乾燥乳製品中のHMF含有量は、0日目または22℃および54%の相対湿度(RH)での1週間の保管後、または22℃および54%RHでの2週間の保管後、または22℃および11%RHでの8週間の保管後、または45℃および54%RHでの2週間の保管後に測定したときに、従来の高熱条件(180℃の入口温度、90℃の霧化温度、および300kPaの霧化ガス圧力)を使用してスプレー乾燥した同じ乳製品のHMF含有量と比較して、約1.5倍以上(例えば、約2倍以上、約2.5倍以上、約3倍以上)低下する。
【0019】
所望の表面組成および/または凝集特性を有する本発明の粉末乳製品は好ましくは、静電スプレー乾燥されている。結果として、本発明は、150℃未満の入口温度で乳製品を静電スプレー乾燥することを含む粉末乳製品を提供する方法を提供する。入口温度は、本明細書において記載される表面組成および/または凝集の特徴を有する粉乳製品を提供する任意の適切な温度である。例えば、入口温度は、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、約125℃以下、約120℃以下、約115℃以下、約110℃以下、約105℃以下、約100℃以下、約95℃以下、または約90℃以下である。比較すると、従来のスプレー乾燥システムは、典型的には約150~250℃または180~230℃のはるかに高い入口温度を有する。
【0020】
静電スプレー乾燥システムの霧化温度もまた、約80℃以下(例えば、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、または約30℃以下)など、比較的低い。
【0021】
静電スプレー乾燥工程は、典型的には約0.1kV以上(例えば、約0.5kV以上、約1kV以上、約2kV以上、約4kV以上、約5kV以上、約7kV以上、約9kV以上、約12kV以上、または約15kV以上)である、電圧をスプレー液滴に印加する。印加電圧の上限は典型的には、30kVであり、いくつかの場合においては、上限は、20kV、より好ましくは15kVである。前述のエンドポイントの任意の2つを使用して、クローズエンドの範囲を定義するか、または1つのエンドポイントを使用して、オープンエンドの範囲を定義することができる。乾燥工程においては、印加電圧は、連続的であり得るか、またはパルス幅変調(PWM)として知られる、2つ以上の異なる電圧間で変調し得る。0.1~30kVの間の範囲の任意の2つ以上の印加電圧(例えば、0.5kVおよび1kV、1kVおよび5kV;5kVおよび15kV)をPWM用に使用して、特定の凝集体サイズなどの所望の効果を提供することができる。静電スプレー乾燥粉乳の凝集体サイズは、静電荷電の関数として増加することが発見された。
【0022】
PWMの代わりに、またはPWMに加えて、印加電圧の荷電(正または負)は、必要に応じて変更し得る。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、静電荷電を交互に行うことが、粒子の表面組成および/または凝集特性を変化させ得ると考えられる。例えば、負の印加荷電は、より極性の高い化合物が粒子の表面に向かって移動することを可能とし、非極性の化合物が粒子のコアの近くに残るであろう。従って、典型的には負の静電荷電が、静電スプレー乾燥工程において印加される。いくつかの実施態様においては、印加電圧の荷電を交互に行うことは、初乳を含む粉末乳製品を調製するときに使用される。
【0023】
本明細書において使用するとき、用語「約」は典型的には、値の±1%、値の±5%、または値の±10%を指す。
【0024】
ここで、図面をより明確に参照すると、図1は、本発明による、乳製品を粉末形態に加工するための例示されたスプレー乾燥システム10である。図示するスプレー乾燥システム10の基本的な構造および動作は、本出願と同じ譲受人に譲渡された、米国特許第10,286,411号に開示されたものと同様であり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
この場合におけるスプレー乾燥システム10は、直立した円筒形構造の形態の乾燥室12、加熱空気入口15および液体スプレーノズルアセンブリ16を有する乾燥室12用のカバーまたは蓋14の形態の上部閉鎖配置、並びに乾燥室12の底部で支持される粉末収集コーン18の形態の底部閉鎖配置を含む処理塔11と、加熱空気排気出口を有する、粉末収集コーン18が貫通して延在するフィルター要素ハウジング19と、底部粉末収集室21とを含む。
【0026】
例示された乾燥室12は、スプレーノズルアセンブリ16からの静電的に荷電した液体スプレー粒子がその中に排出される乾燥室12の内壁面12に対して同心間隔関係で配置された「交換可能な内部非金属」絶縁ライナー22を有する。ライナー100は、乾燥室12の内壁面12との絶縁空気間隔101を提供するように、乾燥室12の内径d1よりも小さい直径dを有する。ライナー100は好ましくは、非構造的であり、非透過性の可撓性プラスチック材料でできている。
【0027】
図2に最もよく示されているように、スプレーノズルアセンブリ16は、静電的に荷電した粒子のスプレーを乾燥室12中に向けて、乳製品を粉末形態に迅速かつ効率的に乾燥するための加圧空気支援静電スプレーノズルアセンブリである。例示されたスプレーノズルアセンブリ16は、ノズル支持ヘッド31、ヘッド31から下流に延在する細長いノズルバレルまたは本体32、および細長いノズル本体32の下流端の排出スプレー先端アセンブリ34を含む。この場合におけるヘッド31は、プラスチックまたは他の非導電性材料でできており、スプレー乾燥される乳製品の供給源(supply)と連通する供給ライン37に結合するための液体入口継手38を受け入れ、それと連通する半径方向の液体入口通路36で形成される。
【0028】
この場合におけるノズル支持ヘッド31はさらに、適切な加圧ガス供給源(supply)に結合した空気入口継手40を受け入れ、それと連通する前記液体入口通路36の下流の半径方向加圧空気霧化入口通路39で形成される。ヘッド31はまた、ヘッド31内で軸方向に支持され、液体入口通路36の下流に延在する電極48と、隣接して電気的に接触する関係で、通路41中に延在する端部44を有する、高電圧源に接続された高電圧ケーブル44を固定するための継手42を受け入れる、液体入口通路36の上流の半径方向通路41を有する。
【0029】
ヘッド31を通る液体の通過を可能にするために、電極48は、液体入口通路36と連通し、電極48を通って下流に延在する、内部軸方向通路49で形成される。電極48は、液体入口通路36と内部軸方向通路49との間で連通する複数の半径方向通路50で形成される。
【0030】
細長い本体32は、ヘッド31のねじ穴内に螺合可能に係合している上流端55aを有する、プラスチックまたは他の適切な非導電性材料でできている外側円筒形本体部材55の形態である。液体供給管58は、ヘッド31から細長いノズル本体部材32を通って排出スプレー先端アセンブリ34に至るその通路全体にわたって液体を効率的に電気的に荷電させるために、電極48と電気的に接触する関係で配置されており、これは、この場合においては、米国特許第10,286,411号に開示されているものと同様である。
【0031】
明らかになるように、静電スプレー乾燥システム10は、乳製品を従来技術よりも改善された特徴を有する微粒子に乾燥するために動作可能である。
【0032】
本発明を、以下の特徴によってさらに例示する。
【0033】
(1)同じ乳製品のスプレー乾燥粉末と比較して少なくとも8%少ない脂肪を含む表面組成を有する、静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0034】
(2)表面組成の約10%以上が炭水化物を含む、特徴(1)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0035】
(3)粉末乳製品が凝集している、特徴(1)または(2)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0036】
(4)凝集体のサイズが100μm以上である、特徴(3)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0037】
(5)凝集体のサイズが300μm以上である、特徴(4)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0038】
(6)乳製品が初乳を含む、特徴(1)~(5)のいずれか1つの静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0039】
(7)乳製品が、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、ラクダ、ヘラジカ、スイギュウ、ヤク、トナカイ、およびそれらの任意の組合せから選択される哺乳動物源からのものである、特徴(1)~(6)のいずれか1つの静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0040】
(8)哺乳動物源がウシである、特徴(7)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0041】
(9)乳製品が約3~6%の脂肪含有量を有する、特徴(1)~(8)のいずれか1つの静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0042】
(10)乳製品が新鮮である、特徴(1)~(9)のいずれか1つの静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0043】
(11)乳製品が粉末から再構成されている、特徴(1)~(10)のいずれか1つの静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0044】
(12)粉末乳製品が、150℃未満の入口温度で静電スプレー乾燥されている、特徴(1)~(11)のいずれか1つの粉末乳製品。
【0045】
(13)霧化温度が約80℃以下である、特徴(12)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0046】
(14)印加電圧が約0.1kV以上である、特徴(12)または(13)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0047】
(15)印加電圧が連続的である、特徴(14)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0048】
(16)印加電圧が2つ以上の異なる電圧間で変調されている、特徴(14)の静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0049】
(17)印加電圧が荷電を交互に行う、特徴(12)~(14)のいずれか1つの静電スプレー乾燥粉末乳製品。
【0050】
(18)150℃未満の入口温度で乳製品を静電スプレー乾燥することを含む、粉末乳製品を提供する方法。
【0051】
(19)霧化温度が約80℃以下である、特徴(18)の方法。
【0052】
(20)印加電圧が約0.1kV以上である、特徴(18)または(19)の方法。
【0053】
(21)印加電圧が連続的である、特徴(18)~(20)のいずれか1つの方法。
【0054】
(22)印加電圧が2つ以上の異なる電圧間で変調される、特徴(18)~(20)のいずれか1つの方法。
【0055】
(23)印加電圧が荷電を交互に行う、特徴(18)~(20)のいずれか1つの方法。
【0056】
(24)粉末乳製品が、同じ乳製品のスプレー乾燥粉末と比較して少なくとも8%少ない脂肪を含む表面組成を有する、特徴(18)~(23)のいずれか1つの方法。
【0057】
(25)粉末乳製品が約10%以上の炭水化物を含む表面組成を有する、特徴(18)~(24)のいずれか1つの方法。
【0058】
(26)粉末乳製品が静電スプレー工程中に凝集する、特徴(18)~(25)のいずれか1つの方法。
【0059】
(27)凝集体のサイズが100μm以上である、特徴(26)の方法。
【0060】
(28)凝集体のサイズが300μm以上である、特徴(27)の方法。
【0061】
(29)乳製品が初乳を含む、特徴(18)~(28)のいずれか1つの方法。
【0062】
(30)乳製品が、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、ラクダ、ヘラジカ、スイギュウ、ヤク、トナカイ、およびそれらの任意の組合せから選択される哺乳動物源からのものである、特徴(18)~(29)のいずれか1つの方法。
【0063】
(31)哺乳動物源がウシである、特徴(30)の方法。
【0064】
(32)乳製品が約3~6%の脂肪含有量を有する、特徴(18)~(31)のいずれか1つの方法。
【0065】
(33)乳製品が新鮮である、特徴(18)~(32)のいずれか1つの方法。
【0066】
(34)乳製品が粉末から再構成されている、特徴(18)~(32)のいずれか1つの方法。
【0067】
(35)乳製品を静電スプレー乾燥する前に再構成した乳製品を乾燥することをさらに含む、特徴(34)の方法。
【0068】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、もちろん、いかなる方法によってもその範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例
【0069】
実施例1
この実施例は、本発明の一実施態様における、乳製品の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0070】
40%の固形分まで蒸発させたフルクリームミルクを、90℃の入口温度、35℃の霧化温度、および5kVの静電荷電で静電スプレー乾燥して、粉末を形成した。得られた粉乳は、180℃の入口温度および90℃の出口温度で従来のスプレー乾燥によって製造した粉乳と同様のバルク組成を有していた(表1)。両方のスプレー乾燥法によって作製した粉末は、1~1.5%の間の水分含有量および0.07~0.099の間の水分活性を有していた。
【0071】
【表1】
【0072】
単一強度の乳(さまざまな脂肪含有量を有する12~13%の固形分)およびより高い固形分含有量を有する濃縮乳もまた、静電乾燥することができる。150℃未満の入口温度、80℃未満の霧化温度、および0.1kV超の静電荷電での静電技術は、高熱スプレー乾燥粉乳に典型的な、水分含有量5%以下および水分活性0.3以下を有する粉乳を生成する。粉乳製造において使用される典型的な高熱スプレー乾燥条件を、表2において静電スプレー乾燥と比較する。従来の高熱スプレー乾燥においては、入口温度が下がるにつれて粉乳を乾燥することがますます困難になり、静電スプレー乾燥に典型的な入口および出口温度では水分含有量5%未満および水分活性0.3未満を有する粉末を製造することができない。
【0073】
【表2】
【0074】
実施例2
この実施例は、静電スプレー乾燥粉乳が「乳白色」の外観を保持することを実証する。
【0075】
フルクリームミルク粉末の色パラメータは、Lが明度を定義し、aが赤/緑の値を示し、bが黄/青の値である、CIELAB(国際照明委員会L)系を使用して測定した。+b方向への色の移動は、黄色へのシフトを表す。従来の高熱法によってスプレー乾燥したフルクリームミルクは、粉末形態でその特徴的な「乳白色」の外観を失う傾向があり、わずかに黄色の色合いを帯びる。
【0076】
上記の実施例1において記載するように、高熱スプレー乾燥および静電スプレー乾燥によって調製した粉乳を、調製し分析した。表3に示すように、両方の粉末タイプとも、同様の明度(L値)を示す。しかしながら、静電スプレー乾燥したフルクリームミルク粉末における黄色度は、より低いb値によって証明されるように、高熱を使用して形成した従来のスプレー乾燥粉末よりも低い。より少ない黄色がより自然な外観を有するため、より少なく黄色で、「より白い」外観が、消費者の観点からは望ましい。特定の理論に縛られることなく、低下した黄色度は、おそらく静電スプレー乾燥において使用される低温、より低い表面脂肪(以下の表5)、および/またはより小さな一次粒子サイズ(以下の表6)のためである。
【0077】
【表3】
【0078】
実施例3
この実施例は、本発明の一実施態様において、静電スプレー乾燥粉末が、加熱後の低下した非酵素的褐変を有することを実証する。
【0079】
上記の実施例1において記載するように、高熱スプレー乾燥および静電スプレー乾燥によって調製した粉乳を、調製し分析した。表4は、102℃で2時間加熱したフルクリームミルク粉末の色パラメータを示す。表3において報告するよりも高いb値によって証明されるように、非酵素的褐変は、加熱後の両方の粉末において明らかであったが、静電スプレー乾燥粉末は、褐変によりより少なく影響されていた(より低いb値)。
【0080】
【表4】
【0081】
実施例4
この実施例は、本発明の一実施態様における、より低い表面脂肪組成を有する全乳製品の静電スプレー乾燥を実証する。
【0082】
上記の実施例1において記載するように、高熱スプレー乾燥および静電スプレー乾燥によって調製した粉乳を、調製し分析した。両方のタイプの全脂粉乳のバルク組成を、表5において表面組成と比較する。スプレー乾燥および静電スプレー乾燥粉末の両方とも、同様の、脂肪、タンパク質、および炭水化物(CHO)のバルク組成を有しているが、しかしながら、それらの表面化学は、異なる。脂肪はバルク組成の約21.5%に寄与したが、脂肪は粉末の表面上に過剰に示されており、タンパク質およびCHO(例えば、ラクトース)がそれに続く。スプレー乾燥粉末は、ほぼ78%の表面脂肪を有していたが、一方、静電スプレー乾燥粉末は、約69%の表面脂肪を有していた。すなわち、静電効果は、表面脂肪をほぼ10%低下させ、表面上の脂肪は、主に炭水化物(例えば、ラクトース)およびいくらかのタンパク質によって置き換わられる。
【0083】
【表5】
【0084】
実施例5
この実施例は、本発明の一実施態様における、乳製品の静電スプレー乾燥工程中の一次粒子の凝集を実証する。
【0085】
静電スプレー乾燥は、図3A(マクロビュー)および図3B(ミクロビュー)に示すように、高度に凝集した顆粒状の粉末を生成する。凝集は、スプレー乾燥工程中に起こり、静電荷電によって誘導される。従来の高熱スプレー乾燥とは異なり、凝集は、微粉の再利用または凝集剤を含まない。乾燥後にしばしば適用される乾燥後凝集法(例えば、流動床凝集)は一般的に、必要とされない。凝集は典型的には、改善された湿潤性を示し、これは、貯蔵寿命および再構成能力の重要な尺度である。湿潤性(すなわち、粉末粒子のその表面上で水を吸収する能力)は、IDF(1979)( “Determination of the dispersibility and wettability of instant dried milk.” IDF Standard No.87. International Dairy Federation,Brussels)およびGEA Niro Method No.A 6 a(revised 2005)などの任意の適切な方法によって測定することができる。
【0086】
上記の実施例1において記載するように、高熱スプレー乾燥および静電スプレー乾燥によって調製した粉乳を、調製し分析した。単一強度の乳(約13%固形分)を、このデータセット用の静電スプレー乾燥粉末を調製するために使用した。表6は、静電スプレー乾燥粉末の平均凝集体サイズが約384μmであったことを示す。大きな標準偏差(±226μm)は、広範囲の凝集体サイズを意味する。スプレー乾燥粉末は、乾燥工程中に凝集せず、一次粒子サイズは、約33μmであった。これは、静電スプレー乾燥粉末の一次粒子サイズ(約12μm)、すなわち、凝集粒子よりも大きかった。
【0087】
【表6】
【0088】
走査型電子顕微鏡画像は、これらのデータを裏付ける(図4A図4D)。図4Aおよび図4Cは、それぞれ、500倍および5000倍の倍率でのスプレー乾燥粉末の大きな未凝集の一次粒子を示す。図4Bは、500倍の倍率での高度に凝集した静電スプレー乾燥粉末を示し、一方、図4Dは、5000倍の倍率での小さな凝集した一次粒子を示す。
【0089】
90℃の入口温度および35℃の霧化温度での静電スプレー乾燥粉末は、高荷電および低荷電の2つの異なる電圧でのパルス幅変調(PWM)を使用して調製した。表7に示すように、凝集体のサイズは、スプレー乾燥工程中に静電荷電を操作することによって制御することができる。
【0090】
【表7】
【0091】
実施例6
この実施例は、本発明の一実施態様における、初乳の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0092】
約23%の固形分(w/w)を含有する液体初乳を、表8に指定する操作条件で静電スプレー乾燥機(ESD)を用いて乾燥した。
【0093】
【表8】
【0094】
初乳粉末は、90℃および150℃の入口温度での静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くあり得る。排気口温度は、一般的に60℃未満に維持し、この実施例においては、排気口温度は、30℃(90℃の入口)と60℃(150℃の入口)に維持した。5kVと1kVとの間で交互に行う負のパルス幅変調(PWM)を、乾燥工程において使用したが、しかしながら、これは、PWMの有無にかかわらず15kVまで高くあり得、荷電を逆(正)にし得る。霧化ガス圧力は、200kPaであったが、これは、30~552kPaの範囲であり得る。初乳について文献で報告されているスプレー乾燥温度は、一般的にESDと比較してより高い(180℃の入口)。例えば、Borad et al.(LWT-Food Science and Technology,118,108719,6 pages(2020))を参照。
【0095】
静電スプレー乾燥初乳粉末についての典型的な水分含有量および水分活性は、4%未満の水分および0.2の水分活性である。この実施例においては、これらのパラメータを、表9に示す。90℃の入口乾燥温度では、ESD初乳粉末の水分含有量は、0.79%であり、水分活性は、0.092であった。150℃での静電スプレー乾燥は、同様の水分含有量および水分活性(それぞれ、0.83%および0.099)を有する初乳粉末を生成した。
【0096】
【表9】
【0097】
ESD初乳粉末についての走査型電子顕微鏡(SEM)画像を、500倍、2000倍および5000倍の倍率で撮影した。図5を参照。両方の温度でおよび報告されているより低い倍率(500倍)で、ESD粉末は、凝集していた(図5Aおよび図5B)。両方の温度でおよびより高い倍率(2000倍および5000倍)で、一次粉末粒子は、はっきりと見えた(図5C図5F)。一次粒子のサイズにおける明確な分布があり、これらの大部分は、外観が主に球状であった。
【0098】
初乳粉末中のラクトフェリンおよびIgG含有量は、ELISA定量法(ELISA Kit,Catalogue No,E10-126,Bethyl Laboratories,Montgomery,Texas,USA)によって決定した。
【0099】
図6は、初乳粉末中のラクトフェリン含有量を示す。データは、90℃で乾燥した初乳粉末が(乾燥前の液体初乳中の0.53mg/gの活性ラクトフェリンに基づいて)90%の生物活性収率保持を有することを示した。150℃のより高い入口乾燥温度では、ラクトフェリンの生物活性におけるいくらかの損失があり、収率保持は、74%であった。図7は、初乳粉末中のIgG含有量を示す。データは、90℃で乾燥した初乳粉末が(乾燥前の液体初乳中の134mg/gの活性IgGに基づいて)98%の生物活性収率保持を有することを示した。150℃のより高い入口乾燥温度では、IgGの生物活性におけるいくらかの損失があり、収率保持は、82%であった。
【0100】
実施例7
この実施例は、本発明の一実施態様における、ラクトフェリン(Lf)の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0101】
約12%の固形分(w/w)を含有する液体ラクトフェリンを、表10に指定する操作条件で静電スプレー乾燥機を用いて乾燥した。比較のために、ラクトフェリンはまた、表11に指定するように凍結乾燥した。
【0102】
【表10】
【0103】
【表11】
【0104】
ラクトフェリン粉末は、90℃の入口で静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くおよび150℃まで高くあり得る。排気口温度は、60℃未満に維持し、この実施例においては、これらのパラメータは、30℃に設定した。5kVと1kVとの間で交互に行う正および負のパルス幅変調(PWM)を、乾燥工程において使用したが、しかしながら、これは、PWMの有無にかかわらず15kVまで高くあり得る。霧化ガス圧力は、200kPaであったが、これは、30~552kPaの範囲であり得る。
【0105】
静電スプレー乾燥ラクトフェリン粉末についての典型的な水分含有量および水分活性は、4%未満の水分および0,2の水分活性である。この実施例においては、静電スプレー乾燥ラクトフェリン粉末についての水分含有量および水分活性を、表12に示す。90℃の入口乾燥温度では、Lf粉末の含水含有量は、負のPWMで2.52%および正のPWMで1.50%であった。水分活性は、負および正のPWMでそれぞれ、0.222および0.144であった。静電荷電なしで150℃でスプレー乾燥することは、同様の水分含有量および水分活性(それぞれ、2.30%および0.248)を有する粉末を生成した。凍結乾燥したLf粉末の水分含有量は、1.18%でより低く、0.108の水分活性であった。
【0106】
【表12】
【0107】
図8は、500倍、5000倍、および10,000倍の倍率でのスプレー乾燥およびESD Lf粉末についての一連のSEM画像である。報告されているより低い倍率(500倍)では、ESD粉末は、凝集を示すが(図8Aおよび図8D)、しかしながら、スプレー乾燥粉末は、広く分散しており、静電荷電の不在下ではほとんど凝集を示さない(図8G)。より高い倍率(5000倍および10,000倍)では、一次粉末粒子は、はっきりと見える(図8B図8C図8E図8F図8H、および図8I)。一次粒子は、外観が主に球状であり、表面の窪みが明らかである。これらの窪みは、典型的には低温で乾燥したスプレー乾燥低脂肪乳製品粉末において見られる(例えば、Nijdam et al.,Journal of Food Engineering,77,919-925(2005)を参照)。
【0108】
凍結乾燥ラクトフェリンの形態は、典型的な結晶性の、鋭いエッジの外観を示し、球状スプレー乾燥およびESD粉末とは異なる(図8J図8K、および図8L)。
【0109】
図9は、ウシラクトフェリンELISA定量キット(Catalogue No,E10-126,Bethyl Laboratories,Montgomery,Texas,USA)を使用したLf粉末中の生物活性ラクトフェリン含有量を示す。ELISAアッセイについての6mg/mLに基づいて、150℃の入口温度で静電荷電なしでスプレー乾燥したLf粉末は、その生物活性の90%を保持していた。PWM荷電(負または正)にかかわらず、ESD粉末は、90℃のより穏やかな入口温度で処理し、ラクトフェリンの生物活性のそれぞれ、98%および100%の保持を示した。
【0110】
実施例8
この実施例は、本発明の一実施態様における、ホエイプロテイン粉末の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0111】
20%の固形分(w/w)を含有するホエイプロテイン濃縮物(WPC)溶液を、表13に指定する操作条件で静電スプレー乾燥機を用いて乾燥した。
【0112】
【表13】
【0113】
乾燥した製品は、最大80%のタンパク質を含有するホエイプロテイン粉末であった(WPC80)。WPC粉末は、90℃から150℃の範囲の入口温度で静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くあり得る。霧化および排気口温度は、30~80℃の範囲であった。5kVと1kVとの間で交互に行う正のパルス幅変調(PWM)荷電を、乾燥工程において使用したが、しかしながら、これは、PWMの有無にかかわらず15kVまで高くあり得、荷電を逆(正)にし得る。霧化ガス圧力は、200kPaであったが、30~552kPaの範囲であり得る。
【0114】
静電スプレー乾燥ホエイパウダーについての典型的な水分含有量および水分活性は、4%未満の水分および0.2の水分活性である。この実施例においては、静電スプレー乾燥WPC粉末についての水分含有量および水分活性を、表14に示す。90℃の入口乾燥温度では、WPC粉末の水分含有量は、2.12%で、0.074の水分活性であった。乾燥温度が150℃に上昇するにつれて、WPC80粉末の水分含有量は、0.97%に低下し、0.019の水分活性であった。ESD WPC粉末のこれらの水分含有量は、より高温で動作する従来の高熱スプレー乾燥によって生成するホエイ粉末よりも低い。従来の高熱スプレー乾燥機は典型的には、160~200℃超の範囲の入口温度で動作し、得られる粉末は、3~7%の範囲の水分含有量を有する(例えば、Oliveira et al.,J Food Sci Technol,55(9),3693-3702(2018);Sawhney et al.,Journal of Food Processing and Preservation,38,1787-1798(2014);およびSvanborg et al.,J. Dairy Sci.,98,5829-5840(2015)を参照)。
【0115】
【表14】
【0116】
図10は、500倍、2000倍、5000倍、10,000倍の倍率でのWPC粉末についての一連のSEM画像である。報告されているより低い倍率(500倍および2000倍)は、静電スプレー乾燥WPC粉末が高度に凝集していることを示す(図10Aおよび図10B)。より高い倍率(5,000倍および10,000倍)では、一次粉末粒子は、はっきりと見える(図10Cおよび図10D)。一次粒子は外観が主に球状であるが、中空でない窪みが、各粒子の表面上に存在する。これらの窪みは、低温で乾燥した低脂肪乳製品粉末に典型的であり(例えば、Nijdam et al.,Journal of Food Engineering,77,919-925(2005)を参照)、形態は、従来のスプレー乾燥に典型的な高温で乾燥した粉末とは異なる(例えば、Barone et al.,Journal of Food Engineering,255,41-49(2019);およびNishanthi et al.,Journal of Food Engineering,219,111-120(2018)を参照)。
【0117】
実施例9
この実施例は、本発明の一実施態様における、ヨーグルトの低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0118】
13%および20%の固形分(w/w)を含有するヨーグルトを、pH4.5および5.0に発酵させた後、表15に指定する操作条件で静電スプレー乾燥した。
【0119】
【表15】
【0120】
ヨーグルト粉末は、95℃の入口温度での静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くまたは150℃まで高くあり得る。排気口温度は、一般的に60℃未満に維持し、この実施例においては、排気口温度は、40℃であった。5kVと1kVとの間で交互に行う負のパルス幅変調(PWM)を、乾燥工程において使用したが、しかしながら、これは、PWMの有無にかかわらず15kVまで高くあり得、荷電を逆(正)にし得る。霧化ガス圧力は、340kPaであったが、これは、30~552kPaの範囲であり得る。文献において報告されているヨーグルトについてのスプレー乾燥温度は、一般的に170℃の入口温度より高く、排気口温度は、60℃超である(例えば、Kearney et al.,International Dairy Journal,19,684-689(2009);Kocetal et al.,Drying Technology,28(4),495-507(2010);Rascon-Diaz et al.,Food Bioprocess Technol,5,560-567(2012);およびSeth et al.,International Journal of Food Properties,20(7),1603-1611(2016)を参照)。
【0121】
静電スプレー乾燥ヨーグルト粉末についての典型的な水分含有量および水分活性は、4%未満の水分であるが、5%まで高くあり得、水分活性は、0.2未満である。この実施例においては、これらのパラメータを、表16に示す。95℃の入口乾燥温度では、ヨーグルト粉末の水分含有量は、3.28~4.10%であり、水分活性は、0.116~0.127であった。
【0122】
【表16】
【0123】
図11は、pH5.0(図11A)およびpH4.5(図11B)での10,000倍の倍率でのESDヨーグルト粉末についての一連のSEM画像である。一次粒子間には狭いサイズ分布があり、これらの大部分は、外観が球状である。ESDヨーグルト粉末の表面は、発酵工程中の酸性化およびタンパク質不安定化のため、粗い。
【0124】
図12Aおよび図12Bは、pH4.5またはpH5.0に発酵させた20%(w/w)ヨーグルト中のラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス(図12A)およびストレプトコッカス・サーモフィラス(図12B)についての細胞数(cfu/mL)を示す。細胞数はまた、20%固形分(w/w)への再構成の前後の対応するESDヨーグルト粉末についても提供される。pH4.5および5.0に発酵させたヨーグルトは、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクスおよびストレプトコッカス・サーモフィラスの両方について同様の細胞数を有していた(約10×cfu/mL)。静電スプレー乾燥後、ヨーグルト粉末は、細胞生存能力の損失をほとんどまたは全く有さなかった。この観察結果は、損失が記録されたpH5.0に発酵させたヨーグルト中のラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス(約10×cfu/mL)を除いて、20%(w/w)の固形分に再構成したヨーグルト粉末についても当てはまった。
【0125】
図13Aおよび図13Bは、製造直後および4℃で8週間の保管後のヨーグルト粉末(ヨーグルトを、pH4.5またはpH5.0に発酵させた20%(w/w)スキムミルクから乾燥した)中のラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス(図13A)およびストレプトコッカス・サーモフィラス(図13B)についての細胞数(cfu/mL)を示す。ESDヨーグルト粉末中の生きている微生物の生存は高いままであり、4℃で8週間の保管にわたって細胞生存能力における損失はほとんどまたは全くなかった。
【0126】
実施例10
この実施例は、本発明の一実施態様における、乳児用調製粉乳(IMF)の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0127】
40%固形分(w/w)IMFウェットミックスは、ラクトース、スキムミルク粉末、ホエイプロテイン濃縮物、および植物油を用いて調製し、15%のタンパク質、26%の脂肪、および59%のラクトースを含有していた。同様の乳児用調製粉乳が、文献で報告されている。例えば、Masum et al.,J. Food Eng.,2019,254,34-41;およびMasum et al.,Int. Dairy J.,2020,100,104565を参照。液体IMFは、表17において記載する操作条件でESDを用いて乾燥した。IMFはまた、比較のために、従来の高熱スプレー乾燥によってスプレー乾燥した。
【0128】
【表17】
【0129】
IMF粉末は、90℃および150℃の入口温度での静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くあり得る。霧化および排気口温度は、一般的に60℃未満に維持し、この実施例においては、霧化および排気口温度は、90℃および150℃の入口温度で乾燥した粉末についてそれぞれ、35℃および80℃に設定した。霧化ガス圧力は、30~552kPaの範囲であり得る。静電荷電は、PWMの有無にかかわらず0.1kVまで低くおよび15kVまで高くあり得る。この実施例においては、90/35℃で乾燥するときは10kVと1kVとの間で交互に行う負および正のパルス幅変調(PWM)を使用し、150/80℃で乾燥するときは0.9kVの連続電圧を使用した。
【0130】
比較のために、IMFはまた、文献で報告されているものと同様の乾燥条件での従来の高熱スプレー乾燥によって、180/90℃でスプレー乾燥した(例えば、Masum et al.,J. Food Eng.,2019,254,34-41;Masum et al.,Int. Dairy J.,2020,105,104696;McCarthy et al.,Int. Dairy J.,2012,25(2),80-86;Montagne et al.,“Infant Formulae-Powders and Liquids. In Dairy Powders and Concentrated Products,” 1st ed.;Tamime,A. Y.,Ed.;Wiley-Blackwell:West Sussex,UK,2009;pp 294-331;およびMurphy et al.,Int. Dairy J.,2015,40,39-46を参照)。表17を参照。
【0131】
静電スプレー乾燥IMF粉末についての典型的な水分含有量および水分活性は、4%未満の水分および0.2の水分活性である。この実施例においては、粉末特性を、表18に示す。90℃の入口乾燥温度では、初乳粉末の水分含有量は、2.29%以下であり、水分活性は、0.114以下であった。150℃での静電スプレー乾燥は、よりより低い水分含有量および水分活性(例えば、0.99%以下の水分および0.028以下の水分活性)を有する粉末を生成した。比較すると、従来の高熱スプレー乾燥粉末は、、1.89%および0.210の水分含有量および水分活性を有していた。
【0132】
【表18】
【0133】
図14は、90/35℃で乾燥したESD粉末(図14Aにおいては負荷電、および図14Bにおいては正荷電)、150/80℃で乾燥したESD粉末(図14Cにおいては負荷電、および図14Dにおいては正荷電)、およびスプレー乾燥したIMF粉末(図14E)についての2000倍の倍率での一連のSEM画像である。画像において見られるように、ESD粉末は、凝集しており、一次粒子は、外観が主に球状であった。スプレー乾燥した一次粒子もまた、球状であったが、ESD粉末よりも大きかった。
【0134】
表19は、ESD製造および従来の高熱スプレー乾燥直後の粉末の特徴および溶解度を示す。全ての粉末は、製造直後(0日目)に自由流動性であり、溶解度は、高かった(約97~98%)。54%の相対湿度で保管した全ての粉末は、45℃で1週間後、22℃で4週間後の両方で固まった。粉末は固まったが、ESD粉末の溶解度は、約93~96%で高いままであった。スプレー乾燥したIMF粉末は、しかしながら、溶解度において大きな損失を有し、22℃での保管後に約86%、および45℃での保管後に約78%に低下した。
【0135】
【表19】
【0136】
5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)含有量は、メイラード褐変反応を示し、表20に示す。0日目に、HMF含有量は、最も低い温度(90℃の入口および35℃の出口)で製造したESD粉末において最も低かった(<27μg/100g)。より高いESD温度(150℃の入口および80℃の排気口)では、高い処理温度がメイラード反応を加速し、HMF値は、約53μg/100g(-ve ESD)および54μg/100g(+ve ESD)に増加した。HMF含有量はまた、90℃で乾燥したESDサンプルと比較して、スプレー乾燥粉末(180℃の入口/90℃の排気口)においてより高かった(107μg/100g)。
【0137】
【表20】
【0138】
HMF含有量は一般的に、制御された保管中の粉末において増加した。22℃および11%の相対湿度(RH)での8週間の保管は、最も低い温度(90℃の入口および35℃の出口)で製造したESD粉末におけるHMF含有量を31μg/100g(-ve ESD)に増加させ、+ve ESD粉末においては変化しないままであった。HMF含有量は、60μg/100g(-ve ESD)に増加し、より高温(150℃の入口および90℃の排気口)で乾燥した+ve ESD粉末においては変化しないままであった。HMF含有量は、スプレー乾燥粉末(180℃の入口/90℃の排気口)において103μg/100gに増加する。
【0139】
45℃および54%の相対湿度(RH)での2週間の保管は、最も低い温度(90℃の入口および35℃の出口)で製造したESD粉末におけるHMF含有量を115μg/100g(-ve ESD)に、+ve ESD粉末においては125μg/100gに増加させた。HMF含有量は、197μg/100g(-ve ESD)に増加し、より高温(150℃の入口および90℃の排気口)で乾燥した+ve ESD粉末においては151μg/100gに増加した。HMF含有量は、スプレー乾燥粉末(180℃の入口/90℃の排気口)においては153μg/100gに増加した。
【0140】
実施例11
この実施例は、本発明の一実施態様における、スキムミルク粉末(SMP)の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0141】
40%の固形分(w/w)を含有するスキムミルクを、表21に指定する操作条件でESDを用いて乾燥した。スキムミルクはまた、比較のために、文献で報告されているものと同様の条件で、従来の高熱スプレー乾燥によってスプレー乾燥した(例えば、S. Padma Ishwarya and C. Anandharamakrishnan,“Spray Drying” in Handbook of Drying for Dairy Products,1st Ed.,John Wiley & Sons,2017,pages 57-94;Bloore & O’Callaghan,“Process Control in Evaporation and Drying” in Dairy Powders and Concentrated Products,Wiley-Blackwell,2009,pages 332-350;およびKelly et al.,“Manufacturing and Properties of Milk Powders” in Advanced Dairy Chemistry Volume 1:Proteins,3rd Ed.,Kluwer Academic/Plenum Publishers,2003,pages 1027-1061を参照)。
【0142】
【表21】
【0143】
SMPは、90℃および150℃の入口温度での静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くあり得る。霧化および排気口温度は、一般的に60℃未満に維持し、この実施例においては、霧化および排気口温度は、35℃および80℃に設定した。霧化ガス圧力は、30~552kPaの範囲であり得る。90/35℃および0.9kVの連続電圧で乾燥するとき、150/80℃で乾燥するときは、10kVと1kVとの間で交互に行う負および正のパルス幅変調(PWM)を使用した。静電荷電は、例えば、PWMの有無にかかわらず0.1kVまで低くおよび15kVまで高くあり得る。比較のために、SMPはまた、従来の高熱スプレー乾燥によって180/90℃でスプレー乾燥した。
【0144】
静電スプレー乾燥SMPについての典型的な水分含有量および水分活性は、4%未満の水分および0.2の水分活性である。この実施例においては、粉末特性を、表22に示す。90℃の入口乾燥温度では、SMPの水分含有量は、3.68%未満であり、水分活性は、0.1203未満であった。150℃での静電スプレー乾燥は、より低い水分含有量および水分活性(1.77%以下の水分;0.0605以下の水分活性)の両方を有する粉末を生成した。比較すると、従来の高熱スプレー乾燥粉末は、それぞれ、2.48%および0.1830の水分含有量および水分活性を有していた。
【0145】
【表22】
【0146】
D[4,3]値として報告されているSMPの平均粒子サイズを、表23に示す。150℃の入口温度での静電スプレー乾燥は、約12μm(-ve ESD)および17μm(+ve ESD)の平均粒子サイズを有する粉末を生成した。90℃のより穏やかな入口温度で乾燥したESD粉末は、54μm(-ve ESD)および32μm(+ve ESD)のより大きな粒子サイズを有していた。180℃の入口温度でのスプレー乾燥は、約38μmの、より低い温度(90℃)で乾燥したESD粉末の粒子サイズに非常に近い平均粒子サイズを有する粉末を生成した。
【0147】
【表23】
【0148】
図15は、90/35℃で乾燥したSMP粉末(図15Aにおいては負荷電、および図15Bにおいては正荷電)、150/80℃で乾燥したESD粉末(図15Cにおいては負荷電、および図15Dにおいては正荷電)、およびスプレー乾燥したSMP粉末(図15E)についての2000倍の倍率での一連のSEM画像である。画像において見られるように、ESD粉末は、凝集しており、一次粒子は、外観が主に球状であった。スプレー乾燥した一次粒子もまた、球状であったが、ESD粉末よりも大きかった。SMP粉末の表面は、窪みを示し、これらの特徴は、スプレー乾燥粉末においてより支配的になる。これらの窪みおよびしわが寄ったような外観は、低温で乾燥したスプレー乾燥低脂肪乳製品粉末に典型的である。例えば、Nijdam et al.,Journal of Food Engineering,77,919-925(2005)を参照。
【0149】
SMP粉末の22±2℃での水中の溶解度を、表24に示す。ESDと従来の高熱スプレー乾燥との間の乾燥温度における大幅な違いにもかかわらず、全ての粉末は、98%を超える高い溶解度を有していた。
【0150】
【表24】
【0151】
表25は、ESDおよびスプレー乾燥SMPについてのガラス転移温度(T)を示す。180℃の入口温度でのスプレー乾燥および150℃の入口温度での静電スプレー乾燥は、90℃のより穏やかな入口温度で乾燥したESD粉末と比較してより高いTを有する粉末を生成した。より高い温度(>150℃)での乾燥は、おそらくホエイプロテインの変性に寄与し、より低い水分含有量とともに、より高いTを説明する。より穏やかなESD温度での乾燥は、おそらくホエイプロテインの変性を避け、より高い水分含有量とともに、より低いTを説明する。
【0152】
【表25】
【0153】
SMPにおける5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)含有量は、メイラード褐変の指標であり、表26に示す。HMF含有量は、最も低い温度(90℃の入口および35℃の排気口)で製造したESD粉末において最も低かった(約25μg/100g)。より高いESD温度(150℃の入口および60℃の排気口)では、高い処理温度がメイラード反応を加速し、HMF値は、約53μg/100g(-ve ESD)および56μg/100g(+ve ESD)に増加した。180℃の入口および90℃の排気口の最も高い温度で乾燥したスプレー乾燥フルクリームミルク粉末は、約83μg/100gに達する最も高いHMF値を有していた。
【0154】
【表26】
【0155】
実施例12
この実施例は、本発明の一実施態様における、フルクリーム粉末の低温静電スプレー乾燥を実証する。
【0156】
40%の固形分(w/w)を含有するフルクリームミルクを、表27に指定する操作条件でESDを用いて乾燥した。スキムミルクはまた、比較のために、文献で報告されているものと同様の条件で、従来の高熱スプレー乾燥によってスプレー乾燥した(例えば、S.Padma Ishwarya and C. Anandharamakrishnan,“Spray Drying” in Handbook of Drying for Dairy Products,1st Ed.,John Wiley & Sons,2017,pages 57-94;Bloore & O’Callaghan,“Process Control in Evaporation and Drying” in Dairy Powders and Concentrated Products,Wiley-Blackwell,2009,pages 332-350;およびKelly et al.,“Manufacturing and Properties of Milk Powders” in Advanced Dairy Chemistry Volume 1:Proteins,3rd Ed.,Kluwer Academic/Plenum Publishers,2003,pages 1027-1061を参照)。
【0157】
【表27】
【0158】
フルクリームミルク粉末は、90℃および150℃の入口温度での静電スプレー乾燥によって作製したが、しかしながら、入口乾燥温度は、80℃まで低くあり得る。霧化および排気口温度は、一般的に60℃未満に維持し、この実施例においては、霧化および排気口温度は、35℃および80℃に設定した。霧化ガス圧力は、30~552kPaの範囲であり得る。90/35℃で乾燥するときは、10kVと1kVとの間で交互に行う負および正のパルス幅変調(PWM)を使用し、150/80℃で乾燥するときは、0.9kVの連続電圧を使用した。静電荷電は、PWMの有無にかかわらず0.1kVまで低くおよび15kVまで高くあり得る。比較のために、粉乳はまた、従来の高熱スプレー乾燥によって180/90℃でスプレー乾燥した。
【0159】
静電スプレー乾燥粉乳は典型的には、水分含有量4%未満および0.2の水分活性を有する。この実施例においては、粉末特性を、表28に示す。90℃の入口乾燥温度では、水分含有量は、3.16%以下であり、水分活性は、0.083以下であった。150℃での静電スプレー乾燥は、より低い水分含有量および水分活性(2.11%以下の水分含有量;および0.053以下の水分活性)の両方を有する粉末を生成した。比較すると、従来の高熱スプレー乾燥粉末は、1.85%の水分含有量および0.074の水分活性を有していた。
【0160】
【表28】
【0161】
D[4,3]値として報告されている乾燥フルクリームミルク粉末の平均粒子サイズを、表29に示す。150℃の入口温度での静電スプレー乾燥は、約17μm(-ve ESD)および15μm(+ve ESD)の平均粒子サイズを有する粉末を生成した。90℃のより穏やかな入口温度で乾燥したESD粉末は、37μm(-ve ESD)および49μm(+ve ESD)のより大きな粒子サイズを有していた。180℃の入口温度でのスプレー乾燥は、約34μmの平均粒子サイズを有する粉末を生成し、これは、低温(90℃)で乾燥したESD粉末の粒子サイズよりも低い。
【0162】
【表29】
【0163】
静電スプレー乾燥およびスプレー乾燥フルクリームミルク粉末の22±2℃での水中の溶解度を、表30に示す。ESDと従来の高熱スプレー乾燥との間の乾燥温度における大幅な違いにもかかわらず、全ての乾燥粉末は、95%を超える高い溶解度を有していた。
【0164】
【表30】
【0165】
表31は、ESDおよびスプレー乾燥粉乳についてのガラス転移温度(T)を示す。180℃の入口温度でのスプレー乾燥および150℃の入口温度での静電スプレー乾燥は、90℃のより穏やかな入口温度で乾燥したESD粉末と比較してより高いTを有する粉末を生成した。より高い温度(>150℃)での乾燥は、おそらくホエイプロテインの変性に寄与し、より低い水分含有量とともに、より高いTを説明する。より穏やかなESD温度での乾燥は、おそらくホエイプロテインの変性を避け、より高い水分含有量とともに、より低いTを説明する。
【0166】
【表31】
【0167】
表32は、スプレー乾燥および静電スプレー乾燥フルクリームミルク粉末の酸化安定性を示す。製造直後(0日目)の酸化は、一般的に、ESD粉末においてスプレー乾燥粉末におけるよりも低かった。制御された条件(45℃および11%の相対湿度(RH))下での保管後、酸化は、全ての粉末において増加した。しかしながら、最大の増加は、スプレー乾燥粉末において測定され;4週間の保管後に約45μg O/kgオイルから78μg O/kgオイルに、6週間後に145μg O/kgオイルに増加した。酸化はまた、ESD粉末においても増加したが、90μg O/kgオイル未満のままであった。
【0168】
【表32】
【0169】
5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)含有量は、μg/100gサンプルとして測定し、メイラード褐変反応の指標であり、表33に示す。
【0170】
【表33】
【0171】
0日目に、HMF含有量は、最も低い温度(90℃の入口および35℃の出口)で製造したESD粉末において最も低かった(<77μg/100g)。より高いESD温度(150℃の入口および80℃の排気口)では、より高い処理温度がメイラード反応を加速し、HMF値は、約93μg/100g(-ve ESD)および101μg/100g(+ve ESD)に増加した。HMFは、180℃の入口/90℃の排気口で生成したスプレー乾燥粉末において再びより大きかった(107μg/100g)。
【0172】
HMFは、制御された保管(22℃および54%の相対湿度(RH))中に全ての粉末において増加した。1週間後、最も低い温度(90℃の入口および35℃の出口)で製造したESD粉末におけるHMF含有量は、95μg/100g(-ve ESD)および82μg/100g(+ve ESD)に増加した。2週間後、HMFは、104μg/100g(-ve ESD)および91μg/100g(+ve ESD)であった。
【0173】
実質的により高いHMF値が、より高い温度(150℃の入口および80℃の排気口)で乾燥したESD粉末において記録された。1週間後、HMFは、103μg/100g(-ve ESD)および101μg/100g(+ve ESD)に増加した。2週間後、HMFは、155μg/100g(-ve ESD)および105μg/100g(+ve ESD)であった。
【0174】
180℃の入口および90℃の排気口で乾燥したスプレー乾燥フルクリームミルク粉末は、1週間後に124μg/100gおよび2週間後に403μg/100gに達する、最も高いHMF値を有していた。スプレー乾燥全脂粉乳において、色が白から茶色に変化し、これは、22℃および54%RHでの2週間の保管後、HMF分析中に発生した。
【0175】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」および「an」および「the」および「少なくとも1つの」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書において他に示されていない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。1つ以上の項目のリストを伴なう用語「少なくとも1つ」(例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書において他に示されていない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、リストされた項目(AまたはB)から選択される1つの項目またはリストされた項目(AおよびB)の2つ以上の任意の組合せを意味すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」は、他に言及されない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において他に示されていない限り、範囲内にある各別個の値を個別に参照する略記法として役立つことを単に意図し、各別個の値は、それが本明細書において個別に列挙されているかのように本明細書中に組み込まれる。本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において他に示されていない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書において提供される任意のおよび全ての例、または例示的な言い回し(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、他に特許請求の範囲において請求されていない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書におけるいかなる言い回しも、本発明の実施に不可欠であるとして、特許請求の範囲において請求されていないいかなる要素をも示すとして解釈されるべきではない。
【0176】
本発明の好ましい実施態様は、本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の様式を含めて、本明細書において記載されている。それらの好ましい実施態様の変形は、前述の説明を読むと、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使うことを期待し、本発明者らは、本明細書において具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施することを意図している。従って、本発明は、適用法によって許可されるように、本明細書に添えた特許請求の範囲中に記載される主題の全ての修正および同等物を含む。さらに、その全ての可能な変形における上記の要素の任意の組合せは、本明細書において他に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K
図8L
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
【国際調査報告】