IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーチャー−ダニエルズ−ミッドランド カンパニーの特許一覧

特表2023-502096アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法
<>
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図1
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図2
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図3
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図4
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図5
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図6
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図7
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図8
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図9
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図10
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図11
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図12
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図13
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図14
  • 特表-アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】アルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸を調製するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/21 20060101AFI20230113BHJP
   B01J 23/52 20060101ALI20230113BHJP
   C07C 51/31 20060101ALI20230113BHJP
   C07C 59/285 20060101ALI20230113BHJP
   C07C 59/245 20060101ALI20230113BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20230113BHJP
【FI】
C07C51/21
B01J23/52 Z
C07C51/31
C07C59/285
C07C59/245
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528584
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 US2020060499
(87)【国際公開番号】W WO2021101810
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/936,861
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20154275.0
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507303309
【氏名又は名称】アーチャー-ダニエルズ-ミッドランド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アルブレヒト,カール
(72)【発明者】
【氏名】ブラジル,ジェームス
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA04B
4G169BA08B
4G169BC33A
4G169BC33B
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CB07
4G169CB74
4G169DA06
4G169EA02Y
4G169EB18Y
4G169EE09
4H006AA02
4H006AC46
4H006BA05
4H006BA26
4H006BA55
4H006BA60
4H006BA82
4H006BA85
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC18
4H006BE30
4H006BN10
4H006BS10
4H039CA65
4H039CC30
(57)【要約】
アルダル酸、アルドン酸、ウロン酸、及び/又はそのラクトンを調製するための様々な方法が記載される。例えば、C~Cアルドン酸及び/若しくはそのラクトン及び/又はC~Cアルドースの触媒的酸化によって、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
(i)式(I)のアルドース及び/若しくはそのラクトン:
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)、又は
(ii)式(II)のアルドン酸及び/若しくはそのラクトン:
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)、又は
(iii)式(III)のウロン酸及び/若しくはそのラクトン:
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)を、
反応領域中で、酸素と、白金を含む第1の触媒と、金を含む第2の触媒との存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、前記第1の触媒及び第2の触媒は異なり、
前記第1の触媒が、触媒担体を含み、
前記第2の触媒が、不均一系触媒であり、且つ触媒担体を含み;
前記アルダル酸及び/又はそのラクトンが、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表され;
選択肢(i)において、前記反応領域がさらに酸化触媒を含む、方法。
【請求項2】
選択肢(i)において、w及び/又はzが、0~5の整数であり、
選択肢(ii)において、x及び/又はzが、0~5の整数であり、
選択肢(iii)において、y及び/又はzが、0~5の整数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式(IV)のアルダル酸が、少なくとも1つのC~Cアルダル酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記式(IV)のアルダル酸が、トリアル酸、テトラル酸、ペンタル酸、ヘキサル酸、ヘプタル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記式(IV)のアルダル酸が、シュウ酸、タルトロン酸、酒石酸、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、グルカル酸、ガラクタル酸、マンナル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記式(IV)のアルダル酸が、グルカル酸、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
選択肢(i)において、前記式(I)のアルドースがグルコースであり、前記式(IV)のアルダル酸がグルカル酸であり、
選択肢(ii)において、前記式(II)のアルドン酸がグルコン酸であり、前記式(IV)のアルダル酸がグルカル酸であり、
選択肢(iii)において、前記式(III)のウロン酸がグルロン酸であり、前記式(IV)のアルダル酸がグルカル酸である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応領域が、第1の段階を含み、前記第1の段階が、前記第1の触媒及び前記第2の触媒の混合物を含み、前記第1の触媒の重量又は体積が、前記第2の触媒の重量又は体積より大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応領域が、第2の段階を含み、前記第2の段階が、前記第1の触媒及び前記第2の触媒の混合物を含み、前記第2の触媒の重量又は体積が、前記第1の触媒の重量又は体積より大きい、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の触媒が、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7.5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約7.5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の白金充填量を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の触媒が、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7.5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約7.5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約0.5重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%の金充填量を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応領域のLHSVが、約0.2h-1~約50h-1、約0.5h-1~約50h-1、約1h-1~約50h-1、約2h-1~約50h-1、約5h-1~約50h-1、約10h-1~約50h-1、約0.2h-1~約10h-1、約0.5h-1~約10h-1、約1h-1~約10h-1、約2h-1~約10h-1、又は約5h-1~約10h-1である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記反応領域が、約60℃~約150℃、約70℃~約150℃、約80℃~約150℃、約60℃~約125℃、約70℃~約125℃、約80℃~約125℃、約60℃~約100℃、約70℃~約100℃、又は約80℃~約100℃の温度に加熱される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
酸素の分圧が、約2psig~約2000psig、約50psig~約2000psig、又は約100psig~約2000psigの範囲である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記酸素が、空気、酸素富化空気、少なくとも約40若しくは50体積%の酸素を含む混合物、酸素及び窒素を含む混合物、又は実質的に純粋な酸素として前記反応領域に供給される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] アルダル酸、アルドン酸、ウロン酸、及び/又はそのラクトンを調製するための様々な方法が記載される。例えば、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトン及び/又はC~Cアルドースの触媒的酸化によって、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法が記載される。
【背景技術】
【0002】
[0002] 長年の間、商業的に有用な化学物質を製造するための原料としてバイオ再生可能な材料を使用することに関心が集まっていた。特に、かなりの一連の研究が、これらの材料から得られる糖の、アルダル酸への酸化、特に、グルコースの、グルカル酸への酸化に焦点を当てている。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第8,669,397号及び8,785,683号を参照されたい。これらの生成物は、アジピン酸などのモノマーの製造における中間体として有用であるだけでなく、解凍液、酸味料、洗剤ビルダー、pH調節剤、キレート剤、デスケーラー、腐食防止剤、金属洗浄及び仕上げ剤、並びにセメント調合物の成分などの商業的応用を有する組成物の製造においても有用である。
【0003】
[0003] これらの酸化プロセスのための多くの触媒及び反応条件が試みられている。しかしながら、長期のオペレーションにわたる又は高い反応器スループット(high reactor throughputs)でのグルカル酸の持続的な高い収率は、実証されていない。例えば、Lee et al.,“Pt catalysts for efficient aerobic oxidation of glucose to glucaric acid in water”,Green Chemistry 2016,18(13),3815-3822において、74%のグルカル酸収率が、バッチ反応器による10時間の反応、80℃及び約200psiのO分圧、5重量%のPt/C触媒で、5重量%のグルコース原料の酸化について報告されている。米国特許第9,770,705号において、2.3mLの10重量%のグルコン酸原料が、2~5時間にわたって112~126℃で75mgの触媒と接触された実験について、70%のグルカル酸収率が報告されている。特に、長期のオペレーションにわたって及び高い反応器スループットで、改善された及び安定した収率を示す、バイオ再生可能な材料からグルカル酸などのアルダル酸、及びその中間体を調製するための効率的で及びコスト効果の高いプロセスが、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本発明の様々な態様は、アルダル酸(例えば、グルカル酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法に関する。
【0005】
[0005] ある実施形態において、アルダル酸(例えば、グルカル酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、式(II):
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)のアルドン酸(例えば、グルコン酸)及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素と、白金を含む第1の触媒と、金を含む第2の触媒との存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒と第2の触媒とは異なり、アルダル酸及び/又はそのラクトンは、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される。
【0006】
[0006] 特定の実施形態において、アルダル酸(例えば、グルカル酸)を調製するための方法は、式(II):
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは0~10の整数である)のアルドン酸(例えば、グルコン酸)及び/又はそのラクトンを、反応領域の第1の段階(first stage)において、酸素と白金を含む第1の触媒との存在下で反応させて、第1の反応混合物を形成すること;並びに第1の反応混合物を、反応領域の第2の段階(second stage)において、酸素と金を含む第2の触媒と接触させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む第2の反応混合物を形成させること;を含み、ここで、第1の触媒と第2の触媒とは異なり、アルダル酸及び/又はそのラクトンは、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される。
【0007】
[0007] さらなる実施形態において、アルダル酸(例えば、グルカル酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、式(III):
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)のウロン酸(例えば、グルロン酸)及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素と、白金を含む第1の触媒と、金を含む第2の触媒との存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒と第2の触媒とは異なり、アルダル酸及び/又はそのラクトンは、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される。
【0008】
[0008] さらなる実施形態において、アルダル酸(例えば、グルカル酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、式(I):
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)のアルドース(例えば、グルコース)及び/又はそのラクトンを、酸化触媒と、白金を含む第1の触媒と、金を含む第2の触媒とを含む反応領域中で、酸素の存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒と第2の触媒とは異なり、アルダル酸は、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される。
【0009】
[0009] 本発明のさらなる態様は、ウロン酸(例えば、グルロン酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法に関する。
【0010】
[0010] ある実施形態において、ウロン酸(例えば、グルロン酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、式(I):
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)のアルドース(例えば、グルコース)及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素と、酸化触媒と、白金を含む第1の触媒と、金を含む第2の触媒との存在下で反応させて、式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒と第2の触媒とは異なり、ウロン酸は、式(III):
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)で表される。
【0011】
[0011] 他の実施形態において、ウロン酸(例えば、グルロン酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、式(II):
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)のアルドン酸(例えば、グルコン酸)及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素と、白金を含む第1の触媒と、金を含む第2の触媒との存在下で反応させて、式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒と第2の触媒とは異なり、ウロン酸は、式(III):
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)で表される。
【0012】
[0012] 本発明の他の態様は、アルドン酸(例えば、グルコン酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法に関する。様々な実施形態において、アルドン酸(例えば、グルコン酸)及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、式(I):
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)のアルドース(例えば、グルコース)及び/又はそのラクトンを、酸素及び酸化触媒の存在下で反応させて、式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、アルドン酸は、式(II):
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)で表される。
【0013】
[0013] 他の目的及び特徴は、以下で、部分的に明らかになり、部分的に指摘されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014]C~CアルドースからC~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための酸化プロセスの工程を示す線図を示す。
図2】[0015]2段階反応領域(two-stage reaction zone)の概略図を示す。
図3】[0016]異なる触媒混合物を含む2段階反応領域の概略図を示す。
図4】[0017]1重量%Au/TiO触媒を用いた酸化反応における、運転時間16~1792時間の、グルコース転化率、グルコン酸収率、及びグルカル酸収率を示す。
図5】[0018]1重量%Au/TiO触媒を用いた酸化反応における、運転時間2556~4640時間の、グルコース転化率、グルコン酸収率、及びグルカル酸収率を示す。
図6】[0019]4重量%Pt/C触媒を用いた様々な温度での酸化反応中に達成された、グルコン酸転化率、選択性、並びにグルカル酸、グルロン酸、2-ケト-グルコネート、及び5-ケト-グルコネートの収率を示す。
図7】[0020]Pt-Au/TiO触媒を用いたグルコースの酸化における、グルコース転化率、オンパス収率(on-path yield)、並びにグルカル酸、グルコン酸、2-ケト-グルコネート、及び5-ケト-グルコネートの収率を示す。
図8】[0021]4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiO触媒の物理的混合物を用いたグルコン酸の酸化における、グルコン酸転化率並びにグルカル酸、グルロン酸、2-ケト-グルコネート、及び5-ケト-グルコネートの収率を示す。
図9】[0022]Pt/C及びAu/TiOを含む触媒の物理的混合物を含む段階的(staged)反応器床を用いたグルコン酸の酸化における、グルコン酸転化率並びにグルカル酸、グルロン酸、2-ケト-グルコネート、及び5-ケト-グルコネートの収率を示す。
図10】[0023]4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiO触媒の物理的混合物を用いたグルコン酸の酸化における、グルコン酸転化率、選択性、並びにグルカル酸、グルロン酸、2-ケト-グルコネート、及び5-ケト-グルコネートの収率を示す。
図11】[0024]図10の実験を総運転時間1468時間で行った結果を示す。
図12】[0025]実施例7で測定したアラビノース転化率、アラビノン酸収率、及びアラビナル酸収率を示す。
図13】[0026]実施例8で測定したアラビノン酸転化率、アラビナル酸収率、酒石酸収率、及びグリセリン酸収率を示す。
図14】[0027]実施例9で測定したグリセリン酸収率を示す。
図15】[0028]実施例11で測定したグリコアルデヒド転化率及びグリコール酸収率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
[0029] 本発明の実施形態は、アルダル酸、アルドン酸、ウロン酸、及び/又はこれらの酸のいずれかのラクトンを調製するための様々な方法に関する。例えば、様々な実施形態は、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルコン酸)の触媒的酸化によって、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルカル酸)を調製するための方法に関する。他の実施形態は、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルコン酸)の触媒的酸化による、C~Cウロン酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルロン酸)の調製に関する。さらなる実施形態は、アルドース(例えば、グルコース)からの、これらの様々な酸及び/又はそのラクトンの調製に関する。
【0016】
[0030] 本明細書において言及される際のアルドースとしては、アルデヒド基及びヒドロキシル基を有する様々な化合物が挙げられ、これは、式(I):
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、例えば、0~10の整数であり得、又はある実施形態において、0~5である)によって表され得る。様々な実施形態において、アルドースは、少なくとも1つのC~Cアルドースを含む。ある実施形態において、アルドースは、少なくとも1つのトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、及び/又はヘプトースを含む。特定のC~Cアルドースとしては、例えば、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、トレオース、エリトロース、キシロース、リボース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコヘプトース、及びL-グリセロ-D-マンノヘプトースが挙げられる。様々な実施形態において、アルドースは、グルコースなどのヘキソースを含む。ある実施形態において、アルドースは、キシロース、リボース、及び/又はアラビノースなどのペントースを含む。「アルドース」という用語及び本明細書に記載され、式(I)によって定義される任意の特定のアルドースは、これらの化合物の環状形態(ヘミアセタール形態)も含む。
【0017】
[0031] アルドースは、トウモロコシの穀粒(トウモロコシ(maize))、コムギ、ジャガイモ、キャッサバ及びイネなどの従来のバイオ再生可能な資源、並びにエネルギー作物、植物バイオマス、農業廃棄物、森林残渣、砂糖の加工残渣、及び植物由来の家庭廃棄物などの代替源を含む様々な炭水化物含有源から得ることができる。様々な実施形態において、アルドース(例えば、グルコース)は、穀類作物(例えば、トウモロコシ、コムギ、ダイズ、イネ、オオムギ、ライムギ、ミレット(millet)、ソルガムなど)から得られる。より一般的には、使用され得るバイオ再生可能資源としては、例えば、スイッチグラス、ミスカンサス(miscanthus)、樹木(ハードウッド及びソフトウッド)、草木(vegetation)、及び作物残渣(例えば、バガス及びトウモロコシの茎葉(corn stover))などの炭水化物源を含む任意の再生可能な有機物が挙げられる。他の源としては、例えば、廃棄物(例えば、使用済みの紙、グリーンウェイスト(green waste)、都市廃棄物など)が挙げられる。炭水化物は、公知の方法を用いて、バイオ再生可能材料から単離され得る。
【0018】
[0032] 本明細書において言及される際のアルドン酸としては、式(II):
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、例えば、0~10の整数であり得、ある実施形態において、0~5である)のモノカルボン酸が挙げられる。様々な実施形態において、アルドン酸は、少なくとも1つのC~Cアルドン酸を含む。ある実施形態において、アルドン酸は、少なくとも1つのジオン酸(dionic acid)、トリオン酸(trionic acid)、テトロン酸(tetronic acid)、ペントン酸(pentonic acid)、ヘキソン酸(hexonic acid)、及び/又はヘプトン酸(heptonic acid)を含む。特定のC~Cアルドン酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、トレオン酸、エリトロン酸、キシロン酸、リボン酸、アラビノン酸、リキソン酸、アロン酸、アルトロン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸、グルコン酸、及びグルコヘプトン酸が挙げられる。様々な実施形態において、C~Cアルドン酸は、グルコン酸などのヘキソン酸を含む。ある実施形態において、C~Cアルドン酸は、ペントン酸を含む。例えば、ペントン酸は、キシロン酸、リボン酸、アラビノン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。様々なアルドン酸のラクトンも存在し得、酸の分子内環化縮合によって形成され得る。
【0019】
[0033] 本明細書において言及される際のウロン酸としては、式(III):
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、例えば、0~10の整数であり得、ある実施形態において、0~5である)のモノカルボン酸が挙げられる。様々な実施形態において、ウロン酸は、少なくとも1つのC~Cウロン酸を含む。ある実施形態において、ウロン酸は、少なくとも1つのジウロン酸(diuronic acid)、トリウロン酸(triuronic acid)、テトラウロン酸(tetruronic acid)、ペンタウロン酸(penturonic acid)、ヘキサウロン酸(hexuronic acid)、及び/又はヘプタウロン酸(hepturonic acid)を含む。特定のC~Cウロン酸としては、例えば、グリオキシル酸、グリセルウロン酸(glyceruronic acid)(タルトロンアルデヒド酸)、トレウロン酸、エリトルロン酸、キシロウロン酸(xylouronic acid)、リボウロン酸(ribouronic acid)、アラビヌロン酸、リキソヌロン酸(lyxonuronic acid)、グルロン酸、グルクロン酸、ガラクトウロン酸(galactouronic acid)、マンノウロン酸(mannouronic acid)、アルロン酸、アルトルロン酸、イズロン酸、タロヌロン(talonuronic acid)酸、及びグルコヘプトンウロン酸(glucoheptonuronic acid)が挙げられる。様々な実施形態において、ウロン酸は、グルロン酸などのヘキサウロン酸を含む。ある実施形態において、ウロン酸は、キシロウロン酸、リボウロン酸、及び/又はアラビヌロン酸などのペンタウロン酸を含む。様々なウロン酸のラクトンも存在し得、酸の分子内環化縮合によって形成され得る。また、「ウロン酸」という用語及び本明細書に記載され、式(III)によって定義される任意の特定のウロン酸は、これらの化合物の環状形態(ヘミアセタール形態)も含む。
【0020】
[0034] 本明細書において言及されるアルダル酸としては、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、例えば、0~10の整数であり得、ある実施形態において、0~5である)のジカルボン酸が挙げられる。様々な実施形態において、アルダル酸は、少なくとも1つのC~Cアルダル酸を含む。ある実施形態において、アルダル酸は、少なくとも1つのジアル酸(diaric acid)、トリアル酸(triaric acid)、テトラル酸(tetraric acid)、ペンタル酸(pentaric acid)、ヘキサル酸(hexaric acid)、及び/又はヘプタル酸(heptaric acid)を含む。特定のC~Cアルダル酸としては、例えば、シュウ酸、タルトロン酸、酒石酸、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、リキサル酸、アラル酸、アルトラル酸、グルカル酸、ガラクタル酸、マンナル酸、グラル酸、イダル酸、タラル酸、及びグルコヘプタル酸(glucoheptaric acid)が挙げられる。ある実施形態において、C~Cアルダル酸は、ヘキサル酸及び/又はペンタル酸を含む。様々な実施形態において、C~Cアルダル酸は、グルカル酸を含む。さらなる実施形態において、C~Cアルダル酸は、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、及びそれらの混合物からなる群から選択されるペンタル酸を含む。様々なアルダル酸のラクトンも存在し得、酸の分子内環化縮合によって形成され得る。例えば、ラクトンとしては、D-グルカロ-1,4-ラクトン、D-グルカロ-6,3-ラクトン、及びD-グルカロ-1,4:6,3-ジラクトンなどのグルカロラクトンが挙げられる。
【0021】
[0035] 本発明によれば、本明細書に記載される様々な方法は、ウロン酸、アルドン酸、及びアルダル酸の向上した収率、特に向上したアルダル酸収率(例えば、向上したグルカル酸収率)を提供する。さらに、本明細書に記載される様々な方法は、長期のオペレーションにわたって、及び/又は高い反応器スループットで、安定した生成物の収率を提供する。これらの方法は、生成物混合物からの分離を必要とし得るオフパス(off-path)生成物の量を減少させるか、及び/又はさらなる処理を必要とするオンパス(on-path)中間体の量を減少させることによって、プロセス経済性を有利に改善することができる。
【0022】
[0036] アルドン酸及び/又はラクトン及び/又は対応するアルドースからのアルダル酸及び/又はラクトンの調製は、典型的に、様々な中間体を介して進行する多段階合成である。例えば、以下のスキームに示されるように、グルコースの、グルカル酸への酸化は、主に、2つの中間体:グルコン酸及びグルロン酸を介して進行する。
【化1】
まず、グルコースのカルボニルが、酸へと酸化されて、グルコン酸を生成する。次に、グルコン酸の6位における末端ヒドロキシルが、カルボニルへと脱水素化されて、グルロン酸を生成する。最後に、グルロン酸のカルボニルが、酸へと酸化されて、グルカル酸を生成する。
【0023】
[0037] 以前に報告されたグルカル酸収率(例えば、収率が70%を超えることはほとんどない)は、いくつかの要因により制限され得る。いくつかの潜在的な制限要因としては、触媒有効性を著しく低下させるオンパス又はオフパス生成物の形成、グルカル酸の過剰転化、及び触媒活性金属の浸出(leaching)が挙げられる。また、酸化反応中の持続的な塩基の導入によるpH調整なしでは、グルカル酸生成の速度は、pHが低下するにつれて低下する。一方、pH調整は、多くの場合、グルカル酸の、C~C糖酸誘導体への過剰転化により、より低いグルカル酸収率をもたらす。したがって、いくつかの阻害因子が、個別に又は組み合わされて、グルカル酸への全収率を制限する原因となり得る。
【0024】
[0038] アルドース、アルドン酸及び/若しくはそのラクトン、並びに/又はウロン酸及び/若しくはそのラクトンの触媒的酸化による、アルダル酸及び/又はそのラクトン及び/又はその中間体を調製するための方法において、少なくとも2つの異なる触媒を用いることは、長期のオペレーションにわたってさえ、向上した生成物収率(例えば、アルダル酸収率)を提供することが意外にも発見された。少なくとも2つの異なる触媒を用いることによって、全収率を制限することが予想される阻害因子のいくつかが減少又は回避されることが理論付けられる。特に、白金を含む第1の触媒及び金を含む第2の触媒が、C~Cアルドース、C~Cウロン酸及び/又はそのラクトン、並びにC~Cアルドン酸及び/又はそのラクトンの、対応するアルダル酸及び/又はそのラクトン又はその中間体への触媒的酸化に特に有効であることが発見された。
【0025】
アルダル酸及び/又はそのラクトンを生成するための方法
[0039] 上記のように、本発明の実施形態は、アルダル酸及び/又はそのラクトンを生成するための酸化プロセスを含む。様々な方法は、式(I)のアルドースを、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンへと反応させて、アルダル酸及び/又はそのラクトンを形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。これらの方法は以下のスキームで表され得る(ここで、w及びzは、本明細書に定義した通りである):
【化2】
【0026】
[0040] ある実施形態は、C~Cアルドースを、酸化触媒、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒を含む反応領域中で、酸素の存在下で反応させて、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含む、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法に関し、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。例えば、この方法が、グルカル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法である場合、この方法は、グルコースを、酸化触媒、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒を含む反応領域中で、酸素の存在下で反応させて、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。図1に、C~CアルドースからC~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための酸化方法の工程を示す線図を示す。
【0027】
[0041] 他の方法は、式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトンを、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、アルダル酸及び/又はそのラクトンを形成することを含む、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。これらの方法は以下のスキームで表され得る(ここで、x及びzは、本明細書に定義した通りである):
【化3】
ある実施形態において、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。例えば、この方法がグルカル酸及び/又はそのラクトンの調製に関するものである場合、この方法は、グルコン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。
【0028】
[0042] 本発明の実施形態は、式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトンを、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、アルダル酸及び/又はラクトンを形成することを含む、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法も含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。これらの方法は以下のスキームで表され得る(ここで、y及びzは、本明細書に定義した通りである):
【化4】
ある実施形態において、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、C~Cウロン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、C~Cアルダル酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。例えば、この方法が、グルカル酸及び/又はそのラクトンの調製に関するものである場合、この方法は、グルロン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルカル酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。
【0029】
ウロン酸及び/又はそのラクトンを生成するための方法
[0043] 本発明の実施形態は、ウロン酸及び/又はラクトンを生成するための方法も含む。様々な方法は、式(I)のアルドースを、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、ウロン酸及び/又はそのラクトンを形成することを含む、式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトンの調製を含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。これらの方法は以下のスキームで表され得る(ここで、w及びyは、本明細書に定義した通りである):
【化5】
ある実施形態において、C~Cウロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、C~Cアルドースを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、C~Cウロン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。例えば、グルロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、グルコースを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルロン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。
【0030】
[0044] 本発明の実施形態は、アルドン酸及び/又はそのラクトンを、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、ウロン酸及び/又はそのラクトンを形成することを含む、ウロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法も含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。これらの方法は以下のスキームで表され得る(ここで、x及びyは、本明細書に定義した通りである):
【化6】
ある実施形態において、C~Cウロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、C~Cウロン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。例えば、グルロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、グルコン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルロン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。
【0031】
アルドン酸及び/又はそのラクトンを生成するための方法
[0045] 本発明の実施形態は、アルドン酸及び/又はラクトンを生成するための方法も含む。様々な方法は、式(I)のアルドースを、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で、式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトンへと反応させて、アルドン酸及び/又はそのラクトンを形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。これらの方法は以下のスキームで表され得る(ここで、x及びyは、本明細書に定義した通りである):
【化7】
ある実施形態において、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、C~Cアルドースを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、C~Cアルドン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。例えば、グルコン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法は、グルコースを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルコン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。
【0032】
[0046] 本明細書に記載される様々な方法は、式(I)のアルドースを、酸素及び酸化触媒の存在下で反応させて、式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトンを形成する工程をさらに含み得る。このさらなる工程段階は以下のスキームで表され得る(ここで、w及びxは、本明細書に定義した通りである):
【化8】
ある実施形態において、様々な方法は、C~Cアルドースを、酸素及び酸化触媒の存在下で反応させて、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトンを形成することをさらに含み得る。例えば、グルコン酸及び/又はそのラクトンが必要とされる方法において、これらの方法は、グルコースを酸素及び酸化触媒の存在下で反応させて、グルコン酸及び/又はそのラクトンを形成することをさらに含み得る。
【0033】
さらなるプロセス及びプロセス特徴
[0047] 本明細書に記載される様々な方法において、第1の触媒及び第2の触媒は混合され得る。言い換えると、反応領域は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物(例えば、物理的混合物)を含み得る。
【0034】
[0048] さらに、本明細書に記載される様々な方法において、第1の触媒及び第2の触媒は、段階的であり得て、又は混合された状態及び段階的状態の組合せであり得る。例えば、反応領域は、第1の触媒を含む第1の段階及び第2の触媒を含む第2の段階を含み得る。2段階反応領域の概略図である図2を参照されたい。式(II)のアルドン酸を酸化することによる式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための様々な段階的方法は以下のスキームで表され得る(ここで、x、y、及びzは、本明細書に定義した通りである):
【化9】
ある実施形態において、C~Cアルダル酸及び/又はラクトンを調製するための方法は、C~Cアルドン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域の第1の段階において、酸素及び白金を含む第1の触媒の存在下で反応させて、第1の反応混合物(例えば、C~Cウロン酸を含む反応混合物)を形成すること;並びに第1の反応混合物を、反応領域の第2の段階において、酸素及び金を含む第2の触媒と接触させて、C~Cアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む第2の反応混合物を形成すること;を含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。この方法がグルカル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法である場合、この方法は、グルコン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域の第1の段階において、酸素と白金を含む第1の触媒との存在下で反応させて、グルロン酸及び/又はそのラクトンを含む第1の反応混合物を形成すること;並びにグルロン酸及び/又はそのラクトンを含む第1の反応混合物を、反応領域の第2の段階において、酸素及び金を含む第2の触媒と接触させて、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む第2の反応混合物を形成すること;を含み得、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる。
【0035】
[0049] 第1の段階及び/又は第2の段階を含む様々な実施形態において、第1の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み得る。ある実施形態において、第1の段階において、第1の触媒の重量又は体積は、第2の触媒の重量又は体積を超え得る。例えば、様々な実施形態において、第1の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第1の触媒対第2の触媒の重量又は体積比は、約2:1以上、約3:1以上、又は約4:1以上である。ある実施形態において、第1の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第1の触媒対第2の触媒の重量又は体積比は、約2:1~約10:1、約2:1~約5:1、約3:1~約10:1、又は約3:1~約5:1であり得る。
【0036】
[0050] 第1の段階及び第2の段階を含む実施形態において、第2の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み得る。ある実施形態において、第2の触媒の重量又は体積は、第1の触媒の重量又は体積を超え得る。例えば、様々な実施形態において、第2の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第2の触媒対第1の触媒の重量又は体積比は、約2:1以上、約3:1以上、又は約4:1以上である。例えば、第2の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第2の触媒対第1の触媒の重量又は体積比は、約2:1~約10:1、約2:1~約5:1、約3:1~約10:1、又は約3:1~約5:1であり得る。
【0037】
[0051] 様々な実施形態において、第1の段階及び第2の段階は、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含む。これらの段階は、上述される混合物を含む、第1及び第2の触媒の異なる混合物を含み得る。図3に、異なる触媒混合物を含む2段階反応領域の概略図を示す。
【0038】
[0052] 上記のように、本明細書に記載される様々な方法は、アルドースを、酸素及び酸化触媒の存在下で反応させて、アルドン酸及び/又はそのラクトンを形成する工程をさらに含み得る。これらの実施形態において、酸化触媒、第1の触媒、及び第2の触媒は、同様に段階的であり得る。例えば、ある実施形態において、反応領域は、酸化触媒を含む初期酸化段階、第1の触媒を含む第1の段階、及び第2の触媒を含む第2の段階を含み得る。
【0039】
[0053] 本明細書に記載される様々な方法において、反応領域中の第1の触媒対第2の触媒の総量の体積比は、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約1:3~約3:1、又は約1:1である。さらなる実施形態において、反応領域中の第1の触媒対第2の触媒の総量の重量又は体積比は、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約1:3~約3:1、又は約1:1である。
【0040】
[0054] 本明細書に記載される様々な方法において、原料混合物(例えば、原料溶液)が反応領域に供給され得る。特定の実施形態において、原料混合物中のアルドース、アルドン酸及び/若しくはラクトン、並びに/又はウロン酸及び/若しくはそのラクトンの濃度は、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上である。ある実施形態において、原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物中のアルドース、アルドン酸及び/若しくはラクトン、並びに/又はウロン酸及び/若しくはそのラクトンの濃度は、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約25重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、約20重量%~約50重量%、約20重量%~約30重量%、又は約20重量%~約25重量%である。
【0041】
[0055] 様々な実施形態において、原料混合物中のC~Cアルドース、C~Cアルドン酸及び/若しくはラクトン、並びに/又はC~Cウロン酸及び/若しくはそのラクトンの濃度は、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上である。ある実施形態において、原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物中のC~Cアルドース、C~Cアルドン酸、及び/若しくはラクトン並びにC~Cウロン酸及び/若しくはそのラクトンの濃度は、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約25重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、約20重量%~約50重量%、約20重量%~約30重量%、又は約20重量%~約25重量%である。
【0042】
[0056] C~Cアルドン酸及び/又はラクトンがグルコン酸及び/又はそのラクトンを含む実施形態において、原料混合物が反応領域に供給され得、原料混合物中のグルコン酸及び/又はラクトンの濃度は、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上であり得る。特定の実施形態において、原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物中のグルコン酸及び/又はラクトンの濃度は、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約25重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、約20重量%~約50重量%、約20重量%~約30重量%、又は約20重量%~約25重量%である。
【0043】
[0057] 上記のように、pH調整は、典型的に、アルダル酸の、他の誘導体への過剰転化により、より低い生成物収率をもたらす。したがって、様々な実施形態において、本明細書に記載される方法は、塩基を加えずに行われ得る。さらなる実施形態において、反応混合物のpHが、塩基の添加によって制御若しくは増加されないプロセスが、行われ得る。ある実施形態において、反応混合物が、塩形成カチオンを含まないか又は実質的に含まないプロセスが、行われ得る。
【0044】
[0058] 様々な実施形態において、20℃で測定した際の、本明細書に記載される方法の反応混合物のpHは、約7以下、約6.5以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、又は約2以下である。例えば、20℃で測定した際の、本明細書に記載される方法の反応混合物のpHは、約1~約7、約1~約6、約1~約5、約1~約4、約1.5~約7、約1.5~約6、約1.5~約5、約1.5~約4、約2~約7、約2~約6、約2~約5、又は約2~約4であり得る。ある実施形態において、反応混合物は、約4以下、約3以下、又は約2以下の、20℃で測定される最小pHに到達し得る。
【0045】
[0059] 特定の実施形態において、反応領域は、約60℃以上、約70℃以上、又は約80℃以上の温度に加熱される。例えば、反応領域は、約60℃~約150℃、約70℃~約150℃、約80℃~約150℃、約60℃~約125℃、約70℃~約125℃、約80℃~約125℃、約60℃~約100℃、約70℃~約100℃、又は約80℃~約100℃の温度に加熱され得る。
【0046】
[0060] 特定の実施形態において、酸素は、酸素含有ガス状混合物として反応領域に供給される。例えば、ある実施形態において、酸素は、空気、酸素富化空気、酸素を含む混合物、少なくとも約40若しくは50体積%の酸素を含む混合物、酸素及び窒素を含む混合物(例えば、体積基準で約50:50混合物)、又は実質的に純粋な酸素(少なくとも99体積%の酸素)として反応領域に供給される。様々な実施形態において、酸素は、約0.5体積%以上、約1体積%以上、約5体積%以上、又は約10体積%以上の酸素濃度を有する混合物として反応領域に供給される。例えば、様々な実施形態において、酸素は、約0.5体積%~約20体積%、約0.5体積%~約15体積%、約0.5体積%~約10体積%、約0.5体積%~約5体積%、約1体積%~約20体積%、約1体積%~約15体積%、約1体積%~約10体積%、約1体積%~約5体積%、約5体積%~約20体積%、約5体積%~約15体積%、又は約5体積%~約10体積%の酸素濃度を有する混合物として反応領域に供給される。特定の実施形態において、酸素は、約10体積%以下、約5体積%以下、約4体積%以下、約3体積%以下、約2体積%以下、約1体積%以下、又は約0.5体積%以下の酸素濃度を有する混合物として反応領域に供給される。例えば、約10体積%~約0.5体積%、約5体積%~約0.5体積%、約4体積%~約0.5体積%、約3体積%~約0.5体積%、約2体積%~約0.5体積%、又は約1体積%~約0.5体積%である。
【0047】
[0061] 様々な実施形態において、反応領域中の酸素の分圧は、約2psig以上、約25psig以上、約50psig以上、又は約100psig以上である。例えば、反応領域中の酸素の分圧は、約2psig~約2000psig、約50psig~約2000psig、又は約100psig~約2000psigであり得る。
【0048】
[0062] 一般に、本明細書に記載される方法は、触媒プロセスであるが、電流の印加を必要としない。したがって、様々な実施形態において、本明細書に記載される方法は、電気化学的方法ではなく、及び/又は電流を(例えば、電極を介して)反応混合物に印加することを含まない。
【0049】
[0063] 上記のように、本発明の方法は、向上した生成物収率を提供し得る。ある実施形態において、アルドン酸及び/若しくはそのラクトン、ウロン酸及び/若しくはそのラクトン、並びに/又はアルダル酸及び/若しくはそのラクトンの収率は、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上である。例えば、アルドン酸及び/若しくはそのラクトン、ウロン酸及び/若しくはそのラクトン、並びに/又はアルダル酸及び/若しくはそのラクトンの収率は、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約75%、約50%~約70%、約50%~約65%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約75%、約60%~約70%、約65%~約85%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約65%~約70%であり得る。
【0050】
[0064] ある実施形態において、C~Cアルドン酸及び/若しくはそのラクトン、C~Cウロン酸及び/若しくはそのラクトン、並びに/又はC~Cアルダル酸及び/若しくはそのラクトンの収率は、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上である。例えば、C~Cアルドン酸及び/若しくはそのラクトン、C~Cウロン酸及び/若しくはそのラクトン、並びに/又はC~Cアルダル酸及び/若しくはそのラクトンの収率は、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約75%、約50%~約70%、約50%~約65%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約75%、約60%~約70%、約65%~約85%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約65%~約70%であり得る。
【0051】
[0065] C~Cアルダル酸及び/又はラクトンが、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む実施形態において、グルカル酸及び/又はそのラクトンの収率は、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上であり得る。様々な実施形態において、グルカル酸及び/又はそのラクトンの収率は、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約75%、約50%~約70%、約50%~約65%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約75%、約60%~約70%、約65%~約85%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約65%~約70%であり得る。
【0052】
[0066] また、本発明の方法は、高い反応器スループットでも、安定した収率を提供し得る。特定の実施形態において、反応領域の液空間速度(liquid hourly space velocity)(LHSV)は、約0.2h-1以上、約0.5h-1以上、約1h-1以上、約1.5h-1以上、約2h-1以上、約5h-1以上、又は約10h-1以上である。例えば、反応領域のLHSVは、約0.2h-1~約50h-1、約0.5h-1~約50h-1、約1h-1~約50h-1、約2h-1~約50h-1、約5h-1~約50h-1、約10h-1~約50h-1、約0.2h-1~約10h-1、約0.5h-1~約10h-1、約1h-1~約10h-1、約2h-1~約10h-1、又は約5h-1~約10h-1であり得る。ある実施形態において、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、又は少なくとも約75%の生成物収率(例えば、C~Cアルダル酸、例えばグルカル酸、及び/又はそのラクトンの収率)が、上記のLHSV範囲で又はその範囲内で達成され得る。
【0053】
[0067] 反応混合物及び/又は原料混合物は、溶媒を含み得る。酸化反応に好適な溶媒としては、例えば、水又はカルボン酸(例えば、酢酸)の水溶液が挙げられる。
【0054】
[0068] 一般に、反応領域は、固定床反応器、トリクル床反応器(trickle bed reactors)、スラリー相反応器、移動床反応器、又は触媒反応、特に、不均一系触媒反応を可能にする任意の他の設計を用いる、1つ以上のバッチ、セミバッチ、又は連続反応器設計を含み得る。反応器の例は、参照により本明細書に援用されるChemical Process Equipment - Selection and Design,Couper et al.,Elsevier 1990に見られる。本明細書に記載される様々な方法において、反応領域は、1つ以上のトリクル床反応器を含む。反応物質、酸素、任意の溶媒、及び触媒が、別々に又は様々な組合せで、好適な反応器中に導入され得ることが理解されるべきである。
【0055】
[0069] 本明細書に記載される方法にしたがって生成されるアルダル酸、アルドン酸、及びウロン酸並びに/又はそのラクトンは、塩、エステル、ケトン、及びラクトンなどの様々な他の誘導体に転化され得る。カルボン酸をこのような誘導体に転化するための方法は、当該技術分野において公知であり、例えば、Wade,Organic Chemistry 3rd ed., Prentice Hall 1995を参照されたい。
【0056】
触媒
[0070] 上記のように、本明細書に記載される酸化プロセスに有効な1つの触媒は、白金を含む(すなわち、第1の触媒は白金を含む)。この触媒は、アルドン酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルコン酸)の、ウロン酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルロン酸)への酸化に特に有用であることが分かった。
【0057】
[0071] ある実施形態において、第1の触媒は、約10重量%以下、約7.5重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下の白金充填量を有する。これらの及び他の実施形態において、第1の触媒は、約0.1重量%以上、約0.25重量%以上、約0.5重量%以上、約0.75重量%以上、又は約1重量%以上の白金充填量を有する。例えば、様々な実施形態において、第1の触媒は、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7.5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約7.5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の白金充填量を有する。
【0058】
[0072] 様々な実施形態において、第1の触媒は、触媒活性相(catalytically active phase)を含み、白金は触媒活性相のかなりの部分を占める。例えば、ある実施形態において、白金は、第1の触媒の触媒活性相の約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、又は約99重量%以上を占める。特定の実施形態において、白金は、第1の触媒の触媒活性相の約20重量%~約99重量%、約30重量%~約99重量%、約40重量%~約99重量%、約50重量%~約99重量%、約60重量%~約99重量%、約70重量%~約99重量%、約80重量%~約99重量%、約90重量%~約99重量%、約95重量%~約99重量%、約20重量%~約95重量%、約30重量%~約95重量%、約40重量%~約95重量%、約50重量%~約95重量%、約60重量%~約95重量%、約70重量%~約95重量%、約80重量%~約95重量%、約90重量%~約95重量%、約20重量%~約90重量%、約30重量%~約90重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約90重量%、約60重量%~約90重量%、約70重量%~約90重量%、又は約80重量%~約90重量%を占める。
【0059】
[0073] 様々な実施形態において、第1の触媒は、不均一系触媒である。ある実施形態において、第1の触媒は、触媒担体を含む。例えば、第1の触媒の担体は、炭素、アルミナ、シリカ、セリア(ceria)、チタニア、ジルコニア、ニオビア(niobia)、ゼオライト、マグネシア(magnesia)、粘土(clays)、ニッケル、コバルト、銅、酸化鉄、炭化ケイ素、アルミノケイ酸塩、モンモリロナイト(montmorillonites)、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含み得る。特定の実施形態において、第1の触媒の担体は、炭素、チタニア、ジルコニア、及びそれらの組合せを含む。さらなる実施形態において、第1の触媒の担体は、グラファイト、カーボンブラック、活性炭及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの炭素材料を含む。特定の実施形態において、第1の触媒の担体は、カーボンブラックを含む。様々な炭素担体並びにこれらの担体及び触媒組成物を調製する方法は、米国特許第9,682,368号及び米国特許出願公開第2017/0120223号及び2017/0120219号に記載され、これらはそれぞれ、参照により本明細書に援用される。
【0060】
[0074] 様々な実施形態において、第1の触媒は、少なくとも約5m/g、少なくとも約100m/g、少なくとも約200m/g、少なくとも約500m/g、少なくとも約1,000m/g、少なくとも約1,500m/g、又は少なくとも約2,000m/gであるBET比表面積を有し得る。例えば、第1の触媒は、約5m/g~約2,500m/g、約5m/g~約2,000m/g、約5m/g~約1,500m/g、約5m/g~約1,000m/g、約5m/g~約500m/g、約5m/g~約200m/g、約100m/g~約2,500m/g、約100m/g~約2,000m/g、約100m/g~約1,500m/g、約100m/g~約1,000m/g、約100m/g~約500m/g、又は約100m/g~約200m/gであるBET比表面積を有し得る。
【0061】
[0075] 上記のように、本明細書に記載される方法に有効なさらなる触媒は、金を含む(すなわち、第2の触媒は金を含む)。この触媒は、ウロン酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルロン酸)の、アルダル酸及び/又はそのラクトン(例えば、グルカル酸)への酸化に特に有用であることが分かった。
【0062】
[0076] ある実施形態において、第2の触媒は、約10重量%以下、約7.5重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下の金充填量を有する。これらの及び他の実施形態において、第2の触媒は、約0.1重量%以上、約0.25重量%以上、約0.5重量%以上、約0.75重量%以上、又は約1重量%以上の金充填量を有する。例えば、様々な実施形態において、第2の触媒は、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7.5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約7.5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約0.5重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%の金充填量を有する。
【0063】
[0077] 様々な実施形態において、第2の触媒は、触媒活性相を含み、金は触媒活性相のかなりの部分を占める。例えば、ある実施形態において、金は、第2の触媒の触媒活性相の約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、又は約99重量%以上を占める。特定の実施形態において、金は、第2の触媒の触媒活性相の約20重量%~約99重量%、約30重量%~約99重量%、約40重量%~約99重量%、約50重量%~約99重量%、約60重量%~約99重量%、約70重量%~約99重量%、約80重量%~約99重量%、約90重量%~約99重量%、約95重量%~約99重量%、約20重量%~約95重量%、約30重量%~約95重量%、約40重量%~約95重量%、約50重量%~約95重量%、約60重量%~約95重量%、約70重量%~約95重量%、約80重量%~約95重量%、約90重量%~約95重量%、約20重量%~約90重量%、約30重量%~約90重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約90重量%、約60重量%~約90重量%、約70重量%~約90重量%、又は約80重量%~約90重量%を占める。
【0064】
[0078] 様々な実施形態において、第2の触媒は、不均一系触媒である。ある実施形態において、第2の触媒は、触媒担体を含み得る。例えば、第2の触媒の担体は、炭素、アルミナ、シリカ、セリア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、ゼオライト、マグネシア、粘土、ニッケル、コバルト、銅、酸化鉄、炭化ケイ素、アルミノケイ酸塩、モンモリロナイト、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含み得る。ある実施形態において、第2の触媒の担体は、炭素、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びそれらの組合せを含む材料を含む。さらなる実施形態において、第2の触媒の担体は、グラファイト、カーボンブラック、活性炭及びそれらの組合せ(例えば、本明細書に示されるカーボンブラック担体)からなる群から選択される少なくとも1つの炭素材料を含む。特定の実施形態において、第2の触媒の担体は、ジルコニア、ドープジルコニア、ドープジルコニア-金属複合体(doped zirconia-metal composite)、ドープジルコニア-金属酸化物複合体(doped zirconia-metal oxide composite)、チタニア、ドープチタニア、ドープチタニア-金属複合体(doped titania-metal composite)、ドープチタニア-金属酸化物複合体(doped titania-metal oxide composite)、及びそれらの混合物を含む。様々な実施形態において、第2の触媒の担体は、チタニアを含む。特定の実施形態において、第2の触媒の担体は、第1の触媒の担体と同じではない。
【0065】
[0079] 様々な実施形態において、第2の触媒は、少なくとも約5m/g、少なくとも約100m/g、少なくとも約200m/g、少なくとも約500m/g、少なくとも約1,000m/g、少なくとも約1,500m/g、又は少なくとも約2,000m/gであるBET比表面積を有し得る。例えば、第2の触媒は、約5m/g~約2,500m/g、約5m/g~約2,000m/g、約5m/g~約1,500m/g、約5m/g~約1,000m/g、約5m/g~約500m/g、約5m/g~約200m/g、約100m/g~約2,500m/g,約100m/g~約2,000m/g、約100m/g~約1,500m/g、約100m/g~約1,000m/g、約100m/g~約500m/g、又は約100m/g~約200m/gであるBET比表面積を有し得る。
【0066】
[0080] 上記のように、本発明の様々な方法は、アルドース(例えば、グルコース)を酸素及び酸化触媒の存在下で反応させることをさらに含み得る。これらの実施形態において、酸化触媒は、例えば、本明細書に記載される第1の触媒若しくは第2の触媒又はそれらの任意の組合せを含み得る。ある実施形態において、酸化触媒は、本明細書に記載される第2の触媒を含む。
【0067】
[0081] 触媒担体が使用される場合、金属(例えば、白金及び金)が、限定はされないが、インシピエントウェットネス法(incipient wetness)、イオン交換、析出沈殿(deposition-precipitation)、及び真空含浸(vacuum impregnation)を含む、当該技術分野において公知の手順を用いて、触媒担体上に付着され得る。
【0068】
[0082] 本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱せずに変更及び変形が可能であることが明らかであろう。
【実施例
【0069】
[0083] 以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに例示するために提供される。
【0070】
実施例1:1重量%Au/TiO触媒を用いた、グルコースからグルコン酸
[0084] 1重量%Au/TiO触媒を粉砕及び篩別により40/80メッシュの大きさにし、重量約27g(量は約30cmとなる)を充填固定床反応器(fixed packed bed reactor)中に充填した。20重量%のグルコースの水溶液を、2.0h-1の液空間速度(LHSV)で反応器に供給し、N75%及び空気25%のガス流を1000SCCMの流量で並流的に供給した。系内の圧力を750psigに維持した。反応器ジャケット温度を77℃に設定した。空時収率(space time yield)(STY)(g[GA]/g[PGM]h)は43であった。
【0071】
[0085] グルコース転化率及びグルコン酸の生成は観察期間にわたり安定であった。触媒床の半径方向中心部(radial center)の内部温度のピーク値は88~89℃であった。グルコン酸の平均収率は約94mol%であり、グルカル酸の平均収率は約0.5mol%未満であった。グルコース転化率、グルコン酸収率(mol%)、及びグルカル酸収率(mol%)をプロットしたグラフを図4及び5に示す。
【0072】
[0086] この実施例は、1重量%Au/TiO触媒は、グルコン酸を形成させるのには適しているが、前記グルコン酸をかなりの(appreciable)量のグルカル酸に転化することはできないことを示している。
【0073】
実施例2:Pt触媒を用いた、グルコン酸の酸化
[0087] 40/80メッシュの大きさにした4重量%Pt/C触媒(30cm)を充填固定床反応器中に充填した。21.5重量%のグルコン酸の水溶液を1.0h-1の液空間速度(LHSV)で反応器に供給し、空気のガス流を1000SCCMの流量で並流的に供給した。系の圧力を750psigに維持した。反応器ジャケット温度を60~90℃の間で変化させた。
【0074】
[0088] 図6に、様々な温度での酸化により達成された、様々な転化率、選択率、及び収率を示す。グルカル酸の最大収率は、90℃で65%になることが認められたが、この温度で反応を行う間に約35%まで低下した。この反応を行う間に、グルロン酸がかなりの収率(約10~30mol%)で生成することが認められた。
【0075】
[0089] 表1に、4重量%Pt/C触媒を様々な温度及び空気流量で用いた場合の転化率及び収率に関する詳細なデータを示す。以下に示すデータに関しては、圧力を750psigに維持し、原料流れのLHSVを1に維持した。
【0076】
【表1】
【0077】
[0090] 4重量%Pt/TiO触媒についても同様に、グルコン酸からグルカル酸への転化に関する適性を判断するために試験を行った。Pt/C触媒を用いた場合と同様に、グルカル酸の全収率は時間と共に低下した。グルカル酸収率の範囲を以下の表に示し、ここに、到達した最大収率及び観測された最終収率の詳細を示す。これらの触媒の80℃での結果に関する比較を以下の表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
[0091] この実施例は、グルコン酸を4重量%Pt/C又は4重量%Pt/TiO触媒のみの存在下で酸化すると、安定性が低く、グルカル酸収率の著しい低下が見られることを示している。
【0080】
実施例3:Pt-Au/TiO触媒を用いた、グルコースからグルカル酸
[0092] Au/TiO触媒上に、白金を、最終的な触媒がPt 1重量%及びAu 1重量%を含むように担持させることによって、白金-金触媒を調製した。充填固定床反応器に触媒を充填した。10重量%のグルコース水溶液の原料を、初期LHSVが1.0h-1となるように反応器に導入し、空気25%及びN75%のガス流を1000SCCMの流量で並流的に導入した。反応器の初期温度を60℃とし、初期の酸素分圧を37.5psigに維持した。STY(g[グルカル酸]/g[PGM]h)は6であった。
【0081】
[0093] 図7に示すように、2236時間の間に、温度を60℃から90℃まで10℃ずつ徐々に上昇させた。約640時間後に、全ガス流量を1000SCCMに維持したまま、ガス組成を空気50%及びN50%に変更することによって、酸素の分圧を37.5psigから75psigに上昇させた。約1232時間後に、グルコース10重量%の原料のLHSVを1.0h-1からLHSV1.5h-1に上昇させた。90℃、全圧750psig、及びLHSV1.5h-1で運転が安定することが確認された。
【0082】
[0094] 実験結果を以下の表3及び4に示す。全体を通して全圧を750psigに維持した。
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
実施例4:4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiO触媒の物理的混合物を用いた、グルコン酸の酸化
[0095] 実施例1の触媒(1重量%Au/TiO)を、実施例2の触媒(4重量%Pt/C)と、1:1の体積比で物理的に混合し、30cmの触媒床を形成した。触媒の質量比(Au/TiO:Pt/C)は約3:2であった。
【0086】
[0096] 20重量%のグルコン酸水溶液の原料をLHSV0.5h-1で触媒混合物を通過させ、空気100%のガス流を1000SCCMの流量で並流させた。圧力を750psigに維持し、原料流れのLHSVを0.5h-1に維持した。
【0087】
[0097] 図8に、70℃~90℃の温度で反応を行う間に達成されたグルコン酸転化率及び様々な収率を示す。672時間後、90℃の際に、ガス流を空気100%から空気50%及びN50%に変更した。全ガス流量を1000SCCMに維持した。
【0088】
[0098] 80℃及び90℃でグルカル酸の生成が安定する(すなわち、収率が約60mol%を超える)ことが認められた。これは、Pt/Cを単独で80℃で用いた場合にグルカル酸の収率が44~29mol%に低下したこと(実施例2)、及びAu/TiO上に担持したPtを含む触媒を80℃で用いた場合に収率が35~45mol%であったこと(実施例3)とは対照的である。Pt/Cを単独で又はPtをAu/TiO上に担持させて使用した場合はいずれも、所望の収率に到達しないか又は到達した最大収率が持続しなかった(例えば、Pt/Cの収率は、90℃で時間と共に大幅に低下した)。
【0089】
[0099] 表5に、Pt/C及びAu/TiO触媒の混合物を様々な温度及び空気流量で用いた場合の転化率及び収率に関する詳細なデータを示す。
【0090】
【表5】
【0091】
実施例5:触媒の物理的混合物を含む段階的反応器床(staged reactor bed)を用いた、グルコン酸からグルカル酸
[0100] Pt/C及びAu/TiO触媒の混合物を用いて、グルコン酸をグルカル酸に転化した。触媒の2種の物理的混合物を含む段階的反応器床を調製した。上段は、4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを4:1(vol)の比で含むものとした。下段は、4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを1:4(vol)の比で含むものとした。20重量%のグルコン酸水溶液の原料流れをLHSV1.0h-1で導入した。約624時間後、反応器温度を90℃から95℃に昇温した。
【0092】
[0101] 図9に示すように、温度を上昇させることによってグルカル酸収率が顕著に向上し、収率は65~72mol%に達した。808時間の反応の間のグルコン酸の平均転化率は90%を超えた。
【0093】
[0102] 表6に、Pt/C及びAu/TiO触媒の混合物を様々な温度及び空気流量で用いた場合の転化率及び収率に関する詳細なデータを示す。
【0094】
【表6】
【0095】
実施例6:4重量%Pt/C触媒及び1重量%Au/TiO触媒の物理的混合物を用いた、グルコン酸の酸化
[0103] 実施例4の実験を修正して、圧力を1250psigに維持し、反応器ジャケット温度を85℃に維持するようにした。21.2重量%のグルコン酸水溶液の原料をLHSV0.5h-1で導入し、ガス流れ(N50%及び空気50%)を1000SCCMの流量で供給した。
【0096】
[0104] 約1224時間後、上に説明したガス流れ及び温度を維持しながら、液体のグルコン酸の供給を停止し、水の供給を開始することにより触媒を洗浄した。これをLHSV1.0h-1で4時間実施した。その後、グルコン酸原料の流れを再開させた。
【0097】
[0105] 図10及び表7に、水洗工程を行う前及び後のグルカル酸収率を示す。洗浄工程の直後からグルカル酸収率の増加が認められ、これが約75時間継続した後、僅かに低下した。図11に1104~1468時間の結果を示す。
【0098】
【表7】
【0099】
実施例7:1重量%Au/TiO触媒を用いた、アラビノースからアラビノン酸
[0106] 1重量%Au/TiO触媒を粉砕及び篩別により40/80メッシュの大きさにし、重量約27g(量は約30cm)を充填固定床反応器中に充填した。20.6重量%のアラビノースの水溶液を反応器に液空間速度(LHSV)1.0h-1で供給し、N50%及び空気50%のガス流を1000SCCMの流量で並流的に供給した。系の圧力を750psigに維持した。反応器ジャケット温度を75℃に設定した。この実験の総運転時間2716~2828時間の間に6個のデータ点を取得した。
【0100】
[0107] アラビノース転化率及びアラビノン酸の生成はこの観察期間にわたり安定であった。各データ点において約100%の転化率が観測された。アラビノン酸収率は約84~86mol%の間にあり、アラビナル酸収率の平均値は約2.2mol%未満であった。図12に、各データ点におけるアラビノース転化率、アラビノン酸収率(mol%)、及びアラビナル酸収率(mol%)を示す。結果の概要を以下の表8に記載する。
【0101】
【表8】
【0102】
実施例8:触媒の物理的混合物を含む段階的反応器床を用いた、アラビノン酸からアラビナル酸
[0108] Pt/C及びAu/TiO触媒の混合物を用いて、アラビノン酸をアラビナル酸に転化させた。触媒の2種の物理的混合物を含む段階的反応器床を調製した。上段は4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを4:1(vol)の比で含むものとした。下段は4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを1:4(vol)の比で含むものとした。19.4重量%のアラビノン酸水溶液の原料流れをLHSV1.0h-1で導入した。空気25%及びN75%のガス流を1000SCCMの流量で並流的に導入した。反応器の初期圧力を1200psigとし、反応器の初期温度を100℃とした。この実験の総運転時間856~938時間の間に6個のデータ点を取得した。
【0103】
[0109] アラビナル酸収率は36~51mol%に到達し、アラビノン酸の転化率は約46~62%であった。図13に、測定回ごとのアラビノン酸転化率、アラビナル酸収率(mol%)、酒石酸収率(mol%)、及びグリセリン酸収率(mol%)を示す。結果の概要を以下の表9に記載する。
【0104】
【表9】
【0105】
実施例9:Au/TiO触媒を用いた、グリセルアルデヒドからグリセリン酸
[0110] 1重量%Au/TiO触媒を粉砕及び篩別により40/80メッシュの大きさにし、重量約27g(量は約30cm)を固定床反応器中に充填した。1.22重量%のグリセルアルデヒドの水溶液を反応器に液空間速度(LHSV)1.0h-1で供給し、N50%及び空気50%のガス流を1000SCCMの流量で並流的に供給した。系の圧力を750psigに維持した。反応器ジャケット温度を75℃に設定した。この実験の総運転時間3000~3038時間の間に4個のデータ点を取得した。
【0106】
[0111] グリセルアルデヒド転化率及びグリセリン酸の生成はこの観察期間にわたり安定であった。グリセリン酸収率は約100~105mol%の間にあり、タルトロン酸収率の平均値は0mol%であった。図14にグリセリン酸収率(mol%)を示す。結果の概要を以下の表10に記載する。
【0107】
【表10】
【0108】
実施例10:触媒の物理的混合物を含む段階的反応器床を用いた、グリセリン酸からのタルトロン酸
[0112]Pt/C及びAu/TiO触媒の混合物を用いて、グリセリン酸をタルトロン酸に転化させた。触媒の2種の物理的混合物を含む段階的反応器床を調製した。上段は4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを4:1(vol)の比で含むものとした。下段は4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを1:4(vol)の比で含むものとした。10.0重量%のグリセリン酸水溶液の原料流れを次の表11に記載するLHSVで導入した。以下に記載する比率の空気及びNのガス流を、1000SCCMの流量で並流的に導入した。反応器の初期圧力を750psigとし、実験中に1250psigまで上昇させた。同様に、反応器の初期温度を95℃とし、実験中に106℃まで上昇させた。
【0109】
【表11】
【0110】
実施例11:様々な触媒を用いた、グリコールアルデヒドからグリコール酸
[0113] グリコアルデヒドをグリコール酸に酸化する様々な触媒の効果を試験するための実験を行った。1つの実験は、触媒を使用せずに行った。他の実験は、1重量%Au/TiO触媒、4重量%Pt/C触媒、又は4重量%Pt/C触媒と1重量%Au/TiO触媒との物理的混合物を使用した。
【0111】
[0114] 1重量%Au/TiO触媒及び4重量%Pt/C触媒を粉砕及び篩別して40/80メッシュの大きさになるようにした。各実験に使用した触媒の総重量を表12に示す。4重量%Pt/C触媒及び1重量%Au/TiO触媒の物理的混合物を含む実験では、触媒の重量比を1:1とした。
【0112】
[0115] 各実験において、以下の表12に記載する量の触媒を回分式反応器に充填した。6.1重量%のグリコールアルデヒド水溶液を回分式反応器に充填し、100%空気で1800psigに加圧した。反応器ジャケット温度を85℃に設定した。各実験における反応器中の液体の総体積を2.3mLとした。
【0113】
【表12】
【0114】
[0116] これらの実験の結果を図15に示す。予期した通り、触媒を使用しなかった場合は結果が良くなかった。1重量%Au/TiO触媒を用いた場合の転化率は高く、グリコール酸収率(mol%)は約40%であった。4重量%Pt/C触媒を用いた場合の転化率は、1重量%Au/TiO触媒を用いた場合よりも低かったが、グリコール酸収率はより高かった。触媒の物理的混合物を用いた場合のグリコール酸収率は、どちらの触媒を単独で使用した場合よりも高かった。
【0115】
実施例12:触媒の物理的混合物を含む段階的反応器床を用いた、グリコール酸からのシュウ酸
[0117] Pt/C及びAu/TiOの触媒混合物を用いて、グリコール酸をシュウ酸に転化させた。触媒の2種の物理的混合物を含む段階的反応器床を調製した。上段は4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを4:1(vol)の比で含むものとした。下段は4重量%Pt/C及び1重量%Au/TiOを1:4(vol)の比で含むものとした。10.3重量%のグリコール酸水溶液の原料流れを以下に記載するLHSVで導入した。ガス流を約1000SCCMで並流的に導入した。以下の表13に、運転中の様々な時点におけるガス流組成を示す。反応器の初期圧力を1250psigとし、反応器ジャケットの初期温度を75℃とし、以下の表13に示すように変化させた。運転時間1222~1280時間の結果を以下に示す。
【0116】
【表13】
【0117】
[0118] シュウ酸収率が低かったことの原因は、中間体であるグリオキサール及び/又はシュウ酸のCOへの過剰転化にあると考えられる。このことは、反応生成物中にグリオキサールが確認されず、高いCO量が測定されたことから支持される。LHSVを高くする(すなわち、運転時間1248~1280時間)ことにより、一部のシュウ酸が過剰転化する前に反応器から排出されるようである。
【0118】
[0119] 本発明又はその好ましい実施形態の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「前記(the)」及び「前記(said)」は、1つ以上の要素があることを意味することが意図される。「含む(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包含的であることが意図され、列挙される要素以外にさらなる要素があり得ることを意味する。
【0119】
[0120] 上記を考慮して、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が達成されたことが分かるであろう。
【0120】
[0121] 様々な変化が、本発明の範囲から逸脱せずに上記の方法においてなされ得るため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項が、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。
【0121】
[0122] 本明細書において用いられる際、「含む」という用語は、「含む」という用語がそれに関して使用される生成物/方法/使用がまた、その後に記載される要素「のみからなり」得る代替例も包含することが理解されるべきである。
【0122】
[0123] 本明細書において用いられる際、「含む」という用語は、「含む」という用語がそれに関して使用される生成物/方法/使用がまた、その後に記載される要素「から本質的になり」得る代替例も包含することが理解されるべきである。
【0123】
[0124] 特に記載されない限り、全ての合成方法及びパラメータ測定は、室温/周囲温度、すなわち、21±1℃で行われたことが理解されるべきである。
【0124】
項目:
1.グルカル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルコン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0125】
2.反応領域が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含む、項目1に記載の方法。
【0126】
3.反応領域が、第1の触媒を含む第1の段階及び第2の触媒を含む第2の段階を含む、項目1又は2に記載の方法。
【0127】
4.グルカル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルコン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域の第1の段階において、酸素及び白金を含む第1の触媒の存在下で反応させて、グルロン酸及び/又はそのラクトンを含む第1の反応混合物を形成すること;並びに
グルロン酸及び/又はそのラクトンを含む第1の反応混合物を、反応領域の第2の段階において、酸素及び金を含む第2の触媒と接触させて、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む第2の反応混合物を形成すること;
を含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0128】
5.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物のグルコン酸及び/又はラクトン濃度が、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上である、項目1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
6.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物のグルコン酸及び/又はラクトン濃度が、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約25重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、約20重量%~約50重量%、約20重量%~約30重量%、又は約20重量%~約25重量%である、項目1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
7.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物のグルコン酸及び/又はラクトン濃度が、約1重量%~25重量%である、項目1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
8.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物のグルコン酸及び/又はラクトン濃度が、約5重量%~25重量%である、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
9.グルカル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルロン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルカル酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0133】
10.グルカル酸及び/又はそのラクトンの収率が、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上である、項目1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
11.グルカル酸及び/又はそのラクトンの収率が、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約75%、約50%~約70%、約50%~約65%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約75%、約60%~約70%、約65%~約85%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約65%~約70%である、項目1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
12.グルロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルコン酸及び/又はそのラクトンを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルロン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0136】
13.グルコースを、酸化触媒の存在下で酸素と反応させて、グルコン酸及び/又はそのラクトンを形成することをさらに含む、項目1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
14.酸化触媒は、第2の触媒を含む、項目13に記載の方法。
【0138】
15.グルロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルコースを、反応領域中で、酸素、酸化触媒、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルロン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0139】
16.グルカル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルコースを、酸化触媒、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒を含む反応領域中で、酸素の存在下で反応させて、グルカル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0140】
17.グルカル酸及び/又はそのラクトンの収率が、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上である、項目16に記載の方法。
【0141】
18.グルカル酸及び/又はそのラクトンの収率が、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約75%、約50%~約70%、約50%~約65%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約75%、約60%~約70%、約65%~約85%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約65%~約70%である、項目16に記載の方法。
【0142】
19.グルコン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
グルコースを、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、グルコン酸及び/又はラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なる、方法。
【0143】
20.グルコースが、炭水化物含有源から得られる、項目13~19のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
21.グルコースが、穀類作物から得られる、項目13~20のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
22.アルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトン:
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)を、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、アルダル酸及び/又はそのラクトンは、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0146】
23.y及び/又はzが、0~5の整数である、項目22に記載の方法。
【0147】
24.y=zであり、0~5の整数である、項目23に記載の方法。
【0148】
25.y=zであり、2~5の整数である、項目24に記載の方法。
【0149】
26.y=zであり、2~4の整数である、項目25に記載の方法。
【0150】
27.y=zであり、3~4の整数である、項目26に記載の方法。
【0151】
28.アルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)を、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、アルダル酸及び/又はそのラクトンは、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0152】
29.x及び/又はzが、0~5の整数である、項目28に記載の方法。
【0153】
30.x=zであり、0~5の整数である、項目29に記載の方法。
【0154】
31.x=zであり、2~5の整数である、項目30に記載の方法。
【0155】
32.x=zであり、2~4の整数である、項目31に記載の方法。
【0156】
33.x=zであり、3~4の整数である、項目32に記載の方法。
【0157】
34.反応領域が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含む、項目22~33のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
35.反応領域が、第1の触媒を含む第1の段階及び第2の触媒を含む第2の段階を含む、項目22~34のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
36.アルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)を、反応領域の第1の段階において、酸素及び白金を含む第1の触媒の存在下で反応させて、第1の反応混合物を形成すること;並びに
第1の反応混合物を、反応領域の第2の段階において、酸素及び金を含む第2の触媒と接触させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む第2の反応混合物を形成すること;
を含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、アルダル酸及び/又はそのラクトンは、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0160】
37.x及び/又はzが、0~5の整数である、項目36に記載の方法。
【0161】
38.x=zであり、0~5の整数である、項目37に記載の方法。
【0162】
39.x=zであり、2~5の整数である、項目38に記載の方法。
【0163】
40.x=zであり、2~4の整数である、項目39に記載の方法。
【0164】
41.x=zであり、3~4の整数である、項目40に記載の方法。
【0165】
42.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物の式(II)のアルドン酸及び/又はラクトンの濃度が、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上である、項目28~41のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
43.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物の式(II)のアルドン酸及び/又はラクトンの濃度が、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約25重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、約20重量%~約50重量%、約20重量%~約30重量%、又は約20重量%~約25重量%である、項目28~41のいずれか1つに記載の方法。
【0167】
44.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物のグルコン酸及び/又はラクトン濃度が、約1重量%~25重量%である、項目28~43のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
45.原料混合物が反応領域に供給され、原料混合物のグルコン酸及び/又はラクトン濃度が、約5重量%~25重量%である、項目28~44のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
46.式(I)のアルドース及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)を、酸素及び酸化触媒の存在下で反応させて、式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトンを形成することをさらに含む、項目28~45のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
47.wが、0~5の整数である、項目46に記載の方法。
【0171】
48.wが、2~5の整数である、項目47に記載の方法。
【0172】
49.wが、2~4の整数である、項目48に記載の方法。
【0173】
50.wが、3~4の整数である、項目49に記載の方法。
【0174】
51.酸化触媒が、第2の触媒を含む、項目46~50のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
52.アルダル酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(I)のアルドース及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)を、酸化触媒、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒を含む反応領域中で、酸素の存在下で反応させて、式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、アルダル酸は、式(IV):
HOOC(HCOH)COOH (IV)
(式中、zは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0176】
53.w及び/又はzが、0~5の整数である、項目52に記載の方法。
【0177】
54.w=zであり、0~5の整数である、項目53に記載の方法。
【0178】
55.w=zであり、2~5の整数である、項目54に記載の方法。
【0179】
56.w=zであり、2~4の整数である、項目55に記載の方法。
【0180】
57.w=zであり、3~4の整数である、項目56に記載の方法。
【0181】
58.反応領域が、酸化触媒を含む初期酸化段階、第1の触媒を含む第1の段階、及び第2の触媒を含む第2の段階を含む、項目52~57のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
59.酸化触媒が、第2の触媒を含む、項目52~58のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
60.式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンの収率が、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上である、項目52~59のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
61.式(IV)のアルダル酸及び/又はそのラクトンの収率が、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約75%、約50%~約70%、約50%~約65%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約75%、約60%~約70%、約65%~約85%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約65%~約70%である、項目52~59のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
62.ウロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(I)のアルドース及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)を、反応領域中で、酸素、酸化触媒、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、ウロン酸は、式(III):
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0186】
63.w及び/又はyが、0~5の整数である、項目62に記載の方法。
【0187】
64.w=yであり、0~5の整数である、項目63に記載の方法。
【0188】
65.w=yであり、2~5の整数である、項目64に記載の方法。
【0189】
66.w=yであり、2~4の整数である、項目65に記載の方法。
【0190】
67.w=yであり、3~4の整数である、項目66に記載の方法。
【0191】
68.アルドン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(I)のアルドース及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)CHO (I)
(式中、wは、0~10の整数である)を、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、アルドン酸は、式(II):
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0192】
69.w及び/又はxが、0~5の整数である、項目68に記載の方法。
【0193】
70.w=xであり、0~5の整数である、項目69に記載の方法。
【0194】
71.w=xであり、2~5の整数である、項目70に記載の方法。
【0195】
72.w=xであり、2~4の整数である、項目71に記載の方法。
【0196】
73.w=xであり、3~4の整数である、項目72に記載の方法。
【0197】
74.アルドースが、少なくとも1つのC~Cアルドースを含む、項目46~73のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
75.式(I)のアルドースが、炭水化物含有源から得られる、項目46~74のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
76.式(I)のアルドースが、穀類作物から得られる、項目46~75のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
77.式(I)のアルドースが、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、及び/又はそれらの混合物を含む、項目46~76のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
78.式(I)のアルドースが、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、キシロース、リボース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコヘプトース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、及び/又はそれらの混合物を含む、項目46~77のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
79.式(I)のアルドースが、キシロース、リボース、アラビノース、グルコース、及び/又はそれらの混合物を含む、項目46~78のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
80.式(I)のアルドースが、グルコースを含む、項目46~79のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
81.ウロン酸及び/又はそのラクトンを調製するための方法であって:
式(II)のアルドン酸及び/又はそのラクトン:
HOCH(HCOH)COOH (II)
(式中、xは、0~10の整数である)を、反応領域中で、酸素、白金を含む第1の触媒、及び金を含む第2の触媒の存在下で反応させて、式(III)のウロン酸及び/又はそのラクトンを含む反応混合物を形成することを含み、ここで、第1の触媒及び第2の触媒は異なり、ウロン酸は、式(III):
HOOC(HCOH)CHO (III)
(式中、yは、0~10の整数である)で表される、方法。
【0205】
82.x及び/又はyが、0~5の整数である、項目81に記載の方法。
【0206】
83.x=yであり、0~5の整数である、項目82に記載の方法。
【0207】
84.x=yであり、2~5の整数である、項目83に記載の方法。
【0208】
85.x=yであり、2~4の整数である、項目84に記載の方法。
【0209】
86.x=yであり、3~4の整数である、項目85に記載の方法。
【0210】
87.式(II)のアルドン酸が、ジオン酸、トリオン酸、テトロン酸、ペントン酸、ヘキソン酸、ヘプトン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目28~51又は68~86のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
88.式(II)のアルドン酸が、グリコール酸、グリセリン酸、トレオン酸、エリトロン酸、キシロン酸、リボン酸、アラビノン酸、グルコン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目28~51又は68~87のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
89.式(II)のアルドン酸が、グルコン酸、キシロン酸、リボン酸、アラビノン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目28~51又は68~88のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
90.式(II)のアルドン酸が、キシロン酸、リボン酸、アラビノン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目28~51又は68~89のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
91.式(II)のアルドン酸が、グルコン酸を含む、項目28~51又は68~89のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
92.式(III)のウロン酸が、少なくとも1つのC~Cウロン酸を含む、項目22~27、62~67、又は81~91のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
93.式(III)のウロン酸が、トリウロン酸、テトラウロン酸、ペンタウロン酸、ヘキサウロン酸、ヘプタウロン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~27、62~67、又は81~92のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
94.式(III)のウロン酸が、グリオキシル酸、グリセルウロン酸(タルトロンアルデヒド酸)、トレウロン酸、エリトルロン酸、キシロウロン酸、リボウロン酸、アラビヌロン酸、リキソヌロン酸、グルロン酸、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、マンノウロン酸、アルロン酸、アルトルロン酸、イズロン酸、タロヌロン酸、及びグルコヘプトンウロン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~27、62~67、又は81~93のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
95.式(III)のウロン酸が、グルロン酸、キシロウロン酸、リボウロン酸、アラビヌロン酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~27、62~67、又は81~94のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
96.式(III)のウロン酸が、グルロン酸を含む、項目22~27、62~67、又は81~95のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
97.式(IV)のアルダル酸が、少なくとも1つのC~Cアルダル酸を含む、項目22~45又は52~61のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
98.式(IV)のアルダル酸が、トリアル酸、テトラル酸、ペンタル酸、ヘキサル酸、ヘプタル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~45、52~61、又は97のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
99.式(IV)のアルダル酸が、シュウ酸、タルトロン酸、酒石酸、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、グルカル酸、ガラクタル酸、マンナル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~45、52~61、97、又は98のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
100.式(IV)のアルダル酸が、グルカル酸、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~45、52~61、又は97~99のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
101.式(IV)のアルダル酸が、キシラル酸、リバル酸、アラビナル酸、及び/又はそれらの混合物を含む、項目22~45、52~61、又は97~100のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
102.式(IV)のアルダル酸が、グルカル酸を含む、項目22~45、52~61、又は97~101のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
103.反応領域が、第1の段階を含み、第1の段階が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第1の触媒の重量又は体積が、第2の触媒の重量又は体積より大きい、項目1~102のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
104.反応領域が、第1の段階を含み、第1の段階が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第1の触媒対第2の触媒の重量又は体積比が、約2:1以上、約3:1以上、又は約4:1以上である、項目1~103のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
105.反応領域が、第1の段階を含み、第1の段階が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第1の触媒対第2の触媒の重量又は体積比が、約2:1~約10:1、約2:1~約5:1、約3:1~約10:1、又は約3:1~約5:1である、項目1~104のいずれか1つに記載の方法。
【0229】
106.言及される第1の触媒対第2の触媒の比率が、体積比である、項目104又は105に記載の方法。
【0230】
107.反応領域が、第2の段階を含み、第2の段階が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第2の触媒の重量又は体積が、第1の触媒の重量又は体積より大きい、項目1~106のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
108.反応領域が、第2の段階を含み、第2の段階が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第2の触媒対第1の触媒の重量又は体積比が、約2:1以上、約3:1以上、又は約4:1以上である、項目1~107のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
109.反応領域が、第2の段階を含み、第2の段階が、第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含み、第2の触媒対第1の触媒の重量又は体積比が、約2:1~約10:1、約2:1~約5:1、約3:1~約10:1、又は約3:1~約5:1である、項目1~108のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
110.言及される第2の触媒対第1の触媒の比率が、体積比である、項目108又は109に記載の方法。
【0234】
111.反応領域が、
(i)第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含む第1の段階であって、第1の触媒対第2の触媒の体積比が、約3:1~約5:1である、第1の段階と;
(ii)第1の触媒及び第2の触媒の混合物を含む第2の段階であって、第2の触媒対第1の触媒の体積比が、約3:1~約5:1である、第2の段階と;
を含む、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
112.
第1の段階における、第1の触媒対第2の触媒の重量比が、約3:1~約1:1であり;
第2の段階における、第2の触媒対第1の触媒の重量比が、約4.5:1~約7.5:1である、項目111に記載の方法。
【0236】
113.反応領域中の第1の触媒対第2の触媒の総量の体積比が、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約1:3~約3:1、又は約1:1である、項目1~112のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
114.第1の触媒が、不均一系触媒である、項目1~113のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
115.第1の触媒が、触媒担体を含む、項目1~114のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
116.第1の触媒の担体が、炭素、アルミナ、シリカ、セリア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、ゼオライト、マグネシア、粘土、ニッケル、コバルト、銅、酸化鉄、炭化ケイ素、アルミノケイ酸塩、モンモリロナイト、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、項目115に記載の方法。
【0240】
117.第1の触媒の担体が、炭素、チタニア、ジルコニア、又はそれらの組合せを含む、項目115又は116に記載の方法。
【0241】
118.第1の酸化触媒の担体が、グラファイト、カーボンブラック、活性炭、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの炭素材料を含む、項目115~117のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
119.第1の触媒の担体が、カーボンブラックを含む、項目115~118のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
120.第1の触媒及び/又は第2の触媒が、少なくとも約5m/g、少なくとも約100m/g、少なくとも約200m/g、少なくとも約500m/g、少なくとも約1,000m/g、少なくとも約1,500m/g、又は少なくとも約2,000m/gであるBET比表面積を有する、項目1~119のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
121.第1の触媒及び/又は第2の触媒が、約5m/g~約2,500m/g、約5m/g~約2,000m/g、約5m/g~約1,500m/g、約5m/g~約1,000m/g、約5m/g~約500m/g、約5m/g~約200m/g、約100m/g~約2,500m/g、約100m/g~約2,000m/g、約100m/g~約1,500m/g、約100m/g~約1,000m/g、約100m/g~約500m/g、又は約100m/g~約200m/gであるBET比表面積を有する、項目1~119のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
122.第1の触媒及び/又は第2の触媒が、約100m/g~約200m/gであるBET比表面積を有する、項目1~121のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
123.第1の触媒が、約10重量%以下、約7.5重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下の白金充填量を有する、項目1~122のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
124.第1の触媒が、約0.1重量%以上、約0.25重量%以上、約0.5重量%以上、約0.75重量%以上、又は約1重量%以上の白金充填量を有する、項目1~123のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
125.第1の触媒が、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7.5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約7.5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の白金充填量を有する、項目1~122のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
126.第1の触媒が、約1重量%~5重量%の白金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
127.第1の触媒が、約1重量%~4重量%の白金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
128.第2の触媒が、不均一系触媒である、項目1~127のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
129.第2の触媒が、触媒担体を含む、項目1~128のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
130.第1の触媒の担体が、第2の触媒の担体と同じではない、項目129に記載の方法。
【0254】
131.第2の触媒の担体が、炭素、アルミナ、シリカ、セリア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、ゼオライト、マグネシア、粘土、ニッケル、コバルト、銅、酸化鉄、炭化ケイ素、アルミノケイ酸塩、モンモリロナイト、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、項目129又は130に記載の方法。
【0255】
132.第2の触媒の担体が、炭素、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、又はそれらの組合せを含む材料を含む、項目129~131のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
133.第2の触媒の担体が、グラファイト、カーボンブラック、活性炭及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの炭素材料を含む、項目129~132のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
134.第2の触媒の担体が、ジルコニア、ドープジルコニア、ドープジルコニア-金属複合体、ドープジルコニア-金属酸化物複合体、チタニア、ドープチタニア、ドープチタニア-金属複合体、ドープチタニア-金属酸化物複合体、又はそれらの混合物を含む、項目129~133のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
135.第2の触媒の担体が、チタニアを含む、項目129~134のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
136.第2の触媒が、約10重量%以下、約7.5重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下の金充填量を有する、項目1~135のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
137.第2の触媒が、約0.1重量%以上、約0.25重量%以上、約0.5重量%以上、約0.75重量%以上、又は約1重量%以上の金充填量を有する、項目1~136のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
138.第2の触媒が、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7.5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約7.5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約0.5重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%の金充填量を有する、項目1~135のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
139.第2の触媒が、約0.1重量%~約10重量%の金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
140.第2の触媒が、約0.1重量%~約5重量%の金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
141.第2の触媒が、約0.1重量%~約2重量%の金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
142.第2の触媒が、約0.5重量%~約2重量%の金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
143.第2の触媒が、約1.0重量%~約2重量%の金充填量を有する、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
144.方法が、塩基を加えずに行われる、項目1~143のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
145.反応混合物のpHが、塩基の添加によって制御又は増加されない、項目1~144のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
146.塩基が、反応領域に供給されない、項目1~145のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
147.反応混合物が、塩形成カチオンを含まないか又は実質的に含まない、項目1~146のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
148.20℃で測定される反応混合物のpHが、約7以下、約6.5以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、又は約2以下である、項目1~147のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
149.20℃で測定される反応混合物のpHが、約1~約7、約1~約6、約1~約5、約1~約4、約1.5~約7、約1.5~約6、約1.5~約5、約1.5~約4、約2~約7、約2~約6、約2~約5、又は約2~約4である、項目1~148のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
150.反応混合物が、約4以下、約3以下、又は約2以下の、20℃で測定される最小pHに到達する、項目1~149のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
151.20℃で測定される反応混合物のpHが、約1~約2である、項目1~150のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
152.反応領域が、1つ以上のトリクル床反応器を含む、項目1~151のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
153.反応領域が、1つ以上の固定床反応器を含む、項目1~152のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
154.反応領域の液空間速度(LHSV)が、約0.2h-1以上、約0.5h-1以上、約1h-1以上、約1.5h-1以上、約2h-1以上、約5h-1以上、又は約10h-1以上である、項目1~153のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
155.反応領域のLHSVが、約0.2h-1~約50h-1、約0.5h-1~約50h-1、約1h-1~約50h-1、約2h-1~約50h-1、約5h-1~約50h-1、約10h-1~約50h-1、約0.2h-1~約10h-1、約0.5h-1~約10h-1、約1h-1~約10h-1、約2h-1~約10h-1、又は約5h-1~約10h-1である、項目1~153のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
156.反応領域のLHSVが、約0.2h-1~約5h-1である、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
157.反応領域のLHSVが、約0.2h-1~約4h-1である、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
158.反応領域のLHSVが、約0.4h-1~約2.5h-1である、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
159.反応領域のLHSVが、約0.5h-1~約2h-1である、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
160.反応領域が、約60℃以上、約70℃以上、又は約80℃以上の温度に加熱される、項目1~159のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
161.反応領域が、約60℃~約150℃、約70℃~約150℃、約80℃~約150℃、約60℃~約125℃、約70℃~約125℃、約80℃~約125℃、約60℃~約100℃、約70℃~約100℃、又は約80℃~約100℃の温度に加熱される、項目1~159のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
162.反応領域が、約70℃~約110℃の温度に加熱される、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
163.反応領域が、約75℃~約110℃の温度に加熱される、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
164.反応領域が、約80℃~約110℃の温度に加熱される、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
165.反応領域が、約80℃~約100℃の温度に加熱される、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
166.酸素の分圧が、約2psig以上、約25psig以上、約50psig以上、若しくは約100psig以上、又は約2psig~約2000psig、約50psig~約2000psig、若しくは約100psig~約2000psigの範囲である、項目1~165のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
167.酸素の分圧が、約2psig~約2000psigである、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
168.酸素の分圧が、約50psig~約2000psigである、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
169.酸素の分圧が、約75psig~約250psigである、先行する項目のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
170.酸素が、酸素含有ガス状混合物として反応領域に供給される、項目1~169のいずれか1つに記載の方法。
【0294】
171.酸素が、空気、酸素富化空気、少なくとも約40若しくは50体積%の酸素を含む混合物、酸素及び窒素を含む混合物(例えば、体積基準で約50:50混合物)、又は実質的に純粋な酸素(少なくとも99体積%の酸素)として反応領域に供給される、項目1~170のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
172.酸素が、約0.5体積%以上、約1体積%以上、約5体積%以上、又は約10体積%以上の酸素濃度を有する混合物として反応領域に供給される、項目1~169のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
173.酸素が、約0.5体積%~約20体積%、約0.5体積%~約15体積%、約0.5体積%~約10体積%、約0.5体積%~約5体積%、約1体積%~約20体積%、約1体積%~約15体積%、約1体積%~約10体積%、約1体積%~約5体積%、約5体積%~約20体積%、約5体積%~約15体積%、又は約5体積%~約10体積%の酸素濃度を有する混合物として反応領域に供給される、項目1~169のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
174.酸素が、約5体積%~約20体積%の酸素濃度を有する混合物として反応領域に供給される、項目1~173のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
175.第1の触媒が、触媒活性相を含み、白金が、触媒活性相の約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、又は約99重量%以上を占める、項目1~174のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
176.第1の触媒が、触媒活性相を含み、白金が、触媒活性相の約20重量%~約99重量%、約30重量%~約99重量%、約40重量%~約99重量%、約50重量%~約99重量%、約60重量%~約99重量%、約70重量%~約99重量%、約80重量%~約99重量%、約90重量%~約99重量%、約95重量%~約99重量%、約20重量%~約95重量%、約30重量%~約95重量%、約40重量%~約95重量%、約50重量%~約95重量%、約60重量%~約95重量%、約70重量%~約95重量%、約80重量%~約95重量%、約90重量%~約95重量%、約20重量%~約90重量%、約30重量%~約90重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約90重量%、約60重量%~約90重量%、約70重量%~約90重量%、又は約80重量%~約90重量%を占める、項目1~175のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
177.第2の触媒が、触媒活性相を含み、金が、触媒活性相の約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、又は約99重量%以上を占める、項目1~176のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
178.第2の触媒が、触媒活性相を含み、金が、触媒活性相の約20重量%~約99重量%、約30重量%~約99重量%、約40重量%~約99重量%、約50重量%~約99重量%、約60重量%~約99重量%、約70重量%~約99重量%、約80重量%~約99重量%、約90重量%~約99重量%、約95重量%~約99重量%、約20重量%~約95重量%、約30重量%~約95重量%、約40重量%~約95重量%、約50重量%~約95重量%、約60重量%~約95重量%、約70重量%~約95重量%、約80重量%~約95重量%、約90重量%~約95重量%、約20重量%~約90重量%、約30重量%~約90重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約90重量%、約60重量%~約90重量%、約70重量%~約90重量%、又は約80重量%~約90重量%を占める、項目1~177のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
179.方法が、電気化学的方法ではない、項目1~178のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
180.方法が、電流を反応混合物に印加することを含まない、項目1~178のいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】