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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】バンドクランプ用切断工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/10 20060101AFI20230113BHJP
   B26B 17/00 20060101ALI20230113BHJP
   B25B 7/22 20060101ALN20230113BHJP
【FI】
B25B27/10 A
B26B17/00 A
B25B7/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528590
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 US2020060398
(87)【国際公開番号】W WO2021101803
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/936,805
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519196586
【氏名又は名称】オエティカ ツール コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Oetiker Tool Corporation
【住所又は居所原語表記】30 East Industrial Road, Branford, Connecticut 06405 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クシザンスキー,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】バンサ,パトリス ビー.
【テーマコード(参考)】
3C020
3C031
3C065
【Fターム(参考)】
3C020PP10
3C020QQ05
3C020QQ07
3C031DD29
3C065AA17
3C065BA22
3C065CA08
3C065FA01
3C065GA11
(57)【要約】
切断工具および切断あごの操作方法が提供される。切断工具20は、第1の切刃50と、第1の切刃50に隣接する第1の解放領域54とを有する第1のあご部材36を含み、第1のあご部材36は、第1の切刃50から第1の解放領域54内に延びる第1の突起58をさらに有する。第2のあご部材38は、第2の切刃52と、第2の切刃52に隣接する第2の解放領域56とを有し、第2のあご部材38は、第2の切刃から第2の解放領域内に延びる第2の突起60をさらに有する。ここで、第1の突起58と第2の突起60は、切断工具が圧着操作で使用されるときにイヤクランプの脚に係合しかつイヤクランプが完全に閉じるのを防ぐようなサイズになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断工具であって、
第1の切刃および前記第1の切刃に隣接する第1の解放領域を有し、前記第1の切刃から前記第1の解放領域内に延びる第1の突起をさらに有する第1のあご部材と、
第2の切刃および前記第2の切刃に隣接する第2の解放領域を有し、前記第2の切刃から前記第2の解放領域内に延びる第2の突起をさらに有する第2のあご部材と、を備え、
前記第1の突起および前記第2の突起は、前記切断工具が圧着操作で使用されるときにイヤクランプの脚に係合しかつ前記イヤクランプが完全に閉じるのを防ぐサイズになっている、
切断工具。
【請求項2】
前記第1の突起および前記第2の突起は、凸状の外側面を有する、
請求項1に記載の切断工具。
【請求項3】
前記第1の突起および前記第2の突起は、前記第1の切刃および前記第2の切刃に沿って中央に配置されている、
請求項2に記載の切断工具。
【請求項4】
前記第1の切刃および前記第2の切刃は、前記切断工具が切断操作で使用されるときに前記イヤクランプの脚を切断するように構成される、
請求項2に記載の切断工具。
【請求項5】
前記第1の切刃は、前記第1の突起と前記第1のあご部材の第1の側面との間の第1の領域で前記脚を切断するように構成される、
請求項4に記載の切断工具。
【請求項6】
前記第2の切刃は、前記第2の突起と前記第2のあご部材の第2の側面との間の第2の領域で前記脚を切断するように構成される、
請求項5に記載の切断工具。
【請求項7】
前記第1の領域は、前記第2の領域の反対側にある、
請求項6に記載の切断工具。
【請求項8】
切断工具であって、
第1のハンドルと、
前記第1のハンドルに枢動可能に結合された第2のハンドルと、
前記第1のハンドルに枢動可能に結合され、第1のピンチ端を有する第1のあごであって、前記第1のピンチ端が、第1の解放領域、第1の切刃、および前記第1の切刃から前記第1の解放領域内に延びる第1の突起を有する、第1のあごと、
前記第2のハンドルに枢動可能に結合され、第2のピンチ端を有する第2のあごであって、前記第2のピンチ端が、第2の解放領域、第2の切刃、および前記第2の切刃から前記第2の解放領域内に延びる第2の突起を有する、第2のあごと、を備え、
前記第2のあごは、前記第1のあごに枢動可能に結合されており、
前記第1の突起および前記第2の突起は、前記切断工具が圧着操作で使用されるときにイヤクランプの脚に係合しかつ前記イヤクランプが完全に閉じるのを防ぐサイズになっている、
切断工具。
【請求項9】
前記第1の突起および前記第2の突起は、凸状の外側面を有する、
請求項8に記載の切断工具。
【請求項10】
前記第1の突起および前記第2の突起は、前記第1の切刃および前記第2の切刃に沿って中央に配置されている、
請求項9に記載の切断工具。
【請求項11】
前記第1の切刃および前記第2の切刃は、前記切断工具が切断操作で使用されるときに前記イヤクランプの脚を切断するように構成される、
請求項9に記載の切断工具。
【請求項12】
前記第1の切刃は、前記第1の突起と前記第1のあごの第1の側面との間の第1の領域で前記脚を切断するように構成される、
請求項11に記載の切断工具。
【請求項13】
前記第2の切刃は、前記第2の突起と前記第2のあごの第2の側面との間の第2の領域で前記脚を切断するように構成される、
請求項12に記載の切断工具。
【請求項14】
前記第1の領域は、前記第2の領域の反対側にある、
請求項13に記載の切断工具。
【請求項15】
イヤクランプについて切断工具を操作する方法であって、
前記イヤクランプの耳部分を、前記切断工具の第1の切刃と第2の切刃との間に配置し、前記第1の切刃は、前記第1の切刃から第1の解放領域内に延びる第1の突起を有し、前記第2の切刃は、前記第2の切刃から第2の解放領域に延びる第2の突起を有し、
前記切断工具のハンドルを開位置から閉位置に移動し、
前記ハンドルが前記開位置から前記閉位置に向かって移動するときに、前記耳部分の一対の対向する脚に前記第1の突起および前記第2の突起を係合させ、
前記耳部分の前記一対の対向する脚に対する前記第1の突起および前記第2の突起の係合に基づいて、前記イヤクランプが完全に閉じるのを防ぐ、
方法。
【請求項16】
前記一対の対向する脚の一方の脚を前記第1の切刃と前記第2の切刃との間に配置し、前記第1の突起および前記第2の突起は、前記イヤクランプの前記耳部分からオフセットされ、
前記ハンドルを前記開位置から前記閉位置に移動し、
前記ハンドルが前記閉位置に移動するときに、前記一対の対向する脚の前記一方の脚を切断する、
請求項15に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月18日に出願された米国出願第62/936,805号の利益を主張し、その出願は参照によりその全体が本出願に組み入れられる。
【0002】
本明細書に開示される主題は、ハンドツール、特に、例えば、架橋ポリエチレン(PEX)などのチューブを継手に結合するために使用されるイヤクランプなどのクランプを切断するためのハンドツールに関する。
【背景技術】
【0003】
PEXチューブは、複数の場所の間で流体を移送するために様々な用途で使用される。PEXチューブは、その固有の柔軟性により、銅などの従来のチューブ材料では困難または不可能な取り付けが可能になるため、多くの利点がある。取り付けにTジョイントなどのジョイントを使用する場合、または複数のチューブを相互に接続する場合には、継手が使用される。通常、PEXチューブは、継手の外径に取り付けられ、クランプは、チューブに取り付けられる。クランプは、チューブを継手に固定する。
【0004】
クランプの1つのタイプは、リングの形状に形成されたステンレス鋼バンドクランプである。リングをスライドさせて、チューブと継手を囲む。次に、工具を使用してクランプをチューブに圧着する。バンドを圧着するプロセスでは、バンドの直径を小さくしてチューブを固定し、バンドの材質を変形させて(「耳」を形成)、時間の経過とともにクランプが緩むリスクを低減する。
【0005】
場合によっては、クランプを取り外すことが望ましい場合がある。通常、クランプカッターと呼ばれる第2の工具を使用して、耳の部分をカットまたはスライスし、クランプを取り外す。カッター工具ではあごが鋭利であり圧着工具ではあごが丸みを帯びていることを除いて、クランプカッターは圧着工具に似ている。(意図的または意図せずに)カッター工具を使用してクランプを圧着することは可能であるが、クランプを損傷する可能性があり、亀裂が発生して、最終的にクランプが緩んだり、チューブから外れたりする。残念ながら、クランプが緩むまでに、どの工具が使用されたかの記録は利用できず、所有者は、クランプが意図したとおりに機能しなかったことを知るだけである。
【0006】
したがって、既存のクランプ切断工具は、それらの意図された目的に適しているが、特に本明細書に記載の特徴および利点を含む切断工具を提供することには、改善の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様によれば、切断工具が提供される。切断工具は、第1の切刃と、第1の切刃に隣接する第1の解放領域とを有する第1のあご部材を含み、第1のあご部材は、第1の切刃から第1の解放領域内に延びる第1の突起をさらに有する。第2のあご部材は、第2の切刃と、第2の切刃に隣接する第2の解放領域とを有し、第2のあご部材は、第2の切刃から第2の解放領域内に延びる第2の突起をさらに有する。ここで、第1の突起と第2の突起は、切断工具が圧着操作で使用されるときにイヤクランプの脚に係合しかつイヤクランプが完全に閉じるのを防ぐようなサイズになっている。
【0008】
本明細書に記載の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、凸状の外側面を有する第1の突起および第2の突起を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第1の突起および第2の突起が第1の切刃および第2の切刃に沿って中央に配置されていてもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、切断工具が切断操作で使用されるときにイヤクランプの脚を切断するように構成される第1の切刃および第2の切刃を含んでもよい。
【0009】
本明細書に記載の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第1の突起と第1のあご部材の第1の側面との間の第1の領域で脚を切断するように構成される第1の切刃を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第2の突起と第2のあご部材の第2の側面との間の第2の領域で脚を切断するように構成される第2の切刃を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第2の領域の反対側にある第1の領域を含んでもよい。
【0010】
別の実施形態によれば、切断工具が提供される。切断工具は、第1のハンドルと、第1のハンドルに枢動可能に結合された第2のハンドルとを含む。第1のあごは、第1のハンドルに枢動可能に結合され、第1のあごは、第1のピンチ端を有し、第1のピンチ端は、第1の解放領域、第1の切刃、および第1の切刃から第1の解放領域内に延びる第1の突起を有する。第2のあごは、第2のハンドルに枢動可能に結合され、第2のあごは、第2のピンチ端を有し、第2のピンチ端は、第2の解放領域、第2の切刃、および第2の切刃から第2の解放領域内に延びる第2の突起を有し、第2のあごは、第1のあごに枢動可能に結合されている。ここで、第1の突起と第2の突起は、切断工具が圧着操作で使用されるときにイヤクランプの脚に係合しイヤクランプが完全に閉じるのを防ぐようなサイズになっている。
【0011】
本明細書に記載の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、凸状の外側面を有する第1の突起および第2の突起を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第1の切刃および第2の切刃に沿って中央に配置されている第1の突起および第2の突起を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、切断工具が切断操作で使用されるときにイヤクランプの脚を切断するように構成される第1の切刃および第2の切刃を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第1の突起と第1のあごの第1の側面との間の第1の領域で脚を切断するように構成される第1の切刃を含んでもよい。
【0012】
本明細書に記載の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第2の突起と第2のあごの第2の側面との間の第2の領域で脚を切断するように構成された第2の切刃を含んでもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、工具のさらなる実施形態は、第2の領域の反対側にある第1の領域を含んでもよい。
【0013】
本開示の一態様によれば、イヤクランプについて切断工具を操作する方法が提供される。この方法は、切断工具の第1の切刃と第2の切刃との間にイヤクランプの耳部分を配置することを含み、第1の切刃は、第1の切刃から第1の解放領域内まで延びる第1の突起を有し、第2の切刃は、第2の切刃から第2の解放領域に延びる第2の突起を有する。切断工具のハンドルが開位置から閉位置に移動する。第1の突起および第2の突起は、ハンドルが開位置から閉位置に向かって移動するときに、耳部分の一対の対向する脚に係合する。イヤクランプは、耳部分の一対の対向する脚に対する第1の突起および第2の突起の係合に基づいて完全に閉じるのを防止される。
【0014】
本明細書に記載の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、方法のさらなる実施形態は、第1の切刃と第2の切刃との間に一対の対向する脚の一方を配置することを含み、第1の突起と第2の突起は、イヤクランプの耳部分からオフセットされてもよい。本明細書に記載の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、方法のさらなる実施形態は、ハンドルを開位置から閉位置に向かって移動させることを含んでもよい。本明細書に記載の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、方法のさらなる実施形態は、ハンドルが閉位置に移動するときに、一対の対向する脚の一方を切断することを含んでもよい。
【0015】
これらおよび他の利点および特徴は、図面と併せて理解される以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示とみなされる主題は、明細書の結論の特許請求の範囲で特に指摘され、明確に主張されている。前述および他の特徴、並びに本開示の利点は、以下の添付の図面と併せて理解される以下の詳細な説明から明らかである。
【0017】
図1】実施形態に係る、開位置にある切断工具の斜視図である。
図2】閉位置にある図1の切断工具の斜視図である。
図3図1の切断工具の切断端の拡大斜視図である。
図4図1の切断工具の切断端の拡大側面図である。
図5】イヤクランプを圧着するために使用される切断工具の側面図である。
図6】圧着されたイヤクランプを取り外すために使用されている切断工具の斜視図である。
【0018】
詳細な説明は、一例として、図面を参照して、本開示の実施形態を利点および特徴とともに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に開示される実施形態は、PEXチューブと共に使用されるイヤクランプなどのバンドクランプ用の切断工具を提供する。切断工具の実施形態は、オペレータが切断工具を使用して圧着しようとするときに、イヤクランプが完全に閉じるのを防ぐという利点を提供する。
【0020】
図1図4を参照すると、第1のハンドル22と第2のハンドル24とを有する切断工具20が示されている。ハンドル22、24は、それぞれグリップ部材26、28によって覆われている。ハンドル22、24は、回転軸30によって互いに回転可能に接続されている。第1のハンドル22は、端部32A、32Bを含み、第2のハンドル24は、端部34A、34Bを含む。端部32A、32Bは、第1のあご部材36を受け入れるサイズのU字形スロットを画定する。同様に、端部34A、34Bは、第2のあご部材38を受け入れるサイズのU字形スロットを画定する。あご36、38は、それぞれ回転軸40、42によって端部32A、32B、34A、34Bに枢動可能に結合されている。
【0021】
あご36、38は、回転軸44によってさらに回転可能に互いに結合される。図示の実施形態では、回転軸44は、ピンチ端46、48と回転軸40、42との間に配置されており、ハンドル22、24が、開位置(図1)から閉位置(図2)に移動するときにピンチ端46、48は互いに向かって移動する。ピンチ端46、48はそれぞれ、鋭利な刃50、52を含み、工具20をイヤクランプ(図6)上に配置してハンドル22、24を閉じると、刃50、52は、ピンチ端46、48が互いに向かって移動するのに伴ってイヤクランプの脚を切断する。
【0022】
クランプの切断を容易にするために、各あご36、38は、刃50、52に隣接する解放領域54、56を含み、解放領域54、56は、刃50、52が材料を切断するときに変位/切断された材料が移動するための空間を提供する。クランプ上の耳の切断は、あご36、38の側面に近い刃50、52の領域によって行われることを理解されたい。言い換えれば、切断動作は、刃50、52の中央区域によっては行われない。
【0023】
オペレータは、耳部分を刃50、52の間に配置し(図5)、ハンドル22、24の握りにより刃50、52がイヤクランプを圧着することによって、意図的または意図せずに切断工具20を使用してイヤクランプを圧着できることを理解されたい。残念ながら、オペレータによるこの意図しない工具の使用は、クランプの耳部分を損傷し、クランプが時間の経過とともに緩む可能性がある。
【0024】
この状況を回避するために、図示の実施形態では、刃50、52から解放領域54、56内に延びる突起58、60(図3図4)が、各あご36、38に設けられる。突起58、60は、刃50、52の切断領域に配置されておらず、むしろ中央に配置されていることを理解されたい。一実施形態では、突起58、60は、あご36、38の側面の間の刃50、52の中央にある。したがって、突起58、60は、工具20の意図された切断操作を妨害しない。一実施形態では、突起58は、凸状の曲率を有する外側面を有するリブとして形成される。リブは、一端が刃50、52に隣接し、反対側の端が解放領域54、56を画定する表面と交差する細長い胴体である。突起58、60は、切断工具20が圧着に使用されるときに突起58、60がクランプの耳部分に接触し切断工具20がクランプを完全に閉じるのを妨げるようなサイズである。
【0025】
図5を参照すると、圧着動作を試みるときの切断工具20の動作の例が示されている。オペレータは、最初にバンドクランプ100を結合されるチューブ110上にスライドさせ、チューブ110の端部を継手112上に取り付ける。バンドクランプ100は、U字形の区域を有し、これは「耳」114と呼ばれることもあり、端区域によって結合された一対の対向する脚によって画定される。工具20が意図しない方法で使用される場合、耳114は、刃50、52の間に挿入され得る。オペレータがハンドル22、24を握ると、耳114は、圧着または変形し始め、チューブ110に最も近い部分が内側に変形し、耳114の外側部分は外側に拡張する。圧着が続くと、耳114の「脚」116が突起58、60に係合する。突起58、60と脚116とのこの接触は、工具20が完全な閉位置に移動したときにクランプ100が完全に閉じられるのを防ぐ。言い換えれば、工具20は完全に閉じることができない。オペレータが工具を閉じようとすると、手の力が劇的に増加し、何か問題があるという触覚フィードバックをオペレータに提供する。さらに、クランプは、目に見えて開位置に留まる。その結果、オペレータは、不適切な圧着が行われたことを即座に認識し、後でクランプ100が緩むリスクが低減される。
【0026】
図6を参照すると、切断工具20の意図された動作の例が示されている。図示のように、工具20は、ホース110に対して垂直に向けられ、脚116の1つは、突起58、60が耳114の上部または脚116の側面からオフセットされるように刃50、52の間に配置される。オペレータは、ハンドル22、24を握り、刃50、52を互いに向かって移動させ、脚116の金属に切り込む。ハンドル22、24は、刃50、52が脚116を切断するまで握られる。突起58、60は、耳114からオフセットされているので、突起58、60は、切断操作を妨害しない。
【0027】
本明細書の実施形態は、特定のタイプのクランプ(例えば、耳型バンドクランプ)についての工具20の使用に言及しているが、これは例示的な目的のためであり、特許請求の範囲はそのように限定されるべきではないことを理解されたい。他の実施形態では、工具20は、他のタイプのクランプについて使用され得る。さらに他の実施形態では、工具20は、リングクランプと協働するように適合させることができる。
【0028】
いくつかの実施形態の技術的効果および利点は、圧着のためのその使用を防止しながら、クランプの切断を可能にする工具を提供することを含む。
【0029】
「約」の語は、出願時に利用可能な機器に基づく特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、「備える」および/または「備えている」の語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0030】
本開示は、限られた数の実施形態のみに関連して詳細に提供されるが、本開示は、そのような開示された実施形態に限定されないことを容易に理解されるであろう。むしろ、本開示は、これまでに説明されていないが、本開示の精神および範囲に見合った、任意の数の変形、変更、置換、または同等の構成を組み込むように修正することができる。さらに、本開示の様々な実施形態が説明されてきたが、例示的な実施形態は、説明された例示的な態様のいくつかのみを含み得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】