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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】高圧タンク用ノブキャップ
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20230113BHJP
   F17C 1/04 20060101ALI20230113BHJP
   F16J 13/00 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
F17C1/04
F16J13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529024
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 KR2020016248
(87)【国際公開番号】W WO2021101239
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0148484
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511123485
【氏名又は名称】ロッテ ケミカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ グン
(72)【発明者】
【氏名】イ、キョ ミン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ヨン グァン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ユ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォニョン
【テーマコード(参考)】
3E172
3J046
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172AB04
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC01
3E172BC04
3E172BC05
3E172BD03
3E172CA12
3E172DA31
3E172DA90
3E172KA03
3E172KA11
3J046AA14
3J046BA03
3J046BB10
3J046BC05
3J046BC13
3J046CA01
3J046CA03
3J046DA05
3J046EA10
(57)【要約】
本発明は高圧タンク用ノブキャップに関し、ボディの下面に高圧タンクライナのノブに対応して結合溝部が形成され、前記ボディの外周面下端で外側に前記ライナの表面と接触するように延びる周辺羽根部を備え、前記ボディの外周面には中心線と前記外周面の間の厚さを変換させる厚さ変換部が形成された高圧タンク用ノブキャップについて開示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディの下面に高圧タンクライナのノブに対応する結合溝部が形成され、
前記ボディの外周面下端で外側に前記ライナの表面と接触するように延びる周辺羽根部を備え、
前記ボディの外周面には中心線と前記外周面の間の厚さを変化させる厚さ変換部が形成されたことを特徴とする、高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項2】
前記結合溝部には前記ノブと結合される金属素材で形成された金属インサートが挿入されることを特徴とする、請求項1に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項3】
前記金属インサートは内周面にねじ山が形成された中空を有するカップ形状であることを特徴とする、請求項2に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項4】
前記ボディには、前記ボディの上面から下方に延びた一つ以上の内側溝が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項5】
前記ボディの上面には、前記内側溝に結合される結合突起を備えて中空が形成された補強キャップが結合されることを特徴とする、請求項4に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項6】
前記ボディは、ガラス繊維または炭素繊維が補強された繊維強化プラスチックで形成され、
前記金属インサートの前記金属素材はアルミニウムを含むことを特徴とする、請求項2に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項7】
前記厚さ変換部は、段差が形成された階段形状であることを特徴とする、請求項1に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項8】
前記厚さ変換部で前記外周面は、前記ボディの厚さが上側に行くほど減少する傾斜面形状であるか、中心線に向かって凹んだ曲線溝またはV字溝形状であることを特徴とする、請求項1に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【請求項9】
前記ボディの上面中央には、フィラメントワインディング工程を行う時固定シャフトが結合可能な中空の固定溝が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の高圧タンク用ノブキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧タンク用ノブキャップに関し、ライナの表面にフィラメントワインディング法によって複合材繊維を巻き取って高圧タンクを製造する際、シャフトとの結合部位になる高圧タンク用ノブキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス車両や水素燃料電池車両などのように気体燃料を使用する車両には、水素などの高圧の気体を貯蔵する高圧タンクが設けられる。特に、高圧の水素気体を貯蔵する高圧タンクとしてはタイプ4に該当する高圧タンクが使用される。
【0003】
一般にタイプ4の高圧タンクはプラスチック素材で製作されたライナ(liner)の表面にフィラメントワインディング法で複合材層を形成して製造される。ライナはポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂のようなプラスチック素材に金属ボス、ノブが結合されて製作される。複合材層はカーボン繊維またはガラス繊維がエポキシ樹脂のような高分子樹脂と混合された複合材繊維をライナの表面に巻き取って形成される。
【0004】
1ポート(one port)タイプの高圧タンクの場合、一側には水素などの気体の出入りのための弁が結合されるヘッドボス(head boss)であるポートが形成され、高圧タンクの他側にはタンクの固定目的のためのテールボス(tail boss)であるノブが備えられる。従来にはノブに金属性のノブキャップが外部で結合される方式が使用されてきた。
【0005】
ノブキャップは、フィラメントワインディング工程時タンクの揺れを防止するために固定シャフトに結合して固定する役割を遂行するが、ノブキャップ全体が金属からなっており高圧タンクの軽量化を妨げる要因になった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-332082号公報(1998.12.15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は前記のような問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、軽量化が可能でありながらも構造的安定性の確保が可能な高圧タンク用ノブキャップを提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、外部衝撃に対する防御効果が向上するように、耐衝撃性を有する補強キャップを設けることができる、高圧タンク用ノブキャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するために、本発明の実施例は、ボディの下面に高圧タンクライナのノブに対応して結合溝部が形成され、前記ボディの外周面下端で外側に前記ライナの表面と接触するように延びる周辺羽根部を備え、前記ボディの外周面には中心線と前記外周面の間の厚さを変換させる厚さ変換部が形成された、高圧タンク用ノブキャップを提供する。
【0010】
本発明の実施例によれば、前記ボディの前記結合溝部には前記ノブと結合される金属素材で形成された金属インサートが結合され得る。
【0011】
本発明の実施例によれば、前記金属インサートは内周面にねじ山が形成された中空を有するカップ形状で形成され得る。
【0012】
本発明の実施例によれば、前記ボディには、前記ボディの上面から下方に延びた一つ以上の内側溝が形成される。
【0013】
本発明の実施例によれば、前記ボディの上面には、前記内側溝に結合される結合突起を備えて中空が形成された円板型の補強キャップが結合され得る。
【0014】
本発明の実施例によれば、前記金属インサートの金属素材はアルミニウムを含み、前記ボディはガラス繊維または炭素繊維が補強された繊維強化プラスチックで形成される。
【0015】
本発明の実施例によれば、前記厚さ変換部は段差が形成された階段形状であり得る。
【0016】
本発明の実施例によれば、前記厚さ変換部で前記外周面は、前記ボディの厚さが上側に行くほど減少するようにする傾斜面形状であるか、中心線に向かって凹んだ曲線溝またはV字溝形状であり得る。
【0017】
本発明の実施例によれば、前記ボディの上面中央には、フィラメントワインディング工程時固定シャフトが結合可能な中空の固定溝が形成される。前記固定溝には金属ブッシングが結合され得る。
【発明の効果】
【0018】
前述したような構成の本発明による高圧タンク用ノブキャップによれば、繊維強化プラスチックのようなプラスチック素材で形成することが可能であるため、高圧タンクの軽量化効果を高めることができる。
【0019】
また、本発明によれば、ノブキャップの外周面に階段形状などの厚さ変換部を形成させて高圧タンクの強い内部応力の発生を制御できるようにすることによってノブキャップおよび高圧タンクの破損を防止することができる。
【0020】
本発明によれば、ノブキャップの外側に耐衝撃性を有する補強キャップを設けることが可能であるため、ドロップテストおよび外部衝撃から保護できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による高圧タンク用ノブキャップが結合されるライナの構成図である。
図2】本発明による高圧タンク用ノブキャップを示す断面斜視図である。
図3】本発明による高圧タンク用ノブキャップを示す断面図である。
図4】本発明の実施例によるノブキャップの外周面に形成された厚さ変換部の実施形態を説明するための部分断面図である。
図5】本発明の実施例による高圧タンク用ノブキャップに対する応力分布の解釈結果を示す図である。
図6】本発明の参考例による高圧タンク用ノブキャップに対する応力分布の解釈結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るため、実施例を本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。各図面を説明するにあたり類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用した。
【0023】
前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。本出願で使用した用語は単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明すれば次のとおりである。
【0025】
図1は本発明による高圧タンクライナの構成図である。
【0026】
水素などの高圧気体を貯蔵する高圧タンクは、ライナ110と、ライナの外部表面に繊維強化複合材をフィラメントワインディング法で巻いて形成された複合材層を含む。ライナは内部空間に高圧の気体を貯蔵し、ガスの気密性を維持し、複合材層はガスの内圧によりライナの周囲方向に作用する応力を支持する役割をする。
【0027】
ライナ110は軽量化のためにポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂のようなプラスチック素材を用いて、ブロー成形、回転成形または射出成形などにより製造される。
【0028】
複合材層(120,図3参照)は、強度維持のために、カーボン繊維またはガラス繊維がエポキシ樹脂のような高分子樹脂と混合された繊維強化複合材をライナ110の表面に包んで形成される。
【0029】
このように製造された高圧タンク100は液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、軽質炭化水素(メタン、プロパン、ブタン)および水素ガスを含む各種流体を圧縮して貯蔵する用途として使用されている。
【0030】
ライナ110の一側には弁が結合されて気体燃料の出入りが可能なポート101が形成され、他側には固定目的のためのノブ111が備えられる。ノブ111には図2ないし図3に示されたようなノブキャップ200が結合される。
【0031】
図2および図3は本発明による高圧タンク用ノブキャップを示す断面斜視図および断面図である。
【0032】
本発明の実施例によるノブキャップ200は、高圧タンク100のライナ110のノブ111に結合されるボディ201を含む。本発明の実施例によれば、ボディ201はプラスチック素材で形成でき、金属素材からなる金属インサート211をさらに含むことができる。
【0033】
本発明の実施例によれば、ノブキャップボディ201のプラスチック素材は、プラスチック樹脂に繊維が含まれた繊維強化プラスチックが使用される。プラスチック樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(HDEP系)またはポリアミド系(PA6,PA66など)およびこれをベースにするコンパウンド(compound)素材または前記樹脂の組み合わせが使用でき、繊維は長繊維または短繊維形態の炭素繊維またはガラス繊維が使用できる。本発明による繊維強化プラスチックは長繊維強化プラスチック(LFT;long fiber thermoplastic)または短繊維強化プラスチック(SFT;short fiber thermoplastic)であり得る。繊維強化プラスチックが適用される場合には繊維の重量比重は2~70%で構成されることが有利である。
【0034】
本発明によるノブキャップ200によれば、高圧タンクライナ110のノブ111が結合される部位に金属、例えば、アルミニウム(Al)で金属インサート211を提供できる。プラスチック素材でボディ201を形成し、金属インサート211と結合することによって、軽量化とともにライナ110のノブ111と結合される部位の耐久性を向上させることができる。本発明の実施例によるノブキャップ200は金属インサート211を含む場合に、金属インサート211を金型内にインサートしてプラスチック素材を射出するインサート射出成形方式で製作されることができる。
【0035】
図2および図3を参照すると、本発明の実施例によるノブキャップ200でボディ201は下面中央にはノブ111に対応して結合溝部210が形成され、結合溝部210には金属インサート211が提供される。
【0036】
金属インサート211は、ライナ110のノブ111が挿入結合される部分であって、内周面にねじ山が形成される中空のカップ形態で形成される。したがって、外周面にねじ山が形成されるライナ110のノブ111とねじ締結方式で結合され得る。金属インサート211は、ボディ201と一体に成形されるので、ノブキャップ200はねじ締結方式でライナ110のノブ111に結合され得る。金属インサート211はノブキャップ200の耐久性を増大させる。
【0037】
ノブキャップ200のボディ201には外周面下端で外側に延びる周辺羽根部220が備えられる。周辺羽根部220はボディ201の外周面とライナ110の外面と曲線で繋がって延びて、全体底面はライナ110の上に密着する。
【0038】
ノブキャップ200のボディ201は複数の内側溝230が形成される。内側溝230は、ボディ201の上面から下方に延びた、すなわち、上端が開放されて下方に延びた柱形状の溝である。内側溝230は円柱または多角柱形状に形成される。複数の内側溝230はボディ201の中心線を囲んで環状に配置できるが、円周方向に複数が等間隔に離隔し、半径方向に複数が離隔した形態に配置される。
【0039】
内側溝230は、射出成形後金型で脱型時収縮が発生することを防止する機能をする。すなわち、ノブキャップの成形後に金型で脱型される際、相対的に中央部で冷却収縮量が大きくなることにより形状変形が発生し得るが、複数の内側溝230は収縮による形状変形を防止する機能をする。
【0040】
本発明によれば、内側溝230は補強材が取り付けられる。すなわち、内側溝230により物性下落が発生する恐れがある場合、内側溝230に対応する形状例えば、円柱形状の補強材を内側溝230に挿入して物性下落を防止することができる。
【0041】
本発明によれば、ノブキャップ200のボディ201の上面中央には、フィラメントワインディング工程に必要な固定シャフト(図示せず)を固定するための中空形状の固定溝240が形成される。固定溝240には固定シャフトとの結合力を高めるために金属ブッシング250が内側に設けられる。
【0042】
固定溝240に適用された金属ブッシング250は、固定シャフトとの結合力も強化させ、フィラメントワインディング作業時の強いテンション(tension)による破損を防止する機能をする。
【0043】
本発明の実施例によれば、ノブキャップ200のボディ201の外周面には厚さ変換部260が形成される。厚さ変換部260は中心線と外周面の間で定義されるボディの厚さを変化させて、外周面が高さ方向に少なくとも一部で異なる厚さを有するようにする。中心線はノブキャップの中心を高さ方向に通る線である。厚さ変換部260は内部応力に対する支持力を向上させる。
【0044】
本発明の実施例によれば、図2および図3から分かるように、ノブキャップ200のボディ201の外周面に形成された厚さ変換部260は段差262が形成された階段形状であり得る。厚さ変換部260が段差262を備えることによって外周面上端には相対的に厚さが縮小された縮小外径部261を備える。
【0045】
図2および図3には一つの段差が形成されたことを例示しているが、段差が連続的に形成される方式で厚さが減少するように形成されることができる。
【0046】
ノブキャップ200の外周面に形成される厚さ変換部260は、高圧タンクの製造時複合材層120が補強されることを許容する。複合材層120が補強されて応力が支持されることが可能になるので、ノブキャップ200の構造的安定性を向上させる機能をする。
【0047】
本発明の実施例によれば、厚さ変換部260は階段形状に限定されず多様な形状で形成されることができる。
【0048】
図4は本発明の実施例によるノブキャップの外周面に形成された厚さ変換部の実施形態を説明するための部分断面図である。
【0049】
図4の(a)を参照すると、厚さ変換部260は傾斜面形状に形成される。厚さ変換部260で外周面は傾斜面形状をなしてボディの厚さが上側に行くほど減少するようにする。したがって、傾斜面は上端が中心線に近く、下端が中心線で相対的に遠く位置する。図4の(a)に示された厚さ変換部260が形成される時、外周面に全体高さで形成される時、ボディは上端が幅が狭く下端が幅は広い台形断面を有する。
【0050】
図4の(b)を参照すると厚さ変換部260は曲線溝形状で形成される。曲線溝は中心線に向かって中間部分が凹んだ形状に形成される。したがって、外周面に曲線溝が形成される時中間部分でボディは厚さが最も薄くなる。図4の(c)を参照すると、厚さ変換部260は中心線に向かって中間部分が凹んだV字溝の溝形状であり得る。したがって、中間部分でボディの厚さが最も薄くなる。図4の(b)と(c)で中心線に向かって凹んだ部分が中間部分に形成されることとして示されているが位置は変更できる。また、傾斜面、曲線溝およびV字溝がボディの外周面の高さ方向に全体にわたって形成され得るが、一部の部分で形成されることができる。前記のような厚さ変換部260は複合材層120との結合力を向上させてライナ110の外側方向に作用する応力に対して変形を抑制する機能をする。
【0051】
本発明の実施例によれば、ノブキャップ200の上面を覆う補強キャップ300をさらに含む。補強キャップ300はノブキャップ200のボディ201の直径または幅より大きい直径または幅を有する中空の薄い円板形状で形成される。補強キャップ300は中空310を備え、下面には内側溝230に対応する結合突起320が形成される。結合突起320は内側溝230に挿入結合される。
【0052】
補強キャップ300はEPPフォーム(Expanded Polypropylene foam)で形成されて繰り返し的な衝撃と変形に対して優れた回復性を有し、極端な温度に露出した時、高い寸法安定性を維持し、耐衝撃性、繰り返し緩衝性、柔軟性および耐薬品性などに優れる。このような補強キャップ300は高圧タンク100のドロップテスト(drop test)および外部衝撃に対する対応力を高めることができる。
【0053】
以下、表1および図5および図6を参照して、本発明によるノブキャップの軽量化効果および応力分布の解説結果による構造的安定を備える。
【0054】
実施例は図2および図3に示されたノブキャップを実現したものであり、参考例は実施例と同一であるが、外周面に厚さ変換部が適用されていない一字型形状に関し、比較例は金属素材でノブキャップを形成した従来のノブキャップである。
【0055】
実施例と参考例で、金属インサートはアルミニウム(具体的には、Al6061-T61)素材が使用され、金属インサートが結合溝部にインサートされたボディは長繊維強化プラスチックが使用された。具体的にはマトリックス樹脂としてはPA6が使用され、GF 50wt%が含まれた。
【0056】
先に、表1を参照して軽量化率を調べると、下記のとおりである。
【0057】
【表1】
【0058】
表1から分かるように、本発明の実施例のように金属インサートとプラスチックのインサート射出成形によりノブキャップを形成する場合、比較例に対して40%以上の軽量化効果を得ることができ、これは容器製品の重量効率を上げることができる要素として作用する。
【0059】
図5は本発明の実施例による高圧タンク用ノブキャップに対する応力分布の解釈結果を示す図であり、図6は参考例による高圧タンク用ノブキャップに対する応力分布の解釈結果を示す図である。
【0060】
ライナはPA系樹脂を使用して、ブローモールディング(blow molding)方法によって成形されることを仮定した。回転モールディング(rotation molding)または射出成形方式で成形されることができる。ライナの成形後ねじ型突起に実施例および参考例によるノブキャップを付着してフィラメントワインディング法によって複合材層を成形した。完全硬化後に内部に水素などのガスが高圧で注入された場合を仮定して応力分布の解釈を実施したが、最小設計破裂圧(1,750bar)でのノブの変形の有無を解釈した。各素材の引張強度値を超える応力値を有する場合破損が発生する(参考:Al6061-T61:310Mpa,PA6+GF50wt%:230Mpa)
【0061】
図5図6を比較すると、図5から分かるように、実施例では、プラスチック素材では+85%、アルミニウム素材では+9%の安全余裕を確保でき、羽根周辺部で十分な構造的安定性を確保できることがわかる。
【0062】
このように、本発明の実施例による場合、軽量化とともに十分な構造の優秀性を発揮することがわかる。
【0063】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態に容易に変形できることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0064】
100 高圧タンク
110 ライナ
111 ノブ
120 複合材層
200 ノブキャップ
201 ボディ
210 結合溝部
211 金属インサート
220 周辺羽根部
230 内側溝
240 固定溝
250 ブッシング
260 厚さ変換部
300 補強キャップ
310 中空
320 結合突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図2および図3は本発明による高圧タンク用ノブキャップを示す断面斜視図および断面図である。より分かりやすく説明するために、複合材層120は図2ではなく図3に示されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本発明の実施例によれば、ノブキャップボディ201のプラスチック素材は、プラスチック樹脂に繊維が含まれた繊維強化プラスチックが使用される。プラスチック樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(HDPE系)またはポリアミド系(PA6,PA66など)およびこれをベースにするコンパウンド(compound)素材または前記樹脂の組み合わせが使用でき、繊維は長繊維または短繊維形態の炭素繊維またはガラス繊維が使用できる。本発明による繊維強化プラスチックは長繊維強化プラスチック(LFT;long fiber thermoplastic)または短繊維強化プラスチック(SFT;short fiber thermoplastic)であり得る。繊維強化プラスチックが適用される場合には繊維の重量比重は2~70%で構成されることが有利である。
【国際調査報告】