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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】テープ貼付器ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
B65H35/07 Q
B65H35/07 N
B65H35/07 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552990
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 CA2020051517
(87)【国際公開番号】W WO2021087623
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/932,699
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522186734
【氏名又は名称】イノベーティブ オートメーション インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】ラロンド,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カット,ザック
(72)【発明者】
【氏名】サットン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドリオン,ロバート
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062AA05
3F062AA12
3F062AB03
3F062BA08
3F062BC01
3F062BC04
3F062BE02
3F062BF13
3F062BG02
(57)【要約】
材料と少なくとも1つの脱離可能な被覆とを含む接着テープを表面又は基板上に貼付するための貼付器ヘッドは、貼付先端と、貼付先端の最外点に隣接して位置する切断機構と、切断機構が、少なくとも1つの脱離可能な被覆を傷つけることなく、材料を切断するように構成される位置決めデバイスとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料と少なくとも1つの脱離可能な被覆とを含む接着テープを表面又は基板上に貼付するための貼付器ヘッドであって、
貼付先端と、
前記貼付先端の最外点に隣接して位置する切断機構と、
前記切断機構が、前記少なくとも1つの脱離可能な被覆を傷つけることなく、前記材料を切断するように構成される位置決めデバイスと
を備える、貼付器ヘッド。
【請求項2】
前記切断機構は、前記材料だけを切断するように作動可能な真っ直ぐな切断エッジを有する刃を含む、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項3】
流体筋肉、電気アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び液圧アクチュエータのうち少なくとも1つを含むブレードアクチュエータをさらに備える、請求項2の貼付器ヘッド。
【請求項4】
前記位置決めデバイスは、調整を行うために所定の厚さに適合するように修正可能なネジ式調整器、偏心ローブ、及びストッパのうちの1つを含む、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項5】
記切断機構は、前記貼付先端から所定の距離に位置している、請求項4の貼付器ヘッド。
【請求項6】
前記切断機構は、前記基板に対するクリアランスを確保するために前記貼付先端から離れて位置している、請求項4の貼付器ヘッド。
【請求項7】
前記刃は、水平軸、垂直軸及び斜軸のうち少なくとも1つにおいて作動される、請求項3の貼付器ヘッド。
【請求項8】
前記刃は、自由空間で前記貼付先端を超えて前記材料を切断するように位置している、請求項2の貼付器ヘッド。
【請求項9】
前記表面又は前記基板に押し当てて前記材料を切断するように位置している、請求項2の貼付器ヘッド。
【請求項10】
前記刃は、鋸歯状である、請求項2の貼付器ヘッド。
【請求項11】
前記刃は、湾曲している、請求項2の貼付器ヘッド。
【請求項12】
前記刃は、前記材料の切断を補助するために加熱される、請求項2の貼付器ヘッド。
【請求項13】
前記貼付先端の上流側に位置する、前記切断機構と前記貼付先端との間にある材料の量を追跡及び計算するための少なくとも1つのセンサを備える、請求項5の貼付器ヘッド。
【請求項14】
前記材料は、接着を弱めるために、前記材料を前記少なくとも1つの脱離可能な被覆に再貼付する前に前記材料と前記少なくとも1つの脱離可能な被覆とを互いに一時的に分離するように構成されたローラを含む剥離デバイスを通過する、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項15】
前記切断刃は、前記少なくとも1つの脱離可能な被覆に衝撃を与えることなく切断を可能とするように前記材料が前記少なくとも1つの脱離可能な被覆から分離する位置に位置する、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項16】
前記貼付先端は、前記少なくとも1つの脱離可能な被覆から前記材料を剥離して前記接着材を露出させるように前記接着テープに対して特に選択された丸みのあるエッジを含む、請求項1のシステム。
【請求項17】
前記貼付先端は、コーティング組成でコーティングされている、請求項16の貼付器ヘッド。
【請求項18】
前記コーティング組成は、非粘着性で摩擦がない、請求項17の貼付器ヘッド。
【請求項19】
前記丸みのあるエッジ及び前記コーティング組成の少なくとも一方は、摩擦を低減し、前記貼付先端に前記材料が付着する可能性を低減する、請求項16から18のいずれか一項の貼付器ヘッド。
【請求項20】
前記貼付先端は、前記少なくとも1つの脱離可能な被覆から前記材料を剥離しやすくするための圧縮空気源に連結される、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項21】
前記材料が前記少なくとも1つの脱離可能な被覆から剥がれるように前記接着テープに圧力を作用させるために前記貼付先端に隣接して配置されるバー又はローラをさらに備える、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項22】
前記基板に貼付する前に前記接着テープから前記少なくとも1つの脱離可能な被覆を除去するための被覆回収機構をさらに備える、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項23】
前記貼付器先端の外側に位置し、前記材料が正しく貼付されたか否かを決定するために検知を行うためのセンサをさらに備える、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項24】
前記接着テープ上の張力を維持してその剥離と供給を補助するための可変ループをさらに備える、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項25】
前記接着テープの張力を維持して前記材料の正確な切断を促進するための可変ループをさらに備える請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項26】
接着促進材を含む付加アタッチメントと、前記接着促進材を塗布するためのデバイスとをさらに備える、請求項1の貼付器ヘッド。
【請求項27】
前記接着テープは両面テープである、請求項1から26のいずれか一項の貼付器ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示は、基板上で接着テープを貼付するための自動装置に関するものである。
【背景】
【0002】
裏面に接着材が付着しているテープは、身体の表面、乗物(例えば、自動車、飛行機、又は船舶)の内側及び外側の被覆及びパネル(例えばトリム、型、カバー、トレイ、パネル、ドア及びハッチ)又は構造(例えば建物、HVACユニット)に普通に貼付されている。例えば、乗物上の被覆の周縁近傍に設けられる、裏面に接着材が付着しているテープは、車室やエンジン部品への塵の侵入を制御するだけでなく、浸水を制御し、乗物が動いているときに風による車室内の騒音を低減する手助けとなる封止部を提供するものである。そのようなテープは手動で設置され得るものであるが、そのようなプロセスは時間がかかるだけでなく、労働集約的であり、人的エラーを生じさせやすい。加えて、貼付プロセスは、一様なものではなく、予測することや再現することができないことがある。
【0003】
ロボットエンドエフェクタ又は固定貼付器を用いた方法など、裏面に接着材が付着しているテープを基板上に貼付する方法がいくつか提案されている。しかしながら、これらの方法には、接着テープの配置が不正確であったり、装置内の詰まりにより定期的にサイクルが中断したり、適切な張力制御ができないためにテープが破損したり、生産サイクル中のスプールの交換によるダウンタイムが避けられなかったりなどの問題がある。さらに、自動貼付器装置を工業的に採用する動きは、貼付寸法の制約(すなわち、貼付器ヘッド上に大きなロールを搭載させる)、貼付の速度及び量、ロールのサイズが制限されることによるセル設計の制約など、数々の理由により遅くなっている。加えて、既存の装置は、典型的には、長さが40メートル未満のテープのロールを保持/繰り出せるだけであり、したがって、この装置は、生産上の需要に遅れないでついていくことができない。
【概要】
【0004】
その側面のうちの1つにおいては、材料と少なくとも1つの脱離可能な被覆とを含む接着テープを表面又は基板上に貼付するための貼付器ヘッドであって、
貼付先端と、
上記貼付先端の最外点に隣接して位置する切断機構と、
上記切断機構が、上記少なくとも1つの脱離可能な被覆を傷つけることなく、上記材料を切断するように構成される位置決めデバイスと
を備える、貼付器ヘッドが提供される。
【0005】
有利なことに、貼付器ヘッドは、代表的なロボット化されたテープ貼付システムにおいて有用であり、貼付速度を速くし、効率を高めることができ、テープの貼付を正確かつ安定的なものにすることができ、労働コストを低減し、貼付時間を長くし、基板上でより複雑な経路でのテープの貼付を可能とすることで柔軟性を高めることができる。加えて、ロボット化されたテープ貼付は、運転中の人間の介在とヒューマンエラーを最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1a図1aは、例示的なロボット接着テープ貼付システムの斜視図を示すものである。
【0007】
図1b図1bは、例示的なテープを示すものである。
【0008】
図1c図1cは、他の例示的なテープを示すものである。
【0009】
図1d図1dは、例示的なテープのロールを示すものである。
【0010】
図1e図1eは、例示的なテープのスプールを示すものである。
【0011】
図2a-2c】図2aから図2cは、例示的なスプール繰出デバイスの斜視図を示すものである。
【0012】
図3図3は、例示的な貼付器ヘッドの斜視図を示すものである。
【0013】
図4図4は、例示的な貼付先端の図を示すものである。
【0014】
図5a-5c】図5a図5cは、接着テープを基板又は表面に貼付するための方法のための例示的なステップの概略を示すフローチャートを示すものである。
【0015】
図6図6は、例示的なコンピューティングシステムを示すものである。
【詳細な説明】
【0016】
以下、本開示の様々な実施形態が詳細に述べられる。具体的な実施例が述べられるが、これは例示的な目的でのみなされていることを理解すべきである。関連する分野における当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成要素や構成を利用し得ることを認識するであろう。添付図面において、同様の参照番号は同様の部品を示すために用いられる。
【0017】
添付図面との関係で以下に述べられる詳細な説明は、本発明の例を説明するものとして意図されており、本発明の例が構成又は使用され得る唯一の形態を表すことを意図されているものではない。しかしながら、同一又は等価な機能及び順序が異なる例により実現され得る。
【0018】
図1a図1eを参照すると、例示的な実施形態において概して数字10で特定される、受け面又は基板にテープを貼付するためのロボットテープ貼付器システムが示されている。図1b及び図1cは、材料12とテープ被覆13とを含む接着テープ又は両面テープのようなテープ11を示しており、図1d及び図1eは、接着材を被覆したテープ11のロールとスプールをそれぞれ示している。システム10は、様々な軸構成を有する産業ロボット20のロボットアーム19上に取り付けられた接着テープ貼付器ヘッド18で終端する可撓管15に接着テープ11を供給する繰出デバイス14を備えている。例えば、産業ロボットは、より柔軟性を高めることができる6軸、すなわち6自由度を含み得る。したがって、可撓管15は、ロボットアーム19の移動に基づいて必要に応じて曲がるようになっている。可撓管15は、接着テープ11がその中を通って繰出デバイス14から貼付器ヘッド18に送られる送り込み管16を備えており、可撓送り込み管16に並んで、貼付プロセス中に材料12から取り外されて繰り出される被覆13を移送する可撓送り出し管21が存在している。
【0019】
ここで、図2a図2cを参照すると、繰出デバイス14は、マウントフレーム32に回転可能に取り付けられる繰出スプールシャフト30を備えており、繰出スプールシャフト又はスピンドル30は、接着テープ11の繰出スプール34を受け入れる。エラストマの接着材被覆テープ11の例としては、粉砕したエチレン-プロピレン-ジエンモノマ(EPDM)、ネオプレン独立気泡、膨張ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、アクリル発泡テープ(例えばベリーハイボンド(VHB)テープ)、ウェルドスルー(weld-thru)テープ、シーラーテープ、電気回路テープ、加熱活性化テープが挙げられるが、これらに限られるものではない。材料11は、用途に応じてある範囲の幅、厚さ及び長さを有し得る。一例においては、材料11は、1.5mmから25mmの範囲の幅又は0.05mmから20mmの範囲の材料厚さを有し得る。他の実施例においては、移送プラットフォームのような任意のタイプのテープ繰出手段又はテープ供給手段から接着テープ11を供給することができる。また、繰出デバイス14は、センサ、モータ、アクチュエータのような関連コンポーネント、並びに貼付器ヘッド18及び貼付器ヘッド18により要求されるとその要求に応じて比較的高速かつ正確で安定した方法でテープ11を提供するための他の構成要素と信号をやり取りし、ロボットアーム19と通信するシステムコントローラ40を備えている。プログラム命令及び構成システム10設定を入力し、警報、警告、通知を出力し、システム10設定を表示するためのヒューマンマシンインタフェイス42がシステムコントローラ40と通信可能に連結されている。システムコントローラ40は、基板ロジック又はプログラム可能な回路又はプロセッサを備えている。
【0020】
より詳細には、テープ11の繰出スプール34は、スプールブレーキ44のオンとオフを切り替えることにより繰り出されて、テープ11が、テープ材料貯留器50の一連の下側プーリ46と上側プーリ48を介して供給される。あるいは、スプールモータが、繰出スプールシャフト30の回転を開始及び停止し、繰出スプールシャフト30の回転速度を規制するように制御可能となっている。プーリ46,48は、運転中のスプールの変化に対してテープ11を貯留し、後述するように供給可変性を吸収する。下側プーリ46は下側プーリアーム52に取り付けられ、上側プーリは上側プーリアーム54に取り付けられている。下側プーリアーム52は垂直方向にスライドし、下側プーリアーム52の位置が貯留器50内に保管されているテープ11の長さを決定するようになっている。テープ11が繰り出されると、下側プーリアーム52が上昇すると、保管されるテープ11の量が減る。一例として、下側プーリアーム52が最も上側の位置にあるときは、貯留器50内には2メートルのテープ11が存在し得る。下側プーリアーム52が最も下側の位置にあるときは、プーリ46,48の数及びテープ11の巻き数に応じて、20メートルものテープ11が存在することができる。
【0021】
貯留器50のフレーム32上には、可動下側プーリアーム52の位置を検出するための貯留器位置センサ60が取り付けられており、スプールレベルセンサ68が、繰出スプール34上のテープ11の量を検出する。貯留器位置センサ60は、例えば下限及び上限のような複数の設定点を有している。例えば、下側プーリアーム52が上限設定点を通過すると、スプールブレーキ44が開放され、新しいテープ11を貯留器50に供給することができる。下側プーリアーム52が重力により下がるので、スプール34が繰り出されて貯留器50がテープ11で満たされる。下側プーリアーム52が下限設定点を通過すると、ブレーキ44が再び作動され、スプール34が繰り出されるのが停止される。次に、テープ11は、貯留器50を出て、繰出駆動機構70に送られる。繰出駆動機構70は、貼付器ヘッド18により要求されると、制御された規制速度で可撓送り込み管16を介してテープ11をロボットアーム19に向かって割り出す。駆動機構70は、貼付器ヘッド18へのテープ11の前方送りを制御するためのサーボモータ又はステッピングモータ、プーリを含み得る。スプールレベルセンサ68がスプール34が空であるか、あるいは完全に使い果たされそうな状態を示しているときは、繰出デバイス14は、後述するようにスプール交換モードに切り替わる。あるいは、貯留器50は、予め定められた低閾値から予め定められた高閾値にわたる貯留器50内でのテープ11の数値位置を決定する少なくとも1つの貯留器位置センサ60に関連付けられている。貯留器50内のテープ11が低閾値に達したとき、スプールブレーキ44をオフに切り替えるか、繰出スプールシャフト30を回転させ、テープ11をテープ材料貯留器50の一連の下側プーリ46及び上側プーリ48を介して供給するようにスプールモータを作動させることにより、テープ11の繰出スプール34が繰り出される。他の実施例においては、貯留器位置センサ60は、下限及び上限に関連付けられた異なる位置にある複数のセンサを備えている。
【0022】
繰出駆動機構70は、テープ11が可撓管16に沿って貼付器ヘッド18に向かって供給される際に、テープ11と可撓管16の内面との間の摩擦力を効果的に低減するために、内部に真空効果を生成する流体増幅器72を備えている。繰出駆動機構70が新しいテープ11を供給しているときにのみ真空が活性化される。
【0023】
図3及び図4を見ると、テープ11は、ロボット貼付器ヘッド18で可撓管16から出て、テープ11は、バッファ補充機構82によって材料バッファ80の周囲に巻かれる。一般に、材料バッファ80は、様々なサイズのテープ11又はその予備品のループであり、繰出駆動機構70とヘッド駆動機構90との間に可変性を提供することができ、テープ11に一定の張力を与えることを促進し、あるいはテープ11に関連付けられる張力を制御する。一実施例においては、バッファ補充機構は、弾性手段とスライド機構とを備えており、材料バッファ80が縮むと、センサ92がバッファループ101の圧縮の程度を検出し、材料バッファ80が再び大きくなるようにより多くのテープ11を送るように繰出駆動機構70に指令を送る。
【0024】
材料バッファ80は、予め定められた低閾値から予め定められた高閾値にわたる材料バッファ80の数値位置を決定するバッファセンサ92と関連付けられている。材料バッファ80が低閾値に達したとき、追加のテープ11を供給して材料バッファ80を補充するように繰出駆動機構70に要求が行われる。バッファが高閾値に達したとき、繰出駆動機構70の電源が切られる。位置センサ92により測定される数値データにより、テープ11の詰まり及びテープ11の破損を予想し、システム10の電源を切ることができ、これにより、考えられるさらなるダメージ又は装置の故障を最小限にすることができる。
【0025】
次に、ヘッド駆動機構90が作動し、材料バッファ80から貼付先端100に向かってテープ11を供給する。駆動機構70と同様に、ヘッド駆動機構90は、貼付器先端100へのテープ11の前方送りを制御するためのサーボモータ又はステッピングモータを含み得る。例えば、ヘッド駆動機構90は、図3及び図4に示されるように、電気モータに連結され、貼付先端100近傍のテープ11を引き出すように構成される一組のローラ及びギアを備えている。丸みのある部材102を有する貼付先端100の寸法形状によって、材料12が被覆13から剥離されるか、あるいは被覆13が材料12から剥離され、接着層が露出する。材料12は、基板への材料12の貼付を行う前に貼付先端100に向かって前方に送られ、バッファ101は、繰出駆動機構70とヘッド駆動機構90との間に供給可変性を与え、テープ11に一定の張力が作用することを保証し、被覆13からの剥離とテープ11の供給を補助するためのテープ11のループを含んでいる。したがって、システムコントローラ40により実行可能なプログラム命令に従い、ロボットアーム19は、基板上の開始位置に移動し、貼付器ヘッド18は、ヘッド駆動機構90に供給コマンドを送って必要に応じてより多くのテープ11を送り出しつつ、予め決められた貼付経路に沿って材料12を貼付し始める。所定の経路は、直線的、非直線的、三次元的なものなどであり得る。一部の例では、ロボットアーム19に関連付けられた特別なハードウェアが、ロボットアーム19の移動の速度を決定し、その速度をシステムコントローラ40に送信し、ヘッド駆動機構90の速度が、ロボットアーム19の移動の速度に適合するように自動的に調整される。他の例においては、プログラム内で速度が計算され、手動で調整され得る。システムコントローラ40は、エンコーダ又は他のトラッキング手段を用いて、テープ11が貼付される正確な位置を含めて、貼付器先端100の下を通過するテープ11の量を決定することができる。
【0026】
材料12が貼付される際に、貼付器ヘッド18に関連付けられた湿潤性ローラ104が、貼付された材料12の経路に沿って、接着力を高めるために材料12に圧力を加えるか、あるいは感圧接着テープ11上の接着材を活性化させる。一部の実施例においては、追加のツールを使用して、材料12が貼付される前に例えば予め決められた貼付経路に沿って接着促進剤を基板に塗布する。視角システムを用いて、基板上の接着促進剤の存在を検知し、基板上の検知された位置に自動的に材料12を貼付してもよい。貼付器ヘッド18が予め決められた貼付経路の終端に達すると、システムコントローラ40にコマンドを送信する。次に、切断シーケンスが開始され、これは、ブレードアクチュエータ95を作動させ、真っ直ぐな刃106によりテープ11を切断させる命令を送信することを含んでいる。真っ直ぐな刃106は、材料12の下側にある被覆13を切断することなく、材料12を切断することにより、正確な軽い接触による切断を行う。したがって、真っ直ぐな刃106の材料12に向かう速度と深さは、正確に較正され、システムコントローラ40に関連付けられたメモリ手段内の較正パラメータに保存され、また、これは材料12と被覆13の厚さに依存し得る。あるいは、真っ直ぐな刃106の材料12に向かう速度と深さは、機械的手段を介して正確に較正される。例えば、調整を行うために所定の厚さに適合するように修正可能なネジ式調整器、偏心ローブ、及びストッパのうちの1つを含む位置決めデバイスである。ブレードアクチュエータ95は、流体筋肉、電気アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び液圧アクチュエータのうちいずれか1つであり得る。切断が完了すると、ロボットアーム19は、切断位置まで最後の数ミリメートルの材料12を貼付するために最後の移動を行い、湿潤性ローラ104で材料12を巻く。他の実施例では、刃106は、切断シーケンスを促進するために鋸歯状になっていてもよく、あるいは鋸歯状でなくてもよく、角度がついていてもよく、湾曲していてもよく、あるいは加熱されていてもよい。
【0027】
ヘッド駆動機構90がテープ11を引き出すと、ヘッド駆動機構90は、使用済みの被覆13を同時に排出し、被覆13を廃棄のために送り出し管21に案内する。送り込み管16と同様に、送り出し管21は、貼付器ヘッド18から繰出デバイス14に向かって使用済みの被覆13を引き出すための送り出し流体増幅器73を含んでいる。ここで、使用済み被覆13が廃棄ビン110に集められる。繰出デバイス14は、廃棄を簡単にするために使用済み被覆13を扱い易いサイズに切断するための切断デバイス66を含み得る。
【0028】
ここで、図5a図5cに示されるようなフローチャート200a~200cを参照してシステム10の動作サイクルについて述べる。サイクルのステップ202において、セル内のロボットアーム19は、基板上の所定の経路に沿って接着テープ11を貼付するためのプログラム命令を有する外部源から開始コマンドを受信する。命令に従って、ロボットアーム19は開始位置に移動し、外部源は位置信号をロボットに送信する(204)。システムコントローラ40は、繰出デバイス14が自動モードにあるか否かを判断する(205)。繰出デバイス14が自動モードにある場合には、システムコントローラ40が流体増幅器73を作動させ(211)、そうでない場合には、システムコントローラ40が貯留器センサ60及びスプールレベルセンサ68からの状態信号に基づいて貯留器50及び繰出スプール34の状態を決定する、ステップ206。次に、ヒューマンマシンインタフェイス42を介して、操作者が、システムコントローラ40に繰出デバイス14をホームポジションにリセットするように指令を送り(208)、繰出デバイス14を自動モードに切り替える(209)。ステップ210において、システムコントローラ40は、繰出デバイス14が自動モードにあるか否かを判断し、繰出デバイス14が自動モードにない場合には、プロセスはステップ206に戻り、そうでない場合には、システムコントローラ40は、繰出駆動機構70、流体増幅器72を作動させ、材料11を貼付先端100に供給する(212)ためのヘッド駆動機構90を含む貼付器ヘッド18に向かって材料11を可撓送り込み管16に沿って供給する(211)。
【0029】
ステップ214においては、ロボットアーム19は、基板上の所定の経路に沿ってテープ11を貼付し始め、ヘッド駆動機構90は、ロボットアーム19の移動に対して材料11を割り出す。材料11が基板に貼付されると、貼付器ヘッド18のバッファループ101における材料11の長さが減り(215)、システムコントローラ40が、バッファセンサ92からの出力信号に基づいてバッファ101のレベルを絶えず決定する(222)。所定の経路の終端で、ロボットアーム19は停止し、システムコントローラ40に信号を送る(216)。システムコントローラ40は、ヘッド駆動機構90にコマンドを発して材料の割り出しを停止し、貼付器ヘッド18に別のコマンドを発して真っ直ぐな刃106を作動させて材料11を切断する(217)。プロセスは続いて、ロボットアーム19が所定の経路又は基板上の別の所定の経路の新しい位置に材料11を貼付する。ステップ218においては、ロボットアーム19は、材料11の残りを貼付するために最終の経路移動を完了し、繰出デバイス14は、外部源にサイクル完了信号を発し(219)、サイクルが終了する。
【0030】
ステップ215において材料11が基板に貼付されると、貼付器ヘッド18のバッファ101における材料11の長さが減り(220)、システムコントローラ40が、バッファセンサ92からの出力信号に基づいてバッファ101のレベルを絶えず決定する(222)。バッファ101のレベルが所定の閾値内であれば、プロセスは続き(224)、そうでなければ、さらに材料11が要求され(226)、システムコントローラ40は、流体増幅器72を作動させて、送り込み管16を介して材料11の移送を容易にする(228)。繰出駆動機構70は、貼付器ヘッド18に対して材料11を割り出してバッファループ101を補充し(230)、システムコントローラ40は、バッファ80のレベルが所定のレベル内にあるか否かをバッファセンサ92の出力信号に基づいて決定する(232)。バッファ101のレベルが所定のレベル内にあるとき、プロセスはステップ224へと続き、そうでない場合には、供給する材料11がタイムアウトしているか否かについて決定がなされる(234)。タイムアウトがある場合には、システムコントローラ40により状況を修正するようにオペレータに警告する欠陥アラーム又は通知が発され(236)、そうでない場合は、プロセスはステップ232に戻る。
【0031】
ステップ215に戻って、材料11が基板に貼付されると、バッファ80及び貯留器50内の材料11の長さも減少し(238)、スプールブレーキ44が開放され(240)、下側プーリアーム52が自重により下降する(242)。システムコントローラ40は、下限設定点がトリガされた際に、貯留器センサ60からの出力に基づいて低閾値のフラグが立っているか否かを判断する(244)。低閾値のフラグが立っている場合には、スプールブレーキ44が再度作動され(246)、プロセスはステップ238に戻る。そうでない場合には、プロセスはステップ248に進み、システムコントローラ40が、繰出スプールセンサ68からの出力に基づいて繰出スプール34のレベルを決定する。繰出スプール34が空になっていることを繰出スプールセンサ68が示している場合には、システムコントローラ40により状況を修正するようにオペレータに警告する欠陥アラーム又は通知が発され(250)、そうでない場合は、システムコントローラ40は、貯留器センサ60からの出力信号に基づいて貯留器50の上閾値のフラグが立っているか否かを判断する(252)。
【0032】
したがって、一実施形態においては、進行している貼付サイクルを中断することなく、使い果たされたスプール34を材料11の新しいスプール34に交換し得る。このため、スプール34の交換が生産ダウンタイムを最小限にする。上閾値のフラグが立っていない場合には、動作が継続し(253)、そうでない場合には、貯留器50の流入側の材料クランプ36が駆動されて貯留器50に入る新しい材料11をクランプする(254)。ステップ255においては、システムコントローラ40は、スプール34を交換することをオペレータに通知する警告を発する。
【0033】
新しい材料11がクランプされている間、繰出デバイス14は、貯留器50に貯留された(例えば20メートルまでの)予備材料11を使うことにより、材料11を貼付器ヘッド18に割り出し続ける。この間に、オペレータは、所定の交換時間、すなわちスプール34の交換を完了するための時間内にスプール34を交換する(256)。一例として、所定の交換時間は、貯留器50内の予備材料11の長さ(メートル)を材料11の貼付速度で割る(メートル毎分)ことにより決定され得る。例えば、20メートルの予備の材料11、毎分1メートルの貼付速度の場合には、所定の交換時間は20分である。一般的に、所定の交換時間は、システム10のサイクル時間、ユーザの嗜好及び設定に依存する。ステップ257においては、システムコントローラ40は、下側プーリアーム52がセンサ60の上限を超える前にスプール交換と接合プロセスが完了したことを決定し、プロセスはステップ266に進む。そうでない場合には、繰出デバイス14の動作は、システムコントローラ40(258)により停止され、システムコントローラ40によりスプール34を交換するようにオペレータに警告がなされる(256)。
【0034】
オペレータは、接合位置で材料11を切断し(259)、オペレータは、空のスプール34を取り外して新しい満杯のスプール34を充填する(260)。次に、オペレータは、新しい材料11の端部を貯留器50の前でクランプされている進行中の材料11の端部に接合するために接合部を作成する(262)。これらの接合を迅速かつ安定的に行うために接合具65が提供される。オペレータが、スプール34の交換と接合部の作成を完了すると、ヒューマンマシンインタフェイス42を介してタスクの完了を示すコマンドが入力される(264)。システムコントローラ40は、完了信号を受信し、材料クランプ36を停止し(266)、通常の動作では接合シーケンス中に使い果たされた貯留器50が再充填される(268)。接合部が貼付器ヘッド18に到達すると、この接合を検出するように配置された接合センサ93が、パージサイクルに入るように貼付器ヘッド18をトリガする。一般的に、パージサイクルは、接合部のある材料11を廃棄面、すなわち予め決められた貼付経路上にはない廃棄面に貼付することからなる。接合部がなくなるのを保証するのに十分な材料11がパージされると、システム10は通常の動作を再開し、プロセスが終了する。あるいは、オペレータは、新しいスプール260を充填して繰出デバイス14内に新しい材料11を通して接合部なしで材料11を貼付器ヘッド18に前進させてもよい。
【0035】
一実施形態では、接着テープ11は、モノリシックな又は層状の片面又は両面テープであり得る。
【0036】
一実施形態では、貯留器50の流入側の材料クランプ36は、貯留器50に入る新しい材料11をクランプするために手動で駆動される。
【0037】
一実施形態では、貯留器50の流入側の材料クランプ36は、貯留器50に入る新しい材料11をクランプするために電気的に駆動される。
【0038】
一実施形態では、貯留器50の流入側の材料クランプ36は、貯留器50に入る新しい材料11をクランプするために空気圧により駆動される。
【0039】
一実施形態では、接着テープ11は、接着を弱めるために、材料12を脱離可能な被覆13に再貼付する前に材料12と脱離可能な被覆13とを互いに一時的に分離するように構成されたローラを含む剥離デバイスを通過する。
【0040】
一実施形態では、貼付器ヘッド18は、基板部品又はワークピース上に材料11が正しく貼付されていることを検証し、基板フィーチャ又は縁部を特定し、貼付先端100の予め決められた貼付経路との自己位置合わせを容易にするための画像取得デバイスを含む視界システムを備えている。
【0041】
一実施形態では、貼付器ヘッド18は、基板部品又はワークピース上に材料11が正しく貼付されていることを検証し、基板フィーチャ又は縁部を特定し、貼付先端100の予め決められた貼付経路との自己位置合わせを容易にするためのレーザプロファイラを含む視界システムを備えている。
【0042】
一実施形態では、貼付先端100は、刃106と貼付先端100との間にある材料11の量を追跡して計算するための手段を備えている。
【0043】
一実施形態では、貼付器ヘッド18は、貼付が失敗したことを示す材料11の存在を検知するために貼付器先端100の外側に位置するセンサを備える。
【0044】
一実施形態では、貼付器ヘッド18は、接着促進剤と、上記接着促進剤を基板に塗布するデバイスとを含むアタッチメントを備える。
【0045】
一実施形態では、貼付器ヘッド18は、被覆13から材料11を剥がすのを助けるためのエアブロアを貼付先端に備える。
【0046】
一実施形態では、被覆13は、扱い易い小片に切断され収集される。
【0047】
一実施形態では、貼付器ヘッド18は、産業ロボット20上に取り付けるための少なくとも1つの安全デバイスを備える。
【0048】
一実施形態では、産業ロボット20は、サーボガントリスタイルのロボットである。
【0049】
一実施形態では、産業ロボット20は、協調ロボットである。
【0050】
一実施形態では、貼付器ヘッド18の位置が固定され、材料11を受け入れる部品が貼付器ヘッド18に移動する。すなわち、部品をプロセスに導く方法である。一例においては、部品は、ロボット又は他の駆動手段上にあり得る。
【0051】
一実施形態では、システム10は、「高速変化」刃システムを備えている。
【0052】
一実施形態では、システム10は、安全動作を向上させるために協調ロボット上に搭載可能な1以上の安全デバイスを備える。
【0053】
一実施形態では、駆動機構70,90は、移動ビーム変換のようなリニアグリップとプル機構を備える。
【0054】
システム10は、自動車分野において有用であり得る。自動車分野においては、騒音、封止水分を低減し、構成要素を互いに連結するために、材料11が、自動車の内部及び外部トリムや被覆に貼付される。建築分野においては、材料11が、例えば内部及び外部の建築用被覆及びHVAC設備に材料を上塗りするためのトリムやシールに貼付される。
【0055】
一実施形態では、システム10は、機器、スマートセンサ、データ取得デバイス又はボード、及びデータを取得及び/又は格納可能な様々な種類のデバイスのような測定又はデータ取得(DAQ)デバイスに連結される。
【0056】
一実施形態では、システムコントローラ40は、図6に示されるようなプロセッサ302のような少なくとも1つのプロセッサと、メモリ304のような少なくとも1つのメモリデバイスと、入力/出力(I/O)モジュール306及び通信インタフェイス308とを含むコンピューティングシステム300を有する計算手段を備える。コンピューティングシステム300は、プロセッサ302を1つだけ含むものとして図示されているが、コンピューティングシステム300は、内部に数多くのプロセッサを含み得る。ある実施形態においては、メモリ304は、命令を格納することができる。さらに、プロセッサ302は、命令を実行可能である。
【0057】
一実施形態では、プロセッサ302は、ハードコードされた機能を実行するように構成され得る。ある実施形態においては、プロセッサ302は、ソフトウェア命令の実行部として具現化され得る。このソフトウェア命令は、ソフトウェア命令が実行された際に本明細書で述べられているアルゴリズム及び/又は動作を行うようにプロセッサ302を具体的に構成し得る。
【0058】
一実施形態では、プロセッサ302は、マルチコアプロセッサ、シングルコアプロセッサ、又は1以上のマルチコアプロセッサと1以上のシングルコアプロセッサとの組み合わせとして具現化され得る。例えば、プロセッサ302は、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、付随DSPを含む又は含まない処理回路のような様々な処理デバイス、あるいは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、書換可能ゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、特定用途向けコンピュータチップ、特定用途向け標準品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、コンプレックスプログラマブル論理デバイス(CPLD)、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、グラフィックス処理ユニット(GPU)などのような集積回路を含む他の様々な処理デバイスのうち1つ以上のものとして具現化され得る。例えば、デバイスの機能又は方法シーケンスの一部又はすべては、1以上のハードウェア論理要素により行われ得る。
【0059】
メモリ304は、1以上の揮発性メモリデバイス、1以上の不揮発性メモリデバイス、及び/又は1以上の揮発性メモリデバイス及び不揮発性メモリデバイスの組み合わせとして具現化され得る。例えば、メモリ304は、(ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、磁気テープなどのような)磁気記憶デバイス、光磁気記憶デバイス(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(コンパクトディスク読出専用メモリ)、CD-R(記録可能コンパクトディスク)、CD-R/W(再書込可能コンパクトディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク)、BD(ブルーレイ(商標)ディスク)、及び(マスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ),などのような)半導体メモリとして具現化され得る。
【0060】
I/Oモジュール306は、コンピューティングシステム300のユーザに対して出力のプロビジョニングを容易にし、さらに/あるいはコンピューティングシステム300のユーザからの入力を受信し、さらに/あるいはシステム10の様々なセンサ、構成要素、及びアクチュエータとの送受信を行うように構成されている。I/Oモジュール306は、プロセッサ302及びメモリ304と通信するように構成されている。I/Oモジュール306の例としては、入力インタフェイス及び/又は出力インタフェイスが挙げられるが、これらに限られるものではない。入力インタフェイスの一部の例としては、キーボード、マウス、ジョイスティック、キーパッド、タッチスクリーン、ソフトキー、マイクロフォンなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。出力インタフェイスの一部の例としては、マイクロフォン、スピーカ、リンガ、バイブレータ、発光ダイオードディスプレイ、薄膜トランジスタ(TFT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。例示の実施形態においては、プロセッサ302は、例えば、スピーカ、マイクロフォン、ディスプレイ、及び/又はこれに類するもののようなI/Oモジュール306の1以上の要素の少なくとも一部の機能を制御するように構成されたI/O回路を含み得る。プロセッサ302及び/又はI/O回路は、メモリ、例えばメモリ304及び/又はこれに類するものに格納され、プロセッサ302に対してアクセス可能な例えば、ソフトウェア及び/又はファームウェアのようなコンピュータプログラム命令を介してI/Oモジュール306の1以上の要素の1以上の機能を制御するように構成され得る。
【0061】
通信インタフェイス308は、コンピューティングシステム300が、例えばインターネットのような有線、無線又は有線と無線の組み合わせとからなる様々な種類のネットワークを介して他の機器と通信することを可能にする。少なくとも1つの例示の実施形態においては、通信インタフェイス308は、様々な種類の通信ネットワークを介してデータ信号の送信と受信を可能にするように構成された送受信器回路を含んでいる。ある実施形態においては、通信インタフェイス308は、通信ネットワークを介してデータを安全に送受信するための適切なデータ圧縮・エンコーディング機構を含み得る。通信インタフェイス308は、コンピューティングシステム300とI/O周辺機器との間での通信を容易にする。
【0062】
一実施形態においては、プロセッサ302、メモリ304、I/Oモジュール306及び通信インタフェイス308のようなコンピューティングシステム300の様々な構成要素は、集中回路システム310を介して又は通じて互いに通信するように構成され得る。集中回路システム310は、コンピューティングシステム300の構成要素(302~308)の間の通信を特に提供又は可能にするように構成される様々なデバイスであり得る。ある実施形態においては、集中回路システム310は、マザーボード、メインボード、システムボード、又は論理ボードのような中央印刷回路基板(PCB)であり得る。これに加えてあるいはこれに代えて、集中回路システム310は、集中回路は、他の印刷回路アセンブリ(PCA)又は通信チャネル媒体を含み得る。
【0063】
本明細書に述べられている様々な例示的実施形態は、様々なデバイス、ネットワーク構成及び用途において実施され得ることに留意されたい。
【0064】
当業者であれば、本開示の他の実施形態は、パーソナルコンピュータ(PC)、工業的PC、デスクトップPC、携帯型デバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサ型又はプログラマブル民生電子製品、ネットワークPC、サーバコンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、多くの種類のコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境において実現され得ることを理解するであろう。したがって、システム10は、通信を介してこれらの外部デバイスに連結され、システム10が遠隔的に制御可能となり得る。また、実施形態は、タスクが通信ネットワークを介して(ハードワイヤードリンク、無線リンク、又はこれらの組み合わせのいずれかにより)リンクされたローカル及びリモート処理デバイスにより処理される分散コンピューティング環境において実現され得る。分散コンピューティング環境においては、ローカル及びリモートメモリストレージデバイスにプログラムモジュールが位置し得る。
【0065】
他の実施例においては、システム10は、ユーザ(シンクライアントのオペレータ)により高速でプロビジョニング可能で、サービスプロバイダとの相互作用を含む最小限の資源管理により開放可能な設定可能コンピューティング資源(例えば、サーバ、ストレージ、アプリケーション、及び/又はサービス)の共有プールに対するオンデマンドネットワークアクセスを提供することにより、クラウドコンピューティングモデルに従う。
【0066】
上述の利益及び利点は、一実施形態に関連し得るか、あるいは、いくつかの実施形態に関連し得る。実施形態は、述べられたいずれか又はすべての問題を解決するものや述べられたいずれか又はすべての利益及び利点を有しているものに限定されるものではない。本明細書で述べられた方法の動作は、任意の好適な順序で行われてもよく、適切な場合には同時に行われてもよい。加えて、本明細書に述べられている主題の精神及び範囲から逸脱することなく、個々のブロックが追加されてもよく、あるいは方法のいずれかから削除されてもよい。上述した例のいずれかの側面は、述べられた他の例のいずれかの側面と組み合わされて、求められている効果を喪失することのない更なる例を形成し得る。
【0067】
上述の説明は、例としてのみ述べられており、当業者により様々な変更が可能である。上記明細書、例及びデータは、例示的な実施形態の構造及び利用の完全な説明を提供するものである。上記では様々な実施形態がある程度詳細に、あるいは1以上の個々の実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、本明細書の精神又は範囲を逸脱することなく、開示されている実施形態に対して数多くの変更を行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
【国際調査報告】