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特表2023-502230超音波トランスデューサ、バッキング構造体及び関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-23
(54)【発明の名称】超音波トランスデューサ、バッキング構造体及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20230116BHJP
   H04R 17/10 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
H04R17/00 330J
H04R17/10 330Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528728
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 CA2020051563
(87)【国際公開番号】W WO2021097561
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/936,857
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521044280
【氏名又は名称】レゾナント・アコースティックス・インターナショナル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【弁理士】
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス クリス チャガレス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラク カリアン
(72)【発明者】
【氏名】エリック リーダー
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019AA17
5D019BB02
5D019BB18
5D019BB19
5D019BB28
5D019EE06
5D019GG06
(57)【要約】
サンプル接触部と、サンプル接触部の反対側にある後部と、を有する超音波トランスデューサを提供する。トランスデューサは、サンプルと音響的に連通するように構成される圧電材料と、圧電材料と音響的に連通するバッキング構造体を含む。バッキング構造体は、音響エネルギーを、サンプル接触部に向けて、かつ超音波トランスデューサの後部から離れる方向に反射するように構成される。バッキング構造体は、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む。また、トランスデューサは、第2の二重層不整合バッキングを含んでもよい。第2の二重層不整合バッキングは、第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層を含む。また、一次元圧電アレイ又は二次元圧電マトリックスを含み、かつ音響エネルギーを反射するように構成されるバッキング構造体を含む超音波トランスデューサも提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び背面を有する圧電材料であって、試料と音響的に連通するように構成された圧電材料を含むことを特徴とする超音波トランスデューサ、
前面及び背面を有する圧電材料であって、試料と音響的に連通するように構成された圧電材料、
圧電材料の裏面に配置され、圧電材料の表側表面に向けて音響エネルギーを反射するように構成されたバッキング構造であって、該バッキング構造は熱導電性伝導性であり、該バッキング構造は、を含む、バッキング構造:
第1の二重層デマッチングバッキングであって、第1の二重層デマッチングバッキングはを含む、
-グラファイトの第1の層
グラファイトの第1の層と接触するタングステンからなる層
第1の二重層デマッチングバッキングに接触する第2の二重層デマッチングバッキングであって、第2の二重層デマッチングバッキングはを含む
-黒鉛の第2の層
黒鉛の第2の層と接触する銅の層
バッキング構造と熱的に接触するヒートシンク、及び
圧電材料と電気的連絡する1つ以上の電極。
【請求項2】
前記放熱板は少なくとも1つのチャネルを備え、前記チャネルはその中に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記熱伝達流体が液体で請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
前記放熱板は、前記バッキング構造から電気的に絶縁される、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の超音波トランスデューサ
-超音波変換器は動作周波数で動作可能であり、動作周波数は、動作波長(λo)に関連する
グラファイトの第1の層、グラファイトの第1の層と接するタングステンからなる層、グラファイトの第2の層及び銅の層は、それぞれ、λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【請求項6】
前記圧電材料は、前記動作周波数において半波共振するように構成される、請求項5に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項7】
前記圧電材料と前記バッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層をさらに含み、前記単一の脱マッチング層は前記圧電材料及び前記バッキング構造と音響連通しており、前記単一の脱マッチング層は前記圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記圧電材料は、前記動作周波数で共振する4分の1波長となるように構成される、請求項5に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項8】
前記圧電材料は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一のデマッチング層は、前記圧電材料の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する、請求項7に記載の超音波変換器。
【請求項9】
前記単一のデマッチング層は、約πr/10から約πr/20の間の厚さ範囲を有する、請求項8に記載の超音波変換器。
【請求項10】
前記単一のデマッチング層は、タングステンからなることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項11】
前記圧電材料は、約27.5メガレールの音響インピーダンスを含む音響特性を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項12】
前記グラファイトの第1の層が、約5.1メガレールの音響インピーダンスを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項13】
グラファイトの第1の層が、約1.5mm~約1.6mmの範囲に含まれる厚さを有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項14】
前記タングステンの層は、約100メガレールの音響インピーダンスを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項15】
前記タングステンの層は、約2.6mm~約2.7mmの範囲に含まれる厚さを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項16】
前記グラファイトの第2の層が、約5.1メガレールの音響インピーダンスを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項17】
前記第2のグラファイト層は、約1.5mm~約1.6mmの範囲に含まれる厚さを有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項18】
前記銅の層は、約41.5メガレールの音響インピーダンスを有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項19】
前記銅の層は、約2.5mm~約2.6mmの範囲に含まれる厚さを有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項20】
前記圧電材料は、分極された複合圧電ディスクで請求項1~19のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項21】
請求項20に記載の超音波トランスデューサであって、前記分極された複合圧電ディスクは、1~3構成で超音波トランスデューサ。
【請求項22】
前記圧電材料はPZT4であり、前記圧電材料は200 umの切り溝によって分離された1000 um×1000 umのピラーを含み、前記切り溝は、約1200 umのピッチで切断されている、請求項1~19のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項23】
前記圧電材料は、約2.35mm~約2.45mmの範囲に含まれる厚さを有する、請求項22に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項24】
前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、請求項22又は23に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項25】
前記複合充填材は、0.3構成で請求項24に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項26】
前記エポキシがEpo-Tek(登録商標)301で請求項24又は25に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項27】
前記圧電材料は、圧電層からなることを特徴とする請求項1~19のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項28】
前記バッキング構造と接触する熱伝導構造をさらに備える、請求項1~27のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項29】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造から電気的に絶縁される、請求項28に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項30】
前記熱伝導構造は、AlNからなる層又は酸化ベリリウムからなる層で請求項28又は29に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項31】
前記熱伝導構造は、前記裏当て構造の横方向部分上に延在する、請求項28から30のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項32】
前記熱伝導構造は、前記熱伝導構造を通過する少なくとも1つの導電性バイアを備える、請求項28から31のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項33】
前記圧電材料、前記バッキング構造、及び前記1つ又は複数の電極のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットをさらに備える、請求項1から32のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項34】
前記1つ以上の電極は、前記裏打ち構造を介して前記圧電材料に電気的に接続される、請求項1~33のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項35】
耐摩耗性を有する摩耗層をさらに特性、請求項1~34のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項36】
前記摩耗層がチタンから作られる、請求項35に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項37】
前記超音波トランスデューサは、約50mmの直径を有する、請求項1~36のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項38】
前記バッキング構造は、前記音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される、請求項1~37のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項39】
前記バッキング構造は、前記バッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、請求項1から38のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項40】
含むことを特徴とする超音波トランスデューサ:
表側裏面表面を有する圧電材料であって、前記圧電材料は、試料と音響通信するように構成される、圧電材料及び
前記圧電材料の前記裏面に配置され、前記圧電材料の前記前面に向かって音響エネルギーを反射するように構成されたバッキング構造であって、前記バッキング構造が備える、バッキング構造
第一の低音響インピーダンス層と第一の高音響インピーダンス層とを含む第一の二重層マッチング解除バッキング
第1のデュアルレイヤマッチングバッキングに接続された第2のデュアルレイヤマッチングバッキングであって、第2のデュアルレイヤマッチングバッキングは、第2の低音響インピーダンス層と第2の高音響インピーダンス層とを含む、デュアルレイヤマッチングバッキング。
【請求項41】
前記バッキング構造と熱的に接触するヒートシンク、又は前記圧電材料と音響的に整合する熱伝導層のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項40に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項42】
前記圧電材料と電気的に連通する1つ以上の電極をさらに含む、請求項40又は41に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項43】
前記バッキング構造は、熱導電性伝導性で請求項40~42のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項44】
予め組み立てられた電気回路をさらに含み、前記予め組み立てられた電気回路は前記圧電材料と電気的に連通するように、前記バッキング構造の頂部と電気的に連通する、請求項40乃至43のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項45】
前記事前に組み立てられた電気回路は、プリント回路基板、インターポーザー、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項44に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項46】
前記放熱板は少なくとも1つのチャネルを含み、前記チャネルは、その中に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、請求項41に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項47】
前記熱伝達流体が液体で請求項46に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項48】
前記放熱板は、前記バッキング構造から電気的に絶縁されている、請求項46又は47のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項49】
請求項40~48のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ:
?超音波変換器は動作周波数で動作可能であり、動作周波数は、動作波長(λo)に関連する
第1の低音響インピーダンス層、第1の高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【請求項50】
前記圧電材料は、前記動作周波数で半波共振するように構成される、請求項49に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項51】
前記圧電材料と前記バッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層をさらに含み、前記単一の脱マッチング層は前記圧電材料及び前記バッキング構造と音響連通しており、前記単一の脱マッチング層は前記圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記圧電材料は、前記動作周波数で共振する4分の1波長であるように構成される、請求項49に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項52】
前記圧電材料は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一のデマッチング層は、前記圧電材料の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する、請求項51に記載の超音波変換器。
【請求項53】
前記単一のデマッチング層は、約πr/10から約πr/20の間の厚さ範囲を有する、請求項52に記載の超音波変換器。
【請求項54】
前記単一のデマッチング層は、タングステンから作られる、請求項51~53のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項55】
前記圧電材料は、約27.5メガレールの音響インピーダンスを含む音響特性を有する、請求項40~54のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項56】
前記圧電材料は、分極された複合圧電ディスクで請求項40~55のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項57】
前記分極された複合圧電ディスクは、約2.4mmの厚さを有する、請求項56に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項58】
前記極性複合圧電ディスクは、第1、第3の構成で請求項56又は57に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項59】
前記圧電材料はPZT4の複合体であり、前記圧電材料は200 umの切り溝によって分離された1000 um×1000 umのピラーを含み、前記切り溝は、約1200 umのピッチで切断されている、請求項40~55のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項60】
前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、請求項59に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項61】
前記複合充填材は、0.3構成で請求項60に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項62】
前記エポキシがEpo?Tek(登録商標)301で請求項60又は61に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項63】
圧電材料が圧電層からなる、請求項40~55のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項64】
前記バッキング構造と接触する熱伝導構造をさらに備える、請求項40~63のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項65】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造から電気的に絶縁される、請求項64に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項66】
前記熱伝導構造は、AlNからなる層又は酸化ベリリウムからなる層で請求項64又は65に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項67】
前記熱伝導構造は、前記裏当て構造の横方向部分上に延在する、請求項64から66のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項68】
前記熱伝導構造は、前記熱伝導構造を通過する少なくとも1つの導電性バイアを備える、請求項64から67のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項69】
前記圧電材料及び前記バッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットをさらに備える、請求項40から68のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項70】
前記1つ以上の電極は、前記裏打ち構造を介して前記圧電材料に電気的に接続される、請求項42に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項71】
耐摩耗性を有する摩耗層をさらに特性、請求項40~70のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項72】
前記摩耗層がチタンから作られる、請求項71に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項73】
前記超音波トランスデューサは、約50mmの直径を有する、請求項40~72のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項74】
前記バッキング構造は、前記音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される、請求項40~73のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項75】
前記バッキング構造は、前記バッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、請求項40~74のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項76】
試料接触部と、試料接触部に対向する背面部とを有する超音波トランスデューサであって、前記背面部は以下を含む:
?試料と音響的に連通するように構成された材料
前記圧電材料と音響通信するバッキング構造であって、前記バッキング構造は前記試料接触部に向かって、かつ前記超音波トランスデューサの前記背部から離れる方向に音響エネルギーを反射するように構成され、前記バッキング構造はを含む、バッキング構造:
低い音響インピーダンス層
高音響インピーダンス層。
【請求項77】
前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層は第一の二重層脱マッチングバッキングを形成し、前記超音波トランスデューサは第二の二重層脱マッチングバッキングをさらに含み、前記第二の二重層脱マッチングバッキングは、第二の低音響インピーダンス層及び第二の高音響インピーダンス層を含む、請求項76に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項78】
前記バッキング構造と熱的に接触するヒートシンクをさらに備える、請求項76又は77に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項79】
前記圧電材料と電気的に連通する1つ以上の電極をさらに含む、請求項76~78のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項80】
前記バッキング構造は、熱導電性伝導性で請求項76~79のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項81】
予め組み立てられた電気回路をさらに含み、前記予め組み立てられた電気回路は前記圧電材料と電気的に連通するように、前記バッキング構造の頂部と電気的に連通する、請求項76乃至80のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項82】
前記事前に組み立てられた電気回路は、プリント回路基板、インターポーザー、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項81に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項83】
前記放熱板は少なくとも1つのチャネルを備え、該チャネルはその中で熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、請求項78に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項84】
前記熱伝達流体が液体で請求項83に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項85】
前記放熱板は、前記バッキング構造から電気的に絶縁されている、請求項83又は84のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項86】
請求項77に記載の超音波トランスデューサ:
?超音波変換器は動作周波数で動作可能であり、動作周波数は、動作波長(λo)に関連する
低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【請求項87】
前記圧電材料は、前記動作周波数で半波共振するように構成される、請求項86に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項88】
前記圧電材料と前記バッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層をさらに含み、前記単一の脱マッチング層は前記圧電材料及び前記バッキング構造と音響連通しており、前記単一の脱マッチング層は前記圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記圧電材料は、前記動作周波数で共振する4分の1波長であるように構成される、請求項86に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項89】
前記圧電材料は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一のデマッチング層は、前記圧電材料の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する、請求項88に記載の超音波変換器。
【請求項90】
前記単一のデマッチング層は、約πr/10から約πr/20の間の厚さ範囲を有する、請求項89に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項91】
前記単一の脱マッチング層がタングステンから作られる、請求項88~90のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項92】
前記圧電材料は、約27.5メガレールの音響インピーダンスを含む音響特性を有する、請求項76~91のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項93】
前記圧電材料は、分極された複合圧電ディスクで請求項76~92のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項94】
前記分極された複合圧電ディスクは、約2.4mmの厚さを有する、請求項93に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項95】
前記極性複合圧電ディスクは、第1、第3の構成で請求項92又は93に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項96】
前記圧電材料はPZT4の複合体であり、前記圧電材料は200 umの切り溝によって分離された1000 um×1000 umのピラーを含み、前記切り溝は、約1200 umのピッチで切断されている、請求項76~92のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項97】
前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、請求項96に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項98】
前記複合充填材は、0.3構成で請求項97に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項99】
前記エポキシがEpo?Tek(登録商標)301で請求項96又は97に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項100】
圧電材料が圧電層からなる、請求項76~92のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項101】
前記バッキング構造と接触する熱伝導構造をさらに備える、請求項76~100のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項102】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造から電気的に絶縁される、請求項101に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項103】
前記熱伝導構造は、AlNからなる層又は酸化ベリリウムからなる層で請求項100又は101に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項104】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造の横方向部分上に延在する、請求項101から103のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項105】
前記熱伝導構造は、前記熱伝導構造を通過する少なくとも1つの導電性バイアを備える、請求項101~104のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項106】
前記圧電材料及び前記バッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットをさらに備える、請求項76から105のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項107】
前記1つ以上の電極は、前記裏打ち構造を介して前記圧電材料に電気的に接続される、請求項79に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項108】
耐摩耗性を有する摩耗層をさらに特性、請求項79~107のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項109】
前記摩耗層がチタンから作られる、請求項108に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項110】
前記超音波トランスデューサは、約50mmの直径を有する、請求項76~109のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項111】
前記バッキング構造は、前記音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される、請求項76~110のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項112】
前記バッキング構造は、前記バッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、請求項76~111のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項113】
請求項77~112のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ:
圧電材料は、ギャップによって互いに分離された複数の圧電領域にダイシングされ、ギャップは電気的に絶縁性であり、音響的に絶縁性である;
低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第1の複数のエレメントにダイシングされ、第1の組のギャップによって互いに分離され、第1の組のギャップのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと整合され、第1の組のギャップは電気的絶縁性及び音響的絶縁性である
第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第2の複数のエレメントにダイシングされ、第2の組のギャップによって互いに分離され、第2の組のギャップのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと整列され、第2の組のギャップは電気的絶縁性及び音響的絶縁性である。
【請求項114】
前記ギャップ、前記第1のギャップの組及び前記第2のギャップの組は、熱伝導性で請求項113に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項115】
含むことを特徴とする超音波トランスデューサ:
前面及び背面を有する寸法圧電アレイであって、寸法圧電アレイは、サンプルと音響通信するように構成され、寸法に配列された複数の圧電領域を備える、寸法圧電アレイ;
一次元圧電アレイの裏面に配置され、音響エネルギーを一次元圧電アレイの表側表面に向けて反射するように構成されるバッキング構造であって、該バッキング構造は二重層脱マッチングバッキングを含み、該二重層脱マッチングバッキングは、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む、バッキング構造と、と、を含む、バッキング構造と、
予め組み立てられた電気回路であって、予め組み立てられた電気回路は1寸法圧電アレイと電気的に連通するように、バッキング構造の頂部と電気的に連通する。
【請求項116】
第二の二重層脱マッチングバッキングをさらに含み、前記第二の二重層脱マッチングバッキングが、第二の低音響インピーダンス層及び第二の高音響インピーダンス層を含む、請求項115に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項117】
前記バッキング構造と熱接触するヒートシンクをさらに備える、請求項115又は116に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項118】
前記寸法圧電アレイと電気的に連通する1つ以上の電極をさらに備える、請求項115~117のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項119】
前記バッキング構造は、熱導電性伝導性で請求項115~118のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項120】
前記予め組み立てられた電気回路が、プリント回路基板、インターポーザー、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む、請求項115~119に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項121】
各圧電領域は間隙によって互いから分離され、該間隙は電気的絶縁及び音響的絶縁で請求項116~120に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項122】
前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第1の複数のエレメントにダイシングされ、第1の組のギャップによって互いから分離され、該第1の組のギャップのそれぞれは該圧電領域を分離する該ギャップの対応する1つと整合され、該第1の組のギャップは電気的絶縁性及び音響的絶縁性で請求項121に記載の超音波トランスデューサ
【請求項123】
前記第2の低音響インピーダンス層及び前記第2の高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第2のギャップのセットによって互いに分離された第2の複数のエレメントにダイシングされ、前記第2のギャップのセットのそれぞれは前記圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと位置合わせされ、前記第2のギャップのセットは電気絶縁性及び音響絶縁性で請求項121又は122に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項124】
前記ギャップ、前記第1のギャップの組、及び前記第2のギャップの組は、熱伝導性で請求項123に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項125】
前記バッキング構造の頂部は、電気絶縁材料から構成される、請求項115~124のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項126】
前記電気絶縁材料は、熱伝導性で請求項125に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項127】
前記上部は導電性バイアによって横断されたAlNから作られた層を含み、各導電性バイアは、寸法に配列された前記複数の圧電領域のうちの対応する1つに整列される、請求項115から126に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項128】
AlN層から作製された前記層は表面を有し、該AlN層から作製された前記層は、前記表面から部分的にダイシングされて、寸法に配列された前記複数の圧電領域の隣接する個々の音響分離を強化する、請求項127に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項129】
前記放熱板は少なくとも1つのチャネルを備え、該チャネルは内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、請求項117に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項130】
前記熱伝達流体が液体で請求項129に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項131】
前記放熱板は、前記バッキング構造から電気的に絶縁されている、請求項129又は130のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項132】
請求項116に記載の超音波トランスデューサ:
?超音波変換器は動作周波数で動作可能であり、動作周波数は、動作波長(λo)に関連する
低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【請求項133】
前記寸法圧電アレイは、前記動作周波数で半波共振するように構成される、請求項132に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項134】
前記寸法圧電アレイと前記バッキング構造との間に配置された単一のデマッチング層をさらに含み、前記単一のデマッチング層は前記寸法圧電アレイと前記バッキング構造との音響通信にあり、前記単一のデマッチング層は前記寸法圧電アレイの音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記寸法圧電アレイは、前記動作周波数において4分の1波共振するように構成される、請求項132に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項135】
前記寸法圧電アレイは共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一のデマッチングレイヤは、前記寸法圧電アレイの共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する、請求項134に記載の超音波変換器。
【請求項136】
前記単一のデマッチング層は、約πr/10から約πr/20の間の厚さ範囲を有する、請求項135に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項137】
前記単一のデマッチング層は、タングステンから作られる、請求項134~136のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項138】
前記圧電領域は、切り溝によって分離されたピラーを含む、請求項115~137のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項139】
前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、請求項138に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項140】
前記複合充填材は、0.3構成で請求項139に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項141】
前記エポキシがEpo?Tek(登録商標)301で請求項139又は140に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項142】
各圧電領域が圧電層からなる、請求項115~137のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項143】
前記バッキング構造と接触する熱伝導構造をさらに備える、請求項115~142のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項144】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造から電気的に絶縁される、請求項143に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項145】
前記熱伝導構造は、AlNからなる層又は酸化ベリリウムからなる層で請求項143又は144に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項146】
前記熱伝導構造は、前記裏当て構造の横方向部分上に延在する、請求項143~145のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項147】
前記寸法圧電アレイ及び前記バッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットをさらに備える、請求項113~142のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項148】
前記1つ以上の電極は、前記裏打ち構造を介して前記寸法圧電アレイに電気的に接続される、請求項147に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項149】
耐摩耗性を有する摩耗層をさらに特性、請求項115~148のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項150】
前記摩耗層がチタンから作られる、請求項149に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項151】
前記超音波トランスデューサは、約50mmの直径を有する、請求項115~150のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項152】
前記バッキング構造は、前記音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される、請求項115~151のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項153】
前記バッキング構造は、前記バッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、請求項115~152のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項154】
含むことを特徴とする超音波トランスデューサ:
前面及び背面を有する2寸法圧電行列であって、試料と音響的に連絡するように構成される、2寸法圧電行列;
一次元圧電行列の裏面に配置され、音響エネルギーを二次元圧電行列の表側表面に向けて反射するように構成されるバッキング構造であって、前記バッキング構造は二重層マッチング解除バッキングを含み、前記二重層マッチング解除バッキングは、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む、バッキング構造と、を含む、バッキング構造と、
事前に組み立てられた電気回路であって、該事前に組み立てられた電気回路は2寸法圧電行列と電気的に連通するように、バッキング構造の頂部と電気的に連通する、電気回路。
【請求項155】
第2の二重層脱マッチングバッキングをさらに含み、前記第2の二重層脱マッチングバッキングが、第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層を含む、請求項154に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項156】
前記バッキング構造と熱接触するヒートシンクをさらに備える、請求項154又は155に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項157】
前記2寸法圧電マトリックスと電気的に連通する1つ以上の電極をさらに含む、請求項154~156のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項158】
前記バッキング構造は、熱導電性伝導性で請求項154~157のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項159】
前記予め組み立てられた電気回路が、プリント回路基板、インターポーザー、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む、請求項154~158のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項160】
前記2寸法圧電行列は複数の圧電領域を含み、各圧電領域は間隙によって互いに分離され、該間隙は電気的絶縁及び音響的絶縁で請求項155~159のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項161】
前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第1の複数のエレメントにダイシングされ、第1の組のギャップによって互いから分離され、該第1の組のギャップのそれぞれは該圧電領域を分離する該ギャップの対応する1つと整合され、該第1の組のギャップは電気的絶縁性及び音響的絶縁性で請求項160に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項162】
前記第2の低音響インピーダンス層及び前記第2の高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第2のギャップのセットによって互いに分離された第2の複数のエレメントにダイシングされ、前記第2のギャップのセットのそれぞれは前記圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと位置合わせされ、前記第2のギャップのセットは電気絶縁性及び音響絶縁性で請求項160又は161に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項163】
前記ギャップ、前記第1のギャップの組及び前記第2のギャップの組は、熱伝導性で請求項162に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項164】
前記バッキング構造の頂部は、電気絶縁材料から構成される、請求項154~163のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項165】
前記電気絶縁材料は熱伝導性で請求項162に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項166】
前記上部は導電性バイアによって横断されるAlNから作製される層を含み、各導電性バイアは、前記複数の圧電領域のうちの対応する1つに整列される、請求項160から164のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項167】
AlN層から作製される前記層は表面を有し、該AlN層から作製される前記層は、前記表面から部分的にダイシングされ、一次元に配列される前記複数の圧電領域の隣接する個々の音響分離を強化する、請求項166に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項168】
前記放熱板は少なくとも1つのチャネルを含み、前記チャネルは、その中に熱伝達流体を受け入れ、循環させるように構成される、請求項156に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項169】
前記熱伝達流体が液体で請求項168に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項170】
前記放熱板は、前記バッキング構造から電気的に絶縁されている、請求項168又は169のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項171】
請求項155に記載の超音波トランスデューサ:
?超音波変換器は動作周波数で動作可能であり、動作周波数は、動作波長(λo)に関連する
低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【請求項172】
前記2寸法圧電行列は、前記動作周波数において半波共振するように構成される、請求項171に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項173】
前記2寸法圧電行列と前記バッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層をさらに含み、前記単一の脱マッチング層は前記2寸法圧電行列及び前記バッキング構造と音響連通しており、前記単一の脱マッチング層は前記2寸法圧電行列の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記2寸法圧電行列は、前記動作周波数で共振する4分の1波長であるように構成される、請求項171に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項174】
前記2寸法圧電行列は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一のデマッチングレイヤは、前記2寸法圧電行列の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する、請求項173に記載の超音波変換器。
【請求項175】
前記単一のデマッチング層は、約λr/10~約λr/20の範囲の厚さを有する、請求項174に記載の超音波変換器。
【請求項176】
前記単一のデマッチング層は、タングステンから作られる、請求項173~175のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項177】
前記2寸法圧電行列は、カーフによって分離されたピラーを含む、請求項154から176のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項178】
前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、請求項177に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項179】
前記複合充填材は、0.3構成で請求項178に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項180】
前記エポキシがEpo?Tek(登録商標)301で請求項178又は179に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項181】
前記2寸法圧電行列は、圧電層からなる、請求項154~180のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項182】
前記バッキング構造と接触する熱伝導構造をさらに備える、請求項154~181のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項183】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造から電気的に絶縁される、請求項182に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項184】
前記熱伝導構造は、AlNからなる層又は酸化ベリリウムからなる層で請求項182又は183に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項185】
前記熱伝導構造は、前記バッキング構造の横方向部分上に延在する、請求項182から184のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項186】
前記2寸法圧電行列及び前記バッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットをさらに備える、請求項154~185のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項187】
前記1つ以上の電極は、前記裏打ち構造を介して前記2寸法圧電マトリックスに電気的に接続される、請求項186に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項188】
耐摩耗性を有する摩耗層をさらに特性、請求項154~187のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項189】
前記摩耗層がチタンから作られる、請求項188に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項190】
前記超音波トランスデューサは、約50mmの直径を有する、請求項154~189のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項191】
前記バッキング構造は、前記音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される、請求項154~190のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項192】
前記バッキング構造は、前記バッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、請求項154~191のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は一般に、音響エネルギーの分野に関し、より詳細には、超音波トランスデューサ、関連装置、装置方法及び技術に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電音響トランスデューサは、多くの産業において、また、広範な用途に広く使用されている。例えば、圧電超音波トランスデューサは医療用途、例えば、診断イメージング及び/又は治療用途に使用することができる。他の用途には超音波非破壊試験及び超音波機械加工及び溶接が含まれるが、これらに限定されない。圧電超音波変換器は電気エネルギーを機械エネルギーに変え、音波を電気信号に逆変換する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の問題を軽減又は軽減する技術、装置、デバイス、及び方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、超音波トランスデューサが提供される。
前面及び背面を有する圧電材料であって、試料と音響的に連通するように構成された圧電材料、
圧電材料の裏面に配置され、圧電材料の表側表面に向けて音響エネルギーを反射するように構成されたバッキング構造であって、該バッキング構造は熱導電性伝導性であり、該バッキング構造は、を含む、バッキング構造:
第1の二重層デマッチングバッキングであって、第1の二重層デマッチングバッキングはを含む
-グラファイトの第1の層
グラファイトの第1の層と接触するタングステンからなる層
第1の二重層デマッチングバッキングに接触する第2の二重層デマッチングバッキングであって、第2の二重層デマッチングバッキングはを含む
-黒鉛の第2の層
黒鉛の第2の層と接触する銅の層
バッキング構造と熱的に接触するヒートシンク、及び
圧電材料と電気的連絡する1つ以上の電極。
【0005】
いくつかの実施形態ではヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含み、該チャネルは内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、伝熱流体は液体である。
【0007】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0008】
いくつかの実施形態では超音波変換器が動作周波数で動作可能であり、動作周波数は動作波長(λo)に関連し、グラファイトの層、グラファイトの第1の層に接するタングステンからなる層、グラファイトの第2の層、及び銅の層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、圧電材料が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサが圧電材料とバッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層を含み、単一の脱マッチング層は圧電材料及びバッキング構造と音響通信通しており、単一の脱マッチング層は圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、圧電材料は動作周波数で共振する4分の1波長となるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では圧電材料が共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一のデマッチング層は圧電材料の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層が約πr/10から約πr/20までの間の厚さを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層がタングステンから作製される。
【0014】
いくつかの実施形態では、圧電材料が約27.5メガレールの音響インピーダンスを含む音響特性を有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、グラファイトの第1の層は、約5.1メガレールの音響インピーダンスを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、グラファイトの第1の層が約1.5mm~約1.6mmの範囲に含まれる厚さを有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、タングステンの層は、約100メガレールの音響インピーダンスを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、タングステンの層が約2.6mm~約2.7mmの範囲に含まれる厚さを有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、グラファイトの第2の層は、約5.1メガレールの音響インピーダンスを有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、グラファイトの第2の層が約1.5mm~約1.6mmの範囲に含まれる厚さを有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、銅の層は、約41.5メガレールの音響インピーダンスを有する。
【0022】
いくつかの実施形態では、銅の層が約2.5mm~約2.6mmの範囲に含まれる厚さを有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、圧電材料は、ポーリングされた複合圧電ディスクである。
【0024】
いくつかの実施形態において、有極複合圧電ディスクは、第1、第3の構成である。
【0025】
いくつかの実施形態では圧電材料がPZT4の複合体であり、圧電材料は200 umの切り口によって分離された1000 um×1000 umのピラーを含み、切り口は約1200 umのピッチで切断される。
【0026】
いくつかの実施形態では、圧電材料が約2.35mm~約2.45mmの範囲に含まれる厚さを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では切り溝が複合充填材で充填され、複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成である。
【0029】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0030】
いくつかの実施形態において、圧電材料は、圧電層から構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と接触する熱伝導構造を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0033】
いくつかの実施形態では、熱伝導性構造がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。
【0034】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造の横方向部分上に延在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造が熱伝導構造を通過する少なくとも1つの導電性バイアを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが圧電材料、バッキング構造及び1つ以上の電極のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電極がバッキング構造を介して圧電材料に電気的に接続される。
【0038】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが耐摩耗性を有する摩耗層を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタンから作られる。
【0040】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが約50mmの直径を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、バッキング構造が音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、バッキング構造がバッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。
【0043】
一態様によれば、超音波トランスデューサが提供される:
表側裏面表面を有する圧電材料であって、前記圧電材料は、試料と音響通信するように構成される、圧電材料;及び
圧電材料の裏面に配置され、圧電材料の表側表面に向けて音響エネルギーを反射するように構成されたバッキング構造であって、バッキング構造が含む、バッキング構造:
第一の二重層脱マッチングバッキングであって、第一の低音響インピーダンス層及び第一の高音響インピーダンス層を含む第一の二重層脱マッチングバッキング;及び
第一の二重層脱マッチングバッキングに接続された第二の二重層脱マッチングバッキングであって、第二の二重層脱マッチングバッキングは、第二の低音響インピーダンス層及び第二の高音響インピーダンス層を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と熱接触するヒートシンク又は圧電材料と音響整合する熱伝導層のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが圧電材料と電気的連絡する1つ又は複数の電極を含む。
【0046】
いくつかの実施態様において、バッキング構造は、熱導電性伝導性である。
【0047】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが事前に組み立てられた電気回路を含み、事前に組み立てられた電気回路は圧電材料と電気的に連通するように、バッキング構造の上部と電気的に連通している。
【0048】
いくつかの実施形態では、予め組み立てられた電気回路がプリント回路基板、インターポーザー、集積回路及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
いくつかの実施形態ではヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含み、該チャネルは内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態では、伝熱流体は液体である。
【0051】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0052】
いくつかの実施形態では超音波変換器が動作周波数で動作可能であり、動作周波数は動作波長(λo)に関連し、第1の低音響インピーダンス層、第1の高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、圧電材料が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0054】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサが圧電材料とバッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層を含み、単一の脱マッチング層は圧電材料及びバッキング構造と音響連通しており、単一の脱マッチング層は圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、圧電材料は動作周波数で共振する4分の1波長となるように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では圧電材料が共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一のデマッチング層は圧電材料の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層が約πr/10から約πr/20までの間の厚さを有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層がタングステンから作製される。
【0058】
いくつかの実施形態では、圧電材料が約27.5メガレールの音響インピーダンスを含む音響特性を有する。
【0059】
いくつかの実施形態において、圧電材料は、ポーリングされた複合圧電ディスクである。
【0060】
いくつかの実施形態において、分極された複合圧電ディスクは、約2.4mmの厚さを有する。
【0061】
いくつかの実施形態において、有極複合圧電ディスクは、第1、第3の構成である。
【0062】
いくつかの実施形態では圧電材料がPZT4の複合体であり、圧電材料は200 umの切り口によって分離された1000 um×1000 umのピラーを含み、切り口は約1200 umのピッチで切断される。
【0063】
いくつかの実施形態では切り溝が複合充填材で充填され、複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成である。
【0065】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0066】
いくつかの実施形態において、圧電材料は、圧電層から構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と接触する熱伝導構造を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0069】
いくつかの実施形態では、熱伝導性構造がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。
【0070】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造の横方向部分上に延在する。
【0071】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造が熱伝導構造を通過する少なくとも1つの導電性バイアを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが圧電材料及びバッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電極がバッキング構造を介して圧電材料に電気的に接続される。
【0074】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが耐摩耗性を有する摩耗層を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタンから作られる。
【0076】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが約50mmの直径を有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、バッキング構造が音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、バッキング構造がバッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。
【0079】
1つの態様によれば、試料接触部分と背面部分とを有する超音波トランスデューサが提供され、背面部分は試料接触部分に対向しており、以下を含む:
試料と音響通信するように構成された圧電材料;及び
前記圧電材料と音響連通するバッキング構造であって、前記バッキング構造は前記試料接触部に向かって音響エネルギーを反射し、前記超音波トランスデューサの前記背部から離れるように構成され、前記バッキング構造は、を含む、バッキング構造:
低い音響インピーダンス層
高音響インピーダンス層。
【0080】
いくつかの実施形態では低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層が第1の二重層脱マッチングバッキングを形成し、超音波トランスデューサは第2の二重層脱マッチングバッキングを含み、第2の二重層脱マッチングバッキングは第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と熱的に接触するヒートシンクを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが圧電材料と電気的連絡する1つ又は複数の電極を含む。
【0083】
いくつかの実施態様において、バッキング構造は、熱導電性伝導性である。
【0084】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが事前に組み立てられた電気回路を含み、事前に組み立てられた電気回路は圧電材料と電気的に連通するように、バッキング構造の上部と電気的に連通している。
【0085】
いくつかの実施形態では、予め組み立てられた電気回路がプリント回路基板、インターポーザー、集積回路及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0086】
いくつかの実施形態ではヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含み、該チャネルは内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、伝熱流体は液体である。
【0088】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0089】
いくつかの実施形態では超音波変換器が動作周波数で動作可能であり、動作周波数は動作波長(λo)に関連し、低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0090】
いくつかの実施形態では、圧電材料が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサが圧電材料とバッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層を含み、単一の脱マッチング層は圧電材料及びバッキング構造と音響通信通しており、単一の脱マッチング層は圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、圧電材料は動作周波数で共振する4分の1波長となるように構成される。
【0092】
いくつかの実施形態では圧電材料が共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一のデマッチング層は圧電材料の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。
【0093】
いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層が約πr/10から約πr/20までの間の厚さを有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層がタングステンから作製される。
【0095】
いくつかの実施形態では、圧電材料が約27.5メガレールの音響インピーダンスを含む音響特性を有する。
【0096】
いくつかの実施形態において、圧電材料は、ポーリングされた複合圧電ディスクである。
【0097】
いくつかの実施形態において、分極された複合圧電ディスクは、約2.4mmの厚さを有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、有極複合圧電ディスクは、第1、第3の構成である。
【0099】
いくつかの実施形態では圧電材料はPZT4であり、圧電材料は200 umの切り口によって分離された1000 um×1000 umのピラーを含み、切り口は約1200 umのピッチで切断される。
【0100】
いくつかの実施形態では切り溝が複合充填材で充填され、複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成である。
【0102】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0103】
いくつかの実施形態において、圧電材料は、圧電層から構成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と接触する熱伝導構造を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0106】
いくつかの実施形態では、熱伝導性構造がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。
【0107】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造の横方向部分上に延在する。
【0108】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造が熱伝導構造を通過する少なくとも1つの導電性バイアを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが圧電材料及びバッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電極がバッキング構造を介して圧電材料に電気的に接続される。
【0111】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが耐摩耗性を有する摩耗層を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタンから作られる。
【0113】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが約50mmの直径を有する。
【0114】
いくつかの実施形態では、バッキング構造が音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、バッキング構造がバッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。
【0116】
いくつかの実施形態では圧電材料がギャップによって互いに分離されている複数の圧電領域にダイシングされ、ギャップは電気的絶縁及び音響的絶縁であり、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第1の複数のエレメントにダイシングされ、ギャップの第1の組は第1の組のギャップによって互いに分離され、第1の組のギャップのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つに整列され、第1の組のギャップは電気的絶縁及び音響的絶縁であり、第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第2の組のギャップによって互いに分離され、第2の組のギャップのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つに整列され、第2の組のギャップは電気的絶縁及び音響的絶縁である。第2の複数のエレメントのうちの少なくとも1つは第2の組のギャップによって互いに分離され、第2の組のギャップのそれぞれは。
【0117】
いくつかの実施形態において、間隙、第1の組の間隙及び第2の組の間隙は熱伝導性である。
【0118】
一態様によれば、超音波トランスデューサが提供される:
前面及び背面を有する寸法圧電アレイであって、寸法圧電アレイは、試料と音響通信するように構成され、寸法に配列された複数の圧電領域を含む、寸法圧電アレイ;
一次元圧電アレイの裏面に配置され、音響エネルギーを一次元圧電アレイの表側表面に向けて反射するように構成されるバッキング構造であって、該バッキング構造は二重層脱マッチングバッキングを含み、該二重層脱マッチングバッキングは、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む、バッキング構造と、
予め組み立てられた電気回路であって、予め組み立てられた電気回路は1寸法圧電アレイと電気的に連通するように、バッキング構造の頂部と電気的に連通する。
【0119】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサが第2の二重層脱マッチングバッキングを含み、第2の二重層脱マッチングバッキングは第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と熱的に接触するヒートシンクを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが1寸法圧電アレイと電気的連絡通している1つ以上の電極を含む。
【0122】
いくつかの実施態様において、バッキング構造は、熱導電性伝導性である。
【0123】
いくつかの実施形態では、予め組み立てられた電気回路がプリント回路基板、インターポーザー、集積回路及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0124】
いくつかの実施形態において、各圧電領域は間隙によって互いに分離され、間隙は電気絶縁性及び音響絶縁性である。
【0125】
いくつかの実施形態では低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第1の複数のエレメントにダイシングされ、第1の組のギャップによって互いに分離され、第1の組のギャップのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと整列され、第1の組のギャップは電気的絶縁性及び音響的絶縁性である
【0126】
いくつかの実施形態では第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第2の複数のエレメントにダイシングされ、第2のギャップセットによって互いから分離され、第2のギャップセットのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと整列され、第2のギャップセットは電気的絶縁性及び音響的絶縁性である。
【0127】
いくつかの実施形態において、間隙、第1の組の間隙及び第2の組の間隙は熱伝導性である。
【0128】
いくつかの実施形態において、バッキング構造の上部は、電気絶縁材料から構成される。
【0129】
いくつかの実施形態において、前記電気絶縁材料は熱伝導性である。
【0130】
いくつかの実施形態では頂部が導電性ビアによって横断されたAlNから作られた層を含み、各導電性ビアは一次元に配列された複数の圧電領域のうちの対応する1つに整列されている。
【0131】
いくつかの実施形態において、AlN層から作製された層は表面を有し、AlN層から作製された層は1次元に配列された複数の圧電領域の隣接するもの音響分離を強化するために、表面から部分的にダイシングされる。
【0132】
いくつかの実施形態ではヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含み、該チャネルは内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、伝熱流体は液体である。
【0134】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0135】
いくつかの実施形態では超音波変換器が動作周波数で動作可能であり、動作周波数は動作波長(λo)に関連し、低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、寸法圧電アレイが動作周波数で半波共振するように構成される。
【0137】
いくつかの実施形態において、前記超音波トランスデューサは前記寸法圧電アレイと前記バッキング構造との間に配置された単一のデマッチング層を含み、前記単一のデマッチング層は前記寸法圧電アレイ及び前記バッキング構造と音響的に通信し、前記単一のデマッチング層は前記寸法圧電アレイの音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記寸法圧電アレイは、前記動作周波数で4分の1波共振するように構成される。
【0138】
いくつかの実施形態では寸法圧電アレイが共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一のデマッチングレイヤは寸法圧電アレイの共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層が約πr/10から約πr/20までの間の厚さを有する。
【0140】
いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層がタングステンから作製される。
【0141】
いくつかの実施形態では、圧電領域が切り溝によって分離されたピラーを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では切り溝が複合充填材で充填され、複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成である。
【0144】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0145】
いくつかの実施形態において、圧電領域は圧電層からなる。
【0146】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と接触する熱伝導構造を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0148】
いくつかの実施形態では、熱伝導性構造がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。
【0149】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造の横方向部分上に延在する。
【0150】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが寸法圧電アレイ及びバッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極がバッキング構造を介して、寸法圧電アレイに電気的に接続される。
【0152】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが耐摩耗性を有する摩耗層を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタンから作られる。
【0154】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが約50mmの直径を有する。
【0155】
いくつかの実施形態では、バッキング構造が音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される。
【0156】
いくつかの実施形態では、バッキング構造がバッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。
【0157】
一態様によれば、超音波トランスデューサが提供される:
前面及び背面を有する2寸法圧電行列であって、試料と音響的に連絡するように構成される、2寸法圧電行列;
一次元圧電行列の裏面に配置され、音響エネルギーを二次元圧電行列の表側表面に向けて反射するように構成されるバッキング構造であって、前記バッキング構造は二重層脱マッチングバッキングを含み、前記二重層脱マッチングバッキングは、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む、バッキング構造と、
事前に組み立てられた電気回路であって、上記事前に組み立てられた電気回路は2寸法圧電行列と電気的に連通するように、バッキング構造の頂部と電気的に連通する、電気回路。
【0158】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサが第2の二重層脱マッチングバッキングを含み、第2の二重層脱マッチングバッキングは第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と熱的に接触するヒートシンクを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが2寸法圧電行列と電気的連絡連通している1つ以上の電極を含む。
【0161】
いくつかの実施態様において、バッキング構造は、熱導電性伝導性である。
【0162】
いくつかの実施形態では、予め組み立てられた電気回路がプリント回路基板、インターポーザー、集積回路及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0163】
いくつかの実施形態では寸法圧電マトリックスが複数の圧電領域を含み、各圧電領域は間隙によって互いに分離され、間隙は電気的絶縁及び音響的絶縁である。
【0164】
いくつかの実施形態では低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第1の複数のエレメントにダイシングされ、第1の組のギャップによって互いに分離され、第1の組のギャップのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと整列され、第1の組のギャップは電気的絶縁性及び音響的絶縁性である
【0165】
いくつかの実施形態では第2の低音響インピーダンス層及び第2の高音響インピーダンス層のうちの少なくとも1つは第2の複数のエレメントにダイシングされ、第2のギャップセットによって互いから分離され、第2のギャップセットのそれぞれは圧電領域を分離するギャップのうちの対応する1つと整列され、第2のギャップセットは電気的絶縁性及び音響的絶縁性である。
【0166】
いくつかの実施形態において、間隙、第1の組の間隙及び第2の組の間隙は熱伝導性である。
【0167】
いくつかの実施形態において、バッキング構造の上部は、電気絶縁材料から構成される。
【0168】
いくつかの実施形態において、電気絶縁材料は熱伝導性である。
【0169】
いくつかの実施形態において、上部は導電性バイアによって横断されたAlNからなる層を含み、各導電性バイアは、複数の圧電領域のうちの対応するものに整列される。
【0170】
いくつかの実施形態において、AlN層から作製された層は表面を有し、AlN層から作製された層は1次元に配列された複数の圧電領域の隣接するもの音響分離を強化するために、表面から部分的にダイシングされる。
【0171】
いくつかの実施形態ではヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含み、該チャネルは内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0172】
いくつかの実施形態では、伝熱流体は液体である。
【0173】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0174】
いくつかの実施形態では超音波変換器が動作周波数で動作可能であり、動作周波数は動作波長(λo)に関連し、低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2の低音響インピーダンス層、及び第2の高音響インピーダンス層はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0175】
いくつかの実施形態では、寸法圧電行列が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0176】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサが2寸法圧電行列とバッキング構造との間に配置された単一の脱マッチング層を含み、単一の脱マッチング層は2寸法圧電行列及びバッキング構造と音響連通しており、単一の脱マッチング層は2寸法圧電行列の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、2寸法圧電行列は動作周波数において4分の1波共振するように構成される。
【0177】
いくつかの実施形態では2寸法圧電行列が共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一のデマッチングレイヤは2寸法圧電行列の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。
【0178】
いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層が約πr/10から約πr/20までの間の厚さを有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層がタングステンから作製される。
【0180】
いくつかの実施形態において、寸法圧電行列は、カーフによって分離されたピラーを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では切り溝が複合充填材で充填され、複合充填材はエポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成である。
【0183】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0184】
いくつかの実施形態において、寸法圧電行列は、圧電層から構成される。
【0185】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造と接触する熱伝導構造を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造から電気的に絶縁される。
【0187】
いくつかの実施形態では、熱伝導性構造がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。
【0188】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造がバッキング構造の横方向部分上に延在する。
【0189】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが2寸法圧電行列及びバッキング構造のうちの少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットを含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極がバッキング構造を介して、2寸法圧電行列に電気的に接続される。
【0191】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが耐摩耗性を有する摩耗層を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタンから作られる。
【0193】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが約50mmの直径を有する。
【0194】
いくつかの実施形態では、バッキング構造が音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される。
【0195】
いくつかの実施形態では、バッキング構造がバッキング構造内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。
【0196】
別の態様によれば、多層超音波トランスデューサバッキング構造が提供される。いくつかの実施形態ではバッキング構造がかなりの部分を反射することを可能にし、ある場合には事実上すべての音響エネルギーがトランスデューサの前面から出る。そのようなトランスデューサは一般に、バッキングスタックの背面での物理的接触によって影響を受けない。
【0197】
別の態様によれば、チタンに適合するように設計された単一要素液体冷却材料特有のトランスデューサが提供される。トランスデューサは、デュアルレイヤデマッチングバッキング(DLDB)などのデマッチング構造を含む。DLDBは680kHzの圧電変換器で動作するように設計できる。トランスデューサは27.5メガレール(MR)の音響インピーダンスのピエゾコンポジット元素を有することができ、第2のDLDB一対に接合された第1のDLDB一対を含み、第1のDLDB一対は約5.1(MR)の音響インピーダンスと1.03mmの厚さを有するグラファイトの第1の層と、約100 MRの音響インピーダンスと1.53mmの厚さを有するタングステン金属の第2の層とを含み、第2のDLDB一対は、約5.1(MR)の音響インピーダンスと約0.905mmの厚さを有するグラファイトの第1の層と、約41.5 MRの音響インピーダンスと1.71mmの厚さを有する銅金属の第2の層とを含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、DLDBがそれぞれが遠位面及び近位面を有する第1の裏打ち層及び第2の裏打ち層を含む。近位面は、第2の裏打ち層の遠位面と音響接触することができる。DLDBは遠位面及び近位面を有する圧電素子と音響接触して配置することができ、第1の裏打ち層の遠位面は、圧電素子の近位面と接触している。DLDBの第一及び第二のバッキング層は、圧電素子の設計された共振周波数に対して約1/4ラムダ厚みとなるように設計することができる。第1のバッキング層は、圧電素子と比較して比較的低い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。第2のバッキング層は、第1のバッキング層と比較して比較的高い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。
【0199】
いくつかの実施形態において、トランスデューサは厚さ2.4mmの第1の3極複合圧電ディスクを含み、厚さは約0.35~0.4ラムダに対応するが、1/2ラムダモードで動作し、近位面上に正極、遠位面上に負極を有する。ピエゾディスクの厚さは、DLDBバッキングの質量負荷効果を補償するために、1/2ラムダより薄くなるように選択することができる。圧電複合体はピッチ1200 umで切断された200 umの切り溝を有する分極PZT4材料をダイシングし、充填し、200 umの切り溝によって分離された1000 um×1000 umのピラーを残すことによって作製することができる。切り溝は例えば、限定するものではないが、複合切り溝充填材材料の音響インピーダンスが約7~8メガレイル(MR)の範囲であり、圧電複合層全体の音響インピーダンスが約27.5 MRであるチタンに密接に整合するように、Epotek 301エポキシにドープされた二酸化ハフニウムのc.a.5 um粒子の0.3複合充填材で充填することができる。圧電複合層のネガ面は例えば、タングステン粉末担持エポキシを用いて、ZA-8亜鉛アルミニウム合金の6mm厚ディスクの基端面に接合することができる。次に、ZA-8ディスクの遠位面を、酸化ハフニウムを担持したサブミクロン粒子Epotek 301エポキシを用いて、アルミナ複合ディスクの近位面に結合することができる。アルミナ複合ディスクは200 umの切り溝によって分離された750 um×750 um×1400 umの高さの柱を含むことができ、切り溝は、圧電複合ディスクを作製するために使用される同じハフニウム粒子充填エポキシで充填される。アルミナ複合体の遠位面は次に、酸化ハフニウムを負荷したサブミクロンのEpotek 301エポキシの層を用いて、厚さ3mmのチタンのディスクの近位面に結合することができる。次に、2組の二重層デマッチングバッキング(DLDB)を、以下のように、サブミクロンタングステン粉末装填Epotek 301エポキシを使用して圧電ディスクの近位面に結合することができる。圧電複合ディスクの近位面は、トランスデューサの中心周波数である680kHzで1/4ラムダに相当する5.1 MR、905 umの音響インピーダンスを有する、厚さ1030 umのPoco DFP-1グラファイトディスクの遠位面に接合される。次に、グラファイトディスクの近位面は1530 um厚みのタングステンディスクの遠位面に接合され、音響インピーダンスは100 MRであり、タングステンディスクの厚みさは、~850kHzで1/4ラムダに対応し、また、トランスデューサの中心周波数よりもわずかに上である。次いで、タングステンディスクの近位面を、音響インピーダンスが5.1 MRで、厚さがトランスデューサの中心周波数よりわずかに上の~800kHzで1/4ラムダに相当する、厚さが905 umのPoco DFP-1グラファイトディスクの近位面に接合する。グラファイトディスクの近位面は、41.5 MRの音響インピーダンスを有する厚さ1710 umの銅ディスクの遠位面に結合され、厚さは680kHzで1/4ラムダに対応する。黒鉛ディスク及びタングステンディスクは第1の二重層デマッチングバッキング積層を構成し、黒鉛ディスク及び銅ディスクは、第2のDLDB積層を構成する。これらの2つの積層は一緒に作動して、トランスデューサの熱冷却要素から圧電複合ディスクを音響的に絶縁し、トランスデューサの音響性能を実質的に乱すことなく、熱冷却溶液を銅ディスクの近位面に直接接合することを可能にする。これらの実施形態では、1mm厚の高熱伝導性AlNディスクの遠位面が熱伝導性エポキシを用いて、銅ディスクの近位面に接合される。AlNディスクははんだ付けされたワイヤ、又は代替的に導電性エポキシボンドワイヤで銅ディスクへの電気的な接続のための空間を可能にするために、ノッチが設けられている。この実施形態におけるDLDBスタック全体は電気的にも熱的にも導電性であり、DLDBスタックを通じて直接可能な圧電複合ディスクの信号電極への電気的接続を行うことに留意されたい。さらに、この例示的な実施形態で明示的に説明されている材料を超えて、開示された技術の適用において実際に使用することができる多くの材料が存在し、そのうちのいくつかは、導電性、熱伝導性、又はその両方であるか、又は熱伝導性でも電気伝導性でもないことに留意されたい。この例示的な実施形態では、DLDB層はすべて、導電性及び熱伝導性の両方である。銅製ヒートシンクベースの近位面はヒートシンク上部を遠位縁にろう付け又は半田付けして、中空の銅製ヒートシンクアセンブリを形成し、その遠位面は、熱伝導性であるが電気的に絶縁性のエポキシで、AlNディスクの近位面に直接接合される。図示の実施形態では、中空ヒートシンク上部の近位面が同じ熱伝導性エポキシでAlNディスクの遠位面に結合される。AINディスクにはその中に2つのクリアランスホールとノッチがあり、この穴は冷却管を可能にし、ヒートシンク上部の積分のバーブ付きチューブに固定され、ノッチは銅DLDB層に取り付けられた信号ワイヤのためのクリアランスパスを可能にする。AlNディスクの近位面は、熱伝導性エポキシを用いて、銅製ヒートスプレッダの遠位面に接合することができる。銅ハウジングシェルはZA-8ディスクの周囲に圧入することができ、電気絶縁性及び熱伝導性エポキシを用いて完全な音響及び熱スタックに接着することができる。いくつかの実施形態では、すべてのボイドに熱伝導性の電気絶縁性エポキシが充填され、したがって、ヒートシンクアセンブリの中空の内部(すなわち、ヒートシンク上部及びヒートシンク下部)とは別に、アセンブリ全体が中実になる。例えば、限定的ではないが、3/8インチの内径を有することができるゴムホースは上部銅製ヒートシンクバーブ付きホースボスに取り付けられ、ホースクランプで所定の位置に固定される。トランスデューサは電気的接触を含み、この電気的接触は、銅の蓋にはんだ付けされたBNC RF電気コネクタによって具現化することができる。BNCコネクタの中心導体はさらに、信号ワイヤに半田付けされ、したがって、BNC信号導体を圧電複合ディスクの正信号電極に電気的に接続することができる。いくつかの実施態様において、銅蓋は、導電性エポキシで銅シェルの近位リップに半田付け又は接合され、BNCコネクタの接地及び圧電複合ディスクの負極から銅シェル及びZA-8ディスクを介した電気的な接続を完成させることができる。トランスデューサはまた、電気絶縁性プラスチックハウジングを含み、このハウジングは銅製の蓋及び銅製のシェルに接着され、アルミナ複合ディスクの縁部を少なくとも部分的に覆い、チタン製ディスクの表面に静止している。結果として得られるトランスデューサ(すなわち、前述した構成要素のアセンブリ)は次に、液体循環空気-液体熱交換器に接続され、適切な冷却液で満たされる。冷却液の非限定的な例は、50%プロピレングリコール/水混合物である
【0200】
別の態様によれば、完全にダイシングされ、PCBに直接電気的に取り付けられる単一のDLDB裏打ち層を有する1-Dリニアアレイが提供される。これについては、ここで説明する。この構成は、アレイの比較的容易な電気的相互接続、さらにはASIC又は高密度コネクタのスタックへの直接的な比較的直接的適用を可能にする。アレイは、保護摩耗層を含む。この層は代わりに、用途に応じて、レンズ又はマッチング層であってもよい。それぞれがギャップ(又はカーフ)によって互いに分離されている圧電素子は、1-Dリニアアレイを形成する。また、アレイはアレイ化された圧電素子に沿って間隙を有する要素に分離された、第1の低音響インピーダンス1/4ラムダ層を含む第1のDLDB構造を含み、第2に、低音響インピーダンス層の上には、タングステンから作ることができる高音響インピーダンス1/4ラムダ層が設けられる。高音響インピーダンス層は、アレイ化された圧電素子と並んで、それらの間にギャップを有する素子に分離される。また、アレーは、PCB表面上に電極、PCB及びプリント回路基板内のビアを備え、電極を一方の面から反対の面に接続する。
【0201】
本発明のさらに別の態様によれば、第1のDLDB一対を重ねる第2のDLDB一対を有するデュアルDLDB装備1-D線形アレイであって、第2のDLDB一対は、横方向に熱的に連続した高音響インピーダンス1/4ラムダ層が設けられた低音響インピーダンス1/4ラムダ層を含む、デュアルDLDB装備1-D線形アレイである。熱伝導層は、AlNであるか、又は酸化ベリリウム、又は別の適切な熱伝導性電気絶縁材料であってもよく、トランスデューサの元素に接続するために導電性バイアを含む。これにより、アレイをエッジから冷却し、例えばPCBで直接電気的に接続することができる。
【0202】
別の態様によれば、2Dマトリクストランスデューサが提供される。いくつかの実施形態では、2-D行列が横方向に熱的に連続した層を有する二重DLDB 16×16元素行列アレイである。マトリックス・トランスデューサは保護摩耗層を含み、これは、2Dトランスデューサ・アレイの全領域にわたる用途に応じて、レンズ又はマッチング層によって代替的に置き換えることができる。マトリックストランスデューサは2Dリニアアレイ又はマトリックスアレイを形成するために、2つの軸においてギャップ(又は切り溝)によって互いに分離された圧電素子を含む。マトリクストランスデューサは、アレイ化された圧電素子に沿って、2つの軸の間にギャップを有する素子に分離された、低音響インピーダンス1/4ラムダ層と、タングステンから作製され得る、高音響インピーダンス1/4ラムダ層とを含む、第1のDLDB積層を含む。層は、アレイ化された圧電素子に沿って、2つの軸においてそれらの間にギャップを有する素子に分離することができる。層と最初の積層を定義する。マトリックストランスデューサはまた、第2の積層を含む。第2のDLDB積層は、アレイ化された圧電素子に沿って、2つの軸の間にギャップを有する素子に分離された、低音響インピーダンス1/4ラムダ層と、高音響インピーダンス1/4ラムダ層とを含む。この層は一般に連続的であり、AlNから作られる。この文脈において、「連続的」という表現は、スタックがギャップを有さず、アレイの両方の軸に沿って横方向の熱伝導性を提供するという事実を指す。垂直方向の電気伝導率は、AlN層内のビアによって提供される。この層は、エッジ要素に対して2-Dアレイの内部で等しい温度を維持するのに特に有用である。
【0203】
本説明の他の特徴及び利点は添付の図面を参照して例としてのみ与えられる、その特定の実施形態の以下の非限定的な説明を読むことにより、より明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0204】
図1図1aは、一実施形態による液体冷却超音波トランスデューサを示す。図1bは、図1aの超音波トランスデューサの圧電材料と接触するバッキング構造を示す。図1cは、図1bの断面である。図1dは、図1aの断面である。
図2】別の実施形態による液体冷却超音波トランスデューサの分解図である。
図3図2に示されている液体冷却超音波トランスデューサの別の分解図である。
図4】一実施形態による、超音波トランスデューサの圧電材料と接触するバッキング構造、及びバッキング構造と熱接触するヒートシンクを示す図である。
図5】一実施形態による、圧電材料と二重層脱整合バッキングとの間にサンドイッチされた単一の脱マッチング層を示す図である。
図6図5の断面である。
図7】一実施形態による、16要素寸法リニアアレイを示す図である。
図8図7の断面であり、16要素寸法リニアアレイを形成する層を図示する。
図9】16要素寸法リニアアレイを形成する層を図示する、図7の別の断面である
図10】別の実施形態による、16要素寸法リニアアレイを図示する。
図11図10の断面であり、16要素寸法リニアアレイを形成する層を図示する。
図12図10の別の断面であり、16要素寸法リニアアレイを形成する層を図示する
図13】超音波トランスデューサの作動原理の簡略図である。より具体的には、比較的狭帯域の場合を考慮すると、反射係数の相互作用、及びDLDB内の低及び高音響インピーダンス層の特定の配置が示され、その結果、トランスデューサの出力(前面)面に到着する同相反射のみが生じる。各DLDB層の共鳴音、及びその結果として生じる一対の位相のために、エネルギーは4回の反射ごとに位相において層を残すだけであり、2回の反射ごとに部分的に破壊的に干渉される。その結果、DLDB層にいったん捕捉されたエネルギーはリングダウンに比較的長い時間を要し、非常に低い振幅である。
図14】一実施形態による、寸法圧電行列を示す。
図15図14の分解図である。
図16図14の断面である。
図17】別の実施形態による超音波トランスデューサを示す。
図18】別の実施形態による超音波トランスデューサを示す。
図19図19aは、680kHzでチタンに伝送する最先端の空気で裏打ちされた材料固有のトランスデューサ(上部)と、放熱板なしの図1aの超音波トランスデューサ(下部)とを、同じ条件で比較したものである。図19bは、チタン(上部)に伝達する最先端の空気で裏打ちされた材料固有のトランスデューサと、チタン(下部)に伝達する図1aの超音波トランスデューサとの包絡線の対数の比較である。
図20】ピエゾスタックの裏面に取り付けられた銅ヒートシンクを上記3つの680kHz材料特定変換器の比較である。空気背面材料特定変換器が変換器のピエゾ素子の裏面に直接接合されたヒートシンクを上記(上部)トランスデューサのピエゾ素子にヒートシンクを接合する技術水準がアルミナ充填シリコーン発泡体(中部)のような音響的に損失性の熱伝導性材料で、変換器のピエゾ素子にヒートシンクを接合する。図1aの超音波変換器は裏面構造(底部)に直接接合されたヒートシンクを上記。
図21図20に示す波形の包絡線の対数を示す。
図22図22aは、10MHzの単一要素トランスデューサ、1/4ラムダ共振圧電素子と~1/10ラムダ厚タングステン脱マッチング層とのパルスエコーパルス応答の比較であり、単一DLDBを脱マッチング層の背面に加える効果を示す。図22bは、図22aに示されている10MHzの単一要素トランスデューサの波形のログ包絡線比較を示している。
図23図22aからの10MHzの音響積層の背面に直接3mm厚の銅製ヒートシンクを追加した場合の効果の比較であり、3mmの銅製ヒートシンクに直接接合されたDMLバッキングは、画像又は検査用途(上部)において望ましくないアーチファクトをもたらす複数の内部反射を発達させ、DLDB搭載積層はヒートシンクが音響積層の表面(下部)に直接接合された場合に、測定可能な変化を生じない。図23bは、図23aに示す10MHzトランスデューサのパルスエコー波形のログ包絡線の比較である。
図24】空気バッキングを有するものと比較した、デュアルDLDBバッキングを有するチタンに伝送するように整合されたPZT複合ピエゾ素子を有する、材料特有の5MHz 1Dアレイ素子550 umから5mmまでのパルスエコー応答の比較である。空気背面トランスデューサ(上部)とDLDB装備トランスデューサ(下部)の間には、DLDB装備積層で見られるわずかなパルス長の増加とは別に、最小限の差が見られる。
図25図24に記載されたトランスデューサ素子のパルスエコー応答と、音響積層の背面(上部)に直接接合された6mmの銅製ヒートシンクの追加との比較である。放熱板を空気逆変換器(底部)の背面に接着すると、著しい内部残響アーチファクトが見られる。
【発明を実施するための形態】
【0205】
以下の説明では図面中の同様の特徴には同様の参照番号が付与されており、図面を過度に妨害しないように、いくつかの要素はそれらが1つ又は複数の先行する図面中で既に識別されている場合、いくつかの図面上に示されていないことがある。また、図面の要素は、本実施形態の要素及び構造を明確に示すことに重点が置かれているため、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを本明細書で理解されたい。用語「a」、「an」及び「one」は本明細書では「少なくとも1つ」を意味するように定義され、すなわち、これらの用語は特に断らない限り、複数の要素を排除しない。また、例示的な実施形態の特徴の値、条件、又は特性を修正する「実質的に」、「一般的に」、及び「約」などの用語は、値、条件、又は特性がその意図された用途のためにこの例示的な実施形態の適切な動作のために許容可能な許容範囲内で定義されることを意味すると理解されるべきであることにも留意されたい。
【0206】
本明細書では用語「接続された」、「結合された」、ならびにその変形形態及び派生形態は2つ以上の要素間の、直接的又は間接的な、任意の接続又は結合を指す。要素間の接続又は結合は、音響的、機械的、物理的、光学的、動作的、電気的、無線、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0207】
別の要素に対する1つの要素の位置又は方位を示す位置記述子は本明細書では説明の容易さ及び明確さのために使用され、別段の指示がない限り、図面の文脈で解釈されるべきであり、限定とみなされるべきではないことが理解されるのであろう。空間的に相対的な用語(例えば、「外側」及び「内側」、「外側」及び「内側」、「周辺」及び「中央」、「上」及び「下」、ならびに「上」及び「下」)は、図面に例示される位置及び配向に加えて、本実施形態の使用又は動作における異なる位置及び配向を包含することが意図されることが理解される。
【0208】
<一般的な理論的文脈>
圧電超音波トランスデューサは一般に、2つの対向する面を有する圧電素子で構成される。圧電素子は、所望の周波数で動作するように選択することができる。このような動作の一例は、圧電素子の音響共鳴を含む。圧電音響トランスデューサは複数の層を含むことができ、これらの層は例えば、限定的ではなく、積み重ねられたり、重ねられたりすることができる。圧電素子に加えて、圧電音響トランスデューサは、信号電極及び接地電極、マッチング層、音響バッキング、レンズ、ならびに意図される出願における性能を改善するための多くの他の層又は構造のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部のトランスデューサは音響エネルギーを出力するように設計することができ(すなわち、発信器)、他のトランスデューサは衝突する音響エネルギー(すなわち、受信機)を検出することができる。いくつかのトランスデューサは両方の機能(すなわち、トランシーバ)を実行するように最適化することができることに留意されたい。異なるタイプの圧電超音波トランスデューサを生成するために、超音波トランスデューサの分野において異なる技術を実装することができる。
【0209】
ほとんどの場合、圧電トランスデューサを設計することは、例えば、意図されたターゲットへの音響エネルギーの最適化及び/又は方向、ならびに意図されたターゲットから離れる音響エネルギーの最小化といった、多くの課題に関連する。例えば、圧電ディスクを横切って適切な周波数電圧が印加されると、ディスクの前面と背面の両方から等しい弾性波を発生する傾向がある、薄いディスク形状の圧電素子の比較的単純な場合を考えることができる。
【0210】
一方の面(例えば、前面又は遠位面)からの音響エネルギー出力を高め、他方の面(背面又は近位面)からの音響エネルギー出力を減少させるために、このような圧電ディスクの特性を改良するための広範な種々の技術が存在する。当業者であれば、このような圧電素子は一般に、各面が導電性電極と接触するように配置されることを知るのであろう。導電性電極の一例はスパッタリングされた金属であり、これにより、圧電素子を電子システム及び/又は他の適切な回路に接続することができる。RF電圧信号が電極に印加される実装形態では、圧電素子が機械的摂動を受ける。電気RF信号の周波数と、寸法圧電アレイの厚さとが、正しい動作条件に一致する場合、圧電素子は超音波周波数で機械的に共振するようにすることができる。このような可能性は、圧電材料の特性に依存することに留意されたい。
【0211】
バッキングが圧電超音波トランスデューサにおいて使用され得ることは、当該技術分野において一般的に知られている。バッキングの実施例は圧電層よりもはるかに低い音響インピーダンスを有するバッキングを吸収すること、音響エネルギーを散逸及び吸収するための複合形態を有するいくつかのもの、圧電層よりもはるかに高い音響インピーダンスを有し、かつ、調整可能な質量負荷効果を可能にしながら、トランスデューサの出力にすべてのエネルギーを効率的に反射するように設計された1/4ラムダ未満の厚さを有するデマッチング層、ならびに、空気バッキングなどの他の技術、ならびに遅延線バッキング及びさらに他のものを含む多くの他の変形形態を含むが、これらに限定されない。
【0212】
多くのトランスデューサバッキングは低音響インピーダンス吸収バッキングであり、エネルギーの大部分又は少なくともかなりの部分をトランスデューサの前方(又は代替的に、「作業面」)に向けて反射し、バッキング内の反射されないエネルギーを吸収し、消散させるように設計されている。そのような吸収バッキングは一般に、所定の幾何学的構成を有し、例えば、バッキングは十分に大きくすることができ、十分な音響エネルギーを吸収し、不要な内部反射が圧電結晶に戻るのを防止するための特定の構成を有することができる。これらの低音響インピーダンスバッキングは、典型的には圧電層が1/2ラムダ共振モードで動作することを必要とする。
【0213】
デマッチング層は減衰を調整するためにいくらか調整可能な質量負荷を提供しながら、トランスデューサの前面にエネルギーを反射するように設計された、別の共通バッキング技術である。非マッチング層を追加する効果は一般に、1/4波共振トランスデューサの設計を必要とする。いくつかの実装形態では、デマッチング層がエネルギーの100パーセント近く、又はエネルギーの少なくともかなりの部分を反射するように動作させることができる。
【0214】
別の実施形態は空気バックトランスデューサを含み、空気バックトランスデューサはまた、前部、又は少なくともその有意部分から100パーセント近くのエネルギーを反射することができる。しかしながら、このようなトランスデューサは質量負荷又は減衰を可能にしないが、圧電素子が1/2ラムダで共振するという点で、光吸収バッキングと同じモードで動作する。
【0215】
ほとんどのバッキング技術の1つの制限は特に、トランスデューサの背面が音響信号を損なうことなく電気的接続のためにアクセスすることができず、一般に、音響アーチファクト及び/損失を最小限に抑えるために、最小限の設置面積で側面にオフにされるべきであることである。既存の技術のさらなる制限は、トランスデューサの圧電素子と直接接触する効率的な熱冷却液を提供する際の困難さである。上記課題は、現代のリラクサベースの多結晶及び単結晶強誘電体が熱的ロバスト性を犠牲にして、ますます効率的になるにつれて、意義が増している。
【0216】
2-Dアレイトランスデューサは、行列クストランスデューサの内部素子へのアクセスが不足するため、冷却及び電気的相互接続及び音響的裏当ての両方の考慮をより困難にし得ることに留意されたい。その結果、ここで説明するように、導電性である音響的に効率的なバッキングを開発する必要性が存在する。また、ここで説明するように、熱伝導性である音響的に効率的なバッキング技術を開発する必要がある。また、本明細書で説明するように、圧電トランスデューサの音響エネルギーのほぼ全てを反射することができ、一方、バッキングの近位面に比較的音響エネルギーがなく、トランスデューサの性能を損なうことなく、電気及び/又は熱装置の接続を可能にする、音響的及び空間的に効率的なバッキングを開発する必要がある。本明細書に記載されるように、各要素に冷却して電気的接続性を提供する1-D又は2-Dアレイトランスデューサに接続可能な、熱伝導性及び電気伝導性の音響的に効率的なバッキングを開発する必要性が存在する。
【0217】
<超音波トランスデューサ用のバッキング構造>
大まかに説明すると、本明細書は、多層超音波トランスデューサバッキング構造又は同様の技術に関する。いくつかの実施形態では技術がかなりの部分を反射することを可能にし、場合によっては実質的に全ての音響エネルギーをトランスデューサの前面から反射することを可能にする。さらに、現在の技術に従って作製されたシステム又はデバイスは一般に、バッキングスタックの背面での物理的接触によって影響されない。本明細書に提示されるトランスデューサは、非常にわずかなエネルギーが裏打ち層に吸収されるので、熱的に電気的かつ音響的に比較的効率的である。
【0218】
本開示の文脈において、以下により詳細に記載されるように、バッキング構造は、各々が2つの層を含む、1つ以上のデマッチングバッキングを電流。この点に関して、各デマッチングバッキングは、「デュアルレイヤデマッチングバッキング」、又は単に「DLDB」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、DLDB一対をバッキング構造として使用することができ、すなわち、超音波トランスデューサは第1のDLDB及び第2のDLDBを含むことができ、各DLDBは2つの層を含む。他の実施形態では2つ以上のDLDB一対を、例えば、限定するものではないが、裏面をさらに音響的に分離するために、裏打ち構造として使用することができる。
【0219】
注目すべきことに、DLDBを形成する層は電気的、音響的、熱的及び機械的特性を有し、これらの特性は、目標とする用途に応じて変化し得る。例えば、限定的ではないが、DLDBは導電性及び熱伝導性である層、電気的又は熱伝導性でない層、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0220】
図1図6を参照して、超音波トランスデューサ100の実施形態を説明する。
【0221】
超音波トランスデューサ100は一般に、圧電材料102と、バッキング構造108と、放熱板122と、1つ又は複数の電極126(電極126と呼ばれる)とを含む。説明全体を通して説明される超音波トランスデューサの実施形態は圧電材料を含むものとして説明されるが、当業者は代わりに、本開示の超音波トランスデューサが任意の強誘電性材料、任意の単結晶又は多結晶材料、任意の電気機械変換材料を含むことができ、そのような材料は強誘電性、焦電性、圧電性、電気ひずみ、及び/又は他の関連する特性のうちの1つ又は複数を有することに留意されたい。本明細書の文脈では、「圧電材料」という表現が当業者には容易に理解されるように、強誘電材料、焦電材料、リラクサ材料、及び電歪材料も指すことができることに留意されたい。
【0222】
圧電材料102は、表側裏面表面106を有する。圧電材料102は、試料と音響通信するように構成される(図には示されていない)。圧電材料102は、音響特性を有する。例えば、限定的ではないが、音響特性は約27.5メガレールの音響インピーダンスを含んでもよい。
【0223】
いくつかの実施形態において、圧電材料102は、ポーリングされた複合圧電ディスクであってもよい。有極複合圧電ディスクは、第1、第3の構成であってもよい。
【0224】
いくつかの実施形態では、圧電材料102がPZT4の複合体であってもよく、ピラーを含んでもよい。例えば、限定するものではないが、ピラーは200 umの切り溝によって分離された1000 um×1000 umのピラーであってもよい。切り溝は、約1200 umのピッチで切断することができる。切り溝は、複合充填材で充填されてもよい。いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成であってもよい。複合充填剤は、エポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含むことができる。エポキシの非限定的な例は、Epo-Tek(登録商標)301である。いくつかの実施形態では、圧電材料102が約2.35mm~約2.45mmの範囲に含まれる厚さを有する可能性がある
【0225】
いくつかの実施形態において、圧電材料102は圧電層からなる。
【0226】
バッキング構造108は、圧電材料102の裏面106に配置される。バッキング構造108は、圧電材料102の前面104に向かって音響エネルギーを反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造108が音響エネルギーを位相で反射するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造108がバッキング構造108内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。バッキング構造108は熱伝導性であり、導電性である。図1図6に示す裏打ち構造108は、第1の二重層デマッチング裏打ち110及び第2の二重層デマッチング裏打ち116を含む。
【0227】
第一の二重層脱マッチングバッキング110は、黒鉛112の第一の層と、黒鉛112の第一の層と接触するタングステン114からなる層とを含む。いくつかの実施形態では、黒鉛112の第1の層が約5.1メガレイルの音響インピーダンスを有し、約1.5mm~約1.6mmの範囲に含まれる厚さを有する。いくつかの実施形態では、タングステン層114が約100メガレイルの音響インピーダンスと、約2.6mm~約2.7mmの範囲に含まれる厚さとを有する。当業者であれば、音響インピーダンス及びグラファイトの第1の層112及びタングステンの層114の厚さは、目標とする用途によって決定され、したがって、上に列挙した実施例とは異なる可能性があることを容易に理解するのであろう。
【0228】
第2の二重層デマッチングバッキング116は、第1の二重層デマッチングバッキング110に接触する。第二の二重層脱マッチングバッキング116は、グラファイトの第二の層118と、グラファイトの第二の層118と接触する銅の層120とを含む。いくつかの実施形態において、黒鉛118の第2の層は、約5.1メガレールの音響インピーダンスと、約1.5mmから約1.6mmに広がる範囲に含まれる厚さとを有する。いくつかの実施形態において、銅120の層は約41.5メガレールの音響インピーダンスを有し、約2.5mmから約2.6mmに延びる範囲に含まれる厚さを有する。当業者であれば、音響インピーダンス及び第2のグラファイト層118及び銅層120の厚さは、目的とする用途によって決定され、したがって、上に列挙した実施例とは異なり得ることを容易に理解するのであろう。
【0229】
放熱板122は、バッキング構造108と熱接触している。いくつかの実施形態では、放熱板122が少なくとも1つのチャネル124を含む。そのようなチャネル124は、その中に熱伝達流体を受け入れ、循環させるように構成される。熱伝達流体は、液体、気体、又はそれらの任意の混合物であってもよい。いくつかの実施形態では、放熱板122がバッキング構造108から電気的に絶縁される。
【0230】
電極126は、圧電材料102と電気的連絡連通している。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100が圧電材料102、バッキング構造108、及び電極126のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニット(図には示されていない)を含む。このような制御ユニットは、超音波トランスデューサ100を制御するのに有用である。いくつかの実施形態において、電極126は、バッキング構造108を介して圧電材料102に電気的に接続される。
【0231】
超音波トランスデューサ100は、動作周波数で動作可能である。この演算周波数は演算波長λoに関係する。いくつかの実施形態において、黒鉛112の第1の層、黒鉛112の第1の層と接するタングステン114からなる層、黒鉛118の第2の層及び銅120の層は、それぞれ、λo/4の約λo/4の厚さ又は奇数倍の対応する厚さを有する。いくつかの実施形態では、動作波長λoが約530kHzとすることができる。
【0232】
一実施形態では、圧電材料102が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0233】
別の実施形態では、超音波トランスデューサ100が圧電材料102とバッキング構造108との間に配置された単一の脱マッチング層128を含む。単一の脱マッチング層128は、圧電材料102及びバッキング構造108と音響通信している。単一の脱マッチング層128は、圧電材料102の音響インピーダンスよりも比較的高い対応する音響インピーダンスを有する。この実施形態では、圧電材料102が動作周波数で共振する4分の1波長となるように構成される。圧電材料102は共振周波数を有し、この共振周波数は、共振波長λrに関連する。単一の脱マッチング層128は、圧電材料102の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。単一のデマッチング層128は、約λr/10~約λr/20の範囲の厚さを有することができる。単一のデマッチング層128は例えば、限定するものではないが、タングステンから作ることができる。単一のデマッチング層128には、他の材料を使用することもできる。いくつかの実施形態では、共振波長λrが約530kHzであってもよい。
【0234】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがバッキング構造108と接触する熱伝導構造130を含む。いくつかの実施形態では、熱伝導構造130がバッキング構造108から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、熱伝導性構造130がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層であってもよい。いくつかの実施形態では、熱伝導構造130がバッキング構造108の横方向部分上に延在してもよい。いくつかの実施形態では、熱伝導構造130が熱伝導構造130を通過する少なくとも1つの導電性バイアを含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100が耐摩耗性を有する摩耗層132を含む。摩耗層132は例えば、限定するものではないが、チタンから作ることができる。
【0236】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100が圧電材料102と音響整合する熱伝導層133を含む。図1dに示されるように、熱伝導層133は、圧電材料102と摩耗層132との間に設けられてもよい。このような熱伝導層は、銅製の蓋135を介してヒートシンク122と熱接触していてもよい。注意すべきことであるが、蓋135は任意の他の熱伝導性材料から作ることができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100が約50mmの直径を有する。
【0238】
<実施例>
ここで、超音波トランスデューサの他の実施形態について説明してきた。
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサがチタンに適合するように設計された単一要素液体冷却材料固有トランスデューサ上に積み重ねられた2つの積み重ねられたDLDB(デュアルDLDB積層体)を含む。27.5メガレール(MR)の音響インピーダンスを元素680kHzの圧電トランスデューサ上で動作するように設計されたDLDBの1つの例示的実施形態は第2のDLDB一対に接合された第1のDLDBを含み、第1のDLDB一対は約5.1 MRの音響インピーダンス及び1.03mmの厚さを元素グラファイトの第1の層と、約100 MRの音響インピーダンス及び1.53mmの厚さを元素タングステン金属の第2の層とを含み、第2のDLDB一対は、約5.1(MR)の音響インピーダンス及び0.905mmの厚さを元素グラファイトの第1の層と、約41.5 MRの音響インピーダンス及び1.71mmの厚さを元素銅金属の第2の層とを含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、2/5ラムダ未満、典型的には1/4ラムダ未満の高音響インピーダンス整合解除層(DML)を有する単一素子トランスデューサ上の1つ又は2つのDLDBがDLDB積層と圧電素子との間に挿入される。
【0240】
いくつかの実施形態では、DLDBがそれぞれが遠位面及び近位面を有する第1の裏打ち層及び第2の裏打ち層を含む。第1の裏打ち層の近位面は第2の裏打ち層の遠位面と音響接触することができ、2つの層は共にDLDB構造を含む。次に、DLDBは遠位面及び近位面を有する圧電素子と音響接触して配置することができ、第1の裏打ち層の遠位面は、圧電素子の近位面と接触している。DLDBの第一及び第二のバッキング層は、圧電素子の設計された共振周波数に対して約1/4ラムダ厚みとなるように設計することができる。第1のバッキング層は、圧電素子と比較して比較的低い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。第2のバッキング層は、第1のバッキング層と比較して比較的高い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。
【0241】
2つ以上のDLDBが積層される実施形態では、DLDBを介してトランスデューサに接続された電気的及び熱的構造からの改善された、又は増加された音響的免震が達成されてもよい。
【0242】
いくつかの実施形態では動作時に、第1のDLDBの第1の層の第1の面はトランスデューサの背面の方へ向けられた音響エネルギーの大部分をトランスデューサの作用面の外に反射するが、第1の層の背面も、それに到達するエネルギーの大部分を反射し、そのようにして、位相を合わせて行う。次いで、DLDBの層は、1/4波長層及びDLDBに含まれる層内の低音波インピーダンスから高音波インピーダンスへの転移による反射係数の交互署名に起因して、トランスデューサの帯域幅にわたって、裏打ちにおける残りのエネルギーと共鳴し始める。次いで、共振層は、比較的長い時間にわたって、かつ非常に低い振幅で、許容可能な低い振幅で、時間にわたって望ましくない反射を効果的に広げて、後方積層を通って前方及び後方の両方に位相でエネルギーを放出する。
【0243】
説明したDLDBの実施形態は、1/2ラムダ共振圧電トランスデューサ用に設計された音響積層、及びDLDBの光層の音響インピーダンスよりも大きく、圧電層の音響インピーダンスに十分に整合された意図された負荷に有効であり得る。そのような構造の実施例はPCT特許出願PCT/CA2019/051046に見出すことができ、その含有量は参照により本明細書に組み込まれる。
【0244】
本明細書に記載されるDLDBの実施形態は、1/2ラムダ共振圧電トランスデューサ及びDLDBの光層の音響インピーダンスよりも大きい意図された負荷のために設計された音響積層にも有効であり得る。負荷が第1のDLDB層の低音響インピーダンス層に匹敵するか、又はそれよりも低い場合、トランスデューサは、負荷よりも高い音響インピーダンスを有する圧電層と、1つ又は複数の整合層とを含むことができる。
【0245】
いくつかの実施形態では、DLDBがデマッチング層と共に1/4ラムダスタックと共に使用することができる。別の実施例では、DLDBが1/4ラムダ共振圧電トランスデューサ設計に高音響インピーダンス整合解除層を含めることができ、ここで、高音響インピーダンス整合解除層は負荷材料の音響インピーダンスにほぼ制限を与えずに、DLDBと圧電材料との間に介在される。この技法は、材料固有のトランスデューサ、又はマッチング層を有するトランスデューサ、又は他の任意の実用的な負荷整合方法に適用することができる。
【0246】
DLDB層の厚さの変形を使用して、トランスデューサの帯域幅を拡大し、より広い周波数スペクトルにわたってバッキングの反射率を改善することができる。このようなバリエーションは、目的とする用途に応じて実施することができる。
【0247】
DLDBによって達成される比較的高い音響アイソレーション及び層を熱伝導性にする可能性のために、DLDBの近位面に放熱板を直接適用することが可能であり、その結果、トランスデューサの音響特性を損なうことなく、圧電素子の背面から直接熱を高効率で除去することが可能になる。
【0248】
DLDBによって達成される比較的高い音響分離及び層を導電性にする可能性のために、DLDBの最上層にワイヤ又は他の電気回路を取り付けるために、例えば、はんだ付け、ワイヤーボンディング、又は導電性エポキシを使用することによって、DLDBの近位面に直接電気的な接続を行うことが可能である。
【0249】
いくつかの実施形態では、DLDBを、例えば、1-Dリニアアレイ、2-Dマトリクスアレイ、又は他の多素子トランスデューサアレイのようなトランスデューサアレイの圧電素子と整列させた素子にダイシングすることがさらに可能であり、その結果、1つのプリント回路基板、又はASICインターポーザー、電気コネクタ、又は他の電気回路をDLDBの近位面に直接適用することができ、トランスデューサへの高効率の電気的接続が可能になる。これは、超音波プローブがトランスデューサの音響特性を損なうことなく、アレイの各素子に対応するDLDBに直接接続することが可能な比較的多数の素子への接続を可能にする2D多素子アレイである場合に有用であり得る。これらの実施形態は、説明の他のセクションで説明される。
【0250】
バッキングは比較的低プロファイルであり、低プロファイルのDLDBへの直接電気的な接続を可能にするため、本技術は、低プロファイルの超音波プローブに来る場合、設計に関して利点を提供することができる。低プロファイル超音波プローブの実施例としては腔内医療プローブ、内視鏡、及びNDT筒状トランスデューサ及びアレイに使用されるプローブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0251】
いくつかの実施形態では、DLDBが1つ以上の層を有し、各層は横方向に電気絶縁性であり、軸方向に導電性である熱伝導性材料から作られ、したがって、等方性の熱伝導性及び異方性の電気伝導性層をもたらす。一実施形態では、高音響インピーダンス層が例えば、窒化アルミニウム(AlN)セラミックから作られる。高音響インピーダンス層は、多素子アレイ素子と整列するように配置された複数の導電性バイアを有する。DLDBの他の層は例えば、ダイシング、エッチング、又は機械加工によって、又は他の方法によって、横方向に電気的及び音響的に隔離された素子に分離され、圧電アレイの素子と整列され得る。これらの2つの層の組み合わせは、各トランスデューサ素子からDLDBの近位表面への電磁接続性、DLDB及び圧電スタック全体を通る1つの素子から他の素子への横方向の電磁絶縁、及び素子のアレイ全体にわたる連続的及び/又は連続的な横方向の熱伝導性を提供するバッキングをもたらす。トランスデューサの放熱はその後、PCB又はインターポーザーへのアレイの直接的な電気的接続を可能にしながら、ある手段の冷却技術、例えば、空気対空気熱交換器、又は例えば、液体冷却ヒートシンクの使用を通して、AlN層の周囲から熱を除去することによって達成され得ることを当業者は理解するのであろう。このアプローチは、音響絶縁及び/又は熱伝導性を増加させるために積み重ねられた複数のDLDBに適合させることができることは当業者には容易に分かる。1-D、とりわけ2-Dトランスデューサーアレイにおける電気的に絶縁された熱的に連続した及び/又は連続したDLDBのこの使用は、音響性能を妥協することなく、及び電気的相互接続の比較的単純で費用効果の高い手段を与えることなく、大きなアレイの直接的な冷却を可能にする。
【0252】
いくつかの実施形態では、DLDBが液体冷却されてもよい。
【0253】
いくつかの実施形態では、チタン及び他の同様の音響インピーダンス材料(ジルコニウムなど)と共に使用するための680kHz材料特有のトランスデューサを装備した液体冷却DLDBが提供される。トランスデューサは、50mmの直径及び二重DLDB装備積層を有することができる。
【0254】
トランスデューサは本技術の例示的な実施形態であり、例示的な目的のみを果たすことに留意されたい。本明細書に開示されているものとは別に、トランスデューサは、当業者に知られているいくつかの他の要素を含むことができる。
【0255】
いくつかの実施形態において、トランスデューサは厚さ2.4mmの第1の3極複合圧電ディスクを含み、厚さは無負荷自由共鳴状態では約0.35~0.4ラムダに対応するが、1/2ラムダモードで動作し、近位面上に正極を有し、遠位面上に負極を有する。当業者には理解されるように、圧電ディスクの厚さは、DLDBバッキングの質量負荷効果及び音響負荷を補償するために、1/2ラムダよりも薄くなるように選択される。圧電複合体はピッチ1200 umで切断された200 umの切り溝を有する分極PZT4材料をダイシングし、充填し、200 umの切り溝によって分離された1000 um×1000 umのピラーを残すことによって作製することができる。切り溝は例えば、限定するものではないが、Epotek(登録商標)301エポキシにドープされた二酸化ハフニウムのc.a.5 um粒子の03複合充填材で充填することができ、その結果、複合切り溝充填材材料の音響インピーダンスは約7~8メガレイル(MR)の範囲であり、圧電複合層全体の音響インピーダンスは約27.5 MRであるチタンに密接に整合する。圧電複合層のネガ面は例えば、タングステン粉末担持エポキシを用いて、ZA-8亜鉛アルミニウム合金の6mm厚ディスクの基端面に接合することができる。次に、ZA-8ディスクの遠位面を、酸化ハフニウムを担持したサブミクロン粒子Epotek 301エポキシを用いて、アルミナ複合ディスクの近位面に結合することができる。アルミナ複合ディスクは200 umの切り溝によって分離された750 um×750 um×1400 umの高さの柱を含むことができ、切り溝は、圧電複合ディスクを作製するために使用される同じハフニウム粒子充填エポキシで充填される。アルミナ複合体の遠位面は次に、酸化ハフニウムを負荷したサブミクロンのEpotek 301エポキシの層を用いて、厚さ3mmのチタンのディスクの近位面に結合することができる。次いで、サブミクロンのタングステン粉末を装填したエポテック301エポキシを用いて、2組の二重層脱マッチングバッキング(DLDB)を圧電ディスクの近位面に以下のように接合する。圧電複合ディスクの近位面は、トランスデューサの中心周波数である680kHzで1/4ラムダに相当する5.1 MR、905 umの音響インピーダンスを有する、厚さ1030 umのPoco DFP-1グラファイトディスクの遠位面に接合される。次に、グラファイトディスクの近位面は1530 um厚みのタングステンディスクの遠位面に接合され、音響インピーダンスは100 MRであり、タングステンディスクの厚みさは、~850kHzで1/4ラムダに対応し、また、トランスデューサの中心周波数よりもわずかに上である。次いで、タングステンディスクの近位面を、音響インピーダンスが5.1 MRで、厚さがトランスデューサの中心周波数よりわずかに上の~800kHzで1/4ラムダに相当する、厚さが905 umのPoco DFP-1グラファイトディスクの近位面に接合する。グラファイトディスクの近位面は、41.5 MRの音響インピーダンスを有する厚さ1710 umの銅ディスクの遠位面に結合され、厚さは680kHzで1/4ラムダに対応する。黒鉛ディスク及びタングステンディスクは第1の二重層デマッチングバッキング積層を構成し、黒鉛ディスク及び銅ディスクは、第2のDLDB積層を構成する。これらの2つの積層は一緒に作動して、トランスデューサの熱冷却要素から圧電複合ディスクを音響的に絶縁し、トランスデューサの音響性能を実質的に乱すことなく、熱冷却溶液を銅ディスクの近位面に直接接合することを可能にする。これらの実施形態では、1mm厚の高熱伝導性AlNディスクの遠位面が熱伝導性エポキシを用いて、銅ディスクの近位面に接合される。AlNディスクははんだ付けされたワイヤ、又は代替的に導電性エポキシボンドワイヤで銅ディスクへの電気的な接続のための空間を可能にするために、ノッチが設けられている。この実施形態におけるDLDBスタック全体は電気的にも熱的にも導電性であり、DLDBスタックを通じて直接可能な圧電複合ディスクの信号電極への電気的接続を行うことに留意されたい。さらに、この例示的な実施形態で明示的に説明されている材料を超えて、開示された技術の適用において実際に使用することができる多くの材料が存在し、そのうちのいくつかは、導電性、熱伝導性、又はその両方であるか、又は熱伝導性でも電気伝導性でもないことに留意されたい。この例示的な実施形態では、DLDB層はすべて、導電性及び熱伝導性の両方である。銅製ヒートシンクベースの近位面はヒートシンク上部を遠位縁にろう付け又は半田付けして、中空の銅製ヒートシンクアセンブリを形成し、その遠位面は、熱伝導性であるが電気的に絶縁性のエポキシで、AlNディスクの近位面に直接接合される。図示の実施形態では、中空ヒートシンク上部の近位面が同じ熱伝導性エポキシでAlNディスクの遠位面に結合される。AINディスクにはその中に2つのクリアランスホールとノッチがあり、この穴は冷却管を可能にし、ヒートシンク上部の積分のバーブ付きチューブに固定され、ノッチは銅DLDB層に取り付けられた信号ワイヤのためのクリアランスパスを可能にする。AlNディスクの近位面は、熱伝導性エポキシを用いて、銅製ヒートスプレッダの遠位面に接合することができる。銅ハウジングシェルはZA-8ディスクの周囲に圧入することができ、電気絶縁性及び熱伝導性エポキシを用いて完全な音響及び熱スタックに接着することができる。いくつかの実施形態では、すべてのボイドに熱伝導性の電気絶縁性エポキシが充填され、したがって、ヒートシンクアセンブリの中空の内部(すなわち、ヒートシンク上部及びヒートシンク下部)とは別に、アセンブリ全体が中実になる。例えば、限定的ではないが、3/8インチの内径を有することができるゴムホースは上部銅製ヒートシンクバーブ付きホースボスに取り付けられ、ホースクランプで所定の位置に固定される。トランスデューサは電気的接触を含み、この電気的接触は、銅の蓋にはんだ付けされたBNC RF電気コネクタによって具現化することができる。BNCコネクタの中心導体はさらに、信号ワイヤに半田付けされ、したがって、BNC信号導体を圧電複合ディスクの正信号電極に電気的に接続することができる。いくつかの実施態様において、銅蓋は、導電性エポキシで銅シェルの近位リップに半田付け又は接合され、BNCコネクタの接地及び圧電複合ディスクの負極から銅シェル及びZA-8ディスクを介した電気的な接続を完成させることができる。トランスデューサはまた、電気絶縁性プラスチックハウジングを含み、このハウジングは銅製の蓋及び銅製のシェルに接着され、アルミナ複合ディスクの縁部を少なくとも部分的に覆い、チタン製ディスクの表面に静止している。結果として得られるトランスデューサ(すなわち、前述した構成要素のアセンブリ)は次に、液体循環空気-液体熱交換器に接続され、適切な冷却液で満たされる。冷却液の非限定的な例は、50%プロピレングリコール/水混合物である。
【0256】
これらの実施形態はデュアルDLDB積層体を介して圧電複合ディスクの信号電極に直接冷却を与えるとともに、銅シェル及びZA-8ディスクを介して圧電複合ディスクの接地電極に間接冷却を行うために使用することができ、毎分約数リットルの冷却剤流量を有する数百ワットの除去及び熱交換器を可能にする。より具体的には、いくつかの実施形態では超音波トランスデューサがそのような間接的冷却を可能にするために、圧電材料と音響的に整合する熱伝導層を含んでもよい。加えて、本明細書に記載される設計は90%を超える一方向の高い帯域幅(例えば、例示的なトランスデューサのための6dB帯域幅)を可能にし、圧電素子を効率的な液体充填金属ヒートシンクで直接冷却しながら、無視できる残響アーチファクトを可能にする。
【0257】
いくつかの実施形態では、液体冷却トランスデューサのための圧電層及びDLDBの積層物が提供される。5つの層を重ねることができるが、それらはそれらの表面の全体又は一部のみに沿って共延在することができることは容易に理解されるのであろう。この層は、チタンに適合した1/2ラムダ圧電複合層の単一要素である。この層は、最初のDLDBスタックの低音響インピーダンス1/4ラムダグラファイト層である。この層は、第一のDLDBスタックの高音響インピーダンス1/4ラムダタングステン層である。この層は、第二のDLDB積層体の低音響インピーダンス1/4ラムダグラファイト層である。この層は、第一のDLDBスタックの高音響インピーダンス1/4ラムダ銅層である。
【0258】
いくつかの実施形態では、超音波変換器がチタン摩耗層と、酸化アルミニウム(AlN)複合電気絶縁層と、熱伝導層と、電気伝導層と、音響伝導層とを含む。層は例えば、限定的ではないが、亜鉛又は亜鉛合金で作られ、より良い熱導体でありながら、チタンに音響的に整合することができる。トランスデューサは、単一要素~1/2ラムダ圧電複合層をさらに含む。この層は、チタンに適合させることができる。トランスデューサは第1及び第2のDLDB積層を含み、各積層は、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む。より詳細には第1のDLDB積層体が低音響インピーダンス1/4ラムダグラファイト層及び高音響インピーダンス1/4ラムダタングステン層を含み、第2のDLDB積層体は低音響インピーダンス1/4ラムダグラファイト層及び高音響インピーダンス1/4ラムダ銅層を含む。本実施形態によるトランスデューサは、熱伝導性の電気絶縁層をさらに含む。この層は例えば、限定するものではないが、窒化アルミニウムで作ることができる。また、トランスデューサは、電気的及び熱的導電性収容、ならびに電気的絶縁プラスチック外部収容を含む。トランスデューサの他の構成要素は必ずしも限定されないが、ホース切り欠きを有する電気絶縁性ディスクを含み、このディスクはAlN、ウォーターブロック熱交換器ベース、ウォーターブロック熱交換器上部、ホース切り欠きを有する伝熱層から作ることができ、銅、銅ハウジング蓋、BNC RF電気コネクタ及び液体冷却ホースから作ることができる。
【0259】
いくつかの実施形態において、AlN電気絶縁層を介してDLDBの銅層と直接熱的に接触する完全に電気的に絶縁された液体冷却熱交換器を備えた2つのDLDB積層を所定の位置に備えた音響積層が提供される。
【0260】
いくつかの実施形態では、1/4ラムダ厚(70 um)の低インピーダンスグラファイト層と1/4ラムダ厚(130 um)の高インピーダンスタングステン層とを含む二重層脱整合バッキング積層の間に介在する0.12ラムダ(62.5 um)の厚さのタングステン脱マッチング層を有する10MHz圧電単一要素トレーダスタックが提供される。これは、厚さ115 umの1/3 PZT複合スタックと、厚さ62.5 umのタングステンデマッチング層と、二重層デマッチングバッキングスタックとを有する10MHzの圧電スタックを含む。この実施形態によるトランスデューサは、チタンに適合させることができる単一要素1/4ラムダ圧電複合層を含む。トランスデューサはまた、タングステンから作ることができる0.12ラムダのデマッチング層を含む。このトランスデューサは1つのDLDB積層も含み、この積層は、グラファイトで作ることができる低音響インピーダンスの1/4ラムダ層と、タングステンで作ることができる高音響インピーダンスの1/4ラムダ層とを含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、10MHzピエゾコンポジットトランスデューサ設計が提供される。音響スタックは圧電複合ディスク、タングステンデマッチング層を含むことができ、デュアルデマッチングバッキングスタックは、グラファイト層、及びタングステン層を含む。ピエゾ複合ディスクは約25 MRの音響インピーダンス、約1/4ラムダに相当する厚さ115 umを有し、近位面に正極及び電極を有し、ディスクの遠位面に負極及び電極を有する。タングステンデマッチング層は、約0.12ラムダに相当する厚さ62.5 umである。DLDBのグラファイト層は10MHzで1/4ラムダに相当する厚さ70 umであり、タングステン層は、10MHzで1/4ラムダに相当する厚さ130 umである。音響スタックは、コトロニクス(Cotronics)4461のような低粘度エポキシを用いて互いに結合される。電気的な接続は、必要に応じてサブミクロンのタングステン粉末のフラクションをエポキシに装填することによって行われる。当業者は圧電複合素子を水に整合させる目的のために、1/4波マッチング層が使用されてもよいことを理解するのであろう。この例示的な実施形態の目的のために、2つの1/4波マッチング層が使用され、第一マッチング層は~10MRの音響インピーダンスを有し、第二は、~3MRの音響インピーダンスを有する、ピエゾ複合層の遠位面に接合される。DLDBの高音響インピーダンス層の近位面に接着された銅ヒートシンクの有無によるこのスタックの模擬試験の結果を、図22a、22b、23a、及び23bに示す。
【0262】
ここで、寸法圧電アレイを含む超音波トランスデューサの異なる実施形態について説明する。
【0263】
<寸法圧電アレイを含む超音波変換器>
次に図7図12を参照すると、超音波トランスデューサアレイ200が示されている。
【0264】
超音波トランスデューサ・アレイ200は、表側裏面表面206を有する寸法圧電アレイ202を含む。寸法圧電アレイ202は、試料(図には示されていない)と音響通信するように構成される。図示されるように、アレイ202は、一次元にアレイ状に配列された複数の圧電領域203を含む。
【0265】
また、超音波トランスデューサ・アレイ200は、寸法圧電アレイ202の裏面206に配置されたバッキング構造208を含む。バッキング構造208は、寸法圧電アレイ202の前面204に向かって音響エネルギーを反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造208が音響エネルギーを同相で反射するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造208がバッキング構造208内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。バッキング構造208は、二重層デマッチングバッキング210を含む。いくつかの実施態様において、バッキング構造208は、熱導電性伝導性である。いくつかの実施形態において、バッキング構造208の頂部209は、電気絶縁材料から構成される。いくつかの実施形態において、バッキング構造208の頂部209は導電性バイア236によって横断されたAlNから作製された層を含み、各導電性バイア236は、一次元に配列された複数の圧電領域203のうちの対応する1つに整列される。いくつかの実施形態において、AlN層から作製された層は表面を有し、AlN層から作製された層は寸法に配列された複数の圧電領域203のうちの隣接するもの音響分離を強化するために、表面から部分的にダイシングされる。
【0266】
二重層脱マッチングバッキング210は、低音響インピーダンス層212及び高音響インピーダンス層214を含む。いくつかの実施形態では低インピーダンス層212及び高音響インピーダンス層214が第1の二重層脱マッチングバッキング210を形成し、超音波トランスデューサは第2の二重層脱マッチングバッキング216を含む。第2の二重層脱マッチングバッキング216は、第2の低音響インピーダンス層218と、第2の高音響インピーダンス層220とを含む。
【0267】
また、超音波トランスデューサ200は、予め組み立てられた電気回路234を含む。事前に組み立てられた電気回路234は圧電材料202と電気的連絡するように、バッキング構造208の頂部209と電気的連絡する。いくつかの実施形態では、事前に組み立てられた電気回路234がプリント回路基板、インターポーザー、集積回路及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200が前述したものと同様の放熱板を含む。ヒートシンクは、バッキング構造208と熱的に接触している。いくつかの実施形態では、ヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含む。そのようなチャネルは、その中に熱伝達流体を受け入れ、循環させるように構成される。熱伝達流体は、液体、気体、又はそれらの任意の混合物であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造208から電気的に絶縁される。
【0269】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200がバッキング構造208を介して寸法圧電アレイ202に電気的に接続された1つ以上の電極を含む。超音波トランスデューサ200は、寸法圧電アレイ202及びバッキング構造208のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットを含んでもよい。
【0270】
図示のように、各圧電領域203は、ギャップ238によって互いに分離されている。間隙238は電気的に絶縁されており、好ましくは音響的にも絶縁されている。同様に、いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層210及び高音響インピーダンス層212のうちの少なくとも1つは第1の組のギャップ242によって互いに分離された第1の複数のエレメント240にダイシングされてもよい。第1の組のギャップ242の各々は、圧電領域203を分離するギャップ238の対応する1つと位置合わせされる。第1の組の間隙242は電気的絶縁性であり、好ましくは、音響的絶縁性でもある。いくつかの実施形態では、第2の低音響インピーダンス層218及び第2の高音響インピーダンス層220のうちの少なくとも1つは第2の組のギャップ246によって互いに分離された第2の複数のエレメント244にダイシングされてもよい。第2の組のギャップ246の各々は、圧電領域203を分離するギャップ238の対応する1つと位置合わせされる。第2の組の間隙246は電気的絶縁性であり、好ましくは、音響的絶縁性でもある。いくつかの実施形態において、間隙238、第1の組の間隙242及び第2の組の間隙246は熱伝導性である。
【0271】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200が動作周波数で動作可能である。この動作周波数は、動作波長λoに関連している。低音響インピーダンス層212、高音響インピーダンス層214、第2の低音響インピーダンス層218、及び第2の高音響インピーダンス層220はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0272】
一実施形態では、寸法圧電アレイ202が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0273】
別の実施形態では、超音波トランスデューサ202が寸法圧電アレイ202とバッキング構造208との間に配置された単一の脱マッチング層228を含む。単一の脱マッチング層228は、寸法圧電アレイ及び整合バッキング構造208と音響通信している。単一の脱マッチング層228は、1寸法圧電アレイ202の音響インピーダンスよりも比較的高い対応する音響インピーダンスを有する。1寸法圧電アレイ202は、動作周波数において1/4波共振するように構成される。いくつかの実施形態では寸法圧電アレイ202が共振波長λrに関連する共振周波数を有し、単一のデマッチング層228は寸法圧電アレイ202の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層228が約πr/10から約πr/20の間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層228がタングステンから作製される。
【0274】
いくつかの実施形態において、寸法圧電アレイ202は、カーフによって分離されたピラーを含む。いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填される。複合充填剤は、エポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含むことができる。いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成であってもよい。いくつかの実施形態では、エポキシがEpo-Tek(登録商標)301であってもよい。
【0275】
いくつかの実施形態において、圧電領域203は圧電層からなる。
【0276】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200がバッキング構造208と接触する熱伝導構造230を含む。いくつかの実施形態では、熱伝導構造230がバッキング構造208から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、熱伝導性構造230がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。いくつかの実施形態では、熱伝導構造230がバッキング構造208の横方向部分上に延在する。
【0277】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200が耐摩耗性を有する摩耗層232を含む。いくつかの実施形態では、摩耗層232がチタンから作製される。
【0278】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200が約50mmの直径を有する。
【0279】
<実施例>
【0280】
ここで、寸法圧電アレイを含む超音波トランスデューサの他の実施形態を提示する。
【0281】
いくつかの実施形態では、完全にダイシングされ、PCBに直接電気的に取り付けられた単一のDLDB裏打ち層を有する1-Dリニアアレイが提供され、これにより、アレイの比較的容易な電気的相互接続、さらにはスタックへのASIC又は高密度コネクタの直接的な比較的直接的適用さえ可能になる。
【0282】
いくつかの実施形態では、完全にダイシングされ、PCBに直接電気的に取り付けられた単一のDLDB裏打ち層を有する16素子1-Dリニアアレイが提供される。先に述べたように、このように構成されたことにより、アレイの比較的容易な電気的相互接続、さらにはスタックに直接的にASIC又は高密度コネクタを比較的直接適用することさえ可能になる。アレイは、保護摩耗層を含むことができる。この層は代わりに、用途に応じて、レンズ又はマッチング層であってもよい。それぞれがギャップ(又はカーフ)によって互いに分離されている圧電素子は、1-Dリニアアレイを形成する。アレイはまた、アレイ化された圧電素子と並んで、それらの間にギャップを有する素子に分離された、低音響インピーダンス1/4ラムダ層を含む。低音響インピーダンス層の上には、タングステンで作ることができる高音響インピーダンス1/4ラムダ層が設けられている。高音響インピーダンス層は、アレイ化された圧電素子と並んで、それらの間にギャップを有する素子に分離される。また、アレーは、PCB表面上に電極、PCB及びプリント回路基板内のビアを備え、電極を一方の面から反対の面に接続する。
【0283】
いくつかの実施形態では、1次元アレイ又は2次元マトリックスを形成する元素及び層が当業者によって理解されるように、音響特性を最適化するためにサブ元素にさらに分離されてもよい。いくつかの実施形態において、圧電層は、副ダイシングされてもよい。さらに他の実施形態ではDLDBバッキング構造がサブダイシングされてもよく、さらに他の実施形態ではいくつかのDLDBのいくつかの層がサブダイシングされてもよい。配列されたトランスデューサのこれらの例は例示的な目的のみを果たし、したがって、限定的であると考えられるべきではないことに留意されたい。より具体的には、本開示の超音波トランスデューサ(又はその成分)に対して、サブダイシング及びアスペクト比の操作(例えば、追加のギャップを形成することによる)を介して音響特性を向上させる任意の方法を実行することができる。さらに、DLBDバッキング構成は、これらの方法及び技法に適用することができる。
【0284】
いくつかの実施形態では、第2(最上部の)DLDBスタックの横方向に熱的に連続した層を有する二重DLDB 16元素リニアアレイが提供される。熱伝導層は、AlNであるか、又は酸化ベリリウム、又は別の適切な熱伝導性電気絶縁材料であってもよく、トランスデューサの元素に接続するために導電性バイアを含む。これにより、アレイをエッジから冷却し、例えばPCBで直接電気的に接続することができる。当業者には理解されるように、冷却領域とPCBのカバレージとの間のこのトレードオフ関係は、スペース及び設計の必要性に応じてトレードオフ関係することができる。
【0285】
いくつかの実施形態では、第2(最上部の)DLDBスタックの横方向に熱的に連続した層を有する二重DLDB 16元素リニアアレイが提供される。このアレイは、保護摩耗層を含む。あるいは層は用途に応じて、レンズ、又はマッチング層(単数又は複数)であってもよい。また、アレイは、各々がギャップ(又はカーフ)によって互いに分離されて1-Dリニアアレイを形成する圧電素子を含む。アレイは、アレイ化された圧電素子と並んで、それらの間にギャップを有する素子に分離された、低音響インピーダンス1/4ラムダ層を含む。タングステンで作ることができる高音響インピーダンスの1/4ラムダ層。層は、配列された圧電素子に沿って、それらの間にギャップを有する素子に分離される。アレイは、アレイ化された圧電素子に沿って、それらの間にギャップを有する素子に分離された別の低音響インピーダンス1/4ラムダ層、及び別の高音響インピーダンス1/4ラムダ層を含む。層はAlNから作ることができ、ギャップを有さず、これは、層が連続的であることを意味する。この層は、アレイに沿って横方向の熱伝導率を提供する。垂直方向の電気伝導率は、AlN層内のビアによって提供される。AlN層内のビアは、垂直に隣接する層間の電気通信を提供する。アレイはまた、PCB表面上の電極、プリント回路基板、及び、一方の面から反対側の面へ電極を接続する回路基板内のビアを含む。
【0286】
ここで、寸法圧電行列を含む超音波トランスデューサの実施形態を提示する
【0287】
<寸法圧電行列を含む超音波変換器>
次に図14図16を参照すると、超音波トランスデューサ300が示されている。
【0288】
超音波トランスデューサ300は、表側裏面表面306を有する寸法圧電行列302を含む。2寸法圧電行列302は、試料(図には示されていない)と音響通信するように構成される。当業者であれば、以下の段落では2D行列を明示的に参照するが、このような2D構造は超音波トランスデューサの中心に対して対称的に配置された円形ギャップを有する環状アレイによって実施することができることを容易に理解するのであろう。実際、2D行列は、任意のアレイ形状によって具現化することができる。
【0289】
また、超音波トランスデューサ300は、2寸法圧電行列302の裏面306に配置されたバッキング構造308を含む。バッキング構造308は、音響エネルギーを寸法圧電行列302の前面304に向けて反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造308が音響エネルギーを同相で反射するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造308がバッキング構造308内の望ましくない音響残響を空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。バッキング構造308は、二重層デマッチングバッキング310を含む。いくつかの実施態様において、バッキング構造308は、熱導電性伝導性である。いくつかの実施形態では、バッキング構造308の上部309が電気絶縁材料から作製される。いくつかの実施形態において、バッキング構造308の頂部309は導電性バイア336によって横断されたAlNから作られた層を含み、各導電性バイア336は、複数の圧電領域303のうちの対応するものに整列される。いくつかの実施形態において、AlN層から作製された層は表面を有し、AlN層から作製された層は複数の圧電領域303の隣接するもの音響分離を強化するために、表面から部分的にダイシングされる。
【0290】
二重層脱マッチングバッキング310は、低音響インピーダンス層312及び高音響インピーダンス層314を含む。いくつかの実施形態では低インピーダンス層312及び高音響インピーダンス層314が第1の二重層脱マッチングバッキング310を形成し、超音波トランスデューサは第2の二重層脱マッチングバッキング316を含む。第2の二重層脱マッチングバッキング316は、第2の低音響インピーダンス層318と、第2の高音響インピーダンス層320とを含む。
【0291】
超音波トランスデューサ300は、予め組み立てられた電気回路334も含む。事前に組み立てられた電気回路334は圧電材料302と電気的連絡するように、バッキング構造308の頂部309と電気的連絡する。いくつかの実施形態では、事前に組み立てられた電気回路334がプリント回路基板、インターポーザー、集積回路及び特定用途向け集積回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300が前述したものと同様の放熱板を含む。ヒートシンクは、バッキング構造308と熱接触しているべきである。いくつかの実施形態では、ヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含む。そのようなチャネルは、その中に熱伝達流体を受け入れ、循環させるように構成される。熱伝達流体は、液体、気体、又はそれらの任意の混合物であってもよい。いくつかの実施態様において、ヒートシンクは、裏当て構造308から電気的に絶縁される。
【0293】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300がバッキング構造308を介して2寸法圧電行列302に電気的に接続された1つ以上の電極を含む。超音波トランスデューサ300は、2寸法圧電行列302及びバッキング構造308のうちの少なくとも1つに電気的に接続された制御ユニットを含んでもよい。
【0294】
図示のように、各圧電領域303は、ギャップ338によって互いに分離されている。間隙338は、電気的に絶縁され、音響的に絶縁されている。同様に、いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層310及び高音響インピーダンス層312のうちの少なくとも1つは第1の組のギャップ342によって互いに分離された第1の複数のエレメント340にダイシングされてもよい。第1の組のギャップ342の各々は、圧電領域303を分離するギャップ338の対応する1つと位置合わせされる。第1の組の間隙342は電気的に絶縁性であり、音響的に絶縁性である。いくつかの実施態様において、第2の低音響インピーダンス層318及び第2の高音響インピーダンス層320のうちの少なくとも1つは、第2のギャップセット346によって互いに分離された第2の複数のエレメント344にダイシングされてもよい。第2の組のギャップ346の各々は、圧電領域303を分離するギャップ338の対応する1つと位置合わせされる。第2のギャップセット346は電気的に絶縁性であり、音響的に絶縁性である。いくつかの実施形態において、間隙338、第1の組の間隙342及び第2の組の間隙346は熱伝導性である。
【0295】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300が動作周波数で動作可能である。この動作周波数は、動作波長λoに関連している。低音響インピーダンス層312、高音響インピーダンス層314、第2の低音響インピーダンス層318、及び第2の高音響インピーダンス層320はそれぞれ、約λo/4の厚さ又はλo/4の奇数倍の対応する厚さを有する。
【0296】
一実施形態では、寸法圧電行列302が動作周波数で半波共振するように構成される。
【0297】
別の実施形態では、超音波トランスデューサ300が寸法圧電行列302とバッキング構造308との間に配置された単一の脱マッチング層328を含む。単一脱マッチング層328は、2寸法圧電行列及び整合バッキング構造308と音響通信している。単一の脱マッチング層328は、圧電行列302内に形成された間隙と整列した間隙を有する可能性がある。単一の脱マッチング層328は、導電性であってもよい。単一の脱マッチング層328は、2寸法圧電行列302の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有する。2寸法圧電行列302は、動作周波数において1/4波共振するように構成される。いくつかの実施形態では2寸法圧電行列302が共振波長λrに関連する共振周波数を有し、単一のデマッチング層328は2寸法圧電行列302の共振周波数に対して2λr/5厚未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一の不マッチング層328が約πr/10から約πr/20の間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一のデマッチング層328がタングステンから作製される。
【0298】
いくつかの実施形態において、寸法圧電行列302は、カーフによって分離されたピラーを含む。いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填される。複合充填剤は、エポキシにドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含むことができる。いくつかの実施形態では、複合充填剤が0.3構成であってもよい。いくつかの実施形態では、エポキシがEpo-Tek(登録商標)301であってもよい。
【0299】
いくつかの実施形態において、圧電領域303は圧電層からなる。
【0300】
いくつかの実施形態では、超音波変換器300がバッキング構造308と接触する熱伝導構造330を含む。いくつかの実施形態において、熱伝導構造330は、裏当て構造308から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、熱伝導性構造330がAlNからなる層、又は酸化ベリリウムからなる層である。いくつかの実施形態において、熱伝導構造330は、バッキング構造308の横方向部分上に延在する。
【0301】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300が耐摩耗性を有する摩耗層332を含む。いくつかの実施形態では、摩耗層332がチタンから作製される。
【0302】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300が約50mmの直径を有する。
【0303】
<実施例>
ここで、寸法圧電行列を含む超音波トランスデューサの他の実施形態を提示する。
【0304】
いくつかの実施形態では2つのDLDB積層体を有する2-D行列クストランスデューサが提供され、第2積層体の最上層は前述の1Dトランスデューサの2Dバージョンに対応する、導電性バイアを有するAlNの連続的な熱伝導層を含む。
【0305】
いくつかの実施形態では、第2(最上部の)DLDBスタックの横方向に熱的に連続した層を有する二重DLDB 16×16元素マトリックスアレイが提供される。マトリックストランスデューサは保護摩耗層を含み、保護摩耗層は代替的に、2Dトランスデューサアレイの全領域に及ぶ用途に応じて、レンズ、マッチング層、又は他の音響構造によって置き換えることができる。マトリックストランスデューサは2Dリニアアレイ又はマトリックスアレイを形成するために、2つの軸においてギャップ(又は切り溝)によって互いに分離された圧電素子を含む。マトリックストランスデューサは、アレイ化された圧電素子に沿って、2つの軸の間にギャップを有する要素に分離された、低音響インピーダンス1/4ラムダ層と、タングステンから作ることができる高音響インピーダンス1/4ラムダ層とを含む。層は、アレイ化された圧電素子に沿って、2つの軸においてそれらの間にギャップを有する素子に分離することができる。層と最初のDLDBスタックを定義する。マトリックストランスデューサはまた、第2のDLDB積層を含む。第2のDLDB積層は、アレイ化された圧電素子に沿って、2つの軸の間にギャップを有する素子に分離された、低音響インピーダンス1/4ラムダ層と、高音響インピーダンス1/4ラムダ層とを含む。この層は一般に連続的であり、AlNから作られる。この文脈において、「連続的」という表現は、スタックがギャップを有さず、アレイの両方の軸に沿って横方向の熱伝導性を提供するという事実を指す。垂直方向の電気伝導率は、AlN層内の導電性ビアによって提供される。この層は、エッジ要素に対して2Dアレイの内部で等しい温度を維持するのに特に有用である。
【0306】
<超音波トランスデューサ用の低及び高音波インピーダンス層>
次に、図17を参照すると、超音波トランスデューサ400が示されている。超音波トランスデューサ400は、前面404及び裏面406を有する圧電材料402を含む。圧電材料402は、試料(図17には図示されていない)と音響通信するように構成される。超音波トランスデューサは、圧電材料402の裏面406に配置され、圧電材料402の前面404に向かって音響エネルギーを反射するように構成されたバッキング構造408を含む。バッキング構造408は、第1の二重層デマッチングバッキング410及び第2の二重層デマッチングバッキング416を含む。
【0307】
第一の二重層脱マッチングバッキング410は、第一の低音響インピーダンス層412と、第一の高音響インピーダンス層414とを含む。第2の二重層デマッチングバッキング416は、第1の二重層デマッチングバッキング410に接続される。第2の二重層脱マッチングバッキング416は、第2の低音響インピーダンス層418と、第2の高音響インピーダンス層420とを含む。
【0308】
超音波トランスデューサ400は、超音波トランスデューサ100、超音波トランスデューサ200、及び超音波トランスデューサ300に関して説明したオプション機能のうちの1つ又は複数を含むことができることに留意されたい。
【0309】
ここで図18を参照すると、試料接触部分504及び背面部分506を有する超音波トランスデューサ500が示されている。後部506は、試料接触部504に対向している。超音波トランスデューサ500は、試料(図18には図示されていない)と音響通信するように構成された圧電材料502を含む。超音波変換器500は、圧電材料502と音響通信するバッキング構造508を含む。バッキング構造508は音響エネルギーを試料接触部分504に向かって反射し、超音波トランスデューサ500の背面部分506から離れるように構成される。バッキング構造508は、低音響インピーダンス層512及び高音響インピーダンス層514を含む。いくつかの実施形態では低音響インピーダンス層512及び高音響インピーダンス層514が第1の二重層脱マッチングバッキング510を形成し、超音波トランスデューサは第2の二重層脱マッチングバッキング516を含む。第2の二重層脱マッチングバッキング516は、第2の低音響インピーダンス層518と、第2の高音響インピーダンス層520とを含む。
【0310】
いくつかの実施形態において、圧電材料502は、ギャップによって互いに分離された複数の圧電領域にダイシングされる。ギャップが電気的絶縁及び音響的絶縁である。低音響インピーダンス層510及び高音響インピーダンス層512のうちの少なくとも1つは、第1の複数のエレメントにダイシングされ得、第1の組の間隙によって互いに分離される。第1の組のギャップの各々は、圧電領域を分離するギャップの対応する1つと位置合わせされてもよい。第1組の間隙は電気的に絶縁性であり、音響的に絶縁性である。同様に、第2の低音響インピーダンス層518及び第2の高音響インピーダンス層520のうちの少なくとも1つは、第2のギャップセットによって互いに分離された第2の複数のエレメントにダイシングされる。ギャップの第2の組の各1つは、圧電領域を分離するギャップの対応する1つと位置合わせされる。第2のギャップセットは、電気的絶縁及び音響的絶縁である。
【0311】
超音波トランスデューサ500は、超音波トランスデューサ100、超音波トランスデューサ200、超音波トランスデューサ300、及び超音波トランスデューサ400に関して説明したオプション機能のうちの1つ又は複数を含むことができることに留意されたい。
【0312】
ここで、超音波トランスデューサの異なる実施形態について説明したが、これらの実施形態のいくつかの性能について、より具体的には本明細書で説明した超音波トランスデューサを使用して得ることができる結果に関して説明する。
【0313】
<結果の例>
図19Aは、放熱板を用いずに680kHzでチタン中に伝達する既存の空気裏打ち材料固有トランスデューサ(上記)と、同じ条件で動作する、本明細書に開示される二重DLDB材料固有トランスデューサとの比較である(PCT/CA2019/051046参照、その含有量は参照により本明細書に組み込まれる)。DLDBによって生成された追加の同相反射による帯域幅の典型的なわずかな減少が見られ、空気裏打ち変換器に対する105% -6dB帯域幅からDLDBバージョンに対する91%への減少、及び最先端の空気裏打ち設計と比較して~1dBの僅かな効率の低下が見られる。
【0314】
図19bは、チタン(上部)に伝達する既存の空気で裏打ちされた材料固有のトランスデューサの包絡線の常用対数と、チタンに伝達する、説明したデュアルDLDBに例示されている現在の技術(下部)との比較である。当業者であれば、DLDBにおける時間の経過と共に広がる裏当てからの反射エネルギーの指数関数的減衰に注目するのであろう。送信波の尾部のエネルギーは、エアバックの場合より約40dB高い。これはそれ自体は望ましくないが、前述したように、放熱板をスタックの背面に取り付ける場合を考慮すると望ましい。
【0315】
図20は、圧電積層の裏面に取り付けられた銅ヒートシンクを有する3つの680kHz材料固有トランスデューサの比較:トランスデューサの圧電素子の裏面に直接接合されたヒートシンクを有する空気背面材料固有トランスデューサ(上);トランスデューサの圧電素子にヒートシンクをアルミナ充填シリコーン発泡体等の音響的損失熱伝導材料で接合する既存の方法(中);DLDB積層の上層に直接接合されたデュアルDLDB積層及びヒートシンクを有する材料固有トランスデューサ(下)。図から分かるように、デュアルDLDBを装備した設計は放熱板がスタックに印加されたときに、従来技術のトランスデューサの典型的な状態で見られる内部反射に悩まされることはない。加えて、最初の2つのグラフのヒートシンクに失われた音響エネルギーにより、上部トランスデューサ出力は4dB減少し、中間設計は~3dB減少したが、デュアルDLDB装備トランスデューサは感度や帯域幅の損失を全く受けなかった。放熱板を圧電スタックに結合又は結合するために熱伝導性であるが音響損失性の層を使用する既存のアプローチでは有用なデバイスを得るために、一般に、音響性能及び熱伝導性の両方に関する比較的重大な妥協が必要とされ、一方、DLDB装備設計の熱伝導率は中間のトランスデューサ設計の熱伝導率よりも1桁以上高いが、反響アーチファクトも示さないことに留意されたい。
【0316】
図21図20に示す波形の包絡線のログ・スケールの説明図であり、放熱板がスタックの背面に印加された場合、DLDB搭載トランスデューサ(底部)内の望ましくない残響の大幅な低減があることに留意されたい。また、DLDB搭載積層(ボトム)のSNRはまだ35dBを超えているが、既存の積層(トップとミドル)のSNRは3dB未満であり、本質的には使用できないことに注意する。
【0317】
図22aは、10MHzの単一要素トランスデューサと、1/4ラムダ共振圧電素子を有するパルスエコー(方法)パルスレスポンスと、DMLの背面に単一のDLDBバッキングを添加効果の約1/10thラムダ厚のタングステンデマッチングレイヤバッキング(DML)比較との比較である。トランスデューサの性能にはほとんど変化がないことに留意されたい。より詳細には、挿入損失は0.5dB未満だけ異なり、帯域幅は同様である。
【0318】
図22(b)は、図22(a)に示す10MHzの単一要素トランスデューサの波形の包絡線比較の常用対数である。注意すべきことであるが、DLDBが裏当てからの反射エネルギーを低いレベルで再配分し、時間の経過と共に広がる効果である。この効果は、パルスエコー(方法)信号で見るとフラットである。DLDB積層(ボトム)に対するSNRは既存のDML積層(トップ)に対する70dB以上に比べて約47dBに制限されているが、医用画像アプリケーションに対しては少なくとも60dBのSNRがしばしば要求されており、画像処理はこれは要求の厳しい医用画像アプリケーションでさえも許容可能であり得る。治療的医療用途、ならびにNDT及び他の産業上の利用のために、DLDB装備積層は一般に、許容可能である。リンギングテールの長さは、DLDB装備積層によって改善されることに留意されたい。
【0319】
図23aは、図22aからの10MHzの音響積層の背面に直接3mm厚の銅製ヒートシンクを追加した場合の効果の比較である。3mmの銅製ヒートシンクに直接接合されたDMLバッキングが画像又は検査用途(上部)において望ましくないアーチファクトをもたらす複数の内部反射を発達させ、DLDB搭載積層はヒートシンクが音響積層の表面(下部)に直接接合された場合に、測定可能な変化を生じない。
【0320】
図23bは、図23aに示す10MHzトランスデューサのパルスエコー波形のログエンベロープの比較である。注意すべきことであるが、DMLを装備した既存のトランスデューサ(頂部)の背面に銅ヒートシンクを付加することにより、ほとんどの用途に対して本質的に使用不可能となり、SNRは3dB未満である。一方、本技術を装備したトランスデューサは銅ヒートシンク又はPCBのような類似装置がDLDB積層の近位層に直接接合される場合、50dBを超えるSNRを示す。
【0321】
図24は、空気バッキングを有するものと比較した、デュアルDLDBバッキングを有するチタンに伝送するように整合されたPZT複合圧電素子を有する、材料特有の5MHz 1Dアレイ素子550 umから5mmまでのパルスエコー応答の比較である。DLDB搭載積層で見られるわずかなパルス長の増加とは別に、空気背面トランスデューサ(上部)とDLDB搭載トランスデューサ(下部)の間には最小限の差が見られる。
【0322】
図25は、図24に記載されたトランスデューサ素子のパルスエコー応答と、音響積層の背面に直接接合された6mmの銅製ヒートシンクの追加との比較である。ヒートシンクが空気背面トランスデューサ(上部)の背面に接着されたときに見られる顕著な内部残響アーチファクトに留意されたい。一方、DLDB装備の音響スタックは、ヒートシンク(下部)の追加の影響を受けない。より詳細には、底部の図が説明した寸法圧電アレイに対応する。注意すべきことであるが、ワイヤをハンダ付けし、PCB又はセラミックの間隙をDLDB元素の背面に結合又はハンダ付けすることはトランスデューサ元素の音響性能の品質を劣化させず、比較的単純化されたアレイ・トランスデューサ設計への道を開く結果となる。
【0323】
<追加の理論的考察>
ここで、技術及び性能の異なる実施形態を説明したが、ここで、さらなる理論的詳細を提示する。前述のように、バッキング構造は1つ又は複数の二重層デマッチングバッキング(DLDB)スタックを含むことができ、各DLDBは例えば、直接音響通信であってもよく、限定はされないが、2つの層を含む。いくつかの実施態様では層は接着剤で一緒に結合することができる。DLDB積層体の各層は、約1/10thラムダ~1/2ラムダの厚さ、及びいくつかの実施形態では約1/4ラムダの厚さの両方とすることができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが2つのDLDB積層、すなわち、黒鉛ディスク、タングステンディスク、黒鉛ディスク、及び銅ディスクを含む4つの層を含む。これらの4つの層は圧電複合ディスクから基端方向に放出された音響エネルギーのかなりの部分又はほぼ全てを反射し、その結果、圧電複合ディスクから放出された音響エネルギーのほぼ全てがチタンディスクの遠位面から伝達されるように連動して作用する2一対の二重層脱マッチングバッキング(DLDB)を規定する。これらの実施形態では、チタンディスクが外側摩耗層として作用し、トランスデューサが伝達する意図されたチタン負荷への超音波結合の主点として作用する。しかし、DLDB積層を装備したトランスデューサは、レンズ、マッチング層、遅延線などの、当技術分野で知られているか又はまだ知られていない任意の数の出力構成で機能することもできることに留意されたい。異なる音響インピーダンスを有する材料の界面で発生する音圧反射は、以下の式で与えられる反射係数に従って計算される
【0324】
【数1】
【0325】
一方の材料から他方の材料への伝達圧力は以下に従い、伝達係数Tから計算される:
【0326】
【数2】
【0327】
ここで、Z1は、弾性波が進行している媒体の音響インピーダンスは、Z2は、弾性波が進行している媒体の音響インピーダンスである。これらの方程式に基づいて、当業者は弾性波が低インピーダンスから高音響インピーダンスに進行している場合には反射係数の署名が正であり、弾性波が高音響インピーダンス媒体から低音響インピーダンス媒体に進行している場合には負であることを理解するのであろう。透過係数は常に正である。DLDB内の層の配置は、DLDBの第1の層内のチタン摩耗層の遠位面に向かって、位相において、ほとんどすべての音響エネルギーの反射を効果的に保証する。さらに、DLDBの交互の、音響的に極めて不整合な1/4波層の存在は非常に長い時間フレームにわたって、非常に低い振幅でその層に入る音響エネルギーを各層が共振し、再分配する結果となる。その結果、不要なバッキング反射を低振幅で時間の経過とともに拡散させることになる。圧電素子とDLDBの第1の低音響インピーダンス層との間、又はDMLの背面とDLDBの第1の低音響インピーダンス層との間に生じる初期反射は、トランスデューサの全体効率に重大な影響を及ぼす。1/2波共振トランスデューサの場合、圧電素子とDLDBの第1の低音響インピーダンス層との間の音響インピーダンス不整合を最大にするために一般的に注意が払われる。この効果は1/4ラムダトランスデューサ設計を装備したDMLを使用する場合にはそれほど厳しくないが、それでもDLDBの全体的な性能に影響を及ぼす。
【0328】
黒鉛又は銀メッキ中空ガラス球、又は低密度導電性エポキシのような材料、又は例えば黒鉛とエポキシの複合体、又はDLDBの第1の層としてマグネシウム及びエポキシのような低音響インピーダンス金属の複合体を使用することにより、圧電素子とDLDBの第1の層との間の高い初期反射係数を維持しつつ、DLDB積層体全体にわたって熱伝導率及び電気伝導率の両方を維持することができる。上述の例示的な材料を使用して、1.5~6MRの範囲の音響インピーダンスが必要に応じて変化する程度の電気伝導度及び熱伝導度と共に、容易に得られる。しかしながら、DLDBの層が電気的又は熱的に導電性材料から作られることは、必ずしも必要ではなく、また、本明細書の範囲を限定するものとして解釈されるべきでもない。1つ又は複数のDLDBスタックの層のいくつか又はすべてが、熱絶縁材料又は電気絶縁材料から作製されることが望ましい場合、用途があり得る。非導電性DLDBスタックの一例は、約1/4波長厚のアルミナ層に結合された約1/4波長厚のレキソライト(架橋ポリスチレン)層である。さらに、DLDB積層体の層は、導電性バイアを有するAlNなどのハイブリッド材料から作製することができる。DLDBの後続の第2層は、それ自体と低音響インピーダンス層との間の音響インピーダンス不整合を最大化するように選択されるべきである。タングステン金属、モリブデン金属、炭化タングステン、及び他の高い音響インピーダンス材料のような材料は、高い音響インピーダンス、良好な熱伝導率、及び良好な電気伝導性の良好な組み合わせを提供する。特定の用途に合わせることができ、依然として本技術の範囲内に入る多くの他の材料が存在することに留意されたい。
【0329】
DLDBスタックの効果は、以下の簡略化された推論によって説明することができる。第一段階は、トランスデューサの中心周波数における無限に狭い帯域幅における機能を考慮することである。第2のステップは、各層が中心周波数において正確に1/4ラムダであると考えることである。当業者は、これが実際のデバイスの場合ではなく、デバイスの有効帯域幅を拡張するために最適化された各DLDBの各層が比較的広帯域であることを容易に理解するのであろう。しかしながら、DLDBスタックの全体的な機能を明確にするために、狭帯域の場合は、中心周波数の波長の1/4であるように全てのDLDB層を扱うように考慮され、詳細に説明される。1/2ラムダ共振圧電設計の場合、圧電複合層に隣接して、又は1/4ラムダ共振圧電設計の場合、整合解除層に隣接して、非常に対照的な音響インピーダンスの1/4波層を積み重ねる効果は各境界での高い(例えば、好ましくは80%を超える)反射係数のために、互いに高度に音響的に分離された一連の強い共振層を生成することである。バッキングの効果の説明は一例として、より容易に影響され、図13を参照すると、本明細書に開示されている音響スタックの実施形態を使用すると、圧電層から第1のグラファイト層へ進む音波はまず、180度の位相変化(負の反射係数)を受け、69%の反射が圧電層へ戻り、残りの31%の音波はグラファイト層へと伝達されることが分かる。グラファイト層に入ると、音波はグラファイト層内で残響し、その結果、層を横切るすべてのトリップの位相が同じになり、その層は1/4波共振する。波はタングステン層への境界で90%の反射を受け、圧電層への境界で69%の反射を受ける。グラファイト層内の反響弾性波はグラファイト層の近位壁からの奇数回の反射、最初の反射、3rd反射、5th 反射などの後にのみ、圧電層内に反射されて戻るときに同相であることを当業者は理解するのであろう。また、グラファイト層内の弾性波は、グラファイト層の近位壁からの偶数回の反射、第2、4th、6th、反射などの後に位相がずれていることにも留意されたい。グラファイト層から隣接するタングステン層に伝達される音圧波はグラファイト層の遠位壁からの偶数回の反射の後に同相であり、0th、第2、4th、・・・・反射がタングステン層内に進み、タングステン層内で構成的な干渉を経験するが、第1、3、5rd、・・・・反射はタングステン層内で破壊的な干渉を経験することにも留意されたい。各DLDBの併用効果の一次近似は、各残響が振幅において指数関数的に減衰する時間にわたって各音響パルスのエネルギーを広げることである。その結果、図19a及び19bに明確に示されるように、トランスデューサのインパルス応答に加えられる非常に低いレベルの指数関数的に減衰する音響「テール」が生じる。超音波トランスデューサのインパルス応答に減衰リングを加えることは一般に望ましくないが、DLDBはこの負の効果を2つの方法で補償する。第一に、リングダウンは非常に低いレベルであり、通常、一方向のアプリケーションでは-35dBであり、双方向の場合は-50dBである。第二に、DLDB装備トランスデューサのインパルス応答は一般に、放熱板及びトランスデューサスタックへの電気的な接続のような望ましい装置の追加によって影響を受けない。トランスデューサのインパルス応答は直接結合されたヒートシンク又はPCB、あるいは圧電材料の近位面の一部、又はトランスデューサの整合解除層の近位面と実質的に音響通信する同様の構造を備えており、DLDBの第1の層の効率的な同相反射率のために、約-20dBと-30dBとの間でDLDB積層をそれらの間に介在させることによって、典型的に改善されることが、当業者によって注目され得る。同様に、DLDB積層体の背面に伝わるエネルギーは共振層を介して伝送され、また、時間の経過とともに広がり、振幅が減少するので、DLDB一対の近位面に到達する波の振幅は、非常に小さく、時間の経過とともに広がる。したがって、ヒートシンク、PCB、及び/又は同様のものは、スタックの音響性能にほとんど又は全く影響を及ぼさずに、最終DLDBスタックの近位面に接着又は他の方法で隣接して接触することができる。図13が広帯域の場合を提示するように適合されていれば、位相のずれた反射が他の周波数で起こるので、超音波トランスデューサの前面に向かう同相反射が観察され得る。注目すべきは、位相外れ反射がランダムに、しばしば破壊的に、互いに干渉することである。したがって、位相外れ反射は、設計された動作周波数で発生する同相反射よりも意義が低いであろう。
【0330】
DLDB層内の時間における音響エネルギーの広がりの効果は図19b及び21に示される680kHz液体冷却トランスデューサの包絡線のログを観察するときに、明瞭に見ることができる。
【0331】
比較的小さな空間におけるこの非常に効果的な絶縁の効果は、ヒートシンク、PCB、はんだ付けされたワイヤ、ASICS及び他の望ましい構造の、トランスデューサの音響スタックへの直接接続を可能にすることである。当業者であれば、例えば、PCBをアレイの音響スタックに直接ハンダ付けすることによって電気的に接続することができるという利益を理解するのであろう。例えば、PCBは、PCBに予めハンダ付けされた大陸棚の高密度電気コネクタを介して電気的相互接続を行うイメージングアレイである。さらに、当業者は、例えば異方性導電テープを使用することによって音響性能を損なうことなく、ASICを1又は2Dアレイに直接適用することができる相対的な容易さを理解するのであろう。
【0332】
本明細書で説明された技術の実施形態は、ここで提示されるいくつかの利点に関連付けられる。一般に、既存の低音響インピーダンス吸収バッキング又は単純なDML層の代わりにDLDBを使用する動機は、最小限のスペース(及び/又は限られた空間)で、電気構成要素、ヒートシンク、又は他の望ましい構造を音響スタックに直接接続することを可能にすることである。さらに、DLDBはDLDBによって必要とされる小さな空間のために、例えば、限定されるものではないが、カテーテルベースのトランスデューサのような、より空間的に限定された用途において、トランスデューサのアセンブリを可能にすることができる。
【0333】
DLDB一対がグラファイト及びタングステンを含む実施形態では、音響エネルギーの97%まではタングステン層の背壁に到達する前に、トランスデューサの前方から逆位相で反射され得る。トランスデューサが第2の一対のDLDB層を含む場合、それは、第2のタングステン層の背面に到達する音圧を70dB以上低減することができ、PCB又はヒートシンクによってその表面で発生する任意の反射又は残響がDLDB積層を通って戻るにつれてさらに低減される。第2のDLDBが電気的又は熱物性のために銅又は窒化アルミニウムなどのより低い音響インピーダンスの第2の層を利用する場合であっても、実用的な結果は良好であり、場合によっては、音響スタックからの電気的相互接続及び/又はヒートシンクのほぼ完全な音響分離である。
【0334】
DLDBの高及び低音響インピーダンス層は固体材料から作製することができ、又はダイシング後にスパッタリングされ、エポキシで充填され、約2.5 MRから約4 MRの間の音響インピーダンスを有する高電気及び熱伝導層を形成する、又は例えばエポキシに混合され、限定的ではない銀メッキされたマイクロバルーンなどの電気黒鉛音響複合材料から作製することができることに留意されたい。
【0335】
バッキングの電気的特性は、導電性バッキングがPCB、ASIC、又はんだ付けされた、又は配線された接合部の直接取り付けを可能にし、今や装置の音響性能に有害な影響を及ぼすという点で有用であり得る。
【0336】
DLDBに使用される熱伝導性裏当て材が、PMN-PT及び関連材料のような先進的リラクサ材料の開発に伴って臨界的に増加している圧電素子の高効率ヒートシンクを可能にするという点で、バッキングの熱物性も有用であり得る。
【0337】
理論的な観点から、一般に、DLDBバッキングが機能する周波数範囲に制限はないことに留意されたい。実用的な観点からは、少なくとも10kHz、又は状況によっては100kHzから、おそらくは十分なプロセス制御で50MHz又は100MHzまで使用することができる。
【0338】
いくつかの代替的な実施形態及び例が、本明細書に記載され、例示されている。上述の実施形態は、単に例示的なものであることが意図されている。当業者は、個々の実施形態の特徴、ならびに構成要素の可能な組み合わせ及び変形を理解するのであろう。当業者は、実施形態のいずれも、本明細書に開示される他の実施形態との任意の組み合わせで提供され得ることをさらに理解するのであろう。したがって、本実施例及び実施形態は、すべての点で、例示的かつ非限定的であると見なされるべきである。したがって、特定の実施形態を図示し、説明してきたが、本明細書で定義される範囲から著しく逸脱することなく、多くの修正が思い浮かぼう。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19a
図19b
図20
図21
図22a
図22b
図23a
図23b
図24
図25
【誤訳訂正書】
【提出日】2022-08-25
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、概して、音響エネルギーの分野に関し、より詳細には、超音波トランスデューサ、関連するデバイス、装置、方法及び技術に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電音響トランスデューサは、多くの産業で、また多種多様な用途に広く使用されている。例えば、圧電超音波トランスデューサは、医療用途、例えば画像診断及び/又は治療用途に使用することができる。他の用途には、超音波非破壊検査、超音波加工及び超音波溶着が含まれるが、これらの用途に限定されない。圧電超音波トランスデューサは、電気エネルギーを機械エネルギーに変え、また音波と電気信号を相互に変換する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の問題を緩和又は軽減する技術、装置、デバイス及び方法が、依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、超音波トランスデューサを提供し、この超音波トランスデューサは、
前面及び裏面を有する圧電材料であって、サンプルと音響的に連通するように構成されている、該圧電材料と、
圧電材料の前記裏面に配置され、また圧電材料の前記前面に向けて音響エネルギーを反射するように構成され、熱伝導性かつ導電性であるバッキング構造体であって、
第1二層型不整合バッキング材であり、
第1グラファイト層、及び、
前記第1グラファイト層と接触するタングステン製の層、
を有する、該第1二層型不整合バッキング材、
前記第1二層型不整合バッキング材に接触する第2二層型不整合バッキング材であり、
第2グラファイト層、及び、
前記第2グラファイト層と接触する銅層、
を有する、該第2二層型不整合バッキング材料、
を含む、該バッキング構造体と、
前記バッキング構造体と熱接触するヒートシンクと、並びに、
前記圧電材料と電気的に導通する1つ以上の電極と、
を備える。
【0005】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを備え、チャネルは、チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、熱伝達流体は液体である。
【0007】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクはバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0008】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また第1グラファイト層、第1グラファイト層と接触するタングステン製の層、第2グラファイト層及び銅層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では超音波トランスデューサは、圧電材料とバッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、単一不整合層は、圧電材料及びバッキング構造体と音響的に連通しており、単一不整合層は、圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、圧電材料は、動作周波数で4分の1波長共振するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、圧電材料は共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一不整合層は、圧電材料の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、単一不整合層はタングステン製である。
【0014】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、約27.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する音響特性を持つ。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1グラファイト層は約5.1メガレイリーの音響インピーダンスを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1グラファイト層は約1.5mm~約1.6mmの厚さを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、タングステン層は約100メガレイリーの音響インピーダンスを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、タングステン層は約2.6mm~約2.7mmの厚さを有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2グラファイト層は約5.1メガレイリーの音響インピーダンスを有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2グラファイト層は約1.5mm~約1.6mmの厚さを有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、銅層は約41.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する。
【0022】
いくつかの実施形態では、銅層は約2.5mm~約2.6mmの厚さを有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、分極された複合圧電ディスクである。
【0024】
いくつかの実施形態では、分極された複合圧電ディスクが1_3構成である。
【0025】
いくつかの実施形態では、圧電材料はPZT4の複合体であり、圧電材料は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を備え、切り溝は約1200μmのピッチで切断される。
【0026】
いくつかの実施形態では、圧電材料は約2.35mm~約2.45mmの厚さを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填され、複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、複合充填剤は0_3構成である。
【0029】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0030】
いくつかの実施形態では、圧電材料は圧電層から構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体はバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0033】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体はAIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。
【0034】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、バッキング構造体の側方部分上に広がっている。
【0035】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、熱伝導構造体を貫通する少なくとも1つの導電性バイアを有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料、バッキング構造体及び1つ以上の電極のうち少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットを備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が、バッキング構造体を介して圧電材料に電気的に接続される。
【0038】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耐摩耗性を有する摩耗層を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタン製である。
【0040】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。
【0043】
一態様によれば、超音波トランスデューサを提供し、この超音波トランスデューサは、
前面及び裏面を有し、サンプルと音響的に連通するように構成されている圧電材料と、並びに、
前記圧電材料の前記裏面に配置され、かつ前記圧電材料の前記前面に向けて音響エネルギーを反射するように構成されるバッキング構造体であって、
第1低音響インピーダンス層及び第1高音響インピーダンス層を含む第1二層型不整合バッキング材、及び、
前記第1二層型整合バッキング材に接続され、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を含む第2二層型不整合バッキング材、
を有する、該バッキング構造体と、
備える。
【0044】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と熱接触するヒートシンク又は圧電材料と音響的に整合する熱伝導層のうち少なくとも一方を備える。
【0045】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料と電気的に導通する1つ以上の電極を備える。
【0046】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である。
【0047】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは予組立電気回路を備え、予組立電気回路は、バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、圧電材料と電気的に導通する。
【0048】
いくつかの実施形態では、予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、チャネルは、チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態では、熱伝達流体は液体である。
【0051】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクはバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0052】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また
第1低音響インピーダンス層、第1高音響インピーダンス層、第2低音響インピーダンス層、及び第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0054】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料とバッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、単一不整合層は、圧電材料及びバッキング構造体と音響的に連通しており、単一不整合層は、圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、圧電材料は、動作周波数で4分の1波長共振するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、圧電材料は共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一不整合層は、圧電材料の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、単一不整合層はタングステン製である。
【0058】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、約27.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する音響特性を持つ。
【0059】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、分極された複合圧電ディスクである。
【0060】
いくつかの実施形態では、分極された複合圧電ディスクは約2.4mmの厚さを有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、分極複合圧電ディスクは1_3構成である。
【0062】
いくつかの実施形態では、圧電材料はPZT4の複合体であり、圧電材料は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を備え、切り溝は約1200μmのピッチで切断される。
【0063】
いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填され、複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、複合充填剤は0_3構成である。
【0065】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0066】
いくつかの実施形態では、圧電材料は圧電層から構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える。
【0068】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体はバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0069】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。
【0070】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、バッキング構造体の側方部分上に広がっている。
【0071】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、熱伝導構造体を貫通する少なくとも1つの導電性バイアを有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料及びバッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続された制御ユニットを備える。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が、バッキング構造体を介して圧電材料に電気的に接続される。
【0074】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耐摩耗性を有する摩耗層を備える。
【0075】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタン製である。
【0076】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。
【0079】
一態様によれば、サンプル接触部と、サンプル接触部の反対側にある背部と、を有する超音波トランスデューサを提供し、この超音波トランスデューサは、
サンプルと音響的に連通するように構成された圧電材料と、並びに
圧電材料と音響的に連通するバッキング構造体であり、音響エネルギーを、サンプル接触部に向けて、かつ超音波トランスデューサの背部から離れる方向に反射するように構成されており、
低音響インピーダンス層、及び
高音響インピーダンス層、
を有する、該バッキング構造体と、
を備える。
【0080】
いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層は第1二層型不整合バッキング材を形成し、超音波トランスデューサは第2二層型不整合バッキング材を備え、第2二層型不整合バッキング材は、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を有する。
【0081】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と熱接触するヒートシンクを備える。
【0082】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料と電気的に導通する1つ以上の電極を備える。
【0083】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である。
【0084】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは予組立電気回路を備え、予組立電気回路は、バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、圧電材料と電気的に導通する。
【0085】
いくつかの実施形態では、予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する。
【0086】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、チャネルは、チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、熱伝達流体は液体である。
【0088】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクはバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0089】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2低音響インピーダンス層、及び第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0090】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料とバッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、単一不整合層は、圧電材料及びバッキング構造体と音響的に連通しており、単一不整合層は、圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、圧電材料は、動作周波数で4分の1波長共振するように構成される。
【0092】
いくつかの実施形態では、圧電材料は共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一不整合層は、圧電材料の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。
【0093】
いくつかの実施形態では、単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、単一不整合層はタングステン製である。
【0095】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、約27.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する音響特性を持つ。
【0096】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、分極された複合圧電ディスクである。
【0097】
いくつかの実施形態では、分極された複合圧電ディスクは約2.4mmの厚さを有する。
【0098】
いくつかの実施形態では、分極された複合圧電ディスクは1_3構成である。
【0099】
いくつかの実施形態では、圧電材料はPZT4の複合体であり、圧電材料は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を備え、切り溝は、約1200μmのピッチで切断される。
【0100】
いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填され、複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、複合充填剤が0_3構成である。
【0102】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0103】
いくつかの実施形態では、圧電材料は圧電層から構成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える。
【0105】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体はバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0106】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。
【0107】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、バッキング構造体の側方部分上に広がっている。
【0108】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、熱伝導構造体を貫通する少なくとも1つの導電性バイアを有する。
【0109】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、圧電材料及びバッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続された制御ユニットを備える。
【0110】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が、バッキング構造体を介して圧電材料に電気的に接続される。
【0111】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耐摩耗性を有する摩耗層を備える。
【0112】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタン製である。
【0113】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する。
【0114】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。
【0116】
いくつかの実施形態では、圧電材料は、複数の圧電領域にダイスカットされ、ギャップによって互いに分離され、ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性であり、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離され、第1セットにおけるギャップはそれぞれ、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性であり、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、一組のギャップの第2セットによって互いに分離され、第2セットにおけるギャップはそれぞれ、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0117】
いくつかの実施形態では、ギャップ、第1セットにおけるギャップ及び第2セットにおけるギャップは熱伝導性である。
【0118】
一態様によれば、超音波トランスデューサを提供し、この超音波トランスデューサは、
前面及び裏面を有する一次元圧電アレイであり、サンプルと音響的に連通するように構成され、また一次元にアレイ配列された複数の圧電領域を有する、該一次元圧電アレイと、
一次元圧電アレイの裏面に配置され、かつ音響エネルギーを一次元圧電アレイの前面に向けて反射するように構成されるバッキング構造体であって、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層より成る二層型不整合バッキング材を有する、該バッキング構造体と、
バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、一次元圧電アレイと電気的に導通する予組立電気回路と、
を備える。
【0119】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは第2二層型不整合バッキング材を備え、第2二層型不整合バッキング材は、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を有する。
【0120】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と熱接触するヒートシンクを備える。
【0121】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、一次元圧電アレイと電気的に導通する1つ以上の電極を備える。
【0122】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である。
【0123】
いくつかの実施形態では、予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する。
【0124】
いくつかの実施形態では、各圧電領域はギャップによって互いに分離され、ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0125】
いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離され、第1セットにおけるギャップはそれぞれ、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0126】
第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、一組のギャップの第2セットによって互いに分離され、第2セットにおけるギャップはそれぞれ、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0127】
いくつかの実施形態では、ギャップ、第1セットにおけるギャップ及び第2セットにおけるギャップは熱伝導性である。
【0128】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体の頂部は電気絶縁性材料から作製される。
【0129】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性材料は熱伝導性である。
【0130】
いくつかの実施形態では、頂部は、導電性バイアによって横断されるAIN製の層を備え、各導電性バイアは、一次元にアレイ配列された複数の圧電領域のうち対応する圧電領域と整列される。
【0131】
いくつかの実施形態では、AIN製の層は前面を有し、AIN製の層は、前面側から部分的にダイスカットされて、一次元にアレイ配列された複数の圧電領域のうち隣接する圧電領域の音響分離を強化する。
【0132】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、チャネルは、内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、熱伝達流体は液体である。
【0134】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクはバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0135】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、
低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、一次元圧電アレイは、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0137】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが、一次元圧電アレイとバッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、単一不整合層は、一次元圧電アレイ及びバッキング構造体と音響的に連通し、単一不整合層は、一次元圧電アレイの音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、一次元圧電アレイは、動作周波数で4分の1波長共振するように構成される。
【0138】
いくつかの実施形態では一次元圧電アレイは共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一不整合層は、一次元圧電アレイの共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する。
【0140】
いくつかの実施形態では、単一不整合層はタングステン製である。
【0141】
いくつかの実施形態では、圧電領域は、切り溝によって分離された支柱を有する。
【0142】
いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填され、複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、複合充填剤は0_3構成である。
【0144】
いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である。
【0145】
いくつかの実施形態では、圧電領域は圧電層から構成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える。
【0147】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体はバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0148】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。
【0149】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、バッキング構造体の側方部分上に広がっている。
【0150】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、一次元圧電アレイ及びバッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを備える。
【0151】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が、バッキング構造体を介して一次元圧電アレイに電気的に接続される。
【0152】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耐摩耗性を有する摩耗層を備える。
【0153】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタン製である。
【0154】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する。
【0155】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。
【0156】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。
【0157】
一態様によれば、超音波トランスデューサを提供し、この超音波トランスデューサは、
前面及び裏面を有し、サンプルと音響的に連通するように構成されている二次元圧電マトリックスと、
一次元圧電マトリックスの裏面に配置され、かつ音響エネルギーを二次元圧電マトリックスの前面に向けて反射するように構成されるバッキング構造体であって、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層より成る二層型不整合バッキング材を有する、該バッキング構造体と、
バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、二次元圧電マトリックスと電気的に導通する予組立電気回路と、
を備える。
【0158】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは第2二層型不整合バッキング材を備え、第2二層型不整合バッキング材は、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を有する。
【0159】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と熱接触するヒートシンクを備える。
【0160】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、二次元圧電マトリックスと電気的に導通する1つ以上の電極を備える。
【0161】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である。
【0162】
いくつかの実施形態では、予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する。
【0163】
いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックスは複数の圧電領域を有し、各圧電領域はギャップによって互いに分離され、ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0164】
いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離され、第1セットにおけるギャップはそれぞれ、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0165】
いくつかの実施形態では、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、第2セットにおけるギャップによって互いに分離され、第2セットにおけるギャップはそれぞれ、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0166】
いくつかの実施形態では、ギャップ、第1セットにおけるギャップ及び第2セットにおけるギャップは熱伝導性である。
【0167】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体の頂部は電気絶縁性材料から作製される。
【0168】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性材料は熱伝導性である。
【0169】
いくつかの実施形態では、頂部は、導電性バイアによって横断されるAIN製の層を有し、各導電性バイアは、複数の圧電領域のうち対応する圧電領域と整列される。
【0170】
いくつかの実施形態では、AIN製の層は前面を有し、AIN製の層は、前面側から部分的にダイスカットされ、一次元にアレイ配列された複数の圧電領域のうち隣接する圧電領域の音響分離を強化する。
【0171】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、チャネルは、チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。
【0172】
いくつかの実施形態では、熱伝達流体は液体である。
【0173】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクはバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0174】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また
低音響インピーダンス層、高音響インピーダンス層、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0175】
いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックスは、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0176】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、二次元圧電マトリックスとバッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、単一不整合層は、二次元圧電マトリックス及びバッキング構造体と音響的に連通しており、単一不整合層は、二次元圧電マトリックスの音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、二次元圧電マトリックスは、動作周波数で4分の1波長共振するように構成される。
【0177】
いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックスは共振周波数を有し、共振周波数は共振波長λrに関連し、単一不整合層は、二次元圧電マトリックスの共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。
【0178】
いくつかの実施形態では、単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、単一不整合層はタングステン製である。
【0180】
いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックスは、切り溝によって分離された支柱を有する。
【0181】
いくつかの実施形態では、切り溝は複合充填材で充填され、複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、複合充填剤は0_3構成である。
【0183】
いくつかの実施形態では、エポキシは Epo-Tek(登録商標)301である。
【0184】
いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックスは圧電層から構成される。
【0185】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える。
【0186】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体はバッキング構造体から電気的に絶縁される。
【0187】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。
【0188】
いくつかの実施形態では、熱伝導構造体は、バッキング構造体の側方部分上に広がっている。
【0189】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、二次元圧電マトリックス及びバッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを備える。
【0190】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が、バッキング構造体を介して、二次元圧電マトリックスに電気的に接続される。
【0191】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耐摩耗性を有する摩耗層を備える。
【0192】
いくつかの実施形態では、摩耗層はチタン製である。
【0193】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する。
【0194】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。
【0195】
いくつかの実施形態では、バッキング構造体は、さらに、バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。
【0196】
別の態様によれば、多層超音波トランスデューサバッキング構造体が提供される。
いくつかの実施形態では、バッキング構造体によって大部分の音響エネルギーが、場合によっては、事実上全ての音響エネルギーが、トランスデューサの前面から外に反射される。一般的に、このようなトランスデューサは、バッキングスタックの裏面における物理的接触による影響を受けない。
【0197】
別の態様によれば、チタンと整合するように設計された単一素子液冷式特定材料トランスデューサが提供される。トランスデューサは、二層型不整合バッキング材(DLDB)のような不整合構造体を含む。DLDBは、680kHz圧電トランスデューサで作動するように設計することができる。トランスデューサは、音響インピーダンスが27.5メガレイリー(MR)の圧電複合素子を有し、かつ第2DLDB対に接合される第1DLDB対を含むことができる。第1DLDB対は、約5.1(MR)の音響インピーダンス及び1.03mmの厚さを有する第1グラファイト層と、約100MRの音響インピーダンス及び1.53mmの厚さを有する第2タングステン金属層を備え、第2DLDB対は、約5.1(MR)の音響インピーダンス及び約0.905mmの厚さを有する第1グラファイト層と、約41.5MRの音響インピーダンス及び1.71mmの厚さを有する第2銅金属層を備える。
【0198】
いくつかの実施形態では、DLDBは第1バッキング層及び第2バッキング層を含み、各バッキング層はそれぞれ、遠位面及び近位面を有する。近位面は、第2バッキング層の遠位面と音響接触することができる。DLDBは、遠位面及び近位面を有する圧電素子と音響接触させて配置でき、第1バッキング層の遠位面は、圧電素子の近位面と接触する。DLDBの第1及び第2のバッキング層は、圧電素子の設計上の共振周波数に対して約1/4λの厚さとなるように設計することができる。第1バッキング層は、圧電素子に比べて相対的に低い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。第2バッキング層は、第1バッキング層に比べて相対的に高い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、トランスデューサは、厚さ2.4mmで1_3構成の分極複合圧電ディスクを含み、厚さは約0.35~0.4λに相当するが、分極複合圧電ディスクは、1/2λモードで作動し、近位面に正極を、遠位面に負極を有する。DLDBバッキングの質量負荷効果を補償するために、圧電ディスクの厚さは、1/2λより薄くなるように選択することができる。圧電複合体は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を残して、ピッチ1200μmで切断された200μmの切り溝を有する分極PZT4材料をダイスカットし、かつ充填することによって作製することができる。切り溝は、例えば、限定するものではないが、切り溝を充填する複合充填材の音響インピーダンスが約7~8メガレイリー(MR)になり、圧電複合層全体の音響インピーダンスがチタン(約27.5MR)に密接に整合するように、Epotek301エポキシ中にドープされた約5μmの二酸化ハフニウムの粒子の0_3構成複合充填材で充填することができる。圧電複合層の負の面は、例えば、タングステン粉末充填エポキシを使用して、厚さ6mmのZA-8亜鉛アルミニウム合金ディスクの近位面に接合することができる。次いで、ZA-8ディスクの遠位面は、サブミクロン粒子の酸化ハフニウムを充填したEpotek301エポキシを使用して、アルミナ複合ディスクの近位面に接合することができる。アルミナ複合ディスクは、200μmの切り溝によって分離された750μm×750μm×1400μm(高さ)の柱を含むことができ、切り溝は、圧電複合ディスクを作製するために使用される同じハフニウム粒子充填エポキシで充填される。次いで、アルミナ複合体の遠位面は、サブミクロンの酸化ハフニウムを充填したEpotek301エポキシの層を用いて、厚さ3mmのチタンディスクの近位面に接合することができる。次いで、2組の二層型不整合バッキング材(DLDB)は、以下のように、サブミクロンのタングステン粉末を充填したEpotek301エポキシを使用して、圧電ディスクの近位面に接合することができる。圧電複合ディスクの近位面は、厚さ1030μmのPoco DFP-1グラファイトディスクの遠位面に接合され、Poco DFP-1グラファイトディスクは、5.1MRの音響インピーダンス及び905μmの厚さを有する。厚さは、トランスデューサの中心周波数である680kHzで、1/4λに相当する。次いで、グラファイトディスクの近位面は、音響インピーダンスが100MRで、厚さが1530μmのタングステンディスクの遠位面に接合される。また、タングステンディスクの厚さは、トランスデューサの中心周波数よりわずかに上である約850kHzで、1/4λに相当する。次いで、タングステンディスクの近位面は、音響インピーダンスが5.1MRで、厚さが905μmのPoco DFP-1グラファイトディスクの近位面に接合される。厚さは、トランスデューサの中心周波数よりわずかに上である約800kHzで、1/4λに相当する。グラファイトディスクの近位面は、音響インピーダンスが41.5MRで、厚さが1710μmの銅ディスクの遠位面に接合される。厚さは、680kHzで1/4λに相当する。グラファイトディスク及びタングステンディスクは、第1二層型不整合バッキングスタックを構成し、グラファイトディスク及び銅ディスクは、第2DLDBスタックを構成する。これらの2つのスタックが共に作用することで、トランスデューサの熱冷却要素から圧電複合ディスクを音響的に絶縁し、トランスデューサの音響性能を実質的に損なうことなく、熱冷却解決手段を銅ディスクの近位面に直接接合することができる。これらの実施形態では、厚さ1mmの高熱伝導性AINディスクの遠位面が、熱伝導性エポキシを使用して、銅ディスクの近位面に接合される。AINディスクには、ハンダ付けされたワイヤ、あるいは導電性エポキシ接合ワイヤを用いて銅ディスクへ電気的接続するための空間を受け入れられるように、切り欠きが設けられる。この実施形態におけるDLDBスタック全体は、導電性かつ熱伝導性であり、DLDBスタックを通じて、圧電複合ディスクの信号電極へ電気的接続を直接行うことを可能にすることに留意されたい。さらに、この例示的な実施形態で明示的に記載されている材料を超えて、本開示の技術の用途に実際に使用できる多くの材料が存在し、そのうちのいくつかは、導電性、熱伝導性、その両方、又は熱伝導性でも導電性でもないことに留意されたい。この例示的な実施形態において、DLDB層は全て、導電性かつ熱伝導性である。銅製ヒートシンクベースの近位面は、ヒートシンク頂部の遠位端にろう付け又はハンダ付けされて、中空の銅製ヒートシンクアセンブリを形成し、ヒートシンクアセンブリの遠位面は、熱伝導性であるが電気的に絶縁性であるエポキシを用いて、AINディスクの近位面に直接接合される。図示の実施形態では、中空ヒートシンク頂部の近位面が、同じ熱伝導性エポキシを用いて、AINディスクの遠位面に接合される。AINディスクは、AINディスクの中にある2つのクリアランスホールと、1つの切り欠きと、を有し、クリアランスホールは冷却管を受け入れ、冷却管は、ヒートシンク頂部の一体型有棘管に固定され、切り欠きにより、銅製DLDB層に取り付けられた信号ワイヤ用のクリアランス経路を実現することができる。AINディスクの近位面は、熱伝導性エポキシを使用して、銅製ヒートスプレッダの遠位面に接合することができる。銅製ハウジングシェルは、ZA-8ディスクの周囲に嵌め込むことができ、電気絶縁性及び熱伝導性エポキシを使用して、完成した音響及び熱スタックに接合することができる。いくつかの実施形態では、全ての空隙に、熱伝導性かつ電気絶縁性のエポキシが充填される。したがって、ヒートシンクアセンブリの中空の内部(すなわち、ヒートシンクの頂部及び底部)を除き、アセンブリ全体が中実になる。ゴムホースが、銅製ヒートシンク頂部の有刺ホースの突起に嵌め込まれ、ホース締め付け具で適所に固定される。ゴムホースは、例えば、限定するものではないが、3/8インチの内径を有してもよい。トランスデューサは電気接点を含み、電気接点は、銅製の蓋にハンダ付けされたBNC RF電気コネクタによって具現化することができる。さらに、BNCコネクタの中心導体は、信号ワイヤにハンダ付けすることができる。したがって、BNC信号導体を、圧電複合ディスクの正信号電極に、電気的に接続することができる。いくつかの実施形態では、導電性エポキシを用いて、銅製シェルの近位リップに銅製の蓋をハンダ付け又は接合して、BNCコネクタの接地端子及び圧電複合ディスクの負極から、銅製シェル及びZA-8ディスクを介して、電気的接続を完了させることができる。また、トランスデューサは、電気絶縁性プラスチックハウジングを含み、ハウジングは、銅製の蓋及び銅製のシェルに接合され、アルミナ複合ディスクの縁部を少なくとも部分的に覆い、かつチタン製ディスクの前面に載置される。次いで、出来上がったトランスデューサ(すなわち、前述の構成要素のアセンブリ)は、液体循環型空気対液体式熱交換器に接続され、適切な冷却液で満たされる。冷却液の非限定的な例は、50%プロピレングリコール/水混合物である。
【0200】
別の態様によれば、完全にダイシングされ、かつPCBに直接電気的に取り付けられる単一のDLDBバッキング層を有する1-Dリニアアレイが提供される。これについては、ここで記載する。この構成により、アレイを比較的容易に電気的に相互接続する、また、ASIC又は高密度コネクタをスタックに、比較的直接適用することすらできる。アレイは保護摩耗層を含む。あるいは、この層は、用途に応じてレンズ又は整合層であってもよい。圧電素子は1-Dリニアアレイを形成し、各圧電素子は、ギャップ(又は切り溝)によって互いに分離される。また、アレイは、第一に、低音響インピーダンス1/4λ層を有するDLDB構造を含み、この層は、素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する。第二に、低音響インピーダンス層上には高音響インピーダンス1/4λ層が設けられ、この層は、タングステン製であってもよい。高音響インピーダンス層は、素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する。また、アレイには、PCBの表面上の電極、PCB、及び、プリント回路基板内のバイアが設けられ、バイアは、電極を一方の面から反対の面に接続する。
【0201】
本発明のさらに別の態様によれば、第1DLDB対上に重なる第2DLDB対を有する二重DLDB付き1-Dリニアアレイが提供され、第2DLDB対は、低音響インピーダンス1/4λ層を有し、低音響インピーダンス1/4λ層の上には、横方向に熱的に連続する高音響インピーダンス1/4λ層が設けられる。熱伝導層は、AINであるが、酸化ベリリウム若しくは別の適切な熱伝導性かつ電気絶縁性の材料であってもよく、トランスデューサの素子に接続するための導電性バイアを含む。これにより、アレイを端部から冷却でき、また例えば、PCBを用いて直接電気的に接続することができる。
【0202】
別の態様によれば、2-Dマトリックストランスデューサが提供される。いくつかの実施形態では、2-Dマトリックスが、横方向に熱的に連続する層を有する二重DLDB16×16素子マトリックスアレイである。マトリックストランスデューサは保護摩耗層を含み、この層は、2Dトランスデューサアレイの全域に及ぶ用途に応じて、レンズ又は整合層によって代替的に置き換えることができる。マトリックストランスデューサは、2-Dリニアアレイ又はマトリックスアレイを形成するために、2つの軸方向においてギャップ(又は切り溝)によって互いに分離される圧電素子を含む。マトリックストランスデューサは、低音響インピーダンス1/4λ層及び高音響インピーダンス1/4λ層を有する第1DLDBスタックを含み、低音響インピーダンス1/4λ層は、2つの軸方向において素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列し、高音響インピーダンス1/4λ層は、タングステン製にすることができる。高音響インピーダンス1/4λ層は、アレイ配列された圧電素子と一列に整列し、2つの軸方向において素子間にギャップを有する素子に分離することができる。これらの層は、第1スタックを画定する。また、マトリックストランスデューサは第2スタックを含む。第2DLDBスタックは、低音響インピーダンス1/4λ層及び高音響インピーダンス1/4λ層を有し、低音響インピーダンス1/4λ層は、2つの軸方向において素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する。高音響インピーダンス1/4λ層は、一般的に連続的であり、AIN製である。この文脈において、「連続的」という表現は、スタックが、ギャップを有さず、かつ、アレイの両軸に沿って横方向に熱伝導性を与えることを意味する。垂直方向の導電性は、AIN層内のバイアによって与えられる。この層は、縁部の素子に対して、2-Dアレイの内部を等温に維持するのに特に有用である。
【0203】
本明細書のその他の特徴及び利点は、本明細書の特定の実施形態に関する以下の非限定的な記載を読むことでより明らかになり、本明細書の特定の実施形態は、添付の図面を参照して、例としてのみ与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
図1a】一実施形態による液冷式超音波トランスデューサを示す。
図1b図1aの超音波トランスデューサの圧電材料と接触するバッキング構造体を示す。
図1c図1bの断面図である。
図1d図1aの断面図である。
図2】別の実施形態による液冷式超音波トランスデューサの分解図である。
図3図2に示す液冷式超音波トランスデューサの別の分解図である。
図4】一実施形態による、超音波トランスデューサの圧電材料と接触するバッキング構造体、及びバッキング構造体と熱接触するヒートシンクを図示する。
図5】一実施形態による、圧電材料と二層型不整合バッキング材との間に挟まれる単一不整合層を示す。
図6図5の断面図である。
図7】一実施形態による16素子一次元リニアアレイを図示する。
図8図7の断面図であり、16素子一次元リニアアレイを形成する層を図示する。
図9図7の別の断面図であり、16素子一次元リニアアレイを形成する層を図示する。
図10】別の実施形態による16素子一次元リニアアレイを図示する。
図11図10の断面図であり、16素子一次元リニアアレイを形成する層を図示する。
図12図10の別の断面図であり、16素子一次元リニアアレイを形成する層を図示する。
図13】超音波トランスデューサの動作原理の簡略図である。より具体的には、比較的狭帯域の場合について考えると、反射係数と、DLDB内の低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層の特定配列とが相互に影響し、その結果、トランスデューサの出力(前)面には、同相反射のみが到達することを示す。各DLDB層の共振、及びその結果生じる交互の対の位相に起因して、エネルギーは、層を4回反射するごとに同位相のままにし、また2回反射するごとに部分的な破壊を生ずるように干渉される。その結果、DLDB層にいったん捕捉されたエネルギーは、比較的長い時間をかけて、非常に低振幅でリングダウンする。
図14】一実施形態による二次元圧電マトリックスを示す。
図15図14の分解図である。
図16図14の断面図である。
図17】別の実施形態による超音波トランスデューサを示す。
図18】別の実施形態による超音波トランスデューサを示す。
図19a】680kHzでチタン内を伝達するヒートシンクのない現状技術の空気バッキング特定材料トランスデューサ(上図)と、図1aの超音波トランスデューサ(下図)を、同じ条件で比較したものである。
図19b】チタン内を伝達する現状技術の空気バッキング特定材料トランスデューサ(上図)と、チタン内を伝達する図1aの超音波トランスデューサ(下図)を、エンベロープの対数で比較したものである。
図20】圧電スタックの裏面に取り付けられた銅製ヒートシンクを有する3つの680kHz特定材料トランスデューサを比較したものであり、トランスデューサの圧電素子の裏面に直接接合されたヒートシンクを有する空気バッキング特定材料トランスデューサ(上図)と、アルミナ充填シリコーン発泡体等の音響的に損失が多い熱伝導性材料で、トランスデューサの圧電素子にヒートシンクを接合した最先端の方法(中央図)と、及びバッキング構造体に直接ヒートシンクを接合した図1aの超音波トランスデューサ(下図)とを比較する。
図21図20に示す波形のエンベロープの対数グラフを示す。
図22a】10MHz単一素子トランスデューサについて比較したものであり、1/4λ共振圧電素子と、約1/10λ厚タングステン不整合層とのパルスエコーパルス応答を比較し、単一DLDBを不整合層の裏面に加えた効果を示す。
図22b図22aに示す10MHz単一素子トランスデューサの波形の対数エンベロープを比較したものである。
図23a図22aの10MHz音響スタックの裏面に3mm厚銅製ヒートシンクを直接加えた効果の比較である。3mmの銅製ヒートシンクに直接接合されたDMLバッキングは、画像又は検査用途において望ましくないアーチファクトをもたらす複数の内部反射を発達させる(上図)。ヒートシンクが音響スタックの前面に直接接合された場合、DLDB付きスタックは、測定可能な変化を受けない(下図)。
図23b図23aに示す10MHzトランスデューサのパルスエコー波形のエンベロープの対数グラフを比較したものある。
図24】チタン内を伝達するように整合されたPZT複合圧電素子を有する550μm×5mm特定材料5MHz1Dアレイ素子からのパルスエコー応答について、二重DLDBバッキングを有するものと、空気バッキングを有するものを比較したものである。空気バッキングトランスデューサ(上図)と、DLDB付きトランスデューサ(下図)との間には、DLDB付きスタックに見られるわずかなパルス長の増加を除き、最小限の差異しか見られない。
図25図24に記載したトランスデューサ素子に、音響スタックの裏面に直接接合される6mmの銅製ヒートシンクを追加したもの(上図)のパルスエコー応答を比較したものである。空気バッキングトランスデューサの背部にヒートシンクを接合した場合、著しい内部反響アーチファクトが見られる(下図)。
【発明を実施するための形態】
【0205】
以下の記載では、図面内の同様の特徴には同様の参照番号を付与し、また図面を過度に阻害しないようにするため、いくつかの要素が1つ以上の先行する図面中で既に識別されている場合、それらの要素をいくつかの図面上で示さないことがある。さらに、本実施形態の要素及び構造を明確に示すことに重点が置かれているため、図面の要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを、本明細書で理解されたい。接頭用語「a」、「an」及び「1つの(one)」は、本明細書では「少なくとも1つ(at least one)」を意味すると定義する、すなわち、それ以外を明記しない限り、これら接頭用語は複数の要素を排除しない。さらに、例示的な実施形態の特徴の値、条件又は特性を修飾する「ほぼ(substantially)」、「一般的に(generally)」及び「約(about)」等の用語は、値、条件又は特性が、その意図される用途のためにこの例示的な実施形態の適切な動作について許容可能な範囲内に規定されることを意味すると理解すべきことにも留意されたい。
【0206】
本明細書では、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、並びにそれらの変形及び派生形は、2つ以上の要素間における直接的又は間接的な任意の接続又は結合を意味する。要素間の接続又は結合は、音響的、機械的、物理的、光学的、動作的、電気的、無線、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0207】
ある要素の別の要素に対する位置又は方位を示す位置記述子は、本明細書では説明を容易かつ明確にするために使用され、それ以外を明記しない限り、それらは図面の文脈で解釈されるべきであり、限定的であるとみなされるべきではないことが理解されるであろう。空間的に相対的な用語(例えば、「外部(outer)」及び「内部(inner)」、「外側(outside)」及び「内側(inside)」、「周辺(periphery)」及び「中央(central)」、「上方(over)」及び「下方(under)」、並びに「頂部(top)」及び「底部(bottom)」)は、図面に例示される位置及び方位に加え、本実施形態の使用又は動作における異なる位置及び配向を包含するためのものであることが理解されよう。
【0208】
<一般的な理論的文脈>
一般的に、圧電超音波トランスデューサは、2つの対向する面を有する圧電素子から構成される。圧電素子は、所望の周波数で動作するように選ぶことができる。このような動作の例として、圧電素子の音響共振が含まれる。圧電音響トランスデューサは複数の層を含むことができ、例えば、限定するものではないが、これらの層は、積層する又はオーバーレイすることができる。圧電素子の他に、圧電音響トランスデューサは、信号電極及び接地電極、整合層、音響バッキング材、レンズ、並びに、それらの意図する用途における性能を改善するための多くの他の層又は構造のうち、少なくとも1つを含むことができる。幾つかのトランスデューサは音響エネルギーを出力するように設計することができる (すなわち、トランスミッタ)とともに、他のトランスデューサは衝突する音響エネルギーを検出することができる(すなわち、レシーバ)。幾つかのトランスデューサは両方の機能を実行するように最適化する(すなわち、トランシーバ)ことができる ことに留意されたい。生成される圧電超音波トランスデューサのタイプを変更するために、超音波トランスデューサの分野において異なる技術を実装してもよい。
【0209】
ほとんどの場合、圧電トランスデューサを設計することは多くの課題、例えば、意図した標的への音響エネルギーの最適化及び/又は方向、並びに意図した標的から離れる音響エネルギーを最小化することに関連する。例えば、薄いディスク状圧電素子の比較的単純な場合を考慮することができ、この薄いディスク状圧電素子は、圧電ディスク間に適切な周波数電圧が印加されると、ディスクの前面と裏面の両方から等しい音響波を生成する傾向がある。
【0210】
一方の面(例えば、前面又は遠位面)からの音響エネルギーの出力を高め、また他方の面(裏面又は近位面)からの音響エネルギーの出力を少なくするために、このような圧電ディスクの特性を改良する多種多様な技術が存在する。一般的に、このような圧電素子は、各面が導電性電極と接触するように配置されることを、当業者は知っているであろう。導電性電極の例は、スパッタリングされた金属であり、これにより、圧電素子を電子システム及び/又は他の適切な回路に接続することができる。RF電圧信号が電極に印加される実施例では、圧電素子が機械的摂動を受ける。電気RF信号の周波数及び一次元圧電アレイの厚さが正しい動作条件に一致する場合に、圧電素子は超音波周波数で機械的に共振する可能性がある。このような可能性は、圧電材料の特性に依存することに留意されたい。
【0211】
圧電超音波トランスデューサにおいてバッキング材を使用できることは、当該技術分野において一般的に知られている。バッキング材の例には、圧電層よりもはるかに低い音響インピーダンスを有する吸収バッキング材と、音響エネルギーを分散及び吸収するための複合形態を有するバッキング材と、圧電層よりもはるかに高い音響インピーダンス及び典型的には1/4λ未満の厚さを有し、その結果、質量負荷効果を調整可能にしながら、全てのエネルギーをトランスデューサの出力に効率的に反射するように設計された不整合層と、並びに、空気バッキング材や、遅延線バッキング材を含む多くの他の変形例等のその他の技術が含まれるが、これらに限定されない。
【0212】
多くのトランスデューサバッキング材は、低音響インピーダンス吸収バッキング材であり、大部分又は少なくとも大部分のエネルギーをトランスデューサの前方(あるいは、「作用面」)に向けて反射し、バッキング材内の反射されなかったエネルギーを吸収及び分散させるように設計される。一般的に、そのような吸収バッキング材は、所定の幾何学的形状を有する。例えば、バッキング材は、十分に大きくし、十分な音響エネルギーを吸収し、かつ望ましくない内部反射が圧電結晶に戻るのを防止する特定の構成を有することができる。通常、これらの低音響インピーダンスバッキング材は、圧電層が1/2λ共振モードで動作することを必要とする。
【0213】
別の一般的なバッキング技術が不整合層(De-matching layer)であり、これは、減衰を調整するためにいくらか調整可能な質量負荷を与えながら、トランスデューサの前面にエネルギーを反射するように設計される。一般的に、不整合層を追加する効果は、1/4波長共振トランスデューサの設計を必要とする。いくつかの実施例では、不整合層が100パーセントに近いエネルギーを、又は少なくとも大部分のエネルギーを反射するように動作させることができる。
【0214】
別の実施例には、空気バッキングトランスデューサが含まれ、これもまた、前部から100パーセントに近いエネルギーを、又は少なくとも大部分のエネルギーを反射することができる。しかしながら、このようなトランスデューサは質量負荷又は減衰ができないが、このようなトランスデューサは、圧電素子が1/2λで共振するという点で、光吸収バッキングと同じモードで作用する。
【0215】
ほとんどのバッキング技術におけるある制限は、とりわけ、トランスデューサの背部が、音響信号を損なうことなしには電気的接続のためにアクセスできず、また、音響アーチファクト及び損失を最小限に抑えるために、一般的に設置面積が最小である側面を避けるべきことである。既存の技術のさらなる制限は、トランスデューサの圧電素子と直接接触する効率的な熱冷却解決手段を提供することが困難なことである。最新のリラクサ系多結晶及び単結晶強誘電体が熱堅牢性を犠牲にしてますます効率的になるにつれて、上述の課題はますます重要になっている。
【0216】
2-Dアレイトランスデューサでは、マトリックストランスデューサの内部素子へのアクセスが不十分なせいで、冷却及び電気的相互接続と音響バッキングを両方とも考慮することがより困難になる可能性があることに留意されたい。そのため、本明細書に記載するように、音響的に効率的で、導電性であるバッキングを開発する必要がある。また、本明細書に記載するように、音響的に効率的で、熱伝導性であるバッキング技術を開発する必要もある。また、本明細書に記載するように、バッキングの近位面を音響エネルギーが比較的ない状態にしつつ、トランスデューサの性能を損なわずに電気及び/又は熱デバイスの接続を可能にしながら、圧電トランスデューサの音響エネルギーのほぼ全てを反射することが可能な、音響的及び空間的に効率的なバッキングを開発する必要がある。本明細書に記載するように、各素子に電気的に接続して各素子を冷却する1-D又は2-Dアレイトランスデューサに接続可能な、熱伝導性かつ導電性で音響的に効率的なバッキングを開発する必要がある。
【0217】
<超音波トランスデューサ用バッキング構造体>
大まかに説明すると、本明細書は、多層超音波トランスデューサバッキング構造体又は同様の技術に関する。いくつかの実施形態では、この技術によって大部分の音響エネルギーを、場合によっては事実上全ての音響エネルギーを、トランスデューサの前面から反射することができる。さらに、本技術に従って製造されたシステム又はデバイスは、一般的に、バッキングスタックの裏面における物理的接触の影響を受けない。本明細書に提示するトランスデューサは、非常にわずかなエネルギーしかバッキング層に吸収されないので、熱的、電気的及び音響的に比較的効率的である。
【0218】
本開示の文脈において、以下により詳細に記載するように、バッキング構造体は、1つ以上の不整合バッキング材を含み、各不整合バッキング材は2つの層を含む。この点に関して、各不整合バッキングを「二層型不整合バッキング材(dual layer de-matching backing)」、又は単に「DLDB」と称する。いくつかの実施形態では、DLDB対をバッキング構造体として使用することができる。すなわち、超音波トランスデューサは、第1DLDB及び第2DLDBを含み、各DLDBは2つの層を含むことができる。他の実施形態では、例えば、限定するものではないが、裏面をさらに音響的に分離するために、2つ以上のDLDB対をバッキング構造体として使用することができる。
【0219】
注目すべきことに、DLDBを形成する層は、電気的、音響的、熱的及び機械的特性を有し、これらの特性は、目的とする用途に応じて変化することがある。例えば、限定するものではないが、DLDBは、導電性かつ熱伝導性の層、導電性でも熱伝導性でもない層、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0220】
図1~6を参照して、超音波トランスデューサ100の実施形態について説明する。
【0221】
一般的に、超音波トランスデューサ100は、圧電材料102、バッキング構造体108、ヒートシンク122、及び1つ以上の電極126(電極126と称する)を含む。本明細書全体を通じて記載される超音波トランスデューサの実施形態は、圧電材料を含むものとして説明されるが、当業者であれば、本開示の超音波トランスデューサが、圧電材料の代わりに、任意の強誘電性材料、任意の単結晶又は多結晶材料、任意の電気機械変換材料を含むことができ、そのような材料は、強誘電性、焦電性、圧電性、電歪及び/又は他の関連する特性のうち1つ以上を有することに気づくであろう。当業者には容易に理解されるように、本明細書の文脈において、「圧電材料」という表現は、強誘電材料、焦電材料、リラクサ材料、及び電歪材料も指し得ることに留意されたい。
【0222】
圧電材料102は、前面104及び裏面106を有する。圧電材料102は、サンプル(図には示していない)と音響的に連通するように構成される。圧電材料102は音響特性を有する。例えば、限定するものではないが、音響特性には、音響インピーダンスが約27.5メガレイリーであることが含まれてもよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、圧電材料102が、分極複合圧電ディスクであってもよい。分極複合圧電ディスクは、1_3構成であってもよい。
【0224】
いくつかの実施形態では、圧電材料102はPZT4の複合体であってもよく、支柱を含んでもよい。例えば、限定するものではないが、支柱は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱であってもよい。切り溝は、約1200μmのピッチで切断されてもよい。切り溝は、複合充填材で充填されてもよい。いくつかの実施形態では、複合充填剤が0_3構成であってもよい。複合充填剤は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含んでもよい。エポキシの非限定的な例は、Epo-Tek(登録商標)301である。いくつかの実施形態では、圧電材料102は約2.35mm~約2.45mmの範囲内に含まれる厚さを有してもよい。
【0225】
いくつかの実施形態では、圧電材料102は圧電層から構成される。
【0226】
バッキング構造体108は、圧電材料102の裏面106に配置される。バッキング構造体108は、圧電材料102の前面104に向けて音響エネルギーを反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体108は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体108は、さらに、バッキング構造体108内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。バッキング構造体108は熱伝導性かつ導電性である。図1図6に示すバッキング構造体108は、第1二層型不整合バッキング材110及び第2二層型不整合バッキング材116を含む。
【0227】
第1二層型不整合バッキング材110は、第1グラファイト112層、及び第1グラファイト層112に接触するタングステン製の層114を含む。いくつかの実施形態では、第1グラファイト層112は、約5.1メガレイリーの音響インピーダンスを有し、また約1.5mm~約1.6mmの範囲内における厚さを有する。いくつかの実施形態では、タングステン層114は、約100メガレイリーの音響インピーダンス、及び約2. 6mm~約2. 7mmの範囲内における厚さを有する。第1グラファイト層112及びタングステン層114の音響インピーダンス及び厚さは、目的とする用途によって決まり、またしたがって、上に列挙した実施例とは異なる場合があることを、当業者は容易に理解するであろう。
【0228】
第2二層型不整合バッキング材116は、第1二層型不整合バッキング材110に接触する。第2二層不整合バッキング材116は、第2グラファイト層118、及び第2グラファイト層118に接触する銅層120を含む。いくつかの実施形態では、第2グラファイト層118は、約5.1メガレイリーの音響インピーダンス、及び約1.5mm~約1.6mmの範囲内における厚さを有する。いくつかの実施形態では、銅層120は、約41.5メガレイリーの音響インピーダンスを有し、また約2.5mm~約2.6mmの範囲内における厚さを有する。第2グラファイト層118及び銅層120の音響インピーダンス及び厚さは、目的とする用途によって決まり、したがって、上に列挙した実施例とは異なる場合があることを、当業者は容易に理解するであろう。
【0229】
ヒートシンク122はバッキング構造体108と熱接触する。いくつかの実施形態では、ヒートシンク122は、少なくとも1つのチャネル124を含む。そのようなチャネル124は、その内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。熱伝達流体は、液体、気体、又はそれらの任意の混合物であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒートシンク122はバッキング構造体108から電気的に絶縁される。
【0230】
電極126は圧電材料102と電気的に導通する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100は、圧電材料102、バッキング構造体108及び電極126のうち少なくとも一方に電気的に接続された制御ユニット(図示せず)を含む。このような制御ユニットは、超音波トランスデューサ100を制御するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、電極126は、バッキング構造体108を介して圧電材料102に電気的に接続される。
【0231】
超音波トランスデューサ100は動作周波数で動作可能である。この動作周波数は動作波長λoに関係する。いくつかの実施形態では、第1グラファイト層112、第1グラファイト層112に接触するタングステン製の層114、第2グラファイト層118及び銅層120はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。いくつかの実施形態では、動作波長λoは約530kHzであってもよい。
【0232】
一実施形態では、圧電材料102は、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0233】
別の実施形態では、超音波トランスデューサ100は、圧電材料102とバッキング構造体108との間に配置される単一不整合層128を含む。単一不整合層128は、圧電材料102及びバッキング構造体108と音響的に連通する。単一不整合層128は、圧電材料102の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有する。この実施形態では、圧電材料102は、動作周波数で1/4波長共振するように構成される。圧電材料102は共振周波数を有し、この共振周波数は共振波長λrに関連する。単一不整合層128は、圧電材料102の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。単一不整合層128は、約λr/10~約λr/20の厚さを有してもよい。単一不整合層128は、例えば、限定するものではないが、タングステン製であってもよい。単一不整合層128には、他の材料を使用することもできる。いくつかの実施形態では、共振波長λrは約530kHzであってもよい。
【0234】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、バッキング構造体108と接触する熱伝導構造体130を含む。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体130はバッキング構造体108から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体130は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層であってもよい。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体130は、バッキング構造体108の側方部分上に延在してもよい。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体130は、熱伝導構造体130を貫く少なくとも1つの導電性バイアを含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100は、耐摩耗性を有する摩耗層132を含む。摩耗層132は、例えば、限定するものではないが、チタン製にしてもよい。
【0236】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100は、圧電材料102と音響整合する熱伝導層133を含む。図1dに示すように、熱伝導層133は、圧電材料102と摩耗層132の間に設けられてもよい。このような熱伝導層は、銅製の蓋135を介してヒートシンク122と熱接触してもよい。注目すべきことに、蓋135は、任意の他の熱伝導性材料から作製することができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ100は約50mmの直径を有する。
【0238】
<実施例>
次に、これまで説明してきた超音波トランスデューサの他の実施形態を提示する。
【0239】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、単一素子液冷式特定材料トランスデューサに積み重ねられた2つの積層DLDB(二重DLDBスタック)を含み、この単一素子液冷式特定材料トランスデューサは、チタンと整合するように設計される。音響インピーダンスが27.5メガレイリー(MR)の圧電複合素子を有する680kHz圧電トランスデューサを作動するように設計されたDLDBのある例示的実施形態は、第2DLDB対に結合される第1DLDB対を含む。第1DLDB対は、約5.1MRの音響インピーダンス及び1.03mmの厚さを有する第1グラファイト層と、約100MRの音響インピーダンス及び1.53mmの厚さを有する第2タングステン金属層と、を備え、第2DLDB対は、約5.1(MR)の音響インピーダンス及び0.905mmの厚さを有する第1グラファイト層と、約41.5MRの音響インピーダンス及び1.71mmの厚さを有する第2銅金属層と、を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、単一素子トランスデューサの1つ又は2つのDLDBは、2/5λ未満、通常は1/4λ未満の高音響インピーダンス不整合層(DML)を有し、高音響インピーダンス不整合層は、DLDBスタックと圧電素子の間に挿入される。
【0241】
いくつかの実施形態では、DLDBは第1バッキング層及び第2バッキング層を含み、各バッキング層は遠位面及び近位面を有する。第1バッキング層の近位面は、第2バッキング層の遠位面と音響接触でき、これら2つの層は、共にDLDB構造体を含む。DLDBは、遠位面及び近位面を有する圧電素子と音響接触するように配置でき、第1バッキング層の遠位面は、圧電素子の近位面と接触するようにすることができる。DLDBの第1及び第2のバッキング層は、圧電素子の設計上の共振周波数に対して約1/4λの厚さとなるように設計することができる。第1バッキング層は、圧電素子に比べて相対的に低い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。第2バッキング層は、第1バッキング層と比べて相対的に高い音響インピーダンスを有する材料から作製することができる。
【0242】
2つ以上のDLDBが積層される実施形態では、DLDBを介してトランスデューサに接続される電気的及び熱的構造体からの音響絶縁の改善又は増加を達成することができる。
【0243】
いくつかの実施形態では、動作中、第1DLDBの第1層における第1の面は、トランスデューサの裏面の方へ向けられた音響エネルギーの大部分を、トランスデューサの作用面からトランスデューサのバッキングに向けて反射するが、第1層の裏面もまた、裏面に到達するエネルギーの大部分を反射し、そうすることで位相を合わせる。次いで、1/4波長層、及び、DLDBに含まれる層内で低音響インピーダンスから高音響インピーダンスへ遷移することによって反射係数の符号が交互に変わることに起因して、DLDBの層は、トランスデューサの帯域幅にわたって、バッキング材内で残りのエネルギーと共振し始める。次いで、共振層は、比較的長期間にわたりかつ極めて低振幅で、バッキングスタックを介して前方及び後方の両方に同位相でエネルギーを放出し、その結果、時間の経過と共に、許容可能な低振幅で、望ましくない反射を外部に効果的に拡散させる。
【0244】
これまで説明してきたDLDBの実施形態は、1/2λ共振圧電トランスデューサ用に設計された音響スタックと、及びDLDBの光層の音響インピーダンスよりも大きく、かつ圧電層の音響インピーダンスに十分に整合する意図した負荷と、に対して有効な場合がある。そのような構造の実施例は、PCT特許出願PCT/CA2019/051046に見出すことができ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0245】
また、本明細書に記載するDLDBの実施形態は、1/2λ共振圧電トランスデューサ用に設計された音響スタック、及びDLDBの光層の音響インピーダンスよりも大きい、意図した負荷に対しても有効な場合がある。負荷が第1DLDB層の低音響インピーダンス層に匹敵し、又はそれよりも低い場合、トランスデューサは、負荷よりも高い音響インピーダンスを有する圧電層と、1つ以上の整合層とを含むことができる。
【0246】
いくつかの実施形態では、DLDBを、不整合層と合わせた1/4λスタックと共に使用することができる。別の実施例では、DLDBを、高音響インピーダンス不整合層と共に、1/4λ共振圧電トランスデューサの設計に含めることができる。高音響インピーダンス不整合層は、負荷材料の音響インピーダンスにほぼ制限を与えずに、DLDBと圧電材料との間に挿入される。この技術は、特定材料トランスデューサ、整合層を有するトランスデューサ、又は任意な他の実用的負荷整合方法に適用することができる。
【0247】
DLDB層の厚さを変化させることで、トランスデューサの帯域幅を拡大し、より広い周波数スペクトルにわたってバッキング材の反射率を改善することができる。このような変形例は、目的とする用途に応じて実施することができる。
【0248】
DLDBによって達成される比較的高い音響絶縁、及び層を熱伝導性にし得ることに起因して、DLDBの近位面にヒートシンクを直接設けることが可能であり、その結果、トランスデューサの音響特性を損なうことなく、圧電素子の裏面から、熱を高効率で直接除去することが可能になる。
【0249】
DLDBによって比較的高い音響絶縁が達成され、かつ層を導電性にすることができるため、DLDBの上層にワイヤ又は他の電気回路を取り付けるために、例えば、ハンダ付け、ワイヤボンディング、又は導電性エポキシを使用することで、DLDBの近位面と直接電気的に接続することが可能である。
【0250】
いくつかの実施形態ではさらに、DLDBをダイスカットして、例えば、1-Dリニアアレイ、2-Dマトリックスアレイ、又は他の複数素子トランスデューサアレイ等のトランスデューサアレイの圧電素子と整列する素子にすることが可能であり、その結果、プリント回路基板、ASICインターポーザ、電気コネクタ、又は他の電気回路を、DLDBの近位面に直接設けることができ、トランスデューサへの高効率の電気的接続が可能になる。このことは、超音波プローブが2D多素子アレイであって、トランスデューサの音響特性を損なうことなく、アレイの各素子に対応するDLDBに対して、比較的多数の素子を直接接続できるようにする2D多素子アレイである場合に、有用であり得る。これらの実施形態を、本明細書の他の段落で説明する。
【0251】
バッキング材が比較的薄型であり、またバッキング材によって薄型DLDBに直接電気的接続をすることができることに起因して、本技術は、薄型超音波プローブにするとき、設計の点で利点をもたらすことができる。薄型超音波プローブの例には、体腔内医療用プローブ、内視鏡、並びにNDT筒状トランスデューサ及びアレイに使用されるプローブが含まれるが、これらに限定されない。
【0252】
いくつかの実施形態では、DLDBが1つ以上の層を有し、各層は、横方向には電気絶縁性であり、かつ軸方向には導電性であり、その結果として、熱伝導性が等方性になり、また電気伝導層が異方性になる熱伝導性材料から作製される。一実施形態では、高音響インピーダンス層は、例えば窒化アルミニウム(AIN)セラミックから作製される。高音響インピーダンス層は、多素子アレイ素子と整列するように配列される複数の導電性バイアを有する。DLDBの他の層は、例えば、ダイスカット、エッチング又は機械加工によって、あるいは他の方法によって、横方向において電気的に絶縁されかつ音響的に分離される素子に分離して、圧電アレイの素子と整列させることができる。これら2つの層を組み合わせると、結果として、各トランスデューサ素子からDLDBの近位面への電気的接続、DLDB及び圧電スタック全体にわたるある素子から他の素子への横方向における電気絶縁性、及び素子のアレイ全体にわたる切れ目のない及び/又は連続的な横方向の熱伝導性を与えるバッキング材が得られる。次いで、トランスデューサの放熱は、PCB又はインターポーザへのアレイの直接的な電気的接続を可能にしつつ、ある冷却技術の手段、例えば、空気対空気式熱交換器又は液冷ヒートシンクを使用して、AIN層の周囲から熱を除去することによって達成できることを、当業者は理解するであろう。音響絶縁及び/又は熱伝導性を高めるために、この手法を、積層された複数のDLDBに応用できることは、当業者なら容易に分かる。この電気的に絶縁され、熱的に切れ目のない及び/又は連続したDLDBを1-D、特に2-Dトランスデューサアレイに使用することで、音響性能を損なうことなく大型アレイを直接冷却し、かつ電気的相互接続について比較的単純かつ費用対効果の高い手段を得ることができる。
【0253】
いくつかの実施形態では、DLDBは液体で冷却されてもよい。
【0254】
いくつかの実施形態では、チタン及び他の同様の音響インピーダンス材料(ジルコニウム等)と共に使用するために、液冷式DLDB付き680kHz材料の特定トランスデューサが提供される。トランスデューサは、50mmの直径及び二重DLDB付きスタックを有することができる。
【0255】
トランスデューサは、本技術の例示的な実施形態であり、例示的目的のみを果たすことに留意されたい。本明細書に開示されているものとは別に、トランスデューサは、当業者に知られているいくつかの他の要素を含むことができる。
【0256】
いくつかの実施形態では、トランスデューサは、厚さ2.4mmで1_3構成の分極複合圧電ディスクを含み、この厚さは、無負荷自由共振状態では約0.35~0.4λに相当するが、分極複合圧電ディスクは、1/2λモードで作動し、近位面に正極を、遠位面に負極を有する。当業者であれば理解するように、DLDBバッキング材の質量負荷効果及び音響負荷を補償するために、圧電ディスクの厚さは、1/2λよりも薄くなるように選択される。圧電複合体は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を残して、ピッチ1200μmで切断された200μmの切り溝を有する分極PZT4材料をダイスカットし、かつ充填することによって作製することができる。切り溝は、例えば、限定するものではないが、切り溝を充填する複合充填材の音響インピーダンスが約7~8メガレイリー(MR)になり、圧電複合層全体の音響インピーダンスがチタン(約27.5MR)に密接に整合するように、Epotek(登録商標)301エポキシ中にドープされた約5μmの二酸化ハフニウム粒子の0_3構成複合充填材で充填することができる。圧電複合層の負の面は、例えば、タングステン粉末充填エポキシを使用して、厚さ6mmのZA-8亜鉛アルミニウム合金のディスクの近位面に接合することができる。次いで、ZA-8ディスクの遠位面は、サブミクロン粒子の酸化ハフニウムを充填したEpotek301エポキシを使用して、アルミナ複合ディスクの近位面に接合することができる。アルミナ複合ディスクは、200μmの切り溝によって分離された750μm×750μm×1400μm(高さ)の支柱を含むことができ、切り溝は、圧電複合ディスクを作製するために使用される同じハフニウム粒子充填エポキシで充填される。アルミナ複合体の遠位面は、サブミクロンの酸化ハフニウムを充填したEpotek301エポキシの層を用いて、厚さ3mmのチタンディスクの近位面に接合することができる。次いで、サブミクロンのタングステン粉末を充填したEpotek301エポキシを使用して、以下のように、2組の二層型不整合バッキング材(DLDB)を、圧電ディスクの近位面に接合する。圧電複合ディスクの近位面は、厚さ1030μmのPoco DFP-1グラファイトディスクの遠位面に接合され、Poco DFP-1グラファイトディスクは、5.1MRの音響インピーダンス及び905μmの厚さを有し、この厚さは、トランスデューサの中心周波数である680kHzでの1/4λに相当する。次いで、グラファイトディスクの近位面は、音響インピーダンスが100MRで、厚さが1530μmのタングステンディスクの遠位面に接合される。また、タングステンディスクの厚さは、トランスデューサの中心周波数よりわずかに上である約850kHzでの1/4λに相当する。次いで、タングステンディスクの近位面は、音響インピーダンスが5.1MRで、厚さが905μmのPoco DFP-1グラファイトディスクの近位面に接合される。厚さは、トランスデューサの中心周波数よりわずかに上である約800kHzでの1/4λに相当する。グラファイトディスクの近位面は、音響インピーダンスが41.5MRで、厚さが1710μmの銅ディスクの遠位面に接合される。厚さは、680kHzでの1/4λに対応する。グラファイトディスク及びタングステンディスクは、第1二層型不整合バッキング材スタックを構成し、グラファイトディスク及び銅ディスクは、第2DLDBスタックを構成する。これらの2つのスタックが共に作用することで、トランスデューサの熱冷却解決手段から圧電複合ディスクを音響的に絶縁し、それにより、トランスデューサの音響性能を実質的に損なうことなく、熱冷却要素を銅ディスクの近位面に直接接合することができる。これらの実施形態では、厚さ1mmの高熱伝導性AINディスクの遠位面が、熱伝導性エポキシを使用して、銅ディスクの近位面に接合される。AINディスクには、ハンダ付けされたワイヤ、あるいは導電性エポキシ接合ワイヤを用いて銅ディスクに電気的接続するための空間を受け入れられるように、切り欠きが設けられている。この実施形態におけるDLDBスタック全体は、導電性かつ熱伝導性であり、DLDBスタックを通じて、圧電複合ディスクの信号電極への電気的接続を直接行うことを可能にすることに留意されたい。さらに、この例示的な実施形態で明示的に記載されている材料を超えて、本開示の技術の用途に実際に使用できる多くの材料が存在し、そのうちのいくつかは、導電性、熱伝導性、その両方、又は熱伝導性でも導電性でもないことに留意されたい。この例示的な実施形態において、DLDB層は全て、導電性かつ熱伝導性である。銅製ヒートシンクベースの近位面は、ヒートシンク頂部の遠位端にろう付け又はハンダ付けされて、中空の銅製ヒートシンクアセンブリを形成する。ヒートシンクアセンブリの遠位面は、熱伝導性であるが電気的に絶縁性を用いて、AINディスクの近位面に直接接合される。図示の実施形態では、中空ヒートシンク頂部の近位面が、同じ熱伝導性のエポキシを用いて、AINディスクの遠位面に接合されている。AINディスクは、AINディスクの中にある2つのクリアランスホールと、1つの切り欠きと、を有し、クリアランスホールは冷却管を受け入れ、冷却管は、ヒートシンク頂部の一体型有棘管に固定され、切り欠きにより、銅製DLDB層に取り付けられた信号ワイヤ用のクリアランス通路を実現することができる。AINディスクの近位面は、熱伝導性エポキシを使用して、銅製ヒートスプレッダの遠位面に接合することができる。銅製ハウジングシェルは、ZA-8ディスクの周囲に嵌め込むことができ、電気絶縁性かつ熱伝導性のエポキシを使用して、完成した音響及び熱スタックに接合することができる。いくつかの実施形態では、全ての空隙に、熱伝導性かつ電気絶縁性のエポキシが充填される。したがって、ヒートシンクアセンブリの中空の内部(すなわち、ヒートシンクの頂部及び底部)を除き、アセンブリ全体が中実になる。ゴムホースが、銅製ヒートシンク頂部の有棘ホースのボスに嵌め込まれ、ホース締め付け具で適所に固定される。ゴムホースは、例えば、限定されるものではないが、9.525mm(3/8インチ)の内径を有してもよい。トランスデューサは電気接点を含み、電気接点は、銅製の蓋にハンダ付けされたBNC RF電気コネクタによって具現化することができる。さらに、BNCコネクタの中心導体は、信号ワイヤにハンダ付けすることができる。したがって、BNC信号導体は、圧電複合ディスクの正信号電極に、電気的に接続することができる。いくつかの実施形態では、導電性エポキシを用いて、銅製シェルの近位リップに銅製の蓋をハンダ付け又は接合して、BNCコネクタのアース端子及び圧電複合ディスクの負極から、銅製シェル及びZA-8ディスクを介して、電気的接続を完成させることができる。また、トランスデューサは、電気絶縁性プラスチックハウジングを含み、ハウジングは、銅製の蓋及び銅製シェルに接合され、アルミナ複合ディスクの縁部を少なくとも部分的に覆い、チタン製ディスクの前面に載置される。次いで、出来上がったトランスデューサ(すなわち、前述の構成要素のアセンブリ)は、液体循環型空気対液体式熱交換器に接続され、適切な冷却液で満たされる。冷却液の非限定的な例は、50%プロピレングリコール/水混合物である。
【0257】
これらの実施形態を利用することで、二重DLDBスタックを介して圧電複合ディスクの信号電極を直接的に冷却し、かつ、銅製シェル及びZA-8ディスクを介して圧電複合ディスクのグランド電極を間接的に冷却することができる。こうすることで、毎分約数リットルの冷却剤流量で数百ワットの熱を除去すること及びそのようにする熱交換器を実現することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、そのような間接冷却を可能にするために、圧電材料と音響的に整合する熱伝導層を含んでもよい。加えて、本明細書に記載する設計により、90%を超える一方向の高い帯域幅(例えば、例示のトランスデューサでは6dBの帯域幅)を実現でき、圧電素子を効率的な液体充填金属ヒートシンクで直接冷却しながら、反響アーチファクトを無視できるほど小さくすることができる。
【0258】
いくつかの実施形態では、液冷式トランスデューサ用の圧電層及びDLDBのスタックが提供される。5つの層を重ねることができるが、これらの層は、その表面の全体又は一部のみに沿って等しく広がることができることが、容易に理解されるであろう。層は、チタンに整合する単一素子1/2λ圧電複合層である。層は、第1DLDBスタックの低音響インピーダンス1/4λグラファイト層である。層は、第1DLDBスタックの高音響インピーダンス1/4λタングステン層である。層は、第2DLDBスタックの低音響インピーダンス1/4λグラファイト層である。層は、第1DLDBスタックの高音響インピーダンス1/4λ銅層である。
【0259】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが、チタン摩耗層、酸化アルミニウム(AIN)複合電気絶縁層、熱伝導層、導電層、及び音響伝導層を含む。これらの層は、例えば、限定されるものではないが、亜鉛又は亜鉛合金で作製され、良好な熱導体であると同時に、チタンに音響的に整合することができる。トランスデューサはさらに、単一素子約1/2λ圧電複合層を含む。この層は、チタンに整合させることができる。トランスデューサは、第1及び第2のDLDBスタックを含み、各スタックは、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含む。より詳細には、第1DLDBスタックは、低音響インピーダンス1/4λグラファイト層及び高音響インピーダンス1/4λタングステン層を含み、第2DLDBスタックは、低音響インピーダンス1/4λグラファイト層及び高音響インピーダンス1/4λ銅層を含む。本実施形態によるトランスデューサはさらに、熱伝導性かつ電気絶縁性の層を含む。この層は、例えば、限定するものではないが、窒化アルミニウムで作製することができる。また、トランスデューサは、導電性かつ熱伝導性のハウジングと、電気絶縁性プラスチック外部ハウジングを含む。トランスデューサの他の構成要素としては、必ずしもそれらに限定されないが、ホース切り欠き部を有しAIN製にすることができる電気絶縁性ディスク、ウォーターブロック熱交換器ベース、ウォーターブロック熱交換器の頂部、ホース切り欠き部を有する銅製の熱伝達層、銅製ハウジング蓋、BNC RF電気コネクタ及び液冷ホースが挙げられる。
【0260】
いくつかの実施形態では、AIN製電気絶縁層を介してDLDBの銅層と直接熱接触し、かつ完全に電気的に絶縁された液冷熱交換器を備える2つのDLDBスタックを適所に備えた音響スタックが提供される。
【0261】
いくつかの実施形態では、厚さ1/4λ(70μm)の低インピーダンスグラファイト層と、厚さ1/4λ(130μm)の高インピーダンスタングステン層とを含む二層型不整合バッキングスタックの間に、厚さ0.12λ(62.5μm)のタングステン不整合層が挿入される10MHz圧電単一素子トランスデューサスタックが提供される。このトランスデューサスタックは、厚さが115μmで1_3構成のPZT複合スタック、厚さが62.5μmのタングステン不整合層、及び二層型不整合バッキングスタックを有する10MHz圧電スタックを含む。この実施形態によるトランスデューサは、チタンに整合させることができる単一素子1/4λ圧電複合層を含む。また、トランスデューサは0.12λ不整合層を含み、これはタングステンから作製することができる。また、トランスデューサは1つのDLDBスタックも含み、このスタックは、グラファイトで作製できる低音響インピーダンス1/4λ層と、タングステンで作製できる高音響インピーダンス1/4λ層を含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、10MHz圧電複合トランスデューサ設計が提供される。音響スタックは、圧電複合ディスク及びタングステン不整合層を含んでもよく、二重不整合バッキングスタックは、グラファイト層及びタングステン層を含む。圧電複合ディスクは、音響インピーダンスが約25MR、厚さが115μmであり、この厚さは約1/4λに相当する。圧電複合ディスクは、ディスクの近位面に正極及び電極を有し、遠位面に負極及び電極を有する。タングステン不整合層の厚さは62.5μmであり、この厚さは約0.12λに相当する。DLDBのグラファイト層の厚さは70μmであり、この厚さは、10MHzで1/4λに相当する。タングステン層の厚さは130μmであり、この厚さは、10MHzで1/4λに相当する。音響スタックは、Cotronics 4461等の低粘度エポキシを使用して、互いに接着される。電気的接続は、必要に応じて、わずかな量のサブミクロンのタングステン粉末をエポキシに充填することによって行われる。圧電複合素子を水に整合させるために、1/4波長整合層を使用してもよいことを、当業者は理解するであろう。この例示的な実施形態の目的のために、2つの1/4波長整合層が使用され、第1の整合層は、圧電複合層の遠位面に接合される。第1整合層の音響インピーダンスは約10MRであり、第2の整合層の音響インピーダンスは約3MRである。DLDBの高音響インピーダンス層の近位面に接合される銅製ヒートシンクの有無によるこのスタックのシミュレート試験の結果を、図22a、22b、23a、及び23bに示す。
【0263】
次に、一次元圧電アレイを含む超音波トランスデューサの異なる実施形態について説明する。
【0264】
<一次元圧電アレイを含む超音波トランスデューサ >
ここで図7~12を見ると、超音波トランスデューサアレイ200が示されている。
【0265】
超音波トランスデューサアレイ200は、前面204及び裏面206を有する一次元圧電アレイ202を含む。一次元圧電アレイ202は、サンプル(図には示していない)と音響的に連通するように構成される。図示のように、アレイ202は、一次元に整列する複数の圧電領域203を含む。
【0266】
また、超音波トランスデューサアレイ200は、一次元圧電アレイ202の裏面206に配置されるバッキング構造体208を含む。バッキング構造体208は、一次元圧電アレイ202の前面204に向けて音響エネルギーを反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体208は、さらに、音響エネルギーを同位相で反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体208は、さらに、バッキング構造体208内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される。バッキング構造体208は、二層型不整合バッキング材210を含む。いくつかの実施形態では、バッキング構造体208は熱伝導性かつ導電性である。いくつかの実施形態では、バッキング構造体208の頂部209は電気絶縁性材料から構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体208の頂部209はAIN製の層を含み、この層を導電性バイア236が横断し、各導電性バイア236は、一次元に配列された複数の圧電領域203のうち対応する圧電領域203に整列される。いくつかの実施形態では、AIN製の層が前面を有し、AIN製の層は、一次元に配列された複数の圧電領域203のうち隣接する圧電領域203の音響分離を強化するために、前面側から部分的にダイスカットされる。
【0267】
二層型不整合バッキング材210は、低音響インピーダンス層212及び高音響インピーダンス層214を含む。いくつかの実施形態では、低インピーダンス層212及び高音響インピーダンス層214は第1二層型不整合バッキング材210を形成し、また超音波トランスデューサは第2二層型不整合バッキング材216を含む。第2二層型不整合バッキング材216は、第2低音響インピーダンス層218及び第2高音響インピーダンス層220を含む。
【0268】
また、超音波トランスデューサ200は、予組立電気回路234を含む。予組立電気回路234は、バッキング構造体208の頂部209と電気的に導通し、その結果、圧電材料202と電気的に導通する。いくつかの実施形態では、予組立電気回路234は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200は、前述のものと同様のヒートシンクを含む。ヒートシンクは、バッキング構造体208と熱接触する。いくつかの実施形態では、ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを含む。そのようなチャネルは、チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。熱伝達流体は、液体、気体、又はそれらの任意の混合物であってもよい。
【0270】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクはバッキング構造体208から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200は、バッキング構造体208を介して一次元圧電アレイ202に電気的に接続される1つ以上の電極を含む。超音波トランスデューサ200は、一次元圧電アレイ202及びバッキング構造体208のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを含んでもよい。
【0271】
図示のように、各圧電領域203は、ギャップ238によって互いに分離されている。ギャップ238は電気絶縁性であり、好ましくは音響絶縁性である。同様に、いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層210及び高音響インピーダンス層212のうち少なくとも一方は、複数の第1素子240にダイスカットされ、一組のギャップ242の第1セットによって互いに分離されてもよい。第1セットにおける各ギャップ242は、圧電領域203を分離するギャップ238のうち対応するギャップ238と整列される。第1セットにおけるギャップ242は電気絶縁性であり、好ましくは音響絶縁性でもある。いくつかの実施形態では、第2低音響インピーダンス層218及び第2高音響インピーダンス層220のうち少なくとも一方は、複数の第2素子244にダイスカットされ、一組のギャップ246の第2セットによって互いに分離されてもよい。第2セットにおけるギャップ246はそれぞれ、圧電領域203を分離するギャップ238のうち対応するギャップ238と整列される。第2セットにおけるギャップ246は電気絶縁性であり、好ましくは音響絶縁性でもある。いくつかの実施形態では、ギャップ238、第1セットにおけるギャップ242及び第2セットにおけるギャップ246は熱伝導性である。
【0272】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200は動作周波数で動作可能である。この動作周波数は動作波長λoに関連する。低音響インピーダンス層212、高音響インピーダンス層214、第2低音響インピーダンス層218、及び第2高音響インピーダンス層220はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0273】
一実施形態では、一次元圧電アレイ202は、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0274】
別の実施形態では、超音波トランスデューサ202は、一次元圧電アレイ202とバッキング構造体208との間に配置される単一不整合層228を含む。単一不整合層228は、一次元圧電アレイ及び整合バッキング構造体208と音響的に連通する。単一不整合層228は、一次元圧電アレイ202の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有する。一次元圧電アレイ202は、動作周波数で1/4波長共振するように構成される。いくつかの実施形態では、一次元圧電アレイ202は、共振波長λrに関連する共振周波数を有し、単一不整合層228は、一次元圧電アレイ202の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一不整合層228は、約λr/10~約λr/20の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一不整合層228はタングステン製である。
【0275】
いくつかの実施形態では、一次元圧電アレイ202は、切り溝によって分離された支柱を含む。いくつかの実施形態では、切り溝が複合充填材で充填される。複合充填剤は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複合充填剤は0_3構成であってもよい。いくつかの実施形態では、エポキシはEpo-Tek(登録商標)301であってもよい。
【0276】
いくつかの実施形態では、圧電領域203は圧電層から構成される。
【0277】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200は、バッキング構造体208と接触する熱伝導構造体230を含む。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体230は、バッキング構造体208から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体230は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体230は、バッキング構造体208の側方部分上に広がっている。
【0278】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200は、耐摩耗性を有する摩耗層232を含む。いくつかの実施形態では、摩耗層232はチタン製である。
【0279】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ200は約50mmの直径を有する。
【0280】
<実施例>
以下に、一次元圧電アレイを含む超音波トランスデューサの他の実施形態を提示する。
【0281】
いくつかの実施形態では、完全にダイスカットされ、かつPCBに直接電気的に取り付けられた単一のDLDBバッキング層を有する1-Dリニアアレイが提供され、これにより、アレイの電気的相互接続を比較的容易にでき、またさらにはASIC又は高密度コネクタをスタックへ比較的直接適用することさえ可能になる。
【0282】
いくつかの実施形態では、完全にダイスカットされ、かつPCBに直接電気的に取り付けられた単一のDLDBバッキング層を有する16素子1-Dリニアアレイが提供される。先に述べたように、このように構成することで、アレイの電気的相互接続を比較的容易にでき、さらにはASIC又は高密度コネクタをスタックへ比較的直接適用することさえ可能になる。アレイは、保護摩耗層を含んでもよい。あるいは、この層は、用途に応じて、レンズ又は整合層であってもよい。圧電素子は1-Dリニアアレイを形成し、各圧電素子は、ギャップ(又は切り溝)によって互いに分離される。また、アレイは、低音響インピーダンス1/4λ層を含み、この層は、素子間にギャップを有する素子に分離され、配列された圧電素子と一列に整列する。低音響インピーダンス層上には、高音響インピーダンス1/4λ層が設けられており、この層は、タングステン製とすることができる。高音響インピーダンス層は、素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する。また、アレイには、PCB面に電極が設けられ、PCB及びプリント回路基板内のバイアは、電極を一方の面から反対側の面に接続する。
【0283】
いくつかの実施形態では、当業者であれば理解するように、音響特性を最適化するために、1次元アレイ又は2次元マトリックスを形成する素子及び層を、さらに副素子に分離してもよい。いくつかの実施形態では、圧電層を副次的にダイスカットしてもよい。さらに他の実施形態では、DLDBバッキング構造体を副次的にダイスカットしてもよく、さらに他の実施形態では、いくつかのDLDBのいくつかの層を副次的にダイスカットしてもよい。アレイ配列されたトランスデューサのこれらの例は、例示的目的のみを果たし、したがって、限定的であるとみなすべきではないことに留意されたい。より具体的には、本開示の超音波トランスデューサ(又はその構成要素)では、副次的ダイスカット及びアスペクト比の操作(例えば、追加のギャップを形成することによる)によって音響特性を向上させる任意の方法を実行してもよい。さらに、DLDBバッキング構成を、これらの方法及び技術に適用してもよい。
【0284】
いくつかの実施形態では、第2(最上部)DLDBスタックにおける横方向に熱的に連続的な層を有する二重DLDB16素子リニアアレイが提供される。熱伝導層は、AINであるが、酸化ベリリウム又は別の適切な熱伝導性かつ電気絶縁性の材料であってもよく、トランスデューサの素子に接続するための導電性バイアを含む。これにより、アレイを端部から冷却でき、また例えば、PCBを用いて直接電気的に接続することができる。当業者であれば理解するように、冷却面積とPCBが覆う範囲との間のこのトレードオフ関係は、空間及び設計の必要性に応じたトレードオフ関係となることがある。
【0285】
いくつかの実施形態では、第2(最上部)DLDBスタックにおける横方向に熱的に連続する層を有する二重DLDB16素子リニアアレイが提供される。このアレイは保護摩耗層を含む。あるいは、保護摩耗層は、用途に応じてレンズ又は整合層(単数又は複数)であってもよい。また、アレイは圧電素子を含み、各圧電素子は、ギャップ(又は切り溝)によって互いに分離され、1-Dリニアアレイを形成する。アレイは、素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する低音響インピーダンス1/4λ層と、タングステン製にすることができる高音響インピーダンス1/4λ層を含む。高音響インピーダンス1/4λ層は、素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する。アレイは、素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する別の低音響インピーダンス1/4λ層と、別の高音響インピーダンス1/4λ層を含む。この高音響インピーダンス1/4λ層は、AIN製にすることができ、ギャップを有さない。ギャップを有さないとは、層が連続的であることを意味する。この層は、アレイに沿って横方向に熱を伝達する。垂直方向の導電性は、AIN層内のバイアによって与えられる。AIN層内のバイアにより、垂直方向に隣接する層間で電気的に導通する。また、アレイは、PCB面の電極、プリント回路基板、及び、一方の面から反対側の面へ電極を接続する回路基板内のバイアを含む。
【0286】
次に、二次元圧電マトリックスを含む超音波トランスデューサの実施形態を提示する。
【0287】
<二次元圧電マトリックスを含む超音波トランスデューサ>
ここで図14図16を見ると、超音波トランスデューサ300が示されている。
【0288】
超音波トランスデューサ300は、前面304及び裏面306を有する二次元圧電マトリックス302を含む。二次元圧電マトリックス302は、サンプル(図には示していない)と音響的に連通するように構成される。以下の段落では2Dマトリックスを明示的に参照するが、このような2D構造は、超音波トランスデューサの中心に関して対称的に配置された円形ギャップを有する環状アレイによって実施してもよいことを、当業者であれば容易に理解するであろう。実際、2Dマトリックスは、任意のアレイ形状によって実施することができる。
【0289】
また、超音波トランスデューサ300は、二次元圧電マトリックス302の裏面306に配置されるバッキング構造体308を含む。バッキング構造体308は、音響エネルギーを二次元圧電マトリックス302の前面304に向けて反射するように構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体308が、音響エネルギーを同位相で反射するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体308が、バッキング構造体308内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される。バッキング構造体308は二層型不整合バッキング310を含む。いくつかの実施形態では、バッキング構造体308が熱伝導性かつ導電性である。いくつかの実施形態では、バッキング構造体308の頂部309が、電気絶縁性材料から作製される。いくつかの実施形態では、バッキング構造体308の頂部309が、導電性バイア336によって横断されるAIN製の層を含み、各導電性バイア336は、複数の圧電領域303のうち対応する圧電領域303と整列される。いくつかの実施形態では、AIN製の層が前面を有し、AIN製の層は、複数の圧電領域303のうち隣接する圧電領域303の音響分離を強化するために、前面側から部分的にダイスカットされる。
【0290】
二層型不整合バッキング310は、低音響インピーダンス層312及び高音響インピーダンス層314を含む。いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層312及び高音響インピーダンス層314が第1二層型不整合バッキング材310を形成し、超音波トランスデューサは第2二層型不整合バッキング材316を含む。第2二層型不整合バッキング材316は、第2低音響インピーダンス層318及び第2高音響インピーダンス層320を含む。
【0291】
また、超音波トランスデューサ300は、予組立電気回路334も含む。予組立電気回路334は、バッキング構造体308の頂部309と電気的に導通し、その結果、圧電材料302と電気的に導通する。いくつかの実施形態では、予組立電気回路334は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300は、前述のものと同様のヒートシンクを含む。ヒートシンクは、バッキング構造体308と熱接触すべきである。いくつかの実施形態では、ヒートシンクが少なくとも1つのチャネルを含む。そのようなチャネルは、チャネルの中に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される。熱伝達流体は、液体、気体、又はそれらの任意の混合物であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒートシンクがバッキング構造体308から電気的に絶縁される。
【0293】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300は、バッキング構造体308を介して二次元圧電マトリックス302に電気的に接続される1つ以上の電極を含む。超音波トランスデューサ300は、二次元圧電マトリックス302及びバッキング構造体308のうち少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットを含んでもよい。
【0294】
図示のように、各圧電領域303は、ギャップ338によって互いに分離されている。ギャップ338は電気絶縁性かつ音響絶縁性である。同様に、いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層310及び高音響インピーダンス層312のうち少なくとも一方は、複数の第1素子340にダイスカットされ、一組のギャップ342の第1セットによって互いに分離されてもよい。第1セットにおける各ギャップ342は、圧電領域303を分離するギャップ338のうち対応するギャップ338と整列される。第セットにおけるギャップ342は電気絶縁性かつ音響絶縁性である。いくつかの実施形態では、第2低音響インピーダンス層318及び第2高音響インピーダンス層320のうち少なくとも一方は、複数の第2素子344にダイスカットされ、一組のギャップ346の第2セットによって互いに分離されてもよい。第2セットにおける各ギャップ346は、圧電領域303を分離するギャップ338のうち対応するギャップ338と整列される。第2セットにおけるギャップ346は電気絶縁性かつ音響絶縁性である。いくつかの実施形態では、ギャップ338、第1セットにおけるギャップ342及び第2セットにおけるギャップ346が熱伝導性である。
【0295】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300は動作周波数で動作可能である。この動作周波数は、動作波長λoに関連する。低音響インピーダンス層312、高音響インピーダンス層314、第2低音響インピーダンス層318及び第2高音響インピーダンス層320はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する。
【0296】
一実施形態では、二次元圧電マトリックス302は、動作周波数で半波長共振するように構成される。
【0297】
別の実施形態では、超音波トランスデューサ300は、二次元圧電マトリックス302とバッキング構造体308との間に配置される単一不整合層328を含む。単一不整合層328は、二次元圧電マトリックス及び整合バッキング構造体308と音響的に連通する。単一不整合層328は、圧電マトリックス302に形成されたギャップと整列するギャップを有してもよい。単一不整合層328は導電性であってもよい。単一不整合層328は、二次元圧電マトリックス302の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有する。二次元圧電マトリックス302は、動作周波数で1/4波長共振するように構成される。いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックス302が、共振波長λrに関連する共振周波数を有し、単一不整合層328は、二次元圧電マトリックス302の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一不整合層328は、約λr/10~約λr/20の厚さを有する。いくつかの実施形態では、単一不整合層328はタングステン製である。
【0298】
いくつかの実施形態では、二次元圧電マトリックス302は、切り溝によって分離された支柱を含む。いくつかの実施形態では、切り溝が複合充填材で充填される。複合充填剤は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複合充填剤が0_3構成であってもよい。いくつかの実施形態では、エポキシがEpo-Tek(登録商標)301であってもよい。
【0299】
いくつかの実施形態では、圧電領域303は圧電層から構成される。
【0300】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300は、バッキング構造体308と接触する熱伝導構造体330を含む。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体330は、バッキング構造体308から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体330は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である。いくつかの実施形態では、熱伝導構造体330は、バッキング構造体308の側方部分上に広がっている。
【0301】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300は、耐摩耗性を有する摩耗層332を含む。いくつかの実施形態では、摩耗層332はチタン製である。
【0302】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ300は約50mmの直径を有する。
【0303】
<実施例>
次に、二次元圧電マトリックスを含む超音波トランスデューサの他の実施形態を提示する。
【0304】
いくつかの実施形態では、2つのDLDBスタックを有する2-Dマトリックストランスデューサが提供され、第2スタックの上層は、導電性バイアを有するAIN製の連続的な熱伝導層を備え、この熱伝導層は、前述の1Dトランスデューサの2Dバージョンに相当する。
【0305】
いくつかの実施形態では、第2(最上部)DLDBスタックにおける横方向に熱的に連続した層を有する二重DLDB16×16素子マトリックスアレイが提供される。マトリックストランスデューサは保護摩耗層を含む。保護摩耗層は、2Dトランスデューサアレイの全域に及ぶ用途に応じて、レンズ、整合層、又は他の音響構造によって代替的に置き換えることができる。マトリックストランスデューサは、2つの軸方向においてギャップ(又は切り溝)によって互いに分離されて2-Dリニアアレイ又はマトリックスアレイを形成する圧電素子を含む。マトリックストランスデューサは、2つの軸方向において素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子一列に整列する低音響インピーダンス1/4λ層と、タングステンから作製することができる高音響インピーダンス1/4λ層とを含む。高音響インピーダンス1/4λ層は、2つの軸方向において素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列することができる。これらの層は、第1DLDBスタックを画定する。また、マトリックストランスデューサは、第2DLDBスタックを含む。第2DLDBスタックは、2つの軸方向において素子間にギャップを有する素子に分離され、アレイ配列された圧電素子と一列に整列する低音響インピーダンス1/4λ層と、高音響インピーダンス1/4λ層とを含む。この層は、全体的に連続的であり、AIN製である。この文脈において、「連続的」という表現は、スタックがギャップを有さず、アレイの両軸に沿って横方向に熱を伝導することを意味する。垂直方向の導電性は、AIN層内の導電性バイアによって与えられる。この層は、縁部の素子に対して2Dアレイの内部を等温に維持するのに特に有用である。
【0306】
<超音波トランスデューサ用の低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層>
ここで図17を見ると、超音波トランスデューサ400が示されている。超音波トランスデューサ400は、前面404及び裏面406を有する圧電材料402を含む。圧電材料402は、サンプル(図17には図示されていない)と音響的に連通するように構成される。超音波トランスデューサは、圧電材料402の裏面406に配置され、かつ圧電材料402の前面404に向けて音響エネルギーを反射するように構成されるバッキング構造体408を含む。バッキング構造体408は、第1二層型不整合バッキング材410及び第2二層型不整合バッキング材416を含む。
【0307】
第1二層型不整合バッキング材410は、第1低音響インピーダンス層412及び第1高音響インピーダンス層414を含む。第2二層型不整合バッキング材416は、第1二層型不整合バッキング材410に接続される。第2二層型不整合バッキング材416は、第2低音響インピーダンス層418及び第2高音響インピーダンス層420を含む。
【0308】
超音波トランスデューサ400は、超音波トランスデューサ100、超音波トランスデューサ200、及び超音波トランスデューサ300に関して説明した任意の特徴のうち1つ以上を含んでもよいことに留意されたい。
【0309】
ここで図18を見ると、サンプル接触部504及び背部506を有する超音波トランスデューサ500が示されている。背部506はサンプル接触部504の反対側にある。超音波トランスデューサ500は、サンプル(図18には図示されていない)と音響的に連通するように構成される圧電材料502を含む。超音波トランスデューサ500は、圧電材料502と音響的に連通するバッキング構造体508を含む。バッキング構造体508は、音響エネルギーを、サンプル接触部504に向けて、かつ超音波トランスデューサ500の背部506から離れる方向に反射するように構成される。バッキング構造体508は、低音響インピーダンス層512及び高音響インピーダンス層514を含む。いくつかの実施形態では、低音響インピーダンス層512及び高音響インピーダンス層514は第1二層型不整合バッキング材510を形成し、超音波トランスデューサは第2二層型不整合バッキング材516を含む。第2二層型不整合バッキング材516は、第2低音響インピーダンス層518及び第2高音響インピーダンス層520を含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、圧電材料502は、複数の圧電領域にダイスカットされ、ギャップによって互いに分離される。ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。低音響インピーダンス層510及び高音響インピーダンス層512のうち少なくとも一方は、複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離されてもよい。第1セットにおける各ギャップは、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列されてもよい。第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。同様に、第2低音響インピーダンス層518及び第2高音響インピーダンス層520のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、一組のギャップの第2セットによって互いに分離される。第2セットにおける各ギャップは、圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列される。
第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である。
【0311】
超音波トランスデューサ500は、超音波トランスデューサ100、超音波トランスデューサ200、超音波トランスデューサ300、及び超音波トランスデューサ400に関して説明した任意の特徴のうち1つ以上を含んでもよいことに留意されたい。
【0312】
これまで超音波トランスデューサの様々な実施形態について説明してきたが、これらの実施形態のいくつかの性能について、より具体的には、本明細書に記載した超音波トランスデューサを使用して得ることができる成果について説明する。
【0313】
<結果の例>
図19aは、ヒートシンクを用いずに680kHzでチタン内を伝達する既存の空気バッキング特定材料トランスデューサ(上図)(PCT/CA2019/051046参照。内容は、参照により本明細書に組み込まれる)と、同じ条件で作動する本明細書に開示の二重DLDB特定材料トランスデューサとの比較である。DLDBによって生成されたさらなる同位相反射に起因して、帯域幅に典型的なわずかな低下が見られ、この低下は、空気バッキングトランスデューサで105%、-6dBであった帯域幅から、DLDBバージョンで91%に低下し、現状技術の空気バッキング設計と比べると、約1dBと僅かに効率が低下している。
【0314】
図19bは、チタン中を伝達する既存の空気バッキング特定材料トランスデューサのエンベロープの対数グラフ(上図)と、チタン内を伝達する本明細書に記載の二重DLDBに例示されている本技術の対数グラフ(下図)との比較である。当業者であれば、DLDB内で時間の経過と共に広がるバッキング材からの反射エネルギーが、指数関数的に減衰していることに気づくであろう。送信波のテール部におけるエネルギーは、空気バッキングされた場合より約40dB高い。このことは、それ自体望ましくないが、前述したように、ヒートシンクをスタックの裏面に取り付ける場合を考慮すれば、望ましい。
【0315】
図20は、圧電スタックの裏面に取り付けられた銅製ヒートシンクを有する3つの680kHz特定材料トランスデューサの比較であり、トランスデューサの圧電素子の裏面にヒートシンクを直接接合した空気バッキング特定材料トランスデューサ(上図)、アルミナ充填シリコーン発泡体等の音響損失性かつ熱伝導性の材料を用いてトランスデューサの圧電素子にヒートシンクを接合する既存の方法(中央図)、並びに二重DLDBスタック及びDLDBスタックの上層に直接接合されたヒートシンクを有する特定材料トランスデューサ(下図)を示す。図から分かるように、二重DLDBを備える設計では、スタックにヒートシンクが取り付けられたときに典型的な現状技術トランスデューサで見られるような内部反射に悩まされることはない。さらに、最初の2つのグラフ中では、ヒートシンクへと失われた音響エネルギーが原因で、上図のトランスデューサ出力は4dB低下し、中央図の設計では約3dB低下している。しかし、二重DLDB付きトランスデューサは、感度や帯域幅の損失を全く受けなかった。ヒートシンクを圧電スタックに接合又は結合するために、熱伝導性であるが音響損失性の層を使用する既存の手法では、有用なデバイスを得るには、一般的に、音響性能及び熱伝導率の両方について比較的かなり妥協する必要があるが、一方、DLDB付き設計の熱伝導率は、中央図のトランスデューサ設計の熱伝導率よりも1桁以上高く、同時に反響アーチファクトも示していないことに留意されたい。
【0316】
図21は、図20に示す波形のエンベロープにおける対数スケールの図である。ヒートシンクがスタックの裏面に取り付けられた場合、DLDB付きトランスデューサ(下図)内の望ましくない反響が大幅に低減することに留意されたい。また、DLDB付きスタックにおけるSNR (下図)は依然として35dBを超えているが、既存のスタックにおけるSNR(上図及び中央図)は3dB未満であり、実質的に使用できないことにも留意されたい。
【0317】
図22aは、10MHz単一素子トランスデューサについて比較したものであり、不整合層バッキング材の裏面に単一DLDBバッキング材を加えたことの効果について、1/4λ共振圧電素子と、約1/10λ厚タングステン不整合層バッキング材(DML)とのパルスエコー(双方向)のパルス応答を比較したものである。トランスデューサの性能にはほとんど変化がないことに留意されたい。より詳細には、挿入損失が0.5dB未満である点において異なり、帯域幅は同様である。
【0318】
図22bは、図22aに示す10MHz単一素子トランスデューサの波形のエンベロープ比較における対数グラフである。DLDBの効果は、バッキングからの反射エネルギーを低レベルで再分配し、時間の経過と共に拡散させることであることに留意されたい。この効果は、パルスエコー(双方向)信号で見るとフラットである。既存のDMLスタック(上図)におけるSNRが70dBを超えるのと比べて、DLDBスタック(下図)におけるSNRは約47dBに制限されており、一方、医用撮像用途では少なくとも60dBのSNRがしばしば要求される。そのため、画像処理おいてこのSNRは、要求の厳しい医療撮像用途でさえも許容可能である。治療的医療用途、並びにNDT及び他の産業上の利用にも、一般的に、DLDB付きスタックは許容可能である。リンギングテールの長さは、DLDB付きスタックによって改善されていることに留意されたい。
【0319】
図23aは、図22aにおける10MHz音響スタックの裏面に3mm厚の銅製ヒートシンクを直接追加した場合の効果の比較である。3mmの銅製ヒートシンクに直接接合されたDMLバッキング材は、画像又は検査用途には望ましくないアーチファクトをもたらす複数の内部反射を生じさせ(上図)、DLDB付きスタックは、ヒートシンクが音響スタックの前面に直接接合された場合、測定可能な変化を受けない(下図)。
【0320】
図23bは、図23aに示す10MHzトランスデューサのパルスエコー波形のエンベロープの対数グラフの比較である。DMLを備える既存のトランスデューサの裏面に銅製ヒートシンクを追加すると(上図)、SNRが3dB未満となり、ほとんどの用途において実質的に使用不可能となる。一方、本技術を備えるトランスデューサは、DLDBスタックの近位層に銅製ヒートシンク、又はPCB等の同様のデバイスが直接接合されると、50dBを超えるSNRを示すことに留意されたい。
【0321】
図24は、チタン内を伝達するように整合されたPZT複合圧電素子を有する550μm×5mm特定材料5MHz1Dアレイ素子からのパルスエコー応答について、二重DLDBバッキング材を有するものと、空気バッキング材を有するものを比較したものである。空気バッキングトランスデューサ(上図)と、DLDB付きトランスデューサ(下図)との間には、DLDB付きスタックに見られるわずかなパルス長の増加を除き、最小限の差異しか見られない。
【0322】
図25は、パルスエコー応答について、図24に記載したトランスデューサ素子と、音響スタックの裏面に6mmの銅製ヒートシンクを直接接合して追加したものと、を比較したものである。空気バッキングトランスデューサの裏面にヒートシンクが接合された場合には、かなり大きい内部反響アーチファクトが見られるが(上図)、一方、DLDB付き音響スタックでは、ヒートシンクを追加したことによる影響を受けないこと(下図)に留意されたい。より詳細には、下図は、これまで説明してきた一次元圧電アレイに対応する。また、ワイヤをハンダ付けし、又は、PCB若しくはセラミック製の孔間をDLDB素子の裏面に接合若しくはハンダ付けしても、トランスデューサ素子の音響性能の品質を劣化させずに、比較的単純化されたアレイトランスデューサ設計への道を開くことに留意されたい。
【0323】
<さらなる理論的考察>
これまで技術及び性能の異なる実施形態について説明してきたが、ここでさらなる理論的な詳細を提示する。先に述べたように、バッキング構造体は1つ以上の二層型不整合バッキング材(DLDB)スタックを含むことができ、各DLDBは2つの層を含み、これらの層は、例えば、限定されるものではないが、音響的に直接連通してもよい。いくつかの実施形態では、層を互いに接着接合することができる。DLDBスタックの各層の厚さは約1/10λ~1/2λであり、いくつかの実施形態では、約1/4λにすることができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが、2つのDLDBスタック、すなわち、グラファイトディスク、タングステンディスク、グラファイトディスク、及び銅ディスクを含む4つの層を備える。これらの4つの層は、圧電複合ディスクから近位方向に放出される音響エネルギーの大部分又は事実上ほぼ全てを反射し、その結果、圧電複合ディスクから放出される音響エネルギーのほぼ全てがチタンディスクの遠位面から外に伝達するように連動して作用する、2組の二層型不整合バッキング材(DLDB)を画定する。これらの実施形態では、チタンディスクが外側摩耗層として機能し、意図したチタン負荷への超音波結合の主点として機能し、このチタン負荷内に、トランスデューサが伝達する。しかしながら、DLDBスタックを備えるトランスデューサは、レンズ、整合層及び遅延線等の、当技術分野において知られている又はまだ知られていない任意の数の出力構成で機能することもできることに留意されたい。異なる音響インピーダンスを有する材料の界面で発生する音圧反射は、次式によって与えられる反射係数Rに従って計算される。
【0324】
R=(Z―Z)/(Z+Z) (1)
【0325】
同時に、一方の材料から他方の材料への伝達圧力は、次式に従う伝達係数Tから計算される。
【0326】
T=2Z/(Z+Z) (2)
【0327】
ここでZは、音波が媒体から進行している媒体の音響インピーダンスであり、Zは、音波が媒体の中を進行している媒体の音響インピーダンスである。これらの方程式に基づけば、音波が低音響インピーダンスから高音響インピーダンスに進行している場合、反射係数の符号が正になり、音波が高音響インピーダンス媒体から低音響インピーダンス媒体に進行している場合、反射係数の符号が負になることを、当業者は理解するであろう。透過係数は常に正である。DLDB内に層を配列することで、DLDBの第1層内のチタン摩耗層の遠位面に向けて、ほぼ全ての音響エネルギーを同位相で反射することが効果的に確保される。さらに、DLDBにおける交互に重なり合う音響的に極めて不整合な1/4波長層が存在することで、各層が共振し、非常に長い時間フレームにわたって、非常に低振幅でその層に入る音響エネルギーが再分配されることになる。その結果、不所望なバッキング反射を、時間の経過とともに低振幅で拡散させることになる。圧電素子とDLDBの第1低音響インピーダンス層との間、又は、DMLの裏面とDLDBの第1低音響インピーダンス層との間で生じる初期反射は、トランスデューサの全体的な効率に重大な影響を及ぼす。1/2波長共振トランスデューサの場合、一般的に、圧電素子とDLDBの第1低音響インピーダンス層との間の音響インピーダンス不整合を最大にするように、注意が払われる。この効果は、DML付き1/4λトランスデューサ設計を使用する場合にはそれほど大きくないが、それでもなおDLDBの全体的な性能に影響を及ぼす。
【0328】
DLDBの第1層として、グラファイト等の材料、銀メッキ中空ガラス球、低密度導電性エポキシ、あるいは、例えばグラファイトとエポキシの複合体、又はマグネシウム及びエポキシのような低音響インピーダンス金属の複合体を使用することにより、圧電素子とDLDBの第1層との間の初期反射係数を高く維持しながら、DLDBスタック全体にわたって熱伝導率及び電気伝導率の両方を維持することができる。上に挙げた例示的な材料を使用することで、必要に応じて変化する電気伝導度及び熱伝導度にしたがって、1.5~6MRの音響インピーダンスが容易に得られる。しかしながら、DLDBの層が導電性又は熱伝導性の材料から作製されることは、必ずしも必要なわけではなく、本明細書の範囲をそのように限定するものとして解釈されるべきでもない。1つ以上のDLDBスタックのいくつか又は全ての層が熱絶縁材料又は電気絶縁性材料から作製されることが望ましい場合に、適用例があることもある。非導電性DLDBスタックの一例は、約1/4波長厚のアルミナ層に接合された約1/4波長厚のレキソライト(架橋ポリスチレン)層である。さらに、DLDBスタックの層は、導電性バイアを有するAIN等のハイブリッド材料から作製することができる。DLDBの次の第2層は、それ自体と低音響インピーダンス層との間の音響インピーダンス不整合を最大化するように選択される必要がある。タングステン金属、モリブデン金属、炭化タングステン、及び他の高音響インピーダンス材料等の材料は、高音響インピーダンス、良好な熱伝導率及び良好な導電性の良い組み合わせを提供する。特定の用途に合わせることができ、それでもなお本技術の範囲内に該当する多くの他の材料が存在することに留意されたい。
【0329】
DLDBスタックの効果は、以下の簡略化された理論によって説明することができる。第1ステップは、トランスデューサの中心周波数で無限に狭い帯域幅における機能を考えることである。第2ステップは、各層が中心周波数で正確に1/4λであると考えることである。これらの仮定は、デバイスの有効帯域幅を拡張するために最適化された各DLDBの各層が比較的広帯域である実際のデバイスの場合ではないことを、当業者であれば容易に理解するであろう。しかしながら、DLDBスタックの全体的な機能を明確にするために、狭帯域の場合が、全てのDLDB層が中心周波数の波長の1/4倍の厚さであるとして扱うものと考えて、その場合について詳細に説明する。非常に対照的な音響インピーダンスの1/4波長層を、1/2λ共振圧電設計の場合には、圧電複合層に隣接させて積み重ね、又は1/4λ共振圧電設計の場合には、不整合層に隣接させて積み重ねると、各境界における反射係数が高い(例えば、好ましくは80%を超える)ため、互いに高度に音響的に分離された一連の強い共振層が作製される。バッキングの効果の説明は、一例として、及び図13を参照して、より容易に影響される。本明細書に開示されている音響スタックの実施形態を使用すると、まず、圧電層から第1グラファイト層へ進む音波が180°の位相変化(負の反射係数)を受け、69%の反射が圧電層に戻り、残りの31%の音波がグラファイト層へ伝達されることが分かる。グラファイト層に入ると、音波はグラファイト層内で反響し、その結果、層を横切る全てのトリップが同位相になり、層は1/4波長共振する。波は、タングステン層との境界で90%の反射を受け、圧電層との境界で69%の反射を受ける。グラファイト層内の反響音波は、グラファイト層の近位壁から奇数回反射した後のみ、すなわち、1回目、3回目、5回目等の反射の後のみ、圧電層内に反射されて戻る時に同位相であることを、当業者であれば理解するであろう。また、グラファイト層内の音波は、グラファイト層の近位壁から偶数回反射した後、すなわち、2回目、4回目、6回目等の反射の後には、位相がずれていることにも気づくであろう。グラファイト層から隣接するタングステン層に伝達される音圧波は、グラファイト層の遠位壁から偶数回反射した後には同位相であり、その結果、0回目、2回目、4回目、…の反射がタングステン層に進み、タングステン層内で強め合う干渉を受けるが、1回目、3回目、5回目、…の反射は、タングステン層内で弱め合う干渉を受けることにも留意されたい。各DLDBを組み合わせた効果の一次近似は、時間の経過と共に各音響パルスのエネルギーを拡散させることであり、各反響の振幅は指数関数的に減衰する。その結果、図19a及び19bに明確に示すように、非常に低レベルで指数関数的に減衰する音響「テール」が、トランスデューサのインパルス応答に加えられる。超音波トランスデューサのインパルス応答に減衰リングダウンを加えることは一般的に望ましくないが、DLDBは、この負の効果を2つのやり方で補償する。第一に、リングダウンは非常に低レベルであり、通常、一方向の用途では-35dBで、双方向の場合は-50dBである。第二に、DLDB付きトランスデューサのインパルス応答は、一般的に、ヒートシンク等の所望のデバイスの追加及びトランスデューサスタックへの電気的接続による影響を受けない。バッキング、圧電材料の近位面又はトランスデューサの不整合層の近位面と実質的に音響的に連通しているヒートシンク、PCB又は他の同様の構造物が、トランスデューサに直接接合して装備されている場合、DLDBの第1層の位相反射率が優れているため、トランスデューサのインパルス応答は、それらの間にDLDBスタックを介在させることにより、典型的には約-20dB~-30dB改善されることに、当業者は留意するであろう。同様に、DLDBスタックの裏面に伝わるエネルギーは、共振層を介して伝達され、また時間の経過と共に拡散し、振幅が減少するので、DLDBの組の近位面に到達する波の振幅は非常に小さく、時間の経過とともに拡散する。したがって、ヒートシンク、PCB、及び/又は同様のものは、スタックの音響性能にほとんど又は全く影響を及ぼさずに、最後のDLDBスタックの近位面に接合し、あるいは他の方法で隣接して接触させることができる。図13が広帯域の場合を提示するように適合される場合、位相のずれた反射は他の周波数で起こるので、超音波トランスデューサの前面に向かう同位相反射が観察され得る。注目すべきは、位相のずれた反射が、ランダムで、かつしばしば弱め合うように互いに干渉することである。したがって、位相のずれた反射は、設計された動作周波数で発生する同位相反射よりも重要度が低いであろう。
【0330】
図19b及び21に示す680kHz液冷式トランスデューサのエンベロープの対数グラフを観察すると、DLDB層内の音響エネルギーの時間的な拡散の効果をはっきりと見ることができる。
【0331】
比較的小さな空間内におけるこの非常に効果的な隔離の効果は、ヒートシンク、PCB、ハンダ付けされたワイヤ、ASIC及び他の望ましい構造を、トランスデューサの音響スタックへ直接接続することを可能にすることである。例えばハンダ付けにより、PCBをアレイの音響スタックに、例えば既製品の高密度電気コネクタを介して電気相互接続配線をPCBに、予めハンダ付けする撮像アレイに、電気的に直接接続することができるという利益を、当業者は理解するであろう。さらに、例えば異方性導電テープを使用することにより、音響性能を損なわずに、ASICを1D又は2Dアレイに比較的容易に直接貼り付けることができることを、当業者は理解するであろう。
【0332】
本明細書に記載した技術の実施形態は、ここで提示するいくつかの利点に関連する。全体として、既存の低音響インピーダンス吸収バッキング又は単純なDML層ではなくDLDBを使用するのは、電気部品、ヒートシンク、又は他の所望の構造を、最小限の空間(及び/又は限られた空間)で音響スタックに直接接続することを可能にするためである。さらに、DLDBは、例えば、限定されるものではないが、DLDBが必要とする空間が小さいことに起因して、カテーテルベースのトランスデューサのようなより空間的に限定される用途において、トランスデューサの組立を可能にすることができる。
【0333】
DLDBの組がグラファイト及びタングステンを含む実施形態では、音響エネルギーの97%までは、タングステン層の背壁に到達する前に、トランスデューサの前方から同位相で反射させることができる。トランスデューサが第2対目のDLDB層を含む場合、第2対のDLDB層は、第2タングステン層の裏面に到達する音圧を70dB超低減でき、PCB又はヒートシンクによってその面で発生するいずれの反射又は反響も、dBスタックを通って戻るときにさらに低減される。第2DLDBは、電気的又は熱的特性を理由に、銅又は窒化アルミニウム等の低音響インピーダンスの第2層を利用する場合であっても、実際の結果は良好であり、場合によっては、音響スタックからの電気的相互接続配線及び/又はヒートシンクをほぼ完全に音響的に絶縁する。
【0334】
DLDBの高音響インピーダンス層及び低音響インピーダンス層は、固体材料から作製でき、ダイスカットされたグラファイト等の導電性音響複合材料から、ダイスカット後にスパッタリングし、エポキシを充填して、音響インピーダンスが約2.5MR~約4MRで、導電性及び熱伝導性が高い層を形成して作製でき、又は、例えばエポキシに混合される銀メッキされたマイクロバルーンから作製できるが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0335】
導電性バッキングにより、PCB、ASIC、又は、今やデバイスの音響性能に悪影響を及ぼすハンダ付け若しくは配線された接合部の直接取り付けを可能にするという点で、バッキングの電気的特性は有用であり得る。
【0336】
また、DLDBに熱伝導性バッキング材料を使用することで、PMN-PT等の高性能リラクサ材料及び関連材料の開発に伴って臨界状況まで高めている圧電素子の高効率放熱を可能にするという点で、バッキングの熱的特性も有用であり得る。
【0337】
理論的見地からは、一般的に、DLDBバッキングが機能する周波数の範囲に制限はないことに留意されたい。実用的見地からは、周波数は、少なくとも10MHz又は状況によっては100kHzから、及びことによれば、十分なプロセス制御をすることで50MHz又は100MHzまで使用することができる。
【0338】
いくつかの代替的な実施形態及び実施例を、本明細書に記載かつ例示している。
上記の実施形態は、単に例示を目的として記載している。個々の実施形態の特徴、並びに構成要素の実現可能な組み合わせ及び変形例を、当業者であれば理解するであろう。さらに、いずれの実施形態も、本明細書に開示される他の実施形態と任意で組み合わせて提供できることを、当業者であれば理解するのであろう。したがって、本実施例及び実施形態は、全ての点において例示的かつ非限定的であると見なされるべきである。したがって、これまで特定の実施形態を例示し、かつ記載してきたが、本明細書に規定する範囲から著しく逸脱することなく、多数の変更を想起するであろう。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサにおいて、
前面及び裏面を有する圧電材料であって、サンプルと音響的に連通するように構成されている、該圧電材料と、
前記圧電材料の前記裏面に配置され、また前記圧電材料の前記前面に向けて音響エネルギーを反射するように構成され、熱伝導性かつ導電性であるバッキング構造体であって、
第1二層型不整合バッキング材であり、
第1グラファイト層、及び、
前記第1グラファイト層と接触するタングステン製の層、
を有する、該第1二層型不整合バッキング材、
前記第1二層型不整合バッキング材に接触する第2二層型不整合バッキング材であり、
第2グラファイト層、及び、
前記第2グラファイト層と接触する銅層、
を有する、該第2二層型不整合バッキング材料、
を含む、該バッキング構造体と、
前記バッキング構造体と熱接触するヒートシンクと、並びに、
前記圧電材料と電気的に導通する1つ以上の電極と、
を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、前記チャネルは、チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成されている、超音波トランスデューサ。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝達流体は液体である、超音波トランスデューサ。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また
前記第1グラファイト層、前記第1グラファイト層と接触するタングステン製の層、前記第2グラファイト層及び前記銅層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項6】
請求項5に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、前記動作周波数で半波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項7】
請求項5に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料と前記バッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、前記単一不整合層は、前記圧電材料及び前記バッキング構造体と音響的に連通しており、前記単一不整合層は、前記圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記圧電材料は、前記動作周波数で4分の1波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一不整合層は、前記圧電材料の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項9】
請求項8に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項10】
請求項7~9のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層はタングステン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、約27.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する音響特性を持つ、超音波トランスデューサ。
【請求項12】
請求項1~11のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記第1グラファイト層は約5.1メガレイリーの音響インピーダンスを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項13】
請求項1~12のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記第1グラファイト層は約1.5mm~約1.6mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記タングステン層は約100メガレイリーの音響インピーダンスを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項15】
請求項1~14のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記タングステン層は約2.6mm~約2.7mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項16】
請求項1~15のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記第2グラファイト層は約5.1メガレイリーの音響インピーダンスを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記第2グラファイト層は約1.5mm~約1.6mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項18】
請求項1~17のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記銅層は約41.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項19】
請求項1~18のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記銅層は約2.5mm~約2.6mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項20】
請求項1~19のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、分極された複合圧電ディスクである、超音波トランスデューサ。
【請求項21】
請求項20に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記分極された複合圧電ディスクは1_3構成である超音波トランスデューサ。
【請求項22】
請求項1~19のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料はPZT4であり、前記圧電材料は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を有し、前記切り溝は約1200μmのピッチで切断される、超音波トランスデューサ。
【請求項23】
請求項22に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は約2.35mm~約2.45mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、超音波トランスデューサ。
【請求項25】
請求項24に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記複合充填材は0_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項26】
請求項24又は25に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である、超音波トランスデューサ。
【請求項27】
請求項1~19のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は圧電層から構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項28】
請求項1~27のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項29】
請求項28に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体はAIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である、超音波トランスデューサ。
【請求項31】
請求項28~30のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記バッキング構造体の側方部分上に広がっている、超音波トランスデューサ。
【請求項32】
請求項28~31のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記熱伝導構造体を貫通する少なくとも1つの導電性バイアを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項33】
請求項1~32のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料、前記バッキング構造体、及び前記1つ以上の電極のうち少なくとも1つに電気的に接続される制御ユニットを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項34】
請求項1~33のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記1つ以上の電極が、前記バッキング構造体を介して前記圧電材料に電気的に接続される、超音波トランスデューサ。
【請求項35】
請求項1~34のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、耐摩耗性を有する摩耗層を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項36】
請求項35に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記摩耗層はチタン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項37】
請求項1~36のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項38】
請求項1~37のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、さらに、前記音響エネルギーを同位相で反射するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項39】
請求項1~38のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、さらに、前記バッキング構造体内の望ましくない音響反響を空間的及び時間的に分散させるように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項40】
超音波トランスデューサにおいて、
前面及び裏面を有し、サンプルと音響的に連通するように構成されている圧電材料と、並びに、
前記圧電材料の前記裏面に配置され、かつ前記圧電材料の前記前面に向けて音響エネルギーを反射するように構成されるバッキング構造体であって、
第1低音響インピーダンス層及び第1高音響インピーダンス層より成る第1二層型不整合バッキング材、及び、
前記第1二層型整合バッキング材に接続され、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層より成る第2二層型不整合バッキング材、
を含む、該バッキング構造体と、
を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項41】
請求項40に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と熱接触するヒートシンク又は前記圧電材料と音響的に整合する熱伝導層のうち少なくとも一方を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項42】
請求項40又は41に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料と電気的に導通する1つ以上の電極を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項43】
請求項40~42のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である、超音波トランスデューサ。
【請求項44】
請求項40~43のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、予組立電気回路を備え、前記予組立電気回路は、前記バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、前記圧電材料と電気的に導通する、超音波トランスデューサ。
【請求項45】
請求項44に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項46】
請求項41に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、前記チャネルは、前記チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項47】
請求項46に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝達流体は液体である、超音波トランスデューサ。
【請求項48】
請求項46又は47に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項49】
請求項40~48のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また
前記第1低音響インピーダンス層、前記第1高音響インピーダンス層、前記第2低音響インピーダンス層、及び前記第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項50】
請求項49に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、前記動作周波数で半波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項51】
請求項49に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料と前記バッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、前記単一不整合層は、前記圧電材料及び前記バッキング構造体と音響的に連通しており、前記単一不整合層は、前記圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記圧電材料は、前記動作周波数で4分の1波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項52】
請求項51に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一不整合層は、前記圧電材料の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項53】
請求項52に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項54】
請求項51~53のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層はタングステン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項55】
請求項40~54のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、約27.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する音響特性を持つ、超音波トランスデューサ。
【請求項56】
請求項40~55のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、分極された複合圧電ディスクである、超音波トランスデューサ。
【請求項57】
請求項56に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記分極された複合圧電ディスクは約2.4mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項58】
請求項56又は57に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記分極複合圧電ディスクは1_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項59】
請求項40~55のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料はPZT4の複合体であり、前記圧電材料は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を有し、前記切り溝は、約1200μmのピッチで切断される、超音波トランスデューサ。
【請求項60】
請求項59に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、超音波トランスデューサ。
【請求項61】
請求項60に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記複合充填材は0_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項62】
請求項60又は61に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である、超音波トランスデューサ。
【請求項63】
請求項40~55のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は圧電層から構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項64】
請求項40~63のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項65】
請求項64に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項66】
請求項64又は65に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である、超音波トランスデューサ。
【請求項67】
請求項64~66のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記バッキング構造の側方部分上に広がっている、超音波トランスデューサ。
【請求項68】
請求項64~67のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記熱伝導構造体を貫通する少なくとも1つの導電性バイアを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項69】
請求項40~68のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料及び前記バッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項70】
請求項42に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記1つ以上の電極が、前記バッキング構造体を介して前記圧電材料に電気的に接続される、超音波トランスデューサ。
【請求項71】
請求項40~70のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、耐摩耗性を有する摩耗層を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項72】
請求項71に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記摩耗層はチタン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項73】
請求項40~72のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項74】
請求項40~73のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、前記音響エネルギーを同位相で反射するようにさらに構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項75】
請求項40~74のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、前記バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項76】
サンプル接触部と、前記サンプル接触部の反対側にある背部と、を有する超音波トランスデューサであって、
サンプルと音響的に連通するように構成された圧電材料と、並びに
前記圧電材料と音響的に連通するバッキング構造体であり、音響エネルギーを、前記サンプル接触部に向けて、かつ前記超音波トランスデューサの前記背部から離れる方向に反射するように構成されており、
低音響インピーダンス層、及び
高音響インピーダンス層、
を含む、該バッキング構造体と、
を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項77】
請求項76に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層は第1二層型不整合バッキング材を形成し、前記超音波トランスデューサは、さらに、第2二層型不整合バッキング材を備え、前記第2二層型不整合バッキング材は、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項78】
請求項76又は77に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と熱接触するヒートシンクを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項79】
請求項76~78のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料と電気的に導通する1つ以上の電極を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項80】
請求項76~79のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である、超音波トランスデューサ。
【請求項81】
請求項76~80のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、予組立電気回路を備え、前記予組立電気回路は、前記バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、前記圧電材料と電気的に導通する、超音波トランスデューサ。
【請求項82】
請求項81に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項83】
請求項78に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、前記チャネルは、前記チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項84】
請求項83に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝達流体は液体である、超音波トランスデューサ。
【請求項85】
請求項83又は84に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項86】
請求項77に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また
前記低音響インピーダンス層、前記高音響インピーダンス層、前記第2低音響インピーダンス層、及び前記第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項87】
請求項86に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、前記動作周波数で半波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項88】
請求項86に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料と前記バッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、前記単一不整合層は、前記圧電材料及び前記バッキング構造体と音響的に連通しており、前記単一不整合層は、前記圧電材料の音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記圧電材料は、前記動作周波数で4分の1波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項89】
請求項88に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一不整合層は、前記圧電材料の共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項90】
請求項89に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項91】
請求項88~90のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層はタングステン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項92】
請求項76~91のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、約27.5メガレイリーの音響インピーダンスを有する音響特性を持つ、超音波トランスデューサ。
【請求項93】
請求項76~92のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は、分極された複合圧電ディスクである、超音波トランスデューサ。
【請求項94】
請求項93に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記分極された複合圧電ディスクは約2.4mmの厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項95】
請求項92又は93に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記分極された複合圧電ディスクは1_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項96】
請求項76~92のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料はPZT4の複合体であり、前記圧電材料は、200μmの切り溝によって分離された1000μm×1000μmの支柱を有し、前記切り溝は、約1200μmのピッチで切断される、超音波トランスデューサ。
【請求項97】
請求項96に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、超音波トランスデューサ。
【請求項98】
請求項97に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記複合充填材は0_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項99】
請求項96又は97に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である、超音波トランスデューサ。
【請求項100】
請求項76~92のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電材料は圧電層から構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項101】
請求項76~100のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項102】
請求項101に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項103】
請求項100又は101に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である、超音波トランスデューサ。
【請求項104】
請求項101~103のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記バッキング構造体の側方部分上に広がっている、超音波トランスデューサ。
【請求項105】
請求項101~104のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記熱伝導構造体を貫通する少なくとも1つの導電性バイアを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項106】
請求項76~105のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記圧電材料及び前記バッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項107】
請求項79に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記1つ以上の電極が、前記バッキング構造体を介して前記圧電材料に電気的に接続される、超音波トランスデューサ。
【請求項108】
請求項79~107のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、耐摩耗性を有する摩耗層を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項109】
請求項108に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記摩耗層はチタン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項110】
請求項76~109のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項111】
請求項76~110のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、前記音響エネルギーを同位相で反射するようにさらに構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項112】
請求項76~111のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、前記バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項113】
請求項77~112のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、
前記圧電材料は、複数の圧電領域にダイスカットされ、ギャップによって互いに分離され、前記ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性であり、
前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離され、前記第1セットにおけるギャップはそれぞれ、前記圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、前記第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性であり、
前記第2低音響インピーダンス層及び前記第2高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、一組のギャップの第2セットによって互いに分離され、前記第2セットにおけるギャップはそれぞれ、前記圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、前記第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項114】
請求項113に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ギャップ、前記第1セットにおけるギャップ及び前記第2セットにおけるギャップは熱伝導性である、超音波トランスデューサ。
【請求項115】
超音波トランスデューサにおいて、
前面及び裏面を有する一次元圧電アレイであり、サンプルと音響的に連通するように構成され、また一次元にアレイ配列された複数の圧電領域を含む、該一次元圧電アレイと、
前記一次元圧電アレイの前記裏面に配置され、かつ音響エネルギーを前記一次元圧電アレイの前面に向けて反射するように構成されるバッキング構造体であって、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層より成る二層型不整合バッキング材を含む、該バッキング構造体と、
前記バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、前記一次元圧電アレイと電気的に導通する予組立電気回路と、
を備える、超音波トランスデュ-サ。
【請求項116】
請求項115に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、第2二層型不整合バッキング材を備え、前記第2二層型不整合バッキング材は、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項117】
請求項115又は116に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と熱接触するヒートシンクを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項118】
請求項115~117のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに前記一次元圧電アレイと電気的に導通する1つ以上の電極を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項119】
請求項115~118のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造は熱伝導性かつ導電性である、超音波トランスデューサ。
【請求項120】
請求項115~119のうちいずれか1項記載の超音波トランスデューサにおいて、前記予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項121】
請求項116~120のうちいずれか1項記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電領域各々はギャップによって互いに分離され、前記ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項122】
請求項121に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離され、前記第1セットにおけるギャップはそれぞれ、前記圧電領域を分離する前記ギャップのうち対応するギャップと整列され、前記第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項123】
請求項121又は122に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記第2低音響インピーダンス層及び前記第2高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、一組のギャップの第2セットによって互いに分離され、前記第2セットにおけるギャップはそれぞれ、前記圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、前記第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項124】
請求項123に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ギャップ、前記第1セットにおけるギャップ、及び前記第2セットにおけるギャップは熱伝導性である、超音波トランスデューサ。
【請求項125】
請求項115~124のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体の頂部は電気絶縁性材料から作製される、超音波トランスデューサ。
【請求項126】
請求項125に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記電気絶縁性材料は熱伝導性である、超音波トランスデューサ。
【請求項127】
請求項115~126のうちいずれか1項記載の超音波トランスデューサにおいて、前記頂部は、導電性バイアによって横断されるAIN製の層を有し、前記導電性バイア各々は、一次元にアレイ配列された前記複数の圧電領域のうち対応する圧電領域と整列される、超音波トランスデューサ。
【請求項128】
請求項127に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記AIN製の層は前面を有し、前記AIN製の層は、前記前面側から部分的にダイスカットされて、一次元にアレイ配列された前記複数の圧電領域のうち隣接する圧電領域の音響分離を強化する、超音波トランスデューサ。
【請求項129】
請求項117に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、前記チャネルは、内部に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項130】
請求項129に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝達流体は液体である、超音波トランスデューサ。
【請求項131】
請求項129又は130に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項132】
請求項116に記載の超音波トランスデューサにおいて、
前記超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、
前記低音響インピーダンス層、前記高音響インピーダンス層、前記第2低音響インピーダンス層及び前記第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項133】
請求項132に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記一次元圧電アレイは、前記動作周波数で半波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項134】
請求項132に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記一次元圧電アレイと前記バッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、前記単一不整合層は、前記一次元圧電アレイ及び前記バッキング構造体と音響的に連通し、前記単一不整合層は、前記一次元圧電アレイの音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記一次元圧電アレイは、前記動作周波数で4分の1波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項135】
請求項134に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記一次元圧電アレイは共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一不整合層は、前記一次元圧電アレイの共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項136】
請求項135に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項137】
請求項134~136のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層はタングステン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項138】
請求項115~137のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記圧電領域は、切り溝によって分離された支柱を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項139】
請求項138に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、超音波トランスデューサ。
【請求項140】
請求項139に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記複合充填材は0_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項141】
請求項139又は140に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である、超音波トランスデューサ。
【請求項142】
請求項115~137のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、各圧電領域は圧電層から構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項143】
請求項115~142のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項144】
請求項143に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項145】
請求項143又は144に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である、超音波トランスデューサ。
【請求項146】
請求項143~145のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記バッキング構造の側方部分上に広がっている、超音波トランスデューサ。
【請求項147】
請求項113~142のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記一次元圧電アレイ及び前記バッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項148】
請求項147に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記1つ以上の電極が、前記バッキング構造体を介して前記一次元圧電アレイに電気的に接続される、超音波トランスデューサ。
【請求項149】
請求項115~148のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、耐摩耗性を有する摩耗層を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項150】
請求項149に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記摩耗層はチタン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項151】
請求項115~150のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項152】
請求項115~151のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、さらに、前記音響エネルギーを同位相で反射するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項153】
請求項115~152のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、さらに、前記バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項154】
超音波トランスデューサにおいて、
前面及び裏面を有し、サンプルと音響的に連通するように構成されている二次元圧電マトリックスと、
前記一次元圧電マトリックスの前記裏面に配置され、また音響エネルギーを前記二次元圧電マトリックスの前面に向けて反射するように構成されるバッキング構造体であって、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層より成る二層型不整合バッキング材を含む、該バッキング構造体と、
前記バッキング構造体の頂部と電気的に導通し、その結果、前記二次元圧電マトリックスと電気的に導通する予組立電気回路と、
を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項155】
請求項154に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、第2二層型不整合バッキング材を備え、前記第2二層型不整合バッキング材は、第2低音響インピーダンス層及び第2高音響インピーダンス層を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項156】
請求項154又は155に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と熱接触するヒートシンクを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項157】
請求項154~156のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記二次元圧電マトリックスと電気的に導通する1つ以上の電極を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項158】
請求項154~157のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は熱伝導性かつ導電性である、超音波トランスデューサ。
【請求項159】
請求項154~158のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記予組立電気回路は、プリント回路基板、インターポーザ、集積回路、及び特定用途向け集積回路のうち少なくとも1つを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項160】
請求項155~159のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記二次元圧電マトリックスは複数の圧電領域を有し、各圧電領域はギャップによって互いに分離され、前記ギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項161】
請求項160に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記低音響インピーダンス層及び前記高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第1素子にダイスカットされ、一組のギャップの第1セットによって互いに分離され、前記第1セットにおけるギャップはそれぞれ、前記圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、前記第1セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項162】
請求項160又は161に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記第2低音響インピーダンス層及び前記第2高音響インピーダンス層のうち少なくとも一方は、複数の第2素子にダイスカットされ、一組のギャップの第2セットによって互いに分離され、前記第2セットにおけるギャップはそれぞれ、前記圧電領域を分離するギャップのうち対応するギャップと整列され、前記第2セットにおけるギャップは電気絶縁性かつ音響絶縁性である、超音波トランスデューサ。
【請求項163】
請求項162に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ギャップ、前記第1セットにおけるギャップ及び前記第2セットにおけるギャップは熱伝導性である、超音波トランスデューサ。
【請求項164】
請求項154~163のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体の頂部は電気絶縁性材料から作製される、超音波トランスデューサ。
【請求項165】
請求項162に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記電気絶縁性材料は熱伝導性である、超音波トランスデューサ。
【請求項166】
請求項160~164のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記頂部は、導電性バイアによって横断されるAIN製の層を有し、各導電性バイアは、前記複数の圧電領域のうち対応する圧電領域と整列される、超音波トランスデューサ。
【請求項167】
請求項166に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記AIN製の層は前面を有し、前記AIN製の層は、前記前面側から部分的にダイスカットされ、一次元にアレイ配列された前記複数の圧電領域のうち隣接する圧電領域の音響分離を強化する、超音波トランスデューサ。
【請求項168】
請求項156に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは少なくとも1つのチャネルを有し、前記チャネルは、前記チャネル内に熱伝達流体を受け入れて循環させるように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項169】
請求項168に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝達流体は液体である、超音波トランスデューサ。
【請求項170】
請求項168又は169に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記ヒートシンクは前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項171】
請求項155に記載の超音波トランスデューサにおいて、
前記超音波トランスデューサは、動作波長(λo)に関連する動作周波数で動作可能であり、また
前記低音響インピーダンス層、前記高音響インピーダンス層、前記第2低音響インピーダンス層及び前記第2高音響インピーダンス層はそれぞれ、おおよそλo/4又はλo/4の奇数倍に対応する厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項172】
請求項171に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記二次元圧電マトリックスは、前記動作周波数で半波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項173】
請求項171に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記二次元圧電マトリックスと前記バッキング構造体との間に配置される単一不整合層を備え、前記単一不整合層は、前記二次元圧電マトリックス及び前記バッキング構造体と音響的に連通しており、前記単一不整合層は、前記二次元圧電マトリックスの音響インピーダンスよりも相対的に高い対応する音響インピーダンスを有し、前記二次元圧電マトリックスは、前記動作周波数で4分の1波長共振するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項174】
請求項173に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記二次元圧電マトリックスは共振周波数を有し、前記共振周波数は共振波長λrに関連し、前記単一不整合層は、前記二次元圧電マトリックスの共振周波数に対して2λr/5未満の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項175】
請求項174に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層は約λr/10~約λr/20の厚さを有する、超音波トランスデューサ。
【請求項176】
請求項173~175のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記単一不整合層はタングステン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項177】
請求項154~176のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記二次元圧電マトリックスは、切り溝によって分離された支柱を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項178】
請求項177に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記切り溝は複合充填材で充填され、前記複合充填材は、エポキシ中にドープされた二酸化ハフニウムの粒子を含む、超音波トランスデューサ。
【請求項179】
請求項178に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記複合充填材は0_3構成である、超音波トランスデューサ。
【請求項180】
請求項178又は179に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記エポキシはEpo-Tek(登録商標)301である、超音波トランスデューサ。
【請求項181】
請求項154~180のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記二次元圧電マトリックスは圧電層から構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項182】
請求項154~181のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記バッキング構造体と接触する熱伝導構造体を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項183】
請求項182に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は前記バッキング構造体から電気的に絶縁される、超音波トランスデューサ。
【請求項184】
請求項182又は183に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、AIN製の層又は酸化ベリリウム製の層である、超音波トランスデューサ。
【請求項185】
請求項182~184のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記熱伝導構造体は、前記バッキング構造体の側方部分上に広がっている、超音波トランスデューサ。
【請求項186】
請求項154~185のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、前記二次元圧電マトリックス及び前記バッキング構造体のうち少なくとも一方に電気的に接続される制御ユニットを備える、超音波トランスデューサ。
【請求項187】
請求項186に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記1つ以上の電極が、前記バッキング構造体を介して、前記二次元圧電マトリックスに電気的に接続される、超音波トランスデューサ。
【請求項188】
請求項154~187のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、さらに、耐摩耗性を有する摩耗層を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項189】
請求項188に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記摩耗層はチタン製である、超音波トランスデューサ。
【請求項190】
請求項154~189のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記超音波トランスデューサは約50mmの直径を有する、超音波トランスデューサ。
【請求項191】
請求項154~190のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、さらに、前記音響エネルギーを同位相で反射するように構成される、超音波トランスデューサ。
【請求項192】
請求項154~191のうちいずれか一項に記載の超音波トランスデューサにおいて、前記バッキング構造体は、前記バッキング構造体内の望ましくない音響反響を、空間的及び時間的に分散させるようにさらに構成される、超音波トランスデューサ。
【国際調査報告】