(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-23
(54)【発明の名称】ゴースト低減のためのガラスラミネートの標準的なくさび形プロファイル
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20230116BHJP
G02B 27/28 20060101ALI20230116BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
G02B27/01
G02B27/28 Z
B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528940
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 IB2020060709
(87)【国際公開番号】W WO2021099905
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】パンクラッツ,ステファン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】エドモンド,ウィリアム エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マシュー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デルロフスク,ジョン エフ., サード
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199AB12
2H199AB52
2H199AB62
2H199DA03
2H199DA22
2H199DA24
2H199DA33
2H199DA42
3D344AA08
3D344AA19
3D344AA21
3D344AB01
3D344AC24
3D344AC25
(57)【要約】
ヘッドアップディスプレイは、標準的なくさび形プロファイルを有するウィンドシールド(10)と、p偏光された光のための埋め込まれた反射偏光子(20)と、ディスプレイ(40)と、を含む。反射偏光子は、ウィンドシールドの最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面(11)と第2の主ガラス表面(12)との間に配置され、最も外側の反対向きの第1の主ガラス表面(11)及び第2の主ガラス表面(12)から間隔をあけている。ヘッドアップディスプレイは、搭乗者の眼で見るための、仮想画像を形成する。ディスプレイによって発出された画像は、ディスプレイの所定の領域からから発出され、ウィンドシールドの最も外側の第1の主ガラス表面に約60度超の入射角で入射する第1の画像光線を含んでもよく、入射した第1の発出画像光線の少なくとも90%は、第1の発出画像光線の入射面内で偏光される。ヘッドアップディスプレイは、標準的なくさび形プロファイルを有するウィンドシールド(10)と、p偏光された光のための埋め込まれた反射偏光子(20)と、ディスプレイ(40)と、を含む。反射偏光子は、ウィンドシールドの最も外側の反対向きの第1の主ガラス表面(11)と第2の主ガラス表面(12)との間に配置され、最も外側の反対向きの第1の主ガラス表面(11)及び第2の主ガラス表面(12)から間隔をあけている。ヘッドアップディスプレイは、搭乗者の眼で見るための、仮想画像を形成する。ディスプレイによって発出された画像は、ディスプレイの所定の領域からから発出され、ウィンドシールドの最も外側の第1の主ガラス表面に約60度超の入射角で入射する第1の画像光線を含んでもよく、入射した第1の発出画像光線の少なくとも90%は、第1の発出画像光線の入射面内で偏光される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の搭乗者の眼で見るためのヘッドアップディスプレイであって、
ウィンドシールドであって、前記ウィンドシールドの最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面と第2の主ガラス表面との間に配置され、最も外側にある反対向きの前記第1の主ガラス表面及び前記第2の主ガラス表面から間隔をあけた反射偏光子を備え、実質的な垂直入射光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも第1の波長について、前記反射偏光子は、第1の偏光状態を有する前記入射光の少なくとも15%を反射し、かつ直交する第2の偏光状態を有する前記入射光の少なくとも60%を透過する、ウィンドシールドと、
最大横寸法Dを有し、画像を発出するように構成されたアクティブディスプレイ領域を備える、ディスプレイと、を備え、前記ヘッドアップディスプレイは、前記搭乗者の前記眼で見るための、前記発出された画像の仮想画像を形成し、前記仮想画像と前記搭乗者の前記眼との間の間隔は、少なくとも約2メートルであり、前記アクティブディスプレイ領域は、ディスプレイ中心と、前記ディスプレイ中心を含む所定の領域とを含み、前記所定の領域は、最大横寸法dを有し、d/D≦0.25であり、
前記ウィンドシールドは、前記アクティブディスプレイ領域によって発出された前記画像を受け取り、前記受け取った画像の少なくとも一部分を前記搭乗者の前記眼に向かって反射するように構成されており、前記アクティブディスプレイ領域の前記所定の領域内の少なくとも1つの第1の位置について、前記発出された画像は、前記第1の位置から発出され、前記ウィンドシールドの前記最も外側にある第1の主ガラス表面に約60度超の入射角で入射する第1の発出画像光線を備え、入射した前記第1の発出画像光線の少なくとも90%は、前記第1の発出画像光線の入射面内で偏光される、
ヘッドアップディスプレイ。
【請求項2】
前記搭乗者は、前記乗り物の運転者である、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項3】
前記ウィンドシールドの最も外側にある反対向きの前記第1の主ガラス表面及び前記第2の主ガラス表面のうちの少なくとも一方は、前記反射偏光子と、約0.0010~0.0060度のくさび角をなしている、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項4】
前記反射偏光子は、前記ウィンドシールド内に埋め込まれている、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項5】
第1のガラスセグメントと第2のガラスセグメントとの間に配置され、前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントに接合された反射偏光子を備える、乗り物のウィンドシールドであって、前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントは、それぞれの平均厚さt1及びt2を有し、t2はt1以上であり、前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントの各々は、反対向きの内側ガラス境界面と外側ガラス境界面とを備え、前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントの前記内側境界面は、前記反射偏光子に面しており、前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントの前記外側ガラス境界面は、前記反射偏光子から離れる方に面し、かつ前記反射偏光子とそれぞれの角度θ1及びθ2をなしており、θ1及びθ2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~0.0060度の値を有する、
ウィンドシールド。
【請求項6】
乗り物の搭乗者の眼で見るための仮想画像を形成するヘッドアップディスプレイであって、
ガラスウィンドシールドであって、最も外側にある反対向きの第1のガラス境界面及び第2のガラス境界面と、ガラスウィンドシールド内に埋め込まれ、最も外側にある前記第1のガラス境界面及び前記第2のガラス境界面から間隔をあけた反射偏光子と、を備え、実質的な垂直入射する光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも第1の波長について、前記反射偏光子は、第1の偏光状態を有する前記入射光の少なくとも15%を反射し、かつ直交する第2の偏光状態を有する前記入射光の少なくとも60%を透過する、ガラスウィンドシールドと、
前記第1のガラス境界面のより近くに、かつ前記第2のガラス境界面からより遠くに位置付けられ、画像を発出するように構成されたアクティブディスプレイ領域を備える、ディスプレイと、を備え、第1の角度だけ角度的に間隔をあけ、かつ同じ発出面内で前記アクティブディスプレイ領域内の同じ位置から発出される、少なくとも第1の発出画像光線及び第2の発出画像光線は、前記発出面と一致する同じ入射面内で、前記ウィンドシールドに約60度超の入射角で入射し、第2の角度だけ角度的に間隔をあけた少なくともそれぞれの第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線として、前記ウィンドシールドによって反射され、前記第1の反射画像光線及び前記第2の反射画像光線は、前記搭乗者の前記眼に入射し、前記第2の角度は、前記第1の角度よりも少なくとも20%小さい、
ヘッドアップディスプレイ。
【請求項7】
前記第1の反射画像光線と前記第2の反射画像光線とは一致する、請求項6に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項8】
前記第1の発出画像光線及び前記第2の発出画像光線からそれぞれの第3の角度及び第4の角度だけ角度的に間隔をあけ、かつ前記発出面内で前記アクティブディスプレイ領域内の前記同じ位置から発出される、少なくとも第3の発出画像光線は、前記発出面と一致する前記入射面内で前記ウィンドシールドに約60度超の入射角で入射し、前記第1の反射画像光線及び前記第2の反射画像光線からそれぞれの第5の角度及び第6の角度だけ角度的に間隔をあけた第3の反射画像光線として、前記ウィンドシールドによって反射され、前記第3の反射画像光線は、前記搭乗者の前記眼に入射し、前記第5の角度及び前記第6の角度は、前記第3の角度及び前記第4の角度よりも少なくとも20%小さい、請求項6に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項9】
前記第1の反射画像光線と前記第2の反射画像光線と前記第3の反射画像光線とは一致する、請求項8に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項10】
乗り物のウィンドシールドにおいて使用するための光学積層体であって、第1のポリマーフィルムと第2のポリマーフィルムとの間に配置された反射偏光子を備え、前記第1のポリマーフィルム及び前記第2のポリマーフィルムの各々は、前記反射偏光子に面し、かつ前記反射偏光子に接合されている第1の主表面と、前記反射偏光子から離れる方に面している反対向きの第2の主表面と、を備え、前記第1のポリマーフィルム及び前記第2のポリマーフィルムの前記第2の主表面は、前記反射偏光子とそれぞれの角度ω1及びω2をなしており、ω1及びω2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~0.0060度の値を有する、光学積層体。
【請求項11】
前記第1のポリマーフィルム及び前記第2のポリマーフィルムのうちの少なくとも一方は、ポリビニルブチラールを含む、請求項10に記載の光学積層体。
【請求項12】
ω1は、ω2と異なる、請求項10に記載の光学積層体。
【請求項13】
前記第1のポリマーフィルムと前記第2のポリマーフィルムとは、異なる平均厚さを有する、請求項10に記載の光学積層体。
【請求項14】
第1のガラスセグメントと第2のガラスセグメントとの間に配置され、前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントに接合された請求項に記載の光学積層体を備える、乗り物のウィンドシールドであって、前記第1のポリマーフィルム及び前記第2のポリマーフィルムの前記第2の主表面は、それぞれの前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントに面し、それぞれの前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントに接合されている、ウィンドシールド。
【請求項15】
前記第1のガラスセグメント及び前記第2のガラスセグメントのうちの少なくとも一方は、くさび形でない、請求項14に記載のウィンドシールド。
【請求項16】
前記第1のポリマーフィルムの前記第2の主表面と前記第2のポリマーフィルムの前記第2の主表面との間の間隔は、前記ウィンドシールドの底部において、前記ウィンドシールドの上部よりも小さくなるように乗り物に組み付けられている、請求項14に記載のウィンドシールド。
【請求項17】
乗り物のヘッドアップディスプレイ(HUD)において使用するためのウィンドシールドであって、前記ウィンドシールドが前記乗り物に組み付けられる場合、前記HUDは、前記乗り物の搭乗者の眼で見るための、前記HUDのディスプレイによって発出された画像の仮想画像を形成するように構成されており、前記仮想画像と前記搭乗者の前記眼との間の間隔は、約2メートル~約16メートルであり、前記ディスプレイの中央領域から発出され、前記ウィンドシールドの第1の位置に約64度~約70度の入射角で入射する各画像光線について、前記発出された画像光線は、それぞれの第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線として、前記ウィンドシールドの最も外側にある第1の表面及び第2の表面によって反射され、前記第1の反射画像光線及び前記第2の反射画像光線は、前記搭乗者の前記眼に向かって伝播し、前記第1の反射画像光線と前記第2の反射画像光線との間に第1の角度をなしており、前記第1の位置における前記第1の表面と前記第2の表面との間のくさび角は、前記くさび角が約0.04度未満となるように選択されている、ウィンドシールド。
【請求項18】
前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記くさび角は、前記第1の位置と共に変動する、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項19】
前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記くさび角は、前記ウィンドシールドの少なくとも2つの異なる第1の位置に対して異なっている、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項20】
約10mm未満の平均厚さを有する、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項21】
約8mm未満の平均厚さを有する、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項22】
約6mm未満の平均厚さを有する、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項23】
約5mm未満の平均厚さを有する、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項24】
前記くさび角は、約0.004~0.01度である、請求項17に記載のウィンドシールド。
【請求項25】
前記間隔は、約2メートル~約4メートルであり、前記くさび角は、約0.01度である、請求項17に記載のウィンドシールド。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本明細書のいくつかの態様では、ウィンドシールド及びディスプレイを含む、乗り物の搭乗者の眼で見るためのヘッドアップディスプレイが提供される。いくつかの実施形態では、ウィンドシールドは、ウィンドシールドの最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面と第2の主ガラス表面との間に配置され、最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面及び第2の主ガラス表面から間隔をあけた反射偏光子を備え、実質的な垂直入射光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも第1の波長について、反射偏光子は、第1の偏光状態を有する入射光の少なくとも15%を反射し、かつ直交する第2の偏光状態を有する入射光の少なくとも60%を透過する。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、画像を発出するように構成されている、最大横寸法Dを有するアクティブディスプレイ領域を含む。ヘッドアップディスプレイは、搭乗者の眼で見るための、発出された画像の仮想画像を形成する。いくつかの実施形態では、仮想画像と搭乗者の眼との間の間隔は、少なくとも2メートルであってもよい。いくつかの実施形態では、アクティブディスプレイ領域は、ディスプレイ中心と、ディスプレイ中心を含む所定の領域と、を有し、所定の領域は、最大横寸法dを有し、比d/Dは約0.25以下である。いくつかの実施形態では、ウィンドシールドは、アクティブディスプレイ領域によって発出された画像を受け取り、受け取った画像の少なくとも一部分を搭乗者の眼に向かって反射するように構成され得る。アクティブディスプレイ領域の所定の領域内の少なくとも1つの第1の位置について、発出された画像は、第1の位置から発出され、ウィンドシールドの最も外側にある第1の主ガラス表面に約60度超の入射角で入射する第1の発出画像光線を含んでもよく、入射した第1の発出画像光線の少なくとも90%は、第1の発出画像光線の入射面内で偏光される。
【0002】
本明細書のいくつかの態様では、乗り物のウィンドシールドが提供され、ウィンドシールドは、第1のガラスセグメントと第2のガラスセグメントとの間に配置され、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントに接合された反射偏光子を含む。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントは、それぞれの平均厚さt1及びt2を有し、t2はt1以上である。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントの各々は、反対向きの内側ガラス境界面と外側ガラス境界面とを含み、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントの内側境界面は、反射偏光子に面している。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントの外側ガラス境界面は、反射偏光子から離れる方に面し、反射偏光子とそれぞれの角度θ1及びθ2をなしてもよく、θ1及びθ2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~約0.0060度の値を有する。
【0003】
本明細書のいくつかの態様では、ガラスウィンドシールド及びディスプレイを含む、乗り物の搭乗者の眼で見るための仮想画像を形成するヘッドアップディスプレイが提供される。いくつかの実施形態では、ガラスウィンドシールドは、最も外側にある反対向きの第1のガラス境界面及び第2のガラス境界面と、ガラスウィンドシールド内に埋め込まれ、最も外側にある第1のガラス境界面及び第2のガラス境界面から間隔をあけた反射偏光子と、を含む。実質的な垂直入射光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも第1の波長について、反射偏光子は、第1の偏光状態を有する入射光の少なくとも15%を反射し、かつ直交する第2の偏光状態を有する入射光の少なくとも60%を透過する。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、第1のガラス境界面のより近くに、かつ第2のガラス境界面からより遠くに位置付けられてもよく、画像を発出するように構成されたアクティブディスプレイ領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の角度だけ角度的に間隔をあけ、かつ同じ発出面内でアクティブディスプレイ領域内の同じ位置から発出される、少なくとも第1の発出画像光線及び第2の発出画像光線は、発出面と一致する同じ入射面内で、ウィンドシールドに約60度超の入射角で入射してもよく、第2の角度だけ角度的に間隔をあけた少なくともそれぞれの第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線としてウィンドシールドによって反射されてもよく、第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線は、搭乗者の眼に入射し、第2の角度は、第1の角度よりも少なくとも20%小さい。
【0004】
本明細書のいくつかの態様では、第1のポリマーフィルムと第2のポリマーフィルムとの間に配置された反射偏光子を含む、乗り物のウィンドシールドにおいて使用するための光学積層体が提供される。いくつかの実施形態では、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの各々は、反射偏光子に面し、かつ反射偏光子に接合されている第1の主表面と、反射偏光子から離れる方に面している反対向きの第2の主表面と、を含んでもよく、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの第2の主表面は、反射偏光子とそれぞれの角度ω1及びω2をなしており、ω1及びω2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~約0.0060度の値を有する。
【0005】
本明細書のいくつかの態様では、乗り物のヘッドアップディスプレイ(heads-up display、HUD)において使用するためのウィンドシールドが提供される。ウィンドシールドが乗り物に組み付けられる場合、HUDは、乗り物の搭乗者の眼で見るための、HUDのディスプレイによって発出された画像の仮想画像を形成するように構成されており、仮想画像と搭乗者の眼との間の間隔は、約2メートル~約16メートルであり、ディスプレイの中央領域から発出され、ウィンドシールドに約64度~約70度の入射角で入射する各画像光線について、発出された画像光線は、それぞれの第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線として、ウィンドシールドの最も外側にある第1の表面及び第2の表面によって反射され、第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線は、搭乗者の眼に向かって伝播し、第1の反射画像光線と第2の反射画像光線との間に角度をなしており、第1の表面と第2の表面との間の角度は、第1の反射画像光線と第2の反射画像光線の間の角度が約0.04度未満となるように選択されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本明細書の一実施形態に係る、ヘッドアップディスプレイの切り欠き側面図である。
【
図1B】本明細書の一実施形態に係る、様々なウィンドシールドのプロファイル形状の図である。
【
図1C】本明細書の一実施形態に係る、様々なウィンドシールドのプロファイル形状の図である。
【
図2】本明細書の一実施形態に係る、ヘッドアップディスプレイのためのディスプレイの正面図ある。
【
図3】本明細書の一実施形態に係る、ヘッドアップディスプレイにおけるウィンドシールドと画像光線との相互作用を詳細に示す。
【
図4】本明細書の一実施形態に係る、ヘッドアップディスプレイのための光学積層体の切り欠き側面図である。
【
図5】本明細書の一実施形態に係る、ヘッドアップディスプレイのためのウィンドシールドの切り欠き側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、本明細書の一部を形成し様々な実施形態が例示として示されている添付図面が参照される。図面は、必ずしも実際の縮尺ではない。他の実施形態が想到され、本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく実施されてもよい点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
【0008】
乗り物のヘッドアップディスプレイ(HUD)システムにおける一般的な問題は、乗り物のウィンドシールドの内側面と外側面の両方からの反射によって生成されたゴースト画像の出現である。すなわち、現在のHUDシステムは、ウィンドシールドのガラスと空気との境界面の反射性に依存して、観察者(例えば、運転者)の眼の前のいくらかの知覚距離で見ることができる仮想画像を投影している。残念ながら、ウィンドシールドには、ガラスと空気との境界面が2つあり、1つはウィンドシールドの内側にあり(すなわち、運転者に面しており)、1つはウィンドシールドの外側にある。2つの外面(すなわち、乗り物の中側に面する面と、乗り物の外側に面する面)は、いくらかの距離(すなわち、ウィンドシールドの厚さ)だけ間隔があいているので、内側のガラスと空気との境界面と外側のガラスと空気との境界面からの反射画像光線は揃わず、意図される仮想画像の鮮明度及び知覚される輝度を低減するゴースト画像を生成する。
【0009】
ゴースト発生の問題を低減する1つの方法は、ウィンドシールドのためのくさび形状の厚さプロファイルを作成することによって行われる角度補償によるものであり、前方画像及び後方画像を反射させて、それらの間の角変位を著しく低減する。しかしながら、この角度補償の手法は、ウィンドシールドのすくい角及びスキュー角に応じて、各ウィンドシールドの設計及び/又は向きについて、固有のカスタマイズされた厚さプロファイルを必要とする。加えて、各固有の厚さプロファイルは、限定された範囲の視野位置に対してほぼ「完璧な」角度補償を提供するように設計される。すなわち、長身の運転者にとって良好に機能する厚さプロファイルは、異なる視野角を有する小柄な運転者(すなわち、運転者の身長が低いため、眼がより下方になる)には良好に機能しないことがある。
【0010】
ゴースト発生を低減する第2の方法は、2枚のガラスの間に弱反射偏光子を埋め込んで(すなわち、ウィンドシールドの内側ガラス層と外側ガラス層との間に挟んで)、直線偏光された光を反射偏光子に反射させることである。反射偏光子の1つのそのような例は、3M Corporationによって製造される3M(商標)Windshield Combiner Film(3M(商標)WCF)である。反射偏光子が使用されるとき、ディスプレイからの画像光線は、(例えば、P偏光状態、又はP偏光画像光線で)直線偏光され、ブルースター角の一定の角度で、又はブルースター角に非常に近い角度で、ウィンドシールドに向かって方向付けられる。ブルースター角は、P偏光された光が反射せずに内側のガラスと空気との境界面を通過して反射偏光子に衝突し、P偏光された光の少なくとも一部分(例えば、30%)が、単一の画像として観察者に向かって反射される(すなわち、画像は、反射偏光子でのみ反射し、内側又は外側のガラスと空気との境界面では反射しない)、入射角である。反射偏光子は、弱P偏光反射体にすぎないので、ブルースター角度に近いウィンドシールドの入射角について、ガラスと空気との境界面で弱反射のみするP偏光された光を出力するHUDの使用が可能になる。ゴースト画像の明度が十分に低い場合には、主画像から角変位しているとしても、HUD画像の読み取り易さを低下させない。しかしながら、HUD画像の読み取り易さを維持するのにゴーストの輝度低減のみが十分である入射角の範囲は限定される。HUDの視野が大きい場合、及び/又はウィンドシールドのすくい角が最適でない場合、ブルースター角から遠い入射角は、画像の読み取り易さを低減するのに十分な明るさのガラスと空気との境界面からのP偏光反射を生成し得る。ウィンドシールドのガラス表面の一方又は両方に反射防止コーティングを付加することにより、ゴーストの輝度を低減し得るが、これは高価であり、ウィンドシールド表面の耐久性を低下させる。
【0011】
本明細書のいくつかの態様によれば、弱反射偏光子と組み合わせて、より大きな範囲の視野角にわたって改善された(例えば、ゴースト発生が低減されている)仮想画像を提供することができ、かつ、様々なすくい角及びスキュー角のウィンドシールドと共に使用することができる、単一の標準的な(すなわち、カスタマイズされていない)ウィンドシールドのくさび形プロファイルを生成する方法及びシステムが提供される。
【0012】
本明細書のいくつかの態様によれば、乗り物の搭乗者の眼で見るためのヘッドアップディスプレイは、反射偏光子を含むウィンドシールドと、ディスプレイとを、含む。本明細書の目的のために、「搭乗者(passenger)」という用語は、乗り物の操作者(operator)又は運転者(driver)を含むがこれらに限定されない、乗り物の任意の乗員(occupant)を指すために使用されるものとする。いくつかの実施形態では、反射偏光子は、ウィンドシールドの最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面と第2の主ガラス表面との間に配置され、最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面及び第2の主ガラス表面から間隔をあけていてもよい(すなわち、ウィンドシールドの内側ガラス層と外側ガラス層との間に「挟まれて」いてもよい)。いくつかの実施形態では、反射偏光子は、ウィンドシールド内に埋め込まれていてもよい。実質的な垂直入射光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも第1の波長について、反射偏光子は、第1の偏光状態を有する入射光(例えば、直線P偏光タイプの光、又はP偏光された光)の少なくとも15%を反射してもよく、かつ直交する第2の偏光状態を有する入射光(例えば、直線S偏光タイプの光、又はS偏光された光)の少なくとも60%を透過してもよい。P偏光及びS偏光の偏光タイプの使用は、1つの可能な例として使用され、いずれの方法でも限定することを意図するものではない。代替実施形態では、他の偏光状態を使用してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ディスプレイ(OLED)、デジタル光処理(DLP)ディスプレイ、又は任意の他の適切な画像生成ユニットであってもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、画像を発出するように構成されている、最大横寸法D(例えば、矩形ディスプレイの対角線)を有するアクティブディスプレイ領域を含んでもよい。ヘッドアップディスプレイは、搭乗者の眼で見るための、発出された画像の仮想画像(例えば、画像がウィンドシールドの表面上に投影され、その画像(仮想画像)がウィンドシールドの向こう側の何らかの空間に浮いているように知覚される)を形成してもよい。いくつかの実施形態では、仮想画像と搭乗者の眼との間の間隔(すなわち、観察者の眼と仮想画像との間の知覚距離)は、少なくとも約2メートルであってもよい。いくつかの実施形態では、アクティブディスプレイ領域は、ディスプレイ中心と、ディスプレイ中心を含む所定の領域(例えば、アクティブディスプレイ領域のサブエリア)を有する。いくつかの実施形態では、所定の領域は、最大横寸法dを有してもよく、比d/Dは、約0.25以下である。別の言い方をすると、所定の領域は、アクティブディスプレイエリア全体よりも小さい領域であり、アクティブディスプレイエリアの中心の近くに位置し、中心を含んでいる。
【0014】
いくつかの実施形態では、ウィンドシールドは、アクティブディスプレイ領域によって発出された画像を受け取り、受け取った画像の少なくとも一部分を搭乗者の眼に向かって反射するように構成され得る。アクティブディスプレイ領域の所定の領域内の少なくとも1つの第1の位置について、発出された画像は、第1の位置から発出され、ウィンドシールドの最も外側にある第1の主ガラス表面(すなわち、内側の、搭乗者に面する表面)に約60度超の(例えば、約64度~約70度の範囲内の)入射角で入射する第1の発出画像光線を含んでもよく、入射した第1の発出画像光線の少なくとも90%は、第1の発出画像光線の入射面内で偏光される。
【0015】
いくつかの実施形態では、ウィンドシールドの最も外側にある反対向きの第1の主ガラス表面及び第2の主ガラス表面のうちの少なくとも一方は、反射偏光子と約0.0010度~約0.0060度のくさび角をなしてもよい。いくつかの実施形態では、くさび角は、ウィンドシールドラミネート全体が上縁部の近くで最も厚く、底縁部の近くでより薄くなるような角度であってもよい。
【0016】
本明細書のいくつかの態様によれば、乗り物のウィンドシールドは、第1の(内側)ガラスセグメントと第2の(外側)ガラスセグメントとの間に配置され、第1の(内側)ガラスセグメント及び第2の(外側)ガラスセグメントに接合された反射偏光子を含む。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントは、それぞれの平均厚さt1及びt2を有し、t2はt1以上である。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントの各々は、反対向きの内側ガラス境界面と外側ガラス境界面とを含み、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントの内側境界面(例えば、各ガラスセグメントと別の異なる材料との間の境界面)は、反射偏光子に面している。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントの外側ガラス境界面は、反射偏光子から離れる方に面し、反射偏光子とそれぞれの角度θ1及びθ2をなしてもよく、θ1及びθ2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~約0.0060度の値を有する。換言すると、外側ガラス境界面は、埋め込まれた反射偏光子に対して、わずかにくさび形状のウィンドシールドラミネートの断面プロファイルを作り出すように角度付けられていてもよい。
【0017】
本明細書のいくつかの態様によれば、乗り物の搭乗者の眼で見るための仮想画像を形成するヘッドアップディスプレイは、ガラスウィンドシールド及びディスプレイを含む。いくつかの実施形態では、ガラスウィンドシールドは、最も外側にある反対向きの第1のガラス境界面及び第2のガラス境界面(すなわち、ウィンドシールドと空気などの他の異なる材料との間の境界面)と、ガラスウィンドシールド内に埋め込まれ、最も外側にある第1のガラス境界面及び第2のガラス境界面から間隔をあけた反射偏光子と、を含む。実質的な垂直入射光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも第1の波長について、反射偏光子は、第1の偏光状態を有する入射光(例えば、P偏光された光)の少なくとも15%を反射し、かつ直交する第2の偏光状態を有する入射光(例えば、S偏光された光)の少なくとも60%を透過する。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、第1のガラス境界面のより近くに、第2のガラス境界面からより遠くに位置付けられ(すなわち、ウィンドシールドの内側表面のより近くで、乗り物内に配置され)てもよく、画像を発出するように構成されたアクティブディスプレイ領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の角度だけ角度的に間隔をあけ、かつ同じ発出面内でアクティブディスプレイ領域内の同じ位置から発出される、少なくとも第1の発出画像光線及び第2の発出画像光線は、発出面と一致する同じ入射面内で、ウィンドシールドに約60度超の入射角で入射してもよく、第2の角度だけ角度的に間隔をあけた少なくともそれぞれの第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線としてウィンドシールドによって反射されてもよく、第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線は、搭乗者の眼に入射し、第2の角度は、第1の角度よりも少なくとも20%小さい。別の言い方をすると、いくつかの実施形態では、ウィンドシールドは、(搭乗者の眼で見られる)第1の反射画像光線と第2の反射画像光線と間の角度(すなわち、第2の角度)が、第1の発出画像光線と第2の発出画像光線との間の角度(すなわち、第1の角度)よりも小さくなるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の角度は、第1の反射画像光線と第2の反射画像光線とが実質的に一致するような角度であってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも第3の発出画像光線は、第1の発出画像光線及び第2の発出画像光線からそれぞれの第3の角度及び第4の角度だけ角度的に間隔をあけ、発出面内でアクティブディスプレイ領域内の同じ位置から、発出されてもよい。第3の発出画像光線は、発出プランと一致する入射面内でウィンドシールドに約60度超の入射角で入射し、第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線からそれぞれの第1の角度及び第6の角度だけ角度的に間隔をあけた第3の反射画像光線としてウィンドシールドによって反射され、第3の反射画像光線は、搭乗者の眼に入射し、第5の角度及び第6の角度は、尊敬される第3の角度及び第4の角度よりも少なくとも20%小さい。別の言い方をすると、いくつかの実施形態では、ウィンドシールドは、(搭乗者の眼で見られる)第1の反射画像光線と第2の反射画像光線と第3の反射画像光線との間の角度が各々、第1の発出画像光線と第2の発出画像光線と第3の発出画像光線との間の角度よりも小さくなるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第5の角度及び第6の角度は、第1の反射画像光線と第2の反射画像光線と第3の反射画像光線とが実質的に一致するような角度であってもよい。
【0019】
本明細書のいくつかの態様によれば、乗り物のウィンドシールドにおいて使用するための光学積層体は、第1のポリマーフィルムと第2のポリマーフィルムとの間に配置された反射偏光子を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの各々は、反射偏光子に面し、かつ反射偏光子に接合されている第1の主表面と、反射偏光子から離れる方に面している反対向きの第2の主表面と、を含んでもよく、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの第2の主表面は、反射偏光子とそれぞれの角度ω1及びω2をなしており、ω1及びω2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~約0.0060度の値を有する。別の言い方をすると、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの(反射偏光子とは反対側の)第2の主表面の各々は、光学積層体がくさび形の断面プロファイルを有するように、反射偏光子に対して角度付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムのうちの少なくとも一方は、ポリビニルブチラール(PVB)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、角度ω1とω2とは実質的に同一であってもよい。いくつかの実施形態では、角度ω1とω2とは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1のポリマーフィルムと第2のポリマーフィルムとは、異なる平均厚さを有してもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、光学積層体は、第1のガラスセグメントと第2のガラスセグメントと(すなわち、ガラス層)の間に配置され、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントに接合されてもよく、第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムの第2の主表面は、それぞれの第1のガラスステートメント及び第2のガラスステートメントに面し、それぞれの第1のガラスステートメント及び第2のガラスステートメントに接合されている。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントは、実質的に平坦な矩形の断面プロファイル(すなわち、ほとんど又は全くくさび形でない)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント及び第2のガラスセグメントのうちの少なくとも一方は、くさび形状の断面プロファイルを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメントと第2のガラスセグメントとは、実質的に同一の平均厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメントと第2のガラスセグメントとは、異なる平均厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、ウィンドシールドの底部における、第1のポリマーフィルムの第2の主表面と第2のポリマーフィルムの第2の主表面との間の間隔は、ウィンドシールドの上部における、第1のポリマーフィルムの第2の主表面と第2のポリマーフィルムの第2の主表面との間の間隔よりも小さくてもよい。換言すると、ポリマーフィルム及び/又は反射偏光子の構成は、ウィンドシールドのプロファイルが実質的にくさび形状をしており、光学積層体の上部が底部よりも厚くなるような構成であってもよい。
【0021】
本明細書のいくつかの態様によれば、乗り物のヘッドアップディスプレイ(HUD)において使用するためのウィンドシールドが乗り物に組み付けられ、HUDは、乗り物の搭乗者の眼で見るための、HUDのディスプレイによって発出された画像の仮想画像を形成するように構成されている。いくつかの実施形態では、仮想画像と搭乗者の眼との間に、少なくとも2メートル~約16メートルの間隔があってもよい。ディスプレイの中央領域から発出され、ウィンドシールドに約64度~約70度の入射角で入射する各画像光線について、発出された画像光線は、それぞれの第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線として、ウィンドシールドの最も外側にある第1の表面及び第2の表面によって反射され、第1の反射画像光線及び第2の反射画像光線は、搭乗者の眼に向かって伝播し、第1の反射画像光線と第2の反射画像光線との間に角度をなしており、第1の表面と第2の表面との間の角度は、約2~16メートルの距離に仮想画像を形成する任意の光線について、第1の反射画像光線と第2の反射画像光線との間の角度が約0.04度未満となるように選択(設計)されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、ウィンドシールドは、約10mm未満、約8mm未満、約6mm未満、又は約5mm未満の平均厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、ウィンドシールドの最も外側にある第1の表面と第2の表面との間の角度は、約0.004~0.01度である。いくつかの実施形態では、仮想画像と搭乗者の眼との間の間隔は、約2メートル~約4メートルであってもよく、ウィンドシールドの最も外側にある第1の表面と第2の表面との間の角度は、約0.01度であってもよい。
【0023】
次に図を参照すると、
図1Aは、本明細書に係る、ヘッドアップディスプレイの切り欠き側面図である。ヘッドアップディスプレイ(HUD)300は、ディスプレイ40と、ウィンドシールド10と、を含む。ディスプレイ40は、画像(発出画像50)を発出するように構成されており、その少なくとも一部分は、ウィンドシールド10から搭乗者310(例えば、運転者)の眼に向かって、反射画像52として反射され得る。次いで、搭乗者310は、反射画像52を、搭乗者310からいくらかの間隔距離Sにあるように搭乗者310により知覚される(例えば、ウィンドシールド10を通して搭乗者に310に見える道路又は地形の上に重なり合っているように知覚される)仮想画像51として知覚することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、ウィンドシールド10は、反対向きの第1の最も外側にある主ガラス表面11(例えば、運転者に面している、乗り物の内側のウィンドシールド表面)と第2の最も外側にある主ガラス表面12(例えば、運転者から離れる方に面している、乗り物の外側のウィンドシールド表面)との間に配置され、反対向きの第1の最も外側の主ガラス表面11及び第2の最も外側の主ガラス表面12から間隔をあけている反射偏光子20を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の最も外側にある主ガラス表面11は、第1のガラスセグメント13の外側ガラス境界面であってもよく、第2の最も外側にある主ガラス表面12は、第2のガラスセグメントの外側ガラス境界面であってもよい。加えて、第1のガラスセグメント13は、第1の最も内側のガラス表面13aを有してもよく、第2のガラスセグメント14は、第2の最も内側のガラス表面14aを有してもよく、反射偏光子20は、第1のガラスセグメント13と第2のガラスセグメント14との間に配置され、第1の最も内側のガラス表面13aにおいて第1のガラスセグメント13に接合され、第2の最も内側のガラス表面14aにおいて第2のガラスセグメント14に接合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント13は平均厚さt1を有してもよく、第2のガラスセグメント14は平均厚さt2を有してもよく、t2はt1以上である。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント13の第1の最も外側にある主ガラス表面11は、反射偏光子20の表面に対して(すなわち、第1の最も内側のガラス表面13aと)角度θ1であり得る。いくつかの実施形態では、第2の最も外側にある主ガラス表面12は、反射偏光子20の表面に対して(すなわち、第2の最も内側にあるガラス表面14aと)角度θ2であり得る。いくつかの実施形態では、θ1及びθ2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~約0.0060度の値を有してもよい。いくつかの実施形態では、θ1とθ2とは、同じ角度であってもよい。いくつかの実施形態では、θ1とθ2とは、異なる角度であってもい。角度θ1及びθ2は、ウィンドシールド10が全体的なくさび角θwを有するように選択されてもよく、反射された主画像からの画像光線と反射されたゴースト画像からの画像光線との間の角変位が低減され得る。いくつかの実施形態では、主画像光線とゴースト画像光線との間の角変位の低減を反射偏光子20と組み合わせると、種々のウィンドシールド及び乗り物の幾何学形状にわたって、単一の(すなわち、カスタマイズされていない)ウィンドシールドくさび構成を使用することが可能になり得る。別の言い方をすると、くさび形の窓プロファイルの利点を反射偏光子と組み合わせると、異なる動作シナリオ(すなわち、視野角、搭乗者の高さ及び位置、ウィンドシールドまでの距離、仮想画像までの距離などによって定義されるシナリオ)ごとに新しいウィンドシールドのくさび構成を必要とせずに、異なる動作シナリオの少なくとも一部分に関する画像のゴースト発生を低減し得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント13は、くさび形状のプロファイル(すなわち、角度θ1)が、ガラス自体の形状(すなわち、ガラス層の一方の縁部付近が他方よりも厚い)によって作り出されるような単層構造を有する。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント13が多層構造を有することが有利であり得、くさび形状は、外側の実質的に平坦なガラス層13gに隣接して配置され、ガラス層13gに接着された内部層13pによって形成される。同様に、いくつかの実施形態では、第2のガラスセグメント14が多層構造を有してもよく、くさび形状は、内部層14pと外側の実質的に平坦なガラス層14gとによって形成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、内部層13p及び14pは、ポリマーフィルムであってもよい。いくつかの実施形態では、内部層13p及び14pは、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリレート、又は任意の他の適切な材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ポリビニルブチラール(PVB)は、ウィンドシールドなどの用途で、自動産業用の安全ガラスの製造において使用され得る。いくつかの実施形態では、2つのガラスシート(例えば、層13g及び14g)を、各々が所与の厚さ、組成、及び特性を有するPVBの中間層(例えば、層13p及び14p)と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に記載されるように、反射偏光子20が層に含まれてもよい。この積層された組み合わせは、高い温度及び圧力からなるオートクレーブサイクルによって(例えば、18~10気圧の範囲で、20~140℃で、30分~2時間以上の継続時間にわたって)処理され得る。いくつかの実施形態では、PVBフィルムは、(例えば、本明細書に記載されるような、ヘッドアップディスプレイ用途のために)ウィンドシールド内にくさび形状で構築されてもよい。くさび形タイプのPVBは、最終製品において適切なくさび形寸法を作り出すために適切なくさび形プロファイルを有するダイを使用して、可塑剤を含む溶融押出のプロセスによって製造され得る。このプロセスは、単に例示的なプロセスであり、いずれの方法でも限定することを意図するものではない。くさび形状の内部層(例えば、PVB)、くさび形状の反射偏光子、1つ以上のくさび形状のガラスセグメント、又はそれらの組み合わせの使用を含めて、ウィンドシールドにくさび形プロファイルを作製する任意の適切な方法を使用することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の最も外側にある主ガラス表面11と第2の最も外側にある主ガラス表面12との間のくさび角θwは、入射する画像光線の入射位置に応じて変化し得る(すなわち、最も外側の主ガラス表面11及び12の一方又は両方が湾曲していてもよい)。
図1B及び
図1Cは、くさび角が入射位置に基づいて変化するウィンドシールドの代替実施形態を示す。
図1Bでは、第2の最も外側にある主ガラス表面12は湾曲しており、位置15aにおけるくさび角θw1は、位置15bにおけるくさび角θw2と異なっていていてもよい。他の実施形態では、第1の最も外側にある主ガラス表面11が、代替的に又は追加的に湾曲していてもよい。
図1Cの実施形態では、第2の最も外側にある主ガラス表面12は湾曲しており、第1の最も外側にある主ガラス表面11は、実質的に直線状(すなわち、平坦)である。最も外側にある主ガラス表面11と12との間の他の関係(すなわち、他のくさび形プロファイル)が本開示の趣旨の範囲に含まれ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、反射偏光子20は、実質的な垂直入射光について、かつ約420nm~約680nmにわたる可視波長範囲内の少なくとも1つの波長について、第1の偏光を有する入射光(例えば、P偏光タイプの光、又はP偏光された光)の少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも30%を反射してもよく、かつ第2の偏光を有する入射光(例えば、S偏光タイプの光又はS偏光された光)の少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%を透過(すなわち、通過させることを可能に)してもよい。換言すると、いくつかの実施形態では、反射偏光子20は、第1の偏光状態の光に関して弱反射体であってもよい。
【0030】
ここで
図1A及び
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、ディスプレイ40は、発出画像50を発出するように構成されたアクティブディスプレイ領域41を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発出画像50は、実質的に同じ位置44から、同じ発出面(例えば、
図1Aに示されるx-z平面)内で発出される、第1の発出画像光線53、第2の発出画像光線55、及び第3の発出画像56を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の発出画像光線53は、第2の発出画像光線55に対して角度α1で発出され得る。第1の発出画像光線53及び第2の発出画像光線55は、同じ入射面(例えば、
図1Aのx-z平面)内で、それぞれの入射角β1及びβ2でウィンドシールド10に入射し得る。いくつかの実施形態では、β1及びβ2は、約60度超であってもよい。第1の発出画像光線53は、ウィンドシールド10によって、第1の反射画像光線53aとして反射され得、第2の発出画像光線55は、ウィンドシールド10によって、第2の反射画像光線55aとして反射され得る。いくつかの実施形態では、第1の反射画像光線53aと第2の反射画像光線56aとは、第2の角度α2だけ角度的に間隔をあけてもよく、第2の角度α2は、第1の角度α1よりも小さい(例えば、約25%、約20%、又は約15%小さい)。別の言い方をすると、角度θ1及びθ2は、反射画像光線53aと55aとの間の角度が発出画像光線53と55との間の角度よりも低減されるように選択され得る。いくつかの実施形態では、第1の反射画像光線53aと第2の反射画像光線55aとは、一致してもよい。
【0031】
上記の考察と同様に、第3の発出画像光線56は、第1の発出画像光線53から第3の角度α3だけ、かつ、第2の発出画像光線55から第4の角度α4だけ角度的に間隔をあけてもよい。第3の発出画像光線56は、入射プレイ(x-z平面)内でウィンドシールド10に入射角β3で、入射してもよく、β3は約60度超である。いくつかの実施形態では、第3の発出画像光線56は、第3の反射画像光線55aとしてウィンドシールド10から反射されてもよく、第1の反射画像光線53aは、第3の反射画像光線56aから第5の角度α5だけ角度的に間隔をあけており、第2の反射画像光線55aは、第3の反射画像光線56aから第6の角度α6だけ角度的に間隔をあけており、第5の角度α5及び第6の角度α6は、それぞれの第3の角度α3及び第4の角度α4よりも小さい。いくつかの実施形態では、第1の反射画像光線53aと第2の反射画像光線55aと第3の反射画像光線56aとは、一致してもよい。
【0032】
第1の発出画像光線53、第2の発出画像光線55及び第3の発出画像光線56の各々は、ウィンドシールド10の異なる表面から反射されてもよいことに留意されたい。例えば、
図1Aに示すように、第1の発出画像光線53は、反射偏光子20から反射され、第2の発出画像光線55は、第1のガラスセグメント13の第1の最も外側にある主ガラス表面11から反射され、第3の発出画像光線56は、第2のガラスセグメント14の第2の最も外側にある主ガラス表面12の内側から反射される。
【0033】
図2は、
図1Aのヘッドアップディスプレイ300のためのディスプレイ40(アクティブディスプレイ領域41を見た)の正面図を提供し、以下の考察に関して、
図1Aと同時に検討することができる。ディスプレイ40は、画像50(例えば、HUD上で搭乗者に表示するための情報を定義する画像)を発出するように構成されたアクティブディスプレイ領域41を有する。アクティブディスプレイ領域41は、最大横寸法Dを有し、ディスプレイ中心42と、第1の位置44(すなわち、
図1Aの考察による第1の発出画像光線53、第2の発出画像光線55、及び第3の発出画像56の発出位置)と、を含む所定の中央領域43を画定する。所定の中央領域43は、最大横寸法dを有し、比d/Dは、約0.25以下である。
【0034】
図3は、
図1Aのウィンドシールド10との画像光線の相互作用に関する追加の詳細を提供する。いくつかの実施形態では、第1の発出画像光線53(例えば)は、ウィンド10の第1の最も外側にある主ガラス表面11に入射角β1で入射し、β1は、約60度超である。いくつかの実施形態では、第1の発出画像光線53の少なくとも90%、又は少なくとも95%は、第1の発出画像光線53の入射面P1内で偏光される(光線部分54として
図3に示される)。別の言い方をすると、第1の発出画像光線53は、入射面P1内で実質的に偏光される。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書におけるウィンドシールドに必要なくさび角は、積層されたウィンドシールド内に埋め込まれた光学積層体を使用して作成されてもよく、光学積層体の1つ以上の層は、必要なくさび角をなすように角度付けられている。
図4及び
図5は、本明細書に係る、(例えば、積層されたウィンドシールドにおいて使用するための)ヘッドアップディスプレイのための光学積層体の一実施形態の切り欠き側面図を提供する。以下の考察に関して、
図4及び
図5を同時に検討することができる。
図4は、いくつかの実施形態においてウィンドシールド70(
図5)で使用され得る光学積層体60を示している。いくつかの実施形態では、光学積層体60は、第1のポリマーフィルム80と第2のポリマーフィルム90との間に配置された反射偏光子20を含む。ポリマーフィルム80は、第1の主表面81(反射偏光子20に面し、接合されている)と、反射偏光子20から離れる方に面している反対向きの第2の主表面82と含む。ポリマーフィルム90は、第1の主表面91(反射偏光子20に面し、接合されている)と、反射偏光子20から離れる方に面している反対向きの第2の主表面92と含む。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム80の第2の主表面82は、反射偏光子20と角度ω2をなし、ポリマーフィルム90の第2の主表面92は、反射偏光子20と角度ω1をなしており、ω1及びω2のうちの少なくとも一方は、約0.0010~約0.0060度の値を有する。いくつかの実施形態では、ω1とω2とは、異なる値を有してもよい。いくつかの実施形態では、ω1とω2とは、実質的に同じ値を有してもよい。第1のポリマーフィルム80及び第2のポリマーフィルム90に使用される材料の一例は、ポリビニルブチラール(PVB)であるが、任意の適切なポリマー材料を使用してもよい。いくつかの実施形態では、第1のポリマーフィルム80及び第2のポリマーフィルム90の各々は、異なる平均厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のポリマーフィルム80及び第2のポリマーフィルム90の各々は、実質的に同一の平均厚さを有してもよい。
【0036】
ここで
図5を参照すると、光学積層体60(
図4に詳述される)は、第1のガラスセグメント100と第2のガラスセグメント110との間に配置され、第1のガラスセグメント100及び第2のガラスセグメント110に接合されてもよい。すなわち、ポリマーフィルム80の第1の主表面81は、第1のガラスセグメント100に接合されてもよく、ポリマーフィルム90の第1の主表面91は、第2のガラスセグメント110に接合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント100及び第2のガラスセグメント110の一方又は両方がくさび形であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のガラスセグメント100及び第2のガラスセグメント110の一方又は両方が実質的に平坦であってもよく、ウィンドシールド70に必要なくさび角θ
wは、主に、第1のポリマーフィルム80及び第2のポリマーフィルム90の各々における角度ω1及びω2によって提供される。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム80の第2の主表面82とポリマーフィルム90の第2の主表面92との間の間隔S1は、ウィンドシールド70の一方の縁部(例えば、底縁部)において、反対側の縁部(例えば、反対側の上縁部)よりも小さくてもよい。
【0037】
「約(about)」などの用語は、これらが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者によって理解されよう。特徴部のサイズ、量、及び物理的特性を表す量に適用される「約」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「約」とは、特定の値の10パーセント以内を意味すると理解されよう。約特定の値として与えられる量は、正確に特定の値であり得る。例えば、それが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、約1の値を有する量とは、その量が0.9~1.1の値を有することを意味し、その値が1であり得ることを意味する。
【0038】
「実質的に(substantially)」などの用語は、これらが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者によって理解されよう。「実質的に等しい(substantially equal)」の使用が、本発明の記載に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「実質的に等しい」は、ほぼ(about)が上記のとおりであるときには、ほぼ等しいことを意味する。「実質的に平行(substantially parallel)」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「実質的に平行」は、平行の30度以内を意味する。互いに実質的に平行として記載されている方向又は表面は、いくつかの実施形態において、平行の20度以内若しくは10度以内であってもよく、又は平行若しくは名目上平行であってもよい。「実質的に位置合わせされる(substantially aligned)」の使用が、本発明の記載に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「実質的に位置合わせされる」は、位置合わせされる対象の幅の20%以内で位置合わせされることを意味する。実質的に位置合わせされると記載される対象は、いくつかの実施形態において、位置合わせされる対象の幅の10%以内又は5%以内で位置合わせされてもよい。
【0039】
上記において参照された参照文献、特許、又は特許出願の全ては、それらの全体が参照により本明細書に一貫して組み込まれている。組み込まれた参照文献の部分と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先される。
【0040】
図中の要素についての説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されると理解されたい。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実施態様及び/又は等価の実施態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書で論じられた特定の実施形態のいずれの適応例又は変形例も包含することが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。
【国際調査報告】