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特表2023-502259肺疾患の治療のためのCELA-1阻害
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-23
(54)【発明の名称】肺疾患の治療のためのCELA-1阻害
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20230116BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230116BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230116BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20230116BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230116BHJP
   C07K 16/40 20060101ALI20230116BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230116BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20230116BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20230116BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P11/00 ZNA
A61K39/395 N
A61K31/7105
A61K48/00
C07K16/40
C07K16/46
C12N15/13
C12N15/62 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529298
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 US2020061774
(87)【国際公開番号】W WO2021108302
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】63/009,134
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/940,302
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500469235
【氏名又は名称】チルドレンズ ホスピタル メディカル センター
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】バリスコ、ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084AA17
4C084MA16
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA591
4C084ZA592
4C085AA14
4C085BB11
4C085CC03
4C085CC21
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG02
4C085GG10
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA16
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA59
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、1つ以上の進行性肺疾患の治療のための組成物および方法であり、これには、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、およびAAT欠損肺疾患が含まれ得るが、これらに限定されない。開示された方法に有用な組成物は、抗CELA1抗体、抗CELA1 scFv、または抗CELA1アンチセンスヌクレオチド(ASO)などの抗原結合タンパク質を含み得、これらは、前述の病状の1つ以上を治療するのに十分な量で投与され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象の肺疾患を治療する方法であって、CELA1阻害剤を、それを必要とするヒト対象に投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記肺疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、任意選択的にCOPD GOLDステージI以上、肺気腫(任意選択的に前記肺気腫が遺伝的AAT欠損症を有する個体にあり、任意選択的に前記肺気腫がCTで確認された肺気腫であり、任意選択的に、前記肺気腫が進行性肺気腫である)、損傷後の進行性気腔破壊、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CELA1阻害剤が抗原結合タンパク質(ABP)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記CELA1阻害剤が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6から選択されるペプチド中の1つ以上の残基、または少なくとも2つの残基、または少なくとも3つの残基、または少なくとも4つの残基、少なくとも5残基、または少なくとも6つの残基、または少なくとも7つの残基、または少なくとも8つの残基、または少なくとも9つの残基、または少なくとも10の残基に結合する抗原結合タンパク質(ABP)であり、好ましくは前記ABPが抗体であり、好ましくは前記ABPが単離されたモノクローナル抗体であり、好ましくは前記抗体がヒト抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記CELA1阻害剤がアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記抗CELA1阻害剤が、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗CLEA1阻害剤が、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)モチーフを含む抗体である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記CELA1阻害剤が静脈内投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記CELA1阻害剤がネブライザーを介して投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記投与が、毎日、隔日、毎週、隔週、3週間ごと、または毎月から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
抗原結合タンパク質(ABP)、好ましくは、ヒトCELA1に、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6から選択される配列の、少なくとも1残基、または少なくとも2残基、または少なくとも3残基、または少なくとも4残基、または少なくとも5残基、または少なくとも6残基、または少なくとも7残基、または少なくとも8残基、または少なくとも9残基、または少なくとも10残基、または少なくとも11残基、または少なくとも12残基、または少なくとも13残基、または少なくとも14残基、または少なくとも15残基、または少なくとも16残基、または少なくとも17残基、または少なくとも18残基、または少なくとも19残基、または少なくとも20残基、または少なくとも21残基、または少なくとも22残基、または少なくとも23残基、または少なくとも24残基、または少なくとも25残基、または各残基で結合する、単離されたモノクローナル抗体を含む、組成物。
【請求項12】
前記モノクローナル抗体がヒト抗体である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
滅菌および等張の一方または両方である担体をさらに含む、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項11に記載の抗体の重鎖(VH)の可変領域および請求項11に記載の抗体の軽鎖(VL)の可変領域を含む単鎖可変フラグメント(scFv)であって、前記VHおよび前記VLは、リンカーペプチドによって接続されており、前記scFvはヒトCELA1の少なくとも1つの領域に特異的である、単鎖可変フラグメント(scFv)。
【請求項15】
前記抗体が、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害する、請求項11に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項16】
前記scFvが、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害する、請求項14に記載のscFv。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年4月13日に出願された米国仮出願第63/009,134号および2019年11月26日に出願された同第62/940,302号の優先権および利益を主張し、その内容全体がすべての目的のために組み込まれる。
【0002】
電子形式での配列表
本出願は、電子形式の配列表とともに提出されている。配列表は、CHMC_0738107_CELA1_Inhibition_ST25.txtというタイトルのファイルとして提供され、2020年11月20日に作成され最終的に保存され、サイズは2.83キロバイトである。配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
連邦政府が後援する研究に関する声明
本発明は、A1連邦研究授与498262、国立衛生研究所によって授与されたNHBLI R01141229、およびK08HL131261の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
肺機能は生まれて30年間で最大になり、その後ゆっくりと低下する。多くの状態は、肺胞の最大数を減らすか、または呼吸不全につながる肺胞喪失の割合を増やす可能性がある。1990年代以来、界面活性剤補充療法および新生児集中治療の進歩により、多くの場合、気管支肺異形成症を有し、ピーク肺胞数が減少する未熟児の生存がますます可能になり、ピーク肺胞数の減少は、この集団が加齢するにつれて未熟児呼吸不全を引き起こす予測が多い。α-1アンチトリプシン(AAT)欠損症の患者は、おそらく肺胞のピーク数は正常であるが、対立しないタンパク質分解活性は肺胞の喪失を加速し、生まれて40年および50年で肺気腫を引き起こす。喫煙者のサブセットは、肺気腫がこの疾患の主要な要素であるCOPDを発症することになり、これらの患者のサブセットは、禁煙にもかかわらず急速に進行する肺気腫を経験することになる。これらおよびその他の臨床状況では、進行性の気腔破壊を停止または遅らせる能力により、呼吸生活の質が大幅に向上する可能性がある。したがって、当技術分野における前述の必要性の1つ以上に対処するための組成物および/または方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示されるのは、1つ以上の進行性肺疾患の治療のための組成物および方法であり、これには、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、およびAAT欠損肺疾患が含まれ得るが、これらに限定されない。開示された方法に有用な組成物は、抗CELA1抗体、および/または抗CELA1 scFv、および抗CELA1アンチセンスヌクレオチド(ASO)を含み得る抗CELA1抗原結合タンパク質(ABP)を含み得、これらのいずれか、またはすべては、前述の病状の1つ以上を治療するのに十分な量で投与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本出願ファイルは、カラーで作成された図面を少なくとも1つ含む。カラー図面を含む本特許または特許出願の公開物のコピーは、要請および必要な手数料の支払いに応じて特許庁から提供されるものとする。
【0007】
図1】肺気腫のマウスPPEモデルにおけるCela1発現。(A)肺Cela1 mRNAは、気管PPEの42日後および84日後に有意に増加した。(B)Cela1 mRNAの近接ライゲーションインサイチュハイブリダイゼーション(PLISH)は、PBS処理された肺で稀な発現細胞、(C)PPE後3日において発現細胞の小さなクラスター、および(D)PPE後21日において誘導気道でより多くの発現細胞の濃度を示した。(E)肺ホモジネートのウエスタンブロットは、高分子量Cela1の初期の増加(以前はCela1+AATであることが示された)およびネイティブCela1中でのその後の3倍の増加を示した。(F)グループ当たりn=2であるが、その後の増加のみが統計的に有意であった。*p<0.05、**p<0.01。
図2】Cela1はPPEモデルで後期の気腔破壊を媒介する。(A)気管PPEを投与された野生型(WT)マウスは、PPE後(B)42日および(C)84日において進行性である気腔破壊を示した。(D)Cela1-/-マウスは、21日でWTと同様のレベルの肺気腫を示したが、(E)42日および(F)84日において、進行性肺気腫は見られなかった。(G)Cela1-/-PBS処理肺の比較。(H)PPE後のWTおよびCela1-/-肺における肺気腫の平均線形切片(MLI)定量化は、WTでは42日および84日において肺気腫の進行を示したが、PPEで治療したCela1-/-肺では進行を示さなかった。PBSで処理された肺MLIは明確にするために省略するが、各PBS-PPE比較に対するKruskal-WallisおよびDunnの事後検定では、すべて約50mおよびp<0.001であった。示されているPPE処理肺の経時的な比較:Kruskall-Wallis p=0.001、Dunnの事後比較*p<0.05。Wilcoxonの順位和p値によるWT対Cela1-/-の比較が示される。
図3】マウスの加齢に伴う気腔の単純化におけるCela1。(A)70-75週齢のCela1-/-マウスの肺は、WT肺よりも可溶性トロポエラスチンが多かった。(B)老化したWTマウスは、(C)老化したCela1-/-肺が示したよりも、肺エラスチンが少なく、中隔先端束の密度が低かった。(D)老化したCela1-/-マウスは、WTマウスと同じ程度の単純化を示さなかった。(E)老化したWTマウスは、(F)老化したCela1-/-マウスで保存されていた正常な肺胞構造を喪失した。中央のバーは、平均を表し、ひげは標準偏差を表す。Welchのt検定またはANOVAによる、*p<0.05、***p<0.001。
図4】ヒト肺におけるCELA1。(A)CELA1 mRNA陽性細胞は、対照の成人の肺では稀であった。(B)COPD肺の一部の誘導気道には、CELA1を発現する上皮細胞が多数あり、周囲の組織に強い陽性細胞があった。中央のバーは、平均を表し、ひげは標準偏差を表す。**Welchのt検定によるp<0.01。(C)COPD肺は、対照肺と比較して、ネイティブCELA1タンパク質の量が多く、CELA1+AATの量が多い傾向があった。(D)CELA1 mRNA陽性細胞は、COPDのサブセットおよび対照誘導気道で発見された。代表的なCOPD気道を、CELA1 mRNAを緑色で、CELA1タンパク質を赤色で標識して示す。CELA1タンパク質染色は、mRNA陽性細胞では軽微であるが、その下のマトリックスではより豊富である。(E)対照およびCOPD検体に存在するCELA1 mRNAの量にはかなりのばらつきがあったが、どちらも非COPD喫煙者の肺よりも中央値(黒いひし形)のmRNAが多かった。*Kruskal-Wallis検定によるp<0.05。
図5】CELA1およびヒト肺エラスチン分解活性(A)30個のヒト肺検体に、プロテアーゼおよび抗プロテアーゼmRNAの定量化および、肺エラスチン分解、ゼラチナーゼ、およびプロテアーゼ活性の定量化を行った。MMP12およびCELA1のみが肺の酵素活性と相関しており、CELA1のみが統計的に有意であった。
図6】抗CELA1抗体およびヒト肺エラスチン分解活性(A)CELA1ペプチド免疫化前後のウサギ血清およびヒト肺ホモジネートのインキュベーションにより、ウサギ血清自体が、最も高いCELA1 mRNAレベル「高」を有する15のヒト肺検体よりも少ない程度まで最も低いCELA1 mRNAレベル「低」を有する15の検体ヒト肺検体でエラスターゼ活性を阻害することを示した。免疫化後血清中のポリクローナル抗CELA1抗体は、「低」検体でさらに1%、「高」検体で5%の活性を中和した。(p=0.2)。(B)肺エラスチン分解活性の阻害の増加は、log10 CELA1 mRNA/18S値に比例した。影付きの領域は、一般化線形モデルの標準誤差である。(C)4匹のマウスを不活化CELA1で免疫化した。4匹すべてのマウスのELISA力価は強力であった。(D)これら4匹のマウスからの脾細胞を使用してハイブリドーマを作成した。ELISAによる20の最も強いELISA陽性クローンを、ヒトCELA1エラスチン分解活性を阻害する能力について試験した。8つのクローン(赤)を、検証のために選択した。(E)これらの8つのクローンからの上清を、組換えヒトCELA1のエラスターゼ活性の部分的阻害について3回試験した。阻害率が最も高い4つのクローン(赤)を選択した。(F)これら4つのクローンのハイブリドーマ上清を、非喫煙者(n=2)、喫煙者(n=4)、およびCOPD(n=6)肺ホモジネートで肺エラスターゼ活性を阻害する能力について試験した。KF4クローンは最も有望である。すべての検体を試験するには、BA8クローンの上清が不十分であった。(G)非喫煙者(n=13)、喫煙者(n=9)、およびCOPD(n=6)肺ホモジネートにおけるKF4クローンの段階希釈は、695fMの濃度でCOPD肺ホモジネートにおいて約25%のエラスターゼ阻害を示した。Kruskal-Wallis p=0.01、*Dunnの事後検定によるp<0.05。
図7】老化したヒト肺のCELA1。(A)肺CELA1 mRNAレベルは、性別または喫煙状態との明確な関連性なしに、ヒト肺検体の年齢とともに指数関数的に増加した。影付きの領域は、対数モデルの標準誤差を表している。(B)若年と老化した肺検体におけるCELA1のウエスタンブロット。(C)CELA1の低分子量(ネイティブ)および高分子量(CELA1+AAT)の定量化では、老化した肺のネイティブCELA1タンパク質の量にほとんど変化がなく、この老化した肺のCELA1+AATの量が全体的に減少している。(D)老化した肺検体における低分子量および高分子量CELA1の定量化。(E)共発現および非共発現細胞を示すクラブ細胞マーカーSCGB1A1の共染色を伴うCELA1発現細胞の数が多い領域における老化したヒト肺の免疫蛍光画像。中央のバーは、平均を表し、ひげは標準偏差を表す。*Welchのt検定によるp<0.05。
図8】健康なヒト肺組織へのCELA1の伸長誘導性結合。(A)切片化された凍結ヒト肺組織を、二軸延伸装置に取り付け、エラスチンインサイチュ酵素電気泳動基質およびフルオロフォア標識CELA1およびアルブミンの存在下で画像化した。伸長されていない組織は、3つのチャネルのいずれでもほとんどシグナルを示さず、伸長された肺切片と同じ時間間隔で繰り返し画像化された。(B)伸長された肺は、伸長に伴うCELA1の結合の増加を示したが、アルブミン結合またはエラスターゼ活性はほとんどなかった。(C)対照肺では、伸長に伴い肺組織へのCELA1の結合が増加していた。D)アルブミンは、伸長に応答した肺組織への結合を増加させなかった。(E)伸長は肺エラスターゼ活性を誘導しなかった。破線は、基質なしでインキュベートされた肺のシグナルを示している。*ANOVAによるp<0.05。
図9】PLISHの陰性対照画像。(A)Cela1-/-肺は、PPE後21日においてCela1-mRNAを示さなかった。(B)細菌の遺伝子プローブは、PPE後21日において野生型マウスの肺にシグナルを有さなかった。
図10】追加の老化したマウスの肺のデータ。(A)若い(8-12週齢)および老化した(70-75週齢)野生型マウス肺のウエスタンブロットは、Cela1タンパク質レベルの違いを呈さなかった。(B)エラスチンで染色されたマウスの肺の問題の定量的画像分析により、老化したCela1-/-マウスの肺で総肺エラスチンが増加する傾向が確認された。(C)肺老化タンパク質の定量化は、老化したCela1-/-マウスの肺におけるp53の減少傾向を除いて、違いを示さなかった。
図11】ヒトAT2細胞におけるCELA1。CELA1(赤)は、正常(ここに示す)およびCOPDヒト肺のAT2細胞のサブセットに存在していた。緑のシグナルは、ヒトAT2細胞の頂端膜を標識するHT2-280による染色である。
図12】老化したヒト肺のウエスタンブロット。(A)CELA1および(B)喫煙者および非喫煙者の老化したヒト肺の総タンパク質染色。
図13】3Dプリント共焦点顕微鏡肺延伸装置。(A)4つのモーターが、顕微鏡の取り付けプレート内に収まるプラスチックケース内に収納されている。シリコーンモールド(円)は、Tyvekストリップによってモーターに取り付けられた4つのクリップで固定されている。(B)伸長前と伸長後の肺の画像(挿入図)。(C)伸長の数(ステップ)に伴うモールド開口面積の増加の定量化。画像化に使用される手順が示されている。
図14】KF4抗体抗原の測定。(A)対応するアミノ酸が示された(GenBank:EAW58189.1)マウス免疫化に使用される5つのペプチド(Pep-1、Pep-2、Pep-3、Pep-4、およびPep-5)ならびにウサギ(pep-6)および組換えヒトCela1(MW約35kDa)でCELA1ポリクローナル抗体を作成するために使用されるペプチドを、電気泳動的に分離し、PVDF膜に移動し、KF4抗体でプローブした。バンドを、Pep-1およびPep-2レーン、ならびに組換えヒトCELA1レーンで検出した。(B)ウサギポリクローナル抗体は、Pep-1およびPep-2、ならびにPep-5でこれらの同じバンドを検出し、Pep-6および組換えヒトCELA1で強いシグナルを検出した。(C)Pep-1、Pep-2、またはヒトCELA1でコーティングされたELISAプレートは、Pep-2を使用したKF4抗体のシグナルを示さず、Pep-1およびヒトCELA1を使用したELISAシグナルの希釈に依存する低下を示した。
【0008】
当業者は、以下に記載される図面が例示のみを目的としていることを理解するであろう。図面は、決して本発明の教示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
特に断りのない限り、用語は、関連技術の当業者による従来の使用法に従って理解されるべきである。矛盾する場合は、定義を含む本文書が優先されるものとする。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用し得るが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
【0010】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「および」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「一つの方法」への言及は、複数のそのような方法を含み、「一つの用量」への言及は、当業者に知られている1つ以上の用量およびその均等物への言及を含む、などである。
【0011】
「約」または「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味し、これは、値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定系の限界に部分的に依存するものとする。例えば、「約」は、当該技術分野の慣行に従って、1以内または1を超える標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、または最大10%、または最大5%、または最大1%の範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、ある値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載される場合、特記しない限り、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味する「約」という用語を想定すべきである。
【0012】
「抗原」という用語は、抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその免疫学的機能的フラグメントを含む)などの選択的結合剤によって結合することができる分子または分子の一部を指す。いくつかの実施形態において、抗原は、その抗原に結合することができる抗体を産生するために動物において使用され得る。抗原は、抗体などの異なる抗原結合タンパク質と相互作用することができる1つ以上のエピトープを保有することができる。
【0013】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、所望の効果を示すのに十分な1つ以上の活性成分の量を意味する。これには、治療的効果および予防的効果の両方が含まれる。単独で投与される個々の有効成分に適用される場合、この用語はその成分のみを指す。組み合わせに適用される場合、この用語は、組み合わせて投与されるか、連続して投与されるか、または同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす有効成分の組み合わせ量を指す。
【0014】
「個体」、「宿主」、「対象」、および「患者」という用語は、治療、観察、および/または実験の対象である動物を指すために互換的に使用される。一般に、この用語はヒト患者を指すが、方法および組成物は、他の哺乳動物等の非ヒト対象に等しく適用可能であり得る。いくつかの実施形態において、この用語はヒトを指す。さらなる実施形態において、この用語は小児を指す場合がある。
【0015】
「CELA1活性」という用語には、CELA1の任意の生物学的効果が含まれる。
【0016】
「ポリペプチド」または「タンパク質」という用語は、天然タンパク質、すなわち、天然に存在する非組換え細胞によって産生されるタンパク質、のアミノ酸配列を有する高分子を意味する。または、遺伝子操作または組換え細胞によって産生され、天然タンパク質のアミノ酸配列を有する分子、または天然配列の1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を有する分子を含む。この用語はまた、1つ以上のアミノ酸が対応する天然に存在するアミノ酸およびポリマーの化学的類似体であるアミノ酸ポリマーを含む。「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、具体的には、CELA1抗原結合タンパク質、抗体、または抗原結合タンパク質の1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を有する配列を包含する。「ポリペプチドフラグメント」という用語は、完全長の天然タンパク質と比較して、アミノ末端欠失、カルボキシル末端欠失、および/または内部欠失を有するポリペプチドを指す。このようなフラグメントは、天然タンパク質と比較して修飾アミノ酸を含むこともある。特定の実施形態において、フラグメントは、約5~500アミノ酸長である。例えば、フラグメントは、少なくとも5、6、8、10、14、20、50、70、100、110、150、200、250、300、350、400、または450アミノ酸長さであり得る。有用なポリペプチドフラグメントには、結合ドメインを含む抗体の免疫学的に機能的なフラグメントが含まれる。CELA1結合抗体の場合、有用なフラグメントには、CDR領域、重鎖および/または軽鎖の可変ドメイン、抗体鎖の一部、または2つのCDRを含むその可変領域のみなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書で使用される「配列同一性」は、参照配列と同じ核酸配列を有するか、または2つの配列が最適に整列されている場合に参照配列内の対応する位置で同じであるヌクレオチドの特定のパーセンテージを有する核酸配列を示す。例えば、核酸配列参照核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有し得る。比較配列の長さは、一般に、少なくとも5つの連続したヌクレオチド、好ましくは少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25の連続したヌクレオチドであり、最も好ましくは完全長ヌクレオチド配列であることになる。配列同一性は、デフォルト設定の配列分析ソフトウェアを使用して測定することができる(例えば、the Genetics Computer Group,University of Wisconsin Biotechnology Center、1710 University Avenue,Madison,Wis.53705の配列分析ソフトウェアパッケージ)。そのようなソフトウェアは、様々な置換、欠失、および他の修飾に相同性の程度を割り当てることによって、類似の配列と一致し得る。
【0018】
「治療有効量」という用語は、哺乳動物において治療応答を生じると決定されたCELA1抗原結合タンパク質の量を指す。そのような治療上有効な量は、当業者によって容易に確認される。
【0019】
肺気腫は多くの進行性肺疾患の重要な要素であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が最も一般的である。α1-アンチトリプシン(AAT)補充療法を除いて、進行性肺気腫に対する疾患緩和療法はない。出願人は以前に、肺胞タイプ2(AT2)細胞で合成されたCELA1がAATによって中和され、CELA1がAAT欠損の肺気腫に必要であることを報告した。ここで、出願人は、マウスモデルとヒト組織を使用して、進行性肺気腫にCELA1が必要であることを示した。マウスでは、肺損傷を、気管ブタ膵臓エラスターゼで誘発した。Cela1は21日で増加し始め、Cela1-/-マウスは42日と84日で継続的な気腔拡大から保護された(p<0.01)。老化したCela1-/-マウスは、老化したWTマウスよりも気腔の単純化が少なかった(p<0.05)。ヒトおよびマウスでは、CELA1 mRNAおよびタンパク質は、誘導気道上皮およびAT2細胞のサブセットに存在していた。COPD肺は対照より3倍多いCELA1タンパク質を有した(p<0.05)。COPD関連プロテアーゼの中で、CELA1のみが肺エラスチン分解活性と有意に正に相関していた(p<0.001)。ウサギポリクローナルおよびマウスモノクローナル抗CELA1抗体は、CELA1 mRNA-低ではなく、CELA1 mRNA-高のヒト肺のエラスチン分解活性を阻害した。CELA1 mRNAレベルは年齢とともに指数関数的に増加し、喫煙はAAT中和:ネイティブCELA1の比率を減少させた(p<0.05)。肺組織へのCELA1の結合は、二軸ひずみに伴って6倍に増加した(p<0.05)。CELA1は、(1)加齢に伴う発現の増加、(2)喫煙によるAAT中和の減少、および(3)ひずみによる肺マトリックスへのCELA1の結合の増加を介して、進行性肺気腫の素因となることが提案されている。したがって、抗CELA1療法は、肺気腫の進行を防ぐための新しい疾患緩和療法を提供する可能性があると考えられている。
【0020】
出願人は、キモトリプシン様エラスターゼ1(CELA1)が複数のマウス肺気腫モデルにおける進行性気腔破壊の原因であることを発見し、ヒト肺CELA1の発現と肺マトリックスへの結合が既知の肺気腫リスク因子と関連していることを示し、坑CELA1抗体は、CELA1 mRNA-高の肺検体の肺エラスターゼ活性を大きく阻害することを示した。
【0021】
本明細書に開示されるのは、進行性肺疾患の治療のための組成物および方法である。一態様では、この方法は、CELA1阻害剤を必要とする個体にCELA1阻害剤を投与することを含み得る。一態様では、進行性肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、好ましくはCOPD GOLDステージI以上であり得る。一態様では、進行性肺疾患は肺気腫であり得る。一態様では、肺気腫は、遺伝的AAT欠損症を有する個体の肺気腫であり得る。肺気腫は、CTで確認された肺気腫であり得る。一態様では、進行性肺疾患は、損傷後の進行性気腔破壊であり得る。
【0022】
一態様では、ヒト対象の肺疾患を治療する方法が開示されている。この方法は、CELA1阻害剤を必要とするヒト対象にCELA1阻害剤を投与することを含み得る。肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(任意選択的にCOPD GOLDステージI以上)、肺気腫(任意選択的に、該肺気腫が遺伝的AAT欠損症を有する個体にある、任意選択的に、該肺気腫がCTで確認された肺気腫である、任意選択的に、該肺気腫が、進行性肺気腫、損傷後の進行性気腔破壊である)およびそれらの組み合わせから選択することができる。
【0023】
一態様では、CELA1阻害剤は、抗原結合タンパク質、または「ABP」であり得る。本明細書で使用される「抗原結合タンパク質」(「ABP」)は、特定の標的抗原に結合する任意のタンパク質を意味する。一態様では、特定の標的抗原は、CELA1タンパク質またはそのフラグメントである。「抗原結合タンパク質」は、例えば、免疫学的に機能的なフラグメントなどの抗体およびその結合部分を含み得る。ペプチボディは、抗原結合タンパク質の別の例である。本明細書で使用される抗体または免疫グロブリン鎖(重鎖または軽鎖)抗原結合タンパク質の「免疫学的に機能的なフラグメント」(または単に「フラグメント」)という用語は、全長鎖に存在するアミノ酸の少なくとも一部を欠いているが、それでもなお抗原に特異的に結合することができる抗体の一部(その部分がどのように得られ、または合成されるかに関係なく)を含む抗原結合タンパク質の種である。そのようなフラグメントは、それらが標的抗原に結合するという点で生物学的に活性であり、所与のエピトープへの結合について、インタクトな抗体を含む他の抗原結合タンパク質と競合することができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは中和フラグメントである。いくつかの実施形態では、フラグメントは、CELA1と標的との間の相互作用の可能性を遮断または低減することができる。一態様では、そのようなフラグメントは、全長軽鎖または重鎖に存在する少なくとも1つのCDRを保持することになり、いくつかの実施形態では、単一の重鎖および/もしくは軽鎖またはそれらの一部を含むことになる。これらの生物学的に活性なフラグメントは、組換えDNA技術によって生成されるか、またはインタクトな抗体を含む抗原結合タンパク質の酵素的または化学的切断によって生成され得る。免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントには、これらに限定されないが、Fab、ダイアボディ(軽鎖可変ドメインと同じポリペプチド上の重鎖可変ドメイン、短すぎて同じ鎖の2つのドメイン間をペアリングできない短いペプチドリンカーを介して接続されている)、Fab'、F(ab')2、Fv、ドメイン抗体および単鎖抗体を含み、例えば、ヒト、マウス、ラット、またはウサギを含む哺乳動物の供給源に由来することができる。本明細書に開示される抗原結合タンパク質の機能的部分、例えば、1つ以上のCDRは、第2のタンパク質または小分子に共有結合して、体内の特定の標的に向けられる治療剤を作製し得る、二機能性の治療特性を有する、または血清半減期が延長されており、非タンパク質成分を含み得ることがさらに企図される。
【0024】
抗原結合タンパク質には、抗体または抗体に由来するABPが含まれ得る。特定の実施形態において、抗原結合タンパク質のポリペプチド構造は、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、ドメイン抗体、合成抗体(本明細書では「抗体模倣物」と呼ばれることもある)、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体融合物(本明細書では「抗体コンジュゲート」と呼ばれることもある)、およびそれらのフラグメントをそれぞれ含むがこれらに限定されない抗体に基づくことができる。いくつかの実施形態において、ABPは、アビマー(緊密に結合するペプチド)を含むか、またはそれからなり得る。
【0025】
一態様では、抗原結合タンパク質は、解離定数(Kd)が10-7M以下である場合、その標的抗原に「特異的に結合する」と言うことができる。ABPは、Kdが5×10-9M以下である場合には「高い親和性」をもって、Kdが5×10-10M以下である場合に「非常に高い親和性」をもって抗体に特異的に結合する。一実施形態では、ABPは10-9MのKdを有する。一実施形態では、オフレートは<1×10-5である。他の実施形態では、ABPは、約10-9M~10-13MのKdでヒトCELA1に結合することになり、さらに別の実施形態では、ABPは、5×10-10以下のKdで結合することになる。当業者によって理解されるように、いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントのいずれかまたはすべてが、CELA1に特異的に結合することができる。抗原結合タンパク質は、2番目のターゲットに結合するよりも1つのターゲットに強く結合する場合、「選択的」であるとみなされる。
【0026】
一態様では、CELA1阻害剤は、抗CELA1抗体であり得る。抗CELA1抗体は、抗体がヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害することによって特徴付けられ得る。一態様では、抗CELA1抗体産物は、肺の細胞外空間への標的化を増強するためにRGDモチーフで修飾され得る。
【0027】
一態様では、CELA1阻害剤は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6から選択されるペプチドの最大残基数まで、ペプチド中の1つ以上の残基、または少なくとも2残基、または少なくとも3残基、または少なくとも4残基、または少なくとも5残基、または少なくとも6残基、または少なくとも7残基、または少なくとも8残基、または少なくとも9残基、または少なくとも10残基に結合する抗原結合タンパク質(ABP)であり得る。そのような場合、ABPは、抗体、または単離されたモノクローナル抗体、または対応するペプチドに対して選択的なヒト抗体であり得る。一態様では、抗CLEA1阻害剤は、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)モチーフを含む抗体であり得る。
【0028】
一態様では、抗CELA1阻害剤は、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害し得る。
【0029】
一態様では、単鎖可変フラグメント(scFv)が開示される。scFVは、開示された抗体の重鎖(VH)の可変領域および開示された抗体の軽鎖(VL)の可変領域を含み得、ここで、該VHおよび該VLは、リンカーペプチドによって接続され、該scFvは、ヒトCELA1の少なくとも1つの領域に特異的である。特定の態様では、scFvは、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害する。
【0030】
CELA1阻害剤は、当技術分野で知られている方法を使用して投与することができる。例えば、CELA1阻害剤は、静脈内投与され得る。一態様では、CELA1阻害剤は、ネブライザーを介して投与することができる。さらなる態様では、投与は、毎日、隔日、毎週、隔週、3週間ごと、または毎月から選択される。
【0031】
一態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与を含む、進行性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、または損傷後の進行性気腔破壊から選択される疾患または状態を治療する方法が開示される。使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、CELA1を阻害する能力によって特徴付けられるものであり得る。一態様では、ASOは、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害し得る。「進行性」とは、肺胞の喪失が続くことによるガス交換表面積の喪失が続くことを意味する。
【0032】
薬学的組成物
一態様では、CELA1阻害剤を含む組成物が開示されている。CELA1阻害剤は、本明細書に開示されるようなABPであり得る。一態様では、ABPは、ヒトCELA1に結合する単離されたモノクローナル抗体であり得る。モノクローナル抗体は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6から選択される配列の少なくとも1残基、または少なくとも2残基、または少なくとも3残基、または少なくとも4残基、または少なくとも5残基、または少なくとも6残基、または少なくとも7残基、または少なくとも8残基、または少なくとも9残基、または少なくとも10残基、または少なくとも11残基、または少なくとも12残基、または少なくとも13残基、または少なくとも14残基、または少なくとも15残基、または少なくとも16残基、または少なくとも17残基、または少なくとも18残基、または少なくとも19残基、または少なくとも20残基、または少なくとも21残基、または少なくとも22残基、または少なくとも23残基、または少なくとも24残基、または少なくとも25残基、または各残基に結合し得る。組成物は、単離されたヒト抗体を含み得、さらに、無菌および等張性の一方もしくは両方であるか、またはより一般的にはそれを必要とする個体への投与に適した形態の担体を含み得る。特定の態様では、組成物の単離されたモノクローナル抗体は、ヒト肺エラスチン分解活性の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または約100%を阻害し得る。
【0033】
一態様では、本明細書で提供される抗体、ASO、および/またはscFvは、静脈内または皮下単位剤形、経口、非経口、静脈内、および皮下から選択される剤形で投与することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるABP、抗体、ASO、および/またはscFvは、液体調製物に配合され得る。適切な形態には、懸濁液、シロップ、エリキシルなどが含まれる。いくつかの実施形態において、経口投与のための単位剤形は、錠剤およびカプセルを含む。1日1回投与用に構成された単位剤形;しかしながら、特定の実施形態では、1日2回、またはそれ以上の投与のために単位剤形を構成することが望ましい場合がある。
【0034】
一態様では、薬学的組成物は、レシピエントの血液または他の体液と等張である。組成物の等張性は、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコールまたは他の無機または有機溶質を使用して達成することができる。例には塩化ナトリウムが含まれる。酢酸および塩、クエン酸および塩、ホウ酸および塩、ならびにリン酸および塩などの緩衝剤を使用することができる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、Ringerのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、ラクトRingerまたは不揮発油が含まれる。静脈内ビヒクルには、液体および栄養素補充剤、電解質補充剤(Ringerのデキストロースに基づくものなど)などが含まれる。
【0035】
薬学的組成物の粘度は、薬学的に許容される増粘剤を使用して、選択されたレベルに維持することができる。メチルセルロースは、容易かつ経済的に入手可能であり、取り扱いが容易であるため、有用である。他の適切な増粘剤には、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーなどが含まれる。いくつかの実施形態において、増粘剤の濃度は、選択された増粘剤に依存するであろう。選択した粘度を達成する量を使用することができる。粘性組成物は通常、そのような増粘剤の添加によって溶液から調製される。
【0036】
薬学的組成物の貯蔵寿命を延ばすために、医薬的に許容される防腐剤を使用することができる。ベンジルアルコールが適切であり得るが、例えば、パラベン、チメロサール、クロロブタノール、または塩化ベンザルコニウムを含む様々な防腐剤もまた使用され得る。防腐剤の適切な濃度は、通常、組成物の総重量に基づいて約0.02%から約2%であるが、選択される薬剤に応じて、より多いまたはより少ない量が望ましい場合がある。上記のように、還元剤は、製剤の良好な貯蔵寿命を維持するために有利に使用され得る。
【0037】
一態様では、本明細書で提供される抗体、ASO、および/またはscFvは、投与経路および所望の調製物に応じて、適切な担体、希釈剤、または滅菌水、生理食塩水、グルコースなどの賦形剤と混合され得、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、ゲル化または粘度増強添加剤、保存剤、香味剤、着色剤などの補助物質を含み得る。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy",Lippincott Williams&Wilkins;第20版(2003年6月1日)および"Remington's Pharmaceutical Sciences,"Mack Pub.Co.;18版および19版(それぞれ1985年12月,1990年6月)を参照されたい。そのような調製物は、錯化剤、金属イオン、ポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストランなどの高分子化合物、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層または多層小胞、赤血球ゴーストまたは球状芽細胞を含み得る。リポソーム製剤に適した脂質には、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などが含まれるが、これらに限定されない。そのような追加の成分の存在は、物理的状態、溶解性、安定性、インビボ放出の速度、およびインビボクリアランスの速度に影響を及ぼし得、したがって、担体の特性が選択された投与経路に合うように調整されるように、意図する用途に従って選択され得る。
【0038】
経口投与の場合、薬学的組成物は、錠剤、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、乳濁液、硬質または軟質カプセル、シロップまたはエリキシルとして提供され得る。経口使用を目的とした組成物は、薬学的組成物の製造のための当技術分野で知られている任意の方法に従って調製することができ、以下の薬剤の1つまたは複数を含むことができる:甘味料、香味剤、着色剤および防腐剤。水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して有効成分を含み得る。
【0039】
経口使用のための製剤はまた、有効成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される硬質ゼラチンカプセルとして、または軟質ゼラチンカプセルとして提供され得る。軟質カプセルでは、本明細書で提供される抗体、ASO、および/またはscFvは、水などの適切な液体、またはピーナッツ油、オリーブ油、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの油媒体に溶解または懸濁することができる。経口投与用に配合された安定剤およびミクロスフェアも使用することができる。カプセルには、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤で作られた柔らかく密封されたカプセルが含まれ得る。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および任意選択的に安定剤と混合した有効成分を含み得る。
【0040】
錠剤は、コーティングされていないか、または既知の技術によってコーティングされて、胃腸管における崩壊および吸着を遅らせ、それにより、より長期間にわたって持続的な作用を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。錠剤形態などの固体形態で投与される場合、固体形態は、典型的には、約0.001重量%以下~約50重量%以上、例えば、約0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1重量%~約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、または45重量%の有効成分を含む。
【0041】
錠剤は、不活性物質を含む非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して有効成分を含み得る。例えば、錠剤は、任意選択的に、1つ以上の追加の成分を用いて、圧縮または成形によって調製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で、粉末または顆粒などの自由流動形態の有効成分を、任意選択的に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合して圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末活性剤の混合物を成形することによって作製することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、各錠剤またはカプセルは、本明細書で提供される約1mg以下~約1,000mg以上、例えば、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100mg~約150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、または900mgの活性剤を含む。いくつかの実施形態において、錠剤またはカプセルは、分割された投与量が投与されることを可能にするために、投与量の範囲で提供される。したがって、患者に適切な投与量および毎日投与される投与回数を都合よく選択することができる。特定の実施形態において、2つ以上の治療剤は、単一の錠剤または他の剤形に投与されるように組み込まれ得る(例えば、併用療法において)。しかしながら、他の実施形態において、治療剤は、別個の剤形で提供され得る。
【0043】
適切な不活性材料には、炭水化物、マンニトール、ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、改変デキストラン、デンプンなどの希釈剤、または三リン酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム炭酸マグネシウム、および塩化ナトリウムなどの無機塩が含まれる。崩壊剤または造粒剤、例えば、コーンスターチなどのデンプン、アルギン酸、デンプングリコール酸ナトリウム、アンバーライト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸性カルボキシメチルセルロース、天然スポンジおよびベントナイト、不溶性カチオン交換樹脂、寒天、またはカラヤなどの粉末ゴム、またはアルギン酸またはそれらの塩を製剤に含めることができる。
【0044】
結合剤を使用して、硬質錠剤を形成することができる。結合剤には、アカシア、デンプンおよびゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの天然物からの材料が含まれる。
【0045】
ステアリン酸またはそれらのマグネシウムまたはカルシウム塩などの潤滑剤、ポリテトラフルオロエチレン、流動パラフィン、植物油およびワックス、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、デンプン、タルク、発熱性シリカ、水和シリコアルミネートなどは、錠剤製剤に含まれる。
【0046】
界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムおよびスルホン酸ジオクチルナトリウムなどのアニオン性洗剤、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムなどのカチオン性洗剤、またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースなどの非イオン性洗剤も使用できる。
【0047】
活性剤またはその類似体が、拡散または浸出メカニズムのいずれかによる放出を可能にする不活性マトリックスに組み込まれる、制御放出製剤を使用することができる。ゆっくりと変性するマトリックスもまた、製剤に組み込まれ得る。他の送達システムには、時間放出性、遅延放出、または徐放性送達システムが含まれ得る。
【0048】
コーティングは、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロビドンおよびポリエチレングリコールなどの腸溶性材料、またはフタル酸エステルなどの腸溶性材料を使用することができる。酸性エステル。染料または顔料は、識別のために、または活性剤用量の異なる組み合わせを特徴付けるために追加され得る。
【0049】
液体の形で経口投与する場合、水、石油、ピーナッツ油、鉱油、ダイズ油、ゴマ油などの動植物由来の油、または合成油などの液体担体を有効成分に加えることができる。生理食塩水、デキストロース、もしくは他の糖類溶液、またはエチレングリコール、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなどのグリコールも適切な液体担体である。薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であり得る。油相は、オリーブ油または落花生油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、またはそれらの混合物であり得る。適切な乳化剤には、アカシアゴムおよびトラガマイスゴムなどの天然に存在するゴム、ダイズレシチンなどの天然に存在するホスファチド、ソルビタンモノオレエートなどの脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどの、これら部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物が含まれる。乳濁液はまた、甘味料および香味料を含むことができる。
【0050】
活性剤の肺送達もまた使用され得る。活性剤は、吸入しながら肺に送達され、肺上皮内層を横切って血流に移動することができる。ネブライザー、定量吸入器、および粉末吸入器を含むがこれらに限定されない、治療用製品の肺送達用に設計された広範囲の機械的装置を使用することができ、これらはすべて当業者によく知られている。これらの装置は、活性剤の分配に適した製剤を採用している。典型的には、各製剤は、使用される装置のタイプに固有であり、治療に有用な希釈剤、アジュバント、および/または担体に加えて、適切な推進剤材料の使用を含み得る。
【0051】
有効成分は、0.1μm以下~10μm以上、例えば、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9μm~約1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、または9.5μmの平均粒子サイズを有する粒子形態で肺送達用に調製することができる。活性剤の肺送達のための薬学的に許容される担体には、トレハロース、マンニトール、キシリトール、スクロース、ラクトース、およびソルビトールなどの炭水化物が含まれる。製剤に使用する他の成分には、DPPC、DOPE、DSPC、およびDOPCが含まれる場合がある。ポリエチレングリコールおよびシクロデキストリンなどのデキストランを含む、天然または合成の界面活性剤を使用することができる。胆汁酸塩および他の関連するエンハンサー、ならびにセルロースおよびセルロース誘導体、ならびにアミノ酸も使用することができる。リポソーム、マイクロカプセル、ミクロスフェア、包接複合体、および他のタイプの担体も使用することができる。
【0052】
ジェットまたは超音波のいずれかのネブライザーでの使用に適した薬学的製剤は、通常、溶液1mL当たり約0.01以下~100mg以上、例えば、溶液1mL当たり約0.1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg~約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90mgの活性剤濃度で水に溶解または懸濁された活性剤を含む。製剤はまた、緩衝液および単糖を含み得る(例えば、タンパク質の安定化および浸透圧の調節のために)。ネブライザー製剤はまた、エアロゾルを形成する際の溶液の噴霧化によって引き起こされる活性剤の表面誘導凝集を低減または防止するために、界面活性剤を含み得る。
【0053】
定量吸入器装置で使用するための製剤は、一般に、界面活性剤の助けを借りて推進剤に懸濁された有効成分を含む細かく分割された粉末を含む。推進剤は、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、および炭化水素などの従来の推進剤を含み得る。推進剤の例には、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、およびそれらの組み合わせが含まれる。適切な界面活性剤には、ソルビタントリオレエート、ダイズレシチン、およびオレイン酸が含まれる。
【0054】
粉末吸入器装置から分配するための製剤は、典型的には、活性剤を含む細かく分割された乾燥粉末を含み、任意選択的に、ラクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、トレハロース、またはキシリトールなどの増量剤を、装置からの粉末の分散を促進する量、典型的には製剤の約1重量%以下~99重量%以上、例えば、製剤の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50重量%~製剤の約55、60、65、70、75、80、85、または90重量%で含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される活性剤は、パイロジェンフリーの非経口的に許容される水溶液または油性懸濁液の形態で、静脈内、非経口、または他の注射によって投与され得る。懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当技術分野で周知の方法に従って製剤することができる。適切なpH、等張性、安定性などを備えた許容可能な水溶液の調製は、当技術分野の技術の範囲内である。いくつかの実施形態において、注射用薬学的組成物は、1,3-ブタンジオール、水、等張塩化ナトリウム溶液、Ringer溶液、デキストロース溶液、デキストロースおよび塩化ナトリウム溶液、乳酸Ringer溶液、または当技術分野で知られている他のビヒクルなどの等張ビヒクルを含み得る。さらに、滅菌不揮発油は、従来、溶媒または懸濁媒体として使用することができる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の刺激の少ない不揮発油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も同様に注射可能な調製物の形成に使用することができる。薬学的組成物はまた、安定剤、防腐剤、緩衝剤、抗酸化剤、または当業者に知られている他の添加剤を含み得る。
【0056】
注射の持続時間は、様々な要因に応じて調整することができ、数秒以下の間に投与される単回注射から、0.5、0.1、0.25、0.5、0.75、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間以上の持続静脈内投与を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される抗体、ASO、および/またはscFvは、それらの技術的に確立された様式およびそれらの技術的に確立されたレベルで薬学的組成物に従来見られる補助成分をさらに使用し得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される抗体、ASO、および/またはscFvは、キットの形態で、投与する医師または他の医療専門家に提供され得る。キットは、適切な薬学的組成物中の活性剤を含む容器、および薬学的組成物を対象に投与するための説明書を収容するパッケージである。キットは、任意選択的に、本明細書に記載されるように病状を治療するために現在使用されている1つ以上の追加の治療剤を含み得る。例えば、1つ以上の追加の活性剤と組み合わせて本明細書で提供される抗体、ASO、および/またはscFvを含む1つ以上の組成物を含むキットが提供されてもよく、または本明細書で提供される活性剤および追加の治療剤を含む別個の薬学的組成物が提供されてもよい。キットはまた、逐次投与または連続投与のために本明細書で提供される別個の用量の活性剤を含み得る。キットには、任意選択的に、1つ以上の診断ツールと使用説明書が含まれている場合がある。キットは、活性剤および他の治療剤を投与するための指示書とともに、適切な送達装置、例えば、注射器などを含み得る。キットには、任意選択的に、保管、再構成(該当する場合)、および含まれる治療剤のいずれかまたはすべての投与に関する指示が含まれている場合がある。キットは、対象に与えられる投与の数を反映する複数の容器を含み得る。
【実施例
【0059】
以下の非限定的な例は、本明細書に開示される実施形態をさらに説明するために提供される。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において十分に機能することが見出されたアプローチを表し、したがって、その実施のための様式の例を構成するとみなされ得ることを当業者は理解すべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変更をなし得、同様または類似の結果をなおも取得することを理解すべきである。
【0060】
肺の弾性繊維の半減期は、約70年であり、正常な肺機能の鍵となる。弾性線維の破壊は気腫性疾患の特徴であり、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)およびセリンプロテアーゼの宿主が様々な気腫性障害に関与している。AAT欠損肺気腫において可能であるAAT補充療法を除いて、ヒトにおける標的プロテアーゼ阻害戦略は失敗した。出願人は、肺気腫における新規セリンプロテアーゼであるキモトリプシン様エラスターゼ1(CELA1)の役割を試験した。ここで、出願人は、CELA1が発達的に調節され、潜在的な肺コンプライアンスを低下させ、AAT欠損症のマウスモデルの肺気腫に必要であることを確立した6,7。出願人は、他の肺気腫関連プロテアーゼとは異なり、CELA1は初期の肺損傷には関与せず、むしろ損傷後の進行性の気腔破壊および加齢に伴う正常な肺胞喪失の原因であると考えられていることを発見した。出願人は、CELA1 mRNAレベルがヒト肺のタンパク質分解状態と強く相関し、CELA1高の肺のエラスチン分解活性が抗CELA1抗体とともに低下する可能性があることを発見した。出願人はさらに、CELA1が肺気腫の年齢、喫煙および前損傷の危険因子を説明できることを発見した。そのmRNAレベルは年齢とともに増加し、AATによる中和は喫煙とともに減少し、肺マトリックスへの結合はひずみとともに増加する。
【0061】
肺損傷後のCela1の後期増加
出願人は、肺気腫のマウス気管PPEモデルにおけるCela1発現を評価した。Cela1 mRNAの増加は、PPE後の数日間にいくつかの検体で認められたが、PPE後42日と84日で有意に増加し、中央値はそれぞれ2.7倍および2倍に増加した(図1、パネルA)。Cela1 mRNAの近接ライゲーションインサイチュハイブリダイゼーション(PLISH)は、PBS処理肺で陽性細胞が非常に少ないこと(図1、パネルB)、PPEの3日後の発現細胞のクラスターが稀であること(図1、パネルC)、および実質的に21、42、および84日での誘導気道のサブセットにおけるCela1発現細胞の数の増加(図1、パネルD、図9)。出願人は以前に、マウス肺の約70kDaのCela1種がCela1+AATタンパク質であることを示した。PPE後1日および3日に、Cela1+AATタンパク質が上昇した。これは、おそらく血清タンパク質の気腔への漏出に関連している。21日目および42日目に、ネイティブCela1タンパク質レベルは約3倍に増加した(図1、パネルEおよびF)。全体として、これらのデータは、Cela1の発現が肺損傷後3~6週間で増加し始め、誘導気道のすべてではなく一部に局在することを示している。
【0062】
Cela1はマウスPPEモデルで肺気腫の進行を仲介する
出願人は、WTおよびCela1-/-マウスのPPE後21、42、および84日目に肺気腫を評価した。Cela1-/-およびWTマウスは21日まで同程度の気腔破壊を示したが、Cela1-/-マウスは、42日および84日のWTマウスで観察された進行性の気腔破壊から保護された。肺気腫に対する雌の感受性の増加の報告と一致して(8-10)、これは統計的に有意ではなかったが、雌マウスは肺気腫を悪化させる傾向があった(図2)。これらのデータは、この肺気腫のマウスモデルでは、Cela1は初期の気腔損傷において重要な役割を果たしていないが、Cela1は21日以後に発生する肺気腫の進行に必要であることを示している。
【0063】
マウスの加齢に伴う気腔の単純化におけるCela1。ヒトおよびマウスの老化の特徴は、肺胞の喪失と進行性の気腔の単純化である。Cela1は後期肺リモデリングに関与しているように見えたため、出願人は老化したWTおよびCela1-/-マウスの肺を評価した。若年(8~10週)と老化したマウスの肺(70~75週)のCela1タンパク質レベルに違いはなかった(図10)。しかしながら、老化したCela1-/-肺は、45%多くの可溶性トロポエラスチン(図3A)および同様に増加した不溶性エラスチン(図10)を有し、エラスチン構造の破壊が少なかった(図3パネルBおよびC)。Cela1-/-マウスは、WTマウスに見られる加齢に伴う気腔の単純化から大部分が保護されていた(図3、パネルD~F)。細胞老化は肺気腫および他の肺疾患の病因に重要であることが知られているため、出願人はp16/p19、p21、およびp53のタンパク質レベルを評価した。出願人は、これらの因子の全肺レベルに有意差を認めなかった(図10)。これらのデータは、老化の肺リモデリングプロセスにCELA1が関与していることを示している。
【0064】
ヒト肺気腫におけるCELA1
出願人は以前に、ヒトの肺にCELA1 mRNAが存在すること、およびCELA1の高分子量種(約70kDa)がCela1およびAATの共有結合複合体であることを示した。COPDにおけるCELA1をさらに評価するために、出願人は最初に免疫組織化学を実施した。COPDのタイルスキャン切片と対照肺切片のCELA1タンパク質陽性細胞のカウントは、それぞれ1mm当たり97対5のCELA1陽性細胞を示した(それぞれn=3および4、Welchのt検定によるp=0.01)。これらの細胞は主に誘導気道に局在していた(図4、パネルAおよびB)。ウエスタンブロットは、COPD肺における高分子量および低分子量のCELA1種の増加を示した(図4C)。非肺臓器提供者肺およびCOPD肺のPLISHは、肺周辺にCELA1 mRNAの散在領域を示したが、これらの細胞および下層マトリックスの両方に、上皮細胞のCELA1 mRNAおよびCELA1タンパク質を有する誘導気道のサブセットを示した(図4D)。免疫組織化学は、出願人がAAT欠損肺気腫で示したように、末梢CELA1発現細胞が肺胞2型(AT2)細胞であることを示した(図11。COPD検体のCELA1-mRNAレベルは喫煙者よりも高かったが、一部の対照肺検体でもCELA1 mRNAレベルが上昇していた(図4、パネルF)。これらのタンパク質およびmRNAデータは、CELA1がマウスと同様にヒトの肺の誘導気道のサブセットに存在し、COPDの肺には非COPDの肺よりも一般的に多くのCELA1が存在することを示している。非喫煙者の臓器提供者の肺の臨床状態は、対照とCOPDの比較を困難にする。
【0065】
CELA1阻害は肺エラスチン分解活性を低下させる
出願人は、7人のCOPD対象、9人のCOPDのない喫煙者、および14人の非肺臓器提供者からの肺検体を使用して、肺気腫に重要なプロテアーゼおよび抗プロテアーゼのmRNAレベルと肺エラスチン分解、ゲラチナーゼ、およびプロテアーゼ活性を相関させた。CELA1は、mRNAレベルが肺のタンパク質分解活性と有意に相関する唯一の遺伝子であった(図5、パネルA)。中央値のCELA1 mRNAレベルをカットオフとして使用すると、CELA1低の検体とCELA1高の検体はウサギ血清とインキュベートしたときにそれぞれ14%および20%のエラスチン分解活性を阻害し、CELA1免疫化後のウサギ血清とインキュベートした場合はさらに1%と5%の阻害を示した(図5、パネルB)。CELA1発現を抗体媒介阻害と相関させて、より高いCELA1レベルを有する検体は、肺エラスチン分解活性のより大きな阻害を有した(図5、パネルC)。これらのデータは、CELA1がヒト肺エラスチン分解活性の重要な決定因子であることを示しており、抗CELA1療法の利点を示唆している。
【0066】
抗CELA1モノクローナル抗体
ウサギポリクローナル抗体はヒト肺気腫の実行可能な治療法ではないため、出願人はCELA1に対して免疫化されたマウスからハイブリドーマを開発し(図6、パネルA)、ウサギポリクローナル抗体の場合と同様にこれらの抗体を試験した。ハイブリドーマスクリーニングにより、最も有望なクローンと検証された組換えヒトCELA1のエラスチン分解活性の阻害について試験された20の陽性クローンが得られた(図6、パネルBおよびC)。CELA1エラスチン分解活性の最大の阻害を伴う4つのクローンのハイブリドーマを増殖させ、これらのハイブリドーマの上清から精製された抗体の能力を、ヒト肺エラスチン分解活性を阻害する能力について試験した。4つすべてが、非喫煙者、喫煙者、およびCOPD肺ホモジネートの肺エラスチン分解活性の60~100%を阻害した(図6、パネルD)。これらのデータは、CELA1の抗体阻害がヒト肺エラスチン分解活性を変化させる可能性があることを示唆している。
【0067】
ヒトCELA1のゲノミクス
CELA1が肺気腫で重要であるとした場合、出願人は、CELA1が大規模なCOPDゲノミクス研究で以前に特定されていなかった理由を検討した10-12。Broad Institute13、dbGap14、およびClinVar15データベースで115のCELA1バリアントが特定されたが、対立遺伝子頻度が1%を超えるのは5つだけであり、SIFTおよびPolyPhen-2による機能変異の喪失は予測されなかった16。最も一般的な予測される機能喪失型変異(51735071、AG->A)の対立遺伝子頻度は0.03%であり、1人の白人および1人のラテン系ホモ接合体が報告されている。CELA1機能のこの保存は、胎盤哺乳類系統におけるCELA1の不変保存と一致している。したがって、CELA1の機能喪失型変異は稀であるため、集団レベルのゲノミクス研究で保護的であると特定された可能性は低いであろう。
【0068】
ヒト肺CELA1は年齢とともに増加する
Cela1が加齢に伴うマウスの肺のリモデリングに重要であるというデータを前提として、出願人は老化したヒトの肺のCELA1 mRNAおよびタンパク質レベルを評価した。レベルは変動したが、CELA1 mRNAレベルは年齢とともに指数関数的に増加し、性別または喫煙状態とは関連しなかった(図7、パネルA)。mRNAの所見にもかかわらず、ナイーブCELA1タンパク質レベルは若年の肺および老化した肺において差はなかった(図7、パネルBおよびC)が、AAT結合CELA1は高齢者の肺では少ない傾向があった。この違いは喫煙によって引き起こされているように見えたので、出願人は7人の高齢の非喫煙者の肺を7人の高齢の喫煙者の肺と比較した。喫煙は、これらの老化した肺検体のCELA1+AATレベルを低下させた。(図7D図12)。老化したヒト肺の免疫蛍光は、CELA1タンパク質の領域形成を示し、これらのCELA1陽性細胞の多くはクラブ細胞であった(図7、パネルE)。このデータは、CELA1の発現が年齢とともに増加し、CELA1のAAT中和が喫煙によって減少することを示している。年齢および喫煙の両方がCOPDと肺気腫の危険因子である。
【0069】
CELA1のヒト肺組織への結合は伸長によって強化される
出願人は以前に、新たに切片化されたマウス肺における伸長誘導性エラスターゼ活性を報告し17、Cela1タンパク質がこれらの活性領域に結合し18、Cela1欠損肺は伸長誘導性肺エラスターゼ活性を欠いた。非肺臓器提供者およびCOPD患者からのアーカイブされた肺を、蛍光エラスチンインサイチュ酵素電気泳動基質を使用して伸長誘導性肺エラスターゼ活性について分析し、3D印刷された二軸延伸装置を使用して組換えCELA1およびウシ血清アルブミンの定量化について分析した(図13)。エラスターゼ活性、アルブミン結合(対照)およびCELA1結合シグナルを、組織の自家蛍光に対して正規化し、正規化されたシグナルの変化を双方向ひずみまたは非伸長切片の時間等価物(すなわち、各切片のシグナル対ひずみのプロットの傾き)で割ったものとして測定した。出願人は、伸長誘導性肺エラスターゼ活性または伸長による肺組織へのアルブミンの結合の増加の証拠を同定しなかったが、伸長を伴う肺組織へのCELA1の結合に有意な増加があった(図8)。ヒトの肺組織へのCELA1の結合は、伸長によって強化されるが、COPDでは、おそらく末期のCOPD肺の線維性変化および/または伸長メカニズムの変化により、この結合は健康な肺よりも少なくなる。このデータは、ヒドロキシプロリン架橋がCELA1媒介性エラスチン分解を阻害することを示す出願人の研究と組み合わせて、伸長が肺エラスチン繊維のCELA1へのアクセス可能性を高めることを示唆している。
【0070】
考察
この開示は、非AAT欠損肺気腫の肺マトリックスリモデリングにおけるCELA1の役割を報告した最初のものであると考えられている。マウスとヒトの肺における出願人の発見に基づいて、出願人は、CELA1が進行性の気腔破壊を媒介する3段階のメカニズムを提案する。第1に、CELA1を表現させる必要がある。加齢に伴うCELA1の発現の増加は、加齢に関連する気腔の単純化および加齢に伴うCOPDの発症リスクの増加の両方において重要な要因となる可能性がある。第2に、AATによるCELA1の中和を減らす必要がある。高齢の喫煙者の肺におけるAAT結合CELA1の減少は、これが喫煙者の肺気腫発症の重要なメカニズムである可能性があることを示唆している。第3に、正常な肺構造の破壊は、局所的な緊張を増加させ、肺エラスチンへのCELA1の結合を強化し、追加の組織破壊を引き起こす。この3段階のメカニズムは、年齢、喫煙、および先行する肺損傷の既知のCOPDリスク要因と一致しており、肺気腫のある個体が禁煙にもかかわらず疾患の進行を経験する理由も説明している。出願人は、年齢とともに変化する発現レベルを有する他のプロテアーゼまたは抗プロテアーゼを知らない。AATレベルは生涯を通じて比較的安定しており、19出願人の知る限り、他の肺気腫関連プロテアーゼの加齢に伴う変化は研究されていない。
【0071】
AATは多くのセリンプロテアーゼを中和する。19出願人は以前、Cela1欠損マウスがAAT欠損のアンチセンスオリゴヌクレオチドモデルで肺気腫から保護されていることを示し、ヒトにおける出願人の関連データは、喫煙者のAATレベルの低下がCELA1タンパク質分解活性の増加の危険因子である可能性を示唆している。複数の研究により、AATの変異は、AAT欠乏がない場合でも肺気腫の素因となることが強く示されているが20、CELA1についてはそのような相関データは存在しない。CELA1の機能喪失対立遺伝子の希少性を考えると(最も一般的な対立遺伝子頻度は0.03%であり、したがってホモ接合性の機能喪失頻度は1,000,000当たり0.09と予測される)、CELA1がCOPD GWAS研究で特定されなかったことは驚くべきことではない。Cela1-/-マウスは生存能力があり、出生力があり、予想されるメンデルの法則の比率で生まれるので、なぜCELA1をそれほど高度に保存する必要があるのかは不明である
【0072】
ひずみを伴う肺マトリックスへのCELA1の結合は、膵臓エラスターゼがひずみのベクトルとして肺エラスチン繊維に結合するという以前の報告と一致している21。エラスチンのデグラトミックデータは、エラスチン架橋ドメインがCELA1媒介性エラスチン分解を遅らせることを示し、エラスチン繊維の機械的摂動がCELA1の以前には隠れた部位へのアクセスを可能にすることを示唆している。出願人の研究で使用されたひずみのレベルは、ヒト肺生理学のレベルを超える可能性があるが、実験の時間経過も、ヒトの肺気腫が進行する年よりも必然的に短かった。エクスビボでのヒトの肺のそのような動的研究は、ヒトの肺の生理学を理解するための新しいアプローチである。
【0073】
出願人のCELA1阻害実験は、抗CELA1療法が気腫性肺のタンパク質分解活性を低下させるために使用され得ることを実証している。CELA1 mRNAのレベルが高い検体は、対照のウサギ血清とインキュベートした場合、肺のエラスチン分解活性が大幅に低下した。これは、ウサギ血清中のAATによるCELA1のより大きな中和を表している可能性がある。しかし、これらの同じ検体は、CELA1ペプチドで免疫化されたウサギの血清とのインキュベーション後にさらなる肺エラスターゼ阻害を示したが、CELA1 mRNA-低検体は追加の阻害を示さなかった。さらに、CELA1 mRNAレベルが最も高い検体は、免疫化後の血清とインキュベートした場合、比例してより多くの阻害を示した。マウスモノクローナル抗体を使用して、出願人は、ヒト肺エラスチン分解活性の大部分を阻害する抗体を産生する4つのハイブリドーマクローンを同定した。したがって、抗CELA1療法は、確立された疾患の進行性肺気腫を遅らせるまたは停止させるために使用できる。
【0074】
方法
動物の使用
動物収容器
動物の使用は、CCHMC Institutional Animal Use and Care Committee(2017-0064)によって承認された。マウスは、12時間の明/暗サイクルで病原体のない施設に収容され、餌と水を自由に与えられた。前もって生成されたCela1-/-7および野生型マウスはすべてC57BL/6バックグラウンドであり、出願人の既存のコロニーに由来していた。
【0075】
肺気腫のブタ膵臓エラスターゼモデル
PBSで希釈した10単位/mLの濃度の2単位のブタ膵臓エラスターゼ(PPE、Sigma、St.Louis,MO)の単回投与を、前述のように22、イソフルランで麻酔した8~12週齢のC57BL/6マウスに気管点滴注入によって投与し、18ゲージの血管カテーテルを使用して気管にカニューレを挿入した。
【0076】
肺気腫の老化したマウスモデル
WTおよびCela1-/-マウスを、年齢依存性の肺胞単純化の評価のために70~75週齢で収集した。
【0077】
マウスの肺組織の収集と処理
所定の時点で、マウスを0.2mLのケタミン/キシラジン/アセプロマジンで麻酔し、放血により犠牲にした。左肺を膨張前に結紮し、タンパク質およびRNA分析に使用し、右肺を25cm H2O水圧で4%PFAを含むPBSで膨張させ、前述のように固定、パラフィン処理したローブ(?)、および5μmの切片を作成した。
【0078】
マウス肺形態計測
各右肺葉からの5つの画像でDunnill23の方法を使用して、平均線形切片を、決定し、比較に使用した。
【0079】
抗CELA1抗体の生成
1mLのPBSおよび1mLのフロイト完全アジュバント中の100マイクログラムのGEHNLSQNDGTEQYVNVQKIVSHPY(配列番号1)(Genscript、Piscataway、NJ)ペプチドをニュージーランドの雌ウサギの複数の部位に皮下投与し、その後21日目と42日目に不完全フロイトアジュバント中の100および次に、50マイクログラムを投与した。力価をCELA1でコーティングされたプレートを使用した直接ELISAによって決定し、1:5000未満の力価を陽性とみなした。イソフルラン麻酔を用いた辺縁静脈カテーテル法により、2週間ごとに7mL/kgの血液を採取した。
【0080】
抗CELA1モノクローナル抗体の生成
CD-1雌マウスは、CRM197にコンジュゲートしたCELA1ペプチド(以下を参照)で免疫化された(遺伝的に無毒化されたジフテリア毒素は、コンジュゲートワクチンの担体タンパク質として広く使用されている)。各マウスは、50%Titermax Goldアジュバントを含む20ugのコンジュゲートの一次皮下免疫化を受けた。マウスはその後、20ug(21日目)および10ug(35日目)の免疫化を受けた。35日目の免疫化後、免疫化血清サンプルを採取し、CELA1との反応性を試験した。血清滴定の結果に基づいて、ハイブリドーマ産生のために1匹のマウスを選択した。マウスは2ugのコンジュゲートの静脈内免疫化を受け、3日後にマウスを安楽死させ、脾臓をSP2/0とのハイブリドーマ形成のために切除した。
【0081】
得られたハイブリドーマからの上清をCELA1との反応性について試験し、17-103KF4と名付けられた培養物をその後増殖させてクローン化した。無血清培地に由来するクローン化培養物からの抗体を、本明細書に開示される研究で使用した。これらの抗体には、AC5、AC7、BA8、CA10、CB4、DG5、DH1、EH2、FG2、HB8、HE5、HF5、HF8、HH1、JA11、JB11、JG6、JG7、KF4(hCELA1(62-86)に対応)、およびLD5が含まれる。
hCELA1(30-54)CGTEAGRNSWPSQISLQYRSGGSRYH(配列番号2)(「Pep-1」)
hCELA1(62-86)CRQNWVMTAAHCVDYQKTFRVVAGDH(配列番号3)(「Pep-2」)
hCELA1(104-134)CVVHPYWNSDNVAAGYDIALLRLAQSVTLNSY(配列番号4)(「Pep-3」)
hCELA1(159-183)CGKTKTNGQLAQTLQQAYLPSVDYAI(配列番号5)(「Pep-4」)
hCELA1(220-244)CLVNGKYSVHGVTSFVSSRGCNVSR(配列番号6)(「Pep-5」)
【0082】
ヒト肺組織の使用
CCHMC IRB(2016-9641)からの免除の下で利用されたヒト組織。COPDのある個人および肺疾患が記録されていない成人の個人からの気腫性肺外植片は、NHLBI肺組織研究コンソーシアム(LTRC)から入手した。非肺臓器提供者からの「健康な」肺検体は、Denver,ColoradoにあるNational Jewish Health Human Lung Tissue Consortiumから入手した。COPD、非肺臓器提供者、および既知の肺疾患のない老化した肺の急速凍結肺検体は、NIH lung tissue consortiumおよびNational Jewish Health Human Lung Tissue Consortiumから入手した。検体の一部を固定して切片化し、他の部分を生化学的アッセイに使用した。
【0083】
生化学的アッセイ
右肺の膨張および固定の前に、マウスの左肺を結紮して収集した。これらの検体からタンパク質とRNAを抽出し、ウエスタンブロットおよびPCRに使用した。タンパク質およびRNAは同様にヒトの肺検体から抽出されたが、さらに均質化された肺検体を、Enzchekエラスターゼ、ゼラチナーゼ、およびプロテイナーゼアッセイ(Thermo Fisher E12056、E12055、E6639)を使用して分析した。
【0084】
酵素アッセイ
凍結したヒトの肺検体をRIPAバッファーでホモジナイズし、タンパク質含有量を定量化した。比較のために4時間の読み取り値を使用して、Molecular Devices Spectramax M2プレートリーダーを使用した製造者の指示に従って、10μgのタンパク質をEnzcheckエラスターゼ、ゼラチナーゼ、およびプロテイナーゼアッセイに使用した。
【0085】
近接ライゲーションインサイチュハイブリダイゼーション(PLISH)
以前に公開された方法を使用して24、マウスCela1 ヒトCELA1 mRNAに対してPLISHを実行した。簡単に説明すると、切片を右側および左側のオリゴヌクレオチドとインキュベートし、次にオリゴヌクレオチドを連結し、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs、M0202L)でライゲーションを行った。配列はPhi29ポリメラーゼ(New England Biolabs M0269L)を使用したローリングサークル増幅によって増幅され、これらのオリゴは検出オリゴヌクレオチドを使用して検出した。DAPI対比染色を行い、Nikon NiE顕微鏡で切片を画像化した。
【0086】
免疫蛍光
ヒト肺切片を5%ロバ血清中の1:500希釈ウサギ抗CELA1および1:500モルモット抗SCGB1A1抗体(Jeffrey Whitsettから寄贈)とともに一晩インキュベートし、続いて1:5000フルオロフォアコンジュゲート二次抗体とインキュベーションし、DAPIを使用して対比染色し、延長ゴールドにマウントする。画像はNikon NiE顕微鏡を使用して取得した。
【0087】
免疫組織化学
ヒト肺切片を、二次単独対照とともに抗CELA1モルモット抗体を使用してABC Vectastainキット(Vector Labs、Burlingame,CA)を使用してCELA1について免疫染色を行った。Nikon 90i倒立顕微鏡を使用して、4Xタイルをスキャンし20X画像を取得した。Nikon エレメントソフトウェアを使用して、肺切片当たりのCela1陽性細胞の数を、4xタイルをスキャンした切片で形態計測的に決定した。
【0088】
ウエスタンブロット
マウス肺ホモジネートを電気泳動的に分離し、PVDF膜に移し、総タンパク質染色を使用して総タンパク質を定量した(LICOR、926-11011)。ブロットは、抗CELA1モルモット抗体(1:5,000希釈)および抗トロポエラスチン抗体(ab21600、Abcam、1:5,000希釈)、抗p16INK(Sigma SAB45000-72、1:500)、p19ARF抗体(Novus Biologics、NB200-169、1:500)、抗p21抗体(Novus Biologics、NBP2-29463、1:500)、抗p53抗体(Abcam、ab131442、1:500)で免疫染色し、Odysseyシステムを使用したデンシトメトリーにより評価した(LI-COR Biotechnology、Lincoln,NE)。総タンパク質(ReVERT 700総タンパク質染色、LI-COR Biotechnology)の正規化された値からの倍率変化値を計算に使用した。
【0089】
PCR
RNEasy Miniカラム(Qiagen,Valencia,CA)を使用して肺ホモジネートからRNAを抽出し、High Capacity cDNA Reverse Transcriptase Kit(Applied Biosystems、Foster City,CA)を使用してcDNAライブラリーを合成した。ヒト検体の場合、Taqman PCRを、表1にリストされているプライマーおよびQuantStudio6装置(すべてのApplied Biosystems)を使用して実行した。マウス検体の場合、Sybr Green PCRを、表2のプライマーおよびPowerUp SYBR Green(Applied Biosystems、AB25780)を使用して実行した。
【表1】
【表2】
【0090】
ヒトのエクスビボ肺伸長
凍結したヒト肺組織の10mmコアをコアリング装置を使用して作成し、ハンドカットした100~200μmの切片をドライアイス上でメスを使用して切断した。これらの切片をシリコーンモールドにマウントし、二軸延伸を行うか、以前に公開されたEnzchekエラスチン酵素電気泳動基板(10μg/mL)を有する3D印刷された共焦点顕微鏡互換延伸装置7,17,18、Texas-Redコンジュゲートアルブミン(Thermo Fisher A23017、1μg/mL)およびAF647コンジュゲートCELA1(1μg/mL)を使用して経時的に画像化を行った。Nikon A1共焦点顕微鏡を使用して、倍率10倍の100μmのZスタックを取得し、2軸延伸の連続レベルでの各分析物のシグナルを定量化し、組織の自家蛍光に対して正規化した。面積または時間等価物の倍数変化当たりのエラスターゼ活性、アルブミン結合、およびCELA1結合の速度を切片ごとに測定し、切片を3回アッセイした。比較には、検体ごとの平均変化率を使用した。
【0091】
ヒトゲノム研究
CELA1遺伝子バリアントを、Broad Institute、dbSNP14、およびEnsembl15からダウンロードした。バリアントの機能的重要性を、SIFTとPolyPhen-2を使用して予測した16,25
【0092】
統計的手法
Rバージョン3.5.3を使用して、統計比較およびグラフィック生成に次のパッケージが使用された:ggplot2、gridExtra、cowplot、ggplotify、corrplot、およびggsignif。Welchのt検定ならびにWelchのt検定およびWilcoxon順位和検定を使用して、パラメトリックデータおよびノンパラメトリックデータをそれぞれ比較した。パラメトリックデータは、平均を表す中心線および標準偏差を表すひげの、線およびひげプロットとして表示される。ノンパラメトリックデータは、中央値を表す中央のひし形のバイオリン図として表示される。両方のプロットタイプについて、点は個々のデータポイントを表す。相関分析を、ピアソン相関係数によって行った。すべての分析で、0.05未満のp値を、有意であるとみなした。
【0093】
老化したマウスの肺データ
老化したWTマウスと若いWTマウスのCela1タンパク質レベルに差はなかった(図S2A)。Hart染色されたWTおよびCela1-/-肺検体の定量的形態計測は、Cela1-/-肺においてより不溶性のエラスチンに向かう傾向を示した(図S2A)。老化したWTとCela1-/-肺の老化関連タンパク質の量に統計的に有意な差はなかった。
【0094】
肺胞2型細胞のCELA1
出願人は以前に、AAT欠損肺気腫において、CELA1 mRNAが肺胞2型(AT2)細胞のサブセットに存在することを示した。正常なヒトの肺およびCOPDにおいて、出願人はAT2細胞にもCELA1タンパク質を発見した(図11)。
【0095】
老化した肺の補足データ
肺伸長データ
3D印刷された共焦点顕微鏡延伸装置の画像(図S4AおよびB)。装置によって加えられた二軸ひずみの定量化(図S6C)。
【0096】
ヒトゲノミクスデータ
CELA1ヒトゲノムの変異を、機能的重要性について評価した。SIFTによって機能的であるとは予測されていないが、rs74336876は、CELA1プロペプチド切断部位に変異を与える。chr12:51733775の注釈のない変異は、最も一般的な予測される機能的変異である。両方とも1%未満の対立遺伝子頻度を有した。
【表3】
【0097】
動物の使用
動物の使用は、CCHMC Institutional Animal Use and Care Committee(2017-0064)によって承認された。Dunnillの方法を使用すると23、8~12週齢の肺における平均線形切片。
【0098】
気管ブタ膵臓エラスターゼ(PPE)モデル22のC57BL/6バックグラウンドのCela1-/-7およびWTマウス、および70~75週齢の未治療マウスを測定した。抗CELA1ポリクローナル抗体は、モルモットで報告されているのと同じペプチドおよび方法を使用して、ニュージーランド雌ウサギ1羽を使用して生成された17
【0099】
ヒト肺組織
CCHMC IRB(2016-9641)からの免除の下で利用されたヒト組織。COPDおよび老化したヒト肺検体はNHLBI Lung Tissue Consortiumから入手し、対照およびCOPD検体はNational Jewish Health Human Lung Tissue Consortiumから入手した。
【0100】
酵素アッセイ
ヒトの肺プロテアーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ活性を、市販の蛍光アッセイを使用して定量した。
【0101】
近接ライゲーションインサイチュハイブリダイゼーション(PLISH)および免疫蛍光
オリゴを使用して(以前に公開された方法を参照)24、CELA1 mRNAを、補足で概説されている抗体を使用した免疫蛍光共染色で視覚化した。
【0102】
PCR
表1および2のプライマーを使用したマウスおよびヒトの肺PCRには、TaqmanおよびSybr Green PCRを使用した。
【0103】
エクスビボでのヒトの肺の伸長
以前に記載された肺伸長技術および装置を使用して7、17、18、組換えCELA1、アルブミンの伸長依存性結合、および凍結ヒト肺切片のエラスチン分解活性を決定した。
【0104】
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【0105】
特記しない限り、すべてのパーセンテージおよび比率は重量で計算される。
【0106】
すべてのパーセンテージおよび比率は、特記しない限り、全組成に基づいて計算される。
【0107】
本明細書全体で与えられるすべての最大数値制限は、あたかもより低い数値制限が本明細書に明示的に書かれているかのように、すべてのそのようなより低い数値制限を含むことが理解されるべきである。本明細書全体で与えられるすべての最小数値制限は、あたかもより高い数値制限が本明細書に明示的に書かれているかのように、すべてのそのようなより高い数値制限を含む。本明細書全体で与えられるすべての数値範囲は、あたかもより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に書かれているかのように、そのようなより広い数値範囲内にあるすべてのそのようなより狭い数値範囲を含む。
【0108】
本明細書に開示される寸法および値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、特記しない限り、そのような各寸法は、記載された値およびその値を含む機能的に均等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「20mm」として開示される寸法は、「約20mm」を意味することが意図される。
【0109】
相互参照または関連する特許または出願を含む、本明細書で引用されるすべての文書は、明示的に除外または他の方法で制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。すべての受託情報(例えば、PUBMED、PUBCHEM、NCBI、UNIPROT、またはEBI受託番号で識別される)および出版物全体が、この開示の日付の時点で当業者に知られている最新技術をより完全に説明するために、参照により本開示に組み込まれる。任意の文書の引用は、それが本明細書に開示または請求される任意の発明に関する先行技術であること、またはそれが単独で、または他の参考文献との任意の組み合わせで、そのような発明を教示、示唆、または開示することを認めるものではない。さらに、本文書の用語の意味または定義が、参照により組み込まれる文書の同じ用語の意味または定義と矛盾する限りにおいて、本文書のその用語に割り当てられた意味または定義が優先するものとする。
【0110】
本発明の特定の実施形態が例示および説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の他の変更および修正を行い得ることは、当業者には自明であろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を包含することが意図される。
図1
図2
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【配列表】
2023502259000001.app
【国際調査報告】