(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】バッテリーおよびバッテリー収納部の間のスロットから空気が漏れる手持ち式電動作業工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20230117BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20230117BHJP
B28D 1/04 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 A
B28D1/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563335
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 SE2020051122
(87)【国際公開番号】W WO2021107843
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】PCT/SE2019/051196
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/077590
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268591
【氏名又は名称】ハスクバーナ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トールビョルン・アルムクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ヨハンソン
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク・カールソン
【テーマコード(参考)】
3C064
3C069
【Fターム(参考)】
3C064AA03
3C064AA04
3C064AA06
3C064AA08
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA06
3C064BA07
3C064BA11
3C064BA12
3C064BA20
3C064BB12
3C064BB13
3C064BB43
3C064BB45
3C064BB47
3C064BB62
3C064BB71
3C064BB82
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA55
3C064CA59
3C064CA60
3C064CA61
3C064CA62
3C064CB09
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB33
3C064CB36
3C064CB37
3C064CB39
3C064CB45
3C064CB46
3C064CB47
3C064CB63
3C064CB69
3C064CB72
3C064CB82
3C064CB91
3C064CB92
3C069AA01
3C069BA04
3C069CA01
3C069CA07
3C069DA01
3C069EA01
3C069EA03
(57)【要約】
冷却空気の流れ(160)を生成するために電気モーター(140)によって駆動されるように構成されたファン(145)と、電気モーター(140)に電力を供給するように構成されたバッテリーなどの電気貯蔵装置(220,1800)を備えるバッテリー収納部(150)と、を備える手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)であって、冷却空気導管が、バッテリー収納部(150)の壁に形成された出口開口部(1750)に向かって冷却空気の流れ(160)を導くよう配置され、出口開口部(1750)は、冷却空気を受け取るための電気貯蔵装置(220,1800)の筐体に形成された対応する入口開口部(1870)に面し、それにより電気貯蔵装置(220,1800)内に大気圧以上の空気圧を生成し、第1のスロットセクション(Ss1)は、出口開口部(1750)および入口開口部(1870)の間の距離によって形成され、冷却空気の流れ(160)の第1の部分(2415)が第1のスロットセクション(Ss1)を通り切断工具の外部に漏れだす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却空気の流れ(160)を生成するために電気モーター(140)によって駆動されるように構成されたファン(145)と、前記電気モーター(140)に電力を供給するように構成されたバッテリーなどの電気貯蔵装置(220,1800)を備えるバッテリー収納部(150)と、を備える手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)であって、冷却空気導管が、前記バッテリー収納部(150)の壁に形成された出口開口部(1750)に向かって前記冷却空気の流れ(160)を導くよう配置され、前記出口開口部(1750)は、冷却空気を受け取るための前記電気貯蔵装置(220,1800)の筐体に形成された対応する入口開口部(1870)に面し、それにより前記電気貯蔵装置(220,1800)内に大気圧以上の空気圧を生成し、第1のスロットセクション(Ss1)は、前記出口開口部(1750)および前記入口開口部(1870)の間の距離によって形成され、前記冷却空気の流れ(160)の第1の部分(2415)が前記第1のスロットセクション(Ss1)を通り前記切断工具の外部に漏れだす、手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項2】
前記電気貯蔵装置(220,1800)および前記バッテリー収納部(150)の前記壁の間の距離が0.5mm~2.0mmの間、好ましくは約1.0mmである、請求項1に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項3】
前記電気貯蔵装置(220,1800)が前記バッテリー収納部(150)に配置された対応する接触ストリップ(1740)と嵌合するよう配置された1または複数の電気コネクタ(1840)を備え、前記電気貯蔵装置(220,1800)の筐体内の開口部は、前記電気コネクタ(1840)に関連して形成され、前記冷却空気の流れの第2の部分(2425)は、前記開口部を通り、前記電気貯蔵装置(220,1800)および前記バッテリー収納部(150)の前記壁の間に形成された第2のスロットセクション(Ss2)を介して前記切断工具の外部に漏れだす、請求項1または2に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項4】
空気出口(1860)が前記入口開口部(1870)の反対側の前記電気貯蔵装置の筐体に形成されて前記電気貯蔵装置を通り流れる冷却空気の通路を形成し、第3のスロットセクション(Ss3)が前記空気出口(1860)および前記バッテリー収納部(150)の前記壁の間の距離によって形成され、前記冷却空気の流れ(160)の第3の部分(2435)が前記第3のスロットセクション(Ss3)を介して前記切断工具の外部に漏れだす、請求項1~3のいずれか一項に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項5】
前記電気貯蔵装置を冷却するために冷却空気導管が第1の部分(110)から第2の部分(120)への前記冷却空気の流れ(160)の一部を導くよう構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項6】
前記第1の部分(110)が1または複数の弾性部材(210)によって前記第2の部分(120)から振動的に隔離されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項7】
前記第1の部分(110)から前記第2の部分(120)への前記冷却空気の流れ(160)の一部が前記手持ち式作業工具(100)の制御ユニットを通過するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【請求項8】
前記第1の部分(110)から前記第2の部分(120)へ導かれる前記冷却空気の流れ(160)の一部が前記第1の部分(110)および前記第2の部分(120)の間に配置されたベローズまたは他の可撓性空気流導管(170)を通過する、請求項1~7のいずれか一項に記載の手持ち式電動切断工具(100,200,800,1000,1900,2300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンクリートおよび石を切断するための切断工具および鋸などの電動式の手持ち式作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートや石などの硬い材料を切断および/または研磨するための手持ち式作業工具は、硬い材料を処理するために必要な電力を提供するために強力なモーターを備えている。これらのモーターは、かなりの熱を発生するため、過熱を防ぐために冷却する必要がある。電気作業工具は、電気モーターだけでなく、バッテリーや制御電子機器によっても熱を発生する。このような作業工具を効率的に冷却する方法が必要である。
【0003】
作業工具は通常、有害であるか、少なくとも工具の作業者に不快感を与える可能性のある振動を発生させる。強い振動に長時間さらされないように作業者を保護することが望まれている。
【0004】
これらのタイプの工具が使用される環境は、しばしば過酷である。作業工具は、水、ほこり、破片、スラリーにさらされるため、工具の性能に悪影響を与える可能性がある。例えば、スラリーが作業工具内部に蓄積し、最終的に工具の故障の原因となる場合がある。作業工具内部にほこりやスラリーがたまらないようにすることが望まれる。
【0005】
建設現場で使用される作業工具では、操作のしやすさが特に重要である。電気作業工具の場合、バッテリーを作業工具に挿入しやすく、バッテリーが作業工具にしっかりと保持され、バッテリーが作業工具から簡単に解放される、現場でのバッテリー交換を効率的かつ便利な方法で行うことができることが望ましい。
【0006】
要約すると、手持ち式作業工具に関連する課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、上記の問題に対処する改良された手持ち式作業工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、少なくとも部分的に、冷却空気の流れを生成するために電気モーターによって駆動されるように構成されたファンと、電気モーターに電力を供給するよう構成されたバッテリーなどの電気貯蔵装置を備えるバッテリー収納部とを備える手持ち式電動切断工具によって得られる。冷却空気導管は、バッテリー収納部の壁に形成された出口開口部に向かって冷却空気の流れを導くように配置され、出口開口部は、冷却空気を受け取るための貯蔵装置の筐体に形成された対応する入口開口部に面し、それによって電気貯蔵装置に大気圧以上の空気圧を生成する。第1のスロットセクションは、冷却空気の流れの第1の部分が第1のスロットセクションを通り切断工具の外部に漏れ出すように、出口開口部と入口開口部との間の距離によって形成される。
【0009】
汚れ、ほこり、およびスラリーがバッテリー収納部に入って汚染するためには、スロットから漏れる冷却空気の流れの第1の部分を乗り越えなければならない。したがって、バッテリー収納部は清潔に保たれ、これは、電気貯蔵装置の挿入および取り外しの両方を単純化するので利点となる。
【0010】
従属請求項に記載されているように、スロットセクションを汚れ、ほこり、およびスラリーから保護する冷却空気の流れを有するさらなるスロットセクションを作成することもできる。
【0011】
従属請求項に記載された特徴により、さらなる利点が得られる。
【0012】
一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなど」へのすべての言及は、特に明記しない限り、要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとして公然と解釈されるべきである。ここに開示されている方法のステップは、明示的に述べられていない限り、開示されている正確な順序で実行する必要はない。本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の説明を検討することによりに明らかになるであろう。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明するもの以外の実施形態を作成することができることを理解するだろう。
【0013】
本開示は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図8】バッテリーロック機構を有する作業工具の例を示す。
【
図9】バッテリーロック機構の詳細を概略的に示す。
【
図15】円形切断具を駆動するための駆動装置を示す。
【
図16A】水ホース接続部を有する後部ハンドルセクションを示す。
【
図18A】バッテリー収納部に挿入するためのバッテリーを示す。
【
図18B】バッテリー収納部に挿入するためのバッテリーを示す。
【
図18C】バッテリー収納部に挿入するためのバッテリーを示す。
【
図23】切断工具の部品を通る冷却空気の流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の特定の態様が示されている添付の図面を参照して、本発明を以下により完全に説明する。しかし、本発明は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態および態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全に、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。類似の符号は、説明全体において類似の要素を指す。
【0016】
本発明は、本明細書に記載され、図面に示されている実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者は、添付の特許請求の範囲内で多くの変更および修正が行われる可能性があることを認識するであろう。
【0017】
図1は、手持ち式作業工具100を示す。
図1の作業工具100は、回転可能な円形切断具130を備えるが、本明細書に開示される技術は、チェーンソー、コアドリルなどの他の切断具にも適用することができる。切断具を駆動するために電気モーター140が配置される。このモーターは、バッテリー収納部150に保持されるように配置された電気エネルギー貯蔵装置から電力を供給される。
【0018】
電気モーターは、動作中にかなりの量の熱を発生する。モーターの過熱を防止するために、ファン145がモーター140によって駆動されるように配置されている。このファンは、例えば、モーター軸に直接取り付けるか、または何らかの伝達装置によって取り付けられる。ファンは、電気モーターから熱を逃がす気流を生成し、それによってモーターを冷却する。
【0019】
作業工具100は、前部ハンドル190および後部ハンドル195によって保持され、既知の方法でトリガー196によって操作されるように構成されている。作業工具100を使用する作業者にとって過度の振動は不快である可能性があるため、ハンドルおよびトリガーの振動を最小限に抑えることが望ましい。過度の振動は、ケーブル接続や電子機器などの工具部品の寿命を縮める可能性もある。これらの振動を低減するために、作業工具100は、互いに振動的に分離されて配置された第1の部分110および第2の部分120を備える。第1の部分110は、切断具130を保持するためのインターフェースを備え、また、切断具を駆動するように配置された電気モーター140を備える。したがって、第1の部分は、作業工具の主要な振動発生要素で構成されている。
【0020】
特に、第2の部分120は、ハンドル190、195およびトリガー196を備え、したがって、作業工具100の作業者とのインターフェースとなる部分である。第2の部分120はまた、電気貯蔵装置を保持するためのバッテリー収納部150と、作業工具100の様々な動作を制御するための制御電子機器とを備える。
【0021】
第1の部分110で発生した振動は、第2の部分120に伝達されないか、または少なくともかなりの量は伝達されないので、装置100の作業者は、振動を受けず、より快適な作業条件の下で、より長い期間働くことができるという利点がある。
【0022】
振動は、通常、m/s2の単位で測定され、前部ハンドルおよび後部ハンドルの工具の振動を2.5m/s2未満に制限することが望まれている。工具の振動、工具の振動を制限するためのガイドライン、および工具の振動の測定については、「VIBRATIONER - Arbetsmiljoverkets foreskrifter om vibrationer samt allmanna rad om tillampningen av foreskrifterna”, Arbetsmiljoverket, AFS 2005:15」で説明されている。
【0023】
いくつかの態様によれば、作業工具100は、前後のハンドルの振動を2.5m/s2未満の値に制限するように配置された防振システムによって互いに防振されて配置された第1の部分110および第2の部分120を備える。
【0024】
冷却空気導管は、電気貯蔵装置を冷却するために、冷却空気の流れの一部160を第1の部分110から第2の部分120に導くように配置されている。これは、ファン145が電気モーター140と電気エネルギー源の両方を冷却するために使用されることを意味し、これは、単一のファンのみが必要とされるという利点がある。
【0025】
ここで、導管は、空気の流れなどの流れを導くように配置された通路である。冷却空気導管は、作業工具本体部品で囲まれた内部空間の一部として、または他のタイプの導管のホースとして、または異なるタイプの導管の組み合わせとして形成することができる。
【0026】
第2の部分120に含まれる任意の制御電子機器はまた、第1の部分110から第2の部分120に導かれる冷却空気の流れの一部160によって冷却されるように構成され得る。
図1は、このような制御電子機器に関連する冷却フランジ180を概略的に示している。この冷却フランジ180はオプションである。つまり、制御ユニットが冷却フランジを構成する場合、冷却空気の流れの一部を使用して制御ユニットを直接冷却することができる。したがって、任意選択で、第1の部分110から第2の部分120への冷却空気の流れの一部160は、手持ち式作業工具100の制御ユニットに関連する冷却フランジ180を通過するように配置される。
【0027】
少なくとも部分的には、第1の部分と第2の部分が互いに振動的に隔離されて配置されているので、空気の一部160を第1の部分から第2の部分に効率的に導くことは難しいかもしれない。開示された作業工具のいくつかの態様では、ファン145からバッテリー収納部150に向かって空気の一部を導くために、第1の部分と第2の部分との間にベローズまたは他のタイプの可撓性空気流導管を設けることによってこの課題を解決する。これらのベローズ170については、
図4~
図6に関連して以下で詳しく説明する。ベローズは、可撓性カバー、コンボリューション、アコーディオン、またはマシンウェイカバーと呼ばれることもある。ベローズの代わりに、柔軟な素材で形成されたホースを使用することもできる。
【0028】
要約すると、
図1は、互いに振動的に隔離されて配置された第1の部分110および第2の部分120を備える手持ち式作業工具100を概略的に示している。いくつかの態様によれば、第1の部分110は、1つまたは複数の弾性要素によって第2の部分120から振動的に隔離されている。
【0029】
手持ち式作業工具は、
図1に示すように切断工具の場合もあるが、チェーンソーやその他の硬い材料を切断するための作業工具の場合もある。第1の部分は、切断具130を保持するためのインターフェースと、切断具を駆動するように配置された電気モーター140とを備える。駆動装置は、例えば、ベルト駆動、またはベルト駆動とギア付きトランスミッションの組み合わせを含み得る。電気モーター140は、電気モーター140を冷却するための冷却空気の流れを生成するように構成されたファン145を駆動するように構成されている。ファンは、たとえば、電気モーターシャフトに直接接続することも、ベルト駆動やギア付きトランスミッションなどの何らかのトランスミッションまたは駆動装置を介してモーターシャフトに間接的に接続することもできる。
【0030】
第2の部分120は、電気モーター140に電力を供給するように配置された電気貯蔵装置を保持するためのバッテリー収納部150を備え、冷却空気導管は、電気貯蔵装置を冷却するために冷却空気の流れの一部160を第1の部分110から第2の部分120に導くように配置される。電気エネルギー源は、バッテリー、またはある種の燃料バッテリーなどであり得る。
【0031】
図2A~
図2Cは、切断具インターフェース260によって切断具を保持するように配置された例示的な手持ち式作業工具200の異なる図を示している。第1の部分110を第2の部分120から分離する弾性要素は、ここでは圧縮バネ210である。ただし、前述のように、バネの代わりに、またはバネと組み合わせて、ゴムブッシングなどのある種の弾力性のある材料部材を使用することもできる。板バネはまた、第1の部分110を第2の部分120から振動的に隔離するためのオプションであり得る。
【0032】
図2Bは、追加のブレードブッシュ用のホルダー270を示している。切断ディスクは、ブレードの中央の穴に関しては、寸法が異なる場合がある。ブレードの穴の中には、直径が20mmのものもあれば、25.5mmのものもある。30.5mmのブレード中央穴が一般的な市場もある。中央のブレード穴に異なる寸法を有する異なる種類のブレードで使用できるようにするために、手持ち式作業工具200は、ブレードブッシュを保持するために作業工具本体に配置されたホルダー270を備える。この追加のブレードブッシュは、好ましくは、切断具インターフェース260に接続して取り付けられたブレードブッシュと比較して異なる寸法を有する。
【0033】
図2Aは、バッテリー収納部150に取り付けられた例示的な電気貯蔵装置220、ここではバッテリーを示している。このバッテリーは、
図7A~
図7C、
図8、および
図9に関連して以下でより詳細に説明するバッテリーロック機構によって所定の位置に保持することができる。本明細書に開示される装置および技術と一緒に使用することができる他のタイプの電気エネルギー源には、例えば、燃料バッテリー、スーパーキャパシタなどが含まれる。
【0034】
いくつかの態様によれば、電気モーター140を冷却するための冷却空気の流れは、円形切断具130の伸長面に対して、手持ち式作業工具を通って横方向に延在する230、245、201。ここで、
図2Cを参照すると、横方向とは、後部ハンドル195から切断具に向かって延びる作業工具の伸長方向202に対して、および切断具130の伸長面(
図2Cでは多かれ少なかれ垂直である)との関係で解釈されるべきである。環境からの空気は、工具の一側の空気取入口230を介して作業工具内部に吸い込まれ、工具の他側に形成された工具の第1の空気出口245を介して作業工具内部から、空気取入口230から横方向に少なくとも部分的に押し出される。
【0035】
空気入口230を介して作業工具に吸い込まれた空気流の一部は、空気導管を介して第2の部分120に導かれ、そこで電気貯蔵装置を冷却し、任意選択で電気制御回路の一部分も冷却するために使用される。例えば、
図2Bを参照すると、空気流のこの部分は、ファンから下向きに導かれ、次に、工具の第2の部分120に形成された第2の空気出口250を介して作業工具を出る前に、工具内でバッテリー収納部150に向かって後方に導かれる。
【0036】
ファンが逆回転している場合、空気の流れを逆方向にも向けることができることを理解されたい。すなわち、空気出口245、250はまた、環境から作業工具100、200に冷気を吸い込むために使用することができ、空気取入口230は、代わりに、熱風が作業工具から出るのを可能にするために再利用することができる。
【0037】
図10Aを参照すると、ファンから下向きに案内され、次に工具内で後方に案内される空気流の一部160もまた、バッテリー収納部150内に形成された第3の空気出口251を介して作業工具から出る。この第3の出口は、主に、バッテリー収納部150に受け入れられたバッテリーを冷却するために配置されている。
【0038】
図3Aおよび
図3Bは、開示された作業工具のいくつかの態様を示し、第1の部分110は、支持アームの第1の端部241で円形切断具130を支持し、第1の端部241の反対側の支持アームの第2の端部242の支持面330によって電気モーター140を支持するように配置された熱伝導性支持アーム240を備える。次に、モーター140は、ベルト駆動またはベルト駆動とギア付きトランスミッションの組み合わせなどのあるタイプの駆動装置を介して切断具を駆動するように配置される。ベルトは
図3Aには示されておらず、ベルトプーリーのみが示されている。支持面330は、モーター140と支持アーム240との間の比較的大きなインターフェース領域を表し、少なくとも電気モーターが支持面とのインターフェース用の対応する表面を含む場合、モーターから支持アーム材料へのかなりの量の熱伝達を可能にする。次に、この熱は、支持アーム240上に形成された1つまたは複数の冷却フランジ320から放散される。したがって、支持アーム240は、支持面330を介して電気モーター140から熱を放散するように配置された1つまたは複数の冷却フランジ320を備える。
【0039】
支持アーム240は、切断工具のアームであり、同等に、カットオフアーム240と呼ばれ得る。
【0040】
この熱伝達装置は、冷却空気の流れがより効率的に利用されて熱をモーターから遠ざけるので、モーターからの放熱を改善する。
【0041】
支持アームの熱伝導率が高いほど、放熱が効率的になる。いくつかの態様によれば、支持アームの少なくともいくつかの部分は、100ワット/メートル・ケルビン(W/mK)を超える熱伝導特性を有する材料で形成されている。例えば、支持アームの少なくとも一部は、熱伝導率が約237W/mKのアルミニウムで形成されている場合がある。鉄または鋼は、望ましい熱伝導率を提供する別の選択肢である。支持アームは、さまざまな材料で形成することもできる。つまり、銅、マグネシウム、アルミニウムなどの1つの高熱伝導性材料を冷却フランジに使用し、鋳鉄や鋼などの別の材料を使用して一般的な構造サポートを提供できる。
【0042】
図14A~
図14Cおよび
図15は、支持アームの第1の端部241で円形切断具130を支持し、第1の端部241の反対側の支持アームの第2の端部242の支持面330によって電気モーター140を支持するように配置された例示的な支持アーム240の詳細を示す。
図14Aは、上記の支持アーム240および内部空間340の図を示している。
図14Bは、線A-Aに沿った第1の断面図を示し、
図14Cは、線B-Bに沿った第2の断面図を示す。モーター140は、既知の方法でモーターハウジング141を通って延びるモーター軸を備える。
【0043】
軸の第1の端部142は、円形切断具130を駆動するためのプーリーを保持するように構成されている。
図15は、円形切断具130を駆動するための駆動プーリーと駆動ベルトが所定の位置にある支持アーム240の図を示す。
【0044】
モーター軸の第2の端部143は、ファン145を駆動するように構成されている。
図14Bに示すファン145の例は、通常の軸流ファンである。ファン145の別のより高度な例は、
図11~
図13に関連して以下で議論される。
【0045】
任意選択で、支持アーム240は、電気モーター140を少なくとも部分的に囲むよう構成され、それによってモーターを保護し、モーターを通過する空気流1330の冷却効率を改善する。この目的のために、支持アーム240は、
図10Cに詳細に見られるカップ形状の凹部を備え、支持面330は、凹部の底部を構成し、円筒形状壁350は、支持面330の周囲から延び、モーターが支持面330で支持されている場合に、電気モーター140のモーターハウジング141を囲む。モーター140は、ボルト穴335を介して支持面330にしっかりとボルトで固定されるように配置され、それにより、モーター140と支持アーム240との間の良好な熱伝導ならびに機械的完全性を保証する。円筒形状壁350とモーター140との間にスロットが形成され、すなわち、凹部壁350は、モーターハウジングから半径方向に離間されている。このスロットは、ファン145からモーター140を通過する冷却空気の流れ1330を案内するように配置されている。流れ1330は、ファン145から支持アーム240を通って横方向に流れ、電気モーター140を冷却する。次に、冷却空気の流れ1330は、開口部310を通過して内部空間340に入り、次に、
図2Bに示される第1の空気出口245を経由して出る。
【0046】
いくつかの態様によれば、電気モーター140の体積、すなわちそのハウジング141を含む電気モーターの体積の少なくとも30%が、支持アーム240によって囲まれている。これは、円筒形状壁350が支持面330から距離144延びて、モーターハウジング141の体積の少なくとも30%を囲むことを意味する。したがって、モーターは、任意選択で支持アームに大部分が埋め込まれるか、
図14A~
図14Cに示すように完全に埋め込まれる。これにより、モーターと支持アームアセンブリの構造的完全性が向上し、電気モーターからの熱伝達が向上する。電気モーター140の冷却は、円筒形状壁と電気モーターハウジングとの間に形成されたスロットによっても改善され、これは、熱伝導性支持アームおよび冷却フランジと協働して、電気モーターを効率的に冷却する。
【0047】
支持アーム240および電気モーター140はまた、少なくとも部分的に一体的に形成され得る。これは、電気モーター140の一部が支持アーム240と共有され得ることを意味する。例えば、支持アーム240の一部は、支持アームに面するモーターゲーブルなどの電気モーターハウジングの一部を構成することができる。支持アーム240と電気モーター140との間で共有される共通部分は、例えば、機械加工または成形することができる。また、任意選択で、電気モーター軸が支持アームの表面を支持することができ、機械的完全性を向上させることができる。
【0048】
少なくとも部分的に一体的に形成された支持アームおよび電気モーターの特徴は、本明細書に開示される他の特徴と有利に組み合わせることができるが、本明細書に開示される他の特徴のいずれにも依存しないことに留意されたい。したがって、本明細書では、作業工具100用の支持アーム240および電気モーター140アセンブリが開示されており、支持アームおよび電気モーターは、少なくとも部分的に一体的に形成されている。
【0049】
図2Bを参照すると、第1の部分110は、任意選択で、内部空間340を囲むように構成されたベルトガード115を備える。上記のように、冷却空気の流れの一部は、内部空間340に導かれるように構成され、それによって、ベルトガード115内部空間340内の空気圧を周囲空気圧レベルよりも高くする。内部空間340は、一方の側が支持アーム(
図3Aおよび
図3Bに関連して以下で説明される)によって区切られ、他方の側がベルトガード115によって区切られ、とりわけ駆動ベルトを保護するため支持アームに係合するように配置された蓋の機能を担っている。ベルトガード115は、冷却空気の流れが内部空間から出る空気出口245を備える。この空気出口245は、ベルトガード115の内部空間340内の空気圧が周囲空気圧レベルよりも所望の量だけ上昇するような領域を有するように構成されている。
【0050】
内部空間340内の空気圧の増加は、空気の流れが、空気出口245だけでなく、すべての開口部、すなわち、亀裂などを通って内部空間340に出るであろうことを意味する。これは、水、ほこり、破片、およびスラリーが内部に入るには、この空気の流れを乗り越える必要があることを意味する。これにより、作業工具内の不要物の蓄積が少なくなる。
【0051】
内部空間340内の水は、ベルト駆動を滑らせる可能性があるため、望ましくないものである。ベルトガード115の内部空間340内の空気圧の上昇は、内部空間に入ることができる水が少なくなることを意味し、これは利点である。結果として、ベルトの要件を減らすことができ、例えば、リブの数が少ないベルトを使用することができる。
【0052】
上記のように、第1の部分110から第2の部分120に導かれる冷却空気の流れの一部160は、第1の部分110と第2の部分120との間に配置されたベローズまたは他の可撓性空気流導管170を通過し得る。
図4にこのようなベローズ10の例を詳細に示す。
【0053】
いくつかの態様によれば、ベローズ170は、DIN ISO7619-1に従ってデュロメータタイプAで測定された、ショア硬度計の値、またはショア硬度が10~70の間、好ましくは50~60の間である。
【0054】
ベローズ170は、任意選択で、ポカヨケ機能410、420を備える。このポカヨケ機能は、第1の部分110および/または第2の部分120に形成された対応する凹部に入るように構成された少なくとも1つの突起410、420を備え、それにより、ベローズが第1の部分110および第2の部分120と誤って組み立てられるのを防ぐ。
【0055】
ベローズ170はまた、任意選択で、厚みが増した少なくとも1つの縁部430、440を備える。このような各縁部は、第1の部分110または第2の部分120に形成された対応する溝に入るように構成され、それによって、マストに適合するセイルリーチと同様に、第1または第2の部分に対してベローズ170を固定する。
図5および
図6は、縁部によってそれぞれ第1の部分と第2の部分に取り付けられたベローズを概略的に示す。
【0056】
図4に示すベローズは、縁部430、440の延在方向に平行な対称面450を中心に対称な形状に構成されている。したがって、有利なことに、ベローズは、ベローズのどちら側が上を向いているかに関係なく、第1および第2の部分と組み立てることができる。すなわち、ベローズは、対称軸460を中心に180度回転し、第1および第2の部分と組み立てることができる。
【0057】
図7A~
図7Cは、バッテリー収納部がバッテリーロック機構700を備える、バッテリー収納部150の態様を概略的に示す。バッテリーロック機構は、シャフト720上で回転可能に支持されたロック部材710を備える。ロック部材は、電気エネルギー源220に形成された凹部760に入るように配置された前縁部750を備え、電気エネルギー源を所定の位置にロックし、前縁部750は、前縁部750からシャフト720の中心までの距離に対応する半径740を有する円セグメントの曲率に相当する円弧形状を有し、エネルギー源220に形成された凹部760は、前縁部750と係合するように構成された表面770を備え、表面770は、前縁部750の形状と一致する円弧形状を有する。
【0058】
このようにして、電気エネルギー源220がバッテリー収納部150に受け入れられると、ロック部材は非アクティブになり、収納部に入る際に電気エネルギー源に単に従う。電気エネルギー源220を挿入方向701に移動させることによって収納部150に挿入するこの段階は、
図7Aおよび
図7Bに概略的に示されている。次に、ロック部材710は、バッテリーがバッテリー収納部から後退することを防ぐ凹部760内にスイングする。ロック位置を
図7Cに示す。特に、前縁部750の円弧形状により、前縁部750と前縁部750と係合するように配置された表面770との間にいくらかの摩擦があったとしても、より少ない抵抗でロック機構をロック位置から回転させることができる。
【0059】
ロック部材は、ロック位置に向かってバネ付勢されて配置され、
図8および
図9に関連して以下で説明されるレバーまたは押しボタン機構によって操作可能である。
【0060】
いくつかの態様によれば、バッテリー収納部150は、電気エネルギー源をロック位置に押し込むように、すなわち、電気エネルギー源を挿入方向701の方向と反対の方向に押すように配置された少なくとも1つの弾性部材780を備える。弾性部材780は、電気エネルギー源によって圧縮されると、電気エネルギー源を押して、バッテリー収納部150からはじきだす。この押し付け力は、前縁部750と、前縁部750と係合するように配置された表面770との間の接触圧力を増大させ、それにより、電気エネルギー源に対する保持効果を向上させる。
【0061】
一例によれば、ユーザは、バッテリーを挿入方向にバッテリー収納部に挿入する。バッテリーが完全に挿入されると、バッテリーは弾性部材780に接触し、ロック部材710は、電気エネルギー源220に形成された凹部760に入り、電気エネルギー源を所定の位置にロックする。弾性部材は、バッテリーで圧縮されると、挿入方向と反対の方向に押し戻される。弾性部材からのこの押し付け力は、ロック部材の前縁部750と、前縁部750と係合するように構成された表面770との間の接触力を増大させ、バッテリーをより確実に定位置に保持する。
【0062】
弾性部材780は、任意選択で、弾性材料部材、圧縮バネ、および/または板バネのいずれかを含む。
【0063】
弾性部材708はまた、電気エネルギー源がロック機構700によって解放されると、電気エネルギー源220をバッテリー収納部150から短い距離で排出する。このように、押しボタン機構810を操作してバッテリーを解放すると、バッテリーがバッテリー収納部150から排出され、バッテリーをつかみやすく、簡単にバッテリー収納部から引き抜くことができる。
【0064】
図7Cは、そのような弾性部材780の例を概略的に示している。弾性部材は、電気エネルギー源を方向702に押し付けるが、電気エネルギー源は、ロック部材710が凹部760に係合することによってこの方向に移動することを防止される。電気エネルギー源220の反対側S1、S2の弾性部材780およびロック部材710の配置は、ねじれ運動795または回転モーメントを生成し、これは、スタックした食器棚や机の引き出しに似た方法によってバッテリーとバッテリー収納部壁との間の摩擦を増加させることによって保持効果をさらに増加させる。この保持効果のさらなる向上により、バッテリー収納部内でさらにぴったりと保持されるため、バッテリーによる振動が減少する。
【0065】
図8は、バッテリーロック機構700を含む例示的な作業工具800を示す。ロック部材710は、シャフト720上で回転可能に支持されており、回転軸820を中心に回転することができる。押しボタン機構810を使用して、作業者は、ロック部材710を回転させて、それが凹部を出るようにすることができ、それにより、バッテリーを方向702に取り外すことができる。
【0066】
いくつかの態様によれば、ロック部材710は、ロック位置に向かってバネ付勢されている。したがって、電気エネルギー源220が凹部150に挿入されると、ロック部材710がロック位置にスナップする。バネ付勢力は、電気エネルギー源をバッテリー収納部から取り外す際に、押しボタン機構810によって克服することができる。
【0067】
図9は、バッテリー収納部150のバッテリーロック機構700の詳細を示している。このバッテリーロック機構は、研磨工具、グラインダー、チェーンソー、ドリル、切断工具など、さまざまな種類の工具で使用することができる。したがって、本明細書に開示されるバッテリーロック機構は、
図1~8に関連して上記で説明した切断工具での使用に限定されない。
【0068】
図9に示されるバッテリーロック機構700は、シャフト720上で回転可能に支持され、任意選択で、上記のようにロック位置にバネ付勢されるロック部材710を備える。ロック部材は、前縁部750を有し、前縁部750は、
図7A~
図7Cに関連して上述したように、電気エネルギー源を定位置ロックするために、電気エネルギー源220に形成された凹部760に入るように構成されている。前縁部750は、前縁部750からシャフト720の中心までの距離に対応する半径740の円セグメントに対応する曲率を有する円弧形状を有し得る。エネルギー源220に形成された凹部760は、前縁部750と係合するように配置された表面770を備える。この面770は、前縁部750と一致する円弧形状を有する。特に、
図9に示されるバッテリーロック機構700は、距離によって隔てられた2つのロック部材710を備える。このロック部材の二重配置により、ロック機構700の堅牢性が向上する。
【0069】
したがって、
図7A~
図7Cに関連して説明されるように、バッテリーなどの電気エネルギー源は、挿入方向701にバッテリー収納部に、すなわち、
図9に示される収納部150に挿入することができる。ある時点で、ロック部材はロック位置に入ることができる、すなわち、凹部760に入る。この位置では、バッテリーは、挿入方向701と反対の方向702に移動することが防止される。ただし、多少ガタつく場合があり、しっかり固定できない場合がある。バッテリーロック機構を改善し、電気エネルギー源を所定の位置によりよく保持するために、圧縮バネまたはゴムブッシュなどの1つまたは複数の弾性部材780が、バッテリー収納部150および/または電気エネルギー源に配置され、電気エネルギー源が収納部に完全に挿入される際に電気エネルギー源を押し付ける。押し付け力は、前縁部750と前縁部と係合するように構成された表面770との間の接触力を増大させる。この増加した接触力は摩擦を増加させ、電気エネルギー源を所定の位置に保持しやすくする。
【0070】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つの弾性部材780およびバッテリーロック機構700は、バッテリー収納部150の反対側S1、S2に配置され、すなわち、バッテリー収納部を2つの部分に分割する平面910があり、弾性部材780は、一方の部分に含まれ、バッテリーロック機構は、他方の部分に含まれる。これは、1または複数の弾性部材が、ある方向からバッテリー源を押して、ねじれ動作795またはトルクを引き起こすことを意味する。このねじれ動作は、食器棚や机に引っ掛かる引き出しに例えることができる。電気エネルギー源は、ガタガタ音がするのを防ぎ、バッテリー収納部150によりしっかりと固定される。
【0071】
図10Aおよび
図10Bは、特殊なタイプのファン145を含む例示的な作業工具1000を示す。このファンは、ファンの回転軸も構成する電気モーター140の軸上に配置された、好ましくは円盤状であることが望ましいが必ずしもそうではない部材を備える。部材は、回転軸に垂直な面に延びており、2つの異なるタイプのファン部分を備える。第1の部分は、軸流ファンとして機能し、冷却空気201を作業工具1000を横切って横方向に押して、電気モーター140を冷却する。ファンの第2の部分は、遠心ファンとも呼ばれるラジアルファンとして機能し、ラジアルファン部分に一致するファンスクロールと連携して、冷却空気を下向きに押し込み、作業工具の第2の部分に送り込む。ファン145は、
図11に概略的に示され、ファンの例は、回転方向1130および回転軸1140が示されている
図12に示されている。
図11は、回転軸1140から「半径方向外向き」と呼ばれる方向1145も示している。
【0072】
図10Aは、いくつかの態様によれば、第1の部分110から第2の部分120への冷却空気の流れの一部160が、バッテリー収納部150内部に配置された第3の出口251を介して電気エネルギー源220に入るように構成されている工具の例を示す。この電気エネルギー源への接続は、バッテリー内のセルなどの冷却を改善することにより、冷却効率を向上させる。
【0073】
ファン145は、ファン145の周辺に、すなわち、
図11および
図12に示されるようにファンディスク境界に沿って円周方向に配置された軸流ファン部分1110と、ファン145の中央に、すなわち、
図11および
図12に示すように軸流ファン部分から半径方向内側に配置されたラジアルファン部分1120とを備える。このように、軸流ファン部分は、回転軸1140から伸長面内で半径方向外側1145に配置されている。軸流ファン部分1110は、電気モーター140を冷却するための冷却空気の流れ1330を発生させるように配置され、ラジアルファン部分1120は、電気貯蔵装置を冷却するために第1の部分110から第2の部分120への冷却空気の流れの一部160を生成するよう配置されている。
【0074】
軸流ファン、またはアキシャルファンは、ブレードが回転するシャフト、つまり回転軸に平行に空気を強制的に移動させるブレードを有する。このタイプのファンは、電子機器用の小型冷却ファンから風洞で使用される巨大ファンまで、さまざまな用途で使用されている。軸流ファンは、電気モーター140を冷却する場合のように、直線のチューブライン導管内に大きな空気の流れを生成するのに特に適している。
【0075】
ラジアルファン、または遠心ファンは、インペラの回転から供給される遠心力を使用して、空気/ガスの運動エネルギーを増加させる。インペラが回転すると、インペラ付近のガス粒子がインペラから放出され、ファンハウジングの壁に移動する。その後、ガスは、ファンスクロールによって出口に導かれる。ラジアルファンは、軸流ファンと比較して、第2の部分に入り、バッテリー収納部150に向かって通過する空気導管の場合、湾曲する狭い通路を有する圧力通過空気導管で冷却空気を押しだすのに優れている。
【0076】
いくつかの態様によれば、軸流ファンとラジアルファンは、同じモーター軸に取り付けられた別個の部品として形成される。
【0077】
ラジアルファンの半径は、電気モーターゲーブルの半径に対応する場合がある。
【0078】
ラジアルファンの半径とファンの半径の関係は、50~70パーセントのオーダーとすることができる。
【0079】
したがって、有利には、
図10~
図13に示されるファンは、効率的なモーター冷却と、第2の部分における工具部材、例えば、制御ユニットおよび電気エネルギー源の効率的な冷却の両方を提供する。これは、1つのファン部材に2種類のファンを設けることで実現される。
【0080】
図10Cは、支持面330を介して電気モーター140から熱を放散するように配置された1つまたは複数の冷却フランジ320を備える支持アームの部分のより詳細な図を示す。上記の内部空間340に空気を入れるための開口部310も見ることができる。軸流ファン部分1110は、空気をモーターを通過させてこれらの穴を通して押し出し、それによって電気モーター140を冷却する。
【0081】
ファン145は、任意選択で、
図13に例示されるファンハウジング1010に組み立てることができる。ファンハウジングは、電気モーター140を冷却するための軸流ファン部分1110からの冷却空気1330の流れを受け入れるために、回転軸1140の周辺かつ半径方向外側に配置された少なくとも1つの開口部1310を備える。ファンハウジングはまた、ハウジングの中央に配置されたファンスクロール1320を備え、ラジアルファン部分1120とインターフェースして、冷却空気の流れの一部160を第1の部分110から第2の部分120に導き、電気貯蔵装置を冷却する。
【0082】
図13はまた、
図4に示される縁部430およびポカヨケ機能410を有するベローズ170を受け入れるための溝1340および凹部1350を示している。
【0083】
図10A、
図10B、
図11、
図12、および
図13に関連して説明されたファンは、本明細書に開示されたタイプの作業工具にのみ適用可能ではない。逆に、このファンは、冷却空気の第1の流れと第2の流れが必要なあらゆるタイプの作業工具で有利に使用できる。したがって、本明細書では、手持ち式作業工具100、200、800、1000用のファン145が開示されている。ファン145は、ファンの回転軸1140に垂直な平面内に延びる。ファンは、回転軸1140に対してファン145上に中央に配置されたラジアルファン部分1120から半径方向外側145に配置された軸流ファン部分1110を備え、軸流ファン部分1110は、第1の手持ち作業工具部材を冷却する冷却空気の第1の流れを生成するように構成され、ラジアルファン部分1120は第2の手持ち作業工具部材を冷却する冷却空気の第2の流れ160を生成するように構成されている。
【0084】
任意選択で、軸流ファン部分1110は、回転軸1140を中心とする環状形状を有し、ラジアルファン部分1120は、回転軸1140を中心とする円盤形状を有する。
【0085】
図10~
図13に関連して説明したファンと、ファンハウジング1010とを備える手持ち式作業工具1000も本明細書に開示されている。ファン145は、ファンハウジング1010内に組み立てられ、ファンハウジングは、ファンハウジングの周辺に配置され、ファン145の回転軸1140から半径方向外側に配置された少なくとも1つの開口部1310を備え、第1の手持ち式作業工具を冷却するための軸流ファン部分1110からの冷却空気の第1の流れを受け取り、ファンハウジングはまた、ファンハウジングの中央に配置され、第2の手持ち式作業工具部材を冷却するための冷却空気の第2の流れ160を案内するためのラジアルファン部分とインターフェースするファンスクロール1320を備える。
【0086】
図16Aは、水ホースを取り付けたり外したりするために作業者が容易にアクセスできる後部ハンドル195の近くに好ましくは取り付けられる水ホース用の任意選択のコネクタ構成1600の詳細を示す。コネクタ構成1600は、円形切断具130から後方を向いた水ホースクイックコネクタシステム用の、ここではニップル、すなわちコネクタオス部として示されている水ホースコネクタ部1610を備える。コネクタニップル1610は、水ホースコネクタ部1610が作業工具に関連して固定的に保持されるように、ブラケット1620によって機械ハウジングに固定的に取り付けられている。また、メスの水ホースコネクタ部を同様のブラケットで作業工具に固定して取り付けることで、同じ技術的効果と利点を得ることができる。水ホース1630は、コネクタ部1610から切断具130に向かって延びる。水ホース1630は、工具100の使用中に損傷から水ホースを保護するために、工具ハウジングに少なくとも部分的に埋め込まれて配置されている。
【0087】
既知の水ホースコネクタの構成は、多くの場合、作業工具のブラケットとコネクタ部(オスまたはメスのコネクタ部)の間にホースのセグメントを備える。これは、片手で水ホースを接続および取り外しすることが難しいことを意味する。しかし、コネクタニップル1610がブラケット1620により機械ハウジングに固定して取り付けられているため、コネクタ構成1600は、操作中に片手で切断具130に水を供給するための水ホースの取り付けおよび取り外しを可能にする。コネクタ部は、アクセスしやすく動き回らない場所で機械ハウジングによってしっかりと支持されている。例えば、作業者は、前部ハンドル190によって片手で工具を持ち、もう一方の手で水ホースを接続することができる。コネクタ部1610は、Gardena(登録商標)水ホースシステムなどの市場に出回っている任意のクイックコネクタシステムとのインターフェースに適合させることができる。
【0088】
コネクタ部1610およびブラケット1620を備える水ホースコネクタ構成1600は、水の供給を必要とする任意の電動工具に実装することができ、本明細書で論じられる特定の工具に限定されない。
【0089】
図16Bおよび
図16Cは、コネクタ構成1600のより詳細な図を示している。
図16Bは、
図16Aに対応する図であり、
図16Cは、反対の観点からのコネクタ構成1600を示している。コネクタ部1610およびブラケット1620は、好ましくは一体的に形成され、すなわち、プラスチックまたは金属片などの1つの材料片から機械加工または成形される。水ホース1630を取り付けるための内部ニップル1640は、手持ち式作業工具上でのコネクタ構成の便利な組み立てのために、コネクタ部分1610の反対側に配置され得る。
【0090】
図17Aおよび
図17Bは、例示的なバッテリー収納部150の詳細を示している。バッテリーなどの電気エネルギー源は、挿入方向701にバッテリー収納部にすなわち、
図9にも示される収納部150に挿入することができる。
図17Aは、挿入方向701の反対側の図であり、
図17Bは、収納部150を挿入方向701で見た図である。例えば、
図9に関連して上で論じたロック部材710は、
図17Aおよび17Bに見ることができる。
図18A~
図18Cに関連して以下でより詳細に論じられるバッテリーは、バッテリー収納部150へのバッテリーの挿入および取り外しの両方を単純化するために、ハンドルとして形成された背面を任意選択で備える。
【0091】
ここで説明する作業工具などの頑丈な切断工具に電力を供給するためのバッテリーは、通常、非常に重いものである。したがって、バッテリーは、堅牢および信頼性の高い方法でバッテリー収納部150に保持する必要がある。この目的のために、バッテリー収納部150は、重いバッテリー、すなわち、3~7kgの間などの5kgのオーダーの重量を支持するように特別に適合されたバッテリー保持機構を備える。
【0092】
バッテリー収納部150は、上で論じたように、工具100、200のハウジングを通って横方向に延在し、ここで、バッテリーを受け入れるための容積を規定する。容積は、後壁Rwおよび前壁Fwによって区切られ、後壁Rwは、工具100の後部ハンドル195に向かって配置され、前壁Fwは、工具100の前に向かって、すなわち、切断具130に向かって配置される。底面Bsと上面Fsも容積を区切る。
図17Aおよび
図17Bの容積の例は、角が丸い長方形である。
【0093】
バッテリー保持機構は、バッテリー収納部の側壁の中央部分、より具体的には後部ハンドル195に最も近い後壁Rwに配置された支持ヒール1710を備える。ヒール1710は、伸長されており、伸長方向は、バッテリー収納部150内のバッテリーの挿入方向と整列して、バッテリー収納部を通って横方向に延びる。機械が地面支持部材280に載っている場合、支持ヒール1710は地面に平行である。また、工具100が通常の動作位置に保持されている場合、支持ヒールは地面と平行であるため、重力に逆らってバッテリーを支持する。支持ヒール1710はまた、前壁、すなわち、バッテリー収納部の前壁および/または後壁のいずれかに配置することができることが理解されるだろう。
図18A~
図18Cに例示され、以下で説明されるバッテリーは、支持ヒールに一致する対応する溝を備える。
【0094】
いくつかの態様によれば、支持ヒール1710は、機械的完全性を高めるために金属製外装を有する。すなわち、支持ヒール1710は、機械的堅牢性を高めるために任意選択で外層金属層で構築される。
【0095】
他のいくつかの態様によれば、バッテリー収納部はまた、バッテリー収納部150内でバッテリーを支持するための上部溝1720および下部溝1730を備える。溝は、バッテリーの対応する隆起構造と嵌合するように配置されており、バッテリーは、溝と嵌合する位置に挿入方向701にバッテリー収納部150内に挿入することができる。したがって、支持ヒール1710および溝1720、1730は協調して、安全かつ堅牢な方法でバッテリー収納部内にバッテリーを支持する。溝1720、1730は、バッテリーをバッテリー収納部150に挿入する際に案内する機能を有し、バッテリーをバッテリー収納部150から取り外す際の引っ掛かりを防止する。
【0096】
いくつかの態様によれば、溝1720、1730は、機械的強度を高めるために金属で覆われている。すなわち、溝は、機械的堅牢性を高めるために金属のライニング層で補強されている。
【0097】
図17Bはまた、
図7Cに関連して上で論じたように、バッテリーをロック位置に押し込むように、すなわち、電気エネルギー源を挿入方向701の方向と反対の方向に押し出すように配置された2つの弾性部材780を示す。
【0098】
挿入方向701に延びる接触ストリップ1740は、バッテリー収納部150に配置されて、バッテリーのスロットに構成された対応する電気コネクタと嵌合する。
【0099】
バッテリー収納部150に挿入するための
図18A~
図18Cに示されるようなバッテリー1800も本明細書に開示されている。バッテリー1800は、3~7kgの重量を有し、バッテリー収納部150の壁に配置された対応する支持ヒール1710と嵌合するようにバッテリーの片側に配置された溝1810を備える。溝は任意選択で、支持ヒール1710との嵌合を容易にするための初期ベベルを有する。バッテリー1800は、
図18に示すように、バッテリー収納部150の対応する溝1720、1730と嵌合するために、溝1810と比較してバッテリーの反対側に上部隆起構造1820および下部隆起構造1830をさらに備える。したがって、バッテリー1800は、
図17Aおよび17Bに関連して説明したバッテリー収納部150に挿入するように構成されている。
【0100】
溝1720、1730は、好ましくはアリ溝として形成される。
【0101】
バッテリー1800は、上で論じたように、バッテリーロック機構700のそれぞれのロック部材710を受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部760を備える。ロック部材は、弧状の前縁部750を備え、凹部760は、前縁部750と係合するように配置された表面770を含む。表面770は、前縁部750と一致する円弧形状を有する。
図18Aに示すように、細長い支持ヒール1710の両側に2つの凹部が有利に配置されている。
【0102】
図18A~
図18Cに例示されるバッテリー1800はまた、バッテリー収納部150に配置された対応する接触ストリップ1740と嵌合するように挿入方向に延びるスロットに保護されて配置された1つまたは複数の電気コネクタ1840を備える。
【0103】
任意選択で、バッテリー1800は、バッテリー1800がバッテリー収納部150に挿入される場合に挿入方向701に面する前面F1と、前面と反対の背面F2とを含み、背面は、片手で握ることができるハンドル1850として形成される。
【0104】
バッテリーはまた、バッテリー収納部150に配置された対応する接触ストリップ1740と嵌合するように挿入方向に延びるスロットに構成された電気コネクタ1840を備える。これにより、電気コネクタは、機械的衝撃から保護される。
【0105】
バッテリーの冷却を促進するために、
図18Cに見られるように、バッテリーの上側に配置された空気出口1860と流体連絡しているバッテリーの下側に配置された空気入口がある。したがって、ファン145からの空気流160は、バッテリー1800を通って導かれ、バッテリーセルをよりよく冷却することができる。
【0106】
図17および
図18に関連して説明したバッテリーおよびバッテリー収納部は、他の手持ち式工具でも使用することができる。したがって、バッテリー収納部およびバッテリーに関連して開示される機能は、本明細書で説明される工具の他の特定の機能に依存しない。
【0107】
図19は、任意選択で例えば、
図2Aおよび
図2Cに示される金属バネ210などの1つまたは複数の弾性部材と組み合わせた、1つまたは複数の減衰部材170、1910によって互いに振動的に絶縁されて配置された第1の部分110および第2の部分120を備える例示的な手持ち式電動切断工具1900を示す。
図25に関連して以下でより詳細に説明するように、第1の部分は、第1の質量M1に関連付けられ、第2の部分は第2の質量M2に関連付けられる。注目すべきは、質量M1+M2の合計に対する第2の質量M2の比率が、たとえば、同様のサイズの燃焼機関を動力源とする切断工具の通常の比率よりもはるかに大きいことである。この質量比により、第1の部分と第2の部分の防振機能が向上し、切断動作が安定し、操作時の操作性が向上する。
【0108】
本明細書で論じられるタイプの手持ち式切断工具で潜在的に発生し得る問題は、切断ディスク130が使用中にわずかに楕円形になることである。過度に楕円形の切断ディスクは切断性能を阻害し、作業者に不快感を与える可能性があるため、望ましくない状況である。楕円形の切断ディスクは、キックバックのリスクの増加と関連し、これも望ましくない。楕円形の切断ディスク130の例は、
図19の挿入
図1920に示されている。楕円形の切断ディスクは、ディスク上で測定されたディスクの「直径」D1、D2の変動に関連している。つまり、
図19のD1とD2は等しくなく、無視できない量だけ異なる。測定値D1とD2は、楕円の半短軸と半長軸の半分と見なされる場合があるが、楕円形の切断ディスクは完全に楕円形ではなく、周囲に沿って半径が不均一になることがよくある。
【0109】
楕円形の切断ディスクに関するこの問題は、切断ディスク130の回転軸で測定された、切断工具が3600~4000rpm程度未満で操作される場合など、切断ディスクの角速度ωが低い場合により顕著になる傾向がある。本明細書で論じる工具100、200、800、1000、1900などの、振動的に絶縁された第1および第2の部分を含む手持ち式電動切断工具は、楕円形の切断ディスクの問題を特に起こしやすい可能性がある。
【0110】
いくつかの態様によれば、本明細書で、特に
図19~
図22に関連して説明する手持ち式電動切断工具は、4000rpm未満、好ましくは約3200rpmの切断ディスク回転速度ωで動作するように構成されている。
【0111】
楕円形ディスクの問題の解決策は、切断ディスクの回転速度ωを、たとえば4000rpmを超える速度に単純に上げることである。しかし、このような高い切断ディスク速度は多くの理由で望ましくない。
【0112】
例えば、乾式切断の場合、すなわち、切断ゾーンに水などの流体を追加せずに、手持ち式電動切断工具でコンクリートまたは石を切断する場合、速度が速すぎる場合、切断ディスクが発生したダストを効率的に収集することは非常に困難になるため、乾式切断用途では切断ディスクの速度を下げることが望まれる。乾式切断用途に適した切断ディスク速度は、通常、約3100~3300rpm、好ましくは約3200rpmのオーダーである。これらの速度は、通常の乾式切断動作条件下での最大切断速度と見なすことができる。
【0113】
切断ディスクの速度が速いということは、切断ディスクが動作中に多くのエネルギーを蓄えることも意味する。これは、キックバック中など、ブレーキをかけて切断ディスクの速度をすばやく下げることが難しくなることを意味する。したがって、安全上の理由から、切断ディスクの速度を約3100~3300rpm、たとえば約3200rpmに制限することが望ましい場合がある。
【0114】
さらに、電動切断工具は、切断ディスクの速度が速すぎる場合、効率的な切断動作にとって十分なトルクを生成するという課題に直面する可能性がある。このため、切断ディスク速度ωを約3100~3300rpm程度にすることが好ましい場合がある。
【0115】
上記の切断ディスク速度は、工具のタイプ、切断ディスクのサイズ、電気モーターの仕様などの多くの態様に依存する単なる例であることが理解されるだろう。しかし、高い切断ディスク速度と低い切断ディスク速度の一般原則は、ほとんどの切断工具に適用される。
【0116】
減衰部材が第1の部分110と第2の部分120との間に、効率的な防振のために任意選択で金属バネとして形成された弾性部材と組み合わせて配置される場合、楕円形の切断ディスクの問題を軽減できることが認識された。これらの減衰部材は、減衰係数に関連付けられた弾力性のある材料で形成されているため、このタイプの工具で通常使用される通常のバネベースの防振要素とは異なるものである。減衰部材は、互いに振動的に隔離されて配置された第1の部分と第2の部分とを含む手持ち式電動切断工具の2つの質量の間の振動挙動を抑制する。この抑制により、低速の切断ディスクで楕円形の切断ブレードを形成する傾向が緩和される。これは、少なくとも部分的には、減衰部材がないと、特定の切断ディスク速度で動作する振動のない切断工具の2つの質量が、切断ブレードの異なるセクションに異なる切断圧力を及ぼすような振動動作を起こす可能性があるためである。つまり、切断ディスクの回転と振動運動が同期する場合がある。第1の部分110および第2の部分120を含むシステムがこのタイプの振動状態に入ると、楕円形の切断ディスクが生じる可能性がある。
【0117】
現代の燃焼機関を動力源とする切断工具は、原則として、モーターと切断ディスク部分、およびハンドルのある部分との間の振動を抑制するために、金属バネの形の弾性部材を備えている。しかし、これらのバネは、ある質量の別の質量に対する振動挙動を抑制するという意味では、減衰部材ではない。2つの質量間の相対的な調和運動は、バネで接続された2つの質量の動作で近似でき、復元力はフックの法則に従い、平衡位置からの2つの質量の変位に正比例する。単振動に従うシステムは、単振動振動子と呼ばれる。この種の振動挙動は、システムに減衰効果を追加することで軽減できる。これは、減衰係数に関連付けられた減衰部材(多くの場合cで示される)または他方の部分に関係する一方の部分のストローク長を制限する構成を追加することで実現できる。減衰比は、ある「バウンス」から次の「バウンス」への振動の減衰の速さを表す指標である。減衰比は、非減衰(ζ=0)、低減衰(ζ<1)から臨界減衰(ζ=1)、過減衰(ζ>1)までさまざまである。質量バネシステムへの減衰部材の追加は、減衰比に影響を与える。
【0118】
図19は、
図1も参照して、互いに振動的に隔離されて配置された第1の部分110および第2の部分120を含む手持ち式の電動切断工具1900を示している。第1の部分110は、切断ディスク130(
図19の挿入
図1920に示されている)を支持するように配置されたアーム116と、切断ディスクを駆動するように配置された電気モーター140とを備える。第2の部分120は、切断工具を操作するための前部ハンドル190および後部ハンドル195と、電気モーター140に電力を供給するように構成されたバッテリーなどの電気貯蔵装置220、1800を保持するためのバッテリー収納部150とを備える。このバッテリーの例は、
図18A~
図18Cに関連して上記で説明されている。
【0119】
特に、1つまたは複数の減衰部材170、1910は、第1の部分110と第2の部分120との間に配置され、少なくとも1つの減衰部材170、1910は、減衰係数に関連する弾性材料で形成される。
【0120】
減衰部材は、第1の部分110に対する第2の部分120の振動を抑制または妨害するように配置されている。こうすることで、楕円形の切断ディスクになってしまうリスクが軽減される。
【0121】
態様によれば、少なくとも1つの減衰部材170、1910は、ゴム、弾力性のあるプラスチック材料、独立気泡発泡体、または弾力性のある合成樹脂でできている。これらの減衰部材に共通するのは、第1の部分110と第2の部分120を含む機械システムの共振方程式に減衰係数を導入することである。この減衰係数は、第2の部分に対する第1の部分の振動挙動を効果的に抑制する。例えば、独立気泡発泡体のカラーは、
図1に示される可撓性空気流導管170の周りに配置され得るか、または独立気泡発泡体のカラーは、可撓性空気流導管170を構成することさえできる。
【0122】
好ましくは、金属バネは、部品を互いに振動的に絶縁することになるとより効果的であるため、第1の部分110はまた、少なくとも1つの減衰部材170に加えて、1つまたは複数の弾性要素210によって第2の部分120から振動的に絶縁される。ここで、1つまたは複数の弾性要素210は、少なくとも1つの金属バネを含む。したがって、金属バネと弾性材料の減衰部材の組み合わせは、効率的な振動絶縁と、切断工具の操作中に楕円形の切断ディスクになるリスクの低減の両方を提供する。
【0123】
図19は、互いに独立して、または組み合わせて使用できる2種類の減衰部材の例を示す。また、本教示は、第1の部分と第2の部分との間の他の場所に適用される他のタイプの減衰部材を包含することも理解されたい。例えば、間とは、第1の部分と第2の部分の両方に取り付けられているが、第1の部分と第2の部分との間に形成されたスロット1930の外側に延びる減衰部材を包含すると解釈することもできる。
【0124】
図20は、2つの減衰部材1910、1920の例を示す。第1の減衰部材170は、第1の部分110と第2の部分120との間に配置されたベローズ2100(
図21により詳細に示される)または他の可撓性空気流導管と統合される。このベローズまたは可撓性空気流導管は、所望の減衰比を提供するために上記のような減衰係数を提供し、また、第2の部分120に対する第1の部分110の相対運動に関連するストローク長を制限するように作用する。第1の部分110が、
図21に示すように、方向Cで第2の部分120に向かって移動すると、ベローズ2100の2つ以上の側など、ベローズの少なくとも1つの側に配置された補強要素1920は、ベローズの圧縮を制限し、それにより、振動運動のストローク長が制限され、振動動作が妨げられる。
【0125】
第1の部分および第2の部分を備える減衰質量バネシステムの所望の減衰比を得るために、ベローズのショア硬度に関連する圧縮率は、補強要素1920で使用する材料のタイプを選択することによって、または要素およびベローズで使用される材料の厚さを寸法決定することにより調整することができる。圧縮率は、
図21に示すように、補強要素1920に1つまたは複数のキャビティ1930を配置することによっても調整することができる。態様によれば、ベローズ2100は、第1の部分110と第2の部分120との間に配置され、ベローズ2100は、DIN ISO 7619-1に準拠したデュロメータタイプAで測定された50~100の間、好ましくは65~90の間のショア硬度値、またはショア硬度に関連付けられる。したがって、振動を抑制するために質量バネシステムに減衰係数を導入するか、振動を妨げるためにストローク長の制限を導入するか、またはその両方を行うことによって、
図4および/または
図21に示すようなベローズのショア硬度および材料の厚さを調整して、手持ち式の電動切断工具の楕円形の切断ディスクの発生を軽減できることが理解されるだろう。
【0126】
別の例によれば、
図20にも示されるように、少なくとも1つの減衰部材1910は、第1の部分110または第2の部分120の一方に固定的に取り付けられ、第1の部分110または第2の部分120の他方から離れて配置される。したがって、少なくとも1つの減衰部材1910は、第2の部分120に対する第1の部分110の相対運動に関連するストローク長を制限するように配置されている。この減衰部材は、
図21に関連して前述した補強要素1920と同様の機能を有する。これは、第1の部分と第2の部分との間の振動運動のストローク長を制限するように配置され、したがって、第2の部分120に対する第1の部分110の振動挙動を妨げる。減衰部材1910の詳細図を
図22に示す。この例によれば、それは、単一の弾性材料に一体的に形成され、第1の部分110または第2の部分120の本体に取り付けられている。
【0127】
あるいは、減衰部材1910または他のいくつかの弾性要素を、第1の部分110および第2の部分120の両方に取り付けて、部品間に弾性ブリッジを形成することができる。減衰部材は減衰係数に関連しているため、減衰質量バネシステムの減衰比は、このような減衰部材の追加によって影響を受け、楕円形の切断ディスクの傾向を軽減することができる。
【0128】
楕円形の切断ディスクになるリスクなしに維持できる低速の切断ディスクにより、電気キックバック保護機構を有利に実装することができる。これは、電気モーター140による制動に基づくキックバック保護機構が、非常に高い切断ディスク速度では効果がない可能性があるためである。このように、いくつかの態様によれば、電気モーター140は、モーター制御インターフェースを介して切断工具の制御ユニットによって制御されるように構成されている。制御ユニットは、切断ディスク130の角速度を示すデータを取得し、角速度の低下に基づいてキックバック状態を検出するように構成されている。制御ユニットはまた、キックバック状態の検出に応答して電気モーター140の電磁ブレーキを制御するように構成されている。
【0129】
かなりの工具慣性に関連する強力な切断工具にも適しており、十分に速く応答し、十分なブレーキ力を有するキックバック軽減機能を提供するために、回転可能な切断ディスク130によってコンクリートおよび石を切削するための手持ち式電動遮断工具が本明細書に開示される。切断工具は、モーター制御インターフェースを介して制御ユニットによって制御されるように配置された電気モーター140を備える。制御ユニットは、切断ディスク130の角速度を示すデータを取得し、角速度の低下に基づいてキックバック状態を検出するように構成されている。制御ユニットはまた、キックバック状態の検出に応答して電気モーター140の電磁ブレーキを制御するように、また任意選択で、電磁ブレーキ中に制御インターフェースを介して電気モーターからのエネルギー取出しを能動的に調整するように構成される。
【0130】
検出機構は、切断ディスク130の角速度を監視することに基づいている。電動ローター角度や切断ディスク角度の大幅な遅延など、急激な速度低下が見られる場合は、キックバック状態が検出される。制御ユニットがキックバックイベントを検出した直後に、キックバックイベントの影響を軽減するために電気モーターが強制的に制動される。このブレーキングは、切断工具の電気部品に損傷を与えることなく強力なブレーキ力を提供するために、電気モーターからのエネルギー放出を能動的に制御する。このブレーキングは、切断ディスクが3500rpm未満の速度、たとえば3200rpmで動作するという事実によって促進され、これは、減衰部材の存在によって可能になる。
【0131】
切断ディスクのキックバック検出とブレーキングは、処理対象物から離れる前にブレードを停止させるほど高速であることがよくある。キックバック動作が発生しても、切断ディスク130から機械本体に伝達されるエネルギーは、キックバックイベントの悪影響を軽減するレベルまで低減される。特に、多くの先行技術文書のように、電気モーターが電源から切り離されているだけではない。むしろ、電気モーターからのエネルギーの取り込みは、キックバックイベントを停止するのに十分な強力なブレーキ動作を提供するように積極的に調整される。
【0132】
図1も参照して、
図23は、冷却空気の流れ160を生成するために電気モーター140によって駆動されるように構成されたファン145と、電気モーター140に電力を供給するように構成された、バッテリーなどの電気貯蔵装置220、1800を備える手持ち式電動切断工具2300を示す。冷却空気導管は、バッテリー収納部150の壁に形成された出口開口部1750(例えば、
図17Bに見られる)に向けて冷却空気の流れ160を案内するように配置されている。出口開口部1750は、冷却空気を受け取り、それによって電気貯蔵装置220、1800内に大気圧を超える空気圧を生成するために、電気貯蔵装置220、1800の筐体内に形成された対応する入口開口部1870に面している。冷却流をより概略的に示す
図24を参照すると、第1のスロットセクションSs1は、電気貯蔵装置220の出口開口部1750と入口開口部1870との間の距離によって形成され、その結果、冷却空気の流れ160の第1の部分2415は、第1のスロットセクションSs1を介して切断工具の外部に漏れ出す。
【0133】
冷却空気の流れ160のこの第1の部分2415は、第1のスロットセクション内に空気圧を生成し、電気貯蔵装置220と収納部壁との間のスロットに入る汚れおよびスラリーは、この空気圧を克服しなければならない。これにより、汚れやスラリーがスロットに侵入するのを防ぎ、バッテリー収納部を清潔に保つことができるという利点がある。ほこりやスラリーがたまらない清潔なバッテリー収納部により、電気貯蔵装置220の工具への出し入れが簡単になる。
【0134】
冷却空気の流れの第1の部分2415は、電気貯蔵装置220、1800に入る冷却空気の一般的な流れ160に対して横方向に向けられる。さらに、切断工具の両側、つまりバッテリー収納部の貫通孔の両側から漏れる可能性がある。
【0135】
一例によれば、第1のスロットセクションSs1は、電気貯蔵装置220を収納部に案内するガイド手段によって片側が区切られている。第1のスロットセクションSs1はまた、支持ヒール1710によって区切られ得る。しかし、スロットセクションSs1、Ss2、Ss3は、相互に接続したり、他の区切りで区切ったりすることができる。
【0136】
態様によれば、電気貯蔵装置220、1800およびバッテリー収納部150の壁との間の距離は、0.5mmから2.0mmの間であり、好ましくは約1.0mmである。この距離は、電気貯蔵装置220の周囲で異なる場合がある。
【0137】
電気貯蔵装置220、1800は、バッテリー収納部150に配置された対応する接触ストリップ1740と嵌合するように配置された1つまたは複数の電気コネクタ1840をさらに備えることができる。これらの電気コネクタの例は、
図18Cでより明確に示されている。電気貯蔵装置220、1800の筐体内の開口部は、電気コネクタ1840に関連して形成され、冷却空気の流れの第2の部分2425が、開口部を通り、電気貯蔵装置220、1800とバッテリー収納部150の壁との間に形成された第2のスロットセクションSs2を介して切断工具の外部に漏れ出す。したがって、バッテリハウジングは電気コネクタ1840の周りで密閉されていないので、電気貯蔵装置220内の冷却空気の過圧は、電気コネクタを介して出て第2のスロットセクションを通過する空気の流れを生成する。繰り返しになるが、スロットに入ろうとする汚れやスラリーは、スロットを介して機械を出るこの空気の流れを克服する必要がある。切断操作によって生成されたダストとスラリーのより拡散した動きに比べて、漏れがかなりの流れであるため、このようなことは起こることは少ない。したがって、電気コネクタは、動作中に清潔に保たれ、スラリーがない。これは、特に、コネクタおよびガイド手段が清潔である場合、電気貯蔵装置220の挿入および取り外しがより容易になるという利点である。第2のスロットセクションSs2は、例えば、
図18Cに示される上部隆起構造1820および下部隆起構造1830によって区切られ得る。
【0138】
最後に、空気出口1860もまた、入口開口部1870の反対側の電気貯蔵装置の筐体内に形成されて、冷却空気が電気貯蔵装置を通って流れるための通路を形成することができる。第3のスロットセクションSs3は、空気出口1860とバッテリー収納部150の壁との間の距離によって形成されて、冷却空気の流れ160の第3の部分2435が第3のスロットセクションSs3を介して切断工具の外部に漏れることができる。この第3のスロットセクションはまた、冷却空気がスロットを介して漏れ出すための通路を提供し、それにより、電気貯蔵装置220の上部とバッテリー収納部壁との間の空間を清潔に保ち、ほこりやスラリーがないようにする。
【0139】
図25は、
図1~
図24に関連して上記で説明した切断工具などの作業工具の質量分布を概略的に示す。より効率的な切断操作を実現すると同時に、機械からハンドルを介して作業者に伝わる振動による作業者の不快感を軽減するために、互いに振動的に分離されて配置された第1の部分と第2の部分を備える手持ち式電動切断工具の部品間の重量配分を最適化できることがわかった。
【0140】
除振されたガソリン燃料の切断工具、すなわち、燃焼機関を動力源とする工具が知られている。しかし、これらの既知の工具は、ハンドル部分と、燃焼機関および切断ディスクを構成する部分との間の重量配分が最適ではない。一部の既知のガソリン燃料の切断機械は、モーターとアーム部分の重量が約7550gであるのに対して、ハンドル部分の重量は燃料タンクが空の状態で約2600g、満タンの状態で約3500gとなっており、空の状態で2600g/10150g(約0.25)、満タンの状態で3500g/11050g(約0.32)という比率になっている。満タンでの比率は、バッテリー(質量M3)を質量M2に取り付けた場合、つまりM2+M3と比較でき、空のタンクの場合は、バッテリーがない場合、つまりM2のみと比較することができる。
【0141】
ハンドルのある部品、つまり
図25の質量M2とM3が、上記の減衰要素と弾性要素を介して伝播する振動に耐えるのに十分な重量である場合は、利点がある。しかし、切断ブレードのある部分、つまり質量M1とM4は、工具のバランスが崩れるため、ハンドル部分に対して軽すぎることはない。
【0142】
広範な実験およびコンピュータ分析により、第1および第2の質量M1+M2の合計に対する第2の質量M2の比は、好ましくは少なくとも0.3、好ましくは0.35を超える、すなわち第2の質量は、切断ディスクと電気貯蔵装置が取り付けられていない切断工具の総質量のかなりの部分を占める必要があることが見出された。比率M2/(M1+M2)は、たとえば、12インチブレードデバイスの場合は、約0.38、14インチブレードデバイスの場合は約0.37になる。しかし、第2の質量M2は、第1の質量に対して大きすぎないようにする必要がある。したがって、第1および第2の質量M1+M2の合計に対する第2の質量M2の比は、好ましくは約0.5未満、好ましくは約0.6未満であるべきである。
【0143】
第1および第4の質量(M1+M4)の合計に対する第2および第3の質量(すなわち、M2+M3)の合計の比は、少なくとも0.6、好ましくは0.8より大きく、さらにより好ましくは1.0より大きくするべきこともまた見出された。これらの比率は、優れた防振能力を備えたバランスの取れた工具を提供する。
【0144】
また、電気エネルギー貯蔵と切断ディスクを含むデバイス全体の重量の合計(すなわち、M1+M2+M3+M4)に対する第2および第3の質量の合計(M2+M3)の比率は、少なくとも0.45、できれば0.5より大きくする必要があることも見出した。この比率は、優れた防振特性を備えた安定した工具を提供する。
【0145】
要約すると、本明細書では、互いに振動的に隔離されて配置された第1の部分110および第2の部分120を含む、手持ち式の電動切断工具100、200、800、1000、1900、2500が開示され、
第1の部分110は、切断具130を保持するためのインターフェース2510と、切断具を駆動するように構成された電気モーター140とを備え、第1の部分は、第1の質量M1に関連付けられ、
第2の部分120は、電気モーター140に電力を供給するように構成された電気貯蔵装置220を保持するためのバッテリー収納部150と、切断工具を操作するための前部ハンドル190および後部ハンドル195とを備え、第2の部分は、第2の質量M2に関連付けられ、ここで、第1および第2の質量の合計M1+M2に対する第2の質量M2の比は、少なくとも0.3、好ましくは0.35を超える。
【0146】
互いに振動的に隔離されて配置された第1の部分110および第2の部分120、切断具130および電気貯蔵装置220を備える手持ち式の電動切断工具100、200、800、1000、1900、2500が開示され、
第1の部分110は、切断具130を保持するためのインターフェース2510と、切断具を駆動するように構成された電気モーター140とを備え、第1の部分は、第1の質量M1に関連付けられ、切断具は、第4の質量M4に関連付けられ、
第2の部分120は、電気モーター140に電力を供給するように構成された電気貯蔵装置220を保持するためのバッテリー収納部150と、切断工具を操作するための前部ハンドル190および後部ハンドル195とを備え、第2の部分は、第2の質量M2に関連付けられ、電気貯蔵装置220は、第3の質量M3に関連付けられ、
第1および第4の質量の合計M1+M4に対する第2および第3の質量の合計M2+M3の比は、少なくとも0.6、好ましくは0.8を超え、さらにより好ましくは1.0を超える。
【0147】
さらに、互いに振動的に隔離されて配置された第1の部分110および第2の部分120、切断具130および電気貯蔵装置220を備える手持ち式の電動切断工具100、200、800、1000、1900、2500が開示され、
第1の部分110は、切断具130を保持するためのインターフェース2510と、切断具を駆動するように構成された電気モーター140とを備え、第1の部分は、第1の質量M1に関連付けられ、切断具は、第4の質量M4に関連付けられ、
第2の部分120は、電気モーター140に電力を供給するように構成された電気貯蔵装置220を保持するためのバッテリー収納部150と、切断工具を操作するための前部ハンドル190および後部ハンドル195とを備え、第2の部分は、第2の質量M2に関連付けられ、電気貯蔵装置220は、第3の質量M3に関連付けられ、
電気エネルギー貯蔵および切断ディスクを含む装置全体の重量の合計(M1+M2+M3+M4)に対する第2および第3の質量の合計(M2+M3)の比は、少なくとも0.45であり、好ましくは0.5より大きい。
【0148】
以下の表は、本明細書で論じられる手持ち式の電動切断工具と一緒に有利に使用され得る例示的な重量分布を提供する。2つの異なるサイズのバッテリーの例が表に含まれ、大きなバッテリーの重量は約5100g(M32と表示)で、小さなバッテリーの重量は約3000g(M31と表示)である。
【0149】
【符号の説明】
【0150】
100,200,800,1000,1900 手持ち式電動切断工具
110 第1の部分
115 ベルトガード
116 アーム
120 第2の部分
130 円形切断具
140 電気モーター
141 モーターハウジング
145 ファン
150 バッテリー収納部
160 冷却空気の一部
170 ベローズ,可撓性空気流導管
180 冷却フランジ
190 前部ハンドル
195 後部ハンドル
210 弾性部材
220 電気貯蔵装置
240 支持アーム
245,250,251 空気出口
260 切断具インターフェース
270 ホルダー
280 地面支持部材
310 開口部
320 冷却フランジ
330 支持面
335 ボルト穴
340 内部空間
350 円筒形状壁
410,420 ポカヨケ機能,突起
701 挿入方向
708 弾性部材
710 ロック部材
750 前縁部
760 凹部
770 表面
780 弾性部材
1010 ファンハウジング
1110 軸流ファン部分
1120 ラジアルファン部分
1320 ファンスクロール
1600 コネクタ構成
1610 コネクタ部
1620 ブラケット
1630 水ホース
1710 支持ヒール
1720 上部溝
1730 下部溝
1740 接触ストリップ
1800 電気貯蔵装置,バッテリー
1820 上部隆起構造
1830 下部隆起構造
1840 電気コネクタ
1850 ハンドル
1910,1920 減衰部材
【国際調査報告】